(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-505281(P2020-505281A)
(43)【公表日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】タバコ産業製品用ラッパー
(51)【国際特許分類】
B65D 85/10 20060101AFI20200124BHJP
B65D 75/58 20060101ALI20200124BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D75/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-539804(P2019-539804)
(86)(22)【出願日】2018年1月18日
(85)【翻訳文提出日】2019年7月24日
(86)【国際出願番号】GB2018050139
(87)【国際公開番号】WO2018134593
(87)【国際公開日】20180726
(31)【優先権主張番号】1701096.8
(32)【優先日】2017年1月23日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
【テーマコード(参考)】
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3E067AA14
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3E068DE15
3E068EE32
(57)【要約】
一群のタバコ産業製品用ラッパーが開示されている。本発明のラッパーは、バリアー材(3)と、タブを形成するためにバリアー材に設けられた切り込み線(9)とを含み、タブは引っ張られて切り込み線の端部から裂け目が広がって取り出し開口部(19)を形成するように配置されている。バリアー材は、前記切り込み線の幅より広く、前記切り込み線の端部から伝搬する裂け目の方向を制御するために前記切り込み線の端部を横断する方向に延びた脆弱化された領域(20)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリアー材と、
タブを形成するためにバリアー材に設けられた切り込み線とを含み、タブは引っ張られて、切り込み線の端部から裂け目が広がって取り出し開口部を形成するように配置され、
バリアー材は、前記切り込み線の幅より広く、前記切り込み線の端部から伝搬する裂け目の方向を制御するために前記切り込み線の端部を横断する方向に延びた脆弱化された領域を含む一群のタバコ産業製品用ラッパー。
【請求項2】
脆弱化された領域は、切り込み線の端部から伝搬する裂け目を案内するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のラッパー。
【請求項3】
バリアー材は、主要面と、この主要面から折り曲げ線によって隔てられた端面とを含み、切り込み線は、タブを引っ張った際に裂け目が主要面において切り込み線の端部から前記主要面と前記端面との間の前記折り曲げ線の方へと伝搬するように前記主要面に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のラッパー。
【請求項4】
脆弱化された領域は、主要面から折り曲げ線を越えて端部面に延びることを特徴とする請求項3記載のラッパー。
【請求項5】
脆弱化された領域は、前記切り込み線の端部から端面へと離れるように延びたバリアー材にある複数の平行な脆弱化された線を含み、前記脆弱化された線は裂け目を案内する伝搬経路に平行であり、裂け目を案内する伝搬経路は、切り込み線の端部から端面へと延びた最も短い経路として画定されていることを特徴とする請求項3または4記載のラッパー。
【請求項6】
切り込み線は脆弱化された線の間を延びていることを特徴とする請求項5記載のラッパー。
【請求項7】
脆弱化された線は、切り込み線の端部から裂け目を案内する伝搬経路の方向に離れて位置することを特徴とする請求項5記載のラッパー。
【請求項8】
前記平行な脆弱化された線の内の1つは、前記裂け目を案内する伝搬経路に沿って延びていることを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載のラッパー。
【請求項9】
脆弱化された領域は、切り込み線の端部から裂け目を案内する伝搬経路の方へと伝搬する裂け目を再度案内するように構成されており、裂け目を案内する伝搬経路は、切り込み線の端部から前記主要面と前記端面との間の折り曲げ線へと延びた最も短い経路として画定されていることを特徴とする請求項3または4記載のラッパー。
【請求項10】
脆弱化された領域は、互いに合流する第1および第2の脆弱化線を含み、前記第1および第2の合流する脆弱化線は、前記裂け目を案内する伝搬経路上で交わることを特徴とする請求項9記載のラッパー。
【請求項11】
切り込み線の端部は、前記第1および第2の合流する脆弱化線の間を延びていることを特徴とする請求項10記載のラッパー。
【請求項12】
第3の脆弱化線が前記裂け目を案内する伝搬経路に沿って前記第1および第2の脆弱化線が交わるところから延びていることを特徴とする請求項10または11記載のラッパー。
【請求項13】
脆弱化された線は、バリアー材の厚みを貫通せずに延びた刻み目線であることを特徴とする請求項5乃至8、請求項10または11いずれか1項記載のラッパー。
【請求項14】
脆弱化された線は、レーザーによって切断された刻み目線であることを特徴とする請求項13記載のラッパー。
【請求項15】
刻み目線は、好ましくはバリアー材の厚みを貫通して延びていることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のラッパー。
【請求項16】
切り込み線に亘って延びたカバーフラップをバリアー材上に含み、このカバーフラップは、カバーフラップを持ち上げることによりタブを引っ張り、裂け目を切り込み線の端部から伝搬するようにバリアー材に接着されていることを特徴とする請求項3乃至15いずれか1項記載のラッパー。
【請求項17】
切り込み線を越えて延びたカバーフラップの少なくとも周辺領域は、引き剥がし可能な粘着剤によってバリアー材に接着されていることを特徴とする請求項16記載のラッパー。
【請求項18】
カバーフラップはバリアー材の外面に接着され、前記脆弱化された領域はこの外面に形成されていることを特徴とする請求項16または17記載のラッパー。
【請求項19】
カバーフラップはバリアー材の外面に接着され、脆弱化された領域は内面に形成されていることを特徴とする請求項16または17記載のラッパー。
【請求項20】
一群のタバコ産業製品に巻かれた請求項1乃至19いずれか1項記載のラッパーを含む束。
【請求項21】
請求項20記載の束と基部および底部にヒンジ式に取り付けられる蓋を有し、束が基部に収容される容器とを含むタバコ産業製品パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一群のタバコ産業製品用ラッパー、特に紙巻きタバコなどの喫煙品を梱包するためのラッパーに関するが、これに限定されない。また本発明は、本発明によるラッパーを含む束およびその束を含むタバコ産業製品パックに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコパッケージは、紙巻きタバコの包装された束に設けられた再封止可能ラベルを有することが知られている。ラベルを引っ張ることで束から紙巻きタバコを取り出すための取り出し開口部を露出させる。このラベルは粘着剤の領域を含み、これは最初に開封した後、取り出し開口部を閉じるために元の位置に戻すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの実施態様では一群のタバコ産業製品用ラッパーが提供され、これは、
バリアー材と、
タブを形成するためにバリアー材に設けられた切り込み線とを含み、タブは引っ張られて、切り込み線の端部から裂け目が広がって取り出し開口部を形成するように配置され、
バリアー材は、前記切り込み線の幅より広く、前記切り込み線の端部から伝搬する裂け目の方向を制御するために前記切り込み線の端部を横断する方向に延びた脆弱化された領域を含む。
【0004】
脆弱化された領域は、好ましくは切り込み線の端部から伝搬する裂け目を案内するように構成されている。
【0005】
バリアー材は、主要面と、この主要面から折り曲げ線によって隔てられた端面とを含んでもよい。切り込み線は、タブを引っ張った際に裂け目が主要面において切り込み線の端部から前記主要面と前記端面との間の前記折り曲げ線の方へと伝搬するように前記主要面に形成してもよい。
【0006】
脆弱化された領域は、主要面から折り曲げ線を越えて端部面に延びるのが好ましい。
【0007】
脆弱化された領域は、前記切り込み線の端部から端面へと離れるように延びたバリアー材にある複数の平行な脆弱化された線を含んでもよく、前記脆弱化された線は裂け目を案内する伝搬経路に平行であり、裂け目を案内する伝搬経路は、切り込み線の端部から端面へと延びた最も短い経路として画定されている。
【0008】
切り込み線は脆弱化された線の間を延びてもよい。
【0009】
別の実施態様では脆弱化された線は、切り込み線の端部から裂け目を案内する伝搬経路の方向に離れて位置してもよい。
【0010】
平行な脆弱化された線を採用するあらゆる実施態様では前記平行な脆弱化された線の内の1つは、前記裂け目を案内する伝搬経路に沿って延びてもよい。
【0011】
別の実施態様では脆弱化された領域は、切り込み線の端部から裂け目を案内する伝搬経路の方へと伝搬する裂け目を再度案内するように構成されている。
【0012】
この実施態様では脆弱化された領域は、互いに合流する第1および第2の脆弱化線を含んでもよく、前記第1および第2の合流する脆弱化線は、前記裂け目を案内する伝搬経路上で交わる。
【0013】
一部の実施態様では切り込み線の端部は、前記第1および第2の合流する脆弱化線の間を延びている。
【0014】
第3の脆弱化線が前記裂け目を案内する伝搬経路に沿って前記第1および第2の脆弱化線が交わるところから延びているのが好ましい。
【0015】
好ましい実施態様では脆弱化された線は、バリアー材の厚みを貫通せずに延びた刻み目線である。最も好ましくは脆弱化された線は、レーザーによって切断された刻み目線である。
【0016】
刻み目線は、好ましくはバリアー材の厚みを貫通して延びている。
【0017】
好ましい実施態様では切り込み線に亘って延びたカバーフラプラグがバリアー材上にあり、このカバーフラップは、カバーフラップを持ち上げることによりタブを引っ張り、裂け目を切り込み線の端部から伝搬するようにバリアー材に接着されている。
【0018】
好ましくは切り込み線を越えて延びたカバーフラップの少なくとも周辺領域は、引き剥がし可能な粘着剤によってバリアー材に接着されている。
【0019】
カバーフラップはバリアー材の脆弱化された領域が形成されている外面に接着してもよい。これとは別に脆弱化された領域は、内面、即ち喫煙品の方に向いたバリアー材の表面に形成してもよい。
【0020】
本発明の別の態様では、一群のタバコ産業製品に巻かれた本発明のラッパーを含む束が提供される。
【0021】
本発明の別の態様では、本発明の束と基部および底部にヒンジ式に取り付けられる蓋を有し、束が基部に収容される容器とを含むタバコ産業製品パックが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施態様を添付図面を参照し、あくまで例示として以下に説明する。
【
図1】ラベルが閉じた位置にあるタバコ産業製品の包装された束の斜視図である。
【
図2】接着ラベルが開いた位置にある
図1の包装された束の斜視図である。
【
図3A】本発明の第1の実施態様による
図1および2のバリアー材に形成された刻み目線を脆弱化された領域と共に示す。
【
図3C】包装された束の主要面の刻み目線の端部の下を脆弱化された領域が延びている
図3Aの変形実施態様を示す。
【
図3D】脆弱化された領域が刻み目線の端部の下を延び、裂け目を案内する伝搬経路にある刻み目線が刻み目線の端部から延びている
図3Bの変形実施態様を示す。
【
図4】
図1および2のバリアー層に形成された切り込み線を本発明の第2の実施態様による脆弱化された領域と共に示す。
【
図5】タバコ産業製品の包装された束用の内方フレームを示す。
【
図6】本発明の実施態様によるタバコ産業製品の包装された束の製造方法を示す略図である。
【
図7】フィンシールを有する本発明の実施態様によるタバコ産業製品の包装された束を示す。
【
図8】本発明の実施態様によるタバコ産業製品の包装された束の別の製造方法を示す略図である。
【
図9】上記いずれかの図のタバコ産業製品の包装された束を含むパックを示す。
【
図10】バリアー材の一部が蓋に取り付けられた本発明の実施態様によるタバコ産業製品の包装された束を含むパックの第1の例を示す。
【
図11】バリアー材の一部が蓋に取り付けられた本発明の実施態様によるタバコ産業製品の包装された束を含むパックの第2の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、例えば喫煙品などのタバコ産業製品の包装された束1を示す。この例ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ2である。
【0024】
包装された束1は、一群の紙巻きタバコ2、例えば図示のように20本の紙巻きタバコを包む柔軟で引き裂き可能なバリアー材3を含む。包装された束1の全体形状が実質的に直方体または平行6面体形状になるように紙巻きタバコ2は配列される。
【0025】
バリアー材3は、主要面4と、背面5と、対向する側面6、7と、上端面8とを含む。添付図面に示す包装された束1は、方形の縁部を有するが、当然のことながら縁部は丸められても面取りされてもよい。
【0026】
図1に示すように主要面4には開始切断部9が設けられている。主要面4は、「U」字状に少なくとも部分的に切れ込みが入れられている。開始切断部9は、対向する側面6、7の間の方向に主要面を横断して延びた第1または中央切り込み線10と、バリアー材3の上端面8の方へと延びる長手方向に第1切り込み線10の両端から短い距離を延びる第2および第3切り込み線11、12とを含む。開始切断部9は、第1、第2および第3切断部10、11、12によって形成されたタブ13を画定する。
【0027】
開始切断部9は他の形状であってもよい。例えば、開始切断部9は湾曲形状を含んでもよく、あるいは湾曲形状によって形成されてもよい。
【0028】
接着ラベル14がバリアー層3に接着され、開始切断部9を覆い、密封するようになっている。
【0029】
図1に示す接着ラベル14は、バリアー材3の主要面からバリアー材の先端縁15を越えて上端面8上に延びている。また接着ラベル14は、
図1に示すように後端縁16を越えてバリアー材3の背面5上に延びてもよい。
【0030】
また
図1に示すように接着ラベル14は、プルタブ17を含む。ユーザーがプルタブ17を主要面4から離れる方向に引っ張ると、接着ラベル14が前面4を引き剥がし、開始切断部9によって形成されたタブ13をたぐり寄せる。
【0031】
プルタブ17を引っ張ることに応じてタブ13が引っ張られると、裂け目が第2および第3切断部11、12それぞれの端部11a、12aから始まって、主要面4のバリアー材3を通って伝搬する。理想的には裂け目は、第2および第3切断部の直線状の延長部である裂け目を案内する伝搬経路18に沿ってバリアー材の上端面8の方へと伝搬する。裂け目を案内する伝搬経路18は、第2および第3切断部それぞれの端部11a、12aと主要面4と上端面8との間の先端縁15との間の主要面4における最短ルートを表す。特に力がプルタブ17に加えられると、裂け目はバリアー材3の主要面4で伝搬し、先端縁15を越えて端面8を横断して伝搬する。先端縁15は主要面4と端面8の間の折り曲げ線によって形成されている。
【0032】
接着ラベル14の構成および範囲並びにユーザーがプルタブ17を引っ張る度合いに応じて、裂け目は端面8のある1つのポイント、後端縁16、または後端縁16を越えて包装された束1の背面5へと伝搬してもよい。
【0033】
上述のように接着ラベル14に引張り力を加え、その後バリアー材3を裂くことで
図2に示すように取り出し開口部19が形成される。取り出し開口部19は、主要面4から先端縁15を越えてバリアー材3の端面9内に延びている。接着ラベル14が
図2に示す位置にあるとき、紙巻きタバコ2は包装された束1から取り出し開口部19を介して取り出すことができる。
【0034】
別の実施態様では開始切断部9は、上述のような完全な切断部ではなく、脆弱化された線を含む。このようにするとプルタブ17に引張り力を加えることで脆弱化された線が裂かれ、開始切断部を形成し、ここからバリアー材3が取り出し開口部19を形成するために破れる。
【0035】
前述の通り主要面4の裂け目を案内する伝搬経路18は、基本的には第2および第3切り込み線11、12の各端部11a、12aから先端縁15へと上端面8へと向かう長手方向に延びた最短の直線状経路である。しかしながら、引張り力がタブ17に加えられる方向の僅かな違いに応じて、第2および第3切り込み線11、12の各端部11a、12aから裂け目を案内する伝搬経路18と正確に対応または合致しない裂け目伝搬経路に沿って伝搬するように裂け目は始まってもよい。
【0036】
本発明の実施態様では開始切断部9の第2および第3切り込み線11、12の各端部11a、12aから伝搬する裂け目の方向を制御するためにバリアー材3には
図1および2に輪郭だけで表されている脆弱化された領域20が設けられており、これは主要面4の切り込み線11、12の端部11a、12aを横断する方向に延び、裂け目を案内する伝搬経路18から離れるように伝搬する裂け目を伝搬経路18に戻るように第2および第3切り込み線11、12の各端部11a、12aから裂け目が伝搬する方向を制御する役割を果たす。これとは別に脆弱化された領域20は、裂け目が裂け目を案内する伝搬経路18から離れるように逸れるのを妨げるようにしてもよい。
【0037】
脆弱化された領域20は、それが裂け目を案内する伝搬経路18を跨ぐ、即ちバリアー層の主要面4を対向する側面6、7の間の方向においてバリアー材3の主要面4を横断する横方向に横断して延びるように横方向に延びている。各脆弱化された領域20の幅は、第2および第3切り込み線11、12それぞれの幅より広い。特に対向する側面6、7の間を延びる方向における脆弱化された領域20の全幅は、タブ17を引っ張った結果として第2および第3切り込み線11、12の端部11a、12aから伝搬した裂け目が裂け目を案内する伝搬経路18に沿って伝搬しない場合であってもその裂け目が常に脆弱化された領域20と確実に接触し、それによって案内されるために少なくとも充分な幅である。
【0038】
別の脆弱化された領域20が
図1および2に示すように第2および第3切り込み線それぞれの端部11a、12aを横断して延びている。しかしながら、単独の脆弱化された領域20がバリアー層の主要面4に亘ってそして第2および第3切り込み線11、12両方の端部11a、12aを横断して延びることも想定される。
【0039】
脆弱化された領域20は、裂け目が形成され始めた後、第2および第3切り込み線11、12の各端部から伝搬する裂け目が脆弱化された領域20と接するまたは交差するように第2および第3切り込み線11、12の各端部11a、12aから離れている。しかしながら、一部の実施態様では脆弱化された領域20は、裂け目が形成され始めたらすぐに裂け目が第2および第3切り込み線の各端部から伝搬する方向が脆弱化された領域20によって直接的に影響され、制御されるように配置してもよい。例えば、脆弱化された領域20は、切り込み線11、12の端部11a、12aに亘ってまたはこれら端部の下に延びてもよく、脆弱化された領域は切り込み線11、12の端部11a、12aから直接延びてもよい。
【0040】
図1および2に示すように脆弱化された領域20は、バリアー層の主要面4から先端縁15を越えて上端面8を横断して後端縁16へと延びてもよい。しかしながら、脆弱化された領域20は、上端面8の一部だけを横断して延びてもよく、または先端縁15に到達する前に主要面4で終了してもよい。脆弱化された領域20は、裂け目が脆弱化された領域20によってその全長に亘って案内されるように延びるのが好ましい。
【0041】
好ましい実施態様ではバリアー層にはその内方面、即ちその喫煙品に向いた面に脆弱化された領域20が設けられている。しかしながら、脆弱化された領域20を接着ラベル14に向いた外面に形成することも可能である。
【0042】
図3Aは本発明の実施態様による切り込み線9および脆弱化された領域の一部を詳しく示している。特に脆弱化された領域20は、一連の間隔が空けられた平行な刻み目線21をバリアー材に含み、それぞれが裂け目を案内する伝搬経路18に平行に延びていて、切り込み線11、12の端部11a、12aから伝搬する裂け目が2本の刻み目線の間を延びる裂け目を案内する伝搬経路18から逸れた場合にその刻み目線21の内の1本と交差するようになっている。各刻み目線21がバリアー材3の主要面4においての脆弱化を示しているので、各刻み目線は、タブ13をさらにたぐり寄せることによって伝搬する裂け目と交わった刻み目線21に沿って裂け目が伝搬するように最も抵抗の少ない経路を形成している。従って、裂け目のさらなる伝搬は、刻み目線21によって案内され、刻み目線21は裂け目を案内する伝搬経路18と平行であるので裂け目を案内する伝搬経路18からさらに逸れないようになっている。
【0043】
図3Bに示すような別の実施態様では刻み目線21の内の1本が裂け目を案内する伝搬経路18に対応し、これと位置合わせされてもよく、これにより裂け目が最初に第2および第3切り込み線11、12の端部11a、12aから裂け目を案内する伝搬経路18に沿って伝搬する場合にその裂け目が裂け目を案内する伝搬経路18と位置合わせされた刻み目線21によって案内され、裂け目が裂け目を案内する伝搬経路18から逸れるのを妨げられる。刻み目線21が伝搬経路と位置合わせされることにより裂け目を案内する伝搬経路18に沿って裂けやすくなる。
【0044】
図3Cに示す
図3Aの変形実施態様では刻み目線21は、切り込み線11、12の端部11a、12aより下に延びていて、刻み目線21と切り込み線11、12がバリアー材の面を横断する方向に重なっている。同様に
図3Dは、
図3Bの変形実施態様を示し、この実施態様では刻み目線21が切り込み線11、12の端部11a、12aより下に延びていて、裂け目を案内する伝搬経路18上にある1つの刻み線が切り込み線11、12の端部11a、12aから直接延びている。いずれの実施態様において当然のことながら刻み目線は、切り込み線11、12の端部11a、12aと重なるのではなく、切り込み線の端部11a、12aと位置合わせさせてもよい。
【0045】
図4に示す別の実施態様では脆弱化された領域20は、バリアー材3の主要面4において逆Y字形のパターンを共に形成する複数の刻み目線を含む。より具体的には脆弱化された領域20は、脆弱化された領域20を互いの方へと横断し、端面9の方へと切り込み線11、12から離れる方向に先細りしている第1の刻み目線22および第2の刻み目線23を含む。第1および第2の刻み目線22、23は、裂け目を案内する伝搬経路18で交わる。第3の弱化された線24が、第2および第3切り込み線11、12から端面9の方へと離れる方向で第1および第2の刻み目線22、23が裂け目を案内する伝搬経路18で交わるポイントから延びている。前述の実施態様と同じように第1および第2の刻み目線22、23の端部22a、23aは、裂け目を案内する伝搬経路18の方向に切り込み線9の端部11a、12aから間隔が空けられてもよい。これとは別に端部22a、23aは、端部11a、12aと位置合わせされてもよく、あるいはバリアー材の面を横断して延びる方向に重なるそれらの下を延びてもよい。
【0046】
当然のことながら第1および第2の刻み目線22、23によって供される脆弱化された領域は、切り込み線の幅より広い幅を有する、即ち刻み線22、23の端部22a、23a間の距離は、切り込み線11、12の幅よりはるかに長い。合流する刻み目線の口は切り込み線11、12の端部11a、12aに向いた方向に開いているので、刻み目線は切り込み線の端部を横断して延び、裂け目が裂け目を案内する伝搬経路18のラインをなぞらなくても切り込み線11、12の端部11a、12aから伝搬する裂け目の方向を制御する。
【0047】
裂け目が第2および第3切り込み線11、12から裂け目を案内する伝搬経路18に沿った以外の方向に伝搬する場合、その裂け目は第1および第2刻み目線22、23の内の1つと交差する。タブ13を引っ張り続けると、裂け目は最も抵抗の少ない経路を形成している交わった刻み目線22、23によって裂け目を案内する伝搬経路18に向かう方向に裂け目が裂け目を案内する伝搬経路の第1および第2刻み目線22、23が互いに合わさるポイントに到達するまで案内される。裂け目がこのポイントに到達すると、さらにタブ13を引っ張ることによって裂け目は、裂け目を案内する伝搬経路18に沿って裂け目がたどる際に最も抵抗の少ないさらなる経路を形成している第3の刻み目線24によって伝搬する。従って、この実施態様は、裂け目を案内する伝搬経路18から離れるように逸れる裂け目を裂け目を案内する伝搬経路18に戻る方向に案内し、次に裂け目を案内する伝搬経路18に沿って裂け目を案内するという利点を有する。
【0048】
変形実施態様では第1および第2の刻み目線22、23が裂け目を案内する伝搬経路18で交わるポイントに裂け目が案内されるように第3の刻み目線24を省略してもよい。その後裂け目は、タブ13がさらに引っ張られると、さらなる案内無しにこのポイントを越えて伝搬し続ける。
【0049】
当然のことながら上述の実施態様では開始切断部9は、バリアー材3の主要面4を貫通する切り込みであるのが好ましい。しかしながら、それは開始切断部9に沿ってバリアー材に刻みをつけるまたはバリアーを材を貫通しないように切り込みを入れることによって形成された脆弱化された線であってもよい。
【0050】
接着ラベル14は、粘着剤でバリアー材3に少なくとも部分的に接着されてもよい。特に
図1および
図2に示すように接着ラベル14の縁部は、開始切断部9の切り込み線10、11、12からずれており、従って包装された束1を最初に開封した後、バリアー材3の取り出し開口部19の縁部からずれる。
【0051】
従って、ラベル14は取り出し開口部19を囲む重なり領域26を含む。接着ラベル14のこの重なり領域26に粘着剤をコーティングして、接着ラベル14を取り出し開口部19上に繰り返し配置できるようにして粘着剤がバリアー材3に繰り返し接着され、接着ラベル14を取り出し開口部19上の所定の位置に保持するようにしてもよい。
【0052】
接着ラベル14の下側の面は、全体的に粘着剤が塗布されてもよく、または重なり領域26の粘着剤に加えて下側の面のいくつかの領域を永久接着剤でコーティングしてもよく、あるいは接着剤をコーティングしなくてもよい。
【0053】
取り出し開口部19を形成するためにバリアー材3の残りから分離されたバリアー材3の裂かれたセクション27は、
図2に示すように接着ラベル14に張り付いたままである。
【0054】
裂かれたセクション27は、粘着剤によってまたは裂かれたセクション27と接着ラベル14の間に塗布された永久接着剤からなる領域によって接着ラベル14に取り付けられてもよい。裂かれたセクション27が粘着剤によって接着ラベル14に取り付けられる場合、粘着剤はその裂かれたセクション27の領域における塗布量を増加して裂かれたセクション27が使用中に接着ラベル14から外れないようにしてもよい。裂かれたセクション27にラベル14を接着する接着剤の強度は、バリアー層3が裂けるような強度である。接着ラベル14から裂かれたセクション27が分離しないようになっている。
【0055】
従って、接着ラベル14およびバリアー材3の裂かれたセクション27は、最初に開けた後取り出し開口部19を閉じるための繰り返し使用可能なカバーフラップ28を形成する。接着ラベル14の重なり領域26上の粘着剤は、カバーフラップ28およびバリアー材3を繰り返し貼り付けるために使用される。
【0056】
別の実施態様では接着ラベル14にはカバーフラップ28が取り出し開口部19上に再度配置されるが、接着ラベル14はバリアー材3に再度接着されないように重なり領域26に1回のみ使用される接着剤が塗布されている。
【0057】
接着ラベル14の一部は、カバーフラップ28が包装された束1に留まり、完全に取り外せないように永久的にバリアー材3に接着してもよい。他の実施態様ではカバーフラップ28は、接着ラベル14の全体に亘って1回のみ使用される接着剤を使用することによってまたは接着ラベル14を貫通する切り取り線を設けることによって包装された束1から完全に取り外せるようにしてもよい。
【0058】
開始切断部9、前面5、端面9および背面5を覆う接着ラベル14との組み合わせにおいて包装された束1は、プルタブ17を引っ張って最初に開ける前は密閉状態で封止されている。
【0059】
図5は紙巻きタバコ2(
図2参照)を保持し、
図1および2に示した包装された束1を形成するためにバリアー材3によって包まれる内方フレーム30を示している。言い換えれば図示の内方フレーム30は、紙巻きタバコ2とバリアー材3の間に位置してもよい。
【0060】
内方フレーム30は、内方フレーム30がバリアー材3に包まれると、包装された束1の前面4、背面5、対向する側面6、7および端面8、9に対応する前壁31、後壁32、対向する側壁33、34、底壁35および上壁36を含む。また内方フレーム30は、
図2に示すように包装された束1を最初に開封した後、上述の取り出し開口部19と位置合わせされる端部壁36および前壁31に形成された開口部37を含む。
【0061】
この例では内方フレーム30の開口部37は、内方フレーム30の上壁36および前壁31を部分的に横断して延びている。従って、取り出し開口部19が形成されると、それは内方フレーム30の開口部37と位置合わせされる。
【0062】
内方フレーム30はさらに強度を付与し、紙巻きタバコ19を支持する。さらに包装された束1の内圧が減少させる、例えば分圧にすると、内方フレーム30は、包装された束1の外側に作用する大気圧からなる粉砕力から紙巻きタバコ2を保護するのに役立つ。
【0063】
一部の例では内方フレーム30の開口部37は、接着ラベル17を引っ張ることによってバリアー材3に取り出し開口部19を形成した後、開口部37の少なくともいくつかの縁部が開口部19内に位置するようなサイズであり、位置にある。
【0064】
バリアー材3の破断していない部分は、好ましくはポリプロピレンなどのポリマーを含む。この場合ポリマー材の繊維は、配向され、バリアー材3は繊維が所望の裂け目線の方向に沿って配向されるように配置される。従って、ポリマー材料は、接着ラベル14が引っ張られて取り出し開口部19を形成する際により簡単且つよりきれいに裂ける。そしてそのようにしないとポリマーは、それが裂かれる際に伸び、変形してしまい、不均一な縁部を有する取り出し開口部19が残り、接着ラベル14がそのような縁部を簡単に封止できなくなってしまう。
【0065】
バリアー材3は機械的手段、例えば所定のブレード深度を有するロータリーカッターによって切断または脆弱化してもよい。これとは別にバリアー材3は、レーザーがバリアー材3の層の必要な部分だけに切れ込みを入れるように予め選択された出力および/または波長のレーザーを使用して切断してもよい。
【0066】
バリアー材3は、ポリマー(例えば、ポリプロピレン)、金属箔、金属化されたフィルム(例えば、金属化されたポリマー)または梱包に適したあらゆる他の可撓性材料を含んでもよい。
【0067】
好ましい例ではバリアー材3は、配向ポリプロピレンからなる外層と、金属箔、例えばアルミニウム箔からなる中間層とを有する3層ラミネートを含む。
【0068】
後述のように包装された束1を形成するためにバリアー材3は、一群の紙巻きタバコ19に巻かれ、これを封止するように閉じられる。紙巻きタバコ19は、最初に紙巻きタバコ19を支持し、保護するための内方フレーム30内に入れられ、その後バリアー材3で内方フレーム30および一群の紙巻きタバコ19を包んでもよい。
【0069】
1つの例ではバリアー材3の縁部は、包装された束1の内容物、例えば内方フレーム30の側面に対して折り曲げられ、例えば接着剤、熱シールまたは超音波溶接などを使用して互いに対して封印されて重なり合うフラップを形成する。
【0070】
図6に示す別の例ではバリアー材3は、内方フレーム30の周囲で折り曲げられてもよく、そしてバリアー材3の端部はフィンシールされてもよい。
【0071】
特に紙巻きタバコ19は、例えば一群の紙巻きタバコ19の周囲で内方フレーム30を折り曲げることによって内方フレーム30内に入れることができ、次にバリアー材3を図示のように内方フレーム30の周囲で包むことができる。
【0072】
最初にバリアー材3の縁部を互いにフィンシールして第1フィンシール45を形成し、これはバリアー材3が内方フレーム30の周囲で管状になることを意味する。次に管状バリアー材3の端部もフィンシールして
図6に示すような第2および第3フィンシール46、47を形成する。この例では
図7に示すフィンシールされた束1は、包装された束1の背面5を横断して延びた第1フィンシール45および包装された束1の対向する側面6、7に沿って延びた第2および第3フィンシール46、47を有する。
【0073】
図8に略式に示す別の例では第1フィンシール45は、接着ラベル14を有する端面9とは反対の包装された束1の端面8を横断して形成されてもよい。次に第2および第3フィンシール46、47を包装された束1の対向する側面6、7に沿って形成してもよい。
【0074】
別の例では第1フィンシール45は、接着ラベル14の下で包装された束1の前面4を横断して形成してもよい。
【0075】
図7に示すようにフィンシール45、46、47は、包装された束1の面に対して平らになるように折り曲げることができる。
【0076】
フィンシールは、バリアー材3のいくつかの部分を一緒にプレスし、バリアー材3のこれらの部分を接合するために熱を加えるおよび/または接着剤を塗布することによって形成することができる。熱がバリアー材3の成分を溶融させおよび/または融合させる。
【0077】
上述のようにフィンシールされた束1は、圧力差を保持することができる強い気密封止を供することを特徴とする。例えば、包装された束の内部は、大気圧を超えるまたはそれ以下の圧力にされる。
【0078】
包装された束1内の圧力は、最終的に密封する前に包装された束1の内部に空気またはなんらかの他の気体、または液体を加えることによって上昇させることができる。包装された束1の内部は、最終的に密封する前に空気を取り出すことによって、例えば、
図6または
図8を参照して説明した包装および密封工程を低圧環境で実行することによって減圧、例えば不完全真空にすることができる。
【0079】
これとは別に包装された束1には1つの方向のみに空気を流れるようにし、他の方向には流れないようにする一方向バルブを設けてもよい。包装された束1のバルブには包装された束1から空気を出し入れするための高圧源または低圧源を設けることができる。
【0080】
これとは別に包装された束の内部1には空気以外の気体、例えば不活性ガスを入れてもよい。さらに液体などの他の物質をパッケージの内部に添加し、例えば包装された束1内の圧力を増加させるために包装された束1内に蒸発させてもよい。
【0081】
図9および10に示すように
図1〜8を参照して説明した種々の例の包装された束1は、紙巻きタバコのパッケージを供するためにヒンジ式蓋付き容器48内に収容されてもよい。
【0082】
これとは別に包装された束1は、それ自体をパッケージとして任意のさらなる外方パッケージまたは蓋無しで提供してもよい。
【0083】
図9に示すようにヒンジ式蓋付きパック48は、平行6面体形状の基部49を有し、これは基部49から包装された束1が突出するように包装された束1を収容するようになっている。この位置で接着ラベル14、特にプルタブ17に触れることができ、包装された束1を開封し、その中の紙巻きタバコに触れることができるようになっている。
【0084】
蓋50がヒンジ51の周囲に基部49にヒンジ式に接続されている。蓋50は、蓋50が包装された束1を覆う閉じた位置と包装された束1が露出する開いた位置の間で枢動可能である。
図9はユーザーが接着ラベル14のプルタブ17をつかむことができ、引っ張ってバリアー材3を裂いて取り出し開口部を形成するように開いた位置にある蓋50を示している。
【0085】
図10および11に示すさらなる実施態様ではプルタブ17などの接着ラベル14の一部は、蓋50が開かれて取り出し開口部を供する際に接着ラベル14が持ち上がり、蓋50が閉じられて取り出し開口部を覆う際に下降するように蓋50の内側の面52に取り付けられる。
【0086】
タブ17の外側の面は、
図10に示すように蓋前壁53の内側の面52に直接貼り付けてもよい。これとは別にタブ17は、折り返されて、その後
図11に示すように蓋前壁53の内側の面52に貼り付けられてもよい。
【0087】
図10および
図11の実施態様において蓋50にプルタブ17を貼り付けることは、蓋50を最初に開封する際に接着ラベル14が均一かつ滑らかに引っ張られて、バリアー材3の裂け目を制御することに役立つという利点を有する。
【0088】
包装された束1に喫煙品2とバリアー材の間に位置する内方フレーム55設けて、包装された束1にさらに剛性を付与し、接着ラベル14が取り出し開口部に亘って下方に押し戻されるようにする反応面を供する。
【0089】
本明細書中で使用する「粘着剤」なる用語は、複数回繰り返し使用できる接着剤を意味する。即ち、接着剤は、2つの部材が繰り返し剥がせ、そして貼り付けられる永久的な粘着性を有する。
【0090】
本明細書中で使用する「永久接着剤」なる用語は、2つの部材を互いに強固に接着し、通常の使用では分離しないようにするための接着剤を意味する。
【0091】
本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。
【0092】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0093】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0094】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0095】
別の実施態様では タバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコとを含んでもよい。
【0096】
ラッパーおよび束は、タバコ産業製品、例えば紙巻きタバコを参照して説明した。しかしながら、当然のことながらこれとは別に本発明のラッパーは、非タバコ産業関連製品または物品、例えば、食品、電子部品または他の消費財の束を包装するために使用してもよい。
【0097】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、一群のタバコ産業製品用の優れたラッパーを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【国際調査報告】