特表2020-505303(P2020-505303A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-505303繊維強化セラミックマトリクス複合体を付加製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-505303(P2020-505303A)
(43)【公表日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】繊維強化セラミックマトリクス複合体を付加製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/64 20060101AFI20200124BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20200124BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20200124BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20200124BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20200124BHJP
   C04B 35/80 20060101ALI20200124BHJP
   C04B 35/653 20060101ALI20200124BHJP
【FI】
   C04B35/64
   B33Y10/00
   B33Y80/00
   B33Y30/00
   B28B1/30
   C04B35/80
   C04B35/653
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-536260(P2019-536260)
(86)(22)【出願日】2018年1月2日
(85)【翻訳文提出日】2019年7月3日
(86)【国際出願番号】EP2018050012
(87)【国際公開番号】WO2018137894
(87)【国際公開日】20180802
(31)【優先権主張番号】17153083.5
(32)【優先日】2017年1月25日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミラン・ブラント
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・ディートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】インゴマー・ケルバッサ
【テーマコード(参考)】
4G052
【Fターム(参考)】
4G052DA02
4G052DB12
4G052DC06
4G052DC09
(57)【要約】
本発明は、セラミックマトリクス複合材料(10)を付加製造する方法に関連しており、セラミックマトリクス複合体用のセラミック繊維(3)および粉末状の母材(2)を提供するステップと、所定の形状に従って、前記母材(2)により形成された粉末床のエネルギービーム(6)の照射によりセラミックマトリクス複合体のためのセラミックマトリクス材料(5)を層ごとにビルドアップするステップであって、前記セラミック繊維(3)および前記粉末床の接触領域(CR)において、前記セラミック繊維(3)が部分的にのみ再溶融されるように、前記エネルギービーム(6)のパラメータが局所的に選択されることで、前記母材(2)は再溶融され、固化されおよび前記セラミック繊維(3)に接着接合される、層ごとにビルドアップするステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックマトリクス複合体(10)を付加製造する方法であって、
− 前記セラミックマトリクス複合体用のセラミック繊維(3)および粉末状の母材(2)を提供するステップと、
− 所定の形状に従って、前記母材(2)により形成された粉末床のエネルギービーム(6)の照射により前記セラミックマトリクス複合体のためのセラミックマトリクス材料(5)を層ごとにビルドアップするステップであって、前記セラミック繊維(3)および前記粉末床の接触領域(CR)において、前記セラミック繊維(3)が部分的にのみ再溶融されるように、前記エネルギービーム(6)のパラメータが局在的に選択されることで、前記母材(2)は再溶融され、固化されおよび前記セラミック繊維(3)に接着接合される、層ごとにビルドアップするステップとを含む方法。
【請求項2】
前記繊維(3)は、前記照射に先立って前記付加製造のための構築空間(BS)内に事前位置決めされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記繊維(3)は、可動装置により前記付加製造の間に前記粉末床内に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記繊維(3)の厚さ(D1)は、前記層ごとのビルドアップ用の前記母材(2)の層厚(D2、4)の半分以上に達する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記母材(2)の粒子の直径は、前記繊維(3)の厚さ(D1)よりも5から10倍小さい、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
粉末床領域(PR)から前記接触領域(CR)への移行における前記エネルギービーム(6)の前記照射のモードは、前記繊維(3)の材料が部分的にのみ再溶融されるように変更される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記粉末床領域(PR)において、前記エネルギービーム(6)の前記照射が連続波モードで実行され、前記接触領域(CR)において、前記エネルギービームの前記照射がパルスモードで実行され、出力、パルス幅、繰り返し率およびパルス形状から選択される照射パラメータの少なくとも1つが適合されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギービーム(6)の出力または出力密度は、前記粉末床領域(PR)から前記接触領域(CR)への移行において低減される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維(3)はフィラメント形状を有しており、前記繊維(3)の直径(D1)は、層ごとのビルドアップに先立って、例えば酸化物被覆により増大され、それぞれの被覆材料(7)は、前記照射の間に再溶融される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記繊維(3)および前記母材(2)は、C/C、SiC/SiC、Al/Al、ZrO/ZrOまたはムライト/ムライトの材料系などの同類のセラミック材料で作られるか、またはそれらを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維(3)および前記母材(2)は、C/SiC、Al/ZrOの材料系のような異種のセラミック材料で作られるか、またはそれらを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記粉末床は、破断および/または応力を防止するために、例えばCOレーザーまたはNd:YAGレーザーなどのレーザー、電子ビームまたは誘導加熱手段により、1500℃を超える温度まで予熱される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記セラミックマトリクス複合体は、層ごとのビルドアップ後に、熱間静水圧加圧および/または後浸透によるなど、構造的に後処理されていない、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
95%以上の密度をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法により製造されるか、または製造することができる構成要素。
【請求項15】
1000MPaを超える曲げ強度を有する材料を含む、請求項14に記載の構成要素。
【請求項16】
70μm未満の平均表面粗さを有する材料を含む、請求項14または15に記載の構成要素。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の、前記繊維(3)の前記粉末床の中への配置のために構成されている、前記付加製造のための装置であって、前記装置は照射装置(20)から独立してさらに移動可能である、前記付加製造のための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化材料などのセラミックマトリクス複合体の付加製造、または場合によっては、それから作られた構成要素に関する。さらに、装置および対応する構成要素が説明される。
【背景技術】
【0002】
好ましくは、構成要素は、例えばガスタービンの高温ガス流路の機械設備におけるターボ機械に適用される構成要素を指す。従って、構成要素は、超合金またはニッケル系合金、特に析出硬化合金で好ましくは作られる。
【0003】
付加製造技術は、例えば、選択的レーザー溶融(SLM)、選択的レーザー焼結(SLS)または電子ビーム溶融(EBM)などの粉末床法、並びにレーザー金属堆積(LMD)などのブローウン粉末法(blown powder method)を含む。
【0004】
選択的レーザー溶融の方法は、例えば、欧州特許第2 601 006 B1号明細書に記載されている。
【0005】
付加製造方法は、軽量設計または迷路のような内部構造を含む冷却構成要素などの試作品または複雑で繊細な構成要素の製造において有望であることが証明されている。さらに、付加製造は、製造ステップが対応するCAD/CAMおよび/または設計データに直接基づいて実施することができるので、プロセスステップのその短連鎖について際立っている。
【0006】
付加製造の文脈の中で解決すべき問題または遵守すべき課題は、繊維強化セラミック複合材料またはセラミックマトリクス複合体(CMC)の保守、修理およびオーバーホール用途と組み合わせても、再現性があり、実行可能であり、および適切な製造経路を見出すことである。
【0007】
SiC−SiCまたは酸化物−酸化物材料系、特にAlマトリクス内のAl繊維または異なる材料の組み合わせなどのCMSは、損傷耐性のある短繊維および長繊維強化部品の製造に対して、例えば、ガスタービン内の高温ガス経路の過酷な環境に対して期待のできる対象である。これに関連して克服を妨げるものは、特に、同じ種類の両方の材料、すなわち、一方がマトリクス粉末、他方が固体繊維の融点がほぼ同じであることである。
【0008】
言及した欠点を解決することができるとき、付加製造経路は、例えば、タービン入口温度の上昇および/または冷却空気消費量の減少によるガスタービン効率を高めるために、例えばセラミック材料に対して具体的に設計された冷却チャネルなどの内部中空構造の付加製造の設計自由度を活用する機会を提供することが期待される。
【0009】
今までのところ、繊維/ファブリックを製造し、後浸透を含む後続のラミネーションまたは焼結ステップを一般的に含む「従来の」手法を除いて、再現性があり、信頼のできる製造経路はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第2 601 006 B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明により、SLM、LMDもしくはEBMまたはそれらの組み合わせなどの既知の付加製造経路に基づいた、付加的な、例えば粉末床ベースのようなCMCのビルドアップのためのアプローチが提供される。
【0012】
上述した問題または欠点を克服するのに役立つ手段を提供することが本発明の目的である。
【0013】
上述した目的は、独立請求項の主題により達成される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、セラミックマトリクス複合体のためのセラミック繊維および粉末状の、および便宜上セラミックの母材を提供するステップを含む、セラミックマトリクス複合材料または構成要素を付加製造する方法に関する。
【0015】
本方法は、構成要素の所望の、および所定の形状に従って、母材により形成された粉末床に、エネルギービームを照射することにより、セラミックマトリクス複合体のためのセラミックマトリクス材料(母材)を層ごとにビルドアップまたは製造することを含み、母材が再溶融され、固化され、それによりセラミック繊維に接着接合される。これは、セラミック繊維および粉末床の接触領域において、セラミック繊維が部分的にのみ再溶融され、好ましくは完全に再溶融されないように、エネルギービームの(照射)パラメータが、好ましくは局在的に選択されることで実行される。単に部分的な再溶融の手順により、セラミック繊維は破壊されず、その材料は依然として無損傷であり、同時に固化したマトリクス材料に接着接合されることが有利に達成される。言い換えると、本発明は、セラミック繊維が最終的なCMCに対するその優れた特性を失うことなく実際に接着接合され得るような、照射プロセスの制御に関係している。
【0016】
ガスタービン技術に対して、説明したように、付加的製造特性をそれらの既知の高温耐久性を有するセラミックに移すことができることは、もちろん非常に望ましい。
【0017】
一実施形態では、繊維は、照射またはビルドアップに先立って、付加製造のためのビルドアップ空間内に事前位置決めまたは事前配置される。前記事前位置決め−配置は、例えば、当業者に周知の任意の手段によって実行され得る。
【0018】
一実施形態では、繊維は、付加製造の間に、可動設備または装置により粉末床内に、特に前記粉末床の前もって堆積された層内に持ち入れられるか、または配置される。この実施形態は、付加製造の間に、より大きな設計自由度の活用を可能にし得るので好ましい。前記装置は、照射設備または走査設備などの任意の追加の装置機械設備から独立して移動可能であることが好ましい。前記装置は、好ましくは、例えば、任意の配置が、照射固化ステップと共に粉末状の母材の層内のその場での繊維配置に関して多くの設計自由度を可能にするように、わずか数ミリメートルまたは数センチメートルのみの外側延長部を有する、非常に小型の方法でさらに具体化されるであろう。
【0019】
本発明のさらなる態様は、説明したような付加製造のための装置に関連しており、前記装置は、繊維を粉末床の中に配置するために構成されており、装置はさらに、照射装置などの任意の他の装置機械設備から独立して移動可能である。
【0020】
一実施形態では、繊維の厚さ、またはフィラメント繊維の場合には、繊維の直径は、層ごとのビルドアップのための母材の層厚の半分以上に達する。この実施形態により、繊維が照射ステップの間に完全に再溶融されないように照射パラメータを選択することが有利であり得る。反対に、繊維の厚さまたは直径が層厚と比較していっそう小さく選択される場合、おそらく繊維は照射の間に溶融するであろう。
【0021】
一実施形態では、繊維はフィラメントまたはフィラメント様形状を有している。これは好ましい実施形態である。
【0022】
一実施形態では、繊維は層状またはシート状の形状を有している。
【0023】
一実施形態では、母材の粒子の平均直径などの直径は、繊維の厚さまたは直径より小さい。
【0024】
一実施形態では、母材の粒子の直径の平均は、繊維の厚さの少なくとも2倍小さい。
【0025】
一実施形態では、例えば母材の粒子の平均直径は、繊維の厚さまたは直径の5から10倍小さい。
【0026】
これらの実施形態により、繊維および母材(マトリクス材料)の材料が類似しているか同じであるとしても、サイズ依存または融点低下に起因して、繊維の材料は照射の間に損傷を受けることはなく、粒子だけが再溶融されることが達成され得る。材料の空間寸法を規定の閾値よりも小さくすると、その融点を下げ得ることが知られている。
【0027】
一実施形態では、粉末床領域、例えば粉末床上の平面図で観察される層領域から接触領域への遷移において、エネルギービームの照射のモードは、一般的な母材の固化の場合のように完全に再溶融される代わりに、繊維の材料が部分的にのみ再溶融されるように変更される。
【0028】
一実施形態では、粉末床領域において、エネルギービームの照射は連続波モードで実行される。
【0029】
一実施形態では、接触領域において、エネルギービームの照射は、テーラードパルスモードなどのパルスモードで実行される。
【0030】
一実施形態では、エネルギービームの照射が実行され、出力、出力密度、周波数、パルス幅、繰り返し率およびパルス形状から選択される照射パラメータのうちの少なくとも1つが適応され、特に本発明による所望のまたは所定の熱入力に対して適応される。例えば、出力密度は、例えば、正弦波、三角形、正方形または他の形状から選択されるパルス形状が接触領域の照射のために選択されることで低減され得る。
【0031】
一実施形態では、エネルギービームの出力または出力密度は、好ましくは、前記の低減に起因して、繊維がセラミックマトリクスのための母材と比較して完全に再溶融されないように、粉末床領域から接触領域への移行時に減少される。
【0032】
一実施形態では、繊維はフィラメント形状を有しており、繊維の直径は、層ごとのビルドアップに先立って、例えば酸化物被覆により増大され、それぞれの被覆材料は、照射の間に、再溶融され、蒸発させられおよび/または犠牲にされる。
【0033】
一実施形態では、繊維および母材は、C/C、SiC/SiC、Al/Al、ZrO/ZrOまたはムライト/ムライトの材料系などの同類のセラミック材料で作られるか、またはそれらを含む。
【0034】
一実施形態では、繊維および母材は、C/SiC、Al/ZrOの材料系などの異種のセラミック材料で作られるか、またはそれらを含む。
【0035】
一実施形態では、粉末床は、破損および/または応力を防ぐために、例えばCOレーザーまたはNd:YAGレーザーなどのレーザー、電子ビーム、または誘導加熱手段により1500℃超、特に2000℃超の温度に予熱される。
【0036】
一実施形態では、セラミックマトリクス複合体は、層ごとのビルドアップ後に、熱間静水圧加圧および/または後浸透などにより、構造的に(熱的に)後処理されない。
【0037】
本発明のさらなる態様は、説明した方法により製造されるか、または製造することができる構成要素に関連している。
【0038】
一実施形態では、構成要素または構成要素のためのその材料は、95%以上、例えば98%以上の密度をさらに含む。言い換えると、構成要素またはその材料は、5%未満、好ましくは2%未満の複数を好ましくは含む。前記百分率は、好ましくは体積百分率に属し得る。
【0039】
一実施形態では、構成要素は、800MPaより大きい、好ましくは1000MPaより大きい、さらには1100MPaより大きい曲げ強度を有する材料を含む。
【0040】
一実施形態では、材料は、100μm未満、好ましくは70μm未満の平均表面粗さを有する材料を含む。前記粗さは、あるいは、粗さの深さもしくは粗さ深さ、または平均もしくは二乗粗さ、または平均表面仕上げに関連し得る。
【0041】
説明した方法および/または説明した材料または構成要素に関連して本明細書で説明した態様、実施形態または利点は、同様に説明した装置に関連していてもよく、逆もまた同様である。
【0042】
さらなる特徴、有用性および有利な改良点は、図に関連した例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】その付加製造の間の構成要素の概略断面図を示している。
図2】説明された方法により製造されるセラミックマトリクス複合材料の概略側面または断面図を示している。
図3】製造機械設備の代わりの実施形態における、図2による構成要素の概略側面または断面図を示している。
図4】粉末状の母材の床内に配置されたセラミック繊維の概略断面図を示している。
図5図4に示された繊維に代わる実施形態における層状繊維および対応する被覆を示している。
図6】粉末床の層に配置された繊維の断面を示しており、繊維は照射装置またはシステム20により照射される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図において、類似の要素、同じ種類の要素および同様に作用する要素には同じ参照符号が提供され得る。
【0045】
図1は、構成要素10を付加製造するための粉末床プロセスを概略的に示している。そのプロセスは、付加製造装置100において実行され得る。そのプロセスはさらに、例えば選択的レーザー溶融、選択的レーザー焼結および/または電子ビーム溶融に関連し得る。
【0046】
構成要素は、好ましくは、ターボ機械構成要素、特にガスタービンの流路の機械設備において適用されるターボ機械構成要素である。
【0047】
SLMプロセスにおいて、構成要素10は基板または構築プラットフォーム1の上部において製造されることが一般的に知られている。特に、金属構成要素から製造される第1の層は、基板1に接着接合または冶金学的に結合されている。構成要素10は、部分的に製造された状態で描かれている。構成要素10はさらに、粉末状母材2により形成される粉末床から層ごとに構築される。スクレーパーまたは任意の他の堆積装置(明示的には示されていない)による母材2の層の供給後、それぞれの層は、好ましくは、照射装置20により供給されるエネルギービームにより照射される。エネルギービーム6は、レーザービームであってもよい。あるいは、エネルギービームは電子ビームであってもよく、従って照射装置は電子ビーム源であり得る。
【0048】
照射に起因して、堆積直後の層(参照符号4)の母材2は溶融し、その後固化する。層厚は、粉末床にわたって例えば自動的に移動し、過剰な材料を除去する前記スクレーパー(明示的には示されていない)により決定され得る。典型的な層厚は20μmまたは40μmに達する。製造の間に、前記レーザーまたはエネルギービーム6は、粉末床の表面にわたって走査し、特に構成要素10の所望の形状に対応する選択された領域上で粉末を溶融させる。前記形状は、対応するCAMファイルおよび/またCADファイルにより予め決定され得る。
【0049】
構成要素10は、粉末床プロセスに従い、構築方向Z(垂直方向)に沿って構築空間BS内で(層ごとに)ビルドアップされる。
【0050】
選択的レーザー溶融のプロセスは、金属構成要素の製造において主に適用される。しかしながら、セラミック材料の粉末床に基づく選択的溶融もまた、たとえ最終の材料の比較的低い多孔度でも可能であることが既に証明されている。
【0051】
本発明は、上述したように、ガスタービン構成要素のための繊維強化材料などのセラミック材料および/またはセラミックマトリクス複合体(CMC)の付加製造に焦点を当てている。
【0052】
構成要素10の単一層(符号4参照)において、図1に示すように、セラミック繊維3が示されている。この実施形態によれば、母材2は便宜上、最終のCMC構成要素のためのセラミック(マトリクス)母材である。
【0053】
本発明によれば、セラミック繊維3は、繊維の長手方向軸が予期される最も高い機械的荷重の方向に沿って、例えば回転構成要素の場合におけるタービンの運転中に、例えば構成要素に適用される遠心力の作用に平行に、またはそれに沿って、少なくとも部分的または比例して配置されるように最終の構成要素内に好ましくは置かれる、または配置される。このように、繊維の前記長手方向軸は、好ましくは、XY平面に平行に(図4から図6を参照)、すなわち粉末床表面に平行に配置される。
【0054】
母材の溶融/焼結の結果としての材料の収縮は、図において無視されていることに留意されたい。
【0055】
固化した母材を示し得るマトリクス5(図2および図3参照)、および繊維3の材料については、以下の材料系が現在考慮されており、X/Yの用語体系は、材料Yのマトリクスを強化するX−繊維を意味している。
【0056】
このように、類似の材料系については、以下の材料:C/C、SiC/SiC、Al/Al、ZrO/ZrOまたはムライト/ムライトが例えば適用され得る。
【0057】
異種材料については、C/SiC、Al/ZrOの系が、例えば適用され得る。
【0058】
材料の一覧は、排他的なものではなく、当業者に知られている任意の組み合わせが本発明に従って考慮に入れられてもよい。
【0059】
図2および図3は、図1と比較して、本方法をより詳細に説明している。
【0060】
図1とは対照的に、図2は、本明細書に記載のCMCを付加製造する方法をより詳細に示している。特に、繊維がどのように粉末床の中に持ち入れられるか、およびマトリクス5に、またはマトリックス5と最終的に接合されるかが示されている。
【0061】
上述した方法は、説明したようなセラミック繊維3および粉末状の母材2を提供するステップを含み、前記繊維3および母材2は付加プロセスにおいてCMCへ接合されるべきであり、しかしながら、繊維3は必ずしも付加手段により製造されていない。
【0062】
本方法は、構成要素10の所定の、および所望の形状に従って、母材2により形成された粉末床のエネルギービーム6の照射により、CMCに対するセラミックマトリクス材料5を層ごとにビルドアップするステップを含み、エネルギービーム6のパラメータは、セラミック繊維3および粉末床の接触領域CRにおいて、セラミック繊維3が部分的にのみ再溶融されるように、局在的に選択されることで、母材2は再溶融され、固化され、およびセラミック繊維3に接着接合される。
【0063】
CMC用のセラミック繊維を付加的に製造することは今のところ不可能であり、少なくともガスタービン用途に対して必要とされる機械的特性を有していないようである。しかしながら、繊維3も付加手段により製造され、同時にマトリクス5に接合され得ることが本発明の範囲内である。
【0064】
本方法は、CMC構成要素10の製造のために繊維を粉末床の中に配置または持ち入れるのに適した装置または設備30を利用する。特に、付加製造のための前記装置30は、照射装置20などのさらなる装置ガジェットから独立して移動可能である。図1および図2に示すような照射装置20は、好ましくは、図2に示すように、ビルドアップ方向Zに沿って距離A1だけ製造面または粉末床面から離れて配置されている。距離A1は、例えば200から300mmに達する。図2に示すように、装置30は、かなり繊細で細い道具として示されており、CMCのための繊維3が、粉末床の中に案内され、および/または運搬され得る。同時に、装置30は、照射装置20または対応するエネルギービーム6と干渉しないことが望ましい。
【0065】
好ましくは、装置30は、ビルドプラットフォーム1から、並びに前記照射デバイスまたは装置20およびエネルギービーム6から独立して制御および移動することができる。エネルギービーム6は、例えば、装置30により追跡されるように案内されてもよく、逆もまた同様である。これは、好ましくは製造すべき各層内に、繊維30の適切な配置、およびCMCを形成するために、マトリクス材料5の中への繊維3の確実な「統合」を可能にしている。
【0066】
左を指す図2における矢印Xにより、照射装置20および/またはそれぞれのエネルギービーム6のみが、対応するベクトルまたは軌跡に従って照射するため、およびそれ故固化するために右から左に案内され得ることが示されている。x方向におけるこの移動の間に、装置30またはその先端部の配置(明示的に示されていない)は、例えば、繊維3を粉末床2内に配置するために移動または追跡され得る。
【0067】
装置30は、繊維3が粉末床2に挿入されるワイヤ供給装置であるか、またはそれを含み得る。
【0068】
装置30はさらに、繊維3がそれに応じて挿入されるか、または配置されるノズル3であるか、またはそれを含み得る。
【0069】
図2の表示から逸脱して、装置30は照射装置20の近くに、または照射装置に対して同軸にさえも配置することができる。
【0070】
さらにまた、装置30は、上述したようなスクレーパーまたは被覆装置の中に一体化され得る。この実施形態によれば、装置30は、繊維が粉末床2内に構成および/または配置することができるウィービングシステムなどの複数のフィーダまたはウィーバにより構成されるか、またはそれらを含み得る。
【0071】
さらに、全体的な付加製造装置100は、概略的にのみ示されている加熱手段40を備え得ることが図2において示されている。
【0072】
この加熱「ツール」を用いて、セラミック粉末床は例えば1500℃を超える温度まで予熱され得る。好ましくは、前記手段は、粉末状の母材2を、2000℃を超える温度まで加熱または予熱することができる。これは、最終的なCMCにおける破断および/または応力を防ぐために特に望ましく、および/または好都合である。
【0073】
前記加熱手段40は、例えばエネルギービームまたは1μmまたは10μm波長のCOレーザーにより構成することができる。前記レーザーは、比較的高い出力であってもよく、場合によっては、粉末床の母材を均一に加熱するために焦点ぼけされた、または拡大されたレーザースポットを含み得る。上述した加熱は、予熱、すなわちエネルギービーム6による実際の照射に先立つ加熱、またはCMCの付加的なビルドアップに沿った加熱プロセスに関連し得る。あるいは、加熱手段40は、Nd:YAGレーザーなどの任意の他の種類の適切なレーザーにより、またはさらには誘導加熱手段により構成され得る。予熱のための誘導加熱手段を適用するとき、粉末床全体の周りにコイル配置を設けることが必要であり得る。
【0074】
図3は、図2と比較して照射装置20の代替の実施形態を示している。これに対して、照射装置は、母材2を照射および固化するためのレーザーのバーまたはレーザーダイオードにより提供または構成され得る。前記バーは概略的にのみ示されている。バー20の上の二重矢印は、それぞれのバーが粉末床上をX方向およびY方向(粉末床の表面に平行な横方向)に便宜的に移動可能であることを示し得る。図2に示されるような照射装置とは対照的に、バー装置20は、好ましくは、上述した距離A1よりも著しく小さい非常に近い距離A2で粉末床にわたって案内されるか、または案内可能である。距離A2は、1または3mmのみに達し得る。そのような小さい距離でさえ、上述したように、それに応じて構成された配置装置30により、繊維3の信頼性の高い適切な配置を可能にし得る。
【0075】
本明細書で説明するような繊維3は、フィラメント型の繊維、または層型の繊維などの他の任意の繊維であり得る。
【0076】
図1および図2に示すような説明した配置装置30の代替として、本発明は、同様に構成要素10が製造される構築空間BS内に繊維3が事前位置決めまたは事前配置されることで実行され得る。例えば、繊維3は、固化されるマトリックス層内に後ほど適切に配置されるように、構築空間BS内に固定されるか、または及ばされ得る。
【0077】
図4は、説明したような母材2の粉末床内に配置されたフィラメント型の繊維3または場合によっては、繊維ワイヤの断面を示している。好ましくは、単一層4の厚さD2のみが示されている。繊維3は、層厚D2のほぼ半分に達する厚さまたは直径D1を有している。SLMプロセスにおける典型的な層厚さは20から40μmに達するので、繊維の直径または厚さD1は、例えば13μmなどの10から20μmに達することがある。繊維の直径D1は同様に、100μmあるいはそれ以上にも達し得る。
【0078】
構成要素10が説明した実施形態の複数の層により製造される場合、この大きさの関係は、繊維によるCMCの適切な強化または補強を可能にし得るので、特に有利であり得る。同時に、照射パラメータの変化により、照射の間にエネルギービーム6に晒されるときに繊維3が完全に再溶解または損傷を受けないことが達成され得る。
【0079】
厚さD1は同様に、厚さD2の半分未満に達し得る。しかしながら、好ましくは、厚さまたは直径D1が、厚さD2の半分以上に達する。
【0080】
単一の母材の粒子がまた、図4に概略的に示されている。これらの粒子は粉末床層における繊維3を取り囲んでいる。図4の表示とは対照的に、繊維は同様に、層4内に配置または中心に置かれ得る。母材2の粒子の直径はより小さく、好ましくは、繊維3の厚さD1よりも、2から10倍、より好ましくは5から10倍小さい。この方法により、通常の照射モードによるレーザービーム6を伴う照射の間に、粒子は、繊維3が溶融するよりも低い温度で溶融することを達成することができる。これは、繊維および母材の材料が同じであったとしても、繊維3と比較して、粉末粒子の融点を低下させる「サイズ効果」に起因し得る。
【0081】
さらに、繊維3が被覆材料7の被覆で被覆されていることが図4において示されている(繊維の破線の囲いを参照)。この被覆は、繊維とマトリックスとの間で接合される接着が最終的に達成され得る方法により、任意のセラミックまたは結合剤材料であり得る。好ましくは、被覆は酸化被覆であり得る。さらに、好ましくは、被覆はレーザービームでの照射の間に再溶融される。この方法により、上述した接合は容易にすることができる。追加的に、または代替的に、被覆7は、照射の間に犠牲にされるか、または蒸発され得る任意の材料であり得る。
【0082】
図5は、繊維3の代替の実施形態、特に楕円形または層ごとの形状を有する繊維を断面図で示している。そのような繊維の実施形態は、繊維が構築空間内に事前配置されることがいずれにせよ期待されるときに特に好ましく、従って繊維は、照射の間にマトリクス材料に(全体として)接着接合されることがほとんどない。
【0083】
図6はさらに、図2および図3により既に部分的に説明したように、付加手段により説明した繊維を上述したマトリックス5に接着接合することによりCMCをその場で形成するプロセスを示している。
【0084】
図4と同様に、図6は、母材2の粉末床内に配置されている繊維の断面図を示している。好ましくは、再び単一層4のみが代表的に示されている。繊維3は前記層のほぼ中央に配置されている。
【0085】
照射のモードが、続いて説明され得る。
【0086】
エネルギービーム6は、例えば、粉末床に平行に、例えば粉末床領域にわたってX方向またはY方向に(図6の上部における矢印を参照)、すなわち繊維が配置されていない母材2の層内の領域から、例えば粉体床上で平面図において観察される、それぞれの繊維3が配置されている接触領域CRに向かって横方向に案内される。図6における平行な垂直の破線は、説明した接触領域CRの例示的な境界を画定している。従って、前記接触領域CRは、図示のように、繊維3の実際の物理的寸法から逸脱し得る。
【0087】
粉末床領域PR、すなわち粉末床上の平面図において観察される層領域から、接触領域CRへの移行において、またはそれに由来して、照射モードは、例えば繊維がエネルギービームにより完全に溶融されるときに、繊維の機械的性質が熱衝撃によって破壊されないように変更され得る。
【0088】
説明したような照射モードの切り替えを容易にするための多くの方法がある。例えば、最も簡単な方法は、レーザービームが通過するときに繊維が溶融しやすい場合に、レーザー出力を低減することである。例えば、母材の粒子および繊維の融点が同じである場合、そのような照射出力の低減は有利であり得る。
【0089】
好ましくは、粉体床領域PRから接触領域CRを通過するとき、照射モードは、連続照射からパルス照射に切り替えられてもよい。これは、レーザー出力P2よりも大きいレーザー出力P1が粉末床領域PR内に示されている図6に示されている。
【0090】
従って、粉末床領域PRにおいて、照射は連続波モードで適切に実行され、接触領域CRにおいて、照射はテーラードパルスモードなどのパルスモードで適切に実行され、例えば、出力、出力密度、周波数、パルス幅、繰り返し率およびパルス形状から選択される照射パラメータは、所望の溶融結果、すなわち状態に従って適合され、繊維3は、繊維3が部分的に(のみ)再溶融されることで、固化した粉末または母材2に適切に結合される。言い換えると、繊維3が配置されている接触領域において、エネルギービームのエネルギー、出力または出力密度は、説明したように、繊維3の適切な結合または接着を可能にするために、非常に正確に十分に投入または負わされ、(粉体床領域PRにおける照射と比較して)適切に低減される。
【0091】
本発明によれば、直ちにまたは製造直後のセラミックマトリクス複合材料は、例えば層ごとのビルドアップまたは製造の後または間に、熱間静水圧加圧および/または後浸透ステップなどにより、構造的または熱的に後処理されないことが規定されている。それにより、総製造時間の大幅かつ有利な短縮が提供され得る。
【0092】
示された方法と共に、もちろん直ちに製造された構成要素は、革命的なまたは新規な機械的または熱機械的性質を提供することができる。
【0093】
例えば、説明したような方法により製造された構成要素10は、98%以上の相対密度で与えられ得る。言い換えれば、前記構成要素の材料は、5%未満、好ましくは2%未満の多孔度を含むように容易に製造することができる。
【0094】
さらに、前記材料は、1000メガパスカル(MPa)を超える、好ましくは1100MPaを超える曲げ強度で製造され得る。
【0095】
さらにまた、前記材料は、100μm未満、好ましくは80μm以下、例えば70μm以下のその内面並びに外面の平均表面粗さで製造され得る。
【0096】
特に少なくとも部分的に中空な構成要素の複雑な鉱石の内部表面が関係するとき、大きな表面粗さが主要な欠点を構成する。これは、最先端の選択的レーザー溶融プロセスの場合のように、内部通路の表面は通常は後処理することができないからである。従って、所与の範囲内の好ましい表面粗さを有するセラミックマトリクス複合材料を本質的に提供する方法は、流体特性のはるかに優れた振動性を有する材料を同時に提供する。上述した態様は、タービンブレードの場合のように、構成要素が冷却チャネルなどにより浸透されるときに特に重要である。
【0097】
実際には、最終的な構成要素が予想される機械的または熱機械的負荷に従って最適化されるように、すなわち、構成要素が極度に高い応力を例えば吸収するか、または抵抗するように、繊維3はビルドアップにおいて最初に配向されることが好ましい(または逆もまた同様である)。言い換えると、構成要素の最適な機械的抵抗率が最終的な用途を考慮して達成され得るように、繊維は、各層において、マトリクスまたは母材に対して配置され得る。例えば、タービンブレードまたはタービン翼の構成要素の場合、繊維は、前記ブレードの長手方向に沿って好ましくは配置され得る。
【0098】
本発明の保護範囲は、上記の実施例に限定されない。本発明は、各新規な特徴および各特徴の組み合わせにおいて具現化され、これは特に、この特徴またはこの特徴の組み合わせが特許請求の範囲または実施例に明示的に記載されていなくても、請求項に記載の任意の特徴のあらゆる組み合わせを含む。
【符号の説明】
【0099】
1 基板またはビルドプラットフォーム
2 母材
3 繊維
4 単一層
5 マトリクス材料
6 エネルギービーム
7 被覆材料
10 セラミックマトリックス複合体
20 照射装置
30 配置装置
40 加熱手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2019年9月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックマトリクス複合体(10)を付加製造する方法であって、
− 前記セラミックマトリクス複合体用のセラミック繊維(3)および粉末状の母材(2)を提供するステップと、
− 所定の形状に従って、前記母材(2)により形成された粉末床のエネルギービーム(6)の照射により前記セラミックマトリクス複合体のためのセラミックマトリクス材料(5)を層ごとにビルドアップするステップであって、前記セラミック繊維(3)および前記粉末床の接触領域(CR)において、前記セラミック繊維(3)が部分的にのみ再溶融されるように、前記エネルギービーム(6)のパラメータが局在的に選択されることで、前記母材(2)は再溶融され、固化されおよび前記セラミック繊維(3)に接着接合される、層ごとにビルドアップするステップとを含む方法。
【請求項2】
前記セラミック繊維(3)は、前記照射に先立って前記付加製造のための構築空間(BS)内に事前位置決めされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミック繊維(3)は、可動装置により前記付加製造の間に前記粉末床内に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セラミック繊維(3)の厚さ(D1)は、前記層ごとのビルドアップ用の前記母材(2)の層厚(D2、4)の半分以上に達する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記母材(2)の粒子の直径は、前記セラミック繊維(3)の厚さ(D1)よりも5から10倍小さい、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
粉末床領域(PR)から前記接触領域(CR)への移行における前記エネルギービーム(6)の前記照射のモードは、前記セラミック繊維(3)の材料が部分的にのみ再溶融されるように変更される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記粉末床領域(PR)において、前記エネルギービーム(6)の前記照射が連続波モードで実行され、前記接触領域(CR)において、前記エネルギービームの前記照射がパルスモードで実行され、出力、パルス幅、繰り返し率およびパルス形状から選択される照射パラメータの少なくとも1つが適合されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギービーム(6)の出力または出力密度は、前記粉末床領域(PR)から前記接触領域(CR)への移行において低減される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記セラミック繊維(3)はフィラメント形状を有しており、前記セラミック繊維(3)の直径(D1)は、層ごとのビルドアップに先立って、酸化物被覆により増大され、それぞれの被覆材料(7)は、前記照射の間に再溶融される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記セラミック繊維(3)および前記母材(2)は、C/C、SiC/SiC、Al/Al、ZrO/ZrOまたはムライト/ムライトの材料系のような同類のセラミック材料で作られるか、またはそれらを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記セラミック繊維(3)および前記母材(2)は、C/SiC、Al/ZrOの材料系のような異種のセラミック材料で作られるか、またはそれらを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記粉末床は、破断および/または応力を防止するために、CレーザーまたはNd:YAGレーザーなどのレーザー、電子ビームまたは誘導加熱手段により、1500℃を超える温度まで予熱される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記セラミックマトリクス複合体は、層ごとのビルドアップ後に、熱間静水圧加圧および/または後浸透によるなど、構造的に後処理されていない、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
95%以上の密度をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法により製造されるか、または製造することができる構成要素。
【請求項15】
1000MPaを超える曲げ強度を有する材料を含む、請求項14に記載の構成要素。
【請求項16】
70μm未満の平均表面粗さを有する材料を含む、請求項14または15に記載の構成要素。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法における、前記セラミック繊維(3)の前記粉末床の中への配置のために構成されている、前記付加製造のための装置であって、前記装置は照射装置(20)から独立してさらに移動可能である、前記付加製造のための装置。
【国際調査報告】