特表2020-505405(P2020-505405A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-505405STINGアゴニストとしての環状ジヌクレオチド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-505405(P2020-505405A)
(43)【公表日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】STINGアゴニストとしての環状ジヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C07H 19/213 20060101AFI20200124BHJP
   C07H 21/02 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 31/708 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 31/7084 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20200124BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20200124BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20200124BHJP
【FI】
   C07H19/213CSP
   C07H21/02
   A61K31/708
   A61K31/7084
   A61K9/08
   A61K9/10
   A61K9/14
   A61K9/20
   A61K9/48
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   A61P31/12
   A61P31/20
   A61P17/00
   A61P1/00
   A61P15/00
   A61P13/08
   A61P11/00
   A61K48/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】165
(21)【出願番号】特願2019-540518(P2019-540518)
(86)(22)【出願日】2018年1月26日
(85)【翻訳文提出日】2019年9月12日
(86)【国際出願番号】IB2018050498
(87)【国際公開番号】WO2018138685
(87)【国際公開日】20180802
(31)【優先権主張番号】62/451,301
(32)【優先日】2017年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/451,351
(32)【優先日】2017年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/454,135
(32)【優先日】2017年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル,スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】リクター,マーク
(72)【発明者】
【氏名】コノリー,ピーター ジェィ.
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ジェームズ パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ワン,グァンジ
(72)【発明者】
【氏名】サチコンダ,サントーシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】ビーゲルマン,レオニド
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ミンホン
(72)【発明者】
【氏名】ビグナン,ギルス
(72)【発明者】
【氏名】シェペンス,ウィム
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエルヴォイェ,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】シューリン,ジョハネス ウィスヘルムス ジョン フィッツジェラルド
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C057AA17
4C057AA20
4C057BB02
4C057BB03
4C057BB05
4C057CC02
4C057CC03
4C057DD03
4C057LL29
4C057LL40
4C057LL41
4C057LL42
4C057LL48
4C057MM02
4C076AA11
4C076AA22
4C076AA29
4C076AA36
4C076AA51
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076CC35
4C084AA13
4C084MA17
4C084MA23
4C084MA34
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZC511
4C084ZC512
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA18
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA34
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZC41
(57)【要約】
STINGの調節によって影響を受ける疾患、症候群又は障害を治療するための化合物、組成物及び方法が開示される。このような化合物は次の式(I)で表される:
【化1】

[式中、R、R1B、R1C、R2B、R2C、B、W、X、Y、Zは本明細書で開示されている]。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、及びb8からなる群から選択され、
【化2】
Wは−O−又は−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、W及びZの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6又はb7から選択される場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外であり、
更に、式(I)の化合物が、R、W、X、Y及びZがそれぞれOであり、R1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシであり、Bはb1であり、かつR1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシである化合物以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態。
【請求項2】
が、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化3】
【請求項3】
WがOであり、Bが、環b1、b2、b3、b4、b6、及びb8からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化4】
【請求項4】
がb6である、請求項3に記載の化合物。
【化5】
【請求項5】
WがNHであり、Bが、環b1、b2、b3、b4、b6、及びb8からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化6】
【請求項6】
がb6である、請求項5に記載の化合物。
【化7】
【請求項7】
RがCHであり、Bが、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化8】
【請求項8】
W及びXが−O−であり、Bがb6である場合、R2Bがフルオロ又はヒドロキシ以外である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
RがOであり、Bが、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化9】
【請求項10】
化合物1〜33
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態。
【請求項11】
請求項1〜10に記載の化合物、並びに医薬的に許容される担体、医薬的に許容される賦形剤、及び医薬的に許容される希釈剤のうち少なくとも1つを含む医薬組成物。
【請求項12】
前記組成物が、固体の経口投与形態である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が、シロップ剤、エリキシル剤又は懸濁剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
STINGによって調節される疾患、症候群又は状態を治療する方法であって、前記治療を必要とする対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項15】
疾患、症候群又は状態を治療する方法であって、前記疾患、症候群又は状態が、STINGのアゴニスト活性によって影響を受けるものであり、前記治療を必要とする対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記疾患、症候群又は状態が、癌である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記癌が、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌及び線維肉腫からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記疾患、症候群、又は状態がウイルス感染である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ウイルス感染が、B型肝炎である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ウイルス感染、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌及び線維肉腫からなる群から選択される疾患、症候群又は状態を治療する方法であって、前記治療を必要とする対象に、治療有効量の請求項8に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項21】
前記ウイルス感染が、B型肝炎である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ウイルス感染、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌及び線維肉腫からなる群から選択される疾患、症候群又は状態の治療を必要とする対象において前記疾患、症候群又は状態を治療するための医薬を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項23】
ウイルス感染、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌及び線維肉腫からなる群から選択される疾患、症候群又は状態の治療を必要とする対象において前記疾患、症候群又は状態を治療する方法において使用するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年1月27日に出願された米国仮特許出願第62/451301号、2017年2月3日に出願された同第62/454,135号、及び2017年1月27日に出願された同第62/451,351号に対する優先権を主張し、これらの特許は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、STING(Stimulator of Interferon Genes;インターフェロン遺伝子刺激因子)のアゴニストであり、STINGタンパク質の調節によって影響を受ける障害の治療に有用な、新規化合物に関する。本発明はまた、かかる化合物のうちの1つ以上を含む医薬組成物、かかる化合物及び組成物の調製プロセス、及び様々な疾患、症候群及び障害を治療するためのかかる化合物又は医薬組成物の使用に関する。本発明は、下流のシグナル伝達経路の活性化に関与していてもよく、更に第2のメッセンジャー及び増殖因子を活性化し、自然免疫及び適応免疫に関与するインターフェロンの産生に関与し得る。より具体的には、本発明は、限定されないが、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及び抗ウイルス療法を含む種々の感染、疾患、症候群及び障害の治療のための、かかる化合物又は医薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
STING(インターフェロン遺伝子の刺激因子)は、TMEM173、MITA、MPYS及びERISとしても知られ、細胞内部に位置する膜貫通受容体であり、細胞質核酸の重要なセンサーである(Zhong B,et al.「The Adaptor Protein MITA Links Virus−Sensing Receptors to IRF3 Transcription Factor Activation.」Immunity.2008.Vol.29:538−550)。最近の研究により、STINGの生物学と、マウスモデルにおいて堅牢な抗腫瘍活性をもたらす自然免疫反応を動員する際の役割とが明らかになってきた。STING経路の活性化によって、IRF3(インターフェロン調節因子3)経路によるI型インターフェロン(主にIFN−α及びIFN−β)の産生が誘導される。IRF3の活性化はTBK1によって介在されると考えられており、TBK1は、IRF3を動員及びリン酸化させることにより、核に移行してI型インターフェロン及びその他の遺伝子を転写させ得るIRF3ホモ二量体を形成させる(Liu S,et al.「Phosphorylation of innate immune adaptor proteins MAVS,STING,and TRIF induces IRF3 activation」Science.2015:2630−2637)。TBK1はまた、癌原性転写因子NF−κBを介し活性化B細胞の核因子κ軽鎖エンハンサーをも活性化させ、これにより炎症促進性サイトカイン(IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−6、TNF−αなど)の産生が誘導される。これに加えて、STINGは、STAT6(シグナル伝達兼転写活性化因子6)を活性化し、ケモカインCCL2、CCL20及びCCL26を含む種々のサイトカインの産生を誘導し(Th2型)、増加させ(IL−12)、又は減少させる(IL−10)(Chen H,et al.「Activation of STAT6 by STING Is Critical for Antiviral Innate Immunity」 Cell.2011,vol.14:433−446)。活性化時のSTINGのSer366の直接的なリン酸化もまた、TBK1又はULK1を介して起こることが報告されている(Corrales,L.et al「Direct activation of STING in the tumor microenvironment leads to potent and systemic tumor regression and immunity」Cell Reports,2015,vol.11:1−13;Konno,H.et al.「Cyclic dinucleotides trigger ULK1(ATG1)phosphorylation of STING to prevent sustained innate immune signaling」Cell,2013,vol.155:688−698)。
【0004】
STING(2’,3’)環状グアノシンモノホスフェート−アデノシンモノホスフェート(2’,3’−cGAMP)に結合し、これを活性化させる天然リガンドと、その合成に関与する酵素(cGAS、C6orf150又はMB21D1としても知られている)は、この経路を調節する機会を提供することが解明されている。cGAMPは、STING経路を活性化するための内因性の二次メッセンジャーとして機能する、哺乳動物細胞において産生されるSTINGの高親和性リガンドである。cGAMPは、外因性二本鎖DNAの存在下(例えば、細菌、ウイルス又は原虫の侵入により放出される)、又は哺乳動物の自己DNAの存在下でcGASによって生成する固有の2’,3’結合を有する環状ジヌクレオチドである(Wu et al.,2013;Sun,L.et al.「Cyclic GMP−AMP Synthase Is a Cytosolic DNA Sensor That Activates the Type I Interferon Pathway」Science,2013,vol.339:786−791;Bhat N及びFitzgerald KA.「Recognition of Cytosolic DNA by cGAS and other STING−dependent sensors.」Eur J Immunol.2014 Mar;44(3):634−40)。STING活性化はまた、侵入してきた細菌によって放出される外因性(3’,3)環状ジヌクレオチド(c−di−GMP、c−di−AMP及び3’3’−cGAMP)の結合によって起こり得る(Zhang X,et al.「Cyclic GMP−AMP Containing Mixed Phosphodiester Linkages Is An Endogenous High−Affinity Ligand for STING」Molecular Cell,2013,vol.51:226−235;Danilchanka,O及びMekalanos,JJ.「Cyclic Dinucleotides and the Innate Immune Response」Cell.2013.vol.154:962−970)。
【0005】
STING経路の活性化は、特異的なキラーT細胞を生成する免疫反応を引き起こし、このキラーT細胞が、腫瘍を収縮させ、かつ再発しないように長く持続する免疫を与えることができる。前臨床モデルにおいてSTINGアゴニストを用いて得られた顕著な抗腫瘍活性は、この標的について高レベルの興奮を作り出し、STING経路を調節し得る低分子化合物は、癌を治療するのと、自己免疫疾患を減らすのとの両方の可能性がある。
【0006】
STING経路の活性化はまた、抗ウイルス応答にも関与する。細胞又は生物レベルのいずれかでの機能性応答の喪失は、STINGが存在しないとウイルス負荷を制御することができないことを示す。STING経路の活性化が免疫応答のトリガーとなり、その結果、ウイルスに対抗し免疫系の生得性及び適応性のアームを動員する抗ウイルス性及び炎症性サイトカインが得られる。最終的に、長期持続性の免疫が、病原性ウイルスに対して発達する。前臨床モデルにおいてSTINGアゴニストを用いて得られた顕著な腫瘍活性は、この標的について高レベルの興奮を作り出し、STING経路を調節し得る低分子化合物は、慢性ウイルス感染(例えばB型肝炎)を治療する可能性がある。
【0007】
慢性肝炎B型ウイルス(HBV)への感染は重要な世界的健康問題であり、世界人口の5%以上が感染している(世界中で3億5千万人以上、米国内では125万人の患者)。特定のHBVワクチン及び治療が利用可能ではあるが、慢性HBV感染の負担は、発展途上国の大部分では治療選択肢が最適とは言えず、また新たな感染の割合が依然高いことから、重要な未解決の世界的な医療上の問題であり続けている。現在の治療は、ウイルスポリメラーゼの阻害剤として作用するインターフェロンα及びヌクレオシド類似体といった2種類の薬剤のみに限定されている。しかしながら、これらの療法の中に疾患を治癒するものはなく、かつ薬物耐性、低有効性、及び忍容性についての課題によりその効果が制限される。HBVの治癒率が低いのは、少なくとも一部では、単一の抗ウイルス剤によりウイルス産生を完全に抑制することが困難であるとの事実に起因する。しかしながら、HBV DNAの持続的な抑制は、肝臓疾患の進行を遅らせ、肝細胞癌の防止につながる。HBV感染患者の現在の治療目標は、血清中のHBVのDNAを低いレベル、又は検出不能なレベルにまで低減させ、最終的には肝硬変及び肝細胞癌の発症を低下又は防止することにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ウイルス産生の抑制を高めることができ、HBV感染を治療、寛解、又は予防することができる治療剤が当該技術分野で必要とされている。単独療法として、又は他のHBV治療若しくは補助的治療との併用で、HBV感染した患者に対しかかる治療剤を投与することによって、ウイルス量の大幅な減少、予後の改善、疾患進行の減少、及びセロコンバージョン率の向上がもたらされる。
【0009】
自然免疫及び適応免疫の両方を強化する潜在的な治療効果は、STINGを、それ自体による優れた活性を示し、他の免疫療法と組み合わせることもできる、魅力的な治療標的にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、式(I)の化合物:
【0011】
【化1】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、及びb8からなる群から選択され、
【0012】
【化2】
Wは−O−又は−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、W及びZの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6又はb7から選択される場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外であり、
更に、式(I)の化合物が、R、W、X、Y及びZがそれぞれOであり、R1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシであり、Bはb1であり、かつR1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシである化合物以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0013】
同様に、本発明はまた、医薬的に許容可能な担体、医薬的に許容可能な賦形剤、及び/又は医薬的に許容可能な希釈剤と、式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩形態とを含むか、又はそれらからなるか、かつ/又はそれらから本質的になる医薬組成物も提供する。
【0014】
更に、式(I)の化合物と、医薬的に許容可能な担体、医薬的に許容可能な賦形剤、及び/又は医薬的に許容可能な希釈剤とを混合することを含む、それよりなる、及び/又は本質的にそれよりなる、医薬組成物を製造するためのプロセスが提供される。
【0015】
本発明は更に、式(I)の化合物を用い、ウイルス感染、疾患、症候群又は状態がSTINGのアゴニスト活性によって影響を受ける、哺乳動物及び/又はヒトを含む対象においてウイルス感染、疾患、症候群又は状態を治療するか、又は改善するための方法を提供する。
【0016】
本発明は更に、式(I)の化合物を用い、哺乳動物及び/又はヒトを含む対象においてウイルス感染、疾患、症候群又は状態を治療するか、又は改善するための方法を提供する。
【0017】
本発明は更に、式(I)の化合物を用い、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、ウイルス感染、疾患、症候群又は状態がSTINGのアゴニスト活性によって影響を受ける、哺乳動物及び/又はヒトを含む対象においてウイルス感染、疾患、症候群又は状態を治療するか、又は改善するための方法を提供する。
【0018】
本発明は更に、式(I)の化合物を用い、哺乳動物及び/又はヒトを含む対象において、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、ウイルス感染、疾患、症候群又は状態を治療するか、又は改善するための方法を提供する。
【0019】
本発明はまた、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、STINGのアゴニスト活性によって影響を受けるウイルス感染、疾患、症候群又は状態の治療を必要とする対象において当該疾患、症候群又は状態を治療するための医薬が調製される、医薬の調製における本明細書に記載のいずれかの化合物の使用に関する。
【0020】
本発明はまた、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、ウイルス感染、疾患、症候群又は状態の治療を必要とする対象において当該疾患、症候群又は状態を治療するための医薬が調製される、医薬の調製における本明細書に記載のいずれかの化合物の使用に関する。
【0021】
本発明はまた、STINGの選択的なアゴニストとして作用する置換環状ジヌクレオチド誘導体の調製に関する。
【0022】
本発明の例示は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、STINGによって調節されるウイルス感染、疾患、症候群又は状態を治療する方法であって、当該治療を必要とする対象に、治療有効量の上述の化合物又は医薬組成物のいずれかを投与することを含む、方法である。
【0023】
本発明の例示は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択されるウイルス感染、疾患、症候群又は状態を治療する方法であって、当該治療を必要とする対象に、治療有効量の上述の化合物又は医薬組成物のいずれかを投与することを含む、方法である。
【0024】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、STINGのアゴニスト活性によって影響を受けるウイルス感染、疾患、症候群又は状態の治療に使用するための式(I)の化合物に関する。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択されるウイルス感染、疾患、症候群又は状態の治療のための式(I)の化合物を含む組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
置換基に関連して用いられる「独立して」という用語は、2個以上の置換基が存在し得る場合に、それらの置換基が互いに同じであっても異なってもよい状況を意味する。
【0027】
単独で用いられるか又は置換基の一部として用いられるかによらず、「アルキル」という用語は、1〜8個の炭素原子を有する、直鎖状及び分岐鎖状の炭素鎖を意味する。したがって、指定された炭素原子の数(例えば、C1〜8)は、独立して、アルキル部分又はより大きなアルキル含有置換基のアルキル部の炭素原子数を意味する。複数のアルキル基を有する置換基、例えば、(C1〜6アルキル)アミノ−において、ジアルキルアミノのC1〜6アルキル基は、同じであっても異なってもよい。
【0028】
「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を意味し、ここで「アルキル」という用語は上記で定義されるものである。
【0029】
「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を有する、直鎖状及び分岐鎖状の炭素鎖を意味し、アルケニル鎖は、少なくとも1つの二重結合を含み、アルキニル鎖は、少なくとも1つの三重結合を含む。
【0030】
「シクロアルキル」という用語は、飽和又は部分的に飽和の、単環式又は多環式の、3〜14個の炭素原子の炭化水素環を意味する。このような環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びアダマンチルが挙げられる。
【0031】
「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子とN、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子とを含む3〜10個の環員を有する非芳香族の単環系又は二環系を意味する。ヘテロシクリルという用語の範囲には、1〜2員がNである5〜7員の非芳香族環、又は0、1若しくは2員がNであり、2員以下がO若しくはSであり、少なくとも1員がN、O若しくはSのいずれかでなければならない5〜7員の非芳香族環が含まれる。環は、所望により、0〜1個の不飽和結合を含んでいてよく、環が6又は7員である場合、所望により、2個以下の不飽和結合を含んでいてよい。ヘテロシクリルの環を構成する炭素原子は、完全に飽和していても部分的に飽和していてもよい。「ヘテロシクリル」という用語はまた、架橋されることで二環式環を形成する2個の5員の単環式ヘテロシクロアルキル基も含む。このような基は、完全に芳香族性とはみなされず、ヘテロアリール基とは称されない。ヘテロシクリルが二環式の場合、ヘテロシクリルの両環は、非芳香環であり、かつ、少なくとも一方の環はヘテロ原子の環員を含む。ヘテロシクリル基の例としては、限定するものではないが、ピロリニル(2H−ピロール、2−ピロリニル又は3−ピロリニルを含む)、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、及びピペラジニルが挙げられる。特に断らない限り、ヘテロシクリルは、そのペンダント基と、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合している。
【0032】
「アリール」という用語は、6〜10個の炭素員からなる、不飽和、芳香族性の単環又は二環式環を意味する。アリール環の例としては、フェニル及びナフタレニルが挙げられる。「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子及びN、O及びSからなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10個の環員を有する芳香族性の単環式又は二環式の芳香環系を指す。ヘテロアリールという用語の範囲には、5又は6員の芳香環が含まれ、ただし環は炭素原子からなり、少なくとも1つのヘテロ原子の環員を有する。適切なヘテロ原子としては、窒素、酸素、及び硫黄が挙げられる。5員環の場合、ヘテロアリール環は、好ましくは、1員の窒素、酸素又は硫黄を含み、更に3個以下の更なる窒素を含む。6員環の場合、ヘテロアリール環は、好ましくは1〜3個の窒素原子を含む。6員環が3個の窒素原子を有する場合では、最大で2個の窒素原子が隣り合う。ヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びキナゾリニルが挙げられる。特に断らない限り、ヘテロアリールは、そのペンダント基と、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合している。
【0033】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を指す。
【0034】
「アルキル」若しくは「アリール」という用語又はこれらの接頭辞の語根のいずれかが、置換基の名称中に現れる場合(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)、名称は、「アルキル」及び「アリール」について上記に与えられた限定を含むものとして解釈されるものとする。指定される炭素原子数(例えば、C〜C)は、アルキル部分、アリール部分、又は、アルキルがその接頭辞の語根として現れる、より大きな置換基のアルキル部分の炭素原子数を独立して指す。アルキル及びアルコキシ置換基について、指定される炭素原子数は、指定された所定の範囲内に含まれる全ての独立した構成員を含む。例えば、C1〜6アルキルには、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルを個々に含むだけでなく、それらの下位の組み合わせ(例えば、C1〜2、C1〜3、C1〜4、C1〜5、C2〜6、C3〜6、C4〜6、C5〜6、C2〜5など)も含まれる。
【0035】
一般的に、本開示全体で使用される標準的な命名法の規則の下では、指定される側鎖の末端部分が最初に記載され、続けて結合点の方向に隣接する官能基が記載される。したがって、例えば、「C〜Cアルキルカルボニル」置換基は下式の基:
【0036】
【化3】
を意味する。
【0037】
立体中心における「R」という用語は、当該技術分野で定義されているように、その立体中心が純粋にR−配置であることを示す。同様に、用語「S」は、純粋にS−配置であることを意味する。本願明細書で使用する場合、立体中心における「R」又は「S」という用語は、その立体中心が純粋なものであるが、どちらの配置であるか不明であることを表記するのに使用される。本願明細書で使用する場合、「RS」という用語は、R−及びS−配置の混合物として存在する立体中心を意味する。同様に、「RS」又は「SR」という用語は、R配置及びS配置の混合物として存在し、その分子内の別の立体中心に関してその配置が不明である立体中心を意味する。
【0038】
1個の立体中心を有する化合物であって、立体化学的結合の指定なしで図示されているものは、2種類のエナンチオマーの混合物である。2個の立体中心を有する化合物であって、両方とも立体化学的結合の指定なしで図示されているものは、4種のジアステレオマーの混合物である。「RS」の両方で標識された2個の立体中心を有する化合物であって、立体化学的結合の指定を付して図示されているものは、図示されている相対的な立体化学を有する2成分混合物である。「RS」の両方で標識された2個の立体中心を有する化合物であって、立体化学的結合の指定を付して図示されているものは、相対的な立体化学が不明である2成分混合物である。立体化学的結合の指定なしで図示されている未標識の立体中心は、R−配置とS−配置との混合である。立体化学的結合の指定を付して図示されている未標識の立体中心に関しては、その絶対的な立体化学は図示されたとおりのものである。
【0039】
特に断らない限り、分子内の特定の位置における任意の置換基又はその変形物の定義は、その分子内の他の位置におけるその定義とは独立であることが意図されている。本発明の化合物における置換基及び置換パターンは、化学的に安定であり、かつ当技術分野において周知の技術及び本明細書で説明される方法により容易に合成できる化合物を提供するために、当業者が選択することができると理解される。
【0040】
「対象」という用語は、治療、観察又は試験の対象となっている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0041】
「治療有効量」という用語は、治療される疾患、症候群、状態又は障害の症状の緩和若しくは部分的緩和を含む、研究者、獣医、医師、又は他の臨床専門家が得ようとする生物学的又は医薬的応答を組織系、動物又はヒトにおいて誘導する、本発明の化合物を含む活性化合物又は医薬品の量を指す。
【0042】
「組成物」という用語は、治療有効量の特定の成分を含む生成物、並びに特定の量の特定の成分の組み合わせから直接又は間接的にもたらされる任意の生成物を意味する。
【0043】
「STINGアゴニスト」という用語は、STINGに結合することによってSTINGに作用し、STING機能に関連する分子の活性化によって特徴付けられる下流のシグナル伝達を誘導する、化合物を包含することを意図している。この用語には、STING、IRF3及び/又はNF−κBの直接リン酸化反応も含まれ、STAT6も含まれ得る。STING経路活性化によって、I型インターフェロン(主にIFN−α及びIFN−β)の産生及びインターフェロン刺激遺伝子の発現が増加する(Chen H,et al.「Activation of STAT6 by STING Is Critical for Antiviral Innate Immunity.」Cell.2011,vol.14:433−446;and Liu S−Y,et al.「Systematic identification of type I and type II interferon−induced antiviral factors」.Proc.Natl.Acad.Sci.2012:vol.109 4239−4244)。
【0044】
「STING調節された」という用語は、限定されないが、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎感染などのウイルス感染、疾患又は状態を含む、STINGによって直接、又はSTING経路を介して影響を受ける状態を指すために用いられる。
【0045】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「STINGによって調節される障害」という用語は、ウイルス感染、疾患、障害又は状態のうち、その特徴的な症状の少なくとも1つがSTINGアゴニストで治療すると緩和するか、又は除去されることを特徴とするものを意味する。好適な例としては、限定されないが、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎が挙げられる。
【0046】
本明細書で使用される場合、特に断らない限り、(STINGのアゴニスト活性により影響を受けるウイルス感染、疾患、症候群、状態又は障害に言及する場合の)「影響する」又は「影響される」という用語は、当該ウイルス感染、疾患、症候群、状態又は障害の1つ以上の症状又は所見の頻度及び/又は重症度の低下を含み、並びに/又は、当該ウイルス感染、疾患、症候群、状態若しくは障害の1つ以上の症状若しくは所見の進行の予防、又は、ウイルス感染、疾患、状態、症候群又は障害の進行の予防を含む。
【0047】
本発明の化合物は、STINGのアゴニスト活性により影響を受けるウイルス感染、疾患、症候群、状態又は障害を治療又は寛解させるための方法に有用である。そのような方法は、そのような処置、改善及び/又は予防を必要とする対象(動物、哺乳類、及びヒトを含む)に、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは医薬的に許容可能な塩の治療有効量を投与することを含む、それからなる、及び/又はそれから本質的になる。
【0048】
特に、式(I)の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物若しくは医薬的に許容される塩形態は、例えば黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎感染などの疾患、症候群、状態又は障害を治療するか、又は改善するのに有用である。
【0049】
より具体的には、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは医薬的に許容可能な塩形態は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎感染などの疾患、症候群、状態又は障害を治療するか、又は改善するのに有用であり、当該治療又は改善を必要とする対象に、治療有効量の本明細書で定義した式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは医薬的に許容可能な塩形態を投与することを含む。
【0050】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、ヘパドナウイルス(Hepadnaviridaee)(例えばB型肝炎ウイルス、すなわちHBV)によって引き起こされる感染を含むウイルス感染を寛解させ、及び/又は治療する方法に関する。この方法は、ウイルス感染症を患っていると特定された対象に、有効量の式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物を投与することを含んでいてもよい。
【0051】
本明細書に開示された他の実施形態は、ウイルス感染を寛解させ、及び/又は治療する方法であって、ウイルスに感染した細胞と、有効量の本明細書に記載の1種類以上の化合物(例えば、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態)、又は本明細書に記載の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物とを接触させることを含んでいてもよい、方法に関する。本明細書に記載される更に他の実施形態は、ウイルス感染を寛解させ、及び/又は治療するための医薬の製造において、式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態を使用することに関する。
【0052】
本明細書に記載される更に他の実施形態は、ウイルス感染を寛解させ、及び/又は治療するために使用可能な、式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物に関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、ウイルスの複製を阻害する方法であって、ウイルスに感染した細胞と、有効量の式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は本明細書に記載の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物とを接触させることを含んでいてもよい、方法に関する。
【0053】
本明細書に記載される他の実施形態は、ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造において、式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態を使用することに関する。本明細書に記載される更に他の実施形態は、ウイルスの複製を阻害するために使用可能な、本明細書に記載の1種類以上の化合物(例えば、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態)、又は本明細書に記載の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物に関する。
【0054】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、B型肝炎ウイルスの感染であってもよい。方法は、HBVを患っていると特定された対象に、有効量の式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物を投与することを含んでいてもよい。
【0055】
本明細書に開示された他の実施形態は、ウイルス感染を寛解させ、及び/又は治療する方法であって、HBVに感染した細胞と、有効量の式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物とを接触させることを含んでいてもよい、方法に関する。本明細書に記載される更に他の実施形態は、HBVを寛解させ、及び/又は治療するための医薬の製造において、式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を使用することに関する。
【0056】
本明細書に記載される更に他の実施形態は、HBVを寛解させ、及び/又は治療するために使用可能な、式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物に関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、HBVの複製を阻害する方法であって、ウイルスに感染した細胞と、有効量の式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物とを接触させることを含んでいてもよい、方法に関する。
【0057】
本明細書に記載される他の実施形態は、HBVの複製を阻害するための医薬の製造において、式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩を使用することに関する。本明細書に記載される更に他の実施形態は、HBVの複製を阻害するために使用可能な、式(I)の1種類以上の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は式(I)の1種類以上の化合物若しくはその医薬的に許容される塩形態を含む医薬組成物に関する。
【0058】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【0059】
【化4】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択され、
【0060】
【化5】
Wは−O−又は−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、W及びZの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外であり、
更に、式(I)の化合物が、R、W、X、Y及びZがそれぞれOであり、R1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシであり、Bはb1であり、かつR1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシである化合物以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0061】
本発明の一実施形態は、式Iの化合物、
【0062】
【化6】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は環b1、b2、b3、b4、b6、及びb8からなる群から選択され、
【0063】
【化7】
Wは−O−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外であり、
更に、式(I)の化合物が、R、X、Y及びZがそれぞれOであり、R1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシであり、Bはb1であり、かつR1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシである化合物以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0064】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【0065】
【化8】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
はb6であり、
【0066】
【化9】
Wは−O−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0067】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【0068】
【化10】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は環b1、b2、b3、b4、b6、及びb8からなる群から選択され、
【0069】
【化11】
Wは−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0070】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【0071】
【化12】
[式中、
RはCH又はOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
はb6であり、
【0072】
【化13】
Wは−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、
かつ、RがCHであり、Bがb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0073】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【0074】
【化14】
[式中、
RはCHであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択され、
【0075】
【化15】
Wは−O−又は−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、W及びZの1つのみがNHであり、
かつ、Bがb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0076】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【0077】
【化16】
[式中、
RはCHであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択され、
【0078】
【化17】
Wは−O−であり、
Xは−O−であり、
Yは−CH−又は−O−であり、
Zは−CH−又は−O−であり、
が又はb6である場合、R2Bはフルオロ又はヒドロキシ以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0079】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物であって、
【0080】
【化18】
[式中、
RはOであり、
1Bは水素、ヒドロキシ、又はフルオロであり、
1Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
2Bは水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はフルオロであり、
2Cは、ヒドロキシ、チオール、及びBHからなる群から選択され、
は、環b1、b2、b3、b4、b5、b6、及びb8からなる群から選択され、
【0081】
【化19】
Wは−O−又は−NH−であり、
Xは−O−又は−NH−であり、
Yは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
Zは−CH−、−O−、又は−NH−であり、
いずれの場合でも、X及びYの1つのみがNHであり、W及びZの1つのみがNHであり、
更に、式(I)の化合物が、R、W、X、Y及びZがそれぞれOであり、R1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシであり、Bはb1であり、かつR1B及びR2Bはそれぞれヒドロキシである化合物以外である]
又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは医薬的に許容される塩形態に関する。
【0082】
本発明の実施形態は、式(Ia)の化合物[式中、W、X、Y、及びZは、本明細書で定義されるようにそれぞれOである。]、又はこれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは医薬的に許容される塩形態を更に含み、本明細書で定義される変数の1つ以上から選択される置換基(例えば、R、R1B、R1C、R2B、R2C、及びB)は独立して、下表1の一覧に例示されるものから選択される、任意の個々の置換基、又は置換基の部分集合であるように選択される。
【0083】
【表1-1】
【0084】
【表1-2】
【0085】
本発明の実施形態は、式(Ib)の化合物[式中、Rは本明細書において定義されたようにOである]、又はこれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは医薬的に許容される塩形態を更に含み、本明細書で定義される変数の1つ以上から選択される置換基(例えば、R1B、R1C、R2B、R2C、W、X、Y、Z、及びB)は独立して、下表2の一覧に例示されるものから選択される、任意の個々の置換基、又は置換基の部分集合であるように選択される。
【0086】
【表2】
【0087】
本発明の更なる実施形態は、化合物1〜33から選択される式(I)の化合物に関する。
【0088】
【化20】
【0089】
【化21】
【0090】
【化22】
【0091】
【化23】
【0092】
【化24】
【0093】
【化25】
【0094】
【化26】
【0095】
【化27】
【0096】
【化28】
【0097】
【化29】
からなる群から選択される式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態に関する。
【0098】
医療において使用する場合、式(I)の化合物の塩とは、非毒性の「医薬的に許容される塩」を指す。しかし、他の塩が式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩形態の調製において有用である場合もある。式(I)の化合物の適切な医薬的に許容される塩としては、例えば、化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸のような医薬的に許容される酸の溶液と混合することにより形成され得る酸付加塩が挙げられる。更に、式(I)の化合物が酸性部分を有する場合、その適切な医薬的に許容される塩としては例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)、及び適切な有機リガンドと形成される塩(例えば、第四級アンモニウム塩)を挙げることができる。すなわち、代表的な医薬的に許容される塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウムエデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ハイドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモン酸塩(エンボナート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、及び吉草酸塩が挙げられる。
【0099】
医薬的に許容可能な塩の調製に使用することができる代表的な酸及び塩基としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸を含む酸、並びに、アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン(benethamine)、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リジン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、及び水酸化亜鉛を含む塩基が挙げられる。
【0100】
本発明の実施形態には、式(I)の化合物のプロドラッグが含まれる。一般的には、このようなプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に変換可能な化合物の機能的誘導体である。したがって、本発明の治療又は予防の方法の実施形態において、「投与すること」という用語には、具体的に開示された化合物による、又は具体的には開示されていない場合もあるが患者への投与後にインビボで特定の化合物に変換される化合物による、記載された様々な疾患、状態、症候群及び障害の治療又は予防が包含される。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する通常の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0101】
本発明の実施形態に基づく化合物が少なくとも1個のキラル中心を有する場合、それに応じて化合物はエナンチオマーとして存在し得る。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、ジアステレオマーとして追加的に存在してもよい。かかる異性体及びその混合物は全て、本発明の範囲内に包含されると理解される。更に、化合物の結晶型の中には、多形として存在できるものもあり、そのような多形も本発明に含まれることが意図される。加えて、化合物の中には、水との溶媒和物(すなわち、水和物)又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成できるものもあり、このような溶媒和物もまた、本発明の範囲に包含されることが意図される。当業者は、本明細書で用いる「化合物」という用語が、式(I)の化合物の溶媒和物を含むことを理解するであろう。
【0102】
本発明の特定の実施形態に基づく化合物の調製プロセスにより立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成若しくは分解のいずれかにより調製することもできる。化合物は、例えば、(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸などの光学活性酸と塩を形成させた後に、分別結晶化を行い、遊離塩基を再生させることによりジアステレオマー対を形成させるなどの標準的技術により、それら化合物の成分であるエナンチオマーに分割することができる。化合物はまた、ジアステレオマーのエステル又はアミドを形成した後、クロマトグラフィー分離を行い、キラル補助基を除去することにより、分解することもできる。あるいは、化合物はキラルHPLCカラムを用いて分割してもよい。
【0103】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物の(+)−エナンチオマーを含む、それからなる、及び/又はそれから本質的になる医薬組成物を含む組成物であって、当該化合物の(−)−異性体を実質的に含まない、組成物を目的とする。本文脈において、実質的に含まないとは、下式で算出される(−)−異性体が、約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、更により好ましくは約2%未満、及び更により好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0104】
【数1】
【0105】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物の(−)−エナンチオマーを含む、それからなる、及びそれから本質的になる医薬組成物を含む組成物であって、当該化合物の(+)−異性体を実質的に含まない、組成物である。本文脈において、実質的に含まないとは、下式で算出される(+)−異性体が、約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、更により好ましくは約2%未満、更により好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0106】
【数2】
【0107】
本発明の種々の実施形態の化合物を調製するための任意のプロセスにおいて、関連する分子のいずれかにおける感受性基又は反応性基を保護することが必要及び/又は望ましい場合がある。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition,J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley & Sons,1999などに記載されるような従来の保護基を用いることによって達成されるであろう。保護基は、その後の好都合な段階において、当該技術分野で周知の方法を用いて除去することができる。
【0108】
本発明の実施形態の化合物(その医薬的に許容される塩及び医薬的に許容される溶媒和物を含む)は単独で投与することができるが、これらの化合物は、一般的には、意図された投与経路及び標準的な製薬学的又は獣医学的な慣行の観点から選ばれる、医薬的に許容される担体、医薬的に許容される賦形剤及び/又は医薬的に許容される希釈剤との混合物として投与される。したがって、本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物及び少なくとも1つの医薬的に許容される担体、医薬的に許容される賦形剤、及び/又は医薬的に許容される希釈剤を含む製薬学的及び獣医学的組成物を目的とする。
【0109】
一例として、本発明の実施形態の医薬組成物では、式(I)の化合物は、任意の適切な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤、及びそれらの組み合わせと混合することができる。
【0110】
本発明の化合物を含む固体の経口投与形態、例えば、錠剤又はカプセルを、必要に応じて1回につき少なくとも1つの投与形態で投与することができる。持続放出性製剤で化合物を投与することも可能である。
【0111】
本発明の化合物が投与され得る追加の経口形態としては、エリキシル剤、溶液、シロップ剤及び懸濁液が挙げられる。それぞれ任意選択的に香味剤及び着色剤を含有する。
【0112】
あるいは、式(I)の化合物は、吸入(気管内又は経鼻的に)により、又は座薬若しくはペッサリーの形態で投与することができる。あるいは、式(I)の化合物は、ローション、溶液、クリーム、軟膏若しくは散布剤として局所的に塗布することもできる。例えば、式(I)の化合物は、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルジョンを含む、それからなる、及び/又は本質的にそれからなるクリームに添加することができる。式(I)の化合物は、クリームの約1重量%〜約10重量%の濃度で、必要に応じて任意の安定剤及び保存剤と共にワックス又は軟パラフィン基剤を含む、それからなる、及び/又はそれから本質的になる軟膏に添加することもできる。投与の代替手段としては、皮膚又は経皮貼付剤を使用することによる経皮投与が挙げられる。
【0113】
本発明の医薬組成物(本発明の化合物単独と同様)は、非経口的に、例えば、陰茎海綿体内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、又は髄腔内に注入することができる。この場合、組成物はまた、適切な担体、適切な賦形剤、及び適切な希釈剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0114】
非経口投与について、本発明の医薬組成物は、例えば、溶液を血液と等張に保つうえで充分な塩及び単糖などの他の物質を含んでもよい滅菌水溶液の形態で最もよく使用される。
【0115】
癌の治療のための上述の投与経路に加えて、医薬組成物は、腫瘍内又は腫瘍周囲への注射による投与に適合され得る。このように免疫系を活性化して、離れた部位で腫瘍を死滅させることは、アブスコパル効果として一般的に知られており、多数の治療法を用いて動物において実証されている(van der Jeught,et al.,Oncotarget,2015,6(3),1359−1381)。局所投与又は腫瘍内若しくは腫瘍周囲への投与の更なる利点は、はるかに低用量で同等の有効性を達成し、ひいては高用量の場合に観察され得る有害事象を最小限に抑えるか又は排除するという能力である(Marabelle,A.,et al.,Clinical Cancer Research,2014,20(7),1747−1756)。
【0116】
口腔又は舌下投与では、本発明の医薬組成物を錠剤又はトローチ剤の形態で投与してもよく、これは従来法で製剤することができる。
【0117】
更なる例として、活性成分として式(I)の化合物の少なくとも1つを含有する医薬組成物を、従来の製薬学的配合技術に従って、化合物と、医薬的に許容される担体、医薬的に許容される希釈剤、及び/又は医薬的に許容される賦形剤とを混合することによって調製することができる。担体、賦形剤、及び希釈剤は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口など)に応じ、広範な形態を取ることができる。それゆえに、懸濁液、シロップ剤、エリキシル剤及び溶液などの液体経口製剤の場合、適切な担体、賦形剤及び希釈剤としては、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、安定剤、着色剤及びこれらに類するものが挙げられる。散剤、カプセル剤及び錠剤などの固体経口製剤の場合、適切な担体、賦形剤及び希釈剤としては、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤及びこれらに類するものが挙げられる。吸収及び崩壊の主要部位を調節するために、固体経口製剤を糖などの物質で任意にコーティングするか、又は腸溶性コーティングを施すことができる。非経口投与の場合、担体、賦形剤及び希釈剤は、通常、滅菌水を含み、組成物の溶解度及び保存性を高めるために他の成分を添加してもよい。注射用懸濁剤又は溶剤はまた、水性担体を、適切な添加剤、例えば、可溶化剤及び保存剤と共に使用して、調製することもできる。
【0118】
式(I)の化合物又はその医薬組成物の治療有効量としては、平均的な(70kgの)ヒトについて1日当たり、約1〜約4回のレジメンで、約0.01mg〜約3000mgの用量範囲、又はこれに含まれる任意の特定の量若しくは範囲、特に、約0.05mg〜約1000mg、又はこれに含まれる任意の特定の量若しくは範囲、又は更に特定的には、約0.05mg〜約250mg、又はこれに含まれる任意の特定の量若しくは範囲の活性成分を含む用量を含むが、式(I)の化合物の治療有効量は、治療される疾患、症候群、状態及び障害によって変動することが当業者には明らかである。
【0119】
経口投与では、医薬組成物は、式(I)の化合物を約1.0、約10、約50、約100、約150、約200、約250、及び約500mg含む錠剤の形態で提供されることが好ましい。
【0120】
有利な点として、式(I)の化合物は、1日量を1回で投与してもよく、1日当たりの総投与量を1日に2回、3回及び4回に分割して投与してもよい。
【0121】
式(I)の化合物の投与される最適投与量は、容易に決定することができ、用いられる具体的な化合物、投与形態、製剤の強度、及び疾患、症候群、状態、又は障害の進行状態によって変わる。加えて、治療される具体的な対象に関連する要因、例えば、対象の性別、年齢、体重、食事及び投与タイミングにより、適切な治療レベル及び所望の治療効果を得るために用量を調節する必要が生じる。したがって、上記の投与量は平均的な場合の例である。当然、これより高いか低い用量範囲が有効である個々の例が存在することができ、これらも本発明の範囲内に含まれる。
【0122】
式(I)の化合物は、これを必要とする対象に式(I)の化合物を使用することが求められる場合には、上記の組成物及び投与レジメンのいずれかによって、又は当技術分野において確立されているそれらの組成物及び投与レジメンによって投与することができる。
【0123】
STINGタンパク質アゴニストとして、式(I)の化合物は、STINGタンパク質の調節(アゴニスト活性を含む)によってウイルス感染、疾患、症候群、状態又は障害が影響を受ける、動物、哺乳類及びヒトなどの対象における、ウイルス感染、疾患、症候群、状態又は障害を治療又は予防するための方法において有用である。かかる方法は、かかる治療又は予防を必要とする動物、哺乳動物及びヒトなどの対象に、治療有効量の式(I)の化合物、塩、又は溶媒和物を投与する工程を含むか、それよりなるか、及び/又は本質的にそれよりなる。
【0124】
一実施形態では、本発明は、癌の治療、並びに癌疾患及び状態、又はウイルス感染における使用のための、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩形態を目的とする。
【0125】
式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩若しくは溶媒和物が潜在的に有益な抗腫瘍効果を有し得る癌疾患及び病状の例としては、限定されないが、肺、骨、膵臓、皮膚、頭部、頸部、子宮、卵巣、胃、結腸、乳房、食道、小腸、腸、内分泌系、甲状腺、副甲状腺、副腎、尿道、前立腺、陰茎、精巣、尿管、膀胱、腎臓又は肝臓の癌、直腸癌;肛門部分の癌;卵管、子宮内膜、子宮頸管、膣、外陰部、腎盂、腎細胞の癌;軟組織の肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫;奇形腫;胆管癌;肝芽腫;血管肉腫;血管腫;肝癌;線維肉腫;軟骨肉腫;骨髄腫;慢性白血病又は急性白血病;リンパ球性リンパ腫;原発性中枢神経リンパ腫;中枢神経系の腫瘍形成;脊髄軸腫瘍;扁平上皮細胞癌;滑膜肉腫;悪性胸骨上皮腫;脳幹神経膠腫;下垂体腺腫;気管支腺腫;軟骨性過誤腫(chondromatous hanlartoma);中皮腫;ホジキン病、又は前述の癌のうちの1つ以上の組み合わせが挙げられる。好適には、本発明は、脳(神経膠腫)、膠芽腫、星状細胞腫、多型性グリオブラストーマ、Bannayan−Zonana症候群、カウデン病、レルミット・ダクロス病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓、肝臓、黒色腫、卵巣、膵臓、腺癌、導管腺癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴノーマ、インスリノーマ、前立腺、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、甲状腺、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核芽球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱癌、尿路上皮癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、中皮腫、食道癌、唾液腺癌、肝細胞癌、胃癌、上咽頭癌、口腔癌、口の癌、GIST(消化管間質腫瘍)及び精巣癌からなる群から選択される癌を治療するか、又は重篤度を下げるための方法に関する。
【0126】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、線維肉腫及びB型肝炎からなる群から選択される、STINGのアゴニスト活性によって影響を受ける障害の治療に使用するための式(I)の化合物、又はその意訳的に許容される塩形態に関する。
【0127】
開示される式(I)の化合物は、HBV感染症の治療に有用な1種以上の追加の化合物と併用するのに有用であり得る。これらの追加の化合物は、他にも開示される化合物、及び/又はHBV感染症の症状又は効果を治療、予防、若しくは低減することが公知である化合物を含み得る。そのような化合物としては、限定されないが、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、文献記載のカプシドアセンブリ調節因子、逆転写酵素阻害剤、免疫調節因子、TLR−アゴニスト、及びHBVのライフサイクルに影響を及ぼす、又はHBV感染症の転帰に影響を及ぼす、異なる又は未知の機構を伴う他の薬剤が挙げられる。
【0128】
非限定的な例では、開示される化合物は、次のものを含む群から選択される1つ以上の薬物(又はその塩)と併用され得る:
ラミブジン(3TC、Zeffix、Heptovir、Epivir、及びEpivir−HBV)、エンテカビル(Baraclude、Entavir)、アデフォビルジピボキシル(Hepsara、Preveon、bis−POM PMEA)、テノホビルジソプロキシルフマレート(Viread、TDF又はPMPA)を含むがこれらに限定されないHBV逆転写酵素阻害剤、並びにDNA及びRNAポリメラーゼ阻害剤;
インターフェロンアルファ(IFN−α)、インターフェロンベータ(IFN−β)、インターフェロンラムダ(IFN−λ)、及びインターフェロンガンマ(IFN−γ)を含むがこれらに限定されないインターフェロン;
ウイルス侵入阻害剤;
ウイルス成熟阻害剤;
カプシドアセンブリ調節因子、例えば、限定されないが、BAY41−4109;
逆転写酵素阻害剤;
TLR−アゴニストなどの免疫調節因子;及び
異なる又は未知の機序を伴う薬剤、例えば、限定されないが、AT−61((E)−N−(1−クロロ−3−オキソ−1−フェニル−3−(ピペリジン−1−イル)プロパ−1−エン−2−イル)ベンズアミド)、AT−130((E)−N−(1−ブロモ−1−(2−メトキシフェニル)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロパ−1−エン−2−イル)−4−ニトロベンズアミド)及びこれらの類似体。
【0129】
一実施形態では、追加の治療剤はインターフェロンである。「インターフェロン」又は「IFN」という用語は、ウイルス複製及び細胞増殖を阻害し、免疫反応を調節する、高度に相同な種特異的タンパク質のファミリーの任意のメンバーを指す。例えば、ヒトインターフェロンは、インターフェロンアルファ(IFN−α)、インターフェロンベータ(IFN−β)、及びインターフェロンオメガ(IFN−ω)を含むI型、インターフェロンガンマ(IFN−γ)を含むII型、並びにインターフェロンラムダ(IFN−λ)を含むIII型の3つに分類される。開発され、市販されている組換え型のインターフェロンは、本明細書で使用する用語「インターフェロン」により包含される。化学修飾インターフェロン又は変異インターフェロンなどのインターフェロンのサブタイプも、本明細書で使用する用語「インターフェロン」に包含される。化学修飾インターフェロンとしては、ペグ化インターフェロン及びグリコシル化インターフェロンを挙げてよい。インターフェロンの例としては、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b、インターフェロンアルファn1、インターフェロン−ベータ1a、インターフェロンベータ1b、インターフェロンラムダ1、インターフェロンラムダ2、及びインターフェロンラムダ3も挙げられるが、これらに限定されない。ペグ化インターフェロンの例としては、ペグ化インターフェロンアルファ2a及びペグ化インターフェロンアルファ2bが挙げられる。
【0130】
したがって、一実施形態では、式(I)の化合物は、インターフェロンアルファ(IFN−α)、インターフェロンベータ(IFN−β)、インターフェロンラムダ(IFN−λ)及びインターフェロンガンマ(IFN−γ)からなる群から選択されるインターフェロンと併用投与することができる。特定の一実施形態では、インターフェロンは、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b、又はインターフェロンアルファn1である。別の特定の実施形態では、インターフェロンアルファ2a又はインターフェロンアルファ2bはペグ化されている。好ましい実施形態では、インターフェロンアルファ2aはペグ化インターフェロンアルファ2a(PEGASYS)である。別の実施形態では、追加の治療剤は、インターフェロンクラスに属する生物学的薬剤を含む、免疫調節療法又は免疫刺激剤療法から選択される。
【0131】
更に、追加の治療剤は、他の必須ウイルスタンパク質又はHBV複製若しくは持続に要求される宿主タンパク質の機能を破壊する薬剤であってもよい。
【0132】
別の実施形態では、追加の治療剤は、ウイルスの侵入若しくは成熟をブロックする、又はヌクレオシド若しくはヌクレオチド若しくは非ヌクレオシ(チ)ドポリメラーゼ阻害剤などのHBVポリメラーゼを標的とする抗ウイルス剤である。併用療法の更なる実施形態では、逆転写酵素阻害剤又はDNA若しくはRNAポリメラーゼ阻害剤は、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ddA、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、エンテカビル、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、テノホビル、アデフォビル、PMPA、シドフォビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、又はエトラビリンである。
【0133】
一実施形態では、追加の治療剤は、無関係のウイルスに対して免疫応答の誘導をもたらす、自然の限定された免疫応答を誘導する免疫調節剤である。換言すれば、免疫調節因子は、抗原提示細胞の成熟、T細胞の増殖、及びサイトカイン放出(例、とりわけIL−12、IL−18、IFN−α、β、及びγ並びにTNF−α)に影響を及ぼし得る。
【0134】
更なる実施形態では、追加の治療剤は、TLR調節因子又はTLRアゴニスト、例えばTLR−7アゴニスト若しくはTLR−9アゴニストなどである。併用療法の更なる実施形態において、TLR−7アゴニストは、SM360320(9−ベンジル−8−ヒドロキシ−2−(2−メトキシ−エトキシ)アデニン)及びAZD8848(メチル[3−({[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル][3−(4−モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセテート)からなる群から選択される。
【0135】
本明細書で提供する方法のいずれかにおいて、方法は、少なくとも1つのHBVワクチン、ヌクレオシドHBV阻害剤、インターフェロン、又はそれらの任意の組み合わせを個体に投与することを更に含み得る。一実施形態では、HBVワクチンは、RECOMBIVAX HB、ENGERIX−B、ELOVAC B、GENEVAC−B、又はSHANVAC Bのうちの少なくとも1つである。
【0136】
一実施形態では、本明細書に記載の方法は、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体、侵入阻害剤、融合阻害剤、及びこれらの又は他の抗ウイルス機序の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の治療剤を投与する工程を更に含む。
【0137】
別の態様では、治療有効量の開示される化合物を単独で、又は逆転写酵素阻害剤と組み合わせて個体に投与すること;及び、個体に治療有効量のHBVワクチンを更に投与することにより、HBVウイルス負荷を低下させることを含む、必要のある個体においてHBV感染症を治療する方法を本明細書で提供する。逆転写酵素阻害剤は、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ddA、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、エンテカビル、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、テノホビル、アデフォビル、PMPA、シドフォビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、又はエトラビリンのうち少なくとも1つであり得る。
【0138】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、HBV感染の治療を必要としている個体においてHBV感染を治療する方法であって、治療有効量の開示される化合物を単独で、又は、HBV核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド又はRNA干渉剤と組み合わせて個体に投与するか、治療有効量のHBVワクチンを個体に更に投与することによってHBVウイルス負荷を低下させることを含む、治療方法である。アンチセンスオリゴヌクレオチド又はRNA干渉剤は、ウイルスゲノムの複製、ウイルスRNAの転写、又はウイルスタンパク質の翻訳を阻害するため、標的のHBV核酸に対する十分な相補性を有する。
【0139】
別の実施形態では、開示される化合物と少なくとも1種類の更なる治療薬とは同時配合される。更なる別の実施形態では、開示される化合物と少なくとも1種類の更なる治療薬とは同時投与される。本明細書に記載される任意の併用療法では、適切な方法、例えばSigmoid−Emax式(Holford&Scheiner,19981,Clin.Pharmacokinet.6:429−453)、Loewe加法の式(Loewe & Muischnek,1926,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313−326)、及びメジアン効果式(Chou & Talalay,1984,Adv.Enzyme Regul.22:27−55)などを使用し、相乗効果を計算することができる。上記に挙げた各式に実験データを代入し、対応するグラフを生成して、薬物併用の効果を評価する助けとすることができる。上記の方程式と関連付けられる対応するグラフは、それぞれ濃度−効果曲線、アイソボログラム曲線、及び組み合わせ指標曲線である。
【0140】
本明細書において提供する併用療法を施す方法のいずれかの実施形態では、この方法は、対象のHBVウイルス負荷のモニタリング又は検出を更に含むことができ、方法は、一定期間、例えばHBVウイルスが検出不可となるまで実施される。
【0141】
本明細書、特にスキーム及び実施例で使用される略語は、以下のとおりである。
【0142】
【表3-1】
【0143】
【表3-2】
【0144】
具体的実施例
実施例1に示す反応スキームは、本発明の化合物1、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0145】
実施例1
【0146】
【化30】
【0147】
【化31】
【0148】
【化32】
【0149】
工程1:化合物1fの調製
化合物1e(Journal of Heterocyclic Chemistry 1993,30:1213−1220)(5g、14.7mmol)のピリジン(80.0mL)溶液に、TMSCl(9.61g、88.4mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて0.5時間撹拌した。ベンゾイルクロリド(2.49g、17.7mmol)を0℃にて滴加した。5分後、混合物を室温まで温めて25℃にて1.5時間撹拌した。混合物を、0℃の水(5mL)で希釈し、NH・HO(25%、7.5mL)を滴加した。次に、反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1〜5:1)により精製して、白色固体として化合物1f(1.05g、1.08mmol)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO d6)δ10.86(s,1H),8.59(d,J=4.8Hz,1H),8.04(d,J=7.6Hz,2H),7.76−7.37(m,2H),7.65−7.61(m,1H),7.56−7.53(m,2H),5.28(d,J=6.8Hz,1H),5.12(d,J=4.8Hz,1H),5.07−5.02(m,2H),4.30−4.25(m,1H),4.06−4.05(m,1H),3.94−3.93(m,1H),3.39(bar,2H);13C NMR(400MHz,DMSO d6)δ165.7,144.0,136.4,133.7,132.9,132.1,128.5,128.0,126.9,125.8,117.6,86.0,74.8,73.2,71.2,61.6;ESI−MS m/z 371(M+1)
【0150】
工程2:化合物1gの調製
化合物1f(550mg、1.485mmol)のDMF(10.0mL)溶液に、ジ−tert−ブチルシランジイルビス(トリフルオロメタンスルホネート)(1.31g、2.97mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて1時間撹拌した。1H−イミダゾール(505.49mg、7.42mmol)を一度に0℃にて添加した。5分後、混合物を25℃にて30分間撹拌した。混合物をDCM(30mL)で希釈し、水/ブライン=1/1(20mL×2)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1〜1/1)により精製して、白色泡状物として化合物1g(670mg、1.281mmol)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)9.49(s,1H),8.09−7.96(m,2H),7.90−7.84(m,1H),7.84−7.78(m,1H),7.67−7.47(m,4H),5.34−5.23(m,1H),4.57(d,J=5.2Hz,1H),4.49(dd,J=5.2,9.2Hz,1H),4.16−4.06(m,1H),4.03−3.92(m,2H),1.06(d,J=0.8Hz,18H);ESI−MS m/z 511.2(M+1)
【0151】
工程3:化合物1hの調製
化合物1g(2.53g、4.95mmol)のDMF(50mL)溶液に、イミダゾール(2.024g、29.72mmol)及びtert−ブチルクロロジメチルシラン(2.24g、14.86mmol)を0℃にて添加した。混合物を60℃にて12時間撹拌した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、NaHCO(50mL)、水(50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1〜3/1)により精製し、白色固体として化合物3(2.86g、4.577mmol)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)9.47(s,1H),8.02(d,J=7.5Hz,2H),7.93−7.75(m,2H),7.68−7.45(m,4H),5.17(s,1H),4.66(d,J=5.0Hz,1H),4.45(dd,J=5.3,9.3Hz,1H),4.21−4.15(m,1H),3.92(dd,J=5.3,9.8Hz,1H),3.85(t,J=9.8Hz,1H),1.05(d,J=2.5Hz,18H),0.92(s,9H),0.15(d,J=7.5Hz,6H);ESI−MS m/z 625.7(M+1)
【0152】
工程4:化合物1iの調製
ピリジンヒドロフルオライド(1.65mL、18.306mmol)を注意深くピリジン(12mL)で希釈し、化合物1h(2.86g、4.57mmol)のTHF(45mL)溶液に0℃にて滴加した。混合物を室温まで温め、5分間撹拌した。ピリジン(12mL)を添加して反応混合物をクエンチし、CHCl(50mL)で希釈してブライン(50mL×2)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1〜0/1)により精製し、白色固体として化合物1i(2.04g、4.21mmol)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)9.52(s,1H),8.29(d,J=4.5Hz,1H),8.04(d,J=7.0Hz,2H),7.77(d,J=4.5Hz,1H),7.64−7.58(m,2H),7.57−7.49(m,2H),5.09(d,J=8.0Hz,1H),4.51(dd,J=5.5,8.0Hz,1H),4.30−4.16(m,2H),4.04−3.85(m,2H),3.49(s,1H),2.82(d,J=2.5Hz,1H),2.19(br,s,1H),0.83(s,9H),−0.12(s,3H),−0.27(s,3H)。ESI−MS m/z 485.1(M+1)
【0153】
工程5:化合物1jの調製
化合物1i(1.84g、3.797mmol)のピリジン(20mL)溶液に、DMTrCl(1.93g、5.695mmol)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて12時間撹拌した。MeOH(2.0mL)を添加して反応混合物をクエンチし、EA(100mL)で希釈してブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1〜1/1)により精製し、白色泡状物として化合物1j(1.35g、1.715mmol)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)9.47(s,1H),8.35(d,J=4.4Hz,1H),8.03(d,J=7.0Hz,2H),7.65−7.57(m,2H),7.56−7.49(m,2H),7.41(d,J=7.0Hz,2H),7.34−7.20(m,9H),7.04(d,J=5.0Hz,1H),6.85−6.78(m,4H),5.09(d,J=8.5Hz,1H),4.76(dd,J=5.5,8.5Hz,1H),4.44(d,J=5.0Hz,1H),4.27(d,J=1.5Hz,1H),3.78(d,J=2.0Hz,6H),3.50(d,J=2.0Hz,2H),2.88(d,J=1.5Hz,1H),0.84(s,9H),−0.14(s,3H),−0.31(s,3H);ESI−MS m/z 787.3(M+1)
【0154】
工程6:化合物1lの調製
化合物1j(600mg、0.762mmol)のTHF(6.0mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(591.2mg、4.57mmol)及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(541.333mg、2.28mmol)を0℃にて添加した。次に、反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。
【0155】
化合物1j(930mg、1.18mmol)のTHF(10.0mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(916.37mg、7.09mmol)及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(839.06mg、3.54mmol)を0℃にて添加した。次に、反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。反応混合物を第1の反応物と合わせ、合わせた混合物にMeOH(5mL)を添加してクエンチして、EA(50mL)で希釈した。有機層をNaHCO(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1〜3/1)により精製し、黄色油として化合物1l(1.76g、1.78mmol)を得た。
31P NMR(162MHz,CDCl)151.467(s,1P),148.337(s,1P);ESI−MS m/z 904.4(M−(N(iPr)+OH))
【0156】
工程7:化合物1mの調製
化合物1l(1.76g、1.783mmol)のCHCN(10.0mL)溶液、及び水(64.236μL、3.56mmol)に、ピリジニウムトリフルオロアセテート(413.16mg、2.14mmol)を添加した。5分後、tert−ブチルアミン(10.0mL)を添加し、反応混合物を15分間室温にて撹拌した。混合物を減圧下にて濃縮し、白色泡状物を得た。残渣をCHCN(10.0mL)に溶解して濃縮し、泡状物を得、本プロセスをもう一度繰り返し、白色泡状物として化合物1m(1.82g、粗生成物)を得、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0157】
工程8:化合物1nの調製
化合物1m(1.82g、粗生成物)のCHCl(24mL)溶液に、水(385.3mg、21.387mmol)、続いてCHCl(24mL)中の6%ジクロロ酢酸を添加した。反応混合物を25℃にて30分間撹拌した。ピリジン(10mL)を添加して反応をクエンチし、反応混合物を25℃にて30分間撹拌した。このとき、反応混合物を減圧下にて濃縮して残渣を得、これをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=100/1〜5/1)により精製し、白色泡状物として化合物1n(910mg、1.66mmol)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)8.85(d,J=4.6Hz,1H),8.11(d,J=7.3Hz,2H),7.83(s,1H),7.73−7.61(m,2H),7.61−7.51(m,2H),6.19(s,1H),6.00(s,1H),5.26(d,J=9.0Hz,1H),4.74(dd,J=5.0,10.5Hz,1H),4.61(dd,J=5.2,8.7Hz,1H),4.33(s,1H),3.96−3.88(m,1H),3.84−3.75(m,1H),0.76(s,9H),−0.09(s,3H),−0.39(s,3H);ESI−MS m/z 549.1(M+1)
【0158】
工程9:化合物1pの調製
化合物1n(910mg、1.659mmol)及び4Åのモレキュラーシーブの、乾燥アセトニトリル(30mL)溶液を室温にて窒素下で3分間撹拌した。1H−イミダゾール塩素酸塩(5.14g、30.52mmol)を添加した。10分後、MeCN(15mL)中の(2R,3R,4R,5R)−5−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(2−イソブチルアミド−6−オキソ−1H−プリン−9(6H)−イル)テトラヒドロフラン−3−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(1o:1.77g、1.825mmol)を25℃にて添加した。混合物を25℃にて50分間撹拌した。反応混合物(MeCN中に0.03687M、45mL)を更に精製することなく次の工程で使用した。
【0159】
工程10:化合物1qの調製
化合物1p(MeCN中に0.03687M、45mL)の溶液に、t−ブチルヒドロペルオキシド(1.510mL、8.303mmol)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して残渣を得た。逆相分取HPLC(中性、カラム:Waters Xbridge 150×25 5μM;移動相:水(10mM NHHCO)−ACN、B%:33%〜53%、25mL/分、溶出時間:8分)により残渣を精製し、白色固体として化合物1q(602mg、0.532mmol)を得た。
31P NMR(162MHz,CDOD)4.05(s,1P),3.92(s,1P),−2.20(s,1P),−2.98(s,1P);ESI−MS m/z 1131.1(M+1)
【0160】
工程11:化合物1rの調製
化合物1q(600mg、0.53mmol)及び4Åのモレキュラーシーブのピリジン(150mL)溶液に、DMOCP(293.669mg、1.591mmol)を25℃にて添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。反応混合物(Py中に0.00353M、150mL)を更に精製することなく次の工程で使用した。
【0161】
工程12:化合物1sの調製
化合物1r(Py中に0.00353M、150mL)の溶液に、水(95.48mg、5.30mmol)及びI(672.594mg、2.65mmol、5.0等量)を25℃にて添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。NaSO水溶液(50mL)で反応をクエンチした。混合物を減圧下で濃縮して残渣を得た。逆相分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18 150×25 5μM;移動相:水(10mM NHHCO)−CHCN、35%〜55%、流速:25mL/分)により残渣を精製し、白色固体として化合物1s(285mg、0.25mmol)を得た。
ESI−MS m/z 1130.1(M+1)
【0162】
工程13:化合物1tの調製
化合物1s(120mg、0.106mmol)のMeNH(EtOH中に33%、10mL)溶液を、25℃にて16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して黄色固体として粗化合物1t(125mg)を得、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0163】
工程14:化合物1(トリエチルアンモニウム塩)の調製
化合物1t(125mg、粗生成物)のPy(5mL)溶液に、EtN(1.402g、13.86mmol)及びトリエチルアミン三フッ化水素(1.117g、6.929mmol、50.0等量)を25℃にて添加した。反応混合物を50℃にて12時間撹拌した。混合物をTHF(3mL)に溶解させ、イソプロポキシトリメチルシラン(3.66g、27.71mmol)を25℃にて添加し、12時間撹拌した。混合物を減圧下にて濃縮して茶色固体として残渣を得(108mg、粗生成物)、バッチ1として回収した。
【0164】
化合物1t(183mg、粗生成物)のPy(6mL)溶液に、トリエチルアミン(2.05g、20.29mmol)及びトリエチルアミン三フッ化水素(1.63g、10.145mmol)を25℃にて添加した。反応混合物を50℃にて12時間撹拌した。混合物をTHF(5mL)に溶解させ、イソプロポキシトリメチルシラン(5.36g、40.58mmol)を25℃にて添加して12時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、バッチ2として残渣を得た。バッチ2をバッチ1と合わせ、逆相分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18 150×25 5μM;移動相:水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)−ACN、0%〜15%、流速:35mL/分)により精製し、白色固体として化合物1(トリエチルアンモニウム塩)(125mg、0.186mmol)を得た。H NMR(400MHz,DO)7.77(s,1H),7.63(s,1H),7.50−7.16(m,2H),5.86(d,J=7.5Hz,1H),5.74(s,1H),5.13(s,1H),4.90(s,1H),4.54−4.42(m,2H),4.32(brs,1H),4.21(br,d,J=8.5Hz,4H),3.87(d,J=11.5Hz,1H);ESI−MS m/z 674.0(M+1)
【0165】
工程15:化合物1(ナトリウム塩)の調製
化合物1(トリエチルアンモニウム塩)を高真空下で乾燥させ、白色固体(125mg)を得た。Dowex 50Wx8、200−400(H形、10mL)をビーカー(125mgの化合物1(トリエチルアンモニウム塩)用)に添加し、脱イオン水で洗浄した(2回)。次いで、脱イオン水(50mL)中の15% HSOを樹脂に添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中の15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4CV)で洗浄し、次いで中性になるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、脱イオン水中の15% NaOH(少なくとも4CV)で洗浄し、次いで中性になるまで、脱イオン水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物1(トリエチルアンモニウム塩)を脱イオン水に溶解させ(10mL中に125mg)、カラム上部に添加し、脱イオン水で溶出した。TLC(UV)によって検出されるように、変換されたナトリウム塩は、初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥して、白色固体として化合物1(ナトリウム塩、85mg、0.117mmol)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)8.01(s,1H),7.74(d,J=5.0Hz,2H),7.26(s,1H),6.02(brd,J=8.5Hz,1H),5.28(s,1H),5.10(s,1H),4.62(t,J=4.3Hz,1H),4.56(d,J=3.5Hz,1H),4.45−3.99(m,6H),3.86(d,J=11.5Hz,1H);31P NMR(162MHz,CDOD)0.63(s,1P),−2.91(s,1P);ESI−MS m/z 673.9(M+1)
【0166】
実施例2
【0167】
【化33】
【0168】
【化34】
【0169】
【化35】
【0170】
工程1:化合物2jの調製
2i(国際公開第2013179289号)(2g、5.39mmol)のDMF(20mL)溶液に、N下にてジ−tert−ブチルシランジイルビス(トリフルオロメタンスルホネート)(2.61g、5.92mmol)を0℃にて滴加した。1時間後、イミダゾール(458.32mg、6.73mmol)を一度に0℃にて添加した。5分後、混合物を室温にて25分間撹拌した。混合物をCHCl(100mL)で希釈し、水で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をCHCN及びCHClから再結晶させ、白色固体として化合物2j(2.1g、4.10mmol、粗生成物)を得た。
【0171】
工程2:化合物2kの調製
2j(2.1g、4.10mmol)、イミダゾール(2.24g、32.84mmol)、及びTBSCl(2.78g、18.47mmol)のDMF(20mL)溶液を、60℃にて3時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄してNaSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)により残渣を精製し、白色固体として化合物2k(2.22g、3.54mmol)を得た。
【0172】
工程3:化合物2lの調製
2k(2.52g、4.03mmol)のCHCl(30mL)溶液を0℃にて撹拌した。混合物にピリジニウムフルオライド(1.64mL、18.15mmol)を添加し、反応物を室温にて8時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、CHClで抽出した。有機層を水で洗浄してNaSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)により残渣を精製し、白色固体として化合物2l(1.60g、3.3mmol)を得た。
【0173】
工程4:化合物2mの調製
2l(2.34g、4.81mmol)のピリジン(23mL)溶液を室温で撹拌し、これに4,4’−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(3.26g、9.62mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、CHClで抽出した。有機層を水で洗浄してNaSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)により残渣を精製し、黄色固体として2m(3.59g、4.56mmol)を得た。
【0174】
工程5:化合物2nの調製
2m(500mg、0.64mmol)及びDIPEA(246.0mg、1.90mmol)のTHF(1.56mL)溶液に、3−((クロロ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(450.5mg、1.90mmol)を15℃にて添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。水を混合物に添加し、混合物をCHClで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=1:2)により精製し、黄色油として化合物2n(498mg、0.55mmol)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)10.28(s,1H),8.54(s,1H),8.42−8.33(m,2H),7.93−7.77(m,6H),7.66(t,J=8.4Hz,4H),7.59(s,1H),7.55(s,1H),7.52−7.43(m,1H),7.11(d,J=8.4Hz,4H),5.55−5.40(m,1H),5.41−5.35(m,1H),5.09(s,1H),4.62(s,1H),4.59−4.36(m,2H),4.05(s,6H),3.87−3.81(m,1H),3.57−3.53(m,1H),3.01−2.90(m,2H),1.03(s,9H),0.31(s,3H),0.00(s,3H);ESI−MS m/z 927.8(M+Na)
【0175】
工程6:化合物2oの調製
2n(813mg、0.898mmol)の水溶液及びアセトニトリル溶液に、ピリジニウムトリフルオロアセテート(208.18mg、1.078mmol)を室温で添加した。t−ブチルアミン(3.44mL)を添加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌した。混合物を濃縮して、黄色固体として粗生成物2o(836.39mg、0.898mmol、粗製物)を得、これをCHClと共蒸発させ(3回)、次工程で直接使用した。
【0176】
工程7:化合物2pの調製
2o(836.39mg、0.898mmol)の水溶液及びCHCl溶液に、ジクロロ酢酸(407.149mg、3.158mmol)を室温で0.5時間かけて添加した。ピリジン(0.145mL、1.80mmol)を添加した。10分後、混合物を濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl:MeOH=1:0〜5:1)により精製し、白色固体として化合物2p(467.2mg、0.744mmol)を得た。
【0177】
工程8:化合物2rの調製
2p(467.2mg、0.744mmol)及び4Aのモレキュラーシーブ(0.5g)のCHCN(27mL)溶液を室温でアルゴン雰囲気下にて3分間撹拌した。イミダゾール塩素酸塩(2.51g、14.89mmol)を添加した。10分後、(2R,3R,4R,5R)−5−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(2−イソブチルアミド−6−オキソ−1H−プリン−9(6H)−イル)テトラヒドロフラン−3−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(1o)(866.53mg、0.89mmol)のCHCN溶液を添加した。混合物を26℃にて1時間撹拌した。t−ブチルヒドロペルオキシド(0.74mL、3.72mmol)を添加した。最終混合物を26℃にて1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を逆相分取HPLCにより精製して、白色固体として、2分画の所望の生成物2r(62.7mg、0.054mmol、及び99.4mg、0.076mmol)を得た。ESI−MS m/z 1132.7(M+H)
【0178】
工程9:化合物2tの調製
2r(99.4mg、0.088mmol)及び4Aのモレキュラーシーブのピリジン(43mL)溶液に、DMOCP(48.61mg、0.263mmol)を室温でアルゴン雰囲気下にて添加した。混合物を26℃にて1時間撹拌した。水(15.81mg、0.87mmol)及びI(111.41mg、0.44mmol)を添加した。反応混合物を26℃にて1時間撹拌した。NaSOの飽和水溶液で反応物をクエンチした。混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して粗生成物を得、これを逆相分取HPLCにより精製して、白色固体として化合物2t(50mg、0.044mmol)を得た。ESI−MS m/z 1130.4(M+H)
【0179】
工程10:化合物2u及び化合物2vの調製
化合物2t(50mg、0.044mmol)をMeNHのEtOH(33%、20mL)溶液で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、化合物2u及び2v(40mg、0.044mmol)を得、これを更に精製することなく次工程で使用した。ESI−MS m/z 化合物2u 903.3;化合物2v 917.2(M+H)
【0180】
工程11:化合物2の調製
化合物2u及び2v(40mg、0.044mmol)のピリジン(1.95mL)溶液に、トリエチルアミン(537.20mg、5.31mmol)及びトリエチルアンモニウムフルオライド(427.92mg、2.65mmol)を添加した。混合物を50℃にて10時間撹拌した。イソプロポキシトリメチルシラン(1.76g、13.27mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を逆相分取HPLCにより精製して、それぞれ白色固体として、化合物2(アンモニウム塩:11.7mg、0.017mmol)を得た。化合物2:H NMR(400MHz,DO)8.12−7.95(m,3H),5.92(d,J=8.4Hz,1H),5.47(d,J=3.6Hz,1H),5.27(d,J=5.2Hz,1H),4.98−4.81(m,1H),4.59−4.44(m,2H),4.37(s,1H),4.31−4.15(m,3H),4.14−4.07(m,1H),4.02(brd,J=10.4Hz,1H),3.12(d,J=4.4Hz,3H)。
【0181】
工程12:化合物2(ナトリウム塩)の調製
体積が10mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(11.7mgの化合物2(アンモニウム塩)用)に添加し、DI水で洗浄した(2回)。次に、15% HSOのDI水(50mL)溶液に樹脂を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。15% HSOのDI水溶液を含むカラムに樹脂を移し、15% HSO(少なくとも4CV)で洗浄し、次いで、中性になるまでDI水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHのDI水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHのDI水(少なくとも4CV)溶液で洗浄し、次いで中性となるまで、HO(少なくとも4CV)で洗浄した。AをDI水に溶解させ(5mL中に11.7mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)により検出したように、化合物7は初期の画分として溶出した。生成物を凍結乾燥し、白色固体として化合物2ナトリウム塩(8.8mg、0.012mmol)を得た。H NMR(400MHz,DO)8.06(s,1H),7.98(s,1H),7.85(s,1H),5.90(d,J=8.4Hz,1H),5.47(d,J=4.0Hz,1H),5.27(s,1H),4.96(s,1H),4.58−4.50(m,1H),4.36(s,1H),4.29−4.22(m,2H),4.29−4.22(m,1H),4.17(s,1H),4.14−4.08(m,1H),4.03(d,J=12.0Hz,1H),3.10(s,3H);31P NMR(162MHz,DO)−1.13,−1.75;ESI−MS m/z 688.8(M+H)
【0182】
実施例3に示す反応スキームは、本発明の化合物3、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0183】
実施例3
【0184】
【化36】
【0185】
【化37】
【0186】
実施例4に示す反応スキームは、本発明の化合物4、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0187】
実施例4
【0188】
【化38】
【0189】
【化39】
【0190】
実施例5
【0191】
【化40】
【0192】
【化41】
【0193】
【化42】
【0194】
工程1:化合物5bの調製
化合物5a(10.0g、33.64mmol)のピリジン(250mL)溶液に、TMSCl(18.27g、168.20mmol)を0℃にて滴加した。15℃にて1時間撹拌した後、イソブチリルクロリド(4.30g、40.37mmol)を15℃にて滴加した。15℃にて2時間撹拌した後、混合物をHO(50mL)により0℃にてクエンチし、NH・HO(50mL)を0℃にて添加した。10分後、混合物を15℃にて0.5時間撹拌した。上記手順を繰り返し(20gスケールの化合物5a)、2つの反応混合物を合わせた。次に、混合物を減圧下にて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1〜10/1)により精製して、白色固体として化合物5b(25.5g)を得た。
【0195】
工程2:化合物5cの調製
化合物5b(24.5g、66.69mmol)のピリジン(500mL)溶液に、ジメトキシトリチルクロリド(24.85g、73.36mmol)を0℃にて添加した。25℃にて2時間撹拌した後、溶液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣を酢酸エチル(500mL)で希釈し、水(300mL×3)で洗浄した。有機層を減圧下にて濃縮し、残渣を得た。残渣を別のバッチ(2gスケールの化合物5bから生成)と合わせ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1〜10/1)により精製し、黄色固体として化合物5c(30.0g)を得た。LCMS:m/z 670.2[M+H]
【0196】
工程3:化合物1oの調製
化合物5c(1g、1.49mmol)のTHF(20mL)溶液に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(1.16g、8.96mmol)及び3−((クロロ(ジイソプロピルアミノ)−ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(1.11g、4.48mmol、3等量)を0℃にて添加した。25℃にて2時間撹拌した後、反応混合物を更なる水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させて、圧力をかけて濾過濃縮し、残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/EA=10/1〜2/1)により精製し、白色固体として化合物1o(0.99g)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 787.4[M+H]
【0197】
工程4:化合物5dの調製
化合物1o(0.99g、1.14mmol)のアセトニトリル(7mL)溶液に、水(0.041g、2.28mmol)及びピリジニウムトリフルオロアセテート(0.263g、1.37mmol)を添加した。tert−ブチルアミン(7mL)を添加し、反応混合物を15分間25℃にて撹拌した。次いで混合物を減圧下にて濃縮して泡状物を得た。泡状物をCHCN(10.0mL)に溶解させ、減圧下にて濃縮して白色泡状物として化合物5d(0.925g)を得、これを更に全く精製することなく次工程に使用した。
【0198】
工程5:化合物5eの調製
化合物5d(0.925g、1.14mmol)のジクロロメタン(20mL)及び水(0.205g、11.38mmol)の溶液に、2,2−ジクロロ酢酸(20mL、DCM中6%)を添加した。25℃にて20分間撹拌後、混合物をピリジン(3mL)でクエンチして減圧下にて濃縮し、残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1〜5/1)により精製し、白色泡状物として化合物5e(0.43g、0.84mmol)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 432.2[M+H]
【0199】
工程6:化合物5gの調製
化合物5f(4g、10.83mmol)のピリジン(40mL)溶液に、4,4’−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(4.4g、12.99mmol)を25℃にて添加した。25℃にて2時間撹拌した後、反応混合物をメタノール(5mL)でクエンチし、減圧下にて濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1〜20/1)により精製し、黄色泡状物として化合物5g(6.3g)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 672.3[M+H]
【0200】
工程7:化合物5hの調製
化合物5g(0.5g、0.74mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)溶液に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(0.17g、1.12mmol)及び1H−イミダゾール(0.15g、2.23mmol)を25℃にて添加した。25℃にて12時間撹拌した後、反応混合物をメタノール(2mL)でクエンチし、酢酸エチル(40mL)で抽出し、有機層をHO(20mL×2)、ブライン(20mL)で連続して洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下にて濾過濃縮し、残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1〜10/1)により精製し、黄色油として化合物5h(0.14g)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 786.8[M+H]
【0201】
工程8:化合物5iの調製
化合物5h(0.5g、0.64mmol)のTHF(9mL)溶液に、0℃にてN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.49g、3.82mmol)及び3−((クロロ(ジイソプロピル−アミノ)ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(0.45g、1.91mmol)を添加した。12時間25℃にて撹拌した後、反応混合物をMeOH(3mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)及び水(30mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を引き続き無水NaSO上で乾燥させ、圧力をかけて濾過濃縮し、残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/EA=10/1〜1/1)により精製し、白色固体として化合物5i(0.48g、0.49mmol)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 903.5[MH−iPr
【0202】
工程9:化合物5jの調製
化合物5e(0.25g、0.49mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、4Aのモレキュラーシーブを添加し、得られた混合物を25℃にて10分間撹拌した。1H−イミダゾール塩素酸塩(0.42g、2.45mmol)を添加し、混合物を更に10分間25℃にて撹拌した。化合物5i(0.48g、0.49mmol)を添加し、混合物を25℃にて1時間撹拌した。次いでN,N−ジメチル−N’−(5−スルファニリデン−1,2,4−ジチアゾール−3−イル)−メタンイミドアミド(DDTT)(0.5g、2.45mmol)を添加し、混合物を25℃にて更に1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール=10/1〜3/1)により精製し、白色固体として化合物5j(0.42g)を得た。
【0203】
工程10:化合物5kの調製
化合物5j(0.42g、0.31mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液及び水(0.056g、3.115mmol、10等量)に、2,2−ジクロロ酢酸(DCM中6%、20mL)を添加した。25℃にて20分間撹拌した後、混合物をピリジン(3mL)でクエンチし、次いで減圧下にて濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1〜2/1)により精製し、白色固体として化合物5k(0.29g)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z=1046.5[M+1]
【0204】
工程11:化合物5l及び5mの調製
化合物5k(0.34g、0.32mmol)のピリジン(80mL)溶液に、2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド(0.18g、0.97mmol)を添加し、得られた混合物を25℃にて1時間撹拌した。次に3H−ベンゾ[c][1,2]ジチオール−3−オン1,1−ジオキシド(0.325g、1.62mmol)を添加し、混合物を25℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLC(カラム:Agela DuraShell 150mm×25mm×5μm;水(10mM HNHCO)−v/v(A)−CHCN(B);Bが37%〜67%;流速:25mL/分)により精製し、白色固体として、類似体5m(46mg)及び5l(59mg)の混合物を含む2つの画分を得た。各画分を次に、別個に実施した。LCMS:ESI−MS:m/z 1060.3[M+H]。(化合物5m)。LCMS:ESI−MS:m/z 1060.4[M+H]。(化合物5l)。
【0205】
工程12:化合物5oの調製
化合物5m(80mg、0.075mmol)をメタンアミン(8mL、EtOH中に35%)で処理した。25℃にて12時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濃縮し化合物5o(62.8mg)を得、これを更に全く精製することなく、次工程に使用した。
【0206】
工程13:化合物5及び6の調製
化合物5o(62.8mg、0.075mmol)のピリジン(8mL)溶液に、トリエチルアミン(0.46g、4.53mmol)及びトリエチルアミン三フッ化水素(0.37g、2.26mmol)を添加し、得られた混合物を50℃にて10時間撹拌した。イソプロポキシトリメチルシラン(0.99g、7.55mmol)を15℃にて添加し、混合物を更に2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC(カラム:Agela DuraShell 150mm×25mm×5μm;水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)(A)−CHCN(B);Bが1%〜16%;流速:25mL/分)により精製し、白色固体として化合物5(アンモニウム塩:27mg)及び化合物6(アンモニウム塩:11mg)を得た。
LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]。(化合物5);LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]。(化合物6)。
【0207】
工程14:5(ナトリウム塩)の調製
体積が20mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(58mgの化合物5用)に添加し、DI水で洗浄した(2回)。次に、樹脂15% HSOのDI水(50mL)溶液に添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、15% HSOのDI水溶液を含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積)で洗浄し、次いで、中性となるまでDI水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄して、次いで中性となるまで水(少なくとも4カラム体積)で洗浄した。化合物5(アンモニウム塩)をDI水に溶解させ(5mLに58mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)によって検出されるように、5は、初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物5(ナトリウム塩)(55.1mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ=8.39(s,1H),8.35(s,1H),8.19(s,1H),5.98(d,J=8.5Hz,1H),5.50(ddd,J=4.3,8.7,12.9Hz,1H),5.09−5.02(m,1H),4.91(q,J=7.4Hz,1H),4.74(dd,J=4.8,6.3 Hz,1H),4.58(br s,1H),4.32(d,J=4.3Hz,1H),4.30−4.17(m,3H),4.05−3.97(m,1H),3.63(s,3H),2.82−2.68(m,2H),1.93−1.82(m,1H)。31P NMR(162MHz,DO)δ=57.599,54.556;LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]
【0208】
工程15:6(ナトリウム塩)の調製
体積が8mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(22mgの化合物6用)に添加し、DI水で洗浄した(2回)。次に、DI水(50mL)中の樹脂15% HSOに添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、DI水中の15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積)で洗浄し、次いで、中性となるまでDI水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄して、次いで中性となるまで水(少なくとも4カラム体積)で洗浄した。化合物6(アンモニウム塩)をDI水に溶解させ(5mLに39mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)によって検出されるように、6は、初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物6(ナトリウム塩)(10.1mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ=8.47(s,1H),8.26(s,1H),7.98(s,1H),5.95(d,J=8.5Hz,1H),5.77(ddd,J=4.3,8.4,12.7Hz,1H),5.13−5.05(m,1H),4.97−4.90(m,1H),4.58(brs,1H),4.53(t,J=3.9Hz,1H),4.47−4.38(m,1H),4.29(d,J=4.5Hz,1H),4.24(td,J=5.4,10.6Hz,1H),4.12(brd,J=12.3Hz,1H),4.05(brd,J=10.3Hz,1H),3.62(s,3H),2.91−2.69(m,2H),2.17−2.01(m,1H);31P NMR(162MHz,DO)δ=55.896,54.936;LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]
【0209】
実施例5a
工程1:化合物5pの調製
化合物5l(60mg、0.057mmol)をメタンアミン(6mL、EtOH中に35%)で処理した。25℃にて12時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濃縮して化合物5p(47.14mg)を得、これを更に全く精製することなく次工程で使用した。
【0210】
工程2:化合物7及び8の調製
化合物5p(47.14mg、0.06mmol)のピリジン(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.34g、3.4mmol)及びトリエチルアミン三フッ化水素(0.27g、1.7mmol)を添加し、得られた混合物を50℃にて10時間撹拌した。イソプロポキシトリメチルシラン(0.75g、5.66mmol)を15℃にて添加し、混合物を更に2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC(カラム:Agela DuraShell 150mm×25mm×5μm;水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)(A)−CHCN(B);Bが1%〜16%;流速:25mL/分)により精製し、白色固体として化合物7(アンモニウム塩:8mg)及び化合物8(アンモニウム塩:19mg)を得た。
LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]。(化合物8)LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]。(化合物7)。
【0211】
工程3:7(ナトリウム塩)の調製
体積が8mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(20mgの化合物7用)に添加し、DI水で洗浄した(2回)。次に、樹脂15% HSOのDI水(50mL)溶液に添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、15% HSOのDI水溶液を含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積)で洗浄し、次いで、中性となるまでDI水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄して、次いで中性となるまで水(少なくとも4カラム体積)で洗浄した。化合物7(アンモニウム塩)をDI水に溶解させ(5mLに39mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)によって検出されるように、7は、初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物7(ナトリウム塩)(15.5mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ=8.32(s,1H),8.25(s,2H),6.00(d,J=8.5Hz,1H),5.57−5.42(m,1H),4.98−4.83(m,3H),4.63(brs,1H),4.44(d,J=4.0Hz,1H),4.24(brs,2H),4.14(brd,J=5.0Hz,2H),3.62(s,3H),2.85−2.64(m,2H),2.04−1.91(m,1H);31P NMR(162MHz,DO)δ54.121,52.853;ESI−MS:m/z 718.8[M+H]
【0212】
工程4:8(ナトリウム塩)の調製
体積が8mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(39mgの化合物8用)に添加し、DI水で洗浄した(2回)。次に、樹脂15% HSOのDI水(50mL)溶液に添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、15% HSOのDI水溶液を含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積)で洗浄し、次いで、中性となるまでDI水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄して、次いで中性となるまで水(少なくとも4カラム体積)で洗浄した。化合物8(アンモニウム塩)をDI水に溶解させ(5mLに39mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)によって検出されるように、8は、初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物8(ナトリウム塩)(25.8mg)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ=8.21(d,J=2.3Hz,2H),7.91(s,1H),5.90(d,J=8.8Hz,1H),5.83−5.74(m,1H),5.01(dt,J=4.1,8.1Hz,1H),4.88−4.83(m,1H),4.59(brs,1H),4.49−4.38(m,2H),4.32(d,J=4.3Hz,1H),4.28−4.20(m,1H),4.14−4.04(m,2H),3.60(s,3H),2.89−2.70(m,2H),2.13−2.03(m,1H);31P NMR(162MHz,DO)δ=54.483,52.291;LCMS:ESI−MS:m/z 718.8[M+H]
【0213】
実施例6
【0214】
【化43】
【0215】
程1:中間体3fの調製
ジオール3e([1834500−45−6]、27.2g、40.6mmol)及びイミダゾール(8.3g、121.7mmol)をDCM(600mL)に溶解させ、続いてtert−ブチルジメチルシリルクロリド(10.4g、69.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後NaHCO水溶液に注いでDCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて減圧下にて濾過濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:0〜50%の石油エーテル中のEtOAc)により粗生成物を精製し、中間体1bとその3’−ヒドロキシル保護異性体(構造は図示せず)の混合物(合計で25g、収率79%)を得た。この位置異性体混合物を分取逆相HPLC(固定相:Phenomenex Synergi,10μm Max−RP、250×50mm;移動相:HO(A)−MeCN(B);定組成溶離:92% B、流速:110mL/分)により精製し、第1の回避異性体(eluding isomer)として純粋な中間体3fを得た(12g、収率37%)。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm−0.42(s,3H),−0.21(s,3H),0.62(s,9H),1.89−2.02(m,1H),2.17−2.30(m,2H),3.07−3.15(m,1H),3.15−3.23(m,1H),3.73(s,6H),3.83−3.90(m,1H),4.41(dd,J=8.8,5.3Hz,1H),4.45(d,J=5.3Hz,1H),5.03−5.15(m,1H),6.64(d,J=3.5Hz,1H),6.91(d,J=8.8Hz,4H),7.23(t,J=7.5Hz,1H),7.27−7.38(m,6H),7.45(d,J=7.1Hz,2H),7.49(d,J=3.5Hz,1H),7.54(t,J=7.5Hz,2H),7.63(t,J=7.1Hz,1H),8.06(d,J=7.1Hz,2H),8.48(s,1H),11.05(brs,1H);ESI−MS:m/z 785.3[M+H]
【0216】
工程2:化合物6aの調製
中間体3f(2.5g、3.2mmol)のピリジン(12.5mL)及び1,4−ジオキサン(35mL)溶液に、2gの4Åの活性化MSを添加し、得られた反応混合物を室温で15分間撹拌した。2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスフォリン−4−オン(1.26g、6.2mmol)の乾燥1,4−ジオキサン(2.5mL)溶液を添加し、撹拌を30分間続けた。水とピリジンの1/1混合物(15mL)、続いて過剰量の水(50mL)を添加して、反応混合物をクエンチした。得られた混合物を濾過してEtOAcで抽出した。合わせた有機相をNaHCO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させて真空下にて濾過濃縮し、白色固体として粗中間体6a(3.3g)を得た。粗生成物を更に精製することなく、次工程にてそのまま使用した。
ESI−MS:m/z 849.2[M+H]
【0217】
工程3:化合物6bの調製
粗中間体6a(6.5g、5.7mmol)のDCM(80mL)溶液に、H2O(1.0mL、56.7mmol)及びジクロロ酢酸(1.46g、11.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。過剰量のジクロロ酢酸(472μL、5.7mmol)を添加し、撹拌を20分間続けた。tert−ブチルアミン(26mL、248.1mmol)を添加して反応をクエンチし、真空下にて濃縮した。得られた残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:0〜30%のDCM中のMeOH)により精製し、白色固体として中間体1dを得た(3g、収率:82%)。tert−ブチルアミンの存在下にて1時間、DCM(30mL)の溶液として撹拌した後、減圧下にて濃縮し高真空下で乾燥させることにより、中間体6bを対応するtert−ブチルアンモニウム塩に転換した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm−0.4(s,3H),−0.1(s,3H),0.6(s,9H),1.3(s,9H),1.7−1.8(m,1H),2.2(dt,J=12.9,8.6Hz,1H),2.3−2.4(m,1H),3.5−3.6(m,2H),4.2−4.4(m,2H),5.1−5.2(m,1H),5.8(brs,1H),6.7(d,J=583.9Hz,1H),6.7(d,J=3.7Hz,1H),7.5(t,J=7.7Hz,2H),7.6−7.7(m,2H),8.0(brs,3H),8.1(d,J=7.3Hz,2H),8.5(s,1H),11.0(brs,1H);ESI−MS:m/z 547.0[M+H]
【0218】
工程4:化合物6cの調製
1H−イミダゾリウム塩素酸塩(IMP、2.4g、14.0mmol)を、窒素下にて中間体6b(500mg、0.81mmol)の無水MeCN(23mL)溶液に添加した。得られた混合物を室温で10分間撹拌し、その後、5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−N2−イソブチリル−3’−O−メチルグアノシン−2’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)([179479−04−0]、1.4g、1.56mmol)の無水MeCN(2mL)溶液を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、tBuOOH(デカン中に5.5M、0.71mL、3.9mmol)を添加し、撹拌を1時間続けた。反応混合物を減圧下にて濾過濃縮して無色油を得、これを分取逆相HPLC(固定相:Waters XBridge、5μm、150×25mm;移動相:HO(A)−MeCN(B);勾配溶離:18%〜48%のA中のB、流速:25mL/分)により精製し、中間体6cを得た(250mg、収率:31%)。ESI−MS:m/z 515.4[(M+H)/2]
【0219】
工程5:化合物6dの調製
中間体6c(100mg、0.095mmol)のピリジン(60mL)溶液にDMOCP(52mg、0.29mmol)を添加し、反応混合物を3時間室温で撹拌した。水(17mg、0.95mmol)及びI2(120mg、0.48mmol)を添加し、撹拌を1時間続けた。反応をNa2SO3水溶液(8mL)でクエンチし、減圧下にて濾過濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(固定相:Waters XBridge、5μm、150×25mm;移動相:10mMの重炭酸アンモニア水溶液(A)−MeCN(B);勾配溶離17%〜47%のA中のB;流速:25mL/分)により精製し、白色固体として中間体1f(250mg、0.238mmol)を得た。以前の手順を、同様のスケールを用いて繰り返し、総量が100mg(収率:46%)の中間体6dを生成した。ESI−MS:m/z 1027.4[M+H]
【0220】
工程6:化合物9の調製
中間体6d(100mg、0.97mmol)を、33%メチルアミンのエタノール(40mL)溶液中で、室温で6時間撹拌し、その後、反応混合物を減圧下にて濃縮した。この手順を68mgスケールで繰り返した。得られた粗生成物の全量をピリジン(8mL)に溶解させ、続いてトリエチルアミン(1.1g、10.5mmol)及びトリエチルアミン三フッ化水素(847mg、5.25mmol)を添加した。反応混合物を50℃にて12時間撹拌し、その後室温まで冷却した。イソプロポキシトリメチルシラン(2.8g、21.0mmol)を添加し、更に12時間撹拌を続けた。減圧下での濃縮後に得られた残渣を分取逆相HPLC(固定相:Agela Durashell C18,5μm,150×25mm;移動相:0.05%水酸化アンモニア水溶液(A)−MeCN(B);勾配溶離:0〜15%のA中のB;流速:35mL/分)により精製し、化合物9をアンモニウム塩(60mg、50%)として得た。Dowex(登録商標)50WX8 Na+形樹脂を詰めたカラムでの、水溶液の溶出により、化合物9(ナトリウム塩)への転換を行った。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.28−1.41(m,1H),2.22−2.39(m,2H),3.49(s,3H),3.55−3.65(m,1H),3.75(brd,J=11.4Hz,1H),3.90−4.00(m,1H),4.03(d,J=4.1Hz,1H),4.14(brs,1H),4.36(dd,J=10.0,3.9Hz,1H),4.76−4.84(m,1H),4.90(q,J=9.5Hz,1H),5.35(td,J=9.2,4.1Hz,1H),5.81(d,J=8.5Hz,1H),6.57(brs,2H),6.65(d,J=3.3Hz,1H),7.37(d,J=3.3Hz,1H),7.65(brs,2H),7.98(s,1H),8.00(s,1H),10.73(s,1H);31P NMR(162MHz,DMSO−d6)δppm0.83(s,1P),1.63(s,1P);ESI−MS:m/z 685.9[M+H]
【0221】
実施例7
【0222】
【化44】
【0223】
工程1:化合物7aの調製
中間体6bのtert−ブチルアンモニウム塩(700mg、1.13mmol)及び活性化モレキュラーシーブに、アクティベータ42([175205−09−1]、9.9mLの0.25M溶液、2.49mmol)のMeCN溶液を添加した。得られた混合物を75分間窒素下にて振盪し、その後、5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−N2−イソブチリル−3’−O−メチルグアノシン−2’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)1o(無水MeCN(9mL)中に1.28g、1.4mmol、使用前にモレキュラーシーブで溶液を乾燥)の溶液を添加した。反応混合物を1時間振盪し、続いて過剰部の1o(MeCN中に248mg、0.282mmol、使用前にモレキュラーシーブで溶液を乾燥)を添加し、更に1時間振盪した後、第3部の5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−N2−イソブチリル−3’−O−メチルグアノシン−2’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(MeCN中に98mg、0.113mmol、使用前にモレキュラーシーブで溶液を乾燥)を添加した。振盪を1時間続け、その後、反応混合物を減圧下にて濃縮した。ピリジン(10mL)を添加し、続いてフェニルアセチルジスルフィド(PADS、854mg、2.82mmol)を添加し、混合物を1時間振盪した。濾過によりモレキュラーシーブを取り除いてDCMで洗浄し、濾液を濃縮して得られた残渣をMeCNと共蒸発させた。粗生成物7aを次工程にてそのまま使用した。ESI−MS:m/z 672.8[M−H]
【0224】
工程2:化合物7bの調製
水(204μL、11.3mmol)、トリエチルシラン(1.8mL、11.3mmol)、及びジクロロ酢酸(370μL、4.5mmol)を、粗中間体7aのDCM(10mL)溶液に添加した。反応混合物を1時間撹拌し、続いてピリジン(457μL、5.6mmol)でクエンチして、減圧下にて濃縮した。粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:DCM中に5〜20%のMeOH)により精製し、中間体7b(700mg、純度:75%、収率:44%)を得た。ESI−MS:m/z 1045.3[M+H]
【0225】
工程3:化合物7cの調製
DMOCP(1.1g、6.0mmol)を中間体7b(625mg、0.60mmol)のピリジン(22mL)溶液に添加し、反応混合物を室温にて90分間撹拌した。次に、水(78mg、59.8mmol)及び3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン(503mg、3.0mmol)を添加し、撹拌を40分間続けた。ブラインを添加して反応をクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をNaHCO3水溶液で洗浄してMgSO4で乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮して粗中間体7cを得、これを次工程にてそのまま使用した。
ESI−MS:m/z 1059.3[M+H]
【0226】
工程4:ジアステレオマー化合物10〜13の調製
粗中間体7cを、33%メチルアミンのエタノール(30mL)溶液で50℃にて4時間撹拌した。減圧下での濃縮後に得られた残渣を、トリエチルアミン(4.2mL)とピリジン(4.8mL)の混合物に溶解させ、これにトリエチルアミン三フッ化水素(2.5mL、14.9mmol)を添加した。得られた反応混合物を50℃にて3時間撹拌した後室温まで冷却し、続いてイソプロポキシトリメチルシラン(3.2mL、17.9mmol)を添加して、撹拌を1時間続けた。次に水を添加し、得られた水相をEtOAcで洗浄して凍結乾燥した。メタノールを油性の凍結乾燥物に添加し、粗ジアステレオ異性体10〜13の沈殿を得た。分取逆相HPLCによる精製(固定相:XBridge C18 OBD、5μm、250×30mm;移動相:0.25%の重炭酸アンモニア水溶液(A)−MeCN(B);勾配溶離:A中に0〜15%のB(45分)、流速:30mL/分)により、4種類全てのジアステレオ異性体を得た:化合物10(20mg、収率:中間体7bから4.5%)、化合物11(18mg、収率:中間体7bから4%)、化合物12(44mg、収率:中間体7bから10%)、及び化合物13(60mg、収率:中間体7bから13.5%)。Amberlite IR Na+形樹脂を詰めたカラムでの、水溶液の溶出により、全てを対応するナトリウム塩に転換した。
【0227】
化合物10。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.31−1.43(m,1H),2.26(dt,J=13.2,9.1Hz,1H),2.36−2.48(m,1H),3.50(s,3H),3.57(m,J=10.6Hz,1H),3.76−3.91(m,2H),4.01−4.14(m,2H),4.18(d,J=4.1Hz,1H),4.37(ddd,J=8.8,4.1,2.4Hz,1H),4.90(q,J=9.0Hz,1H),5.00(dt,J=10.2,3.7Hz,1H),5.33(ddd,J=12.2,8.8,3.9Hz,1H),5.60(d,J=2.9Hz,1H),5.81(d,J=9.0Hz,1H),6.37(brs,2H),6.55(d,J=3.3Hz,1H),6.87(brs,2H),7.23(d,J=3.7Hz,1H),8.04(s,1H),8.23(s,1H),10.64(brs,1H);31P NMR(162MHz,DMSO−d6)δppm53.49(s,1P),55.64(s,1P);ESI−MS:m/z 717.1[M+H]
【0228】
化合物11:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.31−1.42(m,1H),2.22(dt,J=13.3,8.7Hz,1H),2.52−2.60(m,1H),3.53(s,3H),3.71−3.80(m,2H),3.83−3.90(m,2H),4.12(brq,J=2.0Hz,1H),4.31(d,J=3.7Hz,1H),4.41(dd,J=8.0,4.7Hz,1H),4.82(dt,J=9.0,4.1Hz,1H),4.92(q,J=9.0Hz,1H),5.32(ddd,J=11.0,9.4,4.1Hz,1H),5.45(brs,1H),5.81(d,J=9.0Hz,1H),6.45(brs,2H),6.59(d,J=3.7Hz,1H),7.05(brs,2H),7.29(d,J=3.3Hz,1H),8.07(s,1H),8.23(s,1H),10.56(s,1H);31P NMR(162MHz,DMSO−d6)δppm54.03(s,1P),56.86(s,1P);ESI−MS:m/z 717.1[M+H]
【0229】
化合物12:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.21−1.33(m,1H),2.20−2.39(m,2H),3.50(s,3H),3.46−3.53(m,1H),3.65(brd,J=11.0Hz,1H),3.92(d,J=4.4Hz,1H),3.99(brt,J=11.0Hz,1H),4.11−4.26(m,2H),4.34(dd,J=10.5,3.9Hz,1H),4.92(q,J=9.9Hz,1H),5.23(dd,J=8.8,3.7Hz,1H),5.36(ddd,J=12.7,8.7,4.3Hz,1H),5.81(d,J=9.0Hz,1H),6.46(brs,2H),6.65(d,J=3.5Hz,1H),7.34(d,J=3.5Hz,1H),7.31(brs,2H),8.08(s,1H),8.12(s,1H),10.56(s,1H);31P NMR(162MHz,DMSO−d6)δppm56.36(s,1P),59.35(s,1P);ESI−MS:m/z 717.1[M+H]
【0230】
化合物13:H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.32(brt,J=8.8Hz,1H),2.24−2.41(m,2H),3.52(s,3H),3.49−3.59(m,1H),3.68(brd,J=11.4Hz,1H),3.85(q,J=11.0Hz,1H),3.93−4.05(m,2H),4.95(brs,1H),4.36(dd,J=9.8,4.1Hz,1H),4.97(dd,J=8.6,4.1Hz,1H),4.93(q,J=9.0Hz,1H),5.36−5.50(m,1H),5.80(d,J=9.0Hz,1H),6.49(brs,2H),6.74(d,J=3.7Hz,1H),7.50(d,J=3.7Hz,1H),7.83(brs,2H),8.01(s,1H),8.20(s,1H),10.57(s,1H);31P NMR(162MHz,DMSO−d6)δppm54.46(s,1P),58.63(s,1P),58.66(s,1P);ESI−MS:m/z 717.1[M+H]
【0231】
実施例8に示す反応スキームは、本発明の化合物14、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0232】
実施例8
【0233】
【化45】
【0234】
【化46】
【0235】
実施例9に示す反応スキームは、本発明の化合物15、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0236】
実施例9
【0237】
【化47】
【0238】
【化48】
【0239】
実施例10に示す反応スキームは、本発明の化合物16、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0240】
実施例10
【0241】
【化49】
【0242】
【化50】
【0243】
実施例11
【0244】
【化51】
【0245】
【化52】
【0246】
【化53】
【0247】
工程1:化合物11bの調製
化合物11a(4.1g、16.383mmol、1.0等量)のピリジン(50mL)溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(0.4g、3.277mmol、0.2等量)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(3.704g、24.575mmol、1.5等量)を25℃にて添加した。次に、反応混合物を25℃にて12時間撹拌した。溶媒を減圧下にて濃縮して残渣を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1〜10/1)により精製し、白色固体として化合物11b(2.86g、収率48%)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)8.32(s,1H),8.21(s,1H),6.47(dd,J=5.2,7.2Hz,1H),4.31−4.18(m,2H),4.06−3.96(m,1H),3.94−3.84(m,1H),3.18−3.06(m,1H),2.80−2.70(m,1H),0.85(s,9H),0.03(d,J=9.6Hz,6H);ESI−MSm/z 365.1[M+1]
【0248】
工程2:化合物11cの調製
化合物11b(3.5g、9.602mmol、1.0等量)の水/THF(v/v 2/1、150mL)溶液に、炭酸ナトリウム(1.348g、12.482mmol、1.3等量)及びベンジルオキシカルボニルクロリド(2.129g、12.482mmol、1.3等量)を添加した。混合物を25℃にて24時間撹拌した。NHCl(水溶液)を添加して反応混合物をクエンチし、EtOAc(50mL)で希釈した。有機部分を水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させて濾過し、減圧下にて濾過濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=EtOAcに対して10/1)により精製し、白色固体として化合物11b(2.72g、収率57%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)8.34(s,1H),8.20(s,1H),7.43−7.29(m,5H),6.42(t,J=5.8Hz,1H),5.62(s,2H),5.19−4.99(m,3H),4.53(t,J=6.0Hz,1H),4.04(s,1H),3.99−3.77(m,2H),2.86−2.73(m,1H),2.60−2.44(m,1H),0.91(s,9H),0.09(s,6H);ESI−MS m/z 521.1[M+Na]
【0249】
工程3:化合物11dの調製
化合物11c(2.7g、5.415mmol、1.0等量)のピリジン(30mL)溶液に、ベンゾイルクロリド(1.142g、8.122mmol、1.5等量)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて12時間撹拌した。水(5mL)を添加して反応混合物をクエンチした後、NHOH(5mL)を添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄してNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=EtOAcに対して10/1)により精製し、白色固体として化合物11d(2.42g、収率74%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)9.03(s,1H),8.79(s,1H),8.40(s,1H),8.02(d,J=7.6Hz,2H),7.66−7.57(m,1H),7.56−7.47(m,2H),7.42−7.30(m,5H),6.62−6.37(m,1H),5.24−4.98(m,3H),4.55(t,J=6.0Hz,1H),4.24−4.03(m,1H),4.02−3.76(m,2H),2.97−2.73(m,1H),2.70−2.46(m,1H),0.90(s,9H),0.09(s,6H);ESI−MS m/z 603.2[M+1]
【0250】
工程4:化合物11eの調製
化合物11d(2.4g、3.982mmol、1.0等量)のTHF(20mL)溶液に、テトラ−ブチルアンモニウムフルオリド(THF中に1M、19.91mL、19.909mmol、5.0等量)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をEtOAc(50mL)に溶解させ、水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトン/EtOAc=3/1〜1/1)により精製し、白色固体として化合物11e(1.89g、収率97%)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)8.72(s,2H),8.09(d,J=7.6Hz,2H),7.78−7.47(m,3H),7.44−7.20(m,5H),6.53(t,J=5.6Hz,1H),5.11(s,2H),4.60(s,1H),4.14−3.99(m,1H),3.94−3.64(m,2H),2.91(m,1H),2.67−2.47(m,1H);LCMS:ESI−MS m/z 489.1[M+1]
【0251】
工程5:化合物11fの調製
化合物11e(1.4g、2.866mmol、1.0等量)のピリジン(20mL)溶液に、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(1.457g、4.299mmol、1.5等量)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。MeOH(5mL)を添加して反応混合物をクエンチし、混合物を30分間撹拌した。混合物をEA(50mL)で希釈し、水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄してNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=EtOAcに対して10/1)により精製し、白色固体として化合物11f(2.03g、収率89%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)8.97(s,1H),8.76(s,1H),8.18(s,1H),8.02(d,J=7.2Hz,2H),7.67−7.58(m,1H),7.58−7.48(m,2H),7.45−7.14(m,15H),6.78(m,4H),6.44(s,1H),5.10(s,2H),4.94(s,1H),4.59(s,1H),3.76(s,6H),3.45(s,2H),3.11−2.94(m,1H),2.62(s,1H);ESI−MS m/z 791.2[M+1]
【0252】
工程6:化合物11gの調製
化合物11f(2.03g、2.567mmol、1.0等量)のMeOH(200mL)溶液に、10% Pd/C(2.0g)をアルゴン雰囲気下にて添加した。反応混合物を水素雰囲気で置き換えた(3回)。反応混合物を25℃にて18時間撹拌した(50psi)。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH(100mL×3)で洗浄した。有機層を減圧下にて濃縮し、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1〜10/1)により精製し、白色固体として化合物11g(1.24g、収率74%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)9.10(s,1H),8.74(s,1H),8.19(s,1H),8.00(d,J=7.2Hz,2H),7.57(m,1H),7.54−7.46(m,2H),7.42−7.33(m,2H),7.30−7.15(m,8H),6.78(d,J=8.4Hz,4H),6.42(dd,J=3.6,6.8Hz,1H),3.91−3.80(m,2H),3.75(s,6H),3.40(m,2H),2.82(m,1H),2.45−2.30(m,1H);LCMS:ESI−MS m/z 657.2[M+1]
【0253】
工程7:化合物11hの調製
化合物8k(16.50g、46.698mmol、1.00等量)のピリジン(200mL)溶液に、4,4’−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(23.734g、70.048mmol、1.50等量)を25℃にて添加した。反応混合物を、25℃にて終夜撹拌した。反応混合物をメタノール(10mL)でクエンチし、濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1〜10/1)により精製し、黄色固体として化合物11h(23.9g、収率78%)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 656.1[M+H]
【0254】
工程8:化合物11iの調製
化合物11h(23.9g、36.450mmol、1.00等量)のN,N−ジメチルホルムアミド(120mL)溶液に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(8.241g、54.675mmol、1.50等量)及び1H−イミダゾール(6.204g、91.124mmol、2.50等量)を25℃にて添加した。反応混合物を、25℃にて終夜撹拌した。反応混合物をメタノール(5mL)でクエンチし、濃縮して残渣を得た。残渣を分取HPLC(水(0.225%のギ酸−CHCN))により精製し、黄色固体として化合物11i(6.7g、収率24%)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 770.3[M+H]
【0255】
工程9:化合物11jの調製
化合物11i(5.000g、6.494mmol、1.00等量)の1,4−ジオキサン(50mL)溶液に、DMAP(79.334mg、0.649mmol、0.1等量)、N,N’−メタンジイリデンジシクロヘキサンアミン(4.020g、19.482mmol、3等量)及び4−オキソペンタン酸(1.508g、12.988mmol、2.0等量)を25℃にて添加した。混合物を25℃にて3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(30mL)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、残渣を得た。残渣をEtOAc(100mL)に溶解させ、水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1〜10/1)により精製し、白色泡状物として化合物11j(5.1g、収率90%)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 868.4[M+H]
【0256】
工程10:化合物11kの調製
化合物11j(5.1g、5.875mmol、1.00等量)のDCM(12mL)溶液に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(300μL)及びトリエチルシラン(6mL)を添加した。混合物を25℃にて10分間撹拌した。反応混合物をNaHCOの飽和溶液(20mL)でクエンチし、DCM(30mL×3)で希釈した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1〜10/1)により精製し、黄色固体として化合物11k(3.1g、収率93%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)12.11(s,1H),11.64(s,1H),8.42−8.22(m,1H),6.00(d,J=6.8Hz,1H),5.74(s,1H),5.54(dd,J=5.0,6.7Hz,1H),5.26(t,J=5.2Hz,1H),4.55(dd,J=2.4,4.9Hz,1H),3.98(brd,J=2.4Hz,1H),3.67(td,J=4.9,11.9Hz,1H),3.61−3.51(m,1H),2.77(spt,J=6.8Hz,1H),2.70−2.60(m,2H),2.02(s,3H),1.11(d,J=6.6Hz,6H),0.89(s,9H),0.10(s,3H),0.06(s,3H)。
【0257】
工程11:化合物11lの調製
化合物11k(3.1g、5.480mmol、1.00等量)のTHF(40mL)溶液に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(4.250g、32.880mmol、6.0等量)及び3−((クロロ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(3.891g、16.440mmol、3.0等量)を0℃にて添加した。混合物を0℃にて2時間撹拌した。MeOH(3mL)を添加して反応混合物をクエンチし、EA(50mL)で希釈した。有機層をNaHCO(40mL)及び食塩水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc=10/1〜1/1)により精製し、無色の油として化合物11l(3.1g、収率74%)を得た。LCMS:ESI−MS:m/z 683.1[M−N(iPr)+18]
【0258】
工程12:化合物11mの調製
化合物11l(2.1g、2.742mmol、1.0等量)のアセトニトリル(16mL)溶液に、1H−テトラゾール(0.45M)のアセトニトリル/水(9/1、18/2mL)溶液を25℃にて添加した。溶液を25℃にて2時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈して冷水(20mL)、5%の冷重炭酸ナトリウム(20mL)、冷水(20mL)で連続して洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して無色の油として化合物11m(1.62g、収率87%)を得た。31P NMR(162MHz,CDCl)11.43(s,1P),7.10(s,1P);LCMS:ESI−MS m/z 683.1[M+1]
【0259】
工程13:化合物11nの調製
化合物11g(1.2g、1.827mmol、1.0等量)の、アセトニトリル/ジクロロメタン/テトラクロロメタンの混合物(1/1/1、30mL)及びトリエチルアミン(900μL)の溶液を、化合物11m(1.62g、2.375mmol、1.3等量)を含有する密閉したフラスコに添加した。得られた溶液を25℃にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮乾固し、残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1〜100/2)により精製し、白色泡状物として化合物11n(1.21g、収率50%)を得た。31P NMR(162MHz,CDOD)9.13(s,1P),8.73(s,1P);LCMS:ESI−MS m/z 1337.5[M+1]
【0260】
工程14:化合物11oの調製
化合物11n(1.1g、0.822mmol、1.0等量)のMeCN(30mL)溶液に、ヒドラジン酢酸塩(757.462mg、8.225mmol、10.0等量)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。次に、反応混合物をEA(50mL)で希釈して水(50mL)とブライン(30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1〜100/5)により精製し、白色固体として化合物11o(833mg、収率82%)を得た。LCMS:ESI−MS m/z 1261.2[M+23]
【0261】
工程14:化合物11pの調製
化合物11o(653mg、0.527mmol、1.0等量)、及び4Åのモレキュラーシーブの、1,4−ジオキサン(9.0mL)及びピリジン(3.0mL)溶液に、2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスフォリン−4−オン(160.068mg、0.790mmol、1.5等量)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液を添加した。反応混合物を25℃にて30分間撹拌した。水/ピリジン(1/1、5mL)を添加して反応混合物をクエンチし、得られた混合物をNaHCO溶液(20mL)に注いだ。混合物をEtOAc(30×3mL)で抽出し、層を分画した。合わせたEtOAc抽出物を減圧下にて濃縮乾固し、無色の泡状物として化合物11p(723mg、粗生成物)を得、これを更に精製することなく次工程にて使用した。
【0262】
工程15:化合物11qの調製
化合物11p(723mg、粗生成物)のDCM(5mL)溶液に、水及びDCA(DCM中に6%、5mL)を添加した。反応混合物を25℃にて30分間撹拌した。ピリジン(3mL)を添加し10分間撹拌しながら反応混合物をクエンチした。反応混合物を減圧下にて濃縮乾固し残渣を得た。得られた残渣を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 15025 5μ;移動相:水(10mM NHHCO)−ACN、22%〜42%、流速:25mL/分、溶出時間:8分)により精製し、白色固体として化合物11q(197mg、2工程で収率35%)を得た。31P NMR(162MHz,DO)9.23(s,1P),8.62(s,1P),4.48(s,1P);LCMS:ESI−MS m/z 1001.5[M+1]
【0263】
工程16:化合物11rの調製
化合物11q(197mg、0.197mmol、1.0等量)及び4Åのモレキュラーシーブのピリジン(60mL)溶液に、2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド(127.131mg、0.689mmol、3.5等量)を25℃にて添加した。反応混合物を25℃にて1時間撹拌した。化合物11rを含有する反応混合物(Py中に0.00328M、60mL)を、更に精製することなく次工程で使用した。
【0264】
工程17:化合物11sの調製
水(36.49mg、1.97mmol、10.0等量)を添加して化合物11r(Py中に0.00328M、60mL)の溶液をクエンチし、その後I(250mg、0.985mmol、5.0等量)を溶液に添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。次に、NaSO水溶液(2mL)を添加して本混合物をクエンチして濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 15025 5μ;移動相:水(10mM NHHCO)−ACN、28%〜48%、流速:25mL/分、溶出時間:8分)により精製し、白色固体として化合物11a(68mg、2工程で収率35%)を得た。LCMS:ESI−MS m/z 999.1[M+1]
【0265】
工程18:化合物11tの調製
化合物11s(35mg、0.035mmol、1.0等量)のMeNH溶液(EtOH中に33%、2mL)を25℃にて12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色固体として化合物11t(粗生成物、32mg)を得た。
【0266】
工程18:化合物17の調製
化合物11t(32mg、粗生成物)のピリジン(2mL)溶液に、トリエチルアミン(209.805mg、2.073mmol、50等量)及びトリエチルアミン三フッ化水素(167.124mg、1.037mmol、25等量)を25℃にて添加した。反応混合物を50℃にて12時間撹拌した。反応混合物にTHF(1mL)及びイソプロポキシトリメチルシラン(548.516mg、4.147mmol、100等量)を25℃にて添加し、混合物を12時間撹拌した。混合物を減圧下にて濃縮し残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18 15025 5μ;移動相:水(0.05%のアンモニア水酸化物v/v)−ACN、0%〜15%、流速:35mL/分、溶出時間:10分)により精製し、白色固体として、化合物17をアンモニウム塩として得た(9.5mg、2工程で収率35%)。H NMR(400MHz,DO)8.66−7.98(m,2H),7.83(s,1H),6.24(s,1H),6.04−5.50(m,2H),4.60(s,1H),4.42−3.93(m,7H),2.76(s,1H),2.44(s,1H);31P NMR(162MHz,DO)7.62(s,1P),7.49(s,1P),−3.40(s,1P)。
【0267】
工程19:化合物17(ナトリウム塩)の調製
体積5mLのDowex 50W×8,200−400(H形)をビーカー(9.5mgの化合物17(アンモニウム塩)用)に添加し、脱イオン水(2回)で洗浄した。次に、15% HSOのDI水(50mL)溶液を樹脂に添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、15% HSOのDI水溶液を含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4CV)で洗浄し、次いで、pHが中性となるまでDI水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOH水溶液(少なくとも4CV)で洗浄し、pHが中性となるまで水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物17(アンモニウム塩)をDI水に溶解させ(2mLに9.5mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)により検出されるように、生成物は初期の画分で溶出した。生成物を凍結乾燥して、白色固体として化合物17(ナトリウム塩)(7.4mg、純度98%、収率71.819%)を得た。H NMR(400MHz,DO)8.31(s,1H),8.17(s,1H),7.92(s,1H),6.32(d,J=6.4Hz,1H),5.95(d,J=8.0Hz,1H),5.69(m,1H),4.66(d,J=4.0Hz,1H),4.40−4.31(m,2H),4.24−4.06(m,5H),2.89−2.84(m,1H),2.51−2.46(m,1H);31P NMR(162MHz,DO)7.56(s,1P),−1.86(s,1P);LCMS:ESI−MS m/z 657.8[M+1]
【0268】
実施例12
【0269】
【化54】
【0270】
【化55】
【0271】
工程1:化合物12bの調製
化合物12a(7.8g、29.187mmol)及びDMAP(2.995g、24.517mmol)のピリジン(240mL)溶液に、TrCl(27.665g、99.236mmol)を添加した。反応混合物を80℃にて5時間加熱した後、反応物を周囲温度まで冷却してEtOH(150mL)でクエンチした。反応混合物を濃縮してシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:EA=0/1〜1:1)により精製し、白色固体として化合物12b(10.45g、13.899mmol)を得た。ESI−MS:m/z 774.1[M+Na]+。
【0272】
工程2:化合物12cの調製
化合物12b(11.5g、15.295mmol)及びDMAP(4.671g、38.238mmol)をピリジン(300mL)に溶解させた。本溶液を0℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物の溶液(20.672mL、122.362mmol)を滴加した。反応混合物を0℃にて30分間維持し、次いで3時間にわたり、室温まで温めた。反応混合物をCHCl(500mL)で希釈し、水(300mL、0℃)で抽出した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル(PE)/EtOAc=1:0〜1:1)により精製し、白色非晶質固体として化合物12cを得た(11g、10.827mmol)。ESI−MS:m/z 1037.8[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl)7.89(s,1H),7.84(s,1H),7.39−7.29(m,12H),7.28−7.17(m,18H),6.98(s,1H),6.45(t,J=5.2Hz,1H),6.21(d,J=6.0Hz,1H),5.86−5.81(m,1H),4.48(q,J=3.6Hz,1H),3.69(dd,J=4.3,11.2Hz,1H),3.36(dd,J=4.0,11.2Hz,1H)。
【0273】
工程3:化合物12dの調製
化合物12c(9.5g、9.350mmol)を、テトラブチルアンモニウムニトライト(21.579g、74.804mmol)を含有するトルエン(200mL)、及び水(26mL)に溶解させた。反応混合物を40時間激しく撹拌した後、t−BuOCH(200mL)及び水(2×100mL)で混合物を抽出した。次に有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して粗生成物を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1:0〜2:1)により精製し、白色非晶質固体として化合物12dを得た(3.87g、5.274mmol)。ESI−MS:m/z 756.0[M+Na]
【0274】
工程4:化合物12eの調製
化合物12d(3.87g、5.274mmol)、NHCl(0.564g、10.547mmol)、NaN(2.1g、32.303mmol)、DMF(16mL)及び水(2.4mL)の混合物を還流状態(100℃)にて1時間加熱した。次に反応混合物をCHCl(100mL)及び水(100mL)で抽出した。有機層を水(3×100mL)で洗浄して無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 1:0〜3:1)により精製し、他の異性体(500mg、0.245mmol)に加えて、白色非晶質固体として化合物12e(2.86g、3.681mmol)を得た。ESI−MS:m/z 799.1[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl)8.00(d,J=9.3Hz,2H),7.33(dt,J=1.5,7.2Hz,12H),7.26−7.17(m,18H),7.05(s,1H),6.05(d,J=5.2Hz,1H),5.53(brd,J=8.8Hz,1H),4.58−4.49(m,1H),4.43(t,J=6.0Hz,1H),3.91−3.83(m,1H),3.49−3.39(m,1H),3.27(dd,J=4.3,10.5Hz,1H)。
【0275】
工程5:化合物12fの調製
DAST(3.798g、23.561mmol)の溶液を、12e(2.86g、3.681mmol)のトルエン(50mL)及びピリジン(5.359mL)溶液に滴加した。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を80℃にて1時間加熱し、EtOAc(70mL)で希釈した。有機層を7% NaHCO水溶液(100mL)と水(100mL)で連続して洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1:0〜5:1)により精製し、黄色非晶質固体として化合物12fを得た(2.24g、2.876mmol)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)7.97(s,1H),7.90(s,1H),7.40−7.30(m,14H),7.25−7.17(m,16H),6.11(d,J=19.6Hz,1H),5.93−5.76(m,1H),4.79−4.68(m,1H),4.29−4.22(m,1H),3.57(dd,J=3.0,10.9Hz,1H),3.33(dd,J=4.0,11.0Hz,1H)。
【0276】
工程6:化合物12gの調製
化合物12f(1.7g、2.183mmol)のDCM溶液に、0℃にてTFA、EtSiH、及びDCM(24mL)を添加した。溶液を25℃にて2時間撹拌した後、反応混合物をNaHCOの飽和水溶液(30mL)でクエンチし、DCM(20mL)で希釈してDCM(50mL×2)で抽出した。次に合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、白色固体として化合物12g(440mg、1.495mmol)を得た。ESI−MS:m/z=295.0[M+1]
【0277】
工程7:化合物12hの調製
化合物12g(440mg、1.196mmol)のピリジン溶液に、クロロトリメチルシランを室温で添加した。2時間後、混合物を0℃まで冷却しBzClを滴加した。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を氷浴で冷却し、0℃にて水を用いてクエンチした。NHOHを次に添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次に混合物をDCM(50mL)で希釈し、DCM(20mL)で抽出した。次に合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH:1/0〜10/1)により精製し、黄色固体として化合物12hを得た(372mg)。ESI−MS:m/z=399.1[M+1]
【0278】
工程8:化合物12iの調製
化合物12h(372mg、0.934mmol)及び4ÅのMS(3g)の、CHCN(30mL)溶液を、N雰囲気下にて室温で3分間撹拌した。1H−テトラゾール(12.451mL、5.603mmol)を添加した。10分後、化合物1oのCHCN(5mL)溶液(ChemGenes Corporation)(1.268g、1.307mmol)を添加した。混合物を26℃にて1時間撹拌した。次にt−ブチルヒドロペルオキシド(0.934mL、4.669mmol)を添加した。26℃にて1時間撹拌した後、混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、黄色固体として化合物12i(1.15g)を得た。ESI−MS:m/z=1283.7[M+1]
【0279】
工程9:化合物12jの調製
化合物12i(1.15g、0.896mmol)の水及びDCM溶液に、ジクロロ酢酸(406.140mg、8.961mmol)を室温で添加した。次にトリエチルシラン(5mL)を添加した。室温で48時間撹拌した後、ピリジン(0.289mL、3.584mmol)を添加した。10分間撹拌した後、混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)により精製して白色固体として化合物12j(607mg)を得た。ESI−MS:m/z=981.4[M+1]H NMR(400MHz,CDCL)8.76(d,J=8Hz,1H),8.36(s,1H),8.12−7.96(m,3H),7.64−7.57(m,1H),7.55−7.47(m,2H),6.39−6.20(m,1H),6.02−5.95(m,1H),4.77−4.62(m,1H),4.47(brs,1H),4.43−4.29(m,1H),4.28−4.16(m,2H),4.15−4.06(m,2H),4.15−4.06(m,1H),4.15−4.06(m,1H),4.05−3.96(m,1H),3.96−3.87(m,1H),3.67(brt,J=12.0Hz,1H),3.47−3.37(m,1H),2.73−2.58(m,3H),1.28−1.13(m,7H),0.88(d,J=14Hz,9H),0.12−0.04(m,6H)。
【0280】
工程10:化合物12kの調製
化合物12j(607mg、0.619mmol)、1H−テトラゾール(1.031mL、0.464mmol)、LiCl(131.162mg、3.094mmol)、及び4ÅのMSの、DCM(68mL)溶液に、ジメチルジイソプロピルホスホロアミダイト(125.54mg、0.650mmol)を添加した。室温で72時間撹拌した後、混合物を濾過し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 25050 10μ;移動相:水(10mM NHHCO)−ACN、28%〜58%、流速:22mL/分)により精製し、白色固体として化合物12k(160mg)を得た。ESI−MS:m/z=978.2[M+1]H NMR(400MHz,CDOD)8.81(s,1H),8.30−8.21(m,3H),8.06(s,1H),7.75−7.65(m,3H),6.53(d,J=17.2Hz,1H),6.24(d,J=8.4Hz,1H),5.46−5.28(m,1H),5.08−4.97(m,1H),5.02(dt,J=3.8,8.4Hz,1H),4.76(d,J=3.2Hz,1H),4.51−4.36(m,2H),4.29−4.18(m,1H),3.86(d,J=11.2Hz,3H),2.80−2.69(m,1H),1.28−1.24(m,6H),1.00(s,9H),0.32(s,3H),0.27−0.24(m,3H)。
【0281】
工程11:化合物12lの調製
化合物12k(160mg、0.164mmol)のEtOH(10mL)溶液に、撹拌しながら濃縮NHOH(10mL)を添加した。反応混合物を50℃にて2日間撹拌した後、減圧下にて濃縮して、白色粗固体(125mg)として化合物12lを得た。粗生成物を更に精製することなく次工程で使用した。ESI−MS:m/z=790.5[M+1]
【0282】
工程12:化合物18(トリエチルアンモニウム塩)の調製
化合物12l(125mg、0.158mmol)、トリエチルアミン(961.056mg、9.498mmol、及びトリエチルアンモニウムフルオライド(765.545、4.749mmol)のピリジン(4mL)溶液を、50℃にて5時間撹拌した。次いで、反応混合物にイソプロポキシトリメチルシラン(3.141g、23.744mmol)を添加して、反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18 15025 5μ;移動相:水(10mM NHHCO)−CHCN 0%〜15%、流速:35mL/分)により精製して、白色固体として、化合物5をそのトリエチルアンモニウム塩(70mg、0.080mmol)として得た。H NMR(400MHz,DO)8.54−7.99(m,2H),7.78(brs,1H),6.25(brs,1H),5.90−5.80(m,1H),5.85(brs,1H),5.71(brs,1H),5.32−5.03(m,1H),4.55(brs,1H),4.32−4.01(m,6H),3.94(brs,1H)。31P NMR(162MHz,DO)6.42(brs,1P),−3.47(brs,1P)。
【0283】
工程13:化合物18(トリエチルナトリウム塩)の調製
体積が70mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(70mgの、化合物18(トリエチルアンモニウム塩)用)に添加し、これを次に、脱イオン水にて洗浄した(2回)。脱イオン水(100mL)中に体積15%で含まれるHSOを樹脂に添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積)で、次いでpHが中性となるまで脱イオン水にて、連続して洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液(100mL)を添加した。混合物を15分間撹拌し、デカンテーションした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの脱イオン水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄し、その後pHが中性となるまで水(少なくとも4カラム体積)で洗浄した。化合物18(トリエチルアンモニウム塩)を脱イオン水に溶解させ(50mL中に70mg)、カラム上部に添加し、DI水で溶出した。TLC(UV)により検出されるように、化合物18は初期の画分で溶出した。生成物を凍結乾燥して、化合物18(トリエチルナトリウム塩)(49.9mg、0.068mmol)を得た。ESI−MS:m/z=675.8[M+1]+;H NMR(400MHz,DO)8.39−8.06(m,2H),7.78(s,1H),6.28(d,J=13.6Hz,1H),5.86(d,J=.0Hz,1H),5.69(s,1H),5.35−5.08(m,1H),4.56(d,J=4.5Hz,1H),4.33−4.06(m,6H),3.99(d,J=10.4Hz,1H)。19F NMR(376MHz,DO)−200.54(s,1F)。31P NMR(162MHz,DO)6.48(s,1P),−2.71(s,1P)。
【0284】
実施例13に示す反応スキームは、本発明の化合物19、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0285】
実施例13
【0286】
【化56】
【0287】
【化57】
【0288】
実施例14に示す反応スキームは、本発明の化合物20、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0289】
実施例14
【0290】
【化58】
【0291】
【化59】
【0292】
実施例15に示す反応スキームは、本発明の化合物21、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0293】
実施例15
【0294】
【化60】
【0295】
【化61】
【0296】
実施例16に示す反応スキームは、本発明の化合物22、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0297】
実施例16
【0298】
【化62】
【0299】
【化63】
【0300】
実施例17に示す反応スキームは、本発明の化合物23、及びその医薬的に許容される塩形態を調製するための、1つの可能な経路について説明している。
【0301】
実施例17
【0302】
【化64】
【0303】
【化65】
【0304】
実施例18
【0305】
【化66】
【0306】
【化67】
【0307】
工程1:化合物15gの調製
3’−フルオログアノシン(化合物15f)(2.0g、7.01mmol)を無水トルエン(3×20mL)と共蒸発させ、次いで無水ピリジン(35mL)に懸濁した。これにクロロトリメチルシラン(8.0mL、63.09mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、反応物を0℃まで冷却した。次いで、iso−ブチリルクロリド(1.46mL、14.02mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を0℃まで冷却し、次いで水(15mL)及びNH水溶液(15mL)を添加した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで蒸発乾固させて粗残渣を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(N CHClに0〜20%のMeOH、v/v)により精製し、白色固体として化合物15g(1.8g)を得た。LCMS:m/z 355.95(M+1)+。
【0308】
工程2:化合物18aの調製
3’−フルオロ−N−イソブチルグアノシン(15g)(830mg、2.35mmol)を無水トルエン(2×20mL)で共蒸発させ、無水DMF(14mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(925mg、3.52mmol)、NaN(458mg、7.05mmol)、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(173mg、0.470mmol)、及びCBr(1.16g、3.52mmol)を室温で添加した。反応混合物を終夜室温で撹拌した後、反応混合物を蒸発乾固させ、得られた粗反応混合物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%、DCM中のMeOH、v/v)により精製し、白色固体粉末として化合物18a(780mg)を得た。ESI−MS:m/z 381.00[M+H]
【0309】
工程3:化合物18cの調製
化合物18a(800mg、2.10mmol)、4Åのモレキュラーシーブ粉末(3g)、及び1H−イミダゾール塩素酸塩(3.52g、21.0mmol)の乾燥CHCN(80mL)溶液を、Ar(気体)雰囲気下にて10分間、室温で撹拌した。乾燥CHCN(10mL)中のアミジト18b(市販されている、2.1g、2.10mmol)を添加した。反応混合物を室温で50分間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(5.5M、1.90mL、10.5mmol)を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、NaHCO飽和水溶液(1×30mL)、及びNaCl飽和水溶液(1×30mL)で洗浄し、有機相を減圧下にて蒸発乾固させた。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHClに0〜15%のMeOH、v/v)により精製し、白色固体として二量体18c(2.1g)を得た。ESI−MS:m/z 1283.30[M+H]
【0310】
工程4:化合物18dの調製
化合物18c(1.1g、0.86mmol)を乾燥CHCl(24mL)に溶解させた。混合物にトリエチルシラン(0.7mL、5.14mmol)とジクロロ酢酸(0.43mL、5.14mmol)を添加した。反応混合物を35分間撹拌した後、混合物をピリジン(0.83mL、10.28mmol)でクエンチし、蒸発乾固させた。得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHClに20〜80%のアセトン、v/v)により精製し、白色固体として二量体18d(0.75g)を得た。ESI−MS:m/z 981.15[M+H]
【0311】
工程5及び6:化合物18fの調製
化合物18d(570mg、0.581mmol)を無水トルエン(2×20mL)と共蒸発させ、無水CHCN(10mL)に溶解させた。4Åのモレキュラーシーブ粉末(2g)及びテトラゾール(8mL、3.48mmol、CHCN中に0.45M)を添加し、反応混合物にAr(気体)を2分間バブリングシ、10分間室温で撹拌した。ジメチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.3mL、1.16mmol)を添加した。反応混合物を1時間室温で撹拌した後、反応混合物を濾過し、濾液をEtOAc(150mL)で希釈して、NaHCO飽和水溶液(1×30mL)及びNaCl飽和水溶液(1×30mL)で連続して洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥させ(10分間撹拌しながら)濾過し、濾液を減圧下にて濃縮乾固した。粗化合物18eを更に精製することなく次工程にて使用した。
【0312】
工程6:化合物18e(0.581mmol)を無水ピリジン(25mL)に溶解させ、LiCl(150mg、3.48mmol)を添加した。反応混合物を50℃にて5.5時間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(1×25mL)で洗浄した。水相をEtOAcで逆抽出した(1×30mL)。合わせた有機相を濃縮乾固し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜15%、CHCl中のMeOH、v/v)により精製し、白色固体として化合物18f(150mg)を得た。ESI−MS:m/z 1031.15[M+H]
【0313】
工程7:化合物18gの調製
化合物18f(125mg、0.121mmol)をNH:EtOH水溶液(8mL、3:1、v/v)に溶解させた。反応物を20時間55℃にて撹拌した後、混合物を濃縮乾固した。得られた沈殿物を分取HPLC(移動相:緩衝液A:50mMのTEAA水溶液、緩衝液B:50mMのTEAAのCHCN溶液(25〜65%の勾配、20分))により精製し、白色固体として化合物18g(58mg)を得た。ESI−MS:m/z 790.25[M+H]
【0314】
工程8:化合物24の調製
化合物18g(12mg、0.021mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させた。これにテトラブチルアンモニウムフルオリド(0.15mL、THF中1M TBAF)を添加した。反応物を2時間室温で撹拌した後、反応混合物を濃縮乾固し、分取HPLC(移動相:緩衝液A:50mMのTEAA水溶液、緩衝液B:50mMのTEAAのCHCN水溶液(0〜25%の勾配、20分)により精製し、TEA塩として化合物24(2.5mg)を得た。ESI−MS:m/z 674.1[M−1]
【0315】
工程9:化合物24(ナトリウム塩)の調製
体積3mLのDowex 50W×8、200−400(H形)をビーカー(2.5mgの化合物24(TEA塩)用)に添加し、脱イオン水で洗浄した(2回)。樹脂に、15% HSOの脱イオン水(50mL)溶液を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4CV)で洗浄し、次いでpHが中性となるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOH水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOH水溶液(少なくとも4CV)で洗浄し、pHが中性となるまで水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物24(TEA塩)(2.5mg)を脱イオン水(2mL)に溶解させ、カラム上部に添加し、脱イオン水で溶出した。TLC(UV)によって検出されるように、化合物は、初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥して、白色泡状物として目標化合物24(ナトリウム塩)(2.0mg)を得た。H NMR(400MHz,DO)δ8.23(s,1H),8.13(s,1H),7.71(s,1H),6.04(s,1H),5.95(d,J=8.4Hz,1H),5.42−5.58(m,1H),5.12(d,J=4Hz,0.5H),5.01(d,J=4Hz,0.5H),4.62−4.70(m,1H),4.50−4.58(m,0.5H),4.46−4.51(m,0.5H),4.40−4.43(m,1H),4.30−4.40(m,2H),3.92−4.02(m,1H),3.15−3.25(m,2H);31P NMR(162MHz,DO):δ7.95,−2.76;19F NMR(379MHz,DO):δ−195.59(五重項);ESI−MS:m/z 674.1[M−1]
【0316】
実施例19
【0317】
【化68】
【0318】
【化69】
【0319】
工程1:化合物8bの調製
化合物8a(5.0g、1.857mmol)のピリジン(100mL)溶液に、クロロトリメチルシラン(18.16g、167.14mmol)を室温で添加した。1.5時間後、ベンゾイルクロリド(7.83g、55.71mmol)を室温で滴加した。最終混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を0℃にて水(50mL)でクエンチし、NH−HO(50mL)を0℃にて滴加した。反応混合物を濃縮してシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製し、白色固体として化合物8b(5.2g)を得た。H NMR(400MHz,CDOD及びDMSO−d)δ=8.73(d,J=0.8Hz,2H),8.09−8.02(m,2H),7.68−7.65(m,1H),7.59−7.55(m,2H),6.47−6.42(m,1H),5.56−5.41(m,1H),4.71−4.64(m,1H),4.17−4.15(m,1H),3.98−3.94(m,1H),3.81−3.77(m,1H)。
【0320】
工程2:化合物17bの調製
化合物8b(1g、2.68mmol)を無水トルエン(2×20mL)と共蒸発させ、無水DMF(16mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(1.05g、4.02mmol)、NaN(650mg、10.00mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(197.87mg、0.54mmol)、四臭化炭素(1.33g、4.02mmol)を室温で添加した。終夜室温で撹拌した後、反応混合物を蒸発乾固させ、得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製し、白色固体粉末化合物17b(890mg)を得た。
【0321】
工程3:化合物19bの調製
化合物19a(5.0g、16.82mmol)のピリジン(72mL)溶液に、クロロトリメチルシラン(16.45g、151.38mmol)を室温で添加した。1.5時間後、イソブチリルクロリド(5.38g、50.46mmol)を室温で滴加した。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を水(50mL)で0℃にてクエンチし、NH−HO(50mL)を0℃にて滴加した。反応混合物を濃縮して、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製し、白色固体として化合物19b(5.28g)を得た。ESI−MS:m/z 368.1[M+1]
【0322】
工程4:化合物19cの調製
化合物19b(1g、2.72mmol)及び1H−イミダゾール(315.04mg、4.63mmol)のDMF(15mL)溶液に、TBSCl(656.46mg、4.36mmol)を0℃にて添加した。室温で4時間撹拌した後、反応混合物をMeOH(27mL)でクエンチし、濃縮して残渣にした。残渣をDCM(35mL)に溶解させて濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)により精製して、白色固体として化合物12c(1.19g)を得た。ESI−MS:m/z 482.2[M+1]H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.02(d,J=5.6Hz,1H),5.76(d,J=4.4Hz,1H),4.55(t,J=4.4Hz,1H),4.13(d,J=3.2Hz,1H),3.93−3.80(m,2H),3.72(d,J=9.6Hz,1H),3.37(s,3H),1.16(d,J=6.8Hz,6H),0.81(s,9H),0.00(d,J=2.4Hz,6H)。
【0323】
工程5:化合物19dの調製
化合物19c(1.19g、2.47mmol)のPy(12mL)溶液に、4,4’−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(1.67g、4.94mmol)及びDMAP(0.33g、2.72mmol)を室温で添加した。50℃にて終夜撹拌した後、反応混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)て濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、白色固体として化合物19d(1.37g)を得た。
ESI−MS:m/z=784.5[M+1]
【0324】
工程6:化合物19eの調製
化合物19d(1.37g、1.75mmol)のTHF(5mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(7.86mL、7.86mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で抽出した。次に有機層を合わせてブラインで洗浄し、濾過濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)により精製し、白色固体として化合物19e(1.01g)を得た。ESI−MS:m/z=670.1[M+1]
【0325】
工程7:化合物19fの調製
化合物19e(500mg、0.75mmol)及びDIPEA(289.469mg、2.240mmolのTHF(1.88mL)溶液に、3−((クロロ(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)プロパンニトリル(530.10mg、2.240mmol)を15℃にて添加した。室温で1時間撹拌した後、水を反応混合物に添加し、次いで混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、濾過濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)により精製し、化合物19f(411mg)を得た。ESI−MS:m/z=787.1[M−N(Pi)
【0326】
工程8:化合物19gの調製
化合物17b(134.428mg、0.337mmol)及び4Åのモレキュラーシーブ(2g)のCHCN(10mL)溶液を、室温でアルゴン雰囲気下にて3分間撹拌した。1H−テトラゾール(4.499mL、2.025mmol)を添加した。10分後、化合物19f(411mg、0.472mmol)のCHCN(3.44mL)溶液を室温で添加した。26℃にて1時間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(0.337mL、1.687mmol)を反応混合物に添加した。26℃にて1時間撹拌した後、混合物を濃縮して化合物19gを得、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0327】
工程9:化合物19hの調製
化合物19g(239.55mg、0.202mmol)の水及びジクロロメタン溶液に、ジクロロ酢酸(91.769mg、0.712mmol)を添加した。室温で3時間撹拌した後、トリエチルシラン(2mL)を反応混合物に添加した。次に、ピリジン(0.033mL、0.41mmol)を添加した。10分間室温で撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)により精製して、淡黄色固体として化合物19h(136.8mg)を得た。ESI−MS:m/z=881.2[M+1]
【0328】
工程10:化合物19iの調製
化合物19h(136.8mg、0.155mmol)、1H−テトラゾール(0.259mL、0.116mmol)、LiCl(32.926mg、0.777mmol)、及び4ÅのモレキュラーシーブのDCM(17.1mL)溶液を、室温で2時間撹拌した。ジメチルジイソプロピルホスホロアミダイト(31.513mg、0.163mmol)を添加した。室温で終夜撹拌した後、反応混合物を濾過濃縮し、逆相分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250×50 10μm;条件:水(10mM NHHCO)(A)−CHCN(B)、B:16にて開始;B:46にて終了;流速:22mL/分)により精製し、白色固体として化合物19i(40.1mg)を得た。ESI−MS:m/z 878.3=[M+1]
【0329】
工程11:化合物25の調製
メタンアミン中の化合物19i(10mg、0.011mmol)のEtOH(6mL)溶液を、50℃にて1日撹拌した。次に、反応混合物を濃縮して逆相分取HPLC(カラム:DuraShell 150×25mm 5mm;条件:水(10mM NHHCO)(A)−CHCN(B);B:0で開始;B:15で終了;流速:35mL/分)により精製し、化合物25(アンモニウム塩)(1.5mg)を白色固体として得た。31P NMR(162MHz,DO)δ=7.69,−1.28。
【0330】
工程12:化合物25の調製
ある体積のDowex(50Wx8,200−400,H形)(99mL)をビーカー(74.9mgの化合物25(アンモニウム塩)用)に添加し、脱イオン水で洗浄した(2回)。樹脂に、脱イオン水(50mL)中の15% HSOを添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積(CV))で洗浄し、次いでpHが中性となるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、脱イオン水中の15% NaOH(少なくとも4CV)で洗浄し、pHが中性となるまで水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物25(アンモニウム塩)を脱イオン水に溶解し(25mL中74.9mg)、カラムの上部に添加し、脱イオン水で溶出させた。TLC(UV)により検出されるように、化合物25は初期の画分で溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物25(ナトリウム塩)(63.0mg)を得た。ESI−MS:m/z=689.9[M+1]H NMR(400 MHz,DO)δ=8.08−8.05(m,1H),7.97(s,1H),7.37−7.36(m,1H),6.41−6.33(m,1H),5.88(d,J=8.0Hz,1H),5.64(d,J=4.4Hz,1H),5.44−5.27(m,2H),4.48(d,J=2.4Hz,1H),4.38−4.30(m,2H),4.20−4.11(m,2H),3.50(s,3H),3.46(d,J=13.6Hz,1H),3.22−3.18(m,1H);19F NMR(376MHz,DO)−196.87(s,1F);31P NMR(162MHz,DO)7.80(s,1P),−1.22(s,1P)。
【0331】
実施例20
化合物26及び27
【0332】
【化70】
【0333】
【化71】
【0334】
工程1:20bの調製
20a(1g、1.49mmol)のTHF(3.8mL)及びDIPEA(0.58g、4.48mmol)溶液に、3−((クロロ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(1.06g、4.48mmol)を室温で添加した。混合反応物を室温で1.5時間撹拌した後、水を添加した。有機層をDCM(50mL)で抽出し、ブラインで洗浄して減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:0〜20:1)により精製し、無色固体として20b(1.35g)を得た。ESI−MS:m/z=787.2[M−83]31P NMR(162MHz,CDCl)150.71(s,1P),150.48(s,1P),14.18(s,1P)。
【0335】
工程2:20cの調製
12h(700mg、1.76mmol)のCHCN(50mL)溶液、及び4Aのモレキュラーシーブ(7g)を、N雰囲気下にて室温で3分間撹拌した。1H−テトラゾール(23.43mL、10.54mmol)を次に添加した。10分間撹拌した後、20b(2.06g、2.37mmol)のCHCN(20mL)溶液を添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した後、N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド(DDTT、1.81g、8.79mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濾過濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、黄色固体として13c(2.1g)を得た。ESI−MS:m/z=1199.5[M+1]
【0336】
工程3:化合物20dの調製
20c(2.1g)の水(315.49mg、17.51mmol)及びDCM(60mL)溶液に、ジクロロ酢酸(790.316mg、6.129mmol)を室温で添加した。EtSiH(12mL)を添加し、室温で48時間撹拌した。ピリジン(0.56mL、7.0mmol)を添加した。10分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、白色固体として20d(901mg)を得た。ESI−MS:m/z=897.3[M+1]
【0337】
工程4:20eのパラメータ
20d(500mg、0.56mmol)のDCM(60mL)溶液に、4Aのモレキュラーシーブ(5g)、1H−テトラゾール(0.93mL、0.42mmol)、LiCl(118.18mg、2.79mmol)、その後ジメチルジイソプロピルホスホロアミダイト(113.12mg、0.58mmol)を添加した。反応混合物を72時間室温で撹拌した後、混合物を減圧下にて濾過濃縮して粗20e(495mg)を得、これを更に精製することなく次工程で直接使用した。ESI−MS:m/z=947.3[M+1]
【0338】
工程5:化合物26及び化合物27の調製
20e(495mg、粗生成物)のEtOH(12mL)溶液に、NH・HO(12mL)を室温で添加した。反応混合物を50℃にて3日間撹拌した後、混合物を濾過し、逆相分取HPLC(カラム:Agela DuraShell 150mm×25mm×5μM;移動相:水(10mM NHHCO)−ACN、1%〜16%、流速:25mL/分)により精製し、白色固体として粗生成物26及び27を得た(220mg)。H NMR(400MHz,DO)δ=8.29(brs,1H),8.13(brs,1H),7.70(brs,1H),6.25(brd,J=11.8Hz,1H),5.92−5.70(m,2H),5.24−4.99(m,1H),4.43−4.26(m,3H),4.20(brd,J=10.8Hz,2H),4.06(brs,3H),3.49(s,2H),3.56−3.45(m,1H);19F NMR(376MHz,DO)−75.65(s,1F),−199.98(brs,1F);31P NMR(162MHz,D2O)51.33(brs,1P),6.49(brs,1P)。
【0339】
工程6:化合物26及び化合物27の調製
前述の化合物26及び化合物27の混合物を、逆相分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×30mm×4um;移動相:水(10mM NHHCO)−ACN、0%〜15%、流速:25mL/分)により精製し、白色固体として26(アンモニウム塩)(16.3mg)及び27(アンモニウム塩)(50.1mg)を得た。
【0340】
工程7:26(ナトリウム塩)の調製
体積が20mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(16.3mgの26用)に添加し、脱イオン水で洗浄した(2回)。樹脂に、脱イオン水(50mL)中の15% HSOを添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積(CV))で洗浄し、次いでpHが中性となるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの脱イオン水溶液(少なくとも4CV)で洗浄し、pHが中性となるまで水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物26(アンモニウム塩)を脱イオン水に溶解し(20mL中16.3mg)、カラムの上部に添加し、脱イオン水で溶出させた。TLC(UV)により検出されるように、化合物26は初期の画分で溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物26(ナトリウム塩)(8.5mg)を得た。ESI−MS:m/z=705.8;H NMR(400MHz,DO)δ=8.50(s,1H),8.18(s,1H),7.78(s,1H),6.35(d,J=13.6Hz,1H),5.94−5.80(m,2H),5.33−5.10(m,1H),4.45−4.35(m,2H),4.30−4.13(m,4H),4.09−4.01(m,2H),3.51(s,3H);19F NMR(377MHz,DO)δ−200.69(s,1F)31P NMR(162MHz,DO)δ=53.89(s,1P),6.60(s,1P)。
【0341】
工程8:27(ナトリウム塩)の調製
体積が50mLのDowex 50Wx8、200−400(H形)をビーカー(50.1mgの27用)に添加し、脱イオン水で洗浄した(2回)。樹脂に、15% HSOの脱イオン水(50mL)溶液中を添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積(CV))で洗浄し、次いでpHが中性となるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの脱イオン水溶液(少なくとも4CV)で洗浄し、pHが中性となるまで水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物27(アンモニウム塩)を脱イオン水に溶解し(50mL中50.1mg)、カラムの上部に添加し、脱イオン水で溶出させた。TLC(UV)により検出されるように、化合物27は初期の画分で溶出した。生成物を凍結乾燥し、化合物27(ナトリウム塩)(29mg)を得た。ESI−MS:m/z=705.8;H NMR(400MHz,D2O)δ8.25−8.11(m,2H),7.80(s,1H),6.30(d,J=13.8Hz,1H),5.85−5.73(m,2H),5.33−5.12(m,1H),4.51−4.42(m,2H),4.33−4.26(m,2H),4.22−4.11(m,2H),4.09−4.00(m,2H),3.50(s,3H);19F NMR(377MHz,DO)δ−200.70(s,1F);31P NMR(162MHz,DO)δ51.87(s,1P),6.53(s,1P)。
【0342】
実施例21
化合物28、29、30及び31
【0343】
【化72】
【0344】
【化73】
【0345】
工程1:21aの調製
12h(500mg、1.22mmol)のピリジン(6mL)溶液に、DMTrCl(0.638g、1.88mmol)を室温で添加した。反応混合物を4時間室温で撹拌した後、CHCl(30mL)で希釈し、水でクエンチした。反応混合物をCHCl(20mL)で抽出し、合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、黄色固体として21a(933mg)を得た。H NMR(400MHz,CHLOROFORM−d)δ9.10(s,1H),8.82−8.75(m,1H),8.78(s,1H),8.66−8.57(m,1H),8.23(s,1H),8.04(d,J=7.3Hz,2H),7.72−7.59(m,2H),7.58−7.50(m,1H),7.58−7.50(m,1H),7.36(d,J=7.0Hz,2H),7.26−7.23(m,4H),6.80(d,J=8.3Hz,4H),6.26(dd,J=1.6,18.4Hz,1H),5.99−5.82(m,1H),4.76−4.65(m,1H),4.35−4.29(m,1H),3.67−3.57(m,1H),3.37(dd,J=3.6,11.2Hz,1H);ESI−MS:m/z=701.1[M+1]
【0346】
工程2:21bの調製
EtOAc(130mL)中の、21a(933mg、1.105mmol)と、触媒としてのPd/C(2.606g、2.210mmol)の混合物を、室温(大気圧)で水素添加した。2時間後、濾過により触媒を除去し、減圧下にて濾液を濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、白色固体として21b(712mg)を得た。H NMR(400MHz,CHLOROFORM−d)δ9.07(s,1H),8.80(s,1H),8.30(s,1H),8.07−7.99(m,2H),7.65−7.58(m,1H),7.56−7.50(m,2H),7.41−7.36(m,2H),7.30(d,J=1.2Hz,2H),7.28−7.27(m,2H),7.25−7.17(m,2H),6.82−6.77(m,4H),6.30(d,J=18Hz,1H),5.51−5.34(m,1H),4.13−4.00(m,2H),3.64−3.56(m,1H),3.44(dd,J=3.6,10.8Hz,1H);ESI−MS:m/z=675.1[M+1]
【0347】
工程3:21cの調製
21b(300mg、0.445mmol)と5−ベンジルメルカプトテトラゾール(BMT)(213.69mg、1.11mmol)の混合物をアセトニトリルで3回共沸し、無水DMF(20mL)に溶解させた。19f(1.54g、1.78mmol)のDMF(4mL)溶液をN下にて室温で滴加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。キサンタンヒドリド(133.60mg、0.89mmol)及びピリジン(140.68mg、1.78mmol)を反応混合物に添加した。1時間室温で撹拌した後、NaHCO飽和水溶液(20mL)を添加し、混合物をCHCl(50mL)で抽出した。次に、有機層を合わせてNaHCO(30mL)、ブライン(50mL)で連続して洗浄し、NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=1/0〜10/1)により精製し、黄色油として21c(510mg)を得た。ESI−MS:m/z=1174.3[M+1]
【0348】
工程4:化合物21dの調製
21c(3.1g)の水(476.03mg、26.42mmol)及びCHCl(100mL)溶液に、ジクロロ酢酸(1.19g、9.248mmol、DCM中に6%)を室温で、続いてトリエチルシラン(20mL)を添加した。室温で24時間撹拌した後、ピリジン(0.85mL)を添加した。10分間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、黄色固体として21dを得た(1.247g)。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.67(d,J=2.4Hz,1H),8.64(d,J=4.2Hz,1H),8.19−8.14(m,1H),8.12−8.03(m,1H),8.12−8.03(m,3H),7.68−7.61(m,1H),7.59−7.51(m,2H),6.39(dd,J=11.8,18.0Hz,1H),5.91−5.83(m,1H),5.91−5.83(m,1H),5.62−5.38(m,1H),4.71−4.51(m,2H),4.44−4.11(m,8H),4.09−3.96(m,2H),3.85−3.73(m,1H),3.85−3.73(m,1H),3.34(s,1H),1.22−1.17(m,7H)。ESI−MS:m/z=1174.3[M+1]
【0349】
工程5:化合物21eの調製
化合物21d(370mg、0.425mmol)を、無水トルエン:アセトニトリルの混合物(1:1、v/v、3×10mL)と共蒸発させた。次に、得られた残渣をCHCN/THF(35mL、v/v=7:3)に溶解させ、4Åのモレキュラーシーブ(4g)及びテトラゾール(7.55mL、CHCN中0.45M)を添加した。25℃にて0.5時間撹拌した後、CHCN(10mL)中の3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)−ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(204.91mg、0.68mmol)を上記溶液に添加した。混合物を25℃にて2時間撹拌し、追加のテトラゾール(1.88mL、CHCN中0.45M)を上記溶液に添加した。混合物を25℃にて0.5時間撹拌した後、DDTT(436.20mg、2.14mmol)をその溶液に添加した。混合物を25℃にて1.5時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濾過濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)により、第2のバッチと共に精製して、21e(436mg)を得た。
【0350】
工程6:28〜31の調製
21e(463mg、0.46mmol)のEtOH(20mL)溶液に、NH・HO(20mL)を添加した。得られた溶液を50℃にて2日間撹拌した後、混合物を減圧下にて濃縮し、ジアステレオ異性体の混合物として化合物27を得た。次に、化合物27を逆相分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18 150x25 5μM;移動相:水(0.05%水酸化アンモニウム v/v)−CHCN、0%〜13%、流速:35mL/分)により精製し、粗生成物を得てこれを逆相分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18 150×25 5μM;移動相:水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)−ACN、0%〜10%、流速:35mL/分)により再度精製し、白色固体(アンモニウム塩)として化合物28(10.6mg)、29(13.6mg)、30(8.3mg)、及び31(5.5mg)を得た。28〜31のLCMS−ESI−MS:m/z=721.7[M+1]
【0351】
工程7:28(ナトリウム塩)の調製
体積が15mLのDowex 50Wx8,200−400(H形)をビーカー(10.6mgの15(アンモニウム塩)用)に添加し、脱イオン水で洗浄した(2回)。樹脂に、脱イオン水(50mL)中の15% HSOを添加し、混合物を15分間撹拌して、デカントした(1回)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積(CV))で洗浄し、次いでpHが中性となるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌してデカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの脱イオン水溶液(少なくとも4CV)で洗浄し、pHが中性となるまで水(少なくとも4CV)で洗浄した。化合物15(アンモニウム塩)を脱イオン水に溶解し(15mL中10.6mg)、カラムの上部に添加し、脱イオン水で溶出させた。TLC(UV)により検出されるように、所望の生成物は初期の画分に溶出した。生成物を凍結乾燥し、白色固体として28(ナトリウム塩)(9.2mg)を得た。ESI−MS:m/z=721.7[M+1]H NMR(400MHz,DO)8.42(s,1H),8.16(s,1H),7.90(s,1H),6.34(d,J=14.3Hz,1H),5.83(d,J=8.8Hz,1H),5.70−5.47(m,2H),4.48(brd,J=2.3Hz,1H),4.51−4.46(m,1H),4.39(brd,J=11.8Hz,1H),4.27−4.18(m,3H),4.12−4.03(m,3H),3.49(s,3H);19F NMR(376MHz,DO)−122.38(brs,1F),−199.72(brs,1F);31P NMR(162MHz,DO)55.75(brs,1P),53.63(s,1P).
【0352】
工程8:29(ナトリウム塩)の調製
工程7(28(ナトリウム塩)の調製)と同一手順に従い、白色固体として化合物29(ナトリウム塩)(12mg)を調製した;ESI−MS:m/z=721.7[M+1]H NMR(400MHz,DO)8.46(brs,1H),8.17(s,1H),7.77(s,1H),6.32(d,J=13.8Hz,1H),5.90−5.78(m,2H),5.30−5.11(m,1H),4.47(brs,1H),4.43−4.35(m,1H),4.32−4.18(m,4H),4.08−3.95(m,2H),3.49(s,3H);19F NMR(376MHz,DO)−122.77(brs,1F),−199.68(brs,1F);31P NMR(162MHz,DO)56.01(s,1P),53.31(brs,1P)。
【0353】
工程9:30(ナトリウム塩)の調製
工程7(28(ナトリウム塩)の調製)と同一手順に従い、白色固体として化合物30(ナトリウム塩)(7.2mg)を調製した。ESI−MS:m/z=721.7[M+1]H NMR(400MHz,DO)8.17(s,1H),8.08(s,1H),7.97(s,1H),6.34−6.26(m,1H),5.82(d,J=8.8Hz,1H),5.67−5.44(m,2H),4.51(brs,1H),4.46−4.38(m,1H),4.34(brd,J=4.3Hz,1H),4.24(brd,J=10.5Hz,1H),4.16−3.99(m,4H),3.47(s,3H);19F NMR(376MHz,DO)−122.35(s,1F),−199.36(brs,1F);31P NMR(162MHz,DO)56.00−55.06(m,1P),51.89(s,1P)。
【0354】
工程10:31(ナトリウム塩)の調製
工程7(28(ナトリウム塩)の調製)と同一手順に従い、白色固体として化合物31(ナトリウム塩)(4.5mg)を調製した。ESI−MS:m/z=721.7[M+1]H NMR(400MHz,D2O)8.16(d,J=3.0Hz,2H),7.77(s,1H),6.29(d,J=13.8Hz,1H),5.81−5.76(m,1H),5.73−5.65(m,1H),5.35−5.17(m,1H),4.50(brs,1H),4.43(brd,J=12.0Hz,1H),4.35−4.22(m,4H),4.08(dd,J=3.3,11.8Hz,1H),3.97(dd,J=2.4,11.9Hz,1H),3.46(s,3H);19F NMR(376MHz,DO)−122.24(s,1F),−199.92(s,1F);31P NMR(162MHz,DO)55.73(s,1P),51.80(s,1P)。
【0355】
実施例22
【0356】
【化74】
【0357】
工程1:化合物8bの調製
化合物8a(30g、111.428mmol)のピリジン(400mL)溶液に、TMSCl(84.85mL、668.57mmol)を室温で滴加した。混合物を40分間撹拌した後、ベンゾイルクロリド(46.99g、334.28mmol)を室温で滴加した。室温で終夜撹拌した後、混合物を濾過して濾液を水(120mL)で0℃にてクエンチし、続いてNH・HO(120mL)を0℃にて滴加した。混合物を15℃にて0.5時間撹拌した後、混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を酢酸エチル(600mL)で希釈した。固体を濾過により収集して8b(70g)を得、これを更に全く精製することなく、次工程に直接使用した。
【0358】
工程2:化合物8cの調製
化合物8b(30g、80.35mmol)のピリジン(250mL)溶液に、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(54.45g、160.71mmol)を添加した。室温で3時間撹拌した後、EtOAc(1L)を添加し、混合物を濾過した。有機層をブライン(300mL×3)で連続して洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中にMeOH=0%〜5%)により精製し、白色固体として化合物8c(31.2g)を得た。ESI−MS:m/z 676.3[M+H]
【0359】
工程3:化合物8dの調製
化合物8c(31.2g、46.17mmol)及び1H−イミダゾール(9.43g、138.52mmol)のDMF(500mL)溶液に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(13.92g,92.35mmol)をN下にて室温で添加した。反応混合物を室温にて3時間撹拌した後、混合物を水(1000mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(400mL×3)。次に、合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を濃縮して黄色油として粗生成物を得た。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜5%)により精製し、黄色固体として8d(29g)を得た。ESI−MS:m/z 790.4[M+H]
【0360】
工程4:化合物8eの調製
化合物8d(29g、36.71mmol)のDCM(160mL)溶液に、DCM(320mL)、続いてTFA(8mL)及びEtSiH(32mL)を0℃にて添加した。0.5時間0℃にて、次いで4時間25℃にて撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濃縮した。得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜5%)により精製し、白色固体として8e(11.5g、21.60mmol)を得た。ESI−MS:m/z 488.2[M+H]
【0361】
工程5:化合物8fの調製
化合物8e(11.5g、23.58mmol)及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(19.46g、94.34mmol)のDMSO(80mL)溶液に、ピリジン(2.65g、33.49mmol)及びトリフルオロ酢酸(2.01g、17.69mmol)を25℃にて添加した。混合物を25℃にて17時間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(400mL)及び水(200mL)で希釈した。有機層をブライン(100mL×2)で連続して洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して8f(11.45g、23.58mmol)を得、これを更に全く精製することなく、次の工程で使用した。ESI−MS:m/z 518.1[M+33]
【0362】
工程6:化合物22bの調製
化合物22a(6.39g、27.52mmol)のTHF(75mL)溶液に、60% NaH(1.43g、35.78mmol)を0℃にて添加した。混合物を0℃にて0.5時間撹拌した後、化合物8f(11.45g、23.58mmol)のTHF(75mL)溶液を0℃にて滴加した。0℃にて1時間、次いで25℃にて2時間撹拌した後、反応混合物をNHCl(100mL)飽和水溶液で希釈し、EtOAc(150mL×2)で抽出した。次に、有機層を合わせて引き続きブライン(130mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜5%)により精製し、黄色固体として22b(6.1g)を得た。ESI−MS:m/z 592.1[M+H]
【0363】
工程7:化合物22cの調製
化合物22b(1.1g、1.86mmol)及び酸化白金(IV)(0.33g、1.48mmol)のEtOH(30mL)溶液を水素雰囲気下(15Psi)にて、室温で終夜撹拌した。次に混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)により精製し、黄色固体として22c(0.8g)を得た。ESI−MS:m/z 594.1[M+H]
【0364】
工程8:化合物22dの調製
LiBrのTHF溶液(30.32mL、THF中0.5M)を、25℃にて22c(3g、5.05mmol)に添加した。混合物を50℃にて48時間撹拌した後、CHCN(30mL)、水(60mL)、及び1M塩酸(10mL)を添加した。次いで、混合物を凍結乾燥した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜15%)により精製し、黄色固体として22d(2.4g)を得た。ESI−MS:m/z=580.1[M+1]
【0365】
工程9:化合物22eの調製
化合物22d(1.8g、3.105mmol)と化合物20a(2.49g、3.72mmol)の混合物を、30mLの乾燥ピリジンと共沸した(3回)。得られた混合物を無水DCM/THF(80mL、1:1、v/v)で希釈し、続いて4Åのモレキュラーシーブ(200mg)、NMI(3.06g、37.26mmol)、及びTPSCl(2.82g、9.31mmol)を添加した。得られた溶液を25℃にて48時間、窒素雰囲気下にて撹拌した。反応物をNaHCO飽和水溶液(100mL)でクエンチし、濾過した。濾液をDCM(80mL×3)で抽出し、次いで有機層を合わせ、無水MgSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜10%)により精製し、黄色固体(3g)として粗生成物を得た。粗生成物を逆相分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 250x50mmx10μm;条件:HO(10mM NHHCO)(A)−CHCN(B);B:55にて開始;B:85にて終了;流速:110mL/分)により精製し、白色固体として22e(1.01g)を得た。ESI−MS:m/z 1231.7[M+H]H NMR(CDCNd3,400MHz)δ11.73−12.00(m,1H),9.69(brs,1H),9.34(brs,1H),8.53(brs,1H),8.10(s,1H),7.81−7.94(m,2H),7.70(d,J=9.3Hz,1H),7.36−7.53(m,3H),7.24(brd,J=7.7Hz,2H),7.01−7.15(m,7H),6.60−6.69(m,4H),5.97−6.16(m,1H),5.79−5.88(m,1H),5.24−5.56(m,2H),4.46−4.68(m,1H),3.99−4.11(m,2H),3.81−3.97(m,1H),3.59(s,6H),3.39(s,1H),3.34−3.37(m,1H),3.36(s,1H),3.27(s,1H),3.17(s,3H),2.36−2.55(m,1H),0.91−1.01(m,6H),0.77−0.82(m,9H),−0.12−0.08ppm(m,6H)。
【0366】
工程10:化合物22fの調製
化合物22e(400mg、0.325mmol)のTHF(4mL)溶液に、THF中の1M TBAF(0.975mL、0.975mmol)を25℃にて添加した。混合物を25℃にて2時間撹拌し、次いで酢酸エチル(20mL)及び水(15mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。次に、有機層を合わせて引き続きブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜5%)により精製し、黄色固体として22f(325mg)を得た。ESI−MS:m/z 1117.3[M+H]
【0367】
工程11:化合物22gの調製
化合物22f(325mg、0.29mmol)のDCM(4mL)溶液に、水(52.37mg、2.93mmol)及び6% DCAのDCM(4mL)溶液を添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。次に、赤色反応混合物が無色に変わるまで、混合物にピリジンを添加した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH=0%〜15%)により精製し、白色固体として22g(180mg)を得た。ESI−MS:m/z 815.1[M+H]
【0368】
工程12:化合物22iの調製
化合物22g(180mg、0.22mmol)のCHCN/THF(21.6mL、v/v=1:1)溶液に、4Åのモレキュラーシーブ(500mg)及びテトラゾール(3.96mL、CHCN中0.45M)を添加した。反応混合物を25℃にて0.5時間撹拌した後、CHCN(1.8mL)中の3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)−ホスファニル)オキシ)プロパンニトリル(133.18mg、0.44mmol)を滴加した。混合物を25℃にて2時間撹拌した後、追加のテトラゾール(1mL、CHCN中0.45M)を上記溶液に添加した。混合物を25℃にて0.5時間撹拌して、化合物22hを得た。Beaucage試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシド、221.19mg、1.105mmol)を添加した。混合物を25℃にて0.5時間撹拌した後、濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、22i(250mg、粗生成物)を得た。
ESI−MS:m/z 946.3[M+H]
【0369】
工程13:化合物32の調製
化合物22i(80mg、0.085mmol)のEtOH(5mL)溶液に、NH・HO(5mL)を添加した。混合物を50℃にて48時間撹拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣を逆相分取HPLC(カラム:Synergi 4μM、Hydro RP、250mm×30mm;移動相:緩衝液A:50mMのトリエチル酢酸アンモニウム水溶液;緩衝液B:50mMトリエチル酢酸アンモニウムのCHCN溶液、勾配:30分にわたりBが0〜30%、流速24mL/分)により精製し、続いて逆相分取HPLC(Kinetex 5μm、100A;250×21.2mm緩衝液A:0.1%ギ酸水溶液緩衝液B:MeCN中の0.1%ギ酸;流速:15mL/分、勾配30分で緩衝液Bが0〜30%)により第2の精製を行い、白色固体として化合物32(6.9mg)を得た。ESI−MS:m/z:703.00[M−1]−。ESI−MS:m/z 705.10[M+H]
【0370】
化合物32(ナトリウム塩)の調製
Dowex 50W×8、200−400(5mL、H形)をビーカーに添加し、脱イオン水(30mL)で洗浄した。樹脂に、15% HSO脱イオン水溶液を添加し、混合物を5分間穏やかに撹拌した後、デカントした(30mL)。樹脂を、脱イオン水中に15% HSOを含むカラムに移し、15% HSO(少なくとも4カラム体積)で洗浄し、次いで中性となるまで、脱イオン水にて洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液を添加し、混合物を穏やかに5分間撹拌し、デカントした(1回)。樹脂をカラムに移し、15% NaOHの水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄して、次いで中性となるまで脱イオン水で洗浄した。化合物32(トリエチルアンモニウム塩)(6.9mg)を最小量の脱イオン水に溶解させ、カラム上部に添加し、脱イオン水にて溶出した。画分をプールして凍結乾燥し、白色固体として化合物32(ナトリウム塩)(6.1mg)を得た(約20%又は不純物又は同じ分子量の他の異性体を含有−主要生成物の分析データ)。H NMR(400MHz,DO)δ8.08(s,1H),8.00(s,1H),7.92(s,1H),6.22(d,1H),5.79−5.85(m,1H),5.53−5.70(m,1H),4.73−5.13(m,3H),4.45−4.50(m,1H),4.21−4.35(m,1H),3.40−4.19(m,4H),3.45(s,3H),1.78−1.90(m,2H),1.60−1.70(m,2H);31P NMR(162MHz,DO)δ54.66(PSピーク),25.13(1.0,ホスホネート);19F NMR(379MHz,DO)δ−199.48(m);ESI−MS:m/z:ESI−MS:703.00[M−1]。ESI−MS:m/z 705.10[M+H]
【0371】
実施例23
【0372】
【化75】
【0373】
工程1:23aの調製
化合物19c(1g、2.02mmol)のDCM(20mL)溶液に、N下にてデス−マーチンペルヨージナン(1.45g、3.43mmol)を添加した。反応混合物を室温にて16時間撹拌した後、Na(3g)を含有するNaHCO飽和水溶液(20mL)を添加して、混合物を0.5時間撹拌した。有機層を分離し、NaHCO飽和水溶液(20mL)で洗浄した。次に有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:EtOAc/石油エーテル、0/100〜1/0)により精製し、白色固体として23a(1g)を得た。ESI−MS:m/z=498.1[M+HO]
【0374】
工程2:化合物23bの調製
0℃に予冷却したエタノール(10mL)中の23aに、NaBH(0.14g、3.63mmol)を添加した。反応混合物を0℃にて10分間、次いで室温で30分間撹拌し、その後EtOAc(20mL)及びブライン(10mL)で希釈した。水層をEtOAcで抽出した(10mL)。次に有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:EtOAc/石油エーテル、0/100〜1/1)により精製し、23b(300mg)を得て、白色固体として23a(200mg)を回収した。
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm12.07(s,1H)11.71(s,1H)8.00(s,1H)6.06(d,J=4.85Hz,1H)5.85(d,J=5.29Hz,1H)4.24−4.34(m,1H)3.76−3.93(m,4H)3.40(s,3H)2.76(quin,J=6.84Hz,1H)1.12(d,J=6.84Hz,6H)0.90(s,9H)0.04−0.13(m,6H);ESI−MS:m/z=482.1[M+1]
【0375】
工程3:23cの調製
化合物23b(120mg、0.22mmol)のピリジン(4mL)溶液、及びDIEA(87.96mg、0.68mmol)に、ジフェニルカルバミルクロリド(105.11mg、0.45mmol)を添加した。25℃にて1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:EtOAc/石油エーテル、0/100〜1/0)により精製し、白色固体として23c(110mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl−d)δppm8.32(s,1H)7.96(s,1H)7.31−7.51(m,8H)7.25(brs,2H)6.21(d,J=3.01Hz,1H)4.90(d,J=9.54Hz,1H)4.37(brd,J=9.03Hz,1H)4.14(d,J=2.26Hz,1H)3.98(s,1H)3.94(d,J=3.01Hz,1H)3.92−3.99(m,1H)3.82(dd,J=11.17,2.38Hz,1H)3.50(s,3H)2.93(brs,1H)1.27(d,J=6.78Hz,6H)0.93(s,9H)0.14(s,6H);ESI−MS:m/z=699.6[M+Na]
【0376】
工程4:化合物23dの調製
化合物23c(200mg、0.28mmol)のピリジン(5mL)溶液に、TfO(606.11mg、2.14mmol)を0℃にて添加した。0〜5℃にて3時間撹拌した後、反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、ブライン(5mL×1)で洗浄した。相を分離し、水層をDCMで抽出した(10mL×2)。次に有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:EtOAc/石油エーテル、0/100〜1/1)により精製し、白色固体として23d(250mg)を得た。ESI−MS:m/z=831.2[M+Na]
【0377】
工程5:化合物23eの調製
化合物23d(610mg、0.75mmol)のDMF(15mL)溶液に、アジ化ナトリウム(814mg、7.06mmol)を添加した。25℃にて16時間撹拌した後、混合物をDCM(100mL)で希釈し、NaHCO飽和水溶液(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。次に有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させて減圧下にて濾過濃縮した。油状の残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:EtOAc/石油エーテル0/100〜1/00)により精製し、白色固体として23e(500mg)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm12.12(s,1H)11.68(s,1H)8.21(s,1H)5.91(d,J=4.63Hz,1H)4.87(t,J=4.96Hz,1H)4.26(brt,J=5.07Hz,1H)4.08(brd,J=4.41Hz,1H)3.86(brdd,J=11.47,4.19Hz,1H)3.71−3.81(m,1H)3.46(s,3H)2.77−2.82(m,1H)1.12(d,J=6.84Hz,6H)0.87(s,9H)0.06(s,6H);ESI−MS:m/z=507.2[M+1]
【0378】
工程6:化合物23fの調製
化合物23e(450mg、0.84mmol)のTHF(10mL)溶液に、TBAF(1.52mL、1.52mmol、THF中1M)を0℃にて添加した。室温で4時間撹拌した後、混合物を減圧下にて濃縮し油を得た。油をDMCM(50mL)に溶解させ、ブライン(20mL)で洗浄した。相を分離し、水相をCDM(20mL×2)で抽出した。次に有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:DCM/MeOH 1/0〜100/7)により精製し、白色固体として23f(220mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl−d)δppm12.13(brs,1H)8.57(brs,1H)7.81(s,1H)5.84(d,J=7.72Hz,1H)5.08(brs,1H)4.59(dd,J=7.50,5.29Hz,1H)4.33(d,J=1.76Hz,1H)4.20(dd,J=5.29,1.98Hz,1H)4.03(dd,J=12.46,2.09Hz,1H)3.76(brs,1H)3.56(s,3H)2.61−2.76(m,1H)1.27−1.35(m,6H);ESI−MS:m/z=415.0[M+Na]
【0379】
工程7:化合物23hの調製
化合物23f(220mg、0.56mmol)及び4Åのモレキュラーシーブ(3g)のCHCN(18mL)溶液を、N雰囲気下にて室温で3分間撹拌した。1H−テトラゾール(7.48mL、3.36mmol、CHCN中0.45M)を滴加した。10分間撹拌した後、化合物23gのCHCN(4mL)溶液を滴加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(0.56mL、2.80mmol、デカン中5M)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下にて濾過濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:DCM:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、白色固体として23h(950mg、粗生成物)を得、これを全く精製することなく、次工程に直接使用した。ESI−MS:m/z=1183.5[M+1]
【0380】
工程8:化合物23iの調製
化合物23h(950mg、粗生成物)のDCM(15mL)及び水(68.83mg、3.82mmol)溶液に、ジクロロ酢酸(172.57mg、1.33mmol)を室温で添加し、続いてトリエチルシラン(3.5mL)を添加した。室温で2時間撹拌した後、ピリジン(121mg、1.53mmol)を添加して混合物を室温で10分間撹拌し、次いで減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出勾配:DCM:MeOH=1:0〜10:1)により精製し、白色固体として23i(570mg)を得た。H NMR(400MHz,CDOD−d4)δppm8.57−8.74(m,2H)8.04−8.16(m,3H)7.66(d,J=6.61Hz,1H)7.53−7.61(m,2H)6.38−6.53(m,1H)5.90−6.06(m,1H)4.53(brd,J=5.51Hz,2H)4.40−4.46(m,1H)4.31−4.40(m,4H)3.92(brd,J=13.23Hz,1H)3.73−3.83(m,1H)3.58(d,J=11.69Hz,3H)2.70−2.79(m,1H)1.21(dd,J=6.84,2.43Hz,6H);ESI−MS:m/z=881.4[M+1]
【0381】
工程9:化合物23jの調製
化合物23i(470mg、0.39mmol)、1H−テトラゾール(0.66mL、0.3mmol、CHCN中0.45M)、LiCl(84.23mg、1.98mmol)、及び4Åのモレキュラーシーブ(2g)の、DCM(60mL)溶液に、ジメチルN,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(94.50mg、0.48mmol)を添加した。反応混合物を72時間室温で撹拌し、減圧下にて濾過濃縮し、白色固体として23j(400mg、粗生成物)を得、これを全く精製することなく、次工程に直接使用した。ESI−MS:m/z=931.1[M+1]
【0382】
工程10:化合物33の調製
化合物23j(400mg、粗生成物)のEtOH(15mL)溶液に、NH・HO(15mL)を室温で添加した。50℃にて3日間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮乾固した。残渣を逆相分取HPLC(カラム:Synergi 4μM、Hydro RP、250mm×30mm;移動相:緩衝液A:50mMのトリエチル酢酸アンモニウム水溶液;緩衝液B:50mMトリエチル酢酸アンモニウムのCHCN溶液、勾配:30分にわたりBが0〜30%、流速24mL/分)により精製し、化合物33(24.5mg)を得た。逆相分取HPLC(Synergi 4μM、Hydro RP、250mm×30mm、緩衝液A:0.1%ギ酸水溶液緩衝液B:0.1%ギ酸のMeCN溶液;流速:15mL/分、勾配30分で緩衝液Bが0〜30%)により、化合物33を更に精製し、化合物33(トリエチルアンモニウム塩)(16.3mg)を得た。
【0383】
化合物33のナトリウム塩交換:
Dowex 50W×8、200−400(5mL、H形)をビーカーに添加し、脱イオン水(30mL)で洗浄した。樹脂に、脱イオン水中の15% HSOを添加し、混合物を穏やかに5分間撹拌してデカントした(30mL)。樹脂を、15% HSO脱イオン水溶液の入ったカラムに移し、15% HSOで洗浄し(少なくとも4カラム体積)、次いで、樹脂が中性になるまで脱イオン水で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、15% NaOHの脱イオン水溶液を添加し、混合物を穏やかに5分間撹拌してデカントした。樹脂をカラムに移し、15% NaOH水溶液(少なくとも4カラム体積)で洗浄して、次いで中性となるまで脱イオン水で洗浄した。化合物33(トリエチルアンモニウム塩)(16.3mg)を最小量の脱イオン水に溶解させ、カラム上部に添加し、脱イオン水にて溶出した。画分をプールして凍結乾燥し、白色固体として化合物33(ナトリウム塩)(15.4mg)を得た。H NMR(400MHz,DO)δppm8.21(s,1H),8.15(s,1H),7.66(s,1H),6.22(d,1H),5.49(d,1H),5.20−5.36(d,1H),4.88(d,1H),4.30−4.37(m,3H),4.06−4.12(m,2H),3.80−3.90(m,2H),3.42(s,3H);31P NMR(162MHz,D2O):δ4.23(アミデート),−1.32(ホスフェート);19F NMR(379MHz,D2O):δ−201.958(m);ESI−MS:m/z:ESI−MS:m/z:687.70[M−1]。ESI−MS:m/z 690.10[M+H]
【0384】
生物学的実施例
インビトロ・アッセイ
STING SPA結合アッセイ
ヒトSTING SPA結合アッセイは、トリチウム標識された2’,3’cGAMP(環状(グアノシン−(2’→5’)−モノホスフェート−アデノシン−(3’→5’)−モノホスフェート)の、ビオチン化STINGタンパク質への置換を測定する。4つの膜貫通ドメインを欠いており、232位にRを有する(H232R)Q86WV6の残基139−379を含む可溶化態様の組み替えSTINGを、E.coliで発現させた。集団について対立遺伝子頻度が58%であることに基づき、H232Rは、野生型であると考えられる(Yi,et.al.,「Single Nucleotide Polymorphisms of Human STING can affect innate immune response to cyclic dinucleotides」PLOS ONE.2013,8(10),e77846)。STINGコンストラクトは、N末端にHISタグを有しており、それに続き、TEVプロテアーゼ切断部位及びAVIタグを有しており、BirAビオチンリガーゼによる選択的ビオチン化を可能にする(Beckett et al.,A minimal peptide substrate in biotin holoenzyme synthetase−catalyzed biotinylation.(1999)Protein Science 8,921−929)。精製後、かつビオチン化の前に、HISタグを切断させる。
【0385】
8nMの[H]−2’3’−cGAMP及び40nMビオチン−STINGタンパク質をアッセイバッファー[25mM HEPES(Corning 25−060−C1)pH7.5、150mM NaCl(Sigma S5150)、0.5mg/mL BSA(Gibco 15260−037)、0.001%Tween−20(Sigma P7949)、分子生物学グレードの水(Corning 46−000−CM)]に加えることによって、ウェルあたりの合計体積8μLで、1536ウェルプレートでアッセイを行った。試験化合物(80nL)を、アコースティックディスペンサー(EDC Biosystems)を用いて100%DMSOに加え、最終アッセイ濃度を1%DMSOとした。プレートを1分間遠心分離し、室温で60分間インキュベートした。最後に、(2μL)ポリスチレンストレプトアビジンSPAビーズ(PerkinElmer RPNQ0306)を加え、プレートを密封し、室温で1分間遠心分離した。プレートを2時間暗所で適応させ、プレート当たり12分間ViewLux(Perkin Elmer)で読み取った。[H]−2’3’−cGAMPに関する飽和結合曲線は、STINGに対する結合について、天然リガンドについて報告されている値に匹敵する3.6±0.3nMのKを示した(Zhang et al.,Cyclic GMP−AMP containing mixed phosphodiester linkages is an endogenous high−affinity ligand for STING。
【0386】
環状ジ−GMPを含む他の天然リガンドもまた、予想される範囲内で、このアッセイにおいて値を返した。参照化合物はcGAMPであり、結果は、阻害率及びIC50値として報告される。マウスSTINGに対する結合は、Q3TBT3の残基138−378を含有する上述のものと類似のコンストラクトを使用した。
【0387】
完全長ヒトSTING結合アッセイ
232位にRを有し(H232R)、N末端に6HISタグを有し、それに続きFLAGタグ、TEVプロテアーゼ開裂部位及びビオチン化のためのAVIタグを有する、Q86WV6の残基1−379由来のヒトSTINGを、HEK293−EXPI細胞内で組換え発現した。これらの細胞から精製膜を調製し、STING発現を確認し、免疫ブロットにより定量した。Greiner 384ウェルアッセイプレート中でSTING含有膜を試験化合物と合わせ、STING SPA結合アッセイに使用したのと同じアッセイバッファー中、室温で1時間インキュベートした。次に、[H]−2’3’−cGAMPを加え、プレートを室温で30分間インキュベートした。反応物を予め洗浄したPall 5073フィルタープレートに移し、各ウェルを50μLのアッセイバッファーで3回洗浄した。フィルタープレートを50℃で1時間乾燥させた。各ウェルに、10μLのMicroscintシンチレーション流体を加え、プレートを密封し、ウェル当たり1分間TopCount(Perkin Elmer)で読み取った。°
【0388】
STING SPR結合アッセイ
化合物を、S200 biacore SPR装置(GE Healthcare)で分析した。E.coliで産生した切断型STINGタンパク質を、ビオチン捕捉(GE Healthcare#BR100531)を介して、一連のSストレプトアビジンチップ上に固定した。化合物を、実施バッファー(10mM HEPES、pH7.4、150mM NaCl、0.005%P20、1mM TECEP)中、100uM〜0.195uMまで1:2希釈でスクリーニングした。1:1結合モデルを用いて定常状態の親和性及び動態評価を行った(STINGはダイマーとして処理した)。実験パラメータは以下のとおりであった。IFM化合物については60秒オン、300秒オフ、環状ジ−GMP(60秒オン/60秒オフ)、チオール異性体1(60秒オン/300秒オフ)、及びcGAMP(60秒オン/1200秒オフ)、流速50μL/min及び25℃、40Hzでのデータ収集。
【0389】
STINGヒト細胞レポーターアッセイ
ヒトSTING経路のアゴニスト活性は、インターフェロン調節因子(IRF)により誘導可能なSEAPレポーターコンストラクトの安定な組み込みによって、ヒトTHP1単球細胞株由来のTHP1−ISG細胞(Invivogen,カタログ番号thp−isg)において評価される。THP1 Blue ISG細胞は、5つのインターフェロン(IFN)刺激応答配列と共に、ISG54ミニマルプロモーターの制御下で、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーター遺伝子を発現する。結果として、THP1 Blue ISG細胞により、SEAP活性を測定してIRF活性化をモニタリングすることが可能になる。細胞培養上清中のIRF誘導性SEAPのレベルは、アルカリホスファターゼ検出培地、SEAP検出試薬によって容易に評価される。これらの細胞は、ゼオシン耐性である。このアッセイにおいて、陽性対照として2’3’cGAMPを使用した。アッセイを行うために、60,000個の細胞を、白色で底が不透明の組織培養処理された384ウェルプレートに30μL/ウェルで分配した。
【0390】
試験化合物を10μLの体積で添加した(最終濃度1%DMSO)。最初に化合物を100%DMSO中で調製し、中間希釈プレート上にスポットし、その後、移す前に培地で希釈した。アッセイを37℃、5%COで24時間インキュベートした後、プレートを1200rpm(120xg)で5分間遠心分離した。最後のインキュベートの後、90μLのアルカリホスファターゼ検出培地を新しい384ウェル透明プレートの各ウェルに加え、Biomek FXを使用して、10μLの細胞上清をアッセイプレートから新しいアルカリホスファターゼ検出培地プレートに移し、4回混合した。プレートを室温で20分間インキュベートした後、655nmでの吸光度をTecan Safire 2で測定した。
【0391】
STINGマウス細胞レポーターアッセイ
マウスSTING経路のアゴニスト活性は、インターフェロン誘導性Luciaルシフェラーゼレポーターコンストラクトの安定な組み込みによって、マウスRAW−264.7マクロファージ細胞株由来のRAW Lucia細胞(Invivogen、カタログ番号rawl−isg)において評価される。RAW Lucia細胞は、5つのインターフェロン(IFN)刺激応答配列と共に、ISG54ミニマルプロモーターの制御下で、分泌型ルシフェラーゼレポーター遺伝子を発現する。結果として、RAW Lucia細胞により、ルシフェラーゼの活性を測定してIRF活性化をモニタリングすることが可能になる。細胞培養上清中のIRF誘導によるルシフェラーゼのレベルは、ルシフェラーゼ検出試薬QUANTI−Luc(商標)を用いて容易に評価される。これらの細胞は、ゼオシン耐性である。このアッセイにおいて、陽性対照として2’3’cGAMPを使用する。アッセイを行うために、100,000個の細胞を、組織培養処理された透明で底が平らな96ウェルプレートに90μL/ウェルで分配した。試験化合物を10μLの体積で添加した。このアッセイを、37℃、5%CO2で、24時間及び48時間インキュベートした。インキュベート後、アッセイプレートから20μLの細胞上清を新しい96ウェル白色プレートに移し、50uLのQUANTI−Luc基質を加えた。プレートをインキュベートし、室温で5分間振盪した後、0.1秒の積分時間で発光をEnVision 2104で読み取った。
【0392】
ヒトインターフェロン−β誘導アッセイ
THP1 Blue ISG細胞を使用して、STING経路活性化後の培養上清へのIFN−βの分泌を測定する。アッセイを行うために、抗INF−β捕捉抗体を96ウェルMultiArrayプレート(Mesoscale Discovery)上にコーティングした。1時間のインキュベート後、プレートを洗浄し、このコーティングされたプレート内で、STINGヒト細胞レポーターアッセイプレート由来の50μLの上清又はIFN−β標準を、Sulfotagを付加した20μLの共役検出抗体と混合した。プレートをインキュベートし、2時間振盪し、洗浄し、読み取りバッファーを加えた。電気化学発光をSectorImagerで測定した。
【0393】
STING細胞シグナル伝達経路の評価
STING経路のアゴニスト活性は、ホスホ−STING(S366)、ホスホ−TBK1(S172)及びホスホ−IRF3(S396)のウェスタンブロットによって、THP1 BLUE ISG細胞において測定された。簡潔に述べると、90μLのヌクレオフェクション(商標)バッファー中の5万個の細胞を、10μLの試験化合物と混合した。これらの混合物を、Amaxa Nucleofector(Lonza)上でプログラムV−001を用いてエレクトロポレーションした。細胞を新鮮な培地を入れた12ウェルプレートに移し、37℃、5%COで1時間回復させた。次いで、細胞を冷HBSSで洗浄し、RIPAバッファーに溶解させた。サンプルは、総タンパク質を正規化し、ProteinSimpleサンプルバッファー又はLDSローディングバッファーのいずれかで希釈した。サンプルを95℃で5分間加熱変性した後、PeggySue(ProteinSimple)を使用してホスホ−及び総STING及びIRF3を測定し、一方、NuPAGE(Invitrogen)システムを使用してTBK1を測定した。データを、Compass又はLicor Odygseyソフトウェアを使用してそれぞれ分析した。
【0394】
STINGインビボ活性
全ての試験において、雌性Balb/cマウスはCharles River Labs(Wilmington,MA)から得て、6〜8週齢になり、体重が約20gになったときに使用した。全ての動物を、実験での使用前に最低5日間、あらゆる輸送関連ストレスから順応及び回復させた。逆浸透処理し塩素を添加した水及び食品照射された餌(Laboratory Autoclavable Rodent Diet 5010、Lab Diet)を不断給餌で与え、動物を12時間の明暗サイクルに維持した。使用前にケージ及び床敷きをオートクレーブ処理し、毎週交換した。全ての実験は、The Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに従って行い、Institutional Animal Care and Use Committee of Janssen R&D(Spring House,PA)により承認された。各実験群には、8匹のマウスが含まれていた。500,000個のCT26結腸癌腫瘍細胞をBalb/cマウスに皮下移植し、腫瘍を100〜300mmに成長させることによって、マウスCT26腫瘍モデルにおけるインビボ有効性を決定した。化合物を、リン酸緩衝生理食塩水中で、1回の注入当たり0.1mLの体積で配合し、腫瘍内注射した。約3日おきに0.05mg、合計3回用量をマウスに投与した。次式:((C−T)/(C))100(全ての対照動物が試験下にある場合)により、対照腫瘍体積(C)に対する、治療した腫瘍体積(T)のサイズの減少によって計算される腫瘍増殖阻害率(TGI)として、有効性を評価した。治癒は、最後の用量を投与した後に、10腫瘍体積倍加時間(TVDT)を測定可能な腫瘍が検出されなかった動物の数であると定義された。得られたデータを表3に示す。
【0395】
【表4】
ND:実施せず
【0396】
インビボ活性の測定
MC38細胞をC57BL/6マウスに移植し、又はCT26細胞をBalb/cマウスの右横腹に移植し、腫瘍を約100〜200mmのサイズとすることにより、動物モデルにおける活性を評価することができる。腫瘍には、ビヒクル(PBS若しくはHBSS)を注射することができ、又は、試験化合物を1回の注射当たり100μLの体積で腫瘍内に注射することができる。各治療群は7〜8匹のマウスを有することができ、治療は3日毎に、合計3用量(q3d×3)で投与することができる。腫瘍のサイズをノギスで測定することができ、推定される腫瘍重量を、以下の式を用いて計算することができる:腫瘍重量=w(l)/2(式中、wは幅であり、lは長さ(ミリメートル)である)。効能は増殖抑制率(%TGI)、及びまた、各群における「治癒」の数の両方により測定することができる。%TGIは、全ての対照動物が依然として研究中であるときに、対照腫瘍体積(C)に対する治療腫瘍体積(T)の、サイズ減少割合として、以下の式:((C−T)/(C−開始サイズ))100に従い計算することができる。治癒は、最後の用量を投与した後に、10腫瘍体積倍加時間(TVDT)を測定可能な腫瘍が検出されなかった動物の数であると定義することができる。
【0397】
生物学的実施例2:
STING初代ヒトPBMCサイトカイン誘導アッセイ
ヒト全血由来の初代ヒト末梢血単核球(PBMC)においてヒトSTING経路のアゴニスト活性を評価する。1パイント(約420mL)の新鮮なドナー血液(AllCells Inc.(Alameda,CA))を、リンパ球分離培地(1.077〜1.080g/mL、Corning(Manassas,VA))上に層状に配置し、次いで、破壊することなく、室温、500gで20分間遠心分離する。血清とリンパ球分離培地との間の界面で集めたPBMCを採取し、洗浄し、次いで計測する。PBMCは、B細胞、T細胞などのリンパ球及び単球のサブタイプから構成され、文献において、これらのサブタイプは、異なるレベルのSTINGタンパク質を発現するとして特徴付けられている。2’3’−cGAMPなどのSTINGアゴニストに応答して、これらの細胞が活性化され、様々な炎症性及び抗ウイルス性サイトカインの発現が誘導される。また、STINGアゴニストで刺激すると、これらの細胞は、活性化マーカーを上方調節する。サイトカイン誘導レベルは、ELISA、Luminex及びMSDを含む様々な方法によって測定することができる。活性化マーカーの上方調節のレベルは、フローサイトメトリーによって測定することができる。
【0398】
アッセイを行うために、1,000,000個の細胞を、組織培養処理された底が平らな96ウェルプレートに225μL/ウェルで分配した。試験化合物を、10倍濃度で、25μLの体積で添加した。一部の化合物を100%DMSOに溶解し、これらの化合物を投与する培養物におけるDMSOの最終濃度は1%とした。このアッセイを、37℃、5%COで48時間インキュベートした。プレートの底部の細胞を乱さないように200μLの上清を採取し、次いで、Luminex測定の時間まで−20℃にて凍結させた。MILLIPLEX MAP Human Cytokine/Chemokine Magnetic Bead Panel−Immunology Multiplex Assay kitからのG−CSF、IFNα2、IFNγ、IL−1b、IL−6、IL−10、IL−12(p40)、IL−12(p70)、TNFα、及びMILLIPLEX MAP Human Cytokine/Chemokine Magnetic Bead Panel IVキット(EMD Millipore、ビレリカ、MA)からのIFNβ1検体を用い、製造業者のプロトコルに従って、Luminexアッセイを行った。サイトカイン誘導は、Luminex FlexMAP 3D(登録商標)装置(Luminex Corporation(ラドノール、PA))を使用して測定した。収集されたLuminexデータの分析は、MILLIPLEX Analystソフトウェア(EMD Millipore)を使用して行った。
【0399】
STING活性化された初代ヒトPBMCからの馴化培地を使用したPHH細胞におけるHBVウイルスの抑制
初代ヒト肝細胞は、B型肝炎ウイルスに感染し得るものであり、感染中は、ELISAによって検出可能なHBsAg及びHBeAgなどのウイルスタンパク質を産生する。エンテカビルなどの化合物による治療処置は、HBV複製を抑制することができ、この抑制は、ウイルスタンパク質の産生の減少によって評価することができる。(細胞数)4×10個/ウェルの初代ヒト肝細胞(BioReclamation、ウェストベリー、NY)を、500μL/ウェルの組織培養処理された底が平らな24ウェルプレートに分配した。24時間後、細胞を30〜75moiのHBVに感染させた。翌日、PHHを3回洗浄し、新鮮な維持培地を細胞に添加した。同時に、PBMCを、上述のとおり単離した。PBMCを刺激するために、10,000,000個の細胞を、組織培養物処理された底が平らな24ウェルプレートに400μL/ウェルで分配した。試験化合物を体積100μLで添加した後、培養物を37℃、5%COで48時間インキュベートした。上清を回収した。フローサイトメトリーを使用して、活性化マーカーのアップレギュレーションについて細胞を測定した。簡潔に述べると、細胞を、CD56、CD19、CD3、CD8a、CD14、CD69、CD54、CD161、CD4及びCD80を対象とする蛍光標識抗体で染色した。Attune NxTフローサイトメーター(Thermo Fisher、カールスバッド、CA)でサンプルを分析した。
【0400】
刺激したPBMC培養物から、上述のとおり、Luminexによるサイトカイン検出のために上清の一部を確保した。残りの上清を半分に分割し、アッセイのd8で使用するために1つのアリコートを4℃で保存した。上清の他のアリコートを2XPHH培地で1:1に希釈した後、d4感染したPHH細胞に添加した。96時間後、使用済み培地を交換し、上清に、2XPHH培地を添加し1:1希釈した。この時点で、HBsAg ELISAキット(Wantai Bio pharm、北京、中国)を使用してHBsAgの仮測定を行った。96時間後、培地を回収し、HBsAgを測定した。
【0401】
表4:CDN化合物で刺激したPBMC培養におけるサイトカインの誘導倍率。誘導倍率は、約20μMの化合物で48時間後に誘導されたサイトカインの濃度を測定し、次いで、PBSでインキュベートした細胞のサイトカイン産生のベースラインレベルで割ることによって計算される。データは、3つの実験にわたる複数のドナーの平均である。nt=試験せず。
【0402】
【表5】
【0403】
表5:より高濃度のCDN化合物で刺激したPBMC培養におけるサイトカインの誘導倍率。誘導倍率は、指定の濃度の化合物で48時間後に誘導されたサイトカインの濃度を測定し、次いで、PBSで誘導された細胞のサイトカイン産生のベースラインレベルで割ることによって計算される。データは、3つの実験にわたる複数のドナーの平均である。nt=試験せず。
【0404】
【表6】
【0405】
表6.CDNで刺激されたPBMCからの馴化培地は、HBV感染したPHH細胞のウイルス負荷を抑制することができる。PBMCを、記載のCDNを用いて20、4、0.8μMで48時間刺激した。上澄み液を新鮮な培地と1:1の比率で混合した後、HBV感染したPHH細胞に添加した。HBsAg産生は、8日後に測定した。データは、2人の独立したドナーの平均である。
【0406】
【表7】
【0407】
表7.CDNはPBMCを活性化する。PBMCを20μMのCDNで48時間刺激した。細胞を、単球上のCD54のアップレギュレーションについて、フローサイトメトリーによって評価した。平均蛍光強度の増加倍率は、休止細胞のレベルに対して計算した。データは、2人の独立したドナーの平均である。
【0408】
【表8】
【0409】
上記の明細書は、説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に含まれる全ての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が包含される点が理解されるであろう。
【国際調査報告】