(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-506063(P2020-506063A)
(43)【公表日】2020年2月27日
(54)【発明の名称】工具カセット
(51)【国際特許分類】
B21D 37/14 20060101AFI20200131BHJP
【FI】
B21D37/14 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-542130(P2019-542130)
(86)(22)【出願日】2018年2月2日
(85)【翻訳文提出日】2019年9月2日
(86)【国際出願番号】EP2018052638
(87)【国際公開番号】WO2018141900
(87)【国際公開日】20180809
(31)【優先権主張番号】102017201787.2
(32)【優先日】2017年2月3日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518006075
【氏名又は名称】トルンプフ シュヴァイツ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Schweiz AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ケアシャー
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ ラルドン
(72)【発明者】
【氏名】ダリオ ヌスバウム
(72)【発明者】
【氏名】マティアス トヴァイトマン
【テーマコード(参考)】
4E050
【Fターム(参考)】
4E050FA02
(57)【要約】
加工工具を取り付けるための工具カセット(1)を提供する。該工具カセット(1)は、カセット基体(2)、
加工工具を取外し可能に保持するための工具ホルダ、および
少なくとも1つの第1の結合装置(7)を有しており、
該第1の結合装置(7)は、該第1の結合装置(7)に対して相補的な、別の工具カセット(1’)の第2の結合装置(8)と形状結合式にかつ取外し可能に結合可能であるように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工工具を取り付けるための工具カセット(1)であって、該工具カセット(1)は、
カセット基体(2)、
加工工具を取外し可能に保持するための工具ホルダ、および
少なくとも1つの第1の結合装置(7)を有しており、
該第1の結合装置(7)は、該第1の結合装置(7)に対して相補的な、別の工具カセット(1’)の第2の結合装置(8)と形状結合式にかつ取外し可能に結合可能であるように適合されている、工具カセット(1)。
【請求項2】
前記第1の結合装置(7)はフック状に形成されており、前記第2の結合装置(8)はフック支持部として形成されている、請求項1記載の工具カセット(1)。
【請求項3】
前記第2の結合装置(8)は、前記別の工具カセット(1’)の表面(10)に開口(9)を有しており、該開口(9)は、フック状に形成された前記第1の結合装置(7)用のアンダカット(11)を有している、請求項2記載の工具カセット(1)。
【請求項4】
前記第1の結合装置(7)は当接面(12)を備えており、該当接面(12)は、2つの工具カセット(1,1’)が掛け込まれた状態において前記工具カセット(1)の前記表面(10)が前記第2の結合装置(8)でもって、前記当接面(12)に当接すると共に該当接面(12)に支持されるように形成されている、請求項3記載の工具カセット(1)。
【請求項5】
前記カセット基体(2)は、少なくとも1つの別の当接面(14)を備えており、該別の当接面(14)は、2つの工具カセット(1,1’)が掛け込まれた状態において前記別の工具カセット(1’)の前記カセット基体が前記当接面(14)に当接すると共に、該当接面(14)に支持されるように配置されている、請求項4記載の工具カセット(1)。
【請求項6】
前記工具カセット(1)は、該工具カセット(1)を運ぶための取っ手(13)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の工具カセット(1)。
【請求項7】
前記カセット基体(2)は、プラスチックから製造されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の工具カセット(1)。
【請求項8】
前記工具カセット(1)は、少なくとも1つの前記第1の結合装置(7)と、少なくとも1つの前記第2の結合装置(8)の両方を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の工具カセット(1)。
【請求項9】
前記工具ホルダが配置されている前記工具カセット(1)の側は前面側として規定されており、
該前面側とは反対の側は背面側として規定されており、かつ
前記前面側と前記背面側との間の水平方向の面は側面側として規定されており、
前記第1の結合装置(7)または前記第2の結合装置(8)は、一方の前記工具カセット(1)の前記側面側に配置されており、かつ
前記第1の結合装置(7)および前記第2の結合装置(8)のうちの他方は、他方の前記工具カセット(1’)の前記背面側に配置されている、請求項8記載の工具カセット(1)。
【請求項10】
前記第1の結合装置(7)または前記第2の結合装置(8)は、両側の側面にそれぞれ配置されている、請求項9記載の工具カセット(1)。
【請求項11】
複数の、請求項1から10までのいずれか1項記載の工具カセット(1,1’)から成るセット。
【請求項12】
前記工具カセット(1,1’)はそれぞれ、前記第1の結合装置(7)および前記第2の結合装置(8)の同一の配置を有している、請求項11記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具カセット、特に金属薄板用の加工機械のための加工工具を取外し可能に保持するための工具カセットに関する。
【0002】
一般に加工工具用の工具カセットは運搬用取っ手を有しており、運搬用取っ手により、工具カセットを人間工学的に運ぶことが可能である。取っ手は、片手で1つだけの工具カセットを運ぶことができるように形成されている。ただし加工機械の準備を整えるには、同時に複数の工具カセットをこの機械まで運び、これらを加工機械の工具マガジンに挿入することができるようになっていると有利である。この理由から、複数の工具カセットが、その取っ手においてそれぞれ単一の指で運ばれることが多く、これにより、加工工具の重さに基づき極度に大きな荷重が個々の指に加えられることになる。このことは、機械オペレータには不快であると共に、怪我のリスクをはらんでいる。
【0003】
本発明の根底を成す課題は、上記課題を解決し、同時に複数の工具カセットを人間工学的に運ぶことを可能にする工具カセットを提供することにある。
【0004】
この課題は請求項1記載の工具カセットにより解決される。本発明の改良は、各従属請求項に記載されている。
【0005】
本発明の1つの態様では、第1の結合装置を有する工具カセットが提供され、第1の結合装置は、第1の結合装置に対して相補的な、別の工具カセットの第2の結合装置と形状結合式にかつ取外し可能に結合可能であるように適合されている。
【0006】
第1の結合装置に対して相補的な第2の結合装置に結合可能な第1の結合装置を1つの工具カセットに設けることにより、別の工具カセットが第1の工具カセットに結合され得、ひいては第1の工具カセットと別の工具カセットの両方を、第1の工具カセットを介して運ぶことができるようになっている。
【0007】
第1の結合装置が有利にはフック状に形成されており、第2の結合装置がフック支持部として形成されていると、第1の工具カセットと別の工具カセットとは極めて簡単に互いに結合され得る。
【0008】
有利にはフック支持部を別の工具カセットの表面に設けられた開口として形成し、この開口がフック状に形成された第1の結合装置用のアンダカットを有していることにより、追加的な構成空間を必要とすること無しに、フック状の結合装置に対する対応部材が簡単に形成され得る。
【0009】
第1の結合装置が有利には当接面を備えており、この当接面に別の工具カセットの表面が当接すると共に当接面に支持されていると、第1の工具カセットと別の工具カセットとは、容易に不本意には外れることがない、安定した結合部を有することになる。
【0010】
有利には工具カセットに取っ手が設けられていると、第1の工具カセットと別の工具カセットもしくは別の複数の工具カセットとを人間工学的に運ぶことができる。
【0011】
工具カセットにプラスチックから成るカセット基体が設けられていると、有利には第1の結合装置と第2の結合装置の両方を基体に簡単に組み込むことができ、さらにプラスチックの使用は、小さな重量を有するカセット基体を提供する。
【0012】
有利には、複数の工具カセットが第1の結合装置と第2の結合装置の両方を備えており、これにより、これらの工具カセットを任意に結合することができるようになっている。
【0013】
工具ホルダを備えた前面側および反対の側に位置する背面側に対して、一方の結合装置を側面側に配置し、かつ他方の結合装置を背面側に配置することにより、保持された加工工具がぶつかり合うこと無しに、第1の工具カセットと別の工具カセットとがコンパクトに互いに結合され得る。
【0014】
一方の結合装置が両側面側に配置されている場合には、単一の第1の工具カセットおよび単一の別の工具カセットよりも多くの工具カセットを互いに結合することが可能である。
【0015】
複数の工具カセットから成る1つのセット、特に複数の同一の工具カセットから成る1つのセットを設けることにより、加工工具をフレキシブルに交換する構想を実現する可能性が生じる。それというのも、複数の異なる加工工具を機械に容易に運ぶこともできるようになっているからである。
【0016】
本発明を、1つの実施例に基づき添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】工具カセットを斜め前方から見た斜視図である。
【
図2】工具カセットを斜め後方から見た斜視図である。
【
図3】互いに結合された複数の工具カセットの断面図である。
【
図4】互いに結合された3つの工具カセットを上から見た図である。
【0018】
図1には工具カセット1を斜め前方から見た斜視図が示されており、
図2には工具カセット1を斜め後方から見た斜視図が示されている。
【0019】
工具カセット1は、加工工具(図示せず)を取り付けるために用いられる。工具カセット1は、カセット基体2を有している。カセット基体2は、プラスチック、例えば繊維強化ポリアミドから製造されている。択一的に、カセット基体は別の材料、特にアルミニウムまたはマグネシウム合金から製造されていてもよい。カセット基体は択一的に、部分的にのみプラスチックから製造されていてもよい、または部分的にのみアルミニウムまたはマグネシウム合金から製造されていてもよい。
【0020】
カセット基体2の前面側には、板状のワークの加工に適した加工工具を取外し可能に保持するための工具ホルダが設けられている。工具ホルダは、加工工具の加工用ポンチとして形成された工具部分を取外し可能に保持するためのポンチホルダ3と、加工工具の加工用ダイとして形成された工具部分を取外し可能に保持するためのダイホルダ4とから成っている。さらに、前面側には加工工具の掻取機用の任意のホルダ5が設けられている。
【0021】
前面側とは反対の側の、工具カセット1の背面側には、加工機械(図示せず)の工具マガジンに工具カセット1を取り付けるための取付け装置6(
図2)が設けられている。
【0022】
工具カセットはさらに、フック状に形成された第1の結合装置7を備えている。第1の結合装置7は、必ずしもフック状に形成されていなくてもよく、択一的には別の摩擦結合式または形状結合式の結合手段として形成されていてもよい。
【0023】
本実施形態では、工具カセット1に第2の結合装置8(
図2)も設けられている。第2の結合装置8は、第1の結合装置7に対して相補的に形成されており、本実施形態ではフック支持部として形成されている。第1の結合装置7と第2の結合装置8とは、形状結合式にかつ取外し可能に結合可能である。
【0024】
本実施形態では、第1の結合装置7と第2の結合装置8とは両方共、工具カセット1に設けられている。択一的に、複数の工具カセット1のうちの1つが選択的に、第1の結合装置7だけ、または第2の結合装置8だけを有していてもよく、他方の結合装置は別の工具カセット1’に設けられている。
【0025】
図3には、互いに結合された複数の工具カセット、つまり工具カセット1および別の工具カセット1’の断面図が示されている。
【0026】
図2および
図3に見られるように、第2の結合装置8は、工具カセット1の表面10に開口9を有しており、開口9はアンダカット11を有している。工具カセット1と別の工具カセット1’とを結合するために、アンダカット11内にはフック状の第1の結合装置7が係合する。
【0027】
第1の結合装置7はさらに、当接面12を備えている。当接面12は、掛け込まれた状態において第2の結合装置8が別の工具カセット1’の表面10でもって当接面12に当接すると共に、当接面12に支持されるように形成されている。さらに、カセット基体2には別の当接面14が、支持面12に対して90°の角度で配置されており、これにより、別の工具カセット1’が工具カセット1に掛け込まれた状態では、別の工具カセット1’は前記当接面14により追加的に支持されるようになっている。このようにして、2つの工具カセット(1,1’)は互いに不動に結合されており、各工具カセット(1,1’)は、それぞれ他方の工具カセット(1,1’)に対して規定された位置を占めている。択一的に、異なる数の当接面14が設けられていてもよい。
【0028】
各図面に見られるように、工具カセット1は任意には取っ手13を有している。取っ手13は、工具カセット1および場合により工具カセット1と結合された別の工具カセット1’を運ぶために用いられる。
【0029】
図4には、互いに結合された3つの工具カセット、つまり工具カセット1と別の複数の工具カセット1’を上から見た図が示されている。この図面でも、ポンチホルダ3およびダイホルダ4の形態の工具ホルダがそれぞれ配置されている工具カセット1,1’の側は前面側として規定されており、工具マガジンに工具カセット1,1’を取り付けるための取付け装置6がそれぞれ配置されている反対側は背面側として規定されている。前面側と背面側との間で水平方向に位置する面は、それぞれ側面側として規定されている。つまり
図4に示すように、工具カセット1の両側の側面に、第1の結合装置7が配置されている。第1の結合装置7は、択一的に工具カセット1の側面の片方だけに配置されていてもよい。第2の結合装置8は、別の工具カセット1’の背面側に配置された状態で示されている。
【0030】
工具カセット1と別の工具カセット1’とは、複数の工具カセット1,1’から成る1つのセットを形成している。ここに図示した工具カセット1,1’はそれぞれ、第1の結合装置7および第2の結合装置8の同一の配置を有している。択一的に、結合装置7,8の配置もしくは配列は異なっていてもよい。
【0031】
本明細書、後続の請求項および図面に開示した特徴は全て、個別でも、互いに任意に組み合わされたものでも、本発明にとって重要であり得る。
【国際調査報告】