(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-506129(P2020-506129A)
(43)【公表日】2020年2月27日
(54)【発明の名称】乗車装置への自動乗車および乗車装置からの自動降車のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20200131BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20200131BHJP
B66B 9/00 20060101ALI20200131BHJP
【FI】
B66B1/14 E
H04W4/44
B66B9/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2019-521058(P2019-521058)
(86)(22)【出願日】2017年10月18日
(85)【翻訳文提出日】2019年6月12日
(86)【国際出願番号】US2017057196
(87)【国際公開番号】WO2018075645
(87)【国際公開日】20180426
(31)【優先権主張番号】201610921809.7
(32)【優先日】2016年10月21日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518179944
【氏名又は名称】ツァイニャオ スマート ロジスティクス ホールディング リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ファン チアン
【テーマコード(参考)】
3F301
3F502
5K067
【Fターム(参考)】
3F301BE00
3F502HC07
3F502JA05
3F502JA06
3F502JA08
3F502MA15
5K067AA44
5K067BB44
5K067DD20
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF03
(57)【要約】
本開示は、乗車装置への自動乗車および乗車装置からの自動降車のためのシステムおよび方法を提供する。乗車装置に自動乗車するための方法は以下を含む。すなわち、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、無線通信接続によって、制御システムに乗車開始点を含む自動乗車要求を送信することと、無線通信接続によって、制御システムから送信された状態情報を受信することと、状態情報に基づいて乗車装置が乗車開始点に到着したと判定し、乗車装置に自動乗車することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムに乗車開始点を含む自動乗車要求を送信することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することと、
前記状態情報に基づいて前記乗車装置が前記乗車開始点に到着したと判定し、前記乗車装置に自動乗車することと、を含む、乗車装置に自動乗車するための方法。
【請求項2】
前記乗車装置の現在の積載数がプリセット閾値より小さいかどうかを判定することと、
もし前記現在の積載数が前記プリセット閾値より小さければ、前記乗車装置に自動乗車することと、
もし前記現在の積載数が前記プリセット閾値より小さくなければ、第1のあらかじめ定められた時間後に前記自動乗車要求を再送信することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記乗車装置の制御システムが、前記乗車装置の外部の外部アクセスポイントおよび前記乗車装置の内部の内部アクセスポイントを備え、
前記乗車装置の制御システムとの間で前記無線通信接続を確立することが、前記外部アクセスポイントとの間で無線通信接続を確立することを含み、
前記内部アクセスポイントとの間の無線通信接続を起動することと、
もし前記内部アクセスポイントとの間の前記無線通信接続の確立が不成功であれば、前記乗車装置から自動降車することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記乗車装置に自動乗車する前に、
前記乗車装置の前記制御システムへロッキング要求を送信することと、
ロッキング教示が前記乗車装置の制御システムから受信されたかどうかを判定することと、
もし、現在ロックされている輸送手段の数がプリセット閾値より小さいことを示す前記ロッキング教示が、前記乗車装置の制御システムから受信されれば、前記乗車装置に自動乗車することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記乗車装置に自動乗車することが、
障害物の位置を取得することと、
前記障害物の位置に従い、前記乗車装置に自動乗車するための動作経路を取得することと、
前記動作経路に従い前記乗車装置に自動乗車することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記乗車装置に自動乗車するための動作経路を取得する前に、
前記乗車装置に自動乗車するための前記動作経路が取得可能であるかどうかを判定することと、
もし、前記乗車装置に自動乗車するための前記動作経路が取得可能でなければ、音声プロンプトを提供することと、をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記乗車装置に自動乗車する前に、
前記状態情報に基づいて、前記乗車装置が開ドア状態であることを判定すること、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記乗車装置が、前記乗車開始点に到着した後に、前記乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする閉遅延状態であれば、前記乗車装置に自動乗車した後に、前記乗車装置を閉ドア状態に切り替えるために、前記乗車装置の制御システムに閉要求を送信すること、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記乗車装置の制御システムに前記自動乗車要求を送信した後に、
前記乗車装置の状態情報を送信するように前記乗車装置の制御システムに要求するために、前記乗車装置の制御システムに状態確認要求を送信することと、
もし、前記状態情報に基づいて、前記乗車装置が前記乗車開始点に到着していないと判定すると、第4のあらかじめ定められた時間の後に前記状態確認要求を再送信することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
異常状態を検知し、トラブルシューティング要求を送信することをさらに含み、
前記異常状態は以下の状態、すなわち、前記乗車装置の制御システムとの間の前記無線通信接続の確立が失敗する、および前記制御システムから送信された前記状態情報が受信されない、のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
車椅子、自己平衡型スクーター、またはロボットを含む輸送手段を実装された、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムに乗車終了点を含む自動降車要求を送信することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することと、
前記状態情報に基づいて前記乗車装置が前記乗車終了点に到着したと判定し、前記乗車装置から自動降車することと、を含む、乗車装置から自動降車するための方法。
【請求項13】
前記乗車装置から自動降車する前に、
前記乗車装置が前記乗車終了点に到着した後に、そして、前記乗車装置が前記乗車終了点を出発する前に、前記乗車装置から降車できないことに応じて、第2のあらかじめ定められた時間の後に前記自動降車要求を再送信すること、をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記乗車装置から自動降車することが、
障害物の位置を取得することと、
前記障害物の位置に従い、前記乗車装置から自動降車するための動作経路を取得することと、
前記動作経路に従い前記乗車装置から自動降車することと、を含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記乗車装置から自動降車するための前記動作経路を取得する前に、
前記乗車装置から自動降車するための前記動作経路が取得可能であるかどうかを判定することと、
もし、前記乗車装置から自動降車するための前記動作経路が取得可能でなければ、音声プロンプトを提供することと、をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記乗車装置から自動降車する前に、
前記状態情報に基づいて、前記乗車装置が開ドア状態であることを判定すること、をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記乗車装置が、前記乗車終了点に到着した後に、前記乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする閉遅延状態であれば、前記乗車装置の制御システムに前記乗車装置を閉ドア状態に切り替えるように要求するために、前記乗車装置の制御システムに閉要求を送信すること、をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記乗車装置の制御システムに前記自動降車要求を送信した後に、
前記乗車装置の状態情報を送信するように前記乗車装置の制御システムに要求するために、前記乗車装置の制御システムに状態確認要求を送信することと、
もし、前記状態情報に基づいて、前記乗車装置が前記乗車終了点に到着していないと判定すると、第4のあらかじめ定められた時間の後に前記状態確認要求を再送信することと、をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
異常状態を検知し、トラブルシューティング要求を送信することをさらに含み、
前記異常状態は以下の状態、すなわち、前記乗車装置の制御システムとの間の前記無線通信接続の確立が失敗する、および前記乗車装置の制御システムから送信された前記状態情報が受信されない、のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
車椅子、自己平衡型スクーター、またはロボットを含む輸送手段を実装された、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
輸送手段との間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記輸送手段から乗車開始点を含む自動乗車要求を受信することと、
乗車装置を前記乗車開始点に移動する様に制御することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置が前記乗車開始点に到着したことを示す状態情報を前記輸送手段に送信することと、を含む、乗車装置を制御するための方法。
【請求項22】
前記乗車装置が前記乗車開始点に到着した後に、前記乗車装置が開ドア状態となるように制御すること、をさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記乗車装置が前記乗車開始点に到着した後に、
前記乗車装置が、前記乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする閉遅延状態となるように制御すること、をさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
輸送手段との間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記輸送手段から乗車終了点を伝える自動降車要求を受信することと、
乗車装置を前記乗車終了点に移動する様に制御することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置が前記乗車終了点に到着したことを示す状態情報を前記輸送手段に送信することと、を含む、乗車装置を制御するための方法。
【請求項25】
前記乗車装置が前記乗車終了点に到着した後に、前記乗車装置が開ドア状態となるように制御すること、をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記乗車装置が前記乗車終了点に到着した後に、
前記乗車装置が、前記乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする閉遅延状態となるように制御すること、をさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
輸送手段から、前記輸送手段が異常状態を検知することを示すトラブルシューティング要求を受信することを含み、
前記異常状態は以下の状態、すなわち、前記輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および前記輸送手段が前記乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む、トラブルシューティング方法。
【請求項28】
乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、
前記乗車装置の現在の状態を制御するように前記乗車装置の制御システムに要求するために、前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムに状態制御要求を送信することと、を含む、乗車装置を制御するための方法。
【請求項29】
前記乗車装置が示された利用位置に移動するように制御するように前記制御システムに要求するために、前記状態制御要求が前記示された利用位置を伝える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
プロセッサ、および、前記プロセッサに実行されると輸送手段に乗車装置に自動乗車するための方法を実行させる命令を記憶する、不揮発性でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、を備える輸送手段であって、前記方法が、
前記乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムに、乗車開始点を含む自動乗車要求を送信することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することと、
前記状態情報によって前記乗車装置が前記乗車開始点に到着したと判定し、前記乗車装置に自動乗車することと、を含む輸送手段。
【請求項31】
プロセッサ、および、前記プロセッサに実行されると輸送手段に乗車装置に自動乗車する方法を実行させる命令を記憶する、不揮発性でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、を備える輸送手段であって、前記方法が、
前記乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムに、乗車終了点を含む自動降車要求を送信することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することと、
前記状態情報によって前記乗車装置が前記乗車終了点に到着したと判定し、前記乗車装置から自動降車することと、を含む輸送手段。
【請求項32】
プロセッサ、および、前記プロセッサに実行されると輸送手段に乗車装置を制御するための方法を実行させる命令を記憶する、不揮発性でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、を備える乗車装置の制御システムであって、前記方法が、
輸送手段との間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記輸送手段から乗車開始点を含む自動乗車要求を受信することと、
前記乗車装置を前記乗車開始点に移動する様に制御することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置が前記乗車開始点に到着したことを示す状態情報を前記輸送手段に送信することと、を含む、乗車装置の制御方法。
【請求項33】
プロセッサ、および、前記プロセッサに実行されると輸送手段に乗車装置を制御するための方法を実行させる命令を記憶する、不揮発性でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、を備える乗車装置の制御システムであって、前記方法が、
輸送手段との間で無線通信接続を確立することと、
前記無線通信接続によって、前記輸送手段から乗車終了点を含む自動降車要求を受信することと、
前記乗車装置を前記乗車終了点に移動する様に制御することと、
前記無線通信接続によって、前記乗車装置が前記乗車終了点に到着したことを示す状態情報を前記輸送手段に送信することと、を含む、乗車装置の制御方法。
【請求項34】
プロセッサ、および、前記プロセッサに実行されると輸送手段に方法を実行させる命令を記憶する、不揮発性でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、を備える輸送手段の制御システムであって、前記方法が、
輸送手段から、前記輸送手段が異常状態を検知することを示すトラブルシューティング要求を受信することを含み、
前記異常状態は以下の状態、すなわち、前記輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および前記輸送手段が前記乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む、輸送手段の制御システム。
【請求項35】
プロセッサ、および、前記プロセッサに実行されると輸送手段に乗車装置を制御するための方法を実行させる命令を記憶する、不揮発性でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、を備える携帯機器であって、前記方法が、
前記乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することと、
前記乗車装置の現在の状態を制御するように前記乗車装置の制御システムに要求するために、前記無線通信接続によって、前記乗車装置の制御システムに状態制御要求を送信することと、を含む携帯機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月21日に出願された中国特許出願第201610921809.7号明細書に基づいており、それに対する優先権を主張するものであり、参照によりその全内容が本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、コンピュータ分野、特に、乗車装置(ride apparatus)への自動乗車および乗車装置からの自動降車のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の発展のおかげで、人々の日々の生活に様々な輸送手段(transport vehicle)がますます利用されている。たとえば、ロボットは指定された場所に物品を輸送することができる。
【0004】
輸送過程において、輸送手段は何らかの乗車装置を利用することが必要となることがありうる。たとえば、ロボットはエレベーターを利用することが必要となることがありうる。したがって、輸送手段が自動制御によって乗車装置へ自動乗車する、または乗車装置から自動降車することを可能とする緊急の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、たとえば乗車手段(ride tool)の自動制御を通じた、乗車装置への自動乗車および乗車装置からの自動降車のためのシステムおよび方法を提供し、それにより手動操作の必要性を除去し人手と物的資源とを節約する。
【0006】
本開示の一実施形態は、以下を含む、乗車装置への自動乗車のための方法を提供する。すなわち、輸送手段は乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立する。輸送手段は、無線通信接続に基づいて制御システムに自動乗車要求を送信し、自動乗車要求は乗車開始点を伝える。輸送手段は、無線通信接続に基づいて制御システムから送信された状態情報を受信する。そして輸送手段は、状態情報に基づいて乗車装置が乗車開始点に到着したと判定し、乗車装置に自動乗車する。
【0007】
任意で、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、乗車装置の現在の積載数がプリセット閾値より小さいかどうかを判定する。もし小さければ、乗車装置への自動乗車が実行される。もし小さくなければ、第1のあらかじめ定められた時間後に自動乗車要求が再送信される。
【0008】
任意で、制御システムは、乗車装置の外部の外部アクセスポイントおよび乗車装置の内部の内部アクセスポイントを備える。輸送手段によって乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立することは、輸送手段が外部アクセスポイントとの間で無線通信接続を確立することを含む。乗車装置に自動乗車した後は、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、内部アクセスポイントとの間の無線通信接続を起動する。そして、もし輸送手段が内部アクセスポイントとの間で無線通信接続を確立することができなければ、輸送手段は乗車装置から自動降車する。
【0009】
任意で、乗車装置に自動乗車する前に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、輸送手段の制御システムへロッキング要求を送信する。そして輸送手段は、ロッキング教示(locking instruction)が輸送手段の制御システムから受信されたかどうかを判定する。もし受信されたなら、乗車装置への自動乗車が実行され、ロッキング教示は、現在ロックされている輸送手段の数がプリセット閾値より小さいことを示す。
【0010】
任意で、輸送手段が乗車装置に自動乗車することは以下を含む。すなわち、輸送手段は、障害物の位置を取得する。輸送手段は、障害物の位置に従い、乗車装置に自動乗車するための動作経路を取得する。そして輸送手段は、動作経路に従い乗車装置に自動乗車する。
【0011】
一つの実施形態において、乗車装置に自動乗車するための動作経路を取得する前に、本方法はさらに以下を含んでもよい。すなわち、輸送手段は、乗車装置に自動乗車するための動作経路が取得可能であるかどうかを判定する。もし取得可能でなければ、輸送手段は音声プロンプトを提供する。
【0012】
別の実施形態において、輸送手段が乗車装置に自動乗車する前に、本方法はさらに以下を含んでもよい。すなわち、輸送手段は、状態情報に基づいて、乗車装置が開ドア状態であることを判定する。
【0013】
乗車装置は、乗車開始点に到着し開ドア状態となった後に、閉遅延状態(delayed closing status)となるように構成されてもよい。閉遅延状態は、乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする。本方法はさらに以下を含んでもよい。すなわち、乗車装置に自動乗車した後に、輸送手段は制御システムに閉要求を送信し、閉要求は、乗車装置を閉ドア状態に切り替えるように制御システムに要求するために用いられる。
【0014】
任意で、輸送手段が制御システムに自動乗車要求を送信した後に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、制御システムに状態確認要求を送信し、状態確認要求は、乗車装置の状態情報を送信するように制御システムに要求するために用いられる。そして、もし輸送手段が、状態情報に基づいて、乗車装置が乗車開始点に到着していないと判定すると、輸送手段は、第4のあらかじめ定められた時間の後に状態確認要求を再送信する。
【0015】
任意で、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は異常状態を検知し、輸送手段の制御システムにトラブルシューティング要求を送信する。ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0016】
輸送手段は、車椅子、セグウェイ、またはロボットを含んでもよい。
【0017】
本開示の一実施形態は、以下を含む、乗車装置からの自動降車のための方法を提供する。すなわち、輸送手段は乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立する。輸送手段は、無線通信接続に基づいて制御システムに自動降車要求を送信し、自動降車要求は乗車終了点を伝える。輸送手段は、無線通信接続に基づいて制御システムから送信された状態情報を受信する。そして輸送手段は、状態情報に基づいて乗車装置が乗車終了点に到着したと判定し、乗車装置から自動降車する。
【0018】
一部の実施形態では、乗車装置から自動降車する前に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、乗車装置が乗車終了点に到着した後に、そして、乗車装置が動き始めて乗車終了点を出発するときに輸送手段が乗車装置から降車できなければ、輸送手段は、第2のあらかじめ定められた時間の後に自動降車要求を再送信する。
【0019】
任意で、輸送手段が乗車装置から自動降車することは以下を含む。すなわち、輸送手段は、障害物の位置を取得する。輸送手段は、障害物の位置に従い、乗車装置から自動降車するための動作経路を取得する。そして、輸送手段は、動作経路に従い乗車装置から自動降車する。
【0020】
任意で、乗車装置から自動降車するための動作経路を取得する前に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、乗車装置から自動降車するための動作経路が取得可能であるかどうかを判定する。もし取得可能でなければ、輸送手段は音声プロンプトを提供する。
【0021】
任意で、輸送手段が乗車装置から自動降車する前に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、状態情報に基づいて、乗車装置が開ドア状態であることを判定する。
【0022】
乗車装置は、乗車終了点に到着し開ドア状態となった後に、閉遅延状態となってもよい。閉遅延状態は、乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする。本方法はさらに以下を含んでもよい。すなわち、乗車装置から自動降車した後に、輸送手段は制御システムに閉要求を送信し、閉要求は、乗車装置を閉ドア状態に切り替えるように制御システムに要求するために用いられる。
【0023】
任意で、輸送手段が制御システムに自動降車要求を送信した後に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、制御システムに状態確認要求を送信し、状態確認要求は、乗車装置の状態情報を送信するように制御システムに要求するために用いられる。そして、もし輸送手段が、状態情報に基づいて、乗車装置が乗車開始点に到着していないと判定すると、輸送手段は、第4のあらかじめ定められた時間の後に状態確認要求を再送信する。
【0024】
任意で、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は異常状態を検知し、輸送手段の制御システムにトラブルシューティング要求を送信する。ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0025】
本開示の一実施形態は、以下を含む、乗車装置を制御するための方法を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムは輸送手段との間で無線通信接続を確立する。制御システムは、無線通信接続に基づいて輸送手段から自動乗車要求を受信し、自動乗車要求は乗車開始点を伝える。制御システムは、乗車装置を乗車開始点に移動する様に制御する。そして、制御システムは、無線通信接続に基づいて状態情報を輸送手段に送信し、状態情報は、乗車装置が乗車開始点に到着したことを示す。
【0026】
任意で、本方法はさらに以下を含む。すなわち、制御システムは、乗車装置が乗車開始点に到着した後に、乗車装置が開ドア状態となるように制御する。
【0027】
乗車装置が乗車開始点に到着した後に、そして、乗車装置が開ドア状態であれば、本方法はさらに以下を含む。すなわち、制御システムは、乗車装置が閉遅延状態となるように制御する。閉遅延状態は、乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする。
【0028】
本開示の一実施形態は、以下を含む、乗車装置を制御するための方法を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムは輸送手段との間で無線通信接続を確立する。制御システムは、無線通信接続に基づいて輸送手段から自動降車要求を受信し、自動降車要求は乗車終了点を伝える。制御システムは、乗車装置を乗車終了点に移動する様に制御する。そして、制御システムは、無線通信接続に基づいて状態情報を輸送手段に送信し、状態情報は、乗車装置が乗車終了点に到着したことを示す。
【0029】
任意で、本方法はさらに以下を含む。すなわち、制御システムは、乗車装置が乗車終了点に到着した後に、乗車装置が開ドア状態となるように制御する。
【0030】
任意で、乗車装置が乗車終了点に到着し開ドア状態になった後に、本方法はさらに以下を含む。すなわち、制御システムは、乗車装置が閉遅延状態となるように制御し、閉遅延状態は、乗車装置の手動閉ボタンを第3のあらかじめ定められた時間無効にする。
【0031】
本開示の一実施形態は、以下を含むトラブルシューティング方法を提供する。すなわち、輸送手段の制御システムは、輸送手段からトラブルシューティング要求を受信し、トラブルシューティング要求は輸送手段が異常状態を検知することを示す。ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0032】
本開示の一実施形態は、以下を含む、乗車装置を制御するための方法を提供する。すなわち、携帯機器は乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立する。携帯機器は、無線通信接続に基づいて制御システムに状態制御要求を送信し、状態制御要求は、乗車装置の走行状態を制御するように制御システムに要求するために用いられる。
【0033】
任意で、状態制御要求は示された利用位置を伝え、制御要求は、乗車装置が示された利用位置に移動するように制御するように制御システムに要求するために用いられる。あるいは、乗車装置はオン/オフ状態を制御可能なドアを有し、制御要求は、乗車装置が開ドア状態を維持するようにあるいは閉ドア状態に切り替えるように制御するように制御システムに要求するために用いられる。
【0034】
本開示の一実施形態は、以下を備える輸送手段を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立するように構成された通信モジュール、及び、乗車装置に自動乗車するための上記方法のうちのいずれか一つ、または乗車装置から自動降車するための上記方法のうちのいずれか一つを実行するように構成されたプロセッサモジュールを備える。
【0035】
本開示の一実施形態は、以下を備える、乗車装置の制御システムを提供する。すなわち、輸送手段との間で無線通信接続を確立するように構成された通信モジュール、及び、乗車装置を制御するための上記方法のうちのいずれか一つを実行するように構成されたプロセッサモジュールを備える。
【0036】
本開示の一実施形態は、以下を備える、輸送手段の制御システムを提供する。すなわち、輸送手段が異常状態を検知することを示すトラブルシューティング要求を、輸送手段から受信するように構成された受信モジュールを含む。ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を備える。
【0037】
本開示の一実施形態は、以下を備える携帯機器を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立するように構成された通信モジュール、及び、乗車装置を制御するための上記方法のうちのいずれか一つを実行するように構成されたプロセッサモジュールを備える。
【0038】
本開示の一実施形態は、以下を備える輸送手段を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立するように構成された通信ユニット、無線通信接続に基づいて制御システムに乗車開始点を伝える自動乗車要求を送信するように構成された送信ユニット、無線通信接続に基づいて制御システムから送信された状態情報を受信するように構成された受信ユニット、および、状態情報によって乗車装置が乗車開始点に到着したと判定し、乗車装置に自動乗車するように構成された移動ユニット、を備える。
【0039】
本開示の一実施形態は、以下を備える輸送手段を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立するように構成された通信ユニット、無線通信接続に基づいて制御システムに乗車終了点を伝える自動降車要求を送信するように構成された送信ユニット、無線通信接続に基づいて制御システムから送信された状態情報を受信するように構成された受信ユニット、および、状態情報によって乗車装置が乗車終了点に到着したと判定し、乗車装置から自動降車するように構成された移動ユニット、を備える。
【0040】
本開示の一実施形態は、以下を備える、乗車装置の制御システムを提供する。すなわち、輸送手段との間で無線通信接続を確立するように構成された通信ユニット、無線通信接続に基づいて乗車開始点を伝える自動乗車要求を輸送手段から受信するように構成された受信ユニット、乗車装置が乗車開始点に移動するように制御するように構成された制御ユニット、および、乗車装置が乗車開始点に到着したことを示す状態情報を、無線通信接続に基づいて輸送手段に送信するように構成された送信ユニット、を備える。
【0041】
本開示の一実施形態は、以下を備える、乗車装置の制御システムを提供する。すなわち、輸送手段との間で無線通信接続を確立するように構成された通信ユニット、無線通信接続に基づいて乗車終了点を伝える自動降車要求を輸送手段から受信するように構成された受信ユニット、乗車装置が乗車終了点に移動するように制御するように構成された制御ユニット、および、乗車装置が乗車終了点に到着したことを示す状態情報を、無線通信接続に基づいて輸送手段に送信するように構成された送信ユニット、を備える。
【0042】
本開示の一実施形態は、以下を備える、輸送手段の制御システムを提供する。すなわち、輸送手段が異常状態を検知することを示すトラブルシューティング要求を、輸送手段から受信するように構成された受信ユニットを含む。ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を備える。
【0043】
本開示の一実施形態は、以下を備える携帯機器を提供する。すなわち、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立するように構成された通信ユニット、および、乗車装置の走行状態を制御するように制御システムに要求するために用いられる状態制御要求を、無線通信接続に基づいて制御システムに送信するように構成された送信ユニット、を備える。
【0044】
本開示の一実施形態において、輸送手段は、乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立し、制御システムに自動乗車要求または自動降車要求を送信するために無線通信接続を用いる。ここで、自動乗車要求は乗車開始点を伝え、自動降車要求は乗車終了点を伝え、それにより制御システムは乗車装置を乗車開始点または乗車終了点まで移動するように制御する。輸送手段は、制御システムから送信された状態情報によって、乗車装置が乗車開始点または乗車終了点に到着したと判定すると、乗車装置に自動乗車または乗車装置から自動降車する。輸送手段による乗車手段の自動制御のための開示された方法は、手動操作の必要性を除去し人手と物的資源とを節約しつつ、乗車装置への自動乗車または乗車装置からの自動降車を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以降の記載中の添付図面は単なる好ましい例である。当業者は、これらの図面にしたがい他の図面を取得することができよう。
【
図1】
図1は、本開示の好ましい実施形態に一致した制御システムの構成概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の好ましい実施形態に一致した輸送手段の概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の好ましい実施形態に一致した場面の概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の好ましい実施形態に一致した乗車装置への自動乗車のための方法のフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の好ましい実施形態に一致した乗車装置からの自動降車のための方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の好ましい実施形態に一致したトラブルシューティング方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の好ましい実施形態に一致した乗車装置の制御のための方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の好ましい実施形態に一致した輸送手段の構成概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の好ましい実施形態に一致した乗車装置の制御システムの構成概略図である。
【
図10】
図10は、本開示の好ましい実施形態に一致した輸送手段の制御システムの構成概略図である。
【
図11】
図11は、本開示の好ましい実施形態に一致した携帯機器の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
説明される実施形態は単なる好ましい例である。当業者が発明の努力無しで本開示の実施形態に基づいて取得するすべての他の実施形態は、本出願に包含されるべきものである。
【0047】
コンピュータ技術の発展のおかげで、輸送手段の適用はますます一般的になっている。実際の適用において、輸送手段(たとえばロボット)はしばしば何らかの乗車装置(たとえばエレベーター)を利用することが必要となる。輸送手段が乗車装置を自動制御して自動利用を実行することが可能であれば、手動操作のステップは不要となり、人手と物的資源とを節約可能である。たとえば、乗車装置がエレベーターまたは他の昇降装置であれば、ロボットは、エレベーターに自動乗車しエレベーターから自動降車することによって、指定されたフロアに物品を輸送することが出来る。
【0048】
乗車装置への自動乗車および乗車装置からの自動降車のための方法および関連する装置が開示され、それにより、乗車手段の自動制御を通じ、輸送手段が乗車装置に自動乗車または乗車装置から自動降車可能であり、それにより手動操作の必要性を除去し人手と物的資源とを節約する。
【0049】
本開示の一部の実施形態は、輸送手段、乗車装置の制御システム、及び輸送手段の制御システムの間のやり取りによって実行に移すことができる。
図1に示すように、制御システム150は、輸送手段100、乗車装置の制御システム200、および輸送手段の制御システム300を備える。輸送手段100は、物品を運搬、輸送することが可能な手段である。たとえば、輸送手段100は、自己平衡型スクーター、ロボット、または車椅子を含んでもよい。
図2は輸送手段100の例を説明し、輸送手段はローラーで移動可能である。
図2に示すローラーに代えて、輸送手段100はさらに軌道その他の上を移動してもよく、それは本開示に限定されない。輸送手段の制御システム300は、無線通信によって輸送手段100と接続可能である。制御システム300は、状態情報、トラブルシューティング要求、その他を輸送手段100から受信し、輸送手段100の動作状態を制御する、たとえば、輸送手段100が指定された方向に移動するように制御することが可能である。乗車装置は品物を輸送するように構成されてもよい。たとえば、乗車装置は、エレベーターまたは他の昇降装置、車両、その他を含んでもよい。乗車装置の制御システム200は、乗車装置の動作状態を制御するために用いられてもよく、たとえば、エレベーターの昇降、開ドア操作、その他を制御するエレベーター制御システムであってもよい。
【0050】
図3に示すように、一部の実施形態では、輸送手段100は、エレベーターへの自動乗車およびエレベーターからの降車を行うように制御可能であり、それにより自動利用を実現する。たとえば1階にいるときは、輸送手段100は、制御システム200に自動乗車要求を送信し、自動乗車要求はたとえば1階などの乗車開始点を含むので、エレベーターは1階に移動する。乗車装置が1階に到着すると、輸送手段100はエレベーターに自動乗車する。エレベーターに乗車する前に、またはエレベーターの内部で、輸送手段100は、制御システム200に自動降車要求を送信し、自動降車要求はたとえば5階などの乗車終了点を含むので、エレベーターは5階に移動する。エレベーターが5階に到着すると、輸送手段100はエレベーターから自動降車する。
【0051】
乗車装置への自動乗車方法の例を
図4に示すが、本方法は以下のステップを含んでもよい。
【0052】
S401:輸送手段100は、乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立する。
【0053】
輸送手段100が乗車装置を制御でき、自動乗車を実現できるように、輸送手段は乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立することができる。一部の実施形態では、輸送手段100が通信接続を起動してもよい。たとえば、輸送手段は、制御システムのアクセスポイントを検知し、アクセスポイントにアクセス要求を送信する。あるいは、乗車装置の制御システムが通信接続を起動してもよく、それは本開示の実施形態に限定されない。無線通信接続が確立されると、輸送手段100と乗車装置の制御システム200との間で、無線通信接続に基づいてデータのやり取りが実現する。
【0054】
ここで、輸送手段100と乗車装置の制御システム200とは、如何なる無線通信技術、たとえば、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、超広帯域通信(ultra-wide band)、ジグビー(ZigBee)、無線ローカルエリアネットワーク(ワイファイ)(Wireless Local Area Networks(Wi-Fi))、近距離無線通信(Near Field Communication)等、を用いて無線通信接続を確立してもよい。乗車装置がエレベーターである例では、エレベーター制御システムのアクセスポイントが、それぞれの階のエレベーター入口近くに提供されてもよく、輸送手段は、それが存在する階にしたがい、ブルートゥース等の無線通信によって、対応するアクセスポイントにアクセスする。たとえば1階にいるときは、輸送手段は、指定された待機位置に入り、1階のエレベーター入口に配置されたアクセスポイントにアクセスする。輸送手段100が乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立することに失敗すると、たとえば、輸送手段が1階のエレベーター入口に配置されたアクセスポイントへのアクセスに失敗すると、輸送手段100は、輸送手段の制御システム400にトラブルシューティング要求を送信してもよい。トラブルシューティング要求を受信すると、輸送手段の制御システム400は故障解析を実行する。たとえば、対応する故障は手動で除去されてもよい。
【0055】
S402:輸送手段100は、無線通信接続に基づいて制御システム200に自動乗車要求を送信する。
【0056】
たとえば、無線通信接続が確立されると、輸送手段100は、確立された無線通信接続に基づいて、乗車装置の制御システム200に自動乗車要求を送信してもよい。ここで、自動乗車要求は、乗車装置に乗車開始点へ移動するように指示するために用いられる乗車開始点を伝える。
【0057】
S403:制御システム200は、無線通信接続に基づいて輸送手段100から自動乗車要求を受信する。
【0058】
S404:制御システム200は、乗車装置を乗車開始点に移動するように制御する。
【0059】
自動乗車要求を受信すると、制御システム200は、自動乗車要求の中の乗車開始点を取得し、乗車装置を乗車開始点まで、たとえば、輸送手段がエレベーターに乗車するのを待つ階まで移動するように制御する。ここで、制御システム200は、乗車装置を乗車開始点まで移動するように成功裏に制御すると、輸送手段100に成功メッセージを送信してもよい。そうでなければ、輸送手段100に失敗メッセージを送信してもよい。輸送手段100は、失敗メッセージを受信すると、輸送手段の制御システム400にトラブルシューティング要求を送信してもよい。
【0060】
ここで、乗車装置が開/閉状態を制御可能なドアを有していると、制御システム200は、乗車装置が乗車開始点に到着した後に、乗車装置が開ドア状態になるように制御し、それにより輸送手段100は乗車装置に自動乗車可能となる。たとえば、自動乗車要求を受信すると、エレベーター制御システムは、エレベーターが乗車開始点に移動するように制御し、エレベーターが乗車開始点に到着すると、エレベーターが開ドア状態になるように制御する。
【0061】
一部の実施形態では、様々な理由が、輸送手段100が乗車装置に円滑に乗車することを妨げることがありうる。たとえば、輸送手段は、エレベーターのドアが開いた後しばらくの間留まって、利用者に優先的にエレベーターを利用させてもよく、その結果、輸送手段が、開ドア状態に対応した規定の時間内にエレベーターに乗車出来ないことが起こりうる。別の例として、利用者がエレベーターに乗車するときに、彼/彼女は、輸送手段100が乗車する前に、エレベーターのドアを閉めるために閉ボタンを押すことがありうる。したがって、輸送手段の円滑な乗車を確実にするために、乗車装置の閉遅延機能が提供されてもよい。
【0062】
たとえば、乗車装置が乗車開始点に到着し開ドア状態になった後に、制御システム200は、乗車装置が閉遅延状態となるように制御する。乗車装置が閉遅延状態となっているときは、乗車装置の手動閉ボタン(たとえば、エレベーターのドア閉ボタン)は、第3のあらかじめ定められた時間無効にされる。言い換えれば、第3のあらかじめ定められた時間内は、たとえ利用者や他の外力が手動で閉ボタンを起動しても、乗車装置は閉ドア状態に切り替わらない。輸送手段100は、乗車装置に乗車すると、制御システム200に閉要求を送信し、制御システム200は、乗車装置が閉ドア状態に切り替わるように制御し、それにより、輸送手段100の円滑な乗車を確実にする。あるいは、第3のあらかじめ定められた時間の後では、乗車装置は、閉ボタンの手動起動に従い閉ドア状態に切り替わることが出来る。
【0063】
「第3のあらかじめ定められた時間」の「第3の」という語は、様々なあらかじめ定められた時間を区別するために用いているのみであり、順番などの制約を一切課すものではない。
【0064】
S405:制御システム200は、無線通信接続に基づいて、輸送手段100に状態情報を送信する。
【0065】
ここで、制御システム200は、様々な方法で輸送手段100に状態情報を送信してもよい。たとえば、乗車装置が乗車開始点に到着したことを検知したときには、制御システム200は状態情報を生成し生成した状態情報を輸送手段100に送信してもよい。あるいは、制御システム200は、輸送手段100から状態確認要求を受信してもよく、状態確認要求は、制御システム200に乗車装置の状態情報を送信するように要求する。制御システム200は、状態確認要求に従い輸送手段100に状態情報を送信する。
【0066】
S406:輸送手段100は、無線通信接続に基づき、制御システム200から送信された状態情報を受信する。
【0067】
S407:輸送手段は、状態情報に従い乗車装置が乗車開始点に到着したと判定し、乗車装置に自動乗車する。
【0068】
輸送手段100が、受信した状態情報に従い、乗車装置が乗車開始点に到着したと判定したときは、自動乗車の条件が満足されたことを示す。したがって、輸送手段100は乗車装置に自動乗車する。ここで、乗車装置が開/閉状態を制御可能なドアを有するときには、乗車装置に自動乗車する前に、本方法はさらに以下を含んでもよい。すなわち、輸送手段は、状態情報にしたがい、乗車装置が開ドア状態であると判定する。
【0069】
輸送手段が、状態情報に従い、乗車装置が乗車開始点に未到着であるか開ドア状態ではない(開/閉状態を制御可能なドアを備えるとき)と判定すると、輸送手段100は、乗車装置が自動乗車の条件を満足しているかどうかを繰り返し確認する。たとえば、輸送手段は、エレベーターが1階に到着し開ドア状態であるかどうかを繰り返し確認し、自動乗車の条件が満足されたときに自動乗車をしてもよい。たとえば、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、状態情報にしたがい、乗車装置が乗車開始点に未到着であると判定すると、第4のあらかじめ定められた時間の後で状態確認要求を再送信する。
【0070】
「第4のあらかじめ定められた時間」の「第4の」という語は、様々なあらかじめ定められた時間を区別するために用いているのみであり、順番などの制約を一切課すものではない。
【0071】
このように、輸送手段100は乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立し、制御システム200に自動乗車要求を送信するために無線通信接続を用いるが、ここで、自動乗車要求は乗車開始点を伝え、それにより制御システムが乗車装置を乗車開始点まで移動するように制御する。輸送手段100は、制御システム200から送信された状態情報に従い、乗車装置が乗車開始点に到着したと判定すると、乗車装置に自動乗車する。このように、輸送手段による乗車手段の自動制御のための開示された方法は、自動利用を実現し、人手と物的資源とを節約するために手動操作の必要性を除去することが可能である。
【0072】
一つの実施形態では、利用者が乗車装置に乗車するのを邪魔しないように、輸送手段は、乗車装置が乗車開始点に到着したと判定した後に、その場所にしばらくの間留まって、それから乗車装置への自動乗車を実行してもよい。輸送手段100は、乗車装置に乗車する前に、移動する障害物(たとえば利用者)または移動しない障害物(たとえば壁)などの障害物に遭遇しうる。利用者を傷つけるのを、または乗車装置に損傷を与えるのを防ぐために、そして安全性を高めるために、輸送手段100は、乗車装置に自動乗車する前に、障害物の位置にしたがい、乗車装置への自動乗車のための動作経路、すなわち障害物を回避可能な動作経路を取得してもよい。輸送手段100は、動作経路に従い乗車装置に自動乗車する。障害物による妨害のために、輸送手段100が、実現可能な動作経路を計算出来ないことが起こりうる。障害物が、移動する障害物、たとえば利用者でありうるため、移動する障害物は、音声プロンプトによって輸送手段を回避させられてもよい。たとえば、輸送手段100は、乗車装置への自動乗車のための動作経路が取得可能かどうかを判定する。取得可能でなければ、輸送手段100は音声プロンプトを与える。輸送手段100は、障害物が移動したと判定すると、移動後の障害物の位置にしたがい、動作経路を再計算する。たとえば、輸送手段がエレベーターに乗車する必要があるときに、利用者がエレベーター入口のまわりに集まり、輸送手段がエレベーターに乗車するための動作経路の取得を不可能にする。輸送手段は、利用者が場所を空けるように依頼する音声プロンプトを発してもよく、それにより輸送手段は動作経路を取得可能になる。
【0073】
輸送手段はサイズが大きいかも知れず、乗車装置は限られた収容力しか持たないので、複数の輸送手段が乗車装置を同時に利用することが必要なときに、乗車装置がそれらを搬送出来ないことが起こりうる。したがって、輸送手段と乗車装置との間にペアリング・ロック(「ペアリング」または「ロッキング」と呼ばれる)が設定されてもよい。輸送手段は、ペアリングを乗車装置との間で設定した後でのみ乗車装置に乗車可能である。輸送手段が乗車装置から降車するときは、ペアリング・ロックは解除される。乗車装置とペアリング・ロックされていない輸送手段は、乗車装置を利用出来ない。
【0074】
たとえば、自動乗車の前に、輸送手段100は、乗車装置の制御システム200にロッキング要求を送信し、乗車装置との間でロッキング関係を確立するように要求する。ロッキング要求を受信すると、制御システム200は、ロッキング要求で伝えられるロックされるべき乗車装置の個体識別に従い、乗車装置個体識別に対応する乗車装置との間でロッキング関係を確立した輸送手段の数が、プリセット閾値よりも小さいかどうかを判定する。プリセット閾値よりも小さければ、乗車装置によって現在運搬されているまたは運搬される予定の相対的に少数の輸送手段が存在することを示す。したがって、ロッキング要求を起動するロッキング教示が輸送手段100に送信される。ロッキング教示を受信すると、輸送手段100は、乗車装置に自動乗車する。プリセット閾値よりも小さくなければ、乗車装置によって現在運搬されているまたは運搬される予定の相対的に多数の輸送手段が存在することを示す。したがって、ロッキング教示は輸送手段100に送信されなくてもよい、あるいはロッキング失敗教示が輸送手段100に送信されてもよい。輸送手段100は、あらかじめ定められた時間の後にロッキング要求を再送信する、あるいは次の仕事を実行してもよい。ここで、プリセット閾値は、輸送手段100のサイズおよび乗車装置の収容力にしたがい設定されてもよい。たとえば、プリセット閾値が1に設定され、それは乗車装置が同時に最大で1台の輸送手段を収容可能であることを示す。
【0075】
乗車装置が限られた収容力しか持たないので、輸送手段100が乗車装置に自動乗車する前に、乗車装置の現在の収容力が判定されてもよい。
【0076】
たとえば、輸送手段100は、乗車装置の現在の積載数がプリセット閾値より小さいかどうかを判定する。もし小さければ、それは乗車装置の現在の収容力が輸送手段100を収容するのに充分であることを示し、乗車装置への自動乗車が実行される。たとえば、現在の積載数が8より小さければ、輸送手段100は、エレベーターに自動乗車する。もし8より小さくなければ、それは乗車装置の現在の収容力が輸送手段100を収容するのに不充分であることを示し、第1のあらかじめ定められた時間後に自動乗車要求が再送信される。たとえば、現在の積載数が8より大きければ、輸送手段100は、すぐにはエレベーターに乗車せず、一定時間後、たとえばエレベーターが出発した後に自動乗車要求が再送信される。
【0077】
ここで、現在の積載数は画像化によって取得してもよい。たとえば、乗車装置の内部の写真を輸送手段100に配置されたカメラによって撮影してもよく、乗車装置の現在の積載数が、乗車装置の内部の写真の解析によって取得される。たとえば、輸送手段は、エレベーターが乗車開始点に到着したと判定したときに、エレベーターの内部の写真を一定時間後に撮影し、エレベーターの現在の積載数を計算する。
【0078】
「第1のあらかじめ定められた時間」の「第1の」という語は、様々なあらかじめ定められた時間を区別するために用いているのみであり、順番などの制約を一切課すものではない。
【0079】
一部の実施形態では、輸送手段100は、自動乗車の過程で異常状態を検知する。たとえば、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。このときに、輸送手段100は、輸送手段の制御システム400にトラブルシューティング要求を送信してもよい。トラブルシューティング要求は輸送手段100が異常状態を検知することを示す。トラブルシューティング要求を受信すると、輸送手段の制御システム400は故障解析と処理とを実行する。たとえば、対応する故障は手動で除去されてもよい。
【0080】
自動利用の間に、輸送手段100は、乗車装置の制御システム200との間で良好な通信を維持する必要がある。輸送手段100が乗車装置に乗車後に、内部通信品質は乗車装置が閉まることに影響を受けるかも知れず、それは輸送手段100と制御システム200との間の通信にすら影響を与え、輸送手段100が自動利用を完結するのを困難にするかも知れない。したがって、乗車装置の制御システム200には、乗車装置の内部の内部アクセスポイントおよび乗車装置の外部の外部アクセスポイントが与えられてもよい。輸送手段100は、乗車装置に乗車していないときは、制御システム200の外部アクセスポイントに接続される。輸送手段100が乗車装置に乗車すると、制御システム200の内部アクセスポイントに接続される、すなわち外部アクセスポイントから内部アクセスポイントに切り替わる。たとえば、S401において輸送手段100による乗車装置の制御システム200との間の無線通信接続を確立することは以下を含む。すなわち、輸送手段100が外部アクセスポイントとの間で無線通信接続を確立する。したがって、内部アクセスポイントおよび外部アクセスポイントの提供は、乗車装置内部の不充分な通信の問題を克服し、輸送手段と制御システムとの間の通信品質を充分に確保するものである。
【0081】
ここで、輸送手段100は、内部アクセスポイントとの間で無線通信接続を確立することに失敗すると、制御システム200との間でデータ送信を継続することが出来なくなり、輸送手段100の乗車終了点に到着することが出来なくなる。結果として、輸送手段100は乗車装置から自動降車する。さらに、乗車装置から自動降車した後、輸送手段100は、輸送手段の制御システム400にトラブルシューティング要求を送信してもよい。トラブルシューティング要求を受信すると、輸送手段の制御システム400は故障解析を実行する。たとえば、輸送手段が1階にいると、現在の階の仕事はキャンセルされて、次の階の仕事が実行される。別の階にいると、輸送手段は助けを求めて現在の階に留まる。
【0082】
輸送手段100は、乗車装置に自動乗車するか、あるいは内部アクセスポイントとの間で無線通信接続を確立した後で、乗車装置が閉ドア状態に自動切り替えを行うのを待つか、あるいは乗車装置の制御システム200に閉要求を送信し、それにより乗車装置が閉ドア状態に切り替わる。乗車装置が閉ドア状態に切り替わることが出来なければ、輸送手段100は、乗車装置の制御システム200からドア閉失敗メッセージを受信し、輸送手段100は輸送手段の制御システム400にトラブルシューティング要求を送信してもよい。
【0083】
乗車装置からの自動降車方法の例を
図5に示すが、本方法は以下のステップを含む。
【0084】
S501:輸送手段100は、乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立する。
【0085】
乗車装置がエレベーターである例では、輸送手段はエレベーター制御システムとの間で接続を確立し、エレベーターに乗車後に接続を維持してもよい。エレベーター制御システムにエレベーター外部アクセスポイントとエレベーター内部アクセスポイントとが与えられているときは、輸送手段は、エレベーターに乗車する前は外部アクセスポイントに接続されてもよく、エレベーターに乗車した後は、接続が外部アクセスポイントから内部アクセスポイントに切り替わる。
【0086】
上記実施形態のステップS301の関連する内容は、本ステップのために参照されてもよく、ここでは繰り返し記載はされない。
【0087】
S502:輸送手段100は、無線通信接続に基づいて制御システム200に自動降車要求を送信する。
【0088】
無線通信接続が確立された後に、輸送手段100は、確立された無線通信接続に基づいて乗車装置の制御システム200に自動降車要求を送信する。
【0089】
ここで、自動降車要求は、エレベーターに乗車終了点へ移動するように指示するために用いられる乗車終了点を伝える。自動降車要求は、輸送手段が乗車装置に乗車する前に送信されてもよい。たとえば、エレベーターに乗車する前に、輸送手段は、自動乗車要求と自動降車要求とを含む自動利用要求を送信する。自動乗車要求は乗車開始点を伝え、自動降車要求は乗車終了点を伝える。自動降車要求は、輸送手段がエレベーターに乗車した後に送信されてもよい。たとえば、エレベーターに乗車した後に、輸送手段は、乗車終了点を伝える自動降車要求をエレベーター制御システムに送信する。
【0090】
S503:制御システム200は、無線通信接続に基づいて輸送手段100から自動降車要求を受信する。
【0091】
S504:制御システム200は、乗車装置を乗車終了点に移動する様に制御する。
【0092】
たとえば、輸送手段がエレベーターに乗車した後に、制御システム200は乗車終了点、たとえば5階にエレベーターを移動するように制御する。
【0093】
自動降車要求を受信すると、制御システム200は、自動降車要求の中の乗車終了点を取得し、乗車装置を乗車終了点まで、たとえば、輸送手段がエレベーターから降車する階まで移動するように制御する。ここで、制御システム200は、乗車装置を乗車終了点まで移動するように成功裏に制御すると、輸送手段100に呼出成功メッセージを送信してもよい。そうでなければ、輸送手段100に呼出失敗メッセージを送信してもよい。輸送手段100は、呼出失敗メッセージを受信すると、輸送手段の制御システム300にトラブルシューティング要求を送信してもよい。
【0094】
ここで、乗車装置が開/閉状態を制御可能なドアを有していると、制御システム200は、乗車装置が乗車終了点に到着した後に、乗車装置が開ドア状態になるように制御し、それにより輸送手段100は乗車装置から自動降車可能となる。
【0095】
したがって、輸送手段の円滑な降車を確実にするために、乗車装置の閉遅延機能が提供されてもよい。たとえば、乗車装置が乗車終了点に到着し開ドア状態になった後に、制御システム200は、乗車装置が閉遅延状態になるように制御する。乗車装置が閉遅延状態となっているときは、乗車装置の手動閉ボタンは第3のあらかじめ定められた時間無効にされる。輸送手段100は、乗車装置から降車すると、制御システム200に閉要求を送信し、制御システム200は、乗車装置が閉ドア状態に切り替わるように制御し、それにより、輸送手段100の円滑な利用を確実にする。あるいは、第3のあらかじめ定められた時間の後で、乗車装置は、閉ボタンの手動起動にしたがい閉ドア状態に切り替わることが出来る。
【0096】
S505:制御システム200は、無線通信接続に基づいて、輸送手段100に状態情報を送信する。
【0097】
制御システム200は、乗車装置が乗車終了点に到着したことを検知した後に、状態情報を送信してもよい。あるいは、輸送手段100は、制御システム200に状態確認要求を送信してもよく、制御システム200から返送された状態情報を受信する。たとえば、輸送手段は、エレベーターに乗車した後に、エレベーター制御システムに階確認要求を送信し、階情報にしたがい現在の階を知り、乗車終了点に到着したかどうかを判定する。到着していなければ、輸送手段は階確認要求を再送信する。到着していれば、輸送手段は、ドア開確認要求を送信し、制御システム200から返送された開ドア状態を受信し、ドアが開いているかどうかを判定することが可能である。もし開いていなければ、輸送手段は時間が超過しているかどうかを判定する。時間が超過していれば、輸送手段は、輸送手段の制御システム300にトラブルシューティング要求を送信してもよい。時間が超過していなければ、輸送手段はドア開確認要求を再送信してもよい。
【0098】
S506:輸送手段100は、無線通信接続に基づき、制御システム200から送信された状態情報を受信する。
【0099】
S507:輸送手段は、状態情報に基づいて乗車装置が乗車終了点に到着したと判定し、乗車装置から自動降車する。
【0100】
輸送手段100が、受信した状態情報にしたがい、乗車装置が乗車終了点に到着したと判定したときは、自動降車の条件が満足されたことを示す。したがって、輸送手段100は乗車装置から自動降車する。ここで、乗車装置が開/閉状態を制御可能なドアを有するときには、乗車装置から自動降車する前に、本方法はさらに以下を含んでもよい。すなわち、輸送手段は、状態情報にしたがい、乗車装置が開ドア状態であると判定する。
【0101】
輸送手段が、状態情報にしたがい、乗車装置が乗車開始点に未到着であるか開ドア状態ではないと判定すると、輸送手段100は、乗車装置が自動降車の条件を満足するかどうかを繰り返し確認する。たとえば、本方法はさらに以下を含む。すなわち、輸送手段は、状態情報にしたがい、乗車装置が乗車終了点に未到着であると判定すると、第4のあらかじめ定められた時間の後で状態確認要求を再送信する。
【0102】
説明されているように、輸送手段100は乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立し、制御システム200に自動降車要求を送信するために無線通信接続を用いるが、ここで、自動降車要求は乗車終了点を伝え、それにより制御システムが乗車装置を乗車終了点まで移動するように制御する。輸送手段100は、制御システム200から送信された状態情報に基づいて、乗車装置が乗車終了点に到着したと判定すると、乗車装置から自動降車する。このように、輸送手段による乗車手段の自動制御のための開示された方法は、自動利用を実現し、人手と物的資源とを節約するために手動操作の必要性を除去することが可能である。
【0103】
一つの実施形態では、利用者が乗車装置から降車するのを邪魔しないように、輸送手段は、乗車装置が乗車終了点に到着したと判定した後にしばらくの間留まって、それから乗車装置からの自動降車を実行してもよい。輸送手段100は、乗車装置から自動降車する前に、障害物の位置にしたがい、乗車装置からの自動降車のための動作経路、すなわち障害物を回避可能な動作経路を取得してもよい。輸送手段100は、動作経路に従い乗車装置から自動降車する。障害物による妨害のために、輸送手段100が、実現可能な動作経路を計算出来ないことが起こりうる。障害物が、移動する障害物、たとえば利用者かも知れないため、移動する障害物は、音声プロンプトによって輸送手段を回避するように警告されてもよい。たとえば、輸送手段は障害物検出を実行する。何の障害物も検出されなければ、エレベーターから自動降車するための動作経路は取得可能であることを示し、輸送手段はエレベーターから自動降車する。障害物が検出されると、時間が超過しているかどうかを判定する。超過していなければ、エレベーターがまだ現在の階を出発していないことを示し、音声プロンプトが与えられる。超過していれば、エレベーターが現在の階を出発したことを示す。したがって、エレベーターに階に戻るように指示するために、あらかじめ定められた時間後に自動降車要求が再送信される。
【0104】
一部の実施形態では、輸送手段100は、乗車装置から降車する前に利用者を回避したり経路を計画したり等の動作を実行してもよく、規定の時間内、すなわち乗車装置が乗車終了点に留まる間に乗車装置から降車できないことが起こりうる。したがって、輸送手段100が乗車装置から降車出来ない場合、輸送手段100は、あらかじめ定められた時間後に乗車装置の制御システムに自動降車要求を再送信する。たとえば、乗車装置が乗車終了点に到着した後に、そして乗車装置が乗車終了点を出発するときに輸送手段が乗車装置から降車出来なければ、輸送手段は第2のあらかじめ定められた時間後に自動降車要求を再送信する。自動降車要求を受信すると、乗車装置の制御システム200は、乗車装置が乗車終了点に再び移動するように制御する。たとえば、輸送手段は1階でエレベーターに乗車し、5階に到着する必要がある。エレベーターが5階に到着し開ドア状態であるときに、輸送手段は開ドア状態のあいだにエレベーターから降車出来ない。エレベーターは5階を出発し別の階に移動する。このときに、輸送手段は、エレベーターを再び5階に移動させるために、あらかじめ定められた時間後に自動降車要求を再送信してもよく、それにより、エレベーターが5階に到着したときに輸送手段はエレベーターから降車する。
【0105】
「第2のあらかじめ定められた時間」の「第2の」という語は、様々なあらかじめ定められた時間を区別するために用いているのみであり、順番などの制約を一切課すものではない。
【0106】
輸送手段100は、乗車装置から自動降車する前に乗車装置との間でロックされることが可能なので、乗車装置から降車するときはそれに応じてロックが解除されてもよい。たとえば、輸送手段は、輸送手段100と乗車装置との間の従前のロックを解除するために、ロック解除要求を輸送手段の制御システム300に送信し、他の輸送手段と乗車装置との次のロックを容易にする。
【0107】
任意で、乗車装置から成功裏に降車した後に、輸送手段100は、乗車装置の制御システム200に降車確認教示を送信する。降車確認教示を受信すると、制御システム200は、輸送手段100に確認済みの状態情報を返信する。輸送手段100は、受信した確認済みの状態情報が正しい状態を示していると判定すると、乗車装置との間のロックを解除してもよい。そうでなければ、輸送手段の制御システム300に誤り記録要求を送信しても良い。
【0108】
輸送手段100は、自動降車の過程で異常状態を検知することがありうる。たとえば、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。このときに、輸送手段100は、輸送手段の制御システム300にトラブルシューティング要求を送信してもよい。トラブルシューティング要求は輸送手段100が異常状態を検知することを示す。トラブルシューティング要求を受信すると、輸送手段の制御システム300は故障解析を実行する。たとえば、対応する故障は手動で除去されてもよい。
【0109】
図6を参照し、トラブルシューティング方法の例が提供されるが、本方法は以下のステップを含む。
【0110】
S601:輸送手段の制御システムは、輸送手段からトラブルシューティング要求を受信し、トラブルシューティング要求は輸送手段が異常状態を検知することを示す。
【0111】
ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段が乗車装置の制御システムとの間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段が乗車装置の制御システムから送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0112】
図3および
図5に対応する実施形態の関連する内容は、本実施形態の詳細のために参照されてもよく、ここでは繰り返し記載はされない。
【0113】
図7を参照し、乗車装置を制御するための方法の例が提供されるが、本方法は以下のステップを含む。
【0114】
S701:携帯機器は乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立する。
【0115】
携帯機器は、可搬電子機器、たとえば携帯電話、ラップトップコンピューター、およびパッド等を含む。ここで、携帯機器は、乗車装置に乗車する前または後で乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立してもよく、それは本開示の実施形態で限定されない。確立する方法の詳細情報について、上記の説明における、輸送手段が制御システムとの間で無線通信接続を確立する例が参照されてもよい。
【0116】
S702:携帯機器は、無線通信接続に基づいて制御システムに状態制御要求を送信し、状態制御要求は、乗車装置の現在の状態を制御するように制御システムに要求するために用いられる。
【0117】
乗車装置の制御システムとの間で無線通信接続を確立した後に、携帯機器は、無線通信接続に基づいて、制御システムに状態制御要求を送信してもよく、状態制御要求を受信すると、制御システムは、要求に基づいて乗車装置の現在の状態を制御する。
【0118】
ここで、状態制御要求が示された利用位置を伝えるときは、制御要求は、乗車装置が示された利用位置に移動するように制御するように制御システムに要求するために用いられてもよい。たとえば、制御システムは、乗車装置が乗車開始点または乗車終了点に移動するように制御する。あるいは、乗車装置が開/閉状態を制御可能なドアを有するときは、制御要求は、乗車装置が開ドア状態を維持するようにあるいは閉ドア状態に切り替えるように制御するように制御システムに要求するために用いられてもよい。
【0119】
たとえば、乗車装置がエレベーターであり利用者が1階のエレベーター入口に到着しつつあるとき、エレベーターの制御システムとの間で無線通信接続を確立し、確立された無線通信接続に基づいて制御システムに状態制御要求を送信するために、携帯電話が操作されてもよい。状態制御要求は、利用者の乗車開始点、たとえば1階、を示してもよく、それからエレベーターは1階に移動するように制御され、さらに、エレベーターは1階に到着すると開ドア状態を維持するように制御されてもよい。さらに、状態制御要求は、利用者の乗車終了点、たとえば5階、を示してもよく、利用者がエレベーターに乗車した後に、エレベーターは5階に移動するように制御される。
【0120】
上記の方法の実施形態に対応して、本開示は対応するハードウェア装置の実施形態を提供し、それらは以下で詳細に説明される。
【0121】
図8を参照し、輸送手段100の例が開示される。輸送手段100は、プロセッサ802、および、プロセッサ802に実行されると輸送手段100にここで説明される様々なステップと方法とを実行させる命令を記憶するメモリ880、を備えもよい。メモリ880は、不揮発性でコンピュータ読み取り可能であってもよく、記憶された命令は、通信モジュール801を含んでもよい。プロセッサ802は、メモリ880と接続される。
【0122】
通信モジュール801は、乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立するように構成される。
【0123】
プロセッサ802は、輸送手段100に関連する上述の様々なステップと方法とを実行するように構成され、それらは、本発明の実施形態による乗車装置への自動乗車の方法の実施形態、および乗車装置からの自動降車の方法の実施形態を含む。
【0124】
たとえば、乗車装置に乗車するために、プロセッサ802は、乗車装置の制御システム200との間で、通信モジュール801を実行することによって無線通信接続を確立するように構成される。すなわち、無線通信接続に基づいて制御システム200に乗車開始点を伝える自動乗車要求を送信し、無線通信接続に基づいて制御システム200から送信された状態情報を受信し、状態情報に基づいて乗車装置が乗車開始点に到着したと判定し、輸送手段100が乗車装置に自動乗車するように制御する。
【0125】
たとえば、乗車装置から降車するために、プロセッサ802は、乗車装置の制御システム200との間で、通信モジュール801を実行することによって無線通信接続を確立するように構成される。すなわち、無線通信接続に基づいて制御システム200に乗車終了点を伝える自動降車要求を送信し、無線通信接続に基づいて制御システム200から送信された状態情報を受信し、状態情報に基づいて乗車装置が乗車終了点に到着したと判定し、輸送手段100が乗車装置から自動降車するように制御する。
【0126】
任意で、プロセッサ802は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または1つ以上の集積回路を備えてもよい。
【0127】
輸送手段100のモジュールは、
図4または
図5に示される方法の実施形態に基づいてもよく、ここで用語の定義と説明は、
図4または
図5に示される方法の実施形態中の用語の定義と説明と一致しており、ここでは繰り返し記載はされない。
【0128】
図9を参照し、乗車装置の制御システム200の例が開示される。制御システム200は、プロセッサ902、および、プロセッサ902に実行されると制御システム200にここで説明される様々なステップと方法とを実行させる命令を記憶するメモリ980、を備えてもよい。メモリ980は、不揮発性でコンピュータ読み取り可能であってもよく、記憶された命令は、通信モジュール901を含んでもよい。プロセッサ902は、メモリ980と接続される。
【0129】
通信モジュール901は、輸送手段100との間で無線通信接続を確立ように構成される。
【0130】
プロセッサ902は、制御システム200に関連する上述の様々なステップと方法とを実行するように構成され、それらは、本発明の実施形態による乗車装置への自動乗車の方法の実施形態、および本発明の実施形態による乗車装置からの自動降車の方法の実施形態を含む。
【0131】
たとえば、プロセッサ902は、輸送手段100との間で、通信モジュール901を実行することによって無線通信接続を確立するように構成される。すなわち、無線通信接続に基づいて輸送手段100から乗車開始点を伝える自動乗車要求を受信し、乗車装置が乗車開始点に移動するように制御し、無線通信接続に基づいて輸送手段100に、乗車装置が乗車開始点に到着したことを示す状態情報を送信する。
【0132】
たとえば、プロセッサ902は、輸送手段100との間で、通信モジュール901によって無線通信接続を確立するように構成される。すなわち、無線通信接続に基づいて輸送手段100から乗車終了点を伝える自動降車要求を受信し、乗車装置が乗車終了点に移動するように制御し、無線通信接続に基づいて輸送手段100に、乗車装置が乗車終了点に到着したことを示す状態情報を送信する。
【0133】
任意で、プロセッサ902は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または1つ以上の集積回路を備えてもよい。
【0134】
乗車装置の制御システム200のモジュールは、
図4または
図5に示される方法の実施形態に基づいてもよく、ここで用語の定義と説明は、
図4または
図5に示される方法の実施形態中の用語の定義と説明と一致しており、ここでは繰り返し記載はされない。
【0135】
図10を参照し、輸送手段の制御システム300の例が開示される。制御システム300は、上述のメモリ880に記憶されたソフトウェア命令を含んでもよい。制御システム300は受信モジュール1001を含んでもよい。
【0136】
受信モジュール1001は、輸送手段100からトラブルシューティング要求を受信するように構成され、トラブルシューティング要求は、輸送手段が異常状態を検知することを示す。ここで、異常状態は以下の状態、すなわち、輸送手段100が乗車装置の制御システム200との間の無線通信接続を確立することに失敗する、および輸送手段100が乗車装置の制御システム200から送信された状態情報を受信することに失敗する、のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0137】
制御システム300のモジュールは、
図6に示される方法の実施形態を実行するように構成されてもよく、ここで用語の定義と説明は、
図6に示される方法の実施形態中の用語の定義と説明と一致しており、ここでは繰り返し記載はされない。
【0138】
図11を参照し、携帯機器1190の例が開示される。携帯機器1190は、プロセッサ1102、および、プロセッサ1102に実行されると携帯機器1190にここで説明される様々なステップと方法とを実行させる命令を記憶するメモリ1180、を備えてもよい。メモリ1180は、不揮発性でコンピュータ読み取り可能であってもよく、記憶された命令は、通信モジュール1101を含んでもよい。プロセッサモジュール1102は、メモリ1180と接続される。
【0139】
通信モジュール1101は、プロセッサモジュール1102に実行されると、乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立ように構成される。
【0140】
プロセッサモジュール1102は、本発明の実施形態により乗車装置を制御するための方法の如何なる方法の実施形態も実行するように構成される。たとえば、プロセッサモジュール1102は、通信モジュール1101を実行することによって、乗車装置の制御システム200との間で無線通信接続を確立するように構成される。すなわち、無線通信接続に基づいて、乗車装置の走行状態を制御するように制御システムに要求するために用いられる状態制御要求を、制御システムに送信する。
【0141】
任意で、プロセッサモジュール1102は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または1つ以上の集積回路を備えてもよい。
【0142】
携帯機器のモジュールは、
図7に示される方法の実施形態に基づいてもよく、ここで用語の定義と説明は、
図7に示される方法の実施形態中の用語の定義と説明と一致しており、ここでは繰り返し記載はされない。
【0143】
記載の容易さと簡潔さのために、上述のシステム、装置およびユニットの動作過程は、上述の実施形態中の対応する過程を参照してもよいことを、当業者は明確に理解すべきであり、ここでは繰り返し記載はされない。
【0144】
本開示の実施形態において、開示されたシステム、装置、および方法は、他の仕方で実装されてもよいことを理解されたい。たとえば、上述の装置の実施形態は単なる好ましい例に過ぎない。たとえば、ユニット分割は論理機能の分割であってもよく、実際の実装において分割の他の仕方が用いられてもよい。たとえば、複数のユニットや機構が別のシステムに結合または統合されてもよく、あるいは一部の機能が省略されたり実行されなかったりしてもよい。さらに、示されあるいは論じられた相互結合、直接結合または通信接続は、何らかのインタフェース、装置またはユニットを通した間接的結合または通信接続であってもよく、それは電気的、機械的、または他の形であってもよい。
【0145】
別々の部品として説明されたユニットは、物理的に別々であってもなくてもよく、ユニットとして示された部品は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、それらは一つの場所に配置されても、あるいは複数のネットワーク装置に分散していてもよい。実施形態の解決目標を達成するために、現実の要求にしたがい、一部のまたは全てのユニットが選択されてもよい。
【0146】
さらに、本開示の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、あるいは、それぞれのユニットが独立した物理的なユニットとして存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットが一つのユニットに統合されてもよい。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形としてかソフトウェア機能ユニットの形としてかいずれかで実装可能である。
【0147】
統合されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実装され、販売または独立した製品として用いられるならば、それらはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。そのような理解に基づいて、上述のモジュールはソフトウェア製品として具現化されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバー、またはネットワーク機器であってもよい)が上記説明された方法のすべてのあるいは一部のステップを実行することを可能にするいくつかの命令を含む。上述の媒体は、プログラムコードを記憶可能な様々な媒体、たとえば、フラッシュドライブ、ポータブルハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、および光ディスク等、を含む。
【0148】
上述のとおり、本実施形態は、本開示の技術的解決法を、限定するというよりは単に説明するために用いられる。詳細説明を考慮して、当業者は、彼/彼女が、上記実施形態で説明された技術的解決法をさらに変更することが、あるいは、その一部の技術的機能の等価な置き換えを実行することが可能であると理解すべきであり、一方で、これらの変更や置き換えは、対応する技術的解決法の本質を、本開示の実施形態の精神や範囲から離すものではない。本出願の本質および原理から離れることなく行われるいずれのそのような変更、等価な置き換え、および改善も、すべて本出願の保護範囲に含まれるべきものである。
【国際調査報告】