特表2020-506285(P2020-506285A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-506285溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-506285(P2020-506285A)
(43)【公表日】2020年2月27日
(54)【発明の名称】溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/00 20060101AFI20200131BHJP
   B01J 37/16 20060101ALI20200131BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20200131BHJP
   B01J 35/02 20060101ALI20200131BHJP
   B22F 9/24 20060101ALI20200131BHJP
   B22F 1/02 20060101ALI20200131BHJP
【FI】
   B22F1/00 K
   B01J37/16
   B01J37/04 102
   B01J35/02 H
   B22F9/24 E
   B22F1/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-524402(P2019-524402)
(86)(22)【出願日】2016年11月24日
(85)【翻訳文提出日】2019年6月19日
(86)【国際出願番号】CN2016000652
(87)【国際公開番号】WO2018085958
(87)【国際公開日】20180517
(31)【優先権主張番号】201611004958.3
(32)【優先日】2016年11月11日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張宗超
(72)【発明者】
【氏名】劉凱瑞
(72)【発明者】
【氏名】毛▲ジン▼博
【テーマコード(参考)】
4G169
4K017
4K018
【Fターム(参考)】
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA21C
4G169BA22C
4G169BA26C
4G169BA27C
4G169BA29C
4G169BB12C
4G169BC02C
4G169BC03C
4G169BC32A
4G169BC33A
4G169BC69A
4G169BC70A
4G169BC71A
4G169BC72A
4G169BC73A
4G169BC74A
4G169BC75A
4G169BD01C
4G169BD03C
4G169BE01C
4G169BE02C
4G169BE03C
4G169BE06C
4G169BE07C
4G169BE08C
4G169BE15C
4G169BE18C
4G169BE27C
4G169BE32C
4G169BE37C
4G169BE44C
4G169BE46C
4G169BE48C
4G169CC01
4G169CC32
4G169DA05
4G169EB19
4G169EC27
4G169FB05
4G169FB43
4G169FB46
4G169FC02
4G169FC03
4G169FC04
4G169FC07
4G169FC08
4K017AA03
4K017AA06
4K017BA02
4K017EJ01
4K017EJ02
4K017FB03
4K017FB07
4K018BA01
4K018BC30
(57)【要約】
溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料であって、貴金属の孤立原子と保護剤からなる。シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体を保護剤とし、還元型の貴金属孤立原子を安定的に存在させる。材料の調製過程では、還元剤を含む水溶液を溶媒として用いればよい。貴金属は、保護剤の重量に対し任意の比率を占め得る。保護剤を使用することで、合成過程で初期の孤立原子が凝集してナノ粒子を形成するとの事態が回避される。当該材料の還元型孤立原子は従来の金属ナノ粒子とは異なり、エネルギー材料、医薬合成、医療材料、触媒調製等の分野に適用可能である。また、数量を制御可能な同種又は異種の金属クラスター、ナノ材料の合成においてベースとなる孤立原子原料を提供する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料であって、貴金属の孤立原子と保護剤からなることを特徴とする材料。
【請求項2】
前記貴金属の孤立原子は白金族元素又はポスト白金族元素であり、
前記白金族元素は、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム又は白金であり、
前記ポスト白金族元素は銀又は金であることを特徴とする請求項1に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【請求項3】
前記貴金属の孤立原子は白金であり、
白金元素の原子質量が195である同位体のNMR信号は、−2600ppmと−2800ppmの間であることを主な特性とすることを特徴とする請求項1に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【請求項4】
前記保護剤は、シロキシ基及び親水性ポリマーを含むブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【請求項5】
前記保護剤は、シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【請求項6】
前記シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体は、ポリシロキサン−ポリグリコール系化合物が好ましいことを特徴とする請求項5に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【請求項7】
前記ポリシロキサン−ポリグリコール系化合物は、下記構造式のポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体が好ましいことを特徴とする請求項6に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【化1】
【請求項8】
前記貴金属の孤立原子は保護剤の質量に対し任意の比率を占め得ることを特徴とする請求項1に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料。
【請求項9】
溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料の調製方法であって、
シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体、貴金属化合物の前駆体、還元剤及び水を一定の比率で十分に混合し、−30〜200℃で0.5〜200時間反応させて貴金属の孤立原子を取得することで、安定的に存在可能な貴金属単一原子溶液を取得する、とのステップにしたがって実行し、
前記還元剤と貴金属化合物の前駆体との物質量の比率は、1〜10倍の範囲で変化し、
前記還元剤と水の物質量の比率は、1:10〜30:1の範囲で変化することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記貴金属化合物の前駆体は、塩化白金酸、塩化白金酸ナトリウム、塩化白金酸カリウム、塩化白金(II)、塩化白金(IV)、ジクロロ(エチレンジアミン)白金(II)、硝酸白金(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金(II)、トリクロロ(エチレン)白金(II)酸カリウム、ジクロロテトラアンミン白金(II)水和物、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金(II)、cis−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、又は、テトラクロロ白金(II)酸アンモニウムのうちの1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料の調製方法。
【請求項11】
前記還元剤は、アルコール系化合物、ブドウ糖、ギ酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、ヒドラジン一水和物、又は水素化ホウ素のいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料の調製方法。
【請求項12】
前記アルコール系化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、グリセロールのうちの1又は複数の混合物であることを特徴とする請求項11に記載の溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新素材の技術分野に属し、具体的には、溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料に関する。
【背景技術】
【0002】
貴金属及びその合金は、性能に優れることから現代工業において幅広く応用される材料となり得る。また、耐高温腐食性、高信頼性、高精度及び長使用寿命等の特性から、貴金属は、航空・宇宙、海事産業、軍需産業用精密機器における、板バネ、ダイアフラムカプセル、導電ゴサマー(gossamer)、軸先といった部材の製造に幅広く応用されている。また、貴金属材料は生理的に非毒性であり、展延性及び生体適合性に優れるため、例えば、歯科分野において二大貴金属合金とされるアマルガム合金及び鋳造合金、医療用の金鍼、銀鍼及び硬鍼、医療用電子機器の電極材料といった医療材料の製造にも幅広く使用されている。更に、貴金属は固有の触媒性能及び安定性を有している。特に、白金族金属(イリジウム、ロジウム、パラジウム及び白金)は、石油化学工業や水素燃料電池等の分野に幅広く応用されている。しかし、貴金属資源の希少性や製造技術の遅れから、貴金属の価格は高止まりしており、各分野における十分な活用を大きく阻んでいる。
【0003】
ところで、貴金属の利用については、貴金属の孤立原子がその可能性を広げている。非特許文献1は、各種の異なる担体上におけるAu単一原子材料の合成について報告しており、且つ、これを水性ガスシフト反応に応用することに成功している。また、非特許文献2は、酸化鉄表面におけるPt単一原子材料の合成について報告している。且つ、これを一酸化炭素の酸化反応に応用することに成功しており、反応の変換率を2〜3倍向上させている。ところが、固体表面に分散させる方法で得られる単一原子材料には、担持量の小ささや、不安定さといった諸問題が存在する。また、固体表面と貴金属単一原子との相互作用によって、貴金属の単一原子は孤立した状態で存在するわけではなく、固体表面にしっかりと結合した状態で存在する。そのため、固体表面からの剥離が容易ではなく、原料として生成や調製にいっそう幅広く利用される物質とはなり得ていない。一方、還元型の貴金属原子は溶液中での運動の自由度が大きいため、極めて容易に凝集してナノ粒子を生成してしまう。そこで、溶液を媒体として還元型の貴金属原子を分散させ、孤立状態となった貴金属孤立原子材料を得ることが、一貫して科学技術分野における大きな課題となっている。溶液中での貴金属材料の合成には、ビニルピロリドンポリマー及びイソプロピルアクリルアミドポリマー等(非特許文献3)の高分子ポリマーが幅広く応用されている。しかし、これらの高分子ポリマーは、初期の還元型貴金属孤立原子が凝集してナノ粒子になるとの事態を阻止することはできない。そのため、溶液中で還元型の貴金属孤立原子の合成に成功したとの報告は今のところみられない。
【0004】
上述した研究の現状から明らかなように、固体表面での分散により孤立原子材料を生成する際の担持量の小ささや不安定さといった欠点を如何にして解決可能とし、且つ、溶液中において初期の還元型貴金属孤立原子が凝集して大型化するとの傾向を解消することで、貴金属孤立原子材料を効果的に生成する方法を得ることには重要な意味がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Maria Flytzani−Stephanopoulos ほか,Acc.Chem.Res,2014,47,783.
【非特許文献2】張涛ほか,Nature Chem.,2011,3,634.
【非特許文献3】J.Phys.Chem.B,1999,103,3818.;Langmuir 1997,13,6465.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が提供する溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料は、貴金属の孤立原子と保護剤からなる。
【0008】
前記貴金属の孤立原子は白金族元素又はポスト白金族元素であり、前記白金族元素は、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム又は白金であり、前記ポスト白金族元素は銀又は金である。
【0009】
前記貴金属の孤立原子は白金であり、白金元素の原子質量が195である同位体のNMR信号は−2600ppmと−2800ppmの間であることを主な特性とする。
【0010】
前記保護剤は、シロキシ基及び親水性ポリマーを含むブロック共重合体である。
【0011】
前記保護剤は、シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体である。
【0012】
前記シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体は、ポリシロキサン−ポリグリコール系化合物が好ましい。
【0013】
前記ポリシロキサン−ポリグリコール系化合物は、下記構造式のポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体が好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】
前記貴金属の孤立原子は保護剤の重量に対し任意の比率を占め得る。
【0016】
前記貴金属の孤立原子が保護剤の質量に対して占める比率は、0.001〜50%であることが好ましい。
【0017】
溶液中で安定的な貴金属孤立原子材料の調製方法であって、シロキシ基及びポリエーテル基を含むブロック共重合体、貴金属化合物の前駆体、還元剤及び水を一定の比率で十分に混合し、−30〜200℃で0.5〜200時間反応させた後、溶液中の還元剤によって貴金属化合物の前駆体をゼロ価の貴金属単一原子に還元することで、安定的に存在可能な貴金属単一原子溶液を取得する、とのステップにしたがって実行し、前記還元剤と貴金属化合物の前駆体との物質量の比率は1.0〜10倍の範囲で変化し、前記還元剤と水の物質量の比率は、1:10〜30:1の範囲で変化することを特徴とする。
【0018】
前記貴金属化合物の前駆体は、保護剤の重量に対し任意の比率を占める。
【0019】
前記貴金属化合物の前駆体は、塩化白金酸、塩化白金酸ナトリウム、塩化白金酸カリウム、塩化白金(II)、塩化白金(IV)、ジクロロ(エチレンジアミン)白金(II)、硝酸白金(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金(II)、トリクロロ(エチレン)白金(II)酸カリウム、ジクロロテトラアンミン白金(II)水和物、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金(II)、cis−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、又は、テトラクロロ白金(II)酸アンモニウムのうちの1つを含む。
【0020】
前記還元剤は、アルコール系化合物、ブドウ糖、ギ酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、ヒドラジン一水和物、又は水素化ホウ素のいずれかである。
【0021】
前記アルコール系化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、グリセロールのうちの1又は複数の混合物である。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、溶液相における還元型貴金属孤立原子の調製を初めて実現した。従来の溶液相における金属材料の合成と比べ、金属ナノ粒子の形成が回避されるため、孤立金属原子の形態で存在する還元型の孤立原子溶液が得られる。また、固体表面に担持される孤立原子材料と比較して、担持量が増加し、安定性に優れるとの特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施例1,2,3,4,5,6の紫外可視スペクトル図である。
図2図2は、実施例1,2,3,4,5,6の195Pt NMRスペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、溶液中で安定的な白金孤立原子材料を例に、本発明について更に詳細に説明する。なお、本件特許により保護する内容は具体的実施形態に限らず、請求項により規定する。
【実施例1】
【0025】
溶液中での白金孤立原子の調製:0.6465gのポリエチレングリコール−ポリシロキサンブロック共重合体、135mlのエタノール、10.2mlの水及び4.8mlの濃度0.018404mol/Lの塩化白金酸溶液を十分に混合してから昇温させ、105℃で3時間還流して塩化白金酸を完全に還元した。紫外及び195Pt NMR検出の結果、合成により白金孤立原子材料が得られたことが分かった。紫外可視吸収スペクトル図(図1)から明らかなように、塩化白金酸は完全に還元された(解説:265nmにおける紫外吸収ピークはPtCl2−イオンの吸収ピークを表すため、当該紫外吸収ピークの消失は塩化白金酸が完全に還元されたことを意味する)。また、195Pt NMRスペクトル図(図2)から明らかなように、還元型の白金孤立原子が形成された(解説:KPtCl195Pt NMRが0ppm位置、PtCl2−のピークが−1617ppmであるのに対し、Pt孤立原子の195Pt NMRピークは−2680ppmである。また、白金ナノ粒子のナノテスラ(nano tesla)シフトの−35000ppm〜10000ppmという広いピーク幅は検出されなかった。このことから、HPtClが完全に還元されてPt孤立原子が生成され、且つ、Ptナノ粒子も発生しなかったことを意味する)。
【実施例2】
【0026】
溶液中での白金孤立原子の調製:0.6465gのポリエチレングリコール−ポリシロキサンブロック共重合体、4.05mgのエタノール(エタノールと塩化白金酸の物質量の比は1:1)、145mlの水及び4.8mlの濃度0.018404mol/Lの塩化白金酸溶液を十分に混合してから(エタノールと水の物質量の比は1:10)、昇温させて105℃で3時間還流し、塩化白金酸を完全に還元した。紫外及び195Pt NMR検出の結果、合成により白金孤立原子材料が得られたことが分かった。紫外可視スペクトル図については図1195Pt NMRスペクトル図については図2に示す通りであった。
【実施例3】
【0027】
溶液中での白金孤立原子の調製:0.6465gのポリエチレングリコール−ポリシロキサンブロック共重合体、148.5mlのエタノール、1.02mlの水及び0.48mlの濃度0.18404mol/Lの塩化白金酸溶液を十分に混合してから(エタノールと水の物質量の比は30:1)、昇温させて105℃で3時間還流し、塩化白金酸を完全に還元した。紫外及び195Pt NMR検出の結果、合成により白金孤立原子材料が得られたことが分かった。紫外可視スペクトル図については図1195Pt NMRスペクトル図については図2に示す通りであった。
【実施例4】
【0028】
溶液中での白金孤立原子の調製:0.6465gのポリエチレングリコール−ポリシロキサンブロック共重合体、882gのエタノール(1.14L。エタノールの添加量は塩化白金酸の物質量の10倍)、100.2mlの水及び4.8mlの濃度0.018404mol/Lの塩化白金酸溶液を十分に混合してから昇温させ、105℃で3時間還流して塩化白金酸を完全に還元した。紫外及び195Pt NMR検出の結果、合成により白金孤立原子材料が得られたことが分かった。紫外可視スペクトル図については図1195Pt NMRスペクトル図については図2に示す通りであった。
【実施例5】
【0029】
溶液中での白金孤立原子の調製:1719.92gのポリエチレングリコール−ポリシロキサンブロック共重合体、1000mlのエタノール、100mlの水及び4.8mlの濃度0.018404mol/Lの塩化白金酸溶液を十分に混合してから(白金孤立原子が保護剤の質量に対し0.001%を占める)、昇温させて105℃で3時間還流し、塩化白金酸を完全に還元した。紫外可視スペクトル図については図1195Pt NMRスペクトル図については図2に示す通りであった。
【実施例6】
【0030】
溶液中での白金孤立原子の調製:0.0344gのポリエチレングリコール−ポリシロキサンブロック共重合体、135mlのエタノール、10.2mlの水及び4.8mlの濃度0.018404mol/Lの塩化白金酸溶液を十分に混合してから(白金孤立原子が保護剤の質量に対し50%を占める)、昇温させて105℃で3時間還流し、塩化白金酸を完全に還元した。紫外可視スペクトル図については図1195Pt NMRスペクトル図については図2に示す通りであった。
図1
図2
【国際調査報告】