特表2020-507508(P2020-507508A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-507508ビューア装置、対応する運転支援システム、及び視界を維持するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-507508(P2020-507508A)
(43)【公表日】2020年3月12日
(54)【発明の名称】ビューア装置、対応する運転支援システム、及び視界を維持するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/60 20060101AFI20200214BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20200214BHJP
【FI】
   B60S1/60 Z
   B60R1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-542733(P2019-542733)
(86)(22)【出願日】2018年2月6日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月7日
(86)【国際出願番号】EP2018052857
(87)【国際公開番号】WO2018146058
(87)【国際公開日】20180816
(31)【優先権主張番号】1751025
(32)【優先日】2017年2月8日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ブルタグノル
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、コラノフスキ
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA04
3D025AC19
3D025AD11
(57)【要約】
本発明は、道路シーンの少なくとも1つの画像を撮像するように構成された光学センサ(5)と、前記光学センサ(5)用の取付体(7)と、を備えた自動車両(100)用のビューア装置(3)に関する。本発明によれば、前記光学センサ(5)は、前記支持体(7)に回転可能に装着され、前記装置(3)は、また、前記光学センサ(5)を回転させるように構成されたアクチュエータ(9)を含む。同様に、本発明は、このような装置(3)を備えた運転支援システムと、前記ビューア装置(3)の前記光学センサ(5)の視界を維持するための方法と、に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐道路シーンの少なくとも1つの画像を撮像するように構成された光学センサ(5)と、
‐前記光学センサ(5)用の支持体(7)と、
を備えた自動車両(100)用のビューア装置(3)において、
‐前記光学センサ(5)は、前記支持体(7)に回転可能に装着され、
‐前記装置(3)は、また、前記光学センサ(5)を回転させるように構成されたアクチュエータ(9)を含む、
ことを特徴とするビューア装置(3)。
【請求項2】
少なくとも部分的に無線であるエネルギー伝送技術を利用して、前記光学センサ(5)に給電するための手段(13)を更に含む、
請求項1に記載の装置(3)。
【請求項3】
前記給電手段(13)は、
‐給電されるように構成された固定コネクタ(131)と、
‐前記固定コネクタ(131)に対する電磁結合により給電されるように構成された可動コネクタ(133)であって、誘導電流で前記光学センサ(5)に給電するように構成された可動コネクタ(133)と、
を備える、
請求項2に記載の装置(3)。
【請求項4】
前記可動コネクタ(133)は、前記光学センサ(5)に回転的に結合される、
請求項3に記載の装置(3)。
【請求項5】
前記光学センサ(5)の前記回転軸は、前記光学センサ(5)の前記光軸(A)に統合されている、
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項6】
前記アクチュエータはモータ(9)を備え、
前記モータ(9)は、固定ステータ(91)と、前記ステータ(91)に対して可動であるロータ(93)と、を有する、
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項7】
前記固定コネクタ(131)は前記ステータ(91)に取り付けられ、前記可動コネクタ(133)は前記ロータ(93)に取り付けられる、
請求項3又は4の一項と組み合わせた先行請求項のうちのいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項8】
前記モータ(9)は中空であり、前記光学センサ(5)は前記モータ(9)の内部に少なくとも部分的に配置される、
請求項6又は7のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項9】
前記支持体(7)は、前記ステータ(91)に取り付けられる、
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の装置(3)
【請求項10】
前記固定コネクタ(131)は、前記光学センサ(5)用の前記支持体(7)の反対側において、前記ステータ(91)に配置される、
請求項7及び9のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項11】
前記支持体(7)は、前記光学センサ(5)を少なくとも部分的に収容するための貫通ハウジング(71)を有する、
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項12】
前記光学センサ(5)の前記光学部品(51)は、以下のリスト:例えば光触媒性の赤外線フィルタ、疎水性、超疎水性、疎油性、親水性、超親水性、耐チップ性、から選択される少なくとも1つの性質を有する、
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載のビューア装置(3)を少なくとも1つ備える、運転支援システム(1)。
【請求項14】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載のビューア装置(3)の光学センサ(5)の視界を維持するための方法であって、前記光学センサ(5)を回転させる少なくとも1つのステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援の分野に関し、特に特定の車両に設置される運転支援システムに関する。運転支援システムは、例えばレンズを備えたカメラ等の光学センサを含み得る。より具体的には、本発明は、このような光学センサを備えたビューア装置に関する。また、本発明は、このようなビューア装置の光学センサの視界を維持するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが車両の周囲環境をより見やすくなるように、前方、後方、又は側方を見るカメラが、多数の自動車両に設けられている。特に、これらは、車両操作を容易にするための駐車支援システムや、車線逸脱検出システム等の運転支援システムの一部である。
【0003】
車両の車室内部において、リアウィンドウ/ガラスに、車両のこのリアウィンドウから後方に向けて取り付けるカメラが公知である。このようなカメラは、外部の天候による影響や有機又は無機汚染物質による汚れから良好に保護されている。これらのカメラは、例えば、リアウィンドウを除氷及び洗浄するためのシステム、例えばリアウィンドウのガラスに一体化された電熱線の恩恵を受けることができる。
【0004】
しかしながら、このようなカメラの視野角は、特に駐車支援に関しては最適ではない。なぜならば、このようなカメラでは、例えば車両の方付近に位置している障害物を見ることができないからである。
【0005】
このため、所望の用途に応じて、カメラを車両の外部において種々の位置に、例えば、車両の後方又は前方バンパー、或いは車両の後方又は前方ナンバープレート等に配置することが好適である。
【0006】
この場合、カメラは、泥のしぶきに顕著にさらされて、泥しぶきがその光学部品に堆積してその有効性を低下させ得る、又は光学部品を動作不能にし得る。
【0007】
特に、雨天の場合、このようなカメラを備えた運転支援システムの操作性に大きく影響し得る雨や泥のしぶきが見られる。良好な動作状態を確保するために、カメラの光学部品の表面を洗浄する必要がある。
【0008】
カメラに堆積する泥に対して、経年的に堆積した汚染要素を除去するために、カメラの光学部品を洗浄するための装置、一般的には洗浄液ジェットを、その付近に配置することが知られている。
【0009】
しかしながら、カメラの光学部品は、比較的脆弱な要素であるのに、これを損傷するおそれのある液体のしぶきから保護されていない。更に、ジェットには非常に大量の洗浄液の使用が必要であるため、ジェットの使用は作動コストを増加させる。
【0010】
カメラを車両の外部トリムの内側に装着して、このトリムに固定された保護ガラスによってカメラを外部攻撃から保護することも知られている。しかしながら、カメラは外部攻撃からは保護されるが、保護ガラス又は窓には、汚染物質が堆積し続ける。このため、保護ガラスを洗浄するための例えばワイパー等の装置の使用が必要となるが、このような装置は、その使用中にカメラの視界に干渉する。
【発明の概要】
【0011】
したがって、カメラ等の光学センサを想定される液体のしぶきから保護し得るともに、視界に対する障害を可能な限り最小限に抑え得る、代替的なビューア装置を提案することが推奨される。
【0012】
この目標のために、本発明の目的は、
‐道路シーンの少なくとも1つの画像を撮像するように構成された光学センサと、
‐前記光学センサ用の支持体と、
を備えた自動車両用のビューア装置である。
【0013】
本発明によれば、
‐前記光学センサは、前記支持体に回転可能に装着され、
‐前記装置は、また、前記光学センサを回転させるように構成されたアクチュエータを含む。
【0014】
光学センサがアクチュエータによって回転すると、光学センサの光学部品に堆積した可能性のある汚れが遠心効果によって振り切られる。「汚れ」とは、水滴と、有機及び無機汚染物質との両方を意味する。したがって、光学センサは、良好な作動レベルを維持し、その泥汚れは天候条件とは無関係に制限される。
【0015】
したがって、光学センサの回転により、汚染物質及び/又は水の除去が、遠心力の影響の下で可能になる。
【0016】
前記装置は、以下の単数又は複数の特徴を、別個に又は組み合わせて更に含み得る。
‐前記装置は、少なくとも部分的に無線であるエネルギー伝送技術を利用して、前記光学センサに給電するための手段を更に含む。
‐エネルギーの伝送は、少なくとも部分的に誘導により実施される。
‐前記給電手段は、給電されるように構成された固定コネクタと、前記固定コネクタに対する電磁結合により給電されるように構成された可動コネクタであって、誘導電流で前記光学センサに給電するように構成された可動コネクタと、を備える。
‐前記固定コネクタは、前記車両のネットワークに連結されるように構成される。
‐前記可動コネクタは、前記光学センサに回転的に結合される。
‐前記固定コネクタ及び前記可動コネクタは、実質的に環状の形状を有する。
‐前記可動コネクタは、前記固定コネクタの内部に配置される。
‐前記光学センサの前記回転軸は、前記光学センサの前記光軸に統合している。
‐前記アクチュエータは、モータを備え、前記モータは、固定ステータと、前記ステータに対して可動であるロータと、を有する。
‐前記モータは、ブラシレスモータである。
‐前記固定コネクタは前記ステータに取り付けられ、前記可動コネクタは前記ロータに取り付けられる。
‐前記モータは中空であり、前記光学センサは前記モータの内部に少なくとも部分的に配置される。
‐前記光学センサは、前記モータの中心に配置される。
‐前記支持体は、前記ステータに取り付けられる。
‐前記固定コネクタは、前記光学センサ用の前記支持体の反対側において、前記ステータに配置される。
‐前記支持体は、前記光学センサを少なくとも部分的に収容するための貫通ハウジングを有する。
‐前記支持体は、実質的に環状の形状を有する。
‐前記光学センサは、自動車両の本体に対して同一平面的に配置されるように構成された光学部品を含む。
‐前記光学センサの前記光学部品は、以下のリスト:例えば光触媒性の赤外線フィルタ、疎水性、超疎水性、疎油性、親水性、超親水性、耐チップ性、から選択される少なくとも1つの性質を有する。
【0017】
また、本発明は、上述のビューア装置を少なくとも1つ備える運転支援システムに関する。
【0018】
更に、本発明は、上述のビューア装置の視界を維持するための方法であって、前記光学センサを回転させる少なくとも1つのステップを備える方法に関する。
【0019】
前記方法は、少なくとも2つのステップを備え、各ステップについて、前記光学センサの回転速度が異なる。
【0020】
前記方法は、前記ビューア装置を設けられた自動車両の速度に応じて、前記光学センサの回転速度を調整するステップを備える。
【0021】
本発明の他の特徴及び利点は、例示的且つ非限定的な例としてなされる以下の説明及び添付図面からより明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるビューア装置を備えた運転支援システムを設けられた自動車両の概略図。
図2a図1のビューア装置の後方斜視図。
図2b図2aのビューア装置の前方斜視図。
図3a】第1角度位置にある図2a及び図2bのビューア装置の可動アセンブリを示す斜視図。
図3b】第2角度位置にある図2a及び図2bのビューア装置の可動アセンブリを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これらの図において、同一の要素は同じ参照符号を有する。
【0024】
以下の実施形態は一例である。説明は、単数又は複数の実施形態に言及しているが、これは必ずしも各参照符号が同じ実施形態に関すること、又は特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。他の実施形態を提供するように、種々の実施形態の個々の特徴を組み合わせることができる、又はそれらを交換することができる。
【0025】
図1は、本発明による少なくとも1つの運転支援システム1を設けられた自動車両100を示す。
【0026】
特に、運転支援システム1は、少なくとも1つのビューア装置3を含んでいる。
【0027】
ビューア装置3は、自動車両100の周囲環境を観察するために、例えば、本体要素に、又はドアミラー等の外部要素に取り付けられることが意図されている。
【0028】
図1に示す構成によれば、車両100がバックする際に車両の後方を見ることができるように、特に車両100の後方に位置する障害物を検出し駐車操作を容易にするように、ビューア装置3は、車両100の後部においてトランクに配置されている。ビューア装置3は、後方バンパー102に配置することも可能である。
【0029】
図示しない別の構成によれば、ビューア装置3は、前方の視界を改善するように、車両100の前部に、例えば、グリルや前方バンパーやナンバープレートに配置することができる。
【0030】
代替例において、ビューア装置3は、特に外部のドアミラーに代えて又はこれに加えて、車両100の側面に配置することができる。ビューア装置3は、運転席側と助手席側の両方、又は両方に取り付けることができる。したがって、ビューア装置3により、特に隣接する車線において後方から接近する車両を検出するように、車両100の側方及び後方を見ることが可能となる。他の位置も想定され得る。
【0031】
ビューア装置3は、任意の公知手段を用いて、車両100に取り付けることができる。
【0032】
図2a及び図2bを参照すると、ビューア装置3は、少なくとも1つの光学センサ5と、この光学センサ5用の支持体7とを備えている。
【0033】
光学センサ5は、例えば、図1に概略的に示すビューア装置3の視界Vにおいて単数又は複数の画像を検出することを可能にするカメラ、又は任意の他のタイプの撮影装置によって作製されている。
【0034】
光学センサ5(図2a及び図2b)は、例えば、カメラ等の撮影用光学センサ5である。光学センサ5は、CCD(「charged coupled device」(電荷結合素子))、又は小型フォトダイオードのアレイを含むCMOSセンサであってもよい。代替例によれば、LIDARセンサと称される光検出測距センサであってもよい。
【0035】
光学センサ5は、可視範囲で動作するセンサを備え得る。追加例又は代替例において、光学センサ5は、暗視可能な赤外線センサを備え得る。
【0036】
ビューア装置3は、例えば、ビューア装置3からの画像を利用するためのオペレーションシステム(図示せず)に対応付けられる。例えば自動車両100(図1)に搭載されたオペレーションシステムは、光学センサ5(図2a及び図2b)によって検出された画像を表示可能な表示装置(図示せず)を備え得る。表示装置は、自動車両100(図1)の計器パネル又は中央コンソールに配置された表示スクリーンであり得る。表示は、特に透明要素等の要素、例えば自動車両100のフロントガラス又はガラスにおける投影を介して実施され得る。
【0037】
有利には、光学センサ5により取り込まれた画像は、無線通信によって、例えばWi‐Fi又はBluetooth、又は当業者に公知の任意の他の手段によって、表示装置(図示せず)に、又は車両100のオペレーションシステムの画像処理手段(図示せず)に事前に送信され得る。当然ながら、このことは、光学センサ5から車両100のネットワークへのあらゆる映像及び/又は音響信号の送信に適用される。更に、画像処理手段は、表示手段での表示前に、単数又は複数の画像処理操作を適用するように構成され得る。特に、画像処理により、所望の配向に応じた画像を取得することができる。
【0038】
図2bに明瞭に示すように、光学センサ5は、光軸Aを有する光学部品51を含んでいる。光学部品51は、例えば、レンズである。このような光学部品51は、例えば、光学センサ5から外方を向く凸部を有する凸状(ドーム状)であり、例えばいわゆる魚眼光学部品である。
【0039】
更に、図示例によれば、光学センサ5は、光学部品51用の支持ケース53を備え得る。光学センサ5は、ケース53の前部に配置される。ビューア装置3が車両100(図1)に装着された場合、ケース53の前部は、光学センサ5が撮影プロセスに関与する道路シーンに対面することが意図されるケース53の部分から延びている。逆に、ケース53の後部(図2a、図2b)は、ケース53の前部の反対側のケース53の部分から延びている。したがって、ケース53の後部は、光学センサ5が撮影プロセスに関与する道路シーンから最も離間した部分である。光学部品51は、ケース53の中心に配置されている。
【0040】
更に、光学部品51は、特にその外面において、以下の特性:疎水性、赤外線フィルタ、光触媒性、超疎水性、疎油性、親水性又は超親水性、耐チップ性、又は存在し得る汚れの付着を減少させ得る任意の他の表面処理、のうちの単数又は複数を有し得る。
【0041】
特に、光学部品51の疎水性により、水滴が痕跡を残さずに外面を伝って流れる。これは、水がこの外面に付着し得ないためである。したがって、光学部品51上の層又はコーティングにより、運転支援システム1の正しい動作を損ない得る有機又は無機汚染物質が付着する可能性、及び光学部品51上に水跡が存在する可能性を制限することができる。有利には、Rain‐X(登録商標)溶液等の液体溶液を、疎水性フィルムを形成するように光学部品51の外面に付与することができる。
【0042】
更に、光学センサ5は、回転軸を中心として回転可能であるように支持体7に装着されている。特に、光学センサ5の回転軸は、光学センサ5の光軸Aに統合されている。光学センサ5の回転により、遠心効果によって、光学センサ及び特に光学部品51に存在し得る汚れを除去する又は振り切ることができる。
【0043】
光学センサ5が回転するため、画像取込のために種々の構成が想定され得る。
【0044】
第1代替例によれば、画像取込は、光学センサ5の回転速度と同期させ得る。換言すれば、光学センサ5は、光学センサが所定の角度位置にある毎に、画像を取り込むように構成され得る。
【0045】
第2代替例によれば、光学センサ5は、光学センサ5の角度位置とは無関係に連続的に画像を取り込むことができる。本例において、少なくとも1つの画像処理操作、特に画像修正が、光学センサ5が撮像した画像が車両100の表示装置(図示せず)に表示される前に、当該画像に対して適用され得る。
【0046】
より具体的には、光学センサ5用の支持体7について、当該支持体7は、自動車両100(図1)に固定的に装着されることが意図されている。図2bを再び参照すると、支持体7は、光学センサ5を少なくとも部分的に収容するように構成された貫通ハウジング71を含んでいる。より具体的には、光学センサ5のケース53は、支持体7を貫通するように装着されており、光学部品51は支持体7に対して突出している。
【0047】
特に、支持体7は、実質的に環状の全体形状を有する。本例において、環状形状は、光学センサ5の光軸Aを中心としている。
【0048】
更に、光学センサ5を収容した支持体7が車両100に装着された場合、光学部品51は、車両100の本体に対して同一平面になり得る(図1参照)。
【0049】
図2a及び図2bを再び参照すると、光学センサ5を回転させるように、ビューア装置3は、更にアクチュエータ9を含んでいる。
【0050】
アクチュエータ9は、ビューア装置3の後部に配置され得る。ビューア装置3の後部は、光学センサ5の光学部品51の反対側の部分から延びている。ビューア装置3が自動車両100に取り付けられた場合、ビューア装置3の後部は、光学センサ5が撮影プロセスに関与する道路シーンから最も離間した部分となる。
【0051】
アクチュエータ9は、例えば、車両100(図1)の一般的な電気回路に連結された電源11により給電される。
【0052】
アクチュエータ(図2a、図2b)は、例えば、電気モータを備える。非限定的な例として、電気モータは、より具体的にはブラシレスモータであり得る。
【0053】
有利には、モータ9は、その回転軸が光学センサ5の光軸Aに統合するように配置されている。
【0054】
モータ9は、1000乃至50000rpm、好適には8000乃至20000rpm、更に好適にはおよそ15000rpmの回転速度を有し得る。このような回転速度により、運転支援システム1の最適化された動作を提供することを目的として、光学センサに堆積した可能性のある汚れを遠心効果によって除去することができる。
【0055】
モータ9は、固定されたステータ91と、このステータ91に対して回転可能であるロータ93と、を含んでいる。図示例において、ステータ91は、ロータ93の周囲に配置されている。
【0056】
有利には、モータ9は中空であり、光学センサ5はモータ9の内部に少なくとも部分的に配置されている。とりわけ、光学センサ5のケース53の後部が、モータ9の中空部に収容されている。特に、光学センサ5は、モータ9の中心に配置されている。
【0057】
更に、図2bに示すように、光学センサ5用の支持体7は、任意の適当な固定手段によってステータ91に取り付けられ得る。
【0058】
変形例において、光学センサ5用の支持体7は、ステータ91と一体化されることが想定され得る。
【0059】
ビューア装置3は、図2aに明瞭に示す光学センサ5用の給電手段13を更に含んでいる。この給電手段13は、光学センサ5の回転運動に適合している必要がある。この目的のために、給電手段13は、少なくとも部分的に無線であるエネルギー伝送技術を利用して、光学センサ5に給電するように構成されている。エネルギーの伝送は、誘導を介して実施される。
【0060】
この目的のために、図2a及び図3a、図3bに示す例によれば、給電手段13は、固定コネクタ131と、回転コネクタとも称される可動コネクタ133と、を備えている。
【0061】
固定コネクタ131及び可動コネクタ133は、例えば、実質的に環状の形状を有している。特に、可動コネクタ133は、固定コネクタ131の内側に配置され得る。
【0062】
固定コネクタ131は、例えば、車両100のネットワークに連結され得る給電ケーブル15を介して給電されるように構成されている。
【0063】
更に、固定コネクタ131は、ステータ91に固定され得る。この目標のために、任意の適当な固定手段を設けることができる。図示例において、第1にステータ91に、第2に固定コネクタ131に、相補的な固定突起19、21が設けられ得る。固定突起同士は、例えばねじ留めによって組み付けられる。当然ながら、任意の他の手段が想定され得る。特に、固定コネクタ131は、光学センサ5用の支持体7の反対側において、ステータ91に配置されている。
【0064】
可動コネクタ133は、回転するように構成される。より正確には、可動コネクタ133は、光学センサ5に回転的に結合される。
【0065】
可動コネクタ133は、例えば、アクチュエータ9によって、すなわち記載例においてモータ9のロータ93によって、回転するように構成されている。特に、可動コネクタ133は、任意の適当な手段によってロータ93に取り付けられ得る。
【0066】
記載される実施形態によれば、光学センサ5と、回転コネクタ133と、ロータ93とは、ビューア装置3の可動アセンブリを形成している。固定コネクタ131とステータ91は、ビューア装置3の固定アセンブリを形成している。図3aにおいて、ビューア装置3の可動アセンブリは、固定アセンブリに対して第1角度位置にある。図3bにおいて、可動アセンブリは、固定アセンブリに対して、第1位置とは異なる第2角度位置にある。
【0067】
更に、可動コネクタ133は、無線エネルギー伝送技術を利用して、例えば本例においては誘導によって、固定コネクタ131により給電されるように構成されている。この目的のために、固定コネクタ131は、例えば給電ケーブル15を介した車両100のネットワークからの電源に連結された一次回路を備え得るとともに、可動コネクタ133は、一次回路に対して電磁結合を可能な二次回路を備え得る。
【0068】
光学センサ5は、例えば他の給電ケーブル17を介して、可動コネクタ133に誘導される電流により給電され得る。
【0069】
図示しない代替例によれば、光学センサ5と、自動車両100のネットワークと、オペレーションシステム(図示せず)との間に、スリップリング(図示せず)を設けることができる。このようなスリップリング(図示せず)により、光学センサ5に給電するように電流を伝送することができる。また、スリップリング(図示せず)は、光学センサ5の回転を許容しつつ、信号、とりわけ映像を送信するように、光学センサ5と自動車両100のオペレーションシステム(図示せず)との間に、例えば同軸タイプのケーブルによる連結を提供する。換言すれば、本例において、光学センサ5によって取り込まれた画像は、このようなケーブルによって、表示装置(図示せず)に、又は車両100のオペレーションシステムの画像処理手段(図示せず)に事前に送信され得る。
【0070】
非限定的な例として、電気スリップリング、カプセルスリップリング、及び、「高解像度シリアルデジタルインターフェース」を意味するHD‐SDI規格によるスリップリングを非網羅的な態様で挙げることができる。
【0071】
更に、図2bにより良く示す光学部品51のきれいな状態を向上させるように、選択的に、光学部品51に洗浄流体を噴霧する少なくとも1つのノズル(図示せず)を設けることができる。これにより、光学センサ5の回転が光学部品51に堆積した存在し得る汚れを除去するのに不十分であっても、光学部品51を更に洗浄することができる。このノズル(図示せず)は、車両100(図1)の本体において光学部品51の近傍に、例えば光学部品51の上方に配置され得る。洗浄流体は、圧縮空気及び/又は洗浄液体であり得る。
【0072】
また、ビューア装置3の起動、すなわち光学センサ5の起動を管理するように、及び光学センサ5の視界維持を管理するように、種々の構成が想定され得る。
【0073】
ビューア装置3は、車両100の使用時に、常に起動され得る。本例において、ビューア装置3は車両100の始動時に起動され、光学センサ5からの画像が常に、又は要請に応じて表示され得る。
【0074】
或いは、表示装置3は、ユーザが所定のコマンド、例えば専用のコマンドを作動させたときに、又は、駐車支援を可能とする後方ビューア装置3の場合、バックギアに入れたときに、起動され得る。この目的のために、ビューア装置3は、例えば、自動車両100のバックギアに係合する装置、例えば変速機に結合されている。
【0075】
図2a乃至図3bに示す)光学センサ5の視界維持の管理について、保護方法又は視界を維持するための方法が実施され得る。本方法は、光学センサ5を回転させて、存在し得る汚れを遠心効果によって除去するための少なくとも1つのステップを備える。
【0076】
この目標のために、運転支援装置1は、特にアクチュエータ9を起動して光学センサ5を回転させるように構成された、図示しない電子制御ユニットを備え得る。当然ながら、遠心効果による洗浄を可能とするように、光学センサ5を非ゼロの回転速度で回転させる。
【0077】
車両100が動作しているとき、すなわち、運転段階中に、又は停止しているがスイッチはオンであるとき、光学センサ5は常に回転され得る。
【0078】
変形例において、車両100が動作しているとき、例えば、車両ユーザがバックギアを使用するときのように、ユーザが光学センサ5の使用を必要とする車両機能を利用するとき、光学センサ5は間欠的に回転され得る。
【0079】
本方法は、少なくとも2つのステップを備え得る。各ステップについて、光学センサ5の回転速度が異なる。
【0080】
特定の実施形態によれば、本方法は、光学センサ5の回転方向を変更するステップを含み得る。有利には、光学センサ5の回転方向は、所定の時間に亘って、比較的迅速に数回変更され得る。このような回転方向の変更により、加速現象の発生が促進されるとともに、例えば光学部品51の実質的に中心に見られるかもしれない小さな水滴が効果的に除去され得る。実際に、光学部品51の回転方向の変更により、汚れはその運動に対して逆方向の加速にさらされるため、光学部品51への汚れの付着力が弱まりやすくなるとともに振り切られやすくなる。
【0081】
また、本方法は、少なくとも1つの洗浄流体を光学部品51に噴霧する少なくとも1つのステップを備え得る。車両100の電子制御ユニット(図示せず)は、例えば圧縮空気又は洗浄液体等の少なくとも1つの洗浄流体の光学部品51への噴霧を開始するように構成され得る。
【0082】
噴霧ステップは、例えば、光学センサ5の視界V(図1参照)において汚れを検出した後に、開始され得る。
【0083】
代替的に又は追加的に、少なくとも1つの流体の噴霧は、車両100の速度に応じて開始され得る。例えば、車両100が停止したとき、又は車両が低速で、すなわち時速15km未満の速度で移動しているとき、開始され得る。実際に、このような場合、空気力学的力が、光学センサ5の回転の遠心力と効果的に組み合わされて光学部品51に堆積し得る水滴及び/又は汚れを除去するのに十分でない可能性がある。特に、光学部品51の中央又は中央付近に位置する小さい水滴を除去することが難しい場合がある。
【0084】
流体の噴霧は、時間的遅れに従って実施され得る。例えば、車両100の特定の運転時間の最後に、又は車両100のユーザの要求に応じて実施され得る。
【0085】
本発明の特定の実施形態によれば、アクチュエータ9を停止することで光学センサ5が回転することを停止させるステップを設け、続いて単独又は複数の流体の噴霧ステップを設け、次いで光学センサ5を再び回転させるようにアクチュエータ9を再起動するステップを設けることができる。
【0086】
代替的に又は追加的に、本方法は、光学センサ5の回転速度がそれぞれ異なる少なくとも2つのステップを含み得る。
【0087】
非限定的な例として、
‐洗浄流体を光学部品51に噴霧する第1ステップであって、光学センサ5を第1回転速度に従って回転させる第1ステップと、
‐光学センサ5を第1回転速度とは異なる第2回転速度に従って回転させる第2乾燥ステップと、
を設けることができる。
【0088】
本例において、有利には、第1回転速度は第2回転速度より遅い。したがって、第1回転速度は比較的遅い、又は、ケース53を既に回転させている場合には減速させ得る。これにより、洗浄流体の拡散が促進され得る。
【0089】
第2乾燥ステップの開始を遅らせることができる。例えば、比較的短い所定時間の後、回転速度を加速することができ、これにより、光学部部品51の外面を乾燥させて、洗浄液で湿った汚れを除去しやすくすることができる。
【0090】
有利には、このような実施形態により、洗浄用の洗浄流体の量は、回転を利用しない先行技術による従来の洗浄システムより明らかに少ない。
【0091】
更に、光学センサ5の回転速度を、視界を維持するための方法の実施中に調整することができる。例えば、回転速度を、車両100の移動速度に従って調整することができる。実際に、特に運転支援システム1が車両100の前部に位置している場合、光学センサ5の回転による遠心力の作用により、場合により車両100の移動による摩擦とあいまって、汚れが光学部品51から除去される。
【0092】
したがって、車両100の移動速度が速いほど、光学部品51のきれいで良好な状態、ひいては光学センサ5の最適な動作を維持するように光学センサを早く回転させる必要性はなくなる。電子制御ユニットは、特に光学部品51が車両の前部に取り付けられている場合、車両100の速度が増加したとき、光学センサ5の回転速度を減少させるようにアクチュエータ9に作用するように構成され得る。
【0093】
逆に、車両100が低速で移動している場合、光学センサ5の回転速度を増加することができる。したがって、電子制御ユニットは、車両100の速度が減少したとき、光学センサ5の回転速度を増加させるようにアクチュエータ9に作用するように構成され得る。
【0094】
したがって、光学部品51は、それにダメージを与え得る有機又は無機汚染物質、水、又はこれらの種々の要素の組み合わせ等の飛来し得る汚れから保護される。
【0095】
実際に、光学センサ5の回転中に、存在し得る汚れが受ける遠心力は、光学部品51に対するこの汚れの付着力より大きい。こうして、光学部品51の外面に堆積した存在し得る汚れは振り切られ、光学部品5の視界Vを妨げなくなり、光学部品5はきれいで清潔な状態であり続ける。
【0096】
光学センサ5の視界の維持は、ユーザに「気付かれない」、すなわち、視野の質に影響を与えることがないものであるとともに、環境や気象条件と無関係に、特に光学センサ5が回転する際に、同様の画像品質が維持され得る。
【0097】
更に、光学センサ5を回転させることでその視界を保護する、又は維持することによれば、光学センサ5を回転させずに洗浄液体を吹き付けることで光学センサ5を洗浄することを提案する従来技術による解決策のように、大量の洗浄液体はもう必要とされない。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
【国際調査報告】