(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-508026(P2020-508026A)
(43)【公表日】2020年3月12日
(54)【発明の名称】無線充電パネル、前記パネルを備えているエネルギーを蓄積するためのユニットおよび充電可能な電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/70 20160101AFI20200214BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20200214BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20200214BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20200214BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20200214BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20200214BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20200214BHJP
H01F 5/00 20060101ALI20200214BHJP
H01F 27/36 20060101ALI20200214BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20200214BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20200214BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20200214BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20200214BHJP
【FI】
H02J50/70
H02J50/40
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H05K9/00 R
H01F38/14
H01F27/28 K
H01F27/28 104
H01F5/00 M
H01F27/36 158
B60L53/12
B60L53/30
B60M7/00 X
B60L5/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-538319(P2019-538319)
(86)(22)【出願日】2018年1月16日
(85)【翻訳文提出日】2019年9月12日
(86)【国際出願番号】FR2018050093
(87)【国際公開番号】WO2018134507
(87)【国際公開日】20180726
(31)【優先権主張番号】1750408
(32)【優先日】2017年1月19日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518403447
【氏名又は名称】アンスティテュ ヴェデコム
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キエル, フリートバルト
【テーマコード(参考)】
5E043
5E058
5E321
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5E043AA06
5E043AA08
5E043BA01
5E058CC13
5E058CC15
5E321AA11
5E321AA14
5E321AA17
5E321GG01
5E321GG05
5E321GH10
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503DA04
5G503FA06
5G503GB08
5G503GD03
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC27
5H125FF15
(57)【要約】
パネルは、複数の螺旋の活性要素(11re)を備え、層形状で製造され、活性要素の各々は、螺旋形状の活性の導電性ストリップ(110)を有する活性領域(11AV)を備える。活性領域は、多層タイプであるパネルの第1の面上に形成され、パネルは、少なくとも1つの誘電体層および1つの導電層を備える。活性要素の各々は、活性領域の背面をカバーする磁気遮蔽プレート(112r)を含む。本発明によれば、活性要素の各々は、複数の磁気遮蔽ストランド(112)を備え、複数の磁気遮蔽ストランド(112)は、活性領域の境界となり、磁気遮蔽プレートに接続され、無線充電パネルはまた、磁気遮蔽プレートの後ろに、導電性ストランド(110v)によって活性の導電性ストリップに接続されている接続導電性ストリップ(110r)を含み、活性の導電性ストリップは、活性の導電性ストリップの長さにわたり分布する複数の接続パッド(111A、111B、111)を含み、接続パッドは、それぞれ、導電性ストランドによって接続導電性ストリップに接続されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の螺旋の活性要素(11re)を備える無線充電パネルであって、前記パネル(11RE、20TR)は、積層パネルであり、前記螺旋の活性要素(11re)の各々は、螺旋形状の活性の導電性ストリップ(110)を有する活性領域(11AV)を備え、前記活性領域(11AV)は、誘電体層および導電層を備える多層回路である前記パネルの第1の面上に形成され、前記螺旋の活性要素(11re)の各々は、磁気遮蔽バックプレート(112r)を含み、前記磁気遮蔽バックプレート(112r)は、前記多層回路の第1の内層内に位置し、前記活性領域(11AV)の背面をカバーする、充電パネルにおいて、前記螺旋の活性要素(11re)の各々は、複数の第1の磁気遮蔽ストランド(112)を含み、前記複数の第1の磁気遮蔽ストランド(112)は、前記活性領域(11AV)の境界となり、前記磁気遮蔽バックプレート(112r)に接続されていること、および、前記パネルはまた、他の内層内の前記磁気遮蔽バックプレート(112r)の後ろに、導電性ストランド(110v)によって前記活性の導電性ストリップ(110)に接続されている接続導電性ストリップ(110r)を含み、前記活性の導電性ストリップ(110)は、前記活性の導電性ストリップ(110)の長さにわたり分布する複数の接続パッド(111A、111B、111)を含み、前記接続パッド(111A、111B、111)は、それぞれ、前記導電性ストランド(110v)によって前記接続導電性ストリップ(110r)に接続されていることを特徴とする、充電パネル。
【請求項2】
前記螺旋の活性要素(11re)は、異なる積層平面(P11からP1n)内に配置され、螺旋の活性要素(11re)のいくつかの平面層を形成し、異なる平面層内の前記螺旋の活性要素(11re)は、整列配置されるまたはオフセットされることを特徴とする、請求項1に記載の充電パネル。
【請求項3】
前記螺旋の活性要素(11re)の各々は、複数の第2の磁気遮蔽ストランド(112)を含み、前記複数の第2の磁気遮蔽ストランド(112)は、前記活性領域(11AV)の中央に位置し、前記磁気遮蔽バックプレート(112r)に接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の充電パネル。
【請求項4】
前記磁気遮蔽ストランド(112)は、前記活性領域(11AV)と前記磁気遮蔽バックプレート(112r)との間に延在する高透磁性の材料で充填される開口部によって形成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の充電パネル。
【請求項5】
前記磁気遮蔽バックプレート(112r)および前記磁気遮蔽ストランド(112)は、ミューメタル、パーマロイまたは高透磁性の材料で充填されるエポキシから作られることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電パネル。
【請求項6】
前記導電性ストランド(110v)は、前記接続導電性ストリップ(110r)と前記活性の導電性ストリップ(110)との間に延在する金属で充填される開口部によって形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の充電パネル。
【請求項7】
前記導電性ストリップ(110、110r)および導電性ストランド(110v)は、銅から作られることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の充電パネル。
【請求項8】
前記活性要素(11re)の前記螺旋は、正方形、長方形または六角形の螺旋であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の充電パネル。
【請求項9】
無線再充電可能な蓄電ユニットであって、前記蓄電ユニットは、請求項1から8のいずれか一項に記載の充電パネルを備え、前記パネルは、受信充電パネル(11RE)であることを特徴とする、蓄電ユニット。
【請求項10】
前記蓄電ユニットはまた、電圧整流サブユニット(11RC)、スイッチングサブユニット(11SW)、相互接続サブユニット(11IT)および制御回路(11CD)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の蓄電ユニット。
【請求項11】
前記受信充電パネル(11RE)、電圧整流サブユニット(11RC)、スイッチングサブユニット(11SW)、相互接続サブユニット(11IT)および制御回路(11CD)は、少なくとも3つの積層プレート(P1、P2、P3)内に形成されることを特徴とする、請求項10に記載の蓄電ユニット。
【請求項12】
無線充電可能な電力供給システムであって、前記電力供給システムは、請求項1から8のいずれか一項に記載の無線充電ユニットであって、前記パネルは、送信充電パネル(20TR)である、無線充電ユニットと、請求項9から11のいずれか一項に記載のエネルギー蓄積ユニット(1)と、を備えることを特徴とする、電力供給システム。
【請求項13】
請求項9から11のいずれか一項に記載のエネルギー蓄積ユニット(1)を備えることを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2017年1月19日に出願されたフランスの出願1750408の優先権を主張し、その内容(明細書、図面および請求項)は、本明細書に参照によって組み込まれる。
【0002】
本発明は、より一般的には、電気バッテリのための無線充電の分野に関するものである。より詳しくは、本発明は、電気牽引を有する搬送車両のための充電バッテリに関するものである。本発明は、積層形に作られた螺旋の活性要素を有する充電パネルに関するものである。本発明はまた、このパネルを備えているエネルギー蓄積ユニットおよび充電可能な電力供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
汚染物質排出のための非常に制限的な基準に支配される運輸業界は、車両の電気化についての本当の技術変化を経験している。汚染物質、例えばCO
2の排出を減少することが必要である。現在の技術では、電気自動車およびハイブリッド車両は、電気モードで走行するとき、電気バッテリの限られたエネルギー蓄積容量のため、不十分な走行距離の自律性の問題に直面する。バッテリの重量、体積および費用は、バッテリの修理可能性と同様に主な制限要因である。バッテリの充電になされる改善は、ユーザ快適性およびマスクされた時間の間の充電の観点から、バッテリの限られた蓄電容量を補償する方法になりうる。
【0004】
近距離または遠距離における無線充電技術は、特に共鳴結合モードにおいて、興味深い性能を提供し、車両のバッテリを再充電するためのケーブルおよび電源ソケットが必要ないという利点を有する。近距離では、数十kHzから数MHzの範囲の周波数を用いることができる。数百MHzから数GHzの範囲の周波数は、遠距離において関連する。
【0005】
無線充電技術は、ユーザが、客観的危険性を時々示しうる電気操作を行うのを防ぐ。
【0006】
さらに、無線充電は、インダクタを組み込む車道上を車両が走行している際の運転モードにおいて考慮可能であり、このことは、ユーザにとって完全に透明である充電に関する車両の自律性を拡張するという利点を有する。
【0007】
米国特許出願公開第20080067874(A1)号から、いくつかの基本的な平面螺旋の要素を関連付け、インダクタパネルを印刷回路基板上に形成することが知られている。提案されたデバイスは、空間最適化を可能にするとともに小型化を促進する正方形の螺旋を含む。携帯電話のような小さい電子装置を充電するために提供されるこのデバイスは、誘導によって、輸送分野において必要な高い電力に十分に適していないように見える。
【0008】
米国特許出願公開第2012086394(A1)号は、米国特許出願公開第20080067874(A1)号のデバイスに類似した、携帯電話のような小さい装置を電気的に充電することを意図する誘導タイプのバッテリ充電デバイスを記載する。記載されたデバイスは、複数の螺旋アンテナによって形成される送信充電パネルを備え、充電される装置が送信充電パネル上に配置される。エネルギー転送は、イメージング充電パネルの螺旋アンテナと充電される装置に組み込まれる充電コイルとの間の誘導結合によって行われる。文献米国特許出願公開第2012086394(A1)号はまた、充電されるデバイスが配線接続によって接続可能な誘導結合回路を備える受信充電モジュールを開示する。米国特許出願公開第2012086394(A1)号に記載されている解決法は、満足なエネルギー転送性能に至らず、輸送分野において必要な電気充電電力レベルに適していない。
【0009】
米国特許出願公開第2009096413(A1)号は、可変電力の誘導充電システムを記載する。このシステムでは、インダクタパネルの螺旋の要素は、個々に起動可能である。システムは、充電される異なるデバイスおよび異なる電力のために、システム自体を自動的に構成し、充電されるデバイスが配置される充電プレートの形を想定する。
【0010】
WO2010001339A2から、モノリシック技術を用いてシリコン内に組み込まれる高インダクタンスの平面コイルが公知である。特別な材料から作られる前面および背面の遮蔽を用いて得られたこのコイルの高インダクタンスは、コイルの体積の著しい減少を可能にし、コイルのモノリシック集積化を容易にする。完全な磁気遮蔽を備えているこの種のコイルは、充電パネルが送信タイプか受信タイプかにかかわらず、誘導結合を有する充電パネルに組み込まれるように設計されていない。
【0011】
無線充電は、輸送分野における大規模な配備のための技術的進歩を必要とする。実際、この技術は、電気抵抗、電気的絶縁、磁気遮蔽および機械的耐久性に関する性能の向上を達成するために最適化されなければならない。さらに、提案された構造および類型は、自動車産業の大量生産および非常に制限的な費用に対応しなければならない。
【発明の概要】
【0012】
第1の態様によれば、本発明は、複数の螺旋の活性要素を備える無線充電パネルに関するものであり、パネルは、積層パネルであり、螺旋の活性要素の各々は、螺旋形状の活性の導電性ストリップを有する活性領域を備え、活性領域は、誘電体層および導電層を備える多層回路であるパネルの第1の面上に形成され、螺旋の活性要素の各々は、磁気遮蔽バックプレートを含み、磁気遮蔽バックプレートは、多層回路の第1の内層内に位置し、活性領域の背面をカバーする。本発明によれば、無線充電パネルの螺旋の活性要素の各々は、複数の第1の磁気遮蔽ストランドを含み、複数の第1の磁気遮蔽ストランドは、活性領域の境界となり、磁気遮蔽バックプレートに接続され、無線充電パネルはまた、他の内層内の磁気遮蔽バックプレートの後ろに、導電性ストランドによって活性の導電性ストリップに接続されている接続導電性ストリップを含み、活性の導電性ストリップは、活性の導電性ストリップの長さにわたり分布する複数の接続パッドを含み、接続パッドは、それぞれ、導電性ストランドによって接続導電性ストリップに接続されている。
【0013】
1つの特定の実施形態によれば、螺旋の活性要素は、異なる積層平面内に配置され、螺旋の活性要素のいくつかの平面層を形成し、異なる平面層内の螺旋の活性要素は、整列配置されるまたはオフセットされる。
【0014】
1つの特定の特徴によれば、螺旋の活性要素は、異なる積層平面内に配置され、螺旋の活性要素のいくつかの平面層を形成し、異なる平面層内の螺旋の活性要素は、整列配置されるまたはオフセットされる。
【0015】
他の特定の特徴によれば、螺旋の活性要素の各々は、複数の第2の磁気遮蔽ストランドを含み、複数の第2の磁気遮蔽ストランドは、活性領域の中央に位置し、磁気遮蔽バックプレートに接続されている。
【0016】
さらに他の特定の特徴によれば、磁気遮蔽ストランドは、活性領域と磁気遮蔽バックプレートとの間に延在する高透磁性の材料で充填される開口部によって形成される。
【0017】
他の特定の特徴によれば、磁気遮蔽バックプレートおよび磁気遮蔽ストランドは、ミューメタル、パーマロイまたは高透磁性の材料で充填されるエポキシから作られる。
【0018】
さらに他の特定の特徴によれば、導電性ストランドは、接続導電性ストリップと活性の導電性ストリップとの間に延在する金属で充填される開口部によって形成される。
【0019】
さらに他の特定の特徴によれば、導電性ストリップおよび導電性ストランドは、銅から作られる。
【0020】
さらに他の特定の特徴によれば、活性要素の螺旋は、正方形、長方形または六角形の螺旋である。
【0021】
他の態様によれば、本発明はまた、無線再充電可能な蓄電ユニットに関するものであり、ユニットは、簡潔に上述したような充電パネルを備え、パネルは、受信充電パネルである。
【0022】
1つの特定の特徴によれば、蓄電ユニットはまた、電圧整流サブユニット、スイッチングサブユニット、相互接続サブユニットおよび制御回路を備える。これらのサブユニットの組み合わせがエネルギー分散スマートマイクログリッドを形成する点に留意されたい。
【0023】
他の特定の特徴によれば、受信充電パネル、電圧整流サブユニット、スイッチングサブユニット、相互接続サブユニットおよび制御回路は、少なくとも3つの積層プレート内に形成される。
【0024】
さらに他の態様によれば、本発明はまた、無線充電可能な電力供給システムに関するものである。本発明によれば、システムは、簡潔に上述したような充電パネルを備えている無線充電ユニットであって、パネルは、送信充電パネルである、無線充電ユニットと、簡潔に上述したエネルギー蓄積ユニットと、を備える。
【0025】
本発明はまた、簡潔に上述したようなエネルギー蓄積ユニットを備える車両に関するものである。
【0026】
本発明の他の利点および特徴は、本発明の他の特定の実施形態の以下の詳細な説明を、添付の図面を参照しながら読むと、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による無線充電可能な電力供給システムのブロック図である。
【
図2】本発明による無線充電可能な蓄電ユニットの外観の斜視図である。
【
図3】本発明による受信無線充電パネルを備える電子充電デバイスの外観の斜視図である。
【
図4】
図3のパネル内に含まれる螺旋の活性要素の活性領域を示す平面図である。
【
図6】受信側の螺旋の活性要素および送信側の螺旋の活性要素の結合関係を示す断面図である。
【
図7】無線再充電可能な蓄電ユニットを備えている自動車を示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一般的に、本発明による螺旋の活性要素を有する充電パネルを製造するために、十分に習得された印刷回路基板を製造するための技術が用いられる。それゆえ、銅張積層板(CCL)、積層された可撓性または剛性のプレート、典型的には銅から作られる箔または薄い金属プレート、エポキシタイプの樹脂および接着剤が予備含浸された誘電体を用いることができる。積層、フォトリソグラフィ、スクリーン印刷、自己触媒的な堆積、電着、機械またはレーザー穿孔およびパンチングを備える技術の組み合わせを用いることができる。
【0029】
図1から
図3には、本発明による無線充電可能な電力供給システムの1つの特定の実施形態PSの一般的構造および動作が最初に記載されている。
【0030】
図1に示すように、本発明による電力供給システムPSは、無線充電可能なエネルギー蓄積ユニット1および無線充電ユニット2を備える。
【0031】
充電可能なエネルギー蓄積ユニット1は、電子充電デバイス11を備えている電気バッテリブロック10を含む。有利には、
図2に示すように、蓄電ユニット1は、小型な形にすることができ、蓄電ユニット1の下部においてバッテリブロック10内に組み込まれる充電デバイス11を有する。好ましくは、蓄電ユニット1は、修理およびリサイクルを容易にするために別々にされる。
【0032】
図1に示すように、バッテリブロック10は、典型的にはリチウムイオンタイプの複数の基本的な蓄電池100から構成され、用途に応じて、異なる電気相互接続構成を想定することができる。典型的には、N個の基本的な蓄電池またはセル100
1から100
Nは、直列に取り付けられ、定格電圧が好ましくは安全性の理由で48V未満のままである基本的なバッテリを得る。いくつかの基本的なバッテリ10A、10B、・・・は、並列または直列に取り付けられ、所望の電力または電圧を得ることができる。
図1の例は、並列に取り付けられた2つの基本的なバッテリ10Aおよび10Bを含む。
【0033】
バッテリブロック10に関連付けられた充電デバイス11は、受信充電パネル11RE、電圧整流サブユニット11RC、スイッチングサブユニット11SW、相互接続サブユニット11ITおよび制御回路11CDを備える。
【0034】
受信充電パネル11REは、
図4を参照して以下で詳述される複数の基本的な螺旋の活性要素11re
1から11re
Mを備える。
【0035】
電圧整流サブユニット11RCは、複数の基本的な螺旋の活性要素11re
1から11re
Mにそれぞれ接続されている複数の整流回路11rc
1から11rc
Mを備える。整流回路11rcは、電力供給システムPSの送信周波数に同調する共振回路である。
【0036】
図1に簡略化された方法で示すように、整流回路11rcの各々は、例えばダイオードまたは同期整流器を有する整流器REおよび制御回路11CDとのインタフェースITを備える。インタフェースITは、通信リンクB1を介して制御回路11CDに接続される。インタフェースITによって、整流回路11rcは、制御回路11CDに、システムの動作に必要な情報を提供することができ、さらに制御回路11CDによって、整流回路11rcを起動するように命令することができる。典型的には、インタフェースITは、制御回路11CDに、インタフェースITが関連付けられる整流回路11rcの動作状態、代替エネルギー信号の受信または未受信、および、受信エネルギーレベルを知らせることができる。このように、制御回路11CDは、整流回路11rcの利用可能性または潜在的障害を知らされ、採用されたスマート充電戦略に有用な動作回路11rcのみを起動させる。目的は、もちろん、「スタンバイ状態/アクティブ状態」のタイプの動作を備えるシステムの電力消費を最小化することである。
【0037】
スイッチングサブユニット11SWは、典型的には、例えばMOSFETタイプのスイッチングトランジスタから作られる。スイッチングサブユニット11SWは、整流回路11rcがバッテリブロック10の基本的な蓄電池100にスイッチング電気接続されるのを可能にするように機能する。スイッチングサブユニット11SWは、基本的な蓄電池100の各々に接続され、基本的な蓄電池100の各々の最適化された個々の充電を可能にする。スイッチングサブユニット11SWは、制御回路11CDに通信リンクB2によって接続され、そのスイッチングは、制御回路11CDによって制御される。制御回路11CDに基本的な蓄電池100の各々の端子間の電圧を提供するための手段(図示せず)が、スイッチングサブユニット11SW内に提供される点に留意されたい。制御回路11CDに供給される電圧は、制御回路11CDに基本的な蓄電池100の各々の充電状態を知らせる。
【0038】
スイッチングサブユニット11SWは、制御回路11CDによって、基本的な蓄電池100上の整流回路11rcの所望の電気接続構成を得るように命令される。この電気接続構成は、制御回路11CDが有する蓄電池の充電状態についての情報および整流回路11rcによる代替エネルギー信号の受信についての情報ならびに充電戦略に基づいて、制御回路11CDによって決定される。
【0039】
相互接続サブアセンブリ11ITは、用途およびバッテリブロック10の内部接続構成に応じて異なる形をとる。本発明のシステムについて本明細書に記載されている実施形態1は、基本的な蓄電池100の各々への個々の接続を含む。他の実施形態では、基本的な蓄電池100は、制御回路11CDによって個々に管理されず、グループで集合的に管理され、相互接続サブユニット11ITは、同じグループの異なる基本的な蓄電池100が接続されるバスバーを備える。
【0040】
制御回路11CDは、典型的には、処理ユニットを備えるマイクロプロセッサ制御装置、作業および記憶メモリならびに入出力インタフェースによって形成される。入出力インタフェースは、通信リンクB1/B2に接続されるとともに、例えば、蓄電ユニット1を備えている車両のADCバスで通信リンクB3に接続されている。
【0041】
図1に示すように、無線充電ユニット2は、送信充電パネル20TRおよび電力供給サブユニット21を備える。電力供給サブユニット21は、パネル20TRに周波数IFを有する交流供給電圧を供給する。送信充電パネル20TRは、受信充電パネル11REと類似の構造を有し、複数の基本的な螺旋の活性要素20tr
1から20tr
Kを備える。
【0042】
この実施形態では、電力供給サブユニット21は、主要ネットワークと呼ばれる配電ネットワークREEに接続されている。自動車への適用の前後関係において、配電ネットワークREEは、好ましくは地面に埋設される。電力供給サブユニット21は、走行面と同一平面に設置される。駐車された車両用の充電設備の場合、無線充電ユニット2は、リフト上に取り付けられ、送信充電パネル20TRおよび受信充電パネル11REをより良く結合し、エネルギー転送の性能を最大化することができる。
【0043】
この実施形態では電力供給サブユニット21は、AC/DC整流デバイス(図示せず)およびそれぞれ、周波数IFで複数の基本的な螺旋の活性要素20tr
1から20tr
Kに供給する複数のDC/ACコンバータ(図示せず)を含む。送信充電パネル20TRより上のエネルギー蓄積ユニット1の有無を検出するための手段は、命令指示に基づき無線充電ユニット2によりエネルギーを転送するための起動手段と同様に提供される。エネルギー転送は、完全に自動化することができ、安全条件の確認を含む。
【0044】
図2に、本発明によるエネルギー蓄積ユニット1の簡略化された外観図が示される。この図に示すように、電子充電デバイス11は、バッテリブロック10の下面上に取り付けられている。バッテリブロック10は、典型的には、100cm×200cm×20cmの寸法を有する。電力端子12および電気コネクタ13は、バッテリブロック10の他の面上に存在する。電力端子12により、ユニット1は、第2のネットワークと呼ばれるDC電力ネットワークに接続可能になる。電気コネクタ13により、自動車への適用の場合、電子充電デバイス11は、例えばADCタイプのデジタル制御ネットワークおよび車両の低電圧ネットワークに接続可能になる。
【0045】
図3もまた参照すると、この実施形態では、電子充電デバイス11は、いくつかの印刷回路プレートP1、P2およびP3の積層の形で作られる。
【0046】
もちろん他の実施形態では、4枚以上の積層プレートとすることができる。さらに、プレートは、必ずしも印刷回路基板の形で作られているわけではなく、積層を用いた関連技術によって得ることができる。
【0047】
プレートP1、P2およびP3は、ここでは長方形であり、すべては、典型的には200cm×100cmの寸法を有し、
図2に示すように、バッテリブロック10の下面の寸法と等しい。プレートP1、P2およびP3は、それぞれ、典型的には、1mm、4mmおよび3mmの厚さを有する。
【0048】
プレートP1は、第1の相互接続層内の受信充電パネル11REを含む。この実施形態では、
図3のパネル11REは、8つの螺旋の活性要素11reを20行備える。
【0049】
性能レベルの増加を可能にする他の特定の実施形態では、プレートP1は、螺旋の活性要素11reのいくつかの平面層P1
1からP1
nを備える。ここで、螺旋の活性要素は、異なる積層平面内で分布し、用途に応じて、連続した平面層P
n−1、P
n間で整列配置されるまたはオフセットされる。
【0050】
プレートP2は、第2の相互接続層、電圧整流サブユニット11RCおよび制御回路11CDを含む。
【0051】
プレートP3は、スイッチングサブユニット11SWおよび相互接続アセンブリ11ITを含む。
【0052】
図4および
図5を参照して、以下、受信充電パネル11REの螺旋の活性要素11reの類型を説明する。
【0053】
送信充電パネル20TRの螺旋の活性要素20trの一般的な類型が螺旋の活性要素11reの類型に類似している点に留意されたい。しかしながら、螺旋の活性要素11reおよび20tr間の変換比率は、要素のターンのそれぞれの数の比率に等しく、本発明によるシステムに強制されておらず、バッテリブロック10および主要な配電ネットワークREEの充電戦略への適合のために選択可能である。
【0054】
図4および
図5に示すように、螺旋の活性要素11reは、多層印刷回路基板の形で作られ、正方形の螺旋に作られた活性の導電性ストリップ110、複数の接続パッド111A、111B、111、複数の磁気遮蔽ストランド112、埋設された磁気遮蔽バックプレート112rおよびストランド110vおよび接続導電性ストリップ110rを基本的に備える。
【0055】
印刷回路基板は、繊維ガラス素材によって強化されるエポキシタイプの樹脂基板上の従来のタイプ、例えばFR4である。
【0056】
この実施形態によれば、活性要素11reの螺旋は、正方形の螺旋である。他の実施形態によれば、活性要素11reの螺旋は、長方形または六角形の螺旋である。典型的には、活性要素11reは、5cm×5cmの正方形の形状の寸法、または、5cm×10cmの長方形の形状の寸法を有する。
【0057】
導電性ストリップ110は、銅から作られ、螺旋の活性要素11reの活性前面領域11AV上に作られる。
【0058】
図4に示すように、接続パッド111は、導電性ストリップ110の長さにわたり、螺旋の2つの端の2つの端接続パッド111Aと111Bとの間に分布する。これらの異なる接続パッドにより、螺旋の活性要素11reのターンの数の選択が可能になる。各接続パッド111A、111B、111は、銅で充填された開口部によって形成される接続導電性ストランド110vによって、それぞれの埋設された接続ストリップ110rに接続されている。
【0059】
ストランド112およびプレート112rを構成する磁気遮蔽材料は、高透磁性を有する。典型的には、この磁気遮蔽材料は、ミューメタル、パーマロイまたは高透磁性の材料で充填されたエポキシである。ストランド112は、すべて、埋設された磁気遮蔽バックプレート112rに接続されている。埋設されたプレート112rは、螺旋導電性ストリップ110と埋設された接続ストリップ110rとの間の中間の内層に位置し、活性要素11reの背面の遮蔽を形成する。ストランド112は、埋設されたプレート112rと活性領域11AVとの間の高透磁性を有する材料で充填された開口部によって形成される。
【0060】
第1のストランド112は、螺旋の活性要素11reの周辺部上で正方形に分布する。第2のストランド112は、螺旋の中央に整列配置され、位置する。
【0061】
図5に明らかに示されるように、ストランド112および埋設されたプレート112rは、高透磁性の遮蔽を形成し、高透磁性の遮蔽は、磁場線を螺旋の活性要素11reの活性前面領域11AVの方に向ける。
【0062】
図6は、送信側の螺旋の活性要素20trとの最適磁気結合関係の受信側の螺旋の活性要素11reを示す。要素11reおよび20trは、より近接に接合され、要素11reおよび20trの活性の導電性ストリップは、互いに完全に対向して位置決めされる。この種の構成では、エネルギー伝送は、2つの要素間で最大である。
【0063】
図7に示すように、自動車3への適用では、エネルギー蓄積ユニット1は、好ましくは、車両の床30内に設置され、電子充電デバイス11および受信充電パネル11REは、地面の方に配向される。無線充電ユニット2は、地面内に配置され、または、車両の車道内に配置され、配電ネットワークREEによって給電され、所定の条件が満たされるときエネルギーをユニット1へ転送することができる。また、
図7に示されるように、ユニット1は、ユニット1の電力端子12を介して車両の電気牽引ネットワークRETに接続され、ユニット1のコネクタ13を介して車両のADCバスに接続されている。車両のバッテリ管理システム31は、ADCバスを介してユニット1の命令回路11CDと通信し、ユニット1の管理に参加する。
【0064】
本発明は、本明細書に一例として記載されてきた特定の実施形態に限定されない。当業者は、本発明の用途に応じて、添付の特許請求の範囲に該当するさまざまな変化および変形を提供することができる。
【国際調査報告】