【実施例】
【0143】
全般的な実験の詳細
言及される全ての温度は℃におけるものである。
【0144】
本明細書中で用いられる、これらの方法、スキーム及び実施例において使用される記号及び慣習は、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Societyにおいて使用される記号及び慣習と一致する。特記しない限り、全ての出発材料は商業的供給業者から入手し、さらに精製することなく使用した。具体的には、以下の略語が、実施例中で及び明細書を通じて使用され得る。
【0145】
【表1】
【0146】
以下の化合物の名称は、化合物命名プログラム「ACD Name Pro 6.02」を使用するか、又はChemDraw Ultra 12.0の命名機能を使用して得られた。
【0147】
LCMS法
ギ酸法
LC条件
UPLC分析は、Acquity UPLC CSH C18カラム(50mm×内径2.1mm、充填直径1.7μm)上で、40℃にて行った。
利用した溶媒は以下のとおりであった:
A=水中0.1(v/v)%ギ酸溶液
B=アセトニトリル中0.1(v/v)%ギ酸溶液
【0148】
利用した勾配は以下のとおりであった:
【0149】
【表2】
【0150】
UV検出は、210nm〜350nmの波長からの合計シグナルであった。
MS条件
MS :Waters ZQ
イオン化方式 :交互走査陽及び陰エレクトロスプレー
走査範囲 :100〜1000AMU
走査時間 :0.27秒
走査間遅延 :0.10秒
【0151】
高pH法
LC条件
UPLC分析は、Acquity UPLC CSH C18カラム(50mm×内径2.1mm、充填直径1.7μm)上で、40℃にて行った。
利用した溶媒は以下のとおりであった:
A=アンモニア溶液でpH10に調整された水中10mM炭酸水素アンモニウム
B=アセトニトリル
利用した勾配は以下のとおりであった:
【0152】
【表3】
【0153】
UV検出は、210nm〜350nmの波長からの合計シグナルであった。
MS条件
MS :Waters ZQ
イオン化方式 :交互走査陽及び陰エレクトロスプレー
走査範囲 :100〜1000AMU
走査時間 :0.27秒
走査間遅延 :0.10秒
【0154】
TFA法
LC条件
UPLC分析は、Acquity UPLC CSH C18カラム(50mm×内径2.1mm、充填直径1.7μm)上で、40℃にて行った。
利用した溶媒は以下のとおりであった:
A=水中0.1(v/v)%トリフルオロ酢酸溶液
B=アセトニトリル中0.1(v/v)%トリフルオロ酢酸溶液
利用した勾配は以下のとおりであった:
【0155】
【表4】
【0156】
UV検出は、210nm〜350nmの波長からの合計シグナルであった。
MS条件
MS :Waters ZQ
イオン化方式 :交互走査陽及び陰エレクトロスプレー
走査範囲 :100〜1000AMU
走査時間 :0.27秒
走査間遅延 :0.10秒
【0157】
一般的なMDAP精製法
以下に、化合物精製において使用されているか、又は使用され得る質量分析計直結自動分取クロマトグラフィー(mass-directed autopreparative chromatography)(MDAP)法の例を挙げる。
【0158】
MDAP(高pH法)。HPLC分析は、アンモニア溶液でpH10に調整された水中10mM重炭酸アンモニウム(溶媒A)及びアセトニトリル(溶媒B)で、0〜100%溶媒Bの溶出勾配を用いて15分間又は25分間かけて溶出するXselect CSH C18カラム(150mm×内径30mm、充填直径5μm)上で、周囲温度にて行った。
【0159】
UV検出は、210nm〜350nmの波長からの平均シグナルであった。質量スペクトルは、交互走査陽及び陰エレクトロスプレーを使用して、Waters ZQ Mass Spectrometerに記録した。イオン化データは最も近い整数に丸めた。
【0160】
MDAP(ギ酸法)。HPLC分析は、水中0.1%ギ酸(溶媒A)及びアセトニトリル中0.1%ギ酸(溶媒B)で、0〜100%溶媒Bの溶出勾配を用いて15分間又は25分間かけて溶出するXselect CSH C18カラム(150mm×内径30mm、充填直径5μm)上で、周囲温度にて行った。
【0161】
UV検出は、210nm〜350nmの波長からの平均シグナルであった。質量スペクトルは、交互走査陽及び陰エレクトロスプレーを使用して、Waters ZQ Mass Spectrometerに記録した。イオン化データは最も近い整数に丸めた。
【0162】
MDAP(TFA法)。HPLC分析は、水中0.1(v/v)%トリフルオロ酢酸溶液(溶媒A)及びアセトニトリル中0.1(v/v)%トリフルオロ酢酸溶液(溶媒B)で、0〜100%溶媒Bの溶出勾配を用いて15分間又は25分間かけて溶出するXselect CSH C18カラム(150mm×内径30mm、充填直径5μm)上で、周囲温度にて行った。
【0163】
UV検出は、210nm〜350nmの波長からの平均シグナルであった。質量スペクトルは、交互走査陽及び陰エレクトロスプレーを使用して、Waters ZQ Mass Spectrometerに記録した。イオン化データは最も近い整数に丸めた。
【0164】
NMR
スペクトルは、400MHz NMR装置又は600MHz NMR装置上のいずれかで、302K又はVTスペクトルについては392〜393Kのいずれかにて実行した。
【0165】
中間体1:tert-ブチル2-クロロ-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0166】
【化7】
【0167】
2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(40.7g、64.0mmol)を、室温の4-(tert-ブトキシカルボニル)-6-クロロピコリン酸(15g、58.2mmol、例えばAnichemから市販されているもの)及びEt
3N(16.23mL、116mmol)のDCM(100mL)中溶液に添加し、次いで混合物を20分間撹拌した後、メタンアミン(THF中2M、38.8mL、78mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌し、その後水(100mL)及び飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いで乾燥させて真空中で蒸発させ、薄黄色ガム状物を得た。これをDCMに溶解させ、340gシリカカラム上にロードし、その後0〜40%EtOAc/シクロヘキサンで溶出し、生成物含有画分を真空中で蒸発させ、tert-ブチル2-クロロ-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(6.9g、25.5mmol、収率43.8%)を薄黄色ガム状物として得、これを静置して結晶化させた。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.16分, [MH]
+ = 271.2.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 8.55 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 7.95 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 7.79 (br. s, 1 H) 3.05 (d, J=4.9 Hz, 3 H) 1.61 (s, 9 H)
【0168】
中間体2:4-tert-ブチル2-エチル6-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,4-ジカルボキシレート
【0169】
【化8】
【0170】
tert-ブチル2-クロロ-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(4.2g、15.51mmol)をDMF(50mL)及びエタノール(50mL)の混合物に溶解させ、次いでトリエチルアミン(4.71g、46.5mmol)及び[(R)-(+)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)クロリド(0.621g、0.78mmol)を添加し、混合物を一酸化炭素でパージし、その後密封して、一酸化炭素で満たされたバルーンを取り付けた。混合物を週末かけて70℃で加熱し、次いで真空中で蒸発させ、残渣を水(100mL)とEtOAc(100mL)とに分配した。有機層を水(100mL)で洗浄し、乾燥させて真空中で蒸発させた。暗褐色残渣を、0〜50%EtOAc/シクロヘキサンで溶出する100gシリカカラム上のクロマトグラフィーにより精製し、4-tert-ブチル2-エチル6-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,4-ジカルボキシレート(4.2g、13.62mmol、収率88%)を薄黄色ガム状物として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.11分, [MH]+ = 309.2.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 8.80 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.67 (d, J=1.7 Hz, 1 H), 8.08 (br. d, J=3.4 Hz, 1 H), 4.50 (q, J=7.1 Hz, 2 H), 3.08 (d, J=5.1 Hz, 3 H), 1.63 (s, 9 H), 1.46 (t, J=7.1 Hz, 3 H)
【0171】
中間体3:tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0172】
【化9】
【0173】
塩化カルシウム(4.54g、40.9mmol)を、0℃の4-tert-ブチル2-エチル6-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,4-ジカルボキシレート(4.2g、13.62mmol)のエタノール(50mL)及び2-MeTHF(50.0mL)の混合物中溶液に添加し、次いでテトラヒドロホウ酸ナトリウム(0.773g、20.43mmol)を添加し、得られた赤色混合物を2時間撹拌し、混合物を室温に温めた。混合物を一晩静置して、その後氷浴中で冷却し、塩化アンモニウム溶液(100mL)を20分間かけてゆっくりと添加した。混合物をEtOAc(2×150mL)で抽出し、次いで有機物を乾燥させて真空中で蒸発させ、残渣を50gシリカカラム上のクロマトグラフィーにより精製し、tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(2.2g、8.26mmol、収率61%)をベージュ色固体として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.84分, [MH]+ = 267.3.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 8.49 - 8.58 (m, 1 H), 7.90 - 8.02 (m, 2 H), 4.87 (s, 2 H), 3.05 (d, J=5.1 Hz, 3 H), 1.61 (s, 9 H).1個の交換可能なプロトンは観察されなかった。
【0174】
中間体4:tert-ブチル2-(クロロメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0175】
【化10】
【0176】
tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(1.5g、5.63mmol)をDCM(5mL)に溶解させ、二塩化硫黄(1.26mL、16.90mmol)を添加し、反応物を室温で4時間撹拌し、次いで混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液の添加によりクエンチし、混合物を20分間撹拌し、その後有機層を分離し、乾燥させて真空中で蒸発させ、tert-ブチル2-(クロロメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(1.35g、4.74mmol、収率84%)を無色固体として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.13分, [MH]+ = 285.2.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 8.59 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 8.11 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 7.95 (br. s., 1 H) 4.72 (s, 2 H) 3.07 (d, J=5.1 Hz, 3 H) 1.62 (s, 9 H)
【0177】
中間体5:tert-ブチル2-ホルミル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0178】
【化11】
【0179】
tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(543mg、2.04mmol)をDCM(5mL)に溶解させた。デス-マーチンペルヨージナン(1009mg、2.38mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウムを反応混合物に添加し、次いでNaHCO
3も添加した。得られた混合物を15分間撹拌した。水相をDCMで3回抽出し、合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させて蒸発させた。粗生成物を、SiO
2上のクロマトグラフィー(Biotage SNAP10g、0〜50%酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出)により精製した。所望の画分を濃縮し、tert-ブチル2-ホルミル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(501mg、1.71mmol、収率84%)を無色油状物として得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.97分, [MH]
+ = 265.3.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 10.14 (s, 1 H), 8.88 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.55 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.00 (br. s., 1 H), 3.12 (d, J=4.9 Hz, 3 H), 1.62 - 1.66 (m, 9 H)
【0180】
中間体6:tert-ブチル2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0181】
【化12】
【0182】
tert-ブチル2-クロロ-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(5g、18.47mmol、例えばAnichemから市販されているもの)及びPdCl
2(PPh
3)
2(1.296g、1.85mmol)をTHF(50mL)に溶解させ、ベンジル亜鉛(II)ブロミド(THF中0.5M、55.4mL、27.7mmol)を添加し、次いで混合物を70℃で2時間加熱した。溶媒を真空中で蒸発させ、残渣を0〜50%EtOAc/シクロヘキサンで溶出する100gシリカカラム上のクロマトグラフィーにより精製し、tert-ブチル2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(5.7g、17.46mmol、収率95%)を暗褐色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.30分, [MH]
+ = 327.3.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.46 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.91 - 8.07 (m, 1 H), 7.78 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.28 - 7.34 (m, 2 H), 7.21 - 7.27 (m, 3 H), 4.21 (s, 2 H) 3.05 (d, J=5.1 Hz, 3 H), 1.58 (s, 9 H)
【0183】
中間体7:2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸
【0184】
【化13】
【0185】
tert-ブチル2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(2.5g、7.66mmol)をDCM(30mL)に溶解させ、次いでTFA(10mL、130mmol)を添加し、混合物を3時間室温で撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させて薄黄色ガム状物を得た。粗物質をDCM(100mL)に溶解させ、水(100mL)で洗浄し、有機層を乾燥させて真空中で蒸発させ、2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(2.0g、7.40mmol、収率97%)を薄黄色固体として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.63分, [MH]
+ = 271.3.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.76 (br. s., 1 H), 8.73 (d, J=4.9 Hz, 1 H), 8.24 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.83 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.34 - 7.39 (m, 2 H), 7.28 - 7.34 (m, 2 H) 7.19 - 7.25 (m, 1 H), 4.26 (s, 2 H), 2.87 (d, J=4.6 Hz, 3 H)
【0186】
中間体8:(+/-)-tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート
【0187】
【化14】
【0188】
tert-ブチル2-クロロ-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(0.5g、1.85mmol)をTHF(20mL)に溶解させ、パラジウムジクロリドビストリフェニルホスフィン(0.130g、0.19mmol)を添加した。溶液を窒素で5分間スパージし、次いで(1-フェニルエチル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.5M、7.39mL、3.69mmol、例えばSigma Aldrichから市販されているもの)を添加し、混合物を70℃で2時間加熱した。溶液をEtOAc(100mL)で希釈して水(100mL)で洗浄し、乾燥させて真空中で蒸発させた。残渣を0〜50%EtOAc/シクロヘキサンで溶出する25gシリカカラム上のクロマトグラフィーにより精製し、生成物含有画分を真空中で蒸発させて、tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート(0.41g、1.20mmol、収率65%)を暗黄色油状物として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.37分, [MH]
+ = 341.3.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 8.45 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.02 (br. s., 1 H), 7.81 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.18 - 7.36 (obs. m, 5 H), 4.38 (q, J=7.3 Hz, 1 H), 3.07 (d, J=5.1 Hz, 3 H), 1.74 (d, J=7.3 Hz, 3 H), 1.59 (s, 9 H)
【0189】
中間体9:(+/-)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸
【0190】
【化15】
【0191】
tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート(0.41g、1.20mmol)をTFA(6mL)に溶解させ、室温で3時間撹拌し、次いで混合物を真空中で蒸発させて、残渣を水(20mL)とDCM(20mL)とに分配した。有機層を乾燥させて真空中で蒸発させ、2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(305mg、1.07mmol、収率89%)を灰色泡状物として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.69分, [MH]
+ = 285.2.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.74 (br. s., 1 H), 8.75 (m, J=4.9 Hz, 1 H), 8.21 (d, J=1.5 Hz, 1 H,) 7.82 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.42 (br. d, J=7.1 Hz, 2 H), 7.30 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 7.16 - 7.23 (m, 1 H), 4.47 (q, J=7.1 Hz, 1 H), 2.89 (d, J=4.9 Hz, 3 H), 1.72 (d, J=7.3 Hz, 3 H)
【0192】
中間体10:(R)-tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート
【0193】
中間体11:(S)-tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート
【0194】
【化16】
【0195】
(+/-)-tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート(7.78g)をキラルHPLCにより精製した。ラセミ体をEtOH(150mL)に溶解させた。注入:1.1mLの溶液を、分取オートサンプラを介してカラム上に注入した(20%EtOH/ヘプタン+0.2%イソプロピルアミン、流速=42.5mL/分、検出波長=280nm、帯域幅140nm、基準400nm帯域幅100nm、カラム30mm×25cm Chiralcel OJ-H)。11.2〜13.7分からの画分をまとめてピーク1と標識した。15.7〜19分からの画分をまとめてピーク2と標識した。まとめた画分を真空中で濃縮し、その後秤量したフラスコに移した。
【0196】
ピーク1に対応する画分を回収し、中間体10(2.84g)が得られた。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.35分, [MH]
+ = 341.3
【0197】
ピーク2に対応する画分を回収し、中間体11(2.80g)が得られた。
LCMS (2分 高pH): Rt = 1.35分, [MH]
+ = 341.3
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.46 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 8.03 (br. s., 1 H), 7.82 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.20 - 7.36 (m, 5 H), 4.39 (q, J=7.2 Hz, 1 H), 3.08 (d, J=5.1 Hz, 3 H), 1.76 (d, J=7.1 Hz, 3 H), 1.60 (s, 9 H)
【0198】
中間体12:(S)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸
【0199】
【化17】
【0200】
(S)-tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート(2.19g、6.43mmol、中間体11)及びトリフルオロ酢酸(10.0mL、130mmol)のDCM(15mL)中混合物を、室温で19時間撹拌した。揮発性物質を混合物から真空中で蒸発させ、油性残渣をアセトニトリル(約10mL)に再溶解し、溶媒を真空中で蒸発させた。この橙色油状残渣にエーテル(約10mL)を添加し、白色固体を沈殿させた。この固体を濾過し、エーテル(2×5mL)で洗浄して真空中で乾燥させ、所望の生成物を白色固体;(S)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(1.18g、4.14mmol、収率64%)として得た。
【0201】
2回目のエーテル洗浄の母液に由来する溶媒を窒素流下で蒸発させ、所望の生成物の第2バッチを白色固体;(S)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(95.6mg、0.336mmol、収率5.23%)として得た。
【0202】
最初の粉砕物と第1エーテル洗浄物とを合わせた母液に由来する溶媒を窒素流下で蒸発させ、得られた橙色粘性油状物をエーテル(5mL)で粉砕した。母液をデカント除去し、固体をさらなるエーテル(3×5mL)で粉砕し、母液を毎回デカントした。この固体を真空中で乾燥させ、所望の生成物の第3バッチをクリーム色固体、収率;(S)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(310.8mg、1.09mmol、収率17%)として得た。
【0203】
上記のバッチの単離から得られた合わせた母液を窒素流下で蒸発させ、得られた橙色半結晶固体をエーテル(3mL)で洗浄した。母液をデカント除去し、固体をさらなるエーテル(3×3mL)で粉砕し、母液を毎回デカントした。この固体を真空中で乾燥させ、所望の生成物の第4バッチをクリーム色固体(100.4mg)として得た。
【0204】
4バッチにわたり合計した、単離された総生成物=1.68g、92%。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 1.00分, [MH]
+ = 285.3
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.81 (br. s., 1 H), 8.80 (q, J=4.5 Hz, 1 H), 8.22 (s, 1 H), 7.83 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.43 (d, J=7.1 Hz, 2 H), 7.27 - 7.34 (m, 2 H), 7.16 - 7.24 (m, 1 H), 4.48 (q, J=7.3 Hz, 1 H), 2.90 (d, J=4.9 Hz, 3 H), 1.73 (d, J=7.3 Hz, 3 H)
【0205】
中間体13:(R)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸
【0206】
【化18】
【0207】
(R)-tert-ブチル2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチネート(497mg、1.46mmol、中間体10)をDCM(5mL)にとり、TFA(0.5mL、6.49mmol)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌したままにした。TFA(0.5mL、6.49mmol)を再度添加し、反応物を50℃で3時間還流させた。さらにTFA(1mL)を反応物に添加し、次いで反応物をさらに2時間撹拌したままにした。反応物を真空中で濃縮した。サンプルをメタノール中に投入し、スルホン酸SPE(SCX、2g)により精製し、メタノールを通して溶出した。適切な画分を合わせ、真空中で蒸発させ、所要の生成物(350mg)を桃色固体として得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.68分, [MH]
+ = 285.2.
【0208】
中間体14:tert-ブチル2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0209】
【化19】
【0210】
2mLマイクロウェーブバイアル中で、tert-ブチル2-(クロロメチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(100mg、0.35mmol)を、1,4-ジオキサン(1mL)及び水(0.5mL)中の(1H-インドール-4-イル)ボロン酸(113mg、0.70mmol)、炭酸カリウム(291mg、2.107mmol)及びPdCl
2(dppf)(51.4mg、0.07mmol)と合わせた。これを120℃で40分間加熱した。この溶液を、EtOAc(10mL)で溶出するceliteに通して濾過し、次いで乾燥させて濃縮した。粗生成物を、SiO
2上のクロマトグラフィー(Biotage SNAP10g、0〜60%酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出)により精製した。所望の画分を濃縮し、tert-ブチル2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(75.4mg、0.17mmol、収率47%)を白色固体として得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 1.20分, [MH]+ = 366.2.
1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.30 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.76 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.31 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.21 (d, J=3.2 Hz, 1 H), 7.03 - 7.11 (m, 1 H), 6.91 (br. d, J=7.1 Hz, 1 H), 6.47 (dd, J=3.2, 0.7 Hz, 1 H), 4.52 (s, 2 H) 2.99 (s, 3 H), 1.54 (s, 9 H).交換可能なプロトンは観察されなかった。
【0211】
中間体15:2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸
【0212】
【化20】
【0213】
tert-ブチル2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(75.4mg、0.17mmol)のDCM(3mL)中溶液に、TFA(0.60mL、7.79mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。さらなるTFA(0.3mL、0.17mmol)を添加し、得られた混合物を3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(184mg、0.15mmol、収率90%、純度約25%)を得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.88分, [MH]+ = 310.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 11.59 - 12.89 (m, 1 H), 11.11 (br. s., 1 H), 8.76 (d, J=4.9 Hz, 1 H), 8.19 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.71 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.21 - 7.39 (m, 2 H), 7.05 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 6.95 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 6.46 - 6.56 (m, 1 H), 4.48 (s, 2 H), 2.88 (d, J=4.9 Hz, 3 H).
【0214】
中間体16:(+/-)-tert-ブチル2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0215】
【化21】
【0216】
0℃のtert-ブチル2-ホルミル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(118mg、0.45mmol)のTHF(1.5mL)中溶液に、フェニルマグネシウムブロミド(THF中1M、2mL、2mmol)を滴下添加した。反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液上に注ぎ、EtOAc(20mL×3)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を、SiO
2上のクロマトグラフィー(Biotage SNAP10g、0〜60%酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出)により精製した。所望の画分を濃縮し、tert-ブチル2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(43mg、0.11mmol、収率24%)を得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 1.09分, [MH]
+ = 343.3.
1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.38 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 8.05 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 7.42 - 7.47 (m, 2 H) 7.22 - 7.36 (m, 3 H) 5.95 (s, 1 H) 2.99 (s, 3 H) 1.60 (s, 9 H).交換可能なプロトンは観察されなかった。
【0217】
中間体17:(+/-)-2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸
【0218】
【化22】
【0219】
tert-ブチル2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(43mg、0.13mmol)のDCM(0.5mL)中溶液に、TFA(0.4mL、5.19mmol)を添加し、反応混合物を2時間撹拌し、その後一晩撹拌した。さらなるTFA(0.4mL、0.13mmol)を添加し、反応混合物を5時間撹拌し、次いで溶媒を除去して2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(47.9mg、0.12mmol、収率93%、純度70%)を得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.74分, [MH]
+ = 287.1.
1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.45 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 8.10 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.41 - 7.48 (m, 2 H), 7.21 - 7.38 (m, 3 H), 5.97 (s, 1 H), 2.99 (s, 3 H).交換可能なプロトンは観察されなかった。
【0220】
中間体18:(+/-)-tert-ブチル2-(クロロ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0221】
【化23】
【0222】
0℃のtert-ブチル2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(46mg、0.13mmol)のDCM(4mL)中溶液に、塩化チオニル(30μL、0.41mmol)を滴下添加した。次いで、反応混合物を室温で12時間撹拌した。さらなる塩化チオニル(50μL、0.69mmol)を添加し、得られた混合物を5時間撹拌し、その後真空中で濃縮して、tert-ブチル2-(クロロ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(54mg)を得、これを精製することなく後続の反応で使用した。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 1.33分, [MH]
+ = 361.1
【0223】
中間体19:(+/-)-tert-ブチル2-(メトキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート
【0224】
【化24】
【0225】
tert-ブチル2-(クロロ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(54mg、0.15mmol)のメタノール(5mL)中溶液を、週末かけて撹拌した。次いで、反応混合物を、還流下で最初に1時間加熱し、その後4時間加熱し、最後に一晩加熱した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(SNAP10gカートリッジ、溶出液:0〜50%酢酸エチル/シクロヘキサン)により精製した。所望の画分を合わせて真空中で濃縮し、tert-ブチル2-(メトキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(33mg、0.08mmol、収率56%)を無色油状物として得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 1.26分, [MH]
+ = 357.2.
1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.38 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.10 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.44 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.30 - 7.38 (m, 2 H) 7.23 - 7.30 (m, 1 H), 5.54 (s, 1 H), 3.44 (s, 3 H), 2.98 (s, 3 H), 1.61 (s, 9 H).交換可能なプロトンは観察されなかった。
【0226】
中間体20:(+/-)-2-(メトキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸
【0227】
【化25】
【0228】
tert-ブチル2-(メトキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチネート(33mg、0.09mmol)のDCM(1mL)中溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(0.5mL、6.49mmol)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。次いで、これを水で洗浄し、DCMで3回抽出し、その後これを乾燥させた。溶媒を真空中で除去し、2-(メトキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(44.9mg、0.09mmol、収率97%、純度約60%)を得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.91分, [MH]
+ = 301.1
1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.45 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 8.17 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.98 (br. s, 1 H), 7.42 - 7.49 (m, 2 H), 7.31 - 7.38 (m, 2 H), 7.27 (m, J=7.3 Hz, 1 H), 5.55 (s, 1 H) 3.45 (s, 3 H), 2.99 (d, J=3.2 Hz, 3 H).1個の交換可能なプロトンは観察されなかった。
【0229】
[実施例]
[実施例1]
6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-プロピルピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0230】
【化26】
【0231】
2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(50mg、0.19mmol)、HATU(105mg、0.28mmol)、DIPEA(0.1mL、0.57mmol)、プロパン-1-アミン(0.03mL、0.37mmol)及びDMF(1mL)を、室温でN
2下に撹拌した。45分間撹拌後、溶液を濃縮し、橙色油状物(250mg)を得た。これを、SiO
2上のクロマトグラフィー(Biotage SNAP25gカートリッジ、30〜100%酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出)により精製した。適切な画分を濃縮し、6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-プロピルピリジン-2,4-ジカルボキサミド(28mg、0.081mmol、収率44%)を無色油状物として得た。LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.98分, [MH]+ = 312.0.
【0232】
以下の実施例を、中間体7、2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸及び適切な市販されているアミンモノマーから、実施例1と同様の方法で調製し、列挙した実施例を提供した。
【0233】
実施例
【0234】
【表5】
【0235】
[実施例6]
(+/-)-N
4-(2-ヒドロキシエチル)-N
2-メチル-6-(1-フェニルエチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0236】
【化27】
【0237】
2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(50mg、0.18mmol)をDMF(2mL)にとり、DIPEA(0.092mL、0.53mmol)を添加し、直後にHATU(100mg、0.26mmol)を添加し、反応物を室温で10分間撹拌したままにした。2-アミノエタノール(0.011mL、0.18mmol)を添加し、反応物をさらに1時間撹拌したままにした。混合物を真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解させた後、重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(10mL)で洗浄した。次いで、合わせた有機層を、ブライン(10mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、疎水性フリットに通して濾過した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。粗生成物を1:1のMeOH:DMSO(0.8mL)に溶解し、MDAP(高pH法)により精製した。MDAPでは生成物の回収に失敗し、代わりに生成物は廃溶媒を用いて回収した。廃物質を真空中で蒸発させた。粗生成物をDMSO及び1:1のDMSO:MeOH(0.3mL)に溶解し、MDAP(高pH法)により精製した。溶媒を真空中で蒸発させ、表題化合物(5.9mg)を得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.87分, [MH]+ = 328.2.
【0238】
[実施例11]
6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0239】
【化28】
【0240】
1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミン塩酸塩(33.0mg、0.25mmol)、HATU(92.mg、0.24mmol)及びDIPEA(0.100mL、0.57mmol)のDMF(1mL)中混合物に、2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(50.9mg、0.19mmol)を添加した。この混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を窒素流下で蒸発させ、得られた粘性の暗褐色固体をDMSO(2mL)に再溶解し、MDAP(2×1mL注入、高pH法)により直接精製した。所要の画分(両稼働について画分1)を窒素流下で蒸発させ、メタノール(約2mL)及びジクロロメタン(約2mL)に再溶解し、合わせた。この溶液を窒素流下で蒸発させ、残渣を真空中で乾燥させて、薄桃色のガラス状固体として所望の生成物の6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(51.9mg、0.15mmol、収率79%)を得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.91分, [MH]+ = 350.3.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.89 (s, 1 H) 8.78 (br. q, J=4.6, 4.6, 4.6 Hz, 1 H), 8.39 (s, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.90 (d, J=0.7 Hz, 1 H), 7.59 (s, 1 H) 7.38 (br. d, J=6.8 Hz, 2 H), 7.32 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 7.22 (br. t, J=7.3, 7.3 Hz, 1 H), 4.25 (s, 2 H) 3.82 (s, 3 H), 2.88 (d, J=4.9 Hz, 3 H)
【0241】
[実施例12]
6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0242】
【化29】
【0243】
2-ベンジル-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(251.8mg、0.93mmol)及びHATU(565.5mg、1.49mmol)の混合物に、1H-ピラゾール-4-アミン塩酸塩(166.0mg、1.39mmol)及びDMF(4mL)を添加した。DIPEA(0.570mL、3.26mmol)を添加し、混合物を室温で3.5時間撹拌した。この混合物を窒素流下で濃縮し、次いでアセトニトリルで総体積5mLに希釈し、MDAP(5×1mL注入、高pH法)により直接精製し、所要の画分(各稼働からの画分1)を窒素流下で蒸発させた。残渣をメタノール(約5mL)にそれぞれ再溶解し、風袋したバイアルにて合わせ、溶媒を窒素流下で蒸発させて、薄黄色固体の6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(198.9mg、0.59mmol、収率64%)を得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.85分, [MH]+ = 336.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.71 (br. s., 1 H), 10.88 (s, 1 H), 8.78 (q, J=4.5 Hz, 1 H), 8.40 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.02 (br. s., 1 H), 7.90 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.70 (br. s., 1 H), 7.36 - 7.41 (m, 2 H), 7.29 - 7.36 (m, 2 H), 7.19 - 7.26 (m, 1 H), 4.25 (s, 2 H), 2.88 (d, J=4.9 Hz, 3 H)
【0244】
[実施例80]
6-ベンジル-N
4-(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル)-N
2-メチルピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0245】
【化30】
【0246】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、14.9mg、0.37mmol)及び6-ベンジル-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(58.9mg、0.18mmol)を含有する密封したマイクロウェーブバイアルに、DMF(1mL)を添加した。混合物を窒素雰囲気下で室温にて30分間撹拌した後、2,2-ジメチルオキシラン(0.019mL、0.21mmol)を添加し、混合物を室温で35分間撹拌した。マイクロウェーブキャップを新しいものと交換し、混合物をマイクロウェーブ反応器中で60℃にて30分間加熱した。マイクロウェーブキャップを新しいものと交換し、混合物をマイクロウェーブ反応器中で80℃にて30分間加熱した。メタノール(0.5mL)を添加して反応をクエンチし、得られた橙色溶液をMDAP(2×1mL注入、ギ酸法)により直接精製した。所要の画分(各稼働からの画分1)を窒素流下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(約10mL)に溶解し、合わせて、風袋したバイアルに移した後、溶媒を窒素流下で蒸発させて真空中で乾燥させ、無色ガラス状物として所望の生成物の6-ベンジル-N
4-(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル)-N
2-メチルピリジン-2,4-ジカルボキサミド(14.0mg、0.03mmol、収率20%)を得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.89分, [MH]+ = 408.6.
【0247】
[実施例16]
(S)-N
2-メチル-6-(1-フェニルエチル)-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0248】
【化31】
【0249】
(S)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(80.5mg、0.28mmol)及びHATU(172.0mg、0.45mmol)の混合物に、1H-ピラゾール-4-アミン塩酸塩(51.6mg、0.43mmol)及びDMF(1.8mL)を添加した。DIPEA(0.173mL、0.99mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を窒素流下で濃縮し、アセトニトリルで総体積2mLに希釈し、MDAP(2×1mL注入、ギ酸法)により直接精製し、所要の画分(両稼働からの画分1)を合わせて、真空中で蒸発させた。残渣をメタノール(約6mL)に再溶解し、風袋したバイアルに移し、溶媒を窒素流下で蒸発させ、残渣を真空中で乾燥させ、黄色固体として所望の生成物の(S)-N
2-メチル-6-(1-フェニルエチル)-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(87.5mg、0.25mmol、収率88%)を得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.91分, [MH]+ = 350.3.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.87 (s, 1 H) 8.80 (d, J=4.2 Hz, 1 H), 8.38 (s, 1 H) 7.80 - 7.96 (m, 3 H), 7.43 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 7.31 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 7.13 - 7.25 (m, 1 H), 4.45 (q, J=6.6 Hz, 2 H), 2.91 (d, J=3.9 Hz, 3 H), 1.74 (d, J=6.8 Hz, 3 H)
【0250】
以下の実施例を、中間体12、(S)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸及び適切な市販されているアミンモノマーから、実施例16と同様の方法で調製し、列挙した実施例を提供した。
【0251】
実施例
【0252】
【表6】
【0253】
[実施例21]
(R)-N
2-メチル-6-(1-フェニルエチル)-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0254】
【化32】
【0255】
(R)-2-(メチルカルバモイル)-6-(1-フェニルエチル)イソニコチン酸(53.7mg、0.19mmol)、HATU(86.7mg、0.23mmol)及び1H-ピラゾール-4-アミン塩酸塩(28.9mg、0.24mmol)のDMF(1mL)中混合物に、DIPEA(0.132mL、0.76mmol)を添加した。得られた暗灰色溶液を室温で2.75時間撹拌した。反応混合物をDMSO(2mL)で希釈し、MDAP(3mL注入、高pH法)により直接精製した。所要の画分(画分1及び2)を合わせて真空中で蒸発させ、薄黄色固体として所望の生成物の(R)-N
2-メチル-6-(1-フェニルエチル)-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(39.9mg、0.11mmol、収率61%)を得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.92分, [MH]+ = 350.3.
【0256】
[実施例36]
6-((1H-インドール-4-イル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0257】
【化33】
【0258】
2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(30.1mg、0.10mmol)及びHATU(58.5mg、0.15mmol)の混合物に、2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エタンアミン(21.9mg、0.18mmol)のDMF(0.8mL)中溶液、続いてDIPEA(0.050mL、0.29mmol)を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した後、15時間静置したままにした。次いで、混合物を窒素流下で濃縮し、アセトニトリルで総体積1mLに希釈し、MDAP(1×1mL注入、ギ酸法)により直接精製し、所要の画分(画分1)を窒素流下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン(約6mL)及びメタノール(約3mL)に再溶解し、風袋したバイアルに移し、溶媒を窒素流下で蒸発させ、残渣を真空中で乾燥させ、淡褐色固体として所望の生成物の6-((1H-インドール-4-イル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(25.8mg、0.06mmol、収率64%)を得た。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.82分, [MH]+ = 417.4.
【0259】
以下の実施例を、中間体15、2-((1H-インドール-4-イル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸及び適切な市販されているアミンモノマーから、実施例36と同様の方法で調製し、列挙した実施例を提供した。
【0260】
実施例
【0261】
【表7】
【0262】
[実施例45]
(+/-)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0263】
【化34】
【0264】
(±)-2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(48.1mg、0.17mmol)、HATU(94.4mg、0.25mmol)及び1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミン塩酸塩(35.5mg、0.27mmol)のDMF(1.0mL)中溶液に、DIPEA(0.117mL、0.67mmol)を添加した。得られた暗橙色溶液を室温で2時間撹拌し、その後DMSO(2mL)で希釈し、MDAP(3mL注入、高pH法)により直接精製した。所要の画分(画分1及び2)を窒素流下で蒸発させ、メタノール(それぞれ約2mL)及びジクロロメタン(それぞれ約1mL)に再溶解し、合わせた。この溶液を窒素流下で蒸発させ、残渣を真空中で乾燥させて、薄緑色固体として所望の生成物の(±)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(52.4mg、0.14mmol、収率85%)を得た。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.77分, [MH]+ = 366.3.
【0265】
以下の実施例を、中間体17、(±)-2-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸及び適切な市販されているアミンモノマーから、実施例45と同様の方法で調製し、列挙した実施例を提供した。
【0266】
実施例
【0267】
【表8】
【0268】
[実施例49]
(S
*)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0269】
[実施例77]
(R
*)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0270】
【化35】
【0271】
(+/-)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(調製については実施例46を参照のこと)(52mg)を、キラルHPLCにより精製した。ラセミ体をEtOH(2mL)に溶解させた。注入:1mLの溶液を、カラム上に注入した(30%EtOH/ヘプタン、流速=30mL/分、検出波長=215nm、4. Ref 550、100、カラム30mm×25cm Chiralpak IA(5μm)、ロットno. IA11321-01)。注入総数=7。24〜29分からの画分をまとめてピーク1と標識した。29〜37分からの画分をまとめて混合と標識し、37〜50分からの画分をまとめてピーク2と標識した。まとめた混合画分を真空中で濃縮し、上記の方法を用いて再処理した。まとめた純粋画分を真空中で濃縮し、その後秤量したフラスコに移した。
【0272】
ピーク1に対応する画分を回収し、実施例77(25mg)が得られた。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.76分, [MH]+ = 394.4.
【0273】
ピーク2に対応する画分を回収し、実施例49(21mg)が得られた。
LCMS (2分 高pH): Rt = 0.76分, [MH]+ = 394.4.
【0274】
[実施例52]
(S
*)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0275】
[実施例53]
(R
*)-6-(ヒドロキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0276】
【化36】
【0277】
実施例45(45mg)をキラルHPLCにより精製した。ラセミ体を加熱しながらEtOH(3mL)に溶解させた。注入:1.5mLの溶液を、カラム上に注入した(20%EtOH/ヘプタン、流速=20mL/分、検出波長=215nm、4. Ref 550、100、カラム21.1mm×25cm (R-R) Whelk O-1(5μm)、ロットno. #49788)。注入総数=3。23.5〜26分からの画分をまとめてピーク1と標識した。26〜28分からの画分をまとめて混合と標識し、28〜32分からの画分をまとめてピーク2と標識した。まとめた混合画分を真空中で濃縮し、上記の方法を用いて再処理した。まとめた純粋画分を真空中で濃縮し、その後秤量したフラスコに移した。
【0278】
ピーク1に対応する画分を回収し、実施例52(20mg)が得られた。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.75分, [MH]+ = 366.3.
【0279】
ピーク2に対応する画分を回収し、実施例53(20mg)が得られた。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.73分, [MH]+ = 366.3.
【0280】
[実施例54]
(+/-)-6-(メトキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0281】
【化37】
【0282】
2-(メトキシ(フェニル)メチル)-6-(メチルカルバモイル)イソニコチン酸(150mg、0.50mmol)を乾燥フラスコに添加した。DMF(2mL)を添加し、続いてHATU(228mg、0.60mmol)及び1H-ピラゾール-4-アミン塩酸塩(59.7mg、0.50mmol)を添加した。反応物を2分間撹拌し、次いでDIPEA(0.262mL、1.498mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を直接3×LCMSバイアルに添加し、DMSO/MeOHで希釈し、3×MDAP(高pH法)により精製した。適切な画分を真空中で濃縮して、黄色固体として所望の生成物の(+/-)-6-(メトキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(100mg、0.27mmol、収率55%)が得られた。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.82分, [MH]+ = 366.3.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.69 (br. s., 1 H) 10.92 (s, 1 H), 8.67 (q, J=4.8 Hz, 1 H), 8.45 (d, J=1.7 Hz, 1 H), 8.17 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 8.04 (br. s., 1 H), 7.72 (br. s., 1 H), 7.51 (d, J=7.1 Hz, 2 H), 7.36 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 7.24 - 7.31 (m, 1 H), 5.52 (s, 1 H), 3.39 (s, 3 H), 2.88 (d, J=4.9 Hz, 3 H)
【0283】
[実施例55]
(S
*)-6-(メトキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0284】
[実施例56]
(R
*)-6-(メトキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド
【0285】
【化38】
【0286】
(+/-)-6-(メトキシ(フェニル)メチル)-N
2-メチル-N
4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド(調製については実施例54を参照のこと)(90mg)を、キラルHPLCにより精製した。ラセミ体をEtOH(2mL)に溶解させた。注入:1.5mLの溶液を、カラム上に注入した(20%EtOH(+0.2%イソプロピルアミン)/ヘプタン(+0.2%イソプロピルアミン)、流速=30mL/分、検出波長=215nm、4. Ref 550、100、カラム30mm×25cm Chiralcel OD-H(5μm)、ロットno. ODH11158-01)。注入総数=1。9〜11分からの画分をまとめてピーク1と標識した。12.5〜17分からの画分をまとめてピーク2と標識した。まとめた純粋画分を真空中で濃縮し、その後秤量したフラスコに移した。
【0287】
ピーク1に対応する画分を回収し、実施例55(35.4mg)が得られた。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.83分, [MH]+ = 366.2.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.69 (br. s., 1 H), 10.93 (s, 1 H) 8.67 (q, J=4.3 Hz, 1 H) 8.45 (d, J=1.7 Hz, 1 H), 8.17 (d, J=1.7 Hz, 1 H), 8.04 (br. s., 1 H), 7.72 (br. s., 1 H), 7.51 (d, J=7.1 Hz, 2 H), 7.33 - 7.39 (m, 2 H), 7.24 - 7.30 (m, 1 H), 5.52 (s, 1 H), 3.39 (s, 3 H), 2.88 (d, J=4.9 Hz, 3 H)
【0288】
ピーク2に対応する画分を回収し、実施例56(39.2mg)が得られた。
LCMS (2分 ギ酸): Rt = 0.83分, [MH]+ = 366.3.
【0289】
[実施例57〜76及び81]
実施例57〜76及び81を、上記の他の実施例と類似の方法で調製した。
【0290】
【表9】
【0291】
生物学的データ
式(I)の化合物は、以下のアッセイの1つ以上において試験することができる。
【0292】
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FRET)アッセイ
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FRET)競合アッセイを利用して、ブロモドメイン結合を評価した。このアプローチを可能にするために、公知の高親和性pan-BET相互作用小分子を、遠赤蛍光染料であるAlexa Fluor(登録商標)647で標識した(参照化合物X)。参照化合物Xは、ブロモドメイン結合のレポーターとして作用し、TR-FRET対のアクセプターフルオロフォア成分である。抗-6*His抗体にコンジュゲートされたユーロピウムキレートを、TR-FRET対のドナーフルオロフォアとして利用した。抗-6*His抗体は、この研究において用いられたBETタンデムブロモドメインタンパク質構築物のそれぞれのアミノ末端に付加された6ヒスチジン精製エピトープに選択的に結合する。TR-FRETシグナルは、ドナーフルオロフォアとアクセプターフルオロフォアが20〜80Åに接近した場合(このアッセイでは、参照化合物Xがブロモドメインタンパク質に結合することにより可能となる)に発生する。
【0293】
参照化合物X:4-((Z)-3-(6-((5-(2-((4S)-6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)アセトアミド)ペンチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-2-((2E,4E)-5-(3,3-ジメチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドール-1-イウム-2-イル)ペンタ-2,4-ジエン-1-イリデン)-3-メチル-5-スルホインドリン-1-イル)ブタン-1-スルホネート)
【0294】
【化39】
【0295】
DMF(40μL)中のN-(5-アミノペンチル)-2-((4S)-6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)アセトアミド(調製については、参照化合物J、WO2011/054848A1を参照、1.7mg、3.53μmol)の溶液に、やはりDMF(100μL)中のAlexaFluor647-ONSu(2.16mg、1.966μmol)の溶液を添加した。この混合物をDIPEA(1μl、5.73μmol)で塩基性とし、ボルテックスミキサー上で一晩撹拌した。
【0296】
反応混合物を蒸発乾固させた。固体を、MeCN/水/AcOH(5/4/1、<1mL)に溶解させ、濾過し、Phenomenex Jupiter C18分取カラムに適用し、以下の勾配(A=水中0.1%トリフルオロ酢酸、B=0.1%TFA/90%MeCN/10%水)、流速=10mL/分、AU=20/10(214nm)で溶出した:
5〜35%、t=0分:B=5%;t=10分:B=5%;t=100分:B=35%;t=115分:B=100%(分離勾配:0.33%/分)。
【0297】
主成分を26〜28%Bの範囲にわたり溶出したが、2つのピークからなるように見えた。「両」成分を含有するはずの中間画分(F1.26)を分析HPLC(Spherisorb ODS2、60分にわたり1〜35%)で分析した。28%Bで単一成分が溶出した。
【0298】
画分F1.25/26及び27を合わせ、蒸発乾固させた。DMFと共に移し、蒸発乾固させ、乾燥エーテルで粉砕し、青色固体を<0.2mbarで一晩乾燥させ、1.54mgを得た。
【0299】
分析HPLC(Sphersisorb ODS2、60分にわたり1〜35%B):MSM10520-1:[M+H]
+(実測値):661.8(M-29に対応)。この値は、M-29である計算質量1320.984についての[(M+2H)/2]
+に等しい。これは、Alexa Fluor 647色素を用いた場合の標準的な出現率であり、質量分析計条件下での2つのメチレン基の理論的損失を表す。
【0300】
アッセイ原理:
TR-FRETシグナルを発生させるため、ドナーフルオロフォアをλ337nmのレーザーで励起すると、これがその後λ618nmの発光を生じさせる。アクセプターフルオロフォアが近接していると、エネルギー移動が起こり得、これがλ665nmでのAlexa Fluor(登録商標)647の発光を生じさせる。競合化合物の存在下では、参照化合物Xはブロモドメインに対する結合から変位され得る。変位が起こる場合、アクセプターフルオロフォアはもはやドナーフルオロフォアに近接しておらず、これが蛍光エネルギー移動を妨げ、続いてλ665nmのAlexa Fluor(登録商標)647発光の損失が生じる。
【0301】
BETファミリー(BRD2、BRD3、BRD4及びBRDT)に対する結合についての式(I)の化合物と参照化合物Xの競合を、ブロモドメイン1(BD1)とブロモドメイン2(BD2)の両方にまたがるタンパク質トランケートを用いて評価した。BD1又はBD2のいずれかに対する異なる結合をモニターするため、アセチルリジン結合ポケット内に、キーとなるチロシンのアラニンへの単一残基突然変異を作製した。このアプローチを有効にするために、BETファミリーメンバーのそれぞれについて二重残基突然変異タンデムドメインタンパク質を作製した。蛍光偏光アプローチを利用して、参照化合物Xに対する単一突然変異体及び二重突然変異体のそれぞれの結合親和性を決定した。参照化合物Xに対する二重突然変異体タンデムタンパク質の親和性は、非変異野生型タンデムBETタンパク質と比較して大きく低下した(Kdが1000分の1未満に低下)。参照化合物Xに対する単一突然変異ブロモドメインタンデムタンパク質の親和性は、対応する非変異BETタンパク質と同等の効力であった。これらのデータは、チロシンのアラニンへの単一突然変異が、変異ブロモドメインと参照化合物Xとの間の相互作用のKdを1000分の1未満に低下させることを示した。TR-FRET競合アッセイにおいて、参照化合物Xは、非変異ブロモドメインに対するKdと同等の濃度で使用され、これにより変異ブロモドメインにおける結合が検出されないことが確保される。
【0302】
タンパク質産生:
N-末端に6-Hisタグを有する組換えヒトブロモドメイン[(BRD2(1-473)(Y113A)及び(Y386A)、BRD3(1-435)(Y73A)及び(Y348A)、BRD4(1-477)(Y97A)及び(Y390A)、並びにBRDT(1-397)(Y66A)及び(Y309A)]を、(BRD2/3/4についてはpET15bベクター中、BRDTについてはpET28aベクター中で)大腸菌(E.coli)細胞中で発現させた。His-タグされたブロモドメインペレットを、50mM HEPES(pH7.5)、300mM NaCl、10mMイミダゾール、及び1μL/mLプロテアーゼ阻害剤のカクテルに再懸濁させ、超音波処理を用いて大腸菌(E.coli)細胞から抽出し、ニッケルセファロース高速カラムを用いて精製し、タンパク質を洗浄し、次いで、20カラム体積にわたる、0〜500mMイミダゾールと、50mM HEPES(pH7.5)、150mM NaCl、500mMイミダゾールからなるバッファーの線形勾配で溶出した。最終精製は、Superdex 200分取等級サイズ排除カラムにより完了した。精製タンパク質は、-80℃にて、20mM HEPES(pH7.5)及び100mM NaCl中で保存した。タンパク質同定は、ペプチド質量フィンガープリンティング及び質量分析により確認された予想分子量によって確認された。
【0303】
ブロモドメインBRD2、3、4及びT、BD1+BD2突然変異体TR-FRET競合アッセイのためのプロトコール:
全アッセイ成分を、50mMのHEPES(pH7.4)、50mMのNaCl、5%のグリセロール、1mMのDTT及び1mMのCHAPSからなるアッセイバッファーに溶解させた。参照化合物Xを、20nMの単一突然変異体タンデムブロモドメインタンパク質を含有するアッセイバッファーに、このブロモドメインに対する2*Kdと同等の濃度まで希釈した。Greiner 384ウェル黒色低体積マイクロタイタープレート中で、ブロモドメイン及び参照化合物Xを含有する溶液を、試験化合物又はDMSOビヒクル(このアッセイでは最大0.5%のDMSOが用いられる)の用量応答希釈まで添加し、その後30分間室温でインキュベートした。等体積の3nMの抗-6*Hisユーロピウムキレートを全ウェルに添加し、その後さらに30分間室温でインキュベートした。TR-FRETは、Perkin Elmer Multimodeプレートリーダーを用いて、ドナーフルオロフォアをλ337nmで励起し、その後、50μ秒間の遅延後、それぞれλ615nm及びλ665nmのドナーフルオロフォア及びアクセプターフルオロフォアの発光を測定することにより検出した。これらのアッセイを制御するため、それぞれ16反復の非阻害(DMSOビヒクル)TR-FRETアッセイ及び阻害(WO2011/054846A1の実施例11の10*IC
50濃度)TR-FRETアッセイを、マイクロタイタープレート毎に含めた。
【0304】
次いで、以下の形の4パラメータ曲線適合を適用した。
y=a+((b-a)/(1+(10^x/10^c)^d)
(式中、「a」は最小値であり、「b」はHill勾配であり、「c」はpIC
50であり、「d」は最大値である)。
【0305】
全化合物(実施例)を、本質的には上記のとおりのBRD4 BD1 TR-FRETアッセイ及びBRD4 BD2 TR-FRETアッセイにおいてそれぞれ試験した。当業者であれば、機能活性についてのin vitro結合アッセイ及び細胞ベースのアッセイは実験的変動を受けることを認識するであろう。従って、以下に示されるpIC
50値は例示にすぎないことを理解されたい。pIC
50値は、log
10単位として表される。
【0306】
全実施例は、実施例72を除いて、少なくとも1つの上記アッセイにおいてpIC
50≧5.0を有することが見出された。
【0307】
実施例59、61、66及び74〜76は、BRD4 BD2アッセイにおいて、pIC
50≧5.0及び<6.0を有することが見出された。
【0308】
他の全ての試験化合物は、BRD4 BD2アッセイにおいてpIC
50≧6.0及び<8.1を有することが見出された。特に、実施例11は、BRD4 BD2アッセイにおいて7.8のpIC
50(n=2)を有することが見出され;実施例12は、BRD4 BD2アッセイにおいて7.7のpIC
50(n=8)を有することが見出され;実施例16は、BRD4 BD2アッセイにおいて8.0のpIC
50(n=5)を有することが見出され;実施例55は、BRD4 BD2アッセイにおいて7.7のpIC
50(n=3)を有することが見出された。
【0309】
BRD4 BD1と比較したBRD4 BD2に対する選択性の計算
BRD4 BD1と比較したBRD4 BD2に対する選択性を、以下のとおりに計算した:
選択性=BRD4 BD2 pIC
50-BRD4 BD1 pIC
50
【0310】
全実施例は、実施例62及び72を除いて、上記のTR-FRETアッセイの少なくとも1つにおいて、BRD4 BD1と比較して1 log単位以上のBRD4 BD2に対する選択性を有することが見出され、従って、BRD4 BD1と比較して、BRD4 BD2に対して少なくとも10倍選択的である。
【0311】
実施例1〜56及び78〜80は、上記のTR-FRETアッセイの少なくとも1つにおいて、BRD4 BD1と比較して2 log単位以上のBRD4 BD2に対する選択性を有することが見出され、従って、BRD4 BD1と比較して、BRD4 BD2に対して少なくとも100倍選択的である。
【0312】
実施例11、12及び55は、上記のTR-FRETアッセイの少なくとも1つにおいて、BRD4 BD1と比較して2.7 log単位のBRD4 BD2に対する選択性を有することが見出された。
【0313】
実施例16は、上記のTR-FRETアッセイの少なくとも1つにおいて、BRD4 BD1と比較して3.0 log単位のBRD4 BD2に対する選択性を有することが見出され、従って、BRD4 BD1と比較して、BRD4 BD2に対して1000倍選択的である。