【実施例】
【0045】
A1.
i.ホルダフレームと、
ii.ホルダフレームに取り外し可能に取り付けられている光学ボックスと、
を備え、
ホルダフレームが、モバイルデバイス上に取り外し可能に適合し、モバイルデバイスに組み込まれたカメラおよび照明源に光学ボックスを整列させるように構成され、
光学ボックスが、試料容器スロットおよび照明光学系を備える、光学アダプタ。
【0046】
B1.
i.実施形態A1の光学アダプタと、
ii.第1のプレートおよび第2のプレートを備えるQMAXカードであって、第1のプレートおよび第2のプレートが、液体試料を200μm未満の均一な厚さの層に圧縮する、QMAXカードと、
iii.QMAXカードを収容し、光学ボックスにアサートされるように構成されたスライダと、
を備える、光学システム。
【0047】
C1.モバイルデバイスがスマートフォンである、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0048】
C2.ホルダフレームが、異なるモバイルデバイスに対して異なるサイズを有する他のホルダケースと交換可能であるように構成されたホルダケースを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0049】
C3.ホルダフレームが、光学アダプタをモバイルデバイスの上部に取り外し可能に適合するサイズである、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0050】
C4.光学アダプタの光学ボックスが、
i.QMAXカードを受容しカメラの視野および焦点範囲の試料スライドに位置付けるように構成された、容器スロットと、
ii.試料の明視野顕微鏡画像を撮影するように構成された明視野照明光学系と、
iii.試料の蛍光顕微鏡画像を撮像するように構成された蛍光照明光学系と、
iv.光学ボックス内で内側および外側にスライドさせることにより、明視野照明光学系と蛍光照明光学系を切り替えるように構成されたレバーと、
を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0051】
C5.容器スロットが、スロットを完全に覆い、周囲光が光学ボックスに入りカメラによって収集されるのを防ぐことができるゴム製のドアを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0052】
C6.アダプタの明視野照明光学系が、通常の入射角で試料を裏側から照らすために、光源により放射されたビームを受光するようにおよびその方向を変えるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0053】
C7.光学ボックスが、それに設置され、モバイルデバイスのカメラと整列され、カメラによって撮影された画像を拡大するレンズをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0054】
C8.カメラによって撮影された画像が、モバイルデバイスのプロセッサによってさらに処理され、モバイルデバイスの画面に分析結果を出力する、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0055】
C9.レベルがスライド可能であり、同じ光学アダプタ内で明視野照明および蛍光照明の両方の光学系を実現するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0056】
C10.蛍光照明光学系の光学素子が、レバーに設置されており、レバーが光学ボックス内に完全にスライドすると、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0057】
C11.蛍光照明光学系素子を有するレバーが、明視野照明光学系の光路を遮断し、照明光学系を蛍光照明光学系に切り替える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0058】
C12.レバーが外にスライドすると、レバー上に設置された蛍光照明光学系素子が光路から出て、照明光学系を明視野照明光学系に切り替える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0059】
C13.レバーが、異なる高さの2つの平面を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0060】
C14.2つの平面が、垂直バーで一緒に接合され、光学ボックスの内外に一緒に移動する、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0061】
C15.2つの平面が分離され得、各平面が個別に光学ボックスの内外に移動することができる、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0062】
C16.上部レバー平面が、限定されないが、光学フィルタであり得る、少なくとも1つの光学素子を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0063】
C17.上部レバー平面が、光源の下を移動し、上部レバー平面と光源との間の好ましい距離が0〜5mmの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0064】
C18.下部レバー平面の一部が、画像平面に平行ではない、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0065】
C19.底部レバー平面の非平行部分の表面が、95%を超える高反射率の鏡面仕上げである、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0066】
C20.底部レバー平面の非平行部分が、光源の下を移動し、光源から放射された光を偏向して、カメラの真下の試料領域を裏側から照らす、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0067】
C21.底部レバー平面の非平行部分の好ましい傾斜角が45度〜65度の範囲であり、傾斜角が非平行底平面と垂直面との間の角度として定義される、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0068】
C22.底部レバー平面の一部が、画像平面と平行であり、試料の下に位置し、試料から1mm〜10mm離れている、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0069】
C23.底部レバー平面の平行部分の表面が、高光吸収性であり、95%を超える光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0070】
C24.吸収性表面が、小さな入射角で試料に対して裏側から照らす反射光を排除するためのものである、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0071】
C25.レバーが、レバーを停止するように構成されたストッパを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0072】
C26.ストッパがボールプランジャを備え、アダプタから外側に引いたときにレバーを所定の位置で停止させるために、レバー上の溝が使用される、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0073】
C27.ストッパが、ユーザが任意の力でレバーを引くことができるが、光学アダプタの作動モードが明視野照明に切り替わる固定位置でレバーを停止させることができるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0074】
C28.試料スライダが、QMAXデバイスを受容するように容器スロット内に設置され、スマートフォンカメラの視野および焦点範囲内でQMAXデバイスに試料を位置付ける、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0075】
C29.可動アームが、QMAXデバイスおよび可動アームを一緒にトラックスロットの端まで押圧してから放すことにより、2つの停止位置を切り替える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0076】
C30.可動アームが、QMAXデバイスが正しい方向に挿入されているかどうかを示すことができる、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0077】
C31.QMAXデバイスの1つの角の形状が、他の3つの直角の角とは異なるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0078】
C31.可動アームの形状が、正しい方向においてのみ、QMAXデバイスがトラックスロットの正しい位置にスライドすることができるように、特殊な形状を有する角の形状と一致する、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0079】
C32.スライダが、固定されたトラックフレームと、可動アームと、を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0080】
C33.フレームトラックが、光学ボックスの容器スロットに固定して設置されており、トラックフレームが、QMAXデバイスがトラックに沿ってスライドすることができるように、QMAXデバイスの幅および厚さに適合するスライド式トラックスロットを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。トラックスロットの幅および高さは、QMAXデバイスがスライド平面においてスライド方向に垂直な方向に0.5mm未満シフトし、QMAXデバイスの厚さ方向に沿って0.2mm未満シフトするように慎重に構成されている。
【0081】
C34.フレームトラックが、スマートフォンのカメラの視野の下に開かれたウィンドウを有し、光が試料を裏側から照らすことを可能にする、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0082】
C35.可動アームが、トラックフレームのスライド式トラックスロットに予め組み込まれており、QMAXデバイスと一緒に移動して、トラックフレーム内のQMAXデバイスの移動を誘導する、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0083】
C36.可動アームが、2つの所定の停止位置を有する停止機構を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のアダプタまたはシステム。
【0084】
B.スマートフォンへの比色リーダーアタッチメント用の光学アダプタ(傾斜ファイバ端照明)
比色アッセイは、健康監視、疾患診断、化学分析などに広く応用されている非常に強力な技術である。正確な比色アッセイ結果を得るための重要な要素は、色の変化を正確に定量化することである。従来、比色試験ストリップの色の変化は、色の変化を標準の色見本と比較することによって分析される。しかし、この比較は人間の目で行われ、環境の光条件によって容易に影響を受け、色の変化を定量化する精度が制限される。
【0085】
本明細書で説明する本発明は、光学アダプタおよびスマートフォンを備えるシステムを提供することにより、この問題に対処する。光学アダプタデバイスは、スマートフォンに適合し、スマートフォンを、一貫した均一な照明を提供して比色試験カードの前面を照らし、試料の画像を撮影して色の変化を分析することができる比色リーダーに変換する。このシステムは、あらゆる場所で一般の人々が便利にかつ確実に操作することができる。光学アダプタは、カメラ、光源、プロセッサ、およびディスプレイ画面を含むスマートフォンの既存のリソースを活用し、比色アッセイの色の変化を正確に定量化する低コストのソリューションを提供する。
【0086】
本発明において、光学アダプタデバイスは、スマートフォンの上部に適合するホルダフレームと、試料容器スロットおよび照明光学系を有するホルダに取り付けられた光学ボックスとを備える。スマートフォン用のアタッチメントアダプタのいくつかの先行技術では、それらのアダプタ設計は、スマートフォンに適合するクリップオン機構部品および機能性要素の両方を含む一体部品である。この設計には、スマートフォンの特定のモデルごとに一体部品のアダプタを再設計する必要があるという問題がある。しかし、本発明では、光学アダプタは、スマートフォンに適合させるためのみのホルダフレームと、すべての機能部品を含む汎用光学ボックスとに分離される。寸法の異なるスマートフォンの場合、カメラおよび光源の相対位置が同じである限り、ホルダフレームしか再設計する必要がなく、設計および製造のコストを大幅に削減する。
【0087】
光学アダプタの光学ボックスは、比色試料を受容しそれをスマートフォンのカメラの視野および焦点範囲に位置付ける容器スロットと、任意の外部条件とは無関係に試料上に均一かつ一貫した照明を作り出し、試料画像を撮影するための照明および撮像光学系とを備える。
【0088】
色の変化を正確に表す試料画像を撮影するには、カメラの下の試料領域が均一に照明されることが望ましい。しかし、すべての一般的なスマートフォンでは、光源とカメラとの間には常に距離がある。追加の照明光学系なしに試料をスマートフォンのカメラの非常に近くに設置すると、領域は光源によって均一に正面から照らされ得、光源の真下にあるが、カメラの視野内にはない。この問題を解決するために、本発明では、傾斜した大型コア光ファイバを使用して、光源から放射される光ビームの方向を変えて、カメラの真下の試料領域を均一に照らす。
【0089】
また、より均一な照明を作り出すために、スマートフォンのLED点光源からではなく、面光源からの光ビームが望ましい。この目的のために、光ファイバの端面の前に設置される別個の拡散体が提供され得るが、このアプローチは光学アダプタの要素を増やし、コストを増加させる。代わりに、本発明では、光ファイバの両端面は、試料に向かう端面が試料上により均一な照明を生成する面光源となり得るように、拡散体として機能する艶消し仕上げである。
【0090】
典型的には、光学ボックスは、それに設置され、スマートフォンのカメラと整列するレンズも備え、これにより試料がカメラの焦点範囲内となる。カメラで撮影された画像は、色の変化を分析するためにスマートフォンのプロセッサによりさらに処理され、分析結果がスマートフォンの画面に出力される。
【0091】
試料スライダは、QMAXデバイスを受容するように容器スロット内に設置され、スマートフォンカメラの視野および焦点範囲内にQMAXデバイスに試料を位置付ける。
【0092】
試料スライダは、固定されたトラックフレームと、可動アームとを備える。
【0093】
フレームトラックは、光学ボックスの容器スロットに固定して設置されている。また、トラックフレームは、QMAXデバイスがトラックに沿ってスライドすることができるように、QMAXデバイスの幅および厚さに適合するスライド式トラックスロットを有する。トラックスロットの幅および高さは、QMAXデバイスがスライド平面においてスライド方向に垂直な方向に0.5mm未満シフトし、QMAXデバイスの厚さ方向に沿って0.2mm未満シフトするように慎重に構成されている。
【0094】
フレームトラックには、スマートフォンのカメラの視野の下に開かれたウィンドウがあり、光が試料を裏側から照らすことを可能にする。
【0095】
可動アームは、トラックフレームのスライド式トラックスロットに予め組み込まれており、QMAXデバイスと一緒に移動して、トラックフレーム内のQMAXデバイスの移動を誘導する。
【0096】
2つの所定の停止位置を有する停止機構を備えた可動アーム。1つの位置では、QMAXデバイス上の固定された試料領域がスマートフォンのカメラの真下にある位置でアームがQMAXデバイスを停止させる。もう一方の位置では、QMAXデバイス上の試料領域がスマートフォンの視野から外れた位置でアームがQMAXデバイスを停止させ、QMAXデバイスをトラックスロットから簡単に取り出すことができる。
【0097】
可動アームは、QMAXデバイスおよび可動アームを一緒にトラックスロットの端まで押圧してから放すことにより、2つの停止位置を切り替える。
【0098】
可動アームは、QMAXデバイスが正しい方向に挿入されているかどうかを示すことができる。QMAXデバイスの1つの角の形状は、他の3つの直角の角とは異なるように構成されている。また、可動アームの形状は、正しい方向においてのみ、QMAXデバイスがトラックスロットの正しい位置にスライドすることができるように、特殊な形状を有する角の形状と一致する。
【0099】
図10−A、10−B、および10−Cは、スマートフォン比色リーダーのシステム10の概略図である。特に、
図10−Bおよび10−Cは、システム10の分解図であり、それぞれ正面および背面から示される。システム10は、スマートフォン1、スマートフォン1の上部に適合する光学アダプタデバイス13、試料カード137上の試料領域がスマートフォン1のカメラモジュール1Cの視野および焦点範囲内に位置付けられるようにデバイス13の容器スロット136に挿入される比色試験カード137を備える。スマートフォン1にインストールされたソフトウェア(図示せず)は、比色試験の色の変化を分析するために、スマートフォン1の光源1Lが光を放射している間にカメラモジュール1Cによって収集された画像を分析し、結果をスマートフォン1のディスプレイ画面1fに出力する。
【0100】
図11は、システム10の光学アダプタデバイス13の分解概略図である。デバイス13は、スマートフォン1の上部に適合するホルダケース131、容器スロット136を含むケース131に取り付けられた光学ボックス132、光学系チャンバ132Cを備える。光学系インサート134は、光学系チャンバ132Cの上部に適合し、スマートフォン1の光源1Lおよびカメラ1C(
図10−Bに示される)と整列する出口開口部134Lおよび入口開口部134Cを有する。レンズ133は、光学系インサート134の入口開口部134Cに設置され、容器スロット136に挿入される比色試料カード137上の試料領域がカメラ1C(
図10−Bに示される)の作動距離内に位置するように構成されている。大型コア光ファイバ135は、傾斜角で出口開口部134Lに設置される。ファイバ135の両端面は、艶消し仕上げである。デバイス13において照明光学系として動作するファイバ135が以下の
図B3で説明される。
【0101】
図12は、比色カードを読み取るシステム10、特にデバイス13の詳細を示す断面概略図である。この図は、
図11を参照して上述された要素の機能を図示する。光源1Lは、スマートフォン1から離れて光ビームB1を放射する。ビームB1は、第1の端面を通してファイバ135に結合され、ファイバ135の方向に沿って進み、第2の端面から放射されてビームB2になる。ビームB2は、カメラ1Cの真下の比色試料カード137の試料領域を正面から照らし、均一な照明を作り出す。ファイバ135の端面は艶消しおよび拡散仕上げされているため、ビームB2は面光源からの放射とみなすことができ、より均一な照明を作り出すのに役立つ。ファイバ135が設置される傾斜角は、カメラの真下の試料カード137の領域上にビームB2照明の中央トレイを作るように設定される。レンズ11は、カメラ1Cの画像センサ平面上に試料領域の画像を作り出す。スマートフォン1は、画像を取得して処理し、画像の色情報を分析して、比色アッセイの色の変化を定量化する。
【0102】
C.スマートフォンへの比色リーダーアタッチメント用の光学アダプタ(ファイバリング照明)
比色アッセイは、健康監視、疾患診断、化学分析などに広く応用されている非常に強力な技術である。正確な比色アッセイ結果を得るための重要な要素は、色の変化を正確に定量化することである。従来、比色試験ストリップの色の変化は、色の変化を標準の色見本と比較することによって分析される。しかし、この比較は人間の目で行われ、環境の光条件によって容易に影響を受け、色の変化を定量化する精度が制限される。
【0103】
本明細書で説明する本発明は、光学アダプタおよびスマートフォンを備えるシステムを提供することにより、この問題に対処する。光学アダプタデバイスは、スマートフォンに適合し、スマートフォンを、一貫した均一な照明を提供して比色試験カードの前面を照らし、試料の画像を撮影して色の変化を分析することができる比色リーダーに変換する。このシステムは、あらゆる場所で一般の人々が便利にかつ確実に操作することができる。光学アダプタは、カメラ、光源、プロセッサ、およびディスプレイ画面を含むスマートフォンの既存のリソースを活用し、比色アッセイの色の変化を正確に定量化する低コストのソリューションを提供する。
【0104】
本発明において、光学アダプタデバイスは、スマートフォンの上部に適合するホルダフレームと、試料容器スロットおよび照明光学系を有するホルダに取り付けられた光学ボックスとを備える。スマートフォン用のアタッチメントアダプタのいくつかの先行技術では、それらのアダプタ設計は、スマートフォンに適合するクリップオン機構部品および機能性要素の両方を含む一体部品である。この設計には、スマートフォンの特定のモデルごとに一体部品のアダプタを再設計する必要があるという問題がある。しかし、本発明では、光学アダプタは、スマートフォンに適合させるためのみのホルダフレームと、すべての機能部品を含む汎用光学ボックスとに分離される。寸法の異なるスマートフォンの場合、カメラおよび光源の相対位置が同じである限り、ホルダフレームしか再設計する必要がなく、設計および製造のコストを大幅に削減する。
【0105】
光学アダプタの光学ボックスは、比色試料を受容しそれをスマートフォンのカメラの視野および焦点範囲に位置付ける容器スロットと、任意の外部条件とは無関係に試料上に均一かつ一貫した照明を作り出し、試料画像を撮影するための照明および撮像光学系とを備える。
【0106】
色の変化を正確に表す試料画像を撮影するには、カメラの下の試料領域が均一に照明されることが望ましい。しかし、すべての一般的なスマートフォンでは、光源は、常に点光源であり、カメラの隣にある程度の距離を置いて設置されている、つまり、光源はカメラに対して中心対称ではない。これにより、追加の照明光学系の補助なしに試料をスマートフォンのカメラの非常に近くに設置すると、カメラの視野内の試料の前面の照明パターンに、直線方向における勾配強度の変化があるという問題が生じる。したがって、大きな放射面積を有し、カメラに対して中心対称の光源を作り出すことが望ましい。この目的を達成するために、本発明では、プラスチックの側面放射型ファイバリングをスマートフォンのカメラの周りに置いて、ファイバリングをカメラに対して中心対称にする。また、ファイバリングの2つの端面は、スマートフォンの光源に向かって設置される。これにより、元の単一点光源は、スマートフォンのカメラから等しい距離で円上に分散された、ほぼ等しい光度を有する無数の小さな光源に変換される。リングファイバの側壁から放射された光はさらに拡散膜を通過して放射面積を増やし、照明をより均一にする。カメラの真下の試料領域は、側面放射型ファイバリングに基づいて設計された照明光学系によって均一に正面から照らされる。
【0107】
比色試料の色がどのように表されるかは照明条件に大きく依存するため、光学ボックス内の照明をあらゆる外部光条件とは無関係に一貫して制御することが重要である。この問題を解決するために、容器スロットにはゴム製のドアが取り付けられており、スロットを完全に覆い、光学ボックスに入ってくる環境光により照明条件が変化するのを防ぐことができる。
【0108】
典型的には、光学ボックスは、それに設置され、スマートフォンのカメラと整列するレンズも備え、これにより試料がカメラの焦点範囲内となる。カメラで撮影された画像は、色の変化を分析するためにスマートフォンのプロセッサによりさらに処理され、分析結果がスマートフォンの画面に出力される。
【0109】
試料スライダは、QMAXデバイスを受容するように容器スロット内に設置され、スマートフォンカメラの視野および焦点範囲内にQMAXデバイスの試料を位置付ける。
【0110】
試料スライダは、固定されたトラックフレームと、可動アームとを備える。
【0111】
フレームトラックは、光学ボックスの容器スロットに固定して設置されている。また、トラックフレームは、QMAXデバイスがトラックに沿ってスライドすることができるように、QMAXデバイスの幅および厚さに適合するスライド式トラックスロットを有する。トラックスロットの幅および高さは、QMAXデバイスがスライド平面においてスライド方向に垂直な方向に0.5mm未満シフトし、QMAXデバイスの厚さ方向に沿って0.2mm未満シフトするように慎重に構成されている。
【0112】
フレームトラックには、スマートフォンのカメラの視野の下に開かれたウィンドウがあり、光が試料を裏側から照らすことを可能にする。
【0113】
可動アームは、トラックフレームのスライド式トラックスロットに予め組み込まれており、QMAXデバイスと一緒に移動して、トラックフレーム内のQMAXデバイスの移動を誘導する。
【0114】
2つの所定の停止位置を有する停止機構を備えた可動アーム(「レバー」とも呼ばれる)。1つの位置では、QMAXデバイス上の固定された試料領域がスマートフォンのカメラの真下にある位置でアームがQMAXデバイスを停止させる。もう一方の位置では、QMAXデバイス上の試料領域がスマートフォンの視野から外れた位置でアームがQMAXデバイスを停止させ、QMAXデバイスをトラックスロットから簡単に取り出すことができる。
【0115】
可動アームは、QMAXデバイスおよび可動アームを一緒にトラックスロットの端まで押圧してから放すことにより、2つの停止位置を切り替える。
【0116】
可動アームは、QMAXデバイスが正しい方向に挿入されているかどうかを示すことができる。QMAXデバイスの1つの角の形状は、他の3つの直角の角とは異なるように構成されている。また、可動アームの形状は、正しい方向においてのみ、QMAXデバイスがトラックスロットの正しい位置にスライドすることができるように、特殊な形状を有する角の形状と一致する。
【0117】
いくつかの実施形態
1.ファイバリング照明器
光学アセンブリのいくつかの実施形態では、
A.側面照明リング(illunmring)ファイバの半径は10mmであり、
b.リングファイバの直径は、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、もしくは100mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であってよく、
c.リングファイバの断面の直径は、少なくとも0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、もしくは10mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であってよい。
【0118】
光学アセンブリのいくつかの実施形態では、
d.外部イメージャレンズの直径は6mmであり、
e.イメージャレンズの直径は、少なくとも2mm、3mm、4mm、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、もしくは50mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であってよい。
【0119】
光学アセンブリのいくつかの実施形態では、リングファイバは、マイクロレンズアレイと組み合わせて使用するか、またはマイクロレンズアレイで置き換えることができる。
【0120】
光学アセンブリのいくつかの実施形態では、光学アセンブリは、試料とリングファイバとの間に光拡散板を備え、光拡散板は、カメラと整列するように構成された開口部を有する。
【0121】
光学アセンブリのいくつかの実施形態では、拡散板の一辺の長さは、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、100mm、150mm、もしくは200mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であってよく、拡散板の厚さは、少なくとも2mm、3mm、4mm、5mm、10mm、15mm、もしくは20mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であってよい。
【0122】
光学アセンブリのいくつかの実施形態では、拡散板とリングファイバとの間の距離は、少なくとも1mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、100mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であってよい。
【0123】
試料とリングファイバとの間の距離が、少なくとも2mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、100mm、150mm、200mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であり得る、請求項2に記載の光学アセンブリ。
【0124】
レバー:
1.可動アーム上の第1の平面と光源との間の距離が、少なくとも0.5mm、2mm、4mm、8mm、10mm、20mm、50mm、100mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であり得る、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【0125】
2.可動アームの第1の平面と第2の平面との間の距離が、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、40mm、100mm、200mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であり得る、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【0126】
3.異なる位置間で切り替えるために可動アームを移動する必要がある距離は、少なくとも1mm、5mm、15mm、20mm、40mm、100mm、またはいずれの2つの値間の範囲内であり得る、請求項5に記載の光学アセンブリ。
【0127】
4.第2の平面が傾斜面に接続されており、ミラーが傾斜面に設置されている、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【0128】
5.傾斜面の好ましい傾斜角が、少なくとも10度、30度、60度、80度、またはいずれの2つの値間の範囲内であり、傾斜角が、第2の平面と傾斜面との間の角度として定義される、請求項4に記載の光学アセンブリ。
【0129】
図13−A、13−B、および13−Cは、スマートフォン比色リーダーのシステム10の概略図である。特に、
図13−Bおよび
図13−Cは、システム10の分解図であり、それぞれ正面および背面から示される。システム10は、スマートフォン1、スマートフォン1の上部に適合する光学アダプタデバイス13、試料カード138上の試料がスマートフォン1のカメラモジュール1Cの視野および焦点範囲内に位置付けられるようにデバイス13の容器スロット137に挿入される比色試料カード138を備える。試料カード138が入った後、デバイス18に取り付けられたゴム製のドア139は、周囲光が光学アダプタ13に入り、試験に影響を及ぼすのを防ぐために、容器スロット137を覆う。スマートフォン1にインストールされたソフトウェア(図示せず)は、比色試験の色の変化を分析するために、スマートフォン1の光源1Lが光を放射している間にカメラモジュール1Cによって収集された画像を分析し、結果をスマートフォン1のディスプレイ画面1fに出力する。
【0130】
図14は、システム10の光学アダプタデバイス13の分解概略図である。デバイス13は、スマートフォン1の上部に適合するホルダケース131、容器スロット137、光学系チャンバ132C、および容器スロット137を覆うためにトレンチ137sに挿入されたゴム製ドア139を含むケース131に取り付けられた光学ボックス132を備える。光学系インサート134は、光学系チャンバ132Cの上部に適合し、スマートフォン1の光源1Lおよびカメラ1C(
図13−Bに示される)と整列する出口開口部134Lおよび入口開口部134Cを有する。レンズ133は、光学系インサート134の入口開口部134Cに設置され、容器スロット137に挿入される比色試料カード138上の試料領域がカメラ1C(
図13−Bに示される)の作動距離内に位置するように構成されている。側面放射型光ファイバリング135は、カメラ1Cがファイバリング135の中心となるように構成された光学系インサート134に設置される。光ファイバリング135の両端面は、光源1Lに面する出口開口部134Lに設置される。光拡散膜136は、光ファイバリング135の下に置かれ、レンズの開口部のために開けられた穴を有する。デバイス13において照明光学系として動作する光ファイバリング135が以下の
図15−A〜cで説明される。
【0131】
図15−A、15−B、および15−Cは、比色カードを読み取るシステム10、特にデバイス13の詳細を示す概略図である。
図15−Aは、デバイス13の詳細を示す断面図である。そして、
図15−Bおよび
図15−Cは、デバイス13内の光学素子の構成のみを示す概略図である。これらの図は、
図14を参照して上述された要素の機能を図示する。光源1Lから放射された光は、ファイバリング135の2つの端面から側面放射型光ファイバリング135に結合され、リングに沿って内部に進む。ビームB1は、ファイバリングの側壁から放出され、拡散膜136を通過する。ビームB1は、カメラ1Cの真下の比色試料カード138の試料領域を正面から照らし、均一な照明を作り出す。照らされた試料領域は、ビームB1の一部を吸収し、ビームB1をビームB2に反射する。ビームB2は、レンズ133によって収集され、カメラ1Cに入る レンズ133は、カメラ1Cの画像センサ平面上に試料領域の画像を作成する。スマートフォン1は、画像を取得して処理し、画像の色情報を分析して、比色アッセイの色の変化を定量化する。
【0132】
D.断層撮影用のデバイスおよびシステム
D−1.QMAX構造を有する断層撮影デバイス
ナノスケールの高解像度で生物学的検体のスライス可能な仮想3次元コピーを再構成する断層撮影デバイスが開示される。このデバイスは、
図16−Aにあるように、撮像センサ、レンズ、およびQMAXデバイスからなる。
【0133】
QMAXデバイスは周期的な柱アレイを有する。生物学的検体は、QMAXデバイスに含まれる。屈折率整合液を使用して光の散乱を低減し、検体全体の屈折率の不均一性を低減することができる。QMAX構造により、6桁(またはそれ以上)の検出感度が増強される。
【0134】
D−2.QMAX構造に基づいた較正
柱アレイは、各柱の上部に金属製のディスクを有する。金属製のディスクは、撮像センサによって撮影された画像の空間および高さの両方の較正についての較正信号を提供する。金属製のディスクの形状は、迅速な較正を容易にするように設計され得る。例えば、金属製のディスクの形状は、文字Eのようであってよく、このような柱アレイを
図16−Bに示す。
【0135】
撮像センサが生物学的検体の有無にかかわらずQMAX構造の画像を撮影する場合、撮影された画像は空間的に較正することができ、カメラの焦点距離も定量的に較正することができる。
【0136】
空間較正では、撮影された画像は物体検出を受ける。物体検出スキームは、テンプレート一致、光学文字認識、形状検出、またはその分野で使用される他のスキームであり得る。物体検出は、検出されたパターンの配向を取得し、これは、
図16−Bの例では文字Eである。配向パラメータを用いて、2次元の幾何学的変換により空間較正を実現する。
【0137】
柱アレイによる焦点距離の定量的較正を開示する。
図16−Cに示すように、撮影された画像に対する焦点距離の影響は、薄レンズモデルによって説明される。感知デバイスが焦点面から距離δにある場合、点Qは直径kσの円に投影され、その放射輝度はこの円にわたって広がり、Qは焦点がずれる。焦点面の位置vは、レンズの焦点距離fおよび物体からの距離uに依存する。これらの3つの変数の間の関係は、よく知られているガウスレンズ法則または薄レンズの公式:
【数1】
で得られる。
【0138】
撮影された画像の焦点の度合いを測定し、焦点面の位置を差し引く。焦点の度合いは、画像全体またはすべての画像画素のいずれかの焦点レベルを測定する。文献では、勾配ベース、ラプラシアンベース、ウェーブレットベース、統計ベース、コサイン変換/フーリエ変換ベースなど、多種多様のアルゴリズムおよび演算子が焦点の度合いを測定するために提案されている。
【0139】
異なる焦点面で撮影された柱アレイの焦点の度合いは、事前に測定され、ルックアップテーブルに保存され得る。撮像センサが柱アレイの新しい画像を撮影する場合、例えば、
図16−Dが
図16−Bの例示的な柱アレイの撮影された画像を示す場合、新しく撮影された画像の焦点の度合いを計算し、焦点の度合いをルックアップテーブルに照会し、その対応する焦点面の位置を見つける。
【0140】
D−3.断層撮影システム
断層撮影の目的は、生物学的検体のいくつかの投影を通して生物学的検体の3次元ボリュームを再構築することである。終端間の断層撮影には、光源、撮像、および3次元再構成が含まれる。
【0141】
光源
撮像センサによって捕捉される光は、検体から屈折する、検体から放射されるなどであり得る。
【0142】
撮像
撮像部品は、撮像センサの投影を撮影する。投影は、異なる焦点距離、異なる角度、異なる照明などで撮影され得る。
【0143】
異なる焦点距離で複数の画像が撮影されてもよい。レンズは、ステップサイズまたはステップサイズの倍数でQMAX構造に向かってまたは後方に移動する。ステップサイズの値およびレンズの移動は、アプリケーションプログラムインターフェースを介してハードウェアまたはソフトウェアによって制御され得る。画像センサは、撮影された画像を記録する。
【0144】
異なる角度で複数の画像が撮影されてもよい。検体を回転させて、それを通る直線投影に近い光学画像を撮影する。検体は一連の角度位置まで回転し、各配向で画像が撮影される。各平面に関する投影データが撮像センサによって収集されるように、装置を慎重に整列させて、回転軸が光軸に垂直になるようにする。焦点面は、回転軸とレンズに最も近いQMAXカードとの中間に位置付けられ得る。つまり、すべての画像は、検体の前半分(レンズに最も近い半分)の焦点の合ったデータおよび検体の後ろ半分の焦点外データの両方を含む。焦点外データは使用されないが、焦点の合ったデータは3次元ボリュームの再構築に利用される。焦点の合ったデータを選択するために、帯域通過フィルタが装備され得る。
【0145】
光学投影断層撮影は、標準の断層撮影アルゴリズムを使用して行われる。回転軸に対する焦点面の位置により、互いに180度離れて撮影された2つの画像は、検体の異なる部分に焦点が合わせられる。検体の焦点の合った部分に対応する領域への逆投影を制限することにより、結果の品質が向上する。検体を通して様々な配向のデータが蓄積されると、帯域通過フィルタとして機能するセミディスクマスクを回転させて、焦点の合ったデータのみが逆投影されるようにすることができる。
【0146】
異なる照明でいくつかの画像が撮影されてもよい。試料ビームに対する参照ビームの周波数シフトにより誘導される時間依存干渉パターンからの定量的位相画像を得ることができる。検流計が設置された傾斜ミラーを使用して、照明の角度を変えることができる。レーザービームは、レーザービームの周波数をシフトする2つの音響光学変調器を通過する。第2のビームスプリッタは、検体と参照レーザービームを再結合させ、撮像センサで撮影される干渉パターンを形成する。次に、位相シフト干渉法を適用して位相画像を計算する。屈折率のコントラストが小さい薄い検体の近接面波照明の場合、透過場の位相は、ビーム伝搬の経路に沿った屈折率の線積分に等しい良好な近似値に対してである。したがって、位相画像は、単純に屈折率の投影として解釈され得る。
【0147】
帯域通過フィルタに加えて、様々な撮像フィルタを、画像撮影中に、
(1)信号選択、これにより、撮影された画像の一部が選択される、
(2)信号強調、これにより、撮影された画像の一部または全体が強調される、
(3)信号変換、これにより、撮影された画像の一部または全体が、周波数表現、マルチスケール表現などの別の表現に変換される、
(4)信号複製、これにより、撮影された画像の一部が撮影された画像の別の部分、または撮影された画像の別の部分の表現に置き換えられる、
(5)または(1)〜(4)の任意の組み合わせ(限定されないが、これらを含む)の目的のために使用することができる。
【0148】
撮影された画像は、コントラストの強調、色の強調、ノイズの低減などのフィルタ補正により強調され得る。画素強度のダイナミックレンジを増大し、色温度を調整し、信号対ノイズ比を高めることなどができる。
【0149】
撮影された画像は、3次元の再構成により適する場合がある別の表現に変換され得る。それは、異なる形式(8ビットから16ビット、整数から浮動小数点など)、異なる色空間(RGBからHSVなど)、異なるドメイン(空間ドメインから周波数ドメインなど)などに変換することができる。
【0150】
撮影された画像の一部は、撮影された画像の別の部分に置き換える(または別の部分の変換)ことができる。それは、境界の周りの反射拡張など、別の領域の変換によって置き換えられる空間領域であり得る。それは、高周波数サブバンドが低周波数サブバンドなどからの推定により置き換えられるなど、別の周波数サブバンドの変換により置き換えられる周波数サブバンドであり得る。
【0151】
3次元再構成
生物学的試料の3次元ボリュームをその投影から再構築することは、逆問題である。3次元体積再構成は、位相画像取得スキーム、逆投影スキーム、非線形近似スキーム、最適化スキームなどを用いることができる。
【0152】
いくつかの画像が異なる焦点距離で撮影される場合、これらの画像の焦点の度合いを計算し、これらの焦点の度合いをベクトルとして列記する。次に、ベクトルをルックアップテーブルと照会し、それらの対応する焦点面距離を見つける。対応するものは、距離ベース、相関ベース、または最適な一致を選択する他の基準であってよい。
【0153】
図16−Eに位相画像取得ベースのスキームの図を示す。次の4つの構成要素からなる:
●焦点距離の計算
●位相画像取得
●高さ推定
●3次元ボリューム再構築
【0154】
第2の構成要素である位相取得は、強度輸送(TIE)方程式に基づいた定量的位相撮像技術によるものである。TIE方程式は以下を示し、
【数2】
式中、
【数3】
は、多焦点画像から計算することができる強度勾配を示し、kは、波数であり、φは試料位相分布である。
【0155】
TIE方程式は、高速フーリエ変換、離散コサイン変換を使用した解法であり、例えば、“Boundary−artifact−free phase retrieval with the transport of intensity equation:fast solution with use of discrete cosine transform”,C.Zuo,Q.Chen,and A.Asundi,Optics Express,Vol.22,No.8,April 2014を参照されたい。位相画像φはTIE方程式から取得される。
【0156】
位相画像が与えられたら、生物学的検体の高さ(厚さ)を推定する。厚さtおよび屈折率nの試料の場合、対応する光路長Lpは以下であることを想起する。
L
p=t×n
【0157】
生物学的検体の高さは、既知の屈折率で計算することができる。
【0158】
さらに進むと、生物学的検体の3次元ボリュームを再構築することができる。
【0159】
逆投影アルゴリズムは、断層撮影の3次元再構築において一般的に使用される。これには、フーリエ変換ベースのアルゴリズム、フィルタ補正逆投影アルゴリズム、逆投影およびフィルタリングアルゴリズム、ならびに反復アルゴリズムが含まれる。
【0160】
回転軸に対する焦点面の位置が異なる場合、互いに180度離れて撮影された2つの画像は、検体の異なる部分に焦点が合わせられる。補正するために、半平面調整逆投影アルゴリズムを用いることができる。したがって、検体の焦点の合った部分に対応する領域に逆投影を制限することにより、結果の品質が向上する。検体を通して様々な配向のデータが蓄積されると、セミディスクマスクを回転させて、焦点の合ったデータのみが逆投影されるようにすることができる。
【0161】
逆投影アルゴリズムの別の実施形態として、フィルタ補正逆投影方法に基づく手順を適用することができる。離散逆ラドン変換は、ビーム回転方向のすべてのx−θスライスに適用され、xは傾斜方向の座標、θは対物レンズの光軸に対するレーザービーム方向の相対角度である。撮像方向と照明方向との間の角度を補正するために、x値はcosθで除される。欠落している投影の影響を低減するために、反復制約方法を適用することができる。
【0162】
その投影から3次元ボリュームを再構築する逆問題の場合、得られる3次元ボリュームがぼやける場合がある。ランプフィルタを使用して、ぼやけを除去または低減することができる。
【0163】
ぼやけ除去フィルタのほかに、様々な撮像フィルタを、
(1)画像もしくは画像ボリュームの一部が選択される信号選択、
(2)画像もしくは画像ボリュームの一部もしくは全体が強調される信号強調、
(3)画像もしくは画像ボリュームの一部もしくは全体が、周波数表現、マルチスケール表現などの別の表現に変換される信号変換、
(4)画像もしくは画像ボリュームの一部が、撮影された画像の別の部分、もしくは撮影された画像の別の部分の表現に置き換えられる信号複製、
(5)または(1)〜(4)の任意の組み合わせ(限定されないが、これらを含む)のために、3次元ボリューム再構築に使用することができる。
【0164】
D−4.本発明の実施例
DA1.QMAXデバイスと、イメージャと、を備える、試料撮像のためのデバイスであって、
(1)QMAXデバイスが、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、変形可能な試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定される前記スペーサを備え、
v.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vi.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
構成のうちの1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料が、プレートの一方または両方に付着し、
構成のうちのもう1つは、開放構成において試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、2つのプレートの内表面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節され、
(2)イメージャが、均一な厚さの層の少なくとも一部から発せられる信号の画像を撮影するように構成されている、デバイス。
【0165】
DB1.QMAXデバイスと、イメージャと、ホルダと、制御デバイスと、を備える、断層撮影のためのシステムであって、
(1)QMAXデバイスが、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、変形可能な試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定されるスペーサを備え、
v.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vi.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
構成のうちの1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料が、プレートの一方または両方に付着し、
構成のうちのもう1つは、開放構成において前記試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、2つのプレートの内表面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節され、
(2)イメージャが、画像センサと、レンズと、を備え、
i.レンズが、均一な厚さの層の少なくとも一部から発せられる信号を集束させ、集束した信号を画像センサに投影するように構成されており、
ii.画像センサが、前記集束した信号の画像を撮影するように構成されており、
(3)ホルダが、QMAXデバイスとイメージャとの間の相対位置を調整するように構成されており、
(4)制御デバイスが、ホルダによって行われた位置調整を制御および/または推定し、前記画像を受信し、3次元ボリュームに再構築するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える、システム。
【0166】
DBB1.QMAXデバイスと、イメージャと、ホルダと、制御デバイスと、を備える、断層撮影のためのシステムであって、
(1)QMAXデバイスが、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、変形可能な試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定されるスペーサを備え、
v.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vi.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
構成のうちの1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料が、プレートの一方または両方に付着し、
構成のうちのもう1つは、開放構成において前記試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、2つのプレートの内表面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節され、
(2)イメージャが、焦点面を変更することが可能であり、画像センサと、レンズと、を備え、
i.レンズが、均一な厚さの層の少なくとも一部から発せられる信号を集束させ、集束した信号を画像センサに投影するように構成されており、
ii.画像センサが、前記集束した信号の画像を撮影するように構成されており、
iii.レンズが、単レンズ、またはいくつかのレンズで構成される複合レンズであり、
iv.レンズの少なくとも1つの素子レンズが、イメージセンサからの距離を変更してイメージャの焦点面を変更するように移動可能であり、
v.可動レンズが、コンピュータまたは手動で制御されるステッピングモーターおよび/または電磁力によって駆動され得、
かつ
(4)制御デバイスが、ホルダによって行われた位置調整を制御および/または推定し、前記画像を受信し、3次元ボリュームに再構築するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える、システム。
【0167】
DC1.断層撮影の方法であって、
(a)先行するデバイスまたはシステムの実施形態のいずれかに記載のQMAXデバイスに試料を付着させるステップと、
(b)(a)の後、QMAXデバイスの2つのプレートを使用して、試料の少なくとも一部を、プレートの試料接触表面によって限定される実質的に均一な厚さの層に圧縮するステップであって、層の均一な厚さがスペーサおよびプレートによって調節され、圧縮が、
2つのプレートを一緒にし、
並行してまたは順次のいずれかで、プレートの少なくとも一方の領域を適合押圧して、プレートを一緒に閉鎖構成へと押圧すること
を含み、適合押圧が、試料の少なくとも一部にわたってプレート上に実質的に均一な圧力を生じさせ、押圧が、プレートの試料接触表面間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、閉鎖構成が、均一な厚さ領域の層におけるプレート間の間隔がスペーサによって調節される構成である、前記ステップと、
(c)先行するデバイスまたはシステムの実施形態のいずれかに記載のイメージャを使用して、均一な厚さの層の少なくとも一部から発せられる信号の画像を撮影するステップと、
(d)QMAXデバイスとイメージャとの間の相対位置を調整し、ステップ(c)を繰り返すステップと、
(e)一連のステップ(c)の後、撮影された画像を、層の少なくとも一部の3次元ボリュームに再構築するステップであって、
適合押圧は、プレートの外表面の形状変化に関係なく、ある領域に適用される圧力を実質的に一定にする方法であり、
並行押圧は、目的の領域に同時に圧力を適用し、順次押圧は、目的の領域の一部に圧力を適用し、徐々に他の領域に移動する、前記ステップと、
を含む、方法。
【0168】
DCC1.異なる焦点面で画像を撮影する方法であって、
(a)イメージャ内の可動レンズをコンピュータまたは手動で初期位置に制御するステップと、
(b)可動レンズの位置を焦点面の位置に対応させるステップと、
(c)イメージャの画像センサを使用して画像を撮影し、焦点面の位置を記録するステップと、
(d)可動レンズを次の位置に移動させる変位ステップをコンピュータまたは手動で追加するステップと、
(e)ステップ(b)〜(d)を繰り返すステップと、
(f)一連のステップ(e)の後、異なる焦点面でいくつかの画像が撮影されるステップと、
を含む、方法。
【0169】
DA21.QMAXデバイスが、試料を染色する、一方または両方のプレートにコーティングされた乾燥試薬をさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0170】
DA22.
i.一方または両方のプレートの試料接触領域が、各々がそれぞれの分析物に結合し、それを固定化する1つまたは複数の結合部位を備えるか、または
ii.一方または両方のプレートの試料接触領域が、各々が試薬(複数可)を収容する1つまたは複数の収容部位を備え、ステップ(c)の間または後に、試薬(複数可)が試料中に溶解および拡散し、試料が1つまたは複数の分析物を含むか、または
iii.分析物または標識が増幅部位から500nmである場合、各々分析物または分析物の標識からの信号を増幅することが可能である1つまたは複数の増幅部位、または
iv.i〜iiiの任意の組み合わせである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0171】
DA23.イメージャが、撮像のために均一な厚さの層の照明または励起のための光を提供する光源をさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0172】
DA24.光源が、LED、レーザー、白熱灯、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態DA23に記載のデバイス。
【0173】
DB2.信号が、光反射、光屈折、光透過、発光信号、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される光信号を含む、実施形態DB1に記載のシステム。
【0174】
DB3.イメージャが、撮像のために均一な厚さの前記層を照らす光を提供する光源をさらに備え、光源が、白熱灯、LED、CFL、レーザー、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0175】
DB4.イメージャが、撮像のために均一な厚さの前記層からの蛍光放射を励起する励起光を提供する光源をさらに備え、光源が、LEDおよび/またはレーザーである、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0176】
DB5.ホルダが、レンズの焦点面位置を変更するために、その光軸に沿ってQMAXデバイスに対するレンズの相対位置を調整することが可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0177】
DB6.ホルダが、レンズとQMAXデバイスとの間の相対位置を調整して撮像角度を変更することが可能であり、撮像角度が、レンズの焦点面と均一な厚さの層との間の角度である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0178】
DB7.イメージャが、撮像のための照明光を提供する光源をさらに備え、ホルダが、光源とQMAXデバイスとの間の相対位置を調整して、照明光の入射角を変更することが可能であり、入射角が、照明光と均一な厚さの層に垂直な線との間の角度である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0179】
DB8.制御デバイスが、位置調整を定義する命令をホルダに送信するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、ホルダが前記命令を受信して10%以下の偏差で調整を行うように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0180】
DB9.制御デバイスが、位置調整を定義する命令をホルダに送信するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、ホルダが前記命令を受信して1%以下の偏差で調整を行うように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0181】
DB10.制御デバイスが、位置調整を定義する入力を受信し、入力をホルダが調整を行うための命令に変換するためのハードウェアおよびソフトウェアを備えている、実施形態DB8〜DB9のいずれかに記載のシステム。
【0182】
DB11.システムが複数の較正柱をさらに備え、
(1)前記複数の較正柱が、閉鎖構成で2つのプレートの試料接触領域の間に設置され、互いに異なる高さを有し、これらはすべてスペーサの均一な高さよりも小さく、
(2)前記画像が、共通の光軸に沿った異なる焦点面で撮影され、
(3)制御デバイスが、(a)前記画像の各々の焦点スコアを計算するための、および(b)前記焦点スコアをルックアップテーブルと比較することにより、前記画像の各々が撮影される焦点面位置を推定するためのハードウェアとソフトウェアを備え、焦点スコアは、撮影された画像の各画素について計算された焦点の度合いのマトリックスであり、ルックアップテーブルは事前に決定されており、前記共通の光軸に沿った所定の焦点面位置の行、および対応する較正焦点スコアの行を含み、較正焦点スコアの各々は、対応する所定の焦点面で撮影された較正柱の画像に基づいて計算される、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0183】
DB12.前記画像が共通の光軸に沿った異なる焦点面で撮影され、制御デバイスが、(a)層の前記少なくとも一部の生物学的実体の位相画像を生成することであって、位相画像が、生物学的実体からの信号を含む前記画像の少なくとも一部を撮像するために使用される照明光の波長、および前記画像がそれぞれ撮影される焦点面位置に基づいて計算される位相分布である、前記生成するための、および(b)位相画像および試料の屈折率に基づいて生物学的実体の厚さを推定するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、生物学的実体が層の前記少なくとも一部の一部または全体である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0184】
DB13.制御デバイスが、推定された厚さに基づいて画像の前記少なくとも一部を生物学的実体の3次元ボリュームに再構築するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える、実施形態DB8に記載のシステム。
【0185】
DB14.前記画像が異なる撮像角度で撮影され、制御デバイスが、(1)前記画像の各々の撮像角度を知るまたは推定する、および(2)逆投影アルゴリズムを使用して、既知/推定撮像角度に基づいて、前記画像を3次元ボリュームに再構築するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、撮像角度が、レンズの焦点面と均一な厚さの層との間の角度である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0186】
DB15.前記画像が異なる入射角の照明光で撮影され、制御デバイスが、(1)前記画像の各々の入射角を知るまたは推定する、および(2)逆投影アルゴリズムを使用して、既知/推定入射角に基づいて、前記画像を3次元ボリュームに再構築するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、照明光の入射角が、照明光と均一な厚さの層に垂直な線との間の角度である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0187】
DB16.逆投影アルゴリズムが、フーリエ変換ベースのアルゴリズム、フィルタ補正逆投影アルゴリズム、逆投影およびフィルタリングアルゴリズム、反復アルゴリズム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態DB14またはDB15のいずれかに記載のシステム。
【0188】
DB17.前記イメージャが撮像フィルタを備え、撮影された画像が、(1)信号選択、これにより、撮影された画像の一部が選択される、(2)信号強調、これにより、撮影された画像の一部または全体が強調される、(3)信号変換、これにより、撮影された画像の一部または全体が、周波数表現、マルチスケール表現などの別の表現に変換される、(4)信号複製、これにより、撮影された画像の一部が撮影された画像の別の部分、または撮影された画像の別の部分の表現に置き換えられる、または(1)〜(4)の任意の組み合わせのための撮像フィルタおよび/または制御デバイスのソフトウェアによってフィルタ補正される、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0189】
DB18.前記制御デバイスが、画像の前記少なくとも一部を3次元ボリュームに再構築するためのハードウェアおよびソフトウェアをさらに備え、3次元ボリュームの再構築中に、画像および3次元ボリュームが、(1)画像もしくは画像ボリュームの一部が選択される信号選択、(2)画像もしくは画像ボリュームの一部もしくは全体が強調される信号強調、(3)画像もしくは画像ボリュームの一部もしくは全体が、周波数表現、マルチスケール表現などの別の表現に変換される信号変換、(4)画像もしくは画像ボリュームの一部が、撮影された画像の別の部分、もしくは撮影された画像の別の部分の表現に置き換えられる信号複製、または(1)〜(4)の任意の組み合わせのための撮像フィルタおよび/もしくは制御デバイスのソフトウェアによってフィルタ補正される、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0190】
DC2.ステップ(c)の前に、試料を色素で染色することをさらに含む、実施形態DC1に記載の方法。
【0191】
DC3.ステップ(b)の間、適合押圧が人間の手によるものである、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0192】
DC4.ステップ(d)の適合押圧が、加圧液体、加圧ガス、または適合材料によって提供される、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0193】
DC5.調整ステップ(d)が、レンズの焦点面位置を変更するために、その光軸に沿ってQMAXデバイスに対するレンズの相対位置を調整するステップを含む、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0194】
DC6.調整ステップ(d)が、レンズとQMAXデバイスとの間の相対位置を調整して撮像角度を変更するステップを含み、撮像角度が、焦点面と均一な厚さの層との間の角度である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0195】
DC7.イメージャが、撮像のための照明光を提供する光源をさらに備え、調整ステップ(d)が、光源のQMAXデバイスに対する相対位置を調整して、照明光の入射角を変更するステップを含み、入射角が、照明光と均一な厚さの層に垂直な線との間の角度である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0196】
DC8.調整ステップ(d)が手動で行われる、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0197】
DC9.調整ステップ(d)が、ホルダに作動可能に結合された制御デバイスを介して行われ、制御デバイスが、位置調整を定義する入力を受信し、命令をホルダに送信するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、ホルダが前記命令を受信して10%以下の偏差で調整を行うように構成されている、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0198】
DC10.調整ステップ(d)が、ホルダに作動可能に結合された制御デバイスを介して行われ、制御デバイスが、位置調整を定義する入力を受信し、命令をホルダに送信するためのハードウェアおよびソフトウェアを備え、ホルダが前記命令を受信して1%以下の偏差で調整を行うように構成されている、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0199】
DC11.前記画像が、共通の光軸に沿った異なる焦点面で撮影され、再構築ステップ(e)が、(i)前記画像の各々の焦点スコアを計算するステップ、および(ii)前記焦点スコアをルックアップテーブルと比較することにより、前記画像の各々が撮影される焦点面位置を推定するステップを含み、焦点スコアは、撮影された画像の各画素について計算された焦点の度合いのマトリックスであり、ルックアップテーブルは事前に決定されており、前記共通の光軸に沿った所定の焦点面位置の行、および対応する較正焦点スコアの行を含み、較正焦点スコアの各々は、対応する所定の焦点面で撮影された較正柱の画像に基づいて計算される、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0200】
DC12.前記画像が共通の光軸に沿った異なる焦点面で撮影され、再構築ステップ(e)が、(i)層の前記少なくとも一部の生物学的実体の位相画像を生成するステップであって、位相画像が、生物学的実体からの信号を含む前記画像の少なくとも一部を撮像するために使用される照明光の波長、および前記画像が撮影される焦点面位置に基づいて計算される位相分布である、前記ステップ、および(ii)位相画像および試料の屈折率に基づいて生物学的実体の厚さを推定するステップを含み、生物学的実体が層の前記少なくとも一部の一部または全体である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0201】
DC13.再構築ステップ(e)が、推定された厚さに基づいて画像の前記少なくとも一部を生物学的実体の3次元ボリュームに再構築するステップをさらに含む、実施形態DC12に記載の方法。
【0202】
DC14.前記画像が、異なる撮像角度で撮影され、再構築ステップ(e)が、(i)前記画像の各々の撮像角度を知るまたは推定するステップ、および(ii)逆投影アルゴリズムを使用して、既知/推定撮像角度に基づいて、前記画像を3次元ボリュームに再構築するステップを含み、撮像角度が、レンズの焦点面と均一な厚さの層との間の角度である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0203】
DC15.前記画像が照明光の異なる入射角で撮影され、再構築ステップ(e)が、(i)前記画像の各々の入射角を知るまたは推定するステップ、および(ii)逆投影アルゴリズムを使用して、既知/推定入射角に基づいて、前記画像を3次元ボリュームに再構築するステップを含み、照明光の入射角が、照明光と均一な厚さの層に垂直な線との間の角度である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0204】
DC16.逆投影アルゴリズムが、フーリエ変換ベースのアルゴリズム、フィルタ補正逆投影アルゴリズム、逆投影およびフィルタリングアルゴリズム、反復アルゴリズム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態DC14またはDC15のいずれかに記載の方法。
【0205】
DC17.試料が、細胞、組織、体液、便、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される生物学的試料である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0206】
DC18.前記試料が、河川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、飲料水など、土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガからの固形試料、下水、空気、水中熱排気口、産業排気、車両排気、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される環境源からの環境試料である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0207】
DC19.試料が、生の食材、調理済み食品、植物および動物の食糧源、前処理済みの食品、部分的または完全に加工済みの食品、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される食品試料である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0208】
DC20.試料が血液であり、生物学的実体が、赤血球、白血球、および/または血小板である、先行する方法の実施形態のいずれかに記載の方法。
【0209】
DC21.
(f)それらのそれぞれの再構成された3次元ボリュームに基づいて、赤血球、白血球、および/または血小板の容積を計算することをさらに含む、実施形態DC20に記載の方法。
【0210】
DC22.
(g)計算された容積に基づいて、平均赤血球容積(MCV)、ヘマトクリット、赤血球分布幅(RDW)、平均血小板容積(MPV)、血小板分布幅(PDW)、未熟血小板画分(IPF)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される血液検査情報を決定することをさらに含む、実施形態DC21に記載の方法。
【0211】
E.機械学習により支援されるアッセイおよび撮像
E−1.アッセイおよび撮像用QMAXデバイス
QMAXデバイス、イメージャ、およびコンピューティングユニットを備える、生物学的分析物の検出および位置特定のためのデバイスが開示される。QMAXデバイスで生物学的試料が推測される。試料に含まれる分析物の計数および位置は、本開示によって得られる。
【0212】
イメージャは生物学的試料の画像を撮影する。画像はコンピューティングユニットに送信される。コンピューティングユニットは、イメージャに物理的に直接接続されるか、ネットワークを介して接続されるか、または画像転送を介して間接的に接続され得る。
【0213】
E−2.ワークフロー
開示される分析物の検出および位置特定は、機械学習のディープラーニングを用いる。機械学習アルゴリズムは、データから学習することができるアルゴリズムである。機械学習のより厳密な定義は、「Pによって測定されるTのタスクでのそのパフォーマンスがエクスペリエンスEによって向上する場合、タスクTのいくつかのクラスおよびパフォーマンス測定Pに関して、コンピュータプログラムはエクスペリエンスEから学習する」と言われている。それは、データから学習し、予測を行うことができるアルゴリズムの研究および構築を調査する。このようなアルゴリズムは、試料入力からモデルを構築することにより、データ駆動の予測または決定を行うことによって、後の厳密に静的なプログラム命令を克服する。
【0214】
ディープラーニングは、データの高レベルの抽象化をモデル化しようとする一連のアルゴリズムに基づく特定の種類の機械学習である。単純な場合では、入力信号を受信するニューロン、および出力信号を送信するニューロンの2つのセットがあり得る。入力層が入力を受信すると、入力の修正バージョンを次の層に伝える。ディープネットワークでは、入力と出力の間に多くの層があり(層はニューロンで作られていないが、そのように考えると役立つ場合がある)、アルゴリズムが複数の線形および非線形変換から構成される複数の処理層を使用することを可能にする。
【0215】
図17−Aにあるように、開示される分析物の検出および位置特定のワークフローは、訓練および予測の2つの段階からなる。次の段落で、訓練および予測の段階を説明する。
【0216】
訓練
訓練段階では、注釈付きの訓練データが畳み込みニューラルネットワークに供給される。畳み込みニューラルネットワークは、既知のグリッドのようなトポロジーを有するデータを処理するための特殊な種類のニューラルネットワークである。例としては、一定の時間間隔で試料を取得する1Dグリッドとみなすことができる時系列データ、および画素の2Dグリッドとみなすことができる画像データが挙げられる。畳み込みネットワークは、実際のアプリケーションで非常に成功している。「畳み込みニューラルネットワーク」という名称は、ネットワークが畳み込みと呼ばれる数学的操作を用いることを示す。畳み込みは、特殊な種類の線形操作である。畳み込みネットワークは、それらの層の少なくとも1つで一般的な行列乗算の代わりに畳み込みを使用する単純なニューラルネットワークである。
【0217】
検出される分析物の訓練データに注釈が付けられる。注釈は、訓練データに分析物が存在するかどうかを示す。注釈は、分析物、または分析物の中心位置を完全に含む境界ボックスの形で行われ得る。後者の場合、中心位置はさらに分析物を覆う円に変換される。
【0218】
訓練データのサイズが大きい場合、注釈(通常は人が行う)には時間がかかり、訓練には計算コストがかかるという2つの課題がある。これらの課題を克服するために、訓練データを小さなサイズのパッチに分割し、その後、これらのパッチまたはこれらのパッチの一部に注釈を付けて訓練することができる。
【0219】
注釈付き訓練データは、モデル訓練のために畳み込みニューラルネットワークに供給される。出力は、画像の画素レベルの予測に使用することができるモデルである。Caffeライブラリを完全畳み込みネットワーク(FCN)で使用する。TensorFlowなど、他の畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャを使用することもできる。
【0220】
訓練段階では、予測段階で使用されるモデルを生成する。このモデルは、入力画像の予測段階で繰り返し使用することができる。したがって、コンピューティングユニットは、生成されたモデルへのアクセスしか必要としない。訓練データにアクセスする必要も、訓練段階をコンピューティングユニットで実行する必要もない。
【0221】
予測
予測段階では、検出コンポーネントが入力画像に適用され、位置特定コンポーネントがそれに続く。予測段階の出力は、各分析物の位置とともに、試料に含まれる分析物の計数である。
【0222】
検出コンポーネントでは、訓練段階で生成されたモデルとともに、入力画像が畳み込みニューラルネットワークに供給される。検出段階の出力は、ヒートマップの形式の画素レベルの予測である。ヒートマップは、入力画像と同じサイズを有するか、または入力画像の縮小版であってもよい。ヒートマップの各画素は0〜1の値を有し、画素が分析物に属するかどうかの確率(信念)とみなすことができる。値が高いほど、分析物に属する可能性が大きくなる。
【0223】
ヒートマップは、位置特定コンポーネントの入力である。分析物の中心を位置特定するアルゴリズムを開示する。主な概念は、ヒートマップから局所ピークを繰り返し検出することである。ピークを見つけた後、値は小さいが、ピークを取り囲む局所領域を計算する。この領域をヒートマップから削除し、残りの画素から次のピークを見つける。このプロセスは、すべての画素がヒートマップから削除されるだけ繰り返される。
【0224】
位置特定アルゴリズムの一実施形態は、ヒートマップ値を最高値から最低値まで1次元の順序付きリストに分類することである。次に、最も高い値の画素を選択し、その画素をその近傍とともにリストから削除する。すべての画素がリストから削除されるまで、リスト内で最も高い値の画素を選択するプロセスを繰り返す。
大域探索アルゴリズム(ヒートマップ)
入力:
ヒートマップ
出力:
軌跡
軌跡←{}
分類(ヒートマップ)
(ヒートマップは空ではない)とき{
s←表示(ヒートマップ)
D←{半径Rでのsとしてのディスク中心}
ヒートマップ=ヒートマップ¥D//ヒートマップからDを削除
軌跡にsを追加
}
【0225】
分類後、ヒートマップは1次元の順序付きリストであり、ヒートマップ値は最高から最低の順に並べられる。各ヒートマップ値は、その対応する画素座標に関連付けられる。ヒートマップの最初の項目は最高値を有するものであり、表示(ヒートマップ)関数の出力である。中心が最高のヒートマップ値を有するものの画素座標である1つのディスクが作成される。次に、画素座標がディスク内にあるすべてのヒートマップ値がヒートマップから削除される。アルゴリズムは、項目がヒートマップから削除されるまで、現在のヒートマップで最高値を繰り返し表示し、その周囲のディスクを削除する。
【0226】
順序付きリストヒートマップでは、各項目は前の項目および次の項目の知識を有する。順序付きリストから項目を削除するときに、
図17−Bに図示するように、次の変更を行う。
●削除する項目がx
rであり、その前の項目がx
pであり、その次の項目がx
fであると仮定する。
●前の項目x
pについて、その次の項目を削除する項目の次の項目に再定義する。したがって、x
pの次の項目が現在x
fである。
●削除項目x
rについて、その前の項目および次の項目の定義を解除し、順序付きリストから削除する。
●次の項目x
fについて、その前の項目を削除した項目の前の項目に再定義する。したがって、x
fの前の項目は現在x
pである。
【0227】
すべての項目が順序付きリストから削除された後、位置特定アルゴリズムは完了する。設定された軌跡の要素の数は分析物の計数であり、位置情報は設定された軌跡の各sの画素座標である。
【0228】
別の実施形態は、最高のヒートマップ値を有するものである必要はない局所ピークを探索する。各局所ピークを検出するには、ランダムな開始点から開始し、局所最大値を探索する。ピークを見つけた後、値は小さいが、ピークを取り囲む局所領域を計算する。この領域をヒートマップから削除し、残りの画素から次のピークを見つける。このプロセスは、すべての画素がヒートマップから削除されるだけ繰り返される。
局所探索アルゴリズム(s、ヒートマップ)
入力:
s:開始位置(x、y)
ヒートマップ
出力:
s:局所ピークの位置。
値が>0の画素のみを考慮する。
網羅アルゴリズム(s、ヒートマップ)
入力:
s:局所ピークの位置。
ヒートマップ:
出力:
網羅:ピークで網羅された画素のセット:
【0229】
これは、sから始まる幅優先探索アルゴリズムであり、訪問ポイントの条件が1つ変更されている:現在の位置qの近傍pは、ヒートマップ[p]>0かつヒートマップ[p]<=ヒートマップ[q]の場合を網羅するためのみに追加される。したがって、網羅されている各画素は、局所ピークsに至る非下降パスを有する。
位置特定アルゴリズム(ヒートマップ)
入力:
ヒートマップ
出力:
軌跡
軌跡←{}
画素←{ヒートマップからのすべての画素}
画素が空ではないとき{
s←画素からの任意の画素
s←局所探索(s、ヒートマップ)//sは現在局所ピークである
より良い局所ピークを得るために、sを取り囲む半径Rの局所領域をプローブする
r←網羅(s、ヒートマップ)
画素←画素¥r //網羅されているすべての画素を削除
軌跡にsを追加
【0230】
E−3.本発明の実施例
EA1.データ分析のためのディープラーニングの方法であって、
(a)試験試料の画像を受信することであって、試料がQMAXデバイスに装填され、画像がQMAXデバイスに接続されたイメージャによって撮影され、画像が試験試料中の分析物からの検出可能な信号を含む、前記受信することと、
(b)検出モデルを用いて画像を分析し、画像の2Dデータアレイを生成することであって、2Dデータアレイが、画像内の各位置の分析物の確率データを含み、検出モデルが、
i.注釈付きデータセットを畳み込みニューラルネットワークに供給することであって、注釈付きデータセットが、試験試料と同じ種類であり、同じ分析物のための試料からである、前記供給すること、および
ii.畳み込みによる検出モデルを訓練および確立すること
を含む訓練プロセスを通して確立される、前記生成することと、
(c)2Dデータアレイを分析して、
i.信号リストプロセス、または
ii.局所探索プロセスにより局所信号ピークを検出することと、
(d)局所信号ピーク情報に基づいて分析物の量を計算することと、を含む、方法。
【0231】
EB1.
QMAXデバイスと、イメージャと、コンピューティングユニットと、を備える、データ分析のためのシステムであって、
(a)QMAXデバイスが、試験試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さの層に圧縮するように構成されており、
(b)イメージャが、均一な厚さの層で試料の画像を生成するように構成され、画像が、試験試料中の分析物からの検出可能な信号を含み、
(c)コンピューティングユニットが、
i.イメージャから画像を受信し、
ii.検出モデルを用いて画像を分析し、画像の2Dデータアレイを生成し、ここで2Dデータアレイが、画像内の各位置の分析物の確率データを含み、検出モデルが、
注釈付きデータセットを畳み込みニューラルネットワークに供給することであって、注釈付きデータセットが、試験試料と同じ種類であり、同じ分析物のための試料からである、前記供給すること、および
畳み込みによる検出モデルを訓練および確立すること
を含む訓練プロセスを通して確立され、かつ
iii.(c)2Dデータアレイを分析して、信号リストプロセスまたは局所検索プロセスにより局所信号ピークを検出し、かつ
iv.局所信号ピーク情報に基づいて分析物の量を計算する
ように構成されている、システム。
【0232】
EA2.信号リストプロセスが、
i.2Dデータアレイから局所ピークを繰り返し検出することにより信号リストを確立し、検出された局所ピークを取り囲む局所領域を計算し、検出されたピークおよび局所領域データを順番に信号リストに移すことと、
ii.信号リストから最高信号および最高信号の周辺の信号を順次かつ繰り返し削除して、局所信号ピークを検出することと、を含む、実施形態EA1に記載の方法。
【0233】
EA3.局所探索プロセスが、
i.ランダムな点から開始して、2Dデータアレイの局所最大値を探索することと、
ii.値はより小さいが、ピークを取り囲む局所領域を計算することと、
iii.2Dデータアレイから局所最大値および周囲の小さい値を削除することと、
iv.ステップi〜iiiを繰り返して、局所信号のピークを検出することと、を含む、実施形態EAの実施形態のいずれかに記載の方法。
【0234】
EA4.注釈付きデータセットが、注釈の前に分割される、先行するEA実施形態のいずれかに記載の方法。
【0235】
EB2.イメージャが、カメラを備える、実施形態EB1に記載のシステム。
【0236】
EB3.カメラが、モバイル通信デバイスの一部である、実施形態EB2に記載のシステム。
【0237】
EB4.コンピューティングユニットが、モバイル通信デバイスの一部である、先行するEB実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0238】
F.組織染色および細胞撮像のためのデバイスおよび方法
F−1.組織染色および細胞撮像のためのQMAXデバイスの例
図18−Aは、ヒンジを有するまたは有さない一般的なQMAXデバイスの実施形態を示し、Q:定量化;M:拡大;A:試薬の添加;X:加速;圧縮調節オープンフロー(CROF)デバイスとも呼ばれる。一般的なQMAXデバイスは、第1のプレート10と、第2のプレート20とを備える。特に、パネル(A)は、第1のプレートがスペーサを有する、第1のプレート10および第2のプレート20の斜視図を示す。しかしながら、スペーサは、第2のプレート20(図示せず)または第1のプレート10および第2のプレート20(図示せず)の両方にも固定されることに留意されたい。パネル(B)は、開放構成で第1のプレート10上に試料90が付着する斜視図および断面図を示す。しかしながら、試料90は、第2のプレート20(図示せず)または第1のプレート10および第2のプレート20(図示せず)の両方にも付着することに留意されたい。パネル(c)は、(i)試料90を広げて(プレートの内表面間の試料の流れ)試料の厚さを低減するために第1のプレート10および第2のプレート20を使用する、および(ii)スペーサおよびプレートを使用して、QMAXデバイスの閉鎖構成で試料の厚さを調節することを図示する。各プレートの内表面は、1つもしくは複数の結合部位およびまたは収容部位(図示せず)を有してもよい。
【0239】
いくつかの実施形態では、スペーサ40は、所定の均一な高さおよび所定の均一なスペーサ間距離を有する。
図18−Aのパネル(C)に示すように、閉鎖構成では、プレート間の間隔、したがって、試料90の厚さはスペーサ40によって調節される。いくつかの実施形態では、試料90の均一な厚さは、スペーサ40の均一な高さに実質的に類似する。
図18−Aは、プレートの1つに固定されているスペーサ40を示すが、いくつかの実施形態では、スペーサは固定されていないことに留意されたい。例えば、ある特定の実施形態では、試料が薄い層に圧縮されると、均一なサイズを有する剛性ビーズまたは粒子であるスペーサが試料層の厚さを調節するように、スペーサが試料と混合される。
【0240】
図18−Aは、細胞撮像に使用されるQMAXデバイスの実施形態を示す。図に示すように、デバイスは、第1のプレート10と、第2のプレート20と、スペーサ40とを備える。プレートは、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、一方または両方のプレートは可撓性である。プレートの各々は、そのそれぞれの内表面上に、染色液910および/または標的分析物を含む疑いのある組織試料90と接触するための試料接触領域(図示せず)を有する。第2のプレート20は、その内表面21に固定されているスペーサ40を備える。スペーサ40は、所定の実質的に均一な高さおよび所定のスペーサ間距離を有し、スペーサの少なくとも1つは、試料接触領域の内側にある。
【0241】
図18−Aのパネル(A)および(B)は、構成のうちの1つである開放構成を図示する。図に示すように、開放構成では、2つのプレートは、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔102はスペーサ40によって調節されず、染色液910および試料90は第1のプレート10に付着する。染色液910および試料90は、第2のプレート20または両方のプレートに付着させることもできることに留意されたい。
【0242】
図18−Aのパネル(C)は、2つのプレートの構成のうちのもう1つである閉鎖構成を示す。パネル(B)に示すように、閉鎖構成は、開放構成での染色液910および試料90の付着後に構成される。そして、閉鎖構成では、試料90の少なくとも一部は2つのプレートの間にあり、染色液910の少なくとも一部の層は試料90の少なくとも一部と第2のプレート20との間にあり、染色液層の少なくとも一部の厚さは、プレート、試料90、およびスペーサ40によって調節され、試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離は、わずかなばらつきがあるが、250μm以下である。
【0243】
いくつかの実施形態では、試料は、開放構成で、その上で乾燥され、試料は、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳び、キームス、内リンパ、外リンパ、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿、粘膜分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂(sebum)、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される体液を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方の試料接触領域は、試料が開放構成でその上で乾燥され得るように構成され、試料は血液塗抹標本を含み、一方または両方のプレート上で乾燥される。
【0245】
いくつかの実施形態では、試料は、1〜200umの範囲の厚さを有する固形組織切片であり、プレートの一方または両方の試料接触領域は、試料に接着性である。いくつかの実施形態では、試料はパラフィン包埋されている。いくつかの実施形態では、試料は固定されている。
【0246】
いくつかの実施形態では、染色液は、特に試料の特性を変更することが可能な成分を含まない純粋な緩衝液である。いくつかの実施形態では、染色液は、試料を固定することが可能な固定剤を含む。いくつかの実施形態では、染色液は遮断剤を含み、遮断剤は、試料中の非特異的な内因性種を無効にして標的分析物を特異的に標識するために使用される検出剤と反応するように構成されている。いくつかの実施形態では、染色液は、試料中のパラフィンを除去することが可能な脱パラフィン剤を含む。いくつかの実施形態では、染色液は、標的分析物を含む組織試料中の細胞を透過化することが可能な透過化剤を含む。いくつかの実施形態では、染色液は、抗原の賦活化を容易にすることが可能な抗原賦活化剤を含む。いくつかの実施形態では、染色液は、試料中の標的分析物を特異的に標識する検出剤を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートの試料接触領域は、遮断剤を含む収容部位を備え、遮断剤は、試料中の非特異的な内因性種を無効にして標的分析物を特異的に標識するために使用される検出剤と反応するように構成されている。いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートの試料接触領域は、試料中のパラフィンを除去することが可能な脱パラフィン剤を含む収容部位を備える。いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートの試料接触領域は、標的分析物を含む組織試料中の細胞を透過化することが可能な透過化剤を含む収容部位を備える。いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートの試料接触領域は、抗原の賦活化を容易にすることが可能な抗原賦活化剤を含む収容部位を備える。いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートの試料接触領域は、試料中の標的分析物を特異的に標識する検出剤を含む収容部位を備える。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方の試料接触領域は、捕捉剤を含む結合部位を備え、捕捉剤は、試料中の細胞の表面上の標的分析物に結合し、細胞を固定化するように構成されている。
【0248】
いくつかの実施形態では、検出剤は、酸性フクシン、アルシアンブルー8GX、アリザリンレッドS、アニリンブルーWS、オーラミンO、アゾカルミンB、アゾカルミンG、アズールA、アズールB、アズールC、塩基性フクシン、ビスマルクブラウンY、ブリリアントクレシルブルー、ブリリアントグリーン、カーマイン、クロラゾールブラックE、コンゴレッド、C.I.クレシルバイオレット、クリスタルバイオレット、ダローレッド、エオシンB、エオシンY、エリスロシン、エチルエオシン、エチルグリーン、ファストグリーンFCF、フルオレセインイソチオシアネート、ギムザ染色、ヘマトキシリン、ヘマトキシリン&エオシン、インディゴカーマイン、ヤヌスグリーンB、ジェンナーステイン1899、ライトグリーンSF、マラカイトグリーン、マルチウスイエロー、メチルオレンジ、メチルバイオレット2B、メチレンブルー、メチレンブルー、メチレンバイオレット、(ベルントゼン)、ニュートラルレッド、ニグロシン、ナイルブルーA、ニュークリアファストレッド、オイルレッド、オレンジG、オレンジII、オルセイン、パラロサニリン、フロキシンB、プロタルゴールS、ピロニンB、ピロニン、レサズリン、ローズベンガル、サフラニンO、スーダンブラックB、スーダンIII、スーダンIV、テトラクロム染色(MacNeal)、チオニン、トルイジンブルー、ワイゲルト、ライト染色、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される染色用の色素を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、検出剤は、試料中のタンパク質分析物に特異的に結合するように構成された抗体を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、検出剤は、試料中のDNAおよび/またはRNAに特異的に結合するように構成されたオリゴヌクレオチドプローブを含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、検出剤はレポーター分子で標識され、レポーター分子は、読み取りおよび分析される検出可能な信号を提供するように構成されている。
【0252】
いくつかの実施形態では、信号は、
i.光ルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンス、
ii.光の吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散、
iii.表面ラマン散乱、
iv.抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンス、
v.磁気緩和能、ならびに
vi.i〜Vの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0253】
F−2.免疫組織化学
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、試料で免疫組織化学を実施するのに有用である。
【0254】
免疫組織化学(IHC)染色法では、組織試料を(例えば、パラホルムアルデヒドに)固定し、任意選択でワックスに包埋し、100um未満の厚さ(例えば、2um〜6umの厚さ)の薄切片にスライスし、その後ガラススライドなどの支持体上に設置する。設置したら、濃度を上げてアルコール洗浄して組織切片を脱水し、キシレンなどの洗剤で洗浄することができる。
【0255】
大半のIHC方法では、一次および二次抗体を使用することができる。そのような方法では、一次抗体は目的の抗原(例えば、バイオマーカー)に結合し、標識されない。二次抗体は一次抗体に結合し、レポーター分子または溶液中のレポーター分子を動員することができるリンカー分子(例えば、ビオチン)のいずれかに直接コンジュゲートされる。あるいは、一次抗体自体が、レポーター分子または溶液中のレポーター分子を動員することができるリンカー分子(例えば、ビオチン)のいずれかに直接コンジュゲートされてもよい。レポーター分子には、フルオロフォア(例えば、FITC、TRITC、AMCA、フルオレセイン、およびローダミン)、ならびにアルカリホスファターゼ(AP)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などの酵素が含まれ、これらには、DABまたはBCIP/NBTなどの様々な蛍光発生、発色性、および化学発光基質がある。
【0256】
直接法では、組織切片を結合緩衝液中の標識された一次抗体(例えば、FITCコンジュゲート抗体)とともにインキュベートする。一次抗体は組織切片の抗原に直接結合し、組織切片を洗浄して未結合の一次抗体を除去した後、切片を顕微鏡で分析する。
【0257】
間接法では、組織切片を組織内の標的抗原に結合させる非標識の一次抗体とともにインキュベートする。組織切片を洗浄して未結合の一次抗体を除去した後、組織切片を一次抗体に結合させる標識された二次抗体とともにインキュベートする。
【0258】
抗原の免疫組織化学染色後、組織試料を別の色素、例えば、ヘマトキシリン、ヘキスト染色、およびDAPIで染色して、コントラストを提供し、かつ/または他の特徴を特定することができる。
【0259】
本デバイスは、組織試料を染色する免疫組織化学(IHC)に使用され得る。これらの実施形態では、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートとを備えていてもよく、プレートは、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、一方または両方のプレートは可撓性であり、プレートの各々は、そのそれぞれの表面上に、組織試料またはIHC染色液と接触するための試料接触領域を有し、第1のプレートの試料接触領域は滑らかで平面であり、第2のプレートの試料接触領域は、表面に固定され、所定の実質的に均一な高さおよび7μm〜200μmの範囲の所定の一定のスペーサ間距離を有するスペーサを備え、
構成のうちの1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが完全または部分的に分離され、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、構成のうちのもう1つは、開放構成において試料およびIHC染色液が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は2つのプレート間にあり、染色液の少なくとも一部の層は試料の少なくとも一部と第2のプレートとの間にあり、染色液層の少なくとも一部の厚さは、プレート、試料、およびスペーサによって調節され、わずかなばらつきがあるが250μm以下である試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離を有する。
【0260】
いくつかの実施形態では、デバイスは、一方または両方のプレートの試料接触領域にコーティングされた乾燥IHC染色剤を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、第2のプレートの試料接触領域にコーティングされた乾燥IHC染色剤を含み得、IHC染色液は、乾燥IHC染色剤を溶解する液体を含む。試料の厚さが2um〜6umである、請求項1に記載のデバイス。
【0261】
F−3.H&Eおよび特殊染色
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、H&E染色および特殊染色を実施するのに有用である。
【0262】
ヘマトキシリンおよびエオシン染色またはヘマトキシリンおよびエオシン染色(H&E染色またはHE染色)は、組織学における主要な染色の1つである。それは医学診断において最も広く使用されている染色であり、ゴールドスタンダードであることが多い。例えば、病理学者が癌の疑いがある生検を調べる場合、組織切片はH&Eで染色される可能性が高く、「H&E切片」、「H+E切片」、または「HE切片」と呼ばれる。ヘマトキシリンおよびエオシンの組み合わせは、青、紫、および赤をもたらす。
【0263】
診断病理学では、「特殊染色」の用語は、臨床環境で最も一般的に使用され、単に検体に色を付けるために使用されるH&E方法以外の任意の技術を意味する。これには、免疫組織化学染色およびin situハイブリダイゼーション染色も含まれる。一方、H&E染色は、組織学および医療診断研究所で最も一般的な染色方法である。
【0264】
任意の実施形態では、乾燥結合部位は、抗体または核酸などの捕捉剤を含み得る。いくつかの実施形態では、放出可能な乾燥試薬は、蛍光標識試薬などの標識された試薬、例えば、蛍光標識された抗体、またはロマノフスキー染色、リーシュマン染色、メイ・グリュンワルド染色、ギムザ染色、ジェンナー染色、ライト染色、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、ライト−ギムザ染色)などの細胞染色であり得る。そのような染色には、メチレンブルーを含むエオシンYまたはエオシンBが含まれる。ある特定の実施形態では、染色は、ヘマトキシリンなどのアルカリ染色であり得る。
【0265】
いくつかの実施形態では、特殊染色は、限定されないが、酸性フクシン、アルシアンブルー8GX、アリザリンレッドS、アニリンブルーWS、オーラミンO、アゾカルミンB、アゾカルミンG、アズールA、アズールB、アズールC、塩基性フクシン、ビスマルクブラウンY、ブリリアントクレシルブルー、ブリリアントグリーン、カーマイン、クロラゾールブラックE、コンゴレッド、C.I.クレシルバイオレット、クリスタルバイオレット、ダローレッド、エオシンB、エオシンY、エリスロシン、エチルエオシン、エチルグリーン、ファストグリーンFCF、フルオレセインイソチオシアネート、ギムザ染色、ヘマトキシリン、ヘマトキシリン&エオシン、インディゴカーマイン、ヤヌスグリーンB、ジェンナーステイン1899、ライトグリーンSF、マラカイトグリーン、マルチウスイエロー、メチルオレンジ、メチルバイオレット2B、メチレンブルー、メチレンブルー、メチレンバイオレット、(ベルントゼン)、ニュートラルレッド、ニグロシン、ナイルブルーA、ニュークリアファストレッド、オイルレッド、オレンジG、オレンジII、オルセイン、パラロサニリン、フロキシンB、プロタルゴールS、ピロニンB、ピロニン、レサズリン、ローズベンガル、サフラニンO、スーダンブラックB、スーダンIII、スーダンIV、テトラクロム染色(MacNeal)、チオニン、トルイジンブルー、ワイゲルト、ライト染色、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0266】
F−4.In Situハイブリダイゼーション
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、組織学的試料でin situハイブリダイゼーション(ISH)を実施するのに有用である。
【0267】
In situハイブリダイゼーション(ISH)は、標識された相補的DNA、RNA、または修飾された核酸鎖(すなわち、プローブ)を使用して、特定のDNAまたはRNA配列を、組織の一部もしくは切片(in situ)、または組織が十分に小さい場合(例えば、植物の種子、ショウジョウバエの胚)、組織全体(ホールマウントISH)、細胞、および循環腫瘍細胞(CTC)に局在化するハイブリダイゼーションの種類である。
【0268】
In situハイブリダイゼーションを使用して、染色体または組織内の特定の核酸配列の位置を明らかにし、これは、遺伝子の構成、調節、および機能を理解するための重要なステップである。現在使用されている重要な技術には、オリゴヌクレオチドおよびRNAプローブとのmRNAのin situハイブリダイゼーション(放射能標識およびハプテン標識の両方)、光学顕微鏡および電子顕微鏡による分析、ホールマウントin situハイブリダイゼーション、RNAおよびRNA+タンパク質の二重検出、ならびに染色体配列を検出するための蛍光in situハイブリダイゼーションが含まれる。DNA ISHは、染色体の構造を決定するために使用され得る。蛍光DNA ISH(FISH)は、例えば、染色体の完全性を評価するための医療診断で使用され得る。RNA ISH(RNA in situハイブリダイゼーション)は、組織切片、細胞、ホールマウント、および循環腫瘍細胞(CTC)内のRNA(mRNA、lncRNA、およびmiRNA)の測定および局在化に使用される。
【0269】
いくつかの実施形態では、検出剤は、in situハイブリダイゼーション染色のための核酸プローブを含む。核酸プローブには、限定されないが、試料中のDNAおよび/またはRNAに特異的に結合させるように構成されたオリゴヌクレオチドプローブが含まれる。
【0270】
F−5.組織染色および細胞撮像のためのシステムおよび方法
携帯電話を使用して組織試料を迅速に染色および分析するためのシステムも提供され、本システムは、
(a)上述の試料、染色液、およびデバイスと、
(b)モバイル通信デバイスであって、
i.試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.検出された信号および/または試料の画像を受信および/または処理し、遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェア
を備える、モバイル通信デバイスと、
(c)モバイル通信デバイスまたは外部源のいずれかからの光源と、
を備える。
【0271】
携帯電話を使用して組織試料を迅速に染色および分析するための方法も提供され、本方法は、
(a)上述のシステムのデバイス上に組織試料および染色液を付着させ、2つのプレートを閉鎖構成に設置することと、
(b)撮像、データ処理、および通信のハードウェアおよびソフトウェアを有する携帯電話を得ることと、
(c)携帯電話によってCROFデバイスに付着した組織試料でアッセイして、結果を生成することと、
(d)携帯電話からの結果を携帯電話から離れた位置に通信することと、
を含む。
【0272】
組織試料を染色するための方法も提供され、本方法は、
(a)組織試料を得ることと、
(b)染色液を得ることと、
(c)第1のプレートおよび第2のプレートを得ることであって、
プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
一方または両方のプレートが可撓性であり、
プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、組織試料またはIHC染色液と接触するための試料接触領域を有し、
第1のプレートの試料接触領域が滑らか5かつ平面であり、
第2のプレートの試料接触領域が、表面に固定され、所定の実質的に均一な高さおよび7μm〜200μmの範囲の所定の一定のスペーサ間距離を有するスペーサを備える、
前記得ることと、
(c)プレートが開放構成に構成されているときに、組織試料および染色液をプレート上に付着させることであって、開放構成が、2つのプレートが部分的または完全にのいずれかに分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されない構成である、前記付着させることと、
(d)(c)の後、2つのプレートを使用して、組織試料の少なくとも一部および染色液の少なくとも一部を閉鎖構成に圧縮することであって、
閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は2つのプレート間にあり、染色液の少なくとも一部の層は試料の少なくとも一部と第2のプレートとの間にあり、染色液層の少なくとも一部の厚さは、プレート、試料、およびスペーサによって調節され、わずかなばらつきがあるが、250μm以下である試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離を有する、
前記圧縮することと、
を含む。
【0273】
他の実施形態の利益および利点(例えば、反応の加速、結果の高速化など)のすべては、このデバイス、システム、および方法に適用され得る。
【0274】
さらに、他の実施形態の文脈で上述したすべてのパラメータ(例えば、スペーサのサイズ、間隔、および形状、スペーサおよびプレートの可撓性、ならびにデバイスおよびシステムがどのように使用されるかなど)を、このセクションで説明するIHCの実施形態に組み込むことができる。
【0275】
例えば、いくつかの実施形態では、均一な厚さの層を調節するスペーサ(すなわち、層内でプレートを互いに離間させるスペーサ)は、少なくとも1%、例えば、少なくとも2%、または少なくとも5%の「充填率」を有し、充填率は、均一な厚さの層と接触している全プレート面積に対する、均一な厚さの層と接触しているスペーサ面積の比率である。いくつかの実施形態では、均一な厚さの層を調節するスペーサに関して、スペーサのヤング率×スペーサの充填率は、10MPa以上、例えば、少なくとも15MPaまたは少なくとも20MPaであり、充填率は、均一な厚さの層と接触している全プレート面積に対する、均一な厚さの層と接触しているスペーサ面積の比率である。いくつかの実施形態では、可撓性プレートの厚さ×可撓性プレートのヤング率は、60〜550GPa−um、例えば、100〜300GPa−umの範囲内である。いくつかの実施形態では、可撓性プレートに関して、スペーサ間距離の4乗(ISD)を可撓性プレートの厚さ(h)および可撓性プレートのヤング率(E)で割ったISD
4/(hE)は、5または10
6um
3/GPa未満、例えば、10
5um
3/GPa未満、10
4um
3/GPa未満、または10
3um
3/GPa未満である。
【0276】
いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートは、プレートの表面上または内部のいずれかに、プレートの位置、例えば、分析される位置または切片が付着するべき位置の情報を提供する位置マーカーを備える。場合によっては、一方または両方のプレートは、プレートの表面上または内部のいずれかに、切片および/またはプレートの構造の横方向の寸法の情報を提供する尺度マーカーを備え得る。いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートは、プレートの表面上または内部のいずれかに、試料の撮像を補助する撮像マーカーを備える。例えば、撮像マーカーは、撮像デバイスの焦点を合わせるか、または撮像デバイスをデバイス上の位置に指向するのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、スペーサは、位置マーカー、尺度マーカー、撮像マーカー、またはそれらの任意の組み合わせとして機能し得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、スペーサ間距離は実質的に周期的であり得る。場合によっては、スペーサは規則的なパターンであってよく、隣接するスペーサ間の間隔はほぼ同じであり得る。いくつかの実施形態では、スペーサは、丸形、多角形、円形、正方形、長方形、楕円形、長円形、またはそれらの任意の組み合わせから選択される断面形状を有する柱であり、いくつかの実施形態では、スペーサは、実質的に平坦な上面を有し得、各スペーサに関して、スペーサの横方向の寸法とその高さとの比率は少なくとも1である。場合によっては、スペーサの最小横方向の寸法は、試料中の分析物の最小寸法よりも小さいか、または実質的に等しい。スペーサの最小横方向の寸法は、0.5um〜100umの範囲、例えば、2um〜50umまたは0.5um〜10umの範囲内である。
【0278】
いくつかの実施形態では、スペーサは柱形状を有し、スペーサの側壁角は、少なくとも1μm、例えば、少なくとも1.2μm、少なくとも1.5μm、または少なくとも2.0μmの曲率半径を有する丸い形状を有する。スペーサは、任意の便利な密度、例えば、少なくとも1000/mm
2の密度、例えば、少なくとも1000/mm
2の密度、少なくとも2000/mm
2の密度、少なくとも5,000/mm
2の密度、または少なくとも10,000/mm
2の密度を有し得る。
【0279】
このデバイスでは、プレートの少なくとも一方が透明であり、それにより、アッセイを光学的に読み取ることができる。同様に、このデバイスでは、プレートの少なくとも1つが可撓性ポリマーで作られていてもよく、それにより、プレートを一緒に圧縮することで試料を効率的に広げることができる。いくつかの実施形態では、プレートを圧縮する圧力、スペーサは圧縮可能ではなく、かつ/または独立して、プレートの一方のみが可撓性である。可撓性プレートは、20um〜200um、例えば、50um〜150umの範囲の厚さを有し得る。上記のように、閉鎖位置では、均一な厚さの層の厚さにはわずかなばらつきがある。
【0280】
いくつかの実施形態では、ばらつきは10%未満、5%未満、または2%未満であり得、領域の厚さが平均厚さの+/−10%、+/−5%5、または+/−2%を超えないことを意味する。
【0281】
いくつかの実施形態では、第1および第2のプレートが接続され、プレートを折り畳むことにより、デバイスを開放構成から閉鎖構成に変更することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のプレートがヒンジで接続され、デバイスがヒンジに沿って曲がるようにプレートを折り畳むことにより、デバイスを開放構成から閉鎖構成に変更することができる。ヒンジは、プレートに取り付けられた別個の材料であり得るか、または場合によっては、プレートはプレートと一体であり得る。
【0282】
いくつかの実施形態では、デバイスは、非常に迅速に切片を分析することが可能であり得る。場合によっては、分析は、60秒以内、30秒以内、20秒以内、または15秒以内、または10秒以内に行われ得る。
【0283】
いくつかの実施形態では、システムは、加えて、(d)試料を保持し、モバイル通信デバイスに設置されるように構成されたハウジングを備えてもよい。ハウジングは、モバイル通信デバイスによる試料の撮像および/または信号処理を容易にするための光学系、およびモバイル通信デバイス上に光学系を保持するように構成されたマウントを備えてもよい。場合によっては、試料が少なくとも2つのチャネルで撮像され得るように、デバイスの光学系素子(レンズ、フィルタ、ミラー、プリズム、またはビームスプリッタなどは可動であり得る)。
【0284】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、医療専門家(例えば、MD)、医療施設(例えば、病院または試験所)または保険会社に試験結果を通信するように構成され得る。加えて、モバイル通信デバイスは、対象の情報(例えば、対象の年齢、性別、体重、住所、名前、以前の試験結果、以前の病歴など)を医療専門家、医療施設、または保険会社と通信するように構成され得る。ある特定の実施形態では、モバイル通信デバイスは、医療専門家から処方、診断、または勧告を受信するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、医療専門家が診断を下す遠隔地にアッセイ結果を送信し得る。診断は、モバイル通信デバイスを介して対象に通信され得る。
【0285】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、(a)試料の画像を撮影する、(b)画像内の試験場所および対照場所を分析する、ならびに(c)試験場所の分析から得られた値を、迅速な診断試験を特徴付ける閾値と比較することを可能にするハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。場合によっては、モバイル通信デバイスは、ワイヤレスネットワークまたはセルラーネットワークを介して遠隔地と通信する。
【0286】
任意の実施形態では、モバイル通信デバイスは携帯電話であり得る。
【0287】
本システムは、(a)システムのデバイス上の試料、(b)デバイス上に付着した試料をアッセイして結果を生成すること、および(c)結果をモバイル通信デバイスからモバイル通信デバイスから離れた場所に通信することを含む方法において使用することができる。本方法は、遠隔地で結果を分析して分析結果を提供することと、分析結果を遠隔地からモバイル通信デバイスに通信することと、を含み得る。上記のように、分析は遠隔地の医療専門家が行うことができる。そして、いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、遠隔地の医療専門家から処方、診断、または勧告を受信することができる。
【0288】
組織切片を分析するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、上述のデバイスを得ることと、デバイスの一方または両方のプレートに切片を付着させることと、プレートを閉鎖構成に設置し、プレートの少なくとも一部にわたって外力を適用することと、プレートが閉鎖構成である間に、均一な厚さの層の試料を分析することと、を含み得る。
【0289】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(a)組織切片を得ることと、
(b)異なる構成へと互いに対して移動可能な第1および第2のプレートを得ることであって、各プレートが、実質的に平面である試料接触表面を有し、一方または両方のプレートが可撓性であり、プレートの一方または両方が、それぞれの試料接触表面で固定されているスペーサを含み、スペーサが、
i.所定の実質的に均一な高さ、
ii.実質的に均一な断面および平坦な上面を有する柱の形状、
iii.幅と高さとの比率が1以上、
iv.10μm〜200μmの範囲である所定の一定のスペーサ間距離、
v.1%以上の充填率を有する、
前記得ることと、
(c)プレートが開放構成に構成されているときに、切片をプレートの一方または両方に付着させることであって、開放構成が、52つのプレートが部分的または完全にのいずれかに分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されない構成である、前記付着させることと、
(d)(c)の後、2つのプレートを使用して、切片の少なくとも一部を、プレートの試料接触表面によって限定される実質的に均一な厚さの層に圧縮することであって、層の均一な厚さがスペーサおよびプレートによって調節され、10%未満のばらつきで1.8μm〜3μmの範囲の平均値を有し、圧縮が、
2つのプレートを一緒にし、
並行してまたは順次のいずれかで、プレートの少なくとも一方の領域を適合押圧して、プレートを一緒に閉鎖構成へと押圧することを含み、適合押圧が、試料の少なくとも一部にわたってプレート上に実質的に均一な圧力を生じさせ、押圧が、プレートの試料接触表面間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、閉鎖構成が、均一な厚さ領域の層におけるプレート間の間隔がスペーサによって調節される構成である、
前記圧縮することと、
(e)プレートが閉鎖
構成である間に、均一な厚さの層の切片を分析することと、
を含み、
充填率は、全プレート面積に対するスペーサ接触面積の比率であり、
適合押圧は、プレートの外表面の形状変化に関係なく、ある領域に適用される圧力を実質的に一定にする方法であり、
並行押圧は、目的の領域に同時に圧力を適用し、順次押圧は、目的の領域の一部に圧力を適用し、徐々に他の領域に移動する。
【0290】
いくつかの実施形態では、この方法は、プレートが閉鎖構成になった後、外力を除去することと、プレートが閉鎖構成である間、均一な厚さの層の切片を撮像することと、を含み得る。上記のように、これらの実施形態では、スペーサ間距離は、20um〜200umまたは5um〜20umの範囲内であり得る。これらの実施形態では、充填率とスペーサのヤング率の積は、2MPa以上である。いくつかの実施形態では、表面のばらつきは30nm未満である。
【0291】
これらの実施形態のいずれにおいても、撮像および計数は、i.均一な厚さの層の切片を照らす、ii.CCDまたはCMOSセンサを使用して、切片の1つ以上の画像を撮影することによって行われ得る。
【0292】
いくつかの実施形態では、外力は、例えば、親指などの指を使用して押し下げるか、または親指と同じ手の人差し指などの別の指の間でつまむことによって、人間の5手によって提供され得る。
【0293】
いくつかの実施形態では、プレートの1つ以上は、一方または両方のプレート上にコーティングされた乾燥試薬(例えば、結合剤、染色剤、検出剤、またはアッセイ試薬)を含み得る。
【0294】
いくつかの実施形態では、均一な厚さの試料の層は、最大+/−5%、例えば、最大+/−2%または最大+/−1%の厚さの均一性を得る。
【0295】
いくつかの実施形態では、スペーサは、丸形、多角形、円形、正方形、長方形、楕円形、長円形、またはそれらの任意の組み合わせから選択される断面形状を有する柱である。
【0296】
F−6.本発明の実施例
FA1.組織試料を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、染色液および/または標的分析物を含む疑いのある組織試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定されるスペーサを備え、
v.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vi.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
構成のうちの1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、染色液および試料が、プレートの一方または両方に付着し、
構成のうちのもう1つは、開放構成において染色液および試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が2つのプレート間にあり、染色液の少なくとも一部の層が試料の少なくとも一部と第2のプレートとの間にあり、染色液層の少なくとも一部の厚さが、プレート、試料、およびスペーサによって調節され、わずかなばらつきがあるが、250μm以下である試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離を有する、デバイス。
【0297】
FAA1.組織試料を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、移送溶液および/または標的分析物を含む疑いのある組織試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれの試料接触領域上で乾燥され、移送溶液と接触すると、移送溶液に溶解し、組織試料を染色するように構成された染色剤を含み、
v.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定されるスペーサを備え、
vi.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vii.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
構成のうちの1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、染色液および試料が、プレートの一方または両方に付着し、
構成のうちのもう1つは、開放構成において染色液および試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が2つのプレート間にあり、移送溶液の少なくとも一部の層が試料の少なくとも一部と第2のプレートとの間にあり、移送溶液層の少なくとも一部の厚さが、プレート、試料、およびスペーサによって調節され、わずかなばらつきがあるが、250μm以下である試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離を有する、デバイス。
【0298】
FB1.組織試料を分析するための方法であって、
(a)標的分析物を含む疑いのある組織試料および染色液を得るステップと、
(b)第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を得るステップであって、
i.プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、染色液および/または組織試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定されるスペーサを備え、
v.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vi.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にある、
前記得るステップと、
(c)プレートが開放構成にあるときに、プレートの一方または両方に染色液および組織試料を付着させるステップであって、
開放構成は、2つのプレートが部分的または全体的に分離され、2つのプレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料および染色液が、プレートの一方または両方に付着する構成である、
前記付着させるステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを合わせて、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、
押圧が、並行してまたは順次のいずれかで、プレートの少なくとも一方の領域を適合押圧して、プレートを一緒に閉鎖構成へと押圧することを含み、適合押圧が、試料の少なくとも一部にわたってプレート上に実質的に均一な圧力を生じさせ、押圧が、プレートの内表面間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、
構成のうちのもう1つは、開放構成において染色液および試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が2つのプレート間にあり、染色液の少なくとも一部の層が試料の少なくとも一部と第2のプレートとの間にあり、染色液層の少なくとも一部の厚さが、プレート、試料、およびスペーサによって調節され、わずかなばらつきがあるが、250μm以下である試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離を有する、
前記押圧するステップと、
(e)プレートが閉鎖構成にあるときに標的分析物を分析するステップと、
を含む、方法。
【0299】
FBB1.組織試料を分析するための方法であって、
(a)標的分析物を含む疑いのある組織試料および移送溶液を得るステップと、
(b)第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を得るステップであって、
i.プレートが、異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートが可撓性であり、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、染色液および/または標的分析物を含む疑いのある組織試料と接触するための試料接触領域を有し、
iv.プレートの一方または両方が、それぞれの試料接触領域上にコーティングされ、移送溶液と接触すると、移送溶液に溶解し、組織試料を染色するように構成された染色剤を含み、
v.プレートの一方または両方が、それぞれのプレートで固定されるスペーサを備え、
vi.スペーサが、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
vii.スペーサの少なくとも1つが、試料接触領域内にある、
前記得るステップと、
(c)プレートが開放構成にあるときに、プレートの一方または両方に染色液および組織試料を付着させるステップであって、
開放構成は、2つのプレートが部分的または全体的に分離され、2つのプレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料および染色液が、プレートの一方または両方に付着する構成である、前記付着させるステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを合わせて、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、
押圧が、並行してまたは順次のいずれかで、プレートの少なくとも一方の領域を適合押圧して、プレートを一緒に閉鎖構成へと押圧することを含み、適合押圧が、試料の少なくとも一部にわたってプレート上に実質的に均一な圧力を生じさせ、押圧が、プレートの内表面間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、
構成のうちのもう1つは、開放構成において染色液および試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が2つのプレート間にあり、染色液の少なくとも一部の層が試料の少なくとも一部と第2のプレートとの間にあり、染色液層の少なくとも一部の厚さが、プレート、試料、およびスペーサによって調節され、わずかなばらつきがあるが、250μm以下である試料表面と第2のプレート表面との間の平均距離を有する、
前記押圧するステップと、
(e)プレートが閉鎖構成にあるときに標的分析物を分析するステップと、
を含む、方法。
【0300】
FA2.プレートの一方または両方が、試料が、開放構成で、その上で乾燥されるように構成されており、試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳び、キームス、内リンパ、外リンパ、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿、粘膜分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂(sebum)、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される体液を含む、実施形態FA1に記載のデバイス。
【0301】
FAA2.染色液が、0.1〜3.5mPa Sの範囲の粘度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0302】
FA3.プレートの一方または両方の試料接触領域が、試料が開放構成でその上で乾燥され得るように構成され、試料が血液塗抹標本を含み、一方または両方のプレート上で乾燥される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0303】
FA4.プレートの一方または両方の試料接触領域が試料に接着性であり、試料が1〜200umの範囲の厚さを有する組織切片である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0304】
FA5.試料が、パラフィン包埋されている、実施形態FA4に記載のデバイス。
【0305】
FA6.試料が固定されている、実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0306】
FA7.染色液が、試料を固定することが可能な固定剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0307】
FA8.染色液が遮断剤を含み、遮断剤が、試料中の非特異的な内因性種を無効にして標的分析物を特異的に標識するために使用される検出剤と反応するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0308】
FA9.染色液が、試料中のパラフィンを除去することが可能な脱パラフィン剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0309】
FA10.染色液が、標的分析物を含む組織試料中の細胞を透過化することが可能な透過化剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0310】
FA11.染色液が、抗原の賦活化を容易にすることが可能な抗原賦活化剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0311】
FA12.染色液が、試料中の標的分析物を特異的に標識する検出剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0312】
FA13.一方または両方のプレートの試料接触領域が、遮断剤を含む収容部位を備え、遮断剤が、試料中の非特異的な内因性種を無効にして標的分析物を特異的に標識するために使用される検出剤と反応するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0313】
FA14.一方または両方のプレートの試料接触領域が、試料中のパラフィンを除去することが可能な脱パラフィン剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0314】
FA15.一方または両方のプレートの試料接触領域が、標的分析物を含む組織試料中の細胞を透過化することが可能な透過化剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0315】
FA16.一方または両方のプレートの試料接触領域が、抗原の賦活化を容易にすることが可能な抗原賦活化剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0316】
FA17.一方または両方のプレートの試料接触領域が、試料中の標的分析物を特異的に標識する検出剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0317】
FA18.検出剤が、酸性フクシン、アルシアンブルー8GX、アリザリンレッドS、アニリンブルーWS、オーラミンO、アゾカルミンB、アゾカルミンG、アズールA、アズールB、アズールC、塩基性フクシン、ビスマルクブラウンY、ブリリアントクレシルブルー、ブリリアントグリーン、カーマイン、クロラゾールブラックE、コンゴレッド、C.I.クレシルバイオレット、クリスタルバイオレット、ダローレッド、エオシンB、エオシンY、エリスロシン、エチルエオシン、エチルグリーン、ファストグリーンFCF、フルオレセインイソチオシアネート、ギムザ染色、ヘマトキシリン、ヘマトキシリン&エオシン、インディゴカーマイン、ヤヌスグリーンB、ジェンナーステイン1899、ライトグリーンSF、マラカイトグリーン、マルチウスイエロー、メチルオレンジ、メチルバイオレット2B、メチレンブルー、メチレンブルー、メチレンバイオレット、(ベルントゼン)、ニュートラルレッド、ニグロシン、ナイルブルーA、ニュークリアファストレッド、オイルレッド、オレンジG、オレンジII、オルセイン、パラロサニリン、フロキシンB、プロタルゴールS、ピロニンB、ピロニン、レサズリン、ローズベンガル、サフラニンO、スーダンブラックB、スーダンIII、スーダンIV、テトラクロム染色(MacNeal)、チオニン、トルイジンブルー、ワイゲルト、ライト染色、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される染色用の色素を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0318】
FA19.検出剤が、試料中のタンパク質分析物に特異的に結合するように構成された抗体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0319】
FA20.検出剤が、試料中のDNAおよび/またはRNAに特異的に結合するように構成されたオリゴヌクレオチドプローブを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0320】
FA21.検出剤がレポーター分子で標識され、レポーター分子が、読み取りおよび分析される検出可能な信号を提供するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0321】
FA22.信号が、
i.光ルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンス、
ii.光の吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散、
iii.表面ラマン散乱、
iv.抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンス、
v.磁気緩和能、ならびに
vi.i〜Vの任意の組み合わせ
からなる群から選択される、実施形態FA21に記載のデバイス。
【0322】
FA23.プレートの一方または両方の試料接触領域が、捕捉剤を含む結合部位を備え、捕捉剤が、試料中の細胞の表面上の標的分析物に結合し、細胞を固定化するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0323】
FB2.付着ステップ(c)が、試料をプレートの一方または両方に付着させ乾燥させた後に、残りの染色液を乾燥させた試料の上部に付着させるステップを含み、試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳び、キームス、内リンパ、外リンパ、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿、粘膜分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂(sebum)、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される体液を含む、実施形態FB1に記載の方法。
【0324】
FBB2.染色液が、0.1〜3.5mPa Sの範囲の粘度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0325】
FB3.付着ステップ(c)が、試料をプレートの一方または両方に付着させ乾燥させた後に、残りの染色液を乾燥させた試料の上部に付着させるステップを含み、試料が血液塗抹標本を含み、一方または両方のプレート上で乾燥される、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0326】
FB4.付着ステップ(c)が、試料をプレートの一方または両方に付着させ取り付けた後に、染色液を試料の上部に付着させるステップを含み、一方または両方のプレートの試料接触領域が、試料に接着性であり、試料が、1〜200μmの範囲の厚さを有する組織切片である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0327】
FB5.試料が、パラフィン包埋されている、実施形態FA4に記載のデバイス。
【0328】
FB6.試料が固定されている、実施形態のいずれかに記載の方法。
【0329】
FB7.染色液が、試料を固定することが可能な固定剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0330】
FB8.染色液が遮断剤を含み、遮断剤が、試料中の非特異的な内因性種を無効にして標的分析物を特異的に標識するために使用される検出剤と反応するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0331】
FB9.染色液が、試料中のパラフィンを除去することが可能な脱パラフィン剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0332】
B10.染色液が、標的分析物を含む組織試料中の細胞を透過化することが可能な透過化剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0333】
FB11.染色液が、抗原の賦活化を容易にすることが可能な抗原賦活化剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0334】
FB12.染色液が、試料中の標的分析物を特異的に標識する検出剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0335】
FB13.一方または両方のプレートの試料接触領域が、遮断剤を含む収容部位を備え、遮断剤が、試料中の非特異的な内因性種を無効にして標的分析物を特異的に標識するために使用される検出剤と反応するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0336】
FB14.一方または両方のプレートの試料接触領域が、試料中のパラフィンを除去することが可能な脱パラフィン剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0337】
FB15.一方または両方のプレートの試料接触領域が、標的分析物を含む組織試料中の細胞を透過化することが可能な透過化剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0338】
FB16.一方または両方のプレートの試料接触領域が、抗原の賦活化を容易にすることが可能な抗原賦活化剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0339】
FB17.一方または両方のプレートの試料接触領域が、試料中の標的分析物を特異的に標識する検出剤を含む収容部位を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0340】
FB18.検出剤が、酸性フクシン、アルシアンブルー8GX、アリザリンレッドS、アニリンブルーWS、オーラミンO、アゾカルミンB、アゾカルミンG、アズールA、アズールB、アズールC、塩基性フクシン、ビスマルクブラウンY、ブリリアントクレシルブルー、ブリリアントグリーン、カーマイン、クロラゾールブラックE、コンゴレッド、C.I.クレシルバイオレット、クリスタルバイオレット、ダローレッド、エオシンB、エオシンY、エリスロシン、エチルエオシン、エチルグリーン、ファストグリーンFCF、フルオレセインイソチオシアネート、ギムザ染色、ヘマトキシリン、ヘマトキシリン&エオシン、インディゴカーマイン、ヤヌスグリーンB、ジェンナーステイン1899、ライトグリーンSF、マラカイトグリーン、マルチウスイエロー、メチルオレンジ、メチルバイオレット2B、メチレンブルー、メチレンブルー、メチレンバイオレット、(ベルントゼン)、ニュートラルレッド、ニグロシン、ナイルブルーA、ニュークリアファストレッド、オイルレッド、オレンジG、オレンジII、オルセイン、パラロサニリン、フロキシンB、プロタルゴールS、ピロニンB、ピロニン、レサズリン、ローズベンガル、サフラニンO、スーダンブラックB、スーダンIII、スーダンIV、テトラクロム染色(MacNeal)、チオニン、トルイジンブルー、ワイゲルト、ライト染色、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される染色用の色素を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0341】
FB19.検出剤が、試料中のタンパク質分析物に特異的に結合するように構成された抗体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0342】
FB20.検出剤が、試料中のDNAおよび/またはRNAに特異的に結合するように構成されたオリゴヌクレオチドプローブを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0343】
FB21.検出剤がレポーター分子で標識され、レポーター分子が、読み取りおよび分析される検出可能な信号を提供するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0344】
FB22.信号が、
i.光ルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンス、
ii.光の吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散、
iii.表面ラマン散乱、
iv.抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンス、
v.磁気緩和能、ならびに
vi.i〜Vの任意の組み合わせ
からなる群から選択される、実施形態FB21に記載のデバイス。
【0345】
FB23.プレートの一方または両方の試料接触領域が、捕捉剤を含む結合部位を備え、捕捉剤が、試料中の細胞の表面上の標的分析物に結合し、細胞を固定化するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0346】
FB24.ステップ(e)の前に、検出剤が均一な厚さの層および試料にわたって拡散するのにかかる時間よりも長い時間の間、閉鎖構成で試料をインキュベートすることをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0347】
FB25.ステップ(e)の前に、30〜75℃の範囲の所定の温度で、閉鎖構成で試料をインキュベートすることをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0348】
FB26.染色液が移送溶液を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0349】
G.デュアルレンズ撮像システム
しかし最近では、デュアルカメラは最先端のスマートフォンでますます一般的になり、スマートフォンベースの撮像の可能性をさらに提示する。2つのカメラを使用することにより、試料の2つの異なる領域を同時に撮像でき、これは、はるかに大きな視野に相当する。さらに、各カメラを使用して、異なる解像度で顕微鏡撮像を行うことができる。例えば、1つのカメラは、低解像度だが試料内の大きな物体を撮像するためのより大きい視野で顕微鏡検査を行うことができ、もう1つのカメラは、高解像度だが小さな物体を撮像するためのより小さな視野で顕微鏡検査を行うことができる。これは、撮像用の試料が小さな物体と大きな物体との混在である場合に有用である。したがって、デュアルカメラに基づくスマートフォン撮像システムをユーザに提供することが非常に望ましい。
【0350】
デュアルカメラ撮像システム
図19−Aは、デュアルカメラ撮像システムの概略図である。デュアルカメラ撮像システムは、2つの組み込まれたカメラモジュール、2つの外部レンズ、QMAXデバイス、および光源を有するモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)を備える。各カメラモジュールは、内部レンズおよび画像センサを有する。QMAXデバイスは、2つのカメラモジュールの下に位置する。各外部レンズは、QMAXデバイスの試料が画像センサに明確に焦点を合わせることができる適切な高さで、QMAXデバイスとその対応する内部レンズとの間に設置される。各外部レンズは、その対応する内部レンズと整列される。撮像センサによって捕捉される光は、検体から屈折する、検体から放射されるなどであり得る。撮像センサによって捕捉される光は、可視波長を網羅し、QMAXデバイスの試料を通常または斜めの入射角で裏側または上側から照らすことができる。
【0351】
大きなFOV撮像用のデュアルカメラ撮像システム
一実施形態は、デュアルカメラ撮像システムが大きなFOV撮像に使用されることである。この実施形態では、両方のカメラによって撮影された画像は、同じ尺度または光学倍率を有する。これを実現するために、外部レンズ1の焦点距離f
E1、内部レンズ1の焦点距離f
N1、外部レンズ2の焦点距離f
E2、および内部レンズ2の焦点距離f
N2は、
【数4】
の関係を満たす。
【0352】
2つのカメラ間の距離は、両方のカメラのFOVが重なるように適切な値に選択される。
図19−Bに示すように、文字「A」は試料を表し、2つのカメラのFOV間の重なりにより、文字「A」の一部は、カメラ1のFOVおよびカメラ2のFOVの両方に存在する。
【0353】
さらに画像処理ステップを使用して、カメラ1およびカメラ2で撮影された2つの画像により共有される同じ特徴を一致させることにより、2つの画像を1つの大きな画像に統合する。
【0354】
デュアル解像度撮像用のデュアルカメライ撮像システム
レンズベースの撮像システムは、FOVのサイズと解像度との間でトレードオフがあるという本質的な欠点がある。大きなFOVを実現するには、撮像システムの解像度を犠牲にする必要がある。この問題は、大幅に異なるサイズスケールで試料が小さな物体と大きな物体との混在である場合により懸念される。十分な数の大きな物体を撮像するために、FOVを十分に大きくする必要があるが、小さな物体の詳細を得るための解像度が失われる。この問題を解決するために、この実施形態では、デュアルカメラ撮像システムを使用して、同じ試料でデュアル解像度撮影を実現する。この場合、カメラ1(または2)は低解像度および大きなFOV撮像に使用され、カメラ2(または1)は高解像度および小さなFOV撮像に使用される。
【0355】
撮像システムの解像度は光学倍率に依存し、光学倍率は内部長の焦点距離に対する外部レンズの焦点距離の比率に等しい。例えば、この実施形態では、カメラ1は低解像度撮像に使用され、カメラ2は高解像度撮像に使用され、外部レンズ1の焦点距離f
E1、内部レンズ1の焦点距離f
N1、外部レンズ2の焦点距離f
E2、および内部レンズ2の焦点距離f
N2は、
【数5】
の関係を満たす。
【0356】
両方のカメラのFOVは、重なるか、または重ならなくてもよい。
【0357】
図19−Cに示すように、カメラ1によって撮影された試料画像は、より大きなFOVを網羅し、単一のFOVにおいてより多くの物体を含むが、小さな物体の詳細を解像することはできない。また、カメラ2で撮影された画像は、比較的小さなFOVを網羅し、単一のFOVにおいて少ない物体を含むが、小さな物体の詳細を解像することができる高解像度を有する。
【0358】
本発明の実施例
A1.デュアルレンズ撮像デバイスであって、
第1の外部レンズと、第2の外部レンズと、ハウジングユニットと、カードユニットと、を備え、
i.ハウジングユニットが、第1および第2の外部レンズ、ならびにカードユニットを収容し、デュアルレングス撮像デバイスをモバイルデバイスに接続するように構成されており、
ii.第1および第2の外部レンズが、モバイルデバイスの2つの内部レンズとそれぞれ整列するように構成されており、
iii.カードユニットが、試料を含む検体カードを収容するように構成されており、
カードユニットは、外部レンズと内部レンズとの間に位置付けられ、
外部レンズは、検体カードから屈折または放射される照明光をモバイルデバイスの画像センサに集束させ、画像センサが試料の画像を撮影できるように構成されている、デュアルレンズ撮像デバイス。
【0359】
B1.デュアルレンズ撮像システムであって、
(a)実施形態A1のデュアルレンズ撮像デバイスと、
(b)デュアルレンズ撮像デバイスを介して試料の画像を撮影および処理するハードウェアおよびソフトウェアを備える、モバイルデバイスと、
を備える、デュアルレンズ撮像システム。
【0360】
C1.検体カードがQMAXカードである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0361】
C2.モバイルデバイスがモバイル通信デバイスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0362】
C3.モバイルデバイスがスマートフォンである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0363】
C4.モバイルデバイスが、検体カードに光を提供する光源を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0364】
C5.2つの外部レンズが、少なくとも部分的に重なっている、重なっている画像を撮影するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0365】
C6.重なっている画像が同じ解像度を有する、実施形態C5に記載のデバイスまたはシステム。
【0366】
C7.ソフトウェアが、重なっている画像を処理して、試料の結合画像を生成するように構成されている、実施形態C6に記載のデバイスまたはシステム。
【0367】
C8.重なっている画像が異なる解像度を有する、実施形態C5に記載のデバイスまたはシステム。
【0368】
C9.ソフトウェアが、重なっている画像を処理し、低解像度の画像の特定の部分を図示するように構成されている、実施形態C8に記載のデバイスまたはシステム。
【0369】
C10.2つの外部レンズが、Qカードの試料領域の2つの異なる位置を撮像するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0370】
C11.2つの外部レンズが、異なるサイズのFoV(互いからの視野)を有するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0371】
C12.2つの外部レンズが、異なるサイズのFoV(互いからの視野)を有するように構成され、2つの異なるFoVの比率が、1.1、1.2、1.5、2、5、10、15、20、30、50、100、200、1000、または2つの任意の値の範囲内である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。好ましい比率は、1.2、1.5、2、5、10、20、または2つの任意の値の範囲内である。
【0372】
C13.2つの外部レンズのFoVの重なりが、約1%、5%、10%、20%、50%、60%、70%、80%、90%、または、これらの値のいずれか2つの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0373】
C14.2つの外部レンズが、異なる光学フィルタおよび/または偏光子と光学的に結合される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはシステム。
【0374】
他の実施形態
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯撮像デバイスを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
筐体内の空洞と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能である、光学アダプタ。
【0375】
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯撮像デバイスを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
カメラに視野を提供するように配置されたレンズと、
試料を受容しカメラの前記視野内に試料を位置付けるための筐体内の空洞であって、レンズが、カメラの視野内にあるときに試料によって屈折または放射される光を受光するように位置付けられている、空洞と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能である、光学アダプタ。
【0376】
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯撮像デバイスを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
試料を受容しカメラの視野内に試料を位置付けるための筐体内の空洞と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能であり、
レバーが、第1の平面に沿って延在する第1の平面領域と、第1の平面領域から第1の方向に沿って横方向に変位し第2の平面に沿って延在する第2の平面領域と、を備え、第1の平面が、前記第2の平面から第2の方向に沿って異なる高さに配置され、第2の方向が、第1の方向と直交する、光学アダプタ。
【0377】
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯撮像デバイスを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
試料を受容しカメラの視野内に試料を位置付けるための筐体内の空洞と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能であり、
レバーが、第1の平面に沿って延在する第1の平面領域と、第1の平面領域から第1の方向に沿って横方向に変位し第2の平面に沿って延在する第2の平面領域と、を備え、第1の平面が、第2の平面から第2の方向に沿って異なる高さに配置され、第2の方向が、第1の方向と直交し、
第1の平面領域が、少なくとも1つの光学素子を備え、第2の平面領域が、少なくとも1つの光学素子を備える、光学アダプタ。
【0378】
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯撮像デバイスを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
筐体内の空洞と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、少なくとも3つの異なる位置の間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能であり、(iii)第3の位置では、撮像デバイスは、試料の光吸収を測定することが可能である、光学アダプタ。
【0379】
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯撮像デバイスを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
カメラに視野を提供するように構成されたレンズと、
試料を受容しカメラの視野内に試料を位置付けるための筐体内の空洞と、
筐体内の開口部であって、試料を照らすために光源から光源光を受光するように配置されている、開口部と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能であり、蛍光励起モードでは、レンズは、試料が光源光によって照らされるときに試料によって放射される光を受光するように配置されている、光学アダプタ。
【0380】
光源、単一のカメラ、およびコンピュータプロセッサを有するスマートフォンを使用して試料を撮像するための光学アダプタであって、
筐体と、
カメラに視野を提供するように構成されたレンズと、
試料を受容しカメラの視野内に試料を位置付けるための筐体内の空洞と、
空洞内のレバーと、
を備え、
レバーが、少なくとも1つの光学素子を備え、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成され、(i)第1の位置では、撮像デバイスは、明視野モードで試料を撮像することが可能であり、(ii)第2の位置では、撮像デバイスは、蛍光励起モードで試料を撮像することが可能である、光学アダプタ。
【0381】
光源、カメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯電子デバイスに取り付け可能な光学アセンブリであって、光学アセンブリが、光源からの光による試料の照明によってカメラによる試料の顕微鏡撮像を可能にするように構成され、光学アセンブリが、
筐体と、
筐体内の空洞と、
カメラに顕微鏡視野を提供するように構成されたレンズと、
空洞内の可動アームであって、可動アームが、第1の位置と第2の位置との間で切り替わるように構成可能であり、可動アームが第1の位置にあるとき、光学アセンブリは明視野モードにあり、可動アームが第2の位置にあるとき、光学アセンブリは蛍光励起モードにある、可動アームと、
を備える、光学アセンブリ。
【0382】
筐体が、
空洞内の試料容器領域と、
筐体の側面上のスロットと、
を備え、スロットが、試料容器領域内に試料基板を受容しカメラの視野内に試料を位置付けるように配置されている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0383】
可動アームが第1の位置にあるとき試料の明視野照明を提供するために、光源に対応する筐体の第1の開口部から入る光を受光するように、および、第1の開口部から入る光を、第1の経路に沿って、カメラに対応する筐体の第2の開口部に向けて方向転換するように配置された、1つ以上の光学素子の第1のセットをさらに備える、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0384】
1つ以上の光学素子の第1のセットが、第1の直角ミラーおよび第2の直角ミラーを備え、第1の直角ミラーおよび第2の直角ミラーが、第1の経路にあり、光源からの光を反射してカメラに垂直に入射するように配置されている、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0385】
光源が、同じ波面で試料を照らすことにより透明な試料の干渉撮像を達成する点源である、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0386】
可動アームが第2の位置にあるとき試料の蛍光照明を提供するために、可動アームに機械的に結合され、第1の開口部から入る光を受光するように、および、第1の開口部から入る光を第2の経路に沿って方向転換して試料を斜めに照らすように配置された、1つ以上の光学素子の第2のセットをさらに備える、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0387】
傾斜角が、カメラの視野を提供するように構成されたレンズの収集角よりも大きい、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0388】
1つ以上の光学素子の第2のセットが、ミラーおよび光吸収体を備え、ミラーが、光を反射して試料を斜めに照らし、光吸収体が、筐体の第2の開口部をさもなければ通過して蛍光励起モードのカメラを圧倒するであろう第1の開口部からの外部光を吸収する、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0389】
吸収体が、第1の開口部を通過した後にミラーに入射しない光を吸収し、光吸収体が薄膜光吸収体である、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0390】
第1の開口部から入る光を受光するように、および、可動アームの第2の開口部に入り、第1の経路に沿って可動アーム上の光拡散体に向かって進む光を方向転換するように配置され、垂直方向に試料を照らし、試料の光吸収を測定する、1つ以上の光学素子の第3のセットをさらに備える、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0391】
1つ以上の光学素子の第3のセットが、光拡散体、第1の直角ミラーおよび第2の直角ミラーを備え、第1の直角ミラーおよび第2の直角ミラーが、第1の経路にあり、光源からの光を光拡散体に向けて反射するように、およびその後カメラに垂直に入射するように配置されている、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0392】
光拡散体が、10%〜90%の範囲の不透明度の半不透明な拡散体である、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0393】
周囲光が空洞に入るのを防ぐために、試料容器を覆うためのゴム製のドアをさらに備える、実施形態に記載の光学アセンブリ。
【0394】
光源およびカメラが、互いに対して一定の距離で携帯電子デバイスの同じ側面に位置付けられている、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0395】
先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリと、
光学アセンブリに結合するように構成された第1の側面および携帯電子デバイスに結合するように構成された第2の反対側の側面を備える携帯電話アタッチメントと、
を備え、携帯電子デバイスが、携帯電話である、システム。
【0396】
携帯電話アタッチメントが、異なるサイズの携帯電話にアタッチメントを提供するために交換可能である、実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0397】
携帯電話アタッチメントのサイズが調整可能である、実施形態のいずれかに記載のシステム。
【0398】
携帯モバイル電子デバイス用の光学アセンブリであって、
筐体と、
筐体内の空洞と、
空洞内の複数の光学素子であって、筐体の第1の開口部から入る光を受光するように、および第1の開口部から入る光を第1の経路に沿って筐体の第2の開口部に向けて方向転換するように配置されている、複数の光学素子と、
筐体内の少なくとも2つの異なる位置で構成可能な可動アームと、
筐体内の少なくとも3つの異なる位置で構成可能な可動アームと、
を備え、
可動アームは、光を反射するための光反射体部分を備え、
可動アームは、光を均質化して光のコヒーレンスを破壊するための光拡散体を備え、
可動アームは、筐体の入口開口部と整列する開口部を備え、
可動アームが筐体内の第1の位置にあるとき、光反射体部分が、第1の開口部から入る光の複数の光学素子への入射を遮断するように、光反射体部分は筐体の入口開口部と複数の光学素子との間に位置付けられ、
可動アームが筐体内の第2の位置にあるとき、第1の開口部から入る光は、複数の光学素子に入射し、可動アームが筐体内の第3の位置にあるとき、第1の開口部から入る光は、可動アーム上の開口部を通過し、その後光拡散体に入射する、光学アセンブリ。
【0399】
筐体の側面上のスロットを備え、スロットが、
基板がスロット内に完全に挿入され、可動アームが筐体内の第2の位置にあるとき、第1の経路は試料基板と交差し、
試料基板がスロット内に完全に挿入され、可動アームが筐体内の第1の位置にあるとき、光反射体部分により反射された光は、試料基板へと方向転換され、
試料基板がスロット内に完全に挿入され、可動アームが筐体内の第3の位置にあるとき、光は第1の経路に沿って光拡散体に向かって進み、次に試料基板を照らす
ように、試料基板を受容するように配置されている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0400】
可動アームが、第1の開口部を通過した後にミラーに入射しない光を吸収するための光吸収体部分を備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0401】
可動アームが、
光反射体部分の上に位置付けられた第1の容器と、
容器に装着された光学フィルタと、開口部部分の上に位置付けられた第2の容器と、容器に装着された光学フィルタと、
を備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0402】
可動アームが第1の位置にあるとき、容器に装着された前記光学フィルタが、筐体の第1の開口部から入る光を受光するように位置付けられ、可動アームが第3の位置にあるとき、容器に装着された光学フィルタは、筐体の第1の開口部から入る光を受光するように位置付けられている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0403】
可動アームが第1の位置にあるとき、容器に装着された光学フィルタは、試料基板がスロット内に完全に挿入されたとき、試料基板の一部が位置する領域と重なる、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0404】
実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリと、
光学アセンブリに結合するように構成された第1の側面を備え、携帯電話に結合するように構成された第2の反対側の側面を備える、携帯電話アタッチメントと、
を備え、携帯電話アタッチメントのサイズが調整可能である、システム。
【0405】
光源、カメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯電子デバイスに取り付け可能な光学アセンブリであって、光学アセンブリが、光源からの光による試料の照明によってカメラによる試料の顕微鏡撮像を可能にするように構成され、光学アセンブリが、
カメラに顕微鏡視野を提供するように構成されたレンズと、
試料を受容し試料を前記顕微鏡視野内に位置付けるための容器と、
光源から光を受光するようにおよび容器を照らすように構成された光ファイバと、
を備える、光学アセンブリ。
【0406】
光学アセンブリが携帯電子デバイスに取り付けられたときに、レンズおよびカメラが光軸を画定し、光ファイバが光軸の範囲を定める、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0407】
光ファイバがリング形状である、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0408】
光ファイバが側面放射型ファイバである、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0409】
光学アセンブリが、容器を画定する筐体を備え、リング形状ファイバが、筐体の溝に収まり、筐体が、光源およびリング形状ファイバの両端面と整列して光源から光を受光するように構成された開口部を備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0410】
光が、リング形状ファイバの側面から放射して、光軸におけるカメラの真下の試料領域を照らす、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0411】
光学アセンブリが、容器を画定する筐体を備え、筐体が、光源と整列するように構成された第1の開口部を備え、光ファイバの第1の端面が、第1の開口部内に位置付けられて光源から光を受光する、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0412】
筐体が、カメラと整列するように構成された第2の開口部を備え、光ファイバが、第1の開口部内に位置付けられた第1の端部を備え、かつ第2の開口部内に位置付けられた第2の端部を備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0413】
光ファイバの第1の端面および光ファイバの第2の端面のうちの少なくとも一方が、艶消しされている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0414】
光学アセンブリが携帯電子デバイスに取り付けられたとき、光ファイバが、光源に対して傾斜しており、
光ファイバの第2の端面が、レンズの真下に位置する試料の領域を照らすように配置されている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0415】
光学アセンブリが、容器を画定する筐体を備え、筐体が溝を備え、光ファイバが溝内に配置される、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0416】
光源、カメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯電子デバイスに取り付け可能な光学アセンブリであって、光学アセンブリが、光源からの光による試料の照明によってカメラによる試料の顕微鏡蛍光撮像を可能にするように構成され、光学アセンブリが、
カメラに顕微鏡視野を提供するように構成されたレンズと、
試料を受容し試料を顕微鏡視野内に位置付けるための容器と、
レンズの光軸からオフセットされ、光源からの光を反射するようにおよび光軸に対して傾斜角の範囲にわたって試料を照らすように位置付けられたミラーと、
傾斜照明に応じて試料により放射される蛍光を通過させるために、試料とカメラとの間に位置付けられた波長フィルタと、
を備える、光学アセンブリ。
【0417】
レンズが試料の前面に位置付けられ、ミラーが試料の裏側から試料を斜めに照らすように位置付けられ、傾斜角がレンズの収集角よりも大きい、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0418】
ミラーによって反射されない光源からの光を吸収するために、ミラーに隣接する光軸上に位置付けられた光吸収体をさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0419】
ミラーおよび光吸収体が共通の構造上に設置され、互いに対して傾斜している、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0420】
試料を照らすためのある特定の波長を選択するために、光源とミラーとの間の照明光の経路に位置付けられた第2の波長フィルタをさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0421】
試料が、平面構造を備える試料ホルダによって支持され、容器が、平面構造を光源からの照明光の経路に部分的に延在するように位置付けて、照明光を平面構造に結合させるように構成されている、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0422】
容器が、照明光の経路が平面構造の縁部に入射するように、平面構造を位置付けるように構成され、縁部は、視野を含む平面に垂直な平面に沿って延在している、実施形態6のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0423】
ミラーが、光を反射して平面構造の裏側から試料を部分的に斜めに照らすように、および平面構造の縁部を部分的に照らして照明光を平面構造に結合させるように配置されている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0424】
周囲光が光学アセンブリに入ってカメラに入るのを防ぐために、試料容器を覆うためのゴム製のドアをさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0425】
平面構造が、結合された照明光を試料に導波して試料を照らしかつ試料に蛍光を放射させるように構成されている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0426】
試料ホルダをさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0427】
試料が液体試料であり、試料ホルダが、液体試料を挟む第1および第2のプレートを備える、実施形態6のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0428】
レンズ、容器、ミラー、および波長フィルタが、共通の光学ボックス内に支持され、光学アセンブリが、光学ボックスを携帯電子デバイスに取り付けるための交換可能なホルダフレームをさらに備える、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0429】
光源およびカメラが、互いに対して一定の距離で携帯電子デバイスの同じ側面に位置付けられている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0430】
携帯電子デバイスがスマートフォンである、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0431】
先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリと、携帯電子デバイスと、を備える、装置。
【0432】
光源、カメラ、およびコンピュータプロセッサを有する携帯電子デバイスに取り付け可能な光学アセンブリであって、光学アセンブリが、光源からの光による試料の照明によってカメラによる試料の顕微鏡蛍光撮像を可能にするように構成され、光学アセンブリが、
カメラに顕微鏡視野を提供するように構成されたレンズと、
試料を受容し試料を顕微鏡視野内に位置付けるための容器であって、
試料が、平面構造を備える試料ホルダによって支持され、容器が、平面構造を光源からの照明光の経路に部分的に延在するように位置付けて、照明光を平面構造に結合させかつ試料に蛍光を放射させるように構成されている、容器と、
照明に応じて試料により放射される蛍光を通過させるために、試料とカメラとの間に位置付けられた波長フィルタと、
を備える、光学アセンブリ。
【0433】
周囲光が容器を通して光学アセンブリに入るのを防ぐために、試料容器を覆うためのゴム製のドアをさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0434】
平面構造が、結合された照明光を試料に導波して試料を照らしかつ試料に蛍光を放射させるように構成されている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0435】
前記試料ホルダをさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0436】
前記試料が液体試料であり、試料ホルダが、液体試料を挟む第1および第2のプレートを備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0437】
光源と光の経路に部分的に延在する試料ホルダの一部との間の照明光の経路に位置付けられた第2の波長フィルタをさらに備える、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0438】
レンズ、容器、および波長フィルタが、共通の光学ボックス内に支持され、光学アセンブリが、光学ボックスを携帯電子デバイスに取り付けるための交換可能なホルダフレームをさらに備える、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0439】
光源およびカメラが、互いに対して一定の距離で携帯電子デバイスの同じ側面に位置付けられている、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0440】
携帯電子デバイスがスマートフォンである、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0441】
先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリと、携帯電子デバイスと、を備える、装置。
【0442】
光源、第1のカメラモジュール、第2のカメラモジュール、およびコンピュータプロセッサを有する携帯電子デバイスに取り付け可能な光学アセンブリであって、光学アセンブリが、光源からの光による試料の照明によって第1のカメラおよび第2のカメラによる試料の顕微鏡撮像を可能にするように構成され、光学アセンブリが、
第1のカメラモジュールに第1の顕微鏡視野を提供するように構成された第1のアセンブリレンズと、
第2のカメラモジュールに第2の顕微鏡視野を提供するように構成された第2のアセンブリレンズと、
試料を受容し試料を第1の顕微鏡視野内および第2の顕微鏡視野内に位置付けるための容器と、
を備える、光学アセンブリ。
【0443】
第1のカメラモジュールが第1の内部レンズを備え、第2のカメラモジュールが第2の内部レンズを備え、第1のアセンブリレンズおよび第1の内部レンズにより提供される第1の光学倍率が、第2のアセンブリレンズおよび第2の内部レンズにより提供される第2の光学倍率と同じである、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0444】
第1の内部レンズの焦点距離に対する第1のアセンブリレンズの焦点距離の第1の比率が、第2の内部レンズの焦点距離に対する第2のアセンブリレンズの焦点距離の第2の比率と等しい、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0445】
第1のカメラモジュールおよび第1のアセンブリレンズにより提供される第1の画像解像度が、第2のカメラモジュールおよび第2のアセンブリレンズにより提供される第2の画像解像度と同じである、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0446】
第1のカメラモジュールが第1の内部レンズを備え、第2のカメラモジュールが第2の内部レンズを備え、第1のアセンブリレンズおよび第1の内部レンズにより提供される第1の光学倍率が、第2のアセンブリレンズおよび第2の内部レンズにより提供される第2の光学倍率とは異なる、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0447】
第1の内部レンズの焦点距離に対する第1のアセンブリレンズの焦点距離の第1の比率が、第2の内部レンズの焦点距離に対する第2のアセンブリレンズの焦点距離の第2の比率よりも小さい、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0448】
第1のカメラモジュールおよび第1のアセンブリレンズにより提供される第1の画像解像度が、第2のカメラモジュールおよび第2のアセンブリレンズにより提供される第2の画像解像度よりも低い、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0449】
第1の顕微鏡視野が、第2の顕微鏡視野と重なる、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0450】
第1の顕微鏡視野と第2の顕微鏡視野との重なる量が、1%〜90%である、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0451】
第1の顕微鏡視野が、第2の顕微鏡視野と重ならない、いずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0452】
第1のアセンブリレンズおよび第2のアセンブリレンズの各々が、試料によって散乱または放射される光を受光するように配置されている、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0453】
第1の顕微鏡視野が、第2の顕微鏡視野よりも小さい、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0454】
第1のアセンブリレンズの画角が、第2のアセンブリレンズの画角よりも小さい、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0455】
第1のアセンブリレンズの画角と第2のアセンブリレンズの画角の比率が、1.1〜1000である、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0456】
第1のアセンブリレンズへの、または第1のアセンブリレンズからの第1の照明経路に配置される第1の光学フィルタと、
第2のアセンブリレンズへの、または第2のアセンブリレンズからの第2の照明経路に配置される第2の光学フィルタと、
を備える、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0457】
第1の光学フィルタが、第1の波長範囲をフィルタするように構成され、第2の光学フィルタが、第2の波長範囲をフィルタするように構成され、第1の波長範囲が、第2の波長範囲とは異なる、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0458】
第1のアセンブリレンズへの、または第1のアセンブリレンズからの第1の照明経路に配置される第1の偏光子と、
第2のアセンブリレンズへの、または第2のアセンブリレンズからの第2の照明経路に配置される第2の偏光子と、
を備える、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0459】
第1の偏光子および第2の偏光子が、異なる偏光依存性光透過特性および遮断特性を有する、実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリ。
【0460】
先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の光学アセンブリと、携帯電子デバイスと、を備える、装置。
【0461】
携帯電子デバイスがスマートフォンである、実施形態のいずれかに記載の装置。
【0462】
携帯電子デバイスが、第1のカメラモジュールから得られる第1の画像を、第2のカメラモジュールから得られる第2の画像と計算的に統合するように構成されている、実施形態のいずれかに記載の装置。
【0463】
試料を2つのプレート間で圧縮することであって、2つのプレートが、スペーサのアレイによって互いに分離され、そのうちの少なくとも1つが基準マークを有する、前記圧縮することと、
カメラおよび少なくとも1つのレンズを備える撮像システムを使用して、試料の複数の画像を取得することであって、各画像が、試料の厚さ内の異なる物体平面に対応する、前記取得することと、
基準マークの1つ以上に基づいて、各画像を計算的に分析して対応する物体平面に関する情報を決定することと、
複数の画像および対応する物体平面に関する情報に基づいて、試料の3次元画像を計算的に構築することと、
を含む、撮像方法。
【0464】
対応する物体平面に関する決定された情報が、撮像システムに対する物体平面の深さを含む、実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0465】
スペーサの少なくともいくつかが各々、基準マークを有する、いずれかの実施形態2の実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0466】
対応する物体平面に関する決定された情報が、撮像システムに対する物体平面の深さおよび配向を含む、実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0467】
各画像の計算分析が、基準マークの1つ以上の焦点ぼけの程度を決定することを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0468】
各画像の計算分析が、基準マークの複数のものの各々の深さをそのような各基準マークの焦点ぼけの程度に基づいて決定することと、基準マークの決定された深さに基づいて撮像システムに対する対応する物体平面の深さおよび配向を決定することと、を含む、実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0469】
基準マークが、プレートの少なくとも1つに垂直な軸に関して回転対称ではない、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0470】
各画像の計算分析が、撮像システムに対する軸の周りの基準マークの1つ以上の回転配向を決定することを含む、実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0471】
各画像の計算分析が、基準マークに関する画像情報を、基準マークに関する先験的知識と比較することを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0472】
基準マークに関する先験的知識が、各基準マークの形状およびプレートに対する各基準マークの位置のうちの1つ以上に基づく、実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0473】
スペーサが柱である、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0474】
複数の画像の取得が、試料を挟むプレートに対して撮像システムの1つ以上の構成要素を移動させることを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0475】
3次元画像の計算構築が、焦点ずれの特徴を除去するために各取得画像を処理することを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0476】
焦点ずれの特徴を除去するために各取得画像を処理することが、帯域通過フィルタを使用することを含む、実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0477】
取得画像が、カメラにおいて試料に向けられていない参照光と試料からの光を組み合わせることにより形成される干渉画像に対応する、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の撮像方法。
【0478】
カメラおよび少なくとも1つのレンズを備える撮像システムと、
撮像システムに対して試料カートリッジを支持するための試料ホルダであって、2つのプレートを備える試料カートリッジが、スペーサのアレイによって互いに分離され、スペーサの少なくとも1つが基準マークを有し、撮像される試料が2つのプレート間で圧縮されるように構成されている、前記試料ホルダと、
試料ホルダおよびカメラに結合され、撮像システムを使用して試料の複数の画像を取得するように構成された、処理および制御システムであって、各画像が試料の厚さ内の異なる物体平面に対応する、前記処理および制御システムと、
を備え、
処理および制御システムは、
基準マークの1つ以上に基づいて、各画像を計算的に分析して対応する物体平面に関する情報を決定し、
複数の画像および対応する物体平面に関する情報に基づいて、試料の3次元画像を計算的に構築する
ようにさらに構成されている、撮像装置。
【0479】
対応する物体平面に関する決定された情報が、撮像システムに対する物体平面の深さを含む、実施形態のいずれかに記載の撮像装置。
【0480】
スペーサの少なくともいくつかが各々、基準マークを有する、実施形態またはのいずれかに記載の撮像装置。
【0481】
対応する物体平面に関する決定された情報が、撮像システムに対する物体平面の深さおよび配向を含む、実施形態のいずれかに記載の撮像装置。
【0482】
各画像の計算分析が、基準マークの1つ以上の焦点ぼけの程度を決定することを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0483】
各画像の計算分析が、基準マークの複数のものの各々の深さをそのような各基準マークの焦点ぼけの程度に基づいて決定することと、基準マークの決定された深さに基づいて撮像システムに対する対応する物体平面の深さおよび配向を決定することと、を含む、実施形態20のいずれかに記載の装置。
【0484】
基準マークが、プレートの少なくとも1つに垂直な軸に関して回転対称ではない、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0485】
各画像の計算分析が、撮像システムに対する軸の周りの基準マークの1つ以上の回転配向を決定することを含む、実施形態のいずれかに記載の装置。
【0486】
各画像の計算分析が、基準マークに関する画像情報を、基準マークに関する先験的知識と比較することを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0487】
基準マークに関する先験的知識が、各基準マークの形状およびプレートに対する各基準マークの位置のうちの1つ以上に基づく、実施形態のいずれかに記載の装置。
【0488】
スペーサが柱である、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0489】
制御システムが、複数の画像を取得するために、試料を挟むプレートに対して撮像システムの1つ以上の構成要素を移動させるように構成されている、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0490】
3次元画像の計算構築が、焦点ずれの特徴を除去するために各取得画像を処理することを含む、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0491】
焦点ずれの特徴を除去するために各取得画像を処理することが、帯域通過フィルタを使用することを含む、実施形態のいずれかに記載の装置。
【0492】
取得画像が、カメラにおいて試料に向けられていない参照光と試料からの光を組み合わせることにより形成される干渉画像に対応する、先行するいずれかの実施形態のいずれかに記載の装置。
【0493】
さらなる他の実施形態
本発明は、様々な構成要素が互いに矛盾しない限り、複数の方法で組み合わせることができる様々な実施形態を含む。実施形態は、単一の発明出願とみなされるべきであり、各出願は、個別に独立しているものとしてではなく、参考文献として他の出願を有し、その全体およびすべての目的のためにも参照される。これらの実施形態は、現在の出願の開示だけでなく、本明細書で参照されるか、組み込まれるか、または優先権が主張される文書も含む。
【0494】
(1)定義
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法の説明に使用される用語は、現在の出願、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において定義されている。
【0495】
「CROFカード(CROF Card)(またはカード(card))」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、交換可能であるが、例外として、いくつかの実施形態では、COFカードはスペーサを備えておらず、また、これらの用語は、異なる構成(開放構成および閉鎖構成を含む)へと互いに対して移動可能な第1のプレートと、第2のプレートと、を備え、かつプレート間の間隔を調節するスペーサ(COFカードのいくつかの実施形態を除く)を備えるデバイスを指す。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうちの1つを指し、スペーサはこのプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのさらなる説明は、2017年2月7日に出願された仮出願第62/456065号に記載されており、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0496】
(2)Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さ
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さの実施形態を含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を非常に均一性の層にするのに役立つスペーサを備える。スペーサの構造、材料、機能、変形、および寸法、ならびにスペーサおよび試料層の均一性は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0497】
(3)ヒンジ、開口ノッチ、陥凹端部、およびスライダ
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードの操作および試料の測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、陥凹、およびスライダを備える。ヒンジ、ノッチ、陥凹、およびスライダの構造、材料、機能、変形、および寸法は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0498】
(4)Qカード、スライダ、およびスマートフォン検出システム
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、カードがスマートフォン検出システムによって読み取られることを可能にするスライダとともに使用される。Qカード、スライダ、およびスマートフォン検出システムの構造、材料、機能、変形、寸法、および接続は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0499】
QMAXのいくつかの実施形態では、プレートの一方または両方の試料接触領域は、COF後にどれだけのフローが発生したかを監視するように構成された圧縮オープンフロー監視表面構造(MSS)を備える。例えば、いくつかの実施形態では、MSSは、試料中の成分(例えば、血液中の血球)に摩擦を引き起こす浅い正方形のアレイを備える。試料のいくつかの成分の分布を確認することにより、COF下で試料およびその成分のフローに関連する情報を得ることができる。
【0500】
MSSの深さは、突出またはウェルのいずれかの形態で、スペーサの高さの1/1000、1/100、1/100、1/5、1/2、または任意の2つの値の範囲であり得る。
【0501】
(5)検出方法
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な種類の検出方法を含むか、または様々な種類の検出方法において使用され得る。検出方法は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0502】
(6)標識
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、分析物検出に使用される様々な種類の標識を用いることができる。標識は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0503】
(7)分析物
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な種類の分析物(バイオマーカーを含む)の操作および検出に適用することができる。分析物およびは、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0504】
(8)用途(分野および試料)
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な用途(分野および試料)に使用することができる。用途は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0505】
(9)クラウド
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、データの転送、保存、および/または分析のためにクラウド技術を用いることができる。関連クラウド技術は、本明細書に開示されるか、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/426065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列記、記載、および要約されている。
【0506】
追加の留意点
本開示による本発明の主題のさらなる例は、以下に列挙される段落に記載される。
【0507】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別様に明確に指示しない限り、例えば、「単一」という語が使用されない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「分析物」への言及は単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉剤」への言及は単一の捕捉剤および複数の捕捉剤を含み、「検出剤」への言及は単一の検出剤および複数の検出剤を含み、「剤」への言及には、単一の剤および複数の剤を含む。
【0508】
本明細書で使用される「適応された」および「構成された」という用語は、要素、構成要素、または他の主題が所与の機能を実行するように設計および/または意図されることを意味する。したがって、「適応された」および「構成された」という用語の使用は、所与の要素、構成要素、または他の主題が所与の機能を単に実行する「ことができる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を実行するように構成されていると列挙されている主題は、加えてまたは代替として、その機能を実行するように作動するものとして説明され得る。
【0509】
本明細書で使用される、「例えば」という語句、「例として」という語句、ならびに/または単に「例」および「例示」という用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関して使用される場合、記載される構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、説明される構成要素、機能、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定的、必須、または排他的/網羅的であることを意図しておらず、構造的および/または機能的に類似および/または同等の構成要素、機能、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む他の構成要素、機能、詳細、構造、実施形態、および/または方法も、本開示の範囲内である。
【0510】
本明細書で使用される、2つ以上の実体のリストに関して「〜の少なくとも1つ」および「〜の1つ以上」という語句は、実体のリスト内の実体の任意の1つ以上を意味し、実体のリスト内に具体的に列記されているあらゆる実体の少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせを指す場合がある。
【0511】
本明細書で使用される、第1の実体と第2の実体との間に置かれる「および/または」という用語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、ならびに(3)第1の実体および第2の実体の1つを意味する。「および/または」により列記された複数の実体は、同じように、つまり、そのように結合された実体の「1つ以上」と解釈されるべきである。具体的に特定されたそれらの実体に関連するか無関係であるかにかかわらず、「および/または」節で具体的に特定された実体以外に、他の実体が任意選択で存在する場合がある。
【0512】
数値範囲が本明細書で言及される場合、本発明は、エンドポイントが含まれる実施形態、両方のエンドポイントが除外される実施形態、および一方のエンドポイントが含まれ他方が除外される実施形態を含む。特に指定のない限り、両方のエンドポイントが含まれると想定するべきである。さらに、特に指示のない限り、または文脈および当業者の理解から明白でない限り。
【0513】
任意の特許、特許出願、または他の参考文献が、参照により本明細書に組み込まれ、かつ(1)本開示の組み込まれていない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかと矛盾する方法で用語を定義する場合、および/または(2)本開示の組み込まれない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかと別様に矛盾する場合、本開示の組み込まれていない部分が優先するものとし、本明細書における用語または組み込まれた開示は、その用語が定義されている、および/または組み込まれた開示が元々存在していた参考文献に関してのみ優先するものとする。
【0514】
他の実施形態
本発明はその詳細な説明と併せて説明されてきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示するものであり、限定するものではないことを理解されたい。