(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-509978(P2020-509978A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(54)【発明の名称】自動貯蔵および回収システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20200306BHJP
【FI】
B65G1/04 551A
B65G1/04 547A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-548891(P2019-548891)
(86)(22)【出願日】2018年3月10日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月24日
(86)【国際出願番号】EP2018055989
(87)【国際公開番号】WO2018162757
(87)【国際公開日】20180913
(31)【優先権主張番号】20170360
(32)【優先日】2017年3月10日
(33)【優先権主張国】NO
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022CC03
3F022EE05
3F022EE09
3F022FF01
3F022HH11
3F022JJ13
3F022JJ19
3F022JJ20
3F022KK11
3F022KK18
3F022KK20
3F022LL12
3F022LL14
3F022MM01
3F022MM05
3F022MM11
3F022MM17
(57)【要約】
貯蔵コンテナが垂直スタックの中で順に重ねて貯蔵される、複数の貯蔵カラム(5)と、それを通して貯蔵コンテナがグリッドの外および/または中に移送され得る、少なくとも1つのポート(28、29)とを備える、3次元グリッド(4)と、貯蔵カラムから貯蔵コンテナを回収し、貯蔵カラムの中に貯蔵コンテナを貯蔵するため、かつグリッドを側方に横断して貯蔵コンテナを輸送するために、グリッド上で側方に動作される、複数のコンテナ取扱車両(9)とを備える、自動貯蔵および回収システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動貯蔵および回収システムであって、
3次元グリッド(4)であって、前記3次元グリッド(4)は、貯蔵コンテナ(6)が垂直スタック(7)の中で順に重ねて貯蔵される複数の貯蔵カラム(5)と、それを通して前記貯蔵コンテナ(6)がグリッド(4)の外および/または中に移送され得る少なくとも1つのポート(28、29)とを備える、3次元グリッド(4)と、
複数のコンテナ取扱車両(9)であって、前記複数のコンテナ取扱車両(9)は、前記貯蔵カラム(5)から貯蔵コンテナ(6)を回収し、前記貯蔵カラム(5)の中に貯蔵コンテナ(6)を貯蔵するために、および、前記グリッド(4)を水平に横断して前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するために、前記グリッド(4)上で動作される、複数のコンテナ取扱車両(9)と
を備え、
前記グリッド(4)が、貯蔵カラム(36、37)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で移動中であるときに貯蔵コンテナ(6)を一時的に貯蔵するための複数の移送カラム(36、37)を備え、前記コンテナ取扱車両(9)が、前記貯蔵カラム(5)と前記移送カラム(36、37)との間で前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するように配列され、ポートアクセス車両(45、60、75、80、81、82)が、前記コンテナ取扱車両(9)の上方に位置する平面内で、前記移送カラム(36、37)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するように配列されること
を特徴とする、システム。
【請求項2】
前記ポートアクセス車両(45、60)が、前記移送カラム(36、37)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で複数の貯蔵コンテナ(6)の同時輸送を可能にする複数のコンテナ持上および保持デバイス(53、54、73、74)を備えること
を特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ポートアクセス車両(45、60、75、80、81、82)が、前記移送カラム(36)のうちの1つから前記少なくとも1つのポート(28)に貯蔵コンテナ(6)を運搬するように配列される第1の持上および保持デバイス(53、73)と、前記少なくとも1つのポート(29)から前記移送カラム(37)のうちの1つに貯蔵コンテナ(6)を運搬するように配列される第2の持上および移送デバイス(54、74)とを備えること
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の移送カラム(36、37)が、前記貯蔵カラム(5)から前記少なくとも1つのポート(28、29)まで移動中であるときに貯蔵コンテナ(6)を一時的に貯蔵するための移送カラムの第1のセット(36)と、前記少なくとも1つのポート(28、29)から前記貯蔵カラム(5)まで移動中であるときに貯蔵コンテナ(6)を一時的に貯蔵するための移送カラムの第2のセット(37)とを備えること
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポートアクセス車両(45)が、前記グリッド(4)上で動作されること
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポートアクセス車両(60)が、前記グリッド(4)の上方に配列されるレール構造(61)上で動作されること
を特徴とする、請求項1−4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ポートアクセス車両(45、60)が、列車様構成で次々に接続される複数の車両区分(46、63)を備え、その車両区分(46、63)はそれぞれ、少なくとも1つの貯蔵コンテナ(6)を運搬するように構成されること
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記グリッド(4)が、複数の直立部材(2)と、前記直立部材(3)によって支持される複数の水平部材(3)とを備える、枠組構造(1)を備え、その水平部材(3)は、グリッドカラム(12)を備えるグリッドパターンで配列されるレールシステム(8)を備え、そのレールシステム(8)上で、前記複数のコンテナ取扱車両(9)が動作されること
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ポートアクセス車両(45、60)が、グリッドカラムの列(40)に沿って前記グリッド(4)の上または上方で直線的に進行するように配列されること
を特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
移送カラム(36、37)の数が、前記少なくとも1つのポート(28、29)の数よりも大きいこと
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記移送カラム(36、37)が、移送ゾーン(35)を形成し、前記少なくとも1つのポート(28、29)が、ポートゾーン(26)を形成し、前記移送ゾーン(35)が、前記ポートゾーン(26)に隣接すること
を特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記移送カラム(36、37)が、移送ゾーン(35)を形成し、前記少なくとも1つのポート(28、29)が、ポートゾーン(26)を形成し、前記移送ゾーン(35)が、前記ポートゾーン(26)から距離を置いて配列されること
を特徴とする、請求項1−10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記移送ゾーン(35)が、前記グリッド(4)の円周から距離を置いて配列されること
を特徴とする、請求項11および12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記移送ゾーン(35)が、前記グリッド(4)の円周に隣接して配列されること
を特徴とする、請求項11および12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
自動貯蔵および回収システムを動作させる方法であって、
3次元グリッド(4)であって、前記3次元グリッド(4)は、貯蔵コンテナ(6)が垂直スタック(7)の中で順に重ねて貯蔵される複数の貯蔵カラム(5)と、グリッド(4)の外および/または中への前記貯蔵コンテナ(6)の移送を可能にする少なくとも1つのポート(28、29)を備えるポート(26)とを備える、3次元グリッド(4)と、
複数のコンテナ取扱車両(9)であって、前記複数のコンテナ取扱車両(9)は、前記貯蔵カラム(5)から貯蔵コンテナ(6)を回収し、前記貯蔵カラム(5)の中に貯蔵コンテナ(6)を貯蔵するために、および、前記グリッド(4)を側方に横断して前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するために、前記グリッド(4)上で側方に動作される、複数のコンテナ取扱車両(9)と
を備え、その方法は、
前記グリッド(4)内で、前記貯蔵カラム(5)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で移動中であるときに貯蔵コンテナ(6)を一時的に貯蔵するための複数の移送カラム(36、37)を備える移送ゾーン(35)を配列するステップと、
前記コンテナ取扱車両(9)を利用して、前記貯蔵カラム(5)と前記移送カラム(36、37)との間で前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するステップと、
前記グリッド(4)の上または上方で動作されるポートアクセス車両(45、60、75、81、81)を利用して、前記コンテナ取扱車両(9)の上方に位置する平面内で、前記移送カラム(36、37)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記移送カラム(36、37)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するステップは、前記ポートアクセス車両(45、60、75、81、81)を利用して、同時に前記移送カラム(36、37)と前記少なくとも1つのポート(28、29)との間で複数の貯蔵コンテナ(6)を移送するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
自動貯蔵および回収システム内の貯蔵コンテナ(6)を輸送するためのコンテナ取扱システム(90)であって、
3次元グリッド(4)であって、前記3次元グリッド(4)は、貯蔵コンテナ(6)が垂直スタック(7)の中で順に重ねて貯蔵される複数の貯蔵カラム(5)を備える、3次元グリッド(4)と、
複数の第1のコンテナ取扱車両(9)であって、前記複数の第1のコンテナ取扱車両(9)は、前記貯蔵カラム(5)から貯蔵コンテナ(6)を回収し、前記貯蔵カラム(5)の中に貯蔵コンテナ(6)を貯蔵するために、および、前記グリッド(4)を水平に横断して前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するために、前記グリッド(4)上で動作される、複数の第1のコンテナ取扱車両(9)と
を備え、
前記コンテナ取扱システム(90)は、前記第1のコンテナ取扱車両(9)の動作空間の上方にある平面内で、前記グリッド(4)を水平に横断して前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するために配列される、第2のコンテナ取扱車両(45、60、75、80、81、82)を備える、コンテナ取扱システム(90)。
【請求項18】
前記第2のコンテナ取扱車両(45)は、車両区分(46)を備え、前記車両区分(46)は、車両本体(47)と、前記車両本体(47)に搭載される水平バー(50)とを備え、前記水平バー(50)は、前記第2のコンテナ取扱車両(45)が前記グリッド(4)を横断して前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するときに、上昇保持位置で貯蔵コンテナ(6)を保持するように配列されるコンテナ持上および保持デバイス(53、54)を備え、その車両本体(47)は、前記持上および保持デバイス(53、54)が前記第1のコンテナ取扱車両(9)の動作空間の上方にある保持位置で前記貯蔵コンテナ(6)を保持することを可能にするために十分である垂直延在部を有する、請求項17に記載のコンテナ取扱システム(90)。
【請求項19】
直立部材(62、84、86)によって支持される高架レール構造(61、83、84、85)を備え、その高架レール構造(61、83、84、85)に沿って、前記第2のコンテナ取扱車両(60、75、80、81、82)が進行するように配列され、前記第2のコンテナ取扱車両(60、75、80、81、82)は、車両区分(46)を備え、前記車両区分(46)は、車両本体(64)と、前記車両本体(64)に搭載される水平バー(68)とを備え、前記水平バー(68)は、前記第2のコンテナ取扱車両(60、75、80、81、82)が前記グリッド(4)を横断して前記貯蔵コンテナ(6)を輸送するときに、上昇保持位置で貯蔵コンテナ(6)を保持するように配列されるコンテナ持上および保持デバイス(73、74)を備え、その垂直部材(62)は、前記持上および保持デバイス(73、74)が前記第1のコンテナ取扱車両(9)の動作空間の上方にある保持位置で前記貯蔵コンテナ(6)を保持することを可能にするために十分である垂直延在部を有する、請求項17に記載のコンテナ取扱システム(90)。
【請求項20】
複数の前記高架レール構造(83、84、85)と、前記高架レール構造(83、84、85)に沿って独立して動作可能な複数の前記第2のコンテナ取扱車両(80、81、82)とを備える、請求項19に記載のコンテナ取扱システム(90)。
【請求項21】
前記第2のコンテナ取扱車両(45、60、75、80、81、82)は、列車様構成で接続される複数の前記車両区分(46)を備える、請求項17−20のいずれか1項に記載のコンテナ取扱システム(90)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動貯蔵および回収システムに関する。
【0002】
特に、本発明は、
貯蔵コンテナが垂直スタックの中で順に重ねて貯蔵される、複数の貯蔵カラムと、それを通して貯蔵コンテナがグリッドの外および/または中に移送され得る、少なくとも1つのポートとを備える、3次元グリッドと、
貯蔵カラムから貯蔵コンテナを回収し、貯蔵カラムの中に貯蔵コンテナを貯蔵するため、かつグリッドを水平に横断して貯蔵コンテナを輸送するために、グリッド上で動作される、複数のコンテナ取扱車両と、
を備える、自動貯蔵および回収システムに関する。
【0003】
本発明はまた、そのような自動貯蔵および回収システムを動作させる方法に関する。
【0004】
本発明はまた、自動貯蔵および回収システム内の貯蔵コンテナを輸送するためのコンテナ取扱システムに関する。
【背景技術】
【0005】
図1は、典型的な従来技術の自動貯蔵および回収システムの枠組構造1を開示し、
図2は、そのようなシステムのコンテナ取扱車両を開示する。
【0006】
枠組構造1は、複数の直立部材2と、直立部材2によって支持される複数の水平部材3とを備える。部材2、3は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウム外形から作製されてもよい。
【0007】
枠組構造1は、列に配列される貯蔵カラム5を備える、貯蔵グリッド4を画定し、その貯蔵カラム5の中で、ビンとしても公知である貯蔵コンテナ6が、スタック7を形成するように順に重ねて積層される。各貯蔵コンテナ6は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持してもよく、貯蔵コンテナ6内の製品アイテムは、同じであり得る、または用途に応じて異なる製品タイプであり得る。枠組構造1は、貯蔵コンテナ6のスタック7の水平移動を防ぎ、コンテナ6の垂直移動を誘導するが、通常、積層されたときに貯蔵コンテナ6を別様に支持しない。
【0008】
水平部材3は、貯蔵カラム5の上部を横断してグリッドパターンで配列される、レールシステム8を備え、そのレールシステム8上で、複数のコンテナ取扱車両9が、貯蔵カラム5から貯蔵コンテナ6を上昇させ、その中に貯蔵コンテナ6を下降させるように、そして、貯蔵カラム5の上方に貯蔵コンテナ6を輸送するように動作される。レールシステム8は、フレーム構造1の上部を横断して第1の方向Xにコンテナ取扱車両9の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット10と、第1の方向Xと垂直である第2の方向Yにコンテナ取扱車両9の移動を誘導するようにレールの第1のセット10と垂直に配列される、平行レールの第2のセット11とを備える。このようにして、レールシステム8は、グリッドカラム12を画定し、その上方でコンテナ取扱車両9は、貯蔵カラム5の上方で側方に、すなわち、水平X−Y平面と平行である平面内で、移動することができる。
【0009】
各コンテナ取扱車両9は、車両本体13と、コンテナ取扱車両9の側方移動、すなわち、XおよびY方向への移動を可能にする、車輪の第1および第2のセット14、15とを備える。
図2では、各セットの中の2つの車輪が、可視である。車輪の第1のセット14は、レールの第1のセット10のうちの2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット15は、レールの第2セット11のうちの2つの隣接するレールと係合するように配列される。車輪のセット14、15のうちの少なくとも1つは、車輪の第1のセット14および/または車輪の第2のセット15が、任意の1つの時間においてレールの個別のセット10、11と係合され得るように、持ち上げられ、下降されることができる。
【0010】
各コンテナ取扱車両9はまた、貯蔵コンテナ6の垂直輸送、例えば、貯蔵カラム5から貯蔵コンテナ6を上昇させ、その中に貯蔵コンテナ6を下降させるための持上デバイス(
図1に示されていない)も備える。持上デバイスは、貯蔵コンテナ6に係合するように適合される握持デバイス(図示せず)を備え、その握持デバイスは、車両本体13に対する握持デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zに調節され得るように、車両本体13から下降されることができる。
【0011】
従来、また、本願の目的のために、Z=1は、グリッド4の最上層、すなわち、レールシステム8の直ぐ下方の層、Z=2は、レールシステム8の下方の第2の層、Z=3は、第3の層等を識別する。
図1に開示される実施形態では、Z=8は、グリッド4の最下底層を識別する。その結果として、実施例として、かつ
図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用して、
図1に7’として識別される貯蔵コンテナは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると言われ得る。コンテナ取扱車両9は、層Z=0内で進行すると言われ得、各グリッドカラムは、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0012】
各コンテナ取扱車両9は、グリッド4を横断して貯蔵コンテナ6を輸送するときに貯蔵コンテナ6を受容および格納するための貯蔵コンパートメントまたは空間を備える。貯蔵空間は、例えば、国際公開第WO2014/090684A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車両本体13内で中心に配列される空洞を備えてもよい。
【0013】
代替として、コンテナ取扱車両は、第317366号(その内容も、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、カンチレバー構造を有してもよい。
【0014】
コンテナ取扱車両9は、占有面積および垂直突起、すなわち、XおよびY方向への延在部、すなわち、グリッドカラム12の側方または水平延在部と略同等である水平延在部、すなわち、例えば、国際公開第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、XおよびY方向へのグリッドカラム12の延在部を有してもよい。代替として、コンテナ取扱車両9は、例えば、国際公開第WO2014/090684A1号に開示されるように、グリッドカラム12の側方または水平延在部よりも大きい占有面積および垂直突起を有してもよい。
【0015】
レールシステム8は、
図3に示されるように、単一レールシステムであってもよい。代替として、レールシステム8は、
図4に示されるように、二重レールシステムであってもよく、したがって、別のコンテナ取扱車両9がグリッドカラムの列に隣接するグリッドカラムの上方に位置付けられたとしても、グリッドカラム12の側方延在部に概して対応する垂直突起22を有する、コンテナ取扱車両9が、その列に沿って進行することを可能にする。
【0016】
貯蔵グリッドでは、グリッドカラム12の大部分は、貯蔵カラム5、すなわち、貯蔵コンテナがスタックの中に貯蔵されるグリッドカラムである。しかしながら、グリッドは、通常、貯蔵コンテナを貯蔵するために使用されないが、貯蔵コンテナがグリッドの外側からアクセスされる、またはグリッドの外または中に移送され得る、アクセスステーションに輸送され得るように、コンテナ取扱車両が貯蔵コンテナを降ろす、および/または取り上げ得る場所を備える、少なくとも1つのグリッドカラムを有する。当技術分野内で、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置するグリッドカラムは、ポートカラムと称され得る。
【0017】
図1のグリッド4は、2つのポートカラム19および20を備える。第1のポートカラム19は、例えば、コンテナ取扱車両9がアクセスまたは移送ステーション(図示せず)に輸送される貯蔵コンテナを降ろし得る、専用ドロップオフポートカラムであってもよく、第2のポート20カラムは、コンテナ取扱車両9がアクセスまたは移送ステーションからグリッド4に輸送された貯蔵コンテナを取り上げ得る、専用ピックアップポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが貯蔵コンテナから除去される、または貯蔵コンテナの中に位置付けられる、選別または備蓄ステーションであってもよい。選別または備蓄ステーションでは、貯蔵コンテナは、通常、自動貯蔵および回収システムから決して除去されないが、いったんアクセスされるとグリッドの中に戻される。ポートもまた、グリッドの外または中に貯蔵コンテナを移送するために使用されることができる、例えば、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設に(例えば、別のグリッドに、または別の自動貯蔵および回収システムに)、輸送車両(例えば、列車または大型トラック)に、または生産施設に移送するために使用されることができる。
【0019】
コンベヤを備えるコンベヤシステムが、通常、ポートとアクセスステーションとの間に貯蔵コンテナを輸送するために採用される。
【0020】
ポートおよびアクセスステーションが異なる高さに位置する場合、コンベヤシステムは、ポートとアクセスステーションとの間で垂直に貯蔵コンテナを輸送するための持上デバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、国際公開第WO2014/075937A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、異なるグリッドの間で貯蔵コンテナを移送するように配列されてもよい。
【0022】
国際公開第WO2016/198467A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、コンベヤベルト(
図5aおよび5b)と、ポートとオペレータが貯蔵コンテナにアクセスし得るワークステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するためのフレーム搭載型トラック(
図6aおよび6b)とを有する、従来技術のアクセスシステムの実施例を開示する。
【0023】
図1に開示されるグリッド4の中に貯蔵された貯蔵コンテナ6がアクセスされるとき、コンテナ取扱車両9のうちの1つは、グリッド4内のその位置から標的貯蔵コンテナを回収し、それをドロップオフポート19に輸送するように命令される。本動作は、標的貯蔵コンテナが位置付けられる貯蔵カラムの上方のグリッド場所までコンテナ取扱車両を移動させるステップと、コンテナ取扱車両の持上デバイス(図示せず)を使用して、貯蔵カラムから貯蔵コンテナを回収するステップと、貯蔵コンテナをドロップオフポート19に輸送するステップとを伴う。標的貯蔵コンテナがスタック7内に深く位置する、すなわち、1つまたは複数の他の貯蔵コンテナが標的貯蔵コンテナの上方に位置付けられる場合、動作はまた、貯蔵カラムから標的貯蔵コンテナを持ち上げることに先立って、上方に位置付けられた貯蔵コンテナを一時的に移動させるステップを伴う。ある時は当技術分野内で「探出」と称される、本ステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフポート19に輸送するために続いて使用される同一のコンテナ取扱車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働コンテナ取扱車両を用いて、実施されてもよい。代替として、または加えて、自動貯蔵および回収システムは、具体的には貯蔵カラムから貯蔵コンテナを一時的に除去するタスクに専念する、コンテナ取扱車両を有してもよい。いったん標的貯蔵コンテナが貯蔵カラムから除去されると、一時的に除去された貯蔵コンテナは、元の貯蔵カラムの中に再び位置付けられることができる。しかしながら、除去された貯蔵コンテナは、代替として、他の貯蔵カラムに再配置されてもよい。
【0024】
貯蔵コンテナ6がグリッド4の中に貯蔵されるとき、コンテナ取扱車両9のうちの1つは、ピックアップポート20から貯蔵コンテナを取り上げ、それが貯蔵される貯蔵カラムの上方のグリッド場所にそれを輸送するように命令される。貯蔵カラムスタック内の標的位置またはその上方に位置付けられた任意の貯蔵コンテナが除去された後、コンテナ取扱車両9は、所望の位置に貯蔵コンテナを位置付ける。除去された貯蔵コンテナは、次いで、貯蔵カラムの中に戻るように下降される、または他の貯蔵カラムに再配置されてもよい。
【0025】
自動貯蔵および回収システムを監視および制御する、例えば、グリッド4内の個別の貯蔵コンテナの場所、各貯蔵コンテナ6の内容物、およびコンテナ取扱車両9が相互と衝突することなく所望の貯蔵コンテナが所望の時間に所望の場所へ送達され得るようにコンテナ取扱車両9の移動を監視および制御するために、自動貯蔵および回収システムは、典型的には、コンピュータ化され、貯蔵コンテナを追跡するためのデータベースを備える、制御システム(
図1に示されていない)を備える。
【0026】
既知の自動貯蔵および回収システムと関連付けられる問題は、ポートを囲繞する面積が、貯蔵コンテナを降ろす、または取り上げるように命令されるコンテナ取扱車両で混雑し得ることである。これは、自動貯蔵および回収システムの動作を著しく妨げ得る。小型システムでは、本状況は、場合によっては、ポートをグリッドに追加することによって軽減されることができる。なぜなら、これは、混雑を回避するために、コンテナ取扱車両がより多数のポートの間に分配されることを可能にし得るからである。しかしながら、ポートが追加される場合、コンベヤシステムインフラストラクチャが、通常、増加されなければならない。これは、必ずしも利用可能ではない場合がある、空間を要求する。また、コンベヤシステムインフラストラクチャを追加することは、高コストである。
【0027】
さらに、自動貯蔵および回収システム業界内の現在の動向は、より大型の貯蔵グリッドの要求が高まっていることである。グリッドの中に貯蔵される貯蔵コンテナの数が、概して、グリッドの体積として拡張するが、ポートに利用可能な空間は、概して、グリッドの表面として拡張するため、ポートの数を増加させることは、グリッドサイズが増加するときに混雑問題を十分に解決しないであろう。
【0028】
上記に照らして、ポートにおけるコンテナ取扱車両の混雑に関連する前述の問題を解決する、または少なくとも軽減する、自動貯蔵および回収システム、およびそのようなシステムを動作させるための方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2014/090684号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の一側面によると、グリッドは、貯蔵カラムと少なくとも1つのポートとの間で移動中であるときに貯蔵コンテナを一時的に貯蔵するための複数の移送カラムを備え、コンテナ取扱車両は、貯蔵カラムと移送カラムとの間で貯蔵コンテナを輸送するように配列され、ポートアクセス車両は、コンテナ取扱車両の上方に位置する平面内で、移送カラムと少なくとも1つのポートとの間で貯蔵コンテナを輸送するように配列される。
【0031】
本発明の別の側面によると、自動貯蔵および回収システムを動作させる方法は、
グリッド内で、貯蔵カラムと少なくとも1つのポートとの間で移動中であるときに貯蔵コンテナを一時的に貯蔵するための複数の移送カラムを備える、移送ゾーンを配列するステップと、
コンテナ取扱車両を利用して、貯蔵カラムと移送カラムとの間で貯蔵コンテナを輸送するステップと、
グリッドの上または上方で動作されるポートアクセス車両を利用して、コンテナ取扱車両の上方に位置する平面内で、移送カラムと少なくとも1つのポートとの間で貯蔵コンテナを輸送するステップと、
を含む。
【0032】
その結果として、本発明によると、コンテナ取扱車両は、貯蔵カラムと移送カラムとの間で貯蔵コンテナを輸送するために利用され、コンテナ取扱車両の上方に貯蔵コンテナを輸送することが可能である、専用ポートアクセス車両が、移送カラムとポートとの間で貯蔵コンテナを往復させるために利用される。
【0033】
混雑問題を軽減するためにより多くのポートを提供することと比較して、グリッド内の移送カラムの数を増加させることが容易である。さらに、移送カラムは、グリッドの内側に、例えば、グリッドの円周から距離を置いて位置することができ、したがって、XおよびY方向から移送カラムへのコンテナ取扱車両のアクセスを可能にする。ポートは、他方では、通常、グリッドの周囲に位置し、したがって、通常、1つの方向からのみアクセス可能である。
【0034】
コンテナ取扱車両の上方に位置する平面内で、すなわち、コンテナ取扱車両がグリッドを横断して進行する平面の上方で、移送カラムとポートとの間で貯蔵コンテナを輸送することによって、移送カラムとポートとの間の貯蔵コンテナの移送がコンテナ取扱車両の移動に及ぼし得る任意の干渉が、最小限にされるであろう。
【0035】
ポートアクセス車両の容量を増加させるために、ポートアクセス車両が、移送カラムと少なくとも1つのポートとの間の複数の貯蔵コンテナの同時輸送を可能にする、複数のコンテナ持上および保持デバイスを備える場合、有利であり得る。
【0036】
移送カラムの数は、該少なくとも1つのポートの数よりも大きくあり得る。
【0037】
移送カラムが、移送ゾーンを形成し、少なくとも1つのポートが、ポートゾーンを形成する場合、有利であり得、移送ゾーンは、ポートゾーンに隣接する。代替として、移送ゾーンは、ポートゾーンから距離を置いて配列されてもよい。
【0038】
移送ゾーンは、グリッドの周囲から距離を置いて配列されてもよい、または代替として、移送ゾーンは、グリッドの周囲に隣接して配列されてもよい。
【0039】
ポートアクセス車両が、移送カラムのうちの1つから少なくとも1つのポートに貯蔵コンテナを運搬するように配列される、第1の持上および保持デバイスと、少なくとも1つのポートから移送カラムのうちの1つに貯蔵コンテナを運搬するように配列される、第2の持上および移送デバイスとを備える場合、有利であり得る。これは、少なくとも1つのポートが、貯蔵コンテナがアクセスステーションにおいてアクセスされるようにグリッドの外に運ばれる、少なくとも1つの専用出口ポートと、貯蔵コンテナが貯蔵カラムの中に貯蔵されるようにグリッドの中に戻るように運ばれる、少なくとも1つの専用入口ポートとを備える場合に、特に有利であり得る。そのような場合において、第1の持上および移送デバイスは、移送カラムから出口ポートへの貯蔵コンテナの輸送の要求に応じてもよく、第2の持上および移送デバイスは、入口ポートから移送カラムへの貯蔵コンテナの輸送の要求に応じてもよい。
【0040】
また、複数の移送カラムが、貯蔵カラムから少なくとも1つのポートまで移動中であるときに貯蔵コンテナを一時的に貯蔵するための移送カラムの第1のセットと、少なくとも1つのポートから貯蔵カラムまで移動中であるときに貯蔵コンテナを一時的に貯蔵するための移送カラムの第2のセットとを備える場合、有利であり得る。
【0041】
ポートアクセス車両は、グリッド上で動作される、例えば、グリッドのレールシステムに沿って進行するように配列されてもよい。
【0042】
代替として、ポートアクセス車両は、レールの上方で、例えば、グリッドの上方に配列される、レール構造、例えば、モノレール上で、動作されてもよい。
【0043】
ポートアクセス車両は、列車様構成で次々に接続される複数の車両区分を備えてもよく、その車両区分はそれぞれ、少なくとも1つの貯蔵コンテナを運搬するように構成される。これは、ポートアクセス車両がグリッド内の変化する条件に容易に適合されることを可能にするであろう。
【0044】
グリッドは、複数の直立部材と、直立部材によって支持される複数の水平部材とを備える、枠組構造を備えてもよく、その水平部材は、グリッドカラムを備えるグリッドパターンで配列される、レールシステムを備え、そのレールシステム上で、複数のコンテナ取扱車両が動作される。そのようなグリッドでは、ポートアクセス車両が、該グリッドカラムの列に沿ってグリッドの上または上方で直線的に、すなわち、X方向またはY方向に、進行するように配列される場合、有利であり得る。これは、移送カラムと少なくとも1つのポートとの間で貯蔵コンテナの効率的な輸送を提供するであろう。
【0045】
以下の説明では、多数の具体的詳細が、請求されるシステムおよび方法の実施形態の徹底的な理解を提供するように、一例のみとして導入される。しかしながら、当業者は、これらの実施形態が、具体的詳細のうちの1つ以上のものを伴わずに、または他の構成要素、システム等を伴って、実践され得ることを認識するであろう。他の場合には、周知の構造または動作は、開示される実施形態の側面を曖昧にすることを回避するために、図示されない、または詳細に説明されない。
【0046】
さらに別の側面によると、本発明は、
貯蔵コンテナが垂直スタックの中で順に重ねて貯蔵される、複数の貯蔵カラムを備える、3次元グリッドと、
貯蔵カラムから貯蔵コンテナを回収し、該貯蔵カラムの中に貯蔵コンテナを貯蔵するために、および、グリッドを水平に横断して貯蔵コンテナを輸送するために、グリッド上で動作される、複数の第1のコンテナ取扱車両と、
を備え、コンテナ取扱システムは、第1のコンテナ取扱車両の動作空間の上方にある平面内で、グリッドを水平に横断して貯蔵コンテナを輸送するために配列される、第2のコンテナ取扱車両を備える、
自動貯蔵および回収システム内の貯蔵コンテナを輸送するためのコンテナ取扱システムに関する。
【0047】
第2のコンテナ取扱車両は、車両本体と、第2のコンテナ取扱車両がグリッドを横断して貯蔵コンテナを輸送するときに、上昇保持位置で貯蔵コンテナを保持するように配列される、コンテナ持上および保持デバイスを備える、車両本体に搭載される水平バーとを備える、車両区分を備えてもよく、その車両本体は、持上および保持デバイスが第1のコンテナ取扱車両の該動作空間の上方にある保持位置で貯蔵コンテナを保持することを可能にするために十分である、垂直延在部を有する。
【0048】
コンテナ取扱システムは、直立部材によって支持される、高架レール構造を備えてもよく、その高架レール構造に沿って、第2のコンテナ取扱車両が進行するように配列され、第2のコンテナ取扱車両は、車両本体と、第2のコンテナ取扱車両がグリッドを横断して貯蔵コンテナを輸送するときに、上昇保持位置で貯蔵コンテナを保持するように配列される、コンテナ持上および保持デバイスを備える、車両本体に搭載される水平バーとを備える、車両区分を備え、その直立部材は、持上および保持デバイスが第1のコンテナ取扱車両の該動作空間の上方にある保持位置で貯蔵コンテナを保持することを可能にするために十分である、垂直延在部を有する。
【0049】
コンテナ取扱システムは、複数の該高架レール構造と、高架レール構造に沿って独立して動作可能な複数の該第2のコンテナ取扱車両とを備えてもよい。
【0050】
第2のコンテナ取扱車両は、列車様構成で接続される複数の該車両区分を備えてもよい。
【0051】
コンテナ取扱システムは、自動貯蔵および回収システムの3次元グリッドの移送ゾーンとポートゾーンとの間で貯蔵コンテナを輸送するためのポートアクセスシステムを形成してもよく、第2のコンテナ取扱車両は、移送ゾーンとポートゾーンとの間で貯蔵コンテナを輸送するように配列される、そのようなシステムのポートアクセス車両を形成してもよい。
【0052】
コンテナ取扱車両およびポートアクセス車両は、自動コンテナ取扱車両、例えば、ロボットまたはロボット車両であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
以下の図面は、本発明の理解を促進するように添付される。
【0054】
【
図1】
図1は、従来技術の自動貯蔵および回収システムのグリッドの斜視図である。
【
図2】
図2は、従来技術のコンテナ取扱車両の斜視図である。
【
図3】
図3は、従来技術の単一レールグリッドの上面図である。
【
図4】
図4は、従来技術の二重レールグリッドの上面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、自動貯蔵および回収システムのグリッドの上面図である。
【
図6】
図6は、本発明による、ポートアクセス車両の第1の実施形態の斜視図である。
【
図7】
図7および8は、
図6による、ポートアクセス車両の車両区分の直交側面図である。
【
図8】
図7および8は、
図6による、ポートアクセス車両の車両区分の直交側面図である。
【
図9】
図9は、
図6による、ポートアクセス車両の側面図である。
【
図10】
図10は、
図5による、グリッドのポートゾーンおよび移送ゾーンの一部の上面図である。
【
図11】
図11は、本発明による、ポートアクセス車両の第2の実施形態の斜視図である。
【
図12】
図12および13は、
図11による、ポートアクセス車両の車両区分の直交側面図である。
【
図13】
図12および13は、
図11による、ポートアクセス車両の車両区分の直交側面図である。
【
図16】
図16は、本発明による、ポートアクセス車両の第3の実施形態の側面図である。
【
図17】
図17は、本発明による、ポートアクセス車両の第4の実施形態の側面図である。
【
図18】
図18は、移送ゾーン構成の異なる実施形態を示す、グリッドの上面図である。
【0055】
図面では、同様の参照番号が、別様に明示的に記述されない、または文脈から暗示的に理解されない限り、同様の部品、要素、または特徴を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下では、本発明の実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0057】
本発明による、自動貯蔵および回収システムの実施形態が、ここで、
図5を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0058】
図3は、自動貯蔵および回収システムのグリッド4の上面図である。グリッド4は、複数の直立部材2(
図1参照)と、直立部材によって支持される複数の水平部材3とを備える、枠組構造1を備える。当技術分野で公知であるように、直立部材および水平部材は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウム外形から作製されてもよい。
【0059】
水平部材3は、貯蔵カラムの上部を横断してグリッドパターンで配列される、レールシステム8を備え、そのレールシステム8上で、複数のコンテナ取扱車両9が動作される。
【0060】
レールシステム8は、フレーム構造1の上部を横断して第1の方向Xにコンテナ取扱車両9の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット10と、第1の方向Xと垂直である第2の方向Yにコンテナ取扱車両9の移動を誘導するように第1のセット10と垂直に配列される、平行レールの第2のセット11とを備える。このようにして、レールシステム8は、水平X−Y平面内でグリッドカラム12を画定し、そのグリッドカラム12の上方で、コンテナ取扱車両9は、XおよびY方向に水平に移動することができる。その結果として、グリッドカラム12の水平面積は、すなわち、XおよびY方向に沿って、それぞれ、隣接するレール10と11との間の距離によって画定され得る(
図4も参照)。
【0061】
その結果として、レールシステム8は、コンテナ取扱車両9が、各グリッド場所がグリッドカラム12と関連付けられる、異なるグリッド場所の間で、X−Y平面内で水平に移動することを可能にする。
【0062】
コンテナ取扱車両9は、当技術分野で公知である任意のタイプのロボットまたは自動コンテナ取扱車両、例えば、
図1および2に関連して議論される自動コンテナ取扱車両のうちのいずれか1つであってもよい。しかしながら、各コンテナ取扱車両9が、グリッド4を水平に横断して貯蔵コンテナ6を輸送するときに貯蔵コンテナ6を受容および格納するための中心に位置する貯蔵空間と、垂直突起、すなわち、グリッドカラム12の水平延在部と略同等である、XおよびY方向への延在部とを備える場合、有利であり得る。これは、別のコンテナ取扱車両9が、それに沿って第1のコンテナ取扱車両が移動している、グリッドカラム列に隣接するグリッドカラムの上方の場所を占有した場合、コンテナ取扱車両9が、グリッドカラムの列の上方で貯蔵コンテナを輸送することを可能にするであろう。
【0063】
開示される実施形態では、グリッド4は、貯蔵ゾーン25と、2つのポートゾーン26と、2つの移送または緩衝ゾーン35とを備える。例えば、X方向における幅が3つのグリッドセルであり、Y方向における長さが7つのグリッドセルである、各ポートゾーン26は、貯蔵コンテナがグリッド4の外または中に移送され得る、ポート28、29を備える。その機能が下記でより詳細に議論される、各移送ゾーン35は、示される実施例では、(X方向における)幅が3つのグリッドセルであり、(Y方向における)長さが43個のグリッドセルである。グリッド4の残りの部分を構成する、貯蔵ゾーン25は、貯蔵コンテナまたはビン6がスタック7を形成するように順に重ねて積層され得る、貯蔵カラム5を備える。
【0064】
ポートゾーン26を含まない、
図5の実施例におけるグリッド4は、X方向における幅が36個のセルであり、Y方向における長さが50個のセルである。Z方向(
図6参照)では、グリッド4は、5つのセルの高さを有してもよい。しかしながら、グリッド4は、原則として、任意のサイズであり得ることを理解されたい。特に、グリッド4は、
図5および6に開示されるよりも著しく幅広くおよび/または長くあり得ることを理解されたい。例えば、グリッドは、600×600を上回るグリッドセルの水平延在部を有してもよい。また、グリッド4は、
図6に開示されるよりも著しく深くあり得る。例えば、グリッドは、10グリッドセルを上回る深さであり得る。
【0065】
図6は、ポートゾーン26をより詳細に開示する。各ポートゾーン26は、それを通して貯蔵コンテナ6がグリッド4の外側からアクセスされるようにグリッド4の外に運ばれ得る、7つの出口ポートまたは出口ポートカラム28を備える。各ポートゾーン26はまた、それを通して貯蔵コンテナ6が貯蔵カラム5の中に貯蔵されるようにグリッド4の中に運ばれ得る、入口ポートまたは入口ポートカラム29も備える。アクセスおよび移送システム31が、ポート28、29と、開示される実施形態では選別および備蓄ステーションであるアクセスステーション32との間で、貯蔵コンテナを輸送するために配列される。アクセスおよび移送システム31は、出口ポート28からアクセスステーション32に貯蔵コンテナを輸送するように出口ポート28の下に配列される、第1のコンベヤ33と、アクセスステーション32から入口ポート29に貯蔵コンテナを輸送するように入口ポート29の下に配列される、第2のコンベヤ34とを備える。
【0066】
レールシステム8は、グリッド4のポートゾーン26の中に延在する。
【0067】
各移送ゾーン35は、貯蔵ゾーン25とポートゾーン35との間で移動中であるときに貯蔵コンテナ6を一時的に保持するように配列される、移送カラム36、37を備える。移送カラムは、コンテナ取扱車両9がグリッド4から回収される貯蔵コンテナを降ろし得る、ドロップオフカラム36と、コンテナ取扱車両がグリッド4の中に貯蔵される貯蔵コンテナを取り上げ得る、ピックアップカラム37とを含む。
【0068】
ドロップオフカラム36は、出口ポート28からY方向に延在する列38に配列される。ピックアップ移送カラム37は、入口ポート29からY方向に延在する列39に配列される。グリッドカラム40の中間カラム列は、列38と39との間に位置付けられる。換言すると、ドロップオフカラム36およびピックアップカラム37は、中間カラム列40によって分離される。
【0069】
開示される実施形態では、ドロップオフカラム36およびピックアップカラム37は、各列38および39の中の位置Y=1からY=43を占有する。その結果として、ドロップオフカラム36およびピックアップカラム37は、長さが43個のグリッドセルであり、すなわち、移送ゾーン35の中に43個のグリッドセルを延在させる。ドロップオフおよびピックアップカラム36、37の数がポート28、29の数よりも大きいため、コンテナ取扱車両9が貯蔵コンテナを送達する空いたドロップオフカラム36を見出さない可能性は、低い。
【0070】
ポートアクセス車両は、移送ゾーン35とポートゾーン26との間で貯蔵コンテナ6を移送するためにグリッド4の上方で動作される。以下でより詳細に議論されるであろうように、各ポートアクセス車両は、コンテナ取扱車両9の動作平面の上方で、すなわち、コンテナ取扱車両9の動作空間の上方の平面内で、貯蔵コンテナを移送するように配列され、したがって、コンテナ取扱車両9が、ドロップオフまたはピックアップ移送カラム36、37の上方のグリッド場所を占有した場合、ポートアクセス車両が、そのドロップオフまたはピックアップ移送カラム36、37にわたって貯蔵コンテナを移送することを可能にする。その結果として、コンテナ取扱車両9が、貯蔵コンテナをドロップオフまたはピックアップ移送カラム36、37に降ろす、またはそこから取り上げることができる一方で、ポートアクセス車両は、同時に、コンテナ取扱車両9の上方で移送ゾーン36とポートゾーン26との間に貯蔵コンテナを移送する。
【0071】
ポートアクセス車両45の第1の実施形態が、ここで、
図6−10を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0072】
ポートアクセス車両45は、列40の中のグリッドカラムに沿って(
図3参照)、すなわち、ポートゾーン26からグリッドの中に延在するグリッドカラムの列に沿って、動作する。ポートアクセス車両45は、列車様構成で、すなわち、次々に接続される複数の車両区分46を備えてもよい(例えば、
図7参照)。各車両区分46は、概して、グリッドカラム12の側方または水平延在部に対応する、占有面積を有する車両本体47を備え、したがって、ポートアクセス車両が、移送ゾーン内で貯蔵コンテナを降ろしている、または取り上げているコンテナ取扱車両の間を通過することを可能にする。車両本体47の下端では、車輪のセット48が、車両区分46が列40に沿ってY方向にレールシステム8上で進行することを可能にするように搭載および構成される。
【0073】
ポートアクセス車両45を構成する一連の車両区分46では、車両区分46のうちの少なくとも1つの車輪のセット48は、ポートアクセス車両45を推進させるために電動式である。
【0074】
車両区分46は、車両本体47の上部に搭載され、車輪のセット48によって画定される専用進行方向である、車両区分46の専用進行方向に直交する車両本体47の両側から水平に延在する、水平バーまたはフレーム50を備える。換言すると、グリッド4上で動作中であるとき、水平バー50は、X方向に延在する(例えば、
図4参照)。車両本体47の両側で、水平バー50は、コンテナ持上および保持デバイス53、54を支持する。各持上および保持デバイス53、54は、貯蔵コンテナを握持および保持するように水平バー50から下降され得る、コンテナ握持デバイス51、52を備える。握持デバイス51、52は、相互から独立して貯蔵コンテナを取り上げ、降ろすために、個別に下降されることができる。
【0075】
持上および保持デバイス53、54は、ポートアクセス車両が移送ゾーン35とポートゾーン26との間で貯蔵コンテナ6を輸送するときに、上昇保持位置で貯蔵コンテナを保持するように配列される。車両区分46の車両本体47は、持上および保持デバイス53、54がコンテナ取扱車両の動作空間の上方にある保持位置で貯蔵コンテナ6を保持することを可能にするために十分である、垂直延在部を有する(例えば、
図6参照)。
【0076】
グリッド4の中に貯蔵された貯蔵コンテナ6がアクセスステーション32においてアクセスされるとき、コンテナ取扱車両9のうちの1つは、グリッド4内のその位置から標的貯蔵コンテナを回収し、それをドロップオフ移送カラム36の1つに、すなわち、移送ゾーン35内の列38の中のグリッドカラムのうちの1つに輸送するように命令される。本動作は、標的貯蔵コンテナが位置付けられる貯蔵カラムの上方のグリッド場所までコンテナ取扱車両9を移動させるステップと、コンテナ取扱車両の持上デバイスを使用して、貯蔵カラムから貯蔵コンテナを回収するステップと、貯蔵コンテナを意図されたドロップオフ移送カラム36に輸送するステップとを伴う。標的貯蔵コンテナがスタック内に深く位置する、すなわち、1つまたは複数の他の貯蔵コンテナが標的貯蔵コンテナの上方に位置付けられる場合、動作はまた、貯蔵カラムから標的貯蔵コンテナを持ち上げることに先立って、上方に位置付けられた貯蔵コンテナを一時的に移動させるステップを伴う。本ステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフ移送カラム36に輸送するために続いて使用される同一のコンテナ取扱車両を用いて、または当技術分野で公知であるように、1つまたは複数の他の協働コンテナ取扱車両を用いて、実施されてもよい。代替として、または加えて、同様に当技術分野で公知であるように、自動貯蔵および回収システムは、具体的には貯蔵カラムから貯蔵コンテナを一時的に除去するタスクに専念する、コンテナ取扱車両を有してもよい。いったん標的貯蔵コンテナが貯蔵カラムから除去されると、一時的に除去された貯蔵コンテナは、元の貯蔵カラムの中に再び位置付けられる、または代替として、他の貯蔵カラムに再配置されることができる。
【0077】
コンテナ取扱車両9が、ドロップオフ移送カラム36の中に標的貯蔵コンテナを位置付け、例えば、グリッド4から別の貯蔵コンテナを回収するように、移送ゾーン35を離れたとき、ポートアクセス車両45は、列40に沿って移動され、コンテナ取扱車両9が標的貯蔵コンテナを位置付けたドロップオフ移送カラム36に隣接する、列40の中のグリッドカラム41の上方に位置する、その車両区分46のうちの1つを伴って、位置付けられる。ポートアクセス車両45は、次いで、握持デバイス51を下降させ、標的貯蔵コンテナを握持し、移送位置、すなわち、コンテナ取扱車両9の動作平面の上方の位置まで、それを上昇させることによって、ドロップオフ移送カラム36から標的貯蔵コンテナを回収する。
【0078】
ポートアクセス車両45は、次いで、移送ゾーン35からポートゾーン26まで列40に沿って移動され、ポートアクセス車両45は、出口ポートカラム28に隣接するグリッドカラム30の上方に位置する、標的貯蔵コンテナを保持する車両区分46を伴って、位置付けられる。標的貯蔵コンテナは、次いで、出口ポートカラム28の中に下降され、標的貯蔵コンテナをアクセスステーション32に輸送する、コンベヤ33上に位置付けられる。
【0079】
いったんアクセスステーション32においてアクセスされると、標的貯蔵コンテナは、グリッド4の中に戻るように移送され、もう一度、貯蔵ゾーン25内の貯蔵カラム5の中に貯蔵される。本動作は、本質的に、グリッドから貯蔵コンテナを取ってくるという上記で議論される動作の逆であり、
コンベヤ34を使用して、アクセスステーション32から入口ポートカラム29のうちの1つに標的貯蔵コンテナを輸送するステップと、
入口ポートカラム29に隣接するグリッドカラムの上方に位置する、車両区分46のうちの1つの車両本体47を伴って、ポートゾーン26内にポートアクセス車両45を位置付けるステップと、
入口ポートカラム29の中に車両区分46の握持デバイス52を下降させ、標的貯蔵コンテナを係合させ、それを移送位置まで持ち上げるステップと、
ポートゾーン26から移送ゾーン35まで列40に沿ってポートアクセス車両45を移動させるステップであって、ポートアクセス車両45は、標的貯蔵コンテナを保持する車両区分46の車両本体47が、ピックアップ移送カラム37に隣接するグリッドカラム41の上方に位置するように、位置付けられる、ステップと、
ピックアップ移送カラム37の中に標的貯蔵コンテナを下降させるステップと、
ピックアップカラム37を移動させ、標的貯蔵コンテナを回収するようにコンテナ取扱車両9に命令するステップと、
コンテナ取扱車両9を、標的貯蔵コンテナが格納される貯蔵カラムまで移動させ、スタック内のその意図された位置に標的貯蔵コンテナを位置付けるステップと
を伴う。
【0080】
ドロップオフおよびピックアップ移送カラム36、37では、貯蔵コンテナは、有利なこととして、グリッドの最上層、すなわち、Z=1として識別される層の中に貯蔵される。これは、移送ゾーン35内で貯蔵コンテナを降ろし、取り上げるときに、コンテナ取扱車両の握持デバイスおよびポートアクセス車両が移動する必要がある距離を最小限にし、その中に一時的に貯蔵された貯蔵コンテナの急速な転回を可能にするであろう。
【0081】
貯蔵コンテナが移送ゾーン内の最上層の中で一時的に貯蔵されることを可能にするために、各移送カラム36、37は、停止デバイス57、例えば、各移送カラムを囲繞する直立部材2に取り付けられたクランプ(
図6参照)を備えてもよく、そのクランプは、貯蔵コンテナ6が高さZ=1を越えて移送カラムの中に下降されることを防止する。当然ながら、クランプは、移送カラムをより深く下って直立部材に取り付けられることができ、したがって、貯蔵コンテナがZ=1より深い高さにおいて一時的に貯蔵されることを可能にする。
【0082】
貯蔵コンテナは、異なる移送カラム内の異なる高さにおいて一時的に貯蔵されることができる。また、いくつかの用途では、移送カラムの中に1つを上回る貯蔵コンテナを同時に貯蔵することが有利であり得る。しかしながら、そのような用途では、ポートアクセス車両は、別の一時的に貯蔵された貯蔵コンテナの下方に一時的に貯蔵される貯蔵コンテナを回収するために、探出動作を実施するように構成される必要がある。
【0083】
ポートアクセス車両45のモジュール式性質に起因して、車両45は、車両区分46を追加または除去することによって、異なる移送ゾーンサイズおよび/またはポート構成に容易に適合されることができる。その結果として、ポートアクセス車両45は、移送ゾーン35とポートゾーン26との間で複数の貯蔵コンテナを同時に移送するように構成されることができる。例えば、移送ゾーン35からポートゾーン26まで進行するとき、全ての車両区分46の握持デバイス51が、例えば、
図6に示されるように、貯蔵コンテナを運搬するために採用されることができる。同様に、ポートゾーン26から移送ゾーン35まで進行するとき、全ての車両区分46の握持デバイス52が、貯蔵コンテナを運搬するために採用されることができる。
【0084】
図11−16は、車両60が、直立部材62によって支持される、高架レール構造61、例えば、モノレールに沿って進行するように配列される、ポートアクセス車両60のさらなる実施形態を示す。開示される実施例では、レール構造61は、グリッドカラム列40の上方で垂直に配列され(
図10参照)、すなわち、移送ゾーン35上方でY方向に延在する。
【0085】
ポートアクセス車両60は、列車様構成で、すなわち、次々に接続される複数の車両区分63を備える(例えば、
図11参照)。各車両区分63は、車両本体64を備える。車両本体64の下端では、車輪の第1のセット65が、車両区分63がレール構造61に沿って進行することを可能にするように搭載および構成される。車輪の第2のセット66は、車両区分63がレール構造61から脱線および落下することを防止するように構成される。
【0086】
ポートアクセス車両60を構成する一連の車両区分63では、車両区分63のうちの少なくとも1つの車輪の第1のセット65および/または車輪の第2のセット66は、モノレール61に沿ってポートアクセス車両60を推進させるために電動式である。
【0087】
車両区分63はさらに、車両本体64の上部に搭載され、車両区分63の専用進行方向に直交して車両本体64の両側から水平に延在する、水平バーまたはフレーム68を備える。換言すると、ポートアクセス車両60が動作中であるとき、水平バー68は、X方向に延在するであろう(例えば、
図11参照)。車両本体64の両側で、水平バー68は、貯蔵コンテナ持上および保持デバイス73、74を支持する。各持上および保持デバイス73、74は、水平バー68から下降され、貯蔵コンテナを握持および保持するように配列される、コンテナ握持デバイス69、70を備える。握持デバイス69、70は、相互から独立して貯蔵コンテナを取り上げ、降ろすために、個別に下降されることができる。
【0088】
本実施形態では、持上および保持デバイス73、74はそれぞれ、そこから握持デバイス69、70が懸架される、伸縮式部材71を備える(
図15参照)。後退されたとき、伸縮式部材71は、水平バー68から垂直に延在する、保護構造72によって保護される。
【0089】
ポートアクセス車両60は、概して、ポートアクセス車両60がグリッドレールシステム8の代わりに高架レール構造61に沿って動作するという差異を伴って、前述で説明されたポートアクセス車両45と同様に動作する。
【0090】
レール構造61は、貯蔵コンテナ6が、コンテナ取扱車両9の上方に位置する平面内で、移送ゾーン35とポートゾーン26との間で移送されることを可能にするように、レールシステム8の上方で十分に高く搭載される。
【0091】
図16は、ポートアクセス車両75の各握持デバイスが2つの貯蔵コンテナ6を同時に握持および運搬することが可能である、高架レール構造上で動作されるポートアクセス車両75のバージョンを開示する。本構成は、移送およびポートゾーンが、広さが(少なくとも)5つのグリッドセルであることを要求する。
【0092】
図17は、3つのポートアクセス車両80、81、82が、移送ゾーンとポートゾーンとの間で貯蔵コンテナを移送するために配列される、高架レールベースのシステムのさらに別のバージョンを開示する。ポートアクセス車両80、81、82は、コンテナ取扱車両9の上方で相互から独立して動作しており、各ポートアクセス車両80、81、82は、その独自のレール構造83、84、85を有し、それに沿って動作する。ポートアクセス車両80は、同一の高さであるが、相互と並行して動作する、ポートアクセス車両82および83の上方で動作するように配列される。レール構造83、84、85は、共通直立部材86によって支持される。
【0093】
図18は、移送ゾーン35およびポートゾーン26の可能性として考えられる位置および形状が示される、本発明による、自動貯蔵および回収システムのグリッド4の上面図である。濃い灰色で影を付けられた面積は、移送ゾーン35を示し、薄い灰色で影を付けられた面積は、ポートゾーン26を示す。各ポートゾーンは、ポート28、29を備え、各移送ゾーン35は、移送カラムを備える。各移送ゾーン35は、少なくとも1つのポートゾーン26と関連付けられる。白色グリッドセルは、グリッドの貯蔵ゾーン25を画定する、貯蔵カラム5を示す。自動コンテナ取扱車両9は、前述で開示されたように、すなわち、貯蔵カラム5と移送ゾーン35との間で貯蔵コンテナを輸送するように、グリッド4上で動作され、ポートおよび移送ゾーン26、35に沿って延在する二重の矢印は、前述で開示されたように、すなわち、移送ゾーン35とポートゾーン26との間で貯蔵コンテナを輸送するように動作する、ポートアクセス車両の動作を示す。ポートアクセス車両は、例えば、前述で説明されたポートアクセス車両45、60、75、80、81、または82のうちのいずれか1つであってもよい。
【0094】
Aと標識された領域は、非長方形を伴う移送ゾーン35を示す。Y方向への移送ゾーン35の長さが3列を超えるため、移送ゾーン35に供給するポートアクセス車両は、最外ドロップオフおよびピックアップ移送カラムにアクセスするために、Y方向に延在する、または延在可能である、バーまたはフレームを伴って構成されるはずである。バーは、例えば、伸縮自在に延在可能なバーであってもよい。Bと標識された領域は、1つがX方向に動作し、1つがY方向に動作する、2つのポートアクセス車両によってアクセスされ得る、正方形の移送ゾーン35を示す。Cと標識された領域は、ポートゾーン26がグリッド4の延在部分を形成しない、構成を示す。Dと標識された領域は、グリッド周囲に隣接して位置する移送ゾーン35を示す。
【0095】
前述の説明では、本発明による、自動貯蔵および回収システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、本説明は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、およびシステムの他の実施形態は、以下の請求項によって定義されるような本発明の範囲内にあると見なされる。
【表1-1】
【表1-2】
【国際調査報告】