特表2020-510182(P2020-510182A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-510182エアコンのエアデフレクタの制御方法及びエアコン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-510182(P2020-510182A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(54)【発明の名称】エアコンのエアデフレクタの制御方法及びエアコン
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20200306BHJP
   F24F 13/15 20060101ALI20200306BHJP
【FI】
   F24F11/79
   F24F13/15 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-549373(P2019-549373)
(86)(22)【出願日】2017年10月18日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月9日
(86)【国際出願番号】CN2017106673
(87)【国際公開番号】WO2018166200
(87)【国際公開日】20180920
(31)【優先権主張番号】201710156104.5
(32)【優先日】2017年3月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517441262
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンス、インコーポレイテッド オブ チューハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シンリアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、フイ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、カイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、クンポー
(72)【発明者】
【氏名】シュエ、ハンドン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、カンビン
【テーマコード(参考)】
3L081
3L260
【Fターム(参考)】
3L081AA02
3L260BA80
3L260FA12
3L260FC16
(57)【要約】
エアコンのエアデフレクタの制御方法及びエアコンである。エアコンのエアデフレクタの制御方法は、始動コマンドが受信された後、エアコンの各エアデフレクタ(1)がエアコンの吹出口(2)からプリセット位置まで移動する前に、各エアデフレクタ(1)が展開のために回転を開始するよう制御され、プリセット位置は、各エアデフレクタ(1)が吹出口(2)に対して外向き及び下向きに移動する最終位置である。始動段階でのエアデフレクタ(1)の回転展開は、エアデフレクタ(1)がプリセット位置まで移動した後に実行される代わりに、各エアデフレクタ(1)がプリセット位置まで移動する前に始まるため、エアデフレクタ(1)の回転展開は、別途の時間をとる必要がない。従って、始動時間は大幅に短縮される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンのエアデフレクタの制御方法であって、始動コマンドが受信された後、前記エアコンのエアデフレクタ(1)が前記エアコンの吹出口(2)からプリセット位置まで移動する前に、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転する制御方法であり、前記プリセット位置は、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口に対して外向き及び下向きに移動する最終位置であり、前記エアデフレクタ(1)が外向き及び下向きに移動するときのプロセスが、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するときのプロセスと時間的に部分的に重なる、制御方法。
【請求項2】
前記始動コマンドが受信された後、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口(2)から前記プリセット位置まで移動を開始すると共に、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転を開始する、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記始動コマンドが受信された後、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口(2)から前記プリセット位置の上方に位置する非干渉位置まで移動したときに、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転し、前記非干渉位置は、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するときの前記プロセスにおいて、前記エアデフレクタ(1)の上部が前記吹出口(2)と干渉するのを防止するように構成された位置である、請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
シャットダウンコマンドが受信された後、
前記エアデフレクタ(1)が前記プリセット位置から前記吹出口(2)まで移動を開始すると共に、前記エアデフレクタ(1)が折り畳みのために回転を開始する、
前記エアデフレクタ(1)が折り畳みのために回転した後、前記エアデフレクタ(1)が前記プリセット位置から前記吹出口(2)まで移動する、
前記エアデフレクタ(1)が前記プリセット位置から前記吹出口(2)まで移動した後、前記エアデフレクタ(1)が折り畳みのために回転する、
うちのいずれか1つで前記エアデフレクタ(1)が移動する、請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
吹出口(2)と、複数のエアデフレクタ(1)と、第1の動力手段と、第2の動力手段とを備えるエアコンであって、前記第1の動力手段は、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口(2)と前記吹出口(2)の外側下方のプリセット位置との間を移動するよう制御するように構成され、前記第2の動力手段は、前記エアデフレクタ(1)が展開又は折り畳みのために回転するよう制御するように構成される、エアコンであり、始動コマンドが受信された後、前記第1の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口(2)から前記プリセット位置まで移動するよう制御を開始する前に、前記第2の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するよう制御するように構成され、前記エアデフレクタ(1)が外向き及び下向きに移動するときのプロセスが、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するときのプロセスと時間的に部分的に重なる、エアコン。
【請求項6】
前記始動コマンドが受信された後、前記第1の動力手段が、前記吹出口(2)から前記プリセット位置までの前記エアデフレクタ(1)の移動を開始すると共に、前記第2の動力手段が、展開するように前記エアデフレクタ(1)の回転を開始するように構成される、請求項5に記載のエアコン。
【請求項7】
前記始動コマンドが受信された後、前記第1の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口(2)から前記プリセット位置の上方に位置する非干渉位置まで移動するよう制御したときに、前記第2の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するよう制御を開始するように構成され、前記非干渉位置は、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するときの前記プロセスにおいて、前記エアデフレクタ(1)の上部が前記吹出口(2)と干渉するのを防止するように構成された位置である、請求項5に記載のエアコン。
【請求項8】
前記第1の動力手段が第1のステッピングモーターを備え、前記第2の動力手段が第2のステッピングモーターを備え、前記始動コマンドが受信された後、前記第1の動力手段がXステップ(X=1、2、3...)動作した後に、前記第2の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が展開のために回転するよう制御するように構成され、前記第1の動力手段が前記Xステップ動作するときに、前記エアデフレクタ(1)が前記吹出口(2)から前記非干渉位置まで移動するように構成される、請求項7に記載のエアコン。
【請求項9】
シャットダウンコマンドが受信された後、前記プリセット位置から前記吹出口(2)までの前記エアデフレクタ(1)の移動を開始すると共に、折り畳むように前記エアデフレクタ(1)の回転を開始するために、前記第1の動力手段及び前記第2の動力手段が同時に動作を開始するように構成される、請求項5に記載のエアコン。
【請求項10】
シャットダウンコマンドが受信された後、前記第2の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が折り畳みのために回転するよう制御した後に、前記第1の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が前記プリセット位置から前記吹出口(2)まで移動するよう制御するように構成される、又は、シャットダウンコマンドが受信された後、前記第1の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が前記プリセット位置から前記吹出口(2)まで移動するよう制御した後に、前記第2の動力手段が、前記エアデフレクタ(1)が折り畳みのために回転するよう制御するように構成される、請求項5に記載のエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年3月16日に出願された中国特許出願公開第201710156104.5号明細書の出願に基づいたものであり、その優先権を主張し、この中国特許出願の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、エアコンの技術分野に関し、特に、エアコンのエアデフレクタの制御方法及びエアコンに関する。
【背景技術】
【0003】
エアコンの吹出口構造は、一般的に、吹出口と、吹出口に配置された複数のエアデフレクタとを含む。従来技術では、エアコンの始動段階では、エアデフレクタは、一般的に、吹出口に対して外向き及び下向きにプリセット位置まで移動するよう制御され、次いで、エアデフレクタは、エアデフレクタを展開するように回転し、このプリセット位置は、エアデフレクタが吹出口に対して外向き及び下向きに移動する最終位置である。
【0004】
始動段階でのエアデフレクタの回転展開は、エアデフレクタがプリセット位置まで移動した後に実行されるため、始動時間が比較的長くなり、ユーザエクスペリエンスが悪化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の1つの態様によれば、従来技術でのエアコンの比較的長い始動時間に関する問題を改善するために、エアコンのエアデフレクタの制御方法及びエアコンが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本開示の第1の態様は、エアコンのエアデフレクタの制御方法であって、始動コマンドが受信された後、エアコンのエアデフレクタがエアコンの吹出口からプリセット位置まで移動する前に、エアデフレクタが展開のために回転する制御方法であり、プリセット位置は、エアデフレクタが吹出口に対して外向き及び下向きに移動する最終位置であり、エアデフレクタが外向き及び下向きに移動するときのプロセスが、エアデフレクタが展開のために回転するときのプロセスと時間的に部分的に重なる、制御方法を提供する。
【0007】
代替え的には、始動コマンドが受信された後、エアデフレクタが吹出口からプリセット位置まで移動を開始すると共に、エアデフレクタが展開のために回転を開始する。
【0008】
代替え的には、始動コマンドが受信された後、エアデフレクタ(1)が吹出口からプリセット位置の上方に位置する非干渉位置まで移動したときに、エアデフレクタが展開のために回転し、非干渉位置は、エアデフレクタが展開のために回転するときのプロセスにおいて、エアデフレクタの上部が吹出口と干渉するのを防止するように構成された位置である。
【0009】
代替え的には、シャットダウンコマンドが受信された後、
エアデフレクタがプリセット位置から吹出口(2)まで移動を開始すると共に、エアデフレクタが折り畳みのために回転を開始する、
エアデフレクタが折り畳みのために回転した後、エアデフレクタがプリセット位置から吹出口まで移動する、
エアデフレクタがプリセット位置から吹出口まで移動した後、エアデフレクタが折り畳みのために回転する、
うちのいずれか1つでエアデフレクタが移動する。
【0010】
本開示の第2の態様は、吹出口と、複数のエアデフレクタと、第1の動力手段と、第2の動力手段とを備えるエアコンであって、第1の動力手段は、エアデフレクタが吹出口と吹出口の外側下方のプリセット位置との間を移動するよう制御するように構成され、第2の動力手段は、エアデフレクタが展開又は折り畳みのために回転するよう制御するように構成される、エアコンであり、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段が、エアデフレクタが吹出口からプリセット位置まで移動するよう制御を開始する前に、第2の動力手段が、エアデフレクタが展開のために回転するよう制御するように構成され、エアデフレクタが外向き及び下向きに移動するときのプロセスが、エアデフレクタが展開のために回転するときのプロセスと時間的に部分的に重なる、エアコンを提供する。
【0011】
代替え的には、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段が、吹出口からプリセット位置までのエアデフレクタの移動を開始すると共に、第2の動力手段が、展開するようにエアデフレクタの回転を開始するように構成される。
【0012】
代替え的には、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段が、エアデフレクタが吹出口からプリセット位置の上方に位置する非干渉位置まで移動するよう制御したときに、第2の動力手段が、エアデフレクタが展開のために回転するよう制御を開始するように構成され、非干渉位置は、エアデフレクタが展開のために回転するときのプロセスにおいて、エアデフレクタの上部が吹出口と干渉するのを防止するように構成された位置である。
【0013】
代替え的には、第1の動力手段が第1のステッピングモーターを備え、第2の動力手段が第2のステッピングモーターを備え、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段がXステップ動作した後に、第2の動力手段が、エアデフレクタが展開のために回転するよう制御するように構成され、第1の動力手段がXステップ動作するときに、エアデフレクタが吹出口から非干渉位置まで移動するように構成される。
【0014】
代替え的には、シャットダウンコマンドが受信された後、プリセット位置から吹出口までのエアデフレクタの移動を開始すると共に、折り畳むようにエアデフレクタの回転を開始するために、第1の動力手段及び第2の動力手段が同時に動作を開始するように構成される。
【0015】
代替え的には、シャットダウンコマンドが受信された後、第2の動力手段が、エアデフレクタが折り畳みのために回転するよう制御した後に、第1の動力手段が、エアデフレクタがプリセット位置から吹出口まで移動するよう制御するように構成される、又は、シャットダウンコマンドが受信された後、第1の動力手段が、エアデフレクタがプリセット位置から吹出口まで移動するよう制御した後に、第2の動力手段が、エアデフレクタが折り畳みのために回転するよう制御するように構成される。
【0016】
本開示によって提供されるエアコンのエアデフレクタの制御方法によれば、エアデフレクタが吹出口からプリセット位置まで移動する前に、エアデフレクタが展開のために回転を開始し、始動段階でのエアデフレクタの回転折り畳みは、エアデフレクタがプリセット位置まで移動した後に実行される必要がないため、始動時間が大幅に短縮され、ユーザエクスペリエンスの改善を促進する。
【0017】
本開示の他の特徴及びその利点は、図面を参照した本開示の例示的な実施例の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0018】
本開示の実施例又は先行技術における技術的解決策をより明瞭に図示するために、実施例又は先行技術の説明に必要な図面の簡単な説明を以下に示す。以下の説明内の図面は本開示のいくつかの実施例にすぎず、それらに基づき、当業者によっていかなる創作的な努力なしに他の図面が得られることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の1つの実施例による、始動段階でのエアデフレクタの状態概略図である。
図2】本開示の1つの実施例による、シャットダウンが完了した後のエアデフレクタの状態概略図である。
図3】本開示の1つの実施例による、始動段階でのエアデフレクタの制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施例における技術的解決策の明確で完全な説明を、本開示の実施例の図面と組み合わせて以下に与える。以下に記載される実施例は本開示の実施例の一部にすぎず、全てではないことは明らかである。少なくとも1つの例示的な実施例の以下の説明は、例示的なものにすぎず、本開示、又は、その適用若しくは使用を限定するものとして決して使用されない。本開示の実施例に基づき創作的な努力なしに当業者によって得られる他の全ての実施例は、本開示の保護範囲に入る。
【0021】
当業者に周知の技術、方法、及びデバイスについて詳細に議論しない場合もあるが、適切な場合には、その技術、方法、及びデバイスは、授権された仕様の一部と見なされるべきである。
【0022】
本開示の説明では、「第1」、「第2」等の用語は、部分及び構成要素を定義するために使用され、対応する部分及び構成要素同士の区別を容易にする目的のためにのみ使用されることを理解されたい。特に記載がない限り、上記の用語は特定の意味を有さず、従って、本開示の保護の範囲を限定するものとして解釈することはできない。
【0023】
本開示の説明では、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直方向、水平方向」及び「頂部、底部」等の方向を示す用語によって示される方向又は位置関係は、一般的に、エアコンが通常使用されるときの方向又は位置関係に基づいており、「内側及び外側」という方向付ける用語は、各構成要素自身の輪郭の内側及び外側を指すことを理解されたい。
【0024】
図1及び図2は、本開示の1つの実施例による、始動完了段階及びシャットダウン完了段階でのエアデフレクタの状態概略図をそれぞれ示し、図3は、本開示の1つの実施例による、始動段階でのエアデフレクタの制御フロー図を示す。図1から図3を参照すると、本開示によって提供されるエアコンのエアデフレクタの制御方法は、始動コマンドが受信された後、エアコンのエアデフレクタ1がエアコンの吹出口2からプリセット位置まで移動を開始する前に、エアデフレクタ1が展開のために回転するよう制御を開始するステップを含む。
【0025】
先行技術と同様に、本開示では、プリセット位置は、エアデフレクタ1が吹出口2に対して外向き及び下向きに移動する最終位置をやはり指し、即ち、始動段階では、エアデフレクタ1は、プリセット位置まで移動した後、下向き及び外向きへの移動を継続しない。
【0026】
本開示では、始動段階でのエアデフレクタ1の回転展開は、エアデフレクタ1がプリセット位置まで移動した後に実行される必要がなく、エアデフレクタ1がプリセット位置まで移動する前に実行されるため、エアデフレクタ1の回転展開は、別途の時間をとる必要がなく、従って、始動時間が大幅に短縮され、ユーザエクスペリエンスの改善を促進する。
【0027】
本開示の実施例では、始動コマンドが受信された後、エアデフレクタ1が吹出口2からプリセット位置まで移動するよう制御を開始すると共に、エアデフレクタ1が、展開のために回転を開始する。このようにして、始動段階でのエアデフレクタ1の回転展開は、エアデフレクタ1の移動と同時に実行され、エアデフレクタ1の回転展開は、追加の時間をとる必要がなく、その結果、始動時間が短縮される。
【0028】
本開示の別の実施例では、始動コマンドが受信された後、エアデフレクタ1が吹出口2からプリセット位置の上方に位置する非干渉位置まで移動を開始するときに、エアデフレクタ1は、展開のために回転を開始する。当然この場合は、エアデフレクタ1が展開のために回転するときに、エアデフレクタは、プリセット位置に移動して始動段階での移動プロセスが完了するまで、非干渉位置から下向き及び外向きへの移動を継続する。
【0029】
本開示では、非干渉位置は、エアデフレクタ1が展開のために回転するときのプロセスにおいて、エアデフレクタ1の上部が吹出口2と干渉するのを防止するように構成された位置である。
【0030】
上記の別の実施例では、始動段階では、エアデフレクタ1の回転展開は、エアデフレクタ1が非干渉位置まで移動したときに開始される。一方で、エアデフレクタ1の回転展開が、エアデフレクタ1がプリセット位置に移動する前に開始されるため、エアデフレクタ1の移動プロセスは、エアデフレクタ1の回転展開プロセスと部分的に重なり、エアデフレクタ1の回転展開は追加の時間をとる必要がなく、その結果、始動時間が大幅に短縮され得、他方で、エアデフレクタ1の回転展開が、エアデフレクタ1の移動と一斉には実行されず、エアデフレクタ1が非干渉位置まで移動したときに開始されるため、エアデフレクタ1の回転展開は、エアデフレクタ1の移動よりもわずかに遅れる。従って、回転展開プロセスでのエアデフレクタ1の上部と吹出口2との干渉も効果的に回避され、エアデフレクタ1の回転展開プロセスが円滑になる。
【0031】
エアデフレクタ1の回転展開又は回転折り畳みにとられる時間は、エアデフレクタ1が吹出口とプリセット位置との間を移動する時間よりも短いため、一般的に、エアデフレクタ1と吹出口2とのわずかな干渉が始動段階の早期にのみ存在し、シャットダウン段階では、エアデフレクタ1の回転及びエアデフレクタ1の移動が同時に実行されても、エアデフレクタ1は吹出口2と干渉する前に折り畳まれているため、干渉は発生しない。従って、本開示では、シャットダウン段階では、エアデフレクタ1の回転折り畳み及びエアデフレクタ1の移動は、一斉に、又は、順次実行され、エアデフレクタ1の回転折り畳み及びエアデフレクタ1の移動が順次実行される場合、エアデフレクタ1の回転折り畳みは、エアデフレクタ1の移動前に実行される、又は、エアデフレクタ1の回転折り畳みは、エアデフレクタ1の移動後に実行される。これに基づき、本開示によって提供される制御方法では、シャットダウンコマンドが受信された後、
エアデフレクタ1がプリセット位置から吹出口2まで移動するよう制御を開始すると共に、エアデフレクタ1が折り畳みのために回転するよう制御を開始する、
エアデフレクタ1が折り畳みのために回転した後、エアデフレクタ1がプリセット位置から吹出口2まで移動するよう制御を開始する、
エアデフレクタ1がプリセット位置から吹出口2まで移動した後、エアデフレクタ1が折り畳みのために回転するよう制御を開始する、
うちのいずれかでエアデフレクタ1が移動するよう制御され得る。
【0032】
シャットダウン時間を短縮するために、代替え的には、エアデフレクタ1の回転折り畳み及びエアデフレクタ1の移動が、同時に実行される。
【0033】
本開示は、吹出口2と、複数のエアデフレクタ1と、第1の動力手段と、第2の動力手段とを含むエアコンであって、第1の動力手段は、エアデフレクタ1が吹出口2と吹出口2の外側下方のプリセット位置との間を移動するよう制御するように構成され、第2の動力手段は、エアデフレクタ1が展開のために回転する、又は、折り畳みのために回転するよう制御するように構成される、エアコンであり、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段が、エアデフレクタ1が吹出口2からプリセット位置まで移動するよう制御する前に、第2の動力手段が、エアデフレクタ1が展開のために回転するよう制御を開始する、エアコンを更に提供する。
【0034】
先行技術のエアコンとは異なり、本開示のエアコンでは、始動段階において、エアデフレクタ1の回転を制御するための第2の動力手段は、エアデフレクタ1の移動を制御するための第1の動力手段が動作を完了した後に動作を開始するのではなく、第1の動力手段が動作を完了する前に動作を開始するため、エアデフレクタ1は、プリセット位置まで移動する前に展開のために回転を開始し、その結果、始動時間は比較的短くなり、始動効率性が比較的高くなり、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0035】
第1の動力手段が動作を完了する前に第2の動力手段に動作を開始させるために、本開示のエアコンでは、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段が、エアデフレクタ1が吹出口2からプリセット位置まで移動するよう制御を開始すると共に、第2の動力手段が、エアデフレクタ1が展開のために回転するよう制御を開始し、このようにして、第2の動力手段及び第1の動力手段は同時に動作を開始し、第2の動力手段の動作は、追加の時間をとる必要がなく、その結果、始動時間が短縮される。
【0036】
別の実施例では、第1の動力手段が、エアデフレクタ1が吹出口2からプリセット位置の上方に位置する非干渉位置まで移動するよう制御したときに、第2の動力手段も、エアデフレクタ1が展開のために回転するよう制御を開始し、第2の動力手段が、第1の動力手段よりもわずかに遅れて動作することで、始動時間を短縮させることができるだけでなく、エアデフレクタ1と吹出口2との干渉も防止することができ、始動プロセスが円滑になる。当然のことながら、第1の動力手段が、エアデフレクタ1が吹出口2から非干渉位置まで移動するよう制御した後も、エアデフレクタ1がプリセット位置まで移動する制御、及び、始動段階での第1の動力手段の動作が完了するまで、第1の動力手段は、エアデフレクタ1が非干渉位置からプリセット位置まで移動するよう依然として制御を継続する。
【0037】
上記の実施例では、第1の動力手段は第1のステッピングモーターを含み、第2の動力手段は第2のステッピングモーターを含む。更に、始動コマンドが受信された後、第1の動力手段がXステップ(X=1,2,3...)動作した後に、第2の動力手段が、エアデフレクタ1が展開のために回転するよう制御を開始し、第1の動力手段がXステップ動作するときに、エアデフレクタ1が吹出口2から非干渉位置まで移動する。これに基づき、第2のステッピングモーターは、第1のステッピングモーターよりもXステップだけ遅れ、エアデフレクタ1は、始動段階では非干渉位置に移動したときに、展開のために回転を開始するよう制御される。従って、始動時間が短縮され、始動の円滑さが改善される。
【0038】
加えて、本開示のエアコンでは、シャットダウンコマンド受信された後、
第1の動力手段及び第2の動力手段が同時に動作を開始する、
第2の動力手段が、エアデフレクタ1が折り畳みのために回転するよう制御した後に、第1の動力手段が、エアデフレクタ1がプリセット位置から吹出口2まで移動するよう制御を開始する、
第1の動力手段が、エアデフレクタ1がプリセット位置から吹出口2まで移動するよう制御した後に、第2の動力手段が、エアデフレクタ1が折り畳みのために回転するよう制御を開始する、
うちのいずれか1つに従って第1の動力手段及び第2の動力手段が動作する。
【0039】
第1の動力手段及び第2の動力手段が同時に動作を開始すれば、それは、エアデフレクタ1がプリセット位置から吹出口2まで移動するよう制御を開始すると共に、エアデフレクタ1が、折り畳みのために回転するよう制御され始めることを意味し、シャットダウン段階での回転折り畳み及びエアデフレクタ1の移動が同時に実行されるため、エアデフレクタ1の回転折り畳みは、追加の時間をとる必要がなく、その結果、シャットダウン時間が大幅に短縮される。
【0040】
従って、本開示によって提供される制御方法及びエアコンに基づき、始動時間が短縮され、実験では、本開示が先行技術に比べて始動時間を50%短縮させ、大幅に効率性を改善し、ユーザエクスペリエンスを大きく改善することが示されている。
【0041】
上記の説明は本開示の例示的な実施例にすぎず、本開示を限定する意図はなく、本開示の精神と原理内でなされるいかなる修正、均等物、改良等も、本開示の保護の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0042】
1 エアデフレクタ
2 吹出口
図1
図2
図3
【国際調査報告】