(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-510247(P2020-510247A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(54)【発明の名称】革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 99/00 20060101AFI20200306BHJP
【FI】
G06Q99/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-505055(P2019-505055)
(86)(22)【出願日】2018年6月13日
(85)【翻訳文提出日】2019年1月29日
(86)【国際出願番号】CN2018091000
(87)【国際公開番号】WO2019148735
(87)【国際公開日】20190808
(31)【優先権主張番号】201810111685.5
(32)【優先日】2018年2月5日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】510015556
【氏名又は名称】▲鄭▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】馮立傑
(72)【発明者】
【氏名】王金鳳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
本発明は、革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法を開示し、少なくとも1種の第
1類の革新次元を構築し、潜在的又は関与可能な第2類の革新次元を分析して識別し、第
1類の革新次元と第2類の革新次元を統合して整理して革新次元を形成し、少なくとも1
種の第1類の革新ルールを形成し、潜在的又は関与可能な第2類の革新ルールを分析して
識別し、第1類の革新ルールと第2類の革新ルールを統合して整理して革新ルールを形成
し、革新次元と革新ルールを変換して再結合して新しい技術革新案を構築して形成し、新
しい技術革新案を分析して評価することを含む。本発明は、勉強しやすく、使用しやすく
、覚えやすい技術革新方法を提出し、我が国の国民の思考習慣に符合し、当業者のために
新しい技術革新方法を提供するだけでなく、該方法により得られる技術案が研究する具体
的な技術によく結び合わせて、形成する技術案が確実で実行することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによる革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法であって、
革新対象目標システムの技術革新及び技術発明過程に係る革新要素を識別して統計し、
前記革新要素を分類して整理し、かつ少なくとも1種の第1類の革新次元を構築し、
従来の革新次元の定義に基づいて、知識ソーシング、知識移転方法を結び合わせて、革新
対象目標システムの潜在的又は関与可能な第2類の革新次元を分析して識別し、
前記第1類の革新次元と前記第2類の革新次元とを統合して整理し、革新対象目標システ
ムの革新次元を形成し、
革新対象目標システムの技術情報を集めて、革新対象目標システムの技術革新及び技術発
明過程における表現形式を統計し、
前記表現形式に基づいて、革新対象目標システムに係る革新次元の内在的変化規律を分析
し、少なくとも1種の第1類の革新ルールを統計して形成し、
従来の革新ルールの定義に基づいて、専門家によるソーシング、専門家インタビューの方
法を結び合わせて、革新対象目標システムの潜在的又は関与可能な第2類の革新ルールを
分析して識別し、
前記第1類の革新ルールと前記第2類の革新ルールとを統合して整理し、革新対象目標シ
ステムの革新ルールを形成し、
前記革新次元と前記革新ルールを変換して再結合し、革新対象目標システムの新しい技術
革新案を構築して形成し、
前記新しい技術革新案を分析して評価することを含む、ことを特徴とするコンピュータに
よる革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法。
【請求項2】
さらに、革新対象目標システムの技術発展及び革新技術の出現に基づいて、前記革新次元
と前記革新ルールを追加・削除し、或いは修正し、修正した革新次元と修正した革新ルー
ルが得られ、かつ前記修正した革新次元と前記修正した革新ルールを変換して再結合する
ことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の革新次元及び革新ルールに基づく技術革
新方法。
【請求項3】
専利、文献データベースにより専利、文献検索に対して技術革新を行うとき、少なくとも
1種の第1類の革新次元を構築することは、具体的には、
革新対象目標システムの分野及び革新対象目標システムの分野の特徴に基いて、専利、文
献検索プラットフォーム及びキーワードを特定し、専利、文献検索を行い、
専利、文献検索結果をスクリーニングし、革新対象目標システムとの関連度が低い専利、
文献を除去し、
専利、文献マイニング技術を利用してスクリーニングした専利、文献から革新対象目標シ
ステムの革新要素を抽出し、
前記革新要素を分類して識別し、革新要素が対応する第1類の革新次元が得られることを
含む、ことを特徴とする請求項1に記載の革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法
。
【請求項4】
前記革新次元と前記革新ルールを変換して再結合することは、具体的には、
前記単一の革新次元と前記単一の革新ルールを変換して再結合し、
或いは、前記単一の革新次元と前記の複数革新ルールを変換して再結合し、
或いは、前記の複数革新次元と前記単一の革新ルールを変換して再結合し、
或いは、前記の複数革新次元と前記の複数革新ルールを変換して再結合することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、技術革新の技術方法の分野に関し、より具体的には、革新次元及び革新ルール
に基づく技術革新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「科学技術では、方法は先走りする」というのは、革新方法が革新方向の選択、革新効率
の向上、革新品質の向上にとっての重要性を説明した。
【0003】
革新方法について、国内外の多くの学者は、異なる方面から研究し、大体に、エンジニア
学派と管理学派に分かれている。革新方法のエンジニア学派は、革新の技術因素、属性及
びその変換方法の研究に重点を置いて、代表的な理論には、旧ソ連の科学者であるG.S
. アルトシューラ(G.S.Altshuller)の問題解決理論(TRIZ)、イス
ラエルのJacob Goldenberg及びRoni HorowitzのSIT革
新方法、スイス系米国人である天文学者のフリッツ・ツビッキー(F.Zwicky)の
形態分析法がある。革新方法の管理学派は、管理の方法で革新の影響要素を研究すること
に重点を置いて、それにより革新を推進し、革新効率を向上し、代表的な成果には、日本
品質専門家AKaoの品質機能展開(QFD)、公理的設計、シックス・シグマなどがあ
る。
【0004】
革新方法の研究について、エンジニア学派であっても、管理学派であっても、異なる方面
から革新の規律を掲示し、革新の効率を向上した。革新方法と時代の発展及び科学技術の
進歩は協調し、時代の発展及び科学技術の進歩は、新しい革新方法に支持される必要があ
り、新しい革新方法の提出も時代の発展及び科学技術の進歩を促進する。そのため、上記
した各種の革新方法は、その時代の発展と科学技術の進歩のために極大な促進作用を発揮
し、その後の数年乃至数十年の社会の進歩に対して積極的な影響を与え、また、それは、
その後に新しい革新方法を提出する理論基礎及び重要な参照である。しかし、21世紀は
、知識経済とディジタル情報の時代であり、我が国の現在の科学技術発展及びニーズに適
応する新しい革新方法を提出しなければならない。
【0005】
そのため、革新方法の理論研究成果に基づいて、エンジニア学派の実践を結び合わせて、
勉強しやすく、使用しやすく、覚えやすい新しい技術革新方法を提出し、我が国の国民の
思考習慣に適応し、自己革新力を向上し、当業者が緊急に解決する問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それに鑑みて、本発明は、革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法を提供し、我が
国の国民の思考習慣に符合し、当業者に対して新しい技術革新方法を提供するだけでなく
、該方法により得られる技術案が研究する具体的な技術によく結び合わせ、形成した技術
案は、確実で実行することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記発明の目的を実現するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
コンピュータによる革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法であって、
革新対象目標システムの技術革新及び技術発明過程に係る革新要素を識別して統計し、
前記革新要素を分類して整理し、かつ少なくとも1種の第1類の革新次元を構築し、
従来の革新次元の定義に基づいて、知識ソーシング、知識移転方法を結び合わせて、革新
対象目標システムの潜在的又は関与可能な第2類の革新次元を分析して識別し、
前記第1類の革新次元と前記第2類の革新次元とを統合して整理し、革新対象目標システ
ムの革新次元を形成し、
革新対象目標システムの技術情報を集めて、革新対象目標システムの技術革新及び技術発
明過程における表現形式を統計し、
前記表現形式に基づいて、革新対象目標システムに係る革新次元の内在的変化規律を分析
し、少なくとも1種の第1類の革新ルールを統計して形成し、
従来の革新ルールの定義に基づいて、専門家によるソーシング、専門家インタビューの方
法を結び合わせて、革新対象目標システムの潜在的又は関与可能な第2類の革新ルールを
分析して識別し、
前記第1類の革新ルールと前記第2類の革新ルールとを統合して整理し、革新対象目標シ
ステムの革新ルールを形成し、
前記革新次元と前記革新ルールを変換して再結合し、革新対象目標システムの新しい技術
革新案を構築して形成し、
前記新しい技術革新案を分析して評価する。
【0008】
好ましくは、
さらに、革新対象目標システムの技術発展及び革新技術の出現に基づいて、前記革新次元
と前記革新ルールを追加・削除し、或いは修正し、修正した革新次元と修正した革新ルー
ルが得られ、かつ前記修正した革新次元と前記修正した革新ルールを変換して再結合する
ことを含む。
【0009】
好ましくは、専利、文献データベースにより専利、文献検索に対して技術革新を行うとき
、少なくとも1種の第1類の革新次元を構築することは、具体的には、
革新対象目標システムの分野及び革新対象目標システムの分野の特徴に基いて、専利、文
献検索プラットフォーム及びキーワードを特定し、専利、文献検索を行い、
専利、文献検索結果をスクリーニングし、革新対象目標システムとの関連度が低い専利、
文献を除去し、
専利、文献マイニング技術を利用してスクリーニングした専利、文献から革新対象目標シ
ステムの革新要素を抽出し、
前記革新要素を分類して識別し、革新要素が対応する第1類の革新次元が得られることを
含む。
【0010】
好ましくは、前記革新次元と前記革新ルールを変換して再結合することは、具体的には、
前記単一の革新次元と前記単一の革新ルールを変換して再結合し、
或いは、前記単一の革新次元と前記の複数革新ルールを変換して再結合し、
或いは、前記の複数革新次元と前記単一の革新ルールを変換して再結合し、
或いは、前記の複数革新次元と前記の複数革新ルールを変換して再結合することを含む。
【0011】
上記技術案によれば、既存技術に比べて、本発明は、革新次元及び革新ルールに基づく技
術革新方法を提供し、革新対象目標システム分野における革新要素を研究し、革新要素を
分類して識別し、第1類の革新次元を構築し、かつ第2類の革新次元を結び合わせて革新
対象目標システムの革新次元が得られる。革新対象目標システムの技術革新時の表現形式
に基づいて、第1類の革新ルールを統計して形成し、かつ専門家によるソーシングと専門
家インタビューを結び合わせて革新対象目標システムが関与可能な第2類の革新ルールを
分析し、第1類の革新ルールと第2類の革新ルールを総合し、革新ルールを形成し、かつ
異なる革新次元と革新ルールを変換して再結合して新しい技術革新案を形成する。
【0012】
該方法は、革新方法の理論研究成果に基づいて、かつエンジニア学派の実践と結び合わせ
て、勉強しやすく、使用しやすく、覚えやすい新しい技術革新方法を提出し、我が国の国
民の思考習慣に符合し、当業者のために新しい技術革新方法を提供するだけでなく、該方
法により得られる技術案が研究する具体的な技術によく結び合わせて、形成する技術案が
確実で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、本発明の実施例又は既存技術における技術案をより明瞭に説明するために、実施例
又は既存技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明し
た図面は、本発明の実施例のみであり、当業者にとっては、創造的な努力をしない前提で
、提供した図面によりそのほかの図面が得られる。
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係る炭層ガス採取の多次元技術革新の模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係る単一の革新次元と単一の革新ルールが変換して再結合する模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係る単一の革新次元と複数の革新ルールが変換して再結合する模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係る複数の革新次元と単一の革新ルールが変換して再結合する模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に係る複数の革新次元と複数の革新ルールが変換して再結合する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例における図面を結び合わせて、本発明の技術案をより明瞭に説明す
る。明らかに、説明する実施例は本発明の一部の実施例のみであり、本発明のすべての実
施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力をしない前提で得られ
るすべてのほかの実施例は本発明の保護範囲に属する。
【0015】
本発明の実施例は、革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法を開示し、
革新対象目標システムの技術革新及び技術発明過程に係る革新要素を識別して統計し、
革新要素を分類して整理し、かつ少なくとも1種の第1類の革新次元を構築し、
従来の革新次元の定義に基づいて、知識ソーシング、知識移転方法を結び合わせて、革新
対象目標システムの潜在的又は関与可能な第2類の革新次元を分析して識別し、
第1類の革新次元と第2類の革新次元とを統合して整理し、革新対象目標システムの革新
次元を形成し、
革新対象目標システムの技術情報を集めて、革新対象目標システムの技術革新及び技術発
明過程における表現形式を統計し、具体的には、専利又は文献を検索することにより革新
対象目標システムの技術情報が得られ、
表現形式に基づいて、革新対象目標システムに係る革新次元の内在的変化規律を分析し、
少なくとも1種の第1類の革新ルールを統計して形成し、
従来の革新ルールの定義に基づいて、専門家によるソーシング、専門家インタビューの方
法を結び合わせて、革新対象目標システムの潜在的又は関与可能な第2類の革新ルールを
分析して識別し、
第1類の革新ルールと第2類の革新ルールとを統合して整理し、革新対象目標システムの
革新ルールを形成し、
革新次元と革新ルールを変換して再結合し、革新対象目標システムの新しい技術革新案を
構築して形成し、
新しい技術革新案を分析して評価することを含む。
【0016】
本発明が開示された該方法の構築過程は、
図1を参照することができ、具体的な革新次元
及び革新ルールは、表1及び表2を参照することができる。
【0017】
本発明は、革新対象目標システムにおける革新要素を研究し、かつ革新要素を分類して識
別し、革新次元を構築し、各分野の革新活動を構築し、革新ルールを形成し、かつ異なる
革新次元及び革新ルールを変換して再結合し、技術革新方法を形成する。
【0018】
該方法は、革新方法の理論研究成果に基づいて、かつエンジニア学派の実践と結び合わせ
て、勉強しやすく、使用しやすく、覚えやすい新しい技術革新方法を提出し、我が国の国
民の思考習慣に符合し、当業者のために新しい技術革新方法を提供するだけでなく、該方
法により得られる技術案が研究する具体的な技術によく結び合わせて、形成する技術案が
確実で実行することができる。
【0019】
さらに、上記技術案を最適化するために、革新対象目標システムの技術発展及び革新技術
の出現に基づいて、前記革新次元と前記革新ルールを追加・削除し、或いは修正し、修正
した革新次元と修正した革新ルールが得られ、かつ前記修正した革新次元と前記修正した
革新ルールを変換して再結合することを含む。
【0020】
科学技術と目標システム分野の持続的発展に伴って、革新次元及び革新ルールを追加・削
除し、或いは修正する必要があり、それにより技術の発展に適応し、確実で実行できる方
案が得られる。
【0021】
さらに、上記技術案を最適化するために、専利、文献検索により技術革新を行うとき、少
なくとも1種の第1類の革新次元を構築することは、具体的には、
革新対象目標システムの分野及び革新対象目標システムの分野の特徴に基いて、専利、文
献検索プラットフォーム及びキーワードを特定し、専利、文献検索を行い、
専利、文献検索結果をスクリーニングし、革新対象目標システムとの関連度が低い専利、
文献を除去し、
専利、文献マイニング技術を利用してスクリーニングした専利、文献から革新対象目標シ
ステムの革新要素を抽出し、
前記革新要素を分類して識別し、革新要素が対応する第1類の革新次元が得られることを
含む。
【0022】
図3〜6を結び合わせて、上記技術案を最適化するために、革新次元と革新ルールを変換
して再結合することは、具体的には、
図3に示すように、単一の革新次元と単一の革新ルールが変換して再結合し、
図4に示すように、単一の革新次元と複数の革新ルールが変換して再結合し、
図5に示すように、複数の革新次元と単一の革新ルールが変換して再結合し、
図6に示すように、複数の革新次元と複数の革新ルールが変換して再結合することを含む
。
【0023】
具体的な実施過程において、革新次元は、空間次元、環境次元、構造次元、機能次元、メ
カニズム次元、材料次元、動力系次元、時系列次元及びマンマシンの関係次元を含むが、
それに限定されていない。革新ルールは、分解及び除去ルール、組合せ及び集積ルール、
局所的最適化ルール、代替ルール、動的化ルール、セルフサービスルール、友好化ルール
、柔軟化ルール及び知恵化ルールを含むが、それに限定されていない。革新次元と革新ル
ールは、革新対象目標システムの持続的な発展に伴って更新されるものである。
【0024】
現在、革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法は、9種の革新次元と9種の革新ル
ールを含が、科学技術の発展又は新しい技術、新しいプロセスの出現に伴って、革新次元
及び革新ルールを追加・削除し、或いは修正することができ、現在、革新次元及び革新ル
ールを番号付けて構成した多次元技術革新マップは、表3を参照する。
多次元技術革新マップには、次元とルールの結合により技術革新経路Nが得られる過程は
、以下のように示されることができる。
(1)
式中:V
iが革新次元を示し、( i∈n、1≦i≦9);
F
jが革新ルールを示し、( j∈n、1≦j≦9);
※が変換と再結合を示す。
しかし、具体的な分野について該方法を応用するとき、理論的には、単一の又は複数の革
新次元と異なる革新ルールとを任意に選択して変換して再結合して技術革新経路を取得す
ることができ、さらに、その表現は、以下のように調整する。
(2)
式中:mが集合であり、nが集合であり、
;
;
公式2におけるm集合の元素数は最も多くのがa(a≦9)であり、n集合の元素数は最
も多くのがb(b≦9)であるとすると、m集合から空集合を除去した後の部分集合数が
2
a−1であり、かつ各部分集合が1つ又は固定組合せの複数の革新次元を示し、同様に
、n集合から空集合を除去する以外、部分集合数が2
b−1であり、各部分集合が1種又
は固定組合せの複数種の革新ルールを示す。
それにより、具体的な分野について、革新次元とルールを応用して変換と再結合して取得
することができる技術革新経路数C
N:
(3)であり、
例えば、a=2、b=2、かつ革新次元がV
1、V
2であると確定し、革新ルールがF
1
、F
2であると確定し、即ち、m={{1}、{2}、{1,2}}、n={{1}、{2}、{1,2}}
のとき、取得することができる技術革新経路数C
N=(2
2−1)×(2
2−1)=9本
であり、即ち、9つの技術革新案が得られる。
【0025】
具体的な実現過程において、専利マイニングを採用して技術革新を実現することができる
。
該過程は、主に目標分野のキーワードに基づき、特定の検索プラットフォームにより目標
分野の専利情報を集め、主に、以下のようなものを含む。
(1)目標分野の特定。専利マイニングの最も重要なタスクは、研究対象の技術分野を明
確し、全面、正確で専利情報を集める。
(2)専利検索。選定した目標分野に基づいて専利検索プラットフォームを確定し、かつ
目標分野の特徴に基いて検索キーワードを作成し、その後の専利検索作業のために基盤を
据える。
(3)専利スクリーニング。専利における実用新案と意匠は、一般的には、実体審査が必
要ではなく、技術含有量が低く、特許のみが比較的高い技術含有量を有し、また、専利検
索結果は、いつも、目標分野との関連度が比較的低い専利を含むので、初期に集めた専利
データをスクリーニングし、技術含有量及び関連度が低い専利データを除去する必要があ
る。
【0026】
専利をスクリーニングした後に、次元画定のステップを行う必要がある。該過程では、ス
クリーニングした専利情報を分析し、かつ9つの革新次元、即ち、空間次元、環境次元、
機能次元、メカニズム次元、構造次元、材料次元、動力系次元、時系列次元及びマンマシ
ンの関係次元に基づいて、専利に対して次元画定を行うことにより専利を分類して統合す
る目的を実現する。主に、以下のものを含む。
(1)専利分析。専利名称だけでその属する次元を明確しにくく、そのため、各専利の要
約及び目標分野の既存問題を説明する背景技術の部分を具体的に分析する必要があり、か
つ9つの革新次元に基づいて各専利が属する次元を確定する。
(2)次元分類。即ち、次元画定結果に基づいて、専利が属する次元に従ってすべての専
利を統合する。潜在的価値を便利に算出するために、専門家の意見を同時に諮問すること
ができ、目標分野の研究状況に応じて、専利の年数を等級付け、各等級が対応する専利年
数段階及び各等級点数を含み、最後に専利等級及び専利次元に基づいてすべての専利を統
合する。
【0027】
次元画定結果に基づいて、相応する革新ルールと革新次元を結び合わせて行って革新案を
形成する。具体的な過程は、以下の通りである。
(1)異なる次元が結び合わせるルールを確定する。多次元技術革新マップにおける9種
の革新ルールは、分解及び除去、組合せ及び集積、局所的最適化、代替、動的化、セルフ
サービス、友好化、柔軟化及び知恵化を含む。専利要約と背景技術を分析することにより
、専利が属する次元を明確すると共に、現在の専利における問題を了解することができ、
従って対応する革新ルールを選択する。
(2)多次元技術革新マップを構築する。革新ルールと異なる革新次元を変換して再結合
し、異なる革新案が得られる。
(3)技術機会説明及び新しい技術革新案の分析評価。機会説明は、主に、異なる革新案
が解決する問題及びその実現過程についての解説である。新しい技術革新案の分析評価は
、経済的可能性、技術的可能性などの評価指標で新しい技術革新案を分析して評価するこ
とである。
【0028】
以下、具体的なケースを結び合わせて、本発明に開示された革新次元及び革新ルールに基
づく技術革新方法を解説する。
我が国では、埋蔵量が豊富な炭層ガスは、安全、高効率なクリーンエネルギーとして、そ
の極大な環境的利益及び資源潜在力は、ますます、重視されている。しかしながら、我が
国の大部分の地域の炭層は、浸透性が悪く、炭層ガス含有量が低く、炭層圧力が低いなど
の特徴を有し、それにより炭層ガスの採取効率が低い。本発明に係る方法の可能性を検証
するために、本研究では、技術機会識別経路を炭層ガス採取分野に応用し、それにより実
践意義の技術機会を正確に識別し、炭層ガスの高効率な採取のために理論及び方法支持を
提供する。
【0029】
炭層ガス採取データの収集
「炭層ガス採取方法」を主題とし、中国学術文献オンラインサービスにより炭層ガス採取
方法の関連専利を集め、検索過程は表4に示される。
合計で炭層ガス採取方法の関連専利1615項が得られ、炭層ガス採取装置、炭層井戸仕
上げ及び改造方法、炭層ガス酸化分離などの炭層ガス採取方法との関連性が比較的低い専
利内容を含む。さらにスクリーニングすることにより、非関連専利及び非特許を除去し、
最後に炭層ガス採取方法に直接的に関連する261項の特許が得られる。
【0030】
炭層ガス採取機会識別
(1)次元画定
炭層ガス採取関連専利の要約及び背景技術に基づいてキーエレメントを抽出し、かつそれ
に基づいて専利に対して次元画定する。それと同時に、潜在的な価値を便利に算出するた
めに、専門家の意見を諮問し、該分野の専利年数段階の画定及びその点数情況が得られ、
表5を参照する。
表5によれば、各専利のキーエレメントに基づいて、専利を空間次元、メカニズム次元及
び材料次元として画定することができる。空間次元において、炭層に関する専利数が最も
多く、メカニズム次元において、破砕に関する専利数が最も多く、材料次元において、破
砕液及び微生物に関する専利数が最も多いが、そのほかの次元に比べて、該次元に含まれ
る専利数が比較的少ない。
(2)機会提出
各専利が属する次元を特定すると共に、現在、我が国の炭層ガス採取における問題を分析
した。全体から見れば、現在、我が国の炭層ガス採取では、炭層の透気性が悪く、炭層ガ
ス含有量が低く、炭層圧力が低いなどの問題がある。具体的な操作から見れば、炭粉末が
クラックを閉塞させ、クラック数が制御し難く、適当ではない設備を選択すると穴の崩壊
が生じ、炭層を加熱するとき比較的多くの資源を消耗するなどの問題がある。それに基づ
いて、組合せ及び集積、局所的最適化、代替、友好化及び知恵化ルールと上記の3種の次
元とを結び合わせて、炭層ガス採取方法の多次元技術革新マップを構築し、
図2に示され
る。
【0031】
専利の要素分布状況を選択することから見れば、実施方位が多次元技術革新マップにおけ
る空間次元に対応し、技術実施方位から炭層ガス採取技術革新要素を考査し、炭層と周辺
岩石という2つの種類を含む。実施手段がメカニズム次元に対応し、炭層ガス採取システ
ムの作動方式又は要素間の作用過程から炭層ガス採取技術革新要素を考査し、破砕、流体
洗浄などを含む。必要である材料は材料次元に対応し、炭層ガス採取システムを改変する
のに必要である物質から炭層ガス採取技術革新要素を考慮し、破砕液、強い置換性ガス、
弱い置換性ガスなどを含む。革新要素分類の基礎で、各革新要素を空間座標系にマッピン
グし、ただし、X軸が空間次元を示し、Y軸が材料次元を示し、Z軸が機能次元を示し、
それにより、革新ルールと次元を変換して再結合して炭層ガス採取技術革新要素に基づく
多次元技術革新マップを形成する。
【0032】
図2に示すように、本発明は、8種の革新案を提供する。各方案の接続線は、該方案に係
る次元を示し、異なる形状が該方案の結び合わせた革新ルールを示す。各方案の原理及び
解決する問題を具体的に解説するために、本発明は、さらに、各方案の技術機会を詳しく
説明し、表6に示される。
【0033】
本明細書における各実施例は、漸進的に説明されており、各実施例は、他の実施例との相
違点着目しており、各実施例間の同じ及び類似の部分は互いに参照すればよい。実施例に
開示された装置であれば、実施例に開示された方法に対応するため、説明は比較的簡単で
あり、関連する部分は方法部分の説明を参照すればよい。
【0034】
また、革新次元及び革新ルールに基づく技術革新方法は、コンピュータによって行われる
必要があり、専利及び文献データベースによって専利、文献を検索分析すること、及び他
の検索と分析ツールについて、ここで詳細な説明を省略する。
【0035】
開示された実施例の上記説明は、当業者が本発明を実現または使用することを可能にする
。これらの実施例に対する様々な修正は当業者にとっては明らかなものであり、本明細書
で定義された一般的な原理は本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例
において実現されてもよい。従って、本発明は、本明細書に示されたこれらの実施形態に
限定されるものではなく、本明細書に開示された原理及び新規性と一致する最も広い範囲
を満たす。
【国際調査報告】