特表2020-510579(P2020-510579A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-510579車両の、特に電子式の、パーキングブレーキ装置を制御するための操作装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-510579(P2020-510579A)
(43)【公表日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】車両の、特に電子式の、パーキングブレーキ装置を制御するための操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/02 20060101AFI20200313BHJP
   G05G 1/04 20060101ALI20200313BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20200313BHJP
【FI】
   B60T7/02 A
   G05G1/04 Z
   G05G25/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-550729(P2019-550729)
(86)(22)【出願日】2018年3月6日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月11日
(86)【国際出願番号】EP2018055507
(87)【国際公開番号】WO2018166849
(87)【国際公開日】20180920
(31)【優先権主張番号】102017105690.4
(32)【優先日】2017年3月16日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フェレンツ ゼマン
【テーマコード(参考)】
3D124
3J070
【Fターム(参考)】
3D124AA12
3D124AA16
3D124BB02
3D124BB04
3D124CC31
3D124CC42
3D124DD30
3D124DD56
3J070AA03
3J070AA07
3J070BA41
3J070BA43
3J070CA44
3J070CC71
3J070CD21
3J070DA01
(57)【要約】
本発明は、車両、特に商用車の、特に電子式の、パーキングブレーキ装置(12)を制御するための操作装置(10)であって、少なくとも1つの操作レバー(14)を備え、ここで、該操作レバー(14)は、少なくとも1つの操作ボタン(16)を有し、また当該操作装置は、少なくとも1つの収容要素(18)を備え、ここで、操作レバー(14)および収容要素(18)は、相互に回転可能に接続されかつ回転軸線周りで相互に相対的に回動可能であり、ここで、操作装置(10)は、少なくとも1つの操作スイッチング状態(S2P)と少なくとも1つの解除スイッチング状態(S2D)とを有し、ここで、操作スイッチング状態(S2P)は、少なくとも、収容要素(18)に関する第1の回転方向(DR1)への操作レバー(14)の第1の回転運動と、操作ボタン(16)の第1の操作と、から引き起こされ、ここで、解除スイッチング状態は、少なくとも、収容要素(18)に関する第1の回転方向(DR1)への操作レバー(14)の第2の回転運動と、操作ボタン(16)の第2の操作と、から引き起こされ、ここで、操作スイッチング状態(S2P)は、パーキングブレーキ装置(12)の操作に対応付けられており、ここで、解除スイッチング状態(S2D)は、パーキングブレーキ装置(12)の解除に対応付けられている、操作装置(10)に関している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、特に商用車の、特に電子式の、パーキングブレーキ装置(12)を制御するための操作装置(10)であって、
前記操作装置(10)は、少なくとも1つの操作レバー(14)を備え、前記操作レバー(14)は、少なくとも1つの操作ボタン(16)を有し、
前記操作装置(10)は、少なくとも1つの収容要素(18)を備え、前記操作レバー(14)および前記収容要素(18)は、相互に回転可能に接続されかつ回転軸線周りで相互に相対的に回動可能であり、
前記操作装置(10)は、少なくとも1つの操作スイッチング状態(S2P)と、少なくとも1つの解除スイッチング状態(S2D)と、を有し、
前記操作スイッチング状態(S2P)は、少なくとも、前記収容要素(18)に関する第1の回転方向(DR1)への前記操作レバー(14)の第1の回転運動と、前記操作ボタン(16)の第1の操作と、から引き起こされ、
前記解除スイッチング状態(S2P)は、少なくとも、前記収容要素(18)に関する前記第1の回転方向(DR1)への前記操作レバー(14)の第2の回転運動と、前記操作ボタン(16)の第2の操作と、から引き起こされ、
前記操作スイッチング状態(S2P)は、前記パーキングブレーキ装置(12)の操作に対応付けられており、
前記解除スイッチング状態(S2D)は、前記パーキングブレーキ装置(12)の解除に対応付けられている、
操作装置(10)。
【請求項2】
前記操作装置(10)は、トレーラ検査スイッチング状態(TT)を有し、前記トレーラ検査スイッチング状態(TT)は、少なくとも、前記収容要素(18)に関する前記第1の回転方向(DR1)への前記操作レバー(14)の第3の回転運動から引き起こされ、前記トレーラ検査スイッチング状態(TT)は、前記パーキングブレーキ装置(12)のトレーラ検査機能に対応付けられている、
請求項1記載の操作装置(10)。
【請求項3】
前記操作装置(10)は、少なくとも1つの段階的スイッチング状態(GRA)を有し、前記段階的スイッチング状態(GRA)により段階的操作スイッチング状態および/または段階的解除スイッチング状態が設定可能である、
請求項1または2記載の操作装置(10)。
【請求項4】
前記操作装置(10)は、円形軌道曲線区間に沿って配置された少なくとも1つの第1の回転ストッパ(20)、少なくとも1つの第2の回転ストッパ(22)、少なくとも1つの径方向切り替え位置(RUP)および少なくとも1つの径方向初期位置(RAP)を有し、前記径方向初期位置(RAP)は、前記第1の回転ストッパ(20)に配置されており、前記径方向切り替え位置(RUP)は、前記第2の回転ストッパ(22)に配置されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項5】
前記操作スイッチング状態(S2P)は、前記操作レバー(14)が前記径方向切り替え位置(RUP)に配置されておりかつ前記商用車が実質的に停止状態にある場合、前記操作レバー(14)の前記径方向初期位置(RAP)から出発して前記第1の回転方向(DR1)での前記操作レバー(14)の前記第1の回転運動の結果に続く前記操作ボタン(16)の前記第1の操作から引き起こされる、
請求項1から4までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項6】
前記解除スイッチング状態(S2D)は、前記操作レバー(14)が前記径方向切り替え位置(RUP)に配置されておりかつ前記商用車が実質的に停止状態にある場合、前記操作レバー(14)の前記径方向初期位置(RAP)から出発して前記第1の回転方向(DR1)への前記操作レバー(14)の前記第2の回転運動の結果に続く前記操作ボタン(16)の前記第2の操作から引き起こされる、
請求項1から5までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項7】
前記トレーラ検査スイッチング状態(TT)は、前記操作レバー(14)が前記径方向切り替え位置(RUP)に配置されておりかつ前記操作装置(10)が前記操作スイッチング状態(S2P)にある場合、前記操作レバー(14)の径方向初期位置(RAP)から出発して前記第1の回転方向(DR1)への前記操作レバー(14)の前記第3の回転運動から引き起こされる、
請求項1から6までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項8】
前記段階的操作スイッチング状態は、前記操作レバー(14)の第4の回転運動中に前記操作ボタン(16)の連続操作が行われずかつ前記商用車が実質的に移動状態にある場合に、前記操作レバー(14)の前記径方向初期位置(RAP)から出発して最大で前記径方向切り替え位置(RUP)までの前記第1の回転方向(DR1)への前記操作レバー(14)の前記第4の回転運動から引き起こされる、
請求項1から7までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項9】
前記段階的解除スイッチング状態は、前記操作レバー(14)の第5の回転運動中に前記操作ボタン(16)の連続操作が行われずかつ前記商用車が実質的に移動状態にある場合に、前記径方向初期位置(RAP)と前記径方向切り替え位置(RUP)との間の前記操作レバー(14)の角度位置から出発して前記径方向初期位置(RAP)までの前記収容要素(18)に関する第2の回転方向(DR2)への前記操作レバー(14)の前記第5の回転運動から引き起こされ、前記第2の回転方向(DR2)は、前記第1の回転方向(DR1)とは反対である、
請求項1から8までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項10】
前記操作装置(10)の少なくとも1つの前記スイッチング状態(S2P,S2D,TT,GRA)は、商用車の常用ブレーキ装置のさらなる操作装置、特にフットペダルの少なくとも1つのさらなるスイッチング状態に依存して、かつ/または、前記商用車の少なくとも1つの走行状態、特に車両速度に依存して取ることが可能である、
請求項1から9までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項11】
少なくとも1つの前記スイッチング状態(S2P,S2D,TT,GRA)は、前記操作レバー(14)の角度位置履歴および回転方向履歴と、前記操作ボタン(16)の操作履歴と、に依存して取ることが可能である、
請求項1から10までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項12】
前記解除スイッチング状態(S2D)を取った結果に続く前記段階的解除スイッチング状態は、前記操作レバー(14)が前記径方向初期位置(RAP)に一旦配置されるまで阻止可能である、
請求項11記載の操作装置(10)。
【請求項13】
前記径方向切り替え位置(RUP)における前記操作レバー(14)の配置に対応付けられた前記スイッチング状態(S2D,S2P,TT)は、前記径方向切り替え位置(RUP)における径方向領域内で取ることが可能である、
請求項1から12までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【請求項14】
前記径方向切り替え位置(RUP)とは反対側の前記径方向領域の端部は、弾性抵抗要素により、前記操作レバー(14)の回転運動に関して制限されている、
請求項13記載の操作装置(10)。
【請求項15】
前記操作装置(10)は、前記操作装置(10)の各スイッチング状態と、電子式パーキングブレーキ装置(12)および/または電子式常用ブレーキ装置の各動作状態と、を表示する、少なくとも1つの照明装置(24)と少なくとも1つのアイコン(26)とを含み、前記照明装置(24)および/または前記アイコン(26)は、前記操作レバー(14)および前記収容要素(18)に設けられており、前記アイコン(26)は、少なくとも1つのさらなる照明装置を用いて照明可能である、
請求項1から14までのいずれか1項記載の操作装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に商用車の、特に電子式の、パーキングブレーキ装置を制御するための操作装置、特にトグルスイッチに関しており、少なくとも1つの操作レバーを備え、ここで、該操作レバーは少なくとも1つの操作ボタンを有し、また当該操作装置は、少なくとも1つの収容要素を備え、ここで、操作レバーと収容要素は相互に回転可能に接続されている。
【背景技術】
【0002】
商用車のパーキングブレーキ装置の電化を進める過程では、特に電子式パーキングブレーキ装置に関連して、代替的な操作装置を使用することもできる。なぜなら、電子式パーキングブレーキ装置の操作装置は、将来的にますます電気的に構成される可能性があるからである。したがって、一方では、高価で構造的に複雑な空気圧式操作装置は、構造的に簡素に構造化された電気式操作装置によって置き換えることができ、他方では、それらの形状(例えば操作レバー)と機能原理とに関連して、より大きな自由度を生み出すことができる。
【0003】
従来技術からは、既にこの種の操作装置が公知であり、これらの操作装置を用いて、特に電子式パーキングブレーキ装置の動作状態を制御することができる。
【0004】
それにより、例えば、欧州特許第2379386号明細書は、車両、特に商用車である車両のパーキングブレーキのための操作装置を示し、ここで、この操作装置は、運転モードのために設けられた常用ブレーキと、車両を固定するために設けられたパーキングブレーキと、を有する。ここでは、パーキングブレーキを用いることにより、車両に対する最初の制動作用を、常用ブレーキの制動過程に依存することなく生成することができる。
【0005】
さらに、欧州特許第1997700号明細書は、車両、特に商用車のブレーキ装置のための操作装置を開示しており、この操作装置は、移動経路に沿って変位可能なパーキングブレーキの操作のための手動操作可能な操作要素を有する。この操作装置は、さらに複数のスイッチング状態を有し、第1のスイッチング状態では、パーキングブレーキの制動作用は、移動経路に沿った操作要素の変位に依存している。第2のスイッチング状態では、パーキングブレーキの完全な制動作用を提供することができる。
【0006】
さらなる手動操作可能な操作装置は、例えば、国際公開第2011/039556号、中国実用新案第203958116号明細書、欧州特許出願公開第2468590号明細書、欧州特許出願公開第2045157号明細書、独国特許出願公開第102006041009号明細書、独国特許出願公開第102008003379明細書、米国特許第7,373,855号明細書、国際公開第2010/078880号、独国特許出願公開第19751431号明細書、独国特許出願公開第102006036748号明細書、
欧州特許出願公開第2133247号明細書、独国特許出願公開第19955797号明細書、ならびに欧州特許出願公開第2108555号明細書から公知である。
【0007】
この種の操作装置は、電子式パーキングブレーキ装置の統合すべき機能および制御可能性の増加し続ける数に基づいて、一方では、複雑に構造化される可能性があり、他方では、その使用が直感性に乏しくなるかもしくは困難になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、本発明の課題は、冒頭に述べたような形式の操作装置を、好適な方法で、特に、商用車の車両運転者による操作装置の誤った操作をほぼ排除することができ、それらの操作が容易でかつ直感的に構成されるように発展構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明により、請求項1の特徴を有する操作装置によって解決される。これによれば、車両、特に商用車のパーキングブレーキ装置、特に電子式パーキングブレーキ装置を制御するための操作装置であって、少なくとも1つの操作レバーを備え、ここで、該操作レバーは、少なくとも1つの操作ボタンを有し、また当該操作装置は、少なくとも1つの収容要素を備え、ここで、操作レバーおよび収容要素は、相互に回転可能に接続されかつ回転軸線周りで相互に相対的に回動可能であり、ここで、当該操作装置は、少なくとも1つの操作スイッチング状態と、少なくとも1つの解除スイッチング状態と、を有し、ここで、操作スイッチング状態は、少なくとも、収容要素に関する第1の回転方向への操作レバーの第1の回転運動と、操作ボタンの第1の操作と、から引き起こされ、ここで、解除スイッチング状態は、少なくとも、収容要素に関する第1の回転方向への操作レバーの第2の回転運動と、操作ボタンの第2の操作と、から引き起こされ、ここで、操作スイッチング状態は、パーキングブレーキ装置の操作に対応付けられており、ここで、解除スイッチング状態は、パーキングブレーキ装置の解除に対応付けられている、ことが想定されている。
【0010】
本発明は、操作ボタンの操作と、操作レバーの回転運動と、により、商用車の電子式パーキングブレーキ装置の操作状態、特に解除スイッチング状態と操作スイッチング状態とを制御する基本的考察に基づいている。この操作装置は、特にトグルスイッチとして構成されている。操作ボタンは、さらに、特にプッシュボタンとして構成されている。現下の操作装置の開発過程において、根本的に生じる課題は、一方では、増加し続ける数の機能を操作装置に統合しなければならないが、他方では、それらの操作性を過度にさらに複雑化してはならないということにある。この課題は、付加的な操作ボタンを操作レバーに設けることによって対処することができる。それにより、操作ボタンは、既に事前に行われた回転運動の結果に続く電子式パーキングブレーキ装置の操作および解除を可能にし、その結果、操作レバーによる1つ以上のさらなるスイッチング状態の生成に対してこれに関する簡略化を達成することができる。このことは、特に、操作レバーの回転運動と、それに起因するさらなる各スイッチング状態と、の対応付けにおけるより大きな可変性の利点を提供する。なぜなら、電子式パーキングブレーキ装置の解除と操作とが、もはや操作レバーの純粋な回転運動のみから行われる必要がないからである。操作レバーの回転運動は、特に、傾斜運動または旋回運動であってもよい。その結果として、操作パターンを、様々な枠組み条件(例えば顧客のニーズ、世界中の異なる地域の様々な操作パターンなど)に有利な方法で個別に適応化させることができる。そこからは、さらに車両運転者にとって、操作装置の操作がより簡素で直感的になるという利点が生じる。したがって、例えば車両運転者による操作装置の誤った操作による電子式パーキングブレーキ装置の誤動作は、将来的にほぼ排除することが可能になる。これにより、電子式パーキングブレーキ装置の動作信頼性も、商用車全体の動作信頼性も著しく向上する。
【0011】
その他の点では、操作装置は、トレーラ検査スイッチング状態を有し、ここで、該トレーラ検査スイッチング状態は、少なくとも、収容要素に関する第1の回転方向への操作レバーの第3の回転運動から引き起こされ、ここで、当該トレーラ検査スイッチング状態は、パーキングブレーキ装置のトレーラ検査機能に対応付けられていることが想定されてもよい。さらなるスイッチング状態、詳細にはトレーラ検査スイッチング状態の想定により、操作装置のより高い機能密度が、その操作を実質的に複雑化させることなしで達成される。というのもトレーラ検査機能は、操作スイッチング状態と非常に類似した操作パターンから生じているからである。さらに、トレーラ検査スイッチング状態の機能統合により、例えば、トレーラ検査機能を制御するためのさらなる操作装置を省くことができる。その結果、すべてのスイッチング状態は1つの操作装置によってもたらすことができ、そのため、操作装置の操作性は、トレーラ検査スイッチング状態の想定により、車両運転者にとって容易でかつ直感的な状態になる。電子式パーキングブレーキ装置のトレーラ検査機能は、商用車の駐車状態において、トレーラ車両の制動作用の完全な解除を可能にする。これにより、電子式パーキングブレーキ装置の制動作用は、一時的に牽引車両上でのみ行使される。トレーラ検査機能の目的は、牽引車両上でのみ行使される電子式パーキングブレーキ装置の制動作用が、商用車全体(牽引車両とトレーラ車両とからなる)を確実に停止状態もしくは駐車状態に維持するのに十分であるかどうかの安全性検査にある。したがって、このトレーラ検査機能は、特に商用車を傾斜面に駐車するときに便利であることがわかっている。
【0012】
さらに、操作装置は付加的に、車両の、特に電子式常用ブレーキ装置の制御のために構成されていることが考えられ、ここで、操作装置は、少なくとも1つのアンチジャックナイフブレーキスイッチング状態を有し、このアンチジャックナイフブレーキスイッチング状態は、常用ブレーキ装置および/またはパーキングブレーキ装置のアンチジャックナイフブレーキ機能に対応付けされている。特に、セミトレーラまたは付加的なトレーラ車両を含む商用車に関連して、常用ブレーキ装置を用いたアンチジャックナイフブレーキ機能の想定は、商用車の機能信頼性を高める趣旨において特に重要でかつ有利である。なぜなら、場合によってジャックナイフ状に折れ曲がった車列は、トレーラ車両の単独制動によってまっすぐに伸び、それによって安定する。この場合、トレーラ車両のアンチジャックナイフブレーキ機能は、商用車のパーキングブレーキ装置によっても、常用ブレーキ装置によっても制御することができる。このアンチジャックナイフブレーキ機能は、操作装置のアンチジャックナイフブレーキスイッチング状態に対応付けられており、そのため特に有利である。なぜなら、操作装置の機能密度を再び高めることができるからである。他方では、同時に、操作レバーの回転運動の可能性によっても、操作ボタンによる付加的操作可能性の可能性によっても、高められた機能密度にもかかわらず、簡単でかつ直感的な操作を維持し続けることができる。
【0013】
さらに、操作装置が少なくとも1つの段階的スイッチング状態を有し、該段階的スイッチング状態により段階的操作スイッチング状態および/または段階的解除スイッチング状態が設定可能であることが考えられる。この段階的操作スイッチング状態は、この場合、電子式パーキングブレーキ装置の段階的操作に対応付けられており、それに対して、段階的解除スイッチング状態は、電子式パーキングブレーキ装置の段階的解除に対応付けられている。段階的スイッチング状態を用いることにより、例えば電子式パーキングブレーキ装置の段階的な操作、すなわちその制動作用における段階な操作を、商用車全体への作用と共に設定することができる。ただし、この段階的スイッチング状態は、商用車の運転モードにおいてのみ設定可能である。運転モード中の電子式パーキングブレーキ装置の段階的操作もしくは段階付け可能な操作は、一方では、法的に要求されており、他方では、補助ブレーキ機能として、または緊急ブレーキ機能として常用ブレーキ装置を補足することができる。したがって、この段階的スイッチング状態は、現下で存在する車両条件(例えば斜面を下る際の各勾配)に依存して、車両運転者によって段階的に設定可能である。この機能を同様に操作装置に統合することは、再び操作装置の機能密度を高め、この場合、その簡単でかつ直感的な操作性は、依然として、操作ボタンと操作レバーとによる各スイッチング状態の対応付けの大きな可変性に基づいて維持され続ける。さらに、段階的スイッチング状態により、段階的アンチジャックナイフブレーキスイッチング状態が設定可能であることを想定してもよい。
【0014】
さらに、操作ボタンは、バネ式の単安定スライドスイッチまたは双安定スライドスイッチとして構成されていることが考えられる。スライドスイッチとしての構成は、特に単純なだけに不所望に操作しかねない操作ボタン(例えばプッシュボタン)の背景から、操作装置全体の操作の安全性を高めるという結果をもたらす。操作ボタンの容易に実施可能な不所望な操作は、例えば段階的な制動中に操作ボタンの無意識下の規則的な操作によって起きる可能性があり、これによって、毎回アンチジャックナイフブレーキ機能が不所望にアクティブになる。スライドスイッチを設けることにより、不所望な操作を大幅に最小化することができ、そのため操作装置全体をさらに直感的でかつ安全に操作することができる。したがって、これにより、商用車の全体的安全性もさらに高めることができる。操作ボタンは、バネ式の単安定または双安定トグルスイッチ、ロッカースイッチ、係止スイッチ、スライドスイッチ、ロータリースイッチ、シーケンススイッチ、プッシュボタンまたはプルスイッチとして構成されていることも考えられる。
【0015】
その他に、操作装置が、円形軌道曲線区間に沿って配置された少なくとも1つの第1の回転ストッパ、少なくとも1つの第2の回転ストッパ、少なくとも1つの径方向切り替え位置、および少なくとも1つの径方向初期位置を有し、ここで、径方向初期位置は、第1の回転ストッパに配置されており、ここで、径方向切り替え位置は、第2の回転ストッパに配置されていることが可能である。第1の回転ストッパは、好適には、径方向に定められた初期位置を提供するために用いられ、この初期位置には、第1の回転方向への手動回転運動の結果に続く操作レバーが、ねじりバネによって(反対の回転方向、つまり第2の回転方向に)常に自動的にリセットされる。したがって、第2の回転ストッパは、第1の回転方向への操作レバーの各回転運動を径方向に定めて制限し、径方向に定められた切り替え位置を提供するために用いられる。それにより、径方向切り替え位置における第1の回転方向への各回転運動の径方向に定められた制限によって、それぞれの対応付けされたスイッチング状態をより明確にもたらすことができる。同様に、径方向初期位置における第2の回転方向への各回転運動の径方向に定められた制限によって、それぞれの対応付けされたスイッチング状態をより明確にもたらすことができる。
【0016】
同様に、操作スイッチング状態は、操作レバーが径方向切り替え位置に配置されておりかつ商用車が実質的に停止状態にある場合、操作レバーの径方向初期位置から出発して第1の回転方向への操作レバーの第1の回転運動の結果に続く操作ボタンの第1の操作から引き起こされることも考えられる。径方向に定められた切り替え位置における、第1の回転方向への操作レバーの第1の回転運動の結果に続く操作ボタンのみの操作は、車両運転者に、操作スイッチング状態を生成するための非常に簡素でかつ直感的な可能性を提供する。商用車が停止状態にあることを必要とする付加的な機能条件により、操作の安全性と、それに起因する車両の安全性も再度高めることができる。操作ボタンは、バネ式の単安定または双安定操作ボタンとして構成されてもよい。
【0017】
その上さらに、解除スイッチング状態は、操作レバーが径方向切り替え位置に配置されておりかつ商用車が実質的に停止状態にある場合、操作レバーの径方向初期位置から出発して第1の回転方向への操作レバーの第2の回転運動の結果に続く操作ボタンの第2の操作から引き起こされることも考えられる。この解除スイッチング状態に関しても、径方向に定められた切り替え位置における、第1の回転方向への操作レバーの第2の回転運動の結果に続く操作ボタンの操作は、車両運転者に、解除スイッチング状態を生成するための非常に簡素な可能性を提供する。商用車が停止状態にあることを必要とする付加的な機能条件により、操作の安全性と、それに起因する車両の安全性も再度高めることができる。
【0018】
さらに、トレーラ検査スイッチング状態は、操作レバーが径方向切り替え位置に配置されておりかつ操作装置が操作スイッチング状態にある場合、操作レバーの径方向初期位置から出発して第1の回転方向への操作レバーの第3の回転運動から引き起こされることが可能である。トレーラ検査スイッチング状態を、機能的に操作スイッチング状態と同様の操作パターンで直感的に操作するために割り当てるために、特に好適には、当該トレーラ検査スイッチング状態を、操作レバーの第1の回転運動に対応付け、径方向切り替え位置における操作ボタンの後続する操作に対応付けることができる。この状況は、車両運転者による操作装置のさらにより簡素で直感的な操作性につながる。さらに、トレーラ検査スイッチング状態と操作スイッチング状態との機能依存性の対応付けによって、トレーラ検査スイッチング状態が例えば解除スイッチング状態から出発して生成可能になることが効果的に回避される。このことは、車両の安全性のさらなる向上に表れる。
【0019】
また、段階的操作スイッチング状態は、操作レバーの第4の回転運動中に操作ボタンの連続操作が行われずかつ商用車が実質的に移動状態にある場合に、操作レバーの径方向初期位置から出発して最大で径方向切り替え位置までの第1の回転方向への操作レバーの第4の回転運動から引き起こされることも考えられる。さらに、段階的操作スイッチング状態は、商用車の移動状態における電子式パーキングブレーキ装置の段階的操作もしくは段階付けられた操作に対応付けられている。この段階的操作に基づいて、電子式パーキングブレーキ装置は、常に所定のレベルまで解除されている。それゆえ、段階的操作スイッチング状態は、本発明の枠内では操作レバーの変位に依存した電子式パーキングブレーキ装置の制動作用の段階的な高まりとして理解されたい。操作装置における段階的操作スイッチング状態の想定により、運転者にとって電子式パーキングブレーキ装置の段階的操作もしくは段階付けられた操作の特に快適な制御が提供される。このスイッチング状態は、商用車の移動状態においてのみ取ることが可能であるため、その他に、操作の安全性ならびに車両の安全性を総合的に高める。
【0020】
付加的に、段階的解除スイッチング状態は、操作レバーの第5の回転運動中に操作ボタンの連続操作が行われずかつ商用車が実質的に移動状態にある場合に、径方向初期位置と径方向切り替え位置との間の操作レバーの角度位置から出発して径方向初期位置までの収容要素に関する第2の回転方向への操作レバーの第5の回転運動から引き起こされ、この場合、第2の回転方向は、第1の回転方向とは反対であることが考えられる。したがって、段階的解除スイッチング状態は、商用車の移動状態における電子式パーキングブレーキ装置の段階的操作の結果に続く段階的解除もしくは段階付けられた解除に対応付けられている。段階的解除に基づいて、電子式パーキングブレーキ装置は常に所定のレベルまで操作されている。それゆえ、段階的解除スイッチング状態は、本発明の枠内では操作レバーの変位に依存した電子式パーキングブレーキ装置の制動作用の段階的な減少として理解されたい。操作装置における段階的解除スイッチング状態の想定により、運転者にとって電子式パーキングブレーキ装置の段階的解除もしくは段階付けられた解除の特に快適な制御が提供される。このスイッチング状態は、商用車の移動状態においてのみ取ることが可能であるため、その他に、操作の安全性ならびに車両の安全性を総合的に高める。
【0021】
さらに、アンチジャックナイフブレーキ機能は、操作レバーの第6の回転運動に依存して比例制御可能であることが想定されてもよい。操作装置は、これに関連してポテンショメータを備え得る。このポテンショメータに基づいて、特にアンチジャックナイフブレーキ機能は、操作レバーの回転運動から生じる当該操作レバーの角度位置に依存してそれぞれアンチジャックナイフブレーキ機能に特に簡単に比例的に対応付けることができる。その結果、車両運転者にとって、電子式パーキングブレーキ装置もしくは常用ブレーキ装置の特に簡単に設定もしくは調節されるアンチジャックナイフブレーキ機能が生じる。さらに、操作レバーの操作スイッチング状態、解除スイッチング状態およびトレーラ検査スイッチング状態を、実質的に商用車の停止状態において取ることが可能であることが考えられる。これにより、電子式パーキングブレーキ装置に接続形成されるこれらのスイッチング状態が無権限でもたらされることが効果的に防止される。
【0022】
さらに、操作装置の少なくとも1つのスイッチング状態は、車両の常用ブレーキ装置のさらなる操作装置、特にフットペダルの少なくとも1つのさらなるスイッチング状態に依存して、かつ/または車両の少なくとも1つの走行状態、特に車両速度に依存して取ることが可能であることが考えられる。操作装置のスイッチング状態が、フットペダルのスイッチング状態と少なくとも1つの走行状態とに依存している依存性は、車両の安全性をさらに高めることができる。例えば、操作装置の操作スイッチング状態、トレーラ検査スイッチング状態および解除スイッチング状態は、車両運転者がブレーキペダルを操作しかつ商用車が付加的に停止状態にある場合という条件のもとでのみ取ることが可能であることが考えられる。車両運転者がこのケースにおいてブレーキペダルの操作を行わない場合、当該車両運転者は、光学的、音響的および/または触覚的信号によってそのことを認識することができる。
【0023】
さらに、少なくとも1つのスイッチング状態は、操作レバーの角度位置履歴および回転方向履歴と、操作ボタンの操作履歴と、に依存して取ることが可能であってもよい。操作装置の様々な操作履歴または頻繁に繰り返される操作パターンを含めることに基づいて、車両運転者による誤操作の確率をさらに低減することができる。さらに、これによって、操作性を著しく簡略化することができる。なぜなら、操作装置は、径方向切り替え位置において、例えば操作スイッチング状態または解除スイッチング状態を特に最初に取る必要があるかどうかを例えば自動的に認識するからである。
【0024】
さらに、解除スイッチング状態を取る結果に続く段階的解除スイッチング状態は、操作レバーが径方向初期位置に一旦配置されるまで阻止可能であることが考えられる。車両停止状態において、操作レバーが径方向切り替え位置にあり、車両運転者が解除スイッチング状態を設定する場合、パーキングブレーキ装置は、通常は、径方向初期位置に戻る操作レバーの回転運動に基づき段階的に解除されるであろう。ただし、電子式パーキングブレーキ装置の電子制御装置は、この機能的矛盾を認識し、操作レバーが径方向初期位置に一旦配置されるまでは段階的解除スイッチング状態を阻止する。したがって、操作装置の安全性と直感的な操作とをさらに有利に改善することができる。
【0025】
同様に、径方向切り替え位置における操作レバーの配置に対応付けられたスイッチング状態は、径方向切り替え位置における径方向領域内で取ることが可能であることも考えられる。これにより、操作装置の日常的な操作において、操作性の大幅な簡略化を実現することができる。というのも車両運転者は、状態の変更毎に径方向切り替え位置を正確に適中させる必要がないため、このことは、操作装置の取り扱いにおいて大幅な容易化を意味する。
【0026】
さらに、径方向切り替え位置とは反対側の径方向領域の端部は、弾性抵抗要素により、操作レバーの回転運動に関して制限されていることが想定されてもよい。この弾性抵抗要素と第2の回転ストッパとによって、径方向領域が限定されている。弾性抵抗要素は、この場合、操作レバーの円形の運動軌道に配置されており、両回転方向でそれを克服するために所定の応力を必要とする。弾性抵抗要素は、さらに径方向領域の明確な画定も可能にしており、そのため、車両運転者は、操作レバーがこの径方向領域の内部もしくは外部にあるときを常に正確に把握できる。この知識により、車両運転者は、操作装置を大幅に取り扱いやすくなり、そのため誤操作をさらに効果的に回避することができる。
【0027】
その他に、操作装置は、該操作装置の各スイッチング状態と、電子式パーキングブレーキ装置および/または電子式常用ブレーキ装置の各動作状態と、を表示する、少なくとも1つの照明装置と少なくとも1つのアイコンとを含み、ここで、該照明装置および/または該アイコンは、操作レバーおよび収容要素に設けられており、ここで、アイコンは、少なくとも1つのさらなる照明装置を用いて照明可能であることが考えられる。これにより、一方では、操作装置の各スイッチング状態と、電子式パーキングブレーキ装置および常用ブレーキ装置の対応する動作状態と、のさらにより明確な対応付けが可能になる。他方では、車両運転者のために、電子式パーキングブレーキ装置の動作状態を操作装置に光学的に表示することが可能になり、これは、特に手動操作の簡略化のためには極めて重要であり得る。その他の点では、車両運転者のために、電子式パーキングブレーキ装置および/または常用ブレーキ装置の動作状態を操作装置に光学的に表示することが可能になり、これは、特に手動操作の簡略化のためには極めて重要であり得る。さらなる照明装置を用いたアイコンの照明は、特に商用車の暗い周辺環境条件のもとでは有利である(例えば夜間走行時など)。
【0028】
車両運転者による操作レバーの特に有利な操作のために、上述した第1の回転方向への各回転運動は、引っ張り回転運動として形成されている。さらに、車両運転者による操作レバーの特に有利な操作のために、第2の回転方向への各回転運動は、押し込み回転運動として形成される。ただし、これらの第1の回転方向もしくは第2の回転方向への各回転運動は、真逆に、すなわち押し込み回転運動もしくは引っ張り回転運動として形成してもよい。さらに、このような各回転運動の逆の対応付けに関しては、すべての径方向ストッパおよびスイッチング状態も、相応に逆の対応付けを有する。
【0029】
以下では、本発明のさらなる詳細および利点を、図面に示された実施例に基づきより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による操作装置ならびに本発明による電子式パーキングブレーキ装置の一実施例の概略的斜視図
図2図1による操作装置の実施例のさらなる概略的斜視図
【0031】
図1は、本発明による操作装置10ならびに本発明による電子式パーキングブレーキ装置12の一実施例の概略的斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1によれば、本発明による操作装置10の構造的特徴は、大幅に概略化されたレベルで示されており、それらは特に、操作装置10の機能をより良好に説明する目的のために用いることを意図している。
【0033】
それらは、具体的な構造を表す構成としても、縮尺通りの構成としても理解されるべきではない。
【0034】
操作装置10は、線路Lを用いて電子式パーキングブレーキ装置12に接続されている。
【0035】
操作装置10は、トグルスイッチとして構成されている。
【0036】
その他の点では、操作装置10は、旋回スイッチまたはロッカースイッチとして構成されていることが考えられる。
【0037】
操作装置10は、操作レバー14を有し、該操作レバー14も、操作ボタン16を含む。
【0038】
さらに、操作装置10は、収容要素18を有する。
【0039】
この場合、操作レバー14および収容要素18は、相互に回転可能に接続されかつ回転軸線周りで相互に相対的に回動可能である。
【0040】
したがって、操作レバー14は、回転可能に支承された端部と自由端部とを有する。
【0041】
したがって、操作レバー14は、回転可能に支承された端部を用いて収容要素18に回転可能に支承されている。
【0042】
操作レバー14の自由端部の領域には、操作ボタン16が配置されている。
【0043】
操作ボタン16は、プッシュボタンの形態のバネ式単安定操作ボタン16として構成されている。
【0044】
同様に、操作ボタン16は、バネ式の単安定スライドスイッチまたは双安定スライドスイッチとして構成されていることが考えられる。操作装置10は、さらに、第1の回転ストッパ20、第2の回転ストッパ22、径方向切り替え位置RUPおよび径方向初期位置RAPを含む。
【0045】
第1の回転ストッパ20、第2の回転ストッパ22、径方向切り替え位置RUPおよび径方向初期位置RAPは、円形軌道曲線区間に沿って配置されている。
【0046】
図1によれば、操作レバー14は、径方向切り替え位置RUPと径方向初期位置RAPとの間の角度位置に配置されている。
【0047】
円形軌道曲線区間は、収容要素18の(図1には示されていない)ハウジングの対応する円形溝によって形成される。
【0048】
径方向初期位置RAPは、第1の回転ストッパ20に配置され、径方向切り替え位置RUPは、第2の回転ストッパ22に配置されている。
【0049】
したがって、第1の回転ストッパ20、第2の回転ストッパ22、径方向切り替え位置RUPおよび径方向初期位置RAPは、収容要素に配置される。
【0050】
図1によれば、操作装置10は、2つの照明装置24と1つのアイコン26とを含んでいる。
【0051】
これらの照明装置24およびアイコン26は、操作レバー14に設けられている。
【0052】
ただし、これらの照明装置24およびアイコン26が、収容要素18に設けられていることも、まったく同様に可能である。
【0053】
操作装置10の機能は、ここからは以下のように説明することができる。
【0054】
操作装置10は、特に商用車の電子式パーキングブレーキ装置12を制御するために用いられる。
【0055】
そのため、本発明の枠内で開示される電子式パーキングブレーキ装置12の様々な操作状態は、操作装置10によって生成される制御信号に応答して制御することができる。
【0056】
これらの制御信号は、電子式パーキングブレーキ装置12の電子制御ユニットによって対応する制御命令に処理することができ、これによって、対応する操作状態が実行される。
【0057】
操作装置10は、この目的のために、操作スイッチング状態S2Pと解除スイッチング状態S2Pとを含む。
【0058】
その結果、操作スイッチング状態S2Pは、収容要素18に関する第1の回転方向DR1への操作レバー14の第1の回転運動と、操作ボタン16の第1の操作と、から引き起こされる。
【0059】
解除スイッチング状態S2Dは、相応に、操作レバー14が径方向初期位置RAPに配置されている場合に、収容要素18に関する第1の回転方向DR1への操作レバー14の第2の回転運動と、操作ボタン16の第2の操作と、から引き起こされる。
【0060】
図1によれば、操作スイッチング状態S2Pおよび解除スイッチング状態S2Dは、第2の回転ストッパ22もしくは径方向切り替え位置RUPに配置されている。
【0061】
したがって、操作スイッチング状態S2Pは、操作レバー14が径方向切り替え位置RUPに配置されておりかつ商用車が停止状態にある場合、操作レバー14の径方向初期位置RAPから出発して第1の回転方向DR1への操作レバー14の第1の回転運動の結果に続く操作ボタン16の第1の操作から引き起こされる。
【0062】
しかしながら、さらに、操作スイッチング状態S2Pは、操作装置10が解除スイッチング状態S2Dにある場合にのみ取ることが可能である。
【0063】
したがって、解除スイッチング状態S2Dは、操作レバー14が径方向切り替え位置RUPに配置されておりかつ商用車が停止状態にある場合、操作レバー14の径方向初期位置RAPから出発して第1の回転方向DR1への操作レバー14の第2の回転運動の結果に続く操作ボタン16の第2の操作から引き起こされる。
【0064】
ただし、解除スイッチング状態S2Dは、操作装置10が操作スイッチング状態S2Pにある場合にのみ取ることが可能である。
【0065】
したがって、操作スイッチング状態S2Pは、パーキングブレーキ装置12の操作に対応付けられており、それに対して、解除スイッチング状態S2Dは、パーキングブレーキ装置12の解除に対応付けられている。
【0066】
操作ボタン16の第1および第2の操作は、それぞれ、車両運転者による短いもしくは一時的なプッシュボタン動作によって行われる。
【0067】
さらに、所定の軸方向操作経路もしくは軸方向操作領域に達した後で、操作装置10の対応するスイッチング状態がもたらされる。
【0068】
しかしながら、操作装置10は、図1に相応して、操作スイッチング状態S2Pおよび解除スイッチング状態S2Dとは別のさらなるスイッチング状態を有する。
【0069】
操作装置10が有しているさらなるスイッチング状態の1つは、トレーラ検査スイッチング状態TTである。
【0070】
このトレーラ検査スイッチング状態TTは、収容要素18に関する第1の回転方向DR1への操作レバー14の第3の回転運動から引き起こされる。
【0071】
このトレーラ検査スイッチング状態TTは、電子式パーキングブレーキ装置12のトレーラ検査機能に対応付けられている。
【0072】
特に、トレーラ検査スイッチング状態TTは、操作レバー14の径方向初期位置RAPから出発して第1の回転方向DR1への操作レバー14の第3の回転運動から引き起こされる。
【0073】
しかしながら、トレーラ検査スイッチング状態TTは、操作レバー14が径方向切り替え位置RUPに配置されておりかつ操作装置10が操作スイッチング状態S2Pにある場合にのみ取ることが可能である。
【0074】
車両運転者が、トレーラ検査スイッチング状態TTを再び非アクティブにしたい場合には、車両運転者は操作レバーを新たに径方向切り替え位置RUPにもたらし、操作ボタンを新たに操作する。
【0075】
安全上の理由から、操作装置10の操作スイッチング状態S2P、解除スイッチング状態S2Dおよびトレーラ検査スイッチング状態TTは、商用車が停止状態にある場合にのみ取ることが可能である。
【0076】
操作装置10の操作スイッチング状態S2P、解除スイッチング状態S2Dおよびトレーラ検査スイッチング状態TTは、さらに、車両の電子式常用ブレーキ装置のフットペダルのさらなるスイッチング状態に依存して取ることが可能である。
【0077】
そのため、これらのスイッチング状態は、例えば電子式常用ブレーキ装置の操作されたフットペダルの条件のもとでのみ取ることができる。
【0078】
さらに、径方向切り替え位置RUPにおける操作レバー14の配置に対応付けられたスイッチング状態、すなわち操作スイッチング状態S2P、解除スイッチング状態S2Dおよびトレーラ検査スイッチング状態TTは、径方向切り替え位置RUPにおける径方向領域内で取ることが可能であってもよい。
【0079】
径方向切り替え位置RUPとは反対側の径方向領域の端部は、付加的に弾性抵抗要素により、操作レバー14の回転運動に関して制限される。
【0080】
操作装置10は、その他の点では、段階的スイッチング状態GRAを有しており、該段階的スイッチング状態GRAによって、段階的操作スイッチング状態と段階的解除スイッチング状態とが設定可能である。
【0081】
段階的操作スイッチング状態は、ここでは、電子式パーキングブレーキ装置の段階的操作に対応付けられており、それに対して段階的解除スイッチング状態は、電子式パーキングブレーキ装置の段階的解除に対応付けられている。
【0082】
段階的操作スイッチング状態は、操作レバー14の径方向初期位置RAPから出発して最大で径方向切り替え位置RUPまでの第1の回転方向DR1への操作レバー14の第4の回転運動から引き起こされる。
【0083】
ただし、この段階的操作スイッチング状態は、操作レバー14の当該第4の回転運動中に操作ボタン16の連続操作が行われずかつ商用車が移動状態にある場合にのみ取ることが可能である。
【0084】
さらに、段階的操作スイッチング状態は、操作装置10が解除スイッチング状態S2Dにある場合にのみ取ることが可能である。
【0085】
段階的解除スイッチング状態も、径方向初期位置RAPと径方向切り替え位置RUPとの間の操作レバー14の角度位置から出発して径方向初期位置RAPまでの収容要素18に関する第2の回転方向DR2への操作レバー14の第5の回転運動から引き起こされる。
【0086】
ただし、この段階的解除スイッチング状態は、操作レバー14の当該第5の回転運動中に操作ボタン16の連続操作が行われずかつ商用車が移動状態にある場合にのみ取ることが可能である。この場合、第2の回転方向DR2は、第1の回転方向DR1とは反対である。
【0087】
さらに、段階的解除スイッチング状態は、操作装置10が解除スイッチング状態S2Dにある場合にのみ取ることができる。
【0088】
したがって、径方向初期位置RAPでは、電子式パーキングブレーキ装置12による制動作用は生成されない。それに対して、径方向切り替え位置RUPでは、電子式パーキングブレーキ装置12の最大制動作用が生成される。
【0089】
操作装置10は、付加的に、車両の電子式常用ブレーキ装置の制御のために構成されている。
【0090】
この目的のために、操作装置10は、アンチジャックナイフブレーキスイッチング状態STRを有し、該アンチジャックナイフブレーキスイッチング状態STRは、常用ブレーキ装置のアンチジャックナイフブレーキ機能に対応付けられている。
【0091】
しかしながら、このアンチジャックナイフブレーキ機能は、商用車もしくは特にそのトレーラ車両またはセミトレーラ車両の電子式常用ブレーキ装置の他に、付加的にこのケースでは補助ブレーキ装置として用いられる電子式パーキングブレーキ装置12を用いて実施することも可能である。
【0092】
このアンチジャックナイフブレーキスイッチング状態STRは、操作レバー14の径方向初期位置RAPから最大で径方向切り替え位置RUPまでの第1の回転方向DR1への操作レバー14の第6の回転運動から引き起こされる。
【0093】
したがって、径方向初期位置RAPではアンチジャックナイフ制動作用は生成されないが、それに対して径方向切り替え位置RUPでは、最大でアンチジャックナイフ制動作用が生成される。
【0094】
ただし、このアンチジャックナイフブレーキスイッチング状態STRは、操作レバー14の当該第6の回転運動中に操作ボタン16の連続操作が行われかつ商用車が移動状態にある場合にのみ取ることが可能である。
【0095】
さらに、アンチジャックナイフブレーキスイッチング状態STRは、操作装置10が解除スイッチング状態S2Dにある場合にのみ取ることが可能である。
【0096】
車両運転者がアンチジャックナイフブレーキスイッチング状態STRを再び非アクティブにしたい場合には、車両運転者は、連続操作される操作ボタン16のもとで、第2の回転方向DR2への操作レバー14の現下の角度位置から出発して径方向初期位置RAPまでの操作レバー14のさらなる回転運動を実行する。
【0097】
操作レバー14の回転運動は、傾斜運動として構成されている。
【0098】
さらに、操作レバー14の回転運動は、旋回運動として構成されてもよい。
【0099】
操作装置10の前述したスイッチング状態S2P,S2D,TT,GRA,STRは、さらに、車両の電子式常用ブレーキ装置のフットペダルのさらなるスイッチング状態に依存して取ることが可能であってもよい。
【0100】
それにより、これらのスイッチング状態S2P,S2D,TT,GRA,STRは、さらに、操作レバー14の角度位置履歴および回転方向履歴、ならびに操作ボタン16の操作履歴に依存して取ることが可能であってもよい。
【0101】
したがって、これらのスイッチング状態S2P,S2D,TT,GRA,STRは、例えば商用車の車両速度に依存して取ることが可能であってもよい。
【0102】
さらに、この点に関して、解除スイッチング状態S2Dを取る結果に続く段階的解除スイッチング状態は、操作レバー14が径方向初期位置RAPに一旦配置されるまで阻止可能であることも考えられる。
【0103】
図2は、この点に関して、操作装置10の実施例のさらなる概略的斜視図を示している。
【0104】
図2によれば、操作レバー14は、操作された操作ボタン16のもとで、径方向切り替え位置RUPに配置されている。
【0105】
操作レバー14のこの角度位置によれば、操作装置10は、例えば、径方向切り替え位置RUPに直接対応付けされたスイッチング状態、すなわち操作スイッチング状態S2P、解除スイッチング状態S2Dおよびトレーラ検査スイッチング状態TTを取ることができる。
【0106】
操作レバー14を径方向初期位置RAPから径方向切り替え位置RUPに回動もしくは旋回させるためには、操作レバー14を引くことができるようにすべきであろう。
【0107】
操作レバー14を自動的に径方向初期位置RAPに移動できるようにするために、操作装置10は、ねじりバネを有している。
【0108】
図1および図2によって示されている操作装置10の実施例は、さらに、2つの照明装置24とアイコン26とを有する。
【0109】
これらは、電子式パーキングブレーキ装置12または電子式常用ブレーキ装置の各動作状態を示す。
【0110】
そのため、例えば、2つの照明装置24が赤色LEDおよび緑色LEDとして構成されていることが考えられ、その際、緑色LEDは解除スイッチング状態S2Dの場合に点灯し、赤色LEDは操作スイッチング状態S2Pの場合に点灯する。
【0111】
操作スイッチング状態S2Pの場合に対しては、アイコン26は、さらなる照明装置(図1および図2には示されていない)を用いて照明可能である。
【符号の説明】
【0112】
10 操作装置
12 パーキングブレーキ装置
14 操作レバー
16 操作ボタン
18 収容要素
20 第1の回転ストッパ
22 第2の回転ストッパ
24 照明装置
26 アイコン
L 線路
S2P 操作スイッチング状態
S2D 解除スイッチング状態
DR1 第1の回転方向
DR2 第2の回転方向
TT トレーラ検査スイッチング状態
STR アンチジャックナイフブレーキスイッチング状態
GRA 段階的スイッチング状態
RAP 径方向初期位置
RUP 径方向切り替え位置
図1
図2
【国際調査報告】