(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-511247(P2020-511247A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】手持ちスキャナを有する3Dスキャナシステム
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20200319BHJP
A61C 19/04 20060101ALI20200319BHJP
【FI】
A61C19/00 Z
A61C19/04 Z
A61C19/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-551520(P2019-551520)
(86)(22)【出願日】2018年3月19日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月18日
(86)【国際出願番号】EP2018056842
(87)【国際公開番号】WO2018172257
(87)【国際公開日】20180927
(31)【優先権主張番号】PA201770195
(32)【優先日】2017年3月20日
(33)【優先権主張国】DK
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】508158023
【氏名又は名称】3シェイプ アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100174942
【弁理士】
【氏名又は名称】平方 伸治
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン イーバズ ハンスン
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052LL07
4C052NN02
4C052NN03
4C052NN04
4C052NN15
(57)【要約】
3Dスキャナシステム及びそのようなシステムを使用する方法が開示される。3Dスキャナシステムの手持ちスキャナは、例えば患者の上顎及び下顎の歯が走査される走査手順において使用者が外部ユニットに係わる必要がないように、システムの作動モードを制御するために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのステップを有する走査手順によって物体のデジタル3D表示を記録するための3Dスキャナシステムであって、前記スキャナシステムが、
−走査モードで作動されるとき前記物体について表面データを記録できる手持ちスキャナと、
−前記記録された表面データから前記物体のデジタル3D表示を生成するように構成された制御ユニットと、
−前記物体の前記デジタル3D表示を表示するためのディスプレイと、
を備え、
前記手持ちスキャナが、前記制御ユニットとの手動対話を可能にする1つ又は複数の対話装置を備え、
前記1つ又は複数の対話装置の第1タイプの起動が、前記システムが前記走査モードへ入れるようにし、
前記1つ又は複数の対話装置の第2タイプの起動が、前記スキャナシステムがメニューモードに入れるようにし、前記メニューモードにおいて、1つ又は複数のメニュー項目を含むメニューが前記ディスプレイ上に提示され、前記手持ちスキャナが提示された前記メニュー項目の中から選択を行うように構成される、
スキャナシステム。
【請求項2】
前記メニュー項目が前記走査手順の次のステップへ進むことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メニュー項目が、前記走査手順の前のステップを反復又は継続することを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記メニュー項目が、表示された前記デジタル3D表示の視界を調節できる検査モードへ入ることを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記手持ちスキャナが、少なくとも前記メニューモードで作動するとき前記手持ちスキャナの前記移動を検出するように構成された少なくとも1つのモーションセンサを備え、前記制御ユニットが、検出された前記移動をメニュー項目の選択へ変換するように構成される、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2タイプの起動の両方が、同じ前記対話装置で実施され、前記第1タイプの起動が前記対話装置の短時間起動を含み、前記第2タイプの起動が、所望の前記メニュー項目が選択されるまで前記対話装置の前記起動を維持することを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記第1及び第2タイプの起動の両方が、同じ前記対話装置で実施され、前記第1タイプの起動が、走査モードと非走査モードの間で変化するように更に構成される、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
メニューモードにおいて、前記スキャナシステムが非走査モードにある、請求項1〜7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記メニュー項目の少なくとも一部が、十字形に沿って又は前記選択項目が少なくとも部分的円形若しくは部分的リングを形成するように配列されるなど、中心の周りに放射状に配列される、請求項1〜8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記手持ちスキャナの前記配列が、前記メニューモードへ入るとき前記中心を画定する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
3Dスキャナシステムの手持ちスキャナを使用して患者の上顎及び下顎の歯を走査する方法であって、前記手持ちスキャナが、前記システムが走査モードで作動されるとき物体の表面データを記録でき、前記方法が、
−第1タイプの対話によって前記手持ちスキャナの第1対話装置を起動することによって前記スキャナシステムの前記走査モードへ入ることと、
−前記システムが走査モードにあるとき、前記顎の一方について表面データを記録することと、
−前記第1対話装置と又は前記手持ちスキャナの第2対話装置との第2タイプの対話によって前記スキャナシステムのメニューモードへ入ることであって、前記メニューが前記スキャナシステムのディスプレイ上に表示された1つ又は複数のメニュー項目を含む、入ることと、
−前記手持ちスキャナを使用して前記所望のメニュー項目を選択することと、
−前記選択されたメニュー項目に関連する動作を実施することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記選択されたメニュー項目が、走査モードへ入ることと前記顎の他方を走査することとである、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的に、手持ち3Dスキャナ及び少なくとも1つのディスプレイを備えるシステム及び方法に関するものであり、手持ち3Dスキャナはスキャナシステムの制御ユニットと対話する手段を与える。
【背景技術】
【0002】
口内走査によって患者の歯列のデジタル3D表示を記録する際、走査手順は、典型的には2つ又はそれ以上のステップに分割される。上顎及び下顎の歯の走査は、2つのステップを必要とし、歯が咬合されているときの歯の相対的配列に関する情報を提供するバイトスキャンが、第3ステップを形成する。操作者は、現在の走査が3つの走査のうちどれに関するものであるかを、スキャナシステムの制御ユニットに入力する必要がある。
【0003】
コンピュータマウス、スペースボール及びタッチスクリーンなど、走査手順を制御しかつ走査において記録されたデジタル3D表示を表示するソフトウェアのための様々なユーザー対話装置が、使用されている。これらの対話装置の操作のためには、物理的に装置に触れる必要がある。即ち、歯科医は、患者から手を離して、ユーザー対話装置に触れる必要がある。
【0004】
ユーザー対話装置に物理的に触れることは、患者間又は患者と操作者との間の相互汚染のリスクがあるので医療用には不利益である可能性がある。
【0005】
医療用の3Dデータ表示のためのノンタッチユーザーインターフェイスが、いくつか、文献に説明されている。Vogt他(2004)は、医療用3D画像化データの現場可視化のためのタッチレス対話システムについて説明する。このユーザーインターフェイスは、反射性マーカーの追跡を基本とし、医師の頭にカメラが取り付けられる。Graetzel他(2004)は、手ぶりをマウス動作として解釈するタッチレスシステムについて説明する。これは、立体視に基づくものであり、最小限の侵襲性の手術に使用するためのものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それでも、3Dスキャナシステムの制御ユニットと対話するためのユーザーインターフェイスを必要とするシステムを改良する問題が残る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも2つのステップを有する走査手順によって物体のデジタル3D表示を記録するための3Dスキャナシステムを開示する。スキャナシステムは、
−走査モードで作動されるとき物体について表面データを記録できる手持ちスキャナと、
−記録された表面データから物体のデジタル3D表示を生成するように構成された制御ユニットと、
−物体のデジタル3D表示を表示するためのディスプレイと、
を備え、
手持ちスキャナは、制御ユニットとの手動対話を可能にする1つ又は複数の対話装置を備え、
1つ又は複数の対話装置の第1タイプの起動は、スキャナシステムが走査モードへ入れるようにし、
1つ又は複数の対話装置の第2タイプの起動は、スキャナシステムがメニューモードへ入れるようにする。メニューモードにおいて、1つ又は複数のメニュー項目を含むメニューがディスプレイに提示され、手持ちスキャナは、提示されたメニュー項目の中から選択を行えるように構成される。
【0008】
1つ又は複数の対話装置は、操作者が手を手持ちスキャナから離して外部の非滅菌の可能性のある設備に触れる必要なく、作動モードを手動で切り替えられる、と言う利点を与える。
【0009】
1つ又は複数の対話装置を介してメニューモードへ入ることは、まず操作者にメニューが提示されると言う利点を与える。メニューは、1つ又は複数の対話装置の第2タイプの起動によってディスプレイ上に現れる。
【0010】
典型的に、先行技術においては、メニューは、マウス、キーボード、スペースボール又はこれに類似するものを押すなど、非一体化装置のボタンにタッチすることによって操作者に提示される。
【0011】
手持ちスキャナに一体化された対話装置を使用することによって、操作者には、効率的にメニューが提示される。非一体化装置のボタンを押す代わりに、操作者は、手持ち装置を使用してメニューへ入れる。このステップだけでも、操作者が別の装置に触れることを省く。更に、走査システムのいくつかの実施形態において、使用者は、他の起動装置の使用に依存しない。このようにして、操作者は、手術場所からメニューへ入ることができる。操作者は、例えば、コンピュータ又はタッチスクリーンに接続された起動装置を押すために手術場所から離れた場所の外部コンピュータ又はタッチスクリーンへ移動する必要がない。
【0012】
概略的に、本開示は、他の装置及び/又は起動装置を触ることによって汚染することなく、少なくとも効率よくメニューを開くことができる装置を提供する。
【0013】
記録された表面データは、生成されたデジタル3D表示が患者の歯の形状及び相対的配列を表すように、少なくとも歯のトポグラフィに関するトポグラフィデータを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、手持ちスキャナは、テクスチャデータ、蛍光データ及び/又はIRデータ記録することができる。
【0015】
歯の色調若しくは色を表すテクスチャデータ又は歯の診断情報を与える蛍光データ若しくはIRデータなど、他の種類のデータも歯から記録できる。これらの更なる種類のデータは、トポグラフィデータと一緒に又は別個のステップで記録できる。後者の場合、メニューモードで操作者に提示されるメニューは、対応する選択項目を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、制御ユニットは、データプロセッサと非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備え、記憶媒体に、コンピュータプログラム製品がデータプロセッサによって実行されたとき記録された表面データからデジタル3D表示を生成するための命令を含むコンピュータプログラム製品が記憶される。
【0017】
3Dスキャナシステムの手持ちスキャナを使用して患者の上顎及び下顎の歯を走査する方法を開示する。手持ちスキャナは、システムが走査モードで作動されるとき物体の表面データを記録できる。方法は、
−第1タイプの対話によって手持ちスキャナの第1対話装置を起動することによってスキャナシステムの走査モードへ入ることと、
−システムが走査モードのときに一方の顎について表面データを記録することと、
−第1対話装置との又は手持ちスキャナの第2起動装置との第2タイプの対話によってスキャナシステムのメニューモードへ入ることであって、メニューが、スキャナシステムのディスプレイ上に表示された1つ又は複数のメニュー項目を含む、メニューモードへ入ることと、
−手持ちスキャナを使用して所望のメニュー項目を選択することと、
−選択されたメニュー項目に関連する動作を実施することと、
を含む。
【0018】
上述のように、患者の歯についてデジタル3D表示を記録することに関与する走査手順は、しばしば、一方の顎の歯が走査される第1走査ステップと、他方の顎の歯が走査される第2走査ステップとを含む。最終的に、歯が咬合時にどのように配列されるかについての情報を提供するためにバイトスキャンが記録される。このような状況において、走査シーケンスは下記の通りである。即ち、
第1ステップ:下顎のデジタル3D表示を記録するために下顎を走査する
第2ステップ:上顎のデジタル3D表示を記録するために上顎を走査する
第3ステップ:バイトスキャンを記録する
【0019】
いくつかの実施形態において、メニュー項目は、走査手順の次のステップへ進むことを含む。患者の歯のデジタル3D表示を記録するための手順において、次のステップは、例えば、前のステップにおいて走査された顎に対向する顎を走査すること、又は、咬合時の歯の相対的配列を検出するために使用されるバイトスキャンである。
【0020】
いくつかの実施形態において、メニュー項目は、走査手順において前のステップを反復すること又は継続することを含む。前のステップの走査が又は走査結果の検査が、走査対象をより良くカバーするために更なるデータを必要とすることを示す場合、歯科医は、前のステップを反復又は継続することを選択できる。
【0021】
いくつかの実施形態において、メニュー項目は、表示されたデジタル3D表示の視界を調節できる検査モードへ入ることを含む。検査モードにおいて、ディスプレイに表示される記録された3Dジオメトリの視界は、例えば少なくとも1つのモーションセンサによって測定される手持ちスキャナの移動によって決定できる。
【0022】
歯から更なるデータ例えば蛍光及び/又はカラーデータが記録される場合、これらは、検査モードにおいて歯のデジタル3D表示と一緒に見ることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、手持ちスキャナは、少なくともメニューモードで作動するとき手持ちスキャナの移動を検出するように構成された少なくとも1つのモーションセンサを備え、制御ユニットは、検出された移動をメニュー項目の選択へ変換するように構成される。
【0024】
モーションセンサは、MEMS加速計、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、磁気計、音響センサ、光学及び赤外線センサ、誘導ループ検出器、摩擦電気、震動、慣性スイッチセンサ、超音波センサ、マイクロ波レーダーセンサ、又は赤外線レーザーレーダー、超音波センサ又はマイクロはレーダーセンサなどの伝導エネルギーの反射に基づくセンサ、を含むことができる。
【0025】
モーションセンサは、手持ちスキャナの回転及び/又は移動をメニュー項目の選択に変換できるように、回転及び/又は移動を検出するように構成される。これによって、操作者は、適切な方向に手持ちスキャナを回すことによって所望のメニュー項目を選択できる。例えば、所望の選択項目が、表示されたメニュー項目の中央より上にある場合、操作者は手持ちスキャナに対応する上下動(tilt)を与えるか、又は所望する選択項目が中央の左にある場合、操作者は、手持ちスキャナの遠位端をその方向に回す。
【0026】
いくつかの実施形態において、第1及び第2タイプの起動は、両方とも、同じ対話装置で実施され、第1タイプの起動は、対話装置の短時間の起動を含み、第2タイプの起動は、所望のメニュー項目が選択されるまで対話装置の起動を維持することを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1及び第2タイプの起動は、両方とも同じ対話装置で実施される。第1タイプの起動は、更に、走査モードと非走査モードとの間で変化するように構成される。例えば、同じ対話装置は、最初のタッチによって操作者が患者を走査できるようにスキャナをスタートするボタンとすることができる。第2タッチ(例えばボタンが押されている時間に関して第1タッチと同様である)によって、スキャナは走査を停止する。
【0028】
いくつかの実施形態において、メニューモードのとき、スキャナシステムは非走査モードである。メニューモードから出ても、スキャナシステムは非走査モードのままである。第1タイプの起動が起動されると、走査システムは非走査モードから走査モードへ変化する。
【0029】
いくつかの実施形態において、メニュー項目の少なくとも一部は、十字形に又は選択項目が少なくとも部分的円形又は部分的リングを形成するように配列されるなど、中心の周りに放射状に配列される。
【0030】
いくつかの実施形態において、メニュー項目は同心的に配列される。
【0031】
いくつかの実施形態において、メニューモードへ入るとき手持ちスキャナの配列は中心を画定する。放射状に配列されたメニュー項目は、手持ちスキャナを回す方向に基づいて簡単に選択できる。
【0032】
いくつかの実施形態において、選択されたメニュー項目は、走査モードへ入り、他方の顎を走査するためのものである。
【0033】
いくつかの実施形態において、対話装置は、1つ又は複数のスイッチ、ボタンまたは接触子を備える。
【0034】
手持ち装置は走査時に保持されるものなので、対話装置は、操作者が手持ち装置を保持しながら対話装置を使用できるように、手持ち装置上に配置されることが好ましい。
【0035】
走査モードに加えて、スキャナは、例えば診断のために歯から蛍光又は赤外線を記録するように構成されるモードなど、他の記録モードへ入ることができる。メニューは、この場合、これらの更なる記録モードに関係する選択項目を含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、メニュー項目は、高品位モードへ入ることを含む。このモードにおいて、システムは、デジタル3D表示を記録するために使用されるより高い空間解像度で単一サブスキャンを記録する。
【0037】
本発明は、以上および以下に説明するシステム及び方法、並びに、各々上述の第1形態に関連して説明した利点及び利益の1つ又はそれ以上を生じかつ各々第1形態に関連して説明する及び/又は特許請求の範囲において開示する実施形態に対応する1つ又はそれ以上の実施形態を有する対応するシステム及び方法を含む様々な形態に関するものである。
【0038】
特に、本明細書において、口内スキャナと少なくとも1つのディスプレイとを備えるシステムを開示する。システムは、
−口内スキャナが患者の歯列の3Dジオメトリを記録するように構成される、走査モード、及び
−1つ又は複数のメニュー項目を含むメニューがディスプレイに提示され、口内スキャナがメニューに提示される選択項目から選択を行うように構成される、メニューモード、
で作動でき、口内スキャナは、モードの間で選択を行えるように作られる。
【0039】
本発明の上述及び/又は付加的な目的、特徴及び利点は、添付図面を参照する本発明の実施形態の下記の例示的かつ非限定的な詳細な説明によって更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】口内走査のための3Dスキャナシステムを示す。
【
図1B】口内走査のための3Dスキャナシステムを示す。
【
図3A】ディスプレイ上のメニュー項目の配列の更なる例を示す。
【
図3B】ディスプレイ上のメニュー項目の配列の更なる例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
下記の説明において、発明を実施するための形態を例示的に示す添付図面を参照する。
【0042】
図1Aは、口内走査のための3Dスキャナシステムの概略図である。システムは、手持ちスキャナ101を有し、走査モードで作動されるとき患者102の歯の表面データを記録できる。制御ユニット103は、データプロセッサと、非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を有し、この記憶媒体には、手持ちスキャナによって記録された表面データからデジタル3D表示104を生成するための命令を含む、コンピュータプログラム製品が記憶される。歯のデジタル3D表示104は、ディスプレイ105上に表示される。
【0043】
手持ちスキャナは、対話装置106を有しており、対話装置は、使用者が手持ちスキャナの握りを動かすことなく容易に触れられるように配置されている。対話装置106は、使用者が対話装置を起動することによってシステムを作動できるように、制御ユニットとの手動対話を可能にする。制御ユニットの中のコンピュータプログラム製品は、更に、対話装置に与えられる起動のタイプを識別するための命令を有する、又は、対話装置自体が、このタイプを検出して、この情報を制御ユニットへ送信できる。
【0044】
スキャナシステムは、少なくとも2つのモード、即ち走査モード及びメニューモードで作動できる。対話装置が第1タイプの対話に従って起動されるとき、走査モードへ入り、第2タイプの対話によってメニューモードへ入る。
【0045】
ワークフローの1つの例において、システムは、当初、走査モードであり、歯科医は、下顎の走査を開始する準備が完了している。走査を開始する際、操作者は、手持ちスキャナの接触子を短く押す。下顎の歯の形状を表す第1デジタル3D表示が、手持ちスキャナを使って記録される。歯科医が下顎について充分なデータを得たと考えたら、接触子を押してそのまま押し下げていることによってメニューモードを起動する。メニューモードにおいて、「検査モード」、「次へ(Next)」、「戻る(Back)」など数個の選択項目が歯科医に提示される。歯科医は、手持ち装置を対応する方向に回し、「検査モード」項目が強調されたら接触子を解除することによって、検査モードを選択できる。
【0046】
検査モードにおいて、歯科医は、手持ちスキャナを使用して第1デジタル3D表示を回転させて様々な視点から第1デジタル3D表示を見ることによって、第1走査の結果を検査できる。結果に満足したら、歯科医は、走査シーケンスの次のステップへ進むために、手持ちスキャナ上の接触子を再び押して、メニューモードへ入り、メニューモードにおいて、「次へ」項目へ手持ち装置を向けて、接触子を解除する。歯科医及び患者の準備が整ったら、歯科医は、上顎の歯の形状を示す第2デジタル3D表示を記録するために、接触子を短く押して、上顎の歯の走査を開始する。第2デジタル3D表示の記録及び検査が済んだら、歯科医は、再びメニューの「次へ」項目を選択して、バイトスキャンの記録へ進む。バイトスキャンは、歯科医が短く接触子を押すと開始される。
【0047】
したがって、開示する3Dスキャナシステムは、使用者が、物理的に外部装置に係わる必要なく、必要とされる患者の歯のデジタル3D表示を記録できるようにする。
【0048】
図1Bは、手持ち口内スキャナ101の画像を示す。接触子106は、使用者がスキャナを手に持ちながら接触子に容易に触れられるように構成される。使用者は、走査時と同様にスキャナを保持しながら接触子に触れることができる。ディスプレイ105には、患者の一方の顎の歯のいくつかのデジタル3D表示104が示される。
【0049】
図2は、システムがメニューモードに入ったときシステムのディスプレイ上に提示されるメニューのスクリーンショットを示す。
図2A及び
図2Bに示すメニュー210は、5つの選択項目を有する。即ち、
1.「次へ」211、即ち、走査シーケンスの次のステップへ進む
2.「戻る」212、即ち、走査シーケンスの前のステップへ戻る
3.「HDフォト」213、即ち、高空間解像度の単一サブスキャンを記録する
4.「検査モード」214、即ち、それ以前の走査を見ることができるモードへ入る
5.「キャンセル」215、即ち、前のモードへ戻る
【0050】
メニューは、走査手順の第1ステップにおいて記録されたデジタル3D表示の上に可視化される。システムを
図1に関連して説明すると、使用者が対話接触子を押し続けると、メニューモードへ入る。メニューモードへ入ると、
図2Aに示すように、メニューの中央部が強調されて、次の動作のために現在の選択を示す。中央部は「キャンセル」項目なので、この選択の接触子を解除すると、システムを前のモードへ戻す。
【0051】
他の4つの選択項目は、使用者が対応する方向に手持ち装置を転じることによって所望の選択項目を選択できるように、中心の周りに放射状に配列されて、リングを形成する。例えば、走査シーケンスの次のステップへ進むことを選択するには、使用者は、「次へ」項目が強調される(
図2B)まで接触子を押し続けながら手持ちスキャナを右へ転じる。使用者は、その後、接触子を解除し、それによって、「次へ」項目が選択され、走査システムは、スキャンシーケンスの次のステップを開始する準備が整う。
【0052】
図3は、ディスプレイ上のメニュー310の選択項目の配列の更なる例を示す。
【0053】
図3Aにおいて、
図2Aに関連して説明した5つのメニュー項目は、使用者が手持ちスキャナをどの方向に転じるかではなくどれだけ転じるかに応じてメニュー項目311、312、313、314及び315を選択するように、同心的に配列される。現在選択される選択項目の強調は、この場合にも、制御システムとの使用者の対話を支援できる。
【0054】
図3Bにおいて、同じ5つのメニー項目311、312、313、314及び315は、選択が移動の方向に基づくように十字形に配列される。選択項目がディスプレイ上に3x3の格子を形成するように、更なる選択項目317、318、319及び320を追加することもできる。更なる選択項目は、例えば、蛍光又はIR走査/画像化などの記録モードに関連できる。
【0055】
いくつかの実施形態について詳細に説明し図示したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲において規定される内容の範囲内で他の様式でも実現できる。特に、他の実施形態が、本発明の範囲から逸脱することなく利用でき、構造的及び機能的修正を加えることができることが分かるはずである。
【0056】
数個のミーンズを列記するデバイスクレームにおいて、これらのミーンズのいくつかは、1つの同じハードウェア項目によって実現できる。特定の手段が相互に異なる従属クレームにおいて言及される又は異なる実施形態において説明されることは、これらの手段の組合せを有利に利用できないことを示さない。
【0057】
請求項は先行する請求項のいずれかに言及してもよく、「いずれか」とは、先行する請求項の「いずれか1つ又はそれ以上」を意味するものとする。
【0058】
「含む(備える)(comprise)」と言う語が本明細書において使用される場合、示される特徴、数、ステップ又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、数、ステップ、又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことを、強調しなければならない。
【0059】
上記及び下記の方法の特徴は、ソフトウェアで実現されてもよく、コンピュータ実行可能な命令の実行によって生じるデータ処理システムまたは他の処理手段において実行されてもよい。命令は、記憶媒体から又はコンピュータネットワークを介して別のコンピュータからRAMなどのメモリにロードされたプログラムコード手段とすることができる。代替的に、上述の特徴は、ソフトウェアの代わりに又はソフトウェアと組み合わせてハードワイヤ回路によって実現できる。
【手続補正書】
【提出日】2019年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
医療用の3Dデータ表示のためのノンタッチユーザーインターフェイスが、いくつか、文献に説明されている。Vogt他(2004)は、医療用3D画像化データの現場可視化のためのタッチレス対話システムについて説明する。このユーザーインターフェイスは、反射性マーカーの追跡を基本とし、医師の頭にカメラが取り付けられる。Graetzel他(2004)は、手ぶりをマウス動作として解釈するタッチレスシステムについて説明する。これは、立体視に基づくものであり、最小限の侵襲性の手術に使用するためのものである。
米国特許出願公開第2016/0259515号明細書では、複数のユーザ対話装置を有する3D走査システムが開示されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内走査して少なくとも2つのステップを有する走査手順によって物体のデジタル3D表示を記録するように適合された3Dスキャナシステムであって、前記スキャナシステムが、
−走査モードで作動されるとき前記物体について表面データを記録できる手持ちスキャナ(101)と、
−前記記録された表面データから前記物体のデジタル3D表示(104)を生成するように構成された制御ユニット(103)と、
−前記物体の前記デジタル3D表示を表示するためのディスプレイ(105)と、
を備え、
前記手持ちスキャナが、前記制御ユニットとの手動対話を可能にする1つの対話装置(106)を備え、
前記1つの対話装置(106)の第1タイプの起動が、前記システムが前記走査モードへ入れるようにし、
前記1つの対話装置(106)の第2タイプの起動が、前記スキャナシステムがメニューモードに入れるようにし、前記メニューモードにおいて、1つ又は複数のメニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)を含むメニュー(210,310)が前記ディスプレイ(105)上に提示され、前記手持ちスキャナ(101)が提示された前記メニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)の中から選択を行うように構成され、
前記第1及び第2タイプの起動の両方が、前記1つの対話装置(106)で実施され、前記第1タイプの起動が前記対話装置(106)の短時間起動を含み、前記第2タイプの起動が、所望の前記メニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)が選択されるまで前記対話装置の前記起動を維持することを含む、
ことを特徴とする、スキャナシステム。
【請求項2】
前記メニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)が前記走査手順の次のステップへ進むことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)が、前記走査手順の前のステップを反復又は継続することを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記メニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)が、表示された前記デジタル3D表示(104)の視界を調節できる検査モードへ入ることを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記手持ちスキャナ(101)が、少なくとも前記メニューモードで作動するとき前記手持ちスキャナ(101)の前記移動を検出するように構成された少なくとも1つのモーションセンサを備え、前記制御ユニット(103)が、検出された前記移動をメニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)の選択へ変換するように構成される、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2タイプの起動の両方が、同じ前記対話装置(106)で実施され、前記第1タイプの起動が、走査モードと非走査モードの間で変化するように更に構成される、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
メニューモードにおいて、前記スキャナシステムが非走査モードにある、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記メニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)の少なくとも一部が、十字形に沿って又は前記選択項目が少なくとも部分的円形若しくは部分的リングを形成するように配列されるなど、中心の周りに放射状に配列される、請求項1〜7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記手持ちスキャナ(101)の前記配列が、前記メニューモードへ入るとき前記中心を画定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
3Dスキャナシステムの手持ちスキャナ(101)を使用して患者の上顎及び下顎の歯を走査する方法であって、前記手持ちスキャナ(101)が、前記システムが走査モードで作動されるとき物体の表面データを記録でき、前記方法が、
−第1タイプの対話によって前記手持ちスキャナ(101)の1つの対話装置(106)を起動することによって前記スキャナシステムの前記走査モードへ入ることと、
−前記システムが走査モードにあるとき、前記顎の一方について表面データを記録することと、
−前記手持ちスキャナの前記1つの対話装置(106)との第2タイプの対話によって前記スキャナシステムのメニューモードへ入ることであって、前記メニュー(210,310)が前記スキャナシステムのディスプレイ(105)上に表示された1つ又は複数のメニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)を含む、入ることと、
−前記手持ちスキャナ(101)を使用して前記所望のメニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)を選択することと、
−前記選択されたメニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)に関連する動作を実施することと、
を含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記選択されたメニュー項目(211,212,213,214,215,311,312,313,314,315,317,318,319,320)が、走査モードへ入ることと前記顎の他方を走査することとである、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】