(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-511441(P2020-511441A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】架橋性有機金属発光配位子および錯体
(51)【国際特許分類】
C07D 213/16 20060101AFI20200319BHJP
C07D 213/30 20060101ALI20200319BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20200319BHJP
H01L 51/05 20060101ALI20200319BHJP
H01L 51/30 20060101ALI20200319BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20200319BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20200319BHJP
C07F 15/00 20060101ALN20200319BHJP
C09K 11/06 20060101ALN20200319BHJP
【FI】
C07D213/16
C07D213/30
C07D401/04
H01L29/28 100A
H01L29/28 250F
H05B33/14 B
H05B33/22 B
H05B33/22 D
H05B33/10
C07F15/00 ECSP
C07F15/00 F
C09K11/06 680
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2019-548410(P2019-548410)
(86)(22)【出願日】2018年2月28日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月1日
(86)【国際出願番号】GB2018050519
(87)【国際公開番号】WO2018162880
(87)【国際公開日】20180913
(31)【優先権主張番号】1703525.4
(32)【優先日】2017年3月6日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514285519
【氏名又は名称】ロモックス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LOMOX LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャッド、ルーク
(72)【発明者】
【氏名】アルドレッド、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】コッチ、ジーン シー.
【テーマコード(参考)】
3K107
4C055
4C063
4H050
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC10
3K107CC45
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3K107FF14
3K107GG06
3K107GG12
3K107GG28
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA08
4C055BA16
4C055BB02
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4C055CA01
4C055CA02
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4C063AA01
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4C063CC12
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4C063EE10
4H050AA01
4H050AB92
4H050WB11
4H050WB13
4H050WB14
4H050WB21
(57)【要約】
本発明は、第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子に関し、該第一配位子中心はsp
2混成炭素または窒素原子であり、該第二配位子中心は5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T
1を有し、該T
1は式(1)−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−Bで示され、かつ、該T
1はX
1によって該環に結合し、該X
1は結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、各Ar
1およびAr
2は独立にC
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から選択され、Y
1および各Y
2は独立に置換されていてもよいC
2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分であり、aは0、1、2または3であり、bは0、1または2であり、各cは独立に0、1または2であり、dは0、1、2、3または4であり、Sは柔軟スペーサであり、Bは1個またはそれ以上の架橋性官能基を有する部分を示す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子であって、
該第一配位子中心は、sp2混成炭素または窒素原子であり、
該第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T1を有し、
該T1は、下記の式1で示され、
−Ar1a−Y1b−Ar2−[Y2c−Ar2]d−S−B (1)
かつ、該T1はX1によって該環に結合し、該X1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、
各Ar1およびAr2は独立に、C6〜C20芳香族基およびC4〜C20ヘテロ芳香族基の群から選択され、
Y1および各Y2は独立に、置換されていてもよいC2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
各cは独立に、0、1または2であり、
dは、0、1、2、3または4であり、
Sは、柔軟スペーサであり、かつ
Bは、1個またはそれ以上の架橋性官能基を有する部分を示す、
1,4二座配位子。
【請求項2】
bが1または2である、請求項1に記載の1,4二座配位子。
【請求項3】
各Ar1およびAr2が、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、ピレン−2,7−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フルオレン−3,6−ジイル、9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジアルキルフルオレン−3,6−ジイル、9−(1’−アルキリデン)フルオレン−2,7−ジイル、2,5−ジアルコキシベンゼン−1,4−ジイル、m−キシレン、p−キシレン、デュレンから成る群から独立に選択される芳香族ジラジカル、および/または、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ビス[1]ベンゾチオフェン−3,9−ジイル、ジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2,7−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、2,2’−ジチオフェン−5,5’−ジイル、4,7−ジチエン−2−イル−2,1,3−ベンゾチアゾール−5’,5’’−ジイル、4−アルキル−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイル、4−チエン−2−イル−2,1,3−ベンゾチアゾール−7,5’−ジイル、5,5−ジオキソジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、5,11−ジアルキルインドロ[3,2−b]カルバゾール−3,9−ジイル、5,11−ジヒドロインドロ[3,2−b]カルバゾール−2,8−ジイル、9−アルキルカルバゾール−2,7−ジイル、9−アルキルカルバゾール−3,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン−2,6−ジイル、イミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5−ジイル、オキサゾール−2,5−ジイル、オキサゾロ[4,5−d]オキサゾール−2,5−ジイル、オキサゾロ[5,4−d]オキサゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、5,5−ジアルキル−5H−ジベンゾ[b,d]シロール、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、チアゾロ[4,5−d]オキサゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[4,5−d]チアゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[5,4−d]オキサゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[5,4−d]チアゾール−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイルおよび1,2,4,5−テトラジン−3,6−ジイルから成る群から独立に選択されるヘテロ芳香族ジラジカルである、請求項1または2に記載の1,4二座配位子。
【請求項4】
Sが式2で示され、
−K−S1−K− (2)
式中、
S1は、直鎖または分岐C4−C14アルキル基であり、アセタール、ケタール、ペルオキシドまたはビニルエーテルがS基に存在しないことを条件として、1〜10個のCH2基はそれぞれ酸素によって置換されていてもよく、かつ
各Kは、結合またはエーテル結合、エステル結合もしくはカーボネート結合から独立に選択される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の1,4二座配位子。
【請求項5】
S1が線状C7アルキル鎖であり、かつ/またはBがメタクリレートである、請求項4に記載の1,4二座配位子。
【請求項6】
Bが式3または式4で示され、
−B1 (3)
−Z(−S−B1)2 (4)
式中、
B1は、エチレン、ジエン、チオールおよびオキセタン架橋性基から成る群から選択される架橋性官能基であり、
Zは、直鎖C1−C12アルキル基、C1−C12ハロアルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C6−C16アリール基またはC4−C15ヘテロアリール基であり、かつ
Sは式2で示される、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の1,4二座配位子。
【請求項7】
第一配位子中心が6員の芳香環またはヘテロ芳香環に存在し、該環が実質的に線状の置換基T2を該第一配位子中心のメタ位に有し、
該T2は式1で示され、T1と同じであっても異なってもよく、該T2はX2によって該環に結合し、該X2は結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、かつ
該T2は該第一配位子中心のメタ位に存在する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の1,4二座配位子。
【請求項8】
第一配位子中心がsp2混成炭素であり、6員芳香環の一部を構成し、かつ/または
第二配位子中心が6員芳香環、好ましくはピリジンの一部を構成する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の1,4二座配位子。
【請求項9】
イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはルテニウム(II)に配位結合した1個またはそれ以上の請求項1〜8のいずれか1項に記載の1,4二座配位子を含有する錯体。
【請求項10】
八面体ビス−ヘテロレプティックまたはトリス−ヘテロレプティック構造、または平面正方形ビス−ホモレプティックまたはビス−ヘテロレプティック構造を有する、請求項9に記載の錯体。
【請求項11】
2個の1,4二座配位子を有し、各該1,4二座配位子が、同じT1および存在する場合にT2置換基を有する、請求項9に記載の錯体。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載の錯体およびネマティック液晶材料を含有する組成物であって、該ネマティック液晶材料が好ましくは架橋性である組成物。
【請求項13】
1〜50wt%の錯体、より好ましくは5〜30wt%の錯体を含有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の配位子、または請求項9〜11のいずれか1項に記載の錯体、または請求項12または13に記載の組成物を、放射線、場合により紫外線に、曝露することによって形成されるネットワークポリマー。
【請求項15】
請求項14に記載のネットワークポリマーを含有する1つまたはそれ以上の電荷輸送層および/または発光性層を含有するデバイス。
【請求項16】
デバイスがOLEDデバイス、光起電力デバイスまたは薄膜トランジスタ(TFT)デバイスである、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
電子輸送層または正孔輸送層にそれぞれ直接隣接して与えられる正孔輸送層または電子輸送層に、請求項14に記載のネットワークポリマーが与えられる、請求項15または16に記載のデバイス。
【請求項18】
デバイスが光放出発光性層を有するOLEDデバイスであり、該OLEDデバイスにおいて、請求項14に記載のネットワークポリマーが発光性層の中に均一整列液晶構造を形成し、それによって光放出発光性層が直線偏光を発する、請求項15または16に記載のデバイス。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか1項に記載のデバイスの形成方法であって、該形成方法が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の配位子、または請求項9〜11のいずれか1項に記載の錯体、または請求項12または13に記載の組成物を含有する層を準備すること、該層を放射線、好ましくは紫外線で選択的に照射してネットワークポリマーを形成すること、およびあらゆる非照射非重合配位子または錯体を洗浄除去することを含む形成方法。
【請求項20】
請求項19に記載の形成方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の配位子、または請求項9〜11のいずれか1項に記載の錯体、または請求項12または13に記載の組成物を含有するさらなる層を準備すること、該層を放射線、好ましくは紫外線で選択的に照射してネットワークポリマーを形成すること、およびあらゆる非照射非重合配位子または錯体を洗浄除去することをさらに含む形成方法。
【請求項21】
請求項20に記載の形成方法によって得られるデバイスであって、パターン化構成物をそれぞれ形成する2つまたはそれ以上のネットワークポリマーを含有し、該構成物が本質的にエレクトロルミネセンス性である材料から成り、1つのパターン化構成物によって発するエレクトロルミネセンスの波長が、少なくとも1つの他のパターン化構成物によって発するエレクトロルミネセンスの波長と異なるデバイス。
【請求項22】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の配位子を合成するための、第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子であって、
該第一配位子中心は、sp2混成炭素または窒素原子であり、
該第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T1を有し、
該T1は、下記の式1で示され、
−Ar1a−Y1b−Ar2−[Y2c−Ar2]d−S−LG (1)
かつ、該T1はX1によって該環に結合し、該X1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、
各Ar1およびAr2は独立に、C6〜C20芳香族基およびC4〜C20ヘテロ芳香族基の群から選択され、
Y1および各Y2は独立に、置換されていてもよいC2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
各cは独立に、0、1または2であり、
dは、0、1、2、3または4であり、
Sは、柔軟スペーサであり、かつ
LGは、脱離基を示す、
1,4二座配位子。
【請求項23】
第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子であって、
該第一配位子中心は、sp2混成炭素または窒素原子であり、
該第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T1を有し、
該T1は、下記の式1で示され、
−Ar1a−Y1b−Ar2−[Y2c−Ar2]d−S2 (1)
かつ、該T1はX1によって該環に結合し、該X1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、
各Ar1およびAr2は独立に、C6〜C20芳香族基およびC4〜C20ヘテロ芳香族基の群から選択され、
Y1および各Y2は独立に、置換されていてもよいC2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
各cは独立に、0、1または2であり、
dは、0、1、2、3または4であり、
S2は、Hを末端とする柔軟スペーサ、またはHである、
1,4二座配位子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋性配位子、および、例えば、該配位子を含有する式L
1L
2MAの八面体ビス−ヘテロレプティックおよびトリス−ヘテロレプティック架橋性発光遷移金属錯体、特に、イリジウム(III)、白金(II)、ルテニウム(II)およびオスミウム(II)錯体、ならびに、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)デバイスにおける燐光発光体としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、有機材料のフィルムを含む発光性エレクトロルミネセント材料を含有する発光ダイオードである。OLEDの発光性有機層は、通常、2つの電気的接触層に挟まれている。ダイオードに好適な電圧が印加された場合に発光する。高効率のために、発光性層(emissive layer)に加えて、OLEDデバイスは、発光性層と電気的接触層の間に配置された電荷輸送材料の層も組み込みうる。これらの電荷輸送層は、正孔輸送材料または電子輸送材料のいずれかを含有することができ、これらの輸送材料は、デバイスを通って発光性層への電荷担持正孔および電荷担持電子の移行を促進する役割を果たし、該発光性層において、それらが結合して励起子と呼ばれる束縛状態を形成することができる。励起子における電子は、やがて、放射線(これはOLEDデバイスにおいて、ほとんどの場合、可視領域の周波数である)を発することによって緩和して低エネルギー状態になる。
【0003】
OLEDデバイスの製造に使用するのに好適な向上した特性を有する新材料の開発に、現在かなりの関心が持たれている。例えば発光体として機能する材料に特に興味が持たれている。向上したOLEDデバイス、特に最適な発光出力、エネルギー効率および寿命を有するデバイスを製造するために、多くの材料が長年にわたって開発されている。これらの材料のなかで、特に注目すべき種類は、OLEDにおける燐光発光体として機能することができる有機金属材料のファミリ、例えば、八面体イリジウム(III)錯体である。2個の同一の二座炭素窒素配位子、および一対の補助配位子または単一の二座補助配位子のいずれかを有する八面体イリジウム(III)錯体は、特に興味の持たれるものであることが分かり、燐光発光体としての広範囲な用途が見出されている。有機金属発光体は、それらの利用可能なf軌道が、純粋有機発光体には得られない発光経路を可能にするので、特に有効である。そのような錯体の、金属−配位子電荷移動(metal−to−ligand charge transfer:MLCT)特性は、WildeらのJ.Phys.Chem.1991,95.629−634に記載されている。そのような化合物のさらなる例は、Thompsonらの米国特許第6830828号に記載されている。
【0004】
それらの高発光効率にも関わらず、先行技術の有機金属発光体の実際的適用は課題がないわけではない。例えば、従来のOLEDデバイスにおける発光体錯体は等方的に配向されている、すなわち、発光体錯体はランダムに配向されているので、それらは等方的に、すなわち全方向に発光する。発光体の等方的配向の結果として、発光体が発する光の一部のみがデバイスから出力される。かなりの割合の残留光エネルギーが、デバイスを形成する材料によって内部で吸収される。したがって、先行技術を形成する材料を組み込んだ現在のOLEDデバイスの有効性には限界がある。
【0005】
Chemistry of Material,2013,25,2352−2358は、従来のビス[4,6−(ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C錯体と比較して向上した溶解性を有するイリジウム錯体を製造するために、フェニルピリジン配位子の官能化を開示している。
【0006】
Dalton Trans.,2011,40,12765は、いくつかの官能化フェニルピリジンイリジウム錯体の、1光子光物理学および2光子吸収スペクトルを開示している。特に、Dalton Trans.,2011,40,12765は、下記に示すIr(4−pe−2−ppy)
2(acac)の2光子吸収スペクトルを開示している。
【化1】
【0007】
Dalton Trans.,2016,45,11496−11507は、4−アリール−2−フェニルピリジンおよびそれらの対応するイリジウム錯体を合成するための有機リチウム試薬の使用を開示している。4−アリール−2−フェニルピリジン配位子を含有する錯体は、OLEDに使用されるいくつかの最も一般的な多用途小分子発光体の1つである。Dalton Trans.,2016,45,11496−11507は、前記配位子の製造のための汎用合成経路を教示している。
【0008】
したがって、非ランダム的、異方的に発光する材料を製造することが非常に望ましい。本発明の目的は、指向的または異方的に発光することができる新しい発光体材料を提供することである。いくつかの例において、本発明の材料は、発光体層における本質的に高度の構造秩序を有する隣接材料、例えば液晶材料と整列させることができ、それによって結果的に異方的に発光する高構造秩序を有する発光性層を提供する。
【0009】
さらに、本発明のさらなる注目すべき目的は、現在の有機金属発光体より簡単な方法で処理することができる材料を提供することである。現在、有機金属発光体種は、低圧条件下に蒸気として付着される場合が多い。本発明の材料は、一般的溶剤、例えば有機溶剤中の溶液から制御的に付着させて、例えば減圧下に溶剤が蒸発したときにフィルムを形成することができ、次に、架橋によって、例えば、得られたフィルムを放射線、例えば紫外線に曝露することによって、所定の位置に固定することができる。得られたフィルムは不溶性であり、次に、同様の溶液付着、蒸発および架橋法を使用して、さらなる機能層で被覆することができる。したがって、本発明の目的は、デバイス製造工程の簡単化を可能にする材料を提供することである。製造工程の簡単化は、新しいデバイス構成を可能にすることができ、商品原価を低減することができる。注目すべきことに、そのような溶液に基づく処理は、放射線への遮蔽/曝露の工程、次に、非架橋材料の洗浄除去の工程によって、パターン化デバイスの形成を可能にする。したがって、本発明の材料は、該材料をOLEDおよび他の電子デバイスの製造に非常に有益なものにする一連の特性を有している。
【0010】
Inorganica Chimica Acta、第359(5)巻、2006、(Neve,Francescoら)、第1666〜1672頁、ISSN:0020−1693は、配位子とイリジウムの錯体を開示している。
【0011】
Chemical Communications、第48(83)巻、2012、(Diez,Alvaroら)、第10298−10300頁、ISSN:1359−7345は、白金錯体を開示している。
【0012】
中国特許出願公開第102558417号明細書は、配位子構造を開示している。
【0013】
Liquid Crystals、第33(4)巻、2006、(Aldred,Matthewら)、第459−467頁、ISSN:0267−8292は、配位子構造を開示している。
【0014】
Liquid Crystals、第32(10)巻、2005、(Aldred,Matthew Pら)、第1251−1264頁、ISSN:0267−8292は、配位子構造を開示している。
【0015】
従って、OLEDに使用するための錯体の形成用の向上した配位子を提供し、かつ/または、先行技術に関連した少なくともいくつかの課題を解決し、または少なくとも、商業的に実現可能な先行技術の代替物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0016】
第一実施態様において、本発明は、第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子を提供し、
該第一配位子中心は、sp
2混成炭素または窒素原子であり、
該第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T
1を有し、
該T
1は、下記の式1で示され、
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−B (1)
かつ、該T
1はX
1によって該環に結合し、該X
1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、
各Ar
1およびAr
2は独立に、C
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から選択され、
Y
1および各Y
2は独立に、置換されていてもよいC
2トランス二重結合連結部分であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
各cは独立に、0、1または2であり、
dは、0、1、2、3または4であり、
Sは、柔軟スペーサであり、
Bは、1個またはそれ以上の架橋性官能基を有する部分を示す。
【0017】
次に、本発明をさらに詳しく説明する。下記において、本発明の種々の実施態様をより詳細に明示する。明示されている各実施態様は、明確に反対の指示がない限り、1つまたは複数の任意の他の実施態様と組み合わしうる。特に、好ましいまたは有利であると示されている任意の特徴は、好ましいまたは有利であると示されている1つまたは複数の任意の他の特徴と組み合わしうる。
【0018】
本発明は、第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子に関する。配位子中心は、錯体中の金属原子に化学的に結合している配位子の原子である。
【0019】
第一配位子中心はsp
2混成炭素または窒素原子である。sp
2混成炭素配位子中心または窒素配位子中心は、配位子中の隣接原子に共有二重結合し、かつ全有機金属錯体中の金属原子との化学結合を形成する炭素原子または窒素原子である。好ましくは、第一配位子中心は、6員の芳香環またはヘテロ芳香環に存在する。好ましくは、第一配位子中心はsp
2混成炭素である。好ましくは、第一配位子中心はベンゼンまたはピリジンである。
【0020】
第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子である。好適な芳香環の例は、ピリジンおよびピロール、ならびにジアジンおよびアゾール、および酸素または硫黄置換類似体を包含する。最も好ましいのはピリジンである。
【0021】
第二配位子中心を含む芳香環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T
1を有する。本出願において、イプソ、オルト、メタおよびパラという用語は、下記の図においてDで示される配位子中心に対して、下記に示される5員環および6員環上の置換基の相対位置を示すために使用されている。
【化2】
【0022】
本出願において、実質的に線状という用語は、部分間の連結がパラ位であるかまたはパラ位に近い一連の部分を示すために使用されている。パラ位に近い連結の例を下記に示す。
【化3】
【0023】
好ましい配位子は、2−フェニルピリジン環構造(窒素が1つの配位子中心である)、または2,2−ビピリジン環構造(両方の窒素が配位子中心である)に基づく。
【0024】
これらの構造のフッ素置換類似体は、発光のブルーシフトに有用でありうる。特に下記の構造が好ましい。
【化4】
【0025】
Arは、ただ1つのそのような構造(1)の鎖が存在する場合に、構造(1)の線状鎖の好ましい位置を示している。
【0026】
T
1は下記の式1で示される。
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−B (1)
【0027】
T
1はX
1によって環に結合し、X
1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子である。結合は線状形態が維持されることを確実にするのに役立つので、好ましくは、X
1は結合である。
【0028】
各Ar
1およびAr
2は、置換されていてもよいC
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基から成る群から独立に選択される。好ましくは、各Ar
1およびAr
2は、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、ピレン−2,7−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フルオレン−3,6−ジイル、9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジアルキルフルオレン−3,6−ジイル、9−(1’−アルキリデン)フルオレン−2,7−ジイル、2,5−ジアルコキシベンゼン−1,4−ジイル、m−キシレン、p−キシレン、デュレンから成る群から独立に選択される置換されていてもよい芳香族ジラジカル、および/または、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ビス[1]ベンゾチオフェン−3,9−ジイル、ジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2,7−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、2,2’−ジチオフェン−5,5’−ジイル、4,7−ジチエン−2−イル−2,1,3−ベンゾチアゾール−5’,5’’−ジイル、4−アルキル−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイル、4−チエン−2−イル−2,1,3−ベンゾチアゾール−7,5’−ジイル、5,5−ジオキソジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、5,11−ジアルキルインドロ[3,2−b]カルバゾール−3,9−ジイル、5,11−ジヒドロインドロ[3,2−b]カルバゾール−2,8−ジイル、9−アルキルカルバゾール−2,7−ジイル、9−アルキルカルバゾール−3,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン−2,6−ジイル、イミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5−ジイル、オキサゾール−2,5−ジイル、オキサゾロ[4,5−d]オキサゾール−2,5−ジイル、オキサゾロ[5,4−d]オキサゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、5,5−ジアルキル−5H−ジベンゾ[b,d]シロール、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、チアゾロ[4,5−d]オキサゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[4,5−d]チアゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[5,4−d]オキサゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[5,4−d]チアゾール−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイルおよび1,2,4,5−テトラジン−3,6−ジイルから成る群から独立に選択される置換されていてもよいヘテロ芳香族ジラジカルである。
【0029】
Ar
1および/またはAr
2の最も好ましい実施形態は、下記式のArである。
【化5】
【0030】
式(1)の構造における最後のAr
2基は、好ましくはフェニル基であると考えられる。そのような構造は、合成容易性により特に好ましいと考えられる。
【0031】
いくつかの実施形態において、Ar
1およびAr
2は、1個またはそれ以上のアルキル基またはアルコキシ基で置換されている。アルキル基またはアルコキシ基を含有するために、芳香族基および/またはヘテロ芳香族基を置換することは、配位子溶解性を向上させることができる。さらに、芳香族基およびヘテロ芳香族基の置換は、好都合にも、配位子の共役部分のねじれを生じさせることができる。すなわち、隣接Ar
1基および/またはAr
2基上の置換基間の立体衝突が、環のねじれを生じさせて、隣接環構造の平面間の二面角を増加させることができる。分子の共役部分におけるそのようなねじれは、材料のバンドギャップを調整して発光波長を制御するのに使用することができる。
【0032】
いくつかの好ましい実施形態において、Ar
1上の置換基は、Ar
1とキレート環、例えば2−置換ピリジンとの間に相対的に広い二面角を生じることができ、それによって比較的より離れた金属中心を生じることができ、それによって、本発明の配位子を含有して形成された金属有機錯体の、金属−配位子電荷移動(MLCT)と配位子−中心(ligand−centred:LC)遷移との相対量、およびこれらの状態の混合を変化させることができる。これは、金属有機錯体の光学特性、例えば、(i)純粋放射性寿命(T
0)、(ii)フォトルミネセンス量子収率(photoluminescence quantum yield:PLQY)、および(iii)発光波長(λ
発光)の変化によって明示することができた。MLCT錯体は、金属様性質を有するMOから配位子様性質を有するMOへの電子の移動から生じる。これは、低準位Π
*軌道を有する配位子、特に芳香族配位子との錯体において、最も一般的に見られる。金属イオンが低酸化数を有する場合、そのd軌道は比較的高いエネルギーなので、遷移が低エネルギーにおいて生じる。
【0033】
例えば、下記に示す構造において、1,4−フェニレン単位を有する錯体は、m−キシレンに基づく構造がm−キシレン環とピリジン環との間に有する二面角よりかなり小さい二面角を、フェニレン単位とピリジン環との間に有する。m−キシレンに基づく環とピリジンに基づく環との間の二面角は、メチル基とピリジン水素との立体衝突により増加する。どのような有意なねじれも示さない1,4−フェニレン単位のみを有する金属有機錯体と比較して、m−キシレン環によって生じるこのねじれは、共役を減少させ発光をブルーシフトさせることができる。長い腕および広い共役を有する錯体の場合、分子中のねじれが、発光のレッドシフトを制限するのに望ましいと考えられる。
【化6】
【0034】
Y
1および各Y
2は、独立に、置換されていてもよいC
2トランス二重結合連結部分である。任意置換は、任意の電子求引基または電子供与基を含むことができ、分子の発光を調整するために使用することができる。例えば、好ましい置換基はニトリル基である。
【0035】
Y
1およびY
2は、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系を連結し、より多くの環構造を含有せずに芳香族部分またはヘテロ芳香族部分の鎖長を増加させる方法を提供する。好都合にも、トランス二重結合連結部分の使用は、配位子の線状構造を維持し、配位子の連続共役部分のアスペクト比を増加させる。分子のアスペクト比は、配位子の幅に対する配位子の長さ比率である。配位子のアスペクト比の増加は、該配位子を含有する発光体錯体の性能を向上させることができる。
【化7】
【0036】
さらに、トランス二重結合連結部分の使用は、発光波長のいくつかのさらなる制御を可能にする。すなわち、フェニル−二重結合−フェニル連結を有する化合物は、一般に、フェニル−フェニル連結を有する化合物より大きくレッドシフトされる。フェニレンビニレン芳香族単位およびシアノフェニレンビニレン芳香族単位は、金属有機錯体の無放射減衰定数(K
nr)を減少させ、PLQYを向上させることができる。
【化8】
【0037】
これらの構造は、Ar基およびY基の特に好ましい組合せである。ビニル基をニトリル基で置換することは、その電子求引性により、発光挙動に作用しうる。
【0038】
「a」は、0、1、2または3である。好ましくは、aは0または1である。Ar
1基の存在は、特に置換されている場合に、前記のようにMLCT特性を向上させることができる。
【0039】
「b」は、0、1または2である。好ましくは、bは1または2であり、最も好ましくは1である。これは、Y
1基が配位子に存在することを必要とする。Y
1基の存在は、アスペクト比を増加させ、発光を調整するのに使用することができる。
【0040】
各「c」は、独立に、0、1または2である。好ましくは、cは0または1である。cが1である場合、Y
2基が配位子に存在することを必要とする。Y
2基の存在は、アスペクト比を増加させ、発光を調整するのに使用することができる。dが2、3または4である場合、好ましくは少なくとも1個のcがアリール基の鎖を与えるために0であることができる。
【0041】
「d」は、0、1、2、3または4である。好ましくは、dは、所望されるバンドギャップに依存して1〜4である。より大きいdの数値も、より大きいアスペクト比を得るのに役立つ。
【0042】
Sは、柔軟スペーサである。本出願において、スペーサ基は、2つの遠位端において隣接部分に連結している部分である。スペーサ基は、回転可能結合を介して、分子構造中の特定部分の間に、空間および配座柔軟性を導入することを意図している。これは発光体錯体を電気的に分離し、末端架橋基Bに、隣接分子中の他の架橋性基と効率的に架橋するために必要な柔軟性を与える。
【0043】
好ましくは、Sは式2で示され、
−K−S
1−K− (2)
式中、S
1は直鎖または分岐C
4−C
14アルキル基であり、アセタール、ケタール、ペルオキシドまたはビニルエーテルがS基に存在しないことを条件として、1〜10個のCH
2基はそれぞれ酸素によって置換されていてもよく、各Kは、結合またはエーテル結合、エステル結合もしくはカーボネート結合から独立に選択される。好ましくは、Sはアキラルである。
【0044】
Bは、1個またはそれ以上の架橋性官能基を有する部分を示す。好ましくは、Bは式3または式4で示される。
−B
1 (3)
−Z(−S−B
1)
2 (4)
式中、B
1は、エチレン、ジエン、チオールおよびオキセタン架橋性基から成る群から選択される架橋性官能基であり、Zは、直鎖C
1−C
12アルキル基、C
1−C
12ハロアルキル基、C
3−C
8シクロアルキル基、C
6−C
16アリール基またはC
4−C
15ヘテロアリール基であり、Sは式2で示される。
【0045】
好ましくは、SまたはS
1は線状C7アルキル鎖であり、かつ/またはBはビニルエーテル架橋基またはマレイミド架橋基である。
【0046】
好ましくは、第一配位子中心を含む環は、該第一配位子中心に対してメタ位の実質的に線状の置換基T
2を含む。T
2も前記式1で示され、T
1と同じかまたは異なることができる。さらに、T
2はX
2によって環に結合し、X
2は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であるが、X
2は単に結合であるのが好ましい。T
2は第一配位子中心に対してメタ位である。すなわち、配位子の配位部分に結合している2個の鎖が、互いに対して線形状に存在するように配置されている。換言すれば、配位子がT
1およびT
2を含む場合、2個のL基が互いにパラ位に近いことが好ましい。すなわち、配位子がT
1およびT
2を含む場合、好ましい配位子位置は下記の通りである。
【化9】
式中、D
1およびD
2はそれぞれ第一配位子中心および第二配位子中心である。
【0047】
配位子がT
1のみを含み、第二配位子中心が6員環にある場合、T
1は第二配位子中心に対してパラ位にあるのが好ましい。すなわち、配位子が1個のT
1を含む場合、好ましい配位子位置は下記の通りである。
【化10】
式中、D
1およびD
2はそれぞれ第一配位子中心および第二配位子中心である。
【0048】
配位子がT1のみを含む場合、線状錯体を与えるために、好ましくは、一組のそのような配位子を金属中心に配位させることができる。
【0049】
これらの配位子配置は、配位子を線形状に維持し、架橋基を分離させる。
【0050】
有機金属化合物は、少なくとも1個の金属−炭素結合を有する化合物である。有機金属錯体は、少なくとも1個の炭素配位子中心に配位結合されている金属原子を含有する錯体である。さらなる実施態様において、本発明は、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはルテニウム(II)に配位結合した1個またはそれ以上の本明細書に記載の1,4二座配位子を含有する錯体を提供する。好ましい錯体は、イリジウム(III)金属中心を含有する。
【0051】
好ましい錯体は、八面体ビス−ヘテロレプティックまたはトリス−ヘテロレプティック構造、または平面正方形ビス−ホモレプティックまたはビス−ヘテロレプティック構造を有する錯体、例えば、八面体イリジウム錯体または平面正方形白金錯体である。本明細書において使用されるヘテロレプティックとは、2個またはそれ以上の種類の配位子を有する有機金属化合物を意味する。ビス−ヘテロレプティック錯体は2種類の配位子を特徴とし、トリス−ヘテロレプティック錯体は3種類の配位子を特徴とする。
【0052】
好ましい錯体は、同じT
1置換基および存在する場合にT
2置換基をそれぞれ含む2個の1,4二座配位子を有する。しかし、2個のそのような配位子が存在する場合、これは分子の線形状を制限するので、該配位子はT
2置換基を有さないのが好ましい。
【0053】
さらなる実施態様において、本発明は、本明細書に記載の錯体およびネマティック液晶材料を含有する組成物を提供し、該ネマティック液晶材料は好ましくは架橋性である。好ましくは、該組成物は1〜50wt%、より好ましくは5〜30wt%の錯体を含み、残部はホストネマティック液晶材料である。ネマティック液晶材料の好ましい例は、PCT/GB2015/051164号およびGB1617087号に記載されているネマティック液晶材料である。そのような構成物は、本発明の錯体に適合し、有利な材料特性および電子特性を有する。そのような材料は、本発明の有機金属錯体のホストとして好適である。
【0054】
さらなる実施態様において、本発明は、本明細書に記載の配位子または錯体または組成物を放射線に曝露することによって形成されるネットワークポリマーを提供し、該放射線は紫外線であってもよい。
【0055】
さらなる実施態様において、本発明は、前記ネットワークポリマーを含有する1つまたはそれ以上の電荷輸送層および/または発光性層を含むデバイスを提供する。
【0056】
好ましくは、デバイスはOLEDデバイス、光起電力デバイス、または薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)デバイスである。
【0057】
好ましくは、ネットワークポリマーは、電子輸送層または正孔輸送層にそれぞれ直接隣接して与えられる正孔輸送層または電子輸送層の中に与えられる。
【0058】
好ましくは、デバイスは発光性層を有するOLEDデバイスであり、該デバイスにおいて、ネットワークポリマーは光放出発光性層の中に均一整列液晶構造を形成し、それによって、光放出発光性層が直線偏光を発する。
【0059】
さらなる実施態様において、本発明は、前記のデバイスを形成する方法を提供し、該方法は、前記の配位子または錯体または組成物を含有する層を準備し、該層を放射線、好ましくは紫外線で選択的に照射してネットワークポリマーを形成し、あらゆる非照射非重合配位子または錯体を洗浄除去することを含む。
【0060】
好ましくは、前記の方法は、前記の配位子または錯体または組成物を含有するさらなる層を準備し、該層を放射線、好ましくは紫外線で選択的に照射してネットワークポリマーを形成し、非照射非重合配位子または錯体を洗浄除去することを含む。
【0061】
さらなる実施態様において、本発明は、前記の方法によって得られるデバイスを提供し、該デバイスは、パターン化構成物をそれぞれ形成する2つまたはそれ以上のネットワークポリマーを含み、該構成物は、本質的にエレクトロルミネセンス性の材料から成り、1つのパターン化構成物によって発するエレクトロルミネセンスの波長は、少なくとも1つの他のパターン化構成物によって発するエレクトロルミネセンスの波長と異なる。
【0062】
本発明は、光架橋性金属有機錯体を形成するための光架橋性配位子の製造を可能にする新規方法を提供する。
【0063】
本発明の配位子は、金属有機錯体を形成するのに好適であり、ポリマーの形成を可能にする架橋結合基を有する。該配位子は芳香環構造の鎖を有する。好都合にも、該鎖は大きいアスペクト比(前記の長さ/幅)を有する。高アスペクト比は分子の整列を生じることができ、該分子はネマティック液晶相を示すことができる。スペーサ基は、分子の共役部分と架橋基との間に必要な柔軟性を与え、分子が重合された場合でも共役部分が整列することを可能にする。
【0064】
本発明の錯体を含有するネットワークポリマーの液晶性は、錯体の水平双極子の整列により、向上した発光効率を与える。これらの構造は、OLED材料の平面からのより高い発光効率を生じる。
【0065】
好都合にも、本発明の錯体は直線偏光を示し、液晶ディスプレイのバックライトとして使用しうる。
【0066】
本発明の種々の成分は、配位子/錯体の発光特性の調整を可能にする。特に、下記の主要点を変更して、発光特性を制御し、バンドギャップを操作することができる。
・Ar
1基およびAr
2基の選択、
・芳香環構造の間のトランス二重結合リンカーの使用、
・芳香族基および/またはヘテロ芳香族基の間の二面角を制御するための、芳香族基および/またはヘテロ芳香族基上の置換基の使用、
・金属コアの選択、および
・Ar
1、Ar
2、Y
1およびY
2上の電子供与置換基および電子求引置換基の使用。
【0067】
さらなる実施態様により、前記のおよび本明細書に記載の配位子を合成するために、第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子を提供し、、
該第一配位子中心は、sp
2混成炭素または窒素原子であり、
該第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T
1を有し、
該T
1は、下記の式1で示され、
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−LG (1)
かつ、該T
1はX
1によって該環に結合し、該X
1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、
各Ar
1およびAr
2は独立に、C
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から選択され、
Y
1および各Y
2は独立に、置換されていてもよいC
2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
各cは独立に、0、1または2であり、
dは、0、1、2、3または4であり、
Sは、柔軟スペーサであり、
LGは、脱離基である。
【0068】
LGは、脱離基、例えば、ヒドロキシ基(−OH)、ハライド(−Clまたは−Brまたは−I)、スルホン酸エステル(例えば、−メシレートまたは−トシレート)、カルボキシレート、フェノキシド、または当分野で既知の任意の他の一般的脱離基である。
【0069】
この配位子は、液晶ホストにおいてそのままで、または前記の配位子および錯体の製造のための合成中間体として、使用することができる。
【0070】
さらなる実施態様により、第一配位子中心および第二配位子中心を含む1,4二座配位子を提供し、
該第一配位子中心は、sp
2混成炭素または窒素原子であり、
該第二配位子中心は、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環中の窒素原子であり、該環は、該窒素原子に対してメタ位またはパラ位に実質的に線状の置換基T
1を有し、
該T
1は、下記の式1で示され、
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S
2 (1)
かつ、該T
1はX
1によって該環に結合し、該X
1は、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、
各Ar
1およびAr
2は独立に、C
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から選択され、
Y
1および各Y
2は独立に、置換されていてもよいC
2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
各cは独立に、0、1または2であり、
dは、0、1、2、3または4であり、
S
2は、Hを末端とする柔軟スペーサS、またはHである。
【0071】
この分子は、液晶ホスト中で整列して異方性発光を生じるように作製することができる。これらの配位子は、単独で、または本明細書に記載の配位子と組み合わせて、使用することができる。
【0072】
好ましい実施形態
下記において、前記の1,4二座配位子の構造をLと称する。配位子Lは、以下の本文において、それぞれPおよびQと称される第一配位子中心および第二配位子中心を介して、遷移金属Mとの錯体を形成することができる。
【0073】
Lの実施形態であるLaの場合、下記構造(I)の線状腕が存在し、
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−B 構造(1)
該線状腕は、結合、置換されていてもよい架橋メチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して、第二配位子中心を含有する5員環(Q
5)または6員環(Q
6)に必要に応じて結合し、該腕は、Q
5の中心に対してメタ位またはQ
6の配位子中心に対してパラ位である。aは、0、1、2または3である。bは、0、1または2である。各cは、独立に、0、1または2である。dは、0、1、2、3または4である。Ar
1およびAr
2は、各場合に、C
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から独立に選択される。Sは、柔軟スペーサであり、各存在において、結合またはエーテル結合、エステル結合もしくはカーボネート結合を介して該腕の隣接成分に結合している直鎖または分岐アキラルC
4−C
14アルキル基およびエーテル基の群から独立に選択される。
【0074】
Lbの場合、先に定義した構造(I)の第一線状腕および第二線状腕が、配位子中心PおよびQに対してメタ位に結合し、PおよびQはそれぞれ、別々の6員芳香環P
6およびQ
6の一部を構成している。
【0075】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lcを提供し、該配位子においてPはsp
2混成炭素であり、Qおよび構造(I)の腕の成分は、LaおよびLbに関して先に定義した通りである。
【0076】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Ldを提供し、該配位子においてPは窒素原子であり、Qおよび構造(I)の腕の成分は、LaおよびLbに関して先に定義した通りである。
【0077】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Leを提供し、該配位子においてQは窒素であり、Pはsp
2混成炭素であって、6員芳香環の一部を構成し、構造(I)の腕の成分はLa、Lb、LcおよびLdに関して先に定義した通りである。
【0078】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lfを提供し、該配位子においてQは窒素であって、6員芳香環の一部を構成し、Pおよび構造(I)の腕の成分はLa、Lb、LcおよびLdに関して先に定義した通りである。
【0079】
1つの実施形態において、一般構造Laの配位子Lgを提供し、該配位子においてPは5員芳香環P
5に存在し、Pおよび構造(I)の腕の成分はLc、Ld、LeおよびLfに関して先に定義した通りである。
【0080】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lhを提供し、該配位子においてPは6員芳香環P
6に存在し、Pおよび構造(I)の腕の成分はLa、Lb、Lc、Ld、LeおよびLfに関して先に定義した通りである。
【0081】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lmを提供し、該配位子においてAr
1およびAr
2は、存在する場合に、各場合に、フェニル、ナフチル、フルオレン、9,9−ジアルキルフルオレン、9−(1’−アルキリデン)フルオレン、チオフェン、フランおよびN−アルキルカルバゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジンおよびテトラジンから独立に選択され、それらはそれぞれ1個〜4個のハロゲンおよび/またはC
1−C
6−アルキル基および/またはC
1−C
6−アルコキシ基で置換されていてもよく、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、LgおよびLhに関して先に定義した通りである。
【0082】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lnを提供し、該配位子においてAr
1およびAr
2は、存在する場合に、1個〜4個のハロゲンおよび/またはC
1−C
8−アルキル基および/またはC
1−C
6−アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基であり、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、LgおよびLhに関して先に定義した通りである。
【0083】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Loを提供し、該配位子においてAr
1およびAr
2は、存在する場合に、フェニル基であり、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、LmおよびLnに関して先に定義した通りである。
【0084】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lpを提供し、該配位子においてSは柔軟スペーサであり、各存在において、直鎖または分岐アキラルC
5−C
14アルキル基の群から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、LnおよびLoに関して先に定義した通りである。
【0085】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lqを提供し、該配位子においてSは柔軟スペーサであり、各存在において、直鎖C
5−C
12アルキル基の群から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、LnおよびLoに関して先に定義した通りである。
【0086】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lrを提供し、該配位子において各Bはアルケン、ジエン、チオールおよびオキセタン架橋性基の群から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0087】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lsを提供し、該配位子において各Bはアルケン架橋性基の群から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0088】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Ltを提供し、該配位子において各Bは放射線、例えば紫外線への曝露時に架橋を受ける架橋性基の群から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0089】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Luを提供し、該配位子において各Bは直鎖および環状α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和アミド、ビニルエ−テルおよび非共役ジエン架橋基から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0090】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lvを提供し、該配位子において各Bはメタクリレート、エタクリレート、エチルマレアト、エチルフマラト、N−マレイミド、ビニルオキシ、アルキルビニルオキシ、ビニルマレアト、ビニルフマラト、N−(2−ビニルオキシマレイミド)、1,4−ペンタジエン−3−イルおよび1,4−シクロヘキサンジエニルから独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0091】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lwを提供し、該配位子において各Bは、電子豊富アルケン架橋性基、例えば、O、NまたはSから選択される1個またはそれ以上の電子供与基で置換されたエチレン基から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0092】
1つの実施形態において、一般構造Lの配位子Lxを提供し、該配位子において各Bは、電子豊富アルケン架橋性基、例えば、環状または非環状ビニルエーテル基から独立に選択され、P、Qおよび構造(I)の腕の他の成分はLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、LpおよびLqに関して先に定義した通りである。
【0093】
さらなる実施態様において、本発明は、イリジウム(III)、オスミウム(II)、ルテニウム(II)および白金(II)に配位した前記構造L(例えば、La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLx)の配位子を含有する錯体Cを提供する。
【0094】
1つの実施形態において、イリジウム(III)、オスミウム(II)またはルテニウム(II)に配位した前記構造La(例えば、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLx)の1個または2個の配位子を含有する八面体ビス−ヘテロレプティックまたはトリス−ヘテロレプティック錯体Caを提供する。
【0095】
1つの実施形態において、イリジウム(III)に配位した前記構造La(例えば、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLx)の1個または2個の配位子を含有する八面体ビス−ヘテロレプティックまたはトリス−ヘテロレプティック有機金属錯体Cbを提供する。
【0096】
1つの実施形態において、下記構造(Ia)の八面体ビス−ヘテロレプティックまたはトリス−ヘテロレプティック錯体Ccを提供し、
L
1L
2MA (Ia)
ここで、L
1およびL
2は1,4二座配位子であり、それぞれ、a)sp
2混成炭素または窒素である第一配位子中心およびb)5員または6員芳香環の一部である窒素原子またはsp
2混成炭素である第二配位子中心を介して、Mに配位している。錯体中のL
1およびL
2の第二配位子中心は互いにトランス位であり、L
1およびL
2の少なくとも1つは前記の構造La(例えば、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLx)である。Mは、イリジウム(III)、白金(II)、ルテニウム(II)またはオスミウム(II)から選択される。Aは、二座補助配位子、または一対の独立に選択される単座補助配位子である。好ましくは、該単座配位子は同一である。
【0097】
1つの実施形態Cdにおいて、Cc中の金属はイリジウム(III)である。
【0098】
1つの実施形態Ceにおいて、錯体CcまたはCd中の補助配位子Aは単座であり、トリアリールホスフィン(Ar
3P)、トリアルキルホスフィン(R
3P)、シアニドイオン(CN
−)、ハライド(F
−、Cl
−、Br
−)、イソシアニド(RNC)およびカルボニル(CO)から選択される。
【0099】
1つの実施形態Cfにおいて、錯体CcまたはCd中の補助配位子Aは二座であり、アセチルアセトネート(acac)、R
1COCHCOR
2(ここでR
1およびR
2は置換されていてもよいC
2−C
8アルキル基またはC
6−C
10アリール基である)、C
2−C
6架橋アルキル基によって結合している2個のジフェニルホスフィンを含有するジホスフィン、およびピコリネートから選択される。
【0100】
1つの実施形態Cgにおいて、錯体Cc、Cd、CeまたはCfはビス−ヘテロレプティックであり、すなわち、L
1およびL
2は同一である。
【0101】
1つの実施形態Chにおいて、錯体Cc、Cd、CeまたはCfはトリス−ヘテロレプティックであり、L
2は、2−フェニルピリジン、2−ナフチルピリジン、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、ベンゾ[h]キノリン、2−(2−チエニル)ピリジン、ピリジン−1,2,4−トリアゾール、2−フェニルベンゾ[d]オキサゾール、アルケニルピリジン、フェニルピラゾール、フェニルイミダゾール、フェニルテトラゾールおよびフェニルキノキサリンから選択される二座配位子である。
【0102】
1つの実施形態Ciにおいて、錯体Cc、Cd、CeまたはCfはトリス−ヘテロレプティックであり、L
2は、2−フェニルピリジン、2−ナフチルピリジン、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン、2,2’−ビピリジン、2−(2−チエニル)ピリジン、ピリジン−1,2,4−トリアゾール、2−フェニルベンゾ[d]オキサゾール、アルケニルピリジン、フェニルピラゾール、フェニルイミダゾールおよびフェニルテトラゾールから選択される二座配位子である。
【0103】
1つの実施形態において、白金(II)に配位した前記の構造Lb(例えば、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLx)の配位子を含有する平面正方形錯体Cjを提供する。
【0104】
1つの実施形態Ckにおいて、構造Lb(例えば、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLx)の1個の配位子、および二座補助配位子または一対の単座補助配位子である補助配位子Aを有する錯体Cjを提供する。
【0105】
1つの実施形態Clにおいて、Ck中の補助配位子は、アセチルアセトネート(acac)、R
1COCHCOR
2(ここでR
1およびR
2はC
2−C
8アルキル基またはC
6−C
10アリール基である)、C
2−C
6架橋アルキル基によって結合している2個のジフェニルホスフィンを含有するジホスフィン、およびピコリネートから選択される二座補助配位子である。
【0106】
さらなる実施態様において、構造L、例えば、La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg、Lh、Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr、Ls、Lt、Lu、Lv、LwおよびLxの配位子の、OLEDデバイスの発光性層における使用を提供する。
【0107】
1つの実施形態において、構造C、例えば、Ca、Cb、Cc、Cd、Ce、Cf、Cg、Ch、Ci、Cj、CkまたはClの錯体の、OLEDデバイスの発光性層における燐光体としての使用を提供する。
【0108】
1つの実施態様において、OLEDデバイスの製造法を提供し、該方法は、構造C、例えば、Ca、Cb、Cc、Cd、Ce、Cf、Cg、Ch、Ci、Cj、CkまたはClの錯体を、基板、場合により液晶基板に付着させ、次に、放射線、場合により紫外線に曝露する工程を含む。
【0109】
1つの実施態様において、構造C、例えば、Ca、Cb、Cc、Cd、Ce、Cf、Cg、Ch、Ci、Cj、CkまたはClの錯体を、発光性層に含有するOLEDデバイスを提供する。
【0110】
1つの実施態様において、液晶材料上に整列した構造C、例えば、Ca、Cb、Cc、Cd、Ce、Cf、Cg、Ch、Ci、Cj、CkまたはClの錯体を、発光性層に含有するOLEDデバイスを提供する。
【0111】
本明細書に使用されている化学用語は、IUPAC Gold Book(http://goldbook.iupac.org/)に定義されている通常の意味を有する。参照の便宜上、本明細書に使用されているいくつかの用語の簡単な定義を下記に示す。
【0112】
一般に、本明細書に使用されている「アルキル」という用語は、直鎖または分岐鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、ブチル、n−ブチルおよびtert−ブチルを意味するが、これらに限定されない。別段の指示がない限り、直鎖アルキルが一般に好ましい。ある場合に、アルキル鎖中のメチレン(CH
2)基は、ヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄または窒素で置換することができる。メチレン基が窒素で置換されている場合、窒素はC
1−C
6アルキル基で付加的に置換されているのが好ましい。
【0113】
一般に、本明細書に使用されている「アリール」という用語は、芳香環構造を意味する。好ましい芳香環構造は、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、ピレニルを包含するC
6〜C
18芳香族基、およびイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾールおよびN−アルキルカルバゾールを包含するC
4〜C
12ヘテロ芳香族基である。さらなる例については、下記のAr
1およびAr
2についての説明を参照されたい。
【0114】
本明細書に使用されているアルコキシは、直鎖または分岐鎖アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシを意味する。本明細書に使用されているアルコキシは、そのまたは1個の酸素原子(例えば、単一酸素原子)がアルキル鎖中に存在する実施形態、例えば−C
1−3アルキルOC
1−3アルキル、例えば−CH
2CH
2OCH
3または−CH
2OCH
3も含む。
【0115】
ハロまたはハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、特に、フルオロ、クロロまたはブロモ、とりわけフルオロまたはクロロを含む。
【0116】
本明細書に使用されているヘテロレプティックは、2種類またはそれ以上の配位子を有する有機金属化合物を意味する。ビス−ヘテロレプティック錯体は2種類の配位子を特徴とし、トリス−ヘテロレプティック錯体は3種類の配位子を特徴とする。
【0117】
有機金属化合物は、少なくとも1個の金属−炭素結合を有する化合物である。有機金属錯体は、少なくとも1個の炭素配位子中心に配位結合された金属原子を有する錯体である。配位子中心は、錯体の金属原子に化学的に結合する配位子の原子である。sp
2混成炭素配位子中心は、配位子中の隣接原子に共有二重結合し、かつ全有機金属錯体中の金属原子との化学結合を形成する炭素原子である。本発明の好ましい配位子は、有用な発光特性を有する錯体を形成する。本発明の好ましい材料は、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)およびルテニウム(II)の錯体である。
【0118】
最も好ましい例において、金属錯体はイリジウム(III)である。イリジウム(III)および白金(II)は、それらのより高い三重項量子収率(Φ
p)、比較的短い三重項状態寿命(T
p)、および調整可能な発光色により、OLED用途に関して最も興味ある特性を有する。
【0119】
単座配位子は、ただ1つの配位子中心を介して金属原子との化学結合を形成することができる配位子である。補助配位子として有用な本明細書に記載の単座配位子の例は、トリアリールホスフィン(Ar
3P)、トリアルキルホスフィン(R
3P)、シアニドイオン(CN
−)、ハライド(F
−、Cl
−、Br
−)、イソシアニド(RNC)およびカルボニル(CO)を含むが、これらに限定されない。
【0120】
二座配位子は、配位子−金属錯体の一部である場合に、金属原子との化学結合を形成することができる2個の配位子中心を有する配位子である。1,4二座配位子は、3個の化学結合によって離れている2個の配位子中心を有する二座配位子である。アスタリスクで示された配位子中心を有する1,4二座配位子の例を下記に示す。
【化11】
【0121】
本明細書に記載されている二座配位子の5員または6員芳香環構造は、1個またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含有してもよい6π電子共役窒素ヘテロ環である。本明細書に記載の5員窒素ヘテロ環の例は、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾールおよびチアジアゾール、ならびにこれらの構造の全ての異性体型を含む。本明細書に記載されている6員窒素ヘテロ環の例は、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンおよびテトラジン、ならびにこれらの構造の全ての異性体型を含む。これらの5員および6員のベンゾ誘導体も本明細書の記載に含まれ、そのようなベンゾ誘導体は前記の5員または6員窒素ヘテロ環に縮合した6員芳香環を特徴とし、例として、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、インドール、ベンズイミダゾールおよびベンズイソオキサゾールを含む。2−フェニルピリジン系および類似体が最も好ましい。
【0122】
補助配位子という用語は、有機金属錯体を安定化するのに必要とされる原子価および電子の条件を満たし、錯体の化学に顕著な影響を及ぼさない1個または複数の配位子を意味する。二座補助配位子の例は、アセチルアセトネート(acac)および一般構造R
1COCHCOR
2(ここでR
1およびR
2はアルキル基またはアリール基である)で示される関連配位子、架橋C
2−C
6アルキル基によって結合した2個のジフェニルホスフィンを含有するジホスフィン、例えば、dppe、dpppおよびdppb(それぞれ、エチル架橋基、プロピル架橋基およびブチル架橋基を有する)、キノリネートおよびピコリネートを含む。
【0123】
例示的補助配位子を下記に示す。
【化12】
【0124】
「腕」という用語は、Q
5またはQ
6(すなわち、5個または6個の構成原子を有し、第二配位子中心を含有する環)に必要に応じて結合した下記式1の線状構造を示すために使用され、
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−B (1)
(1)はXによって環に結合し、Xは、結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子または硫黄原子である。各Ar
1およびAr
2は独立に、C
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から選択される。Y
1および各Y
2は独立に、置換されていてもよいC
2またはアセトニトリルトランス二重結合連結部分である。aは、0、1、2または3である。bは、0、1または2である。各cは独立に、0、1または2である。dは、0、1、2、3または4である。Sは柔軟スペーサであり、Bは1個またはそれ以上の架橋性官能基を有する部分を示す。
【0125】
Ar
1基およびAr
2基は、腕の線状性を維持するために、腕の隣接メンバーに連結されている。例えばΠ−Π相互作用から誘導される例えば液晶ホスト材料または液晶整列基板層との整列特性を与えるだけでなく、材料の電子輸送特性および正孔輸送特性を調整するためにこれらの基を使用することができる。したがって、Ar
1およびAr
2は、例えばOLEDデバイスにおいて、本発明の錯体の発光効率を最適化するために使用することができる。さらに、Ar
1基および比較的程度は低いがAr
2基の電子特性は、それらが、全錯体の分子軌道のエネルギーレベル、および金属−配位子軌道間のエネルギーギャップ(それによって、励起錯体が減衰し、光を放出する)に影響を及ぼすので、本発明の錯体によって放出される光の波長を変化させることができる。
【0126】
Ar
1またはAr
2が5員環である場合、それらは腕の隣接成分によって、1,3−または1,4−位置(例えば、ヘテロ原子がNである場合)または2,4−または2,5−位置(例えば、ヘテロ原子がS、NまたはOである場合)で置換されている。Ar
1基またはAr
2基が6員環、例えばフェニルである場合、それらは腕の隣接成分によって、1−および4−位置で置換されている。Ar
1基およびAr
2基が10員2環、例えばナフチルである場合、それらは腕の隣接成分によって、1,4−、1,5または2,6−位置で置換されている。Ar
1基およびAr
2基が線状14員3環、例えばアントラセニルである場合、それらは腕の隣接成分によって、2,6−位置で置換されている。Ar
1基およびAr
2基が線状14員3環、例えばフェナントラセニルである場合、それらは腕の隣接成分によって、1,4−および1,7−位置で置換されている。Ar
1基およびAr
2基が16員4環、例えばピレニルである場合、それらは腕の隣接成分によって、1,4−および1,7−位置で置換されている。認識されるように、ヘテロ原子の存在は、一貫性を保つために、分子中の位置の公式番号付けを変化させ、番号付けは分子が完全に炭素原子構造であるかのように行うべきである。
【0127】
各Ar
1およびAr
2は独立に、置換されていてもよいC
6〜C
20芳香族基およびC
4〜C
20ヘテロ芳香族基の群から選択される。好ましくは各Ar
1およびAr
2は、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、ピレン−2,7−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フルオレン−3,6−ジイル、9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジアルキルフルオレン−3,6−ジイル、9−(1’−アルキリデン)フルオレン−2,7−ジイル、2,5−ジアルコキシベンゼン−1,4−ジイル、m−キシレン、p−キシレン、デュレンから成る群から独立に選択される置換されていてもよい芳香族ジラジカル、および/または、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ビス[1]ベンゾチオフェン−3,9−ジイル、ジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2,7−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、2,2’−ジチオフェン−5,5’−ジイル、4,7−ジチエン−2−イル−2,1,3−ベンゾチアゾール−5’,5’’−ジイル、4−アルキル−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジイル、4−チエン−2−イル−2,1,3−ベンゾチアゾール−7,5’−ジイル、5,5−ジオキソジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、5,11−ジアルキルインドロ[3,2−b]カルバゾール−3,9−ジイル、5,11−ジヒドロインドロ[3,2−b]カルバゾール−2,8−ジイル、9−アルキルカルバゾール−2,7−ジイル、9−アルキルカルバゾール−3,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン−2,6−ジイル、イミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5−ジイル、オキサゾール−2,5−ジイル、オキサゾロ[4,5−d]オキサゾール−2,5−ジイル、オキサゾロ[5,4−d]オキサゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、5,5−ジアルキル−5H−ジベンゾ[b,d]シロール、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、チアゾロ[4,5−d]オキサゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[4,5−d]チアゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[5,4−d]オキサゾール−2,5−ジイル、チアゾロ[5,4−d]チアゾール−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイルおよび1,2,4,5−テトラジン−3,6−ジイルから成る群から独立に選択される置換されていてもよいヘテロ芳香族ジラジカルである。
【0128】
正孔輸送特性が所望される場合、下記に示されるようなインドールおよびチオフェン含有部分が好ましいと考えられる(
*は一般的な結合部位を示す)。
【化13】
【0129】
電子輸送特性が所望される場合、下記に示されるようなオキサゾール含有部分が好ましいと考えられる(
*は一般的な結合部位を示す)。
【化14】
【0130】
各腕のAr
1基およびAr
2基は、1〜4個のハロゲンまたはアルキル基で置換されていてもよい。好ましい置換基は、F、Cl、CF
3およびC
1−5アルキル基である。各腕のAr
1基およびAr
2基は、それ自体に固有の蛍光特性を有さないC
6−C
18芳香族基の群から独立に選択されるのが好ましく、この理由により、アントラセンおよびフェナントラセンのような芳香族基は一般に好ましくない。好ましいAr
1基およびAr
2基の例は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テルフェニル、9,9−ジアルキルフルオレン、チオフェンおよびN−アルキルカルバゾールである。ある場合に、Ar
1およびAr
2は、置換されていてもよいフェニルまたはナフチルであるのが好ましい。好ましい場合において、Ar
1およびAr
2は、置換されていてもよいフェニルである。最も好ましい場合において、Ar
1およびAr
2はフェニルである。
【0131】
腕の長さを延長させない置換基として与えられるそのような部分は、腕の式(I)に入らない。すなわち、腕の部分は、他の芳香環またはヘテロ芳香環で置換されていてもよい。例えば、結合の位置により、下記構造のそれぞれが腕の単一部分を構成しうる。
【化15】
【0132】
各腕のトランス−アルケン基は、存在する場合に、式
【化16】
の基であり、式中、R
3およびR
4は、互いにトランスであり、それぞれ、H、C
1−4アルキル基またはCN基である。R
3またはR
4がアルキルである場合、メチル基およびエチル基が好ましい。
【0133】
腕の組成は、腕全体が線状共役系である組成であって、該線状共役系は、絶縁スペーサ基Sで終結し、任意に分岐部位Z、および架橋性基B(または、Zが存在する場合、2個の架橋性基BおよびB
1)を有する。腕における線状性ならびに多くの芳香環および/またはヘテロ芳香環の存在は、配位子、さらにはそれが形成する錯体に、デバイス中でそれらを囲む液晶材料と整列する能力を与え、それによって、例えば液晶ホスト材料と整列することによって、発光体コアが実質的に全て同じ方向に整列しているOLEDデバイス構造を得る機会を与える。これは、好都合にも、異方性発光特性、およびデバイスによって吸収される光の減少による向上した発光出力を有する発光体層を与えることを可能にする。
【0134】
いくつかの好ましい実施形態において、整数aは0であり、bは1であり、各cは1であり、dは1〜5であり、Xは結合である。この構造を有する腕単位の例は、
【化17】
であり、式中、アスタリスクは、配位子の残部への結合部位を示し、各Ar基を示すためにベンゼンが使用されている。
【0135】
いくつかの好ましい実施形態において、整数dは2〜5である。いくつかの好ましい実施形態において、整数dは3〜5である。いくつかの好ましい実施形態において、dは2または3である。
【0136】
いくつかの好ましい実施形態において、整数aは1であり、bは1であり、各cは0であり、dは1〜5であり、Xはメチレンである。
この構造を有する腕単位の例は、
【化18】
であり、式中、アスタリスクは配位子の残部への結合部位を示し、各Ar基を示すためにベンゼンが使用されている。
【0137】
Sは、2つの遠位端において隣接部分に連結されている柔軟スペーサであり、各存在において、結合またはエーテル結合、エステル結合もしくはカーボネート結合を介して、腕の隣接成分に結合している直鎖または分岐アキラルC
4−C
14アルキル基およびエーテル基の群から独立に選択される。スペーサ基は、ある程度まで、発光体錯体を電気的に絶縁する作用をし、さらに架橋性基Bに、隣接分子中の他の架橋性基と効率的に架橋するのに必要な柔軟性を与える。本発明の化合物はOLEDデバイスに使用するのに充分に化学的に安定であり、比較的不安定な基、例えば、アセタール、ケタールおよびペルオキシド基を特徴とするスペーサ構造は本発明の一部を構成するものではない。
【0138】
いくつかの好ましい実施形態において、柔軟スペーサ基Sは直鎖C
5−12アルキル基である。いくつかの好ましい実施形態において、柔軟スペーサ基Sは直鎖C
4−11アルコキシアルキル基である。いくつかの好ましい実施形態において、柔軟スペーサ基Sは直鎖C
3−10ポリエーテル基である。
【0139】
好ましくは、Sは式2で示される。
−K−S
1−K− (2)
式中、S
1は直鎖または分岐C
4−C
14アルキル基であり、アセタール、ケタール、ペルオキシドまたはビニルエーテルがS基に存在しないことを条件として、1〜10個のCH
2基はそれぞれ酸素によって置換されていてもよく、各Kは、結合またはエーテル結合、エステル結合もしくはカーボネート結合から独立に選択される。好ましくは、Sはアキラルである。
【0140】
好ましくは、Bは式3または式4で示される。
−B
1 (3)
−Z(−S−B
1)
2 (4)
式中、B
1は、エチレン、ジエン、チオールおよびオキセタン架橋性基から成る群から選択される架橋性官能基であり、Zは、直鎖C
1−C
12アルキル基、C
1−C
12ハロアルキル基、C
3−C
8シクロアルキル基、C
6−C
16アリール基またはC
4−C
15ヘテロアリール基であり、Sは式2で示される。
【0141】
構造(4)におけるような分岐は、より高度の架橋が得られるので、金属錯体が構造Lのただ1つの配位子を含有する場合に有利になりうる。
【0142】
好ましくは、SまたはS
1は線状C7アルキル鎖であり、かつ/またはBはメタクリレートである。
【0143】
例示的−S−B基が下記に実例として示され、式中、アスタリスクは配位子の残部への結合部位を示す。
【化19】
【0144】
式4の例示的−B基が下記に実例として示され、式中、アスタリスクは、柔軟スペーサSを介した配位子の残部への結合部位を示す。整数m、nおよびpは、本明細書に記載の好ましいS構造に適合するように選択される。
【化20】
【0145】
好ましい架橋結合基B(本明細書において架橋性基とも称される)は、アルケン、ジエン、チオールおよびオキセタン架橋性基の群から選択される。アルケンまたは「エチレン」架橋性基は、炭素−炭素二重結合を有する架橋性基である。好ましい実施態様において、全ての架橋結合基は、独立に、アルケン架橋結合基である。好ましいアルケン架橋結合基は、電子豊富および電子不足エチレン架橋結合基を含む。
【0146】
したがって、本発明の化合物は、第一架橋結合基B、および場合により第二架橋結合基Bを含み、架橋したときにネットワークポリマーを形成する。これは、好ましい架橋結合基が2個の他の架橋結合基と反応して、連鎖反応およびポリマーマトリックスを生じるからである。
【0147】
本発明の化合物がただ1つの架橋結合基を有する場合は、2個またはそれ以上の架橋結合基を有する第二モノマー(またはポリマー)と組み合わせて与えられる場合を除いて、該化合物はネットワークポリマーを形成することができない。
【0148】
好ましい実施態様において、重合性架橋結合基は、エチレン、ジエン、チオールおよびオキセタン重合性架橋結合基の群から選択される。エチレン架橋結合基は、炭素−炭素二重結合を有する架橋性基である。好ましい実施態様において、全ての架橋結合基は、独立に、エチレン架橋結合基である。好ましいエチレン架橋結合基は、電子豊富および電子不足エチレン架橋結合基を含む。
【0149】
好ましい実施態様において、架橋性基は、放射線への曝露時に架橋反応を受ける。好ましい実施態様において、架橋性基は光架橋性基、すなわち紫外線(UV)への曝露時に架橋反応を受ける基である。
【0150】
好ましい架橋結合基の例は、直鎖および環状α,β−不飽和エステルおよびα,β−不飽和アミド、直鎖末端アルケン、架橋環状アルケン、チオール、ビニルエーテル、環状エーテルおよび非共役ジエンである。したがって、好ましい架橋結合基は、アクリレート、メタクリレート、モノメチルマレエート、モノエチルマレエート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、4,4,4−トリフルオロクロトネート、N−マレイミド、エテニル、N−ビニルピロリドン、N−置換−N−ビニルホルムアミド、N−置換−N−ビニルアルキルアミド、ノルボルネン、スルフヒドリル、ビニルオキシ、メチルビニルオキシ、1,3−プロピレンオキシド(オキセタン)、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエンおよびジアリルアミンを含み、これらの基は、特に紫外線での光架橋に特に好適である。
【0151】
好ましい実施態様において、架橋結合基は電子豊富エチレン架橋性基である。電子豊富エチレン架橋性基は、1個またはそれ以上の電子供与基で置換されたエチレン基を有する。電子供与基は、ヘテロ原子、例えば、O、NまたはSを含むことができる。好ましい実施態様において、電子豊富架橋性基はビニルオキシ基である。他の電子供与基置換架橋結合基は、1−アルケニルエーテル、例えば、プロペン−1−イルオキシ基およびブテン−1−イルオキシ基;環状ビニルエーテル、例えば、シクロヘキセン−1−イルオキシおよびシクロペンテン−1−イルオキシ;二環式ビニルエーテル、例えば、2−ノルボルネン−2−イルオキシ基、ならびにビニルエーテル官能基が介在ヒドロカルビル構造を介してスペーサSまたはZの分枝に連結している基、例えば、4−ビニルオキシベンゼン基および2−ビニルオキシエチル基である。
【化21】
【0152】
前記の基は架橋結合基の例を示し、前者はスペーサ基Sの一部も含む。
【化22】
【0153】
好ましい実施態様において、架橋結合基は電子不足エチレン架橋性基である。電子欠乏エチレン架橋性基は、1個またはそれ以上の電子求引基で置換されたエチレン基を有する。電子求引基はカルボニル基を含むことができ、例えばエステルまたはアミドであることができる。好ましい実施態様において、電子欠乏架橋性基は、モノアルキルマレエート基、モノアルキルフマレート基、モノアリールマレエート基、モノアリールフマレート基またはマレイミド基を含む。電子欠乏架橋性基の他の例は、アクリレート基、メタクリレート基、4,4,4−トリフルオロクロトネート基、Z−およびE−3−シアノアクリレート、Z−およびE−3−シアノメタクリレート、モノアルキルシクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートおよびモノアルキルシクロペンテン−1,2−ジカルボキシレートである。
【0154】
前記の本発明の配位子は、例えば、特にOLEDデバイスにおける発光体として適用される発光特性を有する錯体の形成に有用である。錯体の発光特性は、配位子および金属の種類を変化させることによって、意図する用途に応じて調整することができる。
【0155】
架橋性基Bの存在は、本発明の配位子から形成された錯体が溶液処理によって層になって付着することを可能にし、次に溶剤が除去されると、該錯体は架橋結合によって所定の位置に固定されて比較的不溶性のネットワークポリマーを形成することができる。下記の本発明の配位子と好ましい金属とで形成される錯体は、一般的有機溶剤に可溶性である。これは、本発明の錯体の溶解性が、例えばポリマー材料と比較して、デバイス製造に関して明白な利点を与えるので重要である。より詳しくは、これらの錯体はOLEDデバイス製造のための溶液処理法に好適である。概略的には、これは、まず錯体を有機溶剤に溶解させ、得られた溶液を基板に適用し、次に蒸発させて基板上にフィルムコーティングを生じさせることを含む。材料がフィルムとして付着したら、材料をその場で重合させることができる。この重合は、放射線、例えば紫外線への曝露によって開始することができ、該放射線は、1個の分子の架橋性基を隣接分子中の架橋性基と架橋結合させて、ネットワークポリマーを形成することができる。付着フィルムの領域を開始放射線から遮蔽して、非架橋結合材料の区域を与えることができ、一方、放射線に曝露された区域は重合を受ける。架橋結合材料はモノマーと比較して無視できるまたは低い溶解性を有するので、所望であれば、非曝露非架橋結合材料を洗浄除去して、架橋結合材料のパターン化構成物を残すことができる。溶液付着および重合の反復サイクルを使用して、複雑な構造を有する構成物を生じることができる。
【0156】
連続付着重合構造は、横並びに、または積み重ねて/層状に組み立てることができる。一例において、赤色、緑色および青色発光材料の横並びの連続付着および重合を使用して、カラーディスプレー用のピクセルを生じることができる。もう1つの例において、赤色、緑色および青色発光体材料の積み重ねを使用して、白色光源を与えることができる。もう1つの例において、2つまたはそれ以上の発光体構造を積み重ねて配置して、着色光源を与えることができる。
【0157】
隣接層が異なる最高被占分子軌道または最低空分子軌道(HOMOおよびLUMO)エネルギーレベルならびに異なる電荷担体移動度を有する多層デバイスを安価に経済的に製造できることは、プラスチック電子工学において一般に有用である。例えば、本発明の材料および方法を使用してp−n接合の同等物を形成することができ、これらはダイオード、トランジスタおよび光起電力デバイスにおいて有用性を見出しうる。本発明の錯体の光リソグラフィ的にパターン化される性質は、実質的にあらゆる大きさおよび描写のプラスチック電子工学デバイスの大規模アレイを製造することを可能にする。
【0158】
本発明の錯体を液晶ホスト材料と混合して、発光体コアが高度の方向秩序を有する層を形成することができる。これは、前記のOLEDの材料特性を最適化するという観点から、非常に有利になりうる。例えば、付着フィルムを放射線、例えば紫外線に曝露することにより、付着フィルムの成分を架橋結合させることによって、この方向秩序を所定の位置に固定することができる。例えば、燐光体(すなわち、本発明の金属錯体)の直線偏光発光一軸分子配向は、こすったポリマー表面(すなわち、PEDOT、ポリイミドまたはナイロン6,6)においてネマティック光架橋性液晶ホストを使用するか、またはクマリン誘導体の光配向によって得られる。ネマティック液晶はホストとして作用し、有機金属材料(燐光体)は発光性ドーパントとして作用する。多層OLED性能のために、ホスト−ドーパント系は好ましくは光架橋性であり、該系において、溶液付着フィルムはUV硬化後に一般的有機溶剤に不溶性になることができる。得られるフィルム不溶性は、下部で燐光発光ホスト−ドーパント層を損傷させずに、または洗浄除去せずに、上部で層を溶液処理することを可能にする。
【0159】
高秩序デバイス構造が得られることを利用して偏光発光構造を生じることができ、該偏光発光構造において、発光体コアが同一方向に配列され、したがって同一方向に発光する。最終的に、本明細書に記載されている材料の特性は3Dディスプレイを製造することを可能にし、その製造は、均一整列液晶液体またはガラスの整列層を連続付着すること、各層のパターン化領域を順番に連続重合させること、および各層の非重合領域を順番に連続洗浄除去することによって行われ、それによって各層の発光の偏光軸が異なる方向にある発光構造を与える。燐光発光体の直線偏光発光一軸分子配向は、こすったポリマー表面(すなわち、PEDOT、ポリイミドまたはナイロン6,6)においてネマティック光架橋性液晶ホストを使用するか、またはクマリン誘導体の光配向によって得ることができる。ネマティック液晶はホストとして作用し、有機金属材料(燐光体)は発光性ドーパントとして作用する。
【0160】
本発明の材料は、電子デバイス、例えばOLEDの製造に有用な多くの付加的な望ましい特性も有する。有機発光デバイスにおいて、有機発光材料による放出光の自己吸収を減少させることも望ましい場合が多い。この自己吸収は、有機発光材料の分光吸光帯および発光帯が、種々の材料において程度の差はあるが重なることによって起こる。例えば色素レーザの分野において周知のこの問題の解決法は、発光溶質より短い波長で光を吸収するホストに、発光材料を溶解させることである。溶液が薄い場合、例えば1〜2パーセントである場合、発光溶質の自己吸収はほぼ完全に抑制される。本発明の種々の化合物の容易相互混和性は、この種の溶液の調製を非常に容易にする。したがって、本発明の材料は、発光材料としてだけでなくホスト材料としても有用である。
【0161】
有機発光デバイス用途において、ホスト材料から溶質発光材料への容易励起エネルギー移動が存在する必要がある。その理由は、光を放射する励起子(電気的に励起した分子軌道状態)を形成するために、電荷担体(電子および正孔)がホスト媒体を通って輸送されて再結合しなければならないからである。成分ホスト分子から主に構成される混合物において、この再結合および励起子形成は主にホスト分子において主に起こる。次に、励起エネルギーを、ホスト分子から発光溶質分子へ移動させる必要がある。このエネルギー移動のために、ホスト材料のスペクトル発光性発光帯が、発光溶質の吸収帯と重なることが必要である。したがって、本発明の重要な実施態様は、構成成分間にこのスペクトル関係を有する本発明化合物の混合物を調製することである。例えば、スペクトルの青色領域で発光する化合物は、緑色発光体である化合物のホストとして機能することができる。緑色発光体化合物中の5%の青色発光体化合物の溶液のUV誘発架橋によって調製されたポリマーフィルムは、純粋緑色発光体のUV架橋によって調製されたフィルムと比較して、緑色発光体によって放出される緑色光のかなり少ない自己吸収を示す。
【0162】
錯体
本発明の配位子は、八面体遷移金属錯体および平面正方形遷移金属錯体の両方を作製するのに有用である。イリジウム(III)、オスミウム(II)、ルテニウム(II)の八面体錯体、および白金(II)の平面正方形錯体が好ましい。
【0163】
本発明の八面体錯体は、前記のイリジウム(III)、オスミウム(II)およびルテニウム(II)から選択される金属、ならびに1個の本発明配位子および1,4二座配位子および単数もしくは複数の補助配位子、または2個の本発明配位子および単数もしくは複数の補助配位子を特徴とする。例示的本発明錯体において、L
1およびL
2の第二配位子中心は窒素であり、第一配位子中心はsp
2混成炭素であり、L
1およびL
2のそれぞれの腕は1個または2個の架橋性基B(およびB
1)で終結している。
【0164】
本発明は、さらに、白金(II)(two)と、1個のLb型の本発明配位子および二座補助配位子または一対の単座補助配位子との平面正方形錯体に関する。
【0165】
本発明の錯体は、標準条件下に、例えば、適切な溶剤中で構造Laの適切な配位子および金属塩を加熱し、次に、適切な補助配位子に添加することによって形成することができる。この方法は、下記の反応式において、八面体イリジウム錯体および平面正方形白金錯体について概略的に示されている。
【0166】
反応式1 八面体錯体の合成
実施例
【化23】
ビス−ヘテロレプティック八面体錯体、すなわち、2個の本発明配位子を有する該錯体は、各配位子の第二配位子中心(各場合に窒素)および金属が実質的に線状整列するように形成される。したがって、該錯体は、下記のIr(4−pepe−2−ppy)
2(acac)の結晶構造に見られるように、この同じ線状軸に沿って突出した腕を持つ。この線状性、および配位子の腕における芳香環によって付与されるπ積み重ね相互作用は、本発明の錯体が液晶ホスト材料と整列することを可能にし、それによって分子整列発光体コアおよび異方性発光特性を有する発光体層(燐光層)を作製することを可能にする。
【0167】
反応式2 平面正方形錯体の合成
実施例
【化24】
下記の構造
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−B
の少なくとも1個の腕を有する配位子および該配位子を含有する錯体に関して本発明を説明したが、合成の間にいくつかの中間体が生成されることが理解される。特に、下記の構造
−Ar
1a−Y
1b−Ar
2−[Y
2c−Ar
2]
d−S−LG
の1個またはそれ以上の腕を有する配位子を作製しうる。
【0168】
式中、LGは脱離基、例えば、ヒドロキシ基(−OH)、ハライド(−Clまたは−Brまたは−I)、スルホン酸エステル(例えば、−メシレートまたは−トシレート)、カルボキシレート、フェノキシド、または当分野で既知の任意の他の一般的脱離基である。
【0169】
架橋性基を有する配位子から錯体を生成することは、合成の間に面倒な事態を生じうる。特に、錯体を形成する反応は、多くの場合、高温で行われる。架橋性基は、高温で不安定であることが多い。したがって、前記中間体構造の1個またはそれ以上の腕を有する配位子を使用して錯体を形成し、次に、すでにメタル化された配位子錯体に、脱離基との反応によって架橋基を付加することが有利でありうる。
【0170】
メタル化の前および後の両方における架橋基の付加の例は、下記の非限定的実施例に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0171】
本発明を、下記の非限定的図に関してさらに説明する。
図1および
図2は、本明細書に記載のイリジウム錯体の発光特性を示す。これらの図において、輝線は約500nmで開始している。
【
図1】
図1は、希トルエン溶液中のIr(4−p−2−ppy)
2(acac)の標準化された吸収スペクトルおよび発光スペクトルである。
【
図2】
図2は、希トルエン溶液中のIr(4−bp−2−ppy)
2(acac)の標準化された吸収スペクトルおよび発光スペクトルである。
【実施例】
【0172】
合成実施例
本発明の化合物および錯体は、当業者に周知の有機合成および有機金属化学において一般的な方法によって合成しうる。これらの化合物の合成方法の例示的実施例を下記に示す。理解されるように、これらの材料の性質は、モジュラ合成方法を使用することを可能にする。下記に示す実施例は、単に例示するものであって、本発明の範囲を決して限定するものではない。
【0173】
反応式1:ビス−ヘテロレプティック架橋性イリジウム錯体Ir(4−dpe−2−ppy)
2(acac)の合成
【化25】
【0174】
Pd(PPh
3)
4を触媒として使用する4−ブロモ−2−フェニルピリジン(1)とフェニルボロン酸との鈴木カップリングは、ピリジン2位における良好な選択性を与え、化合物(2)を良好な収率で与えた。これは、残留Ar−Br結合を、(4−ビニルフェニル)ボロン酸を使用する第二鈴木カップリングに使用することを可能にして、化合物(3)を与えた。DMF中130℃でPd(PPh
3)
2Cl
2を触媒として使用する5−(4−ブロモフェノキシ)ペンタン−1−オールとのヘックカップリングは、化合物(4)を生じ、これをシュテークリヒエステル化によってメタクリル酸でエステル化して(E)−5−(4−(4−(2−フェニルピリジン−4−イル)スチリル)フェノキシ)フェニルメタクリレート(5)を得た。次に、還流THF(乾燥かつ脱気されている)中でビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド([Ir(cod)Cl]
2)をイリジウム源として使用するシクロメタル化によってダイマー1を得、DCM中40℃でテトラブチルアンモニウムヒドロキシドと共にアセチルアセトンを使用して架橋性ビス−ヘテロレプティックacac燐光体Ir(4−dpe−2−ppy)
2(acac)に変換した。
【0175】
4−ブロモ−2−フェニルピリジン(2)
2,4−ジブロモピリジン(化合物1、4.35g、0.0184mol)、フェニルボロン酸(2.24g、0.0184mol)、Na
2CO
3(5.84g、0.0551mol)、ジメトキシエタン(50mL)および水(20mL)を全て3口丸底フラスコに添加した。その系を、窒素を不活性ガスとして使用する2回の凍結脱気サイクルによって脱気した。次に、Pd(PPh
3)
4(1.06g、0.92mmol)を添加し、その反応混合物を1回の凍結脱気サイクルによって再び脱気した。その反応混合物を還流下に2日間加熱し、次に、分液漏斗に流し込んだ。酢酸エチル(200mL)を使用してワークアップを行い、有機抽出物を水(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、100%DCM)によって精製して、淡黄色油状物(2.85g、66.3%)を得た。
【0176】
2−フェニル−4−(4−ビニルフェニル)ピリジン(3)
4−ブロモ−2−フェニルピリジン(化合物2、2.00g、0.0085mol)、(4−ビニルフェニル)ボロン酸(1.52g、0.0103mol)、Na
2CO
3(2.72g、0.0256mol)、テトラヒドロフラン(30mL)および水(10mL)を全て3口丸底フラスコに添加した。その系を、窒素を不活性ガスとして使用する2回の凍結脱気サイクルによって脱気した。次に、Pd(PPh
3)
4(0.99g、0.85mmol)を添加し、その反応混合物を1回の凍結脱気サイクルによって再び脱気した。その反応混合物を還流下に2日間加熱し、次に、分液漏斗に流し込んだ。ジエチルエーテル(2x150mL)を使用してワークアップを行い、有機抽出物を水(2x200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、100%DCM)によって精製して、粉末状物を得た。
【0177】
(E)−5−(4−(4−(2−フェニルピリジン−4−イル)スチリル)フェノキシ)ペンタン−1−オール(4)
2−フェニル−4−(4−ビニルフェニル)ピリジン(化合物3、2.00g、0.0078mol)、5−(4−ブロモフェノキシ)ペンタン−1−オール(3.02g、0.0117mol)、K
2CO
3(1.07g、0.0078mol)および乾燥DMF(50mL)を全て3口丸底フラスコに添加した。その系を、窒素を不活性ガスとして使用する2回の凍結脱気サイクルによって脱気した。次に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.27g、0.39mmol)を添加し、その反応混合物を130℃で24時間加熱した。次に、その反応混合物を分液漏斗に流し込み、DCM(200mL)、続いて水(200mL)を添加し、水性層を追加のDCM(100mL)で抽出し、合わせた有機物を水(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過した。濾液を減圧下に蒸発乾固し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、ヘキサン中30%の酢酸エチル)によって精製して、粉末状物を得た。
【0178】
(E)−5−(4−(4−(2−フェニルピリジン−4−イル)スチリル)フェノキシ)ペンチルメタクリレート(5)
DCC(0.95g、0.0046mol)を、乾燥CH
2Cl
2(25mL)中の化合物4(1.00g、0.0023mol)、メタクリル酸(0.40g、0.0046mol)およびDMAP(0.28g、0.0023mol)の溶液に、窒素雰囲気下に室温で少しずつ添加した。その反応混合物を24時間撹拌し、形成されたDCUを濾過し、CH
2Cl
2を減圧除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(湿潤装填、シリカゲル、100%DCM)によって精製して、粉末状物を得た。
【0179】
Ir(4−dpe−2−ppy)
2(acac)
乾燥THF(20mL)中の化合物5(0.50g、0.99mmol)の溶液を、3回の凍結脱気サイクルによって脱気し、[Ir(cod)Cl]
2(0.32g、0.48mmol)を添加した。その反応混合物を還流下に2日間加熱し、室温に冷却し、形成された沈殿物を濾過した。真空乾燥した後、ダイマー1を固形物として得た。次に、DCM(50mL)中のダイマー1(0.30g、0.12mmol)、TBAOH(30水和物、0.97g、1.22mmol)およびアセチルアセトン(5mL)の溶液を40℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を分液漏斗に流し込み、DCM(100mL)、次に水(150mL)を添加し、水性層を追加のDCM(100mL)で抽出し、合わせた有機物を水(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過した。濾液を減圧下に蒸発乾固し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、ヘキサン中50%のDCM)によって精製して、粉末状物を得た。
【0180】
反応式2:ビス−ヘテロレプティック架橋性イリジウム錯体Ir(4−durph−2−pyrpy)
2(acac)の合成
【化26】
【0181】
Pd(OAc)
2を触媒として使用する4−ブロモ−2−フェニルピリジン(1)とN−Boc−2−ピロールボロン酸との鈴木カップリング反応を、PtBu
3の空気敏感性によりグローブボックスにおいて行い、4−ブロモ−2−(N−Boc−ピロール−2−イル)ピリジン(6)を良好な選択性で得た。これは、残留Ar−Br結合を使用して、ボロン酸エステル官能基(7)に変換して、1,4−ジヨードデュレンにモノ鈴木カップリングして、化合物(8)を生じることを可能にした。(4−ノナ−8−エン−1−イルオキシ)フェニル)ボロン酸との鈴木カップリング反応によって、架橋結合基を化合物(8)に結合させて、化合物(9)を得た。Boc脱保護によって(10)を得、次に、2−エトキシエタノール/H
2O中110℃でIrCl
3・3H
2Oを使用してシクロメタル化してダイマー2を得、該ダイマー2を、2−エトキシエタノール中90℃でアセチルアセトンおよび炭酸ナトリウムを使用して架橋性ビス−ヘテロレプティックacac燐光体Ir(4−durph−2−pyrpy)
2(acac)に変換した。
【0182】
反応式3:平面正方形架橋性白金錯体Pt(3−ph−4−ph)−(2−ppy)(acac)の合成
【化27】
【0183】
Pd(PPh
3)
4を触媒として使用する5−ブロモ−2−ヨードピリジン(11)と(4−ブロモフェニル)ボロン酸との鈴木カップリング反応は、化合物(12)を適度の収率で与えた。次に、5−ブロモ−2−(4−ブロモフェニル)ピリジン(12)を、(4−(オクチルオキシ)フェニル)ボロン酸との鈴木カップリングによって化合物(13)に変換し、次に、BBr
3を使用するオクチルオキシ脱保護を行って、対応するビス−フェノール(14)を得た。炭酸カリウムを塩基として使用して還流ブタノン中で8−ブロモ−1−ビニルオキシオクタンとのウィリアムソンエーテル反応を行って、架橋結合基を化合物(14)に結合させた。次に、2−エトキシエタノール中80℃でK
2PtCl
4を使用して(15)のシクロメタル化を行ってダイマー3を得、2−エトキシエタノール中100℃でアセチルアセトンおよび炭酸ナトリウムを使用して該ダイマー3を架橋性acac燐光体Pt(3−ph−4−ph)−(2−ppy)(acac)に変換した。
【0184】
反応式4:ビス−ヘテロレプティック非架橋性イリジウム錯体Ir(4−p−2−ppy)
2(acac)およびIr(4−bp−2−ppy)
2(acac)の合成
【化28】
【0185】
反応式4は、スペーサを、特許請求の範囲に記載されている本発明の配位子に到達させるために結合させることができる配位子の中心部分の合成を示す。
【0186】
副生成物として得た2,4−ジフェニルピリジン(16)(0.54g)を使用して、前記の手順に従って4−ブロモ−2−フェニルピリジン(2)を調製した。Pd(PPh
3)
4を触媒として使用する4−ブロモ−2−フェニルピリジン(2)と1,1’−ビフェニル]−4−イルボロン酸との鈴木カップリング反応は、化合物(17)を良好な収率で与えた。次に、2−エトキシエタノール/H
2O中110℃でIrCl
3・3H
2Oを使用して化合物(17)のシクロメタル化を行ってダイマー5を得、2−エトキシエタノール中90℃でアセチルアセトンおよび炭酸ナトリウムを使用して該ダイマー5をビス−ヘテロレプティックacac燐光体Ir(4−bp−2−ppy)
2(acac)に変換した。最後に、IrCl
3・3H
2Oを使用して化合物(16)のシクロメタル化を行ってダイマー4を得、2−エトキシエタノール中90℃でアセチルアセトンおよび炭酸ナトリウムを使用して該ダイマー4をビス−ヘテロレプティックacac燐光体Ir(4−p−2−ppy)
2(acac)に変換した。
【0187】
4−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−フェニルピリジン(17)
1,1’−ビフェニル−4−イルボロン酸(0.99g、0.0050mol)、4−ブロモ−2−フェニルピリジン(0.90g、0.0038mol)、K
2CO
3(2.65g、0.0192mol)、トルエン(30mL)、エタノール(5mL)および水(15mL)を全て3口丸底フラスコに添加し、その系に、真空ポンプでの排気および窒素充填を3回行った。次に、Pd(PPh
3)
4(0.22g、0.19mmol)を添加し、その反応混合物を還流下に一晩撹拌した。その反応混合物を分液漏斗に流し込み、その中に追加の水(50mL)およびトルエン(50mL)の両方を添加し、水層をトルエン(20mL)で洗浄し、合わせた有機層を水(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、100%DCM〜5%エタノール/DCM)によって精製して、白色粉末状物(0.59g、50%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)8.76(1H,dd,J=5.0および0.6Hz),8.06−8.08(2H,m),7.99(1H,dd,J=1.6および0.8Hz),7.80(2H,d,J=8.4Hz),7.75(2H,d,J=8.8Hz),7.66(2H,m),7.46(7H,m)
【0188】
Ir(4−p−2−ppy)
2(acac)
2−エトキシエタノール(20mL)および水(7mL)中の化合物16(0.54g、2.33mmol)の懸濁液を、窒素パージし、IrCl
3・3H
2O(0.41g、1.13mmol)を添加した。その反応混合物を110℃に一晩(20時間)加熱し、室温に冷却し、水(40mL)で沈殿させた。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた(DCMに溶解し、MgSO
4で乾燥)。回転蒸発器で溶剤を蒸発させ、真空乾燥した後、赤色粉末状物(ダイマー4)を得た(0.56g、71.8%)。次に、2−エトキシエタノール(50mL)中にダイマー4(0.54g、0.39mmol)、Na
2CO
3(0.60g、5.66mmol)およびアセチルアセトン(5mL)を含有する反応混合物を、90℃に一晩加熱した。その反応混合物を室温に冷却し、水(50mL)で沈殿させ、濾過し、乾燥させた(DCMに溶解し、MgSO
4で乾燥)。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、50%DCM/ヘキサン)によって精製して、黄色がかったオレンジ色の粉末状物(0.17g、28.8%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)8.56(2H,d,J=6.0Hz),8.06(2H,d,J=2.0Hz),7.80−7.81(4H,m),7.65(2H,dd,J=8.0および1.2Hz),7.48−7.59(6H,m),7.38(2H,dd,J=6.0および2.0Hz),6.84(2H,td,J=7.2および1.2Hz),6.73(2H,td,J=7.2および1.2Hz),6.38(2H,dd,J=7.6および0.8Hz),5.26(1H,s),1.83(6H,s),ASAP−MS:753.2([M+1]
+)
【0189】
Ir(4−bp−2−ppy)
2(acac)
2−エトキシエタノール(35mL)および水(10mL)中の化合物17(0.56g、1.82mmol)の懸濁液を、窒素パージし、IrCl
3・3H
2O(0.32g、0.89mmol)を添加した。その反応混合物を110℃に一晩(20時間)加熱し、室温に冷却し、水(50mL)で沈殿させた。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた(DCMに溶解し、MgSO
4で乾燥)。真空乾燥した後、赤色粉末状物(ダイマー5)を得た(0.75g、100%)。次に、2−エトキシエタノール(50mL)中にダイマー5(0.75g、0.45mmol)、Na
2CO
3(0.47g、4.43mmol)およびアセチルアセトン(5mL)を含有する反応混合物を、90℃に一晩加熱した。その反応混合物を室温に冷却し、水(50mL)で沈殿させ、濾過し、乾燥させた(DCMに溶解し、MgSO
4で乾燥)。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(乾燥装填、シリカゲル、50%DCM/ヘキサン〜100%DCM)によって精製して、オレンジ色の粉末状物(0.33g、40.7%)を得た。
ASAP−MS:905.3([M+1]
+)
【0190】
反応式5:ビス−ヘテロレプティック架橋性イリジウム錯体Ir(4−dpe−2−ppy)
2(acac)の合成(メタル化後に架橋結合基を付加)
【化29】
【0191】
白金錯体の例
下記の構造は、本発明の平面正方形白金錯体の特定実施形態を示す。
【化30】
【化31】
【化32】
【0192】
八面体イリジウム錯体の例
下記の構造は、本発明のビス−ヘテロレプティック八面体錯体の例を示す。
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【0193】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に詳しく記載したが、本発明の範囲または添付の特許請求の範囲を逸脱しなければ、それらに変更を加えうることを当業者は理解するものとする。
【国際調査報告】