(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-511781(P2020-511781A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】グレージングユニット、その製造方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
H01L 31/054 20140101AFI20200319BHJP
H01L 31/0236 20060101ALI20200319BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20200319BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20200319BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20200319BHJP
H01L 31/048 20140101ALI20200319BHJP
F24S 80/52 20180101ALI20200319BHJP
【FI】
H01L31/04 620
H01L31/04 280
H01L31/04 420
G02B5/26
G02B5/28
H01L31/04 560
F24S80/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-546346(P2019-546346)
(86)(22)【出願日】2018年2月23日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月21日
(86)【国際出願番号】EP2018054492
(87)【国際公開番号】WO2018154045
(87)【国際公開日】20180830
(31)【優先権主張番号】102017203105.0
(32)【優先日】2017年2月27日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー・ヘーン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クロイアー
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト・ブレージ
(72)【発明者】
【氏名】ティルマン・クーン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヒンシュ
【テーマコード(参考)】
2H148
5F151
【Fターム(参考)】
2H148FA05
2H148FA24
2H148GA04
2H148GA13
2H148GA32
5F151BA03
5F151CB15
5F151CB30
5F151HA14
5F151HA18
5F151JA03
5F151JA25
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一つのガラス(3)を備える又はから成る審美効果用のグレージングユニット(1)に関し、そのガラス(3)は第一構造化面(4)を有し、その第一構造化面(4)に三次元フォトニック構造体(2)が適用され、フォトニック構造体(2)の平均屈折率は略1.6超、略1.8超、又は略1.95超である。本発明は、そのようなグレージングユニットの製造と、その使用にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのガラス(3)を備える又はから成る審美効果用のグレージングユニット(1)であって、前記ガラス(3)が第一構造化面(4)を有し、前記第一構造化面(4)にフォトニック構造体(2)が適用されていて、前記フォトニック構造体(2)が、入射電磁放射の第一部分スペクトルを反射し、入射電磁放射の第二部分スペクトルを透過させるように構成されていて、反射部分が高調波に対応して可視スペクトル範囲内にあることを特徴とするグレージングユニット(1)。
【請求項2】
前記フォトニック構造体(2)の平均屈折率が略1.6超、略1、8超、又は略1.95超であることを特徴とする請求項1に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項3】
前記フォトニック構造体(2)がブラッグフィルタを含む又はから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項4】
前記フォトニック構造体(2)が、第一屈折率を有する第一物質を含む第一層を備え、前記フォトニック構造体(2)が、第二屈折率を有する第二物質を含む第二層を備え、前記第一屈折率が略1.5から略2.2までの間であり、前記第二屈折率が略1.8から略2.5までの間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項5】
前記フォトニック構造体(2)が、
厚さ140nmのSi3N4、厚さ170nmのTiO2、厚さ200nmのSi3N4、厚さ170nmのTiO2、及び厚さ140nmのSi3N4の層構造と、
厚さ165nmのSi3N4、厚さ190nmのTiO2、厚さ240nmのSi3N4、厚さ190nmのTiO2、及び厚さ165nmのSi3N4の層構造と、
厚さ120nmのSi3N4、厚さ140nmのTiO2、厚さ170nmのSi3N4、厚さ140nmのTiO2、及び厚さ120nmのSi3N4の層構造と、
厚さ140nmのSi3N4、厚さ170nmのTiO2、及び厚さ140nmのSi3N4の層構造と、
厚さ165nmのSi3N4、厚さ190nmのTiO2、及び厚さ165nmのSi3N4の層構造と、
厚さ120nmのSi3N4、厚さ140nmのTiO2、及び厚さ120nmのSi3N4の層構造と
のうちの一つの層構造を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項6】
前記層構造を完成させるカバー層として、略100nmから略230nmの厚さ、又は略3nmから略100nmの厚さを有するSiO2層を更に備える請求項5に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項7】
前記グレージングユニット(1)が、それぞれ異なる第一部分スペクトルを反射する複数のフォトニック構造体(2a、2b、2c)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項8】
前記ガラス(3)が、前記ガラス(3)の第一構造化面(4)に対向して位置する第二構造化面(5)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項9】
少なくとも一つの第二フォトニック構造体が前記第二構造化面(5)上に位置していることを特徴とする請求項8に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項10】
前記グレージングユニット(1)が、第一フォトニック構造体(2)を有する第一表面領域と、第二フォトニック構造体を有するか又はフォトニック構造体を有さない第二表面領域とを備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項11】
前記ガラス(3)が、ガラスブロック、ガラスタイル、又は窓ガラスの少なくとも一部分であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)。
【請求項12】
少なくとも一つのフォトニック構造体(2)とガラス(3)とを備える又はから成る審美効果用のグレージングユニット(1)を製造するための方法であって、
ガラス(3)を提供するステップと、前記ガラス(3)上に第一構造化面(4)を形成するステップと、前記第一構造化面(4)に前記フォトニック構造体(2)を適用するステップとを備え、前記フォトニック構造体(2)が、入射電磁放射の第一部分スペクトルを反射し、入射電磁放射の第二部分スペクトルを透過させるように構成され、反射部分が高調波に対応して可視スペクトル範囲内にあることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記フォトニック構造体(2)がスパッタリングによって前記ガラス(3)の第一構造化面(4)に適用されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第一構造化面(4)がサンドブラスト、エッチング、エンボス加工、鋳造、又は圧延によって形成されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記第一構造化面(4)に前記フォトニック構造体(2)を適用する前に、前記第一構造化面(4)上にマスクが形成され、前記第一構造化面(4)に前記フォトニック構造体(2)を適用した後に、前記マスクが除去されることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記マスクが、灰化によって、特に前記グレージングユニット(1)を硬化させるのと同時の灰化によって除去されること、及び/又は、
前記マスクが印刷によって形成されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から10のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)を少なくとも一つ含み、少なくとも一つの第一封止フィルム(7a)と、少なくとも一つの太陽光発電セル(8)と、少なくとも一つの第二封止フィルム(7b)と、少なくとも一つの背面フィルム(9)とを含む太陽光発電モジュール。
【請求項18】
請求項1から10のいずれか一項に記載のグレージングユニット(1)を備える太陽熱集熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つのガラスを備えるグレージングユニット、その製造方法、及びその使用に関する。このようなグレージングユニットは、例えば、ファサード要素として使用可能である。
【背景技術】
【0002】
建材一体型太陽光発電(BIPV,building‐integrated photovoltaics)と建材一体型太陽熱エネルギーの市場は、国内外の両方で大きな可能性を秘めている。現状では非常に限られている設計可能性が、建材におけるその技術の広い支持と使用の妨げとなっている。その支持と魅力を増大させるために、太陽光発電セルを備える太陽光発電モジュールや太陽熱集熱器の機能を色彩効果で覆い隠して知覚できなくしているものの要求が高まっている。特に望まれているのは、目的通りに個別の方法で色に影響を与える(例えば、会社のロゴと共に構造化する)のと同時に、可能な最高程度の効率を達成することである。この場合、モジュールの色の印象が可能な限り視野角の影響を受けず、位置に応じたグレア効果が防がれることが望ましい。従来のコンセプトはいずれも許容不能な効率損失を示していて、色の選択肢が限られていて、産業的に実施可能なものではない。
【0003】
例えば、BIPVモジュールをより視覚的に訴求させたい場合、基本的には二つの異なる選択肢がある。一つ目の選択肢では、セルの前方に着色された又は散乱性の窓ガラスを挿入することによって、セルが知覚できなくなるようにモジュールの設計を試すことができる。この選択肢では、太陽光発電モジュールは目に見えなくなる。この場合、窓ガラスが生じさせる従来不可避な効率低下を最小にして、建材のエネルギーバランスに対する十分な効果を達成可能とすることが重要である。
【0004】
二つ目の選択肢では、太陽光発電セルの特別な形状やサイズや位置を選択することによって、セルを目に見えるようにしたままで、意図的にデザイン要素として使用することができる。
【0005】
一つ目の選択肢の場合、着色されたモジュールカバーガラスを着色された窓ガラスとして使用することができる。その可能性の一つは、吸収性色素でガラスを着色又は塗装できることである。これは、比較的自由で単純な色の選択を可能にするが、色素による電磁スペクトルの一部の吸収のために、本当に目に見えない太陽光発電を実現したい場合には、高い損失が生じてしまう。これは広範な支持を事実上排除してしまう。また、ルミネセンス発光材を使用して、全体的な効率を良好に保つこともできる。しかしながら、ルミネセンス発光材を使用する場合であっても、産業的な実施からはかけ離れていて、色の選択肢は、入手可能なルミネセンス発光材の色に依存するので、限られている。
【0006】
選択的反射カバー層の使用は、全体的な効率に最小の影響しか与えないので、更なるデザインの範囲を切り開く。欠点は、色の印象の角度依存性であり、これは一般的に建材では望ましくない。
【0007】
角度依存性の問題を低減するコーティングを有するグレージングユニットが特許文献1で知られている。このコーティングは複雑な層構造で構成されて、8%〜12%の反射損失をもたらす。対応する製品(Kromatix(登録商標))が異なる六色で入手可能である。しかしながら、この技術には憂慮すべき欠点がある。角度に依存しない色の印象は、非常に特別で複雑な薄膜フィルタに基づくものであり、可能な色の数、自由度、達成可能な彩度が限られてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0249424号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、上記従来技術に鑑み、本発明の目的は、特性が改善されたグレージングユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、この目的は、請求項1に係るグレージングユニット、請求項12に係るそのグレージングユニットの製造方法、請求項17に係るそのグレージングユニットを備える太陽光発電モジュール、請求項18に係る太陽熱集熱器によって達成される。本発明の有利な発展形は従属請求項に見出される。
【0011】
本発明は、例えばファサード面やルーフ面の審美効果用のグレージングユニットを提案し、そのグレージングユニットは、少なくとも一つのフォトニック構造体とガラスとを備え又はから成り、そのガラスは第一構造化面を有し、その第一構造化面にフォトニック構造体が適用される。
【0012】
本発明に係るグレージングユニットは、基板として少なくとも一つの透過性又は半透過性の物質を含み、以下ではガラスと称する。本発明の意味における基板には、多層構造、例えば合わせガラスも含まれ得るので、ポリマーフィルムやポリマー層も含まれ得る。本発明の一部実施形態では、「窓ガラス」との指称にもかかわらず、基板が、少なくとも一種のポリマーで完全に構成され得て、次いで、本願で説明される構造化面とフォトニック構造体でコーティングされる。
【0013】
本発明の意味におけるフォトニック構造体は、透過性又は半透過性の固体において生じる又は生成される屈折率の変調のことである。従って、フォトニック構造体は、第一屈折率を有する少なくとも一つの第一空間領域と、第二屈折率を有する少なくとも一つの第二空間領域とを含んで、光の伝播が回折、界面における反射、及び/又は干渉に影響されるようにする。このため、屈折率は、少なくとも一つの空間方向において、関連する光の波長と同程度の大きさで変調される。
【0014】
本発明の一部実施形態では、第一空間領域と第二空間領域が、複数の異なる組成、二種類の異なる組成で、任意で異なる厚さの複数の薄膜として実現され得る。一部実施形態では、個々の層の光学的層厚は、最大主反射(第0次高調波)が現れる設計波長の略四分の一に対応し得る。
【0015】
本発明に従って使用されるフォトニック構造体は、入射電磁放射の第一部分スペクトルを反射して、入射電磁放射の第二部分スペクトルを透過させるように設計され、反射部分が高調波に対応して、可視スペクトル範囲内に在る。本願において、高調波は、最大主反射(第0次高調波)よりも短い波長、又は、波長分布におけるより短い平均波長に対応する。本発明の一部実施形態では、第2次高調波や第3次高調波が使用可能である。分散の無い媒体では、高調波は、最大主反射(第0次高調波)の周波数の整数倍において生じる。
【0016】
本発明によると、可視スペクトル範囲内における薄膜フィルタの高調波の使用が、高い彩度と、多数の可能な色と設計の選択肢を提供することが分かっている。本発明に従ってフォトニック構造体を構造化面と組み合わせることによって、色の印象の角度依存性を低減又は無くすことができる。本発明に係るグレージングユニットが設けられた建材は、多くの又は全ての視野角において同じ色の印象を有する。
【0017】
フォトニック構造体の第一空間領域と第二空間領域は非周期的に配置可能である。
【0018】
第一空間領域と第二空間領域は周期的にも配置可能である。この目的のために同じ厚さで組成のコーティングが使用可能である。例えば、フォトニック構造体は、干渉効果を利用して、所定の波長又は波長範囲の光を反射して、他の波長を透過させることができる。以下において、反射波長、又は波長範囲の最大値は、ブラッグ波長とも称される。垂直入射における反射波長範囲の幅は75nm未満、65nm未満、又は60nm未満となり得る。
【0019】
本発明によると、このようなフォトニック構造体はガラスの構造化面上に位置する。このため、ガラスは、フォトニック構造体が適用される少なくとも一つの第一構造化面を有する。従って、以下では、この構造体を三次元フォトニック構造体と称する。第一構造化面はガラスの一方の面の部分領域を有し得て、又はガラスの全面に構造化面が設けられ得る。本発明の意味における構造化面は、凹凸を有する構造を称する。本発明の一部実施形態では、RMS(二乗平均平方根)粗度は、略30nmから略100μmまでの間、又は略80nmから略10μmまでの間となり得る。構造化面は周期的に又は非周期的に構造化され得る。
【0020】
本発明によると、一部実施形態では、薄膜フィルタがフォトニック構造体として構造化面に適用される。従って、この薄膜フィルタも構造化されて、もはや平坦な薄膜フィルタとはみなされないものとなり得る。それでも、その薄膜フィルタはブラッグフィルタや同様のフィルタとして設計可能である。しかしながら、本発明によると、薄膜フィルタとして設計された構造体のいくつかの特性は、構造化ガラスに適用される際に顕著に変化することが分かっていて、もはや一次元薄膜フィルタとは言えなくなる。薄膜構造体の最大主反射及び高調波はこの実施形態において保持されるが、その正確な位置は薄膜フィルタの個々の層の層順によって影響される。構造化面の主な影響の一つは、反射ピークの角度依存性に対する影響である。従って、構造化面上の平坦な薄膜フィルムも、本発明の意味における三次元フォトニック構造体と称される。
【0021】
一部実施形態では、グレージングユニットの平均屈折率は、略1.6超、略1.8超、又は略1.95超となり得て、これら全ては波長550nmにおいて決定されるものである。平均屈折率は、各物質の体積割合で重み付けした屈折率の平均値として定義される。この屈折率は以下の方法ステップによって決定可能である:
フォトニック構造体の薄膜フィルタの全ての層の全厚D
gesの決定、例えば、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡による決定、
薄膜フィルタの異なる層の数の決定、例えばEDX(エネルギー分散型X線分析)を用いた決定、
薄膜フィルタの対象要素の数N
symの決定、
主ピークの波長LD
HPの決定、
第m次高調波の波長LD
mの決定、
ピーク波長を割ることによるmの決定: m=LD
HP/LD
m−1と、整数への四捨五入、
式n=N
sym/D
ges×0.5×LD
m×(m+1)による平均屈折率の計算。
【0022】
本発明によると、ガラスの少なくとも一つの第一側に本発明に係るフォトニック構造体が設けられ、そのフォトニック構造体は構造化面上に配置される。一部実施形態では、この第一側は、外気から離れる方を向く内側であり得るので、フォトニック構造体が外気と汚染から保護される。本発明の他の実施形態では、本発明に係るフォトニック構造体を有するガラスの第一側は、動作中や最終的な組み立て後に外側に位置する表面であり得る。これは彩度を増大させることができる。
【0023】
一部実施形態では、フォトニック構造体は、可視スペクトル範囲内に高調波を有することができる。これは、フォトニック構造体の層厚を厚くすることによって達成可能である。この特徴は、反射波長範囲のスペクトル幅が小さくなるという効果を有する。高調波は、その反射波長又は波長範囲の平均値が、第0次高調波、つまり主波長の反射波長又は波長範囲の平均値よりも小さいものとして区別される。本発明の一部実施形態では、高調波は第2次高調波又は第3次高調波である。これは、反射及び透過における彩度を増大させることができる。これは、より多くの部分の光スペクトルが太陽光発電や集熱器によって利用可能であるのと同時に、観測者が個々のセルの代わりに均一に着色された表面を知覚するようになることを意味する。
【0024】
本発明の一部実施形態では、グレージングユニットの反射損失は12%未満、又は9%未満であり得る。
【0025】
本発明に係る三次元フォトニック構造体を太陽光発電モジュールのモジュールガラスに適用することによって、本発明に係るグレージングユニットを太陽光発電モジュールの一部として使用することができる。太陽光発電モジュールの製造プロセスは、本質的には変化がないものとなり得る。それにもかかわらず、カラーデザインが自由に選択可能であるので、本発明に係る太陽光発電モジュールは広範な応用を有することができる。本太陽光発電モジュールを、従来の太陽光発電モジュールの使用がデザイン上の理由で許されていなかった表面上で使用することができる。同様に、太陽熱集熱器が本発明に係るグレージングユニットを備えることができる。更に、選択的な層を有するグレージングユニットをラミネート加工無しで直接用いて、例えば、非ラミネート型の太陽光発電モジュールで使用することができる。
【0026】
本発明の一部実施形態では、フォトニック構造体は、第一屈折率を有する第一物質を含む第一層を有することができ、また、フォトニック構造体は、第二屈折率を有する第二物質を含む第二層を有することができ、第一屈折率は略1.5から略2.2までの間であり、第二屈折率は略略1.8から略2.5までの間である。本発明の一部実施形態では、屈折率差が略0.2から略0.9までの間となり得る。これは彩度を増大させて、反射損失を更に減少させることができる。
【0027】
本発明の一部実施形態では、三次元フォトニック構造体が薄膜フィルタを有する又はから成り、その薄膜フィルタは、周期的な薄膜フィルタ、特にブラッグフィルタであり得る。ブラッグフィルタは、第一物質の層と第二物質の層とを交互に有するか又はから成る。第一物質及び/又は第二物質は、ZrO
2及び/又はNb
2O
5及び/又はTiO
2及び/又はSi
3N
4及び/又はSiO
2及び/又はAlN、SnO
2及び/又はAl
2O
3及び/又はHfO
2及び/又はTa
2O
5及び/又はSiO
xN
y及び/又はAlO
xN
y及び/又はZnO及び/又はBi
2O
3及び/又はIn
2O
3及び/又はWO
3及び/又はMoO
3を含む又はからなり得る。本発明の一部実施形態では、第一物質及び/又は第二物質は追加的にドーパントを含むことができる。
【0028】
ブラッグフィルタの実施形態は以下の層構造a)からc)のものである:
a)特に厚さ140nmのSi
3N
4、特に厚さ170nmのTiO
2、特に厚さ200nmのSi
3N
4、特に厚さ170nmのTiO
2、及び特に厚さ140nmのSi
3N
4、又は、
b)特に厚さ165nmのSi
3N
4、特に厚さ190nmのTiO
2、特に厚さ240nmのSi
3N
4、特に厚さ190nmのTiO
2、特に厚さ165nmのSi
3N
4、又は、
c)特に厚さ120nmのSi
3N
4、特に厚さ140nmのTiO
2、特に厚さ170nmのSi
3N
4、特に厚さ140nmのTiO
2、特に厚さ120nmのSi
3N
4。
【0029】
Si
3N
4層がフォトニック構造体の外層を形成する場合のその酸化を防止するため、その上にパッシベーション層を配置し得る。パッシベーション層はSiO
2を含む又はから成り得て、例えば、略120nmから略210nmまでの厚さを有する。
【0030】
グレージングユニットのフォトニック構造体とその結果としての色の印象の例を以下の表に与える。
【0031】
【表1】
【0032】
一部実施形態では、SiO
2を含む又はから成る任意選択的なカバー層を省略してもよい。環境の影響に対して保護するため、最後のSiO
2層無しで、このようなグレージングユニットを少なくとも一つのポリマーフィルムでラミネート加工し得る。このようなラミネート加工を省略する場合には、略100nmから略230nmまでの間の厚さを有する最後のSiO
2層が全反射を低減し及び/又は環境の影響による劣化を低減することができる。グレージングユニットをラミネート加工する場合には、最後のSiO
2層がラミネートフィルムに対する接続性を改善することができる。この目的では、最後のSiO
2層が薄くなってもよく、例えば、略5nmから略50nmまでの間、又は略3nmから略100nmまでの間の厚さを有し得る。
【0033】
「構造化ガラス」との用語は、本願において、薄膜フィルタが三次元フォトニック構造体として適用される第一構造化面を有するガラスを意味する。
【0034】
一部実施形態では、グレージングユニットは、それぞれ異なる波長範囲を反射する複数の三次元フォトニック構造体を有する。本発明の一部実施形態では、二つ又は三つの三次元構造体を用いて、異なる色、例えば、赤色、緑色、青色を生じさせることができる。従って、追加的に色を混ぜることによって、広範な色空間に及ぶことができる。
【0035】
このような広範な色空間は、互いに異なる波長又は波長範囲で複数の反射ピークを有する単一の三次元フォトニック構造体を用いることによっても達成可能である。本発明の一部実施形態では、これは、複数の異なる層厚を有する周期的構造又は非周期的構造によって達成可能である。
【0036】
一部実施形態では、グレージングユニット内に存在するガラスは、第一構造化面に対向する第二構造化面を有することができる。第二構造化面は、例えば反射防止層として使用可能である。本実施形態では、前面の反射を排除することによって、更に高い彩度を達成することができる。
【0037】
一部実施形態では、グレージングユニットは、第一フォトニック構造体を有する第一部分領域と、第二フォトニック構造体を有する又はフォトニック構造体を有さない第二部分領域とを有し得る。グレージングユニットの部分領域は、フォトニック構造体を有さない場合には、暗く見える。グレージングユニットの部分領域は、他の部分領域と異なるフォトニック構造体を有する場合、個々の層の層厚や物質が異なると、異なる色に見え得る。本発明の他の実施形態では、部分領域に同一のブラッグフィルタを設けることができるが、これは低い粗度や異なる表面構造を示し得る。これは、色の印象の角度依存性をもたらし得る。グレージングを第一領域と第二領域とに分けることによって、パターンや、ロゴや、他のデザイン要素をグレージングユニット上に形成することができる。
【0038】
本発明によると、本発明に係るグレージングユニットの製造方法も提供される。この場合、まず、第一構造化面がガラス上に形成され、次いで、三次元フォトニック構造体がその第一構造化面に適用される。
【0039】
一部実施形態では、スパッタリングによって、三次元フォトニック構造体をガラスの第一構造化面に適用することができる。スパッタリングはコーティング用に広く用いられているプロセスであるので、本発明に係るグレージングユニットを既存の設備で簡単に製造することができる。従って、このプロセスでは、太陽熱集熱器や太陽光発電モジュール用の従来のカバーガラスを使用することができ、太陽光発電モジュールや太陽熱集熱器の更なる製造のための通常の方法で使用可能である。
【0040】
一部実施形態では、ガラスの第一構造化面をサンドブラスト、エンボス加工、エッチング、鋳造、又は圧延によって形成することができる。上述のように、一部実施形態のグレージングユニットは第二構造化面を有し得る。このユニットも、サンドブラスト、エンボス加工、エッチング、鋳造、圧延によって形成することができる。異なる粗度を有する第一部分領域と第二部分領域に分割することが望まれる場合、任意選択的なマスキングを行うことができる。マスクは、特に印刷プロセスによって適用可能である。
【0041】
グレージングユニットが、第一フォトニック構造体を有する第一部分領域と、第二フォトニック構造体を有するか又はフォトニック構造体を有さない第二部分領域とを有する場合、フォトニック構造体を形成する前に、マスクを適用してもよく、本発明の一部実施形態では、これを印刷プロセスによって行うことができる。マスクが有機物質製である場合には、マスクを灰化によって除去することができる。本発明の一部実施形態では、灰化を、グレージングユニットを硬化させるための熱処理と同時に行うことができる。
【0042】
更に、本発明に係る太陽光発電モジュールが、特に上述のような本発明に係るグレージングユニットを備えて提供される。この場合、本発明に係るグレージングユニットは、当該分野において知られている太陽光発電モジュール内に存在し得る。特に、太陽光発電モジュールは、グレージングユニットと、第一封止フィルムと、太陽光発電セルと、第二封止フィルムと、背面フィルムとを備え得る。封止フィルムの物質の例はエチレン酢酸ビニル及び/又はシリコーンである。
【0043】
一部実施形態では、グレージングユニットを当該分野において知られている太陽熱集熱器に適用することができる。
【0044】
本発明に係るグレージングユニットは、多様な領域と表面の審美効果のために使用可能である。この場合、領域/表面の一部分が本発明に係るグレージングユニットでガラス張りにされて、その領域/表面の他の部分は通常通りに設計されるようにすることが可能である。
【0045】
本発明に係るグレージングユニットは、建材一体型太陽光発電(BIPV)や建材一体型太陽熱システムや屋根設置型システム用の特別なカラーデザインを有するカバーガラスとして、通常の太陽光発電用ではないグレージング部として、例えば、完全ガラス張りの建物のパラペット領域のグレージング部として、又は、車両用の着色グレージング部として使用可能である。後者の場合、文字やパターンやロゴを適用し得るが、その文字等は、依然として光がグレージング部を通ってその後方の室内へと通過することができるようにし得る。
【0046】
以下、図面と実施形態を用いて本発明をより詳細に説明するが、これは本発明の一般的なコンセプトを制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明に係るグレージングユニットの第一実施形態を示す。
【
図2】本発明に係るグレージングユニットの第二実施形態を示す。
【
図3】本発明に係るグレージングユニットの第三実施形態を示す。
【
図4】本発明に係るグレージングユニットの第四実施形態を示す。
【
図5】
図5aと
図5bは本発明に係るグレージングユニットの第五実施形態を示す。
【
図6】本発明に係るグレージングユニットの第六実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、本発明に係るグレージングユニット1の第一実施形態を示し、
図1には三次元フォトニック構造体2とガラス3とが示され、ガラス3は、三次元フォトニック構造体が適用される第一構造化表面4を有する。
【0049】
ガラス3は三次元フォトニック構造体用のキャリア(搬送)材である。ガラス3は透過性又は半透過性の物質であり、図示されていない異なる物質の複数の層で構成されるものともなり得る。例えば、ガラス3に強化層が設けられたり、合わせガラスとして、隣接するガラス層に完全に結合された少なくも一つのポリマーフィルムが含まれたりし得る。本発明の一部実施形態では、「ガラス」との指称にもかかわらず、基板が少なくとも一種のポリマーで完全に構成され得て、その基板に順に上記構造化面とフォトニック構造体が適用される。
【0050】
本第一実施形態では、三次元フォトニック構造体2は、それぞれSi
3N
4又はTiO
2を含む個々の層が複数交互になっている薄膜フィルタである。層厚を選択することによって、反射波長、つまりはグレージングユニット1のカラーデザインを、特定の色、例えば赤色を示すように選択することができる。層厚は略100nmから略250nmまでの間で選択され得る。個々の層の数は1個から略100個までの間や、略3個から略20個までの間となり得る。
【0051】
フォトニック構造体2の個々の層は構造化面4に適用され、その構造化面4は、サンドブラスト、圧延、エッチング、鋳造、エンボス加工等の当該分野で知られている方法によって形成可能である。
【0052】
ガラス3が構造化面4を有するので、その薄膜フィルタも、もはや平坦な薄膜フィルタとはみなされないように構造化される。それでも、その薄膜フィルタはブラッグフィルタや同様のフィルタとして設計可能である。しかしながら、本発明によると、薄膜フィルタとして設計された構造体のいくつかの特性が、構造化ガラス3に適用される際に顕著に変化することが分かっていて、もはや一次元薄膜フィルタとは呼べなくなる。薄膜構造体の最大主反射及びその高調波はこの実施形態においては保持されるが、その実際の位置は、薄膜フィルタの個々の層の層順に影響され得る。構造化面の主な影響の一つは、反射ピークの角度依存性に対する影響である。視野角が変化する場合、グレージングユニット1のカラーデザインは、既知の着色グレージングユニットよりも小さな変動を示す。これと同時に、太陽エネルギー発生に使用可能なスペクトルの透過率が、従来技術、特に色素着色グレージングユニットのものよりも高くなる。
【0053】
図2は、本発明に係るグレージングユニット1の第二実施形態を示し、三つの異なる三フォトニック次元構造体2a、2b、2cがガラス3の構造化面4上に形成されている。これら三つの三次元フォトニック構造体は異なる色を示すように変えてあり、つまり、異なる波長の光を反射する。このようにして、三原色を重ねることによって混色を作り出して、設計可能性を更に増やすことができる。
【0054】
三つの三次元フォトニック構造体2c、2b、2cは、順にスパッタリングすることによってガラス3の予め構造化された面4に適用可能である。これらフォトニック構造体2a、2b、2cは、個々の層の組成及び/又は厚さ及び/又は数において異なり得る。
【0055】
図3に示されている本発明に係るグレージングユニット1の第三実施形態では、ガラス3は、ガラス3の第一構造化面4に対向する第二構造化面5を有する。
【0056】
第二構造化面5は、グレージングユニットの通過によって、通行人の目を眩ませてしまい、また更に強度を減少させてしまう表面上の望ましくない反射を防止するために使用可能である。
【0057】
本発明に係るグレージングユニット1の第四実施形態も、第二構造化面5と、ガラス3と、第一構造化面4とを有し、この点に関しては、
図3に示される本発明に係るグレージングユニットの第三実施形態に対応している。しかしながら、
図4に示されるように、グレージングユニット1は、
図2と同様に、異なる色の印象を生じさせる三つの異なる三次元フォトニック構造体2a、2b、2cを有し、混色の全体的な印象が生じる。
【0058】
図5a及び
図5bに示される本発明に係るグレージングユニットの第五実施形態は、三次元フォトニック構造体2と、構造化面4と、ガラス3とを有する。ガラス3の表面上にデザイン要素6が存在し、そのデザイン要素6は、最も単純な場合には接着フィルムで形成可能である。
図5aは断面図を示し、
図5bは平面図を示し、例示目的で文字型のデザイン要素が示されている。
【0059】
ここで、デザイン要素を形成するために、グレージングユニットが、第一フォトニック構造体を有する第一部分領域と、第二フォトニック構造体を有するか又はフォトニック構造体を有さない第二部分領域を有することが有利である。グレージングユニットの部分領域は、フォトニック構造体を有さない場合に、黒色に見える。グレージングユニットの選択された部分領域は、他の部分領域とは異なるフォトニック構造体を有する場合に、層厚、及び/又は、個々の層の物質、及び/又は、個々の層の数が異なると、異なる色に見え得る。本発明の他の実施形態では、部分領域に同一のブラッグフィルタが設けられ得るが、これは低い粗度や異なる表面構造を示し得る。これは、色の印象のより大きな角度依存性をもたらし得る。グレージングを第一領域と第二領域とに分けることによって、パターンや、ロゴや、他のデザイン要素をグレージングユニット上に形成することができる。これと同時に、全表面に亘る本発明の高い透過性が、本発明の主な利点を維持する。
【0060】
図6は、本発明の第六実施形態を示し、本発明に係るグレージングユニット1が太陽光発電モジュールに設置される様子を示す。この場合、太陽光発電モジュールは、カバーガラスとしてグレージングユニット1を有する。
【0061】
ガラス3とフォトニック構造体2とを有する本発明に係るグレージングユニットは、第一封止フィルム7a上に位置し、その第一封止フィルム7aは、例えば、エチレン酢酸ビニルやシリコーン製である。更に、太陽光発電モジュールは第二封止フィルム7bを含む。封止フィルム7a、7bは少なくとも一つの太陽光発電セル8を含み、その太陽光発電セル8は、当該分野で知られているような太陽電池セルであり得る。本発明は、その解決策の原理として特定のセルの使用を教示するものではない。最後に、太陽光発電モジュールは、標準的な背面フィルム9を有する。このような太陽光発電モジュールは、建材一体型太陽光発電に使用可能である。
【0062】
勿論、本発明は例示された実施形態に限定されるものではない。従って、上記説明は、限定的なものではなく、例示的なものとみなされるものである。添付の特許請求の範囲は、記載されている特徴が本発明の少なくとも一つの実施形態に存在しているものとして理解されるものであり、追加の特徴の存在を排除するものではない。特許請求の範囲及び明細書において、「第一」や「第二」の実施形態と定められている場合、その指称は、二つの実施形態を区別するために使用されているものであって、それらの順位を定めるものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 グレージングユニット
2 フォトニック構造体
3 ガラス
4 第一構造化面
5 第二構造化面
6 デザイン要素
7 封止フィルム
8 太陽光発電セル
9 背面フィルム
【国際調査報告】