特表2020-511811(P2020-511811A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-511811適応ビットレートストリーミングの間の複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-511811(P2020-511811A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】適応ビットレートストリーミングの間の複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/462 20110101AFI20200319BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20200319BHJP
   H04N 21/6371 20110101ALI20200319BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20200319BHJP
   H04L 12/903 20130101ALI20200319BHJP
【FI】
   H04N21/462
   H04N21/442
   H04N21/6371
   G06F13/00 540B
   H04L12/903
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-542401(P2019-542401)
(86)(22)【出願日】2018年2月15日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月5日
(86)【国際出願番号】US2018018399
(87)【国際公開番号】WO2018152347
(87)【国際公開日】20180823
(31)【優先権主張番号】15/436,456
(32)【優先日】2017年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu−ray
(71)【出願人】
【識別番号】518348942
【氏名又は名称】ディビックス, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァサン, マユール
(72)【発明者】
【氏名】ブラムウェル, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ファム, ジャン
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA13
5B084AB04
5B084AB07
5B084BA09
5B084BB19
5B084DA21
5B084DB10
5B084DC02
5B084DC06
5B084DC13
5B084DC18
5B084DC23
5C164FA06
5C164GA03
5C164TB32P
5C164UB21S
5C164UB41P
5C164UC21P
5C164YA21
5C164YA24
5K030GA11
5K030HB02
5K030HB08
5K030HC01
5K030HD03
5K030KX30
5K030LB05
5K030MB01
5K030MD02
(57)【要約】
適応ビットレートストリーミングの間の複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替のためのシステムおよび方法。一実施形態では、適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイスは、プロセッサと、ネットワークインターフェースと、プロセッサに接続されるメモリとを含み、メモリは、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションを含み、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションは、プロセッサに、コンテンツを第1のコンテンツ配信ネットワークから受信し、受信されたコンテンツからの再生変数に基づいて、最小性能閾値を決定し、最小性能閾値が満たされない場合、新しいコンテンツを第2のコンテンツ配信ネットワークから受信するように指示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイスであって、
プロセッサと、
ネットワークインターフェースと、
前記プロセッサに接続されるメモリであって、前記メモリは、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションを含む、メモリと
を備え、
前記コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションは、前記プロセッサに、
コンテンツを第1のコンテンツ配信ネットワークから受信することと、
前記受信されたコンテンツからの再生変数に基づいて、最小性能閾値を決定することと、
前記最小性能閾値が満たされない場合、新しいコンテンツを第2のコンテンツ配信ネットワークから受信することと
を行うように指示する、適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項2】
前記最小性能閾値は、最小バッファ閾値を満たすことを含む、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項3】
前記バッファ閾値は、少なくとも6秒である、請求項2に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項4】
前記最小性能閾値は、最小再生ビットレート閾値を満たすことを含む、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項5】
前記最小性能閾値は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)404エラーが検出される場合、満たされない、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項6】
前記最小性能閾値は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーが検出される場合、満たされない、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項7】
受信された前記新しいコンテンツは、同一品質レベルである、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項8】
前記コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションはさらに、前記プロセッサに、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーを被る任意のコンテンツ配信ネットワークの記録を作成するように指示する、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項9】
前記コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションはさらに、前記プロセッサに、コンテンツをハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーの記録内の任意のコンテンツ配信ネットワークからの第2のコンテンツ配信ネットワークから受信することを回避するように指示する、請求項8に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項10】
前記メモリはまた、前記プロセッサにコンテンツを再生するように指示する、メディア再生アプリケーションを含む、請求項1に記載の適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイス。
【請求項11】
適応コンテンツ配信ネットワーク切替のための方法であって、
コンテンツを第1のコンテンツ配信ネットワークから受信するステップと、
前記受信されたコンテンツからの再生変数に基づいて、最小性能閾値を決定するステップと、
前記最小性能閾値が満たされない場合、新しいコンテンツを第2のコンテンツ配信ネットワークから受信するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記最小性能閾値は、最小バッファ閾値を満たすことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バッファ閾値は、少なくとも6秒である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記最小性能閾値は、最小再生ビットレート閾値を満たすことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記最小性能閾値は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)404エラーが検出される場合、満たされない、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記最小性能閾値は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーが検出される場合、満たされない、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
受信された前記新しいコンテンツは、同一品質レベルである、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションはさらに、前記プロセッサに、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーを被る任意のコンテンツ配信ネットワークを記録するように指示する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションはさらに、前記プロセッサに、コンテンツをハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーの記録内の任意のコンテンツ配信ネットワークからの第2のコンテンツ配信ネットワークから受信することを回避するように指示する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記メモリはまた、前記プロセッサにコンテンツを再生するように指示するメディア再生アプリケーションを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、適応ビットレートストリーミングシステムに関し、より具体的には、適応ビットレートストリーミングを実施するときの複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット使用の急成長している分野は、メディアストリーミングであって、これは、消費者が、多くの従来の配信方法をバイパスしながら、直接インターネットからメディアコンテンツを消費することを可能にする。メディアのストリーミングとは、再生デバイス上でのメディアの再生を説明し、メディアは、サーバ上に記憶され、再生の間、ネットワークを経由して、再生デバイスに送信される。典型的には、再生デバイスは、再生の間、任意の所与の時間において、十分な量のメディアをバッファ内に記憶し、再生デバイスがメディアの次の部分の受信に先立って全てのバッファされたメディアの再生を完了することに起因する、再生の途絶を防止する。適応ビットレートストリーミングまたは適応ストリーミングは、現在のストリーミング条件(例えば、ユーザのネットワーク帯域幅およびCPU容量)をリアルタイムで検出し、適宜、ストリーミングされるメディアのビットレートを調節することを伴う。典型的には、ソースメディアは、複数のビットレートでエンコードされ、再生デバイスまたはクライアントは、利用可能なリソースに応じて、異なるエンコードのストリーミング間で切り替える。
【0003】
適応ビットレートストリーミングシステムにおいて利用されるコンテンツのストリームは、典型的には、標的ビットレートでエンコードされる。標的ビットレートは、ユーザがコンテンツをストリーミングする間に取得し得る、予期される最大ビットレートを含む。ストリームは、典型的には、非均一様式でエンコードされるが、平均ビットレートを含む。ストリームはまた、通常、ストリームが最大または標的ビットレートに近い平均ビットレートを有するようにエンコードされる。これらの最大ビットレートは、したがって、概して、ストリーム切替決定を行うために使用される。
【0004】
適応ビットレートストリーミングにおいて利用されるストリームは、典型的には、セグメント化され、これは、代替ストリームのそれぞれにおいて、ストリームを等持続時間の短持続時間セグメントに分割することを含み得る。セグメントは、MPEG DASHまたはHLS等の規格の要件に従ってフォーマットされるコンテナファイル内にパッケージ化されることができる。これらのセグメントは、次いで、配布のために、HTTPサーバにパブリッシュされることができる。
【0005】
最近、より高い分解能のビデオコンテンツが、視聴のために可能である。「4K」コンテンツおよびテレビは、消費者市場においてより一般的となっている。4Kテレビは、標準的1080Pテレビセットの4倍のピクセル量を含む。具体的には、4Kテレビは、1080Pセットの1,920×1,080分解能と比較して、3,840×2,160の分解能を有する。
【0006】
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)は、世界中の種々の地点における異なる物理的データセンタで展開される、プロキシサーバのネットワークを指す。CDNは、コンテンツ配信のための増加された性能および可用時間を提供するために利用されることができる。本増加された性能は、世界中で同一コンテンツのコピーを伴う複数のサーバを有することによって達成され得る。ユーザが、コンテンツにアクセスすることを試みると、物理的により近いまたは少なくともより短い経由デジタルルーティングを有する、CDNが、より遠く離れた通常サーバより高速でコンテンツを配信することができる。静的ストリーミング状況では、これは、ストリーミングされるコンテンツが変化しないため、理想的である。しかしながら、ライブストリーミング状況では、理想的には、待ち時間が、コンテンツが最初にエンコードされ、次いで、CDNネットワークに配布される際に考慮される。加えて、同一コンテンツの複数のコピーを有することは、1つのサーバが、オフラインとなる、またはそうでなければコンテンツを配信する能力を損なわせ得る重いトラフィックを被るとき、コンテンツが利用不可能であろう尤度を減少させる。
【0007】
コンテンツ配信ネットワークは、Akamai Technologies, Inc.(Cambridge, MA)およびAmazon.com, Inc.(Seattle, WA)を含む、多数の企業によって運営されている。CDNサービスは、そのウェブ提供の可用時間を加速および増加させることを求める任意の企業によって採用されることができる。加えて、企業は、複数のCDNを利用して、その利点をさらに増加させてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
適応ビットレートストリーミングの間の複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替のためのシステムおよび方法。一実施形態では、適応コンテンツ配信ネットワーク切替デバイスは、プロセッサと、ネットワークインターフェースと、プロセッサに接続されるメモリとを含み、メモリは、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションを含み、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションは、プロセッサに、コンテンツを第1のコンテンツ配信ネットワークから受信し、受信されたコンテンツからの再生変数に基づいて、最小性能閾値を決定し、最小性能閾値が満たされない場合、新しいコンテンツを第2のコンテンツ配信ネットワークから受信するように指示する。
【0009】
さらなる実施形態では、最小性能閾値は、最小バッファ閾値を満たすことを含む。
【0010】
別の実施形態では、バッファ閾値は、少なくとも6秒である。
【0011】
なおもさらなる実施形態では、最小性能閾値は、最小再生ビットレート閾値を満たすことを含む。
【0012】
さらに別の実施形態では、最小性能閾値は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)404エラーが検出される場合、満たされない。
【0013】
さらなる実施形態では、最小性能閾値は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーが検出される場合、満たされない。
【0014】
さらに別の実施形態では、受信された新しいコンテンツは、同一品質レベルである。
【0015】
さらなる実施形態では再び、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションはさらに、プロセッサに、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーを被る任意のコンテンツ配信ネットワークの記録を作成するように指示する。
【0016】
別の実施形態では再び、コンテンツ配信ネットワーク切替アプリケーションはさらに、プロセッサに、コンテンツをハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)エラーの記録内の任意のコンテンツ配信ネットワークからの第2のコンテンツ配信ネットワークから受信することを回避するように指示する。
【0017】
さらなる付加的実施形態では、メモリはまた、プロセッサにコンテンツを再生するように指示する、メディア再生アプリケーションを含む。
【0018】
別の付加的実施形態では、適応コンテンツ配信ネットワーク切替のための方法は、コンテンツを第1のコンテンツ配信ネットワークから受信するステップと、受信されたコンテンツからの再生変数に基づいて、最小性能閾値を決定するステップと、最小性能閾値が満たされない場合、新しいコンテンツを第2のコンテンツ配信ネットワークから受信するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明のある実施形態による、適応CDN切替システムのネットワーク略図である。
【0020】
図2図2は、本発明のある実施形態による、再生デバイスを概念的に図示する。
【0021】
図3図3は、本発明のある実施形態による、適応CDN切替のためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0022】
図4図4は、本発明のある実施形態による、適応CDN切替において使用するための理想的ビデオストリーミングレベルを達成するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0023】
図5図5は、本発明のある実施形態による、再バッファ問題に対処するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0024】
図6図6は、本発明のある実施形態による、複数のCDNを横断して最適ビデオレベルを達成するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0025】
図7図7は、本発明のある実施形態による、複数のCDNを横断してHTTP404エラーをハンドリングするためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0026】
図8図8は、本発明のある実施形態による、複数のCDNを横断してHTTPエラーをハンドリングするためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで図面に目を向けると、本発明の種々の実施形態による、複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替を伴う適応ビットレートストリーミングを実施するためのシステムおよび方法が、図示される。いくつかの実施形態では、多数のコンテンツが、複数のコンテンツ配信ネットワーク上でストリーミングするために利用可能にされる。従来は、いったんあるCDNプロバイダが、コンテンツをストリーミングするために選択されると、そのCDNプロバイダのみが、具体的再生デバイスによって、そのコンテンツのストリーミングの持続時間にわたって利用されていた。本発明の多くの実施形態による、適応CDN切替システムは、ストリーミングセッションの間、複数のCDNプロバイダ間で切り替えるように構成される、再生デバイスを利用する。いくつかの実施形態では、適応CDN切替システムの目標は、再生デバイスによって受信されるコンテンツの全体的品質レベルを増加させ、および/またはサービス中の中断を回避することである。ある実施形態では、適応CDN切替システムは、全ての再生デバイスのために利用可能な帯域幅を最良に利用し、システム上の再生デバイスの数の増加またはシステム上にすでにあるそれらの再生デバイスのためのより高品質のストリーミング体験を可能にする様式で動作されてもよい。
【0028】
多くの現在のストリーミングシステムは、適応ビットレートストリーミングを採用する。適応ビットレートストリーミング決定は、典型的には、現在の利用可能な帯域幅(すなわち、再生デバイスにおけるネットワーク容量)とコンテンツのエンコードにおいて利用される最大ビットレートとの間の関係に基づく。本発明の実施形態の多くによる、適応CDN切替システム内で利用される再生デバイスは、現在の利用可能な帯域幅およびコンテンツのエンコードにおいて利用される最大ビットレートに加え、メディアのコンテンツについての情報を利用して、ストリーム切替決定を行う。
【0029】
続く議論の多くは、ビデオコンテンツのストリーミングの間、複数のコンテンツ配信ネットワーク間の適応切替を利用する、システムおよび方法に関するが、類似技法も、プログラム、オーディオ、ウェブページ、および/または双方向コンテンツを含む、種々のデータのための適応CDN切替を実施するために利用されることができる。故に、適応CDN切替システムは、ビデオコンテンツのみの適応CDN切替を実施することに限定されると見なされるべきではない。本発明の種々の実施形態による、コンテンツの適応CDN切替を実施するためのシステムおよび方法は、下記にさらに議論される。
【0030】
適応CDN切替システム
本発明のある実施形態による、適応CDN切替システムは、図1に図示される。適応CDN切替システム100は、ストリーミングのために利用可能にされる、コンテンツ101から開始する。トランスコーダ105が、コンテンツを代替ストリームに処理し、処理されたコンテンツをネットワーク140に接続される、第1のコンテンツ配信ネットワークサーバ110に配信する。第2のコンテンツ配信ネットワークサーバ120および第3のコンテンツ配信ネットワークサーバ130もまた、ネットワーク140に接続され、代替ストリームをトランスコーダ105から受信してもよい。加えて、システムは、ネットワークを介して、種々のコンテンツ配信ネットワークと通信し得る、(限定ではないが)パーソナルコンピュータ180、独立型再生デバイス170、携帯電話190、およびパーソナルコンピューティングデバイス160を含む、種々の再生デバイスを含み、そのうちのいくつかは、無線アクセスポイント150を介して、ネットワーク140に接続してもよい。
【0031】
適応CDN切替システム100は、代替ストリームに処理するために、コンテンツ101を受信する、トランスコーダ105を含む。ある実施形態では、本プロセスは、ライブストリーミング状況のために、オンザフライで行われることができ、これは、中間配布のために、コンテンツの短セグメントが、トランスコードされ、CDNネットワークに配信されることを要求する。適応CDN切替システム100はまた、コンテンツを配信するように構成される、第1のCDNサーバ110を含む。多くのインスタンスでは、メディアコンテンツ(限定ではないが、ビデオ等)は、異なる最大ビットレートでエンコードされ、より小さい部分にセグメント化される。いくつかの実施形態では、セグメントは、単一ファイル内に記憶され、これは、バイト範囲要求を通してアクセスされてもよい。他の実施形態では、各コンテンツセグメントは、別個のファイル内に記憶される。いくつかの実施形態では、コンテンツセグメントは、概念上のものであって、コンテンツストリーム内のコンテンツのブロックにすぎない。図示される実施形態では、第1のCDNサーバは、HTTPサーバである。他の実施形態では、第1のCDNサーバは、ソースメディア(限定ではないが、ビデオ、オーディオ、品質分析、および/または字幕を含む)の処理および配信を実施するために十分なリソースを伴う、任意の処理デバイスであることができる。種々の再生デバイスは、インターネット等のネットワーク140を介したマニフェストに基づいて、コンテンツのセグメントを第1のCDNサーバから要求することができる。
【0032】
多くの実施形態では、適応CDN切替システム100は、第1のCDNサーバ110と同様に構成される、第2のCDNサーバ120および第3のCDNサーバ130を含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3のCDNサーバは、異なる企業によって運営される。ある実施形態では、第1のCDNサーバ110は、第2のCDNサーバ120および第3のCDNサーバ130と明確に異なり、および/または異なるデータセンタに位置してもよい。容易に理解され得るように、CDNサーバの具体的場所および分布は、主として、所与の用途の要件に依存する。
【0033】
再生デバイスは、視聴のために、コンテンツをデコードおよび提示してもよい。容易に理解され得るように、あるデバイスは、再生クライアントアプリケーションを実装し、コンテンツをストリーミングしてもよい。いくつかの実施形態では、再生デバイスは、ネットワーク140を介して、コンテンツをストリーミングしてもよい。多くの実施形態では、再生デバイスは、マニフェストまたは他のURLに定義されるように、コンテンツのセグメントを第1のCDNサーバ110から要求する。多くの実施形態では、システムについての分析データは、将来的使用のために記憶されてもよい。例えば、適応CDN切替分析は、任意の数の切替推奨、バッファ決定、および/またはソースコンテンツ事前処理タスクを作成するために使用されてもよい。多くの実施形態では、適応CDN切替システムは、再生のために選択されたコンテンツセグメントに関するデータを蓄積し、コンテンツセグメントを再配置および/またはリバランスし、所与の観察されるネットワーク帯域幅において所望の品質を達成する可能性がより高い、コンテンツを提供することができる。容易に理解され得るように、CDNサーバまたは適応CDN切替プレーヤによって収集されたデータの使用は、論理上、所与の用途の要件によってのみ限定される。図示される実施形態では、再生デバイスは、特定のデバイスによって表されるが、また、(限定ではないが)消費者電子機器、DVDプレーヤ、Blu−Rayプレーヤ、テレビ、ビデオ−ゲームコンソール、タブレット、およびサーバに接続し、コンテンツを再生することが可能な他のデバイスを含んでもよい。
【0034】
種々の適応CDN切替システムが、図1を参照して上記に説明されるが、適応CDN切替システム内で利用される具体的コンポーネントおよびCDNが所与のネットワーク帯域幅および/または処理リソースにおける標的品質またはユーザ体験を達成することに基づいてストリーミングのために選択される様式は、主として、具体的用途の要件に依存する。本発明の種々の実施形態による、適応CDN切替システムにおいて利用され得る、適応CDN切替再生デバイスは、下記にさらに議論される。
【0035】
(適応CDN切替再生デバイス)
本発明の多くの実施形態は、CDNサーバを利用し、コンテンツセグメントを配信し、異なる再生条件下でコンテンツをストリーミングする。そのようなシステムは、単に、測定された再生条件に基づいて、品質ベースのマニフェストまたはURLに示されるコンテンツを要求する、再生デバイスに依拠する。しかしながら、いくつかの実施形態では、再生デバイスは、ローカル再生条件を評価し、代替CDNプロバイダを検索し、そこから、セグメントをダウンロードする。これらのプレーヤは、次いで、再生条件および帯域幅条件に関するローカルで記憶されたデータを利用して、CDNを決定し、そこから、後続コンテンツセグメントを要求する。これらのCDN切替決定は、あるビットレートを達成するセグメントを要求することによって決定され得るだけではなく、また、ネットワークの全体的性能を増加させ、より多くのユーザがコンテンツにアクセスし、および/またはストリーミングされているコンテンツの選択された品質を増加させることを可能にするようにフォーマットされることができる。
【0036】
本発明のある実施形態による、コンテンツの適応CDN切替を実施するために利用され得る、再生デバイスは、図2に図示される。再生デバイス200は、典型的には、プロセッサ210と、グラフィックサブシステム220、I/Oデバイス230と、大容量記憶装置240と、ネットワークインターフェース250と、相互接続260と、メモリサブシステム270とを含む。メモリサブシステムは、オペレーティングシステム271と、ユーザインターフェース272と、再生モジュール280とを含んでもよい。本発明の多くの実施形態は、再生デバイス200を含み、これは、CDN切替最適化アプリケーション281と、ビデオレベル最適化アプリケーション282と、コンテンツストリーミングアプリケーション283とをさらに含む、再生モジュール280を有する。本発明のある実施形態は、(限定ではないが)インターネットを含む、通信ネットワークとのインターフェースを介して、コンテンツを受信する、再生デバイス200を有してもよい。加えて、本発明のさらなる実施形態は、再生デバイス200に接続される、ディスプレイデバイス202を含むことができる。本発明のなおもさらなる実施形態は、再生デバイス200とインターフェースをとる、ユーザI/O201を含むことができる。
【0037】
種々の再生デバイスシステムが、図2を参照して上記に説明されるが、複数のCDNを横断してコンテンツセグメントを選択するためのいくつかの異なるプロセスのいずれかに従って、複数のCDNを横断してコンテンツセグメントのダウンロードおよび再生を可能にする、種々のハードウェアのいずれかを組み込む、他の再生デバイスも、本発明の種々の実施形態による具体的用途の要件の必要に応じて利用されることができる。例えば、ある実施形態では、ホームゲートウェイまたは他のエッジネットワークデバイスが、各クライアントの能力、特性、ローカル帯域幅、および要件に基づいて、ストリーミングのためのコンテンツ配信ネットワークを選択してもよい。本発明のいくつかの実施形態による、コンテンツの適応CDN切替を提供するために再生デバイスによって利用され得る、プロセスは、下記で模索される。
【0038】
(適応CDN切替プロセス)
高レベルでは、適応CDN切替を実施するためのプロセスは、コンテンツをストリーミングするための第1のCDNプロバイダに接続し、コンテンツを再生し、ローカル再生条件を評価し、所望の再生レベルを決定し、別のCDNプロバイダへの切替を模索するために必要な条件を検査し、条件が満たされる場合、その検索を行うことを伴う。代替CDNプロバイダが、より良好な性能を伴って必要なコンテンツを配信し得ることが見出される場合、継続されるストリーミングは、次いで、第1のCDNの代わりに、代替CDNを通してもたらされることができる。多くの実施形態では、代替CDN検索を開始するために必要な条件は、限定ではないが、第1のCDNの帯域幅、所望の再生レベルでストリーミングに費やされた時間、負荷バランシング懸念、使用の周波数、および/または再バッファ条件を含んでもよい。本発明のある実施形態による、適応CDN切替を実施するためのプロセスが、図3に示される。
【0039】
プロセス300は、デフォルトCDNを決定し(302)、そこから、コンテンツのストリーミングを開始する(304)ことを含んでもよい。多くの実施形態では、デフォルトCDNは、サーバによって送信されるマニフェスト内の第1のURLとして提供され得る、またはマニフェストをホストするサーバによって最適CDNに明示的にシグナリングされ得る。再生変数の決定(306)は、ストリーミングの間に生じ得る。これらの再生変数は、限定ではないが、再生位置、バッファ持続時間、および/またはビットレート推定を含んでもよい。再生変数を使用して、プレーヤは、ストリーミングされるコンテンツの所望の再生レベルを決定してもよい(308)。ある実施形態では、再生レベルは、現在のバッファ持続時間および利用可能なビットレート推定値によって決定されてもよい。再生の間、適応CDN切替プレーヤは、代替CDNプロバイダの検索が生じることを要求し得る、切替条件を評価してもよい(310)。条件が十分であると、プレーヤは、増加された性能のために、CDNプロバイダを切り替えてもよい(312)。
【0040】
適応CDN切替を実施するための具体的プロセスが、図3を参照して上記に説明されるが、適応CDN切替を実施するための種々のプロセスのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従って、具体的用途の要件の必要に応じて利用されることができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、限定ではないが、サービスの増加されたレベルに対して支払う顧客のための有料CDN選択を含み得る、CDNプロバイダの顧客駆動型選択を含む。本発明のいくつかの実施形態による、所望の再生のためのビットレート切替が適応CDN切替システムにおいて遂行される、様式は、下記にさらに議論される。
【0041】
(所望の再生ビットレートレベルを達成するためのプロセス)
ビデオレベル性能アプリケーションが、再生の間、ストリーミングされるコンテンツのビデオビットレートレベルを評価および調節するために利用されることができる。条件が、再生環境内で変化するにつれて、要求されているストリーミングされるコンテンツの品質またはビットレートに関する決定は、調節される必要があり得る。
【0042】
本発明のある実施形態による、ストリーミングされるコンテンツの性能を評価するためのプロセスが、図4に示される。プロセス400は、コンテンツの少なくとも1つのセグメントをCDNプロバイダからダウンロードすることを開始してもよい(402)。ダウンロードされたコンテンツは、再生のために、バッファの中にロードされてもよい。本バッファの持続時間の決定(406)が、生じ得る。以前にダウンロードされたコンテンツが、ビットレート推定値の生成(406)のために評価されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ビットレート推定値は、前の4秒のダウンロードされたコンテンツに基づいて取得されてもよい。プロセス400は、次いで、現在のビデオレベルを決定してもよい(408)。多くの実施形態では、本現在のビデオレベルは、限定ではないが、現在のストリーミングされているコンテンツセグメント内に存在するメタデータ、バッファ持続時間、および現在のビットレート推定値を含む、ローカル再生条件から決定されてもよい。プロセス400はまた、全ての利用可能なデータに基づいて、効率的ビデオレベルを決定してもよい(410)。多くの実施形態では、本データは、限定ではないが、現在のビットレート推定値を含んでもよい。ある実施形態では、効率的ビデオレベルの決定(410)は、限定ではないが、より良好な品質のために求められているストリーミングされるコンテンツのより高いビットレート、または再生中断をもたらすバッファされた材料が尽きることを回避するために求められるより低いビットレートストリームをもたらし得る。比較(412)が、現在のビデオレベルともたらされるであろう効率的ビデオレベルとの間で生じ得る。本比較(412)は、限定ではないが、現在のビットレート推定値および他の効率的ビデオレベルのビットレート推定値において観察されるビットレートの評価を含む、いくつかの方法において達成されてもよい。本比較(412)に基づいて、ビデオレベル性能アプリケーションは、より低いビットレートコンテンツストリームに切り替える(414)、より高いビットレートコンテンツストリームに切り替える(416)、または存在し得る他の再生問題の評価に直接スキップしてもよい(420)。多くの実施形態では、より低いビットレートコンテンツストリームへの切替(414)は、コンテンツの次のセグメントをダウンロードする前に、現在のバッファが尽きること(アンダーフロー)を回避するために所望され得る。いくつかの実施形態では、より高いビットレートコンテンツストリームへの切替(416)は、コンテンツのある恣意的持続時間(例えば、コンテンツの6秒)が、バッファが尽きる前にダウンロードされ、切替に対する保守的アプローチを確実にし、再バッファイベントを回避し得る場合にのみ、可能にされてもよい。プロセス400はまた、所望のビットレートレベルを達成するときに生じ得る、任意の他のタイプの再生問題を評価してもよい(418)。これらの再生問題は、限定ではないが、再バッファ問題、最適化されたレベルで再生されないストリーミングコンテンツ、HTTP404エラー、または途絶再生体験をもたらし得る他のHTTPエラーを含み得る。プロセス400は、次いで、コンテンツを評価し(420)、ダウンロードされたセグメントがストリーム内の最後のものであるかどうかを決定してもよい。該当しない場合、実施形態の多くでは、プロセス400は、次いで、再び開始し、コンテンツの次のセグメントをCDNからダウンロードする(402)。
【0043】
適応CDN切替システムにおけるビデオレベル性能に関連する具体的プロセスが、図4を参照して上記に説明されるが、種々のプロセスのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従って、適応CDN切替において使用するためのビデオレベルの性能を改良するために利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、適応CDN切替の間に利用され得るバッファ等の再生問題をハンドリングするプロセスの実施例は、下記にさらに議論される。
【0044】
(適応CDN切替システムにおけるバッファ問題のハンドリング)
コンテンツをストリーミングするときに生じ得る問題のうちの1つは、再生中断である。再生中断は、再生バッファの枯渇を含む、いくつかの要因から生じ得る。これを回避するために、多くの実施形態では、ビデオレベルは、より低いレベルに切り替えられ、利用可能な帯域幅にわたってより多くのコンテンツのダウンロードを可能にすることができる。さらなる実施形態では、バッファ内のコンテンツの量が、利用可能な帯域幅およびビットレート推定値に対してルーチン的にチェックされ、再生中断が生じる可能性が高いかどうかをより良好に判断する。再生エラーが差し迫っていると考えられ得るインスタンスでは、本発明の多くの実施形態は、必要なコンテンツセグメントを見出すように試みる際、代替CDNプロバイダを検索してもよい。いくつかの実施形態では、代替CDNプロバイダにおいて求められるビデオビットレートレベルは、ユーザが切替に気づくことなく、セグメント間の平滑遷移を確実にするために、現在のビデオビットレートレベルと等しい。
【0045】
本発明のある実施形態による、適応CDN切替システムにおいて使用するためバッファ問題をハンドリングするためのプロセスは、図5に示される。プロセス500は、適切な再バッファ条件が満たされるかどうかを決定する(502)。いくつかの実施形態では、これらの再バッファ条件は、限定ではないが、現在のビデオビットレートレベルが、最低ビットレートレベルであって(再バッファ問題を回避するために必要とされるコンテンツが現在のCDNプロバイダにおいてまだ利用可能ではないことを検証する)、バッファされたコンテンツ自体の再生持続時間が、事前に設定された閾値を下回ることを決定することを含むことができる。さらなる実施形態では、再バッファ問題を回避するために要求される、バッファされたコンテンツの閾値は、静的閾値(例えば、6秒)に設定される。他の実施形態では、再生デバイスのステータスに関連する種々の代替閾値および/または要件のいずれかは、所与の用途の要件の必要に応じて、適応ビットレートストリーミングセッションの間、代替CDNプロバイダの検索を開始するために利用されることができる。満たされると、代替CDNプロバイダの検索(504)が、生じ得る。利用可能である場合、代替CDNプロバイダからのコンテンツが、ダウンロードされる(506)。いくつかの実施形態では、現在ダウンロードされているセグメントと異なるセグメントのみが、バッファが有効データで充填されることを可能にするために代替CDNにおいて求められ、それによって、バッファアンダーフローを回避する機会を改良する。現在のCDNプロバイダと代替CDNプロバイダとの間の帯域幅の測定(508)が、生じ得る。いくつかの実施形態では、帯域幅プローブが、十分なデータ量をダウンロードし、正確な測定値を提供してもよい。ある実施形態では、要求されるデータ量は、2秒に値するビデオデータであってもよい。容易に理解され得るように、データ量は、所与の用途の要件に適切なコンテンツの任意の持続時間に対応し得る。プロセス500は、次いで、コンテンツの残りのセグメントのダウンロードのために利用可能な最高帯域幅を伴うCDNプロバイダを決定してもよい(510)。適応CDN切替システムは、次いで、スイッチ(512)CDNプロバイダを切り替え、必要に応じて、バッファ持続時間を増加させてもよい。
【0046】
適応CDN切替システムにおけるバッファ問題のハンドリングに関する具体的プロセスが、図5を参照して上記に説明されるが、種々のプロセスのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従って、バッファ問題をハンドリングし、再生エラーを回避するために利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、適応CDN切替の間に利用され得る、コンテンツビットレートレベルを向上させる等の再生問題をハンドリングするためのプロセスの実施例は、下記にさらに議論される。
【0047】
(適応CDN切替システムにおけるコンテンツビットレートレベルの向上)
典型的ストリーミング用途では、単一CDNのみが、ストリーミングすべきコンテンツのセグメントを決定および選択するときに考慮される。しかしながら、本方法は、他のCDNプロバイダシステム上で利用可能なより高い品質またはより高速でアクセスされるコンテンツの可能性として考えられる可用性を考慮しない。適応CDN切替システムは、より高い帯域幅をユーザに提供する代替CDNシステムにおけるコンテンツのセグメントにアクセスすることによって、ストリーミングされるコンテンツの品質を増加させるために利用されることができる。
【0048】
本発明のある実施形態による、適応CDN切替システムにおいて使用するためのコンテンツビットレートレベルを増加させるためのプロセスが、図6に示される。プロセス600は、ダウンロードするために利用可能な利用可能なコンテンツの最高ビットレートレベルを決定してもよい(602)。代替CDN検索が生じるべきであるかどうかを決定するためのある条件の評価(604)が、行われてもよい。本発明のある実施形態では、これらの条件は、限定ではないが、最高ビットレートストリーミングが生じてから必要な持続時間および十分なバッファの量を有することを含んでもよい。条件が満たされる場合、代替CDNプロバイダの検索(606)が、生じ得る。コンテンツセグメントが、次いで、代替CDNプロバイダからダウンロードされてもよい(608)。いくつかの実施形態では、ダウンロードされたコンテンツのビットレートレベルは、現在のCDNからダウンロードされたコンテンツの現在のビットレートレベルと同一であって、現在のCDNからダウンロードされたコンテンツと代替CDNとの間の顕著な切替を回避する。プロセス600は、次いで、代替CDNプロバイダからダウンロードされたコンテンツの瞬間帯域幅を現在のCDNプロバイダから提供されている帯域幅に対して評価してもよい(610)。必要な場合、代替CDNプロバイダへの切替(612)が、より高いビットレートレベルでエンコードされたコンテンツのダウンロードを可能にするために生じ得、これは、再生デバイスによってダウンロードおよび再生されるとき、より高い知覚品質のコンテンツに変換され得る。
【0049】
適応CDN切替システムにおけるビットレートダウンロード性能の向上に関連する具体的プロセスが、図6を参照して上記に説明されるが、種々のプロセスのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従って、ビットレートレベルを増加させ、再生品質を増加させるために利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、適応CDN切替の間に利用され得る、HTTP404エラー等の再生問題をハンドリングするプロセスの実施例は、下記にさらに議論される。
【0050】
(適応CDN切替システムにおけるHTTP404エラーをハンドリングするためのプロセス)
ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)404エラーは、要求されるあるデータが利用可能ではないときに生じる。ストリーミングコンテンツの複数のセグメントをダウンロードするとき、ダウンロードのための多くの要求は、HTTPを介して送信される。HTTP404エラーは、再生の中断に直接つながり得るため、有意である。HTTP404エラーを被ると、コンテンツのための要求は、エラーを検証するために再び送信され得る。加えて、要求は、コンテンツの同一セグメントの異なるビットレートのために、または同一コンテンツ配信ネットワーク上の異なるサーバに送信されてもよい。しかしながら、要求されるコンテンツが、単に、CDN上で利用可能ではない場合、HTTP404エラーは、回避されることができない。多くの実施形態では、適応CDN切替システムは、代替CDNプロバイダ上で同一コンテンツを検索し、非中断再生の継続を可能にすることによって、HTTP404エラーのハンドリングを可能にし得る。
【0051】
本発明のある実施形態による、適応CDN切替システムにおいて使用するためのHTTP404エラーをハンドリングするためのプロセスは、図7に示される。適応CDN切替システムが、HTTP404エラーを受信すると(702)、評価(704)が、事前に設定された閾値と比較して、十分なバッファの量が存在するかどうかを決定するために行われる。多くの実施形態では、本事前に設定された閾値は、要求される最小バッファ時間であってもよく、静的値(例えば、6秒)に設定されてもよい、または、(限定ではないが)再生デバイスの状態および/または現在ストリーミングされているコンテンツのビットレートレベルを含む再生条件に基づいて変動する動的値に設定されてもよい。バッファが、十分である場合、プロセス700は、次いで、コンテンツのダウンロードを再び同一ビットレートビデオレベルで再試行してもよい(706)。バッファが、十分ではない場合、プロセス700は、より低いビットレートレベルでエンコードされたコンテンツのダウンロードを試行してもよい(708)。再試行(706)または試行(708)のいずれか後、評価(710)が、ダウンロードが成功したかどうかを決定するために行われる。ダウンロード(712)が、現在のCDNから利用可能である場合、CDN切替は、必要ない。しかしながら、ダウンロード(712)が、CDN上の任意の利用可能なサーバから利用可能ではない場合、検索(714)が、代替CDNプロバイダに関して生じ得る。プロセス700は、次いで、コンテンツを代替CDNからダウンロードし(716)、再生中断を回避してもよい。いくつかの実施形態では、代替CDNプロバイダからのダウンロードは、最低ビットレートレベルで行われ、HTTP404エラーからの可能な限り最速の復旧を確実にする。評価が、ダウンロード(718)が任意の他のCDNから利用可能であるかどうかを決定するために行われる。CDNが、必要なコンテンツを提供可能ではない場合、再生は、次のセグメントに移動する(720)。ダウンロード(718)が、複数のCDNソースから利用可能である場合、プロセス700は、より高い帯域幅を伴うCDNプロバイダを選択してもよい(722)。最適コンテンツビットレートレベルの選択(724)が、次いで、再生条件を最大限にするために生じてもよい。
【0052】
適応CDN切替システムにおけるHTTP404エラーのハンドリングに関連する具体的プロセスが、図7を参照して上記に説明されるが、種々のプロセスのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従って、利用不可能なコンテンツをハンドリングし、再生中断を減少させるために利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、適応CDN切替の間に利用され得る、他のHTTPエラーを伴う再生問題をハンドリングするプロセスの実施例は、下記にさらに議論される。
【0053】
(適応CDN切替システムにおける他のHTTPエラーをハンドリングするためのプロセス)
他のHTTPエラーは、あるデータがHTTPを介して要求されるときに生じ得る。これらのタイプのエラーの実施例として、限定ではないが、サーバ接続解除およびサーバ利用不可能エラーが挙げられる。本性質のHTTPエラーは、従来のシステム上での再生中断につながる傾向にある。しかしながら、適応CDN切替システム上では、利用不可能なコンテンツは、別のCDNシステム上で求められ、非中断再生を可能にし得る。
【0054】
本発明のある実施形態による、適応CDN切替システムにおいて使用するためのHTTPエラーをハンドリングするためのプロセスは、図8に示される。適応CDN切替システムが、HTTPエラーを受信すると(802)、評価(804)が、既知のCDNプロバイダのリストに対して行われ、任意の代替CDNプロバイダが必要なコンテンツをダウンロードするために依然として利用可能であるかどうかを決定する。ある実施形態では、本ステップは、HTTPエラーを被っているCDNプロバイダの除去を含んでもよい。検索(806)が、次いで、HTTPエラーを被っていない任意の代替CDNプロバイダに関して行われてもよい。プロセス800は、次いで、代替CDNプロバイダがコンテンツをダウンロードするために利用可能であるかどうかを評価してもよい(808)。代替CDNプロバイダが、利用可能ではない場合、そのCDNは、利用可能なコンテンツプロバイダのリストから除去されてもよく(810)、プロセスは、利用可能なCDNのリストを再評価する(804)。CDNが利用可能である場合、プロセス800は、次いで、コンテンツを代替CDNプロバイダからダウンロードしてもよい(812)。ダウンロードの成功が、次いで、その瞬間帯域幅速度に関して評価されてもよい(814)。複数のCDNが、利用可能である場合、プロセス800は、最高利用可能帯域幅を伴うCDNプロバイダを選択してもよい(816)。いったん選択されると、プロセス800は、コンテンツレベルのより高いビットレートを決定してもよい(818)。いくつかの実施形態では、本ビットレートレベルは、再生バッファ持続時間量によって決定されてもよい。
【0055】
多くの実施形態では、適応CDN切替システム再生デバイスは、限定ではないが、要求されるダウンロードがかかり得る時間量および既知のCDNが到達可能であったかどうかを含め、既知のCDNおよびその履歴ステータスを記録してもよい。このように、タイムアウトおよび/またはダウンロードエラーの決定に時間がかかる性質のため、適応切替システムは、到達不可能または信頼性がないことが既知の代替CDNの選択を回避してもよい。いくつかの実施形態では、これらの記憶された記録は、周期的ベースで消去される。ある実施形態では、再生デバイス内に記憶される既知のCDNの記憶された記録は、さらなる処理のために、サーバに伝送されてもよい。本発明のさらなる実施形態では、URL要求は、適応CDN切替システム再生デバイスの地理的場所および能力についての情報を含んでもよい。なおもさらなる実施形態では、再生デバイスは、既知のCDNのリストを中央サーバから受信してもよい。なおもさらなる実施形態では、サーバは、適応CDN切替システム再生デバイスから伝送される記憶された記録に基づいて、CDNシステムのステータスを評価してもよい。これらの評価は、限定ではないが、地理的エリアおよび再生デバイスの能力を含んでもよい。なおもさらなる実施形態では、サーバは、適応CDN切替システム再生デバイスから伝送される記憶された記録から作製される評価に基づいて、マニフェストに提供されるCDNをフィルタリングしてもよい。当業者によって、限定ではないが、米国特許第8,787,570号に開示されるような上位レベルインデックスファイルの自動生成を含む、地理的場所に基づいて、上位レベルインデックスファイルを生成するための種々のプロセスのいずれかが、本発明の実施形態に従って、具体的用途の要件の必要に応じて、適応CDN切替システム内で利用されることができることが理解されるはずである。上位レベルインデックスファイルの動的生成に関連する、関連開示を含む、米国特許第8,787,570号の開示は、参照することによって全体として本明細書に組み込まれる。
【0056】
適応CDN切替システムにおけるHTTPエラーのハンドリングに関連する具体的プロセスが、図7を参照して上記に説明されるが、種々のプロセスのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従って、ネットワーク中断をハンドリングして、再生中断を減少させるために利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、適応CDN切替の間に利用され得る、他のHTTPエラーを伴う再生問題をハンドリングするプロセスの実施例は、下記にさらに議論される。
【0057】
本発明は、ある具体的側面において説明されたが、多くの付加的修正および変形例が、当業者に明白となるであろう。したがって、本発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、実装の種々の変更を含む、具体的に説明されるもの以外で実践されてもよいことを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点において、制限ではなく、例証として見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】