(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本明細書では、種々の実施形態による外装スーツシステム及び方法が記載される。外装スーツシステムは、着用者の身体の外部に着用するスーツとすることができる。外装スーツシステムは、着用者の通常の衣類の下に、又は衣類の上に、もしくは衣類のレイヤー間に着用することができ、或いは、着用者の主たる衣類自体とすることができる。外装スーツは、着用者が特定の活動を行うのを身体的に補助するので、補助的なものとすることができ、或いは、身体に対する身体的な表現を通じた着用者に対する情報伝達、環境の関与、又は着用者からの情報の取り込みなどの他の機能を提供することができる。1又は2以上のパッチ組立体は、外装スーツに取り外し可能に結合することができる。
前記ハウジングは、前記少なくとも1つのFLA、前記少なくとも1つのバッテリ及び前記制御電子機器に電気的に結合された回路基板を更に備える、請求項1に記載のパッチ組立体。
前記パッチ組立体は、前記少なくとも1つのFLAに電源を供給し、前記少なくとも1つのFLAに対して駆動制御をもたらす自給式システムである、請求項2に記載のパッチ組立体。
前記ハウジングは、前記回路基板に電気的に結合された通信回路を更に備え、該通信回路は、前記パッチ組立体に遠隔な供給源からの指令を受け取るように動作し、前記制御電子機器は、受け取った前記指令に基づいて前記少なくとも1つのFLAを選択的にアクティベートするよう動作する、請求項3に記載のパッチ組立体。
前記ハウジングは、前記回路基板に電気的に結合された少なくとも1つのセンサを更に備え、前記少なくとも1つのセンサによって取得されたデータは、前記通信回路を介して前記供給元に伝達される、請求項4に記載のパッチ組立体。
前記少なくとも1つのFLAは、モータ及びツイストストリングを備え、前記ツイストストリングは、前記取り付け構成要素のうちの1つに結合され、また前記モータに関連する回転部材に結合される、請求項1に記載のパッチ組立体。
前記複数のパッチ組立体が、第1、第2、及び第3のパッチ組立体を含み、前記第1のパッチ組立体においては前記制御電子機器がマスターコントローラとして機能し、前記第2及び第3のパッチ組立体においては前記制御電子機器がスレーブコントローラとして機能し、前記マスターコントローラは、前記通信回路を介して前記スレーブコントローラと通信する、請求項11に記載の外装スーツ。
前記第1、第2、及び第3のパッチ組立体の各々が、前記少なくとも1つのFLAに電源を供給し、前記少なくとも1つのFLAに対して駆動制御をもたらす自給式システムである、請求項12に記載の外装スーツ。
前記スレーブコントローラが、前記マスターコントローラから受け取った指令に基づいて前記少なくとも1つのFLAに対して駆動制御を実行する、請求項13に記載の外装スーツ。
前記第2及び第3のパッチ組立体の各々が、前記通信回路を介して前記マスターコントローラにデータを提供する少なくとも1つのセンサを含む、請求項12に記載の外装スーツ。
前記複数のパッチ組立体の各パッチ組立体の少なくとも1つのFLAは、モータ及びツイストストリングを備え、前記ツイストストリングは、前記取り付け構成要素のうちの1つに結合され、また前記モータに関連する回転部材に結合される、請求項12に記載の外装スーツ。
前記第1のパッチ組立体の前記少なくとも1つのFLAは、脊椎伸筋運動を提供するよう作動し、前記前記第2のパッチ組立体の前記少なくとも1つのFLAは、股関節屈筋補助運動、股関節伸筋補助運動、及び脊椎伸筋運動のうちの1つを提供するよう作動し、前記第3のパッチ組立体の前記少なくとも1つのFLAは、股関節屈筋補助運動及び股関節伸筋補助運動のうちの1つを提供するよう作動する、請求項16に記載の外装スーツ。
前記可撓性基材が、前記ユーザによって前記外装スーツの廻りに掛けられるように設計され、前記ユーザによって前記外装スーツに更に固定される、請求項18に記載の複数の補助運動パッチ組立体。
前記複数のFLAは、股関節屈筋補助運動を提供するFLAの第1のセットと、股関節伸筋補助運動を提供するFLAの第2のセットとを含み、該FLAの第1のセット及び第2のセットは、相互排他的である、請求項18に記載の複数の補助運動パッチ組立体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、開示された主題の理解を完全にするために、開示された主題のシステム、方法及び媒体並びにこのようなシステム、方法及び媒体が作動することができる環境に関して、多くの具体的な詳細事項が記載される。しかしながら、開示された主題は、かかる具体的な詳細事項がなくとも実施することができ、また、当業者には周知の特定の特徴は、開示された主題が複雑になるのを避けるために詳細には説明されないことは、当業者には理解することができる。加えて、以下で提供される実施例は例証であることは理解することができ、開示された主題の範囲内にある他のシステム、方法及び媒体が存在することも企図される。
【0012】
以下の記載において、外装スーツ又は補助外装スーツは、着用者が自分の身体の外部に着用するスーツである。外装スーツ又は補助外装スーツは、着用者の通常の衣類の下に、又は衣類の上に、もしくは衣類の層間に着用することができ、或いは、着用者の主たる衣類自体とすることができる。外装スーツは、着用者が特定の活動を行うのを身体的に補助するので、補助的なものとすることができ、或いは、身体に対する身体的な表現を通じた着用者に対する情報伝達、環境の関与、又は着用者からの情報の取り込みなどの他の機能を提供することができる。一部の実施形態において、動力付き外装スーツシステムは、複数のサブシステム又は層を含むことができる。一部の実施形態において、動力付き外装スーツシステムは、より多くの又はより少ないサブシステム又は層を含むことができる。サブシステム又は層は、ベース層、安定層、電源層、センサ及び制御層、カバー層、並びにユーザインタフェース/ユーザエクスペリエンス(UI/UX)層を含むことができる。
【0013】
(ベース層)
ベース層は、外装スーツシステムと着用者の身体との間の接触部を提供する。ベース層は、着用者の皮膚に直接接触して、下着と衣類の外層との間に、又は衣類の外層の上に、もしくはこれらの組み合わせで着用するように適合することができ、或いは、ベース層は、主たる衣類自体として着用するよう設計することができる。一部の実施形態において、ベース層は、快適さと邪魔にならないことの両方であるように、並びに所望の補助を提供するため安定層から荷重を快適に効率的に伝達するように適合することができる。ベース層は、通常、これらの目的を達成するため複数の異なる材料タイプを備えることができる。弾性材料は、着用者の身体に合致するようにコンプライアンスを提供し、幾らかの範囲の動きを可能にすることができる。最も内側の層は、通常、着用者の皮膚、下着、又は衣服を把持し、荷重が加わったときにベース層が滑らないように適合されている。実質的に非伸張性の材料を使用して、安定層及び電源層から着用者の身体に荷重を伝達することができる。これらの材料は、荷重伝達が好ましい経路に沿うように、一軸では実質的に非伸張性ではあるが、他の軸では可撓性又は伸張性とすることができる。荷重伝達経路は、着用者の身体の領域にわたって荷重を分散させ、着用者が感じる力を最小限にしながら、最小損失で且つベース層の滑りを引き起こさずに効率的な荷重伝達を可能にするよう最適化することができる。全体として、ベース層内でのこの荷重伝達構成は、荷重分散部材と呼ぶことができる。荷重分散部材は、着用者の身体のある領域にわたって荷重を分散させる可撓性要素を意味する。荷重分散部材の実施例は、名称が「Flexgrip(可撓性グリップ)」である国際特許出願PCT/US/16/19565に見出すことができる。
【0014】
荷重分散部材は、着用者の身体にわたって荷重を分散させるため1又は2以上の懸垂曲線を組み込むことができる。複数の荷重分散部材又は懸垂曲線は、枢動点にて接合することができ、荷重が構造体に加わると、荷重分散部材の枢動部の配列が身体上で締め付け又は収縮し、把持強度を増大させるようになる。快適性又は構造上の目的で、バテン、ロッド、又はステーなどの圧縮要素を使用して、ベース層の様々な領域に荷重を伝達することができる。例えば、電源層構成要素は、そのサイズ及び向きの要件に起因して背中で終端することができるが、電源層構成要素を固定する負荷分散部材は、下背に存在することができる。この場合、1又は2以上の圧縮要素は、背中にある電源層構成要素から下背にある荷重分散部材に荷重を伝達することができる。
【0015】
荷重分散部材は、複数の製造技術及び織物施工技術を用いて構成することができる。例えば、荷重分配部材は、結合縁部を有する層状織布45°/90°、スパンデックス歯、結合縁部を有するオーガンザ(ポリ)織布45°/90°、オーガンザ(綿/絹)織布45°/90°、及びTyvek(不織レーザ)から構成することができる。負荷分散部材は、ニット及び紐締め、又は馬の毛及びスパンデックス歯を使用して構成することができる。荷重分配部材は、チャネル及び/又はレースを用いて構成することができる。
【0016】
ベース層は、着用者の身体の一部に抗して直接皮膚に又は衣服層に対して圧縮するように構成されて、1又は2以上の荷重分配部材を取り付けるための比較的高いグリップ面を提供する可撓性下層を含むことができる。荷重分散部材は可撓性下層に結合され、該可撓性下層を介して身体区域の皮膚に又は身体区域の上に着用される衣類に荷重分散部材からの剪断力又は他の力の伝達を促進すること、このような身体区域に対する荷重分散部材の軌道を維持すること、又は他の何れかの機能を提供することができる。このような可撓性下層は、荷重分散部材とは異なる可撓性及び/又はコンプライアンス(例えば、少なくとも荷重分散部材に沿った方向で該部材の可撓性及び/又はコンプライアンスよりも小さい)を有するようにすることができ、その結果、荷重分散部材は、可撓性の身体ハーネスが取り付けられる身体区域の皮膚に可撓性下層を介して、その長さに沿って力を伝達し、剪断力を均等に分散させることができるようになる。
【0017】
更に、このような可撓性下層は、追加の機能を提供するよう構成することができる。可撓性下層の材料は、微生物の増殖を防ぐため抗菌剤、抗真菌剤、又は他の薬剤(例えば、銀ナノ粒子)を含むことができる。可撓性下層は、着用者からの熱及び/又は湿分(例えば、汗)の移動を管理して着用者の快適性及び活動効率を改善するように構成することができる。可撓性下層は、ストラップ、シーム、面ファスナー、留め金、ジッパー、又は荷重分配部材の要素と着用者の解剖学的構造の状態との間の特定の関係を維持するように構成された他の要素を含むことができる。下層は、可撓性ボディハーネス及び/又は可撓性ボディハーネスを含むシステム(例えば可撓性外装スーツシステム)又は衣服を着用者が着る及び/又は脱ぐことができる容易さを更に向上させることができる。下層は、弾道兵器、鋭利な刃、爆弾の金属片、又は他の環境危険(例えば、パラアラミド又は他の高強度材料のパネル又は可撓性要素を含むことによる)から着用者を保護するように更に構成することができる。
【0018】
ベース層は、サイズ調整、開口、及び電気機械一体化機構などの機構を更に含み、使いやすさ及び着用者の快適さを向上させることができる。
【0019】
(サイズ調整)
サイズ調整機構により、外装スーツを着用者の身体に合わせて調整できるようになる。サイズ調整により、胴体又は四肢の長さ又は周囲の周りでスーツを締め付け又は緩めることを可能とすることができる。調整は、紐締め、Boaシステム、ウェビング、弾性材、面ファスナー、又は他のファスナーを含むことができる。サイズ調整は、荷重時に着用者を締め付けるので、荷重分散部材自体によって達成することができる。1つの実施例では、胴の周囲はコルセットスタイルの紐締めで締められ、脚は折り畳み構成で面ファスナーで締められ、長さ及び肩の高さは、ウェビング及びカムロック、Dリング又は同様のものなどのテンションロックファスナーで調整することができる。ベース層のサイズ調整機構は、着用者に対して一貫した圧力及び快適さを維持するために、電源層によって作動されて、異なる位置でベース層を着用者の身体に対して動的に調整することができる。例えば、ベース層は、立っているときには大腿部を締め付けて、座っているときにベース層が大腿部を過度に収縮しないように座位では緩めることが必要とすることができる。動的サイズ調整は、例えばベース層における圧力又は力を検出して、電源層を作動させて所望の力又は圧力を一貫して達成することにより、センサ及び制御層によって制御することができる。この機構は、必ずしもスーツに身体的補助を提供させるわけではないが、着用者にとってより快適な経験をもたらすことができ、或いは、運動補助の目的に応じてスーツの身体的補助要素をより良好に又は異なるように実行させることができる。
【0020】
(開放)
着用者のため着用(外装スーツの着用)及び脱衣(外装スーツの脱衣)を容易にするために、ベース層に開放機構を設けることができる。開放機構は、ジッパー、面ファスナー、スナップ、ボタン、又は他の織物ファスナーを含むことができる。1つの実施例では、前面中央ジッパーが胴体用の開放機構を提供し、他方、面ファスナーが、脚部及び肩部用の開放機構を提供する。この場合は、面ファスナーは、開放機構と調整機構の両方を提供する。他の実施例では、外装スーツは、例えば、腕又は首の周りに大きな開放部と、特定の閉鎖機構なしでスーツを着脱することを可能にする弾性パネルとを単に有することができる。切頭荷重分散部材は、着用者の身体を締め付けるために単に拡張することができる。使用者が外装スーツを着続けることができるよう排泄を容易にするために開放部を設けることができるが、浴室を使用するためには、比較的小さな部分を取り外すか又は開くだけでよい。
【0021】
(電気機械の一体化)
電気機械の一体化機構は、外装スーツへの一体化のため、安定層、電源層、センサ及び制御層の構成要素をベース層に取り付ける。一体化機構は、機械的、構造的、快適さ、保護又は見栄えの目的とすることができる。構造的な一体化機構は、他の層の構成要素をベース層に固定する。安定層及び電源層については、構造一体化機構は、ベース層及び荷重分散部材への荷重伝達を提供し、取付ポイントにおける特定の自由度に適応することができる。例えば、安定層又は電源層の要素を固定するスナップ又はリベットは、ベース層への荷重伝達と枢動自由度の両方を提供することができる。ステッチ式、接着式、又は接着式アンカーは、枢動自由度の有無にかかわらず荷重伝達を提供することができる。例えば、スリーブ又はレールに沿ったスライド式アンカーは、並進自由度を提供することができる。アンカーは、スナップ、バックル、留め金具又はフックのように分離可能とすることができ、或いは、ステッチング、接着剤、又は他のボンディングを用いて分離不能とすることができる。上述のようなサイズ調整機構は、例えば、受動層内のバネ又は弾性要素の張力を調整するため、又は電源層内のアクチュエータの長さを調整するために、安定層及び電源層の調整及びカスタマイズを可能にすることができる。
【0022】
ループ、ポケット、及び取り付け用ハードウェアなどの他の一体化機構は、バッテリ、回路基板、センサ、又はケーブルなどの大きな荷重伝達要件を有していない構成要素への取り付けを簡単に提供することができる。場合によっては、構成要素は、ベース層の織物構成要素に直接一体化することができる。例えば、ケーブル又はコネクタは、ベース層に直接織り込まれ、結合され、又は他の方法で一体化される導電性要素を含むことができる。
【0023】
電気機械的一体化機構はまた、安定層、電源層又はセンサ及び制御層の構成要素を保護するか、又は外見的に隠すことができる。安定層の要素(例えば、 弾性バンド又はバネ)、電源層(例えば、可撓性リニアアクチュエータ又はツイストストリングアクチュエータ)又はセンサ及び制御層(例えば、ケーブル)は、ベース層に一体化されたスリーブ、チューブ、又はチャネルを通って移動することができ、これによりこれら構成要素を隠し且つ保護することができる。スリーブ、チューブ、又はチャネルはまた、例えば、電源層の要素の作動中に構成要素の動作を可能にすることができる。スリーブ、チャネル、又はチューブは、崩壊に対する抵抗部を備え、構成要素が自在に保持され、内部で抑制されないことを確保することができる。
【0024】
見栄え、快適性、又は保護の目的で、エンクロージャ、パディング、布地のカバー又は同様のものを使用して、他の層の構成要素をベース層に更に一体化することができる。例えば、モータ、バッテリ、ケーブル、又は回路基板などの構成要素は、エンクロージャ内に収容されるか、又はパッド入り材料で完全に又は部分的に覆われ又は囲まれることができ、構成要素が、着用者に不快感を与えないようにし、視覚的に邪魔にならずに外装スーツに一体化されるようにして、環境から保護されるようにする。開放及び閉鎖機構は更に、サービス、取り外し、又は交換のためにこれらの構成要素へのアクセスを可能にすることができる。
【0025】
場合によっては、特に暫定的な使用又は検査のために構成可能な外装スーツにおいて、テザーは、一部の電子構成要素及び機械構成要素を外装スーツから外に収納できるようにすることができる。1つの実施例において、構成可能性又はデータ取り込みの追加を可能にするために、回路基板及びバッテリなどの電子機器のサイズが過大にされる場合がある。これらの構成要素のサイズが大きいことで、これら構成要素を外装スーツに取り付けることが望ましくない場合、これら構成要素は、外装スーツとは別個に配置されて、物理的又は無線テザーを介して接続することができる。大型で過大な動力モータは、大型のモータをスーツに取り付ける必要なしに、電源層の作動を可能にする可撓性駆動リンケージを介して外装スーツに取り付けることができる。このような過大な動力構成は、全ての構成要素を外装スーツに取り付け又は一体化することを必要とする制約なしで、外装スーツパラメータの最適化を可能にする。
【0026】
電気機械的一体化機構はまた、無線通信を含むことができる。例えば、1又は2以上の電源層構成要素は、外装スーツ上の異なる位置に配置することができる。センサ及び制御層への物理的な電気的接続を利用するのではなく、センサ及び制御層は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、ウルトラワイドバンド、又は他の何れかの好適な無線通信プロトコルなどの無線通信プロトコルを介して、1又は2以上の電源層構成要素と通信することができる。これにより、外装スーツ内で必要とされる電気的相互接続を低減することができる。1又は2以上の電源層構成要素の各々は、各電源層構成要素又は電源層構成要素のグループが、外装スーツの他の領域への直接的な電気的相互接続を必要としない独立した動力付きユニットであるように、局所バッテリを付加的に組み込むことができる。
【0027】
(安定層)
安定層は、着用者に対して受動的な機械的安定性及び補助を提供する。安定層は、着用者に対して安定性又は補助を提供するために力を発生させ又はエネルギーを蓄積する1又は2以上の受動(無動力)バネ又は弾性要素を含む。弾性要素は、変形していない最小エネルギー状態を有することができる。弾性要素の変形、例えば伸長は、エネルギーを蓄積し、弾性要素をその最小エネルギー状態に戻すように方向付けられた力を発生させる。例えば、股関節屈筋及び股関節伸筋に近い弾性要素は、立位において着用者に安定性を提供することができる。着用者が立位から逸脱すると、弾性要素が変形して、着用者を安定させて立位の維持を補助する力を発生させる。別の実施例では、着用者が立位姿勢から着座姿勢に移動すると、エネルギーが1又は2以上の弾性要素に蓄積され、着座位から立位に移動するときに着用者を補助するための復元力を発生させる。同様の受動的な弾性要素は、胴体又は他の四肢の領域に適合させて、位置安定性又は弾性要素が最小エネルギー状態にある位置への移動の補助を提供することができる。
【0028】
安定層の弾性要素は、ベース層の一部に一体化されていてもよく、又はベース層の一体部分であってもよい。例えば、スパンデックス又は同様の材料を含有する弾性布地は、組み合わされたベース/安定層として機能を果たすことができる。弾性要素はまた、上述のように、離散点での荷重伝達のためにベース層に固定された、シリコーン又は弾性ウェビングのような弾性材料のバネ又は区域などの別々の構成要素を含むことができる。
【0029】
安定層は、着用者のサイズ及び個々の解剖学的構造に適合するように、並びに特定の位置で安定層の構成要素に所望の量のプレテンション(予備張力)又は弛みを実現すように、上述のように調整することができる。例えば、一部の着用者は、立位姿勢における更なる安定性を提供するためにより多くのプレテンションを好む可能性があるが、他の着用者らは、受動層が歩行などの他の活動を妨害しないように、より多くの弛みを好む可能性がある。
【0030】
安定層は、電源層と相互作用して、1又は2以上の弾性要素の張力又は弛みを係合、解除、又は調整することができる。1つの実施例において、着用者が立位にあるとき、電源層は、当該位置で安定性を維持するため、安定層の1又は2以上の弾性要素を所望の量までプレテンションを加えることができる。プレテンションは、異なる位置又は活動に対して電源層によって更に調整することができる。一部の実施形態では、安定層の弾性要素は、少なくとも5ポンドの力、 好ましくは伸長時に少なくとも50ポンドの力を発生することができなければならない。
【0031】
(電源層)
電源層は、着用者に能動的な動力付き補助を提供すると共に、電源層又は安定層の構成要素を所望の位置又は張力に維持するための電気機械クラッチを提供することができる。電源層は、1又は2以上の可撓性リニアアクチュエータ(FLA)を含むことができる。FLAは、所与のストローク長さにわたって、2つの取付ポイントの間に引張力を発生させることができる動力付きアクチュエータである。FLAは、例えば体表面の周りの輪郭を辿ることができるように可撓性であり、従って、取付ポイントでの力は必ずしも整列されない。一部の実施形態では、1又は2以上のFLAは、1又は2以上のツイストストリングアクチュエータを含むことができる。以下の記載において、FLAは、作動時に引張力を及ぼす、収縮する、又は短くなる可撓性のリニアアクチュエータを指す。FLAは、機械的クラッチと共に使用することができ、該機械的クラッチは、FLAによって生成された張力を所定の位置にロックしてFLAモータが所望の引張力を維持するために電力を消費する必要がないようにする。このような機械的クラッチの実施例について、以下で検討する。一部の実施形態において、FLAは、「外装スーツシステム(Exosuit System)」という名称の米国特許第9,266,233号明細書においてより詳細に記載されているように、1又は2以上のツイストストリングアクチュエータ又はフレックスドライブを含むことができ、当該特許明細書の内容は、引用により本明細書に組み込まれる。FLAはまた、米国特許第9,266,233号にも記載されている、電気積層(エレクトロラミネート)クラッチと関連して使用することもできる。電気積層クラッチ(例えば、静電気引力を使用して、クラッチ要素間に制御可能な力を発生させるように構成されたクラッチ)は、FLAが同じ力を維持することを必要とせずに引張力をロックすることによって電力節減を提供することができる。
【0032】
動力付きアクチュエータ又はFLAは、様々な活動を支援するための力を生み出すために、身体の様々な点を結ぶベース層上に配置される。この配置は、多くの場合、着用者自身の能力を自然に模倣して補助するために、着用者の筋肉を近似することができる。例えば、1又は2以上のFLAは、胴体の背面を脚の背面に接続し、これにより着用者の股関節伸筋を近似することができる。股関節伸筋を近似したアクチュエータは、着座位からの立位、立位からの着座位、歩行、又は持ち上げなどの活動を補助することができる。同様に、1又は2以上のアクチュエータを配置して、股関節屈筋、脊椎伸筋、腹筋、又は腕もしくは脚の筋肉など、他の筋肉群を近似することができる。
【0033】
筋肉のグループを近似する1又は2以上のFLAは、4秒以内に少なくとも1/2インチのストローク長にわたって少なくとも10ポンドを生成することができる。一部の実施形態では、筋肉のグループを近似する1又は2以上のFLAは、1/2秒以内に6インチのストロークにわたって少なくとも250ポンドを生成することができる。直列又は並列に配置された複数のFLAを使用して、単一のグループの筋肉を近似することができ、FLAのサイズ、長さ、パワー、及び強度は、筋肉のグループ及びこれらが利用される活動に合わせて最適化される。
【0034】
(センサ及び制御層)
センサ及び制御層は、外装スーツ及び着用者からデータを取得し、センサデータ及び他のコマンドを利用して実行されている活動に基づいて電源層を制御し、制御及び情報を目的として外装スーツ及び着用者のデータをUX/UI層に提供する。
【0035】
エンコーダ又はポテンショメータなどのセンサは、FLAの長さ及び回転を測定し、他方、力センサは、FLAによって加えられる力を測定する。慣性測定ユニット(IMU)は、外装スーツ及び着用者上の点の動力学データ(位置、速度、及び加速度)を測定してその計算を可能にする。これらのデータは、外装スーツ及び着用者の動力学情報(力、トルク)の逆動力学計算を可能にする。筋電図(EMG)センサは、特定の筋肉グループにおける着用者の筋肉活動を検出することができる。外装スーツの電子制御システム(ECS)は、センサ層によって測定されたパラメータを使用して、電源層を制御することができる。IMUからのデータは、実行されている活動並びに速度及び強度の両方を示すことができる。例えば、IMU又はEMGデータのパターンにより、着用者が特定のペースで歩いていることをECSが検出できるようにすることができる。次いで、この情報により、ECSは、センサデータを利用して着用者への適切な補助を提供するために電源層を制御することができる。
【0036】
センサ層からのデータは、着用者、介護者又はサービス提供者へのフィードバック及び情報のために、UX/UI層に更に提供することができる。
【0037】
UX/UI層は、着用者及び他の着用者の外装スーツシステムとの相互作用及び経験を含む。この層は、活動の開始などの外装スーツ自体の制御、並びに着用者及び介護者へのフィードバックを含む。小売り又はサービス経験は、外装スーツシステムのフィッティング、較正、トレーニング及びメンテナンスのステップを含むことができる。他のUX/UI機能は、電子セキュリティ、アイデンティティ保護、及び健康状態監視などの追加のライフスタイル機能を含むことができる。
【0038】
補助外装スーツは、どの活動が実行されるべきか並びにその活動のタイミングを外装スーツに対して着用者が指示するためのユーザインタフェースを有することができる。1つの実施例において、ユーザは、1又は2以上のボタン、キーパッド、又は携帯電話のようなテザーデバイスを介して、活動モードに入るようマニュアルで外装スーツに指示することができる。更に別の実施例では、ユーザは、外装スーツに所望の活動モードを口頭で伝えることができ、外装スーツは、口頭でのリクエストを解釈して所望のモードを設定することができる。外装スーツは、着用者から別のコマンドが受信されるまで、又は着用者が活動を止めたことを外装スーツが検出するまで、特定の持続時間にわたって活動を実行するよう予めプログラムすることができる。外装スーツは、アクティベート時に、外装スーツに全ての活動を停止させるフェールセーフ機能を含むことができる。
【0039】
外装スーツは、コンピュータ又はモバイルスマートフォンのような別のユーザデバイス上のノードとして定義されるUX/UIコントローラを有することができる。外装スーツはまた、他の補機のためのベースとすることができる。例えば、外装スーツは、携帯電話チップを含み、携帯電話と同様にデータ及び音声コマンドの両方を直接受信することができ、このようなノードを通じて情報及び音声信号を通信することができるようになる。外装スーツ制御アーキテクチャは、他の装置を外装スーツへの補機として追加できるように構成することができる。例えば、ビデオスクリーンを外装スーツに接続して、外装スーツの使用に関連する画像を表示することができる。外装スーツは、ドアロックのようなスマートな家庭用デバイスと相互作用するのに用いることができ、又はスマートテレビジョンをオンにして、チャネル及び他の設定を調整するのに用いることができる。これらのモードでは、外装スーツの身体的補助を使用して、これらのデバイスとの通信に関連する着用者の身体的経験又は触覚的経験を増強又は生成することができる。例えば、電子メールは、電子メールに挿入されたときに外装スーツが着用者を物理的に軽く叩くことを引き起こす物理的絵文字の形態で背中を軽く叩くことができ、又は書かれた電子メールを強調する他の何れかのタイプの身体的表現をユーザに対して実行することができる。
【0040】
外装スーツは、視覚的、聴覚的、又は触覚的なフィードバック又はキュー(合図)を提供して、様々な外装スーツ動作をユーザに知らせることができる。例えば、外装スーツは、触覚フィードバックを提供するための振動モータを含むことができる。具体的な実施例として、2つのハプティックモータが前寛骨の近くに位置付けられて、起立補助運動を実行するときに外装スーツの活動をユーザに知らせることができる。加えて、2つのハプティックモータが後寛骨の近くに位置付けられて、着座補助運動を実行するときにユーザに外装スーツの活動を知らせることができる。外装スーツは、視覚的なフィードバック又はキューを提供するため1又は2以上の発光ダイオード(LED)を含むことができる。例えば、LEDは、ユーザの周辺視野内の左肩及び/又は右肩の近くに配置することができる。外装スーツは、音声フィードバック又はキューを提供するためスピーカ又はブザーを含むことができる。
【0041】
他の例では、ボディハーネスを介したFLAと身体との相互作用は、着用者への触覚フィードバックの形態として使用することができ、この場合、FLAの収縮のタイミングの変化により、着用者に特定の情報を示すことができる。例えば、ウェストにあるFLAの引っ張りの数又は強さは、バッテリの残量、又は外装スーツが差し迫った動きの準備状態に入ったことを示すことができる。
【0042】
(小売り/サービス/スタジオ環境)
着用者の補助外装スーツとの最初の相互作用は、個々の着用者のために外装スーツシステムが指定又は選択された小売り店舗、販売特約店、診療所、又は専門サービスプロバイダなどの環境内とすることができる。或いは、営業担当者又は技術者は、自宅を訪問するか、又は診療所、アスレチック施設、又は地域社会などの適切な環境で着用者に応対することができる。個人のための外装スーツの仕様又は選択は、外装スーツ又は構成要素の幾つかのサイズのうちの1つから選択すること、又は個々のニーズに基づいて、特定の着用者のためにカスタムサイズ又はフィット、並びに特定の特徴、機能又はシステムの他の要件を決定することを含むことができる。例えば、高齢であるが健常な着用者は、着座位からの立位、立っている間の姿勢の維持、及び歩行などの活動を補助する外装スーツを必要とする可能性がある。この着用者は、補助なしでこれらの活動を実行することができる場合もあるが、補助外装スーツシステムは、この着用者が疲労が少なくより長い持続時間にわたってこれらの活動を実行可能にすることができる。他の着用者は、外装スーツ又は構成要素のサイズ決定、行われる活動、必要な補助の量、着用者によって必要とされる制御、又は着用者、介護者、もしくは他の者に伝えられるべきデータ及び情報のタイプに関して異なる要件を有する場合がある。
【0043】
スタジオは、見込まれる着用者及びサポートスタッフにとって、外装スーツのフィッティング及び試験を容易にする機能を備えることができる。例えば、スタジオは、外装スーツに接続し、スクリーン上でリアルタイムで及び他の有用なアプリケーションにおいて着用者に関する情報を共有するネットワークを有して、顧客のために外装スーツの経験をカスタマイズし、又は他の方法で促進させることができる。スタジオは、着用者が制御に慣れるのを助けるために、スクリーンディスプレイ又は外装スーツの動きにリンクする光及び音のような他の物理的ディスプレイを有することができる。スタジオはまた、外装スーツの使用を試験するための「障害物」コース又はデモ環境を構築することができる。外装スーツの制御は、スタジオでの経験にリンクすることができる。
【0044】
(反射制御)
外装スーツの制御はまた、着用者の動きを測定しているセンサ、又は他のセンサ、例えば別の人の外装スーツ上のセンサ、或いは環境内のセンサにリンクすることができる。本明細書に記載されるモータコマンドは全て、このセンサ情報によってアクティベート又は修正することができる。この実施例では、外装スーツは、着用者が意図的な動作又は意図的でない動作を介して外装スーツの動作プロファイルのキューを出すように、固有の反射を示すことができる。例えば、座っているときに、起立する意思を示すかのように前方に構えて傾斜する物理的な動きは、外装スーツのIMUによって感知され、これを用いて外装スーツを立ち上がり動作プロファイルにトリガーすることができる。1つの実施形態において、外装スーツは、脳活動を監視することができるセンサ(例えば、脳波計(EEG)センサ)を含むことができ、特定の動きを実行したいというユーザの要求を検出するのに用いることができる。例えば、ユーザが座っている場合、EEGセンサは、起立したいというユーザの要求を感知し、ユーザを起立補助運動で補助するように外装スーツに準備させることができる。
【0045】
(ユーザキュー)
外装スーツは、外装スーツがコマンドを受け取ったことをユーザに知らせる情報として、又は特定の動作プロファイルが適用可能であることをユーザに説明するために、音を出すか、又は、例えば、モータの迅速な動きを通じた他のフィードバックを提供することができる。上記の反射制御の実施例では、外装スーツは、動き始めようとしていることを示すために、着用者に高音及び/又は振動を提供することができる。この情報は、ユーザが外装スーツの動きの準備をするのを助け、性能及び安全性を向上させることができる。スーツの全ての動きに対して、多くのタイプのキューが実施可能である。
【0046】
(機械学習/AI)
外装スーツの制御は、インターネットを介して接続された外装スーツのうちの1人の着用者又は多くの着用者の多数のインスタンスにわたる運動性能を測定するために、機械学習技術の使用を含み、この場合、何れか1人のユーザについての性能の最適化及び安全性の改善のための最良な制御動作の計算は、外装スーツの着用者の全部又は一部における集計情報に基づいている。機械学習技術を使用して、外装スーツ補助運動についてのユーザ固有のカスタマイズを提供することができる。例えば、特定のユーザは、(例えば、自動車事故のために)異常な歩行をする可能性があり、従って、踏み出すことさえできない。機械学習は、この異常な歩行を検出し、これに応じて歩行を補うことができる。
【0047】
(下着型補助外装スーツシステム)
図1A〜
図1Fは、本開示の一部の実施形態による下着型補助外装スーツ(UAE)システムを示す。一部の実施形態では、UAEシステムは、着用者の衣類の下に着用されること、及び身体の中心筋肉のための身体的補助に焦点を合わせることを目的としている。この実施形態はまた、肩、肘、手首、及び手、並びに膝、足首、及び脚の関節を含む、他の身体部位に関する身体的補助を提供する実施形態に拡張するためのベースでもある。以下の説明は、身体コアにのみ焦点を当てている。
【0048】
図1Aは、本開示の一部の実施形態によるUAEの正面図を示す。肩から膝の直ぐ上まで延びるベース層は、コンプライアンスなスパンデックスパネル(101)及び可撓性の実質的に非伸張性の荷重分散部材(102)を含む。荷重分散部材(102)は、安定層及び電源層から着用者の肩、ウェスト及び大腿部に荷重を伝達する。この実施形態では、荷重分散部材(102)は、複数の曲線状に配置された実質的に非伸張性の材料を含む。これらの曲線は一般に、安定層及び電源層からの荷重を均等に分散させるために、懸垂曲線に近似している。荷重分散部材は、着用者の身体に沿った滑動に抗する内面を含む。荷重分散部材の配置により、荷重を受けたときにこれら荷重分散部材を着用者の身体上で収縮させて、それらの把持及び着用者の身体に沿った滑動に対する抵抗を更に強化する。
【0049】
大腿部の前部に位置付けられた可撓性リニアアクチュエータ(FLA)(103)は、股関節屈筋に近似している。FLAは、所与のストローク長さにわたって、2つの取付ポイント間に引張力を発生させることができる動力付きアクチュエータである。FLAは、例えば体表面の周りの輪郭を辿ることができるように可撓性であり、従って、取付ポイントでの力は必ずしも整列されない。電源及びセンサ層及び制御層の電子部品は、股関節部のエンクロージャ(104)内に収納される。エンクロージャ(104)は、快適さ、審美性及び構成要素又は着用者の保護のために、パッド、断熱材及び織物構成要素を備えてベース層と一体化することができる。例えば、耐火材料又は耐熱材料を電子機器又はバッテリの周囲に用いることができる。胴体及び大腿部の側面に沿った紐締め(110)により、ベース層の全体のサイズが調整される。
【0050】
図1Bは、本開示の一部の実施形態によるUAEの背面図を示す。この場合も同様に、肩、ウェスト、及び大腿部にある荷重分散部材(102)は、ベース層及び着用者の身体に荷重を伝達する。4つのFLA(105)は、股関節伸筋に近似しており、2つのFLAが股関節部当たりに平行に構成されている。各股関節部にあるFLA(105)のペアは、それぞれ腱要素(106)に接続されて、FLAのペアをウェスト部にある荷重分配部材(102)に取り付ける。このように、FLA(105)のペアと腱(106)の組み合わせは、大腿部及びウェスト部の荷重分散部材(102)の間に接続され、FLAが作動(締め付け)したときに、伸展モーメントが股関節部にて発生する。この実施例における腱要素(105)は、調整要素(108)を有するウェビングを含むことができるので、腱要素の長さは、着用者の身体に対するFLA(105)のストロークを最適化するように調整することができる。2つのFLA(107)は、肩及びウェストで荷重分散部材(102)に平行に取り付けられ、従って、脊椎伸筋に近似する(例えば、姿勢支持のため)。
【0051】
図1Cは、本開示の一部の実施形態によるUAEの側面図を示す。側面図では、股関節屈筋(103)、股関節伸筋(105)、及び脊椎伸筋(107)を近似する荷重分散部材が全て図示されており、股関節伸筋FLA(105)が調整可能な腱要素(106)に取り付けられている。電源層、センサ及び制御層の電子部品は、織物ベース層に一体化されたエンクロージャ(104)に収容される。調整可能なショルダーハーネス(109)が、肩及びウェストで荷重分配部材(102)に取り付けられている。胴体及び大腿部の側面に沿った紐締め(110)により、ベース層の全体のサイズが調整される。
【0052】
図1Dは、本開示の一部の実施形態によるUAEの正面図を示す。
図1Dにおいて、安定層を示すために、電源層、センサ、及び制御層が取り除かれている。安定層の2つの弾性要素(111)は、股関節屈筋に近似して、ウェスト及び大腿部にて荷重分散部材(102)に取り付けられる。この実施例において、弾性要素(111)は、スパンデックス布地で覆われたシリコーンのストリップである。一部の実施形態において、弾性要素(111)は、他の何れかの好適な材料から作ることができる。他の実施例において、安定層の弾性要素は、ベース層とより一体的に形成することができる。
【0053】
図1Eは、本開示の一部の実施形態による、UAEの背面図を示す。
図1Eにおいて、安定層を示すために、電源層、センサ及び制御層が取り除かれている。股関節伸筋又は臀筋を近似する安定層の別の弾性要素(112)は、ウェスト及び大腿部にて荷重分散部材(102)に取り付けられる。脊椎伸筋を近似する安定層の別の弾性要素(113)は、ウェスト及び大腿部にて荷重分散部材(102)に取り付けられる。
図1Dと同様に、弾性要素(112,113)は、布地で覆われたシリコーンから作られるが、他の実施形態では、弾性要素は、ベース層とより一体的に形成することができる。一部の実施形態において、弾性要素(112,113)は、他の何れかの好適な材料から作ることができる。弾性要素は通常、第1の位置から第2の位置への移動により弾性要素が伸張し、着用者を第1の位置に戻すよう付勢する力を発生させるように構成される。これは、第1の位置における安定性をもたらすことができ、又は第2の位置から第1の位置に移動するときに着用者を補助することができる。1つの実施例において、第1の位置が立位であり、第2の位置は着座位である。股関節屈筋、股関節伸筋、及び脊椎伸筋を近似する安定層の弾性要素(111,112,113)は、立位(第1の位置)にて小さな公称予荷重を有するように構成される。立位姿勢からの小さな動きは、安定層の1又は2以上の弾性要素を伸張させ、第1の位置に戻すように付勢される1又は2以上の力を発生させることができる。例えば、前方への傾斜は、股関節伸筋及び脊椎伸筋の弾性要素(112,113)を伸張し、立位姿勢に戻すよう付勢する力を発生させることができる。反対に、後方への傾斜は、股関節屈筋の弾性要素(111)を伸張し、胴体を前方に移動させて立位姿勢に再度戻るように付勢する力を発生させることができる。従って、これらの状況では、安定層の弾性要素は、第1の立位において安定性を提供する。第2の着座位に移動すると、股関節伸筋及び脊椎伸筋の弾性要素(112,113)を伸張させることができる。これらの伸張した弾性要素(112,113)は、着用者を第1の立位に戻すよう付勢される力を発生することができる。着用者が着座している間、弾性要素は伸張状態に維持されて、その結果、着用者が第2の着座位にある間、力が維持されてエネルギーが弾性要素に蓄積されるようになる。着用者が、立位に戻ることを望むときには、蓄積されたエネルギー及び弾性要素にて発生した力が着用者を補助することができる。
【0054】
図1Fは、本開示の一部の実施形態による、UAEの側面図を示す。
図1Fにおいて、安定層を示すために、電源層、センサ、及び制御層が取り除かれている。股関節屈筋、股関節伸筋、及び脊椎伸筋を近似する安定層の弾性要素(111,112,113)は、大腿部、ウェスト、及び肩にて荷重分散部材(102)に取り付けられる。
【0055】
図1G〜1Iは、安定層又は電源層が存在しない場合のベース層のそれぞれ例示的な正面図、背面図、及び側面図を示す。
図1G〜1Iは、詳細には、大腿部分散部材120、大腿部分散部材130及び下部胴体分散部材140を示す。大腿部分散部材120、大腿部分散部材130及び下部胴体分散部材140は、上記で検討した分散部材102と同じであるが、更に検討するために改めて表記されている。大腿部分散部材130は、大腿部の長さに沿って延在するステー131及び132を含むことができ、該ステー131,132は、大腿部の内側にわたる一連のストラップ133及び大腿部の外側にわたる一連のストラップ134に取り付けられる。ステー131又は132に力(例えば、股関節部の方向で上向きの力)が加わると、ストラップ133及び134を通じて荷重が伝達される。ストラップ135のような追加ストラップは、大腿部の周りを囲むことができるが、ステー131及び122には結合されない。ストラップ135は、ステー138及び139などの他のステーに結合することができる。ストラップ133,134の一部は、ステー131及び132に加えて、ステー138及び139に結合することができる。ステー138又は139に力(例えば、股関節部の方向で上向きの力)が加わると、ストラップ133,134,135を通じて荷重が伝達される。ファスナー136,137がそれぞれステー131,132上に存在することができる。
【0056】
大腿部分散部材120は、大腿部の長さに沿って延在するステー121,122を含むことができ、該ステー121,122は、大腿部の内側にわたる一連のストラップ123及び大腿部の外側にわたる一連のストラップ124に取り付けられる。ステー121又は122に力(例えば、股関節部の方向で上向きの力)が加わると、ストラップ123,124を通じて荷重が伝達される。ストラップ125のような追加ストラップは、大腿部の周りを囲むことができるが、ステー121及び122には結合されない。ストラップ125は、ステー128及び129などの他のステーに結合することができる。ストラップ123,124の一部は、ステー121及び122に加えて、ステー128及び129に結合することができる。ステー128又は129に力(例えば、股関節部の方向で上向きの力)が加わると、ストラップ123,124を通じて荷重が伝達される。ファスナー126,127がそれぞれステー121,122上に存在することができる。
【0057】
下部胴体分散部材140は、着用者のウェストの一部、背中、及び股関節部の周りに分配することができる。分散部材140は、ステー141〜145を含むことができる。ステー141,142には、ストラップ146を結合することができる。ステー141,142は、FLA103を所定位置に固定するのに用いることができる複数のスロット158を含むことができる。複数のスロットを含めることにより、着用者は、FLA103の端部を最も適合する位置に配置できるようになる。ステー145はまた、FLA107を所定位置に固定するのに用いることができる複数のスロット157を含むことができる。ステー142,143には、ストラップ147を結合することができ、ステー144,141には、ストラップ148を結合することができる。ステー143,145には、ストラップ149を結合することができ、ステー145,144には、ストラップ150を結合することができる。ステー141〜145のうちの1又は2以上に力が加わると、下部胴体分散部材140を通じて荷重が分散される。ステー141,142は、ファスナー152,153を含むことができる。ステー143,144は、調整要素108及びファスナー(調整要素108により隠されてしまうので、明確には図示されない)を含むことができる。ステー145は、ファスナー156を含むことができる。
【0058】
弾性要素111のうちの1つは、ファスナー126,152に接続することができ、弾性要素111のうちのもう1つは、ファスナー136,153に接続することができる。各ステーに複数のファスナーを含めることで、柔軟性と外装スーツの着用者のフィッティングを提供することができる。弾性要素112は、大腿部分散部材120、大腿部分散部材130及び下部胴体分散部材140の各々上でファスナーに接続することができる。弾性要素113は、下部胴体分散部材140及びヨーク分散部材160(
図1Kの下側に図示される)上でファスナーに接続することができる。
【0059】
図1Jは、着用者の下部胴体領域の周りで且つ荷重分散部材140の頂部で着用されるように構成された例示的なシャーシストラップシステム170を示す。シャーシストラップシステム170は、電子機器104、腱要素106、FLA103、105,107を含むことができる。シャーシストラップシステム170が着用者によって着用された後、FLA103,105は、大腿部分散部材120,130に取り付けることができる。FLA103のうちの1つは、ステー121,141に取り付けることができ、FLA103のうちの他のものは、ステー131,142に取り付けることができる。このように、FLA103は、2つの異なる荷重分散部材(例えば、分散部材140/120及び分散部材140/130)に取り付けられる。FLA103がアクティベートすると、引張力が大腿部及び胴体を共に引張して股関節屈筋の動きを補助する。例えば、左大腿部FLA103がアクティベートすると、引張力がステー131,143を引き寄せて、股関節屈筋の動きにおいて大腿部を引張する。ステー131,143にかかる力は、分散部材130,140全体にわたって分散される。
【0060】
FLA105は、ステー128,129,138,及び139並びに腱要素106に取り付けることができる。腱要素106は、調整要素108に接続することができる。FLA105の一方の端部を腱要素106に取り付けることにより、FLA105を胴体分散部材140に固定することができる。腱要素106の位置決めは、着用者にとって最良適合を提供するよう調整要素108を介して調整することができる。従って、左大腿部FLA105は、ステー138,139に取り付けられ、及び腱要素106を介して胴体分散部材140に取り付けられる。FLA105がアクティベートすると、FLA105は、胴体分散部材140と大腿部分散部材120,130との間の股関節伸筋補助動作を加える。左大腿部FLA105がアクティベートすると、これらのFLAによって生成された引張力は、胴体分散部材140及び大腿部分散部材130を通じて分散される。右大腿部FLA105がアクティベートすると、これらのFLAによって生成された引張力は、胴体分散部材140及び大腿部分散部材120を通じて分散される。
【0061】
図1Kは、ユーザの上部胴体部分の周りに配置されるヨーク分散部材160を示している。調整可能なショルダーハーネス109が、ヨーク分散部材160及び大腿部分散部材140に取り付けられる。胴体の側面に沿った紐締め110は、ショルダーハーネス109を着用者に適合するよう調整することができる。ヨーク分散部材160は、ステー161〜163を含むことができる。ステー161,162は、FLA107に結合することができる。ステー163は、ファスナー165を含むことができる。ファスナー165,156(
図1H)を用いて、弾性部材113(
図1Eに示す)を固定することができる。
【0062】
ヨーク部材160は、着用者の背中に沿って延在するストラップ166を含むことができる。あらゆる数のストラップ166を用いてもよいが、
図1Kに示す実施形態は、4つのこのようなストラップを有する。ストラップ166の各々は、ショルダーハーネス109に接続されるショルダーハーネス接続ストラップ167に結合することができる。ショルダーハーネス接続ストラップ167は、異なるサイズのユーザに適応するよう、ストラップ166に対して枢動又は移動することができる。
【0063】
FLA107は、ヨーク分散部材160のステー162,162に、並びに胴体分散部材140のステー145に結合することができる。FLA107がアクティベートすると、FLA107は、姿勢支持又は脊椎伸展を外装スーツに提供する。詳細には、FLA107が力の引張(張力)を加えると、FLA107は、ヨーク分散部材160を引き下げて、胴体分散部材140を引き上げる。従って、FLA107が加えた張力によって引き起こされる荷重は、ヨーク分散部材160及び胴体分散部材140にわたって分散される。
【0064】
(上着型(服の上からの)補助外装スーツシステム)
図2A〜2Eは、本開示の一部の実施形態による、着用者の衣類の上に着用することを意図した上着型補助外装スーツ(OAE)システムを例示している。
【0065】
図2Aは、本開示の一部の実施形態による、OAEの正面図を示す。クロスストラップ(202)を備えたショルダーハーネス(201)は、着用者の上半身に取り付けられる。張力ロックフィッティング(203)は、ショルダーハーネス及びクロスストラップのサイズ及び締まりの調整を可能にする。荷重分散部材(204,205)は、着用者のウェスト及び大腿部それぞれの周りを囲む。股関節屈筋として構成されるFLA(206)は、ウェスト及び大腿部にて取り付けられる。FLAは、構成要素の保護及び着用者の快適さのため、モータ、動力伝達装置及びスピンドル組立体の周りに丸みのある曲線輪郭のハウジング(207)を含むことができる。FLAのツイストストリングは、ストリングを摩耗、もつれ又は鉤裂きから保護するブレードチューブ(208)内に収容される。FLAは更に、見栄え上の一体化、保護及び快適さのため布地又はOAEの他の要素内に密閉することができる(209)。弾性要素(210)は、FLAと並列に構成され、これらが股関節屈筋を模倣するようになる。ウェビング(211)は、弾性要素(210)を調整フィッティング(212)に接続し、該フィッティングは、大腿部にて荷重分散部材(205)に固定される。ウェビング(211)は、FLA(206)が脚荷重分散部材(205)に力を伝達するための腱として機能し、また着用者の身長の変動に合わせて短縮及び延長する手段として機能する。これは、FLAのストローク長を依然として維持しながら大腿部の全面を使用することを可能にし、並びにFLA又は動力伝達装置を挟み又は折れることなく着用者の身体の輪郭に適合させることを可能にする。IMUは、各大腿部(214)の前面に取り付けられ、センサ及び制御層が脚の移動を検出することができるようになる。
【0066】
図2Bは、本開示の一部の実施形態による、OAEの背面図を示す。バッテリ、回路基板及びケーブルを含む電子部品(215)は、上背のバックパック型領域に搭載される。電子機器は通常、保護及び美的感覚の目的でエンクロージャ又は布地カバー(216)で覆われる。並列に構成された2つのFLA(217)は、腰椎を横断し、脊椎伸筋を模倣する。並列に構成された4つのFLA(218)は、ウェスト及び各大腿部にて荷重分散部材間に取り付けられ、股関節伸筋又は臀筋を模倣する。布地カバー(219)は、保護及び美的感覚の目的でFLAを隠す。カバー(219)は、FLAの長さの変化に適応するため、プリーツ付け、網状、又は柔軟にすることができる。安定層の弾性要素(220)は、FLAと並列に配置される。弾性要素(220)及びFLA(218)は、個々の着用者に対してサイズ又は引張力を調整できる調整可能な相互接続部(221)を介して荷重分散部材に取り付けられ、上述のようなウェビング腱(211)は、ある範囲の調整並びに着用者の身体への適合を提供する。
【0067】
図2Cは、本開示の一部の実施形態による、OAEの側面図を示す。1又は2以上のサイドバンド(222)(この実施例では5つ)は、OAEの胴体部分の前部と後部の間に接続される。1又は2以上のサイドバンドは、着用者のサイズに適応するよう調整可能である。サイドバンドを締めると、着用者の胴体が把持されて、外装スーツにわたって荷重が分散され、荷重分散部材として効果的に機能する。着用者の胸には、容易にアクセス可能な緊急停止スイッチ(223)が配置される。
【0068】
図2Dは、本開示の一部の実施形態による、OAEの構成要素の詳細な背面図を示す。ウェスト荷重分散部材(225)は、交差部にてリベット(233)を有して二軸編み組で配置されたウェビングの区域を含む。この配置により、荷重分散部材が、着用者のウェストに適合できると共に、取付ポイント(232)に荷重が加わったときに着用者の体幹を締め付けて把持することを可能にする。4つのFLA(224)の2つのグループは、並列に配置されて、ウェスト(225)にて荷重分散部材に取り付けられる。FLAの各グループは、反対側の端部にてウェビング腱(227)に取り付けられ、該ウェビング腱が、FLAの力を大腿部(228)にある荷重分散部材に伝達する。4つのFLA(224)の各グループ内では、駆動部のペアが、ステー(230)上に取り付けられたブラケット(229)と共に繋ぎ合わされ、ステー(230)は、ベース層の荷重分散部材上のスリーブ(231)内に挿入される。ステーは、FLAと荷重分散部材との間の圧縮荷重を伝達し、FLA及び荷重分散部材の最適な独立した配置及び配向を可能にする。この実施例では、ウェスト及び大腿部での荷重分散部材の最適な状況により、荷重分散部材の取付ポイント間の距離(LFG)が、FLAの最適自由長(LFD)よりも遙かに短いものとなる。ステー(230)は、最適長(LFD)を有するFLAの使用を可能にすると共に、FLAの力を荷重分散部材の最適取付ポイント(232)に伝達する。
【0069】
図2Eは、本開示の一部の実施形態による、OAEにて実装される腰又は姿勢ボルスターを例示している。ボルスターは、下背の輪郭を辿る半剛性パネル(234)を備える。脊椎伸筋FLA(235)が作動すると、該FLAは、第1の長さ(L1)からより短い長さ(L2)に収縮し短くなる。短い長さ(L2)は、ボルスターパネル(234)の曲率(矢印)を増大させ、腰及び姿勢支持の増大をもたらす。ボルスターは、ベース層のポケットに着座され、ボルスターを横方向に分散させる舌状の特徴は、脊椎及び体幹に沿って荷重分散部材全体に作用する。
【0070】
図2F〜2Iは、本開示の一部の実施形態による、着用者の衣類の上に着用されることを意図した別の上着型補助外装スーツ(OAE)システムを例示している。
図2Fは、外装スーツ240の例示的な正面図を示す。
図2Gは、部分的に組み立てられた外装スーツ240の背面図を示す。
図2Hは、カバーが存在しない組み立てられた外装スーツ240の背面図を示す。
図2Iは、カバーが存在する組み立てられた外装スーツ240の側面図を示す。
図2Jは、胴体支持システム280を示す。
図2F〜2Jの各々について、全体的に検討する。
【0071】
外装スーツ240は、大腿部荷重分散部材242及び244並びに胴体支持システム250を含むことができる。大腿部荷重分散部材242及び244は、外装スーツ240を着用しているユーザの大腿部の周りに適合するように構成され、各大腿部荷重分散部材は、股関節屈筋FLA246及び247の端部を所定位置に固定するための取り付け要素243及び245を含む。股関節屈筋FLA246及び247の他端部は、胴体支持システム250の股関節屈筋固定システム251及び252それぞれに取り付けることができる。大腿部荷重分散部材242及び244は、伸筋固定システム255及び256に固定することができる取り付け要素248及び249を含むことができる。伸筋固定システム255及び256は、取り付け要素248及び249に結合されるストラップ257及び258を含むことができる。ストラップ257及び258は、ユーザに最良適合するよう調整することができる。伸筋固定システム255及び256はまた、股関節伸筋FLA261〜268の端部を所定位置に固定するための固定要素259及び260を含むことができる。
【0072】
胴体支持システム250は、はさみ荷重分散部材270、脊椎ハブ271、調整可能ストラップ272、腹バンド273及び274、FLAステー275、支持構造体280、腰ポケット281、肩ストラップ283、肩調整要素284、胸調整ストラップ285、及び胸深ストラップシステム286を含むことができる。はさみ荷重分散部材270は、調整可能ストラップ272を介して腹バンド273及び274に結合される。腹バンド273及び274は、例えばジッパー又は他の結合デバイスを介して共に取り付けることができる。腹バンド273及び274は、ユーザの自然なウェストの下方で荷重を集中させ、また自然なウェストの上方に圧力を加える(例えば、1〜4インチ又は2インチ上方)3重ゾーン(又は三層構造)の段階的圧力パケットとすることができる。腹バンド273及び274の3重ゾーン構造は、快適な腹部横方向圧力をユーザに加えることができる。腹バンド273及び274の上部分は、比較的軟質の弾性材料から構成することができる。腹バンド273及び274の中間部分は、最初の部分のスティフネスよりも大きい第1の弾性スティフネスを有する材料から構成することができる。腹バンド273及び274の下部分は、第1の弾性スティフネスよりも大きい第2の弾性スティフネスを有する材料から構成することができる。従って、腹バンド273及び274の各部分のスティフネスを変えることにより、スティフネスの段階的変化が提供されるが、それほど剛性ではないので、バンド273及び274のどの部分も伸張しない。
【0073】
はさみ荷重分散部材270は、ストラップ272及び腹バンド273及び274と組み合わせると、股関節屈筋FLA261〜268が引張力を加えているときにユーザの身体の周りに力を分散させるよう作動する。FLA261〜268(例えば、モータなど)の一方の端部は、ステー275に結合することができ、FLA261〜268の他方の端部は、伸筋固定システム255及び256に結合される。はさみ荷重分散部材270は、ユーザの運動又はFLA261〜268のアクティベーション(機能有効化)に応答した屈曲、曲げ及び/又ははさみ(枢動部の周りでの)を行う一連の枢動結合体で構成される。ステー275は、ユーザの股関節部付近で荷重分散部材270に荷重を加えるように部材270上に位置付けることができる。
【0074】
脊椎ハブ271は、荷重分散部材270に結合され、及び取付ポイント282を介して腰ポケット281に結合することができる。脊椎ハブ271は、上部の横断面を有する理由から、腰ドレイデルと呼ぶことができる。脊椎ハブ271は、全ての構成要素を含めて、胴体支持システム250の重量を支持するよう作動する。これは、脊椎ハブ271は、FLAの力及びシステム250の重量を荷重分散部材270に作用させることによって行われる。脊椎ハブ271は、腰部支持をユーザに提供することができる剛体構造とすることができる。脊椎ハブ271が荷重分散部材270に引き寄せられると、構造体の剛性が、ユーザの腰椎曲線の上方及び下方に圧力を加えると同時に、ユーザが曲線を維持することを可能にすることができる。
【0075】
腰ポケット281は、腰FLAの荷重を脊椎ハブ271及びはさみ荷重分散部材270に分散する比較的剛体の材料とすることができる。加えて、腰ポケット281は、構造体280に取り付けることができ、これにより、構造体280を前後に(ユーザが背中を股関節部に対して前後に移動させるのと同じ方向で)移動させることができる。腰ポケット281は、取付ポイント287を介して胸深ストラップシステム286に結合することができる。FLA(
図2Hに示される)は、腰ポケット281に結合され、また脊椎ハブ271又ははさみ荷重分散部材270の何れかに結合することができる。これらのFLAは、脊椎伸筋補助運動を提供することができる。
【0076】
胸深ストラップシステム286は、ユーザが動き回っているとき、特に前屈している際に、構造体280がユーザの背中に接近したままであることを可能にするV字形状を示すことができる。胸深ストラップシステム286は、肩ストラップ283及びはさみ荷重分散部材270に結合されるストラップ288を含むことができる。ストラップ288は、リング289a,289b,及び289cを通過する。リング289a,289b,及び289c、ストラップ288及び肩ストラップ283の組み合わせにより、構造体280がユーザの背中と協働して移動できるようになる。
【0077】
Flexor荷重ストラップ253は、股関節屈筋固定システム251及び252の間に存在することができる。Flexor荷重ストラップ253は、着脱を容易にするためにバックルを有することができる。ストラップ290が、股関節屈筋固定システム252及びはさみ荷重分散部材270(又は脊椎ハブ271)に取り付けられる。ストラップ253及び290及びシステム252の組み合わせにより、屈筋FLA247により生成される力を荷重分散部材270及び大腿部荷重分散部材244に横方向に分散させることが可能となる。ストラップ290と同様のストラップは、股関節屈筋固定システム251及びはさみ荷重分散部材270(又は脊椎ハブ271)に取り付けることができる。
【0078】
図3は、本開示の一部の実施形態による、外装スーツシステムのための小売り又はサービス環境を示している。一部の実施形態において、小売り及びサービス環境はまた、スタジオとして説明することができる。タッチスクリーンディスプレイ(301)は、外装スーツの目的がヘルス/ウェルネス、スポーツ/アクティビティ、又は他の習慣/生活スタイルの目的であるかなど、着用者が外装スーツの構成を開始する対話的環境を提供する。ディスプレイ(302)には、複数の外装スーツ及び外装スーツ構成要素が存在する。これらは、着用者に適切である外装スーツを構成するための「在庫」の外装スーツ及び外装スーツ構成要素とすることができ、様々な人体測定、生体力学又は運動学の個々の着用者に適応するため様々な形状又はサイズを含むことができる。これらの構成要素で構成された外装スーツは、着用者に特化した外装スーツを最適化するのに用いられる暫定外装スーツであるか、又は最終外装スーツを提示することができる。代表者、販売員、又は技術者が着用者(302)と対話して、外装スーツを構成及び最適化し、更に着用者にその動作をトレーニングさせることが図示されている。外装スーツの各層は、幾らかの適応性(カスタマイズ及び最適化)を組み込むことができる。ベース層は、着用者のサイズ、快適さ要件、及び着用者の衣類の上に着用するか又は下に着用するかなどの所望の用途の特別な状態に適合することができる。安定層は、着用者の身体的特性及び予想される滑動に基づいて、身体の様々な部分に提供される適切な量の安定性に適応することができる。同様に、電源層は、様々な活動における身体の様々な部分に求められる補助量を提供するよう適応することができる。FLA動力付きアクチュエータの長さ、速度、及び強度を選択又は調整し、これらのパラメータを最適化することができる。着用者は、活動の特定のセットを実施して、センサ及び制御層が自己較正し、着用者動きパターンに適応することができるようになる。
【0079】
図4は、本開示の一部の実施形態による、補助外装スーツを着用者に適応させるためのプロセスを概略的に示している。一部の実施形態において、プロセスは、例えば、ステップを組み合わせ、分割、再配列、変更、追加、及び/又は削除することにより修正することができる。このプロセスは、上述の小売り及びサービス経験と一体化することができる。最初に、着用者又はアシスタント(例えば、付き添い、介護者、又は外装スーツを取得する際に着用者を補助する他の人)からの入力では、外装スーツが補助することを目的としている主たる用途及び活動が選択される(401)。次に、着用者は、サイズ、動力付きアクチュエータ/FLAの強度及び速度、センサ及び制御層の要件、ユーザインタフェースなどの外装スーツの構成要素及びパラメータの設定について評価される(402)。これはまた、体型のグループから全体的な比率に基づいた着用者の識別情報を含むことができる。次いで、外装スーツが構成されて、着用者に最適化される(403)。次に、着用者には、暫定外装スーツ又は着用者が使用できる最終外装スーツの何れかとすることができる、構成された外装スーツを着用する(身に着ける)よう指示することができる(404)。次いで、着用者は、外装スーツの初期動作においてトレーニングされ(405)、センサ及び制御層を最適化及び較正するための標準化活動を実行するよう指示され(406)、並びに構成が適切であることを確認することができる(407)。最初に暫定外装スーツが使用された場合には、最終外装スーツを準備することができる(408)。着用者、並びに該当する場合には介護者又は付き添いは、高度な外装スーツ機能をトレーニングすることができる(409)。着用者には、外装スーツの再較正、最適化又はメンテナンスのために定期的又は必要に応じて小売り又はサービスセンタに戻るように指示することができ、これは、現場で又は外装スーツへの遠隔接続を通じて仮想的に実施することができる(410)。加えて、外装スーツへの遠隔接続により、サービスセンタは、外装スーツのステータスを監視し、ソフトウェアを遠隔的にアップグレードし、又はサービスが必要な場合に着用者に通知することを可能にすることができる。1つの実施形態において、上述のプロセスは、1又は2以上のコンピュータシステム又はデータベースによって実行することができる。別の実施形態において、上述のプロセスは、製造業者、販売業者、フランチャイズ加盟店、又はライセンシーによってトレーニング、付加的なシステム、機器を備えたシステム、又はコンピュータによるシステム、或いは他のサービスの組み合わせを提供することで実行することができる。
【0080】
図5は、本開示の一部の実施形態による、通信ネットワークを組み込んだ例示的な外装スーツシステムプラットフォームを示す。図示のように、補助外装スーツを身に着けた着用者(501)は、地域社会又は住居(502)に広く存在している。無線通信リンク(503)が、外装スーツとセルラーネットワーク又は家庭用無線インターネット接続(504)などのネットワークとの間に確立される。ネットワーク接続は、タブレット又はスマートフォン(505)又はPC(506)などの個人用電子デバイスへの接続を可能にする。これらは、着用者、付き添い、又は介護者が外装スーツの構成(特にセンサ及び制御層)を調整すること、並びに活動レベル、着用者の健康、その他に関連するデータを監視することを可能にすることができる。ネットワーク接続はまた、医院又はサービスセンタなどの1又は2以上の遠隔センタ(507)による監視及び制御を可能にする。
【0081】
外装スーツシステムは、外装スーツ又は着用者に近接近したデバイス又はシステムと通信可能にするBluetooth(登録商標)又は無線自動識別(RFID)などの他の通信システムを含むことができる。これらの機構は、着用者のデジタル識別のような補助的な又はライフスタイルの便利機能を可能にすることができる。1つの実施例において、外装スーツシステムは、センサ及び制御層を通じて着用者の固有の特徴を検出することにより、個々の着用者のアイデンティティを確認することができる。個人の特徴は、歩行又は歩調などの移動パターン、身体サイズ又は体型測定、外装スーツにより感知される力、及び同様のものを含むことができる。次いで、外装スーツシステムは、家電製品、インターネット及びコンピュータのログイン、金融関連機器(ATM、小売り支払いシステム、その他)、ドアロック、自動車のロック及びイグニッションシステム、その他などの他のシステムに対する着用者のアイデンティティを照合することができる。Bluetooth(登録商標)などの通信リンクは、より広範囲なインターネットを通じた接続なしで、スマートフォン、タブレット、及びPCなどの電子デバイスとの直接通信を可能にすることができる。これらの接続は、上述のような機能に用いることができる。
【0082】
予めプログラムされた活動又は動作プロファイルにより、センサ及び制御層は、特定の活動に対して電源層の構成要素を作動させることができるようになる。活動/動作プロファイルは、一般に予めプログラムされているが、上記で説明したように、個々のユーザに対して較正又は適応させることもできる。以下の実施例において、アクチュエータは通常、対応する筋肉グループ(例えば、股関節屈筋、股関節伸筋、又は脊椎伸筋)により識別される。筋肉類推を続けると、FLAの作動は収縮状態への移行に対応し、非アクティベーションは、伸展状態への移行に対応する。
図6A〜6Iに関連して以下で検討する動作プロファイルは、複数のセンサ、複数の荷重分散部材、並びに外装スーツが脊椎伸筋、股関節伸筋、及び股関節屈筋の動きのうちの1又は2以上に補助を提供するように荷重分散部材間に力を加えるように結合されて作動する複数のFLAを含む外装スーツにて実施することができる。
【0083】
図6Aは、本開示の一部の実施形態による、起立活動/動作プロファイルを例示している。電源層のFLA又は動力付きアクチュエータの動作及び作動は、概略的フォーマット(600A)、表形式(600B)フォーマット、及びグラフ(600C)フォーマットで例示される。1つの実施例において、股関節屈筋は、着用者胴体を前方に傾斜させるよう作動され、この位置で短時間保持される。この前方への傾斜は、立ち動作が始まろうとしていることを着用者にキューを出すと共に、着用者の重心を両足を越えて前方に移動させる。これは、胴体が前方に傾斜しているので、前傾(613)フェーズと呼ばれ、また、着用者の体重が座席から脚に移行しているので、運動量移行フェーズ(614)と呼ばれる。次に、伸展及びリフトフェーズ(615)では、股関節屈筋(603)が非アクティベートにされると(606)、股関節屈筋(601)及び脊椎伸筋が作動し(607、610)、立位に起き上がるときに着用者を補助する。立位フェーズ(617)では、着用者がバランスのとれた立位姿勢をとっている間は、股関節伸筋(601)及び脊椎伸筋(616)が作動状態で保持される(608、611)。次いで、股関節伸筋(601)及び脊椎伸筋(616)が非作動にされ(609,612)、立位姿勢で自由に動けるようになる。この実施例では、筋構成要素(602)は、股関節伸筋(601)と直列に図示さている。腱構成要素(602)は、引張荷重を伝達し、FLAがFLAよりも長いスパンにわたって作動することを可能にすると共に、快適性及び機能性のためにFLAを最適に配置することを可能にする。
【0084】
図6Bは、本開示の一部の実施形態による、着座動作/活動プロファイルを例示している。初期収縮及び安定フェーズ(618)では、脊椎伸筋(616)、股関節伸筋(601)、及び股関節屈筋(603)は全て作動され(621,622,623)、初期運動の前に着用者に安定性を提供すると共に、運動が始まろうとしていることを着用者にキューを出す。安定性のために短時間の保持の後(624)、制御下降フェーズ(619)において、股関節伸筋が非作動にされるが(625)、股関節伸筋(626)の追加の作動が、着座位への下降及び移行の際に着用者を補助する。このようにして、外装スーツは、類似した偏心筋活動を補助する。最後のフェーズ(620)では、脊椎伸筋及び股関節屈筋が非アクティベートになり(627)、着用者が着座位で寛ぐことができる。
【0085】
図6Cは、本開示の一部の実施形態による、姿勢及び安定性支持のためのプロファイル又はモードを例示している。立位及び着座位における姿勢支持(628)は通常、脊椎伸筋(616)の作動(631)を含む。脊椎伸筋の作動は通常、胸部の後彎(前屈)を低減させ、又は腰椎前彎(後屈)を増大させ、頭部が後方に移動して、上半身が股関節部に対してよりバランスのとれた姿勢になる。この姿勢を維持する補助は、立位及び着座位の両方において疲労を低減し、快適さを向上させる。姿勢支持がもはや必要とされなくなったとき、又は別の動作又は活動が行われることになる場合、脊椎伸筋は非作動にすることができる(632)。
【0086】
受動的な立位股関節部安定性モード(629)では、股関節屈筋及び股関節伸筋に類似した弾性支持部(633)が、股関節部の受動的安定性を維持する。弾性支持部(633)は通常、安定層の構成要素である。弾性支持部(633)は、ストラップの張力調整により、又はスナップ又は他のファスナーのような外装スーツ上のアンカーから支持体を単に結合又は結合解除することにより、手動で係合又は調整することができる。
図6Eにおいて以下で更に記載されるように、弾性支持体は、動力付きアクチュエータとクラッチの組み合わせを用いて係合、係合解除、及び調整することができる。同様に、本明細書で記載される能動的支持体は、弾性支持体及びクラッチ機構と組み合わせて用いることができる。
【0087】
立位での能動的股関節部安定性は、股関節屈筋(603)及び股関節伸筋(601)の同時作動(634)によって提供することができる。これは、立位における関節を安定させるための股関節の屈筋及び伸筋の同時に起こる等収縮に類似している。能動的股関節部安定性がもはや必要とされないときには、股関節屈筋及び股関節伸筋は、同時に非アクティベートになる(635)。高、中、低の量又は支持、或いは、着用者の瞬間的な要求に応じた可変支持など、様々なモード又は量の股関節部安定性支持を提供することができる。支持の量は、身長、体重、年齢及び強度などの着用者の特性によって決定付けることができ、或いは、センサ及び制御層によって能動的に制御することができる。例えば、1又は2以上の慣性測定ユニット(IMU)からのデータは、着用者を補助するのに必要とされる能動的安定性のレベルを示すことができる。
【0088】
図6Dは、本開示の一部の実施形態による、歩行補助のためのプロファイル又はモードを例示している。歩行補助において、股関節屈筋(603)及び股関節伸筋(601)は、歩行サイクル(ウォーキング)の際の脚の前後の移動を周期的に補助するのに連動して作動する。歩行補助の際の単一の脚のFLA作動がグラフで示されている(643)。遊脚中期位置(644)から始まる単一歩行サイクル(636)の間に、股関節屈筋(637)を作動させると同時に股関節伸筋(638)を非作動にすることにより、脚が前方に揺動される。通常は踵接地から始まり、次いで、股関節屈筋が非作動(639)になりながら股関節伸筋を作動させ(640)、立脚フェーズを経て脚を後ろに移動させる(646)。次に、通常は足尖離地(647)にて、股関節伸筋が非作動の間(642)、股関節屈筋が再び作動され(641)て、脚を遊脚中間位置に戻し、ここでサイクルが繰り返される。反対の脚は、同様にして、但し逆のフェーズで作動され、すなわち、片方の脚は、揺動フェーズ中に股関節屈筋を作動させることができ、反対側の脚は、立脚フェーズ中に股関節伸筋を作動させる。
【0089】
歩行サイクルは、ユーザインタフェース制御装置を介して着用者によってマニュアルで開始及び制御することができ、或いは、センサ及び制御層によって自動的に開始及び制御することができる。例えば、IMUなどのセンサは、着用者が歩いていることを検出することができ、制御アルゴリズムは、歩行サイクル中に提供される適切な補助を決定して、FLAは、これに応じて作動する。
【0090】
図6Eは、起立補助を実行するプロセスの1つの実施形態を例示している。1又は2以上の慣性測定ユニット(IMU)は、着用者が前方に傾斜すること(648)を感知する。コントローラ又は中央処理ユニット(CPU)は、前方傾斜を、着用者が起立運動を開始していると解釈する(649)。或いは、着用者は、起立動作を実行しようとしていることをユーザインタフェースを介して外装スーツシステムに示すことができる。次いで、コントローラ又はCPUは、通常は上述のような動作プロファイルに従って1又は2以上のFLA又はクラッチ要素を作動させることにより、起立動作を補助するよう外装スーツを作動させる(650)。
【0091】
1つの実施形態において、起立補助動作は、以下のように実施することができる。股関節屈筋の補助動作を担うFLA(股関節屈筋FLA)がアクティベートされて、身体の胴体の前方傾斜動作を開始することができる。股関節屈筋FLAは、股関節屈筋の力が股関節屈筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させる。股関節屈筋の力は、第1の時間期間の間、股関節屈筋保持力閾値で維持することができる。股関節伸筋の補助動作を担うFLA(股関節伸筋FLA)は、第1の時間期間の終わりの前にアクティベートされて、身体の持ち上げ動作を開始することができる。股関節伸筋FLAは、股関節伸筋の力が股関節伸筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させる。脊椎伸筋の補助動作を担うFLA(脊椎伸筋FLA)がアクティベートされて、身体の持ち上げ動作を補助することができる。脊椎伸筋FLAは、脊椎伸筋の力が脊椎伸筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させる。股関節屈筋FLAは、第1の時間期間の終わりに非アクティベートされ、股関節屈筋FLAが張力を低減して、身体の持ち上げ動作を更に補助することができる。股関節屈筋FLAの非アクティベートは、股関節屈筋の力及び脊椎伸筋の力の増加に対して股関節屈筋の力を減少させる。身体が立っていることをセンサが検出すると、股関節伸筋FLAを非アクティベートにすることができ、脊椎伸筋FLAを非アクティベートにすることができる。
【0092】
図6Fは、歩行(ウォーキング)補助を実行するプロセスの1つの実施形態を例示している。1又は2以上のIMUは、着用者の前進の動作又は脚の動きを感知する。コントローラ又はCPUは、前進の動作又は脚の動きを、着用者が歩行サイクルを開始している、すなわち、歩き始めているものと解釈する(652)。或いは、着用者は、歩き始めていることをユーザインタフェースを介して外装スーツシステムに示すことができる。次いで、コントローラ又はCPUは、通常は上述のような動作プロファイルに従って1又は2以上のFLA又はクラッチ要素を作動させることにより、ウォーキング又は歩行補助を補助するよう外装スーツを作動させる(653)。
【0093】
1つの実施形態において、歩行補助動作は、以下のように実施することができる。第1の脚において、第1の脚に関連する股関節屈筋の補助動作を担うFLA(第2の脚屈筋FLA)及び第1の脚に関連する股関節伸筋の補助動作を担うFLA(第1の脚股関節伸筋FLA)は、アクティベートと非アクティベートを交互に行うことができる。第2の脚において、第2の脚に関連する股関節屈筋の補助動作を担うFLA(第2の脚股関節屈筋FLA)及び第2の脚に関連する股関節伸筋の補助動作を担うFLA(第2の脚股関節伸筋FLA)は、アクティベートと非アクティベートを交互に行うことができる。第2の脚屈筋FLA及び第2の脚股関節伸筋FLAのアクティベーション及び非アクティベーションは、第1の脚屈筋FLA及び第1の脚股関節伸筋FLAのアクティベーション及び非アクティベーションに対して位相がずれている。第1の脚屈筋FLAは、第2の脚股関節屈筋FLAのアクティベーションに連動して同時にアクティベートすることができ、第2の脚屈筋FLAは、第2の脚股関節伸筋FLAを非アクティベートしている間に同時にアクティベートすることができる。第1の脚については、第1の脚伸筋FLAが最大伸筋力を作用させるときには、第1の脚屈筋FLAは力を作用しない場合があり、第1の脚屈筋FLAが最大屈筋力を作用させるときには、第1の脚伸筋FLAは力を作用しない場合がある。
【0094】
図6Gは、立位姿勢支持補助を実行するプロセスの1つの実施形態を例示している。1又は2以上のIMUは、着用者が比較的静止して立っていることを感知する(654)。コントローラ又はCPUは、着用者が比較的静止して立っていること及び姿勢支持を提供すべきであることを、IMUデータから解釈する(655)。或いは、着用者は、着用者が静止して立っていること及び姿勢支持を望んでいることを、ユーザインタフェースを介して外装スーツシステムに示すことができる。次いで、コントローラ又はCPUは、通常は上述のような動作プロファイルに従って1又は2以上のFLA又はクラッチ要素を作動させることにより、姿勢支持を補助するよう外装スーツを作動させる(656)。
【0095】
1つの実施形態において、着座補助動作は、以下のように実施することができる。脊椎伸筋の補助動作を担うFLA(脊椎伸筋FLA)は、アクティベートされて、腰椎前彎を増大させることができる。脊椎伸筋FLAは、脊椎伸筋の力が脊椎伸筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させることができる。脊椎伸筋FLAは、姿勢安定が必要ではないとの決定に応答して非アクティベートにすることができる。姿勢安定は更に、股関節部安定性を実行することにより強化することができ、これには、股関節屈筋の補助動作を担うFLA(股関節屈筋FLA)及び股関節伸筋の補助動作を担うFLA(股関節伸筋FLA)を同時にアクティベートすることを含むことができる。股関節屈筋FLAは、股関節屈筋の力が股関節屈筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させることができ、股関節伸筋FLAは、股関節伸筋の力が第1の股関節伸筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させる。股関節屈筋保持力閾値は、少なくとも2つの異なる支持量を含む股関節部安定性モードに従って定めることができ、股関節伸筋保持力は、股関節部安定性モードに従って定められる。股関節屈筋保持力閾値及び股関節伸筋保持力は、センサから受け取った入力に基づくことができる。
【0096】
図6Hは、着座動作の補助を実行するプロセスの1つの実施形態を例示している。1又は2以上のIMUは、着用者の動作を感知する(657)。コントローラ又はCPUは、その動作を着用者が着座運動を開始していると解釈する(658)。或いは、着用者は、歩き始めていることをユーザインタフェースを介して外装スーツシステムに示すことができる。次いで、コントローラ又はCPUは、通常は上述のような動作プロファイルに従って1又は2以上のFLA又はクラッチ要素を作動させることにより、着座補助を実行するよう外装スーツを作動させる(659)。
【0097】
1つの実施形態において、着座補助動作は、以下のように実施することができる。股関節屈筋の補助動作を担うFLA(股関節屈筋FLA)、股関節伸筋の補助動作を担うFLA(脚股関節伸筋FLA)、及び脊椎伸筋の補助動作を担うFLA(脊椎伸筋FLA)は、同時にアクティベートすることができる。股関節屈筋FLAは、股関節屈筋の力が股関節屈筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させ、股関節伸筋FLAは、股関節伸筋の力が第1の股関節伸筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させ、脊椎伸筋FLAは、脊椎伸筋の力が脊椎伸筋保持力閾値に達するまで、張力を増大させることができる。股関節屈筋の力は、第1の股関節屈筋保持力閾値で維持することができる。股関節伸筋の力は、股関節伸筋保持力閾値で維持することができる。第1の時間期間の終わり及び制御された適切な持続時間の間、股関節屈筋の力は、股関節屈筋FLAを非アクティベートすることによって低減することができ、脊椎伸筋の力は、脊椎伸筋保持力閾値に維持することができ、及び股関節伸筋の力は、股関節伸筋FLAを更にアクティベートすることによって第2の股関節伸筋保持力閾値にまで増大することができる。制御された適切な持続時間の間、股関節屈筋の力の低減及び股関節伸筋の力の増大は、身体が着座位に接近する速度に比例する。ユーザが座っていることをセンサが検出した場合、股関節伸筋FLA及び脊椎伸筋FLAは、非アクティベートにすることができる。
【0098】
図6Iは、本開示の一部の実施形態による、起立活動/動作のタイミングチャートを例示している。
図6Iは、股関節屈筋なしで股関節伸筋及び脊椎伸筋のみを用いた起立補助運動を例示している。時間t1において、外装スーツは、起立補助運動が要求されたという指示を受け取ることができる。要求を受け取った後、外装スーツは、股関節伸筋670及び脊椎伸筋680をプレツイスト(予捩り)して、伸筋670及び680の初期張力を提供することができる。プレツイスト動作は、股関節及び脊椎伸筋の動きを実施するFLAに関連するツイストストリング内に存在する可能性がある何らかの弛みを引き締めることができる。このようにして、ユーザが自己の筋肉を操作するときに、FLAは、直ちに支持を提供し、ユーザに「追いつく」必要はない。時間t2において、股関節及び脊椎伸筋は、第1の股関節伸筋保持部671及び第1の脊椎伸筋保持部681それぞれにて保持することができる。時間t3において、股関節伸筋FLAは更に、アクティベートされて、区域672で示されるように時間t3〜時間t5まで張力を増大させることができる。時間t4において、股関節伸筋FLAは、第2の股関節伸筋保持部673にて張力を維持することができる。時間t4で始まって、脊椎伸筋FLAは、区域682で示されるように時間t4〜時間t6まで張力を増大させることができる。時間t5において、脊椎伸筋FLAは、第2の脊椎伸筋保持部683にて張力を維持することができる。股関節伸筋及び脊椎伸筋は、それぞれ時間t8及びt7にて非アクティベートにされ、立位姿勢において自由に動けるようになる。
【0099】
図7は、FLA(FD)、クラッチ(C)及びバネ(S)を組み込んだ補助外装スーツシステムのサブシステム(700)及び動作プロファイルの1つの実施例を例示している。この実施例では、FLA(FD)及びクラッチ(C)は並列に配列され、第1の端部(701)にて外装スーツ上のアンカーに取り付けられ、第2の端部(702)にて1又は2以上のバネ(S)に取り付けられる。1又は2以上のバネの反対側の端部(703)は、外装スーツ上の第2の位置にて1又は2以上のアンカーに取り付けられる。最初に(794)、FLA(FD)は非アクティベート状態にあり、クラッチ(C)は係合解除され、バネ(S)は弛緩状態にあり、僅かな力を発生し、又は力を発生していない。一部の実施形態において、バネ(S)は、FDによって巻き上げ又は巻き解くことができるツイストストリングを表すことができる(フェーズ711及び712で示されるように)。ツイストストリングが張力を受けた状態になると、バネ(S)は、張力を受けているものとして表すことができる(フェーズ710及び713で示されるように)。別の実施例において、バネ(S)は、FLAから完全に分離された要素を表すことができる。この要素は、FLAのツイストストリングに取り付けられた弾性バンドなどのバネ要素とすることができる。
【0100】
次いで、FLA(FD)が作動され(705)、FLA(FD)の第2の端部(702)をFLAの第1の端部に向けて引き寄せる。同時に、バネ(S)が伸長され、バネにおいて引張力及びポテンシャルエネルギーを発生する。次に、クラッチ(C)が係合され(707)、FLAの更なる作動なしでFLA(FD)の第1の端部(701)と第2の端部(702)との間の距離を維持する。この時点で、バネ(S)は依然として伸長されており、引張力及び蓄えられたポテンシャルエネルギーを発生している。
【0101】
着用者が、活動を実施するか、又はFLAの第1の端部(701)とバネの反対側の端部(703)との間の距離を低減する位置に移動する(708)と、力及びバネに蓄えられたポテンシャルエネルギーは、着用者の活動又は動作を補助し、動作が完了すると減少する。
【0102】
1つの実施例において、このようなサブシステム(700)は、着座位から立位へ移動するときに着用者を補助するための股関節伸筋として構成することができる。FLAの第1の端部(701)は、下背の領域において胴体に固定することができ、バネの反対側の端部は、大腿部の後部に固定することができる。初期状態(710)において、FLA(FD)及びクラッチ(C)は、非アクティベートにされ、着用者が座っている間はバネ(S)には僅かな力か又は全く力が存在しない。起立に備えた次のフェーズ(711)において、FLAが作動され(705)、バネにおいて引張力及びポテンシャルエネルギー(706)を発生する。次のフェーズ(712)において、クラッチ(C)が係合されて、FLAの更なる作動又は逆駆動なしでバネの張力を維持する。次のフェーズ(713)において、着用者は立位に移動する。引張力及びバネに蓄えられたポテンシャルエネルギーは、この動作を補助し、動作が実施されてFLAの第1の端部(701)とバネの反対側の端部(703)との間の距離が低減されると、力及び引張エネルギーが減少(709)する。
【0103】
サブシステム(700)は、外装スーツで用いることができる。このような外装スーツは、人間の第1の身体区域の周りに着用されるよう構成される第1の荷重分散部材と、人間の第2の身体区域の周りに着用されるよう構成される第2の荷重分散部材とを含むことができる。外装スーツは、第1及び第2の荷重分散部材に結合された筋肉補助サブシステム(例えば、サブシステム700のような)を含むことができる。筋肉補助サブシステムは、第1の荷重分散部材に結合された第1の取付ポイントと、第2の荷重分散部材に結合された第2の取付ポイントと、第1及び第2の取付ポイントに結合された可撓性リニアアクチュエータ(FLA)と、を含むことができる。FLAは、モータ(例えば、サブシステム700においてFDとして示される)と、モータ及び第2の取付ポイントに結合される少なくとも1つのツイストストリングとを含むことができる。この実施形態において、ツイストストリングは、サブシステム700においてバネ(S)としての機能を果たすことができる。しかしながら、ツイストストリング及び第2の取付ポイントに別個のバネ要素を結合してもよいことは理解されたい。外装スーツは、第1の取付ポイントとモータ及び第2の取付ポイント間に存在する第3の取付ポイントとに結合されるようにモータと並列に位置付けられたクラッチを含むことができる。クラッチが係合解除されると、少なくとも1つのツイストストリングの引張力は、モータによって維持され、クラッチが係合されると、少なくとも1つのツイストストリングの引張力は、クラッチにより維持される。外装スーツはまた、モータ及びクラッチの動作を制御するように作動する制御回路を含むことができる。
【0104】
モータは、第1の方向で回転することにより引張力を増大させるように作動することができ、或いは、モータは、第2の方向で回転することにより引張力を減少させるように作動することができる。第2の方向は、第1の方向の反対である。電力を節減するために、FLAは、クラッチが係合されたときには非アクティベートにすることができる。クラッチが係合されて、引張力が第1の引張力閾値に設定されると、クラッチが係合解除された場合に、引張力が第1の引張力閾値よりも低くなるように、FLAは第1の時間期間の間非アクティベートにすることができ、第1の時間期間の終わりには、クラッチが係合解除された場合に、引張力が第1の引張力閾値に維持されるか又は第1の引張力閾値よりも高くなるように、FLAはアクティベートされる。
【0105】
図8A〜8Cは、本開示の一部の実施形態による、補助外装スーツを例示している。
図8A〜8Cにおいて、補助外装スーツは、個々の着用者に対して外装スーツを最適化しながら試験的又は暫定的使用をするように広範囲に又は無限に構成可能である。これらの状況では、すなわち、外装スーツが異なる着用者で試験するのに使用される場合、又は外装スーツが個々の着用者のために特別に構成されている場合、電源層FLA、安定層弾性要素、及びベース層荷重分散部材などの外装スーツの構成要素の位置及び配向を調整することが望ましいとすることができる。一部の実施形態において、暫定/試験外装スーツ(PTE)は、試験目的又は特定の着用者に対して最適化のため広範囲に又は無限に異なる配列又は構成で組み立てることができるモジュール式構成要素を含む。
【0106】
PTEの追加の構成可能な機能を可能にするために、テザーは、一部の電子及び機械構成要素が外装スーツから外に収容できるようにすることができる。1つの実施例において、構成可能性又はデータ取り込みの追加を可能にするために、回路基板及びバッテリなどの電子機器のサイズが過大にされる場合がある。これらの構成要素のサイズが大きいことで、これら構成要素をPTEに取り付けることが望ましくない場合、これら構成要素は、外装スーツとは別個に配置されて、物理的又は無線テザーを介して接続され、機能の正確な評価を妨げる可能性があるシステム重量を低減することができる。大型で過大な動力モータは、大型のモータをPTE上に直接取り付ける必要なしに、電源層の作動を可能にする可撓性駆動リンケージを介してPTEに取り付けることができる。このような過大な動力構成は、全ての構成要素をPTEに直接取り付け又は一体化することを必要とする制約なしで、PTEパラメータの最適化を可能にする。
【0107】
図8Aは、本開示の一部の実施形態による、PTEの正面図を示す。この実施例では、ベース層は、腕及び体幹を覆うシャツ(801)と、大腿部を覆うレギンスセクション(802)とを備える。ベース層は、最初は非構造的であり、外装スーツ構成要素を取り付けるための面を提供する。PTEベース層の外面は、理想的には、例えば面ファスナーを用いてモジュール式構成要素を取り付けるのに好適である。この実施例において、ベース層の面は、取り付けられることになる構成要素上でフックと嵌合するループを備える。試験又は利用することができる活動に応じて、ベース層は、脚、コア、腕、その他などの身体の様々な領域に適応することができる。ベース層の内面は、好ましくは、着用者の衣類又は皮膚に接して把持するための摩擦を提供する。摩擦は、ベース層が着用者の身体に沿って所定位置に留まるように電源層又は安定層によって生成される力に抗する。
【0108】
安定層及び電源層の構成要素は、モジュール方式で位置付けられてベース層に取り付けることができる。
図8Aの実施例において、2つのFLA(803)は、ウェスト及び大腿前部に取り付けられ、股関節屈筋に類似している。FLAは、(
図19A及び19Bに関連して以下でより詳細に検討されるように)耐荷重ストラップ(804)として記載される、取り付けファスナー区域を有する複数のコードでベース層に取り付けられる。この実施例において、耐荷重ストラップファスナーのファスナー区域は、コードに縫い付けられる支持構造体に積層された小片の面ファスナー(フック部分)を含む。面ファスナーにより、耐荷重ストラップをほぼあらゆる構成でベース層に容易に取り付けることができる。通常は、複数のシダ状区域は、安定層又は電源層構成要素の端部に取り付けられ、懸垂曲線などの構成で配列されて、効果的な荷重分散部材をもたらし、着用者の身体の表面にわたって荷重を均等に分散させることができる。耐荷重ストラップ及び対応する構成要素は、生体力学的性能、快適さ、体型、又は実施される特定の活動などの特性に合わせて外装スーツのレイアウトを最適化するために、除去及び位置変更することができる。電源層は、着用者によって操作される手動制御装置(805)、技術者によって操作されるリモコン装置、又は自動の電子制御装置を介して作動及び制御することができる。
【0109】
図8Bは、本開示の一部の実施形態による、PTEの背面図を示す。ベース層は、ウェスト及び大腿部それぞれの周りに大きな弾性区域(806,807)を備える。この実施例において、単一のFLA(808)が脊椎の中心線に沿って位置付けられて、脊椎伸筋を近似する。脊椎伸筋FLA(808)は、耐荷重ストラップを用いてウェストに取り付けられ、上端において肩を覆ってウェビング腱(809)に取り付けられる。耐荷重ストラップ及びウェビングは、FLAの位置及び長さの迅速で容易な調整及び最適化を可能にする。
【0110】
2つのFLA(810)は、ウェスト及び大腿後部にて取り付けられ、股関節伸筋又は臀筋を近似する。FLA(810)の上端部は、シダテープを用いてウェストにてベース層に取り付けられる。FLA(810)の下端部は、ウェビング腱に取り付けられる。次いで、ウェビング腱の両端部は、大腿後部にてベース層にファスナー付けされたシダテープに取り付けられる。ガイド機構(812)は、股関節伸筋FLA(810)の位置合わせ及びルーティングを制御して、FLAの作用線を最適化する。この実施例において、ガイドは、単にFLAの中央区域を内側に引っ張るコードのループである。ガイドはまた、アイレット、プーリー、フック、トラック又は同様のものを備える。
【0111】
安定層の弾性要素(811)は、同様に耐荷重ストラップを用いてウェスト及び大腿部にてベース層に取り付けられる。この実施例において、弾性要素は、弾性ウェビングの複数の区域を備える。弾性区域の追加もしくは排除又はそれらの長さの調整により、弾性要素の剛性の調整が可能となる。耐荷重ストラップ及び調整可能なウェビングアタッチメントは更に、弾性要素の位置及びサイズの調整を容易にすることができる。
【0112】
図8Cは、本開示の一部の実施形態による、PTEの側面図を示す。股関節伸筋及び臀筋を近似するFLA(812)は、荷重分散部材を生成するよう、懸垂曲線にて構成された複数の耐荷重ストラップ区域(814)を用いて、ウェスト上部にてベース層(813)に取り付けられる。FLA(812)の下側端部は、ウェビング腱(815)に取り付けられ、該ウェビング腱は、大腿部にてベース層(817)に取り付けられた耐荷重ストラップ(816)を介してFLAによって発生された力を大腿部に伝達する。
【0113】
前述の実施例では、全体として、着用者の衣類の下又は上の何れかに装着されることになる補助外装スーツを記載した。一部の実施形態において、補助外装スーツ自体は、衣類として着用されるように定型化し設計することができる。
図9A〜9Bは、本開示の一部の実施形態による、補助外装スーツの主たる衣類、この事例では、一体スーツ型補助外装スーツ(USAE)のこのような実施例を例示している。USAEは、ベース層、安定層、電源層、及びユーザインタフェース層のうちの2つ又は3以上の一体物を表すことができる。
【0114】
図9Aは、本開示の一部の実施形態による、USAE900の正面図を示す。この実施例におけるUSAEは、膝の直ぐ上から肩まで延びるが、所望の美的感覚及び外装スーツ補助機能に応じて、下脚、足、腕又は首を覆うことを含む、代替の構成が企図される。長尺の2ウェイジッパー(901)は、外装スーツの着脱を容易にする開放及び閉鎖を提供する。或いは、USAEは、閉鎖機構なしで外装スーツの着脱を可能にする大きな腕及び/又は首開口を含むことができる。スピーカ(902)及びマイクロフォン(903)は、着用者が外装スーツを操作する、又はモバイル通信デバイスとして機能させる音声コマンドなどの機能を提供する。ワイヤ及びケーブルのような電気的接続部は、USAE900に埋め込まれたチャネル(912)を通る。或いは、導電性材料は、USAE900内に直接折り込まれ、編み組みされ、印刷され、又は他の方法で埋め込むことができる。
【0115】
USAE900は、主として、ぴったりとした超軟質ベースの布地(916)を用いて通気性のある湿分ウィッキング織物(905)から製造することができる。荷重分散部材(906a,906b,906c,及び906d)は、USAE900に一体的に取り付け又は埋め込むことができる。荷重分散部材(906a)は、(上記で検討したような)荷重分散部材140,270に類似した機能を果たすことができる下部胴体荷重分散部材とすることができる。荷重分散部材906b,906cは、荷重分散部材120,130,242,244に類似した機能を果たすことができる大腿部分散部材とすることができる。荷重分散部材906dは、例えば、脊椎伸筋荷重を支持することができる肩又はヨーク型の分散部材とすることができる。右及び左股関節屈筋を近似するFLA(908)は、ウェスト(荷重分散部材906aにて)及び大腿前部(荷重分散部材906b又は906cにて)にて取り付けることができる。FLA固定システム(913)は、荷重分散部材(906a,906b,906c,及び906d)と一体的に形成されて、FLA908のモータ構成要素及びFLAのツイストストリング構成要素のうちの1又は2以上を支持することができる。FLAのツイストストリングは、USAE900と共に形成された一体チャネル(914)を通ることができる。
【0116】
取り外し可能な(又は一体型の)通信ハブ(907)は、介護者、付き添い、医療スタッフ又はサービス技術者との通信などUX/UI層の機能、健康及び活動監視、又はアイデンティティ確認などの生活スタイル機構を提供することができる。カスタム及び/又は曲線輪郭バッテリ(911)は、着用者の快適性に最適化された構成でUSAE900において一体化することができる。慣性測定ユニット(IMU,915)は、適用可能な運動を検出する位置で外装スーツに取り付けられる。例えば、IMU915は、大腿部上に位置付けられて、歩行及び身体位置を検出することができる。
【0117】
弾性姿勢支持ストラップ(909)構成要素は、コア及び姿勢支持を提供するため、股関節及び体幹の周りに合うように輪郭形成することができる。弾性姿勢支持ストラップ909は、身体を交差する二重X形状を形成することができる。例えば、支持ストラップ909は、外装スーツの腹部領域付近で交差して、外装スーツの上背付近で再度交差することができる。支持ストラップ909はまた、肩の上に延びて荷重分散部材906dと一体化することができ、また、支持ストラップ909は、大腿部の周りに延びて、荷重分散部材906b,906cと一体化することができる。ストラップ909はまた、荷重分散部材906aと一体化することができる。鼠径部付近の1又は2以上の離散的開口910は、外装スーツ全体を取り外すことなくトイレの使用を可能にする。一部の実施形態において、鼠径部区域は、外装スーツのあらゆる層を完全になくすことができる。このような実施形態において、ユーザは、外装スーツの上に肌着を身に着けることができる。
【0118】
図9Bは、USAE900の背面図を示す。カスタム及び/又は曲線輪郭バッテリ(911)は、例えば、首の後ろ付近及び/又は肩の下で外装スーツに一体的に又は取り外し可能に取り付けることができる。IMU(915)は、体幹の位置及び動きを検出するため上背及び下背に取り付けることができる。脊椎伸筋を近似する1又は2以上のFLA(917)は、荷重分散部材906から固定システム919にわたり姿勢支持を提供することができ、ツイストストリングは、脊椎に沿ってチャネル(918)を通過する。姿勢支持FLA(917)の一方の端部は、FLA固定システム(919)にて終端することができ、FLA荷重を荷重分散部材(906a)に効率的に伝達する。股関節伸筋又は臀筋を近似するFLA(921)は、ウェスト付近に取り付けられ、詳細には、荷重分散部材906aに取り付けることができる。FLA921に関連するツイストストリングは、大腿部の後部に沿ってチャネル(922)を通過して、固定システム(923)に延び、FLAの力を荷重分散部材(906b及び906c)に伝達する。
【0119】
1又は2以上の圧力センサ(925)は、USAE900に埋め込まれ、着用者が受ける圧力を検出することができる。圧力の感知は、センサ及び制御層によって利用されて、快適さ、又はFLAの制御のためUSAE900を調整し、様々な活動に必要とされる特定の補助に適応することができる。USAE900は、FLA、チャネル(例えば、制御電子機器、センサ)及びバッテリなどの電源層と通常は関連する構成要素をベース層から取り外すことを可能にするモジュール式システムを利用することができる。ベース層は、ユーザによって着用される布地、布地の一体化又は強化部分である荷重分散部材(906a〜d)、固定ステー、及び支持ストラップ(ストラップ909など)を含むことができる。電源層の構成要素は、サービス(例えば、補修、交換、又はバッテリ充電)のため取り外すことができ、ベース層は洗浄することができる。電源層の構成要素のモジュール性に関する追加の検討は、明細書添付の
図20A、20B及び21に関して以下で見出すことができる。
【0120】
図10は、本開示の一部の実施形態による、FLAの一部を形成することができるツイストストリングアクチュエータ(TSA)1000の構成要素を示す。
図10において、TSA1000は、モータ(1001)、動力伝達装置(1002)、ロータリーポジションセンサ(1003)、スピンドル(1004)、スラストプレート(1005)及び力センサ(1006)を含むことができる。一部の実施形態において、TSA1000は、より多くの又はより少ない構成要素を含むことができる。モータ(1000)は、直接転流のブラシ付き又はブラシレスのDCモータとすることができる。モータは、対象となる着用者及び活動に対する外装スーツの要件、並びに全長、ストローク長、速度及びパワー要件などTSA1000の具体的詳細事項に基づいて、最適な性能及び効率を得るように選択することができる。動力伝達装置(1002)は更に、モータの速度及びトルクをTSA1000によって必要とされるものに変換することを可能にする。動力伝達装置は、ギア付きであるか、又はベルト又はフレキシブルカップリングのような他のリンク機構を用いることができ、また、効率及び音響作用に合わせて最適化することができる。ロータリーポジションセンサ(1003)は、TSA1000の制御のため、モータ又は動力伝達装置の部分回転又は全回転を検出する。ロータリーポジションセンサは、絶対信号、相対信号又は直交信号を備えた磁気又は光学エンコーダ、ロータリーポテンシオメータ、又は他の同様のセンサとすることができる。
【0121】
スピンドル(1004)は、モータ又は動力伝達装置の出力に取り付けられる。TSAのツイストストリングペア(1007)は、スピンドルにおいてダボ(1008)の周りに連続したループを形成する。スピンドルは、TSAによって生成された引張力を担うスラストプレート(1005)に対接する。ロードセル、薄膜抵抗器、スピンドル(1004)とスラストプレート(1005)との間に位置付けられた容量式力センサ又は力検出抵抗器などの力センサは、センサ及び制御層によって使用されるTSAによって生成された引張荷重を感知する。スピンドルと力センサ又はスラストプレートとの間に位置付けられたスラスト軸受(1009)は、摩擦を低減し、力センサ又はスラストプレートなどの固定構成要素をスピンドルのような回転構成要素による損傷から保護する。
【0122】
図11は、本開示の一部の実施形態による、TSA1000のための力センサシステムを例示している。モータ又は動力伝達装置を含む機械的構成要素(1101)は、曲線輪郭のハウジング(1102)に密閉される。TSA1100の作動により、ツイストストリングペア(1103)において引張力が発生する。これらの引張力の結果として、スピンドル(1104)とハウジング(1102)との間に圧縮力が生成される。スピンドル(1104)とハウジング(1101)との間に配置されたバネ(1105)は、この圧縮荷重に応えて圧縮することができる。バネ(1105)の圧縮は、スピンドル(1104)に最も近いバネの端部の変位をもたらすことになる。この変位は、ホール効果センサ、リニアエンコーダ、ポテンシオメータ又は他のセンサなどの変位センサ(1106)によって検出可能である。従って、変位センサによって検出された変位は、センサ及び制御層によって利用されて、TSAにおける引張力を計算することができる。
【0123】
図12は、本開示の一部の実施形態による、TSA組立体に必要とされる全長を低減したTSA1200の構成を例示している。モータ(1201)は、中心チャネル又はボア(1202)を有する。ツイストストリングペア(1203)は、中心ボア1202を通過する。中心ボア(1202)内のツイストストリングペア(1203)の一部は、モータと直列ではなくモータ(1201)と並列であり、従って、この長さの量だけ全体の長さが短くなるので、これによりTSA1200の全長が有意に低減される。加えて、サイクロイド駆動部(1204)は、小型サイズ内でかなりのギア減速をもたらすことができる。
【0124】
図13は、本開示の一部の実施形態による、90度動力伝達装置による大きな伝達比、低物理的プロファイル、及び最小ノイズを可能にするOリング又はベルト駆動部1301を備えたTSA1300を例示している。Oリング又は可撓性ベルト(1301)は、入力プーリー(1303)及び出力プーリー(1304)の周りに巻き掛けられる。入力プーリー(1303)は、モータ(1301)の出力シャフトに結合され、出力プーリー(1304)は、ツイストストリングペア(1306)に取り付けられる。この実施例では、2つのアイドラープーリー(1305)が、Oリング又はベルト(1301)の位置合わせを制御する。ツイストストリングペア(1306)は、出力プーリー(1304)に取り付けられ、出力プーリーが回転するとストリングが捩れて、TSA1300が収縮を引き起こし、引張力を発生するようになる。ツイストストリングペアは、出力プーリーから出ると、湾曲した軸受面(1307)を辿り、ストリングの有効長手方向軸(1308)が、出力プーリーの回転軸に対してある角度(通常は垂直)になる。Oリング/ベルト駆動部並びに軸受面の周りのツイストストリングペアの経路によって実施可能となる角度方向又は垂直方向の動力伝達により、各構成要素を最も低いプロファイル構成で配向することが可能となる。これは、着用者の快適さ及び美的感覚の両方で、TSA1300の全体プロファイルを低減するために望ましいことである。前述の実施例と同様に、バネ(1309)及び変位センサ(1310)は、センサ及び制御回路のための引張荷重感知を提供する。
【0125】
長さの感知は、ツイストストリングペアの有効長手方向軸(1308)と実質的に並列に構成されたストリング又はコード(1311)で実現される。ストリング又はコード(1311)の一方の端部は、バネ荷重リール(1312)の周りに巻かれる。ストリング又はコード(1311)の反対側の端部(図示せず)は、TSAの反対側の端部又はその付近に固定される。TSAが作動又は非アクティベートにされて、その全体の長さを長く又は短くすると、ストリング又はコード(1311)は、バネ荷重リール(1312)から引き出され、又はバネ荷重リール(1312)に引き戻される。ロータリーエンコーダ、ホール効果センサ、ポテンシオメータ又は同様のものなどの回転センサは、リール(1312)の回転を検出する。センサ及び制御回路は、回転センサからの信号を利用して、ツイストストリングペア1308の絶対長さを算出し、これは、電源層を作動させるのに用いられる制御アルゴリズムのための重要なパラメータとすることができる。
【0126】
図14は、本開示の一部の実施形態による、低プロファイルの曲線輪郭ハウジング(1401)に密閉されたOリング動力伝達装置を備えたTSA1400を示す。Oリング又は可撓性ベルト(1402)は、入力プーリー(1403)及び出力プーリー(1404)の周りに巻き掛けられる。モータ(1405)は、入力プーリー(1403)を駆動し、出力プーリー(1404)は、TSA1400が作動するとツイストストリングペア(1406)を捩る。Oリング駆動部によって可能とされる90度動力伝達により、モータ及び出力プーリーを最も低いプロファイル構成でハウジング(1401)内に配向することが可能となる。Oリング駆動部のような摩擦ベースの動力伝達装置はまた、同程度の比のギアベースの動力伝達装置よりも静かである。
【0127】
図15は、本開示の一部の実施形態による、TSA1500を例示している。一部の実施形態において、TSA1500は、上述の特徴、並びに絶対長さ感知を含む。長さの感知は、ツイストストリングペアの有効長手方向軸(1502)と実質的に並列に構成されたストリング又はコード(1501)で実現される。ストリング又はコード(1501)の一方の端部は、バネ荷重リール(1503)の周りに巻かれる。ストリング又はコード(1501)の反対側の端部(図示せず)は、FLA(TSA1500がその構成要素である)の反対側の端部又はその付近に固定される。TSA1500が作動又は非アクティベートにされて、ツイストストリングペア1502の全体の長さを長く又は短くすると、ストリング又はコード(1501)は、バネ荷重リール(1503)から引き出され、又はバネ荷重リール(1503)に引き戻される。ロータリーエンコーダ、ホール効果センサ、ポテンシオメータ又は同様のものなどの回転センサ(1504)は、リール(1503)の回転を検出する。センサ及び制御層は、回転センサ(1504)からの信号を利用して、TSAの絶対長さを算出し、これは、電源層を作動させるのに用いられる制御アルゴリズムのための重要なパラメータとすることができる。
【0128】
上述の実施例と同様に、Oリング又は可撓性ベルト(1505)は、入力プーリー(1506)及び出力プーリー(1507)、並びにアイドラープーリー(1508)の周りに巻き掛けられる。入力プーリー(1506)はモータ(1509)によって駆動され、出力プーリー(1507)は、曲線輪郭の軸受面(1510)を辿るツイストストリングペア(1502)を捩る。Oリング動力伝達及び曲線輪郭の軸受面により、モータ及びプーリーは、大きな度動力伝達比及び最小ノイズを有してハウジング又はエンクロージャ(1511)内に最適又は最小プロファイルで構成できるようになる。ハウジング(1511)と出力プーリー(1507)及び変位センサ(1513)との間のバネ(1512)は、上述のように、TSAによって生成される引張力の測定を可能にする。
【0129】
図16は、本開示の一部の実施形態による、段階的アクチュエータを備えたTSA1600を例示している。TSA1600は、第1、第2、及び第3の動力付きアクチュエータ(それぞれ、1602,1603,1604)を備えた第1の端部(1602)を有する。TSA1600は、アンカー(1606)(この実施形態ではフックである)を備えた第2の端部(1605)を有する。第1、第2、及び第3の動力付きアクチュエータ(1602,1603,1604)は、第1、第2、及び第3のツイストストリングペア(1607,1608,1609)に取り付けられ、これらのツイストストリングペアは、反対側の端部にて第1、第2、及び第3のクラッチ要素(1610,1611,1612)それぞれに取り付けられる。クラッチ要素1610,1611,1612は、電気積層クラッチ、又は他の電気的もしくは機械的クラッチとすることができる。電気積層クラッチは、所与のサイズのクラッチに対して最小の出力要件で優れたクラッチ強度を提供することができる。第1の端部1601及び第2の端部1605は、伸縮自在な引張部材(1613)によって接合され、クラッチ要素(1610,1611,1612)は、伸縮継手1620,1621,及び1622それぞれにて配置される。引張部材1613は、伸縮継手1620〜1622及び区域1630〜1633を含むことができる。
【0130】
TSA1600は、最適な速度、ストローク長又は力のため、動力付きアクチュエータ1602〜1604及びこれらそれぞれのツイストストリングペア1607〜1609の段階的作動を可能にする。例えば、第1のフェーズにおいて、動力付きアクチュエータ1602が作動される。これにより、第1のツイストストリングペア1607が捩れて、第1の伸縮継手1620が圧壊する。第1のツイストストリングペア1607が、所望の量又は最大量まで短縮されると、第1のクラッチ要素(1610)がアクティベートされて、引張部材(1613)の第1の伸縮継手を固定する。次に、第2のクラッチ要素(1611)が作動されて、引張部材(1613)の第2の伸縮継手をロックすると、第2のアクチュエータ(1603)は、ツイストストリングペア1608を捩り、所望の量だけ短縮させる。このプロセスは、TSAのストローク長が、3つの全てのツイストストリング及びアクチュエータのストローク長の合計になるように、第3のアクチュエータ(1604)、ツイストストリングペア(1609)及びクラッチ要素(1612)について繰り返される。クラッチ要素は、アクチュエータを順次的に作動させることを可能にし、そのときに作動されていないツイストストリングペアは、非荷重のままである。これにより、電力要件、又は作動状態でないときにアクチュエータが逆駆動されるのを最小限に抑えることができる。このような段階的アクチュエータシステムは、システムの特定の要件に対して最適化された、並列又は直列のより多くの又はより少ないアクチュエータで構成できることは、容易に理解することができる。
【0131】
上記で検討したTSAは、様々な外装スーツの実施形態に組み込まれるFLAの一部として用いることができる。一部の実施形態において、所与の外装スーツについては、各FLAは、同じタイプのTSAを用いることができる。別の実施形態において、所与の外装スーツにおけるFLAは、TSAの異なる組み合わせを用いることができる。例えば、股関節伸筋FLAは、TSA1400を用いることができ、股関節屈筋FLAは、TSA1500を用いることができる。更に別の実施例では、股関節伸筋FLAは、TSA1000,1100,1200,1300,1400,及び1500のうちの混合したものを用いることができる。FLAは、異なるストローク長を有して、6〜24インチにわたる長さを有するように構成することができる。
【0132】
図17は、1つの実施形態によるFLAアレイ1700を例示している。アレイ1700は、(人の解剖学的構造の)表面にわたって最適な荷重分布を提供するよう共に作動するFLA及びクラッチ要素のウェブ(網)を含むことができる。アレイ1700は、特定の用途に合わせて曲線輪郭にすることができる。例えば、アレイ1700は、荷重分散部材に類似した懸垂曲線又は他の経路を辿ることができる。一部の実施形態において、アレイ1700は、荷重分散部材として用いることができる。
【0133】
FLAアレイ1700は、モータ1711からアンカーポイント1721にわたる複数の一次FLAストリング1710を含むことができる。モータ1711及びアンカーポイント1721は、所定位置で外装スーツに固定することができる(例えば、1又は2以上の荷重分散部材になど)。モータ1711は、ツイストストリングアクチュエータ(例えば、TSA1000,1100,1200,1300,1400,及び1500)とすることができる。各一次FLAストリング1710は、ツイストストリング1715と、モータ1711とアンカーポイント1721との間でツイストストリング1715と直列に接続される1又は2以上の二次FLA1730とを含むことができる。一次FLAストリング1710は、互いに重なり合うように配列されて、一次FLA1710及び二次FLA1730のアレイ又はウェブを形成することができる。ノード1740は、二次FLA1730のうちの交差部を含めて、一次FLAストリング1710の各交差部に存在することができる。ノード1740は、交差部にわたってFLAの作動を容易にするスライド又はガイド要素を含むことができる。ノード1740は、外装スーツ(例えば、ベース層)に固定ことができ、或いは、外装スーツ(例えば、ベース層)に対して自由に移動することができる。ノード1740は、クラッチ要素(例えば、電気積層クラッチ又は機械的クラッチ)を含むことができる。クラッチ要素の係合は、当該ノードでのFLA1710とFLA1730の相対移動をロックし、二次FLA1730によって制御される所望の区域距離を維持するための出力要件を軽減することができる。
【0134】
一部の実施形態において、アレイ1700の全て又は一部は、外装スーツ(例えば、ベース層)内に定められるチャネルを通って移動することができ、或いは、ベース層に対して自由に移動することができる。例えば、各ストリング1715は、外装スーツに存在するチャネル又は管体を通って移動することができる。チャネル又は管体は、開口部により小孔が形成され、他のストリング1715が、チャネル又は管体を通って移動しているストリングに相互連結できるようにすることができる。FLA1730は、チャネル又は管体内に存在することができる。ノード1740は、小孔付近に存在することができる。
【0135】
二次FLA1730は、モータ及びツイストストリングを含むことができ、ここでモータは、ノード1740のうちの1つとツイストストリングとに接続され、ツイストストリングは、別のノード1740に接続される。この構成では、各二次FLA1730は、FLAアレイ1700内に移動可能な区域を形成し、その区域距離を独立して短く又は長くすることができる。
【0136】
一次FLA1710及び二次FLA1730の各々は、FLAアレイ1700内の張力を操作するため独立して制御することができる。1つの実施形態において、一次FLA1710は、アレイ1700内で粗い張力調整を提供することができ、二次FLA1730は、アレイ1700内で細かい張力調整を提供することができる。何れかのFLA1710におけるモータ17111のアクティベーションは、そのツイストストリング1715の他のツイストストリングに対する経路を操作することができる。二次FLA1730に関連するモータのアクティベーションは、二次FLA1730と直列になっているツイストストリングの局所的区域を操作することができる。従って、アレイ内で異なるFLA区域の作動(FLA1710及び/又は1730を介した)は、特定の活動又は体型に合わせて最適な曲線輪郭にされた外装スーツにおける力及び収縮を発生させることができる。アレイ内のFLA1710及び1730の選択的作動はまた、着用者の身体に適応させるため、アレイの全体のサイズを変形又は変化させることができる。
【0137】
一部の実施形態において、FLAアレイ1700は、外装スーツに必要な動作を実行するのに必要なだけの数の一次FLA1710及び二次FLA1730並びにクラッチを含むことができる。例えば、FLAアレイは、数十、数百、又は数千の個々の一次及び二次FLA並びにクラッチを含むことができる。1つの実施形態において、外装スーツ全体又はその比較的大部分は、1つの大きなFLAアレイ1700とすることができる。別の実施形態において、外装スーツは、複数のFLAアレイ1700を含むことができる。外装スーツが1又は複数のFLAアレイ1700を包含するかどうかに関係なく、FLAアレイ1700は、本明細書で検討する実施形態に従って補助運動を提供するよう制御することができる。例えば、FLAアレイ1700は、股関節屈筋、股関節伸筋、及び脊椎伸筋の補助運動、或いは、他の何れかの筋肉の補助運動を提供することができる。一部の実施形態において、FLAアレイ1700は、ユーザにマッサージを提供することができる。一部の実施形態において、FLAアレイ1700は、外装スーツにおける荷重分散部材としての機能を果たすことができる。一部の実施形態において、FLAアレイ1700は、荷重分散部材及び筋肉運動補助の両方の二重の機能を果たすことができる。
【0138】
図18は、1つの実施形態による外装スーツの一部として使用されるFLAアレイ1800の例示的な実施例を示している。FLAアレイ1800は、FLAアレイ1700と同様とすることができる。
図18に示すように、FLAアレイ1800は、股関節伸筋又は股関節屈筋に類似して構成される。FLAアレイ1800は、荷重分散部材と同様の経路(1801)に沿って配列される。各経路1801は、一次FLA及び1又は2以上の二次FLA(図示せず)を含むことができる。経路は、外装スーツ及び着用者の身体に沿って圧力及び力を最小限に又は最適に分散させるよう懸垂曲線に近似することができる。この実施例において、アレイ1800の上部分1802は、ウェスト及び股関節の周りから始まり、アレイ1800の下部分1803は、大腿部の周りで終端している。上記で説明したように、経路1801は、ノード1804にて交差する。アレイ内のFLA及び/又はクラッチ要素の選択的作動は、外装スーツ及び着用者の身体の周りで均等に力を分散させながら、着座位置から立位への移動、ウォーキング、持ち上げ及び同様のものなどのユーザの所望の活動を補助する力を発生させると共に、着用者の身体の特定の解剖学的構造及び幾何学的形状に外装スーツを適応させることができる。上述のように、モータなどの動力付きアクチュエータは、経路1801の端部でのアレイの縁部にて、又は経路の区域に沿ったアレイ内で係合することができる。ノード1804でのクラッチ要素は、実行される機能又は活動に応じて、特定の経路の動作を選択的に抑制することができる。
【0139】
図19Aは、本開示の一部の実施形態による、耐荷重ストラップ1900の実施可能な構成を例示している。1又は2以上の耐荷重ストラップ1900は、広範囲に又は無限に構成可能な荷重分散部材を生成するのに用いることができる。耐荷重ストラップ1900は、荷重(矢印で示される)を何らかの湾曲した又は直線の経路にわたって分散させることを可能にすることができる。例えば、耐荷重ストラップ1900は、
図8A及び8Cの外装スーツにて図示されている。耐荷重ストラップ1900は、長手方向コード1901を含むことができ、タブ1902がコード1901に取り付けられている。コード1901の直径及びタブ1902のサイズ及び形状は、所望の屈曲方向及び屈曲によって得られる形状の寸法を実現するように選択することができる。例えば、より小さい直径のコード1901は、より大きな直径のコードに比べて、ストラップ1900をより小さい円周曲線に移動できるようにすることができる。
【0140】
あらゆる好適な形状のタブ1902を用いることができる。タブ1901は、ストラップ1900を比較的平坦に維持しながら、力の分散を補助することができる。例えば、タップは、楕円形、円形、矩形、歯形、又はくさび形とすることができる。タブ1902は、ストラップ1900を移動させることができる方向を制御するような形状にすることができる。例えば、図示のように、タブ1902は、楕円形状である。楕円形状により、ストラップ1900は、コード1901に対して2つの方向(上下又は左右方向)で移動できるようになる。キーストーン形又は歯形タブは、ストラップの移動をコード1901に対して一方向に制限することができる。
【0141】
図19Bは、耐荷重ストラップ1900の断面を例示している。長手方向コード1901は、ステッチ1903(又は接着剤)を用いてパッド1902に固定することができる。面ファスナー1904は、パッド1902の下面に存在することができ、パッド1902を基材1905(例えば、外装スーツのベース層とすることができる)に解除可能に取り付けるよう作動する。柔軟性があり且つ解除可能な取り付け機能により、1又は2以上のストラップ1900を繰り返し再構成できるようにして、改善された快適さ及び機能を得るように、最適化された荷重分散部材を生成することができる。一部の実施形態において、ストラップ1900は、接着、ステッチング、又は他のタイプの付着により基材1905に結合することができる。
【0142】
図20A〜20Bは、1つの実施形態による、モジュール式構成要素を備えた例示的な下着型補助外装スーツ(UAE)システム2000を示している。USAE900に関して上記で検討したように、モジュール式構成要素は、外装スーツのベース層から取り外されるように設計される。
図20A及び20Bに示すように、UAE2000は、一体化された荷重分散部材2002a,2002b,及び2002cを備えたベース層2001を含む。荷重分散部材2002aは、腹部、上背及び肩を覆うように胴体の周りに巻き付けることができる。荷重分散部材2002b及び2002cは、大腿部の周りに巻き付けることができる。モジュール式パッチ組立体2003及び2004は、ベース層に取り付けられ、これらが荷重分散部材2002a,2002b及び2002cに固定されるようになる。詳細には、モジュール式パッチ組立体2003のうちの1つは、荷重分散部材2002a及び2002bに固定することができ、他のモジュール式パッチ組立体2003は、荷重分散部材2002a及び2002cに固定することができる。モジュール式パッチ組立体2004は、荷重分散部材2002aの上背/下頸領域に、及び荷重分散部材2002aの腰領域に固定することができる。
【0143】
図20Cは、股関節伸筋に対応するFLAを含むモジュール式パッチ(2003)の詳細図を示す。モジュール式パッチ2003は、モータ、動力伝達構成要素、力感知トランスデューサ、電子制御及び通信システム、バッテリ、及び同様のものなど、電源層の構成要素を収容するハウジング2005のモザイク形アレイを含むことができる。ハウジング2005は、パッチから分離不能、又はモジュール式に取り外し可能及び交換可能とすることができる。ハウジング2005は、荷重分散部材2002b又は2002cに固定することができる。図示のように、ハウジング2005のうちの3つは、管体2006のうちの1つを通って荷重分散部材2002a上に配置されたアンカーポイント2007のうちの1つに延在するツイストストリングに取り付けられるモータユニットなどのFLAの構成要素を含むことができる。アンカーポイント2007は、荷重分散部材2002aに脱着可能に結合されて、各ツイストストリングに対するアンカーとして機能することができる。従って、FLAのモータが作動すると、FLAは、ツイストストリングを捩り、荷重分散部材2002aを荷重分散部材2002bに向けて引き寄せる張力を提供する。モジュール式パッチ2003が取り外されると、ハウジング2005の全体、管体2006、及びアンカーポイント2007がベース層2001から取り外される。モジュール式パッチ2004は、モジュール式パッチ2003と同様の構成を含むことができ、その全体として取り外すことができる。
【0144】
一部の実施形態において、モジュール式パッチ2003及び2004を用いて、電源層に関連する全ての電子機器、FLA、及び構成要素を収容することができる。モジュール式パッチは、ベース層の洗浄を可能にするよう取り外し可能とすることができる。モジュール式パッチは、(ベース層内に一体化された)荷重分散部材に対する相互接続部としての機能を果たすことができる。この相互接続部は、股関節屈筋、股関節伸筋、又は脊椎伸筋の補助運動を提供するFLAの作動をサポートすることができる。モジュール式パッチは、構成要素(従って、FLA構成要素)を荷重分散部材に直接固定することを可能にする開口部を貫通することができる。加えて、モジュール式パッチは、バッテリ及び基板、センサ、電子機器、その他の重量を支持する固有の荷重分散部材様構造としての機能を果たすことができる。
【0145】
一部の実施形態において、UAE2000の構成要素は、他の好適な配置位置、形状、数及び/又は配列を有することができる。例えば、
図20Cは、六角形状を有するハウジング2005を示しているが、他の何れかの好適な形状を用いることができる。ハウジング2005は、あらゆる好適な数、配置位置、及び/又は配列を有することができる。
【0146】
図21は、モジュール式パッチを備えた下着型補助外装スーツの1つの実施形態及び様々な使用状況を例示している。股関節伸筋及び脊椎伸筋を表しているモジュール式パッチ(2101)は、ベース層(2102)に取り付けられる。モジュール式パッチ2101は、2103にて外装スーツの着脱を容易にするため、又はステップ2104にてトイレを利用するため、又はステップ2108にて外装スーツを洗浄するために、プロセスステップ2107にて取り外すことができる。洗浄ステップ2108に関して、モジュール式パッチ2101の取り外しにより、電子部品を損傷することなく、ベース層を洗濯機で洗うことを可能にすることができる。1又は2以上のバッテリパック2105は、モジュール式パッチ又は外装スーツ上の他の位置から取り外され、例えば、充電ステーション2106において交換又は充電することができる。
【0147】
モジュール式パッチ及び構成要素は、例えば、洗浄、サービス、バッテリの交換又は充電、もしくは異なる強度、速度又は重量を有するフレックスドライブ(flexdrive)のような様々な構成要素との交換のため、取り外し交換することができる。モジュール式構成要素はまた、特定の身体サイズ、重量、及び機能要件に基づいて、特殊な個人のための外装スーツの構成を可能にすることができる。例えば、ベース層は、着用者が要求する特徴を提供するため、サイズ又はスタイルのグループから選択するか、もしくは特注にすることができる。特徴は、着脱特徴、調整、ポケット、又は他の機能的もしくは美的特徴を含むことができる。次いで、外装スーツは、個人のユーザに適切なモジュール式パッチで構成することができる。モジュール式パッチの構成可能な態様は、パワー、強度、速度、フレックスドライブの重量及びサイズ、バッテリ容量、通信能力、ユーザインタフェース特徴、又は同様のものを含むことができる。
【0148】
図22A〜22Cは、人体の異なる位置に位置付けられた複数の異なる荷重分散部材の正面図、背面図、及び側面図を示す。
図22A〜22Cは、荷重分散部材の説明の際に、本明細書に全体として引用されることになる。荷重分散部材は、胴体荷重分散部材2210、骨盤荷重分散部材2230、並びに大腿部荷重分散部材2050及び2070を含む。
【0149】
胴体荷重分散部材2210は、身体の後部上の脊椎領域から生じ、胸部のペック(peck)/胸領域の上方及び下方で身体の周りを囲む非伸張部材2211〜2213を含むことができる。アンカーポイント2216〜2218は、取り付け部材(図示せず)を介して取り付けることができる。部材2211〜2213は、荷重事象(例えば、脊椎伸筋補助運動)を受けたときに胴体の周りに荷重を分散させる懸垂曲線を表す把持ラインを形成する。部材2211〜2213は、ほぼ非伸張性であるが、部材2213は、胸骨/胸部骨付近に配置された伸張部2015を含むことができる。伸張部2015は、呼入の際に横隔膜が伸張部2015を伸張できるようにすることにより、より容易な呼吸を促進することができる。伸張部2015は、伸張が制限されて、荷重の際に部材2013の張力が維持されるようにすることができる。部材2211〜2213は、下位肋骨と高い自然ウェストの間の臍付近に位置する領域を囲まないように配列及び位置付けることができる。
図22A〜22Cには、肩ストラップは図示されていないが、肩ストラップは、部材2211〜2213の1又は2以上に取り付けられて、胴体荷重分散部材2210に追加の安定性を提供することができることは、理解されたい。
【0150】
骨盤荷重分散部材2230は、股関節の周りの荷重を分散し、部材2230と部材2210、2250及び2270のうちの1又は2以上の何れかとの間に取り付けられたFLA用アンカーとしての機能を果たす。部材2230は、身体の骨盤/股関節領域の周りで巻き付ける部材2231〜2233を含むことができる。部材2231〜2233の各々は、懸垂曲線を利用して、自然ウェストの下方(臍の下方)で且つ下部股関節の上方の荷重を良好に分散させることができる。懸垂曲線は、部材2231〜2233のV字形で表される。部材2231〜2233の各々は、V字形を含むことができ、その点がアンカーポイントとすることができる。部材2231〜2233の各々は、身体の両側に位置付けられる2つのアンカーを含むことができる。部材2231及び2232の把持ライン構成は、身体の周りで互いに交差することによって互いに平衡する。例えば、部材2231は、アンカーポイント2231a(左大腿部の隣に位置付けられる)及び2231b(右大腿部の隣に位置付けられる)を含むことができ、部材2232は、アンカーポイント2232a(右大腿部の隣に位置付けられる)及びアンカーポイント2232b(左大腿部の隣に位置付けられる)を含むことができる。部材2233は、アンカーポイント2233a(右股関節の隣に位置付けられる)及びアンカーポイント2233b(左股関節の隣に位置付けられる)を含むことができる。
【0151】
大腿部荷重分散部材2250及び22270は、それぞれの大腿部の周りに荷重を分散させ、部材2210と部材2250及び2270との間に取り付けられたFLA用のアンカーとしての機能を果たす。部材2250は、左大腿部の周りに巻き付ける部材2251〜2253を含むことができる。部材2270は、右大腿部の周りに巻き付ける部材2271〜2273を含むことができる。部材2251〜2253及び2271〜2273の各々は、懸垂曲線を利用して、それぞれの大腿部の周りに荷重を良好に分散させることができる。アンカーポイントは、部材2251〜2253及び2271〜2273の各々に対して存在することができる。
【0152】
図25は、本明細書で記載される実施形態によるパッチ組立体2551〜2554を受けるよう構成された外装スーツ2500の例示的なブロック図を示す。外装スーツ2500は、本明細書で記載されるようなベース層及び荷重分散部材を含むことができる。パッチ組立体2551〜2554は、自給式で電源内蔵式のサブシステムであり、それぞれのパッチ一体化領域2501〜2504にて外装スーツ2500に脱着可能に結合される。すなわち、パッチ組立体2551〜2554は、外装スーツ2500上の所定位置に固定することができ、補助運動が必要とされる場合には、パッチ組立体2551〜2554を外装スーツ2500から取り外すことができる(例えば、外装スーツ2500が洗浄する必要がある場合)。パッチ一体化領域2501〜2504は、パッチ組立体と相互連結するよう構成された外装スーツの一部分を表すことができる。例えば、パッチ一体化領域2501〜2504は、ファスナー、ループ、バックル、及びクリップなどのあらゆる好適な取り付け機構を用いて、パッチ組立体と相互連結することができる。取り付け機構は、外装スーツの荷重分散部材と一体化され、パッチ組立体のFLAがアクティベートされたときに、荷重分散部材が筋肉補助動作を可能にするのに必要な支持を提供することができる。パッチ組立体2551〜2554は、ジッパー付きカバー、スナップ又は取り付け機構を固定する他の手段を用いて使用可能とすることができるハーネス要素を含む標準接続装置を用いて、外装スーツ2500のベース層に取り付けることができる。標準接続装置は、異なるサイズのパッチを外装スーツに挿入することを可能にし、同じベース層において異なるサイズのパッチを使用したいと望む可能性がある着用者にとってモジュール性を可能にし、又は顧客の初期評価及びフィッティングを可能にする。パッチ一体化領域2501〜2504はまた、様々なサイズのパッチ組立体に対応できるように標準化することができる。
【0153】
パッチ組立体2551〜2554は、それぞれのパッチ一体化領域2501〜2504においてのみ適合するよう特異的に構成することができる。例えば、パッチ組立体2551は、左脚股関節屈筋パッチ組立体とすることができ、パッチ一体化領域2501のような相補的な左脚股関節屈筋パッチ一体化領域とのみ適合することになる。
図25は、N個のパッチ組立体とN個のパッチ一体化領域が存在して示されている。従って、あらゆる好適な数のパッチ組立体は、それぞれのパッチ一体化領域に脱着可能に結合することができる。パッチ組立体とパッチ一体化領域との脱着可能な結合は、1、2、もしくは3又はそれよりも多くの取付ポイントを含むことができる点を更に理解されたい。
【0154】
一部の実施形態において、パッチ組立体のうちの1つは、マスターとして機能することができ、残りのパッチ組立体は、スレーブとして機能することができる。マスターパッチ組立体は、外装スーツの主神経中枢として機能するコア又は中央処理制御電子機器を含むことができる。マスターパッチ組立体は、スレーブパッチ組立体にコマンドを送信し、運動補助機能を実行することができる。スレーブパッチ組立体は、マスターパッチ組立体にデータ(例えば、センサデータ、遠隔測定データ、モータ制御データ)を伝達することができる。
【0155】
図26は、1つの実施形態によるパッチ組立体2600の例示的なブロック図である。パッチ組立体2600は、パッチ組立体2551〜2554及びモジュール式パッチ2003、2004及び2101の何れか1つを表すことができる。パッチ組立体2600は、ハウジング2610、取り付け構成要素2620、回路基板2630、制御電子機器2640、FLA2650、電源2660、通信回路2670、及び他の回路(図示せず)を含むことができる。ハウジング2610は、取り付け構成要素2620、回路基板2630、制御電子機器2640、FLA2650、電源2660、通信回路2670、及び他の回路(図示せず)を収容するか、又はこれらに取り付けることができる。取り付け構成要素2620は、ハウジング又はパッチ組立体を全体として外装スーツ(例えば、パッチ一体化領域)に結合する役割を担うことができる。取り付け構成要素2620は、ファスナー、ループ、バックル、及び栗プロセスなどの何れかの好適な取り付け機構を含むことができる。回路基板2630は、制御電子機器2640が存在する基板を提供することができ、また、FLA2650、電源2660、及び通信回路2670などの他の構成要素の間で電力及びデータ信号をルーティングするための相互接続を提供することもできる。制御電子機器2640は、例えば、FLA2650、電源管理、及び通信回路2670の動作を含む、パッチ組立体2600の動作を制御するための電子回路を含むことができる。FLA2650は、本開示全体にわたって検討してきたので、ここで更に詳細に議論する必要はない。電源2660は、取り外すことができる1又は2以上のバッテリ又はバッテリパックを含むことができる。通信回路2670は、パッチ組立体2600に遠隔な供給源と通信する有線及び/又は無線通信を含むことができる。例えば、通信回路は、マスターコントローラとして機能する別のパッチ組立体と通信することができる。特定の実施例として、通信回路2670は、遠隔の供給源から、FLA2650をアクティベートするよう制御電子機器2640に指示するコマンドを受けることができる。別の特定の実施例において、パッチ組立体2600と関連付けられた1又は2以上のセンサ(図示せず)により収集されたデータは、パッチ組立体2600を介して遠隔の供給源に伝達することができる。
【0156】
図27は、1つの実施形態による例示的な複数の補助運動パッチ組立体(MAMPA)2700を示す。MAMPA2700は、パッチ組立体2551〜2554などの多くのパッチ組立体の特徴を包含し、外装スーツの前部側及び後部側に脱着可能に結合されるように構成された単一の一体型パッチを表すことができる。MAMPA2700は、ユーザにより外装スーツの廻りに覆われて、ユーザにより外装スーツに更に固定されるように設計される。例えば、
図27に示すように、MAMPA2700は、肩を覆って股関節及び脚部の廻りに掛けることができ、次いで、MAMPA2700の種々の部分は、荷重分散部材(図示せず)に固定することができる。
【0157】
MAMPA2700は、種々の構成要素を保持し且つ外装スーツの前部側及び後部側上に存在する複数の耐荷重部材に脱着可能に結合されるための支持基盤として機能する可撓性基材2710を含むことができる。MAMPA2700は、センサ2720、バッテリ2730、FLA2740、制御電子機器2750、及び他の回路を含むことができる。MAMPAはまた、センサ2720、バッテリ2730、FLA2740、及び制御電子機器2750に結合される電力及び通信ネットワークを含むことができる。制御電子機器は、複数のFLAを選択的にアクティベートして、外装スーツのユーザに筋肉運動補助を提供するよう作動する。例えば、FLAの第1のセットは、股関節屈筋補助運動を提供することができ、FLAの第2のセットは、股関節伸筋補助運動を提供することができ、ここでFLAの第1のセット及び第2のセットは、相互排他的である。加えて、FLAの第3のセットは、脊椎伸筋補助運動を提供することができる。
【0158】
図28は、外装スーツに固定された場合のMAMPA2700の例示的な背面図、側面図、及び正面図を示す。可撓性基材2710は、電力及び通信ネットワーク2860のケーブルレイアウトを含む、様々な構成要素の明瞭さを促進させるために省略されている。図示のように、電力及び通信ネットワーク2860は、センサ2720、バッテリ2730、FLA2740、制御電子機器2750、及び他の回路を相互接続する。
【0159】
図29は、種々の実施形態による、外装スーツ2900のベース層2910の例示的な背面図、側面図、及び正面図を示す。ベース層2910は、荷重分散部材2911〜2915を含むことができる。荷重分散部材2911及び2912は、大腿部ベースであり、荷重分散部材2913は、ウェスト/股関節ベースであり、荷重分散部材2914は、脊柱ベースであり、荷重分散部材2915は肩ベースである。
【0160】
図30は、種々の実施形態による、パッチ組立体が取り付けられた外装スーツ2900の例示的な背面図、側面図、及び正面図を示す。パッチ組立体3010〜306は各々、適切な荷重分散部材に脱着可能に結合することができる
図26のパッチ組立体2600のような自給式ユニットとすることができる。パッチ組立体3010は、LDM2911及び2913に取り付けることができる。パッチ組立体3020は、LDM2912及び2913に取り付けることができる。パッチ組立体3030は、LDM2911及び2913に取り付けることができる。パッチ組立体3040は、LDM2912及び2913に取り付けることができる。パッチ組立体3050は、LDM2914及び2915に取り付けることができる。
【0161】
図31及び32は、1つの実施形態による女性用外装スーツのベース層3100の例示的な正面図及び背面図を示す。電源層及び/又はパッチ組立体は図示されていない。ベース層3100は、各々が異なる目的で機能し及び/又はベース層の嵌合の扱い易さを改善する多くの異なる特徴要素を含むことができる。ベース層3100は、識別カラー領域3102、LED3104、タッチセンサー3106、及びマイクロフォン3108を含むことができる。ベース層3100は、サイズ調整及び位置合わせを可能にする調整可能肩ストラップ3110と、肩ストラップ3110を所定位置に固定する係止ストラップ3112とを含むことができる。ベース層3100は、胸部用の軟質成形部分3116と、軟質成形部分3116の支持を可能にするアンダーワイヤー3118とを含むことができる。ベース層3100は、全方向でのストレッチを制限するストレッチ制限パネル3120と、身体の運動に適合するように伸長する支持バンド3122と、伸長し且つ熱を迅速に放散するメッシュゾーン3124と、比較的高ストレッチのゾーン3128とを含むことができる。ベース層3100は、着衣及び脱衣を容易にすることができるジッパー3128を含むことができる。ベース層3100は、ウェスト/股関節荷重分散部材3130、大腿部荷重分散部材3132,3134、及び背部荷重分散部材3136を含むことができる。ベース層3100は、1又は2以上のパッチ組立体の接続を容易にするための磁気誘導取り付けポイント3140を含むことができる。
【0162】
図33は、1つの実施形態によるパッチ組立体及びカバー層を備えた女性用外装スーツベース層の例示的な正面図及び背面図を示す。パッチ組立体3151〜3154は、ベース層3100に結合され、カバー層3160は、パッチ組立体3151〜3154及びベース層3100の一部を覆って掛けられる。
【0163】
(外装スーツの制御及び適用方法)
外装スーツは、外装スーツ上又はその内部に配置されるか、或いは外装スーツと無線又は有線通信する電子コントローラによって作動させることができる。電子コントローラは、外装スーツを作動させて、外装スーツの機能を有効にするように様々な方法で構成することができる。電子コントローラは、外装スーツの要素において又は外装スーツと直接的又は間接的に通信する他のシステムにおいて格納されるコンピュータ可読プログラムにアクセスして実行することができる。コンピュータ可読プログラムは、外装スーツを作動させる方法を記述することができ、或いは、外装スーツ又は外装スーツの着用者についての他の動作を記述することができる。
【0164】
図23は、アクチュエータ2301、センサ2303、及び外装スーツ2300の要素(例えば、2301,2303)を作動させて外装スーツ2300の機能を有効にするよう構成されたコントローラを含む例示的な外装スーツ2300を例示している。コントローラ2305は、ユーザインタフェース2310と無線通信するよう構成される。ユーザインタフェース2310は、ユーザ(例えば、外装スーツ2300の着用者)及び可撓性外装スーツのコントローラ2305又は他のシステムに情報を提示するよう構成されている。ユーザインタフェース2310は、外装スーツ2300の要素からの情報の制御及び/又はアクセスに関与することができる。例えば、ユーザインタフェース2310によって実行されているアプリケーションは、センサ2303からのデータにアクセスし、アクチュエータ2301の作動(例えば、背屈伸張を加える)を算出し、算出した動作を外装スーツ2300に伝達することができる。ユーザインタフェース2310は更に、他の機能を有効にするように構成することができ、例えば、ユーザインタフェース2310は、携帯電話、ポータブルコンピュータ、娯楽端末として用いるように構成され、或いは、他のアプリケーションに従って作動するように構成することができる。
【0165】
ユーザインタフェース2310は、外装スーツ2300に取り外し可能に取り付けられる(例えば、ストラップ、マグネット、Velcro、充電及び/又はデータケーブルにより)ように構成することができる。或いは、ユーザインタフェース2310は、外装スーツ2300の一部として、通常動作中は取り外されないように構成することができる。一部の実施例において、ユーザインタフェースは、ユーザインタフェース2310を用いて外装スーツ2300に関する情報を制御及び/又はアクセスすることに加えて、外装スーツ2300の一部として組み込むことができ(例えば、外装スーツ2300の袖に一体化されたタッチスクリーン)、外装スーツ2300に関する情報を制御及び/又はアクセスするのに用いることができる。一部の実施例において、コントローラ2305又は外装スーツ2300の他の要素は、標準プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、WiFi、LTEもしくは他のセルラー規格、IRdA、Ethernet)による無線又は有線通信を有効にし、このような機能を有効にするために補完通信の要素及びコンピュータ可読プログラムで構成されたときに、ユーザインタフェース2310として様々なシステム及びデバイスを作動させることができるように構成される。
【0166】
外装スーツ2300は、本明細書の例示的な実施形態で又は用途に応じた他の方法で記載されるように構成することができる。外装スーツ2300は、様々なアプリケーションを有効にするように作動することができる。外装スーツ2300は、着用者の動作を検出して、これに応答してトルク及び/又は力を着用者の身体に加え(例えば、アクチュエータ2301を用いて)、着用者が身体及び/又は環境に作用させることができる力を増大させることにより、着用者の強度を増強するよう作動することができる。外装スーツ2300は、特定の身体活動を実行するために、着用者をトレーニングするように作動することができる。例えば、外装スーツ2300は、着用者のリハビリテーション療法を有効にするよう作動することができる。これに加えて、又は代替として、外装スーツ2300は、着用者の障害のある動作を妨げるように作動し、及び/又はアクチュエータ2301及び/又は他の要素(例えば、触覚フィードバック要素)を用いて、実行すべき動作又は動き、及び/又は実行すべきでない又は終了すべき動作又は動きを着用者に示すように作動することができる。同様に、身体トレーニング(例えば、ダンス、スケート、他の運動活動、職業トレーニング)の他のプログラムは、外装スーツ2300の作動により有効にされて、着用者によって生成される動作、トルク又は力を検出し、及び/又は力、トルク、又は他の触覚フィードバックを着用者に加えるようにすることができる。外装スーツ2300及び/又はユーザインタフェース2310の他の用途が予想される。
【0167】
加えて、ユーザインタフェース2310は、通信ネットワーク2320と通信することができる。例えば、ユーザインタフェース2310は、WiFi無線機、LTEトランシーバー又は他のセルラー通信機器、有線モデム、又はユーザインタフェース2310及び外装スーツ2300がインターネットと通信できるようにする他の何れかの要素を含むことができる。ユーザインタフェース2310は、通信ネットワーク2320を通じてサーバ2330と通信することができる。サーバ2330との通信により、ユーザインタフェース2310及び外装スーツ2300の機能を有効にすることができる。一部の実施例において、ユーザインタフェース2310は、遠隔測定データ(例えば、位置、外装スーツ2300の要素2301,2303の構成、外装スーツ2300の着用者に関する生理学的データ)をサーバ2330にアップロードすることができる。
【0168】
一部の実施例において、サーバ2330は、外装スーツ2300の要素(例えば、2301,2303)からの情報に対して制御及び/又はアクセスして、外装スーツ2300の何れかのアプリケーションを有効にするよう構成することができる。例えば、サーバ2330は、着用者が負傷した、意識を失った、又は他の理由で自分で動けなくなった場合に着用者を危険な状況から救い出すために外装スーツ2300の要素を作動させ、及び/又は外装スーツ2300及びユーザインタフェース2310自体を危険な状況から救い出すために外装スーツ2300及びユーザインタフェース2310を作動させることができる。外装スーツと通信するサーバの他の用途が予想される。
【0169】
ユーザインタフェース2310は、第2の可撓性外装スーツ2340と通信状態にあり且つ該第2の可撓性外装スーツ2340を作動させるよう構成された第2のユーザインタフェース2345と通信するよう構成することができる。このような通信は、直接的なものとすることができる(例えば、トランシーバー又は他の要素を用いて、ユーザインタフェース2310とユーザインタフェース2345との間で直接の無線又は有線リンクを介して情報を送受する)。これに加えて、又は代替として、ユーザインタフェース2310と第2のユーザインタフェース2345との間の通信は、通信ネットワーク2320及び/又は該通信ネットワーク2320を通じてユーザインタフェース2310及び第2のユーザインタフェース2345と通信するよう構成されたサーバ2330により容易にすることができる。
【0170】
ユーザインタフェース2310と第2のユーザインタフェース2345との間の通信は、外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340のアプリケーションを有効にすることができる。一部の実施例において、外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340及び/又は外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340の着用者らの動きは、協調させることができる。例えば、外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340は、着用者らによる重量物の持ち上げを協調するよう作動することができる。持ち上げのタイミング、並びに着用者及び/又は外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340の各々によって提供される支持の程度は、重量物が運ばれた際の安定性を向上させるよう、又は着用者らの負傷リスクを低減するよう、或いは他の何らかの考慮事項に応じて制御することができる。外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340及び/又はこれらの着用者らの動きの協調は、着用者及び/又は着用者の環境の要素に対して協調(タイミング、大きさ、又は他の特性)された力及び/又はトルクを加えること、及び/又は触覚フィードバック(外装スーツ2300,2340のアクチュアリーを通じて、専用の触覚フィードバック要素を通じて、又は他の方法によって)を着用者らに提供し、協調した動きに着用者らを誘導することを含むことができる。
【0171】
外装スーツ2300及び第2の外装スーツ2340の協調動作は、様々な方式で実施することができる。一部の実施例において、一方の外装スーツ(及びその着用者)がマスターとして働き、外装スーツ2300及び2340の動作が協調されるように、他方の外装スーツにコマンド又は他の情報を提供する。例えば、外装スーツ2300,2340は、着用者らが協調してダンス(又は他の何らかの運動活動に参加)できるように作動することができる。外装スーツの一方は、「リード」として働き、「リード」の着用者によって実施される動きに関するタイミング又は他の情報を他方の外装スーツに送り、協調したダンス動作を他方の荷重分散部材が実行できるようになる。一部の実施例において、第1の外装スーツの第1の着用者は、トレーナーとして働き、第2の外装スーツの第2の着用者が実行することを習得できる動作又は身体活動をモデル化することができる。第1の外装スーツは、第1の着用者によって実行される動作、トルク、力、又は他の身体活動を検出することができ、検出した活動に関連する情報を第2の着用者に送ることができる。次いで、第2の外装スーツは、第2の着用者の身体に力、トルク、触覚フィードバック、又は他の情報を提供し、第1の着用者によってモデル化された動作又は他の身体活動を第2の着用者が学習できるようにすることができる。一部の実施例において、サーバ2330は、コマンド又は他の情報を外装スーツ2300及び2340に送り、外装スーツ2300及び2340の協調動作を可能にすることができる。
【0172】
外装スーツ2300は、着用者の動きに関する情報、着用者の環境、及び外装スーツ2300の着用者に関する他の情報を伝達及び/又は記録するように作動することができる。一部の実施例において、着用者の動作及び動きに関連する運動学をサーバ2330に記録及び/又は送信することができる。これらのデータは、医療、科学、エンターテイメント、ソーシャルメディア、又は他の用途のために収集することができる。データは、システムを作動させるのに用いることができる。例えば、外装スーツ2300は、ユーザによって生成された動作、力、及び/又はトルクをロボットシステム(例えば、ロボットアーム、脚、胴体、人間の形をした身体、又は他の何れかのロボットシステム)に伝達するよう構成することができ、該ロボットシステムは、着用者の活動を模擬し、及び/又は着用者の活動をロボットシステムの要素の動作、力又はトルクにマッピングするよう構成することができる。別の実施例において、データは、着用者の仮想アバターを作動させるのに用いることができ、アバターの動作は、着用者動作に正確に反映され、又は何らかの形で関連づけられるようになる。仮想アバターは、仮想環境にてインスタンスが作成され、着用者が通信している個人又はシステムに提示され、又は他の何れかのアプリケーションに従って構成及び作動することができる。
【0173】
逆に、外装スーツ2300は、触覚又は他のデータを着用者に提示するように作動することができる。一部の実施例において、アクチュエータ2301(例えば、ツイストストリングアクチュエータ、外装腱)及び/又は触覚フィードバック要素(例えば、EPAM触覚要素)は、着用者の身体に加えられる力を提供及び/又は調整して、着用者に機械的情報又は他の情報を示すように作動することができる。例えば、外装スーツ2300の特定の位置に配置された外装スーツ2300の触覚要素の特定のパターンのアクティベーションは、着用者が、電話、電子メール又は他の通信を受け取ったことを示すことができる。別の実施例において、ロボットシステムは、着用者によって生成されて外装スーツ2300によりロボットシステムに送られる動作、力及び/又はトルクを用いて作動することができる。ロボットシステムの環境及び動作の力、モーメント、及び他の状態は、外装スーツ2300に伝達されて、着用者に提示(アクチュエータ2301又は他の触覚フィードバック要素を用いて)され、ロボットシステムの着用者の動作に関連する力フィードバック又は他の触覚の感覚を経験できるようにすることができる。別の実施例において、着用者に提示される触覚データは、仮想環境、例えば、外装スーツ2300によって検出されている着用者に関連する動作又は他のデータに基づいて動作している着用者のアバターを含む環境によって生成することができる。
【0174】
図23に例示される外装スーツ2300は、本明細書で記載される制御電子機器、ソフトウェア、又はアルゴリズムによって作動することができる外装スーツの1つの実施例に過ぎない点に留意されたい。本明細書で記載される制御電子機器、ソフトウェア、又はアルゴリズムは、より多くの、より少ない、又は異なるアクチュエータ、センサ又は他の要素を有する可撓性外装スーツ又は他のメカトロニクス及び/又はロボットシステムを制御するよう構成することができる。更に、本明細書で記載される制御電子機器、ソフトウェア、又はアルゴリズムは、例示の外装スーツ2300と同様に又は異なるように構成された外装スーツを制御するよう構成することができる。更に、本明細書で記載される制御電子機器、ソフトウェア、又はアルゴリズムは、再構成可能ハードウェア(すなわち、アクチュエータ、センサ又は他の要素を付加又は取り外すことができる外装スーツ)を有する可撓性外装スーツを制御するよう構成され、及び/又は様々な方法を用いて可撓性外装スーツの現在のハードウェア構成を検出するよう構成することができる。
【0175】
(外装スーツの制御のためのソフトウェア階層)
外装スーツのコントローラ及び/又はコントローラによって実行されるコンピュータ可読媒体は、可撓性外装スーツの機能及び/又は構成要素のカプセル化を提供するよう構成することができる。すなわち、コントローラの一部の要素(例えば、サブルーチン、ドライバ、サービス、デーモン、ファンクション)は、外装スーツの特定の要素(例えば、ツイストストリングアクチュエータ、触覚フィードバック要素)を作動させるよう構成され、コントローラの他の要素(例えば、他のプログラム)が特定の要素を作動させ及び/又は特定の要素に抽象的アクセスを提供(例えば、コマンド方向にアクチュエータを配向するコマンドを、コマンド方向にアクチュエータを配向するのに十分なコマンドのセットに変換)できるように構成することができる。このカプセル化により、様々なサービス、ドライバ、デーモン、又は他のコンピュータ可読プログラムを可撓性外装スーツの様々な用途のために開発できるようにすることができる。更に、可撓性外装スーツの機能を一般的でアクセス可能な方法でのカプセル化を提供することにより(例えば、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)又は他のインタフェース規格を特定し実装することにより)、コンピュータ可読プログラムが作成され、一般的なカプセル化された機能と相互作用して、これによりコンピュータ可読プログラムは、可撓性外装スーツの単一タイプ又はモデルとしてではなく、様々に異なるように構成された外装スーツとしての作動モード又は機能を可能にすることができる。例えば、仮想アバター通信プログラムは、標準外装スーツAPIにアクセスすることにより、可撓性外装スーツの着用者の姿勢についての情報にアクセスすることができる。異なるように構成された外装スーツは、異なるセンサ、アクチュエータ及び他の要素を含むことができるが、APIによる同一フォーマットでの姿勢情報を提供することができる。可撓性外装スーツ又は他のロボット型、外骨格型、補助型、触覚型又は他のメカトロニクスシステムの他の機能及び特徴は、APIによって、又は他の標準コンピュータアクセス及び制御インタフェース方式に従ってカプセル化することができる。
【0176】
図24は、外装スーツ2400の概略を示す要素及び外装スーツ2400の制御又は動作の階層である。可撓性外装スーツは、それぞれ、外装スーツ2400、外装スーツ2400の着用者、及び/又は着用者の環境に力及び/又はトルクを加え、及びこれらの1又は2以上の特性を検出するように構成されたアクチュエータ2420及びセンサ2430を含む。外装スーツ2400は更に、ハードウェアインタフェース電子機器2440を使用してアクチュエータ2420及びセンサ2430を作動させるように構成されるコントローラ2410を含む。ハードウェア電子機器インタフェース2440は、アクチュエータ1520及びセンサ1530を作動させるのに使用される信号を用いて、コントローラ1510との間をインタフェース接続するように構成される電子機器を含む。例えば、アクチュエータ1520は外装腱を含むことができ、ハードウェアインタフェース電子機器2440は、外装腱をクラッチで接続及びクラッチで切断するために、及び外装腱の長さを報告するために、高電圧発電機、高電圧スイッチ及び高電圧容量計を含むことができる。ハードウェアインタフェース電子機器2440は、電圧レギュレータ、高電圧発電機、増幅器、電流検出器、エンコーダ、磁気計、スイッチ、制御電流源、DAC、ADC、フィードバックコントローラ、ブラシレスモータコントローラ、又は他の電子的及びメカトロニクス要素を含むことができる。
【0177】
コントローラ2410は更に、外装スーツ2400のユーザ及び/又は着用者に情報を提示するように構成されるユーザインタフェース2450と、コントローラ2410と他の何れかのシステムとの間の情報伝達(例えば、無線信号を伝達することにより)を促進するよう構成された通信インタフェース2460と、を作動させる。これに加えて、又は代替として、ユーザインタフェース2450は、通信インタフェース2460を使用してコントローラ2410との間でユーザインタフェース情報を送受信するよう構成された別個のシステムの一部とすることができる(例えば、ユーザインタフェース2450はセルラホンの一部とすることができる)。
【0178】
コントローラ2410は、可撓性外装スーツ2412の機能を記述するコンピュータ可読プログラムを実行するよう構成される。コントローラ2410により実行されるコンピュータ可読プログラムの中には、オペレーティングシステム2412、アプリケーション2414a,2414b,2414c及び較正サービス2416がある。オペレーティングシステム2412は、コントローラ2410のハードウェア資源(例えば、I/Oポート、レジスタ、タイマ、インタラプト、周辺機器、メモリ管理ユニット、直列及び/又は並列通信ユニット)を管理し、ひいては、外装スーツ2400のハードウェア資源を管理する。オペレーティングシステム2412は、ハードウェアインタフェース電子機器2440、及びひいては、外装スーツ2400のアクチュエータ2420及びセンサ2430に直接アクセスできるコントローラ2410によって実行される唯一のコンピュータ可読プログラムである。
【0179】
アプリケーション2414a,2414b,2414cは、外装スーツ2400の一部の機能、複数の機能、動作モード、又は複数の作動モードを記述するコンピュータ可読プログラムである。例えば、アプリケーション2414aは、着用者の仮想アバターを更新するために着用者の姿勢についての情報を伝達するプロセスを記述することができ、該プロセスは、オペレーティング2412からの着用者の姿勢に関する情報にアクセスすること、通信インタフェース2460を使用して遠隔システムと通信を維持すること、姿勢情報をフォーマットすること、及び姿勢情報を遠隔システムに送ることを含む。較正サービス2416は、外装スーツ2400の着用者、アクチュエータ2420及び/又はセンサ2430の特性を記述するパラメータを記憶するため、着用者が外装スーツ2400を使用しているときに、アクチュエータ2420及び/又はセンサ2430の動作に基づいてこれらのパラメータを更新するため、パラメータをオペレーティングシステム2412及び/又はアプリケーション2414a,2414b,2414cが利用可能にするため、及びパラメータに関係する他の機能のためのプロセスを記述するコンピュータ可読プログラムである。アプリケーション2414a,2414b,2414c及び較正サービス2416は、外装スーツ2400の機能又は作動モードを可能にするためコントローラ2410のオペレーティングシステム2412により実行できるコンピュータ可読プログラムの実施例として意図されている点に留意されたい。
【0180】
オペレーティングシステム2412は、ハードウェア(例えば、2420、2430、2440)の低レベル制御及びメンテナンスを提供することができる。一部の実施例において、オペレーティングシステム2412及び/又はハードウェアインタフェース電子機器2440は、外装スーツ2400、着用者及び/又は1又は2以上のセンサからの着用者環境についての情報を一定の指定速度で検出することができる。オペレーティングシステム2412は、検出された情報を使用して、外装スーツ2400又はその構成要素の1又は2以上の状態又は特性の推定を生成することができる。オペレーティングシステム2412は、一定の指定速度と同じ速度か又はより低速で生成された推定を更新することができる。生成された推定は、ノイズを除去するため、又は間接的に検出された特性の推定を生成するため、もしくは他の何らかの用途に応じたフィルタを使用して検出された情報から生成することができる。例えば、オペレーティングシステム2412は、ノイズを除去するため、及び2以上のセンサを使用して外装スーツ2400、着用者及び/又は着用者の環境の単一の直接的又は間接的に測定された特性の推定を生成するために、カルマンフィルタを使用して検出された情報から推定を生成することができる。一部の実施例において、オペレーティングシステムは、複数の時点から検出された情報に基づいて、着用者及び/又は外装スーツ2400についての情報を決定することができる。例えば、オペレーティングシステム2400は、外転伸張及び背屈伸張を決定することができる。
【0181】
一部の実施例において、オペレーティングシステム2412及び/又はハードウェアインタフェース電子機器2440は、アクチュエータ2420の動作に関連するサービスを動作及び/又は提供することができる。すなわち、アクチュエータ2420の作動が、ある時間期間にわたる制御信号の生成、アクチュエータ2420の1又は複数の状態についての知識、又は他の考慮事項を必要とする場合には、オペレーティングシステム2412及び/又はハードウェアインタフェース電子機器2440は、アクチュエータ2420を作動させる単純なコマンド(例えば、アクチュエータ2420のツイストストリングアクチュエータ(TSA)を使用して特定レベルの力を生成するコマンド)を、単純なコマンドを実行するために必要なハードウェアインタフェース電子機器2440及び/又はアクチュエータ2420に対して複雑な及び/又は状態ベースのコマンド(例えば、オペレーティングシステム2400により決定されて格納されたロータの開始位置、エンコーダを使用して検出されたモータの相対位置、及びロードセルを使用して検出されたTSAにより生成される力に基づいて、TSAのモータ巻線に加えられる電流シーケンス)に変換することができる。
【0182】
一部の実施例において、オペレーティングシステム2412は更に、外装スーツ2400の構成に従って、システムレベルの単純なコマンド(例えば、着用者のあぶみ骨底に加えられた張力のコマンドレベル)を複数のアクチュエータのコマンドに変換することにより、外装スーツ2400の動作をカプセル化することができる。このカプセル化により、外装スーツの特定のモデル又はタイプを作動させるよう構成されることなく(例えば、オペレーティングシステム2412及びハードウェアインタフェース電子機器2440が、あぶみ骨底に対して命令された力生成プロファイルをアクチュエータ2420に適用させるのに十分なアクチュエータコマンドに変換することができる単純なトルク生成プロファイルを生成するように構成されることにより)、外装スーツの機能を実行させることができる(例えば、外装スーツの着用者が脚を伸張することができる)汎用アプリケーションの生成を可能にすることができる。
【0183】
オペレーティングシステム2412は、様々なメカトロニクス、生体医学、ヒューマンインタフェース、トレーニング、リハビリテーション、通信、及び他の用途を可能にするために、様々な異なるハードウェア構成を有する様々な外装スーツの使用を可能にする標準の多目的プラットフォームとしての機能を果たすことができる。オペレーティングシステム2412は、センサ2430、アクチュエータ2420、又は外装スーツ2400の他の要素もしくは機能を、外装スーツ2400と通信する遠隔システム(例えば、通信インタフェース2460を使用して)及び/又は様々なアプリケーション、デーモン、サービス、又はオペレーティングシステム2412によって実行される他のコンピュータ可読プログラムが利用できるようにすることができる。オペレーティングシステム2412は、アクチュエータ、センサ、又は他の要素もしくは機能を(例えば、API、通信プロトコル、又は他のプログラムインタフェースを介して)標準方式で利用できるようにし、これによりアプリケーション、デーモン、サービス、又は他のコンピュータ可読プログラムは、様々な異なる構成を有する様々な可撓性外装スーツの機能又は動作モードを可能にするようにインストールされ、実行され、及び動作されるように作成することができる。オペレーティングシステム2412により利用可能となったAPI、通信プロトコル又は他のプログラムインタフェースは、外装スーツ2400の動作をカプセル化、変換、又は抽象化し、広範囲の異なるように構成された可撓性外装スーツの機能を可能にするように作動することができるこのようなコンピュータ可読プログラムの作成を可能にすることができる。
【0184】
これに加えて、又は代替として、オペレーティングシステム2412は、モジュール式の外装スーツシステム(すなわち、可撓性外装スーツの作動モード又は機能を可能にするために、アクチュエータ、センサ又は他の要素を外装スーツに付加し、又は外装スーツから取り除くことができる、可撓性外装スーツシステム)を作動させるように構成することができる。一部の実施例において、オペレーティングシステム2412は、外装スーツ2400のハードウェア構成を動的に決定することができ、また、外装スーツ2400の決定された現在のハードウェア構成に対して、外装スーツ2400の動作を調整することができる。この動作は、オペレーティングシステム2412により提示される標準プログラムインタフェースを介して外装スーツ2400の機能にアクセスするコンピュータ可読プログラム(例えば、2414a、2414b、2414c)には「不可視の」方法で実施することができる。例えば、コンピュータ可読プログラムは、標準プログラムインタフェースを介して、特定レベルのトルクが外装スーツ2400の着用者の足首に加えられるべきであったことをオペレーションシステム2412に示すことができる。オペレーティングシステム2412は、外装スーツ2400の決定されたハードウェア構成に基づいて、特定レベルのトルクを着用者の足首に加えるのに十分なアクチュエータ2420の作動パターンを応答可能に決定することができる。
【0185】
一部の実施例において、オペレーティングシステム2412及び/又はハードウェアインタフェース電子機器2440は、外装スーツ2400が、着用者の負傷及び/又は外装スーツ2400の要素の損傷を直接引き起こすように動作しないことを確保するように、アクチュエータ2420を作動させることができる。一部の実施例において、これは、アクチュエータ2420が、ある最大閾値を超えるような力及び/又はトルクを着用者の身体に加えるように動作をしないことを含む。このことは、(例えば、コントローラ2410により実行されたときに)アクチュエータ2420により加えられている力を(例えば、アクチュエータ2420に送られるコマンドの監視、及び/又はセンサ2430を使用して検出される力又は他の特性の測定値の監視によって)監視するように構成され、及び着用者の負傷を防止するためにアクチュエータ2420の動作を無効及び/又は変更するように構成することができるウオッチドッグプロセス又は他のコンピュータ可読プログラムとして実施することができる。これに加えて、又は代替として、ハードウェアインタフェース電子機器2440は、過剰な力及び/又はトルクが着用者に加えられるのを防止する回路を含むことができる(例えば、TSAにより生成された力を測定するように構成されたロードセルの出力をコンパレータにチャネリングし、及び力がある特定レベルを上回ったときに、TSAのモータへの供給動力を切断するようにコンパレータを構成することによって)。
【0186】
一部の実施例において、外装スーツ2400がそれ自体を損傷しないことを確保するようにアクチュエータ2420を作動させることは、外装スーツ2400の要素に対して損傷を生じる可能性がある過電流、過負荷、過回転又は他の状態が発生するのを防止するようにウオッチドッグプロセス又は回路を構成することを含むことができる。例えば、ハードウェアインタフェース電子機器2440は、モータの巻線に加えられる電圧及び/又は電流を制限するように構成された金属酸化物バリスタ、ブレーカ、シャントダイオード、又は他の要素を含むことができる。
【0187】
オペレーティングシステム2412により有効となるように記載された上記機能は、これに加えて、又は代替として、コントローラ2400により実行されるアプリケーション2414a,2414b,2414c、サービス、ドライバ、デーモン、又は他のコンピュータ可読プログラムにより実施できる点に留意されたい。アプリケーション、ドライバ、サービス、デーモン、又は他のコンピュータ可読プログラムは、これらの使用を可能にして上記機能を有効にするための特別なセキュリティ権限又は他の特性を有することができる。
【0188】
オペレーティングシステム2412は、他のコンピュータ可読プログラム(例えば、アプリケーション2414a,2414b,2414c、較正サービス2416)による、ユーザ(ユーザインタフェース2450を介して)による、及び/又は他のシステム(すなわち、通信インタフェース2460を介してコントローラ2410と通信するよう構成されたシステム)による使用のために、ハードウェアインタフェース電子機器2440、アクチュエータ2420、及びセンサ2430をカプセル化することができる。外装スーツ2400の機能のカプセル化は、アプリケーションプログラムインタフェース(API)の形態、すなわち、コントローラ2410上で実行しているアプリケーションが外装スーツ2400の要素の機能にアクセスするのに使用できる関数呼び出し及びプロシージャーのセットの形態をとることができる。一部の実施例において、オペレーティングシステム2412は、コントローラ2410により実行されるアプリケーションが標準「外装スーツAPI」を利用できるようにすることができる。「外装スーツAPI」は、外装スーツの要素(例えば、アクチュエータ2420、センサ2430)を作動させるのに必要な複雑で時間依存の信号を生成するようにアプリケーション2414a、2414b、2414cを構成する必要もなく、これらのアプリケーション2414a,2414b,2414cが外装スーツ2400の機能にアクセスすることを可能にすることができる。
【0189】
「外装スーツAPI」は、アプリケーション2414a,2414b,2414cがオペレーティングシステム2412に単純なコマンド(例えば、「着用者の足が地面に接触したときに、着用者の足首からの機械エネルギーを蓄え始める」)を送ることを可能にし、これにより、オペレーティングシステム2412は、これらのコマンドを解釈して、アプリケーション2414a,2414b,2414cにより生成された単純なコマンドを実行するのに十分なハードウェアインタフェース電子機器2440又は外装スーツ2400の他の要素へのコマンド信号を発生させることができるようになる(例えば、センサ2430により検出された情報に基づいて着用者の足が地面に接触したかどうかを決定し、これに応答してユーザの足首に跨る外装腱に高電圧を印加する)。
【0190】
「外装スーツAPI」は、業界標準(例えば、ISO標準)、専用標準、オープンソース標準、又は外装スーツの用途を作り出すことができる個人が利用可能なものとすることができる。「外装スーツAPI」は、様々な異なるタイプ及び構成により実施される標準の「外装スーツAPI」と連動するように構成することによって、様々な異なるタイプ及び構成の外装スーツを作動させることができるアプリケーション、ドライバ、サービス、デーモン、又は他のコンピュータ可読プログラムを作成可能にすることができる。これに加えて、又は代替として、「外装スーツAPI」は、個々の外装スーツに特有のアクチュエータ(すなわち、特定の身体区域に力を加えるアクチュエータであって、この場合、異なるように構成された外装スーツは、同一の特定の身体区域に力を加えるアクチュエータを含まない場合がある)の標準カプセル化を提供することができ、また、外装スーツが提供する「外装スーツAPI」の構成に関する情報にアクセスするための標準インタフェースを提供することができる。「外装スーツAPI」にアクセスするアプリケーション又は他のプログラムは、外装スーツの構成についてのデータ(例えば、アクチュエータにより生成される身体区域間の位置及び力、アクチュエータの仕様、センサの位置及び仕様)にアクセスすることができ、アプリケーションにより生成された外装スーツのモデルに基づいて、及び外装スーツの構成についてアクセスされたデータに関する情報に基づいて、個々のアクチュエータ(例えば、50ミリ秒の間に30ニュートンの力を生成する)のための単純なコマンドを生成することができる。追加の又は代替の機能は、用途に応じて「外装スーツAPI」によりカプセル化することができる。
【0191】
アプリケーション2414a,2414b,2414cは、個々に本明細書に記載された外装スーツの機能及び作動モードの全て又は一部を個々に有効にすることができる。例えば、アプリケーションは、姿勢、力、トルク及び外装スーツ2400の着用者の活動についての他の情報を伝達することにより、及びロボットシステムから受け取った力及びトルクを着用者に加えられる触覚フィードバック(すなわち、アクチュエータ2420及び/又は触覚フィードバック要素により着用者の身体に加えられる力及びトルク)に変換することによって、ロボットシステムの触覚制御を可能にすることができる。別の実施例では、アプリケーションは、(例えば、APIを介して)オペレーティングシステム2412にコマンドを送出及びオペレーティングシステム2412からデータを受信することによって、着用者がより効率的に運動することを可能にし、これにより外装スーツ2400のアクチュエータ2420は、ユーザの動きを補助し、着用者の運動のフェーズからマイナスの仕事を抽出し、着用者の運動の他のフェーズに蓄えられた仕事を注入し、又は外装スーツ2400の他の作動方法を補助するようにする。別の実施例では、アプリケーションは、(例えば、APIを介して)オペレーティングシステム2412にコマンドを送出及びオペレーティングシステム2412からデータを受信することによって、着用者がより効率的に運動することを可能にし、これにより外装スーツ2400のアクチュエータ2420は、ユーザの動きを補助し、着用者の運動のフェーズからマイナスの仕事を抽出し、着用者の運動の他のフェーズ又は外装スーツ2400の他の作動方法に対して蓄えられた仕事を注入するようにする。アプリケーションは、様々な方法により、コントローラ2410上及び/又は外装スーツ2400に含まれるコンピュータ可読記憶媒体上にインストールすることができる。アプリケーションは、取り外し可能なコンピュータ可読な媒体から、又は通信インタフェース2460を介してコントローラ2410と通信するシステムからインストールすることができる。一部の実施例において、アプリケーションは、ウェブサイトから、インターネット上のコンパイルされた又はコンパイルされていないプログラムのリポジトリから、オンラインソース(例えば、Google Play、iTunes App Store)から、又は他の何らかのソースからインストールすることができる。更に、アプリケーションの機能は、コントローラ2410が遠隔システムと連続的に又は周期的に通信(例えば、更新を受信する、アプリケーションを認証する、現在の環境条件についての情報を提供するため)することを条件とすることができる。
【0192】
図24に示される外装スーツ2400は、例示的な実施例として意図される。可撓性外装スーツの他の構成、並びにオペレーティングシステム、カーネル、アプリケーション、ドライバ、サービス、デーモン又は他のコンピュータ可読プログラムの他の構成が予想される。例えば、外装スーツを作動させるように構成されたオペレーティングシステムは、外装スーツの要素を作動させるために低レベルコマンドを生成するように構成されたリアルタイムオペレーティングシステム構成要素と、外装スーツに格納されたコンピュータ可読プログラムを更新する、ユーザインタフェース上のクロックのような時間依存の少ない機能又は他の機能を可能にする非リアルタイム構成要素と、を含むことができる。外装スーツは、2以上のコントローラを含むことができ、これらのコントローラの一部は、リアルタイムアプリケーション、オペレーティングシステム、ドライバ、又は他のコンピュータ可読プログラム(例えば、これらのコントローラは、非常に短いインタラプトサービスルーチン、非常に速いスレッドスイッチング、又はレイテンシーの影響を受ける計算に関係する他の特性及び機能を有するように構成される)を実行するように構成することができ、他のコントローラは、外装スーツの時間依存性の少ない機能を可能にするように構成される。外装スーツの更なる構成及び動作モードが予想される。更に、本明細書に記載されるように構成された制御システムは、これに加えて、又は代替として、外装スーツ以外のデバイス及びシステムの動作を可能にするように構成することができ、例えば本明細書に記載される制御システムは、ロボット、剛性外装スーツ又は外骨格、補助デバイス、人工装具又は他のメカトロニクスデバイスを作動させるように構成することができる。
【0193】
(外装スーツの機械的動作のコントローラ)
外装スーツのアクチュエータの制御は、様々な制御方式に従って様々な方法で実施することができる。一般に、1又は2以上のハードウェア及び/又はソフトウェアコントローラは、可撓性外装スーツの状態、外装スーツの着用者、及び/又は外装スーツの環境についての情報を外装スーツ上又はその内部に配置されたセンサ及び/又は外装スーツと通信する遠隔システムから受け取ることができる。次に、1又は2以上のハードウェア及び/又はソフトウェアコントローラは、外装スーツの命令された状態を実行するため及び/又は他の何らかの用途を可能にするために、外装スーツのアクチュエータにより実行することができる制御出力を生成することができる。1又は2以上のコントローラは、オペレーティングシステム、カーネル、ドライバ、アプリケーション、サービス、デーモン、又は外装スーツに含まれるプロセッサによって実行される他のコンピュータ可読プログラムの一部として実施することができる。
【0194】
(代替的用途及び実施形態)
上述の外装スーツの実施形態は、全体的に、典型的にはDMDの患者に指示される伸張を実施することにより足首の柔軟性を改善するための足首ストレッチ外装スーツに関する。しかしながら、外装スーツの用途は、DMDの患者のための足首の伸張に限定されないことは、容易に理解することができる。1つの代替の実施形態において、外装スーツは、損傷リハビリテーションの際に、連続受動的動作(CPM)機械の代わりに用いることができる。上述のシステムは、例えば、手術又は関節炎の場合に足首のROMを回復するために用いることができる。足首ROM外装スーツは更に、足首の足底屈を誘起するため、腓筋を近似するFLAを含むことができる。CPM装置は単に、プリセットのROMを繰り返すだけであるが、外装スーツは、関節ROMの変化に適応的に対処することができる。足首のROMは、例えば、1又は2以上のゴニオメータ又は力センサを介してセンサ及び制御層によって感知することができ、これにより外装スーツは、ある時間にわたってROMを漸次的に増大させる療法を適用するようになる。
【0195】
外装スーツは、他の関節及び筋肉群に対しても最適化することができる。例えば、外装スーツは、拘縮が生じた場合の関節又は筋肉の動作の回転域を増大させるために、前腕及び手首を回内又は回外させるように適応することができる。膝を屈伸するのに適合された外装スーツは、前十字靱帯(ACL)再建又は関節全置換術などの術後の膝の動作域を増大させるために、CPM装置の代替として使用することができる。
【0196】
一部の実施形態において、主として補助機能向けの動力付き補助外装スーツはまた、外装スーツの機能を実施するよう適合することができる。このような補助外装スーツの実施形態は通常、股関節屈筋、臀部/股関節伸筋、脊椎伸筋、又は腹筋などの筋肉群を近似するFLAを含む。これら外装スーツの補助モードにおいて、これらのFLAは、立位と着座位の間の移動、ウォーキング及び姿勢安定などの活動の補助を提供する。このような外装スーツシステム内の特定のFLAの作動はまた、伸張補助を提供することができる。通常、筋肉群を近似する1又は2以上のFLAのアクティベーションは、拮抗筋を伸張することができる。例えば、腹筋を近似する1又は2以上のFLAのアクティベーションは、脊椎伸筋を伸張することができ、又は臀部/股関節伸筋を近似する1又は2以上のFLAのアクティベーションは、股関節屈筋を伸張することができる。外装スーツは、着用者が伸張を開始する準備ができた時点を検出して、自動伸張療法を実施するよう適合することができ、或いは、着用者は、外装スーツに伸張療法を開始するように指示することができる。
【0197】
(適用分野)
補助外装スーツは、複数の用途を有することができることは、理解することができる。補助外装スーツは、医療用途で指示することができる。これらは、リハビリテーションのための運動又はストレッチ療法の補助、疾患軽減又は他の治療目的などの治療用途を含むことができる。車椅子、歩行具、松葉づえ、又はスクーターなどの移動補助装置は、運動障害の個人に指示されることが多い。同様に、補助外装スーツは、運動障害の患者のための移動補助として指示することができる。車椅子、歩行具、松葉づえ、又はスクーターなどの移動補助装置と比べて、補助外装スーツは、嵩張らず、見た目が魅力的で、乗車、地域社会又は社会的役割への参加、トイレの使用、及び一般的な家事活動などの日常生活の活動と適合することができる。
【0198】
補助外装スーツは更に、主要衣服、ファッションアイテム又はアクセサリーとして機能することができる。外装スーツは、所望の外観に定型化することができる。定型化したデザインは、外装スーツが提供することを目的とする補助の視覚を強化することができる。例えば、胴体及び上半身の活動を補助することを目的とした補助外装スーツは、筋肉が発達した胴体及び上半身の外観を提示することができる。或いは、定型化したデザインは、ベース層、電気/機械統合又は他の設計要因のデザインを通じて補助外装スーツの機能性を隠す又はカモフラージュすることを目的とすることができる。
【0199】
医療的に指示された移動補助を目的とする補助外装スーツと同様に、補助外装スーツは、非医療的移動補助、性能向上及び支持の目的で構築及び利用することができる。多くの人にとって、自立した老化は、生活の質の向上と関連しているが、通常の老化プロセスに起因して、活動は時間の経過と共により制限される可能性がある。補助外装スーツは、自立して生活している老齢の個人が自分の能力及び活動を選択的に強化することを可能にすることができる。例えば、歩行又はウォーキングの補助は、個人がソーシャルウォーキング又はゴルフなどの習慣的な活動を維持することを可能にすることができる。姿勢補助は、少ない疲労で社会的状況をより快適にすることができる。着座位と立位の間の移行の補助は、疲労を低減し、信頼性を向上させ、転倒のリスクを低減することができる。これらのタイプの補助は、本質的には明示的には医療上のものではないが、高齢化の過程でより充実した自立的生活を可能にすることができる。
【0200】
補助外装スーツの運動用途も想定される。一部の実施例において、外装スーツは、サイクリングなどの特定の活動を補助するように最適化することができる。サイクリングの実施例において、臀部又は股関節の伸筋を近似するFLAは、自転車用衣類と一体化されて、ペダル操作を補助することができる。この補助は、地形、着用者の疲労レベル又は強度、もしくは他の要因に基づいて変化させることができる。提供される補助は、性能の向上、損傷回避、又は損傷又は老化の場合の性能のメンテナンスを可能にすることができる。補助外装スーツは、ランニング、ジャンプ、水泳、スキー、又は他の運動など、他のスポーツの要求を補助するように最適化することができる点は理解できる。運動補助外装スーツはまた、特定のスポーツ又は活動におけるトレーニングに合わせて最適化することができる。補助外装スーツは、ゴルフスイング、ランニングのスライド、スキーのフォーム、水泳のストローク、又はスポーツもしくは活動の他の要素など、着用者を適切な形態又は技術で案内することができる。補助外装スーツはまた、筋力又は持久力トレーニングに対する抵抗力を提供することができる。提供される抵抗力は、高強度間隔などの療法に従うことができる。
【0201】
上述の補助外装スーツシステムはまた、ゲーム用途で用いることができる。外装スーツによって検出される着用者の動作は、ゲームコントローラシステムとして組み込むことができる。例えば、外装スーツは、ランニング、ジャンプ、スローイング、ダンス、戦闘、又は特定のゲームに適合する他の動作をシミュレートする着用者の動作を感知することができる。外装スーツは、実行される動作に対する抵抗又は補助又は着用者への他の触覚フィードバックを含む、着用者への触覚フィードバックを提供することができる。
【0202】
上述の補助外装スーツは、軍事又は緊急対応者用途で用いることができる。兵士及び緊急対応者は、安全性又は更には生命が危険に晒される可能性がある場合に困難な作業を行うことが必要となることが多い。補助外装スーツは、これらの職業に必要とされるように追加の強度又は耐久性を提供することができる。補助外装スーツは、1又は2以上の通信ネットワークに接続し、着用者に対する通信サービス並びに外装スーツ又は着用者の遠隔監視を提供することができる。
【0203】
上述の補助外装スーツは、産業上又は業務上の安全用途に用いることができる。外装スーツは、持ち上げ又は持ち運びなどの特定の物理的な作業、或いは組み立てライン作業などの繰り返しの作業に対して、より高い強度又は耐久性を提供することができる。身体的補助を提供することにより、補助外装スーツはまた、過労又は反復的なストレスに起因する職業上の損傷を回避又は防止するのに役立つことができる。
【0204】
上述の補助外装スーツはまた、家庭用付属品として構成することができる。家庭用付属品の補助外装スーツは、清掃又は庭仕事のような家事を補助することができ、或いは、レクリエーション又は運動の目的で用いることができる。補助外装スーツの通信能力は、通信、娯楽又は安全監視の目的でホームネットワークに接続することができる。
【0205】
開示された主題は、本出願において詳細な説明に記載され又は図面に例示された構成要素の構成の詳細事項及び配置に限定されない点を理解されたい。開示された主題は、他の実施形態が可能であり、及び種々の方法で実行及び実施することができる。また、本明細書で用いた表現及び用語は、説明を目的としたものであり、限定としてみなされるべきではない点を理解されたい。
【0206】
従って、開示事項のベースとなる概念は、本発明の開示された主題の幾つかの目的を実行する他の構造、方法、及び/又はシステムを設計するための根拠として容易に利用することができることは、当業者であれば理解されるであろう。
【0207】
本発明の開示された主題は、上述の例示的な実施形態において記載及び例示されてきたが、本発明の開示は、例証に過ぎず、開示された主題の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、開示された主題の実施の詳細事項の多くの変更が可能であることは理解される。