(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
グリカンポリマーの組成物ならびにその作製方法および製造方法は、本明細書に記載されている。グリカンポリマー調製物を用いて疾患または障害を処置する方法もまた提供される。
望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)(例えば、プロピオネートまたはブチレート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸))に関連する疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、
任意選択により、グリカンポリマー調製物を、それが前記代謝産物の産生またはレベルを調節することに基づいて、選択する工程、および
前記代謝産物のレベルの調節をもたらすのに有効な量の前記グリカンポリマー調製物を投与し、それによって前記疾患または障害を処置する工程
を含む方法。
望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)(例えば、プロピオネートまたはブチレート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸))に関連する疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、
任意選択により、グリカンポリマー調製物が前記代謝産物の産生またはレベルを調節するという知見を取得する工程、および
前記代謝産物のレベルの調節をもたらすのに有効な量の前記グリカンポリマー調製物を投与し、それによって前記疾患または障害を処置する工程
を含む方法。
前記グリカンポリマー調製物が前記代謝産物の産生またはレベルを調節するという根拠または知見に応じて、前記グリカンポリマー調製物を投与する、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物の前記グリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)の前記グリカンポリマーが、表1に列挙された特性の1つ以上(例えば、2、3、4、5、または6つ)有し、任意選択により、
a.グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
b.グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
c.キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
d.キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
e.グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、または
f.グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー
から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物の前記グリカンポリマーの、前記グリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)の前記グリカンポリマーが、グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項1〜33のいずれかに記載の方法。
前記ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス4、プロピオン酸キナーゼ、プロピオン酸CoAトランスフェラーゼ、プロピオン酸CoAリガーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニル−CoAカルボキシトランスフェラーゼ、(S)−メチルマロニル−CoAデカルボキシラーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびプロパナールデヒドロゲナーゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号6.4.1.3、2.1.3.1、4.1.1.41、1.2.1.27、2.3.3.5、1.2.1.87、1.3.1.95、1.3.8.7、2.3.1.54、2.3.1.168、2.3.1.8、および2.3.1.222に対応する酵素から選択される))、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ、またはそれを超える数(例えば、全て)を含まない)のプロピオン酸産生関連酵素を含まない、細菌分類群のメンバーである、請求項35に記載の方法。
前記ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス5、7アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、7ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(NADP+)、2ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NAD+)、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3アルファ−ヒドロキシ胆汁酸−CoA−エステル3−デヒドロゲナーゼ、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NAD+)、胆汁酸CoA−トランスフェラーゼ、胆汁酸7アルファ−デヒドラターゼ、および胆汁酸CoAリガーゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号1.1.1.159、1.1.1.176、1.1.1.201、1.1.238、1.1.1.391、1.1.392、1.1.393、1.1.395、1.1.1.52、2.8.3.25、4.2.1.106、および6.2.1.7に対応する酵素から選択される)、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ、またはそれを超える数(例えば、全て)を含む)の胆汁酸産生(例えば、二次胆汁酸産生)関連酵素を含む細菌分類群のメンバーである、請求項35に記載の方法。
前記ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス6、トリプトファナーゼ(例えば、酵素委員会(EC)番号4.1.99.1に対応する酵素)から選択される、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ、またはそれを超える数(例えば、全て)を含まない)のインドール産生関連酵素を含まない細菌分類群のメンバーである、請求項35に記載の方法。
前記ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス7、4−ヒドロキシフェニルアセテートデカルボキシラーゼおよびアルデヒドフェレドキシンオキシドレダクターゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号4.1.1.83、2.6.1.−、4.1.1.−、および1.2.7.5に対応する酵素から選択される)、1つ以上(例えば、1つまたは両方を含まない)のp−クレゾール産生関連酵素を含まない細菌分類群のメンバーである、請求項35に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または36に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または36に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または37に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または37に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、またはGH13 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または38に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、GH28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または38に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または39に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または39に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37またはGH104 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または40に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または40に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または41に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または41に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または42に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項34、35、または42に記載の方法。
グリカンポリマーを選択する工程が、それが請求項43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、または56のいずれか一項の基質特異性を有することに基づいて選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
前記代謝産物が、短鎖脂肪酸(SCFA)(例えば、ブチレートおよび/またはプロピオネート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例、p−クレゾールまたはインドール)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸)のうちの1つである、請求項1〜57のいずれか一項に記載の方法。
前記疾患または障害が、下痢(例えば、薬物毒性誘発性下痢、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤または化学療法剤(例えば、FOLFIRIレジメン)の投与を含む処置レジメンにより誘発されるもの;または放射線誘発性下痢および放射線誘発性急性腸管症状)であり、任意選択により、前記SCFAがブチレートであり、さらに任意選択により、前記ブチレートのレベルが増加する(例えば、同じ処置を受けているがグリカンポリマー調製物を投与されていない対象に対して、または前記グリカンポリマー調製物の投与前の対象におけるレベルに対して)、請求項59または60のいずれかに記載の方法。
前記疾患または障害が、クローン病、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、または潰瘍性大腸炎から選択され、任意選択により、前記SCFAがブチレートである、請求項59または60のいずれかに記載の方法。
前記疾患または障害が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)から選択され、任意選択により、前記SCFAがブチレートである、請求項59または60のいずれかに記載の方法。
前記疾患または障害が、クローン病、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、または潰瘍性大腸炎から選択される、請求項63に記載の方法。
前記代謝産物レベルが、前記対象において、または前記疾患もしくは障害を有する前記対象からの適当な試料において増加する、例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の前記対象におけるレベル、または健康な対照と比較して増加する、請求項66〜86のいずれか一項に記載の方法。
前記代謝産物レベルが、前記対象、または前記疾患もしくは障害を有する前記対象からの適当な試料において減少する、例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の前記対象におけるレベル、または健康な対照と比較して減少する、請求項66〜86のいずれか一項に記載の方法。
前記代謝産物のレベル、または望ましくない前記代謝産物のレベルの症状を、例えば前記代謝産物のレベルを取得することによって、任意選択により、前記対象を処置する前(例えば、ベースラインとして)、処置中(例えば、処置成功をモニターするため)、および/または処置後(例えば、前記疾患または障害の再発を評価するため)に評価する工程をさらに含む、請求項1〜88のいずれか一項に記載の方法。
ブチレートのレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、増加する(例えば、ブチレート産生(例えば、胃腸微生物による)の産生率またはレベルが増加する)、請求項4〜9、36、43、44、59、60、66〜69、または87のいずれかに記載の方法。
TMAのレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、コリンからTMAへの変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが減少する)、請求項10〜17、36、43、44、59、60、70、または88のいずれかに記載の方法。
アンモニアのレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、尿素からアンモニアへの変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが減少する)、請求項18〜20、37、45、46、61、70〜73、または88のいずれかに記載の方法。
プロピオン酸のレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、プロピオン酸産生(例えば、胃腸微生物による)の産生率またはレベルが減少する)、請求項21〜24、39、49、50、59、60、78、または88のいずれかに記載の方法。
二次胆汁酸のレベル(例えば、全身レベル、例えば、腸または糞便レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、増加する(例えば、胆汁酸から二次胆汁酸への変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが増加する)、請求項25、40、51、52、63、79〜81、または87のいずれかに記載の方法。
インドールのレベル(例えば、全身レベル、例えば、糞便レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、インドール産生(例えば、胃腸微生物による)の産生率またはレベルが減少する)、請求項26〜29、41、53、54、65、82〜84、または88のいずれかに記載の方法。
p−クレゾールのレベル(例えば、全身レベル)が、例えば前記グリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、p−クレゾールへのチロシン変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが減少する)、請求項30〜33、42、55、56、64、85、86、または88のいずれかに記載の方法。
前記代謝産物の望ましくないレベルが調節される、例えば、処置期間後、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%(例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の前記対象におけるレベル、または健康な対照と比較した場合)減少する(例えば、前記対象において、または処置された前記対象から採取された適当なサンプルにおいて)、請求項1〜103のいずれか一項に記載の方法。
前記代謝産物の望ましくないレベルが、処置期間後、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%(例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の前記対象におけるレベル、または健康な対照と比較した場合)増加する(例えば、処置された前記対象から採取された適当なサンプルにおいて)、請求項1〜104のいずれか一項に記載の方法。
前記処置する工程が、第2の治療剤(例えば、前記疾患または障害を処置するための、および/または前記代謝産物のレベルを調節するための、前記グリカンポリマー以外の治療剤)を投与する工程をさらに含む、請求項1〜105のいずれか一項に記載の方法。
前記腸内微生物が、前記代謝産物との関係に基づいて(例えば、前記代謝産物との、その正の相関、負の相関、または相関の欠如に基づいて)選択される、請求項108に記載の方法。
前記腸内微生物の前記選択が、前記腸内微生物の前記代謝産物との関係に基づいて(例えば、前記代謝産物との、その正の相関、負の相関、または相関の欠如に基づいて)、表3から腸内微生物を選択する工程を含む、請求項109に記載の方法。
前記グリカン調製物が複数の処置期間にわたって投与され、例えば、間の処置期間が隣接する処置期間の一方または両方よりも長い、または間の処置期間が隣接する処置期間の一方または両方よりも短い、請求項1〜113のいずれかに記載の方法。
対象の体内(例えば、腸(gut)(結腸、腸(intestine))、血液、尿、臓器(例えば、肝臓、腎臓)、脳)における産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、または胆汁酸)の産生またはレベルを調節する方法であって、産物の産生またはレベルを調節するのに十分な有効量のグリカンポリマー調製物を前記対象に投与する(例えば、経口または経直腸)工程を含み、任意選択により、前記グリカンポリマーが結腸または腸の微生物成分の基質である、方法。
前記微生物成分が、請求項43〜55のいずれか一項に記載のグリコシダーゼファミリーからのグリコシダーゼ酵素を含む成分から選択される、請求項119に記載の方法。
前記産物が尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)であり、前記対象が表5のp−クレゾールまたはインドールの行から選択される状態を有する、請求項119に記載の方法。
前記グリカン調製物が前記微生物成分のグリコシダーゼ酵素の基質であり、例えば、前記微生物成分および前記産物が表3の同じ列からのものである、請求項118〜130のいずれか一項に記載の方法。
予め選択されたヒト腸内微生物(例えば、そのグリコシダーゼプロファイルのために選択された)のグリコシダーゼ酵素(例えば、CAZyファミリー)の基質としての使用のためのグリカンポリマー調製物を選択する方法であって、
a)微生物の前記グリコシダーゼ(例えばCAZyファミリー)プロファイルの値を取得する工程、
b)前記グリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)プロファイルに基づいて、前記微生物の基質となり得るグリカンポリマーを同定、設計、または選択する工程、
c)任意選択により、
i.ヒト腸内微生物(例えば、単一株、設計された株の群、または目的の前記微生物を含むエクスビボの群(例えば、糞便試料由来))のパネルを組み立てる工程
ii.微生物の前記パネルを試験グリカン調製物と接触させる工程、
iii.(目的の)前記ヒト腸内微生物の増殖を評価する工程、
d)前記グリカンポリマー調製物を選択する工程
を含む方法。
(a)が、表4のグリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)プロファイルの値を見出すことを含み、(b)が、表4に見出される、同じ列にある、例えば、(a)のグリコシダーゼプロファイルのグリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)の基質である、グリカンポリマーを同定、設計、または選択する工程を含む、請求項135に記載の方法。
グリカンポリマーを含むグリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
を含み、
i)GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリー、
ii)GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリー、
iii)GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリー、または
iv)GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも約0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリー、または
ii)GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、および
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、GH13 CAZyファミリー、または
ii)GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
アラビノース、ガラクトース、キシロース、もしくはグルコースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、および
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、もしくはGH84 CAZyファミリー、または
ii)GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、および
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37もしくはGH104 CAZyファミリー、または
ii)GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)グルコースもしくはキシロースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)グルコースもしくはキシロースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、もしくはGH94 CAZyファミリー、または
ii)GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、例えば、前記調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
グルコース、キシロース、アラビノース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、もしくはGH43サブファミリー8 CAZyファミリー、または
ii)GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品として製剤化され、例えば、製剤化する工程が、前記調製物を複数の剤形または部分に分割することを含む、請求項140〜146のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
前記単位剤形、例えば、前記単位剤形の前記グリカンポリマー調製物成分が、約0.01kcal〜約1kcal、0.1kcal〜5kcal、0.01kcal〜10kcal、または0.1kcal〜10kcalのカロリー値を有する、請求項163または164に記載の単位剤形。
請求項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、医薬組成物のセットであって、集合的に、前記セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの前記調製物を含む、セット。
請求項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、医療用食品の一部のセットであって、集合的に、前記セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの前記調製物を含む、セット。
請求項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、栄養補助食品の一部のセットであって、集合的に、前記セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの前記調製物を含む、セット。
請求項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、食品成分の一部のセットであって、集合的に、前記セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの前記調製物を含む、セット。
前記ヒト腸内微生物の前記CAZyファミリープロファイルを同定する工程、および同定された前記ヒト腸内微生物の前記CAZyファミリープロファイルに基づいて、基質であるグリカンポリマー調製物を選択する工程をさらに含む、請求項175〜177のいずれか一項に記載の方法。
約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%を超える前記調製物の前記微生物が、胃の通過後(例えば結腸または大腸に到達するとき)に生存可能である、請求項175〜181のいずれか一項に記載の方法。
結腸または大腸内で放出された後に、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%または75%を超える前記調製物の前記微生物が移植する、請求項175〜182のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、前記グリカンポリマーの合成のために同定された前記CAZyファミリープロファイルから1つ以上のグリコシダーゼを選択する、グリコシダーゼ指向合成によって作製される、請求項175〜183のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、同定された前記CAZyファミリープロファイルに基づいて、非酵素ポリマー触媒を用いて合成および設計される、請求項175〜183のいずれか一項に記載の方法。
請求項187〜190のいずれか一項に記載のシンバイオティクス共調製物を、ヒト腸内微生物を移植するのに有効な量および時間で前記対象に投与する工程を含む、それを必要とするヒト対象の結腸または大腸に前記ヒト腸内微生物を移植する方法。
前記ヒト対象が、腸の微生物叢のディスバイオシスを有し、例えば、そのようなディスバイオシスを引き起こす処置または曝露を受けており、例えば、前記ヒト対象が、前記処置または曝露を受けたと同定された、請求項191に記載の方法。
腸(例えば、結腸または大腸)の前記微生物叢が安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がない)、請求項191〜194のいずれか一項に記載の方法。
腸(例えば、結腸または大腸)の前記微生物叢が不安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がある)、請求項191〜194のいずれか一項に記載の方法。
前記移植の程度が、前記シンバイオティクス共調製物の投与前または投与後に、例えば、16S、定量培養、またはqPCRによる、分析によって決定される、請求項191〜196のいずれか一項に記載の方法。
前記移植の程度が、前記シンバイオティクス共調製物中で前記対象に投与された生物の数と、前記対象の腸から回収可能な生物の数との比較を通して、例えば定量培養またはqPCRを通して、決定される、請求項191〜197のいずれか一項に記載の方法。
前記ヒト対象が表5に列挙された疾患または障害、例えば、急性嚢炎、アレルギー性疾患、AIDS、アテローム性動脈硬化症、喘息、アトピー性皮膚炎、自閉症スペクトラム障害、慢性機能性便秘、セリアック病、慢性萎縮性胃炎、慢性嚢炎、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)関連疾患(CDAD)、セリアック病、結腸直腸腺腫、結腸直腸癌、クローン病、嚢胞性線維症、うつ病、糖尿病(I型)、糖尿病(II型)、下痢、湿疹、腸瘻造設、家族性地中海熱、食物過敏症、移植片対宿主病(GvHD)、肝性脳症、高血圧、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、肺癌、顕微鏡的大腸炎、多発性硬化症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満関連喘息、パーキンソン病(PD)、放射線誘発性急性腸管症状、赤痢、短腸症候群、脊髄損傷関連腸機能障害、全身性炎症反応症候群、全身性エリテマトーデス、または潰瘍性大腸炎を有する、請求項191〜198のいずれか一項に記載の方法。
前記ヒト対象が、表5に列挙された疾患または障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、HIVにおける心血管リスク、頸動脈アテローム性動脈硬化症、慢性心疾患、慢性心不全、慢性腎臓病、慢性血管疾患、結腸直腸癌、冠状動脈性心臓病、冠状動脈疾患(CAD)、糖尿病(II型)、末期腎臓病、HIV、炎症性腸疾患、虚血性発作、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肥満、放射線誘発性急性腸管症状(RIAIS)、または脳卒中を有する、請求項191〜198のいずれか一項に記載の方法。
前記ヒト対象が、表5に列挙された疾患または障害、例えば、慢性腎臓病、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、肝性脳症、または最小限の肝性脳症(MHE)を伴う肝硬変を有する、請求項191〜198のいずれか一項に記載の方法。
本明細書に記載のグリカンポリマー調製物および微生物の調製物を含む組成物を、前記ディスバイオシスの処置に有効な量で投与する工程を含む、ディスバイオシスを有する対象を処置する方法。
前記グリカンポリマー調製物の前記グリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)の前記グリカンポリマーが、表1に列挙された特性の1つ以上(例えば、2、3、4、5、または6つ)有し、任意選択により、
a.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
b.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
c.ガラクトース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
d.ガラクトース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
e.グルコース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
f.グルコース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
g.キシロース、アラビノース、グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
h.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー
から選択される、請求項202〜204のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物の前記グリカンポリマーの、前記グリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)の前記グリカンポリマーが、グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項202〜205のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT5、GT35、GT3、GH97、GH95、GH92、GH89、GH88、GH78、GH77、GH57、GH51、GH43サブファミリー34、GH43サブファミリー24、GH43サブファミリー10、GH42、GH36、GH35、GH33、GH32、GH31、GH3、GH29、GH28、GH27、GH24、GH20、GH2、GH16、GH133、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー38、GH13サブファミリー14、GH13、GH123、GH115、GH109、またはGH105 CAZyファミリーのうちの1つのグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項202〜207のいずれか一項に記載の方法。
前記微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表19、列3、表19、列4、表19、列5、表19、列6、表19、列7、表19、列8、表19、列9、表19、列10のいずれか1つである、請求項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
前記微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表20、列2、表20、列3、表20、列4、表20、列5、表20、列6、表20、列7、表20、列8、または表20、列9のいずれか1つである、請求項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
前記微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表21、列2、表21、列3、表21、列4、表21、列5、表21、列6、表21、列7、表21、列8、または表21、列9のいずれか1つである、請求項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
胞子形成微生物(例えば、胞子形成細菌分類群)のヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質であるグリカンポリマーを含む、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物。
グリカンポリマー調製物であって、任意選択により、例えば、前記調製物が少なくとも約0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、および/または、さらに任意選択により、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
a.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
b.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
c.ガラクトース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
d.ガラクトース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
e.グルコース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
f.グルコース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
g.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
h.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
を含むグリカンポリマーを含み、
GT5、GT35、GT3、GH97、GH95、GH92、GH89、GH88、GH78、GH77、GH57、GH51、GH43サブファミリー34、GH43サブファミリー24、GH43サブファミリー10、GH42、GH36、GH35、GH33、GH32、GH31、GH3、GH29、GH28、GH27、GH24、GH20、GH2、GH16、GH133、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー38、GH13サブファミリー14、GH13、GH123、GH115、GH109、またはGH105 CAZyファミリーのうちの1つのヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
前記微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表19、列3、表19、列4、表19、列5、表19、列6、表19、列7、表19、列8、表19、列9、表19、列10のいずれか1つである、請求項215〜219のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物。
前記微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表20、列2、表20、列3、表20、列4、表20、列5、表20、列6、表20、列7、表20、列8、または表20、列9のいずれか1つである、請求項215〜219のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物。
前記微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表21、列2、表21、列3、表21、列4、表21、列5、表21、列6、表21、列7、表21、列8、または表21、列9のいずれか1つである、請求項215〜219のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物。
前記グリカンポリマーが、GT5、GT35、GT3、GH97、GH95、GH92、GH89、GH88、GH78、GH77、GH57、GH51、GH43サブファミリー34、GH43サブファミリー24、GH43サブファミリー10、GH42、GH36、GH35、GH33、GH32、GH31、GH3、GH29、GH28、GH27、GH24、GH20、GH2、GH16、GH133、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー38、GH13サブファミリー14、GH13、GH123、GH115、GH109、またはGH105 CAZyファミリーのうちの1つのグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項223または224に記載の方法。
前記微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表19、列3、表19、列4、表19、列5、表19、列6、表19、列7、表19、列8、表19、列9、表19、列10のいずれか1つである、請求項223〜228のいずれか一項に記載の方法。
前記微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表20、列2、表20、列3、表20、列4、表20、列5、表20、列6、表20、列7、表20、列8、または表20、列9のいずれか1つである、請求項223〜228のいずれか一項に記載の方法。
前記微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つであり、前記グリカン調製物が、表21、列2、表21、列3、表21、列4、表21、列5、表21、列6、表21、列7、表21、列8、または表21、列9のいずれか1つである、請求項223〜228のいずれか一項に記載の方法。
約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%を超える前記調製物の前記微生物が、胃の通過後(例えば結腸または大腸に到達するとき)に生存可能である、請求項223〜234のいずれか一項に記載の方法。
結腸または大腸内で放出された後に、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%または75%を超える前記調製物の前記微生物が移植する、請求項223〜235のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、前記グリカンポリマーの合成のために同定された前記CAZyファミリープロファイルから1つ以上のグリコシダーゼを選択する、グリコシダーゼ指向合成によって作製される、請求項223〜236のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、同定された前記CAZyファミリープロファイルに基づいて、非酵素ポリマー触媒を用いて合成および設計される、請求項223〜237のいずれか一項に記載の方法。
請求項240〜243のいずれか一項に記載のシンバイオティクス共調製物を、前記ヒト腸内微生物を移植するのに有効な量および時間で前記対象に投与する工程を含む、それを必要とするヒト対象の結腸または大腸にヒト腸内微生物を移植する方法。
前記ヒト対象が、腸の前記微生物叢のディスバイオシスを有し、例えば、そのようなディスバイオシスを引き起こす処置(例えば、抗菌処置、癌処置など)または曝露(例えば、細菌性病原体(例えば、C.diff.)などの病原体への曝露)を受けており、任意選択により、例えば、前記ヒト対象が、前記処置または曝露を受けたと同定された、請求項244に記載の方法。
腸(例えば、結腸または大腸)の前記微生物叢が安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がない)、請求項244〜247のいずれか一項に記載の方法。
腸(例えば、結腸または大腸)の前記微生物叢が不安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がある)、請求項244〜247のいずれか一項に記載の方法。
前記移植の程度が、シンバイオティクス共調製物の投与前または投与後に、例えば、16S、定量培養、またはqPCRによる、分析によって決定される、請求項244〜249のいずれか一項に記載の方法。
前記移植の程度が、前記シンバイオティクス共調製物中で前記対象に投与された生物の数と、前記対象の腸から回収可能な生物の数との比較を通して、例えば定量培養またはqPCRを通して、決定される、請求項244〜250のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子が由来する前記ヒト腸内微生物が、前記グリカンポリマーが基質である、前記ヒト腸内微生物と同じ分類群、例えば、門、目、ファミリー、属または種のものである、請求項254に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子が由来する前記ヒト腸内微生物が、第1の分類群、例えば、門、目、ファミリー、属または種のものであり、前記グリカンポリマーが基質である前記ヒト腸内微生物が、第2の分類群、例えば、門、目、ファミリー、属または種のものである、請求項254に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物を、医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品に製剤化する工程をさらに含む、請求項254〜256のいずれかに記載の方法。
前記調製物を、例えば、経口または経直腸などの経腸投与のために、または経鼻、経口または胃管栄養などの経管栄養のために、複数の部分、例えば、単位用量または製剤に分割する工程、例えば、前記調製物を少なくとも10、100、または1,000の部分に分割する工程をさらに含む、請求項254〜257のいずれかに記載の方法。
前記複数の部分が、前記部分に存在するグリカンポリマーの量に関して、重量で0.5%、1%、2%、5%、10%、または20%以下異なる、請求項258に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および前記グリコシダーゼ酵素分子が、表4(列2)、23(列A)、24(列A)、または22(列1)から独立して選択される、請求項254〜262のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素をコードする前記アミノ酸配列が、配列番号1〜124のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、請求項254〜263のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素をコードする前記アミノ酸配列が、表23または24の配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、請求項254〜264のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子をコードする前記アミノ酸配列が、配列番号1〜124のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、請求項254〜265のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子をコードする前記アミノ酸配列が、表23または24の配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、請求項254〜266のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)からのもの以外である、請求項262〜267のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がラクトバチルス(Lactobacillus)からのもの以外である、請求項262〜267のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および前記グリコシダーゼ酵素分子が、表4(列2)、23(列A)、24(列A)、または22(列1)から選択される、請求項270に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および前記グリコシダーゼ酵素分子の前記アミノ酸配列が、少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、請求項254〜271のいずれか一項に記載の方法。
前記アミノ酸配列をコードする前記核酸配列が、表23または24の配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117の1つである、請求項272に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および前記グリコシダーゼ酵素分子が、表4(列2)、23(列A)、24(列A)、または22(列1)から選択される、請求項272に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)からのもの以外である、請求項272〜275のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がラクトバチルス(Lactobacillus)からのもの以外である、請求項272〜275のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および前記グリコシダーゼ酵素分子の両方が、同一のCAZyファミリー(例えば、同一のGHファミリー(例えば、GH1〜GH135の1つ以上)および/またはGTファミリー(例えば、GT1〜GT101の1つ以上)、例えば、表4(列1)、23(列C)、24(列C)、または22(列1)に列挙されたもの、のものである、である、請求項254〜277のいずれか一項に記載の方法。
前記ヒト腸内微生物の識別情報(例えば、分類学的、16s)、および任意選択により、そのグリコシダーゼプロファイル(例えば、CAZyファミリープロファイル)を取得する工程を含む、請求項254〜278のいずれか一項に記載の方法。
前記ヒト腸内微生物が、表2に列挙された門(列1)、綱(列2)または属(列3)の微生物分類群から選択される、請求項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
前記ヒト腸内微生物の識別情報、および/またはそのグリコシダーゼ遺伝子プロファイルに応答して、グリコシダーゼ酵素分子およびグリカンサブユニットのいずれかまたは両方を選択する工程を含む、請求項279に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子(例えば、単離されたグリコシダーゼ酵素分子またはグリコシダーゼ酵素分子を含む細胞抽出物)が結合基質(例えば、固体粒子の表面などの固体表面、または高MW炭素含有分子、例えば、アガロース、セルロース、などのマトリックス材料)上に配置されている、例えば、共有結合的にまたは非共有結合的に結合している、請求項254〜289のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物に関するパラメータ、例えば、物理的パラメータ、例えば、分子量、例えば、平均分子量もしくは分子量分布、グリカンサブユニット組成または純度、または生物学的特性に関するパラメータ、例えば、前記ヒト腸内微生物の増殖を調節する能力、微生物によって産生される微生物代謝産物を、例えばエクスビボアッセイにおいて、調節する能力、またはバイオマーカー、例えば、炎症もしくは免疫バイオマーカー、毒性もしくは廃棄化合物、細菌化合物)を例えば、ヒト対象において、調節する能力、の値を取得する工程をさらに含む、請求項254〜293のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素が、配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117の1つ以上から選択される核酸配列によりコードされる、請求項254〜298のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子が、配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である核酸配列によってコードされる、請求項254〜299のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素分子が、配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である核酸配列によってコードされる、請求項254〜300のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)以外のヒト腸内細菌由来である、請求項254〜301のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がラクトバチルス(Lactobacillus)以外のヒト腸内細菌由来である、請求項254〜302のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素および/または前記グリコシダーゼ酵素分子がi)アルファ−ガラクトシダーゼ;ii)ベータ−ガラクトシダーゼ、iii)アルファ−グルコシダーゼ iv)ベータ−グルコシダーゼ、v)アルファ−キシロシダーゼ、vi)ベータ−キシロシダーゼ、vii)アルファ−マンノシダーゼ、viii)ベータ−マンノシダーゼ、ix)アルファ−フルクトフラノシダーゼ、および/またはx)ベータ−フルクトフラノシダーゼ以外、またはi)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、およびx)の任意の組み合わせ(例えば、任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つ)以外である、請求項254〜305のいずれか一項に記載の方法。
グリカンサブユニットが、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、フコース、ラムノース、キシロース、およびアラビノースから選択される糖モノマーである、請求項254〜306のいずれか一項に記載の方法。
グリカン単位が、スクロース、マルトース、ゲンチビオース、ラクツロース、ラクトース、ラフィノース、メリビオース、キシロビオース、アラビノビオース、フルクトビオース、ツラノース、セロビオース、マンノビオース、ガラクトビオース、ソホロース、ラミナリビオース、およびキトビオースから選択される糖ダイマーである、請求項254〜307のいずれか一項に記載の方法。
グリカン単位が、スクロース、イソマルトース、マルトース、メレジトース、ゲンチビオース、セロビオース、メリビオース、ラフィノース、ラクトース、ラクツロース、およびパラチノースから選択される糖ダイマー(例えば、表23、列Eおよび24、列Eに列挙されたもの)である、請求項254〜308のいずれか一項に記載の方法。
グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを生じる前記条件が、モノマーを前記グリカンポリマーに組み込むための縮合反応に適したものである、請求項254〜311のいずれか一項に記載の方法。
グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを生じる前記条件が、ダイマー出発物質からの前記グリカンポリマーへのモノマーの組み込みを伴う、トランスグリコシル化反応(例えば、トランスガラクトシル化、トランスグルコシル化、トランスフルクトシル化)に適したものである、請求項254〜312のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカン調製物の平均重合度(DP)が、少なくとも約DP2、少なくとも約DP3、少なくとも約DP4、または少なくともDP5である、請求項254〜314のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカン調製物の平均重合度(DP)が、約DP2〜DP4、DP2〜DP5、DP2と〜DP6、DP3〜DP5、またはDP3〜DP6である、請求項254〜315のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカン調製物の平均重合度(DP)が、約DP2〜DP8、約DP2〜DP10、約DP3〜DP8、または約DP3〜DP10である、請求項254〜316のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または少なくとも99%の前記グリカンポリマーが、2以上のDPを有する、請求項254〜317のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または少なくとも95%の前記グリカンポリマーが、3以上のDPを有する、請求項254〜318のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または少なくとも95%の前記グリカンポリマーが、約DP2〜4、DP2〜5、DP2〜6、DP2〜8、DP2〜10、DP3〜5、DP3〜6、DP3〜8、または約DP3〜10のDPを有する、請求項254〜319のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または少なくとも95%の前記グリカンポリマーが分岐している、請求項254〜321のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の1%、5%、10%、20%、30%、40%以下または50%以下の前記グリカンポリマーが分岐している、請求項254〜322のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の前記グリカンポリマーがアルファ−グリコシド結合を含み、例えば、前記調製物の前記グリカンポリマーの前記グリコシド結合の少なくとも約90%、95%、98%、99%、または100%がアルファ−グリコシド結合である、請求項254〜324のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の前記グリカンポリマーがベータ−グリコシド結合を含み、例えば、前記調製物の前記グリカンポリマーの前記グリコシド結合の少なくとも約90%、95%、98%、99%、または100%がベータ−グリコシド結合である、請求項254〜325のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の前記グリカンポリマーのアルファ−対ベータ−グリコシド結合比が、0または約0.1:1〜1:5、1:1〜1:5または1:1〜1:4である、請求項254〜330のいずれか一項に記載の方法。
前記調製物の前記グリカンポリマーのベータ−対アルファ−グリコシド結合比が、0または約0.1:1〜1:5、1:1〜1:5または1:1〜1:4である、請求項254〜331のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、フコース、ラムノース、キシロース、および/またはアラビノースのうちの1つ以上のグリカン単位を含む、請求項254〜332のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、1,2グリコシド結合、1,3グリコシド結合、1,4グリコシド結合、1,5グリコシド結合または1,6グリコシド結合から選択される1つ以上のグリコシド結合を含む、請求項254〜333のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、請求項334に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、請求項334に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、請求項334に記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、請求項334に記載の方法。
前記調製物中の第1および第2の最も存在度の高いグリカンポリマーが、i)ガラクトースホモポリマーおよび/またはii)末端グルコースを有するガラクトースポリマー以外である、請求項333に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、i)フルクトオリゴ糖(FOS)、ii)ガラクトオリゴ糖(GOS)、iii)キシロオリゴ糖(XOS)、iv)イソマルトオリゴ糖(IMOS)、およびv)グルコオリゴ糖(GLOS)、またはi)、ii)、iii)、iv)およびv)の任意の組み合わせ(1つ、2つ、3つ、4つ、または全て)以外である、請求項254〜346のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、i)ラクトスクロース、ii)ラクツロスクロース、iii)2−アルファ−グルコシルラクトース、iv)ゲンチオオリゴ糖、v)ペクチンオリゴ糖、およびvi)マルトシルフルクトシド、またはi)、ii)、iii)、iv)、v)およびvi)の任意の組み合わせ(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または全て)以外である、請求項254〜347のいずれか一項に記載の方法。
前記複数のグリカンサブユニットが、第1および第2のグリカンサブユニットを含み、第1および第2のグリカンサブユニットが異なる構造を有する、請求項254〜348のいずれか一項に記載の方法。
前記複数のグリカンサブユニットが、第1および第2のグリカンサブユニットを含み、第1および第2のグリカンサブユニットが同一の構造を有する、請求項254〜349のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含む、請求項254〜350のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含む、請求項254〜351のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含む、請求項254〜352のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含む、請求項254〜353のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含む、請求項254〜354のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含む、請求項254〜355のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項351、352、または357〜362のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項351、352、または357〜362のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項353、354、または363〜370のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項353、354、または363〜370のいずれか一項に記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、またはGH13 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項355、356、または371〜373のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項355、356、または371〜373のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または374〜377のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または374〜377のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37またはGH104 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または378のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または378のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または379〜382のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または379〜382のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または383〜386のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマーが、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、請求項349、350、または383〜386に記載の方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13.0、GH13.9、GH13.31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77、GH94 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13.0、GH13.9、GH13.31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリー、のうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、ガラクトースおよび/またはグルコースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、ガラクトースおよび/またはグルコースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37もしくはGH104 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはシアル酸を含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37またはGH104 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはシアル酸を含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、マンノース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、マンノース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と前記複数のグリカンサブユニットを接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、フコースおよび/またはラムノースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、請求項414または415のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、請求項414または415のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、請求項414または415のいずれかに記載の方法。
前記グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、請求項414または415のいずれかに記載の方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、フコースおよび/またはラムノースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と前記複数のグリカンサブユニットを接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、GH13 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、GH13 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
前記複数のグリカンサブユニットを、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
前記グリコシダーゼ酵素または前記グリコシダーゼ酵素分子が、GH1、GH2、GH3、GH35、GH42、およびGH50のうちの1つ以上のもの以外である、請求項401〜413または425〜427のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素または前記グリコシダーゼ酵素分子が、GH32、GH68、GH100のうちの1つ以上のもの以外である、請求項401〜413または425〜427のいずれか一項に記載の方法。
前記グリコシダーゼ酵素または前記グリコシダーゼ酵素分子が、GH1、GH2、GH3、GH4、GH5、GH8、GH9、GH10、GH11、GH12、GH13、GH14、GH16、GH26、GH28、GH30、GH31、GH32、GH35、GH42、GH43、GH44、GH50、GH51、GH57、GH62、GH63、GH68、GH70、GH97、GH100、GH116、GH119、GH122のうちの1つ以上のもの以外である、請求項401〜413または425〜427のいずれか一項に記載の方法。
本明細書に開示される方法によって、例えば、請求項254〜430のいずれかに記載の方法によって、作製される、産生可能な、または作製可能な、グリカンポリマー調製物。
請求項431に記載の調製物を、医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品に製剤化することを含む、医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品を作製する方法。
前記調製物を、複数の部分、例えば、単位用量または製剤、例えば、少なくとも10、100、または少なくとも1,000の部分、に分割する工程を含む、請求項446に記載の方法。
請求項254〜430のいずれかに記載の方法によって作製される、または作製可能なグリカンポリマーの調製物を作製、評価、選択、分類、または提供する方法であって、
候補調製物を取得する工程;
前記調製物に関するパラメータ、例えば、物理的パラメータ、例えば、分子量、例えば、平均分子量もしくは分子量分布、グリカンサブユニット組成または純度、または生物学的特性に関するパラメータ、例えば、前記ヒト腸内微生物の増殖を調節する能力、微生物によって産生される微生物代謝産物を、例えばエクスビボアッセイにおいて、調節する能力、またはバイオマーカー、例えば、炎症もしくは免疫バイオマーカー、毒性もしくは廃棄化合物、細菌化合物)を例えば、ヒト対象において、調節する能力、の値を、例えばアッセイを実施することによって、取得する工程;および
前記値を基準値と比較する工程、
それにより、グリカンポリマーの調製物を作製、評価、選択、分類、または提供する工程
を含む方法。
前記値を参照値と比較して、例えば、使用への、例えばグリカンポリマーの調製物としての、適合性について、または、産物もしくは剤形、例えば本明細書に記載の産物または剤形への製剤化について、前記候補を評価する、請求項452〜454のいずれかに記載の方法。
配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である、核酸配列によってコードされるグリコシダーゼ酵素を含むグリコシダーゼ酵素分子の精製調製物であって、前記グリコシダーゼ酵素がヒト腸内微生物中に存在する、精製調製物。
配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である、核酸配列を含むベクターであって、前記核酸がヒト腸内微生物中に存在するグリコシダーゼ酵素をコードし、前記ベクターは前記グリコシダーゼ酵素を発現するために使用することができる、ベクター。
配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列によりコードされるグリコシダーゼ酵素、および前記グリコシダーゼ酵素の基質、例えば、グリカンサブユニット、例えば、モノマーまたはダイマーを含み、前記基質が、例えば、縮合によって、グリカンポリマーを形成するのに十分な量で存在する、反応混合物。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明は、少なくとも、グリカンポリマー調製物を用いて疾患または障害(例えば、本明細書に記載のもの)を有する対象を処置する方法を特徴とする。実施形態において、グリカンポリマー調製物は、それが代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SFCA)(例えば、プロピオネートまたはブチレート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸))の産生またはレベル(例えば、望ましくないレベル)を調節することに基づいて、選択される。代謝産物の望ましくないレベルは、高すぎてもよく、低すぎてもよい。いくつかの実施形態では、代謝産物は、対象の健康に対する所望の(例えば、有益な)効果と関連している。他の実施形態では、代謝産物は、対象の健康に対する望ましくない(例えば、有害な)効果と関連している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、代謝産物を増加させる工程を含む。他の実施形態では、方法は、代謝産物を減少させる工程を含む。いくつかの実施形態では、代謝産物は、微生物(例えば、細菌)代謝産物である。いくつかの実施形態では、第1の代謝産物(例えば、分類群Aによって産生されるもの)は、第2の代謝産物(例えば、分類群Bによって産生されるもの)を調節するために調節される。いくつかの実施形態では、第2の代謝産物は、疾患または障害と関連している。望ましくないレベルの代謝産物は、対象の身体のどこにでも発生し得る(例えば、結腸および腸を含む胃腸管、肝臓および腎臓を含む臓器、糞便、血液、脳、神経系、心臓、尿、その他の場所)。いくつかの実施形態では、微生物叢の代謝産物産生(例えば腸内)は調節され、代謝産物のレベルに局所的な影響を与える(例えば代謝産物の局所的な減少または増加)。いくつかの実施形態では、微生物叢の代謝産物産生(例えば腸内)は調節され、代謝産物のレベルに全身的な影響を与える(例えば代謝産物の全身的な減少または増加)。いくつかの実施形態では、第1の代謝産物(例えば、代謝産物A、例えば、腸内)の調節は、第2の代謝産物(例えば、代謝産物B、例えば、身体の腸以外の部位)の調節をもたらす。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物はそれを必要とする対象に投与され、ここで、グリカンポリマーは、微生物代謝産物産生者のクラスの特定のグリコシダーゼ機構のための基質(例えば好ましい基質)である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物はそれを必要とする対象に投与され、ここで、グリカンポリマーは、微生物代謝産物の非産生者のクラスの特定のグリコシダーゼ機構のための基質(例えば好ましい基質)である。いくつかの実施形態では、代謝産物産生者と代謝産物非産生者とのバランス(例えば腸などの、身体部位における微生物分類群の相対存在度)を調節して、部位によって産生される代謝産物のレベルを調節する。いくつかの実施形態では、代謝産物レベルを調節するために産生者と非産生者とのバランスを調節することにより、代謝産物の調節異常に関連する疾患または障害を処置する。いくつかの実施形態では、対象は腸などの部位のディスバイオシスを有する。微生物代謝産物産生者または非産生者の基質(例えば、好ましい基質)であるグリカンポリマー調製物が、さらに本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、それぞれ、微生物分類群または代謝産物産生者または非産生者のグリコシダーゼ酵素プロファイルに合わせて調整される。すなわち、グリカンポリマーは、産生者または非産生者のゲノムに存在するグリコシダーゼの基質(例えば、好ましい基質)である。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼは、他のクラス(例えば、非産生者)に対し、1つのクラス(例えば、代謝産物産生者)に富んでいるかまたは排他的である。調整されたグリカンポリマーの共製剤(例えば、シンバイオティクス)およびグリカンポリマーを基質として(優先的に)使用することができるグリコシダーゼレパートリー(グリコシダーゼプロファイル)を有する微生物分類群が本明細書でさらに提供される。いくつかの実施形態では、共製剤は、例えば腸などの、微生物部位における微生物分類群の移植を増加させるために使用される。
【0063】
本明細書に記載のグリカンポリマーは、特定の腸内微生物、例えば、ヒト腸内微生物を標的とするように調整され得る。いくつかの実施形態では、グリコシドヒドロラーゼ(グリコシダーゼ)酵素は、グリカンポリマーを特定の微生物に合わせるように選択される。いくつかの実施形態では、微生物のグリコシドヒドロラーゼ(グリコシダーゼ)プロファイルが決定され、例えば、グリカンポリマーを産生するのに適した条件下でグリカンポリマー調製物を産生するように同定された1つ以上のグリコシドヒドロラーゼ(グリコシダーゼ)を(例えば、インビトロで)使用して、グリカンポリマーをそのプロファイルに合わせる。グリコシドヒドロラーゼは単離(および任意選択により、例えば適当な基質上に、固定化)することができる。いくつかの実施形態では、グリコシドヒドロラーゼは微生物(例えば、グリコシドヒドロラーゼを含む微生物抽出物)から抽出され得る。いくつかの実施形態では、それらの表面および/または細胞内にグリコシドヒドロラーゼを含む微生物細胞(例えば細菌)が使用され得る)。いくつかの実施形態では、(例えば、微生物培養物からの)グリコシドヒドロラーゼを含む上清が使用され得る。いくつかの実施形態では、特定の微生物のグリコシドヒドロラーゼ(グリコシダーゼ)プロファイルは知られていない、または決定されていないが、微生物に由来する酵素を使用して(例えば、単離、抽出、全細胞、上清形態など)本明細書に記載の方法においてグリカンポリマーを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のように産生されたグリカンポリマー調製物は、特定の微生物(または微生物群、例えば、同等または類似のグリコシダーゼプロファイルを有する微生物群)およびそのグリコシダーゼ機構に対する特異的基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、微生物または微生物群によって、例えば、ヒト対象の胃腸管において、特異的に発酵される(例えば、グリカンポリマーは、例えば異なるグリコシダーゼプロファイルを有する、別の微生物(または微生物群)と比較した場合、より速い速度でまたはより高度に発酵される)。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、特定の微生物に増殖上の利点を付与する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、微生物代謝産物、例えば、特定の微生物によって作製される代謝産物、または特定の微生物によって作製されない微生物代謝産物の産生を調節するために利用され得る。後者の場合、特定の微生物は、別の微生物、望ましくない微生物代謝産物を産生する微生物と競合する可能性があり、特定の微生物による競合の成功は、より低いレベルの微生物代謝産物をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、移植を必要とする対象に投与される特定の微生物の対象の微生物叢(例えば、腸内細菌叢、例えば結腸内細菌叢)への移植を促進するために使用され得る。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、移植部位(例えば腸)の既存の微生物叢における移植をより成功させるために、例えば空間および栄養素について、競合を成功させる、特定の微生物に増殖上の利点を付与する。
【0064】
定義
本発明は、特定の実施形態に関して、および特定の図を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。以下に記載される用語は、他に示されない限り、一般的にその常識で理解されるべきである。
【0065】
微生物分類群の「存在度」は、本明細書において使用される場合、相対的な用語であり、胃腸管内の共同体等の定義された微生物生態学的地位、または宿主生物全体(例えば、疾患のヒトまたは実験動物モデル)における微生物分類群の他の分類群に対する相対的な存在を指す。
【0066】
用語が本明細書に使用される場合、「取得する」または「取得すること」は、例えば、値または物理的実体を「直接取得すること」または「間接的に取得すること」によって、値、例えば、数値、または画像、または物理的実体(例えば試料)を入手することを指す。「直接取得すること」は、処理を行って(例えば、合成または分析方法またはプロトコルを行って)、値または物理的実体を得ることを意味する。「間接的に取得すること」とは、値または物理的実体を別の団体または供給元(例えば、物理的実体または値を直接取得した第3者研究所)から受領することを指す。値または物理的実体を直接取得することは、物理的物質の物理的変化または機械もしくはデバイスの使用を含む処理を行うことを含む。値を直接取得することの例は、ヒト対象から試料を得ることを含む。値を直接取得することは、機械もしくはデバイス、例えば、NMR分光計を使用して、NMRスペクトルを得る処理を行うことを含む。
【0067】
例えば、グリカンポリマーの種類に関連して、本明細書に使用される場合、「明確に区別できる」は、それが化学的および/または構造的に他と異なることを意味するものとする。例えば、2つの糖が化学的に異なる場合(例えば、フコースおよびキシロース)、または構造的に異なる場合(例えば、環状対非環状、L体対D体)、それらは「明確に区別できる」。2つの二量体が同じ2つの単量体からなるが、一方の対がアルファ−1,4結合を含み、他方の対がベータ−1,6結合を含む場合、それらは明確に区別できる。明確に区別できる実体は、当該技術分野で知られている、および/または本明細書に記載される方法によって検出することができる任意の他の適切な別個の特徴または特性を有し得る。
【0068】
本明細書に使用される場合、「投薬レジメン」、「投与レジメン」、または「治療レジメン」は、治療目標を達成する薬物投与のモダリティである。投薬レジメンは、投与経路、単位用量、投薬頻度、または治療の長さのうちの1つ、2つ、3つ、または4つの定義を含む。
【0069】
「ディスバイオシス」とは、正常な多様性、第1の細菌分類群の第2の細菌分類群に対する割合、および/または生態学的ネットワークの機能(例えば、代謝産物の生成)が破壊された、または不安定である、例えば、胃腸管内の微生物叢の、不均衡な状態を指す。この望ましくない、例えば、不健康な状態は、宿主対象に必須機能をもはや提供せず、それゆえに、一実施形態では、対象における健康をもはや促進しない、または望まれていない症状と関連する、微生物叢(例えば、細菌分類群)の多様性の減少もしくは増加、1つ以上の病原体もしくはパソビオントの過剰増殖、または生物学的微生物共同体へのシフトが含まれるが、これらに限定されない、多くの因子によるものであり得る。一実施形態では、代謝産物の産生は、疾患または障害の発症に寄与するように調節される。
【0070】
組成物(例えば、医薬組成物など)または薬剤の「有効量」および「治療有効量」という用語は、組成物または薬剤の所望の効果を提供するのに十分な量を意味する。いくつかの実施形態では、医師または他の医療従事者は、適切な量および投与レジメンを決定する。有効量はまた、医学的状態の発症または再発を防ぐ組成物(例えば、医薬組成物など)または薬剤の量を指す。
【0071】
「微生物移植」または単に「移植」とは、(例えば、本明細書に記載のシンバイオティクスの形態で、例えば、微生物分類群を対照に投与することによって)移植前にヒト対象において過少発現されるか(例えば健康な参照対象に対して)、または存在しない(例えば、検出不能である)、標的ニッチ(例えば、結腸(colon)または腸(intestine)などのヒトの腸(gut))における微生物分類群の定着(例えば増殖)を指す。移植した微生物分類群は、一時的な期間定着し得、または微生物分類群の移植後の対象を占める微生物叢において長期安定性を示し得る。いくつかの実施形態では、移植した微生物分類群は、ディスバイオシスから健康状態へのシフトを表現する、標的ニッチでの環境シフトを誘発し得る。
【0072】
「フラクトオリゴ糖」または「FOS」は、これらの用語が本明細書において使用される場合、任意選択により末端グルコースを含む、以下の配列からなるフルクトースポリマーを指す:ベータ2,1、ベータ2,6、アルファ1,2およびベータ1,2グリコシド結合の1つ以上からなる(Fru)n−Glc(ここで、nは、通常、3〜10である)。変異体には、主鎖中のフルクトシル単位間のイヌリン型β−1,2およびレバン型β−2,6結合が含まれる。一実施形態では、FOSは、Meyer,Biotechnological Production of Oligosaccharides−Applications in the Food Industry,Chapter two,Food technology and Industry,2015,(Meyer 2015)の参考文献8、24、25、61、67、69、72、170、または176〜186、または21、29、170、176、または222のいずれかに記載の方法によって作製され、この文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、FOSは、Diez−Municio et al.,2014,Synthesis of novel bioactive lactose−derived oligosaccharides by microbial glycoside hydrolases,2014,Microbial Biotecnhology,7:315−313(Diez−Municio et al.2014)において見出されるSangeetha et al.2005,2014に記載されているか、またはそれに記載さる方法によって作製されたFOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、FOSは、B.マセランス(B.macerans)、Z.モビリス(Z.mobilis)、L.ロイテリー(L.reutri)、A.ニガー(A.niger)、A.ヤポニクス(A.japonicas)、A.フェチダス(A.foetidus)、A.シドウイイ(A.sydowi,b)、A.プルランス(A.pullans)、C.プルプレア(C.purpurea)、F.オキシスポルム(F.oxysporum)、P.シトリヌム(P.citrinum)、P.フレクエンタンス(P.frequentans)、P.スピヌロサム(P.spinulosum)、P.ルグロサム(P.rigulosum)、P.パラシティカ(P.parasitica)、S.ブレビカウリス(S.brevicaulis)、S.セレビシエ(S.cerevisiae)、またはK.マルキシアヌス(K.marxianus)由来の酵素から作られる。実施形態では、FOSは、フルクトシルトランスフェラーゼ、β−フルクトフラノシダーゼ(EC 3.2.1.26)、イヌロスクラーゼ(EC 2.4.1.9)、レバンスクラーゼ(EC 2.4.1.10)、またはエンドイヌリナーゼの酵素作用によって産生される。
【0073】
本明細書において使用される「ガラクトオリゴ糖」または「GOS」は、ラクトースから産生され、2〜8個のサッカリド単位を有する物質の混合物を指し、その単位の1つは末端グルコースであり、残りの単位はガラクトース、および2単位のガラクトースを含む二糖類である。一実施形態では、GOSは、β−(1,4)またはβ−(1,6)結合によって大部分が結合しているガラクトピラノシルオリゴマー(DP=3〜8)の混合物であるが、低い割合でβ(1,2)またはβ−(1,3)結合も存在し得る。末端グルコシル残基は、β−(1,4)結合によってガラクトシル単位に結合している。
【0074】
GOSは、比較的高濃度のラクトースにおいて、ラクトースに対するβ−ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23)の逆作用によって合成される。一実施形態では、GOSは、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、クルイベロミセス種(Kluyveromyces sp.)、クルイベロミセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)、例えば、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、大腸菌(Escherichia coli)K−12、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、S.シングラリス(S.singularis)、S.サーモフィルス(S.thermophiles)、またはC.ローレンティイ(C.laurentii)からのβ−ガラクトシダーゼの酵素作用によって合成される。一実施形態では、GOSは、Meyer 2015の参考文献8、105、または196〜206、または105、120、198、202〜205、または223〜227のいずれかに開示されているか、またはこれに記載された方法によって作製されたGOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、GOSは、Diez−Municio et al.,2014に見出されるPanesar et al.2006またはTorres et al 2010,2014に記載されているか、またはこれらに記載された方法によって作製されたGOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
「グルコオリゴ糖」または「GLOS」は、本明細書において使用される用語としては、グルコースサブユニットのポリマーを指す。GLOSの主な結合は、(Glc)n[α(1→2)、α(1→3)、α(1→4)、およびα(1→6)]である。一実施形態では、GLOSはデキストランスクラーゼ(EC 2.4.1.5)を用いて作製される。一実施形態では、細菌(L.メセンテロイデス(L.mesenteroides);L.シトレウム(L.citreum))由来の酵素を用いてGLOSを産生することができる。一実施形態では、GLOSは、Diez−Municio et al.,2014,Synthesis of novel bioactive lactose−derived oligosaccharides by microbial glycoside hydrolases,2014,Microbial Biotecnhology,7:315−313において見出されるRemaud et al.,1992、Chung and Day,2002またはKim et al.,2014のいずれかに記載されているか、またはそれに記載さる方法によって作製されたGLOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
本明細書において使用される場合、「グリカンポリマー調製物」(「グリカンポリマーの調製物」、「グリカン調製物」または「グリカンポリマー」とも称される)は、所望の効果(例えば、治療効果)を示すグリカンポリマーを含む調製物である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、1つ以上の天然に存在するオリゴ糖、例えば、グルコオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、イヌリン、リクノース、マルトテトラオース、ニゲロテトラオース、ニストース、セセモース(sesemose)、スタキオース、イソマルトトリオース、ニゲロトリオース、マルトトリオース、メレジトース、マルトトリオース(maltotriose)、ラフィノース、ケストース、フラクトオリゴ糖、2’−フコシルラクトース、ガラクトオリゴ糖、グリコシル、イドラパリナックス、イソマルトオリゴ糖、マルトデキストリン、キシロオリゴ糖、寒天、アガロース、アルギン酸、アルグロン酸、アルファグルカン、アミロペクチン、アミロース、アラビオキシラン、ベータ−グルカン、カロース、カプシュラン(capsulan)、カラギナン、セロデキストリン、セルリン、セルロース、キチン、キチンナノフィブリル、キチン−グルカン複合体、キトサン、クリソラミナリン、カードラン、シクロデキストリン、アルファ−シクロデキストリン、デキストラン、デキストリン、ジアルデヒドデンプン、フィコール、フルクタン、フコイダン、ガラクトグルコマンナン、ガラクトマンナン、ガラクトサミノガラクタン、ゲランガム、グルカン、グルコマンナン、グルクロノキシラン、グリコカリックス、グリコーゲン、ヘミセルロース、ヒプロメロース、イコデキストリン、ケフィラン、ラミナリン、レンチナン、レバン多糖、リケニン、マンナン、粘液、天然ガム、パラミロン、ペクチン酸、ペクチン、ペンタスターチ、植物グリコーゲン、プルーラン、ポリギーナン、ポリデキストロース、ポルフィラン、プルラン、シゾフィラン(schizophyllan)、セファロース、シニストリン、シゾフィラン(sizofiran)、スガマデックス、ウェランガム、キサンタンガム、キシラン、キシログルカン、ザイモサンなどを含有しない。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、塩、例えば、薬学的に許容される塩として存在する。
【0077】
本明細書において使用される場合、「グリカンサブユニット」は、本明細書で開示されるグリカン種の個々の単位、例えば、グリカン種を作る構成要素を指す。一実施形態では、グリカンサブユニットは、モノマーである。一実施形態では、グリカンサブユニットは、ダイマーである。一実施形態では、グリカンサブユニットは、単糖類である。一実施形態では、グリカンサブユニットは、二糖類である。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは、炭水化物であり、糖アルコール、短鎖脂肪酸、糖酸、イミノ糖、デオキシ糖、およびアミノ糖から選択され得る。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは、エリトロース、トレオース、エリトルロース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、フコース、フクロース、ラムノース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース等である。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは、グルコース、ガラクトース、アラビノース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、またはラムノースである。実施形態では、グリカンは、別個のグリカンサブユニット、例えば、第1および第2の単糖類、または第1および第2の二糖類を含む。実施形態では、グリカンは、別個のグリカンサブユニット、例えば、第1、第2、第3、第4、および/または第5の別個のグリカンサブユニットを含む。
【0078】
本明細書において使用される場合、「グリコシダーゼ酵素分子」は、グリコシダーゼ酵素の活性を保持するかまたは有するポリペプチドを含み、例えば、これは、グリコシダーゼ酵素の代謝回転率の少なくとも約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.9%を保持するかまたは有し、またはグリコシダーゼ酵素の特異性の少なくとも約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.9%を保持するかまたは有し、またはグリコシダーゼ酵素のグリカンサブユニットに対する親和性の少なくとも約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.9%を保持するかまたは有する。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、グリコシダーゼ酵素の代謝回転率の少なくとも約110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、300%、400%、または500%であるグリコシダーゼ酵素の活性を有する、またはグリコシダーゼ酵素のグリカンサブユニットに対する親和性の少なくとも110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、300%、400%、または500%を有する、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、グリコシダーゼ酵素のフラグメント(例えば、活性フラグメント)である。いくつかの実施形態において、グリコシダーゼ酵素分子は、グリコシダーゼ酵素と比較して少なくとも1、2、3、4、5、10、25、50、75、100またはそれを超えるアミノ酸残基で異なる。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、グリコシダーゼ酵素と比較して少なくとも1、2、3、4、5、10、25、50、75、100アミノ酸の突然変異(例えば、欠失、付加または置換)を含む。
【0079】
本明細書において使用される場合、「グリコシダーゼ酵素」は、グリコシダーゼ(「グリコシドヒドロラーゼ」(GH)とも称される)、グリコシルトランスフェラーゼ(GT)およびリアーゼを含む。
【0080】
本明細書において使用される場合、「グリコ分類群」とは、代謝(例えば、酵素)機能の有無(例えば、欠如)に従って分類された細菌性微生物(例えば、ヒト腸内微生物)を指す。いくつかの実施形態では、分類群は、CAZyグリコシダーゼ/グリコヒドロラーゼ(GH)またはCAZyグリコシルトランスフェラーゼ(GT)酵素機能に従って分類され得る。いくつかの実施形態では、細菌分類群は、グリコ分類群クラス1、グリコ分類群クラス2、グリコ分類群クラス3、グリコ分類群クラス4、グリコ分類群クラス5、グリコ分類群クラス6、またはグリコ分類群クラス7のいずれか1つに分類され得る。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス1は、butおよび/またはbuk遺伝子含有細菌分類群を含有する。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス2は、cutC遺伝子陰性細菌分類群を含有する。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス3は、ウレアーゼ遺伝子陰性細菌分類群を含有する。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス4は、プロピオン酸キナーゼ、プロピオン酸CoAトランスフェラーゼ、プロピオン酸CoAリガーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニル−CoAカルボキシトランスフェラーゼ、(S)−メチルマロニル−CoAデカルボキシラーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびプロパナールデヒドロゲナーゼから選択される、1つ以上のプロピオン酸産生関連酵素を除外する。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス5は、7アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、7ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(NADP+)、2ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NAD+)、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3アルファ−ヒドロキシ胆汁酸−CoA−エステル3−デヒドロゲナーゼ、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NAD+)、胆汁酸CoA−トランスフェラーゼ、胆汁酸7アルファ−デヒドラターゼ、および胆汁酸CoAリガーゼから選択される、胆汁酸産生(例えば、二次胆汁酸産生)関連酵素を含む。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス6は、1つ以上のインドール産生関連酵素(例えば、トリプトファナーゼ)を除外する。いくつかの実施形態では、グリコ分類群クラス7は、4−ヒドロキシフェニルアセテートデカルボキシラーゼおよびアルデヒドフェレドキシンオキシドレダクターゼから選択される、1つ以上のp−クレゾール産生関連酵素を除外する。
【0081】
本明細書において使用される「イソマルトオリゴ糖」または「IMOS」は、2〜6の範囲の重合度(DP)を有する主にα−(1,6)−結合したグルコース残基を有するオリゴ糖と、パノースなどのα−(1,6)および時にα−(1,4)グリコシド結合の混合物を有するオリゴ糖との混合物を指す。一実施形態では、IMOSは、α−(1,6)グリコシド結合によってマルトースまたはイソマルトースに結合したグルコシル残基を含む。一実施形態では、IMOSはデンプンを原料として使用して産生される。一実施形態では、これはコーンスターチから産生され、イソマルトース、イソマルトトリオースおよびパノースからなる。一実施形態では、IMOSは、α−アミラーゼ(EC 3.2.1.1)およびプルラナーゼ(EC 3.2.1.41)を使用してデンプンが液化される固定化酵素の組み合わせを使用する酵素転移反応の産物であり、第2段階では、中間生成物は、β−アミラーゼ(EC 3.2.1.2)およびα−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)の両方によって処理される。ベータ−アミラーゼは最初に液化デンプンをマルトースに加水分解する。次いで、α−グルコシダーゼのトランスグルコシダーゼ活性は、α−(1,6)−およびα−(1,4)−結合グルコース残基の両方を有するオリゴ糖を含有するイソマルトオリゴ糖混合物を産生する。一実施形態では、IMOSは、Meyer 2015の参考文献2、または217〜219、または12、152、159、または236のいずれかに記載されているか、またはこれに記載された方法によって作製されたIMOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、IMOSは、Diez−Municio et al.,2014に見出されるPanesar et al.2006またはTorres et al 2010,2014に記載されているか、またはこれらに記載された方法によって作製されたIMOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、IMOSは、α−アミラーゼもしくはプルラナーゼによって、または、β−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの順で、デンプンの酵素的加水分解によって合成される。一実施形態では、IMOSは、A.ニガー(A.niger)、バチルス種(Bacillus spp.)、B.サブチリス(B.subtilis)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、T.マリティマ(T.maritime)、A.カルボナリアス(A.carbonarious)、またはL.メセンテロイデス(L.mesenteroides)由来の酵素によって合成される。
【0082】
本明細書に使用される場合、「単離された」または「精製された」グリカンポリマー調製物は、実質的に純粋であり、かつ混入物質がなく、例えば、病原体、酵素またはそうでなければ、望まれていない生物物質、または毒性またはそうでなければ、望まれていない有機もしくは無機化合物である。いくつかの実施形態では、純粋なまたは単離された化合物、組成物、または調製物は、微量の溶媒および/または塩を含み得る(例えば、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、10%未満、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満、または0.1%)。精製された化合物または調製物は、対象となる化合物のw/w、w/v、v/v、またはモル%で少なくとも約60%(w/w、w/v、v/v、またはモル%で)、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%含有する。例えば、精製された(実質的に純粋な)または単離されたグリカンポリマー調製物は、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、グリカンポリマーの少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、または100%であり(すなわち、いかなる溶媒、例えば、水も含まず、グリカンポリマー調製物は溶解され得る)、例えば、製造、抽出/精製および/または処理中に、それらと同時に生じる構成成分から分離される(例えば、グリカンポリマーが望ましくない化合物を実質的に含まない)ものである。純度は、任意の適切な標準方法によって、例えば、カラムクロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC))、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、または核磁気共鳴(NMR)分光計によって測定され得る。精製されたまたは純度はまた、ヒト対象への投与において安全である、例えば、生存能力のある感染性または毒性薬剤を欠いている、滅菌の度合いも定義し得る。
【0083】
本明細書に使用される「マイクロバイオーム」は、対象(例えば、ヒト対象)内および上に持続的および一時的の両方で生息する微生物群(「微生物相」)の遺伝的内容物であり、これには、真核生物、古細菌、細菌、およびウイルス(細菌ウイルス(例えば、ファージ)を含む)が含まれ、「遺伝的内容物」には、ゲノムDNA、リボソームRNAおよびメッセンジャーRNA等のRNA、エピゲノム、プラスミド、および他の種類のゲノム情報のすべてが包含される。いくつかの実施形態では、マイクロバイオームは、具体的には、生態学的地位における微生物群の遺伝子内容物を指す。
【0084】
「微生物叢」は、本明細書に使用される場合、対象(例えば、ヒト対象)内および上に(持続的および一時的に)生じる微生物群を指し、真核生物、古細菌、細菌、およびウイルス(細菌ウイルス、例えばファージを含む)が包含される。いくつかの実施形態では、微生物叢は、具体的には、生態学的地位における微生物群を指す。
【0085】
「パソビオント」または「(日和見性)病原体」は、本明細書において使用される場合、特定の遺伝学的および/または環境的条件が対象(例えば、ヒト対象)中に存在する場合にのみ、疾患を引き起こすことが可能な共生生物を指す。
【0086】
本明細書において使用される場合、「病原性」という用語(例えば、「病原性細菌」)は、疾患を引き起こす能力を有する物質、微生物、または条件を指す。特定の文脈において、病原体はまた、疾患または状態と関連しているが、(直接的な)原因となる関係が確立されていないか、またはまだ確立されていない、微生物(例えば、細菌)も含む。本明細書において使用される場合、「病原体」という用語は、ウイルス、寄生虫、および細菌、または対象、例えば、ヒトにおいて感染を引き起こし得るその他の病原体を指す。
【0087】
本明細書に使用される場合、「医薬組成物」は、薬理学的活性、または疾患の緩和、治療、もしくは予防におけるその他の直接効果、および/または完成した剤形もしくはその製剤化を有する、組成物または調製物であり、かつヒトに使用されるものである。医薬組成物は、典型的には、適正製造基準(GMP)の条件下で生成される。医薬組成物は、滅菌または非滅菌であり得る。非滅菌である場合、かかる医薬組成物は、微生物学的規格および米国薬局方(USP)またはヨーロッパ薬局方(EP)において記載される非滅菌薬学的製品のための基準を典型的に満たす。医薬組成物は、さらなる活性剤、例えば、さらなる治療剤をさらに含み得るか、またはそれらと共に同時投与され得る。
【0088】
医薬組成物はまた、例えば、さらなる治療剤、ポリフェノール、プレバイオティクス物質、プロバイオティクス細菌、薬学的に許容される賦形剤、溶媒、担体、またはこれらの任意の組み合わせも含み得る。本明細書に記載の任意のグリカンポリマー調製物は、医薬組成物として製剤化され得る。
【0089】
「対象」(場合によっては「患者」)という用語は、本明細書において使用される場合、任意のヒト対象を指す。この用語は、特定の年齢または性別を示すものではない。対象は、妊婦を含み得る。対象は、新生児(早産児、満期新生児)、1歳までの乳児、幼児(例えば、1歳〜12歳)、十代の若者(例えば、13〜19歳)、成人(例えば、20〜64歳)、および高齢者(65歳以上)を含み得る。対象は、農業動物、例えば、農場の動物または家畜、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ等を含まない。
【0090】
「実質的減少」は、本明細書において使用される場合、(例えば、バイオマーカーまたは代謝産物に対して)、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.9%、または100%の減少である。
【0091】
「実質的増加」は、本明細書において使用される場合、例えば、バイオマーカーまたは代謝産物に対して)、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%、1000%、または1000%超の増加である。
【0092】
グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子という用語に関して本明細書において使用される場合、「基質」という用語は、グリコシダーゼ酵素分子の産物であるか、またはグリコシダーゼ酵素分子によって作製されたグリカンポリマーの構造を有するグリカンポリマーを指し、これは、グリコシダーゼ酵素、例えば、ヒト腸内微生物において発現されるグリコシダーゼの基質である。実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、適切な反応条件下で、グリカンサブユニットの重合を触媒して基質を形成し、グリコシダーゼ酵素は、適切な反応条件下で、基質のグリカンサブユニット間の結合(実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子によって形成された同じ結合)を切断する。一実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子およびグリコシダーゼ酵素は、同一の一次アミノ酸配列を有し、例えば同じ酵素である。実施形態では、基質は以下の特性のうちの1つ以上を有する:
i)基質およびグリコシダーゼ酵素の代謝回転速度が、少なくとも、グリコシダーゼ酵素の少なくとも1つの天然に存在する基質の10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、または99%である程度に、グリコシダーゼ酵素の天然に存在する基質と類似している。代謝回転速度は、例えば、単位時間当たり、例えば1分もしくは1時間当たりの切断されたグリコシド結合、または単位時間当たり、例えば1時間もしくは1分当たりのグリカンポリマーの解重合の速度、に関して表すことができる;ii)グリコシダーゼ酵素に対する結合定数が、少なくとも、グリコシダーゼ酵素の少なくとも1つの天然に存在する基質の10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、または99%であり、実施形態では、グリコシダーゼ酵素の少なくとも1つの天然に存在する基質の1、2、3、4、5、10、50、または100倍以下である;およびiii)グリコシダーゼ酵素に対する結合モチーフ、グリコシダーゼ酵素分子に対する結合モチーフ、およびグリコシダーゼ酵素の少なくとも1つの天然に存在する基質が、1つ以上の特定のグリカンサブユニット、例えば、特定の糖ダイマー、特定の糖分岐点、特定のアルファ−またはベータ配置、特定の位置化学、例えば、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−または1,6−結合、を共有する;およびiv)基質が酵素分子を発現するヒト腸内微生物の増殖または代謝を促進する。
【0093】
「合成物質」は、本明細書において使用される場合、天然に存在しない、グリカンポリマー調製物等の人工の化合物または調製物を指す。一実施形態では、本明細書に記載の非酵素ポリマー触媒は、適当な反応条件下、例えば、反応物に添加される個々のグリカンサブユニットからオリゴマーを作製する重合反応によって、調製物のグリカンを合成するために使用される。いくつかの実施形態では、非酵素ポリマー触媒は、加水分解剤として作用し、グリコシド結合を破壊し得る。他の実施形態では、非酵素ポリマー触媒は、グリコシド結合を形成し得る。一実施形態では、本明細書に記載のグルコシダーゼ酵素分子は、適当な反応条件下、例えば、反応物に添加される個々のグリカンサブユニットからオリゴマーを作製する重合反応によって、調製物のグリカンを合成するために使用される。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、加水分解剤として作用し、グリコシド結合を破壊し得る。他の実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子はグリコシド結合を形成することができる。一実施形態では、固相オリゴ糖合成は、適当な反応条件下、例えば、反応物に添加される個々のグリカンサブユニットからオリゴマーを作製する重合反応によって、調製物のグリカンを合成するために使用される。合成グリカンポリマー調製物はまた、天然のオリゴ糖源または多糖源から単離されないグリカンポリマーも含み得る。グリカンポリマー調製物は天然のオリゴ糖源または多糖源から単離されないが、グリカンポリマーを作り上げるグリカンサブユニットは、本明細書に列挙されるものを含む、天然のオリゴ糖源または多糖源であり得、しばしば、それらから単離されるか、またはデノボ合成されることを理解されよう。
【0094】
本明細書に使用される場合、「治療すること」および「治療」という用語は、症状の重症度および/または頻度の減少に影響を及ぼす、症状および/またはその根本原因を解消する、かつ/または損傷の改善もしくは修復を促進する、かつ/または特定の有害な状態、障害、もしくは疾患にかかりやすい、または状態、障害、もしくは疾患を発症するもしくはそれらを発症する危険性がある無症候性対象(例えば、ヒト対象)における有害な状態、障害、もしくは疾患を予防するための、対象(例えば、有害な状態、障害、もしくは疾患を患っている症候性の対象)への薬剤または組成物の投与を指す。
【0095】
「治療用栄養製品」は、単独でまたは第2の療法(例えば薬物療法)と組み合わせて投与された場合に治療効果を提供する食品製品であり、第2の療法と組み合わせた場合、これは相加的または相乗的な治療効果を提供する、または第2の療法による負の効果を緩和または軽減する(例えば、副作用の軽減)。治療用栄養製品は、推奨される食事(例えば、医師または栄養士、または栄養学、ヒトの栄養における他の専門家によって)、および食事の規制(例えば、対象の病状および個々のニーズに基づく)の一部を形成する。
【0096】
「キシロオリゴ糖」または「XOS」は、この用語が本明細書において使用される場合、β−(1,4)によって結合されたキシロース単位の糖オリゴマーを指す。キシロース残基の数は2から10まで変化するが、主にキシロビオース、キシロトリオースおよびキシロテトラオースからなる。アラビノフラノシル、グルコピラノシルウロン酸またはその4−O−メチル誘導体(2−もしくは3−アセチルもしくはフェノール置換基)も存在し得、分岐XOSを生じる。一実施形態では、XOSは、主に直鎖β−(1,4)−結合XOS(主にキシロビオース、キシロトリオースおよびキシロテトラオース)、および分岐アラビノース残基を有するいくつかのオリゴ糖である。一実施形態では、XOSは、リグノセルロース材料からのβ−キシラナーゼを用いて作製される。一実施形態では、キシランは、エンド−β−1,4−キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)またはベータ−キシロシダーゼ(EC 3.2.1.9)によってキシロオリゴ糖へと酵素的に加水分解される。一実施形態では、XOSは、キシランの酵素分解によって、例えば、エンド−β−1,4−キシラナーゼ、エキソ−β−1,4−キシロシダーゼ、α−グルクロノシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、またはp−クマル酸エステラーゼによって、作製される。一実施形態では、XOSは、Meyer 2015の参考文献152、159、162、179、214〜216、または232のいずれかに開示されているか、またはこれに記載された方法によって作製されたXOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、XOSは、Diez−Municio et al.,2014に見出されるCasci and Rostal,2006に記載されているか、またはこれに記載された方法によって作製されたXOSであり、これらの文献は、それぞれの参考文献と共に、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、XOSは、T.リーゼイ(T.reesei)、T.ハルジアナム(T.harzianu)、T.ビリデ(T.viride)、T.コニンギイ(T.koningii)、T.ロンギブラキアタム(T.longibrachiatum)、P.クリソスポリウム(P.chyrosporium)、G.トラベウム(G.trabeum)、またはA.オリザエ(A.oryzae)のいずれかからのキシラナーゼによって合成される。
【0097】
「含む」という用語が本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、それは他の要素を排除するものではない。本発明の目的において、用語「からなる(consisting of)」は用語「を含む(comprising of)」の好ましい実施形態であると考えられる。以下、ある群が少なくとも一定数の実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるべきである。
【0098】
単数名詞を指す場合に不定冠詞または定冠詞が使用されている場合、例えば、「a」、「an」または「the」は、他に特に述べられていない限り、その名詞の複数形を含む。
【0099】
処置または診断の方法に関する特許請求の範囲および開示は、「…における使用のための化合物、組成物、産物など」または「…のための医薬品、医薬組成物、診断用組成物などの製造における化合物、組成物、産物などの使用」と同等の実施形態および請求項の開示として見なされ、そのような化合物、組成物、産物などは、ヒトまたは動物の体で実施され得る診断方法または処置方法において使用されるべきであることを示す。したがって、実施形態または特許請求の範囲が「疾患に罹患している疑いのあるヒトまたは動物に化合物を投与することによる処置方法」を指す場合、これはまた、「疾患に罹患している疑いのあるヒトまたは動物を処置するための医薬の製造における化合物の使用」または「疾患に罹患している疑いのあるヒトまたは動物の処置における使用のための化合物」の開示であると見なされる。例として、ある量のグリカンポリマー調製物を投与することによる、望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸)に関連する疾患または障害を有する対象を処置する方法への言及は、(i)望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸)に関連する疾患または障害を有する対象の処置における使用のためのグリカンポリマー調製物、または(ii)望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸)に関連する疾患または障害を有する対象を処置するための医薬の製造におけるグリカン組成物の使用の開示であると見なされる。
【0100】
投与(例えば、グリカン組成物の)による個体または個体の集団の処置方法につき言及される場合が参照される場合は常に、そのような言及は、好ましい実施形態において、例えば、個体または集団が、そのマイクロバイオーム組成物に起因して特定の処置に対して感受性であるかどうか、成功したかどうかなどの、決定に役立ち得る、そのような処置の過程における分析的、診断的工程などを企図する。例として、ある量のグリカンポリマー調製物を投与することによる、望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、リポ多糖類(LPS))、または胆汁酸)に関連する疾患または障害を有する対象を処置する方法への言及はまた、そのような方法の開示であると見なされ、ここで、好ましい実施形態において、対象は、(i)処置を開始する前に、最初に代謝物の性質およびレベルについて試験される、(ii)グリカン組成物の投与を腸内の微生物グリコシダーゼ酵素組成物に適合させるために、そのマイクロバイオームの組成について試験される、(iii)グリカン組成物の投与が代謝産物のレベルに及ぼす影響をモニターするために処置の過程で試験される、などである。
【0101】
「〜によって得ることができる」、「〜によって産生可能である」などの用語は、特許請求の範囲または実施形態がそれ自体化合物、組成物、産物などを指すこと、すなわち、化合物、組成物、産物などを、化合物、組成物、産物などの産生について記載されている方法によって得ることができる、または産生することができるが、化合物、組成物、産物などは、記載されたもの以外の方法によっても得られ得る、産生され得ることを示すために使用される。用語「によって得られる」、「によって産生される」などは、化合物、組成物、産物が、列挙された特定の方法によって得られるかまたは産生されることを示す。「〜によって得ることができる」、「〜によって産生可能な」などの用語はまた、「〜によって得ることができる」、「〜によって産生可能な」などの好ましい実施形態として、「〜によって得られる」、「〜によって産生される」などの用語も開示する。
【0102】
好ましい実施形態としての本開示はまた、本明細書に記載の個々の態様および実施形態をどのように組み合わせることができるかも開示することをさらに理解されたい。例えば、表3は代謝産物と門および株との間の関連性を開示しており、一方表5は代謝産物と疾患との間の関連性を開示している。したがって、当業者はこの情報を併せて検討し、例えば特定の疾患を処置するために代謝産物のレベルを低下させるために、どの微生物が影響を受けなければならないかを理解するであろう。
【0103】
本明細書において使用される場合、「相同性」および「配列同一性」(本明細書において互換的に使用される)は、配列(例えば、アミノ酸配列または核酸配列)が他の配列にどれほど類似するかの尺度である。2つの配列間の「相同性」または「配列同一性」(これらの用語は本明細書において互換的に用いられる)の計算は以下のようにして行われる。最適な比較の目的で、配列がアラインメントされる(例えば、最適なアラインメントのために第1および第2のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができ、比較目的で非相同配列を無視することができる)。最適なアラインメントは、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを使用して、ギャップペナルティ12、ギャップ拡張ペナルティ4、およびフレームシフトギャップペナルティ5を有するBlossum62スコアリングマトリックスを用いて、最良のスコアとして決定される。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、その分子はその位置において同一である(本明細書において使用される場合、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と同等である)。2つの配列間の同一性パーセントは、配列が共有する同一の位置の数の関数である。
【0104】
グリカンポリマーの作製方法
グリカンポリマー調製物は、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて産生され得る。
【0105】
グリカンポリマー組成物は、本明細書中に記載されるグリカン、食物繊維、例えば、FOS(フルクトオリゴ糖)、その他の糖類(例えばモノマー、ダイマー、例えば、ラクツロース(lactulose)など)、および糖アルコール、ならびに、任意選択により、他の成分、例えば、ポリフェノール、脂肪酸、ペプチド、微量栄養素など、例えば、国際公開第2016/172658号パンフレット、“MICROBIOME REGULATORS AND RELATED USES THEREOF”に記載されるもの、および細菌などの微生物を含み得る。
【0106】
国際公開第2016/122889号パンフレット、“GLYCAN THERAPEUTICS AND RELATED METHODS THEREOF”および国際公開第2016/172657号パンフレット“GLYCAN THERAPEUTICS AND METHODS OF TREATMENT”(これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるグリカン調製物は、本明細書に記載の方法および組成物に好適である。
【0107】
グリカンポリマーを含む調製物は、非酵素触媒、例えば、国際公開第2012/118767号パンフレット、“POLYMERIC ACID CATALYSTS AND USES THEREOF”に記載のポリマー触媒、または他の好適な方法によって生成することができる。他の酸触媒(例えば、固体触媒)を使用してもよい。本明細書に記載されるポリマー触媒および固体担持触媒を調製する方法は、国際公開第2014/031956号パンフレット、“POLYMERIC AND SOLID−SUPPORTED CATALYSTS、AND METHODS OF DIGESTING CELLULOSIC MATERIALS USING SUCH CATALYSTS”中に見出すことができる。例えば、国際公開第2016/007778号パンフレット、“OLIGOSACCHARIDE COMPOSITIONS AND METHODS FOR PRODUCING THEREOF”に記載されているような触媒を使用することによって生成されるグリカンは、本明細書に記載の方法および組成物に好適である。すべての特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0108】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、固相オリゴ糖合成により、例えば、グリカン合成を達成する種々の保護基を用いて、作製される。例示的な方法は、“Solid−Phase Oligosaccharide Synthesis and Combinatorial Carbohydrate Libraries”,Peter H.Seeberger and Wilm−Christian Haase,American Chemical Society,2000;および“Opportunities and challenges in synthetic oligosaccharide and glycoconjugate research”,Thomas J.Boltje et al.,Nat Chem.2009 November 1;1(8):611−622に記載されている。
【0109】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、反応物に添加された個々のグリカンサブユニットからオリゴマーを生成する重合反応によってグリカンを合成するために、本明細書に記載されるような酵素触媒(例えば、単離されたまたは細菌において発現された、グリコシダーゼまたはグリコシルトランスフェラーゼ)を用いて合成され得る。例示的な方法は、“Synthesis and Purification of Galacto−Oligosaccharides:State of the Art”,Carlos Vera et al.,World J.Microbiol Biotechnol.2016;32:197;“Synthesis of Novel Bioactive Lactose−Derived Oligosaccharides by Microbial Glycoside Hydrolases”,Marina Diez−Municio et al.,Microbial Biotechnol.2014;7(4),315−331;および“Methods of Improving Enzymatic Trans−Glycosylation for Synthesis of Human Milk Oligosaccharide Biomimetics”,Birgitte Zeuner et al.,J.Agric.Food Chem.2014,62,9615−9631、国際公開第2005/003329号パンフレット“NOVEL GALACTOOLIGOSACCHARIDE COMPOSITION AND THE PREPARATION THEREOF”に記載され、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
いくつかの実施形態では、グリカン調製物は、デンプンなどのグリカンポリマーおよび(本明細書に記載されるような)食物繊維などの他の繊維を使用して調製され得、1つ以上のグリカン(または繊維)特性、例えば、重合度(例えば解重合)、分岐度(例えば脱分岐)、またはグリコシド結合分布を(例えば、新しい種類のグリコシド結合の付加または既存の結合の除去によって)変化させるために、それらを触媒(例えば、酸触媒、固体またはポリマー触媒、酵素触媒)に供する。コーンシロップのための例示的な方法は、米国特許出願公開第2016/0007642号明細書の実施例101に記載され、これは参照により組み込まれる。消化抵抗性デンプンの調製に使用されるものなどの、他の方法(例えば、M.G.Sajilata et al.,“Resistant Starch−A Review,” Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety−Vol.5,2006、および米国特許出願公開第2006/0257977号明細書“Slowly digestible starch”に記載される)、例えば、熱処理、酵素処理、化学処理、またはそれらの組み合わせなどは、本明細書に記載のグリカン調製物を産生するために使用され得る。
【0111】
グリカンサブユニット
本発明は、腸内微生物(例えば、ヒト腸内細菌)の基質であるグリカンポリマーの作製方法または調製物の製造方法を特徴とする。前記方法のための出発物質は、糖モノマー(例えば、単糖)、糖ダイマー(例えば、二糖)、糖トリマー(例えば、三糖)、またはそれらの組み合わせを含むグリカンサブユニットである。
【0112】
出発物質は、フラノース糖またはピラノース糖を含み得る。いくつかの実施形態では、出発物質は、テトロース、ペントース、ヘキソース、またはヘプトースを含む。いくつかの実施形態では、出発物質は、グルコース、ガラクトース、アラビノース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、およびラムノースを含む。グリカンサブユニット出発物質は、それらのL型またはD型、アルファまたはベータ配置、および/または該当する場合はデオキシ型、およびそれらの任意の組み合わせのいずれでもよい。
【0113】
本明細書に記載の方法において使用されるグリカンサブユニットは、C5単糖またはC6単糖などの単糖を含み得る。いくつかの実施形態では、単糖はC5単糖である。いくつかの実施形態では、単糖はC6単糖である。グリカンサブユニットは、例えばC5単糖またはC6単糖を含む二糖などの二糖を含み得る。いくつかの実施形態では、二糖はC5単糖を含む。いくつかの実施形態では、二糖は2つのC5単糖を含む。いくつかの実施形態では、二糖はC6単糖を含む。いくつかの実施形態では、二糖は2つのC6単糖を含む。いくつかの実施形態では、二糖は、C5単糖のうちの1つおよびC6単糖のうちの1つを含む。
【0114】
本明細書において使用されるグリカンサブユニット出発物質は、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、トレオース、エリトルロース(erythulose)、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、フコース、フクロース、ラムノース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、ノイラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、フルクトサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、ソルビトール、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、および乳酸から選択される単糖類であってもよい。
【0115】
本明細書において使用されるグリカンサブユニット出発物質は、アカルビオシン、N−アセチルラクトサミン、アロラクトース、セロビオース、キトビオース、グラクトース−アルファ−1,3−ガラクトース、ゲンチオビオース、イソマルト、イソマルトース、イソマルツロース、コージビオース、ラクチトール、ラクトビオン酸、ラクトース、ラクツロース、ラミナリビオース、マルチトール、マルトース、マンノビオース、メリビオース、メリビウロース、ネオヘスペリドース、ニゲロース、ロビノース、ルチノース、サンブビオース、ソホロース、スクラロース、スクロース、スクロースアセテートイソブチレート、オクタアセチルスクロース、トレハロース、ツラノース、ビシアノース、およびキシロビオースから選択される二糖類またはより大きいサブユニットであってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは未活性化グリカンサブユニットである。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは、例えばヌクレオシド、ヌクレオチド(例えば、UTP、UDP、UMP、GTP、GDP、GMP、ATP、ADP、AMP、CTP、CDP、CMP)、またはリン酸基で活性化される、活性化グリカンサブユニットである。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットはUDP糖またはUMP糖である。
【0117】
いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは、アセチル基、酢酸エステル、硫酸半エステル、リン酸エステル、またはピルビル環状アセタール基と置換されるか、または誘導体化されるか、あるいは、そうでなければ、例えば、1つ以上のヒドロキシル基またはアミン基で誘導体化されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットは、アミノ糖、デオキシ糖、イミノ糖、糖酸、または糖アルコールを含む。例示的なアミノ糖は、アカルボース、N−アセチルエマンノサミン、N−アセチルムラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチルエタロサミヌロニン酸(acetyletalosaminuronic acid)、アラビノピラノシル−N−メチル−N−ニトロソ尿素、D−フルクトース−L−ヒスチジン、N−グリコリルノイラミン酸、ケトサミン、キダマイシン、マンノサミン、1B−メチルセレノ−N−アセチル−D−ガラクトサミン、ムラミン酸、ムラミルジペプチド、ホスホリボシールアミン、PUGNAc、シアリル−Lewis A、シアリル−Lewis X、バリダマイシン、ボグリボース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコミサン、アスパルチルグルコサミン、バシリチオール、ダウノサミン、デソサミン、フルクトサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、メグルミン、およびペロサミン等を含む。例示的なデオキシ糖は、1−5−アヒドログルシトール、クラジノース、コリトース、2−デオキシ−D−グルコース、3−デオキシグルカソン、デオキシリボース、ジデオキシヌクレオチド、ジギタロース、フルデオオキシグルコース、サルメントース、およびスルホキノボースを含む。例示的なイミノ糖は、カスタノスペルミン、1−デオキシノジリマイシン、イミノ糖、ミグリトール、ミグルスタット、およびスワインソニンを含む。例示的な糖酸は、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチルタロサムヌロニン酸(acetyltalosamnuronic acid)、アルダル酸、アルドン酸、3−デオキシ−D−マンノ−オクト−2−ウロソニック酸、グルクロン酸、グルコサミンウロニック酸、グリセリン酸、N−グリコリルノイラミン酸、イズロン酸、イソサッカリン酸、パンガミン酸、シアル酸、トレオン酸、ウロソニック酸、ウロニック酸、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ケトデオキシオクツルソニック酸、ガラクツロン酸、ガラクトサミヌロン酸、マンヌロン酸、マンノサミヌロン酸、酒石酸、粘液酸、糖酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、ヘキサン酸、フマル酸、マレイン酸、酪酸、クエン酸、グルコサミン酸、リンゴ酸、スクシンアミド酸、セバシン酸、およびカプリン酸等を含む。例示的な糖アルコールは、メタノール、エチレングリコール、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イジトール、ボレミトール、フシトール、イノシトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、およびポリグリシトールを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、グリカンサブユニット出発物質は、例えば、塩酸塩(hydrochlorate)、ヨウ化水素酸塩(hydroiodate)、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルファート、酢酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩等の塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)である。
【0120】
本明細書に記載の方法において使用されるグリカンサブユニットは、任意に市販の公知の供給源から得てもよく、または任意の当該技術分野において公知の方法に従って産生してもよい。いくつかの実施形態では、加水分解は、本明細書に記載のグリカンを産生するのに適している構成成分の単糖類またはオリゴ糖を産生するために使用され得る。グリカン単位、例えば、単糖類等は、多くの異なる形態、例えば、配座異性体、環状形態、非環状形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、および異性体で存在し得る。
【0121】
非酵素高分子触媒を用いたグリカンポリマーの作製
反応条件
いくつかの実施形態では、グリカン単位および触媒(例えば、ポリマー触媒または固体支持触媒)は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも16時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、もしくは少なくとも48時間、または1〜24時間、2〜12時間、3〜6時間、1〜96時間、12〜72時間、もしくは12〜48時間反応することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って産生される1種以上のオリゴ糖の重合度は、反応時間によって調節することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1種以上のオリゴ糖の重合度は、反応時間を増加させることによって増加されるが、他の実施形態では、1種以上のオリゴ糖の重合度は、反応時間を減少させることによって減少される。
【0123】
反応温度
いくつかの実施形態では、反応温度は、約25℃〜約150℃の範囲で維持される。特定の実施形態では、この温度は、約30℃〜約125℃、約60℃〜約120℃、約80℃〜約115℃、約90℃〜約110℃、約95℃〜約105℃、または約100℃〜110℃である。
【0124】
グリカン単位の量
使用された溶媒量に対して本明細書に記載の方法において使用されるグリカン単位の量は、反応率および収率に影響を及ぼし得る。使用されたグリカン単位の量は、乾燥固形含量を特徴とし得る。特定の実施形態では、乾燥固形含量は、乾燥重量基準の割合としてスラリーの総固形分を指す。いくつかの実施形態では、グリカン単位の乾燥固形含量は、約5重量%〜約95重量%、約10重量%〜約80重量%、約15重量%〜約75重量%、または約15重量%〜約50重量%である。
【0125】
触媒の量
本明細書に記載の方法において使用される触媒の量は、例えば、グリカン単位のタイプの選択、グリカン単位の濃度、および反応条件(例えば、温度、時間、およびpH)を含む、いくつかの因子に応じて異なり得る。いくつかの実施形態では、触媒のグリカン単位に対する重量比は、約0.01g/g〜約50g/g、約0.01g/g〜約5g/g、約0.05g/g〜約1.0g/g、約0.05g/g〜約0.5g/g、約0.05g/g〜約0.2g/g、または約0.1g/g〜約0.2g/gである。
【0126】
溶媒
特定の実施形態では、触媒を使用する方法は、水性環境において行われる。ある適当な水性溶媒は、水であり、様々な供給源から得られ得る。一般的に、低濃度のイオン種が触媒の有効性を軽減し得るため、このようなイオン種を有する水源(例えば、ナトリウム、リン、アンモニウム、またはマグネシウムの塩)が、好ましい。水性溶媒が水であるいくつかの実施形態では、水は、少なくとも0.1メガオーム−センチメートル、少なくとも1メガオーム−センチメートル、少なくとも2メガオーム−センチメートル、少なくとも5メガオーム−センチメートル、または少なくとも10メガオーム−センチメートルの抵抗率を有する。
【0127】
水分含量
さらに、本方法の脱水反応が進行するにつれて、水が、1つ以上のグリカン単位の各カップリングで産生される。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、反応混合物中に存在する水の量および/または一期間にわたって水のモノマーまたは触媒に対する比率をモニタリングすることをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、99%、または100%のうちのいずれかを除去することによって、例えば、真空濾過によって)反応混合物において産生される水の少なくとも一部を除去することをさらに含む。しかしながら、モノマーに対する水の量は、使用される反応条件および特定の触媒に基づいて調節され得ることを理解されたい。
【0128】
当該技術分野において公知の任意の方法は、例えば、真空濾過、真空蒸留、加熱、および/または蒸発によって、反応混合物において水を除去するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、反応混合物中に水を含むことを含む。
【0129】
いくつかの態様では、酸性およびイオン部分を有するグリカン単位および触媒を混合して、反応混合物を形成し、水が反応混合物において産生されることと、反応混合物において産生される水の少なくとも一部を除去することと、によって、オリゴ糖組成物を産生する方法が、本明細書に提供される。ある変形例において、水の少なくとも一部は、99重量%未満、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、または1重量%未満の反応混合物中の水分含量を維持するために除去される。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って産生される1種以上のオリゴ糖の重合度は、反応混合物中に存在する水の濃度を調節または制御することによって調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1種以上のオリゴ糖の重合度は、水濃度を減少させることによって増加されるが、他の実施形態では、1種以上のオリゴ糖の重合度は、水濃度を増加させることによって減少される。いくつかの実施形態では、反応物の水分含量は、産生される1種以上のオリゴ糖の重合度を調整するために反応中に調整される。
【0131】
一例において、オーバーヘッド撹拌器およびジャケット短経路凝縮器を装備した丸底フラスコに、1つ以上のモノマー、ダイマー、トリマー、または他のオリゴ糖を、乾燥重量で1〜50%(1〜10%、1〜20%、1〜30%、1〜40%、1〜60%、1〜70%)の本明細書に記載の触媒のうちの1つ以上と共に添加し得る。水または別の相溶性溶媒(0.1〜5当量、1〜5当量、1〜4当量、0.1〜4当量)は、乾燥混合物に添加され得、スラリーは、選択された丸底フラスコの輪郭にできるだけ精確に合う大きさのパドルを用いて、低速度(例えば、10〜100rpm、50〜200rpm、100〜200rpm)で混合され得る。混合物は、10〜1000mbarの真空圧下で、70〜180℃(70〜160℃、75〜165℃、80〜160℃)に加熱される。反応物は、30分間〜6時間撹拌し、絶えず、反応物から水を取り除いてもよい。反応進行は、HPLCによってモニタリングされ得る。処理から得られた固体塊は、約50Brix(100gの溶液当たりの糖のグラム量)の溶液を作製するのに十分な水の体積中に溶解され得る。一旦溶解が完了すると、固体触媒は、濾過によって除去され得、オリゴマー溶液は、例えば、回転蒸発によって、約50〜75Brixまで濃縮され得る。任意選択により、有機溶媒が使用され得、水非混和性溶媒は、二相性抽出によって除去され得、水混和性溶媒は、例えば、濃縮工程と同時に回転蒸発によって除去され得る。
【0132】
グリコシダーゼ酵素分子を用いたグリカンポリマーの作製
反応条件
本明細書に記載の方法を用いて産生されるグリカンポリマーは、グリコシダーゼ酵素分子(例えば、ヒドロラーゼ、トランスフェラーゼ、またはリアーゼ)によって触媒されるグリコシド結合の縮合(例えば、逆加水分解)および/またはトランスグリコシル化によって産生され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って産生されるグリカンポリマーの特性は、反応条件、例えば、反応時間、反応温度、グリカンサブユニットの濃度もしくは量、グリコシダーゼ酵素分子の濃度もしくは量、溶媒、または例えば本明細書に記載のような、さらなる処理工程、によって調節することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法の反応条件は、生理学的条件、例えば、5〜7.5のpHおよび35℃〜60℃の温度を反映する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法の反応条件は生理学的条件とは異なる。
【0133】
反応時間
いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子と出発物質(例えば、グリカンサブユニット)とを、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも16時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、または少なくとも48時間にわたり反応させる。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子と出発物質(例えば、グリカンサブユニット)とを、1〜24時間、2〜12時間、3〜6時間、1〜96時間、12〜72時間、または12〜48時間にわたり反応させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って産生されるグリカンポリマーの重合度(DP)は、反応時間によって調節することができる。例えば、いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの重合度は、反応時間を増加させることによって増加されるが、他の実施形態では、グリカンポリマーの重合度は、反応時間を減少させることによって減少される。
【0134】
反応温度
いくつかの実施形態では、反応温度は、約4℃〜約150℃の範囲で維持される。特定の実施形態では、温度は、約4℃〜約30℃、約4℃〜約125℃、約30℃〜約125℃、約60℃〜約120℃、約80℃〜約115℃、約90℃〜約110℃、約95℃〜約105℃、または約100℃〜110℃である。いくつかの実施形態では、反応温度は室温(例えば、約25℃)である。いくつかの実施形態では、反応温度は生理学的温度(例えば、約30℃)である。いくつかの実施形態では、反応温度は約60℃である。
【0135】
いくつかの実施形態では、反応は、例えば酵素の変性を通して、温度を上昇させることによって、ある期間の後に遅くなるかまたは実質的に停止する。いくつかの実施形態では、反応は、温度を約45℃超、約50℃超、約60℃超、約70℃超、約80℃超、約90℃超、約100℃超、約110℃超、またはそれ以上に上昇させることによって、減速または実質的に停止される。
【0136】
グリカンサブユニットの濃度または量
使用された溶媒量に対して本明細書に記載の方法において使用されるグリカンサブユニットの濃度または量は、反応率および収率に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットの濃度または量は、約10mg/mL、約25mg/mL、約50mg/mL、約75mg/mL、約100mg/mL、約200mg/mL、300mg/mL、約400mg/mL、約500mg/mL、約750mg/mL、約1g/mL、またはそれを超える。
【0137】
使用されるグリカンサブユニットの量は、乾燥固形含量によって特徴付けられ得る。特定の実施形態では、乾燥固形含量は、乾燥重量基準の割合としてスラリーの総固形分を指す。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットの乾燥固形含量は、約5重量%〜約95重量%、約10重量%〜約80重量%、約15重量%〜約75重量%、または約15重量%〜約50重量%である。
【0138】
グリコシダーゼ酵素分子の濃度または量
本明細書に記載の方法において使用されるグリカン酵素分子の濃度または量は、例えば、グリカンサブユニットのタイプの選択、グリカンサブユニットの濃度、および反応条件(例えば、温度、時間、およびpH)を含む、いくつかの因子に応じて異なり得る。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子の濃度または量は、約0.1U/mL、約0.5U/mL、約1U/mL、約5U/mL、約10U/mL、約25U/mL、約50U/mL、またはそれを超える。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子の濃度または量は、0.1〜5U/mL、1〜25U/mL、または1〜50U/mLである。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子のグリカンサブユニットに対する重量比は、約0.01g/g〜約50g/g、約0.01g/g〜約5g/g、約0.05g/g〜約1.0g/g、約0.05g/g〜約0.5g/g、約0.05g/g〜約0.2g/g、または約0.1g/g〜約0.2g/gである。
【0139】
溶媒
いくつかの実施形態では、反応の溶媒は生体適合性溶媒である。特定の実施形態では、反応の溶媒は水性溶媒、例えば、水または水混合物である。いくつかの実施形態では、反応物の溶媒は水、または水とアセトン、エタノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、t−ブタノールなどの混和性溶媒または他の溶媒との混合物である。いくつかの実施形態では、反応の溶媒は有機溶媒(例えば、純粋な有機溶媒)である。
【0140】
例えばグリコシダーゼ酵素分子のグリカンサブユニットへの接近性を高めることによって、反応速度または全体的な反応収率を高めるために、溶媒を反応混合物に添加してもよい。例示的な溶媒としては、DMSOおよびトルエンなどの有機溶媒が挙げられる。
【0141】
さらなる反応成分
反応混合物は、塩、界面活性剤、金属、キレート剤、酸、塩基、補因子、補酵素、ビタミン、アミノ酸、補欠分子族、ヌクレオシド、ヌクレオチド、またはそれらの任意の組み合わせなどのさらなる成分を含み得る。いくつかの実施形態では、反応混合物は、NAD
+、NADH、NADP
+、NADPH、FAD、FADH、コエンザイムA、ビオチン、ピリドキサールホスフェート、またはメチルコバラミンなどの補因子または補酵素を含む。いくつかの実施形態では、追加の成分を含めることは、反応収率、酵素代謝回転速度、酵素安定性、グリカンサブユニット安定性、グリカンポリマー安定性、またはそれらの任意の組み合わせを改善する。
【0142】
グリコシダーゼ酵素
グリコシダーゼ酵素、例えばヒト腸内微生物中に存在するグリコシダーゼ酵素の基質であるグリカンポリマーの調製物を作製する方法が本明細書に記載される。それらの天然環境、例えば対象の腸内の腸内細菌によって発現されるものにおいて、グリコシダーゼは基質としてグリカンポリマーを使用し、例えばそれらは特定のグリカンポリマーを認識し、グリカンポリマー中のグリコシド結合を加水分解する。この加水分解は、グリカンポリマーからのモノマーまたはダイマーの遊離、グリカンポリマーの短縮、および/または脱分岐(例えば、グリカンポリマーのグリコシド分岐点の除去)をもたらし得る。グリコシダーゼ作用は、それがエネルギーに変換することができるグリカン分解産物を微生物に提供する。このプロセスはグリカン発酵と称される。多くのグリコシダーゼが特異的であり、例えば、それらは、グリカン鎖の末端(例えば、エキソグリコシダーゼ)または内部(例えば、エンドグリコシダーゼ)に認識モチーフを有し、それらは特定の糖または糖の組み合わせ(例えば、glu−gluまたはglu−gal)を認識し得、立体化学および/または位置化学において、さらに選択的であり得る(例えば、アルファ対ベータグリコシド結合、および/または1→2対1→3対1→6結合の認識)。いくつかのグリコシダーゼ酵素はより無差別であり、より多様なグリカンポリマー基質を有する。
【0143】
人工的な環境において、および適当な条件下で、グリコシダーゼ酵素は、例えば縮合反応および/またはトランスグリコシル化反応によって、グリカンポリマーを産生することができる。産生されるグリカンポリマーは、インプットよりも高い重合度を有し得、分岐、ならびに立体および/または位置化学的多様性(アルファ−ベータグリコシド結合(bond)および結合(linkage)に関して)を示し得る。例示的なグリコシダーゼ酵素としては、ヒドロラーゼ、トランスフェラーゼ、またはリアーゼが挙げられる。グリコシダーゼ酵素は、その配列、サイズ、または機能などの様々な方法で特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素は特定の分類群からの細菌と関連している。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素は、ゲノム情報、構造情報、生化学情報の分析に基づいた、CAZyファミリー名称(すなわち、炭水化物活性酵素データベース(Carbohydrate Active enZYme database)(http://www.cazy.org/)によって提供されるファミリー名称)、例えばグリコシルヒドロラーゼ(GH)ファミリーまたはグリコシルトランスフェラーゼ(GT)ファミリー、を有する。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素(例えば、天然のグリコシダーゼ酵素、例えば、腸内微生物により発現されるもの)は、グリコシダーゼ酵素分子(例えば、本明細書に記載のグリカンポリマーを作製する方法において使用されるグリコシダーゼ)である。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子はグリコシダーゼ酵素と80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である(例えば、DNA配列、RNA配列またはアミノ酸配列による)。他の実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、グリコシダーゼ酵素と比較して、欠失、さらなる配列、点突然変異、保存的または非保存的アミノ酸変化、コドン最適化、精製タグ、折り畳み/安定性促進突然変異などを含む。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素は、GH CAZYファミリーのメンバーである。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素は、GT CAZYファミリーのメンバーである。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、本明細書に記載のものなどの1つ以上の配列(例えば、DNA、RNAまたはアミノ酸配列)修飾を有するグリコシダーゼ酵素に関連する(またはそれから誘導体化される)。
【0144】
いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子は、ヒト腸内微生物中に存在する。グリコシダーゼ酵素は、微生物から単離され得る。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼは、微生物上清中に存在するか、微生物抽出物中に存在するか、微生物細胞塊中に存在するか、または本質的純度(例えば、本質的に純粋な酵素画分)まで単離される。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素は、ヒト腸内微生物から供給される。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素は、酵母、真菌、または細菌から供給される。一実施形態では、グリコシダーゼ酵素は、ヒト腸内細菌などの細菌から供給される。いくつかの実施形態では、細菌分類群は、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、バクテロイデス(Bacteroidetes)、ファーミキューテス(Firmicutes)、フソバクテリウム(Fusobacteria)、スピロヘータ(Spirochaetes)、シネルギステス(Synergistetes)、テネリクテス(Tenericutes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、ベルコミクロビウム(Verrucomicrobia)、ユーロアーキオータ(Euroarchaeota)のうちの1つ、例えば、表2に記載の細菌分類群である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群アクチノバクテリア(Actinobacteria)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群バクテロイデス(Bacteroidetes)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群ファーミキューテス(Firmicutes)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群フソバクテリウム(Fusobacteria)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群スピロヘータ(Spirochaetes)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群シネルギステス(Synergistetes)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群テネリクテス(Tenericutes)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群プロテオバクテリア(Proteobacteria)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群ベルコミクロビウム(Verrucomicrobia)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、細菌分類群ユーロアーキオータ(Euroarchaeota)を有する種である。いくつかの実施形態では、ヒト腸内微生物は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)またはラクトバチルス(Lactobacillus)以外のものである。
【0145】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー(例えば、本明細書に記載の方法によって産生されるもの)は、特定のCAZyファミリー(例えば、グリコシルヒドロラーゼ(GH)ファミリーまたはグリコシルトランスフェラーゼ(GT)ファミリー)からの、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、特定のグリコシルヒドロラーゼ(GH)ファミリー(例えば、GH1〜GH135のうちの1つ)またはグリコシルトランスフェラーゼ(GT)ファミリー(例えば、GT1〜GT101のうちの1つ)からのヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態において、グリカンポリマー調製物は、特定のグリコシダーゼプロファイルを有するヒト腸内微生物のための基質であるように選択される(例えば、それは、例えば1つ以上のCAZyファミリーからの、1つ以上のグリコシダーゼ遺伝子を発現する(またはそのゲノム中に保有する))。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子を本明細書に記載の方法で使用して、特定の微生物(または微生物群)中に存在するグリコシダーゼ酵素の機能のうちの1つ以上の機能を含むグリカンポリマーを産生する。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、グルコシダーゼ酵素(例えば、腸内微生物中に存在する酵素)と同じ機能を含む。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は、グリコシダーゼ酵素と構造的類似性またはある程度の配列類似性を有する。グリコシダーゼ酵素分子は、例えば標準的なクローニング、遺伝学、タンパク質発現、タンパク質精製、またはタンパク質処理技術を使用して、当該技術分野において公知の任意の方法によって生成され得る。
【0146】
本明細書に記載のグリカンポリマーの作製方法に適したグリコシダーゼ酵素分子は、微生物中に存在するそれらのグリコシダーゼ酵素対応物に基づいて選択することができ、したがって、グリカンポリマーまたはその調製は調整された基質としての微生物の、グリコシダーゼ酵素に合わせて調整することができる(グリコシダーゼ酵素プロファイル)。
【0147】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー(例えば、本明細書に記載の方法によって産生されるもの)は、GT5、GH94、GH13.9、GH13.39、GH13.36、GH113.0およびGH112 CAZyファミリーから選択される、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77およびGH94 CAZyファミリーから選択される、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、およびGH13サブファミリー14 CAZyファミリーから選択される、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH51、GT10、およびGH77 CAZyファミリーから選択される、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、およびGH13 CAZyファミリーから選択される、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、GH28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリーから選択される、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である。
【0148】
いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子は、GH1、GH2、GH3、GH4、GH5、GH8、GH9、GH10、GH11、GH12、GH13、GH14、GH16、GH26、GH28、GH30、GH31、GH32、GH35、GH42、GH43、GH44、GH50、GH51、GH57、GH62、GH63、GH68、GH70、GH97、GH100、GH116、GH119、またはGH122 CAZyファミリーのうちの1つ以外のものである。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、特定の微生物のグリコシダーゼプロファイル(例えば、CAZyファミリー(例えば、GTファミリーまたはGHファミリー)の)をインシリコで同定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼプロファイルの同定は、実施例11〜15の方法に従って行われる。例えば、健康なヒト腸マイクロバイオームから、例えばヒトマイクロバイオームプロジェクト(Human Microbiome Project)の一部として単離された共生細菌種の配列からの配列決定されたゲノムは、代謝産物を調節する、例えばブチレートを産生する、尿素を、ウレアーゼを通してアンモニアに変換する、またはコリンをTMAに変換する、その能力につき予測され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、微生物代謝産物のレベルを調節する(例えば産生する)微生物(例えば、ヒト腸内微生物)中に存在するグリコシダーゼ酵素の基質である。例示的な代謝産物は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、アスコルビン酸、乳酸、トリプトファン、セロトニン、インドール、コハク酸、トリメチルアミン(TMA)、TMAO(トリメチルアミンN−オキシド)、デオキシコール酸、硫酸エチルフェニル、アセチルアルデヒド、過酸化水素、アンモニア、胆汁酸、リポ多糖(LPS)、および/またはブタンジオンを含む。いくつかの実施形態では、代謝産物は、酪酸(例えば、ブチレート)、トリメチルアミン(TMA)またはアンモニアである。いくつかの実施形態では、代謝産物は、酪酸(例えば、ブチレート)である。いくつかの実施形態では、代謝産物は、酢酸(例えば、アセテート)である。いくつかの実施形態では、代謝産物は、プロピオン酸(例えば、プロピオネート)である。いくつかの実施形態では、代謝産物は、トリメチルアミン(TMA)である。いくつかの実施形態では、代謝産物は、アンモニアである。いくつかの実施形態では、代謝産物は、リポ多糖(LPS)である。いくつかの実施形態では、代謝産物は、胆汁酸(例えば、二次胆汁酸)である。いくつかの実施形態では、代謝産物の実質的増加または減少は、検出され得る。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子は、アルファ−もしくはベータ−ガラクトシダーゼ、アルファ−もしくはベータ−グルコシダーゼ、アルファ−もしくはベータ−キシロシダーゼ、アルファ−もしくはベータ−マンノシダーゼ、またはアルファ−もしくはベータ−フルクトフラノシダーゼ以外のものである。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子は、アルファ−またはベータ−ガラクトシダーゼ以外のものである。
【0151】
グリコシダーゼ酵素分子の生成方法
グリコシダーゼ酵素分子は、組換え宿主細胞における発現によって産生され得るが、インビトロ転写および翻訳ならびに化学合成などの他の方法によっても産生され得る。
【0152】
細胞発現のために、グリコシダーゼ酵素分子をコードする1つ以上の核酸(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)がクローニングまたは発現のために複製可能なベクターに挿入され得る。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルスゲノム、ファージミド、ファージゲノム、または他の自律複製配列であり得る。適切なコード核酸配列は、様々な手順によってベクターに挿入され得る。例えば、適切な制限エンドヌクレアーゼ部位を操作することができる(例えばPCRを用いて)。次いで、制限消化およびライゲーションを使用して、コードする核酸配列を適切な位置に挿入することができる。ベクター成分は一般的に、1つ以上の複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列を含む。
【0153】
グリコシダーゼ酵素分子は、任意選択により、シグナル配列、エピトープもしくは精製部分、または標識などの1つ以上の他の成分への融合によって、組換え的に産生されてもよい。
【0154】
細菌発現のために、グリコシダーゼ酵素分子はシグナル配列を伴ってまたは伴わずに産生され得る。例えば、これは、封入体または可溶性画分に蓄積するように細胞内で産生することができる。それはまた、例えば原核生物シグナル配列、例えば適切なリーダー配列の付加により、分泌され得る。発現のための例示的な細菌宿主細胞としては、任意の形質転換可能な大腸菌(E.coli)K−12株(大腸菌(E.coli)BL21、C600、ATCC23724;大腸菌(E.coli)HB101 NRRLB−11371、ATCC−33694;大腸菌(E.coli)MM294 ATCC−33625;大腸菌(E.coli)W3110 ATCC−27325)、B.サブチリス(B.subtilis)、シュードモナス(Pseudomonas)および他のバチルス(Bacilli)が挙げられる。いくつかの実施形態では、細菌宿主細胞は、タンパク質分解性分類群、例えば、内在性グリコシダーゼ酵素をほとんどまたは全く発現しない分類群から選択される。
【0155】
グリコシダーゼ酵素分子は、酵母宿主細胞、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ハンゼヌラ(Hanseula)、またはピキア・パストリス(Pichia pastoris)において発現させることができる。酵母発現のために、グリコシダーゼ酵素分子はまた、細胞内でまたは分泌によって、例えば酵母インベルターゼリーダーまたはアルファ因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)およびクルイベロミセス(Kluyveromyces)形態を含む)、または酸性ホスファターゼリーダー、またはC.アルビカンス(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日に公開された欧州特許第362,179号明細書)を使用して、産生することができる。
【0156】
発現およびクローニングベクターは両方、ベクターが1つ以上の選択された宿主細胞中で複製することを可能にする核酸配列を含有する。そのような配列は、様々な細菌、酵母、およびウイルスについて周知である。プラスミドpBR322からの複製起点は、大部分のグラム陰性菌に適しており、2プラスミド起源は酵母に適している。
【0157】
発現およびクローニングベクターは、典型的には選択遺伝子またはマーカーを含有する。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、またはテトラサイクリンに対する耐性を付与するか、(b)栄養要求性欠陥を補完する(サッカロミセス(Saccharomyces)中のURA3マーカーなど)か、または(c)複合培地から入手できない重要な栄養素、例えば、バチルス(Bacilli)のためのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子を供給する、タンパク質をコードする。
【0158】
発現およびクローニングベクターは通常、mRNA合成を指示するためにグリコシダーゼ酵素分子をコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する。原核生物宿主と共に使用するのに適した例示的なプロモーターとしては、β−ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系(Chang et al.,Nature,275:615(1978);Goeddel et al.,Nature,281:544(1979))アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel,Nucleic Acids Res.,8:4057(1980);欧州特許第36,776号明細書)、およびtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーターが挙げられる。(deBoer et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21−25(1983))細菌系における使用のためのプロモーターはまた、適切に配置されたシャイン・ダルガルノ配列を含有し得る。T7ポリメラーゼ系はまた、T7プロモーターの制御下に置かれた核酸コード配列の発現を駆動するためにも使用することができる。
【0159】
組換え細胞におけるグリコシダーゼ酵素分子の合成への適合に適したさらに他の方法、ベクター、および宿主細胞は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Sambrook et al.(eds.),Cold Spring Harbor Press,(2001)(ISBN:0879695773)に記載されている。
【0160】
一旦細胞内で発現されると、グリコシダーゼ酵素分子は、培地、封入体、または細胞溶解物から回収することができる。細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤(例えば、界面活性剤)などの様々な物理的または化学的手段によって破壊することができる。
【0161】
グリコシダーゼ酵素分子は、細胞溶解物中または細胞培地中に見出すことができる、他の細胞タンパク質またはポリペプチドから精製することができる。タンパク質精製の様々な方法が使用され得、そのような方法は当該技術分野で公知であり、例えばDeutscher,Methods in Enzymology,182(1990);およびScopes,Protein Purification:Principles and Practice,Springer−Verlag,New York(2010)(ISBN:1441928332)に記載される。例示的な精製手順は、イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上またはDEAEなどの陽イオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、例えばSephadex G−75を用いた、ゲル濾過、IgGなどの汚染物質を除去するためのプロテインA Sepharoseカラム、親和性カラム(例えば、タンパク質のエピトープタグ化形態を結合するための金属キレートカラム、およびグリコシダーゼ酵素に関連する任意の精製部分を結合するための様々なリガンドを有するカラム)によるものを含む。精製方法は、2つの異なるイオン交換クロマトグラフィー工程、例えば陽イオン交換クロマトグラフィーとそれに続く陰イオン交換クロマトグラフィーの組み合わせ、またはその逆を含み得る。グリコシダーゼ酵素分子は、塩および/またはpH勾配を含む様々な方法、または工程によってイオン交換樹脂から溶出させることができる。いくつかの実施形態では、グリコシダーゼ酵素分子は精製部分(エピトープタグおよびアフィニティーハンドルなど)を含む。そのような部分は、親和性クロマトグラフィーに使用することができ、任意選択により、タンパク質分解切断によって除去することができる。
【0162】
クロマトグラフィー用のアニオン性またはカチオン性支持体を形成するために、アニオン性またはカチオン性置換基をマトリックスに結合させ得る。アニオン交換置換基には、ジエチルアミノエチル(DEAE)、四級アミノエチル(QAE)および四級アミン(Q)基が含まれる。カチオン性置換基には、カルボキシメチル(CM)、スルホエチル(SE)、スルホプロピル(SP)、ホスフェート(P)およびスルホネート(S)が含まれる。DE23、DE32、DE52、CM−23、CM−32およびCM−52などのセルロースイオン交換樹脂は、Whatman Ltd.(Maidstone、Kent、U.K)から入手可能である。SEPHADEX(商標)および他の架橋イオン交換体もまた公知である。例えば、DEAE−、QAE−、CM−、およびSP−SEPHADEX(商標)ならびにDEAE−、Q−、CM−およびS−SEPHAROSE(商標)ならびにSEPHAROSE(商標)Fast Flowは、Pharmacia ABから入手可能である。TOYOPEARL DEAE−650SまたはMおよびTOYOPEARL CM−650SまたはMなどのDEAEおよびCM誘導体化エチレングリコール−メタクリレートコポリマーは、Toso Haas Co.(Philadelphia、PA、USA)から入手可能である。
【0163】
陽イオン交換表面は、共有結合した負荷電の配位子を有するイオン交換表面であり、したがって、表面と接触する溶液中の陽イオンと交換するための遊離陽イオンを有する。例示的な表面には、共有結合基がカルボキシレートまたはスルホネートであるものなどの陽イオン交換樹脂が含まれる。市販のカチオン交換樹脂には、CMC−セルロース、SP−Sephadex(商標)およびFast S−Sepharose(商標)(Pharmacia)が含まれる。
【0164】
陰イオン交換表面は、四級アミノ基などの共有結合した正荷電基を有するイオン交換表面である。例示的な陰イオン交換表面は、DEAEセルロース、TMAE、QAE Sephadex(商標)およびFast Q Sepharose(商標)(Pharmacia)などの陰イオン交換樹脂である。
【0165】
グリコシダーゼ酵素分子のための例示的な精製スキームは、深層濾過による溶解緩衝液中での大腸菌(E.coli)細胞の溶解を含む。次いで、材料を陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)に供する。次いで、CEX溶出液を陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)工程において陰イオン交換媒体上に流す。AEX FTは研磨工程に供することができる。次いで、材料を限外濾過/透析濾過によって処理して、例えば、材料を濃縮または脱塩することができる。限外濾過/透析濾過膜は、タンパク質を保持液中に保持しながら、塩などの低分子量物質を濾液に通過させるように、公称分子量カットオフ(「NMWCO」)に基づいて選択され得る。例えば、所望の最終pHおよび生成物の導電性に応じて、任意の緩衝溶液または滅菌水が最終の緩衝液交換工程中に使用され得る。
【0166】
グリコシダーゼ酵素分子は、1つ以上の保存的配列修飾を含み得る。そのような保存的修飾は、アミノ酸置換、付加および欠失を含む。修飾は、部位特異的突然変異誘発およびPCR媒介突然変異誘発などの、当該技術分野において公知の標準的な技術によって導入することができる。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)を有するアミノ酸、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。したがって、グリコシダーゼ酵素内の1つ以上のアミノ酸残基を同じ側鎖ファミリーからの他のアミノ酸残基で置き換えることができ、改変グリコシダーゼ酵素分子を本明細書に記載の機能的アッセイを用いて試験することができる。
【0167】
さらなる処理工程
任意選択により、調製物は、さらなる処理工程を経ても良い。さらなる処理工程は、例えば、精製工程を含み得る。精製工程は、例えば、分離、希釈、濃縮、濾過、脱塩、またはイオン交換、クロマトグラフ分離、または脱色、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0168】
脱色
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、脱色工程をさらに含む。産生されるグリカンポリマーは、例えば、吸収剤、活性炭、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換樹脂を用いる)、水素化、および/または濾過(例えば、精密濾過)による処理を含む、当該技術分野において公知の任意の方法を用いた脱色工程を経てもよい。
【0169】
特定の実施形態では、産生されるグリカンポリマーを、特定の温度で、特定の濃度で、および/または特定の期間にわたり、色吸収材料と接触させる。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーと接触させる色吸収種の質量は、グリカンポリマーの質量の50%未満、グリカンポリマーの質量の35%未満、グリカンポリマーの質量の20%未満、グリカンポリマーの質量の10%未満、グリカンポリマーの質量の5%未満、グリカンポリマーの質量の2%未満、またはグリカンポリマーの質量の1%未満である。
【0170】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーを色吸収材料と接触させる。特定の実施形態では、グリカンポリマーを、10時間未満、5時間未満、1時間未満、または30分間未満にわたり、色吸収材料と接触させる。特定の実施形態では、グリカンポリマーは、1時間、色吸収材料と接触させる。
【0171】
特定の実施形態では、グリカンポリマーを、摂氏20〜100度、摂氏30〜80度、摂氏40〜80度、または摂氏40〜65度の温度で色吸収材料と接触させる。特定の実施形態では、グリカンポリマーを、摂氏50度の温度で色吸収材料と接触させる。
【0172】
特定の実施形態では、色吸収材料は、活性炭である。一実施形態では、色吸収材料は、粉末活性炭である。他の実施形態では、色吸収材料は、イオン交換樹脂である。一実施形態では、色吸収材料は、塩化物形態の強塩基性陽イオン交換樹脂である。別の実施形態では、色吸収材料は、架橋ポリスチレンである。さらに別の実施形態では、色吸収材料は、架橋ポリアクリレートである。特定の実施形態では、色吸収材料は、Amberlite FPA91、Amberlite FPA98、Dowex 22、Dowex Marathon MSA、またはDowex Optipore SD−2である。
【0173】
イオン交換/脱塩(脱鉱化)
いくつかの実施形態では、産生したグリカンポリマーを、塩、鉱物、および/または他のイオン種を除去するための材料と接触させる。特定の実施形態では、グリカンポリマーは、陰イオン/陽イオン交換カラム対を通って流れる。一実施形態では、陰イオン交換カラムは、水酸化物形態の弱塩基性交換樹脂を含有し、陽イオン交換カラムは、プロトン化形態の強酸性交換樹脂を含有する。
【0174】
分離および濃縮
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、産生されるグリカンポリマーを単離することをさらに含む。特定の変形例では、グリカンポリマーの単離は、例えば、遠心分離、濾過(例えば、真空濾過、膜濾過)、および重力沈降を含む、当該技術分野において公知の任意の方法を用いて、グリコシダーゼ酵素分子の少なくとも一部分からグリカンポリマーの少なくとも一部分を分離することを含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの単離は、例えば、濾過(例えば、膜濾過)、クロマトグラフィー(例えば、クロマトグラフィー分画)、差異的溶解度、および遠心分離(例えば、分画遠心分離)を含む、当該技術分野において公知の任意の方法を用いて、任意の未反応の糖の少なくとも一部分からグリカンポリマーの少なくとも一部分を分離することを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、濃縮工程をさらに含む。例えば、いくつかの実施形態では、単離されたグリカンポリマーは、蒸発(例えば、真空蒸発)に供され、濃縮されたグリカンポリマー調製物を産生する。他の実施形態では、単離されたグリカンポリマーは、噴霧乾燥工程に供されてオリゴ糖粉末を産生する。特定の実施形態では、単離されたグリカンポリマーは、蒸発工程および噴霧乾燥工程の両方に供される。
【0176】
分画化
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、分画化工程をさらに含む。調製され、精製されたグリカンポリマーは、その後、例えば、高速液体クロマトグラフィー、吸着/脱離(例えば低圧活性炭クロマトグラフィー)、または濾過(例えば、限外濾過または透析濾過)を含む、当該技術分野において公知の任意の方法を用いて分子量によって分離され得る。
【0177】
特定の実施形態では、産生されたグリカンポリマーは、炭素質の物質に吸着させ、その後、1%、5%、10%、20%、50%、または100%の濃度で水中の有機溶媒の混合物で物質を洗浄することにより画分を脱着させることによって分画化される。一実施形態では、吸着物質は、活性炭である。別の実施形態では、吸着物質は、活性炭と、体積または重量で、5%、10%、20%、30%、40%、または50%の部分において、珪藻土またはCelite545等の増量剤の混合物である。
【0178】
さらなる実施形態では、産生したグリカンポリマーは、高速液体クロマトグラフィーシステムを通過させることによって分離される。特定の変形例では、産生されたグリカンポリマーは、イオン親和性クロマトグラフィー、親水性相互作用クロマトグラフィー、またはゲル透過およびゲル濾過を含むサイズ排除クロマトグラフィーによって分離される。
【0179】
他の実施形態では、低分子量物質は、濾過方法によって除去される。特定の変形例では、低分子量物質は、透析、限外濾過、透析濾過、または接線流濾過によって除去され得る。特定の実施形態では、濾過は、静的透析チューブ装置において行われる。他の実施形態では、濾過は、動的流れ濾過システムにおいて行われる。他の実施形態では、濾過は、遠心力駆動型濾過遠心分離において行われる。
【0180】
他の処理工程は、本明細書の実施例に記載されたもののいずれか1つを含み得る。いくつかの実施形態では、酵母発酵は、未反応成分、例えば、糖モノマーまたはダイマー、または糖モノマーなどの反応副生成物を除去するために使用される。
【0181】
グリカン調製物特性
グリカンは、国際公開第2016/122889号パンフレット、国際公開第2016/172657号パンフレット、国際公開第2016/007778号パンフレットおよび国際公開第2016/172658号パンフレット(これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される特徴および特性の1つ以上、ならびに本明細書に記載の特徴および特性を有し得る。
【0182】
本明細書に記載の方法によって製造されるグリカンは、オリゴ糖を含み得る。いくつかの実施形態では、グリカンはホモオリゴ糖(または、ホモグリカン)を含み、ここで、ポリマー中のすべての単糖は同じ型である。
【0183】
いくつかの実施形態では、グリカンはヘテロオリゴ糖(または、ヘテログリカン)を含み、このポリマー中には複数の型の単糖が存在する。いくつかの実施形態では、グリカンは、本明細書に記載の特性のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、グリカン調製物は、本明細書に記載のバルク特性のうちの1つ以上を有する。
【0184】
重合度(DP)
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、例えば、本明細書中に記載される方法を用いて製造されるが、それらは、多分散系であり、ある範囲の重合度を示す。
【0185】
任意選択により、調製物は、例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または98%超の短い(DPが約1〜2)、中等度(DPが約3〜10)、長い(DPが約11〜18)、または非常に長い(DPが>18)種を表すように分画してもよい。一実施形態では、約3〜10のDPを有する少なくとも85%、90%、または少なくとも95%の中等度の長さの種を含む多分散の分画グリカンポリマー調製物が提供される。一実施形態では、約11〜18のDPを有する少なくとも85%、90%、または少なくとも95%の長尺の種を含む多分散の分画グリカンポリマー調製物が提供される。一実施形態では、約18〜30のDPを有する少なくとも85%、90%、または少なくとも95%の超長尺の種を含む多分散の分画グリカンポリマー調製物が提供される。
【0186】
任意選択により、調製物は、例えば、調製物中に60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または98%超の短い(DPが約1〜2)、または中等度(DPが約3〜10)のグリカンを表すように分画してもよい。代替として、または分画に加えて、小さなDP画分(例えば、モノマーおよびダイマー)は、例えば、これらの糖を分解するのに適した酵母を用いて、酵素による発酵に供される。一実施形態では、約3〜10のDPを有するグリカンを少なくとも85%、90%、または少なくとも95%含む、多分散の分画グリカンポリマー調製物が、本明細書に記載の方法を用いて調製される。
【0187】
いくつかの実施形態では、グリカン調製物のグリカンポリマーの約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、少なくともDP3、DP4、DP5、DP6またはDP7のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカン調製物のグリカンポリマーの約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、約DP3〜約DP10、約DP3〜約DP8、約DP3〜約DP6、約DP3〜約DP5、約DP3〜約DP4、約DP2〜約DP4、約DP2〜約DP5、約DP2〜約DP6、約DP2〜約DP8、または約DP2〜約DP10のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカン調製物のグリカンポリマーの1%未満、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%未満は、DP2以下のDPを有する。
【0188】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、2〜25、3〜25、4〜25、5〜25、6〜25、7〜25、8〜25、9〜25、10〜25、2〜30、3〜30、4〜30、5〜30、6〜30、7〜30、8〜30、9〜30、または10〜30のDPを有する。一実施形態では、グリカンポリマー調製物は、少なくとも3および30未満のグリカン単位の重合度(DP)を有する。
【0189】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、5以上30未満のグリカン単位のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、8以上30未満のグリカン単位のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、10以上30未満のグリカン単位のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、3、4、5、6、7、8と10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20の間のグリカン単位のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19と20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30の間のグリカン単位のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、3、4、5、6、7、8、9、10と20、21、22、23、24、25、26、27、28の間のグリカン単位のDPを有する。
【0190】
本明細書に記載の方法において1つ以上のグリカン単位(例えば糖)のための変換収率は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む、当該技術分野において公知の任意の適当な方法によって決定され得る。変換の平均収率は、当業者に公知の方法、例えば、サイズ排除、イオン親和性、親水性、または疎水性ケミストリーによって決定することができる。これらの方法は一般的に、適切なカラムケミストリーを備えたHPLCシステムによる材料のクロマトグラフ分離に依存している。次いで、産物からの出発物質のクロマトグラフ分離は、それらの物質の曲線下面積の直接的な比較を可能にし、これは、次いで変換のパーセント収率に変換することができる。実施例15は、変換収率を決定するために使用することができる、特定のIACおよびSECアプローチを記載する。好ましい実施形態では、本明細書で言及される変換は、実施例15のSEC法によって決定される。
【0191】
いくつかの実施形態では、1つ以上のグリカンサブユニットをグリコシダーゼ酵素分子と組み合わせた後の、DP1より大きいDPを有する(DP>1)グリカンポリマーによるグリカンポリマー調製物への変換収率は、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%以上(インプットグリカンサブユニットのパーセンテージとしての重量/重量基準で決定される)である。いくつかの実施形態では、1つ以上のグリカンサブユニットをグリコシダーゼ酵素分子と組み合わせた後の、少なくともDP2のDPを有するグリカンポリマーによるグリカンポリマー調製物への変換収率は、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%以上(インプットグリカンサブユニットのパーセンテージとしての重量/重量基準で決定される)である。
【0192】
いくつかの実施形態では、1つ以上のグリカンサブユニットをグリコシダーゼ酵素分子と組み合わせた後の、少なくともDP3のDPを有するグリカンポリマーによるグリカンポリマー調製物への変換収率は、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%以上(インプットグリカンサブユニットのパーセンテージとしての重量/重量基準で決定される)である。
【0193】
いくつかの実施形態では、1つ以上のグリカン単位を触媒と混合した後(例えば、1つ以上のグリカン単位を触媒と混合してから2、3、4、8、12、24、または48時間後)の1を超えるDPを有するグリカンポリマー調製物に対する変換収率は、約50%より大きい(例えば、約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%より大きい)。いくつかの実施形態では、1つ以上のグリカン単位を触媒と混合した後(例えば、1つ以上のグリカン単位を触媒と混合してから2、3、4、8、12、24、または48時間後)の2を超えるDPを有するグリカンポリマー調製物に対する変換収率は、30%より大きい(例えば、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%より大きい)。
【0194】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、少なくとも2のDPを有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、少なくとも3のDPを有する。
【0195】
平均DP
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、約DP2、DP3、DP4、DP5、DP6、DP7、DP8、またはDP9の平均重合度(平均DP)を有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、約2〜約10、約2〜約8、約2〜約6、約2〜約4、約3〜約10、約3〜約8、約3〜約6、または約3〜約4の平均重合度(平均DP)を有する。
【0196】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、約DP5、DP6、DP7、DP8、DP9、DP10、DP11、またはDP12の平均重合度(平均DP)を有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の平均DPは、約DP5〜DP10、約DP6〜DP10、約DP6〜DP12、約DP6〜DP14、約DP8〜DP12、約DP8〜DP14、約DP8〜DP16、約DP10〜DP16、約DP10〜DP18、約DP4〜DP18、約DP6〜DP18、または約DP8〜DP18である。
【0197】
グリカンポリマー調製物の重合度(DP)の分布(または平均)は、当業者に公知の方法、例えば、平均DPへの数学的変換が後続するイオン親和性クロマトグラフィー(IAC)または分子量(MW)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定を使用したものによって決定することができる。これらの方法は一般的に、既知のMWを有する標準セットとの比較による平均MWへのその分布の計算的変換が後続する、サイズ排除カラムまたはイオン親和性カラムなどの質量感度の高いカラムケミストリーを備えたHPLCシステムに基づく材料のクロマトグラフ分離に依存している。一旦平均分子量が決定されると、その値をグリカンの反復単位の平均重量で除することで、平均DPが計算できる。実施例15は、本明細書において言及されるように、平均DPを決定するために使用することができる特定のIACおよびSECアプローチを記載する。好ましい実施形態では、本明細書で言及される平均DPは、実施例15のSEC法によって決定される。
【0198】
平均分子量
いくつかの実施形態では、調製物のグリカンポリマーの約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約97%は、約200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800g/molで、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、および5000g/mol未満の平均分子量を有する。
【0199】
平均分子量(MW)は、当業者に公知の方法、例えばイオン親和性クロマトグラフィー(IAC)またはサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定することができる。これらの方法は一般的に、既知のMWを有する標準セットとの比較による平均MWへのその分布の計算的変換が後続する、サイズ排除カラムまたはイオン親和性カラムなどの質量感度の高いカラムケミストリーを備えたHPLCシステムに基づく材料のクロマトグラフ分離に依存している。実施例15は、本明細書において言及されるように、平均MWを決定するために使用することができる特定のIACおよびSECアプローチを記載する。好ましい実施形態では、本明細書で言及される平均MWは、実施例15のSEC法によって決定される。
【0200】
分岐度(DB)
いくつかの実施形態では、グリカン調製物は、構造が直鎖状から分枝状まで様々である。分岐グリカンは、分岐を形成するように、アルファまたはベータグリコシド結合を介して連結している少なくとも1つのグリカンサブユニットを含み得る。分岐率または分岐度(DB)は、調製物のグリカンポリマーがグリカンポリマー中に少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも約6つの分岐点を含むように変化し得る。いくつかの実施形態では、グリカン調製物のグリカンポリマーは非分岐である(DB=0)。
【0201】
いくつかの実施形態では、グリカン調製物(例えば、オリゴまたは多糖類)は、線形から高度分岐の構造に及ぶ。非分岐グリカンは、アルファ結合のみまたはベータ結合のみを含有し得る。非分岐グリカンは、少なくとも1つのアルファ結合および少なくとも1つのベータ結合を含有し得る。分岐グリカンは、アルファグリコシド結合またはベータグリコシド結合を介して結合して、分岐を形成する少なくとも1つのグリカン単位を含有し得る。分岐速度または分岐度(DB)は、変化し得、そのため、約2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、10番目、15番目、20番目、25番目、30番目、35番目、40番目、45番目、50番目、60番目、または70番目毎の単位は、少なくとも1つの分岐点を含む。例えば、動物グリコーゲンは、ほぼ10毎の単位に分岐点を含有する。
【0202】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その調製物は、分岐グリカンの混合物を含み、その平均分岐度(DB、1残基あたりの分岐点)は、0、0.01.0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95、0.99、1、または2である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その平均分岐度は、少なくとも0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、または少なくとも0.4である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その平均分岐度は、約0.01〜0.1、0.01〜0.2、0.01〜0.3、0.01〜0.4、0.01〜0.5、0.01〜0.6、または約0.01〜0.7である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その平均分岐度は、約0.05〜0.1、0.05〜0.2、0.05〜0.3、0.05〜0.4、0.05〜0.5、0.05〜0.6、または約0.05〜0.7である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その平均分岐度は、0ではない。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その平均分岐度は、0.1以上0.4未満でも、0.2以上0.4未満でもない。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、直鎖状グリカンを含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、分岐またはブランチオンブランチ(branch−on−branch)構造を示すグリカンを含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物が提供され、その平均分岐度(DB)は、0ではなく、少なくとも0.01、0.05、0.1、または少なくとも0.2であるか、あるいは約0.01〜約0.2または約0.05〜0.1の範囲である。
【0204】
グリカンポリマー調製物の分岐度(DB)は、当業者に公知の方法、例えば、パーメチル化分析によって決定することができる。これらの方法は一般的に、全酸加水分解および単離モノマーのGC−MS分析が後続する、グリカンの遊離ヒドロキシル基の化学官能化に依存している。したがって、複数の官能化されていないヒドロキシル基を有するモノマーの画分は、複数の他の単位に結合していたポリマー単位の画分、例えば分岐画分に等しいと解釈することができる。実施例15は、本明細書において言及されるように、DBを決定するために使用することができる特定のパーメチル化アプローチを記載する。好ましい実施形態では、本明細書に記載のDBは、実施例15のパーメチル化によって決定される。
【0205】
グリコシド結合およびグリコシド連結
グリカンポリマーの調製物中に見出される個々のグリカンサブユニット間の連結には、アルファ1−>2、アルファ1−>3、アルファ1−>4、アルファ1−>5、アルファ1−>6、アルファ2−>1、アルファ2−>3、アルファ2−>4、アルファ2−>6、ベータ1−>2、ベータ1−>3、ベータ1−>4、ベータ1−>5、ベータ1−>6、ベータ2−>1、ベータ2−>3、ベータ2−>4、およびベータ2−>6が含まれ得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、アルファ連結のみを含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、ベータ連結のみを含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、アルファ連結およびベータ連結の混合物を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、調製物中のアルファグリコシド結合:ベータグリコシド結合の比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、または5:1である。いくつかの実施形態では、調製物中のベータグリコシド結合:アルファグリコシド結合の比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、または5:1である。
【0208】
いくつかの実施形態では、調製物中のアルファグリコシド結合:ベータグリコシド結合の比は、約0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.2:1、1.5:1、1.7:1、2:1、2.2:1、2.5:1、2.7:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または約10:1である。
【0209】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物のグリカンポリマーは、1−>2グリコシド結合、1−>3グリコシド結合、1−>4グリコシド結合、1−>5グリコシド結合および1−>6グリコシド結合からなる群から選択されるアルファグリコシド結合およびベータグリコシド結合の両方を含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、少なくとも2つ、または少なくとも3つの、アルファおよびベータ1−>2グリコシド結合、アルファおよびベータ1−>3グリコシド結合、アルファおよびベータ1−>4グリコシド結合、アルファおよびベータ1−>5グリコシド結合、ならびに/またはアルファおよびベータ1−>6グリコシド結合を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、グリカン調製物のグリカンポリマーは、実質的にすべてアルファ配置またはベータ配置のグリカンサブユニットを含み、任意選択的に、それぞれ他の配置を約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、アルファグリコシド結合を有する少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、少なくとも99.9%、またはさらに100%のグリカンを含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、ベータグリコシド結合を有する少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、少なくとも99.9%、またはさらに100%のグリカンを含む。いくつかの実施形態では、グリコシド結合を有する少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または少なくとも85%のグリカンはアルファグリコシド結合であり、グリコシド結合を有する少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または少なくとも85%のグリカンはベータグリコシド結合であり、アルファグリコシド結合およびベータグリコシド結合の割合は、100%を超えない、グリカンポリマーの調製物が提供される。
【0212】
いくつかの実施形態では、グリカングリコシド結合の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、少なくとも99.9%、またはさらに100%は、1−>2グリコシド結合、1−>3グリコシド結合、1−>4グリコシド結合、および1−>6グリコシド結合のうちの1つ以上である、グリカンポリマーの調製物が提供される。いくつかの実施形態では、グリカングリコシド結合の各々の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、少なくとも20%、または25%は、1−>2、1−>3、1−>4、および1−>6グリコシド結合である、グリカンポリマーの調製物が提供される。任意に、グリカンポリマーの調製物は、アルファ2−>1、アルファ2−>3、アルファ2−>4、アルファ2−>6、ベータ2−>1、ベータ2−>3、ベータ2−>4、およびベータ2−>6グリコシド結合からなる群から選択されるグリカングリコシド結合の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または少なくとも85%をさらに含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、グリカン調製物のグリカンポリマーは、アルファ1−>2およびアルファ1−>3、アルファ1−>2およびアルファ1−>4、アルファ1−>2およびアルファ1−>6、アルファ1−>2およびベータ1−>2、アルファ1−>2およびベータ1−>3、アルファ1−>2およびベータ1−>4、アルファ1−>2およびベータ1−>6、アルファ1−>3およびアルファ1−>4、アルファ1−>3およびアルファ1−>6、アルファ1−>3およびベータ1−>2、アルファ1−>3およびベータ1−>3、アルファ1−>3およびベータ1−>4、アルファ1−>3およびベータ1−>6、アルファ1−>4およびアルファ1−>6、アルファ1−>4およびベータ1−>2、アルファ1−>4およびベータ1−>3、アルファ1−>4およびベータ1−>4、アルファ1−>4およびベータ1−>6、アルファ1−>6およびベータ1−>2、アルファ1−>6およびベータ1−>3、アルファ1−>6およびベータ1−>4、アルファ1−>6およびベータ1−>6、ベータ1−>2およびベータ1−>3、ベータ1−>2およびベータ1−>4、ベータ1−>2およびベータ1−>6、ベータ1−>3およびベータ1−>4、ベータ1−>3およびベータ1−>6、ならびにベータ1−>4およびベータ1−>6からなる群から選択される少なくとも2つのグリコシド結合を含む。
【0214】
グリコシド結合(bond)および結合(linkage)の分布は、当業者に公知の方法、例えば二次元核磁気共鳴分光法(2D NMR)によって決定することができる。これらの方法は、一般的に、所与の結合タイプに対して特徴的なピークの曲線下面積(AUC)定量に依存する。実施例15は、本明細書において言及されるように、グリコシド結合(bond)および結合(linkage)を決定するために使用することができる特定の2D NMRアプローチを記載する。好ましい実施形態では、グリコシド結合(bond)および結合(linkage)は、実施例15の2D NMR法を用いて決定される。
【0215】
L型およびD型
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのグリカンサブユニットがL型の糖であるグリカンポリマーの調製物が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのグリカンサブユニットがD型の糖であるグリカンの調製物が提供される。いくつかの実施形態では、グリカンサブユニットが天然に存在するか、またはより一般的である(例えば、D−グルコース、D−キシロース、L−アラビノース)L型またはD型の糖であるグリカンの調製物が提供される。
【0216】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物(例えば、オリゴ糖および多糖)は、グリカンサブユニットのL型およびD型の所望の混合物、例えば、L型対D型またはD型対L型が1:1、1:2、1:3、1:4、1:5などの所望の比の混合物を含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、グリカンユニットのL型およびD型の所望の混合物、例えば、L型対D型またはD型対L型が1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:100、1:150などの所望の比の混合物を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、実質的にすべてL型またはD型のグリカンサブユニットを有するグリカンを含み、任意選択的に、それぞれ他の型を約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%含む。
【0219】
グリカン単位の内容
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのグリカンサブユニットが、テトロース、ペントース、ヘキソース、またはヘプトースであるグリカンポリマーの調製物が提供される。任意選択的に、グリカンポリマー調製物のグリカンの形成に関与するグリカンサブユニットは変化する。単糖グリカンサブユニットの例には、グルコース、ガラクトース、およびフルクトースなどのヘキソース、およびキシロースなどのペントースが含まれる。単糖類は、一般に、化学式:Cx(H
2O)y(ここで、通常、x≧3である)を有する。単糖類は、それらが含有する炭素原子の数xによって分類することができる:例えば、ジオース(2)、トリオース(3)、テトロース(4)、ペントース(5)、ヘキソース(6)およびヘプトース(7)。単糖グリカンサブユニットは、非環式(開鎖)形態で存在し得る。同じ分子グラフを有する開鎖の単糖類は、2つ以上の立体異性体として存在し得る。単糖類はまた、カルボニル基と同じ分子のヒドロキシルのうちの1つとの間で求核付加反応を介して環状形態で存在し得る。反応物は、1個の架橋酸素原子によって閉口している炭素原子の環を形成する。これらの環状形態では、環は、通常、5個の原子(フラノース)または6個の原子(ピラノース)を有する。
【0220】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、異なる単糖グリカンサブユニットの所望の混合物、例えば、ジオース(2)、トリオース(3)、テトロース(4)、ペントース(5)、ヘキソース(6)、またはヘプトース(7)の混合物を含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物のグリカンポリマーは、ペントース(5)およびヘキソース(6)の所望の混合物を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、2つ、3つ、4つ、または5つの異なるグリカンサブユニットの所望の混合物、例えば、i)グルコース、ガラクトース、アラビノース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、およびラムノースから選択される単糖類から選択される1つ以上のグリカンサブユニット、ii)アカルビオシン、n−アセチルラクトサミン、アロラクトース、セロビオース、キトビオース、ガラクトース−アルファ−1,3−ガラクトース、ゲンチオビオース、イソマルト、イソマルトース、イソマルツロース、コージビオース、ラクチトール、ラクトビオン酸、ラクトース、ラクツロース、ラミナリビオース、マルチトール、マルトース、マンノビオース、メリビオース、メリビウロース、ネオヘスペリドース、ニゲロース、ロビノース、ルチノース、サンブビオース、ソホロース、スクラロース、スクロース、スクロース酢酸イソ酪酸エステル、オクタアセチルスクロース、トレハロース、ツラノース、ビシアノース、およびキシロビオースから選択される二糖類から選択される1つ以上のグリカンサブユニット、iii)アカルボース、N−アセチルエマンノサミン、N−アセチルムラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチルエタロサミヌロニン酸(acetyletalosaminuronic acid)、アラビノピラノシル−N−メチル−N−ニトロソ尿素、D−フルクトース−L−ヒスチジン、N−グリコリルノイラミン酸、ケトサミン、キダマイシン、マンノサミン、1B−メチルセレノ−N−アセチル−D−ガラクトサミン、ムラミン酸、ムラミルジペプチド、ホスホリボシールアミン、PUGNAc、シアリル−Lewis A、シアリル−Lewis X、バリダマイシン、ボグリボース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコミサン、アスパルチルグルコサミン、バシリチオール、ダウノサミン、デソサミン、フルクトサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、メグルミン、およびペロサミンから選択されるアミノ糖から選択される1つ以上のグリカンサブユニット、iv)1−5−アヒドログルシトール、クラジノース、コリトース、2−デオキシ−D−グルコース、3−デオキシグルカソン、デオキシリボース、ジデオキシヌクレオチド、ジギタロース、フルデオオキシグルコース、サルメントース、およびスルホキノボースから選択されるデオキシ糖から選択される1つ以上のグリカンサブユニット;v)カスタノスペルミン、1−デオキシノジリマイシン、イミノ糖、ミグリトール、ミグルスタット、およびスワインソニンから選択されるイミノ糖から選択される1つ以上のグリカンサブユニット、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチルタロサムヌロニン酸(acetyltalosamnuronic acid)、アルダル酸、アルドン酸、3−デオキシ−D−マンノ−オクト−2−ウロソニック酸、グルクロン酸、グルコサミンウロニック酸、グリセリン酸、N−グリコリルノイラミン酸、イズロン酸、イソサッカリン酸、パンガミン酸、シアル酸、トレオン酸、ウロソニック酸、ウロニック酸、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ケトデオキシオクツロソニック酸、ガラクツロン酸、ガラクトサミヌロン酸、マンヌロン酸、マンノサミヌロン酸、酒石酸、粘液酸、糖酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、ヘキサン酸、フマル酸、マレイン酸、酪酸、クエン酸、グルコサミン酸、リンゴ酸、スクシンアミド酸、セバシン酸、およびカプリン酸から選択される糖酸から選択される1つ以上のグリカンサブユニット、vi)ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、イソブチル酸、吉草酸、およびイソ吉草酸から選択される短鎖脂肪酸から選択される1つ以上のグリカンサブユニット、ならびにvii)メタノール、エチレングリコール、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イジトール、ボレミトール、フシトール、イノシトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、およびポリグリシトールから選択される糖アルコールから選択される1つ以上のグリカンサブユニットの混合物を含む。
【0222】
例示的なグリカンは、モノマーが構成する物質の割合を反映する100の中からの数に従って、単量体の糖成分を表す3文字コードによって記載されている。それ故に、「glu100」は、100%のD−グルコース(グリカン単位)の入力から生成されるグリカンに属し、「glu50gal50」は、50%のD−グルコースおよび50%のD−ガラクトース(グリカン単位)の入力から、またはあるいは、ラクトース二量体(グリカン単位)の入力から生成されるグリカンに属するものと見なす。本明細書に使用される場合、xyl=D−キシロース、ara=L−アラビノース、gal=D−ガラクトース、glu=D−グルコース、rha=L−ラムノース、fuc=L−フコース、man=D−マンノース、sor=D−ソルビトール、gly=D−グリセロール、neu=NAc−ノイラミン酸。
【0223】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、上のi)〜vii)から選択される1つのグリカン単位Aを含み、グリカン単位Aは、100%のグリカン単位の入力を含む。例えば、いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、ホモグリカンxyl100、rha100、ara100、gal100、glu100、およびman100から選択される。いくつかの実施形態では、グリカン調製物は、ホモグリカンfuc100およびfru100から選択される。
【0224】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、上のi)〜vii)から独立して選択される2つのグリカン単位AおよびBの混合物を含み、AおよびBは、i)〜vii)の同じかまたは異なる群から選択され得、かつAおよびBは、任意の所望の比率(例えば、100%を超えない、1〜99%のAおよび99〜1%のBの範囲)で選択され得る。
【0225】
例えば、いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、ヘテログリカンara50gal50、ara50gal50、xyl75gal25、ara80xyl20、ara60xyl40、ara50xyl50、glu80man20、glu60man40、man80glu20、man60glu40、xyl75ara25、gal75xyl25、Man80gal20、gal75xyl25、Man66gal33、Man75gal25、glu80gal20、glu60gal40、glu40gal60、glu20gal80、gal80man20、gal60man40、gal40man60、glu80xyl20、glu60xyl40、glu40xyl60、glu20xyl80、glu80ara20、glu60ara40、glu40ara60、glu20ara80、gal80xyl20、gal60xyl40、gal40xyl60、gal20xyl80、gal80ara20、gal60ara40、gal40ara60、gal20ara80、man80xyl20、man60xyl40、man40xyl60、man20xyl80、man80ara20、man60ara40、man40ara60、man20ara80、xyl80ara20、xyl60ara40、glu50gal50、およびman62glu38から選択される。
【0226】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、上のi)〜vii)から独立して選択される3つのグリカン単位A、B、およびCの混合物を含み、A、B、およびCは、i)〜vii)の同じまたは異なる群から選択され得、A、B、およびCは、任意の所望の比率(例えば、100%を超えない、1〜99%のA、1〜99%のB、および1〜99%のCの範囲)で選択され得る。
【0227】
例えば、いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、ヘテログリカンxyl75glu12gal12、xyl33glu33gal33、xyl75glu12gal12、glu33gal33fuc33、glu33gal33nman33、glu33gal33xyl33、glu33gal33ara33、gal33man33xyl33、gal33man33ara33、man52glu29gal19、Glu33Man33Xyl33、Glu33Man33Ara33、Glu33Xyl33Ara33、Gal33Man33Xyl33、Gal33Man33Ara33、Gal33Xyl33Ara33、Man33Xyl33Ara33、Glu90Gal5Man5、Glu80Gal10Man10、Glu60Gal20Man20、Glu40Gal30Man30、Glu20Gal40Man40、Glu10Gal45Man45、Glu5Gal90Man5、Glu10Gal80Man10、Glu20Gal60Man20、Glu30Gal40Man30、Glu40Gal20Man40、Glu45Gal10Man45、Glu5Gal5Man90、Glu10Gal10Man80、Glu20Gal20Man60、Glu30Gal30Man40、Glu40Gal40Man20、およびGlu45Gal45Man10から選択される。
【0228】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、上のi)〜vii)から独立して選択される4つのグリカン単位A、B、C、およびDの混合物を含み、A、B、C、およびDは、i)〜vii)の同じまたは異なる群から選択され得、A、B、C、およびDは、任意の所望の比率(例えば、100%を超えない、1〜99%のA、1〜99%のB、1〜99%のC、および1〜99%のDの範囲)で選択され得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、上のi)〜vii)から独立して選択される5つのグリカン単位A、B、C、D、およびEの混合物を含み、A、B、C、D、およびEは、i)〜vii)の同じまたは異なる群から選択され得、A、B、C、D、およびEは、任意の所望の比率(例えば、100%を超えない、1〜99%のA、1〜99%のB、1〜99%のC、1〜99%のD、および1〜99%のEの範囲)で選択され得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのグリカンサブユニットが、グルコース、ガラクトース、アラビノース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、およびラムノースからなる群から選択される、グリカンポリマーの調製物が提供される。
【0231】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、例えば、グルコースおよびガラクトース、グルコースおよびアラビノース、グルコースおよびマンノース、グルコースおよびフルクトース、グルコースおよびキシロース、グルコースおよびフコース、グルコースおよびラムノース、ガラクトースおよびアラビノース、ガラクトースおよびマンノース、ガラクトースおよびフルクトース、ガラクトースおよびキシロース、ガラクトースおよびフコース、ならびにガラクトースおよびラムノース、アラビノースおよびマンノース、アラビノースおよびフルクトース、アラビノースおよびキシロース、アラビノースおよびフコース、ならびにアラビノースおよびラムノース、マンノースおよびフルクトース、マンノースおよびキシロース、マンノースおよびフコース、ならびにマンノースおよびラムノース、フルクトースおよびキシロース、フルクトースおよびフコース、ならびにフルクトースおよびラムノース、キシロースおよびフコース、キシロースおよびラムノース、ならびにフコースおよびラムノースなどの混合物のような、2つの異なる単糖グリカンサブユニットの所望の混合物を、例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、または1:5の比率またはそれらの逆比率で、または、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、または1:100の比率またはそれらの逆比率で含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、3つの異なる単糖グリカンサブユニットの所望の混合物、例えば、グルコース含有グリカン調製物については、グルコース、ガラクトース、およびアラビノース;グルコース、ガラクトース、およびマンノース;グルコース、ガラクトース、およびフルクトース;グルコース、ガラクトース、およびキシロース;グルコース、ガラクトース、およびフコース、グルコース、ガラクトース、およびラムノース;グルコース、アラビノース、およびマンノース;グルコース、アラビノース、およびフルクトース;グルコース、アラビノース、およびキシロース;グルコース、アラビノース、およびフコース;グルコース、アラビノース、およびラムノース;グルコース、マンノース、およびフルクトース;グルコース、マンノース、およびキシロース;グルコース、マンノース、およびフコース;グルコース、マンノース ラムノース;グルコース、フルクトース、およびキシロース;グルコース、フルクトース、およびフコース;グルコース、フルクトース、およびラムノース;グルコース、フコース、およびラムノースなどの混合物等を、例えば、1:1:1、1:2:1、1:3:1、1:4:1、1:5:1、1:1:2、1:2:2、1:3:2、1:4:2、1:1:3、1:2:3、1:3:3、1:1:4、1:2:4、1:1:5、1:2:5等の比率、または、1:1:1、1:2:1、1:3:1、1:4:1、1:5:1、1:6:1、1:7:1、1:8:1、1:9:1、1:10:1、1:12:1、1:14:1、1:16:1、1:18:1、1:20:1、1:1:2、1:2:2、1:3:2、1:4:2、1:5:2、1:6:2、1:7:2、1:8:2、1:9:2、1:10:2、1:1:3、1:2:3、1:3:3、1:4:3、1:5:3、1:6:3、1:7:3、1:8:3、1:9:3、1:10:3、1:1:4、1:2:4、1:3:4、1:4:4、1:5:4、1:6:4、1:7:4、1:8:4、1:9:4、1:10:4、1:1:5、1:2:5、1:3:5、1:4:5、1:5:5、1:6:5、1:7:5、1:8:5、1:9:5、1:10:5等の比率で含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、N−アセチルガラクトサミンまたはN−アセチルグルコサミンを含まない。いくつかの実施形態では、グリカンの調製物は、シアル酸を含まない。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、脂質および脂肪酸を含まない。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、アミノ酸を含まない。
【0234】
フラノ―ス:ピラノース
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのグリカンサブユニットがフラノ―ス糖であるグリカンポリマーの調製物が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのグリカンサブユニットがピラノース糖であるグリカンの調製物が提供される。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、フラノ―ス糖およびピラノース糖の混合物を含む。いくつかの実施形態では、調製物中のフラノース糖:ピラノース糖の比率は、約0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.2:1、1.5:1、1.7:1、2:1、2.2:1、2.5:1、2.7:1、3:1、4:1、5:1、もしくは約6:1であり、または調製物中のフラノース糖:ピラノース糖の比率は、約7:1、8:1、9:1、もしくは約10:1である。
【0235】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、実質的にすべてフラノース糖またはピラノース糖を含み、任意選択的に、それぞれ他の糖を約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、実質的にすべてピラノース糖を含み、調製物中のフラノース型のグリカン単位は約0.1%、02%、0.5%、1%、2%、3%、4%未満、または5%未満である。いくつかの実施形態では、調製物中の単量体グリカン単位の3%、2%未満、または1%未満が、フラノース型である。
【0237】
塩
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、例えば、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルファート、酢酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩など塩の形態(例えば、薬学的に許容される塩の形態)で存在する1つのグリカンサブユニットまたは複数のグリカンサブユニットを含む。
【0238】
誘導体化
必要に応じて、グリカンの単糖類またはオリゴ糖グリカンサブユニットは、さらに置換または誘導体化され、例えば、ヒドロキシル基は、エーテル化またはエステル化され得る。例えば、グリカン(例えば、オリゴまたは多糖類)は、修飾サッカリド単位、例えば、ヒドロキシル基が除去される2’−デオキシリボース、ヒドロキシル基がフッ素と置換される2’−フルオロリボース、またはN−アセチルグルコサミン、グルコース(例えば、2’−フルオロリボース、デオキシリボース、およびヘキソース)の窒素含有形態を含有し得る。置換度(DS、1グリコシル単位当たりのヒドロキシル基の平均数)は、1、2、もしくは3、または別の好適なDSであり得る。いくつかの実施形態では、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のグリカンサブユニットが、置換または誘導体化される。いくつかの実施形態では、置換度は、例えば、ある特定の割合では誘導体化されず、1のDSを示し、2のDSを示し、3のDSを示す、サブユニット間で変動する。任意の望ましい混合物を生成することができ、例えば、0〜99%のサブユニットは、誘導体化されず、0〜99%のサブユニットは、1のDSを示し、0〜99%のサブユニットは、2のDSを示し、0〜99%のサブユニットは、3のDSを示し、合計で100%になる。置換度は、グリコシル部分に添加される置換基(モル置換(MS))のモルの平均数を調整することによって制御され得る。グリカンのオリゴ糖または多糖鎖の長さに沿った置換基の分布は、反応条件、試薬のタイプ、および置換の範囲を調整することによって制御され得る。いくつかの実施形態では、単量体のサブユニットは、酢酸エステル、硫酸半エステル、リン酸エステル、またはピルビル環状アセタール基のうちの1つ以上と置換される。
【0239】
溶解度
いくつかの実施形態では、調製物中のグリカンポリマーは、高溶解性である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、23℃で明らかな固化または結晶化を行わずに(最終溶解限度)、少なくとも55Brix、65Brix、60Brix、65Brix、70Brix、75Brix、80Brix、または少なくとも85Brixまで濃縮され得る。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、23℃で明らかな固化または結晶化を行わずに(最終溶解限度)、少なくとも約0.5g/ml、1g/ml、1.5g/ml、2g/ml、2.5g/ml、3g/ml、3.5g/ml、または少なくとも4g/mlまで濃縮され得る。
【0240】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物(例えばオリゴ糖)は、分岐しており、例えば、少なくとも0.01、0.05、または0.1の平均DBを有し、かつ、23℃で少なくとも約70Brix、75Brix、80Brix、または少なくとも約85Brixの水中に最終溶解限度を有するか、または少なくとも約1g/ml、2g/ml、または少なくとも約3g/mlである。
【0241】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、脱イオン水中、または好適な緩衝液中、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4、または類似の生理学的pH中、20℃で、少なくとも0.001g/L、0.005g/L、0.01g/L、0.05g/L、0.1g/L、0.2g/L、0.3g/L、0.4g/L、0.5g/L、0.6g/L、0.7g/L、0.8g/L、0.9g/L、1g/L、5g/L、10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、100g/L、200g/L、300g/L、400g/L、500g/L、600g/L、700g/L、800g/L、900g/L、1000g/Lの最終溶解限度を有する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、または99.5%を超える溶解性があり、脱イオン水中、または好適な緩衝液中、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4、または類似の生理学的pH中、20℃で、0.001g/L、0.005g/L、0.01g/L、0.05g/L、0.1g/L、0.2g/L、0.3g/L、0.4g/L、0.5g/L、0.6g/L、0.7g/L、0.8g/L、0.9g/L、1g/L、5g/L、10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、100g/L、200g/L、300g/L、400g/L、500g/L、600g/L、700g/L、800g/L、900g/L、1000g/Lを超える濃度で観察される沈殿物を有しない。
【0242】
甘味度
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、所望の甘味度を有する。例えば、スクロース(テーブルシュガー)は、プロトタイプの甘味物質である。溶液中のスクロースは、1の甘味知覚評価を有し、他の物質は、これと比較して評価される(例えば、フルクトースは、スクロースの甘味の1.7倍で評価される)。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物の甘味は、スクロースと比較して、0.1〜500,000の範囲に及ぶ。いくつかの実施形態では、相対的甘味は、スクロースと比較して、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、25000、50000、75000、100000、150000、200000、250000、300000、350000、40000、450000、500000、または500,000超である(スクロースが1と得点される)。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物は、軽度に甘さ、または甘さと苦味の両方がある。
【0243】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物、例えば、実質的に、DP2+またはDP3+である調製物(例えば、DP2+またはDP3+の少なくとも80%、90%、または少なくとも95%、または分画化された調製物)は、実質的に、甘さとして感知できず、相対的な甘味は、スクロースと比較して、約0、0.0001、0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または約0.8である(スクロースが1と得点される)。
【0244】
発酵性
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるグリカンポリマー調製物は、それらの発酵性を評価するためにスクリーニングされる。グリカンポリマーの発酵性は、調製物のグリカン種における加水分解性グリコシド結合の数または表現の関数である。いくつかの実施形態では、発酵性は、本明細書に記載のグリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子を用いて試験される。本明細書に記載の方法によって、例えばグリコシダーゼ酵素分子を利用することによって、産生されたグリカンポリマーは、グリコシダーゼ酵素分子に密接に関連している(例えば、高度な関連配列相同性を共有する、グリコシダーゼ酵素分子がグリコシダーゼ酵素の誘導体である、同じ起源を共有する(例えば、微生物起源、同じグリコシド官能基を共有する、グリコシドヒドロラーゼまたはグリコシドトランスフェラーゼCAZyファミリーのメンバーである、など)グリコシダーゼ酵素(例えば、ヒトの腸内微生物のもの)のための基質であると考えられる。
【0245】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の発酵性の程度は、30分以下、20分以下、15分以下、10分以下、5分以下、4分以下、3分以下、2分以下、または1分以下である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の消化率は、30分以上、45分以上、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、または10時間以上であり、調製物のグリカンの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、99%が発酵され、例えば、分解され、その結果、調製物のグリカンポリマーは、標準的な方法(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー)による平均DPの減少(例えば、DP=5からDP=4)、および/または小分子量画分(例えば、モノマー、ダイマー、トリマー)の増加(または減少)を示す。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物のグリカンポリマーは、哺乳動物酵素(例えば、アミラーゼ)によって加水分解性がある1%未満、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、30%、40%、または50%未満の結合を含む。
【0246】
適当なアッセイは、(例えば、ベンチマークのグリカンに対する)比較発酵性を評価するために、または絶対消化率を評価するために使用することができる。
【0247】
グリカンポリマーの同定および分析
必要に応じて、グリカンポリマー調製物を特徴付けることができる。例えば、モノマー構築ブロック(例えば、単糖類またはグリカンサブユニットの組成物)、側鎖のアノマー配置、置換基の存在および位置、重合度/分子量、および結合パターンは、当該技術分野において公知の標準的な方法、例えば、メチル化分析、還元開裂、加水分解、GC−MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)、MALDI−MS(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析法)、ESI−MS(エレクトロスプレイイオン化質量分析法)、HPLC(紫外線または屈折率検出を有する高速液体クロマトグラフィー)、HPAEC−PAD(パルスアンペロメトリー検出を有する高性能陰イオン性交換クロマトグラフィー)、CE(キャピラリー電気泳動)、IR(赤外線)/ラマン分光法、およびNMR(核磁気共鳴)分光法技術等によって特定され得る。結晶稠度のポリマーについては、結晶構造は、例えば、固体状態のNMR、FT−IR(フーリエ変換正規外線分光法)、およびWAXS(広角X線散乱)を用いて溶解され得る。DP、DPの分布、および多分散性は、例えば、粘度測定およびSEC(SEC−HPLC、高性能サイズ排除クロマトグラフィー)によって決定され得る。異種基、末端基、および置換基は、例えば、標識化を有するSEC、水性分析、MALDI−MS、FT−IR、およびNMRを用いて決定され得る。グリカンのモノマー成分を同定するために、例えば、酸触媒加水分解、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)またはGLC(ガス−液体クロマトグラフィー)(アルジトールアセテートへの変換後)等の方法が使用され得る。グリカン中に存在する結合を決定するために、一例では、多糖は、DMSO中のヨウ化メチルおよび強塩基でメチル化され、加水分解が行われ、部分的にメチル化されたアルジトールへの還元が達成され、メチル化されたアルジトールアセテートへのアセチル化が行われ、分析は、GLC/MS(質量分析法に加えてガス−液体クロマトグラフィー)によって行われる。いくつかの実施形態では、多糖配列を決定するために、酸または酵素を用いて、部分的な脱重合が行われ、構造を決定する。多糖の可能な構造は、加水分解性オリゴマーの構造と比較され、可能な構造のうちの1つがオリゴマーを産生し得ることが決定される。アノマー構造を同定するために、一例では、無傷の多糖またはオリゴ糖の調製物は、酵素的分析に供され、例えば、それらを、例えば、β−ガラクトシダーゼまたはα−グルコシダーゼ等の特定の種類の結合に特異的である酵素と接触させ、NMRは生成物を分析するために使用され得る。
【0248】
例えば、グリカンポリマー調製物の分布(または平均)重合度(DP)は、例えば、10〜100mg/mLの濃度を有する試料を、例えば、Gomezら(Purification,Characterization,and Prebiotic Properties of Pectic Oligosaccharides from Orange Peel Wastes,J Agric Food Chem,2014,62:9769)において記載される、7.8×300mm BioRad Aminex HPX−42Aカラム(または類似物)およびRI検出器が装備されているAgilent 1260 BioPure HPLC(または類似物)に注入することによって測定され得る。あるいは、濃度を有する試料は、例えば、Holckら(Feruloylated and nonferuloylated arabino−oligosaccharides from sugar beet pectin selectively stimulate the growth of bifidobacterium spp.in human fecal in vitro fermentations,Journal of Agricultural and Food Chemistry,2011,59(12),6511−6519)において記載される、4×250mm Dionex CarboPac PA1カラム(または類似物)およびPAD検出器が装備されたDionex ICS5000 HPLC(または類似物)に注入され得る。オリゴマーの標準溶液と比較して得られるスペクトルを積分すると、平均DPの決定が可能となる。
【0249】
分子量の分布は、例えば、MALDI質量分析法によって測定することができる。オリゴ糖濃度は、モノマーとオリゴマーとの間の屈折の差を考慮するために標準化曲線に対して最終値を調節して、Mettler−Toledoの糖用屈折計(または類似品)を用いて測定することができる。
【0250】
グリコシド位置化学の分布は、例えば、標準パルス配列およびBruker 500MHz分光計を用いて、COSY、HMBC、HSQC、DEPT、およびTOCSY分析を含む、様々な2D−NMR技術によって特徴付けることができる。ピークは、既知の位置化学を有する天然に存在する多糖のスペクトルとの相関によって割り当てることができる。
【0251】
オリゴマーのモノマー組成物は、例えば、既知量のオリゴマーを高温で強酸に溶解し、全加水分解が生じるのに十分な時間を与える完全加水分解法によって測定され得る。次いで、個々のモノマーの濃度は、Holck et al.に記載のように相対存在度測定を達成するために、本明細書に記載され、当該技術分野において公知のHPLCまたはGC法によって測定され得る。絶対量は、臨界シグナルのうちのいずれかとの重複を阻止するために選択された公知の量の検出器に活性基準でHPLC試料をスパイクすることによって測定され得る。
【0252】
任意の所与の集団における分岐度は、例えば、Hakomori(J.Biochem.(Tokyo),1964,55,205)によって確立されたメチル化分析法によって測定され得る。これらのデータにより、潜在的反復単位の同定は、全加水分解、平均DP、およびメチル化分析からのデータを組み合わせ、DEPT NMRスペクトルに対してそれらを比較することによって構築され得る。これらのデータに対するアノマー炭素シグナル数の相関は、例えば、Hardingら(Carbohydr.Res.2005,340,1107)に実証されるように、規則的な反復単位が、収集されたデータを満たすために必要であるかどうかを示す。
【0253】
集団におけるnの重合度(DP)(本明細書では、DP(n)として示される)を有する種のモル率は、例えば、屈折率(RI)検出器を備えたAgilent 1260 BioInertシリーズの装置、および移動相として水を用いた当業者によく知られている様々なカラム上の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定される。カラムは、対象となる種を最も単離する、HILIC、金属配位、および水性のサイズ排除クロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない、化学的性質から選択される。DP(n)のモル%は、式:
%DP(n)=100*AUC[DP(n)]/AUC[DP(合計)]
(式中、AUCは、既知の標準物に対する較正によって決定される、目的の種に対する曲線下面積として定義される。)によって決定され、グリコシド結合異性体のモル率(%アルファおよび%ベータ)は、当業者によく知られている様々な2D技術を用いた核磁気共鳴(NMR)分光法によって決定される。アルファ異性体およびベータ異性体は、例えば、NMRスペクトルにおけるそれらの異なるシフトによって区別され、モル率は、次式で決定され:
グリコシド結合の%(グリコシド異性体n)=100*AUC[シフト(異性体n)]/AUC[シフト(異性体アルファ+異性体ベータ)]
(式中、AUCは、所望の異性体nを表すことが知られている特定のシフト値の濃度曲線下面積として定義される。)、
位置化学異性体のモル百分率は、次式を用いた類似の様式で決定される:
位置異性体の%(位置異性体n)=100*AUC[シフト(位置異性体n)]/AUC[シフト(全位置異性体)]。
【0254】
オリゴマー集団を作製するモノマー糖の相対的割合は、例えば、オリゴマー試料の酸性消化の合計、続いて、アルジトールアセテートへの変換、続いて、公知の基準のGCに対して比較される得られたモノマー溶液のガスクロマトグラフ(GC)分析によって決定される。モノマー(n)(nは任意の糖であり得る)のモル百分率は、次式によって決定される:
%(糖n)=100*AUC[糖n]/AUC[全モノマー糖の合計]。
【0255】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物の溶解度は、例えば、電荷、構造(例えば、DP、分岐度)の選択、および/またはグリカン単位の誘導体化によって調節され得る。
【0256】
直鎖に均一に結合されたある種の糖単位からなるグリカンポリマーの調製物は、通常、グリカンが20〜30の重合度(DP)を有する低分子量を有する場合であっても、23℃で不水溶性である。グリカンポリマーの溶解度は、例えば、(1−>6)結合を導入し、グリカンにおいてグリコシド結合を変更することによって、調整することができる。C−5からC−6結合の周りの回転によって与えられる余分の自由度により、より高い溶液のエントロピー値を得る。2種類の糖結合を有するホモグリカンまたは2種類の糖からなるヘテログリカンは、一般的に、均一ポリマーよりも溶解性が高い。直鎖ホモグリカンのイオン化は、溶解度を付加する(例えば、ゲルの溶解度に)ことができる。溶液の粘度はしばしばグリカンの三次構造に依存する。
【0257】
グリカンポリマーの製剤および投与量
本明細書に記載の調製物の特徴のうちの1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上(上の基準(i)〜(v)を含む)を満たすグリカンポリマー調製物を含む組成物(例えば、医薬組成物)を生成する方法も、本明細書に提供される。具体的には、方法は、グリカンポリマー調製物を提供することと、例えば、i)重合度(DP)、ii)平均分岐度(DB、残基当たりの分岐点)、iii)アルファ−グリコシド結合対ベータ−グリコシド結合の比率、iv)グリカンサブユニットの同一性、およびv)グリカンサブユニットの比率を含む、調製物の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の特徴の値を得ることと、調製物の所望のまたは既定の基準が偏差の所望の範囲内で満たされる場合、グリカンポリマー調製物を含む医薬組成物を生成することと、を含む。
【0258】
グリカンポリマー調製物を医薬組成物、医療用食品、または栄養補助食品に製剤化するための方法は、当該技術分野において公知であり、(i)調製物を薬物生成物に製剤化する工程と、(ii)調製物をパッケージ化する工程と、(iii)パッケージ化した調製物にラベル付けする工程と、ならびに(iv)パッケージ化およびラベル付けされた調製物を販売する工程、または販売に供する工程、のうちの1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上を含み得る。グリカンポリマー調製物の薬物生成物への製剤化は、当該技術分野において公知であり、(i)調製物から望ましくない成分を除去する工程と、(ii)調製物の体積を減少させる工程と、(iii)調製物を殺菌する工程と、(iv)調製物を薬学的に許容される賦形剤または担体と混合する工程と、(v)調製物を第2の薬物または薬学的薬剤と混合する工程と、(vi)調製物を、例えば、水性希釈溶液、シロップ、または固体等の適当な稠度に製剤化する工程と、(vii)調製物を、適当な剤形、例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤に製剤化する工程、のうちの1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上を含み得る。
【0259】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、グリカンポリマーシロップまたは粉末のいずれかを産生するためのさらなる処理を経る。例えば、一変形例では、グリカンポリマー調製物は、濃縮されてシロップを形成する。真空蒸発装置の使用等、溶液を濃縮するための当該技術分野において公知の任意の適当な方法が、使用され得る。別の変形例では、グリカンポリマー調製物は、噴霧乾燥されて粉末を形成する。溶液を噴霧乾燥して粉末を形成するための当該技術分野において公知の任意の適当な方法が使用され得る。
【0260】
グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品が、本明細書に提供される。任意選択により、グリカンポリマー調製物を含む医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、第2の薬剤、例えば、プレバイオティクス物質および/またはプロバイオティクス細菌をさらに含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、微量栄養素をさらに含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、プレバイオティクス物質を含有しない。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、プロバイオティクス細菌を含有しない。さらに、任意選択により、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、滑沢剤、流動促進剤、安定剤、界面活性剤、香味剤、および着色剤を含む、1つ以上の賦形剤または担体を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品(およびそれを含むキット)は、1つ以上の微量栄養素を含む。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、微量元素、コリン、ビタミン、およびポリフェノールからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、微量金属である。微量栄養素として適当な微量元素としては、ホウ素、コバルト、クロム、カルシウム、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、セレン、および亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ビタミンである。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ポリフェノールである。
【0262】
さらに、必要に応じて、グリカンポリマー調製物を含む医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、および/またはプロバイオティクス細菌を含んでもよい。あるいはまたはさらに、治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、および/またはプロバイオティクス細菌は、別々に(例えば、グリカンポリマーの投与の前、それと同時に、またはその後)、グリカンポリマーの医薬組成物、医療用食品、または栄養補助食品の一部として(例えば、共製剤として)ではなく、投与されてもよい。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物を含む医薬組成物または医療用食品または栄養補助食品は、医師または他の医療従事者によって決定され得るような、推奨された、または規定の食事、例えば、プロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクス含有食品に富む食事と組み合わせて投与される。治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、および/またはプロバイオティクス細菌は、対象の腸内のマイクロバイオームを調節するために投与されてもよい。いくつかの実施形態では、複合効果(例えば、微生物、ゲノム、または機能的変化の数または強度における)は、相加的である。他の実施形態では、複合効果(例えば、微生物、ゲノム、または機能的変化の数または強度における)は、相乗的である。
【0263】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、プレバイオティクス物質またはその調製物をさらに含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、プレバイオティクスは、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、または栄養補助食品を受けている対象に投与され得る。プレバイオティクスは、消費されるときに、消化管内の限られた数の固有細菌の好ましい増殖または活性を選択的に刺激することによって宿主への有益な生理学的効果を提供し得る消化されない物質である(Gibson G R,Roberfroid M B.Dietary modulation of the human colonic microbiota:introducing the concept of prebiotics.J Nutr.1995 June;125(6):1401−12.)。食物繊維またはプレバイオティクスオリゴ糖(例えば、結晶性セルロース、コムギふすま、オートムギふすま、トウモロコシ繊維、ダイズ繊維、ビート繊維など)などのプレバイオティクスは、さらに、発酵可能な量の炭水化物を細菌に供給し、それらの微生物集団(例えば、乳酸菌とビフィズス菌)の消化管内のレベルを増加させることによって、腸内でのプロバイオティクス細菌および/または共生細菌の増殖を促進し得る。
【0265】
プレバイオティクスとしては、様々なガラクタンおよび炭水化物系ガム、例えば、オオバコ、グアー、カラギーン、ジェラン、ラクツロース、およびコンニャク等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プレバイオティクスは、ガラクトオリゴ糖(GOS)、ラクツロース、ラフィノース、スタキオース、ラクトスクロース、フルクト−オリゴ糖(FOS、例えば、オリゴフルクトースまたはオリゴフルクタン)、イヌリン、イソマルト−オリゴ糖、キシロ−オリゴ糖(XOS)、パラチノースオリゴ糖、イソマルトースオリゴ糖(IMOS)、トランスガラクトシル化オリゴ糖(例えば、トランスガラクト−オリゴ糖)、トランスガラクトシル化二糖類、大豆オリゴ糖(例えば、大豆オリゴ糖)、キトサンオリゴ糖(チオセス)、ゲンチオオリゴ糖、大豆およびペクチン性オリゴ糖、グルコオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、パラチノース重縮合物、ジフルクトース無水物III、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、ポリオール、ポリデキストロース、直鎖および分岐鎖デキストラン、プララン(pullalan)、ヘミセルロース、還元パラチノース、セルロース、ベータ−グルコース、ベータ−ガラクトース、ベータ−フルクトース、ベルバスコース、ガラクチノール、キシラン、イヌリン、キトサン、ベータ−グルカン、グアーガム、アラビアゴム、ペクチン、高アルギン酸ナトリウム、およびラムダカラゲナン、またはこれらの混合物のうちの1つ以上を含む。
【0266】
適当なプロバイオティクスの例としては、バクテロイデス(Bacteroides)、ブラウティア(Blautia)、クロストリジウム(Clostridium)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ユウバクテリウム(Eubacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、ペプトコッカス(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、アッカーマンシア(Akkermansia)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、ロゼブリア(Roseburia)、プレボテーラ(Prevotella)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、バチルス(Bacillus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エシェリキア(Escherichia)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、ストレプトマイセス(Streptomyces)の属、およびクリステンセネラ(Christensenellaceae)ファミリーとして分類される生物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の方法および組成物に使用され得るプロバイオティクス細菌の非排他的な例には、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.クリスパータス(L.crispatus)、L.カゼイ(L.casei)、L.ラムノーサス(L.rhamnosus)、L.ロイテリー(L.reuteri)、L.ファーメンタム(L.fermentum)、L.プランタルム(L.plantarum)、L.スポロゲネス(L.sporogenes)、およびL.ブルガリカス(L.bulgaricus)などのラクトバチルス(Lactobacillus)種、ならびにB.ラクティス(B.lactis)、B.アニマ―リス(B.animalis)、B.ビフィダム(B.bifidum)、B.ロンガム(B.longum)、B.アドレスセンティス(B.adolescentis)、およびB.インファンティス(B.infantis)などのビフィドバクテリウム(Bifidobacterum)種が含まれる。サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)等の酵母もまた、例えば、経口剤形または食品を介した、消化管への投与のためのプロバイオティクスとして適当である。いくつかの実施形態では、プロバイオティクス細菌分類群はビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)ではない。いくつかの実施形態では、プロバイオティクス細菌分類群は、ラクトバチルス(Lactobacillus)ではない。
【0267】
胃腸の微生物叢の調節に有益な細菌は、例えば、過酸化水素(H
2O
2)およびバクテリオシン等の、有機酸(乳酸および酢酸)を産生するまたは細胞毒性もしくは細胞増殖抑制剤を産生する(病原体の増殖を阻害するために)細菌を含み得る。バクテリオシンは、密接に関連した細菌を死滅させることができるか、またはより広域の活性を呈することができる(例えば、ナイシン)、低分子の抗菌ペプチドである。
【0268】
有益な細菌は、アッカーマンシア属(Akkermansia)、アナエロフィルム属(Anaerofilum)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ブラウティア属(Blautia)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブチリビブリオ属(Butyrivibrio)、クロストリジウム属(Clostridium)、コプロコッカス属(Coprococcus)、ディアリスター属(Dialister)、ドレア属(Dorea)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ユウバクテリウム属(Eubacterium)、フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)、ラクノスピラ属(Lachnospira)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ファスコラークトバクテリウム属(Phascolarctobacterium)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、プレボテーラ属(Prevotella)、ロゼブリア属(Roseburia)、ルミノコッカス属(Ruminococcus)およびストレプトコッカス属(Streptococcus)の1種以上、ならびに/またはアッカーマンシア・ムニシフィラ(Akkermansia municiphilia)種、ミヌタ(minuta)種、クロストリジウム・コッコイデス(Clostridium coccoides)種、クロストリジウム・レプツム(Clostridium leptum)種、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、ディアリスター・インビサス(Dialister invisus)種、ユウバクテリウム・レクタル(Eubacterium rectal)種、ユウバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)種、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)種、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)種およびストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)種の1種以上を含み得る。いくつかの実施形態では、プロバイオティクスまたは共生細菌は、表2中に列挙される細菌のうちの1つ以上を含む。
【0269】
本組成物またはキットを産生するために本明細書に記載のグリカンポリマーと組み合わせられ得るプレバイオティクス物質およびプロバイオティクス菌株は、標準的な方法によって任意の純度レベルで単離され得、精製は、当業者に公知の従来の手段、例えば、蒸留、再結晶、およびクロマトグラフィーによって達成することができる。本組成物に使用される栽培された細菌は、遠心分離、濾過、またはデカンテーションが含まれるが、これらに限定されない、任意の方法によって、培養ブロスから分離される。発酵ブロスから分離された細胞は、任意選択により、水、生理食塩水(0.9% NaCl)によって、または任意の適当な緩衝液を用いて、洗浄される。得られた湿細胞塊は、任意の適当な方法、例えば、凍結乾燥によって乾燥され得る。
【0270】
いくつかの実施形態では、プロバイオティクス細菌は、凍結乾燥した栄養細胞である。いくつかの実施形態では、胞子形成プロバイオティクス細菌からの胞子の調製物が使用される。
【0271】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物はさらにプレバイオティクスおよびプロバイオティクスを含む。一実施形態では、医薬組成物は、生存率が部分的に弱毒化したプロバイオティクス(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上の非生存細菌を含む混合物)、または単に非生存微生物からなるプロバイオティクスを含む。本組成物は、死滅した微生物から単離され、精製された、微生物膜および/または細胞壁をさらに含み得る。必要に応じて、プロバイオティクス生物は、プロバイオティクスが生存可能である、水もしくはその他の液体または半固体培地中の培養物として、グリカンポリマー調製物に組み込むことができる。別の技法では、プロバイオティクス生物を含む凍結乾燥粉末が、混合または混成することによって粒子材料または液体または半固体材料に組み込まれ得る。
【0272】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、第2の治療剤またはその調製物をさらに含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、または抗炎症剤(例えば、サイトカイン、ホルモンなど)を含む。
【0273】
本明細書に記載のグリカンポリマー調製物、他の治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、微量栄養素、およびプロバイオティクスは、単一の医薬組成物、医療用食品、または栄養補助食品に混じり合うか、または混合され得る。他の実施形態では、それらは、別々の容器内に(および/または様々な適当な単位剤形で)含有され得るが、1つ以上のキットに一緒にパッケージ化され得る。いくつかの実施形態では、調製物または組成物は、一緒にパッケージ化されることも、一緒に配置されることもない。次いで、医師は、例えば、互いの前、それと同時に、またはその後に、調製物または組成物を一緒に投与し得る。いくつかの実施形態では、調製物または組成物は、対象において、例えば、胃腸管内の微生物叢を調節する際に相乗的に作用する。
【0274】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー組成物は、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、0.1%〜100%のグリカンポリマー調製物を含む。別の実施形態では、グリカンポリマー組成物は、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%のグリカンポリマー調製物を含む。一実施形態では、グリカンポリマー組成物は、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、約1〜90%、約10〜90%、約20〜90%、約30〜90%、約40〜90%、約40〜80%、約40〜70%、約40〜60%、約40〜50%、約50〜90%、約50〜80%、約50〜70%、約50〜60%、約60〜90%、約60〜80%、約60〜70%、約70〜90%、約70〜80%、約70〜90%、約70〜80%、約80〜90%、約90〜96%、約93〜96%、約93〜95%、約94〜98%、約93〜99%、または約90〜100%のグリカンポリマー調製物を含む。
【0275】
グリカンポリマー調製物を含む組成物は、任意選択により、1つ以上の賦形剤または担体を含み得る。グリカンポリマー組成物は、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、約1%〜約90%の1つ以上の賦形剤または担体を含み得る。例えば、グリカンポリマー組成物は、w/w、w/v、v/v、またはモル%で、約1〜90%、1〜75%、1〜60%、1〜55%、1〜50%、1〜45%、1〜40%、1〜25%、1〜15%、1〜10%、10〜90%、10〜75%、10〜60%、10〜55%、10〜50%、10〜45%、10〜40%、10〜25%、10〜15%、15〜90%、15〜75%、15〜60%、15〜55%、15〜50%、15〜45%、15〜40%、15〜25%、25〜90%、25〜75%、25〜60%、25〜55%、25〜50%、25〜45%、25〜40%、40〜90%、40〜75%、40〜60%、40〜55%、40〜50%、40〜45%、45〜90%、45〜75%、45〜60%、45〜55%、45〜50%、50〜90%、50〜75%、50〜60%、50〜55%、55〜90%、55〜75%、55〜60%、60〜90%、60〜75%、75〜90%の1つ以上の賦形剤または担体を含み得る。
【0276】
医療用食品
医療用食品として製剤化されたグリカンポリマーの調製物もまた、本明細書において提供される。本明細書に記載のグリカンポリマー調製物はいずれも、グリカンポリマー調製物を含む医療用食品および医薬組成物として処方され得る。
【0277】
医療用食品は、希少医薬品法(Orphan Drug Act)(21U.S.C.360ee(b)(3))第5条(b)(3)に定義されている。医療用食品は、例えば、医師による、医学的管理下で、摂取(経口摂取)または経腸投与(例えば、栄養補給/経鼻胃管)されるように処方される。それは、例えば、ディスバイオシスまたはGI管疾患などの疾患または状態の特定の食事管理を目的としている。本明細書において使用される場合、医療用食品は、症状を管理し、または疾患もしくは状態のリスクを低減するために、全体的な食事の一部として医師によって単に推奨される食品は含まない。グリカンポリマーの調製物を含む医療用食品は、合成食品(例えば、経口摂取またはチューブによる経腸栄養補給による患者への部分的または全体的な栄養補給のために処方されるような処方製品および/または加工製品)であり、天然の状態で使用される天然に存在する食品ではない。
【0278】
いくつかの実施形態では、対象は、通常の食品または特定の栄養素を摂取し、消化し、吸収し、または代謝する能力が限られているか、または損なわれている。他の実施形態では、対象は、他の特別な医学的に決定された栄養要求を有し、通常の食事のみを変えてもその栄養管理を達成することができない。グリカンポリマーの調製物を含む医療用食品は、それを必要とする対象に、医学的管理下(これは、現在関与し進行中であってよい)で投与され、そして、通常、対象は、医療用食品の使用についての指示を受ける。医療用食品は、1つ以上の食品添加物、着色添加物、GRAS賦形剤、および医療用食品に適当なその他の薬剤または物質を含み得る。医療用食品調製物は、栄養的に完全な処方であっても不完全な処方であってもよい。
【0279】
栄養補助食品
本明細書中に記載のグリカンポリマー調製物はいずれも、例えば、本明細書中に記載される方法において使用するための、栄養補助食品として処方され得る。栄養補助食品は、1994年のダイエタリーサプリメント健康教育法(Dietary Supplement Health and Education Act)(DSHEA)によって規制されている。栄養補助食品は、食事を補うことを目的とした「食事成分」を含有する経口摂取製品である。これらの製品における「食事成分」は、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物に加えて、ビタミン、ミネラル、ハーブまたは他の植物、アミノ酸、ならびに酵素、臓器組織、腺、および代謝産物などの物質のうちの1つ以上を含み得る。栄養補助食品はまた、抽出物または濃縮物であり得、例えば、錠剤、カプセル、ソフトゲル、ゲルキャップ、液体、または粉末などの多くの形態で見出され得る。それらはまた棒などの他の形態であり得るが、その場合、そのラベル上の情報は、その製品を従来の食品、または食事の単独の品目として表してはならない。DSHEAは、全ての栄養補助食品が一般的な食品としてではなく、栄養補助食品としてラベル付けされることを要求する。
【0280】
食品成分
本明細書に記載のグリカンポリマー調製物はいずれも、例えば、本明細書に記載の方法において使用するための、食品成分または食品添加物として処方され得る。食品成分は、一般的に安全と認められる(GRAS)か、FDAの認可を必要とし得る。グリカンポリマー調製物は、任意の所望の食品、例えば、飲料(例えば、フルーツジュース)、乳製品(例えば、ミルク、ヨーグルト、チーズ)、シリアル(任意の穀物製品)、パン、スプレッドなどに添加することができる。
【0281】
本明細書に記載のグリカンポリマー調製物は、任意の好適な剤形、例えば、経鼻、経口、直腸または胃内投与用に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるグリカンポリマー調製物は、経腸投与用に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるグリカンポリマー調製物は、経管栄養(経鼻胃管、経口胃管または胃管栄養)用に製剤化され得る。本明細書に記載の剤形は、当業者に知られている方法を用いて製造することができる。
【0282】
剤形は、例えば、液体(洗浄/すすぎ)、ゲル、クリーム、軟膏、粉末、錠剤、丸剤、カプセル剤、保管所、使い捨てアプリケータ、または医療デバイス(例えば、シリンジ)の形態で、グリカンポリマー調製物を入れる任意の個々の容器などのパケットであってよい。例えば、グリカンポリマー調製物の単位剤形を含む容器、およびそのようなグリカンポリマーの使用説明書を含むラベルなどの製品も提供される。
【0283】
経口的に使用できる組成物の形態には、錠剤、ゼラチン製の押し込み型カプセル剤、ならびにゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトール)製の軟質密封カプセル剤が含まれる。錠剤は、場合により1つ以上の副成分と共に、圧縮または成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、粉末または顆粒などの自由流動形態の活性成分を、任意選択により、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、不活性希釈剤、防腐剤、酸化防止剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、または滑沢剤、界面活性剤もしくは分散剤と混合して、好適な機械で圧縮することにより調製することができる。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することによって製造することができる。錠剤は、任意選択により、コーティングまたは刻み目を付けることができ、その中の活性成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化することができる。錠剤は、任意選択により、腸の一部(例えば、結腸、腸管下部)における放出を提供するために、腸溶コーティングを設けることができる。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に好適な用量であり得る。押し込み型カプセルは、活性成分を、ラクトースなどのフィラー、澱粉などの結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および任意選択により安定剤と混合して含有することができる。軟カプセル剤では、活性化合物および/または他の薬剤(例えば、プレバイオティクスまたはプロバイオティクス)は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁することができる。さらに、安定剤を添加することができる。糖衣錠コアは好適なコーティングを備える。この目的のために、濃縮された糖溶液が使用され得、これは、任意選択により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る。活性化合物用量の異なる組み合わせを識別するため、または特徴付けるために、錠剤または糖衣錠コーティングに、染料または色素を添加することができる。
【0284】
経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性な固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルとして、あるいは活性成分がポリエチレングリコールなどの水溶性担体、または油媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセルとして提供され得る。
【0285】
一実施形態では、提供されるグリカンポリマー調製物は、ソフトゲル製剤を含む。ソフトゲルは、液体充填物を取り囲むゼラチンベースのシェルを含むことができる。シェルは、ゼラチン、可塑剤(例えば、グリセリンおよび/またはソルビトール)、改質剤、水、着色剤、酸化防止剤、または香料から作ることができる。シェルは、デンプンまたはカラゲナンで作ることができる。外層は腸溶コーティングすることができる。一実施形態では、ソフトゲル製剤は、水または油溶性充填溶液、またはゼラチン層によって覆われた組成物の懸濁液を含むことができる。
【0286】
経口使用のための固体製剤は、腸溶コーティングを含み得、これはグリカンポリマー調製物が消化系で吸収される位置を制御し得る。例えば、腸溶コーティングは、グリカンポリマー調製物が胃内で溶解せず、むしろ小腸に移動し、そこで溶解するように設計することができる。腸溶コーティングは、低pH(例えば、胃内など)で安定であり、より高いpH(例えば、小腸内)で溶解することができる。腸溶コーティングに使用できる材料には、例えば、アルギン酸、酢酸フタル酸セルロース、プラスチック、蝋、シェラック、および脂肪酸(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸)が含まれる。
【0287】
経口使用のための製剤はまた、液体剤形で提供され得る。液体調製物は例えば、水性または油性の懸濁液、溶液、エマルション、シロップまたはエリキシルの形態であり得るか、または使用前に水または他の好適なビヒクルで再構成する乾燥製品として提供され得る。このような液体調製物は、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化食用脂;乳化剤、例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アカシアゴム;非水性ビヒクル(食用脂を含むことができる)、例えば、アーモンド油、油性エステル(グリセリン、プロピレングリコール、またはエチルアルコールなど);保存料、例えば、p−ヒドキシ安息香酸メチルもしくはp−ヒドキシ安息香酸プロピル、またはソルビン酸、および、必要に応じて、従来の香味剤または着色剤を含有することができる。いくつかの実施形態では、液体製剤は、例えば、溶液中水および/または懸濁形態の薬剤;ならびに、ポリエトキシル化ヒマシ油、アルコール、および/またはポリオキシエチル化モノオレイン酸ソルビタンを含むビヒクルを、香味料と共に、または香味料なしで含み得る。各剤形は、有効量のグリカンポリマーを含んでもよく、また、任意選択により、従来の賦形剤、ビヒクル、充填剤、結合剤、崩壊剤、pH調整物質、緩衝剤、溶媒、可溶化剤、甘味料、着色剤、および投与のための医薬剤形に含めることができる任意の他の不活性薬剤などの薬学的に不活性な薬剤を含んでもよい。このようなビヒクルおよび添加剤の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th edition(1985)に見出すことができる。
【0288】
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形または複数回投与剤形であり得る。単位剤形は、本明細書に使用される場合、それを必要とするヒトへの投与に好適な物理的に別々の単位を指す。一実施形態では、単位剤形は、パッケージ内に提供される。各単位用量は、所望の治療効果を生じさせるのに十分な所定の数量の有効成分を、他の薬学的担体または賦形剤と共に含み得る。単位剤形の例としては、アンプル、シリンジ、および個別にパッケージ化された錠剤およびカプセルが挙げられるが、これらに限定されない。単位剤形は、その一部を、またはその複数を投与することができる。複数回投与剤形は、単一の容器内に同一の単位投与剤形が複数個パッケージ化されたものであり、区分された単位剤形として投与することができる。複数回投与剤形の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセルの瓶、または数パイントもしくは数ガロンの瓶が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、複数回投与剤形は、異なる薬学的活性薬剤を含む。例えば、グリカンポリマーを含む組成物を含む第1の投与エレメントと、プレバイオティクス、治療剤および/またはプロバイオティクスを含む第2の投与エレメント(これらは、改変放出形態であり得る)とを含む複数回投与剤形が提供され得る。この例では、一対の投与エレメントが単一の単位投与量を構成し得る。一実施形態では、複数の単位投与量を含み、各単位はグリカンポリマー調製物を含む組成物を含む第1の投与エレメントと、プロバイオティクス、医薬剤、プレバイオティクス、またはこれらの組み合わせを含む第2の投与エレメント(これらは、改変放出形態であり得る)とを含むキットが提供される。別の実施形態では、キットは一組の説明書をさらに含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、単位剤形は、約1mg〜約100gのグリカンポリマー調製物(例えば、本明細書に記載のグリカンポリマー)を含む。例えば、単位剤形は、約50mg〜約50g、約500mg〜約50g、約5g〜約50g、約100mg〜約100g、約1g〜約100g、約10g〜約100g、約1g〜約10g、約1g〜約20g、約1g〜約30g、約1g〜約40g、約1g〜約50g、約1g〜約60g、約1g〜約70g、約1g〜約80g、約1g〜約90g、約1g〜約100g、約1g〜約150g、約1g〜約200gのグリカンポリマーを含み得る。
【0290】
他の実施形態では、単位剤形は、約0.001mL〜約1000mLのグリカンポリマー(例えば、本明細書に記載のグリカンポリマー)を含む。例えば、単位剤形は、約0.001mL〜約950mL、約0.005mL〜約900mL、約0.01mL〜約850mL、約0.05mL〜約800mL、約0.075mL〜約750mL、約0.1mL〜約700mL、約0.25mL〜約650mL、約0.5mL〜約600mL、約0.75mL〜約550mL、約1mL〜約500mL、約2.5mL〜約450mL、約5mL〜約400mL、約7.5mL〜約350mL、約10mL〜約300mL、約12.5mL〜約250mL、約15mL〜約200mL、約17.5mL〜約150mL、約20mL〜約100mL、または約25mL〜約75mLのグリカンポリマーを含む。
【0291】
特定の実施形態では、単位剤形は、約0.001mL〜約10mL、約0.005mL〜約7.5mL、約0.01mL〜約5mL、約0.05mL〜約2.5mL、約0.1mL〜約1mL、約0.25mL〜約1mL、または約0.5mL〜約1mLのグリカンポリマーを含む。他の実施形態では、単位剤形は、約0.01mL〜約10mL、約0.025mL〜約7.5mL、約0.05mL〜約5mL、または約0.1mL〜約2.5mLのグリカンポリマーを含む。他の実施形態では、単位剤形は、約0.1mL〜約10mL、約0.25mL〜約7.5mL、約0.5mL〜約5mL、約0.5mL〜約2.5mL、または約0.5mL〜約1mLのグリカンポリマーを含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、単位剤形、例えば、錠剤、カプセル剤(例えば、硬カプセル剤、押し込み型カプセル剤、もしくは軟カプセル剤)、またはソフトゲル剤は、約0.1インチ〜約1.5インチ(例えば、約0.5インチおよび約1インチ)、または約5mm〜約50mm(例えば、約10mm〜約25mm)の長さを有する。いくつかの実施形態では、単位剤形、例えば、錠剤、カプセル剤(例えば、硬カプセル剤、押し込み型カプセル剤、もしくは軟カプセル剤)、またはソフトゲル剤は、約0.05インチ〜約1インチ(例えば、約0.1インチ〜約0.5インチ)、または約1mm〜約25mm(例えば、約5mm〜約10mm)の外径を有する。
【0293】
グリカンポリマーの各単位剤形は、約0.01kcal〜約1000kcalのカロリー値を有し得る。例えば、単位剤形は、約0.01kcal〜約100kcal、約0.05kcal〜約50kcal、約0.1kcal〜約10kcal、約0.25kcal〜約2.5kcal、約0.5kcal〜約5kcal、約0.75kcal〜約7.5kcal、約1kcal〜10kcal、約5kcal〜約50kcal、または約10kcal〜約100kcalのカロリー値を有し得る。特定の実施形態では、グリカンポリマーの単位剤形は、10kcal〜約500kcalのカロリー値を有する。特定の実施形態では、グリカンポリマーの単位剤形は、1kcal〜約100kcalのカロリー値を有する。特定の実施形態では、グリカンポリマーの単位剤形は、0.1kcal〜約10kcalのカロリー値を有する。
【0294】
さらに他の実施形態では、単位剤形は、約0.001kcal〜約10kcal、約0.005kcal〜約10kcal、約0.01kcal〜約10kcal、約0.025kcal〜約25kcal、約0.05kcal〜約50kcal、約0.075kcal〜約75kcal、約0.1kcal〜100kcal、約0.25kcal〜約10kcal、約0.5kcal〜約5kcal、約0.25kcal〜約25kcal、または約0.1kcal〜約1kcalのカロリー値を有し得る。
【0295】
グリカンポリマーの単位剤形は、水溶液(例えば、水、ミルク、ジュースなど)に溶解するように製剤化され得、飲料、シロップ、溶液、または懸濁液として経口投与される。例えば、グリカンポリマーの単位剤形は、経口投与前に水溶液に溶解するように製剤化された、キューブ、パケット、トローチ、丸薬、錠剤、カプセル、キャンディ、粉末、エリキシル、または濃縮シロップを含み得る。他の実施形態では、グリカンポリマーの単位剤形は、経口投与の際に生体内で、例えば、対象(例えば、ヒト対象)の口、胃、腸または結腸で溶解するように製剤化された、キューブ、パケット、トローチ、丸薬、錠剤、カプセル、キャンディ、粉末、エリキシル、または濃縮シロップを含み得る。
【0296】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は腸内投与される。これには、経口投与、または経口チューブもしくは経鼻チューブ(経鼻胃管、経鼻空腸管、経口胃管または経口空腸管を含む)による投与が優先的に含まれる。他の実施形態では、投与には、直腸投与(注腸、坐薬、または結腸内視鏡を含む)を含む。
【0297】
本明細書に記載の剤形は、当業者に知られている方法を用いて製造することができる。例えば、錠剤の製造では、例えば、高剪断造粒法、低剪断造粒法、流動床造粒法を使用して、または直接圧縮のためにブレンドすることによって、有効量のプレバイオティクスを1つ以上の賦形剤または添加剤中に均一に分散させることができる。賦形剤および添加剤としては、希釈剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、滑沢剤、流動促進剤、安定剤、界面活性剤、接着防止剤、吸着剤、甘味料、および着色剤、またはそれらの組み合わせが含まれる。充填剤とも称される希釈剤は、圧縮のために実用的なサイズが提供されるように、錠剤の嵩を増加させるために使用することができる。希釈剤の非限定的な例には、ラクトース、セルロース、微結晶性セルロース、マンニトール、乾燥デンプン、加水分解デンプン、粉末糖、タルク、塩化ナトリウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナおよびカオリンが含まれる。結合剤は、錠剤製剤に凝集性を付与することができ、圧縮後に錠剤が無傷のままであるのを助けるために使用することができる。好適な結合剤の非限定的な例としては、デンプン(コーンスターチおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(例えば、グルコース、デキストロース、スクロース、ラクトースおよびソルビトール)、セルロース、ポリエチレングリコール、アルギン酸、デキストリン、カゼイン、メチルセルロース、蝋、天然および合成ゴム、例えば、アカシアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、キサンタンゴム、ならびにポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーが含まれる。滑沢剤はまた、錠剤の製造を容易にすることができ、その非限定的な例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、およびポリエチレングリコールが挙げられる。崩壊剤は、投与後の錠剤の崩壊を促進することができ、その非限定的な例には、デンプン、アルギン酸、例えば架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸デンプンカリウムまたはグリコール酸デンプンナトリウム、クレイ、セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMC−Na、CMC−Ca))、デンプン、ゴムなどが含まれる。好適な流動促進剤の非限定的な例には、二酸化ケイ素、タルク等が含まれる。安定剤は、酸化反応を含む、薬物分解反応を阻害するまたは遅延させることができる。界面活性剤も含めることができ、陰イオン性、陽イオン性、両性、または非イオン性であり得る。例示的な甘味料には、ステビア抽出物、アスパルテーム、スクロース、アリテーム、サッカリン等が含まれ得る。必要に応じて、錠剤は、pH緩衝剤、保存料、例えば、酸化防止剤、湿潤剤、または乳化剤、可溶化剤、コーティング剤、香味剤(例えば、ミント、チェリー、アニス、モモ、アプリコット、甘草、ラズベリー、バニラ)等の非毒性補助物質も含み得る。さらなる賦形剤および添加剤には、酢酸アルミニウム、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、ブチル化ヒドロキシトルエン、カルシウム二ナトリウムEDTA、リン酸水素カルシウム二水和物、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、水素化ヒマシ油、塩化セチルピリジン、クエン酸、コロイド状二酸化ケイ素、コポリビドン、トウモロコシデンプン、システインHCl、ジメチコン、リン酸水素二ナトリウム、エリトロシンナトリウム、エチルセルロース、ゼラチン、グリセリン、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、グリシン、HPMCフタレート(pthalate)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース、赤色酸化鉄もしくは酸化第二鉄、黄色酸化鉄、酸化鉄もしくは酸化第二鉄、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、メチオニン、メタクリル酸コポリマー、メチルパラベン、ケイ化微結晶セルロース、鉱油、リン酸、普通リン酸カルシウム、無水リン酸カルシウム、ポラキサマー407、ポラキサマー188、普通ポラキサマー、ポリエチレンオキシド、ポリオキシ140ステアレート、ポリソルベート80、炭酸水素カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ジャガイモデンプン、ポビドン、プロピレングリコール、プロピレンパラベン、プロピルパラベン、レチニルパルミテート、サッカリンナトリウム、セレン、シリカ、シリカゲル、ヒュームドシリカ、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、クロスメロースナトリウム、ラウリン硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ナトリウムデンプン、グリコール酸ナトリウムデンプン、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビトール、モノオレイン酸ソルビタン、アルファ化デンプン、コハク酸、トリアセチン、クエン酸トリエチル、植物ステアリン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。これらの賦形剤および添加剤の量は、他の構成成分との関係、および調合および生成方法の特性に基づいて適切に選択され得る。
【0298】
有効量のグリカンポリマー調製物の即時放出製剤は、薬学的活性剤の迅速な放出(投与後1分〜1時間など)を可能にする賦形剤の1つ以上の組み合わせを含み得る。制御放出製剤(持続放出(SR)、長時間放出(ER、XR、またはXL)、逐次継続放出(time−release)もしくは時限放出(timed−release)、制御放出(CR)、または継続放出とも称される)とは、剤形が対象(例えば、ヒト対象)に投与された後の特定の所望の時点での、剤形からのグリカンポリマーの調製物の放出のことを指す。
【0299】
一実施形態では、制御放出剤形はその放出を開始し、その放出を長期間にわたって続ける。放出は、ほぼ即時的に開始し得るか、または持続的であり得る。放出は、一定であり得、経時的に増加または減少し得、パルス状であり得、継続的もしくは間欠的等であり得る。一実施形態では、制御放出剤形は、薬剤が長期間にわたって所望のプロファイルに従って放出される、組成物または剤形からの薬物の放出を指す。一態様では、制御放出は、放出がある期間の後に起こる所望のプロファイルに従って薬剤が放出される、組成物または剤形からの薬物の遅延放出を指す。
【0300】
本明細書で提供される化合物の投与に好適な薬学的担体またはビヒクルには、特定の投与モードに好適であると当業者に知られているようなすべての担体が含まれる。さらに、本組成物は、所望の作用を損なわない1つ以上の構成成分、または所望の作用を補うかもしくは別の作用を有する構成成分を含むことができる。
【0301】
さらなる態様では、剤形は、発泡性剤形であり得る。発泡性とは、剤形が水および唾液を含む液体と混合された場合に、気体を発生させることを意味する。ある種の発泡性薬剤(または発泡性カップル)は、発泡性崩壊剤の水または口腔内の唾液との曝露に際して起こる化学反応によって気体を発生させる。この反応は、可溶性酸性源と一炭酸アルカリまたは炭酸アルカリの源との反応の結果であり得る。これらの2つの一般的化合物の反応により、水または唾液との接触に際して二酸化炭素ガスが生じる。発泡性カップルは(または、個々の酸および塩基は個別に)、早過ぎる反応を防ぐために溶媒保護コーティングまたは腸溶コーティングでコーティングすることができる。このようなカップルはまた、予め凍結乾燥した粒子(例えば、グリカンポリマー)と混合することもできる。酸源は、ヒトが摂取しても安全なものであればよく、一般に、例えば、クエン酸、酒石酸、アマリン酸、フメル酸、アジピン酸、コハク酸などの、食用酸、酸およびヒドライト制酸剤を含むことができる。炭酸塩源には、乾燥固体炭酸塩および炭酸水素塩、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸カリウム、炭酸マグネシウムなどが含まれる。酸素または他のガスを発生し、ヒトが摂取しても安全である反応物も含まれる。一実施形態では、クエン酸および炭酸水素ナトリウムが使用される。
【0302】
別の態様では、剤形は、ロリポップまたはロゼンジ等のキャンディ形態(例えば、基材)であり得る。一実施形態では、グリカンポリマーの有効量をキャンディ基材中に分散させる。一実施形態では、キャンディ基材は、1種以上の糖(デキストロースまたはスクロース等)を含む。別の実施形態では、キャンディ基材は糖を含まない基材である。特定のキャンディ基材の選択には幅広いバリエーションがある。従来の甘味料(例えば、スクロース)、糖尿病患者の使用に適する糖アルコール(例えば、ソルビトールもしくはマンニトール)、または他の甘味料(例えば、本明細書に記載される甘味料)は、使用され得る。キャンディ基材は、非常に軟質で迅速に溶解するものでもよく、または硬質でより緩徐に溶解するものであり得る。様々な形態は、異なる状況での利点を有するであろう。
【0303】
有効量のグリカンポリマーを含むキャンディ塊(candy mass)組成物は、それを必要とする対象に対して経口投与し、キャンディ塊が溶解し飲み込まれるにつれて有効量のグリカンポリマーが対象の口腔内に放出されるようにすることができる。それを必要とする対象には、ヒトの成人または子供が含まれる。
【0304】
本明細書に記載される剤形はまた、高圧均質化、湿式もしくは乾式ボールミル粉砕、または小粒子沈殿(例えば、nGimat’s NanoSpray)を含むがこれらに限定されない、様々な方法によって製造される薬学的粒子の形態をとることもできる。好適な粉末製剤を作製するのに有用な他の方法は、有効成分および賦形剤の溶液を調製し、その後に沈殿、濾過、および微粉化を行うこと、またはその後に凍結乾燥による溶液の除去を行い、その後に粉末を所望の粒径に微粉化することである。一実施形態では、薬学的粒子は、3〜1000ミクロン、例えば、最大で3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000ミクロンの最終サイズを有する。別の実施形態では、薬学的粒子は、10〜500ミクロンの最終サイズを有する。別の実施形態では、薬学的粒子は、50〜600ミクロンの最終サイズを有する。別の実施形態では、薬学的粒子は、100〜800ミクロンの最終サイズを有する。
【0305】
別の態様では、本開示は、グリカンポリマー(例えば、本明細書に記載のグリカンポリマー)を提供すること;グリカンポリマーを単位剤形(例えば、本明細書に記載の単位剤形)に製剤化すること;単位剤形をパッケージ化すること;パッケージ化した包装された単位剤形にラベル付けすること、および/またはパッケージ化され、かつラベル付けされた単位剤形を販売するか、もしくは販売に供することを含む、本明細書に記載の単位剤形を作製する方法を提供する。
【0306】
本明細書に記載される単位剤形もまた、処理され得る。一実施形態では、この処理は、剤形を医薬組成物に処理すること、例えば、第2の構成成分、例えば、賦形剤または緩衝液で製剤化し、混合すること;より少量もしくは多量のアリコートを分割すること;容器、例えば、気密性または液密性容器に廃棄すること;パッケージ化すること;ラベルを一体化させること;異なる場所に出荷または移動すること、のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、この処理は、分類すること、選択すること、許容もしくは廃棄すること、放出もしくは保留すること、医薬組成物に処理すること、異なる場所に出荷もしくは移動すること、製剤化すること、ラベル付けすること、パッケージ化すること、商取引に放出すること、または販売もしくは販売に供すること、所定の閾値を満たすかどうかに応じて異なること、のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処理した剤形は、本明細書に記載されるグリカンポリマーを含む。
【0307】
いくつかの実施形態では、この処理は、剤形を医薬組成物に処理すること、例えば、第2の構成成分、例えば、賦形剤または緩衝剤と製剤化し、混合すること;より少量もしくはより多量のアリコートに分割すること;容器、例えば、気密性または液密性容器に処理すること;パッケージ化すること;ラベルと関連付けること;異なる場所に出荷または移動させること、のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、この処理は、分類すること、選択すること、許容もしくは廃棄すること、放出もしくは保留すること、医薬組成物に処理すること、異なる場所に出荷もしくは移動させること、製剤化すること、ラベル付けすること、パッケージ化すること、商取引に放出すること、または販売するかもしくは販売に供すること、決定に応じること、のうちの1つ以上を含む。
【0308】
別の実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む経口剤形が提供され、経口剤形はシロップである。シロップは、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%の固体を含み得る。シロップは、約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%の液体、例えば、水を含み得る。固体は、グリカンポリマー調製物を含み得る。固体は、例えば、約1〜96%、10〜96%、20〜96%、30〜96%、40〜96%、50〜96%、60〜96%、70〜96%、80〜96%、または90〜96%のグリカンポリマー調製物であり得る。別の実施形態では、グリカンポリマー調製物は、粘性流体として製剤化される。
【0309】
一実施形態では、本組成物は、発泡成分、中和成分、または水不溶性食物繊維を含む。発泡成分は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーであり得る。一実施形態では、中和成分は、クエン酸、L−酒石酸、フマル酸、L−アスコルビン酸、DL−リンゴ酸、酢酸、乳酸、および無水クエン酸からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーであり得る。一実施形態では、水不溶性食物繊維は、結晶性セルロース、コムギふすま、オートムギふすま、トウモロコシ繊維、ダイズ繊維、およびビート繊維からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーであり得る。製剤は、スクロース脂肪酸エステル、粉末糖、フルーツジュース粉末、および/または香味材料を含むことができる。
【0310】
いくつかの実施形態では、剤形は、小腸または大腸などのGI管の特定の領域においてグリカンポリマー調製物を含む医薬組成物を放出するように製剤化される。いくつかの実施形態では、剤形は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸および/または直腸などのGI管の特定の領域においてグリカンポリマー調製物を含む医薬組成物を放出するように製剤化される。
【0311】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、酵素応答性送達システムである。例えば、トリプシン応答性ポリマーは、トリプシンによって分解されるペプチドによって架橋されるヒドロゲルを使用して作製され得る。トリプシンは小腸で活性である。トリプシン応答性送達システムは、グリカンポリマー調製物の小腸への送達を標的にするために使用され得る。別の例では、アルブミンで架橋されたポリ(ビニルピロリドン)からなる酵素消化性ヒドロゲルがペプシンの存在下で分解される。
【0312】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、GI管の特定の部位での長期の保持を可能にする送達デバイスである。例えば、胃保持性送達システムは、胃へのグリカンポリマー調製物の長期放出を可能にする。胃保持性送達は、胃または上部小腸の細菌を調節するグリカンポリマー調製物に使用され得る。
【0313】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、胃の粘膜表面に付着する粘膜付着性送達システムである。それらは、通常、多数の水素結合基を有するポリマー、例えば、架橋ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギナン、Carbopol 934P、またはチオール化ポリカルボフィルから構成される。
【0314】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、胃においてサイズが急速に大きくなる膨張送達システムであり、これは、幽門の通過を遅らせる。このようなシステムは、胃内で広がるシステムを含む。例えば、四面体、環、円板などの幾何学的形状は、ゼラチンカプセルに詰め込むことができる。カプセルが溶解すると、形状は広がる。このシステムは、1つ以上の侵食性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、1種以上の非侵食性ポリマー(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン)から構成され得る。その後、グリカンポリマーがポリマーマトリックス内に分散され得る。保持時間は、ポリマーのブレンドによって微調整することができる。あるいは、胃の酸性pHで安定であるが、さらにGI管に沿った中性/アルカリ性条件で溶解する弾性ポリマーから作製されたデバイスが使用され得る。このようなポリマー製剤は、デバイスが胃を出るときの腸閉塞を防止することができる。例えば、ポリ(アクリロイル6−アミノカプロン酸)(PA6ACA)およびポリ(メタクリル酸−コ−エチルアクリレート)(EUDRAGIT L 100−55)からなる、カルボキシル基間の水素結合によって架橋された超分子ポリマーゲルもまた使用され得る。他のシステムには、コラーゲンスポンジなどの膨潤性賦形剤が含まれる。例えば、ヒドロゲルマトリックス(例えば、膨潤性コア:ポリビニルピロリドンXL、Carbopol 934P、炭酸カルシウム)は、胃で2〜50倍に膨潤する。超多孔質ヒドロゲル複合材料は、数分で元の体積の数百倍に膨潤する。いくつかのシステム、例えば、親水性の膜に囲まれた二酸化炭素を発生する膨張可能なシステムは、膨張を達成するためにガス発生を利用する。
【0315】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、密度制御送達システムである。これらのシステムは、胃液中で浮遊または沈降するように設計され、これは、それらの胃からの排出を遅らせる。例えば、高密度システムは、デバイスを幽門の下、胃の底部に沈ませ、これにより胃を空にすることを回避する。他のシステムは、低密度/フローティングシステムである。そのようなデバイスは、例えば、中空チャンバ内に閉じ込められた空気を含むか、または脂肪、油、または発泡体粉末などの低密度材料を包含し得る。低密度は、例えば膨潤によって達成され得、例えば、ヒドロコロイド含有カプセルは胃液と接触すると溶解し、ヒドロコロイドが膨潤して粘液体を形成する。別のポリマーには、キトサン、アルギン酸ナトリウム、およびモノオレイン酸グリセロールマトリックスが含まれる。低密度は、ガスの発生によって達成され得る。例えば、炭酸塩、および任意選択によりクエン酸を充填した錠剤は、酸性水性媒体と接触後に二酸化炭素を発生する。発生した二酸化炭素は、ゲル化ヒドロコロイド内に捕捉され、システムを浮遊させる。ヒドロコロイドには、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびCarbopol 934Pが含まれる。
【0316】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、小腸または大腸においてデバイスを保持するための設計を使用する。デバイスの位置特異性は、特定のトリガ方法、例えば、pH、酵素などによって提供される。これらには、粘膜接着のために設計されたシステムが含まれ、またマイクロニードルピルも含まれる。マイクロニードルピルは、pH応答性コーティングに封入された、マイクロニードルが添加された薬物リザーバを含む。ピルがGI管内の所望の位置に到達し、コーティングが溶解すると、マイクロニードルが、ピルをGI管の内層に付着させる。他の実施形態では、マイクロニードルピルは、クエン酸および炭酸水素ナトリウムがそれぞれ充填された2つの化学的区画からなるカプセルを含む。ピルが消化器系で溶解するにつれて、2つの物質間の障壁が侵食され、それらが混合し、糖からなるマイクロニードルをカプセルの外層を通して小腸の内層に押し込む化学反応を生じさせる。糖のニードルは、糖が吸収されるにつれて、近くの血管に送達される薬物で満たされ得る。
【0317】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、pH感受性ポリマーコーティングを使用する。例えば、pH依存性ポリマー(二相または三相)は、低いpHレベルで不溶であり得(例えば、胃における酸耐性、pH1〜2の胃において耐酸性である)、pHが、例えば、十二指腸で約5.5〜6.2、上行結腸で約pH5.7、盲腸で約pH6.4、横行結腸で約pH6.6、下行結腸で約pH7.0、回腸で約pH7.2〜7.5、または遠位小腸で約pH7.5に上昇すると、溶解性が増大する。一例では、において、TARGIT(商標)技術は、消化(GI)管におけるグリカンポリマー調製物の部位特異的送達のために使用され得る。このシステムは、末端回腸および結腸を標的にするために、射出成形デンプンカプセル上にpH感受性コーティングを使用する。
【0318】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、遅延放出システムまたは時間制御放出システムである。このようなシステムは、通常、pH感受性および時間放出機能と組み合わせることができる腸溶コーティングを使用する。例えば、3つの構成要素:グリカンポリマー含有コア錠(急速放出機能)、プレスコーティングされた膨潤性疎水性ポリマー層(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース層(HPC)、および時間放出機能からなるETP(腸溶コーティングされた時間放出プレスコート)錠剤が使用され得る。遅滞期の持続時間は、ポリマー層および腸溶コーティング層(耐酸性機能)の重量または組成によって制御することができる。
【0319】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるグリカンポリマー調製物のための剤形は、錠剤およびカプセルのEudragit(登録商標)腸溶コーティングを使用する。他の好適な合成ポリマーには、シェラック、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、およびポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)などのポリグルタミン酸コーティングが含まれる。これらのコーティングは、粘膜接着性およびpH依存性放出戦略の両方を組み合わせる。結腸標的送達を増強するために、Eudragits(登録商標)は、それらが可溶性であるpHを変化させる種々の側鎖基組成を有するメタクリルコポリマーである。例えば、Eudragit(登録商標)被覆システムでは、胃(例えば、pH1.4)および小腸(例えば、pH6.3)において有意な薬物放出は生じず、一方、回盲部、pH7.8で、有意な薬物放出が見られる。
【0320】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、多糖ベース送達システムなどの、微生物トリガーシステムである。多糖ベース送達システムは、生分解性で粘膜接着性のポリマーコーティング、例えば、キトサンおよびペクチンからなるコーティングを含む。他の好適な天然ポリマーには、例えば、グアーガム、イヌリン、シクロデキストリン、デキストラン、アミラーゼ、コンドロチン硫酸、ローカストビーンガムが含まれる。これらの送達システムは、グリカンポリマー調製物の小腸への送達を標的にするために使用され得る。グアーガム、キサンタンガム、キトサン、アルギン酸塩などの天然に存在する多糖類によるコーティングは、結腸の腸内微生物叢、例えば、キシロシダーゼ、アラビノシダーゼ、ガラクトシダーゼなどの酵素によって分解される。例えば、CODES(商標)技術を使用して、グリカンポリマー調製物を送達することができる。このシステムは、多糖類コーティングをpH感受性コーティングと組み合わせる。いくつかの実施形態では、この系は、以下の3層のポリマーコーティングでコーティングされたコア錠剤からなる:外側コーティングは、Eudragit Lから構成される。このコーティングは十二指腸で溶解し、次のコーティングを露出させる。次のコーティングは、Eudragit Eから構成される。この層は、内部コアに存在するラクツロースの放出を可能にする。ラクツロースは、Eudragit E層が溶解する周囲pHを低下させる短鎖脂肪酸に代謝される。Eudragit Eの溶解は、グリカンポリマーの露出をもたらす。結腸に存在する細菌は、コア錠剤から放出される多糖類の分解に関与する。多糖類の分解は、錠剤を取り囲む内容物のpHを低下させる有機酸の形成をもたらし得る。
【0321】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、圧力制御送達システムである。このシステムは、小腸よりも結腸でより高い圧力に遭遇するという事実を利用する。例えば、水に不溶のエチルセルロースシステムでは、結腸の内腔内の圧力の結果として、水不溶性ポリマーカプセルの崩壊後に、グリカンポリマーの放出が生じる。放出プロフィールは、エチルセルロースの厚さ、カプセルのサイズおよび/またはカプセルの密度を変化させることによって調節することができる。
【0322】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、脈動性結腸標的デリバリーシステムである。例えば、このシステムは、パルシンキャップ(pulsincap)システムであり得る。使用されるカプセルは、グリカンポリマーの放出を制御するカプセル内に配置されるプラグを含む。膨潤性ヒドロゲル(例えば、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリメチルメタクリレートまたはポリ酢酸ビニル)が、薬物内容物を密封する。カプセルが流体と接触すると、プラグがカプセルから押し出され、グリカンポリマーが放出される。放出プロフィールは、プラグとカプセル本体との交差する長さおよび/または交点を変化させることによって制御することができる。別のシステムはポートシステムである。カプセル本体は、半透膜に包まれる。不溶性プラグは、浸透圧活性剤およびグリカンポリマーからなる。カプセルが流体と接触すると、半透膜が流体を流入させ、カプセル本体内の圧力を高める。これにより、プラグが押し出され、グリカンポリマーが放出される。
【0323】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、浸透圧制御結腸標的デリバリーシステムである。例示的なシステム、OROS−CTは、硬ゼラチンカプセルに封入された浸透圧ユニット(5または6プッシュプルユニットまで)からなる。プッシュプルユニットは、外側の腸の不透過性膜および内側の半透膜で二層化される。プッシュプルの内部の中央部分は、薬物層およびプッシュ層からなる。グリカンポリマーは、半透膜を通して放出される。プッシュプルユニットを取り囲むカプセル本体は、投与直後に溶解する。GI管では、腸不透過性膜が水の吸収を妨げる。腸溶コーティングは、小腸(より高いpH、>7)で溶解し、水は半透膜を通ってユニットに入り、プッシュ層を膨潤させ、グリカンポリマーを外に押し出す。
【0324】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、回盲弁に到達する直前にグリカンポリマーを放出するために使用することができる「スマートピル」である。
【0325】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物のための剤形は、直腸投与製剤である。例えば、浣腸は、液体製剤のグリカンポリマー調製物を直腸に導入する。投与される容量は、通常、10mL未満である。坐剤は、グリカンポリマー調製物を直腸に導入する。坐薬は直腸に挿入されると溶融または溶解し、グリカンポリマーを放出する固体剤形である。坐薬製剤の一般的な賦形剤には、ココアバター、ポリエチレングリコール、および寒天が含まれる。
【0326】
キット
キットも企図される。例えば、キットは、単位剤形のグリカンポリマー調製物、および胃腸の障害または状態の治療におけるグリカンポリマーの使用説明書を含むパッケージ挿入物を含み得る。キットは、グリカンポリマー調製物を、それを必要としている対象(例えば、ヒト対象)による使用に好適なパッケージ化で含む。本明細書に記載の組成物のいずれも、キットの形態でパッケージ化することができる。キットは、治療の全過程または治療の過程の一部に十分な量のグリカンポリマー調製物(任意選択により、さらに、プレバイオティクス物質、プロバイオティクス細菌、および/または第2の治療剤)を含有し得る。グリカンポリマー調製物の投与量は個々にパッケージ化され得るか、またはグリカンポリマー調製物はバルクで、またはそれらの組み合わせで提供され得る。したがって、一実施形態では、キットは、好適なパッケージ化において、治療レジメンにおける投与ポイントに対応する個々の用量のグリカンポリマー調製物を提供し、この用量は1つ以上のパケットにパッケージ化される。
【0327】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物は、単一の容器に、または2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは5つを超える容器にバルクで提供され得る。例えば、各容器は、1ヶ月間実施される治療プログラムの特定の週に十分なグリカンポリマー調製物を含有し得る。複数のバルク容器が提供される場合、治療期間の全部または一部に十分なグリカンポリマー調製物を提供するために、バルク容器は好適にはまとめてパッケージ化することができる。これらの1つまたは複数の容器は、それを必要とする対象、または、例えば投与スケジュールなどの治療プロトコルを行う医師に有用な情報を示すラベルを付けることができる。
【0328】
グリカンポリマー調製物は、本明細書に記載されるように、プロバイオティクス細菌、プレバイオティクス物質または他の物質などの他の好適な物質と共にパッケージ化することができる。他の物質は、グリカンポリマー調製物とは別個にパッケージ化するか、またはグリカンポリマー調製物と混合するか、またはそれらの組み合わせとすることができる。したがって、一実施形態では、キットには、治療の過程または治療の過程の一部で使用することが意図されているすべての成分、例えば、グリカンポリマー調製物、および、任意選択により、緩衝剤、賦形剤など、プロバイオティクス、プレバイオティクス、またはポリマー剤を含有する剤形が含まれる。一実施形態では、グリカンポリマー調製物は、1つのパッケージまたは一組のパッケージでパッケージ化され、プロバイオティクス細菌、プレバイオティクス、および治療剤などの追加成分は、グリカンポリマー調製物とは別個にパッケージ化される。
【0329】
キットは、資料、例えば、取扱説明書、予想される結果、証言、説明、警告、臨床データ、医療従事者のための情報等をさらに含み得る。一実施形態では、キットは、このキットが医療従事者の指示の下でのみ使用されることを示すラベルまたは他の情報を含む。容器は、匙、シリンジ、ボトル、カップ、アプリケータ、または他の測定もしくは給仕するデバイスをさらに含み得る。
【0330】
細菌成分の同定
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物は、有益な細菌の増殖を増加させ、病原体の増殖を減少させ、および/または胃腸管内の(微生物)代謝産物(例えば、SCFA、アンモニア、TMA/TMAO、胆汁酸、LPSなど)を調節するために、対象(例えば、ヒト対象)に投与される。いくつかの実施形態では、微生物共同体は、微生物共同体に対するグリカンポリマーによって健康な状態の微生物共同体へシフトする。胃腸管で生じる微生物の変化は、当該技術分野において公知であり、本明細書に記載の任意の数の方法を用いて分析することができる。
【0331】
グリカンポリマー調製物が胃腸管内の細菌の集団のシフトをもたらすかどうかを判定するためのある定量的な方法として、定量的PCR(qPCR)が行われ得る。ゲノムDNAは、製造業者の取扱説明書に従って、または当業者に公知の他の標準的な方法によって、市販のキット、例えば、Mo Bio Powersoil(登録商標)−htp 96ウェルSoil DNA単離キット(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)、Mo Bio Powersoil(登録商標)DNA単離キット(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)、またはQIAamp DNA Stoolミニキット(QIAGEN,Valencia,CA)を用いて試料から抽出することができる。
【0332】
いくつかの実施形態では、qPCRは、HotMasterMix(5PRIME,Gaithersburg,MD)および特定の(例えば、有益なまたは所望の)細菌に特異的なプライマーを用いて行われ得、バーコード付きのMicroAmp(登録商標)Fast Optical 96ウェル反応プレート(0.1mL)(Life Technologies,Grand Island,NY)で行われてもよく、FAMおよびROXチャンネルで蛍光読み取りを行うCFX96(商標)Real−Time System(BioRad,Hercules,CA)を取り付けたBioRad C1000(商標)Thermal Cyclerで行われ得る。FAMチャンネルでの各ウェルのCq値は、CFX Manager(商標)ソフトウエアバージョン2.1によって決定される。所定の試料のCq値を標準曲線から作成された線形回帰モデルに入力して、標準曲線のウェルのCq値をそれらの試料の既知のlog
10(cfu/ml)に比較することにより、各実験試料のlog
10(cfu/ml)が計算される。当業者は、代替のqPCRモードを利用してもよい。
【0333】
いくつかの実施形態では、微生物成分は、微生物16S小サブユニットリボソームRNA遺伝子(16S rRNA遺伝子)のDNA配列を特徴付けることによって同定される。16S rRNA遺伝子は、約1,500のヌクレオチド長であり、一般的に、生物にわたって高度に保存されているが、ほとんどの生物の種および菌株分類群を分化するために十分なヌクレオチド多様性を宿す特異的な可変および超可変領域(V1〜V9)を含有する。細菌におけるこれらの領域は、大腸菌(E.coli)系の命名法に基づいたナンバリングを用いて、それぞれヌクレオチド69〜99、137〜242、433〜497、576〜682、822〜879、986〜1043、1117〜1173、1243〜1294、および1435〜1465によって定義される。(例えば、Brosius et al.,Complete nucleotide sequence of a 16S ribosomal RNA gene from Escherichia coli,PNAS 75(10):4801−4805(1978)を参照)。
【0334】
微生物群衆の組成は、完全16S rRNA遺伝子、またはこの遺伝子のV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9領域のうちの少なくとも1つの配列決定によって、またはこの遺伝子からの可変両機の任意の組み合わせ(例えば、V1〜3またはV3〜5)の配列決定によって推定され得る。一実施形態では、V1、V2、およびV3領域は、微生物叢を特徴付けるために使用される。別の実施形態では、V3、V4、およびV5領域は、微生物叢を特徴付けるために使用される。別の実施形態では、V4領域は、微生物叢を特徴付けるために使用される。
【0335】
互いに少なくとも97%同一である配列は、操作的分類単位(OTU)に分類される。97%の類似性を有する配列を含むOTUは、ほぼ種レベルの分類群に対応する。各OTUから少なくとも1つの代表的な配列が選択され、高度に精選された16S rRNA遺伝子配列の参照データベース(GreengenesまたはSILVAデータベース等)との比較によってOTUに対する分類的な割り当てを得るために使用される。微生物共同体におけるOTU間の関係は、各OTUからの代表的な配列から系統樹を構築することによって推定され得る。
【0336】
既知の技術を用いて、完全16S配列または16S配列の任意の可変領域の配列を決定するために、ゲノムDNAが細菌試料から抽出され、16S rRNA(完全領域または特定の可変領域)がポリメラーゼ鎖反応(PCR)から増幅され、PCR産物が清浄され、ヌクレオチド配列は、16S rRNA遺伝子の遺伝的組成物またはこの遺伝子の可変領域を決定するために詳細に記述される。完全な16S配列決定が行われる場合、使用される配列決定法は、Sanger配列決定であり得るが、これに限定されない。V4領域等の1つ以上の可変領域が使用される場合、配列決定は、Sanger法を用いて、またはIllumina法等の次世代配列決定法を用いて行われ得るが、これらに限定されない。16S rRNA遺伝子の保存領域にアニールするように設計されたプライマー(例えば、V4領域の増幅のための515Fおよび805Rプライマー)は、同時に複数の微生物共同体を特徴付けることができるように固有のバーコード配列を含み得る。
【0337】
微生物組成を同定するための別の方法としては、ヌクレオチドマーカーまたは遺伝子、具体的には、高度の保存された遺伝子(例えば、「ハウスキーピンング」遺伝子)、もしくはこれらの組み合わせ、または全ゲノムショットガン配列(WGS)の特徴である。定義された方法を用いて、細菌試料から抽出されたDNAは、PCRを用いて増幅され、増幅した産物のヌクレオチド配列を決定するために配列決定された特定のゲノム領域を有するであろう。WGS法では、抽出されたDNAは、(300〜約40,000ヌクレオチド)様々な長さの部分に断片化され、増幅することなく直接配列決定されるであろう。配列データは、Sanger、Illumina、454 Life Sciences、Ion Torrent、ABI、Pacific Biosciences、および/またはOxford Nanoporeが挙げられるが、これらに限定されない、任意の配列決定技術を用いて生成することができる。
【0338】
16S rRNA遺伝子に加えて、所与の種または分類学的群においてマーカー遺伝子であることが公知である選択された一組の遺伝子を分析して、微生物共同体の組成を評価する。これらの遺伝子は、PCR系スクリーニング戦略を用いて代替的にアッセイされる。例えば、様々な菌株の病原性大腸菌は、非耐熱性(LTI、LTIIa、およびLTIIb)および耐熱性(STIおよびSTII)毒素、ベロ毒素型1、2、および2e(それぞれ、VT1、VT2、およびVT2e)、細胞毒性壊死性因子(CNF1およびCNF2)、attaching and effacing機序(eaeA)、腸管凝集性機序(Eagg)、および侵入性機序(Einv)をコードする遺伝子を用いて区別される。マーカー遺伝子の使用により微生物共同体の分類学的組成物を決定するために使用される最適な遺伝子は、配列ベースの分類学的同定の当業者にはよく知られている。
【0339】
微生物の全ゲノム配列決定(WGS)のための配列決定ライブラリーは、細菌ゲノムDNAから調製され得る。ヒトまたは実験動物試料から単離されているゲノムDNAについては、DNAは、任意選択により、市販のキット、例えば、NEBNext Microbiome DNA濃縮キット(New England Biolabs,Ipswich,MA)または他の濃縮キットを用いて、細菌DNAに対して濃縮され得る。配列決定ライブラリーは、製造業者の取扱説明書に従って、市販のキット、例えば、Nextera Mate−Pair試料調製キット、TruSeq DNA PCR−FreeもしくはTruSeq Nano DNA、またはNextera XT試料調製キット(Illumina,San Diego,CA)を用いてゲノムDNAから調製され得る。
【0340】
あるいは、ライブラリーは、Illumina配列決定プラットフォームに適合する他のキット、例えば、NEBNext DNAライブラリー構築キット(New England Biolabs,Ipswich,MA)を用いて調製され得る。次いで、ライブラリーは、MiSeq、HiSeq、またはNextSeqシ−ケンサー(Illumina,San Diego,CA)が挙げられるが、これらに限定されない、標準的な配列決定技術を用いて配列決定され得る。
【0341】
あるいは、全ゲノム・ショットガン・フラグメント・ライブラリーは、当該技術分野における標準的な方法を用いて調製した。例えば、ショットガン・フラグメント・ライブラリーは、GS FLX Titanium Rapidライブラリー調製キット(454 Life Sciences,Branford,CT)を用いて構築し、GS FLX Titanium emPCRキット(454 Life Sciences,Branford,CT)を用いて増幅し、454シ−ケンサー(454 Life Sciences,Branford,CT)上で標準的な454パイロ配列決定プロトコルに従って配列決定し得る。
【0342】
細菌RNAは、RiboPure Bacterial RNA精製キット(Life Technologies,Carlsbad,CA)等の市販のキットによって細菌を含む微生物培地または試料から単離され得る。細菌RNAの単離のための別の方法は、tRNAの除去による細菌RNAの精製した試料におけるmRNAの濃縮を含み得る。
【0343】
あるいは、RNAは、Nextera XT試料調製キット(Illumina,San Diego,CA)等の標準的な方法を用いて配列決定ライブラリーを生成するために使用される、cDNAに変換され得る。
【0344】
核酸配列は、配列相同性および系統発生置換法または2つの戦略の組み合わせを用いて、分類学的割り当てを定義するために分析される。類似のアプローチは、タンパク質名、タンパク質機能、転写因子名、および核酸配列については任意の他の分類図解に注釈を付けるために使用される。配列相同性に基づく方法は、BLAST、BLASTx、tBLASTn、tBLASTx、RDP分類器、DNAclust、RapSearch2、DIAMOND、USEARCH、およびQIIMEまたはMothur等のこれらのアルゴリズムの様々な実装を含む。これらの方法は、読み取られた配列を参照データベースにマッピングし、最も一致するものを選択する。一般的なデータベースは、分類学的割り当てについては、KEGG、MetaCyc、NCBI非冗長性データベース、Greengenes、RDP、およびSilvaを含む。機能的割り当てについては、読み出しは、COG、KEGG、BioCyc、MetaCyc、および炭水化物活性酵素(CAZy)データベース等の様々な機能的データベースにマッピングされる。微生物クレードは、MetaPhlAnを含むソフトウェアを用いて割り当てられる。
【0345】
微生物集団のプロテオーム解析
グリカンポリマーの調製物は、健康な状態と関連する微生物タンパク質の発現を増加させる、または病的状態と関連する微生物タンパク質の発現を減少する能力に基づいて選択され得る。微生物集団のプロテオーム分析は、当業者に公知のプロトコルに従って行われ得る(例えば、Cordwell,Exploring and exploiting bacterial proteomes,Methods in Molecular Biology,2004,266:115)。特異的に発現されたタンパク質を同定するために(例えば、グリカンポリマーによる微生物集団の処置の際にタンパク質発現の変化を同定するために)、プロテオーム分析は、例えば、Justeら(Bacterial protein signals are associated with Crohn’s disease,Gut,2014,63:1566)に記載されるように行われ得る。例えば、タンパク質は、2つの試料(例えば、未処置の微生物集団およびグリカンポリマーにより処置された集団)の微生物溶解物から単離される。各タンパク質試料は、標識され(例えば、蛍光色素、例えば、Cy3またはCy5 CyDye DIGE Fluor最小色素、GE Healthcareを用いて)、二次元ディファレンスゲル電気泳動(2D−DIGE)によって分析される。ゲルを染色し、2つの試料間で有意に異なると同定されるタンパク質スポットを切り出し、消化し、液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS/MS)によって分析する。X!TandemPipeline(http://pappso.inra.fr/bioinfo/xtandempipeline/)は、異なった形で発現したタンパク質を同定するために使用され得る。
【0346】
グリカンポリマーの調製物はまた、微生物産物の存在におけるそれらの効果に基づいてヒト対象への投与のために選択され得る。例えば、グリカンポリマーの調製物は、プロピオネート(プロピオン酸)、アセテート、および/またはブチレート(酪酸)等の短鎖脂肪酸を産生する細菌の増殖を誘導または促進するそれらの能力に関して選択することができる。同様に、グリカンポリマーの調製物は、乳酸を産生する細菌の増殖を誘導または促進するその能力について選択することができ、これは酸性環境を産生することによって他の細菌の増殖を調節することができ、また、ブチレートを産生する分類群によって利用される。そのような分析は、グリカンポリマーが所望の発酵産物の生成のための基質であるように、プロバイオティクス細菌をグリカンポリマーと対にするためにも使用され得る。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーはまた、望ましくない代謝産物(例えば、アンモニア、尿毒症性溶質、TMAおよび類似のもの)を産生しない細菌分類群に対するそれらの効果に基づいて、ヒト対象への投与のために選択され得る。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、望ましくない代謝産物を産生しない細菌性分類群の増殖を増大させ、それにより、望ましくない代謝産物を産生する細菌分類群を(例えば、空間および栄養素に関して)凌駕する。産生者に対する非産生者のバランスを、非産生者に有利になるようにシフトすることによって、望ましくない代謝産物の全体的なレベルを減少させることができる。いくつかの実施形態では、非産生者分類群に対するSCFA産生者のバランスは、SCFA産生(例えば、ブチレート、アセテート、プロピオネート)のレベルを増加させるためにSCFA産生者にシフトされる。いくつかの実施形態では、非産生者分類群に対するアンモニア産生者のバランスは、アンモニア産生のレベルを減少させるために非産生者(例えば、ウレアーゼ陰性細菌分類群)にシフトされる。いくつかの実施形態では、非産生者分類群に対するTMA産生者のバランスは、TMA産生のレベルを減少させるために非産生者にシフトされる。未使用もしくは使用済みの培養培地またはヒトから収集された生物学的試料に存在する代謝産物は、本明細書に記載の方法を用いて決定され得る。質量分析法と組み合わされたガスまたは液体クロマトグラフィー、または
1H−NMR等の、試料中の代謝産物の相対濃度を決定するために使用され得、当業者に知られている不偏の方法。これらの測定は、同じ分析システムを通して標準代謝物を実行することによって検証され得る。
【0347】
ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)または液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)の分析の場合、極性代謝産物および脂肪酸は、有機溶媒および水性試料の単相または二相系を用いて抽出され、誘導体化され得る(Fendt et al.,Reductive glutamine metabolism is a function of the α−ketoglutarate to citrate ratio in cells,Nat Commun,2013,4:2236;Fendt et al.,Metformin decreases glucose oxidation and increases the dependency of prostate cancer cells on reductive glutamine metabolism,Cancer Res,2013,73:4429;Metallo et al.,Reductive glutamine metabolism by IDH1 mediates lipogenesis under hypoxia,Nature,2011,481:380)。極性代謝産物の誘導体化のための例示的なプロトコルは、ピリジン中の2% 塩酸メトキシルアミンを用いた代謝産物のインキュベーション、続いて、N−tert−ブチルジメチルシリル−N−メチルトリフルオロアセトアミド(MTBSTFA)と1% tert−ブチルジメチルクロロシラン(t−BDMCS)の添加によるメトキシム−tBDMS誘導体の形成を含む。トリアシルグリセリドおよびリン脂質を含む非極性画分は、遊離脂肪酸に鹸化し、エステル化して、例えば、メタノール中の2% H
2SO
4によるインキュベーションによって、またはメチル−8試薬(Thermo Scientific)を用いることによって脂肪酸メチルエステルを形成し得る。次いで、誘導体化した試料は、標準的なLC−MS法を用いたGC−MS、例えば、質量分析(MS)と適合してガスクロマトグラフ(GC)上に設置されたDB−35MSカラム(30m×0.25mm内径×0.25μm、Agilent J&W Scientific)によって分析され得る。質量アイソトポマー分布は、代謝産物イオンフラグメントを積分することによって判定され、Fernandezら(Fernandez et al.,Correction of 13C mass isotopomer distributions for natural stable isotope abundance,J Mass Spectrom,1996,31:255)から適合したアルゴリズム等の標準アルゴリズムを用いて天然存在度について修正され得る。液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)の場合、極性代謝産物は、SeQuant ZIC−pHILIC Polymericカラム(2.1×150mm;EMD Millipore)等のカラムが装備されている標準的なベンチトップLC−MS/MSを用いて分析され得る。分離のために使用される例示的な移動相は、特定のpH値に調整された緩衝液および有機溶媒を含み得る。
【0348】
組み合わせて、または代わりに、抽出された試料は、
1H−核磁気共鳴(
1H−NMR)によって分析され得る。試料は、任意選択により、緩衝溶液(例えば、D
2O中のNa
2HPO
4、NaH
2PO
4、pH7.4)の存在下で、D
2O等の同位体的に濃縮された溶媒と組み合わせられ得る。試料はまた、較正および化学シフト決定のための参照基準物(例えば、5mMの2,2−ジメチル−2−シラペンタン−5−スルホン酸ナトリウム塩(DSS−d6,Isotec,USA))を補充し得る。分析の前に、溶液は、濾過または遠心分離して、いかなる堆積物または沈殿物を除去し、次いで、分析のために適当なNMRチューブまたは容器(例えば、5mmのNMRチューブ)に移動させてもよい。
1H−NMRスペクトルは、標準的なNMR分光器、例えば、5mmのQXI−Z C/N/P プローブ−ヘッド)が装備され、スペクトル積分ソフトウェア(例えば、Chenomx NMR Suite 7.1;Chenomx Inc.,Edmonton,AB)で分析される、Avance II+500 Bruker分光器(500MHz)(Bruker,DE)において獲得され得る。(Duarte et al.,
1H−NMR protocol for exometabolome analysis of cultured mammalian cells,Methods Mol Biol,2014:237−47)。
【0349】
あるいは、
1H−NMRは、当該技術分野において公知の他の刊行されたプロトコルに従って行われ得る(Chassaing et al.,Lack of soluble fiber drives diet−induced adiposity in mice,Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol,2015;Bai et al.,Comparison of Storage Conditions for Human Vaginal Microbiome Studies,PLoS ONE,2012:e36934)。
【0350】
投与
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、それを必要とする対象(例えば、ヒト対象)に経腸投与によって投与される。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、それを必要とする対象に、経口、経鼻、経胃または経直腸投与によって投与される。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、それを必要とする対象に、経管栄養によって投与される。
【0351】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、1つ以上の薬物処置が終了した直後(例えば、抗生物質処置が終了してから1時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、または4週間後)に、それを必要とする対象に投与される。一連の薬物処置中、グリカンポリマー調製物は、薬物処置の開始前(例えば、1、2、3、4、5、6、7日前)、薬物処置の開始日に、または抗生物質処置直後、例えば、処置から1、2、3、4、5、6、7日、もしくはそれ以上後に提供されてもよく、また任意選択により、薬物処置の持続期間の初めにのみ(例えば、短期間の間)、またはそれを通して提供されてもよく、さらに、薬物処置期間の終了後に所望の期間中(例えば、その後、1〜7日間、1〜14日間、または1〜21日間)継続されてもよい。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の投与は、薬物処置と併せて1つ以上の副作用が生じる、および/または診断される(例えば、消化異常または病原体の増殖)ときに、開始または継続される。いくつかの実施形態では、ディスバイオシスを引き起こす処置剤は、薬物ではなく、放射線処置または外科手術であり、グリカンポリマー調製物はまた、本明細書に記載のように投与され得る。いくつかの実施形態では、処置期間の総数および期間は、処置に対する対象の応答に基づく。例えば、個体は、グリカンポリマー調製物による処置から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日後に症状の軽減を経験し得る。別の例では、個体は、グリカンポリマー調製物による処置から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月後に症状の軽減を経験し得る。従って、処置期間は、グリカンポリマー調製物に対する個々の対象の応答および1つ以上の症状の緩和の開始によって決定される。従って、対象は、所与の用量のグリカンポリマー調製物で症状を経験する可能性があり、症状が消失するまで、対象はその用量またはより低用量にとどまることが必要である可能性がある。従って、一実施形態では、処置の期間は、開始時に決定されないが、最大用量のグリカンポリマー調製物が1日毎に達成される、または症状の所望のレベルの軽減が達成されるまで継続する。一実施形態では、処置は連続的である。
【0352】
一実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)は、処置レジメン中第1の処置期間中に1用量および第2の処置期間中に第2の用量を投与され得る。例えば、対象は、グリカンポリマー調製物の1用量を1週間にわたり、および第2の用量をその後の1週間にわたり投与され得る。
【0353】
対象は、グリカンポリマー調製物を自己投与し得、グリカンポリマー調製物は、医療従事者、例えば、医師またはその他の資格のある医療従事者によって供給または推奨され(または処方され)、任意選択により、試験結果(例えば、対象から採取された試料からのバイオマーカーに対して得られた)ならびに/または健康の変化および処置エンドポイントは、医療従事者によってモニタリングされる。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は医療専門家によって投与される。
【0354】
一実施形態では、それを必要とする対象は、グリカンポリマー調製物を用いた処置の反復過程を経ることができる。処置過程は、症状が再発するか、または望ましくないレベルまで増加した場合、反復することができる。あるいは、処置過程は、一定または所定の間隔で反復することができる。従って、処置は、約1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、10ヶ月後、1年後、18ヶ月後、2年後、3年後、4年後、5年後、または5年超後、またはこれらの任意の組み合わせで反復され得る(例えば、処置は、1年後、次いで、その後2〜5年毎に反復され得る)。処置は、最初の処置において使用されるものと同じ形態(例えば、期間、投与量、投与のタイミング、追加の物質等)で反復することができ、または修正することができる。例えば、処置期間は、短縮または延長することができ、投与量は、増加または減少することができる。
【0355】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、2回、または3回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、所定の日数(処置期間)にわたって毎日投与される。いくつかの実施形態では、処置期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28、35、42、49、56、63、70、100、200、300、または365日間である。いくつかの実施形態では、処置期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間である。いくつかの実施形態では、処置期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12年間、または一生である。
【0356】
一実施形態では、胃腸疾患、障害、または状態における処置期間の全期間は、約1日〜10年間、1日〜1年間、1日〜6ヶ月間、1日〜3ヶ月間、1日〜1ヶ月間、1日〜1週間、1日〜5日間、1日〜10日間、1週間〜約12週間、または約4週間〜約10週間、または約4週間〜約8週間、または約6週間であり得る。対象(例えば、ヒト対象)は、適当な処置期間、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10超の処置期間を受けてもよい。処置期間中、対象は、任意選択により、プレバイオティクスおよび/またはプロバイオティクスを含有する食品の摂取と共に、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物を摂取する。一実施形態では、グリカンポリマー調製物はまた、本明細書に記載の、別の物質(例えば、プロバイオティクスもしくは共生的に有益な細菌、プレバイオティクス物質、または治療剤)との併用で投与され得る。
【0357】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物はまた、正常な胃腸微生物叢の増殖を妨げる抗生物質と組み合わせられ得る。典型的には、抗生物質処置の期間は、1〜14日間、または2〜10日間、または5〜7日間である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーは、1つ以上の抗生物質処置が終了した直後(例えば、抗生物質処置が終了してから1時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、または4週間後)に、それを必要とする対象に投与される。一連の抗生物質処置中、グリカンポリマー調製物は、抗生物質処置の開始時に、抗生物質処置直後、例えば、処置から1、2、3、4、5、6、7日、もしくはそれ以上の後に提供され得るか、または望ましくない病原体の胃増殖の診断の際に投与され得る。
【0358】
処置方法
疾患または障害を有する対象(例えば、ヒト対象)を処置するための方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸)のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連する。方法は、いくつかの実施形態では、疾患または障害を処置するのに有効な量でグリカンポリマー調製物をヒト対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物(例えば、本明細書に記載のもの)は、様々な疾患、障害、または状態の処置において有益である。そのような疾患、障害、または状態は、微生物叢のディスバイオシスと関連し得る。有益な微生物叢の減衰は、抗生物質、化学療法薬、および他のディスバイオシスを誘発する薬物もしくは処置(例えば、放射線処置)の使用、病原体感染、パソビオント活性、誤較正されたカロリー摂取(例えば、高脂肪、高糖質)、誤較正された(消化されない)繊維摂取(例えば、低または無繊維)、宿主因子(例えば、宿主遺伝子変化)等が挙げられるが、これらに限定されない、様々な因子(例えば、遺伝的または環境)により生じ得る。いくつかの実施形態では、疾患、障害、または状態は、胃腸の微生物叢のディスバイオシスと関連している。いくつかの実施形態では、ディスバイオシスを処置することによって、疾患、障害、または状態が処置される。胃腸の微生物叢のディスバイオシスおよび/または胃腸疾患、障害、もしくは状態と関連し得る症状としては、ガス、胸やけ、胃のむかつき、膨満感、鼓腸、下痢、腹痛、筋けいれん、吐き気、および嘔吐が挙げられるが、これらに限定されない。胃腸に関連した軽度の消化問題はまた、時々の膨満感、下痢、便秘、ガス、または胃のむかつきが含まれる。
【0359】
代謝産物に関連する適応症
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、代謝産物のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連する。短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、リポ多糖類、または胆汁酸などの代謝産物、およびそれらを産生する細菌は、ある範囲の疾患と関連付けられている。例えば、クローン病ではブチレート産生菌のレベルの減少が報告されており(Takahashi et al.,(2016))、クローン病を有する患者の糞便試料では、ブチレートおよびプロピオネートのレベルが減少し、アセテートが増加すると報告されている(Galecka et al.,(2013))。ブチレートは炎症誘発性サイトカインの発現を減少させると報告されており、これはクローン病を含む炎症性腸疾患において重要な役割を果たし得る(Russo I.et al.PLoS One 2012)。健康な患者集団と比較したブチレートのレベルの低下に関連する他の疾患には、潰瘍性大腸炎(Kumari et al.,2013)、2型糖尿病(Qin et al.,2012)、アトピー性皮膚炎(Song et al.,2016)、結腸直腸癌(Wang et al.,2012)およびパーキンソン病(Keshavarzian et al.,2015)が含まれる。ブチレート産生に、直接的または間接的に、正の相関関係を有する微生物叢の成長を支持するグリカンを個体に投与すると、インビボでのブチレートレベルが上昇し、クローン病の症状が改善または予防され得る。
【0360】
いくつかの実施形態では、いくつかの疾患を処置するために、1つ以上の短鎖脂肪酸の産生を減少させるグリカンを投与することもまた有益であり得る。ブチレート産生細菌は、健康な個体と比較して肥満患者において増加していると報告されており(Ross et al.,2015)、ブチレートおよびプロピオネートは、健康な患者と比較して肥満患者の便中で増加することが見出されており(Payne et al.,2011)、同様に、増加したレベルのアセテートは、肥満と関連づけられている(Gao et al.,2014)。したがって、ブチレート、プロピオネートおよび/またはアセテートの増加と直接的または間接的に関連する微生物叢を選択的に減少させるグリカンの投与は、肥満の処置または予防に有用であり得る。比較的高レベルのアセテートに関連する他の疾患には、吸収不良症候群(Bala et al.,2006)、結腸直腸癌(Weir et al.,(2013)、およびクローン病(Galecka et al.,2013)が含まれる。アセテートの増加と直接的または間接的に関連する微生物叢を選択的に減少させるための対象へのグリカンの投与は、肥満、吸収不良症候群、結腸直腸癌およびクローン病などのアセテートのレベルの上昇に関連する疾患の処置または予防に有用であり得る。
【0361】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、短鎖脂肪酸のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連し、例えば、急性嚢炎、アレルギー性疾患、AIDS、アテローム性動脈硬化症、喘息、アトピー性皮膚炎、自閉症スペクトラム障害、慢性機能性便秘、セリアック病、慢性萎縮性胃炎、慢性嚢炎、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)関連疾患(CDAD)、セリアック病、結腸直腸(pcolorectal)腺腫、結腸直腸癌、クローン病、嚢胞性線維症、うつ病、糖尿病(I型)、糖尿病(II型)、下痢、湿疹、腸瘻造設、家族性地中海熱、食物過敏症、移植片対宿主病(GvHD)、肝性脳症、高血圧、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、肺癌、顕微鏡的大腸炎、多発性硬化症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満関連喘息、パーキンソン病(PD)、放射線誘発急性腸管症状、赤痢、短腸症候群、脊髄損傷関連腸機能障害、全身性炎症反応症候群、全身性エリテマトーデス、および潰瘍性大腸炎から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害を処置するためにSCFAのレベルを調節する工程を含む処置方法が提供される。
【0362】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、短鎖脂肪酸、例えば、ブチレート(下痢)のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、短鎖脂肪酸、例えば、ブチレート(毒性、例えば、薬物毒性)のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連する。いくつかの実施形態では、下痢関連症状(例えば、薬物毒性により引き起こされるものなど)などの疾患または障害を処置するためにSCFA、例えばブチレートのレベルを調節する工程を含む処置方法が提供される。
【0363】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、トリメチルアミンまたはトリメチルアミンN−オキシドのレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連し、例えば、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、HIVにおける心血管リスク、頸動脈アテローム性動脈硬化症、慢性心疾患、慢性心不全、慢性腎臓病(CKD)、慢性血管疾患、結腸直腸癌、冠状動脈性心臓病、冠状動脈疾患(CAD)、糖尿病(II型)、末期腎臓病、HIV、炎症性腸疾患、虚血性発作、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肥満、放射線誘発急性腸管症状(RIAIS)、および脳卒中から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害を処置するためにTMAまたはTMAOのレベルを調節する工程を含む処置方法が提供される。
【0364】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アンモニアのレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連し、例えば、慢性腎臓病、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、肝性脳症、および最小限の肝性脳症(MHE)を伴う肝硬変から選択される。一実施形態では、アンモニアのレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連する疾患または障害は肝性脳症(HE)である。いくつかの実施形態では、疾患または障害を処置するためにアンモニアのレベルを調節する工程を含む処置方法が提供される。
【0365】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、短胆汁酸のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連し、例えば、アルコール性肝硬変、アテローム性動脈硬化症、慢性嚢炎、肝硬変、結腸直腸腺腫、結腸直腸癌、結腸直腸癌(胆嚢摘出後の患者)、冠動脈疾患、クローン病、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、糖尿病(II型)、腸不全関連肝疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、吸収不良症候群、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、肥満関連喘息、胆嚢摘出術後、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎(PSC)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞、逆流性食道炎、短腸症候群、スティーブン・ジョンソン症候群、潰瘍性大腸炎、および単純性憩室症から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害を処置するために胆汁酸のレベルを調節する工程を含む処置方法が提供される。
【0366】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、リポ多糖類のレベル(例えば、望ましくないレベル)に関連し、例えば、アレルギー性疾患、アテローム性動脈硬化症、自閉症スペクトラム障害、自己免疫性肝炎、慢性疲労症候群(CFS)、慢性腎臓病、慢性血管疾患、共通可変免疫不全症(CVID)、クローン病、うつ病、糖尿病(II型)、肝性脳症、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HIVエリート・コントローラー、腸不全関連肝疾患、過敏性腸疾患、メタボリックシンドローム、新生児壊死性腸炎(NEC)、肥満、パーキンソン病(PD)、および潰瘍性大腸炎から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害を処置するためにLPSのレベルを調節する工程を含む処置方法が提供される。
【0367】
薬物毒性/消化異常(下痢を含む)
グリカンポリマー調製物の投与(例えば、本明細書に記載のように)を介してヒト対象における薬物誘発性または処置誘発性の症状を軽減する方法が本明細書に提供される。一実施形態では、方法は、ブチレートを含むSCFAのレベルを調節することを含む。薬物または処置によって誘発される症状は、任意の消化異常を含む。例示的な消化異常としては、体重増加、便秘、胸やけ、胃のむかつき、ガス、膨満感、鼓腸、下痢、腹痛、筋けいれん、吐き気、および嘔吐が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、消化異常は、下痢である。本方法は、ヒト対象に、薬物または処置によって誘発される1つ以上の症状を軽減させるのに有効な量でグリカンポリマー調製物調製物を含む医薬組成物を投与することを含む。一実施形態では、処置は、放射線処置である。一実施形態では、処置は、化学療法処置である。
【0368】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象(例えば、ヒト対象)は、薬物誘発性下痢、薬物誘発性便秘、薬物誘発性毒性、薬物誘発性耐性(例えば、メトホルミンに対する、化学療法、例えば、イリノテカン(カンプトサール)および/または5−フルオロウラシルなどに対する)、薬物誘発性マイクロバイオーム損傷、薬物誘発性マイクロバイオーム疾患、薬物誘発性胃腸疾患、薬物誘発性腸炎もしくは大腸炎、または類似の薬物誘発性障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0369】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む医薬組成物は、薬物の投与(または放射線処置)の前、それと同時に、またはその後に投与され、この投与は症状を誘導する。
【0370】
しばしば、薬物または処置誘導性症状と関連する例示的な薬物としては、抗癌剤、抗糖尿病、免疫抑制薬、抗菌薬、化学療法薬、抗精神病、プロトンポンプ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI、例えば、ダサチニブ(Sprycel)、エルロチニブ(Tarceva)、ゲフィチニブ(Iressa)、イマチニブ(Gleevec)、ラパチニブ(Tykerb)、ニロチニブ(Tasigna)、ソラフェニブ(Nexavar)、スニチニブ(Sutent)、アファチニブ(Gilotrif)、アレチニブ(Alecensa)、アキシチニブ(Inlyta)、ボルテゾミブ(Velcade)、ボスチニブ(Bosulif)、カボザンチニブ(Cometriq、Cabometyx)、カルフィルゾミブ(Kyprolis)、セリチニブ(Zykadia)、コビメチニブ(Cotellic)、クリゾチニブ(Xalkori)、ダブラフェニブ(Tafinlar)、ダサチニブ(Sprycel)、エルロチニブ(Tarceva)、ゲフィチニブ(Iressa)、イブルチニブ(Imbruvica)、イデラリシブ(Zydelig)、イマチニブ(Gleevec)、イキサゾミブ(Ninlaro)、ラパチニブ(Tykerb)、レンバチニブ(Lenvima)、ニロチニブ(Tasigna)、ニラパリブ(Zejula)、オラパリブ(Lynparza)、オシメルチニブ(Tagrisso)、パルボシクリブ(Ibrance)、パゾパニブ(Votrient)、ペガプタニブ(Macugen)、ポナチニブ(Iclusig)、レゴラフェニブ(Stivarga)、リボシクリブ(Kisqali)、ルカパリブ(Rubraca)、ルキソリチニブ(Jakafi)、ソニデジブ(Odomzo)、ソラフェニブ(Nexavar)、スニチニブ(Sutent)、トファシチニブ(Xeljanz)、トラメチニブ(Mekinist)、バンデタニブ(Caprelsa)、ベムラフェニブ(Zelboraf)、ビスモデジブ(Erivedge))および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬物の投与は、一般的に、例えば、処置レジメン中に生じ得る、ディスバイオシスと関連する。いくつかの実施形態では、ディスバイオシスは、薬物または処置によって誘発される症状、例えば、消化異常、例えば下痢、を引き起こすか、または増幅する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の投与は、マイクロバイオームを調節し、そのため、薬物または処置誘導性症状が低減される(例えば、ブチレートなどのSCFAのレベルを調節することによって)。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、薬物処置に悪影響を及ぼすまたは負に応答し得る、あるいは薬物処置に悪影響を及ぼすまたは負に応答し得る共生細菌を補足し得る、共生細菌の増殖を促進し、かつ/または有益な微生物共同体の増殖を抑制する。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、SCFA産生細菌分類群、例えば、アセテート、プロピオネートまたはブチレート産生分類群などの増殖を促進する。
【0371】
消化異常の症状がグリカンポリマー調製物の投与によって減少され得る消化異常と関連する薬物の特定の例としては、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、アモキシシリン−クラブラン酸、セフィキシム、エファロスポリン、フルオロキノロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、アジスロマイシン、イリノテカン(カンプトサール)、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ボルテゾミブ、イマチニブ、レナリドマイド、イムブルビカ、イピリムマブ、ペルツズマブ、カペシタビン、ドセタキセル、ラパチニブ、エルロチニブ、カルムスチン、エトポシド、アラシチン、メルファラン、シタラビン、ダウノルビシン、アムサクリン、ミトキサントロン、オランザピン、ラニチジン、ファモチジン、シメチジン、オメプラゾール、スクラルファート、エソメプラゾール、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、セレコキシブ、ニメスリド、アスピリン、メトホルミン、パロキセチン、バルプロ酸、またはクロザピンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0372】
いくつかの実施形態では、消化異常は、化学療法薬による対象(例えば、ヒト対象)の処置と関連する。一実施形態では、消化異常は、下痢である。特定の実施形態では、化学療法薬は、イリノテカン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、またはこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、化学療法剤は、オキサリプラチン、ロイコボリン、5−フルオロウラシル、またはこれらの組み合わせである(例えば、FOLFIRIレジメン)。特定の実施形態では、化学療法薬は、ボルテゾミブ、イマチニブ、レナリドマイド、イムブルビカ、イピリムマブ、ペルツズマブ、カペシタビン、ドセタキセル、ラパチニブ、エルロチニブ、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、カルムスチン、エトポシド、アラシチン、メルファラン、またはこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、化学療法薬は、シタラビン、ダウノルビシン、エトポシド、またはこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、化学療法薬は、アムサクリン、シタラビン、エトポシド、またはこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、化学療法薬は、ミトキサントロン、シタラビン、またはこれらの組み合わせである。
【0373】
いくつかの実施形態では、消化異常は、抗生物質による対象の処置と関連する。一実施形態では、消化異常は、下痢である。特定の実施形態では、抗生物質は、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、アモキシシリン−クラブラン酸、セフィキシム、エファロスポリン、フルオロキノロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、またはアジスロマイシンである。
【0374】
いくつかの実施形態では、消化異常は、抗精神病薬による対象の処置と関連する。一実施形態では、消化異常は、体重増加である。一実施形態では、薬物は、オランザピンである。
【0375】
いくつかの実施形態では、消化異常は、プロトンポンプ阻害薬による対象の処置と関連する。一実施形態では、消化異常は、下痢である。特定の実施形態では、薬物は、ラニチジン、ファモチジン、シメチジン、オメプラゾール、スクラルファート、またはエソメプラゾールである。
【0376】
いくつかの実施形態では、消化異常は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による対象の処置と関連する。一実施形態では、消化異常は、下痢である。特定の実施形態では、薬物は、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、セレコキシブ、ニメスリド、またはアスピリンである。
【0377】
いくつかの実施形態では、消化異常は、メトホルミン、パロキセチン、バルプロ酸、またはクロザピンによる対象の処置と関連する。
【0378】
一実施形態では、1つ以上の症状の軽減は、処置レジメンに対する対象によるコンプライアンスを増大させる。一実施形態では、1つ以上の症状の軽減により、医師がより高用量の投与されるべき薬物を処方することが可能になる。このような実施形態では、基礎疾患の処置は、より有効である(例えば、症状の軽減の増大、疾患もしくは症状がない状態を達成するための短期化、または疾患もしくは症状がない状態の維持の長期化等)。
【0379】
慢性腎臓病(CKD)
いくつかの実施形態では、慢性腎臓疾患(CKD)を有する対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。CKDを有する対象は、疲労、集中力の低下、食欲不振、不眠、夜間の筋痙攣、むくんだ足および足首、皮膚発疹/そう痒、吐き気、嘔吐、口腔内の金属味、息切れ、および/または排尿増加を示し得る。CKDを含む腎臓疾患の診断は、糸球体濾過量(GFR)、尿素およびクレアチニンの血中濃度、アルブミンの尿レベル、腎臓生検、超音波検査、および/またはCTスキャンの試験によって行われる。患者集団は、糖尿病性腎症によって引き起こされるCKDを有する対象;高血圧によって引き起こされるCKDを有する対象;多発性嚢胞腎、腎盂腎炎、または糸球体腎炎を有する対象;腎臓を損傷する薬剤の長期使用により腎臓損傷を有する対象;および糖尿病、高血圧、または腎臓疾患の家族歴等の危険因子の存在のためCKDを発症する危険性がある対象を含む。
【0380】
肝性脳症(HE)
いくつかの実施形態では、肝性脳症(HE)を有する対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。肝性脳症は、肝臓が血液からのアンモニア等の毒性物質を除去することができない場合に生じる複数の有害な神経学的症状を含む。HEを有する対象は、精神錯乱、健忘、不安神経症、または興奮状態、人格もしくは行動の急激な変化、睡眠パターンの変化、見当識障害、甘いもしくはかび臭い息、不明瞭言語、および/または運動機能の制御困難を示し得る。HEの診断は、肝機能、血清アンモニア値、EEGの試験、および他の血液および神経学的試験によって行われる。患者集団は、軽度のHE、重度のHE、顕性HEを有する対象、HEの1つ以上の症状の発現を以前に経験したことがある対象、および肝臓損傷等の危険因子のためHEの危険性がある対象を含む。
【0381】
炎症性腸疾患(IBD)/クローン病(CD)/潰瘍性大腸炎(UC)
炎症性腸疾患(IBD)を有する対象は、腹部の痙攣および疼痛、血性であり得る下痢、排便の緊急性、便秘、吐き気、嘔吐、発熱、体重減少、食欲不振、および/または血液喪失による鉄欠乏性貧血を示し得る。IBDの症状は、症候性および無症候性疾患の交互の期間を有する炎症を生じ得る。IBDは、検便(下痢の感染原因の可能性を断ち切る、便中の微量の血液を確認する、便中カルプロテクチン等のIBDと関連するバイオマーカーを定量化するために)、炎症のレベルを評価するための完全血球算定、C反応性タンパク質(CRP)および核周囲抗好中球細胞質抗体(pANCA)を含むバイオマーカーを評価するための血液検査、バリウムX線、S状結腸鏡検査、大腸内視鏡検査、および内視鏡検査を含む、試験の組み合わせによって診断され得る。患者集団は、潰瘍性大腸炎(UC;結腸または大腸に限定されない)を有する対象、クローン病(CD;胃腸管のいかなる部分に影響を及ぼす)を有する対象、および異なる疾患重症度(軽度、中等度、重度)を有する対象を含む。
【0382】
2型糖尿病/NASH/NAFLD
いくつかの実施形態では、2型糖尿病を有する対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。2型糖尿病を有する対象は、霧視、末梢神経障害、排尿増加、口渇増加、疲労、空腹感増加、体重減少、または酵母感染症、膀胱感染症、腎臓感染症、皮膚感染症、もしくは他の感染症を示し得る。2型糖尿病は、高血糖もしくは高血糖危機の古典的症状を有する患者における、126mg/dL(7mM)以上の空腹時血漿グルコース(FPG)、または75gの経口グルコース耐性試験(OGTT)時の200mg/dL(11.1mM)以上の2時間血漿グルコース値、または200mg/dL(11.1mM)以上のランダム血漿グルコース、または6.5%以上のヘモグロビンA1c(HbA1c)値を含む、米国糖尿病協会(ADA)によって記載される基準によって診断される。患者集団は、2型糖尿病を有する成人および小児、2型糖尿病を発症する危険性がある対象(例えば、前糖尿病を有する対象または過体重である対象)、ならびに肥満、高血圧、血清トリグリセリドの上昇、および低高比重リポタンパク質(HDL)値を含む、代謝症候群の状態と併せて2型糖尿病を有する対象を含む。
【0383】
いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を示す対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、肝臓における脂肪の異常蓄積を特徴とする。NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に進行する可能性があり、これは、肝臓の炎症、線維症、および肝硬変を特徴とする。NAFLDを有する対象は、無症候性であり得る。NAFLDまたはNASHを有する対象は、肝臓サイズの増大(健康診断時に指摘される)、疲労、体重減少、全身の脱力感、および/または右上腹部の痛みを示し得る。NAFLD/NASHの診断は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)またはアスパラギン酸アミノ酸転移酵素(AST)の血液値の上昇、肥大肝、および特定の病理組織学的マーカー(例えば、肝生検、腹部の超音波検査、CTスキャン、またはMRIスキャンによる)を含む。患者集団は、NAFLDを有する対象、NASHを有する対象、NAFLD/NASHを発症する危険性がある対象(例えば、過体重であるまたはコレステロール値の上昇を有する対象)、ならびに肥満、空腹時血漿グルコースの上昇、高血圧、血清トリグリセリドの上昇、および低高比重リポタンパク質(HDL)値を含む、代謝症候群の状態と併せてNAFLD/NASHを有する対象を含む。
【0384】
肥満
いくつかの実施形態では、肥満対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。肥満は、深刻な健康上の問題であり、健康への悪影響を及ぼし得る。例えば、肥満は、平均寿命の低下、ならびに/または糖尿病、高血圧、心疾患、卒中、高コレステロール、睡眠時無呼吸、および関節炎等の健康問題を増大させ得る。肥満対象は、30kg/m
2超の肥満度指数(BMI)を示す。あるいは、肥満対象は、体脂肪率(男性で25%超、または女性で33%超)に基づいて分類され得る。診断はまた、空腹時脂質レベル(コレステロール、トリグリセリド)、肝機能、グルコース値、インスリン値、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)、および/またはグルコース耐性の評価も含み得る。患者集団は、小児肥満、中等度の肥満、病的/重度の肥満、遺伝子的原因の肥満(プラダーウィリ症候群、バルデービードル症候群、コーエン症候群、およびMOMO症候群)、ならびに代謝症候群の他の状態(高血圧、空腹時血漿グルコースの上昇、血清トリグリセリドの上昇、および低高比重リポタンパク質(HDL)値)と併せた肥満を有する対象を含む。
【0385】
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)誘発大腸炎
いくつかの実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)CDI誘発性大腸炎を有する対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。誘発性大腸炎を有する対象は、水様性の下痢、筋けいれん、腹痛、食欲不振、倦怠感、発熱、脱水症、下腹部圧痛、および/または反跳痛を示し得る。患者の便におけるC.ディフィシル(C.difficile)の存在は、便培養法、グルタミン酸脱水素酵素免疫測定法、C.ディフィシル(C.difficile)毒素に対する遺伝子を検出するためのPCRアッセイ、便細胞毒素アッセイ、またはC.ディフィシル(C.difficile)毒素AおよびBに対する酵素免疫測定法によって試験することができる。患者集団は、一次CDIを有する対象、再発性CDIを有する対象、CDI関連下痢の異なる重症度(軽度、中等度、重度)を有する対象、ならびに例えば、抗生物質による処置、広域スペクトル抗生物質による処置、病院もしくは長期療養施設での居住、胃腸管の手術、結腸の疾患、脆弱化した免疫系、化学療法、高齢、腎疾患、またはプロトンポンプ阻害剤の使用などの危険因子の存在によるCDIのための危険にさらされている対象が含まれる。CDIのための標準処置は、メトロニダゾール、フィダキソマイシン、またはバンコマイシンなどの抗生物質を含む。処置はまた、プロバイオティクス、糞便移植、および脱水症を予防するための液体を含み得る。疾患の消散は、下痢の軽減(例えば、3回を超える形を成さない便の24時間の不在)および上に記載される他の症状の消散によって測定される。感染症のクリアランスは、C.ディフィシル(C.difficile)に対する陽性便検査の不在によって確認され得る。
【0386】
一実施形態では、方法は、病原体のコロニー形成を予防する、処置する、その症状を緩和する、および/または初期コロニー形成もしくはコロニー形成の再発を予防するために提供される。いくつかの実施形態では、再発は、第一選択治療または標準治療の処置レジメン中またはその後に生じる。場合によっては、病原体負荷は、標準治療の際に最初に軽減し得るが、その負荷は再度増加し始め、疾患の再発を潜在的に誘発する可能性がある。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、再発を予防するか、または1つ以上の再発の症状を処置するために、(例えば、初期処置レジメンの開始時に、その中、またはその後に)投与され得る。いくつかの実施形態では、疾患関連の細菌、パソビオント、または病原体は、バイロフィラ・ワズウォーシア(Bilophila wadsworthia)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、シトロバクター・ファーマー(Citrobacter farmer)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、Enterobacter hormaechei(エンテロバクター・ホルメシェイ)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、大腸菌(Escherichia coli)、フゾバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ヘモフィルス・パラインフルエンザ(Haemophilus parainfluenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、ペプトストレプトコッカス・ストマティス(Peptostreptococcus stomatis)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromonas asaccharolytica)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラ・ボンゴリ(Salmonella bongori)、サルモネラ・エンテリック(Salmonella enteric)、シゲラ・ボイディ(Shigella boydii)、シゲラ・ジセンテリア(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ソネイ(Shigella sonnei)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・インファンタリウス(Streptococcus infantarius)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)、およびエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)の種からなる群から選択される。
【0387】
いくつかの実施形態では、疾患関連の細菌、パソビオント、または病原体は、ビロフィラ(Bilophila)、カンピロバクター(Campylobacter)、カンディダトゥス(Candidatus)、シトロバクター(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、コリンセラ(Collinsella)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)、エンテロバクター(Enterobacter)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エシェリキア(Escherichia)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ヘモフィルス(Haemophilus)、クレブシエラ(Klebsiella)、ラクノスピラ(Lachnospiraceae)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)、ポルティエラ(Portiera)、プロビデンシア(Providencia)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ビブリオ(Vibrio)、およびエルシニア(Yersinia)の属を含む。
【0388】
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)のコロニー形成
いくつかの実施形態では、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)のコロニー形成および感染を示す対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。エンテロコッカス(Enterococcus)属の細菌は、腸内微生物叢の一般的なメンバーである。この属のバンコマイシン耐性メンバーである、一般に、E.フェカリス(E.faecalis)およびE.フェシウム(E.faecium)は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)のコロニー形成および感染を引き起こし得る。VREによりコロニー形成した対象は、VRE陽性の糞便試料、直腸スワブ、直腸周囲スワブ、または別の身体部位からの試料を示し得る。バンコマイシン耐性は、バンコマイシン耐性(Van)遺伝子オペロンを検出する、細菌培地によってまたはPCRベースのアッセイによって評価され得る。コロニー形成した対象は、無症候性であり得るが、この集団は、VREによる感染症に対する危険性が高まる。VRE感染症を有する対象は、下痢、発熱、悪寒、尿管感染症(UTI)、菌血症、心内膜炎、腹腔内および骨盤内感染症、呼吸器感染症、または別の身体部位での感染症を示し得る。患者集団は、VREによりコロニー形成している対象、VRE感染症を患っている対象、および入院、長期療養施設の居住、長期の抗生物質の使用、免疫抑制、手術、開放創、留置器具(例えば、静脈ラインもしくは導尿カテーテル)、または医療従事者としての雇用のような危険因子の存在による、VREによるコロニー形成もしくは感染の危険性がある対象を含む。
【0389】
アトピー性皮膚炎(AD)
いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎(AD)を有する対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。アトピー性皮膚炎(AD)を有する対象は、乾燥、痒み、および/または炎症を起こしている皮膚を呈し得る。ADの診断および重症度は、SCORAD指数(Oranje,A.P.,et al.British Journal of Dermatology 157.4(2007):645−648)または湿疹面積および重症度指数(EASI)スコア(Hanifin et al.,Experimental Dermatology,2001,10:11)を用いることによって決定され得る。ADは症候性および無症候性疾患の交互の期間を有する炎症を生じ得る。黄色ブドウ球菌は、一般に、ADを有する皮膚部位上に存在し、IgE、および炎症性またはTh2サイトカインおよびケモカインを含むバイオマーカーはまた、罹患している皮膚において、または全身的に上昇し得る。患者集団は、早期ADを有する乳児、小児ADを有する小児、遅発性ADを有する成人、ADの炎症の危険性がある妊婦(「妊娠中アトピー性発疹」)、軽度、中等度、もしくは重度ADの炎症を有する対象、またはADを発症している危険性がある対象を含む。
【0390】
喘息
いくつかの実施形態では、喘息を有する対象は、本明細書に提供される方法に従って処置され得る。喘息を有する対象は、喘鳴、咳嗽、息切れ、および/または胸部圧迫感もしくは胸痛を呈し得る。これらの症状は一般的に一時的なものであり、運動またはアレルゲンへの曝露などの因子によって誘発され得る。さらに、喘息を有する小児は、再発性気管支炎、細気管支炎、または風邪による肺炎もしくは持続性の咳を示し得る。喘息の診断は、気管支拡張剤による処置の存在または不在下で、肺活量測定による肺機能試験によって確立される。患者集団は、喘息を有する乳児;小児喘息;成人発症喘息;間欠性、軽症の持続性、中等度の持続性、または重度の持続性喘息;運動誘発性喘息;アレルギー性喘息;咳型喘息;職業性喘息;夜行性喘息を有する対象;および例えば、アトピーの家族歴による、喘息を発症する危険性がある対象を含む。
【0391】
炎症性疾患
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物グリカンポリマー調製物の投与は、炎症を軽減する。いくつかの実施形態では、対象は、炎症性腸疾患を含む(IBD)胃腸感染症、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、小腸の特発性炎症、不確定性大腸炎、回腸嚢炎;過敏性腸症候群(IBS)、結腸および肝臓癌、壊死性腸炎(NEC)、腸炎、便秘、顕微鏡的大腸炎、下痢;移植片対宿主病(GVHD);(食物)アレルギー;偽膜性大腸炎;消化不良または非潰瘍性消化不良;憩室症または憩室炎、虚血性大腸炎;放射線大腸炎または腸炎;コラーゲン蓄積大腸炎;胃腸炎;およびポリープを含む、疾患、障害、または状態を有する、または有する疑いがある場合、処置に適していることが同定される。
【0392】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、腸炎、顕微鏡的大腸炎、または腸炎に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0393】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、小腸の特発性炎症、不確定性大腸炎、回腸嚢炎、偽膜性大腸炎、虚血性大腸炎、放射線大腸炎(腸炎)、コラーゲン蓄積大腸炎、または腸炎に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0394】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、胃腸炎、移植片対宿主病(GVHD)、または(食物)アレルギーを有する、または有する疑いがある。
【0395】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、下痢、消化不良、非潰瘍性消化不良、または変質した腸管通過に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0396】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、結腸癌、肝臓癌、壊死性腸炎(NEC);憩室症または憩室炎;ポリープ、または腸の構造変化に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0397】
代謝性疾患
いくつかの実施形態では、対象は、肥満、前糖尿病、II型糖尿病、高血中コレステロール、高LDL、高血圧、高空腹時血糖、高トリグリセリドレベル、低HDL非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);代謝症候群;高アンモニア血症、必須栄養素欠乏、血色素症、ラクトース不耐症、グルテン不耐症;および腸性先端皮膚炎を含む、疾患、障害、または状態を有する、または有する疑いがある場合、処置に適していることが同定される。
【0398】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、肥満、(インスリン耐性)前糖尿病、II型糖尿病、高空腹時血糖(高血糖)、代謝症候群、または代謝疾患の症状と関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0399】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、高血中コレステロール、高LDL、高血圧(高血圧症)、高トリグリセリドレベル、低HDL、または類似の心臓血管の危険因子を有する、または有する疑いがある。
【0400】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高アンモニア血症、または肝臓の類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0401】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、ラクトース不耐症、グルテン不耐症、または食物不耐性と関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0402】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、必須栄養素欠乏、血色素症、腸性先端皮膚炎、または不適当な栄場管理と関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0403】
一実施形態では、代謝障害を処置するために、ヒトにグリカンポリマー調製物組成物を投与することによって、それを必要とする対象における代謝障害を処置する方法が提供される。一実施形態では、代謝障害は、肥満、肥満症、インスリン耐性、糖尿病、および脂肪肝症候群から選択される。
【0404】
代謝障害は、異常な体重増加;エネルギー使用もしくは消費;栄養素、エネルギー源、ホルモン、もしくはその他のシグナル伝達分子に対する応答変化;または炭水化物、脂質、タンパク質、もしくは核酸の新陳代謝の変化、またはこれらの組み合わせによって引き起こされる、またはこれらを特徴とする、疾患、障害、および状態を含み得る。代謝障害の例には、インスリン耐性、インスリン感受性、脂肪肝症候群、肥満、肥満症、および糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病)が含まれる。一変形例では、本明細書に提供される方法は、肥満を処置する。対象における体重減少および/または体脂肪の減少を生じさせる方法で、対象の腸内の微生物叢を変化させ得るグリカンポリマー調製物組成物を用いた、処置を必要とする対象における肥満を処置するための方法が本明細書に提供される。
【0405】
一実施形態では、肥満症を軽減するのに有効な量でグリカンポリマー調製物組成物をヒトに投与することによって、それを必要とする対象における肥満症を軽減する方法が提供される。肥満症は、例えば、腰周囲、腰対臀部比、皮膚厚、生体電気インピーダンス、水中体重法、空気置換プレチスモグラフィー、または比重測定法を含む、当該技術分野において公知の任意の適切な方法を用いて決定され得る。
【0406】
一実施形態では、グルコース代謝を改善するのに有効な量でグリカンポリマー調製物組成物を対象に投与することによって、それを必要とする対象におけるグルコース代謝を改善する方法が提供される。グルコース代謝は、例えば、空腹時血糖値、空腹時インスリン値、食後の血糖値試験、経口グルコース耐性試験、静脈内グルコース耐性試験、糖化ヘモグロビン値、またはランダム血糖値試験を含む、当該技術分野において公知の任意の適切な方法を用いて決定され得る。
【0407】
一実施形態では、インスリン感受性を増大させるのに有効な量でグリカンポリマー調製物組成物を対象に投与することによって、ヒトにおけるインスリン感受性を増大させる方法が提供され、ここで、ヒトは、グリカンポリマー調製物の投与前のインスリン感受性およびグリカンポリマー調製物の投与後のインスリン感受性を有し、グリカンポリマー調製物の投与後のヒトのインスリン感受性は、グリカンポリマー調製物の投与前のヒトのインスリン感受性よりも高い。インスリン感受性は、例えば、空腹時血糖値、空腹時インスリン値、食後の血糖値試験、経口グルコース耐性試験、静脈内グルコース耐性試験、糖化ヘモグロビン値、またはランダム血糖値試験を含む、当該技術分野において公知の任意の適切な方法を用いて決定され得る。
【0408】
感染症
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の投与は、感染を軽減する。いくつかの実施形態では、対象は、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)を含む胃腸感染症;バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症、感染性大腸炎、およびC.ディフィシル(C.difficile)大腸炎;真菌症、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)感染症、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)感染症、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症;下痢、例えば、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)関連下痢(CDAD)、抗生物質関連下痢(AAD)、抗生物質誘発性下痢、旅行者下痢(TD)、小児下痢、(急性)感染性下痢、結腸および肝臓癌、アメーバ性肉芽腫;壊死性腸炎(NEC)、および小腸細菌異常増殖(SIBO);消化不良または非潰瘍性消化不良;裂肛、肛門周囲膿瘍、および痔瘻;憩室症または憩室炎;消化性潰瘍;ならびに胃腸炎を含む、疾患、障害、または状態を有する、または有する疑いがある場合、処置に適していることが同定される。
【0409】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI);バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症、感染性大腸炎、またはC.ディフィシル(C.difficile)大腸炎を有する、または有する疑いがある。
【0410】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、真菌症、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)感染症、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)感染症、またはヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症を有する、または有する疑いがある。
【0411】
いくつかの実施形態では、胃腸管感染症は、細菌またはウイルス感染症、例えば、VRE、C.ディフィシル(C.difficile)、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ菌(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、カンピロバクター(Campylobacter)、コレラ菌(Vibrio cholera)、桿菌(Clostridium perfringes)、セレウス菌(Bacillus cereus)、腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahemolyticus)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ロタウイルス、またはノロウイルス等による感染症である。
【0412】
いくつかの実施形態では、胃腸管感染症は、真菌感染症、例えば、カンジダ(Candida)、アスペルギルス(Aspergillus)、ムコール(Mucor)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、またはコクシジオイデス(Coccidioides)等による感染症である。
【0413】
いくつかの実施形態では、胃腸管感染症は、原虫感染症、例えば、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、ランブル鞭毛中(Giardia lamblia)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)等による感染症である。
【0414】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、下痢、例えば、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)関連下痢(CDAD)、抗生物質関連下痢(AAD)、抗生物質誘発性下痢、旅行者下痢(TD)、小児下痢、および(急性)感染性下痢を有する、または有する疑いがある。
【0415】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、壊死性腸炎(NEC);胃腸炎;小腸細菌異常増殖(SIBO)、または胃腸管感染症に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0416】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、結腸癌、肝臓癌、アメーバ性肉芽腫;消化不良または非潰瘍性消化不良;裂肛、肛門周囲膿瘍、および痔瘻;憩室症または憩室炎;消化性潰瘍、または胃腸管の構造変化に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0417】
他の疾患
いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫性関節炎、I型糖尿病、アトピー性皮膚炎、自閉症、喘息、心臓血管疾患、慢性腎臓疾患、痛風、薬物不耐性(例えば、メトホルミンに対して)、薬物の低経口バイオアベイラビリティ、便失禁、ヒルシュスプルング病、アニスムス、仙痛、腸閉塞症、痔、および腸重積症を含む、疾患、障害、もしくは状態を有する、または罹患している疑いがある場合、処置に適していることが同定される。
【0418】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、自己免疫性関節炎、I型糖尿病、多発性硬化症、乾癬、または類似の自己免疫性の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0419】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、喘息、アトピー性皮膚炎、または類似の環境に起因するアレルギーを有する疑いがある。
【0420】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、慢性腎臓疾患、心疾患、心臓血管疾患、または臓器不全に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0421】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、自閉症、高アンモニア血症、肝性脳症、または神経学的症状に関連する類似の疾患、障害、もしくは状態を有する、または有する疑いがある。
【0422】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、悪液質、痛風、または類似の栄養障害を有する、または有する疑いがある。
【0423】
一実施形態では、グリカンポリマー調製物による処置に適していることが同定される対象は、ヒルシュスプルング病、腸閉塞症、アニスムス、腸重積症、便失禁、痔、または類似の胃腸障害を有する、または罹患している疑いがある。
【0424】
処置効果
いくつかの実施形態では、前記対象は、処置後に疾患または障害の少なくとも1つの症状の軽減を経験する。いくつかの実施形態では、処置後に症状の重症度の軽減を決定することができ(例えば、公知のバイオマーカーを測定することによって)、これは約3%、5%、7%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または約100%の順である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のように測定される症状は、グリカンポリマー調製物の投与前に症状と比較した場合、平均で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または約100%減少する。いくつかの実施形態では、症状の重症度の軽減は、処置から少なくとも約1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、1年間、2年間、5年間、10年間持続するか、または軽減が永続する。
【0425】
一実施形態では、本明細書に記載の疾患、障害、または状態の症状は、処置の中断後、少なくとも約1日間、1週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、1年間、18ヶ月間、2年間、3年間、4年間、5年間、10年間、または10年間以上、対象の重症度を部分的に、実質的に、または完全に、消失させる、または低減する。別の実施形態では、本明細書に記載の疾患、障害、または状態の症状は、処置の中断後、対象の重症度を恒久的に消失させる、または低減する。
【0426】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物の投与は、宿主の健康全般および/または胃腸管等の特定の生態的部位の健康を、例えば、生態的部位内の微生物共同体の1つ以上のメンバー(常在共生細菌および/または獲得した病原体もしくはパソビオント等)の増殖または存在度を調節すること(例えば、増加または減少すること)によって改善する。
【0427】
グリカンポリマー調製物は、有効量で対象に投与される場合、1つ以上の宿主経路を調節し得る。グリカンポリマー調製物処置は、当該技術分野において公知の方法によって決定され得る1つ以上のバイオマーカーの増加または減少をもたらし得る。研究者は、処置中のどの時点でバイオマーカーを測定すべきかを容易に決定することができ、例えば、処置前、処置中の様々な間隔で、および/または処置後である。任意の適当な試料、例えば、胃腸に特異的な試料、例えば、組織試料または生検、スワブ、胃腸管分泌物(糞/糞便試料等)等は、対象から採取され得、この試料が分析され得る。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの実質的増加または減少が検出され得る。
【0428】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、例えば、免疫調節能力(例えば、抗炎症性)に作用し得るブチレート、アセテート、およびプロピオネート等の短鎖脂肪酸、および宿主の健康に良い効果をもたらし得るその他の代謝産物(例えば、胆汁酸およびラクテート)の放出をもたらす、腸内微生物叢(例えば、クロストリジウム(Clostridia))によって消化される。
【0429】
腸内のSCFA生成に対して投与されたグリカンポリマー調製物組成物の効果を評価するために、糞便試料を採取することができる。SCFAレベル、特に、アセテート、プロピオネート、およびブチレートが定量化され得る。SCFA、クレアチン、およびヒドロキシ−SCFAは、糞便試料をアルカリ化し、例えば、1D 1H NMR分光計を用いて試料の代謝組成物のフィンガープリントを得、教師つき多変量統計法により分析することによって定量化され得る。イヌリンは、陽性対照としての役割を果たし得る。
【0430】
いくつかの実施形態では、患者の試料または対象試料からの微生物培養の微生物代謝産物プロファイルは、胃腸感染症、および/または炎症性疾患、障害、もしくは状態を発症する危険因子を同定するために使用される。診断、予後危険評価の目的、または処置評価の目的のための例示的な代謝産物には、表5に列挙されたものを含む。いくつかの実施形態では、微生物代謝産物プロファイルは、回復または再発事象を含む対象の疾患状態をより評価するために、対象の疾患および処置時に異なる時点で得られる。このようなモニタリングはまた、新たな胃腸疾患、障害、または状態を発症する対象のリスクを低下させるために重要である。いくつかの実施形態では、代謝産物プロファイルは、その後の処置の情報を提供する。
【0431】
さらに、処置する医師または他の医療従事者によって有用であることを決定される場合、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物組成物は、様々な他の標準治療と併用して投与され得る。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物および標準治療剤の投与の組み合わせは、相加的または相乗的処置効果を有する。グリカンポリマー調製物は、標準治療による処置前、それと同時に、またはその後に投与され得る。場合によっては、治療法は、胃腸管の正常な微生物叢の組成および健康(例えば、抗菌、抗ウイルス性、または抗真菌剤の使用)を乱し、有害な細菌または病原体の望ましくない増殖をもたらし得、本明細書に記載の症状のうちの1つ以上を生じ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物の投与は、それらの症状を緩和し、胃腸微生物群の組成を改善するのに有用である。
【0432】
組み合わせ
さらなる物質をグリカンポリマー調製物と共に投与することができる。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物はまた、他の薬剤(例えば、治療剤、微量栄養素、プレバイオティクス、プロバイオティクス、またはシンバイオティクス)と組み合わされ得る。
【0433】
これらの物質は、例えば、疾患、障害(例えば、本明細書に記載のもの)の症状を緩和する細菌(例えば、腸管内)の増殖を促し、生態学的地位または腸内のプロバイオティクスまたは有益な共生細菌の付着を増大させることによって、グリカンポリマーの用量の作用を増強し得る。これらの物質は、グリカンポリマー調製物による処置前、グリカンポリマー調製物による処置中、グリカンポリマー調製物による処置後、またはこれらの任意の組み合わせで投与することができる。グリカンポリマー調製物での処置中に投与される場合、これらの物質は、与えられたグリカンポリマー調製物の投与と共に、またはグリカンポリマー調製物の投与の前もしくはその後、またはこれらの任意の組み合わせで投与され得る。一実施形態では、グリカンポリマー調製物と併せて用いられる物質には、プロバイオティクス微生物、プレバイオティクス、治療剤、または緩衝液/担体/賦形剤が含まれる。これらの物質のうちの1つ以上は、処置前、処置中、処置後、またはこれらのいくつかの組み合わせの任意の適当な時に、グリカンポリマー調製物と併用して使用することができる。
【0434】
いくつかの実施形態では、さらなる薬剤は、治療剤、例えば、ディスバイオシスを引き起こす薬物、例えば、正常な胃腸の微生物叢の増殖を中断する薬物、例えば、化学療法薬、抗糖尿病薬、免疫抑制薬、抗菌薬、抗精神病薬、プロトンポンプ阻害薬、または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と組み合わせられ得る。グリカンポリマー調製物は、いくつかの実施形態では、ヒト対象における薬物または処置誘発性の症状を軽減する。症状には、例えば、体重増加、便秘、胸やけ、胃のむかつき、ガス、膨満感、鼓腸、下痢、腹痛、筋けいれん、吐き気、および嘔吐などの、消化異常が含まれる。
【0435】
いくつかの実施形態では、さらなる薬剤は、微量栄養素である。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、微量元素、コリン、ビタミン、およびポリフェノールからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、微量金属である。微量栄養素として適当な微量元素としては、ホウ素、コバルト、クロム、カルシウム、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、セレン、および亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ビタミンである。微量栄養素として適当なビタミンとしては、ビタミンB複合体、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6群(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB8(エルガデニル酸)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、コリン、ビタミンA(retinol)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンK、カロテノイド(アルファカロチン、ベータカロチン、クリプトキサンチン、ルテイン、リコピン)、およびゼアキサンチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0436】
いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ポリフェノールである。ポリフェノールは、1つ以上のヒドロキシル基を有する少なくとも1つの芳香環を有することを特徴とする化学化合物または分子である。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、合成ポリフェノールまたは天然に存在するポリフェノールである。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、天然に存在するポリフェノールであり、かつ、植物源材料に由来する。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、フラボノイドまたはカテキンである。いくつかの実施形態では、フラボノイドまたはカテキンは、アントシアニン、カルコン、ジヒドロカルコン、ジヒドロフラボノール、フラバノール、フラバノン、フラボン、フラボノール、およびイソフラボノイドから選択される。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、リグナンである。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、アルキルメトキシフェノール、アルキルフェノール、クルクミノイド、フラノクマリン、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシベンゾケトン、ヒドロキシ桂皮アルデヒド、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシフェニルプロペン、メトキシフェノール、ナフトキノン、フェノールテルペン、およびチロソールから選択される。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、タンニンまたはタンニン酸である。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニルプロパン酸、およびヒドロキシフェニルペンタン酸から選択される。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、スチルベンである。
【0437】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、プレバイオティクス物質またはその調製物をさらに含む。
【0438】
いくつかの実施形態では、プレバイオティクスは、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、または栄養補助食品を受けている対象に投与され得る。プレバイオティクスは、摂取されると、腸内の限られた数の常在細菌の好ましい増殖または活性を選択的に刺激することによって、宿主に有益な生理学的効果をもたらし得る、消化されない物質である(Gibson G R,Roberfroid M B.J Nutr.1995 June;125(6):1401−12.)。食物繊維またはプレバイオティクスオリゴ糖(例えば、結晶性セルロース、コムギふすま、オートムギふすま、トウモロコシ繊維、ダイズ繊維、ビート繊維など)などのプレバイオティクスは、さらに、発酵可能な量の炭水化物を細菌に供給し、それらの微生物集団(例えば、乳酸菌とビフィズス菌)の消化管内のレベルを増加させることによって、腸内でのプロバイオティクス細菌および/または共生細菌の増殖を促進し得る。
【0439】
プレバイオティクスとしては、様々なガラクタンおよび炭水化物系ガム、例えば、オオバコ、グアー、カラギーン、ジェラン、ラクツロース、およびコンニャク等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プレバイオティクスは、ガラクトオリゴ糖(GOS)、ラクツロース、ラフィノース、スタキオース、ラクトスクロース、フルクト−オリゴ糖(FOS、例えば、オリゴフルクトースまたはオリゴフルクタン)、イヌリン、イソマルト−オリゴ糖、キシロ−オリゴ糖(XOS)、パラチノースオリゴ糖、イソマルトースオリゴ糖(IMOS)、トランスガラクトシル化オリゴ糖(例えば、トランスガラクト−オリゴ糖)、トランスガラクトシル化二糖類、大豆オリゴ糖(例えば、大豆オリゴ糖)、キトサンオリゴ糖(チオセス)、ゲンチオオリゴ糖、大豆およびペクチン性オリゴ糖、グルコオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、パラチノース重縮合物、ジフルクトース無水物III、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、ポリオール、ポリデキストロース、直鎖および分岐鎖デキストラン、プララン(pullalan)、ヘミセルロース、還元パラチノース、セルロース、ベータ−グルコース、ベータ−ガラクトース、ベータ−フルクトース、ベルバスコース、ガラクチノール、キシラン、イヌリン、キトサン、ベータ−グルカン、グアーガム、アラビアゴム、ペクチン、高アルギン酸ナトリウム、およびラムダカラゲナン、またはこれらの混合物のうちの1つ以上を含む。
【0440】
プレバイオティクスは、特定の食品、例えば、チコリー根、キクイモ、タンポポの若葉、ニンニク、リーク、タマネギ、アスパラガス、コムギふすま、小麦粉、バナナ、ミルク、ヨーグルト、モロコシ、ゴボウ、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、カラードグリーン、ケール、ラディシュ、およびルタバガ、およびミソに見出すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のグリカンポリマーは、プレバイオティクスに富む食品を含む食事と共に対象に投与される。可溶性および不溶性繊維の適当な供給源は、商業的に入手可能である。
【0441】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、例えば、一般的に安全と認められる物質(GRAS)である細菌培養物または公知の共生性もしくはプロバイオティクス微生物に由来する、プロバイオティクス細菌またはその調製物をさらに含む。いくつかの実施形態では、内因性共生微生物または体外から投与されたプロバイオティクス微生物の有益な効果を最大限にするために、グリカンポリマー調製物を含む医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、胃腸管内の有利な細菌の増殖および/または活性を刺激するために投与される。
【0442】
適当なプロバイオティクスの例としては、バクテロイデス(Bacteroides)、ブラウティア(Blautia)、クロストリジウム(Clostridium)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ユウバクテリウム(Eubacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、ペプトコッカス(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、アッカーマンシア(Akkermansia)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、ロゼブリア(Roseburia)、プレボテーラ(Prevotella)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、バチルス(Bacillus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エシェリキア(Escherichia)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、ストレプトマイセス(Streptomyces)の属、およびクリステンセネラ(Christensenellaceae)ファミリーとして分類される生物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の方法および組成物に使用され得るプロバイオティクス細菌の非排他的な例には、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.クリスパータス(L.Crispatus)、L.カゼイ(L.casei)、L.ラムノーサス(L.rhamnosus)、L.ロイテリー(L.reuteri)、L.ファーメンタム(L.fermentum)、L.プランタルム(L.plantarum)、L.スポロゲネス(L.sporogenes)、およびL.ブルガリカス(L.bulgaricus)などのラクトバチルス(Lactobacillus)種、ならびにB.ラクティス(B.lactis)、B.アニマ―リス(B.animalis)、B.ビフィダム(B.bifidum)、B.ロンガム(B.longum)、B.アドレスセンティス(B.adolescentis)、およびB.インファンティス(B.infantis)などのビフィドバクテリウム(Bifidobacterum)種が含まれる。サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)等の酵母もまた、例えば、経口剤形または食品を介した、消化管への投与のためのプロバイオティクスとして適当である。例えば、ヨーグルトは、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等の細菌種をすでに含んでいる製品である。
【0443】
胃腸の微生物叢の調節に有益な細菌は、例えば、過酸化水素(H
2O
2)およびバクテリオシン等の、有機酸(乳酸および酢酸)を産生するまたは細胞毒性もしくは細胞増殖抑制剤を産生する(病原体の増殖を阻害するために)細菌を含み得る。バクテリオシンは、密接に関連した細菌を死滅させることができるか、またはより広域の活性を呈することができる(例えば、ナイシン)、低分子の抗菌ペプチドである。
【0444】
有益な細菌は、アッカーマンシア属(Akkermansia)、アナエロフィルム属(Anaerofilum)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ブラウティア属(Blautia)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブチリビブリオ属(Butyrivibrio)、クロストリジウム属(Clostridium)、コプロコッカス属(Coprococcus)、ディアリスター属(Dialister)、ドレア属(Dorea)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ユウバクテリウム属(Eubacterium)、フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)、ラクノスピラ属(Lachnospira)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ファスコラークトバクテリウム属(Phascolarctobacterium)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、プレボテーラ属(Prevotella)、ロゼブリア属(Roseburia)、ルミノコッカス属(Ruminococcus)およびストレプトコッカス属(Streptococcus)の1種以上、ならびに/またはアッカーマンシア・ムニシフィラ(Akkermansia municiphilia)種、ミヌタ(minuta)種、クロストリジウム・コッコイデス(Clostridium coccoides)種、クロストリジウム・レプツム(Clostridium leptum)種、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)種、ディアリスター・インビサス(Dialister invisus)種、ユウバクテリウム・レクタル(Eubacterium rectal)種、ユウバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)種、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)種、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)種およびストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)種の1種以上を含み得る。
【0445】
いくつかの実施形態では、表19、20または21の列1から選択される細菌分類群と本明細書に記載のグリカン調製物とを含む組み合わせが提供される。いくつかの実施形態では、組み合わせ調製物は、表19、20または21の列1から選択される微生物の微生物調製物、および列3〜10(表19)または列2〜9(表20および21)から選択されるグリカン調製物を含む。いくつかの実施形態では、それを必要とするヒト対象への投与(例えば、経口または経直腸投与)に適したシンバイオティクスの組み合わせが提供される。いくつかの実施形態では、組み合わせのために選択される細菌分類群は、胞子形成細菌分類群である。いくつかの実施形態では、組み合わせのために選択されるグリカン調製物は、胞子形成細菌分類群の(発酵性)基質(例えば、グリコシダーゼ酵素のための)である。
【0446】
さらに、必要に応じて、グリカンポリマー調製物を含む医薬組成物、医療用食品、および栄養補助食品は、治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、および/またはプロバイオティクス細菌を含んでもよい。あるいはまたはさらに、治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、および/またはプロバイオティクス細菌は、別々に(例えば、グリカンポリマーの投与の前、それと同時に、またはその後)、グリカンポリマーの医薬組成物、医療用食品、または栄養補助食品の一部として(例えば、共製剤として)ではなく、投与されてもよい。いくつかの実施形態では、グリカンポリマーの調製物を含む医薬組成物または医療用食品または栄養補助食品は、医師または他の医療従事者によって決定され得るような、推奨された、または規定の食事、例えば、プロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクス含有食品に富む食事と組み合わせて投与される。治療効果のある薬剤、プレバイオティクス物質、および/またはプロバイオティクス細菌は、対象の腸内のマイクロバイオームを調節するために投与されてもよい。いくつかの実施形態では、複合効果(例えば、微生物、ゲノム、または機能的変化の数または強度における)は、相加的である。他の実施形態では、複合効果(例えば、微生物、ゲノム、または機能的変化の数または強度における)は、相乗的である。
【0447】
グリカンポリマー調製物の投与
本明細書に記載の方法(例えば、表5に列挙された疾患、障害または状態の処置の方法)において使用される任意のグリカンポリマー調製物組成物について、治療有効量は、当業者に公知の実験動物モデルから初めに推定され得る。このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。初期投与量はまた、インビトロまたはインビボのデータからも推定することができる。初期投与量はまた、モデルアッセイにおける本明細書に記載の方法で用いられる化合物の有効性を公知の化合物の有効性と比較することによって製剤化され得る。例えば、初期投与量は、モデルアッセイにおけるグリカンポリマー調製物調製物の有効性を、本発明の状態を処置する際に有効性を示したその他の化合物の有効性と比較することによって製剤化され得る。この方法において、初期投与量は、本明細書に記載の方法において使用されるグリカンポリマー調製物調製物のためのモデルアッセイで得られた有効な濃度の有効な投与量の対照化合物に対する比率を乗算することによって得ることができる。例えば、本方法において有用な調製物が、モデルアッセイにおいて公知の化合物の2倍有効である(例えば、グリカンポリマー調製物調製物の有効濃度(EC
50)が同じアッセイにおいて公知の化合物のEC
50の半分に相当する)場合、グリカンポリマー調製物調製物の初期有効投与量は、公知の化合物に対して公知の投与量の半分となろう。これらの初期ガイドラインを用いて、ヒトなどの対象における有効投与量は、当業者によって決定され得る。投与量および間隔は、治療効果を維持するのに十分であるグリカンポリマー調製物調製物のレベルを提供するために個々に調節され得る。当業者であれば、過度な実験を行わずに治療的に有効な局所投与量を最適化することができよう。
【0448】
処置される障害および対象ならびに投与経路に応じて、本組成物は、様々な用量で投与され得る。一実施形態では、最小有効量または用量のグリカンポリマー調製物が使用される。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、約0.01mg/kg〜約10,000mg/kg、約0.1mg/kg〜約1,000mg/kg、約1mg/kg〜約100mg/kg、0.05mg/kg〜約5,000mg/kg、約0.5mg/kg〜約5,000mg/kg、約5mg/kg〜約500mg/kgの用量で投与される。この用量は、mg/kg/日として投与され得、初期用量として投与され得るか、または最終用量に達するように、時間(例えば、日または週間)とともに増加もしくは減少され得る。
【0449】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、1対象当たりの1日総用量、約1mg/日〜約100グラム/日、約10mg/日〜約10グラム/日、約100mg/日〜約10グラム/日、約1グラム/日〜約10グラム/日、約2グラム/日〜約20グラム/日、約5グラム/日〜約50グラム/日、約10グラム/日〜約100グラム/日、約10グラム/日〜約50グラム/日、約10グラム/日〜約75グラム/日、約20グラム/日〜約100グラム/日、約20グラム/日〜約50グラム/日、約20グラム/日〜約75グラム/日、約20グラム/日〜約100グラム/日、約50グラム/日〜約150グラム/日、または約50グラム/日〜約200グラム/日で投与される。
【0450】
いくつかの実施形態では、症状を示す対象における胃腸疾患、障害、または状態の症状は、対象に、ある期間(例えば、処置期間)中、増加する、減少する、または一定の量(または用量)のグリカンポリマー調製物組成物を投与することによって軽減または解消される。
【0451】
一実施形態では、本組成物は、1×10
7〜1×10
13CFU/用量および細菌株、または1×10
9〜1×10
11CFU/用量および細菌株からなる量で、有益な、共生的な、および/またはプロバイオティクス細菌である菌株を含有する。
【0452】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、2回、または3回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、所定の日数(処置期間)にわたって毎日投与される。いくつかの実施形態では、処置期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28、35、42、49、56、63、70、100、200、300、または365日間である。いくつかの実施形態では、処置期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間である。いくつかの実施形態では、処置期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12年間、または一生である。
【0453】
一実施形態では、胃腸疾患、障害、または状態における処置期間の全期間は、約1日〜10年間、1日〜1年間、1日〜6ヶ月間、1日〜3ヶ月間、1日〜1ヶ月間、1日〜1週間、1日〜5日間、1日〜10日間、1週間〜約12週間、または約4週間〜約10週間、または約4週間〜約8週間、または約6週間であり得る。対象は、適当な処置期間、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10超の処置期間を受けてもよい。処置期間中、対象は、任意選択により、プレバイオティクスおよび/またはプロバイオティクスを含有する食品の摂取と共に、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物組成物を摂取する。一実施形態では、グリカンポリマー調製物組成物はまた、本明細書に記載の、別の物質(例えば、プロバイオティクスもしくは共生的に有益な細菌、プレバイオティクス物質、または治療剤)との併用で投与され得る。
【0454】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物組成物はまた、正常な胃腸微生物叢の増殖を妨げる抗生物質と組み合わせられ得る。典型的には、抗生物質処置の期間は、1〜14日間、または2〜10日間、または5〜7日間である。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、1つ以上の抗生物質処置が終了した直後(例えば、抗生物質処置が終了してから1時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、または4週間後)に、それを必要とする対象に投与される。一連の抗生物質処置中、グリカンポリマー調製物組成物は、抗生物質処置の開始時に、抗生物質処置直後、例えば、処置から1、2、3、4、5、6、7日、もしくはそれ以上の後に提供され得るか、または望ましくない病原体の胃増殖の診断の際に投与され得る。
【0455】
いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物組成物はまた、ディスバイオシスを引き起こす薬物、例えば、正常な胃腸の微生物叢の増殖を中断する薬物、例えば、化学療法薬、抗糖尿病薬、免疫抑制薬、抗菌薬、抗精神病薬、プロトンポンプ阻害薬、または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と組み合わせられ得る。グリカンポリマー調製物組成物は、いくつかの実施形態では、ヒト対象における薬物または処置誘発性の症状を軽減する。症状には、例えば、体重増加、便秘、胸やけ、胃のむかつき、ガス、膨満感、鼓腸、下痢、腹痛、筋けいれん、吐き気、および嘔吐などの、消化異常が含まれる。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物は、1つ以上の薬物処置が終了した直後(例えば、薬物処置が終了してから1時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、または4週間後)に、それを必要とする対象に投与される。一連の薬物処置中、グリカンポリマー調製物組成物は、薬物処置の開始前(例えば、1、2、3、4、5、6、7日前)、薬物処置の開始日に、または抗生物質処置直後、例えば、処置から1、2、3、4、5、6、7日、もしくはそれ以上後に提供されてもよく、また任意選択により、薬物処置の持続期間の初めにのみ(例えば、短期間の間)、またはそれを通して提供されてもよく、さらに、薬物処置期間の終了後に所望の期間中(例えば、その後、1〜7日間、1〜14日間、または1〜21日間)継続されてもよい。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物組成物の投与は、薬物処置と併せて1つ以上の副作用が生じる、および/または診断される(例えば、消化異常または病原体の増殖)ときに、開始または継続される。いくつかの実施形態では、ディスバイオシスを引き起こす処置剤は、薬物ではなく、放射線処置または外科手術であり、グリカンポリマー調製物組成物はまた、本明細書に記載のように投与され得る。
【0456】
いくつかの実施形態では、処置期間の総数および期間は、処置に対する対象の応答に基づく。例えば、個体は、グリカンポリマー調製物組成物による処置から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日後に症状の軽減を経験し得る。別の例では、個体は、グリカンポリマー調製物組成物による処置から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月後に症状の軽減を経験し得る。従って、処置期間は、グリカンポリマー調製物組成物に対する個々の対象の応答および1つ以上の症状の緩和の開始によって決定される。従って、対象は、所与の用量のグリカンポリマー調製物組成物で症状を経験する可能性があり、症状が消失するまで、対象はその用量またはより低用量にとどまることが必要である可能性がある。従って、一実施形態では、処置の期間は、開始時に決定されないが、最大用量のグリカンポリマー調製物組成物が1日毎に達成される、または症状の所望のレベルの軽減が達成されるまで継続する。一実施形態では、処置は連続的である。
【0457】
一実施形態では、対象は、処置レジメン中第1の処置期間中のある用量および第2の処置期間中第2の用量を与えられ得る。例えば、対象は、グリカンポリマー調製物組成物の1用量を1週間にわたり、および第2の用量をその後の1週間にわたり投与され得る。
【0458】
対象は、グリカンポリマー調製物組成物を自己投与し得、グリカンポリマー調製物組成物は、医療従事者、例えば、医師またはその他の資格のある医療従事者によって供給または推奨され(または処方され)、任意選択により、試験結果(例えば、対象から採取された試料からのバイオマーカーに対して得られた)ならびに/または健康の変化および処置エンドポイントは、医療従事者によってモニタリングされる。いくつかの実施形態では、グリカンポリマー調製物組成物は医療専門家によって投与される。
【0459】
一実施形態では、それを必要とする対象は、グリカンポリマー調製物組成物を用いた処置の反復過程を経ることができる。処置過程は、症状が再発するか、または望ましくないレベルまで増加した場合、反復することができる。あるいは、処置過程は、一定または所定の間隔で反復することができる。従って、処置は、約1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、10ヶ月後、1年後、18ヶ月後、2年後、3年後、4年後、5年後、または5年超後、またはこれらの任意の組み合わせで反復され得る(例えば、処置は、1年後、次いで、その後2〜5年毎に反復され得る)。処置は、最初の処置において使用されるものと同じ形態(例えば、期間、投与量、投与のタイミング、追加の物質等)で反復することができ、または修正することができる。例えば、処置期間は、短縮または延長することができ、投与量は、増加または減少することができる。任意選択により、グリカンポリマー調製物による処置は、例えば、グリカンポリマー調製物に加えて、多少の他の物質、または多少の物質(例えば、プレバイオティクス物質、プロバイオティクス細菌、または治療剤)を含有する、異なる数の薬剤または薬剤の組成と組み合わせて生じ得る。
【0460】
さらなる物質をグリカンポリマー調製物組成物と共に投与することができる。これらの物質は、例えば、胃腸疾患、障害、または状態の症状を緩和する胃腸管内の細菌の増殖を促し、生態学的地位または腸内のプロバイオティクスまたは有益な共生細菌の付着を増大させることによって、グリカンポリマー調製物の用量の作用を増強し得る。これらの物質は、グリカンポリマー調製物による処置前、グリカンポリマー調製物による処置中、グリカンポリマー調製物による処置後、またはこれらの任意の組み合わせで投与することができる。グリカンポリマー調製物での処置中に投与される場合、これらの物質は、与えられたグリカンポリマー調製物の投与と共に、またはグリカンポリマー調製物の投与の前もしくはその後、またはこれらの任意の組み合わせで投与され得る。一実施形態では、グリカンポリマー調製物組成物と併せて用いられる物質には、プロバイオティクス微生物、プレバイオティクス、治療剤、または緩衝液/担体/賦形剤が含まれる。これらの物質のうちの1つ以上は、処置前、処置中、処置後、またはこれらのいくつかの組み合わせの任意の適当な時に、グリカンポリマー調製物組成物と併用して使用することができる。
【0549】
番号付き実施形態
1.望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)(例えば、プロピオネートまたはブチレート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸))に関連する疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、
任意選択により、グリカンポリマー調製物を、それが代謝産物の産生またはレベルを調節することに基づいて、選択する工程、および
代謝産物のレベルの調節をもたらすのに有効な量のグリカンポリマー調製物を投与し、それによって疾患または障害を処置する工程
を含む方法。
【0550】
2.望ましくないレベルの代謝産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)(例えば、プロピオネートまたはブチレート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)、リポ多糖類(LPS)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸))に関連する疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、
任意選択により、グリカンポリマー調製物が代謝産物の産生またはレベルを調節するという知見を取得する工程、および
代謝産物のレベルの調節をもたらすのに有効な量のグリカンポリマー調製物を投与し、それによって疾患または障害を処置する工程
を含む方法。
【0551】
3.グリカンポリマー調製物が代謝産物の産生またはレベルを調節するという根拠または知見に応じて、グリカンポリマー調製物を投与する、項1または2のいずれかに記載の方法。
【0552】
3.グリカンポリマー調製物のグリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)のグリカンポリマーが、表1に列挙された特性の1つ以上(例えば、2、3、4、5、または6つ)有し、任意選択により、
a.グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
b.グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
c.キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
d.キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
e.グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、または
f.グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー
から選択される、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0553】
4.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0554】
5.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0555】
6.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、グルコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man−glu調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0556】
7.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、グルコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0557】
8.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−glu調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびグルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−glu調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0558】
9.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−glu調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびグルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−glu調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0559】
10.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、フコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0560】
11.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、フコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0561】
12.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、フコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0562】
13.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、フコースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜1である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0563】
14.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびフコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−fuc調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0564】
15.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびフコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−fuc調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0565】
16.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコース、キシロースおよびアラビノースのうちの1つ、2つ、または3つ、ならびに少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーを含む;
v.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーを含む、および
vi.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーを含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0566】
17.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコース、キシロースおよびアラビノースのうちの1つ、2つ、または3つ、ならびに少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーを含む;
v.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーを含む、および
vi.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーを含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0567】
18.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトース、アラビノース、またはキシロースのうちの2つまたは3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0568】
19.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−xyl調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、グルコース、アラビノース、またはキシロースのうちの2つまたは3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0569】
20.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよびアラビノースのうちの1つまたは2つ、ならびに少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーを含む、および
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーを含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0570】
21.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、アラビノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−xyl調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびキシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−gal−xyl調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0571】
22.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−xyl調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースおよびキシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara−xyl調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0572】
23.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−ara調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびアラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−ara−gal調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0573】
24.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;および
iii.グリカンポリマー調製物が、アラビノース、ガラクトースまたはキシロースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0574】
25.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;および
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトース、マンノース、アラビノース、またはシアル酸のうちの1つ、2つ、3つ、または4つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0575】
26.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);および
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0576】
27.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合である;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0577】
28.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−glu調製物);および
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0578】
29.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合である;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−glu調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0579】
30.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、キシロース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0580】
31.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−glu調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−gal調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、グルコース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0581】
32.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、アラビノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−xyl調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−glu調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−gal調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、キシロース、グルコース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0582】
33.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−xyl調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、キシロース、アラビノース、またはグルコースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0583】
34.グリカンポリマー調製物のグリカンポリマーの、グリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)のグリカンポリマーが、グリコシダーゼ酵素の基質である、項1〜33のいずれかに記載の方法。
【0584】
35.グリコシダーゼ酵素がヒト腸内微生物中に存在する、項34に記載の方法。
【0585】
36.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス1、butおよび/またはbuk遺伝子含有細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0586】
37.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス2、cutC遺伝子陰性細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0587】
38.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス3、ウレアーゼ遺伝子陰性細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0588】
39.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス4、プロピオン酸キナーゼ、プロピオン酸CoAトランスフェラーゼ、プロピオン酸CoAリガーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニル−CoAカルボキシトランスフェラーゼ、(S)−メチルマロニル−CoAデカルボキシラーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびプロパナールデヒドロゲナーゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号6.4.1.3、2.1.3.1、4.1.1.41、1.2.1.27、2.3.3.5、1.2.1.87、1.3.1.95、1.3.8.7、2.3.1.54、2.3.1.168、2.3.1.8、および2.3.1.222に対応する酵素から選択される))、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ、またはそれを超える数(例えば、全て)を含まない)のプロピオン酸産生関連酵素を含まない、細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0589】
40.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス5、7アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、7ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(NADP+)、2ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NAD+)、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3アルファ−ヒドロキシ胆汁酸−CoA−エステル3−デヒドロゲナーゼ、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NAD+)、胆汁酸CoA−トランスフェラーゼ、胆汁酸7アルファ−デヒドラターゼ、および胆汁酸CoAリガーゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号1.1.1.159、1.1.1.176、1.1.1.201、1.1.238、1.1.1.391、1.1.392、1.1.393、1.1.395、1.1.1.52、2.8.3.25、4.2.1.106、および6.2.1.7に対応する酵素から選択される)、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ、またはそれを超える数(例えば、全て)を含む)の胆汁酸産生(例えば、二次胆汁酸産生)関連酵素を含む細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0590】
41.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス6、トリプトファナーゼ(例えば、酵素委員会(EC)番号4.1.99.1に対応する酵素)から選択される、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ、またはそれを超える数(例えば、全て)を含まない)のインドール産生関連酵素を含まない細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0591】
42.ヒト腸内微生物が、グリコ分類群クラス7、4−ヒドロキシフェニルアセテートデカルボキシラーゼおよびアルデヒドフェレドキシンオキシドレダクターゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号4.1.1.83、2.6.1.−、4.1.1.−、および1.2.7.5に対応する酵素から選択される)、1つ以上(例えば、1つまたは両方を含まない)のp−クレゾール産生関連酵素を含まない細菌分類群のメンバーである、項35に記載の方法。
【0592】
43.グリカンポリマーが、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または36に記載の方法。
【0593】
44.グリカンポリマーが、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または36に記載の方法。
【0594】
45.グリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または37に記載の方法。
【0595】
46.グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または37に記載の方法。
【0596】
47.グリカンポリマーが、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、またはGH13 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または38に記載の方法。
【0597】
48.グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、GH28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または38に記載の方法。
【0598】
49.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または39に記載の方法。
【0599】
50.グリカンポリマーが、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または39に記載の方法。
【0600】
51.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37またはGH104 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または40に記載の方法。
【0601】
52.グリカンポリマーが、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または40に記載の方法。
【0602】
53.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または41に記載の方法。
【0603】
54.グリカンポリマーが、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または41に記載の方法。
【0604】
55.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または42に記載の方法。
【0605】
56.グリカンポリマーが、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項34、35、または42に記載の方法。
【0606】
57.グリカンポリマーを選択する工程が、それが項43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、または56のいずれか一項の基質特異性を有することに基づいて選択する工程を含む、項1に記載の方法。
【0607】
58.代謝産物が、短鎖脂肪酸(SCFA)(例えば、ブチレートおよび/またはプロピオネート)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質(例、p−クレゾールまたはインドール)、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸)のうちの1つである、項1〜57のいずれか一項に記載の方法。
【0608】
59.代謝産物が短鎖脂肪酸(SCFA)である、項58に記載の方法。
【0609】
60.SCFAがアセテート、ブチレート、および/またはプロピオネートである、項59に記載の方法。
【0610】
61.代謝産物が、TMAおよび/またはTMAOである、項58に記載の方法。
【0611】
62.代謝産物が、アンモニアである、項58に記載の方法。
【0612】
63.代謝産物が、胆汁酸である、項58に記載の方法。
【0613】
64.代謝産物が、尿毒症性溶質、例えば、p−クレゾールである、項58に記載の方法。
【0614】
65.代謝産物が、尿毒症性溶質、例えば、インドールである、項58に記載の方法。
【0615】
66.疾患または障害が、下痢(例えば、薬物毒性誘発性下痢、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤または化学療法剤(例えば、FOLFIRIレジメン)の投与を含む処置レジメンにより誘発されるもの;または放射線誘発性下痢および放射線誘発性急性腸管症状)であり、任意選択により、SCFAがブチレートであり、さらに任意選択により、ブチレートのレベルが増加する(例えば、同じ処置を受けているがグリカンポリマー調製物を投与されていない対象に対して、またはグリカンポリマー調製物の投与前の対象におけるレベルに対して)、項59または60のいずれかに記載の方法。
【0616】
67.疾患または障害が、クローン病、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、または潰瘍性大腸炎から選択され、任意選択により、SCFAがブチレートである、項59または60のいずれかに記載の方法。
【0617】
68.疾患または障害が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)から選択され、任意選択により、SCFAがブチレートである、項59または60のいずれかに記載の方法。
【0618】
69.疾患または障害が肝性脳症であり、任意選択により、SCFAがブチレートである、項59または60のいずれかに記載の方法。
【0619】
70.疾患または障害がトリメチルアミン尿症(timethylaminuria)(例えば、続発性トリメチルアミン尿症)である、項61に記載の方法。
【0620】
71.疾患または障害が慢性疾患(例えば、慢性腎臓病または末期腎臓病)である、項61に記載の方法。
【0621】
72.疾患または障害が慢性疾患(例えば、慢性心疾患、慢性心不全、慢性血管疾患)である、項61に記載の方法。
【0622】
73.疾患または障害が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のうちの1つである、項61に記載の方法。
【0623】
74.疾患または障害が慢性腎臓病である、項62に記載の方法。
【0624】
75.疾患または障害が肝硬変であり、任意選択により、最小限の肝性脳症(MHE)を伴うものである、項62に記載の方法。
【0625】
76.疾患または障害が肝性脳症である、項62に記載の方法。
【0626】
77.疾患または障害が尿素サイクル異常症である、項62に記載の方法。
【0627】
78.疾患または障害がプロピオン酸血症である、項59または60のいずれかに記載の方法。
【0628】
79.疾患または障害が肝硬変、アルコール性肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、または腸不全関連肝疾患から選択される、項63に記載の方法。
【0629】
80.疾患または障害が疾患または障害が、クローン病、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、または潰瘍性大腸炎から選択される、項63に記載の方法。
【0630】
81.疾患または障害が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)から選択される、項63に記載の方法。
【0631】
82.疾患または障害が慢性腎臓病である、項65に記載の方法。
【0632】
83.疾患または障害が肝性脳症である、項65に記載の方法。
【0633】
84.疾患または障害が肝性フェニルケトン尿症である、項65に記載の方法。
【0634】
85.疾患または障害が慢性腎臓病である、項64に記載の方法。
【0635】
86.疾患または障害が肝性脳症である、項64に記載の方法。
【0636】
87.代謝産物レベルが、対象において、または疾患もしくは障害を有する対象からの適当な試料において増加する、例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の対象におけるレベル、または健康な対照と比較して増加する、項66〜86のいずれか一項に記載の方法。
【0637】
88.代謝産物レベルが、対象、または疾患もしくは障害を有する対象からの適当な試料において減少する、例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の対象におけるレベル、または健康な対照と比較して減少する、項66〜86のいずれか一項に記載の方法。
【0638】
89.代謝産物のレベル、または望ましくない代謝産物のレベルの症状を、例えば代謝産物のレベルを取得することによって、任意選択により、対象を処置する前(例えば、ベースラインとして)、処置中(例えば、処置成功をモニターするため)、および/または処置後(例えば、疾患または障害の再発を評価するため)に評価する工程をさらに含む、項1〜88のいずれか一項に記載の方法。
【0639】
90.ブチレートのレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、増加する(例えば、ブチレート産生(例えば、胃腸微生物による)の産生率またはレベルが増加する)、項4〜9、36、43、44、59、60、66〜69、または87のいずれかに記載の方法。
【0640】
91.TMAのレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、コリンからTMAへの変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが減少する)、項10〜17、36、43、44、59、60、70、または88のいずれかに記載の方法。
【0641】
92.アンモニアのレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、尿素からアンモニアへの変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが減少する)、項18〜20、37、45、46、61、70〜73、または88のいずれかに記載の方法。
【0642】
93.プロピオン酸のレベル(例えば、全身レベル、例えば、血液または糞便レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、プロピオン酸産生(例えば、胃腸微生物による)の産生率またはレベルが減少する)、項21〜24、39、49、50、59、60、78、または88のいずれかに記載の方法。
【0643】
94.二次胆汁酸のレベル(例えば、全身レベル、例えば、腸または糞便レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、増加する(例えば、胆汁酸から二次胆汁酸への変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが増加する)、項25、40、51、52、63、79〜81、または87のいずれかに記載の方法。
【0644】
95.インドールのレベル(例えば、全身レベル、例えば、糞便レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、インドール産生(例えば、胃腸微生物による)の産生率またはレベルが減少する)、項26〜29、41、53、54、65、82〜84、または88のいずれかに記載の方法。
【0645】
96.p−クレゾールのレベル(例えば、全身レベル)が、例えばグリカンポリマー調製物で処置していない対象と比較して、減少する(例えば、p−クレゾールへのチロシン変換(例えば、胃腸微生物による)の変換率またはレベルが減少する)、項30〜33、42、55、56、64、85、86、または88のいずれかに記載の方法。
【0646】
97.項1〜96のいずれか一項に記載の方法であって、
a)対象が望ましくないレベルの代謝産物(例えば、項58〜65のいずれかに記載の望ましくないレベルの代謝産物)を有すること、
b)対象が疾患または障害(例えば、項66〜86のいずれか1つに記載の疾患または障害)を有すること、
c)対象が腸内微生物叢のディスバイオシス(例えば、(例えば、項36〜42のいずれかに記載のクラス1、クラス2、クラス3、クラス4、クラス5、クラス6、またはクラス7細菌分類群の)誤較正レベル/相対存在度)を有すること、
d)対象がグリカンポリマー(例えば、項3〜33のいずれかに記載のグリカンポリマー)による先の処置に応答したこと、
e)対象がディスバイオシスをもたらす処置または他の環境、例えば、抗生物質処置、または処置前の胃の手術を経験したこと、
のうちの1つ以上の知見の取得に基づいて、またはそれに応答して、処置のために対象を選択する工程をさらに含み、
任意選択により、選択基準を決定するための適当な値を取得する工程を含む、方法。
【0647】
98.対象が、(a)〜(e)のうちの任意の2つ以上の知見の取得に基づいて、またはそれに応答して、処置のために選択される、項97に記載の方法。
【0648】
99.対象が、(a)〜(e)のうちの任意の3つ以上の知見の取得に基づいて、またはそれに応答して、処置のために選択される、項97に記載の方法。
【0649】
100.対象が、(a)〜(e)のうちの任意の4つ以上の知見の取得に基づいて、またはそれに応答して、処置のために選択される、項97に記載の方法。
【0650】
101.対象が、(a)〜(e)のうちの全ての知見の取得に基づいて、またはそれに応答して、処置のために選択される、項97に記載の方法。
【0651】
102.適当な値が、対象からの適当な生物学的試料を分析することによって取得され得る、項97〜101のいずれかに記載の方法。
【0652】
103.試料が血液、糞便、尿、唾液、または臓器組織試料である、項102に記載の方法。
【0653】
104.代謝産物の望ましくないレベルが調節される、例えば、処置期間後、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%(例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の対象におけるレベル、または健康な対照と比較した場合)減少する(例えば、対象において、または処置された対象から採取された適当なサンプルにおいて)、項1〜103のいずれか一項に記載の方法。
【0654】
105.代謝産物の望ましくないレベルが、処置期間後、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%(例えば、基準、例えば、所定の基準値、処置前の対象におけるレベル、または健康な対照と比較した場合)増加する(例えば、処置された対象から採取された適当なサンプルにおいて)、項1〜104のいずれか一項に記載の方法。
【0655】
106.処置する工程が、第2の治療剤(例えば、疾患または障害を処置するための、および/または代謝産物のレベルを調節するための、グリカンポリマー以外の治療剤)を投与する工程をさらに含む、項1〜105のいずれか一項に記載の方法。
【0656】
107.処置する工程が、腸内微生物(例えば、ヒト腸内微生物)の調製物を投与する工程をさらに含む、項1〜106のいずれか一項に記載の方法。
【0657】
108.腸内微生物(例えば、ヒト腸内微生物)が、
i.クラス1(例えば、butおよび/またはbuk遺伝子含有細菌分類群)、
ii.クラス2(例えば、cutC遺伝子陰性細菌分類群)、
iii.クラス3(例えば、ウレアーゼ遺伝子陰性細菌分類群)、
iv.クラス4(例えば、プロピオン酸キナーゼ、プロピオン酸CoAトランスフェラーゼ、プロピオン酸CoAリガーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニル−CoAカルボキシトランスフェラーゼ、(S)−メチルマロニル−CoAデカルボキシラーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびプロパナールデヒドロゲナーゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号6.4.1.3、2.1.3.1、4.1.1.41、1.2.1.27、2.3.3.5、1.2.1.87、1.3.1.95、1.3.8.7、2.3.1.54、2.3.1.168、2.3.1.8、および2.3.1.222に対応する酵素から選択される)、1つ以上のプロピオン酸産生関連酵素を欠く、細菌分類群)、
v.クラス5(例えば、7アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、12アルファ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、7ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(NADP+)、2ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NAD+)、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3ベータ−ヒドロキシコラン酸3−デヒドロゲナーゼ(NADP+)、3アルファ−ヒドロキシ胆汁酸−CoA−エステル3−デヒドロゲナーゼ、3アルファ−ヒドロキシコラン酸デヒドロゲナーゼ(NAD+)、胆汁酸CoA−トランスフェラーゼ、胆汁酸7アルファ−デヒドラターゼ、および胆汁酸CoAリガーゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号1.1.1.159、1.1.1.176、1.1.1.201、1.1.238、1.1.1.391、1.1.392、1.1.393、1.1.395、1.1.1.52、2.8.3.25、4.2.1.106、および6.2.1.7に対応する酵素から選択される)、1つ以上の胆汁酸産生関連酵素を含む、細菌分類群)、
vi.クラス6(例えば、トリプトファナーゼ(例えば、酵素委員会(EC)番号4.1.99.1に対応する酵素)から選択される、1つ以上のインドール産生関連酵素を欠く、細菌分類群)、または
vii.クラス7(例えば、4−ヒドロキシフェニルアセテートデカルボキシラーゼおよびアルデヒドフェレドキシンオキシドレダクターゼから選択される(例えば、酵素委員会(EC)番号4.1.1.83、2.6.1.−、4.1.1.−、および1.2.7.5に対応する酵素から選択される)、1つ以上のp−クレゾール産生関連酵素を欠く、細菌分類群)
細菌分類群
である、項107に記載の方法。
【0658】
109.腸内微生物が、その代謝産物との関係に基づいて(例えば、代謝産物との、その正の相関、負の相関、または相関の欠如に基づいて)選択される、項108に記載の方法。
【0659】
110.腸内微生物の選択が、腸内微生物の代謝産物との関係に基づいて(例えば、代謝産物との、その正の相関、負の相関、または相関の欠如に基づいて)、表3から腸内微生物を選択する工程を含む、項109に記載の方法。
【0660】
111.グリカンポリマーが、腸内微生物(例えば、ヒト腸内微生物)の基質である、項107〜110のいずれかに記載の方法。
【0661】
112.グリカンポリマーが、腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質であり、腸内微生物の増殖を促進する、項1〜111のいずれか一項に記載の方法。
【0662】
113.グリカン調製物が毎日投与される、項1〜112のいずれか一項に記載の方法。
【0663】
114.グリカン調製物が単一の処置期間にわたって投与される、項1〜113のいずれか一項に記載の方法。
【0664】
115.グリカン調製物が複数の処置期間にわたって投与され、例えば、間の処置期間が隣接する処置期間の一方または両方よりも長い、または間の処置期間が隣接する処置期間の一方または両方よりも短い、項1〜113のいずれかに記載の方法。
【0665】
116.グリカンポリマーが結腸または腸の微生物成分の基質である、項1〜115のいずれかに記載の方法。
【0666】
117.グリカンポリマー調製物が経口的または経直腸的に投与される、項1〜116のいずれかに記載の方法。
【0667】
118.対象の体内(例えば、腸(gut)(結腸、腸(intestine))、血液、尿、臓器(例えば、肝臓、腎臓)、脳)における産物(例えば、短鎖脂肪酸(SCFA)、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、尿毒症性溶質、または胆汁酸)の産生またはレベルを調節する方法であって、産物の産生またはレベルを調節するのに十分な有効量のグリカンポリマー調製物を対象に投与する(例えば、経口または経直腸)工程を含み、任意選択により、グリカンポリマーが結腸または腸の微生物成分の基質である、方法。
【0668】
119.微生物成分が、
a)産物を産生し、例えば、それにより、産物のレベルまたは産生を増加させる、
b)産生者分類群によって産物に変換される前駆産物または代替産物を産生し、例えば、それにより、産物のレベルまたは産生を増加させる、
c)産物を産生しないが、産物の産生者分類群と競合または拮抗し(例えば、空間および/または栄養素につき競合する、または産生分類群に対し毒性の抗菌物質を産生する)、例えば、それにより、産生者分類群の相対存在度が減少し、産物のレベルまたは産生が減少する、
、項118に記載の方法。
【0669】
120.微生物成分が表2の成分から選択される、項119に記載の方法。
【0670】
121.微生物成分が表3の菌株から選択される、項119に記載の方法。
【0671】
122.微生物成分が、表4のグリコシダーゼファミリーからのグリコシダーゼ酵素を含む成分から選択される、項119に記載の方法。
【0672】
123.微生物成分が、項43〜55のいずれか一項に記載のグリコシダーゼファミリーからのグリコシダーゼ酵素を含む成分から選択される、項119に記載の方法。
【0673】
124.産物が表3の代謝産物から選択される、項119または121のいずれかに記載の方法。
【0674】
125.産物がSCFAであり、対象が表5のSCFAの行から選択される状態を有する、項119に記載の方法。
【0675】
126.産物がアンモニアであり、対象が表5のアンモニアの行から選択される状態を有する、項119に記載の方法。
【0676】
127.産物がTMAであり、対象が表5のTMAの行から選択される状態を有する、項119に記載の方法。
【0677】
128.産物が胆汁酸であり、対象が表5の胆汁酸の行から選択される状態を有する、項119に記載の方法。
【0678】
129.産物が尿毒症性溶質(例えば、p−クレゾールまたはインドール)であり、対象が表5のp−クレゾールまたはインドールの行から選択される状態を有する、項119に記載の方法。
【0679】
130.産物を調節する、例えば産生する、微生物(例えば、細菌分類群)の識別情報を取得する工程をさらに含む、項118または119に記載の方法。
【0680】
131.微生物成分を調節するその能力に基づいてグリカン調製物を選択する工程をさらに含む、項118〜130のいずれか一項に記載の方法。
【0681】
132.グリカン調製物が微生物成分のグリコシダーゼ酵素の基質であり、例えば、微生物成分および産物が表3の同じ列からのものである、項118〜130のいずれか一項に記載の方法。
【0682】
133.前記対象が、ヒト、例えば、ヒト患者である、項1〜132のいずれかに記載の方法。
【0683】
134.項1〜133のいずれかに記載の方法における使用のための、例えば本明細書に記載の、グリカンポリマー調製物。
【0684】
135.予め選択されたヒト腸内微生物(例えば、そのグリコシダーゼプロファイルのために選択された)のグリコシダーゼ酵素(例えば、CAZyファミリー)の基質としての使用のためのグリカンポリマー調製物を選択する方法であって、
a)微生物のグリコシダーゼ(例えばCAZyファミリー)プロファイルの値を取得する工程、
b)グリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)プロファイルに基づいて、微生物の基質となり得るグリカンポリマーを同定、設計、または選択する工程、
c)任意選択により、
i.ヒト腸内微生物(例えば、単一株、設計された株の群、または目的の微生物を含むエクスビボの群(例えば、糞便試料由来))のパネルを組み立てる工程
ii.微生物のパネルを試験グリカン調製物と接触させる工程、
iii.(目的の)ヒト腸内微生物の増殖を評価する工程、
d)グリカンポリマー調製物を選択する工程
を含む方法。
【0685】
136.(a)が、表4のグリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)プロファイルの値を見出す工程を含む、項135に記載の方法。
【0686】
137.(b)が、表4に見出されるグリカンポリマーを同定、設計、または選択する工程を含む、項135に記載の方法。
【0687】
138.(a)が、表4のグリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)プロファイルの値を見出すことを含み、(b)が、表4に見出される、同じ列にある、例えば、(a)のグリコシダーゼプロファイルのグリコシダーゼ(例えば、CAZyファミリー)の基質である、グリカンポリマーを同定、設計、または選択する工程を含む、項135に記載の方法。
【0688】
139.項135〜138のいずれかの方法によって作製または選択されたグリカン調製物。
【0689】
140.グリカンポリマーを含むグリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
を含み、
i)GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリー、
ii)GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリー、
iii)GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリー、または
iv)GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0690】
141.グリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも約0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリー、または
ii)GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0691】
142.グリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、GH13 CAZyファミリー、または
ii)GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0692】
143.グリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
アラビノース、ガラクトース、キシロース、もしくはグルコースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、もしくはGH84 CAZyファミリー、または
ii)GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0693】
144.グリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37もしくはGH104 CAZyファミリー、または
ii)GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0694】
145.グリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
i)グルコースもしくはキシロースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
ii)グルコースもしくはキシロースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、もしくはGH94 CAZyファミリー、または
ii)GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0695】
146.グリカンポリマー調製物であって、例えば、調製物が少なくとも0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
グルコース、キシロース、アラビノース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
を含むグリカンポリマーを含み、
i)GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、もしくはGH43サブファミリー8 CAZyファミリー、または
ii)GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリー
から選択される1つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、ヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0696】
147.医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品として製剤化され、例えば、製剤化する工程が、調製物を複数の剤形または部分に分割することを含む、項140〜146のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0697】
148.液体として経口投与のために製剤化された、項140〜147のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0698】
149.液体が、飲料、シロップ、水溶液または水性懸濁液である、項148に記載のグリカン調製物。
【0699】
150.固体として経口投与のために製剤化された、項140〜147のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0700】
151.固体が、錠剤、丸剤、カプセル、ロゼンジ、キャンディ、または粉末である、項150に記載のグリカン調製物。
【0701】
152.固体が、固形食品である、項150に記載のグリカン調製物。
【0702】
153.粉末が、経口投与前に水溶液中での再構成のために製剤化された、項151に記載のグリカン調製物。
【0703】
154.固体または液体として経直腸投与のために製剤化された、項140〜147のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0704】
155.浣腸剤または坐剤として製剤化された、項154に記載のグリカン調製物。
【0705】
156.遅延放出または時間制御システムとして製剤化された、項140〜155のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0706】
157.薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、項140〜156のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0707】
158.食品的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、項140〜156のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0708】
159.第2の治療剤をさらに含む、項140〜158のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0709】
160.腸内微生物(例えば、ヒト腸内微生物)の調製物をさらに含む、項140〜159のいずれか一項に記載のグリカン調製物。
【0710】
161.グリカンポリマーが、腸内微生物の基質である、項160に記載のグリカン調製物。
【0711】
162.グリカンポリマーが、腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質であり、腸内微生物の増殖を促進する、項161に記載のグリカン調製物。
【0712】
163.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカン調製物を含む、単位剤形。
【0713】
164.経腸投与、経鼻、経口、または経直腸投与、または経管栄養のために製剤化された、項163に記載の単位剤形。
【0714】
165.単位剤形、例えば、グリカンポリマー調製物成分の単位剤形が、約0.01kcal〜約1kcal、0.1kcal〜5kcal、0.01kcal〜10kcal、または0.1kcal〜10kcalのカロリー値を有する、項163または164に記載の単位剤形。
【0715】
166.結腸または大腸における時限放出および/または標的放出のために製剤化された、項163〜165のいずれか一項に記載の単位剤形。
【0716】
167.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカン調製物を含む、医薬組成物。
【0717】
168.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、医薬組成物のセットであって、集合的に、セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの調製物を含む、セット。
【0718】
169.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカン調製物を含む、医療用食品。
【0719】
170.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、医療用食品の一部のセットであって、集合的に、セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの調製物を含む、セット。
【0720】
171.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカン調製物を含む、栄養補助食品。
【0721】
172.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、栄養補助食品の一部のセットであって、集合的に、セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの調製物を含む、セット。
【0722】
173.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカン調製物を含む、食品成分。
【0723】
174.項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物またはその一部をそれぞれ含む、食品成分の一部のセットであって、集合的に、セットが少なくとも0.1、0.5、1、2、5、10、または100キログラムの調製物を含む、セット。
【0724】
175.ヒト腸内微生物の調製物を提供する工程、
グリカンポリマーがヒト腸内微生物の基質である、項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物を提供する工程、
ヒト腸内微生物をグリカンポリマーと組み合わせる工程
を含む、共調製物の作製方法。
【0725】
176.ヒト腸内微生物が、表2に列挙された微生物から選択される、項175に記載の方法。
【0726】
177.ヒト腸内微生物が、表3に列挙された微生物から選択される、項175に記載の方法。
【0727】
178.ヒト腸内微生物のCAZyファミリープロファイルを同定する工程、および同定されたヒト腸内微生物のCAZyファミリープロファイルに基づいて、基質であるグリカンポリマー調製物を選択する工程をさらに含む、項175〜177のいずれか一項に記載の方法。
【0728】
179.経口、経鼻または経直腸送達または経管栄養のための共調製物を製剤化する工程をさらに含む、項175〜178のいずれか一項に記載の方法。
【0729】
180.時限放出製剤として共調製物を製剤化する工程をさらに含む、項175〜179のいずれか一項に記載の方法。
【0730】
181.調製物の放出が結腸または大腸で起こる、項180に記載の方法。
【0731】
182.約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%を超える調製物の微生物が、胃の通過後(例えば結腸または大腸に到達するとき)に生存可能である、項175〜181のいずれか一項に記載の方法。
【0732】
183.結腸または大腸内で放出された後に、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%または75%を超える調製物の微生物が移植する、項175〜182のいずれか一項に記載の方法。
【0733】
184.グリカンポリマー調製物が、グリカンポリマーの合成のために同定されたCAZyファミリープロファイルから1つ以上のグリコシダーゼを選択する、グリコシダーゼ指向合成によって作製される、項175〜183のいずれか一項に記載の方法。
【0734】
185.グリカンポリマー調製物が、同定されたCAZyファミリープロファイルに基づいて、非酵素ポリマー触媒を用いて合成および設計される、項175〜183のいずれか一項に記載の方法。
【0735】
186.共調製物を医薬組成物に製剤化する工程をさらに含む、項175〜185のいずれか一項に記載の方法。
【0736】
187.ヒト腸内微生物の調製物および項140〜162のいずれか一項に記載のグリカンポリマーの調製物を含む、シンバイオティクス共調製物。
【0737】
188.薬学的に許容される賦形剤または担体をさらに含む、項187に記載のシンバイオティクス共調製物。
【0738】
189.経鼻、経口、経胃または経直腸送達のための単位剤形として製剤化された、項187または188に記載のシンバイオティクス共調製物。
【0739】
190.胃酸による不活化から調製物のヒト腸内微生物を保護するように製剤化された、項187〜189のいずれか一項に記載のシンバイオティクス共調製物。
【0740】
191.項187〜190のいずれか一項に記載のシンバイオティクス共調製物を、ヒト腸内微生物を移植するのに有効な量および時間で対象に投与する工程を含む、それを必要とするヒト対象の結腸または大腸にヒト腸内微生物を移植する方法。
【0741】
192.ヒト対象が、腸の微生物叢のディスバイオシスを有し、例えば、そのようなディスバイオシスを引き起こす処置または曝露を受けており、例えば、ヒト対象が、処置または曝露を受けたと同定された、項191に記載の方法。
【0742】
193.対象が抗生物質処置を受けている、項191または192に記載の方法。
【0743】
194.対象が抗生物質処置を受けていない、項191または192に記載の方法。
【0744】
195.腸(例えば、結腸または大腸)の微生物叢が安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がない)、項191〜194のいずれか一項に記載の方法。
【0745】
196.腸(例えば、結腸または大腸)の微生物叢が不安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がある)、項191〜194のいずれか一項に記載の方法。
【0746】
197.移植の程度が、シンバイオティクス共調製物の投与前または投与後に、例えば、16S、定量培養、またはqPCRによる、分析によって決定される、項191〜196のいずれか一項に記載の方法。
【0747】
198.移植の程度が、シンバイオティクス共調製物中で対象に投与された生物の数と、対象の腸から回収可能な生物の数との比較を通して、例えば定量培養またはqPCRを通して、決定される、項191〜197のいずれか一項に記載の方法。
【0748】
199.ヒト対象が表5に列挙された疾患または障害、例えば、急性嚢炎、アレルギー性疾患、AIDS、アテローム性動脈硬化症、喘息、アトピー性皮膚炎、自閉症スペクトラム障害、慢性機能性便秘、セリアック病、慢性萎縮性胃炎、慢性嚢炎、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)関連疾患(CDAD)、セリアック病、結腸直腸腺腫、結腸直腸癌、クローン病、嚢胞性線維症、うつ病、糖尿病(I型)、糖尿病(II型)、下痢、湿疹、腸瘻造設、家族性地中海熱、食物過敏症、移植片対宿主病(GvHD)、肝性脳症、高血圧、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸疾患−便秘(IBS−C)、肺癌、顕微鏡的大腸炎、多発性硬化症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満関連喘息、パーキンソン病(PD)、放射線誘発性急性腸管症状、赤痢、短腸症候群、脊髄損傷関連腸機能障害、全身性炎症反応症候群、全身性エリテマトーデス、または潰瘍性大腸炎を有する、項191〜198のいずれか一項に記載の方法。
【0749】
200.ヒト対象が、表5に列挙された疾患または障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、HIVにおける心血管リスク、頸動脈アテローム性動脈硬化症、慢性心疾患、慢性心不全、慢性腎臓病、慢性血管疾患、結腸直腸癌、冠状動脈性心臓病、冠状動脈疾患(CAD)、糖尿病(II型)、末期腎臓病、HIV、炎症性腸疾患、虚血性発作、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肥満、放射線誘発急性腸管症状(RIAIS)、または脳卒中を有する、項191〜198のいずれか一項に記載の方法。
【0750】
201.ヒト対象が、表5に列挙された疾患または障害、例えば、慢性腎臓病、ヘリコバクター・ピロリ感染症、肝性脳症、または最小限の肝性脳症(MHE)を伴う肝硬変を有する、項191〜198のいずれか一項に記載の方法。
【0751】
202.本明細書に記載のグリカンポリマー調製物および微生物の調製物を含む組成物を、ディスバイオシスの処置に有効な量で投与する工程
を含む、ディスバイオシスを有する対象を処置する方法。
【0752】
203.微生物が胞子形成微生物である、項202に記載の方法。
【0753】
204.グリカンポリマー調製物が、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトースまたはそれらの組み合わせを含む、項202または203に記載の方法。
【0754】
205.グリカンポリマー調製物のグリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)のグリカンポリマーが、表1に列挙された特性の1つ以上(例えば、2、3、4、5、または6つ)有し、任意選択により、
a.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
b.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
c.ガラクトース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
d.ガラクトース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
e.グルコース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
f.グルコース、キシロース、もしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
g.キシロース、アラビノース、グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー、
h.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマー
から選択される、項202〜204のいずれか一項に記載の方法。
【0755】
206.グリカンポリマー調製物のグリカンポリマーの、グリカンポリマー、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99%(重量または数による)のグリカンポリマーが、グリコシダーゼ酵素の基質である、項202〜205のいずれか一項に記載の方法。
【0756】
207.グリコシダーゼ酵素が胞子形成ヒト腸内微生物中に存在する、項202〜206のいずれか一項に記載の方法。
【0757】
208.グリカンポリマーが、GT5、GT35、GT3、GH97、GH95、GH92、GH89、GH88、GH78、GH77、GH57、GH51、GH43サブファミリー34、GH43サブファミリー24、GH43サブファミリー10、GH42、GH36、GH35、GH33、GH32、GH31、GH3、GH29、GH28、GH27、GH24、GH20、GH2、GH16、GH133、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー38、GH13サブファミリー14、GH13、GH123、GH115、GH109、またはGH105 CAZyファミリーのうちの1つのグリコシダーゼ酵素の基質である、項202〜207のいずれか一項に記載の方法。
【0758】
209.微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つである、項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
【0759】
210.微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つである、項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
【0760】
211.微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つである、項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
【0761】
212.微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表19、列3、表19、列4、表19、列5、表19、列6、表19、列7、表19、列8、表19、列9、または表19、列10のいずれか1つである、項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
【0762】
213.微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表20、列2、表20、列3、表20、列4、表20、列5、表20、列6、表20、列7、表20、列8、または表20、列9のいずれか1つである、項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
【0763】
214.微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表21、列2、表21、列3、表21、列4、表21、列5、表21、列6、表21、列7、表21、列8、または表21、列9のいずれか1つである、項202〜208のいずれか一項に記載の方法。
【0764】
215.胞子形成微生物(例えば、胞子形成細菌分類群)のヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質であるグリカンポリマーを含む、本明細書に記載のグリカンポリマー調製物。
【0765】
216.グリカンポリマー調製物であって、任意選択により、例えば、調製物が少なくとも約0.5、1、2、5、10、50、または100kgを含み、および/または、さらに任意選択により、例えば、少なくとも純度20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%であり、
a.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
b.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
c.ガラクトース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
d.ガラクトース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
e.グルコース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
f.グルコース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
g.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
h.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
を含むグリカンポリマーを含み、
GT5、GT35、GT3、GH97、GH95、GH92、GH89、GH88、GH78、GH77、GH57、GH51、GH43サブファミリー34、GH43サブファミリー24、GH43サブファミリー10、GH42、GH36、GH35、GH33、GH32、GH31、GH3、GH29、GH28、GH27、GH24、GH20、GH2、GH16、GH133、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー38、GH13サブファミリー14、GH13、GH123、GH115、GH109、またはGH105 CAZyファミリーのうちの1つのヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、グリカンポリマー調製物。
【0766】
217.微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つである、項215または216に記載のグリカンポリマー調製物。
【0767】
218.微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つである、項215または216に記載のグリカンポリマー調製物。
【0768】
219.微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つである、項215または216に記載のグリカンポリマー調製物。
【0769】
220.微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表19、列3、表19、列4、表19、列5、表19、列6、表19、列7、表19、列8、表19、列9、表19、列10のいずれか1つである、項215〜219のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物。
【0770】
221.微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表20、列2、表20、列3、表20、列4、表20、列5、表20、列6、表20、列7、表20、列8、または表20、列9のいずれか1つである、項215〜219のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物。
【0771】
222.微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表21、列2、表21、列3、表21、列4、表21、列5、表21、列6、表21、列7、表21、列8、または表21、列9のいずれか1つである、項215〜219のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物。
【0772】
223.
胞子形成微生物(例えば、胞子形成ヒト腸内微生物)の調製物を提供する工程、
グリカンポリマーが胞子形成微生物の基質である、グリカンポリマー調製物(本明細書に記載)を提供する工程、
胞子形成微生物の調製物をグリカンポリマー調製物と組み合わせる工程、
を含む、共調製物の作製方法。
【0773】
224.グリカンポリマーが、
a.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
b.キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
c.ガラクトース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
d.ガラクトース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
e.グルコース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、
f.グルコース、キシロースもしくはアラビノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、
g.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合、または
h.キシロース、アラビノース、グルコース、もしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合、またはそれらの組み合わせおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合
のうちの1つを含む、項223に記載の方法。
【0774】
225.グリカンポリマーが、GT5、GT35、GT3、GH97、GH95、GH92、GH89、GH88、GH78、GH77、GH57、GH51、GH43サブファミリー34、GH43サブファミリー24、GH43サブファミリー10、GH42、GH36、GH35、GH33、GH32、GH31、GH3、GH29、GH28、GH27、GH24、GH20、GH2、GH16、GH133、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー38、GH13サブファミリー14、GH13、GH123、GH115、GH109、またはGH105 CAZyファミリーのうちの1つのグリコシダーゼ酵素の基質である、項223または224に記載の方法。
【0775】
226.微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つである、項223〜225のいずれか一項に記載の方法。
【0776】
227.微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つである、項223〜225のいずれか一項に記載の方法。
【0777】
228.微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つである、項223〜225のいずれか一項に記載の方法。
【0778】
229.微生物が、表19、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表19、列3、表19、列4、表19、列5、表19、列6、表19、列7、表19、列8、表19、列9、または表19、列10のいずれか1つである、項223〜228のいずれか一項に記載の方法。
【0779】
230.微生物が、表20、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表20、列2、表20、列3、表20、列4、表20、列5、表20、列6、表20、列7、表20、列8、または表20、列9のいずれか1つである、項223〜228のいずれか一項に記載の方法。
【0780】
231.微生物が、表21、列1の微生物のいずれか1つであり、グリカン調製物が、表21、列2、表21、列3、表21、列4、表21、列5、表21、列6、表21、列7、表21、列8、または表21、列9のいずれか1つである、項223〜228のいずれか一項に記載の方法。
【0781】
232.経口、経鼻または経直腸送達または経管栄養のための共調製物を製剤化する工程をさらに含む、項223〜231のいずれか一項に記載の方法。
【0782】
233.時限放出製剤として共調製物を製剤化する工程をさらに含む、項223〜232のいずれか一項に記載の方法。
【0783】
234.調製物の放出が結腸または大腸で起こる、項233に記載の方法。
【0784】
235.約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%を超える調製物の微生物が、胃の通過後(例えば結腸または大腸に到達するとき)に生存可能である、項223〜234のいずれか一項に記載の方法。
【0785】
236.結腸または大腸内で放出された後に、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%または75%を超える調製物の微生物が移植する、項223〜235のいずれか一項に記載の方法。
【0786】
237.グリカンポリマー調製物が、グリカンポリマーの合成のために同定されたCAZyファミリープロファイルから1つ以上のグリコシダーゼを選択する、グリコシダーゼ指向合成によって作製される、項223〜236のいずれか一項に記載の方法。
【0787】
238.グリカンポリマー調製物が、同定されたCAZyファミリープロファイルに基づいて、非酵素ポリマー触媒を用いて合成および設計される、項223〜237のいずれか一項に記載の方法。
【0788】
239.共調製物を医薬組成物に製剤化する工程をさらに含む、項223〜238のいずれか一項に記載の方法。
【0789】
240.ヒト腸内微生物の調製物および項223〜239のいずれか一項に記載のグリカンポリマーの調製物を含む、シンバイオティクス共調製物。
【0790】
241.薬学的に許容される賦形剤または担体をさらに含む、項240に記載のシンバイオティクス共調製物。
【0791】
242.経鼻、経口、経胃または経直腸送達のための単位剤形として製剤化された、項240または241に記載のシンバイオティクス共調製物。
【0792】
243.胃酸による不活化から調製物のヒト腸内微生物を保護するように製剤化された、項240〜242のいずれか一項に記載のシンバイオティクス共調製物。
【0793】
244.項240〜243のいずれか一項に記載のシンバイオティクス共調製物を、ヒト腸内微生物を移植するのに有効な量および時間で対象に投与する工程を含む、それを必要とするヒト対象の結腸または大腸にヒト腸内微生物を移植する方法。
【0794】
245.ヒト対象が、腸の微生物叢のディスバイオシスを有し、例えば、そのようなディスバイオシスを引き起こす処置(例えば、抗菌処置、癌処置など)または曝露(例えば、細菌性病原体(例えば、C.diff.)などの病原体への曝露)を受けており、任意選択により、例えば、ヒト対象が、処置または曝露を受けたと同定された、項244に記載の方法。
【0795】
246.ヒト対象が抗生物質処置を受けている、項244または245に記載の方法。
【0796】
247.ヒト対象が抗生物質処置を受けていない、項244または245に記載の方法。
【0797】
248.腸(例えば、結腸または大腸)の微生物叢が安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がない)、項244〜247のいずれか一項に記載の方法。
【0798】
249.腸(例えば、結腸または大腸)の微生物叢が不安定である(例えば、分類群の相対存在度において有意な変化がある)、項244〜247のいずれか一項に記載の方法。
【0799】
250.移植の程度が、シンバイオティクス共調製物の投与前または投与後に、例えば、16S、定量培養、またはqPCRによる、分析によって決定される、項244〜249のいずれか一項に記載の方法。
【0800】
251.移植の程度が、シンバイオティクス共調製物中で対象に投与された生物の数と、対象の腸から回収可能な生物の数との比較を通して、例えば定量培養またはqPCRを通して、決定される、項244〜250のいずれか一項に記載の方法。
【0801】
252.本明細書に記載の任意の実施形態の方法。
【0802】
253.本明細書に記載の任意の実施形態の組成物。
【0803】
254.グリカンポリマー、例えば、ヒト腸内微生物中に存在するグリコシダーゼ酵素の基質であるグリカンポリマー、の調製物を作製する方法であって、
グリカンポリマーの製造に適した複数のグリカンサブユニット、例えば糖モノマーまたは糖ダイマーを提供する工程;および
複数のグリカンサブユニットを、グリコシダーゼ酵素分子、例えば、ヒト腸内微生物に由来するものと、グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを(例えば、縮合反応により)生じる条件下で、接触させる工程、
それにより、ヒト腸内微生物の基質であるグリカンポリマー調製物を作製する工程、
を含む方法であって、任意選択により、
i)グリカンポリマー調製物が、少なくとも約0.25、0.5、1、5、10、20、50、100、200、300、400または500キログラムのグリカンポリマーを含む、および/または
ii)グリカンポリマー調製物が、少なくとも約15%、30%、45%、60%、または約75%の収率(投入グリカンサブユニットのパーセンテージとしての重量/重量基準で決定される)で産生される
、方法。
【0804】
255.グリコシダーゼ酵素分子が由来するヒト腸内微生物が、グリカンポリマーが基質である、ヒト腸内微生物と同じ分類群、例えば、門、目、ファミリー、属または種のものである、項254に記載の方法。
【0805】
256.グリコシダーゼ酵素分子が由来するヒト腸内微生物が、第1の分類群、例えば、門、目、ファミリー、属または種のものであり、グリカンポリマーが基質であるヒト腸内微生物が、第2の分類群、例えば、門、目、ファミリー、属または種のものである、項254に記載の方法。
【0806】
257.グリカンポリマー調製物を、医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品に製剤化する工程をさらに含む、項254〜256のいずれかに記載の方法。
【0807】
258.調製物を、例えば、経口または経直腸などの経腸投与のために、または経鼻、経口または胃管栄養などの経管栄養のために、複数の部分、例えば、単位用量または製剤に分割する工程、例えば、調製物を少なくとも10、100、または1,000の部分に分割する工程をさらに含む、項254〜257のいずれかに記載の方法。
【0808】
259.複数の部分が、その部分に存在するグリカンポリマーの量に関して、重量で0.5%、1%、2%、5%、10%、または20%以下異なる、項258に記載の方法。
【0809】
260.調製物を賦形剤または担体と組み合わせる工程を含む、項254〜259のいずれか一項に記載の方法。
【0810】
261.賦形剤または担体が薬学的に許容される賦形剤または担体である、項260に記載の方法。
【0811】
262.賦形剤または担体が食品である、項260に記載の方法。
【0812】
263.グリコシダーゼ酵素およびグリコシダーゼ酵素分子が、表4(列2)、23(列A)、24(列A)、または22(列1)から独立して選択される、項254〜262のいずれか一項に記載の方法。
【0813】
264.グリコシダーゼ酵素をコードするアミノ酸配列が、配列番号1〜124のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、項254〜263のいずれか一項に記載の方法。
【0814】
265.グリコシダーゼ酵素をコードするアミノ酸配列が、表23または24の配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、項254〜264のいずれか一項に記載の方法。
【0815】
266.グリコシダーゼ酵素分子をコードするアミノ酸配列が、配列番号1〜124のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、項254〜265のいずれか一項に記載の方法。
【0816】
267.グリコシダーゼ酵素分子をコードするアミノ酸配列が、表23または24の配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117のいずれか1つによってコードされるアミノ酸と少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、項254〜266のいずれか一項に記載の方法。
【0817】
268.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)からのもの以外である、項262〜267のいずれか一項に記載の方法。
【0818】
269.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がラクトバチルス(Lactobacillus)からのもの以外である、項262〜267のいずれか一項に記載の方法。
【0819】
270.グリコシダーゼ酵素およびグリコシダーゼ酵素分子が、同一のヒト腸内微生物起源のものである、項254〜269のいずれか一項に記載の方法。
【0820】
271.グリコシダーゼ酵素およびグリコシダーゼ酵素分子が、表4(列2)、23(列A)、24(列A)、または22(列1)から選択される、項270に記載の方法。
【0821】
272.グリコシダーゼ酵素およびグリコシダーゼ酵素分子のアミノ酸配列が、少なくとも95%、97%、または99%の配列同一性を共有する、項254〜271のいずれか一項に記載の方法。
【0822】
273.アミノ酸配列をコードする核酸配列が、配列番号1〜124の1つである、項272に記載の方法。
【0823】
274.アミノ酸配列をコードする核酸配列が、表23または24の配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117の1つである、項272に記載の方法。
【0824】
275.グリコシダーゼ酵素およびグリコシダーゼ酵素分子が、表4(列2)、23(列A)、24(列A)、または22(列1)から選択される、項272に記載の方法。
【0825】
276.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)からのもの以外である、項272〜275のいずれか一項に記載の方法。
【0826】
277.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がラクトバチルス(Lactobacillus)からのもの以外である、項272〜275のいずれか一項に記載の方法。
【0827】
278.グリコシダーゼ酵素およびグリコシダーゼ酵素分子の両方が、同一のCAZyファミリー(例えば、同一のGHファミリー(例えば、GH1〜GH135の1つ以上)および/またはGTファミリー(例えば、GT1〜GT101の1つ以上)、例えば、表4(列1)、23(列C)、24(列C)、または22(列1)に列挙されたもの、である、項254〜277のいずれか一項に記載の方法。
【0828】
279.ヒト腸内微生物の識別情報(例えば、分類学的、16s)、および任意選択により、そのグリコシダーゼプロファイル(例えば、CAZyファミリープロファイル)を取得する工程を含む、項254〜278のいずれか一項に記載の方法。
【0829】
280.ヒト腸内微生物が、表2に列挙された門(列1)、綱(列2)または属(列3)の微生物分類群から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0830】
281.ヒト腸内微生物が、表3に列挙された株(列1)または門(列2)の微生物分類群から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0831】
282.ヒト腸内微生物が、表4、列3に列挙された属の微生物分類群から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0832】
283.ヒト腸内微生物が、表22、列1に列挙された微生物から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0833】
284.ヒト腸内微生物が、表19、列1および2に列挙された微生物分類群(胞子菌)から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0834】
285.ヒト腸内微生物が、表20、列1に列挙された微生物分類群(胞子菌)から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0835】
286.ヒト腸内微生物が、表21、列1に列挙された微生物(胞子菌)から選択される、項254〜279のいずれか一項に記載の方法。
【0836】
287.ヒト腸内微生物が、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)以外のものである、項254〜286のいずれか一項に記載の方法。
【0837】
288.ヒト腸内微生物が、ラクトバチルス(Lactobacillus)以外のものである、項254〜287のいずれか一項に記載の方法。
【0838】
289.ヒト腸内微生物の識別情報、および/またはそのグリコシダーゼ遺伝子プロファイルに応答して、グリコシダーゼ酵素分子およびグリカンサブユニットのいずれかまたは両方を選択する工程を含む、項279に記載の方法。
【0839】
290.グリコシダーゼ酵素分子(例えば、単離されたグリコシダーゼ酵素分子またはグリコシダーゼ酵素分子を含む細胞抽出物)が結合基質(例えば、固体粒子の表面などの固体表面、または高MW炭素含有分子、例えば、アガロース、セルロース、などのマトリックス材料)上に配置されている、例えば、共有結合的にまたは非共有結合的に結合している、項254〜289のいずれか一項に記載の方法。
【0840】
291.結合基質が細菌細胞以外のものである、項290に記載の方法。
【0841】
292.接触させる工程が、無細胞プロセスを含む、項254〜291のいずれか一項に記載の方法。
【0842】
293.ヒト腸内微生物が細菌である、項254〜292のいずれか一項に記載の方法。
【0843】
294.調製物に関するパラメータ、例えば、物理的パラメータ、例えば、分子量、例えば、平均分子量もしくは分子量分布、グリカンサブユニット組成または純度、または生物学的特性に関するパラメータ、例えば、ヒト腸内微生物の増殖を調節する能力、微生物によって産生される微生物代謝産物を、例えばエクスビボアッセイにおいて、調節する能力、またはバイオマーカー、例えば、炎症もしくは免疫バイオマーカー、毒性もしくは廃棄化合物、細菌化合物)を例えば、ヒト対象において、調節する能力、の値を取得する工程をさらに含む、項254〜293のいずれか一項に記載の方法。
【0844】
295.値を取得するためのアッセイを実行する工程を含む、項294に記載の方法。
【0845】
296.他者から値を取得する工程を含む、項294に記載の方法。
【0846】
297.値を基準値と比較して、例えば、使用、例えば治療的使用、への適合性について、グリカン調製物を評価する、項294〜296のいずれかに記載の方法。
【0847】
298.グリコシダーゼ酵素が、配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列によりコードされる、項254〜297のいずれか一項に記載の方法。
【0848】
299.グリコシダーゼ酵素が、配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117の1つ以上から選択される核酸配列によりコードされる、項254〜298のいずれか一項に記載の方法。
【0849】
300.グリコシダーゼ酵素分子が、配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である核酸配列によってコードされる、項254〜299のいずれか一項に記載の方法。
【0850】
301.グリコシダーゼ酵素分子が、配列番号12、18、31、38、39、48、56、57、64、68、72、83、84、92、93、99、104、110、および117の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である核酸配列によってコードされる、項254〜300のいずれか一項に記載の方法。
【0851】
302.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)以外のヒト腸内細菌由来である、項254〜301のいずれか一項に記載の方法。
【0852】
303.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がラクトバチルス(Lactobacillus)以外のヒト腸内細菌由来である、項254〜302のいずれか一項に記載の方法。
【0853】
304.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がアルファ−ガラクトシダーゼ以外である、項254〜303のいずれか一項に記載の方法。
【0854】
305.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がベータ−ガラクトシダーゼ以外である、項254〜304のいずれか一項に記載の方法。
【0855】
306.グリコシダーゼ酵素および/またはグリコシダーゼ酵素分子がi)アルファ−ガラクトシダーゼ;ii)ベータ−ガラクトシダーゼ、iii)アルファ−グルコシダーゼ iv)ベータ−グルコシダーゼ、v)アルファ−キシロシダーゼ、vi)ベータ−キシロシダーゼ、vii)アルファ−マンノシダーゼ、viii)ベータ−マンノシダーゼ、ix)アルファ−フルクトフラノシダーゼ、および/またはx)ベータ−フルクトフラノシダーゼ以外、またはi)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、およびx)の任意の組み合わせ(例えば、任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つ)以外である、項254〜305のいずれか一項に記載の方法。
【0856】
307.グリカンサブユニットが、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、フコース、ラムノース、キシロース、およびアラビノースから選択される糖モノマーである、項254〜306のいずれか一項に記載の方法。
【0857】
308.グリカン単位が、スクロース、マルトース、ゲンチビオース、ラクツロース、ラクトース、ラフィノース、メリビオース、キシロビオース、アラビノビオース、フルクトビオース、ツラノース、セロビオース、マンノビオース、ガラクトビオース、ソホロース、ラミナリビオース、およびキトビオースから選択される糖ダイマーである、項254〜307のいずれか一項に記載の方法。
【0858】
309.グリカン単位が、スクロース、イソマルトース、マルトース、メレジトース、ゲンチビオース、セロビオース、メリビオース、ラフィノース、ラクトース、ラクツロース、およびパラチノースから選択される糖ダイマー(例えば、表23、列Eおよび24、列Eに列挙されたもの)である、項254〜308のいずれか一項に記載の方法。
【0859】
310.グリカン単位がラクトース以外の糖ダイマーである、項254〜309のいずれか一項に記載の方法。
【0860】
311.グリカン単位がラクツロース以外の糖ダイマーである、項254〜310のいずれか一項に記載の方法。
【0861】
312.グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを生じる条件が、モノマーをグリカンポリマーに組み込むための縮合反応に適したものである、項254〜311のいずれか一項に記載の方法。
【0862】
313.グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを生じる条件が、ダイマー出発物質からのグリカンポリマーへのモノマーの組み込みを伴う、トランスグリコシル化反応(例えば、トランスガラクトシル化、トランスグルコシル化、トランスフルクトシル化)に適したものである、項254〜312のいずれか一項に記載の方法。
【0863】
314.グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを生じる条件が、加水分解反応に適したものである、項254〜313のいずれか一項に記載の方法。
【0864】
315.グリカン調製物の平均重合度(DP)が、少なくとも約DP2、少なくとも約DP3、少なくとも約DP4、または少なくともDP5である、項254〜314のいずれか一項に記載の方法。
【0865】
316.グリカン調製物の平均重合度(DP)が、約DP2〜DP4、DP2〜DP5、DP2と〜DP6、DP3〜DP5、またはDP3〜DP6である、項254〜315のいずれか一項に記載の方法。
【0866】
317.グリカン調製物の平均重合度(DP)が、約DP2〜DP8、約DP2〜DP10、約DP3〜DP8、または約DP3〜DP10である、項254〜316のいずれか一項に記載の方法。
【0867】
318.調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または少なくとも99%のグリカンポリマーが、2以上のDPを有する、項254〜317のいずれか一項に記載の方法。
【0868】
319.調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または少なくとも95%のグリカンポリマーが、3以上のDPを有する、項254〜318のいずれか一項に記載の方法。
【0869】
320.調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または少なくとも95%のグリカンポリマーが、約DP2〜4、DP2〜5、DP2〜6、DP2〜8、DP2〜10、DP3〜5、DP3〜6、DP3〜8、または約DP3〜10のDPを有する、項254〜319のいずれか一項に記載の方法。
【0870】
321.調製物のグリカンポリマーが0の分岐度(DB)を有する、項254〜320のいずれか一項に記載の方法。
【0871】
322.調製物の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または少なくとも95%のグリカンポリマーが分岐している、項254〜321のいずれか一項に記載の方法。
【0872】
323.調製物の1%、5%、10%、20%、30%、40%以下または50%以下のグリカンポリマーが分岐している、項254〜322のいずれか一項に記載の方法。
【0873】
324.調製物の分岐グリカンポリマーが、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つ)の分岐点を含む、項322または323に記載の方法。
【0874】
325.調製物のグリカンポリマーが、アルファ−グリコシド結合、例えば、調製物のグリカンポリマーのグリコシド結合の少なくとも約90%、95%、98%、99%、または100%がアルファ−グリコシド結合である、項254〜324のいずれか一項に記載の方法。
【0875】
326.調製物のグリカンポリマーが、ベータ−グリコシド結合、例えば、調製物のグリカンポリマーのグリコシド結合の少なくとも約90%、95%、98%、99%、または100%がベータ−グリコシド結合である、項254〜325のいずれか一項に記載の方法。
【0876】
327.調製物のグリカンポリマーが、アルファ−およびベータ−グリコシド結合を含む、項254〜326のいずれか一項に記載の方法。
【0877】
328.アルファ−対ベータ−グリコシド結合比が、1:1、1:2、1:3、1:4または1:5である、項327に記載の方法。
【0878】
329.ベータ−対アルファ−グリコシド結合比が、1:1、1:2、1:3、1:4または1:5である、項327に記載の方法。
【0879】
330.ベータ−対アルファ−グリコシド結合比が、1:4である、項327に記載の方法。
【0880】
331.調製物のグリカンポリマーのアルファ−対ベータ−グリコシド結合比が、0または約0.1:1〜1:5、1:1〜1:5または1:1〜1:4である、項254〜330のいずれか一項に記載の方法。
【0881】
332.調製物のグリカンポリマーのベータ−対アルファ−グリコシド結合比が、0または約0.1:1〜1:5、1:1〜1:5または1:1〜1:4である、項254〜331のいずれか一項に記載の方法。
【0882】
333.グリカンポリマーが、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、フコース、ラムノース、キシロース、および/またはアラビノースのうちの1つ以上のグリカン単位を含む、項254〜332のいずれか一項に記載の方法。
【0883】
334.グリカンポリマーが、1,2グリコシド結合、1,3グリコシド結合、1,4グリコシド結合、1,5グリコシド結合、または1,6グリコシド結合から選択される1つ以上のグリコシド結合を含む、項254〜333のいずれか一項に記載の方法。
【0884】
335.グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0885】
336.グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0886】
337.グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0887】
338.グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0888】
339.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,2グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0889】
340.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,3グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0890】
341.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,4グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0891】
342.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,6グリコシド結合を含む、項334に記載の方法。
【0892】
343.グリカンポリマーがガラクトオリゴ糖(GOS)以外である、項254〜342のいずれか一項に記載の方法。
【0893】
344.グリカンポリマーがガラクトースホモポリマー以外である、項333に記載の方法。
【0894】
345.グリカンポリマー調製物が、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%未満のガラクトースホモポリマーである、項333に記載の方法。
【0895】
346.調製物中の第1および第2の最も存在度の高いグリカンポリマーが、i)ガラクトースホモポリマーおよび/またはii)末端グルコースを有するガラクトースポリマー以外である、項333に記載の方法。
【0896】
347.グリカンポリマーが、i)フルクトオリゴ糖(FOS)、ii)ガラクトオリゴ糖(GOS)、iii)キシロオリゴ糖(XOS)、iv)イソマルトオリゴ糖(IMOS)、およびv)グルコオリゴ糖(GLOS)、またはi)、ii)、iii)、iv)およびv)の任意の組み合わせ(1つ、2つ、3つ、4つ、または全て)である、項254〜346のいずれか一項に記載の方法。
【0897】
348.グリカンポリマーが、i)ラクトスクロース、ii)ラクツロスクロース、iii)2−アルファ−グルコシルラクトース、iv)ゲンチオオリゴ糖、v)ペクチンオリゴ糖、およびvi)マルトシルフルクトシド、またはi)、ii)、iii)、iv)、v)およびvi)の任意の組み合わせ(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または全て)である、項254〜347のいずれか一項に記載の方法。
【0898】
349.複数のグリカンサブユニットが、第1および第2のグリカンサブユニットを含み、第1および第2のグリカンサブユニットが異なる構造を有する、項254〜348のいずれか一項に記載の方法。
【0899】
350.複数のグリカンサブユニットが、第1および第2のグリカンサブユニットを含み、第1および第2のグリカンサブユニットが同一の構造を有する、項254〜349のいずれか一項に記載の方法。
【0900】
351.グリカンポリマーが、グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含む、項254〜350のいずれか一項に記載の方法。
【0901】
352.グリカンポリマーが、グルコース、マンノースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含む、項254〜351のいずれか一項に記載の方法。
【0902】
353.グリカンポリマーが、キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含む、項254〜352のいずれか一項に記載の方法。
【0903】
354.グリカンポリマーが、キシロース、アラビノース、フコースもしくはラムノースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含む、項254〜353のいずれか一項に記載の方法。
【0904】
355.グリカンポリマーが、グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含む、項254〜354のいずれか一項に記載の方法。
【0905】
356.グリカンポリマーが、グルコースもしくはガラクトースサブユニット、またはそれらの組み合わせ、および少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含む、項254〜355のいずれか一項に記載の方法。
【0906】
357.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0907】
358.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0908】
359.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、グルコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man−glu調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0909】
360.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、グルコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0910】
361.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−glu調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびグルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−glu調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0911】
362.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−glu調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびグルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−glu調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0912】
363.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、フコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0913】
364.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、フコースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−fuc−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0914】
365.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、フコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0915】
366.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、フコースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜1である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、マンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−man調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびマンノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、fuc−gal−man調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0916】
367.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびフコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−fuc調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0917】
368.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、マンノースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、フコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−fuc調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal調製物);および
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびフコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、man−gal−fuc調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0918】
369.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコース、キシロースおよびアラビノースのうちの1つ、2つ、または3つ、ならびに少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合が、ベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、ベータ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーを含む;
v.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーを含む、および
vi.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーを含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0919】
370.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコース、キシロースおよびアラビノースのうちの1つ、2つ、または3つ、ならびに少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、ベータ−グリコシド結合がベータ−1,3グリコシド結合、ベータ−1,4グリコシド結合、またはそれらの組み合わせであり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、ベータ−1,6グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6−グリコシド結合またはそれらの組み合わせである;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーを含む;
v.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーを含む、および
vi.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーを含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0920】
371.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトース、アラビノース、またはキシロースのうちの2つまたは3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0921】
372.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−xyl調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、グルコース、アラビノース、またはキシロースのうちの2つまたは3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0922】
373.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよびアラビノースのうちの1つまたは2つ、ならびに少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーを含む;および
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーを含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0923】
374.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、アラビノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−xyl調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびキシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−gal−xyl調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0924】
375.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−xyl調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースおよびキシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara−xyl調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0925】
376.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−gal調製物);
iv.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−ara調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースおよびアラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−ara−gal調製物)
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0926】
377.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;および
iii.グリカンポリマー調製物が、アラビノース、ガラクトースまたはキシロースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0927】
378.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,3グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;および
iv.グリカンポリマー調製物が、ガラクトース、マンノース、アラビノース、またはシアル酸のうちの1つ、2つ、3つ、または4つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0928】
379.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);および
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0929】
380.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合である;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0930】
381.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−glu調製物);および
iv.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0931】
382.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含み、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合が、アルファ−1,3グリコシド結合である;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−glu調製物);および
v.グリカンポリマー調製物が、マンノース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0932】
383.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、グルコースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−xyl調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、glu−gal調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、キシロース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0933】
384.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、キシロースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−glu調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、xyl−gal調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、グルコース、アラビノース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0934】
385.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、アラビノースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−xyl調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−glu調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、ガラクトースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、ara−gal調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、キシロース、グルコース、またはガラクトースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0935】
386.グリカンポリマーおよび/またはグリカンポリマー調製物が、以下の特徴:
i.グリカンポリマーが、ガラクトースおよび少なくとも1つのアルファ−グリコシド結合を含み、任意選択により、アルファ−グリコシド結合がアルファ−1,3グリコシド結合であり、さらに任意選択により、調製物の平均重合度(DP)がDP2〜4、DP2〜6、DP3〜10、またはDP3〜15である;
ii.グリカンポリマー調製物が、アルファ−1,2グリコシド結合、アルファ−1,4グリコシド結合、アルファ−1,6グリコシド結合、またはそれらの組み合わせを含むグリカンポリマーをさらに含む;
iii.グリカンポリマー調製物が、少なくとも1つのベータ−グリコシド結合を含むグリカンポリマーをさらに含む;
iv.グリカンポリマー調製物が、キシロースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−xyl調製物);
v.グリカンポリマー調製物が、アラビノースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−ara調製物);
vi.グリカンポリマー調製物が、グルコースを含むグリカンポリマーをさらに含む(例えば、gal−glu調製物);および
vii.グリカンポリマー調製物が、キシロース、アラビノース、またはグルコースのうちの1つ、2つ、または3つを含むグリカンポリマーをさらに含む
のうちの1つ、2つ、3つ、またはそれを超える、例えば全てを含む、項254〜306のいずれかに記載の方法。
【0936】
387.グリカンポリマーが、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項351、352、または357〜362のいずれかに記載の方法。
【0937】
388.グリカンポリマーが、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項351、352、または357〜362のいずれかに記載の方法。
【0938】
389.グリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、またはGH13サブファミリー14 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項353、354、または363〜370のいずれか一項に記載の方法。
【0939】
390.グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、またはGH77 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項353、354、または363〜370のいずれか一項に記載の方法。
【0940】
391.グリカンポリマーが、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、またはGH13 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項355、356、または371〜373のいずれかに記載の方法。
【0941】
392.グリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項355、356、または371〜373のいずれかに記載の方法。
【0942】
393.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または374〜377のいずれかに記載の方法。
【0943】
394.グリカンポリマーが、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるグリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または374〜377のいずれかに記載の方法。
【0944】
395.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37またはGH104 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または378のいずれかに記載の方法。
【0945】
396.グリカンポリマーが、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または378のいずれかに記載の方法。
【0946】
397.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または379〜382のいずれかに記載の方法。
【0947】
398.グリカンポリマーが、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または379〜382のいずれかに記載の方法。
【0948】
399.グリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または383〜386のいずれかに記載の方法。
【0949】
400.グリカンポリマーが、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーの1つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える、から選択されるヒト腸内微生物グリコシダーゼ酵素の基質である、項349、350、または383〜386に記載の方法。
【0950】
401.調製物のグリカンポリマーが、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT5、GH94、GH13サブファミリー9、GH13サブファミリー39、GH13サブファミリー36、GH113またはGH112 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0951】
402.調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13.0、GH13.9、GH13.31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77、GH94 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT2、GT4、GT5、GT35、GT51、GH1、GH2、GH3、GH4、GH13.0、GH13.9、GH13.31、GH18、GH23、GH25、GH28、GH31、GH32、GH36、GH51、GH73、GH77またはGH94 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0952】
403.調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、ガラクトースおよび/またはグルコースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH30サブファミリー2、GH30サブファミリー5、GH43サブファミリー22、GH43サブファミリー8、またはGH84 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0953】
404.調製物のグリカンポリマーが、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、ガラクトースおよび/またはグルコースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH3、GH106、GH105、GH2、GH20、GH28、GH76、GH97、またはGH92 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0954】
405.調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37もしくはGH104 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはシアル酸を含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー19、GH13サブファミリー21、GH23、GH33、GH37またはGH104 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0955】
406.調製物のグリカンポリマーが、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはシアル酸を含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH23、GH24、またはGH33 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0956】
407.調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、マンノース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー20、GH13サブファミリー31、GH13サブファミリー39、GH39、GH43サブファミリー11、GH5サブファミリー44、またはGH94 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0957】
408.調製物のグリカンポリマーが、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、マンノース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH2、GH31、GH23、GH13、またはGH24 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0958】
409.調製物のグリカンポリマーが、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH13サブファミリー3、GH13サブファミリー30、GH121、GH15、GH43サブファミリー27、GH43サブファミリー34、またはGH43サブファミリー8 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0959】
410.調製物のグリカンポリマーが、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、キシロース、アラビノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GH92、GH97、GH76、GH28、GH20、GH105、GH2、GH50、GH3、またはGH106 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0960】
411.調製物のグリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0961】
412.調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコース、マンノース、および/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0962】
413.調製物のグリカンポリマーが、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、フコースおよび/またはラムノースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT11、GT10、GH92、GH51、GH35、GH29、GH28、GH20、GH130、GH13サブファミリー8、GH13サブファミリー14 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0963】
414.グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下、例えば、基質およびグリコシダーゼ酵素と同じ行の列F、G、H、I、J、K、および/またはLの条件下で、
表23の列Eの基質の複数のグリカンサブユニット、例えば、モノマーまたはダイマーを提供する工程;
基質の複数のグリカンサブユニットを、基質と同じ行の列Aのグリコシダーゼ酵素と接触させる工程;
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0964】
415.グリカンポリマー調製物が、約2〜4または約2〜5の平均DPを有する、項414に記載の方法。
【0965】
416.グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0966】
417.グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,4グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0967】
418.グリカンポリマー調製物が、少なくとも20%、30%、40%、50%または少なくとも60%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0968】
419.グリカンポリマー調製物が、少なくとも80%、90%、少なくとも95%、または100%(モル%)の1,6グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0969】
420.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,2グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0970】
421.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,3グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0971】
422.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,4グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0972】
423.グリカンポリマー調製物が、10%以下、5%、1%以下または0%の1,6グリコシド結合を含む、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0973】
424.グリコシド結合分布(mol%)が、
a)アルファ−1,2が10%未満、アルファ1,3が10%未満、アルファ1,4が少なくとも30%、アルファ1,6が少なくとも30%、ベータ1,2が5%未満、ベータ1,3が5%未満、ベータ1,4/1,6が5%未満、
b)アルファ−1,2が5%未満、アルファ1,3が5%未満、アルファ1,4が少なくとも5%、アルファ1,6が5%未満、ベータ1,2が少なくとも1%、ベータ1,3が少なくとも1%、ベータ1,4/1,6が少なくとも85%、
c)アルファ−1,2が5%未満、アルファ1,3が5%未満、アルファ1,4が5%未満、アルファ1,6が少なくとも85%、ベータ1,2が5%未満、ベータ1,3が5%未満、ベータ1,4/1,6が5%未満、
d)アルファ−1,2が10%未満、アルファ1,3が5%未満、アルファ1,4が少なくとも15%、アルファ1,6が少なくとも50%、ベータ1,2が5%未満、ベータ1,3が5%未満、ベータ1,4/1,6が5%未満、
e)アルファ−1,2が5%未満、アルファ1,3が5%未満、アルファ1,4が15%未満、アルファ1,6が少なくとも85%、ベータ1,2が5%未満、ベータ1,3が5%未満、ベータ1,4/1,6が5%未満、
f)アルファ−1,2が5%未満、アルファ1,3が5%未満、アルファ1,4が5%未満、アルファ1,6が5%未満、ベータ1,2が5%未満、ベータ1,3が5%未満、ベータ1,4/1,6が少なくとも85%、
g)アルファ−1,2が5%未満、アルファ1,3が5%未満、アルファ1,4が少なくとも50%、アルファ1,6が少なくとも5%、ベータ1,2が10%未満、ベータ1,3が5%未満、ベータ1,4/1,6が少なくとも10%、
のうちの1つである、項414または415のいずれかに記載の方法。
【0974】
425.調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のキシロース、アラビノース、フコースおよび/またはラムノースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0975】
426.調製物のグリカンポリマーが、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、GH13 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT3、GH97、GH43サブファミリー24、GH27、GH133、GH13サブファミリー8、GH13 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0976】
427.調製物のグリカンポリマーが、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリーのグリコシダーゼ酵素を含むヒト腸内微生物の基質である、グリカンポリマー調製物を作製する結果となる条件下で、
複数のグルコースおよび/またはガラクトースを含有するグリカンサブユニット(例えば、モノマーまたはダイマー)を提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT8、GT51、GT9、GH1、GH92、GH73、GH31、GH20、GH28、GT25、GT28、GT35、GH18、GT0、GH13、GH36、GH97、GH105、GH25、GH4、GH32、GH78、GH29、GH0、GH51、GT10、GH77、GT2、GT4、GH2、GH23、GH3、GT51、GH1、GT8、GH92、GT9、GH73、GH31、GH20、Gh28、GT35、GT28、GH18、GH13、GH97、GH25、GH36、GH4、GH105、GH32、GH78、GH29、GH0、GT25、GH51、GH77、GH88、GH24 CAZyファミリーのうちの1つから選択されるグリコシダーゼ酵素と接触させる工程、
を含む、グリカンポリマー調製物の作製方法。
【0977】
428.グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子が、GH1、GH2、GH3、GH35、GH42、およびGH50のうちの1つ以上のもの以外である、項401〜413または425〜427のいずれか一項に記載の方法。
【0978】
429.グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子が、GH32、GH68、GH100のうちの1つ以上のもの以外である、項401〜413または425〜427のいずれか一項に記載の方法。
【0979】
430.グリコシダーゼ酵素またはグリコシダーゼ酵素分子が、GH1、GH2、GH3、GH4、GH5、GH8、GH9、GH10、GH11、GH12、GH13、GH14、GH16、GH26、GH28、GH30、GH31、GH32、GH35、GH42、GH43、GH44、GH50、GH51、GH57、GH62、GH63、GH68、GH70、GH97、GH100、GH116、GH119、GH122のうちの1つ以上のもの以外である、項401〜413または425〜427のいずれか一項に記載の方法。
【0980】
431.本明細書に開示される方法によって、例えば、項254〜430のいずれかに記載の方法によって、作製される、産生可能な、または作製可能な、グリカンポリマー調製物。
【0981】
432.本明細書に開示される方法によって、例えば、項254〜430のいずれかに記載の方法によって、選択される、または選択可能な、グリカンポリマー調製物。
【0982】
433.医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品として製剤化された、項431に記載のグリカンポリマー調製物。
【0983】
434.賦形剤または担体をさらに含む、項431のグリカンポリマー調製物。
【0984】
435.項431〜434のいずれか一項に記載のグリカン調製物を含む、単位剤形。
【0985】
436.経腸投与、経口、経口または経直腸投与、または経管栄養のために製剤化された、項435に記載の単位剤形。
【0986】
437.粉末またはシロップとして製剤化された、項435または項436のいずれかに記載の単位剤形。
【0987】
438.結腸または大腸における時限放出および/または標的放出のために製剤化された、項435〜437のいずれか一項に記載の単位剤形。
【0988】
439.項431〜434のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物を含む、医薬組成物。
【0989】
440.項431〜434のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物を含む、医療用食品。
【0990】
441.項431〜434のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物を含む、栄養補助食品。
【0991】
442.項431〜434のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物を含む、食品成分。
【0992】
443.項431〜434のいずれか一項に記載のグリカンポリマー調製物を含む、治療用栄養製品。
【0993】
444.本明細書に記載の、例えば、項254〜430のいずれか一項に記載の方法によって生成される、反応混合物であって、
少なくとも0.25、0.5、1、5、10、20、50、100、200、300、400または500キログラムのグリカンポリマーを含むグリカンポリマー調製物を産生するのに適した量で、および/または少なくとも約15%、30%、45%、60%、または約75%(投入グリカンサブユニットの%として重量/重量基準で決定される場合)の収率を得るのに適当な条件下で、
グリカンポリマーの製造に適した複数のグリカンサブユニット、例えば糖モノマーまたは糖ダイマー;および
グリコシダーゼ酵素分子(例えば、表4(列2)、表23(列A)、表24(列A)、または表22(列1);またはグリコ分類群クラス1、クラス2、クラス3、クラス4、クラス5、クラス6、もしくはクラス7に関連する1つ以上のグリコシダーゼ酵素)、
を含む反応混合物。
【0994】
445.本明細書に記載の方法、例えば、項254〜430のいずれかの方法、の実施に適した、項444に記載の反応混合物。
【0995】
446.項431に記載の調製物を、医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品に製剤化することを含む、医薬組成物、医療用食品、栄養補助食品、食品成分、または治療用栄養製品を作製する方法。
【0996】
447.調製物を、複数の部分、例えば、単位用量または製剤、例えば、少なくとも10、100、または少なくとも1,000の部分、に分割する工程を含む、項446に記載の方法。
【0997】
448.調製物を賦形剤と組み合わせる工程を含む、項446に記載の方法。
【0998】
449.項431に記載のグリカンポリマー調製物、またはその一部。
【0999】
450.項431に記載のグリカンポリマー調製物の画分、例えば、分子量画分。
【1000】
451.画分が、グリカン調製物のものとは異なる平均DP、例えば、約3、4、または5の平均DPを含む、項450に記載の分子量画分。
【1001】
452.項254〜430のいずれかに記載の方法によって作製される、または作製可能なグリカンポリマーの調製物を作製、評価、選択、分類、または提供する方法であって、
候補調製物を取得する工程;
調製物に関するパラメータ、例えば、物理的パラメータ、例えば、分子量、例えば、平均分子量もしくは分子量分布、グリカンサブユニット組成または純度、または生物学的特性に関するパラメータ、例えば、ヒト腸内微生物の増殖を調節する能力、微生物によって産生される微生物代謝産物を、例えばエクスビボアッセイにおいて、調節する能力、またはバイオマーカー、例えば、炎症もしくは免疫バイオマーカー、毒性もしくは廃棄化合物、細菌化合物)を例えば、ヒト対象において、調節する能力、の値を、例えばアッセイを実施することによって、取得する工程;および
値を基準値と比較する工程、
それにより、グリカンポリマーの調製物を作製、評価、選択、分類、または提供する工程
を含む方法。
【1002】
453.値を取得するためのアッセイを実行する工程を含む、項452に記載の方法。
【1003】
454.他者から値を取得する工程を含む、項452に記載の方法。
【1004】
455.値を参照値と比較して、例えば、使用への、例えばグリカンポリマーの調製物としての、適合性について、または、産物もしくは剤形、例えば本明細書に記載の産物または剤形への製剤化について、候補を評価する、項452〜454のいずれかに記載の方法。
【1005】
456.標的ヒト腸内微生物を調節する医薬組成物を作製する方法であって、
複数のグリカンサブユニットを提供する工程;
複数のグリカンサブユニットを、標的腸内微生物中に存在するグリコシダーゼ活性を有するグリコシダーゼ酵素組成物と、グリカンサブユニットのグリカンポリマーへの組み込みを生じる条件下で、接触させる工程、
任意選択により、グリカンポリマーを精製する工程、および
腸への投与および腸内微生物の調節のための医薬組成物としてグリカンポリマーを製剤化し、それにより、標的ヒト腸内微生物を調節する医薬組成物を作製する工程
を含む方法。
【1006】
457.配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である、核酸配列によってコードされるグリコシダーゼ酵素を含むグリコシダーゼ酵素分子の精製調製物であって、グリコシダーゼ酵素がヒト腸内微生物中に存在する、精製調製物。
【1007】
458.配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列と少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である、核酸配列を含むベクターであって、核酸がヒト腸内微生物中に存在するグリコシダーゼ酵素をコードし、ベクターはグリコシダーゼ酵素を発現するために使用することができる、ベクター。
【1008】
459.配列番号1〜124の1つ以上から選択される核酸配列によりコードされるグリコシダーゼ酵素、およびグリコシダーゼ酵素の基質、例えば、グリカンサブユニット、例えば、モノマーまたはダイマー
を含み、基質が、例えば、縮合によって、グリカンポリマーを形成するのに十分な量で存在する、反応混合物。
【実施例】
【1009】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。実施例は、例示の目的のみで提供され、決して本発明の範囲または内容を限定すると考えられるべきではない。本発明の実践は、別記されない限り、当技術分野の技術内の、タンパク質化学、生物化学、組換えDNA技術、および薬理学の従来の方法が用いられるであろう。かかる技術は、文献内に十分に説明される。例えば、T.E.Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W.H.Freeman and Company,1993)、Green&Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2012)、Colowick&Kaplan,Methods In Enzymology(Academic Press)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition(Pharmaceutical Press,2012)、Sundberg&Carey,Advanced Organic Chemistry:Parts A and B,5th Edition(Springer,2007)を参照のこと。
【1010】
実施例1.精製グリコシダーゼ酵素を用いたグリカンポリマーの産生方法
グリカンは、本明細書、例えば表4、22、23および24に記載され、例えば配列番号1〜124によってコードされる、1つ以上の部分的または完全に精製されたヒドロラーゼまたはトランスフェラーゼ酵素によって触媒されるグリコシド結合の逆加水分解によって生成され得る。選択される酵素は、グリコシルヒドロラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、ならびに糖ヌクレオチドおよびホスホリル糖を含むがこれらに限定されない未活性化糖ドナーまたは活性化糖ドナーを用いるものを含む多糖リアーゼを含む、グリコシド結合を加水分解することが知られている任意の酵素であり得る。理想的には、選択された酵素は、宿主マイクロバイオームの構造または健康に対して好ましい効果(例えば、代謝産物、例えば、SCFA(例えば、ブチレート、プロピオネート)、TMA/TMAO、アンモニア、尿毒症性溶質(例えば、インドール、p−クレゾール)、LPS、または胆汁酸(例えば、二次胆汁酸)の調節)を有する、グリコ分類群(例えば、クラス1、クラス2、クラス3、クラス4、クラス5、クラス6、またはクラス7)からのグリコシルヒドロラーゼから単離されるかまたはそれに関連する。
【1011】
グリコシル供与体は、未活性化モノマーグリコシド(例えば、グルコース、ガラクトース、グルクロン酸など)、活性化モノマーグリコシド(例えば、ホスホグルコース、ラクトース、マルトビオース、UDP−グルコース、1−フルオログルコース、トリクロロアセトイミド化グルコース、パラ−ニトロフェニルグルコース、ヘキセヌロン酸)、またはオリゴマーまたはポリマーグリコシド(例えば、マルトース、ガラクトオリゴ糖)からなってもよい。
【1012】
グリコシルアクセプターは、モノマー糖(例えば、グルコース、ガラクトース、グルクロン酸)、オリゴマー(例えば、ラクトース、マルトビオース、ガラクトオリゴ糖)、または他のグリコシドと相溶性があると報告されている非糖基質(例えば、ソルビトール、グリセロール)を含む、グリコシルヒドロラーゼまたはトランスフェラーゼと適合性のある任意の基質からなり得る。いくつかの実施形態では、グリコシル受容体およびグリコシル供与体は同じ材料であり得、例えば、マルトビオースは供与体でも受容体でもあり得る。
【1013】
目的の酵素は、水;水と、アセトン、エタノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、t−ブタノールまたは他の報告されている溶媒などの混和性溶媒との混合物;または純有機溶媒を含む生体適合性溶媒中に1〜50U/mLの濃度まで溶解または懸濁され得る。グリコシル供与体および受容体は、5〜50重量%の濃度で培地に添加される。培地のpHは、生体適合性緩衝液、例えば、酢酸ナトリウム緩衝液、クエン酸/リン酸水素二ナトリウム緩衝液、リン酸緩衝液などを用いて、2.5〜8.0の範囲に調整される。次いで、反応物を、選択されたグリコシダーゼ酵素分子と適合する温度、典型的には35℃〜90℃で、2〜48時間穏やかに撹拌させる。
【1014】
その宿主から最小の構造変化で単離されるかまたは組換え系から発現されるグリコシダーゼ酵素分子を用いる合成の条件は、天然の生理学、すなわち5〜7.5のpHおよび35〜60℃の温度をより厳密に反映し得る。
【1015】
理想的には、その安定性を改善するために修飾されたグリコシダーゼ酵素分子を使用する合成のための条件は、生理学的条件、例えば、3.5〜8のpHおよび35〜70℃の温度からさらに逸脱し得る。タンパク質安定性の変化は、合成収率、変換率、リサイクル性、またはタンパク質産生収率を含む、望ましい特性を高めるために使用され得る。
【1016】
理想的には、極端な温度またはpHの条件に耐えるように進化した極限性細菌から高度に修飾または単離されたグリコシダーゼ酵素分子を用いた合成条件は、生理学的条件、例えば、2.0〜8のpHおよび90℃までの温度から大きく逸脱し得る。
【1017】
一実施形態では、選択された基質(表23、列E)を20mlのシンチレーションバイアルに入れた。特定のpHのMcIlvaine緩衝液(表23、列J)をバイアルに添加し、粉末をヒートガンで短時間加熱することによって溶解した。緩衝化基質溶液を室温に冷却した後、選択された酵素を添加し(表23、列H)、溶液を穏やかに回転させて混合し、蓋をしたバイアルを特定の温度の水浴に撹拌せずに入れた(表23、列K)。特定の時間が経過すると(表23、列L)、バイアルを沸騰水浴中で20分間加熱して酵素を失活させた。次いで、試料を50mlコニカル遠心チューブに移し、約200mg/mlまで希釈した。次いで、希釈生成物を実施例18に記載の方法により精製した。単離された物質を実施例11〜15に記載のように特徴付けし、データを表23(SEC)および表24(HSQC−NMR)に示す。
【1018】
【表89】
【1019】
【表90】
【1020】
【表91】
【1021】
【表92】
【1022】
【表93】
【1023】
【表94】
【1024】
【表95】
【1025】
【表96】
【1026】
【表97】
【1027】
【表98】
【1028】
実施例2.ベータ−ガラクトシダーゼおよびラクトースを介したベータ−ガラクトオリゴ糖の生成
60℃の0.05M、pH5酢酸ナトリウム緩衝液に、ラクトースを400mg/mLの濃度まで添加した。基質が溶解するまで、反応物を穏やかに撹拌した。次いで、ベータ−ガラクトシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−BGLAN)を、10U/mlの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を60℃で26時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した(表23、31行目)。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付け、単離および精製し、
図5に示した。単離されたオリゴ糖は、DP≧3が20%超の分子量、ベータ−グリコシドが50%超のグリコシド立体化学、1,4−グリコシド結合が10%超の位置化学、およびD−ガラクトースが50%超の構成要素を有する。
【1029】
実施例3.アルファ−ガラクトシダーゼおよびメリビオースを介したアルファ−ガラクトオリゴ糖の生成
60℃の0.05M、pH5酢酸ナトリウム緩衝液に、メリビオースを1000mg/mLの濃度まで添加した。基質が溶解するまで、反応物を穏やかに撹拌した。次いで、アルファ−ガラクトシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−AGLAN)を、10U/mLの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を60℃で22時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した(表23、29行目)。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付け、単離および精製した(
図8)。単離されたオリゴ糖は、DP≧3が20%超の分子量、アルファ−グリコシドが50%超のグリコシド立体化学、1,4−グリコシド結合が10%超の位置化学、およびD−ガラクトースが50%超の構成要素を有する。
【1030】
実施例4.ベータ−グルコシダーゼおよびセロビオースを介したベータ−グルコオリゴ糖の生成
60℃の0.05M、pH5酢酸ナトリウム緩衝液に、セロビオースを200mg/mLの濃度まで添加した。基質が溶解するまで、反応物を穏やかに撹拌した。次いで、ベータ−グルコシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−BGOSPC)を、10U/mLの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を60℃で26時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した(表23、10行目)。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付け、単離および精製した(
図6)。単離されたオリゴ糖は、DP≧3が10%超の分子量、ベータ−グリコシドが50%超のグリコシド立体化学、1,4−グリコシド結合が10%超の位置化学、およびD−グルコースが90%超の構成要素を有する(表24、10行目)。
【1031】
実施例5.アルファ−グルコシダーゼおよびマルトースを介したアルファ−グルコオリゴ糖の生成
55℃の0.05M、pH6.5マレイン酸ナトリウム緩衝液に、マルトースを1000mg/mLの濃度まで添加した。基質が溶解するまで、反応物を穏やかに撹拌した。次いで、アルファ−グルコシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−TSAGL)を、10U/mLの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を55℃で24時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した(表23、27行目)。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付け、単離および精製した(
図7A、B)。単離されたオリゴ糖は、DP≧3が15%超の分子量、アルファ−グリコシドが50%超のグリコシド立体化学、1,4−グリコシド結合が10%超の位置化学、およびD−グルコースが90%超の構成要素を有する(表24、11行目)。
【1032】
実施例6.選択的グリコシダーゼを用いた基質混合物の処置によるオリゴ糖の選択的生成
混合組成(立体化学、位置化学、およびモノマー組成物の混合物を含む)を有するオリゴ糖は、実施例1に記載の条件下で、基質の混合物を、1つ以上の基質に対して選択的なグリコシダーゼで処理することによって生成される。この例では、グリコシダーゼに感受性である基質はグリコシド結合供与体として作用し、グリコシダーゼに感受性でない基質はグリコシド結合受容体としてのみ作用する。基質の異なる組み合わせを、異なって選択的なグリコシダーゼと混合することによって、オリゴ糖の別個の組み合わせを生成し得る(
図12)。
【1033】
一実施形態では、60℃の0.05M、pH5酢酸ナトリウム緩衝液に、セロビオースとラクトースの1:2w/w混合物を最終濃度600mg/mLまで添加した。基質が溶解するまで、反応物を穏やかに撹拌した。次いで、ベータ−グルコシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−BGOSPC)を、10U/mLの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を60℃で26時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付け、単離および精製した(
図14)。単離されたオリゴ糖は、DP≧3が10%超の分子量、ベータ−グリコシドが50%超のグリコシド立体化学、1,4−グリコシド結合が10%超の位置化学、およびD−グルコースが50%超、およびD−ガラクトースが50%未満の構成要素を有する。
【1034】
第2の実施形態では、60℃の0.05M、pH5酢酸ナトリウム緩衝液に、セロビオースとラクトースの1:2w/w混合物を最終濃度600mg/mLまで添加した。基質が溶解するまで、反応物を穏やかに撹拌した。次いで、ベータ−ガラクトシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−BGLAN)を、10U/mlの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を60℃で26時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付け、単離および精製した(
図13)。単離されたオリゴ糖は、DP≧3が20%超の分子量、ベータ−グリコシドが50%超のグリコシド立体化学、1,4−グリコシド結合が10%超の位置化学、およびD−グルコースが50%未満、およびD−ガラクトースが50%超の構成要素を有する。
【1035】
他の実施形態では、選択された基質混合物は、構成モノマーによって(例えば、マルトースおよびメリビオース、またはL−アラビノビオースおよびD−アラビノビオース)、グリコシド立体化学によって(例えばマルトースおよびセロビオース)、位置化学によって(例えばラクトースおよびアロラクトース)、活性化戦略によって(例えば、1−(パラ−ニトロフェニル)−D−グルコースおよびラクトース)、またはグリコシド酵素の基質を区別するこれらまたは他の因子の任意の組み合わせによって、異なり得る。選択されたグリコシダーゼは、基質に対する選択性(例えば、グルコシダーゼ対ガラクトシダーゼ)、グリコシド立体化学(例えば、アルファ−グルコシダーゼ対ベータ−グルコシダーゼ)、位置化学(例えば、1,6−グルコシダーゼ対1,3−グルコシダーゼ)、鎖位置(例えば、エンドグリコシダーゼ対エキソグリコシダーゼ;還元末端選択的対非還元末端選択的)、またはグリコシド酵素を区別するこれらまたは他の因子の任意の組み合わせによって異なり得る。
【1036】
実施例7.有機/水性混合溶媒系を用いた単糖からのオリゴ糖の生成
実施例1に記載のグリカンは、熱力学的逆加水分解事象を介して単糖から生成し得る。糖加水分解酵素は、単糖がより高次のオリゴ糖と絶えず交換され、反応の支配的方向が環境の水分活性によって決定される、熱力学的平衡を確立する。生理学的条件下で見出される基質に対する高濃度の水は、これらの酵素が主として加水分解的に作用する原因となる。特定の実験室条件下では、反応の支配的方向をグリコシド結合の形成に有利に働くように変更することができ、これは、モノマー成分からのオリゴ糖の形成を可能にする。
【1037】
グルコースを0.1M、pH5.2の酢酸ナトリウム緩衝液に10%(w/w)の濃度で溶解した。基質を溶解した後、水性部分に、tert−ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGD)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGD)、またはトリメチルホスフェート(TMP)のうちの1つの有機溶媒を4容量添加した。ベータ−グルコシダーゼストック溶液を反応物に10U/mlの濃度まで添加した。覆いのある水浴中で反応物を50℃に加熱し、10日間にわたってモニターした。反応が完了したと見なされた後、反応物を100℃で10分間加熱して、酵素を失活させた。次いで、反応物をベンチトップ遠心分離で遠心分離して沈殿したグリカンを回収し、上清をデカントすることによって除去した。次いで、産物を実施例11〜18に記載のように特徴付けおよび精製した。DP>1グリカンの存在を実証する蛍光標識糖鎖電気泳動実験を
図9に示す。
【1038】
実施例8.反応改質剤の添加による産物分布のシフト
反応率、総物質収率、変換効率、または得られるグリカンの構造分布を制御するために、他の改質剤を反応物に加えてもよい。一実施形態では、実施例12に記載の反応物にモノマーD−ガラクトースを添加した。24時間にわたる産物プロファイルの比較は、ガラクトースがオリゴ糖形成速度を遅くするとともに、産物分布をより高い割合のオリゴ糖へシフトさせることを示した(
図10)。
【1039】
60℃の0.05M、pH5酢酸ナトリウム緩衝液に、ラクトースを400mg/mLの濃度まで添加した。ラクトースを溶解するまで穏やかに撹拌した。次いで、D−ガラクトースを115mg/mLの最終濃度まで反応物に添加し、溶解するまで穏やかに撹拌した。次いで、ベータ−ガラクトシダーゼのストック溶液(Megazyme、カタログ番号E−BGLAN)を、10U/mlの最終濃度まで反応物に添加した。覆いのある水浴中で、反応を60℃で24時間維持した。反応が完了したと見なされたら、酵素を失活させるために10分間100℃に加熱し、次いで水で2%総炭水化物濃度に希釈した。次いで、産物を実施例6〜8に記載のように特徴付け、単離および精製した。
【1040】
実施例9.細菌培養分離株による逆加水分解を介したグリカンの産生方法
記載の(例えば実施例1に)グリカンは、生存全細胞、非生存全細胞、部分細胞または細胞成分、細胞培養物上清、またはグリコシドヒドロラーゼを含む細菌培地の他の部分のカテゴリーからの1つ以上を含む、単離された細菌調製物によって触媒されるグリコシド結合の逆加水分解によって生成され得る。この実験では、細菌株、株の組み合わせ、または全細菌群が適当な条件下、適当な培地中で最初に増殖される。次いで、培養物を標準的な技術を用いて回収し、次いで単離した培養物を実施例1に記載の逆加水分解条件に供して、その株、組合せまたは群に合わせたグリカンを生成する。
【1041】
株、組み合わせ、または株の群は、例えば、Martens,E.C.;et al.Cell Host&Microbe,2008,4,447.;Romano,K.A.;et al.mBio,2015,6,e02481−14.;Atlas,R.M.,Handbook of Microbiological Media,4
th Ed.,2010.;または目的の株または複数の株につき最適化された培養条件を選択する他の公表された文献に記載されている任意の周知の手段を用いて培養することができる。培養物が適当な密度に達したら、濾過、遠心分離、または凍結乾燥を含む任意の適当な方法によって培養物を培地から採取する。
【1042】
必要に応じて、単離した細胞を、収集後に、ビーズビート、凍結乾燥、または他の技術によって溶解して、天然に発現されている細胞内または膜結合グリコシルヒドロラーゼを含む生存不能な細胞物質の混合物を得る。
【1043】
必要に応じて、培養上清を細胞物質から独立して単離し、凍結乾燥して、天然に発現された細胞外グリコシルヒドロラーゼの混合物を得る。
【1044】
必要に応じて、組み合わせた細胞および培養上清を一緒に溶解および凍結乾燥して、全て発現されたグリコシルヒドロラーゼの混合物を得る。
【1045】
記載のように単離されたグリコシルヒドロラーゼは、次いで、例えば、精製酵素の代わりに単離されたグリコシルヒドロラーゼを用いて実施例1に記載のように、グリカンを生成するために使用される。実施例1に記載の条件は、発現された酵素の接近可能性を増大させるために、DMSOまたはトルエンを含む細胞透過剤の添加によってさらに改変され得る。単離された固体の活性は、任意の適当な技術、例えば、Goulas、et al.International Dairy Journal 17(2007)648−656に記載のものを用いて測定され得る。この方法を使用して生成されたグリカンに適用する場合、実施例16〜18に記載の精製は、遠心分離、滅菌濾過、およびゲル濾過クロマトグラフィーを含む任意の周知の方法によって残留細胞物質を除去するために変更され得る。次いで、グリカンを使用して、例えばヒト対象への有効量の投与時に、例えば腸内で、特定の株、組み合わせ、または株の群の増殖を増加させ得る。
【1046】
さらなる実施形態では、唯一の炭水化物源としてグルコースを含有する培地中で増殖させた約400mgのビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)(BLO.16)を含有するバイオマスペレットを、1mlの0.01×PBSで6回洗浄して、あらゆる残留培地を除去した。各洗浄について、ペレットをボルテックスにより再懸濁し、次いで10,000gで3分間の遠心分離により収集した。洗浄が完了した後、バイオマスを約100mg/mlで水に再懸濁し、室温で1時間、16mlの0.01×PBSおよび40μlのトルエンで希釈して、細胞膜透過性を高めた。細胞ペレットを10分間にわたる10,000gの遠心分離により回収し、上清を廃棄した。次いで、ペレットを同様の方法で20mlの0.01×PBSで4回洗浄した。その後、バイオマスを4mlの水に再懸濁し、酵素合成の目的で凍結乾燥した。
【1047】
バイオマスの調製後、250mgのマルトースを1.5mlのマイクロ遠心チューブに量り取り、40℃の水浴中で短時間加熱しながら、250μlの0.05M、pH5酢酸緩衝液に溶解した。凍結乾燥バイオマスをマルトース溶液に添加した。反応物を3日間40℃に保ち、オリゴマー産生をモニターした。各時間間隔で、試料の20μl部分を沸騰水浴中で10分間加熱して酵素を失活させた。次いで、この部分を水で約20mg/mlに希釈し、0.2μmで濾過して反応の進行をSECまたはTLCで確認した。
【1048】
実施例10.定義されたグリカンを用いた細菌培養物の前処理によってヒドロラーゼ発現を誘導するための方法
実施例3に記載の単離された細菌調製物によるグリカンの産生方法は、酵素発現レベルをシフトさせるために、培養増殖工程において特定のグリコシルヒドロラーゼの発現を誘導することによってさらに改変され得る。この実施例において、実施例8に記載の細胞培養条件は、基質としてそのグリカン、グリコシド、オリゴ糖、または繊維の代謝に特異的なグリコシルヒドロラーゼを発現するように培養物を誘導するために、グリカン(例えば、先の合成からのもの)、グリコシド(例えば、アルファ−1,6−マンノビオース)、オリゴ糖(例えば、ラクトース、GOS)、または繊維(例えば、セルロース、イヌリン、ペクチン)を、他の炭素源の代わりに添加することによってさらに改変され得る。このようにして、単離された細菌調製物の酵素活性は、所望のグリカンの産生を改善するために調整および増強され得る。例えば、アルファ−1,6−グルコース結合の産生に有利に働く細胞単離物は、イソマルトースなどのアルファ−1,6−グルコース結合を支配的に含有するオリゴ糖上で所望の株を培養することによって産生される。菌株が、イソマルトースを消化することができる酵素の上方制御を示唆する増殖速度を達成するまで、培養はイソマルトースを唯一の炭素源として確立される。この培養物からの単離物は、アルファ−1,6−グルコース加水分解に選択的なグリコシダーゼに富んでいる。この濃縮された単離物は、次いで、逆加水分解によりグリカンを産生するために使用される。グリカンは、アルファ−1,6−グルコシダーゼに富む細菌分類群の増殖を選択的に促進するために、対象、例えば腸に投与することができる。
【1049】
第2の実施形態では、グルコースの代わりに唯一の炭水化物源としてメリビオース(ガラクトース−アルファ−1,6−グルコース)を含む培地中で実施例9に記載のバイオマスを増殖させ、下方制御されたグルコシルヒドロラーゼおよび上方制御されたガラクトシルヒドロラーゼを有するバイオマスを得た。次いで、実施例9に記載の手順を、pH5.5、250μlのクエン酸/リン酸緩衝液に溶解した100mgのメリビオースでマルトースを置換することにより改変した。次いで、実施例9に記載のように、手順に同様に従って、アルファ−グルコースの代わりにアルファ−ガラクトースのオリゴマーを作製した。
【1050】
実施例11.グリカン調製物
オーバーヘッド撹拌器およびジャケット短経路凝縮器を備えた丸底フラスコに、1つ以上の単糖類または二糖類を、乾燥重量で3〜20%の1つ以上の触媒、例えば、酸、イオン、イオン/酸含有触媒、例えば、米国特許第9,079,171号明細書および国際公開第2016/007778号パンフレット(これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のものなど、と共に添加した。水または別の相溶性溶媒(0〜10当量)は、乾燥混合物に添加し、スラリーは、選択された丸底フラスコの輪郭にできるだけ精確に合う大きさのパドルを用いて、約100rpmで混合した。次いで、この混合物を80〜185℃に加熱した。一旦固体が融解状態に達したら、容器を10〜1000mbarの真空圧下に設置した。反応物を30分間〜8時間撹拌し、絶えず反応物から水を除去した。反応進行は、HPLCによってモニタリングした。十分なオリゴマー形成が生じたとき、撹拌器を止め、反応物を室温まで冷却し、大気圧まで放出し、生成物(固体またはシロップのいずれか)は、約50Brix(100gの溶液当たりの糖のグラム量)の溶液を作製するのに十分な水の体積中に溶解した。一旦溶解が完了すると、固体触媒を、濾過によって除去し、オリゴマー溶液を、例えば、回転蒸発によって、約50〜75Brixまで濃縮した。有機溶媒が使用された場合には、水非混和性溶媒が、二相性抽出によって除去され得、水混和性溶媒は、濃縮工程と同時に回転蒸発によって除去され得る。
【1051】
とりわけ、以下のグリカンを複数のバッチで作製し、本明細書に記載の様々なアッセイで試験した:
単一グリカン単位(ホモグリカン):ara100、fru100、gal100、galA100、glcNac100、glu100、gluA100、Lglu100、man100、rha100、xyl100。
【1052】
2グリカン単位(ヘテログリカン):Ara60Xyl40、Ara80Xyl20、Gal20Ara80、Gal20Xyl80、Gal40Ara60、Gal40Man60、Gal40Xyl60、Gal57Glu43、Gal60Ara40、Gal60Man40、Gal60Xyl40、Gal80Ara20、Gal80Man20、Gal80Xyl20、Glu20Ara80、Glu20Xyl80、Glu40Ara60、Glu40Gal60、Glu40Xyl60、Glu50Gal50、Glu50Lglu50、Glu60Ara40、Glu60Gal20Man20、Glu60Gal40、Glu60Man40、Glu60Xyl40、Glu66Fru33、Glu75Gala25、Glu75GluA25、Glu75GluN25、Glu80Ara20、Glu80Gal20、Glu80Lglu20、Glu80Man20、Glu80Xyl20、Glu90LGlu10、Man20Ara80、Man20Xyl80、Man40Ara60、Man40Xyl60、Man60Ara40、Man60Glu40、Man60Xyl40、Man75Gal25、Man80Ara20、Man80Gal20、Man80Glu21、Man80Xyl20、Xyl60Ara40、Xyl75Ara25、Xyl80Ara20、ならびにハイブリッドグリカンglu90sor10およびglu90gly10。
【1053】
3グリカン単位(ヘテログリカン):Gal5Xyl5Ara90、Gal5Xyl90Ara5、Gal10Xyl10Ara80、Gal10Xyl45Ara45、Gal10Xyl80Ara10、Gal20Xyl20Ara60、Gal20Xyl40Ara40、Gal20Xyl60Ara20、Gal30Xyl30Ara40、Gal30Xyl40Ara30、Gal33Man33Ara33、Gal33Man33Xyl33、Gal33Xyl33Ara33、Gal45Xyl10Ara45、Gal45Xyl45Ara10、Gal50Glu25Fru25、Gal40Xyl20Ara40、Gal40Xyl30Ara30、Gal40Xyl40Ara20、Gal60Xyl20Ara20、Gal80Xyl10Ara10、Gal90Xyl5Ara5、Glu5Gal5Man90、Glu5Gal90Man5、Glu5Xyl5Ara90、Glu5Xyl90Ara5、Glu10Gal10Man80、Glu10Gal45Man45、Glu10Gal80Man10、Glu10Xyl10Ara80、Glu10Xyl45Ara45、Glu10Xyl80Ara10、Glu20Gal20Man60、Glu20Gal40Man40、Glu20Gal60Man20、Glu20Gal80、Glu20Xyl20Ara60、Glu20Xyl40Ara40、Glu20Xyl60Ara20、Glu30Gal30Man40、Glu30Gal40Man30、Glu30Xyl30Ara40、Glu30Xyl40Ara30、Glu33Gal33Ara33、Glu33Gal33Fuc33、Glu33Gal33Man33、Glu33Gal33Xyl33、Glu33Man33Ara33、Glu33Man33Xyl33、Glu33Xyl33Ara33、Glu40Gal20Man40、Glu40Gal30Man30、Glu40Gal40Man20、Glu40Xyl20Ara40、Glu40Xyl30Ara30、Glu40Xyl40Ara20、Glu45Gal10Man45、Glu45Gal45Man10、Glu45Xyl10Ara45、Glu45Xyl45Ara10、Glu60Xyl20Ara20、Glu75GluNAc25、Glu80Gal10Man10、Glu80Xyl10Ara10、Glu90Gal5Man5、Glu90Xyl5Ara5、Man33Xyl33Ara33、Man52Glu29Gal19。
【1054】
4グリカン単位(ヘテログリカン):Gal25Man25Xyl25Ara25、Glu25Gal25Man25Ara25、Glu25Gal25Man25Xyl25、Glu25Gal25Xyl25Ara25、Glu25Man25Xyl25Ara25。
【1055】
5グリカン単位(ヘテログリカン):Glu20Gal20Man20Xyl20Ara20。
【1056】
グリカンは、モノマーが構成する物質の割合を反映する100の中からの数に従って、モノマーの糖成分を表す3〜6文字コードによって記載されている。したがって、「glu100」は、100%のD−グルコース(グリカン単位)のインプットから生成されるグリカンに属し、「glu50gal50」は、50%のD−グルコースおよび50%のD−ガラクトース(グリカン単位)のインプットから、またはあるいは、ラクトースダイマー(グリカン単位)のインプットから生成されるグリカンに属するものと見なす。本明細書において使用される場合、xyl=D−キシロース;ara=L−アラビノース;gal=D−ガラクトース;glu=D−グルコース;rha=L−ラムノース;fuc=L−フコース;man=D−マンノース;sor=D−ソルビトール;gly=D−グリセロール;neu=NAc−ノイラミン酸;Lglu=L−グルコース;gluA=D−グルクロン酸;gluN=D−グルコサミン;gluNAc=N−アセチル−D−グルコサミン;galA=D−ガラクツロン酸。3−Bn=ベンジル;3−Obn=3−ベンジルオキシ;6−TBDPS=6−tert−ブチルジフェニルシリル;galnac=N−アセチルガラクトサミン;rib=D−リボース;Sor=ソルビトール。
【1057】
実施例12.精製
オリゴ糖および多糖を25〜50Brixの最終濃度まで脱イオン水中に溶解した。次いで、材料を、少なくとも2質量当量のDowex Monosphere 88イオン交換樹脂に曝露した。曝露は、滞留時間が、溶液が3〜5の最終pHを達成するのに十分である限り、フラスコ中で、120〜170rpmで旋回させることによってまたは湿ったスラリー充填カラムを通して濾過することによって生じ得る。オリゴマー溶液は、濾過(旋回反応の場合のように)または溶出(カラム濾過の場合のように)によって単離され、プロセスは、溶液のpHが5.5超まで類似の様式でDowex Monosphere 77イオン交換樹脂を用いて繰り返された。最後に、溶液が十分に清澄化されるまで溶液をDowex Optipore SD−2吸着脱色用樹脂にさらし、0.2ミクロンフィルターを通して濾過して残留樹脂および樹脂微粉を除去した。次いで、最終溶液を、回転蒸発によって50〜85Brixに濃縮するか、または凍結乾燥によって固体になるまで濃縮した。
【1058】
実施例13.小規模でのハイスループット調製
オリゴマーおよびポリマーを、24−、48−、または96−ウェルプレート中またはアルミニウム加熱ブロック内に収容されたサイズが均一なアレイの1ドラムのバイアル中、並列様式で合成した。この実施例では、全ての液体輸送は、プログラム可能なロボットによって、または目盛付きピペットを用いて手動で処理された。各バイアルまたはウェルに、乾燥重量で20〜100%の1つ以上の触媒、例えば、酸、イオン、イオン/酸含有触媒、例えば、米国特許第9,079,171号明細書および国際公開第2016/007778号パンフレットに記載のものなどを添加した。プレートまたは加熱ブロックを、10〜800mbarの真空下で50〜150℃に加熱した真空オーブン中に覆わないまま設置した。オーブン真空ポンプを、再循環冷却トラップ、続いて、ドライアイス/アセトントラップからなる二段階の冷却器によって保護した。プレートまたはブロックを、撹拌せずに、高温かつ減圧下で、30分間〜6時間加熱した。予め設定された期間の後、オーブンを大気圧まで放出し、プレートまたはブロックを室温まで冷却し、各ウェルまたはバイアルを、脱イオン水を用いて約50Brixまで希釈した。実施例12に記載される固相抽出工程は、各カラムからの溶離液が蠕動ポンプまたはその他の好適な小型ポンプにより2〜6床体積/時の速度で次のカラムの上部に直ちに流れる、連続湿式充填カラムを通して溶離することによって行った。次いで、カラムスタックを脱イオン水ですすぎ、合わせた流出物を、凍結乾燥によって濃縮して、1〜10質量%の残留水分含量を有する固体粉末を単離した。
【1059】
実施例14.低分子量種の除去
低分子量種を除去するために、オリゴマーまたはポリマーを修飾した。
【1060】
一実施形態では、分離は、浸透分離によって達成された。Spectrum Labsからの約45cmの1.0kD MWCO Biotech CE透析チューブ(折径31mm)を、脱イオン水に入れ、10分間浸し、次いで、一方の末端を透析チューブクリップで密封した。25Brix溶液の8グラムの乾燥オリゴ糖を滅菌濾過し、数mLの空気と共に第2のクリップでチューブを密封し、チューブを浮かせた。次いで、充填したチューブを、3ガロンのタンクの脱イオン水中に入れて、密封したチューブの緩やかな旋回を誘発するのに十分な力で撹拌した。8時間後、タンク内の水を交換し、チューブをさらに16時間撹拌させた。一旦透析が完了し、物質が95%超のDP2+収率および90%超のDP3+収率を有すると、希釈溶液を滅菌濾過し、約65Brixの最終濃度まで真空下で濃縮するか、または1〜10%の残留水分を有する固体になるまで凍結乾燥した。
【1061】
第2の実施形態では、分離は、接線流濾過(TFF)によって達成された。この場合、脱イオン水中に溶解し、滅菌濾過した100mLの25Brixグリカン試料を、製造業者の推奨に従って調製されたSpectrum Labs KrosFlo Research IIi TFFシステムの供給ボトルに入れた。次いで、試料を、25psigの膜貫通圧で1kD mPES MidiKros中空フィルターを通して透析濾過した。0.5透析体積毎に採取された供給ストックのHPLC試料を使用して、物質がいつ95%超のDP2+収率および90%超のDP3+収率を有するかを決定し、この時点で、溶液を滅菌濾過し、65Brixのシロップになるまで真空下で濃縮するか、または1〜10質量%の残留水分含量を有する固体になるまで凍結乾燥した。
【1062】
第3の実施形態では、分離はエタノール沈殿によって達成された。この場合、100mLの25Brixグリカン試料を、900mLの純粋なUSPグレードのエタノールが入った激しく撹拌されているビーカーに、10mL/分以下の速度で注いだ。一旦添加が完了すると、沈殿した固体を室温またはそれよりわずかに低い温度でさらに15分間撹拌した。水和およびガミングを防止するために、窒素雰囲気下で微細フリット焼結ガラス漏斗を通して濾過することにより、沈殿した固体を単離した。固形物をエタノールで1回すすぎ、次いで、25Brixの最終濃度まで水中に溶解し、65Brix超に再濃縮した。次いで、このシロップを25Brixに希釈し、もう一度濃縮して、残留エタノールを確実に除去した。
【1063】
実施例15.調製物の分析方法
液体屈折分析による濃度測定
この実験は、任意の所与の水溶液中のグリカンの量を定量化するように設計された。Mettler−Toledo Refracto 30GS携帯型糖用屈折計を、高純度の逆浸透脱イオン水を用いて較正した。数滴のグリカン溶液を、屈折計のレンズの上に0.2ミクロンのシリンジフィルターを通して直接濾過した。測定を室温で行い、Brixとして報告した。グリカンを、23℃で明らかな固化または結晶化を行わずに、50、60、70または75Brixになるまで通常の方法で濃縮した。次いで、Brixは、水の比重が1.0g/mLに等しいと仮定して、溶解度に変換され得る。従って、75Brix(75グラムのグリカンおよび25グラムの水からなる100グラムの溶液)は、3.0g/mLの水溶解度と等しい。比較として、D−グルコースの水溶解度は、25℃で0.909g/mL(48Brix)であることがSigma−Aldrichにより報告されている。
【1064】
加水分解およびGC−MSによるモノマー組成
この実験は、所与のオリゴ糖内のモノマー含有量の比率を定量化するように設計された。グリコシル組成分析を、Santander et al.(2013)Microbiology 159:1471によってこれまでに説明されている、試料から酸性メタノリシスによって産生された単糖類メチルグリコシドのペル−O−トリメチルシリル(TMS)誘導体のガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)の組み合わせによって実施した。100〜200μgの試料を、適当な試験管中に凍結乾燥させた。イノシトール(20μg)を、内部標準物として試料に添加し、次いで、この試料を、1M HCl/メタノール中で、80℃で18時間加熱した。次いで、得られた単糖類を、MeOH中のピリジンおよび無水酢酸を用いて再度アセチル化し、Tri−Sil(Pierce)により80℃で30分間ペル−O−トリメチルシリル化した。TMSメチルグリコシドのGC/MS分析を、インターフェースで5975C MSDに接続されたAgilent 7890A GCにより、シリカキャピラリーカラム(30m×0.25mm内径)に結合されたSupelco Equity−1を用いて行った。各ピークは、公知の基準および例示されたグリカン内のモノマーの相対的割合のそれぞれのピークに許容される公平な計算の積分との比較に基づいて構成成分の糖に割り当てられた。列挙された全てのグリカンにおいて、所与のオリゴ糖のモノマー組成が実験誤差内でインプット比に一致し、出力組成が測定の精度内でインプット組成に一致した、という条件を通常の方法で識別することができる。
【1065】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分子量分布
この実験は、所与のオリゴ糖内での分子量の分布を定量化するように設計された。この測定は、Monograph of United States Pharmacopeia,38(6)In−Process Revision:Heparin Sodium(USP37−NF32)に記載される方法を用いて、HPLCによって行われた。分離は、1.0mL/分の流量で溶離液として50mMの酢酸アンモニウムおよびELSD検出器を用いて、GE superpose12カラムを介したAgilent 1200 HPLCシステムにおいて達成された。カラム温度を30℃に設定し、デキストラン(1kD、5kD、10kD重量)を使用して、標準曲線を描いた。2mg/ml溶液の試料を調製し、0.45μmのスピンフィルターを通過させ、続いて、HPLCに40μl注入した。3次の多項式曲線は、対数分子量および列挙された基準の溶出体積に基づいて構築された。試料についての重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および多分散性指数(PDI)は、標準曲線との比較によって計算された。
図1は、平均分子量が1212g/molまたは約DP7であると決定された、glu100の試料のSEC評価の際に生成された曲線を示す。曲線を誘導する10%の最大吸収での曲線の点によって定義される、物質の分子量の上部末端は、4559g/molまたは約DP28であることが決定された。曲線を追跡する10%の最大吸収での曲線の点によって定義される、物質の分子量の下部末端は、200g/molまたは約DP1であることが決定された。glu50gal50試料の同様の分析は、それぞれ、1195g/mol(約DP7)、4331g/mol(約DP27)、および221g/mol(約DP1)のMW、高質量、および低質量を示した。
【1066】
イオン親和性クロマトグラフィー(IAC)による分子量分布
2(DP2+)および3(DP3+)以上のDPを有するグリカンの割合は、イオン親和性クロマトグラフィーによって測定され得る。グリカンの試料を、50〜100mg/mLになるまで希釈し、この溶液10μLを、7.8×300mm BioRad Aminex HPX−42AカラムおよびRI検出器を装備するAgilent 1260 BioPure HPLCに注入した。溶離液として純粋なHPLCグレードの水を用いて、試料を80℃のカラムを通して0.6mL/分で溶出し、RI検出器を50℃で維持した。DP1〜6を示すピークは、参照基準と比較し、Agilent ChemStationソフトウェアを用いて積分することによって割り当てられる。ピークは、典型的には、DP1、DP2、DP3、DP4〜7、およびDP8+として積分される。実施例11に記載の反応によって達成可能なDPは、モノマーごとに異なるが、手順に従えばバッチ間で一貫している。例えば、glu100の17のバッチにわたって、DP2+値は、77〜93%の範囲におよび、DP3+値は、80〜90%の範囲に及んだ。逆に、6バッチのara100にわたって、DP2+値は、63〜78%の範囲におよび、DP3+値は、48〜71%の範囲に及んだ。モノマーの混合物は、個々の成分の平均として挙動した。
【1067】
2D NMRによるアルファ/ベータ分布
この実験は、二次元NMRによって所与の試料内のアルファ−グリコシド結合とベータ−グリコシド結合との比率を定量化するように設計された。約150mgの65Brixオリゴ糖溶液を、400mbarの圧力下、真空オーブン中で、45〜95℃で安定した質量になるまで乾燥させた。試料は、D
2O中の2サイクルの溶解に供され、乾燥させて、残りのH
2Oを除去した。乾燥後、試料を、0.1%アセトンを含む750μLのD
2O中で溶解し、3mm NMRチューブに入れ、21.1℃で作動するBruker BBFOプローブを装備する、500.13MHz 1H(125.77MHz 13C)で作動するBruker Avance−III中で分析した。試料は、標準的なBrukerパルス配列を用いて、ヘテロ原子の単一の量子コヒーレンスパルス配列(HSQC)を用いて分析した。4〜6ppm(1H)と80〜120ppm(13C)との間のアノマープロトンは、Roslund et al.(2008)Carbohydrate Res.343:101−112において報告された、グルコースとの類似性によって割り当てられた。スペクトルは、内部アセトンシグナル:1H−2.22ppm;13C−30.8ppmを基準にした。異性体は、Mestrelab ResearchからのMNovaソフトウェアパッケージ(Santiago de Compostela,Spain)を用いてそれらのそれぞれのピークの積分によって定量化された。
図2は、代表的なスペクトルのアノマー領域を示す。この方法で300を超える試料がアッセイされ、表29は、rha100の場合に4:1と高く、glu50gal50の場合に1:1と低いアルファ/ベータ比を示す、組み合わせの試料にわたる分布を列挙する。
【1068】
【表99】
【1069】
NMRによる組成物の同定
この実験は、構成モノマーの2D−NMRの同定によってグリカンの組成を同定するように設計された。約150mgの65Brixオリゴ糖溶液を、400mbarの圧力下、真空オーブン中で、45〜95℃で安定した質量になるまで乾燥させた。試料は、D
2O中の2サイクルの溶解に供され、乾燥させて、残りのH
2Oを除去した。乾燥後、試料を、0.1%アセトンを含む750μLのD
2O中で溶解し、3mm NMRチューブに入れ、70℃で作動するBruker BBFOプローブを装備する、500.13MHz 1H(125.77MHz 13C)で作動するBruker Avance−III中で分析した。試料は、標準的なBrukerパルス配列を用いて、ヘテロ原子の単一の量子コヒーレンスパルス配列(HSQC)を用いて分析した。次いで、単一糖モノマーから生じる各グリカンスペクトルのアノマー領域を、そのモノマーへの特定のグリコシド結合の特徴を示すピークについて試験した。任意の所与のグリカンについては、HSQCスペクトルは、特定の位置化学および立体化学の結合配置に固有であるピークの同定を可能にする。例えば、
図5は、これらのピークがどのように特定のグリコシドの位置化学および立体化学を同定するために使用され得るかを示す、glu100調製物のスペクトルの部分割り当てを示す。多糖内の単一炭水化物環のスピン単離の性質により、1超のモノマーによるグリカンのHSQCスペクトルは、その構成糖のそれぞれのHSQCピークの合計によって表されると予測される。したがって、各構成モノマーは、他の構成モノマーにかかわらず、そのモノマーを含む任意のグリカンに見られるであろう固有のHSQCピークを有し、さらに、グリカンを合成するために使用されるモノマーは、各構成モノマーに特有のフィンガープリントピークを同定することによって決定され得る。例えば、
図3Bは、glu50gal50のHSQCスペクトルがglu100(
図3A)およびgal100(
図3C)のハイブリッドであることを示す。表30は、選択されたグリカン単位におけるフィンガープリントピークを列挙する。
【1070】
【表100】
【1071】
3個以下の異なるグリカン単位を含むグリカンの合成の際に出発物質として使用される各グリカン単位について、少なくとも5つのピークが出現した。4個以上の異なるグリカン単位を含むグリカンのHSQCスペクトルは、各構成グリカン単位において少なくとも4つのピークを有する。
【1072】
図6Aおよび6Bは、それぞれ、man100およびxyl100のHSQCスペクトルを示す。
【1073】
グリコシド結合分析
この実験は、所与のオリゴ糖内でグリコシド位置異性体(分岐)の分布を定量化するように設計された。グリコシル結合分析のために、試料をパーメチル化し、脱重合化し、還元し、アセチル化し、得られた部分的にメチル化したアルジトールアセテート(PMAA)を、Heiss et al(2009)Carbohydr.Res.344:915によって記載されるように、ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)によって分析された。試料を、200μlのジメチルスルホキシド中で懸濁し、1日間撹拌した。パーメチル化は、水酸化ナトリウム(15分)およびヨウ化メチル(45分)による2ラウンドの処置によって達成された。水溶液は、2Mトリフルオロ酢酸を添加し、121℃で2時間加熱することによって加水分解された。固体を真空下で単離し、酢酸/トリフルオロ酢酸中でアセチル化した。得られたPMAAを、インターフェースで5975C MSD(質量選択検出器、電子衝撃イオン化モード)に接続されたAgilent 7890A GCにより分析し、分離は、シリカキャピラリーカラムに結合された30m Supelco SP−2331結合相において行われた。
図4は、この分析からの3つの代表的なGCスペクトルを示す。これらの分析は、グリカンが、少なくとも0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%またはそれを超える1,2−グリコシド結合型、例えば、ara100=3.8%、gal100=7.2%;少なくとも0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%またはそれを超える1,3−グリコシド結合型、例えば、3−bn−glu100=1.7%、glu50gal50=10.4%;少なくとも0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%またはそれを超える1,4−グリコシド結合型、例えば、glu50gal50=5.9%、gal33man33ara33=10.1%;および少なくとも0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%またはそれを超える1,6−グリコシド結合型、例えば、gal33man33ara33=13.4%、glu100=25.4%を有することを示す。物質はまた、少なくとも0.05の分岐度(DB)である、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%の、またはそれを超える分岐結合タイプ(1,3,6−、1,4,6−、または1,2,4−グリコシドが挙げられるが、これらに限定されない、例えば表31)を含有していた。分岐度は、モノマー単位の総数に対する分岐モノマーの平均数として定義される。例えば、20%のグルコースモノマー単位が3つ以上の他のグルコースモノマーへのグリコシド結合を含むglu100グリカンポリマーは、0.20のDBを有するであろう。グリカンはまた、フラノース形態で約3〜12%のモノマー単位を有する。単一モノマーに由来するグリカンは、少なくとも12個の異なる非末端置換パターンからなっていた。2つのモノマーに由来するグリカンは、少なくとも18個の異なる非末端置換パターン、例えば、glu−1,2−glu;glu−1,2−gal;gal−1,2−glu;gal−1,2−gal;glu−1,2(glu)、6−glu;glu−1,3−glu;glu−1,3−gal;などからなっていた。3つ以上のモノマーに由来するグリカンは、少なくとも24個の異なる非末端置換パターンからなった。
【1074】
【表101】
【1075】
【表102】
【1076】
【表103】
【1077】
【表104】
【1078】
蛍光標識糖鎖電気泳動(FACE)
この実験は、バックグラウンドシグナル(例えば、細菌培養物からの物質、残留酵素、緩衝液など)が伝統的なSEC技術に干渉する場合に、所与のオリゴ糖内のグリカンの分子量を定量するように設計された。選択されたグリカンを、8−アミノピレン−1,3,6−トリスルホン酸(APTS)または8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸(ANTS)などのポリアニオン染料で標識し、ゲル電気泳動によって分離した。選択されたグリカンを水中で100mg/mLに希釈し、この溶液5μLを1.00mLに希釈して最終溶液濃度0.5μg/μLを得た。3時間真空乾燥した10nmolのグリカンに、2μlの0.1M APTSまたはANTS、2μLのTHF中1M NaCNBH
3、および2μLの1.7Mクエン酸を加え、混合物を70℃に2時間保った。標識溶液を94μlの水で希釈し、その後、4μLのこの標識グリカン溶液を1μlの水中40%グリセロールと混合し、20%ポリアクリルアミドプレキャストゲル(Life−Technologies)上に充填した。電気泳動を4℃で、100Vで5分間、次いで400Vで40分間行った。マルトデキストリンおよびプルラン12,000を同じ様式で処理し、各ゲルの標準として使用した。Bio−Rad Image Lab 3.0ソフトウェアパッケージを使用して、Bio−Rad Gel Doc EZ Imagerでゲルを可視化した。Bio−Radソフトウェアで撮影した画像は、GE ImageQuant TL 8.1ソフトウェアを使用して処理した。
【1079】
投与(例えば、対象の腸に)したときの代謝産物の産生またはレベルを調節するのに有効な、グリコシド酵素(例えば、ヒト腸内微生物中に存在するグリコシダーゼ酵素)の基質である、グリカン調製物を生成するために、本明細書に記載のように反応条件を調節して、所望の平均重合度、分岐度、およびグリコシド結合の分布を達成し得、また、必要に応じて、ヒト腸内微生物は、本明細書に記載のように、クラス1、クラス2、クラス3、クラス4、クラス5、クラス6、またはクラス7から選択されるグリコ分類群のうちの1つである。
【1080】
実施例16.イオン交換クロマトグラフィーによるグリカンポリマー調製物の精製
必要に応じて、本明細書中に記載のように生成された任意のグリカンは、イオン交換クロマトグラフィーによって精製される。オリゴ糖および多糖を合成し、25〜50Brixの最終濃度まで脱イオン水中に溶解した。次いで、材料を、少なくとも2質量当量のDowex Monosphere 88イオン交換樹脂に曝露した。曝露は、溶液が3〜5の最終pHを達成するのに十分な滞留時間で、フラスコ内で、120〜170rpmで旋回させることによって、または湿ったスラリー充填カラムを通して濾過することによって生じ得る。オリゴマー溶液は、濾過(旋回反応の場合のように)または溶出(カラム濾過の場合のように)によって単離され、プロセスは、溶液のpHが5.5超まで類似の様式でDowex Monosphere 77イオン交換樹脂を用いて繰り返された。最後に、溶液が十分に清澄化されるまで溶液をDowex Optipore SD−2吸着脱色用樹脂にさらし、滅菌0.2ミクロンフィルターを通して濾過して残留固形物および潜在的な微生物汚染物質を除去した。細胞物質反応物から単離されたグリカンは、遠心分離、ゲルクロマトグラフィー、限外濾過または透析、沈殿、または残留細胞物質を除去するための他の周知の方法によって、さらに精製され得る。
【1081】
実施例17.活性炭クロマトグラフィーによるグリカンポリマー調製物の分画
必要に応じて、本明細書に記載のように生成した任意のグリカンは、活性炭クロマトグラフィーによって分画される。オリゴ糖および多糖を合成し、活性炭上のクロマトグラフィーによって異なる分子量のプールに分画した。500mgの40〜60Brixグリカン水溶液および6gの活性炭(グリカン:炭=1:12、w/w)を100mLの1%v/vエタノール/水溶液中で撹拌した。混合物を250mLビーカー中、室温で3時間、300rpmで撹拌し、6gのセライト545(Acros Organics)を予め充填した粗ガラスフリットを通して真空濾過した。木炭およびセライトをよく混合し、空の20mL Biotage Sampletカートリッジに充填した。カートリッジの出口を、8gの木炭/セライト混合物(1:1、w/w)で予め充填した第2の20mL Biotage Sampletカートリッジの入口に接続した。次に、100mLのエタノール/水溶出液(0%、1%、3%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、v/v)を3.7mL/分の流速でカートリッジカラムに通して、Masterflex蠕動ポンプを用いてグリカン画分を脱着させた。各画分について100mLの溶出液を回収し、真空乾燥した。
【1082】
一実施形態では、このプロセスは、グリカンからモノマー糖のみを除去するために使用された。この実施形態では、モノマーがもはやカラムから溶出しなくなるまで、木炭を1%水性エタノールで洗浄した。次いで、木炭を50%エタノール水溶液で洗浄して、
図11に示されるように、全ての残留グリカンを除去した。
【1083】
第2の実施形態では、この方法を用いてグリカンを平均分子量が増大する複数のプールに分割した。この実施形態では、木炭は、エタノール比率が増加する(例えば、1%、2%、5%、10%、20%、50%)溶出液で順次洗浄された。溶出液中のエタノールの画分が増加するにつれて、分子量が増加する画分を回収した。
【1084】
実施例18.酵母発酵によるモノマーおよびダイマー材料の除去
必要に応じて、本明細書中に記載のように生成される任意のグリカンは、酵母発酵によってそのモノマーおよびダイマー材料が除去される。オリゴ糖および多糖は、酵母培養物を用いた発酵によってモノマー種およびいくつかのダイマー種から合成および精製した。この手順は主に、細菌の発酵に排他的に利用可能であるグリカンの存在度を富化するために、宿主代謝によって消化可能であり得る物質を除去することを意図している。パン酵母(2g、Fleischmann’s Yeast、Fenton、MO)を脱イオン水10ml中で1〜16時間、4℃で膨潤させた。アルギン酸ナトリウム(2.5g)を、約80℃に維持された熱撹拌プレート上で約300rpmで1時間撹拌することによって、100mlの熱脱イオン水に溶解した。アルギン酸ナトリウム溶液の最終容量を脱イオン水で100mlに調整した。アルギン酸塩溶液の温度を約30℃に冷却した後、酵母懸濁液をアルギン酸塩溶液と約100rpmで10分間混合した。混合物を、21ゲージ針を備えた15mlシリンジに移し、200ml Erlenmeyerフラスコ中の攪拌していない4%塩化カルシウム(Sigma)溶液にゆっくりと滴下して酵母固定化アルギン酸ビーズを形成した。次いで、ビーズを1時間4℃に保って固化し、水で少なくとも5回洗浄して塩化カルシウムを除去した。この酵母ビーズストックを、長くとも1週間、水中で4℃に保った。酵母ビーズを、37℃で24時間、20Brixのグリカン溶液に、25mlグリカン溶液あたり約6mlのビーズの比率で添加した。使用済みビーズを新しいビーズと交換し、さらに39時間インキュベートした。単糖類除去の進行をSEC−HPLCによってモニターした。さらなる単糖除去を必要とする試料には、第2のビーズ補充を適用した。酵母処置後、グリカン溶液を0.2μmの滅菌フィルターを通して濾過し、実施例16に記載のようにイオン交換カラムに通した。濾液を回収し、真空中で濃縮した。この方法を用いて、全てのモノマーガラクトースおよびグルコースをグリカンから除去した。いくつかのダイマー(例えば、メリビオース、アロラクトース)は発酵に耐性があったが、いくつかのダイマー材料(例えば、マルトース、ラクトース)は、この方法を用いて除去することができた。
図7A〜7Bは、酵母発酵前後のマルトース由来グリカンを示す。
【1085】
マルトース、スクロース、パラチノース、セロビオース、メレジトース、およびメリビオースから作製されたグリカンを精製するために、パン酵母(Fleischmann’s Yeast、Fenton、MO)が選択された。ラフィノース、ゲンチオビオース、ラクトース、およびラクツロースから作製されたグリカンを精製するために、クルイベロミセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)(ATCC 46537)が選択された。クルイベロミセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)ビーズは、酵母懸濁液が10gの新たに培養された酵母を2.5mlの水と混合することによって作られたことを除いて、類似の方法で作製された。
【1086】
実施例19.低DPグリカンの効果を評価するための単一株増殖アッセイ
インビトロアッセイは、胃腸管の共生生物および病原体を含む様々な細菌株の能力を評価するため、増殖基質として酵素的に合成されたグリカン(即ち、グリカンポリマー)およびそれらが由来する糖を利用するために行われた。アッセイは、酵素的に合成されたグリカンが、それらが由来する糖と、それらがヒトマイクロバイオームの潜在的に有益または有害な細菌メンバーの増殖をどの程度よく支持するかにおいて、異なるかどうかを決定するように設計された。細菌株を、パラジウム触媒を特徴とする嫌気性チャンバ(AS−580、Anaerobe Systems)中、全ての工程で取り扱った。チャンバは最初に、水素5%、二酸化炭素5%および窒素90%からなる嫌気性ガス混合物でパージすることによって嫌気性にし、その後、この同じ嫌気性ガス混合物を使用して嫌気性状態に維持した。酸素の存在下で色が変化するOxoid嫌気性インジケーターストリップを用いてチャンバの嫌気性を毎日確認した。全ての培養培地、アッセイプレート、他の試薬およびプラスチック消耗品を、細菌と接触する前に少なくとも24〜48時間、嫌気性チャンバ内で予め還元した。酵素的に合成されたグリカン、ラクト−オリゴ、メリブ−オリゴ、マルト−オリゴ、スクロ−オリゴ、ラフィノ−オリゴおよびラクツロ−オリゴ、およびそれらが由来する糖、ラクトース、メリビオース、マルトース、スクロース、ラフィノースおよびラクツロースをフィルター滅菌し、滅菌水中5%w/vで調製し、アッセイ中0.5%w/vの最終濃度でCostar 3370アッセイプレートに添加し、各グリカンは3つの隣接していないウェル内でアッセイし、デキストロースおよび水を陽性および陰性対照として供給した。
【1087】
細菌分離株は、American Type Culture Collection(ATCC)およびLeibniz Institute DSMZ−German Institute of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ)から得た。バクテロイデス門(Bacteroidetes)バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)ATCC 29741「BTH.8」およびパラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)ATCC 8503「PDI.6」、クロストリジウム目(Clostridiales)クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704「CSC.32」、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)ATCC 27755「DFO.36」、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)DSM 13814「DLO.76」およびブラウティア・ハンセニイ(Blautia hansenii)ATCC 27752「BHA.20」の培養物を、牛赤身挽肉、カゼインの酵素消化物、酵母エキス、リン酸カリウム、デキストロース、システイン、ヘミンおよびビタミンK1を含む予め還元された濃縮培地、Chopped Meat Glucoseブロス(CMG、Anaerobe Systems)中、37℃で18〜48時間、嫌気的に増殖させた。製造業者のプロトコルに従ってGen5 2.0 All−In−One Microplate Reader Softwareを備えたBiotek Synergy 2プレートリーダーを使用して、Costar 3370ポリスチレン96ウェル平底アッセイプレートにおいて600nM(OD600)での各培養物の光学密度を測定し、糖を含まずに調製した規定培地および半規定培地において最終的にOD600 0.01まで細胞を希釈することによって、接種物を調製した。D.フォルミシゲネランス(D.Formicigenerans)、P.ディスタソニス(P.Distasonis)、B.ハンセニイ(B.Hansenii)およびD.ロンギカテナ(D.Longicatena)分離株を、0〜5%(v/v)CMGを添加した、900mg/L塩化ナトリウム、26mg/L塩化カルシウム二水和物、20mg/L塩化マグネシウム六水和物、10mg/L塩化マンガン四水和物、40mg/L硫酸アンモニウム、4mg/L硫酸鉄七水和物、1mg/L塩化コバルト六水和物、300mg/L第二リン酸カリウム、1.5g/L第二リン酸ナトリウム、5g/L炭酸水素ナトリウム、0.125mg/Lビオチン、1mg/Lピリドキシン、1m/Lパントテン酸塩、75mg/Lヒスチジン、75mg/Lグリシン、75mg/Lトリプトファン、150mg/Lアルギニン、150mg/Lメチオニン、150mg/Lトレオニン、225mg/Lバリン、225mg/Lイソロイシン、300mg/Lロイシン、400mg/Lシステイン、および450mg/Lプロリン(Theriot CM et al.Nat Commun.2014;5:3114)中で試験した。B.シータイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)を、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.2)、15mM塩化ナトリウム、8.5mM硫酸アンモニウム、4mM L−システイン、1.9μMヘマチン、200μM L−ヒスチジン、100μM塩化マグネシウム、1.4μM硫酸鉄七水和物、50μM塩化カルシウム、1μg/mLビタミンK3および5ng/mLビタミンB12(Martens EC et al.Cell Host & Microbe 2008;4,447−457)中で試験した。C.シンデンス(C.scindens)を、0〜10%CMGを添加した、10g/Lトリプトンペプトン、5g/L酵母エキス、0.5g/L L−システイン塩酸塩、0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7.2、1μg/mLビタミンK3、0.08%w/v塩化カルシウム、0.4μg/mL硫酸鉄七水和物、1μg/mLレサズリン、1.2μg/mLヘマチン、0.2mMヒスチジン、0.05%Tween 80、0.5%肉エキス(Sigma)、1%微量ミネラル補給剤(ATCC)、1%ビタミン補給剤(ATCC)、0.017%v/v酢酸、0.001%v/vイソ吉草酸、0.2%v/vプロピオン酸および0.2%v/v N−酪酸(Romano KA et al.mBio 2015;6(2):e02481−14)中で試験した。細菌を、96ウェルマイクロプレート中、最終濃度0.5%w/v、1ウェル当たり200μLの最終容量で、酵素的に合成されたグリカン、ラクト−オリゴ、メリブ−オリゴ、マルト−オリゴ、スクロ−オリゴ、ラフィノ−オリゴおよびラクツロ−オリゴ、および糖、ラクトース、メリビオース、マルトース、スクロース、ラフィノース、ラクツロースおよびデキストロースに、37℃で18〜48時間、嫌気的に曝露した。インキュベーション時間の終わりに、各分離株についてのOD
600測定値を、製造業者の仕様書に従って、Gen5 2.0ソフトウェア付きのBiotek Synergy2リーダーを用いて得た。グリカンまたは糖が存在しない場合の株の平均OD600値を差し引くことによって、各株の測定値をブランクにした。表8および次の3段落は、得られた結果を要約する。
【1088】
【表105】
【1089】
いくつかの酵素的に合成されたグリカンは、アッセイにおいて、それらが由来する糖とは異なるレベルの腸内共生細菌の増殖を支持する。表8に見られるように、ラフィノ−オリゴは、アッセイにおいて、ファーミキューテス門(Firmicutes)D.フォルミシゲネランス(D.formicigenerans)、C.シンデンス(C.scindens)、D.ロンギカテナ(D.longicatena)およびB.ハンセニイ(B.hansenii)ならびにバクテロイデス門(Bacteroidete)B.シータイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)につきラフィノースよりも高い増殖を支持した。ラクツロ−オリゴは、アッセイにおいて、D.フォルミシゲネランス(D.formicigenerans)、C.シンデンス(C.scindens)、P.ディスタソニス(P.distasonis)、B.シータイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)およびD.ロンギカテナ(D.longicatena)につきラクツロースよりも高い増殖を支持したが、B.ハンセニイ(B.hansenii)は、アッセイにおいてラクツロースよりもラクツロ−オリゴにおいて、より増殖しなかった。アッセイにおいて、スクロ−オリゴは、D.フォルミシゲネランス(D.formicigenerans)、P.ディスタソニス(P.distasonis)およびB.ハンセニイ(B.hansenii)につきスクロースより高い増殖、ならびにB.シータイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)およびD.ロンギカテナ(D.longicatena)につきスクロースより低い増殖を支持した。酵素的に合成されたグリカンはまた、アッセイにおいて細菌株を超えてそれらがどれだけの増殖を支持するかにおいても異なる。アッセイにおいて、ラフィノ−オリゴは0.7より大きいOD
600値を有する、P.ディスタソニス(P.distasonis)、B.シータイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)、およびB.ハンセニイ(B.hansenii)の高レベルの増殖、0.3〜0.7のOD
600値を有する、D.フォルミシゲネランス(D.formicigenerans)の中レベルの増殖、および0.1〜0.3のOD
600値を有する、C.シンデンス(C.scindens)およびD.ロンギカテナ(D.longicatena)のより低レベルの増殖を支持した。
【1090】
アッセイにおいて、いくつかの酵素的に合成されたグリカンはまた、それらが由来する糖とは異なるレベルの腸内病原体の増殖を支持する。アッセイにおいて、スクロ−オリゴはスクロースよりもS.エンテリカ(S.enterica)、E.フェシウム(E.faecium)およびC.ディフィシル(C.difficile)につき半分未満の増殖を支持したが、ラフィノ−オリゴはラフィノースよりもこれらの病原体のより多くの増殖を支持した。ラクツロ−オリゴおよびラクツロースは、アッセイにおいてこれらの病原体の同様の増殖レベルを支持した。
【1091】
いくつかの酵素的に合成されたグリカンは、それらが由来する糖と同様のアッセイにおける細菌増殖のレベルを支持する。アッセイにおいて、細菌共生物D.フォルミシゲネランス(D.formicigenerans)、D.ロンギカテナ(D.longicatena)、B.ハンセニイ(B.hansenii)、C.シンデンス(C.scindens)、P.ディスタソニス(P.distasonis)およびB.シータイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)は同様のレベルまで増殖し、光学濃度は、ラクト−オリゴおよびラクトース、メリブ−オリゴおよびメリビオース、ならびにマルト−オリゴおよびマルトースにおいて、20%以下異なっていた。腸内病原体S.エンテリカ(S.enterica)、E.フェシウム(E.faecium)、およびC.ディフィシル(C.difficile)も、増殖において30%の差があったラクト−オリゴおよびラクトースにおけるC.ディフィシル(C.difficile)を除いて、メリブ−オリゴおよびメリビオース、マルト−オリゴおよびマルトース、ならびにラクト−オリゴおよびラクトースにおけるアッセイでほぼ同様のレベルまで増殖した。
【1092】
酵素的に合成されたグリカンおよびそれらが支持する細菌株に関するアッセイにおいてそれらが由来する糖の活性と、様々な細菌株につきそれらが支持する増殖のレベルとの間で観察された違いは、酵素的に合成されたグリカンが、治療上の利益のためにインビボで1つ以上の有益な微生物を差次的に支持するために、投与され得ることを示唆する。例えば、C.シンデンス(C.scindens)は、C.ディフィシル(C.difficile)関連下痢に対する防御と関連づけられている(Buffie et al,Nature 2015)。C.シンデンス(C.scindens)の増殖を選択的に促進する酵素的に合成されたグリカンの投与は、インビボでのC.シンデンス(C.scindens)の増殖を促進し得、それにより、C.ディフィシル(C.difficile)関連下痢の予防または処置において有益であり得る。
【1093】
実施例20.選択された代謝産物産生者のグリコシダーゼプロファイルおよび糖利用
腸内細菌によってコードされる代謝機能を炭水化物利用遺伝子と関連付けることは、特定の代謝産物関連ヒト疾患についてグリカンポリマー調製物のインシリコスクリーニングの可能性を有する。しかしながら、多くの代謝機能が多系統性であることが証明されており、したがって、16S rRNA遺伝子配列決定は適当な分析方法ではない(Vital et al.,2014,Martinez del Campo et al.,2015)。この課題を克服するために、ゲノムおよびメタゲノム解析を利用して、代謝産物合成に関与する遺伝子を直接アッセイし、これらの遺伝子を配列決定されたゲノムを介して炭水化物利用に結び付けることができる。
【1094】
炭水化物活性酵素データベース(Carbohydrate−Active enZYmes Database)(CAZy;http://www.cazy.org/)は、グリコシド結合を分解、修飾、または生成する酵素のための触媒または炭水化物結合モジュールと共に、酵素のファミリーを記載する。グリコシドヒドロラーゼ(GH)およびグリコシルトランスフェラーゼ(GT)は、腸のマイクロバイオームにおける炭水化物の利用にとって重要である酵素である。CAZyファミリーは系統発生的に広く分布している(Kaoutari et al.,2013)。
【1095】
Human Microbiome Projectの一部として胃腸管から単離された合計439の配列決定されたゲノムをこの分析に利用した(http://hmpdacc.org/reference_genomes/reference_genomes.php)。標的タンパク質に対して90%の全域的同一性を要する、USEARCH v8および−usearch_globalオプションを使用した炭水化物活性酵素データベース(Carbohydrate Active Enzyme Database)(CAZy;http://www.cazy.org/)を使用して、全てのゲノムに注釈を付した。さらに、全てのゲノムは、1)ブチレート産生、2)TMA−リアーゼによるコリンのTMAへの変換、および3)尿素のアンモニアへのウレアーゼ変換、におけるそれらの予測される関与について、注釈が付けられた。ブチレート産生のために、注釈は腸マイクロバイオームにおいてコードされている最も存在度の高い経路であるアセチル−CoA経路に焦点が当てられた(Vital et al.,2014)。ブチレート産生を予測するために、経路の末端遺伝子(butおよびbuk)を使用し、Vital et al.のゲノム分析で同定された標的タンパク質に対して90%の大域的同一性を必要とした。TMAリアーゼの可能性を予測するために、Martinez del Campo et al.に記載のcutC遺伝子に対するBLASTPでは、標的タンパク質およびクエリータンパク質の両方の40%超について、60%を超える同一性が必要である。代謝産物産生およびCAZy含量の両方の注釈に従い、代謝産物産生者(ブチレート)または非代謝産物産生者(TMA)における炭水化物利用遺伝子の富化を、FDR補正を伴うWilcox検定を用いて実施した。ウレアーゼ、インドール、p−クレゾール、プロピオン酸、および二次胆汁酸変換については、全てのHMPゲノムに、−usearch_globalオプションを使用して70%を超える全域的同一性を有するKEGGデータベースを使用して、注釈を付した。ウレアーゼ産生のために、EC番号3.5.1.5を、ウレアーゼ陽性ゲノムを同定するためのウレアーゼ酵素に対するマーカーとして使用した。インドール産生のために、EC番号4.1.99.1を、インドール陽性ゲノムを同定するためのトリプトファナーゼ酵素に対するマーカーとして使用した。p−クレゾール産生については、EC番号4.1.1.83、2.6.1.−、4.1.1.−、1.2.7.5を使用して、4−フェニルヒドロキシアセテートを介したチロシンからp−クレゾールへの経路を同定した。プロピオン酸については、EC番号6.4.1.3、2.1.3.1、4.1.1.41、1.2.1.27、2.3.3.5、1.2.1.87、1.3.1.95、1.3.8.7、2.3.1.54、2.3.1.168、2.3.1.8、2.3.1.222は、プロピオン酸産生のための全ての経路を同定するために使用された。二次胆汁酸変換については、以下のEC番号を用いて胆汁酸変換剤を同定した:1.1.1.159、1.1.1.176、1.1.1.201、.1.1.238、1.1.1.391、1.1.392、1.1.393、1.1.395、1.1.1.52、2.8.3.25、4.2.1.106、6.2.1.7。
【1096】
健康なヒト腸マイクロバイオームから、ヒトマイクロバイオームプロジェクト(Human Microbiome Project)の一部として単離された共生細菌種の配列にわたる合計439個の配列決定されたゲノムは、ブチレートを産生する、尿素を、ウレアーゼを通してアンモニアに変換する、およびコリンをTMAに変換する、その能力につき予測された(
図15)。これら3つの重要な細菌機能はそれぞれ、系統を超えて広く、しかし不連続的に分布しており、これは、マイクロバイオームの代謝能力を特徴付けるための機能的アプローチの重要性を実証している。例えば、ブチレートの産生は、ファイカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびロゼブリア(Roseburia)種において普遍的であると予測されるが、ユーバクテリウム(Eubacterium)およびラクノスピラ(Lacnospiraceae)種は、そのブチレート産生能力においてより可変性であるようである。さらに、これら3つの代謝機能の産生は、種の間で全体的に重複せず、毒性代謝産物の有益かつ同時の抑制の選択的産生の可能性を提示しているようである。
【1097】
合計7つのCAZyファミリーおよびサブファミリーが、予測されるブチレート産生者および非ブチレート産生者との間で差次的な存在度を有すると同定された(
図16A〜16B;P<0.001、FDR補正を伴うWilcox順位和)。これらのファミリーのうち、2つは、グルコースおよびマンノースを含有するグリカンをそれぞれ標的とすることが知られている、非ブチレート産生者(GH13.36およびGH113)において、ほぼ完全に不在である(
図16A〜16B;下記の表9)。全体として、ブチレート産生者に富む酵素は、グルコース、マンノース、およびガラクトースを構成するグリカンを標的とし、グルコースが最も一般的な標的組成物である(表9)。この所見は、様々なグリカン組成物中で増殖し、SCFA産生についてアッセイした、エクスビボ糞便群および定義されたインビトロ群の両方を用いて実験的に支持されている。ブチレートを含むSCFA産生の増加に最も寄与するモノマー組成および相互作用を同定するために、インプットとしてのモノマー組成のパーセンテージが全ての2次相互作用項を許容する、LASSO線形回帰モデルを使用した(定義された群の交差検定からの最小ラムダとエクスビボでの最小ラムダの1標準誤差以内の最大ラムダとを有するRにおけるglmnet)。全ての正のモデル係数が
図22A〜22Bに示されている。ここでは、グルコースは、定義された群につき、ブチレートを含む全てのSCFA産生の重要な予測因子であり(
図22B)、グルコース、ガラクトース、およびマンノースの組み合わせは、エクスビボの糞便群においてブチレート産生を増加させる一方、グルコース単独ではアセテート産生を増加させると予測される(
図22A)。単一細菌株の増殖を予測するためのインプットとしてのパーセントモノマー組成を有するLASSO線形回帰モデルを使用して、代謝能力の予測としてのモノマー標的組成の使用をさらに支持することで、本発明者らは、モノマー組成が細菌の増殖を非常に予測しやすいことを示す。これらの知見は、ブチレート産生者と非ブチレート産生者との間で最も差次的なグリカン標的遺伝子を支持するが、これらはブチレート産生者においてコードされる最も存在度の高いグリコシルヒドロラーゼを網羅していない(
図17)。
【1098】
【表106】
【1099】
この方法は、TMAおよびアンモニアを含む、有害でありかつ減少させることが望ましい代謝産物について、グリカンを標的化するためにさらに適用することができる。例えば、11のCAZyファミリーおよびサブファミリーが、cutC遺伝子をコードしない分類群において排他的かつ過剰表現されていることが同定され(
図18A〜18B;P<0.05、Wilcox順位和、FDR補正)、これは、腸内でのコリンのTMAへの変換の原因であることが示されている(Martinez del Campo,et al)。さらに、これらのファミリーの少なくとも1つは、cutC遺伝子もコードしていないほぼ50%の細菌種にコードされている。これらのファミリーは、より広範なグリカン組成物を標的とするが(
図18A〜18B、表10)、ガラクトースおよびグルコースは最も存在度の高い標的モノマー組成物である。これらのCAZyファミリーおよびサブファミリーは、cutC陽性ゲノムと陰性ゲノムとの間で最も差次的に存在度が高いが、別の遺伝子セットがcutC陰性ゲノムにおいて最も存在度が高いことが見出され得、これもまたTMA減少の望ましい標的である(
図19)。
【1100】
【表107】
【1101】
この用途をウレアーゼ酵素による尿素のアンモニア切断の産生に拡張して、ウレアーゼ陽性ゲノムと陰性ゲノムとの間で差次的にコードされた7つのCAZyファミリーおよびサブファミリーを同定した(
図20A〜20B、P<0.05、Wilcox順位和、FDR補正)。さらに、これらの酵素は、ウレアーゼ陰性ゲノムに排他的であり、グルコースおよびガラクトース含有グリカンの排他的標的である(
図20A〜20B、表11)。これらのCAZyファミリーおよびサブファミリーは、ウレアーゼ陽性ゲノムと陰性ゲノムとの間で最も差次的に存在度が高いが、別の遺伝子セットがウレアーゼ陰性ゲノムにおいて最も存在度が高いことが見出され得、したがって、これもまたアンモニア減少の望ましい標的である(
図21)。
【1102】
【表108】
【1103】
この用途をプロピオネート産生に拡張して、プロピオネート産生者と非プロピオネート産生者との間で差次的にコードされた7つのCAZyファミリーおよびサブファミリーを同定した(
図30G、P<0.01、Wilcox順位和、FDR補正)。これらの酵素は、非プロピオン酸産生者に富んでおり、N−アセチルグルコサミン、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、およびフコースの標的である(
図30G、表25)。これらのCAZyファミリーおよびサブファミリーは、非プロピオネート産生者およびプロピオネート産生者の間で最も差次的に存在度が高いが、別の遺伝子セットが非プロピオネート産生者において最も存在度が高いことが見出され得、したがって、これもまたプロピオネート減少の望ましい標的である(
図30H)。
【1104】
【表109】
【1105】
この用途を胆汁酸変換に拡張して、二次胆汁酸変換者と非二次胆汁酸変換者との間で差次的にコードされた6つのCAZyファミリーおよびサブファミリーを同定した(
図30A、P<0.05、Wilcox順位和、FDR補正)。これらの酵素は二次胆汁酸変換剤に富んでおり、排他的にトレハロース、シアル酸、およびグルコースの標的である(
図30A、表26)。これらのCAZyファミリーおよびサブファミリーは、二次胆汁酸変換者および非二次胆汁酸変換者の間で最も差次的に存在度が高いが、別の遺伝子セットが非プロピオネート産生者において最も存在度が高いことが見出され得、したがって、これもまた二次胆汁酸変換の望ましい標的である(
図30B)。
【1106】
【表110】
【1107】
この適用をインドール産生に拡大して、非インドール産生細菌において排他的にコードされる7つのCAZyファミリーおよびサブファミリーが同定された(
図30C)。これらの酵素は、非インドール産生細菌に排他的にコードされており、グルコース、キシロース、アラビノース、およびマンノースの標的について富化されている(
図30C、表27)。これらのCAZyファミリーおよびサブファミリーは、非インドール産生細菌において排他的にコードされているが、別の遺伝子セットが非インドール産生細菌において最も存在度が高いことが見出され得、したがって、これもまたインドール減少の望ましい標的である(
図30D)。
【1108】
【表111】
【1109】
この用途をp−クレゾール産生に拡張して、p−クレゾール産生者と非p−クレゾール産生者との間で差次的にコードされた7つのCAZyファミリーおよびサブファミリーを同定した(
図30E、P<0.01、Wilcox順位和、FDR補正)。これらの酵素は、非p−クレゾール産生細菌に豊んでおり、キシロース、アラビノース、ガラクトース、およびグルコースの標的について豊化されている(
図30E、表28)。これらのCAZyファミリーおよびサブファミリーは、非インドール産生細菌において排他的にコードされているが、別の遺伝子セットが非p−クレゾール産生細菌において最も存在度が高いことが見出され得、したがって、これもまたp−クレゾール減少の望ましい標的である(
図30F)。
【1110】
【表112】
【1111】
合成グリカン上で良好に増殖する全ての株について、表12に記載のように、モノマー組成は特定のグリカン上での菌株増殖を強く予測する。
【1112】
【表113】
【1113】
実施例21.例示的なグリカンポリマー調製物を用いた微生物の標的富化
目的の微生物種が微生物群に存在する場合、微生物群を特定のグリカンポリマー調製物と接触させると、その種の表現の増加が観察され得る。例えば、バクテロイデス(Bacteroides)属の種は、最大数の炭水化物活性酵素(CAZyme)を有することが知られている。これらの種の中で、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)のゲノム配列は、その属における全ての既知の配列決定されたゲノムの炭水化物分解に貢献する酵素をコードする遺伝子の最大数を含む:373のGH、28の炭水化物エステラーゼおよび84のグリコシルトランスフェラーゼを含む503の全CAZyme(McNulty et al,PLOS Biology,doi:10.1371/journal.pbio.1001637)例示的なグリカンポリマー調製物の投与に応答して、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)がその表現において選択的に増加され得ることを示すために、15の細菌株を含む複合細菌群を組み立てて試験した。
【1114】
この定義された群の組成は以下の通りである:1)アクチノバクテリア(Actinobacteria)門:2株のビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum);2)ファーミキューテス(Firmicutes)門:ブラウティア・ハンセニイ(Blautia hansenii)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum);3)バクテロイデス(Bacteroidetes)門:バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、プレボテラ・コプリ(Prevotella copri)、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis);4)ベルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門:アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)。
【1115】
各株は、標準的な挽肉グルコース培地中で18時間、別々に増殖させた。各培養物を0.01の最終光学濃度(OD600)に希釈し、最終混合群に組み合わせた。この群は、唯一の炭素源として以下の炭水化物:グルコース、FOS、Glu100(「Glu」とも称される)、Glu50Gal50(「GluGal」とも称される)、Gal100(「Gal」とも称される)、およびMan52Glu29Gal19(「ManGluGal」とも称される)、を供給した培地上で48時間増殖した。対照として、炭素源を添加せずに水を培地に添加した。
【1116】
得られた群は、個々の株と同様に、グリカンを含まないか、または上記の各グリカンを含む、増殖培地を含有する96ウェルプレート(平底Costar、300μL)に添加された。アッセイにおける各グリカンの最終濃度は5%であった。各グリカンは各増殖プレート内で3回再供給され、これは細菌の唯一の炭素源であった。プレートを嫌気性チャンバAS−580中で、37℃で合計48時間インキュベートした。
【1117】
18時間および48時間で、グリカンと共にインキュベートした各群について光学密度を決定し、150μLの培養物をとり、16S rRNA遺伝子の配列決定のために−80℃で直ちに凍結して群組成における変化を時間およびグリカンの関数として決定した。
【1118】
この定義された群における各株の表現を決定するために、各群からゲノムDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子を増幅し、配列決定した。
図23A〜23Bに示すように、15株から構成される定義された群をGlu100グリカン上で増殖させた場合、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)の相対存在度は平均4%から30%に増加したが、他の炭素源では増加しなかった。
【1119】
さらに、
図23Aに示されるように、群がGlu100以外の炭素源の存在下で増殖し、次いでGlu100が、確立された群に追加されたとき、
図23Bに示されるように、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)の相対存在度は平均4%から14%に増加した(Gal100、Glu50Gal50、Man52Glu29Gal19)。重要なことに、B.セルロリティカス(B.cellulolyticus)が、グルコースまたはFOSの存在下で生育した群などの定常期間の群に添加された場合、B.セルロリティカス(B.cellulolyticus)において変化は観察されず、これは、窒素またはリン源などの他の成長制限栄養素が消費されている可能性が高いことを意味している(
図23A〜23B)。データは、本明細書に記載のグリカンポリマーを用いた細菌群における特定の分類群の標的濃縮の実現可能性を示唆している。
【1120】
実施例22.確立されたインビトロ定義群へのシンバイオティクス投与の実証
特定の病状では、天然の微生物叢は、抗生物質、または微生物叢に損傷を与える他の薬剤の摂取によって混乱する可能性がある。プロバイオティクス種の投与は、天然の微生物叢を修復するための一般的な試みである。しかし、FDAが承認したプロバイオティクスの大部分は、成人の腸内微生物叢に非常に少ない存在度で存在する乳酸菌である。さらに、これらの種の投与は、バクテロイデス(Bacteroides)属のメンバーなどの共生微生物叢の回復を生じない。さらに、確立された複合群へのプロバイオティクス種の移植は多くの場合困難である。したがって、そのプロバイオティクス種によって選択的に消費される炭素源と共にプロバイオティクスを同時投与することは、この種の常在群への移植の成功を保証するために必要とされ得る。ここで、確立された群へのバクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)の移植の成功が実証され、ここで、群は、例示的なグリカンポリマー調製物(Glu100グリカン)の同時投与により有意に改善された。
【1121】
14株(バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)を除く実施例21に記載の15株全て)から構成される定義群を、唯一の炭素源として6グリカンまたは水の存在下で18時間増殖させた。18時間目に、OD=0.1のバクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)の培養物を各群に添加した。表13に示すように、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)の移植がその好ましい炭素源(Glu100)に依存するかどうかを試験するために、20μLの5%Glu100、またはバクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)および20μLの5%Glu100をそれぞれの確立された群に添加した。
【1122】
【表114】
【1123】
48時間で、各群について光学密度を決定し、150μLの培養物をとり、16S rRNA遺伝子の配列決定のために−80℃で直ちに凍結して群組成における変化を時間およびグリカンの関数として決定した。
【1124】
この定義された群における各株の表現を決定するために、MoBio Microbiome DNA/RNA抽出キット(カタログ番号27500−4−EP)を用いて150μLの培養物からゲノムDNAを抽出した。16S rRNA遺伝子のV4領域は、Caporaso JG et al,ISME Jに記載の515フォワードおよび806リバースプライマーを用いて増幅した。単位複製配列は対末端ケミストリーを用い、250bp長のリードでIllumina MiSeqの装置を用いて配列決定した。操作的分類単位(OTU)は、97%の配列同一性を用いて選択された。16株に一致する15のOTUが得られた。ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)の2株は、16S rRNA遺伝子によって分解することができず、したがって、1のOTUは両方の株を表していた。
【1125】
図24Aに示すように、バクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)の相対存在度は、Glu100または水上で増殖した群において8%であり、他のグリカン上で増殖した群については2%にすぎなかった。
【1126】
しかしながら、Glu100をバクテロイデス・セルロリティカス(Bacteroides cellulolyticus)と同時に投与したとき、この菌株の相対存在度は、グリカンポリマー調製物の存在下で群が増殖していた場合は平均で2%から10%に、またはグリカンポリマー調製物の非存在下で群が増殖していた場合は25%に増加した(
図24B)。重要なことに、B.セルロリティカス(B.cellulolyticus)が、グルコースまたはFOSの存在下で生育した群などの定常期間の群に添加された場合、B.セルロリティカス(B.cellulolyticus)において変化は観察されず、これは、窒素またはリン源などの他の成長制限栄養素が消費されている可能性が高いことを意味している(
図24A〜24B)。
【1127】
実施例23.グリカンポリマー調製物の細菌増殖および代謝産物産生を調節する能力を評価するためのエクスビボアッセイ
エクスビボアッセイを実施して、インビトロの設定において、異なるグリカンを利用するためのヒト糞便群の能力を評価した。エクスビボアッセイは、グリカンが、保護効果に関連するものを含む複合細菌群および短鎖脂肪酸を差次的に調節するために使用され得るかどうかを決定するために設計された。糞便試料およびスラリーを、パラジウム触媒を特徴とする嫌気性チャンバ(AS−580、Anaerobe Systems)中で取り扱った。グリカンglu33gal33man33、gal33man33ara33、glu50gal50、glu33gal33ara33、gal100、glu40man60、gal33man33xyl33、glu40gal60、glu20gal80、glu60gal40、glu80ara20、gal40man60、man80xyl20、gal60ara40、glu100、gal80man20、gal40ara60、gal80ara20、gal60man40、glu80gal20、xyl60ara40、glu80xyl20、glu60man40、glu20xyl80、glu20man80、man60ara40、glu80man20、glu60xyl40、gal20man80、gal60xyl40、gal80xyl20、glu40ara60、glu60ara40、xyl20ara80、man52glu29gal19、gal40xyl60、glu40xyl60、man60xyl40、xyl100、glu20ara80、gal20ara80、gal20xyl80、man20ara80、man100、xyl40ara60、ara100、xyl80ara20および市販の対照、FOS(Nutraflora FOS;NOW Foods、Bloomingdale IL)を水中5%w/vで調製し、濾過滅菌し、アッセイ中0.5%w/vの最終濃度で96ウェル・ディープウェルマイクロプレートアッセイプレートに添加し、水を陽性対照および陰性対照として供給した。
【1128】
寄付されたヒト糞便試料を−80℃で保存した。作業ストックを調製するために、糞便試料を嫌気性チャンバに移し、解凍した。糞便試料を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4(P0261、Teknova Inc.、Hollister、CA)中、20%w/vに調製し、15%グリセロール、−80℃で保存した。20%w/v糞便スラリー+15%グリセロールを2,000×gで遠心分離し、上清を除去し、ペレットを、900mg/L塩化ナトリウム、26mg/L塩化カルシウム二水和物、20mg/L塩化マグネシウム六水和物、10mg/L塩化マンガン四水和物、40mg/L硫酸アンモニウム、4mg/L硫酸鉄七水和物、1mg/L塩化コバルト六水和物、300mg/Lリン酸カリウム二塩基、1.5g/Lリン酸ナトリウム二塩基、5g/L炭酸水素ナトリウム、0.125mg/Lビオチン、1mg/Lピリドキシン、1m/Lパントテン酸塩、75mg/Lヒスチジン、75mg/Lグリシン、75mg/Lトリプトファン、150mg/Lアルギニン、150mg/Lメチオニン、150mg/Lトレオニン、225mg/Lバリン、225mg/Lイソロイシン、300mg/Lロイシン、400mg/Lシステイン、および450mg/Lプロリン(Theriot CM et al.Nat Commun.2014;5:3114)中に懸濁し、1%w/v糞便スラリーとした。調製した1%w/v糞便スラリーを、96ウェルディープウェルマイクロプレート中、最終濃度0.5%w/v、1ウェル当たり500μLの最終容量のグリカンglu33gal33man33、gal33man33ara33、glu50gal50、glu33gal33ara33、gal100、glu40man60、gal33man33xyl33、glu40gal60、glu20gal80、glu60gal40、glu80ara20、gal40man60、man80xyl20、gal60ara40、glu100、gal80man20、gal40ara60、gal80ara20、gal60man40、glu80gal20、xyl60ara40、glu80xyl20、glu60man40、glu20xyl80、glu20man80、man60ara40、glu80man20、glu60xyl40、gal20man80、gal60xyl40、gal80xyl20、glu40ara60、glu60ara40、xyl20ara80、man52glu29gal19、gal40xyl60、glu40xyl60、man60xyl40、xyl100、glu20ara80、gal20ara80、gal20xyl80、man20ara80、man100、xyl40ara60、ara100、xyl80ara20および市販のFOSに、37℃で45時間、嫌気的に曝露した。インキュベーション後、アッセイ試料を分割し、その一部をDNA抽出および配列決定に使用し、他の部分を短鎖脂肪酸分析に使用した。
【1129】
ゲノムDNAをグリカンおよび対照で処理した糞便スラリーから抽出し、16S rRNA遺伝子の可変領域4を増幅して配列を決定した(Earth Microbiome Project protocol www.earthmicrobiome.org/emp−standard−protocols/16s/およびCaporaso JG et al.2012.Ultra−high−throughput microbial community analysis on the Illumina HiSeq and MiSeq platforms.ISME J.)。操作的分類単位(OTU)を、16S rRNA配列を97%の同一性で整列させることによって形成した。
【1130】
グリカンおよび対照で処置した糞便スラリーを4℃で10分間4000×gで遠心分離し、上清を新しいチューブに移した。分析まで試料を−80℃で凍結保存した。試料を冷凍庫から取り出して解凍した。1mLの培養上清をガラスバイアルに移した。懸濁液のpHを、100μLの50%硫酸を添加することにより、2〜3に調整した。酸性化した試料を室温に保ち、10分間ボルテックスした。揮発性抽出のために、50μLの内部標準(1%の2−メチルペンタン酸溶液)および1000μLの無水エチルエーテルを添加した。チューブを10分間反転揺動混合し、次いで、2000gで2分間遠心分離した。分析のために1μLの上部エーテル層をクロマトグラムに注入した。
【1131】
SCFA濃度のクロマトグラフィー分析は、フレームイオン化検出器(FID)を備えたAgilent 7890Bシステム(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して実施した。0.25μmの膜厚でコーティングされた30m×0.25mmの高分解能ガスクロマトグラフィーキャピラリーカラムを揮発性酸(Agilent Technologies)に使用した(DB−FFAP)。キャリアガスとして窒素を用いた。オーブン温度は145℃であり、FIDおよび注入口は225℃に設定された。注入された試料容量は1μLであり、各分析の実行時間は12分であった。クロマトグラムおよびデータ統合は、OpenLab ChemStationソフトウェア(Agilent Technologies)を使用して実施した。結果を表14および15に概括する。
【1132】
グリカンで処置した糞便スラリー試料のOTUの相対存在度を、種レベルでのマイクロバイオーム組成の差について、ノンパラメトリックWilcoxon順位和検定を用いて無添加グリカン群と比較した。異なるグリカンにわたる、種組成と、ブチレート、アセテートおよびプロピオネートレベルとの間の関連を調べるために、本発明者らは、まずグリカン処置群に存在する種の割合を無添加炭素(対照)群から得られたものに対して正規化した。このようにして各グリカン処置について得られた倍率変化値を、次いで、Spearmanの順位相関法を用いてグリカンから得られたブチレートレベルと相関させた[Myles Hollander&Douglas A.Wolfe(1973),Nonparametric Statistical Methods.New York:John Wiley&Sons.185−194(Kendall and Spearman tests)]。統計的有意性(ベンジャミニホフバーグ補正p値<0.05)[Benjamini,Y.,and Hochberg,Y.(1995)Journal of the Royal Statistical Society Series B57,289−300.]で見出された、種とブチレートレベルとの関連性が同定され、最も強い関連を表すプロットを
図25A〜25D、26A〜26F、および27A〜27Dに示す。
【1133】
【表115】
【1134】
表14に示すように、48個の合成グリカンは、アッセイにおける平均無添加グリカン対照と比較して、非分岐短鎖脂肪酸ブチレート、アセテートおよびプロピオネートの産生を差次的に調節する。アッセイでは、最大増加倍率がブチレートおよびプロピオネートで観察され、1グリカンがブチレートを少なくとも10倍増加させ、4グリカンがプロピオネートを少なくとも10倍増加させ、どのグリカンもアセテートを少なくとも10倍増加させなかった。アッセイでは、グリカンなしの対照と比較して3〜10倍のシフトが、38グリカンを有するブチレート、28グリカンを有するアセテート、および27グリカンを有するプロピオネートにおいて観察された。アッセイでは、グリカンなしの対照と比較して3倍未満のシフトが、9グリカンを有するブチレート、20グリカンを有するアセテート、および17グリカンを有するプロピオネートにおいて観察された。
【1135】
アッセイにおいて、ブチレートは、グリカン組成に応じて様々な程度に調節された。ブチレートは、3つのインプットが各3分の1のマンノース、ガラクトースおよびグルコースであるトリマーを用いて、平均無添加グリカン対照と比較して、アッセイにおいて少なくとも10倍増加した。グルコースがインプットモノマーの80%未満を構成するグルコースおよびガラクトースを含有するグリカン、ならびにインプットの2つが少なくとも各3分の1のマンノースおよびガラクトースである3つのモノマーから構成されるグリカンを用いたアッセイにおいて、ブチレートは少なくとも5倍増加した。アッセイにおいて、ブチレートは、アラビノースおよびキシロースからなる4つのグリカンのうちの2つ、およびインプットが少なくとも80%アラビノースである5つのグリカンのうちの4つでは、5倍未満増加した。
【1136】
アッセイにおいて、アセテートは、グリカン組成に応じて様々な程度に調節された。FOSを除いて、アッセイにおいてアセテートを少なくとも5倍増加させたグリカンは、インプットモノマーとしてグルコースを含んでいた。man100およびgal100を除いて、アッセイにおいてアセテートを3倍未満増加させたグリカンは、インプットモノマーとしてアラビノースおよび/またはキシロースを含んでいた。したがって、アッセイにおいて、モノマー組成はアセテート産生に影響を与えるようであり、グルコースのインプットはアセテート産生に有利に働き、アラビノースおよびキシロースのインプットは比較的低アセテートに向かう傾向がある。
【1137】
アッセイにおいて、プロピオネートは、グリカン組成に応じて様々な程度に調節された。アッセイにおいて、プロピオネートを少なくとも10倍増加させた4個のグリカンのうち3個は、インプットとしてガラクトースおよびマンノースの両方を含み、4個のうち2個はインプットとしてキシロースおよびマンノースの両方を含んでいた。プロピオネートは、インプットモノマーとしてマンノースを含む16個のグリカンのうち14個でアッセイにおいて少なくとも5倍増加した。アッセイにおいて、プロピオネートが3倍未満シフトした18個のグリカンのうち16個は、インプットモノマーとしてキシロースおよび/またはアラビノースを含んでいた。したがって、アッセイにおいて、モノマー組成はプロピオネート産生に影響を与えるようであり、マンノースのインプットはプロピオネート産生に有利に働き、アラビノースおよびキシロースのインプットは比較的低プロピオネートに向かう傾向がある。
【1138】
【表116】
【1139】
表15に観察されるように、グリカンは、平均無添加グリカン対照と比較して、アッセイにおいて、分岐短鎖脂肪酸イソバレレート、イソブチレートおよびイソカプロエートを差次的に調節する。アッセイでは、5グリカンを有するイソブチレート、1グリカンを有するイソバレエート、および3グリカンを有するイソカプロエートにおいて、少なくとも2倍の増加が観察された。アッセイでは、36グリカンを有するイソブチレート、38グリカンを有するイソバレエート、および25グリカンを有するイソカプロエートにおいて、2倍未満のシフトが観察された。アッセイでは、6グリカンを有するイソブチレート、9グリカンを有するイソバレエート、および4グリカンを有するイソカプロエートにおいて、少なくとも2倍の減少が観察された。検出限界を下回るレベルと一致して、イソブチレートは2グリカンでのアッセイでは検出されず、イソバレレートは1グリカンでは検出されず、イソカプロエートは16グリカンでは検出されなかった。
【1140】
アッセイにおいて、分岐短鎖脂肪酸の調節はグリカン組成に依存するようである。アッセイにおいてイソブチレートが少なくとも2倍増加した5つのグリカンのうち4つは、グルコースおよび/またはガラクトースと組み合わせたマンノースを含んでいた。アッセイにおいてイソブチレートが少なくとも2倍減少した6つのグリカン全てがガラクトースを含んでいた。グリカンが分岐短鎖脂肪酸を選択的に増加または減少させる能力は、それらが治療的利益のためにインビボで短鎖脂肪酸を選択的に調節するために投与され得ることを示唆する。
【1141】
アッセイにおける短鎖脂肪酸のグリカン調節は、多数の分類群におけるシフトと関連している。
図25A〜25Dに示されるように、16S rRNA配列決定分析は、クロストリジウム(Clostridiaceae)、ツリシバクター(Turicibacter)、ロゼブリア(Roseburia)およびバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)として同定された細菌がアッセイにおいてブチレートと正の相関関係を有していたことを示す。分類群クロストリジウム科(Clostridiaceae)およびロゼブリア(Roseburia)の多くのメンバーは、報告されたゲノム分析に基づいてブチレート産生者として同定されており、それらの相対存在度の増加はアッセイにおけるブチレートの増加と直接関連し得る。ツリシバクター(Turicibacter)およびB.フラジリス(B.fragilis)とブチレート生産との相関関係は、間接的効果と関連し得る。ツリシバクター(Turicibacter)はラクテートを産生すると報告されており(Bosshard PP et al,IJSEM 2002)、ラクテートはブチレート合成の前駆体である(Bourriaud C et al,JAM 2005;Belenguer A et al,AEM 2007)。B.フラジリス(B.fragilis)はアセテートを産生し(Macfarlane S et al,PNS 2003)、これはロゼブリア(Roseburia)を含む細菌によるブチレート産生に利用されることが示されている(Duncan SH et al,BJN 2004)。ツリシバクター(Turicibacter)およびB,フラジリス(B.fragilis)は、クロストリジウム科(Clostridiaceae)およびロゼブリア(Roseburia)などの細菌によってブチレートに変換される前駆体を提供することによって、ブチレート産生の増加に間接的に貢献し得る。
【1142】
アッセイにおけるアセテートのグリカン調節は、いくつかの細菌分類群と負の相関関係があり、他の細菌分類群と正の相関関係があった。
図26A〜26Fに示されるように、ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)、リケネラ科(Rickenellaceae)およびオシロスピラ(Oscillospira)を含む分類群は、アッセイにおけるアセテート産生と強い負の相関関係を有していた。アッセイにおいてアセテートと正の相関関係を有した分類群には、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)およびバクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)が含まれていた。
図27A〜27Dに示されるように、アッセイでは、B.オバツス(B.ovatus)およびB.ユニフォルミス(B.uniformis)もプロピオネートと正の相関関係を有していた一方、プロピオネートと最も強い負の相関関係を有していた分類群は、アセテートと最も強い相関関係を有していた分類群とは異なっており、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、およびロゼブリア・ファエシス(Roseburia faecis)を含んでいた。したがって、アッセイにおけるグリカンによる細菌分類群の相対存在度の差次的調節は、短鎖脂肪酸の差次的調節と関連するようである。
【1143】
実施例24.グリカンポリマー調製物の胞子形成細菌分類群の細菌増殖を調節する能力
胃腸管の種々の細菌胞子形成共生株の、増殖基質として異なるグリカンを利用する能力を評価するインビトロのアッセイを実施した。このアッセイは、選択されたグリカンの、健康に良い効果に関連している胞子形成腸内共生体の増殖を促進する能力を評価するように設計された。細菌株を、パラジウム触媒を特徴とする嫌気性チャンバ(AS−580、Anaerobe Systems)中、すべての工程で取り扱った。チャンバは最初に、水素5%、二酸化炭素5%および窒素90%からなる嫌気性ガス混合物でパージすることによって嫌気性にし、その後、この同じ嫌気性ガス混合物を使用して嫌気性状態に維持した。酸素の存在下で色が変化するOxoid嫌気性インジケーターストリップを用いてチャンバの嫌気性を毎日確認した。すべての培養培地、アッセイプレート、他の試薬およびプラスチック消耗品を、細菌と接触する前に24〜48時間、嫌気性チャンバ内で予め還元した。グリカンgal100、glu20gal80、glu40gal60、glu50gal50、glu60gal40、glu80gal20、glu100、glu80man20、glu60man40、glu40man60、glu20man80、man100、xyl100、xyl80ara20、xyl60ara40、xyl40ara60、xyl20ara80、ara100、glu80ara20、glu60ara40、glu40ara60、glu20ara80、glu80xyl20、glu60xyl40、glu40xyl60、glu20xyl80、gal80man20、gal60man40、gal40man60、gal20man80、gal80xyl20、gal60xyl40、gal40xyl60、gal20xyl80、gal80ara20、gal60ara40、gal40ara60、gal20ara80、man80xyl20、man60xyl40、man40xyl60、man20xyl80、man80ara20、man60ara40、man40ara60、man20ara80、glu33gal33ara33、man52glu29gal19、glu33gal33man33、glu33gal33xyl33、gal33man33xyl33、gal33man33ara33、および市販の対照、FOS(Nutraflora FOS;NOW Foods、Bloomingdale IL)を、水中5%w/vに調製し、濾過滅菌し、Costar 3370アッセイプレートに添加し、アッセイにおいて最終濃度0.5%w/vとし、各グリカンは2つの隣接しないウェルでアッセイし、デキストロースと水を陽性対照および陰性対照として供給した。
【1144】
細菌分離株は、American Type Culture Collection(ATCC)およびLeibniz Institute DSMZ−German Institute of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ)から得た。クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)ATCC 35704「CSC.32」、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)ATCC 27757「CNE.31」、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)ATCC 27340「BPR.22」、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)DSM 13814「DLO.76」、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)ATCC 29714「ROB.74」およびブラウティア・ハンセニイ(Blautia hansenii)ATCC 27752「BHA.20」の培養物を、牛赤身挽肉、カゼインの酵素消化物、酵母エキス、リン酸カリウム、デキストロース、システイン、ヘミンおよびビタミンK1を含む予め還元された濃縮培地、Chopped Meet Glucoseブロス(CMG、Anaerobe Systems)中、37℃で18〜48時間、嫌気的に増殖させた。製造業者のプロトコルに従ってGen5 2.0 All−In−One Microplate Reader Softwareを備えたBiotek Synergy 2プレートリーダーを使用して、Costar 3370ポリスチレン96ウェル平底アッセイプレートにおいて600nM(OD
600)での各培養物の光学密度を測定し、糖を含まずに調製した規定培地および半規定培地において最終的にOD
600 0.01まで細胞を希釈することによって、接種物を調製した。B.ハンセニイ(B.hansenii)、B.プロドゥクタ(B.Producta)、およびD.ロンギカテナ(D.longicatena)分離株を、0〜10%(v/v)CMGを添加した、900mg/L塩化ナトリウム、26mg/L塩化カルシウム二水和物、20mg/L塩化マグネシウム六水和物、10mg/L塩化マンガン四水和物、40mg/L硫酸アンモニウム、4mg/L硫酸鉄七水和物、1mg/L塩化コバルト六水和物、300mg/Lリン酸カリウム二塩基、1.5g/Lリン酸ナトリウム二塩基、5g/L炭酸水素ナトリウム、0.125mg/Lビオチン、1mg/Lピリドキシン、1m/Lパントテン酸塩、75mg/Lヒスチジン、75mg/Lグリシン、75mg/Lトリプトファン、150mg/Lアルギニン、150mg/Lメチオニン、150mg/Lトレオニン、225mg/Lバリン、225mg/Lイソロイシン、300mg/Lロイシン、400mg/Lシステイン、および450mg/Lプロリン(Theriot CM et al.Nat Commun.2014;5:3114)中で試験した。C.シンデンス(C.scindens)、C.ネキシレ(C.nexile)およびR.オベウム(R.obeum)を、10g/Lトリプトンペプトン、5g/L酵母エキス、0.5g/L L−システイン塩酸塩、0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7.2、1μg/mLビタミンK3、0.08%w/v塩化カルシウム、0.4μg/mL硫酸鉄七水和物、1μg/mLレサズリン、1.2μg/mLヘマチン、0.2mMヒスチジン、0.05%Tween 80、0.5%肉エキス(Sigma)、1%微量ミネラル補給剤(ATCC)、1%ビタミン補給剤(ATCC)、0.017%v/v酢酸、0.001%v/vイソ吉草酸、0.2%v/vプロピオン酸および0.2%v/v N−酪酸(Romano KA et al.mBio 2015;6(2):e02481−14)中で試験した。細菌を、96ウェルマイクロプレート中、最終濃度0.5%w/v、1ウェル当たり200μLの最終容量の、グリカンgal100、glu20gal80、glu40gal60、glu50gal50、glu60gal40、glu80gal20、glu100、glu80man20、glu60man40、glu40man60、glu20man80、man100、xyl100、xyl80ara20、xyl60ara40、xyl40ara60、xyl20ara80、ara100、glu80ara20、glu60ara40、glu40ara60、glu20ara80、glu80xyl20、glu60xyl40、glu40xyl60、glu20xyl80、gal80man20、gal60man40、gal40man60、gal20man80、gal80xyl20、gal60xyl40、gal40xyl60、gal20xyl80、gal80ara20、gal60ara40、gal40ara60、gal20ara80、man80xyl20、man60xyl40、man40xyl60、man20xyl80、man80ara20、man60ara40、man40ara60、man20ara80、glu33gal33ara33、man52glu29gal19、glu33gal33man33、glu33gal33xyl33、gal33man33xyl33、gal33man33ara33、市販のFOSおよびデキストロースに、37℃で、18〜48時間、嫌気的に曝露した。インキュベーション時間の終わりに、各分離株についてのOD
600測定値を、製造業者の仕様書に従って、Gen5 2.0ソフトウェア付きのBiotek Synergy2リーダーを用いて得た。
【1145】
【表117】
【1146】
表16に見られるように、グリカンは、アッセイにおける6つの胞子形成腸内共生体の増殖を様々な程度で支持する。このアッセイでは、gal100、glu20gal80、xyl80ara20、xyl60ara40、glu20xyl80は6株全ての増殖を支持し、glu40gal60、glu50gal50、glu60gal40、xyl40ara60、xyl20ara80、glu40xyl60およびglu33gal33ara33は5株の増殖を支持し、xyl100、gal60ara40、man52glu29gal19、およびglu33gal33man33は4株の増殖を支持し、glu20ara80、gal20ara80、man40xyl60、man20xyl80、glu33gal33xyl33およびgal33man33ara33は3株の増殖を支持する。
【1147】
アッセイにおける胞子形成共生物の増殖の調節は、グリカンの組成によって変化する。グルコースおよびガラクトースのインプットを有するオリゴマーは、アッセイにおいて6つの株の少なくとも半分を支持し、アッセイにおいて増殖が支持される株の割合は、一般的に、ガラクトースの割合が増加するにつれて増加する。このアッセイでは、glu80gal20およびglu100は3株を支持し、glu50gal50は5株を支持し、gal100およびglu20gal80は6株の増殖を支持する。インプットとしてglu、galおよび他の1つのモノマーを含む4つのオリゴマーのうち、3つのオリゴマー(glu33gal33ara33、man52glu29gal19およびglu33gal33man33)はアッセイにおいて4株の増殖を支持し、1つのオリゴマー(glu33gal33xyl33)はアッセイにおいて3株の増殖を支持する。アッセイにおいて、キシロースおよびアラビノースのインプットを有するオリゴマーならびにグルコースおよびキシロースのインプットを有するオリゴマーにより支持される菌株の数は、キシロースのインプットの割合が増加するにつれて増加する。このアッセイでは、glu80xyl20は2株を支持し、glu60xyl40は3株を支持し、glu40xyl60は5株を支持し、glu20xyl80は6株を支持する。このアッセイでは、キシロースおよびアラビノースの両方のインプットを含有するオリゴマーは5または6株の増殖を支持し、xyl100は4株の増殖を支持し、ara100は2株を支持する。
【1148】
健康なヒトの胃腸管は、何百もの異なる細菌種を含み得る多様な微生物群を含有する。米国特許出願公開第2016/0158294号明細書に記載のように、腸内微生物叢は、ヒトの健康において重要な役割を果たし、病原体に対するコロニー形成耐性、宿主免疫応答の調節、必須栄養素の産生および栄養素吸収、ならびに腸上皮完全性の維持を含む利点を有する。ディスバイオシス条件下では、腸のマイクロバイオーム集団が変化し、宿主に対する負の影響は、免疫応答の変化、炎症の増加、代謝応答の変化、および病原体に対する感受性の増加を含み得る。プロバイオティクスは、正常な健康ヒト微生物叢に存在する何百という細菌種のうちのほんの数種にすぎない。胞子形成共生細菌は、正常で健康なヒトマイクロバイオーム中に豊富に存在し、腸上皮バリア完全性と代謝および免疫応答の調節、ならびにC.シンデンス(C.scindens)によるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染に対する防御と関連するブチレート産生を含む、様々な有益な効果に関連する種を含む。胞子形成共生細菌の増殖を促進するためにグリカンを投与して、一連の健康効果を提供し、微生物のディスバイオシスに関連する疾患を予防および処置し得る。
【1149】
実施例25.胞子形成細菌分類群のグリコシダーゼプロファイルおよび糖利用
胞子形成細菌分類群が豊富であるグリコシドヒドロラーゼ(GH)およびグリコシルトランスフェラーゼ(GT)は、本質的に実施例20に記載のように同定された。
【1150】
非胞子形成細菌と比較した場合、胞子形成細菌からのゲノムが富化された40のグリコシドヒドロラーゼおよびトランスフェラーゼ(CAZy)ファミリーおよびサブファミリーの遺伝子が同定された(
図28、P<0.05、Wilcox順位和、FDR補正)。胞子菌は表17に概括される。
【1151】
【表118】
【1152】
例えば、GH43、GH13、およびGH28は、胞子形成細菌からのゲノムにおいて、はるかに高度に表現されていた(
図28)。過剰濃縮はまた、一般的に、胞子形成細菌からの全てのゲノムにわたり検出される、より高い出現率に対応していた(
図29A)。全体として、胞子形成細菌が豊富であると同定されたCAZymeファミリーは、胞子形成細菌ではない細菌と比較した場合、胞子形成細菌ゲノムの大部分に存在していた(
図29B)。これらの結果は、特定の炭水化物活性酵素が胞子形成細菌に富んでいることを示す。表18は、これらの酵素ファミリーによって標的とされる可能性が高いグリカンモノマーを示す。
【1153】
【表119】
【1154】
多くがグルコース、キシロース、ガラクトース、およびアラビノース含有基質を標的としており、これは、これらの成分を有するグリカンが胞子形成細菌の増殖を促進するために使用され得ることを示唆している。グルコース、キシロース、ガラクトース、および/またはアラビノースを含むグリカンは、単一株増殖アッセイにおいて胞子形成細菌の増殖を促進した(実施例24、表16参照)。
【1155】
実施例27.標的グリコシダーゼを用いて合成したオリゴ糖の存在下でのヒトからの糞便スラリー中のグリコシダーゼをコードする特定の分類群の濃縮
グリカン調製物を、インビトロで健康なヒト対象からの糞便スラリー中の特定のグリコシダーゼをコードする標的細菌種のレベルを調節するそれらの能力について試験した(エキソビボアッセイとも称される)。糞便試料およびスラリーを、パラジウム触媒を特徴とする嫌気性チャンバ(AS−580、Anaerobe Systems)中で取り扱った。グリカンを水中5%w/vで調製し、濾過滅菌し、アッセイ中0.5%w/vの最終濃度で96ウェル・ディープウェルマイクロプレートアッセイプレートに添加し、水を陽性対照および陰性対照として供給した。
【1156】
寄付されたヒト糞便試料を−80℃で保存した。作業ストックを調製するために、糞便試料を嫌気性チャンバに移し、解凍した。糞便サンプルを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4(P0261、Teknova Inc.、Hollister、CA))中、20%w/vに調製し、15%グリセロール、−80℃で保存した。20%w/v糞便スラリー+15%グリセロールを2,000×gで遠心分離し、上清を除去し、ペレットを、750μMの尿素および0.1%のペプトンを添加した900mg/L塩化ナトリウム、26mg/L塩化カルシウム二水和物、20mg/L塩化マグネシウム六水和物、10mg/L塩化マンガン四水和物、40mg/L硫酸アンモニウム、4mg/L硫酸鉄七水和物、1mg/L塩化コバルト六水和物、300mg/Lリン酸カリウム二塩基、1.5g/Lリン酸ナトリウム二塩基、5g/L炭酸水素ナトリウム、0.125mg/Lビオチン、1mg/Lピリドキシン、1m/Lパントテン酸塩、75mg/Lヒスチジン、75mg/Lグリシン、75mg/Lトリプトファン、150mg/Lアルギニン、150mg/Lメチオニン、150mg/Lトレオニン、225mg/Lバリン、225mg/Lイソロイシン、300mg/Lロイシン、400mg/Lシステイン、および450mg/Lプロリン(Theriot CM et al.Nat Commun.2014;5:3114)中に懸濁し、1%w/v糞便スラリーとした。
【1157】
調製した1%w/v糞便スラリーを、96ウェルディープウェルマイクロプレート中、最終濃度0.5%w/v、1ウェル当たり500μLの最終容量のメリビオース−1、メリビオース−enz19−1、メリビオース−enz20−1、メリビオース−enz16−1、メリビオース−enz17−1、ラフィノース−1、ラフィノース−enz19−1、ラフィノース−enz16−1に、37℃で14時間、嫌気的に曝露した。メリビオースおよびラフィノースは、特定の酵素(enz19、enz20など)を有するオリゴ糖を生成するために使用される基質を示し、ダッシュの後の数字は、別のグリカン調製物(例えば、−3)とは異なる特性を有するグリカン調製物(例えば、−1)を示し、これは、本明細書に記載のグリカン調製物の範囲内で互いに異なる。
【1158】
インキュベーション後、ゲノムDNAをグリカンおよび対照で処理した糞便スラリーから抽出し、16S rRNA遺伝子の可変領域4を増幅して配列を決定した(Earth Microbiome Project protocol www.earthmicrobiome.org/emp−standard−protocols/16s/およびCaporaso JG et al.2012.Ultra−high−throughput microbial community analysis on the Illumina HiSeq and MiSeq platforms.ISME J.)。生配列を逆多重化し、各試料をUNOISE2(Edgar 2016)で別々に処理した。簡潔には、対になった末端の読取り値を統合し、品質フィルターにかけた。次いで、固有読取り値をノイズ除去し、そしてフィルタリングされていない統合された配列をノイズ除去された配列にマッピングした。分類法は、RDP分類器(RDP classifier)を用いてノイズ除去された配列に割り当てられた(Wang 2007)。
【1159】
本明細書に示されるように、酵素を合成するために使用されるグリコシダーゼが腸内微生物種によってコードされている場合、得られるオリゴ糖はそれらの特定の種を富化する。例えば、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)によってコードされるグリコシダーゼを用いてオリゴ糖を生成する場合、得られるオリゴ糖は、元の親基質、または異なる種によってコードされる酵素を介して生成されるオリゴ糖のいずれかよりもラクノスピラ科(Lachnospiraceae)を富化する(
図31A〜31B)。これは、オリゴ糖を生成するために使用される基質とは無関係に該当する(
図31A〜31B)。これは、オリゴ糖を腸のマイクロバイオーム中のグリコシダーゼに標的化して、分類群および目的の機能を特異的に濃縮するためのメカニズムを実証する。
【1160】
関連のない分類群は、共有グリコシルヒドロラーゼを同定することによって、さらに標的とされ得る。本明細書に示されるように、3つの固有の属、ビフィドバクテリウム(Bifidoabacteria)、バクテロイデス(Bacteroides)、およびロゼブリア(Roseburia)に豊富に存在するグリコシルヒドロラーゼを使用すると、3つの分類群全てがエクスビボ群において同時に富化される(
図32A〜32D)。これは、門をまたいだ種を標的とし、さらに機能またはグリコ分類群を標的とする能力を実証する。
【1161】
同等物および範囲
本願は、様々な交付済み特許、公開された特許出願、学術論文、および他の刊行物を指し、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献のうちの何らかと本出願との間で矛盾がある場合、本出願が制御するものとする。さらに、先行技術に含まれる本発明の任意の特定の実施形態は特許請求の範囲のうちのいずれか1つ以上から明確に排除され得る。かかる実施形態は、当業者には公知であると見なされるため、排除が本明細書に明確に記述されない場合であっても除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関連しているかどうかであっても、何らかの理由で、いかなる特許請求の範囲からも除外され得る。
【1162】
当業者は、単なる通常の実験を用いて、本明細書に記載される特定の実施形態の多くの同等物を認識し、または解明することができるであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲に記述されるが、上の発明の詳細な説明、図面、または実施例に限定されることは意図されない。当業者は、この説明への様々な変更および修正が、以下の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解されよう。