【実施例】
【0072】
以下の実施例は、本明細書に開示の実施形態の一部を更に説明するために提供される。実施例は、本開示の実施形態を限定するのではなく、例示することを意図する。
【0073】
抗ヒトIL-5抗体の生成
抗ヒトIL-5抗体は、ゲノムにヒトV遺伝子をクローニングし、ヒトVドメイン及びラットFcドメインを有する抗体を産生する遺伝子導入ラット(OMT)から得た。簡潔には、遺伝子導入ラットは、21日にわたって4回(0日目、7日目、14日目、21日目)、IL-5をコードするDNAで遺伝子免疫化され、免疫化プロトコールの28日目に組換えヒトIL-5で追加免疫した。組換えヒトIL-5を使用するELISAアッセイによって、免疫化プロトコールの0日目及び38日目に血清抗体力価を決定した。簡潔には、各動物由来の血清を、PBS 1% BSA中に希釈し、1μg/mlのヒトIL-5、又は対照としてのBSAでコーティングしたELISAプレートを使用して試験した。ヤギ抗ラットIgG R-フィコエリトリンコンジュゲート(SouthernBiotech社、番号3030-09)を二次抗体として10μg/mlで使用した。特定の動物を、これらの血清力価に基づいてハイブリドーマ融合のために選択した。
【0074】
ヒトIL-5に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを生成するために、免疫化動物から脾臓細胞及び/又はリンパ節細胞を単離し、P3X63Ag8.653非分泌マウス骨髄腫細胞(ATCC、CRL-1580)に融合させた。平底マイクロタイタープレートに、1mL当たりおよそ1×10
5個の細胞をプレーティングし、10%の胎仔クローン血清及び1×HAT(Sigma社)を含んだ選択培地で2週間インキュベートした。96ウェルプレートで4回培地を交換し(96ウェルの段階1から4)、次いでT25フラスコに入れ、最後にT75フラスコに入れる連続継代によってハイブリドーマを増殖させた。
【0075】
ハイブリドーマクローン由来の上清を、最初に、GPIアンカーヒトIL-5でトランスフェクトした細胞を使用する全細胞ELISA、次いで、組換えヒトIL-5ELISAアッセイを使用するELISA(上述の後者)において、ハイブリドーマ増殖プロセスの間、アッセイした。T75段階までのスケールアッププロセスを生存し、これらのアッセイの両方において、結合に関する所与の閾値を超えるシグナルを与えたハイブリドーマを、Ig vドメインのクローニング及び配列決定のために、細胞ペレットとして凍結させた。キメラIgGを産生するおよそ20個のハイブリドーマを、これらのスクリーニング工程後のクローニングのために選択した。
【0076】
候補キメラIgG由来のヒトvドメインを、ハイブリドーマ細胞のペレット由来のcDNAの生成、vドメインのPCR増幅、サブクローニング、及びDNA配列決定によって単離した。全部でおよそ35個の重鎖及び軽鎖の組合せを、これらのハイブリドーマの配列決定から得た。すべての抗体を哺乳動物の発現ベクターにクローニングし、HEK293細胞に一過的にトランスフェクトした。標準的プロテインA精製プロトコールを使用して、抗体を精製した。
【0077】
抗体の機能試験及び特徴付け
ヒトIgG1フォーマットで選択した抗体を、ヒトIL-5のELISAにおいて特異性について最初にアッセイした。簡潔には、抗体をPBS 0.1% BSAに希釈し、1μg/mlのヒトIL-5、又は無関係の対照タンパク質でコーティングしたELISAプレートを使用して試験した。セイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗IgG抗体を二次抗体として使用した。
【0078】
ヒトIL-5への免疫特異的結合を示した抗体を、ヒトTF-1.6G4(ヒト赤白血病細胞株TF-1の誘導体)細胞を使用するヒトIL-5に依存する細胞増殖アッセイにおける効力についてランク付けした。TF-1.6G4細胞株をサブクローニングし、IL-5Rαの表面発現の増強及びヒトIL-5への矛盾しない増殖応答について選択した。TF-1.6G4細胞株を、TF-1ヒト赤白血病細胞株(ATCC:CRL-2003)に対して使用した標準条件に従う培養において維持した。簡潔には、各抗体の希釈物を、45pMのヒトIL-5及び48時間インキュベートした1ウェル当たり5×10
4個のTF-1.6G4細胞の存在下でインキュベートし、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存能アッセイ(Promega社、WI)を使用して細胞増殖を決定した。すべての増殖曲線及び阻害曲線は、GraphPad Prism 6(バージョン6.04)ソフトウェアにおける3又は4パラメーター用量応答モデルを使用してフィッティングされた。Table 2(表2)にこれらの結果をまとめる。
【0079】
【表2】
【0080】
Table 2(表2)では、試験の結果をTF1.6G4アッセイの効力の順にランク付けした。初期試験パネルを、効力、親和性、IL-5Rα阻害及び配列ライアビリティ(liability)(免疫原性及び発展性)に基づいて選択した。
【0081】
Biacoreアッセイを使用して、組換えヒトIL-5に対する試験抗体の親和性及びヒトIL-5に対するIL-5Rα結合を阻害する効力を決定した。Table 2(表2)にこれらの結果をまとめる。ヒトIL-5に対する試験抗体の結合親和性(K
D;
図6)を、Biacore Series S Sensor Chip Protein A(GE Healthcare社)を75RUの捕捉レベルまで選択された精製IgG抗体でコーティングすることによってBiacore T200システム(GE Healthcare社)で決定し、次いで、組換えヒトIL-5を、1μg/mLから出発する7工程の2倍連続希釈範囲にわたって、1分当たり60μLで注射した。すべての実験は、HBS-EP+緩衝液(GE Healthcare社)を使用して実行した。得られたセンサーグラムは、二重参照された(対照(コーティングされた抗体を有さないプロテインA表面)フローセル値、また、緩衝液ブランクから減算した試験フローセル値)。結合定数は、二重参照センサーグラムに1:1Langmuir結合モデルをフィッティングさせることによって決定した。
【0082】
各試験抗体がIL-5のIL-5Rαへの結合を阻害したかどうかを決定するために、Biacore T200又はBiacore 3000システム(GE Healthcare社)のいずれかを使用した。Biacore CM5 Sensor Chipを、2つの隣接する(試験及び対照)フローセルにおいて、製造業者の使用説明書に従って、Fab捕捉キット(GE Healthcare社)を用いて最初に誘導体化した。この表面を使用して、単一の試験フローセルにおいてそれぞれ精製したIgG試験抗体を捕捉した。次いで、5μg/mLの組換えヒトIL-5又は緩衝液ブランクを、試験フローセルと対照フローセルの両方にわたって注入し、それぞれ、試験フローセル表面を満たし、IL-5の非特異的会合を制御した。10μg/mLの精製IgG試験抗体又は緩衝液ブランクの第2の注入を試験フローセルに実行し、それぞれ、遊離のIL-5結合部位をブロックし、IgG試験抗体のFab捕捉抗体からの解離を制御した。
【0083】
両フローセルにわたる5若しくは20μg/mLのいずれかのIL-5Rα-Fc(R&D Systems社)又は緩衝液ブランクの次の注入を使用して、この工程の間に、IgG試験抗体がIL-5とIL-5Rαの間の相互作用をブロックしたかどうかを決定するか又はIgG抗体のFab捕捉抗体からの解離を制御した。IL-5のIL-5Rαへの結合を阻害した抗体は、IL-5Rαの注入の際に著しいシグナルの低減を示した(Table 2(表2))。三重参照の減算方法を使用して、上記で詳述した方式でデータを分析した。すべてのデータをBiacore評価ソフトウェアからエクスポートし、Excel(Microsoft社)ソフトウェアで減算した。すべての実験をHBS-EP+緩衝液(GE Healthcare社)を使用して実行した。
【0084】
試験抗体のより小さなパネル(Table 2(表2)の3A5、5H11及び2B4)をこれらの結果に基づいて選択した。抗体をヒトIgG4として再フォーマットし、同じアッセイで試験した。抗体3A5(元のIgG1)のIgG4バージョンを3A5.001と指定した。この完全ヒト抗体が、IgG1フォーマットの元の試験3A5と同等の効力を有することが実証された(
図1)。
【0085】
予測T細胞エピトープを除去するためにvドメイン領域に導入された特異的アミノ酸置換(VH:S[68]T、N[82A]S;VL:S[2]Y、I[3]V、Y[92]D、ここで、角括弧内の残基はKabatの位置を表す)を有する抗体3A5.001のバリアント(3A5.040と指定)を調製した。抗体3A5.040が、TF-1.6G4アッセイにおいて、その親抗体3A5.001(
図2)と同等の効力を有することが実証された。
【0086】
抗体3A5.040のCDRスキャン
抗体3A5.040のバリアントの生成-抗体3A5.040の単一変異バリアントを、軽鎖CDR1(CDR-L1)、軽鎖CDR2(CDR-L2)、重鎖CDR1(CDR-H1)及び重鎖CDR2(CDR-H2)(AbM命名法によって定義した)における各アミノ酸位置の9つの代表的アミノ酸-A、S、L、Y、D、Q、K、H、Wの群のうちの1つを置換することによって作製した。抗体バリアントをまた、軽鎖CDR3(CDR-L3)、重鎖CDR3(CDR-H3)における各CDRアミノ酸位置、並びに可変重鎖におけるKabatの位置93及び94における10個の代表的アミノ酸-A、S、L、Y、D、Q、K、H、W、Pの群のうちの1つを置換することによって作製した。生成したすべての単一変異抗体バリアントの完全なリストを、それぞれ、
図3(可変重鎖)及び
図4(可変軽鎖)に示す。
【0087】
抗体を発現するベクターの構築-可変領域バリアントを、アミノ酸配列をDNA配列に逆翻訳し、次に、合成オリゴヌクレオチドのアセンブリーによってデノボで合成することによって生成した。可変重(VH)バリアントを、ヒト定常領域を含有する哺乳動物発現ベクターにクローニングし、全長抗体重鎖(ヒトIgG4重鎖CH1、ヒンジ、CH2、及びCH3ドメイン)を産生した。同様に、可変軽(VL)バリアントを、ヒトラムダ軽鎖定常領域を含有する哺乳動物発現ベクターにサブクローニングし、全長抗体ラムダ鎖を産生した。
【0088】
抗体バリアントの発現-抗体重鎖及び軽鎖をコードする別々の発現ベクターをEXPI293(登録商標)細胞(Life Technologies社、Carlsbad、CA)にコトランスフェクトすることによって抗体を産生した。各単一変異鎖は、EXPI293(登録商標)システムにおいて、タンパク質発現のために親鎖と対合した。それぞれ20mLのトランスフェクションに対して、EXPI293(登録商標)発現培地20mLに3.6×10
7個の細胞が必要とされた。トランスフェクションの前日に、1mL当たり0.9×10
6個の生存細胞の密度で細胞を播種し、200rpmで回転するオービタルシェーカーにおいて、空気中8%のCO
2の加湿雰囲気中で、37℃で終夜インキュベートした。トランスフェクションの日に、自動細胞カウンターを使用して、細胞数及び生存率を決定した。98%を超える生存細胞を有する培養物のみを使用した。それぞれ20mLのトランスフェクションに対して、OPTI-MEM(登録商標)(Life Technologies社、Carlsbad、CA)I還元血清培地(カタログ番号31985-062)中10μgの重鎖DNA及び10μgの軽鎖DNAを総体積1.0mLまで希釈することによって、脂質-DNA複合体を調製した。54μLのEXPIFECTAMINE(登録商標)293試薬(Life Technologies社、Carlsbad、CA)をOPTI-MEM(登録商標)I培地中で総体積1.0mLまで希釈した。両方のバイアルを穏やかに混合し、室温で5分間インキュベートした。インキュベーション後、希釈DNAを、希釈EXPIFECTAMINE(登録商標)293試薬及びDNA-EXPIFECTAMINE(登録商標)293試薬混合物と混合し、室温で更に20分間インキュベートして、DNA-EXPIFECTAMINE(登録商標)293試薬複合体の形成を可能とした。インキュベーション後、2mLのDNA-EXPIFECTAMINE(登録商標)293試薬複合体をそれぞれ50mLのバイオリアクターチューブ(TPP Techno Plastic Products AG社)に加えた。2mLのOPTI-MEM(登録商標)(Life Technologies社、Carlsbad、CA)I培地をDNA-EXPIFECTAMINE(登録商標)293試薬複合体の代わりに陰性対照チューブに加えた。200rpmで回転するオービタルシェーカーにおいて、空気中8%のCO
2の加湿雰囲気を有する37℃のインキュベーター中で、細胞をインキュベートした。トランスフェクションのおよそ16〜18時間後に、100μLのEXPIFECTAMINE(登録商標)293トランスフェクションエンハンサー1及び1.0mLのEXPIFECTAMINE(登録商標)293トランスフェクションエンハンサー2を各バイオリアクターに加えた。トランスフェクションのおよそ48時間後に、上清を回収した。
【0089】
抗体バリアントの精製-各抗体バリアントは、20又は100mLの細胞培養のいずれかで、EXPI293(登録商標)細胞において発現した。培養物を、50mLのファルコンチューブ中、3000×gで20分間遠心沈殿させ、0.22μmのフィルターを使用して、上清を濾過した。Gilson ASPEC GX274ロボットを使用して、上清を精製した。簡潔には、1.2mLのMABSELECT SURE(登録商標)プロテインA樹脂(GE Healthcare社)を充填したSPEカートリッジ(Agilent、12131014)を、3カラム体積の1×PBSを用いて予め平衡化した。上清をカラムにランし、続いて、4mLの1×PBSで洗浄した。各カラムを、1Mのクエン酸(pH2.9)9mLで洗浄した。抗体を0.1Mのクエン酸(pH2.9)2mLで溶出した。PD-10カラム(GE Healthcare社)を使用して、抗体をSorensens PBS(5mMのKH
2PO
4、3mMのNa
2HPO
4.2H
2O、145.4mMのNaCl(pH約5.8))へ脱塩した。
【0090】
Biacoreによる上清中の3A5.040バリアント抗体力価の決定-EXPI293(登録商標)細胞における発現に由来する抗体を含有する上清を、Biacore T200のプロテインAシリーズSチップを使用して分析し、それらの力価を決定し、親抗体3A5.040に関してそれらをランク付けした。各上清試料をランニング緩衝液(1×HBS-EP+、350mMのNaCl)で希釈し、フローセル(FC)2に60μL/分で注入することによって捕捉した。応答単位(RU)で得られた捕捉レベルを、注入の5秒後のレポートポイントからサイクル開始の5秒後のレポートポイントを減算することによって、FC2-1で測定した。60μL/分の流速で12秒間、50mMのNaOHをFC1に、4サイクル毎に2回注入することによって、表面を再生した。各再生後、ランニング緩衝液の注入によって、表面及びセンサーグラムを120秒間安定化させた。この方式でスクリーニングした多数の抗体によって複数のバッチを実行した。
【0091】
各上清試料に対して得た捕捉レベル(Biacore応答単位「RU」で)を、それぞれ30秒の注入に対して得られた値を上清希釈因子で乗算することによって調整し、異なる実験ランにわたってさまざまな程度まで希釈した上清間の捕捉レベルの比較を可能とした。各変異体の相対的抗体発現レベル(力価)を、以下の式を使用して、バッチ特異的3A5.040上清(Table 3(表3))と比較した:
(30秒の注入に対して調整した3A5.040基準RU/30秒の注入に対して調整したバリアント抗体のRU)×100=親抗体の力価の比率(% 3A5.040力価)
式1
【0092】
3A5.040親抗体より高い力価を有するバリアント抗体は、100%を超える「% 3A5.040力価」値を有し、より低い力価を有するバリアント抗体は、100%未満の値を有した。このことは、親抗体である3A5.040に対して改善された発現を有し得るバリアント抗体の特定を可能とした。一部のバリアントの力価は、上清試料のBiacore分析によって決定されなかったが、上述のように発現及び精製され、それらの精製された収量を分光光度分析(A
280)によって決定し、次いで、3A5.040親抗体と比較した(Table 5(表5))。
【0093】
Biacoreによる3A5.040バリアント抗体のIL-5結合速度論の決定-EXPI293(登録商標)細胞における発現に由来する抗体又は精製抗体を含有する上清を、Biacore T200システム(GE Healthcare社)のプロテインAシリーズSチップを使用して分析し、組換えヒトIL-5に対するそれらの結合親和性を決定し、親抗体3A5.040に関してそれらをランク付けした。
【0094】
各抗体をランニング緩衝液(1×HBS-EP+、350mMのNaCl)中で希釈し、FC2でおよそ50RUまで60μL/分で捕捉した。次いで、ランニング緩衝液の注入によって、表面及びセンサーグラムを120秒間安定化させた。5μg/mLの組換えヒトIL-5又はランニング緩衝液を、60μL/分の流速で70秒間、FC1及び2に注入した。IL-5をランニング緩衝液中に300秒間解離させた。60μL/分の流速で12秒間、50mMのNaOHをFC1及び2に注入することによって、表面を再生した。60μL/分の流速で60秒間、FC1及び2への流れを更に浄化するために、緩衝液を注入した。表面を、FC1及び2に対して、ランニング緩衝液を用いて300秒間安定化させた。3A5.040親抗体を含有し、各バッチに関してトランスフェクトされた上清を、各ランの間中、およそ25サイクル毎にランした。3A5.040及びIgG4ラムダアイソタイプ対照の精製試料を、アッセイ間の変動性の尺度としてバッチ毎にランした。この方式でスクリーニングした多数の抗体によって複数のバッチを実行した。
【0095】
データを二重参照し(フローセル2をフローセル1及び緩衝液ブランクから減算した)、Biacore評価ソフトウェアを用いる1:1 Langmuir結合モデルに、センサーグラムをフィッティングした。kd(オフレート)値を実行の間中、各3A5.040上清試料に対して計算し、1つの3A5.040上清試料のみを有した実行2.1を除いて、これらを平均して基準kdを与えた(Table 3(表3)及びTables 6〜11(表6〜11))。各上清抗体に対して計算したkd値を、以下の式を使用して、3A5.040の平均基準kdに対して比較した:
(3A5.040の基準kd/バリアント抗体のkd)×100=親抗体のkdの比率(% 3A5.040のkd)
式2
【0096】
3A5.040親抗体より低いkd(より遅いオフレート)を有するバリアント抗体は、100%を超える「% 3A5.040のkd」値を有し、より高いkdを有するバリアント抗体は、100%未満の値を有した。このことは、親抗体であるに3A5.040対して、IL-5に対して改善された結合速度論、したがって、改善された機能を有し得るバリアント抗体の特定を可能とした。精製タンパク質だけが作製されたバリアントについて(Table 6(表6))、Biacore速度論分析を、これらの精製抗体を使用して上記のように三連で実施し、各三連の分析に由来する平均値を使用して、上記のように、kdの比率計算を実施した(Table 4(表4)及びTables 8〜11(表8〜11))。
【0097】
【表3A】
【0098】
【表3B】
【0099】
【表3C】
【0100】
【表3D】
【0101】
【表3E】
【0102】
【表3F】
【0103】
【表3G】
【0104】
【表3H】
【0105】
【表3I】
【0106】
【表3J】
【0107】
【表3K】
【0108】
【表3L】
【0109】
【表3M】
【0110】
【表3N】
【0111】
【表3O】
【0112】
【表3P】
【0113】
【表3Q】
【0114】
【表3R】
【0115】
【表3S】
【0116】
【表3T】
【0117】
【表3U】
【0118】
【表3V】
【0119】
【表3W】
【0120】
【表3X】
【0121】
【表3Y】
【0122】
【表3Z】
【0123】
【表3a】
【0124】
【表3b】
【0125】
【表4A】
【0126】
【表4B】
【0127】
【表4C】
【0128】
【表4D】
【0129】
【表4E】
【0130】
【表4F】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【0134】
【表8】
【0135】
【表9】
【0136】
【表10】
【0137】
【表11】
【0138】
発現ベクターの構築
ヌクレオチド配列は、遺伝子発現、次にタンパク質発現レベルに影響を及ぼすことができる。3A5.046の最適な発現のために、いくつかの異なるヌクレオチド配列を試験した。これらの配列を以下の表にまとめる:
【0139】
【表12】
【0140】
SPRによるヒト組換えIL-5に対する抗体3A5.046の親和性の測定
抗体3A5.046の組換えヒトIL-5に対する親和性を、Biacore T200システム(GE Healthcare社)を使用して決定した。簡潔には、市販のマウス抗ヒトIgG抗体(Thermo Scientific社)を、製造業者の推奨に従って、Biacore CM5チップ(GE Healthcare社)の2つの隣接する(対照及び試験)フローセルに連結させた。3A5.046抗体を、試験フローセル表面に、低密度(およそ125RU)で捕捉し、組換えヒトIL-5の希釈液又は緩衝液ブランクを、30μL/分で、試験フローセルと対照フローセルの両方に対して注入した(
図6、Table 13(表13))。
【0141】
得られたセンサーグラムを二重参照した(対照(コーティングされた抗体を有さない抗ヒトIgG連結表面)フローセル値、及びまた、緩衝液ブランクから減算した試験フローセル値)。2.5、1.25、0.625、0.313、及び0.156μg/mLのヒトIL-5の注入から減算したセンサーグラムを、二連のアッセイに由来する結合定数を決定するために、Biacore評価ソフトウェアを使用して1:1Langmuir結合モデルにフィッティングさせた(Table 13(表13))。
【0142】
【表13】
【0143】
これらの結果は、抗体3A5.046が組換えヒトIL-5に対して高い親和性を有することを実証する。
【0144】
TF-1.6G4細胞株増殖アッセイにおいて、メポリズマブと比較した3A5.046の効力
3A5.046及びメポリズマブを、TF-1.6G4細胞株増殖アッセイにおいてランした。3A5.046及びメポリズマブは、それぞれ、13.8pM及び534pMの平均IC
50を有するヒトIL-5の増殖を阻害した(Table 14(表14)及び
図7Aを参照のこと)。両抗体は、3A5.046に対して43.8pM及びメポリズマブに対して584pMの平均IC
50を有する、TF1.6G4細胞株(
図7B)におけるカニクイザルIL-5の阻害を実証した。
【0145】
【表14】
【0146】
本発明の抗IL-5抗体を使用するELISAによる、初代細胞由来のナイーブIL-5の検出
抗体3A5をサンドイッチELISAにおける捕捉試薬として使用した。スパイク緩衝液試料中の市販の検出抗体(TRFk5R;R&D systems社、番号MAB405)と対合した組換えIL-5レベルの定量化を決定することができた(
図8)。次いで、この方法を、初代細胞によって分泌されたナイーブIL-5の検出に適用した。4名のドナーに由来するCD4+ T細胞を刺激して、IL-5を分泌させた。次いで、IL-5レベルを、捕捉試薬として抗体3A5を用いるサンドイッチELISAを使用して決定した。4名のドナーのT細胞のうちの3つがT細胞刺激に応答し、細胞培養物上清において検出可能なIL-5レベルを有した(
図8)。捕捉剤として抗体3A5.046を使用して、初代ヒトドナーのCD4+ T細胞から分泌されたヒトIL-5に関して、同様の研究を実施し、得られた結果は、抗体3A5を用いて得た結果と一致した(データは示さず)。
【0147】
好酸球分化の抗IL-5抗体による阻害
CD34+臍帯血細胞を使用する生存アッセイを使用して、骨髄前駆細胞の好酸球へのIL-5に依存する分化を阻害する抗IL-5抗体の能力を評価し、表現型的に成熟した好酸球の生存を阻害する抗IL-5抗体の能力を評価した。IL-5で処理した対照細胞では、表現型的に成熟した好酸球は、28日目に優勢集団であった(
図9、グラフの陰付き領域)。抗体3A5.046は、IL-5と共に28日間インキュベートした、CD34+臍帯血細胞の好酸球への分化を阻害することができた。抗体3A5.046は、メポリズマブよりも強力なIL-5媒介好酸球分化の阻害剤であった(
図9)。
【0148】
X線結晶学分析
抗体3A5.046Fabと組換えヒトIL-5の間の複合体の分子構造をX線結晶学によって調査する。X線結晶学実験を準備するために、3A5.046をパパインで消化し、ヒンジ領域のインタクト抗体を切断し、FcドメインとFabドメインを分離する。3A5.046Fabを標準のプロテインA親和性クロマトグラフィーによって精製し、組換え非グリコシル化ヒトIL-5と複合体を形成させる。3A5.046Fab:ヒトIL-5複合体を、標準のサイズ排除クロマトグラフィーを使用して、結晶化実験のために精製する。複合体を、様々な濃度で、結晶化条件の広範囲のサンプリングのための市販のスパースマトリックス結晶化スクリーニングに設定する。スパースマトリックススクリーニングから複合体の結晶をもたらす任意の「ヒット」条件の最適化を、所望の結晶形態及び結晶回折に関する改善のために実施する。
【0149】
3A5.046Fab:ヒトIL-5複合体の結晶を回収し、液体窒素中で瞬間凍結し、回折試験及びデータ採取のためにシンクロトロン設備に輸送する。結晶回折試験を、高分解能回折を生じるための高エネルギーX線マイクロビームラインを収容するシンクロトロンで実施する。このようにして、3A5.046Fab:ヒトIL-5複合体の結晶に関するX線回折データを採取する。複合体の初期構造モデルは、鋳型としてIL-5及びFabの公開された分子構造を用いる標準の分子置き換え技法を使用して得ることができる。3A5.046FabとヒトIL-5複合体の最終構造は、フィッティングのエラーが30%より良好であり(最終R
freeが0.3)、化学結合パラメーター(例えば、結合の長さ及び角、化学量論並びに水素結合の分布)が許容限界内であるまでは、構造モデルの反復改良によって得ることができる。
【0150】
非ヒトモデル種由来のIL-5に結合する抗体3A5.046の特徴付け
組換えサイトカインヒトIL-5、ラットIL-5、マウスIL-5、及びモルモットIL-5に対する結合について、T200システム(GE Healthcare社)を使用するBiacoreアッセイによって、抗体3A5.046を試験した。非ヒトIL-5のこのパネルは、前臨床開発において使用される主要な動物モデル種を代表するよう選択した。アイソタイプ対照抗体(IgG4)及び抗体3A5.046を、標準のアミンカップリング法を使用して、それぞれ、シリーズS CM5チップ(GE Healthcare社)のフローセル1及び2に固定した。サイトカインを、HBS-EP+ランニング緩衝液(GE Healthcare社)中1及び10μg/mlまで希釈し、フローセル1及び2にわたって注入した。フローセル1及び2にわたる緩衝液のみの注入は、二重参照のために含まれた。Biacore T200評価ソフトウェアを使用してデータ分析を実施した。得られたセンサーグラムを二重参照した(対照フローセル値、また緩衝液ブランクから減算した試験フローセル値)。
【0151】
抗体3A5.046は、ヒトIL-5及びカニクイザルIL-5に結合するが、マウスIL-5、ラットIL-5、又はモルモットIL-5には結合しないことが分かった(
図10A〜
図10E)。このことは、3A5.046がカニクイザル・マカク(cynomolgus macaque)の前臨床モデルで使用され得ることを示した。
【0152】
抗体3A5.046はIL-5に密接に関連する他のヒトサイトカインに結合しない
組換えヒトサイトカインIL-2、IL-3、IL-4、IL-5、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、及び成長ホルモン(GH)に対する結合について、T200システム(GE Healthcare社)を使用するBiacoreアッセイによって、抗体3A5.046を試験した。この密接に関連するヒトサイトカインの代表的なパネルを、ヒトIL-5に対するそれらの構造及び機能の類似性に基づいて選択した。アイソタイプ対照抗体(IgG4)及び抗体3A5.046を、標準のアミンカップリング法を使用して、それぞれ、シリーズS CM5チップ(GE Healthcare社)のフローセル1及び2に固定した。サイトカインを、HBS-EP+ランニング緩衝液(GE Healthcare社)中1及び10μg/mlまで希釈し、フローセル1及び2にわたって注入した。フローセル1及び2にわたる緩衝液のみの注入は、二重参照のために含まれた。Biacore T200評価ソフトウェアを使用してデータ分析を実施した。得られたセンサーグラムを二重参照した(対照フローセル値、また緩衝液ブランクから減算した試験フローセル値)。
【0153】
抗体3A5.046は、ヒトIL-5にのみ結合し、ヒトサイトカインIL-2、IL-3、IL-4、GM-CSF、M-CSF、又はGHには結合しないことが分かり(
図11A〜
図11D)、したがって、3A5.046のヒトIL-5に対する高い特異性が実証された。
ブタ回虫に誘導されるカニクイザルの気道好酸球増加症モデルにおける抗体3A5.046の評価
【0154】
Hart, T.K.ら、Preclinical efficacy and safety of mepolizumab(SB-240563)、humanized monoclonal antibody to IL-5, in cynomolgus monkeys. J Allergy Clin Immunol、2001. 108(2):250〜7頁に記載された急性気道好酸球増加症のブタ回虫カニクイザルモデルを使用して、抗体3A5.046を試験した。
【0155】
ブタ回虫に以前に感作された16頭の雌のカニクイザル・マカクを、A. suumによる皮内負荷によって保持された感受性レベルについて評価した。これらの動物のうちの14頭を、負荷に対する皮膚丘疹応答に基づいて、この研究における参加に対して選択し、1群当たりn=7の2つの群に無作為化した。皮内皮膚丘疹試験の2週間後に、ベースラインの血液及び気管支肺胞洗浄液(BALF)試料を採取した(8日目)。ベースライン試料採取の約24時間後に、盲検方式で、プラセボ(200mMのアルギニン及び25mMのヒスチジンを含む水性緩衝液(pH6.3)を含む)又は抗体3A5.046(200mMのアルギニン及び25mMのヒスチジンを含む水性緩衝液(pH6.3)中、静脈内に10mg/kg)のいずれかで、動物を処置した(7日目)。プラセボ又は抗体による処置の1週間後に、第2の皮内A. suum負荷を実施し、A. suum吸入負荷を、PARI LCネブライザーにより投与した等量のA. suum抽出物(Greer Laboratories Inc.社;滅菌水中5mg/ml)の送達によってすべての動物に与えた(0日目)。皮膚丘疹の直径を負荷の15分後に測定した。A. suum吸入負荷の2日後に、血液及びBALF試料を採取した。血液学エンドポイント及びPK分析のための更なる血液試料を、10日目に開始して45日目まで、毎週採取した。
【0156】
第1の皮内A. suum負荷と第2の皮内A. suum負荷の間に、皮膚丘疹応答における有意な差はなかった。すべての動物は、A. suum負荷の結果としてBALFにおける好酸球の増加を示したが、抗体3A5.046で処置した動物では、この増加は無視できるものであった。A. suum負荷の48時間後にプラセボ処置した動物と比較して、抗体3A5.046で処置した動物のBALFには有意に少ない好酸球が存在した(p<0.01;マン・ホイットニー検定;
図12)。
【0157】
A. suum負荷はまた、負荷の10日後にプラセボ処置した動物においてベースラインに対して血中好酸球の有意な増加を導いた(
図13A)。抗体3A5.046による処置は、ベースライン未満のレベルまで、血中好酸球の有意な減少を導き(
図13A)、この血中好酸球数の下降は、初期投与後少なくとも52日の期間にわたって維持された(
図13B)。
【0158】
まとめると、3A5.046による処置は、負荷の48時間後に、A. suumに誘導された気道好中球増加症を有意に低減させ、10mg/kgの静脈内(IV)単回投与後に少なくとも52日間、ベースラインレベル未満まで、血中好酸球を有意に減少させた。
【0159】
気道好酸球増加症のヒト化IL-5ラットモデルにおける抗体機能の調査
アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria)は、ヒトにおいて喘息を誘発することが知られている真菌アレルゲンであり、齧歯類において好酸球増加症及び喘息様症状を引き起こす可能性がある。Alternariaを負荷した場合、ヒト化IL-5ノックインラット(ラットIL-5をヒトIL-5によって置き換えた動物)は、肺由来の気管支肺胞洗浄液(BALF)における好酸球レベルの上昇を示す(
図14)。
【0160】
Alternaria懸濁液の単回気管内注入がヒト化IL-5ラットに投与され、Alternaria投与の2、3又は4日後に血液及びBALF試料が採取される。典型的には、このモデルにおいて、好酸球はBALF試料で有意に増加し、血液試料では増加するか又は変化しない場合がある。Alternariaによる好酸球増加症の誘導前に、試験抗体を投与し、BALF及び血液中の好酸球数を低減させるそれらの能力を評価する。
【0161】
当業者は、多数の変更及び修正が本発明の好ましい実施形態に対してなされ得ること、並びにこのような変更及び修正は本発明の精神を逸脱することなくなされ得ることを認識する。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内にあるすべてのこのような均等なバリエーションを網羅することが意図される。
【0162】
この文書で引用され又は記載されるそれぞれの特許、特許出願、及び刊行物の開示は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0163】
【表15A】
【0164】
【表15B】
【0165】
【表15C】
【0166】
【表15D】
【0167】
【表15E】
【0168】
【表15F】
【0169】
【表15G】
【0170】
【表15H】
【0171】
【表15I】
【0172】
【表15J】
【0173】
【表15K】
【0174】
【表15L】
【0175】
【表15M】
【0176】
【表15N】
【0177】
【表15O】
【0178】
【表15P】
【0179】
【表15Q】
【0180】
【表15R】
【0181】
【表15S】
【0182】
【表15T】
【0183】
【表15U】
【0184】
【表15V】
【0185】
実施形態
以下の実施形態のリストは、以前の記載に取って代わる又は以前の記載と取り替えるというよりは、補足することを意図するものである。
【0186】
実施形態1. 表面プラズモン共鳴によって決定される、少なくとも約40pMの平衡親和性定数(K
D)でヒトIL-5に免疫特異的に結合するヒト抗体分子。
【0187】
実施形態2. ヒトIL-5に免疫特異的に結合するヒト抗体分子であって、
配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号5、21、24、27、30、33、36、39、又は66のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7、42、又は45のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15、48、51、54、57、60、又は63のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、ヒト抗体分子。
【0188】
実施形態3. 配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、並びに
a. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
b. 配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
c. 配列番号24のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
d. 配列番号27のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
e. 配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
f. 配列番号33のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
g. 配列番号36のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
h. 配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
i. 配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
j. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
k. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号45のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
l. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
m. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号51のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
n. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
o. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号57のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
p. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;又は
q. 配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号63のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含み、CDRのアミノ酸残基の位置がAbMによって決定される、実施形態1又は2に記載の抗体分子。
【0189】
実施形態4. 配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、実施形態3に記載の抗体分子。
【0190】
実施形態5. 配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び
a. 配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
b. 配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
c. 配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
d. 配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
e. 配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
f. 配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
g. 配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
h. 配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
i. 配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
j. 配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
k. 配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
l. 配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
m. 配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
n. 配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
o. 配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
p. 配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;又は
q. 配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域
を含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0191】
実施形態6. 配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0192】
実施形態7. a. S228P変異;
b. M252Y変異、S254T変異、及びT256E変異;
c. 重鎖C末端リジン残基の欠失;又は
d. aからcのいずれかの組合せ
を含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0193】
実施形態8. S228P変異及び重鎖C末端リジン残基の欠失を含む、実施形態7に記載の抗体分子。
【0194】
実施形態9. S228P変異、M252Y変異、S254T変異、T256E変異、及び重鎖C末端リジン残基の欠失を含む、実施形態7に記載の抗体分子。
【0195】
実施形態10. IgG4重鎖定常領域及びラムダ軽鎖定常領域を含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0196】
実施形態11. 配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖、及び
a. 配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
b. 配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
c. 配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
d. 配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
e. 配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
f. 配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
g. 配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
h. 配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
i. 配列番号44のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
j. 配列番号47のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
k. 配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
l. 配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
m. 配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
n. 配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
o. 配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;
p. 配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖;又は
q. 配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0197】
実施形態12. 配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0198】
実施形態13. Fab断片、Fab2断片、又は単鎖抗体である、実施形態2又は実施形態3に記載の抗体分子。
【0199】
実施形態14. 以下の特性:
a. IL-5のIL-5受容体への結合を低減すること;
b. 少なくとも約20日の血清半減期を有すること;又は
c. ヒト及びカニクイザルIL-5に結合するが、マウス、ラット、若しくはモルモットIL-5には結合しないこと
のうちの1つ又は複数を有する、実施形態1から13のいずれか1つに記載の抗体分子。
【0200】
実施形態15. 表面プラズモン共鳴によって決定される、少なくとも約40pMの平衡親和性定数(K
D)でヒトIL-5に結合する、実施形態2に記載の抗体分子。
【0201】
実施形態16. 実施形態1から15のいずれか1つに記載の抗体分子を含む医薬組成物。
【0202】
実施形態17. 実施形態1から15のいずれか1つに記載の抗体分子をコードする核酸分子。
【0203】
実施形態18. 実施形態17に記載の核酸分子を含むベクター。
【0204】
実施形態19. 実施形態1から15のいずれか1つに記載の抗体分子を発現するように形質転換された細胞。
【0205】
実施形態20. 好酸球性喘息、好酸球増多症候群、好酸球の関与する鼻ポリープ症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、アトピー性皮膚炎又は好酸球性食道炎を有する対象を処置する方法であって、
治療有効量の実施形態1から15のいずれか1つに記載の抗体分子又は実施形態16に記載の医薬組成物を対象に投与して、好酸球性喘息、好酸球増多症候群、好酸球の関与する鼻ポリープ症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、アトピー性皮膚炎又は好酸球性食道炎を処置する工程を含む方法。
【0206】
実施形態21. 好酸球性喘息、好酸球増多症候群、好酸球の関与する鼻ポリープ症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、アトピー性皮膚炎、又は好酸球性食道炎の処置における、有効量の実施形態1から15のいずれか1つに記載の抗体分子又は実施形態16に記載の医薬組成物の使用。
【0207】
実施形態22. 好酸球性喘息、好酸球増多症候群、好酸球の関与する鼻ポリープ症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、アトピー性皮膚炎又は好酸球性食道炎の処置のための医薬の製造における、実施形態1から15のいずれか1つに記載の抗体分子又は実施形態16に記載の医薬組成物の使用。