【実施例】
【0213】
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示するものである。本明細書で別途記述されない限り、以下の実施例において、組成物の好ましい例示的な実施形態である、120μgの二価rLP2086用量レベルで、0.5mL用量あたり、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む60μgの第1の脂質化ポリペプチド、0.5mL用量あたり、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む60μgの第2の脂質化ポリペプチド、2.8のポリソルベート80の第1のポリペプチドに対するモル比、2.8のポリソルベート80の第2のポリペプチドに対するモル比、組成物1mlあたり0.5mgのAl
3+、10mMのヒスチジン、および150mMの塩化ナトリウムを含むMnB二価rLP2086組成物を参照する。
【0214】
より具体的には、120μgの二価rLP2086用量レベルの治験用二価組換えrLP2086ワクチンは、(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む60μgの第1の脂質化ポリペプチド;(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む60μgの第2の脂質化ポリペプチド;(c)18μgのポリソルベート80;(d)250μgのアルミニウム;(e)780μgのヒスチジン;および(f)4380μgの塩化ナトリウムを含む。各用量は0.5mLである。
【0215】
本明細書で別途記述されない限り、以下の実施例において、担体タンパク質として破傷風トキソイドにそれぞれカップリングされた、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)莢膜多糖A、C、W−135およびYを含む四価髄膜炎菌多糖コンジュゲート組成物の好ましい例示的な実施形態である、MenACWY−TT組成物を参照する。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群AおよびC多糖は、アジピン酸ジヒドラジド(AH)スペーサーを用いてコンジュゲートされ、破傷風トキソイドに間接コンジュゲートされているが、W−135およびY多糖は破傷風トキソイドに直接コンジュゲートされている。組成物は、保存剤またはアジュバントを一切含有しない。
【0216】
より具体的には、以下の実施例に記載される凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物は、用量(0.5mL)あたり、破傷風トキソイド担体タンパク質にコンジュゲートされた5マイクログラムの髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A多糖;破傷風トキソイド担体タンパク質にコンジュゲートされた5マイクログラムの髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C多糖;破傷風トキソイド担体タンパク質にコンジュゲートされた5マイクログラムの髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W−135多糖;破傷風トキソイド担体タンパク質にコンジュゲートされた5マイクログラムの髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y多糖;28mgのスクロース;97μgのトロメタモールを含む。
【0217】
(実施例1)
MenABCWY組成物
最終MenABCWY組成物は、筋肉内注射のための0.5mL用量のMenABCWYワクチンを引き出すために、凍結乾燥されたMenACWY−TT薬物製品(以下の実施例2に記載される)バイアルを、0.67mLのMnB二価rLP2086薬物製品(以下の実施例3に記載される)を用いて復元させることによって調製される。MenABCWYワクチンの調製において使用される全ての成分およびそれらの機能を、以下の表1に提供する。
【0218】
【表1】
【0219】
(実施例2)
MnB二価rLP2086薬物製品の説明および組成
MnB二価rLP2086薬物製品は、10mMのヒスチジン緩衝液、150mMの塩化ナトリウム(NaCl)、pH6.0と共に、リン酸アルミニウム(AlPO
4)として0.5mg/mLのアルミニウム中、120μg/mL/サブファミリーで製剤化されたrLP2086サブファミリーAおよびBタンパク質から構成される滅菌液体製剤である。PS−80のタンパク質に対する標的モル比を得るために、ポリソルベート80(PS−80)が薬物物質に添加される。したがって、PS−80は、薬物製品の製剤化中に添加されないが、同じ比で最終薬物製品中に存在する。薬物製品は、1mLのシリンジ中に充填される。ワクチンの単回用量は、0.5mLであり、保存剤を含まない。
【0220】
【表2】
【0221】
ポリソルベート80濃度の効果
ポリソルベート80(PS−80)は、非イオン性界面活性剤である。それは、温度、フィルター、チューブ、容器/閉合接触およびプロセス混合によって引き起こされ得る凝集および吸着を防止することによって、製剤中のMnB rLP2086サブファミリーAおよびBタンパク質を安定化および可溶化するために使用される。in vitroでのモノクローナル抗体に基づく効力アッセイを使用する安定性試験は、最終製剤中のPS−80のMnB rLP2086タンパク質に対するより高いモル比でのサブファミリーBタンパク質の不安定性を証明した。PS−80のタンパク質に対する変化するモル比を用いる実験は、PS−80のMnB rLP2086タンパク質に対する最適なモル比が、効力を保持するためには約1.4〜4.2であることを証明した。
【0222】
(実施例3)
MenACWY−TT組成物の説明および組成
MenACWY−TT薬物製品は、それぞれ、多糖に対する約3、約3、約1.5および約1.3の比で破傷風トキソイド(TT)にそれぞれコンジュゲートされた、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、C、WおよびYの精製された多糖から構成される。
【0223】
MenACWY−TT薬物製品は、凍結乾燥にとって好適なブロモブチルゴム閉合およびアルミニウムフリップオフキャップを有する3mLのガラスバイアル中で供給される、凍結乾燥粉末として提供される。MenACWY−TT薬物製品の製造において使用される全ての成分およびそれらの機能を、表3に提供する。
【0224】
【表3】
【0225】
(実施例4)
MenABCWY組成物の調製
最終MenABCWY組成物は、凍結乾燥されたMenACWY−TT薬物製品バイアルを、0.67mLのMnB二価rLP2086を用いて復元することによってクリニックで調製される。得られるMenABCWY組成物(ワクチン液体薬物製品)は、筋肉内注射のために10mMヒスチジンならびに160.5〜161.1mMの塩化ナトリウム、リン酸アルミニウム(AlPO4)としての0.5mg/mLのアルミニウム、0.035mg/mLのポリソルベート80および56mg/mLのスクロース、pH6.05を含有する1.6mMのトリス緩衝液中、120mcg/mL/サブファミリーのrLP2086サブファミリーAおよびBタンパク質、それぞれ、約3、約3、約1.5および約3の比で破傷風トキソイドにコンジュゲートされた10mcg/mL/タイプの濃度の髄膜炎菌(Neisseria meningitis)タイプA、C、WおよびYの精製された多糖を含有する。
【0226】
MenABCWYワクチンは、2つの薬物製品、MenACWY−TTとMnB二価rLP2086とを混合することによって調製される。緩衝成分および賦形剤は、各成分の個々の発達に基づいて選択され、長い保存可能期間のための必要な安定性プロファイルを提供することが示されている。
【0227】
用量検証試験を実施して、MenABCWYワクチンの投与のために一緒に混合した場合、MenACWY−TT薬物製品とMnB二価rLP2086薬物製品とが適合すること、ならびに全ての薬物製品および投薬溶液が投与成分と適合すること、ならびに投薬溶液が用量調製および投与操作を実施するのに十分な期間にわたって投与成分中で安定であることを証明した。周囲温度および光条件で保持時間にわたって0.67mLのMnB二価rLP2086薬物製品を用いたMenACWY−TT薬物製品の復元によって調製されたMenABCWYワクチンの安定性を、復元されたバイアルおよび投薬シリンジ中で確認した。
【0228】
MenABCWYワクチンの投薬溶液を代表する試料を、抗原の結合および純度に関するRP−HPLC、所定の許容基準を用いるbioplex活性アッセイ、ELISA、およびICP−MSなどの安定性指示方法を使用して試験した。この試験の結果は、室温および光条件で24時間のMenABCWYワクチンの許容し得る安定性を示す。これらのデータは、以下の実施例5〜15で示され、説明される。
【0229】
(実施例5)
MenABCWYワクチンの評価
凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物を、MnB二価rLP2086組成物を用いて復元した場合に許容し得る物理的適合性および短期安定性が存在するかどうかを評価するための試験を実行した。凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物と液体MnB二価rLP2086組成物とを混合し、現実の生活条件を近似する制御されていない室温環境中で最大24時間保存した。凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物を、手で穏やかに混合しながら液体MnB二価rLP2086組成物を用いて復元することができ、pHと浸透圧の組合せが注射物質の典型的な範囲内にあることが示された。コンジュゲートおよびタンパク質に関する全ての重要な属性は、制御されていない室温環境中で最大24時間にわたって対照のものと類似していた。
【0230】
物理的適合性を、組合せ薬物製品のpH、外見、復元の容易性、および浸透圧を評価することによって評価した。抗原の安定性を、rLP2086サブファミリーAおよびサブファミリーBタンパク質の濃度、純度およびin vitroでの相対的抗原性(IVRA)ならびにコンジュゲートされた髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖の濃度をELISAによって評価することによって評価した。
【0231】
実施例5〜実施例15は、凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物と液体MnB二価rLP2086組成物との組合せ、すなわち、MenABCWY組成物が、室温で少なくとも24時間にわたって適合性であり、安定であることがわかったことを証明する。
【0232】
MenABCWY組成物中のMening A、C、Y、およびW−135多糖濃度を決定するためのELISA−Mening A、C、YおよびW−135 ELISAの開発&検出のためのpAbのスクリーニング
6つの抗体を、ELISAアッセイにおける使用のためのスクリーニングで選択した。10匹のウサギの4つの群のそれぞれを、抗体発生後に続いて放血させたウサギを用いて、Men A、C、YまたはW−135多糖TTコンジュゲートで免疫した。それぞれのウサギを、結合および特異性について担体タンパク質CRM
197にコンジュゲートしたMen A、C、YまたはW−135多糖を使用して個別にスクリーニングした。ウサギ血清を、バックグラウンド吸光度を3倍より超える吸光度読取り値と等価である、陽性結合シグナルについてスクリーニングした。さらに、ウサギ血清を、ブランクに関する吸光度読取り値を超える、二次または検出抗原を含まない血清組合せに関する任意の吸光度読取り値である、低い非特異的結合、ならびに、バックグラウンド吸光度を超える異種血清型に関する任意の吸光度読取り値である、低い交差反応性についてスクリーニングした。スクリーニング基準を満たしたウサギをプールした。CRMコンジュゲートを使用して標準曲線範囲を確立し、復元された凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物を用いて確認した。CRMコンジュゲートを使用して標準曲線範囲を確立し、復元された凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物を用いて確認した。
【0233】
組合せ薬物製品(MenABCWY組成物)中のA、C、YおよびWコンジュゲートを定量する実現可能性を確立した。MnB二価rLP2086組成物のみがアッセイにおいて検出されないことが決定された。さらに、MenABCWY組成物試料中のリン酸アルミニウムを可溶化した場合、コンジュゲートの完全な回収が得られた。したがって、MnB二価rLP2086組成物は、ELISAによるMenACWY−TTコンジュゲートの定量化を妨害しないことが決定された。
【0234】
(実施例6)
MenACWY−TT組成物の存在下でMnB二価rLP2086組成物を評価するための方法の好適性の評価
IEX−HPLCを、MenACWY−TT組成物の存在下でのMnB二価rLP2086組成物サブファミリーAおよびBタンパク質の強度を決定するためのその好適性について評価した。MenACWY−TT組成物の存在下およびMenACWY−TT組成物の非存在下でのMnB二価rLP2086組成物に関する総タンパク質および結合したタンパク質の結果にアクセスした。重ね合わせたクロマトグラムを、
図1に示す。
【0235】
【表4】
【0236】
(実施例7)
MenACWY−TT組成物の存在下でのMnB二価rLP2086組成物の純度およびピーク比の評価
RP−HPLCを、MenACWY−TT組成物の存在下でのMnB二価rLP2086組成物の純度を決定するためのその好適性について評価した。MenACWY−TT組成物の存在下およびMenACWY−TT組成物の非存在下でのMnB二価rLP2086組成物に関する純度の結果を比較した。重ね合わせたクロマトグラムを、
図2に示す。不純物ピークの統合の例を、
図2に差込み図として示す。評価結果は、MenACWY−TT組成物の存在は、RP−HPLC法を使用するMnB二価rLP2086組成物の純度の評価を妨害しないことを示す。
【0237】
(実施例8)
MenACWY−TT組成物の存在下でのMnB二価rLP2086組成物IVRAの評価
IVRA法を、MenACWY−TT組成物の存在下でのMnB二価rLP2086組成物サブファミリーA(配列番号1)およびサブファミリーB(配列番号2)タンパク質のin vitroでの相対的抗原性の決定のためのその好適性について評価した。
【0238】
MenACWY−TT組成物の存在下および非存在下でのMnB二価rLP2086組成物サブファミリーAおよびサブファミリーBタンパク質に関するIVRAの結果を比較した。実現可能性評価結果は、アッセイ変動性の範囲内で、結果が比較可能であること、およびMenACWY−TT組成物の存在がin vitroでの相対的抗原性の決定を妨害しないことを示す。
【0239】
(実施例9)
MnB二価rLP2086組成物を用いるMenACWY−TT組成物バイアルの復元
MenACWY−TT組成物およびMnB二価rLP2086組成物薬物製品を、MnB二価rLP2086組成物薬物製品を用いて復元されたMenACWY−TT組成物バイアルを使用して実施した。食塩水またはMenACWY−TT組成物マトリックスプラセボのいずれかを用いて復元されたMenACWY−TT組成物バイアルを、方法に応じて対照として使用した。
【0240】
【表5】
【0241】
MenACWY−TT組成物に関する食塩水復元容量の決定
NIMENRIX(登録商標)市販品パッケージは、凍結乾燥されたMenACWY−TT組成物を含有するバイアルと、復元のために使用される0.9%の食塩水を含有するシリンジとの両方を含有する。MnB二価rLP2086組成物を用いた復元の際に市販のワクチンにおいて最終NIMENRIX(登録商標)濃度を再現するために、市販品からシリンジを使用して分注される食塩水の量を決定しなければならない。次いで、この同じ容量のMnB二価rLP2086組成物を、全ての復元試験のために使用する。
【0242】
MnB二価rLP2086組成物を用いたMenACWY−TT組成物バイアルの復元
MnB二価rLP2086組成物を、10mLのガラスバイアル中にプールした。約800μLの溶液を、1mLのシリンジ中に引き出した。シリンジの調整された内容物を、MenACWY−TT組成物を含有するバイアル中に注入した。バイアルを回転させて、内容物を溶解させた。
【0243】
MenABCWY組成物に関して2組の試料上でpHおよび外見を決定した。食塩水を用いて復元されたMenACWY−TT組成物およびMnB二価rLP2086組成物を用いて復元されたMenACWY−TT組成物に関して、3回、浸透圧を測定した。
【0244】
(実施例10)
DPマトリックス中でのMening A、C、Y、およびW−135多糖の安定性を評価するためのSEC−MALLS
組合せ薬物製品(MenABCWY組成物)中のコンジュゲート化髄膜炎菌A、C、Y、およびW−135多糖の不安定性を予想できるかどうかを評価するための代用物として、Mening A、C、Y、およびW−135多糖を使用した。
【0245】
Mening A、C、YおよびW−135多糖の処理
試薬の調製(「完全MenABCWY組成物緩衝液マトリックス」)
2.24gのスクロースと、7.8mgのトリス(トロメタミン)を、MnB rLP2086タンパク質を含む20mlの2X MnB二価rLP2086組成物緩衝液マトリックス(ヒスチジン20mM pH6.0、NaCl 300mM、PS80 0.07mg/ml、ALPO4 1mg/ml(8mM)、rLP2086サブファミリーA(配列番号1)およびサブファミリーB(配列番号2)タンパク質、それぞれ240μg/mL)に添加した。
【0246】
試料の調製
それぞれのMening多糖を、完全MenABCWY組成物緩衝液マトリックスで1:1に希釈し、5℃、25℃および37℃で、0、6および24時間インキュベートした。インキュベーション後、試料懸濁液を14,000rpmで1分間スピンした。上清をSEC−MALLSによって分析した。
【0247】
(実施例11)
MenABCWY組成物の安定性−MnB二価rLP2086とMenACWY−TT組成物との組合せのpH、外見、および浸透圧の評価
MnB二価rLP2086組成物とMenACWY−TT組成物との組合せ、すなわち、MenABCWY組成物のpHおよび外見を、復元の直後に、および24時間後に再度、評価した。全ての結果は予想通りであった(表6)。
【0248】
【表6】
【0249】
【表7】
【0250】
(実施例12)
組合せ薬物製品中のMening A、C、Y、およびW−135多糖コンジュゲートの濃度
MenABCWY組成物中のMening A、C、YおよびW−135−TTコンジュゲートの濃度を最初に評価し、24時間後に再度評価した。4つのコンジュゲートの濃度は、24時間の期間にわたって安定であった(表8)。
【0251】
【表8】
【0252】
(実施例13)
MenABCWY組成物中のMnB二価rLP2086タンパク質の安定性の評価
組合せ薬物製品中の総および結合したrLP2086サブファミリーA(配列番号1)およびサブファミリーB(配列番号2)タンパク質濃度
MenABCWY組成物試料を、IEX−HPLCによって分析して、タンパク質濃度を決定した。表9に示されるように、総タンパク質、結合したタンパク質(アルミニウムに)、およびMnB二価rLP2086サブファミリーA(配列番号1)およびサブファミリーB(配列番号2)タンパク質の両方の結合率(%)(アルミニウムに結合した)は、24時間以内に変化しなかったが、これは、rLP2086サブファミリーAおよびサブファミリーBタンパク質が、24時間の期間にわたって安定であることを示している。
【0253】
【表9】
【0254】
(実施例14)
組合せMenABCWY組成物中のrLP2086タンパク質の純度およびピーク比
MenABCWY組成物試料を、RP−HPLCによって分析して、rLP2086タンパク質の純度およびピーク比を決定した。
図3を参照されたい。11.9minのピークは、純度の計算から除外される。
【0255】
組合せ薬物製品中でのrLP2086サブファミリーAおよびサブファミリーBタンパク質のIVRA
MenABCWY組成物試料のIVRAを、混合後24時間まで評価した。MenABCWY組成物中のrLP2086サブファミリーA(配列番号1)およびサブファミリーB(配列番号2)タンパク質の相対的抗原性は、24時間の期間にわたって安定であることが決定された。
【0256】
(実施例15)
SEC−MALSによる完全MenABCWY組成物緩衝液マトリックス中でのMening A、C、Y、およびW−135多糖の安定性
様々な温度での6および24時間のインキュベーション後のSEC−MALLSによる完全MenABCWY組成物緩衝液マトリックス中でのMening A PSの安定性
Mening A、C、W、およびY多糖を、完全MenABCWY組成物緩衝液マトリックスと混合し、5℃、25℃および37℃で最大24時間のインキュベーション後にSEC−MALSによって安定性について評価した。4つ全ての多糖が、5℃および25℃で最大24時間、安定であると考えられる。Mening AおよびYについては、37℃で一部の分解が観察された。初期以外の全ての試験条件下で、高いMwの凝集物の形成のため、Mening Y多糖については、分解の程度を決定することができなかった。
【0257】
【表10】
【0258】
(実施例16)
MenACWXYに対するMnB二価rLP2086組成物により誘導されるhSBA活性交差防御の評価
TRUMENBA MnB二価rLP2086組成物は、1つがそれぞれのサブファミリーに由来する2つの脂質化H因子結合タンパク質(fHBP)を含有し、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)血清群Bに対する防御を提供する。fHBPは、血清群A、C、W、Y、およびXにおいて変化するレベルで発現されることがわかっており、これは、MnB二価rLP2086組成物がこれらの血清群に対する防御を提供することができることを示唆している。本発明者らは、B1971015試験に由来する血清を使用して、TRUMENBA MnB二価rLP2086組成物が血清群A、C、W、YおよびXに対する防御を提供することができることの概念実証を精査した。株を世界レベルで収集した(最近の英国でのアウトブレイクに由来するMnW株およびアフリカで新しく出現しているMnXを含む)。hSBAを開発するための候補株を選択するためのプロセスならびにMnB二価rLP2086組成物で免疫された対象のサブセットおよび比較として四価髄膜炎菌莢膜多糖コンジュゲートワクチン(MCV4)で免疫されたサブセットに由来する免疫応答を記載する。
【0259】
免疫原性の決定のために使用される血清
2群の対象がMENACTRA(髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲートワクチン[MCV4])およびADACEL(破傷風トキソイド、減量ジフテリアトキソイド、無細胞性百日咳ワクチン[Tdap])または二価rLP2086(米国で認可された、TRUMENBA[髄膜炎菌血清群Bワクチン])のいずれかを受けた、B1971015試験、第2相、無作為化、実対照薬、観察者盲検に由来する血清のサブセットを使用して、以下に記載のように選択されたMnACWYX株を使用するhSBAにおける免疫原性にアクセスした。
【0260】
ベースライン血清陽性率
マイクロコロニーに基づくhSBAにおけるベースライン血清陽性率を、B1971015試験に由来する青少年から得られた非免疫またはワクチン接種前の血清を使用して見積もった。この目的のために、血清陽性は、予測アッセイLLOQであった、1:8以上のhSBA力価と定義される。アッセイ開発のために考慮すべきことに、株は低いベースライン血清陽性(すなわち、約40%未満のベースライン血清を使用する1:8以上のhSBA力価の比率)を示さなければならない。
【0261】
免疫原性の決定のために使用される血清
2群の対象がMENACTRA(髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲートワクチン[MCV4])およびADACEL(破傷風トキソイド、減量ジフテリアトキソイド、無細胞性百日咳ワクチン[Tdap])または二価rLP2086(米国で認可された、TRUMENBA[髄膜炎菌血清群Bワクチン])のいずれかを受けた、B1971015試験、第2相、無作為化、実対照薬、観察者盲検に由来する血清のサブセットを使用して、以下に記載のように選択されたMnACWYX株を使用するhSBAにおける免疫原性にアクセスした。
【0262】
結果および考察
血清群A
血清群AのSBA株プールには、南アフリカに由来する17種の株、米国に由来する4種の株およびオランダに由来する1種の株があった。このコレクション中の血清群A株の73パーセントが、B16を発現し、23%がB22を発現する。血清群A株のこのコレクションにおける優勢なクローン複合体は、ST−1およびST−5である。1100MFIを超えるfHBP発現レベルを示すB16を発現する2種の株およびB22を発現する1種の株を、さらなる試験のために選択した。36ロットのC’を、C’T30/T0比スクリーニングのために使用した。株を非特異的に殺滅しなかった適切なヒト血清補体供給源を、C’通過速度によって同定することができなかったため、PMB1546を除外した(表11)。青少年の免疫前血清に関する、高いベースライン血清陽性率(52%)のため、PMB3143を除外した。PMB3257は、選択基準を満たした:適切な補体供給源が同定され、青少年の免疫前血清に関する低いベースライン血清陽性率が、例えば、0%であり、hSBAが技術的に実現可能であった。
【0263】
【表11】
【0264】
血清群C
血清群CのSBA株プールには、米国に由来する49種の株およびオランダに由来する10種の株があった。fHBP配列は、血清群Cにおいてはより異種性である。株プールは、少なくとも17%、すなわち、19%の、fHBP A10を発現する株であったMenC株および10%のA15を発現する株を含有する。血清群C株のこのコレクションにおける優勢なクローン複合体は、ST11/ET−37複合体およびST−103である。1100MFIを超えるfHBP発現レベルを示す、A10を発現する1種の株およびA15を発現する3種の株を、さらなる試験のために選択した。36ロットのC’を、C’T30/T0比スクリーニングのために使用した。株を非特異的に殺滅しなかった適切なヒト血清補体供給源を、C’通過速度によって同定することができなかったため、PMB5180、およびfHBPに関してA15を発現するPMB5196を除外した(表12)。PMB5043については、C’通過初期スクリーニング試験は、T30/T0比のためSBAアッセイにおいて失敗した。PMB5208は、選択基準を満たした:適切な補体供給源が同定され、青少年の免疫前血清に関する低いベースライン血清陽性率、17%が確認され、hSBAが技術的に実現可能であった。
【0265】
【表12】
【0266】
血清群W
血清群WのSBA株プールには、米国に由来する14種の株、オランダに由来する9種の株および英国に由来する6種の最近のアウトブレイク株があった。fHBP配列は、血清群W株のこのコレクションにおいてはより均一である。このプールにおける株の45%は、fHBP A19バリアントを発現し、45%はfHBP A10を発現した。血清群WプールにおけるfHBP A19バリアント株に関する優勢なクローン複合体は、ST−22であり、fHBP A10バリアント株に関する優勢なクローン複合体は、ST−11/ET−37複合体である。米国に由来する、A19を発現する1種の株およびA10を発現する1種の株を選択した。1100MFIを超えるfHBP発現レベルを示す、A10を発現する2種の英国のアウトブレイク株を、さらなる試験のために選択した。36ロットのC’を、C’T30/T0比スクリーニングのために使用した。4種の株の全てが、この初期のC’スクリーニング試験を通過した。青少年の免疫前血清に関する血清陽性率がそれぞれ74%および48%であったため、免疫前の比率に基づいて、PMB5524およびPMB5163を除外した。PMB5248およびPMB5523は、選択基準を満たした:適切な補体供給源が同定され、青少年の免疫前血清に関する低いベースライン血清陽性率が、例えば、それぞれ、26%および28%であり、hSBAが技術的に実現可能であった(表13)。
【0267】
【表13】
【0268】
血清群X
血清群XのSBA株プールには、アフリカに由来する8種の株およびオランダに由来する1種の株があった。アフリカに由来する5種の株はfHBP B49バリアントを発現し、3種の株は新しいfHBP型を有し、オランダに由来する1種の株はfHBP B09を発現した。9種全部の株に関するfHBP発現は、1100MFIを超えていた。3種のアフリカアウトブレイク株およびオランダに由来する1種の株を、さらなる試験のために選択した。36ロットのC’を、C’T30/T0比スクリーニングのために使用した。4種の株の全てが、C’初期スクリーニング試験を通過した。青少年の免疫前血清に関する血清陽性率が68%であったため、免疫前の比率に基づいて、PMB5467を除外した。PMB5537、PMB5540およびPMB5539は、選択基準を満たした:適切な補体供給源が同定され、青少年の免疫前血清に関する低いベースライン血清陽性率が、例えば、0であり、hSBAが技術的に実現可能であった(表14)。PMB5540を、評価のために選択した。
【0269】
【表14】
【0270】
血清群Y
血清群YのSBA株プールには、米国に由来する87種の株およびオランダに由来する30種の株があった。fHBP配列は、血清群Y株のこのコレクションにおいてはより均一である。このプールにおける血清群Y株の66%は、fHBP A15を発現する。この血清群YコレクションにおけるfHBP A15バリアント発現株に関する優勢なクローン複合体は、ST−23/クラスター A3である。このコレクションにおける血清群Y株のわずか15%が、1100MFIを超えるfHBP発現レベルを有する。1100MFIを超えるfHBP発現レベルを示す、A15バリアント群に由来する3種の株を、さらなる試験のために選択した。36ロットのC’を、C’T30/T0比スクリーニングのために使用した。株を非特異的に殺滅しなかった適切なヒト血清補体供給源を、C’通過速度によって同定することができなかったため、PMB5122、PMB5053およびPMB5050を除外した(表15)。fHBP B47を有するPMB5187をC’T30/T0スクリーニングのために選択し、株を非特異的に殺滅しなかったC’供給源を同定することができた(表15)。PMB5187が血清群Yに関する優勢なfHBPバリアントを発現しなかったとしても、この株は他の選択基準を満たした:適切な補体供給源が同定され、青少年の免疫前血清に関する低いベースライン血清陽性率が、例えば、4%であり、hSBAが技術的に実現可能であった。
【0271】
【表15】
【0272】
それぞれの血清群に関するfHBPの優勢なバリアントであること、1100MFIを超えるfHBP発現およびアッセイの実現可能性(例えば、ヒト補体およびベースライン血清陽性率の同定)に基づいて、hSBA開発のためにMnACYWX株を選択した。6種の選択されたMnACYWX株の特徴、ならびに各バリアント群に関するfHBP発現中央値を、表16にまとめる。
【0273】
【表16】
【0274】
免疫原性分析
MnACYWX試験株をhSBAにおいて使用して、第2相同時試験B1971015に登録した10歳から13歳未満の健康な青少年のサブセットにおいて惹起される免疫応答を評価した。選択された6種の株について、TRUMENBAにより惹起されたhSBA応答を、MENACTRAにより惹起された(髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲートワクチン[MCV4])hSBA応答と比較した(表17)。
【0275】
MenAを除くMenCWYX株に関する防御の許容される相関(すなわち、1:4以上のhSBA力価)よりも厳密な基準である、1:8以上のhSBA力価に基づくと、高い割合のワクチン接種された個体において大きな殺菌抗体応答が観察され、MCV4で免疫された対象に由来する97%と比較してTRUMENBAで免疫された対象に由来する28%であった。TRUMENBAの応答は、2種の血清群W株(PMB5248、100%、PMB5523、97%)については用量2の1カ月後にピークに達し、血清群C、Y、X株については用量3の1カ月後にピークに達し、その応答率は83%〜100%であった。MCV4の応答は、用量1の1カ月後にピークに達し、MenXについては応答しなかった。TRUMENBAにより惹起された抗体は、MCV4によってカバーされないMenXに対して防御する能力を示した。MnC、WまたはY株に対する3用量後のTRUMENBAの応答率(すなわち、1:8以上の%)は、1用量後のMCV4の応答率と同等である。MnACYWX hSBA試験株から得られた免疫原性データは、B以外の血清群に対する防御に関する概念実証を提供する。
【0276】
【表17】
【0277】
結論。それぞれの血清群に関するfHBPの優勢なバリアントであること、MnBに関するfHBP発現閾値を超えるfHBP発現およびアッセイの実現可能性(例えば、ヒト補体およびベースライン血清陽性率の同定)に基づいて、hSBA開発のためにMnACYWX株を選択した。MnACYWX株を使用するhSBAにおいてTrumenbaで免疫された対象に由来する血清の使用は、Trumenbaにより惹起される抗体がB以外の血清群に対する防御を提供することができることの概念実証を提供した。3用量後に二価rLP2086により惹起される応答(例えば、1:8以上の力価を示す対象のパーセンテージ)は、血清群C、WおよびYに由来する株については1用量後にMCV4により惹起される応答と同等であるが、血清群A株については低い。さらに、高い割合の対象における1:8以上の二価rLP2086により惹起されるhSBA力価は、MCV4によっては提供されない、MenXに対する防御を示す。
【0278】
(実施例17)
Trumenbaは非血清群Bの髄膜炎菌に対する殺菌抗体を惹起する
序論。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(Men)は、幼児、青少年、および若年成人における細菌性髄膜炎および敗血症の主因である。5種の主要な疾患を引き起こす髄膜炎菌血清群A、B、C、YおよびWが存在し、第6の血清群Xは、アフリカで出現している。四価髄膜炎菌コンジュゲートワクチン(MCV4)は、世界の様々な地域で髄膜炎菌血清群A、C、YおよびWによって引き起こされる疾患から防御するために使用されている。血清群B疾患に対する防御を提供することを意図する、最近認可されたワクチンであるTRUMENBA(登録商標)(MenB−FHbp、二価rLP2086、Pfizer Inc、Collegeville、PA)は、1つが2つのH因子結合タンパク質(FHbp)系統発生サブファミリー2のそれぞれに由来する、2つの組換えリポタンパク質からなる。FHbpをコードする遺伝子は、血清群分類に関係なく、ほぼ全ての侵襲性Men株に見出される。前臨床試験は、他の疾患を引き起こす血清群に対して防御するMenB−FHbpの能力を示した。予備試験において、単一のFHbpバリアント抗原を含む、MenBワクチンBEXSERO(登録商標)(MenB−4C;Novartis Inc、Cambridge、MA)は、MenXおよびMenW株に対する殺菌性免疫応答を惹起することができた。この試験の目的は、MenB−FHbpによって青少年において惹起される抗体がMenA、C、W、YおよびX株に対して殺菌性であるかどうかを精査するための探索的アッセイを使用してこれらの観察を拡張し(
図7)、それによって、血清群にわたる髄膜炎菌疾患に対する防御の能力を提供することであった。
【0279】
実験の概説。候補株(
図8)から、
・ヒト補体殺滅のみの影響を受けにくかった株、
・MenB株によって発現されるFHbpを指向する殺菌抗体を有することが示された血清を使用するhSBAにおいて殺滅された株、
・ワクチン接種前血清(25のワクチン接種前血清;
図9を参照されたい)に関して低いベースライン力価を有する株
を選択する。選択された株(表18、
図10)について、探索的hSBAアッセイを開発する。hSBAにおいて試験された血清については、
図9を参照されたい。応答率=防御の確立された相関よりも高い(1:4以上)、1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ(
図11〜16)。
【0280】
【表18】
【0281】
図9を参照すると、A群0カ月に由来する25の血清を使用して、前免疫を試験した。0および1カ月で引き出したA群および0、1、3および7カ月で引き出したB群に由来する30人の対象に由来する血清を、hSBA試験について使用した。応答率の評価項目は、1:8を超える力価を有する血清のパーセンテージである。
【0282】
図10−FHbp反応性mAb MN994−11を使用するフローサイトメトリー実験から決定されたFHbp表面発現レベル(MFI)の分布。血清群内のそれぞれの株に関するFHbp表面発現は黒色の点で記載されるが、各血清群内の選択された試験株に関するFHbp表面発現レベルは色付きの星印で記載される。
【0283】
図11−MenA PMB3257(B16)に関するhSBA応答率(1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ)。MenBFHbpに関する免疫前(0カ月)ならびに用量1、2および3の1カ月後に収集された血清に関する応答率および95%信頼区間を示す。得られた幾何平均力価(GMT)は、それぞれ、2、3、4、および5であった。陽性対照群の対象に関する応答率は、ワクチン接種前は3%であり、MCV4を受けた1カ月後には97%であった。陽性対照群に関するGMTは、それぞれ、2および95であった。
【0284】
図12−MenC PMB5208(A10)に関するhSBA応答率(1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ)。MenBFHbpに関する免疫前(0カ月)ならびに用量1、2および3の1カ月後に収集された血清に関する応答率および95%信頼区間を示す。得られたGMTは、それぞれ、4、8、12および29であった。陽性対照群の対象に関する応答率は、ワクチン接種前は20%であり、MCV4を受けた1カ月後には90%であった。陽性対照群に関するGMTは、それぞれ、3および119であった。
【0285】
図13−MenW PMB5248(A19)に関するhSBA応答率(1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ)。MenBFHbpに関する免疫前(0カ月)ならびに用量1、2および3の1カ月後に収集された血清に関する応答率および95%信頼区間を示す。得られたGMTは、それぞれ、4、18、47および77であった。陽性対照群の対象に関する応答率は、ワクチン接種前は40%であり、MCV4を受けた1カ月後には97%であった。陽性対照群に関するGMTは、それぞれ、5および88であった。
【0286】
図14−MenW PMB5523(A10)に関するhSBA応答率(1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ)。MenBFHbpに関する免疫前(0カ月)ならびに用量1、2および3の1カ月後に収集された血清に関する応答率および95%信頼区間を示す。得られたGMTは、それぞれ、7、15、21、および42であった。陽性対照群の対象に関する応答率は、ワクチン接種前は55%であり、MCV4を受けた1カ月後には97%であった。陽性対照群に関するGMTは、それぞれ、8および60であった。
【0287】
図15−MenY PMB5187(B47)に関するhSBA応答率(1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ)。MenBFHbpに関する免疫前(0カ月)ならびに用量1、2および3の1カ月後に収集された血清に関する応答率および95%信頼区間を示す。得られたGMTは、それぞれ、3、7、31、および58であった。陽性対照群の対象に関する応答率は、ワクチン接種前は13%であり、MCV4を受けた1カ月後には97%であった。陽性対照群に関するGMTは、それぞれ、3および79であった。
【0288】
図16−MenX PMB5540(B49)に関するhSBA応答率(1:8以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージ)。MenBFHbpに関する免疫前(0カ月)ならびに用量1、2および3の1カ月後に収集された血清に関する応答率および95%信頼区間を示す。得られたGMTは、それぞれ、2、3、7および20であった。陽性対照群の対象に関する応答率は、ワクチン接種前は0%であり、MCV4ワクチンを受けた1カ月後には0%であった。陽性対照群に関するGMTは、それぞれ、2および2であった。
【0289】
まとめ。MenB−FHbpによって惹起された応答率は、MenW株、PMB5248については用量2の1カ月後(3カ月目)にピークに達し(100%)、MenC、MenY、およびMenX株、ならびに第2のMenW株については用量3の1カ月後(7カ月目)にピークに達した(応答率の範囲は83%〜100%である)。
【0290】
MenA試験株に関するhSBAによって測定された応答率は、実質的により低く、MenB−FHbpの3用量後、28%でピークに達した。
【0291】
髄膜炎菌疾患に対する防御の認識された相関は、1:4以上のhSBA力価である。少なくとも1:8のhSBA力価を惹起するMenB−FHbpの能力は、MenB−FHbpがMCV4によってカバーされないMenXを含む、B以外の髄膜炎菌血清群によって引き起こされる疾患に対して防御することができることの概念実証を提供する。
【0292】
(実施例18)
24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象における、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B二価組換えリポタンパク質2086ワクチン(二価rLP2086、すなわち、現在はTRUMENBA(登録商標)ワクチン)の免疫原性、安全性、および忍容性について記述するための第2相、無作為化、対照薬、観察者盲検(B1971017−syn)
試験設計:これは、0、2および6カ月のスケジュールの一部として24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象に投与される120μgの用量レベルの二価rLP2086の免疫原性、安全性、および忍容性を評価するために設計された第2相、無作為化、対照薬、観察者盲検、多施設試験であった(表19)。約400人の対象を、3:1の比で2群のうちの1群に無作為に割り当てるよう計画した。第1群は、0カ月(訪問1)で二価rLP2086を受けた後、2および6カ月でその後のワクチン接種を受けた。第2群は、0カ月(訪問1)および6カ月でライセンス供与された小児A型肝炎ウイルス(HAV)ワクチンを受け、盲検を維持するために2カ月で食塩水を用いる注射を受けた。追跡訪問を、それぞれのワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の6カ月後に行って、安全性データを収集し、および/または血液試料を取得した。対象は、最大で13カ月間、試験に参加した。
【0293】
【表19】
【0294】
投与されたワクチン:第1群の対象には、0、2および6カ月で上腕三角筋に筋肉内注射によって二価rLP2086を投与した。第2群の対象には、それぞれ、0、2、および6カ月で上腕三角筋にHAVワクチン/食塩水/HAVワクチンを投与した。
【0295】
免疫原性評価:免疫原性分析を容易にするために、対象は、1回目のワクチン接種の直前、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後に収集された約5〜10mL(年齢に応じて)の血液を有していた。二価rLP2086に対する免疫応答の評価のために、機能的抗体を、偏りのないアルゴリズムを使用して選択された4種の一次MnB試験株を用いて検証されたhSBAにおいて分析し、PfizerのMnB血清殺菌アッセイ(SBA)株プールから、調節入力に基づいて疫学的有病率について調整した。hSBAは、標的髄膜炎菌株の補体依存的破壊を開始させるヒト血清中の抗体を測定するものである。ワクチン成分抗原に対して異種であるH因子結合タンパク質(fHBP)バリアントをそれぞれ発現する、4種の一次MnB試験株、PMB80(A22)、PMB2001(A56)、PMB2948(B24)、およびPMB2707(B44)を、この試験における免疫原性の評価項目の決定のためにhSBAにおいて使用した。1回目の試験ワクチン接種前、2回目の試験ワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目の試験ワクチン接種の1および6カ月後に全対象から得られた血清を、これらのアッセイにおいて使用した。一次分析のために、2つの一次試験株(PMB80[A22]およびPMB2948[B24])を、対象の半分についてそれぞれの採血時点で試験し(両群において)、他の2つの一次試験株(PMB2001[A56]およびPMB2707[B44])を、対象の残りの半分についてそれぞれの採血時点で試験した。
【0296】
主要免疫原性評価項目は、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関して定量下限(LLOQ)以上のhSBA力価を示す24カ月齢以上〜4歳未満(試験登録時)の対象の割合;および二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す4歳以上〜10歳未満(試験登録時)の対象の割合であった。
【0297】
副次的免疫原性評価項目は、
・試験登録時に24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象における:
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・試験登録時に24カ月齢以上〜4歳未満の健康な対象、試験登録時に4歳以上〜10歳未満の健康な対象、および組み合わせた年齢層における:
・二価rLP2086を用いる2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・二価RLP2086を用いるベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次試験株のそれぞれに関して1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を達成する対象の割合。
・二価rLP2086を用いるベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次試験株のそれぞれに関するhSBAのGMT
であった。
【0298】
副次的免疫原性評価項目を、評価可能な免疫原性集団とmITT集団の両方についてまとめた。以下の探索的評価項目を使用して、試験登録時に24カ月齢以上〜4歳未満の健康な対象、試験登録時に4歳以上〜10歳未満の健康な対象、および組み合わせた年齢層における応答について記述した:
・それぞれの適用可能な採血時点での1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血時点での4つの一次株のそれぞれに関するhSBA GMT。
・ベースライン時から、4つの一次試験株のそれぞれに関する二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の少なくとも4倍の増加を達成する対象の割合:
・検出限界(LOD)より下のベースラインhSBA力価または1:4未満のhSBA力価を示す対象について、4倍の応答を、1:16以上またはLLOQのhSBA力価(いずれか力価の高い方)と定義した。
・LOD以上(すなわち、1:4以上のhSBA力価)かつLLOQ未満のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍以上の応答を、LLOQの4倍以上のhSBA力価と定義した。
・LLOQ以上のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、ベースライン力価の4倍以上のhSBA力価と定義した。
【0299】
結果
対象:24カ月齢以上〜10歳未満の合計400人の対象を、この試験において無作為化した。無作為化された対象のうち、294人の対象は、第1群(二価rLP2086)にあり、106人の対象は第2群(HAV/食塩水)にあった。24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の年齢層のそれぞれにおいて無作為化された200人の対象が存在していた。
【0300】
400人の無作為化された対象のうち、390人(97.5%)の対象が、試験のワクチン接種期(最後の試験ワクチン接種の1カ月後まで)を完了した。合計387人(96.8%)の対象が、6カ月の追跡電話接触を完了した。ワクチン接種期および6カ月の追跡電話接触を完了した対象のみが、試験を完了したと考えられた。全体として、合計375人(93.8%)の対象が、全ての試験手順を完了し、完了は各年齢層において類似していた。合計371人(92.8%)の対象が評価可能な免疫原性集団に含まれ、29人(7.3%)の対象が評価可能な免疫原性集団から除外された。400人の無作為化された対象は全て、mITT集団に含まれていた。
【0301】
免疫原性の結果:この試験の主目的は、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の健康な対象において3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株に対するhSBAにより測定された二価rLP2086に対する対象の免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層(24カ月齢以上〜10歳未満)に関する免疫応答の記述が、副次的目的であった。主目的のための評価項目は、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を達成する各年齢層における対象の割合であった。
【0302】
3用量後に、24カ月齢以上〜4歳未満の対象については80.0%〜100.0%および4歳以上〜10歳未満の対象については78.3%〜100.0%の範囲の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ(A56、B24およびB44については1:8;A22については1:16)以上のhSBA力価を達成する対象の割合によって確認されたように、二価rLP2086の第3の用量の1カ月後の24カ月齢以上〜10歳未満の小児について、ロバストな免疫応答が観察された。3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す組み合わせた年齢層における対象の割合は、79.1%〜100.0%であった。これらの知見は、大きなGMT(19.1〜191の範囲)によって、また、両年齢層にわたってベースラインと比較して、二価rLP2086の3用量後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに対して1:4以上(81.5%〜100%)または1:16以上(75.4%〜100%)のhSBA力価を達成する対象の割合において、さらに支持される。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までにhSBAの4倍以上の上昇を達成する組み合わせた年齢層における対象の割合は、76.9%〜93.5%であった。
【0303】
試験の副次的目的は、2つの年齢層および組み合わせた年齢層について、LLOQ以上の応答、規定のhSBA力価およびhSBA GMTによって評価される、二価rLP2086の第2の用量の1カ月後の免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層については、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、48.5%〜100.0%の範囲であり、若い方の年齢層と年上の年齢層の間で意義のある差異は観察されなかった。これらの知見は、GMTの増加(11.1〜96.6の範囲)を示す組み合わせた年齢層によって、また、4種の一次MnB試験株のそれぞれに対してベースラインと比較して二価rLP2086の2用量後に1:4以上(57.7%〜100%)または1:16以上(43.1%〜100%)のhSBA力価を達成する対象の割合においてさらに支持される。GMTは、2つの年齢層の間で類似していた。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれについてベースラインから2回目のワクチン接種の1カ月後までに4倍以上のhSBAの上昇を達成する組み合わせた年齢層における対象の割合は、42.3%〜91.0%であった。
【0304】
また、組み合わせた年齢層について3回目のワクチン接種の1カ月後の79.1%〜100%から、3回目のワクチン接種の6カ月後の10.4%〜82.4%まで低下するLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合を用いて、二価rLP2086の第3の用量の6カ月後に免疫持続性を評価した。年上の小児が若い方の小児よりもLLOQ以上の力価を達成する対象の割合が高かった(46%、95%CI33.4、59.1と、19%、95%CI10.2、30.9)、A22を除いて、2つの年齢層間の差異は観察されなかった。しかしながら、LLOQ以上の力価のワクチン接種前のベースライン率は、A22については年上の年齢層においてより高かった(13.6%と4.4%)。同様の傾向は、3回目のワクチン接種の6カ月後に、13.3%〜84.0%の範囲の1:4以上の防御hSBA力価および5.1〜31.3の範囲のGMTを示す対象の割合について、組み合わせた年齢層についても観察された。
【0305】
まとめると、0、2および6カ月のスケジュール上で3用量として与えられる二価rLP2086は、24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児の間でロバストな免疫応答を惹起し、第3の用量後に高い割合の対象においてhSBAによって測定された場合、防御抗体力価が達成される。24カ月齢以上〜4歳未満の幼児と、4歳以上〜10歳未満の小児との間で、臨床的に意義のある差異は観察されなかった。抗体応答は、第3の用量の6カ月後に低下するが、ワクチン接種前のベースライン率よりは高く維持される。
【0306】
結論:結論として、0、2、および6カ月のスケジュールの3用量シリーズで24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児に投与される二価rLP2086は、第2および第3の用量後に大部分の対象によるロバストな免疫応答を惹起し、hSBAにより測定された場合、第3の用量後に防御抗体力価が達成される。hSBA力価は、3用量シリーズの6カ月後に低下した。この試験において投与されたワクチンは、24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児に関する許容し得る安全性プロファイルで安全かつ良好に忍容された。
【0307】
(実施例19)
24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象における、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B二価組換えリポタンパク質2086ワクチン(二価rLP2086、すなわち、現在はTRUMENBA(登録商標)ワクチン)の免疫原性、安全性、および忍容性について記述するための第2相、無作為化、対照薬、観察者盲検(B1971017−CSR)
二価rLP2086の初期製剤(ポリソルベート80を含まなかった)を、成人、青少年、小児、および幼児において、これらの集団で示された満足のいく安全性、忍容性、および免疫原性プロファイルに関して第1相試験において評価した。初期製剤は、200μgの用量まで許容し得る安全性プロファイルを有し、hSBAによって測定された場合、免疫原性であることが示された。18〜36カ月の幼児において、初期製剤を、20μg、60μg、および200μgの用量レベルで試験した(試験6108A1−502−AU)。6108A1−502−AU試験において、それぞれの用量群における局部反応の頻度は、一般的には、A型肝炎ウイルス(HAV)ワクチン/プラセボ群におけるものよりも高かったが、多くの事例では、反応は軽度または中等度の重症度のものであった。発熱の発生率は、用量レベルの増加と共に増大する傾向があった。いずれかの用量後に発熱を報告する対象の割合は、20μg群では36.4%、60μg群では39.1%、および200μg群では54.5%であった。それぞれのワクチン群における他の全身事象の頻度は、一般的には、HAV/プラセボのものと同等であった。大部分の対象は、3回目のワクチン接種後にMnB株に関するhSBA応答を有していた。
【0308】
初期製剤と比較して、薬物物質の製造プロセスおよび薬物製品の製剤化は、製造のための拡大可能性を増加させ、ワクチンの最終製剤の長期安定性を確保するように設計された増強(ポリソルベート80の添加を含む)を受けていた。二価rLP2086の最終製剤を用いる試験に参加する成人および青少年に由来する安全性データは、初期製剤の安全性と一致する。局部反応および全身事象は、一般的には全ての年齢群において軽度または中等度の重症度であった。重篤な事象は相対的に稀であった。さらに、第3の用量の二価rLP2086の後、6カ月〜48カ月の範囲の免疫持続性試験6108A1−1002−AU、6108A1−2001、およびB1971033に由来する追跡有害事象(AE)データは、安全性に関する懸念を生じなかった。重篤な有害事象(SAE)は稀であり、多くは試験ワクチンと関連しないと考えた。AEに起因する試験中止は数件であった。
【0309】
2つの第2相試験(B1971017およびB1971035)を行って、ワクチンの最終製剤を用いて小児(12カ月齢〜10歳未満)におけるワクチンの免疫原性および安全性を探索した。B1971035試験は進行中であり、12カ月齢〜24カ月齢未満の健康な幼児間での2つの異なる用量レベル(60μgおよび120μg)の安全性、忍容性、および免疫原性を評価するように設計される。この試験(B1971017)は、0、2、および6カ月のスケジュールの一部として24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象に投与された120μgの用量レベル(最終製剤)で二価rLP2086の免疫原性、安全性、および忍容性を評価した。約400人の対象を、3:1の比で2群のうちの1群に無作為化するように計画した。第1群は、0カ月(訪問1)で二価rLP2086を受けた後、2および6カ月でその後のワクチン接種を受けた。第2群は、0カ月(訪問1)および6カ月でHAVワクチンを受け、2カ月で食塩水を用いる注射を受けた。無作為化を階層化して、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の年齢層に、確実に同数の対象が含まれるようにした。これ(B1971017)は、約400人の対象が3:1の比で2群のうちの1群に無作為に割り当てられるように計画した第2相、無作為化、対照薬、観察者盲検、多施設試験であった。第1群は、0カ月(訪問1)で二価rLP2086を受けた後、2および6カ月でその後のワクチン接種を受けた。第2群は、0カ月(訪問1)および6カ月でライセンス供与された小児HAVワクチンを受け、盲検を維持するために2カ月で食塩水を用いる注射を受けた。無作為化を年齢によって階層化して、24カ月齢以上〜4歳未満の年齢層および4歳以上〜10歳未満の年齢層に確実に同数の対象が含まれるようにした。試験を、24カ月齢以上〜4歳未満の約200人の対象および4歳以上〜10歳未満の約200人の対象を登録するように計画した。
【0310】
この試験は、0、2および6カ月のスケジュールの一部として24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象に投与された120μgの用量レベルでの二価rLP2086の免疫原性、安全性、および忍容性を評価した。追跡訪問を、それぞれのワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の6カ月後に行って、安全性データを収集し、および/または血液試料を取得した。対象は、最大13カ月間、試験に参加した。二価rLP2086(滅菌緩衝化等張性懸濁液中、アルミニウムに吸着された、それぞれ60μgの精製されたサブファミリーAおよびサブファミリーBのrLP2086タンパク質を含有する)を、注射のために0.5mL用量で提供した。
【0311】
ライセンス供与された小児HAVワクチンは、注射のために0.5mL用量で提供された。第1群について、24カ月齢以上〜4歳未満の対象の59.31%および4歳以上〜10歳未満の対象の57.05%が、同時処置を受けた。第2群については、24カ月齢以上〜4歳未満の対象の58.18%および4歳以上〜10歳未満の対象の52.94%が同時処置を受けた。試験中に受けた最も一般的な同時処置は、イブプロフェン、パラセタモール、およびアモキシシリンであった。
【0312】
二価rLP2086血清殺菌アッセイ−一次試験株
二価rLP2086に対する免疫応答の評価のために、機能的抗体を、偏りのないアルゴリズムを使用して選択された4種の一次MnB試験株を用いて検証されたhSBAにおいて分析し、PfizerのMnB血清殺菌アッセイ(SBA)株プールから、調節入力に基づいて疫学的有病率について調整した。hSBAは、標的髄膜炎菌株の補体依存的破壊を開始させるヒト血清中の抗体を測定するものである。ワクチン成分抗原に対して異種であるfHBPバリアントをそれぞれ発現する、4種の一次MnB試験株、PMB80(A22)、PMB2001(A56)、PMB2948(B24)、およびPMB2707(B44)を、この試験における免疫原性の評価項目の決定のためにhSBAにおいて使用した。1回目の試験ワクチン接種前、2回目の試験ワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目の試験ワクチン接種の1および6カ月後に全対象から得られた血清を、これらのアッセイにおいて使用した。
【0313】
一次分析のために、2つの一次試験株(PMB80[A22]およびPMB2948[B24])を、対象の半分についてそれぞれの採血時点で試験し(両群において)、他の2つの一次試験株(PMB2001[A56]およびPMB2707[B44])を、対象の残りの半分についてそれぞれの採血時点で試験した。
【0314】
免疫原性分析
免疫原性分析のための仮説試験は存在しなかった。推定手法を使用して、主要、副次的、および探索目的を評価した。2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の6カ月後に定量下限(LLOQ)以上のhSBA力価を達成する各群の対象の割合を、それぞれの年齢層および組み合わせた年齢層について、両側95%正確信頼区間(CI)と共に、各試験株について計算した。
【0315】
主要免疫原性評価項目
主要免疫原性評価項目は、
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す24カ月齢以上〜4歳未満(試験登録時)の対象の割合
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す4歳以上〜10歳未満(試験登録時)の対象の割合
であった。
【0316】
副次的免疫原性評価項目
副次的免疫原性評価項目は、
・試験登録時に24カ月齢以上〜10歳未満の健康な対象における:
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・試験登録時に24カ月齢以上〜4歳未満の健康な対象、試験登録時に4歳以上〜10歳未満の健康な対象、および組み合わせた年齢層における:
・二価rLP2086を用いる2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・二価rLP2086を用いるベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次試験株のそれぞれに関して1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を達成する対象の割合。
・二価rLP2086を用いるベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次試験株のそれぞれに関するhSBAのGMT
であった。
【0317】
探索的免疫原性評価項目
探索的評価項目については、4種全部の一次MnB試験株に対して試験を実施しなかった。その代わりに、PMB80(A22)またはPMB2948(B24)ではなく、株PMB2001(A56)およびPMB2707(B44)を使用して、対象の50%を試験した。残りの50%の対象を、PMB2001(A56)またはPMB2707(B44)ではなく、株PMB80(A22)またはPMB2948(B24)を使用して試験した。以下で特定される全ての探索的評価項目は、二価rLP2086を受けた全対象からのhSBAの結果に適用されていてもよく、示された時点で適切な株について試験されていてもよい。
【0318】
以下の探索的評価項目を使用して、試験登録時に24カ月齢以上〜4歳未満の健康な対象、試験登録時に4歳以上〜10歳未満の健康な対象、および組み合わせた年齢層における応答について記述した:
・それぞれの適用可能な採血時点で1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血時点での4種の一次株のそれぞれに関するhSBA GMT。
・4種の一次試験株のそれぞれに関して、ベースラインから、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後までにhSBA力価の少なくとも4倍の増加を達成する対象の割合:
・検出限界(LOD)より下のベースラインhSBA力価または1:4未満のhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、1:16以上またはLLOQのhSBA力価(いずれか力価の高い方)と定義した。
・LOD以上(すなわち、1:4以上のhSBA力価)かつLLOQ未満のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、LLOQの4倍以上のhSBA力価と定義した。
・LLOQ以上のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、ベースライン力価の4倍以上のhSBA力価と定義した。
【0319】
分析の方法
免疫原性の一次分析は、それぞれの年齢層について、および組み合わせた年齢層における、両側95%正確信頼区間CIと共に、各試験株について3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する各群の対象の割合に関する見積もりを含んでいた。
【0320】
全てのバイナリー評価項目(主要評価項目を含む)を、厳密法を使用して両側95%CIと共にまとめた。hSBAの結果に関するGMTも、95%CIと共にまとめた。
【0321】
LLOQは、PMB80(A22)については1:16、PMB2001(A56)については1:8、PMB2707(B44)については1:8、およびPMB2948(B24)については1:8であった。
【0322】
GMTの算出のために、LLOQより下のhSBA結果を、一次分析については0.5xLLOQと設定した。
【0323】
主要評価項目の分析
主目的のための一次分析は、評価可能な免疫原性集団に基づくものであった。3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する各群の対象の割合を、両側95%正確CIと共に各試験株について計算した。2つの主目的に対処するために、これらのデータを、2つの年齢層:24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満について提示する。
【0324】
全てのバイナリー評価項目(主要評価項目を含む)を、厳密法を使用して両側95%CIと共にまとめた。hSBAの結果に関するGMTも、95%CIと共にまとめた。
【0325】
一次分析の解釈を支援するために、mITT集団に基づく同一の分析を行った。
【0326】
副次的評価項目および探索的評価項目の分析
以下の分析は、副次的および探索的免疫原性目的に対処するものであった:
・2回目のワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の6カ月後に4種の一次株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性およびmITT集団において、2つの年齢層において別々に、および組み合わせて分析した。
・ベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後に4種の一次試験株のそれぞれについて1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性およびmITT集団において、2つの年齢層において別々に、および組み合わせて分析した。
・ベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、ならびに3回目のワクチン接種の1および6カ月後の4種の一次試験株のそれぞれに関するhSBA GMTを、評価可能な免疫原性およびmITT集団において、2つの年齢層において別々に、および組み合わせて分析した。
【0327】
探索的評価項目を、評価可能な免疫原性集団とmITT集団の両方についてそれぞれの適用可能な時点に関して、2つの年齢層において別々に、および組み合わせてまとめた。
【0328】
逆累積分布曲線
経験的逆累積分布曲線(RCDC)を、4種の一次株のそれぞれについて、およびそれぞれのサンプリング時点で、評価可能な免疫原性集団について図式的に評価した。
【0329】
免疫原性評価
分析された集団
評価可能な免疫原性集団は、免疫原性分析のための一次分析集団であった。mITT集団を、免疫原性分析のための支援的免疫原性集団として使用した。
【0330】
合計371人(92.8%)の対象が評価可能な免疫原性集団に含まれ、29人(7.3%)の対象が評価可能な免疫原性集団から除外された。対象は、1つを超える理由のため免疫原性集団から除外された。合計21人(5.3%)の対象は、彼らが第1の用量のワクチンの前または3回目のワクチン接種後に引き出されたベースライン血液を有していなかったため、15人(3.8%)の対象が、いずれかの訪問時に妥当かつ確定的なアッセイ結果を有していなかったため、11人(2.8%)の対象が、3回目のワクチン接種のための訪問の前もしくは1カ月後に試験に関して適格ではなかった、もしくは不適格になったため、11人(2.8%)の対象が、全てのワクチン接種訪問時に無作為化されたものとしてワクチンを受けなかったため、および4人(1.0%)の対象が、医学的モニターによって同定された重要なプロトコールの逸脱を有していたため、評価可能な免疫原性集団から除外された。全体として、2つの試験群および2つの年齢層は、評価可能な免疫原性集団から除外された対象のパーセンテージに関して同等であった。
【0331】
全部で400人の無作為化された対象が、mITT集団に含まれていた。
【0332】
免疫原性の結果
主要免疫原性評価項目、副次的免疫原性評価項目、および探索的免疫原性評価項目に関する分析の結果を、以下のセクションに提供する。
【0333】
主要および副次的評価項目
LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合
主要免疫原性評価項目は、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す、24カ月齢以上〜4歳未満(試験登録時)、および4歳以上〜10歳未満(試験登録時)の対象の割合であった。二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す、組み合わせた年齢層(試験登録時)における全対象の割合と共に、二価rLP2086を用いる2回目のワクチン接種の1カ月後に、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す、個別の、および組み合わせた年齢層における対象の割合が、副次的評価項目であった。
【0334】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す、各年齢層における対象の割合を、評価可能な免疫原性集団について表20に提示する。
【0335】
ベースライン時にLLOQ以上のhSBA力価を示す第1群における24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、4.4%および13.6%;PMB2001(A56)については、1.5%および15.4%;PMB2948(B24)については、それぞれ、3.0%および7.5%;ならびにPMB2707(B44)については、両年齢層について0.0%であった。全体として、ベースライン時にLLOQ以上のhSBA力価を示す、組み合わせた年齢層における対象の割合は、第1群において、PMB80(A22)については9.0%、PMB2001(A56)については8.3%、PMB2948(B24)については5.2%、およびPMB2707(B44)については0.0%であった。
【0336】
2回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を示す第1群における24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、59.4%および78.8%;PMB2001(A56)については、両年齢層について100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、49.2%および65.1%;ならびにPMB2707(B44)については、57.1%および40.3%であった。
【0337】
全体として、2回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を示す、組み合わせた年齢層における対象の割合は、第1群において、PMB80(A22)については69.2%、PMB2001(A56)については100.0%、PMB2948(B24)については57.0%、およびPMB2707(B44)については48.5%であった。
【0338】
3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を示す第1群における24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、83.8%および91.0%;PMB2001(A56)については、両年齢層について100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、85.7%および92.1%;ならびにPMB2707(B44)については、80.0%および78.3%であった。
【0339】
全体として、3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を示す、組み合わせた年齢層における対象の割合は、第1群において、PMB80(A22)については87.4%、PMB2001(A56)については100.0%、PMB2948(B24)については88.9%、およびPMB2707(B44)については79.1%であった。一般に、LLOQ以上のhSBA力価を示す第2群の対象の割合は、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。任意の時点でLLOQ以上のhSBA力価を示す、組み合わせた年齢層における対象の割合は、PMB80(A22)については4.4%〜8.5%;PMB2001(A56)については14.9%〜20.9%;PMB2948(B24)については0.0%〜8.9%;およびPMB2707(B44)については各時点で0.0%であった。
【0340】
mITT集団に関する結果は、評価可能な免疫原性集団のものと類似していた。
【0341】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合のサブグループ分析を、性別、人種、および国によって評価可能な免疫原性集団について提示する。実施したサブグループ分析において、臨床的に重要な差異は観察されなかった。
【0342】
免疫持続性:3回目のワクチン接種の6カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合
二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の6カ月後に、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す、24カ月齢以上〜4歳未満、4歳以上〜10歳未満、および組み合わせた年齢層(24カ月齢以上〜10歳未満)の対象の割合が、副次的免疫原性評価項目であった。それぞれの年齢層における4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合を、評価可能な免疫原性集団について表20に提示する。
【0343】
一般に、3回目のワクチン接種の6カ月後に両方の年齢層における第1群の対象間で観察された4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合が低下した。
【0344】
3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、24カ月齢以上〜4歳未満の対象について、LLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、83.8%から19.0%に;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%から80.3%に;PMB2948(B24)については、それぞれ、85.7%から9.2%に;およびPMB2707(B44)については、それぞれ、80.0%から12.1%に低下した。
【0345】
3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、4歳以上〜10歳未満の対象について、LLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、91.0%から46.0%に;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%から84.3%に;PMB2948(B24)については、それぞれ、92.1%から21.9%に;およびPMB2707(B44)については、それぞれ、78.3%から8.7%に低下した。
【0346】
全体として、3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、組み合わせた年齢層について、LLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、87.4%から32.5%に;PMB2001(A56)については、100.0%から82.4%に;PMB2948(B24)については、88.9%から15.5%に;およびPMB2707(B44)については、79.1%から10.4%に低下した。
【0347】
一般に、LLOQ以上のhSBA力価を示す第2群の対象の割合は、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。
【0348】
【表20-1】
【0349】
【表20-2】
【0350】
hSBA GMT。二価rLP2086を用いる、ベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、および3回目のワクチン接種の1カ月後の、4種の一次試験株のそれぞれに関するhSBA GMTが副次的評価項目であった。表21は、評価可能な免疫原性集団の4種の一次MnB株に関するhSBA GMTを提供する。
【0351】
24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象について、ベースライン時のhSBA GMTは、PMB80(A22)については、それぞれ、8.3および9.1;PMB2001(A56)については、それぞれ、4.1および5.8;PMB2948(B24)については、それぞれ、4.3および4.6;ならびにPMB2707(B44)については両年齢層において4.0であった。
【0352】
24カ月齢以上〜10歳未満の第1群の対象について、ベースライン時のhSBA GMTは、PMB80(A22)については、8.7;PMB2001(A56)については、4.9;PMB2948(B24)については、4.5;およびPMB2707(B44)については4.0であった。
【0353】
24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象について、2回目のワクチン接種の1カ月後のhSBA GMTは、PMB80(A22)については、それぞれ、17.4および23.1;PMB2001(A56)については、それぞれ、103.8および90.0;PMB2948(B24)については、それぞれ、9.1および13.7;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、17.1および8.2であった。
【0354】
24カ月齢以上〜10歳未満の第1群の対象について、2回目のワクチン接種の1カ月後のhSBA GMTは、PMB80(A22)については、20.1、PMB2001(A56)については、96.6;PMB2948(B24)については、11.1;およびPMB2707(B44)については11.7であった。
【0355】
24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象について、3回目のワクチン接種の1カ月後のhSBA GMTは、PMB80(A22)については、それぞれ、33.7および38.2;PMB2001(A56)については、それぞれ、175.6および191.0;PMB2948(B24)については、それぞれ、19.1および26.8;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、43.6および36.5であった。
【0356】
24カ月齢以上〜10歳未満の第1群の対象について、3回目のワクチン接種の1カ月後のhSBA GMTは、PMB80(A22)については、35.8、PMB2001(A56)については、183.3;PMB2948(B24)については、22.6;およびPMB2707(B44)については39.8であった。
【0357】
一般に、第2群の対象に関するhSBA GMTは、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。組み合わせた年齢層について、任意の時点でのhSBA GMTは、PMB80(A22)については、8.6〜8.9;PMB2001(A56)については、5.6〜6.0;PMB2948(B24)については、4.0〜4.8;およびPMB2707(B44)については各時点で4.0であった。
【0358】
【表21-1】
【0359】
【表21-2】
【0360】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関するhSBA GMTのサブグループ分析を、性別、人種、および国によって評価可能な免疫原性集団について、ならびにmITT集団について提示する。実施したサブグループ分析において臨床的に重要な差異は観察されなかった。
【0361】
免疫持続性:hSBA GMT
二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の6カ月後の4種の一次試験株のそれぞれに関するhSBA GMTが、副次的評価項目であった。表21は、評価可能な免疫原性集団の4種の一次MnB株に関するhSBA GMTを提供する。全体として、3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までに、両年齢層において第1群の対象について4種の一次試験株のそれぞれに関するhSBA GMTの低下が観察された。
【0362】
24カ月齢以上〜4歳未満の第1群の対象について、3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までに、hSBA GMTは、PMB80(A22)については、33.7から10.9に;PMB2001(A56)については、175.6から27.0に;PMB2948(B24)については、19.1から5.1に;およびPMB2707(B44)については43.6から5.2に低下した。
【0363】
4歳以上〜10歳未満の第1群の対象について、3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までに、hSBA GMTは、PMB80(A22)については、38.2から14.2に;PMB2001(A56)については、191.0から35.7に;PMB2948(B24)については、26.8から6.2に;およびPMB2707(B44)については36.5から5.0に低下した。
【0364】
24カ月齢以上〜10歳未満の第1群の対象について、3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までに、hSBA GMTは、PMB80(A22)については、35.8から12.4に;PMB2001(A56)については、183.3から31.3に;PMB2948(B24)については、22.6から5.6に;およびPMB2707(B44)については39.8から5.1に低下した。
【0365】
一般に、第2群の対象に関するhSBA GMTは、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。
【0366】
規定のhSBA力価
二価rLP2086を用いる、ベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、および3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次試験株のそれぞれに関して1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を達成する、24カ月齢以上〜4歳未満、4歳以上〜10歳未満、および組み合わせた年齢層の対象の割合が、副次的免疫原性評価項目であった。
【0367】
4種の一次MnB株に関して規定のhSBA力価を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性集団について評価した。
【0368】
1:4以上および1:16以上のhSBA力価を達成した対象を、以下に記載する。1:4以上のhSBA力価は、IMDに対する防御の相関であると広く認識されている;しかしながら、1:16以上のより保存的なhSBA力価は、ワクチン接種前に血清陰性の対象に関する4倍のワクチン効果を示すレベルと考えられた。
【0369】
ベースライン時に1:4以上のhSBA力価を示す第1群における、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、5.9%および19.7%;PMB2001(A56)については、それぞれ、3.0%および18.5%;PMB2948(B24)については、それぞれ、4.5%および9.0%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、0.0%および1.4%であった。ベースライン時に1:16以上のhSBA力価を示す第1群における、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象は、PMB80(A22)については、それぞれ、4.4%および13.6%;PMB2001(A56)については、それぞれ、1.5%および15.4%;PMB2948(B24)については、それぞれ、3.0%および6.0%;ならびにPMB2707(B44)については、両年齢層について0.0%であった。
【0370】
ベースライン時に1:4以上および1:16以上のhSBA力価を示す組み合わせた年齢層における第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、12.7%および9.0%;PMB2001(A56)については、それぞれ、10.6%および8.3%;PMB2948(B24)については、それぞれ、6.7%および4.5%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、0.7%および0.0%であった。
【0371】
2回目のワクチン接種の1カ月後に1:4以上のhSBA力価を示す第1群における、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、65.6%および83.3%;PMB2001(A56)については、両年齢層について100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、53.8%および68.3%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、49.3%および66.7%であった。2回目のワクチン接種の1カ月後に1:16以上のhSBA力価を示す第1群における、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象は、PMB80(A22)については、それぞれ、59.4%および78.8%;PMB2001(A56)については、それぞれ、98.5%および100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、43.1%および58.7%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、31.3%および55.6%であった。
【0372】
2回目のワクチン接種の1カ月後に1:4以上および1:16以上のhSBA力価を示す組み合わせた年齢層における第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、74.6%および69.2%;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%および99.2%;PMB2948(B24)については、それぞれ、60.9%および50.8%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、57.7%および43.1%であった。
【0373】
3回目のワクチン接種の1カ月後に1:4以上のhSBA力価を示す第1群における、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、86.8%および98.5%;PMB2001(A56)については、各年齢層について100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、90.5%および95.2%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、81.5%および82.6%であった。3回目のワクチン接種の1カ月後に1:16以上のhSBA力価を示す第1群における、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の対象は、PMB80(A22)については、それぞれ、83.8%および91.0%;PMB2001(A56)については、各年齢層について100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、81.0%および88.9%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、81.5%〜82.6%および80.0%〜75.4%であった。
【0374】
3回目のワクチン接種の1カ月後に1:4以上および1:16以上のhSBA力価を示す組み合わせた年齢層における、第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、92.6%および87.4%;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については、それぞれ、92.9%および84.9%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、82.1%および77.6%であった。
【0375】
一般に、規定のhSBA力価を達成する第2群の対象の割合は、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。
【0376】
mITT集団に関する結果は、評価可能な免疫原性集団のものと類似していた。
【0377】
免疫持続性:規定のhSBA力価
二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の6カ月後に4種の一次試験株のそれぞれに関して1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を達成する、24カ月齢以上〜4歳未満、4歳以上〜10歳未満、および組み合わせた年齢層の対象の割合が、副次的免疫原性評価項目であった。4種の一次MnB株に関して規定のhSBA力価を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性集団について評価した。
【0378】
全体として、3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までに、規定のhSBA力価を達成した両年齢層における第1群の対象の割合の低下が観察された。
【0379】
3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象について、1:4以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、86.8%から25.4%および98.5%から55.6%に;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%から82.0%および100.0%から85.7%に;PMB2948(B24)については、それぞれ、90.5%から13.8%および95.2%から26.6%に;およびPMB2707(B44)については、それぞれ、81.5%から13.6%および82.6%から13.0%に低下した。
【0380】
3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、組み合わせた年齢層における第1群の対象について、1:4以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、92.6%から40.5%に;PMB2001(A56)については、100.0%から84.0%に;PMB2948(B24)については、92.9%から20.2%に;およびPMB2707(B44)については、82.1%から13.3%に低下した。
【0381】
3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象について、1:16以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、83.8%から19.0%および91.0%から46.0%に;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%から77.0%および100.0%から82.9%に;PMB2948(B24)については、それぞれ、81.0%から9.2%および88.9%から20.3%に;およびPMB2707(B44)については、それぞれ、80.0%から9.1%および75.4%から7.2%に低下した。
【0382】
3回目のワクチン接種の1カ月後から3回目のワクチン接種の6カ月後までの、組み合わせた年齢層における第1群の対象について、1:16以上のhSBA力価を示す対象の割合は、PMB80(A22)については、87.4%から32.5%に;PMB2001(A56)については、100.0%から80.2%に;PMB2948(B24)については、84.9%から14.7%に;およびPMB2707(B44)については、77.6%から8.1%に低下した。
【0383】
一般に、規定のhSBA力価を達成する第2群の対象の割合は、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。
【0384】
探索的免疫原性評価項目
一部の探索的免疫原性評価項目の分析は、対象の半分については、PMB2001(A56)およびPMB2707(B44)株、ならびに残りの半分については、PMB80(A22)およびPMB2948(B24)株に関するhSBAの結果に基づくものであった。分析された探索的評価項目は、ベースラインからの4倍以上の増加を示すhSBA力価であった。
【0385】
hSBA力価のベースラインからの4倍の増加
表22は、4種の一次試験株に関する、ベースラインからの4倍以上の上昇を示すhSBA力価を示す対象の割合を提示する。
【0386】
ベースラインから2回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、56.3%および63.6%;PMB2001(A56)については、それぞれ、100.0%および82.1%;PMB2948(B24)については、それぞれ、43.1%および54.0%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、54.0%および31.3%であった。
【0387】
ベースラインから2回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する組み合わせた年齢層における第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、60.0%;PMB2001(A56)については、91.0%;PMB2948(B24)については、48.4%;およびPMB2707(B44)については、42.3%であった。
【0388】
ベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、79.4%および77.6%;PMB2001(A56)については、それぞれ、98.5%および88.7%;PMB2948(B24)については、それぞれ、77.8%および82.5%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、78.5%および75.4%であった。
【0389】
ベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する組み合わせた年齢層における第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、78.5%;PMB2001(A56)については、93.5%;PMB2948(B24)については、80.2%;およびPMB2707(B44)については、76.9%であった。
【0390】
ベースラインから3回目のワクチン接種の6カ月後までのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、それぞれ、19.0%および36.5%;PMB2001(A56)については、それぞれ、75.4%および64.3%;PMB2948(B24)については、それぞれ、6.2%および17.2%;ならびにPMB2707(B44)については、それぞれ、7.6%および7.2%であった。
【0391】
ベースラインから3回目のワクチン接種の6カ月後までのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する組み合わせた年齢層における第1群の対象の割合は、PMB80(A22)については、27.8%;PMB2001(A56)については、69.5%;PMB2948(B24)については、11.6%;およびPMB2707(B44)については、7.4%であった。
【0392】
同様の結果が、mITT集団についても観察された。
【0393】
【表22-1】
【0394】
【表22-2】
【0395】
さらなる免疫原性分析
一次MnB試験株に関する欠測hSBAデータの評価
妥当かつ確定的なhSBA結果のみを、全ての免疫原性分析に含有させた。hSBAの結果は、以下の理由のため、免疫原性分析から除外された(または欠測であると考えた):
・対象の試験中止。
・対象は試験のための血液試料を有していなかったが、試験を中止しなかった。
・血液の量がアッセイを実施するには不十分であった。これを、アッセイ結果に関して「十分でない量」と入力した。
・試料を試験したが、力価の数値を確実に決定することができなかった。これを、アッセイ結果に関して「不確定」と入力した。
【0396】
逆累積分布曲線
組み合わせた年齢層に関して、4種の一次株のそれぞれについて、およびそれぞれのサンプリング時点で、hSBA応答(LLOQ以上)を示す対象の割合のRCDCを評価した。24カ月齢以上〜4歳未満の対象に関して、4種の一次株のそれぞれについて、およびそれぞれのサンプリング時点でのRCDCも評価した。4歳以上〜10歳未満の対象に関して、4種の一次株のそれぞれについて、およびそれぞれのサンプリング時点でのRCDCも評価した。
【0397】
RCDCにより、両年齢層における対象の大部分が、二価rLP2086の第2および第3の用量の1カ月後に一次MnB試験株のそれぞれに対する測定可能なhSBA応答を示すことが示された。
【0398】
免疫原性に関する結論
この試験の主目的は、24カ月齢以上〜4歳未満および4歳以上〜10歳未満の健康な対象において3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株に対するhSBAにより測定された二価rLP2086に対する対象の免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層(24カ月齢以上〜10歳未満)に関する免疫応答の記述が、副次的目的であった。主目的のための評価項目は、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を達成する各年齢層における対象の割合であった。
【0399】
3用量後に、24カ月齢以上〜4歳未満の対象については80.0%〜100.0%および4歳以上〜10歳未満の対象については78.3%〜100.0%の範囲の4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ(A56、B24およびB44については1:8;A22については1:16)以上のhSBA力価を達成する対象の割合によって確認されたように、二価rLP2086の第3の用量の1カ月後の24カ月齢以上〜10歳未満の小児について、ロバストな免疫応答が観察された。3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す組み合わせた年齢層における対象の割合は、79.1%〜100.0%であった。これらの知見は、大きなGMT(19.1〜191の範囲)によって、また、両年齢層にわたってベースラインと比較して、二価rLP2086の3用量後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに対して1:4以上(81.5%〜100%)または1:16以上(75.4%〜100%)のhSBA力価を達成する対象の割合において、さらに支持される。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までにhSBAの4倍以上の上昇を達成する組み合わせた年齢層における対象の割合は、76.9%〜93.5%であった。
【0400】
試験の副次的目的は、2つの年齢層および組み合わせた年齢層について、LLOQ以上の応答、規定のhSBA力価およびhSBA GMTによって評価される、二価rLP2086の第2の用量の1カ月後の免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層については、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、48.5%〜100.0%の範囲であり、若い方の年齢層と年上の年齢層の間で意義のある差異は観察されなかった。これらの知見は、GMTの増加(11.1〜96.6の範囲)を示す組み合わせた年齢層によって、また、4種の一次MnB試験株のそれぞれに対してベースラインと比較して二価rLP2086の2用量後に1:4以上(57.7%〜100%)または1:16以上(43.1%〜100%)のhSBA力価を達成する対象の割合においてさらに支持される。GMTは、2つの年齢層の間で類似していた。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれについてベースラインから2回目のワクチン接種の1カ月後までに4倍以上のhSBAの上昇を達成する組み合わせた年齢層における対象の割合は、42.3%〜91.0%であった。
【0401】
また、組み合わせた年齢層について3回目のワクチン接種の1カ月後の79.1%〜100%から、3回目のワクチン接種の6カ月後の10.4%〜82.4%まで低下するLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合を用いて、二価rLP2086の第3の用量の6カ月後に免疫持続性を評価した。年上の小児が若い方の小児よりもLLOQ以上の力価を達成する対象の割合が高かった(46%、95%CI33.4、59.1と、19%、95%CI10.2、30.9)、A22を除いて、2つの年齢層間の差異は観察されなかった。しかしながら、LLOQ以上の力価のワクチン接種前のベースライン率は、A22については年上の年齢層においてより高かった(13.6%と4.4%)。同様の傾向は、3回目のワクチン接種の6カ月後に、13.3%〜84.0%の範囲の1:4以上の防御hSBA力価および5.1〜31.3の範囲のGMTを示す対象の割合について、組み合わせた年齢層についても観察された。
【0402】
まとめると、0、2および6カ月のスケジュール上で3用量として与えられる二価rLP2086は、24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児の間でロバストな免疫応答を惹起し、第3の用量後に高い割合の対象においてhSBAによって測定された場合、防御抗体力価が達成される。24カ月齢以上〜4歳未満の幼児と、4歳以上〜10歳未満の小児との間で、臨床的に意義のある差異は観察されなかった。抗体応答は、第3の用量の6カ月後に低下するが、ワクチン接種前のベースライン率よりは高く維持される。
【0403】
考察および全体の結論
免疫原性に関する考察
24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児に与えられた二価rLP2086の3用量レジメン(0、2、および6カ月のスケジュール)のこの第2相試験に由来する免疫原性の結果は、青少年および若年成人における以前の試験と一致する。二価rLP2086ワクチン接種に対する免疫原性応答を、防御の許容される相関よりも厳密な基準(1:4以上のhSBA力価)を使用して、ワクチン成分抗原に対して異種であるfHBPバリアントをそれぞれ発現する、4種の一次MnB試験株を使用して検証されたhSBAにおいて測定した。3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株に関するLLOQ以上のhSBA力価に基づくと、この試験に参加している幼児および小児は、B1971009試験に参加している青少年(10歳〜19歳未満)と比較して、類似する免疫応答を有しており、3回目のワクチン接種(0、2、6カ月のスケジュール)後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、この試験では79.1%〜100%であり、B1971009試験では87.1%〜99.5%であった。特に、A22(それぞれ、33.2%と9%)およびA56(それぞれ、27.5%と8.3%)試験株について、B1971009試験が、この試験における幼児および小児と比較してLLOQ以上のワクチン接種前hSBA力価を示す青少年対象の割合がはるかに高かったにも拘わらず、これらの2つの試験間で、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次試験株に関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合において意義のある差異は明らかではない。二価rLP2086は、24カ月齢以上〜10歳未満の集団において高度に免疫原性であると考えられ、防御のhSBA相関に基づくと、青少年について予想されるものと同様にMnB感染に対する防御を提供する可能性がある。
【0404】
副次的目的に関しては、二価rLP2086の第2の用量の1カ月後の組み合わせた年齢層(24カ月齢以上〜10歳未満)に関するこの試験における免疫応答は、4種の一次MnB試験株について相対的にロバストであり、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、48.5%〜100%であった。A56株を除いて、これらの応答は、2カ月空けて与えられる2用量の二価rLP2086を受けるB1971009試験に参加する青少年(10歳〜19歳未満)の間で観察された免疫応答よりも低く、64%〜99.1%の範囲であった。3回目のワクチン接種の6カ月後のhSBA力価を測定することにより、幼児および小児について、この試験において免疫持続性を評価した。LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、3回目のワクチン接種の1カ月後の79.1%〜100%の範囲から、3回目のワクチン接種の6カ月後の10.4%〜82.4%の範囲まで低下した。GMTおよび規定のhSBA力価を示す対象の割合も、3回目のワクチン接種の6カ月後に低下した。この試験において3回目のワクチン接種の6カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合(10.4%〜82.4%)は、6108A1−2001試験に参加する青少年(11歳〜19歳未満)についてより低かったが(36.7%〜89.4%)、それらはベースライン時(0%〜9%)にLLOQ以上のhSBA力価を示す24カ月齢以上〜10歳未満の対象の割合よりも依然として高い。髄膜炎菌定着率は、成人早期を通して年齢と共に増大することがよく確立されている。24カ月齢以上〜10歳未満の対象と、年上の年齢群との差異は、B1971009試験においては27.5%(A56)および33.2%(A22)、ならびに6108A1−2001試験においてはサブファミリーA株に関して7.4%〜13.4%に達した、LLOQ以上のベースライン力価を示す対象の割合に一部起因する可能性がある。さらに、最近の試験により、疾患関連血清群B株の担持は、防御hSBA力価(ワクチン接種前)を示す対象においてより高いこと、およびワクチン接種が、これらの疾患関連株のその後の担持に影響しないことが示された。これは、担持が、ベースラインhSBA力価に影響し得ること、およびワクチン接種後の持続または再定着が、本発明者らが定着される可能性が低いと推測し、ベースライン時のLLOQ以上のhSBA力価のパーセンテージがより低い、この試験における幼児および小児と比較して、ワクチン接種の6カ月後に青少年間で観察されるLLOQ以上のhSBA力価を示す対象のより高い割合に寄与し得ることを示唆する。乳児および小児における一価コンジュゲート髄膜炎菌血清群Cワクチンを用いる免疫持続性試験は、同様に、防御免疫が急速に減弱することを示す。しかしながら、一次用量の完了の4年後にわずか46.9%の血清群Cに関する1:8を超えるhSBA力価のパーセンテージを示す小児のコホート間でさえ、その後の追加用量は、追加の1カ月後および1年後に100%の対象において1:8を超える力価を提供した。これは、追加用量前に血清陰性であると考えられたものであっても、追加ワクチン接種後、最大で1年間持続する強力な既往応答を有することを示す。したがって、追加後応答および持続性試験は、幼児および小児としてその一次シリーズの二価rLP2086を受けた個体間で正当化され、青少年期および成人早期を通してIMDに対する防御を提供する際の追加用量の有用性に関するさらなる洞察を提供する。
【0405】
まとめると、0、2、および6カ月のスケジュールで投与される二価rLP2086は、24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児の間で高度に免疫原性であり、第3の用量後に高い割合の対象においてhSBAによって測定された場合に防御免疫応答が達成される。この試験において測定される免疫応答は、第2および第3の用量の1カ月後に青少年間での以前の試験において観察されたものと類似すると考えられる。3用量レジメンは、24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児において、高率の防御免疫を提供すると考えられる。
【0406】
全体の結論
結論として、0、2、および6カ月のスケジュールの3用量シリーズで24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児に投与される二価rLP2086は、第2および第3の用量後に大部分の対象によるロバストな免疫応答を惹起し、hSBAにより測定された場合、第3の用量後に防御抗体力価が達成される。hSBA力価は、3用量シリーズの6カ月後に低下した。この試験において投与されたワクチンは、24カ月齢以上〜10歳未満の幼児および小児に関する許容し得る安全性プロファイルで安全かつ良好に忍容された。
【0407】
(実施例20)
12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の健康な幼児に投与された場合の髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B二価組換えリポタンパク質2086ワクチン(二価rLP2086)の免疫原性、安全性、および忍容性について記述するために行った第2相、無作為化、対照薬、観察者盲検(B1971035−syn)
目的
免疫原性に関する主目的:
・試験登録時に12〜18カ月齢未満の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B(MnB)株を用いて実施されたヒト補体を使用する血清殺菌アッセイ(hSBA)により測定された免疫応答について記述すること。
・試験登録時に18〜24カ月齢未満の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
【0408】
安全性に関する主目的:
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、局部反応、全身事象、有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)、新しく診断された慢性的な医学的状態(NDCMC)、医療機関を受診した事象(MAE)、および即時のAEによって測定された、対照(A型肝炎ウイルス[HAV]ワクチン)と比較した二価rLP2086の安全性プロファイルを評価すること。
【0409】
免疫原性に関する副次的目的:
・試験登録時に12〜24カ月齢未満(すなわち、組み合わせた両方の年齢層)の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
【0410】
免疫原性に関する探索的目的:
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる、2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の1、6、12、24、36、および48カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答についてさらに記述すること。
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の1、6、12、24、36、および48カ月後の、LP2086サブファミリーAおよびBタンパク質を発現する二次MnB試験株に対するhSBAにより測定された免疫応答についてさらに記述すること。
【0411】
方法
試験設計:
試験は、12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満によって階層化された約396人の健康な幼児を、二価rLP2086(2つの用量レベル[60μgもしくは120μg])またはライセンス供与された小児HAVワクチン(0.5mL)/注射用滅菌食塩溶液(0.5mLの0.85%塩化ナトリウム)を受けるように2:1の比に無作為に割り当てた、第2相、無作為化、実対照薬、観察者盲検、出資者非盲検、多施設試験であった。
【0412】
試験を、2段階で行った。段階1は、2つの相:センチネル登録期および拡張登録期にわたってワクチンの免疫原性、安全性、および忍容性を評価した。段階2は、二価rLP2086に対する免疫応答の持続期間を評価した。
【0413】
免疫原性について、探索目的を支援する二次MnB試験株のデータを除く、3回目のワクチン接種の1カ月後(7回目の訪問)までの全データを提示する。最終報告は、段階2の完了までの全ての免疫原性に関するデータおよび試験の終わりまでの8回目の訪問後の期間(13回目の訪問、3回目のワクチン接種の48カ月後)の安全性に関するデータを含む。
【0414】
段階1のセンチネル登録期は、合計4つのセンチネルコホート:それぞれの用量レベル(60μgまたは120μg)の二価rLP2086に関する2つの年齢層を含むように計画した。若い方の年齢のセンチネルコホートは、12〜15カ月齢未満の対象から構成され、年上の年齢のセンチネルコホートは、18〜24カ月齢未満の対象から構成されていた。4つのセンチネルコホートはそれぞれ、約33人の対象を登録するように計画された。センチネル登録期は、予め特定された時点でのIRCによる審査と交互であり、停止規則を適用した。120μgの用量レベルのセンチネルコホートは、60μgの用量レベルが、同じ年齢のセンチネルコホートにおいて安全かつ忍容性であるとIRCによって評価されるまで進行しなかった。若い方の年齢の120μgの用量レベルのセンチネルコホートは、この用量レベルが年上の年齢の120μgの用量レベルのセンチネルコホートにおいて安全かつ忍容性であるとIRCによって評価されるまで進行しなかった。
【0415】
段階1の拡張登録期の前に、IRCはセンチネル対象から得られた全ての1回目のワクチン接種後の7日間の電子日記およびSAEデータを審査した。審査に基づいて、IRCは、両方の年齢層について段階1の拡張登録期に試験される120μgの二価rLP2086用量レベルを選択した。若い方の年齢の拡張登録コホート(さらに132人の対象を登録する)を、12〜18カ月齢未満の対象に拡張し、2つのサブセット:12〜15カ月齢未満および15〜18カ月齢未満に、年齢で階層化した。年上の年齢の拡張登録コホート(さらに132人の対象を登録する)は、拡張登録期に18〜24カ月齢未満の対象を登録した。段階1のみを完了する対象に関する合計試験期間は、約18カ月であろう。段階1のための訪問スケジュールを、表23に提示する。
【0416】
段階2は、二価rLP2086に無作為に割り当てられた対象のみを含む(用量レベルとは無関係である)。段階2を完了する対象に関する合計試験期間は、約4.5年(54カ月)であろう。段階2のための訪問スケジュールを、表24に提示する。
【0417】
二価rLP2086を、0、2、および6カ月目(訪問1、4、および6)に投与した。小児HAVワクチンを、0および6カ月目(訪問1および6)に投与し、食塩水を2カ月目(4回目の訪問)に投与して、盲検を維持した。
【0418】
【表23】
【0419】
【表24】
【0420】
投与されるワクチン:試験の経過にわたって3回、二価rLP2086(60μgまたは120μg)を投与した:訪問1での1回目のワクチン接種(0カ月)、訪問4での2回目のワクチン接種(2カ月)、および訪問6での3回目のワクチン接種(6カ月)。二価rLP2086を、三角筋または大腿前外側部筋のいずれかに筋肉内注射として投与した。HAVワクチンを、試験の経過にわたって2回投与した:訪問1での1回目のワクチン接種(0カ月)および訪問6での3回目のワクチン接種(6カ月)。食塩水を、2回目のワクチン接種(2カ月)の時点で投与した。HAVワクチン/食塩水を、三角筋または大腿前外側部筋のいずれかに筋肉内注射として投与した。試験スタッフの第三者の非盲検の医療資格者のみが治験薬を投与した。筋肉内注射のために三角筋の量が十分でなかった場合、大腿部が好ましい注射部位であった。
【0421】
免疫原性の評価:免疫原性の評価を容易にするために、対象は、段階1の間の以下の時点:1回目のワクチン接種の前(訪問1)、2回目のワクチン接種の1カ月後(訪問5)、3回目のワクチン接種の1カ月後(訪問7)、3回目のワクチン接種の6カ月後(訪問8)、3回目のワクチン接種の12カ月後(訪問9)に収集された約5mLの血液を有していた。18カ月の期間にわたって、合計で25mLが収集された。局部/局所麻酔を採血の前に使用することができた。
【0422】
免疫応答の持続期間を決定するために、段階2の対象は、以下の時点:3回目のワクチン接種の2年後、3回目のワクチン接種の3年後、および3回目のワクチン接種の4年後に収集された約5mLの血液を有するであろう。約2.5年にわたって、合計で15mLが収集される。
【0423】
二価rLP2086に対する免疫応答の評価のために、機能的抗体を、髄膜炎菌血清群B株を用いるhSBAにおいて分析した。hSBAは、標的髄膜炎菌株の補体依存的殺滅をもたらすヒト血清中の抗体を測定するものである。ワクチン成分抗原に対して異種であるH因子結合タンパク質(fHBP)バリアントをそれぞれ発現する、4種の一次MnB試験株、PMB80(A22)、PMB2001(A56)、PMB2948(B24)、およびPMB2707(B44)を、この試験における免疫原性評価項目の決定のためにhSBAにおいて使用した。
【0424】
血清容量の制限のため、一次株(PMB80[A22]およびPMB2948[B24])のうちの2種を、対象の半分(両方の年齢層)についてそれぞれの採血時点で試験し、他の2種の一次株(PMB2001[A56]およびPMB2707[B44])を、残りの半分の対象についてそれぞれの採血時点で試験した。
【0425】
一度、全対象が登録を完了したら(訪問1)、試験の遂行に関与しない統計チームである、独立統計センター(ISC)は、出資者の試料管理チームに、2つの対象一覧(無作為に選択された、PMB80[A22]/PMB2948[B24]について試験される50%の対象およびPMB2001[A56]/PMB2707[B44]について試験される残りの50%の対象)を提供した。両方の一覧は、試験設計と同じ無作為化比(2:1)および年齢層分布に従った。同じ株の対(PMB80[A22]/PMB2948[B24]またはPMB2001[A56]/PMB2707[B44])を、同じ対象について、全ての訪問にわたって試験した。
【0426】
一度、一次分析のための試験が完了したら、また、十分な容量の血清が入手可能であった場合、二価rLP2086に対する免疫応答を評価するためのさらなる試験を以下のように考慮することができる:PMB80(A22)およびPMB2948(B24)を、二価rLP2086を受け、血清試料が元々、PMB2001(A56)およびPMB2707(B44)について試験された対象の50%に由来する血清試料中で試験することができる。逆に、PMB2001(A56)およびPMB2707(B44)を、二価rLP2086を受け、元々、PMB80(A22)およびPMB2948(B24)について試験された対象の50%に由来する血清試料中で試験することができる。二次株のための試験を実施することができる。
【0427】
統計的方法:
免疫原性に関する主要評価項目は、
・試験登録時に12〜18カ月齢未満の健康な幼児において4種の一次MnB試験株のそれぞれに関して、3回目のワクチン接種の1カ月後に定量下限(LLOQ)以上のhSBA力価を達成する対象の割合。
・試験登録時に18〜24カ月齢未満の健康な幼児において4種の一次MnB試験株のそれぞれに関して、3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合
であった。
【0428】
全試験に関する全ての副次的免疫原性評価項目がここで説明されるが、本実施例は、訪問1〜7だけに適用可能な免疫原性評価項目に関する結果を提示する。その後の評価項目を分析する。
【0429】
以下の評価項目を、試験登録時に12〜24カ月齢未満(すなわち、組み合わせた両方の年齢層)の健康な対象における結果に適用した:
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに二価rLP2016を用いる3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
【0430】
以下の評価項目を、試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の健康な対象、ならびに組み合わせた両方の年齢層における結果に適用した:
・二価rLP2086を用いる2回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血訪問時に4種の一次MnB株のそれぞれについてLLOQ以上、1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血訪問時に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関するhSBA幾何平均力価(GMT)。
【0431】
以下に特定される全ての探索的評価項目を、二価rLP2086を受け、適切な時点で適切な株について試験された、試験登録時に12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の全ての健康な対象、ならびに組み合わせた両方の年齢層に由来するhSBAの結果に適用した:
・それぞれの適用可能な採血時点でLLOQ以上、1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血訪問時での4種の一次MnB株のそれぞれに関するhSBA GMT。
・4種の一次試験株のそれぞれに関して二価rLP2086を用いるベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の少なくとも4倍の増加を達成する対象の割合:
・検出限界(LOD)以下のベースラインhSBA力価または1:4未満のhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、1:16以上のhSBA力価と定義した。
・LOD以上(すなわち、1:4以上のhSBA力価)かつLLOQ未満のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、LLOQの4倍以上のhSBA力価と定義した。
・LLOQ以上のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、ベースライン力価の4倍以上のhSBA力価と定義した。
【0432】
4種全部の一次株に関してそれぞれの対象を試験するため、および/または二次株に関して対象を試験するために利用可能な十分な血清があった場合、以下の評価項目を計画した。
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に、組み合わせた4種全部の一次試験株(PMB80[A22]、PMB2948[B24]、PMB2001[A56]、およびPMB2707[B44])に関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合。これは4種全部の一次株を試験した対象のみに適用された。
・以下のような二次MnB株に関するhSBAを試験するためのさらなる探索的アッセイ:
・2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに/またはその後のそれぞれの採血時点での、試験されたそれぞれの二次MnB株に対するhSBA GMT。
・2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに/またはその後のそれぞれの採血時点での、それぞれの二次MnB株に対する、LLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
【0433】
主要評価項目の分析
主目的のための一次分析は、それぞれ、試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の健康な幼児における、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関する、3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合であった。評価可能な免疫原性集団を、このまとめのために使用し、パーセンテージと信頼区間(CI)の両方を示す。
【0434】
副次的評価項目の分析
mITT集団に対して実施された全ての分析を、二次分析と考えた。
【0435】
二次分析はまた、評価可能な免疫原性集団と、mITT集団との両方について、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象のパーセントを含んでいた。
【0436】
本実施例について、2回目のワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージを、評価可能な免疫原性集団と、mITT集団との両方を使用して分析した。最終的な分析のために、3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後の4種のMnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージを、評価可能な免疫原性集団と、mITT集団との両方を使用して分析する。
【0437】
それぞれの適用可能な採血訪問時に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ、1:4、1:8、1:16、1:32、1:64、1:128以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージを、評価可能な免疫原性集団と、mITT集団との両方を使用して分析した。
【0438】
それぞれの適用可能な採血訪問時の一次MnB試験株のそれぞれに関するGMTを、評価可能な免疫原性集団と、mITT集団との両方についてまとめた。
【0439】
探索的評価項目の分析
二価rLP2086を用いるベースラインから2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後までにhSBA力価の少なくとも4倍の上昇を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性集団と、mITT集団との両方についてまとめた。
【0440】
サブグループ分析
一部の免疫原性および安全性評価項目を、性別により、国により、および年齢層内で記述的にまとめた。
【0441】
結果
対象の性質および人口動態:
12〜24カ月齢未満の合計396人の対象を、この試験において無作為化した。無作為化された対象のうち、合計44人の対象は、60μgの二価rLP2086を受け、220人の対象は、120μgの二価rLP2086を受け、132人の対象は、HAVワクチン/食塩水を受けた。それぞれの年齢層(12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満)において無作為化された198人の対象が存在していた。
【0442】
396人の無作為化された対象のうち、385人(97.2%)の対象が試験のワクチン接種期(1回目の試験ワクチン接種[訪問1]から3回目のワクチン接種の1カ月後[訪問7]まで)を完了した。合計386人(97.5%)の対象が、追跡期(訪問7から3回目のワクチン接種の6カ月後[訪問8]まで)を完了した。全体として、合計381人(96.2%)の対象が、6カ月の追跡訪問(訪問8)までの全ての試験訪問を完了し、完了状態はそれぞれの年齢層(それぞれ、12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の年齢層の189人[95.5%]の対象および192人[97.0%]の対象)について類似していた。
【0443】
全体として、52.8%の対象が女性であり、大部分の対象が白人(94.4%)および非ヒスパニック系/非ラテン系(99.5%)であった。1回目のワクチン接種時の平均年齢(SD)は、17.3(3.61)カ月齢(12〜23カ月齢の範囲)であった。人口動態特徴は、一般的には、ワクチン群間で類似していた。
【0444】
ITTおよびmITT集団の特徴は、安全性集団の特徴と類似していた。
【0445】
免疫原性の結果:
この試験の主目的は、12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の健康な対象において3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株に対するhSBAにより測定された二価rLP2086に対する免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層(12〜24カ月齢未満)に関する免疫応答の記述が、副次的目的であった。主目的の主要評価項目は、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する各年齢層における対象の割合であった。
【0446】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ(A56、B24およびB44については1:8;A22については1:16)以上のhSBA力価を達成する対象の割合によって確認されたように、二価rLP2086の第3の用量の1カ月後に、12〜18カ月齢未満の幼児について、および18〜24カ月齢未満の幼児について、ならびに組み合わせた年齢層(12〜24カ月齢未満)について両方の用量レベルでロバストな免疫応答が観察された。60μg群について、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、3用量後に、若い方の幼児(12〜18カ月齢未満)については88.9%〜100.0%であり、年上の方の幼児(18〜24カ月齢未満)については81.8%〜100.0%であった。120μg群について、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、3用量後に、12〜18カ月齢未満の幼児については71.1%〜100.0%であり、18〜24カ月齢未満の幼児については72.0%〜100.0%であった。組み合わせた年齢層について、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、60μg群については85.0%〜100.0%であり、120μg群については71.6%〜100.0%であった。これらの知見は、両方の年齢層および用量レベルにわたってベースラインと比較して、GMTの増大(ベースラインでの4.0〜8.5から、3回目のワクチン接種の1カ月後での15.1〜171.4の範囲)および二価rLP2086の3用量後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに対する1:4以上(71.1%〜100.0%)または1:16以上(63.6%〜100.0%)のhSBA力価を達成する対象の割合の増加によってさらに支持される。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までに4倍以上のhSBAの上昇を達成する組み合わせた年齢層の対象の割合は、両方の用量レベルについて67.4%〜100.0%であった。結論として、0、2、6カ月のスケジュールで投与された60μgまたは120μgのいずれかの二価rLP2086の3用量は、12〜24カ月齢未満の幼児(個々の年齢層と、組み合わせた年齢層の両方)においてロバストな免疫応答を誘導した。
【0447】
試験の副次的目的は、2つの年齢層と組み合わせた年齢層に関して、LLOQ以上の応答、規定のhSBA力価、およびhSBA GMTによって評価された場合、第2の用量の二価rLP2086の1カ月後の免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層について、二価rLP2086の第2の用量(第1の用量の2カ月後に投与された)後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、60μg群の対象については57.9%〜94.7%であり、120μg群の対象については33.7%〜100.0%であった。
【0448】
2つの個々の年齢層について、類似する結果が得られ、若い方の年齢層と年上の方の年齢層との間に臨床的に意義のある差異はなかった。これらの知見は、ベースラインを超えるGMTの増大(7.2〜110.6の範囲)および組み合わせた年齢層について両方の用量レベルにわたってベースラインと比較して二価rLP2086の2用量後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに対する1:4以上(36.0%〜100.0%)または1:16以上(32.6%〜100%)のhSBA力価を達成する対象の割合の増加によって支持される。2つの個々の年齢層について、類似する結果が得られた。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれについてベースラインから2回目のワクチン接種の1カ月後に4倍以上のhSBAの上昇を達成する組み合わせた年齢層の対象の割合は、30.2%〜98.9%であった。結論として、2カ月空けて投与された60μgまたは120μgの二価rLP2086の2用量は、12〜24カ月齢未満(個々の年齢層と、組み合わせた年齢層の両方)の幼児において免疫応答を誘導した。まとめると、60μgと120μgの両方の用量レベルで、0、2、および6カ月のスケジュールで3用量として与えられる二価rLP2086は、12〜24カ月齢未満の幼児間でロバストな免疫応答を惹起し、hSBAによって測定された場合、第3の用量後に高い割合の対象において防御抗体力価が達成される。
【0449】
結論:
結論として、0、2、および6カ月のスケジュールで12〜24カ月齢未満の幼児に投与された場合、60μgおよび120μgの用量レベルの二価rLP2086は、hSBAにより測定された場合、第3の用量後に防御抗体力価を惹起する。この試験において投与されたワクチンは、安全かつ良好に忍容され、12〜24カ月齢未満の幼児について許容される安全性プロファイルを有していた。
【0450】
(実施例21)
12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の健康な幼児に投与された場合の髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B二価組換えリポタンパク質2086ワクチン(二価rLP2086)の免疫原性、安全性、および忍容性について記述するために行われた第2相、無作為化、対照薬、観察者盲検(B1971035−CSR)
この第2相試験は、2段階で行われた。段階1は、最後の試験ワクチン接種(訪問10)の12カ月後まで、12〜24カ月齢未満の健康な幼児における二価rLP2086の安全性、忍容性、および免疫原性を評価するために設計され、行われた。段階1は、4つのセンチネルコホートに関するセンチネル登録期および拡張登録期から構成されていた。センチネルコホートでは、二価rLP2086を、2つの年齢層(12〜15カ月齢未満および18〜24カ月齢未満)において2つの用量レベル(60μgおよび120μg)で投与した。拡張登録期に関する用量レベルの選択は、2つの用量レベルの安全性プロファイルの内部審査委員会(IRC)の審査に基づくものであった。段階2は、最後の試験ワクチン接種の4年後まで免疫応答の持続期間を評価するよう計画された。
【0451】
免疫原性に関する主目的
・試験登録時に12〜18カ月齢未満の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
・試験登録時に18〜24カ月齢未満の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
【0452】
免疫原性に関する副次的目的
・試験登録時に12〜24カ月齢未満(すなわち、組み合わせた両方の年齢層)の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答について記述すること。
【0453】
免疫原性に関する探索的目的
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、二価rLP2086を用いる、2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の1、6、12、24、36、および48カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株を用いて実施されたhSBAにより測定された免疫応答についてさらに記述すること。
・試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満、ならびに組み合わせた両方の年齢層の健康な幼児において、2回目のワクチン接種の1カ月後ならびに3回目のワクチン接種の1、6、12、24、36、および48カ月後の、LP2086サブファミリーAおよびBタンパク質を発現する二次MnB試験株に対するhSBAにより測定された免疫応答についてさらに記述すること。
【0454】
治験計画
全体の試験設計および計画
試験は、12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の年齢によって階層化された約396人の健康な幼児を、二価rLP2086(2つの用量レベル[60μgもしくは120μg]のいずれか)またはライセンス供与された小児HAVワクチン(0.5mL)/注射用滅菌食塩溶液(0.5mLの0.85%塩化ナトリウム)を受けるように2:1の比で無作為に割り当てた、第2相、無作為化、実対照薬、観察者盲検、出資者非盲検、多施設試験である。
【0455】
試験を、2段階で行った。段階1は、2つの相:センチネル登録期および拡張登録期にわたってワクチンの免疫原性、安全性、および忍容性を評価した。段階2は、二価rLP2086に対する免疫応答の持続期間を評価した。
【0456】
段階1のセンチネル登録期は、合計4つのセンチネルコホート:それぞれの用量レベル(60μgまたは120μg)の二価rLP2086に関する2つの年齢層を含むように計画した。若い方の年齢のセンチネルコホートは、12〜15カ月齢未満の対象から構成され、年上の年齢のセンチネルコホートは、18〜24カ月齢未満の対象から構成されていた。4つのセンチネルコホートはそれぞれ、約33人の対象を登録するように計画された。センチネル登録期は、予め特定された時点でのIRCによる審査と交互であり、停止規則を適用した。120μgの用量レベルのセンチネルコホートは、60μgの用量レベルが、同じ年齢のセンチネルコホートにおいて安全かつ忍容性であるとIRCによって評価されるまで進行しなかった。若い方の年齢の120μgの用量レベルのセンチネルコホートは、この用量レベルが年上の年齢の120μgの用量レベルのセンチネルコホートにおいて安全かつ忍容性であるとIRCによって評価されるまで進行しなかった。
【0457】
段階1の拡張登録期の前に、IRCはセンチネル対象から得られた全ての1回目のワクチン接種後の7日間の電子日記およびSAEデータを審査した。審査に基づいて、IRCは、両方の年齢層について段階1の拡張登録期に試験される120μgの二価rLP2086用量レベルを選択した。若い方の年齢の拡張登録コホート(さらに132人の対象を登録する)を、12〜18カ月齢未満の対象に拡張し、2つのサブセット:12〜15カ月齢未満および15〜18カ月齢未満に、年齢で階層化した。年上の年齢の拡張登録コホート(さらに132人の対象を登録する)は、拡張登録期に18〜24カ月齢未満の対象を登録した。段階1のみを完了する対象に関する合計試験期間は、約18カ月であろう。
【0458】
段階2は、二価rLP2086に無作為に割り当てられた対象のみを含む(用量レベルとは無関係である)。段階2を完了する対象に関する合計試験期間は、約4.5年(54カ月)であろう。
【0459】
二価rLP2086を、0、2および6カ月目(訪問1、4および6)に投与した。小児HAVワクチンを、0および6カ月目(訪問1および6)に投与し、食塩水を2カ月目(訪問4)に投与して、盲検を維持した。
【0460】
対照群の選択を含む、試験設計の考察
この2段階試験は、12〜24カ月齢未満の健康な幼児における、2つの用量レベル(60μgおよび120μg)の二価rLP2086の安全性、忍容性、および免疫原性を評価した。HAVワクチン(0および6カ月目)を、この試験における対照として選択した。この年齢群のための他の推奨されるワクチンと比較して、HAVワクチンは良好な忍容性プロファイルを有する。さらに、HAVワクチンは、将来の旅行中または他の曝露中のA型肝炎ウイルス感染のリスクが増大し得る対象に利益を提供する。HAVワクチンのための一般的に推奨されるレジメンは、0および6カ月目での2用量である。この試験においては、食塩水を、2カ月目に与えて、盲検を維持した。
【0461】
投与されるワクチン
試験の経過にわたって3回、二価rLP2086(60μgまたは120μg)を投与した:訪問1での1回目のワクチン接種(0カ月)、訪問4での2回目のワクチン接種(2カ月)、および訪問6での3回目のワクチン接種(6カ月)。二価rLP2086を、三角筋または大腿前外側部筋のいずれかに筋肉内注射として投与した。HAVワクチンを、試験の経過にわたって2回投与した:訪問1での1回目のワクチン接種(0カ月)および訪問6での3回目のワクチン接種(6カ月)。食塩水を、2回目のワクチン接種(2カ月)の時点で投与した。HAVワクチン/食塩水を、三角筋または大腿前外側部筋のいずれかに筋肉内注射として投与した。試験スタッフの第三者の非盲検の医療資格者のみが治験薬を投与した。筋肉内注射のために三角筋の量が十分でなかった場合、大腿部が好ましい注射部位であった。投与部位(例えば、左/右腕/大腿部)を、ソースノートおよびCRFに記載した。
【0462】
治験薬の同一性
二価rLP2086(滅菌緩衝化等張性懸濁液中のアルミニウムに吸着された、精製されたサブファミリーAおよびサブファミリーBのrLP2086タンパク質、それぞれ30μg[60μgの用量レベル]または60μg[120μgの用量レベル]のいずれかを含有する)を、注射のために0.5mL用量で提供した。ライセンス供与された小児HAVワクチンを、注射のために0.5mL用量で提供した。プラセボは、0.5mL用量として供給された注射用の滅菌食塩水(0.85%塩化ナトリウム)であった。
【0463】
治験薬(二価rLP2086、HAVワクチン、および食塩水)を、出資者によって、それぞれの試験場所に提供した。試験ワクチンを、現在の指針ならびに適用可能な地方および法的規制要件に従って治験薬として包装および標識した。それぞれの治験薬を、独特のキット番号を用いて標識した。
【0464】
ワクチン接種レジメンの選択
二価rLP2086(60μgまたは120μgのいずれか)を、0、2および6カ月のスケジュールで投与した。対照群の対象は、0カ月目および6カ月目にHAVワクチンを受け、盲検を維持するために2カ月目に食塩水の注射を受けた。
【0465】
二価rLP2086血清殺菌アッセイ−一次試験株
二価rLP2086に対する免疫応答の評価のために、機能的抗体を、髄膜炎菌血清群B株を用いるhSBAにおいて分析した。hSBAは、標的髄膜炎菌株の補体依存的殺滅を媒介するヒト血清中の抗体を測定するものである。ワクチン成分抗原に対して異種であるH因子結合タンパク質(fHBP)バリアントをそれぞれ発現する、4種の一次MnB試験株、PMB80(A22)、PMB2001(A56)、PMB2948(B24)、およびPMB2707(B44)を、この試験における免疫原性評価項目の決定のためにhSBAにおいて使用した。
【0466】
血清容量の制限のため、一次株(PMB80[A22]およびPMB2948[B24])のうちの2種を、対象の半分(両方の年齢層)についてそれぞれの採血時点で試験し、他の2種の一次株(PMB2001[A56]およびPMB2707[B44])を、残りの半分の対象についてそれぞれの採血時点で試験した。
【0467】
一度、全対象が登録を完了したら(訪問1)、試験の遂行に関与しない統計チームである、独立統計センター(ISC)は、出資者の試料管理チームに、2つの対象一覧(無作為に選択された、PMB80[A22]/PMB2948[B24]について試験される50%の対象およびPMB2001[A56]/PMB2707[B44]について試験される残りの50%の対象)を提供した。両方の一覧は、試験設計と同じ無作為化比(2:1)および年齢層分布に従った。同じ株の対(PMB80[A22]/PMB2948[B24]またはPMB2001[A56]/PMB2707[B44])を、同じ対象について、全ての訪問にわたって試験した。
【0468】
さらなるアッセイ
一度、一次分析のための試験が完了したら、また、十分な容量の血清が入手可能であった場合、二価rLP2086に対する免疫応答を評価するためのさらなる試験を以下のように考慮することができる:PMB80(A22)およびPMB2948(B24)を、二価rLP2086を受け、血清試料が元々、PMB2001(A56)およびPMB2707(B44)について試験された対象の50%に由来する血清試料中で試験することができる。逆に、PMB2001(A56)およびPMB2707(B44)を、二価rLP2086を受け、元々、PMB80(A22)およびPMB2948(B24)について試験された対象の50%に由来する血清試料中で試験することができる。二次株のための試験を実施することができる。
【0469】
免疫原性分析
目的の比較および評価項目−免疫原性に関する主要評価項目
免疫原性に関する主要評価項目は、
・試験登録時に12〜18カ月齢未満の健康な幼児において4種の一次MnB試験株のそれぞれに関して、3回目のワクチン接種の1カ月後に定量下限(LLOQ)以上のhSBA力価を達成する対象の割合。
・試験登録時に18〜24カ月齢未満の健康な幼児において4種の一次MnB試験株のそれぞれに関して、3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合
であった。
【0470】
目的の比較および評価項目−免疫原性に関する副次的評価項目
全試験に関する全ての免疫原性に関する副次的評価項目をここで記載するが、本実施例は訪問1〜7(訪問1から3回目のワクチン接種の3カ月後まで)に適用可能な免疫原性に関する評価項目に関する結果のみを提示する。
【0471】
以下の評価項目を、試験登録時に12〜24カ月齢未満(すなわち、組み合わせた両方の年齢層)の健康な対象における結果に適用した:
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに二価rLP2016を用いる3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
【0472】
以下の評価項目を、試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の健康な対象、ならびに組み合わせた両方の年齢層における結果に適用した:
・二価rLP2086を用いる2回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血訪問時に4種の一次MnB株のそれぞれについてLLOQ以上、1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血訪問時に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関するhSBA幾何平均力価(GMT)。
【0473】
免疫原性に関する探索的評価項目
以下に特定される全ての探索的評価項目を、二価rLP2086を受け、適切な時点で適切な株について試験された、試験登録時に12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の全ての健康な対象、ならびに組み合わせた両方の年齢層に由来するhSBAの結果に適用した:
・それぞれの適用可能な採血時点でLLOQ以上、1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を示す対象の割合。
・それぞれの適用可能な採血訪問時での4種の一次MnB株のそれぞれに関するhSBA GMT。
・4種の一次試験株のそれぞれに関して二価rLP2086を用いるベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の少なくとも4倍の増加を達成する対象の割合:
・検出限界(LOD)以下のベースラインhSBA力価または1:4未満のhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、1:16以上のhSBA力価と定義した。
・LOD以上(すなわち、1:4以上のhSBA力価)かつLLOQ未満のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、LLOQの4倍以上のhSBA力価と定義した。
・LLOQ以上のベースラインhSBA力価を示す対象については、4倍の応答を、ベースライン力価の4倍以上のhSBA力価と定義した。
【0474】
4種全部の一次株についてそれぞれの対象を試験するため、および/または二次株について対象を試験するために利用可能な十分な血清があった場合、以下の評価項目を考慮した。
・二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に、組み合わせた4種全部の一次試験株(PMB80[A22]、PMB2948[B24]、PMB2001[A56]、およびPMB2707[B44])に関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合。これは4種全部の一次株を試験した対象のみに適用された。
・以下のような二次MnB株に関するhSBAを試験するためのさらなる探索的アッセイ:
・2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに/またはその後のそれぞれの採血時点での、試験されたそれぞれの二次MnB株に対するhSBA GMT。
・2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後ならびに/またはその後のそれぞれの採血時点での、それぞれの二次MnB株に対する、LLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合。
【0475】
分析集団
改変された包括解析集団
提唱された分析に関する少なくとも1つの妥当かつ確定的なアッセイ結果を有していた全ての無作為化された対象を、改変された包括解析(mITT)集団に含有させた。この分析セットは、免疫原性分析に関するものであった。対象をmITT集団の分析において無作為化した治験薬に応じて、対象を分析した。
【0476】
分析方法
対照群および同じ年齢層内の異なるコホートに由来するそれぞれの用量レベル群を、分析のためにプールした。全ての免疫原性分析を、それぞれの年齢層について、ならびに全体の集団について別々にまとめた。
【0477】
これは、仮説検証試験ではなかった;かくして、見積もり手法を使用して、この試験における主目的、副次的目的および探索的目的を評価した。
【0478】
LLOQは、PMB80(A22)については1:16、PMB2001(A56)については1:8、PMB2707(B44)については1:8、およびPMB2948(B24)については1:8であった。
【0479】
GMTの算出のために、LLOQより下のhSBAの結果を、一次分析については0.5xLLOQに設定した。
【0480】
主要評価項目の分析
主目的のための一次分析は、それぞれ、試験登録時に12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の健康な幼児における、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関する、3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を示す対象の割合であった。評価可能な免疫原性集団を、このまとめのために使用し、パーセンテージと信頼区間(CI)の両方を示す。
【0481】
副次的評価項目の分析
mITT集団に対して実施された全ての分析を、二次分析と考えた。
【0482】
副次的評価項目のための分析はまた、評価可能な免疫原性集団とmITT集団の両方について、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種のMnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を示す対象のパーセントを含んでいた。
【0483】
本実施例について、2回目のワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージを、評価可能な免疫原性集団とmITT集団の両方を使用して分析し、この報告において提示した。その後の時点(3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後)について、同じ分析が計画される。
【0484】
2回目のワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ、1:4、1:8、1:16、1:32、1:64、1:128以上のhSBA力価を示す対象のパーセンテージを、評価可能な免疫原性集団とmITT集団の両方を使用して分析し、この報告において提示した。その後の時点(3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後)について、同じ分析が計画される。
【0485】
2回目のワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の1カ月後の一次MnB試験株のそれぞれに関するGMTを、評価可能な免疫原性集団とmITT集団についてまとめ、この報告において提示した。その後の時点(3回目のワクチン接種の6、12、24、36、および48カ月後)について、同じ分析が計画される。
【0486】
探索的評価項目の分析
二価rLP2086を用いるベースラインから2回目および3回目のワクチン接種の1カ月後までのhSBA力価の少なくとも4倍の増加を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性集団とmITT集団についてまとめた。
【0487】
逆累積分布曲線
4種の一次MnB試験株のそれぞれについて、また、評価可能な免疫原性集団に関して2回目のワクチン接種の1カ月後および3回目のワクチン接種の1カ月後に、経験的な逆累積分布曲線(RCDC)も評価した。
【0488】
免疫原性評価
分析された集団
評価可能な免疫原性集団は、免疫原性分析のための一次分析集団であった。mITT集団を、免疫原性分析のための支援的免疫原性集団として使用した。
【0489】
合計348人(87.9%)の対象が評価可能な免疫原性集団に含まれ、48人(12.1%)の対象が評価可能な免疫原性集団から除外された。対象は、1つを超える理由のため免疫原性集団から除外された。合計31人(7.8%)の対象は、彼らがスケジュール化されたワクチン接種前またはワクチン接種後に引き出された血液を有していなかったため(試料が採取されなかった対象およびプロトコールに特定された方法の外側で試料が採取された対象を含む)、13人(3.3%)の対象が、3回目のワクチン接種のための訪問の前または1カ月後に試験に関して適格ではなかった、または不適格になったため、11人(2.8%)の対象が、全てのワクチン接種訪問時に無作為化されたものとしてワクチンを受けなかったため、および16人(4.0%)の対象が、禁止されたワクチンまたは処置を受けたため、評価可能な免疫原性集団から除外された。12〜18カ月齢未満の合計84.3%の対象および18〜24カ月齢未満の91.4%の対象が、評価可能な免疫原性集団に含まれていた。
【0490】
免疫原性の結果
3回目のワクチン接種(訪問7)の1カ月後までの全ての免疫原性データを含む一次分析の結果を、以下のセクションに提供する。免疫原性評価項目の分析は、対象の半分についてはPMB2001(A56)およびPMB2707(B44)株、残りの半分についてはPMB80(A22)およびPMB2948(B24)株に関するhSBAの結果に基づくものであった。
【0491】
主要および副次的評価項目
LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合
免疫原性に関する主要評価項目は、二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を達成する、12〜18カ月齢未満(試験登録時)および18〜24カ月齢未満(試験登録時)の対象の割合であった。二価rLP2086を用いる3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を達成する、組み合わせた年齢層における全ての対象の割合と共に、二価rLP2086を用いる2回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を達成する個々の、および組み合わせた年齢層における対象の割合が、副次的評価項目であった。
【0492】
4種の一次MnB試験株のそれぞれについてLLOQ以上のhSBA力価を達成する各年齢層における対象の割合を、評価可能な免疫原性集団について表中に提示する。
【0493】
組み合わせた年齢層について、ベースライン時にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については0.0%および3.1%;PMB2001(A56)については0.0%および1.1%;PMB2948(B24)については4.8%および2.1%;ならびにPMB2707(B44)については0.0%および1.1%であった。
【0494】
2回目のワクチン接種の1カ月後に、12〜18カ月齢未満の年齢層についてLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.0%および64.4%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については70.0%および23.8%;ならびにPMB2707(B44)については77.8%および72.3%であった。18〜24カ月齢未満の年齢層については、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については66.7%および84.0%;PMB2001(A56)については90.0%および100.0%;PMB2948(B24)については44.4%および43.2%;ならびにPMB2707(B44)については60.0%および63.8%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、2回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については78.9%および74.7%;PMB2001(A56)については94.7%および100.0%;PMB2948(B24)については57.9%および33.7%;ならびにPMB2707(B44)については68.4%および68.1%であった。
【0495】
3回目のワクチン接種の1カ月後に、12〜18カ月齢未満の年齢層についてLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については88.9%および91.1%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については88.9%および71.1%;ならびにPMB2707(B44)については88.9%および87.2%であった。18〜24カ月齢未満の年齢層では、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.9%および88.2%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については81.8%および72.0%;ならびにPMB2707(B44)については90.0%および85.1%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、3回目のワクチン接種の1カ月後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.0%および89.6%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については85.0%および71.6%;ならびにPMB2707(B44)については89.5%および86.2%であった。
【0496】
一般に、LLOQ以上のhSBA力価を達成するHAV/食塩水群における対象の割合は、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった(表25)。
【0497】
mITT集団に関する結果は、評価可能な免疫原性集団のものと類似していた。
【0498】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合のサブグループ分析を、性別および国によって評価可能な免疫原性集団について評価した。実施したサブグループ分析において、臨床的に重要な差異は観察されなかった。
【0499】
【表25-1】
【0500】
【表25-2】
【0501】
【表25-3】
【0502】
hSBA GMT
二価rLP2086を用いる、ベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、および3回目のワクチン接種の1カ月後の、12〜18カ月齢未満、18〜24カ月齢未満、および組み合わせた年齢層の対象に関する4種の一次MnB試験株のそれぞれのhSBA GMTが、副次的評価項目であった。表26は、評価可能な免疫原性手段に関する4種の一次MnB株のhSBA GMTを提供する。
【0503】
組み合わせた年齢層について、ベースライン時のhSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については8.0および8.4;PMB2001(A56)については4.0および4.1;PMB2948(B24)については4.4および4.1;ならびにPMB2707(B44)については4.0および4.0であった。
【0504】
2回目のワクチン接種の1カ月後に、12〜18カ月齢未満の年齢層のhSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については42.2および24.6;PMB2001(A56)については101.6および117.2;PMB2948(B24)については10.6および6.0;ならびにPMB2707(B44)については23.5および22.1であった。18〜24カ月齢未満の年齢層については、hSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については23.5および36.8;PMB2001(A56)については68.6および104.6;PMB2948(B24)については6.9および8.5;ならびにPMB2707(B44)については21.1および17.0であった。全体として、2回目のワクチン接種の1カ月後に、組み合わせた年齢層のhSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については32.0および30.4;PMB2001(A56)については82.6および110.6;PMB2948(B24)については8.6および7.2;ならびにPMB2707(B44)については22.2および19.4であった。3回目のワクチン接種の1カ月後に、12〜18カ月齢未満の年齢層のhSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については80.6および63.0;PMB2001(A56)については109.7および190.6;PMB2948(B24)については20.2および15.8;ならびにPMB2707(B44)については29.6および46.3であった。18〜24カ月齢未満の年齢層については、hSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については82.3および71.4;PMB2001(A56)については181.0および154.4;PMB2948(B24)については17.0および14.5;ならびにPMB2707(B44)については34.3および44.9であった。全体として、3回目のワクチン接種の1カ月後に、組み合わせた年齢層のhSBA GMTは、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については81.6および67.3;PMB2001(A56)については142.8および171.4;PMB2948(B24)については18.4および15.1;ならびにPMB2707(B44)については32.0および45.6であった。
【0505】
一般に、HAV/食塩水群における対象のhSBA GMTは、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。
【0506】
【表26-1】
【0507】
【表26-2】
【0508】
【表26-3】
【0509】
mITT集団に関する結果は、評価可能な免疫原性集団のものと類似していた。
【0510】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関するhSBA GMTのサブグループ分析を、性別および国によって評価可能な免疫原性集団について評価した。実施したサブグループ分析において、臨床的に重要な差異は観察されなかった。
【0511】
規定のhSBA力価
二価rLP2086を用いる、ベースライン時、2回目のワクチン接種の1カ月後、および3回目のワクチン接種の1カ月後に、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関して1:4以上、1:8以上、1:16以上、1:32以上、1:64以上、および1:128以上のhSBA力価を達成する、12〜18カ月齢未満、18〜24カ月齢未満、および組み合わせた年齢層の対象の割合が、免疫原性に関する副次的評価項目であった。
【0512】
4種の一次MnB株に関して規定のhSBA力価を達成する対象の割合を、評価可能な免疫原性集団について表27に提示する。
【0513】
1:4以上および1:16以上のhSBA力価を達成した二価rLP2086を受ける対象に関する結果を、以下に記載する。1:4以上のhSBA力価は、IMDに対する防御の相関と広く認識されている;しかしながら、1:16以上のより保存的なhSBA力価は、ワクチン接種前の血清陰性の対象のための4倍のワクチン効果を示すレベルであると考えられている。
【0514】
一般に、規定のhSBA力価を達成するHAV/食塩水群における対象の割合は、ベースラインと比較して時間と共に変化しなかった。
【0515】
mITT集団に関する結果は、評価可能な免疫原性集団のものと類似していた。
【0516】
1:4以上のhSBA力価
2回目のワクチン接種の1カ月後に、1:4以上のhSBA力価を達成する12〜18カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.0%および64.4%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については70.0%および28.6%;ならびにPMB2707(B44)については77.8%および72.3%であった。1:4以上のhSBA力価を達成する18〜24カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については66.7%および86.0%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については44.4%および43.2%;ならびにPMB2707(B44)については70.0%および63.8%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、2回目のワクチン接種の1カ月後に1:4以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については78.9%および75.8%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については57.9%および36.0%;ならびにPMB2707(B44)については73.7%および68.1%であった。
【0517】
3回目のワクチン接種の1カ月後に、1:4以上のhSBA力価を達成する12〜18カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については88.9%および91.1%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については88.9%および71.1%;ならびにPMB2707(B44)については88.9%および87.2%であった。1:4以上のhSBA力価を達成する18〜24カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.9%および88.2%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については81.8%および72.0%;ならびにPMB2707(B44)については90.0%および87.2%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、3回目のワクチン接種の1カ月後に1:4以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.0%および89.6%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については85.0%および71.6%;ならびにPMB2707(B44)については89.5%および87.2%であった。
【0518】
1:16以上のhSBA力価
2回目のワクチン接種の1カ月後に、1:16以上のhSBA力価を達成する12〜18カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.0%および64.4%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については60.0%および21.4%;ならびにPMB2707(B44)については77.8%および72.3%であった。1:16以上のhSBA力価を達成する18〜24カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については66.7%および86.0%;PMB2001(A56)については90.0%および100.0%;PMB2948(B24)については33.3%および43.2%;ならびにPMB2707(B44)については60.0%および61.7%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、2回目のワクチン接種の1カ月後に1:16以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については78.9%および74.7%;PMB2001(A56)については94.7%および100.0%;PMB2948(B24)については47.4%および32.6%;ならびにPMB2707(B44)については68.4%および67.0%であった。
3回目のワクチン接種の1カ月後に、1:16以上のhSBA力価を達成する12〜18カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については88.9%および91.1%;PMB2001(A56)については100.0%および97.9%;PMB2948(B24)については88.9%および66.7%;ならびにPMB2707(B44)については77.8%および87.2%であった。1:16以上のhSBA力価を達成する18〜24カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.9%および88.2%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については63.6%および68.0%;ならびにPMB2707(B44)については90.0%および85.1%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、3回目のワクチン接種の1カ月後に1:16以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.0%および89.6%;PMB2001(A56)については100.0%および98.9%;PMB2948(B24)については75.0%および67.4%;ならびにPMB2707(B44)については84.2%および86.2%であった。
【0519】
【表27-1】
【0520】
【表27-2】
【0521】
【表27-3】
【0522】
【表27-4】
【0523】
【表27-5】
【0524】
探索的免疫原性評価項目
ベースラインからの4倍以上のhSBA力価の増加
表28は、4種の一次MnB試験株に関するベースラインからの4倍以上の上昇を示すhSBA力価を示す対象の割合を提示する。
【0525】
2回目のワクチン接種の1カ月後に、ベースラインからのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する12〜18カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については80.0%および62.2%;PMB2001(A56)については100.0%および97.9%;PMB2948(B24)については60.0%および19.0%;ならびにPMB2707(B44)については77.8%および70.2%であった。18〜24カ月齢未満の年齢層については、ベースラインからのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については66.7%および80.0%;PMB2001(A56)については90.0%および100.0%;PMB2948(B24)については33.3%および40.9%;ならびにPMB2707(B44)については60.0%および61.7%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、2回目のワクチン接種の1カ月後にベースラインからのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については73.7%および71.6%;PMB2001(A56)については94.7%および98.9%;PMB2948(B24)については47.4%および30.2%;ならびにPMB2707(B44)については68.4%および66.0%であった。
【0526】
3回目のワクチン接種の1カ月後に、ベースラインからのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する12〜18カ月齢未満の対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については77.8%および86.7%;PMB2001(A56)については100.0%および95.7%;PMB2948(B24)については88.9%および66.7%;ならびにPMB2707(B44)については77.8%および85.1%であった。18〜24カ月齢未満の年齢層については、ベースラインからのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については90.9%および88.2%;PMB2001(A56)については100.0%および100.0%;PMB2948(B24)については63.6%および68.0%;ならびにPMB2707(B44)については90.0%および85.1%であった。全体として、組み合わせた年齢層について、3回目のワクチン接種の1カ月後にベースラインからのhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する対象の割合は、それぞれ、60μgおよび120μg群について、PMB80(A22)については85.0%および87.5%;PMB2001(A56)については100.0%および97.9%;PMB2948(B24)については75.0%および67.4%;ならびにPMB2707(B44)については84.2%および85.1%であった。
【0527】
3回目のワクチン接種の1カ月後にhSBA力価の4倍以上の上昇を達成するHAV/食塩水群の対象(組み合わせた年齢層)の割合は、PMB80(A22)については5.0%;PMB2001(A56)については1.9%;PMB2948(B24)については3.3%;ならびにPMB2707(B44)については0.0%であった。
【0528】
【表28-1】
【0529】
【表28-2】
【0530】
同様の結果が、mITT集団について観察された。
【0531】
4種の一次MnB試験株のそれぞれについてhSBA力価の4倍以上の上昇を達成する対象の割合のサブグループ分析を、性別および国によって免疫原性集団を評価するために評価した。実施したサブグループ分析において臨床的に重要な差異は観察されなかった。
【0532】
一次MnB試験株に関する逆累積分布曲線
組み合わせた年齢層に関する、4種の一次MnB試験株のそれぞれについて、およびそれぞれのサンプリング時点で、hSBA応答(LLOQ以上)を示す対象の割合のRCDCを、PMB80[A22]、PMB2001[A56]、PMB2948[B24]、およびPMB2707[B44]について評価した。RCDCにより、二価rLP2086群対HAV/食塩水群について、免疫応答が2回目のワクチン接種および3回目のワクチン接種の後により高いことが示された。二価rLP2086群の免疫応答は、それぞれのワクチン接種と共に増大した。
【0533】
免疫原性に関する結論
この試験の主目的は、12〜18カ月齢未満および18〜24カ月齢未満の健康な対象において3回目のワクチン接種の1カ月後に測定して、2種がLP2086サブファミリーAタンパク質を発現し、2種がLP2086サブファミリーBタンパク質を発現する、4種の一次MnB試験株に対するhSBAにより測定された二価rLP2086に対する免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層(12〜24カ月齢未満)に関する免疫応答の記述が、副次的目的であった。主目的の主要評価項目は、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する各年齢層における対象の割合であった。
【0534】
4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ(A56、B24およびB44については1:8;A22については1:16)以上のhSBA力価を達成する対象の割合によって確認されたように、二価rLP2086の第3の用量の1カ月後に、12〜18カ月齢未満の幼児について、および18〜24カ月齢未満の幼児について、ならびに組み合わせた年齢層(12〜24カ月齢未満)について両方の用量レベルでロバストな免疫応答が観察された。60μg群について、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、3用量後に、若い方の幼児(12〜18カ月齢未満)については88.9%〜100.0%であり、年上の方の幼児(18〜24カ月齢未満)については81.8%〜100.0%であった。120μg群について、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、3用量後に、12〜18カ月齢未満の幼児については71.1%〜100.0%であり、18〜24カ月齢未満の幼児については72.0%〜100.0%であった。組み合わせた年齢層について、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、60μg群については85.0%〜100.0%であり、120μg群については71.6%〜100.0%であった。これらの知見は、両方の年齢層および用量レベルにわたってベースラインと比較して、GMTの増大(ベースラインでの4.0〜8.5から、3回目のワクチン接種の1カ月後での15.1〜171.4の範囲)および二価rLP2086の3用量後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに対する1:4以上(71.1%〜100.0%)または1:16以上(63.6%〜100.0%)のhSBA力価を達成する対象の割合の増加によってさらに支持される。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれに関してベースラインから3回目のワクチン接種の1カ月後までに4倍以上のhSBAの上昇を達成する組み合わせた年齢層の対象の割合は、両方の用量レベルについて67.4%〜100.0%であった。結論として、0、2、6カ月のスケジュールで投与された60μgまたは120μgのいずれかの二価rLP2086の3用量は、12〜24カ月齢未満の幼児(個々の年齢層と、組み合わせた年齢層の両方)においてロバストな免疫応答を誘導した。
【0535】
試験の副次的目的は、2つの年齢層と組み合わせた年齢層に関して、LLOQ以上の応答、規定のhSBA力価、およびhSBA GMTによって評価された場合、第2の用量の二価rLP2086の1カ月後の免疫応答について記述することであった。組み合わせた年齢層について、二価rLP2086の第2の用量(第1の用量の2カ月後に投与された)後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、60μg群の対象については57.9%〜94.7%であり、120μg群の対象については33.7%〜100.0%であった。2つの個々の年齢層について、類似する結果が得られ、若い方の年齢層と年上の方の年齢層との間に臨床的に意義のある差異はなかった。これらの知見は、ベースラインを超えるGMTの増大(7.2〜110.6の範囲)および組み合わせた年齢層について両方の用量レベルにわたってベースラインと比較して二価rLP2086の2用量後に4種の一次MnB試験株のそれぞれに対する1:4以上(36.0%〜100.0%)または1:16以上(32.6%〜100%)のhSBA力価を達成する対象の割合の増加によって支持される。2つの個々の年齢層について、類似する結果が得られた。さらに、4種の一次MnB試験株のそれぞれについてベースラインから2回目のワクチン接種の1カ月後に4倍以上のhSBAの上昇を達成する組み合わせた年齢層の対象の割合は、30.2%〜98.9%であった。結論として、2カ月空けて投与された60μgまたは120μgの二価rLP2086の2用量は、12〜24カ月齢未満(個々の年齢層と、組み合わせた年齢層の両方)の幼児において免疫応答を誘導した。
【0536】
まとめると、60μgと120μgの両方の用量レベルで、0、2、および6カ月のスケジュールで3用量として与えられる二価rLP2086は、12〜24カ月齢未満の幼児間でロバストな免疫応答を惹起し、hSBAによって測定された場合、第3の用量後に高い割合の対象において防御抗体力価が達成される。
【0537】
考察および全体の結論
免疫原性に関する考察。12〜24カ月齢未満の幼児に与えられた二価rLP2086(2つの用量レベル)の3用量レジメン(0、2、および6カ月のスケジュール)のこの第2相試験の免疫原性に関する結果は、120μgの用量レベルでの青少年および若年成人における以前の試験と一致する。
【0538】
二価rLP2086のワクチン接種に対する免疫原性応答を、許容された防御の相関よりも厳密な基準(1:4以上のhSBA力価)を使用して、ワクチン成分抗原に対して異種であるfHBPバリアントをそれぞれ発現する4種の一次MnB試験株を使用して検証されたhSBAにおいて測定した。3回目のワクチン接種の1カ月後の4種の一次MnB試験株に関するLLOQ以上のhSBA力価に基づくと、この試験に参加する幼児(いずれかの用量レベル)は、B1971009試験に参加する青少年(10〜19歳未満)ならびにB1971017試験に参加する幼児および小児(24カ月齢以上〜10歳未満)と比較して類似する免疫応答を有し、3回目のワクチン接種(0、2、6カ月のスケジュール)後にLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、この試験においては120μg群(12〜24カ月齢未満)について71.6%〜100.0%であり、B1971009試験においては87.1%〜99.5%であり、B1971017試験においては79.1%〜100.0%であった。これらの3つの試験の間で、B1971009試験が、この試験における幼児と比較してLLOQ以上のワクチン接種前のhSBA力価を示す青少年対象の割合がはるかに高かったという事実にも拘わらず、3回目のワクチン接種の1カ月後に4種の一次MnB試験株に関してLLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合の臨床的に意義のある差異は明らかではない。二価rLP2086は、12〜24カ月齢未満の集団において高度に免疫原性であると考えられ、hSBAの防御の相関に基づいて青少年について予想されたものと同様に、MnB感染に対する防御を提供する可能性が高い。個々の年齢層および組み合わせた両方の年齢層について、3用量後、60μgの用量レベルに対する応答は、120μgの用量レベルに対する応答よりも意義のある差異はなかった。
【0539】
副次的目的である、第2の用量の二価rLP2086(いずれかの用量レベル)の1カ月後の組み合わせた年齢層(12〜24カ月齢未満)に関するこの試験における免疫応答に関しては、LLOQ以上のhSBA力価を達成する対象の割合は、2カ月空けて与えられる2用量の二価rLP2086を受けるB1971009試験に参加する青少年(10歳〜19歳未満)が64.2%〜99.1%であり、B1971017試験に参加する幼児および小児(24カ月齢以上〜10歳未満)が48.5%〜100.0%であったのと比較して、33.7%〜100.0%であった。両方の年齢層および組み合わせた年齢層について、60μgの二価rLP2086の2用量後の免疫応答は、120μgの二価rLP2086の2用量後の応答よりも意義ある差異はなかった。60μg群におけるより小さいサンプルサイズは、60μgと120μgの用量レベル間の応答率を比較する場合、明確な結論付けを困難にすることに留意すべきである。
【0540】
まとめると、60μgと120μgの両方の用量レベルで、0、2、6カ月のスケジュールで投与された二価rLP2086は、12〜24カ月齢未満の幼児の間で高度に免疫原性であり、第3の用量後の高い割合の対象においてhSBAによって測定された場合に防御免疫応答が達成される。この試験において測定された場合の免疫応答は、第3の用量の1カ月後に青少年および小児の間で以前の試験において観察されたものと類似すると考えられる。3用量レジメンは、12〜24カ月齢未満の幼児において高率の防御免疫を提供すると考えられる。
【0541】
全体の結論。結論として、0、2、および6カ月のスケジュールで12〜24カ月齢未満の幼児に投与された場合、60μgおよび120μgの用量レベルの二価rLP2086は、hSBAによって測定された場合、第3の用量後に防御抗体力価を惹起する。この試験において投与されたワクチンは、安全であり、12〜24カ月齢未満の幼児に関する許容される安全性プロファイルで良好に忍容された。
【0542】
(実施例22)
CBA/JマウスにおけるMn五価およびTrumenba(登録商標)ワクチンの髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Bの免疫原性の評価
二価MnB fHBPワクチン、Trumenba、または四価ACWY多糖コンジュゲートワクチンと共に製剤化された二価MnB fHBPワクチン(Mn五価ABCWY)のいずれかを用いるワクチン接種後の髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B fHBPに対する免疫応答を、CBA/Jマウスにおいて評価した。CBA/Jマウスの群を、3つの異なるワクチン:五価(ABCYW)、Trumenba(登録商標)(MnB)およびNimenrix(登録商標)(ACYW)を用いて免疫した(表29)。
【0543】
【表29】
【0544】
各治療群について、CBA/Jマウス(25匹/群)を、それぞれのワクチンの2倍希釈用量レベルを使用して、首筋において皮下的に免疫した(表29)。マウスに、時間0でワクチンを初回接種し、2週目に追加接種した。ヒト補体を使用する2つの異なる血清殺菌アッセイ(hSBA)を使用する試験のために、3週目に血清をPD2収集した。一方のhSBAはfHBPサブファミリーA発現株(M98250771)を使用し、他方はfHBPサブファミリーB発現株(CDC1127)を使用した。
【0545】
hSBAは、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群B株に対する、抗体依存的、補体媒介性殺菌活性を測定する。簡単に述べると、適切な希釈率の試験血清を、髄膜炎菌(N.meningitidis)B株(サブファミリーAまたはB)の新鮮に調製された細菌培養物およびヒト補体と、96ウェルマイクロタイターアッセイプレート中で混合した。アッセイプレートを、オービタルシェーカー上に置き、加湿インキュベータ(37℃/5%CO
2)中で30min混合した。その後、各ウェルに由来するアッセイ反応物のアリコートを、生存する細菌を数えるために96ウェルフィルタープレートに移した。
【0546】
ワクチン接種に対する応答率を、hSBAにおいて応答する各投薬群(n=25)におけるマウスのパーセンテージとして算出した。所定の希釈レベルで試験した場合、T
30対照髄膜炎菌の50%以上を殺滅するマウス血清試料を、応答者と考える。T
30対照ウェルは、細菌および補体を含有するが、試験血清を含有せず、30分のアッセイインキュベーションの終わりに計数される。
【0547】
表30および表31は、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株のサブファミリーAとサブファミリーBの両方についてTRUMENBA(登録商標)またはMn五価のいずれかによって誘導された同等の用量依存的応答率を示す。予想通り、NIMENRIX(商標)は、MnB株に対する機能的免疫応答を誘導しなかった。
【0548】
【表30】
【0549】
【表31】
【0550】
以下の条項は、本発明のさらなる実施形態を説明する。
【0551】
C1.ポリペプチドと、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖コンジュゲート;髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖コンジュゲート;髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖コンジュゲート;および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖コンジュゲートとを含む組成物。
【0552】
C2.MenA莢膜糖が担体タンパク質にコンジュゲートされている;MenC莢膜糖が担体タンパク質にコンジュゲートされている;MenW莢膜糖が担体タンパク質にコンジュゲートされている;およびMenY莢膜糖が担体タンパク質にコンジュゲートされている、条項C1に記載の組成物。
【0553】
C3.組成物が髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X(MenX)莢膜糖コンジュゲートをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0554】
C4.ポリペプチドがH因子結合タンパク質(fHBP)である、条項C1に記載の組成物。
【0555】
C5.ポリペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、および配列番号62のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対する少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、条項C1に記載の組成物。
【0556】
C6.
a.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;
b.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチド;および
c.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖
を含む組成物。
【0557】
C7.
a.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;
b.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチド;および
c.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖
を含む組成物。
【0558】
C8.
a.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;
b.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチド;および
c.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W−135(MenW)莢膜糖
を含む組成物。
【0559】
C9.
a.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;
b.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチド;および
c.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖
を含む組成物。
【0560】
C10.
a.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;
b.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチド;
c.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖;
d.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖;
e.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖;
f.担体タンパク質にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖
を含む組成物。
【0561】
C11.
a.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;
b.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチド;
c.破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖;
d.破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖;
e.破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖;
f.破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖
を含む組成物。
【0562】
C12.MenA莢膜糖が1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーにコンジュゲートされ、リンカーがカルボジイミド化学反応により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされている(MenA
AH−TTコンジュゲート)、条項C1に記載の組成物。
【0563】
C13.MenC莢膜糖が1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりADHリンカーにコンジュゲートされ、リンカーがカルボジイミド化学反応により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされている(MenC
AH−TTコンジュゲート)、条項C1に記載の組成物。
【0564】
C14.MenW莢膜糖が、リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされている(MenW−TTコンジュゲート)、条項C1に記載の組成物。
【0565】
C15.MenY莢膜糖が、リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされている(MenY−TTコンジュゲート)、条項C1に記載の組成物。
【0566】
C16.Tris−HClをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0567】
C17.塩化ナトリウムをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0568】
C18.スクロースをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0569】
C19.ヒスチジンをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0570】
C20.ポリソルベート80をさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0571】
C21.アルミニウムをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0572】
C22.リン酸アルミニウムをさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0573】
C23.約120μg/mlの第1のポリペプチド;約120μg/mlの第2のポリペプチド;リン酸アルミニウムとしての約0.5mg/mlのアルミニウム;約0.02mgのポリソルベート80;約10mMのヒスチジン;および約150mMの塩化ナトリウムを含む、条項C1に記載の組成物。
【0574】
C24.用量あたり、約60μgの第1のポリペプチド;約60μgの第2のポリペプチド;約7.5μgのTTにコンジュゲートした約5μgのMenA莢膜糖;約7.5μgのTTにコンジュゲートした約5μgのMenC莢膜糖;約3.75μgのTTにコンジュゲートした約5μgのMenW莢膜糖;約3.25μgのTTにコンジュゲートした約5μgのMenY莢膜糖;約97μgのTris−HCl、pH6.8±0.3;4.69〜4.71mgの塩化ナトリウム;約28mgのスクロース;約0.78mgのL−ヒスチジン;約0.02mgのポリソルベート80;約0.25mgのアルミニウムを含み;0.5mLの水をさらに含む、条項C1に記載の組成物。
【0575】
C25.12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の患者における使用にとって好適である、条項C1に記載の組成物。
【0576】
C26.18〜24カ月齢未満の患者における使用にとって好適である、条項C1に記載の組成物。
【0577】
C27.24カ月齢以上〜10歳未満の患者における使用にとって好適である、条項C1に記載の組成物。
【0578】
C28.少なくとも0.010mgのポリソルベート80および多くても0.018mgのポリソルベート80を含む、条項C20に記載の組成物。
【0579】
C29.少なくとも0.01mgのポリソルベート80および多くても0.02mgのポリソルベート80を含む、条項C20に記載の組成物。
【0580】
C30.配列番号1に対する100%未満の配列同一性を有するポリペプチドをさらに含まない、条項C1に記載の組成物。
【0581】
C31.第1のポリペプチドが合計258個のアミノ酸を有する、条項C1に記載の組成物。
【0582】
C32.配列番号2に対する100%未満の配列同一性を有するポリペプチドをさらに含まない、条項C1に記載の組成物。
【0583】
C33.第2のポリペプチドが合計261個のアミノ酸を有する、条項C1に記載の組成物。
【0584】
C34.多くても2つの脂質化ポリペプチドを含む、条項C1に記載の組成物。
【0585】
C35.ハイブリッドタンパク質を含まない、条項C1に記載の組成物。
【0586】
C36.キメラタンパク質を含まない、条項C1に記載の組成物。
【0587】
C37.融合タンパク質を含まない、条項C1に記載の組成物。
【0588】
C38.凍結乾燥されない、条項C1に記載の組成物。
【0589】
C39.ホルムアルデヒドを含まない、条項C1に記載の組成物。
【0590】
C40.ジフテリアトキソイドもCRMも含まない、条項C1に記載の組成物。
【0591】
C41.アジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーの非存在下でMenA莢膜糖を含まない、条項C1に記載の組成物。
【0592】
C42.アジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーの非存在下でMenC莢膜糖を含まない、条項C1に記載の組成物。
【0593】
C43.液体組成物である、条項C1に記載の組成物。
【0594】
C44.以下の免疫原性組成物:MENACTRA(R)、MENVEO(R)、ADACEL(R)、HAVRIX(R)、GARDASIL(R)、REPEVAXのどの1つも、そのいずれの組合せもさらに含まない、条項C1に記載の組成物。
【0595】
C45.組成物が髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲート(MCV4)組成物をさらに含まず、担体タンパク質がジフテリアトキソイドである、条項C1に記載の組成物。
【0596】
C46.組成物が髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲート(MCV4)組成物をさらに含まず、担体タンパク質がCRM
197である、条項C1に記載の組成物。
【0597】
C47.NIMENRIXワクチンをさらに含まない、条項C1に記載の組成物。
【0598】
C48.組成物がNIMENRIXワクチンをさらに含まず、NIMENRIXが塩化ナトリウムおよび水からなる希釈剤を含む、条項C1に記載の組成物。
【0599】
C49.(a)脂質化されたMenB rLP2086サブファミリーAポリペプチドと、脂質化されたMenB rLP2086サブファミリーBポリペプチドとを含む第1の組成物;ならびに(b)破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖;破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖;破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖;および破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖を含む第2の組成物を含むキット。
【0600】
C50.第1の組成物が液体組成物であり、第2の組成物が凍結乾燥組成物である、条項C49に記載のキット。
【0601】
C51.凍結乾燥組成物がポリソルベート80を含まない、条項C49に記載のキット。
【0602】
C52.以下の免疫原性組成物:MENACTRA(R)、MENVEO(R)、ADACEL(R)、HAVRIX(R)、GARDASIL(R)、REPEVAXのどの1つも、そのいずれの組合せもさらに含まない、条項C49に記載のキット。
【0603】
C53.キットが髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲート(MCV4)組成物をさらに含まず、担体タンパク質がジフテリアトキソイドである、条項C49に記載のキット。
【0604】
C54.キットが髄膜炎菌A、C、YおよびW−135多糖コンジュゲート(MCV4)組成物をさらに含まず、担体タンパク質がCRM
197である、条項C49に記載のキット。
【0605】
C55.NIMENRIXワクチンをさらに含まない、条項C49に記載のキット。
【0606】
C56.キットがNIMENRIX(R)ワクチンをさらに含まず、NIMENRIX(R)が塩化ナトリウムおよび水からなる希釈剤を含む、条項C49に記載のキット。
【0607】
C57.
a.i.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;および
ii.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む液体組成物;ならびに
b.i.カルボジイミド化学反応によって破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーに、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖(MenA
AH−TTコンジュゲート);
ii.カルボジイミド化学反応によって破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされたADHリンカーに、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖(MenC
AH−TTコンジュゲート);
iii.リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖(MenW−TTコンジュゲート);および
iv.リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖(MenY−TTコンジュゲート)
を含む凍結乾燥組成物
を含むキット。
【0608】
C58.液体組成物が塩化ナトリウムをさらに含む、条項C57に記載のキット。
【0609】
C59.液体組成物がL−ヒスチジンをさらに含む、条項C57に記載のキット。
【0610】
C60.液体組成物がポリソルベート80をさらに含む、条項C57に記載のキット。
【0611】
C61.液体組成物がリン酸アルミニウムをさらに含む、条項C57に記載のキット。
【0612】
C62.液体組成物がTris−HClをさらに含まない、条項C57に記載のキット。
【0613】
C63.液体組成物がスクロースをさらに含む、条項C57に記載のキット。
【0614】
C64.凍結乾燥組成物が塩化ナトリウムをさらに含む、条項C57に記載のキット。
【0615】
C65.凍結乾燥組成物がポリソルベート80を含まない、条項C57に記載のキット。
【0616】
C66.液体組成物が少なくとも0.010mgのポリソルベート80および多くても0.018mgのポリソルベート80を含む、条項C60に記載のキット。
【0617】
C67.液体組成物が少なくとも0.010mgのポリソルベート80および多くても0.02mgのポリソルベート80を含む、条項C60に記載のキット。
【0618】
C68.
a.(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;および(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む液体組成物;ならびに
b.i.カルボジイミド化学反応によって破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーに、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖(MenA
AH−TTコンジュゲート);
ii.カルボジイミド化学反応によって破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされたADHリンカーに、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖(MenC
AH−TTコンジュゲート);
iii.リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖(MenW−TTコンジュゲート);および
iv.リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖(MenY−TTコンジュゲート)
を含む凍結乾燥組成物
を含む免疫原性組成物。
【0619】
C69.凍結乾燥組成物が液体組成物を用いて復元される、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0620】
C70.液体組成物がヒスチジンをさらに含む、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0621】
C71.液体組成物がポリソルベート80をさらに含む、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0622】
C72.液体組成物がリン酸アルミニウムをさらに含む、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0623】
C73.液体組成物が塩化ナトリウムをさらに含む、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0624】
C74.12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満の患者における使用にとって好適である、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0625】
C75.18〜24カ月齢未満の患者における使用にとって好適である、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0626】
C76.24カ月齢以上〜10歳未満の患者における使用にとって好適である、条項C68に記載の免疫原性組成物。
【0627】
C77.
a.(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;および(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む液体組成物;ならびに
b.i.カルボジイミド化学反応によって破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーに、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖(MenA
AH−TTコンジュゲート);
ii.カルボジイミド化学反応によって破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)にコンジュゲートされたADHリンカーに、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学によりコンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖(MenC
AH−TTコンジュゲート);
iii.リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W
135(MenW)莢膜糖(MenW−TTコンジュゲート);および
iv.リンカーの非存在下で、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸化学により破傷風トキソイド担体タンパク質(TT)に直接コンジュゲートされた髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖(MenY−TTコンジュゲート)
を含む凍結乾燥組成物であって、免疫原性組成物を生成するために液体組成物を用いて復元される凍結乾燥組成物
を含む免疫原性組成物。
【0628】
C78.液体組成物がアルミニウムをさらに含む、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0629】
C79.液体組成物がリン酸アルミニウムをさらに含む、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0630】
C80.凍結乾燥組成物が塩化ナトリウムをさらに含む、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0631】
C81.少なくとも0.010mgのポリソルベート80および多くても0.018mgのポリソルベート80を含む、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0632】
C82.少なくとも0.01mgのポリソルベート80および多くても0.02mgのポリソルベート80を含む、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0633】
C83.凍結乾燥組成物がアルミニウムを含有しない、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0634】
C84.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドがアルミニウムに結合している、条項C78に記載の免疫原性組成物。
【0635】
C85.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドが免疫原性組成物中のアルミニウムに結合している、条項C78に記載の免疫原性組成物。
【0636】
C86.免疫原性組成物中のアルミニウムに結合したポリペプチドの濃度が、凍結乾燥組成物を復元する前の液体組成物中のアルミニウムに結合したポリペプチドの濃度と比較して、24時間後に減少しない、条項C78に記載の免疫原性組成物。
【0637】
C87.免疫原性組成物中のMenA
AH−TTコンジュゲートの濃度が、凍結乾燥組成物中のMenA
AH−TTコンジュゲートの濃度と比較して、24時間後に減少しない、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0638】
C88.免疫原性組成物中のMenC
AH−TTコンジュゲートの濃度が、凍結乾燥組成物中のMenC
AH−TTコンジュゲートの濃度と比較して、24時間後に減少しない、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0639】
C89.免疫原性組成物中のMenW−TTコンジュゲートの濃度が、凍結乾燥組成物中のMenW−TTコンジュゲートの濃度と比較して、24時間後に減少しない、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0640】
C90.免疫原性組成物中のMenY−TTコンジュゲートの濃度が、凍結乾燥組成物中のMenY−TTコンジュゲートの濃度と比較して、24時間後に減少しない、条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0641】
C91.濃度が、復元前の液体組成物中のそれぞれの濃度と比較して、24時間後に多くても1%減少する、条項C86に記載の免疫原性組成物。
【0642】
C92.濃度が、復元前の液体組成物中のそれぞれの濃度と比較して、24時間後に多くても5%減少する、条項C86に記載の免疫原性組成物。
【0643】
C93.濃度が、復元前の液体組成物中のそれぞれの濃度と比較して、24時間後に多くても10%減少する、条項C86に記載の免疫原性組成物。
【0644】
C94.濃度が、復元前の凍結乾燥組成物中のそれぞれの濃度と比較して、24時間後に多くても1%減少する、条項C87〜C90に記載の免疫原性組成物。
【0645】
C95.濃度が、復元前の凍結乾燥組成物中のそれぞれの濃度と比較して、24時間後に多くても5%減少する、条項C87〜C90に記載の免疫原性組成物。
【0646】
C96.濃度が、復元前の凍結乾燥組成物中のそれぞれの濃度と比較して、24時間後に多くても10%減少する、条項C87〜C90に記載の免疫原性組成物。
【0647】
C97.復元された免疫原性組成物のpHが、塩化ナトリウムを用いて復元された場合、凍結乾燥組成物のpHより低い、条項68または条項C77に記載の免疫原性組成物。
【0648】
C98.a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド、およびb)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物。
【0649】
C99.ポリソルベート80、アルミニウム、ヒスチジン、および塩化ナトリウムをさらに含む、条項C98に記載の組成物。
【0650】
C100.60μgの第1の脂質化ポリペプチドと、60μgの第2の脂質化ポリペプチドとを含む、条項C98に記載の組成物。
【0651】
C101.条項C1に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群BサブファミリーA株および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群BサブファミリーB株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0652】
C102.条項C68に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群BサブファミリーA株および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群BサブファミリーB株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0653】
C103.条項C77に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群BサブファミリーA株および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群BサブファミリーB株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0654】
C104.条項C1に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、および/または髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0655】
C105.条項C68に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、および/または髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0656】
C106.条項C77に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、および/または髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0657】
C107.条項C1に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、および/または髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0658】
C108.条項C68に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、および/または髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0659】
C109.条項C77に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、および/または髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0660】
C110.条項C1に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株、および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0661】
C111.条項C68に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株、および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0662】
C112.条項C77に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株、および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0663】
C113.条項C98に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y株、および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0664】
C114.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質A10を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0665】
C115.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質A10を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0666】
C116.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質A19を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0667】
C117.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質B16を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群A株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0668】
C118.配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質B47を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0669】
C119.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質A10を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0670】
C120.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質A10を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0671】
C121.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質A19を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0672】
C122.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質B16を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群A株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0673】
C123.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質B47を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0674】
C124.配列番号1、配列番号2、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも70%の同一性を有するポリペプチドの有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0675】
C125.条項C1に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0676】
C126.条項C68に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0677】
C127.条項C77に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0678】
C128.条項C98に記載の組成物の有効量をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0679】
C129.条項C98に記載の組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質B49を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0680】
C130.配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいてH因子結合タンパク質B49を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群X株に対する殺菌性免疫応答を誘導する方法。
【0681】
C131.組成物が、ヒト補体を使用する血清殺菌アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合、第1の用量を受ける前のヒトにおける血清免疫グロブリンの殺菌力価よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも2倍高い血清免疫グロブリンの殺菌力価を誘導する、条項C101〜C130のいずれか一項に記載の方法。
【0682】
C132.組成物が、ヒト補体を使用する血清殺菌アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合、第1の用量を受ける前のヒトにおける血清免疫グロブリンの殺菌力価よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも4倍高い血清免疫グロブリンの殺菌力価を誘導する、条項C101〜C130のいずれか一項に記載の方法。
【0683】
C133.組成物が、ヒト補体を使用する血清殺菌アッセイにおいて同一の条件下で測定した場合、第1の用量を受ける前のヒトにおける血清免疫グロブリンの殺菌力価よりも、第1の用量を受けた後のヒトにおいて少なくとも8倍高い血清免疫グロブリンの殺菌力価を誘導する、条項C101〜C132のいずれか一項に記載の方法。
【0684】
C134.患者が12〜18カ月齢未満または18〜24カ月齢未満である、条項C101〜C132のいずれか一項に記載の方法。
【0685】
C135.患者が18〜24カ月齢未満である、条項C101〜C132のいずれか一項に記載の方法。
【0686】
C136.患者が24カ月齢以上〜10歳未満である、条項C101〜C132のいずれか一項に記載の方法。
【0687】
C137.(a)患者が12〜18カ月齢の年齢である場合に、患者に免疫原性組成物を投与することを含み、免疫原性組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む、患者において免疫応答を惹起するための方法。
【0688】
C138.(a)患者が18〜24カ月齢の年齢である場合に、患者に免疫原性組成物を投与することを含み、免疫原性組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む、患者において免疫応答を惹起するための方法。
【0689】
C139.(a)患者が24カ月齢〜10歳の年齢である場合に、患者に免疫原性組成物を投与することを含み、免疫原性組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質化ポリペプチド;配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質化ポリペプチドを含む、患者において免疫応答を惹起するための方法。
【0690】
C140.組成物がポリソルベート80、アルミニウム、ヒスチジン、および塩化ナトリウムをさらに含む、条項C137〜C139のいずれか一項に記載の方法。