特表2020-514343(P2020-514343A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-514343環状置換イミダゾ[4,5−c]キノリン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-514343(P2020-514343A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】環状置換イミダゾ[4,5−c]キノリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20200424BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20200424BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20200424BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20200424BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20200424BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20200424BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20200424BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200424BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   C07D471/04 107Z
   C07D471/04CSP
   A61P1/04
   A61P25/16
   A61P25/28
   A61P25/00
   A61P31/04
   A61P17/00
   A61P43/00 111
   A61K31/4745
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】126
(21)【出願番号】特願2019-549410(P2019-549410)
(86)(22)【出願日】2018年3月1日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月8日
(86)【国際出願番号】IB2018051318
(87)【国際公開番号】WO2018163030
(87)【国際公開日】20180913
(31)【優先権主張番号】62/469,768
(32)【優先日】2017年3月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.CombiFlash
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】チャッピー,トーマス・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ギャラトシス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ガーンジー,ミシェル・レネー
(72)【発明者】
【氏名】ヘラル,クリストファー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,ジャクリン・ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】コーモス,ベサニー・リン
(72)【発明者】
【氏名】クルンベイル,ラビ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス−アルシナ,ルイス・エンジェル
(72)【発明者】
【氏名】ペッターソン,マーティン・ヤンジン
(72)【発明者】
【氏名】シュテパン,アントニア・フレデリケ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイジャー,トラビス・ティー
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065AA18
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ01
4C065KK03
4C065KK04
4C065KK08
4C065KK09
4C065LL02
4C065PP04
4C065PP07
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA21
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA28
4C086MA31
4C086MA32
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA57
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA68
4C086ZA89
4C086ZB35
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、新規の式Iの環状置換イミダゾ[4,5−c]キノリン誘導体、およびその医薬的に許容される塩を提供する(式中R、R、R、R、R、XおよびZは明細書中で定義された通りである)。

本発明はまた、式Iの化合物を含む医薬組成物、およびLRRK2に関連する疾患の処置、例えばパーキンソン病もしくはアルツハイマー病などの神経変性疾患、がん、クローン病またはハンセン病における化合物の使用にも向けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(式中、
Xは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
は、C〜Cシクロアルキルであるか、またはそれぞれ独立してN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜7員環のヘテロシクロアルキルであり、該C〜Cシクロアルキルは、1〜6個のRで置換されており、該4〜7員環のヘテロシクロアルキルは、任意選択で1〜6個のRで置換されていてもよく;
は、C〜Cアルキル〜Cシクロアルキル、およびそれぞれ独立してN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜7員環のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜Cシクロアルキルおよび4〜7員環のヘテロシクロアルキルはそれぞれ、任意選択で1〜6個のRで置換されていてもよく;
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;
は、各出現につき、独立して、ハロ、−C(O)NH2、−C(O)NH(C〜Cアルキル)、−C(O)N(C〜Cアルキル)2、〜Cアルキル〜CアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜CアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロ、シアノ、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;および
は、各出現につき、独立して、ハロ、ヒドロキシ、C〜Cアルキル〜Cアルコキシ、およびC〜CアルコキシC〜Cアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜Cアルコキシ、およびC〜CアルコキシC〜Cアルキルは、任意選択で1〜3個のハロまたはシアノで置換されていてもよい)
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
式Ia
【化2】
(式中、
は、C〜Cシクロアルキルであるか、またはそれぞれ独立してN、OおよびSから選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する4〜6員環のヘテロシクロアルキルであり、該C〜Cシクロアルキルは、1〜4個のRで置換されており、該4〜6員環のヘテロシクロアルキルは、任意選択で1〜4個のRで置換されていてもよく;
は、C〜Cアルキル〜Cシクロアルキル、ならびにそれぞれ独立してNRおよびOから選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する5〜6員環のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜Cシクロアルキルおよび5〜6員環のヘテロシクロアルキルはそれぞれ、任意選択で1〜4個のRで置換されていてもよく;
は、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;
は、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロで置換されていてもよく;
は、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシは、任意選択で1〜3個のハロまたはシアノで置換されていてもよい)
である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
が、クロロ、フルオロ、シアノ、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
が、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルからなる群から選択され、該シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルは、1〜3個のRで置換されており、該オキセタニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルは、任意選択で1〜3個のRで置換されていてもよく;
が、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシは、任意選択で1〜3個のフルオロで置換されていてもよい、請求項3に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
が、2,2−ジフルオロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピロリジニルからなる群から選択され、該シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピロリジニルは、任意選択で1〜3個のRで置換されていてもよく;
が、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシは、任意選択で1〜3個のフルオロまたはシアノで置換されていてもよい、請求項3または4に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
が、オキセタン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、3−フルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、3−メトキシシクロブチル、3−フルオロ−3−メチルシクロブチル、3−フルオロシクロペンチル、3,3−ジフルオロシクロペンチル、4−フルオロシクロヘキシル、2,2−ジフルオロシクロヘキシルおよび4,4−ジフルオロシクロヘキシルからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
が、2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル、2,2−ジメチルテトラヒドロピラン−4−イル、2−(シアノメチル)テトラヒドロピラン−4−イル、3,3−ジフルオロテトラヒドロピラン−4−イル、1−メチルピロリジン−3−イルおよび4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イルからなる群から選択される、請求項3または6に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
が、オキセタン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、3−フルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、3−メトキシシクロブチル、3−フルオロ−3−メチルシクロブチル、3−フルオロシクロペンチル、3,3−ジフルオロシクロペンチル、4−フルオロシクロヘキシル、2,2−ジフルオロシクロヘキシルおよび4,4−ジフルオロシクロヘキシルからなる群から選択され;
が、2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル、2,2−ジメチルテトラヒドロピラン−4−イル、2−(シアノメチル)テトラヒドロピラン−4−イル、3,3−ジフルオロテトラヒドロピラン−4−イル、1−メチルピロリジン−3−イルおよび4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
が、オキセタン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イルおよびテトラヒドロピラン−4−イルからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
が、3−フルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、3−メトキシシクロブチル、3−フルオロ−3−メチルシクロブチル、3−フルオロシクロペンチル、3,3−ジフルオロシクロペンチル、4−フルオロシクロヘキシル、2,2−ジフルオロシクロヘキシルおよび4,4−ジフルオロシクロヘキシルからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
が、2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル、2,2−ジメチルテトラヒドロピラン−4−イル、2−(シアノメチル)テトラヒドロピラン−4−イルおよび3,3−ジフルオロテトラヒドロピラン−4−イルからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
が、1−メチルピロリジン−3−イルおよび4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イルからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
が、フルオロまたはクロロである、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
が、シアノである、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
が、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(テトラヒドロフラン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−クロロ−2−(5−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2;
8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロペンチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(オキセタン−3−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1;
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT2;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(2,2−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
8−(ジフルオロメチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−8−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル、ENT2;
{(2S,4R)−4−[8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル;
{(2S,4R)−4−[8−フルオロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル;
[cis−4−{8−クロロ−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]アセトニトリル、DIAST1;
8−フルオロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
8−フルオロ−2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST A;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST B;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST C;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST D;
8−フルオロ−2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−(ジフルオロメチル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、4種のジアステレオマーの混合物;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1S,3S)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST E;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1R,3S)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST F;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1R,3R)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST G;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1S,3R)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST H;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST A;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST B;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST C;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST D;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST E;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST F;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST G;および
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST H;
からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−フルオロ−2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−8−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;および
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT2;
からなる群から選択される、請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項18】
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;および
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
からなる群から選択される、請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項19】
治療有効量の請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物。
【請求項20】
患者におけるクローン病、パーキンソン病、レヴィ小体認知症、前頭側頭認知症、皮質基底核認知症、進行性核上麻痺、ハンセン病、アルツハイマー病、タウオパチー疾患およびアルファシヌクレイノパチーからなる群から選択される疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、その処置が必要な患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項21】
クローン病、パーキンソン病、レヴィ小体認知症、前頭側頭認知症、皮質基底核認知症、進行性核上麻痺、ハンセン病、アルツハイマー病、タウオパチー疾患およびアルファシヌクレイノパチーからなる群から選択される疾患または障害の処置での使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)の小分子阻害剤に関する。本発明はまた、小分子LRRK2阻害剤の投与によって、ヒトなどの哺乳動物においてLRRK2を阻害する方法にも関する。また本発明は、ヒトなどの哺乳動物におけるパーキンソン病(PD)および他の神経変性および/または神経障害の、LRRK2阻害剤を用いた処置にも関する。より特定には、本発明は、神経変性および/または神経障害、例えばPD、アルツハイマー病(AD)および他のLRRK2関連障害の処置に有用な環状のイミダゾ[4,5−c]キノリン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
LRRK2は、複雑なマルチドメイン構造を有するROCOタンパク質ファミリーの286kDaのタンパク質である。LRRK2に関して確立されたタンパク質モチーフとしては、アルマジロ様(ARM)ドメイン、アンキリン様(ANK)ドメイン、ロイシンリッチリピート(LRR)ドメイン、複合体(ROC)ドメインのRas(レニン−アンジオテンシン系)、ROC(COR)ドメインのC末端、キナーゼドメイン、およびC末端WD40ドメインが挙げられる。ROCドメインは、グアノシン三リン酸(GTP)に結合し、CORドメインは、ROCドメインのGTPアーゼ活性の調節因子である可能性がある。キナーゼドメインは、MAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MAPKKK)に構造的な相同性を有し、インビトロで多数の細胞タンパク質をリン酸化することが示されているが、内因性基質はまだ決定されていない。LRRK2は、脳の様々な領域に加えて、心臓、肺、脾臓、および腎臓などの多数の末梢組織で見出されている。
【0003】
LRRK2は、推定のタンパク質間相互作用、グアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)活性、およびキナーゼ活性にそれぞれ関連するそのマルチドメインコンストラクトの結果として、複数の細胞プロセスで複雑な役割を果たす可能性がある。例えば、LRRK2は、免疫系においてNFAT阻害と関連し、さらに、小胞のトラフィッキング、シナプス前部のホメオスタシス、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)シグナル伝達、乳頭状腎および甲状腺癌における受容体チロシンキナーゼMETを介したシグナル伝達、細胞骨格の動態、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)経路、Wnt経路および自食作用との関係が示されている。近年のゲノムワイド関連(GWA)遺伝学的研究は、PD、炎症性腸疾患(クローン病)、がんおよびハンセン病などの様々なヒト疾患の病因におけるLRRK2の関連を示唆している(Lewis, P.A.およびManzoni, C. Science Signaling 2012、5(207)、pe2)。
【0004】
パーキンソン病(PD)は、ドーパミンを生産するニューロンの進行性消失に起因する比較的一般的な加齢性神経変性障害であり、80歳を超える人口の4%もの人々に影響を及ぼしている。PDは、静止時振戦、硬直、無動症および姿勢の不安定などの運動症状と、認知、睡眠および嗅覚の障害などの非運動症状の両方を特徴とする。GWA研究により、LRRK2はPDとの関連が示されており、LRRK2にお点突然変異を有する多くの患者は、特発性PDの患者と区別できない症状を呈する。20種を超えるLRRK2突然変異は、常染色体優性パーキンソン症候群と関連しており、R1441C、R1441G、R1441H、Y1699C、G2019S、I2020TおよびN1437Hミスセンス変異は、病原性であるとみなされる。LRRK2のR1441G突然変異は、トランスジェニックマウスからの小グリア細胞において炎症促進性サイトカインの放出を増加させること(TNF−α、IL−1β、IL−12のレベルが高く、IL−10のレベルが低い)が示されており、したがって、ニューロンに対する直接の毒性を生じる可能性がある(Gillardon, F.ら、Neuroscience 2012、208、41〜48)。神経炎症のマウスモデルにおいて、小グリア細胞におけるLRRK2の誘導が観察され、小分子LRRK2阻害剤(LRRK2−IN−1またはスニチニブ)またはLRRK2ノックアウトによるLRRK2キナーゼ活性の阻害は、TNF−α分泌および一酸化窒素合成酵素(iNOS)誘導の減衰をもたらした(Moehle, M.ら、J. Neurosci. 2012、32(5)、1602〜1611)。LRRK2突然変異のなかでも最も一般的なものであるG2019Sは、LRRK2突然変異を有するPD患者の85%より多くに存在する。この突然変異は、LRRK2キナーゼドメイン中に存在し、LRRK2キナーゼ活性の強化をもたらす。ヒト脳において、LRRK2発現は、PDの影響を受けている脳の同じ領域で最も高く、LRRK2は、PDの特徴であるレヴィ小体に見出される。近年の研究では、LRRK2に関する有力で選択的な脳浸透性キナーゼ阻害剤がPDの治療的処置であり得ることが示されている。
【0005】
認知症は、多種多様の示差的な病理学的過程に起因する。認知症を引き起こす最も一般的な病理学的過程は、AD、脳アミロイド血管症(CM)およびプリオン媒介疾患である(例えば、Haanら、Clin. Neurol. Neurosurg. 1990、92(4):305-310;Glennerら、J. Neurol. Sci. 1989、94:1〜28を参照)。ADは、記憶障害および認知機能障害を特徴とする進行性の神経変性障害である。ADは、85歳を過ぎた全ての人口のほぼ半分に影響を与えており、これは、米国人口のなかでも最も迅速に増加している部分である。そのため米国のAD患者数は、2050年までに約400万人から約1400万人に増加すると予想される。LRRK2突然変異は、AD様の病理学に関連しており、これは、ADとPDの両方における神経変性経路間に部分的なオーバーラップが存在する可能性があるを示唆している(Zimprach, A.ら、Neuron 2004、44、601〜607)。加えて、LRRK2のR1628Pバリアント(CORドメイン)は、特定の集団におけるADの発生率の増加に関連しており、おそらくこれは、アポトーシスおよび細胞死の増加に起因する(Zhao, Y.ら;Neurobiology of Aging 2011、32、1990〜1993)。
【0006】
LRRK2のG2019S突然変異を有するパーキンソン病患者において、腎臓がん、乳がん、肺がんおよび前立腺がんなどの特定の非皮膚がん、加えて急性骨髄性白血病(AML)の発生率の増加が報告されている(Saunders-Pullman, R.ら;Movement Disorders、2010、25(15)、2536〜2541)。G2019S突然変異はLRRK2キナーゼ活性の増加に関連することから、この活性の阻害は、例えば腎臓がん、乳がん、肺がん、前立腺がんなどのがん、および血液のがんの処置において有用な可能性がある。
【0007】
炎症性腸疾患(IBD)またはクローン病(CD)は複雑な疾患であり、腸管中の微生物叢に対する不適切な免疫応答に起因すると考えられている。GWAの研究により、近年、LRRK2が、クローン病の主要な感受性遺伝子、特にWD40ドメインにおけるM2397T多型として同定された(Liu, Z.ら、Nat. Immunol. 2011、12、1063〜1070)。近年の研究では、LRRK2欠損マウスは、その野生型対応マウスより、デキストラン硫酸ナトリウムによって誘発された大腸炎の影響を受けやすいことが見出され、これは、LRRK2が、IBDの病因において役割を果たす可能性があることを示す(Liu, Z.およびLenardo, M.;Cell Research 2012、1〜3)。
【0008】
LRRK2阻害活性を有する非選択的および選択的な小分子化合物の両方、例えば、スタウロスポリン、スニチニブ、LRRK2−IN−1、CZC−25146、TAE684、ならびにWO2011/141756、WO2012/028629およびWO2012/058193に記載のものがこれまでに記載されている。LRRK2の有力で選択的な阻害剤であり、好都合な薬物動態プロファイルと血液脳関門を通過する能力を有する化合物を提供することが望ましい。したがって、本発明は、LRRK2阻害活性を有する新規の環状置換イミダゾ[4,5−c]キノリン化合物、およびLRRK2に関連する疾患、例えばPDなどの神経変性疾患の処置におけるこれらの化合物の使用を対象とする。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の形態の第1の実施態様は、式I
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、Xは、CRまたはNであり;Zは、CRまたはNであり;Rは、C〜Cシクロアルキルであるか、またはそれぞれ独立してN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜7員環のヘテロシクロアルキルであり、該C〜Cシクロアルキルは、1〜6個のRで置換されており、該4〜7員環のヘテロシクロアルキルは、任意選択で1〜6個のR置換されていてもよく;Rは、C〜Cアルキル〜Cシクロアルキル、およびそれぞれ独立してN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜7員環のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜Cシクロアルキルおよび4〜7員環のヘテロシクロアルキルはそれぞれ、任意選択で1〜6個のRで置換されていてもよく;
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;Rは、各出現につき、独立して、ハロ、−C(O)NH、−C(O)NH(C〜Cアルキル)、−C(O)N(C〜Cアルキル)、C〜Cアルキル〜CアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜CアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロ、シアノ、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;Rは、各出現につき、独立して、ハロ、ヒドロキシ、C〜Cアルキル〜Cアルコキシ、およびC〜CアルコキシC〜Cアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜Cアルコキシ、およびC〜CアルコキシC〜Cアルキルは、任意選択で1〜3個のハロまたはシアノで置換されていてもよい)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0012】
本発明の第1の形態の第2の実施態様は、式Ia
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、Rは、C〜Cシクロアルキルであるか、またはそれぞれ独立してN、OおよびSから選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する4〜6員環のヘテロシクロアルキルであり、該C〜Cシクロアルキルは、1〜4個のRで置換されており、該4〜6員環のヘテロシクロアルキルは、任意選択で1〜4個のRで置換されていてもよく;Rは、C〜Cアルキル〜Cシクロアルキル、ならびにそれぞれ独立してNRおよびOから選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する5〜6員環のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜Cシクロアルキルおよび5〜6員環のヘテロシクロアルキルはそれぞれ、任意選択で1〜4個のRで置換されていてもよく;Rは、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜Cアルキル〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;Rは、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシはそれぞれ、任意選択で1〜3個のハロで置換されていてもよく;Rは、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシは、任意選択で1〜3個のハロまたはシアノで置換されていてもよい)
の第1の形態の第1の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0015】
本発明の第1の形態の第3の実施態様は、Rが、クロロ、フルオロ、シアノ、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される、第1の形態の第2の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0016】
本発明の第1の形態の第4の実施態様は、Rが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルからなる群から選択され、該シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルは、1〜3個のRで置換されており、該オキセタニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルは、任意選択で1〜3個のRで置換されていてもよく;Rが、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシは、任意選択で1〜3個のフルオロで置換されていてもよい、第1の形態の第3の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0017】
本発明の第1の形態の第5の実施態様は、Rが、2,2−ジフルオロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピロリジニルからなる群から選択され、該シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピロリジニルは、任意選択で1〜3個のRで置換されていてもよく;Rが、各出現につき、独立して、ハロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から選択され、該C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシは、任意選択で1〜3個のフルオロまたはシアノで置換されていてもよい、第1の形態の第3または第4の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0018】
本発明の第1の形態の第6の実施態様は、Rが、オキセタン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、3−フルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、3−メトキシシクロブチル、3−フルオロ−3−メチルシクロブチル、3−フルオロシクロペンチル、3,3−ジフルオロシクロペンチル、4−フルオロシクロヘキシル、2,2−ジフルオロシクロヘキシルおよび4,4−ジフルオロシクロヘキシルからなる群から選択される、第1の形態の第3の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0019】
本発明の第1の形態の第7の実施態様は、Rが、2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル、2,2−ジメチルテトラヒドロピラン−4−イル、2−(シアノメチル)テトラヒドロピラン−4−イル、3,3−ジフルオロテトラヒドロピラン−4−イル、1−メチルピロリジン−3−イルおよび4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イルからなる群から選択される、第1の形態の第3または第6の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0020】
本発明の第1の形態の第8の実施態様は、Rが、オキセタン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、3−フルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、3−メトキシシクロブチル、3−フルオロ−3−メチルシクロブチル、3−フルオロシクロペンチル、3,3−ジフルオロシクロペンチル、4−フルオロシクロヘキシル、2,2−ジフルオロシクロヘキシルおよび4,4−ジフルオロシクロヘキシルからなる群から選択され;Rが、2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル、2,2−ジメチルテトラヒドロピラン−4−イル、2−(シアノメチル)テトラヒドロピラン−4−イル、3,3−ジフルオロテトラヒドロピラン−4−イル、1−メチルピロリジン−3−イルおよび4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イルからなる群から選択される、第1の形態の第2の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0021】
本発明の第1の形態の第9の実施態様は、Rが、オキセタン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イルおよびテトラヒドロピラン−4−イルからなる群から選択される、第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0022】
本発明の第1の形態の第10の実施態様は、Rが、3−フルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、3−メトキシシクロブチル、3−フルオロ−3−メチルシクロブチル、3−フルオロシクロペンチル、3,3−ジフルオロシクロペンチル、4−フルオロシクロヘキシル、2,2−ジフルオロシクロヘキシルおよび4,4−ジフルオロシクロヘキシルからなる群から選択される、第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0023】
本発明の第1の形態の第11の実施態様は、Rが、2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル、2,2−ジメチルテトラヒドロピラン−4−イル、2−(シアノメチル)テトラヒドロピラン−4−イルおよび3,3−ジフルオロテトラヒドロピラン−4−イルからなる群から選択される、第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0024】
本発明の第1の形態の第12の実施態様は、Rが、1−メチルピロリジン−3−イルおよび4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イルからなる群から選択される、第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0025】
本発明の第1の形態の第13の実施態様は、Rが、フルオロまたはクロロである、第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
本発明の第1の形態の第14の実施態様は、Rが、シアノである、第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0026】
本発明の第1の形態の第15の実施態様は、Rが、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである第1の形態の第8の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0027】
本発明の第1の形態の第16の実施態様は、
8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(テトラヒドロフラン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−クロロ−2−(5−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2;
8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロペンチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(オキセタン−3−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1;
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT2;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(2,2−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
8−(ジフルオロメチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−8−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル、ENT2;
{(2S,4R)−4−[8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル;
{(2S,4R)−4−[8−フルオロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル;
[cis−4−{8−クロロ−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]アセトニトリル、DIAST1;
8−フルオロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
8−フルオロ−2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−フルオロ−2−[trans−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST A;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST B;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST C;
1−(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST D;
8−フルオロ−2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
8−(ジフルオロメチル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、4種のジアステレオマーの混合物;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST1;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(trans−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1S,3S)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST E;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1R,3S)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST F;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1R,3R)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST G;
1−[(4R)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(1S,3R)−3−フルオロシクロペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST H;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST A;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST B;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST C;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST D;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST E;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST F;
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST G;および
1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST H;
からなる群から選択される第1の形態の第2の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0028】
本発明の第1の形態の第17の実施態様は、
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2;
8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
8−フルオロ−2−[cis−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1;
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−8−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;および
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT2;
からなる群から選択される第1の形態の第16の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0029】
本発明の第1の形態の第18の実施態様は、
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン;および
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル;
からなる群から選択される第1の形態の第17の実施態様の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0030】
本発明の第2の形態の第1の実施態様は、治療有効量の第1の形態の第1〜第8の実施態様のいずれか1つに係る化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物である。
【0031】
本発明の第3の形態の第1の実施態様は、患者におけるクローン病、パーキンソン病、レヴィ小体認知症、前頭側頭認知症、皮質基底核認知症、進行性核上麻痺、ハンセン病、アルツハイマー病、タウオパチー疾患およびアルファシヌクレイノパチーからなる群から選択される疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の本発明の第1の形態の第1〜第8の実施態様のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、上記方法である。
【0032】
本発明の別の実施態様は、クローン病またはパーキンソン病の処置での使用のための本発明の第1の形態の第1〜第8の実施態様のいずれか1つに係る化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0033】
本発明の別の実施態様は、患者におけるLRRK2を阻害する方法であって、LRRK2を阻害する量の、第1の形態の第1〜第8の実施態様のいずれか1つに係る化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む、上記方法である。
【0034】
本発明の別の実施態様は、患者における神経変性疾患を処置する方法であって、治療有効量の第1の形態の第1〜第8の実施態様のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、上記方法である。
【0035】
したがって、本発明はまた、治療有効量の式Iの実施態様のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を投与することによって、患者(好ましくはヒト)におけるLRRK2キナーゼが関与する疾患、例えばパーキンソン病を処置する方法にも向けられる。
【0036】
本発明はまた、治療有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を、それを必要とする哺乳動物または患者に投与することによって、LRRK2キナーゼ活性を阻害する方法にも向けられる。本発明はまた、治療有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を、それを必要とする哺乳動物または患者に投与することによって、神経障害(特にパーキンソン病)、特定のがん、および特定の免疫疾患(例えばクローン病およびハンセン病)などのLRRK2キナーゼ活性の阻害に応答する障害を処置するの方法にも向けられる。
【0037】
本発明はまた、哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む、哺乳動物、好ましくはヒトにおける、LRRK2キナーゼが関与する中枢神経系および神経障害の状態または疾患、特に、パーキンソン病(これには、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;脳損傷;卒中;脳血管障害(例えば、脳動脈硬化症、脳のアミロイド血管症、遺伝性の脳内出血、および脳低酸素虚血などであり得る他の神経疾患も含まれる);認知障害(例えば、健忘症、老人性認知症、HIV関連認知症、アルツハイマー病、ハンチントン病、レヴィ小体認知症、脳血管性認知症、薬物関連の認知症、遅発性ジスキネジア、ミオクローヌス、ジストニア、譫妄、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病、HIV疾患、ジルドラトゥーレット症候群、てんかん、筋痙縮および振戦などの筋痙直または衰弱に関連する障害、ならびに軽度認知機能障害など);精神薄弱(例えば、痙直、ダウン症候群および脆弱X症候群など);睡眠障害(例えば、過眠症、概日リズム睡眠障害、不眠、睡眠時異常行動、および断眠など)、ならびに不安(例えば、急性ストレス障害、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、広場恐怖症、および強迫性障害など);虚偽性障害(例えば、急性幻覚性躁病など);衝動調節障害(例えば、強迫性賭博および間欠性爆発性障害など);気分障害(例えば、双極I型障害、双極II型障害、躁病、混合感情状態、大うつ病、慢性うつ病、季節性うつ病、精神病性うつ病、季節性うつ病、月経前症候群(PMS)月経前不快気分障害(PDD)、および産後うつ病など);精神運動障害;精神病性障害(例えば、統合失調症、統合失調性感情障害、統合失調症様、および妄想性障害など);薬物依存性(例えば、麻酔薬依存性、アルコール中毒、アンフェタミン依存性、コカイン嗜癖、ニコチン依存性、および薬物離脱症候群など);摂食障害(例えば、食欲低下、過食症、無茶食い障害、多食症、肥満症、強迫性摂食障害および氷摂取症など);性機能障害障害;失禁症;神経傷害による障害(例えば、目の傷害、目の網膜症または黄斑変性症、耳鳴り、聴覚の障害および損失、ならびに脳水腫など)ならびに小児の精神障害(例えば、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、行動障害、および自閉症など)などの精神障害を処置するための方法にも向けられる。
【0038】
本発明の式Iの化合物は、特に、レヴィ小体認知症、前頭側頭認知症、皮質基底核認知症、進行性核上麻痺、ハンセン病、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、アルツハイマー病、タウオパチー疾患、アルファシヌクレイノパチー、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、リスク症候群におけるパーキンソン病、アルツハイマー病のレヴィ小体亜型、パーキンソン病とアルツハイマー病との組合せ、多系統萎縮症、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ−ドレーガー症候群、潰瘍性大腸炎、若年性パーキンソン症候群、スティール−リチャードソン−オルゼウスキー病、リティコ−ボディグまたはグアム島のパーキンソン症候群−認知症−ALS複合、皮質基底核神経節変性症、進行性淡蒼球萎縮症、パーキンソン認知症症候群、淡蒼球錐体疾患、遺伝性若年性ジストニア−パーキンソン症候群、常染色体優性レヴィ小体病、ハンチントン病、ウィルソン病、遺伝性セルロプラスミン欠損症、ハラーフォルデン−シュパッツ病、オリーブ橋小脳および脊髄小脳変性症、マシャド−ジョセフ病、家族性筋萎縮−認知症−パーキンソン症候群、脱抑制−認知症−パーキンソン症候群−筋萎縮複合、ゲルストマン−ストロイスラー−シャインカー疾患、家族性進行性皮質下グリオーシス、Lubag(X連鎖ジストニアパーキンソン症候群)、家族性基底核石灰化、線条体壊死を伴うミトコンドリア細胞症、セロイドリポフスチン症、末梢神経障害を伴う家族性パーキンソン症候群、パーキンソン症候群−錐体路症候群、神経有棘赤血球症および遺伝性ヘモクロマトーシスなどの疾患または障害の処置に適している可能性がある。
【0039】
精神障害の診断と統計マニュアル(DSM−IV−TR)第4版の改訂版(2000年、米国精神医学会、ワシントンD.C.)は、本明細書に記載される障害の多くを同定するための診断ツールを提供する。当業者であれば、DMS−IV−TRに記載されたものなどの本明細書に記載される障害に関する代替の学術名、疾病分類、および分類体系があること、および用語および分類体系は医学的科学的な進行に伴い発展することを認識していると予想される。
【0040】
好ましい方法は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける、哺乳動物、好ましくはヒトにおける、神経障害、最も好ましくはパーキンソン病(これには、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;ニーマン−ピックC型;脳損傷;卒中;脳血管障害;認知障害;睡眠障害などの他の神経障害も含まれる)または精神障害(例えば不安;虚偽性障害;衝動調節障害;気分障害;精神運動障害;精神病性障害;薬物依存性;摂食障害;および小児精神障害)を処置することであって、治療有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を前記哺乳動物に投与することを含む。加えて、式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩もまた、LRRK2に関連する他の障害、例えばクローン病、ハンセン病ならびに特定のがん、例えば腎臓がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、肺がんおよび血液のがんを処置する方法で採用することもできる。
【0041】
また、医薬的に有効な量の本明細書に記載される化合物の1種またはそれより多く、および医薬的に許容される媒体、担体または賦形剤を含む組成物も本明細書で提供される。
本発明はまた、式IのLRRK2阻害剤化合物と、1種またはそれより多くの追加の医薬活性薬剤との組合せの使用にも向けられる。
【0042】
本発明の他の特徴および利点は、本明細書と本発明を記載する添付の特許請求の範囲から明らかであると予想される。
定義
用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、水素の除去によって炭化水素から得られた置換基)を指し、一実施態様において、1〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)であり、別の実施態様において、1〜3個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)である。このような置換基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピルなど)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルなど)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0043】
用語「アルコキシ」は、直鎖または分岐鎖の飽和ヒドロカルビル置換基であって、すなわち、水素を除去して酸素原子を結合させることによって炭化水素から得られた置換基を指し、一実施態様において、1〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルコキシ)であり、別の実施態様において、1〜3個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルコキシ)である。このような置換基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシなど)、ブトキシ(例えば、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシなど)、ペントキシなどが挙げられる。
【0044】
用語「シクロアルキル」は、飽和炭素環式分子から水素を除去することにより得られ、特定された数の炭素原子を有する炭素環式置換基を指す。一実施態様において、シクロアルキル置換基は、3〜7個の炭素原子を有する(すなわち、C〜Cシクロアルキル)。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。別の実施態様において、シクロアルキル置換基は、3〜6個の炭素原子を有する(すなわち、C〜Cシクロアルキル)。用語「シクロアルキル」は、一、二および三環式の飽和炭素環式化合物、加えて架橋および縮合環炭素環式化合物、加えてスピロ縮合環系を含む。
【0045】
一部の場合において、1個またはそれより多くのヘテロ原子を含有する環式置換基(すなわち、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)における原子の数は、接頭辞「x〜y員環」によって示され、ここでxは、置換基の環式部分を形成する原子の最小数であり、yは最大数である。用語「ヘテロシクロアルキル」は、飽和または部分的に飽和した環構造から水素を除去することにより得られ、特定された数の環原子を含有する置換基であって、環原子の少なくとも1つはヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子は、独立して、炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される置換基を指す。続いてヘテロシクロアルキル置換基が基または置換基で置換されている場合、その基または置換基は、必要に応じて、窒素ヘテロ原子に結合していてもよいし、または環炭素原子に結合していてもよい。用語「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、特定された通り、ヘテロ原子N、OまたはSを含有する単環式環系を指す。したがって、例えば、「4〜7員環のヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルの環式部分に、1個またはそれより多くのヘテロ原子を含む4〜7個の原子を含有するヘテロシクロアルキルを指す。所与の複素環中に存在するヘテロ原子の数は、特定された通りであり得る。ヘテロシクロアルキル基が窒素部分Nを含有し、飽和している場合、窒素は、水素またはC〜Cアルキルであることを理解されたい。単環ヘテロシクロアルキルの例としては、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、およびジアゼピニルが挙げられる。
【0046】
用語「水素」は、水素置換基を指し、−Hと表示される場合がある。用語「ジュウテロ」は、重水素置換基を指し、−Dと表示される場合がある。
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHを指す。1個またはそれより多くのヒドロキシ置換基が結合している炭素を有する化合物としては、例えば、アルコール、エノールおよびフェノールが挙げられる。
【0047】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ(これは、−Fと表示される場合がある)、クロロ(これは、−Clと表示される場合がある)、ブロモ(これは、−Brと表示される場合がある)、またはヨード(これは、−Iと表示される場合がある)を指す。
【0048】
前述の基は、上記で列挙した基から誘導される場合、可能性に応じて、Cに結合していてもよいし、またはNに結合していてもよい。例えば、ピロリジンから誘導された基は、ピロリジン−1−イル(Nに結合)またはピロリジン−3−イル(Cに結合)であり得る。
【0049】
置換基が、所定の群から「独立して選択される」と記載される場合、置換基の各例は、他の置換基から独立して選択される。それゆえに各置換基は、同一であってもよいし、または他の置換基と異なっていてもよい。
【0050】
用語「式I」、「式I」、「式(I)」または「式(I)」は、本明細書で使用される場合、「本発明の化合物」と称される場合もある。このような用語はまた、式Iの化合物の全ての形態、例えば、それらの水和物、溶媒和物、異性体、結晶質および非晶質形態、同形体、多型体、および代謝産物などを含むようにも定義される。例えば、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩は、非溶媒和型や溶媒和型で存在していてもよい。溶媒または水が強く結合している場合、複合体は、湿度とは関係なく明確な化学量論を有すると予想される。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物の場合のように溶媒または水が弱く結合している場合、水/溶媒の含量は、湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような場合、非化学量論が標準になる。
【0051】
本発明の化合物は、クラスレートまたは他の複合体として存在していてもよい。クラスレート、薬物と宿主が化学量論量または非化学量論量で存在する薬物−宿主包接錯体などの複合体も、本発明の範囲内に含まれる。また、化学量論量または非化学量論量で存在し得る2種またはそれより多くの有機および/または無機要素を含有する本発明の化合物の複合体も含まれる。得られた複合体は、イオン化されていてもよいし、部分的にイオン化されていてもよいし、またはイオン化されていなくてもよい。このような複合体の総論に関して、HaleblianによるJ. Pharm. Sci.、64(8)、1269〜1288(1975年8月)を参照されたい。
【0052】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有していてもよい。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、本明細書において、実線(−)、実線のくさび
【0053】
【化3】
【0054】
または点線のくさび
【0055】
【化4】
【0056】
を使用して表示される場合がある。不斉炭素原子への結合を表示するのに実線を使用する場合は、その炭素原子におけるあらゆる可能な立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)が含まれることを示すことを意味する。不斉炭素原子への結合を表示するのに実線または点線のくさびのいずれかを使用する場合は、示された立体異性体のみが含まれることを意味することを示すことを意味する。式(I)の化合物が1種より多くの不斉炭素原子を含有し得る場合が起こり得る。そのような化合物において、不斉炭素原子への結合を表示するのに実線を使用する場合は、あらゆる可能な立体異性体が含まれることを意味することを示すことを意味する。例えば、別段の指定がない限り、式Iの化合物が、鏡像異性体およびジアステレオマーとして、またはラセミ化合物およびそれらの混合物として存在する可能性があることが意図される。式(I)の化合物中の1つまたはそれより多くの不斉炭素原子への結合を表示するのに実線を使用する場合、および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を表示するのに実線または点線のくさびを使用する場合は、ジアステレオマーの混合物が存在することを示すことを意味する。
【0057】
式Iの立体異性体としては、本発明の化合物の、シスおよびトランス異性体、光学異性体、例えばRおよびS鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、および互変異性体例えば1種より多くのタイプの異性を示す化合物など;ならびにそれらの混合物(例えばラセミ化合物およびジアステレオマー対)が挙げられる。さらに、対イオンが光学的に活性な酸付加または塩基付加塩、例えば、D−乳酸塩またはL−リシン、またはラセミ体、例えば、DL−酒石酸塩またはDL−アルギニンも挙げられる。
【0058】
いずれのラセミ化合物が結晶化するときも、2つの異なるタイプの結晶が生じる可能性がある。第1のタイプは、上述したラセミ化合物(真のラセミ化合物)であり、この場合、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1つの均一な形態の結晶が生じる。第2のタイプは、ラセミ混合物または集合体であり、この場合、それぞれ単一の鏡像異性体を含む等モル量の2つの形態の結晶が生じる。
【0059】
本発明は、本発明の化合物の互変異性の形態を含む。構造異性体が低いエネルギー障壁で相互に変換可能である場合、互変異性の異性(「互変異性」)が起こる可能性がある。これは、例えばイミノ、ケト、またはオキシム基を含有する本発明の化合物においてプロトン互変異性の形態をとる場合もあり、または芳香族部分を含有する化合物においていわゆる原子価互変異性の形態をとる場合もある。その結果、単一の化合物が、1種より多くのタイプの異性を示す可能性がある。固体および液体形態での互変異性体の様々な比率は、分子上の様々な置換基に加えて、化合物を単離するのに使用される特定の結晶化技術によって決まる。
【0060】
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から誘導された塩の形態で使用することができる。特定の化合物に応じて、化合物の塩は、様々な温度および湿度での医薬品安定性の強化、または望ましい水または油への溶解度などの塩の物理的特性の1つまたはそれより多くのために、有利な場合がある。一部の場合において、化合物の塩はまた、化合物の単離、精製、および/または分割の補助としても使用することができる。
【0061】
塩は、患者に投与することが意図される場合(例えばインビトロの状況で使用されるのとは対照的に)、塩は、好ましくは、医薬的に許容される塩である。用語「医薬的に許容される塩」は、式Iの化合物を、アニオンが一般的にヒトが摂取するのに好適とみなされる酸、またはカチオンが一般的にヒトが摂取するのに好適とみなされる塩基と化合させることによって調製された塩を指す。医薬的に許容される塩は特に、親化合物に比べてより大きい水溶性を有することから、本発明の方法の生成物として有用である。薬で使用するために、本発明の化合物の塩は、非毒性の「医薬的に許容される塩」である。用語「医薬的に許容される塩」に含まれる塩は、一般的に遊離塩基を好適な有機または無機酸と反応させることによって調製される本発明の化合物の非毒性の塩を指す。
【0062】
本発明の化合物の好適な医薬的に許容される酸付加塩としては、存在し得る場合、無機酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸、および硫酸、ならびに有機酸、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸、およびトリフルオロ酢酸から得られたものが挙げられる。一般的に、好適な有機酸としては、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、複素環式、カルボン酸、およびスルホン酸のクラスの有機酸が挙げられる。
【0063】
好適な有機酸の具体的な例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、ジグルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸(sufanilate)、シクロヘキシルアミノスルホン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、アジピン酸、アルギン酸、酪酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ドデシル硫酸、グリコヘプタン酸、グリセロリン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸(naphthalesulfonate)、シュウ酸、パモ酸(palmoate)、ペクチン酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、チオシアン酸、およびウンデカン酸が挙げられる。
【0064】
さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その好適な医薬的に許容される塩としては、アルカリ金属塩、すなわち、ナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩;および好適な有機リガンドと共に形成された塩、例えば、第四アンモニウム塩を挙げることができる。別の実施態様において、塩基性塩は、非毒性の塩を形成する塩基、例えば、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、メグルミン、オラミン、トロメタミンおよび亜鉛塩などから形成される。
【0065】
有機塩は、2級、3級または4級アミン塩、例えばトロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、およびプロカインから作製してもよい。塩基性窒素を含有する基は、低級アルキル(C〜C)のハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、硫酸ジアルキル(すなわち、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)、およびその他のものなどの物質で四級化されていてもよい。
【0066】
一実施態様において、酸および塩基の半塩(hemisalt)、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩が形成されてもよい。
本発明の化合物のいわゆる「プロドラッグも本発明の範囲内である。したがって、それ自身ほとんど薬理活性を有さない可能性がある本発明の化合物の特定の誘導体を、体内または体上に投与したときに、例えば加水開裂によって望ましい活性を有する本発明の化合物に変換することができる。このような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T. HiguchiおよびV. Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E. B. Roche編、American Pharmaceutical Association)に見出すことができる。本発明に係るプロドラッグは、例えば、式(I)のいずれかの化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、H. Bundgaard著の「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されるような「前駆部分」として当業者公知の特定の部分で置き換えることによって生産することができる。
【0067】
本発明はまた、1個またはそれより多くの原子が、通常天然に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていることを除いて式Iで列挙されたものと同一な、同位体標識された化合物も含む。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ、H、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの医薬的に許容される塩は、本発明の範囲内である。特定の同位体標識された本発明の化合物、例えばHおよび14Cなどの放射性同位体を取り込んだものは、薬物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化同位体、すなわちH同位体、および炭素−14同位体、すなわち14C同位体は、調製の容易さと検出能のために特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素、すなわちHでの置換は、より大きい代謝的安定性の結果生じる特定の治療上の利点、例えばインビボにおける半減期の増加または投薬要件の低減を付与することができ、したがって、一部の環境で好ましい場合がある。本発明の同位体標識された式Iの化合物およびそのプロドラッグは、全般的に、以下のスキームおよび/または実施例ならびに調製で開示された手順を行うことによって、容易に入手可能な同位体標識された試薬を同位体標識されていない試薬で置換することにより調製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0068】
発明の詳細な説明
典型的には、本発明の化合物は、本明細書に記載される状態を処置するのに有効な量で投与される。本発明の化合物は、あらゆる好適な経路によって、このような経路に適合した医薬組成物の形態で、さらに、意図した処置に有効な用量で投与される。医学的状態の進行を処置するのに必要な化合物の治療有効用量は、医薬分野でよく知られている前臨床および臨床アプローチを使用して、当業者によって容易に確認される。
【0069】
用語「処置する(治療する、treating)」は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、このような用語が適用される障害または状態、またはこのような障害または状態の1種またはそれより多くの症状を、回復させること、軽減すること、その進行を抑制すること、または予防することを意味する。用語「処置(治療、treatment)」は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、直前で「処置する」を定義した通り、処置する動作を指す。用語「処置する」はまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント療法も含む。
【0070】
本発明の化合物は、経口投与されてもよい。経口投与は、化合物が消化管に入るような嚥下を含む場合もあり、または化合物が口から直接血流に入る頬側または舌下投与が採用される場合もある。
【0071】
別の実施態様において、本発明の化合物はまた、血流、筋肉、または内臓に直接投与されてもよい。非経口投与のための好適な手段としては、静脈内、動脈内、腹膜内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が挙げられる。非経口投与に好適なデバイスとしては、有針(例えば、微細針など)のインジェクター、無針のインジェクターおよび点滴技術が挙げられる。
【0072】
別の実施態様において、本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜に局所で、すなわち皮膚を介して、または経皮で投与されてもよい。別の実施態様において、本発明の化合物は、鼻腔内に、または吸入によって投与されてもよい。別の実施態様において、本発明の化合物は、直腸または膣に投与されてもよい。別の実施態様において、本発明の化合物はまた、目または耳に直接投与されてもよい。
【0073】
化合物および/または化合物を含有する組成物のための投薬レジメンは、患者のタイプ、年齢、体重、性別および医学的状態;状態の重症度;投与経路;および採用される特定の化合物の活性などの様々な要因に基づく。したがって投薬レジメンは、広く変更が可能である。体重1キログラム当たり約0.01mg/日〜約100mg/日の規模の投薬レベルが、上述した状態の処置において有用である。一実施態様において、本発明の化合物の1日当たりの総用量(単回または数回に分けた用量で投与される)は、典型的には約0.01〜約100mg/kgである。別の実施態様において、本発明の化合物の1日当たりの総用量は、約0.1〜約50mg/kgであり、別の実施態様において、約0.5〜約30mg/kg(すなわち、体重1kg当たりの本発明の化合物のmg)である。一実施態様において、投与は、0.01〜10mg/kg/日である。別の実施態様において、投与は、0.1〜1.0mg/kg/日である。投薬量単位の組成物は、合計で1日用量になるような量またはその約量を含有していてもよい。多くの例において、化合物の投与は、1日複数回(典型的には4回を超えない回数で)繰り返されると予想される。1日当たり複数回の用量は、典型的には、必要に応じて、1日当たりの総用量を増加させるのに使用することができる。
【0074】
経口投与の場合、組成物は、約0.01mg〜約500mgの活性成分、または別の実施態様において、約1mg〜約100mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。静脈内の場合、用量は、一定速度の点滴の間、約0.1〜約10mg/kg/分の範囲であり得る。
【0075】
本発明に係る好適な対象としては、哺乳類対象が挙げられる。本発明に係る哺乳動物としては、これらに限定されないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類、ウサギ、霊長類などが挙げられ、さらには子宮内の哺乳動物も含む。一実施態様において、好適な対象は、ヒトである。ヒト対象は、どちらの性別でもよいし、あらゆる発達段階であってもよい。
【0076】
別の実施態様において、本発明は、本明細書で列挙された状態を処置するための医薬の調製のための1つまたはそれより多くの本発明の化合物の使用を含む。
上述した状態の処置のために、本発明の化合物は、化合物そのものとして投与することができる。代替として、医薬的に許容される塩は、親化合物に比べてより大きい水溶性を有することから、医療上の用途に好適である。
【0077】
別の実施態様において、本発明は、医薬組成物を含む。このような医薬組成物は、医薬的に許容される担体と共に提供される本発明の化合物を含む。担体は、固体、液体、またはその両方であってもよく、0.05重量%〜95重量%の活性化合物を含有していてもよい単位用量組成物、例えば錠剤として、化合物と共に製剤化することができる。本発明の化合物は、標的化可能な薬物担体として好適なポリマーと組み合わせることもできる。他の薬理学的に活性な物質が存在していてもよい。
【0078】
本発明の化合物は、あらゆる好適な経路によって、好ましくはこのような経路に適した医薬組成物の形態で、さらに、意図した処置に有効な用量で投与することができる。活性化合物および組成物は、例えば、経口、直腸、非経口、または局所投与されてもよい。
【0079】
固体用量形態の経口投与は、例えば、それぞれ予め決定された量の少なくとも1種の本発明の化合物を含有する分離した単位の形態で、例えばハードまたはソフトカプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤の形態で提供されてもよい。別の実施態様において、経口投与は、粉末または顆粒の形態であってもよい。別の実施態様において、経口投与のための形態は、舌下であり、例えばロゼンジである。このような固体剤形において、式Iの化合物は、通常、1種またはそれより多くのアジュバントと組み合わされる。このようなカプセル剤または錠剤は、制御放出処方を含有していてもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤のケースにおいて、剤形はさらに、緩衝剤を含んでいてもよいし、または腸溶コーティングを用いて調製してもよい。
【0080】
別の実施態様において、経口投与は、液体投与のための形態であってもよい。経口投与用液体剤形としては、例えば、当業界において一般的に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含有する、医薬的に許容される乳剤、液剤、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。このような組成物はまた、アジュバント、例えば・などの湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、香味剤(例えば、甘味剤)、および/または芳香剤を含んでいてもよい。
【0081】
別の実施態様において、本発明は、非経口投与のための形態を含む。「非経口投与」としては、例えば、皮下注射、静脈注射、腹膜内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、および点滴が挙げられる。注射製剤(例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁液)は、公知の技術に従って、好適な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用して製剤化されてもよい。
【0082】
別の実施態様において、本発明は、局所投与のための形態を含む。「局所投与」としては、例えば、経皮投与、例えば経皮パッチまたはイオン導入デバイスを介した経皮投与、眼球内投与、または鼻腔内もしくは吸入投与が挙げられる。局所投与のための組成物としてはまた、例えば、局所ゲル剤、スプレー剤、軟膏剤、およびクリーム剤も挙げられる。局所製剤は、皮膚または他の罹患した領域を介した活性成分の吸収または浸透を強化する化合物を含んでいてもよい。本発明の化合物が経皮デバイスによって投与される場合、投与は、リザーバおよび多孔質膜タイプのいずれかのパッチ、または固体マトリックスの変形型のパッチを使用して達成されると予想される。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散粉剤、包帯剤、発泡体、フィルム剤、皮膚用パッチ剤、カシェ剤、インプラント、スポンジ、ファイバー、包帯およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームも使用することができる。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、液状ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤が取り込まれていてもよい;例えば、FinninおよびMorgan著のJ. Pharm. Sci.、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
【0083】
目への局所投与に好適な製剤としては、例えば、本発明の化合物が好適な担体中に溶解または懸濁されている点眼剤が挙げられる。目または耳の投与に好適な典型的な製剤は、等張のpH調整された滅菌塩類溶液中で微小化した懸濁液または溶液の液滴の形態であってもよい。目および耳の投与に好適な他の製剤としては、軟膏剤、生分解性(例えば、吸収性のゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、カシェ剤、レンズ、および微粒子または小胞系、例えばニオゾーム(niosome)またはリポソームが挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムなどのポリマーが、保存剤、例えば塩化ベンザルコニウムと共に取り込まれていてもよい。このような製剤はまた、イオン導入によって送達することもできる。
【0084】
鼻腔内投与または吸入による投与の場合、本発明の活性化合物は、患者が圧搾またはポンプ注送することによりポンプスプレー容器から溶液または懸濁液の形態で、または好適な噴射剤を使用した加圧容器またはネブライザーからのエアロゾルスプレー供給として、うまく送達される。鼻腔内投与に好適な製剤は、典型的には、乾燥粉末吸入器から乾燥粉末(単独で、混合物として、例えば、ラクトースを含む乾燥ブレンドで、または混合成分の粒子、例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された粒子としてのいずれか)の形態で投与されるか、または好適な噴射剤、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを使用する、または使用しない、加圧した容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは微細なミストを生産するために電気流体力学を使用するアトマイザー)、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーとして投与される。鼻腔内での使用の場合、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでいてもよい。
【0085】
別の実施態様において、本発明は、直腸投与のための形態を含む。このような直腸投与のための形態は、例えば、坐剤の形態であってもよい。カカオバターが従来の坐剤基剤であるが、様々な代用品を必要に応じて使用してもよい。
【0086】
薬学分野において公知の他の担体材料および投与様式も使用することができる。本発明の医薬組成物は、周知の調剤技術のいずれか、例えば有効な製剤および投与手順によって調製することができる。有効な製剤および投与手順に関する上記の考察は当業界において周知であり、標準的な教本に記載されている。薬物の製剤は、例えば、Hoover、John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、ペンシルベニア州イーストン、1975年;Libermanら編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、ニューヨーク州ニューヨーク、1980;およびKibbeら編、Handbook of Pharmaceutical Excipients(第3版)、American Pharmaceutical Association、ワシントン、1999年で論じられている。
【0087】
本発明の化合物は、様々な状態または病態の処置において、単独で使用してもよいし、または他の治療剤と組み合わせて使用してもよい。本発明の化合物および他の治療剤は、同時に投与してもよいし(同じ剤形中または別々の剤形中のいずれかで)または逐次的に投与してもよい。
【0088】
2種またはそれより多くの化合物は、同時に投与してもよいし、並行してまたは逐次的に投与してもよい。加えて、同時投与は、投与前に化合物を混合することによって行ってもよいし、または同じ時点で、ただし解剖学的に異なる部位に、または異なる投与経路を使用して化合物を投与することによって行ってもよい。
【0089】
語句「並列して投与する」、「共投与する」、「同時に投与する」、および「同時に投与される」は、化合物が組み合わせて投与されることを意味する。
本発明は、式Iで提供されるLRRK2阻害剤化合物と、1種またはそれより多くの追加の医薬活性薬剤との組合せの使用を含む。活性薬剤の組合せが投与される場合、それらは、別々の剤形で、または単一の剤形中で組み合わせて、逐次的または同時に投与してもよい。したがって、本発明はまた、所定量の(a)式Iの化合物または本化合物の医薬的に許容される塩を含む第1の薬剤;(b)第2の医薬活性薬剤;および(c)医薬的に許容される担体、媒体または希釈剤を含む医薬組成物も含む。
【0090】
処置しようとする疾患、障害、または状態に応じて、式Iの化合物と共に使用するために様々な医薬活性薬剤を選択することができる。例えば、パーキンソン病の処置で使用するための医薬組成物は、ドーパミン(レボドパ、単独、またはDOPAデカルボキシラーゼ阻害剤と共にのいずれかで)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤もしくは抗コリン剤、またはそれらのあらゆる組合せなどの別の薬剤と共に、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を含んでいてもよい。パーキンソン病の処置で使用するための式(I)の化合物と組み合わせるのに特に好ましい薬剤としては、レボドパ、カルビドパ、トルカポン、エンタカポン、セレギリン、ベンズトロピンおよびトリヘキシフェニジル、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられる。式(I)の化合物およびその組成物と組み合わせて使用できる医薬活性薬剤としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
(i)レボドパ(またはそのメチルもしくはエチルエステル)単独、またはDOPAデカルボキシラーゼ阻害剤(例えば、カルビドパ(SINEMET、CARBILEV、PARCOPA)、ベンセラジド(MADOPAR)、α−メチルドパ、モノフルオロメチルドパ、ジフルオロメチルドパ、ブロクレシン、またはm−ヒドロキシベンジルヒドラジン)との組合せ;
(ii)抗コリン作用薬、例えばアミトリプチリン(ELAVIL、ENDEP)、ブトリプチリン、メシル酸ベンズトロピン(COGENTIN)、トリヘキシフェニジル(ARTANE)、ジフェンヒドラミン(BENADRYL)、オルフェナドリン(NORFLEX)、ヒオスシアミン、アトロピン(ATROPEN)、スコポラミン(TRANSDERMSCOP)、臭化メチルスコポラミン(PARMINE)、ジシクロベリン(BENTYL、BYCLOMINE、DIBENT、DILOMINE)、トルテロジン(DETROL)、オキシブチニン(DITROPAN、LYRINEL XL、OXYTROL)、臭化ペンチエネート、プロパンテリン(PRO−BANTHINE)、シクリジン、塩酸イミプラミン(TOFRANIL)、マレイン酸イミプラミン(SURMONTIL)、ロフェプラミン、デシプラミン(NORPRAMIN)、ドキセピン(SINEQUAN、ZONALON)、トリミプラミン(SURMONTIL)、およびグリコピロレート(ROBINUL);
(iii)カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、例えばニテカポン、トルカポン(TASMAR)、エンタカポン(COMTAN)、およびトロポロン;
(iv)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、例えばセレギリン(EMSAM)、塩酸セレギリン(l−デプレニール、ELDEPRYL、ZELAPAR)、ジメチルセレギリン、ブロファロミン、フェネルジン(NARDIL)、トラニルシプロミン(PARNATE)、モクロベミド(AURORIX、MANERIX)、ベフロキサトン、サフィナミド、イソカルボキサジド(MARPLAN)、ニアラミド(NIAMID)、ラサジリン(AZILECT)、イプロニアジド(MARSILID、IPROZID、IPRONID)、イプロクロジド、トロキサトン(HUMORYL、PERENUM)、ビフェメラン、デスオキシペガニン、ハルミン(テレパシンまたはバナステリンとしても公知)、ハルマリン、リネゾリド(ZYVOX、ZYVOXID)、およびパルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL);
(v)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばドネペジル塩酸塩(アリセプト(登録商標)、MEMAC)、サリチル酸フィゾスチグミン(ANTILIRIUM(登録商標))、硫酸フィゾスチグミン(ESERINE)、ガンスチグミン、リバスチグミン(EXELON(登録商標))、ラドスチギル、NP−0361、ガランタミン臭化水素酸塩(RAZADYNE(登録商標)、REMINYL(登録商標)、NIVALIN(登録商標))、タクリン(COGNEX(登録商標))、トルセリン、メモキン(memoquin)、ヒューペルジンA(HUP−A;ニューロ−ハイテック(Neuro-Hitech))、フェンセリン、ビスノルシムセリン(BNCとしても公知)、およびINM−176;
(vi)アミロイド−β(またはそのフラグメント)、例えば汎HLA DR結合エピトープ(PADRE(登録商標))にコンジュゲートしたAβ1〜15、ACC−001(エラン/ワイス(Elan/Wyeth))、およびアフィトープ(Affitope);
(vii)アミロイド−βに対する抗体(またはそのフラグメント)、例えばポネズマブ、ソラネズマブ、バピネオズマブ(AAB−001としても公知)、AAB−002(ワイス/エラン)、ガンテネルマブ、静脈内Ig(GAMMAGARD(登録商標))、LY2062430(ヒト化m266;リリー(Lilly))、ならびに国際特許公開WO04/032868号、WO05/025616号、WO06/036291号、WO06/069081号、WO06/118959号、米国特許公報US2003/0073655号、US2004/0192898号、US2005/0048049号、US2005/0019328号、欧州特許公報EP0994728号および1257584号、ならびに米国特許第5,750,349号で開示されたもの;
(viii)アミロイド低下剤または阻害剤(例えば、アミロイドの産生、蓄積および線維化を低下させるものなど)、例えばエプロジセート、セレコキシブ、ロバスタチン、アナプソス、コロストリニン、ピオグリタゾン、クリオキノール(PBT1としても公知)、PBT2(プラナバイオテクノロジー(Prana Biotechnology))、フルルビプロフェン(ANSAID(登録商標)、FROBEN(登録商標))およびそのR−鏡像異性体のタレンフルルビル(FLURIZAN(登録商標))、ニトロフルルビプロフェン、フェノプロフェン(FENOPRON、NALFON(登録商標))、イブプロフェン(ADVIL(登録商標)、モトリン(登録商標)、NUROFEN(登録商標))、イブプロフェンリシネート、メクロフェナミン酸、メクロフェナム酸ナトリウム(MECLOMEN(登録商標))、インドメタシン(INDOCIN(登録商標))、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN(登録商標))、ジクロフェナクカリウム、スリンダク(CLINORIL(登録商標))、スリンダク硫化物、ジフルニサル(DOLOBID(登録商標))、ナプロキセン(NAPROSYN(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(ANAPROX(登録商標)、アレブ(登録商標))、インスリン分解酵素(インスリジンとしても公知)、イチョウ抽出物EGb−761(ROKAN(登録商標)、TEBONIN(登録商標))、トラミプロセート(CEREBRIL(登録商標)、ALZHEMED(登録商標))、KIACTA(登録商標))、ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ(NEP)としても公知)、シロイノシトール(シリトールとしても公知)、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標))、メシル酸イブタモレン、BACE阻害剤、例えばLY450139(リリー)、BMS−782450、GSK−188909;ガンマセクレターゼモジュレーターおよび阻害剤、例えばELND−007、BMS−708163(アバガセスタット)、およびDSP8658(大日本製薬(Dainippon));およびRAGE(終末糖化産物受容体)阻害剤、例えばTTP488(トランステック(Transtech))およびTTP4000(トランステック)、ならびに米国特許第7,285,293号で開示されたもの、例えばPTI−777など;
(ix)アルファ−アドレナリン作動性受容体作動薬、およびベータ−アドレナリン受容体ブロッキング剤(ベータブロッカー);抗コリン作用薬;抗痙攣薬;抗精神病薬;カルシウムチャンネル遮断薬;カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤;中枢神経系刺激薬;コルチコステロイド;ドーパミン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;ドーパミン再取り込み阻害剤;ガンマ−アミノ酪酸(GABA)受容体アゴニスト;免疫抑制剤;インターフェロン;ムスカリン様受容体アゴニスト;神経保護薬;ニコチン様受容体アゴニスト;ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取り込み阻害剤;キノリン;ならびに栄養因子;
(x)ヒスタミン3(H3)アンタゴニスト、例えばPF−3654746、ならびに米国特許公報US2005−0043354号、US2005−0267095号、US2005−0256135号、US2008−0096955号、US2007−1079175号、およびUS2008−0176925号;国際特許公開WO2006/136924号、WO2007/063385号、WO2007/069053号、WO2007/088450号、WO2007/099423号、WO2007/105053号、WO2007/138431号、およびWO2007/088462号;ならびに米国特許第7,115,600号で開示されたもの;
(xi)N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えばメマンティン(NAMENDA、AXURA、EBIXA)、アマンタジン(SYMMETREL)、アカンプロセート(CAMPRAL)、ベソンプロジル、ケタミン(KETALAR)、デルセミン、デキサナビノール、デキセファロキサン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、トラキソプロジル、CP−283097、ヒマンタン(himantane)、イダンタドール(idantadol)、イペノキサゾン、L−701252(メルク(Merck))、ラニセミン(lancicemine)、レボルファノール(DROMORAN)、メタドン(DOLOPHINE)、ネラメキサン、ペルジンホテル、フェンシクリジン、チアネプチン(STABLON)、ジゾシルピン(MK−801としても公知)、イボガイン、ボアカンギン、チレタミン、リルゾール(RILUTEK)、アプチガネル(CERESTAT)、ガベスチネル、およびレマセミド(remacimide);
(xii)ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えば(a)PDE1阻害剤;(b)PDE2阻害剤;(c)PDE3阻害剤;(d)PDE4阻害剤;(e)PDE5阻害剤;(f)PDE9阻害剤(例えば、PF−04447943、BAY73−6691(バイエル社(Bayer AG))および米国特許公報US2003/0195205号、US2004/0220186号、US2006/0111372号、US2006/0106035号、およびUSSN12/118,062号(2008年5月9日付けで出願)で開示されたもの);および(g)PDE10阻害剤、例えば2−({4−[1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]フェノキシ}メチル)キノリン(PF−2545920);
(xiii)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(5−HT1A)受容体アンタゴニスト、例えばスピペロン、レボ−ピンドロール(levo-pindolol)、レコゾタン;
(xiv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)2C(5−HT2c)受容体アゴニスト、例えばバビカセリン、およびジクロナピン;セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)4(5−HT)受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えばPRX−03140(エピックス)およびPF−04995274;
(xv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)3C(5−HT3c)受容体アンタゴニスト、例えばオンダンセトロン(ゾフラン);
(xvi)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)6(5−HT)受容体アンタゴニスト、例えばミアンセリン(TOLVON、BOLVIDON、NORVAL)、メチオテピン(メチテピンとしても公知)、リタンセリン、SB−271046、SB−742457(グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)))、Lu AE58054(ルンドベック社(Lundbeck A/S))、SAM−760、およびPRX−07034(エピックス);
(xvii)セロトニン(5−HT)再取り込み阻害剤、例えばアラプロクラート、シタロプラム(CELEXA、CIPRAMIL)、エスシタロプラム(LEXAPRO、CIPRALEX)、クロミプラミン(ANAFRANIL)、デュロキセチン(CYMBALTA)、フェモキセチン(MALEXIL)、フェンフルラミン(PONDIMIN)、ノルフェンフルラミン、フルオキセチン(PROZAC)、フルボキサミン(LUVOX)、インダルピン、ミルナシプラン(IXEL)、パロキセチン(PAXIL、SEROXAT)、セルトラリン(ZOLOFT、LUSTRAL)、トラゾドン(DESYREL、MOLIPAXIN)、ベンラファキシン(EFFEXOR)、ジメリジン(NORMUD、ZELMID)、ビシファジン、デスベンラファキシン(PRISTIQ)、ブラソフェンシン、ビラゾドン、カリプラジンおよびテソフェンシン;
(xviii)グリシン輸送体−1阻害剤、例えばパリフルチン(paliflutine)、ORG−25935、およびORG−26041;ならびにmGluRモジュレーター、例えばAFQ−059およびアマンタジン(amantidine);
(xix)AMPA型グルタミン酸受容体モジュレーター、例えばペランパネル、ミバムパトル(mibampator)、セルラムパネル(selurampanel)、GSK−729327、およびN−{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノチオフェン−2−イル)フェノキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミド;
(xx)P450阻害剤、例えばリトナビル;
(xxi)タウ療法の標的、例えばダブネチド;など。
【0091】
本発明は、上述した処置方法を実行することにおける使用に好適なキットをさらに含む。一実施態様において、キットは、本発明の化合物の1種またはそれより多くを含む第1の剤形および投薬のための容器を、本発明の方法を行うのに十分な量で含有する。
【0092】
別の実施態様において、本発明のキットは、1種またはそれより多くの本発明の化合物を含む。
一般的な合成スキーム
式Iの化合物は、後述する方法によって、有機化学分野で公知の合成方法、または当業者によく知られている改変および変換を用いて調製することができる。本明細書において使用される出発原料は、市販のものであるか、または当業界において公知の慣例的な方法[例えば標準的な参考書、例えばCompendium of Organic Synthetic Methods、第I〜XII巻(Wiley-Interscience出版)で開示された方法など]によって調製することができる。好ましい方法としては、これらに限定されないが、後述されるものが挙げられる。
【0093】
以下の合成順序のいずれかの間、関与する分子のいずれかにおいて感受性基または反応性基を保護することが必要であるか、および/または望ましい場合がある。これは、従来の保護基、例えば参照により本明細書に組み入れられるT. W. Greene、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley & Sons、1981;T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley & Sons、1991;およびT. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley & Sons、1999に記載されるものなどによって達成することができる。
【0094】
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩は、本明細書の以下で論じられる反応スキームに従って調製できる。別段の指定がない限り、スキーム中の置換基は、上記で定義した通りである。生成物の単離および精製は、通常の技術を有する化学者にとって公知の標準的手順によって達成される。
【0095】
当業者は、多くの場合において、反応スキーム1〜9における化合物は、ジアステレオマーおよび/または鏡像異性体の混合物として生成される可能性があることを認識すると予想される。これらは、合成スキームの様々な段階で、従来の技術またはこのような技術の組合せ、例えば、これらに限定されないが、結晶化、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよびキラルクロマトグラフィーを使用して分離され、本発明の単一の鏡像異性体を得ることができる。
【0096】
当業者であれば、スキーム、方法および実施例で使用される様々な記号、上付き文字および下付き文字は、表示の便宜上、および/またはスキームにそれらが導入される順番を反映するために使用され、必ずしも添付の特許請求の範囲におけるその記号、上付き文字または下付き文字に対応することを意図していないことを理解できるものと予想される。スキームは、本発明の化合物の合成において有用な方法の代表的なものである。これらは決して、本発明の範囲を制限するものではない。
【0097】
本発明の化合物を調製するための反応は、好適な溶媒中で行うことができ、このような溶媒は、有機合成分野の当業者によって容易に選択することができる。好適な溶媒は、出発原料(反応物)、中間体、または生成物と、その反応が行われる温度で実質的に非反応性であってもよく、このような温度は、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であってもよい。所与の反応は、1種の溶媒または1種より多くの溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応工程に応じて、特定の反応工程のための好適な溶媒は、当業者によって選択することができる。
【0098】
反応は、当業界において公知のあらゆる好適な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、紫外可視)、質量分析によって、またはクロマトグラフ法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターすることができる。
【0099】
式Iの化合物およびその中間体は、以下の反応スキームおよびそれに付随する議論に従って調製してもよい。別段の指定がない限り、反応スキームとそれに続く議論におけるR、R、R、R、R、XおよびZは、上記のそれらと同じ定義である。一般的に、本発明の化合物は、特に本明細書に記載される説明を考慮して、化学分野において公知のものに類似したプロセスを含むプロセスによって作製することができる。本発明の化合物およびその中間体の製造のための特定のプロセスは、本発明のさらなる特徴として提供され、以下の反応スキームによって例示される。他のプロセスは、実験の章に記載される場合がある。本明細書で提供されるスキームおよび実施例(対応する説明を含む)は、単に例示のためであり、発明の範囲を限定することは意図されない。
【0100】
反応スキーム1
【0101】
【化5】
【0102】
反応スキーム1は、式(I)の化合物の調製を表示する。スキーム1を参照すると、化合物1.1および1.2は、市販のものであるか、または本明細書に記載される方法または他の当業者周知の方法によって作製することもできる。式1.1の化合物において、LGと名付けられた基は、適切な脱離基、例えば、式1.2のアミンと反応させる場合に求核性置換を受けるのに好適なハロゲン化物(例えば、クロロまたはブロモ)またはトリフレートを表す。式1.2のアミン化合物において、PGと名付けられた基は、適切なアミン保護基、例えば2,4−ジメトキシベンジル(DMB)、4−メトキシベンジル(PMB)およびt−ブトキシカルボニル(Boc)から選択される酸不安定性の保護基を表す。式1.1および1.2の化合物を、例えば、適切な塩基、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)またはトリエチルアミンの存在下で、好適な溶媒、例えばアセトニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で反応させて、式1.3の化合物を得ることができる。反応は、典型的には、高い温度で、例えば50〜100℃で、1〜48時間の期間行われる。式1.3の化合物からの酸不安定性の保護基(PG)などの保護基の除去は、典型的には、1.3を適切な酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸または塩酸で処理して達成でき、それにより式1.4の化合物が得られる。また、特定の場合において、式1.1の化合物を、式R−NHの保護されていないアミンと反応させて、直接式1.4の化合物になる可能性があることも理解されたい。存在する官能基と合致する条件を使用して式1.4の化合物におけるニトロ基を還元することにより、式1.5の化合物を得る。例えば、式1.4の化合物におけるニトロ基は、1.4をメタノール中の亜鉛末および水酸化アンモニウムで処理することによって、または代替として、適切な溶媒、例えばメタノール、アセトニトリルまたはそれらの混合物中で、酸化白金(IV)などの適切な触媒を使用して1.4を水素化することによって、式1.5の対応するアミンに還元することができる。次いでジアミン化合物1.5と式1.6のカルボン酸とのカップリングにより、望ましい式Iの化合物が得られ、これは1.7とも表示される。式1.5のジアミンと式1.6のカルボン酸とのカップリング反応は、適切な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドまたはN−プロピルアセテート中で、適切な塩基、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよびカップリング試薬、例えば2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィラン(trioxatriphosphirane)2,4,6−トリオキシドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)の存在下で行うことができる。カップリング反応は、60℃から110℃の間で加熱されることが多い。
【0103】
反応スキーム2
【0104】
【化6】
【0105】
反応スキーム2は、示した通りRがキラル2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル部分である式Iの化合物である式1.7’の化合物の調製を表示する。公開された手順を使用して、化合物2.1と化合物2.2とのプリンス反応(Prins reaction)により、ピラン2.3を生成する。酵素ベースの方法を使用して、分離した鏡像異性体を生産するためのキラル分割を行い、分割されたエステル2.4を加水分解した後、式2.5の化合物を得る。2.5を酸化してケトン2.6を得て、これを、還元的アミノ化化学反応を使用して式2.7の化合物と反応させて、式2.8の保護されたアミンを得る。式2.8の保護されたアミンを、スキーム1で前述したものと類似した方式で式1.1の化合物と反応させて、式1.3’の化合物を得てもよい。次いで式1.4’、1.5’および1.7’の化合物は、それぞれ式1.4、1.5および1.7の化合物に関してスキーム1に記載された方法に類似した方式で調製することができる。
【0106】
反応スキーム3
【0107】
【化7】
【0108】
【化8】
【0109】
反応スキーム3は、示した通りRがキラル2−シアノメチルテトラヒドロピラン−4−イル部分である式Iの化合物である式3.13の化合物の調製を表示する。公開された手順を使用して、化合物3.1とブタ−3−エン−1−オールとのプリンス反応により、ピラン3.2を生成した。3.2を酸化してケトン3.3を得て、これを、還元的アミノ化化学反応を使用してジメトキシベンジルアミンと反応させて、式3.4の保護されたアミンを得た。式3.4の保護されたアミンを、スキーム1で前述したものと類似した方式で式1.1の化合物と反応させて、式3.5の化合物を得てもよい。酸性条件下で保護基を除去して、3.6を得た。3.6のニトロ基を、接触水素化によって、または亜鉛または鉄などの金属での処理によって還元して、ジアミン3.7を得る。当業者公知の様々なカップリング条件下で3.7を酸3.8でアシル化して、3.9を得る。アミド3.9を加熱条件下で脱水させて、3.10を得ることができる。BCl、TMSI、AlClなどのルイス酸で、またはパラジウムによって触媒される水素化分解を介して3.10を脱保護することにより、アルコール3.11を得る。アルコール3.11は、活性化された脱離基、例えば、これらに限定されないが、メシル酸塩3.12などのスルホン酸塩に変換することができる。次いで式3.13の化合物は、メシル酸塩のシアニドアニオンでの求核性置換によって調製することができる。
【0110】
反応スキーム4
【0111】
【化9】
【0112】
反応スキーム4は、示した通り、Rがキラル2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル部分であり、Zが、CRであり、Rがシアノであり、XがCHであり、R、RおよびRがそれぞれ水素である式Iの化合物である式4.8の化合物の調製を表示する。公知の酸4.1から反応を開始し、これをその場で生じたN−ヒドロキシ−2−ニトロエテンアミンと反応させて、4.2を得る。ニトロアミン4.2を、カルボン酸を活性化する物質で処理し、それに続いて縮合して、キノロン4.3を得た。4.3のフェノールは、オキシ塩化リンまたは塩化チオニルで活性化された塩化物4.4に変換することができる。塩化物4.4は、2.8などの適切なアミンでの求核性置換を受けて、それにより4.5を得ることができる。4.5を脱保護して4.6を得ることができ、順に、還元してジアミン4.7を得ることができる。式4.8の化合物は、前述したものと類似した方式で、適切な酸RCOHを用いた縮合によって4.7から作製してもよい。
【0113】
反応スキーム5
【0114】
【化10】
【0115】
反応スキーム5は、示した通り、Rがキラル2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル部分であり、ZがCRであり、Rがジフルオロメチルであり、XがCHであり、R、RおよびRがそれぞれ水素である式Iの化合物である式5.6の化合物の調製を表示する。化合物5.1を、トルエンなどの不活性溶媒中、2,2−ジフルオロ−1−フェニルエタン−1−オン、およびcataCXium A Pd G2などの好適なパラジウム錯体、およびリン酸三カリウムn−水和物などの塩基で処理して、化合物5.2を得る。5.2のベンゾイル基は、水中または他の類似の条件下で、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基で除去することができる。代替として、ベンゾイルは、アルコール溶媒中、ナトリウムメトキシドで除去される。5.3の保護基(例えばDMB基)は、これまでに記載されたようにして除去することができ、5.4のニトロ基は、還元して、ジアミン5.5を得ることができる。前述したものと類似した方式によって、5.5を適切な酸RCOHと縮合させることにより、式5.6の化合物は、5.5から作製することもできる。
【0116】
反応スキーム6
【0117】
【化11】
【0118】
反応スキーム6は、示した通り、Rがキラル4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル部分であり、ZがCRであり、Rがシアノであり、XがCHであり、R、RおよびRがそれぞれ水素である式Iの化合物である式6.9の化合物の調製を表示する。このアミンは、米国特許出願公開第20150141402号に記載される手順を介して入手可能である。この一連の化合物は、上記の例と同様にして、好適な不活性溶媒中で6.2とオキシ塩化リンまたは塩化チオニルとを反応させて塩化物6.3を形成することにより調製してもよい。塩化物を、ヒューニッヒ塩基(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)またはトリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下でアミン6.4で処理して、6.5を得た。保護基を、6.5をトリフルオロ酢酸または塩酸などの酸で処理することによって除去する。第二アミン6.6は、ホルムアルデヒドおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を使用する標準的な還元的アミノ化を介してメチル化することができる。化合物6.7のニトロ基は、白金触媒上での水素化を介して還元してもよいし、または代替として、ニトロ基は、鉄または亜鉛などの好適な金属で還元してもよい。特許請求された化合物6.9は、前述された条件下での好適な酸RCOHとの縮合を介して、6.8から作製することができる。
【0119】
反応スキーム7
【0120】
【化12】
【0121】
反応スキーム7は、示した通り、Rがキラル3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン部分であり、ZがCRであり、Rがクロロであり、XがCHであり、R、RおよびRがそれぞれ水素である式Iの化合物である式7.5の化合物の調製を表示する。塩化物7.1を、ヒューニッヒ塩基またはトリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下でアミン7.2で処理して、7.3を得る。化合物7.3のニトロ基は、白金触媒上での水素化を介して還元してもよいし、または代替としてニトロ基は、鉄または亜鉛などの好適な金属で還元してもよい。次いで化合物7.5は、前述された条件下での好適な酸RCOHとの縮合を介して7.4から作製することができる。
【0122】
反応スキーム8
【0123】
【化13】
【0124】
反応スキーム8は、示した通り、Rがキラル(R)−1−メチルピロリジン−3−アミン部分であり、ZがCRであり、Rがシアノであり、XがCHであり、R、RおよびRがそれぞれ水素である式Iの化合物である式8.5の化合物の調製を表示する。塩化物を、ヒューニッヒ塩基またはトリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下でキラルアミン8.2で処理して、8.3を得た。化合物8.3のニトロ基は、白金触媒上での水素化を介して還元してもよいし、または代替としてニトロ基は、鉄または亜鉛などの好適な金属で還元してもよい。化合物8.5は、前述された条件下での好適な酸RCOHとの縮合を介して8.4から作製することができる。
【0125】
反応スキーム9
【0126】
【化14】
【0127】
反応スキーム9は、示した通り、Rがキラル2−メチルテトラヒドロピラン−4−イル部分であり、ZがCRであり、Rがトリフルオロメチルであり、XがCHであり、R、RおよびRがそれぞれ水素である式Iの化合物である式9.8の化合物の調製を表示する。塩化物9.3を、ヒューニッヒ塩基またはトリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下でアミン2.8で処理して、9.5を得た。酸性条件下で保護基を除去して、9.6を得る。化合物9.6のニトロ基は、白金触媒上での水素化を介して還元してもよいし、または代替としてニトロ基は、鉄または亜鉛などの好適な金属で還元してもよい。特許請求された化合物9.8は、前述された条件下での好適な酸RCOHとの縮合を介して9.7から作製することができる。
【0128】
スキーム1〜9に一般的に記載される方法は、限定として解釈されないものとする。式Iの化合物を得るために、特定の反応工程の順番や条件を変更できることが、当業者によって理解されるものとする。利用するのに最良なアプローチの選択は、有機合成分野の当業者によってなすことができる。以下の実施例で式Iの化合物を調製するのに使用される方法のより具体的な例を示すが、同様に当業者は、これらの方法も限定するように解釈しないものとする。
【実施例】
【0129】
実験手順
以下は、様々な本発明の化合物の合成を例示する。これらの実施例で例示された方法を、単独かまたは一般的に当業界において公知の技術と組み合わせるかのいずれかで使用して、本発明の範囲内の追加の化合物を調製することができる。
【0130】
実験は、全般的に、特に酸素または水分に感受性を有する試薬または中間体が採用される場合、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行われた。市販の溶媒および試薬は、全般的に、それ以上精製しないで使用される。必要に応じて、無水溶媒を採用し、そのようなものとしては、全般的に、アクロス・オーガニクス(Acros Organics)からのAcroSeal(登録商標)製品、またはEMDケミカルズ(EMD Chemicals)からのDriSolv(登録商標)製品がある。他のケースにおいて、市販の溶媒は、以下の水に関するQC基準:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランが<100ppmであること;b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサンおよびジイソプロピルアミンが<180ppmであることが達成されるまで、4Åの分子篩を充填したカラムに通過させた。非常に高い感受性の反応の場合、溶媒を金属ナトリウム、水素化カルシウムまたは分子篩でさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物は、全般的に、さらなる反応を続行したり、または生物学的試験に提供したりする前に、真空中で乾燥させた。質量分析データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)機器のいずれかから報告される。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、採用された重水素化溶媒からの残留ピークに対する百万分率(ppm、δ)で表される。一部の実施例において、キラル分離を行って、本発明の特定の化合物の鏡像異性体を分離した(一部の実施例において、分離した鏡像異性体は、それらの溶出順に従ってENT−1およびENT−2と名付けられる)。一部の実施例において、鏡像異性体の光学回転は、旋光計を使用して測定された。その観察された回転データ(またはその比旋光度データ)に従って、時計回りの回転を有する鏡像異性体を、(+)−鏡像異性体と名付け、反時計回りの回転を有する鏡像異性体を、(−)−鏡像異性体と名付けた。ラセミ化合物は、構造に隣接する(+/−)の存在によって示される。その場合、示される立体化学は、化合物の置換基の相対的な(絶対的ではなく)立体配置を表す。
【0131】
全般的に、検出可能な中間体を介して進行する反応に続いてLCMSを行い、それに続く試薬の添加の前に変換が完全になされるようにした。他の実施例または方法における手順を参考にする合成の場合、反応条件(反応時間および温度)は変更することができる。全般的に、反応に続いて、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析が行われ、適切な場合はワークアップに供される。精製は、実験間で変更することができ、全般的に、溶離剤/勾配に使用される溶媒および溶媒比は、適切なRまたは保持時間が提供されるように選択された。
【0132】
以下に記載される実験の章において、略語が使用される場合がある。ACNは、アセトニトリルであり;AcOは、無水酢酸であり;brは、幅広であり;℃は、セルシウス度であり;CDClは、ジュウテロクロロホルムであり;CDODは、ジュウテロメタノールであり;CHNOは、ニトロメタンであり;dは、二重項であり;DCMは、ジクロロメタンであり;DEAは、ジエチルアミンであり;DIASTは、ジアステレオマーであり;DIEAは、N,N−ジイソプロピルエチルアミンであり;DMBは、ジメトキシベンジルであり;DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、EDCIは、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩であり;ENTは、鏡像異性体であり;EtOAcは、酢酸エチルであり;EtOHは、エタノールであり;ESは、エレクトロスプレーであり;FAは、ギ酸であり;gは、グラムであり;hは、時間であり;HClは、塩酸であり;Hは、水素であり;HOは、水であり;HPLCは、高速液体クロマトグラフィーであり;Hzは、ヘルツであり;KCOは、炭酸カリウムであり;Lは、リットルであり;LCは、液体クロマトグラフィーであり;LCMSは、高速液体クロマトグラフィー質量分析法であり;mは、多重項であり;Mは、モル濃度であり;MeOHは、メタノールであり;MgSOは、硫酸マグネシウムであり;MHzは、メガヘルツであり;minは、分であり;mLは、ミリリットルであり、mMは、ミリモルであり;μLは、マイクロリットルであり;μMは、マイクロモルであり;MSは、質量分析であり;MsClは、メタンスルホニルクロリドであり;MTBEは、メチルtert−ブチルエーテルであり;Nは、窒素であり;NEtは、トリエチルアミンであり;NaHCOは、重炭酸ナトリウムであり;NaSOは、硫酸ナトリウムであり;NHClは、塩化アンモニウムであり;NHHCOは、炭酸水素アンモニウムであり;NHOHは、水酸化アンモニウムであり;NMRは、核磁気共鳴であり、PEは、石油エーテルであり;PSIは、ポンド毎平方インチであり;Pt/Cは、炭素担持白金であり;RTは、文脈に応じて保持時間または室温であり;sは、一重項であり;SFCは、超臨界流体クロマトグラフィーであり;tは、三重項であり;TFAは、トリフルオロ酢酸であり;THFは、テトラヒドロフランであり;TLCは、薄層クロマトグラフィーであり;T3Pは、プロピルホスホン酸無水物である。
【0133】
中間体の調製
調製例P1
cis−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(P1)
【0134】
【化15】
【0135】
1−(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(1.97mL、13.1mmol)を、メタノール(10mL)中の2−メチルテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(500mg、4.4mmol)の溶液に添加した。撹拌した後室温で1時間、反応混合物を−78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(1.5mL)中の水素化ホウ素リチウム(98%、85mg、3.8mmol)の溶液を滴加した。反応混合物をそのままゆっくり室温に一晩温め、その後すぐにそれを−20℃に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液の慎重な添加によりクエンチした。酢酸エチル(25mL)および沈殿を可溶化するのに十分な量の水を添加し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー[勾配:酢酸エチル中の0%から15%の(10:1のメタノール/濃水酸化アンモニウム)]により、生成物を無色の油状物として得た。収量:936mg、3.53mmol、80%。
【0136】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.13 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.46 (d, AB四重項の半分, J=2.2 Hz, 1H), 6.44 (dd, ABXパターンの半分, J=8.1, 2.3 Hz, 1H), 4.00 (ddd, J=11.6, 4.6, 1.6 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.76 (s, 2H), 3.37-3.46 (m, 2H), 2.63-2.72 (m, 1H), 1.85-1.92 (m, 1H), 1.78-1.85 (m, 1H), 1.37 (dddd, J=13, 12, 11, 4.6 Hz, 1H), 1.20 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.10 (ddd, J=12, 11, 11 Hz, 1H)。
【0137】
P1の代替の調製
cis−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(P1)
【0138】
【化16】
【0139】
シリンジポンプを使用して、2−メチルテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(7.00g、61.3mmol)を、メタノール(137mL)中の1−(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(9.21mL、61.3mmol)の溶液に、3.5時間にわたり(2mL/時間)添加した。添加が終わった後、反応混合物をそのまま室温で1時間撹拌した。次いでこの溶液と、水素化ホウ素リチウム(テトラヒドロフラン中の0.48M溶液、153.2mL、73.5mmol)とを、フローリアクター[2つの供給チャネルおよびペルフルオロアルコキシ製の管(24mL体積)を備えた1mLのガラスチップで構成された25mLリアクター;温度:−78℃;反応濃度:0.2M;滞留時間:10分;流速:両方のストリームで1.25mL/分]を使用して反応させた。収集された反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。この時点でのH NMR分析により、シス:トランスの比率が10.7:1であることが解明された。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中の0%から20%のメタノール)により、シス型生成物P1を得た。収量:11.59g、43.68mmol、71%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.16 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.41-6.48 (m, 2H), 4.00 (ddd, J=11.7, 4.7, 1.8 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.78 (s, 2H), 3.36-3.46 (m, 2H), 2.70 (tt, J=11.2, 4.1 Hz, 1H), 1.87-1.94 (m, 1H), 1.79-1.87 (m, 1H), 1.35-1.47 (m, 1H), 1.20 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.08-1.19 (m, 1H)。
【0140】
トランス異性体C38も単離した。収量:1.24g、4.67mmol、7.6%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.14 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.42-6.48 (m, 2H), 3.84-3.94 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.69-3.77 (m, 3H), 2.97-3.02 (m, 1H), 1.72-1.82 (m, 1H), 1.44-1.66 (m, 3H), 1.14 (d, J=6.2 Hz, 3H)。
【0141】
調製例P2
(2R,4R)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(P2)
【0142】
【化17】
【0143】
工程1:cis−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(C1)の合成
ブタ−3−エン−1−オール(39.0mL、453mmol)およびアセトアルデヒド(25.5mL、454mmol)を、硫酸水溶液(20%w/w、565g)中で合わせ、80℃で5日間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル、次いでジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%から25%の酢酸エチル)により、生成物を無色の油状物として得た。収量:11.2g、96.4mmol、21%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.99 (ddd, J=11.8, 4.9, 1.7 Hz, 1H), 3.71-3.80 (m, 1H), 3.35-3.46 (m, 2H), 1.82-1.98 (m, 3H), 1.48 (dddd, J=12.5, 12.4, 11.1, 4.9 Hz, 1H), 1.21 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.14-1.24 (m, 1H)。
【0144】
工程2:(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルブタノエート(C2)の合成
ブタン酸エテニル(78.6mL、620mmol)およびノボザイム435(Novozyme 435)(固定されたカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)のリパーゼB、25g)を、テトラヒドロフラン(1.3L)中のC1(150g、1.29mol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、そのあとすぐに、それを珪藻土のパッドに通過させてろ過し、次いでジクロロメタンで2回濯いだ。合わせたろ液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%から10%の酢酸エチル)により精製し、生成物を油状物として得た。収量:51.5g、276mmol、45%。C2およびそれに続く中間体の絶対配置を、C14で行われたX線構造決定により確認した(実施例2を参照)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.82-4.92 (m, 1H), 3.99 (ddd, J=11.9, 4.9, 1.7 Hz, 1H), 3.42-3.52 (m, 2H), 2.25 (t, J=7.4 Hz, 2H), 1.92-2.00 (m, 1H), 1.84-1.91 (m, 1H), 1.52-1.69 (m, 3H), 1.28 (ddd, J=12, 11, 11 Hz, 1H), 1.20 (d, J=6.2 Hz, 3H), 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3H)。
【0145】
工程3:(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(C3)の合成
メタノールおよびテトラヒドロフラン(1:1、700mL)中のC2(51.5g、276mmol)の溶液を水(120mL)中の水酸化リチウム(19.9g、831mmol)の溶液で処理し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。減圧下での濃縮により有機溶媒を除去した後、水性残留物をジクロロメタンで4回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、生成物を無色の油状物として得た。収量:27.3g、235mmol、85%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.99 (ddd, J=11.8, 4.8, 1.7 Hz, 1H), 3.71-3.80 (m, 1H), 3.35-3.47 (m, 2H), 1.82-1.98 (m, 3H), 1.48 (dddd, J=12.5, 12.4, 11.1, 4.8 Hz, 1H), 1.21 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.14-1.24 (m, 1H)。
【0146】
工程4:(2R)−2−メチルテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(C4)の合成
アセトン(980mL)中のC3(27.3g、235mmol)の溶液を氷槽中で冷却し、ジョーンズ試薬(2.5M、103mL、258mmol)で滴下して処理した。反応混合物を0℃で10分撹拌し、次いで室温に温め、さらに30分撹拌し、0℃に冷却した。2−プロパノール(18mL、240mmol)を添加し、撹拌を30分続けた。混合物を真空中で濃縮した後、残留物を水とジクロロメタンとの間で分配し、水層をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、生成物を淡黄色の油状物として得た。収量:23g、200mmol、85%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.25 (ddd, J=11.5, 7.4, 1.3 Hz, 1H), 3.70 (dqd, J=12.2, 6.1, 2.7 Hz, 1H), 3.64 (ddd, J=12.2, 11.6, 2.8 Hz, 1H), 2.55 (dddd, J=14.6, 12.4, 7.4, 1.0 Hz, 1H), 2.37 (ddd, J=14.4, 2.3, 2.3 Hz, 1H), 2.21-2.31 (m, 2H), 1.29 (d, J=6.2 Hz, 3H)。
【0147】
工程5:(2R,4R)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(P2)の合成
1−(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(20.3mL、135mmol)を、メタノール(200mL)中のC4(10.3g、90.2mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いでこれを−78℃に冷却し、水素化ホウ素リチウム溶液(テトラヒドロフラン中の2M、45.1mL、90.2mmol)を滴加し、2時間で−78℃撹拌を続けた。一晩かけてゆっくり室温に温めた後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液の慎重な添加によりクエンチした。EtOAc(250mL)および沈殿を可溶化するのに十分な量の水を添加し、水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%から5%のメタノール)により、生成物を無色の油状物として得た(10.4g)。同様にして混合した画分を精製し、追加の生成物を得た(3.7g)。合わせた収量:14.1g、53.1mmol、59%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.13 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.42-6.47 (m, 2H), 3.99 (ddd, J=11.6, 4.6, 1.5 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.76 (s, 2H), 3.36-3.45 (m, 2H), 2.63-2.73 (m, 1H), 1.85-1.92 (m, 1H), 1.78-1.85 (m, 1H), 1.38 (dddd, J=13, 12, 11, 4.7 Hz, 1H), 1.20 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.10 (ddd, J=11, 11, 11 Hz, 1H)。
【0148】
P2の代替の調製
(2R,4R)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(P2)
【0149】
【化18】
【0150】
アセトニトリル(0.05M)中のP1(200mg、0.754mmol)の溶液を、アセトニトリル(0.15M)中の(+)−(2S)−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−ヒドロキシブタン酸(93.9mg、0.377mmol)のスラリーに添加した。反応混合物を75℃に加熱して完全に溶解させ、次いでこれをそのまま室温に冷却し、追加の18時間撹拌した。得られた固体(C39)をろ過により収集し、アセトニトリルで洗浄し、ジクロロメタン中に溶解させた。この溶液を1M水酸化ナトリウム水溶液で3回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、生成物を無色の油状物として得た。キラルHPLCにより公知のP2サンプルと比較することにより、指定された絶対配置を確立した。このP2のバッチの鏡像異性体過剰率を、超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:キラルテクノロジーのキラルパック(Chiralpak)AS、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%水酸化アンモニウムを含有するエタノール;勾配:5%から60%のB)によって決定したこところ、77.5%であった。このシステムにおいて、P2が2番目に溶出する鏡像異性体であった。収量:68mg、0.26mmol、69%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.13 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.46 (d, AB四重項の半分, J=2.3 Hz, 1H), 6.44 (dd, ABXパターンの半分, J=8.1, 2.4 Hz, 1H), 4.00 (ddd, J=11.7, 4.7, 1.8 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.76 (s, 2H), 3.37-3.46 (m, 2H), 2.63-2.72 (m, 1H), 1.85-1.92 (m, 1H), 1.78-1.85 (m, 1H), 1.38 (dddd, J=12.7, 12.5, 11.3, 4.7 Hz, 1H), 1.20 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.10 (ddd, J=12.3, 11.3, 11.1 Hz, 1H)。
【0151】
調製例P3
6−クロロ−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]キノリン−3,4−ジアミン(C15)の合成
【0152】
【化19】
【0153】
工程1:4,6−ジクロロ−3−ニトロキノリン(C13)の合成
N,N−ジメチルホルムアミド(3.1mL、40mmol)および塩化チオニル(97%、6.9mL、93mmol)を、ジクロロメタン(140mL)中の6−クロロ−3−ニトロキノリン−4−オール(15.38g、68.48mmol)の懸濁液に添加し、反応混合物を還流しながら加熱した。5時間後、それを室温に冷却し、追加のジクロロメタン(25mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(250mL)中に流し込んだ。水層をジクロロメタン(100mL)で抽出し、次いで珪藻土のプラグに通過させ、これをジクロロメタン(50mL)で濯いだ。合わせた有機層および有機性のろ液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、生成物を薄い黄褐色の固体として得た。収量:16.8g、定量可能な量。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.25 (s, 1H), 8.42 (d, J=2.2 Hz, 1H), 8.17 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.89 (dd, J=9.0, 2.2 Hz, 1H)。
【0154】
工程2:6−クロロ−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−3−ニトロキノリン−4−アミン(C14)の合成
化合物C13(12.2g、50.2mmol)を、アセトニトリル(250mL)中のP2(13.3g、50.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(13.1mL、75.2mmol)の溶液に添加し、反応混合物を55℃に一晩加熱した。真空中で濃縮した後、残留物を重炭酸ナトリウム水溶液とジクロロメタン(150mL)との間で分配した(100mL)。水層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層をトリフルオロ酢酸(25mL)で処理した。{注意:発熱性}。20分後、飽和炭酸ナトリウム水溶液(150mL)を一部ずつ添加し、混合物をそのまま10分撹拌した。水層をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮し、赤褐色の固体を得た(17.3g)。これをジエチルエーテル(230mL)で粉砕して、黄色の固体を得た(14.0g)。この固体の一部(10g)を、超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:ルクスアミロース−2(Lux Amylose-2)、5μm;移動相:65:35の二酸化炭素/メタノール)を介した精製に供し、生成物を結晶質固体として得た。指定された絶対配置を、この材料への単結晶のX線構造決定により決定した:以下を参照されたい。収量:7.1g、22mmol、62%(精製により除去された物質に関して補正した収量)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.36 (s, 1H), 9.11 (br d, J=9 Hz, 1H), 8.12 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.98 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.73 (dd, J=8.9, 2.2 Hz, 1H), 4.21-4.33 (m, 1H), 4.08-4.15 (m, 1H), 3.50-3.60 (m, 2H), 2.11-2.22 (m, 2H), 1.77 (dddd, J=12, 12, 12, 5 Hz, 1H), 1.49 (ddd, J=12, 12, 11 Hz, 1H), 1.28 (d, J=6.2 Hz, 3H)。
【0155】
C14の単結晶のX線構造決定
単結晶X線分析
データ収集を、ブルカー(Bruker)のAPEX回折計で、室温で実行した。データ収集はオメガおよびファイスキャンからなっていた。
【0156】
空間群P2においてSHELXソフトウェアスイートを使用する直接的な方法によって、構造を解析した。その後、全行列最小二乗法によって構造を精密化した。全ての非水素原子を見つけ、異方性変位パラメーターを使用して精密化した。
【0157】
フーリエ示差マップから窒素上に配置された水素原子を見つけ、距離を制限することで精密化した。残りの水素原子を計算された位置に配置し、それらのキャリア原子上に載せた。最終的な精密化には、全ての水素原子に対する等方性変位パラメーターなどが含まれた。
【0158】
尤度法(Hooft、2008)を使用する絶対構造の分析を、PLATON(Spek、2003)を使用して実行した。結果から、絶対構造が正確に割り当てられたことが示される。この方法は、構造が正しい確率が100.0であることを計算する。ホーフト(Hooft)のパラメーターは、0.09のesdで0.017として報告される。
【0159】
最終的なR指標は、4.8%であった。最終的な示差フーリエから、電子密度の損失または配置の間違いがなかったことが解明された。
表Aに、関連する結晶、データ収集および精密化情報を要約する。表B〜Eに、原子座標、結合距離、結合角、ねじれ角度および変位パラメーターを列挙する。
【0160】
ソフトウェアおよび参考文献
SHELXTL、バージョン5.1、ブルカーAXS、1997。
PLATON、A. L. Spek、J. Appl. Cryst. 2003、36、7〜13.
MERCURY、C. F. Macrae、P. R. Edington、P. McCabe、E. Pidcock、G. P. Shields、R. Taylor、M. Towler、およびJ. van de Streek、J. Appl. Cryst. 2006、39、453〜457.
OLEX2、O. V. Dolomanov、L. J. Bourhis、R. J. Gildea、J. A. K. Howard、およびH. Puschmann、J. Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341.
R. W. W. Hooft、L. H. Straver、およびA. L. Spek、J. Appl. Cryst. 2008、41、96〜103.
H. D. Flack、Acta Cryst. 1983、A39、867〜881。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
【表3-1】
【0164】
【表3-2】
【0165】
【表4】
【0166】
【表5】
【0167】
工程3:6−クロロ−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]キノリン−3,4−ジアミン(C15)の合成
亜鉛末(97.5%、12.3g、183mmol)を、メタノール(100mL)中のC14(7.40g、23.0mmol)の懸濁液の撹拌溶液に一部ずつ添加し、濃水酸化アンモニウム(100mL)。1時間後、反応混合物を珪藻土に通過させてろ過し、フィルターパッドをジクロロメタン(70mL)で濯いだ。ろ液を水で希釈し、水層をジクロロメタン(2×60mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の40%から100%のEtOAc)により精製して、生成物を得た。収量:3.68g、12.6mmol、55%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.48 (s, 1H), 7.91 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.74 (d, J=2.2 Hz, 1H), 7.40 (dd, J=8.9, 2.2 Hz, 1H), 4.02 (br dd, J=12, 5 Hz, 1H), 3.88 (br s, 2H), 3.29-3.56 (m, 4H), 1.82-1.96 (m, 2H), 1.56 (dddd, J=12, 12, 12, 5 Hz, 1H), 1.21-1.31 (m, 1H), 1.21 (d, J=6.2 Hz, 3H)。
【0168】
調製例P4
3−アミノ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリルの合成
【0169】
【化20】
【0170】
工程1:5−シアノ−2−{[(E)−2−ニトロエテニル]アミノ}安息香酸(C59)の合成
この実験は、2つの同一なバッチで行われた。{注意:この反応は、反応物および中間体が高エネルギーであるため、1グラムより大きいスケールで行うべきではない。適した安全対策およびブラストシールドの使用が必須である}。ニトロメタン(4.71g、77.2mmol)を、水(25mL)中の水酸化ナトリウム(3.95g、98.8mmol)の溶液に滴加し、得られた溶液を5分かけて45℃に加熱し、その後すぐにそれを水浴中で冷却し、溶液のpHが酸性になるまで濃塩酸(12M、10mL)で処理した。次いでこれを、水(50mL)中の2−アミノ−5−シアノ安息香酸(5.0g、31mmol)、アセトン(10mL)および濃塩酸(12M、50mL)の懸濁液に25℃で添加し、反応混合物を25℃で15時間撹拌した。この時点で2つのバッチを合わせ、得られた懸濁液をろ過した。収集した固体を水で洗浄して、生成物を黄色の固体として得た。H NMRの分析から、生成物は回転異性体の混合物として存在すると推測された。収量:13.8g、59.2mmol、95%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [13.15 (s)および13.12 (s), total総1H], 8.37 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.07-8.15 (m, 2H), 7.92 (d, AB四重項の半分, J=9.0 Hz, 1H), 6.86 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0171】
工程2:4−ヒドロキシ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C60)の合成
炭酸カリウム(39.1g、283mmol)を、無水酢酸(200mL)中のC59(22.0g、94.4mmol)の懸濁液に添加した。反応混合物を2時間かけて90℃に加熱した後、それをろ過し、収集された材料を、tert−ブチルメチルエーテル(100mL)と水(400mL)で洗浄し、生成物を茶色の固体として得た。収量:17.0g、79.0mmol、84%。LCMS m/z 215.9[M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.14 (s, 1H), 8.55 (dd, J=2.0, 0.5 Hz, 1H), 7.98 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.77 (dd, J=8.5, 0.5 Hz, 1H)。
【0172】
工程3:4−クロロ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C61)の合成
オキシ塩化リン(11.7g、76.3mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中のC60(5.8g、26mmol)の溶液に滴加し、反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後すぐにそれを氷水(100mL)中に流し込んだ。得られた混合物をろ過し、ろ過ケークを水(300mL)で洗浄して、生成物を茶色の固体として得た。収量:9.1g、39mmol、86%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.26 (s, 1H), 8.59 (d, J=1.8 Hz, 1H), 8.16 (dd, J=8.7, 1.9 Hz, 1H), 7.93 (d, J=8.8 Hz, 1H)。
【0173】
工程4:4−クロロ−6−メトキシ−3−ニトロキノリン(C8)の合成
オキシ塩化リン(11.7g、76.3mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中のC7(5.8g、26mmol)の溶液に滴加し、反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後すぐにそれを氷水(100mL)中に流し込んだ。得られた混合物をろ過し、ろ過ケークを水(300mL)で洗浄して、生成物を茶色の固体として得た。収量:4.5g、19mmol、73%。
【0174】
工程5:4−{(2,4−ジメトキシベンジル)[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C62)の合成
アセトニトリル(80mL)中のC61(8.81g、37.7mmol)の溶液に、P2(11.0g、41.5mmol)、それに続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.85g、45.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後すぐにこれを真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:4:1の石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、生成物を、ゆっくり固化した粘性のオレンジ色の油状物として得た。収量:15.0g、32.4mmol、86%。LCMS m/z 313.0[M-(2,4-ジメトキシベンジル)+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.18 (s, 1H), 8.55 (br dd, J=1.3, 1 Hz, 1H), 8.15 (d, J=1.0 Hz, 2H), 6.88 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.24-6.30 (m, 2H), 4.33 (br AB四重項, JAB=14.5 Hz, ΔνAB=12 Hz, 2H), 3.76-3.92 (m, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 3.3-3.4 (m, 2H, 推定;水のピークによって大部分が不明瞭), 1.83-2.00 (m, 2H), 1.70-1.83 (m, 1H), 1.42-1.54 (m, 1H), 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3H)。
【0175】
工程6:4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C63)の合成
ジクロロメタン(150mL)中のC62(15.0g、32.4mmol)およびトリフルオロ酢酸(18.5g、162mmol)の混合物を室温で30分撹拌し、その後すぐにそれを20mLの体積に濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)で処理した。水層をジクロロメタン(3×150mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色の固体として得た。収量:5.68g、18.2mmol、56%。LCMS m/z 313.0[M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.06-9.09 (m, 2H), 8.30 (br d, J=9.0 Hz, 1H), 8.14 (dd, ABXパターンの半分, J=8.7, 1.6 Hz, 1H), 8.01 (d, AB四重項の半分, J=8.8 Hz, 1H), 3.87-3.93 (m, 1H), 3.69-3.82 (m, 1H), 3.3-3.5 (m, 2H, 推定;水のピークによって大部分が不明瞭), 1.87-2.03 (m, 2H), 1.60-1.72 (m, 1H), 1.36-1.47 (m, 1H), 1.11 (d, J=6.0 Hz, 3H)。
【0176】
工程7:3−アミノ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリル(C64)の合成
エタノール(60mL)および水(15mL)を、C63(5.68g、18.2mmol)、鉄(10.2g、183mmol)、および塩化アンモニウム(9.73g、182mmol)の混合物に添加した。反応混合物を1時間かけて80℃に加熱し、その後すぐにそれをエタノール(100mL)で希釈し、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、得られた固体を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)とジクロロメタン(300mL)との間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、生成物を茶色の固体として得た。収量:4.73g、16.8mmol、92%。LCMS m/z 282.9[M+H]+1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.55 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.90 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.60 (dd, J=8.5, 1.8 Hz, 1H), 3.92-4.00 (m, 1H), 3.58-3.69 (m, 1H), 3.39-3.50 (m, 2H), 1.78-1.94 (m, 2H), 1.56-1.69 (m, 1H), 1.29-1.40 (m, 1H), 1.17 (d, J=6.0 Hz, 3H)。
【0177】
調製例P5
6−(ジフルオロメチル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミンの合成
【0178】
【化21】
【0179】
工程1:2−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−ニトロキノリン−6−イル)−2,2−ジフルオロ−1−フェニルエタン−1−オンの合成
オーブンで乾燥させた丸底フラスコ(250mL)に、cataCXium A Pd G2(0.0850g、0.127mmol)、6−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(3.00g、6.36mmol)、トリ−リン酸カリウムN−水和物(5.86g、25.4mmol)、および磁気式撹拌子を入れた。バイアルをNおよび真空(3回)でパージした。次いでバイアルに、2,2−ジフルオロアセトフェノン(1.98g、12.7mmol、1.68mL)のトルエン(36.7mL、c=0.173M)溶液をN下で添加した。得られた溶液を24時間かけて110℃に加熱した。反応混合物のアリコートをNHCl(飽和水溶液)とEtOAcとの間で分配した。有機層のLC/MS分析から、1.12分で出発原料と主要な生成物の大部分が完全に消費されたことが示された。(ES+RT1.12分、m/z592.5)。反応混合物を室温に冷却し、NHCl(飽和水溶液、250mL)とEtOAc(250mL)との間で分配した。有機層を単離し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、オレンジ色の油性残留物を得た。この残留物をDCM(10mL)中に再溶解させ、減圧下でシリカゲル上に吸着させ、オレンジ色の固体を得た。この固体を、精製目的のためのコンビフラッシュ(Combiflash)1(220gの高性能ゴールドレディステップ(Gold Redisep)カラム、ヘプタン中0から100%のEtOAc、30CV)にローディングした。生成物のスポットを含有する画分を合わせ、減圧下で濃縮して、2.07gのオレンジ色の固体を得た。その固体のNMRによれば、生成物と一部の残留したEtOAcが示された。NMRサンプルのLC/MSによれば、1.12分に主要生成物の大部分が示された。(ES+1.12分のRT、m/z592.3)。材料は、それに続く工程の反応にそのまま使用される。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.06 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.02 (m, 3H), 7.64 (m, 1H), 7.49 (m, 2H), 6.82 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.19 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 4.34 (s, 2H), 3.99 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.82-3.70 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 3.23 (m, 2H), 2.07-1.86 (m, 3H), 1.69 (q, J = 11.9 Hz, 1H), 1.23-1.14 (d, 3H)。
【0180】
工程2:6−(ジフルオロメチル)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
【0181】
【化22】
【0182】
2−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−ニトロキノリン−6−イル)−2,2−ジフルオロ−1−フェニルエタン−1−オン(0.470g、0.794mmol)のトルエン(4.67mL、0.16M)および水(0.28mL)溶液に、水酸化カリウム(0.267g、4.77mmol、6当量)を添加した。得られた溶液を24時間かけて100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(150mL)とジクロロメタン(150mL)との間で分配した。層を単離し、結果得られた水性層をジクロロメタン(2×100mL)で逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、黄色の油性残留物を得た。シリカゲルの標準的なカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の0から80%の酢酸エチル)による精製により、0.337g(0.691mmol、87%)の6−(ジフルオロメチル)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンをオレンジ色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.09 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.98 - 6.62 (m, 2H), 6.22 (dd, J = 8.3, 2.4 Hz, 1H), 6.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.37 (m, 2H), 4.04 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.41 (m, 2H), 2.08 - 1.91 (m, 2H), 1.67 (q, J = 11.8 Hz, 1H), 1.30 - 1.22 (m, 1H), 1.21 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。 LCMS: MS: M+H: 488.4; RT 1.00分間。
【0183】
工程3:6−(ジフルオロメチル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
前の工程からの生成物混合物(1.85g、3.79mmol)のジクロロメタン(25.0mL、c=0.152M)溶液を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(1.73g、15.2mmol、1.16mL)で処理した。得られた溶液をそのまま室温に温めた、室温で20分撹拌し続けた。反応混合物のアリコートをMeOHで希釈し、LCMSによって分析したところ、反応が完了し、アセトフェノンによるDMB脱保護化合物がわずかに存在したことが示された。LCMSから、0.84分に主要生成物の大部分が存在することが示された。(ES+RT0.84分、MSm/z338.5)。反応混合物を0℃に冷却し、DCM(20mL)で希釈し、NaHCO(飽和水溶液、100mL)でpH8に塩基性にした。層を単離し、結果得られた水性層を、DCM(2×50mL)で洗浄した。合わせた有機物をブライン(1×150mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、1.4gの黄色の固体を得た。固体をDCM:MeOH(20mL;それぞれ8:1の比率)中に再溶解させた。この溶液を、減圧下でシリカゲル上に吸着させて、黄色の固体を得た。この固体を、精製目的のためのコンビフラッシュ(120gの高性能ゴールドレディステップカラム、ヘプタン中0から100%のEtOAc、18CV)にローディングした。2種の生成物は、分離しなかった(望ましい生成物とベンゾイルCF生成物)。両方の付加物を含有する画分を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。EtO(50mL)で粉砕したところ、黄色の沈殿が形成された。固体をろ過し、EtO(2×50mL)で洗浄した。0.7gの黄色の固体を得た。固体のNMRから、望ましい生成物とごくわずかな量の不純物が示された。NMRサンプル(0.7g、固体、54.7%)のLCMSから、0.84分に生成物が示された。(ES+RT0.84分、m/z338.5)。ろ液の分析から、望ましい生成物の存在はまったく示されなかった。単離した生成物は、それに続く工程の反応にそのまま使用される。2つの工程の反応の収量(ベンゾイル脱保護およびDMB脱保護)は、61%である。
【0184】
工程4:6−(ジフルオロメチル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミンの合成
250mLのハステロイ(Hastelloy)のパー(parr)リアクターに、6−(ジフルオロメチル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(0.700g、2.08mmol)のテトラヒドロフラン(150mL、c=0.0138M)溶液を添加した。これに5%Pt/C(0.600g、0.2mmol)を添加し、混合物をN(3回)でパージし、次いでHで30PSIに充填し戻し、2時間水素化した。その時間の後、反応混合物のアリコートをMeOHで希釈し、LCMSによって分析したところ、0.58分に、出発原料の完全な消費と新しいより高い極性を有するスポットの存在が示された。(ES+RT0.58分、MSm/z308.4)。反応混合物をTHF(50mL)で希釈し、セライトのパッドに通過させてろ過し、パッドをTHF(3×50mL)で洗浄した。次いで合わせたろ液を減圧下で乾燥させて、オレンジ色の油性残留物を得て、これをDCM(15mL)中に再溶解させた。得られた均一なDCM溶液を(持ち越されたセライトを除去するため)Acrodiscフィルターに通過させてろ過した。次いでDCM溶液を減圧下で濃縮して、0.5474gの暗褐色の固体を得た。固体のNMRから、少量の不純物と共に主要な生成物ピークが示された。NMRサンプル(0.5474g、固体、85.8%)のLCMSから、0.58分で生成物の大部分が示された。(ES+RT0.58分、m/z308.4)。材料をそれに続く工程に直接使用した。
【0185】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.55 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.92 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.7, 1.7 Hz, 1H), 6.82 (t, J = 56.4 Hz, 1H), 4.02 (ddd, J = 11.8, 4.7, 1.7 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.80 - 3.71 (m, 1H), 3.53 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.48 - 3.36 (m, 2H), 1.99 - 1.89 (m, 1H), 1.85 (ddd, J = 6.6, 4.9, 2.6 Hz, 2H), 1.61 - 1.50 (m, 1H), 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。LCMS RT0.58分, (M+H: 308.4)。
【0186】
調製例P6
3−アミノ−4−{[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリル
【0187】
【化23】
【0188】
工程1:4−{[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]アミノ}−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C95)の合成
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(251mg、1.94mmol)を、アセトニトリル(3mL)中のC61(210mg、0.899mmol)および(3R)−1−メチルピロリジン−3−アミン(77.9mg、0.778mmol)の20℃の溶液に添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌し、その後すぐにそれを真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる残留物の精製(勾配:ジクロロメタン中の0%から1%のメタノール)により、生成物を黄色の固体として得た。収量:210mg、0.706mmol、91%。LCMS m/z 297.9[M+H]+1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.04-10.15 (br m, 1H), 9.45 (s, 1H), 8.55 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.07 (d, AB四重項の半分, J=8.5 Hz, 1H), 7.92 (dd, ABXパターンの半分, J=8.5, 1.8 Hz, 1H), 4.65-4.74 (m, 1H), 3.02-3.10 (m, 1H), 2.84-2.90 (m, 1H), 2.80 (dd, ABXパターンの半分, J=9.9, 5.6 Hz, 1H), 2.61-2.71 (m, 1H) 2.46 (s, 3H), 2.41-2.50 (m, 1H), 2.06-2.16 (m, 1H)。
【0189】
工程2:3−アミノ−4−{[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリル(C96)の合成
エタノール(1mL)および水(0.25mL)の混合物中のC95(100mg、0.336mmol)の溶液に、塩化アンモニウム(36mg、0.673mmol)および鉄粉末(75.1mg、1.34mmol)を添加し、反応混合物を80℃で1時間撹拌した。次いでこれをろ過し、ろ過ケークをメタノール(30mL)で洗浄した。合わせたろ液からの有機層を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%から15%のメタノール)により精製して、生成物を黄色の固体として得た。収量:112mg、定量的な推定。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 、特徴なピーク:δ 8.65-8.71 (br s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.89 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.62 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 5.56-5.70 (br s, 1H), 5.43 (d, J=10.5 Hz, 1H), 4.32-4.46 (br m, 1H), 2.81 (s, 3H), 1.84-1.95 (m, 1H)。
【0190】
調製例P7
−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−6−(トリフルオロメチル)キノリン−3,4−ジアミン(C101)の合成
【0191】
【化24】
【0192】
工程1:3−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)キノリン−4−オール(C97)の合成
濃硝酸(10mL)中の6−(トリフルオロメチル)キノリン−4−オール(2.00g、9.38mmol)の溶液を50℃で14時間撹拌し、その後すぐにそれを水(50mL)中に流し込んだ。得られた固体をろ過により単離し、生成物を薄黄色の固体として得た。収量:1.80g、6.97mmol、74%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.29 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.11 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J=8.5 Hz, 1H)。
【0193】
工程2:4−クロロ−3−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)キノリン(C98)の合成
オキシ塩化リン(3.25mL、34.9mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の化合物C97(3.00g、11.6mmol)の15℃の溶液に添加し、反応混合物を15℃で2時間撹拌した。次いでこれを水(80mL)中に流し込んだ。ろ過により沈殿を収集し、生成物を固体(2.40g)として得た。H NMR分析によれば、この材料は不純物を含んでいたが、直接それに続く工程に用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6), 生成物のピークのみ: δ 9.22 (s, 1H), 8.40 (br s, 1H), 8.03 (br d, J=8.5 Hz, 1H), 7.92-7.97 (m, 1H)。
【0194】
工程3:N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−3−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)キノリン−4−アミン(C99)の合成
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.36g、26.0mmol)およびP2(2.43g、9.16mmol)を、アセトニトリル(30mL)中のC98(前の工程より、2.40g、≦8.68mmol)の15℃の溶液にゆっくり添加し、反応混合物を80℃で30分撹拌した。水(100mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の9%から25%の酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色の固体として得た。収量:2工程にわたり3.40g、6.73mmol、58%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.11 (s, 1H), 8.60 (br s, 1H), 8.15 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.92 (dd, J=8.8, 1.8 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.22 (dd, J=8.3, 2.3 Hz, 1H), 6.16 (d, J=2.0 Hz, 1H), 4.33-4.44 (m, 2H), 4.02-4.10 (m, 1H), 3.77-3.87 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.50 (s, 3H), 3.36-3.46 (m, 2H), 1.95-2.10 (m, 3H), 1.67-1.78 (m, 1H), 1.23 (d, J=6.0 Hz, 3H)。
【0195】
工程4:N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−3−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)キノリン−4−アミン(C100)の合成
トリフルオロ酢酸(7.67g、67.3mmol)を、ジクロロメタン(30mL)中の化合物C99(3.40g、6.73mmol)の15℃の溶液に添加し、反応混合物を15℃で30分撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮して、生成物(2.50g)を薄黄色の固体として得て、その一部を直接それに続く工程に使用した。LCMS m/z 355.8[M+H]+
【0196】
工程5:N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−6−(トリフルオロメチル)キノリン−3,4−ジアミン(C101)の合成
鉄粉末(314mg、5.62mmol)および塩化アンモニウム(301mg、5.63mmol)を、エタノール(5mL)および水(1mL)中のC100(前の工程より、200mg、≦0.54mmol)の溶液に添加し、反応混合物を80℃で1時間撹拌した。次いでこれを珪藻土に通過させてろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の9%から33%の酢酸エチル)により、生成物を薄い灰色の固体として得た。収量:2工程にわたり140mg、0.430mmol、80%。LCMS m/z 325.9[M+H]+
【0197】
調製例P8
cis−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−N−(2,4−ジメトキシベンジル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(#P510)
【0198】
【化25】
【0199】
工程1:2−[(ベンジルオキシ)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(#C212)
ジクロロメタン(550mL)中の(ベンジルオキシ)アセトアルデヒド(25.0g、166mmol)およびブタ−3−エン−1−オール(12.0g、166mmol)の溶液を、ジクロロメタン(500mL)中のトリフルオロ酢酸(57g、500mmol)の0℃溶液に滴加した。反応混合物を室温(20℃)で18時間撹拌し、その後すぐにそれを真空中で濃縮した。残留物をメタノール(450mL)中に溶解させた後、それを炭酸カリウム(80g、580mmol)で処理し、反応混合物を20℃で5時間撹拌した。(ベンジルオキシ)アセトアルデヒド(20.0g、133mmol)を採用した類似の反応からの反応混合物を添加し、合わせた混合物をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、水(500mL)と酢酸エチル(200mL)との間で分配した。次いで水層を酢酸エチル(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の20%から25%の酢酸エチル)により、生成物を黄色の油状物として得た。H NMRスペクトルの調査から、この材料をシスおよびトランス異性体の混合物と仮定した。合わせた収量:42.9g、193mmol、64%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.39-7.26 (m, 5H), 4.64-4.53 (m, 2H), [4.29-4.25 (m), 4.11-3.76 (m), および3.59-3.40 (m), total総 6H], [1.96-1.83 (m), 1.71-1.48 (m), および1.36-1.24 (m), total総 4H, 推定;水のピークによって部分的に不明瞭]。
【0200】
工程2:2−[(ベンジルオキシ)メチル]テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(#C214)の合成
クロロクロム酸ピリジニウム(48g、220mmol)を、ジクロロメタン(350mL)中の#C212(22.9g、103mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温(20℃)で18時間撹拌した。次いでこれを#C212(20g、90mmol)を使用して行われた類似の反応物と合わせ、混合物をろ過し、真空中で濃縮した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離剤:石油エーテル中の20%の酢酸エチル)により精製し、生成物を無色の油状物として得た。合わせた収量:36.2g、164mmol、85%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40-7.27 (m, 5H), 4.65-4.58 (m, 2H), 4.36 (ddd, J=11.5, 7.5, 1.5 Hz, 1H), 3.85 (dddd, J=11, 5, 4, 3 Hz, 1H), 3.72 (ddd, J=12.3, 11.5, 2.8 Hz, 1H), 3.58 (dd, ABXパターンの半分, J=10.5, 4.0 Hz, 1H), 3.55 (dd, ABXパターンの半分, J=10.3, 5.3 Hz, 1H), 2.63 (dddd, J=15, 12, 7.5, 1 Hz, 1H), 2.56-2.47 (m, 1H), 2.40-2.32 (m, 2H)。
【0201】
工程3:cis−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−N−(2,4−ジメトキシベンジル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(#P510)の合成
1−(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(23g、140mmol)を、メタノール(275mL)中の#C214(20g、91mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温(20℃)で24時間撹拌し、その後すぐにそれを−78℃に冷却し、水素化ホウ素リチウム(テトラヒドロフラン中の2M溶液;46.0mL、92.0mmol)を滴下して処理した。反応混合物をそのままゆっくり室温に温め、次いで室温で一晩撹拌した。これを#C214(16.18g、73.5mmol)を採用した類似の反応混合物と合わせ、真空中で濃縮した。残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mL)および水(200mL)と混合し、酢酸エチル(4×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%から9%のメタノール)により精製して、生成物を淡黄色の油状物として得た。合わせた収量:52.0g、140mmol、85%。LCMS m/z 371.9 [M+H]+1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.25 (m, 5H), 7.12 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.46 (d, AB四重項の半分, J=2.5 Hz, 1H), 6.43 (dd, ABXパターンの半分, J=8.0, 2.5 Hz, 1H), 4.58 (AB四重項, JAB=12.0 Hz, ΔνAB=23.2 Hz, 2H), 4.07 (ddd, J=11.5, 4.5, 1.5 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.75 (s, 2H), 3.59-3.39 (m, 4H), 2.75-2.65 (m, 1H), 1.91-1.80 (m, 2H), 1.48-1.35 (m, 1H), 1.23-1.12 (m, 1H)。
【0202】
調製例P9
6−フルオロ−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミンの合成
工程1:(E)−5−フルオロ−2−((2−ニトロビニル)アミノ)安息香酸の合成
【0203】
【化26】
【0204】
工程1:以下の反応はブラストシールドの後ろで行うこととする。HO(50mL)中のNaOH(7.74g、193mmol)の溶液に、CHNO(9840mg、161mmol)を0℃で慎重に添加し、溶液を15℃で10分撹拌した。混合物を15℃に維持しながら濃塩酸(20mL、12.0M)を添加することによって反応混合物をpH=2〜3に調整した。前の溶液を、HO(50mL)、アセトン(10mL)および濃塩酸(20.3mL)中の2−アミノ−5−フルオロ安息香酸(5.0g、32.23mmol)の溶液に添加し、15℃に維持した。得られた混合物を15℃で1時間撹拌した。その後すぐに、反応混合物から黄色の固体が沈殿した。混合物をろ過し、生成物(E)−5−フルオロ−2−((2−ニトロビニル)アミノ)安息香酸を収集して、7.9g、93%収量を達成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.92 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 13.6, 6.3 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 9.3, 4.5 Hz, 1H), 7.72-7.67 (m, 1H), 7.60-7.52 (m, 1H), 6.73 (d, J = 6.2 Hz, 1H)。
【0205】
工程2:6−フルオロ−3−ニトロキノリン−4−オールの合成
【0206】
【化27】
【0207】
以下の反応はブラストシールドの後ろで行うこととする。AcO(50mL)中の(E)−5−フルオロ−2−((2−ニトロビニル)アミノ)安息香酸(7.60g、33.6mmol)の溶液に、KCO(13.9g、101mmol)を15℃を保ちながら添加した。次いで溶液を1.5時間撹拌し、90℃に加熱した。15℃に冷却した後、反応混合物を氷水(100mL)中に流し込み、混合物をろ過した。薄い灰色の固体6−フルオロ−3−ニトロキノリン−4−オールを収集した(6500mg)。材料をそれに続く工程に直接使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.17 (s, 1H), 7.86 (dd, J = 9.2, 3.0 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 9.0, 4.7 Hz, 1H), 7.66 (td, J = 8.6, 3.0 Hz, 1H), 1.90 (s, 1H)。 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -114.74。
【0208】
工程3:4−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロキノリンの合成
【0209】
【化28】
【0210】
オキシ塩化リン(1470mg、9.61mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の6−フルオロ−3−ニトロキノリン−4−オール(2g、9.6mmol)の溶液に滴加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。この時点で反応混合物を氷水(100mL)中に流し込んだ。この混合物をろ過し、ろ過ケークを水(100mL)で洗浄して、生成物4−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロキノリンを茶色の固体として得た。収量:(1910mg、87.7%)。純度および構造は、以下の通りであることが確認された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.22 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 9.3, 5.2 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 9.1, 2.8 Hz, 1H), 7.72 (ddd, J = 9.3, 7.8, 2.8 Hz, 1H)。 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -106.71; LCMS: M+H 226.6。
【0211】
工程4:N−(2,4−ジメトキシベンジル)−6−フルオロ−N−((2S,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
【0212】
【化29】
【0213】
ACN(15mL)中の4−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロキノリン(1910mg、8.429mmol)、(2R,4R)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(2240mg、8.43mmol)の溶液に、DIEA(2400mg、18.5mmol)を、混合物を20℃に維持しながら一滴ずつ添加し、次いでそれを16時間撹拌した。TLC(PE:EA、5:1)から反応が完了したことが示された。LCMS RT0.90分からも反応が完了したことが示され、望ましい生成物の質量が観察された。混合物を水(50mL)で洗浄し、EtOAc(100mL×3)で抽出し、真空下で濃縮した。残留物を、PE中のEtOAc(5%から20%)を用いたコンビフラッシュによって精製し、次いで真空下で濃縮して、生成物N−(2,4−ジメトキシベンジル)−6−フルオロ−N−((2S,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンを黄色の固体として得た(3280mg、85.4%)。純度および構造は、以下の通りであることが確認された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.00 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 9.2, 5.4 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 10.2, 2.8 Hz, 1H), 7.52 (ddd, J = 9.2, 7.7, 2.9 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.28-6.14 (m, 2H), 4.32 (s, 2H), 4.02 (dt, J = 11.6, 3.3 Hz, 1H), 3.85-3.71 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.51 (s, 3H), 3.47-3.31 (m, 2H), 2.01-1.81 (m, 3H), 1.61-1.49 (m, 1H), 1.19 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -111.16。LCMS: RT 0.81分; MS 455.8 M+H。
【0214】
工程5:6−フルオロ−N−((2S,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
【0215】
【化30】
【0216】
DCM(20mL)中のN−(2,4−ジメトキシベンジル)−6−フルオロ−N−((2S,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(3270mg、7.179mmol)の溶液に、TFA(2460mg、21.5mmol)を、反応混合物を25℃に維持しながら一滴ずつ添加した。得られた溶液を25℃で1時間撹拌した。LCMS、RT0.58分、MS305.7M+Hから、反応が完了したことが示された。ワークアップおよび精製のために、反応溶液を第2の反応物と合わせた。合わせた反応溶液を飽和NaHCO溶液(50mL)で塩基性にし、DCM(100mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をコンビフラッシュ(DCM中の5%〜10%MeOH)によって精製して、望ましい生成物6−フルオロ−N−((2S,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(2000mg、88.6%の合わせた収量)を黄色の固体として得た。純度および構造は、以下の通りであることが確認された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.34 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 9.03 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.04 (dd, J = 9.2, 5.7 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 10.2, 2.7 Hz, 1H), 7.56 (ddd, J = 9.2, 7.5, 2.7 Hz, 1H), 4.26 (dddd, J = 15.6, 11.3, 8.7, 4.3 Hz, 1H), 4.10 (ddd, J = 12.1, 4.7, 1.8 Hz, 1H), 3.62-3.46 (m, 2H), 2.14 (tdd, J = 15.1, 4.2, 2.1 Hz, 2H), 1.75 (qd, J = 12.4, 4.7 Hz, 1H), 1.47 (dt, J = 12.7, 11.1 Hz, 1H), 1.26 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -112.11。 LCMS: MS 305.8 M+H。
【0217】
工程6:6−フルオロ−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミンの合成
【0218】
【化31】
【0219】
THF(30mL)中の6−フルオロ−N−((2S,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(2000mg、6.551mmol)の溶液に、Pt/C(639mg、3.28mmol)を添加し、25℃、水素雰囲気下で3時間撹拌した。LCMS(RT0.53分;MS275.7M+H)から反応が完了したことが示され、TLC(DCM:MeOH、50:1)でも同様であった。混合物をろ過し、濃縮して、残留物を得た。残留物をコンビフラッシュ(DCM中の0〜6%MeOH)によって精製し、望ましい生成物6−フルオロ−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミン(1450mg、80.4%)を黄色の固体として得た。純度および構造は、以下の通りであることが確認された。LCMS RT0.52分、MS275.7M+H、カラム:LCMS−E(4−302)クロモリス(Chromolith)。フラッシュRP−18e25−2mm)HPLC RT2.80分、移動相:1分で、水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分で、水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速1.2mL/分)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 (s, 1H), 7.74 (ddd, J = 20.6, 10.3, 4.3 Hz, 2H), 7.18 (ddd, J = 9.1, 8.3, 2.8 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 4.50 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.89-3.75 (m, 1H), 3.35-3.14 (m, 2H), 1.83-1.58 (m, 2H), 1.51 (qd, J = 12.3, 4.7 Hz, 1H), 1.23 (q, J = 12.8, 12.2 Hz, 2H), 1.04 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。 19F NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -115.18。
【0220】
調製例P10
3−アミノ−4−[(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]キノリン−6−カルボニトリル(#P513)の合成
【0221】
【化32】
【0222】
工程1:4−ヒドロキシ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(#C222)の合成 この反応は、2つの同一なバッチで行われた。N,N−ジメチルホルムアミド(350mL)中の6−ブロモ−3−ニトロキノリン−4−オール(25.0g、92.9mmol)、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(II)三水和物(13.7g、32.4mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(5.15g、9.29mmol)、炭酸ナトリウム(11.8g、111mmol)、および酢酸パラジウム(II)(1.04g、4.63mmol)の混合物を140℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、2つのバッチを合わせ、珪藻土に通過させてろ過した。ろ過ケークをN,N−ジメチルホルムアミド(200mL)およびtert−ブチルメチルエーテル(3.0L)で、ろ液を撹拌しながらゆっくり濯いだ。撹拌中にろ液から暗い色の固体が沈殿し、得られた混合物を20℃で15分撹拌し、次いでろ過した。この第2のろ液を真空中でおよそ40mLの体積に濃縮した。残留物をtert−ブチルメチルエーテル(約200mL)で希釈し、得られた黄色の沈殿をろ過によって収集し、次いで酢酸エチル(約200mL)で粉砕した。生成物を濃い黄色の固体として得た。合わせた収量:20g、93mmol、50%。LCMS m/z 216.0[M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.00 (s, 1H), 8.51 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.83 (dd, J=8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.69 (d, J=8.5 Hz, 1H)。
【0223】
工程2:4−クロロ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(#C224)の合成
N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の#C222(5.00g、23.2mmol)の15℃の溶液に、オキシ塩化リン(9.85g、64.2mmol)を添加し、反応混合物を15℃で1.5時間撹拌した。次いでこれを氷水(100mL)中に流し込み、得られた懸濁液をろ過した。収集した固体をテトラヒドロフラン(100mL)中に溶解させ、シリカゲルのパッドに通過させてろ過した。真空中でろ液を濃縮して、生成物を白色の固体として得た。収量:3.10g、13.3mmol、収量57%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.39 (s, 1H), 8.83 (d, J=1.8 Hz, 1H), 8.35 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.10 (dd, J=8.8, 1.8 Hz, 1H)。
【0224】
工程3:tert−ブチル4−[(6−シアノ−3−ニトロキノリン−4−イル)アミノ]−3,3−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレート(#C226)の合成
tert−ブチル4−アミノ−3,3−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレート(米国特許出願公開第20150141402号A1、2015年5月21日でD.C.Behennaらによって説明される方法を使用して調製された;2.30g、10.3mmol)をアセトニトリル(20mL)中に溶解させた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.01g、15.5mmol)および#C224(3.04g、13.0mmol)をこの溶液に添加し、反応混合物を20℃で14時間撹拌した。真空中で揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の9%から17%のテトラヒドロフラン)により精製し、生成物を薄黄色の固体として得た。収量:3.20g、7.63mmol、74%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.52 (s, 1H), 9.21-9.04 (br m, 1H), 8.48 (br s, 1H), 8.20 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.00 (dd, J=8.6, 1.5 Hz, 1H), 4.88-4.74 (m, 1H), 4.23 (br dd, J=9.7, 8.8 Hz, 1H), 4.05-3.89 (br m, 1H), 3.89-3.75 (m, 1H), 3.60 (ddd, J=11.4, 8.4, 1.3 Hz, 1H), 1.51 (s, 9H)。
【0225】
工程4:4−[(4,4−ジフルオロピロリジン−3−イル)アミノ]−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(#C228)の合成
トリフルオロ酢酸(1mL)を、ジクロロメタン(2mL)中の#C226の15℃の溶液(1.10g、2.62mmol)に添加した。反応混合物を15℃で1時間撹拌した後、その時点でLCMS分析が生成物への変換を示した:LCMS m/z 320.1[M+H]+。これを真空中で濃縮し、重炭酸ナトリウム水溶液(60mL)の添加により中和した。得られた混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮し、生成物を薄黄色の固体として得た。収量:810mg、2.54mmol、97%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.19 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.68-8.57 (br m, 1H), 8.13 (br AB四重項, JAB=8.5 Hz, ΔνAB=48.4 Hz, 2H), 4.61-4.43 (m, 1H), 3.58 (dd, J=12.0, 7.5 Hz, 1H), 3.41-3.28 (m, 1H), 3.26-3.12 (m, 1H), 3.12 (dd, J=11.8, 7.3 Hz, 1H)。
【0226】
工程5:4−[(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(#C230)の合成
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.15g、10.1mmol)を、アセトニトリル(5mL)中のの0℃の混合物#C228(810mg、2.54mmol)に添加した。ホルムアルデヒドの水溶液(37%、824mg、10.2mmol)を、0℃の反応混合物に20分かけて添加し、次いで撹拌を室温で1時間続け、その時点でLCMS分析が生成物への変換を示した:LCMS m/z 334.1[M+H]+。真空中での濃縮により溶媒を除去した後、重炭酸ナトリウム水溶液の添加によって残留物をpH8までの塩基性にし、ろ過し、減圧下で濃縮して、生成物を赤色の固体として得た。収量:780mg、2.34mmol、92%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 、特徴なピーク:δ 9.59 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 9.48 (s, 1H), 8.55 (br s, 1H), 8.14 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.8, 1.3 Hz, 1H), 3.29-3.03 (m, 3H), 2.86 (ddd, J=9.9, 5.1, 2.0 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H)。
【0227】
工程6:3−アミノ−4−[(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]キノリン−6−カルボニトリル(#P513)の合成
炭素担持パラジウム(10%;1g)を、メタノール(30mL)中の#C230(3.00g、9.00mmol)の溶液に添加し、反応混合物を水素のバルーン下で25℃で2時間水素化した。次いでこれを珪藻土に通過させてろ過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の17%から33%のテトラヒドロフラン)により精製して、生成物を薄黄色の固体として得た。収量:1.30g、4.29mmol、収量48%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.59 (s, 1H), 8.24 (d, J=1.8 Hz, 1H), 8.03 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.60 (dd, J=8.8, 1.8 Hz, 1H), 4.32-4.19 (m, 1H), 4.09-3.96 (m, 3H), 3.18-2.97 (m, 3H), 2.64 (ddd, J=9.7, 6.6, 1.8 Hz, 1H), 2.41 (s, 3H)。
【0228】
調製例P11
3−アミノ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリルの合成
【0229】
【化33】
【0230】
工程1:5−シアノ−2−{[(E)−2−ニトロエテニル]アミノ}安息香酸(C59)の合成
この実験は、2つの同一なバッチで行われた。{注意:この反応は、反応物および中間体が高エネルギーであるため、1グラムより大きいスケールで行うべきではない。適した安全対策およびブラストシールドの使用が必須である}。ニトロメタン(4.71g、77.2mmol)を、水(25mL)中の水酸化ナトリウム(3.95g、98.8mmol)の溶液に滴加し、得られた溶液を5分かけて45℃に加熱し、その後すぐにそれを水浴中で冷却し、溶液のpHが酸性になるまで濃塩酸(12M、10mL)で処理した。次いでこれを、水(50mL)中の2−アミノ−5−シアノ安息香酸(5.0g、31mmol)、アセトン(10mL)および濃塩酸(12M、50mL)の懸濁液に25℃で添加し、反応混合物を25℃で15時間撹拌した。この時点で2つのバッチを合わせ、得られた懸濁液をろ過した。収集した固体を水で洗浄して、生成物を黄色の固体として得た。H NMRの分析から、生成物は回転異性体の混合物として存在すると推測された。収量:13.8g、59.2mmol、95%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [13.15 (s)および13.12 (s), total総1H], 8.37 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.07-8.15 (m, 2H), 7.92 (d, AB四重項の半分, J=9.0 Hz, 1H), 6.86 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0231】
工程2:4−ヒドロキシ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C60)の合成
炭酸カリウム(39.1g、283mmol)を、無水酢酸(200mL)中のC59(22.0g、94.4mmol)の懸濁液に添加した。反応混合物を2時間かけて90℃に加熱した後、それをろ過し、収集された材料を、tert−ブチルメチルエーテル(100mL)と水(400mL)で洗浄し、生成物を茶色の固体として得た。収量:17.0g、79.0mmol、84%。LCMS m/z 215.9[M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.14 (s, 1H), 8.55 (dd, J=2.0, 0.5 Hz, 1H), 7.98 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.77 (dd, J=8.5, 0.5 Hz, 1H)。
【0232】
工程3:4−クロロ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(C61)の合成
C60の生成物への変換は、実施例1におけるC7からのC8の合成に関して記載された方法を使用して行われた。生成物を茶色の固体として単離した。収量:9.1g、39mmol、86%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.26 (s, 1H), 8.59 (d, J=1.8 Hz, 1H), 8.16 (dd, J=8.7, 1.9 Hz, 1H), 7.93 (d, J=8.8 Hz, 1H)。
【0233】
工程4:4−クロロ−6−メトキシ−3−ニトロキノリン (C8)の合成
オキシ塩化リン(11.7g、76.3mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中のC7(5.8g、26mmol)の溶液に滴加し、反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後すぐにそれを氷水(100mL)中に流し込んだ。得られた混合物をろ過し、ろ過ケークを水(300mL)で洗浄して、生成物を茶色の固体として得た。収量:4.5g、19mmol、73%。
【0234】
調製例P12
3−アミノ−4−((3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−6−カルボニトリルの合成
【0235】
【化34】
【0236】
工程1:tert−ブチル(trans−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバメート(#C602)の合成
酢酸エチル(345mL)中のtrans−4−アジドテトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(M. Chiniら、Tetrahedron 1994、50、1261〜1274を参照)(14.8g、103mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(23.0g、105mmol)を、炭素担持パラジウム(10%、1.5g)に添加した反応混合物を、50psiの水素下で、20℃〜25℃で22時間撹拌した。次いでこれを珪藻土に通過させてろ過し、フィルターパッドを酢酸エチルとメタノールで濯いだ。合わせたろ液を真空中で濃縮し、残留物をジクロロメタン(10mL)および[9:1の石油エーテル/テトラヒドロフラン](60mL)の混合物で一度粉砕し、生成物を白色の固体として得た。収量:15.8g。72.7mmol、71%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.71-4.62 (br s, 1H), 4.01 (dd, J=11, 4 Hz, 1H), 3.98-3.87 (m, 2H), 3.57-3.42 (m, 2H), 3.40 (ddd, J=12, 12, 2 Hz, 1H), 3.13 (dd, J=11.0, 9.5 Hz, 1H), 1.96-1.88 (m, 1H), 1.59-1.47 (m, 1H, 推定;水のピークによって部分的に不明瞭), 1.47 (s, 9H)。
【0237】
工程2:tert−ブチル(3−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバメート(#C604)の合成
ジクロロメタン(540mL)中の#C602(35.1g、162mmol)の溶液を、[1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソール−3−(1H)−オン](デス−マーチンペルヨージナン;81.6g、192mmol)で処理し、25℃で18時間撹拌した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(250mL)で処理し、30分撹拌した後、層を分離し、水層をジクロロメタン(200mL)で2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の10%から30%の酢酸エチル)により、生成物を黄色の油状物として得た(27.95g)。これは、酸化試薬から生じた多少の芳香族系物質を含有していた。この材料を直接、それに続く工程に用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 生成物のピークのみ: δ 5.49-5.38 (br s, 1H), 4.55-4.42 (m, 1H), 4.08 (AB四重項, JAB=14.8 Hz, ΔνAB=40.3 Hz, 2H), 4.07-3.99 (m, 1H), 3.89 (ddd, J=12.0, 11.5, 3.0 Hz, 1H), 2.75-2.63 (m, 1H), 1.96-1.81 (m, 1H), 1.44 (s, 9H)。
【0238】
工程3:tert−ブチル(3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバメート(#C606)の合成
ジクロロメタン(124mL)中の#C604(前の工程より;27.95g)の溶液を、ジクロロメタン(384mL)中のジフルオロ−4−モルホリニルスルホニウムテトラフルオロボレート(XtalFluor−M(登録商標);39.5g、163mmol)およびトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(28.6g、177mmol)の0℃の懸濁液にゆっくり添加し、反応混合物をそのままゆっくり25℃に温めた。3日後、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(500mL)で処理し、ジクロロメタン(500mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離剤:石油エーテル中の10%の酢酸エチル)により、生成物を黄色の固体として得た。収量:2工程にわたり8.93g、37.6mmol、23%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.91-4.75 (br m, 1H), 4.18-3.94 (m, 3H), 3.55-3.43 (m, 1H), 3.46 (dd, J=30.4, 12.8 Hz, 1H), 2.07-1.97 (m, 1H), 1.86-1.71 (m, 1H), 1.47 (s, 9H)。
【0239】
工程4:3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン、塩酸塩(#C610)の合成
メタノール中の塩化水素(4M、16.8mL、67.2mmol)の溶液を、メタノール(35mL)中の#C606の10℃の溶液(3.18g、13.4mmol)に添加した。反応混合物を10℃で1時間撹拌した後、それを真空中で濃縮して、生成物を白色の固体として得た。収量:2.32g、13.4mmol、定量可能な量。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.03-8.89 (br s, 3H), 4.06-3.57 (m, 4H, 推定;水のピークによって部分的に不明瞭), 3.57-3.47 (m, 1H), 2.20-2.08 (m, 1H), 1.88-1.72 (m, 1H)。
【0240】
工程5:4−((3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリルの合成
【0241】
【化35】
【0242】
MeCN(15mL)中の4−クロロ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(1.77g、6.55mmol)、3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(1.16g、6.68mmol)の溶液に、DIEA(4.58mL、26.2mmol)を10℃で添加した。混合物を10℃で16時間撹拌した。LCMS分析から、反応が完了したことが示された。次いで混合物を真空中で濃縮し、コンビフラッシュ(PE:EtOAc、0%から50%)によって精製して、(1g、45.7%)を黄色の固体として得た。LCMS:RT=0.761、MS=335.2M+H。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.51 (s, 1H), 8.83 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 8.44-8.40 (m, 1H), 8.19 (dd, J = 8.7, 0.6 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 8.7, 1.7 Hz, 1H), 4.32 (ddd, J = 22.7, 11.1, 5.3 Hz, 1H), 4.20-4.02 (m, 2H), 3.61 (t, J = 11.4 Hz, 1H), 3.49 (dd, J = 29.5, 12.8 Hz, 1H), 2.39 (m, 1H), 2.32-2.17 (m, 1H)。 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -113.47 (d, J = 251.4 Hz), -121.66 (d, J = 249.1 Hz)。
【0243】
工程6:3−アミノ−4−((3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−6−カルボニトリルの合成
【0244】
【化36】
【0245】
THF(30mL)中の4−((3,3−ジフルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(1000mg、2.992mmol)およびPt/C(100mg、0.940mmol)の溶液を、20℃で、窒素で脱気した。混合物を水素雰囲気下(50PSI)で20℃で2時間撹拌した。LCMS分析から、反応が完了したことが示された。混合物をろ過し、ろ過ケークをTHF(10mL×3)で洗浄し、有機相を真空下で濃縮し、類似のバッチと合わせ、コンビフラッシュ(DCM:MeOH、0%から5%)によって精製して、生成物(830mg、85.7%)を黄色の固体として得た。LCMS RT0.61分;MS305.1M+H。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.60 (s, 1H), 8.21 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.7, 1.7 Hz, 1H), 4.16-3.93 (m, 4H), 3.89-3.69 (m, 2H), 3.58-3.31 (m, 2H), 2.18-1.92 (m, 2H)。 19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ -114.64 (d, J = 245.9 Hz), -122.33 (d, J = 246.0 Hz)。
【0246】
調製例P13
6−フルオロ−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミンの合成
工程1:(E)−5−フルオロ−2−((2−ニトロビニル)アミノ)安息香酸の合成
【0247】
【化37】
【0248】
以下の反応はブラストシールドの後ろで行うこととする。HO(50mL)中のNaOH(7.74g、193mmol)の溶液に、CHNO(9840mg、161mmol)を0℃で慎重に添加し、溶液を15℃で10分撹拌した。混合物を15℃に維持しながら濃塩酸(20mL、12.0M)を添加することによって、反応混合物をpH2〜3に調整した。前の溶液を、HO(50mL)、アセトン(10mL)および濃塩酸(20.3mL)中の2−アミノ−5−フルオロ安息香酸(5.0g、32.23mmol)の溶液に添加し、15℃に維持した。得られた混合物を15℃で1時間撹拌した。その後すぐに、反応混合物から黄色の固体が沈殿した。混合物をろ過し、生成物(E)−5−フルオロ−2−((2−ニトロビニル)アミノ)安息香酸を収集した。それは7.9gであり、単離した収量は93%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.92 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 13.6, 6.3 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 9.3, 4.5 Hz, 1H), 7.72-7.67 (m, 1H), 7.60-7.52 (m, 1H), 6.73 (d, J = 6.2 Hz, 1H)。
【0249】
工程2:6−フルオロ−3−ニトロキノリン−4−オールの合成
【0250】
【化38】
【0251】
以下の反応はブラストシールドの後ろで行うこととする。AcO(50mL)中の(E)−5−フルオロ−2−((2−ニトロビニル)アミノ)安息香酸(7.60g、33.6mmol)の溶液に、15℃を保ちながらKCO(13.9g、101mmol)を添加した。次いで溶液を1.5時間撹拌し、90℃に加熱した。15℃に冷却した後、反応混合物を氷水(100mL)中に流し込み、混合物をろ過した。得られた薄い灰色の固体、6−フルオロ−3−ニトロキノリン−4−オールを収集した(6.50g)。この材料をそれに続く工程に直接使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.17 (s, 1H), 7.86 (dd, J = 9.2, 3.0 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 9.0, 4.7 Hz, 1H), 7.66 (td, J = 8.6, 3.0 Hz, 1H), 1.90 (s, 1H)。 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -114.74。
【0252】
工程3:4−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロキノリンの合成
【0253】
【化39】
【0254】
オキシ塩化リン(1470mg、9.61mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の6−フルオロ−3−ニトロキノリン−4−オール(2g、9.6mmol)の溶液に滴加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を氷水(100mL)中に流し込んだ。この混合物をろ過し、ろ過ケークを水(100mL)で洗浄して、生成物4−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロキノリンを茶色の固体として得た。収量:(1.91g、87.7%)。純度および構造を以下の通り確認した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.22 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 9.3, 5.2 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 9.1, 2.8 Hz, 1H), 7.72 (ddd, J = 9.3, 7.8, 2.8 Hz, 1H)。 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -106.71; LCMS, M+H 226.6。
【0255】
工程4:(R)−6−フルオロ−N−(1−メチルピロリジン−3−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
【0256】
【化40】
【0257】
MeCN(50mL)中の4−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロキノリン(5.56g、24.5mmol)、(R)−1−メチルピロリジン−3−アミン(5.10g、29.4mmol)の溶液に、20℃でDIEA(12.7g、98.1mmol)を添加し、得られた溶液を20℃で0.5時間撹拌した。LCMS分析から、反応が完了したことが示された。混合物を1つの類似の実験の混合物と合わせた。HO(200mL)を添加した後、混合物を真空中で濃縮した。これをEtOAc(100mL×4)で抽出した。有機相を真空中で濃縮して、次いでEtOAc(70mL)を含有する残留物をMTBE(200mL)で結晶化して、生成物(10.3g、72.5%)を黄色の固体として得た。LCMS:RT0.29分;MS290.7);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.77 (s, 1H), 9.31 (s, 1H), 8.00 (dd, J = 9.2, 5.7 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 10.5, 2.7 Hz, 1H), 7.53 (ddd, J = 9.2, 7.4, 2.7 Hz, 1H), 4.72 (tp, J = 8.1, 3.7 Hz, 1H), 3.08-2.95 (m, 1H), 2.84 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 2.68-2.55 (m, 1H), 2.52-2.40 (m, 4H), 2.18-2.01 (m, 1H)。19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ -112.87。
【0258】
工程5:(R)−6−フルオロ−N−(1−メチルピロリジン−3−イル)キノリン−3,4−ジアミンの合成
EtOH/HO(80mL/20mL)中の(R)−6−フルオロ−N−(1−メチルピロリジン−3−イル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(9.2g、31.7mmol)、Fe(7.08g、127mmol)、NHCl(3.39g、63.4mmol)の溶液に、20℃で。混合物を80℃で1時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。(LCMS:RT2.40分;MS261.2)。混合物をろ過し、ろ過ケークをMeOH(100mL×5)で洗浄し、有機相を真空中で濃縮し、コンビフラッシュ(THF:MeOH、0%から30%、0.5%TEA)によって精製して、(3.08g、33.3%)を茶色の油状物として、(1.83g、19.8%)を茶色の油状物として得た。LCMS:RT2.36分、MS261.2。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.39 (s, 1H), 7.79 (dd, J = 9.1, 5.9 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 11.5, 2.8 Hz, 1H), 7.21 (ddd, J = 9.2, 8.3, 2.8 Hz, 1H), 5.29 (s, 2H), 4.78 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.13-4.00 (m, 1H), 2.85 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 2.72-2.62 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.36 (m, 4H), 2.08 (dtd, J = 13.8, 8.3, 5.7 Hz, 1H), 1.81-1.68 (m, 1H)。19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -115.16。LCMS(RT2.37分、MS261.2)機器およびカラム:LCMS−T(4−302);ウォーターズ(Waters)のXブリッジ(XBridge)C18 30×2.0mm、3.5um;移動相:A)水中の0.05%NHOH;B)ACN。勾配:5.8分以内に0%Bから95%Bへの増加;95%のBで1.1分保持。流速1.0mL/分。
【0259】
調製例P14
3−アミノ−4−((2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−6−カルボニトリルの合成
【0260】
【化41】
【0261】
工程1:4−((2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリルの合成
4−クロロ−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(4.74g、17.55mmol)をMeCN(50mL)中に懸濁し、次いで2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(2.49g、19.3mmol)を添加し、DIEA(4.54g、35.1mmol)を添加した後、混合物を20℃で2時間撹拌したところ、茶色から黄褐色に変わった。LCMSから、望ましい生成物への変換の完了が示された。混合物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1/1)によって精製して、望ましい生成物(4.88g、85%の収量)を黄色の固体として得た。生成物の純度および構造をLCMSおよびHNMRによって確認した。LCMS:RT0.73分、MS327.0。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.09 (s, 1H), 9.02 (s, 1H), 8.42 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.15 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.98 (m, 1H), 3.76-3.66 (m, 1H), 3.60 (td, J = 12.2, 2.3 Hz, 1H), 2.01 (ddd, J = 12.6, 4.6, 2.6 Hz, 1H), 1.93-1.82 (m, 1H), 1.67 (m, 1H), 1.56 (t, J = 12.3 Hz, 1H), 1.19 (d, J = 7.7 Hz, 6H)。
【0262】
工程2:3−アミノ−4−((2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−6−カルボニトリルの合成
4−((2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−ニトロキノリン−6−カルボニトリル(4.88g、14.95mmol)を、鉄(8.35g、150mmol)および塩化アンモニウム(8g、150mmol)と共にフラスコに添加した。エタノール(50mL)および水(10mL)を添加し、反応物を80℃に加熱した。6時間後のLCMSから、部分的な変換が示された。反応物を室温で一晩撹拌した。この時点で鉄(4.2g)および塩化アンモニウム(4g)を添加し、80℃でさらに2時間撹拌した。2時間後のLCMSから、出発原料がなお残っていることが示された。追加の鉄(4.2g)および塩化アンモニウム(4g)を添加し、80℃でさらに2時間撹拌した。6時間後のLCMSから、変換の完了が示された。反応混合物を第2のバッチと合わせ、次いでろ過した。黄色の溶液を乾燥するまで濃縮して、茶色の固体を得た。これをNaHCO飽和水溶液(100mL)とDCM(100mL)との間で分離した。有機層をNaSOで乾燥させた、ろ過し、濃縮して、未精製の生成物を得た。未精製の生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(純粋なEtOAc)によって精製して、望ましい生成物(2つのバッチで2.35g、合計41%の収量)を黄色の固体として得た。生成物の純度および構造をLCMSおよびHNMRによって確認した。LCMS:(RT0.61分、MS297.1)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (dd, J = 1.8, 0.6 Hz, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 5.31 (s, 2H), 4.88 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.72 - 3.57 (m, 2H), 3.49 (td, J = 12.3, 2.2 Hz, 1H), 1.69 (ddt, J = 8.6, 6.6, 3.1 Hz, 1H), 1.49 (qd, J = 12.4, 5.2 Hz, 1H), 1.39 (dd, J = 13.2, 11.3 Hz, 1H), 1.10 (d, J = 16.2 Hz, 6H)。
【0263】
実施例
実施例1
8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0264】
【化42】
【0265】
6−クロロ−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]キノリン−3,4−ジアミン(50mg、0.171mmol)の溶液に、ピリジン(0.3mL)中のcis−4−フルオロシクロヘキサン−1−カルボン酸(27.6mg、0.189mmol)およびEDCI(65.7mg、0.343mmol)を20℃で添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物をHO(2mL)で処理し、EtOAc(3×3mL)で抽出し、次いでを真空中で濃縮して、アミド中間体(72mg、100%、粗生成物)を黄色の油状物として得た。未精製の生成物をそれ以上精製しないでそれに続く工程に使用した。LCMS:RT0.66分、MS420.2M+H。
【0266】
n−酢酸プロピル(0.5mL)中の前の工程からのアミド(72mg、0.171mmol)の溶液に、T3P(218mg、0.343mmol)を110℃で添加した。混合物を110℃で16時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。(MS=402.2M+H)。混合物を精製し、生成物(34.1mg、49.5%)を、HPLC精製(カラム:アゲラ(Agela)のデュラシェル(Durashell)、5μm;移動相A:水中の0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:46%から56%のB)により得た。
【0267】
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.36 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.74-2.07 (m, 5H), 2.21 (t, J = 12.1 Hz, 2H), 2.43 (b, 1H), 2.76 (b, 1H), 3.32 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 3.84 (td, J = 12.1, 2.7 Hz, 2H), 4.32 (dd, J = 12.1, 5.4 Hz, 1H), 4.62 (m, 1H), 4.93-5.08 (m, 2H), 5.27 (b, 1H), 7.72 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.86 (b, 1H), 9.14 (s, 1H)。LCMS:RT3.01分、MS402.3M+H;カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:C)水中の10mMのNHHCO;D)ACN。勾配:0.6分以内の1%Dから5%Dへの増加;3.4分以内の5%DBから100%Dへの増加。流速0.8mL/分のMSイオン化:ESI。
【0268】
実施例2
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0269】
【化43】
【0270】
n−酢酸プロピル(0.3mL)中の6−クロロ−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]キノリン−3,4−ジアミン(50mg、0.171mmol)およびcis−3−フルオロシクロブタン−1−カルボン酸(22.3mg、0.189mmol)の溶液に、DIEA(44.3mg、0.343mmol)およびT3P(164mg、0.257mmol)を60℃で添加した。混合物を60℃で1時間撹拌し、90℃で16時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:アゲラのデュラシェル、5μm;移動相A:水中の0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:42%から62%のB)によって精製して、生成物を得た(14.66mg、22.9%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.34 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.79 - 2.13 (m, 2H), 2.31 (b, 1H), 2.47 - 2.87 (m, 3H), 2.88 - 3.09 (m, 2H), 3.58 (tt, J = 9.8, 7.5 Hz, 1H), 3.69 - 3.91 (m, 2H), 4.28 (dd, J = 11.9, 5.2 Hz, 1H), 5.11 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 5.25 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.64 (b, 1H), 9.11 (s, 1H)。 LCMS: 374.3 M+H。
【0271】
実施例3
8−クロロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0272】
【化44】
【0273】
ピリジン(0.3mL)中の6−クロロ−N−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]キノリン−3,4−ジアミン(50mg、0.17mmol)および(1r,3r)−3−フルオロ−3−メチルシクロブタン−1−カルボン酸(24.9mg、0.189mmol)の混合物に、EDCI(65.7mg、0.343mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS(RT0.56分、MS406.0M+H)から反応が完了したことが示された。混合物を水(1mL)で処理し、EtOAc(2mL×3)で抽出し、溶媒を真空中で除去し、未精製の生成物を得た(赤色の油状物、約70mg)。未精製の生成物を、それ以上精製せずに直接それに続く工程に使用した。
【0274】
酢酸プロピル(0.5mL)中のアミド中間体(70mg、0.17mmol)の混合物に、T3P(219mg、0.375mmol)を添加した。混合物を110℃で加熱し、16時間撹拌した。LCMS(MS388.0M+H)から反応が完了したことが示された。混合物を真空中で濃縮して、残留物を得た(粗生成物、約85mg)。未精製の残留物を分取用HPLCで精製して、異性化に起因する2種の生成物の混合物を得た。この混合物を、シリカゲルでの薄層クロマトグラフィー(溶離剤:1:1のTHF/石油エーテル)により分離して、最初に溶出するジアステレオマー(14.12mg、21%の収量)を白色の固体として得た。2番目に溶出するジアステレオマーを、コンビフラッシュ(DCM:MeOH、10:1)によってさらに精製して、実施例3と名付けられた生成物(15.18mg、23%の収量)を白色の固体として得た。
【0275】
実施例3:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.35 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.68 (d, J = 21.9 Hz, 3H), 2.03 (d, J = 45.4 Hz, 2H), 2.37 (b, 1H), 2.58-2.77 (m, 3H), 2.90 (dd, J = 20.9, 10.0 Hz, 2H), 3.54-3.67 (m, 1H), 3.71-3.92 (m, 2H), 4.30 (dd, J = 11.9, 5.3 Hz, 1H), 5.07 (b, 1H), 7.73 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.75 (b, 1H), 9.16 (s, 1H)。実施例3の立体化学を、2−D NOE分光法によって確認した。LCMS RT2.70分、MS388.0M+H、移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加。流速0.8mL/分;HPLC RT3.61分、移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速1.2mL/分。
【0276】
以下の実施例を、上記の実施例1〜3と同様にして作製した。
実施例4
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0277】
【化45】
【0278】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 2.02 (m, 2H), 2.40 - 2.61 (m, 3H), 2.82 (b, 1H), 3.65 - 3.94 (m, 3H), 4.07 (dt, J = 8.4, 7.1 Hz, 1H), 4.17 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 4.24 - 4.46 (m, 2H), 4.97 (b, 1H), 7.63 (dd, J = 8.9, 2.2 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.65 (b, 1H), 9.28 (s, 1H)。LCMS:MS:372.1(M+H);RT2.33分;カラム:ウォーターズのXブリッジC18、50×2.0mm、5um;移動相A:水中の0.1%FA;移動相B:ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加。流速0.8mL/分。
【0279】
実施例5
8−クロロ−2−(3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0280】
【化46】
【0281】
MS388.054M+H;RT2.95分;方法:カラム:ウォーターズのアトランティス(Atlantis)dC18、4.6×50mm、5μm;移動相A:水中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:1分にわたり5.0%のB、次いで3.0分にわたり直線的に5.0%から95%のB、次いで1分にわたり95%のB。流速:2mL/分。
【0282】
実施例6
8−クロロ−2−(cis−3−メトキシシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0283】
【化47】
【0284】
MS386.358M+H;RT2.75分;方法:カラム:ウォーターズのアトランティスdC18、4.6×50mm、5μm;移動相A:水中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:1分にわたり5.0%のB、次いで3.0分にわたり直線的に5.0%から95%のB、次いで1分にわたり95%のB。流速:2mL/分。
【0285】
実施例7
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0286】
【化48】
【0287】
MS386;RT2.45分;カラム:XブリッジC18 2.1×50mm;5μm;温度:40℃;移動相A:水中の0.0375%TFA;移動相B:アセトニトリル中の0.01875%TFA。勾配:最初に1%B、時間0.00分;1%B、時間0.60分;5%B、時間4.00分;100%B、時間4.30分;1%B、時間4.70分、1%B;流速0.8mL/分。
【0288】
実施例8
8−クロロ−2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0289】
【化49】
【0290】
MS420M+H(RT2.63分;カラム:XブリッジC18 2.1mm×50mm、5μm;温度40℃;移動相A:水中の0.0375%TFA;移動相B:アセトニトリル中の0.01875%TFA;勾配:最初に10%B;時間0.00分で10%B;時間0.50分で10%B;時間4.00分で100%B;時間4.30分で0%B;時間4.70分で10%B;流速0.8mL/分。
【0291】
実施例9
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(テトラヒドロフラン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST1
【0292】
【化50】
【0293】
実施例9を含有するジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルセル(Chiralcel)OD−H、5μm;移動相:93:7の二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]によって、その成分であるジアステレオマーに分離した。最初に溶出するジアステレオマーを実施例9と名付けた。MS372.5M+H(RT3.32分;カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−1(Lux Cellulose-1)、4.6×100mm、5μm;移動相:90:10の二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムを含有するメタノール);逆圧:120bar;流速:3.0mL/分)。
【0294】
実施例10
8−クロロ−2−(5−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン、DIAST2
【0295】
【化51】
【0296】
実施例10を、5−メチルテトラヒドロフラン−3−カルボン酸から合成した。得られたジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−1、5μm;移動相:75:25の二酸化炭素:(0.2%1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール)]によって、その成分であるジアステレオマーに分離した。2番目に溶出するジアステレオマーを実施例10と名付けた。MS388.4M+H。
【0297】
実施例11
8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロペンチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0298】
【化52】
【0299】
MS406;RT2.61分;カラム:XブリッジC18、2.1×50mm;5μm;移動相A:水中の0.0375%TFA;移動相B:アセトニトリル中の0.01875%TFA;勾配:0.50分にわたり10%のB;3.5分にわたり10%から100%のB;流速:0.8mL/分。
【0300】
実施例12
8−クロロ−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−(オキセタン−3−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0301】
【化53】
【0302】
MS358.0;RT2.58分;カラム:ウォーターズのXブリッジC18、50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB;3.4分にわたり5%から100%のB;流速0.8mL/分。
【0303】
実施例13
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT1
【0304】
【化54】
【0305】
ピリジン(3mL)中の3−アミノ−4−(((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−6−カルボニトリル(500mg、1.77mmol)および3−フルオロシクロペンタンカルボン酸(281mg、2.13mmol)の混合物に、EDCI(679mg、3.54mmol)を添加した。混合物を25℃で維持し、2時間撹拌した。LCMSから、この反応により2種の生成物が生じたことが示された。混合物を水(5mL)で処理し、EtOAc(10mL×3)で抽出し、溶媒を真空中で除去し、未精製の残留物を得て、これを、PE:THF(100%から10%のPE)で溶出させるコンビフラッシュによって精製して、2種の異性体を得た。より低い極性のスポット(220mg、31.3%の収量)は黄色の固体であった。より高い極性のスポット(250mg、35.6%の収量)も黄色の固体であった。構造をスペクトル分析によって確認した。より低い極性の材料。LCMS:RT0.62分、MS397.2M+H、純度91.52%。HPLC:RT2.91分、純度92.95%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.23 (dd, J=6.11, 2.20 Hz, 4 H) 1.78-2.06 (m, 4 H) 2.21-2.55 (m, 6 H) 3.08-3.20 (m, 1 H) 3.36-3.50 (m, 2 H) 3.65 (br d, J=9.78 Hz, 1 H) 3.73-3.80 (m, 1 H) 3.79 (br s, 1 H) 3.99-4.18 (m, 2 H) 5.28-5.48 (m, 1 H) 7.02 (s, 1 H) 7.55 (br d, J=4.89 Hz, 1 H) 7.80 (dd, J=8.80, 1.47 Hz, 1 H) 8.12 (d, J=8.80 Hz, 1 H) 8.36 (d, J=1.47 Hz, 1 H) 8.96 (s, 1 H)。 19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ ppm -167.85 (br d, J=11.44 Hz, 1 F)。
【0306】
より高い極性の材料。LCMS:RT0.62分、MS397.2M+H、純度95.14%。HPLC:RT2.85分、純度91.5%。1H NMR 400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.24 (dd, J=6.11, 1.71 Hz, 4 H) 1.90-2.44 (m, 10 H) 3.12 - 3.23 (m, 1 H) 3.38-3.49 (m, 2 H) 3.57-3.68 (m, 1 H) 4.01- 4.09 (m, 1 H) 4.15 (br d, J=9.78 Hz, 1 H) 5.18-5.49 (m, 1 H) 7.41 (s, 1 H) 7.81 (dd, J=8.80, 1.47 Hz, 1 H) 8.12 (d, J=8.80 Hz, 1 H) 8.35 (d, J=1.47 Hz, 1 H) 8.98 (s, 1 H)。 19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ ppm -172.42から-169.11 (m, 1 F)。
【0307】
酢酸プロピル(2mL)中のより高い極性の異性体(250mg、0.631mmol)の混合物にT3P(803)を添加し、混合物を100℃で加熱し、16時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。両方の異性体を同じ反応で生成した。第2の実験で、酢酸プロピル中のより低い極性の異性体(220mg、0.555mmol)にT3Pを添加し、混合物を100℃で加熱し、16時間撹拌した。1回のワークアップおよび精製のために2つの反応混合物を合わせた。混合物をNaHCO(5mL)で処理し、EtOAc(10mL×3)で抽出し、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得て、これをPE:THF(100%から10%のPE)で溶出させるコンビフラッシュによって精製して、2種の異性体を得た。より低い極性のスポット(150mg、31.5%の収量)は、黄色の固体であった。より高い極性のスポット(1000mg、21%の収量)は黄色の固体であり、これは、ヘテロ核オーバーハウザー効果分光法によって確立されたように、シクロペンタン環でシス立体配置所有していた。より低い極性の材料:LCMS RT0.72分;MS379.2M+H;純度98.11%。HPLC RT3.69分、純度86.58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.40 (d, J=6.02 Hz, 3 H) 1.90-2.85 (m, 11 H) 3.70-3.91 (m, 3 H) 4.38 (br d, J=8.03 Hz, 1 H) 5.33-5.52 (m, 1 H) 7.85 (dd, J=8.53, 1.51 Hz, 1 H) 8.37 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 8.97 (br s, 1 H) 9.38 (s, 1 H)。19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ ppm -172.02から-169.02 (m, 1 F)。より高い極性の材料:LCMS:RT0.70分、MS379.2M+H、純度99.6%。HPLC:RT3.53分、純度79.1%。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.40 (dd, J=6.02, 1.51 Hz, 4 H) 1.87-2.81 (m, 15 H) 3.47-3.88 (m, 5 H) 4.36 (br s, 1 H) 5.22-5.45 (m, 1 H) 6.98 (s, 2 H) 7.81-7.88 (m, 1 H) 8.37 (d, J=9.04 Hz, 1 H) 9.01 (br s, 1 H) 9.43 (s, 1 H)。 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ ppm -168.17 (br s, 1 F)。
【0308】
前の実験からのより高い極性の材料を、キラルSFC.カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、10μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)によって精製した。実施例13が最初に溶出する異性体(ピーク1)であった(23.3mg、23.3%の収量、白色の固体)。
【0309】
1H NMR 400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.39 (d, J=6.02 Hz, 3 H) 1.75 (br s, 2 H) 1.77-2.14 (m, 3 H) 2.27 (td, J=12.92, 6.78 Hz, 1 H) 2.21-2.83 (m, 1 H) 2.34-2.42 (m, 1 H) 2.45-2.83 (m, 4 H) 3.57 (quin, J=8.66 Hz, 1 H) 3.75 (br d, J=9.03 Hz, 2 H) 4.35 (br s, 1 H) 5.01 (br s, 1 H) 5.23-5.45 (m, 1 H) 7.84 (dd, J=8.53, 1.51 Hz, 1 H) 8.36 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 9.01 (br s, 1 H) 9.42 (s, 1 H)。 19F NMR 376 MHz, CDCl3) δ ppm -168.14 (br s, 1 F)。LCMS RT2.95分;MS379.2M+H;カラム:ウォーターズのXブリッジC18、30×2.0mm、3.5um;移動相:A)水中の0.05%NHOH;B)ACN。勾配:5.8分以内に0%Bから95%Bへの増加;95%のBで1.1分保持;流速1.0mL/分。HPLC RT3.55分;カラム:HPLC−BCアルティメット(Ultimate)XB−C18、3um、3.0×50mm;移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速1.2mL/分。
【0310】
実施例14
2−[(cis)−3−フルオロシクロペンチル]−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、ENT2
【0311】
【化55】
【0312】
ピーク2(16.3mg、16.3%の収量、白色の固体)1H NMR 400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.39 (d, J=6.53 Hz, 3 H) 1.79 - 2.90 (m, 11 H) 3.56 (quin, J=8.66 Hz, 1 H) 3.76 (br s, 2 H) 4.38 (br s, 1 H) 5.02 (br s, 1 H) 5.23 - 5.47 (m, 1 H) 7.83 (dd, J=8.78, 1.25 Hz, 1 H) 8.36 (d, J=9.03 Hz, 1 H) 8.83 - 9.18 (m, 1 H) 9.42 (s, 1 H); 19F NMR 376 MHz, CDCl3) δ ppm -168.13 (br s, 1 F); LCMS RT2.95分;MS379.2 M+H;方法:機器およびカラム:LCMS−T(4−302);ウォーターズのXブリッジC18 30×2.0mm、3.5um;移動相:A)水中の0.05%NHOH;B)ACN。勾配:5.8分以内に0%Bから95%Bへの増加;95%のBで1.1分保持;流速1.0mL/分;MSイオン化:ESI。
【0313】
HPLC RT3.55分、条件:機器およびカラム:HPLC−BCアルティメット XB−C18、3um、3.0×50mm、移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速:1.2mL/分);
ee値:RT3.90分、ee値:99.1%。機器:SFC−D(12−102)方法:カラム:キラルパックIC−3 150×4.6mm内径、3um;移動相:CO中の40%エタノール(0.05%DEA);流速:2.5mL/分;カラム温度:40℃。
【0314】
実施例15
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0315】
【化56】
【0316】
3−アミノ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリル(50mg、0.177mmol)(1(S),4(S))−4−フルオロシクロヘキサン−1−カルボン酸(28.5mg、0.195mmol)およびEDCI(67.9mg、0.354mmol)の溶液を、20℃で、ピリジン(0.3mL)中で撹拌した。混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物をHO(2mL)で処理し、EtOAc(3×3mL)で抽出し、次いで真空下で濃縮して、アミド中間体(70.7mg、100%、粗生成物)を黄色の油状物として得た。未精製の生成物をそれ以上精製しないでそれに続く工程に使用した。LCMS RT0.64分、MS411.2M+H。
【0317】
n−酢酸プロピル(0.5mL)中の前の生成物(72.7mg、0.177mmol)の溶液に、T3P(225mg、0.354mmol)を添加した。混合物を110℃で16時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。LCMS RT0.72分、MS393.2M+H。混合物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、9.6mg、14%収量を得た。カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:C)水中の10mMのNHHCO;D)ACN。勾配:0.6分以内の1%Dから5%Dへの増加;3.4分以内の5%Dから100%Dへの増加;流速0.8mL/分;MSイオン化:ESI。
【0318】
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.38 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.75 - 1.89 (m, 1H), 1.93 (d, J = 12.7 Hz, 3H), 2.05 (m, 1H), 2.40 (b, 1H), 2.23 (t, J = 12.8 Hz, 5H), 2.72 (b, 1H), 3.41 (q, J = 11.6 Hz, 1H), 3.89 (q, J = 12.7, 11.1 Hz, 2H), 4.34 (m, 1H), 4.62 (s, 1H), 4.99 (d, J = 31.3 Hz, 1H), 5.36 (b, 1H), 7.98 (dd, J = 8.7, 1.6 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 9.09 - 9.44 (m, 1H)。LCMS RT2.79分、MS393.3M+H;カラム:ウォーターズのXブリッジC18、50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB、次いで3.4分にわたり5%から100%のB;流速0.8mL/分。
【0319】
実施例16
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0320】
【化57】
【0321】
3−アミノ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−6−カルボニトリル(50mg、0.18mmol)および(S)−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(30.8mg、0.266mmol)を、DMF(2mL)、続いてDMF中のT3P(0.277mL、0.44mmol、1.6M)、最後にDIEA(68mg、0.531mmol)に添加した。次いで混合物を15時間かけて110℃に加熱した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物を水(10mL)中に流し込み、EtOAc(10mL×3)で抽出し、有機層を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、未精製の生成物を得て、次いで分取用HPLCで精製した(ウォーターズのXブリッジ・プレップOBD(XBridge Prep OBD)C18 150×30mm、5u;水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)ACN25mL/分)。濃縮し、凍結乾燥て、望ましい生成物を白色の固体として得た(12.2mg、19%収量)。
【0322】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.25 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.90-2.27 (m, 3H), 2.29-2.41 (m, 1H), 2.41-2.49 (m, 2H), 3.78 (dd, J = 25.7, 13.5 Hz, 2H), 3.91 (q, J = 7.4 Hz, 1H), 4.00 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 4.10 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.25 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 5.31 (b, 1H), 8.03 (dt, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 8.31 (dd, J = 8.7, 2.9 Hz, 1H), 9.02 (s, 1H), 9.34 (d, J = 2.1 Hz, 1H)。LCMSカラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加;流速0.8mL/分のMSイオン化:ESI。HPLC:HPLC−AEアルティメットXB−C18、3um、3.0×50mm;移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN、次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速:1.2mL/分。
【0323】
以下の実施例を、上記の実施例と同様にして作製した。
実施例17
2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0324】
【化58】
【0325】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 1.81-2.16 (m, 6H), 2.33 (m, 4H), 2.62 (m, 1H), 3.17 (b, 1H), 3.78 (q, J = 13.1, 10.7 Hz, 3H), 4.38 (b, 1H), 4.96 (b, 1H), 7.84 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.78 (b, 1H), 9.39 (s, 1H)。LCMS:RT2.84分;MS411.1M+H;カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加;流速0.8mL/分。
【0326】
実施例18
2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0327】
【化59】
【0328】
1H NMR 400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.30 (s, 1H) 9.10 (br s, 1H) 8.34 (d, J=8.66 Hz, 1H) 7.98 (dd, J=8.75, 1.69 Hz, 1H) 5.13 (br s, 1H) 4.34 - 4.22 (m, 2H) 3.89 - 3.81 (m, 2H) 3.01 - 2.90 (m, 2H) 2.87 -2.76 (m, 2H) 2.64 (br s, 1H) 2.32 (br s, 1H) 2.14 (br s, 1H) 2.07 (br s, 1H) 1.56 (d, J=21.9 Hz, 3H) 1.37 (d, J=6.11 Hz, 3H)。LCMS RT2.74分;MS379.0M+H;純度:100%。機器:アジレント(Agilent)のLCMS1200−6140A(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加;流速0.8mL/分。
【0329】
実施例19
2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0330】
【化60】
【0331】
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.30 (s, 1H) 9.08 (br s, 1H) 8.34 (d, J=8.66 Hz, 1H) 7.98 (dd, J=8.69, 1.66 Hz, 1H) 5.20 (dq, J=55.8, 7.14 Hz, 1H) 4.61 (s, 1H) 4.32 (dd, J=11.8, 5.19 Hz, 1H) 3.89 - 3.81 (m, 2H) 3.63 (tt, J=9.76, 7.53 Hz, 1H) 3.03-2.97 (m, 2H) 2.86 -2.76 (m, 2H) 2.64 (br s, 1H) 2.31 (br s, 1H) 2.14 (br s, 1H) 2.02 (br s, 1H) 1.37 (d, J=6.14 Hz, 3H)。LCMS:2.68分;MS365.3M+H;カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB、次いで3.4分にわたり5%から100%のB;流速0.8mL/分。
【0332】
実施例20
2−(2,2−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル、DIAST2
【0333】
【化61】
【0334】
実施例20を含有するジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−2、10μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]によって、その成分であるジアステレオマーに分離した。2番目に溶出するジアステレオマーを実施例20と名付けた。MS411.1M+H;RT2.86分;機器:アジレントのLCMS(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加;流速0.8mL/分。
【0335】
実施例21
8−(ジフルオロメチル)−1−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0336】
【化62】
【0337】
6−(ジフルオロメチル)−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミン(0.100g、0.325mmol)のトルエン(3.00mL、c=0.108M)溶液に、(S)−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(0.039g、0.342mmol、1.05当量)、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.046g、0.358mmol、1.10当量)、最後に2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(0.228g、0.358mmol、1.10当量)を添加した。得られた溶液を90分かけて60℃に加熱した。次いで反応温度を100℃に高め、反応混合物を4時間にわたりその温度で撹拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)とNaHCO(飽和水溶液、10mL)との間で分配した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、暗いオレンジ色の油性残留物を得た。標準的なシリカカラムクロマトグラフィー(DCM中の0から15%のMeOH)による精製により、8−(ジフルオロメチル)−1−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンをオフホワイト色の固体として得た(0.065g、0.168mmol、52%収量)。H NMR 400 MHz, CD3OD) δ ppm 1.36 (d, J=6.53 Hz, 3 H) 1.97-2.23 (m, 2 H) 2.38-2.53 (m, 2 H) 2.40-2.66 (m, 3 H) 2.80 (br s, 1 H) 3.81-3.93 (m, 2 H) 4.00-4.09 (m, 1 H) 4.11-4.25 (m, 3 H) 4.29-4.39 (m, 2 H) 5.33 (br s, 1 H) 6.94-7.26 (m, 1 H) 7.92 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 8.34 (d, J=8.53 Hz, 1 H) 8.84 - 9.10 (m, 1 H) 8.99 (br s, 1 H) 9.24 (s, 1 H)); 19F NMR 376 MHz, CD3OD) δ ppm -113.72から-108.29 (m, 1 F) ; LCMS MS 388.0 M+H。
【0338】
以下の実施例22〜25の一般的な手順:N,N−ジイソプロピルエチルアミン(25.4mg、0.196mmol)および2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサホスフィナン2,4,6−トリオキシド(酢酸エチル中の50%溶液、238mg、0.374mmol)を、トルエン(1mL)中のジアミン(0.19mmol)および酸(0.191mmol)の溶液に添加し、反応混合物を70℃で1時間撹拌した。この時点でのLCMSからアミド中間体への変換が示され、次いで反応混合物を105℃で16時間撹拌し、その後すぐにこれを真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:アゲラのデュラシェル、5μm;移動相A:水中の0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル)によって精製して、生成物を得た。
【0339】
実施例22
2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0340】
【化63】
【0341】
MS364.2M+H;RT2.97;機器:アジレントのLCMS(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18、50×2.0mm;5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB;3.4分にわたり5%から100%のB。流速0.8mL/分。
【0342】
実施例23
2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0343】
【化64】
【0344】
MS378.2M+H;RT2.94分;機器:アジレントのLCMS(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB;3.4分にわたり5%から100%のB;流速:0.8mL/分。
【0345】
実施例24
2−(cis−3−フルオロシクロブチル)−1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0346】
【化65】
【0347】
MS350.2M+H;RT2.83分;機器:アジレントのLCMS(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18、50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB;3.4分にわたり5%から100%のB;流速:0.8mL/分。
【0348】
実施例25
1−[(3R)−1−メチルピロリジン−3−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル
【0349】
【化66】
【0350】
MS348.1M+H;RT1.68分;機器:アジレントのLCMS(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加;流速0.8mL/分)。
【0351】
実施例26
1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−8−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
【0352】
【化67】
【0353】
実施例26に使用した一般的な合成:
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の適切な酸(すなわちRCOH、0.422mmol)の溶液に、ジアミン(137mg、0.421mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(161mg、1.25mmol)、および2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサホスフィナン2,4,6−トリオキシド(酢酸エチル中の50%溶液、0.39mL、0.655mmol)を添加した。反応混合物を110℃で2時間撹拌し、その後すぐにそれを水(80mL)で希釈し、EtOAc(3×80mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:アゲラのデュラシェル、5μm;移動相A:水中の0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル)によって精製して、生成物を薄い灰色または白色の固体として得た。
【0354】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.81 - 2.19 (m, 2H), 2.39-2.65 (m, 3H), 2.80 (b, 1H), 3.65-3.81 (m, 2H), 3.85 (b, 1H), 4.07 (dt, J = 8.5, 7.1 Hz, 1H), 4.18 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 4.26-4.47 (m, 2H), 5.02 (b, 1H), 7.87 (dd, J = 8.8, 1.9 Hz, 1H), 8.40 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.99 (b, 1H), 9.39 (s, 1H)。LCMS:MS406.0M+H。移動相:A)水中の0.1%FA;B)ACN中の0.1%FA。勾配:0.6分以内の1%Bから5%Bへの増加;3.4分以内の5%Bから100%Bへの増加;流速0.8mL/分。HPLC:3.87/10分、95.87%純度。HPLC−AEアルティメットXB−C18、3um、3.0×50mm。移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速1.2mL/分。
【0355】
実施例27
2−(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)アセトニトリル、ENT1、および2−(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)アセトニトリル]、ENT2(実施例27)
工程1:N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
【0356】
【化68】
【0357】
cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(20.8g、56.0mmol)をフラスコに入れ、次いでアセトニトリル(300mL)およびDIEA(21.7g、168mmol)中に溶解させた。次いでこの混合物にに、4,6−ジクロロ−3−ニトロキノリン(17.2g、61.6mmol)を段階的に添加した。反応混合物を室温(25℃)で16時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物を半分体積に濃縮し、水(400mL)で希釈し、EtOAc(300mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、残留物を得た(41g)。未精製の生成物をイスコ(ISCO)のコンビ−フラッシュ(Combi-flash)(330gのカラム、0から25%のPE中のEtOAc)で精製して、N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−ニトロキノリン−4−アミンを黄色の固体として得た(26.1g、80.6%収量)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.01 (s, 1H), 8.21 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.68 (dd, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 7.38-7.21 (m, 5H), 6.89-6.73 (m, 1H), 6.27-6.13 (m, 2H), 4.64-4.46 (m, 2H), 4.42-4.23 (m, 2H), 4.15-4.05 (m, 1H), 3.85-3.71 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.57-3.53 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.48-3.37 (m, 3H), 1.95 (m, 3H), 1.71 (q, J = 11.8 Hz, 1H)。 LC-MS: MS 578.0 M+H; RT 0.92分。
【0358】
工程2:N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロ−3−ニトロキノリン−4−アミンの合成
【0359】
【化69】
【0360】
N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−ニトロキノリン−4−アミン(26.00g、10.4mmol)をDCM(300mL)中に溶解させ、次いでこの反応混合物にTFAトリフルオロ酢酸(30mL)を20℃でゆっくり滴加した。反応混合物を1.0時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示され、さらに望ましい生成物の質量が示された。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcと共に溶解させ、NaHCO飽和水溶液(200mL)中に一部ずつ流し込んだ。混合物をEtOAc(500mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロ−3−ニトロキノリン−4−アミン(17.8g、92%の収量)を黄色の固体として得た。LCMS:MS427.9M+H;RT0.83分;純度97.283%。
【0361】
工程3:N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロキノリン−3,4−ジアミンの合成
【0362】
【化70】
【0363】
THF(200mL)中のN−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロ−3−ニトロキノリン−4−アミン(6.0g、14.02mmol)の溶液に、アルゴン下、20℃で一部ずつPt/C(1370mg)を添加した。フラスコをアルゴンでパージした後、混合物を水素で飽和させ、50psiの水素下で20℃で3時間撹拌した。LCMSによれば、望ましい生成物の形成が示された。混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、望ましい生成物N−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロキノリン−3,4−ジアミンを茶色の固体として得た(5750mg、103%収量)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.46 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 8.9, 2.2 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 5.4 Hz, 4H), 7.30 - 7.23 (m, 1H), 4.62 - 4.49 (m, 2H), 4.08 (ddd, J = 11.7, 4.7, 1.6 Hz, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.74 (dddd, J = 6.7, 4.2, 2.5, 1.2 Hz, 1H), 3.59 - 3.39 (m, 4H), 3.34 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 1.92 - 1.80 (m, 3H), 1.59 (qd, J = 12.4, 4.7 Hz, 1H)。LCMS: MS 397.8。
【0364】
工程4:N−(4−((cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−クロロキノリン−3−イル)−3,3−ジフルオロシクロブタン−1−カルボキサミドの合成
【0365】
【化71】
【0366】
−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−6−クロロキノリン−3,4−ジアミン(600mg、0.251mmol)をピリジン(12.0mL)中に溶解させ、次いで3,3−ジフルオロシクロブタン−1−カルボン酸(226mg、1.66mmol)、続いてEDCI(578mg、3.02mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMSによれば、主要な生成物としての望ましい生成物の形成が示された。暗赤色の混合物を濃縮し、残留物を水(50mL)に流し込み、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製の生成物N−(4−((cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−クロロキノリン−3−イル)−3,3−ジフルオロシクロブタン−1−カルボキサミドを赤色の油状物として得た(0.83g、107%収量)。LCMS:MS516.1M+H。
【0367】
工程5:1−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンの合成
【0368】
【化72】
【0369】
工程6:N−(4−((cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−クロロキノリン−3−イル)−3,3−ジフルオロシクロブタン−1−カルボキサミド(830mg、1.61mmol)をHOAc(15.0mL)中に溶解させ、105℃で16時間撹拌した。LCMSによれば、主要な生成物としての望ましい生成物の形成が示された。反応物を別の実験反応物と合わせ、ワークアップした。HOAcを真空中で除去した。残留物をNaHCO(100mL、半飽和)と共に溶解させ、EtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製の生成物1−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンを黄色の固体として得た(880mg、2つの反応からの合計収量に基づき93.6%の収量。LCMS:MS498.2M+H。
【0370】
工程7:(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノールの合成
【0371】
【化73】
【0372】
DCM(30mL)中の1−(cis−2−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(880mg、1.77mmol)の溶液を、10℃で、BCl(5.30mL、5.30mmol)で一部ずつ処理した。次いで得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSによれば、望ましい生成物の形成が示された。混合物をNaHCO(80mL、飽和水溶液)中に流し込み、DCM(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製の生成物を茶色の固体として得た(1.08g)。粗生成物を、イスコのコンビ−フラッシュ(DCM中0から2.0%のMeOH、12gのカラム)で精製して、望ましい生成物(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノールをオフホワイト色の固体として得た(737mg、定量可能な量)。LCMS:MS408.1M+H。
【0373】
工程8:(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタンスルホン酸メチルの合成
【0374】
【化74】
【0375】
(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール(737mg、1.81mmol)をDCM(25mL)中に溶解させ、NEt(549mg、5.42mmol)およびMsCl(248mg、0.177mL、2.17mmol)で処理した。得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSによれば、望ましい生成物の形成が示された。混合物を水(50mL)に流し込み、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、望ましい生成物(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタンスルホン酸メチルを淡黄色の発泡性固体として得た(733mg、83.5%収量)。LCMS:MS486.0M+H;RT0.71分;純度99.068%。
【0376】
工程9:{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリルの合成
【0377】
【化75】
【0378】
DMSO(15mL)中の(cis−4−(8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタンスルホン酸メチル(733mg、1.51mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムシアニド、(n−Bu)CN(1210mg、4.53mmol)を添加した。次いでこの溶液を80℃で16時間加熱した。LCMSによれば、主要な生成物としての望ましい生成物の形成が示された。混合物をMTBE(100mL)で希釈し、水(100mL×2)とブライン(50mL)で洗浄した。合わせた水層をMTBE(50mL)で抽出した。合わせたMTBE層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製の生成物を黄色の油状物として得た(1.0g)。未精製の生成物を、イスコのコンビ−フラッシュ(DCM中の0から2%のMeOH、20gカラム)で精製して、望ましい生成物を淡黄色の発泡性固体として得た(430mg)。生成物のサンプルをキラルHPLC分析に送った。固体を、ACN(50mL)およびHO(120mL)に添加し、48時間凍結乾燥した。LCMS:MS417.0。
【0379】
凍結乾燥により、望ましい生成物{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリルを淡黄色の固体として得た(395mg、62.8%収量)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.16 (s, 1H), 8.67 (b, 1H), 8.18 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 5.14 (b, 1H), 4.37 (dd, J = 12.0, 5.4 Hz, 1H), 4.10-3.94 (m, 2H), 3.88 (td, J = 12.2, 2.7 Hz, 1H), 3.30-3.13 (m, 4H), 2.96-2.66 (m, 3H), 2.54 (b, 1H), 2.11 (b, 2H)。
【0380】
工程10:分離により、{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル、ENT1および{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル、ENT2(実施例27)を得た。
【0381】
【化76】
【0382】
{cis−4−[8−クロロ−2−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル(395mg、0.948mmol)を、SFC分離[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−2、10μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、その成分である鏡像異性体に分離した。SFCグループからの画分を濃縮して、これらの望ましい生成物を淡黄色の発泡性固体ピーク1(185.4mg)およびピーク2(202.8mg)として得た。これらの固体を、イスコのコンビ−フラッシュ(DCM中の0から2%のMeOH、4gカラム)で精製して、望ましい生成物を淡黄色の発泡性固体ピーク1(180mg)およびピーク2(202mg)として得て、凍結乾燥に供した。ピーク2は、2番目に溶出する鏡像異性体であり、これを実施例27と名付けた。
【0383】
ピーク1:LCMS:MS417.0M+H。ピーク2:LCMS:MS417.0M+H。
ピーク1およびピーク2のHPLC:機器およびカラム:HPLC−AEアルティメットXB−C18、3um、3.0×50mm;移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速:1.2mL/分。ピーク1:RT3.66分;ピーク2:RT3.66分。
【0384】
ピーク1およびピーク2のH NMRおよび19FNMRは、ブルカー_L_400MHzで行った。
ピーク1:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.16 (s, 1H), 8.67 (b, 1H), 8.18 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 5.14 (b, 1H), 4.37 (dd, J = 12.0, 5.4 Hz, 1H), 4.10-3.94 (m, 2H), 3.88 (td, J = 12.2, 2.7 Hz, 1H), 3.30-3.13 (m, 4H), 2.96-2.66 (m, 3H), 2.54 (b, 1H), 2.11 (b, 2H)。 19F NMR (376 MHz, CD3OD) δ -98.82 (d, J = 194.6 Hz)。
【0385】
ピーク2:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.16 (s, 1H), 8.67 (b, 1H), 8.18 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 8.9, 2.2 Hz, 1H), 5.13 (b, 1H), 4.38 (dd, J = 12.1, 5.3 Hz, 1H), 4.11-3.93 (m, 2H), 3.88 (td, J = 12.2, 2.7 Hz, 1H), 3.29-3.13 (m, 4H), 2.96-2.66 (m, 3H), 2.54 (b, 1H), 2.04 (b, 2H)。 19F NMR (376 MHz, CD3OD) δ -98.83 (d, J = 194.9 Hz)。
【0386】
ピーク1およびピーク2のキラルHPLC:機器:SFC−G(12−102);方法:カラム:ルクスセルロース−2、150×4.6mm内径、3um、移動相:A:CO、B:エタノール(0.05%DEA)勾配:5.5分での5%から40%のBおよび40%のBで3分保持、次いで1.5分にわたり5%のB;流速:2.5mL/分;カラム温度:40℃。
【0387】
ピーク1:RT5.84分、純度99.261%;ピーク2:RT6.29分、純度99.809%。
2つのピークを、蒸発によって溶離剤から単離した。ピーク1:168.73mg、42.7%の収量およびピーク2:166.73mg、42.2%収量。
【0388】
以下の実施例を、実施例27の化合物に類似した方式で作製した。
実施例28
{(2S,4R)−4−[8−クロロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル
【0389】
【化77】
【0390】
MS427.1M+H;RT2.80分;機器:アジレントのLCMS(4−302LCMS−AL);カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB;3.4分にわたり5%から100%のB;流速0.8mL/分。
【0391】
実施例29
{(2S,4R)−4−[8−フルオロ−2−(cis−4−フルオロシクロヘキシル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセトニトリル
【0392】
【化78】
【0393】
MS411.3;RT2.65分;カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm、5um;移動相A:水中の10mMのNHHCO;移動相B:ACN。勾配:0.6分にわたり1%から5%のB;3.4分にわたり5%から100%のB;流速0.8mL/分。
【0394】
実施例30
[cis−4−{8−クロロ−2−[(3R)−テトラヒドロフラン−3−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]アセトニトリル、DIAST1
【0395】
【化79】
【0396】
実施例30を含有するジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAD、10μm;移動相:7:3、二酸化炭素:(0.1%水酸化アンモニウムを含有する2−プロパノール)]によって、その成分であるジアステレオマーに分離した。最初に溶出するジアステレオマーを実施例30と名付けた。MS397.1M+H;RT0.65分;機器およびカラム:LCMS−AH(4−302)クロモリス。フラッシュ(Flash)RP−18e、25×2mm;方法:MSイオン化:ESI。キラルカラム:RT5.30分;SFC−G(12−102)方法:カラム:キラルパックAD−3、150×4.6mm内径、3um;移動相:A:CO、B:IPA(0.05%DEA);勾配:5.5分で5%から40%のBおよび40%で3分保持、次いで1.5分にわたり5%のB;流速:2.5mL/分;カラム温度:40℃。
【0397】
実施例31
8−フルオロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
工程1:cis−3−フルオロ−N−(6−フルオロ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−3−イル)−3−メチルシクロブタンカルボキサミドの合成
【0398】
【化80】
【0399】
6−フルオロ−N−((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−3,4−ジアミン(50mg、0.182mmol)の溶液に、ピリジン(0.3mL)中のcis−3−フルオロ−3−メチルシクロブタン−1−カルボン酸(26.4mg、0.20mmol)およびEDCI(69.6mg、0.363mmol)を添加し、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物をHO(2mL)で処理し、EtOAc(3×3mL)で抽出し、次いで真空中で濃縮して、cis−3−フルオロ−N−(6−フルオロ−4−(((2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−3−イル)−3−メチルシクロブタン−1−カルボキサミド(70.7mg、100%、粗生成物)を黄色の油状物として得た。未精製の生成物をそれ以上精製しないでそれに続く工程に使用した。LCMS:MS390.1M+H。
【0400】
工程2:8−フルオロ−2−(cis−3−フルオロ−3−メチルシクロブチル)−1−[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンの合成
【0401】
【化81】
【0402】
n−酢酸プロピル(0.5mL)中のcis−3−フルオロ−N−(6−フルオロ−4−{[(2R,4R)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミノ}キノリン−3−イル)−3−メチルシクロブタンカルボキサミド(70.7mg、0.182mmol)の溶液に、T3P(231mg、0.363mmol)を添加し、次いで反応混合物を110℃に加熱し、その温度で16時間維持した。LCMSから、反応が完了したことが示された。混合物を分取用HPLCで精製した。LCMS:MS372.2M+H;RT0.69分。生成物を凍結乾燥して、32.68mg(48.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.12 (s, 1H), 8.34 (b, 1H), 8.24-8.17 (m, 1H), 7.57 (ddd, J = 9.3, 7.8, 2.7 Hz, 1H), 5.15 (b, 1H), 4.28 (dd, J = 11.9, 5.3 Hz, 1H), 3.94-3.72 (m, 2H), 3.64 (p, J = 8.7 Hz, 1H), 2.90 (dd, J = 20.7, 10.2 Hz, 2H), 2.79-2.63 (m, 3H), 2.25 (b, 1H), 1.96 (b, 2H), 1.67 (d, J = 21.9 Hz, 3H), 1.33 (d, J = 6.1 Hz, 3H); 19F NMR (376 MHz, CD3OD) δ -113.49。
【0403】
カラム:ウォーターズのXブリッジC18 50×2.0mm;5um;移動相:C)水中の10mMのNHHCO;D)ACN。勾配:0.6分以内の1%Dから5%Dへの増加;3.4分以内の5%DBから100%Dへの増加;流速0.8mL/分のMSイオン化:ESI HPLC:移動相:1分での水(0.1%TFA)中の1.0%ACNから水(0.1%TFA)中の5%ACN;次いで5分での水(0.1%TFA)中の5%ACNから100%ACN(0.1%TFA);100%ACN(0.1%TFA)で2分保持;流速1.2mL/分。
【0404】
実施例32〜64
以下の実施例を、このセクションでこれまでに記載された手順によって作製した。以下の手順は代表的なものである。
【0405】
実施例57〜60の混合物の合成:
【0406】
【化82】
【0407】
工程1:EtOAc(2.91mL、c=0.17M)中の1−(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)−2−(3−フルオロシクロペンチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−8−カルボニトリル(以下の表1の脚注11を参照)(150mg、0.495mmol)および3−フルオロシクロペンタン−1−カルボン酸(68.8mg、0.495mmol)の1つの鏡像異性体の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(192mg、1.48mmol、0.258mL)および1−プロピルホスホン酸環状無水物(944mg、1.48mmol、0.883mL)を添加した。混合物を80℃で一晩加熱した。LCMSから大部分が環化されていないアミドであることが示されたが、部分的な閉環が観察された。反応混合物を48時間加熱した。LCMSから、一部のアミドがなお存在することが示された。反応混合物を乾燥するまで濃縮し、次いで3mLのトルエンに溶解させ、それにプロピルホスホン酸環状無水物(944mg、1.48mmol、0.883mL)を添加し、混合物を110℃で一晩加熱した。LCMSから、生成物形成の完了が示された。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。水相をEtOAcで洗浄した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物を、0〜100%のEtOAc/ヘプタン勾配で溶出させる4gの金カラムでのクロマトグラフィー(SIM)にかけ、4種のジアステレオマーの生成物の混合物をオフホワイト色の固体として得た。これらの異性体の分離は、以下の表1の脚注12に記載される。
【0408】
【表6-1】
【0409】
【表6-2】
【0410】
【表6-3】
【0411】
【表6-4】
【0412】
【表6-5】
【0413】
【表6-6】
【0414】
【表6-7】
【0415】
1:実施例32および33を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸を使用した合成から得た。4種の生成物のジアステレオマー混合物を、逆相HPLC(カラム:Xtimate(商標)C18、5μm;移動相A:水中の10mM炭酸水素アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:33%から63%のB)を使用して分離した。最初に溶出する材料は、2D NMR分析によれば、cis−シクロペンチル異性体からなっていた。この混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAD、10μm;移動相:70:30の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有する2−プロパノール)]によって、その成分であるジアステレオマーに分離した。最初に溶出するジアステレオマーを実施例32と名付け、2番目に溶出するものを実施例33と名付けた。
【0416】
2:実施例34、35、および36を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸を使用した合成から得た。4種の生成物のジアステレオマー混合物を、逆相HPLC(カラム:ウォーターズのXブリッジC18 OBD、5μm;移動相A:0.05%水酸化アンモニウムを含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:35%から65%のB)を使用して分離した。ヘテロ核オーバーハウザー効果分光法によれば、最初に溶出するピークはシス異性体からなっており、2番目に溶出するピークはトランス異性体からなっていた。
【0417】
2種のシス異性体の分離を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−2、10μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を使用して行った。実施例34が最初に溶出するジアステレオマーであった。
【0418】
2種のトランス異性体の分離を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルセルOJ、5μm;移動相:80:20の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して行った。実施例35が最初に溶出するジアステレオマーであり、実施例36が2番目に溶出するジアステレオマーであった。
【0419】
3:実施例37、38、および43を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸を使用した合成から得た。4種の生成物のジアステレオマー混合物を、逆相HPLC(カラム:ウォーターズのXブリッジC18 OBD、5μm;移動相A:0.05%水酸化アンモニウムを含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%から60%のB)を使用して分離した。ヘテロ核オーバーハウザー効果分光法によれば、最初に溶出するピークはシス異性体からなっており、2番目に溶出するピークはトランス異性体からなっていた。
【0420】
シス異性体の分離を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−2、10μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を使用して行った。実施例43が最初に溶出するジアステレオマーであった。
【0421】
2種のトランス異性体の分離を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−2、10μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を使用して行った。実施例37が最初に溶出するジアステレオマーであり、実施例38が2番目に溶出するジアステレオマーであった。
【0422】
4:調製例P14の化合物、3−アミノ−4−((2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)キノリン−6−カルボニトリルを、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAD−H、5μm;移動相:80:20の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール]}を介してその成分である鏡像異性体に分離した。最初に溶出する鏡像異性体、ENT1を、実施例39、40、41、および42に使用し、2番目に溶出する鏡像異性体、ENT2を、実施例53、54、55、および56に使用した。
【0423】
5:実施例39、40、41、および42を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸およびENT1からジアステレオマーの混合物として、脚注4から合成した。得られた混合物を、以下の方式で、その成分であるジアステレオマーに分離した。4種の生成物の混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー:{[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−3、5μm;移動相:92.5:7.5の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]}に供した。このカラムから以下のものを得た。
【0424】
最初に溶出するジアステレオマーを実施例42(DIASTD)と名付けた。
2番目に溶出するジアステレオマーを実施例41(DIASTC)と名付けた。
3番目に溶出する材料は、2種のジアステレオマーの混合物であった。これを、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、5μm;移動相:70:30の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]}に供した。この分離から最初に溶出するジアステレオマーを実施例39(DIAST A)と名付け、2番目に溶出するジアステレオマーを実施例40(DIAST B)と名付けた。
【0425】
分析SFCシステム{[カラム:フェノメネックスのルクスセルロース−3、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール];勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例42は、3.12分の保持時間を示し、実施例41は、3.28分の保持時間を示した。
【0426】
異なる分析SFCシステム{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]}.;勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例39は、7.57分の保持時間を示し、実施例40は、7.92分の保持時間を示した。
【0427】
6:実施例45および46のジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS、5μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]により分離した。実施例45が最初に溶出するジアステレオマーであり、これを実施例46が2番目に溶出するジアステレオマーであった。
【0428】
7:実施例47および48のジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS、5μm;移動相:60:40の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]により分離した。実施例47が最初に溶出するジアステレオマーであり、これを実施例48が2番目に溶出するジアステレオマーであった。
【0429】
8:実施例49および52のジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS、5μm;移動相:70:30の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]により分離した。実施例49が最初に溶出するジアステレオマーであり、これを実施例52が2番目に溶出するジアステレオマーであった。
【0430】
9:実施例50および51のジアステレオマー混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS、5μm;移動相:70:30の二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]により分離した。実施例50が最初に溶出するジアステレオマーであり、これを実施例51が2番目に溶出するジアステレオマーであった。
【0431】
10:実施例53、54、55、および56を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸およびENT2からジアステレオマーの混合物として、脚注4から合成した。得られた混合物を、以下の方式で、その成分であるジアステレオマーに分離した。4種の生成物の混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー:{[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、5μm;移動相:60:40の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール]}に供した。このカラムから以下のものを得た。
【0432】
最初に溶出する材料は、2種のジアステレオマーの混合物であり、これらを後述するようにして分離した。
2番目に溶出する材料は、単一のジアステレオマーであり、これを実施例53(DIAST E)と名付けた。
【0433】
3番目に溶出する材料は、単一のジアステレオマーであり、これを実施例55(DIAST G)と名付けた。
最初に溶出した2種のジアステレオマーの混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS−H、5μm;移動相:92.5:7.5の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するメタノール]}により分離した。この分離から最初に溶出するジアステレオマーを実施例56(DIAST H)と名付け、2番目に溶出するジアステレオマーを実施例54(DIAST F)と名付けた。
【0434】
分析SFCシステム{[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール]}.;勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB、次いで0.5分にわたり60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例53は、8.74分の保持時間を示し、実施例55は、9.24分の保持時間を示した。
【0435】
異なる分析SFCシステム{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS−H、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するメタノール];勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例56は、3.60分の保持時間を示し、実施例54は、3.82分の保持時間を示した。
【0436】
11:調製例P10の化合物、3−アミノ−4−[(4,4−ジフルオロ−1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ]キノリン−6−カルボニトリルを、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS、5μm;移動相:80:20の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール]}を介してその成分である鏡像異性体に分離した。最初に溶出する鏡像異性体、ENT1を、実施例57、58、59、および60の合成に使用し、2番目に溶出する鏡像異性体、ENT2を、実施例61、62、63、および64の合成に使用した。
【0437】
12:実施例57、58、59、および60を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸およびENT1からジアステレオマーの混合物として、脚注11から合成した。得られた混合物を、以下の方式で、その成分であるジアステレオマーに分離した。4種の生成物の混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー:{[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、5μm;移動相:80:20の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するメタノール]}に供した。このカラムから以下のものを得た。
【0438】
最初に溶出する材料は、2種のジアステレオマーの混合物であり、これらを後述するようにして分離した。
2番目に溶出する材料は、単一のジアステレオマーであり、これを実施例57(DIAST A)と名付けた。
【0439】
3番目に溶出する材料は、単一のジアステレオマーであり、これを実施例58(DIAST B)と名付けた。
最初に溶出した2種のジアステレオマーの混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS−H、5μm;移動相:87.5:12.5の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]}により分離した。この分離から最初に溶出するジアステレオマーを実施例60(DIAST D)と名付け、2番目に溶出するジアステレオマーを実施例59(DIAST C)と名付けた。
【0440】
分析SFCシステム{[カラム:キラルテクノロジーのキラルパックIC、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するメタノール]};勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例57は、6.39分の保持時間を示し、実施例58は、6.64分の保持時間を示した。
【0441】
異なる分析SFCシステム{カラム:キラルテクノロジーのキラルパックAS−H、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール];勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例60は、4.72分の保持時間を示し、実施例59は、4.93分の保持時間を示した。
【0442】
13:実施例61、62、63、および64を、3−フルオロシクロペンタンカルボン酸およびENT2からジアステレオマーの混合物として、脚注11から合成した。得られた混合物を、以下の方式で、その成分であるジアステレオマーに分離した。4種の生成物の混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー{[カラム:キラルテクノロジーのキラルセルOJ−H、5μm;移動相:90:10の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]}に供した。このカラムから以下のものを得た。
【0443】
最初に溶出する材料は、単一のジアステレオマーであり、これを実施例62(DIAST F)と名付けた。
2番目に溶出する材料は、2種のジアステレオマーの混合物であり、これらを後述するようにして分離した。
【0444】
3番目に溶出する材料は、単一のジアステレオマーであり、これを実施例64(DIAST H)と名付けた。
2番目に溶出した2種のジアステレオマーの混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:フェノメネックスのルクスアミロース−1、5μm;移動相:80:20の二酸化炭素/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]}により分離した。この分離から最初に溶出するジアステレオマーを実施例63(DIAST G)と名付け、2番目に溶出するジアステレオマーを実施例61(DIAST E)と名付けた。
【0445】
分析SFCシステム{[カラム:キラルテクノロジーのキラルセルOJ−H、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:/[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール]};勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例62は、3.70分の保持時間を示し、実施例64は、4.36分の保持時間を示した。
【0446】
異なる分析SFCシステム{カラム:フェノメネックスのルクスアミロース−1、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中の7Mアンモニア)を含有するエタノール];勾配:1.0分にわたり5%のB、次いで8.0分にわたり5%から60%のB;逆圧:120bar;流速:3.0mL/分}を使用したところ、実施例63は、4.30分の保持時間を示し、実施例61は、5.29分の保持時間を示した。
【0447】
生物学的アッセイ
LRRK2アッセイ
LRRK2キナーゼ活性を、インビトロジェン(Invitrogen)からのランザスクリーン(Lantha Screen)技術を使用して測定した。インビトロジェンからのGSTタグを有する短縮化されたLRRK2(カタログ番号PV4874)を、LRRKtide(インビトロジェン、カタログ番号PR8976A)としても公知のエズリン/ラジキシン/モエシン(ERM)をベースとしたフルオレセイン標識ペプチド基質と共に、応答用量の化合物の存在下でインキュベートした。完了後、アッセイを止め、テルビウム標識抗リン酸−ERM抗体(インビトロジェン、カタログ番号PR8975A)を用いて検出した。アッセイを以下のプロトコールに従って行った:化合物を100%DMSOで0.3mMの最大濃度に希釈することによって応答用量の化合物を調製し、DMSOで半対数的に連続希釈して、11ポイントの曲線、100倍の最終アッセイ濃度を得た。エコー(Echo)音波制御型分配装置を使用して、60nLの化合物を低容量のコーニング(Corning)の384ウェルアッセイプレートに移した。アッセイ緩衝液(50mMのHEPES、pH7.5、3mMのMgCl2、加えて2mMのDTTおよび0.01%Brij35が新しく添加された)中で調製された3μLの基質の使用溶液(200nMのLRRKtide、2mMのATP)を、60nL化合物アッセイプレートに添加した。3μLのLRRK2酵素の使用溶液を4μg/mLの濃度で用いて、キナーゼ反応を開始させた。最終的な反応濃度は、100nMのLRRKtide、1mMのATP、2μg/mLのLRRK2酵素、および最大用量が3μMの用量応答の化合物であった。反応を、室温で30分進行させ、次いで6μLの検出緩衝液(20mMトリス、pH7.6、0.01%NP−40、6mMのEDTA、2nMテルビウム標識抗リン酸−ERMを含む)の添加で止めた。室温で1時間インキュベートした後、エンヴィジョン(Envision)で、340nmの励起波長および520nmと495nm両方での読み取りのための放出を用いて、プレートを読んだ。520nmおよび495nm放出の比率を使用して、データを分析した。突然変異体G2019S LRRK2(インビトロジェン、カタログ番号PV4881)の阻害を、正確に同じ方法で測定した。基質ATPおよび酵素の全ての最終濃度は同じであった。
【0448】
以下の表2は、本発明の化合物に関するLRRK2のIC50データを提供する。
【0449】
【表7-1】
【0450】
【表7-2】
【0451】
【表7-3】
【0452】
【表7-4】
【国際調査報告】