(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-515035(P2020-515035A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーの集積のための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20200424BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20200424BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20200424BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20200424BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20200424BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
H01L23/36 C
H01L23/46 Z
H01L25/04 C
H05K7/20 D
H05K7/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-533043(P2019-533043)
(86)(22)【出願日】2017年12月6日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月7日
(86)【国際出願番号】FR2017053408
(87)【国際公開番号】WO2018115625
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】1662804
(32)【優先日】2016年12月19日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518403447
【氏名又は名称】アンスティテュ ヴェデコム
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キエル, フリートバルト
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB11
5F136BA30
5F136BB03
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA27
5F136EA13
5F136FA03
5F136FA52
(57)【要約】
パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーの集積のための方法。方法は、1)絶縁性のおよび/または導電性の積層された内部層の間に含まれる少なくとも1つの電子チップ(MT、MD)を集積するプレフォーム(EB1)を製造することと、2)樹脂プリプレグ(PP1、PP2、PP3)の誘電体部分を用いて、プレフォームの対向する上下の面上の所定の間隔を置いた位置に金属バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3)を機械的に固定することと、3)対向する上下の面の各々について、対象とする面に固定されたバスバーセグメントおよび電子チップの電極を相互接続するために金属層(ME)を電着させ、それにより、ヒートシンク(BB
H、BB
L)を形成するバスバーを備える電子パワー回路を形成することと、を含む。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子パワー回路を製造するために、電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法であって、前記方法は、
絶縁性のおよび/または導電性の積層された内部層の間に含まれる少なくとも1つの電子チップ(MT、MD)を集積するプレフォーム(EB1)を製造することと、
樹脂プリプレグ(PP1、PP2、PP3)の誘電体部分を用いて、前記プレフォーム(EB1)の対向する上下の面上の所定の間隔を置いた位置に金属バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3)を機械的に固定することと、
−前記対向する上下の面の各々について、対象とする前記面に固定されたバスバーセグメント(BB1、BB2、BB3)と前記電子チップ(MT、MD)の電極とを相互接続するために金属層(ME)を電着させ、それにより、ヒートシンクを形成するバスバー(BBH、BBL)を備える前記電子パワー回路を形成することと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記プレフォーム(EB1)を製造することは、間に前記電子チップ(MT、MD)を備える樹脂(CD1、CD2)のプリプレグ誘電体層を有する2つの積層体(LA1、LA2)を積層するためのステップを含み、前記積層体(LA1、LA2)の外面は、金属板(FC1、FC2)から形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プレフォーム(EB1)を製造することは、機械加工によって材料を除去し、少なくとも1つのキャビティ(CA1からCA5)を前記プレフォーム(EB1)内に製造し、前記電子チップ(MT、MD)の少なくとも1つの接触面を解放するためのステップを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記プレフォーム(EB1)を製造することは、金属のコンフォーマル層(CF)を電着させるためのステップを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プレフォーム(EB1)を製造することは、金属充填材を電着させるためのステップを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プレフォーム(EB1)を製造することは、フォトリソグラフィおよびウェットエッチングによって接続パターンを正確に画定するためのステップを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
電子パワー回路であって、
前記電子パワー回路は、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実施することによって得られ、前記方法のさまざまな製造ステップに用いられる金属は銅であることを特徴とする、電子パワー回路。
【請求項8】
電子パワーデバイスであって、
前記電子パワーデバイスは、請求項7に記載の回路を少なくとも2つ備え、第1のいわゆる上部回路(BCHS)は、第2のいわゆる下部回路(BCLS)上に積み重ねられ、前記上部回路(BCHS)および前記下部回路(BCLS)は、それぞれのバスバー(BBH、BBL)によって機械的および電気的に接続され、前記電子パワーデバイスは、前記上部回路(BCHS)と前記下部回路(BCLS)との間に位置する少なくとも1つの中央冷却液体循環空間(CC1、CC2)を備え、前記中央冷却液体循環空間(CC1、CC2)は、前記バスバー(BBH、BBL)のセグメント(BB1H、BB2H、BB3H;BB1L、BB2L、BB3L)の間に形成されていることを特徴とする、電子パワーデバイス。
【請求項9】
前記電子パワーデバイスは、前記デバイス(EM2)の上部分内に位置する少なくとも1つの上部冷却液体循環空間(CH1、CH2)をさらに備え、前記上部冷却液体循環空間(CH1、CH2)は、前記上部回路(BCHS)の上部バスバー(BBH)のセグメント(BB1H、BB2H、BB3H)と上部誘電体層(DLHS)との間に形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の電子パワーデバイス。
【請求項10】
前記電子パワーデバイスは、前記デバイス(EM2)の下部分内に位置する少なくとも1つの下部冷却液体循環空間(CL1、CL2)をさらに備え、前記下部冷却液体循環空間(CL1、CL2)は、前記下部回路(BCLS)の下部バスバー(BBL)のセグメント(BB1L、BB2L、BB3L)と下部誘電体層(DLLS)との間に形成されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の電子パワーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2016年12月19日に出願された仏国出願第1662804号の優先権を主張し、その内容(明細書、図面および請求項)は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、パワーエレクトロニクスの分野に関するものである。より詳しくは、本発明は、電子パワーチップを集積し、ヒートシンクを形成するバスバーを相互接続する方法および電子パワーデバイス、例えばコンバータおよびパワーモジュールに関するものである。本発明はまた、上述した方法を実施することによって得られる電子パワーデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0003】
電子パワーデバイス、例えばパワーコンバータは、多くの分野、例えば輸送、工業、照明、加熱などにおいて非常に用いられる。最小の二酸化炭素を排出する再生可能エネルギー源に向かう所望のエネルギー移行に伴い、パワーエレクトロニクスは、さらに普及するように求められ、増加する経済および技術の制約を満たさなければならない。
【0004】
現在の研究開発は、コスト削減、パワー密度の増加、信頼性の増加、浮遊素子の減少および消散エネルギーの熱伝達に焦点を合わせている。
【0005】
現在の技術では、いわゆるHDI(高密度相互接続)技術を用いて、集積のレベルを増加し、パワー回路のサイズを減少することが典型的である。印刷回路基板(PCB)上で一般的に実施されるHDI技術は、特に、表面実装部品を相互接続するために「リードフレーム」と呼ばれる銅線の回路、または、より高度な技術では、埋設された部品を相互接続するために銅で充填された「マイクロビア」を支えるテープおよびセラミックプレートを用いて、部品の空間的埋め込みを最適化することに基づく。レーザードリルは、複数の溶接技術、例えばろう付け、移行液相(TLP)溶接または金属ナノ粒子粉末焼結と同様に用いられる。
【0006】
しかしながら、大量生産のために必要であるコスト削減ならびに集積および小型化のレベルの増加に直面するとき、HDI技術は、その限界にぶつかる。得られ得る集積のレベルは、テープおよびマイクロビアの相互接続によって占められる空間によって制限される。テープまたはケーブルの相互接続は、より高いカットオフまたはスイッチング周波数で互いに対向する浮遊インダクタンスを導く。しかし、スイッチング周波数の増加は、一般的に、特にパワーコンバータにおける小型化に有利である。浮遊インダクタンスを減少することもまた、発生する熱を減少し、潜在的に破壊的な過電圧から回路を保護し、電磁放射の支配を改良するために必要である。
【0007】
高性能の冷却は、能動素子および受動素子の温度を臨界値未満に保ち、熱平衡を達成し、パワー回路の信頼性を保証するために必要である。ますます小さい表面を有するシリコンチップおよび新規なパワー半導体、例えば炭化ケイ素の利用可能性によって、より高い電流密度およびカットオフ周波数の増加が可能になり、これにより、パワー回路のさらなる小型化が可能になる。しかし、そのために、パワー回路の構造および用いられる技術によって、部品のできるだけ近くで消散エネルギーを抽出できなければならない。部品から構成される熱源と放熱手段によって形成されるヒートシンクとの間の熱経路を最適化することが必要である。
【0008】
周知技術では、熱は、空気または冷却液体に伝達される前に、複数の層、例えば、溶接、銅メッキの誘電体基板、金属ベースプレート、熱伝導材料および多量の放熱体を通過しなければならない。
【0009】
今日、より大きな放熱性能レベルを有する電子パワーデバイスを製造し、適用されるさまざまな制約に対してより良好な最適化を可能にするための新技術を提供することが必要と考えられる。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様によれば、本発明は、電子パワー回路を製造するために、電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法に関するものである。本発明によれば、方法は、
−絶縁性のおよび/または導電性の積層された内部層の間に含まれる少なくとも1つの電子チップを集積するプレフォームを製造することと、
−樹脂プリプレグの誘電体部分を用いて、プレフォームの対向する上下の面上の所定の間隔を置いた位置に金属バスバーセグメントを機械的に固定することと、
−対向する上下の面の各々について、対象とする面に固定されたバスバーセグメントおよび電子チップの電極を相互接続するために金属層を電着させ、それにより、ヒートシンクを形成するバスバーを備える電子パワー回路を形成することと、を含む。
【0011】
本発明の方法の1つの特定の特徴によれば、プレフォームを製造することは、間に電子チップを備える樹脂のプリプレグ誘電体層を有する2つの積層体を積層するためのステップを含み、積層体の外面は、金属板から形成されている。
【0012】
他の特定の特徴によれば、プレフォームを製造することは、機械加工によって材料を除去し、少なくとも1つのキャビティをプレフォーム内に製造し、電子チップの少なくとも1つの接触面を解放するためのステップを含む。
【0013】
さらに他の特定の特徴によれば、プレフォームを製造することは、金属のコンフォーマル層を電着させるためのステップを含む。
【0014】
他の特定の特徴によれば、プレフォームを製造することは、金属充填材を電着させるためのステップを含む。
【0015】
他の特定のステップによれば、プレフォームを製造することは、フォトリソグラフィおよびウェットエッチングによって接続パターンを正確に画定するためのステップを含む。
【0016】
他の態様によれば、本発明は、簡潔に上述されている方法を実施することによって得られる電子パワー回路に関するものであり、方法のさまざまな製造ステップに用いられる金属は銅である。
【0017】
さらに他の態様によれば、本発明は、上述した回路を少なくとも2つ備える電子パワーデバイスに関するものであり、第1のいわゆる上部回路は、第2のいわゆる下部回路上に積み重ねられ、上部回路と下部回路とは、それぞれのバスバーによって機械的および電気的に接続され、少なくとも1つの中央冷却液体循環空間は、上部回路と下部回路との間に位置し、中央冷却液体循環空間は、バスバーのセグメントの間に形成されている。
【0018】
1つの特定の特徴によれば、デバイスは、デバイスの上部分内に位置する少なくとも1つの上部冷却液体循環空間をさらに備え、上部冷却液体循環空間は、上部回路の上部バスバーのセグメントと上部誘電体層との間に形成されている。
【0019】
他の特定の特徴によれば、デバイスは、デバイスの下部分内に位置する少なくとも1つの下部冷却液体循環空間をさらに備え、下部冷却液体循環空間は、下部回路の下部バスバーのセグメントと下部誘電体層との間に形成されている。
【0020】
本発明の他の特徴および効果は、本発明のいくつかの特定の実施形態の下記の詳細な説明を添付の図面を参照しながら読むと、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図2】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図3】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図4】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図5】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図6】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図7】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図8】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図9】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図10】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図11】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図12】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図13】本発明に係る電子パワーチップおよびヒートシンクを形成するバスバーを集積する方法のステップを示す簡略断面図である。
【
図14】空気によって、および、冷却液体によって放熱される、本発明に係る電子パワーデバイスの第1実施形態を示す簡略断面図である。
【
図15】空気によって、および、冷却液体によって放熱される、本発明に係る電子パワーデバイスの第2実施形態を示す簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による方法の1つの特定の実施形態は、以下、トランジスタスイッチのブリッジアームまたはハーフブリッジアームの形のデバイスまたは電子パワーモジュールの製造のコンテクストで記載される。従来、ブリッジアームは、それぞれ「ローサイド」および「ハイサイド」と呼ばれる上部トランジスタおよび下部トランジスタならびに関連付けられたダイオードを備える。この種のデバイスは、完全なスイッチングブリッジを形成するように関連付けられ得る、または、所望の電流を通すために並列に関連付けられ得る。
【0023】
一般的に、本発明では、周知かつ十分習得されたプリント回路製造技術が、電子チップの集積のために用いられる。それゆえ、本発明の方法では、積層、フォトリソグラフィ、金属電着およびウェットエッチングを備える複数の製造技術の組合せを用いることができる。金属電着は、特に、電子チップおよびバスバーの相互接続のために用いられる。
【0024】
以下、
図1から
図13を参照し、本発明による、電子パワーチップを集積し、バスバーを相互接続する方法に含まれるさまざまな製造ステップを説明する。
【0025】
図1および
図2は、導電性金属板FC1を支える誘電体層CD1から構成される積層体LA1を製造するための最初のステップを示す。
【0026】
誘電体層CD1は、典型的には、エポキシおよび部分的に重合されたタイプの樹脂で被覆されている織りガラス繊維から作られる誘電体から構成されるプリプレグの厚板である。
図2に示すように、導電性金属板FC1は、典型的には、誘電体層CD1上に積層された銅板である。
【0027】
図3のステップにおいて、素子チップは、例えば、パワートランジスタMTおよびダイオードMDの形で、所定の位置において積層体LA1の誘電体層CD1上に担持される。図示しないインデックス手段が、チップの配置のためにここで用いられる。
【0028】
図4のステップは、チップMTおよびMDを支えている積層体LA1と、
図1および
図2のステップによって得られた他の積層体LA2と、の積層を示す。この段階で、誘電体層CD1およびCD2は、まだ部分的にしか重合していない。次に、チップMTおよびMDは、積層体LA1とLA2との間に、より詳しくは積層体の誘電体層CD1とCD2との間にサンドイッチされる。積層体LA1とLA2との互いに対する積層は、典型的には、押圧および真空積層炉内の通過によって得られる。
【0029】
真空積層炉を出るとすぐに、
図5において、完全に重合し、層CD1およびCD2の積層から生じる誘電体層CD内にチップMTおよびMDが埋設されたプレフォームEB1が得られる。銅板FC1およびFC2は、プレフォームEB1の上下の対向面を構成する。
【0030】
図6のステップにおいて、機械加工による、例えばレーザーによる材料除去動作は、プレフォームEB1の上下の面上で実行され、キャビティCA1からCA5は、プレフォームの両側に作られ、チップMTおよびMDの接触面を解放する。
【0031】
図7のステップにおいて、コンフォーマル金属層CFは、プレフォームEB1の機械加工された上下の面上に形成される。層CFは、典型的には、電着によって作られる銅の層である。
【0032】
図8のステップにおいて、充填材の電着が行われ、キャビティCA1からCA5およびプレフォームEB1の対向する上下の面のすべてを銅で完全に充填する。次に、プレフォームEB1の上下の面は、完全に平坦になり、銅で被覆される。
【0033】
図9および
図10のステップは、チップMTおよびMDの電気接続パターンの正確な定義に関する。
【0034】
図9のステップにおいて、フォトレジスト樹脂PSは、プレフォームEB1の上下の面に被覆され、次に、ウェットエッチングによってエッチングされる表面部分は、定められ、従来はスクリーン印刷マスクおよび紫外線放射への露光を用いて解放されてきた。
図9は、銅のウェットエッチングの準備ができているプレフォームEB1および除去される銅CP1からCP8の部分を示す。
【0035】
図10のステップにおいて、銅部分CP1からCP8は、ウェットエッチングによって除去され、それにより接続パターンが正確に画定される。キャビティPD1からPD8から、銅部分CP1からCP8を除去することによって、下にある誘電体層CDの部分が出現することができる。
【0036】
図11から
図13は、プレフォームEB1の対向する上下の面上の上部バスバーBB
Hおよび下部バスバーBB
Lの相互接続を示す。上部バスバーBB
Hおよび下部バスバーBB
Lは、電気を供給する等のバスバーの典型的な電気機能を除いて、ここで、プレフォームEB1の対向する上下の面上に埋め込まれるヒートシンクを形成することを意図する。バスバーBB
H、BB
Lは、典型的には、銅から作られる。
【0037】
図11に示すように、例えば機械加工によって以前に切断され、または、オプションで成形によって得られた上部バスバーBB
Hおよび下部バスバーBB
Lは、各々いくつかのバスセグメントBB1
H、BB2
H、BB3
HおよびBB1
L、BB2
L、BB3
Lにより形成される。
【0038】
プリプレグ誘電体部分PP1
H、PP2
H、PP3
Hは、バスセグメントBB1
H、BB2
H、BB3
Hの対応する面上に取り付けられ、プレフォームEB1の上面に押圧されることを意図する。プリプレグ誘電体部分PP1
L、PP2
L、PP3
Lは、バスセグメントBB1
L、BB2
L、BB3
Lの対応する面上に取り付けられ、プレフォームEB1の下面に押圧されることを意図する。プリプレグ誘電体部分PP1
H、PP2
H、PP3
HおよびPP1
L、PP2
L、PP3
Lは、プレフォームEB1の上下のキャビティを充填し、下にある誘電体層CDの可視部分PD1からPD4およびPD5からPD8に付着されるように提供される。
【0039】
このように、プレフォームEB1は、バスセグメントBB1
H、BB2
H、BB3
HとBB1
L、BB2
L、BB3
Lとの間にサンドイッチされる。バスセグメントBB1
H、BB2
H、BB3
HおよびBB1
L、BB2
L、BB3
Lは、プリプレグ誘電体部分PP1
H、PP2
H、PP3
HおよびPP1
L、PP2
L、PP3
Lとともに、プレフォームEB1の上下の面に対して押圧される。
【0040】
組み立て体の積層は、真空積層炉を通過することによって得られる。
図12は、プレフォームEB1が真空積層炉から取り出されるときのバスセグメントが組み立てられたプレフォームEB1の状態を示す。この段階で、バスセグメントは、誘電体部分の完全な重合によって、回路に機械的に固定されていた。回路の絶縁誘電体パターンは、この段階で確定する。
【0041】
図13のステップは、回路の導電性素子およびプレフォームEB1のヒートシンクを形成するバスバーの相互接続を確定させることを可能にする金属化および溶接ステップである。
【0042】
図13に示すように、銅層ME
HおよびME
Lは、プレフォームEB1の上下の部分上に電着する。
【0043】
銅層ME
Hは、プレフォームEB1の上部分上に堆積され、バスバーBB
HのバスセグメントBB1
H、BB2
H、BB3
Hおよび対応するトランジスタMTおよびダイオードMDチップの上面を、例えば、ドレインおよびカソード電極に相互接続する。銅層ME
Lは、プレフォームEB1の下部分上に堆積され、バスバーBB
LのバスセグメントBB1
L、BB2
L、BB3
Lおよび対応するトランジスタMTおよびダイオードMDチップの下面をソースおよびアノード電極に相互接続する。
【0044】
図1から
図13を参照して上述した本発明による方法によって、サンドイッチ構造を用いて、より大きいかより小さい複雑さの電子パワーデバイスを形成するために組み立て可能な基本的な回路部品の製造が可能になる。基本部品の組み立ては、典型的には、押圧および炉の通過において行われる。2つの部品間の機械的および電気的な接続は、溶接によって行われる。基本的な回路部品をいくつかの製造ライン上で製造することによって、製造の並列化が可能である点に留意されたい。
【0045】
本発明による基本的な回路部品の構造によって、バスバーによって形成されるヒートシンクと、電子チップの電極と、の間の直接の銅の接触が可能になる。電子チップの両側に位置する多量の銅から構成されるヒートシンクおよびヒートシンクとの直接接触によって、熱を効果的に抽出することができる。さらに、接続導体の長さは最小化され、このことは、浮遊インダクタンスの生成に有利であり、さらなる小型化を促進する。
【0046】
図14は、2つの基本的な回路部品BC
HSおよびBC
LSを積み重ねることによって形成される電子パワーデバイスの第1実施形態EM1を示す。ここで、デバイスEM1は、2つのMOSFETトランジスタおよび2つのフリーホイールダイオードから構成されるトランジスタブリッジアームである。
【0047】
2つの積み重ねられた基本部品BC
HSおよびBC
LSの機械的および電気的な接続は、接合面IPでバスバーの組み立てによって行われる。組み立ては、例えば、移行液相(TLP)溶接または他の溶接技術によって行われ得る。
【0048】
ここで、デバイスEM1は、液体冷却によって、および、空気によって、混合冷却される実施形態である。
【0049】
図14に示すように、基本部品BB
HSおよびBB
LSの組み立て体は、中央冷却液体循環スペースを、ここではCC
1およびCC
2を、デバイスの中央部内に作成する。電子チップのできるだけ近くに位置するこれらの冷却液体循環空間CC
1およびCC
2は、熱伝達液体の加圧循環のために提供される。デバイスEM1の上下の部分において、バスバーBB
HおよびBB
Lのスロットプロファイルは、ヒートシンクを形成し、周囲の空気との熱交換表面を増加させ、デバイスの冷却を促進する。
【0050】
図15は、電子パワーデバイスの第2実施形態EM2を示す。デバイスEM2は、完全な液体冷却を備え、デバイスEM1より高いパワー用途に適している。
【0051】
デバイスEM2は、デバイスEM2の上下の部分内にそれぞれ集積される制御回路CTRL
HSおよびCTRL
LSを備えているという点で、デバイスEM1と異なる。制御回路CTRL
HSおよびCTRL
LSは、それぞれ、誘電体層DL
HSおよびDL
LSによって基本部品BC
HSおよびBC
LSの上下の部分に機械的に固定され、かつ、当該部分から電気的に絶縁される。回路CTRL
HSおよびCTRL
LSは各々、周知の技術を用いて作られるいくつかの積層を含む。能動素子および受動素子は、必要に応じて、回路CTRL
HSおよびCTRL
LSの内部層間に埋設されてもよいし、または、従来のろう付けまたは導電性接着剤によって回路の表面上に埋め込まれてもよい。
【0052】
図15に示すように、デバイスEM2の上下の部分における制御回路CTRL
HSおよびCTRL
LSと絶縁誘電体層DL
HSおよびDL
LSとの集積によって、追加の上下の冷却液体循環空間CH
1、CH
2およびCL
1、CL
2の形成が可能になる。中央空間CC
1およびCC
2の両側に位置するこれらの追加の空間CH
1、CH
2およびCL
1、CL
2によって、デバイスEM2の増加した冷却が可能になる。このように、電子チップは、電子チップの上下の面の近くの熱伝達流体の循環によって、より効果的に冷却される。
【0053】
本発明による電子パワーデバイスの他の実施形態は、もちろん可能である。それゆえ、例えば、デバイスの上部分および/または下部分は、制御回路をこの位置に埋め込まずに、単に誘電体層によって閉じられてもよい。
【0054】
本発明は、本明細書に一例として記載されてきた特定の実施形態に限定されない。本発明の用途に応じて、当業者は、さまざまな変更をすることができ、添付の請求の範囲内の変形例を提供することができる。
【国際調査報告】