特表2020-515122(P2020-515122A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-515122(P2020-515122A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】カメラハウジング用ハウジング部材
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20200424BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20200424BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   H04N5/225 430
   G03B17/02
   H04N5/225 700
   B29C45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-546388(P2019-546388)
(86)(22)【出願日】2017年10月24日
(85)【翻訳文提出日】2019年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2017077157
(87)【国際公開番号】WO2018171915
(87)【国際公開日】20180927
(31)【優先権主張番号】102017002665.3
(32)【優先日】2017年3月20日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】502095340
【氏名又は名称】ローゼンベルガー ホーフフレクベンツテクニック ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オーアー、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】クレイマー、ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】ミシク、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ホフリン、トーマス
【テーマコード(参考)】
2H100
4F206
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA41
2H100CC01
2H100EE03
4F206AA25
4F206AB13
4F206AE03
4F206AH17
4F206JA07
4F206JL02
5C122DA14
5C122EA03
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE14
5C122GE18
5C122GE20
(57)【要約】
本発明は、ハウジング部材8及び関連する製造方法に関し、前記ハウジング部材は、カメラハウジング(7)用であり、特に自動車産業用であり、外側ハウジングシェル(912)及び内側ハウジングシェル(911)を有する。前記外側ハウジングシェル(912)は、合成材料にて製造され、前記内側ハウジングシェル(911)は、外側ハウジングシェル(912)の合成材料より熱伝導性の高い材料にて製造される。前記外側ハウジングシェル(912)は、外側ハウジングシェル(912)及び内側ハウジングシェル(911)のすべての対向表面領域を介して、前記内側ハウジングシェル(911)にそれぞれ直接接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部材であって、
カメラハウジング用であり、特に自動車産業用であり、外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルを有し、ここで、前記外側ハウジングシェルは、合成材料にて製造され、前記内側ハウジングシェルは、外側ハウジングシェルの合成材料より熱伝導性の高い材料にて製造され、前記外側ハウジングシェルは、外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルのすべての対向表面領域を介して、前記内側ハウジングシェルにそれぞれ直接接続される、ハウジング部材。
【請求項2】
前記外側ハウジングシェル及び前記内側ハウジングシェルの対向表面領域は、内側ハウジングシェルの外部表面全体及び外側ハウジングシェルの内部表面全体にそれぞれ延伸される、
請求項1に記載のハウジング部材。
【請求項3】
対向表面領域において、前記外側ハウジングシェル及び前記内側ハウジングシェルは、それぞれお互いに接続され、空気を含まない、
請求項1または2に記載のハウジング部材。
【請求項4】
対向表面領域において、前記外側ハウジングシェルは、摩擦式の接続によって、前記内側ハウジングシェルにそれぞれ接続される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジング部材。
【請求項5】
少なくとも一つの突起(10、10、10)は、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの外部表面にそれぞれ設置され、前記突起は、外側ハウジングシェルの関連する内部表面の関連するくぼみにそれぞれ挿入される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のハウジング部材。
【請求項6】
前記少なくとも一つの突起(10、10、10)は、それぞれリブ形状突起(10)である、
請求項5に記載のハウジング部材。
【請求項7】
前記少なくとも一つの突起(10、10、10)は、それぞれメッシュリブ形状突起(10)である、
請求項5に記載のハウジング部材。
【請求項8】
前記少なくとも一つの突起(10、10、10)は、それぞれピン形状突起(10)である、
請求項5に記載のハウジング部材。
【請求項9】
少なくとも一つの突起(12、12、12)は、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの内部表面にそれぞれ設置される、
請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング部材。
【請求項10】
前記少なくとも一つの突起(12、12、12)は、それぞれリブ形状突起(12)である、
請求項9に記載のハウジング部材。
【請求項11】
前記少なくとも一つの突起(12、12、12)は、それぞれメッシュリブ形状突起(12)である、
請求項9に記載のハウジング部材。
【請求項12】
前記少なくとも一つの突起(12、12、12)は、それぞれピン形状突起(12)である、
請求項9に記載のハウジング部材。
【請求項13】
カメラハウジングであって、
特に自動車産業用であり、少なくとも二つのハウジング部材からなり、ここで、少なくとも一つのハウジング部材は、請求項1から12のいずれか一項に記載のハウジング部材である、カメラハウジング。
【請求項14】
自動車であって、
請求項13に記載のカメラハウジングを有する、自動車。
【請求項15】
ハウジング部材の製造方法であって、
合成材料にて外側ハウジングシェルを射出成形するステップと、
外側ハウジングシェルの合成材料より熱伝導性の高い材料にて内側ハウジングシェルを製造するステップと、及び
外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルをお互いに圧着させるステップとを含み、その結果、前記外側ハウジングシェルは、外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルのすべての対向表面領域を介して、内側ハウジングシェルにそれぞれ直接接続される、ハウジング部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車産業用カメラハウジングのハウジング部材及び関連する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラモジュールは、自動車業界で長年にわたって使用されており、自動車の直接及びより広い環境で動く物体または動かない物体を識別する。このような方法で識別された物体を信号によって検出し、そしてそれに対応して自動車を操縦するための追加の自動係合する方法で自動車が物体と衝突することを防ぐことができる。
【0003】
このような背景において、独国特許出願公開第10 2004 034 383 A1号明細書では、自動車用のカメラハウジングを有する例示的なカメラモジュールを開示した。
【0004】
通常、カメラモジュールは、光学素子及び電子素子を含む。電子素子は、動作中に廃熱を発生するので、各電子素子を確実に正しく動作させるためには、廃熱を消散させる必要がある。通常、廃熱は、カメラハウジングを介して放散される。カメラハウジングは、重量、製造の容易さ、コスト、及び有効な耐食性などのために、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のような合成材料で製造されている。
【0005】
電子システムで発生する廃熱は、空間の制限された領域に発生し、従って、合成材料で製造されたカメラハウジングの制限された領域のみを加熱する。さらに、従来の合成材料、即ち、導電性フィラー、例えば、金属、グラファイト、または炭素繊維を有する合成材料以外の合成材料は、熱伝導性が特にあるものではない。不都合なことに、ハウジングの空間的に制限された領域におけるこのような熱の蓄積は、カメラモジュールの正しい機能に悪影響を及ぼす。
【0006】
これは改善が必要な状態である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景において、本発明の目的は、カメラモジュールの電子システムの内部で発生した廃熱をカメラモジュールの外部領域により良く放散させることを可能にするカメラハウジングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、請求項1の特徴を有するカメラハウジング用ハウジング部材及び請求項15の特徴を有する関連する製造方法によって、当該目的を実現した。
【0009】
従って、以下の内容を提供した。
【0010】
カメラハウジング用であり、特に自動車産業用であるハウジング部材であって、外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルを有し、ここで、前記外側ハウジングシェルは、合成材料にて製造され、前記内側ハウジングシェルは、外側ハウジングシェルの合成材料より熱伝導性の高い材料にて製造され、ここで、前記外側ハウジングシェルは、外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルのすべての対向表面領域を介して、前記内側ハウジングシェルにそれぞれ直接接続される。
【0011】
ハウジング部材であって、特に自動車産業用であり、少なくとも二つのハウジング部材を有し、ここで、少なくとも一つのハウジング部材は、それぞれ本発明のハウジング部材である。
【0012】
自動車であって、本発明によるカメラハウジングを有する。
【0013】
ハウジング部材の製造方法であって、合成材料にて外側ハウジングシェルを射出成形するステップと、外側ハウジングシェルの合成材料より熱伝導性の高い材料にて内側ハウジングシェルを製造するステップと、及び
外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルをお互いに圧着させるステップとを含み、その結果、前記外側ハウジングシェルは、外側ハウジングシェル及び内側ハウジングシェルのすべての対向表面領域を介して、内側ハウジングシェルにそれぞれ直接接続される。
【0014】
本発明の基礎となる知識/思想は、カメラハウジングの対応するハウジング部材は、二つのハウジングシェルを含み、即ち、合成材料にて製造された外側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルの合成材料より熱伝導性の高い材料にて製造された内側ハウジングシェルを含む。内側ハウジングシェルの材料は、好ましくは金属である。しかし、導電性フィラーを有する合成材料、例えば、金属繊維を有する合成材料を用いてもよい。このような方法で、二つの材料(金属及び合成材料)の材料特有の利点をカメラハウジングのハウジング部材に組み合わせる。
【0015】
合成材料と比較して、内側ハウジングシェルの金属及び対応する導電性フィラーは、それに対応して明らかに改善された熱容量を含み、従ってより多くの熱を伝導することができ、明らかに改善されたEMC特性を含む。外側ハウジングシェルの合成材料は、明らかに改善された防食特性を含み、合成材料で製造されたカメラハウジングの他のハウジング部材またはハウジングシェルにさらに容易に接続されることができる。
【0016】
内側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルの対向表面領域がカメラハウジングの制限された領域(内部電子システムの廃熱が直接に当該制限された領域に向かって偏向される)に延伸するだけでなく、前記対向表面領域がカメラハウジングのより広い領域に延伸する場合、金属及び対応する導電性フィラーの良好な性能により、熱を伝導して、内側ハウジングシェルで発生した廃熱を内側ハウジングシェルの表面領域全体に急速に分配することが可能である。本発明によれば、内側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルがすべての対向表面領域を介してお互いに直接接続する場合、内側ハウジングシェルの表面領域全体に急速に分配された廃熱も、外側ハウジングシェルの同じ大きさの対向表面領域に有利に伝達される。このような場合、内側ハウジングシェルまたは外側ハウジングシェルの各表面ユニットは、内側ハウジングシェルの一つの制限された領域のみによって最初に吸収された廃熱の一部だけが内側ハウジングシェルから外側ハウジングシェルにそれぞれ伝達される。
【0017】
有利な実施例及びさらなる発展は、さらなる従属請求項及び図面を参照した説明において明らかである。
【0018】
本発明の範囲を逸脱することなく、上記の特徴及び以下に説明する特徴を別々に開示された組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたは個別の使用にも使用できることは明らかである。
【0019】
内側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルの対向表面領域が内側ハウジングシェルの外側表面全体に延伸し、そしてそれに対応して外側ハウジングシェルの内側表面全体に延伸すると、特に有利であることは実証されている。このような方法で、制限された表面領域において内側ハウジングシェルによって通常急速に吸収される廃熱もまた、内側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルを含むハウジング部材の表面領域全体に急速に分配されることが保証される。
【0020】
空気は、好ましくは、それぞれの対向表面領域の領域における内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の直接接続から除外され、言い換えると、前記直接接続はいかなる空気も含まない。従って、内側ハウジングシェルによって放散された廃熱は、内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の空気層内に蓄えられず、ただ一定時間遅延した後に外側ハウジングシェルに伝達され、それどころか、可能な限り早く対向する外側ハウジングシェルによって吸収される。
【0021】
内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の摩擦式の接続による本発明の好ましい実施例において、前記内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間に位置するいかなる空気も含まない、内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の直接移行を実現する。なお、内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の当該摩擦式の接続は、内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の安定した機械的固定配置を可能にする。
【0022】
さらに、内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の直接移行表面を向上させ、内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間にさらなる熱伝達の加速を実現するために、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの外部表面は、少なくとも一つの突起をそれぞれ含み、当該突起は、外側ハウジングシェルの対向する内部表面の関連するくぼみにそれぞれ挿入される。
【0023】
または、本発明は、技術的実現をさらに含み、ここで、外側ハウジングシェルの少なくとも一つの内部表面に個別の突起を提供し、そして当該個別の突起を内側ハウジングシェルの対向する外部表面の関連するくぼみに挿入する。
【0024】
第1の変形例において、当該少なくとも一つの突起は、関連する溝形状のくぼみに挿入されるリブ形状突起としてそれぞれ実現される。内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間の摩擦式の接続を実現するために、個々のリブ形状突起の幅は、それぞれ関連する溝形状のくぼみの幅よりわずかに大きく設計される。
【0025】
第2の変形例において、当該少なくとも一つの突起は、関連するメッシュ溝形状のくぼみに挿入されるメッシュリブ形状突起としてそれぞれ実現される。なお、摩擦式の接続では、メッシュリブ形状方法で設置された各リブ形状突起の幅は、それぞれメッシュリブ形状方法で設置された関連する溝形状のくぼみの幅よりわずかに大きく設計される。
【0026】
第3の変形例において、最後に、当該少なくとも一つの突起は、関連するめくら穴形状のくぼみに挿入されるピン形状突起として実現される。なお、摩擦式の接続では、ピン形状突起の外径は、めくら穴形状のくぼみの内径より大きく設計される。
【0027】
好ましくは、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの内部表面に少なくとも一つの突起をそれぞれ設置する。このような方法で、カメラハウジング内部に面する内側ハウジングシェルの上部表面がさらに拡大され、従って、内側ハウジングシェルの熱流が有利にさらに改善または加速される。
【0028】
第1の実施例において、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの内部表面にそれぞれ設置されるこのようなタイプの突起は、リブ形状突起として具体化される。
【0029】
第2の実施例において、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの内部表面にそれぞれ設置されるこのようなタイプの突起は、メッシュリブ形状突起として具体化される。
【0030】
第3の実施例において、最後に、内側ハウジングシェルの少なくとも一つの内部表面にそれぞれ設置されるこのようなタイプの突起は、ピン形状突起として具体化される。
【発明の効果】
【0031】
上記実施例及びさらなる発展は、組み合わせが有利である限り、任意の方法で互いに組み合わせることができる。本発明のさらなる可能な実施例、さらなる発展及び実施形態はまた、上または下で説明される例示的な実施例で説明した本発明の明示的に言及されていない特徴の組み合わせも含む。具体的に、このような場合、当業者はまた、本発明の対応する基本形態に対する改善または追加として様々な態様を追加するのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】本発明に係るカメラハウジングの断面図を示した。
図1B】本発明に係るカメラハウジングの3D図を示した。
図2A】本発明に係る一部を取り除かしたハウジング部材を示した3D断面図を示した。
図2B】本発明に係るハウジング部材の平面図を示した。
図3A】本発明に係るハウジング部材の第1の変形例の3D図を示した。
図3B】本発明に係るハウジング部材の第1の変形例の内側ハウジングシェルの3D図を示した。
図4A】本発明に係るハウジング部材の第2の変形例の3D図を示した。
図4B】本発明に係るハウジング部材の第2の変形例の内側ハウジングシェルの3D図を示した。
図4C】本発明に係るハウジング部材の第2の変形例の断面図を示した。
図5A】本発明に係るハウジング部材の第3の変形例の3D図を示した。
図5B】本発明に係るハウジング部材の第3の変形例の内側ハウジングシェルの3D図を示した。
図5C】本発明に係るハウジング部材の第3の変形例の断面図を示した。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付の図面の模式図に示した例示的な実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0034】
図面は、本発明の実施例のさらなる理解を伝える。図面は実施例を説明し、本発明の原理及び概念の解釈の説明を結び付けて使用される。図面において、他の実施例及び言及された多くの利点は明らかである。図面の要素は、必ずしも互いに比例して示されているわけではない。
【0035】
図面において、特に断らない限り、同一の、機能的に同一の、そして動作的に同一の要素、特徴、及び構成要素は、それぞれ同じ参照番号を有する。
【0036】
以下、首尾一貫し、全面的な方法でこれらの図面を説明する。
【0037】
図1Aは、カメラモジュール1の断面図を概略的に示し、これは、前記モジュールが特に自動車産業に使用されためであり、図1Bは、カメラモジュール1の3D図を示した。
【0038】
回路基板3は、カメラモジュール1の内部2に位置され、前記回路基板は、通常複数の電子素子4を備える。電子素子は、好ましく且つ排他的ではなく、光電子画像センサ及び光学電子的に決定された画像データを前処理するためのアナログ及びデジタル素子である。
【0039】
前処理された画像データは、通信インターフェースを介して自動車内の他のデータ処理ユニットに送信される。図1A及び図1Bにしか概略的に示されていない第1のコネクタ5は、いわゆる回路基板コネクタとして回路基板3に機械的及び電気的に接続される通信インターフェースとして機能する。図1Aに示すように、第1のコネクタ5は第2のコネクタ5に直接移行することができ、第2のコネクタはハウジングコネクタとしてカメラモジュール1のハウジングに機械的に接続されるか、またはカメラモジュール1のハウジングに一体化される。第2のコネクタ5の他方の出力は、それぞれ図1A及び図1Bには示されていないデータケーブルに機械的及び電気的に接続される。第1のコネクタ5と第2のコネクタ5との組み合わせの代替手段において、第1のコネクタ5の出力を電気的且つ機械的にデータケーブルに直接接続し、データケーブルは、気密にカメラモジュール1の外部ケーシングの開口部を通って外部向きに案内される。第1のコネクタ5及び第2のコネクタ5は、自動車産業における高速データ伝送のための任意のインターフェース規格、例えばFAKRA(プロフェッショナルオートモーティブグループHSD、ハイスピードデータ)またはHFM(ハイスピードマイクロFAKRA)の技術的要件をそれぞれ満たす。
【0040】
回路基板3のイメージセンサは、光学レンズ6に光学的に接続される。
【0041】
カメラモジュール1の内部2は、カメラハウジング7を介して、気密に閉鎖される。図1Bに示したように、第2のコネクタ5と光学レンズ6のみが気密にカメラハウジング7に一体化される。カメラハウジング7は、好ましく二つのハウジング部材8及びハウジング部材8を含む。しかし、本発明は、カメラハウジング7のより多くのハウジング部材をさらに含む。カメラモジュール1の内部2の密閉閉鎖に関して、二つのハウジング部材8及びハウジング部材8は、互いに円周方向に溶接される。通常、二つのハウジング部材8及びハウジング部材8の外側ハウジングシェルは、好ましくはレーザー溶接によって互いに接合され、外側ハウジングシェルは、合成材料で製造され、以下にさらに詳細に説明する。
【0042】
本発明によれば、少なくとも一つのハウジング部材8及びハウジング部材8は、内側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルをそれぞれ含む。好ましくは、ハウジング部材8またはハウジング部材は、内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912をそれぞれ含み、内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912は、電子素子4に対向的に設置され、または、電子素子4によって発生された最高割合の廃熱によって照射される。図面において、コネクタ5が一体化され、電子部品4に対向して配置されているハウジング部材8である。言うまでもなく、電子部品4によって生成された廃熱をより迅速にカメラモジュール1の外部空間に放散するために、カメラハウジング1の他のハウジング部材(例えば、光学レンズ6は、通常ハウジング部材8に一体化される)も、内側ハウジングシェル及び外側ハウジングシェルをそれぞれ含むことができる。
【0043】
ハウジング部材8及びハウジング部材8は、通常お互いに接続された複数のハウジング領域をそれぞれ含み、これらのハウジング領域は、異なる向きの内部表面または外部表面をそれぞれ有する。図面において、例えば、ハウジング部材8及びハウジング部材8は、四つの内側側面または外側側面と一つの内側底面または外側底面またはカバー面をそれぞれ含む。しかし、本発明はまた、この数から外れた数のハウジング領域を有するハウジング部材、及び、それぞれ異なる向きを有する内部表面または外部表面を有するハウジング部材も含む。底面及びカバー面は、そのすべての表面境界において、それぞれ他方の表面、即ち、側面に接続される。側面はそれぞれひとつの表面境界で開口しており、即ち、他の表面に接続されておらず、前記側面は、残りの表面境界で他の表面、即ち、他の側面または底面またはカバー面に接続されている。
【0044】
好ましくは、本発明に係るハウジング部材8における最適熱流は、すべての図面に示した通りであり、内側ハウジングシェル911は、すべての対向する表面領域を介して外側ハウジングシェル912に直接接続され、前記内側ハウジングシェルと外側ハウジングシェルとの間に位置される空気層を含まない。なお、内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912はまた、空気を含まない状況で側面、底面またはカバー面の減少された対向する表面領域を介してお互いに直接接続することができる。
【0045】
外側ハウジングシェル912は、合成材料にて射出成形技術によって製造され、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)にて製造される。内側ハウジングシェル911は、外側ハウジングシェル912の合成材料より熱伝導性の高い材料にて製造される。好ましくは、亜鉛のような金属を使用する。しかし、導電性フィラー(例えば、金属繊維を有する)を有する合成材料も可能である。金属製の内側ハウジングシェル911は、加圧鋳造技術、焼結技術、または機械加工技術を使用して製造することができる。導電性フィラーを有する合成材料にて製造された内側ハウジングシェル911は、例えば、射出成形技術によって製造されることができる。
【0046】
内側ハウジングシェル911の金属または導電性フィラーは、外側ハウジングシェル912の合成材料よりもはるかに熱伝導性が高い。このような方法で、内側ハウジングシェル911の制限された領域に受け取られた電子素子4の廃熱は、内側ハウジングシェル911全体に比較的に急速に分配される。理想的な場合、内側ハウジングシェル911の外部表面及び外側ハウジングシェル912の内部表面は、同じサイズを有する。従って、合成材料のみで製造された従来のカメラハウジングと比較して、外側ハウジングシェル912の内側ハウジングシェル911に対向する表面領域は、電子素子4によって発生された廃熱にのみ影響される。
【0047】
内側ハウジングシェル911は、対応する対向表面領域で外側ハウジングシェル912に直接当接し、空気が前記二つのハウジングシェルの間に蓄積されないので、内側ハウジングシェル911から外側ハウジングシェル912に消散された廃熱は、前記二つのハウジングシェルの間に蓄積された空気に一時的に蓄積されることなく、そして前記廃熱は、遅延した後に外側ハウジングシェル912に伝達されることではない。逆に、消散待ちの廃熱は、直ちに内側ハウジングシェル911から外側ハウジングシェル912に消散される。
【0048】
その外部表面が外側ハウジングシェル912の内部表面に対応する内側ハウジングシェル911は、金属または一体化された導電性フィラーを有する合成材料で製造されるので、カメラモジュール1のEMC特性は、さらなる改善を得た。
【0049】
さらに、内側ハウジングシェル911と外側ハウジングシェル912との間の熱伝達を加速するために、内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912の対向する表面領域がさらに増大する。そのために、内側ハウジングシェル911の外部表面の対応する対向する表面領域に少なくとも一つの突起を提供し、好ましくは、それぞれ特定の距離で離隔された複数の突起を提供し、そして前記突起は、外側ハウジングシェル912の内側の関連するくぼみに挿入される。このような方法で、内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912の対応する対向する表面領域の上面がさらに拡大される。
【0050】
または、外側ハウジングシェル912の内部表面に突起を設置することもでき、前記突起は、内側ハウジングシェル911の外部表面の関連するくぼみに挿入される。
【0051】
内側ハウジングシェル911と外側ハウジングシェル912との間の熱伝達を加速するために、各突起は、好ましくは関連するくぼみに直接挿入され、空気を含まない。
【0052】
内側ハウジングシェル911の各突起と外側ハウジングシェル912の関連するくぼみとの間の、空気なしでの直接接続は、特に各突起と関連するくぼみとの間、及び内側ハウジングシェル911と外側ハウジングシェル912との間の摩擦式の接続によって実現されることができる。このような場合、図2A及び図2Bに示したように、内側ハウジングシェル911の突起の幅XiGは、外側ハウジングシェル912の関連するくぼみの幅XaGより多きく設計される。なお、内側ハウジングシェル911は、このようなタイプの摩擦式の接続によって、外側ハウジングシェル912に機械的に固定される。
【0053】
図3A及び3Bに係る第1の変形例において、内側ハウジングシェル911の外部表面の突起は、リブ形状突起10として実現され、当該リブ形状突起は、外側ハウジングシェル912の内部表面の関連する溝形状のくぼみ11に挿入される。このような場合、リブ形状突起10は、内側ハウジングシェル911のすべての外側表面または外側表面領域で実現されることができ、そして関連する溝形状のくぼみ11は、外側ハウジングシェル912のすべての内側表面または内側表面領域で実現されることができる。なお、リブ形状突起10及び関連する溝形状のくぼみ11も内側ハウジングシェル911のより少ない数の外側表面または外側表面領域または外側ハウジングシェル912の内側表面または内側表面領域で生成されることができる。図3A及び図3Bにおいて、例えば、リブ形状突起10及び関連する溝形状のくぼみ11は、内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912の二つの側面及びカバー面または底面のみに位置される。
【0054】
図3A及び3Bに示したように、各リブ形状突起10及び関連する溝形状のくぼみ11の断面輪郭は、長方形でも正方形であることができる。または、三角形の断面輪郭も可能である。内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912の側面領域において、円形または楕円形の断面輪郭も可能である。
【0055】
リブ形状突起10の高さと幅及び関連する溝形状のくぼみ11の深さまたは幅は、縦方向の範囲にわたって一定であることが好ましい。一つの代替実施例において、リブ形状突起10及び関連する溝形状のくぼみ11の高さ及び幅は、それぞれ内側ハウジングシェル911及び外側ハウジングシェル912の側面の領域内のカバー面の方向で減少させることができる。
【0056】
各リブ形状突起10の間及び関連する溝形状のくぼみ11の間の距離は、一定でも異なってもよい。
【0057】
図4A図4B及び図4Cに係る第2の変形例において、内側ハウジングシェル911の外側カバー面の領域における突起は、それぞれメッシュリブ形状突起10として実現され、そして内側カバー面領域における関連するくぼみは、外側ハウジングシェル912でそれぞれメッシュ溝形状のくぼみ11として実現される。メッシュリブ形状突起10及びメッシュ溝形状のくぼみ11の長方形または正方形の断面輪郭の代わりに、第2の変形例の場合、三角形の断面輪郭も可能である。
【0058】
第2の変形例において、メッシュリブ形状突起10の各リブの間及びメッシュ溝形状のくぼみ11の各関連する溝の間の距離も、一定でも異なってもよい。
【0059】
図5A、及び5B及び図5Cに係る第3の変形例において、内側ハウジングシェル911の外側カバー面の領域における突起は、それぞれピン形状突起10として実現され、内側カバー面の領域における関連するくぼみは、外側ハウジングシェル912でそれぞれめくら穴形状のくぼみ11として実現される。図5A及び図5Bに係るピン形状突起10及びめくら穴形状のくぼみ11の円形の断面輪郭の代わりに、長方形、正方形、三角形、多角形または楕円形の断面輪郭も可能である。
【0060】
第3の変形例において、各ピン形状突起10または関連するめくら穴形状のくぼみ11は、それぞれ一定の間隔で位置決めされ、言い換えれば、特定のメッシュパターンで位置決められ、または完全に不規則に位置決めされ、言い換えれば、ランダムに配列されることができる。各ピン形状突起10の高さ及び関連するめくら穴形状のくぼみ11の深さもまた、互いに一定であってもよく、または互いに異なってもよい。なお、各ピン形状突起10の外径と各めくら穴形状のくぼみ11の内径は、それぞれ一定であってもよく、異なっていてもよい。
【0061】
本発明の他の実施例において、内側ハウジングシェル911の内部表面及び対応する内部表面領域の上面をさらに拡大して、内側ハウジングシェル911の熱流を加速する。
【0062】
そのため、図3Aに係る第1の実施例において、リブ形状突起12は、内側ハウジングシェル911の内部表面に設置され、特に内側ハウジングシェル911のカバー面の内部表面に設置される。このような場合、このような方法でリブ形状突起12高さとリブ形状突起12との間の距離を選択して、電子素子4とリブ形状突起12との間の距離をできるだけ小さくし、そして十分な数のリブ形状突起12は、廃熱が放出される領域に位置される。
【0063】
図4A及び図4Cに係る第2の実施例において、メッシュリブ形状突起12は、内側ハウジングシェル911の内部表面に設置され、特に内側ハウジングシェル911のカバー面の内部表面に設置される。上記第1の実施例の高さと距離は、メッシュリブ形状突起12の高さとメッシュリブ形状突起12の各リブとの間の距離に同様に適用される。
【0064】
図5A及び図5Cに係る第3の実施例において、ピン形状突起12は、内側ハウジングシェル911の内部表面に設置され、特に内側ハウジングシェル911のカバー面の内部表面に設置される。上記第1の実施例の高さと距離は、ピン形状突起12の高さとピン形状突起12との間の距離に同様に適用される。各ピン形状突起12の間の距離に対して、このような方法で各ピン形状突起12の直径を選択して、内側ハウジングシェル911の内側上面が最適化する。各ピン形状突起12の円形の断面輪郭の代わりに、長方形、正方形、三角形、多角形または楕円形の断面輪郭も可能である。
【0065】
本発明を好ましい例示的な実施例によって完全に説明したが、本発明は、上記例示的な実施例に限定されることなく種々変形可能である。具体的に、本発明は、組み合わせが技術的に有利である限り、様々な変形例及び実施例の任意の組み合わせを包含する。
【符号の説明】
【0066】
1:カメラモジュール
2:内部
3:回路基板
4:電子素子
:第1のコネクタ
:第2のコネクタ
6:光学レンズ
7:カメラハウジング
:ハウジング部材
:ハウジング部材
11:内側ハウジングシェル
12:外側ハウジングシェル
10:リブ形状突起(内側ハウジングシェルの外部表面にある)
10:メッシュリブ形状突起(内側ハウジングシェルの外部表面にある)
10:ピン形状突起(内側ハウジングシェルの外部表面にある)
11:溝形状のくぼみ
11:メッシュ溝形状のくぼみ
11:めくら穴形状のくぼみ
12:リブ形状突起(内側ハウジングシェルの内部表面にある)
12:メッシュリブ形状突起(内側ハウジングシェルの内部表面にある)
12:ピン形状突起(内側ハウジングシェルの内部表面にある)
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】