【実施例】
【0242】
一般合成法および手順
出発材料および溶媒はすべて、市販の供給業者から試薬純度で購入し、特に明記されていない限り、さらなる精製を何ら行うことなく入手したまま使用した。水分に敏感な反応における媒体として使用する乾燥溶媒は、Sigma−Aldrichから無水グレードで購入し、アルゴン下で取り扱った。反応はすべて、不活性(アルゴン)雰囲気下、乾燥条件中で行った。マイクロ波反応は、Biotage Initiatorマイクロ波用反応器中で実施した。反応は、シリカゲルをコーティングしたガラス製プレート(TLC LuxPlateシリカゲル60F
254、Merck)上の薄層クロマトグラフィーによりモニタリングし、254nmで、および/または適切な色素を使用して可視化した。示されている場合、合成中間体は、適切な溶媒混合物を使用して、CombiFlashシステムの230〜400メッシュのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。最終生成物は、Shimadzu分取液体クロマトグラフを使用する分取HPLC[ACE 5AQ(150×21.2mm) 5μm粒子サイズ。方法1:25〜100% MeOH/H
2O、30分間;100% MeOH、5分間;100〜25% MeOH/H
2O、4分間。方法2:8〜100% MeOH/H
2O、30分間;100% MeOH、5分間;100〜8% MeOH/H
2O、4分間。方法3:0% MeOH、5分間;0〜100% MeOH/H
2O、25分間;100% MeOH、5分間;100〜0% MeOH/H
2O、4分間。流速=17mL/分]により、254および280nmでモニタリングしながら精製した。溶媒はどちらも、0.05%TFAによりスパイクした。
1Hおよび
13C NMRスペクトルは、Bruker DPX−400またはAVANCE−400分光計を使用し、それぞれ、400MHzおよび100.6MHzで記録した。ケミカルシフト(δスケール)は、TMSと比較した、百万分率(ppm)で報告する。
1H NMRスペクトルは、以下の順で報告する:プロトンの多重度および数;シグナルは、以下:s(シングレット)、d(ダブレット)、dd(ダブレットのダブレット)、t(トリプレット)、m(マルチプレット)、bs(ブロードなシグナル)として特徴づける。HRMSスペクトルは、LCMS−IT−TOF(Shimadzu)によるESIを使用して記録した。すべての最終化合物の純度は、分析用HPLC[ACE 3AQ C18カラム(150×4.6mm、粒子サイズ3μM);H2O中0.05%TFA/MeOH中0.05%TFAのグラジエント溶出系;流速=1.0mL/分]により決定した。化合物はすべて、HPLC分析によって決定される>95%の純度で試験した。
実施例1
5−(2−ベンズアミドエチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−1−100)
【化23】
【0243】
SS−1−95:3−ブチン−1−オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh
3(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をH
2Oでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(370mg、93%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.86 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (td, J = 7.1, 2.7 Hz, 2H), 1.96 (t, J = 2.7 Hz, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 168.04, 134.05, 132.01, 123.39, 80.27, 70.26, 36.55, 18.36.
【0244】
SS−1−97B:SS−1−95(180mg、0.9mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N
2H
4(0.06mL、1.13mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物(participate)をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、SS−1−97Aが白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。SS−1−97Aの撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.37mL、2.7mmol)および塩化ベンゾイル(252mg、1.8mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(140mg、90%)。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d
6) δ 7.93 (dd, J = 5.3, 3.2 Hz, 3H), 7.58 - 7.53 (m, 1H), 7.49 (dd, J = 8.1, 6.6 Hz, 2H), 3.57 (td, J = 7.1, 6.0 Hz, 2H), 2.55 (td, J = 7.1, 2.7 Hz, 2H), 2.43 (t, J = 2.7 Hz, 1H).
【0245】
SS−1−99:マイクロ波反応管中で、SS−1−97B(140mg、0.8mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO
3(201mg、2.4mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(367mg、2.4mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(140mg、61%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.73 (dd, J = 5.2, 3.2 Hz, 2H), 7.50 (ddd, J = 6.6, 3.9, 1.3 Hz, 1H), 7.46 - 7.36 (m, 2H), 6.51 (s, 2H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.82 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 172.65, 167.78, 159.92, 156.62, 134.05, 131.76, 128.67, 126.91, 102.74, 62.21, 37.89, 27.16, 14.13.
【0246】
SS−1−100:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(160mg、4.0mmol)を50%水性NH
2OH(1.6mL、約50当量)に溶解した。1:1 THF/MeOH(6mL)中のSS−1−99(140mg、0.5mmol)の溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×15mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAcで洗浄すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(60mg、43%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.68 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.53 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 6.63 (s, 1H), 3.60 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 3.09 (t, J = 6.7 Hz, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 172.44, 166.42, 157.44, 156.17, 134.28, 131.25, 128.31(2C), 127.12(2C), 101.13, 37.22, 26.29.ESI HRMS計算値C
13H
14N
3O
4:[M+H]
+、m/z276.0979;実測値:276.0984。
実施例2
5−(2−(3,4−ジクロロベンズアミド)エチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−2−08)
【化24】
【0247】
SS−2−05:3−ブチン−1−オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh
3(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をH
2Oでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(260mg、65%)。
【0248】
SS−2−06:SS−2−05(260mg、1.3mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N2H4(0.1mL、3.2mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、所望の生成物が白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。中間体の撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.54mL、3.9mmol)および塩化3,4−ジクロロベンゾイル(543mg、2.6mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色固体として得られた(220mg、70%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 3.61 (q, J = 6.2 Hz, 2H), 2.53 (td, J = 6.3, 2.6 Hz, 2H), 2.07 (t, J = 2.6 Hz, 1H).
【0249】
SS−2−07:マイクロ波反応管中で、SS−2−06(220mg、0.9mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO
3(227mg、2.7mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(408mg、2.7mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜80%のEtOAc/ヘキセン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色固体として得られた(250mg、78%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.85 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.82 - 7.71 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 4.34 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.60 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.11 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 173.53, 164.23, 159.60, 156.10, 134.60, 134.17, 131.34, 130.84, 129.16, 127.54, 102.46, 61.80, 37.40, 26.31, 14.01.
【0250】
SS−2−08:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(224mg、5.6mmol)を50%水性NH
2OH(2.0mL、約50当量)に溶解した。SS−1−99(250mg、0.7mmol)の1:1 THF/MeOH(10mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×15mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。粗生成物をEt
2O/EtOAc(10:1)で洗浄すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(70mg、29%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.46 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.87 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.83 - 7.72 (m, 2H), 6.63 (s, 1H), 3.59 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.09 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 172.27, 164.14, 157.44, 156.18, 134.53, 134.10, 131.28, 130.76, 129.11, 127.48, 101.20, 37.40, 26.13.ESI HRMS計算値C
13H
12Cl
2N
3O
4:[M+H]
+、m/z344.0205;実測値:344.0198。
実施例3
5−(2−(2−ナフトアミド)エチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−3−66)
【化25】
【0251】
2−(ブタ−3−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(SS−1−95)の合成:3−ブチン−1−オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh
3(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をH
2Oでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(370mg、93%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.86 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (td, J = 7.1, 2.7 Hz, 2H), 1.96 (t, J = 2.7 Hz, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 168.0, 134.1, 132.0, 123.4, 80.3, 70.3, 36.6, 18.4.
【0252】
N−(ブタ−3−イン−1−イル)−2−ナフトアミド(SS−3−62)の合成:SS−1−95(215mg、1.08mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N
2H
4(0.1mL、2.7mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、SS−1−97Aが白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。SS−1−97Aの撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.25mL、1.6mmol)および塩化2−ナフトイル(246mg、1.3mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(170mg、70%、粗製)。
【0253】
エチル5−(2−(2−ナフトアミド)エチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−2−64)の合成:マイクロ波反応管中で、SS−2−62(170mg、0.76mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO
3(191mg、2.28mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(344mg、2.28mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色固体として得られた(150mg、58%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.25 (s, 1H), 7.86 - 7.77 (m, 4H), 7.57 - 7.45 (m, 2H), 6.90 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.50 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.85 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.20 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 172.8, 168.0, 160.02, 156.7, 134.9, 132.7, 131.3, 129.0, 128.6, 127.9, 127.8, 127.6, 126.9, 123.6, 102.8, 62.3, 38.1, 27.3, 14.2.
【0254】
5−(2−(2−ナフトアミド)エチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−3−66)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(142mg、3.55mmol)を50%水性NH
2OH(1.4mL、約50当量)に溶解した。SS−3−64(150mg、0.44mmol)の1:1 THF/MeOH(5mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜10% MeOH/DCM)および分取HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(15mg、10%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.45 (br s, 1H), 9.33 (br s, 1H), 8.85 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.03 - 7.88 (m, 3H), 7.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.63 - 7.57 (m, 2H), 6.66 (s, 1H), 3.66 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.14 (t, J = 6.7 Hz, 2H).ESI HRMS計算値C
17H
16N
3O
4:[M+H]
+、m/z326.1135;実測値:326.1137。
実施例4
5−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド)エチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−3−67)
【化26】
【0255】
2−(ブタ−3−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(SS−1−95)の合成:3−ブチン−1−オール(140mg、2.0mmol)、フタルイミド(382mg、2.6mmol)およびPPh
3(682mg、2.6mmol)の撹拌溶液に、Arによる保護下、0℃でDEAD(525mg、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2.5時間、同一温度で撹拌した。次に、この反応物をH
2Oでクエンチし、EtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(370mg、93%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.86 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 5.5, 3.0 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.62 (td, J = 7.1, 2.7 Hz, 2H), 1.96 (t, J = 2.7 Hz, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 168.0, 134.1, 132.0, 123.4, 80.3, 70.3, 36.6, 18.4.
【0256】
N−(ブタ−3−イン−1−イル)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキサミド(SS−3−63)の合成:SS−1−95(215mg、1.08mmol)の撹拌したMeOH(5mL)溶液に、N
2H
4(0.1mL、2.7mmol)を加えた。得られた混合物を、室温において16時間、撹拌した。次に、沈殿物をろ別し、ろ液を水(5mL)でクエンチして、2N HClでpH2へと酸性にした。この溶液を真空下で濃縮すると、SS−1−97Aが白色粉末として得られた。粗生成物を次のステップに、直接、使用した。SS−1−97Aの撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でTEA(0.25mL、1.6mmol)および塩化[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル(280mg、1.3mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、同一温度において30分間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が白色粉末として得られた(140mg、52%、粗製)。
【0257】
エチル5−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−イルカルボキサミド)エチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−65)の合成:マイクロ波反応管中で、SS−3−63(170mg、0.56mmol)のEtOAc(2mL)溶液に、NaHCO
3(144mg、1.69mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(255mg、1.69mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(100mg、49%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.98 (s, 1H), 7.76 - 7.65 (m, 2H), 7.58 - 7.51 (m, 2H), 7.45 - 7.38 (m, 3H), 7.36 - 7.30 (m, 1H), 7.06 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 6.47 (s, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.78 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.14 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 172.8, 168.0, 160.0, 156.6, 141.7, 140.1, 134.7, 130.3, 129.1, 128.9 (2C), 127.8, 127.2 (2C), 125.9, 125.8, 102.7, 62.2, 38.0, 27.1, 14.1.
【0258】
5−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−イルカルボキサミド)エチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−3−67)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(90mg、2.2mmol)を50%水性NH
2OH(0.9mL、約50当量)に溶解した。SS−3−65(100mg、0.27mmol)の1:1 THF/MeOH(4mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を6N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜10% MeOH/DCM)および分取HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(30mg、32%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (br s, 1H), 9.33 (br s, 1H), 8.81 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.82 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.72 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 3.63 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 3.12 (t, J = 6.8 Hz, 3H).ESI HRMS計算値C
19H
16N
3O
4:[M−H]
+、m/z350.1146;実測値:350.1132。
実施例5
5−(3−(3,4−ジクロロフェノキシ)プロピル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−4−10)
【化27】
【0259】
エチル5−(3−ヒドロキシプロピル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−4−07)の合成:マイクロ波反応管中で、5−ヘキシン−1−オール(300mg、3.57mmol)のEtOAc(5mL)溶液に、NaHCO
3(900mg、10.7mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(1.6g、10.7mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(680mg、96%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.42 (s, 1H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.70 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.97 - 1.88 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.2, 160.3, 156.5, 101.8, 62.2, 61.3, 30.2, 23.3, 14.2.
【0260】
エチルエチル5−(3−ブロモプロピル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−4−08)の合成:SS−4−07(680mg、3.42mmol)の撹拌したDCM(30mL)溶液に、0℃でCBr
4(1.70g、5.13mmol)およびPh
3P(1.35g、5.13mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、室温において1時間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜40%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(850mg、83%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.46 (s, 1H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.43 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.01 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.33 - 2.18 (m, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 173.6, 160.1, 156.6, 102.3, 62.3, 31.9, 30.2, 25.3, 14.3.
【0261】
エチル5−(3−((3,4−ジクロロフェニル)アミノ)プロピル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−4−09)の合成:SS−4−08(464mg、2.85mmol)の撹拌したDMF(15mL)溶液に、室温で3,4−ジクロロフェノール(850mg、3.41mmol)およびCs
2CO
3(1.87g、5.70mmol)を加えた。得られた混合物を、80℃で2時間、加熱した。この反応物を飽和水性NH
4Cl(5mL)でクエンチし、EtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(490mg、80%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.28 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 6.43 (s, 1H), 4.41 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.96 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.00 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.26 - 2.08 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 174.3, 160.1, 157.7, 156.5, 132.9, 130.8, 124.2, 116.4, 114.5, 102.0, 66.9, 62.2, 27.0, 23.4, 14.2.
【0262】
5−(3−((3,4−ジクロロフェニル)アミノ)プロピル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−4−10)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(150mg、3.72mmol)を50%水性NH
2OH(1.5mL、約50当量)に溶解した。SS−4−09(160mg、0.47mmol)の1:1 THF/MeOH(6mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物が白色粉末として得られた(65mg、40%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.45 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 7.51 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.06 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.96 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.15 - 2.03 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 173.8, 157.9, 157.5, 156.3, 131.6, 131.0, 122.4, 116.4, 115.5, 100.7, 67.2, 40.2, 39.9, 39.7, 39.5, 39.3, 39.1, 38.9, 26.4, 22.6.ESI HRMS計算値C
13H
13Cl
2N
2O
4:[M+H]
+、m/z331.0247;実測値:331.0264。
実施例6
5−(4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−1−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−3−94)
【化28】
【0263】
エチル5−(4−ヒドロキシブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−86)の合成:マイクロ波反応管中で、5−ヘキシン−1−オール(200mg、2.0mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO
3(504mg、6.0mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(906mg、6.0mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(370mg、87%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.41 (s, 1H), 4.42 (qd, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.68 (td, J = 6.3, 1.3 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 - 1.76 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.40 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.4, 160.3, 156.5, 101.7, 62.3, 62.2, 31.9, 26.6, 23.9, 14.3.
【0264】
エチル5−(4−ブロモブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−88)の合成:SS−3−86(100mg、0.47mmol)の撹拌したDCM(5mL)溶液に、0℃でCBr
4(232mg、0.47mmol)およびPh
3P(184mg、0.47mmol)を加えた。次に、得られた混合物を、室温において1時間、撹拌した。この反応物を水(5mL)によりクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜40%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(90mg、89%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.41 (s, 1H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.40 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.89 - 1.87 (m, 4H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 174.7, 160.2, 156.5, 101.8, 62.1, 32.8, 31.8, 26.0, 25.9, 14.2.
【0265】
エチル5−(4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−1−イル)ブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−92)の合成:SS−3−88(90mg、0.33mmol)の撹拌したDMF(3mL)溶液に、室温で5,6−ジクロロ−1H−インドール(56mg、0.30mmol)およびCs
2CO
3(217mg、0.66mmol)を加えた。得られた混合物を、80℃で終夜、加熱した。この反応物を飽和水性NH
4Cl(5mL)でクエンチし、EtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜30%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(90mg、80%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.08 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.42 (dd, J = 3.1, 0.7 Hz, 1H), 6.35 (s, 1H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.09 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.80 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.92 - 1.85 (m, 2H), 1.77 - 1.65 (m, 2H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 174.5, 160.2, 156.6, 134.9, 129.7, 128.3, 125.7, 123.6, 122.1, 110.9, 101.9, 101.3, 62.3, 46.3, 29.5, 26.4, 25.0, 14.3.
【0266】
5−(4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−1−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−3−94)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(76mg、1.9mmol)を50%水性NH
2OH(0.9mL、約50当量)に溶解した。SS−3−92(90mg、0.24mmol)の1:1 THF/MeOH(4mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(35mg、39%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.43 (s, 1H), 9.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.51 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 6.46 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 4.22 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.82 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.65 - 1.75 (m, 2H), 1.65 - 1.54 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 174.3, 157.4, 156.3, 134.7, 131.3, 127.9, 123.5, 121.5, 121.4, 111.7, 100.6, 100.5, 45.2, 29.14, 25.27, 24.12.ESI HRMS計算値C
16H
16N
3O
3Cl
2:[M+H]
+、m/z368.0563;実測値:368.0545。
実施例7
5−(4−(6−クロロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−4−01)
【化29】
【0267】
エチル5−(4−ヒドロキシブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−86)の合成:マイクロ波反応管中で、5−ヘキシン−1−オール(200mg、2.0mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO
3(504mg、6.0mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(906mg、6.0mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(370mg、87%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.41 (s, 1H), 4.42 (qd, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.68 (td, J = 6.3, 1.3 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 - 1.76 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.40 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.4, 160.3, 156.5, 101.7, 62.3, 62.2, 31.9, 26.6, 23.9, 14.3.
【0268】
エチル5−(4−オキソブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−98)の合成:SS−3−86(150mg、0.70mmol)の撹拌したDCM(5mL)溶液に、室温でクロロクロム酸ピリジニウム(300mg、1.4mmol)を加えた。得られた混合物を、同一温度で2時間、撹拌した。次に、過剰の固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜60%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(130mg、88%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.75 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.53 (td, J = 7.1, 1.0 Hz, 2H), 2.11 - 1.94 (m, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 200.91, 174.33, 160.07, 156.47, 101.93, 77.48, 77.16, 76.84, 62.13, 42.60, 25.84, 19.83, 14.15.
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 200.9, 174.3, 160.1, 156.5, 101.9, 62.1, 42.6, 25.8, 19.8, 14.1.
【0269】
エチル5−(4−(6−クロロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−99)の合成:SS−3−98(130mg、0.62mmol)および6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(104mg、0.62mmol)の撹拌したEtOH/AcOH(5mL/0.5mL)溶液に、室温でNaBH(OAc)
3(262.8mg、1.24mmol)を加えた。次に、得られた混合物を同一温度において、終夜、撹拌した。次に、この反応物を飽和NaHCO
3水溶液(5mL)でクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜20%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(130mg、58%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.95 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.29 - 3.12 (m, 4H), 2.84 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.69 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.94 - 1.88 (m, 2H), 1.80 - 1.72 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.1, 160.2, 156.5, 143.8, 128.8, 126.8, 124.1, 120.1, 111.5, 101.7, 62.2, 51.1, 49.5, 28.1, 26.7, 25.7, 25.2, 22.1, 14.2.
【0270】
5−(4−(6−クロロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−4−01)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(116mg、2.9mmol)を50%水性NH
2OH(1.0mL、約50当量)に溶解した。SS−3−99(130mg、0.36mmol)の1:1 THF/MeOH(6mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(100mg、62%、TFA塩)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.43 (s, 1H), 6.93 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.52 (s, 1H), 3.29 - 3.16 (m, 4H), 2.84 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.86 - 1.77 (m, 2H), 1.69 - 1.64 (m, 2H), 1.57 - 1.50 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 174.5, 157.4, 156.3, 143.8, 128.1, 126.3, 123.8, 118.1, 111.6, 100.5, 50.0, 48.5, 27.4, 25.7, 24.7, 24.4, 21.3.ESI HRMS計算値C
17H
21N
3O
3Cl:[M+H]
+、m/z350.1266;実測値:350.1251。
実施例8
5−(4−(6−クロロ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−4−02)
【化30】
【0271】
エチル5−(4−ヒドロキシブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−86)の合成:マイクロ波反応管中で、5−ヘキシン−1−オール(200mg、2.0mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO
3(504mg、6.0mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(906mg、6.0mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜80%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(370mg、87%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.41 (s, 1H), 4.42 (qd, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.68 (td, J = 6.3, 1.3 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90 - 1.76 (m, 2H), 1.67 - 1.60 (m, 2H), 1.40 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.4, 160.3, 156.5, 101.7, 62.3, 62.2, 31.9, 26.6, 23.9, 14.3.
【0272】
エチル5−(4−オキソブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−98)の合成:SS−3−86(150mg、0.70mmol)の撹拌したDCM(5mL)溶液に、室温でクロロクロム酸ピリジニウム(300mg、1.4mmol)を加えた。得られた混合物を、同一温度で2時間、撹拌した。次に、過剰の固体をろ別し、ろ液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜60%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(130mg、88%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.75 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.53 (td, J = 7.1, 1.0 Hz, 2H), 2.11 - 1.94 (m, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 200.91, 174.33, 160.07, 156.47, 101.93, 77.48, 77.16, 76.84, 62.13, 42.60, 25.84, 19.83, 14.15.
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 200.9, 174.3, 160.1, 156.5, 101.9, 62.1, 42.6, 25.8, 19.8, 14.1.
【0273】
エチル5−(4−(6−クロロ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−3−100)の合成:SS−3−98(130mg、0.62mmol)および6−クロロ−4,4−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(121mg、0.62mmol)の撹拌したEtOH/AcOH(5mL/0.5mL)溶液に、室温でNaBH(OAc)
3(262.8mg、1.24mmol)を加えた。次に、得られた混合物を同一温度において、終夜、撹拌した。次に、この反応物を飽和NaHCO
3水溶液(5mL)でクエンチし、DCM(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜20%のEtOAc/ヘキサン)によって粗生成物を精製すると、表題化合物が無色油状物として得られた(100mg、42%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.10 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.32 - 3.19 (m, 4H), 2.85 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.80 - 1.64 (m, 6H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.25 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.1, 160.3, 156.5, 142.5, 132.9, 126.6, 126.1, 120.3, 111.7, 101.8, 62.2, 51.3, 45.9, 36.8, 32.3, 30.6 (2C), 26.8, 25.6, 25.3, 14.3.
【0274】
5−(4−(6−クロロ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−4−02)の合成:丸底フラスコ中、0℃でNaOH(89mg、2.2mmol)を50%水性NH
2OH(0.9mL、約50当量)に溶解した。SS−3−99(100mg、0.28mmol)の1:1 THF/MeOH(4mL)溶液を滴下して加え、室温まで昇温させながら、30分間、撹拌を継続した。この溶液を2N HClで中和し、EtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を分離してブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。HPLC(方法2)によって粗生成物を精製し、凍結乾燥すると、所望の生成物がオフホワイト色粉末として得られた(100mg、75%、TFA塩)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.43 (s, 1H), 7.07 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.94 (dd, J = 8.7, 2.6 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.54 (s, 1H), 3.28 - 3.21 (m, 4H), 2.84 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.71 - 1.46 (m, 6H), 1.19 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ 174.5, 163.0, 157.4, 142.5, 132.5, 126.2, 125.3, 118.4, 111.9, 100.5, 50.2, 44.7, 40.2, 39.9, 39.7, 39.5, 39.3, 39.1, 38.9, 36.0, 31.8, 30.2 (2C), 25.6, 24.6, 24.5.ESI HRMS計算値C
19H
24N
3O
3Cl:[M+H]
+、m/z378.1579;実測値:378.1566。
実施例9
5−(4−(2,8−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
(SS−1−54)
【化31】
【0275】
5−(4−ブロモブチル)−2,8−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(SS−1−49)の合成:SS−1−36(300mg、1.15mmol)の撹拌したDMF(5mL)溶液に、NaH(60%、140mg、3.45mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で15分間、撹拌し、次いで、1,6−ジブロモブタン(364mg、1.7mmol)を滴下して加えた。この混合物を室温で1時間、撹拌した。反応の完了後、1N HCl水溶液を加えて、pHを6〜7へと中和した。次に、この反応溶液をEtOAcおよび水により3回、抽出した。合わせた有機層を分離して、水およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して減圧下で濃縮した。EtOAc/ヘキサンのグラジエント(1〜3%)を使用するカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製すると、所望の生成物SS−1−49が無色油状物としてもたらされた。この生成物を次のステップに、直接、使用した。
【0276】
2,8−ジクロロ−5−(ヘキサ−5−イン−1−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(SS−1−50)の合成:SS−1−49(200mg、0.5mmol)の撹拌したキシレン/DMF(2/2mL)溶液に、Arによる保護下、室温でナトリウムアセチリド懸濁液(0.2mL、キシレン中の18重量%スラリー)を加えた。次に、この混合物を40℃で終夜、撹拌した。反応の完了後、この反応溶液をEtOAcおよび水により3回、抽出した。合わせた有機層を分離して、水およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して減圧下で濃縮した。EtOAc/ヘキサンのグラジエント(1〜3%)を使用するカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製すると、所望の生成物SS−1−50が無色油状物としてもたらされた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.09 - 7.07 (m, 4H), 6.97 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.10 (s, 4H), 2.14 (td, J = 7.0, 2.6 Hz, 2H), 1.89 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 1.67- 1.64 (m, 2H), 1.55 - 1.51 (m, 2H).
【0277】
エチル5−(4−(2,8−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)ブチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(SS−1−52)の合成:マイクロ波反応管中で、SS−1−50(100mg、0.30mmol)のEtOAc(3mL)溶液に、NaHCO
3(75mg、0.90mmol)および2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(135mg、0.90mmol)を加えた。この混合物を、マイクロ波用反応器中、100℃で1時間、加熱した。反応の完了後、沈殿固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。EtOAc/ヘキサンのグラジエント(1〜20%)を使用するカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製すると、所望の生成物SS−1−52が明黄色油状物としてもたらされた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.09 - 7.08 (m, 4H), 6.96 - 6.93 (m, 2H), 6.31 (s, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.10 (s, 4H), 2.74 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.76 - 1.59 (m, 4H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0278】
5−(4−(2,8−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)ブチル)−N−ヒドロキシイソオキサゾール−3−カルボキサミド(SS−1−54)の合成:0℃で固体のNaOH(80mg、2.0mmol)をNH
2OH(0.5mL)の50%水溶液に溶解した。次に、上記の激しく撹拌したヒドロキシルアミン溶液に、0℃で30分間、1:1 THF/MeOH(2/2mL)中のSS−1−52(100mg、0.20mmol)の溶液を滴下して加えた。反応の完了後、1N HCl水溶液を加えて、PHを6〜7へと中和した。次に、この混合物溶液をEtOAcおよび水により3回、抽出した。合わせた有機層を分離して、水およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して減圧下で濃縮した。MeOH(0.05%TFA)/H
2O(0.05%TFA)グラジエント(5〜100%、方法2)を使用する分取HPLCにより粗生成物を精製すると、所望の生成物SS−1−54が白色粉末としてもたらされた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.09 - 7.07 (m, 4H), 6.95 - 6.92 (m, 2H), 6.37 (s, 1H), 3.66 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.09 (s, 4H), 2.72 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.76 - 1.68 (m, 2H), 1.63 - 1.57 (m, 2H);ESI HRMS計算値C
22H
22Cl
2N
3O
3:[M+H]
+、m/z446.1033;実測値:446.1020。
実施例10
HDACアイソフォーム阻害
【0279】
HDAC1およびHDAC6に対する実施例1〜9の化合物のIC
50値を以下の通り決定した:
【0280】
HDAC1、2、4、5、6、7、8、9、10および11のアッセイは、単離した組換えヒトタンパク質を使用した。HDAC3/NcoR2複合体をHDAC3アッセイに使用した。HDAC1、2、3、6、10および11のアッセイに対する基質は、p53残基379−382(RHKKAc)に由来する蛍光性ペプチドである。HDAC8に対する基質は、p53の残基379−382(RHKAcKAc)に基づく蛍光性ジアシルペプチドである。アセチル−Lys(トリフルオロアセチル)−AMC基質をHDAC4、5、7および9のアッセイに使用した。化合物をDMSOに溶解し、30μMで開始した3倍段階希釈による10種の用量のIC50モードで試験した。対照化合物であるトリコスタチンA(TSA)は、5μMで開始した3倍段階希釈による10種の用量ICsoで試験した。IC
50値は、用量/応答傾きに曲線あてはめることにより抽出した。アッセイは、二連で行い、IC
50値は、両方の実験からのデータの平均値である。
材料
【0281】
ヒトHDAC1(GenBank受託番号NM_004964):Sf9細胞におけるバキュロウイルス発現系により発現させた、C末端GSTタグを有する完全長(MW=79.9kDa)。酵素は、50mM Tris−HCl、pH8.0、138mM NaCl、20mM グルタチオンおよび10%グリセロール中にあり、−80℃で>6か月間、安定である。純度は、SDS−PAGEによって>10%である。比活性は、25mM Tris/Cl、pH8.0、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl
2、0.1mg/ml BSA、100μM HDAC基質および13.2ng/μl HDACI、30℃で30分間のインキュベートとなるアッセイ条件下では、20U/μg(1U=1pmol/分)である。
【0282】
ヒトHDAC6(GenBank受託番号BC069243):Sf9細胞におけるバキュロウイルス発現系により発現させた、N末端GSTタグを有する完全長(MW=159kDa)。酵素は、50mM Tris−HCl、pH8.0、138mM NaCl、20mM グルタチオンおよび10%グリセロール中にあり、−80℃で>6か月間、安定である。純度は、SDS−PAGEによって>90%である。比活性は、25mM Tris/Cl、pH8.0、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl
2、および0.1mg/ml BSA、30μM HDAC基質および5ng/μl HDAC6、30℃で60分間のインキュベートであるアッセイ条件下では、50U/μg(1U=1pmol/分)である。
【0283】
HDAC1およびHDAC6の基質:p300およびCBPアセチルトランスフェラーゼ(リシン381、382)1−6による制御アセチル化の部位である、p53(Arg−His−Lys−Lys(Ac))の残基379−382に基づいた、HDACに対するアセチル化ペプチド基質は、p53のヒストンH3およびヒストンH4アセチル化部位上でパターン化されている基質のパネル中でHDACに対して最良である。
【0284】
参考文献:W. Guら、Cell(1997年)90巻、595頁;K. Sakaguchiら、Genes Dev.、(1998年)12巻、2831頁;L. Liuら、Mal. Cell. Biol.、(1999年)19巻、1202頁;A. Itoら、EMBO J.、(2001年)20巻、1331頁;N.A. Barlevら、Mal. Cell、(2001年)8巻、1243頁;およびA. Itoら、EMBO J.、(2002年)21巻、6236頁。
【0285】
反応緩衝液:50mM Tris−HCl、pH8.0、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl
2、1mg/ml BSA。
アッセイ条件
【0286】
HDAC1:反応用緩衝液中の75nM HDAC1および50μM HDAC基質とし、1%DMSOを最終とする。30℃で2時間、インキュベートする。HDAC6:反応緩衝液中の12.6nM HDAC6および50μM HDAC基質とし、1%DMSOを最終とする。30℃で2時間、インキュベートする。
IC
50の算出
【0287】
IC
50値はすべて、GraphPad Prismバージョン5およびS字用量−応答(変数傾き)の式を使用して、自動的に計算する:Y=底部+(上部−底部)/(1+10^((LogEC50−X)*HillSlope))(式中、Xは濃度の対数であり、Yは応答であり、Yは、底部から始まり、S次形状を有する上部に至る)。大部分の場合、「底部」は0に設定され、「上部」は、「120%未満」に設定する。これは、4つのパラメータロジスティック式と同じである。IC
50曲線はまた、GraphPad Prismを使用して線を引く。これらの結果が、表1Bに示されている。
【表1B-1】
【表1B-2】
実施例11
SS−2−08のスクリーニング
【0288】
いくつかの前臨床スクリーニングアッセイにおけるSS−2−08の活性を表2に提示する。SS−2−08は、エームス活性が欠如しており、HDAC6に対して良好な効力、ならびにHDAC1およびHDAC11に対する選択性を示す。SS−2−08を、哺乳動物のミクロソーム酵素(S9ミックス)の存在下、および非存在下で、2株のSalmonella typhimurium(TA98およびTA1537)と共にインキュベートして、この化合物の可能な変異原性を検討した。どちらの株に対しても、有意な数の復帰突然変異株コロニーは観察されず、したがってミニ−エームスアッセイの条件下では、SS−2−08の変異原性が欠如していることを支持している。SS−2−08は、hERGに対して、>30μMとなるIC
50を有する。
【表2】
実施例12
細胞培養
【0289】
glutamax(Invitrogen)、100μg/mL ストレプトマイシン、100U/mL ペニシリン(Invitrogen)、10%ウシ胎児血清(Greiner Bio−one)、1%非必須アミノ酸(Invitrogen)および1.6%NaHCO
3(Invitrogen)を補給した、DMEM(ダルベッコの改変イーグル培地)およびF12培地の1:1混合物中で、マウス神経芽細胞腫(N2a)細胞を37℃および7.5%CO
2で成長させた。細胞を分割するため、Versene(Invitrogen)で細胞を洗浄し、0.05%トリプシン−EDTA(Invitrogen)で解離させた。DRGニューロンを、12か月齢の成体Thy1.2−HSPB1 S135Fマウスから培養した。DRGニューロンを脊髄から切除し、冷HBSS(MgCl
2およびCaCl
2を含まない。Invitrogen)に維持した。DRGニューロンを抽出するため、切除した組織を37℃で、45分間、コラゲナーゼD(1mg/mL)と共にインキュベートし、次いで、0.05%トリプシン−EDTA(Invitrogen)と共に、37℃で30分間、インキュベートした。この細胞懸濁液を、10%ウシ胎児血清(Greiner−Bio)、1%非必須アミノ酸(Invitrogen)、0.14%炭酸水素ナトリウム(Invitrogen)および200nM L−グルタミン(Invitrogen)を補給したDMEM:F12培地を含有するDRG PREP培地で洗浄した。ポリ−L−オルニチン−(Sigma−Aldrich)およびラミニン−(Sigma−Aldrich)をコーティングしたカバーガラス上にDRGニューロンを播種し、4mM L−glutamax(Invitrogen)、10%ウシ胎児血清(GreinerBio)、50μg/mLストレプトマイシン、50U/mLペニシリン(Invitrogen)、0.045%NaHCO
3(Invitrogen)および1.6μg神経成長因子(Millipore)を補給した、1:1のDMEMとF12培地の混合物中で成長させた。N2a細胞およびDRGニューロンを37℃で終夜、処理し、投与量は、10nM〜1μMの化合物の範囲、または等用量のDMSO(Sigma−Aldrich)とした。
ウエスタンブロット解析
【0290】
処置した細胞をリン酸緩衝液生理食塩水(PBS)で洗浄し、製造業者の指示書に従い、EpiQuik Total Histone Extraction Kit(EpiGentek)を使用して採集した。組織をマウスから切除し、液体窒素中でスナップ凍結した。組織の解離は、LysisMatrix Dビーズを含有する管を使用することにより行った。タンパク質濃度は、製造業者の指示書に従い、microBCAキット(Thermo Fisher Scientific Inc.、Pittsburgh、PA、USA)を使用して決定した。12%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)ゲル上で試料を分ける前に、等量のタンパク質を含有する試料に、還元性試料緩衝液(Thermo Scientific)を補給し、95℃で5分間、加熱した。電気泳動後、タンパク質を、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)膜(Millipore Corp.、Bedford、MA、USA)に移した。非特異的結合を、Tris緩衝化生理食塩水Tween(TBST)、50mM TRIS、150mM NaCl、0.1%Tween−20(Applichem、Darmstadt、Germany)中で希釈した、5%ウシ血清アルブミン(BSA)中で膜を1時間、室温でインキュベートすることによりブロッキングし、次いで、一次抗体で終夜、インキュベートした。抗体(TBS−Tに希釈)は、α−チューブリン(1/5000、T6199、Sigma−Aldrich)、アセチル化α−チューブリン(1/5000、T6793モノクローナル、Sigma−Aldrich)、ヒストンH3アセチルk9+k14(1/1000、9677L、Cell Signaling)およびヒストン4(1/1000、ab10158、Abcam)に向けたものであった。アルカリホスファターゼ(抗マウスまたは抗ウサギ、1/5000、Sigma−Aldrich)に結合した二次抗体を使用して、一次抗体のシグナルを検出した。ブロットは、ECF基質(Enhanced Chemical Fluorescence、GE Healthcare、Uppsala、Sweden)を加えることにより可視化し、ImageQuant LAS4000で画像化した。温和な再ブロット用緩衝液(Millipore)を適用して、ブロットをストリップした。ImageQuant TLバージョン7.0ソフトウェアを使用して、ブロットを定量した。
図18を参照されたい。
実施例13
細胞培養
【0291】
10%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン(50U/ml)、L−グルタミン(2mM)および2−メルカプトエタノール(50μM)(完全培地)を補給したRPMI1640培地中で、ヒト黒色腫細胞WM164を培養し、加湿条件下、37℃および5%CO
2で成長させた。
イムノブロット
【0292】
280mM NaCl、50mM Tris HCL PH8.0、0.5%Igepal、5mM MgCl2、10%グリセロールおよび1Xプロテアーゼ阻害剤(Roche)、ホスファターゼ阻害剤(Santa Cruz Biotechnology)を含有する緩衝液中に細胞を溶解した。溶解物を氷上で8分間、音波照射し(30秒間を2サイクル、30秒の休止)、次に、6×ゲルローディング用緩衝液と混合し、5分間、煮沸した。次に、試料を10%または4〜15%のグラジエントゲル上で分け、ニトロセルロース膜に移した。5%ミルク−PBS−Tweenで膜をブロッキングした。バンドを、700チャネルと800チャネルの両方を使用するLI−COR Odyssey画像化システムを用いてブロットを走査することにより検出した。イムノブロットに使用した抗体には、Santa Cruz Biotechnologyから購入した、抗アセチル−α−チューブリン(SC−23950)および抗α−チューブリン(SC−32293)が含まれた。抗HDAC6(C0226)は、Assay Biotech製であった。抗GAPDH(68795)は、Sigma Aldrich製であった。抗STAT3(12640)、抗P−STAT3 Y−705(9138)、抗P−STAT3 S727(9136)および抗Acetil−STAT3(2523)は、Cell signalingから購入した。抗PD−L1(PA5−28115)は、Thermo Scientificから得た。抗FLAG(F1804)抗体は、Sigma製であった。
【0293】
IL−6(30ng/uL)またはIFNg(100ng/uL)の存在下または非存在下で、様々な濃度のSS−01−100およびSS−02−08でヒト黒色腫WM164細胞を処置した。HDAC6の天然基質である、アセチル化チューブリンのレベルは、試験した条件のすべてにおいて向上した。
図1〜3を参照されたい。
実施例14
細胞培養物
【0294】
10%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン(50U/ml)、L−グルタミン(2mM)および2−メルカプトエタノール(50□M)(完全培地)を補給したRPMI1640培地中で、すべての細胞を培養し、加湿条件下、37℃および5%CO
2で成長させた。
細胞毒性アッセイ
【0295】
細胞を、黒色の透明平底96ウェルプレートで所望の密度でプレート培養した。細胞成長の24時間後に、すべてのウェルから培地を除去し、製造プロトコルを使用して、新鮮培地を蛍光CellTox色素と共に加えた。次に、このプレートを様々な濃度の化合物で、目的の化合物により処理した。プレート培養の直後に、ベースラインの読み取りを行った。次に、このプレートを24時間、インキュベートした後、次の読み取りを行い、これを24時間時の読取値と見なした。Molecular Devices分光光度計(SpectraMax)と一対になったSoftMax Pro Microplate Data Acquisitionおよび解析ソフトウェアを使用して、アッセイの測定値を収集した。
HDACアッセイ
【0296】
細胞を、白色の透明平底96ウェルプレートで終夜、10,000個細胞/ウェルの密度でプレート培養した。次に、24時間後に、このプレートを、所望の濃度の目的の化合物で処理し、37℃および5%CO
2で1時間、インキュベートした。化合物とのインキュベート後、製造プロトコルに従い、顕色剤を基質に加えて混合し、プレートに直接、加えた
6。SpectraMaxを使用して、プレート培養の直後にプレートを1時間15分、読み取り、2分毎に読み取りを行った。
【0297】
様々な濃度のSS−2−08およびSS−01−100で、ヒト黒色腫WM164細胞を処置し、これらの化合物の潜在的な細胞傷害作用に関連するHDAC活性を評価した。
図4〜7に示される通り、どちらの化合物も、これらの細胞中で最小限の細胞毒性作用を維持しながら、用量依存的にHDAC活性を低下させた。
【0298】
同じ実験手法の後に、ヒト細胞系:HCT116、H1299、H2122およびマウス:4T1、FARN、LLC、GL261、B16で、SS−2−08のHDAC活性阻害および細胞毒性を評価した。すべての試験した細胞系で、SS−2−08によりHDAC活性が低下した。
図9を参照されたい。さらに、SS−2−08の細胞毒性は、10μMまでの最小であった。
図9を参照されたい。
【0299】
いくつかの細胞系において、SS−2−08の細胞毒性およびHDAC活性阻害を、公知のHDAC6阻害剤であるネクスツラスタットAおよびツバスタチンAと比較した。
図10〜13を参照されたい。
実施例15
細胞培養
【0300】
1%最小必須媒体(MEM)非必須アミノ酸溶液、10%ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン−ストレプトマイシン(P/S)を補給したRPMI1640培地で、マウス黒色腫SM1細胞を培養し、次に、加湿条件下、37℃および5%CO
2で成長させた。
ApoTox−Glo Triplex Assay(登録商標)対照
【0301】
アッセイ対照のジギトニン(D141−100MG)、イオノマイシン(I064−1MG)およびマイトマイシンC(M4287−2MG)はSigmaから購入した。対照のプレート培養評価により、化合物のプレート(30μg/mLのジギトニン、100μMのイオノマイシンおよび25μg/mLのマイトマイシン)に対するHDACiの最適な対照濃度を選択した。
ApoTox−Glo Triplex Assay(登録商標)
【0302】
プロトコル推奨アッセイ対照と共に、個々のHDACiでマウス黒色腫細胞を処置した。製造業者プロトコルに従い、生存率/毒性試薬を加えた。1つの波長400Ex/505Em(生存率)および485Ex/520Em(細胞毒性)で蛍光を測定した。次に、カスパーゼ3/7試薬を加え、インキュベート後に、Lm578で発光を測定した(アポトーシス)。SpectraMaxを使用して、アッセイ測定値を収集した。解析中に、LBHを対照化合物として使用した。
【0303】
SS−2−08は、黒色腫細胞において、アポトーシスを誘発しない。公知のHDAC6阻害剤であるネクスツラスタットAおよびツバスタチンAおよびパンHDAC阻害剤であるLBH589に対して、アポトーシス、生存率および細胞毒性を評価した。
図14〜16を参照されたい。
実施例16
検討設計
【0304】
マウスを含む動物実験は、George Washington UniversityにおけるIACUCによりすべて承認を受けたプロトコルに準拠して行った。C57/BL/6マウスは、Charles River(Massachusetts−Wilmington、USA)から得た。in vivoでの腫瘍検討用のマウスに、100μLの1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で懸濁させた1.0×10
6個のSM1黒色腫細胞を右脇腹に皮下注射した。皮下注射後に、腫瘍が容易に触知可能になるまで、腫瘍成長をモニタリングした。触知可能になると(直径が5〜8mm)、次に、動物を、ビヒクル対照、または25mg/kgおよび50mg/kgの用量のSS−2−08で腹腔内に、1週間に3回、処置した。腫瘍成長は、1週間に2回、記録した。腫瘍が4000mm
3に到達すると、マウスを安楽死させた。収集した値を、処置群に対する平均腫瘍体積(mm
3)および標準偏差として表す。
【0305】
SS−2−08により、
図17に示される通り、同系マウスのSM1黒色腫腫瘍の腫瘍成長が低下した。
【0306】
本明細書において引用されている特許および刊行物はすべて、これらの全体が参照により完全に組み込まれている。