(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-515761(P2020-515761A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】衝突型プラットフォーム冷却を一体化したエアロフォイル冷却を有するタービンロータブレード
(51)【国際特許分類】
F01D 5/18 20060101AFI20200501BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
F01D5/18
F02C7/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-553397(P2019-553397)
(86)(22)【出願日】2018年3月20日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月25日
(86)【国際出願番号】US2018023221
(87)【国際公開番号】WO2018208370
(87)【国際公開日】20181115
(31)【優先権主張番号】62/478,296
(32)【優先日】2017年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チン−パン・リー
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・ウェイウッド
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ケスター
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202CA07
3G202CB05
3G202JJ06
3G202JJ14
3G202JJ27
3G202JJ30
(57)【要約】
タービンロータブレード(10)のための一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)は、冷却剤(K)の供給を受けるための基礎部(24)にある入口(38、48)と、入口(38、48)に流体接続されかつ径方向外方へ冷却剤(K)を導くように構成された少なくとも1つの冷却脚部(32a、32c、42a、42c)と、を有する。冷却脚部(32a、32c、42a、42c)は、ブレードエアロフォイル(12)内において翼幅方向に延在する内部キャビティ(26)によって少なくとも部分的に画成されている。冷却脚部(32a、32c、42a、42c)の入口は、ブレードプラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在する流動経路(92、102)を備えており、それにより、冷却剤(K)を冷却脚部(32a、32c、42a、42c)内へ導く前に、径方向外方に流動する冷却剤(K)をブレードプラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンロータブレード(10)であって、
プラットフォーム(50)と、
プラットフォーム(50)から翼幅に関して径方向外方に延在するエアロフォイル(12)と、
当該タービンロータブレード(10)をディスクに取り付けるためにプラットフォーム(50)から径方向内方に延在する基礎部(24)と、
一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)と、
を備え、
前記エアロフォイル・プラットフォーム冷却システムが、
冷却剤(K)の供給を受けるために前記基礎部(24)に位置する入口(38、48)と、
前記入口(38、38)に流体接続され、径方向外方で前記冷却剤(K)を導くように構成された少なくとも1つの冷却脚部(32a、32c、42a、42b)であって、前記エアロフォイル(12)内で翼幅方向に延在する内部キャビティ(26)によって画成された、冷却脚部と、
を備え、
前記冷却脚部(32a、32c、42a、42c)の入口が、前記プラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在する流動経路(92、102)を備え、それにより、前記冷却剤(K)を前記冷却脚部(32a、32c、42a、42b)内に導く前に、径方向外方に流動する前記冷却剤(K)を前記プラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付けることを特徴とするタービンロータブレード。
【請求項2】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)の前記内側面(60)が、前記流動経路(92、102)の前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部内に画成された衝突領域において撹拌体(70)を備えることを特徴とする請求項1に記載のタービンロータブレード。
【請求項3】
タービンロータブレード(10)であって、
プラットフォーム(50)と、
前記プラットフォーム(50)から翼幅に関して径方向外方に延在し、前縁(18)及び後縁(20)で結合する圧力側面(14)及び吸引側面(16)を備えるエアロフォイル(12)であって、内部に複数の内部キャビティ(26)を備えるほぼ中空である、エアロフォイルと、
当該タービンロータブレード(10)をディスクに取り付けるためにプラットフォーム(50)から径方向内方に延在する基礎部(24)と、
一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)と、
を備え、
前記エアロフォイル・プラットフォーム冷却システムが、
流動転向部(36、46)によって流体接続された第1脚部(32b、42b)及び第2脚部(32c、42c)を少なくとも備える少なくとも1つの蛇行チャネル(32、42)を備え、
前記第1脚部(32b、42b)及び前記第2脚部(32c、42c)が、ほぼ径方向内方及び径方向外方に冷却剤(K)を各別に導き、前記第1脚部(32b、42b)及び前記第2脚部(32c、42c)が、複数の第1の前記内部キャビティ(26)及び複数の第2の前記内部キャビティ(26)によって前記エアロフォイル(12)内に少なくとも部分的に各別に画成されており、
前記流動転向部(36、46)が、前記プラットフォーム(50)の径方向内方に位置し、
前記流動転向部(36、46)の下流側において、前記蛇行チャネル(32、42)が、流動経路(92、102)を備えており、前記流動経路が、前記プラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在し、それにより、径方向外方に流動する前記冷却剤(K)を前記プラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付けることを特徴とするタービンロータブレード。
【請求項4】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)の前記内側面(60)が、前記流動経路(92、102)の前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部内に画成された衝突領域において撹拌体(70)を備えることを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項5】
衝突後に、前記冷却剤(K)が、前記エアロフォイル(12)内に延在する前記蛇行チャネル(32)の前記第2脚部(32c)に完全に流入することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項6】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)に形成された複数のフィルム状冷却孔部(82)をさらに備え、
前記フィルム状冷却孔部(82)が、前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)を前記流動経路(102)のうち前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部に流体接続することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項7】
前記流動経路(92、102)の横方向延在部が、圧力側面プラットフォーム部分(56)内へのみ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項8】
少なくとも1つの前記蛇行チャネル(32)が、翼弦方向で前後方向に当該タービンロータブレード(10)の中間翼弦部分から前記エアロフォイル(12)の前記前縁(18)まで延在することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項9】
少なくとも1つの前記蛇行チャネル(42)が、翼弦方向で前後方向に当該タービンロータブレード(10)の中間翼弦部分から前記エアロフォイル(12)の前記後縁(20)まで延在することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項10】
タービンロータブレード(10)であって、
プラットフォーム(50)と、
前記プラットフォーム(50)から翼幅に関して径方向外方に延在し、前縁(18)及び後縁(20)で結合する圧力側面(14)及び吸引側面(16)を備えるエアロフォイル(12)と、
当該タービンロータブレード(10)をディスクに取り付けるためにプラットフォーム(50)から径方向内方に延在する基礎部(24)と、
一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)と、
を備え、
前記エアロフォイル・プラットフォーム冷却システムが、
翼弦方向で前後方向に前記エアロフォイル(12)の前記前縁(18)に向けて延在する第1蛇行チャネル(32)と、
翼弦方向で前後方向に前記エアロフォイル(12)の前記後縁(20)に向けて延在する第2蛇行チャネル(42)と、
を備え、
前記第1及び第2蛇行チャネル(32、42)それぞれが、前記エアロフォイル(12)内に少なくとも部分的に位置する複数の脚部(32a、32b、32c、42a、42b、42c)を備え、
前記第1及び第2蛇行チャネル(32、42)それぞれの連続的に隣接する前記脚部が、径方向で交互に冷却剤を導き、先端転向部(34)または基礎転向部(36、46)によって画成される流動転向部それぞれによって流体接続されており、
前記第1蛇行チャネル(32)及び前記第2蛇行チャネル(42)の前記基礎転向部(36、46)それぞれが、前記プラットフォーム(50)の径方向内方に位置し、
前記基礎転向部(36、46)それぞれの下流側において、前記第1及び第2蛇行チャネル(32、42)それぞれが、前記プラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在する流動経路(92、102)を各別に備え、それにより、径方向外方に流動する前記冷却剤(K)を前記プラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付けることを特徴とするタービンロータブレード。
【請求項11】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)の前記内側面(60)が、前記流動経路(92、102)のうちの一方または双方の前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部内に画成された衝突領域において撹拌体(70)を備えることを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項12】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)に形成された複数のフィルム状冷却孔部(82)をさらに備え、
前記フィルム状冷却孔部(82)それぞれが、前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)を前記流動経路(102)のうち前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部に流体接続することを特徴とする請求項10に記載のタービンロータブレード。
【請求項13】
前記フィルム状冷却孔部(82)が、前記プラットフォーム(50)の後部分にのみ設けられており、前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)を前記第2蛇行チャネル(42)の前記流動経路(102)のうち前記プラットフォーム(50)内に延在する横方向延在部に接続することを特徴とする請求項12に記載のタービンロータブレード。
【請求項14】
前記流動経路(92、102)それぞれの横方向延在部が、圧力側面プラットフォーム部分(56)内へのみ設けられていることを特徴とする請求項10に記載のタービンロータブレード。
【請求項15】
前記第2蛇行チャネル(42)の前記流動経路(102)のうち前記プラットフォーム(50)内への前記横方向延在部が、前記第1蛇行チャネル(32)の前記流動経路(92)のうち前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載のタービンロータブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンロータブレードに関し、特に、一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却を有するタービンロータブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
主として、ガスタービンエンジンは、空気を圧縮するための圧縮機セクションと、圧縮空気を燃料と混合して混合物に点火して高温動作流体を形成するための燃焼器セクションと、を有する。タービンセクションには、通常、他列のまたは多段のタービンロータブレードが設けられており、これらタービンロータブレードは、高温動作流体を膨張させて機械的出力を生成する。ガスタービンエンジンの効率は、より高温のガス流動をタービンセクションに通過させることによって、増加され得る。その結果、タービンロータブレードは、このような高温に耐えることが可能な材料で形成されなければならない。また、タービンロータブレードは、しばしば、ブレードの寿命を長くしかつ過剰な温度の結果としての故障の可能性を低減するための冷却システムを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
主として、タービンロータブレードは、一端部においてプラットフォームを有する基礎部分と基礎部分に連結されたプラットフォームから外方に延在するブレードを形成する細長部分とから形成されている。ブレードは、通常、基礎セクションとは反対側にある先端部と、前縁と、後縁と、からなる。大部分のタービンロータブレードの内部態様は、主として、冷却システムを形成する複雑な迷路状の冷却チャネルを有する。ブレード内の冷却チャネルは、タービンエンジンの圧縮機から空気を受け、空気をブレードを通過させる。冷却チャネルは、しばしば、全ての態様のタービンロータブレードを比較的均一な温度で維持するように設計された複数の流動経路を有する。しかしながら、遠心力及び境界層における空気流動は、しばしば、タービンロータブレードのいくつかの領域を適切に冷却することを防止し、その結果、局所的な高温点を形成する。局所的な高温点は、これらの場所に応じて、タービンロータブレードの有用な寿命を低減し得、かつ、ブレードの交換を必要とする程度までタービンロータブレードを損傷させ得る。
【0004】
ブレードプラットフォームは、しばしば、プラットフォームの下にあるキャビティから冷却空気を引き込む冷却通路を有する。これら冷却通路は、主として、相互接続されており、冷却範囲を形成する。しかしながら、前側のロータ冷却キャビティは、高温ガス取込を受け得、その結果、よりブレードプラットフォームの下方の空気がより暖かくなり、プラットフォームの冷却に悪影響を与える。このため、これら欠点を克服する改善した冷却システムを有するタービンロータブレードへの必要性がある。
【0005】
簡潔に、本発明の態様は、エアロフォイル冷却を衝突型プラットフォーム冷却と一体化させたタービンロータブレードに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様によれば、タービンロータブレードが提供される。ブレードは、プラットフォームと、翼幅に関してプラットフォームから径方向外方に延在するエアロフォイルと、タービンロータブレードをディスクに取り付けるためにプラットフォームから径方向内方に延在する基礎部と、を備える。ブレードは、一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システムをさらに備える。冷却システムは、冷却剤の供給を受けるために基礎部に位置する入口と、入口に流体接続されかつ径方向外方で冷却剤を導くように構成された少なくとも1つの冷却脚部と、を備える。冷却脚部は、エアロフォイル内において翼幅方向に延在する内部キャビティによって少なくとも部分的に画成されている。上記冷却脚部の入口は、プラットフォーム内へ径方向外方にかつ横方向に延在する流動経路を備え、それにより、冷却剤を上記冷却脚部内に導く前に、径方向外方に流動する冷却剤をプラットフォームの径方向外面の内側面に衝突させるように方向付ける。
【0007】
本発明の第2態様によれば、タービンロータブレードが提供される。ブレードは、プラットフォームと、プラットフォームから翼幅方向に関して径方向外方に延在するエアロフォイルと、ブレードをディスクに取り付けるためにプラットフォームから径方向内方に延在する基礎部と、を有する。エアロフォイルは、前縁及び後縁で結合する圧力側面及び吸引側面を備える。エアロフォイルは、ほぼ中空であり、内部に複数のキャビティを備える。ブレードは、一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システムをさらに備え、この冷却システムは、少なくとも1つの蛇行チャネルを備える。少なくとも1つの蛇行チャネルは、流動転向部によって流体接続された第1脚部及び第2脚部を備える。第1及び第2脚部は、ほぼ径方向内方及び径方向外方に冷却剤を各別に導く。第1及び第2脚部は、第1及び第2の複数の上記内部キャビティによってエアロフォイル内に少なくとも部分的に各別に画成されている。流動転向部は、プラットフォームの径方向内方に位置する。流動転向部の下流側において、蛇行チャネルは、プラットフォーム内へ径方向外方に及び横方向に延在する経路を備えており、それにより、径方向外方に流動する冷却剤をプラットフォームの径方向外面の内側面に衝突させるように方向付ける。
【0008】
本発明の第3態様によれば、タービンロータブレードが提供される。ブレードは、プラットフォームと、翼幅に関してプラットフォームから径方向外方に延在するエアロフォイルと、ブレードをディスクに取り付けるためにプラットフォームから径方向内方に延在する基礎部と、を備える。エアロフォイルは、前縁及び後縁で結合する圧力側面及び吸引側面を備える。ブレードは、一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システムをさらに備え、この冷却システムは、第1蛇行チャネル及び第2蛇行チャネルを有する。第1蛇行チャネルは、翼弦方向で前後方向にエアロフォイルの前縁に向けて延在する。第2蛇行チャネルは、翼弦方向で前後方向にエアロフォイルの後縁に向けて延在する。第1及び第2蛇行チャネルそれぞれは、エアロフォイル内に少なくとも部分的に位置する複数の脚部を備える。蛇行チャネルそれぞれにおける連続的に隣接する脚部は、径方向で交互に冷却剤を導き、頂部転向部または基礎転向部によって画成された流動転向部それぞれによって流体接続されている。基礎転向部それぞれの下流側において、蛇行チャネルそれぞれは、プラットフォーム内へ径方向外方に及び横方向に各別に延在する流動経路を備え、それにより、径方向外方に流動する冷却剤をプラットフォームの径方向外面の内側面に衝突させるように方向付ける。
【0009】
図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面は、好ましい構成を示しており、本発明の範囲を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】圧力側面から吸引側面を見たタービンロータブレードの長手方向軸断面であって、本発明の一実施形態にかかる一体型エアロフォイル及びプラットフォーム冷却システムを示す、長手方向断面図である。
【
図2】
図1のセクションII−IIに沿って径方向内方を見たタービンロータブレードを示す横断面図である。
【
図3】
図1のセクションIII−IIIに沿って翼弦方向後方から前方を見たタービンロータブレードを示す横断面図である。
【
図4】
図1のIV−IVに沿って翼弦方向後方から前方を見たタービンロータブレードを示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、本願の一部を形成する添付の図面を参照し、この詳細な説明は、参考として示されており、限定のために示されておらず、特有の実施形態では、本発明を実施し得る。理解されることは、他の実施形態を利用し得ること、及び、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更をし得ること、である。
【0012】
本開示において、方向Aは、回転軸8に平行な軸方向を示しており、方向R及びCは、回転軸8に関して径方向及び周方向を各別に示す。
【0013】
図1は、本発明の例示的な実施形態にかかるタービンロータブレード10を示す。ブレード10は、ガスタービンエンジンのタービンセクションの長手方向回転軸8回りに回転可能である。ブレード10は、プラットフォーム50から高温動作流体の流動経路内へ翼幅に関して径方向外方に延在するエアロフォイル12を備える。
図2に最もよく示すように、エアロフォイル12は、全体的に凹状の圧力側面14と、全体的に凸状の吸引側面16と、を有し得、これら圧力側面及び吸引側面は、前縁18及び後縁20で結合される。エアロフォイル12は、全体的に中空であり、複数の翼幅方向に延在する内部キャビティ26を備える。キャビティ26は、内部冷却チャネルとして機能し得、翼幅方向に延在する隔壁リブ28によって分離されている。
図1に戻って参照すると、プラットフォーム50は、高温動作流体にさらされる径方向外面52と、径方向外面52とは反対側にある径方向内面54と、を備える。ブレード10は、プラットフォーム50の径方向内面54から径方向内方に延在する基礎部24をさらに備える。基礎部24は、主として、クリスマスツリー状をなしており、ロータディスク(図示略)内の対応する形状をなすスロット内に嵌合するように構成されている。複数のこのようなブレード10は、周方向のアレイ状でロータディスクに取り付けられ得、一列のタービンロータブレードを形成する。
【0014】
ブレード10には、冷却システム30が設けられており、この冷却システムは、エンジン動作中に高温動作流体にさらされるブレード構成部材を冷却するために、タービンエンジンの圧縮機セクションから転用される。エンジン効率を改善するために、望ましいことは、全体的な冷却剤流動要求を最小化すること、である。図示した実施形態において、冷却システム30は、プラットフォーム50を冷却するためにエアロフォイル12を循環する冷却剤流動を使用するようにすることでエアロフォイル冷却をプラットフォーム冷却と一体的にすることによって、効率的な冷却機構を形成する。これにより、プラットフォームを別個に冷却するために追加の冷却剤を使用することを解消し得る。特に、本発明の実施形態は、エアロフォイル蛇行冷却回路内を循環する冷却剤を使用して、プラットフォーム50の径方向外面52の内側面60を衝突型冷却することに影響を及ぼす機構を形成する(
図3及び
図4参照)。
【0015】
図示した例において、冷却システム30は、前方冷却回路及び後方冷却回路を備える。前方冷却回路は、翼弦に関して前後方向に延在する第1蛇行チャネル32を組み込んでいる。このため、第1蛇行チャネル32は、翼弦方向で、ブレード10の中間翼弦部分からエアロフォイル12の前縁18に向けて延在する。後方冷却回路は、翼弦に関して前後方向に延在する第2蛇行チャネル42を組み込んでいる。このため、第2蛇行チャネル42は、翼弦方向で、ブレード10の中間翼弦部分からエアロフォイル12の後縁20に向けて延在する。
【0016】
この例において、
図1に示すように、第1蛇行チャネル32は、翼幅方向に延在する冷却脚部32a、32b及び32cを備える3経路の蛇行回路を形成する。脚部32a、32b、32cは、エアロフォイル12内に少なくとも部分的に形成されており、隔壁リブ28(
図2参照)によって分離された隣接する内部キャビティ26によって画成される。脚部32a、32b、32cは、流体的に直列接続されており、径方向で交互に冷却剤Kを導く。脚部32aは、基礎部24に位置する冷却剤入口38に接続されており、この冷却剤入口は、例えばタービンエンジンの圧縮機セクションからの冷却空気の供給を受ける。脚部32aは、径方向外方に冷却剤Kを導き、流動転向部34を介して脚部32bに接続されている。そして、脚部32bは、径方向内方に冷却剤Kを導き、流動転向部36を介して脚部32cに接続されており、この脚部32cは、その後、径方向外方に冷却剤Kを導く。脚部32a、32b、32cを画成するキャビティ26には、冷却剤Kとの熱伝導を強化するために撹拌体70のような内壁機構が設けられ得る。
図2に示すように、脚部32cからの冷却剤Kは、介在隔壁リブ28に形成された交差孔部83を介して前縁キャビティLECに入り得る。前縁キャビティLECからの冷却剤は、前縁18にあるシャワーヘッド状開口部85及び/またはエアロフォイル12の側壁14、16のうちの一方または双方にあるフィルム状冷却孔部87を通してエアロフォイル12から排出される。
【0017】
図1に戻って参照すると、図示した例において、第2蛇行チャネル42は、同様に、翼幅方向に延在する冷却脚部42a、42b及び42cを備える3経路の蛇行回路を形成する。脚部42a、42b、42cは、エアロフォイル12内に少なくとも部分的に形成されており、隔壁リブ28(
図2参照)によって分離された隣接する内部キャビティ26によって画成される。脚部42a、42b、42cは、流体的に直列接続されており、径方向で交互に冷却剤Kを導く。脚部42aは、基礎部24に位置する冷却剤入口38に接続されており、この冷却剤入口は、例えばタービンエンジンの圧縮機セクションからの冷却空気の供給を受ける。脚部42aは、径方向外方に冷却剤Kを導き、流動転向部44を介して脚部42bに接続されている。そして、脚部42bは、径方向内方に冷却剤Kを導き、流動転向部46を介して脚部42cに接続されており、この脚部42cは、その後、径方向外方に冷却剤を導く。脚部42a、42b、42cを画成するキャビティ26には、冷却剤Kとの熱伝導を強化するために撹拌体70のような内壁機構が設けられ得る。
図2に示すように、脚部42cは、ピンフィンのような後縁冷却機構74に接続され得、これら後縁冷却機構は、後縁20に位置する出口スロット89に至り、冷却剤は、この出口スロットを通して、エアロフォイル12から排出される。
【0018】
この説明において、全体として冷却剤流動を径方向外方から径方向内方へ方向転換させる流動転向部34、44それぞれは、「先端転向部」と称される。他方、全体として冷却剤流動を径方向内方から径方向外方へ方向転換させる流動転向部36、46それぞれは、「基礎転向部」と称される。図示した実施形態において、冷却システム30の基礎転向部36、46のうちの少なくとも1つ、好ましくはそれぞれは、プラットフォーム50の径方向内方に位置しており、それにより、冷却剤を径方向外方に方向転換させてプラットフォーム50の径方向外面52の内側面60に衝突させる。
【0019】
ここで、
図1、
図1A及び
図3を参照すると、本例における前方蛇行チャネル32の基礎転向部36の配置が示されている。図示のように、基礎転向部36は、プラットフォーム50の径方向内方に位置している。基礎転向部36の下流側にある冷却脚部32cの入口において、蛇行チャネル32は、流動経路92を備え、この流動経路は、圧力側面14、吸引側面16、前縁18及び後縁20によって画成されるエアロフォイル12の輪郭の外方で所定距離だけ径方向外方にかつ同様にプラットフォーム50内へ横方向に延在する。基礎転向部36の下流側において流動経路92が径方向外方及び横方向に延在することにより、冷却剤Kを径方向外方へ流動するように方向付け、プラットフォーム50の径方向外面52の内側面60へ衝突させる。冷却剤Kを内側面60に衝突させることにより、プラットフォーム50の径方向外面52における背面冷却への改善をもたらし、この径方向外面は、高温動作流体にさらされる。好ましい実施形態において、プラットフォーム50の衝突型冷却を強化するために、プラットフォーム50の径方向外面52の内側面60には、プラットフォーム50内への流動経路92の横方向延在部分内に画成された衝突領域内に撹拌体70を設け得る。
図3に示すように、本実施形態の前方冷却回路において、衝突後の冷却剤Kは、全体として、エアロフォイル12内に延在する蛇行チャネル32の脚部32cに流入する。
【0020】
ここで、
図1、
図1A及び
図4を参照すると、本例における後方蛇行チャネル42の基礎転向部46の配置が示されている。図示のように、後方転向部46は、プラットフォーム50の径方向内方に位置している。基礎転向部46の下流側にある冷却脚部42cの入口において、蛇行チャネル42は、流動経路102を備え、この流動経路は、圧力側面14、吸引側面16、前縁18及び後縁20によって画成されるエアロフォイル12の輪郭の外方で所定距離だけ径方向外方にかつ同様にプラットフォーム50内へ横方向に延在する。基礎転向部46の下流側において流動経路102が径方向外方及び横方向に延在することにより、冷却剤Kを径方向外方へ流動するように方向付け、プラットフォーム50の径方向外面52の内側面60へ衝突させる。冷却剤Kを側面60に衝突させることにより、プラットフォーム50の径方向外面52における背面冷却への改善をもたらし、この径方向外面は、高温動作流体にさらされる。好ましい実施形態において、プラットフォーム50の衝突型冷却を強化するために、プラットフォーム50の径方向外面52の内側面60は、プラットフォーム50内への流動経路102の横方向延在部分内に画成された衝突領域内に撹拌体70を備える。さらに、後方冷却回路の蛇行後の冷却空気をより利用するために、プラットフォームの後方部分には、フィルム状冷却孔部82が設けられている。フィルム状冷却孔部82は、プラットフォーム50の径方向外面52に形成されており、フィルム状冷却孔部82それぞれは、プラットフォーム50の径方向外面52をプラットフォーム50内への後方蛇行チャネル42の流動経路102の横方向延在部に流体接続する。このため、後方蛇行チャネル42の衝突後の冷却剤Kの一部は、フィルム状冷却孔部82を通して排気される一方、残りの冷却剤Kは、エアロフォイル12内に延在する冷却脚部42cに流入する。図面に示していないが、フィルム状冷却孔部は、プラットフォーム内の横方向に延在する流動経路の任意の場所に接続され得る。例えば、図面に示すものに加えてまたは替わりに、フィルム状冷却孔部は、プラットフォーム50の前方部分に設けられ得、これらフィルム状冷却孔部は、プラットフォーム50の径方向外面52をプラットフォーム50内への前方蛇行チャネル32の流動経路82の横方向延在部に流体接続する。
【0021】
図3及び
図4に示すように、プラットフォーム50は、エアロフォイル12の圧力側面14に隣接する圧力側面プラットフォーム部分56と、エアロフォイル12の吸引側面16に隣接する吸引側面プラットフォーム部分58と、を備えるとみなされ得る。図示した例において、両蛇行チャネル32、42の流動経路92、102の横方向延在部は、圧力側面プラットフォーム部分56内に設けられている。さらにまたはあるいは、蛇行チャネル32、42のうちの一方または双方の流動経路92、102の横方向延在部は、吸引側面プラットフォーム部分58に設けられ得る。さらに、
図3及び
図4に示すように、例示的な実施形態において、後方蛇行チャネル42のプラットフォーム50内への流動経路102の横方向延在部は、前方蛇行チャネル32のプラットフォーム50内への流動経路92の横方向延在部よりも大きくなり得る。
【0022】
さらに、上記図示した実施形態に替えてまたは加えて、プラットフォーム衝突は、同様に、蛇行チャネル32、42のうちの一方または双方の冷却脚部32a、42aの入口に設けられ得る。このために、冷却脚部32a、42aの入口は、流動経路(図示略)を備え得、この流動経路は、径方向外方にかつプラットフォーム50内へ延在し得、それにより、冷却剤Kを冷却脚部32a、42a内に導く前に、径方向外方に流動する冷却剤Kを入口38、48からプラットフォーム50の径方向外面52の内側面60に衝突させるように方向付ける。
【0023】
図示した実施形態は、複数の利点を示す。まず、前方冷却及びプラットフォーム冷却を一体化することにより、冷却剤の有効的な使用を成立させ得、これは、高効率タービンエンジンにおける低冷却剤流動要求において利点を有する。さらに、プラットフォームの下方にエアロフォイル蛇行冷却回路の基礎転向部を設けることにより、プラットフォームのさらなる衝突型冷却を実現する。基礎転向部をプラットフォームのレベルの下方に(すなわち、比較的冷たい場所)位置付けることにより、同様に、局所的な応力を減らし得る。
【0024】
特定の実施形態を詳細に説明したが、当業者は、当然ながら、本開示の全教示の範囲において、これら詳細への様々な改変及び変更をなし得る。したがって、開示された特定の配置は、単に例示的なようになっており、本発明の範囲を限定せず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びこれらの任意のまたはすべての等価物の全範囲によって付与される。
【符号の説明】
【0025】
10 タービンロータブレード、12 ブレードエアロフォイル、14 圧力側面,側壁、16 吸引側面,側壁、18 前縁、20 後縁、24 基礎部、26 内部キャビティ、30 エアロフォイル・プラットフォーム冷却システム、32 第1蛇行チャネル,前方蛇行チャネル、32a,42a 冷却脚部、32b,42b 第1脚部、32c,42c 第2脚部,冷却脚部、34 流動転向部,先端転向部、36,46 流動転向部、38,48 入口、42 第2蛇行チャネル,後方蛇行チャネル、46 流動転向部,後方転向部,基礎転向部、50 ブレードプラットフォーム、52 径方向外面、60 内側面、70 撹拌体、82 フィルム状冷却孔部、92,102 流動経路
【手続補正書】
【提出日】2019年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンロータブレード(10)であって、
プラットフォーム(50)と、
プラットフォーム(50)から翼幅に関して径方向外方に延在するエアロフォイル(12)と、
当該タービンロータブレード(10)をディスクに取り付けるためにプラットフォーム(50)から径方向内方に延在する基礎部(24)と、
一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)と、
を備え、
前記エアロフォイル・プラットフォーム冷却システムが、
冷却剤(K)の供給を受けるために前記基礎部(24)に位置する入口(38、48)と、
前記入口(38、38)に流体接続され、径方向外方で前記冷却剤(K)を導くように構成された少なくとも1つの冷却脚部(32a、32c、42a、42b)であって、前記エアロフォイル(12)内で翼幅方向に延在する内部キャビティ(26)によって画成された、冷却脚部と、
を備え、
前記冷却脚部(32a、32c、42a、42c)の入口が、前記プラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在する流動経路(92、102)を備え、それにより、前記冷却剤(K)を前記冷却脚部(32a、32c、42a、42b)内に導く前に、径方向外方に流動する前記冷却剤(K)を前記プラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付けることを特徴とするタービンロータブレード。
【請求項2】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)の前記内側面(60)が、前記流動経路(92、102)の前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部内に画成された衝突領域において撹拌体(70)を備えることを特徴とする請求項1に記載のタービンロータブレード。
【請求項3】
タービンロータブレード(10)であって、
プラットフォーム(50)と、
前記プラットフォーム(50)から翼幅に関して径方向外方に延在し、前縁(18)及び後縁(20)で結合する圧力側面(14)及び吸引側面(16)を備えるエアロフォイル(12)であって、内部に複数の内部キャビティ(26)を備えるほぼ中空である、エアロフォイルと、
当該タービンロータブレード(10)をディスクに取り付けるためにプラットフォーム(50)から径方向内方に延在する基礎部(24)と、
一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)と、
を備え、
前記エアロフォイル・プラットフォーム冷却システムが、
流動転向部(36、46)によって流体接続された第1脚部(32b、42b)及び第2脚部(32c、42c)を少なくとも備える少なくとも1つの蛇行チャネル(32、42)を備え、
前記第1脚部(32b、42b)及び前記第2脚部(32c、42c)が、ほぼ径方向内方及び径方向外方に冷却剤(K)を各別に導き、前記第1脚部(32b、42b)及び前記第2脚部(32c、42c)が、複数の第1の前記内部キャビティ(26)及び複数の第2の前記内部キャビティ(26)によって前記エアロフォイル(12)内に少なくとも部分的に各別に画成されており、
前記流動転向部(36、46)が、前記プラットフォーム(50)の径方向内方に位置し、
前記流動転向部(36、46)の下流側において、前記蛇行チャネル(32、42)が、流動経路(92、102)を備えており、前記流動経路が、前記プラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在し、それにより、径方向外方に流動する前記冷却剤(K)を前記プラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付けることを特徴とするタービンロータブレード。
【請求項4】
前記 プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)の前記内側面(60)が、前記流動経路(92、102)の前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部内に画成された衝突領域において撹拌体(70)を備えることを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項5】
衝突後に、前記冷却剤(K)が、前記エアロフォイル(12)内に延在する前記蛇行チャネル(32)の前記第2脚部(32c)に完全に流入することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項6】
前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)に形成された複数のフィルム状冷却孔部(82)をさらに備え、
前記フィルム状冷却孔部(82)が、前記プラットフォーム(50)の前記径方向外面(52)を前記流動経路(102)のうち前記プラットフォーム(50)内への横方向延在部に流体接続することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項7】
前記流動経路(92、102)の横方向延在部が、圧力側面プラットフォーム部分(56)内へのみ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項8】
少なくとも1つの前記蛇行チャネル(32)が、翼弦方向で前後方向に当該タービンロータブレード(10)の中間翼弦部分から前記エアロフォイル(12)の前記前縁(18)まで延在することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項9】
少なくとも1つの前記蛇行チャネル(42)が、翼弦方向で前後方向に当該タービンロータブレード(10)の中間翼弦部分から前記エアロフォイル(12)の前記後縁(20)まで延在することを特徴とする請求項3に記載のタービンロータブレード。
【請求項10】
タービンロータブレード(10)であって、
プラットフォーム(50)と、
前記プラットフォーム(50)から翼幅に関して径方向外方に延在し、前縁(18)及び後縁(20)で結合する圧力側面(14)及び吸引側面(16)を備えるエアロフォイル(12)と、
当該タービンロータブレード(10)をディスクに取り付けるためにプラットフォーム(50)から径方向内方に延在する基礎部(24)と、
一体型のエアロフォイル・プラットフォーム冷却システム(30)と、
を備え、
前記エアロフォイル・プラットフォーム冷却システムが、
翼弦方向で前後方向に前記エアロフォイル(12)の前記前縁(18)に向けて延在する第1蛇行チャネル(32)と、
翼弦方向で前後方向に前記エアロフォイル(12)の前記後縁(20)に向けて延在する第2蛇行チャネル(42)と、
を備え、
前記第1及び第2蛇行チャネル(32、42)それぞれが、前記エアロフォイル(12)内に少なくとも部分的に位置する複数の脚部(32a、32b、32c、42a、42b、42c)を備え、
前記第1及び第2蛇行チャネル(32、42)それぞれの連続的に隣接する前記脚部が、径方向で交互に冷却剤を導き、先端転向部(34)または基礎転向部(36、46)によって画成される流動転向部それぞれによって流体接続されており、
前記第1蛇行チャネル(32)及び前記第2蛇行チャネル(42)の前記基礎転向部(36、46)それぞれが、前記プラットフォーム(50)の径方向内方に位置し、
前記基礎転向部(36、46)それぞれの下流側において、前記第1及び第2蛇行チャネル(32、42)それぞれが、前記プラットフォーム(50)内へ径方向外方にかつ横方向に延在する流動経路(92、102)を各別に備え、それにより、径方向外方に流動する前記冷却剤(K)を前記プラットフォーム(50)の径方向外面(52)の内側面(60)に衝突させるように方向付けることを特徴とするタービンロータブレード。
【国際調査報告】