特表2020-516438(P2020-516438A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-516438(P2020-516438A)
(43)【公表日】2020年6月11日
(54)【発明の名称】廃水処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/52 20060101AFI20200515BHJP
   B01D 21/00 20060101ALI20200515BHJP
   B01D 21/01 20060101ALI20200515BHJP
   C02F 1/24 20060101ALI20200515BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20200515BHJP
   C02F 1/50 20060101ALI20200515BHJP
【FI】
   C02F1/52 Z
   B01D21/00 B
   B01D21/00 C
   B01D21/00 G
   B01D21/01 C
   C02F1/24 C
   C02F1/32
   C02F1/50 510A
   C02F1/50 520P
   C02F1/50 531M
   C02F1/50 560E
   C02F1/50 560Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-506200(P2018-506200)
(86)(22)【出願日】2017年9月30日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月30日
(86)【国際出願番号】US2017054656
(87)【国際公開番号】WO2018190899
(87)【国際公開日】20181018
(31)【優先権主張番号】15/486,260
(32)【優先日】2017年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518036843
【氏名又は名称】シーオン,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,スーン−ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウー−チュル
【テーマコード(参考)】
4D015
4D037
【Fターム(参考)】
4D015BB05
4D015CA01
4D015EA06
4D015EA22
4D015EA33
4D015EA35
4D015FA01
4D015FA02
4D015FA15
4D015FA23
4D037AA11
4D037AB02
4D037AB03
4D037BA01
4D037BA18
4D037CA02
4D037CA08
(57)【要約】
廃水処理工程の方法及び装置が提供される。1つの例示的実施形態では、流入廃水及び規定の量の処理済み廃水が第1の時間間隔において混合され、前処理水を生成する。前処理水は第2の時間間隔において固体媒体及び液体媒体の分離を発生させるように調剤された、選択的な化学添加剤で調合され、分離された水を生成する。残っている固体媒体はスラッジフィルタを用いて分離された水から除去され、処理済み廃水を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前処理添加材保持タンクから規定の量の処理済み廃水を回収する工程と、
第1の時間間隔の間、第1の処理タンクにおいて、前処理水を生成するように、流入廃水と前記規定の量の処理済み廃水とを混合する工程と、
第2の時間間隔の間、第2の処理タンクにおいて、固体媒体及び液体媒体の分離を引き起こすように調剤された選択的な化学添加剤を前記前処理水に添加することによって、分離された水を生成する工程と、
前記分離された水に含まれる固体媒体をフィルタで実質的に除去して、処理済み廃水を生成する工程と、を含むことを特徴とする廃水処理方法。
【請求項2】
前記フィルタからの前記処理済み廃水で前記前処理添加材保持タンクを再充填する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
【請求項3】
前記選択的な化学添加剤は、前記固体媒体の凝固または浮遊を促進することによって、固体媒体と液体媒体の分離を引き起こすことを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
【請求項4】
前記スラッジフィルタで固体媒体を除去する前に、第3のタンクにおいて第3の時間間隔で気泡浮上分離法によって前記分離された水を処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
【請求項5】
前記規定の量の処理済み廃水は、流入廃水及び処理済み廃水を混合した量の5から10パーセントの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
【請求項6】
前記第2または第3の処理タンクの一方から浮遊スラッジを回収する工程と、
前記浮遊スラッジから処理済み廃水を抽出する工程と、を含み、前記第1の処理タンクで流入廃水と混合された前記処理済み廃水の一部は、前記浮遊スラッジから抽出された処理済み廃水であることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
【請求項7】
前記流入廃水は、外洋航行船の貯蔵タンクからポンプでくみ上げられ、前記水処理工程は浮遊式バージで実施されることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
【請求項8】
前記バージは、前記バージの長手方向に互いに隣接して配置された一連のタンクを備えることを特徴とする請求項7に記載の廃水処理方法。
【請求項9】
前記バージから周囲の水に処理済み廃水を排出する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の廃水処理方法。
【請求項10】
前記処理済み廃水を周囲の水に排出する前、または、前処理添加材として使用する前に、前記処理済み廃水を後処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の廃水処理方法。
【請求項11】
前記処理済み廃水を後処理する工程は、放射エネルギー処理または化学消毒処理の適用を通じて行われることを特徴とする請求項10に記載の廃水処理方法。
【請求項12】
前記放射エネルギー処理は紫外線放射を使用し、前記化学消毒処理は塩素を使用することを特徴とする請求項11に記載の廃水処理方法。
【請求項13】
処理済廃水を保持する前処理添加材保持タンクと、
第1の時間間隔の間、流入廃水及び規定の量の処理済み廃水を混合することによって、前処理水を生成するように構成された第1の処理タンクと、
第2の時間間隔の間、固体媒体及び液体媒体の分離を引き起こすように調剤された選択的な化学添加剤を前記前処理水に導入することにより、分離された水を生成するように構成された第2の処理タンクと、
固体媒体を前記分離された水から実質的に除去することにより、処理済み廃水を生成するように構成されたスラッジフィルタと、を含むことを特徴とする廃水処理システム。
【請求項14】
前記選択的な化学添加剤は、前記固体媒体の凝固または浮遊を促進することによって、固体媒体及び液体媒体の分離を引き起こすことを特徴とする請求項13に記載の廃水処理システム。
【請求項15】
第3の時間間隔の間、気泡浮上分離法によって前記分離された水をさらに処理するように構成された第3の処理タンクをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の廃水処理システム。
【請求項16】
前記規定の量の処理済み廃水は、前記第1の処理タンクの前記混合内容物の5から10容量パーセントであることを特徴とする請求項13に記載の廃水処理システム。
【請求項17】
前記第2または第3の処理タンクから回収された浮遊スラッジから処理済み廃水を抽出するように構成された脱水装置をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の廃水処理システム。
【請求項18】
前記規定の量の処理済み廃水は前記脱水装置からの処理済み廃水を含むことを特徴とする請求項17に記載の廃水処理システム。
【請求項19】
前記流入廃水が外洋航行船の貯蔵タンクからポンプでくみ上げられ、前記水処理工程が浮遊式バージで実施されることを特徴とする請求項13に記載の廃水処理システム。
【請求項20】
第1の時間間隔の間、流入廃水及び規定の量の処理済み廃水を混合して、前処理水を生成する工程と、
第2の時間間隔の間、固体媒体及び液体媒体を分離させるように調剤された選択的な化学添加物を前記前処理水に添加して、分離された水を生成する工程と、
残った固体媒体を前記分離された水からスラッジフィルタで除去して、処理済み廃水を生成する工程とを含むことを特徴とする廃水処理工程。
【請求項21】
前記スラッジフィルタで固体媒体を除去する前に、気泡浮上分離法で前記分離された水を処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の廃水処理工程。
【請求項22】
前記規定の量の処理済み廃水は、前記スラッジフィルタから取得された処理済み廃水を含むことを特徴とする請求項20に記載の廃水処理工程。
【請求項23】
前記規定の量の処理済み廃水は、流入廃水及び処理済み廃水を混合した量の5から10パーセントの範囲であることを特徴とする請求項20に記載の廃水処理工程。
【請求項24】
前記前処理水が第1のタンクで生成され、前記分離された水が第2のタンクで生成されることを特徴とする請求項20に記載の廃水処理工程。
【請求項25】
前記第1及び第2のタンクが浮遊式バージであり、前記流入廃水が外洋航行船からポンプでくみ上げられることを特徴とする請求項20に記載の廃水処理工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、例えば生下水、産業廃棄物又は他の廃棄物の副生成物及びそれらの組合せのような廃水を処理するための方法及び装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
添付図面では以下が示されている。
【0003】
図1図1は、浮遊式バージの形態の例示の廃水処理システムの部分的な切断側面図である。
【0004】
図2図2は、図1の廃水処理システムのバージによる実施形態の上面図である。
【0005】
図3図3は、本発明に従った廃水処理工程を描いたフロー図である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、添付図面及び/又は写真を参照することにより、以下でより完全に説明される。その中で、1又は複数の本発明の例示的実施形態が示される。ただし、本発明は多数の異なる形体で具現化されてもよく、ここに示される実施形態に限定されると理解されるべきではない。むしろ、この発明が作動可能であり、役に立ち、及び完結できるように、これらの実施形態が提供されている。したがって、開示されている特定の構成は一例に過ぎないことを意味しており、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。さらに、適合、変更、改修、及び類似の構成といった多くの実施形態は、ここに記載される実施形態によって非明示的に開示されるものであり、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【0007】
ここでは特定の用語が使用されているが、それらは一般的及び記述的な意味で使用されるに過ぎず、限定を目的としていない。別段の明示がない限り、かかる用語は、関連産業において適切な用語に反しない、及び、以下で説明されるどの特定の実施形態にも限定されない、広範な通常かつ慣習的な意味が与えられることが意図されている。ここで使用されているように、冠詞「a」は1又は複数の物品を含むことを意図している。1のみの物品を意図している場合、用語「1つの」「単一の」又は同様の用語が使用される。ここで、物品のリストに加えるために使用される場合、用語「又は」は少なくとも1の物品を指すが、複数の物品のリストを排除するものではない。
【0008】
本発明の例示的な方法及び工程に関して、ここで説明される工程の順序及び/又は構成は事例的であり、限定的ではない。したがって、順序だてた状態で、又は一時的な構成として、様々な工程又は方法のステップが示され、及び説明されているが、かかる工程又は方法のいずれのステップも、別段の明示がない限り、特定の順序又は構成で実施されるように限定されない。実際のところ、かかる工程又は方法のステップが本発明の特許請求の範囲内に含まれているが、一般的には様々な異なる順序及び構成で実施されてもよい。
【0009】
さらに、本発明の優位性、利益、予期しない結果、又は操作性の参照はいずれも、本発明が実施のために事前に削減された、又は試験が実施されたことを肯定することを意図していない。同様に、別段の明示がない限り、過去形の動詞(現在完了形又は過去形)の使用は、本発明が実施のために事前に削減された、又は試験が実施されたことを示す又は暗示することを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2を参照すると、例示の廃水処理システムが、全般に参照番号10で示されている。システムは一連の処理及び汚水保持タンク、ポンプ、フィルタ及び処理工程で発生した様々な液体及び固体媒体を扱うための他の特殊な装置を含む。図1及び図2で描かれた実施形態において、処理システム10及び一連のタンク1から9が、浮遊式バージ(艀、barge)12に組み込まれ、これらは外洋航行船の廃棄物貯蔵タンクからポンプでくみ上げられる廃水を処理するのに特に適している。ただし、廃水処理システムは、バージ又は海上船の実施形態に限定されず、廃水処理システムは、例えば産業用又はコミュニティ用水処理施設のような様々な陸上を基礎とする応用を含んでもよいことは理解されるべきである。
【0011】
引き続き図1及び図2の実施形態を参照すると、第1の処理タンク6は、それぞれ矢印15及び17で示されているように、流入廃水と前処理添加材を混合することによって、前処理された水を生成するように構成されている。流入廃水は、生下水、産業廃棄物もしくは他の廃棄物、又は、それらの組合せといった様々な有機含有廃液を含みうる。流入廃水は、例えば上記の船舶廃棄物貯蔵タンクのような下水源から、注入パイプ19を通って棒状スクリーン20を通過し、第1の処理タンク6へ直接ポンプでくみ上げられてもよい。棒状スクリーン20は、大型の汚染物質又は異物を除去するように構成され、流入廃水源と第1の処理タンクとの間のどこに配置されてもよい。
【0012】
流入廃水とともに所定量の前処理添加材17も導入され、流入廃水と混合される。前処理添加材17は、以下により詳細に説明されるが、処理システム10に含まれる液体生成物のような廃水処理工程の処理済み液体産出物(又は「廃液」)を含む。ある実施形態では、所定の量の前処理添加材は、タンク6の混合内容物の5から10パーセントの範囲であり、より具体的な実施形態では、約7パーセントである。第1の処理タンクが満たされると、混合内容物はタンク内に保持され、任意で、前処理水を生成するために選択された所定の第1の時間間隔で撹拌又は掻き混ぜによって混合される。例えば、華氏約50℃の均一な流入温度での生下水の適切な前処理のための第1の時間間隔は、約45分であってもよい。
【0013】
第1の時間間隔の最後に、前処理水は、第1の処理タンク6から、例えば導管23を通って第2の処理タンク7に向かって移動するか、又は、ポンプでくみ上げられる。第2の処理タンクは、前処理水に選択的な化学添加剤25を導入することによって、分離された水(separated water)を生成するように構成されている。特有の化学添加剤25は、固体媒体及び液体媒体の分離を促進するように特異的に調剤される。また、化学添加剤25は、廃水処理工程で一般に使用される様々な既知の凝固剤及び凝集剤のいずれかであってもよい。化学的に処理された内容物は、第2の処理タンク7に保持され、また、選択的に、固体及び液体媒体の適切な分離を行うように選択された所定の第2の時間間隔で撹拌又は掻き混ぜられる。例えば、適切な第2の時間間隔は約45分であってもよい。
【0014】
第2の時間間隔の後、分離された水が、第2の処理タンク7から導管27を通ってスラッジフィルタ14にポンプでくみ上げられる。処理システムのバージの実施形態において、スラッジフィルタ14は、図1で全般的に示唆されているように、ユーティリティハウジング構成13の内部に、ポンプ、コンプレッサなどの他のシステムの機械部品と共に配置されてもよい。スラッジフィルタ14は、溶液にまだ含まれている又は第2の処理タンクで分離及び除去されなかった固体媒体を除去するように構成された任意の適切な多孔質膜であってもよい。フィルタ14で収集されたスラッジは、定期的にスラッジタンク8に移動されてもよい。
【0015】
選択的には、一定の条件下において、又は、一定の要件に合致するように、第2の処理タンク7の分離された水は、スラッジフィルタ14に進む前にさらなる処理を受けてもよい。図1を参照すると、第2の時間間隔の後、分離された水はタンク7から導管29を通って(破線で示される)第3の処理タンク5へとポンプでくみ上げられてもよい。タンク5では、分離された水は、化学処理工程の後で水中にまだ残っている固体媒体を分離及び浮遊させるように、所定の第3の時間間隔の間、気泡浮上分離法(「DAF」)によって処理される。第3の時間間隔の最後に、分離された液体がタンク5から導管31を通ってスラッジフィルタ14へとポンプでくみ上げられる。
【0016】
スラッジフィルタを出る水は、前処理添加材17としてすぐに使用可能な処理済み廃液である。図示されているバージの実施形態では、処理済み廃液は、スラッジフィルタから導管33を通って、廃液保持タンク1,2、3、4及び9のうちの1又は複数のタンクへとポンプでくみ上げられる。処理済み廃水は、導管33を通って周囲の水に排出される前、又は、タンク6の前処理添加材として使用するために回収される前に、必要に応じてこれらタンクに数日間もしくは数週間、保持されてもよい。処理済み廃水の重力による送り(フィード)を利便的に可能にするように、1又は複数の廃液保持タンクがバージ12のデッキ上に配置されてもよい。例えば、処理済み廃水は第1の処理タンク6を前処理添加材17で調合する目的で、タンク9から導管35を通って重力によって送られてもよい。
【0017】
いくつかの又はすべての廃液保持タンクは、廃水の後処理を実施するための装置を組み込んでもよい。保持タンク内の廃水は、濁度及び水面積負荷などのよく知られた指標を使用して、水中の汚染物質レベルを計測及び判断するために定期的に試験されてもよい。計測された汚染物質は、必要に応じて、例えば業界が定めた限界値又は地域基準と比較されてもよい。かかる試験が過度な汚染物質を示した場合、排出又は廃棄される前に、水を消毒するための適切な後処理が保持タンク内で行われてもよい。処理済み廃水の後処理は、保持タンク3及び4で、図2に示される紫外線(「UV」)放射源35のような放射エネルギー処置方法の適用を介してもよく、又は、塩素処置のような化学消毒工程を介してもよい。
【0018】
追加的な前処理添加材17が、上記の処理工程の特定の固体媒体副生成物から得られてもよい。化学処理工程によって生成された凝固固体媒体、及び、使用時にDAF工程によって生成された浮遊固体媒体が、処理タンク7及び5の上部から(上澄{うわず}みとして)すくい取られてもよい。収集されたスラッジは、次に、例えば、スラッジに存在する液体の大部分を抽出するように、従来のスラッジプレスを使用して脱水工程にかけられる。抽出された液体は、処理済み廃水の別の源(ソース)を含み、このように、第1の処理タンク内の前処理添加材17として使用されてもよい。バージの実施形態では、脱水工程からのこの処理済み廃液は、廃水保持タンク3、4又は9からタンク6に供給される前処理添加材を補うように、第1の処理タンクに直接ポンプでくみ上げられてもよい。脱水工程で残ったスラッジは、既知の脱水工程を用いてさらに処理され、最終的な廃棄場所に保存されてもよい。
【0019】
本発明に従った例示の廃水処理工程が、図3に図示されている。本工程は、棒状スクリーン及び流量計を通過する流入廃水をポンプでくみ上げ(工程101)、前処理のためにタンク6に流す工程で開始される。所定の量の前処理添加材17が追加され、タンク6の混合内容物が混合され、第1の時間間隔で維持される(工程102)。前処理された添加剤は、完全な又は脱水工程からの抽出液体と混合された、タンク3、4又は9からの処理済み廃水である(工程106)。ある例示の実施形態では、前処理添加材の量は、タンク6の内容量の約7パーセントである。
【0020】
第1の時間間隔が完了した後、タンク6内の液体内容物(浮遊固体媒体を除く)は、タンク7に移動され、そこには、固体媒体の凝固又は凝集を介して内容物の分離を促進するように調剤された化学添加剤が添加される。混合内容物は、所望の量の分離を生成することに十分な第3の時間間隔で、タンク7に維持されるか、任意で循環される(工程103)。
【0021】
第3の時間間隔後、分離された水がタンク7から抽出され、スラッジフィルタを通過し(工程104)、処理済み廃水を排出し、まだ水中に残っている固体媒体を捕捉する。処理済み廃水は、廃液保存タンクに移動される(工程107)。ここで、処理済み廃水は前処理添加材として使用可能である。一方で捕捉されたスラッジは保存及び廃棄のためにタンク8に移動される。
【0022】
代替的に、タンク7から分離された水は、フィルタの工程より前に、気泡浮上分離法(DAF)によってさらに分離するためのタンク5に移動されてもよい。保持タンク1から4に保存された処理済み廃水は、排出される(工程110)前に後処理(工程109)されてもよく、又は、前処理添加材として使用されてもよい。
【0023】
工程103及び105の分離工程によって浮遊される固体媒体は、タンク5及び7からすくい取られて、既知の加圧技術を使用して脱水される(工程106)。脱水により抽出された液体は、タンク9から得られた処理済み廃水添加剤を補う前処理添加材としてタンク6において使用されてもよい。加圧されたスラッジは、加熱乾燥によってさらに脱水され、及び/又は、保管もしくは廃棄のためにタンク8に移動されてもよい。
【0024】
新しい前処理添加材を介した、実質的に改善された安定性及び処理時間の新しい廃水処理工程が説明された。本発明を説明及び定義することを目的として、「実質的に」、「一般的に」、「約」などの相対的用語の使用は、定量比較、値、計測、又は他の表示に起因しうる、不確実性の固有の程度を表すために、ここでは使用されている。これらの用語は、それによって定量的表示が問題となっている対象事項の基本的機能に変更を及ぼすことなく、記載されている基準から変更しうる程度を表すために使用される。
【0025】
本発明の例示の実施形態が先に述べられている。本記載で使用されているどの要素、行為又は指示も、格段に明示されない限り、重要、必須、重大、又は本質的と解釈されるべきではない。いくつかの例示的実施形態のみが詳述されているが、当業者は、本発明の新しい教示及び有利性から著しく乖離することなく、これらの例示の実施形態に多数の改修を行うことが可能であることを容易に理解するであろう。したがって、すべてのかかる改修は、添付する請求項で定められた本発明の特許発明の範囲内に含まれると意図される。
【0026】
請求項において、いずれのミーンズ・プラス・ファンクション節も、引用される機能、及び、構造的均等物のみならず、均等構造を実施するものとしてここに説明される構造を網羅することを意図している。したがって、釘とねじに関して、釘は木製部品を共に固定するための筒状表面を使用し、一方でねじは螺旋状表面を使用する点で構造的均等物ではないかもしれないが、木製部品を固定する環境においては、釘とねじは均等構造であってもよい。(特定の機能又は工程を実施するための)「手段(means for)」という用語が請求項に使用されていなければ、§112、第6パラグラフの解釈は意図されていないものとする。さらに、本発明に与えられる特許保護の範囲は、請求項において明確に出現していない限定を請求項に読み込むことによって定められることを意図していない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】