(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-516813(P2020-516813A)
(43)【公表日】2020年6月11日
(54)【発明の名称】風力タービンを電力網に接続する電気カップリング
(51)【国際特許分類】
F03D 80/80 20160101AFI20200515BHJP
F03D 1/06 20060101ALI20200515BHJP
F03D 7/02 20060101ALI20200515BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20200515BHJP
H02G 15/013 20060101ALI20200515BHJP
H02G 9/02 20060101ALI20200515BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20200515BHJP
【FI】
F03D80/80
F03D1/06 A
F03D7/02
H01R13/52 301H
H02G15/013
H02G9/02
H02G3/06 016
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-556691(P2019-556691)
(86)(22)【出願日】2018年8月6日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】IB2018055896
(87)【国際公開番号】WO2019043479
(87)【国際公開日】20190307
(31)【優先権主張番号】102017119635.8
(32)【優先日】2017年8月28日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519104363
【氏名又は名称】エアロディーン コンサルティング シンガポール ピーティーイー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリートゼン,ゾンク
【テーマコード(参考)】
3H178
5E087
5G369
5G375
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA24
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3H178BB77
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5G369AA05
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5G375BA01
5G375BB03
5G375CA19
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5G375DB16
(57)【要約】
本発明は、風力タービンを電力網に接続するカップリング10であって、カップリング10は、少なくとも1つの第1の電気プラグコネクタ30を有する第1の支持体20と、第1の電気プラグコネクタ30に対して相補的に設計された少なくとも1つの第2の電気プラグコネクタ50を有する第2の支持体40とを備え、第1の支持体20及び第2の支持体40は、互いに対して回転可能であり、プラグコネクタ30のうちの少なくとも1つは、電気的なプラグ接続を形成及び解除するように、支持体20、40の平面に対して横断方向において、他方のプラグコネクタ50に対して可動に設計され、プラグコネクタ30、50は、互いに接続されているときでも互いに分離されているときでも、水分が浸入しないように封止されることを特徴とする、カップリングに関する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンを電力網に接続する電気カップリング(10)であって、該カップリングは、
少なくとも1つの第1の電気コネクタ(30)を有する第1の支持体(20)と、
前記第1の電気コネクタ(30)に対して相補的な少なくとも1つの第2の電気コネクタ(50)を有する第2の支持体(40)と、
を備え、前記第1の支持体(20)及び前記第2の支持体(40)は、互いに対して回転可能であり、
前記コネクタ(30)のうちの少なくとも1つは、電気プラグ接続を形成及び解除するように、他方の前記コネクタ(50)に対して可動であり、
前記コネクタ(30、50)は、相互接続時でも分離時でも、水分が浸入しないように封止されることを特徴とする、電気カップリング。
【請求項2】
請求項1に記載の電気カップリング(10)であって、前記少なくとも1つのコネクタ(30、50)は、前記支持体(20、40)の平面に対して横断方向において、軸方向に可動であることを特徴とする、電気カップリング。
【請求項3】
請求項1に記載の電気カップリング(10)であって、前記少なくとも1つのコネクタ(30、50)は、前記支持体(20、40)の平面において径方向に可動であることを特徴とする、電気カップリング。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気カップリング(10)であって、前記支持体(20、40)は、それぞれディスクとして設計されることを特徴とする、電気カップリング。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気カップリング(10)であって、前記支持体(20、40)間の空間に水分が浸入しないように保護するシール(60)を特徴とする、電気カップリング。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気カップリング(10)であって、複数のコネクタ(30、50)が、前記第1の支持体(20)及び前記第2の支持体(40)にそれぞれ配置され、前記第1の支持体(20)及び前記第2の支持体(40)は、前記複数のコネクタ(30、50)を包囲するとともに、前記複数のコネクタ(30、50)を水分から保護する共通のシール(60)を備えることを特徴とする、電気カップリング。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気カップリング(10)であって、前記第1のコネクタ(40)に、前記第2のコネクタ(50)の方向の力を及ぼすばねを特徴とする、電気カップリング。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気カップリング(10)であって、前記支持体(20、40)の互いに対する相対回転位置を検出するセンサー(70)を特徴とする、電気カップリング。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気カップリング(10)であって、前記支持体(20、40)を互いに対して捻る回転駆動装置(80)を特徴とする、電気カップリング。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のカップリング(10)を特徴とする風力タービン(WEA)であって、該風力タービン(WEA)は、実質的に回転不能に固定された固定点(A)の周りに回転可能な浮体式風力タービンであり、前記第1のコネクタ(30)は、該風力タービン(WEA)の前記発電コンポーネントに接続される導電体(90)に強固に接続され、前記第2のコネクタ(50)は、海底ケーブル(100)に対して回転不能に接続される、風力タービン。
【請求項11】
請求項10に記載の風力タービン(WEA)であって、前記電力網側の前記第2のコネクタ(30)に接続される高負荷用回路遮断器を特徴とする、風力タービン。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の風力タービン(WEA)であって、前記支持体(20、40)は、実質的に水平であり、実質的に鉛直の軸の周りに互いに対して回転可能であることを特徴とする、風力タービン。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の風力タービン(WEA)であって、該風力タービン(WEA)の前記カップリング(10)に対する回転位置を検出するセンサーを特徴とする、風力タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンを電力網に接続する電気カップリングに関する。特に、本発明は、風力タービンを電力網に接続するカップリングであって、少なくとも1つの第1の電気コネクタを有する第1の支持体と、第1の電気コネクタに対して相補的な少なくとも1つの第2の電気コネクタを備える第2の支持体とを備え、第1の支持体と第2の支持体とは互いに対して回転可能である、カップリングに関する。
【0002】
具体的には、本発明は、実質的に回転不能な固定点の周りに回転可能である浮体式風力タービンに関する。
【背景技術】
【0003】
冒頭に述べたカップリング装置は、特許文献1から既知である。
【0004】
特許文献1から既知のカップリングは、陸上風力タービンのタワーに配置され、上下に重ねて配置される2つの支持体からなり、これらの支持体は、ディスクとして設計され、互いに対して回転可能であり、ディスクに強固に接続された複数のコネクタをそれぞれ備える。一方のディスクのコネクタは、他方のディスクのコネクタとともにプラグ接続を形成し、このプラグ接続は、ナセルに配置されたタービンコンポーネントを風力タービンの基部に配置されたタービンコンポーネントに接続する。
【0005】
風力タービンのナセルが回転すると、ナセルに配置された電気コンポーネントを上側ディスクに配置されたコネクタに接続する導電体が捻れてしまうため、導電体が損傷又は更には破損しないように、適宜、導電体の捻れを戻す必要がある。
【0006】
このために、ディスク及びしたがってコネクタは、ディスクが互いから離れることで分離され、上側ディスクは、導電体の捻れがなく、上側ディスク及び下側ディスクのコネクタが、捻れのない開始位置において互いに向き合い、ディスクが、電気的なプラグ接続を形成するために、コネクタに再び接合されるような、位置へと回転される。
【0007】
既知のカップリング装置の不都合点は、ディスクとして形成された支持体を中電圧又は高電圧範囲の用途で更なる適合手段なしに引き離すと、タービンの過負荷又は短絡による損傷につながるおそれがあるため、低電圧範囲でしか作動させることができないことである。
【0008】
既知のカップリングの別の不都合点は、湿度の高い気候領域において、特に洋上風力タービンを用いる場合に、このカップリングは、水分の浸入に対して十分に保護されているとは言えないことである。この場合、ディスクとして形成されたコネクタの支持体は、互いに分離する必要があるために、互いに対して動くディスクの封止は、複雑であるだけでなく、実際のところ、完全に封止されている場合に一方のディスクを他方のディスクから引き離すことは、この過程で生じる真空によって阻まれ、シールを通って水分が浸入することも促進されてしまうこともあり得るということが、特に障害となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許第10-1368777号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、水分の浸入から効果的に保護された、特に中電圧及び高電圧範囲でも使用することができるカップリングを創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明に従い、請求項1の特徴を有する電気カップリング及び請求項10の特徴を有する風力タービンによって達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態をそれぞれ記載する。
【0012】
本発明の基本的な構想は、プラグ接続を形成及び解除するために、支持体を互いに対して動かす必要はなく、コネクタのうちの少なくとも1つを他方のコネクタに対して動かせばよいように、コネクタを有する支持体を構成することである。この設計により、コネクタを水分に対して(共通して)封止することが可能になり、従来技術から既知の不都合点が回避される。
【0013】
したがって、本発明によれば、風力タービンを電力網に接続する電気カップリングであって、少なくとも1つの第1の電気コネクタを有する第1の支持体と、第1のコネクタに対して相補的な少なくとも1つの第2の電気コネクタを有する第2の支持体とを備え、第1の支持体及び第2の支持体は、互いに対して回転可能であり、コネクタのうちの少なくとも1つは、電気的なプラグ接続を形成及び解除するように、他方のコネクタに対して可動であり、コネクタは、相互接続時でも分離時でも、水分が浸入しないように封止される、カップリングが提供される。
【0014】
最も単純な例では、支持体は、互いに対して捻ることができる、コネクタが配置される枠として設計することができる。
【0015】
しかしながら、支持体は、コネクタが挿入されるディスクとしてそれぞれ設計されることが好ましい。特に、支持体は、互いに重ねられる合同構成の同一のディスクとして設計される。
【0016】
代替的に、一方のディスクの直径は、他方のディスクの直径よりも大きく、大きい方のディスクは、小さい方のディスクを少なくとも部分的に取り囲むスカートを形成することが特に好ましい。具体的には、2つの支持体を互いに対して封止するシールが、この側面領域に設けられ、側面におけるこの構成は、上側ディスクの重力がシールに対して作用せず、したがって、シールに対する摩耗が比較的少ないという利点を有する。
【0017】
支持体のうちの一方が回転可能であり、また、回転可能な支持体のスイベルピンは、支持体がディスクとして設計される場合、ディスクの中心にある。
【0018】
回転駆動装置がスイベルピンに配置され、その駆動装置の一部分が一方の支持体に接続されるとともに、駆動装置の他の部分が他方の支持体に接続されることが好ましい。
【0019】
代替的に、一方の支持体は、他方の支持体を包囲するリングとして形成され、少なくとも1つのコネクタは、この場合、支持体の平面において径方向に可動である。
【0020】
別の好ましい実施形態によれば、支持体間の隙間に水分が浸入しないように保護するシールが設けられる。
【0021】
特に複数のコネクタが第1の支持体及び第2の支持体にそれぞれ配置される場合、これらのコネクタは、複数のコネクタを包囲する共通のシールによって、水分の浸入に対して保護される。
【0022】
プラグ接続は、特に、ばねの力に抗するだけで第1のコネクタを第2のコネクタから解放することができるように設計される。したがって、ばねは、第1の支持体において支持され、このばねの力は、第1のコネクタが第2のコネクタに向かうように作用し、したがって、カップリングは、コネクタが相互接続される状態に常になろうとする。
【0023】
コネクタの互いに対する正確な位置決めを確実にすることができるように、支持体の互いに対する回転位置を検出するセンサーも設けられる。このセンサーは、アブソリュートエンコーダーとして設計されることが好ましい。
【0024】
したがって、実質的に回転不能に固定された固定点の周りに回転可能である浮体式風力タービンであり、第1のコネクタが、風力タービンの発電コンポーネントに接続される導電体に強固に接続され、第2のコネクタが、海底ケーブルに対して回転不能に接続される、風力タービンも特許請求される。
【0025】
したがって、この実施形態では、風力タービンのコンポーネントは、導電体の捻れを引き起こさず、固定点に対して回転可能に固定された浮体式風力タービンが捻れを起こす。
【0026】
風力タービンは、第2のコネクタに電気的に接続された、電力網側の高負荷用回路遮断器を備えることが好ましい。高負荷用回路遮断器は、代替的には変電所に配置してもよく、したがって、風力タービンの構成要素ではない。一方、いずれの場合でも、タービン及び特に電気カップリングへの電力を断つために、第2のコネクタが電力網側において高負荷用回路遮断器に電気的に接続される構成が提供されるものとする。この場合、風力タービンには、回転駆動装置により導電体の捻れを自動で戻すことができるように、個別のエネルギー貯蔵部(及び当然ながら個別の制御手段も)を設けなければならない。
【0027】
固定点は、特に、回転不能に固定された係留ブイとして設計される。
【0028】
浮体式風力タービンを機械的に固定するために係留ブイが用いられる場合、カップリングは、係留ブイに配置されることがここでは好ましい。一方、カップリングは、係留ブイの外部、例えば、基礎又は基礎に浮力を与える浮体内に配置することもできる。
【0029】
いずれの場合でも、支持体は、水平であり、実質的に鉛直の軸の周りに互いに対して回転可能であることが特に好ましい。
【0030】
最後に、風力タービンのカップリングに対する回転位置を検出する別のセンサーが設けられ、このセンサーは、所定の回転角度又は所定の回転数を超過した場合に、対応して設けられる制御手段によってプラグ接続を解除する。
【0031】
この場合、プラグ接続の解除だけでなく、風力タービンの停止、高負荷用回路遮断器の作動、ウィンドファームの制御センターとの通信、一方の支持体を開始位置まで捻ること、電気接続をもたらすこと、高負荷用回路の作動、及びタービンの再始動も制御するように中央制御手段も設けられる。この中央制御手段は、タービンの主制御手段に統合することもでき、個別のバックアップバッテリーを設けることが有利である。
【0032】
本発明は、本出願人によって開発された浮体式風力タービンに対して特に好適なものである。これらの浮体式風力タービンは、例えば、国際公開第2016/000681号及び独国特許第102016111332号に関連して既知となっている。
【0033】
以下、本発明を、添付図面に示されている特に好ましい一実施形態を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明に従って設計されたカップリングを備える特に好ましい設計の浮体式風力タービンの斜視図である。
【
図2】本発明に係る特に好ましい一実施形態のカップリングを備える特に好ましい設計の浮体式風力タービンの側面断面図である。
【
図3】
図2の特に好ましい設計のカップリングの斜視図である。
【
図4】コネクタが相互接続されている、好ましい設計のカップリングの側面断面図である。
【
図5】コネクタが分離されている、好ましい設計のカップリングの側面断面図である。
【
図6】コネクタが分離され、支持体が互いに対して捻られている、好ましい設計のカップリングの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、固定点の周りに回転可能であるように固定点に接続され、本発明に従って設計されたカップリングを有利に使用することができる、特に好ましい設計の浮体式風力タービンの斜視図である。
【0036】
特に、
図1は、海底ケーブル100によって電力網に接続される浮体式風力タービンWEAを示している。
【0037】
この場合、
図2は、本発明に係る特に好ましい一実施形態のカップリング10を備える、
図1に示されている風力タービンWEAの側面断面図である。
【0038】
図2に示されている浮体式風力タービンWEAの細部は、基礎Fに接続される浮体Sを通る断面を示しており、この領域には、カップリングが、固定点Aに接続されるように設けられている。固定点Aは、特に係留ブイとして設計され、風力タービンAは、固定点の周りに回転可能である。このために、係留ブイは、水底に強固に接続されるとともに、軸受の内輪に取り付けられる基部プレートを備え、係留ブイの壁に強固に接続される風力タービンWEAが、基部プレートの周りに回転することができるようになっている。したがって、固定点Aは、水底に対して回転不能に固定され、風力タービンWEAを電力網に接続する海底ケーブル100に接続される。
【0039】
風力タービンWEAを電力網に接続する高負荷用回路遮断器110は、係留ブイの内部に配置され、上記回路遮断器の上に、本発明に係る電気カップリング10が回転不能に配置され、この電気カップリングは、海底ケーブル100を複数の導電体90にカップリング10を介して(間接的に)接続し、上記複数の導電体は、風力タービンWEAの発電コンポーネント(図示せず)に通じることが特に好ましい。
【0040】
風力タービンWEAが実質的に回転不能な固定点Aの周りに回転すると、導電体90が(図示のように)互いに捻れるため、所定の閾値に達したら、以下に説明するように捻れを戻す必要がある。
【0041】
この種の電気カップリング10は、
図3の斜視図において詳細に示されている。
【0042】
電気カップリング10は、回転駆動装置80によって互いに対して回転可能である、上側の第1の支持体20及び下側の第2の支持体40を備える。特に、海底ケーブル100の導電体に接続される下側の第2の支持体40は、固定点Aに対して回転不能に接続される。上側の第1の支持体20は、風力タービンWEAの発電コンポーネントに通じる導電体90に接続され、回転駆動装置80によって、導電体90の捻れを戻すように、第1の支持体40の周りに回転可能である。
【0043】
したがって、上側の第1の支持体20及び下側の第2の支持体40に配置されるコネクタ30、50は、
図4に示されているように、風力タービンWEAが発電動作状態にある場合、相互接続される。
【0044】
図示の複数のコネクタ30、50は、上側の第1の支持体20を下側の第2の支持体40に対して封止するシール60によって、全て封止される。この場合、シール60は、第1の支持体20に形成された、第2の支持体40に向かって延在するとともに上記第2の支持体を包囲するスカートに固定され、第2の支持体40の縁部の側方に支持される。
【0045】
回転駆動装置80は、上側の第1の支持体20に強固に接続された軸が回転可能に取り付けられる部分が、下側の第2の支持体40に接続されるように特に設計される。下側の第2の支持体40に接続される回転駆動装置の部分によって軸を駆動することにより、上側の第1の支持体20を下側の第2の支持体40に対して捻ることができる。支持体20、40の互いに対する絶対位置は、位置センサー70によって検出される。このために、センサーが、上側の第1の支持体20に強固に接続され、下側の第2の支持体40に対して径方向に向けられ、下側の第2の支持体40が、第1の支持体20の第2の支持体40に対する回転位置を示すとともに、位置センサー70によって検出することができるマーキングを有することが特に意図される。このマーキングは、例えば、支持体20、40の互いに対する回転位置の絶対値検出を可能にし、制御されながら目標位置に近付くことが可能なコーディングである。
【0046】
代替的に、風力タービンWEAに固定的に設置されるセンサーを設けることができ、このセンサーは、回転可能な支持体20に配置されるマーキング/コーディングを検出し、固定点Aの周りでの回転中の、カップリング10の風力タービンWEAに対する回転位置を検出し、ケーブル90の捻れを戻す際、制御されながら目標位置に近付くことを可能にする。
【0047】
風力タービンWEAが固定点Aに強固に接続された電気カップリング10の周りに回転し、それにより、上側の第1の支持体20に強固に接続された導電体90が一緒に捻れる場合、導電体90の捻れを戻すことが必要となる。風力タービンWEAのカップリング10に対する回転位置は、この場合、風力タービンWEAのカップリング10に対する相対回転位置を監視する更なるセンサー(図示せず)によって監視される。このセンサーは、図示のセンサー70に対する上述した代替形態に対応し、したがって、このセンサーは、必要に応じて完全に省いてもよい。
【0048】
上側の第1の支持体20に接続された導電体90の捻れを戻すために、まず、第1のステップにおいて、電力網側に配置された高負荷用回路遮断器110を作動させることによって、タービンを電力網から除外する。高負荷用回路遮断器110は、特に係留ブイ内に配置される。
【0049】
第2のステップにおいて、コネクタ30、50を分離する。
図5に示されている例では、この分離は、上側の第1の支持体20において、支持体20、40の平面に対して横断方向に配置されたコネクタ30を動かすことによって行われる。このために、空気式、電気式、又は電磁式の上昇機構を設けることができる。上昇機構は、特に、各プラグに対して個別に形成され、個々の機構は、共通の制御手段によって協調するように作動される。このステップを実行するために、風力タービンWEAにおいて個別のエネルギー供給が必要とされる。
【0050】
コネクタ30、50を分離する場合、回転駆動装置80によって、上側の第1の支持体20を下側支持体40に対して回転させることができ、したがって、風力タービンWEAが固定点Aの周りに回転することで捻られた導電体90の捻れが再び戻される。
図6は、コネクタが分離され、支持体20、40が互いに対して捻られている、好ましい設計のカップリングの側面断面図である。
【0051】
導電体90の捻れは、完全に戻されることが好ましいものの、この捩れが少なくとも部分的に戻された後、回転駆動装置80及びセンサー70によって、コネクタ30、50が再び整合し、相互接続することができる回転位置に近付けられる。
【0052】
コネクタの上昇機構には、特に、各場合にリミットスイッチが設けられる。リミットスイッチは、コネクタ30、50が分離されて、支持体20、40が互いに対して回転することができる位置をコネクタ30がそれぞれとっているか、又は、コネクタ30、50が相互接続され、風力タービンを高負荷用回路遮断器によって電力網に再接続することができるかをチェックすることができる。この場合、風力タービンの制御手段は、高負荷用回路遮断器が、導電体90の捻れが戻された後でも、コネクタ30、50の全てが再び相互接続されない場合には作動することができないように設計される。
【0053】
プラグ接続が行われた後、風力タービンWEAは、再び電力網に接続することができる。
【符号の説明】
【0054】
10:電気カップリング
20:第1の支持体
30:コネクタ
40:第2の支持体
50:コネクタ
60:シール
70:位置センサー
80:回転駆動装置
80:回転駆動装置
90:ケーブル
90:導電体
100:海底ケーブル
110:高負荷用回路遮断器
A:固定点
WEA:浮体式風力タービン
【国際調査報告】