特表2020-517527(P2020-517527A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-517527(P2020-517527A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(54)【発明の名称】包装材及び包装材用ブランク
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/02 20060101AFI20200522BHJP
【FI】
   B65D5/02 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-552624(P2019-552624)
(86)(22)【出願日】2017年4月28日
(85)【翻訳文提出日】2019年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2017060255
(87)【国際公開番号】WO2018197017
(87)【国際公開日】20181101
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】515153060
【氏名又は名称】マイヤー−メルンホフ カルトン アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一
(72)【発明者】
【氏名】ボーン,ティモシー ジョン
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060BC04
3E060CE05
3E060CE07
3E060CE14
3E060CE15
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA12
3E060DA18
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
本発明は、段ボール、紙等製の包装材に関し、前壁(12)及び後壁(14)と、前壁と後壁(12、14)とを接合している少なくとも1つの側壁(22、22’、22”、24、24’、24”)を備えると共に、包装材(10)の各側面(16、18)を形成するように構成されており、包装材(10)は縦軸に沿った角柱体として構成されており、基部構造部(20)が、包装材(10)の基部を密閉するために、前壁又は後壁(12、14)に接合された少なくとも1つの底部フラップ(26、28)を備える。蓋構造部(30)が、包装材(10)の蓋を密閉するために、前壁又は後壁(12、14)に接合された少なくとも1つの蓋フラップ(32、34)を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール、紙等の包装材であって、
−前壁(12)及び後壁(14)、並びに、包装材(10)の各端面(16、18)を形成するために前壁と後壁(12、14)を接合する各少なくとも1つの側壁(22、22’、22”、24、24’、24”)と、包装材(10)は縦軸(L)に沿って角柱体の形状に形成されており、
−包装材(10)の底部密閉のために前壁又は後壁(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ(26、28)を備える底部構造部(20)と、
−包装材(10)の蓋側密閉のために前壁又は後壁(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップ(32、34)を備える蓋構造部(30)と、
を含み、
前壁又は後壁(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ(26、28)及び/又は前壁又は後壁(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップ(32、34)は、少なくとも幾つかのエリアにおいて、前壁と後壁(12、14)を接合する少なくとも1つの側壁(22、22’、22”、24、24’、24”)上に載ると共に、閉位置の幾つかのエリアにおいては、それらが載っている少なくとも1つの側壁(22、22’、22”、24、24’、24”)から突出するように各々形成されている、
ことを特徴とする包装材。
【請求項2】
前壁及び後壁(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ(26、28)及び/又は前壁及び後壁(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップ(32、34)の幅(a)は、底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)の各ヒンジのエリアにおいては、前壁又は後壁(12、14)の幅(b)よりも広い、
ことを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項3】
底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)は、閉位置においては端面に位置する側壁(22、22’、22”、24、24’、24”)によって角柱体として形成された包装材(10)の基部(38)のエリアを完全又は少なくとも部分的に覆うように形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の包装材。
【請求項4】
各2つの底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)は、閉位置においては端面に配置する側壁(22、22’、22”、24、24’、24”)によって角柱体として形成された包装材(10)の基部(38)のエリアを完全に覆うように形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の包装材。
【請求項5】
底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)それぞれは少なくとも2つ部分的エリア(26’、26”、 28’、28”、32’、32”、 34’、34”)を含み、前壁及び後壁(12、14)にヒンジ接合された第1部分的エリア(26”、28”、32”、34”)は、隣接する第2部分的エリア(26’、28’、32’、34’)に向かって拡大するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の包装材。
【請求項6】
少なくとも1つのティアオフフラップ(44)が蓋構造部(30)の下方エリアに形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の包装材。
【請求項7】
底部構造部(20)及び/又は蓋構造部(30)は、少なくとも1つの端面壁(22、22’、22”、24、24’、24”)の底部及び/又は蓋側端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップ(36、40、42)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の包装材。
【請求項8】
底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)は、閉位置においては、少なくとも部分的にダストフラップ(36、40、42)の少なくとも1つの上に載っている、
ことを特徴とする請求項7記載の包装材。
【請求項9】
角柱体として形成された包装材(10)の基部(38)が多角形に、特に、4角形、5角形、6角形、7角形、8角形、9角形、10角形又は12角形に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の包装材。
【請求項10】
ブランク(48)を折畳み状態で包装材(10)を角柱体として形成するために曲げ線(50、52、54、56、60、62、64、82)によって接合された前壁、後壁及び側壁エレメント(12、14、22、22’、22”、24、24’、24”)を含む段ボール、紙等の包装材(10)の製造用ブランクであって、ブランク(48)は、前壁及び/又は後壁エレメント(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋及び/又は底部フラップ(32、34;26、28)を含み、
前壁及び/又は後壁エレメント(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ(26、28)及び/又は少なくとも1つの蓋フラップ(32、34)それぞれは、少なくとも幾つかのエリアにおいて前壁エレメントと後壁エレメント(12、14)とを接合している少なくとも1つの側壁エレメント(22、22’、22”、24、24’、24”)上に載ると共に、包装材(10)の閉位置の少なくとも幾つかのエリアにおいては、それらが載っている少なくとも1つの側壁エレメント(22、22’、22”、24、24’、24”)から突出するように形成されている、
ことを特徴とするブランク。
【請求項11】
前壁及び後壁エレメント(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ(26、28)及び/又は前壁及び後壁エレメント(12、14)にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップ(32、34)の幅(a)それぞれは、底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)の各ヒンジのエリアにおいては、前壁又は後壁エレメント(12、14)の幅(b)よりも広い、
ことを特徴とする請求項10記載のブランク。
【請求項12】
底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)それぞれは少なくとも2つ部分的エリア(26’、26”、 28’、28”、32’、32”、 34’、34”)を含み、前壁及び後壁エレメント(12、14)にヒンジ接合された第1部分的エリア(26”、28”、32”、34”)は、隣接する第2部分的エリア(26’、28’、32’、34’)に向かって拡大するように形成されている、
ことを特徴とする請求項10又は11記載のブランク。
【請求項13】
底部及び/又は蓋フラップ(26、28、32、34)それぞれは切断線(86、88)を介して横ダストフラップ(40、42)から分離して形成されており、切断線(86、88)は対応する側壁エレメント(22’、22”、24’、24”)の各曲げ線(68、72、72’、78、80、80’)を起点として45°±15°及び/又は135°±15°の角度で延びるように形成されている、
ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項記載のブランク。
【請求項14】
少なくとも1つの端面壁(22、22’、22”、24、24’、24”)の底部及び/又は蓋側端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップ(36、40、42)が形成されている、
ことを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項記載のブランク。
【請求項15】
ブランク(48)は、グリップフラップ(96)を備えるティアオフフラップ(44)を含む、
ことを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項記載のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前壁及び後壁と、包装材の各端面を形成するために前壁と後壁とを接合している各少なくとも1つの側壁を備える、段ボール、紙等の包装材に関している。包装材は、縦軸に沿って角柱体の形状に形成されており、底部構造は、包装材の底部密閉のために前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップが含まれ、蓋(リッド)構造は、包装材の蓋側密閉のために前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップを備えている。さらに、本発明はかかる包装材の製造用ブランクにも関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる包装材は数多くのものが知られている。特に、かかる包装材は様々な包装又は非包装の自由流動商品の充填、輸送及び貯蔵に使用される。その場合、それらの商品は、例えば、シリアル(穀物)、コーンフレーク又は他の注入可能及び自由流動食品又は他の粉末洗剤等である。しかし、液体も上述した包装材中の対応する液密の中間包装材内に貯蔵できる。DE202004011165U1
【特許文献1】から、粉末商品用の粉末密包装材が知られている。そこでは、周知の包装材は縦軸に沿って八角柱体の形状に形成されている。しかし、かかる多角柱体に形成された包装材において、蓋及び/又は底部構造を密封するために、蓋フラップに加えて複数のダストフラップを形成する点が不利である。特に、蓋及び/又は底部構造の角エリアには、例えば、これらの包装材を積み重ねて保管する際に、これらエリアの圧荷重によって、さらに不安定な状態が生じることになる。その結果として、包装材に望ましくない損傷が生じることがある。US2011/111938A1
【特許文献2】及びEP0468860A1
【特許文献3】から、請求項1及び10のプリアンブルの特徴に記載の段ボール包装材及び対応するブランクが知られている。
【0003】
WO2015/010726A1
【特許文献4】も請求項1及び10のプリアンブルに記載の段ボール包装材及びブランクを示している。そこでは、包装材のダストフラップは、包装材の閉状態の少なくとも幾つかのエリアでは、ヒンジ接合されていない1つ以上の側壁上に載るように形成されている。ダストフラップのこの周知の形態によって、包装材の蓋及び/又は底部構造のエリアにおける確実な閉鎖及び確実な被覆が得られる。それに加えて、包装材の荷重安定性も向上する。しかし、これら包装材のブランクの機械起立時に、すなわち、包装材の製造及び包装材への充填時に、ダストフラップの構造が複雑であるために−起立速度及び充填対象商品によっては−起立自動化及び充填工程に遅延及び問題が生じる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、包装材の蓋及び/又は底部構造の各エリアにおける確実な閉鎖及び確実な被覆に加えて、これらエリアにおける包装材の荷重安定性の向上を確保すると共に、高速かつ確実な包装材の機械生産及び包装材への商品の充填を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の特徴に記載の汎用包装材並びに請求項10の特徴に記載のブランクは、これらの課題を解決する役割を果たす。本発明の便利な展開による有利な形態が各従属請求項に明記されており、ここで、包装材の有利な形態はブランクの有利な形態でもあり、逆も又同様である。
【0006】
本発明に記載の段ボール、紙等の包装材は、前壁及び後壁と、包装材の各端面を形成するために前壁と後壁とを接合している各少なくとも1つの側壁を備えている。包装材は縦軸に沿って角柱体の形状に形成されており、底部構造は、包装材の底部密閉のために前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップを含み、蓋構造部は、包装材の蓋側密閉のために前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップを含んでいる。そこでは、前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ及び/又は前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップそれぞれは、少なくとも幾つかのエリアにおいて前壁と後壁とを接合している少なくとも1つの側壁上に載ると共に、閉位置の少なくとも幾つかのエリアにおいて、それらが載っている少なくとも1つの側壁から突出するように形成されている。底部及び/又は蓋フラップを上述のように形成することで、蓋及び/又は底部構造の各エリアにおける包装材の確実な密閉及び確実な被覆が確保される。さらに、少なくとも幾つかのエリアにおいて包装材の1つ以上の側壁上に底部及び/又は蓋フラップが載っていることで、これらエリアにおける包装材の荷重安定性が向上する。「1つ以上の側壁上に底部及び/又は蓋フラップが載っている」ことで、底部及び/又は蓋フラップが側壁の各エッジ上に直接載っていないことも分かる。従って、底部及び/又は蓋フラップは、少なくとも幾つかのエリアにおいて、例えば、ダストフラップのような、各側壁にヒンジ接合された包装材エレメント上に載ることもできる。底部及び/又は蓋フラップが対応する側壁から突出していることが極めて重要である。従って、本発明に記載の包装材は、例えば、パレットによる積み込みの際に必要となる積み重ねを問題なく行うことができる。さらに、周知の包装材よりも薄い段ボールを任意で使用することができる。最後に、本発明に記載の包装材は、高速かつ確実に、包装材の機械生産及び包装材への商品の充填を確保する。これを可能にしているのが、包装材の個々エレメントの複雑な構造、特に、想定されるダストフラップを省略できるという事実である。包装材の縦軸は、底部又は載置面に対して略又は正確に垂直に、包装材の前壁及び後壁の縦延長線に対して平行に延びている。
【0007】
本発明に記載の包装材の別の有利な形態においては、前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ及び/又は前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップの幅aは、底部及び/又は蓋フラップの各ヒンジのエリアにおいては、前壁又は後壁の幅bよりも広い。それによって、簡単な構造で、対応する底部及び/又は蓋フラップを1つ以上の対応する側壁上に載せると共に、少なくとも幾つかのエリアにおいては、そこから突出させることが確保される。包装材の荷重安定性の向上、包装材の確実な密閉並びに包装材の起立自動化及び充填工程の可能性が生じる。
【0008】
本発明に記載の包装材の更なる有利な形態において、底部及び/又は蓋フラップは、包装材の閉位置において端面に配置する側壁によって形成される角柱体として形成された包装材の基部のエリアを完全又は少なくとも部分的に覆うように形成されている。そこでは、閉位置においては端面に配置する側壁によって形成される包装材の基部のエリアを完全に覆うように、各2つの底部及び/又は蓋フラップを形成することが可能である。それによって、角柱体に形成された包装材の基部から独立して、側壁によって形成された表面を底部及び/又は蓋フラップによって確実に被覆及び密閉することが確保される。そこでは、底部及び/又は蓋フラップそれぞれが少なくとも2つの部分を含むことができ、前壁又は後壁にヒンジ接合された第1部分は、隣接する第2部分に向かって拡大するように形成されている。
【0009】
本発明に記載の包装材の更なる有利な形態においては、少なくとも1つのティアオフフラップが蓋構造の下方エリアに形成されている。それによって、包装材内に置いている商品を包装材から簡単に取り出せるようになる。
【0010】
本発明に記載の包装材の更に有利な形態において、底部構造及び/又は蓋構造は、少なくとも1つの端面壁の底部及び/又は蓋側端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップを含む。そこで、ダストフラップは、底部構造及び/又は蓋フラップが閉位置においてダストフラップの少なくとも1つの上に部分的に載るように形成できる。本発明に記載のこれら構造によって、底部及び/又は蓋構造のエリアにおける包装材の確実な密閉が確保される。それに加えて、少なくとも1つのダストフラップは、包装材の基部から少なくとも部分的に突出し、それによって、ヒンジ接合されていない対応する側壁から突出し、その結果として、底部及び/又は蓋構造のエリアにおける包装材の確実な密閉及び荷重安定性の向上を可能にする。
【0011】
本発明に記載の包装材の更に有利な形態においては、角柱体として形成された包装材の基部は多角形に、特に、4角形、5角形、6角形、8角形、9角形、10角形又は12角形に形成されている。例えば、円形、混合形状のようなその他の形状もあり得る。さらに、包装材の基部を3角形に形成することも可能である。本実施形態は独立した発明内容を有することができる。3角形の包装材を形成するために、前壁又は後壁のいずれかが2つの側壁によって接合され、この2つの側壁も相互に接合される。そこでは、前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つの底部及び/又は蓋フラップは、少なくとも幾つかのエリアにおいては側壁の少なくとも1つの上に載ると共に、閉位置の少なくとも幾つかのエリアにおいては、それが載っている少なくとも1つの側壁から突出するように形成されている。底部及び/又は蓋フラップを上述のように形成することで、蓋及び/又は底部構造のエリアにおける包装材の確実な密閉及び確実な被覆がそれぞれ確保される。
【0012】
本発明の別の態様は、ブランクを折畳み状態で包装材を角柱体として形成するために曲げ線によって接合された前壁、後壁及び側壁エレメントを含む段ボール、紙等の包装材の製造用ブランクに関する。そこでは、ブランクは、前壁及び/又は後壁エレメントにヒンジ接合された少なくとも1つの蓋及び/又は底部フラップを含む。本発明によれば、前壁又は後壁エレメントにヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ及び前壁及び/又は後壁エレメントにヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップそれぞれは、少なくとも幾つかのエリアにおいて前壁エレメントと後壁エレメントとを接合している少なくとも1つの側壁エレメント上に載ると共に、包装材の閉位置の少なくとも幾つかのエリアにおいては、それらが載っている少なくとも1つの側壁エレメントから突出するように形成されている。上のように形成されたブランクが、蓋及び/又は底部構造のエリアにおける確実な密閉及び確実な被覆それぞれが可能な包装材の製造を確保する。それに加えて、本発明に記載のブランクは、蓋及び/又は底部構造のエリアにおけるブランク製包装材の荷重安定性の向上をもたらす。本発明に記載のブランクは、例えば、ダストフラップの構造も結果的に複雑にするような比較的複雑な構造を省略できるために、起立自動化及び充填工程においても問題なく使用できる。
【0013】
本発明に記載のブランクの更に有利な形態においては、前壁又は後壁エレメントにヒンジ接合された少なくとも1つの底部フラップ及び/又は前壁又は後壁エレメントにヒンジ接合された少なくとも1つの蓋フラップの幅aは、底部及び/又は蓋フラップの各ヒンジのエリアにおいては、前壁又は後壁エレメントの幅bよりも広い。それによって、ブランクから製造された包装材の確実な密閉及び荷重安定性の向上を可能にすることが構造的に確保されている。
【0014】
本発明に記載のブランクの更に有利な形態においては、底部及び/又は蓋フラップそれぞれが少なくとも2つの部分的エリアを含むことができ、前壁又は後壁エレメントにヒンジ接合された第1部分的エリアは、隣接する第2部分的エリアに向かって拡大するように形成されている。底部及び/又は蓋フラップそれぞれをこの第2部分的エリアにおいては切断線によって横ダストフラップから分離して形成することが可能である。切断線は、対応する側壁エレメントの各曲げ線を起点として45度±15度及び/又は135度±15度の角度で延びるように形成されている。それによって、本発明に記載のブランクから製造すべき包装材の基部を完全に覆い、その結果として、包装材を確実に密閉することが確保される。さらに、この構造によって、一体ブランクから包装材を製造することが可能になるのが有利である。この構造の結果として、本発明に記載のブランク及びそれから製造された包装材の製造速度並びに製造コストの面で明白な利点が生じることになる。
【0015】
本発明に記載のブランクの更に有利な形態においては、少なくとも1つの端面壁の底部及び/又は蓋側端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップが形成されている。ダストフラップはさらに本発明に記載のブランクから製造された包装材を確実に密閉する役割を果たす。さらに又、少なくとも1つのダストフラップは、製造された包装材の基部から突出すると共に、それによって、少なくとも幾つかのエリアにおいては、包装材の対応する側壁から突出するように、形成することもできる。それによって、本発明に記載のブランクから製造された包装材の安定性のさらなる向上が実現する。
【0016】
本発明に記載のブランクの更に有利な形態において、ブランクは、グリップフラップを備えたティアオフフラップを含む。それにより、ブランクから製造された包装材の簡単な開放が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のさらなる特徴は、請求項、実施形態並びに図面から明白である。上述した特徴及び特徴の組み合わせ、並びに、以下の実施形態に挙げた特徴及び特徴の組み合わせは、明記された各組み合わせだけではなく、その他の組み合わせにおいても使用可能であり、それにより、本発明の範囲を逸脱することにはならない。図面には以下の図が含まれている。
【0018】
図1】閉状態における本発明に記載の包装材の略側面図である。
図2図1に記載の包装材の略正面図である。
図3図1に記載の包装材の本発明に記載のブランクの概略図である。
図4図3に示したブランクの略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、包装又は非包装の注入可能、粉末及び自由流動食品又は洗剤の貯蔵及び運搬に特に役立つ包装材10の概略図である。しかし、液体も包装材10中の対応する液密中間包装材内に貯蔵できる。そこで、包装材10は、各3つの側壁22、22’、22”、24、24’、24”を介して接合された前壁12及び後壁14を備える(図2及び3も参照)。側壁22、22’、22”、24、24’、24”は包装材10の端面16、18を構成している。包装材10は、前壁及び後壁12、14の縦方向延長線に対して平行に延び、縦軸Lに沿って角柱体の形状に形成されており、8角形の基部38を有する。さらに、包装材10は、包装材10の底面密閉のために前壁及び後壁12、14にヒンジ接合された各1つの底部フラップ26、28を備える底部構造部20を備える(図3も参照)。さらに又、包装材10は蓋構造部30を備え、蓋構造部30は、包装材の蓋側密閉のために前壁及び後壁12、14にヒンジ接合された各1つの蓋フラップ32、34が含まれる。
【0020】
蓋フラップ32、34各々は2つ部分的エリア32’、32”、34’、34”を含み、そこでは、前壁及び後壁12、14に各々ヒンジ接合された第1部分的エリア32”、34”は、隣接する第2部分的エリア32’(図示せず)、34’に向かって拡大するように形成されている。底部フラップ26、28も同様に形成されている(図示せず)。さらに又、蓋フラップ32、34は、包装材10の閉位置においては端面に配置される側壁22、22’、22”、24、24’、24”によって角柱体として形成された包装材10の基部38のエリアを完全に覆うように形成されている。底部フラップ26、28も同様に形成されている(図示せず)。
【0021】
さらに、底部及び蓋フラップ26、28、32、34は、少なくとも幾つかのエリアにおいては、前壁と後壁12、14を接合している側壁22、22’、22”、24、24’、24”上に載ると共に、図示された包装材10の閉位置の幾つかのエリアにおいては、側壁22、22’、22”、24、24’、24”の少なくとも1つから突出するように形成されている。それによって、包装材10の形状安定性が大幅に向上する。さらに、包装材10の確実な密閉も確保される。これを構造的に実現するために、前壁又は後壁12、14にヒンジ接合された蓋フラップ32、34並びに対応する底部フラップ26、28の幅aは、蓋及び底部フラップ32、34の各ヒンジのエリアにおいては、前壁及び後壁12、14の幅bよりも広い。そこでは、幅bは、前壁12と蓋フラップ32の間及び後壁14と蓋フラップ34の間に形成された曲げ線66、70の長さに対応している。前壁12と底部フラップ26の間及び後壁14と底部フラップ28の間に形成された曲げ線74、78についても同様である(図3も参照)。
【0022】
加えて、包装材10の基部形状38が8角形であることが図1から分かる。これを実現するために、前壁12は対応する曲げ線56、60を介して各側壁22’、24’に接合されており、そこでは、側壁22’、24”は同様に曲げ線54、62を介して側壁22、24に接合され、曲げ線52、64を介して側壁22”、24’に接合されている(図2も参照)。側壁22”、24’は同様に曲げ線50、82を介して後壁14に接合されている(図3も参照)。そこでは、側壁24’も曲げ線64を介して粘着フラップ58に接合され、粘着フラップ58は包装材10の製造のために側壁24の内側に接着されていることに留意するものとする(図示せず)。
【0023】
さらに又、溝切り線90が蓋フラップ34部分的エリア34”に形成されている。前壁及び後壁12、14に対して平行に延びるこの溝切り線90は、蓋フラップ34の安定性を向上させる役割を果たす。蓋構造部30の下方のエリアには、ティアオフフラップ44がさらに形成されている。そこで、ティアオフフラップ44は、図1に示されたエリアにおいては、相互に平行に延びるミシン目線92、94によって形成されている。
【0024】
図2は、図1に記載の包装材10の略正面図である。ここでも、包装材10の基部38の全体形状は8角形である。さらに、ティアオフフラップ44はグリップフラップ96内が終端となっており、グリップフラップ96は包装材10の外周から突出していることが分かる。側面24は、ティアオフフラップ44のエリア及び高さにおいては、ティアオフフラップ44を引き裂いた後にこのエリアにおいて蓋構造部30を包装材10から取り外し、その結果として、包装材10の開放を助けるミシン目46を備える。ミシン目46は、後壁側14において、蓋構造部30に対して一種のヒンジの役割を果たす溝切り線84に移行している(図3を参照)。図2から、底部及び蓋フラップ26、28、32、34は、幾つかのエリアにおいては前壁と後壁12、14を接合する側壁22、22’、22”、24、24’、24”上に載ると共に、少なくとも幾つかのエリアにおいては上記側壁から突出するように形成されていることが明らかになる。
【0025】
図3は、図1に記載する包装材10のブランク48の概略図である。ブランク48を折り畳み状態で包装材10を角柱体として形成するために、ブランク48は、曲げ線50、52、54、56、60、62、64、82によって接合された前壁、後壁及び側壁エレメント12、14、22、22’、22”、24、24’、24”を含んでいる(図1及び2参照)。 ブランク48が、各々前壁及び後壁エレメント12、14にヒンジ接合された各1つの蓋及び底部フラップ32、34、26、28を含んでいることが分かる。中央ダストフラップ36及び横ダストフラップ40、42が、対応する曲げ線68、72、72’、76、80、80’を介して、側壁22、22’、22”、24、24’、24”の各端にそれぞれヒンジ接合されている。蓋及び底部フラップ32、34、26、28は、対応する曲げ線66、70、74、78を介して、対応する前壁及び後壁エレメント12、14に接合されている。さらに、粘着フラップ58が曲げ線64を介して側壁エレメント24’にヒンジ接合されている。
【0026】
前壁エレメント12にヒンジ接合された底部フラップ26並びに蓋フラップ32、並びに、後壁14にヒンジ接合された底部フラップ28及び対応する蓋フラップ34それぞれも、少なくとも幾つかのエリアにおいて前壁と後壁エレメント12、14とを接合している側壁エレメント22、22’、22”、24、24’、24”の少なくとも1つの上に載ると共に、ブランク48から製造された包装材10の閉位置の少なくとも幾つかのエリアにおいては、それらが載っているこれら側壁エレメント22、22’、22”、24、24’、24”の少なくとも1つから突出するように形成されている(図1及び2も参照)。これを確保するために、前壁及び後壁エレメント12、14にヒンジ接合された底部フラップ26、28並びに前壁及び後壁エレメント12、14にヒンジ接合された蓋フラップ32、34の幅aそれぞれは、底部及び/又は蓋フラップ26、28、32、34の各ヒンジのエリアにおいては、対応する前壁及び後壁エレメント12、14の幅bよりも広い。それに加えて、底部及び蓋フラップ26、28、32、34それぞれは対応する切断線86、88を介して横ダストフラップ40、42から分離して形成されている。切断線86、88は、対応する側壁エレメント22’、22”、24’、24”の各曲げ線68、72、72’、78、80、80’を起点として約45度又は約135度の角度で延びるように形成されていることが明らかになる。
【0027】
さらに、底部及び蓋フラップ26、28、32、34それぞれは2つ部分的エリア26’、26”、 28’、28”、32’、32”、 34’、34”を含み、しかも、前壁及び後壁エレメント12、14にヒンジ接合された第1部分的エリア26”、28”、32”、34”は、隣接する第2部分的エリア26’、28’、32’、34’に向かって拡大するように形成されていることが、図3から明らかになる。
【0028】
それに加えて、ティアオフフラップ44の形態が図3から明らかになる。ティアオフフラップ44は特に2本のミシン目線92、94によって画定されている。ティアオフフラップ44は後壁エレメント14のエリアにおいて溝切り線84に移行しており、上記溝切り線は、例示した実施形態においては、側壁エレメント24’及び粘着フラップ58の中に形成されたミシン目46に移行している。ミシン目46に対向する端において、ティアオフフラップ44はグリップフラップ96内が終端となっている。図3からも、底部フラップ28及び蓋フラップ34中に溝切り線90が形成されていることは明らかである。さらなる溝切り線98が中央ダストフラップ36中に形成されており、それぞれ同様にブランク48及び包装材10のこのエレメント又はこのエリアの安定性を向上させる役割を果たす。
【0029】
図4は、図3に示されたブランクの略詳細図である。蓋フラップ32の部分的エリア32”は側壁エレメント24”のエリア内が終端となっているに過ぎない。従って、切断線86は曲げ線72と交差しており、上記曲げ線は次に側壁エレメント24”を横ダストフラップ40に接合している。それに加えて、蓋フラップ32を前壁12にヒンジ接合する曲げ線70が曲げ線72に対して少しオフセットしていることが明らかである。それによって、このエリアにおいては、蓋フラップ32にある種の張り出しが生じ、しかも、この張り出しは、包装材10が組み立てられた状態では、対応する側壁エレメント24”からの突出に役立つことになる。蓋フラップ32の他端についても同様である。別の蓋フラップ34並びに底部フラップ26、28も同一の構造を有する。
【0030】
先の図面に記載した包装材10及びブランク48の各実施形態は、本発明の基本原理を明瞭にする役割を果たすものである。特に、複数の形状の異なる包装材が考えられる。結果として、角柱体として形成された包装材10の基部38は、8角形だけではなく、4角形、5角形、6角形、7角形、9角形、10角形又は12角形にも形成できる。しかし、その他の形状も可能である。
【0031】
上述した包装材は折畳みボックスとして形成されたものである。これらの包装材は、特に、段ボール、紙、プラスチック又は関連ブランクのような同等の材料から構成されている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】