特表2020-517538(P2020-517538A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2020517538-包装材及び包装材用ブランク 図000003
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  • 特表2020517538-包装材及び包装材用ブランク 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-517538(P2020-517538A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(54)【発明の名称】包装材及び包装材用ブランク
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/02 20060101AFI20200522BHJP
【FI】
   B65D5/02 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-557477(P2019-557477)
(86)(22)【出願日】2017年4月28日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月11日
(86)【国際出願番号】EP2017060249
(87)【国際公開番号】WO2018197013
(87)【国際公開日】20181101
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】515153060
【氏名又は名称】マイヤー−メルンホフ カルトン アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一
(72)【発明者】
【氏名】ボーン,ティモシー ジョン
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA04
3E060BC02
3E060BC10
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA07
3E060DA30
3E060EA02
3E060EA04
3E060EA06
3E060EA13
(57)【要約】
本発明は、ボール紙、紙等の素材からなる包装材に関し、底壁(12)及び天壁(14)、並びに、包装材(10)の正面(16、18)を形成するために底壁と天壁(12、14)とを接合する各少なくとも1つの前壁及び後壁(22、22’、22”、24、24’、24”)を含み、包装材(10)は底壁及び天壁(12、14)に対して平行な縦軸に沿って角柱体に形成されており、少なくとも一つの前壁及び後壁(22、24)の一端にヒンジ接合された少なくとも各1つのダストフラップ(36)を含む。本発明によれば、ダストフラップ(36)は、閉鎖位置において、それがヒンジ接合されていない1つ以上の前壁及び後壁(22、22’、22”、24、24’、24”)の上、及び/又は、底壁及び/又は天壁(12、14)の上に少なくとも一部が載っていると共に、少なくとも部分的にそこから突出するように形成されている。本発明はさらにかかる包装材を製造するためのブランクにも関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール紙、紙等の素材からな包装材であって、
−底壁(12)及び天壁(14)、並びに、包装材(10)の正面(16、18)を形成するための底壁と天壁(12、14)とを接合する各少なくとも1つの前壁及び後壁(22、22’、22”、24、24’、24”)と、包装材(10)は底壁及び天壁(12、14)に対して平行な縦軸(L)に沿って角柱体に形成されており、
−少なくとも1つの前壁及び後壁(22、24)の一端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップ(36)と、
を含み、
前記ダストフラップ(36)は、閉鎖位置において、それがヒンジ接合されていない1つ以上の前壁及び後壁(22’、22”、24’、24”)の上、及び/又は底壁及び/又は天壁(12、14)の上に少なくとも一部が載っている共に、少なくともそこから部分的に突出するように形成されている、
ことを特徴とする包装材。
【請求項2】
前記ダストフラップ(36)は、少なくとも1つのデテント(44)を含み、デテント(44)は、ダストフラップ(36)の閉鎖位置において、前壁及び後壁(22’、22”、24’、24”)及び/又は底壁(12)及び/又は天壁(14)に隣接するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装材。
【請求項3】
前記デテント(44)は、底壁及び/又は天壁(12、14)にヒンジ接合された側面フラップ(26、28)に形成された少なくとも1つの凹部又は開口部(30、32)の中に係止する、
ことを特徴とする請求項2に記載の包装材。
【請求項4】
前記凹部又は開口部(30)は、底壁及び/又は天壁(12、14)と対応する側面フラップ(26、28)間の移行領域内に形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の包装材。
【請求項5】
前記ダストフラップ(36)は、少なくとも1つの第1部分(40)を含み、第1部分(40)は対応する前壁及び/又は後壁(22、24)にヒンジ接合されており、ダストフラップ(36)の閉鎖位置において、正面及び/又は背面に配置された前壁及び/又は後壁(22、22’、22”、24、24’、24”)により形成された角柱体状包装材(10)の横断面(38)の領域を被覆するように形成され、横断面(38)は縦軸に対して垂直である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装材。
【請求項6】
前記ダストフラップ(36)は、第1部分(40)に隣接する少なくとも1つの第2部分(42)を有し、第2部分(42)は、ダストフラップ(36)の閉鎖位置において、底壁及び天壁(12、14)の内側に隣接するように形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の包装材。
【請求項7】
前記デテント(44)は、第1部分(40)及び/又は第2部分(42)内に形成されているか、又は、各少なくとも1つのデテント(44)が第1部分(40)及び/又は第2部分(42)内に形成されている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の包装材。
【請求項8】
前記天壁(14)の内部には、少なくとも1つの切離しフラップ(44)が形成されている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の包装材。
【請求項9】
前記角柱体状包装材(10)の包装材(10)の縦軸に対して垂直な横断面(38)は多角形に、特に、4角形、5角形、6角形、7角形、8角形、9角形、10角形又は12角形に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装材。
【請求項10】
ブランク(50)の折畳み状態において、前記包装材を角柱体に形成するために曲げ線(52、54、56、60、62、64、66、68)により接合された底壁、天壁、前壁及び後壁エレメント(12、14、22、22’、22”、24、24’、24”)を含むボール紙、紙等の素材からなる包装材の製造用ブランクであって、
ブランク(50)は、少なくとも1つの前壁及び後壁エレメント(22、24)の少なくとも一端にヒンジ接合された少なくとも1つダストフラップ(36)を含み、
前記ダストフラップ(36)は、ブランク(50)の折畳み状態及び閉鎖位置において、それがヒンジ接合されていない前壁及び/又は後壁エレメント(22’、22”、24’、24”)の少なくとも1つの上、及び/又は、底壁及び/又は天壁エレメント(12、14)の上に少なくとも一部が載っていると共に、少なくとも部分的にそこから突出する、
ことを特徴とするブランク。
【請求項11】
前記ダストフラップ(36)は、少なくとも1つのデテント(44)を含み、デテント(44)は、ブランク(50)の折畳み状態及びダストフラップ(36)の閉鎖位置において、前壁及び後壁エレメント(22’、22”、24’、24”)及び/又は底壁エレメント(12)及び/又は天壁エレメント(14)に隣接するように形成されている、
ことを特徴とする請求項10に記載のブランク。
【請求項12】
前記デテント(44)は、ブランク(50)の折畳み状態及びダストフラップ(36)の閉鎖位置において、底壁及び/又は天壁エレメント(12、14)にヒンジ接合された側面フラップ(26、28)に形成された少なくとも1つの凹部又は開口部(30、32)の中に係止する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載のブランク。
【請求項13】
前記凹部又は開口部(30)は、底壁及び/又は天壁エレメント(12、14)と対応する側面フラップ(26、28)間の移行領域内に形成されている、
ことを特徴とする請求項12に記載のブランク。
【請求項14】
前記ダストフラップ(36)は、少なくとも1つの第1部分(40)を含み、第1部分(40)は対応する前壁及び/又は後壁エレメント(22、24)にヒンジ接合されており、ブランク(50)の折畳み状態及びダストフラップ(36)の閉鎖位置において、正面配置された前壁及び/又は後壁エレメント(22、22’、22”、24、24’、24”)により形成された角柱体状包装材(10)の横断面(38)の領域を被覆するように形成されており、横断面(38)は縦軸に対して垂直であり、及び/又は、ダストフラップ(36)は、第1部分(40)に隣接する少なくとも1つの第2部分(42)を有し、第2部分(42)は、ブランク(50)の折畳み状態及びダストフラップ(36)の閉鎖位置において、底壁及び天壁エレメント(12、14)の内側に隣接するように形成されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記デテント(44)は、第1部分(40)及び/又は第2部分(42)内に形成されているか、又は、各少なくとも1つのデテント(44)が第1部分(40)及び/又は第2部分(42)内に形成されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底壁及び天壁と、包装材の側面を形成するため底壁と天壁とを接合する少なくとも各1つの前壁及び後壁を備え、ボール紙、紙等の素材からなる包装材に関し、包装材は、底壁及び天壁に対して平行な縦軸に沿って角柱体に形成されており、少なくとも1つの前壁及び後壁の一端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップを有している。さらに、本発明はかかる包装材の製造用ブランクにも関する。
【背景技術】
【0002】
かかる包装材は、数多くのものが知られている。特に、かかる包装材は様々な包装又は非包装の自由流動商品の充填、輸送及び保存に使用される。その場合、それらの商品は、例えば、シリアル、コーンフレーク又は他の注入可能及び自由流動食品又は粉末洗剤等とすることができる。しかし、液体も前述した包装材中の適切な液密中間包装材内に保存可能である。DE202004011165U1
【特許文献1】には、粉末商品用の粉末密包装材が開示されている。ここでは、周知の包装材は縦軸に沿って8角柱体に形成されている。しかし、かかる角柱体に形成された包装材においては、天面及び/又は底面構造を密封するために、天面フラップに加えて複数のダストフラップを形成すべき点が不利である。特に、天面及び/又は底面構造の角領域には、例えば、これらの包装材を積み重ねて保管する際に、これら領域の圧荷重によって、さらに不安定な状態が生じることになる。さらに、包装材に望ましくない損傷が生じることがある。US2011/111938A1
【特許文献2】及びEP0468860A1
【特許文献3】から、同等のボール紙包装材及び対応ブランクが知られている。WO2015/010726A1
【特許文献4】も類似の包装材及びブランクを示している。しかし、上述した従来の包装材と同様に、ここに開示した包装材も、縦軸に沿って形成された多角柱「起立」体であり、縦軸は前壁、後壁及び側壁の縦方向延長部に対して平行に形成されている。従って、縦軸は底面及び天面に対して垂直に配置されている。
【0003】
底壁及び天壁に対して平行な縦軸に沿って多角柱「横転」体の形に形成された汎用包装材の場合は、底壁及び天壁並びに「横転」積み重ねの支持面積を増大するために、例えば、陳列棚においては、対応する底面構造及び天面構造の領域における圧加重が低下する。しかし、特に、「起立」状態で包装材を保管及び輸送する場合は、すなわち、起立した、垂直な縦軸を有する角柱体を保管する場合は、かかる包装材の側壁荷重に対する耐性は極めて不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、特に、起立した、垂直な縦軸を有する包装材の「起立」保管又は輸送の場合に、包装材の側壁の領域における確実な閉鎖及び確実な被覆に加えて、これらの領域における包装材の荷重安定性の向上を確保する汎用包装材及びそのためのブランクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
クレーム1の特徴に基づく汎用包装材並びにクレーム10の特徴に基づくブランクが、これらの目的を達成するのに役立つ。本発明の更なる利便性向上による有利な形態が各従属クレームに明記されており、ここで、包装材の有利な形態はブランクの有利な形態でもあり、逆もまた同様である。
【0006】
本発明によるボール紙、紙等の素材からなる包装材は、底壁及び天壁と、包装材の側面を形成する底壁と天壁とを接合する少なくとも各1つの前壁及び後壁を備え、包装材は、底壁及び天壁に対して平行な縦軸に沿って角柱体に形成されており、少なくとも1つの前壁及び後壁の一端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップを有する。オプションとして、包装材の側面を閉鎖するために、底壁及び/又は天壁にヒンジ接合された少なくとも各1つの側面フラップを形成できる。そこでは、ダストフラップは、閉鎖位置において、ヒンジ接合されていない前壁及び後壁の少なくとも1つの上、及び/又は、底壁及び/又は天壁の上に、少なくとも一部が載っていると共に、少なくとも部分的にそこから突出するように形成されている。ダストフラップを本発明のように形成することで、前壁及び/又は後壁及び/又は対応する側壁及び側面フラップを含む包装材の領域の確実な閉鎖及び確実な被覆が確保される。さらに、ダストフラップが包装材の1つ以上の前壁及び後壁及び/又は底壁及び/又は天壁の上に少なくとも一部が載っていることで、これら領域における包装材の荷重安定性が向上する。従って、かかる包装材はその角柱体の縦軸を直立かつ垂直にした状態で問題なく並置状態で積み重ねができ、このことが、例えば、パレットによる積込みの際には、不可欠であると共に、有利である。さらに、場合により、これまで周知の包装材と比べて、使用するボール紙の厚さを薄くできる。この材料節約によって、本発明による包装材には明らかなコスト面での利益が生じる。ダストフラップが前壁及び/又は後壁から少なくとも部分的に突出して、ダストフラップの対応寸法により、包装材の前正面及び/又は後正面の確実な被覆が確保されている。本発明による包装材の起立保管時におけるこれら領域の圧荷重の可能性によっても、ダストフラップが前壁及び/又は後壁及び/又は底壁及び/又は天壁の上に載った状態から移動することはない。「1つ以上の前壁及び/又は後壁及び/又は底壁及び/又は天壁の上に載っている」ということは、ダストフラップが前壁及び/又は後壁及び/又は底壁及び/又は天壁の各エッジの上に直接載ってはいないことを意味する。従って、ダストフラップは、例えば、別のダストフラップのような、各々が前壁及び/又は後壁にヒンジ接合された包装材エレメント上に少なくとも一部が載ることもできる。重要なことは、ダストフラップが対応する前壁及び/又は後壁及び/又は底壁及び/又は天壁から突出することである。
【0007】
本発明による包装材の別の有利な形態において、ダストフラップは、少なくとも1つのデテントを含み、デテントは、ダストフラップの閉鎖位置において、前壁及び後壁及び/又は底壁及び/又は天壁に隣接するように形成されている。ここで、デテントが側面フラップに形成された少なくとも1つの凹部又は開口部の中に係止するように備えられる。さらに、この凹部又は開口部は底壁及び/又は天壁と対応側面フラップ間の移行領域内に形成できる。ダストフラップの閉鎖位置において、包装材の前壁及び後壁及び/又は底壁及び/又は天壁の対応領域に隣接する少なくとも1つのデテントを形成することにで、包装材がその形状を保持することが確保される。このことは、特に、包装材の自動化機械組立て及び充填の場合に重要である。特に、注入可能、粉末及び/又は自由流動食品の簡単かつ確実な機械充填が確保されるのは、形状安定包装材に限られる。デテントを係止するため前述の凹部又は開口部を形成することで、包装材の形状安定性も向上する。
【0008】
本発明による包装材の別の有利な形態において、ダストフラップは、少なくとも1つの第1部分を含み、この第1部分は対応前壁及び/又は後壁にヒンジ接合されており、ダストフラップの閉鎖位置において、正面及び/又は背面配置前壁及び/又は後壁により形成された角柱体状包装材の横断面の領域を被覆するように形成され、横断面は縦軸に対して垂直である。それにより、角柱体状包装材の基底面から独立して、前壁及び/又は後壁により形成された面をダストフラップの第1部分によって確実に被覆及び閉鎖することが確保される。そこでは、ダストフラップは、第1部分に接続する少なくとも1つの第2部分を有し、この第2部分は、ダストフラップの閉鎖位置において、底壁及び天壁の内側に隣接するように形成される。第2部分が底壁及び天壁の内側に隣接することで、包装材のこれらエレメント間の間隔が明確に画定されている。底壁及び天壁の内側はダストフラップの第2部分に支持されている。このことが、本発明による包装材の形状安定性の向上に寄与している。
【0009】
本発明による包装材の別の有利な形態において、デテントは、第1部分及び/又は第2部分内に形成されるか、又は、各々少なくとも1つのデテントが第1部分及び/又は第2部分内に形成されている。本発明による包装材の形状に応じて、有利なことには、ダストフラップの異なる領域に所定の数のデテントが配置可能になる。従って、形状の異なる包装材の異なる安定性要件を構造的に簡単に満たすことができる。
【0010】
本発明による包装材の別の有利な形態においては、天壁内部に少なくとも1つの切離しフラップが形成されている。それにより、包装材を簡単に開梱できる。
【0011】
本発明による包装材の別の有利な形態においては、角柱体状包装材の縦軸に対して垂直な横断面は多角形に、特に、4角形、5角形、6角形、7角形、8角形、9角形、10角形又は12角形に形成されている。しかし、例えば、円形、円形と多角形との混合形状のような他の形状も可能である。さらに、驚くことに、本発明による包装材によって、その製造時に、材料の、特に、ボール紙材料の明らかな節約が可能になることが明らかになっている。横断面の角数に応じて、従来の包装材と同じ内容積の場合に、9〜14%の材料を節約できる。例えば、横断面が一般的な5角形の場合、材料の節約は約9%、8角形の包装材の場合、材料の節約は約14%になることが明らかになっている。
【0012】
さらに、包装材の縦軸に対して垂直な横断面を3角形に形成することも可能である。本実施形態は独立した発明内容を有することができる。3角形の包装材を形成するために、前壁又は後壁のいずれかが底壁及び天壁と接合され、底壁及び天壁も相互に直接接合されている。そこでは、前壁又は後壁にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップは、閉鎖位置において、前壁又は後壁の少なくとも1つの上に少なくとも一部が載っていると共に、少なくとも部分的にそこから突出するように形成されている。ダストフラップを本発明のように形成することで、前壁及び/又は後壁及び/又は対応側壁及び側面フラップを含む包装材の領域の確実な閉鎖及び確実な被覆がそれぞれ確保される。さらに、ダストフラップが包装材の1つ以上の前壁及び/又は後壁の上に少なくとも一部が載っていることで、これら領域における包装材の荷重安定性が向上する。従って、かかる包装材はその角柱体の縦軸を直立かつ垂直にした状態で問題なく並置状態で積み重ねができ、このことが、例えば、パレットによる積込みの際には、不可欠であると共に、有利である。
【0013】
本発明の別の態様は、ブランクの折畳み状態において包装材を角柱体として形成するため曲げ線によって接合された底壁、天壁、前壁及び後壁エレメントを含むボール紙、紙等の素材からなる包装材の製造用ブランクに関する。そこでは、ブランクは、前壁及び/又は後壁エレメントの少なくとも一端にヒンジ接合された少なくとも1つのダストフラップを有する。本発明によれば、ダストフラップは、ブランクの折畳み状態及び閉鎖位置において、それがヒンジ接合されていない前壁及び後壁エレメントの少なくとも1つの上、及び/又は、底壁及び/又は天壁エレメントの上に、少なくとも一部が載っていると共に、少なくとも部分的にそこから突出するように形成されている。オプションとして、包装材の側面を閉鎖するため、底壁及び/又は天壁エレメントにヒンジ接合された少なくとも各1つの側面フラップを形成できる。このように形成されたブランクは、前壁及び/又は後壁エレメント及び/又は対応する側壁エレメント及び側面フラップを含む包装材の領域において、このブランク製の包装材の確実な閉鎖及び確実な被覆を確保する。さらに、本発明によるブランクは、このブランク製の包装材のこれら領域の荷重安定性の向上をもたらす。ダストフラップを本発明のように形成することで、ダストフラップによるこのブランク製の包装材の確実な被覆と、さらに、同等の周知の包装材よりも明らかに高い形状安定性が確保される。
【0014】
本発明によるブランクの別の有利な形態において、ダストフラップは、少なくとも1つのデテントを含み、デテントは、ブランクの折畳み状態でのダストフラップの閉鎖位置において、前壁及び後壁エレメント及び/又は底壁エレメント及び/又は天壁エレメントに隣接するように形成されている。ここでは、ブランクの折畳み状態で、デテントが側面フラップに形成された少なくとも1つの凹部又は開口部の中に係止するように備えることができる。さらに、この凹部又は開口部は底壁及び/又は天壁エレメントと対応する側面フラップ間の移行領域内に形成できる。ブランクの折畳み状態でのダストフラップの閉鎖位置において、包装材の前壁及び後壁及び/又は底壁及び/又は天壁の対応領域に隣接する少なくとも1つのデテントを形成することで、包装材がその形状を保持することが確保される。このことは、特に、包装材の自動化機械組立て及び充填の場合に重要である。特に、注入可能、粉末及び/又は自由流動食品又は各種洗浄剤の簡単かつ確実な機械充填が確保されるのは、形状安定包装材の場合に限られる。デテントを係止するため前述の凹部又は開口部の形成は包装材の形状安定性も向上させる。
【0015】
本発明によるブランクの別の有利な形態において、ダストフラップは、少なくとも1つの第1部分部分を含み、この第1部分は対応の前壁及び/又は後壁エレメントにヒンジ接合されており、ブランクの折畳み状態及びダストフラップの閉鎖位置において、前壁及び/又は後壁エレメントにより形成された折畳み角柱体状包装材の横断面の領域を被覆するように形成され、横断面は折畳み包装材の縦軸に対して垂直である。それにより、折畳み角柱体状包装材の基底面から独立して、前壁及び/又は後壁エレメントにより形成された面をダストフラップの第1部分によって確実に被覆及び閉鎖することが確保されている。そこで、ダストフラップは、第1部分に接続する少なくとも1つの第2部分を有することができ、この第2部分は、ダストフラップの閉鎖位置及びブランクの折畳み状態において、底壁及び天壁の内側に隣接するように形成されている。第2部分が底壁及び天壁エレメントの内側に隣接するように形成されていることで、折り畳まれた包装材のこれらエレメント間の間隔が明確に画定されている。底壁及び天壁エレメントの内側はダストフラップの第2部分に支持されている。このことが、本発明によるブランクから製造された包装材の形状安定性の向上に寄与している。
【0016】
本発明によるブランクの別の有利な形態において、デテントは、第1部分及び/又は第2部分に形成されているか、又は、各少なくとも1つのデテントが第1部分及び/又は第2部分に形成されている。本発明によるブランクから製造された包装材が必要とする形状に応じて、有利なことには、ダストフラップの異なる領域に所定の数のデテントを配置することが可能になる。従って、形状の異なる包装材の異なる安定性要件を構造的に簡単に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のさらなる特徴は、請求の範囲、実施形態並びに図面から明白である。上記説明に挙げた特徴及び特徴の組み合わせ、並びに、以下の図面の説明に挙げた特徴及び特徴の組み合わせは、明記された各組み合わせだけではなく、他の組み合わせにおいても使用可能であり、それにより、本発明の範囲を逸脱することにはならない。図面には以下の図が含まれる。
図1】本発明に係る包装材の概略図である。
図2図1に記載の包装材の別の概略図である。
図3図1に記載の包装材の本発明に係るブランクの概略図である。
図4図3に示したブランクの略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、特に包装又は非包装の自由流動商品の保存及び運搬に役立つ包装材10の概略図である。商品としては、例えば、シリアル、コーンフレーク又は他の注入可能及び/又は自由流動食品又は粉末洗剤等も対象となる。しかし、液体も包装材10中の対応する液密中間包装材内に保存できる。ここで、包装材10は、各3つの接合する前壁及び後壁22、22’、22”、24、24’、24”を介して接合された底壁12及び天壁14を有する。ここで、前壁及び後壁22、22’、22”、24、24’、24”は包装材10の前正面16及び後正面18を形成する。包装材10は、底壁及び天壁12、14並びに前壁及び後壁22、24に対して平行な縦軸Lに沿って角柱体に形成されている。この縦軸に対して垂直に、包装材10の横断面38は一般的に8角形に形成されている。従って、縦軸Lは包装材10の支持面に対して平行である。冒頭に挙げた従来の包装材の場合、各縦軸は対応支持面に対して垂直である。
【0019】
さらに、包装材10は、包装材10の側面を閉鎖するため、底壁及び天壁12、14にヒンジ接合された各1つの側面フラップ26、28を有する(図2も参照)。さらに、包装材10は、それぞれ曲げ線74、76を介して前壁22、24にヒンジ接合された合計4つのダストフラップ36を含む。ダストフラップ36は、前正面及び後正面16、18の領域における包装材10の側面閉鎖に役立つ。さらに、天壁14は、対応ミシン目線46、48を介して天壁14内に画定される切離しフラップ20を有する。曲げ線52を介して天壁14にヒンジ接合された粘着フラップ58の領域において、切離しフラップ20は、粘着フラップ58内に形成されたミシン目線84、86により画定されるグリップフラップ88に移行する。切離しフラップ20の開放を容易にするため、曲げ線52に隣接すると共に、グリップフラップ88の内部に、プルタブ82の形成に役立つ切断線80が形成されている。プルタブ82は包装材10の角柱体の輪郭から少し突出しており、これにより、容易に掴むことが可能となる。
【0020】
ダストフラップ36は、各閉鎖位置において、それがヒンジ接合されていない前壁及び後壁22’、22”、24’、24”の上に少なくとも一部が載っている共に、少なくとも部分的にそこからに突出するように形成されている。さらに、ダストフラップ36は、閉鎖位置において、側面フラップ26、28内に形成された凹部30、32の中にそれぞれ係止する各2つの対向デテント44を含む。凹部30は底壁12と各側面フラップ26、28間の移行領域内に形成されている。凹部32は天壁14と対応側面フラップ26、28間の移行領域内に形成されている。凹部30は曲げ線70の各端に、凹部32は曲げ線34の各端に形成されている。ここで、曲げ線70は底壁12から側面フラップ26への移行部を形成し、曲げ線34は側面フラップ26の第1部分26’を差込み及び/又は粘着フラップ26”と接合させる(図3も参照)。さらに、デテント44もそれぞれ包装材10の本来の多角柱から突出する。
【0021】
前正面16は、図示した実施形態においては、対応曲げ線64、66、68を介して相互に接合された前壁22、22’、22”(図3も参照)によって形成される。ここでは、前壁22”は粘着フラップ58と接合されている。後正面18は、対応曲げ線54、62を介して天壁14及び底壁12と接合された後壁24、24’、24”によって形成される(図3も参照)。
【0022】
図2は、図1に記載の包装材10の別の概略図である。ここでも、底壁12横転包装材10の全体形状は8角形である。ダストフラップ36は包装材の4つの側面に同形に形成されている。ダストフラップ36は、他方また、デテント44と共に、凹部30、32の中に係止している。側面フラップ28は対応凹部30、32を有し、これらの凹部は曲げ線72、34の各端に形成されている。ここで、曲げ線72は底壁12を側面フラップ28と接合させ、曲げ線34は側面フラップ28の第1部分領域28”を、差込み及び/又は接着フラップとして形成された第2部分領域28”と接合させる(図3も参照)。図2に示した他の特徴の説明に関しては、図1の説明を参照されたい。
【0023】
図3は、図1又は図2に記載の包装材10のブランク50の概略図である。ブランク50の折畳み状態において包装材10を角柱体に形成するために、ブランク50は、曲げ線52、54、56、60、62、64、66、68を介して接合された底壁、天壁、前壁及び後壁エレメント12、14、22、22’、22”、24、24’、24”を含む(図1及び2も参照)。 ブランク50は、前壁エレメント22及び後壁エレメント24の端にヒンジ接合された各1つのダストフラップ36を含む。ダストフラップ36はそれぞれ対応曲げ線74、76を介して前壁及び後壁エレメント22、24にヒンジ接合されている。さらに、曲げ線52を介して、粘着フラップ58が天壁エレメント14にヒンジ接合されている。
【0024】
ダストフラップ36は、各2つの対向デテント44を含み、ここで、デテント44は、ブランク50の折畳み状態及びダストフラップ36の閉鎖位置において、前壁及び後壁エレメント22’、22”、24’、24”並びに底壁及び天壁12、14の部分領域に隣接するように形成されている。さらに、各曲げ線74、76の長さは、この領域における各ダストフラップ36の長さ及び幅よりも短い。これが意味するのは、各ダストフラップ36がヒンジ接合部の両側から突出することである。ダストフラップ36の各第1部分40の限界線は、約45°及び約135°の角度で、対応する前壁及び後壁エレメント22、24の各曲げ線74、76から延びるように形成されている。
【0025】
さらに、図3から明らかなのは、ダストフラップ36は各1つの第1部分40を含み、この第1部分40は対応する前壁及び/又は後壁エレメント22、24にヒンジ接合されており、ブランク50の折畳み状態及びダストフラップ36の閉鎖位置において、前壁及び/又は後壁エレメント22、22’、22”、24、24’、24”により形成された角柱体状包装材10の横断面38の領域を被覆するように形成されることである。さらに、図示した実施形態のダストフラップ36は、第1部分40に接続する第2部分42を有し、第2部分42は、ブランク50の折畳み状態及びダストフラップ36の閉鎖位置において、底壁及び天壁エレメント12、14の内側に隣接するように形成されている。しかし、別のデテントを第1部分40及び/又は第2部分42内に形成することもできる。
【0026】
さらに、凹部30、32は各曲げ線70、72、34の各対向端に形成されている。ここで、曲げ線34は各側面フラップ26、28の第1部分26’、28’を各側面フラップ26、28の対応する第2部分26”、28”と接合させる。そこでは、第2部分26”、28”は差込み及び/又は接着フラップとして形成できる。
【0027】
さらに、ブランク50の天壁エレメント14は、ミシン目線46、48を介して形成される切離しフラップ20を有する。粘着フラップ58の領域においては、切離しフラップ20は延長されて、ミシン目線84、86を介して形成されるグリップフラップ88に移行している。切離しフラップ20の開放を容易にするのに役立つのが、切断線80を介して形成されたプルタブ82である。
【0028】
図4は、図3に示したブランク50の略詳細図である。ダストフラップ36は、その第1部分40が、曲げ線74を介して前壁エレメント22にヒンジ接合されている。ダストフラップ36は、この領域内においては、幅も長さも曲げ線74よりも大きく形成されており、従って、別の前壁エレメント22’の領域内に突出する。それによって、この領域には一種の突出部が形成され、この突出部は、組立てられた状態の包装材10において、対応する前壁エレメント22’からの突出に役立つ。ダストフラップ36の対向端(不図示)並びにブランク50の全てのその他のダストフラップ36についても、同じことが言える。これらのダストフラップは同一構造である。
【0029】
上記図面に記載した包装材10及びブランク50の各実施形態は、本発明の基本原理を明瞭にするものである。特に、形状の異なる複数の包装材が考えられる。その結果として、角柱体状包装材10の横断面38は、8角形だけではなく、4角形、5角形、6角形、7角形、9角形、10角形又は12角形にも形成できる。しかし、例えば、円形又は円形と多角形の間の混合形も可能である。
【0030】
前述の包装材は、折畳みボックスとして形成されたものである。これらの包装材は、関連ブランクのように、特に、ボール紙、紙、プラスチック又は同等の材料からなる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】