【実施例】
【0226】
[実施例1.アルコール不含製剤]
下記の表1における製剤を以下の通りに調製した。全ての溶媒を窒素でパージした後に、製造に使用する。ビタミンE、メチルパラベン、プロピルパラベンをプロピレングリコール中に溶解させた。ポリエチレングリコール400(PEG400)及び香味剤をこのプロピレングリコール溶液に添加し、徹底的に混合した。スクラロース及びアスコルビン酸ナトリウムを水中に溶解させることによって、水相を調製した。次に、これらの溶液を合わせ、pH改変剤を使用することによってpHを調整した。カンナビノイドをこの賦形剤溶液に添加し、溶解するまで混合した。
【0227】
合成的に合成された実質的に純粋なカンナビジオールをカンナビノイドとして使用した。
【0228】
イチゴ香味を香味剤として使用した。
【0229】
【表1】
【0230】
[実施例2.アルコール不含製剤の安定性]
表1に列挙されている製剤を、75%±5%の相対湿度下にて55℃±2℃、40℃±2℃、及び60%±5%の相対湿度下にて25℃±2℃で安定性試験にかけた。製剤の安定性を、特定時点で、これらの効力(アッセイ値)及び不純物レベルについて評価することによって分析した。紫外線検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して、アッセイ及び不純物を検出した。アッセイを228nmで行い、初濃度の%として示した。全ての不純物について、分析を228nmで行い、%面積として表した。特別な不純物の量は、総不純物の量と一緒に各製剤の面積の百分率として表2〜13に列挙されている。相対的保持時間(RRT)は各不純物について示されている。
【0231】
【表2】
【0232】
【表3】
【0233】
【表4】
【0234】
【表5】
【0235】
【表6】
【0236】
【表7】
【0237】
【表8】
【0238】
【表9】
【0239】
【表10】
【0240】
【表11】
【0241】
【表12】
【0242】
【表13】
【0243】
対照製剤(#AF1)は、総不純物のレベルにおける有意な増加及びアッセイ値における減少を示した。約6〜約7の範囲に製剤(#AF2)のpHを調整することで、対照製剤と比較して製剤の安定性を増加した。これは、pHがカンナビノイド製剤の安定性において果たす重要な役割を例示している。出願人は、pHが、最適な安定性のために約6〜約7であるべきであると決定した。抗酸化剤の添加は、pH調整と一緒に、カンナビノイド製剤の安定性をさらに増加した。例えば、抗酸化剤(単数又は複数)及びpH改変剤を含有する製剤#AF3及び#AF4は、温度及び湿度条件にかかわらず4週間優れた安定性を示した。
【0244】
<実施例3.アルコール製剤>
下記の表14及び15における製剤を以下の通りに調製した。全ての溶媒を窒素でパージした後に、製造に使用した。ビタミンE、パルミチン酸アスコルビル、メチルパラベン、プロピルパラベン、スクラロースをエタノール中に溶解させた。プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、グリセロール、香味剤及び水をこの溶液に添加し、徹底的に混合した。次いで、適用可能ならば、pH改変剤を使用して溶液のpHを調整した。カンナビノイドをこの賦形剤溶液に添加し、完全に溶解するまで混合した。
【0245】
合成的に合成された実質的に純粋なカンナビジオールをカンナビノイドとして使用した。イチゴ香味を香味剤として使用した。
【0246】
【表14】
【0247】
【表15】
【0248】
<実施例4.アルコールを用いる製剤の安定性>
表14及び表15に列挙されている製剤を60%±5%の相対湿度下にて25℃±2℃、及び75%±5%の相対湿度下にて40℃±2℃で安定性試験にかけた。製剤の安定性を、特定の時点で、これらの効力(アッセイ値)及び不純物レベルを評価することによって分析した。紫外線検出器を用いる高速液体クロマトグラフィーを使用して、アッセイ及び不純物を検出した。アッセイを228nmで行い、初濃度の%として示した。全ての不純物について、分析を228nmで行い、%面積として表した。特別な不純物の量は、総不純物の量と一緒に各製剤の面積の百分率として表16〜22に列挙されている。相対的保持時間(RRT)は各不純物について示されている。
【0249】
【表16】
【0250】
【表17】
【0251】
【表18】
【0252】
【表19】
【0253】
【表20】
【0254】
【表21】
【0255】
【表22】
【0256】
【表23】
【0257】
対照製剤(#A5)は、総不純物のレベルにおける有意な増加及びアッセイ値における減少を示した。抗酸化剤、ビタミンE及びパルミチン酸アスコルビル(#A6を参照されたい。)の添加は、製剤の安定性を有意に増加した。これらの結果は、カンナビノイド製剤を安定化することにおいて抗酸化剤の重要な役割を例示している。抗酸化剤ビタミンE及びアスコルビン酸(又はこれの塩)は、アスコルビン酸(又はこれの塩)がビタミンEを再生することによってビタミンEの欠乏を強く抑制するので、優れた相乗性を示す。抗酸化剤と一緒に、pHを6〜7の範囲に調整するためのpH改変剤の添加は、例外的に安定な製剤(#A7及び#A8)をもたらした。安定性試験データは、約6〜約7のpH範囲が重要であることを例示している。製剤#A9及び#A10は、その上、4週後に良好な安定性を示した。
【0258】
<実施例5.脂質製剤>
全ての固体及び液体賦形剤を脂質中で混合することによって、表24における製剤を創出した。カンナビジオールを次いで溶解させた。合成的に合成された実質的に純粋なカンナビジオールをカンナビノイドの供給源として使用した。イチゴを香味付けの供給源として使用した。
【0259】
【表24】
【0260】
【表25】
【0261】
<実施例6.脂質を用いる製剤の安定性>
製剤#LF1を60%±5%の相対湿度下にて25℃±2℃、及び75%±5%の相対湿度下にて40℃±2℃で安定性試験にかけた。製剤#LF10及び#LF11を75%±5%の相対湿度下にて55℃±2℃及び40℃±2℃で安定性試験にかけた。製剤#LF8、#LF9及び#LF12〜#LF15を全ての3つの貯蔵条件で安定性試験にかけた。製剤の安定性を、特定の時点で、効力(アッセイ値)及び不純物レベルを評価することによって分析した。紫外線検出器を用いる高速液体クロマトグラフィーを使用して、アッセイ及び不純物を検出した。アッセイを228nmで行い、初濃度の%として示した。全ての不純物について、分析を228nmで行い、%面積として表した。特別な不純物の量は、総不純物の量と一緒に各製剤の面積の百分率として表25に列挙されている。相対的保持時間(RRT)は各不純物について示されている。
【0262】
【表26】
【0263】
【表27】
【0264】
【表28】
【0265】
【表29】
【0266】
【表30】
【0267】
【表31】
【0268】
【表32】
【0269】
【表33】
【0270】
【表34】
【0271】
【表35】
【0272】
【表36】
【0273】
【表37】
【0274】
【表38】
【0275】
【表39】
【0276】
【表40】
【0277】
【表41】
【0278】
【表42】
【0279】
【表43】
【0280】
【表44】
【0281】
【表45】
【0282】
【表46】
【0283】
【表47】
【0284】
【表48】
【0285】
上記の表25に見られる通り、ゴマ油を用いる製剤#LF1は、貯蔵条件25℃±2℃/60%±5%の相対湿度及び40℃±2℃/75%±5%の相対湿度の両方で3カ月後に良好な安定性を示した。その上、オリーブ油を用いる製剤#LF8は、貯蔵条件55℃±2℃で4週後に、25℃±2℃/60%±5%の相対湿度及び40℃±2℃/75%±5%の相対湿度で3カ月後に良好な安定性を示した。
【0286】
製剤#LF9〜#LF15は各々、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル及びアルファ−トコフェロール(ビタミンE)、パルミチン酸アスコルビル、又はこれらの組合せの1つを抗酸化剤として含有する。製剤#LF13〜#LF15は各々、エタノールを追加として含有する。製剤#LF9〜#LF15の各々は、貯蔵条件55℃±2℃、40℃±2℃/75%±5%の相対湿度及び25℃±2℃/60%±5%の相対湿度で4週後に良好な安定性を示した。#LF9〜#LF12は、驚くべきことに、40℃±2℃/75%±5%の相対湿度で4週後に0.5%未満の総不純物を達成するというアルファ−トコフェロール(ビタミンE)の能力を実証している。#LF13〜#LF15は、1%〜5%のエタノールを含有する製剤において、驚くべきことに、全ての3つの貯蔵条件で4週後に0.2%未満の総不純物を達成するというパルミチン酸アスコルビルの能力を実証している。#LF14は、アルファトコフェロール(ビタミンE)の添加が、パルミチン酸アスコルビルの使用からの驚くべき安定性を改善しないことを実証している。
【0287】
<実施例7.パクリタキセル誘発ニューロパチー性疼痛研究>
パクリタキセルは、卵巣、乳房、肺及び頭頸部を含めたいくつかの型のがんに対する活性を有する抗新生物剤である。パクリタキセルは、有毒な副作用としてニューロパチーをもたらす微小管集合を促進することによって働く。末梢感覚ニューロパチーは、パクリタキセルの最も共通して報告されている神経毒性副作用であり、単独で又はシスプラチンのような他の神経毒性抗新生物剤との組合せで与えられる場合、パクリタキセルの高い及び累積の用量を用いる治療を制限する。現在では、この型の疼痛のための高度に有効な治療がない。そのため、パクリタキセル誘発ニューロパチーの症状を緩和するための高度に有効な治療が必要である。
【0288】
化学療法誘発末梢ニューロパチーによって引き起こされるニューロパチー性疼痛を軽減するためのカンナビジオール、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール及びカンナビジオールプラスデルタ−9−テトラヒドロカンナビノール組合せの効果を決定するために、マウス研究を行った。マウスに投与されたカンナビジオールは、98%より高い純度を有する実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールであった。
【0289】
図1の詳細な説明は、以下の通りである。Y軸は、ベースライン感受性のパーセントとして表される、機械的刺激に対する閾値感受性を表す。X軸は、腹腔内(「IP」)に投与された1キログラム当たりのミリグラム(「mg/kg」)の薬物の用量を表す。点線は、生理食塩水対照の機械的刺激に対する引き込み閾値レベルを表す一方で、破線は、パクリタキセル処置動物を表す。破線に沿ったポイントは、ニューロパチー性疼痛を示し、他方、点線に沿ったポイントは、ニューロパチー性疼痛からの保護を表す。示されているデータは、処置後21日目に測定された平均+SEM感受性である。
*1元配置ANOVAによって決定された場合の生理食塩水対照からp<0.05。
【0290】
一緒に添加された場合に同様の明白な行動影響を生み出す薬剤の特定の用量は、相加効果レベルを生み出すはずである。
【0291】
例:
1)1.25mg/kgのカンナビジオールが疼痛効果の100%軽減を生み出し、1.25mg/kgのデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールが0%効果を生み出すならば、一緒に添加されたこれらの用量は完全に有効であるはずである(2.5mg/kgのカンナビジオール+2.5mg/kgのデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールがそうであるように)。
【0292】
2)0.625mg/kgのカンナビジオール及び0.625のデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールが0%効果を生み出すならば、組合せにおけるこれらの用量は非有効であるはずである。
【0293】
出願人は、カンナビジオールが単独で投与される場合に、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールと比較して、化学療法誘発ニューロパチー性疼痛を軽減する最も有効なレベルを提供することを見出した(
図1に例示されている通り)。デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールの存在は、その濃度に依存して、ニューロパチー性疼痛を軽減するというカンナビジオールの能力を抑制し得る。カンナビジオールの疼痛軽減活性を遮断するというデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールの能力は、その上、カンナビジオールの濃度に依存する。この試験は、実質的に純粋なカンナビジオール製剤が非常に望ましいことを例示している。
【0294】
<実施例8.追加のパクリタキセル誘発ニューロパチー性疼痛研究>
方法
ベースラインの機械的感受性に続く1日目、3日目に、5日目及び7日目に、パクリタキセルを投与し、各パクリタキセル注射の15分前に、カンナビノイドを投与した。機械的感受性を次いで、9日目、14日目及び21日目に再判定した。機械的感受性試験のため、マウスを個々の透明なプレキシガラスチャンバーの内側の金網表面に置き、それらの後足の足底表面を、それらが刺激からそれらの足を退避させるまで、厚みが増加するフォンフレイフィラメント(0.16〜2.0グラムの力)と接触させる。フォンフレイの毛は、マウスの足底表面に対して湾曲「C」形状に6秒間押し付けられている一連の微細な較正フィラメントである。各処置群について、最終試料サイズは8匹の動物であった。CBD及びTHC処置の有意な効果を決定するため、2元配置ANOVAを使用した。
【0295】
単一薬剤用量効果曲線は、データを正規化するためにベースライン時の機械的感受性のパーセントレベルとして示される。用量等価分析を使用することで、単一薬剤用量応答曲線から誘導される予測付加価値と比較したCBD+THCの有意な相乗効果を決定する。予測及び観察効果レベルを得るため、データを、パクリタキセル誘発機械的感受性を逆転させるためのカンナビノイドのパーセント最大可能効果(MPE)に転換した。各動物についてこの値を決定するため、所与の試験日のパクリタキセル対照群の平均感受性スコアをゼロに設定し、処置の前の動物のベースラインスコアを100に設定する。例えば、動物がベースライン時に1.0の機械的感受性スコア及び9日目に0.75のスコアを有し、パクリタキセル群が9日目に0.5の平均スコアを示すならば、動物のパーセントMPEスコアは50%である。0%の%MPEスコアは、動物が少なくともパクリタキセル対照群と同じ感受性であることを示す。100%の%MPEスコアは、動物が試験日に、ベースライン時と同じ感受性又はこれより少ない感受性であることを示す。データのこの転換は、有効用量レベル(ED50、ED25など)を決定するために必要である。
【0296】
結果
CBD又はTHCを用いる前処置は、パクリタキセル誘発機械的感受性を有意に減弱させ、各薬剤についてP<0.0001であった。
図2を参照されたい。CBDは、CBDについての最小有効用量が1.25mg/kg IPであったが、THCについての最小有効用量が2.5mg/kg IPであったという点で、より高い効力でこの効果を生み出した。2元配置ANOVAもCBDとTHC用量応答曲線との間の有意な差異を明らかにし、CBDの1.25mg/kg用量は、THCの1.25mg/kg用量と比較した場合に有意に高い%ベースラインスコアを生み出した。両薬物が効力あるように思われた。
【0297】
より広い範囲の用量にわたって、CBD及びTHCの両方は単調な用量効果を生み出さないが、代わりに、逆U又はN字型関数に従うことが明らかになった。各時点でのCBD及びTHCの両方について、曲線は、5.0mg/kg〜10mg/kgの間で反転するが、処置は、より高い用量で効力を再び得る。
図3、上部中央及び中間中央のパネルを参照されたい。組合せ群において、データはよりU字型に見えるが、上昇がより大きい用量組合せで再び出現するかは不確かである。
図3、底部中間パネルを参照されたい。
【0298】
用量等価分析を使用することで、単独でのこれらの効果に基づく、これらの用量応答曲線の上行脚に対するCBD及びTHCの組合せ効果を予測した。個々の用量効果式は、CBDについてE=78.47D
2.5/D
2.5+0.497、及びTHCについてE=80D
3/D
3+3.44である。用量等価分析において、各CBD用量について、THCの効果等価用量を同定する。この用量を各組合せにおける実際のTHC用量に加えることで、合計が予測組合せの有効用量となる。例えば、0.31mg/kgのCBD及び0.31mg/kgのTHCの相加効果を予測するため、CBDについての決定された用量効果式を使用して、0.31mg/kgのCBDと等しく有効であるTHCの用量を同定する。CBD 0.31mg/kgは、8.3%の%MPEを生み出す。これから、THCの決定された用量効果式を使用して、8.3の%MPEを生み出すためのTHCの用量を算出する。%MPEを達成するために必要とされるTHCの用量は0.7mg/kgであり、これは、0.31mg/kgのCBDに等しく有効である用量を表す。0.7mg/kgを0.31mg/kgに添加することで、効果レベルが0.31mg/kgのCBD+0.31mg/kgのTHCの予測効果レベルと等しい1.01mg/kgのTHCにする。この予測効果レベルを13.68%MPEであると決定する。実際の組合せ実験を行った時、0.31mg/kgのCBD+0.31mg/kgのTHC(グラフで0.625mg/kgの組合せとして標識されている。)は、実際にED78であった(78%の最大可能効果;
図2底部パネル)。改変されたt試験統計を適用し、予測組合せ用量応答曲線は、観察用量応答曲線と統計的に有意に異なることが決定され、CBD+THC組合せの相乗効果を実証した。
図4を参照されたい。
【0299】
<実施例9.追加のパクリタキセル誘発ニューロパチー性疼痛研究>
方法
1:1用量比から外れるCBD+THC組合せの効力を試験するように、研究を設計した。6つの追加の組合せ:4:1、3:1、2:1、1:2、1:3及び1:4を試験した。各処置組合せの4つの用量を、パクリタキセルで処置されたマウス群において試験した。各処置群について、最終試料サイズは8匹の動物であった。
【0300】
結果
CBD対THCの4:1組合せは、単独のCBDと同様の効果を生み出し、他方、CBD対THCの2:1及び3:1比は、単独のCBDよりも強力であった。
図5を参照されたい。2元配置ANOVAは、処置及び用量の全体的効果(p<0.05)を明らかにしたが、有意な相互作用は明らかにしなかった。CBDよりもTHCにおけるほうが高い組合せは、単独のTHCと同様の効果を生み出し、用量の有意な効果はあったが(p<0.05)、主な処置効果及び有意な相互作用はなかった。
【0301】
<実施例10.オキサリプラチン又はビンクリスチン誘発ニューロパチー性疼痛研究>
方法
オキサリプラチン又はビンクリスチン誘発末梢ニューロパチーを予防する際のCBDの効力を試験するように、研究を設計した。CBD及びビヒクルの2つの用量を、これらの第一選択の化学療法剤の各々に対して試験した。オキサリプラチンを6mg/kgの用量で1回投与した。CBDを単一のオキサリプラチン注射の15分前に投与した。ビンクリスチンを0.1mg/kgの用量で1日1回7日間投与した。CBDを各ビンクリスチン注射の15分前に投与した。各処置群について、最終試料サイズは8匹の動物であった。
【0302】
結果
CBDを用いる前処置は、オキサリプラチン誘発機械的感受性を減弱させたが、ビンクリスチン誘発機械的感受性を減弱させなかった。
図6を参照されたい。オキサリプラチンについての2元配置ANOVAは、有意な時間効果及び有意な処置効果を明らかにし(p<0.05)、有意な相互作用を明らかにしなかった。ビンクリスチンについての2元配置ANOVAは、有意な時間効果を明らかにしたが(p<0.05)、主な処置効果及び相互作用を明らかにしなかった。
【0303】
<実施例11.抗けいれん薬研究>
最大電気ショック試験(「MES」)、最小間代性発作(「6Hz」)試験及び毒性の評価(「TOX」)を含めて、抗けいれん薬スクリーニングのための標準的モデルに従って、この研究を以下の通りに行った。データを試験された動物の数(F)のうちの保護された動物の数(N)として記録しており、下記の表26〜29を参照されたい。試験を1回反復した。マウス及びラットに投与されたカンナビジオールは、98%より高い純度を有する実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールであった。カンナビジオールを0.5%メチルセルロース、又は1:1:18比のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:リン酸緩衝生理食塩水中に溶解させた(「PBS」)。
【0304】
最大電気ショック試験は、全身性強直間代性発作のためのモデルであり、脳における全てのニューロン回路が最大活性である場合、発作拡散を防止するための化合物の能力の指標を提供する。これらの発作は、高再現性であり、ヒト発作と電気生理学的に一致する。最大電気ショックけいれんに基づく全ての試験のため、60Hzの交流電流(マウスで50mA、ラットで150)を、麻酔剤(0.5%テトラカインHCl)を含有する電解質溶液でプライミングされた角膜電極によって0.2秒間供給した。0.01mL/gの体積の腹腔内注射によって与えられたカンナビジオールの10mg/kg、30mg/kg及び100mg/kgの用量に続いて、マウスを様々な間隔で試験した。動物は、発作の後肢強直性伸筋構成成分の消滅で最大電気ショック誘発発作から「保護されている」と考えられた。
【0305】
最小運動障害試験を使用することで、化合物の望ましくない副作用又は毒性を決定した。この試験中、障害された神経学的機能又は筋肉機能の明白な兆候について、動物をモニタリングした。ロータロッド手順を使用することで、最小の筋肉障害又は神経学的障害を開示した。対照マウスを6rpmの速度で回転するロッドに置くと、動物は長い時間期間の間それの平衡を維持することができる。60秒の期間中この回転するロッドから3回落下したならば、動物を毒性だと考えた。最小運動障害に加えて、動物は、円形又はジグザグ歩行、異常な体位及び開脚、振戦、活動亢進、探索行動の欠如、傾眠、昏迷、カタレプシー、置き直し反応の損失、並びに筋緊張の変化を呈していた可能性がある。
【0306】
第3の試験は最小間代性発作(6Hz)試験であった。最大電気ショック試験のように、最小間代性発作(6Hz)試験は、電気的に誘発された発作に対して化合物の効力を判定するために使用されるが、より低い周波数(6Hz)及びより長い持続期間の刺激(3秒)を使用する。腹腔内注射を介して、カンナビジオールをマウスに前投与した。変動する時間で、個々のマウス(1時点当たり4匹)に、角膜電極を介して供給された十分な電流を負荷することで、動物の97%に精神運動発作を引き出した(3秒間32mA)。未処置マウスは、最小間代期、続いて、部分発作を有するヒト患者の前兆と同様であると元々記載されている常同的自動性行動によって特徴付けられる発作を呈する。この行動を呈していない動物は、保護されていると考えられる。
【0307】
【表49】
【0308】
【表50】
【0309】
【表51】
【0310】
【表52】
【0311】
上記の表49〜52に見られる通り、出願人は、カンナビジオールがマウス及びラットをてんかんから保護することを見出した。
【0312】
<実施例12.6Hz精神運動発作試験>
この研究を行うことで、長期周波数(6Hz)刺激によって誘発された精神運動発作を遮断するという合成的に合成された実質的に純粋なカンナビジオールの能力を決定した。これは、治療耐性部分発作のための研究モデルである。
【0313】
成体雄性CF1マウス(体重18g〜25g)を100mg/kgの用量のカンナビジオールで腹腔内に前処置した。マウスに投与されたカンナビジオールは、98%より高い純度を有する実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールであった。カンナビジオールを0.5%メチルセルロース、又は1:1:18比のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS中に溶解させた。
【0314】
各処置群(n=4匹のマウス/群)を、カンナビジオールを用いる処置に続く5つの時点(1/4時間、1/2時間、1時間、2時間及び4時間)の1つで抗けいれん効果について検査した。前処置に続いて、各マウスは、各眼に適用される0.5%テトラカイン塩酸塩1滴を受けた。マウスに次いで、角膜電極を介して供給される低周波数(6Hz)刺激を3秒間負荷した。低周波数の長期刺激を当初32mA強度で供給した。動物を手で拘束し、刺激に続いて直ちに放し、発作活性について観察した。試験化合物が32mAスクリーンにおいて有効であったならば、上に記載されているのと同じプロトコールを使用して、刺激電流が44mAに増加される追加のアッセイを用いる。追加として、用量応答曲線は、特定の刺激強度でピーク効果の時間(TPE)に発生され得る。
【0315】
典型的に、6Hz刺激は、感覚毛の単収縮及び挙尾を含めて、常同的自動性行動が後に続く最小間代期によって特徴付けられる発作をもたらす。こうした行動を呈していない動物は保護されていると考えた。データをマン−ホイットニーU試験によって分析したところ、統計的に有意であると決定されるp<0.05であった。
【0316】
各時間群について、結果を、時間をかけて試験された動物の数のうち保護された動物の総数として表す(即ち、2/4は、試験された4匹のマウスにうち2匹が保護されたことを表す)。
【0317】
【表53】
【0318】
【表54】
【0319】
【表55】
【0320】
【表56】
【0321】
表53〜56に見られる通り、両溶媒中のカンナビジオールは、100mg/kg範囲で動物の50%(ED50)において発作を抑制する同等の中央値有効用量を示した。メチルセルロース溶媒中に溶解させたカンナビジオールは、103.75mg/kgのED50(53.89mg/kg〜163.84mg/kgの95%信頼区間)を有していたが、それは、1:1:18のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS溶媒中に溶解させた場合に121.52mg/kgのED50(87.83mg/kg〜152.96mg/kgの95%信頼区間)を示した。メチルセルロース溶媒中のカンナビジオールについての毒性データに基づき、毒性が動物の50%に観察される(「TD50」)場合の中央値毒性用量は、投与後0.5時間に500mg/kgを超えると決定された。24時間で下痢、及び1匹の死亡が、試験された最も高い用量の500mg/kgにて24時間で報告された。
【0322】
TD50は、1:1:18のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS溶媒中に溶解させたカンナビジオールで262.37mg/kg(232.64〜301.78の95%信頼区間)であると決定された。死亡が、1:1:18のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS溶媒を用いて300mg/kgにて24時間で、及び500mg/kgにて6時間及び24時間で報告された。
【0323】
これらの結果は、カンナビジオールがヒトにおけるてんかん及び他の状態の治療に有効である可能性が高いことをさらに例示している。さらに、合成的に合成されたカンナビジオールは、植物から誘導されるとともに実質的に純粋でないカンナビジオールよりも毒性が少ない可能性が高い。
【0324】
<実施例13.最大電気ショック発作及び皮下メトラゾール>
最大電気ショック発作(「MES」)及び皮下メトラゾール(「sc Met」)試験は、調査用抗発作薬物の初期同定及びハイスループットスクリーンのための2つの最も広く用いられる前臨床発作モデルである。これらの試験は、ヒトの全身性強直間代性発作及び全身性ミオクローヌス性発作の治療に有用であり得る新たな抗発作薬を同定する際に極めて有効である。MES試験は、脳における全てのニューロン回路が最大活性である場合、発作拡散を防止するというCBDの能力の指標を提供する。s.c.Met試験は、動物の化学的けいれん薬誘発発作閾値を上げ、したがって、間代性前脳発作を呈することからそれを保護するというCBDの能力を検出する。
【0325】
MES試験のため、60Hzの交流電流を角膜電極によって0.2秒間供給する。閾値強直性伸展発作を起こすのに必要なものの5倍の電流強度、即ち、マウスで50mA及びラットで150mAにて、超最大発作を引き出す。麻酔溶液、0.5%テトラカイン塩酸塩を1滴、各動物の眼に入れた直後に、角膜電極を眼に適用することで電気刺激を引き出す。動物を手で拘束し、刺激に続いて直ちに放すことで、発作全体の観察を可能にする。後脚強直性伸筋構成成分の抑制をMES試験のエンドポイントとする。
【0326】
メトラゾールの用量(マウスで85mg/kg)は、マウスの97%(CD97)でけいれんを誘発する。メトラゾールのCD97用量を頸部の正中線における皮膚の緩いひだに注射する。メトラゾールについてのCD97用量は、マウスにおいて毎年確認される。それをマウスに0.01ml/g体重の体積で投与する。動物を次いで、ストレスを最小化するために隔離ケージに入れ、発作の存在又は非存在について次の30分間連続的にモニタリングする。前肢及び/若しくは後肢、顎又は感覚毛のおよそ3秒〜5秒の間代性痙攣のエピソードをエンドポイントとする。前肢及び/又は後肢クローヌス、顎の噛む動作、又は感覚毛単収縮を呈していない動物は、保護されていると考えられる。
【0327】
全ての定量的インビボ抗発作/行動障害研究は、予め決定されたTPEで典型的に行われる。少なくとも2つのポイントが100%保護又は最小毒性及び0%保護又は最小毒性の限度の間に確立されるまで、少なくとも8匹のマウス群を様々な用量のカンナビジオールで試験した。各試験、95%信頼区間、回帰直線の傾斜、及び傾斜の平均(S.E.M.)の標準誤差において動物の50%(ED50又はTD50)で所望のエンドポイントを生み出すのに必要とされる薬物の用量を次いでプロビット分析によって算出する。
【0328】
マウスに投与されたカンナビジオールは、98%より高い純度を有する実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールであった。カンナビジオールを0.5%メチルセルロース、又は1:1:18比のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS中に溶解させた。最大電気ショック(MES)及び皮下メトラゾール(「sc MET」)は、新たな抗てんかん薬の初期同定及びスクリーニングのための最も広く使用される前臨床発作モデルである。
【0329】
【表57】
【0330】
【表58】
【0331】
【表59】
【0332】
【表60】
【0333】
メチルセルロース溶媒中に溶解させたカンナビジオールのためのMESモデルにおけるED50は、U字型用量応答により算出することができない(0.5時間で1/4、1時間で1/4、2時間で4/8及び4時間で2/4保護される。)。しかしながら、1:1:18のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS溶媒中に溶解させたカンナビジオールについてのED50は、92.21mg/kg(78.4mg/kg〜104.63mg/kgの95%信頼区間)である。
【0334】
METモデルについて、ED50は、メチルセルロース溶媒中に溶解させたカンナビジオールで241.03mg/kg(182.23〜311.87の95%信頼区間)、及び1:1:18のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS溶媒中に溶解させたカンナビジオールで198.51mg/kg(167.76mg/kg〜232.58mg/kgの95%信頼区間)であった。メチルセルロース溶媒中に溶解させたカンナビジオールについての毒性データに基づき、TD50は、試験された最も高い用量の500mg/kgを超えると決定された。
【0335】
200mg/kgの用量にて1時間及び360mg/kgの用量にて2時間で、ミオクローヌス性筋反射が報告された。TD50は、1:1:18のエタノール:ポリエトキシ化ヒマシ油:PBS溶媒中に溶解させたカンナビジオールで266.76mg/kg(222.28mg/kg〜317.42mg/kgの95%信頼区間)であると決定された。
【0336】
これらの結果は、カンナビジオールがヒトにおけるてんかん及び他の状態の治療に有効である可能性が高いことをさらに例示している。さらに、合成的に合成されたカンナビジオールは、植物から誘導されるとともに実質的に純粋でないカンナビジオールよりも毒性が少ない可能性が高い。
【0337】
<実施例14.多形神経膠芽腫研究>
カンナビジオール又はカンナビジオールプラスデルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(カンナビジオール/デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール1:1)の全身投与が、多形神経膠芽腫進行を抑制し、U87細胞を利用する多形神経膠芽腫の同所性マウスモデルにおいて、化学療法薬のテモゾロマイドの活性を増強することができる程度を決定するために、研究を行った。カンナビジオールプラスデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールの組合せが、U87血清誘導多形神経膠芽腫細胞から誘導される腫瘍を標的化するための最も有効な処置であることが予め示唆された。
【0338】
研究を以下の通りに行った。10%ウシ胎児血清を有するRoswell Park Memorial Institute培地中で、ヒトU87ルシフェラーゼ標識化細胞を成長させ、次いで、0.1%トリプシン/エチレンジアミン四酢酸を用いて、培養中のそれらの指数成長期中の間に皿から収集し、血清不含Roswell Park Memorial Institute培地で2回洗浄した。頭蓋内モデルのため、4μlのRoswell Park Memorial Institute培地において0.3×10
6のU87細胞の頭蓋内注射によって、腫瘍を雌性胸腺欠損nu/nuマウスに発生させた。このモデルを使用して、薬効性(インビボ画像化)、並びに同じ動物群における生存を判定することができる。実験用新生物に関与する国立衛生研究所のガイドライン及び我々の承認された動物実験委員会プロトコールに従って、生存研究を実施した。全ての群における動物は、丸まった背中、全身的活動の持続性減少、又は体重の著しい減少を含めて、著しい腫瘍負荷発達を示す任意の単一の兆候を実証した場合に研究から外す。腫瘍が頭蓋内腔から逃れることができた限られた場合において、外部腫瘍がノギスによって判定された場合に5mmを超えると測定された時に、マウスを安楽死させた。追加として、放射輝度が>500×10
6と測定された腫瘍を有するマウスは、発作に関連した自発的死が大きな頭蓋内腫瘍の存在により発生しなかったことを保障するため、症状が観察されなくても研究から外した。
【0339】
カンナビノイドを3%エタノール、3%界面活性剤及び94%生理食塩水の混合物中に溶解させ、テモゾロマイドを30%ジメチルスルホキシド及び70%生理食塩水中に溶解させた。この研究に、合成的に合成されるとともに実質的に純粋であるカンナビジオールを使用した。腫瘍細胞の注射の9日後に、処置を開始した。最初の注射前の朝マウスを画像化することで、当初の腫瘍サイズを決定し、次いで、最初の注射の開始前に腫瘍サイズの等しい分布を有するように群を編成した。マウスをテモゾロマイドで1日1回5日間処置した。週末にかけてマウスに注射した研究の第1週を除き、研究の完了まで、マウスを1日1回、週5日(月曜日から金曜日まで)カンナビノイドで処置した。全てのマウスに腹腔内注射を介して処置投与した。1群当たり12匹のマウスで、合計72匹のマウスであった。処置割合は以下の通りであった:カンナビジオール(15mg/kg);カンナビジオール/デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(1:1、15mg/kgで一緒);及びテモゾロマイド(2mg/kgの腹腔内注射)。
【0340】
1元配置ANOVAを使用して、有意な差異を決定した。適切な場合、ボンフェローニ−ダン事後分析を行った。ログランクマンテル−コックス試験を使用して、群間の生存を比較した。P値<0.05を統計的に有意と定義した。
【0341】
図7の詳細な説明は以下の通りである。x軸は処置後の日数を表し、y軸は生存率を表す。
【0342】
図7に見られる通り、15mg/kgのカンナビジオール単独又はカンナビジオール/デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(1:1)は、多形神経膠芽腫進行を抑制しなかったが、テモゾロマイドの最適以下の用量の抗腫瘍活性を増強し、生存の有意な増加に至った。さらに、実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールは、腫瘍の20%の完全な退縮を生み出した。この効果は、1:1カンナビジオール:デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール処置に続いては観察されなかった。以前に、1:1比のカンナビジオール(大麻から抽出され、実質的に純粋でない):デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールは、カンナビジオール単独よりも良好な効果を生み出すと思われていたので、実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールがこれらの効果を有することは予想外であった。しかしながら、この研究は、再び、出願人の実質的に純粋な合成的に合成されたカンナビジオールの優位性を例示している。
【0343】
<実施例15.追加の多形神経膠芽腫研究>
10%ウシ胎児血清を有するRoswell Park Memorial Institute培地中で、ヒトU251ルシフェラーゼ標識化細胞を成長させ、次いで、0.1%トリプシン/エチレンジアミン四酢酸を用いて培養中のそれらの指数成長期における間に皿から収集し、血清不含Roswell Park Memorial Institute培地で2回洗浄した。頭蓋内モデルのため、4μlのRoswell Park Memorial Institute培地において0.3×10
6のU251細胞の頭蓋内注射によって、腫瘍を雌性胸腺欠損nu/nuマウスに発生させた。このモデルを使用して、薬効性(インビボ画像化)、並びに同じ動物群における生存を判定することができる。実験の新生物に関与する国立衛生研究所のガイドライン及び我々の承認された動物実験委員会プロトコールに従って、生存研究を実施した。全ての群における動物は、丸まった背中、全身的活動の持続性減少、又は体重の著しい減少を含めて、著しい腫瘍負荷発達を示す任意の単一の兆候を実証した場合に研究から外す。腫瘍が頭蓋内腔から逃れることができた限られた場合において、外部腫瘍がノギスによって判定された場合に5mmを超えると測定された時に、マウスを安楽死させた。追加として、放射輝度が>500×10
6と測定された腫瘍を有するマウスは、発作に関連した自発的死が大きな頭蓋内腫瘍の存在により発生しなかったことを保障するため、症状が観察されなくても研究から外した。1群当たり12匹のマウスで、合計72匹のマウスであった。処置割合は以下の通りであった:カンナビジオール(15mg/kg);テモゾロマイド(1.5mg/kgの腹腔内注射);及びカンナビジオール/テモゾロマイド(10:1、16.5mg/kgで一緒)。
【0344】
薬物処置研究のため、カンナビノイドを2.5%エタノール、2.5% TWEEN(登録商標)80、及び95%生理食塩水の混合物中に溶解させ、テモゾロマイドを30%ジメチルスルホキシド及び70%生理食塩水中に溶解させた。腫瘍細胞の注射の9日後に、処置を開始した。最初の注射前の朝マウスを画像化することで、当初の腫瘍サイズを決定し、次いで、最初の注射の開始前に腫瘍サイズの等しい分布を有するように群を編成した。マウスをテモゾロマイドで1日1回5日間処置した。週末にかけてマウスに注射した研究の第1週を除き、研究の完了まで、マウスを1日1回、週5日(月曜日から金曜日まで)カンナビノイドで処置した。全てのマウスに腹腔内に注射した。
【0345】
1元配置ANOVAを使用して、有意な差異を決定した。適切な場合、ボンフェローニ−ダン事後分析を行った。Kaplan−Meier分析及びログランクマンテル−コックス試験、又はゲーハン−ブレスロー−ウィルコクソン試験を使用して、群間の生存を比較した。P値<0.05を統計的に有意と定義した。
【0346】
図8の詳細な説明は以下の通りである。x軸は処置後の日数を表し、y軸は生存率を表す。
【0347】
ビヒクル群における腫瘍の1つは経時的に完全に退縮し、研究における異常値を創出した。ビヒクル処置動物における腫瘍退縮は希な発生であるが、発生し得る。研究の開始中、腫瘍はIVIS画像化によって判定されたところ成長の小さい増加を実証したので、データセットから外さなかった。データは、比較のため異常値を用いて(
図8A)及び用いないで(
図8B)表されている。ビヒクル異常値が含まれると、テモゾロマイド単独では生存を増加させなかった(p=0.48、
図8A、p<0.05は有意と考えられる。)。カンナビジオール単独でも、生存を増加させなかった。しかしながら、テモゾロマイド+15mg/kgのカンナビジオールの組合せは、ログランクマンテル−コックス試験を使用して生存を増加させることについての有意性(p=0.09)にほぼ達しており、p<0.05は有意と考えられる。この同じデータセットをゲーハン−ブレスロー−ウィルコクソン試験で分析したところ、テモゾロマイド+カンナビノイドの処置は、生存の有意な増加を生み出した。ゲーハン−ブレスロー−ウィルコクソン試験は、しかしながら、ログランクマンテル−コックス試験と比較して、あまり厳密な統計試験でない。11匹のうち2匹のマウスがテモゾロマイド+カンナビノイド群においてまだ生存しており、マウスの1匹において、腫瘍が腫瘍のインビボ画像化に基づいて完全に退縮していたことは着目されるべきである。
【0348】
ビヒクル異常値をデータセットから外したところ、テモゾロマイドを用いる処置は、生存を有意に増加させた(p<0.5、
図8B)。テモゾロマイド+15mg/kgのカンナビジオールの組合せは、しかしながら、生存を増加させることに非常に有意であった(p=0.005)。したがって、カンナビジオールは、テモゾロマイドの抗腫瘍活性を増強した。
【0349】
<実施例16.処置耐性発作障害を有する小児対象における複数用量のカンナビジオール経口溶液の薬物動態学的研究>
プロトコール
処置耐性発作を経験している小児対象に対する複数用量のカンナビジオール経口溶液の効果を評価するために、第1/2相非盲検複数漸増用量研究を行う。研究は、逐次様式で投与されるカンナビジオール経口溶液の3つの用量(1日当たり1キログラム当たり10ミリグラム、20ミリグラム及び40ミリグラム(「mg/kg/日」))の薬物動態、安全性、忍容性及び予備的効力を判定する。具体的には、20人の対象は、以下の各用量コホートに登録される、A)以下の基準に適合する用量コホート:1.対象及び/又は親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)は、インフォームドコンセント形態(ICF)及び承認形態を完全に理解し、全ての研究手順を理解し、調査者及び研究コーディネーターと十分に意思伝達することができる;2.準拠法、規則及び現地要件に従って対象及び/又は親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)のインフォームドコンセント及び/又は承認(適用可能な場合)を提供する;3.コンセント時に1〜17歳の間(包含的)の男性又は女性;4.a.≧3種の抗てんかん薬(「AED」)の適切なトライアル、及びb.組合せで(即ち、同時に)≧2種のAEDを用いる≧1回の事前の適切な処置クールにもかかわらず、調査者の見解で及び継続発作として定義されている通りの処置耐性発作障害と診断されている;5.確立されたAED(0日目の前の≧30日間、及び研究の持続期間全体にわたる安定な投薬)に留まる意思、a.迷走神経刺激(VNS)術もケトン食療法も、この研究の目的ではAEDと考えられない;6.治療期間中にケトン食療法を開始しない又はすでに食療法中ならば、研究中に食療法を変更しない意思;7.女性対象が、a.初経前である又はb.スクリーニング訪問時に及び0日目に尿妊娠試験陰性で妊娠可能性であるならば、研究参加に適格である。性的に活発ならば、彼女は、以下の要件の1つを満たすことに同意しなければならない:i.調査用生成物の初回用量の投与の≧4週前、処置期間全体にわたって、及び完了後又は調査用生成物からの早期中断後4週の完全な性交禁欲、並びに性的に活発になったならば二重障壁方法を使用するという同意;ii.研究全体にわたって、及び完了後又は調査用生成物からの早期中断後4週、許容される避妊方法の使用。二重障壁方法(即ち、コンドームプラス殺精子薬又はコンドームプラスペッサリー)は許容される避妊方法である;8.性的に活発な男性対象は、研究全体にわたって、及び研究参加の完了又は調査用生成物からの早期中断後4週間、許容される避妊方法を使用する意思がなければならない。許容される産児制限方法は、禁欲又は二重障壁産児制限(即ち、コンドームプラス殺精子薬又はコンドームプラスペッサリー)である;9.調査者の見解で、親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)は、静脈穿刺、研究センターでの入院患者滞在、研究センターでの投薬(外来患者の間に必要とされる場合に1日2回)、及び追跡調査訪問(適用可能ならば)を含めて、研究手順及び訪問スケジュールに従う意思があるとともに従うことができる;10.物理的及び神経学的検査、病歴、及びスクリーニング訪問中に完了した臨床検査値(血液学、化学及び検尿)に基づく良好な全身的健康(調査者によって決定される場合の任意の臨床関連異常の非存在として定義されている。);及び11.≧9kgの体重;並びにB)以下の基準を満たしていない用量コホート:1.対象又は親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)は、研究持続期間中、全ての研究訪問に参加することに干渉するという日常的責任を有する;2.現在、強いシトクロムP450 3A4(「CYP3A4」)抑制剤若しくは誘発物又は狭い治療指数を有するCYP3A4感受性基質である併用薬物療法を行っている;3.現在、任意の他の許可されていない薬物療法を行っている;4.現在、フェルバメートを、スクリーニング訪問前に<6カ月間受けていなかった場合に服用している;5.調査者の見解で、任意の臨床的に重要な不安定な医学的異常性、慢性疾患、又は心血管系、胃腸系、呼吸系、肝臓系若しくは腎系の臨床的に重要な異常性の履歴;6.薬物の吸収、分布、代謝又は排泄に干渉し得る状態(例えば、吸収不良又は胃腸手術)の任意の障害又は履歴;7.調査者の見解で臨床的に重要である異常心電図の履歴又は存在(「ECG」);8.適切な対象について、行動する意図が多少あるが特定の計画がない能動的自殺念慮に関する質問への肯定的回答、又はスクリーニング訪問でのColumbia Suicide Severity格付けスケール(「C−SSRS」)判定で特定の計画及び意図がある能動的自殺念慮、C−SSRSによって判定された場合の自殺念慮について重要な所見を有する対象は、追跡調査評価のために調査者に委ねられなければならない;9.自殺未遂の履歴;10.血液試料を収集する際に困難の原因となる静脈穿刺の不十分な耐容性又は不十分な静脈アクセスの履歴;11.現在又はスクリーニング訪問の前の30日若しくは調査用生成物の5半減期(t1/2)(どちらか長いほう)以内の任意の調査研究の参加;12.スクリーニング訪問の前30日内の任意のカンナビノイド(カンナビジオール、Δ9−テトラヒドロカンナビノール[Δ9−THC]、麻油、レアルム油(Realm Oil)又はマリファナ)の摂取;13.調査用生成物製剤に含有されている任意の物質に対するアレルギー反応の履歴又は感受性が知られている若しくは疑われている;14.B型肝炎、C型肝炎又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染症が知られている;15.調査者の見解で、対象は、いかなる他のやり方でも、この研究に参加するのに不適当である;並びに16.>90kgの体重。
【0350】
各対象は、1つの用量コホートのみに登録される。2〜12歳の間の2人以上の対象は、<2歳の任意の対象への投薬の10日目前まで投薬しなければならない。3つの計画用量コホートの各々は20人の対象を含み、研究合計で60人の対象である:1〜<2歳:5人の対象;2〜<12歳:9人の対象で、6歳未満が少なくとも3人;及び12〜≦17歳:6人の対象で、16歳未満が少なくとも3人の対象。各対象は、最大28日までのスクリーニング期間及び10日の治療期間を完了する。対象には、14日目に追跡調査訪問及び17日目に追跡調査電話コールがある。調査用生成物は、1日目に、対象の割り当て用量レベルコホートに従って朝1回投与される。調査用生成物の夕方の用量は、1日目に投与されない。したがって、対象は、1日目に、半日用量のみ(合計5ミリグラム、10ミリグラム又は20ミリグラム/キログラム「mg/kg」)の調査用生成物を受ける。対象は、2日目〜3日目まで用量を受けないが、入院患者設定に留まり、計画判定を完了する。対象は、対象の割り当てコホートに従って、4日目〜10日目まで1日2回(即ち、10mg/kg/日、20mg/kg/日又は40mg/kg/日の全日用量)投薬される。用量は、およそ12時間の間隔で投与される。用量は、一連のPK試料が収集される日(即ち、1日目及び10日目)に、絶食状態の対象に投与される。絶食時間としては、1〜2歳未満については1時間及び2〜17歳については2時間が挙げられる。
【0351】
スクリーニング、治療及び追跡調査期間中、対象は、以下を受けないことになっている:(1)強いCYP3A4抑制剤若しくは誘発物、又は狭い治療指数を有するCYP3A4感受性基質である薬物療法(単数又は複数);(2)任意のカンナビノイド(カンナビジオール、Δ9−THC、麻油、レアルム油又はマリファナ);コルチコトロピン;全身ステロイド治療(喘息治療のための吸入薬物療法を除く。);フェルバメート(<6カ月間使用されるならば)又は(7)任意の他の調査用薬物又は調査用装置。対象は、治療の持続期間及び追跡調査期間の全体にわたって、確立された抗てんかん治療(即ち、投薬が0日目の前の≧30日、安定であったAED)に留まる。
【0352】
要するに、1〜<2歳の対象について、薬物動態学的(「PK」)分析のための一連の血液試料採取は、1日目用量後2時間、4時間、8時間及び12時間に発生する。PK分析のための一連の血液試料採取も、用量前、10日目の朝用量後2時間、4時間、8時間及び12時間に発生する。2〜<6歳の対象について、一連の血液試料採取は、用量前に、並びに1日目の朝用量後1時間、2時間、3時間、4時間、8時間、12時間、16時間、24時間(2日目)及び48時間(3日目)に発生する。カンナビジオール及びこれの7−ヒドロキシ(「OH」)代謝物についてのPKトラフ値のための血液試料を、8日目に評価する。収集は、調査用生成物の朝用量の前に発生し;調査用生成物は11日目に投与されない。PK分析のための一連の血液試料採取も、用量前、10日目の朝用量後1時間、2時間、3時間、4時間、8時間、12時間及び24時間(11日目)に発生する。6〜≦17歳の対象について、PK分析のための一連の血液試料採取は、用量前、並びに1日目の朝用量後1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間、16時間、24時間(2日目)、36時間(2日目)、48時間(3日目)及び72時間(4日目)に発生する。カンナビジオール及びこれの7−OH代謝物についてのPKトラフ値のための血液試料を、6日目(≧12歳のみ)、8日目及び9日目に評価する。収集は、調査用生成物の朝用量の前に発生し;調査用生成物は11日目に投与されない。PK分析のための一連の血液試料採取は、その上、用量前に、並びに10日目の朝用量後1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間及び24時間(11日目)に発生する。カンナビジオール及びこれの7−OH代謝物の上記測定に加えて、クロバザム及びノルクロバザムのレベルを、≧2歳であるとともに現在クロバザムを服用している対象について、1日目(ベースライン)、8日目及び10日目(用量前)に用量前に試料から測定する。
【0353】
エンドポイント
研究のエンドポイントは以下を含む:(1)治療期間中に発生する有害事象(「AE」)(即ち、治療下出現性有害事象[「TEAE」])及び重篤な有害事象(「SAE」)の発生率、型及び重症度;(2)バイタルサインにおけるベースラインからの変化;(3)ECG所見におけるベースラインからの変化;(4)臨床検査値(血液学、化学及び検尿)におけるベースラインからの変化;(5)適切な場合にカンナビジオール(親化合物)及びこれの7−OH代謝物についての血漿PK変数:(a)最大血漿濃度(C
max)及び用量正規化Cmax(C
max/D)(b)C
max(t
max)までの時間;(c)半減期(t
1/2);(d)排出速度;(e)経口クリアランス(カンナビジオールのみ);(f)分布体積(カンナビジオールのみ);(g)1日目での0時間〜12時間の血漿濃度−時間曲線下の面積[AUC
(0〜12)]及び用量正規化AUC
(0〜12)[AUC
(0〜12)/D];(h)1日目での時間0から最終定量化可能濃度の曲線下の面積[AUC
(0−last)]:(i)≧2歳の研究対象について1日目での0から無限の血漿濃度−時間曲線下の面積(AUC
(0−inf))及び用量正規化AUC
(0−inf)[AUC
(0−inf)/D];(j)1日目及び10日目でのC
max、AUC
(0−inf)、AUC
(0〜12)についての代謝物対親比;(k)10日目でのAUC
(0〜12)及びAUC
(0〜12)/D;(l)10日目での最小血漿濃度(C
min);(m)10日目での平均血漿濃度(C
avg);(n)10日目でのC
max及びAUC
(0〜12)についての蓄積比;(o)時間直線性;(6)11日目での臨床全般改善印象(「CGI−I」)判定;並びに(7)スクリーニング訪問から11日目の臨床全般重症度印象(「CGI−S」)判定におけるベースラインからの変化。
【0354】
安全性
対象を、バイタルサイン及び神経学的検査の測定によって毎日判定する。理学的検査を、スクリーニング訪問、並びに0日目、11日目及び14日目に完了する。12誘導ECGを、スクリーニング訪問、並びに1日目、4日目、8日目、11日目及び14日目に(臨床的に指示されるならば)完了する。血液学分析、化学分析及び尿分析は、スクリーニング訪問、並びに1日目、4日目、8日目及び11日目に行う。血液学分析、化学分析及び尿分析は、臨床的に指示されるならば14日目にも行う。
【0355】
方法
血漿におけるカンナビジオール及びこれの7−OH代謝物についてのPK濃度及びパラメータを、適切な場合に記述統計学及び図示を使用して研究日、試料採取時間(適切な場合)及び用量によって要約する。これらの結果を、適切な場合、年齢及びmg/kg用量によって図示する。年齢及び体重との曝露関係を、適切な場合に回帰及び/又は推論分析を使用して評価する。カンナビジオール及びこれの7−OH代謝物曝露の用量比例を、適切な場合に、図式方法を使用するとともにパワーモデル手法を統計的に使用して調査する。カンナビジオール及びこれの7−OH代謝物の蓄積を、曝露PKパラメータのための変動モデルの適切な分析を使用して判定する。時間直線性も判定する。予定されている時点で投薬する前に収集されるトラフ濃度試料を、定常状態の達成について図表で判定する。その上、定常状態に達するまでの時間を、段階的直線傾向分析で判定する。クロバザム及びノルクロバザムのレベルを、≧2歳であるとともに現在クロバザムを服用している対象について、1日目(ベースライン)、8日目及び10日目(用量前)に、用量前に採取された試料から測定し、時点及び治療によって要約する。AE、臨床検査評価、バイタルサイン、12誘導ECG、C−SSRS、並びに物理的及び神経学的検査を含めて、全ての安全性判定を列挙する。適切な場合、これらを、年齢及び用量コホートによって記述統計学を用いて要約する。CGI−I、CGI−S、及び毎日の発作日誌判定の結果を、適切な場合に記述統計学によって要約する。
【0356】
結果
予備的結果は、下記の表61に示されている。コホート#1に、アルコールベースの製剤5mg/kgの単回用量及び次いで5mg/kg BID(10mg/kg/日)を7日間投与した。コホート#2に、脂質ベースの製剤10mg/kgの単回用量及び次いで10mg/kg BID(20mg/kg/日)を7日間投与した。コホート#1に対して、単回投薬は、59.029ng/mLの平均C
max、3.0時間の平均T
max及び276.95h
*ng/mLのAUC
infをもたらした。コホート#2に対して、単回投薬は、110.522ng/mLの平均C
max、4.45時間の平均T
max及び879.273h
*ng/mLのAUC
infをもたらした。実証されている通り、脂質ベースの製剤は2倍の投与量及び単回投薬で、アルコールベースの製剤の最大血漿濃度のほぼ2倍を、ほぼ1時間半超で達成した。
【0357】
反復BID投薬で、アルコールベースの経口カンナビノイド製剤の投与は、119.6ng/mLの平均C
max、2.75時間の平均T
max及び581.744h
*ng/mLのAUC
tauをもたらし、脂質ベースの経口カンナビノイド製剤は、214.28ng/mLのC
max、2.55時間の平均T
max及び1135.345h
*ng/mLのAUC
tauをもたらした。実証されている通り、脂質ベースの製剤は2倍の投与量及びBIDの投与7日間で、アルコールベースの製剤の最大血漿濃度の2倍未満を、12分速く達成した。
【0358】
【表61】
【0359】
<実施例17.健康な対象における単一用量カンナビジオール経口溶液の薬物動態学的食物効果研究>
非盲検無作為化単一用量2期間2元配置交差食物効果研究を健康な対象に対して行った。研究は、絶食又は摂食条件下で投与された20mg/kg/日のカンナビジオールの単一用量(即ち、上記表25からの製剤#LF10)の薬物動態及び安全性を判定した。二十四(24)人の対象を研究に登録し、各々を別々の期間で絶食及び摂食処置アームに、続いて、7日の洗い出し期間にかけた。薬物動態学的分析のため、公称時間及びデフォルトラムダz選択を使用した。全ての定量化可能な限界未満値をゼロに設定し、全ての対象を分析に含めた。
【0360】
安全性
以下のパラメータを使用して安全性を判定した:包含/除外基準、病歴及び人口統計学、病歴更新、継続している適格性、理学的検査、臨床検査試験、12誘導心電図(ECG)、尿薬物及びアルコールスクリーン、前の薬歴、併用薬物療法、座位血圧、脈拍、呼吸速度及び口腔温度、並びに有害事象(AE)判定。
【0361】
統計的方法
絶食治療から13人の対象及び摂食治療から24人の対象からのデータを、薬物動態学的及び統計的分析に含めた。
【0362】
カンナビジオール及び7−OH−カンナビジオール分析の血液試料(1×6mL)を、各研究期間において、0時間(用量前)、用量後0.25時間、0.5時間、0.75時間、1.0時間、1.5時間、2.0時間、2.5時間、3.0時間、4.0時間、6.0時間、8.0時間、12時間、16時間、24時間、36時間、48時間、72時間、96時間及び120時間(20の時点)に、保存料としてK
2−EDTAを含有するバキュテナーチューブ中に収集した。以下の薬物動態学的パラメータを算出した:血漿におけるピーク濃度(C
max)、ピーク濃度までの時間(T
max)、個々の濃度−時間データから直接的に決定された最終の定量化可能濃度(C
last)、最終の定量化可能濃度の時間(T
last)、排出速度定数(λ
z)、終末半減期(T
1/2)、時間ゼロから最終の定量化可能濃度の時間までの濃度−時間曲線下の面積(AUC
0−t)、外挿された時間ゼロから無限までの血漿濃度時間曲線下の面積(AUC
inf)、AUC
extrap=[(AUC
inf−AUC
0−t)/AUC
inf]
*100として算出された外挿法によって得られたAUC
infの百分率(AUC
extrap)、ドロナビノールのみについてCL/F=用量/AUC
infとして算出された見かけの経口クリアランス(CL/F)、及びカンナビジオールのみについてVd/F=(CL/F)/λZとして算出された末端排出相(Vd/F)における分布の体積。
【0363】
結果及び結論
本発明の経口カンナビノイド溶液についての薬物動態学的及び統計的分析の結果は、表62〜67に示されている。表62〜64は、絶食又は摂食条件にある対象への投与を比較した、カンナビジオールの薬物動態学的パラメータを示している。
【0364】
【表62】
【0365】
【表63】
【0366】
ln(C
max)、ln(AUC
0−t)及びln(AUC
0−inf)に基づくカンナビジオール最大曝露及び総曝露における実質的増加は、絶食条件下で投与された20mg/kgのカンナビジオール経口溶液と比較して、食物を用いる20mg/kgのカンナビジオール経口溶液の投与後に観察された。カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ31倍高かった。カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後に、それぞれおよそ14倍及び29倍高かった。カンナビジオール(T
max)の最大濃度に達するための中央値時間は、絶食条件下でのそれ(12時間)と比較して、食物を用いるとおよそ6時間早く発生した(6時間)。対象間変動は、食物を用いると実質的に低減された:C
maxについて138.1から55.3%のCV及びAUC
0−infについて52.0から36.9%のCV。
【0367】
【表64】
【0368】
摂食条件下での本発明の経口カンナビノイド溶液の投与は、30分以内に、絶食条件下での投与を超えるカンナビジオールにおける認識可能なAUC差異をもたらした。
図9を参照されたい。追加として、摂食条件下での本発明の経口カンナビノイド溶液の投与は、6時間で、絶食条件下での投与を超えるカンナビジオールの90倍大きいAUCをもたらした。
【0369】
表65〜67は、絶食及び摂食条件下での本発明の経口カンナビノイド溶液を比較した、7−OH−カンナビジオール、カンナビジオールの一次及び活性代謝物の薬物動態学的パラメータを示している。
【0370】
【表65】
【0371】
【表66】
【0372】
ln(C
max)、ln(AUC
0−t)及びln(AUC
0−inf)に基づく7−OH−カンナビジオール最大曝露及び総曝露における実質的増加は、絶食条件下で投与された20mg/kgのカンナビジオール経口溶液と比較して、食物を用いる20mg/kgのカンナビジオール経口溶液の投与後に観察された。7−OH−カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ13倍高かった。7−OH−カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは両方とも、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ7倍高かった。追加として、T
maxは、摂食条件下で2時間早く発生した。
【0373】
【表67】
【0374】
摂食条件下での本発明の経口カンナビノイド溶液の投与は、45分以内に絶食条件下での投与を超える7−OH−カンナビジオールにおける認識可能なAUC差異をもたらした。
図10を参照されたい。追加として、摂食条件下での本発明の経口カンナビノイド溶液の投与は、6時間で、絶食条件下での投与を超える7−OH−カンナビジオールの35倍大きいAUCをもたらした。
【0375】
結論として、本発明の経口カンナビノイド溶液は、絶食に続く経口投与と比較した場合に、食物摂取に続く経口投与後に、より短い時間期間でより高いピーク血漿濃度、及びその上、より高い全体的な血漿濃度をもたらす実質的な食物効果を有する。
【0376】
<実施例18.健康な対象における単一用量カンナビジオール経口溶液の薬物動態学的食物効果研究>
【0377】
方法
複数製剤の非盲検無作為化単一用量4治療4期間、4元配置交差食物効果研究を、健康な対象に行った。研究は、摂食条件下で投与された3種の別々のカンナビジオール製剤(上記の表26から#LF41及び#LF42、並びに上記の表15から#A11)及び絶食条件下での1種のカンナビジオール製剤(上記の#LF42)の10mg/kgの単一用量の薬物動態を判定した。対象を研究に登録し、各々を別々の期間で絶食及び摂食処置アームに、続いて、7日の洗い出し期間にかけた。薬物動態学的分析のため、公称時間及びデフォルトラムダz選択を使用した。全ての定量化可能な限界未満値をゼロに設定し、全ての対象を分析に含めた。
【0378】
結果
i.摂食対絶食でのカンナビジオール経口溶液ゴマ油製剤#LF42
ln(C
max)、ln(AUC
0−t)及びln(AUC
0−inf)に基づくカンナビジオール及び7−OH−カンナビジオール最大曝露及び総曝露の両方における実質的増加は、絶食条件下で投与された10mg/kgでの製剤#LF42と比較して、食物を用いる10mg/kgでの製剤#LF42の投与後に観察された。カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ10.5倍高かった。カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後にそれぞれおよそ7.5倍及び3.3倍高かった。7−OH−カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ4.5倍高かった。7−OH−カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後にそれぞれおよそ4.3倍及び3.7倍高かった。したがって、本発明の脂質製剤を投与する場合に実質的な食物効果がある。
【0379】
ii.カンナビジオール経口溶液中鎖トリグリセリド(MCT)製剤#LF41摂食対#LF42絶食
【0380】
ln(C
max)、ln(AUC
0−t)及びln(AUC
0−inf)に基づくカンナビジオール及び7−OH−カンナビジオール最大曝露及び総曝露の両方における実質的増加は、絶食条件下で投与された10mg/kgでの製剤#LF42と比較して、食物を用いる10mg/kgでの製剤#LF41の投与後に観察された。カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ10.8倍高かった。カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後にそれぞれおよそ6.8倍及び3.3倍高かった。7−OH−カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ4.1倍高かった。7−OH−カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後にそれぞれおよそ4.0倍及び3.5倍高かった。したがって、本発明の中鎖グリセリド製剤を投与する場合に、実質的な食物効果がある。
【0381】
iii.カンナビジオール経口溶液エタノール製剤#A11摂食対#LF42絶食
ln(C
max)、ln(AUC
0−t)及びln(AUC
0−inf)に基づくカンナビジオール及び7−OH−カンナビジオール最大曝露及び総曝露の両方における実質的増加は、絶食条件下で投与された10mg/kgでの製剤#LF42と比較して、食物を用いる10mg/kgでの製剤#A11の投与後に観察された。カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ9.5倍高かった。カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後にそれぞれおよそ6.9倍及び4.0倍高かった。7−OH−カンナビジオールC
maxは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後におよそ3.8倍高かった。7−OH−カンナビジオールAUC
0−t及びAUC
0−infは、絶食条件下での投与と比較して、食物を用いる投与後にそれぞれおよそ4.6倍及び4.0倍高かった。したがって、本発明のヒドロ−アルコール製剤を投与する場合、実質的な食物効果がある。
【0382】
<実施例19.難治性てんかんを有する小児患者におけるCBDの安全性研究>
治療耐性発作障害を有する小児対象において複数用量の医薬品カンナビジオール経口溶液(MCT製剤、300mg/mL、BIDで投与)の薬物動態及び安全性を判定するため、第1/2相薬物動態学的研究に以前に参加したことがある難治性てんかんを有する小児患者において、長期安全性研究を行った。これは、難治性てんかんを有する1歳〜17歳の小児対象についての長期非盲検48週研究であった。この研究は、上記において実施例16で詳述されている。
【0383】
52人の対象(9人の幼児、26人の小児、及び17人の青年)が登録され、研究におけるカンナビジオール経口溶液の少なくとも1つの用量を受けていた。7人の対象が、治療及び研究参加を早期に中断した。11人の対象は、研究における治療を完了し、三十四(34)人の対象は、研究後の治療に留まった。研究は、1〜<2歳の5人の対象(幼児);≧3人の対象が6歳未満で、2〜<12歳の9人の対象(小児);≧3人の対象が16歳未満で、12〜≦17歳の6人の対象(青年)を含んでいた。
【0384】
結果及び考察
長期安全性研究からのデータの予備的検討は、体重損失を示した。体重における中央値パーセント変化の分析は、24週目で体重変化における用量依存減少を示した。用量依存性は、研究の過程にわたって(最大48週目まで)顕著でなくなった。これは、分析に含まれる患者の少ない数及び後期の時間期間中の投薬の頻繁なシフトによるものであり得る。
【0385】
平均様式用量(即ち、最も長い持続期間を用いる用量)は23.47mg/kg/日であり、全ての対象についての研究中の平均日数は220.6であった。全体的に、7人の対象(13.5%)は有害事象(「AE」)に起因する用量低減があり、3人の対象(5.8%)は他の理由による用量低減があった。用量低減の頻度は、40mg/kg/日を受けていた対象のほうが、10mg/kg/日を受けていた対象と比較して多かった(それぞれ、7人の対象[35.0%]及び2人の対象[14.3%])。AEに起因する用量低減は、40mg/kg/日を受けていた対象の中のほうが、10mg/kg/日を受けていた対象と比較して、より頻繁であった(それぞれ、6人の対象[30.0%]及び1人の対象[7.1%])。20mg/kg/日を受けていた対象及び幼児は用量低減がなかった。
【0386】
小児の中で、6人の対象(11.5%)はAEに起因する用量低減があり、2人の対象(3.8%)は他の理由による用量低減があった。用量低減の頻度は、40mg/kg/日を受けていた対象のほうが、10mg/kg/日を受けていた対象と比較して多かった(それぞれ、5人の対象[25.0%]及び2人の対象[14.3%])。
【0387】
幼児の中で、3人の対象(33.3%)は20mg/kg/日〜<40mg/kg/日を服用し、6人の対象(66.7%)は40mg/kg/日を服用していた。小児の中で、7人の対象(26.9%)は10mg/kg/日〜<20mg/kg/日を服用し、10人の対象(38.5%)は20mg/kg/日〜<40mg/kg/日を服用し、8人の対象(30.8%)は40mg/kg/日を服用していた。青年の中で、3人の対象(17.6%)は10mg/kg/日〜<20mg/kg/日を服用し、8人の対象(47.1%)は20mg/kg/日〜<40mg/kg/日を服用し、6人の対象(35.3%)は40mg/kg/日を服用していた。
【0388】
青年の中で、1人の対象(1.9%)はAEに起因する用量低減があり、1人の対象(1.9%)は他の理由による用量低減があった。両方の用量低減は、40mg/kg/日を受けていた対象に発生した。
【0389】
全体的に、1人の対象(1.9%)は<10mg/kg/日を服用し、10人の対象(19.2%)は10〜<20mg/kg/日の間を服用し、20人の対象(38.5%)は20〜<40mg/kg/日の間を服用し、20人の対象(38.5%)は、データカットオフ時に≧40mg/kg/日を服用していた。
【0390】
合計233のAEが44人の対象に報告され;最も頻繁に報告されたAEは、貧血、下痢、便秘、発熱、上気道感染症、発作、傾眠及び攻撃性であった。全体的に、40mg/kg/日の用量で対象の30.0%が、有害事象(AE)による用量低減を必要とした。しかしながら、多くの患者は、研究の持続期間にわたってそれらの用量を増加し、21人の対象(40.4%)が20mg/kg/日〜<40mg/kg/日を服用し、20人の対象(38.5%)がデータカットオフ時に40mg/kg/日を服用していた。カンナビジオール経口溶液は安全であり、40mg/kg/日もの高用量でさえ忍容性が良好であった。
【0391】
【表68】
【0392】
CBDに関連した体重増加及び傾眠が4人の対象(7.7%)に各々報告された。ベースライン時の全ての対象の平均体重(27.88kg)と比較して、平均体重は24週目で増加した(+1.15kg)。平均体重は研究中増加し続けた(36週目で+1.74kg、最終来診/中断訪問で+1.94kg、及び追跡調査訪問で+2.14kg)。
【0393】
【表69】
【0394】
体重増加に用量応答減少があり、最大効果は40mg/kg/日の用量で見られた(
図11)。これらのデータは、300mg/mLで40mg/kg/日の用量までのカンナビジオール経口溶液が安全であり、一般に忍容性が良好であることを示しており、長期安全性研究からのデータは、40mg/kg/日が、発作制御並びに体重増加に対する効果の両方に最も効力があり得ることを示している。
【0395】
プラダー−ウィリー症候群(「PWS」)は、多面的発達障害であり、肥満と関連した最も共通の遺伝子症候群である(McAllister and Whittington、2011;Gunay−Aygunら、1997)。それは、15q11〜q13上のPWS領域における父性遺伝性遺伝子の発現欠如によって引き起こされる(Ledbetterら、1981)。それは、幼児期における全身性低圧及び発達遅延とともに現れるが、PWSは、制御不能な食欲、過食症、及び重度の肥満に至る過度の体重増加とともに顕在化する(Grechiら、2012)。
【0396】
臨床的に、PWS患者は、物理的欠損、行動欠損、内分泌欠損及び知的欠損の複合パターンを患う。内分泌異常は、性腺機能低下及び低身長に至る。特に、成長ホルモン欠損は、集団の40%〜100%に発生することが報告されており(Griggsら、2015)、成長ホルモンで共通して治療される(Butlerら、2015)。行動障害としては、皮膚むしり、溜め込み、やり直し及び反復発話のような強迫性行動が挙げられる(Griggsら、2015)。
【0397】
プラダー−ウィリー症候群における最も大きい未対処の医学的必要性は、病的肥満及び糖尿病並びにこれらの結果として得られる心血管合併症に至る、過食症及び関連行動である。カンナビジオール(CBD)はCB1の低親和性アンタゴニストであるが、それは、CB1受容体シグナル伝達を、内因性カンナビノイドであるアナンダミドの代謝のそれの抑制を介してモジュレートすることもできる(Ibeas Bihら、2015)。食欲に関して、CBDは、ストレス条件下でラットにおける食物摂取を減少させるとともにビヒクル処置対照と比較した場合に高糖摂食の自由摂取を低減することが示されてきた(Silveira Filho and Tufik、1981)。加えて、CBDは、毎日の水摂取に影響することなく毎日の食物消費を軽減する(Wierbucka−Ryback and Bojanowska、2014)とともにカンナビノイド(CB1)又は5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT1A)セロトニン受容体アゴニストによって誘発された過食症を抑制してきたことが示され、食物摂取の調節因子としてCBDについての役割を示唆してきた(Scopinhoら、2011)。したがって、カンナビジオール(CBD)は、プラダー−ウィリー症候群患者と関連した過食症に取り組むという潜在性を有し得る。
【0398】
<実施例20.当初治療としてのビガバトリン又はACTHを用いる幼児痙攣に対するカンナビジオールの効力の研究>
以下の研究が進行中であり、結果はまだ記録されていない。
【0399】
プロトコール
当初治療としてのビガバトリン又は副腎皮質刺激ホルモン(「ACTH」)のいずれかを用いる、幼児痙攣患者における補助治療としてのカンナビジオール経口溶液の効力、安全性を判定するために、第2相多施設無作為化プラセボ制御平行群研究が行われる。
【0400】
研究はパートA及びパートBから構成される。パートAは、5つの期間:スクリーニング期間(14日〜28日)、滴定期間(5日以上)、治療期間(14日)、非盲検長期安全性研究に登録しないことを選ぶ患者について漸減期間(およそ14±3日)、及び追跡調査期間(30±7日)を含む。全体的な最大研究持続期間は、およそ101日であると予想される。パートBは、安全性治療期間(48週)、漸減(2週)、及び追跡調査期間(30日)からなる。全体的な研究持続期間は、安全性期間を完了するような患者について64週であると予想される。
【0401】
120人の適格な対象は、幼児痙攣の診断を有する6カ月齢〜36カ月齢までの小児から選択され、6つの治療群の1つに等しく無作為化される:
1)ビガバトリン、2)ビガバトリンプラス1日当たり1キログラム当たり20ミリグラム(「mg/kg/日」)のカンナビジオール経口溶液3)ビガバトリンプラス40mg/kg/日のカンナビジオール経口溶液ビガバトリン、4)ACTH、5)ACTHプラス1日当たり1キログラム当たり20ミリグラム(「mg/kg/日」)のカンナビジオール経口溶液、及び6)ACTHプラス40mg/kg/日のカンナビジオール経口溶液。
【0402】
具体的に、20人の対象は、以下の各用量コホートに登録される、A)以下の基準にフィットする各用量コホート:1.親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)はインフォームドコンセント形態を完全に理解するとともに署名し、全ての研究手順を理解し、調査者及び研究コーディネーターと十分に意思伝達することができる;2.準拠法、規則及び現地要件に従って、患者及び/又は親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)のインフォームドコンセントを提供する;3.コンセント時に6カ月齢〜36カ月齢(包含的)の間の男性又は女性;4.スクリーニング期間中に得られるとともに調査者によって読み取られたビデオ−EEG分析(電気臨床的痙攣の少なくとも1つのクラスターを含める[任意の10分エポックで≧3]。)によって確認された幼児痙攣の臨床診断;5.物理的及び神経学的検査、病歴、並びにスクリーニング訪問(訪問1)中に完了された臨床検査値に基づく一般の良好な健康(調査者によって決定される場合の任意の臨床関連異常の非存在として定義されている。);及び6.調査者の見解で、親(単数又は複数)/介護者(単数又は複数)は、研究手順及び訪問スケジュールに従う意思があるとともに従うことができる、並びにB)以下の基準を満たしていない各用量コホート:1)任意の理由(以下に限定されないが、カンナビジオール経口溶液について調査者の小冊子の現バージョンにおいて注意、警告及び禁忌として記載されているリスクを含める。)で、研究薬物を受けるのに不適当な候補であると調査者によって考えられる;2)カンナビジオール経口溶液にアレルギーと知られている若しくは疑われている;3)研究エントリーの30日以内における任意のカンナビジオール/大麻製品の使用;4)患者が、結節性硬化症を有すると診断される若しくは疑われる;5)患者が、ビガバトリン、ACTH若しくは高用量ステロイドのいずれかを用いる治療を以前に受けたことがある;6)フェルバメート、クロバザム、若しくはケトン食療法を用いる前の治療;7)THCについての陽性薬物スクリーン;又は8)現在、付録2に列挙されている任意の許可されていない薬物療法中である患者(例えば、フェニトイン、フルボキシアミン、カルバマゼピン、及びSt.Johns Wort)。
【0403】
研究は以下のパートで行われる。パートA:ビデオ−脳波記録法(「EEG」)を、各治療群について、スクリーニング期間中に行い、0日目で及び14日目で終夜反復する。治療に対する応答を、以下の方法論を使用してスコア化する:1)完全応答−14日目にビデオ−EEGによって確認された痙攣及びヒプスアリスミア(ベースライン時に存在するならば)の完全消散;2)部分応答−14日目に得られたバックグラウンドEEGの実質変化又はビデオ−EEG上での痙攣の低減;並びに3)応答なし−改善なし、又は14日目に痙攣/ヒプスアリスミア負荷の悪化。
【0404】
パートB:14日目の後、志願する患者は、長期の安全性相に参加することができる。治療訪問は、3カ月間毎月及び次いでその後年四回予定される。
【0405】
エンドポイント
一次効力エンドポイントは、独立セントラルリーダーによって決定される場合にビデオ−EEGによって確認された痙攣及びヒプスアリスミアの完全消散として定義されている、14日目に完全応答者であると考えられる対象のパーセントである。
【0406】
二次効力エンドポイントは:1)14日目に幼児痙攣がない対象のパーセント;2)14日目にヒプスアリスミアが存在しない対象のパーセント;3)スクリーニングでのビデオ−EEGを14日目での反復ビデオ−EEGと比較した、発作負担における中央値低減;並びに4)研究完了/早期中断(訪問3)での研究薬物(CGIC)の効力及び忍容性の親の印象である。
【0407】
診査効力エンドポイントは、1)ビガバトリン又はACTH単独と対比して、CBDを用いるビガバトリン又はACTHのいずれかと比較した、14日目に痙攣がない日のパーセント、及び2)血漿薬物レベルと応答との間相関である。
【0408】
安全性エンドポイントは:1)治療下出現性有害事象(「AE」)の発生率;2)臨床検査判定;3)バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸速度及び体温);4)物理的及び神経学的検査判定;5)尿;6)THCスクリーン;7)病歴、並びに8)前の及び併用の薬物療法である。
【0409】
薬物動態学的エンドポイントは、曝露応答関係を判定するため、投薬の前に、並びに訪問2及び3での用量後2時間目、4時間目及び6時間目に引かれたカンナビジオール及び代謝物7−ヒドロキシ−カンナビジオール(「7OH−CBD」)のトラフ濃度(Ctrough)である。薬物動態採血に関連して消費される食事の型を記録するため、食物日誌が使用される。
方法
【0410】
滴定期間
一旦患者が研究について承認されると、彼らは、医師がビガバトリン又はACTHのいずれかを処方する研究クリニックに戻り、患者は、適切な研究アームに無作為化される。以下の活動は完了される:1.包含及び除外基準の審査;2)検尿のための尿試料を得る;3.併用薬物療法及び併用手順を記録する;4.バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸速度及び体温の測定)を記録する;5.身長及び体重を含めた完全な理学的検査を行う。この訪問中に得られた体重は、用量体積を算出するために使用される。投薬体積は、滴定及び治療期間の全体にわたって一定のままである。;6.血液学及び化学のための血液試料を採取する;7.簡易な神経学検査を行う、並びに8.AE及び重篤なAE(「SAE」)を記録する。
【0411】
スクリーニング期間
一旦、処方ACTH又はビガバトリンが分注される準備が整うと、対象を、0日目に入院患者として研究センターに入所させる。以下の手順及び判定は、1日目のIP投与の前に全ての対象について0日目に行われなければならない;1.併用薬物療法及び併用手順を記録する;2.簡易な神経学検査を行う;3.バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸速度及び体温の測定)を記録する、4.毎日の発作日誌を記録及び審査する;5.AE及びSAEを記録する、並びに6.24時間ビデオ−EEGを行う。
【0412】
治療期間
患者は、対象の割り当てコホートに従って1日目〜14日目まで1日2回(即ち、0mg/kg/日、20mg/kg/日又は40mg/kg/日の全日用量)投薬される。用量は、およそ12時間間隔で投与される。患者は、判定後に研究センターから解放され、6時間の薬物動態採血が完了する。調査用生成物の最終用量は、14日目の夕方に投与される。患者を、24時間ビデオEEGを含む14日目の治療訪問の終了のために入所させる。
【0413】
パートB訪問
以下の活動は、治療期間終了後1カ月、2カ月、3カ月、6カ月及び9カ月で発生する各パートB訪問中に完了される:1.併用薬物療法及び併用手順を記録する;2.バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸速度及び体温の測定)を記録する;4.毎日の発作及び食物日誌を記録及び審査する;5.身長及び体重を含めた理学的検査を行う;6.簡易な神経学検査を行う、並びに7.AE及びSAEを記録する。