特表2020-517847(P2020-517847A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-517847(P2020-517847A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(54)【発明の名称】パネルおよびカバーリング
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20200522BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20200522BHJP
【FI】
   E04F15/02 G
   F16B5/07 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-557748(P2019-557748)
(86)(22)【出願日】2018年4月26日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】NL2018050272
(87)【国際公開番号】WO2018199756
(87)【国際公開日】20181101
(31)【優先権主張番号】2018781
(32)【優先日】2017年4月26日
(33)【優先権主張国】NL
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516257578
【氏名又は名称】イノヴェーションズ・フォー・フロアリング・ホールディング・エン・フェー
【氏名又は名称原語表記】INNOVATIONS 4 FLOORING HOLDING N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
(72)【発明者】
【氏名】リートフェルト,ヨハン・クリスチアーン
【テーマコード(参考)】
2E220
3J001
【Fターム(参考)】
2E220AA26
2E220AA51
2E220AB14
2E220AB24
2E220AC01
2E220BA01
2E220DA12
2E220EA05
2E220FA11
2E220FA13
2E220GA25X
2E220GB43X
2E220GB45X
3J001FA05
3J001FA06
3J001GA06
3J001GA07
3J001GA09
3J001GB01
3J001HA04
3J001JD28
3J001KA19
3J001KA21
3J001KB03
(57)【要約】
相互接続可能なパネル、例えば、相互接続可能なフロアパネルは、一般に、相補的な結合プロファイルを両側の縁部に用いることにより、該パネルの両縁部で機械的に接合される。従来、矩形状のフロアパネルは、従来のアングリング法を用いて、長辺で接続されている。本発明は、相互接続可能なパネル、特にフロアパネルに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル、特にフロアパネルであって、
上面および下面が備えられ、コアが平面を画定する中央に配設されたコアと、
それぞれ、前記コアの両縁部に接続された少なくとも一つの第一の結合部および少なくとも一つの第二の弾性結合部と、を備え、
該第一の結合部は、上向きの舌部と、該上向きの舌部からある距離に位置する少なくとも一つの上方フランクと、前記上向きの舌部と該上方フランクとの間に形成された上向きの溝とを備え、該上向きの溝は、隣接するパネルの第二の結合部の下向きの舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合され、
前記上方フランクに対向している前記上向きの舌部の側面の少なくとも一部は、該上方フランクに向かって傾斜し、
前記第二の結合部は、下向きの舌部と、該下向きの舌部からある距離に位置する少なくとも一つの下方フランクと、前記下向きの舌部と、該下方フランクとの間に形成された下向きの溝とを備え、該下向きの溝は、隣接するパネルの前記第一の結合部の上向きの舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合され、
前記下方フランクに対向している前記下向きの舌部の側面の少なくとも一部は、該下方フランクに向かって傾斜し、
前記第二の結合部は、前記下向きの舌部を前記パネルの前記コアに接続する弾性的な上方のブリッジ部を備え、該ブリッジ部は、該下向きの溝を広げて、該広げられた下向きの溝への前記上向きの舌部の導入を容易にするために、隣接するパネルの結合中に変形するように構成され、
前記ブリッジ部には、少なくとも一つの上方の細長いスロットが設けられ、該細長いスロットは、前記下向きの溝に接続する開口した第一の端部と、閉じた第二の端部とを有し、その結果、最も弱い領域が、前記細長いスロットの前記閉じた第二の端部と、前記上方のブリッジ部の上面との間の前記上方のブリッジ部に形成されて、前記ブリッジ部の変形が容易になり、
前記細長いスロットは、該細長いスロットの幅の少なくとも三倍の長さを有し、
前記細長いスロットの前記閉じた第二の端部は、丸みの付いた形状を有する、パネル。
【請求項2】
前記スロットの長手方向軸は、前記コアによって画定される平面に直角な方向と、該長手方向軸が交差するように、前記コアによって画定される前記平面に直角な前記方向に向けられる請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記スロットの前記開口した第一の端部は、前記ブリッジ部と前記コアとの間の移行部に、または、前記ブリッジ部と前記下方フランクとの間の前記移行部に配置される請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
前記上方フランクに対向している前記上向きの舌部の側面の一部は、前記第一の結合部を、隣接するパネルの第二の結合部に結合するための、上方の位置合わせ縁部、特に平坦で傾斜した上方の位置合わせ縁部を構成する請求項1〜3の何れか一項に記載のパネル。
【請求項5】
前記上方フランクに対向している前記上向きの舌部の側面の少なくとも一部には、第一のロッキング要素が設けられ、および前記下方フランクには、隣接するパネルの前記第一のロッキング要素と協働するように構成された第二のロッキング要素が設けられる請求項1〜4の何れか一項に記載のパネル。
【請求項6】
前記細長いスロットには、好ましくは隣接するパネルの上向きの舌部とともに封止的に協働するように構成された弾性挿入体、例えばゴム挿入体が設けられる請求項1〜5の何れか一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記細長いスロットの前記閉じた第二の端部と、前記ブリッジ部の上面との間に形成された前記ブリッジ部の前記弱くなっている領域は、前記ブリッジ部の前記最も弱い領域を形成する請求項1〜6の何れか一項に記載のパネル。
【請求項8】
前記細長いスロットの前記閉じた第二の端部と、前記ブリッジ部の上面との間の距離は、前記パネルの前記コアの厚さの半分未満であり、特に、前記パネルの前記コアの前記厚さの三分の一未満である請求項1〜7の何れか一項に記載のパネル。
【請求項9】
前記細長いスロットの前記開口した第一の端部は、前記下方フランクおよび前記下向きの舌部の両方からある距離に位置している請求項1〜8の何れか一項に記載のパネル。
【請求項10】
前記第二の結合部の前記ブリッジ部の下面は、前記下向きの溝の上面を画定し、該ブリッジ部の前記下面は、少なくとも部分的に傾斜され、および好ましくは、前記パネルの前記コアに向かって下方へ延在し、好ましくは、前記上向きの舌部の前記上側は、少なくとも部分的に傾斜され、前記上向きの舌部の上側の傾斜と、前記第二の結合部の前記ブリッジ部の傾斜は実質的に同じであり、両傾斜は、例えば、0度と5度の間の角度を互いに包囲している請求項1〜9の何れか一項に記載のパネル。
【請求項11】
前記第一の結合部は、前記上向きの舌部を前記パネルの前記コアに接続する弾性の下方ブリッジ部を備え、該下方ブリッジ部は、前記上向きの溝を一時的に広げて、前記下向きの舌部の、該広げられた上向きの溝への導入を容易にするために、前記パネルの結合中に変形するように構成され、前記下方ブリッジ部には、少なくとも一つの下方の細長いスロットが設けられ、該細長いスロットは、前記上向きの溝に接続している開口した第一の端部と、閉じた第二の端部とを有し、その結果、弱くなっている領域が、前記下方の細長いスロットの前記閉じた第二の端部と、前記下方ブリッジ部の下面との間の前記下方ブリッジ部に形成されて、前記下方ブリッジ部の変形が容易になる請求項1〜10の何れか一項に記載のパネル。
【請求項12】
前記パネルは細長くなっており、前記第一および第二の結合部は、該パネルの短辺上に設けられ、好ましくは、前記パネルの対向する長辺には、実質的に舌部および溝の形態の結合部が設けられ、前記溝は、上方リップ部および下方リップ部によって画定され、それにより、これらの結合部は、このような二つのパネルを、回転運動によって互いに結合することができ、それにより、各後のパネルを、前のパネルに横方向に挿入することができることを可能にする請求項1〜11の何れか一項に記載のパネル。
【請求項13】
第一および第二のパネルの前記第一および第二の結合部は、ジッピング動作によって結合されるように構成され、該第一および第二の結合部は、特に、前記回転運動により、前記長辺における第二および第三のパネルの結合中に結合されるように構成される請求項12に記載のパネル。
【請求項14】
前記パネルは細長くなっており、前記第一および第二の結合部は、前記パネルの前記長辺上に設けられ、前記パネルの対向する長辺には、実質的に舌部および溝の形態の結合部が設けられ、前記溝は、上方リップおよび下方リップによって画定され、それにより、これらの結合部は、第一のパネルと第二のパネルを、回転運動によって互いに結合することができることを可能にし、前記第二のパネルの前記第一の結合部と、第三のパネルの第二の結合部は、この回転運動の間に、ジッピング動作によって結合されるように構成される、請求項1〜11の何れか一項に記載のパネル。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の複数の相互接続されたパネルを備えるカバーリング、特にフロアカバーリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互接続可能なパネル、特にフロアパネルに関する。また、本発明は、カバーリング、特に、本発明による複数の相互接続可能なパネルから成るフロアカバーリングに関する。
【背景技術】
【0002】
相互接続可能なパネル、例えば、相互接続可能なフロアパネルは、一般に、相補的な結合プロファイルを両側の縁部に用いることにより、該パネルの両縁部で機械的に接合される。従来、矩形状のフロアパネルは、従来のアングリング法を用いて、長辺で接続されている。短辺では、異なる結合機構を適用することができ、この場合、短辺結合機構は、例えば、ドロップダウンとも称される鉛直組みに基づいていてもよく、この場合、結合すべきパネルの短辺に配設された下方舌部が下方向に移動され、その結果、前記下方舌部は、既に設置されているパネルの短辺に配設された上方溝に挿入される。このようなパネルの実施例は、米国特許第7896571号明細書に開示されており、この場合、短辺結合機構は、隣接するパネルの相互に結合された短辺を鉛直方向に固定するように構成されて図示されている。該短辺におけるこの意図した鉛直方向固定効果は、該短辺におけるフロアパネル間の結合を安定化することが意図されているが、実際には、組立て中および実際の使用中の両方において、結合縁部に張力がかかることにより、該結合縁部において破損が生じる場合があり、このことは、この種のドロップダウン結合の信頼性および耐久性に影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7896571号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第一の目的は、改良された方法で隣接するパネルに結合することができる改良されたパネルを提供することである。
【0005】
本発明の第二の目的は、改良された、特に比較的信頼性の高いドロップダウン結合機構を備えている改良されたパネルを提供することである。
【0006】
本発明の第三の目的は、改良されたドロップダウン結合機構を備えている改良されたパネルを提供することであり、この場合、悪影響を与えるリスク、具体的には、該ドロップダウン結合機構の破損が低減される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的のうちの少なくとも一つを実現するために、本発明は、請求項1に記載のパネルを提供する。
【0008】
本発明による該パネルには、公知のドロップダウン結合機構と比較して改良されたドロップダウン結合機構が設けられている。より具体的には、該結合機構は、該上方フランクに対向している傾斜した(内側)側面を有する該上向きの舌部の存在により、および該下方フランクに対向している該下向きの舌部の傾斜した側面の存在により、水平方向および鉛直方向の両方で、結合されたパネルを固定するように依然として構成され、その結果、該下向きの舌部は、該上向きの溝に固定されることになる。この第一のロッキング機構は、インナーロックとも呼ばれている。輪郭の損傷を防ぐために、および/または比較的制御された(および予測可能な)方法で、二つのパネル間の結合を実現するために、該少なくとも一つの上方の細長いスロットが、該弾性的な上方ブリッジ部に適用される。該上方のブリッジ部に設けられた該細長いスロットは、典型的には、前記上方のブリッジ部の最も弱い領域(最も弱いゾーン)を画定し、そのため、該ブリッジ部の(最大)材料変形の位置を画定している。該ブリッジ部を選択的に弱くする該上方の細長いスロット位置とともに、該(上方の)ブリッジ部の弾性により、前記ブリッジ部の変形は、制御されおよび容易化された方法で行われ、このことは、該結合部の損傷および破損(部の)変化を大幅に低減し、これは、該パネル間の該接続、すなわち、該パネル自体の信頼性や耐久性に有利である。
【0009】
上記スロットは、細長いスロットであり、スロット長がスロット幅よりも大きいことを意味している。典型的には、該スロット幅は小さく、好ましくは、5ミリメートル以下、より好ましくは、3ミリメートル以下、および最も好ましくは、1.5ミリメートル以下である。典型的には、該スロット長は、1.5ミリメートルよりも大きく、および通常は、2.5ミリメートルよりも大きい。パネルの厚さおよび使用する材質により、該スロット長は、5ミリメートルを超えていてもよい。結合中および分離中に損傷を受けないように、該ブリッジ部は、十分に丈夫なままに確実にするために、最大スロット長は限定されている。
【0010】
該細長いスロットは、該スロットの該幅の少なくとも二倍、好ましくは、該スロットの該幅の少なくとも三倍の長さを有していてもよい。該細長いスロットは、長いスリットまたはスロットと見なしてもよく、該機能は、該ブリッジ部に最も弱い、または最も薄い領域を作り出して、この最も弱い、または最も薄い領域における変形を容易にするように、該パネルの該要素を局所的に妨げることである。該長さは、三倍ではなく、該幅の少なくとも二倍であってもよい。
【0011】
該細長いスロットの該閉じた第二の端部は、丸みが付いていてもよい。丸みの付いた端部の該スロットを有することは、例えば、上を歩いた場合に、該スロットの下の該要素にわたって等しくおよび漸次的に該パネルに及ぼされる力を分散させるのに利用することができる。例えば、鋭い移行部は、該移行部の鋭角部にピーク力が生じる可能性があるため、引き裂きや割れのリスクが増加するであろう。具体的には、該スロットは、典型的には、該ブリッジ部の最も弱い、または最も薄い箇所を画定しているため、力の分散および伝達、特にピーク力は、該ブリッジ部の局所的な破壊または故障を防止する。該ブリッジ部に及ぼされる力は、該結合部の残りの部分に向かって下向きに伝わって、ピーク力が、該スロットが別様に延在しているであろう鋭角の角部または移行部に及ぼされるのを防止している。
【0012】
本発明による該第二の結合部の該ブリッジ部は、例えば、(単に)該下向きの舌部を該コアに接続し、および少なくとも一つの上方の細長いスロットが設けられている(肩部とも呼ばれる)該ブリッジの一部にすぎないと理解してもよい。しかし、該ブリッジ部は、該下向きの舌部を該コアに接続する完全なブリッジであると理解してもよい。該ブリッジ部は、該下方フランクの上部から、または、該細長いスロットの該第二の閉じた端部から、該下向きの舌部まで延在している該結合部の一部であってもよい。該スロットは、細長いスロットであり、該スロット長が該スロット幅よりも大きいことを意味している。典型的には、該スロット幅は小さく、好ましくは、5ミリメートル以下、より好ましくは、3ミリメートル以下、および最も好ましくは、1.5ミリメートル以下である。典型的には、該スロット長は、1.5ミリメートルよりも大きく、および通常は、2.5ミリメートルよりも大きい。該パネルの厚さおよび使用する材質により、該スロット長は、5ミリメートルを超えていてもよい。結合中および分離中に損傷を受けないように、該ブリッジ部は、十分な強度を維持するために、最大スロット長は限定されている。該第一の結合部および該第二の結合部は、好ましくは、該コアの一体部を構成している。一般的には、構造的、生産工学および物流の観点から、該コアと該結合部との間のこの一体接続が推奨される。しかし、該第一の結合部および/または該第二の結合部(またはそれらの部分)が、別々の構成要素として該コアに接続される、例えば、接着されおよび/または機械的に付着される別々の構成要素であることも考えられる。
【0013】
該スロットは、該コアによって画定される(仮想の)平面に直角な方向に延びている成分を少なくとも有する長手方向軸を有していてもよい。例えば、該パネルが、水平方向に拡がっている床上に位置するフロアパネルである場合、該スロットは、少なくとも鉛直方向の成分を有する長手方向軸を有していてもよい。該鉛直方向の成分は、該ブリッジ部の局所的な薄板化、すなわち、該細長いスロットの該(閉じた)端部と、該パネルの上方側面との間に形成された、該ブリッジ部の弱くなっている領域、および好ましくは、最も弱い領域の変形をもたらす。該パネルの該上方側面から該下向きの溝までで測った該第二の結合部の該最も薄い部分は、通常、該細長いスロットの該端部に位置している。該パネルの該上方側面から該下向きの溝までで測った該第二の結合部の該最も薄い部分は、通常、該細長いスロットの該端部に位置している。該パネルの該上方側面から該細長いスロットの該(閉じた)端部までで(最短距離として)測った該第二の結合部の該最も薄い部分は、好ましくは、該パネルの該コアの厚さの半分(50%)未満、具体的には、該パネルの該コアの該厚さの三分の一(33%)未満である厚さを有している。一方、該パネルの該上方側面から該細長いスロットの該(閉じた)端部までで測った該第二の結合部の該最も薄い部分は、該ブリッジ部に対する十分なロバスト性を確実にするために、好ましくは、該パネルの該コアの該厚さの10%よりも大きい、具体的には、該パネルの該コアの該厚さの20%よりも大きい厚さを有している。
【0014】
該スロットは、該コアの上述した平面に直角な方向に延びている成分と、該コアの該平面の該方向に延びている成分とを有する方向を有する長手方向軸を有していてもよく、この場合、該長手方向軸と、該コアの該平面に直角な該方向とによって包囲された該角度は、0度と85度の間にあり、特に25度と60度の間にあり、また特に約45度である。例えば、該パネルが、水平方向に拡がる床上にあるフロアパネルである場合、該細長いスロットは、少なくとも鉛直方向の成分と水平方向の成分を有する長手方向軸を有していてもよい。該コアの該(仮想の)平面の該方向に延びている成分は、好ましくは、該パネルの該コアに向けられ、または、内方に向けられている。このことは、該内方に延びている細長いスロットをもたらすであろう。ここで、該水平方向の成分は、該細長いスロットの該(閉じた)端部を、該下方フランクに対して内方に位置決めするのに用いられ、このことは、該コアと該下向きの舌部との間の該ブリッジ部を細長くするであろう。結合中に、力が該舌部に印加される場合、該細長くなったブリッジ部は、この力を印加するための長いアームを形成し、さらに、(該パネルの該平面に垂直な方向における)変形の幅を制限する。このことは、結合中および分離中の材料応力を低減し、そのことは、パネル接続の信頼性および耐久性に有利になるであろう。
【0015】
また、該上方の細長いスロットは、該コアの該平面に垂直な方向に延びている成分と、該コアの該平面の方向に(すなわち、該コアと平行な方向に)延びている成分とを有する方向を有する長手方向軸を有していてもよく、この場合、該長手方向軸と、該コアの該上方側面とによって包囲された該角度は、2度と90度の間にあり、特に、25度と60度の間にあり、また、特に約45度である。例えば、該パネルが、水平方向に拡がる床上に位置するフロアパネルである場合、該スロットは、少なくとも鉛直方向の成分と水平方向の成分とを有する長手方向軸を有していてもよい。該コアの該平面の該方向に延びている該成分は、例えば、該パネルの該コアに向けられていてもよく、または、内方に向けられている。したがって、該水平方向の成分は、該細長いスロットの該(閉じた)端部を、該下方フランクに対して内方に配置するのに利用することができる。このことは、該コアと該下向きの舌部との間の該ブリッジ部を細長くする。結合中に、力が該舌部に印加される場合、該細長くなったブリッジ部は、この力を印加するための長いアームを形成し、さらに、(該パネルの該平面に垂直な方向における)該変形の該幅を制限する。
【0016】
該スロットの該長手方向軸は、該コアと該長手方向軸とによって画定される平面に垂直な方向が交差するように、該コアの該平面に垂直な方向に向けられていてもよい。このようにして、該スロットは、該その開口端部から閉端部まで、該パネルの該コアに向けられ、このことは、該スロットの内方方向をもたらす。該スロットを内方に向けることにより、該コア(の上方部分)と該下向きの舌部との間の距離を増加させることができ、このことは、結合力を印加するためのより長いアームを生成して、該変形の該幅を制限し、すなわち、結合中および/または分離中の材料応力を制限する。該スロットの該開口した第一の端部は、該ブリッジ部と該コアとの間の移行部に、または、該ブリッジ部と該下方フランクとの間の該移行部に配置してもよい。該スロットを該移行部に設けることにより、該スロットは、該ブリッジ部を長くするか、または細長くするのに利用することができる。
【0017】
該上方フランクに対向している該上向きの舌部の側面の少なくとも一部は、該第一の結合部を、隣接するパネルの第二の結合部に結合するための上方の位置合わせ縁部を構成することができる。該位置合わせ縁部は、(結合すべき)二つのパネルの相対的な位置合わせを補助する。この位置合わせ縁部は、該下向きの舌部を該上向きの溝の方へ案内するのを促進することができ、この溝は、該上方のブリッジ部の変形の前の当初は狭すぎて、該下向きの舌部の挿入を可能にしている。該上方の位置合わせ縁部は、好ましくは平坦であり(湾曲されておらず、および特殊な輪郭形状ではなく)、および/または改善された滑動面を生成するように傾斜されている。
【0018】
該上方フランクから離れて対向している上向きの舌部の側面の少なくとも一部には、第一のロッキング要素を設けてもよく、また、該下方フランクには、第二のロッキング要素を設けてもよく、この場合、各ロッキング要素は、隣接するパネルの別のロッキング要素と協働するように適合させることができる。該ロッキング要素は、二つの結合されたフロアパネルの鉛直方向および/または回転方向の分離に対する固定をもたらすのに利用することができる。別の実施形態の変形例において、該第一のロッキング要素は、少なくとも一つの外向きの膨出部を備え、また、該第二のロッキング要素は、少なくとも一つの凹部を備え、この外向きの膨出部は、固定結合を実現するために、隣接する結合されたフロアパネルの凹部に少なくとも部分的に受け入れられるように適合されている。この実施形態の変形例は、一般的に、生産工学の観点から有利である。該第一のロッキング要素および該第二のロッキング要素は、好ましくは、相補的な形態をとっており、それにより、隣接するフロアパネルの該ロッキング要素の互いにぴったり合った接続が実現され、このことは、該ロッキングの効果を高める。
【0019】
本発明による該フロアパネルの実施形態において、該第一のロッキング要素は、該上向きの舌部の上面からある距離に配置される。該第一のロッキング要素を、該上向きの舌部の該上面からある距離に配置することは、多くの利点を有している。第一の利点は、該第一のロッキング要素は、該上向きの舌部の該位置合わせ縁部(の下方部分)よりも下に配置され、それにより、二つの結合部材間の結合を段階的に実行することができるため、該第一のロッキング要素のこの配置は、隣接するフロアパネル間の該結合を容易にすることができるということである。結合プロセス中に、関連するフランクに対向している該舌部面は、まず、互いに係合し、この後、該ロッキング要素は互いに係合し、このことは、一般的に、該第一の位置合わせ縁部と該第一のロッキング要素が、大体同じ高さに位置していた場合と比較して、あまり大きな最大旋回(幅)を、およびそれにより、隣接するフロアパネルの第二の結合部の変形を必要としない。該第一のロッキング要素を該上向きの舌部の上面からある距離に配置することに関するさらなる利点は、各結合部の弾性ブリッジによって概して形成される、各結合部と該コアとの間の弾性接続に関する距離が増加して、それにより、該ロッキング要素によって、該結合部に及ぶトルクを比較的速やかに補正することができ、このことが、該ロッキングの該信頼性をさらに高めることができるということである。
【0020】
該細長いスロットには、弾性挿入体、例えば、ゴム挿入体を設けてもよい。このような弾性挿入体は、結合状態における該結合部間の耐水性シールを設けるのに利用することができる。該挿入体は、該ブリッジ部の変形を介した該細長いスロットの閉塞を防ぐのに利用することもでき、この挿入体は、該細長いスロットの変形による開きを妨げない。このようにして、意図しない閉塞、すなわち、二つのパネルの結合の妨げを抑えることができる。結合状態において、該細長いスロットは、別のパネル(舌部)要素が本質的になくてもよく、このことは、該ブリッジ部の変形の妨げを抑える。該挿入体は、例えば、シリコン、(天然)ゴム、EPDM、PU、PVC、または熱塑性材料で形成することができる。好ましくは、該弾性挿入体は、密封方式で、(結合状態の)隣接するパネルの上向きの舌部と協働する。
【0021】
該細長いスロットの開口した第一の端部は、該下方フランクおよび該下向きの舌部の両方からある距離に配置してもよい。より具体的には、該細長いスロットの該開口した端部は、該下方フランクの上部と、該下方フランクの該上部と該下方フランクに対向している該下向きの舌部の該側面との間の中間の位置との間に位置させてもよい。したがって、該細長いスロットの該開口端部は、該パネルの該コアに最も近い該ブリッジ部の前半に配設することができる。該パネルの該コアに比較的近接した該スロットの該開口端部を有することにより、外側に向かって該スロットが辿る該結合部の長さもまた比較的大きく、このことは、該第二の結合部の該ブリッジ部の変形を容易にする比較的長いアームを与える。
【0022】
該下向きの溝の上側(上方面)を画定している該第二の結合部の該ブリッジ部の下側(下方面)は、少なくとも部分的に傾斜させてもよく、および好ましくは、該パネルの該コアに向かって下方に延在している。該下向きの舌部の該上側(上方面)は、同様に、少なくとも部分的に傾斜させてもよく、この場合、該上向きの舌部の該上側の傾斜、および該第二の結合部の該ブリッジ部の傾斜は同一であってもよいが、この場合、例えば、両傾斜が、0度と5度の間の角度を互いに包囲することも考えられる。該第二の結合部の該ブリッジ部の該傾斜は、該ブリッジ部の無理のない弱くなっている領域を形成し、そこでは、変形が起こり易くなっている。この弱くなっている領域は、例えば、該細長いスロットが設けられている位置であってもよく、このことは、該弱くなっている領域を増加させ、または、拡大させる。別法として、該スロットは、弱くなっているゾーンを該ブリッジ部にわたって分散させるために、および該ブリッジ部にわたって変形を分散させるために、異なる位置に設けてもよい。このことは、該パネルの結合時に、該ブリッジ部が損傷を受けるか、または故障する機会を減らす。
【0023】
また、該第一の結合部は、該上向きの舌部を該パネルの該コアに接続する弾性下方ブリッジ部も備えていてもよく、この場合、該ブリッジ部は、該上向きの溝を一時的に広げて、該下向きの舌部の、該広げられた上向きの溝への導入を容易にするために、該パネルの結合中に変形するように構成することができ、前記下方ブリッジ部には、少なくとも一つの下方の細長いスロットを設けてもよく、該細長いスロットは、該上向きの溝に接続する開口した第一の端部と、閉じた第二の端部とを有していてもよく、この場合、該第二の閉じた端部は、該下方ブリッジ部の弱くなっている領域、好ましくは、最も弱い領域を画定することができ、その結果、該ブリッジの変形は、該スロットの当該位置において容易になっている。該第二の結合部の該上方のブリッジ部と同様に、該第一の結合部の該下方の細長いスロットは、同様の目的の役に立つ。少なくとも、分離された状態において、場合によっては、結合状態においても、該第一の結合部の少なくとも一部は、(該コアに対向している)該パネルの該下方の側面よりも高いレベルに位置していることが考えられる。ここでは、該第一の結合部の少なくとも一部は、分離した状態で上方に傾斜されており、このことは、結合中の下への曲げ(下向きの変形)をさらに容易にして、(第一のパネルの)該第一の結合部および(第二のパネルの)該第二の結合部の両方における結合中の材料応力を少なくすることができる。本発明による該パネルの実施形態においては、(該第一の結合要素の)該下方ブリッジ部には、少なくとも下方の細長いスロットが設けられているが、(該第二の結合要素の)該上方ブリッジ部には、上方の細長いスロットが設けられていないことが考えられる。
【0024】
該パネルは、縦長にしてもよく、特に矩形状であってもよく、この場合、該第一および第二の結合部は、該パネルの短辺に設けられる。この場合の該パネルの長辺には、典型的には、輪郭にアングリングが存在している。パネル、特にフロアパネルの結合は、典型的には、現存の既に据え付けられたパネルの溝に新たなパネルをアングリングすることによって行われる。これらの状況における難しさは、該パネルの該短辺に比較的強度の接続部を設けることにあり、これは、好ましくは、該長辺に沿った同じアングリング動作中に得られる。この場合、第一および第二の結合部は、ジッピング(zipping)動作によって結合されるように構成することができ、この場合、該第一および第二の結合部は、特に、該パネルの一方の該長辺上でのアングリング動作中に結合されるように構成される。
【0025】
別法として、該パネルは縦長であってもよく、この場合、該第一および第二の結合部は、該パネルの該長辺に設けられ、またこの場合、該第一および第二の結合部は、ジッピング動作によって結合されるように構成され、この場合、該第一および第二の結合部は、特に、該パネルの一方の該短辺上でのアングリング動作中に結合されるように構成される。
【0026】
実施形態において、該フロアパネルの複数の辺は、該第一の結合部を備え、該フロアパネルの複数の他方の辺は、該第二の結合部を備えている。各第一の結合部および各第二の結合部は、好ましくは、該フロアパネルの反対側に配置されている。該第一の結合部と該第二の結合部を反対側に配置することにより、各フロアパネルを同じ方法で形成することができるため、ユーザが、本発明によるフロアパネルによって形成された床を据え付けることは比較的簡単である。しかし、第一の結合部が該パネルの側面に位置し、この場合、第二の結合部は、前記パネルの隣接する側面に位置していることもあり得る。このようにして、該フロアパネルの各側面には、(第一または第二の)結合部を設けることができ、このことは、該フロアパネルの結合の選択肢を増やす。各パネルは、厳密に同じ構成を有することができる。しかし、本発明による異なる種類のパネル、例えば、第一の種類Aと第二の種類Bが使用されることも考えられる。該二種類は、この実施形態においては、該結合部の位置が鏡像反転されていることを除いて同一である。いくつかの変形例を用いてもよい。該二種類のパネルは、同じ形態から成っている必要はなく、また、該結合部も、それらの結合部を接合することができるのであれば、異なる形状から成っていてもよい。したがって、このことは、二つの(またはそれ以上の)異なる種類の床板(それぞれAおよびB)を備えている本発明によるフローリングにつながる可能性があり、この場合、一組の対向する縁部に沿った一方の種類の床板(A)の該結合部は、他方の種類の床板(B)の同じ組の対向する縁部に沿った該結合部に対して、鏡像反転されて配置される。
【0027】
本発明による該(フロア)パネルは、主に、いわゆる薄板状フロアを対象としているが、一般的には、堅いフロアパネル、例えば、べニアの寄木張りの床、既製の寄木張りの床、または、薄板状フローリングに匹敵する可能性のある他のフロアパネルから成る他の種類のカバーリングにも適用することができる。したがって、本発明による該フロアパネルは、好ましくは、薄板状フロアパネルである。薄板状フロアパネルは、複数の材料層を備えているフロアパネルと考えられる。典型的な薄板状フロアパネルは、少なくとも一つの中央コア層と、前記コア層の底面および/または上面のいずれかに付着された少なくとも一つのさらなる層とを備えている。底面の少なくとも一部に付着された裏張り層は、バランシング層とも呼ばれている。この裏張り層は、通常、該パネルの該コアを、また、必ずしも必要ではないが、必要に応じて、該パネルの一つ以上の縁部をカバーする。該コアの上部には、通常、好ましくは、実質的に透明な保護層によって被覆される少なくとも一つのデザイン層(装飾層)を含む一つ以上の追加的な層が施されている。該装飾層は、装飾パターンがその上に印刷される紙の層によって形成することができるが、該装飾デザインが該コアまたはコアコーティング上に直接印刷されることも考えられる。該保護層は、該フロアパネルに向上した感触を与えるように、該保護層の下に視覚化された装飾パターン(デザイン)に対応するエンボス加工を含むことができる特殊な輪郭形状の上面を有していてもよい。異なる材料を該層に使用してもよい。例えば、該コアは、保護層が備えられたMDFまたはHDF製品で形成してもよい。また、該コアは、合成材料、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)のような熱可塑性材料、および/または一つ以上の添加物で強化されている熱可塑性材料で形成することもできる。該熱可塑性材料は、繊維強化および/またはダスト強化してもよく、およびコア材料として使用される複合材料の一部であってもよい。この目的を達成するために、ダスト(熱)可塑性複合材をコア材料として使用してもよい。該「ダスト」という表現は、粒子(粉末)状、木工粉塵状、コルクダスト、または、非木工粉塵、鉱物性粉塵状、石粉、特にセメント等の細かな粉塵と理解されたい。竹廃材、木工粉塵、またはコルクダスト、またはこれらの組合せと、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)または(未使用の、再利用の、または、これらの混成の)ポリ塩化ビニルを組合せることにより、湿気を吸収せず、および膨張または収縮せずに、ピークおよびギャップを生じる堅くて不活性なコアが形成される。本発明による該フロアパネルの少なくとも一部、具体的には、該コア層を製造するのに使用してもよい代替的な材料は、少なくとも一つの鉱物、セラミックおよび/またはセメントである。薄板状フロアパネルの代わりに、本発明による該フロアパネルは、例えば、木材で形成することができる単層フロアパネルによって形成してもよい。
【0028】
また、本発明による該パネルは、代替的なカバーリング、例えば、壁カバーリング、または、天井カバーリングを形成するのに適用してもよい。
【0029】
本発明を、以下の図面に示す非限定的で例示的な実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるパネルを概略的に示す図である。
図2】本発明によるパネルを概略的に示す図である。
図3】本発明による、結合状態にある二つのパネルの該結合部を概略的に示す図である。
図4A】本発明による二つの結合部の結合を概略的に示す図である。
図4B】本発明による二つの結合部の結合を概略的に示す図である。
図4C】本発明による二つの結合部の結合を概略的に示す図である。
図5A】本発明によるパネルにおける該細長いスロットの異なる位置を概略的に示す図である。
図5B】本発明によるパネルにおける該細長いスロットの異なる位置を概略的に示す図である。
図5C】本発明によるパネルにおける該細長いスロットの異なる位置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、上面(2a)および下面(2b)が設けられた、中央に配設されたコア(2)を備えるパネル(1)を示し、このコアは、平面を画定している。該パネル(1)にはさらに、それぞれ、該コア(2)の両縁部に接続された第一の結合部(3)および第二の弾性結合部(4)が設けられている。該第一の結合部(3)は、上向きの舌部(5)と、該上向きの舌部(5)からある距離に位置している上方フランク(6)と、該上向きの舌部(5)と該上方フランク(6)との間に形成された上向きの溝(7)とを備え、該上向きの溝(7)は、隣接するパネル(1)の下向きの舌部(9)の少なくとも一部を受け入れるように適合されている。該上方フランク(6)に対向している該上向きの舌部(5)の側面(8)の部分は、該パネル(1)の該コア(2)に向かって延在している。一方において、該上向きの舌部(5)の該側面(8)が延在している方向と、他方において、該コア(2)の平面に直角な方向(N1,N2)とによって包囲された角度(α)は、一度と五度の間にある。該コア(2)の該平面に垂直な方向は、該コア(2)の上方の法線(N1)と下方の法線(N2)とによって画定される。
【0032】
該第二の結合部(4)は、下向きの舌部(9)と、該下向きの舌部(9)からある距離にある下方フランク(10)と、該下向きの舌部(9)と該下方フランク(10)との間に形成された下向きの溝(11)とを備え、該下向きの溝(11)は、隣接するパネル(1)の上向きの舌部(5)の少なくとも一部を受け入れるように適合されている。該下方フランク(10)に対向している該下向きの舌部(9)の側面(12)の部分は、該コア(2)に向かって延在している。一方において、該下向きの舌部(9)の該側面(12)が延在している該方向と、他方において、該コア(2)の該平面に対して垂直な方向(N1,N2)とによって包囲された角度(β)は、一度と五度の間にある。該コア(2)の該平面に垂直な該方向は、該コア(2)の該上方の垂線(N1)および該下方の垂線(N2)によって画定される。
【0033】
該第二の結合部(4)は、該下向きの舌部(9)を該パネル(1)の該コア(2)に接続している弾性ブリッジ部(13)を備え、該ブリッジ部(13)は、該下向きの溝(11)を広げて、該上向きの舌部(5)の該広げられた下向きの溝(11)への導入を容易にするために、隣接するパネル(1)の結合中に変形するように構成されている。それに加えて、該ブリッジ部(13)には、細長いスロット(14)が設けられ、該細長いスロット(14)は、該下向きの溝(11)に接続している開口した第一の端部(15)と、閉じた第二の端部(16)とを有し、該閉じた第二の端部(16)は、前記ブリッジ部(13)の最も弱い領域(17)を画定し、該ブリッジ部(13)は、最小の(材料の)厚さを有し、その結果、該ブリッジ(13)の変形は、該スロット(14)の当該位置において、特に、該スロット(14)の該閉じた第二の端部(16)の位置において容易になっている。
【0034】
図1の該スロット(14)は、該コア(2)の該平面に直角な方向(N1)の成分と、該コア(2)の該平面の該方向の成分とを有する方向を有する長手方向軸(L)を有し、該長手方向軸(L)と、該コア(2)の該平面に直角な該方向(N1)とによって包囲された角度(γ1)は、約四十五度である。図1において、該コア(2)の該上面(2a)は平坦であり、そのため、該長手方向軸(L)と、該コア(2)の該上面(2a)とによって包囲された角度(γ1)も約四十五度になっている。
【0035】
図2は、図1の該パネルを概略的に示し、この場合、該結合部(3、4)は、わずかに異なって具体化されている。上方フランク(6)に対向している上向きの舌部(5)の別の側面(17)は、隣接するパネル(1)への結合の容易な実現を可能にする位置合わせ縁部(17)を構成している。図示されているように、位置合わせ縁部(17)として機能するこの側面(17)は、該コア(2)の上面(2a)の該法線N1から離れて向けられている。上向きの舌部(5)の上面(18)は、コア(2)の上面(2a)の該法線N1の該方向に延在し、および上方フランク(6)から離れて対向している上向きの舌部(5)の該側面(19)の方向において下向きに傾斜して及んでいる。この面取りは、相補的な第二の結合部(4)に、よりロバストで、従ってより強い形態を与えるという選択肢をもたらす。上方フランク(6)から離れて対向している上向きの舌部(5)の該側面(19)は、実質的に鉛直方向に向けられ、さらに、該側面には、外向きの膨出部(20)として図示されているロッキング要素(20)が設けられている。上方フランク(6)の下方部(21)は斜めに向けられているが、上方フランク(6)の上方部(22)は、実質的に鉛直方向であるように図示され、および第二の結合部(4)のための止め面を構成している。上向きの溝(7)の下方壁部(23)は、この例示的な実施形態においては、実質的に水平方向に向けられている。上向きの溝(7)の下方壁部(23)と下面(2b)との間にあるブリッジ部(24)は、該上向きの舌部(5)と該コア(2)を接続している。
【0036】
下方フランク(10)から離れて対向している側面(25)は斜めに向けられているが、上方フランク(6)の該相補的な側面(21)よりも、より平坦な方向性を有していてもよく、それにより、ギャップ(空隙)が、該結合された位置に形成されることになる。また、下向きの舌部(9)の該傾斜している側面(25)は、二つのパネル(1)間の結合をさらに容易にするための位置合わせ縁部(25)としても機能する。下方フランク(10)から離れて対向している別の側面(26)は、実質的に鉛直な形態をとっており、および隣接するパネル(1)の上方フランク(6)の該止め面(22)に対して相補的な止め面(26)を構成している。下向きの舌部(9)にはさらに、下方フランク(10)に対向し、および隣接するパネル(1)の第一の結合部(3)のための位置合わせ縁部(27)として機能する側面(27)が設けられている。上向きの舌部(5)の上面(18)は、傾斜している方向性を有しているため、下向きの溝(11)の上面(28)は、同様の傾斜している方向性を有し、それにより、下向きの溝(11)の上面(28)と、第二の結合部(4)の上面(18)との間の(平均)距離は、第二の結合部(4)自体に十分な強度を与えるように、十分な大きさになっている。下方フランク(10)は、実質的に鉛直方向に向けられ、および隣接するパネル(1)の該上向きの舌部(5)の該外向きの膨出部(20)を受け入れるように適合された凹部(29)として具体化されたロッキング要素(29)が備えられている。
【0037】
図3は、例えば、図1において、結合状態にある二つのパネルの該結合部(3、4)を概略的に示す。結合状態にある該細長いスロット(14)には、該舌部(5、9)の何らかの要素がない。
【0038】
図4Aから図4Cは、例えば、図1または図3に示すような二つの結合部の該結合を概略的に示す。図4Aにおいて、二つの隣接するパネル(1)は、ともに近接しているが、結合されてはいない。一方のパネル(1)の該下向きの舌部(9)は、他方のパネル(1)の該上向きの溝(7)の上に位置している。上方フランク(6)に対向している該上向きの舌部(5)の該側面(8)は、該コア(2)に向けられ、または内方に向けられているため、該結合部は、結合のための変形を要する。
【0039】
図4Bには、該パネル(1)の一方の該第二の結合部の該ブリッジ部(13)の変形が図示されている。該細長いスロット(14)の該閉じた端部(16)の位置において、該ブリッジ部(13)は、最も薄くなっており、従って、最も弱くなっている。当該位置において、該ブリッジ部(13)は旋回し、この場合、下向きの舌部(9)は、上方へわずかに回転される。このことは、該下向きの舌部(9)をわずかに旋回させ、その結果、該下向きの舌部(9)を、該上向きの溝(7)に配置することができる。該変形は、該細長いスロット(14)を少なくとも一時的に広げる。
【0040】
図4Cにおいて、該パネル(1)は結合されている。該細長いスロット(14)は、その元の形状および寸法に戻っており、一方、該舌部(5、9)の該側面(8、12)は、互いに把持して、ともに該パネル(1)の鉛直方向の固定として水平を形成している。
【0041】
図5Aから図5Cは、パネル(1)の該細長いスロット(14)の異なる位置を概略的に示す。すべての実施形態において、該スロット(14)は、該パネル(1)の該第二の結合部の該ブリッジ部(13)に位置している。
【0042】
本発明が、本願明細書に示され、かつ記載されている実施例に限定されないこと、および当業者には明白であろう添付クレームの範囲内で、多くの変形例が可能であることは明らかであろう。
【0043】
上述した発明概念は、いくつかの例示的な実施形態によって説明されている。個々の発明概念は、その際に、記載されている実施例の他の詳細を適用することなく適用してもよいことが考えられる。当業者は、具体的な用途にたどりつくために(再び)組合せることのできる多くの発明概念を理解するため、該上述した発明概念の考えられるすべての組合せの実施例に関して詳述する必要はない。
【0044】
この特許公報で用いられている「備える(comprise)」という動詞およびその活用は、「備える」を意味すると理解するだけではなく、「含む(contain)」、「実質的に〜から成る(substantially consist of)」、「〜によって形成された(formed by)」およびこれらの活用も意味すると理解されたい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】