(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、請求項9から12のいずれか1項に記載の化合物。
前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、請求項31から34のいずれか1項に記載の化合物。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、請求項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から54のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から55のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、請求項1から57のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から58のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から59のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号3の配列を有する重鎖または配列番号11の配列を有する重鎖を含む、請求項1から62のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、請求項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号106のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号105のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または65のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号106のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号105のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または65から66のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号101の配列を有するVHドメインを含む、請求項1から53または65から67のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、請求項1から53または65から68のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号109のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号108のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または65から69のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号109のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号108のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または65から69のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号102の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または65から70のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号113の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または65から71のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号115の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または65から72のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がKAAG1に結合する場合、前記抗体は、配列番号103の配列を有する重鎖または配列番号111の配列を有する重鎖を含む、請求項1から53または65から74のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号207のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、請求項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号206のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号205のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または80のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号207のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号206のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号205のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または80から81のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号201の配列を有するVHドメインを含む、請求項1から53または80から82のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号210のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、請求項1から53または80から83のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号209のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号208のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または80から84のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号210のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号209のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号208のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または80から85のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号202の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または80から86のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号203の配列を有する重鎖または配列番号211の配列を有する重鎖を含む、請求項1から53または80から88のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号218のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、請求項1から53または80から90のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号216のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または91のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号218のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号217のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号216のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または91から92のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号212の配列を有するVHドメインを含む、請求項1から53または91から93のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号221のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、請求項1から53または91から94のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号220のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号219のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または91から95のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号221のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号220のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号219のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または91から96のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号213の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または91から97のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号214の配列を有する重鎖または配列番号222の配列を有する重鎖を含む、請求項1から53または91から99のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号215の配列を有する軽鎖を含む、請求項1から53または91から100のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号229のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、請求項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号227のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または102のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号227のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号226のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または102から103のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号223の配列を有するVHドメインを含む、請求項1から53または102から104のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号232のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、請求項1から53または102から105のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号231のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号230のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または102から106のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号232のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号231のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号230のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または102から107のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号224の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または102から108のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号225の配列を有する重鎖または配列番号233の配列を有する重鎖を含む、請求項1から53または102から110のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号226の配列を有する軽鎖を含む、請求項1から53または102から111のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号240のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、請求項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号239のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号238のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または113のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号240のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号239のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号238のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から53または113から114のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号234の配列を有するVHドメインを含む、請求項1から53または113から115のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、請求項1から53または113から116のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号242のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号241のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または113から117のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号242のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号241のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から53または113から118のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号235の配列を有するVLドメインを含む、請求項1から53または113から119のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号236の配列を有する重鎖または配列番号244の配列を有する重鎖を含む、請求項1から53または113から121のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がメソテリンに結合する場合、前記抗体は、配列番号237の配列を有する軽鎖を含む、請求項1から53または113から122のいずれか1項に記載の複合体。
請求項1から126のいずれか1項に定義されるとおりの抗体薬物複合体化合物の混合物を含む組成物であって、前記抗体薬物複合体化合物混合物中の抗体あたりの平均薬物担持数は、約1〜約4である、前記組成物。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記がんは、以下からなる群より選択されるがんである、請求項130に記載の複合体:肝細胞癌、肝芽腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、結腸癌、乳癌、胃癌、膵癌、神経芽細胞腫、副腎癌、クロム親和性細胞腫、傍神経節腫、甲状腺髄様癌、骨格筋癌、脂肪肉腫、神経膠腫、ウィルムス腫瘍、神経内分泌腫瘍、急性骨髄性白血病、及び骨髄異形成症候群。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、以下に定義されるとおり、リンカーが、N10位を通じてPBD部分の一方と抗体とを接続している、PBD二量体を提供する。
【0017】
本発明は、対象の好適な部位にPBD化合物を提供する用途に適している。本複合体は、リンカーのどの部分も保持しない活性PBD化合物を放出することを可能にする。PBD化合物の反応性に影響を及ぼす可能性がある残存基は存在しない。すなわち、式(I)の複合体は、化合物RelAを放出すると思われる:
【化12】
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【0018】
本発明のPBD二量体と抗体の間の特定結合は、好ましくは、細胞外で安定である。細胞中に輸送または送達する前、抗体薬物複合体(ADC)は、好ましくは、安定かつ未変化のままである、すなわち、抗体は、薬物部分と連結したままである。リンカーは、標的細胞の外では安定であり、細胞内ではある有効速度で切断される可能性がある。有効なリンカーは、以下のものになる:(i)抗体の特異的結合性を維持する;(ii)複合体または薬物部分の細胞内送達を可能にする;(iii)複合体が、その標的部位に送達されるまたは輸送されるまで、安定かつ未変化のままである、すなわち切断されない;ならびに(iv)PBD薬物部分の細胞毒性、細胞殺傷効果、または細胞分裂阻害効果を維持する。ADCの安定性は、標準的な分析技法、例えば、質量分析法、HPLC、及び分離/分析技法LC/MSなどにより測定可能である。
【0019】
式RelAの化合物の送達は、カテプシンなどの酵素が、リンカー基に、詳細にはバリン−アラニンジペプチド部分に作用することにより、式(I)の複合体の所望の活性化部位で達成される。
【0020】
定義
置換基
「任意選択で置換された」という用語は、本明細書中使用される場合、無置換の可能性も、置換されている可能性もある親基に関する。
【0021】
特に記載がない限り、「置換された」という用語は、本明細書中使用される場合、1つまたは複数の置換基を有する親基に関する。「置換基」という用語は、本明細書中、従来の意味で使用され、親基と共有結合した、または妥当であれば、親基と融合した化学部分を示す。多種多様な置換基が周知であり、それらの形成及び様々な親基への導入の方法も周知である。
【0022】
置換基の例を、以下でより詳細に説明する。
【0023】
C
1−12アルキル:「C
1−12アルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、1〜12個の炭素原子を有する炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分に関し、炭化水素化合物は、脂肪族でも脂環式でも可能であり、飽和でも不飽和でも可能である(例えば、部分不飽和、完全不飽和など)。「C
1−4アルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分に関し、炭化水素化合物は、脂肪族でも脂環式でも可能であり、飽和でも不飽和でも可能である(例えば、部分不飽和、完全不飽和など)。すなわち、「アルキル」という用語は、以下に説明される、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルなどのサブクラスを包含する。
【0024】
飽和アルキル基の例として、メチル(C
1)、エチル(C
2)、プロピル(C
3)、ブチル(C
4)、ペンチル(C
5)、ヘキシル(C
6)、及びヘプチル(C
7)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
飽和直鎖アルキル基の例として、メチル(C
1)、エチル(C
2)、n−プロピル(C
3)、n−ブチル(C
4)、n−ペンチル(アミル)(C
5)、n−ヘキシル(C
6)、及びn−ヘプチル(C
7)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
飽和分岐鎖アルキル基の例として、イソプロピル(C
3)、イソブチル(C
4)、sec−ブチル(C
4)、tert−ブチル(C
4)、イソペンチル(C
5)、及びネオペンチル(C
5)が挙げられる。
【0027】
C
2−12アルケニル:「C
2−12アルケニル」という用語は、本明細書中使用される場合、1つまたは複数の炭素炭素二重結合を有するアルキル基に関する。
【0028】
不飽和アルケニル基の例として、エテニル(ビニル、−CH=CH
2)、1−プロペニル(−CH=CH−CH
3)、2−プロペニル(アリル、−CH−CH=CH
2)、イソプロペニル(1−メチルビニル、−C(CH
3)=CH
2)、ブテニル(C
4)、ペンテニル(C
5)、及びヘキセニル(C
6)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
C
2−12アルキニル:「C
2−12アルキニル」という用語は、本明細書中使用される場合、1つまたは複数の炭素炭素三重結合を有するアルキル基に関する。
【0030】
不飽和アルキニル基の例としてエチニル(−C≡CH)及び2−プロピニル(プロパルギル、−CH
2−C≡CH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
C
3−12シクロアルキル:「C
3−12シクロアルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、シクリル基でもあるアルキル基に関する;すなわち、環状炭化水素(炭素環式)化合物の脂環式環原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分であり、この部分は、3〜7個の環原子を含む3〜7個の炭素原子を有する。
【0032】
シクロアルキル基の例として、以下に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない:
飽和単環式炭化水素化合物:
シクロプロパン(C
3)、シクロブタン(C
4)、シクロペンタン(C
5)、シクロヘキサン(C
6)、シクロヘプタン(C
7)、メチルシクロプロパン(C
4)、ジメチルシクロプロパン(C
5)、メチルシクロブタン(C
5)、ジメチルシクロブタン(C
6)、メチルシクロペンタン(C
6)、ジメチルシクロペンタン(C
7)、及びメチルシクロヘキサン(C
7);
不飽和単環式炭化水素化合物:
シクロプロペン(C
3)、シクロブテン(C
4)、シクロペンテン(C
5)、シクロヘキセン(C
6)、メチルシクロプロペン(C
4)、ジメチルシクロプロペン(C
5)、メチルシクロブテン(C
5)、ジメチルシクロブテン(C
6)、メチルシクロペンテン(C
6)、ジメチルシクロペンテン(C
7)、及びメチルシクロヘキセン(C
7);ならびに
飽和多環式炭化水素化合物:
ノルカラン(C
7)、ノルピナン(C
7)、ノルボルナン(C
7)。
【0033】
C
3−20ヘテロシクリル:「C
3−20ヘテロシクリル」という用語は、本明細書中使用される場合、複素環化合物の環原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分に関し、この部分は、3〜20個の環原子を有し、そのうちの1〜10個は、環ヘテロ原子である。好ましくは、各環は、3〜7個の環原子を有し、そのうちの1〜4個は、環ヘテロ原子である。
【0034】
この文脈において、接頭語(例えば、C
3−20、C
3−7、C
5−6、など)は、炭素原子であるかヘテロ原子であるかに関わらず、環原子の個数または環原子の個数範囲を示す。例えば、「C
5−6ヘテロシクリル」という用語は、本明細書中使用される場合、5〜6個の環原子を有するヘテロシクリル基に関する。
【0035】
単環式ヘテロシクリル基の例として、以下に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない:
N
1:アジリジン(C
3)、アゼチジン(C
4)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)(C
5)、ピロリン(例えば、3−ピロリン、2,5−ジヒドロピロール)(C
5)、2H−ピロールまたは3H−ピロール(イソピロール、イソアゾール)(C
5)、ピペリジン(C
6)、ジヒドロピリジン(C
6)、テトラヒドロピリジン(C
6)、アゼピン(C
7)、
O
1:オキシラン(C
3)、オキセタン(C
4)、オキソラン(テトラヒドロフラン)(C
5)、オキソール(ジヒドロフラン)(C
5)、オキサン(テトラヒドロピラン)(C
6)、ジヒドロピラン(C
6)、ピラン(C
6)、オキセピン(C
7)、
S
1:チイラン(C
3)、チエタン(C
4)、チオラン(テトラヒドロチオフェン)(C
5)、チアン(テトラヒドロチオピラン)(C
6)、チエパン(C
7)、
O
2:ジオキソラン(C
5)、ジオキサン(C
6)、及びジオキセパン(C
7)、
O
3:トリオキサン(C
6)、
N
2:イミダゾリジン(C
5)、ピラゾリシン(ジアゾリジン)(C
5)、イミダゾリン(C
5)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)(C
5)、ピペラジン(C
6)、
N
1O
1:テトラヒドロオキサゾール(C
5)、ジヒドロオキサゾール(C
5)、テトラヒドロイソオキサゾール(C
5)、ジヒドロイソオキサゾール(C
5)、モルホリン(C
6)、テトラヒドロオキサジン(C
6)、ジヒドロオキサジン(C
6)、オキサジン(C
6)、
N
1S
1:チアゾリン(C
5)、チアゾリジン(C
5)、チオモルホリン(C
6)、
N
2O
1:オキサジアジン(C
6)、
O
1S
1:オキサチオール(C
5)及びオキサチアン(チオキサン)(C
6)、ならびに、
N
1O
1S
1:オキサチアジン(C
6)。
【0036】
置換単環式ヘテロシクリル基の例として、環形状の単糖類、例えば、フラノース(C
5)、例えば、アラビノフラノース、リキソフラノース、リボフラノース、及びキシロフラノース、ならびにピラノース(C
6)、例えば、アロピラノース、アルトロピラノース、グルコピラノース、マンノピラノース、グロピラノース、イドピラノース、ガラクトピラノース、及びタロピラノースに由来するものが挙げられる。
【0037】
C
5−20アリール:「C
5−20アリール」という用語は、本明細書中使用される場合、芳香族化合物の、芳香環原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分に関し、この部分は、3〜20個の環原子を有する。「C
5−7アリール」という用語は、本明細書中使用される場合、芳香族化合物の、芳香環原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分に関し、この部分は、5〜7個の環原子を有する。「C
5−10アリール」という用語は、本明細書中使用される場合、芳香族化合物の、芳香環原子から水素原子を外すことにより得られる、一価部分に関し、この部分は、5〜10個の環原子を有する。好ましくは、各環は、5〜7個の環原子を有する。
【0038】
この文脈において、接頭語(例えば、C
3−20、C
5−7、C
5−6、C
5−10、など)は、炭素原子であるかヘテロ原子であるかに関わらず、環原子の個数または環原子の個数範囲を示す。例えば、「C
5−6アリール」という用語は、本明細書中使用される場合、5〜6個の環原子を有するアリール基に関する。
【0039】
環原子は、「カルボアリール基」でそうであるように、全て炭素原子であることが可能である。
カルボアリール基の例として、ベンゼン(すなわち、フェニル)(C
6)、ナフタレン(C
10)、アズレン(C
10)、アントラセン(C
14)、フェナントレン(C
14)、ナフタセン(C
18)、及びピレン(C
16)に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
縮合環を含み、そのうち少なくとも1つが芳香環であるアリール基の例として、インダン(例えば、2,3−ジヒドロ−1H−インデン)(C
9)、インデン(C
9)、イソインデン(C
9)、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(C
10)、アセナフテン(C
12)、フルオレン(C
13)、フェナレン(C
13)、アセフェナントレン(C
15)、及びアセアントレン(C
16)に由来する基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
あるいは、環原子は、「ヘテロアリール基」でそうであるように、1つまたは複数のヘテロ原子を含むことが可能である。単環式ヘテロアリール基の例として、以下に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない:
N
1:ピロール(アゾール)(C
5)、ピリジン(アジン)(C
6)、
O
1:フラン(オキソール)(C
5)、
S
1:チオフェン(チオール)(C
5)、
N
1O
1:オキサゾール(C
5)、イソオキサゾール(C
5)、イソオキサジン(C
6)、
N
2O
1:オキサジアゾール(フラザン)(C
5)、
N
3O
1:オキサトリアゾール(C
5)、
N
1S
1:チアゾール(C
5)、イソチアゾール(C
5)、
N
2:イミダゾール(1,3−ジアゾール)(C
5)、ピラゾール(1,2−ジアゾール)(C
5)、ピリダジン(1,2−ジアジン)(C
6)、ピリミジン(1,3−ジアジン)(C
6)(例えば、シトシン、チミン、ウラシル)、ピラジン(1,4−ジアジン)(C
6)、
N
3:トリアゾール(C
5)、トリアジン(C
6)、及び、
N
4:テトラゾール(C
5)。
【0042】
縮合環を含むヘテロアリールの例として、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
C
9(2つの縮合環を含む)として、ベンゾフラン(O
1)、イソベンゾフラン(O
1)、インドール(N
1)、イソインドール(N
1)、インドリジン(N
1)、インドリン(N
1)、イソインドリン(N
1)、プリン(N
4)(例えば、アデニン、グアニン)、ベンズイミダゾール(N
2)、インダゾール(N
2)、ベンゾオキサゾール(N
1O
1)、ベンゾイソオキサゾール(N
1O
1)、ベンゾジオキソール(O
2)、ベンゾフラザン(N
2O
1)、ベンゾトリアゾール(N
3)、ベンゾチオフラン(S
1)、ベンゾチアゾール(N
1S
1)、ベンゾチアジアゾール(N
2S)に由来するもの;
C
10(2つの縮合環を含む)として、クロメン(O
1)、イソクロメン(O
1)、クロマン(O
1)、イソクロマン(O
1)、ベンゾジオキサン(O
2)、キノリン(N
1)、イソキノリン(N
1)、キノリジン(N
1)、ベンゾオキサジン(N
1O
1)、ベンゾジアジン(N
2)、ピリドピリジン(N
2)、キノキサリン(N
2)、キナゾリン(N
2)、シンノリン(N
2)、フタラジン(N
2)、ナフチリジン(N
2)、プテリジン(N
4)に由来するもの;
C
11(2つの縮合環を含む)として、ベンゾジアゼピン(N
2)に由来するもの;
C
13(3つの縮合環を含む)として、カルバゾール(N
1)、ジベンゾフラン(O
1)、ジベンゾチオフェン(S
1)、カルボリン(N
2)、ペリミジン(N
2)、ピリドインドール(N
2)に由来するもの;ならびに
C
14(3つの縮合環を含む)として、アクリジン(N
1)、キサンテン(O
1)、チオキサンテン(S
1)、オキサントレン(O
2)、フェノキサチイン(O
1S
1)、フェナジン(N
2)、フェノキサジン(N
1O
1)、フェノチアジン(N
1S
1)、チアントレン(S
2)、フェナントリジン(N
1)、フェナントロリン(N
2)、フェナジン(N
2)に由来するもの。
【0043】
上記の基は、単独であるか別の置換基の一部であるかに関わらず、それら自身を、それら自身及び以下に列挙されるさらなる置換基から選択される1つまたは複数の基で、任意選択で置換することが可能である。
【0044】
ハロ:−F、−Cl、−Br、及び−I。
【0046】
エーテル:−OR、式中、Rは、エーテル置換基、例えば、C
1−7アルキル基(C
1−7アルコキシ基、とも称する、以下で説明)、C
3−20ヘテロシクリル基(C
3−20ヘテロシクリルオキシ基とも称する)、またはC
5−20アリール基(C
5−20アリールオキシ基とも称する)、好ましくはC
1−7アルキル基である。
【0047】
アルコキシ:−OR、式中、Rは、アルキル基、例えば、C
1−7アルキル基である。C
1−7アルコキシ基の例として、−OMe(メトキシ)、−OEt(エトキシ)、−O(nPr)(n−プロポキシ)、−O(iPr)(イソプロポキシ)、−O(nBu)(n−ブトキシ)、−O(sBu)(sec−ブトキシ)、−O(iBu)(イソブトキシ)、及び−O(tBu)(tert−ブトキシ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
カルボキシ(カルボン酸):−C(=O)OH。
【0049】
エステル(カルボキシラート、カルボン酸エステル、オキシカルボニル):−C(=O)OR、式中、Rは、エステル置換基、例えば、C
1−7アルキル基、C
3−20ヘテロシクリル基、またはC
5−20アリール基、好ましくは、C
1−7アルキル基である。エステル基の例として、−C(=O)OCH
3、−C(=O)OCH
2CH
3、−C(=O)OC(CH
3)
3、及び−C(=O)OPhが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
アミノ:−NR
1R
2、式中、R
1及びR
2は、独立して、アミノ置換基、例えば、水素、C
1−7アルキル基(C
1−7アルキルアミノまたはジ−C
1−7アルキルアミノとも称する)、C
3−20ヘテロシクリル基、またはC
5−20アリール基、好ましくはHまたはC
1−7アルキル基であるか、あるいは、「環状」アミノ基の場合、R
1及びR
2は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、4〜8個の環原子を有する複素環を形成する。アミノ基は、第一級(−NH
2)、第二級(−NHR
1)、または第三級(−NHR
1R
2)が可能であり、カチオン形の場合、第四級(−
+NR
1R
2R
3)も可能である。アミノ基の例として、−NH
2、−NHCH
3、−NHC(CH
3)
2、−N(CH
3)
2、−N(CH
2CH
3)
2、及び−NHPhが挙げられるが、これらに限定されない。環状アミノ基の例として、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、及びチオモルホリノが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
アミド(カルバモイル、カルバミル、アミノカルボニル、カルボキサミド):−C(=O)NR
1R
2、式中、R
1及びR
2は、独立して、アミノ基について定義されるとおりのアミノ置換基である。アミド基の例として、−C(=O)NH
2、−C(=O)NHCH
3、−C(=O)N(CH
3)
2、−C(=O)NHCH
2CH
3、及び−C(=O)N(CH
2CH
3)
2、ならびにR
1及びR
2が、それらが結合した窒素原子と一緒になって複素環構造を形成しているアミド基、例えばピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、及びピペラジノカルボニルのような基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
シアノ(ニトリル、カルボニトリル):−CN。
【0055】
抗体
抗DLK1
1つの態様において、抗体は、DLK1に結合する抗体である。
【0056】
デルタ様1相同タンパク質(DLK−1)は、6つのタンデムEGF様反復配列、TACE(ADAM17)介在型切断部位を持つ膜近傍領域、膜貫通ドメイン、及び短い細胞内テールからなるEGF様膜結合タンパク質である。DLK−1は、胎児発生の間、強力に発現するが、その発現は、成人では、低下し、大幅に制限される。逆に言うと、DLK−1は、複数の腫瘍、例えば、神経芽細胞腫、肝細胞癌(HCC)、横紋筋肉腫、小細胞肺癌、骨髄異形成症候群、及び急性骨髄性白血病などで、再発現するようになる。興味深いことに、HCCでは、DLK−1は癌幹細胞、すなわち腫瘍の発生、増殖、転移、及び再発を担う細胞のサブ集団のマーカーであることが示されている。
【0057】
まとめると、DLK−1は、健康な臓器では発現が制限されているが広範囲の悪性腫瘍で発現するその選択性ならびにHCC癌幹細胞での発現に基づき、抗体薬物複合体(ADC)アプローチの魅力的な標的となっている。
【0058】
HuBa−1−3d
実施形態によっては、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。実施形態によっては、VHドメインは、さらに、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号1に記載の配列を有するVHドメインを含む。
【0059】
抗体は、さらに、VLドメインを含むことができる。実施形態によっては、抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。実施形態によっては、VLドメインは、さらに、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号2に記載の配列を有するVLドメインを含む。
【0060】
好適な実施形態において、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む。好ましくは、VHは、配列番号1の配列を含み、VLドメインは、配列番号2の配列を含む。
【0061】
VH及びVLドメイン(複数可)は、DLK1に結合する抗体抗原結合部位を形成するように、対形成することができる。
【0062】
実施形態によっては、抗体は、VHドメイン及びこれと対形成したVLドメインを含む無傷抗体であり、VHドメイン及びVLドメインは、配列番号1及びこれと対形成した配列番号2の配列を有する。
【0063】
実施形態によっては、抗体は、配列番号3の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号4の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号3の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号4の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0064】
実施形態によっては、抗体は、配列番号11の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号4の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号11の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号4の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0065】
1つの態様において、抗体は、本明細書中記載されるとおりの抗体を、以下に記載されるとおりに修飾したもの(またはさらに修飾したもの)である。実施形態によっては、抗体は、本明細書中記載される抗体のヒト化、脱免疫化または表面再構成(resurfaced)形態である。
【0066】
抗KAAG1
1つの態様において、抗体は、KAAG1に結合する抗体である。
【0067】
抗体3A4
実施形態によっては、抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。実施形態によっては、VHドメインは、さらに、配列番号106のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号105のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号105のアミノ酸配列を持つVH CDR1、配列番号106のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号107のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号101に記載の配列を有するVHドメインを含む。
【0068】
抗体は、さらに、VLドメインを含むことができる。実施形態によっては、抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。実施形態によっては、VLドメインは、さらに、配列番号109のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号108のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号108のアミノ酸配列を持つVL CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号110のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号102、配列番号113、または配列番号115に記載の配列を有するVLドメインを含む。
【0069】
好適な実施形態において、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む。好ましくは、VHは、配列番号101の配列を含み、VLドメインは、配列番号102、配列番号113、または配列番号115の配列を含む。
【0070】
VH及びVLドメイン(複数可)は、KAAG1に結合する抗体抗原結合部位を形成するように、対形成することができる。
【0071】
実施形態によっては、抗体は、VHドメイン及びこれと対形成したVLドメインを含む無傷抗体であり、VHドメイン及びVLドメインは、配列番号101及びこれと対形成した配列番号102、配列番号113、または配列番号115の配列を有する。
【0072】
実施形態によっては、抗体は、配列番号103の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号104、配列番号114、または配列番号116の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号103の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した、配列番号104、配列番号114、または配列番号116の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0073】
実施形態によっては、抗体は、配列番号111の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号104、配列番号114、または配列番号116の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号111の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した、配列番号104、配列番号114、または配列番号116の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0074】
1つの態様において、抗体は、本明細書中記載される抗体を、以下に記載されるとおりに修飾したもの(またはさらに修飾したもの)である。実施形態によっては、抗体は、本明細書中記載される抗体のヒト化、脱免疫化または表面再構成形態である。
【0075】
抗メソテリン
1つの態様において、抗体は、メソテリンに結合する抗体である。
【0076】
ADCT−XA4
実施形態によっては、抗体は、配列番号207のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。実施形態によっては、VHドメインは、さらに、配列番号206のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号205のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号205のアミノ酸配列を持つVH CDR1、配列番号206のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号207のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号201に記載の配列を有するVHドメインを含む。
【0077】
抗体は、さらに、VLドメインを含むことができる。実施形態によっては、抗体は、配列番号210のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。実施形態によっては、VLドメインは、さらに、配列番号209のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号208のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号208のアミノ酸配列を持つVL CDR1、配列番号209のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号210のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号202に記載の配列を有するVLドメインを含む。
【0078】
好適な実施形態において、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む。好ましくは、VHは、配列番号201の配列を含み、VLドメインは、配列番号202の配列を含む。
【0079】
VH及びVLドメイン(複数可)は、メソテリンに結合する抗体抗原結合部位を形成するように、対形成することができる。
【0080】
実施形態によっては、抗体は、VHドメイン及びこれと対形成したVLドメインを含む無傷抗体であり、VHドメイン及びVLドメインは、配列番号201及びこれと対形成した配列番号202の配列を有する。
【0081】
実施形態によっては、抗体は、配列番号203の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号204の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号203の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号204の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0082】
実施形態によっては、抗体は、配列番号211の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号204の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号211の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号204の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0083】
ADCT−XFT
実施形態によっては、抗体は、配列番号218のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。実施形態によっては、VHドメインは、さらに、配列番号217のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号216のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号216のアミノ酸配列を持つVH CDR1、配列番号217のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号218のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号212に記載の配列を有するVHドメインを含む。
【0084】
抗体は、さらに、VLドメインを含むことができる。実施形態によっては、抗体は、配列番号221のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。実施形態によっては、VLドメインは、さらに、配列番号220のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号219のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号219のアミノ酸配列を持つVL CDR1、配列番号220のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号221のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号213に記載の配列を有するVLドメインを含む。
【0085】
好適な実施形態において、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む。好ましくは、VHは、配列番号212の配列を含み、VLドメインは、配列番号213の配列を含む。
【0086】
VH及びVLドメイン(複数可)は、メソテリンに結合する抗体抗原結合部位を形成するように、対形成することができる。
【0087】
実施形態によっては、抗体は、VHドメイン及びこれと対形成したVLドメインを含む無傷抗体であり、VHドメイン及びVLドメインは、配列番号212及びこれと対形成した配列番号213の配列を有する。
【0088】
実施形態によっては、抗体は、配列番号214の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号215の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号214の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号215の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0089】
実施形態によっては、抗体は、配列番号222の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号215の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号222の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号215の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0090】
ADCT−X09
実施形態によっては、抗体は、配列番号229のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。実施形態によっては、VHドメインは、さらに、配列番号228のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号227のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号227のアミノ酸配列を持つVH CDR1、配列番号228のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号229のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号223に記載の配列を有するVHドメインを含む。
【0091】
抗体は、さらに、VLドメインを含むことができる。実施形態によっては、抗体は、配列番号232のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。実施形態によっては、VLドメインは、さらに、配列番号231のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号230のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号230のアミノ酸配列を持つVL CDR1、配列番号231のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号232のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号224に記載の配列を有するVLドメインを含む。
【0092】
好適な実施形態において、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む。好ましくは、VHは、配列番号223の配列を含み、VLドメインは、配列番号224の配列を含む。
【0093】
VH及びVLドメイン(複数可)は、メソテリンに結合する抗体抗原結合部位を形成するように、対形成することができる。
【0094】
実施形態によっては、抗体は、VHドメイン及びこれと対形成したVLドメインを含む無傷抗体であり、VHドメイン及びVLドメインは、配列番号223及びこれと対形成した配列番号224の配列を有する。
【0095】
実施形態によっては、抗体は、配列番号225の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号226の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号225の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号226の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0096】
実施形態によっては、抗体は、配列番号233の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号226の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号233の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号226の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0097】
ADCT−X09.2
実施形態によっては、抗体は、配列番号240のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。実施形態によっては、VHドメインは、さらに、配列番号239のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号238のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号238のアミノ酸配列を持つVH CDR1、配列番号239のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号240のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号234に記載の配列を有するVHドメインを含む。
【0098】
抗体は、さらに、VLドメインを含むことができる。実施形態によっては、抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。実施形態によっては、VLドメインは、さらに、配列番号242のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号241のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含む。実施形態によっては、抗体は、配列番号241のアミノ酸配列を持つVL CDR1、配列番号242のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号243のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む。好適な実施形態において、抗体は、配列番号235に記載の配列を有するVLドメインを含む。
【0099】
好適な実施形態において、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む。好ましくは、VHは、配列番号234の配列を含み、VLドメインは、配列番号235の配列を含む。
【0100】
VH及びVLドメイン(複数可)は、メソテリンに結合する抗体抗原結合部位を形成するように、対形成することができる。
【0101】
実施形態によっては、抗体は、VHドメイン及びこれと対形成したVLドメインを含む無傷抗体であり、VHドメイン及びVLドメインは、配列番号234及びこれと対形成した配列番号235の配列を有する。
【0102】
実施形態によっては、抗体は、配列番号236の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号237の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号236の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号237の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0103】
実施形態によっては、抗体は、配列番号244の配列を有する重鎖及びこれと対形成した配列番号237の配列を有する軽鎖を含む。実施形態によっては、抗体は、2つの配列番号244の配列を有する重鎖、及びそれぞれと対形成した配列番号237の配列を有する軽鎖を含む、無傷抗体である。
【0104】
用語
「抗体」という用語は、本明細書中、最も広義の意味で用いられ、具体的には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、無傷抗体、及び抗体断片を包含するが、ただし、それらが所望の生物活性を示す、例えば、DLK1、KAAG1、またはメソテリンに結合する能力を持つ限りにおいてである。抗体は、マウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、または他の種由来抗体が可能である。抗体とは、免疫系により産生される、特定の抗原を認識してそれに結合することができるタンパク質である。(Janeway, C., Travers, P., Walport, M., Shlomchik (2001) Immuno Biology, 5th Ed., Garland Publishing, New York)。標的抗原は、一般に、複数の抗体のCDRで認識される多数の結合部位(エピトープとも呼ばれる)を有する。異なるエピトープに特異的に結合する抗体は、それぞれ異なる構造を有する。すなわち、1つの抗原は、1つより多い対応する抗体を有する可能性がある。抗体として、全長免疫グロブリン分子または全長免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、すなわち、関心対象の標的の抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位またはその一部分を有する分子が挙げられ、そのような標的として、がん細胞または自己免疫疾患に関連した自己免疫抗体を産生する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。免疫グロブリンは、任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、またはサブクラス、あるいはアロタイプ(例えば、ヒトG1m1、G1m2、G1m3、非G1m1[これは、G1m1以外の任意のアロタイプである]、G1m17、G2m23、G3m21、G3m28、G3m11、G3m5、G3m13、G3m14、G3m10、G3m15、G3m16、G3m6、G3m24、G3m26、G3m27、A2m1、A2m2、Km1、Km2、及びKm3)の免疫グロブリン分子が可能である。免疫グロブリンは、任意の種由来のものが可能であり、ヒト、マウス、またはウサギ起原が挙げられる。
【0105】
本明細書中使用される場合、「DLK1に結合する」は、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受入番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日時:Jan 7, 2011 02:30PM)などの非特異的パートナーに対してよりも高い親和性でDLK1に結合する抗体を意味するのに使用される。実施形態によっては、抗体は、生理的条件で測定した場合に、抗体のBSAに対する結合定数(K
a)より少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10
4、10
5、または10
6倍高い結合定数でDLK1に結合する。本発明の抗体は、高い親和性でDLK1に結合することができる。例えば、実施形態によっては、抗体は、約10
−6M以下、例えば、1×10
−6、10
−7、10
−8、10
−9、10
−10、10
−11、10
−12、10
−13、または10
−14のK
DでDLK1に結合することができる。
【0106】
DLK1は、ホメオティックタンパク質のEGF様ファミリーの一員である。実施形態によっては、DLK1ポリペプチドは、Genbank受入番号CAA78163、バージョン番号CAA78163.1、記録更新日時:Feb 2, 2011 10:34AM(配列番号12)に該当する。1つの実施形態において、DLK1ポリペプチドをコードする核酸は、Genbank受入番号Z12172、バージョン番号Z12172.1、記録更新日時:Feb 2, 2011 10:34AMに該当する。実施形態によっては、DLK1ポリペプチドは、配列番号13の配列を有する。
【0107】
本明細書中使用される場合、「KAAG1に結合する」は、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受入番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日時:Jan 7, 2011 02:30PM)などの非特異的パートナーに対してよりも高い親和性でKAAG1に結合する抗体を意味するのに使用される。実施形態によっては、抗体は、生理的条件で測定した場合に、抗体のBSAに対する結合定数(K
a)より少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10
4、10
5、または10
6倍高い結合定数でKAAG1に結合する。本発明の抗体は、高い親和性でKAAG1に結合することができる。例えば、実施形態によっては、抗体は、約10
−6M以下、例えば、1×10
−6、10
−7、10
−8、10
−9、10
−10、10
−11、10
−12、10
−13、または10
−14のK
DでKAAG1に結合することができる。
【0108】
KAAG1(腎臓関連抗原(Kidney associated antigen)1)は、精巣及び腎臓で発現し、またそれより低いレベルで、膀胱及び肝臓で発現する。KAAG1は、高い比率で様々な組織起源の腫瘍により発現し、そのような腫瘍として、黒色腫、肉腫、及び結腸直腸癌が挙げられる。実施形態によっては、KAAG1ポリペプチドは、Genbank受入番号AAF23613、バージョン番号AAF23613.1に該当する。1つの実施形態において、KAAG1ポリペプチドをコードする核酸は、Genbank受入番号AF181722、バージョン番号AF181722.1に該当する。実施形態によっては、KAAG1ポリペプチドは、配列番号112の配列を有する。
【0109】
本明細書中使用される場合、「メソテリンに結合する」は、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受入番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日時:Jan 7, 2011 02:30PM)などの非特異的パートナーに対してよりも高い親和性でメソテリンに結合する抗体を意味するのに使用される。実施形態によっては、抗体は、生理的条件で測定した場合に、抗体のBSAに対する結合定数(K
a)より少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10
4、10
5、または10
6倍高い結合定数でメソテリンに結合する。本発明の抗体は、高い親和性でメソテリンに結合することができる。例えば、実施形態によっては、抗体は、約10
−6M以下、例えば、1×10
−6、10
−7、10
−8、10
−9、10
−10、10
−11、10
−12、10
−13、または10
−14のK
Dでメソテリンに結合することができる。
【0110】
メソテリンは、正常な中皮細胞に存在する40kDaのタンパク質である。メソテリン遺伝子は、前駆体タンパク質をコードし、前駆体タンパク質がプロセシングされて、グリコホスファチジルイノシトール結合により細胞膜と結合するメソテリン、及び巨核球増強因子(MPF)と呼ばれる31kDaの脱落断片をもたらす。メソテリンは、細胞接着に関与している可能性が提唱されている。実施形態によっては、メソテリンポリペプチドは、Genbank受入番号AAC50348、バージョン番号AAC50348.1、記録更新日時:Jun 23, 2010 09:12AMに該当する。1つの実施形態において、メソテリンポリペプチドをコードする核酸は、Genbank受入番号U40434、バージョン番号U40434.1、記録更新日時:Jun 23, 2010 09:12AMに該当する。実施形態によっては、メソテリンポリペプチドは、配列番号245の配列を有する。実施形態によっては、メソテリンポリペプチドは、配列番号246の配列を有する。
【0111】
「抗体断片」は、全長抗体の一部分、一般には全長抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)
2、及びscFv断片;二重特異性抗体;線状抗体;Fab発現ライブラリーにより産生される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及び上記のもののいずれかの、がん細胞抗原、ウイルス抗原、または微生物抗原に免疫特異的に結合するエピトープ結合断片、単鎖抗体分子;ならびに、抗体断片から形成される多特異性抗体が挙げられる。
【0112】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書中使用される場合、実質的に同種の抗体の集団、すなわち集団を構成する個々の抗体が、自然発生する可能性のある変異を除いて同一であり、そのような変異が存在したとしても少数である集団から得られる抗体を示す。モノクローナル抗体は、特異性が高く、単独の抗原部位に向けられている。そのうえさらに、ポリクローナル抗体製剤が、異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を含むのとは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原の単独の決定基に向けられている。モノクローナル抗体は、その特異性に加えて、他の抗体が混入することなく合成できるという利点を有する。「モノクローナル」という修飾語は、抗体が、実質的に同種の抗体集団から得られたものであるという特徴を示すものであって、抗体の産生が何か特定の方法による必要があることを意図しない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler et al (1975) Nature 256:495に初めて記載されたハイブリドーマ方法により作製することも可能であるし、組換えDNA法(US4816567を参照)により作製することも可能である。モノクローナル抗体は、また、Clackson et al. (1991) Nature, 352:624−628;Marks et al. (1991) J. Mol. Biol., 222:581−597に記載された技法を用いてファージ抗体ライブラリーから単離することも可能であるし、完全ヒト免疫グロブリン系を保有する遺伝子導入マウスから単離することも可能である(Lonberg (2008) Curr. Opinion 20(4):450−459)。
【0113】
本明細書中のモノクローナル抗体として、具体的には「キメラ」抗体が挙げられる。「キメラ」抗体では、所望の生物活性を示す限りにおいて、重鎖及び/または軽鎖の一部分が、特定種由来の抗体、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の相当する配列と同一または相同であるが、鎖(複数可)の残りの部分は、別の種由来の抗体、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、ならびにそのような抗体の断片の相当する配列と同一または相同である(US4816567;及びMorrison et al (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA,81:6851−6855)。キメラ抗体として、「霊長類化」抗体が挙げられ、この抗体は、非ヒト霊長類(例えば旧世界ザルまたは類人猿)に由来する可変ドメイン抗原結合配列及びヒトの定常部配列を含む。
【0114】
「無傷抗体」は、本明細書中、VLドメイン及びVHドメイン、ならびに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメイン、CH1、CH2、及びCH3を含む抗体である。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えばヒト天然配列定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列変異型が可能である。無傷抗体は、1つ以上の「エフェクター機能」を有することができ、エフェクター機能とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列変異型Fc領域)に起因する生物学的活性を示す。抗体エフェクター機能の例として、C1q結合;補体依存性細胞毒性;Fc受容体結合;抗体依存性細胞傷害(ADCC);食作用;ならびにB細胞受容体及びBCRなど細胞表面受容体の下方制御が挙げられる。
【0115】
無傷抗体は、その抗体の重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に従って、異なる「クラス」に割り振ることができる。無傷抗体には、5つの主要クラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのクラスのいくつかは、さらに「サブクラス」(アイソタイプ)に分割することができる(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2)。異なる抗体クラスにそれぞれ応じた重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。それぞれのクラスの免疫グロブリンについてのサブユニット構造及び三次元立体配置は、周知である。
【0116】
抗体の修飾
本明細書中開示される抗体は、修飾可能である。例えば、ヒト対象に対するそれらの免疫原性を低下させるためである。修飾は、当業者によく知られた多数の技法のいずれかを用いて達成可能である。そのような技法のいくつかを、以下でより詳細に説明する。
【0117】
ヒト化
非ヒト抗体または抗体断片のin vivo免疫原性を低下させる技法として、「ヒト化」と呼ばれるものが挙げられる。
【0118】
「ヒト化抗体」は、ヒト抗体の修飾された可変領域の少なくとも一部分を含むポリペプチドを示し、この可変領域の一部分、好ましくは無傷ヒト可変ドメインより実質的に小さい一部分が、非ヒト種由来の相当する配列で置換されており、かつこの修飾された可変領域は、別のタンパク質の少なくとも別の部分、好ましくはヒト抗体の定常部と連結している。「ヒト化抗体」という表現は、1つまたは複数の相補性決定領域(「CDR」)アミノ酸残基及び/または1つまたは複数のフレームワーク領域(「FW」または「FR」)アミノ酸残基が齧歯類または他の非ヒト抗体の類似部位由来アミノ酸残基で置換されているヒト抗体を含む。「ヒト化抗体」という表現は、実質的にヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有するFR及び実質的に非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有するCDRを含む免疫グロブリンアミノ酸配列変異型またはその断片も含む。
【0119】
「ヒト化」型の非ヒト(例えば、マウス)抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含有するキメラ抗体である。すなわち、見方を変えると、ヒト化抗体とは、ヒト配列の代わりに非ヒト(例えばマウス)抗体から選択された配列も含有するヒト抗体である。ヒト化抗体は、保存的アミノ酸置換、すなわち抗体の結合及び/または生物学的活性を大きく変えることのない同種または異なる種由来の非天然の残基を含むことができる。そのような抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含有するキメラ抗体である。
【0120】
様々なヒト化技法が存在し、そのような技法として、「CDRグラフト法」、「選択誘導法」、「脱免疫化」、「表面再構成(resurfacing)(「ベニヤ修飾(veneering)」としても知られる)」、「複合抗体」、「ヒトストリング含有量最適化(Human String Content Optimisation)」、及びフレームワーク混合が挙げられる。
【0121】
CDRグラフト法
この技法では、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)の相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の性質を有する、マウス、ラット、ラクダ、ウシ、ヤギ、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDR由来の残基で置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である(実際には、非ヒトCDRが、ヒトフレームワークに「移植」されている)。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、相当する非ヒト残基で置換されている(これは、例えば、特定のFR残基が抗原結合に対して大きな効果を有する場合などにそうなる可能性がある)。
【0122】
そのうえさらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、導入されるCDRまたはフレームワーク配列にも見られない残基を含むことができる。こうした修飾を行うことで、抗体の性能をさらに洗練させて最大化することができる。したがって、一般に、ヒト化抗体は、全てまたは全ての超可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに相当し、及び全てまたは実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリン配列のものである可変領域を、全部で少なくとも1つ、及び1つの態様において2つ含むことになる。ヒト化抗体はまた、随意に、ヒト免疫グロブリンの、免疫グロブリン定常部(Fc)の少なくとも一部分または全部を含むことができる。
【0123】
選択誘導法
この方法は、特定のエピトープに対して特異的な所定の非ヒト抗体のV
HまたはV
LドメインをヒトV
HまたはV
Lライブラリーと組み合わせることからなり、特異的ヒトVドメインは、関心対象の抗原に対して選択される。次いで、この選択されたヒトVHを、VLライブラリーと組み合わせて、完全なヒトVH×VLの組み合わせを作成する。この方法は、Nature Biotechnology (N.Y.) 12, (1994) 899−903に記載されている。
【0124】
複合抗体
この方法では、ヒト抗体由来のアミノ酸配列の2つ以上のセグメントを、最終抗体分子内にひとまとめにする。最終抗体分子は、複数のヒトVH及びVL配列セグメントを、ヒトT細胞エピトープを制限または回避する組み合わせで、最終複合抗体V領域内にひとまとめにすることにより、構築される。必要な場合は、T細胞エピトープに寄与するまたはこれをコードするV領域セグメントを、T細胞エピトープを回避する代替セグメントに交換することにより、T細胞エピトープを制限または回避する。この方法は、US 2008/0206239 A1に記載される。
【0125】
脱免疫化
この方法は、ヒト(または他の二次種)T細胞エピトープを、治療用抗体(または他の分子)のV領域から除去することを含む。治療用抗体V領域配列を、例えば、MHC結合モチーフのデータベース(www.wehi.edu.auがホストである「モチーフ」データベースなど)と比較することで、MHCクラスII結合モチーフの存在について分析する。あるいは、MHCクラスII結合モチーフは、Altuviaらにより記載される方法(J. Mol. Biol. 249 244−250 (1995))などのコンピューターによるスレッド化法を用いて同定することができる。これらの方法では、V領域配列由来の連続重複ペプチドを、それらのMHCクラスIIタンパク質との結合エネルギーについて試験する。次いで、このデータを、連続して存在するペプチドと関連する他の配列特性についての情報(両親媒性、ロスバードモチーフ(Rothbard motif)、ならびにカテプシンB及び他のプロセシング酵素による切断部位など)とまとめることができる。
【0126】
いったん可能性のある二次種(例えば、ヒト)T細胞エピトープが同定されたら、1つまたは複数のアミノ酸を変更することで、それらを除去する。修飾されるアミノ酸は、通常、T細胞エピトープ自身内にあるが、タンパク質の一次または二次構造に関してエピトープと隣接するものの場合もある(したがって、一次構造では隣接していない場合がある)。最も典型的には、変更は、置換によるものであるが、状況によっては、アミノ酸の付加または削除の方が適切なこともある。
【0127】
全ての変更は、組換えDNA技法により達成することができ、そのため、十分に確立された方法(部位特異的突然変異誘発など)を用いて組換え宿主で発現させることにより、最終分子を調製することができる。しかしながら、タンパク質化学反応または任意の他の分子変更手段の利用も可能である。
【0128】
表面再構成
この方法は、以下を含む:
(a)非ヒト(例えば、齧歯類)抗体(またはその断片)の可変領域の三次元モデルを構築することにより、非ヒト抗体可変領域の高次立体構造を決定する;
(b)十分な数の非ヒト及びヒト抗体の可変領域重鎖及び軽鎖でのX線結晶構造解析に基づく構造から、相対的到達性分布を用いて、配列アラインメントを作成して、アラインメント位置が、十分な数の非ヒト抗体重鎖及び軽鎖の98%において同一である、重鎖及び軽鎖のフレームワーク位置の組を得る;
(c)工程(b)で作成したフレームワーク位置の組を用いて、ヒト化しようとする非ヒト抗体について、重鎖及び軽鎖の表面露出アミノ酸残基の組を定義する;
(d)ヒト抗体アミノ酸配列から、工程(c)で定義した表面露出アミノ酸残基の組との相同性が最も高い重鎖及び軽鎖の表面露出アミノ酸残基の組を同定するが、このヒト抗体由来の重鎖及び軽鎖は、天然に対形成するかどうかは問わない;
(e)ヒト化しようとする非ヒト抗体のアミノ酸配列において、工程(c)で定義した重鎖及び軽鎖の表面露出アミノ酸残基の組を、工程(d)で同定した重鎖及び軽鎖の表面露出アミノ酸残基の組と置換する;
(f)工程(e)で指定される置換から得られる非ヒト抗体の可変領域の三次元モデルを構築する;
(g)工程(a)及び工程(f)で構築した三次元モデルを比較することにより、ヒト化しようとする非ヒト抗体の相補性決定領域のいずれかの残基のいずれかの原子から5オングストローム内にあるいずれかのアミノ酸残基を、工程(c)または工程(d)で同定した組から同定する;ならびに
(h)工程(g)で同定したいずれかの残基を、ヒトアミノ酸残基から元々の非ヒトアミノ酸残基に交換し、それにより、表面露出アミノ酸残基の非ヒト抗体ヒト化の組を確定させる;ただし、工程(a)は、必ずしも最初に行う必要はないが、工程(g)の前に行わなければならない。
【0129】
超ヒト化
この方法は、非ヒト配列を、機能的ヒト生殖系列遺伝子レパートリーと比較する。これらのヒト遺伝子の中から、非ヒト配列と同一または密接に関連する標準構造をコードするものを選択する。選択したこれらのヒト遺伝子の中から、CDR内で最も高い相同性を持つものをFRドナーとして選択する。最後に、非ヒトCDRをこれらのヒトFRに移植する。この方法は、WO 2005/079479 A2に記載されている。
【0130】
ヒトストリング含有量最適化
この方法は、非ヒト(例えば、マウス)配列を、ヒト生殖系列遺伝子のレパートリーと比較し、差異を、ヒトストリング含有量(HSC)として点数付けする。HSCは、潜在的MHC/T細胞エピトープのレベルで配列を定量する。次いで、標的配列を、全体的な相同性尺度を用いるのではなく、標的配列のHSCを最大にするようにヒト化することで、複数の多様なヒト化変異型を作成する(Molecular Immunology, 44, (2007) 1986−1998に記載されている)。
【0131】
フレームワーク混合
非ヒト抗体のCDRを、全てが既知の重鎖及び軽鎖ヒト生殖系列遺伝子フレームワークを包含するcDNAプールと、インフレームで融合させる。次いで、ヒト化抗体を、例えば、ファージ提示型抗体ライブラリーをパニングすることで選択する。この方法は、Methods 36, 43−60(2005)に記載されている。
【0132】
アジドを用いた抗体修飾
薬物リンカーと複合体形成させるための抗体は、3工程プロセスで調製することができる:
1)コアN−グリカンを有する抗体(Ab)を、適切な発現系(例えば、CHO細胞株)で発現させる。コアN−グリカンは、典型的には、Kabat命名体系に従って重鎖のAsn−297で複合体形成する;
2)全てのグリカンアイソフォーム(複合型、ハイブリッド型、高マンノース型)を、エンドグリコシダーゼでトリミングして、核GlcNAcを残す;及び
3)核GlcNAcに、薬物リンカーと複合体形成させるためのアジド基を抱えたN−アセチルガラクトース残基を、酵素で転移させる。
【0133】
上記プロセスの概要は、van Geel, R., et al., Bioconjugate Chemistry, 2015, 26, 2233−2242;DOI: 10.1021/acs.bioconjchem.5b00224に記載されている。あるいは、ワンポットプロセスを使用することができる。実施例参照。
【0134】
実施形態
X
実施形態によっては、Xは、単結合である。
他の実施形態において、Xは、−CH
2−である。
さらなる実施形態において、Xは、−C
2H
4−である。
【0135】
実施形態によっては、nは、1〜4である。
【0136】
これらの実施形態のあるものにおいて、nは、1である。
これらの実施形態の他のものにおいて、nは、2である。
これらの実施形態のさらなるものにおいて、nは、4である。
【0137】
R
7
1つの実施形態において、R
7は、メチルである。
別の実施形態において、R
7は、フェニルである。
【0138】
R
2
C2とC3の間に二重結合がある場合、R
2は、以下からなる群より選択される:
(a)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換される:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(b)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(c)C
3−6飽和シクロアルキル;
(d)
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、R
2基の炭素原子の合計数は、5以下である;
(e)
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
25a及びR
25bのいずれか一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換される;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(f)
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換される;ピリジル;及びチオフェニル。
【0139】
R
2がC
5−10アリール基である場合、この基は、C
5−7アリール基であることが可能である。C
5−7アリール基は、フェニル基またはC
5−7ヘテロアリール基、例えば、フラニル、チオフェニル、及びピリジルが可能である。実施形態によっては、R
2は、好ましくは、フェニルである。他の実施形態において、R
12は、好ましくは、チオフェニル、例えば、チオフェン−2−イル及びチオフェン−3−イルである。
【0140】
R
2がC
5−10アリール基である場合、この基は、C
8−10アリール、例えば、キノリニルまたはイソキノリニル基であることが可能である。キノリニルまたはイソキノリニル基は、任意の利用可能な環位を通じてPBD核と結合することができる。例えば、キノリニルは、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、キノリン−4−イル、キノリン−5−イル、キノリン−6−イル、キノリン−7−イル、及びキノリン−8−イルが可能である。これらのうち、キノリン−3−イル及びキノリン−6−イルが好ましい場合がある。イソキノリニルは、イソキノリン−1−イル、イソキノリン−3−イル、イソキノリン−4−イル、イソキノリン−5−イル、イソキノリン−6−イル、イソキノリン−7−イル、及びイソキノリン−8−イルが可能である。これらのうち、イソキノリン−3−イル及びイソキノリン−6−イルが好ましい場合がある。
【0141】
R
2がC
5−10アリール基である場合、この基は、任意の個数の置換基を有することができる。この基は、好ましくは、1〜3つの置換基を有し、1つ及び2つであることがより好ましく、単一の置換基であることが特に好ましい。置換基は、任意の位置にあることができる。
【0142】
R
2がC
5−7アリール基である場合、単一の置換基は、好ましくは、化合物の残部との結合に隣接していない環原子上にある、すなわち、この置換基は、好ましくは、化合物の残部との結合に対してβ位またはγ位にある。したがって、C
5−7アリール基がフェニルである場合、置換基は、好ましくは、メタ位またはパラ位にあり、より好ましくは、パラ位にある。
【0143】
R
2がC
8−10アリール基、例えば、キノリニルまたはイソキノリニルである場合、この基は、キノリンまたはイソキノリン環の任意の位置に任意の個数の置換基を有することができる。実施形態によっては、この基は、1つ、2つ、または3つの置換基を有し、それらは、近位環及び遠位環の一方または両方(置換基が複数の場合)に存在することができる。
【0144】
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基がハロである場合、これは、好ましくは、FまたはClであり、より好ましくはClである。
【0145】
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基がエーテルである場合、これは、実施形態によっては、アルコキシ基、例えば、C
1−7アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)であることが可能であり、または実施形態によっては、C
5−7アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ピリジルオキシ、フラニルオキシ)であることが可能である。アルコキシ基は、それ自身が、置換、例えばアミノ基(例えば、ジメチルアミノ)によりさらに置換可能である。
【0146】
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基がC
1−7アルキルである場合、これは、好ましくは、C
1−4アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)が可能である。
【0147】
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基がC
3−7ヘテロシクリルである場合、これは、実施形態によっては、C
6窒素含有ヘテロシクリル基、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニルが可能である。これらの基は、窒素原子を介して、PBD部分の残部と結合することができる。これらの基は、例えば、C
1−4アルキル基でさらに置換可能である。C
6窒素含有ヘテロシクリル基がピペラジニルである場合、このさらなる置換基は、第二の窒素環原子上にあることが可能である。
【0148】
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基がビス−オキシ−C
1−3アルキレンである場合、これは、好ましくは、ビス−オキシ−メチレンまたはビス−オキシ−エチレンである。
【0149】
R
2がC
5−10アリール基の場合のR
2置換基がエステルである場合、これは、好ましくは、メチルエステルまたはエチルエステルである。
【0150】
R
2がC
5−10アリール基である場合の特に好適な置換基として、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルが挙げられる。R
2に特に好適な他の置換基は、ジメチルアミノプロピルオキシ及びカルボキシである。
【0151】
R
2がC
5−10アリール基である場合の特に好適な置換R
2基として、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ビスオキシメチレン−フェニル、4−メチルチオフェニル、4−シアノフェニル、4−フェノキシフェニル、キノリン−3−イル及びキノリン−6−イル、イソキノリン−3−イル及びイソキノリン−6−イル、2−チエニル、2−フラニル、メトキシナフチル、ならびにナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。別の可能な置換R
2基は、4−ニトロフェニルである。特に関心が持たれるR
2基として、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル及び3,4−ビスオキシメチレン−フェニルが挙げられる。
【0152】
R
2がC
1−5飽和脂肪族アルキルである場合、R
2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルが可能である。実施形態によっては、R
2は、メチル、エチル、またはプロピル(n−ペンチルまたはイソプロピル)が可能である。これらの実施形態のいくつかにおいて、R
2は、メチルが可能である。他の実施形態において、R
2は、ブチルまたはペンチルが可能であり、それらは、直鎖の場合も分岐鎖の場合もある。
【0153】
R
2がC
3−6飽和シクロアルキルである場合、R
2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルが可能である。実施形態によっては、R
2は、シクロプロピルが可能である。
【0154】
R
2が
【化16】
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である場合、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、R
2基の炭素原子の合計数は、5以下である。実施形態によっては、R
2基の炭素原子の合計数は、4以下、または3以下である。
【0155】
実施形態によっては、R
21、R
22、及びR
23の1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される。
【0156】
他の実施形態において、R
21、R
22、及びR
23のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される。
【0157】
実施形態によっては、Hではない基は、メチル及びエチルから選択される。これらの実施形態のいくつかにおいて、Hではない基は、メチルである。
【0158】
実施形態によっては、R
21は、Hである。
【0159】
実施形態によっては、R
22は、Hである。
【0160】
実施形態によっては、R
23は、Hである。
【0161】
実施形態によっては、R
21及びR
22は、Hである。
【0162】
実施形態によっては、R
21及びR
23は、Hである。
【0163】
実施形態によっては、R
22及びR
23は、Hである。
【0164】
特に関心が持たれるR
2基は、以下のものである:
【化17】
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。
【0165】
R
2が
【化18】
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である場合、R
25a及びR
25bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択される:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換される;ピリジル;及びチオフェニル。実施形態によっては、Hではない基は、任意選択で置換されたフェニルである。フェニルの任意選択置換基が、ハロである場合、これは、好ましくは、フルオロである。実施形態によっては、フェニル基は、無置換である。
【0166】
R
2が
【化19】
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である場合、R
24は、以下から選択される:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換される;ピリジル;及びチオフェニル。フェニルの任意選択置換基が、ハロである場合、これは、好ましくは、フルオロである。実施形態によっては、フェニル基は、無置換である。実施形態によっては、R
24は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される。これらの実施形態のあるものにおいて、R
24は、H及びメチルから選択される。
【0167】
C2とC3の間に単結合がある場合、
R
2は、
【化20】
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であり、式中、R
26a及びR
26bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニル、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換される、から選択されるか、または、R
26a及びR
26bの一方がHである場合に、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択される。
【0168】
実施形態によっては、R
26a及びR
26bは、両方ともHであることが好ましい。
【0169】
他の実施形態において、R
26a及びR
26bは、両方ともメチルであることが好ましい。
【0170】
さらなる実施形態において、好ましくは、R
26a及びR
26bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される。これらさらなる実施形態において、Hではない基は、メチル及びエチルから選択されることがさらに好ましい場合がある。
【0171】
R
12
R
2に関する上記の優先事項は、R
12にも等しく当てはまる。
【0172】
本発明の1つの実施形態において、DLは以下のものである。
【化21】
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【0173】
薬物担持数
薬物担持数は、抗体、例えば抗体あたりのPBD薬物の平均数である。
【0174】
複合体形成反応からADCを調製する場合の抗体あたりの薬物の平均数は、従来手段、例えば、UV、逆相HPLC、HIC、質量分析法、ELISAアッセイ、及び電気泳動などにより特性決定可能である。pに関してADCの量的分布を求めることも可能である。ELISAにより、ADCの特定製剤におけるpの平均値を求めることができる(Hamblett et al (2004) Clin. Cancer Res. 10:7063−7070;Sanderson et al (2005) Clin. Cancer Res. 11:843−852)。しかしながら、p(薬物)値の分布を、抗体抗原結合及びELISAの検出限界により識別することはできない。同じく、抗体薬物複合体を検出するためのELISAアッセイは、薬物部分が抗体のどこに結合しているのか、例えば重鎖または軽鎖断片なのか、あるいは特定のアミノ酸残基なのかを明らかにはしない。場合によっては、pがある特定の値である均一なADCを、薬物担持数が異なるADCから分離、精製、及び特性決定することは、逆相HPLCまたは電気泳動などの手段により達成できる。そのような技法は、他の型の複合体にも応用可能である。
【0175】
本発明の抗体薬物複合体の場合、pは、抗体上の結合部位の個数、すなわち、アジド基の個数により制限される。例えば、抗体は、薬物リンカーを結合させることが可能なアジド基を1つまたは2つのみ有する場合がある。
【0176】
典型的には、複合体形成反応中に、理論上最大値よりも少ない個数の薬物部分が、抗体と複合体形成する。ADCの担持数(薬物/抗体比)は、複数の異なる様式で制御することができ、そのような様式として、以下が挙げられる:(i)抗体に対する薬物リンカー中間体(D−L)またはリンカー試薬のモル過剰量を制限する及び(ii)複合体形成反応時間及び温度を制限する。
【0177】
抗体の複数の求核または求電子基が薬物−リンカー中間体と反応する、またはリンカー試薬と反応し続いて薬物部分試薬と反応する場合、得られる生成物は、抗体と結合した薬物部分が、例えば、1つ、2つ、3つなどの分布を有するADC化合物の混合物となる。ポリマー逆相(PLRP)及び疎水的相互作用(HIC)などの液体クロマトグラフィー法は、混合物中の化合物を薬物担持数値で分離することができる。単一の薬物担持数値(p)を持つADCの製剤を単離することが可能であるが、しかしながら、こうした単一の薬物担持数値のADCでもなお、異種混合物である場合がある。なぜなら、薬物部分は、リンカーを介して、抗体の異なる部位で結合している可能性があるからである。
【0178】
したがって、本発明の抗体薬物複合体組成物は、抗体薬物複合体化合物の混合物を含み、この混合物において、抗体は1つまたは複数のPBD薬物部分を有し、薬物部分は、様々なアミノ酸残基で抗体と結合している可能性がある。
【0179】
1つの実施形態において、1抗体あたりの二量体ピロロベンゾジアゼピン基の平均数は、1〜8の範囲である。実施形態によっては、この範囲は、1〜4、1〜4、2〜4、及び1〜3から選択される。
【0180】
実施形態によっては、1抗体あたり1つまたは2つの二量体ピロロベンゾジアゼピン基が存在する。
【0181】
包含される他の形態
特に記載がない限り、これら置換基の周知のイオン、塩、溶媒和物、及び保護形も、上記に含まれる。例えば、カルボン酸(−COOH)についての言及は、アニオン(カルボキシラート)形(−COO−)、その塩または溶媒和物、ならびに通常の保護形も含む。同様に、アミノ基についての言及は、プロトン化形(−N
+HR
1R
2)、その塩または溶媒和物、例えば、塩酸塩、ならびにアミノ基の通常の保護形も含む。同様に、ヒドロキシル基についての言及は、アニオン形(−O
−)、その塩または溶媒和物、ならびに通常の保護形も含む。
【0182】
塩
活性化合物の相当する塩、例えば、薬学上許容される塩を調製、精製、及び/または取り扱うことが、好都合であるまたは望ましい場合がある。薬学上許容される塩の例は、Berge, et al., J. Pharm. Sci., 66, 1−19 (1977)に記載される。
【0183】
例えば、化合物がアニオン性である、またはアニオンになることが可能な官能基(例えば、−COOHは、−COO
−になることが可能)を有する場合、適切なカチオンで塩を形成することができる。適切な無機カチオンの例として、アルカリ金属イオン、例えば、Na
+及びK
+など、アルカリ土類カチオン、例えば、Ca
2+及びMg
2+など、ならびに他のカチオン、例えばAl
+3などが挙げられるが、これらに限定されない。適切な有機カチオンの例として、アンモニウムイオン(すなわち、NH
4+)及び置換アンモニウムイオン(例えば、NH
3R
+、NH
2R
2+、NHR
3+、NR
4+)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な置換アンモニウムイオンのいくつかの例として、以下に由来するものがある:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えば、リシン及びアルギニンなど。一般的な第四級アンモニウムイオンの例として、N(CH
3)
4+がある。
【0184】
化合物がカチオン性である、またはカチオンになることが可能な官能基(例えば、−NH
2は、−NH
3+になることが可能)を有する場合、適切なアニオンで塩を形成することができる。適切な無機アニオンの例として、以下の無機酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、及び亜リン酸。
【0185】
適切な有機アニオンの例として、以下の有機酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない:2−アセチルオキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボキン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、及び吉草酸。適切な有機アニオンポリマーの例として、以下の酸ポリマーに由来するものが挙げられるが、これらに限定されない:タンニン酸、カルボキシメチルセルロース。
【0186】
溶媒和物
活性化合物の相当する溶媒和物を調製、精製、及び/または取り扱うことが、好都合であるまたは望ましい場合がある。「溶媒和物」という用語は、本明細書中、従来の意味で使用され、溶質(例えば、活性化合物、活性化合物の塩)と溶媒の複合体を示す。溶媒が水である場合、溶媒和物は、都合よく、水和物、例えば、一水和物、二水和物、三水和物などと称することができる。
【0187】
本発明は、溶媒がPBD部分のイミン結合にまたがって付加した化合物を含む。溶媒が水またはアルコール(R
AOH、式中、R
AはC
1−4アルキルである)場合のそのような化合物を下に示す:
【化22】
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これらの形は、カルビノールアミン及びカルビノールアミンエーテル形のPBDと呼ぶことが可能である(上記のR
10に関するセクションで記載のとおり)。これらの平衡のバランスは、化合物が見られるときの条件、ならびに部分自身の性質に依存する。
【0188】
これらの特定化合物は、例えば、凍結乾燥により、固体で単離することができる。
【0189】
異性体
本発明のある特定の化合物は、1つまたは複数の特定の幾何異性体、光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピ異性体、アトロプ異性体、立体異性体、互変異性体、配座異性体、またはアノマー異性体形で存在することが可能であり、そのような異性体形として、シス及びトランス形;E及びZ形;c、t、及びr形;エンド及びエキソ形;R、S、及びメソ形;D及びL形;d及びl形;(+)及び(−)形;ケト、エノール、及びエノラート形;シン及びアンチ形;シンクリナル及びアンチクリナル形;α及びβ形;アキシャル及びエカトリアル形;舟、いす、ねじれ、封筒、及び半いす形;ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されず、本明細書中以下、まとめて「異性体」(または異性体形)と称する。
【0190】
「キラル」という用語は、自らの鏡像パートナーと重ね合せることができない性質を持つ分子を示し、一方「アキラル」という用語は、自らの鏡像パートナーと重ね合せることができる分子を示す。
【0191】
「立体異性体」という用語は、同一の化学組成を有するが、原子または基の空間配置に関して異なる化合物を示す。
【0192】
「ジアステレオマー」は、2つ以上の不斉中心を持ち、その分子が互いに相手の鏡像ではない立体異性体を示す。ジアステレオマーは、物性、例えば、融点、沸点、分光特性、及び反応性などが異なる。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動及びクロマトグラフィーなどの高分解能分析手法で分離可能である。
【0193】
「鏡像異性体」は、互いに重ね合わせができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を示す。
【0194】
本明細書中使用される立体化学の定義及び慣習は、概して、S. P. Parker, Ed., McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw−Hill Book Company, NewYork;及びEliel, E. and Wilen, S., ‘‘Stereochemistry of Organic Compounds’’, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を有する場合があり、したがって、異なる立体異性体形で存在する場合がある。本発明の化合物は、ジアステレオマー、鏡像異性体、及びアトロプ異性体をはじめとする、しかしこれらに限らない全ての立体異性体形、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物が、本発明の一部をなすものとする。多くの有機化合物は、光学活性形で存在する、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物の記載では、接頭語D及びL、またはR及びSを用いて、分子のキラル中心(複数可)についてその絶対配置を表す。接頭語d及びlまたは(+)及び(−)は、その化合物による平面偏光の回転の方向を指定するために用いられ、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdが先頭に付いた化合物は、右旋性である。所定の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが互いに相手の鏡像であることを除いて、同一である。特定の1種類の立体異性体を鏡像異性体と称する場合もあり、そのような異性体の混合物は、鏡像異性体混合物と呼ばれる場合が多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称し、これは、化学反応またはプロセスにおいて立体選択性または立体特異性がなかった場合に生じる可能性がある。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、2種の鏡像異性体種の等モル混合物を示し、これは光学活性がない。
【0195】
なお、以下の互変異性体形に関する記述を除き、「異性体」という用語が、本明細書中使用される場合、構造(structural)(または構造(constitutional))異性体(すなわち、原子の空間配置だけというのでなく、原子間の接続が異なる異性体)は、具体的に除外される。例えば、メトキシ基、−OCH
3についての記述は、その構造異性体であるヒドロキシメチル基、−CH
2OHについての記述であると見なされることはない。同様に、ortho−クロロフェニルについての記述は、その構造異性体であるmeta−クロロフェニルについての記述であると見なされることはない。しかしながら、あるクラスの構造についての記述は、そのクラスの範疇に入る構造異性体形を含むことが十分可能である(例えば、C
1−7アルキルは、n−プロピル及びiso−プロピルを含み;ブチルは、n−、iso−、sec−、及びtert−ブチルを含み;メトキシフェニルは、ortho−、meta−、及びpara−メトキシフェニルを含む)。
【0196】
上記の除外は、互変異性体形、例えば、ケト、エノール、及びエノラート形、例えば、以下の互変異性体対のような場合には関係しない:ケト/エノール(以下に図示する)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、N−ニトロソ/ヒドロキシアゾ、及びニトロ/aci−ニトロ。
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
「互変異性体」または「互変異性体形」という用語は、低いエネルギー障壁を越えて相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を示す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られる)として、プロトンの移動を介した相互変換、例えば、ケト−エノール及びイミン−エナミン異性化が挙げられる。原子価互変異性体として、結合電子のあるものの再組織化による相互変換が挙げられる。
【0198】
なお、「異性体」という用語には、1つまたは複数の同位体置換を持つ化合物も、具体的に含まれる。例えば、Hは、任意の同位体形の可能性があり、そのような同位体形として、
1H、
2H(D)、及び
3H(T)が挙げられる;Cは、任意の同位体形の可能性があり、そのような同位体形として、
12C、
13C、及び
14Cが挙げられる;Oは、任意の同位体形の可能性があり、そのような同位体形として、
16O及び
18Oが挙げられる;などである。
【0199】
本発明の化合物に組み込むことが可能な同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体が挙げられ、例えば、
2H(重水素、D)、
3H(トリチウム)、
11C、
13C、
14C、
15N、
18F、
31P、
32P、
35S、
36Cl、及び
125Iなどであるが、これらに限定されない。本発明の化合物を様々な同位体で標識したもの、例えば、3H、13C、及び14Cなどの放射性同位元素が組み込まれているもの。そのような同位体標識した化合物は、代謝研究、反応速度研究、検出または画像化技法、例えば、薬物もしくは基質の組織分布アッセイを含むポジトロン断層撮影法(PET)または単光子放射断層撮影法(SPECT)において、あるいは患者の放射線治療において、有用である可能性がある。重水素で標識または置換した本発明の治療化合物は、分布、代謝、及び排泄(ADME)に関連して、DMPK(薬物代謝及び薬物動態学)特性が改善されている可能性がある。重水素などより重い同位体への置換は、代謝安定性がより高まることに由来するある特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の延長または投薬必要量の減少など、をもたらす可能性がある。18F標識した化合物は、PETまたはSPECT検査で有用である可能性がある。同位体標識した本発明の化合物及びそのプロドラッグは、一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えて、以下に記載されるスキームまたは実施例及び調製で開示される手順を行うことにより、調製可能である。さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、2HまたはD)に置き換えることは、代謝安定性がより高まることに由来するある特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の延長または投薬必要量の減少または治療指標の改善など、をもたらす可能性がある。この文脈における重水素は、置換基と見なされる。そのような重い同位体、特に重水素の濃度は、同位体濃縮係数により定義することが可能である。本発明の化合物において、特定の同位体として具体的に指定されていない任意の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すことを意味する。
【0200】
特に記載がない限り、特定化合物についての記述は、こうした異性体形を全て、それらの(完全または部分)ラセミ混合物及び他の混合物も含めて、包含する。こうした異性体形の調製方法(例えば、不斉合成)及び分離方法(例えば、分別結晶化及びクロマトグラフィー手段)は、当該分野で既知であるか、本明細書中教示される方法もしくは既知の方法を、既知の様式で適用することにより容易に得られる。
【0201】
生物活性
In vitro細胞増殖アッセイ
一般に、抗体薬物複合体(ADC)の細胞毒性または細胞分裂阻害活性は、以下により測定される:受容体タンパク質を有する哺乳類細胞を、細胞培地中で、ADCの抗体と接触させる;細胞を、約6時間〜約5日間の期間、培養する;そして、細胞生存度を測定する。細胞に基づくin vitroアッセイを用いて、生存度(増殖)、細胞毒性、及び本発明のADCのアポトーシス誘導(カスパーゼ活性)を測定する。
【0202】
抗体薬物複合体のin vitro力価は、細胞増殖アッセイにより測定可能である。CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayは、市販されているアッセイであり(Promega Corp., Madison, WI)、甲虫目ルシフェラーゼの組換え発現に基づく均一アッセイ方法である(米国特許第5583024号、同第5674713号、及び同第5700670号)。この細胞増殖アッセイは、代謝活性細胞の指標である存在するATPの定量に基づき、培養物中の生存細胞の個数を特定する(Crouch et al (1993) J. Immunol. Meth. 160:81−88;US 6602677)。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイは、96ウェル形式で行われるので、自動高処理スクリーニング系(HTS)で行うことが可能である(Cree et al (1995) AntiCancer Drugs 6:398−404)。均一アッセイ手順は、血清添加した培地で培養された細胞に、単一試薬(CellTiter−Glo(登録商標)試薬)を直接加えることを含む。細胞洗浄、培地除去、及び複数のピペット工程を、必要としない。この系は、試薬を加え混合してから10分後には、384ウェル形式でわずか15細胞/ウェルでも検出することができる。細胞は、ADCで連続処理されている場合もあるし、処理された後ADCから分離される場合もある。一般に、手短に、すなわち3時間処理された細胞は、連続処理された細胞と同じ力価効果を示した。
【0203】
均一「添加混合測定」様式は、細胞溶解及び存在するATP量に比例した発光シグナルの発生をもたらす。ATPの量は、培養物中に存在する細胞数と直接比例する。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイは、ルシフェラーゼ反応により生成する「グロー型」発光シグナルを生成し、このシグナルは、細胞型及び使用した培地に応じて、一般に5時間を超える半減期を有する。生存細胞数は、相対発光単位(RLU)に反映される。基質である甲虫ルシフェリンは、組換えホタルルシフェラーゼにより酸化的脱カルボン酸化され、これと同時にATPをAMPに変換し、光子を生成する。
【0204】
抗体薬物複合体のin vitro力価は、細胞毒性アッセイにより測定することもできる。培養した付着細胞を、PBSで洗い、トリプシンで脱離させ、10%FCSを含有する完全培地に希釈し、遠心し、新たな培地に再懸濁させ、血球計算器で計数する。浮遊液培養物は、直接計数する。計数に適した単分散細胞浮遊液は、繰り返し吸引により撹拌して細胞塊を壊す必要がある場合がある。
【0205】
細胞浮遊液を、所望の播種密度に希釈し、黒色96ウェルプレートに分注する(1ウェルあたり100μl)。付着細胞株のプレートは、一晩インキュベートして、付着させる。浮遊細胞培養物は、播種の日に使用することができる。
【0206】
ADC貯蔵原液(20μg/ml)(1ml)は、適切な細胞培養液で作成する。ADC原液の系列10倍希釈は、15ml遠心管で、系列的に100μlを細胞培養液900μlに移すことにより作成する。
【0207】
96ウェル黒色プレート中、4つの複製ウェルのそれぞれに各ADC希釈濃度(100μl)を分注する。そこにはあらかじめ細胞浮遊液(100μl)が播種してあり、その結果、最終体積は200μlになる。対照ウェルには、細胞培養液(100μl)を入れる。
【0208】
細胞株の倍加時間が30時間より長い場合、ADCインキュベーションは5日間とし、それ以外は、4日間のインキュベーションを行う。
【0209】
インキュベーション期間終了時、アラマーブルーアッセイで細胞生存度を評価する。アラマーブルー(Invitrogen)を、プレート全体にわたって分注し(1ウェルあたり20μl)、4時間インキュベートする。アラマーブルー蛍光を、Varioskanフラッシュプレートリーダーで、励起570nm、発光585nmで測定する。対照ウェルの平均蛍光に対するADC処理ウェルの平均蛍光から、細胞生存パーセンテージを計算する。
【0210】
用途
本発明の複合体は、標的部位にPBD化合物を提供するために用いることができる。
【0211】
標的部位は、好ましくは、増殖細胞集団である。抗体は、増殖細胞集団に存在する抗原に対する抗体である。
【0212】
1つの実施形態において、抗原は、非増殖性細胞集団に、存在しない、または存在しても、増殖細胞集団、例えば、腫瘍細胞集団に存在する抗原の量に比べて低下したレベルである。
【0213】
標的部位で、リンカーは、化合物RelAを放出するように、切断される可能性がある。すなわち、複合体は、標的部位に化合物RelAを選択的に提供するために用いることができる。
【0214】
リンカーは、標的部位に存在する酵素により切断可能である。
【0215】
標的部位は、in vitro、in vivo、またはex vivoの場合がある。
【0216】
本発明の抗体薬物複合体(ADC)化合物として、抗がん活性に関する有用性を持つものが挙げられる。詳細には、本化合物として、PBD薬物部分、すなわち毒素と、複合体形成した、すなわち、リンカーにより毒素と共有結合した抗体が挙げられる。PBD薬物が抗体と複合体形成していない場合、その薬物は、細胞毒性効果を有する。すなわち、PBD薬物部分の生物活性は、抗体と複合体形成することにより調節される。本発明の抗体薬物複合体(ADC)は、有効量の細胞毒性剤を腫瘍組織に選択的に送達し、それにより、より高い選択性を、すなわちより低い有効量を達成することが可能である。
【0217】
すなわち、1つの態様において、本発明は、治療に使用するための、本明細書中記載されるとおりの複合体化合物を提供する。
【0218】
さらなる態様において、同じく提供されるのは、増殖性疾患の治療に使用するための、本明細書中記載されるとおりの複合体化合物である。本発明の第二の態様は、増殖性疾患の治療用医薬の製造における複合体化合物の使用を提供する。
【0219】
当業者なら、候補の複合体が任意の特定細胞型について増殖性症状を治療するかどうかを、容易に決定することができる。例えば、特定化合物により提供される活性を査定するのに都合良く用いることができるアッセイを、以下の実施例で記載する。
【0220】
「増殖性疾患」という用語は、in vitroであるかin vivoであるかに関わらず、望ましくない過剰なまたは異常細胞の望ましくないまたは制御不能な細胞増殖、例えば、腫瘍性または過形成増殖に関する。
【0221】
抗DLK−1複合体
増殖性症状の例として、良性、前悪性、及び悪性細胞増殖が挙げられるがこれらに限定されず、そのような細胞増殖として、新生物及び腫瘍(例えば、組織球腫、神経膠腫、星細胞腫、骨腫)、がん(例えば、肺癌、小細胞肺癌、消化器癌、腸癌、結腸癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、脳癌、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、黒色腫)、リンパ腫、白血病、乾癬、骨疾患、線維増殖性障害(例えば、結合組織のもの)、及び粥状動脈硬化が挙げられるがこれらに限定されない。特に関心が持たれるがんとして、白血病及び卵巣癌が挙げられるがこれらに限定されない。
【0222】
任意の型の細胞を処置することが可能であり、そのような細胞として、肺、消化管(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳腺)、卵巣、前立腺、肝臓(肝性)、腎臓(腎性)、膀胱、膵臓、脳、及び皮膚が挙げられるがこれらに限定されない。
【0223】
特に関心が持たれる障害として、がんが挙げられるがこれらに限定されず、がんとして、転移性がん及び転移性がん細胞、例えば、血液またはリンパなどの体液で循環しているところが見つかる可能性がある、循環腫瘍細胞などが挙げられる。特に関心が持たれるがんとして、以下が挙げられる:肝細胞癌、肝芽腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、結腸癌、乳癌、胃癌、膵癌、神経芽細胞腫、副腎癌、クロム親和性細胞腫、傍神経節腫、甲状腺髄様癌、骨格筋癌、脂肪肉腫、神経膠腫、ウィルムス腫瘍、神経内分泌腫瘍、急性骨髄性白血病、及び骨髄異形成症候群。
【0224】
関心が持たれる他の障害として、DLK1が過剰発現する任意の症状、またはDLK1拮抗作用が臨床的有用性をもたらすことになる任意の症状が挙げられる。そのような症状として、免疫不全、心血管障害、血栓症、糖尿病、免疫チェックポイント障害、線維性障害(線維症)、または増殖性疾患、例えば、がん、詳細には転移性癌が挙げられる。
【0225】
抗KAAG1複合体
増殖性症状の例として、良性、前悪性、及び悪性細胞増殖が挙げられるがこれらに限定されず、そのような細胞増殖として、新生物及び腫瘍(例えば、組織球腫、神経膠腫、星細胞腫、骨腫)、がん(例えば、肺癌、小細胞肺癌、消化器癌、腸癌、結腸癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、脳癌、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、黒色腫)、リンパ腫、白血病、乾癬、骨疾患、線維増殖性障害(例えば、結合組織のもの)、ならびに粥状動脈硬化が挙げられるがこれらに限定されない。
【0226】
任意の型の細胞を処置することが可能であり、そのような細胞として、肺、消化管(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳腺)、卵巣、前立腺、肝臓(肝性)、腎臓(腎性)、膀胱、膵臓、脳、及び皮膚が挙げられるがこれらに限定されない。
【0227】
特に関心が持たれる障害として、がんが挙げられるがこれらに限定されず、がんとして、転移性がん及び転移性がん細胞、例えば、血液またはリンパなどの体液で循環しているところが見つかる可能性がある、循環腫瘍細胞などが挙げられる。特に関心が持たれるがんとして、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、及び腎癌が挙げられる。
【0228】
関心が持たれる他の障害として、KAAG1が過剰発現する任意の症状、またはKAAG1拮抗作用が臨床的有用性をもたらすことになる任意の症状が挙げられる。そのような症状として、免疫不全、心血管障害、血栓症、糖尿病、免疫チェックポイント障害、線維性障害(線維症)、または増殖性疾患、例えば、がん、詳細には転移性癌が挙げられる。
【0229】
抗メソテリン複合体
増殖性症状の例として、良性、前悪性、及び悪性細胞増殖が挙げられるがこれらに限定されず、そのような細胞増殖として、新生物及び腫瘍(例えば、組織球腫、神経膠腫、星細胞腫、骨腫)、がん(例えば、肺癌、小細胞肺癌、消化器癌、腸癌、結腸癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、脳癌、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、黒色腫)、リンパ腫、白血病、乾癬、骨疾患、線維増殖性障害(例えば、結合組織のもの)、ならびに粥状動脈硬化が挙げられるがこれらに限定されない。
【0230】
任意の型の細胞を処置することが可能であり、そのような細胞として、肺、消化管(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳腺)、卵巣、前立腺、肝臓(肝性)、腎臓(腎性)、膀胱、膵臓、脳、及び皮膚が挙げられるがこれらに限定されない。
【0231】
特に関心が持たれる障害として、がんが挙げられるがこれらに限定されず、がんとして、転移性がん及び転移性がん細胞、例えば、血液またはリンパなどの体液で循環しているところが見つかる可能性がある、循環腫瘍細胞などが挙げられる。特に関心が持たれるがんとして、中皮腫、肺癌、卵巣癌、及び膵癌が挙げられる。
【0232】
関心が持たれる他の障害として、メソテリンが過剰発現する任意の症状、またはメソテリン拮抗作用が臨床的有用性をもたらすことになる任意の症状が挙げられる。そのような症状として、免疫不全、心血管障害、血栓症、糖尿病、免疫チェックポイント障害、線維性障害(線維症)、または増殖性疾患、例えば、がん、詳細には転移性がんが挙げられる。
【0233】
本発明の抗体薬物複合体(ADC)は、様々な疾患または障害、例えば、腫瘍抗原の過剰発現を特徴とするものの治療に使用される場合があることが企図される。症状または過剰増殖障害の例として、良性または悪性腫瘍;白血病、血液系悪性腫瘍、及びリンパ系悪性腫瘍が挙げられる。他のものとして、神経性障害、グリア細胞障害、星状細胞障害、視床下部障害、腺性障害、マクロファージ障害、上皮障害、間質性障害、胞胚腔障害、炎症性障害、血管原性障害、及び自己免疫障害を含む免疫障害が挙げられる。
【0234】
一般に、治療対象となる疾患または障害は、がんなどの過剰増殖疾患である。本明細書中、治療対象となるがんの例として、細胞腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病またはリンパ系悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。こうしたがんのより詳細な例として、扁平細胞癌(例えば、扁平上皮癌)、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、及び肺扁平上皮癌を含む)、腹膜癌、肝細胞癌、消化器癌を含む胃(gastric)または胃(stomach)癌、膵癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓または腎性癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝性癌、肛門癌、陰茎癌、ならびに頭頚部癌が挙げられる。
【0235】
治療にADC化合物を使用する場合がある自己免疫疾患として、リウマチ障害(例えば、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、SLE及びループス腎炎などのループス、多発性筋炎/皮膚筋炎、低温型グロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群、及び乾癬性関節炎など)、変形性関節炎、自己免疫性消化管及び肝臓障害(例えば、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病など)、自己免疫性胃炎及び悪性貧血、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、ならびにセリアック病など)、血管炎(例えば、チャーグ・ストラウス血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、及び多発性動脈炎をはじめとするANCA関連血管炎など)、自己免疫性神経障害(例えば、多発性硬化症、眼球クローヌス・ミオクローヌス運動失調、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び自己免疫性多発ニューロパチーなど)、腎性障害(例えば、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、及びベルジェ病など)、自己免疫性皮膚障害(例えば、乾癬、蕁麻疹(urticaria)、蕁麻疹(hives)、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、及び皮膚エリテマトーデスなど)、血液障害(例えば、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後紫斑病、及び自己免疫性溶血性貧血など)、粥状動脈硬化、ぶどう膜炎、自己免疫性聴覚障害(例えば、内耳疾患及び難聴など)、ベーチェット病、レイノー病、臓器移植、ならびに自己免疫性内分泌障害(例えば、糖尿病関連自己免疫疾患、例えば、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、アジソン病、及び自己免疫性甲状腺疾患(例えば、グレーブス病及び甲状腺炎)など)が挙げられる。そのような疾患のより好ましいものとして、例えば、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ANCA関連血管炎、ループス、多発性硬化症、シェーグレン症候群、グレーブス病、IDDM、悪性貧血、甲状腺炎、及び糸球体腎炎が挙げられる。
【0236】
治療方法
本発明の複合体は、治療方法において使用可能である。同じく提供されるのは、治療方法であり、本方法は、治療を必要としている対象に、治療上有効量の本発明の複合体化合物を投与することを含む。「治療上有効量」という用語は、患者に対して有益性を示すのに十分な量である。そのような有益性は、少なくとも1種の症候の少なくとも寛解である場合がある。投与される実際量、ならびに投与の速度及び時間経過は、治療されるものの性質及び重篤度に依存することになる。治療の処方、例えば、投薬量の決定は、一般開業医及び他の医療医師の担当範囲に含まれる。
【0237】
本発明の化合物は、単独で投与することも、他の治療と併用することも可能であり、併用する場合は、治療対象となる症状に応じて同時または順次いずれかである。治療及び療法の例として、化学療法(例えば、化学療法剤などの薬物をはじめとする活性作用剤の投与);手術;及び放射線療法が挙げられるが、これらに限定されない
【0238】
「化学療法薬」とは、作用機序に関わらず、がんの治療に有用な化学合成物質である。化学療法薬のクラスとして、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルキル化剤、代謝拮抗剤、紡錘体毒植物アルカロイド、細胞毒性/抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗体、光増感剤、及びキナーゼ阻害剤。化学療法薬として、「標的治療」及び従来の化学療法に使用される化合物が挙げられる。
【0239】
化学療法薬の例として、以下が挙げられる:エルロチニブ(タルセバ(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ドセタキセル(タキソテール(登録商標)、Sanofi−Aventis)、5−FU(フルオロウラシル、5−フルオロウラシル、CAS No.51−21−8)、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標)、Lilly)、PD−0325901(CAS No.391210−10−9、Pfizer)、シスプラチン(cis−ジアミン、ジクロロ白金(II)、CAS No.15663−27−1)、カルボプラチン(CAS No.41575−94−4)、パクリタキセル(タキソール(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、Genentech)、テモゾロミド(4−メチル−5−オキソ−2,3,4,6,8−ペンタアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,7,9−トリエン−9−カルボキサミド、CAS No.85622−93−1、テモダール(TEMODAR)(登録商標)、テモダール(TEMODAL)(登録商標)、Schering Plough)、タモキシフェン((Z)−2−[4−(1,2−ジフェニルブタ−1−エニル)フェノキシ]−N,N−ジメチルエタンアミン、ノルバデックス(登録商標)、ISTUBAL(登録商標)、VALODEX(登録商標))、及びドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標))、Akti−1/2、HPPD、及びラパマイシン。
化学療法薬のさらなる例として、以下が挙げられる:オキサリプラチン(エロキサチン(ELOXATIN)(登録商標)、Sanofi)、ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標)、Millennium Pharm.)、スーテント(スニチニブ(登録商標)、SU11248、Pfizer)、レトロゾール(フェマーラ(登録商標)、Novartis)、イマチニブメシル酸塩(グリベック(登録商標)、Novartis)、XL−518(MEK阻害剤、Exelixis、WO 2007/044515)、ARRY−886(MEK阻害剤、AZD6244、Array BioPharma、Astra Zeneca)、SF−1126(PI3K阻害剤、Semafore Pharmaceuticals)、BEZ−235(PI3K阻害剤、Novartis)、XL−147(PI3K阻害剤、Exelixis)、PTK787/ZK222584(Novartis)、フルベストラント(フェソロデックス(登録商標)、AstraZeneca)、ロイコボリン(フォリン酸)、ラパマイシン(シロリムス、ラパミューン(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SARASAR(商標)、SCH66336、Schering Plough)、ソラフェニブ(ネクサバール(登録商標)、BAY43−9006、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(イレッサ(登録商標)、AstraZeneca)、イリノテカン(カンプトサール(CAMPTOSAR)(登録商標)、CPT−11、Pfizer)、チピファルニブ(ザルネストラ(ZARNESTRA)(商標)、Johnson & Johnson)、アブラキサン(商標)(クレモホールを含まない)、すなわちパクリタキセルのアルブミン改変ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg、Il)、バンデタニブ(rINN、ZD6474、ザクティマ(ZACTIMA)(登録商標)、AstraZeneca)、クロラムブシル、AG1478、AG1571(SU5271;Sugen)、テムシロリムス(トーリセル(登録商標)、Wyeth)、パゾパニブ(GlaxoSmithKline)、カンホスファミド(TELCYTA(登録商標)、Telik)、チオテパ及びシクロホスファミド(シトキサン(登録商標)、NEOSAR(登録商標));スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなど;アジリジン、例えば、benzodopa、カルボコン、meturedopa、及びuredopaなど;エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamine)、例えばアルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロメラミンなど;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン(bullatacinone));カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;callystatin;CC−1065(その合成類似体であるアドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシンを含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;ディオカルマイシン(合成類似体である、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなど;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチンなど;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質など(例えば、カリチアマイシン、カリチアマイシンガンマ1I、カリチアマイシンオメガI1(Angew Chem. Intl. Ed. Engl. (1994) 33:183−186);ジネマイシン、ジネマイシンA;ビスホスホナート、例えば、クロドロネートなど;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団など)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアザ−5−オキソ−L−ノルロイシン、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンCなど、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝産物、例えば、メトトレキセート及び5−フルオロウラシル(5−FU)など;葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセートなど;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフル、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど;アンドロゲン、例えば、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど;抗副腎皮質薬、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フォリン酸など;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジコン;エルフォルニチン;エリプチニウム酢酸塩(elliptinium acetate);エポシロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン(lonidainine);マイタンシノイド、例えば、マイタンシン及びアンサミトシンなど;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテンセン(特に、T−2トキシン、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;白金類似体、例えば、シスプラチン及びカルボプラチンなど;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン(ナベルビン(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(ゼローダ(登録商標)、Roche);イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸など;ならびに上記のいずれかのものの薬学上許容される塩、酸、及び誘導体。
【0240】
同じく「化学療法薬」の定義に含まれるのは、以下のものである:(i)腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲン薬及び選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)など、そのような抗ホルモン剤として、例えば、タモキシフェン(ノルバデックス(登録商標);タモキシフェンクエン酸塩を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びフェアストン(登録商標)(トレミフェンクエン酸塩)などが挙げられる;(ii)副腎でのエストロゲン産生を調節する酵素、アロマターゼを阻害する、アロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、アロマシン(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、ホルメスタン、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、フェマーラ(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、及びアリミデックス(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca)など;(iii)抗アンドロゲン剤、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリンなど;ならびに、トロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤、例えば、MEK阻害剤(WO 2007/044515);(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異所細胞増殖に関係付けられるシグナル伝達経路における遺伝子発現を阻害するもの、例えば、PKC−アルファ、Raf、及びH−Ras、例えば、オブリメルセン(ゲナセンス(登録商標)、Genta Inc.)など;(vii)リボザイム、例えば、VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))など、及びHER2発現阻害剤;(viii)ワクチン、例えば、遺伝子治療ワクチン、例えば、アロベクチン(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、及びVAXID(登録商標)など;PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;トポイソメラーゼ1阻害剤、例えば、ルルトテカン(登録商標)など;アバレリックス(登録商標)rmRH;(ix)血管新生阻害剤、例えば、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)、Genentech);ならびに上記のいずれかのものの薬学上許容される塩、酸、及び誘導体。
同じく「化学療法薬」の定義に含まれるのは、治療用抗体、例えば、アレムツズマブ(キャンパス)、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(アービタックス(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(ベクティビックス(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(リツキサン(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、オファツムマブ(アーゼラ(登録商標)、GSK)、ペルツズマブ(パージェタ(商標)、OMNITARG(商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(ベキサール、Corixia)、及び抗体薬物複合体である、ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ(登録商標)、Wyeth)などである。
【0241】
本発明の複合体と組み合わせて化学療法薬としての治療可能性を持つヒト化モノクローナル抗体として、以下が挙げられる:アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ(aselizumab)、アトリズマブ、バピノイズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン(bivatuzumab mertansine)、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴール、シドフシツズマブ(cidfusituzumab)、シドツズマブ(cidtuzumab)、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モダビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ(nolovizumab)、ヌマビズマブ(numavizumab)、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ(pecfusituzumab)、ペクツズマブ(pectuzumab)、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ラリビズマブ(ralivizumab)、ラニビズマブ、レスリズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ(resyvizumab)、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツマブ(sibrotuzumab)、シプリズマブ、ソンツズマズ(sontuzumab)、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブセルモロイキン(tucotuzumab celmoleukin)、ツクシツズマブ、オマリズマブ、ウルトキサズマブ、及びビジリズマブ。
【0242】
本発明による、及び本発明に従った使用のための医薬組成物は、活性成分、すなわち複合体化合物の他に、薬学上許容される賦形剤、キャリア、緩衝剤、安定化剤、または当業者に周知の他の材料を含むことができる。そのような材料は、無毒でなければならず、また、活性成分の効力に干渉してはならない。キャリアまたは他の材料の正確な性質は、投与経路に依存することになり、投与経路は、経口または注射、例えば、皮膚、皮下、もしくは静脈内注射による場合がある。
【0243】
経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、または液剤の形状をしている場合がある。錠剤は、固形キャリアまたはアジュバントを含むことができる。液状医薬組成物は、一般に、水、石油、動物油もしくは植物油、鉱物油、または合成油などの液状キャリアを含む。生理食塩水溶液、ブドウ糖もしくは他の糖溶液、またはエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコールなどのグリコールを含ませることができる。カプセル剤は、ゼラチンなどの固形キャリアを含むことができる。
【0244】
静脈内、皮膚、もしくは皮下注射、または患部への注射用の場合、活性成分は、非経口で許容可能な水性液剤の形状をとることになり、この液剤は、パイロジェンを含まず、かつ適切なpH、等張性、及び安定性を有する。当業者なら、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、乳酸リンゲル注射液などの等張性ビヒクルを用いて、適切な液剤を調製することが十分可能である。保存剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び/または他の添加剤を、必要に応じて含ませることができる。
【0245】
配合物
複合体化合物は、単独で使用する(例えば、投与する)ことが可能であるものの、それを組成物または配合物として存在させることが望ましい場合が多い。
【0246】
1つの実施形態において、組成物は、本明細書中記載されるとおりの複合体化合物、及び薬学上許容されるキャリア、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物(例えば、配合物、製剤、薬剤)である。
【0247】
1つの実施形態において、組成物は、本明細書中記載されるとおりの複合体化合物の少なくとも1種を、当業者に周知の1種または複数の他の薬学上許容される成分とともに含む医薬組成物であり、薬学上許容される成分として、薬学上許容されるキャリア、希釈剤、賦形剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、潤滑剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0248】
1つの実施形態において、組成物は、さらに、他の活性作用剤、例えば、他の治療薬または予防薬を含む。
【0249】
適切なキャリア、希釈剤、賦形剤などは、標準的な医薬書で見つけることができる。例えば、Handbook of Pharmaceutical Additives, 2nd Edition (eds. M. Ash and I. Ash), 2001 (Synapse Information Resources, Inc., Endicott, New York, USA), Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th edition, pub. Lippincott, Williams & Wilkins, 2000;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd edition, 1994を参照。
【0250】
本発明の別の態様は、医薬組成物の作成方法に関し、本方法は、少なくとも1種の[
11C]−放射標識した本明細書中記載されるとおりの複合体または複合体様化合物を、当業者に周知の1種または複数の薬学上許容される成分、例えば、キャリア、希釈剤、賦形剤などと一緒に混合することを含む。別個の単位(例えば、錠剤など)として配合される場合、各単位は、予め定められた量(投薬量)の活性化合物を含有する。
【0251】
「薬学上許容される」という用語は、本明細書中使用される場合、妥当な医学的判断の範囲内で、問題の対象(例えば、ヒト)の組織と接触する使用に適しており、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わず、合理的なベネフィット/リスクに釣り合う、化合物、成分、材料、組成物、剤形などに関する。各キャリア、希釈剤、賦形剤などは、配合物の他の成分と適合性があるという意味において「許容可能」でもなければならない。
【0252】
配合物は、薬学分野で周知の任意の方法により調製することができる。そのような方法は、活性化合物を、1種または複数の補助成分を構成するキャリアと会合させる工程を含む。一般に、配合物は、活性化合物とキャリア(例えば、液状キャリア、微粉砕固形キャリアなど)を均一かつ密接に会合させ、その後、必要であれば製品へと成型することにより、調製される。
【0253】
配合物は、迅速または緩徐な放出;即時、遅延、または徐放性;あるいはそれらの組み合わせを提供するように調製することができる。
【0254】
非経口投与(例えば、注射による)に適した配合物として、水性または非水性の、等張性で、パイロジェンを含まない、滅菌液体(例えば、液剤、懸濁剤)が挙げられ、この液体に、活性成分は、溶解している、懸濁している、またはそれ以外で提供されている(例えば、リポソームまたは他の微粒子に入れられて)。そのような液体は、追加で、他の薬学上許容される成分、例えば、抗酸化剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、静菌剤、懸濁化剤、増粘剤、及び配合物を予定されるレシピエントの血液(または他の関連体液)と等張性にする溶質などを含有することができる。賦形剤の例として、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などが挙げられる。そのような配合物用の適切な等張性キャリアの例として、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、または乳酸リンゲル注射液が挙げられる。典型的には、液体中の活性成分の濃度は、約1ng/ml〜約10μg/ml、例えば約10ng/ml〜約1μg/mlである。配合物は、単位用量または複数用量で密閉された容器、例えば、アンプル及びバイアル中に入れられている場合があり、また、凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態で貯蔵されていて、使用直前に滅菌液状キャリア、例えば水を加えるだけでよい場合がある。即時注射液剤及び懸濁剤は、滅菌散剤、顆粒、及び錠剤から調製することができる。
【0255】
投薬量
当業者には当然のことながら、複合体化合物、及び複合体化合物を含む組成物の適切な投薬量は、患者ごとに異なる可能性がある。最適な投薬量の決定は、一般に、治療効果のレベルとあらゆるリスクまたは危険な副作用との兼ね合いが関与することになる。選択される投薬量レベルは、様々な要因に依存することになり、そのような要因として、特定化合物の活性、投与経路、投与時間、化合物の排泄速度、治療期間、併用される他の薬物、化合物、及び/または材料、症状の重篤度、ならびに患者の種族、性別、年齢、体重、状態、全身の健康状態、及び以前の治療歴が挙げられるが、これらに限定されない。化合物の量及び投与経路は、最終的に、医師、獣医師、または臨床医の判断に任されることになるが、一般に、投薬量は、実質的に有害なまたは危険な副作用を引き起こすことなく所望の効果を達成する局所濃度を作用部位で達成するように選択されることになる。
【0256】
投与は、一つの用量で実現可能であり、その用量は治療課程を通じて連続的または断続的(例えば、適切な間隔を開けた分割用量)である。投与の最も効果的な手段及び投薬量を決定する方法は、当業者に周知であり、治療に使用される配合物、治療目的、治療される標的細胞(複数可)、及び治療される対象に合わせて変化することになる。一回または複数投与は、担当医師、獣医師、または臨床医により選択された用量レベル及びパターンに合わせて行うことができる。
【0257】
一般に、活性化合物の適切な用量は、1日あたり、対象の体重1キログラムあたり、約100ng〜約25mg(より典型的には、約1μg〜約10mg)の範囲にある。活性化合物が、塩、エステル、アミド、プロドラッグなどである場合、投与される量は、親化合物に基づいて計算され、そのため使用される実際の重量は、比例して増加する。
【0258】
1つの実施形態において、活性化合物は、以下の投薬レジメに従ってヒト患者に投与される:約100mg、1日3回。
【0259】
1つの実施形態において、活性化合物は、以下の投薬レジメに従ってヒト患者に投与される:約150mg、1日2回。
【0260】
1つの実施形態において、活性化合物は、以下の投薬レジメに従ってヒト患者に投与される:約200mg、1日2回。
【0261】
しかしながら、1つの実施形態において、複合体化合物は、以下の投薬レジメに従ってヒト患者に投与される:約50または約75mg、1日3回または4回。
【0262】
1つの実施形態において、複合体化合物は、以下の投薬レジメに従ってヒト患者に投与される:約100または約125mg、1日2回。
【0263】
上記の投薬量は、複合体(PBD部分及び抗体と接続するリンカーを含む)または提供される有効量のPBD化合物に適用することができ、例えば、化合物の量は、リンカー切断後に放出可能な量である。
【0264】
疾患の予防または治療の場合、本発明のADCの適切な投薬量は、上記で定義されるとおりの治療予定の疾患の種類、疾患の重篤度及び過程、分子が予防目的で投与されるのか治療目的で投与されるのか、以前の治療、患者の病歴及び抗体に対する反応、ならびに担当医師の判断に依存することになる。分子は、患者に、一回で、または一連の治療にわたって、適切に投与される。疾患の種類及び重篤度に応じて、約1μg/kg〜15mg/kg(例えば、0.1〜20mg/kg)の分子が、例えば、一回でまたは複数の分離した投与によるのか、または持続点滴によるのかに関わらず、患者に投与する最初の投薬量候補である。典型的な1日投薬量は、上記の要因に応じて、約1μg/kg〜100mg/kgの範囲またはそれ以上になる可能性がある。患者に投与する予定のADC投薬量の例は、約0.1〜約10mg/患者体重kgの範囲にある。数日間またはそれより長期にわたる繰り返し投与の場合、状態に応じて、治療は、所望の疾患症候の抑制が生じるまで継続される。投薬レジメンの例は、最初の負荷投与を約4mg/kgで投与し、続いてADCの追加用量を毎週、2週間、または3週間投与するコースを含む。他の投薬レジメンが有用な場合もある。この治療の進行は、従来の技法及びアッセイにより容易にモニタリングされる。
【0265】
治療
「治療」という用語は、症状の治療の文脈において本明細書中使用される場合、ヒトであるか動物であるか(例えば、獣医学用途において)に関わらず、概して、ある所望の治療効果、例えば、症状の増悪の阻害などが達成される治療及び療法に関し、この用語は、増悪の速度の低下、増悪の速度の停止、症状の退行、症状の寛解、及び症状の治癒を含む。予防的手段としての治療(すなわち、予防、防止)も含まれる。
【0266】
「治療上有効量」という用語は、本明細書中使用される場合、所望の治療レジメンに従って投与した場合に、ある所望の治療効果を生じるのに有効であり、合理的なベネフィット/リスクに見合った、活性化合物、または活性化合物を含む材料、組成物、もしくは剤型の量に関する。
【0267】
同様に、「予防上有効量」という用語は、本明細書中使用される場合、所望の治療レジメンに従って投与した場合に、ある所望の予防効果を生じるのに有効であり、合理的なベネフィット/リスクに見合った、活性化合物、または活性化合物を含む材料、組成物、もしくは剤型の量に関する。
【0268】
薬物複合体の調製
本発明の抗体薬物複合体は、以下の薬物リンカー:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
を、例えば、van Geel, R., et al., Bioconjugate Chemistry, 2015, 26, 2233−2242;DOI:10.1021/acs.bioconjchem.5b00224に記載されるとおりの方法により、アジド含有抗体と複合体形成させることにより、調製することができる。適切な方法として、例えば、水性条件下、DMF、DMSO、及びDMAから選択される任意選択の共溶媒を用いる銅を含まない複合体形成が挙げられるが、これに限定されない。
【0269】
薬物リンカーは、実施例に従って、適切な修飾を行って合成することができ、例えば、リンカーの合成については、WO 2016/053107を参照し、及びPBD二量体については、例えば以下の文献を参照する:WO 2011/130598、WO 2013/055987、WO 2014/057074。
【0270】
対象/患者
対象/患者は、動物、哺乳類、有胎盤哺乳類、有袋類(例えば、カンガルー、マーモット)、単孔類(例えば、カモノハシ)、齧歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、マウス類(例えば、マウス)、ウサギ類(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、トリ)、イヌ類(例えば、イヌ)、ネコ類(例えば、ネコ)、ウマ類(例えば、ウマ)、ブタ類(例えば、ブタ)、ヒツジ類(例えば、ヒツジ)、ウシ類(例えば、ウシ)、霊長類、真猿類(例えば、サルまたは類人猿)、サル類(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、またはヒトの場合がある。
【0271】
そのうえさらに、対象/患者は、その発育形態のいずれの場合もあり、例えば、胎児の場合もある。1つの好適な実施形態において、対象/患者は、ヒトである。
【0272】
発明の条項
以下の番号を付した条項は、本発明のいくつかの具体的に想定される組み合わせを記載する。
【0273】
抗DLK1複合体
1.以下の式(I)の複合体:
Ab−(DL)
p (I)
であって、式中:
Abは、DLK1に結合する抗体であり;
DLは、以下
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中:
Xは、単結合、−CH
2−、及び−C
2H
4−からなる群より選択され;
nは、1〜8であり;
mは、0または1であり;
R
7は、メチルまたはフェニルいずれかであり;
C2とC3の間に二重結合が存在する場合、R
2は、以下からなる群より選択され:
(ia)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換され:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(ib)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3−6飽和シクロアルキル;
(id)
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、前記R
2基の炭素原子の合計数は、5以下であり;
(ie)
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
25a及びR
25bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(if)
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;
C2とC3の間に単結合が存在する場合、R
2は、以下
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
26a及びR
26bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換され;あるいは、R
26a及びR
26bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択され;
C2’とC3’の間に二重結合がある場合、R
12は、以下からなる群より選択され:
(iia)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換され:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(iib)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(iic)C
3−6飽和シクロアルキル;
(iid)
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
31、R
32、及びR
33はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、前記R
12基の炭素原子の合計数は、5以下であり;
(iie)
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
35a及びR
35bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(iif)
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;
C2’とC3’の間に単結合が存在する場合、R
12は、以下
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
36a及びR
36bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換され;あるいは、R
36a及びR
36bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択され;
ならびにpは、1〜8である、
前記複合体。
【0274】
2.Xは、単結合である、条項1に記載の複合体。
【0275】
3.Xは、−CH
2−である、条項1に記載の複合体。
【0276】
4.Xは、−C
2H
4−である、条項1に記載の複合体。
【0277】
5.nは、1〜4である、条項1から4のいずれか1項に記載の複合体。
【0278】
6.nは、1である、条項5に記載の複合体。
【0279】
7.nは、2である、条項5に記載の複合体。
【0280】
8.nは、4である、条項5に記載の複合体。
【0281】
9.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
5−7アリール基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0282】
10.R
2は、フェニルである、条項9に記載の化合物。
【0283】
11.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
8−10アリール基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0284】
12.R
2は、1つ〜3つの置換基を有する、条項9から11のいずれか1項に記載の化合物。
【0285】
13.前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、条項9から12のいずれか1項に記載の化合物。
【0286】
14.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
1−5飽和脂肪族アルキル基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0287】
15.R
2は、メチル、エチル、またはプロピルである、条項14に記載の化合物。
【0288】
16.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
3−6飽和シクロアルキル基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0289】
17.R
2は、シクロプロピルである、条項16に記載の化合物。
【0290】
18.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0291】
19.前記R
2基の炭素原子の合計数は、4以下である、条項18に記載の化合物。
【0292】
20.前記R
2基の炭素原子の合計数は、3以下である、条項19に記載の化合物。
【0293】
21.R
21、R
22、及びR
23のうち1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【0294】
22.R
21、R
22、及びR
23のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【0295】
23.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
24.R
2は、以下の基である、条項23に記載の化合物:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0297】
25.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0298】
26.R
24は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される、条項25に記載の化合物。
【0299】
27.R
24は、H及びメチルから選択される、条項26に記載の化合物。
【0300】
28.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
26a及びR
26bは、両方ともHである、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0301】
29.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
26a及びR
26bは、両方ともメチルである、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0302】
30.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
であり、R
26a及びR
26bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0303】
31.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
5−7アリール基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0304】
32.R
12は、フェニルである、条項31に記載の化合物。
【0305】
33.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
8−10アリール基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0306】
34.R
12は、1つ〜3つの置換基を有する、条項31から33のいずれか1項に記載の化合物。
【0307】
35.前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、条項31から34のいずれか1項に記載の化合物。
【0308】
36.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
1−5飽和脂肪族アルキル基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0309】
37.R
12は、メチル、エチル、またはプロピルである、条項36に記載の化合物。
【0310】
38.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
3−6飽和シクロアルキル基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0311】
39.R
12は、シクロプロピルである、条項38に記載の化合物。
【0312】
40.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0313】
41.前記R
12基の炭素原子の合計数は、4以下である、条項40に記載の化合物。
【0314】
42.前記R
12基の炭素原子の合計数は、3以下である、条項41に記載の化合物。
【0315】
43.R
31、R
32、及びR
33のうち1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項40から42のいずれか1項に記載の化合物。
【0316】
44.R
31、R
32、及びR
33のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項40から42のいずれか1項に記載の化合物。
【0317】
45.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0318】
46.R
12は、以下の式の基である、条項45に記載の化合物:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0319】
47.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0320】
48.R
34は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される、条項47に記載の化合物。
【0321】
49.R
34は、H及びメチルから選択される、条項48に記載の化合物。
【0322】
50.C2’とC3’の間には単結合が存在し、かつR
12は
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
36a及びR
36bは、両方ともHである、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0323】
51.C2’とC3’の間には単結合が存在し、R
12は
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
36a及びR
36bは、両方ともメチルである、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0324】
52.C2’とC3’の間には単結合が存在し、R
12は
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
であり、R
36a及びR
36bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0325】
53.DLは、以下のものである、条項1に記載の複合体:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0326】
54.前記抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、条項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
【0327】
55.前記抗体は、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から54のいずれか1項に記載の複合体。
【0328】
56.前記抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から55のいずれか1項に記載の複合体。
【0329】
57.前記抗体は、配列番号1の配列を有するVHドメインを含む、条項1から56のいずれか1項に記載の複合体。
【0330】
58.前記抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、条項1から57のいずれか1項に記載の複合体。
【0331】
59.前記抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から58のいずれか1項に記載の複合体。
【0332】
60.前記抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から59のいずれか1項に記載の複合体。
【0333】
61.前記抗体は、配列番号2の配列を有するVLドメインを含む、条項1から60のいずれか1項に記載の複合体。
【0334】
62.前記抗体は、無傷抗体である、条項1から61のいずれか1項に記載の複合体。
【0335】
63.前記抗体は、配列番号3の配列を有する重鎖または配列番号11の配列を有する重鎖を含む、条項1から62のいずれか1項に記載の複合体。
【0336】
64.前記抗体は、配列番号4の配列を有する軽鎖を含む、条項1から63のいずれか1項に記載の複合体。
【0337】
65.前記抗体は、ヒト化、脱免疫化、または表面再構成されている、条項1から64のいずれか1項に記載の複合体。
【0338】
66.前記抗体には、複合体形成していないアジド基は存在しない、条項1から65のいずれか1項に記載の複合体。
【0339】
67.pは、1、2、3、または4である、条項1から66のいずれか1項に記載の複合体。
【0340】
68.条項1から67のいずれか1項に定義されるとおりの抗体薬物複合体化合物の混合物を含む組成物であって、前記抗体薬物複合体化合物混合物中の抗体あたりの平均薬物担持数は、約1〜約4である、前記組成物。
【0341】
69.治療に使用するための、条項1から67のいずれか1項に記載の複合体。
【0342】
70.対象における増殖性疾患の治療に使用するための、条項1から67のいずれか1項に記載の複合体。
【0343】
71.前記疾患は、がんである、条項70に記載の複合体。
【0344】
72.前記がんは、以下からなる群より選択されるがんである、条項71に記載の複合体:肝細胞癌、肝芽腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、結腸癌、乳癌、胃癌、膵癌、神経芽細胞腫、副腎癌、クロム親和性細胞腫、傍神経節腫、甲状腺髄様癌、骨格筋癌、脂肪肉腫、神経膠腫、ウィルムス腫瘍、神経内分泌腫瘍、急性骨髄性白血病、及び骨髄異形成症候群。
【0345】
73.条項1から67のいずれか1項に記載の複合体、及び薬学上許容される希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む、医薬組成物。
【0346】
74.さらに、治療上有効量の化学療法薬を含む、条項73に記載の医薬組成物。
【0347】
75.対象における増殖性疾患の治療に使用するための医薬の調製における、条項1から67のいずれか1項に記載の複合体の使用。
【0348】
76.患者に、条項74に記載の医薬組成物を投与することを含む、がんの治療方法。
【0349】
77.前記患者は、前記複合体と組み合わせて、化学療法薬を投与される、条項76に記載の方法。
【0350】
抗KAAG1複合体
1.以下の式(I)の複合体:
Ab−(DL)
p (I)
であって、式中:
Abは、KAAG1に結合する抗体であり;
DLは、以下
【化49】
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であり、式中:
Xは、単結合、−CH
2−、及び−C
2H
4−からなる群より選択され;
nは、1〜8であり;
mは、0または1であり;
R
7は、メチルまたはフェニルいずれかであり;
C2とC3の間に二重結合が存在する場合、R
2は、以下からなる群より選択され:
(ia)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換され:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(ib)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3−6飽和シクロアルキル;
(id)
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、R
2基の炭素原子の合計数は、5以下であり;
(ie)
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
25a及びR
25bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(if)
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;
C2とC3の間に単結合が存在する場合、R
2は、以下
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
26a及びR
26bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換され;あるいは、R
26a及びR
26bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択され;
C2’とC3’の間に二重結合がある場合、R
12は、以下からなる群より選択され:
(iia)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換され:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(iib)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(iic)C
3−6飽和シクロアルキル;
(iid)
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
31、R
32、及びR
33はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、前記R
12基の炭素原子の合計数は、5以下であり;
(iie)
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
35a及びR
35bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(iif)
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;
C2’とC3’の間に単結合が存在する場合、R
12は、以下
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
36a及びR
36bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換され;あるいは、R
36a及びR
36bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択され;
ならびにpは、1〜8である、
前記複合体。
【0351】
2.Xは、単結合である、条項1に記載の複合体。
【0352】
3.Xは、−CH
2−である、条項1に記載の複合体。
【0353】
4.Xは、−C
2H
4−である、条項1に記載の複合体。
【0354】
5.nは、1〜4である、条項1から4のいずれか1項に記載の複合体。
【0355】
6.nは、1である、条項5に記載の複合体。
【0356】
7.nは、2である、条項5に記載の複合体。
【0357】
8.nは、4である、条項5に記載の複合体。
【0358】
9.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
5−7アリール基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0359】
10.R
2は、フェニルである、条項9に記載の化合物。
【0360】
11.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
8−10アリール基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0361】
12.R
2は、1つ〜3つの置換基を有する、条項9から11のいずれか1項に記載の化合物。
【0362】
13.前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、条項9から12のいずれか1項に記載の化合物。
【0363】
14.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
1−5飽和脂肪族アルキル基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0364】
15.R
2は、メチル、エチル、またはプロピルである、条項14に記載の化合物。
【0365】
16.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
3−6飽和シクロアルキル基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0366】
17.R
2は、シクロプロピルである、条項16に記載の化合物。
【0367】
18.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0368】
19.前記R
2基の炭素原子の合計数は、4以下である、条項18に記載の化合物。
【0369】
20.前記R
2基の炭素原子の合計数は、3以下である、条項19に記載の化合物。
【0370】
21.R
21、R
22、及びR
23のうち1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【0371】
22.R
21、R
22、及びR
23のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【0372】
23.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0373】
24.R
2は、以下の基である、条項23に記載の化合物:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0374】
25.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0375】
26.R
24は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される、条項25に記載の化合物。
【0376】
27.R
24は、H及びメチルから選択される、条項26に記載の化合物。
【0377】
28.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
26a及びR
26bは、両方ともHである、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0378】
29.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
26a及びR
26bは、両方ともメチルである、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0379】
30.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
であり、R
26a及びR
26bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0380】
31.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
5−7アリール基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0381】
32.R
12は、フェニルである、条項31に記載の化合物。
【0382】
33.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
8−10アリール基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0383】
34.R
12は、1つ〜3つの置換基を有する、条項31から33のいずれか1項に記載の化合物。
【0384】
35.前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、条項31から34のいずれか1項に記載の化合物。
【0385】
36.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
1−5飽和脂肪族アルキル基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0386】
37.R
12は、メチル、エチル、またはプロピルである、条項36に記載の化合物。
【0387】
38.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
3−6飽和シクロアルキル基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0388】
39.R
12は、シクロプロピルである、条項38に記載の化合物。
【0389】
40.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0390】
41.前記R
12基の炭素原子の合計数は、4以下である、条項40に記載の化合物。
【0391】
42.前記R
12基の炭素原子の合計数は、3以下である、条項41に記載の化合物。
【0392】
43.R
31、R
32、及びR
33のうち1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項40から42のいずれか1項に記載の化合物。
【0393】
44.R
31、R
32、及びR
33のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項40から42のいずれか1項に記載の化合物。
【0394】
45.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0395】
46.R
12は、以下の式の基である、条項45に記載の化合物:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0396】
47.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0397】
48.R
34は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される、条項47に記載の化合物。
【0398】
49.R
34は、H及びメチルから選択される、条項48に記載の化合物。
【0399】
50.C2’とC3’の間には単結合が存在し、かつR
12は
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
36a及びR
36bは、両方ともHである、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0400】
51.C2’とC3’の間には単結合が存在し、R
12は
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
36a及びR
36bは、両方ともメチルである、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0401】
52.C2’とC3’の間には単結合が存在し、R
12は
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
であり、R
36a及びR
36bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0402】
53.DLは、以下のものである、条項1に記載の複合体:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0403】
54.前記抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、条項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
【0404】
55.前記抗体は、配列番号106のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号105のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から54のいずれか1項に記載の複合体。
【0405】
56.前記抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号106のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号105のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から55のいずれか1項に記載の複合体。
【0406】
57.前記抗体は、配列番号101の配列を有するVHドメインを含む、条項1から56のいずれか1項に記載の複合体。
【0407】
58.前記抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、条項1から57のいずれか1項に記載の複合体。
【0408】
59.前記抗体は、配列番号109のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号108のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から58のいずれか1項に記載の複合体。
【0409】
60.前記抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号109のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号108のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から59のいずれか1項に記載の複合体。
【0410】
61.前記抗体は、配列番号102の配列を有するVLドメインを含む、条項1から60のいずれか1項に記載の複合体。
【0411】
62.前記抗体は、配列番号113の配列を有するVLドメインを含む、条項1から60のいずれか1項に記載の複合体。
【0412】
63.前記抗体は、配列番号115の配列を有するVLドメインを含む、条項1から60のいずれか1項に記載の複合体。
【0413】
64.前記抗体は、無傷抗体である、条項1から63のいずれか1項に記載の複合体。
【0414】
65.前記抗体は、配列番号103の配列を有する重鎖または配列番号111の配列を有する重鎖を含む、条項1から64のいずれか1項に記載の複合体。
【0415】
66.前記抗体は、配列番号104の配列を有する軽鎖を含む、条項1から65のいずれか1項に記載の複合体。
【0416】
67.前記抗体は、配列番号114の配列を有する軽鎖を含む、条項1から65のいずれか1項に記載の複合体。
【0417】
68.前記抗体は、配列番号116の配列を有する軽鎖を含む、条項1から65のいずれか1項に記載の複合体。
【0418】
69.前記抗体は、ヒト化、脱免疫化、または表面再構成されている、条項1から68のいずれか1項に記載の複合体。
【0419】
70.前記抗体には、複合体形成していないアジド基は存在しない、条項1から69のいずれか1項に記載の複合体。
【0420】
71.pは、1、2、3、または4である、条項1から70のいずれか1項に記載の複合体。
【0421】
72.条項1から71のいずれか1項に定義されるとおりの抗体薬物複合体化合物の混合物を含む組成物であって、前記抗体薬物複合体化合物混合物中の抗体あたりの平均薬物担持数は、約1〜約4である、前記組成物。
【0422】
73.治療に使用するための、条項1から71のいずれか1項に記載の複合体。
【0423】
74.対象における増殖性疾患の治療に使用するための、条項1から71のいずれか1項に記載の複合体。
【0424】
75.前記疾患は、がんである、条項74に記載の複合体。
【0425】
76.前記がんは、以下からなる群より選択されるがんである、条項75に記載の複合体:卵巣癌、乳癌、前立腺癌、及び腎癌。
【0426】
77.条項1から71のいずれか1項に記載の複合体、及び薬学上許容される希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む、医薬組成物。
【0427】
78.さらに、治療上有効量の化学療法薬を含む、条項77に記載の医薬組成物。
【0428】
79.対象における増殖性疾患の治療に使用するための医薬の調製における、条項1から71のいずれか1項に記載の複合体の使用。
【0429】
80.患者に、条項78に記載の医薬組成物を投与することを含む、がんの治療方法。
【0430】
81.前記患者は、前記複合体と組み合わせて、化学療法薬を投与される、条項80に記載の方法。
【0431】
抗メソテリン複合体
1.以下の式(I)の複合体:
Ab−(DL)
p (I)
であって、式中:
Abは、メソテリンに結合する抗体であり;
DLは、以下
【化73】
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であり、式中:
Xは、単結合、−CH
2−、及び−C
2H
4−からなる群より選択され;
nは、1〜8であり;
mは、0または1であり;
R
7は、メチルまたはフェニルいずれかであり;
C2とC3の間に二重結合が存在する場合、R
2は、以下からなる群より選択され:
(ia)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換され:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(ib)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3−6飽和シクロアルキル;
(id)
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、前記R
2基の炭素原子の合計数は、5以下であり;
(ie)
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
25a及びR
25bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(if)
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;
C2とC3の間に単結合が存在する場合、R
2は、以下
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
26a及びR
26bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換され;あるいは、R
26a及びR
26bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択され;
C2’とC3’の間に二重結合がある場合、R
12は、以下からなる群より選択され:
(iia)C
5−10アリール基、この基は、以下からなる群より選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換され:ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1−7アルキル、C
3−7ヘテロシクリル、及びビス−オキシ−C
1−3アルキレン;
(iib)C
1−5飽和脂肪族アルキル;
(iic)C
3−6飽和シクロアルキル;
(iid)
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
31、R
32、及びR
33はそれぞれ、独立して、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択され、ただし、前記R
12基の炭素原子の合計数は、5以下であり;
(iie)
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
35a及びR
35bの一方は、Hであり、他方は、以下から選択され:フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;ならびに
(iif)
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
、式中、R
24は、以下から選択され:H;C
1−3飽和アルキル;C
2−3アルケニル;C
2−3アルキニル;シクロプロピル;フェニル、このフェニルは、ハロ、メチル、メトキシから選択される基により任意選択で置換され;ピリジル;及びチオフェニル;
C2’とC3’の間に単結合が存在する場合、R
12は、以下
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
、であり、式中、R
36a及びR
36bは、独立して、H、F、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、C
1−4アルキルアミド及びC
1−4アルキルエステルから選択される基により任意選択で置換され;あるいは、R
36a及びR
36bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1−4アルキルエステルから選択され;
ならびにpは、1〜8である、
前記複合体。
【0432】
2.Xは、単結合である、条項1に記載の複合体。
【0433】
3.Xは、−CH
2−である、条項1に記載の複合体。
【0434】
4.Xは、−C
2H
4−である、条項1に記載の複合体。
【0435】
5.nは、1〜4である、条項1から4のいずれか1項に記載の複合体。
【0436】
6.nは、1である、条項5に記載の複合体。
【0437】
7.nは、2である、条項5に記載の複合体。
【0438】
8.nは、4である、条項5に記載の複合体。
【0439】
9.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
5−7アリール基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0440】
10.R
2は、フェニルである、条項9に記載の化合物。
【0441】
11.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
8−10アリール基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0442】
12.R
2は、1つ〜3つの置換基を有する、条項9から11のいずれか1項に記載の化合物。
【0443】
13.前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、条項9から12のいずれか1項に記載の化合物。
【0444】
14.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
1−5飽和脂肪族アルキル基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0445】
15.R
2は、メチル、エチル、またはプロピルである、条項14に記載の化合物。
【0446】
16.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、C
3−6飽和シクロアルキル基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0447】
17.R
2は、シクロプロピルである、条項16に記載の化合物。
【0448】
18.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0449】
19.前記R
2基の炭素原子の合計数は、4以下である、条項18に記載の化合物。
【0450】
20.前記R
2基の炭素原子の合計数は、3以下である、条項19に記載の化合物。
【0451】
21.R
21、R
22、及びR
23のうち1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【0452】
22.R
21、R
22、及びR
23のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【0453】
23.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0454】
24.R
2は、以下の基である、条項23に記載の化合物:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0455】
25.C2とC3の間には二重結合が存在し、かつR
2は、以下の式の基である、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0456】
26.R
24は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される、条項25に記載の化合物。
【0457】
27.R
24は、H及びメチルから選択される、条項26に記載の化合物。
【0458】
28.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
26a及びR
26bは、両方ともHである、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0459】
29.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
26a及びR
26bは、両方ともメチルである、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0460】
30.C2とC3の間には単結合が存在し、かつR
2は、
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
であり、R
26a及びR
26bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される、条項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【0461】
31.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
5−7アリール基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0462】
32.R
12は、フェニルである、条項31に記載の化合物。
【0463】
33.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
8−10アリール基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0464】
34.R
12は、1つ〜3つの置換基を有する、条項31から33のいずれか1項に記載の化合物。
【0465】
35.前記置換基は、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチルピペラジニル、モルホリノ、及びメチルチオフェニルから選択される、条項31から34のいずれか1項に記載の化合物。
【0466】
36.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
1−5飽和脂肪族アルキル基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0467】
37.R
12は、メチル、エチル、またはプロピルである、条項36に記載の化合物。
【0468】
38.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、C
3−6飽和シクロアルキル基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0469】
39.R
12は、シクロプロピルである、条項38に記載の化合物。
【0470】
40.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0471】
41.前記R
12基の炭素原子の合計数は、4以下である、条項40に記載の化合物。
【0472】
42.前記R
12基の炭素原子の合計数は、3以下である、条項41に記載の化合物。
【0473】
43.R
31、R
32、及びR
33のうち1つはHであり、その他の2つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項40から42のいずれか1項に記載の化合物。
【0474】
44.R
31、R
32、及びR
33のうち2つはHであり、その他の1つの基は、H、C
1−3飽和アルキル、C
2−3アルケニル、C
2−3アルキニル、及びシクロプロピルから選択される、条項40から42のいずれか1項に記載の化合物。
【0475】
45.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0476】
46.R
12は、以下の式の基である、条項45に記載の化合物:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0477】
47.C2’とC3’の間には二重結合が存在し、かつR
12は、以下の式の基である、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0478】
48.R
34は、H、メチル、エチル、エテニル、及びエチニルから選択される、条項47に記載の化合物。
【0479】
49.R
34は、H及びメチルから選択される、条項48に記載の化合物。
【0480】
50.C2’とC3’の間には単結合が存在し、かつR
12は
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
36a及びR
36bは、両方ともHである、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0481】
51.C2’とC3’の間には単結合が存在し、R
12は
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
であり、かつR
36a及びR
36bは、両方ともメチルである、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0482】
52.C2’とC3’の間には単結合が存在し、R
12は
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
であり、R
36a及びR
36bの一方はHであり、かつ他方は、C
1−4飽和アルキル、C
2−3アルケニルから選択され、これらアルキル及びアルケニル基は、任意選択で置換される、条項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【0483】
53.DLは、以下のものである、条項1に記載の複合体:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
。
【0484】
54.前記抗体は、配列番号207のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、条項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
【0485】
55.前記抗体は、配列番号206のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号205のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から54のいずれか1項に記載の複合体。
【0486】
56.前記抗体は、配列番号207のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号206のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号205のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から55のいずれか1項に記載の複合体。
【0487】
57.前記抗体は、配列番号201の配列を有するVHドメインを含む、条項1から56のいずれか1項に記載の複合体。
【0488】
58.前記抗体は、配列番号210のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、条項1から57のいずれか1項に記載の複合体。
【0489】
59.前記抗体は、配列番号209のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号208のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から58のいずれか1項に記載の複合体。
【0490】
60.前記抗体は、配列番号210のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号209のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号208のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から59のいずれか1項に記載の複合体。
【0491】
61.前記抗体は、配列番号202の配列を有するVLドメインを含む、条項1から60のいずれか1項に記載の複合体。
【0492】
62.前記抗体は、無傷抗体である、条項1から61のいずれか1項に記載の複合体。
【0493】
63.前記抗体は、配列番号203の配列を有する重鎖または配列番号211の配列を有する重鎖を含む、条項1から62のいずれか1項に記載の複合体。
【0494】
64.前記抗体は、配列番号204の配列を有する軽鎖を含む、条項1から63のいずれか1項に記載の複合体。
【0495】
65.前記抗体は、配列番号218のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、条項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
【0496】
66.前記抗体は、配列番号217のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号216のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から53または65のいずれか1項に記載の複合体。
【0497】
67.前記抗体は、配列番号218のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号217のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号216のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から53または65から66のいずれか1項に記載の複合体。
【0498】
68.前記抗体は、配列番号212の配列を有するVHドメインを含む、条項1から53または65から67のいずれか1項に記載の複合体。
【0499】
69.前記抗体は、配列番号221のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、条項1から53または65から68のいずれか1項に記載の複合体。
【0500】
70.前記抗体は、配列番号220のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号219のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から53または65から69のいずれか1項に記載の複合体。
【0501】
71.前記抗体は、配列番号221のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号220のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号219のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から53または65から70のいずれか1項に記載の複合体。
【0502】
72.前記抗体は、配列番号213の配列を有するVLドメインを含む、条項1から53または65から71のいずれか1項に記載の複合体。
【0503】
73.前記抗体は、無傷抗体である、条項1から53または65から72のいずれか1項に記載の複合体。
【0504】
74.前記抗体は、配列番号214の配列を有する重鎖または配列番号222の配列を有する重鎖を含む、条項1から53または65から73のいずれか1項に記載の複合体。
【0505】
75.前記抗体は、配列番号215の配列を有する軽鎖を含む、条項1から53または65から74のいずれか1項に記載の複合体。
【0506】
76.前記抗体は、配列番号229のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、条項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
【0507】
77.前記抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号227のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から53または76のいずれか1項に記載の複合体。
【0508】
78.前記抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号227のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号226のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から53または76から77のいずれか1項に記載の複合体。
【0509】
79.前記抗体は、配列番号223の配列を有するVHドメインを含む、条項1から53または76から78のいずれか1項に記載の複合体。
【0510】
80.前記抗体は、配列番号232のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、条項1から53または76から79のいずれか1項に記載の複合体。
【0511】
81.前記抗体は、配列番号231のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号230のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から53または76から80のいずれか1項に記載の複合体。
【0512】
82.前記抗体は、配列番号232のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号231のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号230のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から53または76から81のいずれか1項に記載の複合体。
【0513】
83.前記抗体は、配列番号224の配列を有するVLドメインを含む、条項1から53または76から82のいずれか1項に記載の複合体。
【0514】
84.前記抗体は、無傷抗体である、条項1から53または76から83のいずれか1項に記載の複合体。
【0515】
85.前記抗体は、配列番号225の配列を有する重鎖または配列番号233の配列を有する重鎖を含む、条項1から53または76から84のいずれか1項に記載の複合体。
【0516】
86.前記抗体は、配列番号226の配列を有する軽鎖を含む、条項1から53または76から85のいずれか1項に記載の複合体。
【0517】
87.前記抗体は、配列番号240のアミノ酸配列を持つVH CDR3を有するVHドメインを含む、条項1から53のいずれか1項に記載の複合体。
【0518】
88.前記抗体は、配列番号239のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び/または配列番号238のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から53または87のいずれか1項に記載の複合体。
【0519】
89.前記抗体は、配列番号240のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号239のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号238のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、条項1から53または87から88のいずれか1項に記載の複合体。
【0520】
90.前記抗体は、配列番号234の配列を有するVHドメインを含む、条項1から53または87から89のいずれか1項に記載の複合体。
【0521】
91.前記抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を持つVL CDR3を有するVLドメインを含む、条項1から53または87から90のいずれか1項に記載の複合体。
【0522】
92.前記抗体は、配列番号242のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び/または配列番号241のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から53または87から91のいずれか1項に記載の複合体。
【0523】
93.前記抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号242のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号241のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、条項1から53または87から92のいずれか1項に記載の複合体。
【0524】
94.前記抗体は、配列番号235の配列を有するVLドメインを含む、条項1から53または87から93のいずれか1項に記載の複合体。
【0525】
95.前記抗体は、無傷抗体である、条項1から53または87から94のいずれか1項に記載の複合体。
【0526】
96.前記抗体は、配列番号236の配列を有する重鎖または配列番号244の配列を有する重鎖を含む、条項1から53または87から95のいずれか1項に記載の複合体。
【0527】
97.前記抗体は、配列番号237の配列を有する軽鎖を含む、条項1から53または87から96のいずれか1項に記載の複合体。
【0528】
98.前記抗体は、ヒト化、脱免疫化、または表面再構成されている、条項1から97のいずれか1項に記載の複合体。
【0529】
99.前記抗体には、複合体形成していないアジド基は存在しない、条項1から98のいずれか1項に記載の複合体。
【0530】
100.pは、1、2、3、または4である、条項1から99のいずれか1項に記載の複合体。
【0531】
101.条項1から100のいずれか1項に定義されるとおりの抗体薬物複合体化合物混合物を含む組成物であって、前記抗体薬物複合体化合物混合物中の抗体あたりの平均薬物担持数は、約1〜約4である、前記組成物。
【0532】
102.治療に使用するための、条項1から100のいずれか1項に記載の複合体。
【0533】
103.対象における増殖性疾患の治療に使用するための、条項1から100のいずれか1項に記載の複合体。
【0534】
104.前記疾患は、がんである、条項103に記載の複合体。
【0535】
105.前記がんは、以下からなる群より選択されるがんである、条項104に記載の複合体:中皮腫、肺癌、卵巣癌、及び膵癌。
【0536】
106.条項1から100のいずれか1項に記載の複合体、及び薬学上許容される希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む、医薬組成物。
【0537】
107.さらに、治療上有効量の化学療法薬を含む、条項106に記載の医薬組成物。
【0538】
108.対象における増殖性疾患の治療に使用するための医薬の調製における、条項1から100のいずれか1項に記載の複合体の使用。
【0539】
109.患者に、条項101に記載の医薬組成物を投与することを含む、がんの治療方法。
【0540】
110.前記患者は、前記複合体と組み合わせて、化学療法薬を投与される、条項109に記載の方法。
【実施例】
【0541】
概要
本明細書中開示されるADCは、2段階プロセスで合成される。第一段階−グリカン再構築−天然のN−結合グリカンを切断して核GlcNAcに戻し、それからアジド修飾GalNAcを付加して、抗体−GalNAc−N
3中間体を形成させる。これをタンパク質Aクロマトグラフィーにより精製し、次いで、第二段階において、薬物リンカーと複合体形成させる。
【0542】
これらの段階を、どのように薬物リンカーを合成するかについての以下の説明で、説明する。
【0543】
中間体3の合成
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
N
2雰囲気下、BCNアルコール(0.384g、2.55mmol)をMeCN(25mL)に溶解させた溶液を、0℃に冷却し、そこに、イソシアン酸クロロスルホニル(CSI)を滴下して加えた(0.255mL、415mg、2.93mmol、1.15当量)。15分撹拌後、Et
3Nを滴下して加え(1.42mL、1.03g、10.2mmol、4当量)、さらに10分間撹拌を続けた。次に、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)酢酸(1.0g、6.1mmol、2.4当量)をH
2O(5mL)に溶解させた溶液を加え、反応混合物を、室温で2時間撹拌した。この後、CHCl
3(50mL)及びH
2O(100mL)を加え、層を分離させた。分液漏斗に入れた水層に、CH
2Cl
2(100mL)を加え、1NのHClでpHを4に調整してから、層を分離させた。水層を、CH
2Cl
2で2回抽出し(2×100mL)、有機層をまとめて、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカのフラスコカラムクロマトグラフィーでCH
2Cl
2から20%MeOH含有CH
2Cl
2の勾配で溶出させて精製し、無色粘着ワックス状物として、中間体3を0.42g(1.0mmol、39%)得た。
【0544】
薬物リンカーの合成
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1は、WO2014/057074に記載されるとおりに合成可能である−化合物22を参照。
【0545】
(a)テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh
3)
4、4.8mg、4.15μmol)を計量し、不活性雰囲気下におく。ピロリジン(5.0μL、4.3mg、60μmol)をDCM(1mL)に溶解させた溶液全体にN
2を吹き込むことにより、溶液を脱気する。化合物1(27mg、24μmol)をDCM(6mL)に溶解させた溶液全体にN
2を吹き込むことにより、溶液を脱気する。溶液全体にN
2を吹き込み続けながら、脱気したピロリジン溶液を加える。計量したPd(PPh
3)
4をDCM(1mL)に溶解させ、この溶液のうち0.9mLを加える。50分間N
2を吹き込んだ後、DCM(25mL)を加え、混合物を飽和NH
4Cl水溶液(25mL)で洗う。分離後、水層を、DCM(2×25mL)で抽出する。有機層をまとめて、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮する。残渣を、RP−HPLC(30−90%MeCN(0.1%ギ酸)含有H
2O(0.1%ギ酸)により精製する。画分をまとめて、SPE(HCO
3−)カラムに通し、濃縮する。MeCN(50mL)を加えた後、混合物を再び濃縮する。得られる残渣2を、次の工程に用いる。
【0546】
反応物の変換は、LCMS分析を通じてモニタリングすることができる。カラム:XBridge BEH C18 Intelligent Speed(IS)カラム、130Å、3.5μm(4.6mm×20mm)。移動相A:水(0.1%ギ酸)、移動相B(0.1%ギ酸)。PDA及びESI+で検出。試料は、反応混合物をMeCNで希釈することにより調製可能である。
【0547】
(b)上記残渣2をCHCl
3(5mL)に溶解させた溶液に、中間体3(15mg、36μmol、mw418g/モル)をCHCl
3(0.8mL)に溶解させた溶液を加える。得られる混合物を、固形EDC・HCl(4.7mg、25μmol)に加え、CHCl
3(5mL)を加え、混合物を30分間撹拌した。DCM(30mL)を加え、得られる混合物を、水(30mL)で洗う。分離後、水相をDCM(30mL)で抽出する。有機層をまとめて、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮する。残渣を、RP−HPLC(30−90%MeCN(酸を含まず)含有H
2O(0.01%ギ酸))により精製する。HPLC収集管を5%(NH
4)HCO
3水溶液で満たしておいてから、収集する。HPLC画分をまとめて、DCM(3×20mL)で抽出する。有機層をまとめて、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮する。生成物4を、わずかに黄色/白色油状物として得る(21mg、16μmol、mw1323g/モル、2工程全体で67%)。
【0548】
反応物の変換は、LCMS分析によりモニタリングすることができる。カラム:XBridge BEH C18 Intelligent Speed(IS)カラム、130Å、3.5μm(4.6mm×20mm)。移動相A:水(0.1%ギ酸)、移動相B(0.1%ギ酸)。PDA及びESI+で検出。
【0549】
グリカン再構築(抗DLK1 ADC、ConjA1)
抗体調製
抗DLK1抗体約60mgを、G25脱塩カラムを介して、25mMのトリス/Cl、150mMのNaCl、pH8.0に緩衝液交換した;4×2.5mL、4×PD10脱塩カラム(GE 17085101)に6mg/mLで添加。次いで、緩衝液交換した抗体を、Vivaspin20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて、少なくとも25mg/mLに濃縮した。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nm UV分析により、28.4mg/mLであることを確認した。
【0550】
再構築反応
グリカン再構築は、室温で一晩(16時間)のワンポット反応で行った。溶液/試薬を、以下に詳細に示す順序で加えて、以下の反応混合物を調製した:
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0551】
タンパク質A精製手順
タンパク質Aの結合及び溶出を、5mLのHiTrap MabSelect Sureカラム(GE 11−0034−94)で行った。全てのクロマトグラフィー工程は、AKTA Primeプラスシステムを用いて、流速240cm/hrで行った。カラムは、以下のとおり準備して使用した:
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0552】
タンパク質A親和性精製後、生成物の試料を少量DTTで還元し、続いてMS分析にかけることができる。転移反応が成功していた場合の典型的な質量スペクトルは、修飾ガラクトースが核GlcNAc(Fuc)置換Abに転移することから生じる主要生成物(全重鎖の90%)1種類、及び修飾ガラクトースが核GlcNAc(フコースを持たない)置換抗体に転移することから生じる少量生成物(全重鎖の±10%)を示す。
【0553】
ポストタンパク質A緩衝液交換
再構築&精製を行った抗DLK1−GalNAc−N3抗体を、次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)へと緩衝液交換し、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて、約16.6mg/mLに濃縮した。タンパク質A溶出液を、PBSで1:1に希釈し、次いで、濃縮して元の体積に戻し、これを、6回繰り返した。体積は、最終的に、目的とする16〜17mg/mLに減少させ、装置から試料を回収した。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nmUV分析により、16.4mg/mLであることを確認した。合計2.7mLを回収した。
【0554】
化合物4と修飾抗体との複合体形成によるConjA1の生成
反応条件
16.4mg/mLのアジド修飾DLK1抗体(この実施例では、本明細書中記載されるとおりHuBa−1−3d)を2.7mL
10mMの化合物4を含有するジメチルアセトアミド0.3mL
【0555】
反応物を完全に混合し、室温で一晩(16時間)放置して、複合体形成させた。複合体混合物を、0.2μm PVDFフィルター(Millipore SLGV033RS)で濾過してから、最終精製及び配合を行った。
【0556】
ConjA1の精製
濾過した複合体混合物を、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて精製した。複合体混合物を、30mMのヒスチジンHCl、200mMのソルビトール、pH6.0で1:1に希釈し、そして濃縮して元の体積に戻した。これを12回繰り返してから、精製ADCバルクを、遠心装置から回収した。
【0557】
タンパク質濃度は、追加の30mMのヒスチジンHCl、200mMのソルビトール、pH6.0を用いて約5mg/mLに希釈した抗体及び複合体の較正曲線を用いて、定量SEC分析により求めた。30mMのヒスチジンHCl、200mMのソルビトール、pH6.0を溶媒とする1%原液にTween20を加えて0.02%w/vとし、定量SEC分析により濃度を再試験した。試験用に試料を取り、残部は、1mLずつに等分して−80℃で凍結させた。
【0558】
生成物の分析は、以下の特性を示した:
透明、無色、粒子を含まない
SECにより、5.17[タンパク質]
平均DARは1.87(RPクロマトグラフィーによる)
0.09EU/mgのエンドトキシン
≦4.5%の遊離薬物リンカー
pH6.06
【0559】
グリカン再構築(抗KAAG1 ADC、ConjA2)
抗体の調製
抗KAAG1約150mg(PBS中6.13mg/mLで約25mL、pH7.4)を、25mMのトリス/Cl、150mMのNaCl、pH8.0に緩衝液交換し、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて>25mg/mLに濃縮した。最初に、抗体を12mLに濃縮し、次いで、25mMのトリス/Cl、150mMのNaCl、pH8.0で1:1に希釈し、次いで濃縮して12mLに戻した。この手順を6回繰り返した。最後に、緩衝液交換した原液を、さらに濃縮して6mLにした。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nmUV分析により確認し、次いで25mMのトリス/Cl、150mM NaCl、pH8.0で25mg/mLに希釈した。
【0560】
再構築反応
グリカン再構築は、室温で一晩(16時間)のワンポット反応で行った。溶液/試薬を、以下に詳細に示す順序で加えて、以下の反応混合物を調製した:
【表3】
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【0561】
タンパク質A精製手順
タンパク質Aの結合及び溶出を、4.7mLのHiScreen MabSelect Sureカラム(GE 28−9269−77)で行った。全てのクロマトグラフィー工程は、AKTA Primeプラスシステムを用いて、流速240cm/hrで行った。カラムは、以下のとおり準備して使用した:
【表4】
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【0562】
タンパク質A親和性精製後、生成物の試料を少量DTTで還元し、続いてMS分析にかけることができる。転移反応が成功していた場合の典型的な質量スペクトルは、修飾ガラクトースが核GlcNAc(Fuc)置換Abに転移することから生じる主要生成物(全重鎖の90%)1種類、及び修飾ガラクトースが核GlcNAc(フコースを持たない)置換抗体に転移することから生じる少量生成物(全重鎖の±10%)の形成を示す。
【0563】
ポストタンパク質A緩衝液交換
再構築/精製を行ったAb−GalNAc−N3を含有するタンパク質A溶出液に1.5Mのトリス塩基を3.2%v/vで加えることでpHを調整し、次いで、PBSへと緩衝液交換し、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて、約17mg/mLに濃縮した。最初に、pH調整したプールを、PBSで1:1に希釈し、次いで、濃縮して元の体積に戻し、このプロセスを、6回繰り返した。最後に、緩衝液交換した原液を、さらに濃縮して、目的とする約17mg/mLにした。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nmUV分析により、16.5mg/mLであることを確認した。合計7.9mLを回収し、収率は88%であった。
【0564】
化合物4と修飾抗体との複合体形成によるConjA2の生成
16.5mg/mLのAb−GalNAc−N3(Ab=3A4、本明細書中記載されるとおり)7.9mLに、10mMのPL1601含有DMF0.788mLを加えた(DMFの最終v/vは10%)。反応物を完全に混合し、室温で一晩(16時間)放置して、複合体形成させた。複合体混合物を、0.22μm PESフィルター(Millipore SLGV033RS)で濾過してから、最終精製及び配合を行った。
【0565】
ConjA2の精製
濾過した複合体混合物を、膜面積約50g/m
2の30kDa Pellicon 3膜を用い、クロスフロー5.0±0.25L/分/m2、TMP1.0±0.2barで、合計12透析体積の緩衝液をPBS(pH7.4)に交換する定容連続透析により、精製した。透析したプールを、UFDFから回収し、0.22μm PES膜フィルター(Millipore SLGV033RS)で濾過して滅菌エッペンドルフに入れた。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nmUV分析により求め、4.9mg/mLであると特定した。試験用の試料を取り、残部は4℃で貯蔵した。
【0566】
生成物の分析は、以下の特性を示した:
透明、無色、粒子を含まない
A280/330nm分光測定により、4.9mg/ml[タンパク質]
平均DARは1.9(RPクロマトグラフィーによる)
0.07EU/mgのエンドトキシン
3%の遊離薬物リンカー
サイズ排除クロマトグラフィーにより単量体98.3%
【0567】
グリカン再構築(抗メソテリンADC、ConjA3)
抗体の調製
抗メソテリン抗体約60mgを、G25脱塩カラムを介して、25mMのトリス/Cl、150mMのNaCl、pH8.0に緩衝液交換した;4×2.5mL、6mg/mLで4×PD10脱塩カラム(GE 17085101)に添加。次いで、緩衝液交換した抗体を、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて少なくとも25mg/mLに濃縮した。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nm UV分析により確認した。
【0568】
再構築反応
グリカン再構築は、室温で一晩(16時間)のワンポット反応で行った。溶液/試薬を、以下に詳細に示す順序で加えて、以下の反応混合物を調製した:
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0569】
タンパク質A精製手順
タンパク質Aの結合及び溶出を、5mLのHiTrap MabSelect Sureカラム(GE 11−0034−94)で行った。全てのクロマトグラフィー工程は、AKTA Primeプラスシステムを用いて、流速240cm/hrで行った。カラムは、以下のとおり準備して使用した:
【表6】
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【0570】
タンパク質A親和性精製後、生成物の試料を少量DTTで還元し、続いてMS分析にかけることができる。転移反応が成功していた場合の典型的な質量スペクトルは、修飾ガラクトースが核GlcNAc(Fuc)置換Abに転移することから生じる主要生成物(全重鎖の90%)1種類、及び修飾ガラクトースが核GlcNAc(フコースを持たない)置換抗体に転移することから生じる少量生成物(全重鎖の±10%)を示す。
【0571】
ポストタンパク質A緩衝液交換
再構築&精製を行った抗メソテリン−GalNAc−N3抗体を、次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)へと緩衝液交換し、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて、約16.6mg/mLに濃縮する。タンパク質A溶出液を、PBSで1:1に希釈し、次いで、濃縮して元の体積に戻し、これを、6回繰り返す。最後に、体積を、目的とする16〜17mg/mLに減少させ、装置から試料を回収する。タンパク質濃度は、吸光係数1.5を用いて、A280−320nmUV分析により、確認する。
【0572】
化合物4と修飾抗体との複合体形成によるConjA3の生成
反応条件
約15mg/mLのアジド修飾抗メソテリン抗体を2.7mL
10mMの化合物4を含有するジメチルアセトアミド0.3mL
【0573】
反応物を完全に混合し、室温で一晩(16時間)放置し、複合体形成させる。複合体混合物を、0.2μm PVDFフィルター(Millipore SLGV033RS)で濾過してから、最終精製及び配合を行う。
【0574】
ConjA3の精製
濾過した複合体混合物を、Vivaspin 20遠心濃縮装置(Sigma Z614637)を用いて精製する。複合体混合物を、30mMのヒスチジンHCl、200mMのソルビトール、pH6.0で1:1に希釈し、そして濃縮して元の体積に戻す。これを12回繰り返してから、精製ADCバルクを、遠心装置から回収する。
【0575】
タンパク質濃度は、追加の30mMのヒスチジンHCl、200mMのソルビトール、pH6.0を用いて約5mg/mLに希釈した抗体及び複合体の較正曲線を用いて、定量SEC分析により求める。30mMのヒスチジンHCl、200mMのソルビトール、pH6.0を溶媒とする1%原液にTween20を加えて0.02%w/vとし、定量SEC分析により濃度を再試験する。試験用に試料を取り、残部は、1mLずつに等分して−80℃で凍結させる。
【0576】
ConjA1のIn vitro細胞毒性
Lu135細胞またはSK−N−FI細胞いずれかを含むフラスコを、トリプシン処理し、遊離細胞を洗浄して、新たな培地に再懸濁させた。トリパンブルー(0.4%(w/v)、Sigma TB154)と1:1で混合し、Luna II自動細胞カウンター(Logos Biosystems)で透明/青色(生/死)細胞を計数することにより、細胞密度を測定した。細胞浮遊液を必要な播種密度(20×10
4/ml)に希釈し、白色96ウェル平底マイクロプレートに分注し(50μl/ウェル)、一晩インキュベートした。
【0577】
フィルター滅菌ConjA1を同じ細胞培地に希釈することにより、ConjA1の原液(20μg/ml)(1ml)を作成した。ConjA1原液の8×10倍希釈液のセットを、滅菌24ウェルプレートにおいて、100μlを900μlの細胞培養液に移し入れて系列希釈することにより、作成した。各ConjA1希釈液を、96ウェルプレートの細胞浮遊液の入った4つの複製ウェルに50μl/ウェルで分注した。対照ウェルには、培養液のみを同体積で添加した。
【0578】
ConjA1接触期間後、Luminescenceプロトコルを用いて、Promega CellTiter−Gloを100μl/ウェルで加え、2分間撹拌し、Envisionで読むことにより、細胞生存度を測定した。データは、Graphpad Prismソフトウェアを用いて分析した。
【0579】
Lu−135細胞に対するConjA1のEC
50は、0.01765μg/mLであることがわかった。ADC対照のEC
50は、0.5326μg/mLであった(
図1A*を参照)。
【0580】
SK−N−FI細胞に対するConjA1のEC
50は、0.1565μg/mLであることがわかった。ADC対照のEC
50は、5×10
5μg/mLであった(
図1B*を参照)。
【0581】
*図1A及び
図1B両方において、▼はConjA1であり、●は、非DLK1特異的抗体B12を含むその他は同一のADC対照である。
【0582】
ConjA1を用いたIn vivo有効性試験
肝臓癌患者由来異種移植片(PDX)LI1097モデルにおけるIn vivo抗腫瘍活性
LI1097種腫瘍をNOD/SCIDマウスの皮下で生き返らせ、BALB/cヌードマウスの皮下で維持してから、移植した。腫瘍体積が700〜1500mm
3に達したら、腫瘍を収集し、直径約2〜3mm3の小片に切断した。腫瘍または腫瘍片を、氷冷したRPMI1640培地(無血清)で洗い、引き続き、使用するため氷冷した培地に入れた。
【0583】
5〜6週齢のメスBALB/cヌードマウスの右側腹部の皮膚を、ヨードホールで消毒してから、腫瘍移植した。腫瘍を発生させるため、各マウスは、麻酔せずに、右上側腹部にて、原発性ヒト肝臓癌LI1097腫瘍断片を1つ皮下に播種した。
【0584】
腫瘍播種後、動物を、毎日、罹患率及び死亡率についてチェックした。腫瘍寸法は、ノギスにより、週に2回、二次元で計測した。腫瘍体積は、式:TV=0.5a×b2を用いてmm
3で表した。式中、a及びbは、それぞれ、腫瘍の長径及び短径である。
【0585】
試験12日目、マウスを1群あたり8匹で無作為に5群に分けた;平均腫瘍体積は、コホートにまたがり約170mm
3であった。試験13日目(グラフにおいて垂直の点線で示される、1日目)、マウスに試験薬物を投与した。この試験の試験マウスは、それぞれに割り当てられた試験物質及び用量レベルを1日目に単回用量で投与され、腫瘍成長を、その後最長51日目までモニタリングした。
【0586】
結果を
図2Aに示すが、図中:
○ = ビヒクル、qd×1
◇ = 非DLK1特異的抗体B12を用いるADC対照、1mg/kg、qd×1
□ = ConjA1、0.1mg/kg、qd×1
Δ = ConjA1、0.3mg/kg、qd×1
▼ = ConjA1、1.0mg/kg、qd×1
【0587】
図2Aから明らかなとおり、ConjA1は、1.0mg/kgで、腫瘍成長を最も遅らせ、続いて0.3mg/kgのConjA1であった。そのうえ、試験した最高用量で、ConjA1は、3/8のPR及び2/8のCRをもたらしたが、ビヒクルまたはアイソタイプ対照ADC(1mg/kg、単回用量)で処置されたマウスでは、どのようなPR、CR、またはTFSも見られなかった。
【0588】
神経芽細胞腫SK−N−FI異種移植片モデルにおけるIn vivo抗腫瘍活性
メスのNOD−SCIDマウスは、移植日に6週齢であった。対数期増殖中のSK−N−FI細胞を収穫し、50%マトリゲル含有リン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させた。26Gシリンジを用いて、細胞懸濁混合物100μL(3×10
6細胞)を、各マウスの右側腹部に皮下注射した。動物は、週に2回、それぞれの体重及び腫瘍寸法について検査した。腫瘍寸法は、デジタルノギスを用いて測定し、以下の式に従って計算した:
腫瘍体積(mm
3)=(短軸)2×(長軸)×π/6
【0589】
癌細胞の移植から18日後、50匹のマウスの腫瘍体積は、99.0mm
3〜155.2mm
3であった(平均116.2mm
3)。これらのマウスを、5群(1群あたりN=10)に分けた。投薬日、試験対象に、尾静脈から静脈内注射により投与した。試験の終了点は、各腫瘍が、終了体積1000mm
3に到達した時点または試験の終了日(投薬から60日後)、いずれか先に訪れた方と設定した。
【0590】
結果を
図2Bに示すが、図中:
◇ = ビヒクル、qd×1
○ = 非DLK1特異的抗体B12を用いたADC対照、0.5mg/kg、qd×1
□ = 非DLK1特異的抗体B12を用いたADC対照、1mg/kg、qd×1
Δ = ConjA1、0.5mg/kg、qd×1
▼ = ConjA1、1.0mg/kg、qd×1
【0591】
図2Bから明らかなとおり、ConjA1は、1.0mg/kgで、腫瘍成長を最も遅らせ、続いて0.5mg/kgのConjA1であった。
【0592】
ヒト神経芽細胞腫由来SK−N−FI異種移植片モデルでは、ConjA1の0.5または1mg/kgでの単回用量は、ビヒクル及びアイソタイプ対照ADC処置マウスに比べて、用量依存的抗腫瘍活性を示した。
【0593】
試験した最高用量で、ConjA1は、1/9の部分レスポンダー(PR)及び4/9の完全レスポンダー(CR)をもたらし、その中の1匹は、試験終了日の60日目において、無再発生存者(TFS)であった(この群の最初の10匹のうち1匹は、処置とは無関係の理由により図から除外された)。
【0594】
ラット毒性試験
ラット毒性試験(標的外毒性評価、試験したADCは、ラットDlk−1に結合しない)
【0595】
方法
ConjA1を、単回静脈内用量のラット忍容性試験で評価した。オスsprague−dawleyラット(n=3/群)に、1日目、5mg/kgで投与し、投与後21日目に死体解剖した。体重及び摂食量は、頻繁にモニタリングし、臨床病理学用に生存中サンプリング(8日目及び21日目に採血)及び薬物動態学用に繰り返しサンプリングを行った。死体解剖では、選択した臓器について、目視で観察し、重量を測定し、組織病理学検査が可能であれば保存した。
【0596】
結果
ConjA1は、5mg/kgで臨床上十分に忍容性があり、有害な臨床兆候として目立つものはなかった。体重の増加は減少し、試験終了時、動物は、対照群より15%前後軽かった。白血球数は、8日目において減少していた(好中球は、同時対照より95%前後減少していた)が、22日目に回復のエビデンスが得られた。
【0597】
総合結論
ConjA1は、十分な安定性があり、十分な忍容性があり、ラットにおいて5mg/kgで半減期9日間という好ましい薬物動態特性を示した。このことは、ラットにおけるMTDが、少なくとも5mg/kg以上であることを示唆する。
【0598】
2D細胞培養及び3D細胞培養したA204細胞及びHep3B細胞におけるIn vitro細胞毒性
材料&方法
細胞を、pHEMAであらかじめコーティングした384ウェルElplasiaプレートに入った腫瘍培地(RPMI、5%FBS、2mMのL−アラニル−L−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン)に播種した。
【0599】
細胞播種から24時間後、ADC、ConjA1、及びB12−1601化合物を加えた。開始濃度は10mg/mLであり、9段階の濃度にわたる10倍系列希釈液を4つ組で加えた。ADC化合物を用いたインキュベーション時間は、合計14日間のうち、2D培養で5日間、3D培養で7日間であり、培地は3日ごとに交換した。
【0600】
インキュベーション期間終了時、細胞生存度を求めるため、細胞を溶解させて分析した。細胞増殖終了点は、以下の式を用いて対照に対するパーセント(POC)として分析した:
POC=相対細胞数(化合物ウェル)/相対細胞数(ビヒクル対照ウェル)×100%
【0601】
データは、Graphpad Prismソフトウェアを用いて分析した。
【0602】
結果
図3は、3D細胞培養したA204細胞及びHep3B細胞におけるin vitro細胞毒性のデータを示す:
・
図3Aは、A204細胞データである[IC
50 3D ADC=0.001460μg/ml、IC
50 3D B12−PL1601=0.7662μg/ml、IC
50 2D ADC=0.006399μg/ml、IC
50 3D B12−PL1601=0.4059μg/m];
・
図3Bは、Hep3B細胞データである[IC
50 3D ADC=0.2271μg/ml、IC
50 3D B12−PL1601=約432.6μg/ml、IC
50 2D ADC=約59.29μg/ml、IC
50 2D B12−PL1601=約3.957μg/ml]。
【0603】
ConjA2のIn vitro細胞毒性
SN12C細胞及びMDA−MB−231FI細胞のいずれかを含むフラスコを、トリプシン処理し、遊離細胞を洗浄して、新たな培地に再懸濁させた。トリパンブルー(0.4%(w/v)、Sigma TB154)と1:1で混合し、Luna II自動細胞カウンター(Logos Biosystems)で透明/青色(生/死)細胞を計数することにより、細胞密度を測定した。細胞浮遊液を必要な播種密度(20×10
4/ml)に希釈し、白色96ウェル平底マイクロプレートに分注し(50μl/ウェル)、一晩インキュベートした。
【0604】
フィルター滅菌ConjA2を同じ細胞培地に希釈することにより、ConjA2の原液(20μg/ml)(1ml)を作成した。ConjA2原液の8×10倍希釈液のセットを、滅菌24ウェルプレートにおいて、100μlを900μlの細胞培養液に移し入れて系列希釈することにより、作成した。各ConjA2希釈液を、96ウェルプレートの細胞浮遊液の入った4つの複製ウェルに50μl/ウェルで分注した。対照ウェルには、培養液のみを同体積で添加した。
【0605】
ConjA2接触期間後、Luminescenceプロトコルを用いて、Promega CellTiter−Gloを100μl/ウェルで加え、2分間撹拌し、Envisionで読むことにより、細胞生存度を測定した。データは、Graphpad Prismソフトウェアを用いて分析した。
【0606】
SN12C細胞に対するConjA2のEC
50は、0.0663μg/mLであることがわかった。ADC対照のEC
50は、検出不可であった(
図4A*を参照)。
【0607】
MDA−MB−231細胞に対するConjA2のEC
50は、0.226μg/mLであることがわかった。ADC対照のEC
50は、またしても検出不可であった(
図4B*を参照)。
【0608】
*図4A及び
図4B両方において、◆はConjA2であり、●は、非KAAG1特異的抗体B12を含むその他は同一のADC対照である。
【0609】
ConjA2を用いたIn vivo有効性試験
メス胸腺欠損ヌードマウス(Crl:NU(Ncr)−Foxn1nu、Charles River)は、試験1日目において、8週齢であり、体重(BW)範囲は20.7〜31.2gであった。
【0610】
移植当日、対数期増殖中のMDA−MB−231腫瘍細胞を収穫し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に5×10
7細胞/mLで再懸濁させた。5×10
6細胞(細胞浮遊液0.1mL)を、各マウスの右側腹部に皮下(s.c.)注射した。腫瘍は、それぞれの体積が標的範囲の100〜150mm
3に接近していくところをモニタリングした。腫瘍は、デジタルノギスを用いて二次元で測定し、以下の式に従って体積を計算した:
腫瘍体積(mm
3)=w
2xl/2
式中、腫瘍のw=幅、及びl=長さ(mm)である。腫瘍の重さは、1mgが腫瘍体積1mm
3に等しいという仮定を用いて推定可能である。
【0611】
腫瘍移植から16日後を試験の1日目に指定し、この日、動物を、1群8匹のマウスからなる群に分けた。個々の腫瘍体積は108〜144mm
3であり、群平均の腫瘍体積は112.5〜123.8mm
3であった。試験1日目、全ての処置を、各動物個体の体重に比例して、体重20グラムあたり0.2mL(10mL/kg)の投薬体積で、尾静脈から、単回注射(qdx1)で静脈内(i.v.)投与した。腫瘍は、ノギスを用いて週に2回測定し、各動物を、腫瘍が終了体積1500mm
3に到達した時点で、または試験の終了日、いずれか先に訪れた時点で安楽死させた。試験は、59日目に終了した。
【0612】
結果を
図5に示すが、図中:
○ = ビヒクル、qd×1(上側線)
□ = 非KAAG1特異的抗体B12を用いたADC対照、0.6mg/kg、qd×1
○ = ConjA2、0.6mg/kg、qd×1(下側線)
【0613】
図5から明らかなとおり、ConjA2は、0.6mg/kgで、腫瘍成長を著しく遅らせた。
【0614】
SN12C異種移植片モデルにおけるConjA2のIn vivo抗腫瘍活性
メス重症複合免疫不全マウス(Fox Chase SCID(登録商標)、CB17/Icr−Prkdcscid/IcrIcoCrl、Charles River)は、試験1日目において、9週齢であり、体重(BW)範囲は15.4〜22.2gであった。
【0615】
腫瘍移植当日、5×10
6のSN12C細胞(50%マトリゲル(登録商標)マトリクス(Corning(登録商標))含有リン酸緩衝生理食塩水に加えた細胞浮遊液0.1mL)を、各試験マウスの右側腹部に皮下移植した。腫瘍成長は、平均寸法が標的範囲の100〜150mm
3に接近していくところをモニタリングした。腫瘍は、デジタルノギスを用いて二次元で測定し、以下の式に従って体積を計算した:
腫瘍体積(mm
3)=w
2xl/2
式中、腫瘍のw=幅、及びl=長さ(mm)である。腫瘍の重さは、1mgが腫瘍体積1mm
3に等しいという仮定を用いて推定可能である。
【0616】
腫瘍移植から23日後を試験の1日目に指定し、この日、動物を、9つの群に分けた(n=8)。個々の腫瘍体積は108〜172mm
3であり、群平均の腫瘍体積は129mm
3であった。
【0617】
試験1日目、全ての処置を、各動物個体の体重に比例して、体重20グラムあたり0.2mL(10mL/kg)の投薬体積で、尾静脈から、単回注射(qd×1)で静脈内(i.v.)投与した。腫瘍は、ノギスを用いて週に2回測定し、各動物を、腫瘍が終了体積1000mm
3に到達した時点で、または試験の終了日、いずれか先に訪れた時点で安楽死させた。試験は、60日目に終了した。
【0618】
データを
図6に示すが、ADC(ConjA2)の投与が、用量依存的様式で腫瘍成長を遅らせたことが、見て取れる。
【0619】
In vitro細胞毒性
OVCAR3、CAPAN−2、またはHPAC細胞いずれかを含むフラスコを、トリプシン処理し、遊離細胞を洗浄して、新たな培地に再懸濁させる。トリパンブルー(0.4%(w/v)、Sigma TB154)と1:1で混合し、Luna II自動細胞カウンター(Logos Biosystems)で透明/青色(生/死)細胞を計数することにより、細胞密度を測定する。細胞浮遊液を必要な播種密度(20×10
4/ml)に希釈し、白色96ウェル平底マイクロプレートに分注し(50μl/ウェル)、一晩インキュベートする。
【0620】
フィルター滅菌ConjA3を同じ細胞培地に希釈することにより、ConjA3の原液(20μg/ml)(1ml)を作成する。ConjA3原液の8×10倍希釈液のセットを、滅菌24ウェルプレートにおいて、100μlを900μlの細胞培養液に移し入れて系列希釈することにより、作成する。各ConjA3希釈液を、96ウェルプレートの細胞浮遊液の入った4つの複製ウェルに50μl/ウェルで分注する。対照ウェルには、培養液のみを同体積で添加する。
【0621】
ConjA3接触期間後、Luminescenceプロトコルを用いて、Promega CellTiter−Gloを100μl/ウェルで加え、2分間撹拌し、Envisionで読むことにより、細胞生存度を測定する。データは、Graphpad Prismソフトウェアを用いて分析する。
【0622】
ConjA3を用いたIn vivo有効性試験
OVCAR3モデルにおけるIn vivo抗腫瘍活性
種腫瘍をNOD/SCIDマウスの皮下で生き返らせ、BALB/cヌードマウスの皮下で維持してから、移植する。腫瘍体積が700〜1500mm
3に達したら、腫瘍を収集し、直径約2〜3mm3の小片に切断する。腫瘍または腫瘍片を、氷冷したRPMI1640培地(無血清)で洗い、引き続き、使用するため氷冷した培地に入れる。
【0623】
5〜6週齢のメスBALB/cヌードマウスの右側腹部の皮膚を、ヨードホールで消毒してから、腫瘍移植する。腫瘍発生させるため、各マウスに、麻酔せずに、右上側腹部にて、腫瘍断片を1つ皮下に播種する。
【0624】
腫瘍播種後、動物を、毎日、罹患率及び死亡率についてチェックする。腫瘍寸法は、ノギスにより、週に2回、二次元で計測する。腫瘍体積は、式:TV=0.5a×b2を用いてmm
3で表す。式中、a及びbは、それぞれ、腫瘍の長径及び短径である。
【0625】
試験12日目、マウスを1群あたり8匹で無作為に5群に分ける;標的平均腫瘍開始体積は、コホートにまたがり約170mm
3である。試験13日目、マウスに試験薬物を投与する。この試験の試験マウスは、それぞれに割り当てられた試験物質及び用量レベルを1日目に単回用量で投与され、腫瘍成長を、その後最長51日目までモニタリングする。
【0626】
配列
配列番号1[HuBa−1−3d VH、CDRは下線部
(外1)
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【0627】
配列番号2[HuBa−1−3d VL、CDRは下線部
(外2)
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【0628】
配列番号3[HuBa−1−3d重鎖]
(外3)
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N
*は、Asn297を示す
【0629】
配列番号4[HuBa−1−3d軽鎖]
(外4)
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【0630】
配列番号5[HuBa−1−3d VH CDR1]
DYAMH
【0631】
配列番号6[HuBa−1−3d VH CDR2]
VISTYYGNTNYNQKFKG
【0632】
配列番号7[HuBa−1−3d VH CDR3]
GGLREYYYAMDY
【0633】
配列番号8[HuBa−1−3d VL CDR1]
KSSQSLLNSSNQKNYLA
【0634】
配列番号9[HuBa−1−3d VL CDR2]
FASTRES
【0635】
配列番号10[HuBa−1−3d VL CDR3]
QQHYSTPPT
【0636】
配列番号11[HuBa−1−3d重鎖、末端にK]
(外5)
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N
*は、Asn297を示す
【0637】
配列番号12[ヒトDLK1、変異型1]
(外6)
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【0638】
配列番号13[ヒトDLK1、変異型2]
(外7)
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【0639】
配列番号101[3A4 VH、CDRは下線部]
(外8)
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【0640】
配列番号102[3A4 VL、CDRは下線部]
(外9)
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【0641】
配列番号103[3A4重鎖]
(外10)
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N
*は、Asn297を示す
【0642】
配列番号104[3A4軽鎖]
(外11)
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【0643】
配列番号105[3A4 VH CDR1]
GYTFTDDYMS
【0644】
配列番号106[3A4 VH CDR2]
DINPYNGDTN
【0645】
配列番号107[3A4 VH CDR3]
DPGAMDY
【0646】
配列番号108[3A4 VL CDR1]
RSSQSLLHSNGNTYLE
【0647】
配列番号109[3A4 VL CDR2]
TVSNRFS
【0648】
配列番号110[3A4 VL CDR3]
FQGSHVPLT
【0649】
配列番号111[3A4重鎖、末端にK]
(外12)
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N
*は、Asn297を示す
【0650】
配列番号112[ヒトKAAG1]
(外13)
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【0651】
配列番号113[3A4−L2 VL、CDRは下線部]
(外14)
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【0652】
配列番号114[3A4−L2軽鎖]
(外15)
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【0653】
配列番号115[3A4−K4 VL、CDRは下線部]
(外16)
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【0654】
配列番号116[3A4−K4軽鎖]
(外17)
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【0655】
配列番号201[XA4 VH、CDRは下線部]
(外18)
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【0656】
配列番号202[XA4 VL、CDRは下線部]
(外19)
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【0657】
配列番号203[XA4重鎖]
(外20)
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N
*は、Asn297を示す
【0658】
配列番号204[XA4軽鎖]
(外21)
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【0659】
配列番号205[XA4 VH CDR1]
IYGMH
【0660】
配列番号206[XA4 VH CDR2]
VLWYDGSHEYYADSVKG
【0661】
配列番号207[XA4 VH CDR3]
DGDYYDSGSPLDY
【0662】
配列番号208[XA4 VL CDR1]
RASQSVSSYLA
【0663】
配列番号209[XA4 VL CDR2]
DASNRAT
【0664】
配列番号210[XA4 VL CDR3]
QQRSNWPLT
【0665】
配列番号211[XA4重鎖、末端にK]
(外22)
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N
*は、Asn297を示す
【0666】
配列番号212[XFT VH、CDRは下線部]
(外23)
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【0667】
配列番号213[XFT VL、CDRは下線部]
(外24)
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【0668】
配列番号214[XFT重鎖]
(外25)
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N
*は、Asn297を示す
【0669】
配列番号215[XFT軽鎖]
(外26)
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【0670】
配列番号216[XFT VH CDR1]
GYSFTSYWIG
【0671】
配列番号217[XFT VH CDR2]
WMGIIDPGDSRTRYSPSFQG
【0672】
配列番号218[XFT VH CDR3]
GQLYGGTYMDG
【0673】
配列番号219[XFT VL CDR1]
TGTSSDIGGYNSVS
【0674】
配列番号220[XFT VL CDR2]
LMIYGVNNRPS
【0675】
配列番号221[XFT VL CDR3]
SSYDIESATP
【0676】
配列番号222[XFT重鎖、末端にK]
(外27)
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N
*は、Asn297を示す
【0677】
配列番号223[X09 VH、CDRは下線部]
(外28)
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【0678】
配列番号224[X09 VL、CDRは下線部]
(外29)
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【0679】
配列番号225[X09重鎖]
(外30)
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N
*は、Asn297を示す
【0680】
配列番号226[X09軽鎖]
(外31)
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【0681】
配列番号227[X09 VH CDR1]
GYSFT
【0682】
配列番号228[X09 VH CDR2]
LITPYNGASSYNQKFRG
【0683】
配列番号229[X09 VH CDR3]
GGYDGRGFDY
【0684】
配列番号230[X09 VL CDR1]
SASSSVSYMH
【0685】
配列番号231[X09 VL CDR2]
DTSKLAS
【0686】
配列番号232[X09 VL CDR3]
QQWSKHPLT
【0687】
配列番号233[X09重鎖、末端にK]
(外32)
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N
*は、Asn297を示す
【0688】
配列番号234[X09.2 VH、CDRは下線部]
(外33)
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【0689】
配列番号235[X09.2 VL、CDRは下線部]
(外34)
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【0690】
配列番号236[X09.2重鎖]
(外35)
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N
*は、Asn297を示す
【0691】
配列番号237[X09.2軽鎖]
(外36)
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【0692】
配列番号238[X09.2 VH CDR1]
GYTMN
【0693】
配列番号239[X09.2 VH CDR2]
LITPYNGASSYNQKFRG
【0694】
配列番号240[X09.2 VH CDR3]
GGYDGRGFDY
【0695】
配列番号241[X09.2 VL CDR1]
SASSSVSYMH
【0696】
配列番号242[X09.2 VL CDR2]
DTSKLAS
【0697】
配列番号243[X09.2 VL CDR3]
QQWSGYPLT
【0698】
配列番号244[X09.2重鎖、末端にK]
(外37)
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N
*は、Asn297を示す
【0699】
配列番号245[ヒトメソテリン、変異型1]
(外38)
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【0700】
配列番号246[ヒトメソテリン、変異型2]
(外39)
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前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を持つVH CDR3、配列番号6のアミノ酸配列を持つVH CDR2、及び配列番号5のアミノ酸配列を持つVH CDR1を含むVHドメインを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を持つVL CDR3、配列番号9のアミノ酸配列を持つVL CDR2、及び配列番号8のアミノ酸配列を持つVL CDR1を含むVLドメインを含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の複合体。
前記抗体がDLK1に結合する場合、前記抗体は、配列番号3の配列を有する重鎖または配列番号11の配列を有する重鎖を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の複合体。