特表2020-519213(P2020-519213A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-519213キャビティタイプの無線周波数フィルター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-519213(P2020-519213A)
(43)【公表日】2020年6月25日
(54)【発明の名称】キャビティタイプの無線周波数フィルター
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/207 20060101AFI20200529BHJP
   H01P 7/06 20060101ALI20200529BHJP
【FI】
   H01P1/207 Z
   H01P7/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-509409(P2020-509409)
(86)(22)【出願日】2018年5月2日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月30日
(86)【国際出願番号】KR2018005080
(87)【国際公開番号】WO2018203655
(87)【国際公開日】20181108
(31)【優先権主張番号】10-2017-0056359
(32)【優先日】2017年5月2日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516083818
【氏名又は名称】ケイエムダブリュ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KMW INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン−ヘ キム
(72)【発明者】
【氏名】スン−ホ ジャン
【テーマコード(参考)】
5J006
【Fターム(参考)】
5J006HC01
5J006LA11
5J006LA21
5J006MA01
5J006MB01
(57)【要約】
本発明は、キャビティ構造を有する無線周波数フィルターとして、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、筐体の中空に位置する共振素子と、共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、筐体の開放面を密封するカバーと、カバーのネジホールにネジ結合し、上端の少なくとも一部分には、外側に一部が突出する構造である係止顎が形成される周波数チューニングネジと、周波数チューニングネジの前記係止顎にかかる構造で、前記周波数チューニングネジと前記カバーとの間に結合され、薄い板が中空部を有するリング状であり、端から前記中空部側に上昇する傾きを有するテーパー(taper)状で構成され、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ(cavity)構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記筐体の開放面を密封するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合し、上端の少なくとも一部分には、外側に一部が突出する構造である係止顎が形成される周波数チューニングネジと、前記周波数チューニングネジの前記係止顎にかかる構造で、前記周波数チューニングネジと前記カバーとの間に結合され、薄い板が中空部を有するリング状であり、端から前記中空部側に上昇する傾きを有するテーパー(taper)状で構成され、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材を含むことを特徴とする無線周波数フィルター。
【請求項2】
キャビティ(cavity)構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記筐体の開放面を密封するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合する周波数チューニングネジを含み、前記周波数チューニングネジの上端の少なくとも一部分には、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材が形成され、前記付勢固定部材の少なくとも一部分には、外側の下端に斜めに突出する形で構成される付勢突出部を形成することを特徴とする無線周波数フィルター。
【請求項3】
前記付勢固定部材の付勢突起部は、周波数チューニングネジの上端から端の周りに全体的に形成され、全体的にその断面がテーパー形状を有することを特徴とする請求項2に記載の無線周波数フィルター。
【請求項4】
キャビティ(cavity)構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記筐体の開放面を密封し、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記ネジホールの上端の少なくとも一部分には、外側に突出する構造である係止顎を形成するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合する周波数チューニングネジと、前記カバーの前記ネジホールの内部で前記係止顎にかかる構造で、前記周波数チューニングネジと前記係止顎との間に結合され、薄い板が中空部を有するリング状であり、端から前記中空部側に下降する傾きを有するテーパー(taper)状で構成され、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材を含むことを特徴とする無線周波数フィルター。
【請求項5】
キャビティ(cavity)構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記筐体の開放面を密封するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合する周波数チューニングネジを含み、前記カバーにて、前記ネジホールの周りの少なくとも一部の領域には、前記カバーと結合する、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材が形成され、前記付勢固定部材の少なくとも一部分には、前記カバーの前記ネジホールの内部に下側に傾めに突出する形で構成される付勢突出部を形成することを特徴とする無線周波数フィルター。
【請求項6】
前記付勢固定部材の付勢突起部は、前記カバーの前記ネジホールの周りに全体的に形成され、全体的にその断面がテーパー状を有することを特徴とする請求項5に記載の無線周波数フィルター。
【請求項7】
前記付勢固定部材には、端から内側に削られた構造の多数の溝が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の無線周波数フィルター。
【請求項8】
前記付勢固定部材の前記付勢突起には端から内側に削られた構造の多数の溝が形成されることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項5、及び請求項6のうちのいずれか1項に記載の無線周波数フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムで使用する無線信号処理装置に関し、特にキャビティフィルターのように、キャビティタイプの無線周波数フィルター(以下、「フィルター」と略する)に関する。
【0002】
キャビティ構造の無線周波数フィルターは、通常、金属材質の筐体を介して直方体などの収容空間、すなわちキャビティを多数個備え、各キャビティ構造の内部に誘電体共振素子(DR:Dielectric Resonance element)または金属共振棒で構成された共振素子をそれぞれ備えて超高周波の共振を発生させる。また、このようなキャビティタイプを有する無線周波数フィルターで、通常キャビティ構造の上部には、該当キャビティの開放面を遮蔽するカバーが備えられ、カバーには、該当無線周波数フィルターのフィルターリング特性をチューニングするためのチューニング構造として、多数のチューニングネジおよび該当チューニングネジを固定するためのナットが設けられる。キャビティタイプの無線周波数フィルターに関する一例としては、、本出願人によって先出願された韓国公開特許公報第10−2004−100084号(名称:「無線周波数フィルター」、公開日:2004年12月02日、発明者:パク・ジョンギュのほか2人)に開示したところを例で挙げられる。
【0003】
このようなキャビティタイプの無線周波数フィルターは、無線通信システムで送受信無線信号の処理のために用いられ、特に、移動通信システムで基地局や中継器などに代表的に適用される。
【0004】
一方、本出願人によって先出願した韓国公開特許公報第10−2014−0026235号(名称:「キャビティ構造を有する無線周波数フィルター」、公開日:2014年03月05日、発明者:バクナムシンの他2人)は、チューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を採用せずに、周波数のチューニングが可能な、シンプルで簡素化されたフィルター構造を提案している。前記韓国公開特許公報第10−2014−0026235号は、アルミニウムやマグネシウム素材(合金を含む)の板状の母材を利用してプレス加工やダイカスト加工などを通じてカバーを製作時に、カバーの共振素子に対応する位置に1つまたは複数個の陥没部位を形成する技術を提供する。また、このような陥没部位に、外部打刻装置の打刻ピン(pin)による打刻又は押しによってドットピン(dot peen)構造を多数個形成する。このような陥没部位及びドットピン構造は、周波数チューニングのために通常使用したチューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を代替するためのものであり、その陥没部位(及びドットピン構造)と共振素子間の距離が縮まるようにして適切なチューニング作業ができるようにする。
【0005】
前記韓国公開特許公報第10−2014−0026235号に開示した技術は、通常のチューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を採用していないので、小型化及び軽量化のためのフィルター構造に適合することができる。また、このような構造は、従来の周波数チューニングネジと筐体のネジホールとの間の不連続的かつ不均一な接触面または異種金属間の接合などの要因によって発生するPIMD(Passive Intermodulation Distortion)成分を除去することができる。
【0006】
ところで、前記韓国公開特許公報第10−2014−0026235号に開示した技術は、周波数チューニングのために、外部打刻装置を別途備えなければならないという問題点があった。また、外部打刻装置を利用してフィルターの陥没部位にドットピン構造を形成する方式は、一度形成したドットピン構造を除去して陥没部位を元の形に復元することが事実上できなくなる。これにより、周波数のチューニング作業が不可逆的に行われるので、周波数のチューニング作業時に難しさがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の少なくとも一部分の実施例に係る目的は、より簡単で、より小型化かつ軽量化が可能であり、より簡単な製造作業及び低コストの製作が可能なキャビティタイプの無線周波数フィルターを提供することにある。特に、本発明の少なくとも一部分の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターで、周波数のチューニング構造は、周波数のチューニング作業を可逆的に行うことができ、チューニング作業がより効率的かつ容易にできるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するために、本発明の一実施例によると、キャビティタイプの無線周波数フィルターとして、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記筐体の開放面を密封するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合し、上端の少なくとも一部分には、外側に一部が突出する構造である係止顎が形成される周波数チューニングネジと、前記周波数チューニングネジの前記係止顎にかかる構造で、前記周波数チューニングネジと前記カバーとの間に結合され、薄い板が中空部を有するリング状であり、端から前記中空部側に上昇する傾きを有するテーパー(taper)状で構成され、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の実施例では、キャビティ構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記筐体の開放面を密封するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合する周波数チューニングネジを含み、前記周波数チューニングネジの上端の少なくとも一部分には、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材が形成され、前記付勢固定部材の少なくとも一部分には、外側の下端に斜めに突出する形で構成される付勢突出部が形成されることを特徴とする。
【0010】
本発明のまた他の実施例では、キャビティ構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記筐体の開放面を密封し、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記ネジホールの上端の少なくとも一部分には、外側に突出する構造である係止顎が形成されるカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合する周波数チューニングネジと、前記カバーの前記ネジホールの内部で前記係止顎にかかる構造で、前記周波数チューニングネジと前記係止顎との間に結合され、薄い板が中空部を有するリング状であり、端から前記中空部側に下降する傾きを有するテーパー(taper)状で構成され、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のまた他の実施例では、キャビティ構造を有する無線周波数フィルターにおいて、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開放面を有する筐体と、前記筐体の中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、予め設定した直径のネジホールを備え、前記筐体の開放面を密封するカバーと、前記カバーの前記ネジホールにネジ結合する周波数チューニングネジを含み、前記カバーにて、前記ネジホールの周りの少なくとも一部の領域には、前記カバーと結合する、予め設定した付勢力を有する付勢固定部材が形成され、前記付勢固定部材の少なくとも一部分には、前記カバーの前記ネジホールの内部に下側に傾めに突出する形で構成される付勢突出部を形成することを特徴とする。
【0012】
[発明の効果]
前記したように、本発明の一部の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターは、従来の周波数チューニングネジの設置時に必要とした固定用ナットの締結構造を採用せずに、周波数のチューニングが可逆的に可能にする構造を提供し、より簡単な製造作業及び低コストの製作を可能にすることができる。これにより、当該無線周波数フィルターは、さらに小型かつ軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】本発明の第1の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターの切断構造図である。
図1b図1aのうちの周波数チューニングネジの1つの例示の固定状態を示した図である。
図1c図1aのうちの周波数チューニング関連構造の分離斜視図である。
図2a】本発明の第2の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターで周波数のチューニング関連部分の切断構造図である。
図2b図2aのうちの周波数チューニングネジの1つの例示の固定状態を示した図である。
図2c図2aのうちの周波数チューニングネジの斜視図である。
図3a】本発明の第3の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターで周波数のチューニング関連部分の切断構造図である。
図3b図3aのうちの付勢固定部材の斜視図である。
図4a】本発明の第4の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターで周波数のチューニング関連部分の切断構造図である。
図4b図4aのうちの付勢固定部材の1つの例示の斜視図である。
図4c図4aのうちの付勢固定部材の他の例示の斜視図である。
図5】本発明の実施例に係る付勢固定部材のうちの要部の他の変形構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る好適な実施例を添付した図面を参照して詳しく説明する。下の図面では、同一の構成要素については、可能な限り同一の参照番号を付与し、説明の便宜のために、そのサイズや形などは、多少単純化したり、一部の誇張して示した。
【0015】
図1aは、本発明の第1の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターの切断構造図である。図1bは、図1aのうちの周波数チューニングネジの1つの例示の固定状態(例えば、周波数チューニングネジが締められた状態)を示す図であり、図1cは、図1aのうちの周波数チューニング関連構造の分離斜視図である。図1aないし図1cを参照すると、本発明の第1の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターは、従来と同様に、内部が中空であり、外部と遮断されるキャビティを少なくとも1つ以上を有する筐体21を備える。筐体21は、キャビティを形成し、一側(例えば、上側)が開放する。また、当該筐体21の開放面を覆う形で、筐体21を密封するカバー11が筐体21と固定的に結合する。筐体21内に形成したキャビティの中心部には、共振素子51が筐体21の内部の底面に固定的に設置される形で備えられる。
【0016】
図1aないし図1cの例では、説明の便宜のために筐体21が、例えば、1つのキャビティ構造を形成することを示す。しかし、このような構造の他にも、筐体21は多数のキャビティを多段につなげる構造を有してもよく、各キャビティは、その中心部に、それぞれ共振素子を備える。また、図1aないし図1cには、図示しないが、該当無線周波数フィルターの入力端子及び出力端子が筐体21の一側及び他側に形成することができる。筐体21が多数のキャビティを有するように構成した場合に、前記入力端子及び出力端子は、それぞれ入力端キャビティ及び出力端キャビティ構造と、それぞれつながるように筐体21に付着する。
【0017】
前記した構成では、筐体21及び筐体21によって形成されるキャビティ構造と共振素子51の構造は、従来と同様に構成することができ、筐体21及び共振素子51は、すべてアルミ系(合金)の材質で構成することができる。また、本発明の一実施例に係るカバー11も、従来と同様に、筐体21の材質と同じ材質、すなわち、アルミニウム系の材質で構成することができる。また、筐体21及びカバー11にてキャビティを形成する部位の表面には、銀メッキが施される。
【0018】
前記した構造を有する無線周波数フィルターで、本発明の第1の実施例に係る周波数チューニングのための構造をみて見ると、カバー11には、筐体21のキャビティ内の共振素子51に対応する部位に予め設定した直径でカバー11を貫通して形成するネジホール11aが形成される。前記ネジホール11aの側面は、周波数チューニングのための周波数チューニングネジ31を結合するためのネジ結合構造が形成される。つまり、前記ネジホール11aは、全体的に、前記周波数チューニングネジ31がネジ結合方式で結合するための雌ネジのネジ溝構造を有する。
【0019】
周波数チューニングネジ31は、前記ネジホール11aにネジ結合方式で締結され、前記ネジホール11aを介して筐体21のキャビティ内部に下端が突入する構造を有する。周波数チューニングネジ31は、側面に、前記ネジホール11aとネジ結合するための雄ネジ構造を有し、上端(つまり、頭の部分)には、外部のドライバ装置(ドライバ、レンチなど)が接続してネジ締め作業をするための適切な形態の駆動溝31bが形成される。図1cの例では、駆動溝31bは、スリ割り(slotted)の形態が図示されるが、他にも十字穴や六角穴など多様な形態を有することができる。このような周波数チューニングネジ31は、真鍮(合金)のような鍛造用素材で構成してもよく、表面に銀メッキする。
【0020】
このような周波数チューニングネジ31の上端(頭部)の少なくとも一部分には、本発明の第1の実施例に従い、外側に一部が延びて突出する構造である係止顎31aを形成する。係止顎31aは、周波数チューニングネジ31の上端を他の部分(つまり、ボディ部分)の直径よりも全体的により広い直径を有するように形成することで構成する。
【0021】
また、周波数チューニングネジ31は、リング状の付勢固定部材41に嵌合した後にカバー11のネジホール11aに結合するが、周波数チューニングネジ31を締めるにつれ、前記リング状の付勢固定部材41は、周波数チューニングネジ31の係止顎31aにかかるようになって周波数チューニングネジ31の係止顎31aとカバー11の上面との間に位置するように結合する。
【0022】
本発明の第1の実施例に係る前記付勢固定部材41は、薄い板が全体的にリング状(例えば、中空部を有するドーナツ状)を有するように構成され、全体的にその断面が端から中空部側に上昇する傾きを有するテーパー(taper)状を有する。また、予め設定したいくつかの付勢力及び適切な強度を有するようにSUSなどの材質で構成される。このような付勢固定部材41の中空部の直径は、前記周波数チューニングネジ31の胴体部分の直径よりやや余裕を持って大きく形成し、前記周波数チューニングネジ31の係止顎31aを含む上端の直径より小さく形成する。
【0023】
前記のようなフィルター構造で、周波数のチューニング作業時には、周波数チューニングネジ31を前記付勢固定部材41を経て、カバー11のネジホール11aに結合して締め、周波数チューニングネジ31を締めるにつれて周波数チューニングネジ31の係止顎31aが付勢固定部材41を押す。これにより、図1bに、より明確に示したように、付勢固定部材41は、周波数チューニングネジ31に係止顎31aを介して付勢力をかけることで、周波数チューニングネジ31が現在の締め状態を維持するようにする。
【0024】
周波数チューニングネジ31を締めるにつれ、周波数チューニングネジ31の下端は、キャビティ内部の共振素子51側に押し込まれ、周波数チューニングネジ31の下端と共振素子51との間の間隔が調節されることで、結果的に周波数チューニングネジ31と共振素子51との間の静電容量成分を調整し、該当フィルターリング周波数の特性を調節する。
【0025】
このとき、付勢固定部材41がある程度の付勢を有するので、周波数チューニングネジ31を締めたり、緩める作業を繰り返し並行して周波数特性を調整することが可能になり、また、周波数特性のチューニング作業と同時に前記付勢固定部材41によって周波数チューニングネジ31の現在の状態を維持及び固定することになる。
【0026】
図2aは、本発明の第2の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターで、周波数のチューニング関連部分の切断構造図である。図2bは、図2aの周波数チューニングネジの1つの例示の固定状態(例えば、周波数チューニングネジが締められた状態)を示す図であり、図2cは、図2aのうちの周波数チューニングネジの斜視図である。図2aないし図2cを参照すると、本発明の第2の実施例に係る無線周波数フィルターは、前記第1の実施例と同様に、筐体(図示せず)及びカバー11などが構成され、ただし周波数チューニング構造で一部違いがある。
【0027】
第2の実施例に係る周波数チューニングネジ31の上端の少なくとも一部分には、予め設定した付勢力を有する材質の付勢固定部材32を形成する。付勢固定部材32の少なくとも一部分には、外側の下端に斜めに突出する形で構成する付勢突出部32aを形成する。付勢固定部材32の付勢突出部32aは、周波数チューニングネジ31の上端(頭部)から端の周りに全体的に形成され、全体的にその断面がテーパー状を有する。
【0028】
周波数チューニングネジ31の胴体部分は、真鍮などの鍛造用素材によって具現することができ、前記付勢突出部32aを含む付勢固定部材32は、SUSなどの材質によって薄い金属板で具現した後、前記周波数チューニングネジ31の胴体部分にレーザ溶接等により結合する形で構成することができる。
【0029】
前記のようなフィルター構造で、周波数のチューニング作業時には、前記付勢固定部材32が結合した周波数チューニングネジ31をカバー11のネジホール(例えば、図1cの11a)に結合して締め、周波数チューニングネジ31を締めるにつれ、図2bに、より明確に示したように、周波数チューニングネジ31の頭部に結合した付勢固定部材32の付勢突出部32aがカバー11の上面に対向して押されるようになる。これにより、付勢突起部32aの付勢力によって周波数チューニングネジ31は、現在の締め状態を維持することになる。
【0030】
また、このとき、付勢突起部32aがある程度の付勢を有するので、周波数チューニングネジ31を締めたり、緩める作業を繰り返し実行し、周波数特性を調整することが可能になる。
【0031】
図3aは、本発明の第3の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターにて、周波数のチューニング関連部分の切断構造図である。図3bは、図3aのうちの付勢固定部材の斜視図である。図3a及び図3bを参照し、本発明の第3の実施例に係る無線周波数フィルターで、周波数のチューニング構造をみてみると、第3の実施例では、カバー12に形成するネジホールの上端の少なくとも一部分に外側に一部突出する構造である係止顎12aを形成する。係止顎12aは、ネジホールの他の部分の直径よりも全体的により小さい直径を有するように形成することで構成することができる。また、周波数チューニングネジ33は、全体的に、直径が一定に形成され、前記カバー12のネジホールに結合するように構成される。
【0032】
図3aに示した実施例で、周波数チューニングネジ33は、筐体(図示せず)の内部キャビティ側で(つまり、カバーの下側で)カバー12のネジホールに予め一部を結合した状態で設置される。以後カバーが筐体に結合した後、周波数チューニングネジ33の上端に予め形成した駆動溝(図示せず)を介して外部のドライバ装置が接続されて周波数チューニングネジ33の締め作業を行う。
【0033】
このとき、本発明の第3の実施例に係るリング状の付勢固定部材42が前記カバー12のネジホールの内部で前記係止顎12aと周波数チューニングネジ33との間に位置するように設置するが、周波数チューニングネジ33が前記付勢固定部材42側に締められるにつれ、前記リング状の付勢固定部材42は、周波数カバー12の係止顎12aにかかるようになって周波数チューニングネジ33に付勢力を加えるように構成する。
【0034】
前記付勢固定部材42は、前記第1の実施例の構造と同様に、薄い板が全体的にリング状(例えば、中空部を有するドーナツ状)を有するように構成され、全体的にその断面が端から中空部側に下降する傾斜を有するテーパー(taper)状を有する。すなわち、前記第3の実施例に係る付勢固定部材42は、第1の実施例の構造が上下に反転した形であってもよい。また、予め設定したある程度の付勢力及び適切な強度を有するようにSUSなどの材質で構成される。
【0035】
前記第3の実施例で、周波数チューニングのために、周波数チューニングネジ33をカバー12のネジホールから付勢固定部材42を挟んで締める場合に、カバー12の係止顎12aが付勢固定部材42を押す。これにより、付勢固定部材42は、周波数チューニングネジ33に付勢力をかけることで、周波数チューニングネジ33が現在の締め状態を維持するようにする。また、この場合にも、前の実施例と同様に、周波数チューニングネジ33を締めたり、緩める作業を繰り返し実行して周波数特性を調整することが可能である。
【0036】
図4aは、本発明の第4の実施例に係るキャビティタイプの無線周波数フィルターで、周波数のチューニング関連部分の切断構造図である。図4bは、図4aのうちの付勢固定部材の1つの例示の斜視図であり、図4cは、図4aのうちの付勢固定部材の他の例示の斜視図である。図4aないし図4cを参照し、本発明の第4の実施例に係る無線周波数フィルターで、周波数のチューニング構造をみてみると、第4の実施例では、カバー13からネジホールの周りの少なくとも一部の領域でカバー13と結合する付勢固定部材131を形成する。図4bには、このような付勢固定部材131が、全体的に長方形のある平面構造を有する板状で構成される例が示され、図4cには、付勢固定部材131が、全体的に円形の平面構造を有する例が示される。
【0037】
付勢固定部材131の少なくとも一部分には、カバー13のネジホールの内部に下側に斜めに突出する形で構成される付勢突出部131aを形成する。付勢突出部131aは、カバー13のネジホールの周りに全体的に形成し、全体的にその断面がテーパー状を有する。
【0038】
カバー13は、アルミニウム(合金)の材質として具現することができ、前記付勢突出部131aを含む付勢固定部材131は、SUSなどの材質により薄い金属板で具現した後、前記カバー13の上部にネジホールに対応する位置にレーザ溶接等により結合する形で構成することができる。このとき、周波数チューニングネジ33は、全体的に、直径が一定に形成され、前記カバー13のネジホールに結合するように構成される。
【0039】
図4aないし図4cに示した実施例で、周波数チューニングネジ33は、前記図3aに示した第3の実施例と同様に、筐体(図示せず)の内部キャビティ側から(つまり、カバーの下側から)カバー13のネジホールに予め一部が結合した状態で設置する。以後カバーが筐体に結合した後、周波数チューニングネジ33の上部に予め形成した駆動溝(図示せず)を介して外部のドライバ装置が接続されて周波数チューニングネジ33の締め作業を行う。
【0040】
前記のようなフィルター構造で、周波数のチューニング作業時には、周波数チューニングネジ33を、前記カバー13のネジホールに結合して付勢固定部材131の前記付勢突起131a側に締め、周波数チューニングネジ33を締めるにつれ、付勢固定部材131の付勢突出部131aが周波数チューニングネジ33の上面に対向して押されるようになる。これにより、付勢突起部131aの付勢力によって周波数チューニングネジ33は、現在の締め状態を維持することになる。また、この場合にも、前の実施例と同様に、周波数チューニングネジ33を締めたり、緩める作業を繰り返し実行し、周波数特性を調整することが可能である。
【0041】
図5は、本発明の実施例に係る付勢固定部材のうちの要部の他の変形構造を示した平面図である。図5に示した構造は、前記図1aないし図1cに示した第1の実施例に係る付勢固定部材41や、前記図3a及び図3bに示した第3の実施例に係る付勢固定部材52の平面構造である。または、前記図2aないし図2cに図示した第2の実施例に係る付勢固定部材32の付勢突出部32aや、前記図4aないし図4cに示した第4の実施例に係る付勢固定部材131の付勢突出部131aの平面構造である。
【0042】
前記図5に示すように、付勢固定部材41、42、または付勢固定部材の付勢突起32a、131aには、端から少し内側に、例えば、スリット(slit)形態で削られた構造を有する多数の溝bを形成することができる。このような多数の溝bは、付勢固定部材41、42、または付勢固定部材の付勢突起32a、131aの付勢力または復元力を増大させる役割をする。多数の溝bの直径や長さまたはその他の具体的な詳細構造などは多様に設計することができる。
【0043】
前記のように、本発明の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターが構成することができ、一方、本発明では、他にも様々な実施例や変形例がある。例えば、前記説明したフィルターで、共振素子は別途製作されて筐体の内部底面に付着してよく、また、筐体と共振素子がすべて同じ材質で構成してもよいので、筐体と共振素子が一体的にダイカスト方式で製作することもできる。または、その以外にも、前記韓国公開特許公報第10−2014−0026235号に開示した技術と同様に、筐体と内部の共振素子が全体的にプレス加工方法で一体的に形成する構造を有してもよい。
【0044】
また、筐体に設置するキャビティの個数と形をはじめ、周波数チューニングネジ、溝、貫通型ホールなどの具体的な詳細構成要素の詳細な構造や、サイズなどは多様に設計変更できることは理解できるはずである。
【0045】
このように、本発明の様々な変形及び変更があり、したがって、本発明の範囲は、説明した実施例により定めるものではなく、請求の範囲と請求の範囲と均等なものによって定めなければならない。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
【国際調査報告】