特表2020-519378(P2020-519378A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-519378放射線治療中の形状変化を考慮するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-519378(P2020-519378A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(54)【発明の名称】放射線治療中の形状変化を考慮するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20200605BHJP
【FI】
   A61N5/10 P
   A61N5/10 G
   A61N5/10 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2019-562339(P2019-562339)
(86)(22)【出願日】2018年4月5日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月9日
(86)【国際出願番号】US2018026199
(87)【国際公開番号】WO2018208390
(87)【国際公開日】20181115
(31)【優先権主張番号】62/504,926
(32)【優先日】2017年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/839,381
(32)【優先日】2017年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517150065
【氏名又は名称】エレクタ、インク.
【氏名又は名称原語表記】ELEKTA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100087479
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 好人
(72)【発明者】
【氏名】ウィルカット バージル
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AA01
4C082AC02
4C082AC05
4C082AE03
4C082AJ07
4C082AJ08
4C082AJ14
4C082AN02
4C082AN04
4C082AN05
4C082AP07
(57)【要約】
本開示の実施形態は、患者の標的領域の形状変化を表す動き標的体積を生成するシステムに関する。システムは、標的領域を含む複数の電子医療画像を受信するように構成された少なくとも1つのコンピュータシステムを有し、複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されている。コンピュータシステムは、複数の画像のそれぞれにおける標的領域を含む三次元ボリュームの輪郭を定めるステップを実行するように構成され、三次元ボリュームは、複数の画像の少なくとも2つにおける標的領域の形状の違いのために、複数の画像の少なくとも2つにおいて異なる。コンピュータシステムは、また、三次元ボリュームを共同登録するステップと動き標的体積を生成するステップを実行するように構成され、動き標的体積は三次元ボリュームのそれぞれを包含する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成するシステムであって、
前記システムは、
前記患者の体内の前記標的領域を含む複数の電子医療画像を受信するステップであって、前記複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されたステップと、
前記複数の画像のそれぞれにおける前記標的領域を含む三次元ボリュームの輪郭を定めるステップであって、前記三次元ボリュームは、前記複数の画像の少なくとも2つにおける前記標的領域の形状の違いのために、前記複数の画像の前記少なくとも2つにおいて異なるステップと、
複数の前記三次元ボリュームを共同登録するステップと、
前記動き標的体積を生成するステップであって、前記動き標的体積は前記三次元ボリュームのそれぞれを包含するステップと
を実行するように構成された少なくとも1つのコンピュータシステムを有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記共同登録するステップは、前記輪郭を定めるステップの前に行われる
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記三次元ボリュームは、肉眼的腫瘍体積である
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記三次元ボリュームのそれぞれの周りの第1のマージンの輪郭を定めるステップを実行するように構成され、前記第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定める
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記第1のマージンのそれぞれの周りに第2のマージンの輪郭を定めるステップであって、前記第2のマージンは計画の標的体積の輪郭を定めるステップを実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記共同登録された三次元ボリュームの周りに第1のマージンの輪郭を定めるステップであって、前記第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定めるステップを実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記第1のマージンの周りに第2のマージンの輪郭を定めるステップであって、前記第2のマージンは計画の治療体積の輪郭を定めるステップを実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記複数の画像は、磁気共鳴画像またはコンピュータ断層撮影画像のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成する、コンピュータが実行する方法であって、
前記方法は、
前記患者の体内の前記標的領域を含む複数の医療画像を受信するステップであって、前記複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されたステップと、
前記複数の画像の少なくとも1つにおける前記標的領域を含む三次元ボリュームの輪郭を描くステップと、
前記三次元ボリュームの周りの領域内に前記複数の画像を共同登録するステップと、
前記動き標的体積を生成するステップであって、前記動き標的体積は前記複数の画像のそれぞれにおける前記標的領域の形状を包含するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、
前記輪郭を描くステップは、前記複数の画像のそれぞれにおける前記標的領域を含む三次元標的ボリュームの輪郭を描くステップを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法において、
前記輪郭を描くステップは、前記複数の画像の1つで実行され、
前記方法は、更に、前記標的領域を、前記標的領域上の前記複数の画像の前記1つから前記複数の画像の他の一つに伝搬するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法において、
前記方法は、更に、最大強度投影または最小強度投影を生成するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記最大強度投影または前記最小強度投影の周りにマージンが追加されて臨床の標的体積を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、
前記臨床の標的体積の周りにマージンが追加されて計画の標的体積を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9記載の方法において、
前記輪郭を描くステップは、前記三次元ボリュームの周りにマージンを追加するステップであって、前記三次元ボリュームは腫瘍を含むステップを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9記載の方法において、
前記方法は、更に、前記共同登録するステップを導くために、関心領域を生成するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成する、コンピュータが実行する方法であって、
前記方法は、
前記患者の体内の前記標的領域を含む複数の医療画像を受信するステップであって、前記複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されたステップと、
前記複数の画像の少なくとも1つにおける共同登録に対する関心領域の輪郭を定めるステップと、
前記関心領域における前記複数の画像を共同登録するステップと、
前記動き標的体積を生成するための最大強度投影または最小強度投影を生成するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、
前記複数の画像のそれぞれにおいて共同登録のための関心領域の輪郭が定められる
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、
前記関心領域は肉眼的腫瘍体積である
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、
前記方法は、更に、前記最大強度投影または前記最小強度投影の周りに第1のマージンを追加するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、
前記第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定める
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記方法は、更に、前記臨床の標的体積の周りに第2にマージンを追加するステップであって、前記第2のマージンは計画の標的体積の輪郭を定めるステップを有する
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連アプリケーションの相互参照)
[001]
この出願は、2017年5月11日に出願された米国仮出願第62/504,926号および2017年12月12日に出願された米国非仮出願第15/839,381号の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に全体が組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
[002]
本開示の態様は、一般に、放射線療法に関し、具体的には、放射線療法中の標的体積、例えば、腫瘍の形状の変化を決定および考慮するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[003]
放射線治療(radiation therapy)(放射線療法(radiotherapy)とも呼ばれる)は、癌やその他の病状の治療に使用される。放射線療法では、患者の標的領域、例えば腫瘍または他の癌組織に処方線量の放射線を照射する。標的領域を放射線療法の実施前に画像化して、標的およびとりわけ周囲の構造の、例えば、形状、大きさ、位置、および/または方向に基づいて放射線療法治療計画(「治療計画」)を策定することができる。次に、治療計画に従って、放射線療法送達装置を使用して、患者の標的領域に放射線を送達する。
【0004】
[004]
従来から、各患者について、臨床および線量測定の目的および制約(例えば、腫瘍および周辺臓器への最大放射線量、最小放射線量、および平均放射線量)に基づいて治療計画を作成している。治療計画手順は、患者の三次元(3D)画像を使用して、標的領域(例えば、腫瘍)を特定し、腫瘍の近くの重要な臓器を特定することを含むことができる。
【0005】
[005]
しかしながら、標的の初期画像が取得された後、標的領域の形状が変化することがある。例えば、患者は、例えば、呼吸、嚥下、瞬き、痙攣、蠕動、消化、膀胱の充満、心臓の鼓動、または他の動きを含む通常の生物学的プロセスのために、自発的または不随意に動くことがある。これらの動きは、標的領域を圧縮および/またはそうでなければ変形または形を変える可能性がある。標的領域の動きを追跡するシステムが存在するが、この追跡は通常、体内の標的領域の位置の変化のみを考慮する。現在のシステムは、追跡対象の移動中に標的領域の形状が一定である、すなわち、標的領域が剛体であると想定している。しかしながら、多くの場合、腫瘍または他の癌性の成長は軟部組織で形成され、通常の身体プロセスによって変形する場合がある。現在利用可能なシステムは、治療計画と放射線療法との間、または放射線療法中に発生する可能性のある標的領域の実際の形状の変化を追跡できない場合がある。
【0006】
[006]
標的領域の形状の変化が考慮されていないと、放射線療法の有効性が低下する。例えば、標的領域の形状が事前の撮像に基づいて想定された形状と異なる場合、意図した標的領域に誤った線量の放射線が照射されたり、標的領域の一部が完全に失われたりする可能性がある。さらに、周囲の健康な組織は、意図した標的領域の代わりに、またはそれに加えて、放射線を受ける可能性がある。間違った領域を放射線にさらすと、最終的に周囲の健康な細胞を傷つけたり殺したりする可能性がある。したがって、放射線療法中の標的領域の形状の変動に対応できるシステムおよび方法が必要である。放射線の送達を追跡する際の標的領域の形状の変化を考慮する、放射線療法中に使用する動き標的体積を生成するシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【0007】
[007]
本開示の実施形態は、患者の標的領域の形状変化を表す動き標的体積を生成するシステムに関する。システムは、とりわけ、標的領域を含む複数の電子医療画像を受信するように構成された少なくとも1つのコンピュータシステムを含むことができ、複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されている。コンピュータシステムは、複数の画像のそれぞれに標的領域を含む三次元ボリュームの輪郭を定めるように構成され、三次元ボリュームは、複数の画像の少なくとも2つにおける標的領域の形状の違いのために、複数の画像の少なくとも2つにおいて異なる。コンピュータシステムは、また、三次元ボリュームを共同登録し、動き標的体積の生成するように構成され、動き標的体積は、三次元ボリュームのそれぞれを包含する。
【0008】
[008]
システムの様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。共同登録が、輪郭を定める前に起きてもよく、また、三次元ボリュームが肉眼的腫瘍体積であってもよい。少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、三次元ボリュームのそれぞれの周りに第1のマージンを定義するように構成されてもよく、第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定め、少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、第2のマージンの輪郭を定めるように構成されてもよく、第1のマージンのそれぞれの周りで、第2のマージンは計画標的体積の輪郭を定める。少なくとも1つのコンピュータシステムは、共同登録された三次元ボリュームの周りに第1マージンの輪郭を定めるように構成され、第1マージンは臨床の標的体積の輪郭を定め、第1のマージンの周りに第2のマージンの輪郭を定めるように構成され、第2のマージンは、計画の処置体積の輪郭を定める。複数の画像は、磁気共鳴画像またはコンピュータ断層撮影画像のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0009】
[009]
本開示の実施形態は、また、患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成する、コンピュータが実行する方法に関する。この方法は、患者の体内の標的領域を含む複数の医用画像を受信することを含み、複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影され、また、この方法は、複数の画像の少なくとも1つにおける標的領域を含む三次元標的ボリュームの輪郭を定めることを含む。この方法は、また、三次元標的ボリュームの周りの領域内に複数の画像を同時登録することを含み、動き標的体積を生成することを含み、動き標的体積は複数の画像のそれぞれにおける標的領域の形状を包含する。
【0010】
[010]
システムの様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。輪郭を定めることは、複数の画像のそれぞれにおける標的領域を含む三次元標的ボリュームの輪郭を定めることを含んでもよい。輪郭を定めることは、複数の画像の1つで実行されてもよい。この方法は、更に、複数の画像の1つから標的体積を複数の画像の別の標的体積に伝播することを含んでもよい。この方法は、最大強度投影または最小強度投影を作成することをさらに含んでもよい。最小強度投影または最大強度投影の周囲にマージンを追加して臨床の標的体積を生成してもよく、臨床の標的体積の周囲にマージンを追加して計画の標的体積を生成してもよい。輪郭を定めることは、腫瘍を含む三次元ボリュームの周りにマージンを追加してもよい。この方法は、また、共同登録を導くための関心領域を作成することを含むことができる。
【0011】
[011]
本開示の実施形態は、また、患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成する、コンピュータが実行する方法に関する。この方法は、患者の体内の標的領域を含む複数の医用画像を受信することを含むことができ、複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されている。この方法は、また、複数の画像の少なくとも1つでの位置合わせのために関心領域の輪郭を定めること、関心領域における複数の画像を共同登録すること、動き標的体積を生成するための最大強度投影または最小強度投影を生成することを含むことができる。
【0012】
[012]
システムの様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。共同登録のための関心領域は、複数の画像のそれぞれで定義されてもよく、または関心領域は肉眼で肉眼的腫瘍体積であってもよい。この方法は、更に、最大強度投影または最小強度投影の周りに第1のマージンを追加することを含むことができ、第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定める。この方法は、更に、臨床の標的体積の周りに第2のマージンを追加することを含むことができ、第2のマージンは計画の標的体積の輪郭を定める。
【0013】
[013]
実施形態の追加の目的および利点は、以下の説明の一部に記載され、一部は説明から明らかであるか、または実施形態の実施により習得することができる。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示および説明であって、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0014】
[014]
本明細書で使用されているように、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、またはその他の任意の変形は、非独占的な包含を網羅することを意図しており、要素のリストを含むプロセス、方法、記事、または装置には、それらの要素のみが含まれるわけではなく、そのようなプロセス、方法、記事、または装置に明示的にリストされていない他の要素を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[015]
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、開示された実施形態を示し、その説明とともに、開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【0016】
[016]
図1図1は、放射線治療システムの例を示す図である。
【0017】
[017]
図2図2は、治療ビームを提供するように構成された放射線治療出力を含む放射線治療システムの例を示す図である。
【0018】
[018]
図3A図3Aは、様々な時点における例示的な標的領域を概略的に示す図である。
【0019】
[019]
図3B図3Bは、図3Aの標的領域構成を考慮に入れた本開示の例示的な方法におけるステップを概略的に示す図である。
【0020】
[020]
図3C図3Cは、図3Aの標的領域構成を考慮に入れた本開示の例示的な方法におけるステップを概略的に示す図である。
【0021】
[021]
図4A図4Aは、図3Aの標的領域構成を考慮に入れた本開示の例示的な方法におけるステップを概略的に示す図である。
【0022】
[022]
図4B図4Bは、図3Aの標的領域構成を考慮に入れた本開示の例示的な方法におけるステップを概略的に示す図である。
【0023】
[023]
図5図5は、図3Aの標的領域構成を考慮に入れた本開示の例示的な方法におけるステップを概略的に示す図である。
【0024】
[024]
図6図6は、本開示の実施形態による例示的な方法を示すフローチャートである。
【0025】
[025]
図7図7は、本開示の実施形態による例示的な方法を示す別のフローチャートである。
【0026】
[026]
図8図8は、本開示の実施形態による例示的な方法を示す別のフローチャートである。
【0027】
[027]
図9図9は、本開示の実施形態による例示的な方法を示す別のフローチャートである。
【0028】
[028]
図10図10は、例えば、放射線療法の治療計画で使用するため、および/または動き管理のための腫瘍追跡で使用するための動き標的体積を生成するために、本明細書で説明される方法のうちの1つまたは複数が実装されるデバイスすなわちマシンの実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[029]
ここで、以下に記載され、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同じまたは類似の部品を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。「例示的(exemplary)」という用語は「理想的(ideal)」ではなく「例(example)」という意味で使用される。「およそ(approximately)」という用語は、変更する数値の10%の範囲内を意味する。
【0030】
[030]
本開示の実施形態は、放射線療法中の標的領域(例えば、腫瘍)の形状の変化を考慮して包含するグラフィカル表現を生成するための放射線療法システムおよび方法に関する。例えば、本明細書で説明するシステムおよび方法を使用して、放射線療法治療計画で使用するための、および/または動き管理に対する腫瘍追跡で使用するための動き標的体積を生成することができる。本明細書では、形状の変化を考慮する動き標的体積を生成する多くの方法が説明される。例えば、形状の様々な変化を示す複数の医療画像が取得され、または前もって取得される。複数の画像、または画像のサブセットは、腫瘍形状の変化を説明するための動き標的体積を生成するために処理される。
【0031】
[031]
特に、治療計画中に、複数の医療画像、たとえば、コンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴画像(MRI、例えば、3Dまたは4DMRI画像)、超音波画像、蛍光透視法、X線画像、ポジトロン放射断層撮影(PET)、および/または他の適切な医療画像が撮影される。標的領域、例えば、患者の解剖学的構造における腫瘍の位置は、本技術分野で知られているセグメンテーション技術または他の構成を使用する放射線治療システムによって決定されてもよい。画像は異なる時点で撮影され得るし、標的領域の形状は画像によって異なり得る。例えば、標的領域の形状の変化は、呼吸または消化に応じて変化し得る。標的領域の形状は、治療計画中、治療計画と放射線療法の間、および/または放射線療法中に、圧縮、拡大、変形、またはその他の変形する場合がある。本開示の実施形態は、放射線療法中および/または動き標的体積を生成する際に、形状のこれらの変化を考慮に入れることを可能にする。
【0032】
[032]
本明細書で使用される「肉眼的腫瘍体積」(GTV:Gross Tumor Volume)という用語は、画像で見える程度の腫瘍を指し示す。「臨床標的体積」(CTV:Clinical Target Volume)という用語は、肉眼的腫瘍体積に、医療画像では見えないが存在する可能性がある無症状疾患を考慮するマージンを加えたものを指し示す。CTVは、GTVを囲み、検出されない腫瘍の広がりの範囲を指し示し、腫瘍を適切に治療するために対処すべきものである。「計画標的体積」(PTV:Planning Target Volume)という用語は、CTVに、計画段階および/または患者への治療(例えば放射線療法)の実施中に生ずる不確実性を考慮したマージンを加えたものを指し示す。PTVは、CTVを囲み、CTVへの治療の実際の送達を促進するように設計される。「標的体積」という用語は、これらの用語のそれぞれを広く包含し、「動き標的体積」は、患者への放射線療法の送達中に腫瘍の動きを追跡するために使用される標的体積を指す。「関心領域」とは一般に、GTV、CTV、および/またはPTVのうちの1つまたは複数、または標的体積の外側の身体の追加部分を含む身体の領域を指し示す。
【0033】
[033]
図1は、本開示の実施形態が使用および/または実行される、患者に放射線療法を提供するための他の例示的な放射線療法システム10を示す。放射線治療システム10は画像処理装置12を含む。画像処理装置12は、ネットワーク20に接続される。ネットワーク20はインターネット22に接続される。ネットワーク20は、画像処理装置12を、データベース24、病院データベース26、腫瘍情報システム(OIS)28、放射線治療装置30、画像取得装置32、表示装置34、および/またはユーザインターフェース36のうちの1つまたはそれ以上と接続することができる。画像処理装置12は、放射線療法装置30によって使用される1つまたはそれ以上の放射線療法治療計画42を生成するように構成される。
【0034】
[034]
画像処理装置12は、メモリ16、画像プロセッサ14、および/または通信インターフェース18を含むことができる。メモリ16は、オペレーティングシステム43、1つまたはそれ以上の放射線療法治療計画42(例えば、オリジナルの治療計画、および/または適合した治療計画)、ソフトウェアプログラム44(例えば、人工知能、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、および/または放射線療法治療計画ソフトウェア)、および/または、画像プロセッサ14によって実行される他の任意のコンピュータ実行可能命令のような、コンピュータ実行可能命令を記憶し得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアプログラム44は、疑似CT画像のような合成画像を生成することにより、あるフォーマット(例えば、MRI)の医療画像を別のフォーマット(例えば、CT)に変換することができる。例えば、ソフトウェアプログラム44は、1つのモダリティの中間画像46(例えば、MR画像)を異なるモダリティの合成画像(例えば、擬似CT画像)に変換するための予測モデルを訓練する画像処理プログラムを含み得る。あるいは、訓練された予測モデルは、CT画像をMRI画像に変換し得る。メモリ16は、医療画像46、患者データ45、および/または放射線療法治療計画42を作成および/または実施するのに必要な他のデータを含むデータを格納することができる。
【0035】
[035]
ソフトウェアプログラム44を記憶するメモリ16に加えて、またはその代わりに、ソフトウェアプログラム44は、ハードドライブ、コンピュータディスク、CD−ROM、DVD、HD、Blu−RayDVD、USBフラッシュドライブ、SDカード、メモリスティック、またはその他の適切なメディアのような取り外し可能なコンピュータ媒体に記憶できると考えられる。ソフトウェアプログラム44は、画像プロセッサ14にダウンロードされると、画像プロセッサ14により実行される。
【0036】
[036]
画像プロセッサ14は、メモリ16に通信可能に結合されることができ、画像プロセッサ14は、そこに格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されることができる。画像プロセッサ14は、医療画像46をメモリ16に送信または受信することができる。例えば、画像プロセッサ14は、通信インターフェース18およびネットワーク18を介して、画像取得装置32または別の画像取得装置から医療画像46を受信して、メモリ16に格納することができる。また、画像プロセッサ14は、メモリ16に保存された医療画像46を、通信インターフェース18を介してネットワーク20に送信し、データベース24および/または病院データベース26に格納することができる。
【0037】
[037]
さらに、画像プロセッサ14は、医療画像46および/または患者データ45とともにソフトウェアプログラム44(例えば、治療計画ソフトウェア)を利用して、放射線画像治療計画42を作成および/または修正してもよい。医用画像46は、患者の解剖学的領域、器官、または関心セグメンテーションデータのボリュームに関連付けられた画像データのような情報を含み得る。患者データ45は、(1)機能的臓器モデリングデータ(例えば、直列臓器対並列臓器、適切な用量反応モデルなど)、(2)放射線量データ(例えば、線量体積ヒストグラム(DVH)情報)、および/または(3)患者および治療経過に関する他の臨床情報(例えば、他の手術、化学療法、従来の放射線療法など)のような情報を含み得る。
【0038】
[038]
さらに、画像プロセッサ14は、ソフトウェアプログラムを使用して、例えば、ニューラルネットワークモデルによって使用される更新されたパラメータのような中間データを生成するか、または、その後メモリ16に格納される中間2Dまたは3D画像を生成することができる。次に、画像プロセッサ14は、通信インターフェース18を介してネットワーク20への実行可能な放射線療法治療計画42を放射線療法装置30に送信することができ、放射線療法装置30は放射線療法治療計画42を実行して患者を放射線で治療することができる。さらに、画像プロセッサ14は、ソフトウェアプログラム44を実行して、例えば、画像変換、画像分割、深層学習、ニューラルネットワーク、および/または人工知能などの機能を実行することができる。例えば、画像プロセッサ14は、医用画像を訓練するおよび/または輪郭付けするソフトウェアプログラム44を実行することができる。そのようなソフトウェアプログラム44は、実行されると、境界検出器を訓練し、および/または形状辞書を利用することができる。
【0039】
[039]
画像プロセッサ14は、例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)、および/またはアクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット(APU:Accelerated Processing Unit)のような1つまたは複数の汎用処理装置を含む処理装置であってもよい。詳細には、いくつかの実施形態では、画像プロセッサ14は、複合命令セットコンピューティング(CISC:complex instruction set computing)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC:reduced instruction set computing)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW:very long instruction Word)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであってもよい。画像プロセッサ14は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)、システムオンチップ(SoC:System on a Chip)、またはその他の適切なプロセッサのような1つまたはそれ以上の専用処理装置によって実装されることができる。当業者に理解されるように、いくつかの実施形態では、画像プロセッサ14は、汎用プロセッサではなく、専用プロセッサであってもよい。画像プロセッサ14は、Intel(登録商標)によって製造されたPentium(登録商標)、Core(登録商標)、Xeon(登録商標)、またはItanium(登録商標)ファミリー、AMD(登録商標)によって製造されたTurion(登録商標)、Athlon(登録商標)、Sempron(登録商標)、Opteron(登録商標)、FX(登録商標)、Phenon(登録商標)ファミリー、Sun Microsystemsによって製造された様々なプロセッサのいずれか、または他の適切なプロセッサのような、1つまたは複数の既知の処理装置を含み得る。画像プロセッサ14は、また、Nvidia(登録商標)によって製造されたGeForce(登録商標)、Quadro(登録商標)、Tesla(登録商標)ファミリー、Intel(登録商標)によって製造されたGMA、Iris(登録商標)ファミリー、またはAMD(登録商標)によって製造されたRadeon(登録商標)ファミリーのような、グラフィック処理ユニットを含み得る。画像プロセッサ14は、また、AMD(登録商標)によって製造されたDesktop A−4(6、8)シリーズ、または、Intel(登録商標)によって製造されたXeon Phi(登録商標)ファミリーのような、加速処理装置を含み得る。開示された実施形態は、いかなるタイプのプロセッサに限定されるものではなく、大量の撮像データを識別、分析、維持、生成、および/または提供するというコンピューティング命令を満たすように構成されている。
【0040】
[040]
さらに、「プロセッサ」という用語は、複数のプロセッサ、例えばマルチコア設計またはそれぞれがマルチコア設計を有する複数のプロセッサを含むことができる。画像プロセッサ14は、本開示の例示的な実施形態による様々な動作、プロセス、および方法を実行するために、例えば、メモリ16に格納されたコンピュータプログラム命令のシーケンスを実行するように構成され得る。
【0041】
[041]
メモリ16は、医療画像46を格納することができる。いくつかの実施形態では、医療画像46は、例えば、1つまたはそれ以上のMR画像(例えば、2DMRI、3DMRI、2DストリーミングMRI、4DMRI、4DボリュームMRI、4DシネMRIなど)、機能的MRI画像(例えば、fMRI、DCE−MRI、拡散MRI)、CT画像(例えば、2DCT、CBCT、3DCT、4DCT)、超音波画像(例えば、2D超音波、3D超音波、4D超音波)、PET画像、X線画像、透視画像、放射線治療ポータル画像、SPECT画像、および/またはコンピュータ生成合成画像(例えば、疑似CT画像)を含み得る。さらに、医療画像46は、例えば、トレーニング画像、グラウンドトルース画像、および/または輪郭画像46などの医療画像データを含むことができる。メモリ16に格納された画像は、登録画像および/または未登録画像を含むことができ、画像は前処理されているか、未処理の未処理画像であり得る。いくつかの実施形態では、医用画像46は画像取得装置32から受信されることができる。したがって、画像取得装置32は、MR撮像装置、CT撮像装置、PET撮像装置、超音波撮像装置、蛍光透視装置、SPECT撮像装置、統合型リニアック及びMR撮像装置、または、患者の医療画像を取得するため他の医療撮像装置を含むことができる。医療画像46は、開示された実施形態による動作を実行するために画像処理装置12が使用し得る任意のタイプのデータまたは任意のタイプのフォーマットで受信および格納され得る。
【0042】
[042]
メモリ16は、読み取り専用メモリ(ROM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような非一時的なコンピュータ可読媒体、同期DRAM(SDRAM)のようなダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、スタティックメモリ(例えば、フラッシュメモリ、フラッシュディスク、スタティックランダムアクセス)、または、他の適切なタイプのランダムアクセスメモリ、例えば、キャッシュ、レジスタ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、または、その他の光学ストレージ、カセットテープ、他の磁気記憶装置、または、画像プロセッサ14または他の種類のコンピュータ装置によりアクセスされる画像、データ、またはコンピュータ実行可能命令(例えば、任意のフォーマットで保存されたもの)を含む情報を保存するために使用できる他の非一時的な媒体デバイス、であり得る。コンピュータプログラム命令は、画像プロセッサ14によってアクセスされ、ROMまたは他の任意の適切なメモリ位置から読み取られ、画像プロセッサ14による実行のためにRAMにロードされ得る。例えば、メモリ16は、1つ以上のソフトウェアアプリケーションを格納し得る。メモリ16に格納されたソフトウェアアプリケーションは、例えば、一般的なコンピュータシステムならびにソフトウェア制御デバイス42用のオペレーティングシステム43を含み得る。さらに、メモリ16は、画像プロセッサ14によって実行可能なソフトウェアアプリケーション全体、またはソフトウェアアプリケーションの一部のみを格納してもよい。例えば、メモリ16は、1つまたはそれ以上の放射線療法治療計画42を格納してもよい。
【0043】
[043]
画像処理装置12は、画像プロセッサ14およびメモリ16に通信可能に結合され得る通信インターフェース18を介してネットワーク20と通信し得る。通信インターフェース18は、画像処理装置12と放射線治療システム10の構成要素との間の通信接続(例えば、外部装置とのデータ交換を可能にする)を提供することができる。例えば、通信インターフェース18は、いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース36に接続する適切なインターフェース回路を有することができ、ユーザインターフェース36は、例えば、ユーザが放射線治療システム10に情報を入力することができるハードウェアキーボード、キーパッド、および/またはタッチスクリーンであり得る。
【0044】
[044]
通信インターフェース18は、例えば、ネットワークアダプタ、ケーブルコネクタ、シリアルコネクタ、USBコネクタ、パラレルコネクタ、高速データ伝送アダプタ(例えば、ファイバ、USB3.0、サンダーボルト)、ワイヤレスネットワークアダプタ(例えば、WiFiアダプタ)、通信アダプタ(例えば、3G、4G/LTE)、またはその他の適切なインターフェースのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。通信インターフェース18は、画像処理装置12がネットワーク20を介して遠隔配置されたコンポーネントなどの他の機械および装置と通信できるようにすることができる1つまたはそれ以上のデジタルおよび/またはアナログ通信装置を含むことができる。
【0045】
[045]
ネットワーク20は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、クラウドコンピューティング環境(例えば、サービスとしてのソフトウェア、サービスとしてのプラットフォーム、サービスとしてのインフラストラクチャなど)、クライアントサーバー、またはワイドエリアネットワーク(WAN)の機能を提供することができる。例えば、ネットワーク20は、他のシステムS1(38)、S2(40)、S3(41)を含み得るLANまたはWANであり得る。システムS1、S2、およびS3は、画像処理装置12と同一であっても、異なるシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク20内の1つまたはそれ以上のシステムは、本明細書で説明する実施形態を協働して実行することができる分散コンピューティング/シミュレーション環境を形成し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のシステムS1、S2、およびS3は、CT画像(例えば、医療画像46)を取得するCTスキャナを含み得る。加えて、ネットワーク20は、インターネット22に接続して、インターネット上に遠隔に存在するサーバーおよびクライアントと通信することができる。
【0046】
[046]
したがって、ネットワーク20は、画像処理装置12と、OIS28、放射線治療装置30、および/または画像取得装置32のようないくつかの他の様々なシステムおよび装置との間のデータ送信を可能にし得る。さらに、OIS28および/または画像取得装置32によって生成されたデータは、メモリ16、データベース24、および/または病院データベース26に格納することができる。データは、必要に応じて画像プロセッサ14によってアクセスされるために、ネットワーク20を介し、通信インターフェース18を介して送信/受信され得る。
【0047】
[047]
画像処理装置12は、ネットワーク20を介してデータベース24と通信して、データベース24に格納された複数の様々なタイプのデータを送受信することができる。例えば、データベース24は、放射線療法装置30、画像取得装置32、および/または放射線療法に関連する他の機械および/または装置に関連する情報を含む機械データを含むことができる。マシンデータ情報は、放射線ビームサイズ、アーク配置、ビームのオン/オフ時間、制御点、セグメント、MLC構成、ガントリ速度、MRIパルスシーケンス、および/またはその他の適切な情報を含み得る。データベース24は記憶装置であり得る。当業者は、データベース24が中央または分散方式で配置された複数のデバイスを含むことができることを理解するであろう。
【0048】
[048]
いくつかの実施形態では、データベース24は、プロセッサ可読記憶媒体(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態におけるプロセッサ可読記憶媒体は単一の媒体であってもよいが、用語「プロセッサ可読記憶媒体」という用語は、1つまたはそれ以上のコンピュータ実行可能命令またはデータのセットを格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連キャッシュおよびサーバー)を含むものと解釈されるべきである。用語「プロセッサ可読記憶媒体」は、また、プロセッサによる実行のための命令セットを格納および/またはエンコードすることができ、プロセッサに、1つまたはそれ以上の本開示の方法論(methodology)を実行させる、いかなる媒体も含むものとする。したがって、用語「プロセッサ可読記憶媒体」は、個体メモリ、光学、および磁気媒体を含むが、これらには限定されないと解釈される。例えば、プロセッサ可読記憶媒体は、1つまたは複数の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0049】
[049]
画像プロセッサ14は、データベース24と通信して、画像をメモリ16に読み込み、および/または、画像をメモリ16からデータベース24に格納することができる。例えば、データベース24は、データベース24が画像取得装置32または他の画像取得装置34から受信する複数の画像(例えば、3DMRI、4DMRI、2DMRIスライス画像、CT画像、2D透視画像、X線画像、MRスキャンまたはCTスキャンからの生データ、医学におけるデジタル画像化および通信(DIMCOM)データ、等)を格納するように構成されることができる。データベース24は、ソフトウェアプログラム44を実行するとき、および/または放射線療法治療計画42を作成するときに画像プロセッサ14によって使用されるデータを格納することができる。画像処理装置12は、データベース24、放射線治療装置30(例えば、MRI−リニアック)、および/または画像取得装置32のいずれかから医療画像46(例えば、2DMRIスライス画像、CT画像、2D透視画像、X線画像、3DMR画像、4DMR画像など)を受け取り、治療計画42を生成することができる。
【0050】
[050]
例示的な実施形態では、放射線療法システム100は、患者の医療画像(例えば、3DMRI、2DストリーミングMRI、または4DボリュームMRI、CT画像、CBCT、PET画像、機能的MR画像(例えば、fMRI、DCE−MRI、拡散MRI)、X線画像、X線透視画像、超音波画像、放射線治療ポータル画像、SPECT画像など)を取得するように構成された画像取得デバイス32を含むことができる。画像取得装置32は、例えば、MR撮像装置、CT撮像装置、PET撮像装置、超音波装置、蛍光透視装置、SPECT撮像装置、または、1つまたはそれ以上の患者の医療画像を取得するための任意の他の適切な医療撮像装置であり得る。画像取得装置32によって取得された画像は、画像データおよび/またはテストデータのいずれかとしてデータベース24内に保存され得る。例として、画像取得装置32によって取得された画像は、メモリ16内の医療画像データ46として画像処理装置12によって保存されることができる。
【0051】
[051]
いくつかの実施形態では、例えば、画像取得デバイス32は、単一の装置(例えば、「MRIリニアック」とも呼ばれるリニアックと組み合わされたMRIデバイス)として放射線治療デバイス30と統合され得る。このようなMRI−リニアックは、例えば、放射線療法治療計画42に従って放射線療法を所定の標的に正確に向けるために、患者の標的器官または標的腫瘍の位置を決定するために使用され得る。
【0052】
[052]
画像取得装置32は、関心領域(例えば、標的器官、標的腫瘍、またはその両方)における患者の解剖学的構造の1つまたはそれ以上の画像を取得するように構成され得る。各画像、通常は2D画像またはスライスは、1つまたはそれ以上のパラメータ(例えば、2Dスライスの厚さ、向き、場所など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、画像取得デバイス32は、任意の向きの2Dスライスを取得することができる。例えば、2Dスライスの方向には、矢状方向、冠状方向、または軸方向が含まれる。画像プロセッサ14は、2Dスライスの厚さおよび/または向きなどの1つまたはそれ以上のパラメータを調整して、標的器官および/または標的腫瘍を含めることができる。例示的な実施形態では、2Dスライスは、3DMRIボリュームのような情報から決定することができる。そのような2Dスライスは、患者が放射線治療を受けている間、例えば、放射線治療装置30を使用するときに、「リアルタイム」で画像取得装置32によって取得することができる。「リアルタイム」とは、ミリ秒(例えば、500ミリ秒または300ミリ秒)以内でデータを取得することを意味する。
【0053】
[053]
画像処理装置12は、1人またはそれ以上の患者の放射線療法治療計画42を生成および保存することができる。放射線療法治療計画42は、各患者に適用される特定の放射線量に関する情報を提供することができる。放射線療法治療計画42は、また、ビーム角、線量ヒストグラムボリューム情報、治療中に使用される放射線ビームの数、ビームあたりの線量、または他の適切な情報またはそれらの組み合わせのような他の放射線療法情報を含むことができる。
【0054】
[054]
画像プロセッサ14は、ソフトウェアプログラム44、例えば、スウェーデンのストックホルムのエレクタAB社によって製造されたMonaco(登録商標)のような治療計画ソフトウェアを使用することにより、放射線療法治療計画42を生成することができる。放射線療法治療計画42を生成するために、画像プロセッサ14は、画像取得装置32(例えば、CT装置、MRI装置、PET装置、X線装置、超音波装置など)と通信して、患者の画像にアクセスし、腫瘍のような標的を描写することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍の周囲または腫瘍に近接した健康な組織のような、1つまたはそれ以上のリスク臓器(OAR)の描写が必要になる。したがって、OARが標的腫瘍に近いときにOARのセグメンテーションを実行する。また、標的腫瘍がOAR(例えば、膀胱および直腸の近くにある前立腺)に近い場合には、腫瘍からOARをセグメント化することにより、治療計画装置110は、標的だけでなくOARについても線量分布を検討することができる。
【0055】
[055]
OARから標的臓器または標的腫瘍を区別して輪郭を描くために、放射線治療を受けている患者の、MR画像、CT画像、PET画像、fMR画像、X線画像、超音波画像、放射線治療ポータル画像、SPECT画像、またはその他の医療画像のような医療画像が画像取得装置32によって取得され、身体部分の内部構造が明らかにされる。医療画像からの情報に基づいて、関連する解剖学的部分の3D構造を取得することができる。さらに、治療計画プロセス中に、多くのパラメータを考慮して、標的腫瘍の効率的な治療(例えば、標的腫瘍が効果的な治療に十分な放射線量を受けること)と、OARの低照射(例えば、OARが可能な限り低い放射線量を受けること)とのバランスをとることができる。考慮され得る他のパラメータには、標的器官および標的腫瘍の位置、OARの位置、および/またはOARに関する標的の動きが含まれる。例えば、三次元構造は、標的の輪郭を描く、または、各二次元層またはスライス内のOARの輪郭を描き、各二次元層またはスライスの輪郭を統合することにより得ることができる。輪郭は、手動で(例えば、医師、線量計、または医療従事者によって)、または自動で(例えば、スウェーデンのストックホルムのエレクタAB社によって製造されたアトラスベースの自動セグメンテーションソフトウエアであるABAS(登録商標)を用いて)生成することができる。特定の実施形態において、標的腫瘍またはOARの三次元構造は、治療計画ソフトウェアにより自動的に生成されることできる。
【0056】
[056]
標的腫瘍とOARの位置を特定して輪郭を描いた後、放射線線量測定士、医師、または医療従事者は、標的腫瘍に照射される放射線の線量と共に、腫瘍に近接したOAR(例えば、左右の耳下腺、視神経、目、水晶体、内耳、脊髄、脳幹、または他の解剖学的構造)が受ける可能性のある最大線量とを決定することができる。関連する解剖学的構造(例、標的腫瘍、OAR)の放射線量を決定した後、逆計画法(inverse planning)として知られるプロセスを実行して、望ましい放射線量分布を達成する1つまたはそれ以上の治療計画パラメータを決定することができる。治療計画パラメータの例には、(例えば、標的ボリュームの輪郭を定める、機密構造の輪郭を描く、などの)ボリューム描写パラメータ、標的腫瘍およびOARの周囲のマージン、ビーム角選択、コリメータ設定、および/またはビームオン時間が含まれる。逆計画プロセス中、医師は、OARが受ける可能性のある放射線量の境界を設定する線量制約パラメータを定めること(例えば、腫瘍標的への全線量と任意のOARへのゼロ線量を定めること;脊髄、脳幹、および視覚構造が、それぞれ、45Gy以下の線量、55Gy以下の線量、および54Gyより低い線量を受けると定めること)ができる。逆計画の結果は、メモリ16またはデータベース24に保存される放射線療法治療計画42を構成することができる。これらの治療パラメータのいくつかは相関している可能性がある。例えば、治療計画を変更しようとして1つのパラメータ(たとえば、標的腫瘍への線量を増やすなどのさまざまな目的の重み)を調整すると、少なくとも1つの他のパラメータに影響を与え、その結果、異なる治療計画が開発される可能性がある。したがって、画像処理装置12は、放射線療法装置30が患者に放射線療法治療を提供するために、これらのパラメータを有する調整された放射線療法治療計画42を生成する。
【0057】
[057]
さらに、放射線治療システム10は、表示装置34とユーザインターフェース36を含むことができる。表示装置34は、医療画像、インターフェース情報、治療計画パラメータ(例えば、輪郭、線量、ビーム角、など)、治療計画、標的、標的の位置特定、および/または標的の追跡、または、ユーザへの適切な情報、を表示するように構成された1つまたはそれ以上の表示画面を含むことができる。ユーザインターフェース36は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、または、ユーザが放射線治療システム10に情報を入力することができる任意のタイプのデバイスであり得る。あるいは、表示装置34およびユーザインターフェース36は、スマートフォン、コンピュータ、またはタブレットコンピュータ、例えば、Apple社製のiPad(登録商標)、Lenovo社のThinkpad(登録商標)、Samsung社のGalaxy(登録商標)のようなデバイスに統合されてもよい。
【0058】
[058]
さらに、放射線治療システム10のありとあらゆる構成要素は、仮想マシン(例えば、VMWare、Hyper−Vなど)として実装されてもよい。たとえば、仮想マシンはハードウェアとして機能するソフトウェアであってもよい。したがって、仮想マシンは、ハードウェアとして一緒に機能する少なくとも1つまたはそれ以上の仮想プロセッサ、1つまたはそれ以上の仮想メモリ、および/または1つまたはそれ以上の仮想通信インターフェースを含むことができる。例えば、画像処理装置12、OIS28、および/または画像取得装置32は、仮想マシン34として実装されてもよい。利用可能な処理能力、メモリ、および計算能力が与えられるならば、放射線治療システム10全体を仮想マシンとして実装することができる。
【0059】
[059]
図2は、X線源または線形加速器などの放射線源、カウチ(couch)216、撮像検出器214、および放射線療法出力204を含むことができる例示的な放射線療法装置202を示している。放射線治療装置202は、患者に治療を提供するために放射線ビーム208を放出するように構成されている。放射線治療出力204は、マルチリーフコリメータ(MLC)のような1つまたはそれ以上の減衰器またはコリメータを含むことができる。
【0060】
[060]
図2に示されるように、患者は、放射線治療計画に従って放射線治療線量を受け取るためにカウチ216によって支持される領域212に配置される。放射線治療出力204は、ガントリ206または他の機械的支持体に備え付けられる、または、取り付けられることができる。カウチ216が治療領域に挿入されると、1つまたはそれ以上のシャーシモータ(図示せず)がガントリ206と放射線治療出力204をカウチ216の周りに回転させることができる。一実施形態では、ガントリ206は、カウチ216が治療領域に挿入されるとき、カウチ216の周りで連続的に回転することができる。別の実施形態では、ガントリ206は、カウチ216が治療領域に挿入されると、所定の位置まで回転することができる。例えば、ガントリ206は、治療出力204を軸(「A」)の周りに回転させるように構成されることができる。カウチ216および放射線療法出力204は、両方とも、横方向(transverse direction)(「T」)に移動可能、横方向(lateral direction)(「L」)に移動可能、または、横軸(transverse axis)(「R」として示される)を中心とした回転のような1つまたは複数の軸の周りに回転するような、患者の周りの他の位置に独立して移動可能である。1つまたはそれ以上のアクチュエータ(図示せず)に通信可能に接続されたコントローラは、放射線療法治療計画に従って患者を放射線ビーム208の内または外に適切に配置するために、カウチ216の動きまたは回転を制御することができる。カウチ216およびガントリ206の両方が、複数の自由度で互いに独立して移動可能であるため、放射線ビーム208が腫瘍を正確に標的にできるように患者を配置することができる。
【0061】
[061]
図2に示す座標系(軸A、T、およびLを含む)は、アイソセンタ210に位置する原点を有する。アイソセンタ210は、患者102上または患者102内部の位置に所定の放射線量を送達するために、放射線療法ビーム208の中心軸が座標軸の原点と交差する位置として定義することができる。あるいは、アイソセンタ210は、ガントリ206によって軸Aの周りに位置決めされる放射線治療出力204の様々な回転位置について、放射線治療ビーム208の中心軸が患者と交差する場所として定義することができる。
【0062】
[062]
ガントリ206は、また、取り付けられた画像検出器214を有することができる。撮像検出器214は、好ましくは、放射線源204の反対側に配置され、一実施形態では、撮像検出器214は、治療ビーム208の視野内に配置することができる。
【0063】
[063]
画像検出器214は、治療ビーム208との位置合わせを維持するために、好ましくは放射線治療出力204の反対側のガントリ206に取り付けられる。ガントリ206が回転すると、回転検出器214は回転軸の周りを回転する。一実施形態では、撮像検出器214は、フラットパネル検出器(例えば、直接検出器またはシンチレータ検出器)であってもよい。このようにして、画像化検出器214を使用して、治療ビーム208を監視することができ、または、画像化検出器214を使用して、ポータル画像化のような患者の解剖学的構造を画像化することができる。放射線治療装置202の制御回路は、システム100内に統合されてもよく、システム100から離れていてもよい。
【0064】
[064]
例示的な実施形態では、カウチ216、治療出力204、またはガントリ206のうちの1つまたはそれ以上を自動的に配置することができ、治療出力204は、特定の治療送達インスタンスの指定線量に従って治療ビーム208を確立することができる。ガントリ206、カウチ216、または治療出力204の1つまたはそれ以上の異なる向きまたは位置を使用するような、放射線療法治療計画に従って一連の治療送達を指定することができる。治療の送達は連続して行われてもよいが、アイソセンタ210のような患者上または患者内部の所望の治療場所で交差してもよい。これにより、放射線治療の処方された累積線量が治療部位に送達され、治療部位の近くの組織への損傷が軽減または回避され得る。
【0065】
[065]
本開示の実施形態は、任意の適切な放射線療法送達システム、例えば、上記のようなリナック、および/または荷電粒子放射線療法装置、またはサイバーナイフ技術、または任意の適切な陽子、炭素、イオン、または光子放射線療法と連動して動作するように構成することができる。本明細書で説明される実施形態では、これらの技術は、標的領域の形状の変化を考慮することに加えて、動き追跡を提供するように構成される。
【0066】
(形状の変化を考慮するシステムと方法)
[066]
現在の位置追跡デバイスでは、腫瘍の体積を表す動き標的体積が作成され、その後、その動き標的体積の動きが追跡されるか、さもなければ放射線治療中に考慮される。しかし、動き標的体積の作成では、一般に、腫瘍が硬く、腫瘍の形状の変化を考慮していないことを前提としている。しかし、腫瘍の三次元ボリュームは時間の関数であり得、実際、放射線治療の前または放射線治療の最中に標的領域の形状が変化する場合がある。例えば、膀胱または消化管の近くに位置する腫瘍、または肺または横隔膜の近くに位置する腫瘍は、例えば、自然な身体プロセスの結果として、放射線療法中または放射線療法の前に、拡大、圧迫、または形状変化を受けることがある。したがって、既知の位置追跡技術を使用して作成された動き標的体積の形状は、標的が剛体であると仮定することにより、標的領域の不正確な表現を提供することがある。病気を効果的に管理するためには標的体積全体を治療する必要があるため、このことは有害となり得る。
【0067】
[067]
本開示の実施形態は、放射線療法中および/または放射線療法前に起こり得る腫瘍の形状または構成の変化を考慮する。例えば、図3Aは、腫瘍200が3つの異なる時点の推移を引き継ぐ異なる形状または構成を示す。時点T1において、腫瘍200は、図3Aにおいて単純化のため円として示された第1の形状である。この例示的な実施形態では、時点T1における腫瘍200は、形状が変形していない。時点T2において、腫瘍200は、垂直方向の圧迫を受け、その結果、図3Aにおいて時点T2で示される広がった楕円形状になる。時点T3において、腫瘍200は、水平方向の圧迫を受け、その結果、図3Aにおいて時点T3に示される楕円形状になる。したがって、描かれた各時点で、腫瘍200の形状および/または構成は変化する。
【0068】
[068]
腫瘍200は、単純化のために円と2つの楕円体の間の形状となるように示されているが、腫瘍200は、より複雑な形状および/または不均一な形状となり得ると理解されている。加えて、腫瘍200は二次元で描かれているが、腫瘍200は三次元であってもよいと理解されている。腫瘍200の異なる部分または腫瘍200のすべては、形状が変化する可能性があり、これらの形状変化は、腫瘍全体にわたって一貫しているか、または変化している可能性がある。例えば、腫瘍200の別の領域が圧迫されると、腫瘍200はある領域で外側に膨らむことがある。腫瘍の形状の変化は、少なくとも部分的に、腫瘍の位置、腫瘍の向き、腫瘍のサイズ、腫瘍の密度、腫瘍の種類、または腫瘍の他の特徴または特徴の組み合わせに依存し得る。
【0069】
[069]
腫瘍200の形状の変動を決定するために、異なる時点での腫瘍200のイメージング(撮像)が行われる。例えば、治療計画中に、腫瘍200の複数の画像がキャプチャされる。例示的なイメージングには、とりわけ、MRイメージング、X線イメージング、CTイメージング、超音波イメージング、PET、または蛍光透視法が含まれる。次に、イメージングを分析して、腫瘍200が様々な画像で受ける可能性のある形状の変化を検出することができる。例えば、イメージングの分析は、腫瘍200が、図3Aの時点T1から時点T3で示される最大変形の間で変化することを示している。画像は、腫瘍形状の変化を説明する動き標的体積を生成するために、さまざまな方法で処理される。
【0070】
[070]
最大形状変形は相互に共同登録することができる。共同登録は、複数の異なる放射線画像を調整する数学的変換を見つけるプロセスである。いくつかの態様では、図3Bに示されるように、各画像の腫瘍200の中心を使用して複数の画像を位置合わせする。重なった形状の最も外側の周縁は、治療中の腫瘍200の形状の変化を考慮する標的領域202の輪郭を定める。図3Cに示すように、標的領域202の周りにマージン204を描き、治療計画と放射線療法で使用するための標的体積を生成する。マージン204を追加して、例えば、医療イメージングによって完全には検出されない無症状疾患の広がりを考慮する(例えば、CTVを生成する)。いくつかの態様では、マージン204の周りに別のマージン(図示せず)を描いて、治療計画段階または送達段階中に導入される不確実性を考慮する(例えば、PTVを生成する)。しかしながら、いくつかの態様では、マージンを描かず、標的領域202を使用して標的体積の輪郭を定めてもよい。
【0071】
[071]
別の態様では、図4Aに示すように、マージン204′を医療イメージングにおいて示される各腫瘍200の周りに描き、すなわち、マージン204′を各腫瘍200の周りに描いて、腫瘍形状の変形(および変形なし)の最大範囲を表す。次に、図4Bに示すように、標的体積の輪郭を定めるために、マージン204′を有する腫瘍200の画像は、例えば、それらの中心で位置合わせして、相互に共同登録される。図3A−3Cおよび図4A−4Bの方法により、図5に示すように、(ノンゼロマージン(non-zero margin)が用いられると仮定して)3D動き標的体積206を生成する。ノンゼロマージンが用いられる場合、動き標的体積206は、図3Bに示される、複数の画像の重なり合った腫瘍形状の最も外側の輪郭を取り囲む。
【0072】
[072]
例示的な実施形態では、腫瘍は、患者の肺の中または肺の近くに位置している。医療イメージングが用いられ、呼吸サイクルのフェーズをキャプチャする。例えば、呼吸サイクルの8または10以上のフェーズがイメージング(撮像)される。腫瘍の各画像は手動または自動のいずれかで共同登録でき、図3Cに示したものと同様に、画像のすべてに腫瘍の形状を組み込んだ形状を、共同登録された画像の周囲に描く。
【0073】
[073]
いくつかの態様では、標的領域は、例えば、肺または肝臓のような、身体のより高いコントラストな領域に位置している。そのような実施形態では、最大強度投影(MIP)を生成して、形状が変化する際の様々な方向での腫瘍の範囲を決定する。腫瘍が、医療イメージング、たとえばCTイメージングで暗い背景に対して白く見える場合、MIPが生成される。例えば、コントラストの高い腫瘍では、異なる時点(例えば、呼吸サイクルの異なるフェーズ)で撮影された腫瘍の複数の画像のそれぞれを共同登録し、集合した画像をボクセル単位で(on a voxel-by-voxel basis)分析する。各ボクセル位置を分析して、各画像にわたるボクセル位置の最大強度値を決定する。各ボクセルの位置で最大値が特定されると、腫瘍の形状の範囲が決定される。各ボクセル位置の高い値は、そのボクセルに腫瘍が存在した範囲を表し、集合した画像では、ボクセルにわたる高強度値の範囲は、形状が変化するときのさまざまな方向の腫瘍変形の範囲を示す。
【0074】
[074]
いくつかの態様では、医療イメージング、例えば、CTイメージングの白い背景に対して標的領域が暗く見える場合、最小強度投影(MinIP)が使用できる。異なる時点(例えば、呼吸サイクルの異なるフェーズ)で撮影された腫瘍の画像のそれぞれを共同登録し、集合画像をボクセル単位で分析する。各ボクセル位置を分析して、各画像の間のボクセル位置の最小強度値を決定する。各ボクセル位置で最小値が特定されると、経時的な腫瘍形状の範囲が決定される。各ボクセル位置の最小値は、そのボクセルでの腫瘍の最大範囲を表し、集合した画像では、ボクセルにわかる低強度値の範囲は、形状が変化するときのさまざまな方向の腫瘍の範囲を示す。
【0075】
[075]
いくつかの態様では、共同登録は連続して発生する場合もあれば、同時に並行して発生する場合もある。いくつかの態様では、オペレータは治療計画システムを使用して一連の画像を選択し、それら画像を自動的に共同登録する。計算された標的体積データは治療計画に組み込まれ、治療中の形状変化の過程で腫瘍が位置する可能性のある範囲に基づいて放射線の適切な位置と線量を決定するために使用される。いくつかの態様では、適切な放射線療法治療システムによって送達されるビームの形状は、形状変化の程度を組み込むよう計算された腫瘍の標的体積を反映するように調整される。動き標的体積は、腫瘍追跡計画に組み込まれてもよい。本開示の実施形態により生成される動き標的体積を腫瘍追跡の基礎として使用することにより、腫瘍動きと腫瘍形状の変化の両方を考慮することが可能となる。
【0076】
[076]
本開示の例示的な方法は、多くの異なる方法で実行され得る。動き標的体積は、次のいずれかの方法に従って生成することができる。例えば、図6に示される方法300によれば、異なる時点で撮影された複数の画像に描かれたすべての3Dボリューム上の標的体積を包含する関心領域の輪郭を定める(301)。この関心領域を使用して、それぞれの表示を計画の体積に厳格に共同登録する(302)。次に、AMIPまたはMinIPを生成し、MIPまたはMinIPに対して手動または自動で輪郭を生成して、動き標的体積を生成する(303)。
【0077】
[077]
したがって、GTVは、複数の画像のそれぞれにおいて腫瘍の周りに描かれ、画像は関心領域の周りに共同登録される。これにより、動き肉眼的標的体積(MGTV)が生成される。MIPまたはMinIPが生成される。次に、MGTVの周囲にマージンを追加して、動き臨床的標的体積(MCTV)を取得し、MCTVの周囲に別のマージンを追加して、動き計画的標的体積(MPTV)を生成する。
【0078】
[078]
いくつかの実施形態では、GTVおよびCTVは、複数の画像のそれぞれにおいて腫瘍の周りに描かれ、画像は共同登録される。これにより、MCTVが生成される。次に、MCTVの周囲にマージンを追加して、MPTVを生成する。他の実施形態では、GTV、CTV、およびPTVは、複数の画像のそれぞれにおいて腫瘍の周りに描かれ、画像は共同登録される。これにより、MPTVが生成される。
【0079】
[079]
図7における方法400として示される別の態様では、標的体積が、各画像内の各3Dボリュームに対して輪郭付けされる(410)。次に、空間内の複数の標的体積の結合が使用され、関心領域を生成する(411)。関心領域の3Dボリュームが、計画の体積に厳格に共同登録される(412)。次に、共同登録後の輪郭付された体積の結合が使用され、動き標的体積を生成する(413)。
【0080】
[080]
図8における方法500として示される別の態様では、1つの画像から1つの3Dボリューム上で標的体積の輪郭を付ける(520)。次に、例えば、標準的な自動セグメンテーション技術を介して、この標的体積を、他の画像から他の3Dボリューム上に伝播する(521)。次に、他の3Dボリュームへの伝播を通じて生成された関心領域を使用して、各表現を計画体積に厳格に共同登録する(522)。次に、AMIPまたはMinIPを生成し、MIPまたはMinIPに対して手動または自動で輪郭を生成して、動き標的体積を生成する(523)。
【0081】
[081]
図9の方法600では、例えば、ユーザによって手動で画像のセットに描かれたシード点を標的体積内に配置する(630)。次に、関心領域を自動的に生成して、厳格な共同登録を誘導する(631)。例えば、ユーザが決定した方法で、半径5cmの球体をシード点の中心に配置したり、4cmの辺を持つ立方体をシード点の中心に配置したりして、このシード点の周りにボリュームを生成する。エッジ検出アルゴリズムを使用して各方向で標的のエッジをシークし、自動的に体積の輪郭を定め、マージン(いくつかの実施形態では0mmのマージン)を追加して、登録する関心領域を形成する。関心領域内の3Dボリュームを計画ボリュームに厳密に共同登録する(632)。次に、登録後の輪郭ボリュームの結合を使用して、動き標的体積を生成する(633)。
【0082】
[082]
図10は、放射線療法治療計画での使用および/または動き管理の腫瘍追跡での使用のために動き標的体積を生成するような、本明細書で説明する方法の1つまたは複数を実施するシステム1000の実施形態のブロック図を示す。画像処理装置112の1つまたはそれ以上のアイテムは、マシン1000に実装することができる。マシン1000は、スタンドアロンデバイスとして動作するものでもよいし、他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。画像処理装置112は、マシン1000の1つまたはそれ以上のアイテムを含むことができる。ネットワーク展開では、マシン1000は、サーバークライアントネットワーク環境のサーバーまたはクライアントマシンの容量で動作してもよいし、ピアツーピア(または分散)ネットワーク環境のピアマシンとして動作してもよい。マシンは、パーソナルコンピューター(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウエブアプライアンス、ネットワークルーター、スイッチまたはブリッジ、または、そのマシンが実行するアクションを指定する命令(シーケンシャルまたはそれ以外)を実行できるマシンであり得る。さらに、単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で説明する方法論の1つまたは複数を実行する命令のセット(または複数のセット)を個別または共同で実行するマシンのいかなる集合物(collection)も含むものとする。
【0083】
[083]
例示的なマシン1000は、プロセッサ回路1002(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路、1つまたはそれ以上のトランジスタ、レジスタ、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、論理ゲート、マルチプレクサ、バッファ、変調器、復調器、無線装置(例えば、無線送信または受信装置、トランシーバ)のような電気回路構成と、センサー1021(例えば、エネルギーのある種類(例えば、光、熱、電気、機械、またはその他のエネルギー)を他の種類に変換する変換器など、またはそれらの組み合わせ)と、メインメモリ1004と、スタティックメモリ1006とを含みことができ、それらはバス1008を介して互いに通信する。説明された方法に関連付けられたデイタム(datum)すなわちデータ(data)は、そのようなメモリに格納またはそのようなメモリから読み出され、本明細書で説明された方法を実行するために必要に応じて初期化または更新される。マシン1000(例えば、コンピュータシステム)は、ビデオディスプレイユニット1010(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT))をさらに含むことができる。マシン1000は、英数字入力装置1012(例えば、キーボード)と、ユーザインターフェース(UI)ナビゲーション装置1014(例えば、マウス)と、ディスクドライブユニットすなわち大容量記憶装置1016と、信号生成装置1018(例えば、スピーカー)と、ネットワークインターフェース装置1020とを含むことができる。
【0084】
[084]
ディスクドライブユニット1016は、本明細書で説明される方法論または機能のいずれか1つまたはそれ以上によって具現化または利用される命令およびデータ構造(例えば、ソフトウェア)1024の1つまたはそれ以上のセットが記憶される機械可読媒体1022を含むことができる。命令1024は、マシン1000による実行中に完全にまたは少なくとも部分的にメインメモリ1004内および/またはプロセッサ1002内に常駐してもよく、メインメモリ1004およびプロセッサ1002も機械可読媒体を構成する。
【0085】
[085]
図示されるマシン1000は、出力コントローラ1028を含むことができる。出力コントローラ1028は、マシン1000への、またはマシン1000からのデータフローを管理する。出力コントローラ1028は、デバイスコントローラとも呼ばれ、デバイスドライバと呼ばれる、出力コントローラ1028と直接情報を交換するソフトウェアを有する。
【0086】
[086]
一実施形態では、機械可読媒体1022は単一の媒体であるように示されているが、用語「機械可読媒体」は、1つまたはそれ以上の命令またはデータ構造を保存する、単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバー)を含むことができる。用語「機械可読媒体」は、機械による実行のための命令を格納、符号化、または搬送することができ、機械に本発明の1つまたはそれ以上の方法を実行させることができ、または、そのような命令によって利用される、または関連するデータ構造を保存、エンコード、または実行することができる、いかなる有形媒体も含むものとする。したがって、用語「機械可読媒体」は、ソリッドステートメモリ、および光学および磁気媒体を含むものとする。機械可読媒体の特別の実施例は、例えば、半導体メモリデバイス、例えば、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリデバイスを含む不揮発性メモリや、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む。
【0087】
[087]
命令1024は、さらに、伝送媒体を使用して通信ネットワーク1026を介して送信または受信される。命令1024は、ネットワークインターフェースデバイス1020と、いくつかの周知の転送プロトコル(例えば、HTTP)のうちのいずれか1つとを使用して送信され得る。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)や、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネット、携帯電話ネットワーク、基本電話サービス(POTS)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、WiFiおよびWiMaxネットワーク)が含まる。用語「伝送媒体」は、マシンによる実行のための命令を保存、エンコード、または実行できる無形媒体を含み、そのようなソフトウェアの通信を促進するためのデジタルまたはアナログ通信信号または他の無形媒体を含むものとする。
【0088】
[088]
本開示の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神および範囲内にある本開示のそのような特徴および利点をすべて包含するものとする。さらに、当業者であれば多くの修正および変形を容易に思い浮かぶので、本開示を図示および説明された正確な構造および動作に限定することは望ましくなく、したがって、すべての適切な修正および等価物が本開示の範囲内となると解することができる。
【0089】
[089]
さらに、当業者は、本開示の基礎となる概念が、本開示のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に使用できることを理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、前述の説明によって制限されると解されるべきではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2019年12月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
[071]
別の態様では、図4Aに示すように、マージン304′を医療イメージングにおいて示される各腫瘍300の周りに描き、すなわち、マージン304′を各腫瘍300の周りに描いて、腫瘍形状の変形(および変形なし)の最大範囲を表す。次に、図4Bに示すように、標的体積の輪郭を定めるために、マージン304′を有する腫瘍300の画像は、例えば、それらの中心で位置合わせして、相互に共同登録される。図3A−3Cおよび図4A−4Bの方法により、図5に示すように、(ノンゼロマージン(non-zero margin)が用いられると仮定して)3D動き標的体積306を生成する。ノンゼロマージンが用いられる場合、動き標的体積306は、図3Bに示される、複数の画像の重なり合った腫瘍形状の最も外側の輪郭を取り囲む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
[076]
本開示の例示的な方法は、多くの異なる方法で実行され得る。動き標的体積は、次のいずれかの方法に従って生成することができる。例えば、図6に示される方法600によれば、異なる時点で撮影された複数の画像に描かれたすべての3Dボリューム上の標的体積を包含する関心領域の輪郭を定める(601)。この関心領域を使用して、それぞれの表示を計画の体積に厳格に共同登録する(602)。次に、AMIPまたはMinIPを生成し、MIPまたはMinIPに対して手動または自動で輪郭を生成して、動き標的体積を生成する(603)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
[079]
図7における方法700として示される別の態様では、標的体積が、各画像内の各3Dボリュームに対して輪郭付けされる(710)。次に、空間内の複数の標的体積の結合が使用され、関心領域を生成する(711)。関心領域の3Dボリュームが、計画の体積に厳格に共同登録される(712)。次に、共同登録後の輪郭付された体積の結合が使用され、動き標的体積を生成する(713)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
[080]
図8における方法800として示される別の態様では、1つの画像から1つの3Dボリューム上で標的体積の輪郭を付ける(820)。次に、例えば、標準的な自動セグメンテーション技術を介して、この標的体積を、他の画像から他の3Dボリューム上に伝播する(821)。次に、他の3Dボリュームへの伝播を通じて生成された関心領域を使用して、各表現を計画体積に厳格に共同登録する(822)。次に、AMIPまたはMinIPを生成し、MIPまたはMinIPに対して手動または自動で輪郭を生成して、動き標的体積を生成する(823)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
[081]
図9の方法900では、例えば、ユーザによって手動で画像のセットに描かれたシード点を標的体積内に配置する(930)。次に、関心領域を自動的に生成して、厳格な共同登録を誘導する(931)。例えば、ユーザが決定した方法で、半径5cmの球体をシード点の中心に配置したり、4cmの辺を持つ立方体をシード点の中心に配置したりして、このシード点の周りにボリュームを生成する。エッジ検出アルゴリズムを使用して各方向で標的のエッジをシークし、自動的に体積の輪郭を定め、マージン(いくつかの実施形態では0mmのマージン)を追加して、登録する関心領域を形成する。関心領域内の3Dボリュームを計画ボリュームに厳密に共同登録する(932)。次に、登録後の輪郭ボリュームの結合を使用して、動き標的体積を生成する(933)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
[082]
図10は、放射線療法治療計画での使用および/または動き管理の腫瘍追跡での使用のために動き標的体積を生成するような、本明細書で説明する方法の1つまたは複数を実施するシステムすなわちマシン1000の実施形態のブロック図を示す。画像処理装置12の1つまたはそれ以上のアイテムは、マシン1000に実装することができる。マシン1000は、スタンドアロンデバイスとして動作するものでもよいし、他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。画像処理装置12は、マシン1000の1つまたはそれ以上のアイテムを含むことができる。ネットワーク展開では、マシン1000は、サーバークライアントネットワーク環境のサーバーまたはクライアントマシンの容量で動作してもよいし、ピアツーピア(または分散)ネットワーク環境のピアマシンとして動作してもよい。マシンは、パーソナルコンピューター(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウエブアプライアンス、ネットワークルーター、スイッチまたはブリッジ、または、そのマシンが実行するアクションを指定する命令(シーケンシャルまたはそれ以外)を実行できるマシンであり得る。さらに、単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で説明する方法論の1つまたは複数を実行する命令のセット(または複数のセット)を個別または共同で実行するマシンのいかなる集合物(collection)も含むものとする。
【手続補正書】
【提出日】2020年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成するシステムであって、
前記システムは、
前記患者の体内の前記標的領域を含む複数の電子医療画像を受信するステップであって、前記複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されたステップと、
前記複数の画像のそれぞれにおける前記標的領域を含む三次元ボリュームの輪郭を定めるステップであって、前記三次元ボリュームは、前記複数の画像の少なくとも2つにおける前記標的領域の形状の違いのために、前記複数の画像の前記少なくとも2つにおいて異なるステップと、
複数の前記三次元ボリュームを共同登録するステップと、
前記動き標的体積を生成するステップであって、前記動き標的体積は前記三次元ボリュームのそれぞれを包含するステップと
を実行するように構成された少なくとも1つのコンピュータシステムを有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記共同登録するステップは、前記輪郭を定めるステップの前に行われる
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記三次元ボリュームは、肉眼的腫瘍体積である
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記三次元ボリュームのそれぞれの周りの第1のマージンの輪郭を定めるステップを実行するように構成され、前記第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定める
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記第1のマージンのそれぞれの周りに第2のマージンの輪郭を定めるステップであって、前記第2のマージンは計画の標的体積の輪郭を定めるステップを実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記共同登録された三次元ボリュームの周りに第1のマージンの輪郭を定めるステップであって、前記第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定めるステップを実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのコンピュータシステムは、更に、前記第1のマージンの周りに第2のマージンの輪郭を定めるステップであって、前記第2のマージンは計画の治療体積の輪郭を定めるステップを実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記複数の画像は、磁気共鳴画像またはコンピュータ断層撮影画像のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成する、コンピュータが実行する方法であって、
前記方法は、
前記患者の体内の前記標的領域を含む複数の医療画像を受信するステップであって、前記複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されたステップと、
前記複数の画像の少なくとも1つにおける前記標的領域を含む三次元ボリュームの輪郭を描くステップと、
前記三次元ボリュームの周りの領域内に前記複数の画像を共同登録するステップと、
前記動き標的体積を生成するステップであって、前記動き標的体積は前記複数の画像のそれぞれにおける前記標的領域の形状を包含するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、
前記輪郭を描くステップは、前記複数の画像のそれぞれにおける前記標的領域を含む三次元標的ボリュームの輪郭を描くステップを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法において、
前記輪郭を描くステップは、前記複数の画像の1つで実行され、
前記方法は、更に、前記標的領域を、前記標的領域上の前記複数の画像の前記1つから前記複数の画像の他の一つに伝搬するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法において、
前記方法は、更に、最大強度投影または最小強度投影を生成するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記最大強度投影または前記最小強度投影の周りにマージンが追加されて臨床の標的体積を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、
前記臨床の標的体積の周りにマージンが追加されて計画の標的体積を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9記載の方法において、
前記輪郭を描くステップは、前記三次元ボリュームの周りにマージンを追加するステップであって、前記三次元ボリュームは腫瘍を含むステップを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9記載の方法において、
前記方法は、更に、前記共同登録するステップを導くために、関心領域を生成するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
患者の体内の標的領域の形状の変化を表す動き標的体積を生成する、コンピュータが実行する方法であって、
前記方法は、
前記患者の体内の前記標的領域を含む複数の医療画像を受信するステップであって、前記複数の画像のそれぞれは異なる時点で撮影されたステップと、
前記複数の画像の少なくとも1つにおける共同登録に対する関心領域の輪郭を定めるステップと、
前記関心領域における前記複数の画像を共同登録するステップと、
前記動き標的体積を生成するための最大強度投影または最小強度投影を生成するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、
前記複数の画像のそれぞれにおいて共同登録のための関心領域の輪郭が定められる
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、
前記関心領域は肉眼的腫瘍体積である
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、
前記方法は、更に、前記最大強度投影または前記最小強度投影の周りに第1のマージンを追加するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、
前記第1のマージンは臨床の標的体積の輪郭を定める
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記方法は、更に、前記臨床の標的体積の周りに第2にマージンを追加するステップであって、前記第2のマージンは計画の標的体積の輪郭を定めるステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記共同登録するステップは、複数の画像を調整する数学的変換を決定するステップを含む
ことを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記共同登録するステップは、オブジェクト重心を使用して前記複数の画像を調整するステップを含む
ことを特徴とするシステム。
【国際調査報告】