(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-519455(P2020-519455A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(54)【発明の名称】厚紙シートからブランクを製造するためのツール及び方法
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20200605BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20200605BHJP
B31B 70/83 20170101ALI20200605BHJP
【FI】
B26D7/18 F
B26F1/44 C
B31B70/83
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-555467(P2019-555467)
(86)(22)【出願日】2018年5月14日
(85)【翻訳文提出日】2019年10月9日
(86)【国際出願番号】EP2018062326
(87)【国際公開番号】WO2018210719
(87)【国際公開日】20181122
(31)【優先権主張番号】17171345.6
(32)【優先日】2017年5月16日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】515153060
【氏名又は名称】マイヤー−メルンホフ カルトン アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト ゲルビッヒ
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
3E075
【Fターム(参考)】
3C021FD09
3C060AA01
3C060BA03
3C060BB05
3C060BC21
3C060BD01
3C060BG17
3E075AA07
3E075BA82
3E075CA01
3E075DB03
3E075DB07
3E075DB12
3E075DB32
3E075GA02
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのスクラップ部をブランクから分離可能にする少なくとも1つの切断線輪郭(28)を備える第1ツール部(10)を有すると共に、ブランクを少なくとも1つのスクラップ部から分離するために第1ツール部(10)と共働する第2ツール部(12)を有する、ブランクを厚紙シートから製造するためのツールに関する。
打抜き工程からの比較的小さなスクラップ部を特に迅速かつ簡単な方法で除去可能にするために、吸引装置の少なくとも1つの吸引ダクト(44)が第1ツール部(10)内に備えられ、吸引ダクト(44)を介しての吸引によって、少なくとも1つのスクラップ部を抽出することができる。本発明は、さらに、厚紙シートからブランクを製造するための方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのスクラップ部をブランクから分離可能にする少なくとも1つの切断線輪郭(28)を有する第1ツール部(10)を含むと共に、ブランクを少なくとも1つのスクラップ部から分離するために第1ツール部(10)と共働する第2ツール部(12)を含む、ブランクを厚紙シートから製造するためのツールであって、
吸引装置の少なくとも1つの吸引ダクト(44)が、少なくとも1つのスクラップ部を吸い出すことができる第1ツール部(10)中に設けられる、
ことを特徴とするツール。
【請求項2】
吸引ダクト(44)は、少なくともその全長エリアが切断線輪郭(28)によって形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項3】
第1ツール部(10)は、吸引ダクト(44)が少なくともその全長エリアに形成された少なくとも1つの支持プレート(16)を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のツール。
【請求項4】
第1ツール部(10)は、切断線輪郭(28)を内部に収容する少なくとも1つの支持プレート(14)を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のツール。
【請求項5】
第1ツール部(10)は、切断線輪郭(28)を内部に収容する支持プレート(14)と、吸引ダクト(44)の少なくともその全長エリアが内部に形成された支持プレート(16)との間に、吸引ダクト(44)の少なくともその全長エリアが内部に形成された中間プレート(18)を含んでいる、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のツール。
【請求項6】
吸引ダクト(44)は、その全長エリアがそれぞれ一部吸引ダクト(42)によって形成される、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のツール。
【請求項7】
切断線輪郭(28)は、各スクラップ部を分離するための少なくとも1つの周方向に閉じた輪郭エリア(30)を含み、吸引ダクト(44)又はそれに各々隣接する一部吸引ダクト(42)は、断面が関連の輪郭エリア(30)の断面よりも大きく形成される、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のツール。
【請求項8】
吸引ダクト(44)は、対応支持プレート(16)から両側(48、50)に向かって出てくる最終ダクト(46)を含み、しかも、吸引装置の吸引エレメントが最終ダクト(46)の片側(48、50)に、自由流入開口部(52)が最終ダクトの反対側に備えられる、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のツール。
【請求項9】
最終ダクト(46)は、フレームシート(20)が配置された対応支持プレート(16)の外側(56)に配置される、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のツール。
【請求項10】
第2ツール部(12)との共働において、第1ツール部(10)の切断線輪郭(28)でブランクから少なくとも1つのスクラップ部を分離するツールによって、厚紙シートからブランクを製造するための方法であって、
少なくとも1つのスクラップ部は、第1ツール部(10)内に備えられた吸引装置の少なくとも1つの吸引ダクト(44)を介して吸い出される、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
吸引ダクト(44)は、その全長エリアを介して各々の一部吸引ダクト(42)が形成され、少なくとも1つのスクラップ部は少なくとも1つの一部吸引ダクト(42)を介して吸い出される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーム1及び10各々のプリアンブルに係る厚紙シートからブランクを製造するためのツール及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常は切断、打抜き及び/又は溝切具として形成される対応ツールによって厚紙シートからブランクを製造する際には、第1ツール部に配置された対応する切断線輪郭によって、より小さなスクラップ部がブランクから分離されることが多い。そこでは、雌型としての第1ツール部は雄型としての第2ツール部と共働し、この2つの型の間に各々の厚紙シートは配置され、ブランクは少なくとも1つのスクラップ部を分離することによって作られる。
【0003】
大きなスクラップは切断又は打抜き厚紙シートのブランクから比較的簡単に除去及び搬出することができるが、従来は、特に小さな打抜きスクラップが厚紙シートの以降の搬送中に無くなることがあり、その結果、製造工程において汚染及びさらなる欠陥が生じることがある。
【0004】
DE10065457A1
【特許文献1】から、打抜き又は切断材料シートのブランク及びスクラップを分離するための方法及び装置が周知であり、ブランク及びスクラップの分離は、厚紙シートの切断を行う処理装置からブランク及びスクラップを除去する装置内において行われる。ブランク及びスクラップを分離するために、搬送装置は、各厚紙部を分離すると共に、スクラップを工程から除去するために、引力又は吸引力の異なる多数の吸引面を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特に簡単かつ迅速な方式でより小さいスクラップ部を工程から除去することができ、厚紙シートからブランクを製造するためのツール及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、クレーム1及び10の特徴をそれぞれが有する厚紙シートからブランクを製造するためのツール及び方法によって解決される。本発明の有利な形態及び有益な展開が従属クレームの内容である。
【0007】
特に簡単かつ迅速な方法でより小さなスクラップ部を工程から除去できるツールを提供するために、本発明によれば、切断線輪郭が配置される第1ツール部には、吸引装置の少なくとも1つの吸引ダクトが追加的に備えられ、その吸引ダクトを介して、切断線輪郭により分離された少なくとも1つのスクラップ部を吸い出すことができる。従って、本発明によれば、第1ツール部の内部で直ちに、さらには、ブランクからのスクラップ部の打抜きの工程段階中にも直ちに、各小さなスクラップ部の吸い出しが提供される。この結果、シートの以降の搬送時及び以降の工程においてスクラップ部を無くせなることが、特に簡単かつ信頼性のある方法によって確保されることになり、他の方法でこれができなければ、プラントの汚染又は工程の故障につながる可能性がある。
【0008】
そこでは、特に、もし対応するツール部が多数の支持プレートから構成される場合は、吸引ダクトを比較的簡単に対応するツール部内に導入することができる。そこでは、吸引ダクトはそのほんの一部だけが対応するツール部の内部に備えるべきである。例えば、対応管路によってツール部の外部に一部が配置されたダクトのガイドが考えられる。そこでは、吸引ダクトを比較的簡単に対応する吸引装置に接続できることもさらなる利点である。
【0009】
本発明のさらなる形態においては、吸引ダクトの少なくともその全長エリアを切断線輪郭によって形成すれば、それが有利であることが証明されている。従って、切断線輪郭は、分離されたスクラップ部を切断エリアから後方に対応するツール部内に直ちに搬出できるように吸引ダクトの入口を形成する。従って、各スクラップは切断の結果として必然的に吸引ダクト内に押し込まれるので、吸引は特に簡単かつ信頼性のある方法で行われることになる。さらに、吸引の結果として生じる力が最適の状態でスクラップ部に対して作用するように、吸引ダクトはその形状が対応のスクラップ部に特に有益に適合されている。
【0010】
本発明のさらに有利な形態は、第1ツール部が、吸引ダクトの少なくともその全長エリアが内部に形成された少なくとも1つの特に上側支持プレートを含むことを想定している。対応の支持プレート内部のかかる吸引ダクトは、特に簡単に製造することができる。
【0011】
本発明のさらなる形態において、第1ツール部は、切断線輪郭を内部に収容する少なくとも1つの特に下側支持プレートを含んでいる。従って、支持プレートを貫通する凹部を切断線輪郭のために簡単な方法で設けることができる。
【0012】
第1ツール部が、吸引ダクトの少なくともその全長エリアが内部に形成された中間プレートを、切断線輪郭を内部に収容する支持プレートと、吸引ダクトの少なくともその全長エリアが内部に形成された支持プレートとの間に含んでいれば、それも有利であることが証明されている。従って、中間プレートは、一方では切断線輪郭を支持する役割を果たすと共に、他方では簡単な方法で1つ以上の吸引ダクトを備えることができる。
【0013】
本発明のさらなる形態において、吸引ダクトは、その全長エリアがそれぞれの一部吸引ダクトによって形成される。多数のスクラップ部をブランクから分離すると共に、同時にそれぞれ関連する一部吸引ダクトを介して吸い出すことができるように、これらの一部吸引ダクトは切断線輪郭のそれぞれ周方向に閉じた輪郭エリアに隣接することができる。
【0014】
本発明のさらなる形態において、切断線輪郭は、各スクラップ部を分離するために少なくとも1つの周方向に閉じた輪郭エリアを含み、それに個別に隣接する吸引ダクト又は一部吸引ダクトは断面が関連輪郭エリアよりも大きく形成される。このように、好ましくは、各々の吸引ダクト又は一部吸引ダクトの断面の方が切断線輪郭の各輪郭エリアの断面よりも少し大きいことによって、一方では吸引ダクト又は一部吸引ダクト内部でのスクラップ詰まりなしで、他方では十分な大きさの吸引力によって、各々分離されたスクラップ部を切断場所から除去することが可能になる。
【0015】
吸引ダクトが、両側に向かって延びる対応支持プレートから出てくる最終ダクトを含み、吸引装置の吸引エレメントが最終ダクトの片側に接続され、自由流入開口部が最終ダクトの反対側に備えられた、本発明の実施態様が有利であることも証明されている。かかる最終ダクトは一方では非常に簡単に製造することができ、他方ではスクラップ部を吸い出すための連続的空気流を簡単に発生させることを可能にする。
【0016】
最後に、最終ダクトを、フレームシートが配置された対応支持プレートの外側に備えるのが有利であることが証明されている。これによって、最終ダクトを特に安価に作ることができる。
【0017】
本発明に係るツールとの関連における上述の効果は、クレーム10の特徴を有する厚紙シートからブランクを製造するための方法と全く同じ方法で得られる。
【0018】
本発明に係る方法の有利な形態において、吸引ダクトは、その全長エリアがそれぞれ一部吸引ダクトによって形成され、少なくとも1つのスクラップ部は少なくとも1つの一部吸引ダクトを介して吸い出される。
【0019】
本発明のさらなる特徴は、クレーム、図面及び図面の説明から明白である。上述した説明における特徴及び特徴の組み合わせ、並びに、下記の図面の説明及び/又は図示した特徴及び特徴の組み合わせは、各々指定された組み合わせにおいて単独で使用可能だけではなく、発明の範囲を逸脱せずに他の組み合わせにおいても使用可能である。従って、図面には明確な図示及び説明はないが、説明された実施内容からの別々の特徴の組み合わせから生じ、作成可能である実施内容も本発明により包含及び開示されていると見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の実施態様についてさらに詳細な説明を行う。
【
図1】厚紙シートからブランクを製造するためのツールの略断面図である。
【
図2】
図1中に線II−IIによって示した断面に沿った第1上側ツール部の上側支持プレートの略平面図である。
【
図3】
図1よりも拡大した切断線輪郭のエリアにおけるツールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、不図示のブランクをやはり不図示の厚紙シートから製造するためのツールの略断面図である。ここで、基本的に切断、打抜き及び溝切具の兼用ツールとして形成されたツールには、雌型の第1上側ツール部10及び雄型の下側ツール部12が含まれる。連続プロセスにおいて,対応ブランクを製造するための各厚紙シートは2つのツール部10、12の間に導入することができ、以下で詳細に説明するスクラップ部の分離及び折曲げ溝の導入は、主として第1ツール部10を第2ツール部12に対して動かすことで2つのツール部10、12の相対運動によって行われる。ここでは、ツールは少なくとも半ば開いた状態で示されている。
【0022】
上側ツール部10は、下側支持プレート14、及び中間プレート18を介在した上側支持プレート16から構成されている。さらに、フレームシート20が上側支持プレート16の上側に備えられる。全てのプレート14〜18は、水平な保持フレーム24を有する保持装置22内に収容され、相互に締め付けられる。
【0023】
本ケースにおいて、下側支持プレート14は、少なくとも略同形状の切断線輪郭28が挿入される中央連続凹部26を有する多重支持プレートである。ここでは、切断線輪郭28は金属ブロックで形成され、ほぼ3つの周方向に閉じた輪郭エリア30を含み、それにより、相互に平行に配置された各スクラップ部(図示せず)が厚紙シート又はブランクから分離可能になる。従って、切断線輪郭28の中で、対応する切断線の6つの切断エリア32が本断面図には示されている。上に向かって、切断線輪郭28の金属ブロックは、切断線輪郭28が支持された下側支持プレート14の上面及び中間プレート18の底面と同一平面で終わっている。中でもこのような理由から、中間プレートは、硬度が例えば約50HRCの鋼材料から構成される。
【0024】
切断線輪郭28用の中央凹部26に加えて、下側支持プレート14は、ブランクを大きなスクラップ部から分離するための各水平な切断線34用に、さらには、ブランクに折曲げ溝を生成するための内側に配置された各溝切線36用に、さらなる凹部が含まれる。
【0025】
スクラップ部の所望の切断及び折曲げ溝の溝切が行われるように、下側ツール部12は、実際には、切断線輪郭28、各切断線34及び各溝切線36と共働するカウンタプレート38を含んでいる。このために、溝切線36との共働用の対応溝40がカウンタプレート38内に備えられる。
【0026】
ここでは、各スクラップ部を分離するための切断線輪郭28によって形成された3つの周方向に閉じた輪郭エリア30には、このエリアの3つの一部吸引ダクト42によって形成された吸引ダクト44が隣接する。その結果として、一部吸引ダクト42又はそれらから形成された吸引ダクト44は切断線輪郭28の内部を上向きに中間プレート18まで延び、そこから一部吸引ダクト42は同じ形状で継続される。吸引ダクト44の最終ダクト46に開口するまで、一部吸引ダクト42はその全長エリアが、中間プレート18から、垂直方向に上側支持プレート16の内部を延びる。
【0027】
ここでは、最終ダクト46の経路並びに一部吸引ダクト42の形状が特に有益であることが、
図1の線II−IIで表した断面に沿った略断面図で上側支持プレート16を示す
図2から明白である。ここでは、最終ダクト46が対応支持プレート16から出て両側48、50に向かうと共に、吸引装置の吸引エレメント(不図示)が最終ダクト46の片側に接続され、自由流入開口52が最終ダクト46の反対側に備えられることが特に明白になる。ここでは、吸引装置の吸引エレメントは、例えば、保持フレーム24内を延びる吸引装置の後続のさらなる吸引ダクト54に接続される。その結果として、吸引装置によって、連続吸引空気流を、最終ダクト46の内部で、流入開口部52から吸引エレメントに向かって、従って、支持エレメント16の片側から反対側48、50に発生させることができる。
【0028】
最終ダクト内部の空気流は、吸引だけではなく、空気を片側48、50へ吹込むことでも発生できることが明らかである。従って、かかる吹込み空気流によって、切断線輪郭28の輪郭エリア30及び一部吸引ダクト42の内部の各々において、吸引装置の吸引効果を実現することもできる。
【0029】
この吸引空気流の力は、さらに、一部吸引ダクト42を越えて、切断線輪郭28の各輪郭エリア30内でも作用し、それにより、各スクラップ部がブランクから分離される。その点で、スクラップ部は、打抜き及び切断時にそれぞれ、一部吸引ダクト42内に押し込まれ、吸引空気流によって上向きに最終ダクト46まで搬送され、そこから、吸引装置を介してのさらなる排出が行われる。
【0030】
スクラップ部の特に有益な吸引を実現するために−切断線輪郭28のエリア内のツールを
図1よりも拡大して断面を表示している
図3から特に明白なように一部吸引ダクト42は切断線輪郭28が関連する輪郭エリア30の断面よりも大きく形成される。この理由から、二重線が
図2の平面図中の一部吸引ダクト42のエリア内でも明白であるのは、各内側線が切断線輪郭28の各輪郭エリア30を示しているからである。
【0031】
図1及び2の全体を見ると、最終ダクト46が対応支持プレート16の外側56に備えられたこともさらに明白である。従って、フレームシート20によって上向きに閉じられるという点で、この最終ダクトは特に簡単に製造できる。上側支持プレート16は、ここでは、加工が簡単なアルミニウム合金から形成される。
【0032】
従って、第2ツール部12との共働によって、第1ツール部10の切断線輪郭28を有するブランクから、少なくとも1つのスクラップ部を分離することができ、ここでは、このスクラップ部を後方及び上方それぞれに対応する一部吸引ダクト42内に押込み、吸引ダクト44を介してそこから吸出す方法を提供できることが全体として明白である。
【0033】
本ツールは、特に厚さ80g/m
2〜500g/m
2又は材料厚さ約80μm〜700μmの紙又は厚紙の材料シートの製造に採用することができる。ここでは、材料シートは特に印刷及び光沢仕上げも、ポリマー層又はプラスチックフィルムのコーティングにも使用できる。同様に、材料シートには、例えば、アルミニウム材料の金属フィルムのコーティングを行うことができる。もちろん、同様の材料シートにおいては、上述した材料の組合わせを採用することもできる。最後に、材料シートはラミネートから形成することも、複合構造を有することもできる。
【符号の説明】
【0034】
10 ツール部
12 ツール部
14 下側支持プレート
16 上側支持プレート
18 中間プレート
20 フレームシート
22 保持装置
24 保持フレーム
26 凹部
28 切断線輪郭
30 輪郭エリア
32 切断エリア
34 切断線
36 溝切線
38 カウンタプレート
40 溝
42 一部吸引ダクト
44 吸引ダクト
46 最終ダクト
48 側
50 側
52 流入開口部
54 吸引ダクト
56 外側
【国際調査報告】