(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-519826(P2020-519826A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(54)【発明の名称】流体ライン継手
(51)【国際特許分類】
F16L 37/26 20060101AFI20200605BHJP
F16L 37/08 20060101ALI20200605BHJP
【FI】
F16L37/26
F16L37/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2019-562290(P2019-562290)
(86)(22)【出願日】2018年5月9日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月20日
(86)【国際出願番号】AU2018050424
(87)【国際公開番号】WO2018204974
(87)【国際公開日】20181115
(31)【優先権主張番号】2017901707
(32)【優先日】2017年5月9日
(33)【優先権主張国】AU
(31)【優先権主張番号】2017905021
(32)【優先日】2017年12月15日
(33)【優先権主張国】AU
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519262582
【氏名又は名称】イーアイエム リサーチ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】バートロ、ケビン
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AA10
3J106AB10
3J106BA01
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3J106ED41
3J106EE04
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3J106EF05
(57)【要約】
本開示は、第1継手部材及び第2継手部材の横方向の移動によって操作可能な流体ラインのための迅速な継手コネクタに関する。具体的には、前記継手は、前記第1継手部材の本体内の流路の長手方向の軸線に対して上方傾斜した直線カム表面を有する第1継手部材、及び従動部を含む第2継手部材を含み、前記従動部は、前記第1継手部材の前記直線カム表面に係合するように構成され、前記直線カム表面に沿った前記従動部の移動によって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の継手端部は密閉係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1継手部材及び第2継手部材を含む流体ライン継手であって、
前記第1継手部材及び前記第2継手部材の各々が、前方の継手端部及び後方の接続端部を有する本体を含み、各本体が、前記接続端部から前記継手端部への流体の流動を可能にするために、それを通る、長手方向に延びる流路を有し、
前記第1継手部材の前記本体が、前記流路の長手方向の軸線に対して上方傾斜した直線カム表面を含み、
前記第2継手部材の前記本体が従動部を含み、前記従動部が、前記第1継手部材の前記直線カム表面と係合するように構成され、
前記直線カム表面に沿った前記従動部の移動によって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部を密閉係合する、
流体ライン継手。
【請求項2】
前記従動部の一部が前記第2継手部材の前記本体の前記継手端部の前方に位置決めされる、請求項1に記載の流体ライン継手。
【請求項3】
前記直線カム表面が、前記第1継手部材の前記本体からの側部突起によって提供される、請求項1又は請求項2に記載の流体ライン継手。
【請求項4】
直線カム表面が前記第1継手部材の2つの反対の外側面上に提供される、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項5】
前記従動部が、前記第1継手部材の前記直線カム表面と協同的に相互作用するように配置された直線表面によって提供される、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項6】
前記直線カム表面が、前記第1継手部材の前記本体が交差する平坦表面を提供するように前記第1継手部材の前記本体から突出する鍔によって提供される、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項7】
前記従動部が、前記第1継手部材から突出する前記鍔と協同的に相互作用するように配置され、且つその中に前記第1継手部材の前記本体を位置決めするための劈開部分を含む平坦表面によって提供される、請求項6に記載の流体ライン継手。
【請求項8】
前記劈開部分が、前記第1継手部材の前記本体の表面の少なくとも一部に実質的に対応する輪郭を有する部分を含む、請求項7に記載の流体ライン継手。
【請求項9】
前記第1継手部材の前記本体が、前記直線カム表面の前方に位置決めされたガイドをさらに含み、前記第2継手部材が、前記ガイドと作動的に相互作用するように構成されたガイド従動部を含む、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項10】
前記ガイドが直線表面によって提供される、請求項9に記載の流体ライン継手。
【請求項11】
前記ガイドの前記直線表面が、上方傾斜した前記直線カム表面に収束するような角度に向けられる、請求項10に記載の流体ライン継手。
【請求項12】
前記ガイドの前記直線表面が前記直線カム表面を反映する、請求項10又は請求項11に記載の流体ライン継手。
【請求項13】
前記ガイドの前記直線表面及び前記直線カム表面が頂点で収束する、請求項10〜請求項12のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項14】
前記ガイドが、前記第1継手部材の前記本体からの少なくとも1つの側部突起によって提供される、請求項9〜請求項13のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項15】
前記ガイドが、前記第1継手部材の前記本体の2つの反対の外側面上に提供される、請求項9〜請求項14のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項16】
前記ガイドが、継手開口部を形成するように前記流路が交差する平坦表面によって提供され、前記平坦表面が前記第1継手部材の前記継手端部を提供する、請求項9〜請求項15のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項17】
前記ガイド従動部が、前記第2継手部材の前記本体からの側部突起を含む、請求項9〜請求項16のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項18】
前記ガイド従動部が、前記第2継手部材の前記本体の2つの反対の外側面上に提供される、請求項9〜請求項17のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項19】
前記ガイド従動部が、前記第1継手部材の前記ガイドと協同的に相互作用するように配置された直線表面を含む、請求項9〜請求項18のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項20】
前記ガイド従動部が、前記第2継手部材の前記本体が交差する平坦表面を提供するように前記第2継手部材から突出する鍔によって提供される、請求項9〜請求項19のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項21】
前記ガイド従動部が、継手開口部を形成するように前記流路が交差する平坦表面によって提供され、前記ガイド従動部の前記平坦表面が前記第2継手部材の前記継手端部を提供する、請求項9〜20のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項22】
前記ガイド従動部が直線表面を含み、前記従動部が直線表面を含み、前記ガイド従動部及び前記従動部の前記直線表面が、一端で互いの方へ向く傾向がある、請求項9〜請求項21のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項23】
前記ガイド従動部の前記直線表面及び前記従動部の前記直線表面が頂点で収束する、請求項22に記載の流体ライン継手。
【請求項24】
係合される場合、連結される場合における前記第1継手部材及び前記第2継手部材の互いに対して少なくとも横方向の移動を制限する係合可能な係止機構を含む、請求項1〜請求項23のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項25】
前記ガイド従動部の前記直線表面及び前記従動部の前記直線表面の前記頂点を係合し、連結される場合における前記第1継手部材及び前記第2継手部材の互いに対して少なくとも横方向の移動を制限する係合可能な係止機構を含む、請求項23に記載の流体ライン継手。
【請求項26】
前記係止機構が、前記第1継手部材又は前記第2継手部材の前記本体の上に搭載され、前記第1継手部材及び前記第2継手部材が連結される場合に対応する継手部材に係合し、互いに対する前記第1継手部材及び前記第2継手部材の横方向の移動を限定する係止位置に係止解除位置から移動可能である、請求項24及び請求項25に記載の流体ライン継手。
【請求項27】
前記係止機構が、第1係止位置から第2係止解除位置への長手方向に摺動する、請求項24〜請求項26のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【請求項28】
前記係止機構が、力が加えられた場合、付勢され、静止第1係止位置から第2係止解除位置への移動を可能にし、次いで、前記力が取り除かれた場合に第1位置に戻る、請求項24〜請求項27のいずれか一項に記載の流体ライン継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2017年5月9日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2017901707号及び2017年12月15日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2017905021号の優先権を主張するものであって、それらの全体の内容は、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、流体の連続流を可能にするホース、パイプ又はチューブなどの流体ラインを一緒に連結し、そのような流体ラインをタップ、弁又は給水栓などの出口及び入口へ連結するための継手に関する。特に、本発明は、互いに対して横方向に継手部材を移動することによって作動する継手に関する。
【背景技術】
【0003】
ある位置から別の位置への流体の流動を容易にするために、ホース、パイプ又は他のそのような管などの流体ラインが日常的に用いられる。通常、そのような流体ラインは、タップ、弁又は給水栓などの出口及び/又は入口へ連結を必要とする。さらに、いくつかの例において、2つ以上の流体ラインを接続することが望ましいが、その場合、複数のラインを密閉方法で連結することが必要である。
【0004】
大きさ及び使用の範囲を包含する、本技術分野で知られている多くの異なる型の流体ラインがある。これらとしては、小さい直径(12mm〜18mm)のガーデンホースから、より大きい流量が必要である場合に有用なより大きい直径(1インチ以上)の流体ラインまでが挙げられる。いくつかの因子が、流体ラインを連結するために必要とされる継手の型に影響を及ぼす可能性がある。これらの因子としては、用いられる流体ラインの型及び大きさ、前記ライン及び前記継手を流れる前記流体、前記ラインを通る前記流体の圧力が挙げられる。
【0005】
最も単純な継手は摩擦継手であり、それによって、前記継手の直径は、前記流体ラインの直径と異なり、一方が他方の内部に嵌合し、摩擦によって適当な位置に保持される。しかし、この型の継手には、それが中圧に耐えることができないという限界がある。結果的に、密閉接続において継手の2つ以上の構成要素を固定する保持手段を有する接続装置が開発された。
【0006】
そのような保持手段は、ねじ山を含む鍔を有する一方の継手部材に接続される回転可能な鍔によって提供されるが、逆のねじ山は、対応する第2の継手部材上に提供される。前記鍔を回転させることによって、2つの前記継手部材は、共に係合され、固定される。
【0007】
この型の継手は、安全な接続を提供し、2つの前記継手部材が互いに離れて軸線方向に移動することを防止する。さらに、2つの前記継手部材が2つの前記継手部材を一緒に押し出す鍔の捻りによって密閉係合されていることを確保するために、鍔の回転を用いることができる。このように、この型の継手は、高圧力環境内において、又はタイトな密閉を維持する必要がある場合に有用となる可能性がある。
【0008】
しかし、この型の継手を使用するのに著しい技巧を必要とし、迅速に係合し、解放することができない。結果的に、大きく、重い流体ラインを用いる場合、鍔も回転させつつ前記流体ラインを適切な位置に支持することによって2本のねじを配列することは、困難である可能性がある。さらに、直径がより大きい流体ラインに対応するために鍔の直径が増加すると、鍔を手作業で回転させることがより困難になり、レンチ又はスパナなどの工具が必要となる場合がある。
【0009】
上記の限界の一部を克服するために迅速接続継手が開発されている。一般に使用される、ある迅速接続継手が、米国特許第4,673,199A号に開示されている。この継手は、第2継手部材上のスピゴットの収容のための中央孔を含む第1部材を含む。前記第1部材は、それを囲む外側スリーブも含み、前記外側スリーブは、複数の係止部材と共に、第1位置と第2位置との間で軸線方向に摺動移動できる。前記係止部材は、前記第1部材の前記孔内に突出し、各係止部材は、前記孔に突出して前記孔の中で前記スピゴットを保持する係止位置と、前記係止部材を前記孔から後退させて前記スピゴットを引き抜くことができる係止解除位置との間で移動可能である。
【0010】
この継手において、前記係止位置及び前記係止解除位置の間の前記係止部材の移動は、前記外側スリーブの軸線方向の移動に依存する。このように、前記継手は、その軸線方向の移動によって2つの前記継手部材を係合して前記第2部材の前記孔内の前記第1部材上にスピゴットを位置決めすることによって操作される。前記スピゴットは、前記外側スリーブを第1位置から第2位置まで摺動させることによって前記孔内に保持され、それによって前記孔内に前記係止部材が押し出され、それらが前記孔内の前記スピゴットに係合する適当な位置にそれらが固定される。
【0011】
この型の継手によって、流体ラインの迅速な連結及び離脱が可能になる。しかし、前記継手は、前記スピゴットが、前記孔内に配置され、次いで、前記外側スリーブを移動させつつ前記孔の中で維持されることを必要とする。また、これは、ある程度の技巧を必要とし、著しい重みがあるより大きなホースを使用する場合に困難になる可能性がある。このように、上記で考察されたものなどの迅速接続継手の使用は、概して、軽量及び低圧の用途に限定されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
著しい技巧なしに迅速に連結し、離脱させることが可能であり、且つ、大きな、又は重いホースを使用する場合に容易に操作可能な流体ライン継手の必要がある。
【0013】
本発明の要約を参照する前に、従来技術の上記の記載が、本発明の状況を説明するために背景としてのみ単に提供されたものであることを認識しなければならない。参照される材料のいずれも、公表された若しくは知られたものであるか、又は関連技術において、一般的な、概略の知識の一部であったことを承認するものではない。
【0014】
最後に、最終的に分離して(使用中の環境においてではなく)主張され得る本発明のいくつかの態様は、それにもかかわらず、分離して記載し、理解することが困難である可能性がある。ゆえに、明細書を通して、上、下、前、後及び同種のものなどの位置的用語は、本発明の向きを使用中の状況で記載するために使用され得る。もちろん、本発明を定義するためのそのような記載の使用及び上述の空間関係の使用は、その意図が明確に述べられない限り、限定するものとみなすものではなく、確実に、使用中の環境のみに限定するものとしてみなすものではないことを認識しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、第1継手部材及び第2継手部材を含む流体ライン継手であって、
前記第1継手部材及び前記第2継手部材の各々が、前方継手端部及び後方接続端部を有する本体を含み、各本体が、前記接続端部から前記継手端部への流体の流動を可能にするために、それを通る、長手方向に延びる流路を有し、
前記第1継手部材の前記本体が、前記流路の長手方向の軸線に対して上方傾斜した直線カム表面を含み、
前記第2継手部材の前記本体が従動部を含み、前記従動部が、前記第1継手部材の前記直線カム表面と係合するように構成され、
前記直線カム表面に沿った前記従動部の移動によって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部を、互いに対して、密閉係合する、
流体ライン継手を提供するものである。
【0016】
前記第1継手部材の前記直線カム表面の上方傾斜構成は、前記第2継手部材の従動部と協同して、長手方向に延びる前記流路の長手方向の前記軸線に対して概して横方向の直線方向に前記継手部材を互いに対して移動させることによって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の継手を密封可能に係合すること容易にする。この移動によって、前記継手端部が接触し、前記流路が軸線方向に配置され、それによって、流体は、前記第1継手部材から前記第2継手部材へ流れる。続いて、反対方向に前記継手部材を移動させることによって前記継手部材を離脱させることができる。これによって、回転、複数の移動、又は前記継手の密封可能な係合を容易にするための保持手段の作動なしに、前記流体ライン継手の係合及び脱離を比較的簡単に行うことができる。
【0017】
さらに、前記流体ライン継手を係合し、解除するための前記第1継手部材及び前記第2継手部材の移動の方向は、概して、前記継手を流れる前記流体によって加えられた力の方向に対して横方向である。結果的に、前記本流体ライン継手には、前記継手を流れる、又は前記継手の中で静止状態の流体によって提供される力によって損なわれるその封止係合が生じることに対する耐性がある。このことは、水圧ホースなどの高圧環境において、又は流体が流れることが止められて圧力スパイク(例えば、ガーデンホース内のウォーターハンマー)が生じる可能性がある場合に、特に有利である。
【0018】
いくつかの実施形態において、少なくとも前記第1継手部材の前記継手端部は、一旦、前記第2継手部材の前記継手端部と密封可能に係合して、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部が、前記直線カム表面に沿ったさらなる前記従動部の移動を防止するように、前記直線カム表面に対して構成される。このように、前記継手を反対方向に移動させて互いに離れて前記継手端部を移動させるまで、前記継手は密閉係合で維持される。
【0019】
非限定的な「使用中の」一実施形態において、前記第1継手部材は、設定位置で固定され得る。例えば、前記第1継手部材の前記接続端部は、タンク、容器又は同種のものに取り付けられるか、又は統合される(例えば、弁、タップ又は給水栓として)。この設定位置で、前記第1継手部材は、それが上部、底部及び2つの側面を有するように方向づけられる。一実施形態において、前記第1継手部材は、使用中に、前記直線カム表面が、前記本体の前記底部及び後方接続端部から前記上部及び前方継手端部の方へ上方に斜め方向に上方傾斜するような向きで固定される。本実施形態において、前記継手端部に最も近い前記直線カム表面の端部は、前記接続端部に最も近い前記直線カム表面の端部の上にある。一実施形態において、前記第1継手部材は、使用中に、前記直線カム表面が、それが長手方向に延びる前記流路の長手方向の前記軸線に対して概して垂直であるように垂直に上方傾斜するような向きで固定される。
【0020】
上記実施形態の好ましい形態において、前記第1継手部材の前記前方継手端部は、前記継手端部の少なくとも一部が前記継手端部の反対部分よりも前記直線カム表面に近くなるように提供される。上記の向きで、前記直線カム表面に最も近い前記継手端部の前記部分は、前記直線カム表面からより遠い前記継手端部の前記部分より上に位置決めされる。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記第1継手部材の前記継手端部は、長手方向に延びる前記流路が交差する面によって提供されて継手開口部を形成し、前記面の少なくとも一部が前記直線カム表面に対する角度で設けられる。いくつかの実施形態において、前記継手端部の表面の一方の部分は、前記継手端部の前記面の反対部分よりも前記直線カム表面に近い。いくつかの実施形態において、前記面は平面であり、且つ前記直線カム表面に対する角度があり、その結果、前記面の一方の端部は、前記直線カム表面に向かう傾向があるか、又は、いくつかの実施形態において、前記直線カム表面との頂点で収束する。
【0022】
上記の向きで、前記第1継手部材及び前記第2継手部材は、前記第1継手部材の上から前記第1継手部材との軸線方向の配置内へ下方向に前記第2継手部材を移動させることによって連結され、その結果、前記従動部が、前記直線カム表面の先端部に係合し、連結の間に終端部の方へ前記直線カム表面に沿って移動する。このことによって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部が互いの方へ移動し、密閉係合する。前記直線カム表面に対する前記第1継手部材の前記継手端部の向きは、一旦、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部が封止係合すると、前記継手端部の係合によって、前記第2継手部材が下向きにさらに移動することを防止することができるようなものとなる。ゆえに、このことによって、前記直線カム表面に沿って前記従動部がさらに移動することが防止される。
【0023】
これらの実施形態には、前記第1継手部材が固定位置にある場合、前記第2継手部材及びそれに接続されたあらゆる流体ラインの重みが、概して、長手方向に延長する前記流路の長手方向の前記軸線を横断する下方向の力を提供するという長所がある。このことによって、前記継手端部が係合すること、及びそれらの係合を維持することが補助される。このように、前記第2継手部材及び取り付けられたあらゆる流体ラインの重みによって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の密封係合を提供し、維持することが補助され得る。結果的に、本発明の前記流体ライン継手は、大径の又は重い流体ラインを用いる場合に特に(しかし、排他的に、ではなく)有用である。
【0024】
さらに、前記継手部材の比較的単純な移動によって、前記流体ラインの重みを受けとめるために両手を用いることが可能になる。比較として、2つの前記継手部材を連結するために、鍔の回転など、保持手段の別々の操作を必要とする継手部材は、多くの場合、他の手で前記保持手段を作動させつつ1つの手で前記継手部材の重みを支持することを必要とする。
【0025】
この明細書にわたって用いられる用語「継手端部」は、前記継手部材が連結される場合に互いに係合する前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記本体の端部部分を指す。この係合によって、前記第1継手部材の前記本体を通る、長手方向に延びる前記流路が、前記第2継手部材の前記本体を通る、長手方向に延びる前記流路と流体連通することになる。結果的に、前記継手部材が連結される場合、流体は、前記第1継手部材の前記接続端部から前記第2継手部材の前記接続端部に通ることができる。
【0026】
「前方」という用語は、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部の状況において用いられる場合、長手方向に延びる前記流路に対して用いられ、それによって、前記流路の前記継手端部は前方端部と称され、前記流路の前記反対端部は後方端部である。
【0027】
したがって、明細書にわたって用いられる「後方」という用語は、「前方」という用語の反対で用いられる。「前方」及び「後方」という用語は、互いに対して用いられるが、それらが、前記継手部材の前記本体が反対の前方端部及び後方端部を含むことを必ず必要とすることを想定するものではない。むしろ、前記用語は、前記接続端部及び前記継手端部に存在する前記流路のための開口部を有する前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記本体の端部を示すために用いられる。
【0028】
前記継手部材の前記本体の前記接続端部は、流体を提供することができるいずれの端部であってもよい。非限定的な一実施形態において、前記流体ライン継手部材の前記本体の前記接続端部を、ホースに接続することが可能であるか、又は取り付けることが可能である。いくつかの実施形態において、流体ライン(ホースなど)を本発明の前記継手部材と一体的に形成してもよい。この代替的な実施形態において、前記流体ラインの一端は前記前方継手端部を規定し、他端は前記後方接続端部を規定する。本発明の非限定的な別の実施形態において、前記接続端部をタンクなどの流体貯留器に取り付けることができるか、又は一体的に形成することができる(例えば、タップ、弁又は給水栓として)。一実施形態において、一方又は両方の継手部材の前記接続端部は、前記継手部材を流体源又は流体ラインに固定することを補助するためのかぎ又はねじ山を有する。
【0029】
前記直線カム表面は、前記第1継手部材の前記本体の少なくとも一部を越えて延びる。いくつかの実施形態において、前記直線カム表面は、前記第1継手部材の前記本体を横断し、その結果、前記直線カム表面の先端部分及び終端部分は、前記第1継手部材の前記本体の2つの反対の側面(例えば、上記のように方向づけられた場合、上側面及び下側面)に、又はそれらを過ぎて延びる。前記流体ライン継手のいくつかの実施形態において、前記直線カム表面は、前記第1継手部材の前記本体の2つの反対の外側面上に提供される。いくつかの実施形態において、前記直線カム表面は、前記第1継手部材の前記本体からの少なくとも1つの側部突起によって提供される。いくつかの実施形態において、前記第1継手部材の前記本体の反対の側面上に提供される2つの突起がある。これらの突起は、別々の表面として提供されてもよいか、又は1若しくは複数の跨橋部によって連結されて、統合された表面を形成してもよい。
【0030】
前記直線カム表面は、前記第1継手部材から突出する鍔によって提供されて、前記第1継手部材の前記本体が交差する平坦表面を提供してもよい。本実施形態の1つの向きにおいて、前記平坦表面は、2つの反対の側面部分(上部及び下部)を有し、前記上部は前記下部の前方に位置決めされ、その結果、前記継手の前記側面から見た場合、前記鍔は斜めに上方傾斜する。本実施形態において、前記上部は前記直線カム表面の前記先端部であり、前記下部は後部である。結果的に、前記鍔の上部から前記鍔の下部の方への前記従動部の移動によって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記本体の前記継手端部が互いの方へ進む。別の向きにおいて、前記直線カム表面は、前記継手の前記側面から見た場合、垂直に上方傾斜する。この向きにおいて、前記直線カム表面の前記上部は、前記下部の直接上方にある。理解されるべきであるが、上記の向きは、特定の向きにおける前記第1継手部材の相対的位置決めの記載を提供するために単に用いられるだけであって、前記第1継手部材が、操作のためのこの特定の向きで位置決めされることを必要とするものではない。
【0031】
前記第2継手部材上に提供された前記従動部は、前記直線カム表面と作動的に相互作用し得るいずれの適切な構造であってもよい。好ましい実施形態において、前記従動部は、前記第2継手部材の前記継手端部の前方に位置決めされる少なくとも部分を有する。前記第2継手部材の継手端部の前方における前記従動部の部分の提供によって、前記従動部は、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記継手端部の係合の前に、前記第1継手部材の前記本体上に提供される前記直線カム表面と相互作用する。結果的に、本実施形態において、前記直線カム表面の全体は、前記第1継手部材の前記継手端部の後方に位置決めされてもよい。
【0032】
いくつかの代替的な実施形態において、前記従動部は、前記第2継手部材の前記継手端部の後方に位置決めされる。本実施形態において、前記従動部及び前記直線カム表面の協同的相互作用を容易にするために、2つの前記継手部材の前記継手端部の係合の前に、前記直線カム表面の少なくとも前記前方端部は、前記第1継手部材の前記継手端部の前方に位置決めされることになる。
【0033】
前記第2継手部材の前記本体は、前記本体の反対の外側面上に位置決めされる少なくとも2つの従動部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の前記本体は、実質的に円筒によって提供されてもよいことが想定され、反対側面は、2つに分かれる長手方向の平面によって分けられる2つの側面であると考えられる。前記第1継手部材の前記本体が少なくとも2つの直線カム表面を含む場合、少なくとも2つの従動部の提供が好ましい。
【0034】
前記従動部は、前記直線カム表面と作動的に相互作用し得るいずれの適切な構造であってもよいが、好ましい実施形態において、前記従動部は、前記第1継手部材の前記直線カム表面と協同的に相互作用するように配置された直線表面によって提供される。本実施形態のいくつかの形態において、前記第1継手部材及び前記第2継手部材が係合する場合、前記従動部の前記直線表面は、少なくともその長さの一部に沿って前記第1継手部材の前記直線カム表面に当接する。本実施形態のいくつかの形態において、前記第1継手部材の前記直線カム表面及び前記第2継手部材上の前記従動部の前記直線表面は、先端部及び後部を有する。前記直線カム表面及び前記従動部の前記直線表面の協同的相互作用は、前記直線カム表面及び前記従動部の両方の後部の方への前記先端部の移動によって生じる。本実施形態のさらなる形態において、前記第1継手部材の前記直線カム表面及び前記第2継手部材上の前記従動部の前記直線表面の両方は、前記後部の前方に位置決めされる先端部を有する。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記従動部は、前記第1継手部材の前記本体から突出する1又は複数の直線カム表面と協同的に相互作用するように配置された平坦表面によって提供される。平坦表面を有する従動部を提供することによって、前記直線カム表面と相互作用するために提供される表面積は最大になり、前記従動部の構造的剛性が増大する。いくつかの実施形態において、前記従動部は、前記第1継手部材の前記本体から突出する鍔と協同的に相互作用するように配置され、且つその中に前記第1継手部材の前記本体を位置決めするための劈開部分を含む平坦表面によって提供される。前記劈開部分は、前記第1継手部材の前記本体を位置決めすることを可能にする前記平坦表面内における空隙を提供する。このように、前記従動部の前記平坦表面は、前記第1継手部材及び前記第2継手部材が係合する場合、前記第1継手部材の前記本体を跨いでもよい。本実施形態のいくつかの形態において、前記劈開部は、前記第1継手部材の前記本体の前記表面の少なくとも一部に実質的に対応する輪郭を有する部分を含む。例えば、前記第1継手部材の前記本体が曲線状の外表面を含む場合、前記劈開部の一部は、対応する曲線状の部分を含んでもよい。
【0036】
前記第1継手部材の前記本体は、さらにガイドを含んでもよく、前記第2継手部材は、前記ガイドと作動的に相互作用するように構成されるガイド従動部を含む。いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部と協同する前記ガイドは、前記直線カム表面に対して前記従動部を位置決めすることを補助するために提供され、それによって、前記直線カム表面との前記従動部の係合がより容易になる。いくつかの実施形態において、前記ガイド及び前記ガイド従動部は、前記従動部が前記直線カム表面の前記後方端部を越えて移動することを防止することを補助する。いくつかの実施形態において、前記ガイドは、前記直線カム表面の前方に位置決めされる。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記ガイドは、直線表面によって提供されてもよい。本実施形態のいくつかの形態において、前記ガイドの前記直線表面は、上方傾斜した前記直線カム表面に収束するような角度に向けられる。結果的に、前記直線カム表面及び前記直線ガイド表面は、互いの方に向かって、狭い端部及び広い端部で概略の楔形を形成する傾向がある。いくつかの実施形態において、前記直線ガイド表面及び前記直線カム表面は、頂点に収束し、前記頂点を含むか、又は前記頂点を形成する。
【0038】
前記直線ガイド表面の角度は、前記直線カム表面に平行ではない、いかなる適切な角度でもよく、その結果、それは、一端で前記直線カム表面の方に向く傾向がある。いくつかの実施形態において、前記直線カム表面と前記直線ガイド表面との間の前記角度は、45度未満である。いくつかの実施形態において、前記直線カム表面と前記直線ガイド表面との間の前記角度は、5度〜25度である。いくつかの実施形態において、前記直線カム表面と前記直線ガイド表面との間の前記角度は、10度〜15度である。いくつかの実施形態において、前記直線カム表面と前記直線ガイド表面との間の前記角度は、12度である。いくつかの実施形態において、前記直線ガイド表面は、前記直線カム表面を反映し、対称軸は、前記流路の長手方向の前記軸線に対して垂直である。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記直線ガイド表面は、前記第1継手部材の前記継手端部によって提供される。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記ガイドは、前記第1継手部材の前記本体からの少なくとも1つの側部突起によって提供される。いくつかの実施形態において、前記ガイドは、前記第1継手部材の前記本体の2つの反対の外側面上で提供される。いくつかの実施形態において、前記ガイドは、前記第1継手部材の前記本体が交差する平坦表面を提供するように前記第1継手部材から突出する鍔によって提供される。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記ガイドは、継手開口部を形成するように前記流路が交差する平坦表面によって提供され、前記平坦表面は、前記第1継手部材の前記継手端部を提供する。
【0042】
前記第1継手部材の前記本体がガイド表面を有する実施形態において、前記ガイド従動部は、前記ガイド表面の形状に適合することが有利であり得る。ゆえに、いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部は、前記ガイド表面の形状に適合する。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部は、前記第2継手部材の前記継手端部を含む。いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部は、前記第2継手部材の前記本体からの側部突起を含む。いくつかの実施形態において、ガイドは、前記第1継手部材の前記本体の2つの反対の外側面上に提供されるので、前記第2継手部材の前記本体の2つの反対の外側面上に提供される2つのガイド従動部がある。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部は、前記第1継手部材のガイドと協同的に相互作用するように配置された直線表面を含む。実施形態において、それによって、前記ガイドが直線表面によって提供され、前記ガイド従動部の前記直線表面は、前記第1継手部材及び前記第2継手部材が密封係合する場合に実質的に前記直線ガイドの前記直線表面に当接するように構成される。
【0045】
前記ガイド従動部は、前記第2継手部材の前記本体が交差する平坦表面を提供するように前記第2継手部材から突出する鍔によって提供されてもよい。いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部は、継手開口部を形成するように前記流路が交差する平坦表面によって提供され、前記平坦表面は、前記第2継手部材の前記継手端部を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態において、それによって、前記ガイドは、前記第1継手部材の前記継手端部によって提供し、前記ガイド従動部は、前記第2継手部材の前記継手端部を提供し、前記ガイド及び前記ガイド従動部は、互いに密閉係合することができるように適合される。
【0047】
前記第1継手部材及び/又は前記第2継手部材の前記継手端部は、密封係合を形成することを補助する(1又は複数の)前記継手開口部を囲む座金などの可撓性部分を含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部は直線表面を含み、前記従動部は直線表面を含み、前記ガイド従動部の前記直線表面は、一端で前記従動部の方へ収束する。いくつかの実施形態において、前記直線表面は平坦表面である。結果的に、前記直線ガイド従動部及び前記直線従動部は、互いの方に向かって、狭い端部及び広い端部で概略の楔形を形成する傾向がある。いくつかの実施形態において、前記直線従動部及び前記直線ガイド従動部は、頂点に収束し、前記頂点を含むか、又は前記頂点を形成する。前記直線ガイド従動部の角度は、前記直線従動部に平行ではない、いかなる適切な角度でもよく、その結果、それは、一端で前記直線従動部の方に向く傾向がある。
【0049】
いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部と前記従動部との間の前記角度は、45度未満である。いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部と前記従動部との間の前記角度は、5度〜25度である。いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部と前記従動部との間の前記角度は、10度〜15度である。いくつかの実施形態において、前記ガイド従動部と前記従動部との間の前記角度は、12度である。本実施形態のいくつかの形態において、前記従動部及び前記ガイド従動部は、前記第2継手部材の前記本体上における反映された配置にあり、対称軸は、前記流路の長手方向の前記軸線に対して垂直である。
【0050】
本実施形態のいくつかの形態において、前記ガイド従動部の前記直線表面及び前記従動部の前記直線表面は、頂点を形成するか又は含むように収束する。本実施形態のいくつかの形態において、前記ガイド従動部の前記直線表面及び前記従動部の前記直線表面は、頂点で収束する。これらの形態において、前記ガイド従動部の前記直線表面及び前記従動部の前記直線表面は、概略の楔形を形成し、前記楔形の幅広端部には開口部があり、前記従動部の前記直線表面と前記ガイド従動部の前記直線表面との間に空隙が提供される。
【0051】
上記実施形態において、前記第1継手部材及び前記第2継手部材は、前記第2継手部材の前記楔形の前記幅広端部における前記開口部内に、前記第1継手部材上の前記直線カム表面及び前記直線ガイド表面によって提供される前記楔形の狭い上部を位置決めすることによって連結され得る。次いで、前記第2継手部材を前記第1継手部材に対して横方向に移動させて、長手方向に延びる前記流路を軸線方向の配置とする。この移動によって、前記第2継手部材上の前記従動部は、前記第1継手部材上の前記直線カム表面に係合し、それによって、2つの前記継手部材の前記継手端部が互いの方へ向かい、密閉係合することが補助される。さらに、前記ガイド及び前記ガイド従動部は、作動的に相互作用する可能性があり、その結果、少なくとも前記継手部材が連結される場合に前記ガイド表面及び前記ガイド従動部が係合する。このことによって、前記直線カム表面に沿って前記従動部がさらに移動することが防止され得る。前記ガイドが前記第1継手部材の前記継手端部によって提供され、前記ガイド従動部が前記第2継手部材の前記継手端部によって提供される実施形態において、前記第1継手部材の前記継手端部の前記第2継手部材の前記継手端部との相互作用によって、前記直線カム表面に沿って前記従動部がさらに移動することが防止される。
【0052】
上記で考察されたように、本発明の前記流体ライン継手の使用中の一実施形態は、前記直線カム表面が、前記第1継手部材の前記本体の前記後方接続端部から、上部に向かって上方に、及び前記継手端部に向かって前方に、斜め方向に上方傾斜するような向きで設定された前記第1継手部材を有する。したがって、前記継手端部に最も近い前記直線カム表面の前記端部は、前記接続端部に最も近い前記直線カム表面の前記端部の上方にある。さらに、前記第1継手部材の前記継手端部は、前記直線カム表面に(少なくとも部分的に)収束する面を提供するように配置される。
【0053】
上記で考察されたように、本発明の前記流体ライン継手の使用中の一実施形態は、前記直線カム表面が垂直方向に上方傾斜するような向きで設定された前記第1継手部材を有する。このように、前記直線カム表面の前記先端部は、前記終端部の直接上方にあり、前記流路の長手方向の前記軸線に対して垂直である。さらに、前記第1継手部材の前記継手端部は、前記直線カム表面に(少なくとも部分的に)収束する面を提供するように配置される。
【0054】
上記の特定の使用中の例において、前記第2継手部材の前記楔形の前記幅広端部における前記開口部を前記第1継手部材の前記楔形の頂点の上方に位置決めすることによって、2つの前記継手部材を係合することができる。次いで、前記第2継手部材を下方向に移動させ、その結果、前記第1継手部材の前記直線カム表面及び前記ガイドは、前記第2継手部材の前記楔形によって提供される前記空隙内に挿入される。次いで、さらなる移動は、前記直線カム表面を有する前記従動部と前記ガイドを有する前記ガイド従動部との同時係合によって防止される。斜めの向きの前記直線カム表面を有する上記実施形態において、前記直線カム表面は、横方向の移動を軸線方向の移動に方向づけることによって、2つの前記継手部材を互いの方へ前方に向ける。
【0055】
いくつかの実施形態において、前記流体ライン継手は、係合される場合、連結される場合における前記第1継手部材及び前記第2継手部材の互いに対して少なくとも横方向の移動を制限する係合可能な係止機構を含む。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第1継手部材上に提供される。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第2継手部材上に提供される。横方向の移動を制限することによって、前記係止機構は、解放を容易にする、互いに対する方向に前記第1継手及び前記第2継手の移動を制限するように作用する。
【0056】
前記第2継手部材が直線表面を有するガイド従動部を含み、従動部が、頂点を形成するか又は含む、収束する直線表面を有する実施形態において、前記第1継手部材は、前記ガイド従動部及び前記従動部の頂点に係合する係止機構を含むことが可能であり、それによって前記第2継手部材の横方向の移動が防止される。好ましい実施形態において、前記係止機構は、前記ガイド従動部及び前記従動部の頂点に当接する部分を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、前記係止機構は、第1端部において前記第1継手部材又は前記第2継手部材の前記本体に固定されるアームを含み、前記アームは、第2端部上の係合部分を有し、前記係合部分は、反対の前記継手部材を係合するように適合され、互いに対する前記第1継手部材及び前記第2継手部材の移動を限定する。いくつかの実施形態において、そのアームは、弾性的であり、力を加えた場合に第1係止位置から第2係止解除位置への前記係合部分の移動を可能にする。いくつかの実施形態において、前記弾性的アームは、それが、前記係止機構を第1の、係止された位置に付勢するが、力を加えた場合に第2係止解除位置への移動を可能にするように固定される。
【0058】
いくつかの実施形態において、反対の前記継手に係合するように適合させた前記係止機構の部分は、突出部である。前記係止機構がアームを有するいくつかの実施形態において、前記突出部は、前記アームに対してほぼ垂直である。好ましい形態において、前記第2継手部材と相互作用するように構成された前記突出部又は前記部分を含む前記アームは、収束する前記直線従動部及び前記直線ガイド従動部の頂点と相互作用する。
【0059】
いくつかの実施形態において、前記係止機構は前記第1継手部材上にある。いくつかの実施形態において、前記係止機構を、前記第1継手部材の前記本体上に枢動自在に搭載し、前記第1継手部材及び前記第2継手部材が連結される場合に前記第2継手部材に係合し、前記第1継手部材に対するその横方向の移動を限定する係止位置に係止解除位置から移動させることができる。好ましくは、枢動自在に搭載された前記係止機構は、枢動アームを含み、前記アームは、前記第2継手部材と相互作用するように構成された突出部又は部分を含む。好ましい形態において、前記第2継手部材と相互作用するように構成された前記突出部又は前記部分を含む前記アームは、収束する前記直線従動部及び前記直線ガイド従動部の頂点と相互作用する。
【0060】
いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第1継手部材又は前記第2継手部材の前記本体上に搭載され、前記第1継手部材及び前記第2継手部材が連結される場合に前記対応物継手部材に係合し、互いに対する前記第1継手部材及び前記第2継手部材の横方向の移動を限定する係止位置に係止解除位置から移動可能である。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、第1係止位置から第2係止解除位置に摺動可能である。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第1継手コネクタ又は前記第2継手コネクタの前記本体に対して長手方向に摺動する。
【0061】
いくつかの実施形態において、前記係止機構は、力が加えられた場合、付勢され、静止第1係止位置から第2係止解除位置への移動を可能にし、次いで、前記力が取り除かれた場合に前記第1位置に戻る。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、一端で固定された弾性部材(弾性アームなど)によって付勢され、力が加えられた場合における静止した第1係止位置から第2係止解除位置への移動を可能にする。代替的な付勢手段は、本技術分野で知られており、前記係止機構を所定の位置に付勢するあらゆる機構(コイルばね又は弾性部材など)が挙げられる。
【0062】
いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第2継手部材上にあり、前記第2継手部材の、前記従動部とガイド及び/又は前記継手端部との間の空隙内に突出する。本実施形態において、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の係合を可能にする第2係止解除位置内に、前記空隙内に突出する第1係止位置から、前記係止機構を移動させることができる。次いで、前記係止機構を前記第1位置に移動させて戻し、互いに対する前記第1継手部材及び前記第2継手部材の横方向の移動を制限することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、密閉係合を容易にするための方向に前記第1継手部材及び前記第2継手部材を互いに対して移動させることによって、前記係止機構をその第1位置から前記第2位置に移動させる。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の係合の間に対応物継手と相互作用して、前記第1静止位置から前記第2位置に前記係止機構を移動させる傾斜表面を含む。次いで、前記係止機構は、前記第1継手及び前記第2継手が密封可能に係合する場合、前記第1位置に戻る。いくつかの実施形態において、2つの前記継手の内の一方は、前記係止機構を受け入れるための凹部を含む。いくつかの実施形態において、前記係止機構は、前記第1継手部材又は前記第2継手部材の外表面に係合する。
【0064】
上記において、特に分離して想定された実施形態によって本発明が記載されるが、これらの実施形態が排他的なものではなく、組み合わせることができるということは、当業者によって理解されるであろう。
【0065】
本発明に関係する概略の概念を簡潔に記載したが、ここで、本発明に係る流体ライン継手の好ましい実施形態を記載する。しかし、以下の記載が、大部分の上記記載を限定するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】
図1は、本発明に係る斜めに上方傾斜した直線カム表面を有する流体ライン継手の第1継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明に係る垂直に上方傾斜した直線カム表面を有する流体ライン継手の第1継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明に係る斜めに上方傾斜した直線従動部表面を有する流体ライン継手の第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明に係る垂直に上方傾斜した直線従動部表面を有する流体ライン継手の第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図5】
図5は、
図1の前記第1継手部材の実施形態の三次元の図を示す。
【
図6】
図6は、
図2の前記第1継手部材の実施形態の三次元の図を示す。
【
図7】
図7は、
図3の前記第2継手部材の実施形態の三次元の図を示す。
【
図8】
図8は、
図4の前記第2継手部材の実施形態の三次元の図を示す。
【
図9】
図9は、
図1の前記第1継手部材の実施形態の上面図を示す。
【
図12】
図4の前記第2継手部材の実施形態の下面図を示す。
【
図13】
図13は、解除された第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の三次元の図を示す。
【
図15】
図15は、ホース保持部材及び係止ナットと組み合わせた第2継手部材の実施形態の分解図を示す。
【
図16】
図16は、密封係合の
図1及び
図3の前記第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図17】
図17は、密封係合した
図2及び
図4の第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図18】
図18は、タップに接続された流体ライン継手の実施形態の側面図を示す。
【
図19】
図19は、
図18に示される通りのタップへの接続のための本発明に係る流体ライン継手の第1継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図21】
図21は、
図18の第1継手部材への接続のための本発明に係る流体ライン継手の第2継手部材の実施形態の正面図を示す。
【
図27】
図27は、両端雄エルボ第1継手部材の上面図を示す。
【
図28】
図28は、高圧使用のための本発明に係る流体ライン継手の実施形態の三次元の図を示す。
【
図30】
図30は、本発明に係る流体ライン継手の多重流路実施形態の三次元の図を示す。
【
図32】
図32は、密封係合した本発明に係る第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図33】
図33は、密封係合した本発明に係る第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図34】
図34は、密封係合した本発明に係る第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図35】
図35は、密封係合した本発明に係る第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【
図36】
図36は、密封係合した本発明に係る第1継手部材及び第2継手部材の実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、前方継手端部(3)及び後方接続端部(4)を有する本体(2)を含む第1継手部材(1)の好ましい実施形態を示す。前記本体は、それを通る、長手方向に延びる流路(図示せず)を含み、前記接続(4)端部から前記継手端部(3)へ流体が流れることを可能にする。
【0069】
前記第1継手部材の前記本体(2)は、前記流路(破線で示される)の長手方向の軸線に対して斜め方向に上方傾斜した直線カム表面(5)を含む。前記直線カム表面は、前記直線カム表面(5)の前方端部における先端部(6)と、前記直線カム表面(5)の後方端部における後部(7)とを有する。前記第1継手部材(1)は、示された前記実施形態において前記継手端部(3)によって提供される直線ガイド表面も含む。
【0070】
図2は、前記流路の長手方向の軸線(点線によって示される)に対して垂直な方向に上方傾斜した前記直線カム表面(5)を有する本発明の前記第1継手部材のさらなる実施形態を示す。
【0071】
前記第1継手部材(1)の示された前記実施形態が、前記継手端部(3)において、及び前記継手端部(3)によって提供されている前記ガイド表面と共に示されているが、前記ガイドは、前記継手端部(3)の前方又は後方に提供されてもよいことが想定される。同様に、前記直線カム表面(5)は、全体として前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の前記継手端部(3)の後方に位置決めされるものとして示される。しかし、前記直線カム表面(5)は、部分的に、又は、いくつかの実施形態において全面的に、前記継手端部(3)の前方に位置決めされてもよいことが想定される。
【0072】
図1に見ることができるように、前記直線カム表面(5)及び前記直線ガイド表面(3)は、前記直線ガイド表面(3)の下方傾斜が前記直線カム表面(5)の上方傾斜に対して反対になるように、対称軸(図示せず)が前記流路の長手方向の軸線(点線によって示される)に対して垂直な、反映する配置で配置される。なお、
図1の前記第1継手部材の状況における「下方傾斜」という用語は、
図1に示される通りの左から右への(すなわち、前記第1継手部材の前記後方端部から前記前方端部への)方向における斜めの下方傾斜を指す。
【0073】
図1及び
図2の示された前記実施形態において、上方傾斜の前記直線カム表面(5)及び下方傾斜の前記直線ガイド表面(3)は、頂点(8)で交わる。
【0074】
示された前記実施形態の前記直線カム表面(5)及び前記直線ガイド表面(3)は直線表面として示されるが、前記ガイド(3)は、直線表面に限定されないことが想定される。さらに、それによって前記ガイド(3)が直線表面によって提供される例において、それが前記直線カム表面(5)に対して反映する構成であることは必要ではない。むしろ、前記直線ガイド表面(3)及び前記直線カム表面(5)は、それらが一端で互いの方へ向く傾向があるように構成されるべきである。
図1及び
図2に示される前記実施形態において、前記直線カム表面(5)と前記直線ガイド表面(3)との間の内角は、他の収束角が想定されるものの、12度である。
【0075】
前記直線カム表面(5)が斜めに上方傾斜した表面によって提供される
図1に示される前記実施形態において、前記直線カム表面(5)の角度は、垂直に対して6度であるか、又は前記流路の長手方向の軸線(破線)に対して84度である。前記直線カム表面(5)及び前記直線ガイド表面(3)が反映する配置で提供される実施形態において、前記直線ガイド表面(3)は、同一であるが反対の角度を有する。
【0076】
前記直線カム表面(5)が前記流路の長手方向の前記軸線に対して垂直に上方傾斜する、
図2に示される前記実施形態において、前記直線ガイド表面(3)は、前記直線カム表面(5)に対して12度で斜めに下方傾斜している。
【0077】
上記が好ましい角度であるが、他の上方傾斜角、下方傾斜角及び収束角が想定される。いくつかの実施形態において、直線カム表面(5)の上方傾斜角は、垂直に対して0度〜12度であり、前記流路(点線)の長手方向の前記軸線に対して90度〜78度である。いくつかの実施形態において、前記直線ガイド表面(3)の下方傾斜角は、垂直に対して0度〜−12度であるか、又は前記流路の長手方向の前記軸線に対して90度〜−78度であるが、ただし、前記直線カム表面(5)及び前記直線ガイド表面(3)は、前記直線カム表面の先端部(6)で互いの方へ向く傾向がある。
【0078】
さらに、前記第1継手部材(1)の前記ガイド(3)は、示された前記実施形態の直線表面によって提供される。しかし、上記で考察されるように、前記ガイド(3)は、係合し、前記第1継手部材(1)との前記第2継手部材(11(
図3参照))の配置及び係合をガイドする作用をするあらゆる適切な構造によって提供され得ることが想定される。例えば、前記ガイド(3)は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)からの前方又は横向きの(1又は複数の)突出部によって提供されてもよい。別の場合、前記ガイド(3)は曲面であってもよいか、又は前記ガイド(3)の部分だけが前記直線カム表面(5)に収束するような角度に向けられてもよい。
【0079】
図1の示された前記実施形態において、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)は、流体ライン、又はタンクなどの流体貯留器の対応する雌型ねじ山との係合のための前記接続端部(4)の近くに雄型ねじ山(9)を有する。また、逆のねじとの前記雄型ねじ山(9)の係合を補助するように前記第1継手部材(1)に対して捻りを提供するように把持されるように適合させた六角形突出部(10)も提供される。具体的には、前記第1継手部材(1)の捻りを容易にするためにスパナ又はレンチが受け入れるように前記六角形突出部(10)を適合させる。しかし、他の構造が、捻りを容易にするために前記第1継手部材(1)上に提供されるように想定される。
【0080】
図2は、前記継手と接続した流体ライン(図示せず)を保持するための代替的な保持手段を示す。
図2の示された前記実施形態において、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)は、前記接続端部(4)の近くに放射状突出部(21)を有する。前記放射状突出部(21)は、垂直な前方面と、斜めに上方傾斜した後方面とを有する。前記放射状突出部(21)の斜めに上方傾斜した前記後方面は、前記放射状突出部(21)を覆ってホース(図示せず)を位置決めすることを補助し、前記前方垂直面は、前記ホースが前記継手(1)から分離することを防止するのに役立つ。一旦、前記継手(1)の前記接続端部(4)を覆って位置決めされると、ホースクランプ又は同様の保持装置は、前記ホースを前記継手に固定するために使用され得る。
【0081】
図1及び
図2の前記実施形態は、流体ライン又は流体貯留器に接続するための雄型ねじ山(9)又は放射状突出部(21)を有するが、あらゆる所望の方法で前記第1継手部材を流体ライン又は流体貯留器に接続することができる。例えば、前記継手部材は、雌型ねじ山を含むことができるか、又は代替的に、流体ライン若しくは流体貯留器に統合され得るか、若しくは一体的に形成され得、それによって、前記流体貯留器のための出口又は入口が提供される。前記第1継手部材(1)の前記接続端部(4)を流体ライン、流体貯留器又は同種のものに接続するさらなる手段が、本技術分野で知られており、前記本流体ライン継手と共に使用するのに適切であると想定される。
【0082】
図3は、前方継手端部(13)及び後方接続端部(14)を有する本体(12)を含む(
図1の前記第1継手部材との係合のための)前記第2継手部材(11)の実施形態を示す。
図4は、前方継手端部(13)及び後方接続端部(14)を有する本体(12)を含む(
図2の前記第1継手部材との係合のための)前記第2継手部材(11)の実施形態を示す。簡潔さのために、
図3及び
図4の前記継手部材は、以下で「第2継手部材」と単数形で称される。
【0083】
前記第2継手部材の前記本体は、前記第1継手部材(1)の前記直線カム表面(5)と相互作用するように適合させた直線従動部(15)を含む。前記直線従動部(15)は、前記直線従動部(15)の前記前方端部における先端部(16)と、前記直線従動部(15)の前記後方端部における後部(17)とを有する。前記第2継手部材(11)は、示された前記実施形態において前記第2継手部材(11)の前記継手端部(13)によって提供される直線ガイド従動部も含む。
【0084】
図1〜
図4に示される前記実施形態において、前記第2継手部材(11)の前記従動部(15)は、前記継手端部(13)の前方に位置決めされ、前記第1継手部材(1)の前記直線カム表面(5)に係合するように適合される。前記継手端部(13)に対する前記従動部(15)の位置決めは、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)上に提供される前記直線カム表面(5)の位置決めに依存する。前記直線カム表面(5)が全面的に前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の前記継手端部(3)の後方に提供される実施形態において、前記従動部(15)は、全面的に前記第2継手部材(11)の前記本体(12)の前記継手端部(13)の前方に提供される。
【0085】
しかし、それによって前記直線カム表面(5)の少なくとも一部が前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の前記継手端部(3)の前方に提供される想定された実施形態において、次いで、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)上に提供される前記従動部(15)の少なくとも一部は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)の前記継手端部(13)の後方に位置決めされてもよい。
【0086】
図3に見ることができるように、前記直線従動部(15)及び前記直線ガイド従動部(13)は、前記直線従動部(15)の斜めの上方傾斜が前記ガイド従動部(13)の斜めの下方傾斜に対して反対側になるように、前記流路(破線)の長手方向の前記軸線に対して垂直な対称軸で反映する配置で配置される。なお、
図3に示される前記第2継手部材の前記実施形態の状況における「上方傾斜」という用語は、示される通りの左から右への方向の、すなわち、前記前方端部から前記後方端部への斜めの上方傾斜を指す。示された前記実施形態において、前記直線従動部(15)及び前記直線ガイド従動部(13)は、12度の内角で互いの方へ収束し、頂点(18)で交わる。
【0087】
図4に示される前記直線従動部(15)は、それが前記流路の長手方向の前記軸線(破線)に対して垂直に上方傾斜するように配置される。
図4に示される前記実施形態において、前記直線ガイド従動部(13)は、(前記流路の長手方向の前記軸線に対して)斜めに下方傾斜し、12度の内角で前記直線ガイド従動部(15)に収束し、前記2つは、互いに向かう傾向があるが、交わらない(
図8参照)。
【0088】
さらに、前記第2継手部材(11)の前記従動部(15)は、示された前記実施形態における直線表面によって提供される。しかし、前記従動部(15)は、前記第1継手部材(1)の前記直線カム表面(5)に係合するように作用するあらゆる適切な構造によって提供され得ることが想定される。例えば、前記従動部(15)は、前方へ位置決めされた、内側に対向する(1又は複数の)突出部によって提供されてもよい。
【0089】
図3に示される前記実施形態において、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)は、流体ライン、又はタンクなどの流体貯留器の対応する雌型ねじ山との係合のための前記接続端部(14)の近くに雄型ねじ山(19)を有する。好ましい前記実施形態は、接続のための雄型ねじ山(19)を有するが、あらゆる所望の方法で流体ライン又は流体貯留器に前記第2継手部材を接続することができる。例えば、前記継手部材は、雌型ねじ山を含むことができるか、又は代替的に、流体ライン若しくは流体貯留器に統合され得るか、若しくは一体的に形成され得る。前記第2継手部材(11)の前記接続端部(14)を流体ライン、流体貯留器又は同種のものに接続するさらなる手段は、本技術分野で知られており、前記本流体ライン継手と共に使用するのに適切であると想定される。
【0090】
図4は、前記第2継手部材に接続した流体ライン(図示せず)を保持するための代替的保持手段を示す。
図4の示された前記実施形態において、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)は、前記接続端部(14)の近くに放射状突出部(48)を有する。前記放射状突出部(48)は、垂直な前方面及び斜めに下方傾斜した後方面を有する。前記放射状突出部(48)の斜めに下方傾斜した前記後方面は、前記放射状突出部(48)を覆うホース(図示せず)を位置決めすることを補助し、前記前方垂直面は、前記ホースが前記継手(11)から分離することを防止するのに役立つ。一旦、前記本体(11)の前記接続端部(14)を覆って位置決めされると、ホースクランプ又は同様の保持装置は、前記ホースを前記継手に固定するために使用され得る。
【0091】
図3に示される前記第2継手部材(11)は、前記本体(12)から前記直線従動部(15)に架橋する支持リッジ(20)を含む。前記支持リッジ(20)は、前記直線従動部(15)の構造的完全性を増大させ、前方方向で撓曲することを防止するために提供される。このさらなる支持体は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)から離れた前記直線従動部(15)の破壊を防止するのに役立つ可能性がある。
【0092】
図5は、
図1に示される前記第1継手部材(1)の前記実施形態の三次元の図を示し、
図6は、
図2に示される前記実施形態の斜視図を示す。
図5及び
図6で見ることができるように、前記直線カム表面(5)は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)が交差する平坦表面を提供するように前記第1継手部材(1)の前記本体(2)から突出する鍔(31)によって提供される。結果的に、前記鍔(31)は、前記第1継手部材(1)の2つの反対の外側面上における直線カム表面(5)を提供する。具体的には、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の側面から横方向に突出する前記鍔(31)は、少なくとも2つの突起(53及び54(
図9及び
図10参照))を提供する。
図5の前記継手端部(3)は、前記第1継手部材(1)のためのガイド表面を提供するさらなる鍔(33)も含む。示された前記実施形態において、前記ガイド表面を提供する前記鍔(33)は、前記第1継手部材(1)の前記継手端部(3)を提供し、前記直線カム表面(5)の前方に位置決めされる。しかし、
図6に示される前記実施形態において、前記第1継手部材(1)の前記ガイド表面は、前記直線カム表面(5)に対向する前記鍔(31)の側面である。
【0093】
図1、
図2、
図5及び
図6に示される前記第1継手部材(1)の前記直線カム表面(5)が2つの横方向に延びる突出部(53及び54)を提供する突出鍔を含むが、前記直線カム表面(5)は、あらゆる適切な構造によって提供され得ることが想定される。例えば、
図28及び
図29は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)にわたって上方傾斜する2つの横方向に位置決めされた溝によって提供されるものとして前記直線カム表面(5)を示す。別の場合、前記直線カム表面(5)は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の上部から延び、前記本体(2)の底部の方に下方向で且つ後方向に延びる1又は複数の孔によって提供されてもよい。そのような実施形態において、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)上に提供される前記従動部(15)は、前記直線カム表面(5)に一致するように適合される。
【0094】
さらに、
図1、
図2、
図5及び
図6に示される前記第1継手部材(1)の前記ガイド(3)は、2つの横方向に延びる突出部(51及び52(
図9参照))を提供する前記突出鍔(33)を含むが、前記ガイド(3)は、あらゆる適切な構造によって提供され得ることが想定される。例えば、前記ガイド(3)は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の少なくとも一部にわたって横方向に上方傾斜する1又は複数の溝によって提供されてもよい。別の場合、前記ガイド(3)は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の上部から延び、前記本体(2)の底部の方に下方向で且つ後方向に延びる1又は複数の孔(図示せず)によって提供されてもよい。そのような実施形態において、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)上に提供された前記ガイド従動部(13)は、前記ガイド(3)に一致するように適合される。
【0095】
前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の前記継手端部(3)は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)の前記継手端部(13)との密封を形成することを補助するために、環状ゴム座金など、可撓性密閉部材(図示せず)の位置決めに適合させた環状溝(35)と共に示される。
【0096】
図7及び
図8は、前記第2継手部材(11)の好ましい実施形態の三次元の図を示す。見ることができるように、前記従動部(15)は、前記第1継手部材から突出する前記鍔(31)と協同的に相互作用するように配置された直線表面によって提供される。前記従動部(15)の平坦表面は、その中に前記第1継手部材(1)の前記本体(2)を位置決めするための劈開部分(41)を含む。
図7の劈開部は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の表面の少なくとも一部に実質的に対応する輪郭を有する部分(42)を含む。
図1及び
図5に示される前記実施形態において、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)は、円筒によって提供され、ゆえに、
図7に示される前記劈開部(41)の前記部分(42)の輪郭は、前記第1継手部材(1)の円筒体(2)の表面に当接するように曲線状の輪郭を有する。
【0097】
図7及び
図8に示される前記従動部は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)に対して、反対の外側面上に位置決めされた2つの突起(43及び44)によって提供される。これらの2つの直線突起(43及び44)は、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)上に提供された2つの前記直線突起(53及び54)と協同的に相互作用するように適合される。
図7における前記従動部は、架橋部分を介して接続されて、劈開部(41)を有する、概して平坦な従動部を形成する。
【0098】
さらに、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)の前記継手端部(13)が
図7及び
図8に示される。前記継手端部(13)は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)から横方向に突出する鍔(45)も含む。前記鍔(45)は、前記第2継手部材(11)のための平坦ガイド従動部を提供する。本実施形態において、前記ガイド従動部を提供する前記鍔(45)は、前記第2継手部材(11)の前記継手端部(13)も提供し、前記従動部(43及び44)の後方に位置決めされる。前記ガイド従動部(45/13)は、前記第1継手部材(1)の前記ガイド(33)と作動的に相互作用するように構成される。前記鍔(45)が前記第2継手部材(11)の前記本体(12)のための前記継手端部(13)を提供する場合、前記鍔(45)の前記平坦表面には、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)及びそれを通る前記流路が交差して、継手開口部(46)を提供する。さらに、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)から突出する前記鍔(45)は、横方向に突出する2つの直線ガイド従動部を提供する(47及び78(
図12参照))。
【0099】
前記第2継手部材の前記従動部(15)及び前記ガイド従動部(13/45)の相対的配置によって、前記第1継手部材(1)の前記直線カム表面(5(
図1、
図2、
図5、
図6、
図9及び
図10参照))及び前記ガイド(3/33(
図5及び
図6参照))を位置決めするための空隙が提供される。
【0100】
図9及び
図10は、
図1及び
図2の前記第1継手部材(1)の上面図を示す。見ることができるように、前記鍔(
図9における33、及び
図10における31)は、前記第1継手部材(1)の前記継手端部(3/33)を提供し、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)が交差する平坦表面を規定する。結果的に、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)を通って提供される前記流路は、前記鍔(3/33)と交差して、継手開口部(34)を提供する。前記第1継手部材(1)の前記本体(2)の前記継手端部(3)における前記継手開口部(34)は、前記継手部材が係合する場合に前記第2継手部材(11)の前記継手開口部(46)と流体連通するように構成されることによって、前記第1継手部材(1)の前記流路から前記第2継手部材(2)の前記流路へ流体が流動することを可能にする。さらに、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)から突出する前記鍔(3/33)は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)上に提供される、横方向に突出する2つの前記ガイド従動部(47及び78(
図11及び
図12参照))と協同的に相互作用するように構成される、横方向に突出する2つの直線ガイド表面(51及び52)を提供する。
【0101】
図11及び
図12は、本発明に係る前記第2継手部材(11)の実施形態の下面図を示す。前記ガイド従動部を提供する前記鍔(45)は、前記第2継手部材(11)の前記継手端部(13)も提供し、前記従動部(15)の後方に位置決めされる。前記ガイド従動部(13/45)は、前記第1継手部材(1)の前記ガイド(3/33)と作動的に相互作用するように構成される。前記鍔(45)が前記第2継手部材(11)の前記本体(12)のための前記継手端部(13)を提供する場合、前記鍔(45)の平坦表面には、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)と、それを通って提供される前記流路とが交差して、継手開口部(46)を提供する。さらに、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)から突出する前記鍔(45)は、横方向に突出する2つの直線ガイド従動部(47及び78)を提供する。
【0102】
前記上方傾斜従動部(15)は、斜めに下方傾斜する前記ガイド従動部を提供する前記横方向突起(47及び78)と協同して、前記第1継手部材(1)の前記直線カム表面(5)及び前記ガイド(3/33)の配置のための開口部(71)を提供する幅広部分を有する概略の楔形を形成する。ウェッビング(72)は、前記ガイド従動部(13/45)を前記第2継手部材の両側上の前記従動部(15)に連結して、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)から離れて前記従動部(15)が移動することを防止することを補助する。
【0103】
図13及び
図14は、本発明の前記流体ライン継手の実施形態の操作を示す。好ましい向きにおいて、前記第1継手部材(1)は、前記頂点(8)が上向き方向を指すように位置決めされるか、又は固定される。前記継手端部(13)を規定する、前記従動部(15)と前記ガイド従動部(13/45)との間に提供される前記空隙(71)が、前記第1継手部材(1)の前記頂点(8)の上方に位置決めされるように、前記第2継手部材(11)は、前記第1継手部材(1)の上方に位置決めされる。次いで、前記第1継手部材(1)の前記継手端部(3)を規定する直線ガイド表面を提供する前記直線カム表面(5)及び鍔(33)を越えて、(矢印で示される通りの)横方向に前記第2継手部材(11)を移動させる。この移動によって、前記従動部(15)の前記先端部(16)が前記直線カム表面(5)の前記先端部(6)に係合する。前記後部(7)の方へ前記直線カム表面(5)に沿って前記従動部(15)を移動させることによって、前記第1継手部材及び前記第2継手部材(1及び11)の前記継手端部(3及び13)は密封係合し、前記継手開口部(46及び34)は流体係合する。次いで、流体は、前記第1継手部材の前記接続端部(4)から、前記第1継手部材(1)の前記本体(2)を通って提供される前記流路(91)を通り、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)を通って提供される前記流路(81)内を通り、前記第2継手部材(11)の前記接続端部(14)に至ることができる。
【0104】
前記第2継手部材(11)の前記従動部(15)と前記ガイド従動部(13/45)との間に提供される開いた楔形は、前記第1継手部材(1)の前記頂点(8)の位置を決めるのに役立つ。結果的に、使用者は、前記直線カム表面(5)によって提供される楔形として、前記第1継手部材(1)の上方に前記第2継手部材(11)を正確に位置決めする必要はなく、前記第1継手部材(1)の前記直線ガイド表面(3/33)が前記第2継手部材(11)を位置決めする。ゆえに、本発明の前記流体ライン継手は、かなりの程度の技巧を必要としない。
【0105】
前記従動部(15)が前記直線カム表面(5)に沿って移動する場合、
図13及び
図14に開示される本発明の前記実施形態の操作によって前記第2継手部材(11)(パイプなどのあらゆる付属品)が前記第1継手部材(1)に対して長手方向に移動する。しかし、
図2、
図4、
図6、
図8、
図10及び
図12に示される前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の前記実施形態が
図13及び
図14に示される方法で係合する場合、前記第2継手部材(11)は、前記直線カム表面(5)の垂直な向きのため、連結の間、長手方向に移動する必要がない。ゆえに、有利には、例えば、長さを変化させることができないパイプ(例えば、二地点間接続における非可撓性金属パイプ)を嵌合する場合、(前記流路の長手方向の前記軸線に対する)前記直線カム表面(5)の垂直になる性質によって、簡単な嵌合が可能になる。
【0106】
図15は、前記第2継手部材(11)の実施形態の分解図を提供する。
図15に示される前記第2継手部材(11)は、六角形係止ナット(82)及びホース保持部材(83)を含むホース接続手段の例を含む。前記ホース保持部材(83)は、垂直な前方面と斜めに下方傾斜した後方面とを有する一連の放射状突出部(84)を有する。前記ホース保持部材(83)と協同する前記係止ナット(82)は、前記第2継手部材と協同してホース(図示せず)を保持するように作用し、前記構成要素は、前記係止ナット(82)が前記第2継手部材(11)の前記本体(12)上に提供された前記ねじ山(19)と係合する前に前記第2継手部材(11)の前記流路(81)内に前記ホース保持部材(83)を配置することによって構築される。前記係止ナット(82)の回転によって、前記ホース保持部材(83)が前記第2継手部材(11)の前記流路(81)内に固定される。続いて、前記ホース保持部材(83)は、ホースの流路の中に位置決めされる。前記放射状突出部(84)の斜めに下方傾斜した前記後方面は、前記ホース保持部材(83)を覆って前記ホースを位置決めすることを補助し、前記前方垂直面は、前記ホースが前記ホース保持部材(83)から分離することを防止するのに役立つ。
【0107】
一旦、前記第2継手部材(11)の前記流路(81)内で固定されると、前記ホース保持部材(83)は、前記流路の中で回転することが可能であり、それによって、前記ホース保持部材(83)及びあらゆる接続されたホース(図示せず)に対する前記第2継手部材(11)の軸線方向の回転が可能になる。このことは、ほとんど可撓性を有さない大きなホース(6インチのホースなど)を用いる場合に特に有用であり、前記第1継手部材(1)との係合のための前記第2継手部材(11)の簡単な配向を可能にする。
【0108】
図16及び
図17は、前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の係合を示す。見ることができるように、前記第1(1)継手部材及び第2(11)継手部材の前記本体(2及び12)は、軸線方向に配置された。この配置において、前記継手開口部(
図16及び
図17では見ることができない)は流体連通されたが、前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の前記継手端部(
図16及び
図17では見ることができない)は密閉係合する。
【0109】
図18は、具体的には、流体ライン(202)へのタップ(201)の迅速接続を可能にするように適合させた本発明のさらなる実施形態を示す。前記第1継手部材(1)は、ねじ山(図示せず)を介して前記タップ(201)に接続される。標準的なねじ山の形態は、本技術分野で知られており、国ごとに、及び、用途に応じて変化し得る。例えば、外部のタップ及びホースは、オーストラリア及び英国などの英連邦国家におけるBritish Standard Pipe(BSP)を利用するが、Garden Hose Thread(GHT)は、米国で一般的である。
図18に示される実施形態において、前記流体ライン(202)は、前記第1継手部材(1)と密封係合する前記第2継手部材(11)に接続される。前記流体ライン(202)は、前記第2継手部材(11)上のねじ山(図示せず)にねじ留めする係止ナット(82)を介して前記第2継手部材(11)に接続して保持される。前記第2継手部材は、前記第1継手部材(1)からの前記第2継手部材(11)の解除を可能にするために解放され得る係止機構(111)を含む。
【0110】
図19は、
図18に示される通りの、タップへの取り付けのために適合させた前記第1継手部材(1)の実施形態の側面図を示す。前記第1継手部材(1)は、前方継手端部(3)及び後方接続端部(4)を有する本体(2)を含む。前記本体は、前記接続(4)端部から前記継手端部(3)への流体の流動を可能にするために、それを通る、長手方向に延びる流路(図示せず)を含む。
【0111】
前記第1継手部材の前記本体(2)は、前記流路の長手方向の前記軸線(破線によって示される)に対して上方傾斜した直線カム表面(5)を含む。前記直線カム表面は、先端部(6)及び後部(7)を有する。前記第1継手部材(1)は、示された前記実施形態において前記継手端部(3)によって提供される直線ガイド表面も含む。
【0112】
図20は、
図19の前記第1継手部材(1)の三次元の図を示す。見ることができるように、前記第1継手部材(1)は、継手開口部(34)を提供するために前記継手端部(3)の前記平坦面と交差する流路を含む。さらに、(示された前記実施形態における前記継手端部も提供する)前記ガイドは、前記直線カム表面(5)の前方に位置決めされる面(33)を有する鍔(31)によって提供される。前記第1継手部材(1)の前記継手端部(3)は、前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材が係合する場合に密封を形成することを補助するゴム座金(241)を位置決めするための環状溝(35)を含む。
【0113】
図21及び
図22は、
図19及び
図20の前記第1継手部材(1)との接続のための本発明の実施形態の前記第2継手部材(11)の正面図及び三次元の図を(それぞれ)示す。前記第2継手部材(11)は、流体ライン(202)に接続されるものとして示される前方継手端部(13)及び後方接続端部(14)を有する本体(12)を含む。
【0114】
前記第2継手部材(11)の前記本体(12)は、前記第1継手部材の前記カム表面(5)と相互作用するように適合させた従動部(15)を含む。前記従動部(15)は、先端部(16)及び後部(17)を有する。前記第2継手部材(11)は、示された前記実施形態において前記第2継手部材の前記継手端部(13)によって提供されるガイド従動部も含む。
【0115】
さらに、手作業で係合するように適合させた凹部(251)を含む係止機構(111)が
図21及び
図22に示される。前記係止機構(111)は、傾斜表面(253)を各々含む2つの突出部(252)を含む。前記係止機構は、前記第2継手部材(11)の前記本体(12)に固定された少なくとも1つの弾性アーム(図示せず)を含む。前記突出部(252)の前記傾斜表面(253)は、前記第2継手部材(11)を前記第1継手部材(1)に接触させた場合に前記係止機構(111)の長手方向の移動を容易にする。前記傾斜表面に横方向の力を加えた場合、前記係機構止の前記弾性アームが曲がり、前記突出部(252)が第1位置から第2位置に長手方向に移動して、前記従動部(15)と前記ガイド従動部(13/45)との間の前記空隙(71)の中に第1継手部材(1)が位置決めされる。次いで、前記突出部(252)は、それらの元の、最初の位置に戻り、前記第1継手(1)部材上の部分(242(
図20参照))を受け入れて係合して、互いに対する前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の移動を制限する。前記継手部材を解放するために、前記係止機構(111)の前記凹部(251)に手作業で係合し、前記第1継手部材(1)を前記空隙(71)から取り除くことができる前記第2位置へ長手方向に前記係止機構(111)を移動させる。解放の際、前記係止機構(111)は、その元の、最初の位置に戻るように、(1又は複数の)弾性アームによって付勢される。
【0116】
本発明の流体ライン継手は、直径が3〜6インチの大きい流体及びガスライン、ガーデンホース及び洗浄機械などの家庭向け機器に接続されるホースなどの小さい流体ライン、乗物のための流体ライン、灌漑ライン及び液圧ラインが挙がられるが、それらに限定されるものではない用途の範囲を有する。
【0117】
図23〜
図27に、(他の用途の中で)灌漑システムのために適合させた前記第1継手部材の実施形態が示される。これらの図は、1又は複数の流体ラインの相互接続を可能にするいくつかの雄型接続部を示した。具体的には、
図23は単一雄型コネクタを開示し、
図24は両端雄型コネクタを開示し、
図25は三方向雄型接続部を開示し、
図26は四方向雄型コネクタを開示し、
図27は両端雄エルボコネクタを開示する。示された前記コネクタの全ては、
図4、
図8及び
図12に示される前記第2継手部材に接続するように適合される。
【0118】
示された前記継手は、前方継手端部(3)を有する本体(2)を含む。複数の雄型端部(
図24〜
図27におけるものなど)を有する実施形態において、前記雄型端部の少なくとも1つは、後方接続端部(4)を構成する。結果的に、本明細書にわたって用いられる通りの後方接続端部という用語は、接続端部への前記流路の反対の端部上に位置決めされる機能を行う。前記本体(2)は、流体が前記接続(4)端部から前記継手端部(3)に流れることを可能にするための、それを通る、長手方向に延びる少なくとも1つの流路(図示せず)を含む。前記第1継手部材の前記本体(2)は、前記流路の長手方向の軸線に対して垂直方向に上方傾斜した直線カム表面(5)を含む。
【0119】
図28及び
図29は、油圧式流体ライン、空気圧式流体ライン及び/又は他の高圧式流体ラインに適合させた本発明の実施形態を示す。具体的には、
図28は、高圧用途に適合させた前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の実施形態の(それぞれ)上側の三次元の図及び下側の三次元の図を示す。
図28に示された前記継手の前記第1継手部材(1)は、前方継手端部(3)及び後方接続端部(4)を有する本体(2)を含む。前記本体は、流体が前記接続(4)端部から前記継手端部(3)に流動することを可能にするための、それを通る、長手方向に延びる流路を含む。前記第1継手部材の前記本体(2)は、前記流路の長手方向の軸線に対して垂直方向に上方傾斜した直線カム表面(5)を含む。前記第1継手部材は、一端(332)で前記本体に固定された弾性アーム(331)を含む係止機構(111)をさらに含む。
【0120】
前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の係合の方向が、前記継手を通る流体の流動方向に対して、概して横方向である場合、本発明は、特に高圧式用途で有用である。結果的に、前記ラインの中の流体圧力は、前記継手を解除するように作用しない。このように、本発明の前記流体ライン継手は、少なくとも400psiの圧力に耐えることができる。
【0121】
油圧式流体ライン又は他の高圧式流体ラインのための前記継手は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、金属の合金及び他の複合材料が挙げられるあらゆる適切な材料で構築され得る。前記継手の構築のための材料の選択は、前記継手の圧力定格に依存し、当業者によって決定される。
【0122】
図30及び
図31は、第1継手部材(1)及び第2継手コネクタ(11)を含む、本発明に係る多重流路コネクタの三次元の図を提供する。前記第1継手コネクタ(1)の前記接続端部(4)は、前記第1継手コネクタ(1)を通る4つの平行な流路の各々についての4つの開口部(342)を含む。前記第2継手部材(11)の前記接続端部(14)は、
図31に示され、前記第2継手コネクタ(11)を通り、前記第1継手部材(1)の4つの同軸流路と流体連通する4つの平行な流路の各々についての4つの開口部(343)を含む。
【0123】
さらに、上向き方向の前記第2継手部材の横方向移動を限定することによって、前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の解放を防止する係止機構(111)が
図30及び
図31に示される。
【0125】
図32及び
図33は、前記第1継手部材(1)に一端(332)で固定された弾性アーム(331)を含む係止機構(111)を示す。力を加えた場合、(図示される通りの)静止第1係止位置から第2係止解除位置(図示せず)に前記係止機構(111)を移動させることが可能であり、それによって、それは、前記第2継手部材(11)の上部(335)に係合する。前記第2係止解除位置への前記係止機構(111)の移動によって、前記係止機構は前記第2継手部材から解除され、それによって、前記第2継手部材(11)は、前記第1継手部材(1)から解除される。前記係止機構(111)から前記力を除去すると、前記弾性アームは、前記係止機構を、
図35の左側の係止機構(111)上に示される通りの前記静止第1係止位置に付勢して戻す。
【0126】
図33に示されるように、タブ(334)は、手作業による前記係止機構(111)の係合を可能にし、前記静止第1係止位置から前記第2係止解除位置への移動を容易にするために含まれる。
【0127】
図32及び
図33に示される通りの前記係止機構は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの弾性的プラスチック、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム及び金属合金などの、弾性的で、ばねのある金属が挙げられる、本技術分野で知られているいずれの適切な材料も含むことが可能である。
【0128】
図33は、前記第2継手部材(11)に一端(254)で固定された弾性アーム(図示せず)を含む係止機構(111)を示す。力を加えた場合、(図示される通りの)静止第1係止位置から第2係止解除位置(図示せず)に前記係止機構(111)を移動させることが可能であり、それによって、それは、前記第1継手部材(1)の下部(371)に係合する。前記第2係止解除位置への前記係止機構(111)の移動によって、前記係止機構は前記第2継手部材から解除され、それによって、前記第2継手部材(11)は、前記第1継手部材(1)から解除される。前記係止機構(111)から前記力を除去すると、前記弾性アームは、前記係止機構を前記静止第1係止位置に付勢して戻す。
【0129】
図35及び
図36は、前記第1継手部材(1)に枢動自在に搭載されたアーム(113)を含む係止機構(111)を示す。力を加えた場合、(図示される通りの)静止第1係止位置から第2係止解除位置(図示せず)に前記係止機構(111)を移動させることが可能であり、それによって、それは、前記第2継手部材(11)の上部(381及び18(それぞれ
図35及び
図36))に係合する。前記第2係止解除位置への前記係止機構(111)の移動によって、前記係止機構は前記第2継手部材から解除され、それによって、前記第2継手部材(11)は、前記第1継手部材(1)から解除される。
図38の前記係止機構(111)は、2つのアーム(112)及び架橋部分を有する金属ワイヤによって提供され、その結果、前記係止機構(111)の前記アームは、前記第1継手部材(1)の各側面に搭載され、前記架橋部分は、前記第2継手部材の上側凹部(381)に係合して、前記第1(1)継手部材及び前記第2(11)継手部材の解放を防止する。
図39の前記係止機構(111)は、前記第1継手部材(1)の各側面に搭載された2つのアーム(112)と、2つの前記アーム(112)を連結する架橋部分とによって提供される。前記架橋部分は、前記第2継手部材(11)の頂点(18)に係合するように適合させた突出部(114)を含む。
【0130】
図36に示されるように、タブ(334)は、手作業による前記係止機構(111)の係合を可能にし、前記第1係止位置から前記第2係止解除位置への移動を容易にするために含まれる。
【0131】
図38及び
図39に示される通りの前記係止機構は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのプラスチック、鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属、及び金属合金などの複合材料が挙げられる、本技術分野で知られているいずれの適切な材料も含むことができる。
【0132】
本発明の範囲を逸脱することなく、前もって記載された部分に対して、各種の改変、追加及び/又は修正が為されてもよく、上記の教示に鑑みて、当業者によって理解される通りの様々な方法で本発明を実施してもよいことを理解すべきである。
【0133】
例えば、本出願からの優先権を主張することによって、分割状態を主張することによって、及び/又は継続状態を主張することによって、本出願を基礎として将来の特許出願を出願してもよい。以下の請求項は、そのような将来のあらゆる出願において主張され得るものの範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。
【国際調査報告】