(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-519961(P2020-519961A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(54)【発明の名称】順方向バイアス凸部を備えた光コネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20200605BHJP
【FI】
G02B6/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-563072(P2019-563072)
(86)(22)【出願日】2018年5月17日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月11日
(86)【国際出願番号】US2018033063
(87)【国際公開番号】WO2018213514
(87)【国際公開日】20181122
(31)【優先権主張番号】62/508,390
(32)【優先日】2017年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/979,473
(32)【優先日】2018年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/979,483
(32)【優先日】2018年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516183185
【氏名又は名称】センコー アドバンスド コンポーネンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,イム
(72)【発明者】
【氏名】ホーマン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】高野 一義
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036QA03
2H036QA32
2H036QA49
2H036QA56
(57)【要約】
1つ又は複数の光ファイバを収容するように構成されたフェルールを有する光コネクタが提供される。フェルールを保持するための内部ハウジングが提供され、この内部ハウジングは、接続方向の遠位端とケーブル方向の近位端とを有している。外側ハウジングは、内側ハウジングを少なくとも部分的に囲んでいる。外側ハウジングを内側ハウジングの遠位端に向かってバイアスさせるために、1つ又は複数の弾性順方向バイアス凸部が、外側ハウジング又は内側ハウジングの1つ又は複数から延びている。弾性順方向バイアス凸部は、内側ハウジング又は外側ハウジングと一体的に形成されていてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の光ファイバを収容するように構成されたフェルールと;
前記フェルールを保持するように構成され、接続方向の遠位端とケーブル方向の近位端とを有している内側ハウジングと;
前記内側ハウジングを少なくとも部分的に囲んでいる外側ハウジングと;
前記外側ハウジングを前記内側ハウジングの前記遠位端に向かってバイアスさせるために前記外側ハウジング又は前記内側ハウジングの1つ又は複数から延びている1つ又は複数の弾性順方向バイアス凸部と
を備えた光コネクタ。
【請求項2】
前記1つ又は複数の弾性順方向バイアス凸部は、前記内側ハウジングと一体的に形成されている、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記1つ又は複数の弾性順方向バイアス凸部は、前記外側ハウジングと一体的に形成されている、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記光コネクタはMPO光コネクタである、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記弾性順方向バイアス凸部は、前記外側ハウジングから突出した主要屈曲可能アームを含んでいる、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記屈曲可能アームの遠位端は、内側ハウジングのフランジに接触するように構成されている、請求項5に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記外側ハウジングから延びている1つ又は複数の補助屈曲可能アームを更に備えている、請求項5に記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記外側ハウジングから延びている前記1つ又は複数の補助屈曲可能アームは、前記主要屈曲可能アームに作用して前記外側ハウジングを前記内側ハウジングの前記遠位端に向かってバイアスさせるための弾性力を高めるように構成されている、請求項7に記載の光コネクタ。
【請求項9】
前記外側ハウジングから延びている前記1つ又は複数の補助屈曲可能アームは、内側ハウジングのフランジに接触するように構成されている、請求項7に記載の光コネクタ。
【請求項10】
前記弾性順方向バイアス凸部は、前記内側ハウジングから突出した屈曲可能アームを含んでいる、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項11】
前記屈曲可能アームの遠位端は、外側ハウジングの近位表面に接触するように構成されている、請求項10に記載の光コネクタ。
【請求項12】
前記弾性順方向バイアス凸部は、前記内側ハウジングから延びるランプである、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項13】
前記外側ハウジングが近位方向に引き込まれる際に前記ランプに接触すると開くように構成された屈曲ウィングを更に含んでいる、請求項12に記載の光コネクタ。
【請求項14】
前記弾性順方向バイアス凸部は、前記内側ハウジング上に形成された屈曲くさびである、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項15】
前記外側ハウジングが近位方向に引き込まれると、前記外側ハウジングの近位端が前記屈曲くさびを圧縮する、請求項14に記載の光コネクタ。
【請求項16】
前記内側ハウジングの表面にスライド可能に保持された極性変更キーを更に備え、前記極性変更キーは、前記内側ハウジング上に前記極性変更キーを保持するために変形可能な内側ハウジング突起と協働する開口を含んでいる、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項17】
前記弾性順方向バイアス凸部は、前記外側ハウジングから突出した少なくとも2つの屈曲可能アームを含んでいる、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項18】
前記少なくとも2つの屈曲可能アームは、内側ハウジングのフランジに接触するように構成されている、請求項17に記載の光コネクタ。
【請求項19】
前記外側ハウジングが完全に引き込まれた状態でも前記少なくとも2つの屈曲可能アームの間に隙間が存在している、請求項18に記載の光コネクタ。
【請求項20】
複数の光ファイバを収容するように構成されたフェルールであって、前記フェルールの少なくとも1対の対向する外面から延びている段付き部分を含んだフェルールと;
接続方向の遠位端とケーブル方向の近位端とを有し、前記遠位端からフェルールスプリング及び前記フェルールを受け入れるように構成されたワンピースハウジングバックポストとを備え、
前記ハウジングバックポストは、少なくとも1対の対向する内側壁と、側壁から延びて前記フェルールの対応する前記段付き部分と係合する少なくとも1つの弾性変形可能なフェルール保持突起とを有し、前記弾性変形可能なフェルール保持突起は、前記フェルールを前記遠位端から挿入すると前記ハウジングバックポストの内側壁に向かって変形し、前記フェルールが前記ハウジングバックポストに固定されて前記フェルールを前記ハウジングバックポストに保持すると前記フェルールの段付き部分に対して外側に延びるように構成されている、
光コネクタ。
【請求項21】
本体と前記本体から各々が延びている上部アーム及び下部アームとを有するピンキーパを更に備え、
前記ハウジングバックポストは、前記遠位端から前記ピンキーパを受け入れるように構成され、前記上部アーム及び下部アームは、各々が前記フェルールの上側と下側とを保持して、前記ハウジングバックポストに前記フェルールを保持するように構成されている、
請求項20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記ハウジングバックポスト上にスライド可能に保持された極性変更キーを更に備え、前記極性変更キーは、前記ハウジングバックポスト上に前記極性変更キーを保持するために変形可能なハウジングバックポスト突起と協働する開口を含んでいる、請求項21に記載の光コネクタ。
【請求項23】
複数の光ファイバを収容するように構成されたフェルールであって、前記フェルールの少なくとも1対の対向する外面から延びている段付き部分を含んだフェルールと;
接続方向の遠位端とケーブル方向の近位端とを有し、前記遠位端からフェルールスプリング及び前記フェルールを受け入れるように構成されたワンピースハウジングバックポストと;
前記フェルールをハウジングバックポストに保持するために前記ハウジングバックポストの遠位端に配置されたクリップであって、前記ハウジングバックポストの1つ又は複数の側壁開口内に保持された1つ又は複数の突起を含んだクリップと
を備えた光コネクタ。
【請求項24】
前記クリップは、前記ハウジングバックポストの開口内に保持された1つ又は複数の弾性変形可能なクリップ突起を含んでいる、請求項23に記載の光コネクタ。
【請求項25】
前記クリップは、前記フェルールを前記ハウジングバックポスト内に保持するために前記フェルールの前記段付き部分に接触する遠位端から近位端に向かって狭くなる傾斜側壁を含んでいる、請求項23に記載の光コネクタ。
【請求項26】
前記ハウジングバックポスト上にスライド可能に保持された極性変更キーを更に備え、前記極性変更キーは、前記ハウジング上に前記極性変更キーを保持するために変形可能なハウジングバックポスト突起と協働する開口を含んでいる、請求項23に記載の光コネクタ。
【請求項27】
複数の光ファイバを収容するように構成されたフェルールであって、前記フェルールの少なくとも1対の対向する外面から延びている段付き部分を含んだフェルールと;
接続方向の遠位端とケーブル方向の近位端とを有し、前記遠位端からフェルールスプリング、ピンキーパ、及び前記フェルールを受け入れるように構成されたワンピースハウジングバックポストとを備え、
前記ピンキーパは、本体と前記本体から各々が延びている上部アーム及び下部アームとを含み、前記上部アーム及び下部アームは、前記段付き部分に隣接する前記フェルールを把持するように構成されたフェルール保持突起を含み、前記ピンキーパの本体は、ハウジングバックポスト内のピンキーパを保持するために前記ハウジングバックポストの嵌合開口と協働する変形可能な突起の少なくとも第1の対を含んでいる、
光コネクタ。
【請求項28】
前記ハウジングバックポスト内のピンキーパを保持するために前記ハウジングバックポスト内の嵌合開口と協働する変形可能な突起の第2の対を更に備えている、請求項27に記載の光コネクタ。
【請求項29】
前記ハウジングバックポストの表面にスライド可能に保持された極性変更キーを更に備え、前記極性変更キーは、前記ハウジングバックポストに前記極性変更キーを保持するために変形可能なハウジングバックポスト突起と協働する開口を含んでいる、請求項27に記載の光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2017年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/508,390号、並びに、2018年5月15日に出願された米国仮特許出願第15/979,473号及び第15/979,483号に対する優先権を主張し、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に光コネクタに関し、より具体的には、順方向バイアス凸部を有する光コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
企業及び個人消費者による帯域幅の需要は、指数関数的に増加し続けている。この需要を満たすべく、光ファイバが標準のケーブル媒体になっている。ファイバ光学は、直径が約250ミクロンであるガラス又はポリマーの個々の光ファイバに依存している。データセンタでは、1つ又は複数の光ファイバを含む個々の光ファイバケーブルを備えた高密度ケーブルを使用している。通常、これらの高密度環境では、単一のマルチファイバケーブルから複数の光ファイバを接続するためにMPO(マルチプッシュオン)コネクタが使用される。ファイバの数は、例えば、8、16、32、又は64本である。MPO光コネクタには、大きな横荷重がかかる。これらの横荷重は、ケーブルが下方向に曲げられることにより、機器の接続点で発生する。横荷重がかかった光ファイバケーブルが
図2Bに示されている。
【0004】
更に、現在の光コネクタは、通常、単一のコネクタに組み入れられた多くの小さな部品を使用している。従来技術のコネクタの一例が
図1A(分解図)及び
図1B(組立図)に示されている。従来技術のコネクタ10は、ダストキャップ15と、内側ハウジング25を囲み、コネクタの遠位(接続方向)端に向かって外側ハウジングを付勢するためにマイクロスプリング30を用いる外側ハウジング20とを含んでいる。近位端から順に、バックポスト55、スプリング70、ピンキーパ50、ガイドピン45、光フェルール35、及びフェルールブーツ40が、内側ハウジング25に組み込まれている。クリンプリング60及びブーツ65は、光ケーブルの端部を覆って取り付けられている。多くの設計では、組み立て時に互いに「スナップフィット」する部品を使用している。例えば、
図1Aのコネクタでは、バックポスト55は、内側ハウジング25にスナップフィットしている。したがって、使用中の横荷重のストレスだけでなく、組み立てのストレスによっても、これらの部品が破損する可能性がある。更に、
図2B(矢印は荷重方向を示す)にあるように、試験中にも部品に対して力学的ストレスがかかり、光コネクタの部品が故障する他の機会をもたらしている。
【0005】
現在の光コネクタは、
図1及び2Aに示されているバックポストを備えている。バックポストは、
図2に見られるように、領域75において、横荷重の下で破損しやすい一対の脚を含んでいる。通常、バックポストは、ポリマーコンポーネントから製造され、コネクタハウジングにスナップフィットするように構成されている。バックポストの脚の破損は、
図2Cの矢印で示すように、又は、バックポストの脚の角でバックポストのベースと出会う場所において、バックポストがハウジングにラッチするポイントで発生する可能性がある。コネクタが破損すると、光ファイバによって伝送されるトラフィックが中断される可能性があり、新しいコネクタをファイバの端に接続する必要があるが、これは時間がかかるプロセスである。したがって、当技術分野では、強い横荷重力に耐えることができる光コネクタが必要とされている。
【0006】
光ファイバコネクタは、典型的には、
図1A及び4Bに示されているように、1対のハウジングマイクロスプリングによって順方向に弾力的にバイアスされる外側ハウジングを備えている。コネクタの製造は、本体と外部ハウジングの間に注意深く組み立てる必要があるこれらのスプリングの存在によって、複雑化している。更に、スプリングは、曲げられたり、隣接するスプリングコイルが互いに絡み合ったりすることによって、故障する場合がある。したがって、当技術分野においては、組み立てを容易にし、潜在的なコネクタ故障を低減するために、マイクロスプリングを含まない光ファイバコネクタに対するニーズが存在している。
【発明の概要】
【0007】
1つ又は複数の光ファイバを収容するように構成されたフェルールを有する光コネクタが提供される。フェルールを保持するための内部ハウジングが提供され、この内部ハウジングは、接続方向の遠位端とケーブル方向の近位端とを有している。外側ハウジングは、内側ハウジングを少なくとも部分的に囲んでいる。外側ハウジングを内側ハウジングの遠位端に向かってバイアスさせるために、1つ又は複数の弾性順方向バイアス凸部が、外側ハウジング又は内側ハウジングの1つ又は複数から延びている。弾性順方向バイアス凸部は、内側ハウジング又は外側ハウジングと一体的に形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、従来技術の光コネクタの分解図である。
図1Bは、従来技術の光コネクタの組立図である。
【0009】
【
図2】
図2Aは、従来技術の光コネクタバックポストを示している。
図2Bは、従来技術の光コネクタバックポストを示している。
図2Cは、従来技術の光コネクタバックポストを示している。
【0010】
【
図3】
図3Aは、一実施形態による光コネクタの組立図である。
図3Bは、一実施形態による光コネクタの分解図である。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【
図5-1】
図5Aは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタの組立図である。
【0015】
【
図5-2】
図5Bは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタの組立図である。
図5Cは、
図5Bのコネクタの拡大図であり、ハウジングが引き込まれるにつれて2つの順方向バイアス凸部がアクティブになっているが互いに触れてはいない。
図5Dは、
図5Bのコネクタの更なる拡大図であり、外側ハウジングが完全に引き込まれている。
【0016】
【
図5-3】
図5Eは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタの組立図である。
図5Fは、ハウジングが引き込まれている際の
図5Eのコネクタの拡大図であり、順方向バイアス凸部がアクティブになっているが互いに触れてはいない状態を示している。
【0017】
【
図6A】
図6Aは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【0018】
【
図6B】
図6Bは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【
図6C】
図6Cは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【0019】
【
図7A】
図7Aは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【
図7B】
図7Bは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【
図7C】
図7Cは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【
図7D】
図7Dは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【0020】
【
図8A】
図8Aは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【
図8B】
図8Bは、更なる実施形態による順方向バイアス凸部を備えた光コネクタを示している。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【
図12】
図12は、光コネクタのハウジングバックポストの斜視図である。
【0025】
【
図13-1】
図13Aは、光コネクタのハウジングバックポストに挿入されているフェルールを示している。
図13Bは、光コネクタのハウジングバックポストに挿入されているフェルールを示している。
【
図13-2】
図13Cは、光コネクタのハウジングバックポストに挿入されているフェルールを示している。
【0026】
【
図14-2】
図14Bは、一実施態様によるピンキーパの斜視図を示している。
図14Cは、一実施態様によるピンキーパの上面図を示している。
図14Dは、一実施態様によるピンキーパの側面図を示している。
【0027】
【0028】
【
図16】
図16は、一実施形態による光コネクタの分解図を示している。
【0029】
【
図17】
図17は、
図16のフェルール、クリップ、及びハウジングバックポストの部分断面の拡大側面図を示している。
【0030】
【
図18】
図18Aは、一実施形態によるピンキーパの斜視図を示している。
図18Bは、一実施形態によるピンキーパの斜視図を示している。
図18Cは、一実施形態によるピンキーパ/フェルールアセンブリの斜視図を示している。
【0031】
【
図19】
図19Aは、ハウジングバックポスト中に組み入れられた
図18Cのピンキーパ/フェルールアセンブリを示している。
図19Bは、ハウジングバックポスト中に組み入れられた
図18Cのピンキーパ/フェルールアセンブリを示している。
【0032】
【
図20】
図20Aは、本開示の任意の光コネクタで使用され得る極性変更キーの組み立て及び解体を示している。
図20Bは、本開示の任意の光コネクタで使用され得る極性変更キーの組み立て及び解体を示している。
図20Cは、本開示の任意の光コネクタで使用され得る極性変更キーの組み立て及び解体を示している。
図20Dは、本開示の任意の光コネクタで使用され得る極性変更キーの組み立て及び解体を示している。
図20Eは、本開示の任意の光コネクタで使用され得る極性変更キーの組み立て及び解体を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、説明される特定のシステム、装置、及び方法に限定されず、これらは異なり得る。本明細書で使用される用語は、特定のバージョン又は実施形態のみを説明するためのものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0034】
本明細書において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、複数への参照を含んでいる。別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示に記載された実施形態の何れも、従来発明のためにそのような開示に先行する権利を与えられないことの承認として解釈されるべきではない。この文書で使用されている「comprising」という用語は、「含むが、これに限定されない」ことを意味している。
【0035】
以下の用語は、本出願の目的において、以下に記載される各々の意味を有するものとする。本明細書で使用される「コネクタ」は、第1のモジュール又はケーブルを第2のモジュール又はケーブルに接続するデバイス及び/又はそのコンポーネントを表す。コネクタは、光ファイバ伝送又は電気信号伝送用に構成することができる。コネクタは、現在既知又は今後開発される任意の適切なタイプとすることができ、例えば、フェルールコネクタ(FC)、ファイバ分散データインタフェイス(FDDI)コネクタ、LCコネクタ、メカニカルトランスファー(MT)コネクタ、スクエア(SC)コネクタ、SCデュプレックスコネクタ、MPOコネクタ、又はストレートチップ(ST)コネクタであってもよい。コネクタは、一般に、コネクタハウジング本体によって定義されてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング本体には、本明細書に記載の構成要素の何れか又は全てが組み込まれていてもよい。
【0036】
「光ファイバケーブル」又は「光ケーブル」とは、光ビームで光信号を伝導するための1つ又は複数の光ファイバを含んだケーブルを指す。光ファイバは、ガラス、ガラス繊維、及びプラスチックなどの適切な透明材料で構成することができる。ケーブルには、光ファイバを囲むジャケット又はシース材料を含めることができる。更に、ケーブルは、ケーブルの一端又は両端のコネクタに接続することができる。本明細書で使用する「光ファイバ」という用語は、全てのタイプのシングルモード及びマルチモード光導波路、例えば、1つ又は複数のベア光ファイバ、被覆光ファイバ、ルースチューブ光ファイバ、タイトバッファ光ファイバ、リボン状光ファイバ、曲げ性能光ファイバ、曲げ非感受性光ファイバ、ナノ構造光ファイバ、又は光信号を送信するための他の任意の手段に適用されることが意図されている。
【0037】
様々な実施形態の説明において、「遠位」という用語は、光コネクタと共に使用される場合、光コネクタの接続方向を表している。他方、「近位」という用語は、光コネクタのケーブル方向を表している。他の部品と関連して使用される場合、「近位」という用語は部品の取り付け点に最も近い場所を指し、「遠位」という用語は部品の取り付け点から最も遠い場所を指している。
【0038】
図3A及び
図3Bは、それぞれ、一実施形態による光コネクタ300の等角図及び分解図を示している。コネクタ300は、フェルール301を保持するように構成されたワンピースハウジングバックポスト310を含むことができる。なお、本実施形態は、
図1に示す従来のツーピースの内側ハウジングと別個のバックポストとの組み合わせでも使用することができる。本明細書及び請求の範囲では、「内側ハウジング」という表現を、一般的に、ワンピースハウジングバックポスト又はツーピースハウジングとバックポストとの組合せの何れかを含む意味で使用している。ここで、「内側」という表現は、外側ハウジングと「内側」ハウジングとを区別するために使用されており、外側ハウジングは内側ハウジングを少なくとも部分的に囲んでいる。フェルール301は、バイアス部材305によってハウジングの遠位(接続)端部に向かって付勢されるシングルファイバフェルール又はマルチファイバフェルールであってもよい。図ではマルチファイバMPOコネクタとして描かれているが、シングルファイバコネクタ又は上述したコネクタの何れかであってもよい。
【0039】
光コネクタ300は、フェルール301内に延びる一対のガイドピン303a及び303bを受け入れるように構成されたピンリテイナ304を更に含むことができる。コネクタがオス、メス、又は再構成可能コネクタの何れとして構成されているかどうかに応じて、ガイドピンがフェルールを貫通するか、又は、フェルールが嵌合コネクタからのガイドピンを収容するための開口部を有していてもよい。この実施形態ではバネとして描かれているバイアス部材305は、ハウジング310とピンキーパ/リテイナ304との間に配置されて、ハウジング310内でフェルール301を遠位方向にバイアスさせることができる。このようなバイアスは、コネクタ300がアダプタ又は他の接続部に嵌合されたときにフェルール端部のバイアスされた嵌合を提供し、それにより嵌合したフェルール端部を互いに接触状態に保持することができる。ファイバがフェルール301に延びる際のファイバ構成のために、任意部材としてフェルールブーツ307が設けられている。
【0040】
使用中、光ファイバケーブルはコネクタ300の近位端に取り付けられ、ケーブルブーツ307から延びている。光ファイバケーブルは、クリンプリング306又は任意の他のタイプの留置コネクタによってハウジング310に保持されてもよい。圧着リング306などのコネクタは、ケーブルの内側ハウジング及びケーブル被覆(例えばアラミド繊維被覆)に圧着されて、ケーブルが内側ハウジングから引き離されるのを防ぐことができる。ケーブルブーツ307は、圧着接続部の上に配置され、それを通じて延びる光ケーブルの保持を提供する。フェルールブーツは、ケーブルを接続方向から90度の方向に向けるために横荷重を受ける可能性のあるコネクタのために、角度を含むように成形することもできる。
【0041】
基本的な光コネクタには、様々な任意のアクセサリを追加することができる。内側ハウジング310上にスナップフィットする極性変更キー308を追加して、ユーザが光コネクタの極性を変更できるようにすることもできる。これについては、以下で
図20A乃至20Eに関連して詳細に説明する。コネクタが嵌合コネクタ又は他のデバイスに接続されていない場合、フェルールとその中に含まれる光ファイバを保護するために、コネクタの遠位端に適合する任意のダストキャップ309を追加することもできる。
【0042】
コネクタ300は、内側ハウジング310を少なくとも部分的に取り囲み、コネクタ300の遠位端に隣接する内側ハウジング310(及び、任意にキー308)の周りにスライド可能に配置される、変位可能な外側ハウジング320を更に含んでいてもよい。
【0043】
図4A及び4Bは、本実施形態による光コネクタ300と
図1に示す従来技術のコネクタとの間の詳細な比較を提供する。
図4Aに示されているように、本実施形態の光コネクタ300の外側ハウジング320は、外側ハウジングを内側ハウジング310の遠位端に向かってバイアスさせるために、外側ハウジングと一体に形成され且つ外側ハウジングから延びている弾性順方向バイアス凸部321を有することができる。一対のマイクロスプリング103a及び103bが外部ハウジング120を本体110の遠位端に向かってバイアスさせるために使用される
図4Bに示されるような従来技術のコネクタとは対照的に、本実施形態による光コネクタ300は、マイクロスプリングを含んでいない。それゆえ、組み立てが簡素化され、潜在的なコネクタ障害が減少する。
【0044】
図4Cは、組み立て後の本実施形態に係る光コネクタ300を示している。
図4Cに示されているように、弾性順方向バイアス凸部321は、外側ハウジング320と一体に形成され、そこから突出する屈曲可能アームであってもよい。屈曲可能アーム321は、内側ハウジング310のフランジ311に接触するように構成されている。外側ハウジング320が内側ハウジング310に沿って近位(ケーブル)方向に引っ張られると、屈曲可能アーム321が曲げられる。すると、曲げられたアーム321は、外側ハウジングを内側ハウジングの遠位端に向かってバイアスさせる復元力を及ぼす。
【0045】
図5Aは、更なる実施形態による光コネクタを示している。
図5Aに示されているように、屈曲可能アーム521は、外側ハウジング520と一体的に形成され、外側ハウジング520から突出している。屈曲可能アーム521は、内側ハウジング510のフランジ511に接触するように構成されている。主要屈曲可能アーム521に加えて、光コネクタ500は、外部ハウジング520から突出し且つ主要屈曲可能アーム521に作用して外部ハウジング520を内部ハウジング510の遠位端にバイアスさせる弾性力を高めるように構成されている補助屈曲可能アーム521aを更に含んでいる。或いは、アーム521aは、オフセットされ、それ自体がフランジ511(図示せず)に作用し、外側ハウジングを遠位方向にバイアスさせる弾性力を高めることもできる。
【0046】
図5Bは、更なる実施形態による光コネクタを示している。
図5Bの実施形態では、外側ハウジング520から突出し且つ外側ハウジング520を内側ハウジング510の遠位端に向かって独立してバイアスさせるように構成された2つの別個の屈曲可能アーム521及び521aが存在している。即ち、屈曲可能アーム521及び521aは、バイアスされていない位置又はバイアスされた位置の何れにおいても互いに接触しない。
図5Cは、作動時の位置、即ち、外側ハウジングが近位方向に向かって引き込まれているときのアーム(521及び521a)の拡大図であり、アーム521及び521aは圧縮される際にも互いに接触しない。
図5Dは、外側ハウジングが完全に引き込まれ、アーム521及び521aが完全に圧縮されている場合においても、アーム521と521aとの間のギャップ521cが存在することを示す拡大図である。
【0047】
図5Eは、外側ハウジングが引き込まれても接触せず、同様に外側ハウジング520を内側ハウジング510の遠位端に向かって独立してバイアスさせるように構成されている屈曲可能アーム(521及び521a)の別の実施形態を示している。
図5Fは、外側ハウジングが近位方向に引き込まれたときのアーム521及び521a間のギャップ521cの拡大図である。本発明の範囲から逸脱することなく、1つ、2つ、又は3つ以上の屈曲可能アームを使用して、上記のようなバイアスを付与することができる。
【0048】
なお、開示されたコネクタでは、3つ以上の屈曲可能アームを含む屈曲可能アームの多くの変形を使用することができる。また、外側コネクタを遠位方向にバイアスさせる追加の弾性力を提供するために、上記の図に示された同じ構成がコネクタの逆側にも存在し得る。
【0049】
図6A乃至6Cは、弾性順方向バイアス凸部が内側ハウジングから延びている別の実施形態による光コネクタ600を示している。
図6Aに示されているように、光コネクタ600は、内側ハウジングと一体に形成され且つ内側ハウジングから突出している屈曲可能アーム612を有する内側ハウジング610を含んでいる。
図6Bに示されているように、内側ハウジング610の屈曲可能アーム612は、組み立て後に外側ハウジング620の端部の表面622に接触するように構成されている。
図6Bにおいて、外側ハウジングは、近位(ケーブル)方向に向かって引き込まれ/引張られており、屈曲可能アーム612を圧縮している。
図6Cに示されているように、屈曲可能アームは、外側ハウジング表面622に対して復元力を及ぼして、外側ハウジングを内側ハウジングの遠位端に向かってバイアスさせている。
図6A乃至6Cには示されていないが、
図5A乃至5Fについて示したのと同様の複数のアームを、外側ハウジングを遠位方向にバイアスさせるために内側ハウジングと共に使用することができる。
【0050】
図7A及び7Bは、更なる実施形態による光コネクタ700を示している。
図7Aに示されているように、光コネクタ700は、内側ハウジング710の近位端に延在する1つ又は複数のランプ713の形態の弾性順方向バイアス凸部を有している。ランプ713と協働するのは、外側ハウジング720の近位端に形成された1つ又は複数の屈曲ウイング723である。
図7Bに示されているように、外側ハウジングが近位方向に引き込まれると、外側ハウジングの屈曲ウイング723は、内側ハウジングのランプ713によって押し開かれることにより、外側に延びる。
図7Cは、外側ハウジングが順方向にバイアスされた位置にあるときの光コネクタ700の断面図を示している。
図7Dは、外側ハウジングが近位方向に向かって引き込まれたときの光コネクタ700の断面図を示している。屈曲ウイング723は外向きに変形していることがわかる。この変形により、ランプ713に対する復元力が生じ、外側ハウジングが内側ハウジング710の遠位端に向かってバイアスされる。
【0051】
図8A及び8Bは、更なる実施形態による光コネクタ800を示している。
図8Aに示されているように、光コネクタ800は、内側ハウジング810の近位端に一体的に形成された1つ又は複数の屈曲くさび814の形態の弾性順方向バイアス凸部を含んでいてもよい。屈曲くさびと協働するのは、その近位端にある外側ハウジング820の剛性エッジ824である。
図8Bに示されているように、外側ハウジングが近位方向に向かって引き込まれると、内側ハウジングの屈曲くさび814は、外側ハウジングの縁部824に接触することにより、内側に曲がる。
【0052】
図9Aは、外側ハウジングが順方向にバイアスされた位置にあるときの光コネクタ800の断面図を示している。
図9Bは、外側ハウジングが近位方向に引き込まれたときの光コネクタ800の断面図を示している。屈曲くさび814は、内側ハウジングの内部に向かって内側に変形していることが分かる。この構成では、外側ハウジングを内側ハウジングの遠位端に向かってバイアスさせるために、外側ハウジングエッジ824に対して復元力が加えられる。
【0053】
図10A及び10Bは、本実施形態によるコネクタを示す
図11A及び11Bと比較して、別個のバックポスト及びハウジングを有する従来技術のコネクタを示している。
図10Aに示されているように、別個のバックポストを有する従来技術のコネクタは、矢印方向で示されるように、近位(ケーブル)端方向から部品を組み立てる。これに対し、
図11A(
図3Bと実質的に類似)では、本実施態様のコネクタは、矢印方向で示されるように、遠位(接続方向)端から部品を組み立てる。
図10Bのツーピースハウジング/バックポスト構成は、
図11Bのワンピースハウジングバックポスト部材310に置き換えられる。
【0054】
有利なことに、一体型のワンピースハウジングバックポストを形成することは、ポリマー、強化ポリマー、セラミック、及び金属を含む様々な材料からハウジングバックポストを製造することを可能にする。特に、ハウジングバックポストは、部品の強度を高めるために、ダイカスト金属から製造することができる。
【0055】
ワンピースハウジングバックポストの拡大図が
図12に示されている。ワンピースハウジングバックポスト1210(ハウジングバックポスト310に実質的に類似)は、フェルールスプリング305及びフェルール301を受け入れるために、ほぼ中央に遠位開口部1260を含んでいる。第1の側壁1280は、ハウジングバックポスト1210の上部に沿って配置され、第2の側壁は、ハウジングバックポスト1210の底部に沿って配置される。第1の側壁には、側壁から内向きに延びてフェルールの対応する段付き部分と係合する1つ又は複数の弾性変形可能なフェルール保持凸部1220が配置されている。
図12の斜視図においては、凸部の外側部分のみが見えている;
図13Aは、凸部1220の突出部分が最もよく見えるハウジング−バックポストの断面図を示している。ハウジングバックポストに切り欠きとして形成されることにより、凸部1220は、フェルールの挿入中に外向きに曲がり、以下の
図13A乃至13Cに関連して説明されるフェルールの段付き部分を収容することができる。
【0056】
ワンピースハウジングバックポスト1210は、以下で更に詳細に議論される極性変更キーと係合させるためのガイド突起1230及び突起1270を更に含んでいる。隆起したほぼ円筒形の部分1250は、カラー1240から延びて、コネクタ組立中に圧着リング306を収容する。
【0057】
図13A乃至13Cを参照すると、凸部1220は、
図13A(組み立てられていない状態)、
図13B(フェルールがハウジングバックポストに入るときの状態)、及び、
図13C(組み立てられたフェルールを含む状態)の断面図で明確に見ることができる。
図13Bに示されているように、フェルール段付き部1323が遠位端からハウジングバックポスト1210に挿入されると、凸部1220は外側に曲がる/変形する。フェルールがハウジングバックポスト1210固定された後、
図13Cに示されているように、凸部1220はその初期位置に戻る。これにより、フェルールがハウジングバックポストにフェルール301を保持するために段付き部1323に突き当たるときに、フェルールの前方への移動が抑止される。
【0058】
ハウジングバックポスト1210内にフェルール301を保持することを更に支援するために、
図14B乃至14Dのピンキーパを任意に用いることができる。
図14Aに示す従来のピンキーパと比較して、
図14B乃至14Dは、ピンキーパ本体と、それぞれが本体1420から延びている上部アーム1430及び下部アーム1440を含んでいる。
図15の組立断面図に見られるように、上部アーム1430及び下部アーム1440は、フェルール301をワンピースハウジングバックポスト1210内に保持し、フェルールが回転して凸部1220から分離するのを抑止している。
【0059】
他の実施形態では、ワンピースハウジングバックポスト1610内の固定位置にフェルールを維持するために、保持クリップが提供されてもよい。
図16に示されているように、クリップ1620は、フェルールをハウジング/バックポスト内に保持するために、ハウジングバックポストの遠位端に配置されている。クリップ1620は、1つ又は複数の凸部1630を含んでいる。これらの凸部1630は、ハウジングバックポスト1210の1つ又は複数の側壁開口1650内に保持される。クリップ1620内において、フェルールをハウジングバックポスト1210内に保持するために、角度の付いた側壁1640(
図17に示す)が、フェルール段付き部1323に接触する遠位端から近位端に向かって狭くなっている。
【0060】
図18A乃至18C並びに
図19A及び19Bは、フェルールスプリング305、ピンキーパ1800及びフェルール301を遠位端から受け入れるように構成されたワンピースハウジングバックポスト310内にフェルール301を保持するための更なる実施形態を示している。ピンキーパは、本体1805と、各々が本体1805から延びている上部及び下部アーム1810とを含んでいる(
図18A及び18B)。上部及び下部アーム1810は、フェルール保持凸部1840を含み(
図18A乃至18C)、段付き部1323に隣接する位置でフェルール301を把持するように構成されている。ピンキーパ本体1805は、ピンキーパ1800の側部領域に配置された変形可能な凸部1830の第1の対を含んでいる。任意に、変形可能な突起1835の第2の対(
図18A)がピンキーパ1800の上部及び下部に配置されていてもよい。変形可能な凸部1830及び1835は、嵌合開口部1930及び1935(
図19A及び19B)をハウジングバックポスト1210に取り付けて、ピンキーパ1800をハウジングバックポスト1210に保持する役割を担っている。ハウジングバックポスト開口部1930及び1935とピンキーパ1800からの凸部1830及び1835とを係合することにより、フェルールスプリング305からのバネ力がハウジングバックポストによって吸収され、フェルール301のハウジングバックポスト1210からの押し出しが抑止される。
【0061】
図20A乃至20Eは、本開示の全ての実施形態で使用され得る取り外し可能な極性変更キー2010を示している。事前に終端処理されたファイバアセンブリを使用する結果として、並列光ファイバリンクの極性を維持する問題がますます重要になっている。極性は、光ネットワーク内の送信要素と受信要素との間の適切な連続性を維持している。コネクタがアダプタやトランシーバなどの受信要素と正しく嵌合することを確実にするために、通常、コネクタ及び受信要素の両方に、一般に1つだけの嵌合構成でコネクタと受信要素とを嵌合できるようにするキーイング機能が含まれている。本実施形態は、一方の極性構成から反対の極性の構成へのコネクタの変更を容易にするために、取り外し可能な極性変更キーを使用している。極性変更キー2010及びその嵌合要素は、米国特許第9,658,409号に開示されているものの何れかから選択することができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
図20Aに示されているように、極性変更キー2010は、開口部2012及び把持部2014を含んでいる。キーのユーザ操作を容易にするために、図示のように、把持部2014に1つ又は複数の隆起を形成することができる。ハウジングバックポストは、キー係合突起1270を含み、その上にキー2010を挿入することにより、キー開口部2012内において、キーと突起とを係合することができる。突起1270は、キー突起1270上でのキー2010の移動を容易にするために、ハウジングバックポスト1210から離れる方向に外向きに先細にされていてもよい。ガイド突起1230は、
図20Aの矢印で示されているように、キーが遠位端から滑り込む際にキーを突起1270に向かって案内するために、ハウジングバックポスト上のキー2010の幅とほぼ同じ間隔を置いて配置されている。
図20Bに示されているように、キー2010は、ガイド突起1230の間をスライドして、キー突起1270と係合する(
図20C)。
【0063】
図20D及び20Eの断面図に移ると、極性変更キー2010が
図20Dの突起1270に係合した状態が示されている。極性変更キー2010を取り外すために、
図20Eでは、キー突起1270が押し下げられ、キーは、図に矢印で示されているように、ハウジングバックポスト1210から遠位方向にスライドする。キー突起1270及びガイド突起1230は、ハウジングバックポスト1210の反対側の表面にも設けられている。コネクタの極性を逆にするためには、これらの反対側の表面の突起を介してキー2010が再挿入される。
【0064】
上記の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照している。図面においては、通常、文脈からそうでないことが明示されていない限り、同様の記号は同様のコンポーネントを示している。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、発明の外延を限定することを意図していない。本明細書に提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、他の変更を加えることができる。本明細書において一般的に記載され、図面に示されている本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、及び設計することができ、それらはすべて明示的に企図されている。
【0065】
本開示は、様々な態様の例示として意図されており、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるべきではない。当業者には明らかであるように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変更を行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法及び装置は、前述の説明から当業者には明らかである。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ制限されるものであり、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲も含まれる。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、又は生物系に限定されず、これらは当然ながら変化し得る。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。
【0066】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は応用に適切なように、複数から単数へ及び/又は単数から複数へと翻訳することができる。本明細書では、明確にするために、様々な単数形/複数形の置換を明示的に説明することがある。
【0067】
一般に、本明細書及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般に「オープン」な用語として意図されている。例えば、「including」という用語は「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「having」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「includes」という用語は「含むがこれに限定されない」と解釈される等である。様々な構成、方法、及びデバイスは、様々なコンポーネント又はステップを「comprising」する(「含むが、これに限定されない」という意味として解釈される)という観点から説明されている。組成、方法、及びデバイスは、様々なコンポーネント又はステップを「consist essentially of」又は「consist of」することもでき、そのような用語は、実質的に閉じたメンバーのグループを定義すると解釈されるべきである。更に、当業者は、特定の数の導入されたクレーム引用が意図される場合、そのような意図はクレームに明示的に列挙され、そのような記述がない場合にはそのような意図は存在しないことを更に理解するであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付のクレームには、クレームの特定事項を導入するために「少なくとも1つ」及び「1つ又は複数の」という導入フレーズの使用が含まれる場合がある。しかしながら、そのような表現の使用は、不定冠詞「a」又は「an」によるクレームの特定事項の導入が、そのような導入されたクレームの特定事項を含む特定のクレームを、そのような特定事項を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。これは、同じクレーム中に「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つ」の導入フレーズと「a」又は「an」などの不定冠詞とが含まれる場合でも同様である(例えば、「a」及び/又は「an」は「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数の」と解釈されるべきである)。クレームの特定事項を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。更に、特定の数の導入されたクレームの特定事項が明示的に列挙されている場合でも、当業者は、そのような列挙が、少なくとも列挙された数を意味する(例えば、他の修飾なしで単に「2つの列挙」がされた場合、少なくとも2つの列挙、又は2つ又はそれ以上の列挙を意味する)と解釈されるべきであることを認識するであろう。また、「A、B、及びCの少なくとも1つ等」に類似した慣用句が使用される場合、一般に、このような構造は、当業者が慣例を理解するような意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」には、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AとBとが一緒、AとCとが一緒、BとCとが一緒、及び/又はAとBとCとが一緒の場合等が含まれるが、これらに限定されない)。「A、B、又はCの少なくとも1つ等」に類似した慣用句が使用される場合、一般に、そのような構造は、当業者が慣例を理解するような意味で意図されている(例えば、 「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとが一緒、AとCとが一緒、BとCとが一緒、及び/又はAとBとCとが一緒の場合等が含まれるが、これらに限定されない)。また、明細書、特許請求の範囲、図面の何れにせよ、2つ以上の代替用語を提示する任意の分離語及び/又は句は、用語のうちの1つ、用語のうちの何れか、又は用語の両方を含める可能性を企図すると理解されるべきであることを当業者は更に理解するであろう。例えば、フレーズ「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0068】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュグループに関して説明される場合、当業者は、それにより、マーカッシュグループの個々のメンバー又はメンバーのサブグループに関しても本開示が説明されていることを認識するであろう。
【0069】
当業者に理解されるように、書面による説明の提供などのあらゆる目的のために、本明細書に開示される全ての範囲は、全ての可能なサブレンジ及びそのサブレンジの組み合わせをも包含している。リストされた範囲は、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解された同じ範囲を充分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明される各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、及び上位3分の1等に容易に分解することができる。当業者に理解されるように、「〜以下」及び「少なくとも」などの全ての用語は、列挙された数を含み、その後上述したサブ範囲に分割可能な範囲を指している。最後に、当業者に理解されるように、範囲には各々の個々のメンバーが含まれる。したがって、例えば、1〜3セルのグループは、1、2、又は3セルのグループを指す。同様に、例えば、1〜5個のセルを有するグループは、1、2、3、4、又は5個のセルを有するグループを指す。
【0070】
上記で開示された並びにそれ以外の様々な特徴及び機能又はその代替物は、他の多くの異なるシステム又は用途に組み合わせることができる。様々な現在予見できない又は予期しない代替、修正、変形、又は改良が当業者によって続いて行われ得る。そして、それらの各々も、本明細書で開示された実施形態に含まれることが意図される。
【国際調査報告】