特表2020-520847(P2020-520847A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-520847(P2020-520847A)
(43)【公表日】2020年7月16日
(54)【発明の名称】補強パッチ付きのバンパービーム
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/04 20060101AFI20200619BHJP
【FI】
   B60R19/04 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-564520(P2019-564520)
(86)(22)【出願日】2018年5月7日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2018061693
(87)【国際公開番号】WO2018215194
(87)【国際公開日】20181129
(31)【優先権主張番号】1750635-3
(32)【優先日】2017年5月22日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501426943
【氏名又は名称】イェスタムプ・ハードテック・アクチエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ヨーアン・ニルソン
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィド・グスタフソン
(57)【要約】
自動車に水平方向に配置されるバンパービーム(10)であって、曲板から製造された細長い主クロス部材(11)を含み、ここで、主クロス部材(11)は、両側に2つの細長いウェブ部分(13、14)がある細長い底部分(12)を含み、前記細長い底部分(12)および細長いウェブ部分(13、14)は、車両に配置されたときに水平方向に、バンパービーム(10)を2つの離間された取付ブラケット(17)またはクラッシュボックスに取り付けるための2つの離間された取付セクション(16)間の少なくとも第1の長さ(L1)にわたって延びるように配置され、ウェブ部分(13、14)は、車両に配置されたときに前記車両から遠ざかるように外方に延びるように底部分(12)の上方および下方に配置される、バンパービーム。パッチ(15)は、各取付セクション(16)から水平方向に延びる領域を覆うように細長い底部分(12)に沿って、2つの離間された取付セクション(16)間の第1の長さ(L1)の少なくとも一セクションに沿って配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に水平方向に配置されるバンパービーム(10)であって、
曲板から製造された細長い主クロス部材(11)を含み、
ここで、該主クロス部材(11)は、両側に2つの細長いウェブ部分(13、14)がある細長い底部分(12)を含み、該細長い底部分(12)および前記細長いウェブ部分(13、14)は、車両に配置されたときに水平方向に、バンパービーム(10)を車両の2つの離間された取付セクションに取り付けるための2つの離間された取付セクション(16)間の少なくとも第1の長さ(L1)にわたって延びるように配置され、ウェブ部分(13、14)は、車両に配置されたときに前記車両から遠ざかるように外方に延びるように底部分(12)の上方および下方に配置され、パッチ(15)は、各取付セクション(16)から水平方向に延びる領域を覆うように細長い底部分(12)に沿って配置され、パッチ(15)は、2つの離間された取付セクション(16)間の第1の長さ(L1)全体に沿って延びるように配置され、パッチ(15)は、取付セクション(16)全体に水平方向に延びる、
前記バンパービーム。
【請求項2】
パッチ(15)は、底部分(12)の背面に配置され、車両に配置されたときに前記車両に対向するように配置される、請求項1に記載のバンパービーム(10)。
【請求項3】
パッチ(15)は、両方の取付セクション(16)内に、取付ブラケット(17)またはクラッシュボックス(25)への取り付けのための取付手段(18、19)を含む、請求項1または2に記載のバンパービーム(10)。
【請求項4】
パッチ(15)は、鋼板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバンパービーム(10)。
【請求項5】
パッチ(15)は、繊維強化ポリマーから作られる板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバンパービーム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパービームに関する。詳細には、本発明は、バンパービームの延性を向上させ、短手方向にオフセットするバンパー対バンパーの衝突の際の性能を向上させるように配置される補強材を含むようなバンパービームに関する。
【背景技術】
【0002】
バンパービームは、自動車などの車両において、正面衝突の際の力の大部分を吸収するために使用される。通常、バンパービームは、車両の前部および後部の両方に配置される。
【0003】
バンパービームの設計および構造には、常に重量と強度との妥協がある。良好な妥協策を得る有利なやり方は、典型的には帽子型プロファイルである有利な形状に形成される鋼板からバンパービームを提供することである。
【0004】
さらに、バンパービームは、様々なタイプの衝突に耐えるように適用される必要がある。NCAP試験のような車両の安全試験において、車両は、いくつかの異なる衝突試験を受ける。特に米国で対象となるそのような試験は、FMVSS301として当技術分野で知られており、短手方向にオフセットするバンパー対バンパーの衝突である。そのような衝突は、クラッシュボックス間に高い衝撃力を有することとなり、不都合なことに、バンパービームは破断する、またはクラッシュボックスとの取付ポイントから外れることがある。
【0005】
したがって、短手方向にオフセットするバンパー対バンパーの衝突の際の性能が向上したバンパービームが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、衝突の際、特にクラッシュボックスのすぐ内側における水平方向の衝撃ゾーンでの衝突の際の性能が向上したバンパービームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動車に水平方向に配置されるバンパービームであって、曲板から製造された細長い主クロス部材を含み、ここで、主クロス部材は、両側に2つの細長いウェブ部分がある細長い底部分を含み、前記細長い底部分および細長いウェブ部分は、車両に配置されたときに水平方向に、バンパービームを車両の2つの離間された取付部分に取り付けるための2つの離間された取付セクション間の少なくとも第1の長さにわたって延びるように配置され、ウェブ部分は、車両に配置されたときに前記車両から遠ざかるように外方に延びるように底部分の上方および下方に配置される、バンパービームに関する。パッチは、各取付セクションから水平方向に延びる領域を覆うように細長い底部分に沿って、2つの離間された取付セクション間の第1の長さの少なくとも一セクションに沿って配置される。
【0008】
本発明による配置の場合、各取付セクションから水平方向に内方に延びる領域における衝撃ゾーンでの衝突の際の向上した性能が達成される。
【0009】
他の実施形態および利点は、詳細な説明および従属請求項から明らかとなろう。
【0010】
次に、添付の図面を参照して、本発明に関する例示的な実施形態について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】前側から見た、取付ブラケットが付いたバンパービームの斜視図である。
図2】内側から見た、取付ブラケットが付いたバンパービームの斜視図である。
図3】内側から見た、バンパービームの斜視図である。
図4図3のバンパービームの詳細図である。
図5】クラッシュボックス上に配置されたバンパービームの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、取付ブラケットとともにバンパービーム10が、前面からの斜視図に示されている。図2において、同じバンパービーム10が、内側から、すなわち車両に対向して配置される側からの斜視図に示されている。
【0013】
バンパービーム10は、曲板から作られる細長い主クロス部材11を含む。主クロス部材11は、両側に2つの細長いウェブ部分13、14を含む細長い底部分12を含む。上側の細長いウェブ部分13は、細長い底部分12の上方に配置され、下側の細長い下側ウェブ部分14は、細長い底部分12の下方に配置されている。細長い底部分12および細長いウェブ部分13、14は、車両に配置されたときに少なくとも第1の長さL1に水平方向に延びるように配置される。第1の長さL1は、バンパービーム10を、たとえば取付ブラケットまたはクラッシュボックスを介して車両の2つの離間された取付部分に取り付けるための2つの離間された取付セクション16間の長さに相当する。図1および図2では、バンパービーム10を車(図示せず)の主本体に連結するために、取付ブラケット17が配置されている。
【0014】
上側および下側の細長いウェブ部分13、14は、車両に配置されたときに底部分12のそれぞれ上方および下方において前記車両から遠ざかるように外方に延びる。図1において明らかなように、カバープレート27は、2つの細長いウェブ部分13、14間に形成される間隙を覆うように、主クロス部材11の前面に取り付けられることが好ましい。カバープレートは、さらに、衝突の際のバンパービームのより優れた性能に寄与する。
【0015】
本発明によれば、パッチ15は、細長い底部分12の少なくとも一部に沿って配置される。有利には、パッチ15は、各取付セクション16から、2つの離間された取付セクション16間の第1の長さL1の少なくとも一部に沿って水平方向に延びる領域を覆うように配置される。取付セクション16の近くにパッチ15があることで、この重要域におけるバンパービームの延性が向上し、取付セクション16のそれぞれ(one)のすぐ内側の衝撃ゾーンでの衝突の際におけるバンパービームの破壊の危険が激減する。
【0016】
図面から明らかなように、底部分12は、取付セクション16間の細長い部分におけるよりも取付セクション16のところおよびその周りでより幅広になっている。さらに、図示の実施形態では、パッチ15の幅は、取付セクション16のところおよびその周りでより幅広となるように、クロス部材の細長い底部分12の幅に対して適用される。
【0017】
パッチ15は、底部分12の背面に配置され、車両に配置されたときに前記車両に対向するように配置されることが好ましい。しかし、パッチ15は、底部分12の前面に設けることもできる。図示の実施形態では、パッチ15は、底部分12の背面に配置され、車両に配置されたときに前記車両に対向するように配置される。図示の実施形態では、パッチ15は、2つの離間された取付セクション16間の第1の長さL1の全長に沿って延びる。これは、非破壊的な延性補強をもたらすので有利である。さらに、パッチ15は、取付セクション16の少なくとも一部分の上に沿って延びることが好ましい。これは、パッチとクロス部材との間の取付を補足するので有利である。水平方向に、パッチ15は、取付セクション16全体に延びることもできる。
【0018】
パッチ15は、細長い底部分12の上に水平方向に配置し、さらにまた少なくとも1つのウェブ部分13、14の少なくとも一部の上に垂直方向に延びるように配置することもできる。非常に強い構造にするために、パッチ15は、底部分12からウェブ部分13、14への移行部だけでなく前記ウェブ部分13、14の一部内へと延びるように配置することもできる。さらに、図示されない実施形態では、それらは、一方のウェブ部分または両方のウェブ部分の、取付セクション16の近くの領域のところだけに垂直方向に延びる。
【0019】
図示の実施形態では、パッチ15は、取付セクション16のうちの1つと一致する、牽引フックの取り付けのための円形開口部18を含む。図2および図4に示される実施形態では、前記円形開口部18内には、牽引フック管20が溶接される。取付ブラケット17は、牽引フック管20が通れるように対応する開口部を含む。さらに、パッチ15は、製造中にそのパッチを案内し位置決め(posotioning)する案内孔19を含む。
【0020】
図4から明らかなように、取付ブラケット17は、バンパービームへのたとえば溶接またははんだ付けによる取付ブラケット17の取り付けを可能にするように配置される2つの開口部21、22を含む。点溶接部(point welds)またはレーザ溶接部などの溶接部は、開口部21、22の輪郭の周りに設けられる。溶接部は、開口部21、22の一部の周り、またはその輪郭全体の周りに設けることができる。さらに、溶接部は、取付ブラケット17の側部23、24に沿って設けることができる。具体的には、溶接部は、取付ブラケット17の外側部23に沿って設けることが好ましい。取付ブラケット17の内側部24に沿って溶接部を設けないことが有利となり得る。というのも、そこは、溶接部からの熱影響ゾーンまたは同様のものがバンパービームの性能に悪影響を及ぼす恐れがある、デリケートなゾーンであるからである。
【0021】
図5には、本発明のバンパービーム10を車両に取り付ける代替方式が示されており、ここでは、バンパービームは、クラッシュボックス25に取り付けられ、クラッシュボックス25が車両の本体に連結される。バンパービーム10は、クラッシュボックス25の外側部とパッチ15との間の外側溶接部23によって、各クラッシュボックス25に溶接される。さらに、上側および/または下側の溶接部26は、クラッシュボックス25の上側または下側の部分と、上側および下側の細長いウェブ部分13、14との間にそれぞれ設けられる。したがって、有利には、そのような溶接部26は、上側の細長いウェブ部分13に沿ってクラッシュボックスの両側に、および/または下側の細長いウェブ部分14(図示せず)の両側に配置することができる。クラッシュボックス25は、バンパービームの挿入を可能にする両側の凹部とともに、バンパービームの形状を囲むように設計されることが好ましい。
【0022】
パッチは、溶接によってバンパービームに取り付けられることが好ましい鋼板であることが好ましい。パッチを取り付けてバンパービームを製造する有利な方法では、パッチが平板素材に溶接され、次にパッチと一緒にプレス硬化(press harden)される。溶接されたパッチと一緒にバンパーを硬化することは、そうした手順は溶接部をパッチと主クロス部材の両方と一緒に硬化させることができ、それによって任意の熱影響ゾーン(HAZ)の悪影響が相殺されるので、有利である。さらに、パッチを主クロス部材と一緒にプレス硬化することは、主クロス部材の輪郭に対するパッチの滑らかな追従を可能にするので、有利である。パッチは、主クロス部材よりも大きな厚さの鋼板から作ることが有利である。大きな厚さは、この構造により高い強度をもたらすだけでなく、バンパービームを取付ブラケット17またはクラッシュボックス25に溶接する溶接部に対してより良い支持を与えるので、有利である。
【0023】
パッチは、さらに、たとえばCFRPである繊維強化ポリマーから作ることができ、その場合、主クロス部材のプレス硬化後に、接着剤によってバンパービームに取り付けられる。繊維強化ポリマーのパッチを使用する場合、取付ブラケット17またはクラッシュボックス25は、主クロス部材に直接締結される必要がある。繊維強化ポリマーのパッチには、前記ブラケットまたはクラッシュボックスを主クロス部材に溶接できるようにする孔を設けることができる。
【0024】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を述べてきた。しかし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。当業者には、他の実施形態が以下にある特許請求の範囲内で可能であることが明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】