(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
前記Dが、DOTA、DOTA、HBED−CC、NOTA、NODAGA、DOTAGA、TRAP、NOPO、PCTA、DFO、DTPA、又はそれらの誘導体から選択され、最も好ましくは、DOTA、NODAGA、DO3AP、DO3APPrA、又はDO3APABnから選択される請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
請求項1から28のいずれかに記載の化合物又は請求項29から30のいずれかに記載の放射標識錯体と、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤とを含むことを特徴とする医薬組成物。
請求項1から28のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、又は放射標識錯体、請求項30から31のいずれかに記載の放射標識錯体、又は請求項32に記載の医薬組成物を含むことを特徴とするキット。
医薬及び/又は診断薬における使用のための、請求項1から28のいずれかに記載の化合物、請求項30から31のいずれかに記載の放射標識錯体、請求項32に記載の医薬組成物、又は請求項33に記載のキット。
前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞及び/又は組織の存在を検出する方法における使用のための、請求項1から28のいずれかに記載の化合物、請求項30から31のいずれかに記載の放射標識錯体、請求項32に記載の医薬組成物、又は請求項33に記載のキット。
前立腺癌、膵臓癌、腎癌、又は膀胱癌を診断、治療、及び/又は予防する方法における使用のための、請求項1から28のいずれかに記載の化合物、請求項30から31のいずれかに記載の放射標識錯体、請求項32 29に記載の医薬組成物、又は請求項33に記載のキット。
請求項34から36のいずれかに記載の使用のための化合物、放射標識錯体、医薬組成物、若しくはキット、又は請求項38に記載の方法において、放射線イメージングが、陽電子放出断層撮影(PET)又は単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)を含む化合物、放射標識錯体、医薬組成物、キット、又は方法。
請求項34から36又は39のいずれかに記載の使用のための化合物、放射標識錯体、若しくは医薬組成物、又は請求項38に記載の方法において、前記1以上の細胞又は組織が、(任意に癌性の)前立腺細胞又は組織、(任意に癌性の)脾臓細胞又は組織、又は(任意に癌性の)腎臓細胞又は組織を含む化合物、放射標識錯体、若しくは医薬組成物、又は方法。
請求項34から36又は39のいずれかに記載の使用のための化合物、放射標識錯体、若しくは医薬組成物、又は請求項38から40のいずれかに記載の方法において、PSMA発現細胞又は組織の存在が、前立腺腫瘍(細胞)、転移した前立腺腫瘍(細胞)、腎腫瘍(細胞)、膵臓腫瘍(細胞)、膀胱腫瘍(細胞)、及びそれらの組合せの指標である化合物、放射標識錯体、若しくは医薬組成物、又は方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、当該技術分野における必要を満たすことである。
【0016】
この目的は、本明細書に開示される主題、より具体的には特許請求の範囲に示される主題によって解決される。
【0017】
概論
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は、本明細書に記載の特定の方法、プロトコル、及び試薬に、これらは変わる可能性があるので、限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。特段の断りがない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0018】
以下に、本発明の要素について説明する。これら要素は、具体的な実施形態と共に列挙されるが、これらを任意の方式で任意の数組み合わせて更なる実施形態を生み出すことができることを理解すべきである。様々に記載される実施例及び好ましい実施形態は、本発明を明示的に記載される実施形態に限定することを意図するものではない。この記載は、明示的に記載された実施形態を任意の数の開示された及び/又は好ましい要素と組み合わせる実施形態をサポート及び包含すると理解すべきである。更に、特に指定しない限り、本願における全ての記載された要素の任意の入れ換え及び組合せが本願の記載によって開示されるとみなすべきである。
【0019】
本明細書及びその後に続く特許請求の範囲全体を通して、特に必要としない限り、用語「含む」並びに「含み」及び「含んでいる」等の変形は、指定されている部材、整数、又は工程を含むが、任意の他の指定されていない部材、整数、又は工程を除外するものではないことを意味すると理解される。用語「からなる」は、任意の他の指定されていない部材、整数、又は工程が除外される、用語「含む」の具体的な実施形態である。本発明において、用語「含む」は、用語「からなる」を包含する。したがって、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」及び「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、Xのみからなっていてもよく、追加の何かを含んでいてもよい(例えば、X+Y)。
【0020】
用語「a」及び「an」及び「the」、並びに本発明の説明(特に、特許請求の範囲)において使用される同様の参照は、本明細書に指定されているか又は文脈上明示的に否定されていない限り、単数及び複数の両方を網羅すると解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、範囲内の各別個の値を個別に参照する簡易的な方法として機能することを意図する。本明細書において特に指定しない限り、各個別の値は、本明細書に個々に列挙されているかのように明細書に組み込まれる。明細書中のいずれの言語も、本発明の実施に必須の任意の請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0021】
用語「実質的に」は、「完全に」を除外するものではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含んでいなくてもよい。必要な場合、用語「実質的に」は、本発明の定義から省略されることもある。
【0022】
数値xに関連する用語「約」は、x±10%を意味する。
【0023】
本発明では、特段の断りがない限り、代替物及び実施形態の各種特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0024】
明確さ及び読み易さのために、以下の定義を提供する。これらの定義について言及された技術的特徴は、本発明の全ての実施形態について読むことができる。追加の定義及び説明は、これらの実施形態の文脈で具体的に提供され得る。
【0025】
定義
用語「ヒドロカルビル」は、炭化水素基の残基、即ち、炭化水素鎖基を意味し、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、及びアラルキルの群から独立して選択される。
【0026】
用語「アルキル」は、1〜30個の炭素原子、好ましくは1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、1〜4個、1〜3個、又は1〜2個の炭素原子を有する線状(「直鎖」)、分岐状、及び環状鎖基を含む。例えば、用語「C
1−12アルキル」は、その炭素鎖が直鎖又は分岐状又は環状であり、1〜12個の炭素原子を含む炭化水素基を意味する。アルキル残基の具体例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、又はトリアコシルであり、それらの様々な分岐鎖及び/又は環状異性体、例えば、tert.−ブチル又はイソペンチルなどを含む。環状アルキル異性体は、本明細書では「シクロアルキル」とも呼ばれ、3個の環炭素原子を含む飽和脂環式炭化水素を意味する。「置換された」線状、分岐状、及び環状アルキル基も、一般にこの用語に含まれる。この用語は、炭素鎖の1以上のC原子がヘテロ原子(例えば、N、O、及びSが挙げられるが、これらに限定されない)で置き換えられたアルキル基を意味する「ヘテロアルキル」を更に含む。したがって、この用語は、3個以上の環員を含む非芳香族環化合物であって、その1個以上の環炭素原子がヘテロ原子(例えば、N、O、及びSが挙げられるが、これらに限定されない)で置き換えられたものを意味する「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロアルキル」を更に含む。ヘテロシクリル基は、例えば、イミダゾリル、イミダゾリニル、及びイミダゾリジニル基などの不飽和、部分飽和、及び飽和環系を包含する。ヘテロシクリル基としては、限定するものではないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル(dihydrodithiinyl)、ジヒドロジチオニル(dihydrodithionyl)、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル(benzodithiinyl)、ベンゾキサチイニル(benzoxathiinyl)、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンズイミダゾリル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、及びテトラヒドロキノリニル基が挙げられる。ヘテロシクリル基は、置換又は非置換のいずれであってもよい。代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換又は複数置換されていてもよく、例えば、限定するものではないが、2−、3−、4−、5−、又は6−置換された、又は上に列挙した置換基などの様々な置換基で二置換されたピリジル又はモルホリニル基などが挙げられる。
【0027】
用語「環状」は、複数の環構造を有する構造を意味する用語「多環式」を含む。特に、用語「環状」は、2つ以上の環が1つの原子を共有するスピロ環構造、及び2つ以上の環が少なくとも2つの原子を共有する5縮合多環構造(5 fused polycyclic structures)も意味する。
【0028】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個、2〜15個、2〜10個、2〜8個、2〜6個、2〜4個、又は2〜3個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む線状、分岐状、及び環状鎖10基を含む。「アルケニル」基の具体例は、アルキル基に関して例示したものの各種アルケン性不飽和等価物であり、炭素−炭素二重結合の数及び位置に応じて、当業者に知られた慣習により命名される(例えば、ブタンジイリデン、1−プロパニル−3−イリデンなど)。「アルケニル」基は、好ましくは少なくとも1個、より好ましくは少なくとも2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の二重結合を含み、二重結合は、ヒドロカルビル鎖の位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、又は29に位置することが好ましい。アルケニル基は、置換又は非置換のいずれであってもよい。
【0029】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個、2〜15個、2〜10個、2〜8個、2〜6個、2〜4個、又は2〜3個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖、分岐状、及び環状鎖基を含む。「アルキニル」基の具体例は、アルキル及びアルケニル基に関して例示したものの各種アルキン性不飽和等価物であり、炭素−炭素三重結合の数及び位置に応じて、当業者に知られた慣習により命名される。「アルキニル」基は、好ましくは少なくとも1個、より好ましくは少なくとも2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の三重結合を含み、二重三重結合は、ヒドロカルビル鎖の位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、17、30 18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、又は29に位置することが好ましい。アルキニル基は、置換又は非置換のいずれであってもよい。
【0030】
用語「アリール」は、単環式若しくは多環式又は縮合多環式芳香族環系を意味する。この用語は、環系の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換された単環式若しくは多環式又は縮合多環式芳香族「ヘテロアリール」環系を含む。通常、用語「アリール」及び「ヘテロアリール」は、3〜30個の炭素原子、例えば、3〜10個、特に2〜6個の炭素原子を有する基を意味する。
【0031】
用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、本明細書中で相互変換可能に使用され、本明細書で定義される少なくとも1つのアルキル基及び少なくとも1つのアリール基を含む基を意味する。本明細書で定義されるアラルキル基では、アラルキル基は、ベンジル基で例示されるアルキル基を介して、本発明の化合物又はコンジュゲートの別の部分に結合される。
【0032】
本明細書に使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、ヨード(I)を含む。
【0033】
用語「ヘテロ原子」は、N、O、S、及びP、好ましくはN及びOを含む。
【0034】
用語「置換された」は、本明細書に定義されるヒドロカルビル基(例えば、アルキル又はアルケニル基)であって、そこに含まれる水素原子に対する1以上の結合が非水素又は非炭素原子に対する結合で置き換えられたものを意味する。置換された基は、炭素又は水素原子に対する1以上の結合が、ヘテロ原子に対する1以上の結合(二重結合又は三重結合を含む)で置き換えられた基も含む。したがって、「置換された」基は、特段の断りがない限り、1以上の置換基で置換される。幾つかの実施形態では、置換された基は、1、2、3、4、5、又は6個の置換基で置換されている。置換基の例としては、ハロゲン(即ち、F、Cl、Br、及びI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、及びヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;硫化物;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;ウレア;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネナート;イソチオシアナート;シアナート;チオシアナート;イミン;ニトロ基;ニトリル(即ち、CN)、ハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルなどが挙げられる。
【0035】
コンジュゲート
本発明は、改善された腫瘍標的特性及び好ましい薬物動態プロファイルを有する新規な血漿タンパク質結合PSMAリガンドを提供する。本明細書で使用するとき、用語「薬物動態」は、好ましくは、被験体における治療薬又は診断薬の安定性、バイオアベイラビリティ、吸収、体内分布、生物学的半減期、及び/又はクリアランスを含む。本発明者らは、一方で治療/診断放射性核種と、他方でヒト血清アルブミン(HSA)結合体と複合化することができるキレーターに、PSMAペプチド模倣ウレアベース結合体を、適切なスペーサー及びリンカーを介して共有結合させることにより、新規コンジュゲートを提供した。結合体とキレーターとを結合するスペーサー及びリンカー基は、得られるコンジュゲートの標的及びと薬物動態特性に重要であることが分かった。新規コンジュゲートは、優れた特異的な細胞取り込み及び内在化特性を示すことが好ましい。本発明者らは、HSA結合体が、(1)血中のコンジュゲートの区画化(compartmentalization)(腫瘍血管系へのアクセスを損なうことなしに、健常組織でのオフターゲット効果が制限される)、(2)血液クリアランスの延長、及び(3)腫瘍の取り込みと保持の増大(腫瘍床を通過する回数を増やすことによる)を有利にもたらしたことを示した。HSA結合体の導入により、本発明の化合物の体内分布、及び最終的には治療効果が有利に改善される。
【0036】
特に、本明細書で提供されるコンジュゲートは、有利なことに、当技術分野で知られた他のPSMAリガンドと比較して腫瘍取り込みの増加を示す。コンジュゲートの好ましい腫瘍取り込み特性により、特に、治療効果又はイメージング(診断)を可能にする十分な取り込みのための望ましい用量を達成するための被投与活性を低下させることができる。そのため、コンジュゲートは、通常、治療用及び/又は診断用放射性核種(多くの場合、金属同位体)と錯体化するキレーターを有する放射標識錯体の形態で提供される。新規コンジュゲート(及び特にそれらの放射標識(金属)錯体)の必要量の低下は、特に以下の利点を有する:(1)必要な放射性核種(放射能)がより少量で済む(製造コストがより低くなり、利用性がより良好となり(これらはいずれも、製造困難で高コストの
225Acなどのアルファ放射体の場合に特に重要である)、好ましくは、一般に放射標識錯体の分解(即ち、放射線分解)をもたらす自己照射の減少により、貯蔵寿命がより長くなる);(2)患者が受ける総吸収照射線量がより低くなる(好ましくは、通院治療が可能となり、環境負荷がより低くなる)。
【0037】
したがって、本発明のコンジュゲートは、核イメージング及び放射線治療の両方にとって最適な特性を備えた有望な治療診断剤である。
【0038】
一般に、本発明に係る新規PSMAリガンド(本明細書では「コンジュゲート」又は「化合物」とも呼ばれる)は、適切なリンカー又はスペーサーを介して互いに共有結合(covalently connected or linked)された第1末端基(キレーター)、第2末端基(アルブミン結合体)、及び第3末端基(PSMA結合体)を含む。
【0039】
第1の態様では、本発明は、一般式(1):
【化1】
(式中、
Dは、キレーターであり、好ましくは本明細書に定義され、
Abmは、アルブミン結合体であり、好ましくは本明細書に定義され、
Pbmは、PSMA結合体であり、好ましくは本明細書に定義され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含み、
リンカーは、本明細書に定義される一般式(6)で特徴付けられ、
aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数であり、
一般式(1)の−CH−基は、PSMA結合体(Pbm)とアルブミン結合体(Abm)を接続する「分岐点」である。)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体に関する。
【0040】
D、Abm、Pbm、リンカー、及びスペーサーは、好ましくは、本明細書に記載されるように定義される。
【0041】
具体的には、本発明は、一般式(1)(i)又は(1)(ii):
【化2】
(式中、
Abmは、アルブミン結合体であり、好ましくは本明細書に定義され、
Pbmは、PSMA結合体であり、好ましくは本明細書に定義され、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N、N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
Xは、それぞれ独立して、O、N、S、又はPから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビル、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CONR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択される、又はR
1とR
2が結合して、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル基を含む環状構造を形成し、前記ヒドロカルビル基は、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、OR
6、OCOR
6、COOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CH
2NR
6R
7、及びSR
7、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよく、
Yは、単結合、又は線状、分岐状、又は環状の任意に置換された、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよいC
1−C
12アルキル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択され、非隣接CH
2基の1以上は、独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR
6−、−NR
6−CO−、−CO−NR
6−、−NR
6−COO−、−O−CO−NR
6−、−NR
6−CO−NR
6−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、SR
6−、SO
3R
6−で置き換えられていてもよく、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択され、
R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択され、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含み、
リンカーは、本明細書で定義される一般式(6)で特徴付けられ、
a、b、p、q、r、tは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体を提供する。
【0042】
以下の式(1)において強調されている構造は、少なくとも1つのペプチド結合を含むことが特に想定される。
【化3】
【0043】
本発明のコンジュゲートは、PSMA及びHSAの両方に対する親和性を示すリガンドである。本明細書で使用される用語「リガンド」は、標的(ここではPSMA又はHSA)と相互作用(標的化、結合)することができる化合物を意味する。本発明のコンジュゲートはまた、「PSMA標的化剤」として機能的に定義され得る。好ましくは、「リガンド」は、それらの標的に選択的に結合することができる。用語「選択的に結合する」は、化合物が、その意図された標的に、別の非標的体に結合するよりも、高い親和性で結合することを意味する。
【0044】
「結合親和性」は、リガンド(例えば、有機低分子、タンパク質、又は核酸)とその標的/結合パートナーとの間の結合相互作用の強度である。結合親和性は、通常、平衡解離定数(K
D)、「オフレート」(kO
ff)及び「オンレート」(kO
n)の比で測定及び報告され、これは、生体分子相互作用の次元強度を評価及びランク付けするために使用される。「オンレート」(KO
n)は、リガンドがその標的に結合する速さを特徴付け、「オフレート」(KO
ff)は、リガンドがその標的から解離する速さを特徴付ける。K
D(KO
ff/KO
n)と結合親和性は反比例する。したがって、用語「選択的に結合する」は、好ましくは、リガンドが、その意図された標的に、別の非標的体に対する結合のK
Dよりも低いK
Dで結合することを意味する。ELISA、ゲルシフトアッセイ、プルダウンアッセイ、平衡透析、分析的超遠心分離、表面プラズモン共鳴、分光分析など、結合親和性と解離定数を測定する多くの方法がある。
【0045】
本発明の文脈において、PSMA結合体(HSA結合体)の非標的体に対する結合のK
Dは、ヒトPSMA(HSA)に対する前記コンジュゲート又は部分の結合のK
Dの少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、750、又は1000倍であり得る。
【0046】
本発明の文脈において、コンジュゲートは、ナノモル(nM)範囲のK
D値の高結合親和性でPSMAに結合し、且つマイクロモル範囲(μM(マイクロモル))の中程度の親和性でHSAに結合することが更に好ましい場合がある。
【0047】
具体的には、PSMAとHSAの結合親和性のバランスを取り、腫瘍の取り込みと保持を上昇させ、血液クリアランスを延長すると同時に、潜在的に有害なオフターゲット効果を低減することが好ましい場合がある。特に、本発明のコンジュゲートは、HSAに対するよりもPSMAに対してより高い結合親和性を示し得る。
【0048】
特に、本発明は、一般式(1)(i):
【化4】
(式中、
Abmは、アルブミン結合体であり、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
Xは、O、N、S、又はPから選択され、
R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択され、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含み、
リンカーは、本明細書で定義される一般式(6)で特徴付けられ、
a、b、p、q、r、tは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体を提供する。
【0049】
より具体的には、本発明は、一般式(11):
【化5】
(式中、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
Xは、それぞれ独立して、O、N、S、又はPから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状の任意に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビル、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CONR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択される、又はR
1とR
2が結合して、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル基を含む環状構造を形成し、前記ヒドロカルビル基は、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、OR
6、OCOR
6、COOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CH
2NR
6R
7、及びSR
7、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよく、
Yは、単結合、又は線状、分岐状、又は環状の任意に置換された、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよいC
1−C
12アルキル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択され、非隣接CH
2基の1以上は、独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR
6−、−NR
6−CO−、−CO−NR
6−、−NR
6−COO−、−O−CO−NR
6−、−NR
6−CO−NR
6−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、SR
6−、SO
3R
6−で置き換えられていてもよく、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択され、
R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択され、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含み、
リンカーは、一般式(6):
【化6】
(式中、
Xは、それぞれ独立して、O、N、S、又はPから選択され、
Qは、置換又は非置換のアルキル、アルキルアリール、及びシクロアルキルから選択され、好ましくは置換又は非置換のC
5−C
14アリール、C
5−C
14アルキルアリール、又はC
5−C
14シクロアルキルから選択され、
Wは、−(CH
2)
c−アリール又は−(CH
2)
c−ヘテロアリールから選択され、cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は1から選択される整数である。)で特徴付けられ、
a、b、p、q、r、tは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。)
で特徴付けられる特に好ましいコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体を提供する。
【0050】
アルブミン結合体
本発明のコンジュゲートは、本明細書に記載の(知られたPSMAリガンドと比較して追加の)アルブミン結合体(「アルブミン結合部分」とも呼ぶ)を含み、好ましくはヒト血清アルブミン(HSA)に選択的に結合することができる。用語「選択的に結合する」は、上に定義されている。
【0051】
アルブミン結合体(Abm)は、任意のアルブミン結合体であり得る。特に好ましいアルブミン結合体は、本明細書中、以下に記載される。好ましくは、アルブミン結合体は、血清アルブミン、好ましくはHSAに、典型的には約100μM(マイクロモル)未満の結合親和性、例えば、約3μM(マイクロモル)〜50μM(マイクロモル)で非共有結合し得る。
【0052】
ヒト血清アルブミン(HSA)は、ヒト血漿中の最も豊富なタンパク質であり、血清タンパク質の約半分を構成する。本明細書で使用される用語「ヒト血清アルブミン」又は「HSA」は、好ましくは、ヒトALB遺伝子によってコードされる血清アルブミンタンパク質を意味する。より好ましくは、この用語は、UniProt Acc.No.P02768(エントリーバージョン240、最終変更日:2017年5月10日)、又はその機能的変異体、アイソフォーム、断片、若しくは(翻訳後又は他の修飾をされた)誘導体を意味する。
【0053】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本発明コンジュゲートのアルブミン結合体(Abm)は、好ましくは、コンジュゲートの循環半減期を延ばし、血液中の本発明コンジュゲートの区画化をもたらし、PSMA−発現(腫瘍)標的細胞又は組織への送達を改善し、PSMAを発現する正常な(非腫瘍性)臓器(腎臓、涙腺、唾液腺など)での非標的の腫瘍に対する比を上昇させると仮定される。したがって、アルブミン結合体は、好ましくはキレーター及びPSMA結合体の所望の機能を妨害(低減又は停止)することなしに、改善された薬物動態特性を本発明コンジュゲートに付与すると想定される。
【0054】
構造に関しては、本発明にしたがう典型的なアルブミン結合体は、好ましくは、1〜40個の炭素原子を含む線状及び分岐状親油性基と、遠位酸性基とを含むことができる。適切なアルブミン結合体は、特に、US2010/172844 A1、WO2013/024035 A1、及びWO2008/053360 A2に記載されており、これらの全体を参照により本明細書に援用する。
【0055】
前記によれば、本発明のコンジュゲートにおいて、アルブミン結合体は、好ましくは、一般式(2)で特徴付けられる。
【化7】
(式中、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビル、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CONR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択される、又はR
1とR
2が結合して、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル基を含む環状構造を形成し、前記ヒドロカルビル基は、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、OR
6、OCOR
6、COOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CH
2NR
6R
7、及びSR
7、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよい。
Yは、単結合、又は線状、分岐状、又は環状の任意に置換された、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよいC
1−C
12アルキル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択され、非隣接CH
2基の1以上は、独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR
6−、−NR
6−CO−、−CO−NR
6−、−NR
6−COO−、−O−CO−NR
6−、−NR
6−CO−NR
6−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、SR
6−、SO
3R
6−で置き換えられていてもよく、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択され、
Xは、O、N、S、又はPから選択され、
R
1及びR
2は、オルト、メタ、又はパラ位であり得る。)
【0056】
R
1及びR
2が互いに結合して環状構造を形成する場合、前記環状構造は、好ましくは、フェニル環に対して2つの位置で結合される(即ち、前記フェニル環に対して2つの結合を形成する、例えば、前記フェニル環に縮合した環状構造を形成する)3〜12個、より好ましくは3〜10個、更により好ましくは3〜9個、3〜8個、3〜7個、3〜6個、3〜5個、3〜4個、又は4個の炭素原子の線状又は分岐状ヒドロカルビル鎖である。具体的には、前記環状構造は、(置換又は非置換)アダマンチルから選択することができる。好ましくは、前記2つの結合は、前記フェニル環のメタ(3−)及びパラ(4−)位、オルト(2−)及びメタ位、又はオルト及びパラ位に位置することが好ましい。前記環状構造には、任意に、最大2個、好ましくは1個又は0個のヘテロ原子が介在する。好ましくは、前記環状構造は、その1−及び4−原子により前記フェニル環に結合して、好ましくは前記フェニル環のメタ及びパラ位で縮合した6員環を形成する(即ち、好ましくはメタ及びパラ縮合6員環を形成する)C
4鎖断片(1,4−ジラジカル)であり得る。
【0057】
好ましくは、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、好ましくはヨウ素又は臭素、及びC
1−6アルキル、好ましくはC
1−3アルキル、更により好ましくはメチルから選択され得る。より好ましくは、R
1はHであり、R
2は、ハロゲン、好ましくはヨウ素又は臭素、及びC
1−6アルキル、好ましくはC
1−3アルキル、更により好ましくはメチルから選択される。更により好ましくは、R
1はHであり、R
2はHである、又はパラ位にあり、ヨウ素、臭素、及びメチルから選択される。
【0058】
好ましくは、Yは、線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビル、より好ましくは線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
10ヒドロカルビル、更により好ましくは線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
6ヒドロカルビル、更により好ましくは線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
3ヒドロカルビルであり得る。
【0059】
最も好ましくは、Yは、−(CH
2)
3−であり得る。
【0060】
好ましくは、Xは、Oであり得る。
【0061】
したがって、式(2)で表されるアルブミン結合体は、好ましくは、式(2a)〜(2c)のいずれかを含む又はからなることができる。
【化8】
【0062】
他の可能な(より好ましくない可能性がある)アルブミン結合体は、特に、US2010/0172844 A1に開示されている。
【0063】
好ましい実施形態においては、本発明に係る化合物は、一般式(11.1)〜(11.3)のいずれかにより特徴付けられ得る。
(式中、D、スペーサー、リンカー、X、R
1〜R
5、a、及びbは、一般式(11)について定義された通りである。)
【0064】
スペーサー
本発明コンジュゲートにおいて、アルブミン結合体は、「スペーサー」を介して−CH−「分岐点」にコンジュゲート(即ち、共有結合又は連結)される。本明細書において、用語「スペーサー」は、具体的には、アルブミン結合体と−CH−「分岐点」とを接続して、その距離に亘る、及び/又はこれらの基をコンジュゲートの残りの基/エンティティから「離間」する基を意味するために使用される。
【0065】
スペーサーは、好ましくは、アルブミン結合体と本発明コンジュゲートの他の基又はエンティティとの間の立体障害を避け、十分な可動性及び柔軟性を確保することができる。更に、スペーサーは、好ましくは、十分なHSA結合、高親和性PSMA結合、及びPSMAコンジュゲート複合体の内在化によるPSMA陽性細胞の迅速かつ任意に選択的な浸透をもたらす、支持する、及び/又は可能にするように設計され得る。
【0066】
本発明者らは、スペーサーが少なくとも1つのC−N結合を含むことが好ましいと判断した。適切なスペーサーは、in vivoで安定なことが好ましい。スペーサーの設計は、通常、コンジュゲート全体に依存する場合があり、残りのコンジュゲートの機能性(例えば、PSMA結合、HSA結合、内在化など)を促進するように選択されることが好ましい。したがって、スペーサーは、例えば、剛性又は可撓性であることができ、コンジュゲート全体の親油性又は親水性などに影響を及ぼす。
【0067】
好ましくは、スペーサーは、最大5個のヘテロ原子を含む線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
20ヒドロカルビル、より好ましくはC
1−C
12ヒドロカルビル、更により好ましくはC
2−C
6ヒドロカルビル、更により好ましくはC
2−C
4ヒドロカルビルを含み得る。ヒドロカルビルは、好ましくはNから選択される少なくとも1個、任意に最大4個のヘテロ原子を好ましくは含み得る。
【0068】
好ましくは、スペーサーは、−[CHR
10]
u−NR
11−であることができ、式中、R
10及びR
11は、それぞれ独立して、H及び分岐状、非分岐状、又は環状C
1−C
12ヒドロカルビルから選択することができ、uは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数であることができる。より好ましくは、R
10及びR
11がHであり、uが2、3、又は4から選択される整数であることができる。最も好ましくは、R
10及びR
11がHであり、uが4であることができる。
【0069】
したがって、本発明コンジュゲートは、好ましくは、式(3a)のスペーサーを含むことができる。
【化9】
【0070】
したがって、本発明に係る好ましいコンジュゲート(例えば、実施例において評価されるPSMA−ALB−03及びPSMA−ALB−06)は、式(3a)のスペーサーを介して「分岐点」に接続された式(2a)〜(2c)のアルブミン結合体を含む。
【0071】
これに代えて又はこれに加えて、スペーサーは、少なくとも1つのアミノ酸残基を含むことができる。本明細書に使用される用語「アミノ酸残基」は、スペーサー内の部分としての特定のアミノ酸モノマーを意味する。
【0072】
「アミノ酸」は、酸性(通常は、カルボキシ(−COOH))及びアミン(−NH
2)官能基の両方を含む有機分子である。前記基の一方又は両方は、誘導体化されていてもよい。アミノ基及び酸性基は、互いに対して任意の位置にあることができるが、アミノ酸は、通常、2−アミノカルボン酸、3−アミノカルボン酸、4−アミノカルボン酸などを含む。アミン基は、アミノ酸の1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、10番目(など)から最大20番目の炭素原子に結合することができる。換言すれば、アミノ酸は、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロン(など)からオメガアミノ酸までであり得る。好ましくは、酸性基は、カルボキシ(−COOH)基である。ただし、−OPO
3H、−PO
3H、−OSO
3H、又は−SO
3Hから選択される他の酸性基も考えられる。
【0073】
好ましくは、アミノ酸残基は、天然に存在するアミノ酸又はそれらの誘導体に由来する。アミノ酸残基は、アルファ(α−)アミノ酸に由来することが更に好ましく、アミノ酸は、(a)D−又はL−アミノ酸であり得る。
【0074】
より好ましくは、前記アミノ酸は、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及び/又はバリンの群から選択されるアミノ酸のD−又はL−エナンチオマーである。
【0075】
最も好ましくは、前記アミノ酸は、(D−/L−)アスパラギン酸、グルタミン酸、又はリジンである。スペーサーは、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸残基、特にD−アスパラギン酸、D−グルタミン酸、又はL−リジン残基を含んでもよい。D−エナンチオマーを含むコンジュゲートでは、D−エナンチオマーの使用が、代謝の速度の更なる低減、したがって血流からのクリアランスを更に低減するという有益な効果をもたらし得る。好ましくは、スペーサーは、2〜3個のそのようなアミノ酸残基、特にD−アスパラギン酸又はD−グルタミン酸残基を含み得る。換言すれば、スペーサーは、好ましくは2〜5個のアミノ酸、より好ましくは2〜3個のアミノ酸からなるペプチドを含んでもよい。或いは、スペーサーは、L−リジンから選択される1〜2個のアミノ酸を含んでもよい。
【0076】
したがって、本発明コンジュゲートは、式(3b)のスペーサーを含むことができる。
【化10】
(式中、
mは、1又は2から選択される整数であり、
nは、1、2、3、4、又は5、好ましくは2又は3から選択される整数である。)
【0077】
或いは、スペーサーは、少なくとも1つのNヘテロ原子を含む線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
20ヒドロカルビル基を介して「分岐点」に接続されたアミノ酸残基を含むことができる。
【0078】
したがって、本発明コンジュゲートは、式(3c)のスペーサーを含むことができる。
【化11】
(式中、
oは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。好ましくは、oは、5であることができる。)
【0079】
したがって、好ましい実施形態においては、本発明コンジュゲートは、一般式(12.1)〜(12.4)又は(13.1)〜(13.4)のいずれかで特徴付けることができる。
【化12】
【化13】
【化14】
一般式(12.1)〜(12.4)及び(13.1)〜(13.4)において、D、スペーサー、リンカー、X、R
1〜R
5、a、b、m、nは、一般式(1)及び(11)で定義した通りであり、dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10、より好ましくは1、2、3、4、5、又は6から選択される整数である。
【0080】
キレーター
本発明コンジュゲートは、キレーターを更に含む。
【0081】
用語「キレーター」又は「キレート部分」は、本明細書において相互変換可能に使用され、2つ以上の別々の配位結合を中心(金属)イオンと形成(配位)できる多座(多重結合)リガンドを意味する。具体的には、そのような分子又は1つの電子対を共有する分子は、「ルイス塩基」とも呼ばれる。中心(金属)イオンは、通常、2つ以上の電子対によってキレーターに配位される。用語「二座キレーター」、「三座キレーター」、及び「四座キレーター」は、当技術分野で認識されており、キレーターによって配位される金属イオンへの同時供与のために容易に利用可能な、それぞれ2、3、及び4電子対を有するキレーターを意味する。通常、キレーターの電子対は、単一の中心(金属)イオンと配位結合を形成するが、特定の例では、キレーターは複数の金属イオンと配位結合を形成し、様々な結合様式が可能である。
【0082】
用語「配位する」及び「配位」は、1つの多電子対ドナーが1つの中心(金属)イオンと配位結合する、即ち、2つ以上の非共有電子対を共有する(「配位される」)相互作用を意味する。
【0083】
キレート剤は、好ましくは、所望の中心(金属)イオン、通常は本明細書に記載される放射性核種と配位する能力に基づき選択される。
【0084】
したがって、キレーターDは、以下の式(4a)〜(4jj)のうちの1つで特徴付けられ得る。
【化15】
【化16】
【化17】
【0085】
好ましくは、キレーターは、
DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(式(4a)で特徴付けられ得る))、
NODAGA(2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)−ペンタン二酸(式(4c)で特徴付けられ得る))、又はそれらの誘導体であることができる。
【0086】
幾つかの好ましい実施形態では、キレーターは、DOTAであることができる。幾つかの好ましい実施形態では、キレーターは、NODAGAであることができる。
【0087】
有利なことに、DOTAは、診断用(例えば、
68Ga)及び治療用(例えば、
90Y又は
177Lu)放射性核種と効果的に錯体を形成するので、イメージングと治療の両方の目的で、即ち、治療診断剤として同一コンジュゲートの使用を可能にする。DO3AP(式(4hh)で特徴付けられ得る)、DO3AP
PrA(式(4ii)で特徴付けられ得る)、又はDO3AP
ABn(式(4jj)で特徴付けられ得る)などの、スカンジウム放射性核種(
43Sc、
44Sc、
47Sc)を錯化できるDOTA誘導体が好ましい場合もあり、Kerdjoudj et al.Dalton Trans.,2016,45,1398−1409に記載されている。
【0088】
本発明の文脈における他の好ましいキレーターとしては、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(
HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(
NOTA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラ−アザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(
DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(
TRAP)、1,4,7−トリアザシド−ノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス−[メチル(2−ヒドロキシメチル)−ホスフィン酸](
NOPO)、3,6,9,15−テトラ−アザビシクロ[9,3,1]−ペンタデカ−1(15)、11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(
PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]−ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}−アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(
DFO)、及びジエチレン−トリアミン五酢酸(
DTPA)が挙げられる。
【0089】
キレーター基、例えば、DOTA基は、中心(金属)イオン、特に本明細書に定義される放射性核種と錯体化され得る。或いは、キレーター基、例えばDOTAは、中心(金属)イオン、特に本明細書に定義される放射性核種と錯体を形成しなくてもよく、非錯体の形態で存在してもよい。キレーター(例えば、DOTA)が前記金属イオンと錯体を形成しない場合、キレーターのカルボン酸基は遊離酸の形態又は塩の形態であり得る。
【0090】
PSMA結合体
本発明コンジュゲートは、本明細書のPSMA結合体(「PSMA結合部分」とも呼ばれる)を含み、これは好ましくはヒトPSMAに選択的に結合することができる。用語「選択的に結合する」は、上に定義される。
【0091】
特に、本発明は、一般式(1)(ii):
【化18】
(式中、
Pbmは、PSMA結合体であり、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
Xは、O、N、S、又はPから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビル、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CONR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択される、又はR
1とR
2が結合して、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル基を含む環状構造を形成し、前記ヒドロカルビル基は、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、OR
6、OCOR
6、COOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CH
2NR
6R
7、及びSR
7、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよく、
Yは、単結合、又は線状、分岐状、又は環状の任意に置換された、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよいC
1−C
12アルキル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択され、非隣接CH
2基の1以上は、独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR
6−、−NR
6−CO−、−CO−NR
6−、−NR
6−COO−、−O−CO−NR
6−、−NR
6−CO−NR
6−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、SR
6−、SO
3R
6−で置き換えられていてもよく、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含み、
リンカーは、本明細書で定義される一般式(6)で特徴付けられ、
a、b、p、q、r、tは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体を提供する。
【0092】
PSMA結合体は、典型的には約100μM(マイクロモル)未満の結合親和性で、PSMAに可逆的又は不可逆的に結合し得る。
【0093】
ヒト前立腺特異的膜抗原(PSMA)(グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)、葉酸ヒドロラーゼ1、フォリポリ−ガンマ−グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ(FGCP)、及びN−アセチル化アルファ結合酸性ジペプチダーゼI(NAALADase I)とも呼ばれる)は、神経系、前立腺、腎臓、及び小腸で最も高度に発現されるII型膜貫通型亜鉛メタロペプチダーゼである。これは、前立腺癌の腫瘍マーカーと考えられている。本明細書に使用される用語「ヒト前立腺特異的膜抗原」又は「PSMA」は、好ましくは、ヒトFOLH1遺伝子によってコードされるタンパク質を意味する。より好ましくは、この用語は、UniProt Acc.Q04609(エントリーバージョン186、最終変更日2017年5月10日)、又はその機能的変異体、アイソフォーム、断片、若しくは(翻訳後又は他の修飾をされた)誘導体として特徴付けられるタンパク質を意味する。
【0094】
PSMA結合体は、一般に、(ヒト)前立腺特異的膜抗原に選択的に(及び任意に不可逆的に)結合することができる結合体であり得る(Chang Rev Urol.2004;6(Suppl 10):S13−S18参照)。
【0095】
PSMA結合体は、好ましくは、PSMAに対する選択的親和性を付与する能力により選択される。好ましいPSMA結合部分は、WO2013/022797 A1、WO2015/055318 A1、及びEP2862857 A1に記載されており、これらの全体を参照により本明細書に援用する。
【0096】
したがって、本発明のコンジュゲートにおいて、好ましくは、PSMA結合体は、一般式(5)で特徴付けることができる。
【化19】
(式中、
Xは、O、N、S、又はPから選択され、
R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択され、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択され、
b、p、q、r、tは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。)
好ましいPSMA結合体では、bは、1、2、3、4、又は5から選択される整数であることができ、R
3、R
4、及びR
5は、それぞれCO
2Hであることができ、Xは、Oであることができる。
【0097】
リンカー
本発明コンジュゲートにおいて、PSMA結合体は、適切なリンカーを介して−CH−「分岐点」に結合/接続される。本明細書で使用される用語「リンカー」は、具体的には、PSMA結合体と−CH−「分岐点」とを接続又は結合して、その距離に亘る、及び/又はPSMA結合体を残りのコンジュゲートから「離間」する基を意味するために使用される。
【0098】
リンカーは、好ましくは、PSMA結合体と本発明コンジュゲートの他の基又はエンティティとの間の立体障害を避け、十分な可動性及び柔軟性を確保することができる。更に、リンカーは、好ましくは、十分なHSA結合、高親和性PSMA結合、及びPSMAコンジュゲート複合体の内在化によるPSMA陽性細胞の迅速かつ任意に選択的な浸透をもたらす、支持する、及び/又は可能にするように設計され得る。
【0099】
PSMA結合体、特に一般式(5)の特に好ましいPSMA結合体は、好ましくは、例えばEP2862857 A1に記載される適切なリンカーを介して本発明コンジュゲートに連結され得る。前記リンカーは、好ましくは、最適化された親油性を本発明コンジュゲートに付与して、PSMA結合並びに細胞取り込み及び内在化を増加させ得る。リンカーは、好ましくは、少なくとも1つの環状基及び少なくとも1つの芳香族基(特に、基Q及びW)を含むことができる。
【0100】
したがって、本発明コンジュゲートにおいて、好ましいリンカーは、一般式(6)で特徴付けられ得る。
【化20】
(式中、
Xは、それぞれ独立して、O、N、S、又はPから選択され、
Qは、置換又は非置換のアリール、アルキルアリール、及びシクロアルキルから選択され、好ましくは置換又は非置換のC
5−C
14アリール、C
5−C
14アルキルアリール、又はC
5−C
14シクロアルキルから選択され、
Wは、−(CH
2)
c−アリール又は−(CH
2)
c−ヘテロアリールから選択され、cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は1から選択される整数である。)
【0101】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、リンカー(特に、Q、W)内の親水性又は極性官能基又はリンカーからのペンダントが、本発明コンジュゲートのPSMA結合特性を有利に向上させ得ると考えられる。
【0102】
Qが、置換されたアリール、アルキルアリール、又はシクロアルキルである場合、例示的な置換基は、前記「定義」セクションに列挙されており、限定するものではないが、ハロゲン(即ち、F、Cl、Br、及びI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、及びヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;硫化物;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアナート;イソチオシアナート;シアン酸塩;チオシアン酸塩;イミン;ニトロ基;ニトリル(即ち、CN)、ハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルが挙げられる。
【0103】
好ましくは、Qは、置換又は非置換のC
5−C
7シクロアルキルから選択され得る。
【0104】
好ましくは、Wは、−(CH
2)
c−ナフチル、−(CH
2)
c−フェニル、−(CH
2)
c−ビフェニル、−(CH
2)
c−インドリル、−(CH
2)
c−ベンゾチアゾリルから選択され、cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。より好ましくは、Wは、−(CH
2)−ナフチル、−(CH
2)−フェニル、−(CH
2)−ビフェニル、−(CH
2)−インドリル、又は−(CH
2)−ベンゾチアゾリルから選択することができる。
【0105】
好ましくは、各Xは、Oであり得る。
【0106】
したがって、PSMA結合体を本発明コンジュゲートに接続する特に好ましいリンカーは、以下の構造式(6a)で特徴付けられ得る。
【化21】
【0107】
本明細書に示される構造式のいずれかで特徴付けられる本発明に係るコンジュゲートにおいて、プレースホルダーによって特定される置換基又は基は、(該当する場合)以下のように定義され得る。
【0108】
Dは、好ましくは、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され得る。より好ましくは、Dは、DOTA、NODAGA、又はそれらの誘導体から選択され得る。
【0109】
Xは、好ましくは、それぞれ独立して、O、N、S、又はPから選択され得る。より好ましくは、各XがOであり得る。
【0110】
R
1及びR
2は、好ましくは、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビル、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CONR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択され得る、又はR
1とR
2が結合して、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル基を含む環状構造を形成し、前記ヒドロカルビル基は、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、OR
6、OCOR
6、COOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CH
2NR
6R
7、及びSR
7、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよく、R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択される。より好ましくは、R
1は、Hであることができ、R
2は、ハロゲン(好ましくは、ヨウ素又は臭素)、及びC
1−6アルキル、好ましくはC
1−3アルキル、更により好ましくはメチルから選択され得る。更により好ましくは、R
1は、Hであることができ、R
2は、Hであることができる、又はパラ位にあることができ、ヨウ素、臭素、及びメチルから選択され得る。
【0111】
Yは、好ましくは、単結合又は線状、分岐状、又は環状の、任意に最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、且つ少なくとも1つのハロゲン、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHによって置換されていてもよいC
1−C
12アルキルから選択することができ、ここで、非隣接CH
2基の1以上は、独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR
6−、−NR
6−CO−、−CO−NR
6−、−NR
6−COO−、−O−CO−NR
6−、−NR
6−CO−NR
6−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、SR
6−、SO
3R
6−(R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択される)で置き換えられることができる。より好ましくは、Yは、線状又は分岐状の任意に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビル、より好ましくは線状又は分岐状、任意に置換されたC
1−C
10ヒドロカルビル、更により好ましくは線状又は分岐状、任意に置換されたC
1−C
6ヒドロカルビル、更により好ましくは、線状又は分岐状、任意に置換されたC
1−C
3ヒドロカルビルであることができる。最も好ましくは、Yは、−(CH
2)
3−であることができる。
【0112】
R
3、R
4、及びR
5は、好ましくは、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択することができ、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択される。より好ましくは、R
3、R
4、及びR
5は、−CO
2Hであることができる。
【0113】
スペーサーは、好ましくは、少なくとも1つのC−N結合を含むことができる。より好ましくは、スペーサーは、本明細書に定義される式(3a)、(3b)、又は(3c)で特徴付けられ得る。
【0114】
リンカーは、好ましくは、本明細書に定義される一般式(6)で特徴付けられ得る。より好ましくは、リンカーは、本明細書に定義される一般式(6a)で特徴付けられ得る。
【0115】
Qは、好ましくは、置換又は非置換のアリール、アルキルアリール、又はシクロアルキルから選択することができ、好ましくは、置換又は非置換のC
5−C
14アリール、C
5−C
14アルキルアリール、又はC
5−C
14シクロアルキルから選択することができる。
【0116】
Wは、好ましくは、−(CH
2)
c−アリール又は−(CH
2)
c−ヘテロアリールから選択することができ、cは、好ましくは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は1から選択される整数である。
【0117】
Aは、好ましくは、アミノ酸残基であり得る。より好ましくは、Aは、(D−)アスパラギン酸、(D−)グルタミン酸、又は(L−リジン)から選択され得る。
【0118】
Vは、好ましくは、単結合、N、又は最大3個のヘテロ原子を含む任意に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビルから選択することができ、前記ヘテロ原子は、好ましくはNから選択される。
【0119】
nは、好ましくは、1、2、3、4、又は5、好ましくは1、2、又は3から選択される整数であることができる。
mは、好ましくは、0又は1であることができる。
【0120】
a、b、p、q、r、tは、好ましくは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数であることができる。
【0121】
前記にしたがって、本発明に係る好ましいコンジュゲートは、一般式(1a)で特徴付けることができる。
【化22】
(式中、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
Xは、それぞれ独立して、O、N、S、又はPから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビル、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CONR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択される、又はR
1とR
2が結合して、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
10ヒドロカルビル基を含む環状構造を形成し、前記ヒドロカルビル基は、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、OR
6、OCOR
6、COOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、CH
2NR
6R
7、及びSR
7、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよく、
Yは、単結合、又は線状、分岐状、又は環状の任意に置換された、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよいC
1−C
12アルキル、OR
6、OCOR
6、CHO、COR
6、CH
2OR
6、NR
6R
7、COOR
6、CH
2NR
6R
7、SR
6、=O、=S、又は=NHから選択され、非隣接CH
2基の1以上は、独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR
6−、−NR
6−CO−、−CO−NR
6−、−NR
6−COO−、−O−CO−NR
6−、−NR
6−CO−NR
6−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、SR
6−、SO
3R
6−で置き換えられていてもよく、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択され、
R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択され、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含み、
リンカーは、本明細書に定義される一般式(6)で特徴付けられ、
a、b、p、q、r、tは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数である。)
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0122】
より好ましくは、本発明コンジュゲートは、一般式(12.4)又は(13.4)で特徴付けることができる。
【化23】
(式中、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
R
1及びR
2は、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン(好ましくは、ヨウ素又は臭素)、及びC
1−6アルキル、好ましくはC
1−3アルキル、更により好ましくはメチルから選択され、
リンカーは、上に定義される一般式(6)で特徴付けられ、より好ましくは、上に定義される一般式(6a)で特徴付けられ、
a、b、d、m、nは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数であり、より好ましくは、a及びbは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、又は6から選択される整数であり、b、d、及びmは、1、2、3、4、5、又は6から選択される整数である。)
【0123】
より好ましくは、本発明コンジュゲートは、一般式(1b)で特徴付けることができる。
【化24】
(式中、
Dは、キレーターであり、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、N,N”−ビス[2−ヒドロキシ−5−(カルボキシエチル)−ベンジル]エチレンジアミン−N,N”−二酢酸(HBED−CC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、2−(4,7−ビス(カルボキシメチル)−1,4,7−トリアゾナン−1−イル)ペンタン二酸(NODAGA)、2−(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)−ペンタン二酸(DOTAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−[メチル(2−カルボキシエチル)−ホスフィン酸]−4,7−ビス[メチル(2−ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9,3,1.]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA)、N’−{5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、又はそれらの誘導体から選択され、
Qは、置換又は非置換のアリール、アルキルアリール、及びシクロアルキルから選択され、
Wは、−(CH
2)
d−アリール又は−(CH
2)
d−ヘテロアリールから選択され、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、分岐状、線状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビルから選択され、前記ヒドロカルビルは、最大2個のヘテロ原子が介在していてもよく、F、Cl、Br、I、分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビル、OR
7、OCOR
7、COOR
7、CHO、COR
7 CH
2OR
7、NR
7R
8、CH
2NR
7R
8、及びSR
8、=O、=S、及び=NHから独立して選択される最大3個の基で置換されていてもよく、R
7及びR
8は、それぞれ独立して、H又は分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−12ヒドロカルビルから選択され、好ましくは、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、Br、I、及び線状C
1−C
12アルキルから選択され、
R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、−COH、−CO
2H、−SO
2H、−SO
3H、−SO
4H、−PO
2H、−PO
3H、−PO
4H
2、−C(O)−(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−O(C
1−C
10)アルキル、−C(O)−NHR
8、又は−C(O)−NR
8R
9から選択され、R
8及びR
9は、それぞれ独立して、H、結合、(C
1−C
10)アルキレン、F、Cl、Br、I、C(O)、C(S)、−C(S)−NH−ベンジル−、−C(O)−NH−ベンジル、−C(O)−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH、−(CH
2)
p−(C
1−C
10)アルキレン、−(CH
2)
p−NH−C(O)−(CH
2)
q、−(CH
rCH
2)
t−NH−C(O)−(CH
2)
p、−(CH
2)
p−CO−COH、−(CH
2)
p−CO−CO
2H、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−COH]
3、−C[(CH
2)
p−COH]
3、−(CH
2)
p−C(O)NH−C[(CH
2)
q−CO
2H]
3、−C[(CH
2)
p−CO
2H]
3、又は−(CH
2)
p−(C
5−C
14)ヘテロアリールから選択され、
a、b、d、p、q、r、s、及びtは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数であり、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含む。)
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0124】
一般式(1b)で表される本発明の好ましいコンジュゲートにおいては、以下の定義のいずれか1つ、好ましくは以下の定義の少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、又は最も好ましくは全てが、「D」、「Q」、「W」、「a」、「b」、「R
1」、「R
2」、R
3」、「R
4」、及び/又は「R
5」に適用され得る。
【0125】
Dは、任意のキレーター(例えば、本明細書に定義されるもの)から選択することができ、より好ましくは、Dは、DOTA、DOTA、HBED−CC、NOTA、NODAGA、DOTAGA、TRAP、NOPO、PCTA、DFO、DTPA、又はそれらの誘導体から選択することができ、最も好ましくは、Dは、DOTA、NODAGA、DO3AP、DO3AP
PrA、又はDO3AP
ABnから選択することができる。
【0126】
Qは、置換又は非置換のC
5−C
7シクロアルキルから選択することができる。Wは、−(CH
2)−ナフチル、−(CH
2)−フェニル、−(CH
2)−ビフェニル、−(CH
2)−インドリル、又は−(CH
2)−ベンゾチアゾリルから選択でき、より好ましくは、Wは、−(CH
2)−ナフチルであることができる。
【0127】
a、bは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、又は6から選択される整数であることができる。
【0128】
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、ヨウ素、及びC
1−C
3アルキルから選択することができ、R
3、R
4、及びR
5は、それぞれCO
2Hであることができる。
【0129】
そのような好ましいコンジュゲートは、一般式(1c)で特徴付けることができる。
【化25】
(式中、
以下の定義のいずれか1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、又は最も好ましくは全てが、「D」、「a」、「R
1」、及び/又は「R
2」に適用することができ、
Dは、DOTA、DOTA、HBED−CC、NOTA、NODAGA、DOTAGA、TRAP、NOPO、PCTA、DFO、DTPA、又はそれらの誘導体から選択することができる。最も好ましくは、Dは、DOTA、NODAGA、DO3AP、DO3AP
PrA、又はDO3AP
ABnから選択することができる、
aは、0、1、2、3、4、5、又は6から選択される整数であることができる。
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、ヨウ素、又はC
1−C
3アルキルから選択され、
スペーサーは、少なくとも1つのC−N結合を含む。)
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0130】
一般式(1c)の好ましいコンジュゲートにおいては、
aは、0であることができ、
スペーサーは、−[CHR
10]
u−NR
11−であることができ、
ここで、R
10とR
11は、それぞれ独立して、H及び分岐状、非分岐状、又は環状のC
1−C
12ヒドロカルビルから選択でき、uは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される整数であることができる。一般式(1a)の好ましいコンジュゲートにおいては、スペーサーは、式(3a)で特徴付けられる。したがって、そのような好ましいコンジュゲートは、一般式(7a)で特徴付けることができる。
【化26】
(式中、
Dは、DOTA、DOTA、HBED−CC、NOTA、NODAGA、DOTAGA、TRAP、NOPO、PCTA、DFO、DTPA、又はそれらの誘導体から選択することができ、最も好ましくは、Dは、DOTA、NODAGA、DO3AP、DO3AP
PrA、又はDO3AP
ABnから選択することができ、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、ヨウ素、又はC
1−C
3アルキルから選択することができる。)
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0131】
具体的には、本発明に係る好ましいコンジュゲートは、式(7a)(i)、(7a)(ii)、又は(7a)(iii)で特徴付けることができる。
【化27】
【化28】
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0132】
式(7a)(i)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書では「PSMA−06」又は「PSMA−ALB−06」とも呼ばれる。
【0133】
式(7a)(ii)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書では「PSMA−03」又は「PSMA−ALB−03」とも呼ばれる。式(7a)(iii)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書では「PSMA−89」又は「PSMA−ALB−89」とも呼ばれる。
【0134】
一般式(1c)の代替の好ましいコンジュゲートにおいては、スペーサーは、好ましくは(D−/L−)アスパラギン酸、グルタミン酸、又はリジンから選択される少なくとも1つのアミノ酸残基を含む。好ましくは、スペーサーは、好ましくは(D−/L−)アスパラギン酸、グルタミン酸、又はリジンアミノ酸残基から独立して選択される、少なくとも1、2、3、4、又は最大5つのアミノ酸残基を含むことができる。
【0135】
そのようなコンジュゲートは、好ましくは、一般式(3b)又は(3c)で表されるスペーサーを含むことができる。したがって、そのような好ましいコンジュゲートは、一般式(7b)で特徴付けることができる。
【化29】
(式中、
Dは、DOTA、DOTA、HBED−CC、NOTA、NODAGA、DOTAGA、TRAP、NOPO、PCTA、DFO、DTPA、又はそれらの誘導体から選択することができ、最も好ましくは、Dは、DOTA、NODAGA、DO3AP、DO3AP
PrA、又はDO3AP
ABnから選択することができ、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、H、ヨウ素、及びC
1−C
3アルキルから選択され、
Aは、好ましくは(D−)アスパラギン酸、(D−)グルタミン酸、又は(L−リジン)から選択されるアミノ酸残基であり、
Vは、単結合、N、又は最大3個のヘテロ原子を含む任意に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビルから選択され、前記ヘテロ原子は、好ましくはNから選択され、
nは、1、2、3、4、又は5、好ましくは1、2、又は3から選択される整数であり、
aは、1、2、3、4、5、又は6から選択される整数である。)
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0136】
具体的には、そのようなコンジュゲートは、式(7b)(i)、(7b)(ii)、又は(7b)(iii)で特徴付けることができる。
【化30】
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0137】
式(7b)(i)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書ではPSMA−05又は「PSMA−ALB−05」とも呼ばれる。
【化31】
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0138】
式(7b)(ii)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書では「PSMA−07」又は「PSMA−ALB−07」とも呼ばれる。
【化32】
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0139】
式(7b)(iii)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書では「PSMA−08」又は「PSMA−ALB−08」とも呼ばれる。
【化33】
又はその薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、若しくは放射標識錯体。
【0140】
式(7b)(iv)で特徴付けられるコンジュゲートは、本明細書では「PSMA−04」又は「PSMA−ALB−04」とも呼ばれる。
【0141】
本発明は、更に、構造式(14)、(15)、及び(16)で特徴付けられるコンジュゲートを提供する。
【化34】
【化35】
【0142】
薬学的に許容される塩
本発明は、更に、本明細書に記載されるコンジュゲートの薬学的に許容される塩を包含する。
【0143】
医薬組成物の調製は、当業者によく知られている。本発明のコンジュゲートの薬学的に許容される塩は、本発明に係るコンジュゲートの任意の遊離塩基及び/又は酸を少なくとも化学量論量の所望の塩形成酸又は塩基とそれぞれ反応させるなどの従来の手続によって調製することができる。
【0144】
本発明の薬学的に許容される塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びアンモニウムなどの無機カチオンとの塩、及び有機塩基との塩が挙げられる。適切な有機塩基としては、N−メチル−D−グルカミン、アルギン(argmme)、ベンザチン、ジオールアミン、オラミン、プロカム、及びトロメタミンが挙げられる。本発明に係る薬学的に許容される塩としては、また、有機酸又は無機酸に由来する塩が挙げられる。適切なアニオンとしては、酢酸塩、アジピン酸塩、ベシラート、臭化物、カムシラート、塩化物、クエン酸塩、エジシラート、エストラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒクラート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イセチオナート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、メシラート、臭化メチル、硫酸メチル、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テレフタラート、トシラート、及びトリエチオダイドが挙げられる。
【0145】
錯体化/非錯体化形態
本発明は、更に、キレーターDが金属イオン(放射性核種など)と錯体化されていても錯体化されていなくてもよい、本明細書に記載のコンジュゲートを包含する。
【0146】
用語「放射性核種」(又は「放射性同位体」)は、粒子(corpuscular)(即ち、陽子(アルファ線)又は電子(ベータ線)又は電磁気放射(ガンマ線)の放出を伴って崩壊する不安定な中性子対陽子比を有する天然又は人工の同位体を意味する。換言すれば、放射性核種は放射性崩壊を受ける。キレーターDは、知られた放射性核種と錯体を形成することができる。好ましくは癌のイメージング又は治療に有用な放射性核種が好適である。そのような放射性核種としては、限定するものではないが、
94Tc、
99mTc、
90In、
111In、
67Ga、
68Ga、
86Y、
90Y、
177Lu、
151Tb、
186Re、
188Re、
64Cu、
67Cu、
55Co、
57Co、
43Sc、
44Sc、
47Sc、
225Ac、
213Bi、
212Bi、
212Pb、
227Th、
153Sm、
166Ho、
152Gd、
153Gd、
157Gd、又は
166Dyが挙げられる。適切な放射性核種の選択は、特に、キレーターDの化学構造とキレート化能力、及び結果として得られる(錯体化)コンジュゲートの用途(診断対治療など)に依存する。例えば、
90Y、
131I、
161Tb、
177Luなどのベータ放射体は、同時全身放射性核種治療に使用できる。キレーターとしてDOTAを用いると、放射性核種として
68Ga、
43、44、47Sc、
177Lu、
161Tb、
225Ac、
213Bi、
212Bi、
212Pbのいずれかの使用が有利に可能にすることができる。
【0147】
幾つかの好ましい実施形態では、放射性核種は、
177Luであることができる。幾つかの好ましい実施形態では、放射性核種は、
44Scであることができる。幾つかの好ましい実施形態では、放射性核種は、
64Cuであることができる。幾つかの好ましい実施形態では、放射性核種は、
68Gaであることができる。
【0148】
コンジュゲートと放射性核種の適切な組合せを選択することは、当業者の技能と知識の範囲内である。例えば、幾つかの好ましい実施形態では、キレーターはDOTAであることができ、放射性核種は
177Luであることができる。他の好ましい実施形態では、キレーターはDOTAであることができ、放射性核種は
68Gaであることができる。他の好ましい実施形態では、キレーターはDOTAであることができ、放射性核種は
44Scであることができる。更に好ましい実施形態では、キレーターはDOTAであることができ、放射性核種は
64Cuであることができる。他の好ましい実施形態では、キレーターはNODAGAであることができ、放射性核種は
64Cuであることができる。
【0149】
エステルとプロドラッグ
本発明は、更に、特に遊離カルボン酸基がエステル化されている、それらのエステル化形態の本発明コンジュゲートを包含する。そのようなエステル化化合物は、本発明コンジュゲートの製品形態であり得る。適切なエステルプロドラッグは、飽和及び不飽和C
8−C
18脂肪酸を含む様々なアルキルエステルを含む。
【0150】
エナンチオマー
本明細書に開示されるコンジュゲートは、特定の幾何学的形態又は立体異性形態で存在し得る。更に、化合物は光学的に活性であってもよい。本発明コンジュゲートは、シス及びトランス異性体、R−及びS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物も含み得る。更なる不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基に存在していてもよい。例えば、基又はコンジュゲートの特定のエナンチオマーが望ましい場合、不斉合成によって、又はキラル助剤による誘導体化によって調製することができ、得られるジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断して純粋な所望のエナンチオマーがもたらされる。或いは、基又はコンジュゲートがアミノなどの塩基性官能基、又はカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、適切な光学活性酸又は塩基でジアステレオマー塩を形成した後、形成されたジアステレオマーを、当技術分野でよく知られた分別結晶化又はクロマトグラフィー手段により分割し、続いて純粋なエナンチオマーを回収する。
【0151】
「立体異性体」は、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない化合物の1つの立体異性体である。したがって、1つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、その化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約20重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含み、例えば、約90重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む、又は約95重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約5重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む、又は約97重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約3重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む。
【0152】
したがって、本明細書に開示される式はいずれも、そのエナンチオマー及び/又は立体異性体を含む。
【0153】
放射標識錯体
更なる態様によれば、本発明は、放射標識錯体の調製のための本発明コンジュゲートの使用に関する。そのような放射標識錯体は、好ましくは、本発明に係るコンジュゲートと放射性核種を含む。キレーターDは、好ましくは、放射性核種に配位し、放射標識錯体を形成する。適切な放射性核種は、治療診断用金属同位体から選択でき、限定するものではないが、
94Tc、
99mTc、
90In、
111In、
67Ga、
68Ga、
86Y、
90Y、
177Lu、
151Tb、
186Re、
188Re、
64Cu、
67Cu、
55Co、
57Co、
43Sc、
44Sc、
47Sc、
225Ac、
213Bi、
212Bi、
212Pb、
227Th、
153Sm、
166Ho、
152Gd、
153Gd、
157Gd、又は
166Dyを含む。
【0154】
更なる態様によれば、本発明は、更に、放射性核種(好ましくは上記の群から選択される)及び本発明に係るコンジュゲートを含む錯体を提供する。
【0155】
医薬組成物
更なる態様によれば、本発明は、更に、本発明コンジュゲート(本明細書に記載の薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、又は放射標識錯体を含む)、及び薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0156】
用語「薬学的に許容される」は、本発明コンジュゲートと適合性があり、その診断又は治療活性を妨害及び/又は実質的に低下させない化合物又は剤を意味する。薬学的に許容される担体は、治療される被験体への投与に適したものとするために、十分に高い純度と十分に低い毒性を有することが好ましい。
【0157】
配合物、担体、及び賦形剤
薬学的に許容される賦形剤は、様々な機能的役割を発揮することができ、限定するものではないが、希釈剤、充填剤、増量剤、担体、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、コーティング、溶媒及び共溶媒、緩衝剤、防腐剤、アジュバント、抗酸化剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、甘味剤、香料、及び保湿剤を含む。
【0158】
適切な薬学的に許容される賦形剤は、典型的には、(医薬)組成物の配合に基づき選択される。
【0159】
液体形態の(医薬)組成物の場合、一般に、有用な薬学的に許容される賦形剤としては、溶媒、(パイロジェンフリー)水などの希釈剤又は担体、リン酸又はクエン酸緩衝食塩水などの(等張)食塩水、固定油、植物油(例えば、落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど);レシチン;界面活性剤;ベンジルアルコール、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどの保存剤;糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、又は塩化ナトリウムなどの等張剤;モノステアリン酸アルミニウム又はゼラチン;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレーター;酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張度調整剤が挙げられる。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。緩衝剤は、特定の参照媒体に関して高張性、等張性、又は低張性であり得る、即ち、緩衝剤は、特定の参照媒体に関してより高い、同一、又はより低い塩含量を有することができ、前記塩を、浸透又は他の濃度の影響による細胞の損傷をもたらさないそのような濃度で使用することができることが好ましい。参照媒体は、例えば、血液、リンパ液、サイトゾル液、又は他の体液などのin vivo法で生じる液体、又は一般的な緩衝液又は液体などのin vitro法で参照媒体として使用され得る液体である。そのような一般的な緩衝液又は液体は当業者に知られている。
【0160】
注射(特に、i.v.注射)により投与される液体(医薬)組成物は、好ましくは、製造及び保存の条件下で無菌且つ安定であるべきである。そのような組成物は、典型的には、パイロジェンフリーであり、適切なpHを有し、等張性であり、活性成分の安定性を維持する、非経口的に許容される水溶液として処方される。
【0161】
液体医薬組成物の場合、適切な薬学的に許容される賦形剤及び担体としては、水、典型的にはパイロジェンフリー水;等張食塩水又は緩衝(水)溶液、例えば、リン酸塩、クエン酸塩などの緩衝溶液が挙げられる。特に、本発明の(医薬)組成物の注射のためには、水又は好ましくは緩衝液、より好ましくは水性緩衝液を使用することができ、これは、ナトリウム塩、例えば少なくとも50mMのナトリウム塩、カルシウム塩、例えば少なくとも0,01mMのカルシウム塩、及び任意にカリウム塩、例えば少なくとも3mMのカリウム塩を含有し得る。
【0162】
ナトリウム塩、カルシウム塩、及び任意にカリウム塩は、それらのハロゲン化物の形態(例えば、塩化物、ヨウ化物、又は臭化物)、それらの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は硫酸塩などで存在してもよい。限定するものではないが、ナトリウム塩の例としては、例えば、NaCl、NaI、NaBr、Na
2CO
3、NaHCO
3、Na
2SO
4が挙げられ、任意のカリウム塩の例としては、例えば、KCl、KI、KBr、K
2CO
3、KHCO
3、K
2SO
4が挙げられ、カルシム塩の例としては、例えば、CaCl
2、CaI
2、CaBr
2、CaCO
3、CaSO
4、Ca(OH)
2が挙げられる。更に、前記カチオンの有機アニオンも緩衝剤中に含有されてもよい。
【0163】
上に定義される注射目的に適した緩衝剤は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl
2)、及び任意に塩化カリウム(KCl)から選択される塩を含むことができ、前記塩化物に加えて更なるアニオンが存在してもよい。CaCl
2はまた、KClのような他の塩で置き換えることができる。典型的には、注射緩衝液中の塩は、少なくとも50mMの塩化ナトリウム(NaCl)、少なくとも3mMの塩化カリウム(KCl)、及び少なくとも0.01mMの塩化カルシウム(CaCl
2)の濃度で存在する。注射緩衝液は、特定の参照媒体に関して高張性、等張性、又は低張性であり得る、即ち、緩衝剤は、特定の参照媒体に関してより高い、同一、又はより低い塩含量を有し得る。前記塩を、浸透又は他の濃度の影響による細胞の損傷をもたらさないそのような濃度で使用することができることが好ましい。
【0164】
(半)固体形態の(医薬)組成物の場合、適切な薬学的に許容される賦形剤及び担体としては、微結晶セルロース、トラガカントガム、又はゼラチンなどの結合剤;デンプン又はラクトース;例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖;例えば、コーンスターチ又はポテトスターチなどのデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなど;アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなどの滑剤;硫酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素など;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香味料などの香味剤などが挙げられる。
【0165】
一般に、局所投与用の(医薬)組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、ペースト、又は散剤として処方することができる。経口投与用の(医薬)組成物は、錠剤、カプセル剤、液剤、散剤として、又は持続放出形式で処方することができる。しかし、好ましい実施形態によれば、本発明の(医薬)組成物は、特に静脈内又は腫瘍内注射を介して非経口的に投与され、したがって、本明細書の他の箇所で記載されるように非経口投与用に液体形態又は凍結乾燥形態で処方される。非経口製剤は、典型的にはバイアル、IVバッグ、アンプル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジに保管され、注射剤、吸入剤、又はエアロゾルとして投与することができるが、注射剤が好ましい。
【0166】
(医薬)組成物は、凍結乾燥形態で提供することができる。凍結乾燥(医薬)組成物は、投与前に、有利には水性担体に基づく、適切な緩衝液中で再構成される。
【0167】
(医薬)組成物は、好ましくは、安全かつ有効な量の本発明コンジュゲート又は放射標識錯体を含む。
【0168】
本明細書に使用される場合、「安全且つ有効な量」は、治療されるべき疾患の診断を可能にする及び/又は積極的な変化を有意に誘発するのに十分な活性剤の量を意味する。しかし、同時に、「安全且つ有効な量」は、深刻な副作用を回避するのに十分、即ち、利益とリスクの間に良好なな関係をもたらすのに十分小さい。「安全且つ有効な量」は更に、診断又は治療されるべき特定の状態に関連して、また、治療対象患者の年齢及び体調、状態の重症度、治療期間、付随する治療の性質、使用される特定の薬学的に許容される賦形剤又は担体の性質、及び類似の要因にも関連して変化する。
【0169】
本発明コンジュゲートはまた、好ましくは癌の治療、特に前立腺癌、膵臓癌、腎癌、又は膀胱癌の治療及び/又は予防のための医薬の調製における使用のために提供される。
【0170】
キット
更なる態様によれば、本発明は、本発明コンジュゲート(その薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、又は放射標識錯体を含む)及び/又は本発明の医薬組成物を含むキットに関する。
【0171】
任意に、キットは、放射性核種、抗菌剤、可溶化剤などの、医薬組成物の文脈において本明細書に定義される少なくとも1つの更なる剤を含み得る。
【0172】
キットは、上に例示した成分を適切な容器中に含む2つ以上のパーツを含むキットであることができる。例えば、容器が成分の適時前の混合を好ましくは防止する限り、各容器は、バイアル、ボトル、スクイーズボトル、ジャー、密封スリーブ、エンベロープ若しくはポーチ、チューブ若しくはブリスターパッケージ、又は他の好適な形態であり得る。異なる成分はそれぞれ、別々に提供されてもよく、又は異なる構成要素の幾つかは、一緒に(即ち同じ容器内に)提供されてもよい。
【0173】
薬剤師又は医師による意図的な混合の前に、1つの区画の内容物が別の区画の内容物と物理的に関連することができないという限り、容器は、バイアル、チューブ、ジャー、又はエンベロープ、又はスリーブ、又はブリスターパッケージ、又はボトル内の区画又はチャンバーでもあり得る。
【0174】
キット又はキットオブパーツは、その成分のいずれかの投与及び投与量に関する情報を含む技術的な説明書を更に含み得る。
【0175】
治療及び診断方法並びに使用
更なる態様によれば、本発明は、医薬及び/又は診断薬における使用のための本発明コンジュゲート(その薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、及び放射標識錯体を含む)、医薬組成物、又はキットに関する。好ましくは、前記本発明コンジュゲート、医薬組成物、又はキットは、ヒトの医療目的に使用される。したがって、本発明は、更に、医薬として使用するための、これらの本発明コンジュゲート、医薬組成物、又はキットを包含する。
【0176】
本発明コンジュゲートは、好ましくは、選択的に前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的とすることができる。したがって、特定の態様によれば、本発明は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞及び/又は組織の存在を検出する方法における使用のための本発明コンジュゲート、医薬組成物、又はキットを提供する。
【0177】
PSMAは、特に、悪性癌細胞上で発現する。本明細書で使用される用語「癌」は、周囲組織に浸潤し且つ遠位の身体部位に転移する傾向がある細胞の制御されていない通常速い増殖を特徴とする新生物を意味する。この用語は、良性及び悪性の新生をが含む。癌の悪性度は、通常、退形成、浸潤性、及び転移性で特徴付けられる一方、良性の悪性度は、通常、これらの特性は有しない。この用語は、腫瘍の成長を特徴とする新生物と血液及びリンパ系の癌を含む。
【0178】
具体的には、PSMAは、前立腺癌細胞、膵臓癌細胞、腎癌細胞、又は膀胱癌細胞において、任意に多量に発現され得る。
【0179】
更なる特定の態様によれば、本発明は、前立腺癌、膵臓癌、腎癌、又は膀胱癌を診断、治療、及び/又は予防する方法における使用のための、本発明コンジュゲート(その薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、及び放射標識錯体を含む)、医薬組成物、又はキットを提供する。
【0180】
用語「診断」又は「診断する」は、その徴候及び症状から疾患を識別する行為、及び/又は本件の場合、疾患を示す生物学的マーカー(例えば、遺伝子又はタンパク質)の分析を意味する。
【0181】
疾患の「治療」又は「治療すること」という用語は、その疾患を予防又はそれに対し防御すること(即ち、臨床症状が発症しないようにすること);疾患を阻害すること(即ち、臨床症状の発症を阻止又は抑制すること、及び/又は疾患を軽減すること(即ち、臨床症状の後退を引き起こすこと)を含む。理解されるように、最終的な1つ又は複数の誘発事象は未知又は潜在的であり得るので、疾患又は障害を「予防する」ことと「抑制すること」とを区別することは常に可能という訳ではない。したがって、用語「予防」は、「予防すること」及び「抑制すること」の両方を包含する一種の「治療」を構成すると理解される。したがって、用語「治療」は「予防」を含む。
【0182】
本明細書で使用される「被験体」、「患者」、又は「個体」という用語は、一般に、ヒト及び非ヒト動物、好ましくは哺乳動物(例えば、マーモセット、タマリン、クモザル、フクロウザル、ベルベットサル、リスザル、ヒヒ、マカク、チンパンジー、オランウータン、ゴリラ;ウシ;ウマ;ヒツジ;ブタ;トリ;ネコ;イヌ;マウス;ラット;ウサギ;モルモットなどの非ヒト霊長類)、例えば、キメラ及びトランスジェニック動物並びに疾患モデルを含む。本発明の文脈において、「被験体」という用語は、好ましくは非ヒト霊長類又はヒト、最も好ましくはヒトを意味する。
【0183】
本明細書に記載され、癌、特に前立腺癌、膵臓癌、腎癌、又は膀胱癌の診断、治療、又は予防に関する使用及び方法は、好ましくは、(a)本発明コンジュゲート(その薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、及び放射標識錯体を含む)、医薬組成物、又はキットを患者に投与する工程と、(b)前記患者から放射線画像を取得する工程を含むことができる。
【0184】
本発明コンジュゲート、医薬組成物、又はキットは、典型的には、非経口投与される。投与は、好ましくは全身的に、例えば静脈内(i.v.)、皮下、筋肉内、又は皮内注射により達成することができる。或いは、投与は、例えば腫瘍内注射により局所的に達成することができる。
【0185】
本発明コンジュゲート、医薬組成物、又はキットは、それを必要とする被験体に1日数回、1日間に1回ずつ、1日間おきに1回ずつ、1週間に1回ずつ、又は1ヶ月間に1回ずつ投与することができる。好ましくは、治療、診断、又は予防は、本発明コンジュゲート、医薬組成物、又はキットの有効用量で行われる。
【0186】
本発明コンジュゲートの有効用量は、通常の実験、例えば、動物モデルを使用して決定することができる。そのようなモデルとしては、限定するものではないが、ウサギ、ヒツジ、マウス、ラット、イヌ、及び非ヒト霊長類モデルが挙げられる。本発明コンジュゲート又は放射標識錯体の治療効果及び毒性は、例えば、LD50(集団の50%致死量)及びED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養又は実験動物における標準的な医薬手続によって決定できる。毒性効果と治療効果との間の用量比が治療指数であり、比LD50/ED50として表すことができる。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデータは、ヒトにおける使用のための用量範囲を決定するのに使用することができる。前記コンジュゲートの用量は、好ましくは、毒性が殆どない又は全くないED50を含む血中濃度の範囲内にある。
【0187】
例えば、本発明コンジュゲートの治療又は診断有効用量は、投与単位当たり約0.001mg〜10mg、好ましくは約0.01mg〜5mg、より好ましくは約0.1mg〜2mg、又は投与単位当たり約0.01nmol〜1mmol、特に、投与単位当たり1nmol〜1mmol、好ましくは投与単位当たり1μmol〜1mmolである。本発明コンジュゲートの治療又は診断有効用量は、(体重1kg当たり)約0.01mg/kg〜10g/kg、好ましくは約0.05mg/kg〜5g/kg、より好ましくは約0.1mg/kg〜2.5g/kgの範囲であり得ることもまた想定される。有利なことに、それらの好ましい薬物動態特性のために、本発明コンジュゲートは、好ましくは、他のPSMAリガンドよりも低用量で投与することができる。
【0188】
上で確立したように、本発明コンジュゲートは、特に、PSMA発現細胞の標的化を含む治療診断用途に役立つ。本明細書で使用される用語「治療診断薬」は、「治療のみ」、「診断のみ」、及び「治療及び診断」の用途を含む。更なる態様において、本発明は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞及び/又は組織の存在を検出するin vitro法であって、(a)前記PSMA発現細胞及び/又は組織を本発明コンジュゲート(その薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、及び放射標識錯体を含む)、医薬組成物、又はキットと接触させることと、(b)検出手段、任意に放射線イメージングを適用し、前記細胞及び/又は組織を検出することとを含むin vitro法に関する。
【0189】
本発明のin vivo及びin vitroでの使用及び方法において、放射線イメージングは、当技術分野で知られた任意の手段及び方法を使用して達成することができる。好ましくは、放射線イメージングは、陽電子放出断層撮影(PET)又は単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)を含み得る。本発明コンジュゲートの放射線イメージングによって検出される標的細胞又は組織は、好ましくは(任意に癌性の)前立腺細胞又は組織、(任意に癌性の)脾臓細胞又は組織、又は(任意に癌性の)腎臓細胞又は組織を含み得る。
【0190】
本発明のin vivo及びin vitroでの使用及び方法において、PSMA発現細胞又は組織の存在は、前立腺腫瘍(細胞)、転移した前立腺腫瘍(細胞)、腎腫瘍(細胞)、膵臓腫瘍(細胞)、膀胱腫瘍(細胞)、及びそれらの組合せの指標となり得る。したがって、本発明コンジュゲート(その薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、及び放射標識錯体を含む)、医薬組成物、及びキットは、前立腺癌、腎癌、膵臓癌、又は膀胱癌の診断(及び任意で治療)に特に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【
図1-1】
図1−1は、50MBq/nmolで標識された(A)
177Lu−PSMA−ALB−01、(B)
177Lu−PSMA−ALB−03、(C)
177Lu−PSMA−ALB−04、及び(D)
177Lu−PSMA−ALB−05のHPLCベースの品質管理のクロマトグラムを示す。
【
図1-2】
図1−2は、50MBq/nmolで標識された(E)
177Lu−PSMA−ALB−06、(F)
177Lu−PSMA−ALB−07、及び(G)
177Lu−PSMA−ALB−08のHPLCベースの品質管理のクロマトグラムを示す。
【
図2】
図2は、参照化合物
177Lu−PSMA−617(n=3)と比較した
177Lu−PSMA−ALB−01(n=3)、
177Lu−PSMA−ALB−03(n=3)、
177Lu−PSMA−ALB−04(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−05(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−06(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−07(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−08(n=1)のn−オクタノール/PBS分配係数を示す。
【
図3】
図3は、参照化合物
177Lu−PSMA−617(n=2)と比較した
177Lu−PSMA−ALB−01(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−03(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−04(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−05(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−06(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−07(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−08(n=2)の限外ろ過アッセイのデータを示す。
【
図4】
図4は、参照化合物
177Lu−PSMA−617(n=3)と比較した
177Lu−PSMA−ALB−01(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−03(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−04(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−05(n=1)、
177Lu−PSMA−ALB−06(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−07(n=2)、
177Lu−PSMA−ALB−08(n=2)の取り込みと内在化を示す。AとCは、PSMApos PC−3 PIP細胞で得られたデータを示し、BとDは、PSMAneg PC−3 flu細胞で得られたデータを示す。
【
図5-1】
図5−1は、
177Lu−PSMA−ALB−01及び
177Lu−PSMA−ALB−03(A)で処理したPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの体内分布データを示す。
【
図5-2】
図5−2は、
177Lu−PSMA−ALB−04及び
177Lu−PSMA−ALB−05(B)で処理したPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの体内分布データを示す。
【
図5-3】
図5−3は、
177Lu−PSMA−ALB−06、
177Lu−PSMA−ALB−07、及び
177Lu−PSMA−ALB−08(C)で処理したPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの体内分布データを示す。
【
図6-1】
図6−1は、
177Lu−PSMA−ALB−01〜08の(A)腫瘍の取り込みの最終的な選定(conclusive selection)を示す。
【
図6-2】
図6−2は、
177Lu−PSMA−ALB−01〜08の(B)腫瘍/血液比の最終的な選定を示す。
【
図6-3】
図6−3は、
177Lu−PSMA−ALB−01〜08の(C)腫瘍/腎臓比の最終的な選定を示す。
【
図6-4】
図6−4は、
177Lu−PSMA−ALB−01〜08の(D)腫瘍/肝臓比の最終的な選定を示す。
【
図7】
図7は、様々な時点(p.i)でのシンチグラフィ画像を示す。
【
図8】
図8は、様々な領域でのSPECT−CT融合スキャンを示す。
【
図9】
図9は、ガリウム68放射標識PSMA−ALB−06化合物によるp.i後1時間及び3時間のPET画像を示す。
【
図10】
図10は、(A)
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後1時間、4時間、及び6時間(!)で、PC−3 PIP/flu担腫瘍マウスで得られた体内分布データを示す。(B)
177Lu−PSMA−ALB−06の注射後1時間、4時間、及び24時間で、PC−3 PIP/flu担腫瘍マウスで得られた体内分布データを示す。
【
図11】
図11は、全ての時点で同じスケールで最大値投影(MIP)として示されたPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスのPET/CT画像を示す。(A)
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後1時間で得られたPET/CTスキャン。(B)
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後4時間で得られたPET/CTスキャン。(C)
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後20時間で得られたPET/CTスキャン。
【
図12】
図12は、同一時点で異なるスケールで最大値投影(MIP)として示されたPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスのPET/CT画像を示す。(A/B)
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後1時間で得られたPET/CTスキャン。
【
図13】
図13は、同一時点で異なるスケールで最大値投影(MIP)として示されたPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスのPET/CT画像を示す。(A/B)
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後20時間で得られたPET/CTスキャン。
【
図14】
図14は、各種濃度のヒト血漿でインキュベーションした後の
64Cu−PSMA−ALB−06(B
50=770)及び
64Cu−PSMA−ALB−89(B
50=454)のB
50値を計算するための限外ろ過データの片対数プロット(平均±SD、n≧3)。
【
図15】
図15は、(A)PSMA陽性PC−3 PIP細胞及び(B)PSMA陰性PC−3 flu細胞における
64Cu−PSMA−ALB−89及び
64Cu−PSMA−ALB−06の細胞取り込み及び内在化(平均±SD、n=3)を示す。
【
図16】
図16は、1h、4h、及び24hp.i.でのPC−3 PIP及びPC−3 flu腫瘍異種移植片を有するBalb/cヌードマウスで得られた
64Cu−PSMA−ALB−89の組織分布プロファイルを示す。値は、n=3〜6マウスから得られた値の平均±SDを表す。
【
図17】
図17は、最大値投影として示されたPET/CT画像を示す。(A〜D)
64Cu−PSMA−ALB−89の注射後1時間、4時間、16時間、及び24時間のマウスのPET/CT画像。スケールは、腫瘍、腎臓、及び肝臓をより見やすくするために、バックグラウンドの2%をカットすることにより調整されている。(PSMA+=PC−3 PIP腫瘍異種移植片;PSMA−=PC−3flu腫瘍異種移植片;Ki=腎臓;Li=肝臓;Bl=膀胱)。
【
図18】
図18は、PSMA−ALB−02/−05/−07の合成に使用されるPSMA標的前駆体を示す。
【
図19】
図19は、(A)PSMA−ALB−02、(B)pSMA−ALB−05、及び(C)PSMA−ALB−07の化学構造を示す。
【
図20】
図20は、L−アスコルビン酸の(A)不存在下及び(B)存在下での
177Lu−PSMA−ALB−02、
177Lu−PSMA−ALB−05、
177Lu−PSMA−ALB−07、及び
177Lu−PSMA−617の24時間に亘る安定性を表すグラフを示す。3つの独立した実験の平均値±SDを表す。
【
図21】
図21は、
177Lu−PSMA−617と比較した
177Lu−PSMA−ALB−02、
177Lu−PSMA−ALB−05、及び
177Lu−PSMA−ALB−07の取り込みと内在化を示す。(A)PSMA陽性PC−3 PIP細胞で得られたデータ。バーは、3連で行った3つの独立した実験の平均値±SDを表す。(B)PSMA陰性PC−3flu細胞で得られたデータ。バーは、3連で行った1つの実験の平均値±SDを表す。
【
図22】
図22は、3つの全てのアルブミン結合
177Lu−PSMAリガンド及び
177Lu−PSMA−617で得られた192hp.i.までの生体分布データ(減衰補正済み)を示す。(A)
177Lu−PSMA−ALB−02、(B)
177Lu−PSMA−ALB−05、(C)
177Lu−PSMA−ALB−07、及び(D)
177Lu−PSMA−617の体内分布データ。マウスの各群(n=3〜6)から得られた平均値±SD。
【
図23】
図23は、(A)
177Lu−PSMA−ALB−02、(B)
177Lu−PSMA−ALB−05、及び(C)
177Lu−PSMA−ALB−07の192hp.iまでの減衰補正されていない生体分布データを表すグラフを示す。各データポイントは、マウスの群の平均±SD(n=3〜6)を表す。
【
図24】
図24は、(A)
177Lu−PSMAALB−02、(B)
177Lu−PSMA−ALB−05、及び(C)
177Lu−PSMA−ALB−07の注射後24時間のPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの最大値投影(MIP)としてのSPECT/CT画像を示す。PSMA
+=PSMA陽性PC−3 PIP腫瘍;PSMA
−=PSMA陰性PC−3 flu腫瘍;Ki=腎臓;Bl=膀胱;Li=肝臓。
【
図25】
図25は、(A/B/C)
177Lu−PSMA−ALB−02の注射後4時間(A)、24時間(B)、及び72時間(C)のPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの最大値投影(MIP)としてのSPECT/CT画像を示す。(D/E/F)
177Lu−PSMA−617の注射後4時間(D)、24時間(E)、及び72時間(F)のPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの最大値投影(MIP)としてのSPECT/CT画像を示す。PSMA+=PSMA陽性PC−3 PIP腫瘍;PSMA−=PSMA陰性PC−3 flu腫瘍;Ki=腎臓;Bl=膀胱;Li=肝臓。
【
図26】
図26は、
177Lu−ALB−03及び
177Lu−PSMA−ALB−06の注射後の様々な時点でのPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスの最大値投影(MIP)としてのSPECT/CT画像を示す(A〜C)。
177Lu−ALB−03(25MBq、1nmol)の注射後(A)4時間、(B)24時間、及び(C)72時間のマウスのMIP。(D〜F)
177Lu−PSMA−ALB−06(25MBq、1nmol)の注射後(D)24時間、(E)24時間、及び(F)72時間のマウスのMIP。PSMA+=PSMA陽性PC−3 PIP腫瘍;PSMA−=PSMA陰性PC−3 flu腫瘍;Ki=腎臓;Bl=膀胱。
【
図27】
図27は、PC−3 PIP担腫瘍マウスにおける
177Lu−PSMA−ALB−06及び
177Lu−PSMA−617による治療試験。(A)生理食塩水を投与したマウス(群A)、2MBqの
177Lu−PSMA−617(群B)、5MBqの
177Lu−PSMA−617(群C)、2MBqの
177Lu−PSMA−ALB−06(群D)、及び5MBqの
177Lu−PSMA−ALB−06(群E)で処理したマウスの、0日目(1に設定)の腫瘍体積に対する腫瘍成長曲線を示す。各群の最初のマウスがエンドポイントに達するまでデータが示される。(B)群A〜Eのカプラン・マイヤープロット。(C)群A〜Eの相対体重。
【0192】
実施例
実施例1:DOTA官能化アルブミン結合PSMAリガンドの設計及びin vitro評価
1.1 材料及び方法
1.1.1 新規PSMAリガンド(概要):
ポータブルアルブミン結合部分を有する7種の提案されたPSMAリガンドはいずれも、固相プラットフォームにより合成した。固相プラットフォームは、前記したアルブミン−アフィンPSMAリガンドの開発に非常に有用であることが示された。
【0193】
マルチステップ合成(PSMA−ALB−01では19ステップ、PSMA−ALB−03では17ステップ、PSMA−ALB−04及びPSMA−ALB−05では20ステップ、PSMA−ALB−06では17ステップ、PSMA−ALB−07及びPSMA−ALB−08では23ステップ)により、これらの化合物を26〜49%の単離後全体収率で得た。粗生成物をセミ分取RP−HPLCで精製し、純度>98%の最終生成物とした。前記化合物の特性評価は、それぞれ分析RP−HPLC及びMALDI−MS又はESI−MSで行った。分析データを表1.1に示す。
【表1.1】
【0194】
PSMAのペプチド模倣ファーマコフォア(L−Glu−NH−CO−NH−L−Lys結合体;ステップ1〜6)を、Eder et al.Bioconjug.Chem.2012,23:688−697に記載と同様にして合成した。リンカー部分(2−ナフチル−L−Ala−NH−CO−トランス−CHX−N3又は2−ナフチル−L−Ala−NH−CO−トランス−CHX−Me−NH
2;ステップ7〜10)は、Benesova et al.JNM 2015,56:914−920によって以前に提案された標準的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)プロトコルにしたがって調整した。PSMAリガンド前駆体を提供するこれらの2つの合成中間段階は、4つの化合物全てに同様に適用した(ステップ1〜8)。ただし、PSMA−ALB−03/04/05/06/07/08の場合は、PSMA−ALB−01のリンカー領域のビルディングブロック[トランス−4−アジドシクロヘキサンカルボン酸;ステップ9〜10]を、トランス−4−(Fmoc−アミノメチル)シクロヘキサン−カルボン酸(ステップ9〜10)に変更した。
【0195】
PSMA−ALB−01
PSMA−ALB−01の合成では、遊離アジド基を有する精製済みPSMA前駆体とプロパルギル−Glyを有する精製済みアルブミン結合部分[4−(p−ヨードフェニル)酪酸−L−Lys]との高時間効率「ヘッド−ツー−テール」クリックカップリング(“head−to−tail” click coupling)(ステップ11〜17)を用いた。トリアゾール環を介したこれら2つの前駆体の効率的なカップリング(ステップ18)の後、更なる精製を行って過剰のCuSO
4・5H
2Oを除去した。最後に、DOTAキレーターをその活性エステルの形態でコンジュゲートすること(DOTA−NHSエステル;ステップ19)によりPSMA−ALB−01を得た。
【0196】
PSMA−ALB−01の構造式を以下に示す。
【化36】
【0197】
PSMA−ALB−03
PSMA−ALB−03の調製では、樹脂支持体上でのストレートワンウェイ合成(straight one−way synthesis)を用いた。PSMA前駆体へのFmoc−L−Lys(Alloc)−OHカップリングの後、Fmoc脱保護、DOTAトリス(tBu)−エステルコンジュゲーション、Alloc脱保護、及び4−(p−ヨードフェニル)酪酸コンジュゲーションを行った(ステップ11〜16)。最後に、TFA:TIPS:H
2O混合物と攪拌し、樹脂から切断することにより、PSMA−ALB−03を得た(ステップ17)。
【0198】
PSMA−ALB−03の構造式を以下に示す。
【化37】
【0199】
PSMA−ALB−04
PSMA−ALB−04の合成では、DOTAコンジュゲートL−Lysを有する樹脂被覆PSMA前駆体と精製済みアルブミン結合部分[4−(p−ヨードフェニル)酪酸−L−Lys]との、2つの第二級アミンの直接コンジュゲーションによる高時間効率「ヘッド−ツー−テール」カップリング(ステップ11〜18)を用いた。スベリン酸ビス(N−ヒドロキシスクシンイミド)エステルを使用したこれらの2つの前駆体の効率的なカップリング(ステップ19)の後、TFA:TIPS:H
2O混合物と攪拌し、樹脂から切断することにより、PSMA−ALB−04を得た(ステップ20)。
【0200】
PSMA−ALB−04の構造式を以下に示す。
【化38】
【0201】
PSMA−ALB−05
PSMA−ALB−05の調製では、樹脂支持体上でのストレートワンウェイ合成を用いた。PSMA前駆体へのFmoc−L−Lys(Alloc)−OHのカップリングの後、Fmoc脱保護、Fmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、第2のFmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、4−(p−ヨードフェニル)酪酸コンジュゲーション、Alloc脱保護、DOTAトリス(tBu)−エステルコンジュゲーションを行った(ステップ11〜19)。TFA:TIPS:H
2O混合物と攪拌し、樹脂から切断することにより、PSMA−ALB−05を得た(ステップ20)。
【0202】
PSMA−ALB−05の構造式を以下に示す。
【化39】
【0203】
PSMA−ALB−06
PSMA−ALB−06の合成では、樹脂支持体上でのストレートワンウェイ合成を用いた。PSMA前駆体へのFmoc−L−Lys(Alloc)−OHのカップリングの後、Fmoc脱保護、DOTAトリス(tBu)−エステルコンジュゲーション、Alloc脱保護、及びp−(トリル)酪酸コンジュゲーションを行った(ステップ11〜16)。最後に、TFA:TIPS:H
2O混合物と攪拌し、樹脂から切断することにより、PSMA−ALB−06を得た(ステップ17)。
【0204】
PSMA−ALB−06の構造式を以下に示す。
【化40】
【0205】
PSMA−ALB−07
PSMA−ALB−07の調製では、樹脂支持体上でのストレートワンウェイ合成を用いた。PSMA前駆体へのFmoc−L−Lys(Alloc)−OHのカップリングの後、Fmoc脱保護、Fmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、第2のFmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、第3のFmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、4−(p−ヨードフェニル)酪酸コンジュゲーション、Alloc脱保護、DOTAトリス(tBu)−エステルコンジュゲーションを行った(ステップ11〜22)。TFA:TIPS:H
2O混合物と攪拌し、樹脂から切断することにより、PSMA−ALB−07を得た(ステップ23)。
【0206】
PSMA−ALB−07の構造式を以下に示す。
【化41】
【0207】
PSMA−ALB−08
PSMA−ALB−08の調製では、樹脂支持体上でのストレートワンウェイ合成を用いた。PSMA前駆体へのFmoc−L−Lys(Alloc)−OHのカップリングの後、Fmoc脱保護、Fmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、第2のFmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、第3のFmoc−D−Asp−OtBuコンジュゲーション、Fmoc脱保護、p−(トリル)酪酸コンジュゲーション、Alloc脱保護、DOTAトリス(tBu)−エステルコンジュゲーションを行った(ステップ11〜22)。TFA:TIPS:H
2O混合物と攪拌し、樹脂から切断することにより、PSMA−ALB−08を得た(ステップ23)。
【0208】
PSMA−ALB−08の構造式を以下に示す。
【化42】
【0209】
1.1.2 PSMA−ALB−03−08の合成(詳細)
a)グルタミン酸−ウレア−リジン結合体の合成
フィルターとコンビストッパー(combi stopper)を備えた5mLシリンジ中の2−クロロトリチルクロリド樹脂{(2−CT−Resin;Merck;カタログ番号8550170005)、0.30mmol、置換容量1.63mmol/g、100〜200MESH、1%DVB、CH
2Cl
2での合計膨潤体積>4.2mL/g、[184mg]}を、まず、無水ジクロロメタン(DCM)中で45分間攪拌した。
【0210】
次に、2−CT−樹脂を無水DCMで3回洗浄した後、3mLの無水DCM中の1.2当量のAlloc(N−アリルオキシカルボニル)及びFmoc(N−フルオレニルメトキシカルボニル)保護L−リジン{(Fmoc−Lys(Alloc)−OH;Merck;カタログ番号8521240005)、0.36mmol、452.50g/mol、[163mg]、(1)}及び4.8当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミン{(DIPEA)、1.44mmol、129.24g/mol、0.742g/ml、[251μL]}と反応させた。樹脂(2)上の最初の保護されたアミノ酸のカップリングは、穏やかに攪拌しながら16時間に亘って進行した。L−リジン固定化樹脂(2)をDCM1で3回、DCM2で3回洗浄した。樹脂に残っている未反応のクロロトリチル基を、DCM、メタノール(MeOH)、及びDIPEAの17:2:1の混合物(20mL)で5回洗浄した。
【0211】
その後、Alloc及びFmoc保護L−リジンを含む樹脂をDCM1で3回、DCM2で3回、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF1)で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。Fmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(3)を得た。次いで、Alloc保護L−リジンをDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、最後にDCM2で3回洗浄した。
【0212】
次のステップでは、10当量のtBu保護L−グルタマート塩酸塩{(H−Glu(OtBu)−OtBu・HCl;Merck;カタログ番号8540960005)、3.0mmol、295.8g/mol、[887mg]、i}を、グルタミル部分iiiのイソシアナートの生成に使用した。適切な量のtBu保護L−グルタミン酸を150mLのDCM2に溶解し、その後、直ちに、3mLのDIPEAを添加した。
【0213】
この溶液を、乾燥DCM5mL中の、1mmolの氷冷したビス(トリクロロメチル)炭酸塩{(BTC;Sigma;カタログ番号15217−10G)、296.75g/mol、[297mg]、ii}を含むフラスコに4時間かけて滴下した。
【0214】
1つの遊離NH
2基を有するL−リジン固定化樹脂(3)を、その後、グルタミル部分iiiのイソシアナートの溶液に一度に添加し、16時間攪拌し、樹脂固定化ビス(tBu)−Glu−ウレア−Lys(Alloc)(4)を得た。
【0215】
樹脂上に被覆された得られた生成物(4)を濾別し、DCM1で3回、DCM2で3回洗浄した。Alloc−保護基の切断は、無水DCM3mL中、15当量のモルホリン{4.5mmol、87.12g/mol、0.999g/mL、[392μL]}の存在下で、0.15当量のTPP Pd{[テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);Sigma;カタログ番号216666−1G]、0.045mmol、1155.56g/mol、[105mg]}との反応により行った。Pd及びモルホリンの量を2つの部分に分け、それぞれ1時間振とうすることにより連続的に反応させた。アルミニウム箔を使用して、暗所で反応を行った。
【0216】
次いで、樹脂をDCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。パラジウムの残留物を除去するために、樹脂を更に、DMF中の1%DIPEA(30mLのDMF2中の300μLのDIPEA)で10回洗浄し、続いて、濃度15mg/mLでDMF2中のキュープラル溶液({ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物;Sigma;カタログ番号D3506−100G)、225.31g/mol}(30mLのDMF2中の450mgのキュープラル)で5分間10回洗浄した。
【0217】
次いで、樹脂固定化及びビス(tBu)保護Glu−ウレア−Lys(5)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にジエチルエーテル(Et
2O)で3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0218】
そのような調製した前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合体(5)を、7種の化合物全て(PSMA−ALB−01/03/04/05/06/07/08)を合成するために次反応に使用した。
【0219】
ビス(tBu)保護Glu−ウレア−Lysファーマコフォアのこれまでの合成全体の概要を、スキーム1.1にまとめる。
【化43】
【0220】
樹脂固定化及びビス(tBu)保護結合体(5)を、まず、無水DCM中で45分間撹拌した。予め膨潤させたファーマコフォアをDCM2で3回、DMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0221】
b)リンカー領域の合成
樹脂に対して(0.1mmol)、リンカー領域の第1のビルディングブロックに対応する4当量のFmoc保護2−ナフチル−L−アラニン{(Fmoc−2Nal−OH;Bachem;カタログ番号B−2100)、0.40mmol、437.50g/mol、[175.0mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[71μL]}の存在下にて、3.96当量のHBTU{(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルホスファート;Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.39mmol、379.24g/mol、[147.9mg]}で活性化させた。
【0222】
DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護ファーマコフォア(5)に添加し、1時間攪拌した。
【0223】
続いて、ビス(tBu)保護Glu−ウレア−Lys及びFmoc保護2−ナフチル−L−アラニン(6)を含む樹脂をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。化合物(6)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(7)を得た。
【0224】
次のステップにおいて、PSMA−ALB−01の場合には、アジドシクロヘキサンカルボン酸{(N3−1,4−トランス−CHC−OH;Iris Biotech;カタログ番号HAA2235.0001)、0.40mmol、169.18g/mol、[67.7mg]}に対応する4当量の第2のビルディングブロック、又はPSMA−ALB−03/04/05/06/07/08の場合には、Fmoc保護トラネキサム酸{(トランス−4−(Fmoc−アミノメチル)シクロヘキサン−カルボン酸;Sigma;カタログ番号58446−5G−F)、0.40mmol、379.45g/mol[151.8mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[71μL]}存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.39mmol、379.24g/mol、[147.9mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた化合物(7)に添加し、1時間撹拌した。
【0225】
続いて、ビス(tBu)保護Glu−ウレア−Lys−2−ナフチル−L−アラニン及びアジドシクロヘキサンカルボン酸(8A)を含む樹脂を、DMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。最終のPSMA前駆体(9A)を、95:2.5:2.5の比のトリフルオロ酢酸(TFA)、トリイソプロピルシラン(TIPS)、及びH
2Oからなる混合物と共に、2時間以下攪拌して、樹脂から切断することにより得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を1:1の比のアセトニトリル(ACN)と水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0226】
更に、ビス(tBu)保護Glu−ウレア−Lys−2−ナフチル−L−アラニン及びFmoc保護トラネキサム酸(8B)を含む樹脂を、DMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。化合物(8B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で1回2分間洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(9B)を得た。
【0227】
リンカー領域のこれまでの合成全体の概要を、スキーム1.2にまとめる。
【化44】
【0228】
c)PSMA−ALB−03の合成
リジン被覆PSMA前駆体(9B)に対して、4当量のFmoc及びAlloc保護L−リジン{(Fmoc−Lys(Alloc)−OH;Merck;カタログ番号8521240005)、0.40mmol、452.50g/mol、[181mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(9B)に添加し、1時間攪拌した。
【0229】
得られた化合物(10B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(11B)を得た。
【0230】
キレーターと樹脂固定化化合物(11B)のコンジュゲーションを、2当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル{([2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸];CheMatech;カタログ番号137076−54−1)、0.20mmol、572.73g/mol[115mg]}で行った。キレーターのビルディングブロックは、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、1.98当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.198mmol、379.24g/mol、[75mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化され且つDMFで予め膨潤させた化合物(11B)に添加した。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。次に、得られた化合物(12B)を、DMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、最後にDCM2で3回洗浄した。
【0231】
化合物(12B)からのAlloc保護基の切断は、3mLの無水DCM中、30当量のモルホリン{3.0mmol、87.12g/mol、0.999g/mL、[262μL]}の存在下で、0.03当量のTPP Pd{(Sigma;カタログ番号216666−1G)、0.03mmol、1155.56g/mol、[35mg]}と反応させることにより行った。反応は、アルミホイル箔を使用して、暗所で2時間行った。
【0232】
次いで、樹脂を、DCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。パラジウムの残留物を除去するために、DMF中の1%DIPEA(30mLのDMF2中の300μLのDIPEA)で、樹脂を更に10回洗浄し、続いて、濃度15mg/mLでDMF2中のキュープラル溶液(Sigma;カタログ番号D3506−100G)、225.31g/mol}(30mLのDMF2中の450mgのキュープラル)で5分間10回洗浄した。次に、得られた化合物(13B)を、DMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0233】
最後に、アルブミン結合部分のカップリングのために、4当量のヨードフェニル酪酸{([4−(p−ヨードフェニル)酪酸];Sigma;I5634−5G)、0.40mmol、290.10g/mol、[116mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEA添加2分間後、溶液を、樹脂固定化され且つDMFで予め膨潤させた生成物(13B)に添加し、1時間攪拌した。
【0234】
次に、得られた化合物(14B)を、DMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0235】
最終化合物PSMA−ALB−03は、95:2.5:2.5の比のTFA、TIPS、及びH
2Oからなる混合物と共に2時間以下撹拌して、樹脂から切断することによって得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0236】
前記した合成の概要を、スキーム1.3にまとめる。
【化45】
【0237】
d)PSMA−ALB−04の合成
リジン被覆PSMA前駆体(9B)に対して、4当量のDde及びFmoc保護L−リジン{(Dde−Lys(Fmoc)−OH;Merck;カタログ番号8540000001)、0.40mmol、532.63g/mol、[213mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで事前に膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(9B)に添加し、1時間攪拌した。
【0238】
次に、得られた化合物(10B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(10B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(11B)を得た。
【0239】
キレーターと樹脂固定化化合物(11B)のコンジュゲーションは、3当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル{([2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸];CheMatech;カタログ番号137076−54−1)、0.30mmol、572.73g/mol[171mg]}で行った。キレータービルディングブロックは、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化され且つDMFで予め膨潤させた化合物(11B)に添加した。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。
【0240】
次に、得られた化合物(12B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(12B)からのDde保護基の選択的除去は、DMF中の2%ヒドラジンの混合物で5分間2回、次いで、10分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(13B)を得た。
【0241】
樹脂被覆生成物(13B)に対して、2当量のスベリン酸ジスクシンイミジル{([スベリン酸ビス(N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)];Sigma;68528−80−3)、0.20mmol、368.34g/mol、[74mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、1.98当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.198mmol、379.24g/mol、[73mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化され且つDMFで予め膨潤させた生成物(13B)に添加し、1時間攪拌した。
【0242】
次に、得られた化合物(14B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0243】
前記した合成の概要を、スキーム1.4にまとめる。
【化46】
【0244】
合成は、まず、無水ジクロロメタン(DCM)中で45分間攪拌される、フィルターとコンビストッパーを備えた5mLシリンジ中の2−クロロトリチルクロリド樹脂{(2−CT−Resin;Merck;カタログ番号8550170005)、0.20mmol、置換容量1.63mmol/g、100〜200MESH、1%DVB、CH
2Cl
2での合計膨潤体積>4.2mL/g、[123mg]}をから出発するアルブミン結合前駆体を並行して調製しながら行った。
【0245】
次に、2−CT樹脂を無水DCMで3回洗浄し、続いて、3mLの無水DCM中、1.2当量のDde及びFmoc保護L−リジン{(Dde−Lys(Fmoc)−OH;Bachem;カタログ番号E−3385.0001)、0.24mmol、532.64g/mol、[128mg](15B)}及び4.8当量のDIPEA{0.96mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[167μL]}と反応させた。
【0246】
樹脂(16B)上の最初に保護したアミノ酸のカップリングは、穏やかに攪拌しながら16時間に亘って進行した。
【0247】
L−リジン固定化樹脂(16B)をDCM1で3回、DCM2で3回洗浄した。樹脂上に残っている未反応のクロロトリチル基を、17:2:1の比のDCM、MeOH、及びDIPEAの混合物(20mL)で5回洗浄した。
【0248】
続いて、Dde及びFmoc保護L−リジンを含む樹脂をDCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。Fmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって、生成物(17B)を得た。
【0249】
次に、Dde保護L−リジンをDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0250】
そのように調製した樹脂被覆Dde保護L−リジン(17B)を2つの部分に分け、そのうちの1つを次の反応に使用した。この樹脂被覆生成物を無水DCM中で45分間撹拌し、続いてDMFで3回、DMF2で3回洗浄した。
【0251】
リジン被覆樹脂に対して、4当量のヨードフェニル酪酸{([4−(p−ヨードフェニル)酪酸];Sigma;I5634−5G)、0.40mmol、290.10g/mol、[116mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた生成物(17B)に添加し、1時間攪拌した。
【0252】
Dde保護L−リジンとヨードフェニル酪酸(18B)を含む樹脂をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(18B)からのDde保護基の選択的除去は、DMF中の2%ヒドラジンの混合物で5分間2回、次いで、10分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(19B)を得た。
【0253】
アルブミン標的化部分(20B)は、DCM中の5%TFAからなる混合物を用いて2時間以下撹拌し、樹脂から切断することにより得た。生成物からの溶媒混合物を蒸発させ、粗生成物を、1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0254】
前記した合成の概要を、スキーム1.5にまとめる。
【化47】
【0255】
最後に、3当量の精製済みアルブミン標的化部分(20B)の樹脂固定化生成物(14B)へのコンジュゲーションを行った。生成物(20B)を乾燥DMFに溶解させ、100μLのDIPEAを添加した。DIPEAの添加2分間後、溶液(20B)を、樹脂固定化され且つDMFで予め膨潤させた生成物(14B)に添加し、1時間撹拌した。
【0256】
次に、得られた化合物(21B)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0257】
最終化合物PSMA−ALB−04は、95:2.5:2.5の比のTFA、TIPS、及びH
2Oからなる混合物を用いて2時間以下撹拌し、樹脂から切断することによって得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を、1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0258】
前記した合成の概要を、スキーム1.6にまとめる。
【化48】
【0259】
e)PSMA−ALB−05の合成
リジン被覆PSMA前駆体(9B)に対して、4当量のFmoc及びAlloc保護L−リジン{(Fmoc−Lys(Alloc)−OH;Merck;カタログ番号8521240005)、0.40mmol、452.50g/mol、[181mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化された。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(9B)に添加し、1時間攪拌した。
【0260】
次に、得られた化合物(10B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(10B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で、2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって、生成物(11B)を得た。
【0261】
リジン被覆PSMA前駆体(11B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(11B)に添加し、1時間攪拌した。
【0262】
次に、得られた化合物(12B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(12B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(13B)を得た。
【0263】
リジン及びアスパラギン酸塩被覆PSMA前駆体(13B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(13B)に添加し、1時間撹拌した。
【0264】
次に、得られた化合物(14B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(14B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(15B)を得た。
【0265】
樹脂被覆生成物(15B)に対して、4当量のヨードフェニル酪酸{([4−(p−ヨードフェニル)酪酸];Sigma;I5634−5G)、0.40mmol、290.10g/mol、[116mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた生成物(15B)に添加し、1時間攪拌した。
【0266】
次に、得られた化合物(16B)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、最後にDCM2で3回洗浄した。
【0267】
化合物(16B)からのAlloc保護基の切断は、3mLの無水DCM中、30当量のモルホリン{3.0mmol、87.12g/mol、0.999g/mL、[262μL]}の存在下で、0.03当量のTPP Pd{(Sigma;カタログ番号216666−1G)、0.03mmol、1155.56g/mol、[35mg]}と反応させることによって行った。アルミホイルを使用して、暗所で2時間反応を行った。
【0268】
次いで、樹脂をDCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。パラジウムの残留物を除去するために、DMF中の1%DIPEA(30mLのDMF2中の300μLのDIPEA)で樹脂を更に10回洗浄し、続いて、濃度15mg/mLでDMF2中のキュープラル溶液({(Sigma;カタログ番号D3506−100G)、225.31g/mol}(30mLのDMF2中の450mgのキュープラル)で5分間10回洗浄した。次に、得られた化合物(17B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0269】
キレーターと樹脂固定化化合物(17B)のコンジュゲーションは、3当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル{([2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸];CheMatech;カタログ番号137076−54−1)、0.30mmol、572.73g/mol[171mg]}で行った。キレータービルディングブロックは、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた化合物(17B)に添加した。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。
【0270】
そのような生成物(18B)を、DMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0271】
最終化合物PSMA−ALB−05は、95:2.5:2.5の比のTFA、TIPS、及びH
2Oからなる混合物と2時間以下攪拌し、樹脂から切断することによって得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を、1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0272】
前記した合成の概要を、スキーム1.7にまとめる。
【化49】
【化50】
【0273】
リジン被覆PSMA前駆体(9)に対して、4当量のFmoc及びAlloc保護L−リジン{(Fmoc−Lys(Alloc)−OH;Merck;カタログ番号8521240005)、0.40mmol、452.50g/mol、[181mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(9)に添加し、1時間攪拌した。
【0274】
得られた化合物(10)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(11)を得た。
【0275】
キレーターと樹脂固定化化合物(11)のコンジュゲーションは、2当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル{([2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ))−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸];CheMatech;カタログ番号137076−54−1)、0.20mmol、572.73g/mol[115mg]}で行った。キレータービルディングブロックを、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、1.98当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.198mmol、379.24g/mol、[75mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた化合物(11)に添加した。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。次に、得られた化合物(12)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、最後にDCM2で3回洗浄した。
【0276】
化合物(12)からのAlloc保護基の切断は、3mLの無水DCM中、30当量のモルホリン{3.0mmol、87.12g/mol、0.999g/mL、[262μL]}の存在下で、0.03当量のTPP Pd{(Sigma;カタログ番号216666−1G)、0.03mmol、1155.56g/mol、[35mg]}との反応によって行った。アルミホイルを使用して、暗所で2時間反応を行った。
【0277】
次いで、樹脂を、DCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。パラジウムの残留物を除去するために、DMF中の1%DIPEA(30mLのDMF2中の300μLのDIPEA)で、樹脂を更に10回洗浄し、続いて、濃度15mg/mLでDMF2中のキュープラル溶液(Sigma;カタログ番号D3506−100G)、225.31g/mol}(30mLのDMF2中の450mgのキュープラル)で5分間10回洗浄した。次に、得られた化合物(13)を、DMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0278】
最後に、アルブミン結合部分のカップリングのために、4当量のトリル酪酸{([4−(p−トリル)酪酸];ABCR;AB119212)、0.40mmol、178.23g/mol、[71mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた生成物(13)に添加し、1時間撹拌した。
【0279】
次に、得られた化合物(14)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0280】
最終化合物PSMA−ALB−06は、95:2.5:2.5の比のTFA、TIPS、及びH
2Oからなる混合物と共に2時間以下撹拌し、続いて樹脂から切断することにより得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を、1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0281】
前記した合成の概要を、スキーム1.8にまとめる。
【化51】
【0282】
f)PSMA−ALB−07の合成
リジン被覆PSMA前駆体(9B)に対して、4当量のFmoc及びAlloc保護L−リジン{(Fmoc−Lys(Alloc)−OH;Merck;カタログ番号8521240005)、0.40mmol、452.50g/mol、[181mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(9B)に添加し、1時間攪拌した。
【0283】
次に、得られた化合物(10B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(10B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(11B)を得た。
【0284】
リジン被覆PSMA前駆体(11B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(11B)に添加し、1時間攪拌した。
【0285】
次に、得られた化合物(12B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(12B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(13B)を得た。
【0286】
リジン及びアスパラギン酸塩被覆PSMA前駆体(13B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(13B)に添加し、1時間撹拌した。
【0287】
次に、得られた化合物(14B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(14B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(15B)を得た。
【0288】
リジン及び2種のアスパラギン酸塩被覆PSMA前駆体(15B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(15B)に添加し、1時間攪拌した。
【0289】
次に、得られた化合物(16B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(14B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(17B)を得た。
【0290】
樹脂被覆生成物(17B)に対して、4当量のヨードフェニル酪酸{([4−(p−ヨードフェニル)酪酸];Sigma;I5634−5G)、0.40mmol、290.10g/mol、[116mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(17B)に添加し、1時間撹拌した。
【0291】
次に、得られた化合物(18B)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、最後にDCM2で3回洗浄した。
【0292】
化合物(18B)からのAlloc保護基の切断は、3mLの無水DCM中、30当量のモルホリン{3.0mmol、87.12g/mol、0.999g/mL、[262μL]}の存在下で、0.03当量のTPP Pd{(Sigma;カタログ番号216666−1G)、0.03mmol、1155.56g/mol、[35mg]}との反応により行った。アルミホイルを使用して、暗所で2時間反応を行った。
【0293】
次いで、樹脂を、DCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。パラジウムの残留物を除去するために、DMF中の1%DIPEA(30mLのDMF2中の300μLのDIPEA)で、樹脂を更に10回洗浄し、続いて、濃度15mg/mLでDMF2中のキュープラル溶液(Sigma;カタログ番号D3506−100G)、225.31g/mol}(30mLのDMF2中の450mgのキュープラル)で5分間10回洗浄した。次に、得られた化合物(19B)を、DMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0294】
キレーターと樹脂固定化化合物(19B)のコンジュゲーションは、3当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル{([2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸];CheMatech;カタログ番号137076−54−1)、0.30mmol、572.73g/mol[171mg]}で行った。キレータービルディングブロックは、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた化合物(17B)に添加した。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。
【0295】
そのような生成物(20B)を、DMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0296】
最終化合物PSMA−ALB−07は、95:2.5:2.5の比のTFA、TIPS、及びH
2Oからなる混合物と共に2時間以下撹拌し、続いて樹脂から切断することにより得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を、1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。前記した合成の概要を、スキーム1.9の2つの部分にまとめる。
【化52】
【化53】
【0297】
g)PSMA−ALB−08の合成
リジン被覆PSMA前駆体(9B)に対して、4当量のFmoc及びAlloc保護L−リジン{(Fmoc−Lys(Alloc)−OH;Merck;カタログ番号8521240005)、0.40mmol、452.50g/mol、[181mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol、[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(9B)に添加し、1時間攪拌した。
【0298】
次に、得られた化合物(10B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(10B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(11B)を得た。
【0299】
リジン被覆PSMA前駆体(11B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(11B)に添加し、1時間攪拌した。
【0300】
次に、得られた化合物(12B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(12B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(13B)を得た。
【0301】
リジン及びアスパラギン酸塩被覆PSMA前駆体(13B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(13B)に添加し、1時間撹拌した。
【0302】
次に、得られた化合物(14B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(14B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回洗浄することによって行い、生成物(15B)を得た。
【0303】
リジン及び2種のアスパラギン酸塩被覆PSMA前駆体(15B)に対して、3当量のFmoc及びtBu保護D−アスパラギン酸塩{(Fmoc−D−Asp−OtBu;Merck;カタログ番号8521440001)、0.30mmol、411.45g/mol、[123mg]}を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、DMFで予め膨潤させた固定化ビス(tBu)保護PSMA前駆体(15B)に添加し、1時間攪拌した。
【0304】
次に、得られた化合物(16B)をDMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。得られた化合物(14B)からのFmoc保護基の選択的除去は、DMFとピペリジンの1:1混合物で2分間1回洗浄後、5分間、更に1回度洗浄することによって行い、生成物(17B)を得た。
【0305】
樹脂被覆生成物(17B)に対して、4当量のトリル酪酸(0.40mmol)を、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、3.96当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.396mmol、379.24g/mol[149mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた生成物(17B)に添加し、1時間撹拌した。
【0306】
次に、得られた化合物(18B)をDMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、最後にDCM2で3回洗浄した。
【0307】
化合物(18B)からのAlloc保護基の切断は、3mLの無水DCM中、30当量のモルホリン{3.0mmol、87.12g/mol、0.999g/mL、[262μL]}の存在下で、0.03当量のTPP Pd{(Sigma;カタログ番号216666−1G)、0.03mmol、1155.56g/mol、[35mg]}との反応により行った。アルミホイルを使用して、暗所で2時間反応を行った。
【0308】
次いで、樹脂を、DCM1で3回、DCM2で3回、DMF1で3回、最後にDMF2で3回洗浄した。パラジウムの残留物を除去するために、DMF中の1%DIPEA(30mLのDMF2中の300μLのDIPEA)で、樹脂を更に10回洗浄し、続いて、濃度15mg/mLでDMF2中のキュープラル溶液(Sigma;カタログ番号D3506−100G)、225.31g/mol}(30mLのDMF2中の450mgのキュープラル)で5分間10回洗浄した。次に、得られた化合物(19B)を、DMF1で3回、DMF2で3回洗浄した。
【0309】
キレーターと樹脂固定化化合物(19B)のコンジュゲーションは、3当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル{([2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸];CheMatech;カタログ番号137076−54−1)、0.30mmol、572.73g/mol[171mg]}で行った。キレータービルディングブロックは、無水DMF中、4当量のDIPEA{0.40mmol、129.24g/mol、0.742g/mL、[70μL]}の存在下で、2.97当量のHBTU{(Sigma;カタログ番号12804−25G−F)、0.297mmol、379.24g/mol、[112mg]}で活性化させた。DIPEAの添加2分間後、溶液を、樹脂固定化されDMFで予め膨潤させた化合物(17B)に添加した。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。
【0310】
そのような生成物(20B)を、DMF1で3回、DMF2で3回、DCM1で3回、DCM2で3回、最後にEt
2Oで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0311】
最終化合物PSMA−ALB−07は、95:2.5:2.5の比のTFA、TIPS、及びH
2Oからなる混合物と2時間以下攪拌し、続いて樹脂から切断することによって得た。TFAを蒸発させ、粗生成物を、1:1の比のACNと水に溶解させ、RP−HPLCで精製した。
【0312】
前記した合成の概要を、スキーム1.10の2つの部分にまとめる。
【化54】
【化55】
【0313】
1.1.3:PSMAリガンドの
177Lu標識及びin vitro評価
177Lu−PSMA−ALB−01/−03/−04/−05/−06/−07/−08を使用して、in vitro試験を行った。これは、標識効率、n−オクタノール/PBS分配係数、及び血清タンパク質結合試験の予備的評価を含んだ。更に、取り込み及び内在化実験を、PSMAをトランスフェクトしたPSMApos PC−3 PIP細胞株(ポジティブコントロール)及びモックをトランスフェクトしたPSMAneg PC−3 flu細胞株(ネガティブコントロール)を使用して行った。
【0314】
a)PSMAリガンド及び放射性核種
PSMAリガンド
177Lu−PSMA−ALB−01/−03/−04/−05/−06/−07/−08は、前記したように合成した。参照化合物(PSMA−617)は、Advanced Biochemical Compound(ABX GmbH、Radeberg、ドイツ)から購入した。0.05M HCl中の担体無添加(No−carrier added)
177Luは、Isotope Technologies Garching(ITG GmbH、ドイツ)から得た。
【0315】
b)放射標識
PSMA−617のストック溶液は、MilliQ水に最終濃度1mMに希釈することにより調製した。
177Lu−PSMA−ALB−01/−03/−04/−05/−06/−07/−08を、MilliQ水/DMSOに希釈して、最終濃度1mMにした。いずれの化合物も、pH3.5〜4.5の酢酸ナトリウム(0.5M、pH8)とHCl(0.05M、pH〜1)の1:5混合物中にて
177Luで標識した。実験条件に応じて、化合物を、5〜50MBq/nmolの比放射能にて
177Luで標識した。反応混合物を95℃で15分間インキュベートした後、C−18逆相カラム(XterraTM MS、C18、5μm、150×4.6mm;Waters)を用いる高速液体クロマトグラフィーを使用した品質管理を行った。移動相は、0.1%トリフルオロ酢酸(A)及びアセトニトリル(B)を含むMilliQ水からなり、95%A及び5%B〜20%A及び80%Bの勾配で、1.0mL/分の流量で15分間行った。HPLCに注入する前に、放射性リガンドをNa−DTPA(50μM(マイクロモル))を含むMilliQ水に希釈した。
【0316】
c)n−オクタノール/PBS分配係数の決定
177Lu−PSMA−ALB−01/−03/−04/−05/−06/−07/−08及びPSMA−617を、50MBq/nmolの比活性にて
177Luで標識した。次に、放射性リガンド(0.5MBq;10pmol、25μL)を、1475μLのPBS(pH7.4)と1500μLのn−オクタノールを含む試薬チューブに添加した。バイアルを激しくボルテックスした後、相分離のための遠心分離ステップを行った。最後に、規定量のPBSとn−オクタノールの放射能をガンマカウンター(Perkin Elmer、Wallac Wizard 1480)で測定し、n−オクタノール相中で測定された1分間当たりのカウント(cpm)のPBS相中のcpm測定値に対する比の対数として表される分布係数を計算した。
【0317】
d)フィルターアッセイ
177Lu−PSMA−ALB−01/−03/−04/−05/−06/−07/−08及び
177Lu−PSMA−617の血漿結合を、限外ろ過アッセイを使用して決定した。
【0318】
したがって、化合物を、50MBq/nmolの比活性にて
177Luで標識し、ヒト血漿サンプル又はPBS中で室温にてインキュベートした。遊離及び血漿結合画分を、遠心分離限外ろ過装置(4104遠心分離フィルターユニット[Millipore];30000Da公称分子量限界、メチルセルロースマイクロパーティションメンブレン)を使用して分離した。インキュベートした溶液を限外濾過装置に充填し、20℃で40分間2500rpmにて遠心分離しました。ろ液からサンプルを採取し、ガンマカウンターで放射能を分析した。血漿結合化合物の量は、対応する充填溶液(100%に設定)に対するろ液で測定された放射能の割合として計算した。
【0319】
e)細胞内在化アッセイ
PSMAをトランスフェクトしたPSMA
pos PC−3 PIP細胞及びモックをトランスフェクトしたPSMA
neg PC−3 flu細胞を用いて、
177Lu−PSMA−ALB−01/−03/−04/−05/−06/−07/−08及び参照化合物
177Lu−PSMA−617で、細胞取り込み及び内在化実験を行い、新規化合物の特異性を調べた。
【0320】
10%ウシ胎児血清、L−グルタミン、抗生物質、ピューロマイシン(2μg/mL)を添加したRPMI細胞培養培地で、37℃、5%CO
2(標準条件)で細胞を増殖させた。細胞を洗うためのPBS/EDTA(2mM)及び細胞を剥離するためのトリプシンを使用して、常法による細胞培養を1週間に2回行った。細胞を12ウェルプレートに播種し(1ウェル当たり、RPMI培地2mL中〜3×10
5個の細胞)、標準的な条件で一晩接着及び増殖させた。上清を除去し、細胞をPBS(pH7.4)で洗ってから、添加剤を含有しないRPMI培地(975μL/ウェル)を添加した。化合物を、5MBq/nmolの比活性にて
177Luで標識し、0.05%ウシ血清アルブミン(BSA)/0.9%NaCl溶液中に1.5MBq/mLに希釈して、プラスチック容器への接着を防止した。細胞を、25μL(〜37.5kBq)/ウェルの放射標識PSMAリガンドと共に、それぞれ標準的な条件で2時間及び4時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を氷冷PBSで3回洗浄し、放射性リガンドの合計取り込み量を決定した(表面上のPSMA結合画分及び内在化画分)。内在化放射性リガンドの画分を、氷冷PBSで洗浄した細胞で評価し、続いてストリッピングバッファー(100mMのNaCl中0.05Mグリシンストリッピングバッファー、pH2.8)で10分間インキュベートし、氷冷PBSで更なる洗浄ステップを行った。NaOH(1M、1mL)を各ウェルに添加することにより、細胞サンプルを溶解させた。細胞懸濁液のサンプルは、γカウンター(Perkin Elmer、Wallac Wizard 1480)で測定した。細胞懸濁液をホモジナイズした後、Micro BCA Protein Assayキット(Pierce、Therma Scientific)を使用して、各サンプルのタンパク質濃度を決定した。結果を、150μg/mLタンパク質当たりの合計付加放射能の割合として表した。
【0321】
1.2 結果
1.2.1 標識化効率
PSMA−ALB−01及び−03は、最大100MBq/nmolの比活性で、>98%の優れた放射化学収率にて
177Luで成功裏に標識化された。PSMA−ALB−04、−05、−06、−07、及び−08は、予備試験において、最大50MBq/nmolの比活性で、>97%の優れた放射化学収率にて
177Luで標識化された。実験に使用した比活性は(特段の断りがない限り)50MBq/nmolであった。in vitro及びin vivoの試験に使用される化合物の放射化学的純度は、常に>97%であった(
図1)。
【0322】
1.2.2 n−オクタノール/PBS分配係数
177Lu−PSMA−ALB−01、−03、−04、及び−06は、同様のn−オクタノール/PBS分配係数(LogD値)を示したが、
177Lu−PSMA−ALB−05、−07、及び−08の係数は、僅かにより親水性の化合物であることを示した。一般に、データは、アルブミン結合体の導入により、参照化合物
177Lu−PSMA−617と比較して親水性を低下させることを示したが、化合物はいずれも依然として親水性であり、logD値は>2.7である(
図2)。
【0323】
1.2.3 アルブミン結合特性
177Lu−PSMA−ALB−01、−03、−04、−05、−06、−07の限外ろ過実験では、ヒト血漿中でインキュベートしたときに94%を超える化合物がフィルターを浸透せず、高い血清タンパク質結合能が明らかとなった。タンパク質が存在しないPBSで化合物をインキュベートすると、化合物をろ過し易い可能性が示された(
図3)。新たに設計された化合物はいずれも、アルブミン結合画分が僅か約44%であった
177Lu−PSMA−617と比較して血清タンパク質結合能の増加を示した(
図3)。
【0324】
1.2.4 内在化
PSMAリガンド
177Lu−PSMA−ALB−01、−03、−04、−05、−06、−07、及び−08の細胞取り込みと内在化を調べ、PC−3 PIP/flu細胞を使用して参照化合物
177Lu−PSMA−617と比較した(
図4)。PC−3 PIP細胞(PSMA
pos)への化合物の取り込みはいずれも、それぞれ2時間又は4時間で
177Lu−PSMA−617に同等であった。興味深いことに、PSMAリガンドの内在化された割合は、2時間及び4時間の時点で
177Lu−PSMA−617の場合よりも高かった。
177Lu−PSMA−ALB−06と
177Lu−PSMA−ALB−08の内在化率は、
177Lu−PSMA−617と同等であった。PC−3 flu細胞(PSMA
neg)中における放射性リガンドの取り込みはいずれも、<0.5%であり、全ての化合物においてPSMA特異的な取り込み/内在化が高いことが示された。
【0325】
実施例2:腫瘍マウスモデルにおけるPSMAリガンドのin vivo評価
177Lu−PSMA−ALB−01、−03、−04、−05、−06、−07、及び−08を、in vivoで特性評価した。そのため、免疫不全Balb/cヌードマウスにPSMApos PC−3 PIP細胞及びPSMAneg PC−3 flu細胞を接種した。リガンドの静脈内(i.v.)適用後、広範な体内分布及びSPECT/CT試験を行った。
177Lu−PSMA−ALB−01−08の腫瘍の取り込み、腫瘍/血液比、腫瘍/腎臓比、及び腫瘍/肝臓比を、
図5及び
図6にまとめる。
【0326】
2.1 材料及び方法
2.1.1 腫瘍マウスモデル
マウスは、Charles River Laboratories(ズルツフェルト、ドイツ)から5〜6週齢で入手した。雌の無胸腺ヌードBalb/cマウスの右肩部にPC−3 PIP細胞(Ca
2+/Mg
2+を含む100μLハンクス平衡塩溶液(HBSS)中の6×10
6個の細胞)を、左肩部にPC−3 flu細胞(Ca
2+/Mg
2+を含む100μLのHBSS中の5×10
6個の細胞)に皮下接種した。2週間後、腫瘍は、体内分布とイメージング試験の実施に適した約200〜300mm
3のサイズに達した。
【0327】
2.1.2 生体分布試験
PSMAリガンドの注射の2週間前に腫瘍細胞を接種したPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスを使用して、体内分布試験を行った。放射性リガンドを0.9%NaClに希釈し、100〜200μLの容量でi.v.注射した。マウスを、放射性リガンドの注射後(p.i.)の様々な時点で安楽死させた。選択した組織と臓器を収集し、重量を測定し、ガンマカウンターを使用して測定を行った。結果を減衰補正し、組織質量1グラム当たりの注入された活性の割合(%IA/g)として記載した。
【0328】
2.1.3 SPECT/CTイメージング試験
SPECT/CT実験は、専用の小型動物SPECT/CTカメラ(NanoSPECT/CTTM、Mediso Medical Imaging Systems、ブダペスト、ハンガリー)を使用して行った。PSMAリガンドは、25MBq/nmolの比活性で標識し、0.05%BSAを含む生理食塩水で希釈した。スキャンは、放射性リガンド(25MBq、1nmol、100μL)の注射後4時間、24時間、及び72時間に取得した。NanoSPECT/CTTMソフトウェアを使用してデータを再構成し、VivoQuant(バージョン3.0、inviCRO Imaging Services and Software、ボストン、米国)を使用して後処理した。ガウスポスト再構成フィルター(FWHM=1mm)を適用し、放射能のスケールが画像上に表示されるように設定した(最小値=0.095Bq/ボクセル(voxel)〜最大値=95Bq/ボクセル)。
【0329】
2.1.4 マウスモデルの治療
統計的に類似した体重と腫瘍体積を有するマウスの5つの群(群A〜E、n=6)に、ビヒクルのみ(BSA 0.05%を含む生理食塩水、群A)、
177Lu−PSMA−617(群B及びC)、及び
177Lu−PSMA−ALB−06(群D及びE)を、治療試験の0日目にそれぞれ注射した(表2.1)。群B及びDのマウスには、2MBqの放射性リガンド(1nmol/マウス)を投与し、群C及びEのマウスには、5MBqの放射性リガンド(1nmol/マウス)を投与した。体重と腫瘍サイズを12週間に亘って1日間おきに測定することにより、マウスをモニターした。定義したエンドポイント基準に達したとき、又は84日目に試験が終了したときに、マウスを安楽死させた。相対体重(RBW)を[BW
x/BW
0]と定義し、ここで、BW
xは、x日目の体重(グラム)であり、BW
0は、0日目の体重(グラム)である。腫瘍の大きさは、デジタルノギスで最長の腫瘍軸(L)とその垂直軸(W)を測定することにより決定した。腫瘍体積(V)は、式[V=0.5
*(L
*W2)]にしたがって計算した。相対腫瘍体積(RTV)は、[TV
x/TV
0]と定義し、ここで、TV
xは、所定のx日目の腫瘍体積(mm3)であり、TV
0は、0日目の腫瘍体積(mm3)である。
【表2.1】
【0330】
放射性核種療法の有効性は、腫瘍成長遅延(TGD
x)として表した。これは、腫瘍体積が0日目の初期体積のx倍に増大するのに必要な時間として計算した。腫瘍成長遅延指数[TGDI
x=TGD
x(T)/TGD
x(C)]は、初期腫瘍体積の2倍(x=2、TGD2)及び5倍(x=5、TGD5)の増大における、コントロールマウス(C)に対する処理マウス(T)のTGD
x比として計算した。望ましくない副作用を同定するための手段として、最初のコントロールマウスを安楽死させる必要があった日に体重を比較した。安楽死後、腎臓、肝臓、及び脳を回収し、計量した。臓器の比率(腎臓対脳、肝臓対脳)を、安楽死させた日に得られた臓器質量を使用して計算した。
【0331】
GraphPad Prismソフトウェア(バージョン7)を使用したTukeyの多重比較ポストテストで一元配置ANOVAを使用して、結果の部に示されているように、データの有意性を分析した。p<0.05の値は、統計的に有意とみなした。生存分析は、カプラン・マイヤー曲線とログランク検定(Mantel Cox)を使用して行った。
【0332】
2.2 結果
2.2.1
177Lu−PSMA−ALB−01、
177Lu−PSMA−ALB−03の体内分布
177Lu−PSMA−ALB−01及び
177Lu−PSMA−ALB−03の組織分布を8日間に亘って調べた。化合物
177Lu−PSMA−ALB−01及び
177Lu−PSMA−ALB−03は、非常に類似した組織分布プロファイルを示した(
図5A)。
【0333】
高い放射能レベルが、初期の時点で既に血液プールで観察することができ、ゆっくりとではあるが着実に経時で除去された。PSMApos PC−3 PIP腫瘍におけるいずれの放射性リガンドの取り込みも、プラトーに達するまで増加し続け、試験終了まで実質的に低下しなかった。PC−3 flu腫瘍における取り込みは、明らかに血中レベルを下回っており、in vivoにおける高度なPSMA特異的結合と取り込みを示す(
図5A)。
177Lu−PSMA−ALB−01及び−03の体内分布データを、以下の表2.2及び表2.3に示す。
【表2.2】
【表2.3】
【0334】
2.2.2
177Lu−PSMA−ALB−04及び
177Lu−PSMA−ALB−05の体内分布
177Lu−PSMA−ALB−04及び
177Lu−PSMA−ALB−05の組織分布を8日間に亘って調べた(
図5B)。
【0335】
177Lu−PSMA−ALB−04を注射した動物の血液活性レベルは、初期の時点で非常に高く、最も高いレベルを維持した。高いPSMA
pos PC−3 PIP腫瘍蓄積が観察され、試験終了に向けて僅かに減少した。PSMA
neg PC−3 flu腫瘍及びその他の非標的臓器に蓄積された活性は明らかに血中レベルを下回っており、in vivoでの高度なPSMA特異的結合と取り込みを示す。
【0336】
177Lu−PSMA−ALB−05を注射した動物の血液プールの高レベルは急速に減少し、試験終了まで低レベルで安定した状態であった。
177Lu−PSMA−ALB−05を注射したマウスのPSMA
pos PC−3 PIP腫瘍では、放射能の取り込みが最大であることが観察され、その後、腫瘍組織からの安定したウォッシュアウトが続いた。PC−3 flu腫瘍及びその他の組織への取り込みは明らかに血中レベルを下回っており、in vivoでのPSMA特異的結合と取り込みを示す。
177Lu−PSMA−ALB−04及び−05の体内分布データを、以下の表2.4及び表2.5に示す。
【表2.4】
【表2.5】
【0337】
2.2.3
177Lu−PSMA−ALB−06、
177Lu−PSMA−ALB−07、
177Lu−PSMA−ALB−08の体内分布
177Lu−PSMA−ALB−06、−07、及び−08の組織分布を、注射後3日間まで調べた(
図5C)。
【0338】
いずれの化合物の血中活性レベルも急速に低下し、試験全体を通して同等であった。最も高いPSMApos PC−3 PIP腫瘍の蓄積は、化合物
177Lu−PSMA−ALB−06で観察され、試験終了に向かって僅かに減少した。PSMAneg PC−3 flu腫瘍及びその他の非標的臓器に蓄積された活性は、血中濃度を下回り、被験化合物のいずれについても、in vivoでのPSMA特異的結合及び取り込みが示された。
177Lu−PSMA−ALB−06、−07、及び−08の体内分布データを、以下の表2.6、表2.7、及び表2.8に示す。
【表2.6】
【表2.7】
【表2.8】
【0339】
2.2.4 SPECT/CTイメージング試験
PC−3 PIP/flu担腫瘍マウスのSPECT/CT画像を、
177Lu−PSMA−ALB−03及び
177Lu−PSMA−ALB−06の注入後の様々な時点で行った。
177Lu−PSMA−ALB−03及び
177Lu−PSMA−ALB−06の正確な注入活性は、それぞれ25MBq及び23MBqであった。
177Lu−PSMA−ALB−03及び
177Lu−PSMA−ALB−06の好ましいin vivo挙動を
図26に示す。
【0340】
2.2.5 マウスモデルでの治療
コントロールマウス(群A)は、経時で一定の腫瘍成長を示した。これは、低活性の
177Lu−PSMA−617で処理したマウス(群B:2MBq/マウス)の腫瘍成長と同等であった。したがって、群Bのマウスの腫瘍成長遅延指数(TGDI
2=0.8、TGDI
5=1.4、表2.9)は、TGDIを1と定義したコントロール動物の値と同様であった。最初のコントロールマウスが16日目にエンドポイントに達した一方で、群Bでは、12日目に既に1頭のマウスを安楽死させる必要があった(表2.9)。より高活性の
177Lu−PSMA−617(群C:5MBq/マウス)又はより低活性の
177Lu−PSMA−ALB−06(群D:2MBq/マウス)を使用したときに、マウスは効果的に治療された。TGDI
2とTGDI
5は、両群(群CとD)のマウスで類似しており、その結果、同じ時間範囲でマウスを安楽死させる必要があった(群C:26日目〜40日目、群D:28日目〜44日目、データは示さず)。より高活性の
177Lu−PSMA−ALB−06(群E:5MBq/マウス)で処理したマウスでは、腫瘍の成長が効果的に阻害された。群Eの4頭のマウスでは、腫瘍が完全に消失し、84日目の試験終了まで再成長が観察されなかった。
【表2.9】
【0341】
より高活性の
177Lu−PSMA−617又はより低活性の
177Lu−PSMA−ALB−06を投与したマウスは、生存率のメジアンの有意な上昇を示した(群C:32日目、群D:36日目、表2.9、
図27)。84日目の試験終了時に、より高活性の
177Lu−PSMA−ALB−06で処理された4頭のマウス(群E)は依然として生存していたので、この群の生存時間のメジアンは未定義とした。
【0342】
実施例3:PSMAリガンドの臨床評価
3.1:ケース1
治療用放射性核種であるルテチウム177で放射標識した化合物PSMA−ALB−06は、広範な両葉肝転移、播種性骨芽細胞転移(骨盤領域)、及び多発性の膨大なリンパ節転移を伴う軽度に分化した前立腺癌患者の個々の治療試験の範囲で使用した。放射能標識化合物PSMA−ALB−06の体内分布と生体内挙動の評価は、SPECT−CT測定によって行った。
【0343】
SPECT−CT視覚化を、注射(p.i.)後46時間までの様々な時点で行った。放射標識化合物PSMA−ABL−06は、血液循環の延長とバイオアベイラビリティの向上を示した(
図7)。血液クリアランスは、最初の数時間以内に完了する一方で、健常な臓器(特に、肝臓、唾液腺、腎臓)の非特異的取り込みは、経時で中程度に留まる。SPECT−CTは、悪性組織における放射標識化合物の実質的な特異的取り込みを示す(
図8)。
【0344】
これらの最初の非ヒトでの結果は、PSMA陽性腫瘍の治療の可能性を示す、化合物の薬物動態特性の改善に関する前臨床的所見を裏付ける。
【0345】
3.2 ケース2:
ポジトロン放出放射性核種ガリウム68で放射標識された化合物PSMA−ALB−06を、PET−CTの診断薬として、転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の個々の治療試験で使用した。悪性組織は、特異性の高いPETによって視覚化できたが、標的ではない健常臓器のバックグラウンド放射能は中程度に留まっている(
図9)。画像の高コントラストは、注射後、経時間で上昇し、腫瘍における長期の血液クリアランスと高い特異的取り込みを裏付ける。
【0346】
実施例4:PETイメージングのための
44Scと組み合わせたPSMAリガンドの試験
4.1 44Sc−PSMA−ALBの体内分布データ
44Scは、以前に報告されたように
2、PSIのインジェクター2施設で製造した。PSMA−ALB−06の放射標識は、臨床的に確立されたPSMA−617リガンドを使用して、本発明者らのグループが以前報告したように行った
5。PSMA陽性PC−3 PIP腫瘍細胞(右肩部)とPSMA陰性PC−3 flu腫瘍(左肩部)を有する雌Balb/cヌードマウスで体内分布試験を行った。この目的のために、放射性リガンドの注射の12〜14日間前にマウスに腫瘍細胞を接種した。マウスを安楽死させ、注射後(p.i.)1時間、4時間、及び6時間で解剖した(
図10A、表4.1)。Cave:
44Sc−PSMA−ALB−06を6時間に亘って調べ、データは、
177Lu−PSMA−ALB−06について24hp.i.の期間に亘って利用可能である(
図10B)。
【表4.1】
【0347】
4.2 3.44Sc−PSMA−ALB−06を注射したマウスのPET/CTイメージング
PET/CT実験を、小型動物PET/CTカメラ(G8、Perkin Elmer、US)を使用して、本発明者らのグループが以前報告したように行った
5。画像は、5MBqの
44Sc−PSMA−ALB−06の注射後1時間、4時間、及び20時間に撮影した。
図11は、同一スケールで得たスキャンを示す。更なる画像を、臓器と組織ができるだけ見えるように調整したスケールで作成した。
図12は、放射能が主に血中を循環しており、PSMA陽性腫瘍に特異的に蓄積していない1時間後のスキャンを示す。
【0348】
図13は、スケールを調整した20hp.i.スキャンを示す。したがって、バックグラウンド活性が主に排出されている間、腫瘍をよく見えるようにすることが可能である。
【0349】
4.3 結論
PSMA−ALB−06の標識化は、少なくとも5MBq/nmolの比活性にて
44Scで成功裏に行った。得られた体内分布試験とPETイメージング結果は、
177Lu−PSMA−ALB−06で以前に決定されたように、
44Sc−PSMA−ALB−06の類似の特性を示す。
44Sc−PSMA−ALB−06の高い腫瘍取り込みのため、この放射性リガンドは、バックグラウンド活性が排出された後期の時点(>4hp.i.)で、小さな病変でもイメージングするのに役立つツールであると考えられる。このアプローチの臨床的トランスレーションは最も有望であり、提案されたコンセプトの可能性を確認するための次のステップの1つとなろう。
【0350】
実施例5:NODAGA官能化アルブミン結合PSMAリガンドの設計及び前臨床評価
銅の安定した錯体形成に適した長期循環PSMA標的化剤を設計した。これは、延長された時点での前立腺癌のPETイメージングを可能にする。したがって、PSMA−ALB−06のDOTAキレーターに代えて、NODAGAキレーターを用いPSMA−ALB−89を得た。PSMA−ALB−89及びPSMA−ALB−06を
64Cuで標識し、放射線分解安定性、血清アルブミンへの結合、及びPSMA陽性PC−3 PIP腫瘍細胞及びPSMA陰性PC−3flu腫瘍細胞への取り込みについて試験した。体内分布及びPET/CTイメージング試験を、PC−3 PIP/flu担腫瘍マウスで行った。
【0351】
PSMA−ALB−89の構造式を以下に示す。
【化56】
【0352】
5.1 材料及び方法
PSMAリガンドの固相合成。PSMA−ALB−89と呼ばれるNODAGA官能化PSMAリガンドを、PSMA−ALB−06について報告された固相プラットフォームを使用して合成した(実施例1を参照)。唯一の相違点は、合成の最終ステップでのキレーターのコンジュゲーションに関連した(スキーム5.1)。コンジュゲーションは、無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、4当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下で、2.97当量のO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)で活性化した3当量のNODAGA−トリス(t−Bu)エステル[4−(4,7−ビス(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7−トリアザシクロノナン−1−イル)−5(tert−ブトキシ)−5−オキソペンタン酸]で行った。NODAGAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら3時間に亘って進行した。最終生成物を樹脂から切断し、続いて、95:2.5:2.5(v/v)の比のトリフルオロ酢酸(TFA)、トリイソプロピルシラン(TIPS)、及びH
2Oからなる混合物を使用して2時間以内脱保護した。
スキーム5.1:NODAGA官能化PSMAリガンドの合成
【化57】
【0353】
放射標識及び安定性。
64Cuを、PSIの研究用サイクロトロンインジェクター2施設で、
64Ni(p,n)
64Cu核反応によって製造した
28。PSMA−ALB−89及びPSMA−ALB−06を、最大5.5%の酢酸ナトリウム(0.5M、pH8)を含むMilliQ水に溶解させ、1mMストック溶液を調製した。PSMAリガンドを、5〜50MBq/nmolの比活性にて、pH5で酢酸ナトリウム(0.5M)とHCl(0.05M)の混合物中にて
64Cuで標識した。反応混合物を95℃で15分間インキュベートした。RP−HPLCを使用して放射性リガンドの品質管理を行った。放射性リガンドは、更なる精製ステップを行うことなしに、in vitro及びin vivo実験に使用した。
【0354】
64Cu標識PSMAリガンド(120μL中で250MBq;50MBq/nmol)の品質管理を、RP−HPLCを使用して調製直後(t=0h)に決定した。反応混合物を生理食塩水で250MBq/500μLの活性濃度に希釈し、室温でインキュベートした。化合物の完全性を1日間に亘って調べた(それぞれ、t=1時間、4時間、及び24時間)。インタクトな放射性リガンドの量は、未知の構造の分解生成物及び放出された微量の
64Cu全ての放射性ピークの合計(これを100%に設定した)に対するHPLCクロマトグラムの生成物ピークの積分によって定量化した。
【0355】
n−オクタノール/PBS分配係数(LogD値)の決定。
64Cu標識放射性リガンド(50MBq/nmol)の分配係数(logD値)を、以前に報告したように、液液抽出とそれに続く相分離を使用する振とうフラスコ法で決定した。これらの実験を、放射性リガンドごとに5回繰り返した。データの統計的有意性(p<0.05)は、対応のないt検定(GraphPad Prismソフトウェア、バージョン7)を使用して評価した。
【0356】
アルブミン結合特性の決定。放射性リガンドのヒト血漿タンパク質への結合は、限外ろ過アッセイにより決定した。
64Cu標識PSMAリガンド(5〜50MBq、0.01nmol)を、以前に報告した通り、ヒト血漿(Stiftung Blutspende SRK Aargau−Solothurn、スイス)の異なる希釈液又は対照実験としてのPBSで希釈した。3つの独立した実験を、両方の放射性リガンドを使用して二連で行い、データを半対数プロット(非線形回帰、1サイト、特異的結合)に適合させ、GraphPad Prismソフトウェア(バージョン7)で最大結合半量(half maximum binding)(B
50)を得た。
【0357】
細胞の取り込みと内在化。PSMA陽性PC−3 PIP細胞及びPSMA陰性PC−3 flu細胞を使用して、細胞取り込み(表面結合及び内在化画分の合計)及び放射性リガンドの内在化(5MBq/nmol)を決定した。
【0358】
in vivo試験。in vivo試験が、地元の獣医部門によって承認され、動物保護のスイス国法にしたがって行った。マウスはいずれも、Charles River Laboratories(ズルツフェルト、ドイツ)から5〜6週齢で入手した。雌の無胸腺Balb/cヌードマウスの右肩部にPC−3 PIP細胞(Ca
2+/Mg
2+を含む100μLハンクス平衡塩溶液(HBSS)中の6×10
6個の細胞)を、左肩部にPC−3 flu細胞(Ca
2+/Mg
2+を含む100μLのHBSS中の5×10
6個の細胞)を、実験開始の12〜14日間前に皮下接種した。
【0359】
体内分布試験。0.05%BSAを含む生理食塩水で希釈した各放射性リガンド(5MBq、1nmol、100μL)をマウスの外側尾静脈に注射した。マウスを注射後(p.i.)1時間、4時間、及び24時間に屠殺し、選択した組織及び臓器を回収し、重量を測定し、γカウンターを使用して測定した。各時点で、4〜6頭のマウスの群を使用した。結果を減衰補正し、組織質量1グラム当たりの注入された活性の割合(%IA/g)として記載した。データは、平均±標準偏差(SD)として提示した。GraphPad Prismソフトウェア(バージョン7)を使用したBonferroniの多重比較ポストテストで一元ANOVAを使用して、データセットの有意性を分析した。<0.05のp値は、統計的に有意とみなした。
【0360】
PET/CTイメージング試験。PET/CT実験を、放射性リガンド(5MBq/1nmol)の注射後1時間、4時間、及び24時間で行った。0.05%BSAを含む生理食塩水で希釈した各放射性リガンド(5MBq、1nmol、100μL)をマウスの外側尾静脈に注射した。以前に報告されているように、小型動物のPET/CTスキャナー(G8、パーキンエルマー、マサチューセッツ、米国)を使用して、PET/CTスキャンを行った。PETスキャンを10分間継続させた後、1.5分間のCTスキャンを行った。in vivoスキャン中、マウスは、イソフルランと酸素の混合物で麻酔した。取得したデータの再構成は、G8スキャナーのプロバイダーのソフトウェアを使用して行った。画像はいずれも、VivoQuant後処理ソフトウェア(バージョン3.0、inviCRO Imaging Services and Software、ボストン、米国)を使用して得た。画像は、腫瘍、肝臓、腎臓が最もよく見えるように、下側のスケールの2%を切って作成した。
【0361】
5.2 結果
PSMAリガンドの合成。PSMA−ALB−89を、PSMA−ALB−06の合成(実施例1)と同様に、固相支持体を使用して合成した。DOTAキレーターをコンジュゲートする代わりに、NODAGAキレーターを使用した(スキーム5.1)。このマルチステップ合成(17ステップ)により、セミ分取HPLC精製後に、8.7%の全体収率で高純度化合物(>98%)を得た。
【0362】
64Cu標識PSMAリガンドの放射標識、安定性、及びin vitro特性。PSMA−ALB−89及びPSMA−ALB−06は、最大50MBq/nmolの比活性にて
64Cuで標識した。放射性リガンドは、高い放射化学的純度(>98%)及び同様の保持時間(〜11分間)を示した。
64Cu−PSMA−ALB−89及び
64Cu−PSMA−ALB−06は、少なくとも4時間に亘って安定(>92%)であった。
64Cu−PSMA−ALB−89のn−オクタノール/PBS分配係数(logD値)(−2.3±0.7)は、
64Cu−PSMA−ALB−06のlogD値(−3.1±0.1)よりも僅かに高かったが、有意ではなかった(p>0.05)。
【0363】
アルブミン結合特性。
64Cu−PSMA−ALB−89及び
64Cu−PSMA−ALB−06は、ヒト血漿でインキュベートすると、血漿タンパク質に対して同様の結合(>92%)を示した。
64Cu−PSMA−ALB−89の最大結合半量(B
50)は、[HSA]対[放射性リガンド]比が454のときに到達した。これは、
64Cu−PSMA−ALB−89と比較したときに、僅かに上昇した結合を示し、[HSA]対[放射性リガンド]比が770のときに最大結合半量に到達した(
図14)。
【0364】
細胞取り込みと内在化。PC−3 PIP細胞への
64Cu−PSMA−ALB−89の細胞取り込みは〜46%であり、内在化画分は、37℃で2時間のインキュベーション後に〜14%であった。細胞内取り込みは、4時間のインキュベーション後に僅かに増加し(〜52%)、内在化画分は変化しなかった(〜14%)。
64Cu−PSMA−ALB−06についても同様の値が決定された(
図15A)。PC−3 flu細胞における取り込みは、両方の放射性リガンドで0.5%未満であり、PSMA特異的な細胞取り込みを示した(
図15B)。
【0365】
体内分布試験。
64Cu−PSMA−ALB−89の組織分布プロファイルを、担腫瘍マウスで24時間に亘って評価した(
図16、表5.1)。血液プール活性の急速な減少が経時で観察された(24hp.i.でそれぞれ<3.2%IA/g及び<1.4%IA/g)。PC−3 PIP腫瘍における
64Cu−PSMA−ALB−89の蓄積は、注射直後に既に高く(1hp.i.で25.9±3.41%IA/g)、試験終了に向かって上昇した(24hp.i.で97.1±7.01%IA/g)。PSMAを発現しないPC−3 flu腫瘍における放射能の蓄積は、概ね血中濃度を下回った。
64Cu−PSMA−ALB−89の肝臓取り込みパターンは、血液活性レベル以下の範囲の放射能レベルであることが分かった(
図17)。
【0366】
腫瘍対腎臓比は経時で増加しが、
64Cu−PSMA−ALB−89の注射後、値は、幾分低かった。
64Cu−PSMA−ALB−89の腫瘍対肝臓比は高かった。腫瘍対筋肉比は、24hp.i.で200±38.2まで経時で増加した。
【表5.1】
【0367】
PECT/CTイメージング試験。
64Cu標識放射性リガンドの注射後の様々な時点で、PC−3 PIP/flu担腫瘍マウスで、PET/CTスキャンを24時間に亘って行った(
図17)。
64Cu−PSMA−ALB−89は、PSMA陽性腫瘍異種移植片(PC−3 PIP腫瘍)にかなりの程度蓄積したが、PSMA陰性腫瘍(PC−3 flu腫瘍)では取り込みは観察されなかった。目視検査により、注射の16時間後、蓄積された放射性リガンドの腫瘍対腎臓比が明らかに1を超え、経時で更に増加したことが示された。血液中の放射能に起因する臓器及び組織のバックグラウンドシグナルは、1hp.i.で撮影した画像で十分に見ることができた。
【0368】
5.3 議論
ここでは、放射性リガンドの適用後1日間後でもPETを可能とするために、
64Cuで標識化した長期循環PSMAリガンドを合成した。PSMA−ALB−89は、PSMA−ALB−06について前述したように合成したが、DOTAキレーターを結合させることに代えて、他の標的剤について本発明者らのグループにおいて行ったようにNODAGAキレーターを使用した。
【0369】
PSMA−ALB−89は、高い比活性と放射化学的純度(50MBq/nmol;>95%)にて
64Cuで再現可能に放射標識され、合成リガンドの高品質と、PSIにて内部で製造した
64Cuの優れた放射化学的純度が示唆された。in vitroにおいて、
64Cu−PSMA−ALB−89及び
64Cu−PSMA−ALB−06は、いずれも室温で数時間のインキュベーション後に安定であり、24時間後に検出可能な分解は、ごく限定的であった。これらの結果は、NODAGA及びDOTAキレーターがいずれも、in vitroで
64Cuと安定した錯体を形成していることを示唆する。
【0370】
64Cu−PSMA−ALB−89のアルブミン結合特性は、in vitroで試験したときの
64Cu−PSMA−ALB−06と同じ範囲であった。PSMAへの結合特異性は、
64Cu−PSMA−ALB−89及び
64Cu−PSMA−ALB−06でin vitroで観察された類似の細胞結合及び内在化画分によって証明されるように、キレーターの相違に影響されなかった。
【0371】
PSMA陽性及びPSMA陰性腫瘍を使用して、十分に確立された異種移植マウスモデルで得られた体内分布データは、
64Cu−PSMA−ALB−89の腫瘍取り込みが、試験した全ての時点で、恐らく、より長い血液循環時間の結果として、有意に増加したことを示した。
64Cu−PSMA−ALB−89の最大腫瘍取り込みは、試験終了時点(24hp.i.)で初めて到達した。PET/CT画像は、肝臓での高い腫瘍取り込みと蓄積の減少に関して、
64Cu−PSMA−ALB−89の好ましい組織分布プロファイルを裏付けた。前立腺癌は肝臓転移を引き起こす可能性があり、非特異的な放射能蓄積によって隠蔽され得るので、肝臓への取り込みが低いことが重要である。
【0372】
5.4 結論
この実施例では、PETイメージングのための
64Cuの安定した配位を可能にするために、PSMA−ALB−06のDOTAキレーターに代えて、NODAGAキレーターを用いた。
64Cu−PSMA−ALB−89は、in vivoでの安定性向上を示し、これは、腫瘍蓄積の増加と
64Cu−PSMA−ALB−89の肝臓保持の低下とによって明らかとされた。
【0373】
実施例6:更なるDOTA官能化PSMA結合リガンドの設計及び評価
6.1 材料及び方法
アルブミン結合PSMAリガンドの固相合成。それぞれPSMA−ALB−02、PSMA−ALB−05、及びPSMA−ALB−07と呼ばれるPSMAリガンドを、固相プラットフォームを使用して設計、合成した。PSMA標的ウレアベースファーマコフォア(L−Glu−NH−CO−NH−L−Lys)を、Ederら(2012)によって記載された方法と同様に、塩化2−クロロトリチル(2−CT)樹脂上で調製した。2−ナフチル−L−Alaとトランス−シクロヘキシル部分からなるリンカー領域を、実施例1に記載したように合成した。そのような樹脂固定化及びビス(t−Bu)保護前駆体(L−Glu−NH−CO−NH−L−Lys−2−Nal−L−Ala−NH
2−Me−1,4−トランス−CHX)(化合物1と呼ばれる)を、3種類全てのアルブミン結合PSMAリガンドの合成の基礎として使用した(
図18)。
【0374】
リジンベースのビルディングブロックのコンジュゲーション及びNα−Fmoc保護基の選択的切断を含む合成の次のステップを、3種類全ての化合物に対して同様に行った。樹脂固定化及びビス(t−Bu)保護前駆体(0.3mmol;化合物(1))に対して、4当量のNα−Fmoc−及びNε−Alloc保護L−リジン(Fmoc−Lys(Alloc)−OH)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の4当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下で、3.96当量のO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)で活性化させ、1時間攪拌した。続いて、Nα−Fmoc保護基の選択的除去を、DMFとピペリジンの1:1(v/v)混合物で行った。次に、得られた前駆体(2)を、各具体化合物固有の後続の合成に使用した。
【0375】
PSMA−ALB−02。PSMA−ALB−02の合成は、DMF中、4当量のDIPEAの存在下で、穏やかに撹拌しながら1時間に亘って、3.96当量のHBTUで活性化させた4当量の4−(p−ヨードフェニル)酪酸を使用して、アルブミン結合部分を樹脂固定化前駆体(0.1mmol;化合物(2))にカップリングさせることによって行った。その後、化合物(3)からのNε−Alloc保護基の切断を、ジクロロメタン(DCM)中、30当量のモルホリンの存在下で、暗所にて2時間以下、0.03当量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(TPP Pd)で行った。パラジウムの残留物を除去するために、DMF中の1%DIPEAで樹脂を更に洗浄し、その後、DMF中のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムの溶液(c=15mg/mL)で洗浄した。最後に、キレーターと樹脂固定化化合物のコンジュゲートを、DMF中の4当量のDIPEAの存在下で、1.98当量のHBTUで活性化させた2当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステル[2−(4,7,10−トリス(2−(t−ブトキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロ−ドデカン−1−イル)酢酸]で行った。DOTAキレーターのカップリングは、穏やかに攪拌しながら2時間に亘って進行した。得られた化合物(4)をDMF、DCMで洗浄し、最後にEt
2Oで洗浄した後、真空下で乾燥させた。生成物を樹脂から切断し、続いて、95:2.5:2.5(v/v)の比のトリフルオロ酢酸(TFA)、トリイソプロピルシラン(TIPS)、及びH
2Oからなる混合物を用いて2時間以下脱保護した。TFAを蒸発させ、粗化合物を1:1(v/v)の比のACNとH
2Oに溶解させ、セミ分取カラム(サポート情報)を使用して逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)で精製した。PSMA−ALB−02の特性評価は、それぞれ分析RP−HPLC(サポート情報)とマトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI−MS)又はエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)によって行った。上で概説した合成をスキーム6.1にまとめる。
【化58】
【0376】
PSMA−ALB−05及びPSMA−ALB−07。PSMA−ALB−05の合成は、DMF中、4当量のDIPEAの存在下で、穏やかに撹拌しながら1時間に亘って、2.97当量のHBTUで活性化させた3当量のN−Fmoc−及びO
β−t−Bu保護Dアスパラギン酸(Fmoc−D−Asp−Ot−Bu)を使用して、Dアスパラギン酸ベースのビルディングブロックを樹脂固定化前駆体(0.1mmol;化合物(2))にカップリングすることによって行った。得られた化合物からのN−Fmoc保護基の選択的除去は、前記したように行った。1回の更なるFmoc−D−Asp−O−t−Buの類似のカップリング及びその後のN−Fmoc切断を繰り返し、化合物(5)を生成した。次のステップで、4当量の4−(p−ヨードフェニル)酪酸を、DMF中の4当量のDIPEAの存在下で3.96当量のHBTUで活性化させ、1時間撹拌した。生成物(6)からのNε−Alloc保護基の選択的除去は、前記したように行った。キレーターの樹脂固定化化合物へのコンジュゲーションは、DMF中の4当量DIPEAの存在下で、穏やかに撹拌しながら2時間に亘って、1.98当量のHBTUで活性化させた2当量のDOTA−トリス(t−Bu)エステルで行った。得られた化合物(7)を、DMF、DCMで洗浄し、最後にEt
2Oで洗浄した後、真空下で乾燥させた。生成物を樹脂から切断し、続いて、95:2.5:2.5(v/v)の比のTFA、TIPS、及びH
2Oの混合物を使用して2時間以下脱保護した。TFAを蒸発させ、粗化合物を、1:1(v/v)の比のACNとH
2Oに溶解させ、RP−HPLC(サポート情報)で精製した。PSMA−ALB−05の特性評価は、それぞれ分析RP−HPLC(サポート情報)及びMALDI−MS又はESI−MSによって行った。
【0377】
PSMA−ALB−07の合成及び精製は、第3のFmoc−D−Asp−O−t−Buの更なるカップリング及びその後のN−Fmocの切断により、PSMA−ALB−05と同様に行った(8)。次のステップは、4−(p−ヨードフェニル)酪酸のコンジュゲーション(9)と、それに続くNε−Alloc保護基の選択的除去とDOTA−トリス(t−Bu)エステルのコンジュゲーション(10)を含んだ。樹脂からの切断後、化合物を脱保護し、PSMA−ALB−05(サポート情報)に記載されているように精製/特性評価した。PSMA−ALB−05及びPSMA−ALB−07の合成をスキーム2にまとめる。凍結乾燥粉末の形態の各PSMAリガンドの安定性は、冷凍庫(−18℃)での長期保存(それぞれ2ヶ月間及び4ヶ月間)後、分析RP−HPLC及びMALDI−MSを用いて試験した。
【化59】
【0378】
放射標識と安定性。新たなPSMAリガンド(それぞれPSMA−ALB−02、PSMA−ALB−05、及びPSMA−ALB−07)とPSMA−617(Advanced Biochemical Compounds、ABX GmbH、Radeberg、ドイツ)を、10〜15%酢酸ナトリウム溶液(0.5M、pH8)を含むMilliQ水に溶解させ、放射標識用の1mMストック溶液を調製した。PSMAリガンドを、pH4にて、5〜50MBq/nmolの比活性で酢酸ナトリウム(0.5M、pH8)とHCl(0.05M)の混合物中、
177Lu(0.04M HCl中の担体無添加
177LuCl
3、Isotope Technologies Garching (ITG GmbH、ドイツ)より提供)で標識した。反応混合物を95℃で10分間インキュベートした。放射性リガンドの品質管理は、RP−HPLC(サポート情報)を使用して行った。放射性リガンド溶液は、更なる精製ステップなしで、in vitro及びin vivo実験に使用した。
【0379】
放射性リガンドの安定性は、RP−HPLCを使用して経時で決定した。PSMAリガンドは、L−アスコルビン酸(0.5M、3mg)の添加あり及び添加なしで、50MBq/nmolの比活性にて
177Lu(250MBq)で放射標識し、その後、生理食塩水で250MBq/500μLの活性濃度に希釈した。リガンドの放射標識効率は、調製直後(t=0h)に決定し、室温で様々な期間(それぞれt=1時間、4時間、及び24時間)のインキュベーションの後に、化合物の完全性を調べた。インタクトな化合物の量は、未知の構造の分解生成物及び微量の遊離
177Lu全ての放射性ピークの合計(これを100%に設定した)に対するHPLCクロマトグラムの生成物ピークの積分によって定量化した。
【0380】
n−オクタノール/PBS分配係数(LogD値)の決定。
177Lu標識放射性リガンドの分配係数(logD値)は、以前に報告されたように、液液抽出とそれに続く相分離を使用する振とうフラスコ法によって決定した。簡単に説明すると、PSMAリガンドを、50MBq/nmolの比活性にて
177Luで放射標識した。放射性リガンドのサンプルをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)及びn−オクタノールと混合した後、激しくボルテックスした。相分離のための遠心分離後、各層の活性濃度をγカウンター(Perkin Elmer、Wallac Wizard 1480)で測定した。3つの実験を、各化合物について5回繰り返して行った。
【0381】
フィルターアッセイ。マウス及びヒト血漿タンパク質への放射性リガンドの結合能力は、以前に記載したように(実施例1)、限外ろ過アッセイにより決定した。
177Lu標識PSMAリガンド(50MBq/nmol)を、それぞれマウス血漿(ロックランド、米国)及びヒト血漿(Stiftung Blutspende SRK Aargau−Solothurn、スイス)で希釈し、室温で15分間インキュベートした。更に、対照実験として放射性リガンドをPBS(タンパク質を含まない緩衝溶液)で希釈した。溶液のアリコートを限外ろ過装置に充填し、遠心分離した。濾過後の活性を、γカウンターで測定し、血漿タンパク質結合活性(フィルター膜に保持されている)を総付加活性の割合として計算するために使用した。3つの独立した実験を、各放射性リガンドを用いて2連で行った(それぞれ
177Lu−PSMA−ALB−02、
177Lu−PSMA−ALB−05、
177Lu−PSMA−ALB−07)。2つの更なる実験を、
177Lu−PSMA−617を用いて2連で行った。GraphPad Prismソフトウェア、バージョン7を使用して、統計分析(Bonferroniの多重比較ポストテストによる一元ANOVA)を行った。<0.05のp値を、統計的に有意であるとみなした。
【0382】
細胞取り込みと内在化。細胞表面上のPSMA結合画分と内在化画分(細胞取り込みと呼ぶ)の合計及び放射性リガンドの内在化画分を、以前に記載したように(実施例1)、PSMA陽性PC−3 PIP細胞とPSMA陰性PC−3 flu細胞を用いて、5MBq/nmolの比活性で決定した。放射標識溶液は、0.05%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)を含む生理食塩水で希釈して、実験室バイアル及びチューブへの付着を防止した。放射性リガンド溶液を細胞培養培地で更に希釈し、最終BSA濃度(0.00125%)とし、これは、放射性リガンドの細胞取り込みと内在化に関して無視できる程度であり、何ら影響を及ぼさなかった。新規放射性リガンドを用いた各実験と並行して、
177Lu−PSMA−617を用いた対照実験も行った。実験は3連で行い、各放射性リガンドについて3回繰り返した。
【0383】
in vivo試験。in vivo実験を行った。5〜6週齢の雌の無胸腺Balb/cヌードマウス(Charles River Laboratories、ズルツフェルト、ドイツ)をこれらの試験に用いた。マウスの右肩部にPC−3 PIP細胞(Ca
2+/Mg
2+を含む100μLハンクス平衡塩溶液(HBSS)中の6×10
6個の細胞)を、左肩部にPC−3 flu細胞(100μLのHBSS中の5×10
6個の細胞)を、実験開始の12〜14日間前に皮下接種した。
【0384】
体内分布試験。体内分布実験は、5MBq/nmolの比活性で標識された放射性リガンドの注射後、1時間、4時間、24時間、48時間、96時間、及び192時間で行った。放射性リガンド注入時の腫瘍質量は、150±40mgであり、これは約150mm
3の平均腫瘍体積に相当する。マウスの外側尾静脈に、生理食塩水で希釈したそれぞれの放射性リガンド(5MBq、1nmol、100μL)を注射した。バイアル及びシリンジへの放射性リガンドの吸着を防ぐために、BSA(0.05%)を生理食塩水に添加した。注射後(p.i.)の様々な時点でマウスを屠殺し、選択した組織及び臓器を回収し、重量を測定し、γカウンターを使用して測定した。各時点で3〜6頭のマウスの群を使用した。更に、生理食塩水で希釈した2−(ホスホノメチル)−ペンタン二酸(2−PMPA、500nmol、100μL)の注射によりブロッキング試験を行った。2−PMPA溶液を
177Lu−PSMA−ALB−02の投与の15分前に注射し、マウスをそれぞれ1hp.i.と4hp.i.で屠殺した。結果を減衰補正し、組織質量1グラム当たりの注入された活性の割合(%IA/g)として記載した。GraphPad Prismソフトウェア、バージョン7を使用して、腫瘍、腎臓、及び血液の生体分布データから取得した非崩壊補正データから、3種類全てのアルブミン結合PSMAリガンド及び
177Lu−PSMA−617について曲線下面積(AUC)を決定した。
【0385】
GraphPad Prismソフトウェア(バージョン7)を使用したBonferroniの多重比較ポストテストで一元ANOVAを使用して、体内分布データセットから取得した曲線下面積(AUC)を比較する統計分析を行った。<0.05のp値を統計的に有意とみなした。
【0386】
SPECT/CTイメージング試験。SPECT/CT実験を、放射性リガンドの注入後4時間、24時間、及び72時間に行った。マウスの外側尾静脈に、0.05%BSAを含む生理食塩水で希釈したそれぞれの放射性リガンド(25MBq、1nmol、100μL)を注射した。更に、PSMAをブロックするために放射性リガンド注入の15分間前に非放射性PSMA−ALB−02(100nmol、100μL)又は2−PMPA(500nmol、100μL)を投与したマウスに
177Lu−PSMA−ALB−02を注射し、その後1時間、4時間、及び24時間でSPECT/CTスキャンを行った。SPECT/CTスキャンは、小型動物SPECT/CTスキャナー(NanoSPECT/CT
TM、Mediso Medical Imaging Systems、ブダペスト、ハンガリー)を使用して行った。SPECTスキャンを45分間継続させ、7.5分間のCTスキャンを行った。in vivoスキャン中、マウスを、イソフルランと酸素の混合物で麻酔した。取得したデータの再構成は、NanoSPECT/CT
TMのソフトウェアを使用して行った。画像はいずれも、VivoQuant後処理ソフトウェア(バージョン3.0、inviCRO Imaging Services and Software、ボストン、米国)を使用して作成した。ガウスポスト再構成フィルター(FWHM=1mm)をSPECT画像に適用し、放射能のスケールを、画像に示されるように設定した(最小値=0.95Bq/ボクセル〜最大値=95Bq/ボクセル)。
【0387】
6.2 結果
PSMAリガンドの合成。アルブミン結合部分を有するPSMAリガンドは、標準的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)プロトコルを使用した固相プラットフォームを介して合成した(
図19)。合成は、最初のアミノ酸のC末端から2−CT樹脂への固定化から始め、C→N方向に組み立てた。最後のステップとして、化合物を樹脂から切断した後、完全に脱保護した。これらはいずれも酸性条件下で行った。このPSMA−ALB−02(17ステップ)、PSMA−ALB−05(20ステップ)、及びPSMA−ALB−07(22ステップ)のマルステップ合成により、セミ分取HPLC精製後に12.9〜21.2%の総収率で高純度(>98%)の化合物を得た(表6.1)。3種類全てPSMAリガンドを、凍結乾燥粉末として−18℃で少なくとも4ヶ月間安定であることが分かった。
【表6.1】
【0388】
177Lu−PSMAリガンドの放射標識、安定性、及びin vitro特性。PSMA−ALB−02、PSMA−ALB−05、及びPSMA−ALB−07は、最大50MBq/nmolの比活性にて
177Luで容易に標識された。放射性リガンドは、>98%の高い放射化学的純度を示した。L−アスコルビン酸の添加により、24時間後に〜97%のインタクトな
177Lu−PSMA−ALB−02、〜96%のインタクトな
177Lu−PSMA−ALB−05、及び〜89%のインタクトな
177Lu−PSMA−ALB−07が得られた(
図20B)。
177Lu−PSMA−617は安定性が低く、4時間後に〜86%のインタクトな化合物が得られたが、24時間後に完全な分解(<2%のインタクトな化合物)が観察された(
図20A)。L−アスコルビン酸の存在が放射線分解を完全に防ぎ、24時間後でも98%を超えるインタクトな
177Lu−PSMA−617をもたらした(
図20B)。
177Lu−PSMA−ALB−02のn−オクタノール/PBS分配係数(logD値)(−2.8±0.09)が最高であった。
177Lu−PSMA−617に場合に、最も低いlogD値が得られた(−4.4±0.15)。
【0389】
細胞取り込み及びアルブミンへの結合のin vitro試験。
177Lu−PSMA−ALB−02、
177Lu−PSMA−ALB−05、及び
177Lu−PSMA−ALB−07のPC−3 PIP細胞への取り込みは52〜57%の範囲であったが、37℃で2時間のインキュベーション後の内在化画分は18〜24%であった(
図21A)。4時間のインキュベーション後、細胞取り込みと内在化は、それぞれ60〜63%と20〜26%に僅かに増加した。
177Lu−PSMA−617は、細胞取り込みについて同様の値(58%)を示したが、4時間のインキュベーション後、放射性リガンドの内在化は僅か12%であった。PC−3 flu細胞における取り込みは、全てのアルブミン結合放射性リガンド及び
177Lu−PSMA−617の場合で0.5%未満であった(
図21B)。
【0390】
限外ろ過アッセイの結果は、
177Lu−PSMA−ALB−02、
177Lu−PSMA−ALB−05、及び
177Lu−PSMA−ALB−07の有意な血漿タンパク質結合能を示し、マウス血漿とインキュベートした場合、それぞれ87±1.0%、77±2.1%、及び64±2.1%であり、ヒト血漿では、それぞれ95±1.2%、95±0.6、及び95±0.1%であった。これらの値は、
177Lu−PSMA−617の場合よりも有意に高く(p<0.05)、マウス血漿タンパク質への非常に低い結合(9.3±1.1%)を示し、ヒト血漿タンパク質への結合(57±2.3%)を示した。PBSで行った対照実験では、恐らくフィルターデバイスへの非特異的吸着により、フィルター上の放射性リガンドの保持が5%未満であることが分かった(データは示さず)。
【0391】
体内分布試験。
177Lu−PSMA−ALB−02、
177Lu−PSMA−ALB−05、及び
177Lu−PSMA−ALB−07の組織分布は、それぞれ右肩部と左肩部にPC−3 PIP腫瘍及びPC−3 flu腫瘍を有するマウスで192時間に亘って評価した(
図22)。
【0392】
いずれのPSMA放射性リガンドのPC−3 PIP腫瘍への取り込みも、同様の動態プロファイルを示した。
177Lu−PSMA−ALB−02は、4hp.i.で既に78.4±12.8%IA/gに達した速い腫瘍蓄積を示し、このレベルで24hp.i.超維持された(76.4±2.49%IA/g)。いずれの新規化合物も、特に
177Lu−PSMA−ALB−02で高い血液活性レベル(18〜21%IA/g)、血液からの放射能の速いクリアランス、及び速い腎クリアランスを示した。
177Lu−PSMA−617は、4hp.i.で既に最大腫瘍取り込み量が〜56%IA/gに達し、これは192時間後に〜20%IA/gに減少した。これは、血液から迅速に除去され、1時間後に<1%IA/gとなり、腎臓からの着実なウォッシュアウトを示し、1hp.iの〜10%IA/gから24hp.iに<1%IA/gになった。他のいずれの組織の放射能レベルも血中レベルを下回り、経時で持続的に減少した。
【0393】
腫瘍対血液、腫瘍対腎臓、及び腫瘍対肝臓の比は、いずれの新規化合物においても、特に
177Lu−PSMA−ALB−02で高かった。早い腎クリアランスのため、
177Lu−PSMA−617は腫瘍対バックグラウンド比の増加を示した。
【表6.2】
【0394】
PSMAをブロックするために、
177Lu−PSMA−ALB−02を注射する前に2−PMPAを投与することにより更なる試験を行った。PC−3 PIP腫瘍では、1hp.i.及び4hp.i.でのそれぞれの取り込みが、同じ時点でのブロックされていない取り込みと比較したときに、64%(17.6±3.24%IA/g)及び41%(46.0±7.29%IA/g)減少した。腎臓に蓄積された放射能は、放射性リガンド注入後1時間と4時間でそれぞれ81%と59%減少した。他のいずれの臓器及び組織においても、顕著ではないが僅かな放射能蓄積の減少が観察された(データは示さず)。
【0395】
体内分布試験の非減衰補正データを使用して、血液プール、腫瘍、腎臓、肝臓における放射性リガンドの蓄積の曲線下面積(AUC)を計算した(
図23、表6.3)。
【表6.3】
【0396】
いずれの新規放射性リガンドも、PC−3 PIP腫瘍取り込みについて同等のAUCを示し、これは、
177Lu−PSMA−617で得られたAUC(p<0.05)のほぼ2倍であった。いずれの放射性リガンドも、AUCの高い腫瘍対血液、腫瘍対腎臓、及び腫瘍対肝臓比を示した。AUCの高い腫瘍対バックグラウンド値が
177Lu−PSMA−617で得られたが、これは、この放射性リガンドの速い血液及び腎臓クリアランスによるものである(表6.2)。
【0397】
SPECT/CTイメージング試験。SPECT/CTスキャンは、新たな放射性リガンド及び
177Lu−PSMA−617の注入後4時間、24時間、及び72時間でPC−3 PIP/flu担腫瘍マウスで行った(
図24及び
図25)。PC−3 PIP腫瘍異種移植片におけるアルブミン結合放射性リガンドの蓄積はいずれも、24hp.i.で類似していた。腎取り込みは、特に
177Lu−PSMA−ALB−02では低かった。
177Lu−PSMA−ALB−02で得られた時間依存性SPECT/CT画像は、経時で腫瘍対バックグラウンドコントラストの上昇を示した。
177Lu−PSMA−617と比較して、
177Lu−PSMA−ALB−02の腫瘍内取り込みは、試験期間全体で有意に上昇し、腎臓への蓄積についても同様であった(
図25)。PSMA陰性のPC−3 flu腫瘍では、活性の蓄積は検出されなかった。