(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-521611(P2020-521611A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】大動脈内スパイラルバルーンポンプ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/10 20060101AFI20200626BHJP
【FI】
A61M1/10 161
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-515825(P2020-515825)
(86)(22)【出願日】2018年5月23日
(85)【翻訳文提出日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】US2018034051
(87)【国際公開番号】WO2018217846
(87)【国際公開日】20181129
(31)【優先権主張番号】62/510,561
(32)【優先日】2017年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519418019
【氏名又は名称】カーディアック アシスト ホールディング, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【弁理士】
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【弁理士】
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【弁理士】
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】ゲルマン,バリー
(72)【発明者】
【氏名】ダッセ,カート,エー.
(72)【発明者】
【氏名】カントロウィッツ,アレン,ビー.
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077DD09
4C077EE01
4C077KK30
(57)【要約】
膨張サイクルと関連する血液の洗浄を制御するように機能する一連のらせん状プリーツを有する大動脈内バルーンポンプ(IABP)が提供される。加えて、ねじり拡張は、従来の円筒形状バルーンと比較して、IABPの正味効率を増大させる。膨張膜は、留置ポンプの表面上の生物学的ライニングの自然成長を促進して、抗凝血剤の必要性および血栓塞栓症のリスクを減少させるように;表面の洗浄を促進して、血行停止および血栓形成を最小限にするように;IABP上の張りを最小限にするように;放射状および長軸方向の延長を最小限にして、IABPの疲労を避けるように;バルーンに沿った伸長および応力分布を最小限にするように;拡張していない状態のチャネルを通した押し流し効果を促進して、表面を洗浄するように;またはそれらの組み合わせで加工される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大動脈内スパイラルバルーンポンプであって、
少なくとも1つのアパーチャーを有するシャフト;および
前記の少なくとも1つのアパーチャーを取り囲んでいる膨張式膜、前記膨張式膜は、前記シャフトの周りの複数のらせん状プリーツを備える、
を備える、
大動脈内スパイラルバルーンポンプ。
【請求項2】
請求項1のポンプであって、
前記の複数のプリーツは、3〜24のプリーツである、
ポンプ。
【請求項3】
請求項1のポンプであって、
前記の複数のプリーツは、4〜12のプリーツである、
ポンプ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項のポンプであって、
前記の複数のプリーツは、前記シャフトの周りの回転対称性、Cnを規定し、ここでnは、3〜24の整数値である、
ポンプ。
【請求項5】
請求項1のポンプであって、
前記の複数のプリーツの2つの隣接プリーツは、曲率半径を有する単一の折り目によって分離されている、
ポンプ。
【請求項6】
請求項5のポンプであって、
前記折り目は、前記膨張式膜内のローブの頂点から前記シャフトの近接へ伸長する、
ポンプ。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項のポンプであって、
前記膨張式膜は、外側加工を有する、
ポンプ。
【請求項8】
請求項7のポンプであって、
前記膨張式膜は、前記膨張式膜に対する一体的な外側加工を有する、
ポンプ。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項のポンプであって、
前記の少なくとも1つのアパーチャーは、複数のアパーチャーである、
ポンプ。
【請求項10】
請求項9のポンプであって、
前記の複数のアパーチャーは、均一に間隔があいている、
ポンプ。
【請求項11】
請求項9のポンプであって、
前記の複数のアパーチャーは、前記シャフトに沿った長さの関数として面積が変化する、
ポンプ。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか一項のポンプであって、
前記膜は、ポリウレタンで形成される、
ポンプ。
【請求項13】
心臓補助デバイスであって、
請求項1のポンプ;
前記ポンプと流体連通したドライブライン;および
前記ドライブラインと流体連通した流体供給または外側ドライブユニット、
を備える、
心臓補助デバイス。
【請求項14】
請求項13の心臓補助デバイスであって、
請求項1から3のいずれか一項の第二のポンプをさらに含む、
心臓補助デバイス。
【請求項15】
請求項13または14のいずれか一項の心臓補助デバイスであって、
前記外側ドライブユニットは、対象の大動脈を通る血液の移動を助けるために、周期性によって前記の膨張式の心臓ポンピングチャンバー内の流体の圧力を改変するポンプをさらに備える、
心臓補助デバイス。
【請求項16】
請求項13または14のいずれか一項の心臓補助デバイスであって、
前記ドライブラインおよび前記外側ドライブユニットまたは前記流体供給の中間にある経皮アクセスデバイスをさらに備える、
心臓補助デバイス。
【請求項17】
請求項13または14のいずれか一項の心臓補助デバイスであって、
前記膜上に免疫隔離コーティングをさらに備える、
心臓補助デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2017年5月24日に出願された米国仮出願シリアル番号62/510,561の優先権の利益を主張するものであり;その内容は参照により本明細書中に援用される。
【0002】
[本発明の分野]
本発明は概して心臓補助デバイスに関し、特に、心拍出量を高めるために患者の大動脈内に挿入されるスパイラルバルーンポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
一時的な大動脈内バルーンポンプは、緊急患者の治療のために足の大腿動脈を通した挿入が一般に知られている。ポンプの一時的な使用は、緊急時において、歩行不能の患者のために、たった2、3時間から2、3日までの間、続くことが元々意図されていた。一時的な大動脈内バルーンポンプは、それぞれの位置における圧力が自在に常時一様となるように、そして、挿入中に導入シースを介してより小さな直径の大腿動脈を経皮的に通過するために、大動脈のルーメンおよび/または任意の分岐動脈を完全に塞ぐのを避けるべくサイズが制限される。ベッドに拘束される歩行不能の患者は、相対的に小さな(例えば、典型的に30〜40立方センチメートル(cc))容量の、一時的な大動脈内バルーンポンプによって利用可能な心臓補助のレベルによって存在することができる。しかしながら、この相対的に制限されたレベルの心臓補助は不十分であり、挿入の典型的な位置は、歩行可能な患者にとって望ましくない。加えて、一時的な大動脈内バルーンポンプは、狭い導入シースを通した挿入を可能にするために典型的にぴったりと巻き上げられて包まれている。材料の巻き上げおよび包みは、2、3日よりも長い期間にわたる延長された使用が特定の患者に関して命じられている場合に、非常に多くのポンピングサイクルに供されると、バルーンポンプの材料に対するダメージに関する懸念を生じさせ、それは場合により、早期故障をもたらし得る。さらに、ポンプへの電力供給導管は制限された断面積であり、そのようなデバイスの成功をさらに制限する。
【0004】
その後の世代の大動脈内バルーンポンプ(IABP)は、そのようなデバイスの効果的なポンピング容量を増大させたが、効率的な運転のためにバルーンに対する血液の洗浄を制御する観点から、問題がなお残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、従来技術のこれらの制限に対処するIABPに関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
大動脈内スパイラルバルーンポンプは、少なくとも1つのアパーチャーを有するシャフト、および、少なくとも1つのアパーチャーを取り囲んでいる膨張式膜を備える。膨張式膜は、シャフトの周りの複数のらせん状プリーツをさらに備える。
【0007】
心臓補助デバイスは、上述の大動脈内スパイラルバルーンポンプ、ポンプと流体連通したドライブライン;および、ドライブラインと流体連通した流体供給または外側ドライブユニットを備える。
【0008】
本発明とみなされる要旨は、明細書の結論において、特許請求の範囲において特に指摘されて明白に請求される。本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、付随する図面とともに得られる以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Bの線A−Aに沿った、収縮した状態での発明のバルーンの横断面図である。
【
図1B】収縮した形態での発明のバルーンの側面図である。
【
図1C】
図1Dの線B−Bに沿った、膨張した状態での発明のバルーンの横断面図である。
【
図1D】膨張した状態での発明のバルーンの側面図である。
【
図2A】収縮した形態での発明バルーンの斜視図である。
【
図2B】半透明形態での、収縮した形態での発明のバルーンの斜視図である。
【
図2C】膨張した形態での発明のバルーンの斜視図である。
【
図2D】半透明形態での、膨張した形態での発明のバルーンの斜視図である。
【
図3】外側ドライブシステムを填め込んだ使用での発明のバルーンを示す半透明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、膨張サイクルと関連する血液の洗浄を制御するように機能する一連のらせん状プリーツを有する大動脈内バルーンポンプ(IABP)としての有用性がある。加えて、ねじり拡張は、従来の円筒形状バルーンと比較して、発明のIABPの正味効率を増大させる。さらに他の発明の実施態様では、膨張膜は、留置ポンプの表面上の生物学的ライニングの自然成長を促進して、抗凝血剤の必要性および血栓塞栓症のリスクを減少させるように;表面の洗浄を促進して、血行停止および血栓形成を最小限にするように;IABP上の張りを最小限にするように;放射状および長軸方向の延長を最小限にして、IABPの疲労を避けるように;バルーン実施態様に沿った伸長および応力分布を最小限にするように;拡張していない状態のチャネルを通した押し流し効果を促進して、表面を洗浄するように;またはそれらの組み合わせで加工される。
【0011】
値の範囲が与えられる場合、その範囲は、明示的にその範囲内に含まれてその範囲の最後の有効数字が変化するように、その範囲のエンドポイント値だけでなく、その範囲の中間値も含むことを意図することが理解されるべきである。例として、1〜4の挙げられた範囲は、1〜2、1〜3、2〜4、3〜4、および1〜4を含むことが意図される。
【0012】
本発明は、
図1A、1B、1C、1D、2A、2B、2C、および2Dに関して詳述されて、ここで、様々な図面において用いられる同様の数字は、それが帰する共通の意味を有し、血液ポンプは一般に10において示され、膨張式膜16内にのみ取り囲まれた少なくとも1つのアパーチャー14を有するシャフト12を備える。膜は、一連のらせん状プリーツ18を備える。プリーツの数は3〜24の範囲である。一部の発明の実施態様では、プリーツの数は4〜12である。さらに他の実施態様では、プリーツは、中央シャフト12の周りの回転対称性、C
nを規定するようにサイズが均一であり、ここでnは、3〜24の整数値である。一方で、描かれたプリーツ18は、ローブ22の頂点からシャフト12の近接へ伸長する、曲率半径を有する単一の折り目20によって規定される。折り目は、ローブの頂点とシャフトとの間の10〜70%の距離で終結してよいことが理解されよう。はっきりした折り目は、機械的故障の局所的な弱点であり得ることが理解され、一部の発明の実施態様では、折り目は、等傾斜の壁を避けるように曲率半径を有するように形成されて、ここで、折り畳みのリムは平行であり、その代わりに、30度までのリム間角度を有する狭い折り畳みおよび30〜70度のリム間角度を有する近接した折り畳み(close folds)による、より大きな領域にわたってプリーツを付ける力を広げる。隣接ローブ間の多数の折り目は、屈曲を制限する役割をすることが理解されよう。
【0013】
シャフトは図面において、中央にあって膜16と同心円状であるように描かれるが、シャフトは曲がっていてよく、または、もはや膜と同心円状でないように動かされてよいことが理解されよう。非対称性の極端な例では、シャフトは一方側で膜に沿って置かれていて、膜は、この大きく固定された縁から円形に膨張する。プリーツの深さは、結果として円形非対称になる。
【0014】
対象の大動脈の寸法は、デバイス10のスケールを規定することが理解されるが、典型的な完全に膨張した直径は、12〜25ミリメートル(mm)であり、
図1Cに示される実施態様は20mmの膨張した直径を有する。
図1Cは、見たところ特色のない表面を示すが、一部の発明の実施態様では、バルーン10は、折り目20の浅い跡が補助の無い通常の人の目に見える最大限まで膨張する。したがって、膨張していない形態での折り目の最小の深さは、どこにおいても、完全に膨張した状態での折り目の最終半径の0〜100%である。さらに他の発明の実施態様では、最小の折り目の深さは、完全に膨張した状態での最終半径の10%である。
【0015】
シャフト12は、解剖学的構造によって指定される直径を有し;典型的なシャフト直径は0.3〜2.5ミリメートル(mm)であり、図面に示された実施態様は1mmの直径を有する。シャフト12は、例示的に、ポリウレタン、シリコーン、およびペルフルオロポリマーを含む様々な移植適合高分子材料から形成される。発明の膜の属性は、10%未満の可逆的伸長を有することで非エラストマーであることである。シャフト12は、典型的に正常以下の噴出特徴を生じさせる何らかの不具合のある形態のレシピエントの心臓の効果的な心臓パフォーマンスを支持するように設定されたタイミングで、拍動性加圧のために供給される気体と、流体連通して置かれる。ある程度の柔軟性を有するシャフト12は、低侵襲の大動脈置換を容易にすることがさらに理解される。さらに他の実施態様では、シャフト12は、周囲の大動脈の輪郭に合うように、解剖上、準拠した(complaint)形状を保持する材料で形成される。これは、外科的に移植可能なポリマーまたは金属を保持する形状のおかげで、または、想定された曲率を保持する可鍛性の金属ワイヤをその中に含めることによって、達成され得る。湾曲物(curvature)は、外科的処置前または移植中に埋め込まれてよいことが理解されよう。
【0016】
付随する図面に描かれるようなマニホールドアパーチャーは、一連の均等に間隔があけられた、同様のサイズのアパーチャーとして示される。特定の発明のデバイス、膨張するガス特性、および加圧プロファイルの特異性に依拠するガス流シミュレーションは、圧力源から遠位でサイズが増大する穴を有するアパーチャーを生じさせてもよく、マニホールドに沿ったより近位のアパーチャーを通したガスの通過に起因する所定のアパーチャーにおける圧力降下を補う(account for)ことが理解されよう。あるいは、同様のサイズのアパーチャーの間隔が変化して、より近位のアパーチャーに関連する圧力降下を補う(account for)。加えて、穴は円形形状である必要はなく、細長いスリットおよび他の単純な幾何学的形状もまた、単独で、または、円形またはスリット形状のアパーチャーと組み合わせて、本明細書において働くことがさらに理解されよう。十分に規定された制御の膨張サイクルは、隣接する移植された心臓へのより大きな圧力補助をもたらす。
【0017】
一部の発明の実施態様では、膜は加工されて、さらに他の実施態様では、膜は一体的に(integrally)加工されて、表面処理が膜材料に施されて、その上の生物学的ライニングの形成に適している加工された表面を作ることを意味する。血液接触表面における使用のためにポリウレタンで形成された折り畳み自由な(fold−free)加工された膜の特性は、M.J.Menconi et al.,J.of Cellular Biochem.,57:557−573(1995)に詳述される。特定の理論に制限されることを意図しないが、加工された膜は、以下の目的:留置ポンプの表面上の生物学的ライニングの自然成長を促進して、抗凝血剤の必要性および血栓塞栓症のリスクを減少させる;表面の洗浄を促進して、血行停止および血栓形成を最小限にする;膜上の張りを最小限にする;放射状および長軸方向の延長を最小限にして、膜の疲労を避ける;バルーン実施態様に沿った伸長および応力分布を最小限にする;拡張していない状態のチャネルを通した押し流し効果を促進して、表面を洗浄する;またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを達成するために用いられる。
【0018】
したがって、加工されたポリウレタンが血液に曝されると、一体的に加工された膜、例えばポリウレタンの形状の膜は、次々にそれに付着する多能性(puripotent)細胞を有するバイオフィルムを発生させると考えられる。これらの細胞はそれから平らにされて、上皮細胞の見た目および機能を持つようになる。一部の発明の実施態様では、加工された表面は、膜上に免疫隔離(immuno−isolation)コーティングを有する。
【0019】
膜16の厚さは、形成される材料、任意の一体的な(integral)加工の深さ、膜サイズ、および動圧サイクルのような因子に依存する。典型的な膜の厚さは0.001〜1mmである。
【0020】
図3は、導管34を介して、電力または作動接続のための連通32とともに患者内に移植されたバルーン10の概要である。経皮アクセスデバイス(PAD)36は、表皮、真皮、および皮下組織を例示的に含む皮膚表面層(SL)を通って伸長して、外側流体ドライブシステムおよびコントローラー38に対する半永久的な接続を提供する。以前の特許(それらの全体で参照により本明細書中に援用される)においてより詳細に説明されるように、導管34は、移植されたバルーン10から、移植されて患者の皮膚を通して突き出ている経皮アクセスデバイス36まで導かれてよい。
【0021】
経皮アクセスデバイス36は、ガス連通チューブおよび電気リード(センサーまたは他の操作態様に関して必要に応じて導管34として一般に示される)が、外側流体ドライブシステムおよびコントローラー(一般に38において示される)に作動可能に接続され、または外されるのを可能にする。操作において、バルーン10または多数のそのようなバルーンは、患者の心臓に対して同時性で、加圧された流体によって、互いに独立に周期的に膨張および収縮されて、効果的な心拍出量を増大させる。好ましくは、同時性の周期的な膨張および収縮は、心機能に関するプログラム可能な患者パラメーターのセットに基づく。流体ドライバー40は、バルーン10を膨張させるために気体または流体として膨張流体を供給してよく、効果的な心拍出量を増大させるタイミングで、収縮した状態から(form)膨張した状態へ移行させる。空気以外の気体は、ポンプ膨張を誘導するために本発明によって働くことが理解されよう。これらの気体は、ヘリウム、窒素、アルゴン、およびそれらの混合物を例示的に含む。これらの気体は空気よりも粘性が低いが、そのような気体は、発明の血液ポンプ移植のレシピエントを、圧縮されたガスタンクに係留することを必要として、それにより、レシピエントの可動性を減少させる。特定の実施態様では、易感染性の膜を検出するためにトレーサーが任意選択で流体に加えられてよい。生理食塩水のような他の流体または他の作動流体は、ポンピングチャンバーを作動する役割を果たし得て;任意選択で、インドシアニングリーンまたはフルオレセインのようなトレーサー物質が、ポンピングチャンバーからの漏出を検出するために、作動液内に含められてよい。
【0022】
任意選択で、発明の血液ポンプ10の操作のためにフィードバックセンサーが提供される。そのようなセンサーは、圧力変換、加速度計、歪みゲージ、電極、および、pH、酸素、クレアチン、一酸化窒素またはそれらのMEMSバージョンのような種特異的(species specific)センサーを例示的に含む。そのようなセンサーの出力は、電気または光学シグナルとして、レシピエントの体の外側の監視および調節設備へ伝送される。
【0023】
本発明の心臓ポンプ単独、または、凝集した複数のそのようなポンプの実施態様は、膨張の際、約20〜70立方センチメートルの血液を;いくつかのチャンバーが移植されて集合的に作動する場合、それぞれ単独または集合的に移動させる。特定の発明の実施態様では、50〜70立方センチメートルの血液が、発明のポンプが移植された個人に活動的なライフスタイルを与えるように、本発明によって、心拍のたびに移動される。さらに他の実施態様では、本発明によって、患者の心拍のたびに60〜65立方センチメートルの血液。シャフトの長軸は、大動脈の長軸に沿って並べられる。本発明による使用に適合可能な操作の適切な制御プログラムおよび方法に関するさらなる詳細は、米国特許番号5,833,619、米国特許番号5,904,666、米国特許番号6,042,532、米国特許番号6,132,363および米国特許番号6,511,412から得ることができ、それらの全てが、それらの全体で本明細書中に参照により援用される。
【0024】
前述の説明は、本発明の特定の実施態様の例示であるが、その実施に対する制限であることを意味しない。以下の特許請求の範囲(その全ての等価物を含む)は、本発明の範囲を定義することを意図する。
【国際調査報告】