特表2020-521768(P2020-521768A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-521768ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-521768(P2020-521768A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 19/00 20060101AFI20200626BHJP
   C07F 9/30 20060101ALI20200626BHJP
【FI】
   C07F19/00
   C07F9/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2019-565401(P2019-565401)
(86)(22)【出願日】2018年6月27日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月26日
(86)【国際出願番号】EP2018067278
(87)【国際公開番号】WO2019002383
(87)【国際公開日】20190103
(31)【優先権主張番号】17178112.3
(32)【優先日】2017年6月27日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519051698
【氏名又は名称】アイジーエム グループ ビー.ヴィ.
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ソマーレード ラインハルト エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ラックナー カイ ウヴェ
【テーマコード(参考)】
4H050
【Fターム(参考)】
4H050AA01
4H050AA02
4H050AB40
4H050AC70
4H050BC10
4H050BC31
4H050BE60
4H050WA13
4H050WA23
4H050WA26
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)のビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法であり、一般式(I)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法であって、
【化1】
前記一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択され、
前記方法が、
a)ビス(シリルエーテル)ホスフィンを得るために、ホスフィン酸アンモニウムをシリル化剤と共に加熱する工程と、
b)工程a)で得られた前記ビス(シリルエーテル)ホスフィンを一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と反応させる工程であって、
【化2】
前記一般式IIa及び一般式IIb中、R、R、R、R及びR並びに/又はR、R、R、R10及びR11は、一般式Iで定義されたとおりであり、Zはハロゲンである工程と
を備える方法。
【請求項2】
、R及びR並びに/又はR、R及びR11が同じであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
、R及びR並びに/又はR、R及びR11が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキルから選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
及びR並びに/又はR及びR10が同じであり、好ましくは、R及びR並びに/又はR及びR10が、R、R及びR並びに/又はR、R及びR11とは異なることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
及びR並びに/又はR及びR10が同じであり、Hであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
Zが、クロロ、ブロモ及びヨード、好ましくはクロロから選択されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程a)が、不活性ガス雰囲気下で、及び/又は溶媒を添加せずに実施されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程a)で得られた前記ビス(シリルエーテル)ホスフィンが、有機溶媒、好ましくは非プロトン性有機溶媒と混合され、その後で工程b)が実施されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程a)で得られた前記ビス(シリルエーテル)ホスフィンが、工程a)で得られた前記シリル化生成物の精製及び単離をせずに、工程b)に供されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程a)が、100〜130℃の範囲、好ましくは105〜125℃の範囲、最も好ましくは110〜120℃の範囲の温度で実施され、かつ/又は工程b)が、−5〜50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは2〜28℃の範囲の温度で実施されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程b)が、一般式IIa及び/又は一般式IIbの前記化合物対工程a)の前記ホスフィン酸アンモニウムの当量重量比[IIa及び/又はIIb:P化合物]が、3.5:1〜1.5:1の範囲、好ましくは2.5:1〜1.8:1の範囲にあるように実施されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程a)及び/又は工程b)が、1回以上繰り返されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程b)で得られた前記ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを加水分解して、一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を得るさらなる工程c)であって、
【化3】
前記一般式III中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOHである工程
を備える請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程c)が、−5〜50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは0〜25℃の範囲の温度で実施されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1又は請求項12に記載の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルであって、
【化4】
前記一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択される
ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステル。
【請求項16】
請求項13又は請求項14に記載の方法によって得られる一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸であって、
【化5】
前記一般式III中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOHである、
ビス(アシル)ホスフィン酸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法であって、
【化1】
上記一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択される方法、並びにこの方法によって得られるビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステル及びビス(アシル)ホスフィン酸に関する。
【背景技術】
【0002】
ビス(アシル)ホスフィンオキシド(BAPO)は、十分に確立されており、着色コーティング又はクリアコーティング、接着剤、インク、フォトレジスト、印刷板、及び歯科用途の工業的な硬化のための極めて効率的な光開始剤である。この種類の最も著名な市販の製品は、以前はIrgacure 819として知られていたOmnirad 819、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである。
【0003】
長い間、液状及び/又は水溶性のBAPOに対する高い需要がある。このような化合物を手に入れるために多くの努力がなされてきており、そのプロセスのほとんどは、高価であるか又は多くの時間と労力を要する手順からなる。例えば、国際公開第2012/012067A1号パンフレットは、亜リン酸水素ジアルキルから出発するビス(メシトイル)ホスフィン酸アルキルの合成を開示する。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸n−ブチルだけが一例として与えられたが、収率や生成物に関する情報は何もなかった。この例は、出願人の実験室では再現することができず、信頼性が低いように見えることに留意されたい。
【0004】
Irgacure 819の水混和性形態は、水分散液として入手可能であるが、安定なBAPO水溶液はまだ市場で入手可能ではない。そのような配合物は、有望なインクジェット用途及びLED用途にとって非常に望ましい。国際公開第2014095724A1号パンフレット、及びG.Mueller,M.Zalibera,G.Gescheidt,A.Rosenthal,G.Santiso−Quinones,K.Dietliker、及びH.Gruetzmacher,Macromol.Rapid Commun.2015,36,553には、水溶性BAPO誘導体、いわゆるBAPO−OH(ビス(メシトイル)ホスフィン酸)、についての合成手順が記載されている。リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩並びに他の水溶性の有機誘導体を含めた多くの興味深い光活性誘導体は、親化合物から出発して合成することができる。しかしながら、BAPO−OHについての唯一の公知の合成手順は重大な制限を抱えており、このため、その合成は、コストがかかり、不便であり、又は時間がかかるものになっている。より正確に言えば、BAPO−OHについてのその合成方法は、黄リン若しくは赤リンの金属化又は三塩化リンのハロゲン−金属交換を利用する。その反応は良好〜中程度の収率で進行するとしても、黄リンの取り扱いは、その物理的特性及び毒物学的特性のため非常に危険である。赤リン又は三塩化リンから出発する場合には、収率は著しく低い。錯化溶媒が必須であり、これは、標準的な溶媒と比べて余計なコストを招く。加えて、アルカリ金属が必要とされ、従って、工業規模製造のためには対応する特別の設備が必要となる。
【0005】
それゆえ、ビス(アシル)ホスフィン酸の調製方法を提供することについて、当該技術分野で引き続くニーズがある。さらには、所望のビス(アシル)ホスフィン酸を得るための入り組んだ処理工程を回避する中間体化合物の調製方法を提供することが望ましい。さらには、その中間体生成物が簡単に調製できることが望ましい。これに加えて、揮発性、悪臭、毒性並びに空気及び火に対する感受性の理由から、リンの同素体、例えば黄リン若しくは赤リン、三塩化リン、アルキルホスフィン若しくはアリールホスフィン、又はジアルキルホスフィン若しくはジアリールホスフィン等の望ましくないリン化合物と組み合わせた金属ナトリウム又は金属リチウムの使用を回避するビス(アシル)ホスフィン酸の調製方法を提供することが望ましい。さらには、先行技術の方法によっては簡単に調製されないビス(アシル)ホスフィン酸の調製を可能にする方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2012/012067A1号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2014095724A1号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】G.Mueller,M.Zalibera,G.Gescheidt,A.Rosenthal,G.Santiso−Quinones,K.Dietliker、及びH.Gruetzmacher,Macromol.Rapid Commun.2015,36,553
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ビス(アシル)ホスフィン酸へとさらに変換できる化合物の調製方法を提供することが本発明の目的である。上記化合物を得るための入り組んだ処理工程を要しないこの中間体生成物及びビス(アシル)ホスフィン酸の調製方法を提供することが、本発明のなおさらなる目的である。黄リン、赤リン、三塩化リン、アルキルホスフィン若しくはアリールホスフィン、又はジアルキルホスフィン若しくはジアリールホスフィン等の望ましくないリン化合物と組み合わせた金属ナトリウム又は金属リチウムの使用を回避するビス(アシル)ホスフィン酸の調製方法を提供することが、本発明のなおさらなる目的である。先行技術の方法によっては簡単に調製されないビス(アシル)ホスフィン酸の調製を可能にする方法を提供することが本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的及び他の目的は本発明の主題によって解決される。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法が提供され、
【化2】
上記一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択され、
当該方法は、
a)ビス(シリルエーテル)ホスフィンを得るために、ホスフィン酸アンモニウムをシリル化剤と共に加熱する工程と、
b)工程a)で得られた上記ビス(シリルエーテル)ホスフィンを一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と反応させる工程であって、
【化3】
上記一般式IIa及び一般式IIb中、R、R、R、R及びR並びに/又はR、R、R、R10及びR11は、一般式Iで定義されたとおりであり、Zはハロゲンである工程と
を備える。
【0011】
本発明者らは、驚くべきことに、このような方法は、ビス(アシル)ホスフィン酸へと簡単に変換できるビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製に好適であり、ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステル及び所望のビス(アシル)ホスフィン酸を得るための入り組んだ処理工程を回避することを見出した。さらには、当該方法は、黄リン、赤リン、三塩化リン、アルキルホスフィン若しくはアリールホスフィン、又はジアルキルホスフィン若しくはジアリールホスフィン等の望ましくないリン化合物と組み合わせた金属ナトリウム又は金属リチウムの使用を必要としないビス(アシル)ホスフィン酸の調製を可能にする。これに加えて、当該方法は、先行技術の方法によっては簡単に入手できないビス(アシル)ホスフィン酸の調製を可能にする。
【0012】
本発明の方法の優位な実施形態は、対応する従属請求項に規定される。
【0013】
1つの実施形態によれば、R、R及びR並びに/又はR、R及びR11は同じである。
【0014】
別の実施形態によれば、R、R及びR並びに/又はR、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキルから選択される。
【0015】
さらに別の実施形態によれば、R及びR並びに/又はR及びR10は同じであり、好ましくは、R及びR並びに/又はR及びR10は、R、R及びR並びに/又はR、R及びR11とは異なる。
【0016】
1つの実施形態によれば、R及びR並びに/又はR及びR10は同じであり、Hである。
【0017】
別の実施形態によれば、Zは、クロロ、ブロモ及びヨード、好ましくはクロロから選択される。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、工程a)は、不活性ガス雰囲気下で、及び/又は溶媒を添加せずに実施される。
【0019】
1つの実施形態によれば、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、有機溶媒、好ましくは非プロトン性有機溶媒と混合され、その後で工程b)が実施される。
【0020】
別の実施形態によれば、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、工程a)で得られたシリル化生成物の精製及び単離をせずに、工程b)に供される。
【0021】
さらに別の実施形態によれば、工程a)は、100〜130℃の範囲、好ましくは105〜125℃の範囲、最も好ましくは110〜120℃の範囲の温度で実施され、かつ/又は工程b)は、−78〜+50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは0〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0022】
1つの実施形態によれば、工程b)は、一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物対工程a)のホスフィン酸アンモニウムの当量重量比[IIa及び/又はIIb:P化合物]は、3.5:1〜1.5:1の範囲、好ましくは2.5:1〜1.8:1の範囲にあるように実施される。
【0023】
別の実施形態によれば、工程a)及び/又は工程b)は、1回以上繰り返される。
【0024】
さらに別の実施形態によれば、当該方法は、工程b)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを加水分解して、一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を得るさらなる工程c)を備え、
【化4】
上記一般式III中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOHである。
【0025】
1つの実施形態によれば、工程c)は、−78〜+50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは2〜28℃の範囲の温度で実施される。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書中に規定される方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが提供され、
【化5】
上記一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本明細書中に規定される方法によって得られる一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸が提供され、
【化6】
上記一般式III中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOHである。
【0028】
以下では、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステル及び一般式IIのビス(アシル)ホスフィン酸の本発明の調製方法の詳細及び好ましい実施形態がより詳細に記載される。これらの技術的詳細及び実施形態は、適用可能である限りは、本発明の物にも適用されるということを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製方法が提供される。一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが調製されることが理解され、
【化7】
上記一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H(水素原子)、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択される。
【0030】
一般式I中のR、R、R、R及びRに関しては、それらは同じであってもよいし異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、R、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。
【0031】
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル」は、炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキル基を指し、その例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、n−ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルが挙げられる。
【0032】
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル」は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルケニル基を指し、その例としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、トリイソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル及びオクテニル、好ましくはエテニル又はプロペニルが挙げられる。本発明の意味における用語「アルケニル」は、シス異性体及びトランス異性体を含む。
【0033】
本発明の意味における用語「C−C−アルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有することを意味し、その例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第三級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ及びオクチルオキシが挙げられる。
【0034】
本発明の意味における用語「C−C−アルケニルオキシ」は、そのアルケニルオキシ部分が炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルケニルを有することを意味し、その例としては、例えば、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、トリイソブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ及びオクテニルオキシが挙げられる。
【0035】
本発明の意味における用語「C−C−シクロアルキル」は、炭素原子数3〜8の環状アルキルを指し、その例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル、好ましくはシクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0036】
本発明の意味における用語「C−C12−アリール」は、1以上の6員の不飽和炭化水素環を含有する基であって、その不飽和が共役二重結合によって形式的に表され、このような環の1以上の炭素原子上で、独立に選択されるアルキル基によって任意に置換されていてもよい基を指し、その例としては、例えば、フェニル、ナフチル、メチルフェニル、ジメトキシフェニル、5−イソプロピル−2−メチルフェニル、メチルフェニル及びt−ブチルフェニル、好ましくはナフチルが挙げられる。
【0037】
本発明の意味における用語「C−C−シクロアルコキシ」は、そのシクロアルコキシ部分が炭素原子数3〜8の環状アルキルを有することを意味し、その例としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、及びシクロヘプチルオキシ、好ましくはシクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシが挙げられる。
【0038】
本発明の意味における用語「C−C12−アリールアルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜8の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有し、この鎖状アルキルがC−C12−アリールに連結されていることを意味する。
【0039】
本発明の意味における用語「C−C15−アルケニルアリールアルコキシ」は、そのアルコキシ部分が、炭素原子数1〜8の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有し、この直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルがC−C12−アリール、好ましくはC−アリールに連結されており、このC−C12−アリール、好ましくはC−アリールが直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、好ましくはC−アルケニルにさらに連結されていることを意味する。好ましくは、このアルコキシ部分及びアルケニル部分は、アリール部分のパラ位に連結されている。
【0040】
本発明の意味における用語「C−C12−アリールスルホニル」は、C−C12−アリールを有するスルホニル部分を指す。
【0041】
本発明の意味における用語「4−アルキルアリールスルホニル」は、C−C12−アリールを有するスルホニル部分であって、このC−C12−アリールが直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルに連結されているスルホニル部分を指す。このアルキル部分は、アリール部分のパラ位に連結されている。
【0042】
本発明の意味における用語「ハロゲン」は、クロロ、ブロモ又はヨードを指す。
【0043】
好ましくは、R、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0044】
1つの実施形態では、一般式I中のR、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びC−C12−アリールから選択される。好ましくは、R、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択される。最も好ましくは、R、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択される。
【0045】
このように、R、R、R、R及びRのうちの1以上がHであることが好ましい。
【0046】
加えて、又はあるいは、R、R、R、R及びRのうちの1以上が、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであることが好ましい。例えば、R、R、R、R及びRのうちの1以上は、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R、R、R、R及びRのうちの1以上が、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0047】
好ましくは、R、R及びRは同じである。この実施形態では、R、R及びRは、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。例えば、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0048】
1つの実施形態では、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。例えば、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R、R及びRが同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0049】
1つの実施形態では、R、R及びRは同じであり、SR12、NHR12又はNR1213であり、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。
【0050】
1つの実施形態では、R及びRは同じである。この実施形態では、R及びRは、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。好ましくは、R及びRは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。例えば、R及びRは同じであり、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0051】
1つの実施形態では、R及びRは同じであり、Hである。
【0052】
及びRは、好ましくは、R、R及びRとは異なることが理解される。このように、R及びRがR、R及びRとは異なる場合、R及びRは、好ましくは同じであり、Hであり、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。例えば、R及びRは同じであり、Hであり、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R及びRが同じであり、Hであり、R、R及びRが同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0053】
1つの実施形態では、R及びRは同じであり、Hであり、R、R及びRは同じであり、SR12、NHR12又はNR1213であり、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。
【0054】
一般式I中のR、R、R、R10及びR11に関しては、それらは同じであってもよいし異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。より好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0055】
1つの実施形態では、一般式I中のR、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びC−C12−アリールから選択される。好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択される。最も好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択される。
【0056】
このように、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上がHであることが好ましい。
【0057】
加えて、又はあるいは、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上が、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであることが好ましい。例えば、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上は、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R、R、R、R10及びR11のうちの1以上が、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0058】
好ましくは、R、R及びR11は同じである。この実施形態では、R、R及びR11は、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。好ましくは、R、R及びR11は、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。例えば、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0059】
1つの実施形態では、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。例えば、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R、R及びR11が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0060】
1つの実施形態では、R、R及びR11は同じであり、SR12、NHR12又はNR1213であり、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。
【0061】
1つの実施形態では、R及びR10は同じである。この実施形態では、R及びR10は、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。好ましくは、R及びR10は、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。例えば、R及びR10は同じであり、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0062】
1つの実施形態では、R及びR10は同じであり、Hである。
【0063】
及びR10は、好ましくはR、R及びR11とは異なることが理解される。このように、R及びR10がR、R及びR11とは異なる場合、R及びR10は、好ましくは同じであり、Hであり、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。例えば、R及びR10は同じであり、Hであり、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R及びR10が同じであり、Hであり、R、R及びR11が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0064】
1つの実施形態では、R及びR10は同じであり、Hであり、R、R及びR11は同じであり、SR12、NHR12又はNR1213であり、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。
【0065】
一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11に関しては、それらは同じであってもよいし異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。
【0066】
1つの実施形態では、一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びC−C12−アリールから選択される。好ましくは、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択される。最も好ましくは、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択される。
【0067】
1つの実施形態では、一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じである。この実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、好ましくはHである。
【0068】
あるいは、一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は異なる。
【0069】
一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上がHであることが好ましい。
【0070】
加えて、又はあるいは、一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上が直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであることが好ましい。例えば、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上は、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上が、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0071】
好ましくは、一般式I中のR、R、R、R、R及びR11は同じである。この実施形態では、R、R、R、R、R及びR11は、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。好ましくは、R、R、R、R、R及びR11は同じであり、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。例えば、R、R、R、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0072】
1つの実施形態では、一般式I中のR、R、R、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。例えば、R、R、R、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R、R、R、R、R及びR11が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0073】
1つの実施形態では、一般式I中のR、R、R及びR10は同じである。この実施形態では、R、R、R及びR10は、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択される。好ましくは、R、R、R及びR10は、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。例えば、R、R、R及びR10は同じであり、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択される。
【0074】
1つの実施形態では、R、R、R及びR10は同じであり、Hである。
【0075】
、R、R及びR10は、好ましくは、R、R、R、R、R及びR11とは異なることが理解される。このように、R、R、R及びR10がR、R、R、R、R及びR11とは異なる場合、R、R、R及びR10は、好ましくは同じであり、Hであり、R、R、R、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。例えば、R、R、R及びR10は同じであり、Hであり、R、R、R、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R、R、R及びR10が同じであり、Hであり、R、R、R、R、R及びR11が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0076】
1つの実施形態では、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、一般式I中のR、R、R、R、R及びR11が同じであり、R、R、R及びR10が同じであるビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルである。好ましくは、一般式I中のR、R、R、R、R及びR11は同じであり、C−アルキルであり、R、R、R及びR10は同じであり、Hである。あるいは、一般式I中のR、R、R、R、R及びR11は同じであり、Hであり、R、R、R及びR10は同じであり、C−アルコキシである。あるいは、一般式I中のR、R、R、R、R及びR11は同じであり、Hであり、R、R、R及びR10は同じであり、クロロである。
【0077】
あるいは、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、一般式I中のR、R及びRが同じであり、R、R及びR11が同じであり、R及びRが同じであり、R及びR10が同じであるビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルである。この実施形態では、一般式I中のR、R及びRはR、R及びR11とは異なり、R及びRはR及びR10とは異なる。このように、一般式Iの混合ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが本発明の方法によって調製されうることが理解される。
【0078】
一般式I中のRはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択されることが理解される。
【0079】
14、R15及びR16は同じであってもよいし異なっていてもよいことが理解される。好ましくは、R14、R15及びR16は同じであり、例えば、R14、R15及びR16は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。好ましくは、R14、R15及びR16は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルである。R14、R15及びR16が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0080】
あるいは、R14、R15及びR16は同じであり、フェニル又はメチルフェニル、好ましくはフェニルである。
【0081】
1つの実施形態では、一般式I中のRはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルである。つまり、一般式I中のRは、好ましくは、トリメチルシリルオキシである。
【0082】
このように、本発明の方法は、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製をもたらすことが理解される。
【0083】
一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが、特定の方法、つまり、ビス(アシル)ホスフィン酸への変換に好適な中間体生成物の簡単な調製を可能にする方法によって調製されることが理解される。
【0084】
特に、当該方法は、
a)ビス(シリルエーテル)ホスフィンを得るために、ホスフィン酸アンモニウムをシリル化剤と共に加熱する工程と、
b)工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンを一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と反応させる工程であって、
【化8】
一般式IIa及び一般式IIb中、R、R、R、R及びR並びに/又はR、R、R、R10及びR11は、一般式Iで定義されたとおりであり、Zはハロゲンである工程と
を備えることを特徴とする。
【0085】
従って、第1工程で、ホスフィン酸アンモニウムは、シリル化剤と共に加熱される。この工程は、好ましくは、出発物質の、対応するビス(シリルエーテル)ホスフィンへの定量的反応をもたらすことに留意されたい。こうして、非常に高い収率及び純度並びに非常に高い変換率が、数時間以内に成し遂げられ、従ってこの工程は、有利なことに、以降の工程b)のために、高純度でビス(シリルエーテル)ホスフィンを提供する。
【0086】
上記シリル化剤は、当該技術分野で周知のいずれのシリル化剤であってもよい。しかしながら、さらなるプロセスで優位な収率を得るために、上記シリル化剤は、好ましくは、一般式Va及び/又はVbの化合物である。
A−SiR141516 Va
上記一般式Va中、R14、R15及びR16は同じであるか又は異なり、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択され、Aは、ハロゲン、トリフラート(OSOCF)、シアニド、アジド及び1−イミダゾリルから選択される。
161514Si−B−SiR141516 Vb
上記一般式Vb中、R14、R15及びR16は同じであるか又は異なり、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択され、Bは、O、NH、NCH、OC(CH)=N、OC(CF)=N、NH(C=O)NH、及びNH(C=O)Oから選択される。
【0087】
一般式Va及び/又は一般式Vb中のR14、R15及びR16並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステル、とりわけRの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0088】
好ましくは、上記シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン、塩化トリメチルシリル、臭化トリメチルシリル、ヨウ化トリメチルシリル、塩化トリエチルシリル、臭化トリエチルシリル、塩化トリ−n−プロピルシリル、塩化トリイソプロピルシリル、塩化t−ブチルジメチルシリル、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択される。より好ましくは、上記シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン、N,N−ビス(トリメチルシリル)メチルアミン、塩化トリメチルシリル及びこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましくは、上記シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン及び/又は塩化トリメチルシリルである。例えば、上記シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン又は塩化トリメチルシリル、好ましくはヘキサメチルジシラザンである。あるいは、上記シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン及び塩化トリメチルシリルの混合物である。
【0089】
工程a)は、好ましくは、不活性ガス雰囲気下で実施されることが理解される。これは、工程a)の唯一の副生成物、すなわちアンモニアを追い出すために有利であり、従って、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンの純度を高める。上記不活性ガス雰囲気は、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気又は窒素雰囲気であってもよい。
【0090】
ホスフィン酸アンモニウムと上記シリル化剤との間の反応が、反応を加速するために、加熱下で実施されることは、本発明の1つの要求事項である。
【0091】
従って、好ましくは、工程a)は、100〜130℃の範囲の温度で実施される。例えば、工程a)は、105〜125℃の範囲、最も好ましくは110〜120℃の範囲の温度で実施される。
【0092】
シリル化剤対ホスフィン酸アンモニウムの当量重量比[シリル化剤:ホスフィン酸アンモニウム]は、10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜1:1、さらにより好ましくは6:1〜1:1、最も好ましくは5:1〜1.5:1であることが好ましい。
【0093】
工程a)は、溶媒を添加して、又は溶媒を添加せずに実施することができる。工程a)が溶媒中で実施される場合、この溶媒は、好ましくは有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒である。例えば、この有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒は、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、及びこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましくは、上記有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒は、ジクロロメタンである。
【0094】
好ましくは、工程a)は、有機溶媒の不存在下で実施される。より好ましくは、工程a)は、溶媒の不存在下で実施される。
【0095】
工程a)は、好ましくは、上記成分、すなわち、すなわち上記シリル化剤、ホスフィン酸アンモニウム及び任意の有機溶媒を混合して実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
【0096】
工程a)が溶媒の不存在下で実施される、すなわち、上記ビス(シリルエーテル)ホスフィンの調製後に、有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒が添加され、その後で工程b)が実施されることが好ましい。上述のように、この有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒は、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、及びこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましくは、この有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒は、ジクロロメタンである。
【0097】
1つの実施形態では、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、こうして有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒に溶解され、その後に工程b)が実施される。
【0098】
工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンが有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒と混合され、その後に工程b)が実施される場合、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、好ましくは−5〜50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは0〜25℃の範囲、例えば0〜10℃の温度まで冷却され、その後に有機溶媒、より好ましくは非プロトン性有機溶媒が添加される。
【0099】
工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、工程b)に供される。好ましくは、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、工程a)で得られたシリル化生成物の精製及び単離をせずに、工程b)に供される。
【0100】
1つの実施形態では、工程a)は、1回以上繰り返される。例えば、工程a)は1回又は2回、例えば1回繰り返される。
【0101】
好ましくは、工程a)は一工程で実施され、従って繰り返されない。
【0102】
工程a)及び工程b)は、ワンポット反応で実施できることが理解される。つまり、上記ビス(シリルエーテル)ホスフィンがインサイチュ(in situ)で調製され、単離も精製もされず、一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物が、同じ反応器の中でこのビス(シリルエステル)ホスフィンに添加される。
【0103】
後続の工程b)は、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンが一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と反応するように実施され、
【化9】
一般式IIa及び一般式IIb中、R、R、R、R及びR並びに/又はR、R、R、R10及びR11は、一般式Iで定義されたとおりであり、Zはハロゲンである。
【0104】
一般式IIa及び/又は一般式IIb中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0105】
一般式IIa及び/又は一般式IIb中のZに関しては、Zはハロゲンであることが理解される。好ましくは、Zは、クロロ、ブロモ及びヨード、より好ましくはクロロ及びブロモから選択される。最も好ましくは、Zはクロロである。
【0106】
従って、1つの実施形態では、一般式IIaの化合物は、R、R、R、R及びRが同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びC−C12−アリールから選択され、Zがクロロである化合物である。好ましくは、R、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択され、Zはクロロである。最も好ましくは、R、R、R、R及びRは同じであるか又は異なり、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択され、Zはクロロである。
【0107】
このように、R、R、R、R及びRのうちの1以上がHであり、Zがクロロであることが好ましい。
【0108】
加えて、又はあるいは、R、R、R、R及びRのうちの1以上が直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zがクロロであることが好ましい。例えば、R、R、R、R及びRのうちの1以上は、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。R、R、R、R及びRのうちの1以上が、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。
【0109】
好ましくは、R、R及びRは同じであり、Zはクロロである。この実施形態では、R、R及びRは、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、Zはクロロである。例えば、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、Zはクロロである。
【0110】
1つの実施形態では、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。例えば、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。R、R及びRが同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。
【0111】
1つの実施形態では、R及びRは同じであり、Zはクロロである。この実施形態では、R及びRは、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、Zはクロロである。例えば、R及びRは同じであり、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、Zはクロロである。
【0112】
1つの実施形態では、R及びRは同じであり、Hであり、Zはクロロである。
【0113】
及びRは、好ましくは、R、R及びRとは異なることが理解される。このように、R及びRがR、R及びRとは異なる場合、R及びRは、好ましくは同じであり、Hであり、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。例えば、R及びRは同じであり、Hであり、R、R及びRは同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。R及びRが同じであり、Hであり、R、R及びRが同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。
【0114】
あるいは、R及びRがR、R及びRとは異なる場合、R及びRは、好ましくは、同じであり、C−C−アルコキシ、好ましくはC−C−アルコキシ、より好ましくはC−C−アルコキシ、例えばC−アルコキシ、又はハロゲン、好ましくは、クロロ、ブロモ又はヨード、より好ましくはクロロ又はブロモ、例えばクロロであり、R、R及びRは同じであり、Hであり、Zはクロロである。R及びRが同じであり、C−アルコキシであり、R、R及びRが同じであり、Hであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。あるいは、R及びRは同じであり、クロロであり、R、R及びRは同じであり、Hであり、Zはクロロである。
【0115】
一般式IIb中のR、R、R、R10及びR11に関しては,それらは同じであってもよいし異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、Zはクロロである。
【0116】
1つの実施形態では、一般式IIb中のR、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びC−C12−アリールから選択され、Zはクロロである。好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択され、Zはクロロである。最も好ましくは、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキルから選択され、Zはクロロである。
【0117】
このように、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上がHであり、Zがクロロであることが好ましい。
【0118】
加えて、又はあるいは、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上が、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zがクロロであることが好ましい。例えば、R、R、R、R10及びR11のうちの1以上は、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。R、R、R、R10及びR11のうちの1以上が、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。
【0119】
好ましくは、R、R及びR11は同じであり、Zはクロロである。この実施形態では、R、R及びR11は、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、Zはクロロである。例えば、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、Zはクロロである。
【0120】
1つの実施形態では、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。例えば、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。R、R及びR11が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであり、Zはクロロであることがとりわけ好ましい。
【0121】
1つの実施形態では、R及びR10は同じであり、Zはクロロである。この実施形態では、R及びR10は、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、Zはクロロである。例えば、R及びR10は同じであり、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、Zはクロロである。
【0122】
1つの実施形態では、R及びR10は同じであり、Hであり、Zはクロロである。
【0123】
及びR10は、好ましくはR、R及びR11とは異なることが理解される。このように、R及びR10がR、R及びR11とは異なる場合、R及びR10は、好ましくは同じであり、Hであり、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C18−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C12−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。例えば、R及びR10は同じであり、Hであり、R、R及びR11は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルキル、例えば直鎖状のC−C−アルキルであり、Zはクロロである。R及びR10が同じであり、Hであり、R、R及びR11が同じであり、C−アルキル又はC−アルキル、例えばC−アルキルであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。
【0124】
あるいは、R及びR10がR、R及びR11とは異なる場合、R及びR10は、好ましくは、同じであり、C−C−アルコキシ、好ましくはC−C−アルコキシ、より好ましくはC−C−アルコキシ、例えばC−アルコキシ、又はハロゲン、好ましくは、クロロ、ブロモ又はヨード、より好ましくはクロロ又はブロモ、例えばクロロであり、R、R及びR11は同じであり、Hであり、Zはクロロである。R及びR10が同じであり、C−アルコキシであり、R、R及びR11が同じであり、Hであり、Zがクロロであることがとりわけ好ましい。あるいは、R及びR10は同じであり、クロロであり、R、R及びR11は同じであり、Hであり、Zはクロロである。
【0125】
1つの実施形態では、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンは、R、R及びR(又はR、R及びR11)が同じであり、R及びR(又はR及びR10)が同じであり、Zがクロロである一般式IIa(又はIIb)の化合物と反応させられる。好ましくは、一般式IIa中のR、R及びR(又は一般式IIb中のR、R及びR11)は同じであり、C−アルキルであり、R及びR(又はR及びR10)は同じであり、Hであり、Zはクロロである。あるいは、一般式IIa中のR、R及びR(又は一般式IIb中のR、R及びR11)は同じであり、Hであり、R及びR(又はR及びR10)は同じであり、C−アルコキシであり、Zはクロロである。あるいは、一般式IIa中のR、R及びR(又は一般式IIb中のR、R及びR11)は同じであり、Hであり、R及びR(又はR及びR10)は同じであり、クロロであり、Zはクロロである。この実施形態は、具体的に、対応する対称性の一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを生じ、すなわちR、R、R、R、R及びR11は同じであり、R、R、R及びR10は同じであることが理解される。
【0126】
あるいは、工程a)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、一般式IIa中のR、R及びRが同じであり、一般式IIb中のR、R及びR11が同じであり、一般式IIa中のR及びRが同じであり、一般式IIb中のR及びR10が同じであり、Zがクロロである一般式IIa及び一般式IIBの化合物と混合される。この実施形態では、一般式IIa中のR、R及びRは、一般式IIb中のR、R及びR11とは異なり、一般式IIa中のR及びRは、一般式IIb中のR及びR10とは異なり、Zはクロロである。このように、一般式IIa及び一般式IIBの化合物が当該方法の工程b)で加えられる場合には、一般式Iの混合ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが得られることが理解される。
【0127】
本発明の方法の工程b)は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。このように、工程b)は、好ましくは、−5〜50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは0〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0128】
一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物は、好ましくは、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンに滴下される。一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の滴下は、好ましくは、0〜25℃の範囲、例えば0〜10℃の温度で実施される。
【0129】
一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンとの反応、すなわち一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加後の反応は、一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加のために使用される温度よりも高い温度で実施することができることが好ましい。従って、一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンとの反応、すなわち一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加後の反応は、好ましくは、0〜25℃の範囲、例えば10〜25℃の温度で実施される。1つの実施形態では、一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物と、工程a)で得られたビス(シリルエーテル)ホスフィンとの反応、すなわち一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加後の反応は、ほぼ室温、すなわち21℃±2℃で実施される。
【0130】
工程a)に関して上で提供された記載を考慮して、工程b)は、好ましくは、有機溶媒、好ましくは非プロトン性有機溶媒、例えばジクロロメタンの存在下で実施されることが理解される。
【0131】
一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物は、工程b)で、工程a)のホスフィン酸アンモニウムに対して当量重量比で過剰に加えられることが好ましいことが理解される。
【0132】
一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物対工程a)のホスフィン酸アンモニウムの当量重量比[IIa及び/又はIIb:P化合物]は、3.5:1〜1.5:1の範囲、好ましくは2.5:1〜1.8:1の範囲にあることが好ましい。
【0133】
工程b)は、好ましくは、上記成分、すなわち上記シリル化剤、一般式IIa及び/又はIIbの化合物、及び上記任意の有機溶媒を混合して実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
【0134】
1つの実施形態では、工程b)は、さらなる添加剤を添加せずに実施される。
【0135】
あるいは、工程b)は、さらなる添加剤の存在下で実施される。例えば、上記シリル化剤の反応性を高めるために、トリメチルアミンを添加することができる。
【0136】
工程b)は1回以上繰り返すことができるということが理解される。好ましくは、工程b)は1回又は2回、例えば1回繰り返される。
【0137】
従って、工程b)は、一工程手順で、すなわち一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加を繰り返さずに実施することができるし、又は段階的手順で、シリル化剤、これに続く一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加を繰り返して実施することができる。工程b)が段階的手順で実施される場合、工程b)は、こうして、好ましくは2回繰り返される。
【0138】
化学量論的に必要とされる量の全量のシリル化剤が一度に添加されないため、上記段階的手順は、高収率の一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製の制御にとってとりわけ有利であることが理解される。さらには、上記段階的手順は、明確な一般式Iの混合ビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製を可能にする。つまり、R、R及びRが同じであり、R、R及びR11が同じであり、R及びRが同じであり、R及びR10が同じである一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが調製される場合に、上記段階的手順は好ましい。さらには、一般式I中のR、R及びRは、R、R及びR11とは異なり、R及びRはR及びR10とは異なる。
【0139】
1つの実施形態では、上記段階的手順は、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が同じであるか又は異なる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの調製を可能にする。
【0140】
好ましくは、工程b)は、一工程手順で、すなわち一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物の添加を繰り返さずに実施される。
【0141】
工程b)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、
i)得られた一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを副生成物及び/又は遊離体及び/又は溶媒から分離する工程、及び/又は
ii)得られた一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを洗浄する工程
によってさらに処理されてもよいことが理解される。
【0142】
加えて、工程b)で得られた一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、乾燥工程に供されてもよい。
【0143】
このように、本発明の方法は、得られた一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを単離及び/又は精製するさらなる工程を備えてもよい。
【0144】
このような工程は、当該技術分野で周知であり、当業者は、本発明の方法を実施するために使用されるプロセス条件及び設備に応じて適合させるであろう。
【0145】
1つの実施形態では、当該方法は、工程b)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルをエタノールと混合して、一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を得るさらなる工程c)を備える。
【化10】
上記一般式III中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOHである。
【0146】
一般式III中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0147】
一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸は、特定の方法、つまり、黄リン、赤リン、三塩化リン、アルキルホスフィン若しくはアリールホスフィン、又はジアルキルホスフィン若しくはジアリールホスフィン等の望ましくないリン化合物と組み合わせた金属ナトリウム又は金属リチウムの使用を回避する方法により調製されることが理解される。さらには、一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸は、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルから簡単に調製することができる。
【0148】
一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を得るために、工程b)の後、工程b)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは加水分解される。
【0149】
工程b)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルを加水分解する工程は、水及び/又はメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを使用することにより成し遂げることができることが理解される。好ましくは、工程c)は、エタノールを添加することにより実施される。
【0150】
本発明の方法が工程c)を備える場合、工程a)、工程b)及び工程c)はワンポット反応で実施されうることが理解される。つまり、上記ビス(シリルエーテル)ホスフィンはインサイチュで調製され、単離も精製もされず、一般式IIa及び/又は一般式IIbの化合物が同じ反応器中でビス(シリルエステル)ホスフィンに加えられ、単離も精製もされず、そして得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルが同じ反応器中で加水分解される。
【0151】
本発明の方法の工程c)は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。しかしながら、望まれない副生成物の生成を回避するために、工程c)は、好ましくは、−5〜50℃の範囲、好ましくは0〜40℃の範囲、より好ましくは0〜30℃の範囲、最も好ましくは2〜28℃の範囲の温度で実施される。例えば、工程c)は、5〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0152】
工程b)で得られたビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルをエタノールと混合する工程c)の後に、当該方法は、得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を単離及び/又は精製するさらなる工程を備えてもよい。
【0153】
例えば、当該方法は、
i)得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を溶媒から分離する工程、及び/又は
ii)得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を洗浄する工程
をさらに備えてもよい。
【0154】
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を溶媒から分離する工程、及び
ii)得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を洗浄する工程
をさらに備える。
【0155】
加えて、当該方法は、得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸を乾燥する工程をさらに備えてもよい。
【0156】
このような工程は当該技術分野で周知であり、当業者は、本発明の方法を実施するために使用されるプロセス条件及び設備に応じて適合させるであろう。
【0157】
1つの実施形態では、当該方法は、一般式IVの化合物を得るために、工程c)で得られた一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸をハロゲン化する、好ましくは塩素化するさらなる工程d)を備える。
【化11】
上記一般式IV中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、Rは、好ましくはクロロ、ブロモ及びヨード、より好ましくはクロロから選択されるハロゲンである。
【0158】
一般式IV中のR、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0159】
一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸のハロゲン化を生じるこのようなハロゲン化反応は、当該技術分野で周知であり、当業者は、本発明の方法を実施するために使用される特定の反応及び設備に応じて適合させることができる。
【0160】
別の態様では、本発明は、一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルに関し、
【化12】
一般式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOSiR141516であり、R14、R15及びR16は、独立に、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル又はC−C12−アリールから選択される。一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、好ましくは、本発明の方法によって得られる。
【0161】
上記方法、一般式I中のR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法及び本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0162】
本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステルは、好ましくは、ビス(アシル)ホスフィン酸の調製のために使用されることが理解される。
【0163】
さらなる態様では、本発明は、一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸に関する。
【化13】
一般式III中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は同じであるか又は異なり、独立に、H、ハロゲン、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C−シクロアルコキシ、C−C12−アリールアルコキシ、C−C15−アルケニルアリールアルコキシ、ニトロ−、C−C12−アリールスルホニル、4−アルキルアリールスルホニル、C−C20−アルキルカルボキシ、C−C−アルコキシルカルボニル、SR12、NHR12又はNR1213、及びO含有、S含有若しくはN含有の5員又は6員の複素環式環から選択され、R12及びR13は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC−C20−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC−C−アルケニル及びC−C−シクロアルキルから選択され、RはOHである。一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸は、好ましくは、本発明の方法によって得られる。
【0164】
上記方法、一般式III中のR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法並びに本発明の方法によって得られる一般式Iのビス(アシル)ホスフィン酸シリルエステル及び一般式IIIのビス(アシル)ホスフィンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0165】
本発明の方法によって得られる一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸は、好ましくは、少なくとも1種の光重合性不飽和化合物と共に光重合性組成物において使用されることが理解される。
【0166】
こうして、本発明のさらなる態様は、一般式IIIのビス(アシル)ホスフィン酸と少なくとも1種の光重合性不飽和化合物とを含む光重合性組成物に関する。
【0167】
調製されるべき物品で典型的に使用されかつ周知であるいずれの光重合性不飽和化合物を上記少なくとも1種の光重合性不飽和化合物として使用することができるということが理解される。例えば、この少なくとも1種の光重合性不飽和化合物は、国際公開第2004/099262A1号パンフレットに記載されている化合物であってもよい。従ってこの特許文献は、参照により本明細書に援用される。
【0168】
当該光重合性組成物は、任意の添加剤並びに/又は任意のさらなる光開始剤及び/若しくは共開始剤(コイニシエーター)をも含有してよい。この任意の添加剤並びに/又は光開始剤及び/若しくは共開始剤は限定されず、その例としては、調製されるべき物品で典型的に使用されかつ当該技術分野で周知であるいずれの添加剤並びに/又は光開始剤及び/若しくは共開始剤が挙げられる。例えば、この添加剤並びに/又は光開始剤及び/若しくは共開始剤は、国際公開第2004/099262A1号パンフレットに添加剤(C)並びに/又は光開始剤及び/若しくは共開始剤(D)として記載されている1以上の化合物であってもよい。従ってこの特許文献は、参照により本明細書に援用される。
【0169】
本発明の範囲及び関心は、本発明の特定の実施形態を説明することが意図されており非限定的である以下の実施例に基づいてよりよく理解されるであろう。
【実施例】
【0170】
実施例1:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸の合成、段階的手順
ホスフィン酸アンモニウム(20.0g、0.241mol、1当量)を1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン68.04g(0.422mol、1.75当量)に懸濁させ、これを、アンモニアの発生が止み、ホスフィン酸アンモニウムが完全に溶解するまで110〜120℃で撹拌した。反応混合物を、氷浴中5℃まで冷却し、200mLのジクロロメタンで希釈した。塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル44.44g(0.243mol、1.01当量)を滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。フラスコを再度氷浴中で冷却し、さらに1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン68.04g(0.422mol、1.75当量)を素早く加えた。5℃で3時間撹拌した後、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル44.44g(0.243mol、1.01当量)を滴下し、撹拌しながら室温で一晩放置した。次いで反応物を0〜5℃まで冷却し、温度が15℃を超えないようにしてエタノール200mLの滴下により加水分解した。濾過後、残渣をエタノールで十分に洗浄し、濾液を乾固するまで蒸発させた。この黄色の粘性が高い油状物にTBME:ヘキサン 1:1を加えた。生成物が結晶化した後、淡黄色固体を濾過し、冷ヘキサンで洗浄し、乾燥した。
【0171】
収率:53.8gの淡黄色固体、理論値の62%
H−NMR(400.13MHz;CDCl):δ(ppm)=2.13(s,12H),2.26(s,6H),6.77(s,4H),9.53(bs,1H)
31P−NMR(161.89MHz;CDCl):δ(ppm)=−3.67
13C−NMR(100.62MHz;CDCl):(ppm)δ=19.25,21.15,128.70,135.15,136.23(d,PC45.5Hz),140.23,216.80(d,PC101.2Hz)
【0172】
全体式を元素分析によって確認した。この元素分析は、標準的手順によって実施した。
【0173】
実施例2:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸の合成、一工程手順
ホスフィン酸アンモニウム(20.0g、0.241mol、1当量)を1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン136.07g(0.843mol、3.5当量)に懸濁させ、これを、アンモニアの発生が止み、ホスフィン酸アンモニウムが完全に溶解するまで110〜120℃で撹拌した。反応混合物を、氷浴中で5℃まで冷却し、200mLのジクロロメタンで希釈した。塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル90.19g(0.494mol、2.05当量)を滴下し、反応混合物を、31P−NMRが完全変換を示すまで室温で一晩撹拌した。その後、反応物を0〜5℃に冷却し、温度が25℃を超えないようにしてエタノール300mLの滴下により加水分解した。濾過後、残渣をジクロロメタン:エタノール 1:1で十分に洗浄し、濾液を乾固するまで蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸で2回洗浄した。有機相を乾燥し、蒸発させた。粗製固体生成物をヘプタン:トルエン 1:4の混合物から再結晶し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、乾燥して、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸を淡黄色固体として得た。
【0174】
収率:62.1g淡黄色固体、理論値の72%
H−NMR(400.13MHz;CDCl):δ=2.13(s,12H),2.32(s,6H),6.97(s,4H),12.65(bs,1H)
31P−NMR(161.89MHz;CDCl):δ=−2.97
13C−NMR(100.62MHz;CDCl):δ=19.14,21.27,128.79,135.26(d,PC46.5Hz),135.46,140.67,213.72(d,PC98.7Hz)
【0175】
正しい元素分析を得た。この元素分析は、標準的な手順によって実施した。
【国際調査報告】