(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-522224(P2020-522224A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(54)【発明の名称】自動車両ワイピングシステム用ギアモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/173 20060101AFI20200626BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20200626BHJP
H02K 7/08 20060101ALI20200626BHJP
F16C 35/073 20060101ALI20200626BHJP
【FI】
H02K5/173 A
H02K7/116
H02K7/08 Z
F16C35/073
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-566071(P2019-566071)
(86)(22)【出願日】2018年5月11日
(85)【翻訳文提出日】2020年1月28日
(86)【国際出願番号】EP2018062216
(87)【国際公開番号】WO2018219620
(87)【国際公開日】20181206
(31)【優先権主張番号】1754891
(32)【優先日】2017年6月2日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼ−ルイ、エラーダ
【テーマコード(参考)】
3J117
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
3J117AA02
3J117CA06
3J117DA01
3J117DB03
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB17
5H605CC04
5H605CC05
5H605CC08
5H605DD09
5H605EB10
5H605GG02
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB26
5H607CC01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE32
5H607FF24
5H607GG01
5H607GG08
5H607HH01
(57)【要約】
システムは、自動車両ワイピングシステム用のギアモータに関し、このギアモータは、−ロータ、ステータ、及び、ロータに強固に取り付けられる回転シャフトを備える電気モータと、−回転シャフトとギアモータの出力シャフトとを接続する減速機構とを備える。本発明によれば、ローラベアリング(23)が、回転シャフト(22)を該回転シャフトの長手方向端部のうちの一方で案内し、ロータ・ステータアセンブリの内側に配置される前記ローラベアリング(23)は、ロータの内側凹部内に収容され、中空支持体が、磁気要素を支持するとともに、回転シャフト(22)と同軸に配置されて回転シャフト(22)と共に回転するように接続され、前記中空支持体(25)は、電気モータ(2)の側で回転シャフト(20)の長手方向端部を案内する前記ローラベアリング(23)を覆い、回転シャフト(22)上におけるローラベアリング(23)の軸方向ロックは、中空支持体(25)の内壁に対して直接に又はスペーサ(8)を介在させて間接的にローラベアリング(23)の内輪を押し付けることによって得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両ワイパーシステム用のギアモータ(1)であって、
−電気モータ(2)であって、
−磁気要素(29)を含むロータ(20)と、
−前記ロータの電磁励起用の巻線を含むステータ(21)と、
−前記ロータに締結される回転シャフト(22)と、
を含む、電気モータ(2)と、
−前記回転シャフト(22)と前記ギアモータの出力シャフトとを接続する減速機構(3)と、
を含み、
外輪と前記回転シャフト(22)に装着される内輪とを有するベアリング(23)が、前記回転シャフト(22)を前記回転シャフトの長手方向端部のうちの一方で案内し、前記ロータ(20)と前記ステータ(21)との組み合わせの内側に配置される前記ベアリング(23)は、前記ロータ(20)の内側凹部内に収容され、中空支持体(25)が、前記磁気要素(29)を支持するとともに、前記回転シャフト(22)と同軸に配置されて前記回転シャフト(22)と共に回転するように拘束され、前記中空支持体(25)は、前記回転シャフト(20)の前記電気モータ(2)長手方向端部を案内する前記ベアリング(23)を覆って閉じるようになり、前記ベアリング(23)は、前記ベアリング(23)の一方側で、前記ベアリング(23)の前記外輪と係合するベアリング面を有する固定された座部(41)内に受けられ、前記回転シャフト(22)上における前記ベアリング(23)の軸方向位置は、一方では、前記中空支持体(25)を前記回転シャフト(22)上に軸方向でロックすることによってロックされ、他方では、前記座部(41)と係合する側とは反対の前記ベアリング(23)の側で前記中空支持体(25)の内壁に当接する前記ベアリング(23)の前記内輪によってロックされ、前記ベアリング(23)の前記内輪は、前記中空支持体(25)の前記内壁と直接に又は前記中空支持体(25)内のスペーサ(8)を介して間接的に当接し、前記スペーサ(8)は、前記内輪と前記中空支持体(25)の前記内壁とに当接する、ギアモータ(1)。
【請求項2】
前記ベアリング(23)の前記内輪は、前記スペーサ(8)を介して前記中空支持体(25)の前記内壁と間接的に当接し、前記スペーサ(8)は、前記回転シャフト(22)が通過する管状要素である、請求項1に記載のギアモータ(1)。
【請求項3】
前記回転シャフト(22)に対する前記中空支持体(25)の軸方向ロックは、前記中空支持体(25)を前記回転シャフト(22)に溶接することによって得られる、請求項1又は2に記載のギアモータ(1)。
【請求項4】
前記回転シャフト(22)に対する前記中空支持体(25)の軸方向ロックは、前記回転シャフト(22)の溝内に受けられて前記中空支持体と直接に又はスペーサ部品を介して間接的に当接する弾性リングによってもたらされ、前記弾性リングは、前記座部(41)から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成する、請求項1又は2に記載のギアモータ(1)。
【請求項5】
前記回転シャフト(22)に対する前記中空支持体(25)の軸方向ロックは、前記中空支持体と直接に又はスペーサ部品を介して間接的に当接するビードによってもたらされ、前記ビードは、前記回転シャフトと一体部品を成すとともに、前記座部(41)から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成する、請求項1又は2に記載のギアモータ(1)。
【請求項6】
前記中空支持体(25)が前記回転シャフト(22)上へと縮小される、請求項1から5のいずれか一項に記載のギアモータ。
【請求項7】
前記ロータの角度位置を決定するデバイスが、前記ロータ(20)と共に回転するように拘束される多極磁石(5)と、1つ以上のホール効果センサとを含み、前記回転シャフト(22)に対する前記中空支持体(25)の前記軸方向ロックは、前記回転シャフト(22)に対して前記多極磁石(5)を軸方向でロックすることにより及び前記多極磁石(5)に当接する前記中空支持体によってもたらされ、前記多極磁石(5)は、前記座部(41)から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成する、請求項1、2又は6に記載のギアモータ。
【請求項8】
前記回転シャフト(22)に対する前記多極磁石(5)の軸方向ロックは、前記回転シャフトの溝内に受けられる弾性リング(9)によって又は前記回転シャフトと一体部品を成すビードの形成によってもたらされ、前記弾性リング又は前記ビードは、前記座部(41)から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記多極磁石のための当接部を構成する、請求項7に記載のギアモータ。
【請求項9】
前記回転シャフト(22)に対する前記多極磁石の軸方向ロックは、前記多極磁石を前記回転シャフトに溶接することによって又は前記多極磁石を前記回転シャフト上へと縮小させることによってもたらされる、請求項7に記載のギアモータ。
【請求項10】
前記中空支持体(25)は、
−前記減速ギア機構(3)と前記回転シャフト(20)の電気モータ(2)長手方向端部を案内する前記ベアリング(23)との間の前記シャフト上の中間位置で前記回転シャフト(22)に対して前記中空支持体を固定するためのスリーブ(26)と、
−前記ロータの前記磁気要素(29)がその周囲に締結される略円筒状の支持長さ部分(27)と、
−前記スリーブ(26)と前記円筒状の支持長さ部分(27)とを接続する接続長さ部分と、
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のギアモータ。
【請求項11】
前記ベアリング(23)の前記内輪は、前記スリーブ(26)と前記円筒状の支持長さ部分(27)とを接続する前記接続長さ部分から成る前記中空支持体(25)の前記内壁と直接に当接し、前記接続長さ部分は、前記ベアリング(23)の前記外輪に接触しないように形成される、請求項10に記載のギアモータ。
【請求項12】
前記スリーブ(26)、前記略円筒状の支持長さ部分(27)、及び、前記スリーブ(26)と前記円筒状の支持長さ部分(27)とを接続する前記接続長さ部分は、成形されたシートメタルプレートなどの一体部品要素から成る、請求項10又は11に記載のギアモータ。
【請求項13】
前記中空支持体(25)は、前記回転シャフト(22)の電気モータ長手方向端部を越えて軸方向に延びる、請求項1から12のいずれか一項に記載のギアモータ。
【請求項14】
ケーシング(4)が前記電気モータ(2)及び前記減速ギア機構(3)のための保護エンベロープを形成し、前記ケーシング(4)の前記エンベロープは、内側に突出して前記ロータ(20)の前記内側凹部に入り込むとともに前記ベアリング(23)のための前記座部(41)を支持する部分(40)を含み、前記中空支持体(25)が前記ケーシング(4)の前記突出部分(40)を覆って閉じるようになる、請求項1から13のいずれか一項に記載のギアモータ。
【請求項15】
前記回転シャフト(22)は、前記回転シャフト(22)の2つの前記長手方向端部に配置される2つのベアリング(23,24)によってのみ回転が案内され、前記2つのベアリングは、前記中空支持体(25)により覆って閉じられる前記ベアリング(23)と、前記回転シャフトの他の減速機構(3)長手方向端部にある他のベアリング(24)とを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のギアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両ワイパーシステム用のギアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
ギアモータは、本質的に、モータの速度を低下させて高い回転伝達トルクを得ることに関与する減速ギア機構に接続される電気モータから成る。
【0003】
ギアモータでは、様々なタイプの電気モータ、特に、長寿命、小さい全体サイズ、低いエネルギー消費量、及び、小音レベルなどの多くの利点を有するブラシレスDC電気モータが使用されてもよい。
【0004】
しかしながら、これらの電気モータの制御は、ブラシ付き電気モータと比較して複雑である。これは、正確な動作を可能にするために、ブラシレスDC電気モータのロータの角度位置を正確に知る必要があるからである。
【0005】
実際に、この種の電気モータは、ステータの位置に配置されてロータの駆動を可能にするべくインバータを介して交互に給電される電磁励起巻線を含む。
【0006】
ここで、インバータのスイッチを切り換えることができるように(一般にロータのそれぞれの回転ごとに6回のスイッチング操作)、したがって最適な時間に電磁巻線に電力を供給してロータの最適な所要駆動を得ることができるようにするために、常にロータの位置を知る必要がある。この目的のために、ロータと共に回転するように装着される多極磁石と、磁石に対して固定された位置に配置されるホール効果センサとを含むデバイスによって生成される信号を処理することによって、ロータの位置とその角速度とが非常に頻繁に決定される。
【0007】
国際公開第2016/010023号パンフレットの文書は、ブラシレスDCモータを使用する自動車両ワイパーシステム用の前述の種類のギアモータを開示する。ブラシレスモータは、ロータの電磁励起用の巻線を伴うステータを含み、ロータは回転シャフトの端部に強固に装着される。その回転シャフトは、ロータ/ステータの組み合わせのためのケーシング部分から、ウォームギアである減速ギア機構を受けるためのケーシング部分まで延びる。
【0008】
ウォームギアのウォームは、ロータの回転シャフトに締結されて、ギアモータの出力シャフトに締結されるウォームホイールと噛み合う。
【0009】
特に、国際公開第2016/010023号パンフレットの
図4(又は
図8)において分かるように、ロータの回転シャフトの回転を案内するために2つのボールベアリングが使用され、この場合、一方では、第1のボールベアリング39がロータとウォームとの間で回転シャフトの中央部分を支持し、他方では、シャフトの長手方向端部にある第2のベアリングが第1のベアリングに対してウォームの他端に配置される。
【0010】
特に、第1のベアリングからロータまで延びる回転シャフトの長さの一部は、第1のベアリングによってのみ案内され、シャフトの長手方向端部は、案内されないロータの反対側から現れる。
【0011】
2つのベアリングのみによるそのような案内は、ロータ付近で回転するシャフトの先端を案内するために従来から第3のベアリングを使用する通常の慣行とは異なる。発明者は、2つのベアリングのみを使用するこのようなシャフトの案内によりシャフトの方向でギアモータの全体のサイズを制限し得ることに気付いた。一方、第3のベアリングを省くことは機械的な力の観点から理想的ではなく、この欠陥はロータが回転されるときに振動の出現を引き起こす場合がある。
【0012】
更に、先行技術では、先に挙げられたような2つのベアリング又は3つのベアリングによってシャフトが案内されるかどうかに関係なく、ウォーム付近の回転シャフトの長さに沿う中間位置にベアリングを設けるとともにウォームの他端のシャフトの長手方向端部に他のベアリングを設けることが依然として標準的な慣行である。ベアリングをウォームにできるだけ近接して位置させることによるそのような案内により、ギアを取り去るリスクを伴うことなく減速ギア機構の満足な動作を確保する目的を伴って、この噛み合い部分の位置での回転シャフトの屈曲を制限し得る。
【0013】
国際公開第2016/010023号パンフレットの文書において、中間ベアリング39は、ロータの位置を決定するためのデバイスの多極磁石付近に配置される。更に、シャフトの屈曲を制限することにより、多極磁石と各ホール効果センサとの間の径方向距離を許容公差範囲内に維持してセンサデバイスの正確な動作を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2016/010023号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、電気モータの動的バランスを犠牲にすることなく回転シャフトの長手方向軸に沿って良好なコンパクトさを達成できるようにする態様でモータシャフトが案内される自動車両ワイパーシステム用のギアモータを提案することにより、前述の欠点を軽減することである。
【0016】
本発明の目的は、より詳細には、回転シャフトに対するベアリングの軸方向ロックを容易に工業化できる前述の種類のギアモータを提案することである。
【0017】
本発明の他の目的及び利点は、非限定的な例示としてのみ与えられる以下の説明の過程で明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は、自動車両ワイパーシステム用のギアモータであって、
−電気モータであって、
−磁気要素を含むロータと、
−ロータの電磁励起用の巻線を含むステータと、
−ロータに締結される回転シャフトと、
を含む、電気モータと、
−回転シャフトとギアモータの出力シャフトとを接続する減速機構と、
を含み、
外輪と回転シャフトに装着される内輪とを有するベアリングが、回転シャフトを該回転シャフトの長手方向端部のうちの一方で案内し、ロータとステータとの組み合わせの内側に配置される前記ベアリングは、ロータの内側凹部内に収容され、中空支持体が、前記磁気要素を支持するとともに、回転シャフトと同軸に配置されて回転シャフトと共に回転するように拘束され、前記中空支持体は、回転シャフトの長手方向端部を案内する前記ベアリングを覆って閉じるようになり、前記ベアリングは、ベアリングの一方側で、ベアリングの外輪と係合するベアリング面を有する固定された座部内に受けられ、回転シャフト上におけるベアリングの軸方向位置は、一方では、前記中空支持体を回転シャフト上に軸方向でロックすることによってロックされ、他方では、前記座部と係合する側とは反対のベアリングの側で前記中空支持体の内壁に当接するベアリングの内輪によってロックされ、ベアリングの前記内輪は、前記中空支持体の内壁と直接に又は前記中空支持体内のスペーサを介して間接的に当接し、前記スペーサは、前記内輪と中空支持体の内壁とに当接する、ギアモータに関する。
【0019】
本発明の随意的な特徴によれば、別個に又は組み合わせて、
−ベアリングの内輪は、前記スペーサを介して前記中空支持体の内壁と間接的に当接し、前記スペーサは、回転シャフトが通過する管状要素であり、
−回転シャフトに対する前記中空支持体の軸方向ロックは、前記中空支持体を回転シャフトに溶接することによって得られ、
−回転シャフトに対する前記中空支持体の軸方向ロックは、回転シャフトの溝内に受けられて中空支持体と直接に又はスペーサ部品を介して間接的に当接する弾性リングによってもたらされ、前記弾性リングは、前記座部から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成し、
−回転シャフトに対する前記中空支持体の軸方向ロックは、中空支持体と直接に又はスペーサ部品を介して間接的に当接するビードによってもたらされ、前記ビードは、回転シャフトと一体部品を成すとともに、前記座部から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成し、
−中空支持体が回転シャフト上へと縮小され、
−ロータの角度位置を決定するデバイスが、ロータと共に回転するように拘束される多極磁石と、1つ以上のホール効果センサとを含み、回転シャフトに対する前記中空支持体の軸方向ロックは、回転シャフトに対して前記多極磁石を軸方向でロックすることにより及び前記多極磁石に当接する前記中空支持体によってもたらされ、前記多極磁石は、前記座部から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成し、
−回転シャフトに対する多極磁石の軸方向ロックは、回転シャフトの溝内に受けられる弾性リングによって又は回転シャフトと一体部品を成すビードの形成によってもたらされ、前記弾性リング又はビードは、前記座部から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記多極磁石のための当接部を構成し、
−回転シャフトに対する多極磁石の軸方向ロックは、前記多極磁石を回転シャフトに溶接することによって又は前記多極磁石を回転シャフト上へと縮小させることによってもたらされ、
−前記中空支持体は、回転シャフトの電気モータ長手方向端部を越えて軸方向に延び、
−ケーシングが電気モータ及び前記減速ギア機構のための保護エンベロープを形成し、ケーシングの前記エンベロープは、内側に突出してロータの前記内側凹部に入り込むとともに前記ベアリングのための前記座部を支持する部分を含み、前記中空支持体がケーシングの前記突出部分を覆って閉じるようになり、
−回転シャフトは、回転シャフトの2つの長手方向端部に配置される2つのベアリングによってのみ回転が案内され、2つのベアリングは、前記中空支持体により覆って閉じられる前記ベアリングと、回転シャフトの他の減速機構長手方向端部にある他のベアリングとを含む。
【0020】
1つの実施形態によれば、中空支持体は、
−減速ギア機構と回転シャフトの電気モータ長手方向端部を案内するベアリングとの間のシャフト上の中間位置で回転シャフトに対して中空支持体を固定するためのスリーブと、
−ロータの磁気要素がその周囲に締結される略円筒状の支持長さ部分と、
−スリーブと前記円筒状の支持長さ部分とを接続する接続長さ部分と、
を含む。
【0021】
1つの実施形態によれば、ベアリングの内輪は、スリーブと前記円筒状の支持長さ部分とを接続する前記接続長さ部分から成る前記中空支持体の内壁と直接に当接し、前記接続長さ部分は、前記ベアリングの外輪に接触しないように形成される。
【0022】
1つの実施形態によれば、スリーブ、前記略円筒状の支持長さ部分、及び、スリーブと前記円筒状の支持長さ部分とを接続する前記接続長さ部分は、成形されたシートメタルプレートなどの一体部品要素から成る。
【0023】
本発明は、添付図面に伴ってなされる以下の説明を読んだ後により良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に適合しない実施形態にしたがって中空支持体の内側に配置されるベアリングの内輪用のストップリングを形成する弾性リング(サークリップ(登録商標)など)によって電気モータ端部で回転シャフトを案内するベアリングの軸方向ロックがもたらされる、ギアモータの電気モータのロータの回転シャフトの軸を通る平面での断面図である。
【
図2】本発明に適合しない実施形態にしたがった前記弾性リングによるベアリングの軸方向ロックを概略的に示す
図1のギアモータの部分図である。
【
図3】一方では、中空支持体のためのストップリングを形成するシャフトの溝内に受けられる弾性リング(サークリップ(登録商標)など)による中空支持体の軸方向ロックによって、また、ベアリングの内輪におけるその端部の一方で前記中空支持体の内壁における他端に管状スペーサベアリングを取り付けることによって、回転シャフト上のベアリングの内輪の軸方向ロックがもたらされる、本発明の実施形態を概略的に示す部分図である。
【
図4】回転シャフトに対する中空支持体の軸方向ロックが溶接によってもたらされるという点において
図3の実施形態とは異なる本発明の第2の実施形態の部分図である。
【
図5】中空支持体のスリーブのための当接部を構成する多極磁石自体をロックすることによって回転シャフトに対する中空支持体の軸方向ロックが得られるという点において
図3の実施形態とは異なる本発明の第3の実施形態に係る部分図である。
【
図6】ベアリングの内輪が前記中空支持体の内壁に直接に当接する第4の実施形態に係る部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
したがって、本発明は、自動車両ワイパーシステム用のギアモータ1に関し、このギアモータは、
−電気モータ2、例えばブラシレスDCモータであって、
−永久磁石などの磁気要素を支持するロータ20と、
−ロータの電磁励起用の巻線を含むステータ21と、
−ロータに締結される回転シャフト22と、
を含む、電気モータ2と、
−回転シャフト22とギアモータの出力シャフト8とを接続する減速機構3と、
を含む。
【0026】
ケーシング4が、電気モータ2及び前記減速ギア機構3のための保護エンベロープを形成することができる。
【0027】
電気モータがブラシレスDCモータである場合、この種のギアモータは、ステータ21に対するロータ20の角度位置を決定するためのデバイスを含む。コントローラ(図示せず)が、ロータの角度位置を決定するためのデバイスによって決定されるロータの角度位置に応じてステータ21の電磁励起巻線に電力を供給するための制御信号を生成するように構成される。
【0028】
1つの実施形態によれば、ロータの角度位置を決定するためのデバイスは、ロータと共に回転するように拘束される多極磁石5と、ロータが回転するときに多極磁石の磁区の変化を検出するようになっている固定位置にある1つ以上のホール効果センサ(図示せず)とを含んでもよい。
【0029】
1つの実施形態によれば、減速機構3は、ウォーム30とウォームホイール31とを備えるシステムを含んでもよく、ウォームはロータ20の回転シャフト22に締結され、ウォームホイール31はギアモータの出力シャフトに締結される。その出力シャフトは、電気モータ2の回転シャフト22に対して略垂直である。ウォーム30のねじ山は、一般に金属から形成される回転シャフト22と一体を成してもよい。
【0030】
ベアリング23が、回転シャフトの電気モータ長手方向端部で回転シャフト22を案内する。特に、このベアリング23は、ロータ20とステータ21との組み合わせの内側に配置され、ロータ20の内側凹部内に収容される。したがって、出願人の先行技術によれば、回転シャフトのこの端部は、好適には、その端部がロータを越えて突出するようにシャフトの長さを必要とせずにベアリング23によって案内され得る。一方、このベアリング23をロータの内側に装着するには、ロータの外側にあってウォームを支持する及び/又は多極磁石5を支持するために既に使用される回転シャフトの使用可能な長さ部分にベアリング面を配置する必要がない。すなわち、ロータの外側のシャフトのこの長さ部分は、その方向のギアモータのコンパクトさを高める目的で最小化され得る。
【0031】
この目的のため、中空支持体25は、その周囲で前記磁気要素29を支持するとともに、回転シャフト22と同軸に配置されて回転シャフト22と共に回転するように拘束される。すなわち、この中空支持体25は、好適には、回転シャフト22の電気モータ2長手方向端部を案内する前記ベアリング23を覆って閉じる。
【0032】
この中空支持体25は、回転シャフト22の電気モータ長手方向端部を越えて軸方向に更に延びてもよい。これにより、特に、例えば
図3に示されるように、回転シャフト22の長手方向端部を少なくとも部分的に超えてロータの前記磁気要素29を配置することができる。この中空支持体は、例えば、その内部にベアリング23を収容できるようにする内径を有する管状中空部を含む円形体、或いは更には、その機能が後述されるケーシング4の突出部分40である。
【0033】
この中空支持体25は、中空支持体25を回転シャフト22に固定するためのスリーブ26を更に含んでもよい。このスリーブ26は、減速ギア機構3とベアリング23との間の回転シフト22上の中間位置に固定されるようになる。スリーブ26の内径は、この中間位置での回転シャフトの外径に適合するように調整されてもよい。これは、中空支持体25を前記回転シャフト22上へと縮小させることにより組み立てを可能にする緊密な嵌合であってもよい。このスリーブ26は、再びシャフト22に接着結合されてもよい。
【0034】
多極磁石5が回転シャフトの周りに装着されるリングの形態を成してもよいことに留意されたい。(北/南)磁区は、リングの周囲にわたって交互に延びる。この多極磁石5は、前記中空支持体25に締結されて前記中空支持体25の前記固定スリーブ26の周囲に配置されてもよい。
【0035】
前記中空支持体25は、磁気要素29を支持するための長さ部分27を含む。この支持長さ部分27は略円筒状である。ロータの磁気要素29は円筒体の外壁に締結される。特にリングの形態を成す肩部28が、磁気要素のための前記支持長さ部分27の先端で径方向外側に延びてもよい。この肩部28は、ロータ20の前記磁気要素29のための側方当接部を形成する。この肩部28は、同じ直径線に沿った磁気要素の整列を容易にする。
【0036】
更に、中空支持体25が、スリーブ26と該スリーブ26よりも大きい直径を有する前記円筒状の支持長さ部分27とを接続する接続長さ部分を有することにも留意されたい。この接続部分は、回転軸の周りに角度を付けて配設される通気口を有してもよく、それにより、特にベアリング23の冷却を可能にするために、前記中空支持体を通じた空気の循環を行うことができる。
【0037】
中空支持体25は、本質的に、一体部品要素、特に、スリーブ26、接続部分、円筒状の支持体部分27、更には、前記肩部28を連続して構成するように成形されるシートメタルプレートからなってもよい。
【0038】
ケーシング4のエンベロープは、ケーシング4の内部に向けられる前記突出部分40を含んでもよい。
図2が示すように、この突出部分40は、ロータ20の内側の前記凹部内へと入り込み、前記ベアリング23のための座部41を支持する。この突出部分40は、中空支持体25によって、少なくとも前記円筒状の支持長さ部分27によって覆って閉じられる。突出部分40は、回転シャフト22と同軸に延びる管状壁47を含んでもよく、ベアリングのための座部41は、ベアリング23のためのハウジングによって突出部分40の先端に形成される。
【0039】
ハウジングは、管状壁47の円筒状の内面と、この円筒状の面から径方向内側に延びる肩部48とによって画定されてもよい。ベアリング23は、外輪、内輪、及び、ボールなどの転動体を備え、また、ケーシング4の座部41は、ベアリング23の外輪に適合するように調整される直径を有してもよい。更に、適切な場合には、ベアリング23のためのハウジングの余分な深さのキャビティを形成することにより、突出部分の凹部を完全に塞ぐように肩部を形成する壁が延在されてもよく、ハウジングのこの余分な深さのキャビティがベアリング23から僅かに突出する回転シャフトの端部の一部を受けるようになっていることに留意されたい。
【0040】
1つの実施形態によれば、ケーシング4は、一方では、電気モータ2の少なくともロータ20及びステータ21を受けて電気モータ2の側に通じる開口を有する特に円筒形状のエンベロープ部分44を含み、他方では、前記側方開口を取り外し可能に閉鎖する閉鎖フランジ43を含んでもよい。1つの実施形態によれば、ケーシング4の前記突出部分40は、閉鎖フランジ43によって支持されてもよい。エンベロープ部分44は、熱の排出を促進するようになっているフィン46を有する、特に金属から形成されるベースであってもよい。
【0041】
閉鎖フランジ43が取り外される場合、側方開口は、特にロータ20、ステータ21、回転シャフト22、及び、中空支持体25などの電気モータの構成要素の取り外しを可能にする。この閉鎖フランジ43は、ステータ・ロータアセンブリの側方で延びるとともに前記側方開口の相補的な縁部とシール態様で協働するようになる外周リムを有するディスク形状の壁50を含んでもよい。前記突出部分40は、このディスク形状の壁から内側凹部の内部へ向けて延びる。このディスク形状の壁及び閉鎖フランジ43の突出部分40は、特に金属から形成される一体部品要素から成ってもよい。
【0042】
閉鎖フランジ43は、閉鎖フランジ43のラグを通過して一般にエンベロープ部分44のねじ孔にねじ込まれる固定部材によって部分44に対して保持されてもよい。
【0043】
1つの実施形態によれば、回転シャフト22は、回転シャフト22の2つの長手方向端部に配置される2つのベアリング23、24、すなわち、一方では、中空支持体25によって覆って閉じられる或いは更には突出部分40の座部41によって支持される電気モータ端部の前記ベアリング23、及び、他方では、回転シャフト22の他の減速ギア機構3長手方向端部にある他のベアリング24によって完全に回転が案内されてもよい。
【0044】
2つのベアリング23、24によって支持される長手方向端部の位置における回転シャフト22の直径がウォーム30の位置におけるシャフトの直径よりも大きいことに留意されたい。したがって、回転シャフトの直径の適度な増大により、回転シャフト22の曲げに対する抵抗を高めることができる。特に減速ギア機構のウォームギアのウォーム30とウォームホイール31との間のギア離脱のリスクを伴うことなく減速ギア機構の満足な動作が依然として得られ、一方、回転シャフトは、シャフトの中央部分にガイドベアリングを何ら伴うことなく回転が案内される。
【0045】
各ベアリング23又は24は、外輪、内輪、及び、ボールなどの転動体を含む。回転シャフトの各長手方向端部において、対応するベアリング23(又は24)の内輪は、対応する長手方向端部の位置におけるシャフトの外径に適合するように調整される内径を有してもよい。
【0046】
外輪に適合するように調整される直径を有する第2の座部42は、回転シャフト22の他の減速ギア機構3長手方向端部を案内するベアリング24を受ける。
【0047】
ここで、本発明は、それにもかかわらず、回転シャフト22上のベアリング23の位置の軸方向ロックに対処する。
図1の例は、
図2に概略的に表わされる本発明の一部を成さない1つのロック可能性を示す。すなわち、ロックは、シャフトの溝に受けられてベアリング23の内輪のための止め輪を形成する弾性リング6(サークリップ(登録商標)など)によって従来の態様でもたらされ、ストップリングは、座部41に当接するベアリングの側とは反対の側に位置される。
【0048】
第1の弾性リングと称される弾性リング6は、回転シャフト22の第1の溝に受けられるとともに、ケーシング4の対応する座部41におけるベアリング23の位置のロックを可能にし得る。回転シャフト22の溝に受けられる第2の弾性リング7は、ケーシング4の他の座部42における他のベアリング24の軸方向位置のロックを可能にし得る。2つの弾性リング6,7の内面はそれぞれ、軸上における各ベアリングの軸方向位置をロックすることによって回転シャフト22上でこれらのベアリングが互いの方へ向かって移動するのを防ぐために2つのベアリング23,24に当接してもよい。
【0049】
弾性リング7の取り付けは特に困難を引き起こさないが、回転シャフト22上に、特に中空支持体25のキャビティ内に弾性リング6が取り付けられなければならないという点において弾性リング6の取り付けが難しいことは明らかである。
【0050】
本発明は、好適には、工業化が容易な中空支持体25の内側の回転シャフト22上におけるベアリング23の軸方向位置をロックするための解決策を提案することにより、この問題に対処できるようにする。この解決策の様々なバリエーションが
図2〜6に例示として示される。
【0051】
本発明によれば、回転シャフト22上のベアリング23の軸方向位置は、一方では、前記中空支持体25を回転シャフト22に軸方向でロックすることによってロックされ、他方では、前記座部41と係合する側とは反対のベアリング23の側で前記中空支持体25の内壁に当接するベアリング23の内輪によってロックされる。
【0052】
本発明によれば、ベアリング23の内輪に対して中空支持体25によりもたらされる支持は、前記ベアリング23の外輪に作用する座部41の力Fに抗するようになる反力を及ぼす。
【0053】
この目的のため、
図6に例示として示されるように、ベアリング23の前記内輪は、前記中空支持体25の内壁に直接に当接してもよい。ベアリング23の内輪が、スリーブ26と前記円筒状の支持長さ部分27とを接続する前記接続長さ部分から成る前記中空支持体25の内壁に直接に当接することに留意されたい。
【0054】
この目的のため、特に、前記接続長さ部分は、好適には、(ベアリング23の内輪がその部分と当接するときに)前記ベアリング23の外輪に接触しないように形成される。
【0055】
図3〜
図5に例示として示される他の実施形態によれば、ベアリング23の内輪は、前記中空支持体25の内側のスペーサ8を介して中空支持体25の内壁に間接的に当接してもよく、前記スペーサ8は、前記内輪と中空支持体25の内壁とにそれぞれ当接する。
【0056】
前記スペーサ8は、回転シャフトが通過するワッシャなどの管状要素であってもよい。
【0057】
本発明によれば、回転シャフト22上で前記中空支持体25を軸方向でロックする目的は、前記中空支持体25の前記座部41から離れる動きに抗することである。
【0058】
中空支持体25は、中空支持体25と直接に又はスペーサ部品10を介して間接的に当接する回転シャフト22の溝内に受けられるサークリップ(登録商標)などの弾性リング9によって回転シャフト22に軸方向でロックされてもよい。このとき、弾性リングは、前記座部41から離れる前記中空支持体25の動きに抗する前記中空支持体25のための当接部を構成する。
【0059】
例えば、
図3の例によれば、弾性リング9は、スリーブ26の先端と直接に接触して座部41から離れる前記中空支持体25の動きに抗する中空支持体25のためのストップリングを構成する。
【0060】
図5の例によれば、回転シャフト22の溝内に受けられる弾性リング9は、それ自体が中空支持体25と接触している、特にスリーブ26の先端と接触している例えば多極磁石5などの中間部品10と当接し、この弾性リング9は、座部41から離れる前記中空支持体25の動きに抗するストップリングを構成する。
【0061】
図示されない他の実施形態によれば、前記中空支持体25は、中空支持体25と直接に又はスペーサ部品10を介して間接的に当接するビードによって回転シャフト22に軸方向でロックされる。このビードは、回転シャフトと一体部品を成しており、前記座部41から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体のための当接部を構成する。このビードは、「ローリング」として知られる製造技術によって形成されてもよい。
【0062】
図4に一例として示される他の実施形態によれば、前記中空支持体25は、前記中空支持体25を回転シャフト22に溶接することによって回転シャフト22に軸方向でロックされる。溶接は、特に固定スリーブ26と回転シャフト22との間で行われるレーザ溶接又は他の溶接であってもよい。
【0063】
特に前記スリーブ26を回転シャフト22上へと縮小させることにより、中空支持体25が回転シャフト22上へと縮小されてもよい。この縮小は、それ自体、前記中空支持体25の軸方向ロックを達成するのに十分であり得る。他の代替案によれば、軸方向ロックは、前述の解決策、特に回転シャフトに対する前記中空支持体の溶接、弾性リング9の付加、又は、回転シャフトと一体部品を成すビードの存在のうちの1つと組み合わせて得られる。
【0064】
1つの実施形態によれば、前記中空支持体25は、前記多極磁石5を回転シャフト22に軸方向でロックすることにより及び前記中空支持体25が前記多極磁石5に当接することにより回転シャフト22に対して軸方向でロックされる。この実施形態によれば、前記多極磁石5は、前記座部41から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記中空支持体25のための当接部を構成する。
【0065】
この実施形態によれば、多極磁石5は、回転シャフトの溝内に受けられる弾性リング9(
図5参照)によって又はこの場合も先と同様に回転シャフトと一体部品を成すビードの形成によって回転シャフト22に対して軸方向でロックされてもよく、前記弾性リング又はビードは、前記座部41から離れる前記中空支持体の動きに抗する前記多極磁石5のための当接部を構成する。
【0066】
更に、多極磁石5は、前記多極磁石5を回転シャフト22に溶接することにより又は前記多極磁石5を回転シャフト22上へと縮小させることにより回転シャフト22に対して軸方向でロックされてもよい。
【0067】
本発明は、1つ以上のワイパーブレード、1つ又は複数のワイパーブレードを往復移動で駆動させるためのリンク機構、及び、その出力シャフトがリンク機構を駆動させる本発明に係るギアモータを含む自動車両ワイパーシステムにおいて1つの特定の用途を見出す。
【0068】
前述の種類のシステムでは、出力シャフトの回転における連続的な動きが、リンク機構によって1つ又は複数のワイパーブレードの往復移動に変換される。
【符号の説明】
【0069】
1 ギアモータ
2 電気モータ
20 ロータ
21 ステータ
22 回転シャフト
23, 24 ベアリング
25 中空支持体
26 固定スリーブ(中空支持体25)
27 ロータ磁気要素の支持長さ部分(中空支持体25)
28 肩部
29 ロータの磁気要素(すなわち、永久磁石)
3 減速ギア機構
30 フォーム
31 ウォームホイール
4 ケーシング
40 突出部分
41, 42 座部(ベアリング)、
43 閉鎖フランジ
44 エンベロープ部分(ベース)
46 フィン(ベース)
47 管状壁(突出部分40)
48 肩部
5 多極磁石
6, 7 弾性手段(ベアリングのためのストップリング)
8 スペーサ
9 弾性リング(中空支持体25のためのストップリング)
10 スペーサ部品
【国際調査報告】