特表2020-522433(P2020-522433A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-522433風防ガラスワイパー作動リンクシステム用の固定装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-522433(P2020-522433A)
(43)【公表日】2020年7月30日
(54)【発明の名称】風防ガラスワイパー作動リンクシステム用の固定装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/04 20060101AFI20200703BHJP
   B60S 1/34 20060101ALI20200703BHJP
【FI】
   B60S1/04 Z
   B60S1/34 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-567657(P2019-567657)
(86)(22)【出願日】2018年5月11日
(85)【翻訳文提出日】2020年2月6日
(86)【国際出願番号】EP2018062227
(87)【国際公開番号】WO2018224240
(87)【国際公開日】20181213
(31)【優先権主張番号】1755156
(32)【優先日】2017年6月9日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ、クチリー
(72)【発明者】
【氏名】パスカル、ルノー
(72)【発明者】
【氏名】ロバン、ビヤール
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA01
3D025AB01
3D025AC01
3D025AD02
3D025AD09
3D025AE03
3D025AE57
3D025AE66
(57)【要約】
本発明は、風防ワイパー作動リンクシステム用の固定装置であって、当該装置は、車両本体(36)に固定されることが意図されるプレート(32)と、前記プレートの第1オリフィス及び前記本体の整列第2オリフィスに挿入することが意図される少なくとも1つの固定部材(34)と、を有し、前記少なくとも1つの固定部材は、前記第1及び第2オリフィス内で、第1の係止解除位置から第2の係止位置に向かって、この逆も同様に回転可能であるように構成され、前記プレートは、前記本体の相補的手段と形状適合的に協働することが意図される位置決め手段を備えることを特徴とする装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風防ワイパー作動リンクシステム(10、110)用の固定装置(30、130)であって、
前記装置は、車両本体(12、36、136)に固定されることが意図されたプレート(32、132)と、
前記プレートの第1オリフィス(56、156)及び前記本体の整列された第2オリフィス(50、150)に挿入することが意図された少なくとも1つの固定部材(34、34’、134)と、を含み、
前記少なくとも1つの固定部材は、前記第1及び第2オリフィス内で、第1の係止解除位置から第2の係止位置に向かって回転可能かつこの逆も回転可能であるように構成される装置(30、130)であって、
前記プレートは、前記本体の相補的手段と形状適合的に協働することが意図された位置決め手段(58、158)を備える、ことを特徴とする装置(30、130)。
【請求項2】
前記プレート(32、132)は、支持プレート、具体的にはベアリング支持プレートである、
先の請求項に記載の装置(30、130)。
【請求項3】
前記位置決め手段は、前記本体(36、136)の相補形状オリフィス(52、152)に係合するように構成された少なくとも1つの突出スタッド(58、158)を含む、
請求項1又は2に記載の装置(30、130)。
【請求項4】
前記位置決め手段は、共通ライン上で前記第1オリフィス(56、156)と実質的に整列する2つのスタッド(58、158)を含む、
先の請求項に記載の装置(30、130)。
【請求項5】
前記第1オリフィス(56)は、円形の全体形状を有する、
先の請求項のいずれか一項に記載の装置(30)。
【請求項6】
前記固定部材(34、34’、134)は、円筒状本体(38、138)を備え、
前記円筒状本体は、その長手方向端部のうちの一方により、保持手段(42、142)、好適には手動の保持手段に連結されている、
先の請求項のいずれか一項に記載の装置(30、130)。
【請求項7】
前記本体(38、138)は、前記保持手段(42、142)に、外側環状フランジ(40、140)によって連結され、
前記外側環状フランジは、前記プレート(36、136)に支持されることが意図され、少なくとも1つのペグ(44、144)を含み、
前記ペグは、前記プレートの相補形状の少なくとも1つの孔(46、146)と弾性クリップ留め及び/又は係合によって協働することが意図される、
先の請求項に記載の装置(30、130)。
【請求項8】
前記本体(38)は、2つの直径方向に対向する溝(48)を備え、
前記溝は、前記本体(36)の相補的手段(54)と摺動によって協働するように構成される、
請求項6又は7に記載の装置(30)。
【請求項9】
前記溝(48)のそれぞれは、軸方向部分(48a)を含み、
前記軸方向部分の一端部が、前記本体(38)の長手方向自由端部で開口し、
その反対側の端部が、前記溝の実質的円周部分(48b)の一端部に連結される、
先の請求項に記載の装置(30、130)。
【請求項10】
前記本体(138)は、2つの直径方向に対向する突出ランプ(148)を備え、
前記ランプは、前記本体(136)の相補的手段と摺動によって協働するように構成される、
請求項6又は7に記載の装置(130)。
【請求項11】
前記ランプ(148)のそれぞれは、傾斜部分(148a)を含み、
前記傾斜部分の一端部が、前記本体の自由長手方向端部で開口し、
その反対側の端部が、前記ランプの実質的円周部分(148b)の一端部に連結される、
先の請求項に記載の装置(30、130)。
【請求項12】
先の請求項のいずれか一項に記載の装置(30、130)を少なくとも1つ含む、風防ワイパー作動リンクシステム(10、110)。
【請求項13】
車両本体(12、36、136)と、先の請求項のいずれか一項に記載の装置(30、130)又はシステム(10、110)と、を含む組合せであって、
前記本体は、少なくとも1つの第2オリフィス(50、150)を備え、
前記第2オリフィスは、前記第1オリフィス(56、156)と整列し且つ前記固定部材(34、34’、134)を受容することが意図される、
組合せ。
【請求項14】
前記装置(30)は、請求項8又は9に記載のものであり、
前記第2オリフィス(50)は、2つの半円開口部(50a)を備え、
前記半円開口部の直線縁部が、前記溝(48)と摺動によって協働することが意図される直線材料ストリップ(54)により互いに離間する、
先の請求項に記載の組合せ。
【請求項15】
前記装置(130)は、請求項10又は11に記載のものであり、
前記第2オリフィス(150)は、包装キャンディ状の全体形状を有し、
前記第2オリフィスの周縁部が、前記ランプ(148)と摺動によって協働することが意図される、
請求項13に記載の組合せ。
【請求項16】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置(30、130)を使用する方法において、
‐前記第1及び第2オリフィス(50、150、56、156)が整列し、且つ前記手段同士(58、52、158、152)が形状適合的に互いに協働するように、前記プレート(32、132)を本体(12、36、136)上に位置決めするステップと、
‐前記もしくは各固定部材(34、34’、134)を前記第1及び第2オリフィスに係合し、その第1位置からその第2位置に向かって回転させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、風防ガラスワイパー作動リンクシステム用の固定装置、及びこの種の装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車(自動車両)は、風防ガラスを洗浄し、ドライバーの環境に対する視界の邪魔になるものを回避するための風防ガラスワイパーを装備されている。このような風防ガラスワイパーは、角度の付いた往復運動を行う駆動アームと、弾性材料から構成されたワイパーゴムを有する細長いワイパーブレードと、を備えている。ゴムは風防ガラスをこすってドライバーの視界から水を排出する。ワイパーは、次のいずれかの形態において作製される。標準バージョンでは、ワイパーゴムを多数の個別箇所において保持する関節式ブラケットにより、ワイパーゴムは風防ガラスにあり得る湾曲に沿うことが可能となっている。また、最新の「フラットブレード」バージョンでは、ブラケットを使用せずにワイパーを風防ガラスに押し付けることができる、単数又は複数の湾曲スパインによって、半剛性アセンブリがワイパーゴムをその全長に亘って保持する。
【0003】
どちらの解決策においても、各ワイパーのアームは、ワイパーの反対側のその端部によってアームを回転駆動するためのリンクシステムに連結される。
【0004】
従来、リンクシステムはリンクを有する。リンクの各長手方向端部が、風防ガラスワイパーの駆動シャフト、より具体的にはそのアームとともに回転するように拘束されたクランクに関節連結される。
【0005】
リンクの各長手方向端部は、クランクペグがボールジョイント方式で装着されたボールジョイントを有する。クランクペグは、クランクの一方の端部に固定され、その反対側の端部は風防ガラスワイパーの駆動シャフトに固定される。各駆動シャフトは、車両の本体に固定された支持プレートにより支承(保持)されたベアリングによって回転を案内される。
【0006】
ベアリング支持プレート等のリンクシステムのこの種のプレートが、ナット・ボルトタイプの手段により本体に固定(締結)され得る。
【0007】
本発明は、単純で効果的且つ経済的なこの技術の改良を提案する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、風防ワイパー作動リンクシステム用の固定装置であって、前記装置は、車両本体に固定されることが意図されたプレートと、前記プレートの第1オリフィス及び前記本体の整列された第2オリフィスに挿入することが意図された少なくとも1つの固定部材と、を含み、前記少なくとも1つの固定部材は、前記第1及び第2オリフィス内で、第1の係止解除位置から第2の係止位置に向かって回転可能かつこの逆も同様に回転可能であるように構成された装置において、前記プレートは、前記本体の相補的手段と形状適合的に協働することが意図される位置決め手段を備えることを特徴とする装置を提案する。
【0009】
したがって、本発明は、回転可能部材によるプレートの固定を、固定を容易にするとともに部品の最適な位置決めを保証する位置決め手段と組み合わせることを提案する。有利には一体形成された(すなわち、例えばナットやボルトが取り付けられていない)固定部材は、部品同士の分解を許容する係止解除位置から、部品、具体的にはプレートを本体に固定する係止位置に向かって移動可能かつこの逆も同様に移動可能であるように構成される。
【0010】
本発明による装置は、以下の単数又は複数の特徴を別個に、又は組み合わせて有し得る。
‐前記プレートは、支持プレート、具体的にはベアリング支持プレートである。
‐前記位置決め手段は、前記本体の相補形状オリフィスに係合するように構成された少なくとも1つの突出スタッドを含む。
‐前記位置決め手段は、共通ライン上で前記第1オリフィスと実質的に整列する2つのスタッドを含む。
‐前記第1オリフィスは、円形の全体形状を有する。
‐前記固定部材は、円筒状本体を備え、前記円筒状本体は、その長手方向端部のうちの一方により、保持手段、好適には手動保持手段に連結される。
‐前記本体は、前記保持手段に、外側環状フランジによって連結され、前記外側環状フランジは、前記プレートに支持されることが意図されるとともに、少なくとも1つのペグを含み、前記ペグは、前記プレートの相補形状の少なくとも1つの孔と弾性クリップ留め及び/又は係合によって協働することが意図される。
‐前記本体は、2つの直径方向に対向する溝を備え、前記溝は、前記本体の相補的手段と摺動によって協働するように構成される。
‐前記溝のそれぞれは、軸方向部分を含み、前記軸方向部分(軸方向に延びる部分)の一端部が、前記本体の自由長手方向端部で開口し、その反対側の端部が、前記溝の実質的円周部分(円周方向に延びる部分)の一端部に連結される。
‐前記本体は、2つの直径方向に対向して位置し突出したランプを備え、前記突出ランプは、前記本体の相補的手段と摺動によって協働するように構成される。
‐前記ランプのそれぞれは、傾斜部分を含み、前記傾斜部分の一端部が、前記本体の自由長手方向端部で開口し、その反対側の端部が、前記ランプの実質的円周部分の一端部に連結される。
【0011】
また、本発明は、上述の少なくとも1つの装置を含む風防ワイパー作動リンクシステムに関する。
【0012】
また、本発明は、車両本体と上述の装置とを含む組合せであって、前記本体は、少なくとも1つの第2オリフィスを備え、前記第2オリフィスは、前記第1オリフィスと整列するとともに、前記固定部材を受容することが意図される組合せに関する。
【0013】
前記第2オリフィスは、2つの半円開口部を備え得る。前記半円開口部の直線縁部が、前記溝と摺動によって協働することが意図される直線材料ストリップにより互いに離間する。
【0014】
或いは、前記第2オリフィスは、包装キャンディ状の全体形状を有し、前記第2オリフィスの周縁部が、前記ランプと摺動によって協働することが意図される。
【0015】
また、本発明は、上述の装置を使用する方法において、
‐前記第1及び第2オリフィスが整列し、且つ前記手段同士が形状適合的に互いに協働するように、前記プレートを本体上に位置決めするステップと、
‐前記各固定部材を前記第1及び第2オリフィスに係合し、その第1位置からその第2位置に向かって回転させるステップと、を備えることを特徴とする方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、非限定的な例として与えられる以下の説明を読み、添付図面を参照することでより良く理解され、本発明の他の詳細、特徴及び利点が明瞭になるであろう。
【0017】
図1】従来技術による自動車風防ガラスワイパー作動リンクシステムの概略斜視図。
図2】本発明による自動車風防ガラスワイパー作動リンクシステムの概略斜視図。
図3図2のシステム用の固定部材の概略斜視図。
図4図2の本体部の概略斜視図。
図5図2のシステム用の支持プレートの概略斜視図。
図6a図2のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図6b図2のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図6c図2のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図6d図2のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図7図3の部材の概略断面斜視図。
図8a】本体のオリフィスに係合した図3の部材の端部の概略図であって、当該部材の状態を示す図。
図8b】本体のオリフィスに係合した図3の部材の端部の概略図であって、当該部材の図8bとは別の状態を示す図。
図9図8bの係止位置における図3の部材の端部の別の概略図。
図10図2のシステム用の固定部材の変形実施形態の概略斜視図。
図11】本発明による別の自動車風防ガラスワイパー作動リンクシステムの概略斜視図。
図12図11の本体部の概略斜視図。
図13図11のシステム用の支持プレートの概略斜視図。
図14図11のシステム用の固定部材の概略斜視図。
図15a図11のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図15b図11のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図15c図11のシステムの概略斜視図であって、当該システムを固定するステップ、及び本発明による装置を使用するステップを示す図。
図16】本体に対して係止位置にある図14の部材の一端部の概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
最初に、自動車風防ガラスワイパー作動リンクシステム10を示す図1を参照されたい。
【0019】
典型的には、システム10は車両の本体12に固定されるとともに、図示しない第1風防ガラスワイパーの駆動シャフト16の回転を案内するベアリングを支持するためのプレート14を備える。この第1風防ガラスワイパーは、ワイパーブレードを作動させるためのアームを従来備える。アームの一方の長手方向端部は、シャフト16に固定され、その反対側の長手方向端部は、車両の風防ガラスを払拭することが意図されるワイパーゴムを有するワイパーブレードに連結される。
【0020】
更に、シャフト16は、クランク18の一端部とともに回転するように拘束されており、クランク18の他端部は、リンク20の第1長手方向端部20aに関節連結されている。
【0021】
システム10は、電動ギアモータ23を支持するための別のプレート22を備える。電動ギアモータ23の出力シャフト24は、第2風防ガラスワイパーを駆動することが意図されている。図示しない第2風防ガラスワイパーは、上述のものと同様である。
【0022】
また、出力シャフト24は、クランク26の一端部とともに回転するように拘束されており、クランク26の他端部は、リンク20の第2長手方向端部20bに関節連結されている。
【0023】
図1に示す従来技術において、プレート14やプレート22等のシステム10のプレートは、例えばボルト・ナットタイプの従来的な固定手段28によって、本体12に固定されている。
【0024】
本発明は、この技術に対する改良を提案する。
【0025】
図2乃至9に示す第1実施形態によれば、本発明は固定装置30を提案する。固定装置30は、図5に示す特殊なプレート32と、図3に示す少なくとも1つの固定部材34と、を含む。装置30は、図4に示す特殊な本体36、すなわち本体部分と協働することが意図されている。
【0026】
本例において、装置30は、1つの部材34のみを備えるが、それ以上含むことも可能である。部材34は、円筒状の本体38を備える。本体38の一方の長手方向端部、本例では下方の端部は自由であり、その他方の端部は、外側環状フランジ40によって保持手段42、好適には手動保持手段に連結されている。
【0027】
フランジ40は、プレート32上に軸方向に支承(保持)されることが意図されるとともに、その下面に少なくとも1つの突出ペグ44を備える。突出ペグ44は、プレート32の孔46と、弾性クリップ留め及び/又は係合によって協働することが意図されている。図示例において、部材34のペグ44の個数は2に等しい。ペグ44は、例えば、部材34及びその本体の長手方向軸に対して直径方向に対向している。本例において、ペグ44は、部分的に球形の全体形状を有している。
【0028】
本例において、保持手段42は、側壁(横壁)を備えている。符号34をその軸を中心として回転させるように、操作者は側壁を把持することができる。側壁は、例えば片方の手の親指と人差し指とを壁の両側に置き、それらの指の間にある壁をつまむことで把持され得る。
【0029】
部材34の本体38は、2つの直径方向に対向する溝48を含む。溝48は、本体36の相補的手段と摺動によって協働することで、部材34を第1の係止解除位置から第2の係止位置に回転移動させることができ、逆も同様に回転移動させることができるように構成されている。
【0030】
図示例に示された各溝48は、軸方向部分48aを含む。軸方向部分48aの一端部は、本体の自由長手方向端部で開口し、その反対側の端部は、当該溝の実質的円周部分48bの一端部に連結されている。したがって、各溝は、L字の全体断面形状を有する。
【0031】
本体は、円筒状であるとともに、中実又は管状であり得る。
【0032】
本体36は、オリフィス50、52を備える。本例では中央オリフィスであるオリフィス50は、部材34、具体的にはその本体38を受容することが意図されている。本例では側方オリフィスであるオリフィス52は、プレート32のスタッド58を受容することが意図されている。
【0033】
本例において、オリフィス50、52は共通ライン上で整列しており、オリフィス52は、オリフィス50のそれぞれ対向する両側に配置されている。本例において、オリフィス52は、円筒状の全体形状を有する。オリフィス50は、部材34の形状に相補的な形状を有するとともに、部材34の回転後にアセンブリを係止すべく部材34と協働するように構成されている。
【0034】
本例において、オリフィス50は円形の全体形状を有する。本例において前述のラインに沿って延びる材料のストリップ54が、円形の全体形状を横断する。換言すれば、オリフィス50は、2つの半円開口部50aを備え、それらの直線縁部が、直線ストリップ54によって互いに離間している。
【0035】
ストリップ54は、部材34の溝48と摺動によって協働することが意図されている。したがって、ストリップ54は、溝48に係合するように適合されているとともに、その周縁部と協働して係止解除位置から係止位置に移動するように適合されている。係止解除位置において、部材34がその軸に沿ってオリフィス50内で並進移動することで、ストリップ54は溝48の長手方向部分48aに配置される(図8a)。係止位置において、部材がその軸を中心としてオリフィス50内で回転移動することにより、ストリップ54は溝48の円周部分48bに配置される(図8b及び9)。有利には、溝48の縁部は、ストリップ54とカム式に協働する。
【0036】
プレート32は、これを本体36に固定するためのベース32aと、ベアリングを支持するためのアーム32bと、を備える。ベース32aは実質的に平面状であり、上面32aa及び下面32abを備える。下面32abは本体36に当接することが意図されており、上面は部材34、具体的にはそのフランジ40を受容する(受ける)ことが意図されている。
【0037】
プレート32、具体的にはそのベース32aは、部材34が通過するためのオリフィス56を備える。本例において、オリフィス56は円形の全体形状を有している。オリフィス50、56は、整列すること又は一直線上に揃えられることが意図されている。ベース32aは、その上面32aaに、ペグ44を受容するための上述の2つの孔46を備えている。本例において、孔46は、オリフィス56の軸に対して直径方向に対向している。ベース32aは、その下面32abに、オリフィス52に係合することが意図される上述の2つのスタッド58を更に備えている。
【0038】
図6a乃至6dは、リンクシステム10を車両本体36に固定するための装置を装着する、又は使用するステップを示す。
【0039】
第1ステップは、システム10に接続されている、又は接続されていないプレート32を、本体36上に位置決めすることからなる(図6aの矢印参照)。この目的のために、プレートのベース32aを本体36に当接させて、スタッド58がオリフィス52に係合するように位置決めする。この位置において、オリフィス50、56は整列して又は一直線上に揃えられて、部材34を受容する(受け入れる)ことが可能となっている(図6bの矢印参照)。部材34を、上述のように軸方向に並進移動してオリフィスに係合させ、そして回動させる(図6cの矢印参照)。これにより、部材の溝48の形状、及びそれらと本体の材料のストリップ54とが協働することにより、プレートは本体にクランプされるとともに、これら2つの部品は互いに対して係止される。溝48の円周部分48bの角度範囲又は寸法は、作業者による係止を容易としつつ、移動後のペグ44がプレート32の孔46に係合する(図7参照)ように決定される。したがって、部材34のその端位置から端位置までの回転は、その軸を中心とした4分の1の回動を必要とし得る。
【0040】
図10は、変形実施形態を示す。この変形実施形態において、上述の34と同様の部材34’が、本体36及びプレート32のオリフィスに装着された、リング等の部品60のオリフィスに係合している。
【0041】
図11乃至16に示す別の実施形態によれば、本発明は、図13に示す特殊なプレート132と、図14に示す少なくとも1つの固定部材134と、を含む固定装置130を提案する。装置130は、図12に示す特殊な本体136、すなわち本体部分と協働することが意図されている。
【0042】
本例において、装置130は、2つの部材134を備えるが、それ以上含むことも可能である。各部材134は、円筒状の本体138を備える。本体138の一方の長手方向端部、本例では下方の端部は自由であり、その他方の端部は、外部環状フランジ140によって保持手段142、好適には手動保持手段に連結されている。
【0043】
フランジ140は、プレート132上に軸方向に支承(保持)されることが意図されるとともに、その下面に少なくとも1つの突出ペグ144を備えている。突出ペグ144は、プレート136の孔146と、弾性クリップ留め及び/又は係合によって協働することが意図されている。図示例において、部材134のペグ144の個数は2に等しい。ペグ144は、例えば、部材134及びその本体の長手方向軸に対して直径方向に対向している。本例において、ペグ144は、部分的に球形の全体形状を有している。
【0044】
本例において、保持手段142は、側壁(横壁)を備えている。部材をその軸を中心として回転させるように、作業者は側壁を把持することができる。側壁は、例えば片方の手の親指と人差し指とを壁の両側に置き、それらの指の間にある壁をつまむことで把持され得る。
【0045】
部材134の本体138は、直径方向に対向して突出する2つのランプ(傾斜面)148を含む。突出ランプ148は、本体の相補的手段136と摺動によって協働することで、部材134を第1の係止解除位置から第2の係止位置に回転移動させることができ、逆も同様に回転移動させることができるように構成されている。
【0046】
図示例において、各ランプ148は、傾斜部分148aを含む。傾斜部分148aの一端部は、本体の自由長手方向端部で開口し、その反対側の端部は、ランプの実質的円周部分148bの一端部に連結されている。
【0047】
本体134は、円筒状であるとともに、中実又は管状であり得る。ランプの部分148bとフランジ140との軸方向距離は、プレート132のベース132aと本体136との累積厚さに相当する。
【0048】
本体136は、オリフィス150、152を備える。オリフィス150は、部材134、具体的にはその本体138を受容することが意図されている。本例では側方オリフィスであるオリフィス152は、プレート132のスタッド158を受容することが意図されている。
【0049】
本例において、オリフィス150、152は共通ライン上で整列している。本例において、オリフィス152は、円筒状の全体形状を有する。オリフィス150は、部材134の形状に相補的な形状を有するとともに、部材134の回転開始後にアセンブリを係止すべく部材134と協働するように構成されている。
【0050】
図示例において、各オリフィス150は、包装されたキャンディ状の全体的な形状を有するとともに、中空の中央部分と2つの直径方向に対向する中空のセクタとを備えている。各オリフィス150の中央部分は、本体138の円筒状又は管状部分を受容することが意図されている。また、そのセクタは、オリフィス150内で部材134が軸方向に並進移動する間に、本体138のランプ148を受容することが意図されている。
【0051】
ランプ148は、オリフィス150の周縁部と摺動によって協働することが意図されている。周縁部は、当該オリフィスの開放セクタ同士の間で延びている。部材134を回転させることにより、係止解除位置から係止位置への移動が可能とされる。係止解除位置において、部材がその軸に沿ってオリフィス150内で並進移動することで、ランプ148がオリフィス150の開放セクタを通過する。係止位置において、部材がその軸を中心としてオリフィス150内で回転して配置されることで、ランプ148の傾斜部分148a、そして円周部分148bが摺動し、当該オリフィス(図16参照)の開放セクタ同士の間にあるオリフィス150の周縁部に収容される。有利には、ランプ148は、これらの縁部とカム式に協働する。
【0052】
プレート132は、これを本体136に固定するためのベース132aと、ベアリングを支持するためのアーム132bと、を備える。ベース132aは実質的に平面状であり、上面132aa及び下面132abを備える。下面132abは本体136に当接することが意図されており、上面は部材134、具体的にはそのフランジ140を受容する(受ける)ことが意図されている。
【0053】
プレート132、具体的にはそのベース132aは、各部材134が通過するための2つのオリフィス156を備える。各オリフィス156は、オリフィス150の形状と同様の形状を有する。ベース132aは、その上面に、各オリフィス156について、ペグ144を受容するための上述の2つの孔146又はノッチを備えている。本例において、孔146は、対応するオリフィス156の軸に対して直径方向に対向している。ベース132aは、その下面に、オリフィス152に係合することが意図される上述の2つのスタッド158を更に備えている。
【0054】
図15乃至15cは、リンクシステム110を車両本体136に固定するための装置を装着する、又は使用するステップを示す。
【0055】
第1ステップは、システム110に接続されている、又は接続されていないプレート132を、本体136上に位置決めすることからなる(図15aの矢印参照)。この目的のために、プレートのベース132aを本体に当接させて、スタッド158がオリフィス152に係合するように位置決めする。この位置において、オリフィス150、156は整列して又は一直線上に揃えられて、部材134を受容する(受け入れる)ことが可能となっている。各部材134を上述のように軸方向に並進移動してオリフィスに係合させ、そして回動させる(図15bの矢印参照)。これにより、部材のランプ148の形状、及びそれらと本体136とが協働することにより、プレートは本体にクランプされるとともにこれらの部品は互いに対して係止されることになる。ランプ148の角度範囲又は寸法は、作業者による係止を容易としつつ、移動後のペグ144がプレート132の孔146に係合する(図7参照)ように決定される。したがって、各部材134の端位置から端位置までの回転は、その軸を中心とした4分の1の回動を必要とし得る。
【0056】
図示例において、部材34、34’、134は、プラスチックから構成され得る。また、プレート32、132は、金属から構成され得る。或いはこの逆に、部材を金属で構成してもよく、プレートをプラスチックから構成してもよい。この材料の組み合わせは、部材の回転時に部材又はプレートがある程度塑性変形することを許容するとともに、固定を係止するのに有益であり得る。
【0057】
上述のように、装置の備える固定部材の個数は可変である。この個数は、例えば部材のサイズや操作中に受けることが意図される力によって決まる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図16
【国際調査報告】