特表2020-522641(P2020-522641A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-522641スキーラ先端を備えるタービンブレードおよび高密度酸化物分散強化層
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-522641(P2020-522641A)
(43)【公表日】2020年7月30日
(54)【発明の名称】スキーラ先端を備えるタービンブレードおよび高密度酸化物分散強化層
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/20 20060101AFI20200703BHJP
   F01D 5/28 20060101ALI20200703BHJP
   F01D 5/18 20060101ALI20200703BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20200703BHJP
   F02C 7/28 20060101ALI20200703BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20200703BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20200703BHJP
【FI】
   F01D5/20
   F01D5/28
   F01D5/18
   F02C7/00 C
   F02C7/28 A
   F01D25/00 L
   B33Y10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-566251(P2019-566251)
(86)(22)【出願日】2018年5月1日
(85)【翻訳文提出日】2020年1月9日
(86)【国際出願番号】US2018030379
(87)【国際公開番号】WO2018222326
(87)【国際公開日】20181206
(31)【優先権主張番号】62/512,346
(32)【優先日】2017年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】コク−ムン・タム
(72)【発明者】
【氏名】チン−パン・リー
(72)【発明者】
【氏名】リ・シン・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】シン・チエン・シウ
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202CA05
3G202CA06
3G202CB01
3G202EA04
3G202EA05
3G202JJ05
3G202JJ19
3G202KK04
(57)【要約】
略細長形状のエアロフォイル(12)内に配置された少なくとも1つのキャビティ(58)から形成される内部冷却システム(56)を含むタービンエンジンのためのブレード(10)に関する。スキーラ先端(36)および少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層(38)が、ブレード(10)の半径方向外側の先端キャップ(70)から半径方向に延在し、先端キャップ(70)は先端キャップ上面(50)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンのためのブレード(10)であって、
略細長形状のエアロフォイル(12)であって、前縁(14)と、圧力側面(18)と吸引側面(20)とを接続する後縁(16)と、前記エアロフォイル(12)の先端端部(22)において先端キャップ上面(50)を有する半径方向外側の先端キャップ(70)と、前記ブレード(10)を支持して前記ブレード(10)をディスクに連結するために前記先端端部(22)のほぼ反対側で細長形状の前記エアロフォイル(12)に連結された翼根(34)と、略細長形状の前記エアロフォイル(12)内に配置される少なくとも1つのキャビティ(58)から形成された内部冷却システム(56)と、を備える、略細長形状のエアロフォイル(12)と、
前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在し、少なくとも第1の先端キャップリブ(72)と第2の先端キャップリブ(74)とを備えるスキーラ先端(36)と、
前記先端キャップ上面(50)に堆積されかつ前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在する少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層(38)と、
を備えることを特徴とするブレード(10)。
【請求項2】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)は、少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)よりも小さい半径方向高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項3】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)は、少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)にほぼ等しい半径方向高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)が、少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の材料であることを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項5】
前記高密度酸化物分散強化層(38)は、さらに、少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の半径方向最外面に堆積されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項6】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つが、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)の一方から円周方向にずらされており、
前記内部冷却システム(56)による直接伝導冷却が、前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つに適用されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項7】
前記第1の先端キャップリブ(72)と、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿う縁部と、の間に配置される少なくとも1つのフィルム冷却孔(60)をさらに備えており、
前記フィルム冷却孔(60)は、前記先端キャップ上面(50)において少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)の排気口(62)と、前記内部冷却システム(56)を形成する少なくとも1つの前記キャビティ(58)と少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)を連結する入口(64)と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項8】
前記先端キャップ上面(50)上において、かつ前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)および/または少なくとも1つの前記ODS層(38)の各露出面に沿って、遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項9】
前記ブレード(10)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)を形成する外面上に遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のブレード(10)。
【請求項10】
前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿って前記圧力側面(18)から外向きに延在する鋭角張出部(30)をさらに備えており、
前記鋭角は、前記圧力側面(18)の大部分の延長した平面からなり、かつ前記圧力側面(18)から外側に展開しており、
前記鋭角張出部(30)は、上部と下部とを備えており、前記底部は圧力側面(18)から外側に延在しており、前記上部はさらに、前記ブレード先端(22)とほぼ等しい半径方向高さまで前記張出部(30)を延ばし、
少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)は、前記エアロフォイル(12)の前記先端キャップ上面(50)に存在する前記鋭角張出部(30)を通るよう配置されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のブレード(10)。
【請求項11】
前記底部は、前記先端キャップ(70)の半径方向高さの手前で終端し、前記傾斜張出部(30)の前記上部は、前記圧力側面(18)の大部分と略平行な線を形成することを特徴とする請求項10に記載のブレード(10)。
【請求項12】
タービンエンジンのためのブレード(10)であって、
略細長形状のエアロフォイル(12)であって、前縁(14)と、圧力側面(18)と吸引側面(20)とを接続する後縁(16)と、前記エアロフォイル(12)の先端端部(22)において先端キャップ上面(50)を有する半径方向外側の先端キャップ(70)と、前記ブレード(10)を支持して前記ブレード(10)をディスクに連結するために前記先端端部(22)のほぼ反対側で細長形状の前記エアロフォイル(12)に連結された翼根(34)と、略細長形状の前記エアロフォイル(12)内に配置される少なくとも1つのキャビティ(58)から形成された内部冷却システム(56)と、を備える、略細長形状のエアロフォイル(12)と、
前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在し、少なくとも第1の先端キャップリブ(72)と第2の先端キャップリブ(74)とを備えるスキーラ先端(36)と、
を備えており、
前記スキーラ先端(36)は、前記先端キャップ上面(50)に堆積されかつ前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在する少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層(38)であることを特徴とするブレード(10)。
【請求項13】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つが、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)の1つから円周方向にずらされておおり、
前記内部冷却システム(56)による直接伝導冷却が、前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つに適用されることを特徴とする請求項12に記載のブレード(10)。
【請求項14】
前記第1の先端キャップリブ(72)と、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿う縁部と、の間に配置される少なくとも1つのフィルム冷却孔(60)をさらに備えており、
前記フィルム冷却孔(60)は、前記先端キャップ上面(50)において少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)の排気口(62)と、前記内部冷却システム(56)を形成する少なくとも1つの前記キャビティ(58)と少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)を連結する入口(64)と、を備えることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のブレード(10)。
【請求項15】
前記先端キャップ上面(50)上において、かつ前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)および/または少なくとも1つの前記ODS層(38)の各露出面に沿って、遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項16】
前記ブレード(10)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)を形成する外面上に遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれかに記載のブレード(10)。
【請求項17】
前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿って前記圧力側面(18)から外向きに延在する鋭角張出部(30)をさらに備えており、
前記鋭角張出部(30)は、前記圧力側面(18)の大部分の延長した平面からなり、かつ前記圧力側面(18)から外側に展開しており、
前記鋭角張出部(30)は、上部と下部とを備えており、前記底部は圧力側面(18)から外側に延在しており、前記上部はさらに、前記先端キャップ上面(50)とほぼ等しい半径方向高さまで前記張出部(30)を延ばし、
少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)は、前記エアロフォイル(12)の前記先端キャップ上面(50)に存在する前記鋭角張出部(30)を通るよう配置されることを特徴とする請求項12から請求項16のいずれかに記載のブレード(10)。
【請求項18】
前記底部は、前記先端キャップ(70)の半径方向高さの手前で終端し、前記傾斜張出部(30)の前記上部は、前記圧力側面(18)の大部分と略平行な線を形成することを特徴とする請求項17に記載のブレード(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンのためのタービンブレードに関し、より具体的には、スキーラ先端および高密度酸化物分散強化層に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ガスタービンエンジンでは、高温の圧縮ガスが生成される。高温ガス流は、発電のために発電機を駆動するよう使用される機械的仕事を生成するためにタービンを通過して膨張する。タービンは一般的に、高温ガス流からのエネルギーを、エンジンの回転シャフトを駆動する機械的エネルギーに変換するために、複数段のステータベーンおよびロータブレードを含む。タービン入口温度は、タービン部品の材料特性と冷却能力とによって制限される。
【0003】
燃焼システムが、圧縮機から空気を受け取り、燃料に混ぜてその混合物を燃焼させることによって空気を高エネルギーレベルまで引き上げ、その後、燃焼器の生成物がタービンを通って膨張される。
【0004】
ガスタービンは、より大きく、より効率的であり、かつより堅牢になされている。とりわけエンジンシステムの高温セクションには、大型のブレードおよびベーンが製造される。結果として、タービンブレードは、そうした高温に耐えることができる材料から作る必要がある。
【0005】
タービンブレードは、ロータディスクに連結された翼根部分と、ブレードを形成する細長部分とから形成されており、ブレードは、タービンブレードの反対側の端部において翼根部分に連結されたプラットフォームから外側へ向けて延在する。ブレードは、通常、翼根部分の反対側にある先端と、前縁と、後縁とから構成される。動作中、タービンブレード先端にわたって流体の翼端流の漏出が起こることがあり、それによってタービンの作動効率が低下する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、タービンエンジンのためのブレードは:前縁と、圧力側面と吸引側面とを接続する後縁と、エアロフォイル先端端部において先端キャップ上面を有する半径方向外側の先端キャップと、ブレードを支持してブレードをディスクに連結するために先端端部のおおむね反対側において細長形状のエアロフォイルに連結される翼根と、略細長形状のエアロフォイル内に配置された少なくとも1つのキャビティから形成される内部冷却システムと、を備える略細長形状のエアロフォイルと;少なくとも第1の先端キャップリブと第2の先端キャップリブとを備える先端キャップ上面から半径方向に延在するスキーラ先端と;先端キャップ上面に堆積されかつ当該先端キャップ上面から半径方向外側に延在する少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様では、タービンエンジンのためのブレードは:前縁と、圧力側面と吸引側面とを接続する後縁と、エアロフォイルの先端端部において先端キャップ上面を有する半径方向外側の先端キャップと、ブレードを支持してブレードをディスクに結合するために先端端部のおおむね反対側において細長形状のエアロフォイルに連結される翼根と、略細長形状のエアロフォイル内に配置された少なくとも1つのキャビティから形成される内部冷却システムと、を備える略細長形状のエアロフォイルと;少なくとも第1の先端キャップリブと第2の先端キャップリブとを備える先端キャップ上面から半径方向に延在するスキーラ先端と;を備えており、当該スキーラ先端は、先端キャップ上面に堆積されかつ当該先端キャップ上面から半径方向外側に延在する少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層である。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の図面、説明、および請求項を参照することにより、より良く理解されるであろう。
【0009】
本発明は、図面によってより詳細に示される。これら図面は好ましい構成を示しており、本発明の範囲を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態が組み込まれ得るタービンブレードの列を備えるガスタービンエンジンの軸方向断面図である。
図2】ブレードおよびスキーラ先端の従来技術の構成の部分断面図である。
図3】本発明の例示的な実施形態に基づく、スキーラ先端および少なくとも1つの高密度酸化物分散強化(ODS)層を備えるタービンブレードの部分断面図である。
図4】本発明の例示的な実施形態に基づく、スキーラ先端および少なくとも1つの高密度酸化物分散強化(ODS)層を備えるタービンブレードの部分断面図である。
図5】本発明の例示的な実施形態に基づく、スキーラ先端および少なくとも1つの高密度酸化物分散強化(ODS)層を備えるタービンブレードの部分断面図である。
図6】本発明の例示的な実施形態に基づくタービンブレードの前縁におけるスキーラ先端の詳細図である。
図7】本発明の例示的な実施形態に基づく少なくとも1つの高密度酸化物分散強化(ODS)層を備えるタービンブレードの製造プロセスの正面図である。
図8】本発明の例示的な実施形態に基づく、基材(タービンブレード)に付加される高密度酸化物分散強化(ODS)層の製造プロセスの試験の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面が参照され、かつ当該図面では、本発明が実施され得る特定の実施形態を、限定としてではなく例示として示す。他の実施形態を利用できかつ本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく変更が可能であることを理解されたい。
【0012】
概して、本発明の実施形態は、略細長形状のエアロフォイル内に配置された少なくとも1つのキャビティから形成された内部冷却システムを含むタービンエンジンのためのブレードを提供する。スキーラ先端および少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層が、ブレードの半径方向外側の先端キャップから半径方向に延在しており、先端キャップは先端キャップ上面を有する。
【0013】
ガスタービンエンジンは、圧縮機セクション、燃焼器、およびタービンセクションを備えてもよい。圧縮機セクションは周囲の空気を圧縮する。燃焼器は、圧縮空気を燃料と合わせ、その混合物に点火し、作動流体を形成する高温ガスを含む燃焼生成物を作り出す。作動流体はタービンセクションに移動する。タービンセクション内には、円周方向において交互に並ぶベーンおよびブレードの列が存在しており、ブレードは、ローターに連結されている。各対のベーンおよびブレードの列は、タービンセクション内に段を形成する。タービンセクションは、ベーンとブレードとローターとを収容する固定タービンケーシングを備える。
【0014】
タービンブレードは、半径方向内側の翼根と、半径方向外側の先端と、を含む。タービンブレード先端は、タービンのガス経路内のリングセグメントとブレードとの間の間隙のサイズを小さくして、翼端流の漏出を防ぐための先端特徴部を有することができ、それによってタービンブレードによって生じたトルクの大きさが低減される。先端特徴部は、スキーラ先端と呼ばれることがあり、タービン段間の空気力学的損失の低減に役立つようブレードの先端に組み込むことができる。これら特徴部は、ブレード先端とリングセグメントとの間の漏出を最小化するよう設計される。
【0015】
リングセグメントは、流路の外側円環を形成する回転ブレードにわたって配置される。ブレード先端と各リングセグメントの内側高温表面とが、小さな隙間を形成する。間隙のサイズは、タービンの低温状態から高温運転段階まで、ブレードおよびリングセグメントの熱特性に起因して変化する。隙間が小さいほど、ブレード先端とリングセグメントとの間の高温ガスの漏出流が少なくなる。高温ガスの漏出流を減らしかつタービンの高温運転中の先端の隙間を狭く維持するために、リングセグメントを高温ガス流から隔離してリングセグメントの金属の温度を低下させるよう、薄手のコーティングをリングセグメントの半径方向内面に沿って塗布することができる。金属の温度を低下させることは、必要な冷却空気流を低減し、それによって今度はタービンの効率を向上させることができる。そうしたコーティングの1つが、遮熱コーティング(TBC)などのコーティングである。ブレード先端の侵入が発生した場合、リングセグメント上のコーティングが良好な摩耗性を有することが有益となる。この状況では、各ブレードのスキーラ先端における過酷な摩耗とは対照的に、コーティング上に局所的な円周方向の切り傷が発生する。前方タービン段において、多孔質TBCをリングセグメント上に塗布できる。多孔質TBCは、ケーシング上の歪み、製造または組立の影響など、クリアランスの偏心つまり真円度が損なわれることを引き起こすさまざまな影響に対処できる犠牲的な表面を提供する。しかしながら、リングセグメント上の多孔質TBC層は、望ましくないコーティング侵食をもたらす可能性もある。
【0016】
タービンの空気力学的性能は、システム内のタービンの位置を考慮するガスタービンエンジン全体の効率に大きな影響を与える。タービンの空気力学的損失の主な要素は、ブレードの先端を越える漏出(blade overtip leakage)によるものであり、当該漏出は、空気力学的な二次損失とともに仕事抽出の損失の機会を増加させる。動作中の小さな先端間隙とスキーラ先端形状とが、望ましいタービンの空気力学的性能を最大化できる。
【0017】
スキーラは冷却回路から離れているため、許容可能な金属温度を維持することは非常に難しい。スキーラは従来ではリングセグメントに擦られやすいため、スキーラ先端に沿って過酷な摩耗が発生し、それによって最終的に間隙が増加して、翼端流の漏出が増加する。その間隙を低下させることが望ましい。
【0018】
図1を参照すると、タービンエンジン32の一部が示されている。中心線11は、タービンエンジン32の軸方向中心を表すよう示される。半径方向Raは、半径方向外側へ向かう方向に示される。さらに、作動流体Wfの方向が示される。タービンブレード10は、ロータディスク(図示せず)に連結された翼根部分34と、翼根部分34に連結されたプラットフォーム24から外側に延在するエアロフォイル12を形成する細長部分と、から形成される。タービンブレード10の反対側の端部において、ブレード10は、翼根部分34の反対側にある先端22と、前縁14と、後縁16と、から構成される。前縁14と後縁16とを接続するエアロフォイル12の圧力側面18および吸引側面20が半径方向に延在している。翼端流の漏出を防ぐべくタービンのガス経路におけるリングセグメント26とブレード10との間の間隙のサイズを小さくするように、タービンブレード10の先端22に沿って適所に先端特徴部が設けられており、それによってタービンブレード10によって発生するトルクの大きさが低減される。先端特徴部は、スキーラまたはスキーラ先端36と呼ばれており、タービン段間の空気力学的損失の低減に役立つようにブレードの先端に組み込まれている。これら特徴部は、ブレード先端22とリングセグメント26との間の漏出を最小化するよう設計される。
【0019】
図2は従来のスキーラ先端36の位置を表しており、この位置では、間隔を空けた先端壁が、ブレード10の圧力側面18および吸引側面20から直接上方に延在してブレード10の圧力側面18および吸引側面20の長さを延ばす。一方で、本発明の実施形態のスキーラ先端36は、第1の先端キャップリブ72つまり延在部と、第2の先端キャップリブ74つまり延在部とを含んでおり、両方ともが、図3から図6に示されるように、ブレード10の先端端部22に沿って先端キャップ70の先端キャップ上面50から半径方向外側に延在する。
【0020】
図3はさらに、冷却システム56としても公知の内部冷却回路に触れている。冷却システム56は、ブレード10の先端22に沿う先端キャップ70の下に存在し、ここでは冷却システム56は主にブレード10の内部に存在する。冷却システム56は、様々な異なる経路を有してもよく、そのいくつかは蛇行様式であり、または様々な方向に向いている。冷却システム56は、冷却流体68が動き回り、ブレード10内およびブレード10に沿う温度を下げることを可能にする。冷却システム56は、ブレード10に沿う他の位置よりも多くの冷却を必要とする位置にかつその周囲に冷却流体68の集中を生じるように割り当てられている。冷却システム56は、ブレード先端22の内面に沿った冷却流体の流れを可能にする。ブレード10の先端22に沿って、先端キャップ70が設けられる。先端キャップ70は、先端キャップ内面76および先端キャップ外面50を有する。
【0021】
スキーラ先端36は、タービンブレード10の犠牲的な特徴部であってもよく、より良いタービン効率のために小さな先端クリアランスを維持して、ブレード10の先端22に沿って先端キャップ70の下に存在するブレード冷却システム56を保護する。しかしながら、スキーラ先端36を減少させると、ブレード先端22とリングセグメント26との間の間隙が増大する。スキーラ先端36の減少をなくすこと、またはスキーラ先端36に沿って減少が生じる前にライフサイクル時間を増加させることが、本明細書で説明される実施形態によって提供される。本発明の特定の実施形態では、過渡的なエンジン動作中に先端がリングセグメント26に擦られる場合に、スキーラ先端36が先端キャップ70とリングセグメント26との間に配置される。スキーラ36は冷却システム56から離れているため、許容可能な金属温度を維持することは非常に難しい。スキーラ36はリングセグメント26に擦られやすいので、温度の低下を補助できるようにするために、スキーラの半径方向において最も外側にある表面には遮熱コーティング(TBC)28は塗布しない。
【0022】
温度の低下およびブレードのスキーラに沿う少量の翼端漏出の維持が望まれている。本発明の実施形態は、ブレードのスキーラ先端36と、翼端漏出の低減およびスキーラに沿う温度の低下を可能にし得る高密度酸化物分散強化層と、を提供する。
【0023】
図3から図6を参照すると、スキーラ先端36は、タービンブレード10の先端キャップ上面50から半径方向外側に延在する少なくとも1つの第1の先端キャップリブ72と少なくとも1つの第2の先端キャップリブ74とを含む先端キャップリブから形成される。特定の実施形態では、スキーラ先端36は、第1の先端キャップリブ72および第2の先端キャップリブ74の少なくとも1つが、内側半径方向につまりブレード10の中心に向かって、ブレード10の圧力側面18および/または吸引側面20の少なくとも1つの延在部からオフセットされるように形成される。図3には、図面の右側においてスキーラ先端36の一例が示される。
【0024】
ずらされたスキーラ先端36を有することは、第1の先端キャップリブ72および/または第2の先端キャップリブ74の直接伝導冷却による改善された冷却の可能性を実現する。直接伝導冷却は、先端キャップ70と接触している内部冷却システム56から生じ得る。半径方向に延在するブレード10の圧力側面18および吸引側面20に沿って延在する第1の先端キャップリブ72および第2の先端キャップリブ74とは対照的に、第1の先端キャップリブ72および/または第2の先端キャップリブ74はブレード10の側面からずらされかつ内部冷却システム56の上方において先端キャップ70のすぐ上にあるため、直接伝導冷却が生じる。
【0025】
少なくとも1つの高密度酸化物分散強化(ODS)層38が、ブレード10の先端端部22に堆積されている。ODS層38の位置は、実施形態に基づいて変更できる。特定の実施形態では、ODS層38は、スキーラ先端36の各先端キャップリブ72、74の吸引側面20と同じ高さにかつ当該吸引側面20へ向けて配置される(図3参照)。特定の実施形態では、ODS層38は、先端キャップリブ72、74として配置されており、ここではスキーラ先端36の各先端キャップリブ72、74がODS層38材料から作られる(図4参照)。さらに、特定の実施形態では、ODS層38は、各先端キャップリブ72、74の吸引側面20と同じ高さにかつ当該吸引側面20へ向けて配置されるだけでなくさらにスキーラ先端36に沿って各先端キャップリブ72、74の上部半径方向外側表面に配置される(図5および図6参照)。少なくとも1つのODS層38が各先端キャップリブ72、74の吸引側面20に沿って同じ高さにのみ配置される実施形態では、ODS層38の半径方向高さは、先端キャップリブ72、74とほぼ同一であるか、あるいは、先端キャップリブ72、74よりも半径方向外側においてわずかに高くなるよう配置される。各高密度ODS層38は、レーザー支援プロセスを用いる直接堆積によって形成でき、レーザー支援プロセスは、レーザー出力およびスキャン速度によって主に管理されるが、レーザー出力およびスキャン速度に制限されない。レーザー出力が低すぎる場合、以下で詳細に説明される溶融プール46の十分な作成およびODS粉末の溶融には不十分な出力となる。さらに、低いレーザー出力は、望ましくない焼結効果しか生じない。
【0026】
これらの実施形態の各々において、少なくとも1つのODS層38は、リングセグメント26に擦られることが原因となって、主要な接触および何らかの損傷を受ける。ODS層38は、リングセグメント26のTBC層28への刃先に関してスキーラ先端36に取って代わる。ODS層38の刃先は、リングセグメント26へのブレード先端の侵入に関して、従来の先端よりも長く持続できる。ODS層38がリングセグメント26と最初に接触できるようにすることによって、リングセグメント26のアブレイダブルコーティング(つまりTBCなど)への最悪のブレード先端の侵入を含むよう設計されたエンジンの「ブレークイン」サイクルが回避され、それによって、動作中の先端隙間が最小化されて、エンジン性能が最適なレベルに維持される。ブレード先端22上の刃先として少なくとも1つの高密度ODS層38を付加することによって、リングセグメントのアブレイダブルTBCの多孔性を低下させて、耐食性を改善することができる。先端キャップリブ72、74は、先端キャップリブ72、74のさらなる保護を提供するために、上述のように少なくとも1つのODS層38よりも小さい半径方向高さを有してもよい。たとえブレード先端22上の少なくとも1つのODS層38が酸化されたとしても、定常状態の小さな先端間隙を形成するようスキーラ先端36の残りが依然として存在している。
【0027】
内部冷却システム56は、略細長形状のエアロフォイル12内に配置された少なくとも1つのキャビティ58から形成されてもよい。冷却システム56は、動作中のガスタービンエンジンで使用する際にタービンブレード10を冷却するために任意の適切な構成を有してもよい。タービンブレード10および上で挙げられたその関連構成要素は、当該技術分野で既に公知のあるいはまだ発見されていないかまたは特定されていない任意の適切な材料から形成されてもよい。
【0028】
先端キャップ70は、貫通する少なくとも1つのフィルム冷却孔60を含んでもよい。少なくとも1つのフィルム冷却孔60は、先端キャップ上面50に沿って配置された排気口62を有する。少なくとも1つのフィルム冷却孔60は、少なくとも1つのフィルム冷却孔60を内部冷却システム56を含むキャビティ58と連結する入口64を含む。少なくとも1つのフィルム冷却孔60は、先端キャップ70に沿って第1の先端キャップリブ72とブレード10の圧力側面18との間に配置されてもよい。
【0029】
特定の実施形態では、ブレード10の圧力側面18は、ブレード10の先端端部22において鋭角張出部30を含んでもよく、当該張出部30は、ブレード10の圧力側面18の大部分に沿って延在する平面を越えてかつブレード10から離れるように鋭角で、半径方向外側に展開するよう延在する。傾斜張出部30は、少なくとも1つのフィルム冷却孔60が、先端キャップリブ72からさらに離れるよう先端キャップ上面50に沿ってさらに突出可能なように配置されてもよい。傾斜張出部30を付加することは、ブレード10と交わる間隙から離れるよう作動流体の流れを傾けることによって、かつその流れを経路から吸引側面20へ向けてさらに離れるよう移動させることによって、ブレード10の圧力側面18から吸引側面20への翼端漏出流を妨げる。さらに、それは、ブレード先端22にフィルム冷却流のためのシールドを提供する。第1の先端キャップリブ72の上流の先端キャップ上面50の表面空間を長くすることによって、出て行く冷却流体68が長時間にわたってその表面に沿って移動することが可能になる。加えて、少なくとも1つのフィルム冷却孔60の出口は、場合によって、サイズを大きくすることができる。増大した先端冷却効果のおかげでこの傾斜張出部30は、先端の酸化に抗する。
【0030】
鋭角張出部30は、底部と上部とを含んでもよい。底部は鋭角で外側に延びており、一方で上部は鋭角で続いていてもよく、あるいは圧力側面18の大部分として半径方向に平行な経路を有してもよい。上部は、先端キャップ上面50とほぼ同じ半径方向高さになるまで延在する。
【0031】
先端キャップ70は、先端キャップ上面50に遮熱コーティング28を有してもよい。特定の実施形態では、遮熱コーティング28は、スキーラ先端36の露出面または同様に少なくとも1つのODS層38に塗布されてもよい。遮熱コーティング28は、ブレード10の圧力側面18および同様に吸引側面20を形成する外面に塗布されてもよい。
【0032】
使用中の実施形態の一例である図3に示されるように、冷却流体68は内部冷却システム56内に存在する。冷却流体68は、入口64を通ってタービンブレード10の少なくとも1つのフィルム冷却孔60へ通されてもよい。続いて、冷却流体68は、先端キャップ70に沿う領域を冷却する排気口62を介して少なくとも1つのフィルム冷却孔60から出てもよい。
【0033】
図7および図8に示されるように、製造プロセスは、各ODS層38を堆積するために直接レーザー堆積などの付加製造法(AM)を使用することを含む。少なくとも1つのODS層38が基材の材料上に堆積される。これらの実施形態では、基材はブレード10の材料である。特定の実施形態では、ODS層38は、スキーラ先端をずらすことによって生成された先端キャップ上面50に沿う空間に堆積される。少なくとも1つのODS層38は、スキーラ36の露出面に沿って第1の先端キャップリブ72および第2の先端キャップリブ74と同じ高さに配置された先端キャップ上面50上に直接堆積される。別の実施形態では、ODS層38は、第1の先端キャップリブ72および第2の先端キャップリブ74の材料として、先端キャップ上面50に沿って適所に堆積される。別の実施形態では、少なくとも1つのODS層38は、第1の先端キャップリブ72および第2の先端キャップリブ74に対して同じ高さで先端キャップ上面50に堆積されるだけでなくさらに第1の先端キャップリブ72および第2の先端キャップリブ74の半径方向外表面に堆積される。この時、ODS層38は、リングセグメント上の多孔質TBCへの犠牲的な刃先となる。たとえ信頼性の高いTBC摩耗性がある場合でも、ベアメタルがセラミック材料に接触する際にはブレード先端がある程度摩耗する。ODS層38を付加することで、スキーラ先端36をより長い時間にわたってそのままにしておくことができ、それによって構成要素の耐用期間を増大できる。少なくとも1つのODS層38は、付加され得るTBC層28の前にブレード先端22上に堆積されてもよい。
【0034】
付加製造の場合、そのプロセスは、ODS粉末を堆積できるノズルアセンブリを備えるレーザービーム44を含むことができ、ノズルアセンブリは、ODS層38のための場所の一例として、先端キャップ上面50に向かう垂直下方向をレーザーが指向する状態で、ブレード先端22の上方に配置可能である。ODS粉末は、従来の超合金よりも高温で強度を維持するようにマトリックス全体に均一に分布される酸化物を利用できる。局所的な溶融プール46をレーザービーム44によって作成することができ、溶融プール46ではノズルアセンブリの粉末ストリーム42を通してODS粉末を堆積させることができる。次に、ODS粉末は急速に溶融されて、希釈領域48に新しい層を形成し、この層は、基材に、この例においてはブレード10または先端キャップ上面50などに融着される。高密度層38は、ノズルアセンブリおよびレーザーが溶融プール46から離れるよう移動すると形成される。典型的には、シールドガス40は、ノズルアセンブリを用いてODS粉末を粉末供給機からレーザービーム44まで搬送するためのガスキャリアとして使用することができ、そこで、溶融プール46に堆積される。ガスキャリアとして使用されるガスは、堆積プロセス中の酸化を排除するのに役立つシールドガスとしても機能できるガスとすることができる。各ODS層38の幾何学的形状、厚さ、および密度は、レーザー出力、堆積量、堆積速度、ハッチ間隔などのパラメータによって調整できるが、これらに限定されない。少なくとも1つのODS層38が完成すると、構成要素全体を、この場合ではタービンブレード10などを取り外して、任意の慣習的な様式で熱処理、熱間静水圧プレス、機械加工、または仕上げを行うことができる。仮にTBC層28がブレードに付加される場合、少なくとも1つのODS層38の堆積が完了したらその時点でTBC層28を付加することができる。
【0035】
図8は、異なるレーザー出力範囲を使用することによって堆積される様々なODS層38を示す。ODS層38は、超合金などの基材上に堆積されている。これら超合金は、タービンブレード10の母材として入手できる。詳細な微細構造評価により、ODS層38と基材の境界に不連続性がないことが示されており、ODS層38が基材にうまく融着されていることが証明されている。
【0036】
少なくとも1つのODS層38を付加することで、リングセグメント26上のTBC28の多孔性を低減することができる。TBC層28の多孔性をこうして低下させることで、侵食に対する耐性を改善できる。ブレード先端22の全体密度を、リングセグメント26の全体密度よりも高くすることができる。ODS合金は、耐酸化性および耐食性と、従来の超合金を超える上昇温度での機械的特性とを示す。比較すると、ODS合金の硬度およびクリープ強度も、従来の超合金およびTBC層28の硬度およびクリープ強度よりも大幅に高くなる。細長形状の粒子構造と酸化物およびその他の粒子の分散は、ODS構造をそうしたものにする。これら特徴は、ODS合金層が従来の手段を超える優れた特性を提供できるようにする。テストによって、酸化とTBC破砕に対する耐性との両方においてODS合金の利点が明らかになった。ODS層38を使用することで、温度耐性の増大または所定の温度での耐用期間の増大がもたらされる。本明細書で説明する製造技術によって、このタイプの用途に使用できるタイプの基材の一例として任意のニッケルベース基材にODS層38を堆積する能力が実現可能となる。
【0037】
少なくとも1つの高密度ODS層38は、リングセグメント26への切り込み性を改善することができる。少なくとも第1の先端キャップリブ72および/または第2の先端キャップリブ74をずらすことは、直接伝導による付加的な冷却を可能にする。ブレード10の圧力側面18に対して鋭角張出部30を付加することによって、少なくとも1つの遮蔽されたフィルム冷却孔60を介して付加的な冷却をもたらすだけでなくさらに、圧力側面18から吸引側面20へのブレードの先端を越える漏出を阻止するのに役立つ。
【0038】
特定の実施形態を詳細に説明したが、当業者は、本開示の全体的な教示に照らして、それらの詳細に対する様々な変更および代替案を開発できることを理解するであろう。したがって、開示された特定の構成は、単なる例示を意味しており、添付の請求項およびそのあらゆる同等物のすべての広がりが与えられる本発明の範囲に関して限定するものではない。
【符号の説明】
【0039】
10 タービンブレード
11 中心線
12 エアロフォイル
14 前縁
16 後縁
18 圧力側面
20 吸引側面
22 ブレード先端
24 プラットフォーム
26 リングセグメント
28 遮熱コーティング
30 張出部
32 タービンエンジン
34 翼根
36 スキーラ先端
38 高密度酸化物分散強化層
50 先端キャップ外面
56 内部冷却システム
58 キャビティ
60 フィルム冷却孔
62 排気口
64 入口
70 半径方向外側の先端キャップ
72 第1の先端キャップリブ
74 第2の先端キャップリブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2020年1月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンのためのブレード(10)であって、
略細長形状のエアロフォイル(12)であって、前縁(14)と、圧力側面(18)と吸引側面(20)とを接続する後縁(16)と、前記エアロフォイル(12)の先端端部(22)において先端キャップ上面(50)を有する半径方向外側の先端キャップ(70)と、前記ブレード(10)を支持して前記ブレード(10)をディスクに連結するために前記先端端部(22)のほぼ反対側で細長形状の前記エアロフォイル(12)に連結された翼根(34)と、略細長形状の前記エアロフォイル(12)内に配置される少なくとも1つのキャビティ(58)から形成された内部冷却システム(56)と、を備える、略細長形状のエアロフォイル(12)と、
前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在し、少なくとも第1の先端キャップリブ(72)と第2の先端キャップリブ(74)とを備えるスキーラ先端(36)と、
前記先端キャップ上面(50)に堆積されかつ前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在する少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層(38)と、
を備えることを特徴とするブレード(10)。
【請求項2】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)は、少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)よりも小さい半径方向高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項3】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)は、少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)にほぼ等しい半径方向高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)が、少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の材料であることを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項5】
前記高密度酸化物分散強化層(38)は、さらに、少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の半径方向最外面に堆積されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項6】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つが、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)の一方から円周方向にずらされており、
前記内部冷却システム(56)による直接伝導冷却が、前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つに適用されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項7】
前記第1の先端キャップリブ(72)と、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿う縁部と、の間に配置される少なくとも1つのフィルム冷却孔(60)をさらに備えており、
前記フィルム冷却孔(60)は、前記先端キャップ上面(50)において少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)の排気口(62)と、前記内部冷却システム(56)を形成する少なくとも1つの前記キャビティ(58)と少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)を連結する入口(64)と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項8】
前記先端キャップ上面(50)上において、かつ前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)および/または少なくとも1つの前記ODS層(38)の各露出面に沿って、遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項9】
前記ブレード(10)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)を形成する外面上に遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のブレード(10)。
【請求項10】
前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿って前記圧力側面(18)から外向きに延在する鋭角張出部(30)をさらに備えており、
前記鋭角は、前記圧力側面(18)の大部分の延長した平面からなり、かつ前記圧力側面(18)から外側に展開しており、
前記鋭角張出部(30)は、上部と下部とを備えており、前記底部は圧力側面(18)から外側に延在しており、前記上部はさらに、前記ブレード先端(22)とほぼ等しい半径方向高さまで前記張出部(30)を延ばし、
少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)は、前記エアロフォイル(12)の前記先端キャップ上面(50)に存在する前記鋭角張出部(30)を通るよう配置されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のブレード(10)。
【手続補正書】
【提出日】2020年3月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンのためのブレード(10)であって、
略細長形状のエアロフォイル(12)であって、前縁(14)と、圧力側面(18)と吸引側面(20)とを接続する後縁(16)と、前記エアロフォイル(12)の先端端部(22)において先端キャップ上面(50)を有する半径方向外側の先端キャップ(70)と、前記ブレード(10)を支持して前記ブレード(10)をディスクに連結するために前記先端端部(22)の対側で細長形状の前記エアロフォイル(12)に連結された翼根(34)と、略細長形状の前記エアロフォイル(12)内に配置される少なくとも1つのキャビティ(58)から形成された内部冷却システム(56)と、を備える、略細長形状のエアロフォイル(12)と、
前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在し、少なくとも第1の先端キャップリブ(72)と第2の先端キャップリブ(74)とを備えるスキーラ先端(36)と、
前記先端キャップ上面(50)に堆積されかつ前記先端キャップ上面(50)から半径方向外側に延在する少なくとも1つの高密度酸化物分散強化層(38)と、
を備えることを特徴とするブレード(10)。
【請求項2】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)は、少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)よりも小さい半径方向高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項3】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)は、少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)にしい半径方向高さを有することを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項4】
記高密度酸化物分散強化層(38)が、記先端キャップリブ(72、74)の材料であることを特徴とする請求項1に記載のブレード(10)。
【請求項5】
前記高密度酸化物分散強化層(38)は、さらに、少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の半径方向最外面に堆積されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項6】
少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つが、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)の一方から円周方向にずらされており、
前記内部冷却システム(56)による直接伝導冷却が、前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)の少なくとも1つに適用されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項7】
前記第1の先端キャップリブ(72)と、前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿う縁部と、の間に配置される少なくとも1つのフィルム冷却孔(60)をさらに備えており、
前記フィルム冷却孔(60)は、前記先端キャップ上面(50)において少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)の排気口(62)と、前記内部冷却システム(56)を形成する少なくとも1つの前記キャビティ(58)と少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)を連結する入口(64)と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項8】
前記先端キャップ上面(50)上において、かつ前記スキーラ先端(36)の少なくとも2つの前記先端キャップリブ(72、74)および少なくとも1つの前記高密度酸化物分散強化層(38)のうちの少なくとも1つの各露出面に沿って、遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のブレード(10)。
【請求項9】
前記ブレード(10)の前記圧力側面(18)および前記吸引側面(20)を形成する外面上に遮熱コーティング(28)をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のブレード(10)。
【請求項10】
前記エアロフォイル(12)の前記圧力側面(18)に沿って前記圧力側面(18)から外向きに延在する鋭角張出部(30)をさらに備えており、
前記鋭角張出部(30)は、前記圧力側面(18)の大部分の延長した平面からなり、かつ前記圧力側面(18)から外側に展開しており、
前記鋭角張出部(30)は、上部と底部とを備えており、前記底部は圧力側面(18)から外側に延在しており、前記上部はさらに、前記先端端部(22)としい半径方向高さまで前記鋭角張出部(30)を延ばし、
少なくとも1つの前記フィルム冷却孔(60)は、前記エアロフォイル(12)の前記先端キャップ上面(50)に存在する前記鋭角張出部(30)を通るよう配置されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のブレード(10)。
【国際調査報告】