【課題を解決するための手段】
【0008】
マイクロ流体システムは、可撓性基板と、各マイクロ流体ネットワークが生体液特性を独立して監視するように構成されている、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークであって、各マイクロ流体ネットワークは、基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または基板によって支持されるマイクロ流体流入口導管ネットワークと、使用時に皮膚表面から生体液をマイクロ流体流入口導管に導入するためにマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される生体液流入口と、各リザーバチャンバーがマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される、複数のリザーバチャンバーと、各毛細管バースト弁が流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされている、マイクロ流体導管ネットワークと流体的に接続されている複数の毛細管バースト弁と、生体液特性を監視するために各々固有のリザーバチャンバー内に位置決めされている、複数の比色センサとを備える、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークとを具備する。
【0009】
少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークは互いに、(i)生体液流入口寸法、(ii)複数のリザーバチャンバーの各々のリザーバチャンバー容積、(iii)複数の毛細管バースト弁の各々のバースト圧力、または(iv)これらの任意の組合せの点で異なり得る。
【0010】
マイクロ流体システムは、可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される複数のリザーバネットワークであって、各リザーバネットワークはリザーバチャンバーと、皮膚表面から生体液をリザーバチャンバーに導入するために、バースト圧力を有する毛細管バースト弁を介してリザーバチャンバーに流体的に接続される生体液流入口と、リザーバチャンバーに流体的に接続される流出口とを備え得る。
【0011】
さらに提供されるのは、本明細書で開示されているマイクロ流体システムのうちのいずれかを使用して皮膚から放出される生体液の生体液特性を測定するための方法である。
【0012】
本明細書において説明されているシステムはいずれも、生体液損失を最小限度に抑え、および/または生体液捕集効率を高めるための手段を利用するものとしてよい。たとえば、本明細書で説明されているシステムはいずれも、キャップ層を利用して望ましくない生体液損失(または進入)を軽減し、それによって改善されたデバイス性能、信頼性、および精度をもたらし得る。本明細書において説明されているシステムおよび方法はいずれも、マイクロ流体ネットワーク内に生体液ゲル化剤を収容するものとしてよく、マイクロ流体ネットワーク内での流体からゲルへの変換は望ましくない生体液損失を減少させる。本明細書において説明されているシステムおよび方法はいずれも、マイクロ流体ネットワーク内に吸収剤を収容するものとしてよく、生体液は吸収剤によって少なくとも部分的に吸収され、それによって生体液損失を最小限度に抑える。ゲル化剤および/または吸収剤はいずれも、注目している応用および/または周囲環境条件に応じて、リザーバチャンバー内、またはネットワーク内の特定の配置に、位置決めされ得る。
【0013】
信頼性の高い、および効率的な測定を円滑に行えるようにするため、システムおよび方法はいずれも、マイクロ流体ネットワークの一部の中のパターン化格子(patterned grating)を含む、特別なパターンの要素を利用して、光学的透過特性の制御された変化をもたらし得る。このようにして、パターン化格子を通る入射電磁放射線の透過は、マイクロ流体チャネルまたはリザーバチャンバー内の生体液の量の関数として変化する。パターン化格子と光学的に連通するようにインジケータが設けられてよく、格子を通る入射電磁波放射線の透過が変化するとインジケータの様子が変化する。
【0014】
提供されるシステムおよび方法は、毛管力および/または熱源を利用して、生体液の生成および/または取り込みを促進するのを助け得るが、これがないと測定および/または特性評価が難しくなる。熱源は、ヒーターなどの、システムに内蔵されるものであってよい。熱源は、たとえばシャワーまたは風呂によって生成される熱湯など、システムの外部にあってもよく、これにより、皮膚表面から生体液放出を発生させる。吸収剤はマイクロ流体ネットワーク内で使用され、捕集および分析のために皮膚表面から生体液を抜き出してネットワークに送る方式で生体液捕集力を発生させるものとしてよい。
【0015】
システムおよび方法は、様々な流体流動領域およびバイオマーカーなどのその中の構成物質のためのプラットフォームを含む、時間的試料採取(chrono-sampling)のためのプラットフォームを提供するものとして特徴付けられ得る。これは、複数のマイクロ流体ネットワークを使用して達成され得る。この方式で、生体液特性を監視するためのマイクロ流体システムは、可撓性基板と、各マイクロ流体ネットワークが生体液特性を独立して監視するように構成されている、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークであって、各マイクロ流体ネットワークは、基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または基板によって支持されるマイクロ流体流入口導管ネットワークと、使用時に皮膚表面から生体液をマイクロ流体流入口導管に導入するためにマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される生体液流入口と、各リザーバチャンバーがマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される、複数のリザーバチャンバーと、各毛細管バースト弁が流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされている、マイクロ流体導管ネットワークと流体的に接続されている複数の毛細管バースト弁とを備える、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークとを具備する。
【0016】
マイクロ流体システムはいずれも、複数の比色センサであって、各比色センサは生体液特性を監視するために固有のリザーバチャンバー内に位置決めされている、複数の比色センサを備え得る。
【0017】
マイクロ流体システムはいずれも、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークを有するものとしてよく、これらマイクロ流体ネットワークは互いに、(i)生体液流入口寸法、(ii)複数のリザーバチャンバーの各々のリザーバチャンバー容積、(iii)複数の毛細管バースト弁の各々のバースト圧力、(iv)化学的媒介反応チャンバーの化学組成、または(v)これらの任意の組合せの点で異なる。
【0018】
マイクロ流体システムはいずれも、低流動生体液領域に関連付けられている生体液パラメータを監視するように構成されている第1のマイクロ流体ネットワークを有するものとしてよく、第2のマイクロ流体ネットワークは、高流動生体液領域に関連付けられている生体液パラメータを監視するように構成され、生体液特性は、生体液量、生体液検体濃度、バイオマーカーの有無、またはこれらの組合せである。この方式で、単一のシステムは、涼しい気候でのあまり動かない活動(ほとんど汗をかかない)に対して激しい運動(高発汗速度に対応する)を行っているときの高温多湿環境での発汗など、生体液生成の大きな変化に対応できる。本明細書において以下で説明されているように、特に発汗がまったくないからほとんどない応用において、生体液捕集を促進するのを助けるための追加のコンポーネントが含まれ得る。
【0019】
流入口およびマイクロチャネルのサイズ決定および幾何学的形状は、所望の流動範囲に対応するように選択できる。この態様において、様々な流動領域に対応できる。たとえば、マイクロ流体システムは、低生体液損失領域に比べて少なくとも10倍大きい高生体液損失領域を有し得る。流体導管サイズを変化させることによって、流動抵抗が効果的に変化し、それによって流量(Q=ΔP/R)を制御する。同様に、選択されたバースト弁圧力を有する毛細管バースト弁を使用することでも、異なるマイクロ流体ネットワークへの生体液の導入を制御し得る。
【0020】
各マイクロ流体ネットワークは、少なくとも1つのマイクロ流体流出口導管をさらに備えるものとしてよく、各マイクロ流体流出口導管は複数のリザーバチャンバーのうちの少なくとも1つに流体的に接続され、マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧を逃すように構成されている。
【0021】
マイクロ流体システムはいずれも、生体液特性検出および/または時間順生体液特性監視を独立して行えるように互いに化学的に切り離された複数のリザーバチャンバーを有するものとして記述されてよい。この化学的切離しは、特に流体的に隣接するリザーバチャンバーの間で、マイクロチャネルの寸法(たとえば、長さと幅)を選択することによって達成され得る。たとえば、レイノズル数が、100未満、または10未満、または1未満を含む、層流範囲内にあることを確実にすることによって、混合が最小限度に抑えられ、拡散は、隣接するリザーバチャンバーの間の十分に長い距離に対して、チャンバー間の拡散が関連する時間スケールにわたってあり得ないように低減される。
【0022】
マイクロ流体システムはいずれも、複数の毛細管バースト弁をさらに備えるものとしてよく、少なくとも1つの毛細管バースト弁は、流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされる。この方式で、リザーバチャンバーの充填具合を目視で観察することで圧力が決定されるものとしてよく、より高い圧力は異なるリザーバ充填に関連付けられている。
【0023】
システムはいずれも、1つまたは複数の汗腺に関連付けられている圧力などの、生体液の圧力を測定し得る。生体液圧力を測定するためのマイクロ流体システムは、可撓性基板と、可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される複数のリザーバネットワークであって、各リザーバネットワークはリザーバチャンバーと、皮膚表面から生体液をリザーバチャンバーに導入するために、毛細管バースト弁を介してリザーバチャンバーに流体的に接続される生体液流入口であって、毛細管バースト弁はバースト圧力を有する、生体液流入口と、リザーバチャンバーに流体的に接続される流出口とを備え、各毛細管バースト弁のバースト圧力は、皮膚表面からの生体液の圧力範囲に対応するように選択される、複数のリザーバネットワークとを具備し得る。
【0024】
複数のリザーバネットワークのうちの少なくとも1つ(たとえば、リザーバチャンバー)は固有の毛細管バースト弁圧力を有するものとしてよく、それによって、対応するリザーバネットワークに関連付けられている固有の圧力測定を提供する。この方式で、任意の数の異なる圧力が測定され得る。
【0025】
生体液流入口は、使用中に皮膚表面の生体液源と流体的に整列され得る。
【0026】
リザーバネットワーク(チャンバー)はいずれも、光学的読み出しを行うための少なくとも1つの比色センサをさらに備え得る。
【0027】
毛細管バースト弁の少なくとも一部は、直列構成で流体的に整列され、増大し、0kPaより高く、10kPaより低い範囲、およびその部分範囲などの、最低圧力から最高圧力にわたるバースト弁圧力を有するものとしてよい。
【0028】
システムはいずれも、クロラニル酸銀を備えるセンサなどの、特定の比色センサを有するものとしてよい。生体液特性を測定するためのマイクロ流体システムは、可撓性基板と、可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持されるマイクロ流体流入口導管ネットワークと、使用時に皮膚表面から生体液をマイクロ流体流入口導管に導入するためにマイクロ流体流入口導管ネットワークに流体的に接続される生体液流入口と、各リザーバチャンバーがマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される、複数のリザーバチャンバーと、各毛細管バースト弁が流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされている、マイクロ流体導管ネットワークと流体的に接続されている複数の毛細管バースト弁と、複数のリザーバチャンバーと流体的に接続され、マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧を逃すように構成されているマイクロ流体流出口導管ネットワークと、生体液特性を測定するために各々固有のリザーバチャンバー内に位置決めされている複数の比色センサであって、比色センサのうちの少なくとも1つは、生体液中の塩化物を測定するために呈色応答試薬を有する、複数の比色センサとを備え得る。呈色応答試薬は、クロラニル酸銀を含有し得る。
【0029】
マイクロ流体システムは、任意の2つの流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされた色インジケータストリップをさらに備え得る。
【0030】
マイクロ流体システムはいずれも、可撓性基板の皮膚対向表面および/または背部対向表面に接続されるキャップ層をさらに備え得る。
【0031】
マイクロ流体システムは、皮膚対向表面と背部対向表面とを有する可撓性基板と、可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持されるマイクロ流体ネットワークと、マイクロ流体ネットワークに流体的に接続されているセンサであって、マイクロ流体ネットワークは、皮膚表面から生体液をセンサに輸送するように構成される、センサと、キャップ層の皮膚対向表面および背部対向表面を有するキャップ層であって、キャップ層の背部対向表面は、基板の皮膚対向表面に被着される、キャップ層とを備えるものとしてよく、可撓性基板は、熱可塑性エラストマー、または蒸気もしくは液体水透過に対する高い障壁をもたらすように構成されているポリマーから少なくとも部分的に形成される。
【0032】
キャップ層は、熱可塑性エラストマーおよび添加剤から少なくとも部分的に形成され得る。可撓性基板およびキャップ層は、共通の熱可塑性エラストマー組成物から形成され得る。可撓性基板およびキャップ層は、共通の添加剤を有し得る。
【0033】
熱可塑性エラストマーの例は、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択されるようなスチレンコポリマーを含む。
【0034】
熱可塑性エラストマーは、10%から50%の範囲のうちから選択された重量分率のスチレンコポリマーを有するものとしてよい。
【0035】
添加剤は、1000g/モル未満の分子量などの、ユーザ選択分子量未満の分子量によって特徴付けられる炭化水素化合物であってよい。添加剤は、パラフィン油であってよい。
【0036】
熱可塑性エラストマーは、1から3の範囲のうちから選択された、添加剤対スチレンコポリマーの重量比の添加剤を有するものとしてよい。
【0037】
マイクロ流体システムはいずれも、水蒸気または液体の透過に対する高い障壁性を維持しながら所望の機械的特性を達成するために浮き彫り、陥凹、または浮き彫りと陥凹の特徴の空間的に分散されたパターンを備えるキャップ層を有し得る。パターンは、対称パターンを含み得る。パターンは、可撓性基板に実質的にマッチングするキャップ層の可撓性および延伸性の所望の機械的特性を達成するように選択され得る。たとえば、機械的特性は、100mPa未満のヤング率、1nNm未満の純曲げ剛性、および/または5mm未満の厚さであってよい。
【0038】
空間的に分布するパターンは、マイクロ流体ネットワークの少なくとも一部と空間的に整列され得る。たとえば、通路を含む陥凹の特徴は、マイクロ流体流入口への生体液の流れを円滑にするように流入口と整列され得る。
【0039】
本明細書において説明されているキャップ層はいずれも、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ化炭素、ポリアミド、ポリイミド、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される硬質ポリマーから少なくとも部分的に形成され得る。ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリイソブチレンからなる群から選択されてよく、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選択され、フッ化炭素は、ポリ塩化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択され、ポリアミドは、ナイロンであり、および/またはポリイミドは、ポリ-オキシジフェニレン-ピロメリットイミドである。
【0040】
マイクロ流体システムはいずれも、キャップ層の皮膚対向表面上に接着剤層をさらに備えるものとしてよく、接着剤層は、システムを皮膚表面に可逆的に接着することができる接着剤化合物を含む。キャップ層を有しないシステムについては、接着剤層は、可撓性基板の皮膚対向表面上に位置決めされ得る。接着剤層は、医療グレードのアクリルを含み得る。
【0041】
基板、キャップ層、接着剤化合物、またはこれらの任意の組合せは、粘着付与剤添加剤をさらに含み得る。基板、キャップ層、または基板およびキャップ層の両方は、30%から80%の間の重量分率の粘着付与剤添加剤を有し得る。粘着付与剤添加剤は、ロジンゴムであってよい。
【0042】
マイクロ流体システムはいずれも、複数のリザーバと、生体液をマイクロ流体ネットワークに導入するために生体液流入口を有するマイクロ流体流入口導管ネットワークとを有するマイクロ流体ネットワークを有するものとしてよく、マイクロ流体流出口導管ネットワークは、複数のリザーバに流体的に接続されている。マイクロ流体ネットワークは、複数のリザーバに流体的に接続されているマイクロ流体流出口導管ネットワークと、マイクロ流体流入口導管ネットワークと、流出口とをさらに備えるものとしてよく、流出口は、(i)マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧の解放をもたらし、(ii)周囲環境からマイクロ流体流出口導管ネットワーク内への液体の流入を防ぐように構成される。
【0043】
マイクロ流体システムはいずれも、比色センサであるセンサを有し得る。マイクロ流体システムはいずれも、電気化学センサであるセンサを有し得る。マイクロ流体システムはいずれも、少なくとも1つの比色センサおよび1つの電気化学センサを含む、2つ以上のセンサを備え得る。
【0044】
比色センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされ得る。電気化学センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされ得る。
【0045】
マイクロ流体システムはいずれも、マイクロ流体ネットワーク内に収容されている生体液ゲル化添加剤または吸収剤をさらに備え得る。
【0046】
マイクロ流体システムはいずれも、2つ以上の固有の生体液ゲル化添加剤を含む生体液ゲル化添加剤を有し得る。
【0047】
生体液ゲル化剤は、生体液の粘度を高めるために生体液と混合させるか、または反応させるように構成され得る。生体液の粘度の増大は、生体液ゲル化剤と混合されるか、または反応させられる前に生体液の粘度の少なくとも2倍の増大となるものとしてよい。このようにして、CBVの1つまたは複数を通ることを含めて、漏出の危険性は低減され得る。生体液ゲル化剤は、セルロースまたはその誘導体を含み得る。生体液ゲル化剤は、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであってよい。
【0048】
複数のリザーバのうちの少なくとも1つのリザーバ内の、生体ゲル化剤と生体液との重量比は、0.1から1の範囲、またはその部分範囲から選択されるものとしてよい。
【0049】
可撓性基板はいずれも、機能性基板であってよい。
【0050】
また本明細書において提供されるのは、生体液または吸収剤の損失を含む、システムから周囲環境または皮膚表面などへの望ましくない流体損失を最小限度に抑えるように構成されているマイクロ流体システムである。したがって、マイクロ流体システムは、可撓性基板と、可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持されるマイクロ流体ネットワークと、マイクロ流体ネットワークに流体的に接続されているセンサであって、マイクロ流体ネットワークは、皮膚表面から生体液をセンサに輸送するように構成されている、センサと、マイクロ流体ネットワークからの生体液損失を低減するためにマイクロ流体ネットワーク内に収容されている生体液ゲル化添加剤または生体液吸収剤とを備え得る。
【0051】
マイクロ流体ネットワークは、複数のリザーバと、生体液をマイクロ流体ネットワークに導入するための生体液流入口と、生体液をリザーバに導入するために生体液流入口および複数のリザーバに流体的に接続されているマイクロ流体流入口導管ネットワークとを備え得る。
【0052】
マイクロ流体ネットワークは、複数のリザーバに流体的に接続されているマイクロ流体流出口導管ネットワークと、マイクロ流体流出口導管に流体的に接続される流出口とをさらに備え得る。流出口は、マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧の解放をもたらし、システムを囲む環境からマイクロ流体流出口導管ネットワーク内への液体の流入を防ぐようにさら構成され得る。
【0053】
センサは、比色センサまたは電気化学センサであってよい。センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされ得る。
【0054】
マイクロ流体システムは、異なる生体液特性を感知するためのセンサを含む、2つ以上のセンサを備え得る。
【0055】
生体液ゲル化添加剤を有するマイクロ流体システムについては、生体液ゲル化添加剤は、複数のリザーバのうちの少なくとも1つの中に位置決めされ得る。
【0056】
マイクロ流体システムは、2つ以上の種類の生体液ゲル化添加剤を備え得る。
【0057】
生体液ゲル化剤は、生体液の粘度を高めるために生体液と混合させるか、または反応させるように構成され得る。生体液の粘度の増大は、生体液ゲル化剤と混合されるか、または反応させられる前に生体液の粘度の少なくとも2倍の増大となるものとしてよい。
【0058】
生体液ゲル化薬剤は、セルロースまたはメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの、セルロースの誘導体から少なくとも部分的に形成され得る。
【0059】
複数のリザーバのうちの少なくとも1つのリザーバ内の、生体ゲル化剤と生体液との重量比は、0.1から1の範囲から選択されるものとしてよい。
【0060】
マイクロ流体システムはいずれも、キャップ層の皮膚対向表面および背面を有する、キャップ層をさらに備えるものとしてよく、背面は基板の皮膚対向表面に貼り付けられる。
【0061】
可撓性基板および/またはキャップ層は、添加剤を有する熱可塑性エラストマーから少なくとも部分的に形成され得る。基板およびキャップ層は、共通の熱可塑性エラストマー組成物または異なる熱可塑性エラストマー組成物を有するものとしてよい。基板およびキャップ層は、共通の添加剤を有し得る。
【0062】
熱可塑性エラストマーは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択されるスチレンコポリマーであってよい。熱可塑性エラストマーは、10%から50%の範囲のうちから選択された重量分率のスチレンコポリマーを有するものとしてよい。
【0063】
添加剤は、ユーザ選択分子量未満の分子量によって特徴付けられる炭化水素化合物であってよい。添加剤は、パラフィン油であってよい。
【0064】
熱可塑性エラストマーは、1から3の範囲のうちから選択された、添加剤とスチレンコポリマーとの重量比の添加剤を有するものとしてよい。
【0065】
マイクロ流体システムはいずれも、水蒸気または液体の透過に対する高い障壁性を維持しながら所望の機械的特性を達成するために浮き彫り、陥凹、または浮き彫りと陥凹の特徴の空間的に分散されたパターンを備えるキャップ層を有し得る。パターンは、対称パターンを含み得る。パターンは、可撓性基板に実質的にマッチングするキャップ層の可撓性および延伸性の所望の機械的特性を達成するように選択されてよく、機械的特性は、ヤング率、曲げ剛性、または平均厚さのうちの1つまたは複数である。この態様において、実質的にマッチングするとは、可撓性基板のバルク特性の30%以内であるバルク特性のことを指す。
【0066】
パターンは、マイクロ流体ネットワークの少なくとも一部と空間的に整列され得る。
【0067】
マイクロ流体システムはいずれも、リザーバチャンバーから生体液を取り除くためにリザーバチャンバーと流体的に接続されているイクスパンジポート(expunge port)をさらに備え得る。この方式で、マイクロ流体システム、特にマイクロ流体ネットワークが再利用され得る。
【0068】
マイクロ流体システムはいずれも、生体液の性質または特性の検出を円滑にするための光学的コンポーネントをさらに備え得る。光学的コンポーネントの例は、ディフューザ、レンズ、回折格子、および同様のものを含む。皮膚表面からの生体液の特性を測定するための表皮装着可能マイクロ流体システムは、可撓性基板と、皮膚表面から生体液を受け取るための基板上に埋め込まれるか、または基板によって支持される生体液流入口と、生体液流入口から生体液の少なくとも一部を受け取るために生体液流入口に流体的に接続されている、パターン化格子を有するマイクロ流体チャネルとを備え得る。このようにして、パターン化格子を通る入射電磁放射線の透過は、マイクロ流体チャネル内の生体液量の関数として変化する。格子は、もちろん、リザーバチャンバーなどにおいて、ネットワークの他のコンポーネント内に位置決めされてよい。
【0069】
システムは、パターン化格子と光学的に連通するインジケータをさらに備えるものとしてよく、格子を通る入射電磁波放射線の透過が変化すると、インジケータの様子が変化する。
【0070】
パターン化格子は、親水性ポリマーを含むものとしてよく、パターン化格子による入射電磁放射線の透過は、チャンバーに生体液が充填されると増大する。
【0071】
パターン化格子は、疎水性ポリマーを含むものとしてよく、パターン化格子による入射電磁放射線の透過は、チャンバーに生体液が充填されると減少する。
【0072】
システムは、リザーバチャンバーから生体液を取り除くためにリザーバチャンバーと流体的に接続されているイクスパンジポートをさらに備え得る。
【0073】
システムは、皮膚表面に可逆的に接着することができる接着剤などの、接着剤層をさらに備え得る。
【0074】
接着剤層は、医療グレードのアクリルまたは医療グレードのシリコーンを含み得る。
【0075】
イクスパンジポートは2つの流出口を備え得る。
【0076】
システムはいずれも、前記イクスパンジポートおよび前記リザーバチャンバーに流体的に接続されている毛細管バースト弁をさらに備え得る。毛細管バースト弁は、前記イクスパンジポートと前記リザーバチャンバーとの間に位置決めされ得る。
【0077】
システムは、ナノパターン化されるか、またはマイクロパターン化されているパターン化格子を有し得る。
【0078】
システムは、生体液をネットワーク内に送り込むのを補助する吸収剤の使用などによって、他の方法では感知不可能な汗損失を測定するように構成され得る。たとえば、生体液の特性を測定するための表皮マイクロ流体システムは、可撓性基板と、可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される捕集層であって、捕集層は、皮膚表面からの生体液の輸送を促進する、捕集層と、可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持され、捕集層に流体的に接続されている少なくとも1つのリザーバチャンバーであって、捕集層からの生体液の少なくとも一部を受け取るように提供された吸収剤と、吸収剤によって受け取られた生体液の特性を測定するためのセンサであって、吸収剤は生体液を輸送するための捕集層の毛管力より大きい生体液を輸送するための力を提供する、センサとを有する、少なくとも1つのリザーバチャンバーとを備え得る。
【0079】
生体液の特性を測定するための表皮マイクロ流体システムは、可撓性基板と、可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される高周波(RF)加熱装置であって、皮膚表面の温度を高めることができ、それによって生体液の放出速度を速くする、RF加熱装置と、生体液の特性を測定するために可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される少なくとも1つのセンサとを備え得る。
【0080】
生体液特性は、腺、創傷、または同様のものなどの、皮膚表面から放出される生体液中に含まれる汗の損失量またはバイオマーカーの有無であってよい。
【0081】
センサは、電子センサであってよい。電子センサは、吸収剤によって受け取られた生体液によって引き起こされる電気パラメータの変化を測定するように構成されている1つまたは複数の高感度電極を備え得る。電気パラメータは、静電容量または抵抗であってよい。
【0082】
センサは、1つまたは複数の比色アッセイ試薬を備え得る。
【0083】
システムはいずれも、皮膚表面からの生体液の特性に対応するワイヤレス情報を伝送するためのワイヤレス通信デバイスをさらに備え得る。
【0084】
システムはいずれも、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、セルロース紙、セルローススポンジ、ポリウレタンスポンジ、ポリビニルアルコールスポンジ、シリコーンスポンジ、ポリスチレン、ポリイミド、SU-8、ワックス、オレフィンコポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、キトサン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される物質を含む可撓性基材を有するものとしてよい。
【0085】
システムはいずれも、システムを皮膚表面に可逆的に接着する接着材層を含む、システムを皮膚表面に装着するように構成されている接着剤層をさらに備え得る。接着剤層は、医療グレードのアクリルまたは医療グレードのシリコンを含み得る。
【0086】
システムはいずれも、生体液がリザーバチャンバーまたは汗センサから漏出するのを防ぐ保護層などの、可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される保護層をさらに備え得る。保護層は、ポリエチレンを含むものとしてよい。
【0087】
捕集層はいずれも、50μmから1mmまでの範囲のうちから選択された平均厚さを有するものとしてよい。捕集層はメッシュでもよい。捕集層は、10μmから250μmまでの範囲のうちから選択された平均直径を有する複数の細孔を有するものとしてよい。捕集層は、ポリエステルを含むものとしてよい。
【0088】
システムはいずれも、手袋に組み込まれ得る。
【0089】
システムはいずれも、視覚的に観察可能な生体液特性をもたらし得る。
【0090】
システムはいずれも、システムから外部受信デバイスに伝送される生体液特性に対応する信号を提供し得る。
【0091】
生体液特性は、発汗量、発汗速度、または汗損失量のうちの1つまたは複数であってよい。生体液特性は、pHであってもよい。生体液特性は、生体液またはそのコンポーネント中の検体の存在、量、もしくは濃度を含み得る。
【0092】
検体は、生体液またはそのコンポーネント中の電解質、代謝産物、またはバイオマーカーであってよい。
【0093】
システムはいずれも、時間の関数として感知されるセンサマイクロ流体チャネルまたはリザーバ内の生体液の前縁をもたらし得る。前縁は、視覚的に感知されるか、またはフォトディテクタを使用して測定され得る。
【0094】
システムはいずれも、マイクロ流体ネットワークに動作可能に接続されている電子センサをさらに備えるものとしてよく、生体液の量はセンサによって測定される電気抵抗率または電気伝導率パラメータに比例する。
【0095】
システムはいずれも、マイクロ流体ネットワークを含む使い捨て可能部分と、電子デバイスに対応する再利用可能部分とを備えるものとしてよく、使い捨て可能部分および再利用可能部分は、1つまたは複数の選択的に解放可能な結合要素によって互いに接続される。選択的に解放可能な結合要素は、磁石を含み得る。
【0096】
システムはいずれも、積層構成で配置構成される複数の明確に異なるコンポーネント層を備え得る。
【0097】
また本明細書において提供されるのは、被検体からの生体液を分析する方法などの、本明細書において提供されるシステムのいずれかを使用する関連付けられる方法であり、この方法は本明細書において提供される任意のシステムの可撓性基板を被検体の皮膚表面に接触させるステップと、皮膚表面からの生体液を分析するステップとを含む。可撓性基板を接触させるステップは広義であり、接着剤層、キャップ層、捕集層、マイクロ流体層などの、1つまたは複数の介在する層などによる、間接的接触を含むことが意図されている。接触は、形状適合接触を指すものとしてよい。
【0098】
生体液は汗であってよい。被検体は、人間被検体であってよい。人間被検体は、診断手技または治療手技を受けているものとしてよい。
【0099】
被検体は、疾病状態の存在、発症、または進行を監視しているか、またはフィットネス活動を受けている人間被検体であってよい。
【0100】
この方法は、マイクロ流体ネットワーク内の生体液の粘度を増大させること、および/または生体液を吸収剤に吸収させることのうちの1つまたは複数によって、システム内の生体液保持力を高めるステップをさらに含み得る。
【0101】
分析するステップは、マイクロ流体ネットワークの少なくとも一部の中の生体液量を観察するステップ、および/またはリザーバチャンバー内の色変化を観察するステップを含み得る。
【0102】
接触させるステップは、可撓性基板を皮膚表面、および可撓性基板と皮膚表面との間の介在層と形状適合接触させるステップを含み得る。
【0103】
特定の理論によって拘束されることを望むことなく、本明細書で開示されているデバイスおよび方法に関係する基礎となる原理の確信または理解の説明が本明細書にはあり得る。機械に関する説明または仮説の最終的な正しさに関係なく、本発明の一実施形態は、それでも動作可能であり、有用であり得ることが認識される。
【0104】
代表請求項:
1.生体液特性を監視するためのマイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
各マイクロ流体ネットワークが生体液特性を独立して監視するように構成されている、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークであって、各マイクロ流体ネットワークは、
基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または基板によって支持されるマイクロ流体流入口導管ネットワークと、
使用時に皮膚表面から生体液をマイクロ流体流入口導管に導入するためにマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される生体液流入口と、
各リザーバチャンバーがマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される、複数のリザーバチャンバーと、
各毛細管バースト弁が流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされている、マイクロ流体導管ネットワークと流体的に接続されている複数の毛細管バースト弁とを備える、少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークとを具備するマイクロ流体システム。
2.複数の比色センサをさらに備え、各比色センサは生体液特性を監視するために固有のリザーバチャンバー内に位置決めされている請求項1に記載のマイクロ流体システム。
3.少なくとも2つのマイクロ流体ネットワークは互いに、(i)生体液流入口寸法、(ii)複数のリザーバチャンバーの各々のリザーバチャンバー容積、(iii)複数の毛細管バースト弁の各々のバースト圧力、(iv)化学的媒介反応チャンバーの化学組成、または(v)これらの任意の組合せの点で異なる請求項1または2に記載のマイクロ流体システム。
4.第1のマイクロ流体ネットワークは、低流動生体液領域に関連付けられている生体液パラメータを監視するように構成され、第2のマイクロ流体ネットワークは、高流動生体液領域に関連付けられている生体液パラメータを監視するように構成され、生体液特性は、生体液量、生体液検体濃度、バイオマーカーの有無、またはこれらの組合せである請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
5.高生体液損失領域は、低生体液損失領域に比べて少なくとも10倍大きい請求項4に記載のマイクロ流体システム。
6.各マイクロ流体ネットワークは、少なくとも1つのマイクロ流体流出口導管をさらに備え、各マイクロ流体流出口導管は複数のリザーバチャンバーのうちの少なくとも1つに流体的に接続され、マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧を逃すように構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
7.複数のリザーバチャンバーは、生体液特性検出および/または時間順生体液特性監視を独立して行えるように互いに化学的に切り離される請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
8.複数の毛細管バースト弁をさらに備え、少なくとも1つの毛細管バースト弁は、流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされる請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
9.生体液圧力を測定するためのマイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される複数のリザーバネットワークであって、各リザーバネットワークは、
リザーバチャンバーと、
皮膚表面から生体液をリザーバチャンバーに導入するために、毛細管バースト弁を介してリザーバチャンバーに流体的に接続される生体液流入口であって、毛細管バースト弁はバースト圧力を有する、生体液流入口と、
リザーバチャンバーに流体的に接続される流出口とを備える、複数のリザーバネットワークとを具備し、
各毛細管バースト弁のバースト圧力は、皮膚表面からの生体液の圧力範囲に対応するように選択されるマイクロ流体システム。
10.複数のリザーバネットワークのうちの少なくとも1つは、固有の毛細管バースト弁圧力を有する請求項9に記載のシステム。
11.生体液流入口は、使用中に皮膚表面の生体液源と流体的に整列される請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
12.各リザーバネットワークは、光学的読み出しを行うための少なくとも1つの比色センサをさらに備える請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
13.毛細管バースト弁の少なくとも一部は、直列構成で流体的に整列され、増大し、0kPaより高く、10kPaより低い範囲にわたるバースト弁圧力を有する請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
14.生体液特性を測定するためのマイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持されるマイクロ流体流入口導管ネットワークと、
使用時に皮膚表面から生体液をマイクロ流体流入口導管に導入するためにマイクロ流体流入口導管ネットワークに流体的に接続される生体液流入口と、
各リザーバチャンバーがマイクロ流体流入口導管ネットワークと流体的に接続される、複数のリザーバチャンバーと、
各毛細管バースト弁が流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされている、マイクロ流体導管ネットワークと流体的に接続されている複数の毛細管バースト弁と、
複数のリザーバチャンバーと流体的に接続され、マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧を逃すように構成されているマイクロ流体流出口導管ネットワークと、
生体液特性を測定するために各々固有のリザーバチャンバー内に位置決めされている複数の比色センサであって、(i)比色センサのうちの少なくとも1つは、塩化物を測定するために呈色応答試薬を有する、複数の比色センサとを備えるマイクロ流体システム。
15.任意の2つの流体的に隣接するリザーバチャンバーの間に位置決めされた色インジケータストリップをさらに備える請求項14に記載のマイクロ流体システム。
16.(i)比色センサのうちの少なくとも1つは、クロラニル酸銀を含む呈色応答試薬を有する請求項14に記載のマイクロ流体システム。
17.比色センサは、生体液中の塩化物の濃度を測定するように構成される請求項14から16のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
18.可撓性基板の皮膚対向表面および/または背部対向表面に接続されるキャップ層をさらに備える請求項1から17のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
19.マイクロ流体システムであって、
皮膚対向表面と背部対向表面とを有する可撓性基板と、
可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持されるマイクロ流体ネットワークと、
マイクロ流体ネットワークに流体的に接続されているセンサであって、マイクロ流体ネットワークは、皮膚表面から生体液をセンサに輸送するように構成される、センサと、
キャップ層の皮膚対向表面および背部対向表面を有するキャップ層であって、キャップ層の背部対向表面は、基板の皮膚対向表面に被着され、可撓性基板は、熱可塑性エラストマー、または蒸気もしくは液体水透過に対する高い障壁をもたらすように構成されているポリマーから少なくとも部分的に形成される、キャップ層とを備えるマイクロ流体システム。
20.キャップ層は、熱可塑性エラストマーおよび添加剤から少なくとも部分的に形成される請求項18または19に記載のマイクロ流体システム。
21.可撓性基板およびキャップ層は、共通の熱可塑性エラストマー組成物から形成される請求項20に記載のマイクロ流体システム。
22.可撓性基板およびキャップ層は、共通の添加剤を有する請求項18から21のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
23.熱可塑性エラストマーは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択されるスチレンコポリマーである請求項19から22のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
24.熱可塑性エラストマーは、10%から50%の範囲のうちから選択された重量分率のスチレンコポリマーを有する請求項19から23のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
25.添加剤は、ユーザ選択分子量未満の分子量によって特徴付けられる炭化水素化合物である請求項19から24のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
26.添加剤は、パラフィン油である請求項25に記載のマイクロ流体システム。
27.熱可塑性エラストマーは、1から3の範囲のうちから選択された、添加剤とスチレンコポリマーとの重量比の添加剤を有する請求項19から26のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
28.キャップ層は、水蒸気または液体の透過に対する高い障壁性を維持しながら所望の機械的特性を達成するために浮き彫り、陥凹、または浮き彫りと陥凹の特徴の空間的に分散されたパターンを備える請求項18から27のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
29.パターンは、対称パターンを含む請求項28に記載のマイクロ流体システム。
30.パターンは、可撓性基板に実質的にマッチングするキャップ層の可撓性および延伸性の所望の機械的特性を達成するように選択される請求項28または29に記載のマイクロ流体システム。
31.機械的特性は、100MPa未満のヤング率、1nNm未満の純曲げ剛性、および/または5mm未満の厚さである請求項30に記載のマイクロ流体システム。
32.パターンは、マイクロ流体ネットワークの少なくとも一部と空間的に整列される請求項28から31のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
33.キャップ層は、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ化炭素、ポリアミド、ポリイミド、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される硬質ポリマーから少なくとも部分的に形成される請求項18から32のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
34.ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリイソブチレンからなる群から選択され、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選択され、フッ化炭素は、ポリ塩化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択され、ポリアミドは、ナイロンであり、および/またはポリイミドは、ポリ-オキシジフェニレン-ピロメリットイミドである請求項33に記載のマイクロ流体システム。
35.キャップ層の皮膚対向表面上に接着剤層をさらに備え、接着剤層は、システムを皮膚表面に可逆的に接着することができる接着剤化合物を含む請求項18から34のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
36.接着剤層は、医療グレードのアクリルを含む請求項35に記載のマイクロ流体システム。
37.基板、キャップ層、接着剤化合物、またはこれらの任意の組合せは、粘着付与剤添加剤をさらに含む請求項35または36に記載のマイクロ流体システム。
38.基板、キャップ層、または機能性基板およびキャップ層の両方は、30%から80%の間の重量分率の粘着付与剤添加剤を有する請求項37に記載のマイクロ流体システム。
39.粘着付与剤添加剤は、ロジンゴムである請求項37または38に記載のマイクロ流体システム。
40.マイクロ流体ネットワークは、複数のリザーバと、生体液をマイクロ流体ネットワークに導入するために生体液流入口を有するマイクロ流体流入口導管ネットワークとを備え、マイクロ流体流出口導管ネットワークは、複数のリザーバに流体的に接続されている請求項19から39のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
41.マイクロ流体ネットワークは、複数のリザーバに流体的に接続されているマイクロ流体流出口導管ネットワークと、マイクロ流体流入口導管ネットワークと、流出口とをさらに備え、流出口は、(i)マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧の解放をもたらし、(ii)周囲環境からマイクロ流体流出口導管ネットワーク内への液体の流入を防ぐように構成される請求項40に記載のマイクロ流体システム。
42.センサは、比色センサである請求項40または41に記載のマイクロ流体システム。
43.センサは、電気化学センサである請求項40または41に記載のマイクロ流体システム。
44.少なくとも1つの比色センサおよび1つの電気化学センサを含む、2つ以上のセンサを備える請求項19から43のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
45.比色センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされる請求項44に記載のマイクロ流体システム。
46.電気化学センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされる請求項44または45に記載のマイクロ流体システム。
47.マイクロ流体ネットワーク内に収容されている生体液ゲル化添加剤または吸収剤をさらに備える請求項1から46のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
48.生体液ゲル化添加剤は、2つ以上の固有の生体液ゲル化添加剤を含む請求項47に記載のマイクロ流体システム。
49.生体液ゲル化剤は、生体液の粘度を高めるために生体液と混合させるか、または反応させるように構成される請求項47または48に記載のマイクロ流体システム。
50.生体液の粘度の増大は、生体液ゲル化剤と混合されるか、または反応させられる前に生体液の粘度の少なくとも2倍の増大である請求項49に記載のマイクロ流体システム。
51.生体液ゲル化剤は、セルロースまたはその誘導体を含む請求項47から50のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
52.生体液ゲル化剤は、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項51に記載のマイクロ流体システム。
53.複数のリザーバのうちの少なくとも1つのリザーバ内の、生体ゲル化剤と生体液との重量比は、0.1から1の範囲から選択される請求項47から52のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
54.基板は、機能性基板である請求項1から53のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
55.マイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
可撓性基板内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持されるマイクロ流体ネットワークと、
マイクロ流体ネットワークに流体的に接続されているセンサであって、マイクロ流体ネットワークは、皮膚表面から生体液をセンサに輸送するように構成されている、センサと、
マイクロ流体ネットワークからの生体液損失を低減するためにマイクロ流体ネットワーク内に収容されている生体液ゲル化添加剤または生体液吸収剤とを備えるマイクロ流体システム。
56.マイクロ流体ネットワークは、
複数のリザーバと、
生体液をマイクロ流体ネットワークに導入するための生体液流入口と、
生体液をリザーバに導入するために生体液流入口および複数のリザーバに流体的に接続されているマイクロ流体流入口導管ネットワークとを備える請求項55に記載のマイクロ流体システム。
57.マイクロ流体ネットワークは、
複数のリザーバに流体的に接続されているマイクロ流体流出口導管ネットワークと、
マイクロ流体流出口導管に流体的に接続される流出口とをさらに備え、
流出口は、
マイクロ流体流入口導管ネットワークからガス逆圧の解放をもたらし、
システムを囲む環境からマイクロ流体流出口導管ネットワーク内への液体の流入を防ぐように構成される請求項56に記載のマイクロ流体システム。
58.センサは、比色センサである請求項55から57のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
59.センサは、電気化学センサである請求項55から57のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
60.2つ以上のセンサを備える請求項55から59のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
61.比色センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされる請求項58に記載のマイクロ流体システム。
62.電気化学センサは、複数のリザーバのうちの1つの中に位置決めされる請求項59に記載のマイクロ流体システム。
63.生体液ゲル化添加剤は、複数のリザーバのうちの少なくとも1つの中に位置決めされる請求項55から62のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
64.2つ以上の生体液ゲル化添加剤を備える請求項55から63のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
65.生体液ゲル化剤は、生体液の粘度を高めるために生体液と混合させるか、または反応させるように構成される請求項55から64のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
66.生体液の粘度の増大は、生体液ゲル化剤と混合されるか、または反応させられる前に生体液の粘度の少なくとも2倍の増大である請求項65に記載のマイクロ流体システム。
67.生体液ゲル化剤は、セルロースまたはその誘導体から少なくとも部分的に形成される請求項55から66のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
68.生体液ゲル化剤は、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項67に記載のマイクロ流体システム。
69.複数のリザーバのうちの少なくとも1つのリザーバ内の、生体ゲル化剤と生体液との重量比は、0.1から1の範囲から選択される請求項55から68のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
70.キャップ層の皮膚対向表面および背面を有する、キャップ層をさらに備え、背面は基板の皮膚対向表面に貼り付けられる請求項55から69のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
71.基板は、添加剤を有する熱可塑性エラストマーから少なくとも部分的に形成される請求項55から70のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
72.キャップ層は、熱可塑性エラストマーおよび添加剤から少なくとも部分的に形成される請求項70または71に記載のマイクロ流体システム。
73.基板およびキャップ層は各々、共通の熱可塑性エラストマー組成物または異なる熱可塑性エラストマー組成物を含む請求項72に記載のマイクロ流体システム。
74.基板およびキャップ層は、共通の添加剤を有する請求項72または73に記載のマイクロ流体システム。
75.熱可塑性エラストマーは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択されるスチレンコポリマーである請求項71から74のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
76.熱可塑性エラストマーは、10%から50%の範囲のうちから選択された重量分率のスチレンコポリマーを有する請求項75に記載のマイクロ流体システム。
77.添加剤は、ユーザ選択分子量未満の分子量によって特徴付けられる炭化水素化合物である請求項71から76のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
78.添加剤は、パラフィン油である請求項77に記載のマイクロ流体システム。
79.熱可塑性エラストマーは、1から3の範囲のうちから選択された、添加剤とスチレンコポリマーとの重量比の添加剤を有する請求項70から78のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
80.キャップ層は、水蒸気または液体の透過に対する高い障壁性を維持しながら所望の機械的特性を達成するために浮き彫り、陥凹、または浮き彫りと陥凹の特徴の空間的に分散されたパターンを備える請求項70から79のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
81.パターンは、対称パターンを含む請求項80に記載のマイクロ流体システム。
82.パターンは、可撓性基板に実質的にマッチングするキャップ層の可撓性および延伸性の所望の機械的特性を達成するように選択され、機械的特性は、ヤング率、曲げ剛性、または平均厚さのうちの1つまたは複数である請求項80または81に記載のマイクロ流体システム。
83.パターンは、マイクロ流体ネットワークの少なくとも一部と空間的に整列される請求項81または82に記載のマイクロ流体システム。
84.キャップ層は、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ化炭素、ポリアミド、ポリイミド、およびこれらの任意の組合せの群から選択される硬質ポリマーから少なくとも部分的に形成される請求項55から83のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
85.ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリイソブチレンからなる群から選択され、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選択され、フッ化炭素は、ポリ塩化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択され、ポリアミドは、ナイロンであり、および/またはポリイミドは、ポリ-オキシジフェニレン-ピロメリットイミドである請求項84に記載のマイクロ流体システム。
86.キャップ層の皮膚対向表面上に接着剤層をさらに備え、接着剤層は、システムを皮膚表面に可逆的に接着することができる接着剤化合物を含む請求項55から85のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
87.接着剤層は、医療グレードのアクリルを含む請求項86に記載のマイクロ流体システム。
88.基板、キャップ層、接着剤層、またはこれらの任意の組合せは、粘着付与剤添加剤をさらに含む請求項86または87に記載のマイクロ流体システム。
89.基板、キャップ層、または基板およびキャップ層の両方は、30%から80%の間の重量分率の粘着付与剤添加剤を有する請求項88に記載のマイクロ流体システム。
90.粘着付与剤添加剤は、ロジンゴムである請求項88または89に記載のマイクロ流体システム。
91.リザーバチャンバーから生体液を取り除くためにリザーバチャンバーと流体的に接続されているイクスパンジポートをさらに備える請求項1から80のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
92.皮膚表面からの生体液の特性を測定するための表皮装着可能マイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
皮膚表面から生体液を受け取るための基板上に埋め込まれるか、または基板によって支持される生体液流入口と、
生体液流入口から生体液の少なくとも一部を受け取るために生体液流入口に流体的に接続されている、パターン化格子を有するマイクロ流体チャネルとを備え、
パターン化格子を通る入射電磁放射線の透過は、マイクロ流体チャネル内の生体液量の関数として変化する、表皮装着可能マイクロ流体システム。
93.表皮マイクロ流体システムは、パターン化格子と光学的に連通するインジケータをさらに備え、格子を通る入射電磁波放射線の透過が変化すると、インジケータの様子が変化する請求項92に記載のシステム。
94.パターン化格子は、親水性ポリマーを含み、パターン化格子による入射電磁放射線の透過は、チャンバーに生体液が充填されると増大する請求項92または93に記載のシステム。
95.パターン化格子は、疎水性ポリマーを含み、パターン化格子による入射電磁放射線の透過は、チャンバーに生体液が充填されると減少する請求項92または93に記載のシステム。
96.表皮マイクロ流体システムは、リザーバチャンバーから生体液を取り除くためにリザーバチャンバーと流体的に接続されているイクスパンジポートをさらに備える請求項92から95のいずれか一項に記載のシステム。
97.接着剤層をさらに備える請求項92から96のいずれか一項に記載のシステム。
98.接着剤層は、皮膚表面に可逆的に接着することができる接着剤を含む請求項97に記載のシステム。
99.接着剤層は、医療グレードのアクリルまたは医療グレードのシリコーンを含む請求項97に記載のシステム。
100.イクスパンジポートは、2つの流出口を備える請求項96から99のいずれか一項に記載のシステム。
101.前記イクスパンジポートおよび前記リザーバチャンバーに流体的に接続されている毛細管バースト弁をさらに備える請求項96から100のいずれか一項に記載のシステム。
102.前記毛細管バースト弁は、前記イクスパンジポートと前記リザーバチャンバーとの間に位置決めされる請求項101に記載のシステム。
103.前記パターン化格子は、ナノパターン化されるか、またはマイクロパターン化される請求項92から102のいずれか一項に記載のシステム。
104.生体液の特性を測定するための表皮マイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される捕集層であって、捕集層は、皮膚表面からの生体液の輸送を促進する、捕集層と、
可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持され、捕集層に流体的に接続されている少なくとも1つのリザーバチャンバーであって、
捕集層からの生体液の少なくとも一部を受け取るように提供された吸収剤と、
吸収剤によって受け取られた生体液の特性を測定するためのセンサであって、吸収剤は生体液を輸送するための捕集層の毛管力より大きい生体液を輸送するための力を提供する、センサとを有する、少なくとも1つのリザーバチャンバーとを備える表皮マイクロ流体システム。
105.生体液の特性を測定するための表皮マイクロ流体システムであって、
可撓性基板と、
可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される高周波(RF)加熱装置であって、皮膚表面の温度を高めることができ、それによって生体液の放出速度を速くする、RF加熱装置と、
生体液の特性を測定するために可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される少なくとも1つのセンサとを備える表皮マイクロ流体システム。
106.生体液特性は、皮膚表面からの汗の損失量またはバイオマーカーの有無である請求項104または105に記載の表皮マイクロ流体システム。
107.センサは、電子センサである請求項104から106のいずれか一項に記載のシステム。
108.電子センサは、吸収剤によって受け取られた生体液によって引き起こされる電気パラメータの変化を測定するように構成されている1つまたは複数の高感度電極を備える請求項107に記載のシステム。
109.電気パラメータは、静電容量である請求項108に記載のシステム。
110.センサは、1つまたは複数の比色アッセイ試薬を備える請求項104から109のいずれか一項に記載のシステム。
111.皮膚表面からの生体液の特性に対応するワイヤレス情報を伝送するためのワイヤレス通信デバイスをさらに備える請求項104から110のいずれか一項に記載のシステム。
112.前記可撓性基材は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、セルロース紙、セルローススポンジ、ポリウレタンスポンジ、ポリビニルアルコールスポンジ、シリコーンスポンジ、ポリスチレン、ポリイミド、SU-8、ワックス、オレフィンコポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、キトサン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される物質を含む請求項1から111のいずれか一項に記載のシステム。
113.システムを皮膚表面に装着するように構成されている接着剤層をさらに備える請求項1から112のいずれか一項に記載のシステム。
114.接着剤層は、システムを皮膚表面に可逆的に接着する請求項113に記載のシステム。
115.接着剤層は、医療グレードのアクリルまたは医療グレードのシリコンを含む請求項114に記載のシステム。
116.可撓性基板内に埋め込まれるか、または可撓性基板によって支持される保護層をさらに備える請求項1から115のいずれか一項に記載のシステム。
117.保護層は、生体液がリザーバチャンバーまたは汗センサから漏出するのを防ぐ請求項116に記載のシステム。
118.前記保護層は、ポリエチレンである請求項116に記載のシステム。
119.捕集層は、50μmから1mmの範囲から選択された平均厚さを有する請求項104に記載のシステム。
120.捕集層は、メッシュである請求項104または119に記載のシステム。
121.捕集層は、10μmから250μmまでの範囲のうちから選択された平均直径を有する複数の細孔を有する請求項104または119に記載のシステム。
122.捕集層は、ポリエステルである請求項104または119に記載のシステム。
123.手袋に組み込まれる請求項1から122のいずれか一項に記載のシステム。
124.生体液特性は、視覚的に観察可能である請求項1から123のいずれか一項に記載のシステム。
125.生体液特性に対応する信号が前記システムから外部受信デバイスに伝送される請求項1から123のいずれか一項に記載のシステム。
126.生体液特性は、発汗量、発汗速度、または汗損失量のうちの1つまたは複数である請求項1から125のいずれか一項に記載のシステム。
127.生体液特性は、pHである請求項1から125のいずれか一項に記載のシステム。
128.生体液特性は、前記生体液またはそのコンポーネント中の検体の存在、量、もしくは濃度を含む請求項1から125のいずれか一項に記載のシステム。
129.前記検体は、前記生体液またはそのコンポーネント中の電解質、代謝産物、またはバイオマーカーである請求項128に記載のシステム。
130.センサマイクロ流体チャネルまたはリザーバ内の生体液の前縁は、時間の関数として感知される請求項1から129のいずれか一項に記載のシステム。
131.前縁は、視覚的に感知されるか、またはフォトディテクタを使用して測定される請求項130に記載のシステム。
132.可撓性基板は、機能性基板である請求項1から131のいずれか一項に記載のシステム。
133.マイクロ流体ネットワークに動作可能に接続されている電子センサをさらに備え、生体液の量はセンサによって測定される電気抵抗率または電気伝導率パラメータに比例する請求項1から132のいずれか一項に記載のシステム。
134.マイクロ流体ネットワークを含む使い捨て可能部分と、電子デバイスに対応する再利用可能部分とを備え、使い捨て可能部分および再利用可能部分は、1つまたは複数の選択的に解放可能な結合要素によって互いに接続される請求項1から133のいずれか一項に記載のシステム。
135.選択的に解放可能な結合要素は、磁石を含む請求項134に記載のシステム。
136.積層構成で配置構成される複数の明確に異なるコンポーネント層を備える請求項1から135のいずれか一項に記載のシステム。
137.被検体からの生体液を分析する方法であって、
請求項1から136のいずれか一項に記載の可撓性基板を被検体の皮膚表面に接触させるステップと、
皮膚表面からの生体液を分析するステップとを含む方法。
138.前記生体液は、汗である請求項137に記載の方法。
139.前記被検体は、人間被検体である請求項137または138に記載の方法。
140.前記被検体は、診断手技を受けている人間被検体である請求項137または138に記載の方法。
141.前記被検体は、治療手技を受けている人間被検体である請求項137または138に記載の方法。
142.前記被検体は、疾病状態の存在、発症、または進行を監視している人間被検体である請求項137または138に記載の方法。
143.前記被検体は、フィットネス活動を受けている人間被検体である請求項137または138に記載の方法。
144.マイクロ流体ネットワーク内の生体液の粘度を増大させること、および/または
生体液を吸収剤に吸収させることのうちの1つまたは複数によって、システム内の生体液保持力を高めるステップをさらに含む請求項137または138に記載の方法。
145.分析するステップは、
マイクロ流体ネットワークの少なくとも一部の中の生体液量を観察するステップ、および/または
リザーバチャンバー内の色変化を観察するステップを含む請求項137から144のいずれか一項に記載の方法。
146.接触させるステップは、可撓性基板を皮膚表面、および可撓性基板と皮膚表面との間の介在層と形状適合接触させるステップを含む請求項137から145のいずれか一項に記載の方法。