(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-522714(P2020-522714A)
(43)【公表日】2020年7月30日
(54)【発明の名称】電流検知装置
(51)【国際特許分類】
G01R 15/18 20060101AFI20200703BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20200703BHJP
【FI】
G01R15/18 C
G01R19/00 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-567695(P2019-567695)
(86)(22)【出願日】2018年5月3日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月6日
(86)【国際出願番号】KR2018005139
(87)【国際公開番号】WO2018225955
(87)【国際公開日】20181213
(31)【優先権主張番号】10-2017-0072711
(32)【優先日】2017年6月9日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】ハム、スンジン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジョンマン
【テーマコード(参考)】
2G025
2G035
【Fターム(参考)】
2G025AA01
2G025AB14
2G025AC01
2G035AA04
2G035AB08
2G035AC15
2G035AD10
2G035AD18
2G035AD23
2G035AD28
2G035AD51
2G035AD66
(57)【要約】
本発明による電流検知装置は、一方向に積層される少なくとも2つのベース基板を含み、前記一方向に回路を貫通させる基板部と、前記ベース基板の少なくとも1つに形成され、前記回路を囲むコイル部と、前記ベース基板間で前記コイル部から離隔して配置され、前記回路を囲むコア部とを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路に流れる電流を検出するための電流検知装置において、
一方向に積層される少なくとも2つのベース基板を含み、前記一方向に回路を貫通させる基板部と、
前記ベース基板の少なくとも1つに形成され、前記回路を囲むコイル部と、
前記ベース基板間で前記コイル部から離隔して配置され、前記回路を囲むコア部とを含み、
前記コイル部は、
前記回路で形成される磁場の一部を相殺するように構成される第1コイル部と、
相殺されずに残った前記磁場から誘導される電流を発生するように構成される第2コイル部とを含み、
前記電流検知装置は、
前記磁場の一部を補償するための補償電流を前記第2コイル部に供給するように構成される補償部をさらに含み、
前記第2コイル部は、
前記誘導される電流と前記補償電流に対応する電圧を出力するように構成されることを特徴とする電流検知装置。
【請求項2】
前記第1コイル部を駆動するための電源電流を供給するように構成される発振部と、
前記電圧に基づいて、前記回路に流れる電流を算出するように構成される算出部とをさらに含む、請求項1に記載の電流検知装置。
【請求項3】
前記基板部は、
前記第1コイル部が形成される第1基板部と、
前記第1基板部に積層され、前記第2コイル部が形成される第2基板部とを含む、請求項1に記載の電流検知装置。
【請求項4】
前記コア部は、
前記第1基板部に挿入される第1コア部と、
前記第2基板部に挿入される第2コア部とを含む、請求項3に記載の電流検知装置。
【請求項5】
前記コア部は、前記第1基板部と前記第2基板部間に配置される、請求項3に記載の電流検知装置。
【請求項6】
前記基板部は、
前記コア部が挿入される第1ベース基板と、
前記第1ベース基板の両面にそれぞれ取り付けられ、前記第1コイル部が形成される第2ベース基板と、
前記第2ベース基板にそれぞれ取り付けられ、前記第2コイル部が形成される第3ベース基板とを含む、請求項1に記載の電流検知装置。
【請求項7】
前記コイル部は、
前記ベース基板において前記一方向に対する垂直面と規定される表面のうち少なくとも2つに形成される複数の導電パッド部と、
前記ベース基板の少なくとも1つを前記一方向に貫通し、前記導電パッド部同士を連結する複数の連結部とを含む、請求項1に記載の電流検知装置。
【請求項8】
前記コア部は、
前記各導電パッド部の両端部間で、前記導電パッド部の内側領域に対応して配置される、請求項7に記載の電流検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電流検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遮断器(Circuit Breaker)は回路を開閉する。ここで、遮断器は電源と負荷間の回路に配置される。また、遮断器は回路を接続又は遮断する。ここで、遮断器は回路に流れる電流を分析する。よって、回路の電流が正常電流であれば、遮断器は回路を接続する。それに対して、回路の電流が異常電流であれば、遮断器は回路を遮断する。
【0003】
このために、このような遮断器は、回路の電流を検出するための電流検知装置を含む。
【0004】
このような電流検知装置としては、一般的に変流器(Current Transformer)が多く用いられる。しかし、負荷電流が大きい大容量遮断器においては、変流器に鉄心が含まれるので、大電流で磁気飽和するという特性と鉄損により熱が発生するという問題があり、比較的非磁気飽和特性を有するロゴスキーコイルが用いられる。
【0005】
このようなロゴスキーコイルを用いた従来技術による電流検知装置は、プラスチックなどの絶縁材からなり、回路を囲む空芯コア(air core)と、前記空芯コアに巻回され、前記回路の磁場により誘導される電流が流れるコイルとを含む。前記電流検知装置は、電磁気誘導現象に起因して、前記回路の周辺に形成される磁場により誘導される電圧信号に基づいて、前記回路に流れる電流量を算出する。
【0006】
しかし、このような従来技術による電流検知装置は、均一な性能を確保できないという問題があった。すなわち、前記電流検知装置は、製作環境によって性能が異なる。これは、前記空芯コアに前記コイルを巻回するなどの製作工程が手動で行われるからである。よって、前記電流検知装置により算出された電流の信頼性が低く、遮断器の誤動作につながることがある。
【0007】
また、従来技術による電流検知装置は、前記空芯コアを用いることから、定格電圧が低い場合に出力信号が数マイクロボルト(μV)にすぎないので、増幅回路部を備えなければならないという問題や、外部ノイズが混入すると出力信号を抽出することが困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は、製作工程において手動手順を最小限に抑えることのできる電流検知装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、均一な製品性能を確保することのできる電流検知装置を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、検出された電流検出信号の信頼性を向上させることのできる電流検知装置を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、本発明による電流検知装置が設置された遮断器の誤動作を防止することのできる電流検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的を達成する本発明による電流検知装置は、一方向に積層される少なくとも2つのベース基板を含み、前記一方向に回路を貫通させる基板部と、前記ベース基板の少なくとも1つに形成され、前記回路を囲むコイル部と、前記ベース基板間で前記コイル部から離隔して配置され、前記回路を囲むコア部とを含んでもよい。
【0013】
本発明の好ましい一態様において、前記コイル部は、前記回路で形成される磁場の一部を相殺するように構成される第1コイル部と、相殺されずに残った前記磁場から誘導される電流を発生するように構成される第2コイル部とを含んでもよい。
【0014】
本発明の好ましい他の態様において、前記電流検知装置は、前記磁場の一部を補償するための補償電流を前記第2コイル部に供給するように構成される補償部をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明の好ましいさらに他の態様において、前記第2コイル部は、前記誘導される電流と前記補償電流に対応する電圧を出力するように構成されてもよい。
【0016】
本発明の好ましいさらに他の態様において、前記電流検知装置は、前記第1コイル部を駆動するための電源電流を供給するように構成される発振部と、前記電圧に基づいて、前記回路に流れる電流を算出するように構成される算出部とをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、コア及びコイルプリント基板のアセンブリを基板部にコイル部が形成された構造に製造するので、コア及びコイルプリント基板のアセンブリを容易に製造することができる。
【0018】
ここで、コア及びコイルプリント基板のアセンブリがコア部を含むので、コア部が回路からコア及びコイルプリント基板のアセンブリに印加される磁場を強化することができる。
【0019】
また、電流検知装置が回路で形成される磁場の一部を相殺してそれを補償電流で補償するので、磁場による飽和を防止することができる。よって、電流検知装置の製作工程において手動手順を最小限に抑えながらも、電流検知装置の均一な性能を確保することができる。
【0020】
よって、電流検知装置により検出された電流検出信号(電流検出データ)の信頼性を向上させることができる。また、遮断器において電流検出信号による誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による電流検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明による電流検知装置の電流センサの物理的構成を組立状態で示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す電流センサの組立体を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】本発明による電流検知装置の主要部である電流センサにおけるコア及びコイルプリント基板のアセンブリを示す平面図である。
【
図5】
図4のアセンブリの背面を示す、コア及びコイルプリント基板のアセンブリの背面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による電流検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】
図4のコア及びコイルプリント基板のアセンブリの一部を切り欠いて内部構成を示す部分切欠斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリの内部構成を示す、
図7のA−A’線断面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による電流検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の第2実施形態による電流検知装置におけるコア及びコイルプリント基板のアセンブリの一部を切り欠いて内部構成を示す断面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態による電流検知装置におけるコア及びコイルプリント基板のアセンブリの一部を切り欠いて内部構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の様々な実施形態について添付図面を参照して説明する。しかし、これは本文書に記載される技術を特定の実施形態に限定するものではなく、様々な変更、均等物及び/又は代替物を含むものと理解されるべきである。図面の説明において、類似の構成要素については類似の符号を付す。
【0023】
本文書において、「有する」、「有してもよい」、「含む」、「含んでもよい」などの表現は、その特徴(例えば、数値、機能、動作又は部品などの構成要素)の存在を示すものであり、さらなる特徴の存在を排除するものではない。
【0024】
本文書において用いられる「第1」、「第2」などの表現は、様々な構成要素を順序及び/又は重要性に関係なく修飾するものであり、1つの構成要素を他の構成要素と区分するために用いられるだけであり、当該構成要素を限定するものではない。
【0025】
図1は本発明の一実施形態による電流検知装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の一実施形態による電流検知装置100は、回路10に配置されてもよい。ここで、回路10は、電力系統(グリッド)の電力回路であってもよい。なお、回路10は電源20と負荷30とを接続し、回路10を通して電流が電源20から負荷30に流れる。ここでは、回路10に流れる電流を1次電流と定義する。このような電流検知装置100は、電流センサ110と、制御部160とを含んでもよい。
【0027】
電流センサ110は、1次電流に基づいて、2次電流を検出するようにしてもよい。ここで、回路10に1次電流が流れることにより、回路10を中心に磁場が形成される。よって、電流センサ110に磁場が印加される。また、電流センサ110は、磁場に対応して、2次電流を検出するようにしてもよい。ここで、電流センサ110は、電磁気誘導現象により、磁場から2次電流を発生するようにしてもよい。つまり、磁場から誘導される電流を2次電流と定義する。
【0028】
制御部160は、2次電流に基づいて、1次電流を算出するようにしてもよい。ここで、制御部160は、2次電流に基づいて、電圧を検出するようにしてもよい。また、制御部160は、電圧から1次電流を算出するようにしてもよい。ここで、制御部160は、電流センサ110のパラメータを予め保存しておき、それを用いて1次電流を算出するようにしてもよい。
【0029】
図2は本発明の好ましい実施形態による電流センサ110を示す斜視図であり、
図3は本発明の好ましい実施形態による電流センサ110を分解して示す分解斜視図である。また、
図4は本発明の好ましい実施形態による電流センサ110におけるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230を示す平面図であり、
図5は本発明の好ましい実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230を示す背面図である。
【0030】
図2及び
図3に示すように、本発明の好ましい実施形態による電流センサ110は、電源部220と、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230と、絶縁部材240と、筐体250とを含んでもよい。ここで、回路10が電流センサ110を一方向に貫通するようにしてもよい。ここで、電源部220、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、並びに絶縁部材240が一方向に互いに平行に配置されて積層されるようにしてもよい。
【0031】
電源部220は、電力変流器(power current transformer; power CT)で構成されてもよい。よって、電源部220は、鉄心と、前記鉄心に巻回される2次巻線とを含んでもよい。
【0032】
電源部220の鉄心は、回路10の貫通を許容するようにしてもよい。すなわち、電源部220は、回路10を囲んで配置されるようにしてもよい。こうすることにより、回路10で形成される磁場を電源部220に印加することができる。ここで、電源部220は、予め定められたパラメータを用いて、前記磁場により誘導される電流に基づいて、電源電流を発生するようにしてもよい。また、電源部220は、前記電源電流を制御部160に供給するようにしてもよい。よって、制御部160は、電源部220から供給される電源電流を消費して動作することができる。
【0033】
コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、一方向に回路10を貫通させるようにしてもよい。また、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、回路10を囲むようにしてもよい。こうすることにより、回路10に流れる電流により形成される磁場をコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230に印加することができる。ここで、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、回路10に流れる電流量に比例して、前記磁場により誘導される2次電流を発生するようにしてもよい。また、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、2次電流を制御部160に送るようにしてもよい。よって、制御部160は、2次電流に基づいて、回路10に流れる電流量を示す1次電流(すなわち、1次電流量)を算出することができる。例えば、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、コアとコイルプリント基板(printed circuit board of coil; PCB of coil)の組立体(アセンブリ)で構成されてもよい。ここで、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、例えば円形又は多角形のリング状に形成されてもよい。様々な実施形態において、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、
図4及び
図5に示すように、基板部410と、コイル部420と、コア部430とを含んでもよい。
【0034】
基板部410は、コイル部420とコア部430を支持するようにしてもよい。ここで、基板部410は、電気絶縁性材料で形成されてもよい。また、基板部410は、平板構造に形成されてもよい。例えば、基板部410は、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。また、基板部410は、一方向に回路10が貫通できるように、中央に貫通口部が備えられてもよい。ここで、基板部410の表面は、前記一方向に対する垂直な平面と規定される。このような基板部410は、遮蔽部(図示せず)を含んでもよい。前記遮蔽部は、基板部410においてコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230を外部のノイズから遮蔽するようにしてもよい。このために、前記遮蔽部は、基板410の側面に塗布されるようにしてもよく、また、接地されるようにしてもよい。前記遮蔽部は、銅及び/又は鉛のコーティング膜からなるようにしてもよい。
【0035】
コイル部420は、前記印加される磁場から前記2次電流を発生するようにしてもよい。このために、コイル部420は、基板部410の上面及び下面にそれぞれ所定の長さを有するように直線状に形成される複数の導電パッドを含んでもよい。ここで、コイル部420は、回路10を囲むようにしてもよい。また、コイル部420は、基板部410の表面に形成されてもよく、また、基板部410を貫通するように形成されてもよい。このようなコイル部420は、複数の導電パッド部422と、複数の連結部(ビアホール部ともいう。)423とを含んでもよい。複数の導電パッド部422は、基板部410の上面及び/又は下面に形成されてもよい。複数の連結部423は、それぞれ基板部410の上面及び下面の対応する一対の導電パッド部422を互いに機械的及び電気的に接続するようにしてもよい。
【0036】
コア部430は、回路10の周囲に形成される磁場が移動する磁気通路として機能するようにしてもよい。このために、コア部430は、基板部410に取り付けられるようにしてもよい。ここで、コア部430は、回路10を囲むようにしてもよい。また、コア部430は、コイル部420から離隔して配置されるようにしてもよい。すなわち、コア部430は、コイル部420に接触しないようにしてもよい。好ましい実施形態において、コア部430は、厚さが0.1〜0.5mmと薄く、空気より透磁率の高い鉄心で構成されてもよい。本発明においては、コア部430が透磁率の高い鉄心で構成されるので、空芯コアで構成された場合の数マイクロボルトにすぎない微小な誘導電圧に比べて大きい電圧(例えば、数ミリボルト以上)がコイル部420に誘導されることから、微小な検出信号を増幅するための増幅回路を必要としない。
【0037】
また、コア部430は、例えば円形又は多角形のリング状に形成されてもよい。このようなコア部430にコイル部420を巻回して構成してもよい。すなわち、コア部430は、基板部410の上面及び下面の導電パッド部422間で、導電パッド部422の内側領域に配置されてもよい。例えば、複数の連結部423が基板部410の上面及び下面の導電パッド部422の両端部を連結する場合、コア部430は複数対の連結部423間に配置される。
【0038】
絶縁部材240は、電源部220とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230間に配置されてもよい。よって、絶縁部材240は、電源部220とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230とを電気的に隔離させることができる。ここで、絶縁部材240は、絶縁性材料で形成されてもよい。また、絶縁部材240は、前記一方向に回路10の貫通を許容するようにしてもよい。さらに、絶縁部材240は、回路10を囲むようにしてもよい。
【0039】
筐体250は、電源部220、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、並びに絶縁部材240を収容するようにしてもよい。また、筐体250は、電源部220、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、並びに絶縁部材240を支持するようにしてもよい。さらに、筐体250は、前記一方向に回路10の貫通を許容するようにしてもよい。このような筐体250は、第1筐体251と、第2筐体253とを含んでもよい。第1筐体251は電源20に対向して配置され、第2筐体253は負荷20に対向して配置されるようにしてもよい。また、第1筐体251と第2筐体253とは一方向に結合されてもよい。ここで、第1筐体251と第2筐体253とは、電源部220、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、並びに絶縁部材240の外側領域で締結されてもよい。
【0040】
様々な実施形態において、回路10を通して1次電流が電源20から負荷30に流れる。よって、前記1次電流に基づいて、回路10を中心に磁場が形成される。ここで、前記磁場は、電流センサ110の電源部220とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230に印加される。ここで、前記磁場は、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230のコイル部420に印加される。電源部220は、前記磁場から電源電流を発生し、制御部160に供給するようにしてもよい。コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230は、前記磁場から2次電流を発生し、前記2次電流に対応する電圧を制御部160に出力するようにしてもよい。ここで、コア部430は、コイル部420に印加される磁場の磁気移動経路を形成するようにしてもよい。よって、制御部160は、前記電源電流により動作し、電圧に基づいて前記1次電流の量を算出することができる。
【0041】
図6は本発明の第1実施形態による電流検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0042】
図6に示すように、第1実施形態による電流検知装置600は、電流センサ610と、制御部660とを含んでもよい。ここで、回路10は電源20と負荷30を接続し、回路10を通して電流が電源20から負荷30に流れる。ここでは、回路10に流れる電流を1次電流と定義する。
【0043】
電流センサ610は、電源部620と、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ630とを含んでもよい。ここで、電源部620とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、一方向に互いに平行に配置されるようにしてもよい。また、電源部620とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、一方向に回路10を貫通させるようにしてもよい。さらに、電源部620とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、回路10を囲むようにしてもよい。こうすることにより、回路10で形成される磁場を電源部620とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630に印加することができる。電源部620は、前記磁場から電源電流を発生し、制御部660に供給するようにしてもよい。コア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、前記磁場から2次電流を発生するようにしてもよい。第1実施形態において、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、電流検出信号を電圧信号として供給する負担負荷635を含んでもよい。負担負荷635は、前記2次電流に応じて負担負荷635の両端に形成される電圧を電流測定のための入力信号として前記制御部に印加するようにしてもよい。ここで、負担負荷635は、予め定められた抵抗値を有する抵抗又はコンデンサで構成されてもよい。
【0044】
制御部660は、電源部620の電源電流を用いて動作するようにしてもよい。また、制御部660は、前記2次電流に基づいて、回路10に流れる1次電流の量を算出するようにしてもよい。第1実施形態において、制御部660は、信号処理部680と、算出部690とを含んでもよい。
【0045】
信号処理部680は、電流センサ610から出力される2次電流のアナログ検出信号をデジタル信号に変換するようにしてもよい。
【0046】
算出部690は、前記2次電流のデジタル信号に基づいて、回路10に流れる前記1次電流の量を算出するようにしてもよい。すなわち、算出部690は、前記2次電流に対応するデジタル電圧信号に基づいて、前記1次電流を算出するようにしてもよい。ここで、制御部660は、電流センサ610のパラメータを予め保存しておき、算出部690は、それを用いて1次電流を算出するようにしてもよい。一方、制御部660は、前記デジタル電圧信号が示す電圧と前記1次電流の量とをマッピングして保存しておき、算出部690は、前記電圧に対応する1次電流を選択して当該1次電流の量(値)を出力するようにしてもよい。
【0047】
図7は
図4のコア及びコイルプリント基板のアセンブリの一部を切り欠いて内部構成を示す部分切欠斜視図である。また、
図8は本発明の好ましい一実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630の内部構成を示す断面図である。ここで、
図8は
図7のA−A’線に沿って切断された断面を示す。
【0048】
図7及び
図8に示すように、本発明の好ましい一実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、基板部710と、コイル部720と、コア部730とを含んでもよい。ここで、
図7はコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630の一部領域で基板部710とコイル部720が除去された状態を示す。例えば、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ630は、プリント基板で構成されてもよい。
【0049】
基板部710は、コイル部720とコア部730を支持するようにしてもよい。ここで、基板部710は、電気絶縁性材料で形成されてもよい。このような基板部710は、複数のベース基板711、713を含んでもよい。ベース基板711、713は、一方向に積層されてもよい。ここで、それぞれのベース基板711、713は、平板構造に形成されてもよい。例えば、それぞれのベース基板711、713は、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。このようなベース基板711、713は、第1ベース基板711と、第1ベース基板711の両面(
図7における上面及び下面)に取り付けられる第2ベース基板713とを含んでもよい。
【0050】
コイル部720は、印加される磁場から2次電流を発生するようにしてもよい。このために、コイル部720を基板部710に取り付けてもよい。ここで、コイル部720は、例えば銅などの導電性材料で形成されてもよい。このようなコイル部720は、複数の導電パッド部722と、複数の連結部723とを含んでもよい。導電パッド部722は、基板部710の表面に装着(印刷)されてもよい。ここで、導電パッド部722は、第2ベース基板713において第1ベース基板711の反対側に取り付けられてもよい。連結部723は、基板部710を貫通するようにしてもよい。また、連結部723は、
図8において、上方のベース基板713の対応する導電パッド部722と下方のベース基板713の対応する導電パッド部とを連結するようにしてもよい。ここで、連結部723は、第1ベース基板711と第2ベース基板713を貫通するようにしてもよい。例えば、いずれか2つの連結部723が、基板部710の一面でいずれか一方の導電パッド部722の両端部にそれぞれ連結され、基板部710の他面で他方の導電パッド部722の両端部にそれぞれ連結されるようにしてもよい。
【0051】
本発明の好ましい一態様において、コア部730は、鉄心で構成され、コイル部720に印加される磁場を強化するようにしてもよい。よって、コア部730は、空芯コアで構成された場合に比べて大きい誘導電圧をコイル部720に発生させることができ、よって、誘導電圧を増幅するための増幅回路部を必要としない。このために、コア部730を基板部710に取り付けてもよい。また、コア部730は、例えばリング状に形成されてもよい。ここで、コア部730は、基板部710の内側領域に挿入されてもよい。ここで、
図7に示すように、コア部730は、第1ベース基板711を貫通するようにしてもよい。よって、コア部730は、第2ベース基板713を境界として導電パッド部722から離隔され、第1ベース基板711と第2ベース基板713を境界として連結部723から離隔される。
【0052】
図9は本発明の第2実施形態による電流検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0053】
図9に示すように、本発明の第2実施形態による電流検知装置900は、電流センサ910と、制御部960とを含んでもよい。ここで、回路10は電源20と負荷30を接続し、回路10を通して電流が電源20から負荷30に流れる。ここでは、回路10に流れる電流を1次電流と定義する。また、前記1次電流に基づいて回路10で形成される磁場を第1磁場と定義する。
【0054】
電流センサ910は、電源部920と、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ930とを含んでもよい。ここで、電源部920とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、一方向に互いに平行に配置されて積層されるようにしてもよい。また、電源部920とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、前記一方向に回路10を貫通させるようにしてもよい。さらに、電源部920とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、回路10を囲むようにしてもよい。こうすることにより、第1磁場を電源部920とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930に印加することができる。電源部920は、前記第1磁場から電源電流を発生し、制御部960に供給するようにしてもよい。コア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、前記第1磁場から誘導される電圧により2次電流を発生するようにしてもよい。第2実施形態において、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、第1コア及びコイルプリント基板のアセンブリ(以下、第1アセンブリという。)931と、第2コア及びコイルプリント基板のアセンブリ(以下、第2アセンブリという。)933とを含んでもよい。
【0055】
第1アセンブリ931は、制御部960から供給される電源電流に基づいて、第2磁場を発生するようにしてもよい。こうすることにより、第1磁場の一部が第2磁場により相殺される。
【0056】
第2アセンブリ933は、相殺されずに残った第1磁場から誘導される電流と制御部960から供給される補償電流に基づいて、2次電流を発生するようにしてもよい。このような第2アセンブリ933は、負担負荷935を含んでもよい。負担負荷935は、前記2次電流に応じて負担負荷935の両端に形成される電圧を電流測定のための入力信号として制御部960に印加するようにしてもよい。ここで、負担負荷935は、予め定められた抵抗値を有する抵抗又はコンデンサで構成されてもよい。
【0057】
制御部960は、電源部920の電源電流を用いて動作するようにしてもよい。また、制御部960は、前記2次電流に基づいて、回路10に流れる1次電流を算出するようにしてもよい。第2実施形態において、制御部960は、補償部970と、信号処理部980と、算出部990とを含んでもよい。
【0058】
補償部970は、電流センサ910に補償電流を供給するようにしてもよい。このような補償部970は、発振部971と、比較部973と、フィードバック制御部975とを含んでもよい。発振部971は、第1アセンブリ931に電源電流を供給するようにしてもよい。
【0059】
ここで、発振部971は、回路10に流れる1次電流との位相差が180°である前記電源電流として三角波又は矩形波を発生し、第1アセンブリ931に印加するようにしてもよい。これは、前記1次電流により形成される磁場とは反対方向の磁場を前記電源電流により発生し、互いに部分的に相殺されるようにするためである。
【0060】
発振部971から出力される電源電流により第1アセンブリ931から発生する前記第2磁場は、回路10に流れる1次電流により発生する前記第1磁場を少なくとも部分的に相殺することができる。このような部分的相殺は回路10に流れる1次電流の量に対応する電流センサ910の出力電圧を減少させるので、それに対する補償が必要である。
【0061】
比較部973は、第1磁場の一部を補償するための補償電流を決定するようにしてもよい。ここで、比較部973は、電流センサ910から出力される現在の出力電圧と以前の出力電圧とを比較し、対応する補償電流を決定するようにしてもよい。ここで、比較部973は、電流センサ910から出力される現在の出力電圧と以前の出力電圧とを比較し、現在の出力電圧と以前の出力電圧との差値に対応する補償電流の出力をフィードバック制御部975に要求するようにしてもよい。
【0062】
フィードバック制御部975は、比較部973の要求に応答して、前記対応する補償電流を第2アセンブリ933に供給するようにしてもよい。
【0063】
信号処理部980は、電流センサ910から出力される出力電圧としてのアナログ電圧信号をデジタル信号に変換するようにしてもよい。ここで、信号処理部980は、前記デジタル信号に変換された前記電圧信号を算出部990に出力するようにしてもよい。
【0064】
算出部990は、前記電圧信号としてのデジタル信号に基づいて、回路10に流れる1次電流の量を算出するようにしてもよい。ここで、制御部960は、電流センサ910のパラメータを予め保存しておき、算出部990は、それを用いて前記1次電流の量(値)を出力するようにしてもよい。すなわち、制御部960は、前記デジタル信号の電圧値と前記1次電流の値とをマッピングして保存しておき、算出部990は、前記電圧値に対応する前記1次電流の値を選択することにより前記算出を行うようにしてもよい。
【0065】
図10は第2実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930の内部構成を示す断面図である。
【0066】
図10に示すように、第2実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、基板部1010と、コイル部1020と、コア部1030とを含んでもよい。
【0067】
基板部1010は、コイル部1020とコア部1030を支持するようにしてもよい。ここで、基板部1010は、電気絶縁性材料で形成されてもよい。このような基板部1010は、複数のベース基板1011、1013、1015を含んでもよい。ベース基板1011、1013、1015は、一方向に積層されてもよい。ここで、それぞれのベース基板1011、1013、1015は、平板構造に形成されてもよい。例えば、それぞれのベース基板1011、1013、1015は、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。このようなベース基板1011、1013、1015は、第1ベース基板1011と、第1ベース基板1011の両面(
図10における上面及び下面)に取り付けられる第2ベース基板1013と、第2ベース基板1013にそれぞれ取り付けられる第3ベース基板1015とを含んでもよい。
【0068】
コイル部1020は、印加される磁場から2次電流を発生するようにしてもよい。このために、コイル部1020を基板部1010に取り付けてもよい。ここで、コイル部1020は、例えば銅などの導電性材料で形成されてもよい。このようなコイル部1020は、第1コイル部1021と、第2コイル部1025とを含んでもよい。ここで、第1コイル部1021が
図9の第1アセンブリ931のコイル部(2次巻線)の機能を果たし、第2コイル部1025が
図9の第2アセンブリ933のコイル部(2次巻線)の機能を果たすようにしてもよい。
【0069】
第1コイル部1021は、複数の第1導電パッド部1022と、複数の第1連結部(第1ビアホール部ともいう。)1023とを含んでもよい。第1導電パッド部1022は、第2ベース基板1013の表面に装着(印刷)されてもよい。ここで、第1導電パッド部1022は、第2ベース基板1013と第3ベース基板1015間に配置されてもよい。第1連結部1023は、第1ベース基板1011と第2ベース基板1013を貫通するようにしてもよい。また、第1連結部1023は、第1導電パッド部1022同士を連結するようにしてもよい。例えば、いずれか2つの第1連結部1023が、第2ベース基板1013(とりわけ、2つの第2ベース基板のうち上方の第2ベース基板)の一面(
図10における上面)でいずれか一方の第1導電パッド部1022の両端部にそれぞれ連結され、第2ベース基板1013(とりわけ、2つの第2ベース基板のうち下方の第2ベース基板)の他面(
図10における下面)で他方の第1導電パッド部1022の両端部にそれぞれ連結されるようにしてもよい。
【0070】
第2コイル部1025は、複数の第2導電パッド部1026(具体的な構成については
図7の符号722を参照。)と、複数の第2連結部1027(具体的な構成については
図7の符号723を参照。)とを含んでもよい。第2導電パッド部1026は、第3ベース基板1015の表面に装着(印刷)されてもよい。第2連結部1027は、第1ベース基板1011、第2ベース基板1013及び第3ベース基板1015を貫通するようにしてもよい。また、第2連結部1027は、第2導電パッド部1026同士を連結するようにしてもよい。例えば、いずれか2つの第2連結部1027が、第3ベース基板1015(
図10における2つの第3ベース基板のうち上方の第3ベース基板)の一面(
図10における上面)でいずれか一方の第2導電パッド部1026の両端部にそれぞれ連結され、第3ベース基板1015(
図10における2つの第3ベース基板のうち下方の第3ベース基板)の他面(
図10における下面)で対応する他方の第2導電パッド部1026の両端部にそれぞれ連結されるようにしてもよい。
【0071】
コア部1030は、鉄心で構成され、コイル部1020に印加される磁場を強化するようにしてもよい。よって、コア部1030は、空芯コアで構成された場合に比べて、信号の増幅を必要としない比較的大きい誘導電圧をコイル部1020に発生させることができる。このために、コア部1030を基板部1010に取り付けてもよい。また、コア部1030は、例えばリング状に形成されてもよい。ここで、コア部1030は、基板部1010の内側領域に挿入されてもよい。ここで、コア部1030は、第1ベース基板1011を貫通するようにしてもよい。
【0072】
図11は第3実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930を示す断面図である。
【0073】
図11に示すように、第3実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、第1コア及びコイルプリント基板のアセンブリ(以下、第1アセンブリという。)931と、第2コア及びコイルプリント基板のアセンブリ(以下、第2アセンブリという。)933と、隔離部1180とを含んでもよい。例えば、第1アセンブリ931及び第2アセンブリ933は、それぞれのプリント基板で構成されてもよい。
【0074】
第1アセンブリ931は、第1基板部1110と、第1コイル部1120と、第1コア部1130とを含んでもよい。第1基板部1110は、ベース基板1111、1113を含み、第1コイル部1120は、複数の第1導電パッド部1122と、複数の第1連結部1123とを含んでもよい。第2アセンブリ933は、第2基板部1150と、第2コイル部1160と、第2コア部1170とを含んでもよい。第2基板部1150は、ベース基板1151、1153を含み、第2コイル部1160は、複数の第2導電パッド部1162と、複数の第2連結部1163とを含んでもよい。ここで、第3実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930において、第1アセンブリ931及び第2アセンブリ933は、第1実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0075】
隔離部1180は、第1コア及びコイルプリント基板のアセンブリ931と第2コア及びコイルプリント基板のアセンブリ933間に配置されてもよい。また、隔離部1180は、第1アセンブリ931と第2アセンブリ933とを隔離させるようにしてもよい。好ましい態様において、隔離部1180は、電気絶縁性を有する材料で形成されてもよい。
【0076】
第3実施形態において、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、さらなるコア部(図示せず)と、さらなる隔離部(図示せず)とをさらに含んでもよい。さらなるコア部は、第1基板部1110と第2基板部1150間に配置されてもよい。ここで、第1アセンブリ931は、第1コア部1130を含まないようにしてもよく、また、第2アセンブリ933は、第2コア部1170を含まないようにしてもよい。さらなる隔離部は、第1アセンブリ931とさらなるコア部間、及びさらなるコア部と第2アセンブリ933間に配置されてもよい。さらなる隔離部は、第1アセンブリ931とさらなるコア部の接触、及びさらなるコア部と第2アセンブリ933の接触を防止する。
【0077】
以下、
図9に示す本発明の第2実施形態による電流検知装置の動作について簡単に説明する。
【0078】
図9に示すように、1次電流が回路10を通して電源20から負荷30に流れる。よって、1次電流に基づいて、回路10を中心に第1磁場が形成される。このとき、第1磁場は、電流センサ910の電源部920とコア及びコイルプリント基板のアセンブリ930に印加される。電源部920は、第1磁場から誘導される電源電流を制御部960に供給する。制御部960は、前記電源電流を第1アセンブリ931に供給する。第1アセンブリ931は、前記電源電流に基づいて第2磁場を発生する。よって、第2磁場により第1磁場の一部が相殺される。また、相殺されずに残った第1磁場は、第2アセンブリ933に印加される。制御部960は、第1磁場の一部を補償するための補償電流を第2アセンブリ933に供給する。よって、第2アセンブリ933は、相殺されずに残った第1磁場から誘導される電流と補償電流に基づいて、2次電流を発生する。ここで、第2アセンブリ933は、前記2次電流に対応する電圧を制御部960に出力する。よって、制御部960は、前記電圧に基づいて1次電流を算出する。
【0079】
一方、前述したように、他の実施形態において、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ930は、第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリ(図示せず)と、さらなる隔離部(図示せず)とをさらに含んでもよい。このような第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリ(図示せず)は、直流回路の正極及び負極のいずれか一方の電流を検知し、第1アセンブリ931及び第2アセンブリ933は、直流回路の正極及び負極の他方の電流を検知するようにしてもよい。よって、電流検知装置の電流センサ910は直流回路の電流量を検出することができる。このために、第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリは、発振回路を含んでもよい。例えば、第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリは、プリント基板で構成されてもよい。ここで、第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリは、第1実施形態によるコア及びコイルプリント基板のアセンブリ630と同様に構成されてもよい。また、第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリは、第1アセンブリ931及び第2アセンブリ933の少なくとも一方に積層されてもよい。さらなる隔離部は、第1アセンブリ931及び第2アセンブリ933の少なくとも一方と第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリ間に配置されてもよい。また、さらなる隔離部は、第1アセンブリ931及び第2アセンブリ933の少なくとも一方と第3コア及びコイルプリント基板のアセンブリとを隔離させるようにしてもよい。ここで、さらなる隔離部は、電気絶縁性を有する材料で形成されてもよい。
【0080】
本発明の実施形態によれば、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、630、930が、基板部410、710、1010、1110、1150にコイル部420、720、1020、1120、1160が印刷されて形成された構造に製造される。よって、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、630、930を製造機械により自動で製造することができ、電流センサの特性が均一になる。ここで、コア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、630、930が透磁率の高い鉄心で構成されるコア部430、730、1030、1130、1170を含むので、コア部430、730、1030、1130、1170が回路10からコア及びコイルプリント基板のアセンブリ230、630、930に印加される磁場を強化することができ、空芯コアを用いた構成に比べて大きい誘導電圧が得られる。よって、電流検出信号(電流センサから最終出力される電圧信号)を増幅するための増幅回路部を必要とせず、外部ノイズの混入があっても電流検出信号を分離することが容易である。また、電流検知装置100、600、900が回路10で形成される磁場の一部を相殺してそれを補償電流で補償することにより、磁気飽和を防止することができる。
【0081】
前述した本発明の特徴によれば、電流検知装置100、600、900の製作工程において手動手順が最小限に抑えられながらも、電流検知装置100、600、900の均一な性能を確保することができる。よって、電流検知装置100、600、900により算出された電流の信頼性が向上する。また、遮断器において、電流検知装置100、600、900の出力信号に基づく、例えば電力回路の監視及び制御、遮断器の遮断動作などにおける誤動作を防止することができる。
【0082】
本文書で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであり、他の実施形態の範囲を限定するものではない。単数の表現には、特に断らない限り複数の表現が含まれる。技術的な用語や科学的な用語を含めてここで用いられる用語は、本文書に記載されている技術の分野における通常の知識を有する者に一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本文書で用いられる用語のうち、一般的な辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と同一又は類似の意味を有するものと解釈されるべきであり、特に断らない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。場合によっては、本文書で定義している用語であっても、本文書の実施形態を排除するように解釈されるべきではない。
【国際調査報告】