(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-523971(P2020-523971A)
(43)【公表日】2020年8月6日
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/46 20060101AFI20200710BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20200710BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20200710BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20200710BHJP
H02J 5/00 20160101ALI20200710BHJP
H02J 9/04 20060101ALI20200710BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J7/02 A
H02J3/32
H02J3/38 180
H02J5/00
H02J9/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-568334(P2019-568334)
(86)(22)【出願日】2018年4月20日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月11日
(86)【国際出願番号】KR2018004592
(87)【国際公開番号】WO2018230831
(87)【国際公開日】20181220
(31)【優先権主張番号】10-2017-0074786
(32)【優先日】2017年6月14日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジ−ホン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ドン−ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ユン−ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン−ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジ−ホン
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G015GB01
5G015HA02
5G015JA52
5G066CA09
5G066HA15
5G066HA24
5G066HB09
5G066JA02
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503GB03
(57)【要約】
本発明は、エネルギー貯蔵システムに関する。本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムは、系統及び系統に連携したDC(Direct Current)配電網の電力を管理するエネルギー貯蔵システムにおいて、系統とDC配電網の間に連結され、系統の交流電圧を直流電圧に変換してDC配電網に伝達する第1のコンバータ、DC配電網に連結され、DC配電網の電圧を制御する第2のコンバータ、第2のコンバータに連結され、第2のコンバータによって充放電が制御されるバッテリ、DC配電網に連結された第3のコンバータ、及び第3のコンバータに連結され、第3のコンバータによって電圧が制御される第1負荷、とを含むものの、第1のコンバータは、バッテリのSOC情報及び第1負荷の消耗電力情報に基づいて、バッテリ及び第1負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統及び前記系統に連携したDC(Direct Current)配電網の電力を管理するエネルギー貯蔵システムにおいて、
前記系統と前記DC配電網の間に連結され、前記系統のAC(Alternating Current)電圧をDC電圧に変換して、前記DC配電網に伝達する第1のコンバータ;
前記DC配電網に連結され、前記DC配電網の電圧を制御する第2のコンバータ;
前記第2のコンバータに連結され、前記第2のコンバータによって充放電が制御されるバッテリ;
前記DC配電網に連結された第3のコンバータ;及び、
前記第3のコンバータに連結され、前記第3のコンバータによって電圧が制御される第1負荷を含むものの、
前記第1のコンバータは、前記バッテリのSOC情報及び前記第1負荷の消耗電力情報に基づいて、前記バッテリ及び前記第1負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成する、
エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記第2のコンバータと前記第3のコンバータからそれぞれ前記バッテリのSOC(State of Charge)情報と前記第1負荷の消耗電力情報を受信して、前記第1のコンバータに送信し、前記第1のコンバータから前記電力制御指令を受信して、前記第2のコンバータ及び前記第3のコンバータのうち少なくとも1つ以上に送信する通信部;及び、
前記通信部を介して前記第1〜第3のコンバータを制御及び監視する上位制御器をさらに含む、
請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記DC配電網に連結された第4のコンバータ;及び、
前記第4のコンバータに連結され、前記第4のコンバータによって電圧が制御される第2負荷をさらに含む、
請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記第4のコンバータは、前記第2負荷の消耗電力情報を前記通信部へ送信し、
前記通信部は、前記第2負荷の消耗電力情報を前記第1のコンバータへ送信し、
前記第1のコンバータは、前記バッテリのSOC情報、前記第1負荷の消耗電力情報及び前記第2負荷の消耗電力情報に基づいて、前記バッテリ、前記第1負荷、及び前記第2負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成し、
前記通信部は、前記第1のコンバータから前記バッテリ、前記第1負荷及び前記第2負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を受信して、前記第2〜第4のコンバータのうち少なくとも1つ以上に送信し、
前記上位制御器は、前記第4のコンバータを制御及び監視する、
請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記第2のコンバータは、前記DC配電網から提供されたDC電圧をDC電圧に変換して、前記バッテリに提供するか、前記バッテリから提供されたDC電圧をDC電圧に変換して、前記DC配電網に提供し、
前記第3のコンバータは、前記DC配電網から提供されたDC電圧をDC電圧に変換して、前記第1負荷に提供し、
前記第4のコンバータは、前記DC配電網から提供されたDC電圧をAC電圧に変換して、前記第2負荷に提供する、
請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記第1のコンバータは、前記系統と連携した状態で、バッテリ充放電モードで駆動される場合、
前記通信部から提供された前記バッテリのSOC情報を分析して、前記バッテリのSOCが予め定めた制限範囲内に含まれるか否かを判別し、
前記判別の結果に基づいて、前記電力制御指令を生成する、
請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記第1のコンバータは、前記バッテリのSOCが前記予め定めた制限範囲内に含まれる場合、
前記バッテリの充電又は放電電力と前記第1負荷の消耗電力を考慮して、前記電力制御指令を生成し、
前記生成された電力制御指令を前記通信部を介して前記第2のコンバータ及び前記第3のコンバータに伝達して、
前記生成された電力制御指令に基づいて、前記系統の電力制御を行う、
請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記第1のコンバータは、前記バッテリのSOCが前記予め定めた制限範囲を外れる場合、
ノーマルモードで駆動されて、前記第1負荷の消耗電力を考慮した前記電力制御指令を生成し、
前記生成された電力制御指令を前記通信部を介して前記第3のコンバータに伝達して、
前記生成された電力制御指令に基づいて、前記系統の電力制御を行う、
請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記系統に事故が発生する場合、
前記第1のコンバータは、駆動を中断し、
前記第2のコンバータは、前記バッテリの電力を前記第1負荷に無瞬断状態で供給する、
請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無瞬断電源供給の可能なエネルギー貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System)は、生産した電力を発電所、変電所及び送電線等を含む各々の連携システムに貯蔵した後、電力を要する時期に選択的、かつ効率的に使用してエネルギー効率を高めるシステムである。
【0003】
エネルギー貯蔵システムは、時間帯及び季節別の変動の大きい電気負荷を平準化して、全般的な負荷率を向上させる場合、発電単価を低くすることができ、電力設備の増設に要する投資費と運転費等を節減することができて、電気料を引き下げてエネルギーを節約することができる。
【0004】
かかるエネルギー貯蔵システムは、電力系統における発電、送配電、需用家に設置されて利用されており、周波数調整(Frequency Regulation)、新再生エネルギーを利用した発電機の出力安定化、尖頭負荷の低減(Peak Shaving)、負荷平準化(Load Leveling)、非常電源等の機能として使用されている。
【0005】
また、エネルギー貯蔵システムは、貯蔵方式によって大きく物理的エネルギー貯蔵と化学的エネルギー貯蔵とに区分される。物理的エネルギー貯蔵としては、揚水発電、圧縮空気貯蔵、弾み車等を利用した方法があり、化学的エネルギー貯蔵としては、リチウムイオンバッテリ、鉛蓄電池、Nas電池等を利用した方法がある。
【0006】
ただし、エネルギー貯蔵システムの無瞬断電源供給を可能にするため、既存のディーゼル発電機による非常発電機能を行せるところ、この場合、ディーゼル発電機の無瞬断切り替えのために高価の非常切り替えスイッチ及びアルゴリズム等が必要であるという問題があった。
【0007】
また、既存のエネルギー貯蔵システムの場合、一方向に設計され、電力取り引きアルゴリズムがないところ、系統との電力取り引きが不可能であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、無瞬断電源供給が可能であり、バッテリの常時充放電制御を介して系統との電力取り引きの可能なエネルギー貯蔵システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明のエネルギー貯蔵システムは、系統及び系統に連携したDC(Direct Current)配電網の電力を管理するエネルギー貯蔵システムにおいて、系統とDC配電網の間に連結され、系統の交流電圧を直流電圧に変換してDC配電網に伝達する第1のコンバータ、DC配電網に連結され、DC配電網の電圧を制御する第2のコンバータ、第2のコンバータに連結され、第2のコンバータによって充放電が制御されるバッテリ、DC配電網に連結された第3のコンバータ、及び第3のコンバータに連結され、第3のコンバータによって電圧が制御される第1負荷を含むものの、第1のコンバータは、バッテリのSOC情報及び第1負荷の消耗電力情報に基づいて、バッテリ及び第1負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成する。
【0010】
前記第2のコンバータと第3のコンバータからそれぞれバッテリのSOC(State of Charge)情報と第1負荷の消耗電力情報を受信して、第1のコンバータに送信し、第1のコンバータから電力制御指令を受信して、第2のコンバータ及び第3のコンバータのうち少なくとも1つ以上に送信する通信部、及び通信部を介して第1〜第3のコンバータを制御及び監視する上位制御器をさらに含む。
【0011】
前記DC配電網に連結された第4のコンバータ、及び第4のコンバータに連結され、第4のコンバータによって電圧が制御される第2負荷をさらに含む。
【0012】
前記第4のコンバータは、第2負荷の消耗電力情報を通信部に送信し、通信部は、第2負荷の消耗電力情報を第1のコンバータへ送信し、第1のコンバータは、バッテリのSOC情報、第1負荷の消耗電力情報及び第2負荷の消耗電力情報に基づいて、バッテリ、第1負荷及び第2負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成し、通信部は、第1のコンバータからバッテリ、第1負荷及び第2負荷のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を受信して、第2〜第4のコンバータのうち少なくとも1つ以上に送信し、上位制御器は、第4のコンバータを制御及び監視する。
【0013】
前記第2のコンバータは、DC配電網から提供されたDC電圧をDC電圧に変換してバッテリに提供するか、バッテリから提供されたDC電圧をDC電圧に変換してDC配電網に提供し、第3のコンバータは、DC配電網から提供されたDC電圧をDC電圧に変換して第1負荷に提供し、第4のコンバータは、DC配電網から提供されたDC電圧をAC(Alternating Current)電圧に変換して第2負荷に提供する。
【0014】
前記第1のコンバータは、系統と連携した状態で、バッテリ充放電モードで駆動される場合、通信部から提供されたバッテリのSOC情報を分析して、バッテリのSOCが予め定めた制限範囲内に含まれるか否かを判別し、判別の結果に基づいて、電力制御指令を生成する。
【0015】
前記第1のコンバータは、バッテリのSOCが予め定めた制限範囲内に含まれる場合、バッテリの充電又は放電電力と第1負荷の消耗電力を考慮して電力制御指令を生成し、生成された電力制御指令を通信部を介して第2のコンバータ及び第3のコンバータに伝達して、生成された電力制御指令に基づいて、系統の電力制御を行う。
【0016】
前記第1のコンバータは、バッテリのSOCが予め定めた制限範囲を外れる場合、ノーマルモードで駆動されて、第1負荷の消耗電力を考慮した電力制御指令を生成し、生成された電力制御指令を通信部を介して第3のコンバータに伝達して、生成された電力制御指令に基づいて、系統の電力制御を行う。
【0017】
前記系統に事故が発生する場合、第1のコンバータは、駆動を中断し、第2のコンバータは、バッテリの電力を第1負荷に無瞬断状態で供給する。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、本発明によれば、無瞬断電源供給が可能であり、バッテリの常時充放電制御を介して系統との電力取り引きが可能であるところ、電力使用量を効率的に調節することができ、無瞬断かつ高品質の電力供給が可能であるという長所がある。
【0019】
上述した効果とともに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための具体的な事項を説明しながら共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムを説明する概略図。
【
図2】
図1のエネルギー貯蔵システムの制御流れを説明する手順図。
【
図3】
図1のエネルギー貯蔵システムによる系統連携の際、電力流れの一例を説明する概略図。
【
図4】
図1のエネルギー貯蔵システムによる系統連携の際、電力流れの他の例を説明する概略図。
【
図5】
図1のエネルギー貯蔵システムによる系統事故の際、電力流れを説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにおいて、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すことに使われる。
【0022】
以下では、
図1〜
図5を参照して、本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムを説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムを説明する概略図である。
図2は、
図1のエネルギー貯蔵システムの制御流れを説明する手順図である。
図3は、
図1のエネルギー貯蔵システムによる系統連携の際、電力流れの一例を説明する概略図である。
図4は、
図1のエネルギー貯蔵システムによる系統連携の際、電力流れの他の例を説明する概略図である。
図5は、
図1のエネルギー貯蔵システムによる系統事故の際、電力流れを説明する概略図である。
【0024】
先ず、
図1を参照すれば、本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムは、系統10及び系統10に連携したDC配電網(すなわち、DC系統)の電力を管理することができる。
【0025】
具体的には、本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムは、第1のコンバータ100、第2のコンバータ150、バッテリ180、第3のコンバータ200、第1負荷230、第4のコンバータ250、第2負荷280、通信部300、上位制御器350、とを含んでいてもよい。
【0026】
参考に、エネルギー貯蔵システムは、系統10とDC配電網20のみならず、分散電源システム(未図示)もさらに含んでいてもよく、第1負荷230及び第2負荷280の他にさらに負荷を含むか、第1負荷230又は第2負荷280うちいずれか負荷のみを含んでいてもよい。
【0027】
ただし、説明の便宜のため本発明では、エネルギー貯蔵システムが第1のコンバータ100、第2のコンバータ150、バッテリ180、第3のコンバータ200、第1負荷230、第4のコンバータ250、第2負荷280、通信部300、上位制御器350、とを含むことを例に挙げて説明する。
【0028】
第1のコンバータ100は、系統10とDC配電網20の間に連結され、系統10のAC電圧をDC電圧に変換してDC配電網20に伝達することができる。もちろん、第1のコンバータ100は、DC配電網20のDC電圧をAC電圧に変換して系統10に伝達することもできる。
【0029】
これにより、第1のコンバータ100は、AC−DCコンバータであってもよい。
【0030】
具体的には、第1のコンバータ100は、バッテリ180のSOC情報、第1負荷230の消耗電力情報及び第2負荷280の消耗電力情報に基づいて、バッテリ180、第1負荷230及び第2負荷280のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成することができる。
【0031】
すなわち、第1のコンバータ100は、通信部300からバッテリ180のSOC情報、第1負荷230の消耗電力情報及び第2負荷280の消耗電力情報をリアルタイムで受信し、受信したバッテリ180のSOC情報、第1負荷230の消耗電力情報及び第2負荷280の消耗電力情報に基づいて、バッテリ180、第1負荷230及び第2負荷280のうち少なくとも1つ以上を制御するための電力制御指令を生成することができる。
【0032】
また、第1のコンバータ100は、生成した電力制御指令を通信部300に送信することができる。
【0033】
第2のコンバータ150は、DC配電網20に連結され、DC配電網20の電圧を制御することができる。
【0034】
具体的には、第2のコンバータ150は、DC配電網20の電圧のみならず、バッテリ180の充放電を制御することができる。
【0035】
すなわち、第2のコンバータ150は、DC配電網20から提供されたDC電圧をDC電圧に変換してバッテリ180に提供するか、バッテリ180から提供されたDC電圧をDC電圧に変換してDC配電網20に提供することができる。
【0036】
これにより、第2のコンバータ150は、DC−DCコンバータであってもよい。
【0037】
また、第2のコンバータ150は、バッテリ180のSOCを感知して、バッテリ180のSOC情報を通信部300に送信することができ、通信部300から第1のコンバータ100における生成された電力制御指令を受信することができる。
【0038】
また、第2のコンバータ150は、受信した電力制御指令に基づいて、バッテリ180の充放電を制御することができる。
【0039】
第3のコンバータ200は、DC配電網20に連結され、第1負荷230の電圧を制御することができる。
【0040】
具体的には、第3のコンバータ200は、DC配電網20から提供されたDC電圧をDC電圧に変換して第1負荷230に提供することができる。すなわち、第3のコンバータ200は、第1負荷230の電力状態を制御することができる。
【0041】
これにより、第3のコンバータ200は、DC−DCコンバータであってもよく、第1負荷230は、DC負荷であってもよい。
【0042】
また、第3のコンバータ200は、第1負荷230の消耗電力(すなわち、必要電力)を感知して、第1負荷230の消耗電力情報を通信部300に送信することができ、通信部300から第1のコンバータ100における生成された電力制御指令を受信することができる。
【0043】
また、第3のコンバータ200は、受信した電力制御指令に基づいて、第1負荷230の電圧又は電力を制御することができる。
【0044】
第4のコンバータ250は、DC配電網20に連結され、第2負荷280の電圧を制御することができる。
【0045】
具体的には、第4のコンバータ250は、DC配電網20から提供されたDC電圧をAC電圧に変換して第2負荷280に提供することができる。すなわち、第4のコンバータ250は、第2負荷280の電力状態を制御することができる。
【0046】
これにより、第4のコンバータ250は、DC−ACコンバータであってもよく、第2負荷280は、AC負荷であってもよい。
【0047】
また、第4のコンバータ250は、第2負荷280の消耗電力(すなわち、必要電力)を感知して、第2負荷280の消耗電力情報を通信部300に送信することができ、通信部300から第1のコンバータ100における生成された電力制御指令を受信することができる。
【0048】
また、第4のコンバータ250は、受信した電力制御指令に基づいて、第2負荷280の電圧又は電力を制御することができる。
【0049】
バッテリ180は、第2のコンバータ150に連結され、第2のコンバータ150によって充放電を制御することができる。
【0050】
また、バッテリ180は、少なくとも1つ以上のバッテリセルからなってもよく、各バッテリセルは、複数のベアセルを含んでいてもよい。
【0051】
第1負荷230は、第3のコンバータ200に連結され、第3のコンバータ200によって電圧(すなわち、電力)が制御されてもよい。
【0052】
また、第1負荷230は、例えば、DC負荷であってもよい。
【0053】
第2負荷280は、第4のコンバータ250に連結され、第4のコンバータ250によって電圧(すなわち、電力)が制御されてもよい。
【0054】
また、第2負荷280は、例えば、AC負荷であってもよい。
【0055】
通信部300は、第2のコンバータ150、第3のコンバータ200、第4のコンバータ250からそれぞれバッテリ180のSOC情報、第1負荷230の消耗電力情報、第2負荷280の消耗電力情報を受信することができる。
【0056】
具体的には、通信部300は、高速通信(例えば、CAN(Controller Area Network))に基づいて具現することができ、第1〜第4のコンバータ100、150、200、250及び上位制御器350と有線又は無線方式で通信することができる。
【0057】
また、通信部300は、第2のコンバータ150、第3のコンバータ200、第4のコンバータ250からそれぞれバッテリ180のSOC情報、第1負荷230の消耗電力情報、第2負荷280の消耗電力情報を受信して、第1のコンバータ100に送信し、第1のコンバータ100から電力制御指令を受信して、第2〜第4のコンバータ150、200、250のうち少なくとも1つ以上に送信することができる。
【0058】
参考に、本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵システムは、通信部300を含まなくてもよい。すなわち、別途通信部なしに第1のコンバータ100と第2〜第4のコンバータ150、200、250が直接に通信するか、上位制御器350が第1〜第4のコンバータ100、150、200、250と直接に通信することもできる。
【0059】
ただし、説明の便宜のため本発明では、エネルギー貯蔵システムが通信部300を含むことを例に挙げて説明する。
【0060】
上位制御器350は、通信部300を介して第1〜第4のコンバータ100、150、200、250を制御及び監視することができる。
【0061】
具体的には、上位制御器350は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)又はEMS(Energy Management System)であってもよく、各々の構成要素(例えば、第1〜第4のコンバータ100、150、200、250のみならず、系統10、バッテリ180、第1負荷230、第2負荷280等)と通信部300を介して通信して、現在の動作状態を判断することができる。また、上位制御器350は、エネルギー貯蔵システムのあらゆるシーケンス動作をコントロールして、それぞれの状況によって各構成要素に指令を下げて、動作を行わせることもできる。
【0062】
ただし、本発明における上位制御器350は、第1〜第4のコンバータ100、150、200、250と重複する機能及び役割は、行わなくてもよい。
【0063】
従って、上位制御器350の回路及び構成要素がより単純になり得るし、通信連結の複雑度が低減するにつれ、通信信号に対する干渉が低減するだけでなく、動作中に誤りが発生する確率も低減し得る。
【0064】
これにより、エネルギー貯蔵システムの性能及び信頼度が改善し得る。
【0065】
次いで、
図2〜
図5を参照すれば、
図1のエネルギー貯蔵システムの制御流れ及びエネルギー貯蔵システムによる電力流れが示されている。
【0066】
具体的には、エネルギー貯蔵システム内の第1のコンバータ100の制御流れ及びこれによる電力流れが示されているところ、これを検討すれば、次のとおりである。
【0067】
先ず、第1のコンバータ100は、系統10が連携しているか否かを判断する(S100)。
【0068】
具体的には、第1のコンバータ100は、系統10が連携している場合、バッテリ充放電モード又はノーマル(Normal)モードで駆動されてもよい。
【0069】
第1のコンバータ100が系統10と連携し状態で、バッテリ充放電モードで駆動される場合(S120)、第1のコンバータ100は、バッテリ180のSOC情報を分析する(S140)。
【0070】
具体的には、第1のコンバータ100は、通信部300からバッテリ180のSOC情報をリアルタイムで受信して、バッテリ180のSOC情報を分析することができる。
【0071】
バッテリ180のSOC情報が分析されると(S140)、第1のコンバータ100は、バッテリ180のSOCが予め定めた制限範囲内に含まれるか否かを判別する(S160)。
【0072】
具体的には、第1のコンバータ100は、分析結果に基づいて、バッテリ180のSOCが予め定めた制限範囲(すなわち、SOC最小値(SOC_Min)〜SOC最大値(SOC_Max))内に含まれるか否かを判別することができる。
【0073】
判別の結果、バッテリ180のSOCが予め定めた制限範囲内に含まれる場合、第1のコンバータ100は、バッテリ180の充電又は放電電力と第1及び第2負荷230、280の消耗電力を考慮して、電力制御指令(P*)を生成することができる。
【0074】
ここで、電力制御指令(P*)は、例えば、第1及び第2負荷230、280の消耗電力量(P_Load)にバッテリ180の充電又は放電電力量(P_Battery)を加えた値を示すことができる。
【0075】
また、第1のコンバータ100は、生成された電力制御指令(P*)を通信部300を介して第2〜第4のコンバータ150、200、250に伝達することができる。
【0076】
また、第1のコンバータ100は、
図3に示したように、生成された電力制御指令(P*)に基づいて系統10の電力制御を行うことができる。
【0077】
例えば、バッテリ180の充電が必要である場合、生成された電力制御指令(P*)に基づいて、系統10の電力をバッテリ180に提供することができ、バッテリ180の放電が必要である場合、生成された電力制御指令(P*)に基づいて、バッテリ180の放電した電力を系統10に提供することができる。
【0078】
すなわち、第1のコンバータ100は、前述したように、電力制御指令(P*)に基づいて、系統10とバッテリ180の間の電力取り引き作業が行われるようにすることができる。
【0079】
もちろん、第2のコンバータ150は、通信部300から提供された電力制御指令(P*)に基づいて、バッテリ180に対する充放電を制御することができる。
【0080】
また、第1のコンバータ100は、生成された電力制御指令(P*)に基づいて、系統10の電力を第1及び第2負荷230、280に供給することができる。
【0081】
もちろん、第3及び第4のコンバータ200、250は、通信部300から提供された電力制御指令(P*)に基づいて、第1及び第2負荷230、280に対する電圧を制御することができる。
【0082】
一方、判別の結果、バッテリ180のSOCが予め定めた制限範囲を外れる場合、第1のコンバータ100は、ノーマル(Normal)モードで駆動されてもよい(S200)。
【0083】
具体的には、第1のコンバータ100は、ノーマルモードで駆動されて、第1及び第2負荷230、280の消耗電力を考慮した電力制御指令(P*)を生成することができる。
【0084】
ここで、電力制御指令(P*)は、例えば、第1及び第2負荷230、280の消耗電力量(P_Load)を示すことができる。
【0085】
また、第1のコンバータ100は、生成された電力制御指令(P*)を通信部300を介して第2〜第4のコンバータ150、200、250に伝達することができる。
【0086】
また、第1のコンバータ100は、
図4に示したように、生成された電力制御指令(P*)に基づいて、系統10の電力制御を行うことができる(S220)。
【0087】
例えば、バッテリ180のSOCが予め定めた制限範囲を外れる場合、バッテリ180の充放電は中断され、第1のコンバータ100は、生成された電力制御指令(P*)に基づいて、系統10の電力を第1及び第2負荷230、280に供給することができる。
【0088】
もちろん、第3及び第4のコンバータ200、250は、通信部300から提供された電力制御指令(P*)に基づいて、第1及び第2負荷230、280に対する電圧を制御することができる。
【0089】
ただし、第1のコンバータ100は、系統10が連携しているか否かを判断したとき(S100)、系統10に事故が発生した場合(すなわち、系統10が停電するか分離された場合)、第1のコンバータ100は、ゲート信号をターンオフ(turn−off)して駆動を中断し、第2のコンバータ150は、バッテリ180の電力を第1負荷230及び第2負荷280のうち少なくとも1つ以上に無瞬断状態で供給することができる(S240)。
【0090】
具体的には、系統10事故によって系統10とDC配電網20が断絶(すなわち、分離)されるとしても、第2のコンバータ150が常時にDC配電網20の電圧を制御するところ、直ぐに(すなわち、無瞬断状態で)バッテリ180の電力を第1負荷230及び第2負荷280のうち少なくとも1つ以上に供給することができる。
【0091】
前述したように、本発明によれば、無瞬断電源供給が可能であり、バッテリ180の常時充放電制御を介して系統10との電力取り引きが可能であるところ、電力使用量を効率的に調節することができ、無瞬断かつ高品質の電力供給が可能であるという長所がある。
【0092】
前述した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の技術的思想を脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではない。
【国際調査報告】