(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-524071(P2020-524071A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】流体混合機器
(51)【国際特許分類】
B01F 11/00 20060101AFI20200717BHJP
A45D 40/00 20060101ALI20200717BHJP
【FI】
B01F11/00 B
A45D40/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2019-566175(P2019-566175)
(86)(22)【出願日】2018年6月1日
(85)【翻訳文提出日】2020年1月15日
(86)【国際出願番号】ES2018070400
(87)【国際公開番号】WO2018220254
(87)【国際公開日】20181206
(31)【優先権主張番号】P201730755
(32)【優先日】2017年6月1日
(33)【優先権主張国】ES
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519421684
【氏名又は名称】レジエル コズメティクス,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ルビアレス バスケス,ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】ポルティージョ ゴンザレス,アルベルト
【テーマコード(参考)】
4G036
【Fターム(参考)】
4G036AB16
4G036AB18
(57)【要約】
本発明は、それぞれの容器から得られる1つまたは複数の添加物流体と基礎流体を混合する流体混合機器に関し、前記機器は、迅速かつ容易に使用されること、ならびに使用と使用の間に痕跡がまったく残らないことを特徴とする。機器は、少なくとも1つの基礎流体容器(23)の中に含有される少なくとも1つの第1の流体を抽出するための第1のモジュール(1)と、引張り、押し出し、排出する機構(2)と、1つまたは複数の添加物容器(24)から1つまたは複数の第2の流体または添加物流体を抽出するための第2のモジュール(3)と、最終混合物を放出するための孔を具備する混合タンク(4)と、電池で動く電子制御基板(27)とを備え、基礎流体容器、および1つまたは複数の追加の流体容器に圧力を加えるために単一のステップモータを使用し、引張り、押し出し、排出する機構(2)を作動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ケーシングまたは筐体(18)を備える流体混合機器であって、
−少なくとも1つの容器(23)に含有される少なくとも1つの第1の流体を抽出するための第1のモジュール(1)と、
−引張り、押し出し、放出する機構(2)と、
−1つまたは複数の添加物容器(24)から1つもしくは複数の第2の流体または添加物流体を抽出するための第2のモジュール(3)と、
−最終混合物を放出するための孔を具備する混合タンク(4)と、
−電池で動く電子制御基板(27)と
を内部に備え、
前記引張り機構(2)は、前記混合タンク(4)の内部に配置され、前記混合タンク(4)は、前記第1のモジュール(1)と前記第2のモジュール(2)の間に位置し、1度だけ押した後に、前記機器の制御により流体の混合物の使用と獲得が可能になる ことを特徴とする流体混合機器。
【請求項2】
前記第1のモジュールは、前記機器の下部に位置するのに対して、前記第2のモジュールは、前記機器の上部に位置することを特徴とする、請求項1に記載の流体混合機器。
【請求項3】
前記引張り機構は、軸(8)によって主歯車(7)に関連づけられたステップモータ(5)を備え、前記主歯車(7)は、ねじ締めシャフト(10)によって前記第2のモジュール(3)に固定された引張り要素(6)の歯車(9)に係合し、前記引張り要素(6)のラックに前記第2のモジュール(3)が係合することができるようにし、その結果、前記引張り要素(6)が、引張り、押し出し、放出する方向にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項1または2に記載の流体混合機器。
【請求項4】
前記第1のモジュール(1)は、
−基部(17)と、
−前記基部(17)に固定されたガイド(13)と、
−前記ステップモータ(5)の回転をプラットフォーム(14)の昇降運動に変換する、軸(8)と台形ナット(12)の動作により、ガイド(13)に沿って垂直方向に移動可能な前記プラットフォーム(14)と、
−前記基部プラットフォーム(17)に固定されていて、前記プラットフォーム(14)を持ち上げる前記動きを制限するための停止具(15)と、
−前記タンクが依然として圧縮されているとき、前記引張り要素(6)が完全に配置され、放出されるときに前記タンクが圧縮されることができるように、サイクル中に前記引張り要素(6)を連結し、切り離す部分(16)と、
を備えることを特徴とする、請求項3に記載の流体混合機器。
【請求項5】
前記添加物流体(24)を放出するための第2のモジュール(3)は、
−さらにまた添加物タンク(24)を固定する機能を遂行する、前記混合タンク(4)の昇降プラットフォーム(21)と、
−前記添加物タンクを圧縮させる、前記外部ケーシング(18)にしっかりと固定された添加物停止部(19)と、
を備え、
前記第2のモジュール(3)に対応する前記昇降プラットフォーム(21)はまた、前記混合タンク(4)と一体化しているので、前記引張りシステム(2)の一部分のための支持物の役割を果たすことを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項6】
前記混合タンク(4)は、一方の端部に前記引張り要素(6)が動くための、および対向する端部に前記最終混合物の出口のために開いた平行六面体形状と、ならびに前記混合物が作成される、画定された内部空間を有し、前記混合タンク(4)の前記上部の中に、前記混合タンク(4)は、前記添加物流体容器からの入口ごとに少なくとも1つの開口部(32)を備えるのに対して、前記基礎流体容器(32)については、同じく少なくとも1つの基礎流体容器(23)から少なくとも1つの基礎流体が入るための少なくとも1つの開口部(34)を特色としていることを特徴とする、請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項7】
前記ケーシングは、前記添加物流体および前記基礎流体の量だけではなく、前記電池の状態も示す、一連のインジケータLEDを具備し、さらにまた、容量性作動ボタン(22)、および前記内部にアクセスするためのドア(20)だけではなく、前記ドア(22)を通して現れる前記最終混合物のディスペンサも特色としていることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項8】
−前記タンク内で利用可能な流体液位を測定する基礎流体液位センサ基板(25)と、
−前記添加物停止部(19)の中に埋め込まれた添加物流体液位測定基板(26)と、 を備えることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項9】
前記液位センサ基板の各々は、LED放出体(31)と、前記LED放出体(31)の方を向いて配置されたフォトレジスタ(30)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載の流体混合機器。
【請求項10】
前記主制御基板(27)は、前記基板に電力を供給するためのマイクロUSBコネクタ(36)を特色としていることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項11】
前記混合タンク(4)を前記機器から取り外すことができることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項12】
化粧品部門で使用されることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項13】
無気タイプの容器を使用することを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の名称に示すように、本発明の目的は、限定しない可能な実施形態では、基礎流体と、1つまたは複数の添加物流体または活性流体の混合物であり得る流体混合機器であり、ここで流体の1つが基礎流体の役割を果たす必要はなく、すなわち、混合に関与する流体の量、割合、および性質に一切制限はない。本発明の機器対象物の数多くある特徴の一つに、化粧クリームの作成という特徴がある。
【0002】
本発明は、すべての最終消費者部門での個人化関連に含まれ、前記消費者に合わせて作られた製品に付加価値を与える。
【0003】
この場合、本発明は、個人化された化粧クリームの需要に対応し、個人化された化粧処置を自宅で瞬時に得られるようにする機器を生み出す。さらに、適用される技術的解決手段の結果として、ユーザは、自分の必要性が変わるたびに、個人化されたクリームを修正することができる。
【0004】
ユーザは、化粧クリームの特性、すなわち、保湿の程度、皮膚のタイプに応じて、肌合いおよび処置、処置すべき徴候を個別に選ぶ。これは要約すると、水分および肌合いを与える基礎クリームおよび処置用の有効成分を、全部で基礎クリームについては50ml、有効成分については5mlの無気タイプの容器の中に選ぶことによる。これらの瓶は、本発明の機器の中に導入され、単にボタンを押すことにより、そのときのために個人化された1回量の化粧クリームが得られる。
【0005】
本発明は、混合機器の一部である要素の各々の特殊な構成および設計により特徴づけられ、流体を独立に処置することを可能にする流体混合機器を達成し、可能な実施形態では、粒体は、基礎流体、および1つまたは複数の添加物流体と呼ばれるものとすることができ、一方で、すでに明言したように、各流体の量、機能、および性質に関して一切制限はない。本発明の混合機器対象物は、容器を交換したときに痕跡がまったく残らないこと、すなわち、機器を清掃する必要なしに流体を他と交換することができるようにするという点で、技術水準の既存の手法に関して非常に重要な手法を特徴とする。
【0006】
機器の他の特有な様態は、機器の小さなサイズであり、電池で動作することとあいまって、機器をユーザが容易に携帯でき、簡単に取り扱えるようにし、及び機器は、使用しやすさ、瓶を楽に交換できること、およびLED光による直感的で明確な情報盤を示す。
【0007】
したがって、本発明は、特に化粧クリームを調製するために考え出された、一連の流体を混合するための混合機器の範囲に含まれる。
【背景技術】
【0008】
以下の混合機器は、技術水準で公知である。
−特許公報の米国特許出願公開第2016/0052007(A1)号明細書は、https://www.nuskin.com/en_PL/ageloc−me−landing.htmlで閲覧することができる機器を開示しており、前記機器は、基礎流体および添加物流体を独立に処置し、供給することができるように基礎流体と添加物流体を区別しないという事実など、改善の余地がある側面を有する。前記機器は、本明細書で提案する機器と構造的にも機能的にも異なる実施形態である。
−特許公報の国際公開第14080093号は、http://www.romy−paris.com/で記述されている機器と一致する機器を開示しており、この場合、混合物は、使い捨てのカプセルから得られ、システムは、本出願で提示するシステムと異なる。
−特許公報の米国特許第7445372号明細書は、家庭および個人で使用するための効率的ディスペンサを提供する構成要素の取り合わせを含む、液体組成物を混合および分与するための機器を開示している。機器は、複数のカートリッジおよび複数のポンプを含み得る。カートリッジの各々は、液体添加物を含み得、そしてディスペンサに取外し可能に取り付けられ得る。ポンプの各々は、カートリッジの1つに接続され、そのカートリッジから所望の量の液体を抽出するように作動され得る。機器はまた、液体組成物の混合と分与の両方のための回転要素を含み得る。液体は、カートリッジから、回転要素の表面近くにある1つまたは複数の入口へと流出し、液体が回転要素の表面上を流れる際に混合され得る。
【0009】
抽出、混合、および分与するシステムは、複雑であり、製造するのに費用がかかり、ポンプと、カートリッジまたは供給機器の両方を必要とし、その結果、システム構造の点で複雑な機器になり、システムの取り扱いに関して複雑になり、さらに、システムは、どんなものであれ、機器を使用する際に痕跡を低減する、または痕跡をまったく残さないために考え出されたいかなる手段も設計も特色としていない。
−特許公報の米国特許出願公開第20060000852(A1)号明細書は、主チャンバおよび他の補助チャンバを含有する、液体混合物を混合および分与するための携帯型ディスペンサを開示している。携帯型ディスペンサは、別のタイプの混合物用に使用しようとする場合、痕跡を残すことを回避するように特に設計された手段を特色としてないという欠点を有する。
【0010】
公知の流体混合機器の大部分は、ドラムの中で混合を遂行し、したがって、痕跡を残すので、その後の他の異なる混合物にとっては汚染されている。
−特許公報の国際公開第2016087468号は、可変の色の混合物を排出するための分与システムを開示しているが、いかなる抽出モジュールも、引張り機構も、自動化された混合機構も有しない。この特許公報は、本明細書で提示する対象物とまったく関係がない実施形態を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0052007(A1)号明細書
【特許文献2】国際公開第14080093号
【特許文献3】米国特許第7445372号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第20060000852(A1)号明細書
【特許文献5】国際公開第2016087468号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】https://www.nuskin.com/en_PL/ageloc−me−landing.html
【非特許文献2】http://www.romy−paris.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、言及した欠点を、詳細には、複雑さ、いくつかの流体から混合物を作成することができないこと、ならびに可能な実施形態では、1つまたは複数の添加物流体を基礎流体に加えることができるという事実に加えて、混合物を作成することにより残り得る痕跡、さらには、業界から得られる標準的容器を使用することができないことを克服し、以下で記述する機器などの機器、および請求項1に含まれる本質的特徴を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、ユーザが、高速で簡単な方法によって、独立した手段により最終混合物の所望の特徴を全て構成することができる流体混合機器である。機器は、限定しない可能な実施形態では、基礎流体、および1つまたは複数の添加物流体であり得るいくつかの流体を、独立して混合することを可能にすることを模索し、両方の流体は、独立して処置され、制御される。
【0015】
混合すべき流体の各々は、1つの容器を類似の特徴を有する別の容器と交換することができるように、一般に標準的特徴を有する独立した容器の中に含有される。
【0016】
本発明の機器対象物により、異なる容器の各々から、事前にプログラムされた量の内容物を抽出することが可能になり、共通の混合タンクの中で内容物を均一に混合し、混合タンクの中では、混合で使用した流体の痕跡がまったく残らないように、機械的押圧方法によって、押し出すことにより内容物が混合され、最終生成物が最終的に放出される。
【0017】
ユーザが流体を押すことをシミュレートし、次に、混合物を引張り、混合し、放出する機械的システムを用いて、異なる流体の抽出が遂行される。この機構は、固定されている容器、圧力プラットフォーム、ガイド、および単一のステップモータによって駆動される動き変換器からなる。
【0018】
すべての流体容器は、容易にアクセス可能であり、他の容器と交換可能である。
【0019】
放出された流体の各々は、共通の混合タンクの中に置かれる。牽引と圧縮の両方を遂行するラックおよびピニオンタイプの機構を用いる機械的牽引−圧縮押圧方法によって、流体が押し出すことにより混合され、要素分布の点で均一な混合物が達成される。
【0020】
混合タンクの中に置かれたすべての流体を放出する処理は、生成された機械的押圧を利用して、独立した流体を共通の孔に通過させる押出処理により、この処理はすべての流体の独立した特徴に影響を及ぼすことがない。
【0021】
最終混合物は、同じ押出機構を使用して、支持具を具備し、ユーザが完全に混合され、均一化された、作成された混合物にアクセスできるようにする出口孔より放出される。
【0022】
この引張りと押し出しのシステムの結果として、ユーザが利用するために最終支持物の中に均一な混合物が提供され、内部領域には、次に使用するために、痕跡がまったく残らない。
【0023】
これらの機構はすべて、電池で動く電子制御基板(システムの全体的CPUの役割を果たす)により管理される。示したものに加えて、システムは、容器の1つが空になりかけているときにユーザに通知する容器液位検出システム、および携帯電話を通してこのデータを管理するための相互接続能力を具備する。
【0024】
容器液位検出システムは、容器が半透明であるので容器液位に従って容器の液位を示す、光放出体およびフォトレジスタからなるシステムが含まれる2つの電子基板(一方は基礎容器用、他方は有効成分容器用)である。この情報は、情報を管理すること、およびLED光によってユーザに信号を放出することを担うCPUに伝送される。
【0025】
これらのLED光は、LEDが点灯したときだけケーシングを通して目に見え、表面には、突出部および凹部はまったくない。また、容量性ボタンが、外部ケーシングの下にある。前記ケーシングの中には、ボタンがどこに位置するかをユーザがわかるためのスリットが存在し、したがって、表面には障害物がないままである。この構成は、最終ユーザに適した使い勝手に加えて、容易に清掃し、機器を使用することを確実にするようにこの手法で規定され、この場合、力を働かせる必要も、機器の動作を理解するために複雑なマニュアルを必要とすることもない。
【0026】
異なるサイズおよび形状に適応するこれらの容器は、通常のユーザが容器を押すのをシミュレートする機械的手段によって容器の内容物を放出する。
【0027】
混合機器は、内部にアクセスするための、したがって、添加物容器と基礎流体容器の両方を交換し、置くための前部ドアを具備する外部ケーシングを備える。
【0028】
混合機器は、一方のモジュールが基礎容器用であり、他方のモジュールが添加物容器用である2つの容器固定モジュールと、引張りシステムを格納し、基礎容器と添加物容器の両方を圧縮し、混合タンクに沿って引張り、添加物成分および基礎成分を押し出し、最終的にユーザに向けて放出する機能を完全に同期して前記順序で遂行する機構とを特色としている。
【0029】
さらに、混合機器はまた、放出するための孔を具備し、かつ両方のモジュールの間に収容される混合タンクを特色としている。したがって、生成物が基礎流体容器から、および1つまたは複数の添加物容器から放出されたとき、すべての生成物は、引張り機構を用いて一緒に混合され、引張り機構は、混合物を押し出し、最終的に放出する機能を遂行する。
【0030】
前記引張り機構は、ラックおよびピニオンシステムからなり、ラックおよびピニオンシステムでは、ラックは、引張り要素と呼ばれるものの一部分になっている。この部分は、ピストンタイプの機能を遂行し、その結果、混合タンクの全区域を常に対象にし、したがって、使用サイクルの間、混合タンクの中に置かれた流体すべてを引く。この引張り要素は、ラックが位置する剛性部分、および好ましいが限定しない手法でシリコンから作成された弾性部分から構成され、これらの部分により混合タンク内での調整、およびその後の混合物の押し出しが可能になる。
【0031】
単一のステップモータを伴う混合機器は、一方では、混合容器の持ち上げを達成し、これにより混合モジュールに押しつけられたときに基礎容器の内容物を混合タンクの中に放出させ、他方ではさらにまた、混合容器を持ち上げたために追加の流体容器が押されるとき、追加の流体容器は、その内容物を混合タンクの中に放出し、前記混合タンクに関連づけられている前記ステップモータにより、引張り、押し出し、および放出する機構もまた動作する。
【0032】
以下は、本発明の機器対象物を用いて達成される。
−個々の容器(業界での標準的容器、具体的には、無気タイプの容器)を個々に処置することができる。
−混合サイクルは、いかなる種類の復元力も有さず、その結果、容器を交換するとき、先行する容器の痕跡はまったくない。
−混合および放出処理には、待ち時間はまったくなく、すなわち、容器を据え付けた後、待ち時間はまったくない。
−混合および押し出しシステムは、簡単な機械的手段による。
−容器またはカートリッジを交換することにより痕跡が残ることはまったくないので、本発明の機器対象物は、清掃する、またはどんな他の事前行動も遂行する必要なしに、望む限り多くの異なる組合せに使用することができる。補完する、または任意選択の手法では、共通の混合タンクは、洗浄および消毒処理を受けることになる場合、取り外し可能とすることができる。
【0033】
混合機器は、化粧品の製造から、塗料、染料などの調製までの範囲にわたる、様々な分野に適用することができる。
【0034】
特に指示がない限り、本明細書で使用するすべての技術的要素および科学的要素は、本発明が属する当業者が通常理解する意味を有する。本発明を実施する際に、本明細書で記述するものに類似する、または等価な方法および材料を使用することができる。
【0035】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、用語「備える(comprise)」およびその変形形態は、他の技術的特徴、添加物、成分、またはステップを排除することを意図しない。当業者には、本発明の他の目的、利点、および特徴が、一部は本明細書から、一部は本発明を実施することから推論されるであろう。
【0036】
記述されている説明を補完するために、および本発明の好ましい実用的実施形態に従い本発明の特徴をよりよく理解する手助けをするために、前記記述の不可欠な部分として、1組の図面が含まれ、以下が例示的で、限定しない手法で描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】機器内の基礎容器および添加物容器にアクセスする方法を示す。
【
図1B】ユーザが機器と対話するインジケータ要素およびボタンを示す。
【
図2A】引張りモジュールおよび混合タンクがどのように相互作用するかを詳細に示す。
【
図3】最終流体の引張り、押し出し、および放出するモジュールを示す。
【
図4】引き戻された、または折りたたまれた位置にある、引張り及び押し出し機構を示す。
【
図4A】引張り機構で構成要素を固定する方法の詳細を示す。
【
図5】容器を押すことによる基礎流体押し出しモジュールの詳細を示す。
【
図8】開放された内側へのアクセス手段を伴う機器、ならびに添加物容器および基礎容器を交換する方法を示す。
【
図10】T=0〜T=6のシーケンスでの基礎流体および添加物の抽出処理、ならびにそれに続く最終生成物の混合および押し出しを示す。
【
図11】混合タンクの一連の図および横断面を示す。
【
図13】基礎容器センサ基板などの容器液位センサの動作を描写する。
【
図14】ユーザが対話する、機器の上側部分に位置する要素を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
提案する発明の好ましい実施形態について、図を考慮して以下で記述する。
【0039】
図1.1では、本発明の機器対象物は、前部アクセス手段(20)を具備する外部ケーシングまたは筐体(18)を備えることが認められる。さらに、最終混合物を分与するための分与タブ(35)だけではなく、機器の動作状態を示すインジケータLED(29)も存在する。本発明の機器対象物はまた、混合および分与の処理を作動させるボタン(22)を特色としている。
【0040】
図1Aでは、本発明の機器対象物の前部ドア(20)だけが開いた位置にある完全なシステム、および基礎容器および添加物容器を交換することができる、ユーザが機器と対話するための前部領域を認めることができる。
【0041】
図1Bは、外部ケーシング(18)の上面にある電池および容器液位のインジケータLED(29)の位置を示す。これらは、LEDが点灯したときだけケーシングを通して目に見えるLEDの位置であり、表面に突出部および凹部がまったくない。また、容量性のボタン(22)は、外部ケーシング(18)の下部にあり、外部ケーシング(18)の中には、ボタンがどこに位置するかをユーザがわかるスリットが存在する。
【0042】
機器の主要なモジュール、および主要なモジュールがケーシング(18)(
図1)の内部でどのように収容されているかを、
図2で認めることができる。前記モジュールは、以下の通りである。
−第1の流体または基礎流体を含有する基礎流体容器(23)(
図5)から前記第1の流体または前記基礎流体を抽出するための第1のモジュール(1)。
−本明細書で以後わかりやすくするために、引張り機構(2)と呼ぶ、最終混合物を引張り、押し出し、および放出する機構(2)。
−添加物容器(24)(
図8)の第2の流体または添加物流体を抽出するための第2のモジュール(3)。
−分与タブ(35)と接続された、最終混合物を放出するための孔を具備する混合タンク(4)。
【0043】
引張り機構(2)は、混合タンク(4)の内部に配置され、混合タンク(4)は、第2のモジュール(3)に固定される。
【0044】
補完する手法で、混合タンク(4)は、必要であると考えられる場合、洗浄し、消毒することが可能になるように、残りの部分から切り離し、取り出すことができる。
【0045】
完全な機構、ならびにセンサおよびボタンのデータ収集は、基礎流体および添加物流体の量を調整することができるようにする主電子基板により独立に管理される。
【0046】
混合タンク(4)の全区間に沿って移動するピストンのように作動し、さらにまた、添加物容器(24)が機器の中にある間に添加物容器(24)を収容する機能(
図8)を有する引張りシステム(2)の性質を、
図2Aで認めることができる。
【0047】
図3は、軸(8)を通して伝動装置によりモータ(5)の主歯車(7)の回転を引き起こすステップモータ(5)を備える引張り機構(2)の詳細を示す。主歯車(7)のこの回転は、ねじ締めシャフト(10)を通して第2のモジュール(3)(
図2)に固定された引張り要素(9)の歯車の回転を引き起こし、引張り要素(6)のラックと第2のモジュール(3)が係合することを可能にし、その結果、引張り要素が引張り、押し出し、および放出する方向にスライドできるようにする。
【0048】
図4は、軸(8)を通して伝動装置により、今回は引張り方向と反対方向に、モータの主歯車(7)の回転を引き起こすステップモータ(5)の活動により引っ込められた、引張り機構(2)の詳細を示す。主歯車(7)のこの回転は、ねじ締めシャフト(10)によって第2のモジュール(3)に固定された引張り要素の歯車(9)の回転引き起こし、引張り要素(6)のラックと第2のモジュール(3)が係合することを可能にし、その結果、引張り方向と反対方向に引っ込められることができるようにする。
【0049】
図4Aは、軸(8)と主歯車(7)の両方の部分に作成されたせん孔を通る無頭ねじ(11)により主歯車(7)が軸(8)としっかりと固定され、両方の部分の間で完全に一体化した動きを引き起こすことを示す。
【0050】
図5は、基礎流体容器(23)を固定するための、さらにまた圧縮中には持ち上げプラットフォーム(14)の役割を、緩和中には静止プラットフォームの役割を果たすシステムからなる、基礎流体容器(23)から基礎流体を抽出するための第1のモジュール(1)を示す。この動きは、ステップモータ(5)が回転する結果として発生し、ステップモータ(5)の回転は、そのような回転を、持ち上げプラットフォーム(14)にしっかりと固定されたナット(12)に伝達し、回転方向に従って、回転を上方または下方の直線的動きに変換する軸(8)を回転させる。このプラットフォームは、動きを垂直方向の動きに制限し、かつモジュールの基部(17)に固定された2つのガイド(13)で支持される。第2のモジュール(3)を停止させるためのブラケット(15)が存在し、この場合、前記ブラケット(15)はまた、モジュール(1)の基部(17)にしっかりと固定される。最後に、動作サイクルの間、引張り要素の係合および切り離しを担当する、引張り要素(6)の押出し機は固定されて、タンクの圧縮を可能にし、引張り要素は、サイクル終了時に完全に引き出され、放出される。
【0051】
基礎容器(23)の圧縮は、その直上に配置された第2のモジュール(2)に加えられ、さらに、第2のモジュール(2)は、基礎流体が放出される混合タンク(4)と嵌合する。
【0052】
1つまたは複数の基礎流体容器も、1つまたは複数の添加物流体容器も、引張り要素が通過するまで押されたままであり、引張り要素が通過すると、もはや押されない。
【0053】
図6は前記第1のモジュール(1)の分解図を示し、第一のモジュール(1)は、
−基部(17)と、
−基部(17)に固定されたガイド(13)と、
−ステップモータ(5)の回転をプラットフォーム(14)の昇降運動に変換する、軸(8)とナット(12)の動作により、ガイド(13)に沿って垂直方向に移動可能なプラットフォーム(14)と、
−基部プラットフォーム(17)に固定されていて、プラットフォーム(14)を持ち上げる動きを制限するための停止具(15)と、
−タンクが依然として圧縮されているとき、引張り要素(8)が完全に配置され、放出されているときにタンクが圧縮されることができるように、引張り要素(6)をサイクル中に連結し、切り離す部分(16)と、を備える。
【0054】
いわゆる基礎流体を単一の流体に限定する必要はなく、2つ以上の基礎流体容器を配置することができ、基礎流体の各々を、同時に、または独立して管理することができる。
【0055】
図7は、添加物流体(24)を放出し、さらにまた添加物タンク(24)を固定する機能を遂行する混合タンク(4)の昇降プラットフォームと、外部ケーシング(18)(
図1)にしっかりと固定され、添加物タンクを完全に圧縮する添加物停止部(19)とを備える第2のモジュール(3)を示す。前記圧力は、両方のモジュール(13)により共用されるガイドで支持される第1のモジュール(1)が上方へ動く間、第1のモジュール(1)により加えられる。第2のモジュール(3)に対応する昇降プラットフォーム(21)はまた、混合タンク(4)と一体化しているので、引張りシステム(2)の一部分の支持物の役割を果たす。
【0056】
図8は、機器の内部にアクセスして、添加物容器(24)および基礎流体容器(23)を交換する方法を示す。このシステムは、片手を入れて、第1のモジュール(1)に、したがって基礎容器(23)に直接アクセスし、混合タンク(4)を部分的に引っ込めて、垂直方向に添加物容器(24)を交換できるようするのに役立つ前部ドア(20)を備える。
【0057】
図9は、添加物流体容器(24)の正面図、平面図、および横断面図を示す。
【0058】
図9Aは、基礎流体容器(23)の正面図、平面図、および横断面図を示す。
【0059】
図10は、機器のケーシング(18)の上部にある押しボタン(22)(
図1)が押されたときから、混合タンク(4)のディスペンサ(35)の中で最終混合物が得られるまで行われる、活動のシーケンスを示す。
【0060】
最初の位置(T=0)では、引張り機構(2)は、引張り要素(6)を伸展したまま保持し、混合タンク(4)を隔離し、容器は弛緩状態にある。ユーザがボタン(22)を押した後、動作サイクルは、引張り要素(6)を引っ込めることと、容器の圧縮とを備える同期した動きから始まり(T=1)、引張り要素は、完全に引っ込んだ位置に到達し、容器の圧縮(T=2)はまだ始まっていない。引張りシステム(2)は、容器の圧縮が開始する前に、引張り要素を切り離し、すべての流体、すなわち添加物容器(24)から得られる流体および基礎流体容器(23)から得られる流体を、引張り要素(6)の前方の混合タンク(4)中に置くことが可能になる(T=3)。その後、機構は、下方に動き始め、容器の減圧が可能になり、第1のモジュール(1)および第2のモジュール(3)が互いから分離し始める前に、引張りシステム(2)は、引張り要素(6)に再度係合し、すべての流体を混合タンク(4)の外に押し出す(T=4)。サイクルの最後の部分として、引張り要素(6)は、混合タンク(4)の孔を通してすべての流体を押し出し、分与する目的で配置されたディスペンサ(35)の中に混合物を放出し、その間、引張り要素(6)が完全に伸展して、容器が完全に弛緩し、開始点(T=6=0)に到達するまで、第1のモジュール(1)および第2のモジュール(3)が下方の動きを継続する(T=5)。
【0061】
図11は、混合タンク(4)の構造上の特徴を示す。混合タンク(4)は、一方の端部に引張り要素(6)が動くための、および対向する端部に最終混合物の出口のための平行六面体形状の開口、ならびに混合物が作成される、画定された内部空間(33)を有する。混合タンク(4)の上部は、添加物流体容器からの入口ごとに少なくとも1つの孔(32)を備えるのに対して、基礎流体容器(23)については、同じく少なくとも1つの基礎流体容器(23)から少なくとも1つの基礎流体が入るための少なくとも1つの孔(34)を特色としている。最後に、混合タンク(4)の上部は、その後部に、混合タンク(4)が抽出されるときに支持物の役割を果たす2つの延長部分を特色としており、添加物容器(24)を交換することを可能にする。
【0062】
流体用の入口孔を通して混合タンク(4)内部で混合される流体用の入口の場所は、入口孔が流体容器と一致するような場所にある。
【0063】
混合タンク(4)全体にわたる区域は、一定しており、適合許容範囲を除いて、上述のピストンタイプの引張り力を働かせるために引張り要素(6)の区域と一致する。混合タンクおよび分与タブ(35)の隣接する壁は、最終的に混合される流体を、よりよく混合および放出することができるようにする凹状の形状を有する。
【0064】
図12は、データを取り込み、情報を管理し、動作および情報の信号をユーザに出力することができるようにする、機器内の電子的要素の分布を示す。
【0065】
システムの4つの電子構成要素について記述する。基礎流体プラットフォーム(14)上で第1のモジュール(1)の中に埋め込まれた下部に、混合タンク内で利用可能な流体液位を測定する基礎流体液位センサ基板(25)がある。第2のモジュール(3)の添加物停止部(19)(
図7)の中に埋め込まれた添加物流体液位測定基板(26)は、添加物ごとに同じ機能を遂行する。電池の充電を管理することに加えて、センサ基板から得られるすべての情報を管理し、インジケータLED(29)によってユーザに通知することを担当するシステムの主基板(27)は、機器の上部に位置し、有効成分センサ基板と同じ部分にしっかりと固定されている。最後に、さらにまた同じ添加物停止部(19)にしっかりと固定されているのが、システム電池(28)であり、システム電池(28)の形状および性質は、
図12に示す実施形態に限定されないが、
図12に示す実施形態は、好ましい実施形態である。電池は、主基板を始めとして電子システムすべてに電力を供給することを担当しており、主基板(27)内に位置するマイクロUSBコネクタ(36)(
図14)を通して充電されることができ、この場合、このコネクタはまた、好ましいが、これに限定されるわけではない。
【0066】
図13は、基礎流体容器液位センサ基板(25)と添加物容器液位センサ基板(26)の両方の動作を示す。図示する場合では、基礎流体センサ基板(25)が認められる。前記基礎流体センサ基板(25)の中には、サイクルを開始する前に、反対側にあるフォトレジスタ(30)により取り込まれる光信号を放射する、特定の方向に向けられたLED放出体(31)が存在し、流体液位に応じて、前記信号は、所与の強度で、または容器内の液位を示す別の強度で到達する。
【0067】
図14は、インジケータLED(29)、容量性ボタン(22)、およびマイクロUSB(36)が位置する、ケーシング(18)の上面にあるシステムの主基板(27)内の構成要素の分布を示す。
【0068】
全体的動作およびユーザ指示に関して考えられる事例について、以下で詳細に記述する。
・インジケータLED(29):これらのLEDは、4段階(2色:赤色/白色)で各無気容器の添加物/基礎流体の量を示す:
−白色LEDオン:すべての生成物が十分にあり、すべてが適切に作動している。
−白色LED点滅:容器が空になりかけている。
−赤色LEDオン:生成物が空になった、または基礎流体の場合、基礎流体が空になった、または容器がない。
−LEDオフ:添加物容器が導入されていない。基礎容器の場合、この状態は発生する可能性はなく、この状況では基礎流体の赤色インジケータLEDもオンに切り替わる。
・電池(2色:赤色/白色):
−LEDオフ:電池は、適切に作動するように、十分に充電されている。
−赤色LEDオン:作動するには不十分な電池である。
−赤色LED点滅:電池が切れかかっている、機器を充電しなければならない。
−白色LED点滅:充電中であり、電流に接続されている。
−白色LED点灯:100%充電済みであり、電流に接続されている。
【0069】
本発明の性質だけではなく実施する手法についても十分に記述したので、本発明の本質的特徴の範囲内で、本発明は、例によって示した実施形態と詳細が異なる、本発明の基本原理が改変されていない、変更されていない、または修正されていないという前提で考えられる保護の範囲に同様に入る他の実施形態で実行するために実施し得ることが本明細書により明言される。
【手続補正書】
【提出日】2020年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の名称に示すように、本発明の目的は、限定しない可能な実施形態では、基礎流体と、1つまたは複数の添加物流体または活性流体の混合物であり得る流体混合機器であり、ここで流体の1つが基礎流体の役割を果たす必要はなく、すなわち、混合に関与する流体の量、割合、および性質に一切制限はない。本発明の機器対象物の数多くある特徴の一つに、化粧クリームの作成という特徴がある。
【0002】
本発明は、すべての最終消費者部門での個人化関連に含まれ、前記消費者に合わせて作られた製品に付加価値を与える。
【0003】
この場合、本発明は、個人化された化粧クリームの需要に対応し、個人化された化粧処置を自宅で瞬時に得られるようにする機器を生み出す。さらに、適用される技術的解決手段の結果として、ユーザは、自分の必要性が変わるたびに、個人化されたクリームを修正することができる。
【0004】
ユーザは、化粧クリームの特性、すなわち、保湿の程度、皮膚のタイプに応じて、肌合いおよび処置、処置すべき徴候を個別に選ぶ。これは要約すると、水分および肌合いを与える基礎クリームおよび処置用の有効成分を、全部で基礎クリームについては50ml、有効成分については5mlの無気タイプの容器の中に選ぶことによる。これらの瓶は、本発明の機器の中に導入され、単にボタンを押すことにより、そのときのために個人化された1回量の化粧クリームが得られる。
【0005】
本発明は、混合機器の一部である要素の各々の特殊な構成および設計により特徴づけられ、流体を独立に処置することを可能にする流体混合機器を達成し、可能な実施形態では、粒体は、基礎流体、および1つまたは複数の添加物流体と呼ばれるものとすることができ、一方で、すでに明言したように、各流体の量、機能、および性質に関して一切制限はない。本発明の混合機器対象物は、容器を交換したときに痕跡がまったく残らないこと、すなわち、機器を清掃する必要なしに流体を他と交換することができるようにするという点で、技術水準の既存の手法に関して非常に重要な手法を特徴とする。
【0006】
機器の他の特有な様態は、機器の小さなサイズであり、電池で動作することとあいまって、機器をユーザが容易に携帯でき、簡単に取り扱えるようにし、及び機器は、使用しやすさ、瓶を楽に交換できること、およびLED光による直感的で明確な情報盤を示す。
【0007】
したがって、本発明は、特に化粧クリームを調製するために考え出された、一連の流体を混合するための混合機器の範囲に含まれる。
【背景技術】
【0008】
以下の混合機器は、技術水準で公知である。
−特許公報の米国特許出願公開第2016/0052007(A1)号明細書は、https://www.nuskin.com/en_PL/ageloc−me−landing.htmlで閲覧することができる機器を開示しており、前記機器は、基礎流体および添加物流体を独立に処置し、供給することができるように基礎流体と添加物流体を区別しないという事実など、改善の余地がある側面を有する。前記機器は、本明細書で提案する機器と構造的にも機能的にも異なる実施形態である。
−特許公報の国際公開第14080093号は、http://www.romy−paris.com/で記述されている機器と一致する機器を開示しており、この場合、混合物は、使い捨てのカプセルから得られ、システムは、本出願で提示するシステムと異なる。
−特許公報の米国特許第7445372号明細書は、家庭および個人で使用するための効率的ディスペンサを提供する構成要素の取り合わせを含む、液体組成物を混合および分与するための機器を開示している。機器は、複数のカートリッジおよび複数のポンプを含み得る。カートリッジの各々は、液体添加物を含み得、そしてディスペンサに取外し可能に取り付けられ得る。ポンプの各々は、カートリッジの1つに接続され、そのカートリッジから所望の量の液体を抽出するように作動され得る。機器はまた、液体組成物の混合と分与の両方のための回転要素を含み得る。液体は、カートリッジから、回転要素の表面近くにある1つまたは複数の入口へと流出し、液体が回転要素の表面上を流れる際に混合され得る。
【0009】
抽出、混合、および分与するシステムは、複雑であり、製造するのに費用がかかり、ポンプと、カートリッジまたは供給機器の両方を必要とし、その結果、システム構造の点で複雑な機器になり、システムの取り扱いに関して複雑になり、さらに、システムは、どんなものであれ、機器を使用する際に痕跡を低減する、または痕跡をまったく残さないために考え出されたいかなる手段も設計も特色としていない。
−特許公報の米国特許出願公開第20060000852(A1)号明細書は、主チャンバおよび他の補助チャンバを含有する、液体混合物を混合および分与するための携帯型ディスペンサを開示している。携帯型ディスペンサは、別のタイプの混合物用に使用しようとする場合、痕跡を残すことを回避するように特に設計された手段を特色としてないという欠点を有する。
【0010】
公知の流体混合機器の大部分は、ドラムの中で混合を遂行し、したがって、痕跡を残すので、その後の他の異なる混合物にとっては汚染されている。
−特許公報の国際公開第2016087468号は、可変の色の混合物を排出するための分与システムを開示しているが、いかなる抽出モジュールも、引張り機構も、自動化された混合機構も有しない。この特許公報は、本明細書で提示する対象物とまったく関係がない実施形態を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0052007(A1)号明細書
【特許文献2】国際公開第14080093号
【特許文献3】米国特許第7445372号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第20060000852(A1)号明細書
【特許文献5】国際公開第2016087468号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】https://www.nuskin.com/en_PL/ageloc−me−landing.html
【非特許文献2】http://www.romy−paris.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、言及した欠点を、詳細には、複雑さ、いくつかの流体から混合物を作成することができないこと、ならびに可能な実施形態では、1つまたは複数の添加物流体を基礎流体に加えることができるという事実に加えて、混合物を作成することにより残り得る痕跡、さらには、業界から得られる標準的容器を使用することができないことを克服し、以下で記述する機器などの機器、および請求項1に含まれる本質的特徴を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、ユーザが、高速で簡単な方法によって、独立した手段により最終混合物の所望の特徴を全て構成することができる流体混合機器である。機器は、限定しない可能な実施形態では、基礎流体、および1つまたは複数の添加物流体であり得るいくつかの流体を、独立して混合することを可能にすることを模索し、両方の流体は、独立して処置され、制御される。
【0015】
混合すべき流体の各々は、1つの容器を類似の特徴を有する別の容器と交換することができるように、一般に標準的特徴を有する独立した容器の中に含有される。
【0016】
本発明の機器対象物により、異なる容器の各々から、事前にプログラムされた量の内容物を抽出することが可能になり、共通の混合タンクの中で内容物を均一に混合し、混合タンクの中では、混合で使用した流体の痕跡がまったく残らないように、機械的押圧方法によって、押し出すことにより内容物が混合され、最終生成物が最終的に放出される。
【0017】
ユーザが流体を押すことをシミュレートし、次に、混合物を引張り、混合し、放出する機械的システムを用いて、異なる流体の抽出が遂行される。この機構は、固定されている容器、圧力プラットフォーム、ガイド、および単一のステップモータによって駆動される動き変換器からなる。
【0018】
すべての流体容器は、容易にアクセス可能であり、他の容器と交換可能である。
【0019】
放出された流体の各々は、共通の混合タンクの中に置かれる。牽引と圧縮の両方を遂行するラックおよびピニオンタイプの機構を用いる機械的牽引−圧縮押圧方法によって、流体が押し出すことにより混合され、要素分布の点で均一な混合物が達成される。
【0020】
混合タンクの中に置かれたすべての流体を放出する処理は、生成された機械的押圧を利用して、独立した流体を共通の孔に通過させる押出処理により、この処理はすべての流体の独立した特徴に影響を及ぼすことがない。
【0021】
最終混合物は、同じ押出機構を使用して、支持具を具備し、ユーザが完全に混合され、均一化された、作成された混合物にアクセスできるようにする出口孔より放出される。
【0022】
この引張りと押し出しのシステムの結果として、ユーザが利用するために最終支持物の中に均一な混合物が提供され、内部領域には、次に使用するために、痕跡がまったく残らない。
【0023】
これらの機構はすべて、電池で動く電子制御基板(システムの全体的CPUの役割を果たす)により管理される。示したものに加えて、システムは、容器の1つが空になりかけているときにユーザに通知する容器液位検出システム、および携帯電話を通してこのデータを管理するための相互接続能力を具備する。
【0024】
容器液位検出システムは、容器が半透明であるので容器液位に従って容器の液位を示す、光放出体およびフォトレジスタからなるシステムが含まれる2つの電子基板(一方は基礎容器用、他方は有効成分容器用)である。この情報は、情報を管理すること、およびLED光によってユーザに信号を放出することを担うCPUに伝送される。
【0025】
これらのLED光は、LEDが点灯したときだけケーシングを通して目に見え、表面には、突出部および凹部はまったくない。また、容量性ボタンが、外部ケーシングの下にある。前記ケーシングの中には、ボタンがどこに位置するかをユーザがわかるためのスリットが存在し、したがって、表面には障害物がないままである。この構成は、最終ユーザに適した使い勝手に加えて、容易に清掃し、機器を使用することを確実にするようにこの手法で規定され、この場合、力を働かせる必要も、機器の動作を理解するために複雑なマニュアルを必要とすることもない。
【0026】
異なるサイズおよび形状に適応するこれらの容器は、通常のユーザが容器を押すのをシミュレートする機械的手段によって容器の内容物を放出する。
【0027】
混合機器は、内部にアクセスするための、したがって、添加物容器と基礎流体容器の両方を交換し、置くための前部ドアを具備する外部ケーシングを備える。
【0028】
混合機器は、一方のモジュールが基礎容器用であり、他方のモジュールが添加物容器用である2つの容器固定モジュールと、引張りシステムを格納し、基礎容器と添加物容器の両方を圧縮し、混合タンクに沿って引張り、添加物成分および基礎成分を押し出し、最終的にユーザに向けて放出する機能を完全に同期して前記順序で遂行する機構とを特色としている。
【0029】
さらに、混合機器はまた、放出するための孔を具備し、かつ両方のモジュールの間に収容される混合タンクを特色としている。したがって、生成物が基礎流体容器から、および1つまたは複数の添加物容器から放出されたとき、すべての生成物は、引張り機構を用いて一緒に混合され、引張り機構は、混合物を押し出し、最終的に放出する機能を遂行する。
【0030】
前記引張り機構は、ラックおよびピニオンシステムからなり、ラックおよびピニオンシステムでは、ラックは、引張り要素と呼ばれるものの一部分になっている。この部分は、ピストンタイプの機能を遂行し、その結果、混合タンクの全区域を常に対象にし、したがって、使用サイクルの間、混合タンクの中に置かれた流体すべてを引く。この引張り要素は、ラックが位置する剛性部分、および好ましいが限定しない手法でシリコンから作成された弾性部分から構成され、これらの部分により混合タンク内での調整、およびその後の混合物の押し出しが可能になる。
【0031】
単一のステップモータを伴う混合機器は、一方では、混合容器の持ち上げを達成し、これにより混合モジュールに押しつけられたときに基礎容器の内容物を混合タンクの中に放出させ、他方ではさらにまた、混合容器を持ち上げたために追加の流体容器が押されるとき、追加の流体容器は、その内容物を混合タンクの中に放出し、前記混合タンクに関連づけられている前記ステップモータにより、引張り、押し出し、および放出する機構もまた動作する。
【0032】
以下は、本発明の機器対象物を用いて達成される。
−個々の容器(業界での標準的容器、具体的には、無気タイプの容器)を個々に処置することができる。
−混合サイクルは、いかなる種類の復元力も有さず、その結果、容器を交換するとき、先行する容器の痕跡はまったくない。
−混合および放出処理には、待ち時間はまったくなく、すなわち、容器を据え付けた後、待ち時間はまったくない。
−混合および押し出しシステムは、簡単な機械的手段による。
−容器またはカートリッジを交換することにより痕跡が残ることはまったくないので、本発明の機器対象物は、清掃する、またはどんな他の事前行動も遂行する必要なしに、望む限り多くの異なる組合せに使用することができる。補完する、または任意選択の手法では、共通の混合タンクは、洗浄および消毒処理を受けることになる場合、取り外し可能とすることができる。
【0033】
混合機器は、化粧品の製造から、塗料、染料などの調製までの範囲にわたる、様々な分野に適用することができる。
【0034】
特に指示がない限り、本明細書で使用するすべての技術的要素および科学的要素は、本発明が属する当業者が通常理解する意味を有する。本発明を実施する際に、本明細書で記述するものに類似する、または等価な方法および材料を使用することができる。
【0035】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、用語「備える(comprise)」およびその変形形態は、他の技術的特徴、添加物、成分、またはステップを排除することを意図しない。当業者には、本発明の他の目的、利点、および特徴が、一部は本明細書から、一部は本発明を実施することから推論されるであろう。
【0036】
記述されている説明を補完するために、および本発明の好ましい実用的実施形態に従い本発明の特徴をよりよく理解する手助けをするために、前記記述の不可欠な部分として、1組の図面が含まれ、以下が例示的で、限定しない手法で描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】機器内の基礎容器および添加物容器にアクセスする方法を示す。
【
図1B】ユーザが機器と対話するインジケータ要素およびボタンを示す。
【
図2A】引張りモジュールおよび混合タンクがどのように相互作用するかを詳細に示す。
【
図3】最終流体の引張り、押し出し、および放出するモジュールを示す。
【
図4】引き戻された、または折りたたまれた位置にある、引張り及び押し出し機構を示す。
【
図4A】引張り機構で構成要素を固定する方法の詳細を示す。
【
図5】容器を押すことによる基礎流体押し出しモジュールの詳細を示す。
【
図8】開放された内側へのアクセス手段を伴う機器、ならびに添加物容器および基礎容器を交換する方法を示す。
【
図10】T=0〜T=6のシーケンスでの基礎流体および添加物の抽出処理、ならびにそれに続く最終生成物の混合および押し出しを示す。
【
図11】混合タンクの一連の図および横断面を示す。
【
図13】基礎容器センサ基板などの容器液位センサの動作を描写する。
【
図14】ユーザが対話する、機器の上側部分に位置する要素を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
提案する発明の好ましい実施形態について、図を考慮して以下で記述する。
【0039】
図1では、本発明の機器対象物は、前部アクセス手段(20)を具備する外部ケーシングまたは筐体(18)を備えることが認められる。さらに、最終混合物を分与するための分与タブ(35)だけではなく、機器の動作状態を示すインジケータLED(29)も存在する。本発明の機器対象物はまた、混合および分与の処理を作動させるボタン(22)を特色としている。
【0040】
図1Aでは、本発明の機器対象物の前部ドア(20)だけが開いた位置にある完全なシステム、および基礎容器および添加物容器を交換することができる、ユーザが機器と対話するための前部領域を認めることができる。
【0041】
図1Bは、外部ケーシング(18)の上面にある電池および容器液位のインジケータLED(29)の位置を示す。これらは、LEDが点灯したときだけケーシングを通して目に見えるLEDの位置であり、表面に突出部および凹部がまったくない。また、容量性のボタン(22)は、外部ケーシング(18)の下部にあり、外部ケーシング(18)の中には、ボタンがどこに位置するかをユーザがわかるスリットが存在する。
【0042】
機器の主要なモジュール、および主要なモジュールがケーシング(18)(
図1)の内部でどのように収容されているかを、
図2で認めることができる。前記モジュールは、以下の通りである。
−第1の流体または基礎流体を含有する基礎流体容器(23)(
図5)から前記第1の流体または前記基礎流体を抽出するための第1のモジュール(1)。
−本明細書で以後わかりやすくするために、引張り機構(2)と呼ぶ、最終混合物を引張り、押し出し、および放出する機構(2)。
−添加物容器(24)(
図8)の第2の流体または添加物流体を抽出するための第2のモジュール(3)。
−分与タブ(35)と接続された、最終混合物を放出するための孔を具備する混合タンク(4)。
【0043】
引張り機構(2)は、混合タンク(4)の内部に配置され、混合タンク(4)は、第2のモジュール(3)に固定される。
【0044】
補完する手法で、混合タンク(4)は、必要であると考えられる場合、洗浄し、消毒することが可能になるように、残りの部分から切り離し、取り出すことができる。
【0045】
完全な機構、ならびにセンサおよびボタンのデータ収集は、基礎流体および添加物流体の量を調整することができるようにする主電子基板により独立に管理される。
【0046】
混合タンク(4)の全区間に沿って移動するピストンのように作動し、さらにまた、添加物容器(24)が機器の中にある間に添加物容器(24)を収容する機能(
図8)を有する引張りシステム(2)の性質を、
図2Aで認めることができる。
【0047】
図3は、軸(8)を通して伝動装置によりモータ(5)の主歯車(7)の回転を引き起こすステップモータ(5)を備える引張り機構(2)の詳細を示す。主歯車(7)のこの回転は、ねじ締めシャフト(10)を通して第2のモジュール(3)(
図2)に固定された引張り要素(9)の歯車の回転を引き起こし、引張り要素(6)のラックと第2のモジュール(3)が係合することを可能にし、その結果、引張り要素が引張り、押し出し、および放出する方向にスライドできるようにする。
【0048】
図4は、軸(8)を通して伝動装置により、今回は引張り方向と反対方向に、モータの主歯車(7)の回転を引き起こすステップモータ(5)の活動により引っ込められた、引張り機構(2)の詳細を示す。主歯車(7)のこの回転は、ねじ締めシャフト(10)によって第2のモジュール(3)に固定された引張り要素の歯車(9)の回転引き起こし、引張り要素(6)のラックと第2のモジュール(3)が係合することを可能にし、その結果、引張り方向と反対方向に引っ込められることができるようにする。
【0049】
図4Aは、軸(8)と主歯車(7)の両方の部分に作成されたせん孔を通る無頭ねじ(11)により主歯車(7)が軸(8)としっかりと固定され、両方の部分の間で完全に一体化した動きを引き起こすことを示す。
【0050】
図5は、基礎流体容器(23)を固定するための、さらにまた圧縮中には持ち上げプラットフォーム(14)の役割を、緩和中には静止プラットフォームの役割を果たすシステムからなる、基礎流体容器(23)から基礎流体を抽出するための第1のモジュール(1)を示す。この動きは、ステップモータ(5)が回転する結果として発生し、ステップモータ(5)の回転は、そのような回転を、持ち上げプラットフォーム(14)にしっかりと固定されたナット(12)に伝達し、回転方向に従って、回転を上方または下方の直線的動きに変換する軸(8)を回転させる。このプラットフォームは、動きを垂直方向の動きに制限し、かつモジュールの基部(17)に固定された2つのガイド(13)で支持される。第2のモジュール(3)を停止させるためのブラケット(15)が存在し、この場合、前記ブラケット(15)はまた、モジュール(1)の基部(17)にしっかりと固定される。最後に、動作サイクルの間、引張り要素の係合および切り離しを担当する、引張り要素(6)の押出し機は固定されて、タンクの圧縮を可能にし、引張り要素は、サイクル終了時に完全に引き出され、放出される。
【0051】
基礎容器(23)の圧縮は、その直上に配置された第2のモジュール(2)に加えられ、さらに、第2のモジュール(2)は、基礎流体が放出される混合タンク(4)と嵌合する。
【0052】
1つまたは複数の基礎流体容器も、1つまたは複数の添加物流体容器も、引張り要素が通過するまで押されたままであり、引張り要素が通過すると、もはや押されない。
【0053】
図6は前記第1のモジュール(1)の分解図を示し、第一のモジュール(1)は、
−基部(17)と、
−基部(17)に固定されたガイド(13)と、
−ステップモータ(5)の回転をプラットフォーム(14)の昇降運動に変換する、軸(8)とナット(12)の動作により、ガイド(13)に沿って垂直方向に移動可能なプラットフォーム(14)と、
−基部プラットフォーム(17)に固定されていて、プラットフォーム(14)を持ち上げる動きを制限するための停止具(15)と、
−タンクが依然として圧縮されているとき、引張り要素(8)が完全に配置され、放出されているときにタンクが圧縮されることができるように、引張り要素(6)をサイクル中に連結し、切り離す部分(16)と、を備える。
【0054】
いわゆる基礎流体を単一の流体に限定する必要はなく、2つ以上の基礎流体容器を配置することができ、基礎流体の各々を、同時に、または独立して管理することができる。
【0055】
図7は、添加物流体(24)を放出し、さらにまた添加物タンク(24)を固定する機能を遂行する混合タンク(4)の昇降プラットフォームと、外部ケーシング(18)(
図1)にしっかりと固定され、添加物タンクを完全に圧縮する添加物停止部(19)とを備える第2のモジュール(3)を示す。前記圧力は、両方のモジュール(13)により共用されるガイドで支持される第1のモジュール(1)が上方へ動く間、第1のモジュール(1)により加えられる。第2のモジュール(3)に対応する昇降プラットフォーム(21)はまた、混合タンク(4)と一体化しているので、引張りシステム(2)の一部分の支持物の役割を果たす。
【0056】
図8は、機器の内部にアクセスして、添加物容器(24)および基礎流体容器(23)を交換する方法を示す。このシステムは、片手を入れて、第1のモジュール(1)に、したがって基礎容器(23)に直接アクセスし、混合タンク(4)を部分的に引っ込めて、垂直方向に添加物容器(24)を交換できるようするのに役立つ前部ドア(20)を備える。
【0057】
図9は、添加物流体容器(24)の正面図、平面図、および横断面図を示す。
【0058】
図9Aは、基礎流体容器(23)の正面図、平面図、および横断面図を示す。
【0059】
図10は、機器のケーシング(18)の上部にある押しボタン(22)(
図1)が押されたときから、混合タンク(4)のディスペンサ(35)の中で最終混合物が得られるまで行われる、活動のシーケンスを示す。
【0060】
最初の位置(T=0)では、引張り機構(2)は、引張り要素(6)を伸展したまま保持し、混合タンク(4)を隔離し、容器は弛緩状態にある。ユーザがボタン(22)を押した後、動作サイクルは、引張り要素(6)を引っ込めることと、容器の圧縮とを備える同期した動きから始まり(T=1)、引張り要素は、完全に引っ込んだ位置に到達し、容器の圧縮(T=2)はまだ始まっていない。引張りシステム(2)は、容器の圧縮が開始する前に、引張り要素を切り離し、すべての流体、すなわち添加物容器(24)から得られる流体および基礎流体容器(23)から得られる流体を、引張り要素(6)の前方の混合タンク(4)中に置くことが可能になる(T=3)。その後、機構は、下方に動き始め、容器の減圧が可能になり、第1のモジュール(1)および第2のモジュール(3)が互いから分離し始める前に、引張りシステム(2)は、引張り要素(6)に再度係合し、すべての流体を混合タンク(4)の外に押し出す(T=4)。サイクルの最後の部分として、引張り要素(6)は、混合タンク(4)の孔を通してすべての流体を押し出し、分与する目的で配置されたディスペンサ(35)の中に混合物を放出し、その間、引張り要素(6)が完全に伸展して、容器が完全に弛緩し、開始点(T=6=0)に到達するまで、第1のモジュール(1)および第2のモジュール(3)が下方の動きを継続する(T=5)。
【0061】
図11は、混合タンク(4)の構造上の特徴を示す。混合タンク(4)は、一方の端部に引張り要素(6)が動くための、および対向する端部に最終混合物の出口のための平行六面体形状の開口、ならびに混合物が作成される、画定された内部空間(33)を有する。混合タンク(4)の上部は、添加物流体容器からの入口ごとに少なくとも1つの孔(32)を備えるのに対して、基礎流体容器(23)については、同じく少なくとも1つの基礎流体容器(23)から少なくとも1つの基礎流体が入るための少なくとも1つの孔(34)を特色としている。最後に、混合タンク(4)の上部は、その後部に、混合タンク(4)が抽出されるときに支持物の役割を果たす2つの延長部分を特色としており、添加物容器(24)を交換することを可能にする。
【0062】
流体用の入口孔を通して混合タンク(4)内部で混合される流体用の入口の場所は、入口孔が流体容器と一致するような場所にある。
【0063】
混合タンク(4)全体にわたる区域は、一定しており、適合許容範囲を除いて、上述のピストンタイプの引張り力を働かせるために引張り要素(6)の区域と一致する。混合タンクおよび分与タブ(35)の隣接する壁は、最終的に混合される流体を、よりよく混合および放出することができるようにする凹状の形状を有する。
【0064】
図12は、データを取り込み、情報を管理し、動作および情報の信号をユーザに出力することができるようにする、機器内の電子的要素の分布を示す。
【0065】
システムの4つの電子構成要素について記述する。基礎流体プラットフォーム(14)上で第1のモジュール(1)の中に埋め込まれた下部に、混合タンク内で利用可能な流体液位を測定する基礎流体液位センサ基板(25)がある。第2のモジュール(3)の添加物停止部(19)(
図7)の中に埋め込まれた添加物流体液位測定基板(26)は、添加物ごとに同じ機能を遂行する。電池の充電を管理することに加えて、センサ基板から得られるすべての情報を管理し、インジケータLED(29)によってユーザに通知することを担当するシステムの主基板(27)は、機器の上部に位置し、有効成分センサ基板と同じ部分にしっかりと固定されている。最後に、さらにまた同じ添加物停止部(19)にしっかりと固定されているのが、システム電池(28)であり、システム電池(28)の形状および性質は、
図12に示す実施形態に限定されないが、
図12に示す実施形態は、好ましい実施形態である。電池は、主基板を始めとして電子システムすべてに電力を供給することを担当しており、主基板(27)内に位置するマイクロUSBコネクタ(36)(
図14)を通して充電されることができ、この場合、このコネクタはまた、好ましいが、これに限定されるわけではない。
【0066】
図13は、基礎流体容器液位センサ基板(25)と添加物容器液位センサ基板(26)の両方の動作を示す。図示する場合では、基礎流体センサ基板(25)が認められる。前記基礎流体センサ基板(25)の中には、サイクルを開始する前に、反対側にあるフォトレジスタ(30)により取り込まれる光信号を放射する、特定の方向に向けられたLED放出体(31)が存在し、流体液位に応じて、前記信号は、所与の強度で、または容器内の液位を示す別の強度で到達する。
【0067】
図14は、インジケータLED(29)、容量性ボタン(22)、およびマイクロUSB(36)が位置する、ケーシング(18)の上面にあるシステムの主基板(27)内の構成要素の分布を示す。
【0068】
全体的動作およびユーザ指示に関して考えられる事例について、以下で詳細に記述する。
・インジケータLED(29):これらのLEDは、4段階(2色:赤色/白色)で各無気容器の添加物/基礎流体の量を示す:
−白色LEDオン:すべての生成物が十分にあり、すべてが適切に作動している。
−白色LED点滅:容器が空になりかけている。
−赤色LEDオン:生成物が空になった、または基礎流体の場合、基礎流体が空になった、または容器がない。
−LEDオフ:添加物容器が導入されていない。基礎容器の場合、この状態は発生する可能性はなく、この状況では基礎流体の赤色インジケータLEDもオンに切り替わる。
・電池(2色:赤色/白色):
−LEDオフ:電池は、適切に作動するように、十分に充電されている。
−赤色LEDオン:作動するには不十分な電池である。
−赤色LED点滅:電池が切れかかっている、機器を充電しなければならない。
−白色LED点滅:充電中であり、電流に接続されている。
−白色LED点灯:100%充電済みであり、電流に接続されている。
【0069】
本発明の性質だけではなく実施する手法についても十分に記述したので、本発明の本質的特徴の範囲内で、本発明は、例によって示した実施形態と詳細が異なる、本発明の基本原理が改変されていない、変更されていない、または修正されていないという前提で考えられる保護の範囲に同様に入る他の実施形態で実行するために実施し得ることが本明細書により明言される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ケーシングまたは筐体(18)を備える流体混合機器であって、
−少なくとも1つの容器(23)に含有される少なくとも1つの第1の流体を抽出するための第1のモジュール(1)と、
−引張り、押し出し、放出する機構(2)と、
−1つまたは複数の添加物容器(24)から1つもしくは複数の第2の流体または添加物流体を抽出するための第2のモジュール(3)と、
−最終混合物を放出するための孔を具備する混合タンク(4)と、
−電池で動く電子制御基板(27)と
を内部に備え、
前記引張り機構(2)は、前記混合タンク(4)の内部に配置され、前記混合タンク(4)は、前記第1のモジュール(1)と前記第2のモジュール(3)の間に位置し、1度だけ押した後に、前記機器の制御により流体の混合物の使用と獲得が可能になる ことを特徴とする流体混合機器。
【請求項2】
前記第1のモジュールは、前記機器の下部に位置するのに対して、前記第2のモジュールは、前記機器の上部に位置することを特徴とする、請求項1に記載の流体混合機器。
【請求項3】
前記引張り機構は、軸(8)によって主歯車(7)に関連づけられたステップモータ(5)を備え、前記主歯車(7)は、ねじ締めシャフト(10)によって前記第2のモジュール(3)に固定された引張り要素(6)の歯車(9)に係合し、前記引張り要素(6)のラックに前記第2のモジュール(3)が係合することができるようにし、その結果、前記引張り要素(6)が、引張り、押し出し、放出する方向にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項1または2に記載の流体混合機器。
【請求項4】
前記第1のモジュール(1)は、
−基部(17)と、
−前記基部(17)に固定されたガイド(13)と、
−前記ステップモータ(5)の回転をプラットフォーム(14)の昇降運動に変換する、軸(8)と台形ナット(12)の動作により、ガイド(13)に沿って垂直方向に移動可能な前記プラットフォーム(14)と、
−前記基部プラットフォーム(17)に固定されていて、前記プラットフォーム(14)を持ち上げる前記動きを制限するための停止具(15)と、
−前記タンクが依然として圧縮されているとき、前記引張り要素(6)が完全に配置され、放出されるときに前記タンクが圧縮されることができるように、サイクル中に前記引張り要素(6)を連結し、切り離す部分(16)と、
を備えることを特徴とする、請求項3に記載の流体混合機器。
【請求項5】
前記添加物流体(24)を放出するための第2のモジュール(3)は、
−さらにまた添加物タンク(24)を固定する機能を遂行する、前記混合タンク(4)の昇降プラットフォーム(21)と、
−前記添加物タンクを圧縮させる、前記外部ケーシング(18)にしっかりと固定された添加物停止部(19)と、
を備え、
前記第2のモジュール(3)に対応する前記昇降プラットフォーム(21)はまた、前記混合タンク(4)と一体化しているので、前記引張りシステム(2)の一部分のための支持物の役割を果たすことを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項6】
前記混合タンク(4)は、一方の端部に前記引張り要素(6)が動くための、および対向する端部に前記最終混合物の出口のために開いた平行六面体形状と、ならびに前記混合物が作成される、画定された内部空間を有し、前記混合タンク(4)の前記上部の中に、前記混合タンク(4)は、前記添加物流体容器からの入口ごとに少なくとも1つの開口部(32)を備えるのに対して、前記基礎流体容器(32)については、同じく少なくとも1つの基礎流体容器(23)から少なくとも1つの基礎流体が入るための少なくとも1つの開口部(34)を特色としていることを特徴とする、請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項7】
前記ケーシングは、前記添加物流体および前記基礎流体の量だけではなく、前記電池の状態も示す、一連のインジケータLEDを具備し、さらにまた、容量性作動ボタン(22)、および前記内部にアクセスするためのドア(20)だけではなく、前記ドア(20)を通して現れる前記最終混合物のディスペンサも特色としていることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項8】
−前記タンク内で利用可能な流体液位を測定する基礎流体液位センサ基板(25)と、
−前記添加物停止部(19)の中に埋め込まれた添加物流体液位測定基板(26)と、 を備えることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項9】
前記液位センサ基板の各々は、LED放出体(31)と、前記LED放出体(31)の方を向いて配置されたフォトレジスタ(30)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載の流体混合機器。
【請求項10】
前記主制御基板(27)は、前記基板に電力を供給するためのマイクロUSBコネクタ(36)を特色としていることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項11】
前記混合タンク(4)を前記機器から取り外すことができることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項12】
化粧品部門で使用されることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【請求項13】
無気タイプの容器を使用することを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の流体混合機器。
【国際調査報告】